小論文の書き方・練習法

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小論文の書き方・練習法」(2011/03/02 (水) 23:06:54) の最新版変更点

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 いろいろな機会に小論文を書くことがあります。先日、大学のオープンキャンパスがあり、もうじき公募推薦の試験ですから、この時期に訪れる高校生はたいてい推薦入試の受験者で、小論文の書き方を教えてくださいといいます。大学側も、わざわざ小論文の書き方講座を設定していて、親切な対応をしています。その資料があとで配布されたが、教育学部のある先生が行なったもので、丁寧な注意ポイントがたくさん書かれています。それをきちんと守れば、いい小論文がかけそうです。  しかし、そういうわけにはいきません。ルールをしっかり頭にいれれば、スポーツでいい結果を残せるわけではないのと同じです。何を注意しなければいけないかということと、実際にいい小論文を書けることとの間には、かなり遠い距離があるのです。スポーツで勝つためには、ルールを知っていることはもちろんですが、そのスポーツの技術が高いことが必要です。小論文でも同じことで、スポーツで上手になる為に必要なことと、小論文を上手に書けるようになるために必要なことは、けっこう似ています。  高校の先生はたいてい、「起承転結」が必要だというようなことを生徒に教えるようです。そして、主張を明確にし、具体例を書き、できたら、その具体例は自分に則したことがいい。メリハリが効いた文章を書くことが大切だ。等々。  教育学部の先生が行なった指導プリントには、更に、こんなことはやってはいけないという禁止事項も大分でていました。  しかし、どうしたらそういう文章が書けるようになるのか、スポーツでいえばどんな練習をすればいいのか、そういうことは、あまり教えてくれません。文章を書く上で大切なことを整理しておきましょう。 (1)自分で推敲する習慣を身につけ、自分なりの「よい文章」感覚を身につけること。  これがアルファでありオメガであるといえます。文章のスタイルは各人各様であってよいと思います。誰かにみて貰うことは大切ですが、最終的には自分で判断することになります。書いた文章は必ず推敲する習慣を身につけ、自分で判断できる力をつけることが大切です。 (2)文章の要素を意識しよう。  やってきた高校生は、テニスをしていると言っていました。そこで、「テニスには、ボレーとか、サーブ、サーブレシーブ、グランドストローク」などの基本技がある。それを別々の練習として、繰り返し行なうように、文章を書くときにも、同じことが言えるのです。 ・主題 何について書くのか ・主張 その主題について自分の考え ・具体例 自分の考えを説明する例 ・自分以外の主張とその例  このような要素を並べて、筋道たてるのが「論理」です。論理は「流れ」がありますから、うまく流れているかの識別も必要です。 (3)要素を構成して、全体の構造を明確にする。  これが上手になるための有効な方法はいくつかあります。 1 字数を変えて書く。  文章というのは、それぞれの要素だけではなく、その組み合わせ、流れが大切なのです。要素から組み合わせに発展する練習するためには、字数を変えて書くことが有効なのです。100字~200字くらいだと、主張だけになります。ですから、200字以内程度で主張だけを書きます。もちろん、それも明確になるまでじっくりと書きます。  次に、500字程度の文章を書きます。そこに具体例を盛り込むわけです。500字程度だと、主張とそれを裏付ける具体例という単純な構成になります。  そして、次第に字数を増やして、対立する論点を紹介したり、その批判をしたりする文章を書きますが、このときには、求められる字数の2倍から3倍程度書くことが有効です。  そして、それを規定の字数まで縮めるのです。  これを一々やるのが面倒な場合は、主張だけの100字を書き、次にできるだけたくさん思いつくことを書きつくし、あとで縮めるという方法です。 2 順番を変えてみる。  文章は普通段落分けをして書くと思いますが、まとまりのある段落に「見出し」をつけることがとても有効です。見出しは、「要約」的なものがよいのです。  そして、見出しをつけた「まとまり」の順番を変えたバージョンをいくつかつくってみることです。文章には、最初に問題提起をして、次に論証、最後に結論という型や、いきなり簡単な問題提起に対して、自分の結論を書き、それから具体的なことを書くという型など、いろいろあります。展開の仕方が変わりますが、順番を変えて、複数の文章を書いてみると、どういう流れがうまく伝わりやすいかを考えることができます。  以上のようなことを、日常的に行っていると、確実に文章能力は向上していきます。教師は特に日常的に文章を書く必要があるだけではなく、生徒の文章を直すという重要な役割があります。だから、「よい文章」にする能力は不可欠なのです。頑張りましょう。
 いろいろな機会に小論文を書くことがあります。先日、大学のオープンキャンパスがあり、もうじき公募推薦の試験ですから、この時期に訪れる高校生はたいてい推薦入試の受験者で、小論文の書き方を教えてくださいといいます。大学側も、わざわざ小論文の書き方講座を設定していて、親切な対応をしています。その資料があとで配布されたが、教育学部のある先生が行なったもので、丁寧な注意ポイントがたくさん書かれています。それをきちんと守れば、いい小論文がかけそうです。  しかし、そういうわけにはいきません。ルールをしっかり頭にいれれば、スポーツでいい結果を残せるわけではないのと同じです。何を注意しなければいけないかということと、実際にいい小論文を書けることとの間には、かなり遠い距離があるのです。スポーツで勝つためには、ルールを知っていることはもちろんですが、そのスポーツの技術が高いことが必要です。小論文でも同じことで、スポーツで上手になる為に必要なことと、小論文を上手に書けるようになるために必要なことは、けっこう似ています。  高校の先生はたいてい、「起承転結」が必要だというようなことを生徒に教えるようです。そして、主張を明確にし、具体例を書き、できたら、その具体例は自分に則したことがいい。メリハリが効いた文章を書くことが大切だ。等々。  教育学部の先生が行なった指導プリントには、更に、こんなことはやってはいけないという禁止事項も大分でていました。  しかし、どうしたらそういう文章が書けるようになるのか、スポーツでいえばどんな練習をすればいいのか、そういうことは、あまり教えてくれません。文章を書く上で大切なことを整理しておきましょう。 (1)自分で推敲する習慣を身につけ、自分なりの「よい文章」感覚を身につけること。  これがアルファでありオメガであるといえます。文章のスタイルは各人各様であってよいと思います。誰かにみて貰うことは大切ですが、最終的には自分で判断することになります。書いた文章は必ず推敲する習慣を身につけ、自分で判断できる力をつけることが大切です。 (2)文章の要素を意識しよう。  やってきた高校生は、テニスをしていると言っていました。そこで、「テニスには、ボレーとか、サーブ、サーブレシーブ、グランドストローク」などの基本技がある。それを別々の練習として、繰り返し行なうように、文章を書くときにも、同じことが言えるのです。 ・主題 何について書くのか ・主張 その主題について自分の考え ・具体例 自分の考えを説明する例 ・自分以外の主張とその例  このような要素を並べて、筋道たてるのが「論理」です。論理は「流れ」がありますから、うまく流れているかの識別も必要です。 (3)要素を構成して、全体の構造を明確にする。  これが上手になるための有効な方法はいくつかあります。 1 字数を変えて書く。  文章というのは、それぞれの要素だけではなく、その組み合わせ、流れが大切なのです。要素から組み合わせに発展する練習するためには、字数を変えて書くことが有効なのです。100字~200字くらいだと、主張だけになります。ですから、200字以内程度で主張だけを書きます。もちろん、それも明確になるまでじっくりと書きます。  次に、500字程度の文章を書きます。そこに具体例を盛り込むわけです。500字程度だと、主張とそれを裏付ける具体例という単純な構成になります。  そして、次第に字数を増やして、対立する論点を紹介したり、その批判をしたりする文章を書きますが、このときには、求められる字数の2倍から3倍程度書くことが有効です。  そして、それを規定の字数まで縮めるのです。  これを一々やるのが面倒な場合は、主張だけの100字を書き、次にできるだけたくさん思いつくことを書きつくし、あとで縮めるという方法です。 2 順番を変えてみる。  文章は普通段落分けをして書くと思いますが、まとまりのある段落に「見出し」をつけることがとても有効です。見出しは、「要約」的なものがよいのです。  そして、見出しをつけた「まとまり」の順番を変えたバージョンをいくつかつくってみることです。文章には、最初に問題提起をして、次に論証、最後に結論という型や、いきなり簡単な問題提起に対して、自分の結論を書き、それから具体的なことを書くという型など、いろいろあります。展開の仕方が変わりますが、順番を変えて、複数の文章を書いてみると、どういう流れがうまく伝わりやすいかを考えることができます。  以上のようなことを、日常的に行っていると、確実に文章能力は向上していきます。教師は特に日常的に文章を書く必要があるだけではなく、生徒の文章を直すという重要な役割があります。だから、「よい文章」にする能力は不可欠なのです。頑張りましょう。(わけい)

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