えぴろーぐ、ってなにっスか?
しんちゃんとはず~~~っと一緒っス!!



~~~~~~~~~~



ピッ

[今週のニュースTOP10!!第10位は――]

ガサガサ バリン ボリボリボリ

「んで?どーだったの?」
「スタッフの人が富士見さんの変質的ファンで、週刊誌を見て裏切られたって勝手に思い込んでの犯行。
飛行船の方は、近くの大学が実験してたもの。
たまたま、研究室の新人さんが実験用のおもりを載せ忘れてて、
さらにたまたま、あの近くのビルで強力接着剤がかかって、
そのまたさらにたまたま、ビル風の無風地帯まで流されてて、
最後にたまたま、しんちゃんが飛びついて軌道が変わった先に飛んでたんだって。
世の中、そんな偶然もあるんだね」 「先生とTVを見てたときはびっくりしたけど、あの二人ならそんなものかもね」

バリボリバリボリバリボリ

「んで?どーなったの?」
「犯人は当然お縄。
……といっても結局大きな被害は無かったし、すごく反省してるから、大した刑にはならないらしいよ。
ま、TV局としては、アレですごい視聴率を取れたってのもあるんだろうけど、ね…。
ふたばとしんちゃんは…」

[第4位はこのニュース!女子陸上のアイドル、丸井ふたばさんの婚約会見!
お相手はもちろん、先週話題になったあのヒーロー。小さな頃からずっと一緒だった幼馴染!素敵ですねぇ~。
さて、第3位は―――]

「これも当然だよね。全国生中継であんな大アクション見せた上に、映画みたいなプロポーズしちゃったんだから。
陸上連の人達も大人しくなったみたいだよ。
ていうか、アレでもまだ口を出せると思うようなら、空気読めなさ過ぎで社会生活不適応だよ。
宮内さんみたいに」

バリンボリン

「んで?どーなんの?」
「元に戻るよ。
もうこないだまでみたいな、ストーカーまがいの芸能記者たちはいなくなった。
一般人と婚約した陸上選手なんて、多少アイドル性があっても芸能的には話題にならないからね」 「やっと先生とお出かけ出来る」むふぅ

[そして1位はもちろん!和田アキ ピッ 今日のにゃんこ。今日紹介するのは――]

「ふたばもこれまで通りに陸上を続けていくって。
ただこれからは、真剣に自分の走りを取材してくれるところだけを相手にするんだって。
これについても陸上連は大人しくなったし、監督さんも今度こそふたばをしっかり守るって約束してくれたよ。
…でも、知名度自体はすごく上がったからね。相手を選んでも、そこそこの数になると思うよ。
それでもふたばは頑張りたいって。
……家計の事なんて心配する必要ないんだから無理しないで、って言ったんだけどね…。
やっぱり心配だよ…」

ボリボリボリボリボリ

「……………そ。
んで?どーしてんの?」
「いつも通りだよ」

ムシャコラムシャコラムシャコラムシャコラ

「ああ…、いつも通り、ね。
まったく。あんなに走り回ったくせに、おんなじとこグルグルしてただけで、ほとんど変わんなかったじゃない。
どうせまたそのうち『俺はダメな犬だ~』とか言ってグダグダするわよ。
ほんっと、めんどい奴ねぇ。
………。
ま、つまりぃ?あの変態が私の義弟になるっていう、おぞましい未来は変わんなかった、って事ね。
あ~っ、サイアク!」
「みっちゃん、ニヤニヤして気持ち悪いよ。
あと、どれだけおせんべい食べる気なの?お昼待てないの?
やっぱり雌豚だね」

「~~!!ー!」

「…。……?」

「~ーーー~!?」


「………」



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――――――――――


「がんばれー!しんちゃーん!!」

今日はサッカー部の練習試合。
しんちゃんは初めて、自分が出るから見に来て欲しい、って言ってくれた。
これもしんちゃんの『こんやくしゃ』になれたおかげだろう。
えへへぇ~。
小生、昨日は楽しみでなかなか眠れなかったっス!

「いけー!」

サッカーに触れるしんちゃんは、楽しそうで、真剣で、格好いい。
昨日電車でお話したときも格好よかったな~!

『決めたんだ、大好きだから全力で頑張るって。後悔しないよう、いつも全部を出し切ろうって。
…そう思える目標がある俺は、世界一幸せだよ』

…――だって!
…あのときのしんちゃんの笑顔……。
うえっへへぇ~。
あぁ~っ、ダメっス。こんなに格好いいしんちゃんが小生の『こんやくしゃ』だなんて、嬉しすぎてニヤニヤがこぼれちゃうっス!

「あ~っ、おしいっス~。まけるなーー!!」ピョンピョン
小生が跳ぶのに合わせて、頭の上で結った髪が揺れる。
うん!やっぱりこのほうが高く跳べる!!

小生はあの日からずっとこの髪形だ。
もちろん、いつもしんちゃんの髪留めを使ってる。

しんちゃんに想いを伝えて分かった。
目標のために頑張るのはとっても大事だけど、小生らしくなくちゃダメなんだって。
しんちゃんがサッカーをする姿を見て分かった。
小生らしく、小生の『好き』を全部出せるカタチで走らなくちゃダメなんだって。
『全力』でなくっちゃ、しんちゃんみたいに格好よくなれないんだって。
TVの人に来てもらうために走るんじゃないんだ。
小生が『全力』で走って、それが誰かの目に留まる事が大切なんだ!

全力で頑張らなくちゃ、しんちゃんに届かない。
全力で頑張らなくちゃ、ひとはに届けられない!

「がんばれー!小生のおべんとうがまってるっスよーー!!」
……量を失敗して、またちょっと作り過ぎちゃったけど…。

でも、昔よりは良くなった。
ひとはにも『家のお昼にもすればちょうどいいよ』って笑顔で言ってもらえた。
うん!次は失敗しないよう、もっともっと頑張ろう!!

ゴール前、しんちゃんが高く跳んでヘディングシュート!
「やった!!しんちゃんかっこいーーー!さっすが小生のこんやくしゃっスーー!!!」

ゴールを決めたしんちゃんのところへ、チームのみんなが集まって背中を叩き始めた。
…あれは確か、お祝いなんだよね!
わわっ!相手のチームまでしんちゃんをお祝いし始めた!
やっぱりしんちゃんはすごい!大人気だ!!


「おい!お前ら本気で殴ってるだろ!?
いてっ!マジで痛ぇって!!スパイクで蹴るな!!ただのリンチだろこれ!!
ふたばぁー!ちょっ、笑ってないで助けてくれ!!」

ボカスカボカスカ



「ふたばー!おーーい!!」



しんちゃんが呼んでくれる。
いつも通り、しんちゃんがくれる。
だから小生は全力でお返しするんだ!今日も、明日も、ず~~~~っと!!



「しんちゃーーん!!!だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいすき!!!!」



<「太陽が好きだ」と、君は言う>

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最終更新:2011年02月26日 08:08