いつもの朝。緩やかに目が覚める。
上体を起こし軽く伸びをしてからベッドを出て、閉まっているカーテンを開くとまばゆい朝の陽射しが部屋に流れこみ残っていた眠気を払拭することが出来た。
上体を起こし軽く伸びをしてからベッドを出て、閉まっているカーテンを開くとまばゆい朝の陽射しが部屋に流れこみ残っていた眠気を払拭することが出来た。
とその時、部屋をノックする音が。
「みおおねーちゃん、おきてる・・・?」
「?・・・ああ、今起きたところ。入ってきていいよ」
「?・・・ああ、今起きたところ。入ってきていいよ」
ガチャリと部屋のドアが開き、入ってきたのが私の自慢の妹である梓。
何かと恥ずかしがり屋で引っ込み思案な私にとって、しっかり者で強気な性格である梓は私にとってはとても頼もしい。
体が一般の女性に比べると小さい事を本人は気にしているが、そんな所はまた可愛いと思ったり。
体が一般の女性に比べると小さい事を本人は気にしているが、そんな所はまた可愛いと思ったり。
「今日は休みなのに随分と早いんだな、梓。いつも休みの日はまだ眠ってる時間じゃないか」
「だって・・・たまたまだけど、はやくめがさめたからぁ・・・たまにはわたしからおねーちゃんをおこしてあげたくて・・・ふわぁ」
「む」
「だって・・・たまたまだけど、はやくめがさめたからぁ・・・たまにはわたしからおねーちゃんをおこしてあげたくて・・・ふわぁ」
「む」
どうも梓、まだ半分夢の中にいるのか呂律が微妙に回っていない。
自分がまだ起ききれてないのに無理して起こしにきても私は嬉しくないし何より本末転倒だぞ・・・って!
自分がまだ起ききれてないのに無理して起こしにきても私は嬉しくないし何より本末転倒だぞ・・・って!
「ふにゅう・・・」
「わわっ危ない梓!」
「わわっ危ない梓!」
完全に夢の中に落ちそうになったか、前のめりに倒れかける梓を何とか受け止める。
「もう全く、自分が起きれてないのに人を起こしにくるなんて・・・って梓?」
と、梓の腕が私の背中に回りなんだかぎゅーっと抱きしめられてるような?
「おねーちゃん、あったくってやわらかーい・・・きもちいい・・・」
「おいこらっ、寝ぼけてるのか梓っ!?はーなーせー!」
「おいこらっ、寝ぼけてるのか梓っ!?はーなーせー!」
私の胸に顔をうずめて恍惚感に浸るような、何とも幸せそうな顔をしているこの妹。姉としてはどこか嬉しくない訳でもないがこれでは身動きが取れない。
ああもう、こうなったら多少無理にでも目を覚まさせてやらないと。
「梓」
「ふにゃ・・・?」
「離れないなら、組み伏せてキスしちゃうぞ」
「にゃ?・・・?!!」
「ふにゃ・・・?」
「離れないなら、組み伏せてキスしちゃうぞ」
「にゃ?・・・?!!」
途端、梓は顔を真っ赤にしながらばっと後ろに飛びずさった。
「なっ!?なななな何を言ってるのお姉ちゃん!?この上なく嬉し・・・いや姉妹でそんなっ!・・・って、あれ?」
「・・・やっと目が覚めたな梓」
「・・・やっと目が覚めたな梓」
顔を真っ赤にしながらもようやく目が覚めてくれたのはいいが、こっちだって首から下には血が残っていないというぐらいに顔が真っ赤になってる。
「な、何で私、朝からお姉ちゃんの部屋にいるの!?」
「おい・・・まさか覚えてないのか?」
「え、え、ええええええ!?そ、そんな、でも私達は姉妹でっ」
「むむ」
「おい・・・まさか覚えてないのか?」
「え、え、ええええええ!?そ、そんな、でも私達は姉妹でっ」
「むむ」
梓の奴、どうにも何か壮大な勘違いをしているような・・・。
「あのな、梓は今寝ぼけた状態で私の部屋にきたんだぞ。全く・・・」
「え・・・あ、そういえばさっき一回、目が覚めたんだけどそれからどうしたかよく・・・
でも、何だかとても暖かくて柔らかい感触があったような」
「そ、それは多分夢の中の出来事だろ」
「そうなのかな、うーん・・・」
「え・・・あ、そういえばさっき一回、目が覚めたんだけどそれからどうしたかよく・・・
でも、何だかとても暖かくて柔らかい感触があったような」
「そ、それは多分夢の中の出来事だろ」
「そうなのかな、うーん・・・」
少々残念に思えなくもないが、本人がよく覚えていないならそれはそれでまあ深く追求せずに何とかはぐらかしておこう。
「ほら、起きたなら髪とかしてあげるから行くぞ」
「う、うん」
「う、うん」
梓の手を取り、自室を出る。そんな中で。
―あんなふうに梓に抱きしめられるのも悪くないけど。
今度は私の方からぎゅーっと抱きしめてあげよう、なんて思ったりもした――。
今度は私の方からぎゅーっと抱きしめてあげよう、なんて思ったりもした――。
(FIN)