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~ 夕飯(杉崎視点) ~

杉ママ「みつばちゃん? 沢山在るからどんどん食べて良いのよ?」

嬉しそうにママがみつばに話しかける。私、『杉崎みく』もみつばを挑発してやった。

杉崎「そうそう、せっかくみつば用に大き目の受け皿にしてあげたんだから遠慮しなくていいのよぉ?」

みつば「ちょ、ちょっとあんたらさっきから何言ってくれるのよ! 受け皿まで大きくしてもらうほど食い意地なんて張ってないんだから!」

みつばが言い返してくる。……なにいってるんだか。いつも食い意地とくだらないプライドしか張ってないくせに。

ひとは「……みっちゃん。正直に全部一人で食べるって言っても許してもらえると思うよ」

みつば「む、無理に決まってるでしょうが! 8人分もあるのに食えるわけないでしょ!」

8人というのは、みつば、三女、宮下、吉岡、松岡、ママ、龍太、そして私のことである。

どうやら今回もふたばはパパと居たいがために参加しなかったとのこと。ふたばらしい。

吉岡「だ、大丈夫! みっちゃんならできるよ!」

松岡「えっと、ゆきちゃん……」宮下「吉岡……」

みつば「なんで応援されてるの私!? あんたらも食べなさいよ!」

吉岡のフォローはいつもどうりの空回り。

皆でみつばを弄りながら始まった夕食。皆、一通り弄ったので鍋に手を付け始めた。

宮下「おい! 蟹ばっかり取ってないで白菜とかもちゃんと取れよな!」

……三女あたりが突っ込むだろうし、私が言うことでもないけど――

ひとは「……宮藤さん、うざいよ」

――そう感じてる傍から突っ込みが入る。

宮下「え! なんで!? 今何か気に障るようなこと言ったか私!」

ひとは「言ってなくてもまず存在が気に障るよ」

宮下「なんでだよ! 突っ込み忘れたけど私は宮下だ!」

2人の掛け合いを余所に皆で鍋をつつく。蟹ばかり取ってたみつばさえも無視だ。

しばらくして皆が食べ終わり鍋は綺麗に空になった。

みつば「ふー。やっぱり冬は鍋が美味しいわね!」

ひとは「それじゃ明日の夕食も鍋で良い? 作るの簡単だし、案外材料費も安く済むし」

みつば「ダメよ! 家で作る鍋なんて野菜しか入ってないじゃない!」

ひとは「……雌豚」

みつばと三女が楽しそう(?)に会話している……

折角大人数で集まったというのに姉妹で会話するなんて変じゃない?

杉崎「まったく、鍋が好きなんじゃなくて、肉が大好きなのよねぇ、みつば?」

面白くないので会話に割り込んでやった。

吉岡「杉ちゃん! みっちゃんに失礼だよ」

……吉岡に言われなきゃいけないことかしら?

みつば「ふん! ……まぁいいわ、今日は機嫌が良いから許してあげるわ」

お腹いっぱいで満足だそうだ。

龍太「なぁなぁ! 三女ガチレンゴッコやろうぜ!」

ひとは「むふー。それじゃ先週の話を舞台に――」

龍太と三女がガチレンゴッコを始めだした。

松岡「あぁ! 私の三女さんが取られた!」宮下「ちっ、三女と仲良くなるチャンスが!」

何か松岡と宮下が悔しがってる。面倒なので話しかけないで置こう。

~ 会議(ひとは視点) ~

ひとは「むふー。ガチレンゴッコ楽しかった」

みつば「まったく幼稚よね~」

みっちゃん何か言ってきたが無視する。ガチレンの良さはみっちゃんにはわからない。

今は杉ちゃんの部屋に来ている。龍太はもう寝る時間だそうだ。

吉岡「そういえば今回の壁新聞どうしよう? 私は昼ドラの恋愛相関図考察なんてしてみたいかなぁ」><

宮下「いや、あれ残念だけどホームコメディだから」

そういえば、壁新聞のネタまだ決まってなかった。最近では意見が揃わないのでいくつかコーナー分けしてるけど、3つくらいには絞りたい。

松岡「今回こそはこの16枚で1枚の心霊写真を――」

杉崎「それ……前回より増えてない?」

宮下「それよりさ、友達を作る裏技特集なんてどうだ? このまえちょっと調べてて面白かったんだ」

こっちをチラ見しながら喋る。実に鬱陶しい。

吉岡「や、やっぱり三女さんと仲良くなりたいから、そんな事調べてるの!」><

宮下「ち、ちげーよ! 三女がもっと皆と馴染めるようにだな――」

次の瞬間にはみっちゃんと杉ちゃんが宮下さんを踏み付けていた。

杉崎「それじゃこれはどうかしら? この前良い写真が取れたのよ。これを中央に張り出しましょ!」

杉ちゃんはそういいながらみっちゃんの卑猥っぽい写真を取り出した。

みつば「ちょ! 変態盗撮女! い、いつの間にそんなの撮ったのよ! 却下よ却下!」

一瞬で写真を奪い取り破りさった。いつもアレくらい俊敏に動けないのだろうか?

みつば「それよりもよ。私に良い考えがあるわ! スイーツ特集よ!」

自身満々に言う。隣でバラバラになったみっちゃんの写真を必死で集めている杉ちゃんを余所に、みっちゃんはさらに続けた。

みつば「近所の店のデザートを皆で食べ歩いてランク付けするのよ! もちろん全部杉崎の奢りね!」

みっちゃんにしては意外に良い案かもしれないけど……

ひとは「案は良いかもしれないけど、太るよ? だからそれ載せるなら一緒にダイエット特集も載せよう」

杉崎「ちょ、私は奢ってあげるなんて言ってないわよ!」

写真を集め終わりセロテープで固定しながら、杉ちゃんが突っ込みを入れる。……無視して続ける。

ひとは「もちろん、みっちゃんがダイエット実践して体重の変化を書く」

みつば「っ! なにその公開処刑! 絶対いやよ! 死んでもやらないからね!」

私の案も否定された。まぁ、からかいたかっただけだけど。

すると杉崎さんが席を立つ。

宮下「ん? どこ行くんだ杉崎?」

杉崎「え? あ、ああ、お手洗いよ」

なんだか挙動不審な態度……また何か企んでいるようだ。



結局この後もしばらく話したが結局話は纏まらず時間も時間なので床に付くこととなった。

~ 悪戯(杉崎視点) ~

……

静寂の中に皆の寝息だけが聞こえはじめてから30分くらい経っただろうか?

流石に誰も起きていないだろう。

寝る少し前に無理して苦いコーヒーを飲んでおいて良かった。危うく私も寝てしまうところだった。

右手にはペン。左手にはカメラを持って自分の寝床からある人物が寝ているであろうところまで忍び寄る。

……顔が布団で隠れてよく見えない。相手を起こさないように布団を若干移動させ――

みつば「(やっぱり来たわね、この変態)」

――っ!

杉崎「え! あ! ちょっ、むぐぅ!」みつば「(静かにしなさいよ!)」

動揺して声を出したところ、みつばに手で口をふさがれた。

なに? 一体全体どういうことなの? 何で寝てないわけ?

みつば「(悪戯が途中でバレて動揺してるのはわかるけど、皆寝てんだからデカイ声出してんじゃないわよ……)」

……悪戯が途中でバレて……やっぱり来たわね? 何? ……悪戯に来るの予想されてたの!?

私は状況をある程度理解できた。それと同時にみつばの手が私の口から離された。

みつば「(ここじゃ皆を起こしちゃうから移動するわよ。死ぬまで罵倒してあげるわ)」

死の宣告を告げながら、みつばは私の手を引いて部屋を出る。

これから罵倒が待ってるはずなのに、寝ている皆に秘密にして2人で部屋を出る今の状況になんだかドキドキしている私が居た。

~ 罵倒(みつば視点) ~

皆寝静まった夜なのに私と杉崎はリビングのテーブルに向かい合って座っている。

席についてからしばらくはワザと黙って様子を伺った。きっとさっさと罵倒されたほうが杉崎も楽だろうが敢えて向こうからの反応を待ったのだ。

杉崎は黙ってたまにこちらに視線を向け、目が合うとすぐ逸らしてしまう。なんだか説教されて親の様子を伺う子供のようで可愛い。……今のは嘘。可愛くない。

杉崎「……な、何で黙ってるのよ!」

1分近くそんな状況を楽しんでいると痺れを切らしたのか話しかけてきた。さてどんな反応をしてやろう。

今回は完全優位だ。悪戯がバレただけでも優位だったのに、今のこの状況である。この優位は滅多のことでは揺るがない。

このまま黙り続けてもきっと面白いだろう。でも、私も罵倒がしたくて堪らなくなってきたのも事実。とりあえず答えてあげよう。

みつば「さぁ、何でだと思う?」

杉崎「っ!」

黙り込み、顔を歪めて悔しがる杉崎。

でも、すぐにこっち顔を向け睨んでくる。

杉崎「私はあんたの顔に落書きして写真取ってやろうとしてたのよ! い、いつものようにバカにすればいいわ!」

みつば「バカにして欲しいの?」

杉崎「ち、違うわよ!」

みつば「じゃあ何? 許して欲しいの?」

杉崎「え……許してくれ――」

みつば「ばぁぁかぁ! 許すわけないでしょ!」

ああ、楽しい。頑張って起きてて良かった!

しばらく、罵倒していたのだが、優位に立ちすぎたのが行けなかったのか余り反抗してこなかった。

……最初は楽しかったんだけどね……流石に罵倒する台詞も思いつかなくなって――。

みつば「……」

杉崎「……」

――現在この空気である。……いや何か言いなさいよ杉崎。言い過ぎたかしら?

いつもは吉岡とかが仲裁に入るからここまですることは滅多にないけど、別に重い空気になるような展開じゃなかったはずなんだけど

みつば「……そ、それで、あんたなんで私にいつもちょっかい掛けてくるのよ?」

場を繋ぐために適当な質問をする。……もう少しどうでも良い質問にすれば良かったとちょっと後悔した。

杉崎「……そ、それは――」

言いにくそうな顔をして横を向いてから続きを言った。

杉崎「――う、うざいから……よ」

うざい? 私が? これはちょっとイラっきた。

いつもなら適当に流せるが、重い空気の中言われたこの言葉には何か重みを感じた。

みつば「わ、私より宮下のがウザいでしょ! どう考えてもそんなんじゃ納得しないわよ!」

酷い言いようである。でも、杉崎の反応は私が鋭い突っ込みを入れたような反応で――

杉崎「くっ……そうだけど……」

――杉崎の奴、宮下のがウザいってあっさり認めたわ! 酷い奴……

杉崎「……」

でも、続きは何も言わず、目を逸らしたまま黙ってしまう。

……実はウザいとかじゃなくて嫌われてる? いやいや……でも、いやないない、ありえない。

嫌ってるなら私なんかまずお泊り会なんかに誘う理由なんて……杉崎のお母さんが居るけど……

みつば「そりゃ、あんたとバカやってるのも……き、嫌いじゃない……けど――」

気が付いたら不安な声を出していた。

みつば「――いつも喧嘩ばかりじゃさ……り、理由があるなら教えて欲しいわけなのよ!」

途中でやめようと思ったけど言ってしまった。

正直前々から思っていたこと。私は杉崎との喧嘩が嫌いじゃない。

真正面からぶつかりえて、何も考えずに喧嘩していられる。喧嘩も後を引くことなんて滅多にない。

でも、何かちょっかいを出してくるのは8割方は杉崎からだ。

相手も私と同じ様に思ってるとは断言できない。本当は……何か私に不満があるのではないか?

目の敵にする理由があるのかも知れない。この不安は聞かなければ晴れない。

途中で言うのをやめようと思ったのは、聞くことで今までの関係が壊れる気がしていたから。

言ってしまったのはきっとこの空気のせいだ。

……それは情けないいい訳だ。私が弱いから、相手を信じ続けられなかったんだ。

~ 返答(杉崎視点) ~

みつば? 何でそんなに不安な声だしてるのよ……

理由なんて知らないよ……喧嘩するのに理由なんて……

みつば「……」

今度はみつばが今まで私のように黙り込んで下を向いてしまう。

正直に理由なんて知らないと答えていいの?

理由無しで目の敵に? なんて無責任な答えなのだろう。

ちょっかいを掛けるのなんてほとんど私からだ。そんな答えでいい訳がない。

じゃあ、何で?

もう一度みつばを見ると、まだ下を向いていた。不安そうな顔で……

杉崎「……わ、私は――」

答えの決まらないまま口をあけてしまう。

何か言わないといけないのに何も浮かばない。みつばは下を向いてた時の顔のままこっちを向いている。

結局何も思い浮かばない。次の言葉の準備なんて出来てない。それでも言葉を続けてしまった。



杉崎「――好きだから……っ!」

みつば「……え?」

……

……え? 今なんて言った私? みつばも同じようなことを思っていそうな顔でこちらに向ける。

え、ちょ、ホントになんていったの私? え? “好き”って言わなかった? ……!

顔に血が上るのを感じる。

はぁ!? 何言ってるのよ私! とりあえず落ち着いて……いや、それより早く何か続けないと社会的に死ぬ!

杉崎「あ、あああ、あんたと喧嘩するのが好きだから! わわ、悪い!」

何とか取り繕えた? いやなんか結局は恥ずかしい台詞になってる気がするけどこの際何でもいい!

長い沈黙が続いた気がする。実際は数秒程度なのかも知れなかったけど。

みつば「……いいわ……」

穏やかな声だった。

え? 何がいいの? 私は何について質問されてたのかさえ忘れて混乱していた。

~ 喧嘩(みつば視点) ~

やたらと杉崎が混乱しているのが気になるが、正直杉崎がこんな答えを返してきてくれて助かった。

これまでの関係が崩れずに済みそうだから。

喧嘩が好き、か……違いない。私も杉崎との喧嘩が大好きだ。

私は自分の顔がニヤけて居るのがわかった。一度下を向いて顔を作り直す。

精一杯意地悪そうな顔を作り杉崎に言ってやった。

みつば「……それじゃお望み通り罵ってあげるわ! 喧嘩になって私に罵倒されるのが大好きな変態っ!」

おわり