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「あれ?今日三女は?休み?」

「まあね。なんだか具合が悪いんだってさ。
きっとこっそり自分だけ何か変な物つまみ食いでもしたのよ!自業自得!いいきみ!」

(つまみ食いって…食い物の事で何かあるのはおまえの専売特許だろ!
姉妹のくせに三女の何を理解してそういう憶測を…ありえんだろ、三女がつまみ食いって。)

「ああ…みつばって馬鹿だよな…。」
「宮ちゃん?みつばちゃんが何って?」
「い、いや!まてよ?学校での態度とは裏腹に、
もしかしたら家での三女はつまみ食いとかそういうことをするおちゃめな子なのかもしれない…」ブツブツ…

(宮ちゃんが独りで何かぶつぶつ言ってる…>Δ<)

「み、宮ちゃん!そ、そういえば昨日の三女さん原作のふたばちゃんの漫画、すごかったね///
短かったけど超ラブラブロマンスだったよ!」
「あ、あのふたばの漫画? 少女趣味なガチレンジャーのパロディーといった感じだったな。
あれは三女一流のギャグなのか?」
「違うよー宮ちゃん!><ラブストーリー全開の本格恋愛ものだよ!///」
「そうか?でもガチレンジャーのパロディーにしちゃもう一つだったんじゃないか? 三女らしくない。」
「だからガチレンがメインテーマじゃないんだってばー><」

************************************

薄暗い雨の午後三時。
紅茶を飲みながらふと窓の外を見るとひとりの男性がずぶぬれになって倒れていた。
私の手から離れたティーカップは床に接吻しその愛の身代わりに、今頃、己の身を散乱させていることだろう。
その叫びしか確認できなかったのは私はすでに外へ出ていたから。そしてその男に駆け寄っていた。

「先生!」

二十歳過ぎのその男は、まだ少年のようなしなやかで華奢な身体を有していたが
しかしやはり少年とは明らかに違う成人の佇まいを発していた。
所々服が破け血と泥まみれになったその身体を私は強く抱きしめた。

「先生…。ごめんなさい。私のために…。」

「ははは…ピンクさんか。このぶざまな俺を笑ってくれ…う、うう!」
「だめ!だめよ!喋っちゃいけないわ!今お医者様を呼ぶから…」

「ガチレンジャーはやっぱり強かった…。敵ながら、熱い情熱を感じてしまったよ…。
これにピンクが加わっていれば俺は瞬殺されていたかもしれない…。身も心もな…。
俺は強運の持ち主だ…はは。その最後の運を使って…
お、俺も…ゲスラゴンのように…なれ…る…か…な…」

ガチピンクである私は敵である「先生」に恋をしてしまった。
でも先生は味方を裏切ってそして私の仲間とも戦って傷ついた身体で私の元へ来てくれた。
ガチレンジャーの仲間は、だまされているんだと私を諭し、
結束力に影響するからと私はこの戦いから外された。
外されたことはよかった。この人とは戦いたくないのだもの。

けれどもこんな澄んだ目の…いえ、私には判る…心も澄み切った誠実な人間の目を、
敵の住人だからという理由だけでみんな分ろうとしないのはどういうことなのだろう。

目を見て! 先生の! みんな!

まるで私を病人扱いにでもするようにこの屋敷に隔離して
先生に合わせないようにするなんて…何てひどいのことするの…みんなこそ目を覚まして!

以前の仲間からも私達の仲間からも愛されていない先生。
心の拠り所がないことのなんて悲しいことよ!
その悲しさを今まさに私も思い知らされている。
だから先生の居場所は私がなってあげる。
私が守らなければ。私が…。

「暫くこのまま安静にしておれば2、3日で体力は回復するでしょう。
あたたかいものでも食べさせてあげなされ。」

部屋から出て行くお医者様に礼を言い、私は再びベッドに寝ている先生を見つめた。

私は彼と戦ったこともあった。
この美しい顔に傷をつけたこともあった。
死ねばいい!と思ったこともあった…!
そう…あの時の私の一撃がもう5センチ右に入っていたなら、
この人は確実に即死していた…!私はこの人を殺めていたかもしれない!!

思い出しただけでも自分のしたことに身震いがする。
その恐怖を取り払う術が見当たらない私は気がつくと唇を先生の唇へそっと重ね合わせていた。
あたたかい…。
安心した私は寄り添うように彼の寝ているベッドの端で膝まづき瞼を閉じた。

先生……


************************************


<次の朝>

「三女さん!おはよう!」
「お、おはよ…」
「もう大丈夫?お腹?」
「お、お腹?」
「だって食あたりだったんでしょ?」

(吉岡っ!お前はみつばの言うことを鵜呑みにしたのか!?)

「誰がそんな…(ま、いいや。仮病だし。適当にあしらっとこう)うんうんそうそう食あたり。」

(なにー!!?三女やっぱり変なもの食ったんだこっそりとー!なんてこったい!)オチャメダッタノカ!

「ところでさ、昨日あの…ふたばちゃんの漫画みたんだけどあれ……」
「あれは未完成だよ!」
「え!?えっと確かにまだ続きがありそうな感じで終わってたけど…
そっか!あの後二人はそのあの…きゃっ!はずかしいよー><///」

「続き書いてきた。ムフー! もちろん漫画じゃないけど。ぜひみんなで読んで欲しい!」
「えっ?!続き…><///」

「お、三女。もう大丈夫か?お前が食あたりするなんて。
ちゃんと冷蔵庫とかの管理を怠っちゃダメだぞ。そうだ!いいこと教えてやるよ。
『賞味期限』はこの日までおいしいっていう期限で、
『消費期限』はこの日以降それ食わんほうがいいぞっていう期限だからな!
覚えとけよ☆」

「!!」
(それぐらい知ってる…こんな悔しさ味わったの初めてだよ…。食あたりなんて理由止めとけばよかった…。)

 ギヌロ

「(な、なんだよ!人が折角心配して教えてやったというのに…!)」


「宮ちゃん。三女さんがこの前の漫画の続きの物語書いてきたって!」
「なんだ三女、学校休んでそんなもの書いてたのか。しょうがない奴だな。」
「あ、三女。もう大丈夫?」
「う、うん。」
「大丈夫って、こいつはね仮病だったのよ!ずる休みよ全く!」

「仮病じゃないよ」
「な!…あんた昨日私帰ってきたらケロッっとして部屋でなんか書いてたじゃない!」
「そんなことないよ。寝てたよ。食あたりだよ。
丈夫なみっちゃんに食べてもらおうと思ってた消費期限切れのおかずを
やっぱりみっちゃんに食べさせるのは忍びないと思って自分で食べて食あたりだよ。」
「消費期限…?そんなのちょっと過ぎたぐらい大丈夫なんじゃないの?
っていうか、ケロっとしてたわよ!!そんで何か書いてた!」
「じゃあ、そういうことでいいよ。それよりこれこの前の続き出来たから読んで。」

(なに…この敗北感は…!)

「わあ!楽しみだなー!ど、どんな展開になっているんだろう><///」
「まあ、読んでやるか」
「どれどれー?」
「(やっぱり…!これ書いてたんじゃないの…!!)」


************************************

「ん…。」

「お目覚めですか。先生。具合はいかがですか?」

「ああ、ピンクさん。僕は…僕は生きている?」
「はい…。もう大丈夫です。」
「よかった…。でも君に迷惑かけてしまったね。すまない…」
「いいんです。先生。今あったかいスープお持ちしますのでちょっと待っててくださいね。」
「ああ。ありがとう」

厚いカーテン越しでも外はもう晴れているのがわかる…。
暖かい部屋。
柔らかい毛布。
ふかふかのベッド。

こんな優しい扱いをされたのは生まれて初めてだ。
僕は…
ピンクさんが好き…。
もうこの気持ちは変わらない。
昔の仲間のところへは戻れない…戻りたくない…。
この幸せがいつまでも続きますように!

「先生。」

「ん…」

「スープが出来ましたのでどうぞ飲んでください。」
「ああ、ありがとう。頂くよ。」


「!!」


「ふふふ。どうですか先生。お味のほうは…?ふふ」

「ガ、ガチピンク…おまえ…」

「そうよ!それは身体全身痺れさす薬入りスープよ!
私をだまして私達を倒そうって魂胆でしょうけどそうは問屋がおろさないんだから!」

「い、いや…違う…」


死ねぇぇえええーーー!!!


「ぐわあああーーー!」


「よくやった!ガチピンク!」

「レッド!!みんな!」

「こいつは俺たちの仲間にはいってスパイ活動をするつもりだったのだろう。ゲスラゴンに聞いてわかったんだ。」
「姉さん!こいつはおっぱい星人だから姉さんを狙ってたんでゲスよ!たぶん!」

「危ないところだったわ…。」


こうしてガチピンクと世界に平和が訪れたのだった。


xxFINxx

************************************

「……」

「これ、いろいろとひどくね?」

「三女さん、これ…><」

「…ガチレンジャー…悪者?」

「毒盛って敵やっつけるって…最低じゃん…」

「世界平和の為ならそういうこともあるんだよ?」
「いや、てか…こんな感じなのか?ガチレンジャーって?」
「ち、違うよ!こんなのガチレンジャーじゃないよー!
しかも前回までのラブラブストーリーがなんでこんなんになっちゃったの!
三女さんは矢部っちのこと嫌いになっちゃったの!?」

「好きか嫌いかといえば………き、嫌い」

「えっ?そうなんだ…矢部っちふられちゃった…」

「不評みたいだね。確かにこんなガチレンジャーありえないよね。
それじゃこれはなかったこということで。」

ビリビリビリビリッ!!

「あ、三女さん…!」





「矢部ーっち!」

「あ、ふたばちゃん。」

「漫画完成したっス。」
「あ、この前の続き?」
「それが…ひとがあれは失敗作ということで新たにストーリー考えたのを漫画にしたっス」
「ああそう…。(そのほうがいいや…あの後の展開、ちょっと教師として怖いよ…。)」
「これっす。」
「どれどれ」

「………」

「…………」


「なにこれ?」
「ごめん。矢部っち。」
「何で僕が杉崎さんのパンツ剥ぎ取って匂いかいで悦んでるの?なんで?」
「知らないっス。ひとに聞いて欲しいっす><」
「しかもよりによってガチレンジャーにやられちゃうなんて……ひどい、ひどすぎる…かわいそうな僕、うう」
「矢部っち…」
「ううう…もうほっといて!」


「あれ?矢部っち、なんだか落ち込んでるよね?」
「三女さんに振られたからかな?><」
「おい…いつ先生が三女のこと好きって言ったんだ?」

「っていうかひとはもなんだか落ち込んでるみたいだけど?」
「ええっ!っていうことは三女さんも矢部っちにふられちゃった…?」
「…お前、もう少し頭の中整理して発言しような…」

「まあ、似たもん同士ということで案外お似合いなんじゃないの?あの二人。」ピロリロリン!
「…って言いながら私のスカートの中に携帯突っ込んでんじゃないわよ!」
「わーなにー?このダっさいパンツー!幼稚園児?恥ずかしー!あははははー!」
「ちょっ!馬鹿馬鹿!待ちなさいよこの変態!さっさとその画像消しなさいよー!」
「あの二人もお似合いだよな…」
「だよね…><。」


先生…ごめんなさい…。


≪END≫