目覚まし時計の音で少し目が覚める

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mioazu

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目覚まし時計の音で少し目が覚める
でもまだ起きたくないそんな気分だ

もう一度寝てしまおうか
そう思っているとノックとともに私の部屋の扉が開かれた

澪「ほら梓、もう朝だぞ」

この綺麗な声の主、それは私のお姉ちゃんである

澪「まったく‥梓は何時までたってもお寝坊さんだなぁ」

少し呆れた風に言うとカーテンを開け始める
私の部屋に朝日が射し込んだ 眩しいよ

澪「ほら、今日もいい天気だ」

梓「んん~‥」

耐えられなくなった私は布団を頭から被り直す

澪「梓、早く起きないとせっかくの朝ごはんが冷めちゃうだろう」

枕元でお姉ちゃんがつぶやく でも私は食い気より眠気なのだ
それでもお姉ちゃんは無理やり布団を引っぺがすこともなく少しため息をついた

私が狸寝入りを決め込んで少ししてから周りが急に静かになった
やっとお姉ちゃんも諦めて出て行ったのだろう そう思い頭を入り口の方に向きなおした

するとそこには私のベットにもたれながら寝息を立てている美人の姿があったのだ

梓「お‥お姉ちゃん‥‥」

普通起こしにきたついでに自分まで寝てしまうだろうか
半ば呆れつつも、その寝顔に見入っていた私がそこにいた

梓(‥‥綺麗だな‥)

姉妹のはずなのにスタイルを始とするこの違いは何なのだろう
たまにそんなことを考えてしまう 別に嫉妬とかではない

嫉妬でなければなんだろう さっきから胸のところがモヤモヤする
どうすれば解消されるのだろう そう考える内に私の顔はお姉ちゃんに急接近していた

梓(私の前で無防備になるお姉ちゃんが悪いんだからね‥)

あと少し‥もう少しで‥届く
そう思った瞬間に私の奮闘も虚しく ターゲットの目はパッチリと見開いたのだった

驚いた私は思わず布団に潜り直す

澪「ふぁ~‥ついつい私まで寝ちゃってたよ~ ってほら、梓もう起きてるんだろ?」

梓「ぶぅ‥」

一応返事のつもり でも今の私は少し不機嫌だった
あとちょっとで奪えたのに そう思うと悔しくて仕方なかった




澪「なら早く布団から出てこ

梓「やだっ‥」

澪「あ、梓?」

私の口から出たのはどうしようもないワガママ 
自分でも思う こんなにお姉ちゃん困らせてどうするんだと

澪「はぁ‥‥もう、だったらどうすればいいんだ?」

困り果てた姉の顔に、布団から半分顔を出した私はさらなる追い討ちをかけていた

梓「‥‥じゃあ、お姉ちゃんが目覚めのチューしてくれたら起きたげる」

起きたくないので苦し紛れな要求
ほんの冗談のつもりとはいえ 何を言ってるんだろう私

でもお姉ちゃんの呆気に取られた顔はちょっと傑作だった
そんな顔を見てるとついついイジめたくなってしまう

とりあえずするなら早くしてといわんばかりに目をつぶってみる

でも結果は分かってる いくら冗談とはいえ妹にチューなんて
お姉ちゃんの性格上出来る訳がないのだ

そう高を括ってあの困り顔をもう一度見てやろうと目を見開こうとした瞬間


気づいたら私の唇はあったかくて柔らかいもので塞がれていた

梓「んぅ‥‥はぁっ‥」

一瞬頭の中が真っ白になる まさか そんな そう思いながら

ああ でも 柔らかい すごくいい匂いがする 


澪「じゃあ私は先に下降りてるからな そろそろちゃんと起きて来いよ」

そう言い残すと何食わぬ表情でお姉ちゃんは部屋を後にした

‥コレ もしかして夢?

お姉ちゃんに奪われちゃった ファーストキス 

しかもあっさりと もしかして私はそういう対象とは見られて無いのだろうか

またしても少し悔しいような気分になった でも‥


さすがにこれ以上お姉ちゃんを困らせるわけにもいかない
そろそろ起きなきゃ

この顔の火照りがおさまってから

おわり
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