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「う~暑いわね~」

扇風機に顔を近づけながら私は唸った。
クーラーは今修理に出しているので仕方ないわ。まあ、私のせいなんだけど・・・
今日はとても暑い日で、気温が30℃近くまで上昇しており、
太陽が必要以上に精を出しているみたいだ。

パパは仕事で、ひとはとふたばは買出しに出かけているので
今家には私しかいない。
確か冷蔵庫にアイスがあったわね・・・・・
私は思い腰を上げて台所へと向かった。

「・・・あいつともしばらく会ってないわね」

なぜかそんなことが口を突いて出た。
べ、別にあいつに会いたいってわけじゃないからね。

私がソーダアイスを袋から取り出そうとした瞬間蝉の鳴き声以外の音
が家に響いた。

ピンポーン

誰かしら?
そう思って玄関に向かった。
ドアを開けるとそこには高級そうな白いワンピースを着た
私の会いたかった人物が少し顔を赤らめながら立っていた。

「あら、アンタが一人で来るなんて珍しいじゃない。何か用?」
「べっ、別に、たまたま近くを通りかかったからちょっと寄ってみただけよ」
「ふーん、まあいいわ。とりあえずあがる?」
「じゃあ、お邪魔します・・・・・」

何で私はこんなにドキドキしてるんだろう・・・

「今日はアンタしかいないの?」
「ええ、皆出かけてるわ」
「ふうん・・・」

何を納得したのか杉崎は納得したかのような顔をしてそう言った。
にしても杉崎は一体何しに来たのかしら?

う~ん気まずいわ・・・・・
何か今日の杉崎はいつもと雰囲気が違うというか・・・

「何か飲み物持って来るわ」

沈黙に耐え切れなくなった私はそう言って台所へと避難した。
にしても・・・・何で私の心臓の鼓動が早くなってるのかしら?

「はい、麦茶でよかったかしら?」
「うん、ありがとう」

また沈黙・・・・・

「・・・・・」
「・・・・・」

それにしても杉崎ってこうして近くで見てみると
綺麗な顔立ちしてるのねえ・・・・・って私は何考えてるのよ。
それと同時にまた心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
私ったら杉崎相手に何ドキドキしてるのよ。

「みつばってさあ・・・」
「何でしょう?」
「はあ?どうしたのよ?」
「あ、いや、で、何よ?」

いきなりだったもので何故か敬語を使ってしまった。

「誰か好きな人いる?」

杉崎は躊躇いがちにそう尋ねた。

「へ?好き・・・な・・・人?」
「・・・・・うん」
「何なのよ急に・・・」
「いいから答えてよ」

杉崎は顔を少し紅潮させながら真面目な表情でそう言った。
何ムキになってるのかしら?
正直言って好きな男子なんて心当たりが無いわね。
でも・・・・・

「いないわ」
「そう・・・」

私の中で好きな人物を思い浮かべるとなぜか一人の少女が浮かんだ。
杉崎は安心と寂しさが4:6くらいブレンドされた表情をしてそう言った。

蝉はそんなことお構い無しにミンミンと鳴き続けている。

「アンタはどうなのよ?」

今度は逆に私から質問してやる。
少し間があって杉崎は口を開いた。

「・・・・・いるわ」

顔を真っ赤にして杉崎はそう答えた。
これは以外な答えだ。てっきり「いないわよ、そんなの」って
答えると思ったからだ。
しかし、杉崎のその答えを聞いた瞬間私の胸がチクッと痛んだ気がした。

「で、誰よ、その逆玉の輿の幸せ者は?」
「・・・・つ・・・・・ば・・・・・よ・・・///」
「え?」

今聞いた人物の名前が信じられずもう一度聞き返した。

「アンタよ、みつば・・・大好き・・・///」
「ふぇ・・・私?///」
「・・・・・うん///」


蝉がミンミンと鳴き続けている。

杉崎に告白されて私の顔の紅潮と心臓の鼓動はいっそう激しさを増した。
そして彼女に告白されてやっとこのドキドキの正体が分かった。


ああ・・・私も杉崎のことが好きなんだ・・・・・・
どうして私ってこんなに鈍いのかしら・・・・・
自分の鈍感さに苛立ちさえ覚えた。

「やっぱり嫌よね・・・女が女を好きなんて」
「ゴメンねみつば、変な思いさせちゃって・・・」

杉崎は涙目になりながら私にそう言った。

「え・・・みつば・・・?」

私は杉崎を強く抱きしめた。そして

「一回しか言わないからよく聞きなさい。私も好きよ、アンタのことが大好きよ///」
「みつばあ・・・」

杉崎は私の肩の上でしばらく泣き続けた。

「私怖かったの、ほっといたらアンタを誰かに盗られちゃうかもしれないって」
「だから、どうしても自分の想いを伝えなきゃって・・・」

杉崎はそう言って私の顔を見た。
やっと泣き止んだみたいね。

「それにアンタは食欲旺盛だから養えるのは私くらいでしょ?」
「何ですって~」

すっかりいつもの調子の戻った私たちはそれから
いろんなことを話した。
ついさっきまでは友達だったのに今は恋人として喋っている。
何だか不思議な気分ね。

そろそろ夜も遅くなってきたので杉崎は帰る仕度をした。

「じゃあまた明日ね、みつば」
「ええ、またね」

「もっと杉崎と一緒にいたい」という言葉が
喉の奥まで出掛ったが何とかそれを飲み込んだ。

杉崎は玄関のドアに手をかけて

「あっ、忘れ物しちゃった」

忘れ物って杉崎はたしか手ぶらだったような・・・

チュッ

「ふぇ・・・///」
「アンタの唇よ///」
「いきなりは卑怯じゃないの!///」
「ふふっ、怒ったみつばも可愛いわね」
「アンタねえ・・・」

杉崎は悪戯っぽい笑顔でそう言った。

「じゃあ、明日ねみつば」
「ええ、じゃあまた明日ね・・・・・」

私はそっと唇を撫でた

「・・・・・みくの馬鹿///」


澄み渡った空に心地よく蝉の鳴き声が響く。
まるでその鳴き声は私たちを祝福してるかのように。


END