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温かい感触。
澪先輩が側にいる。温かい。
先輩の体温を感じる・・・。

「梓・・・」

ウトウトとまどろんでいた意識は、先輩の声によって現実に引き戻された。

「う・・・ん・・・おはようございます、澪先輩。」
目を覚ますと澪先輩の柔らかな笑顔。
そして・・・。

「?・・・きゃっ!」

先輩の姿を見て思わず小さく悲鳴をあげた。ベッドの上。
白いシーツに包まれた澪先輩が何も着てなかったから。
      • それに、私も。

「何を今更驚いているんだ、梓?」
隣で澪先輩がくすっと笑う。

「昨日、梓からあんなに・・・むぐっ」
「わっ、わっ・・・わかってますっ!思い出しましたっ!」
私は慌てて澪先輩の口を塞いだ。
もう私は朝から顔が真っ赤になっているに違いない。

「ぷはっ・・・ごめん。」
澪先輩は私の手をぎゅっと握り、塞いだ口を自由にした。

「梓・・・」
澪先輩の声。私の耳の側で先輩が囁く。

「ありがとう」

そう言って、先輩は私の口にそっとキスをする。

「せんぱい・・・?」
ありがとう・・・?

「さてと・・・そろそろ起きないとな。」
澪先輩はベッドから体を起こすと手近にかけていた服を着て部屋のドアを開けた。

「梓も早く支度してきなよ。」
振り返り際、優しく笑って澪先輩はドアを閉めた。

「あっ、はい・・・わかりました。」
慌てて返事をした。多分、先輩にはもう聞こえてなかっただろうけど。

「・・・?」
さっきの澪先輩の言葉・・・ありがとうってどういう意味だろう・・・?
少し考えてみたけど、起き抜けにいい考えは浮ばなかった。

「・・・私も、そろそろいかなくっちゃ。」




(ありがとう、梓。)

軽音部のただの先輩後輩という関係から殻を破ってくれて。
姉と妹の様な関係から殻を破ってくれて。それは付かず離れずの心地の良い距離。

でも・・・もっと心地の良い、恋人という距離に。
側にいてくれて、本当にありがとう。

「梓・・・ちょっと意味が分かってなかったかな?」
澪はドアを後目にくすりと笑った。

(FIN)