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教室の扉を開けると、いつもと変わらぬ景色が見えた。
唯一違うことといえば、皆同様に黒い筒を持っていて
胸には造花のワッペンが飾られていることだろう。
僕は教壇に立ち、皆に言う。
「卒業、おめでとう」
僕は校庭を出て行く生徒たちを六年三組の教室から見送った。
あ、丸井家の三姉妹が見える。
ふたばちゃんが、僕に気づいて大きく手を振る。
みつばちゃんは、僕に向ってあかんべーをしていて、
ひとはちゃんは、小さく手を上げる。
その後、三人はいつも通り、校門をくぐり抜けていく。
誰もいなくなった教室を見渡すと、
黒板にはチョークでびっしりと文字が書かれていた。
「はやく童貞捨てなさいよね」
「先生大好きっす」
「また、ガチレンごっこしましょう」
一人一人の生徒たちが、僕に手紙を宛てていた。
そこで、僕は初めて泣いた。
校庭に夕日がおちて、手を振って家に帰る。
ベッドの中でまた今夜。今日の君に逢えたらいいな。