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空が青かった。
魚のような雲の群れが横切っていく。
太陽は暑く照りつけ、肌はうっすらと黒く夏の証を刻んでいた。
「ふっちゃーん、ひーちゃーん、どこ~」
それは、三つ子達が小学校に入るより少し前のお話。
公園で遊んでいる内に、いつの間にか二人を見失ったみつばは、懸命に二人を探していた。
今にも泣きそうな顔で、懸命に声を張るが、返事はなかった。他の子ども達のはしゃぐ声も、みつばの声を邪魔しているのか、そこはイマイチ声が通らない。
「ふっちゃん……、ひーちゃん……」
まさか知らないおじちゃんに付いて行ってしまったのでは、幼いながらも姉のとしての自覚からか、そんな事を考えてしまう。
そこへ……。
「なにしてるの?」
「ふぇ……?」
近所に住んでいる子が話しかけてきた。確か名前は……。
「しんやくん……?」
サッカーボールを片手に不思議そうな顔でみつばの顔を覗き込む。
「どっかいたいの?」
頭をヨシヨシと撫でながら、泣きそうなみつばを何とか慰めようとした。
「ううん。ちがうの、ふっちゃんとひーちゃんが居なくなったの」
「ふっちゃんとひーちゃん?それなら、あっちでみたよ?」
と、公園のはずれの方を指差す。
「ほんとに?」
「うん、こっちだよ。ついてってあげる」
そうして、ぐいっと手を引っ張った。
みつばはそれに導かれるまま付いていく。

「あれ?さっきまでいたのに」
そこは、公園開発が進んで、すっかり肥やしと化した古い公園で、滑り台が一つ、ポツンと佇んでいるだけだった。
だが、結局付いた先にふたばとひとはは居なかった。
「うわーん、しんちゃんのうそつきー!」
唯一の望みも消え、耐えきれず、みつばは泣き出す。
「わー泣かないで、泣かないでよ」
佐藤はそれに焦ってみつばをなだめる。
「ふっちゃーん!ひーちゃーん!」
その時、滑り台の方でゴロン、と音が鳴った。
「?」
泣き止んだみつばと佐藤が不思議そうに顔を見合わせ、音が鳴った方へ近づく。

「あ……!」
二人はそこにいた。
「ふっちゃん!ひーちゃん!」
連なるようになって、滑り台にはまり込んで寝ていた。
「よかった……!」
みつばはまた泣き出し、妹たちに抱きつく。
「……?」
「みっちゃん……おはよー……。なんでないてるの?」
「え?え?なきやんでよ、みっちゃん、どっかいたいの?」
「みっちゃん、だいじょうぶだよ、こわくないよ」
寝ぼけ眼で二人は欠伸をして、姉が泣いていることに困惑する。
事情を知っている佐藤だけが、みつばに良かったねと言っていた。