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みつば「まったく、使えないわね! 多分大丈夫だから休んでなさいよ!」

思い出しながら、作業を進める。

本当に意外に何とかなるものだ。焼く前の段階まで来たが、見た目的にはひとはの作ったものと大差ない気がする。

松岡「みっちゃん、今どんな感じ?」

目が痛そうだけど、なんとか回復してきたようで、こちらの状況を確認しようとしている。

みつば「こ、こんな感じなんだけど、……味は保障できないわよ……」

松岡「あ、なんかそれっぽい。きっと大丈夫だよ。みっちゃんって結構料理とか実はできるんじゃない?」

そんなわけない。ひとはを真似てみただけだ。偶然作っていたのを見ていたから良かっただけ。

改めて思ったがひとははやっぱりすごい。私達はこれだけ作るのにこんなに苦労してるのだ。

毎日違う料理をあんなにおいしく作れるなんて……

松岡「どうしたの? あとは油引いて焼くだけじゃないの?」

考え事をしている私に松岡が話しかけてきたので思考を中断した。

みつば「そ、そうね。それじゃ焼くわよ」

油を引いて焼き始めた。

一個目はうまく焼けた。火もちゃんと通ってる。

松岡「わー、みっちゃんすごい!」

焼いて裏返しているだけだ。何がすごいのか……

二個目もうまく焼けて皿に載せようとした時。

みつば「っ熱!」

松岡「え、みっちゃん大丈夫?」

ちょっと腕にフライパンがあたってしまったが、そのままフライパンを落とすわけにも行かないので何とか持ちこたえた。

みつば「だ、大丈夫よこれくらい」

皿に盛り付けていると松岡がその間に何処からか氷を持ってきてくれた。

松岡「残りはやっておくから冷やしてた方が良いよ!」

やっぱり松岡って結構良い奴だ。霊関連を除けばの話だけど。

みつば「あ、うん、じゃあと任せたわよ」

その言葉に甘えておく。予想以上に火傷したところが痛い。

杉崎「御飯炊けたわよーってどうしたの? みつばは結局サボってるの?」

松岡「あ、さっきちょっと火傷しちゃって」みつば「ちょっと余計なこと言わなくて良いわよ!」

なんだか失敗したことが恥ずかしくなって止める。

杉崎「え、そうなの? 大丈夫なの?」

意外な台詞だった。バカにするかと思っていたけど。

みつば「大丈夫よ! ちょっと火傷しただけだし、カッコ悪いからひとはには言わないでよ!」

松岡「これでよしっと!」

そんな話をしている間に4枚全ての皿にハンバーグを盛り付けられた。御飯も出来たので器によそう。

ひとは「ごめん……遅くなった。料理大丈夫だった?」

~ 夕飯(ひとは視点) ~

みつば「あ、ひとは!料理の方は何とかなったわよ。それよりその額大丈夫なの?」

額に大きな絆創膏を貼ってる私を見てみっちゃんが言う。なんだか恥ずかしくて髪で絆創膏を隠すように手櫛する。

ひとは「大丈夫ちょっと打っただけ」

そんなことより私が居ないのにこのメンバーでよく料理が作れたものだ。杉崎さんか松岡さんが作り方知ってたのだろうか。

矢部っち「さて、皆も揃った事だし手を合わせて……」

『いただきまーす』

皿に盛られたハンバーグを一口食べる。……不味くは無い。ただ……

松岡「どう、三女さん、結構皆で頑張ったんだけど……」

ひとは「……思ったよりおいしいけど……付け合せは?」

そう、付け合せの人参とブロッコリーが無い。

みつば「そ、そんなの無くたって良いのよ!」

杉崎「あんた、忘れてたわね!」

みつば「うるさいわね!あんたも結局御飯に芯残ってるじゃないの!」

なるほど、忘れてただけのようだ。居なかった私が文句言うわけにはいかない。

杉崎「ちょ、ちょっと早かっただけじゃない!それに一人で焚き火で炊くの結構さびしいのよ!」

あれ? でも杉崎さんが飯盒してたってことはみっちゃんと松岡さんがこっちで作ってたことになる。

松岡さんって料理の知識それなりにあるんだ。幽霊関連だけかと思ってたからちょっと意外だった。

松岡「今回はほんとみっちゃんのおかげだよね!」

ひとは&杉崎「え?」

杉崎さんと被った。聞き間違いだろうか? みっちゃんのおかげ?

みつば「ちょっと何よその反応! 私だってちゃんとしてたわよ!」

意外だ。それよりもだ。気になったのは“みっちゃんのおかげ”って所である。

“おかげ”って言うくらいなのだから、みっちゃん無しでは成し得なかったってことである。信じられない。

そんなこと考えていると松岡さんがなんだか怒った口調で言う。

松岡「そうだよ! 私なんて玉ねぎ炒めてた後、目が痛くて何も出来なかったから今回8割みっちゃんが作ったんだよ!」

……8割をみっちゃんが?

みつば「ちょっと松岡、そんなことまで言わなくて良いわよ。別に作ったこと自慢したいわけで言ったんじゃ……」

松岡「それに、三女さんを一番心配してたのもみっちゃんだし、一番気合は入ってたのもみっちゃんだよ!」

みつば「ちょ! やめなさいよ! もういいから恥ずかしいでしょ!」

……心配してくれてたんだ。正直嬉しい。

それに私が居ないからその分頑張ってくれてたなんて。ちょっと感動すらしてしまった。

杉崎「ちょっとまってよ! なんでみつばがハンバーグ作れるわけ?」

たしかにそれは気になる。料理なんてインスタントくらいしか作ったこと無いと思うんだけど。

みつば「そ、そんなことどうでも良いでしょ!」

ひとは「よくない……料理作れるなら家でも作ってほしい」

私も知りたいので杉崎さんに続いて攻める。

みつば「……見て覚えたのよ」ひとは「誰のを見て覚えたの?」

すぐさま問い詰める。誰かに教えてもらったのだろうか? 私を差し置いてみっちゃんが料理を教えて欲しいと思う相手……気になる。

みっちゃんはしばらく黙って、言いにくそうに口をあける。

その答えは意外なものだった。

みつば「…………ひとは……あんたによ! 2週間くらい前ひとはが作ってた時のことを思い出して作ったのよ!」

ひとは「え、わたし?」

みつば「そうよ! はっきりとは覚えてなかったけど、飛び飛びで覚えてたし……ってもう良いでしょ! 早く食べなさいよ!」

どうやら、見よう見真似で作ったらしい。……さっき私以外の人に教えてもらったのだと勘違いしていたことが恥ずかしい。

でも、よかった。……よかった? いやいやなんでよかったなんて思ってるの私。

私は何か話さないと気まずい気がしたので口を開く。

ひとは「……作り方知ってるなら、今度家でハンバーグ作る時は手伝って……」

何言ってるんだろう私。もっと別の話題とかあったはずなのに。これじゃ、なんだか一緒に料理作りたいって言ってるみたいだ。

顔が熱い。私は真っ赤な顔をしてるのだろうか。夕焼けでばれないと良いけど。

みつば「……いいわよ、ひとはがいつもこんな大変なことしてるなんて考えてもみなかったし……」

断られると思っていたが、予想外の答えが返ってきた。みっちゃんの顔が赤く見えるのは夕焼けのせいだろうか?

私は次にハンバーグを作るのが楽しみになった。もちろんこれはみっちゃんには内緒だ。

しばらくの沈黙の後、急に杉崎さんが口を挟む。しかもなんだかイライラしてるみたいだ。

杉崎「……じゃあさ、今度は火傷しないように気をつけないといけないわねぇ、みつば?」

ひとは「え、火傷したのみっちゃん?」

みつば「ちょ! 杉崎! 言わないでって言ったじゃない!」

どうやら、火傷したことは私に内緒にしていたようだ。別に格好悪いとかそんなこと思わないのに。

松岡「そんな気にすることじゃないと思うけど。むしろ頑張ってたことがわかってカッコ良いんじゃないの?」

みつば「っ! それもいや! というかそれのが恥ずかしいから言わないでよ!」

……その言い方は私も照れる。まぁ、嬉しいわけなんだけど。

松岡「まぁそんなこといいじゃない。隣の班みたいにならなくて……」

言われて隣を見てみると……え? なにこの大惨事。

いろんな意味でこの班でよかったと思った。

おわり