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鴨橋小6年3組もなんだかんだで卒業式を迎えた

加藤「あっ、詩織ちゃん」
伊藤「真由美ちゃん」
加藤&伊藤「………………」
伊藤「卒業式、終わっちゃったね」
加藤「あ、うん……あのさ…私達、結局…」

緒方「真由美!詩織!こんなところにいたのね!」
加藤&伊藤「おがちん!」
緒方「壇上に上がる佐藤君の勇姿、見た!?すっごくカッコ良かった!」
伊藤「う、うん…でも、おがちんはそこで鼻血噴いて気絶しちゃって、卒業証書を受け取る佐藤君は見てないよね…」
加藤「良いなぁ、私も見たかったな…私はおがちんを保健室に運ぶのに忙しかったから…。
   ……あ!違うの!おがちんのことを責めてるわけじゃないよ!?」
緒方「え!保健室に運んでくれたのは真由美だったの!?てっきり佐藤君がお姫様抱っこしてくれたんだと…」
伊藤「それは、おがちんの幻覚じゃないかな…」
緒方「それじゃあ私のせいで真由美は佐藤君の勇姿を見れなかったのね…ごめんね、真由美!
   私ったら、SSS隊の隊長のくせに…真由美に迷惑を…」
加藤「そ、そんな!謝らないで、おがちん!私は別に良いの…気にしてないよ?
   それに…保健室に運んでる間、おがちんが嬉しそうで、私もとっても嬉しかったんだ」
緒方「…え?」
加藤「私ね、卒業が近くなってから、ずっと考えていたの…佐藤君は確かに憧れの存在だけど、私にとって一番大切なのは、SSS隊じゃないのかなって」
緒方&伊藤「………………」
加藤「もちろん佐藤君のことは大好きだけど、結局見ているだけだった…。
   でもね、SSS隊があって、二人がいてくれたから、私の学校生活は充実したものになったんだと思う。
   おがちん、詩織ちゃん、本当にありがとう…私、中学生になっても、SSS隊の思い出…絶対に忘れないよ!」

緒方「……なによ、真由美。お別れの挨拶なんかしちゃって」
加藤「…え?」
緒方「つまり真由美は佐藤君のことが嫌いになったわけでは無いんでしょ?
   確かにSSS隊の活動は、卒業まで佐藤君を見ているだけだったわ…。
   でもそれは、私達の佐藤君への強い想いがあったからこそ出来たものじゃない。
   後悔なんて微塵もしていない。それは私もそうだし、詩織もそう」
加藤「おがちん…」
緒方「地球に佐藤君がいる限り、SSS隊は存在し続ける…。
   佐藤君への忠誠を抱き続ける限り、SSS隊は一心同体…。
   中学生になっても、私達SSS隊は、永久に不滅よ!」
加藤「おがちん!」
緒方「真由美!」

ガシィ!

伊藤「………………」
緒方「…さぁ、いつまでも抱き合ってる暇は無いわ、真由美!
   今夜は卒業記念に佐藤君家の前でパーティーよ!」
加藤「わぁー楽しみ!それじゃあ中学に上がってからの心機一転も兼ねて豪華にしなきゃね!」

伊藤「……二人はさ、それで満足なの?」
緒方&加藤「……え?」
伊藤「想いだの、忠誠だの、カッコ付けた言葉で着飾って、結局見てるだけ?
   SSS隊の活動の4年間で、得たものはたったそれだけなの?」
加藤「し、詩織ちゃん、何言って…」
伊藤「事実を述べたまででしょ。考えてみなよ、私達が佐藤君に話しかけられたりしたことあった?
   それどころか、目を合わせてもらったことも無いでしょ。私もう飽きちゃったよ。」
緒方「"飽きた"だなんて…。詩織、最近SSS隊の活動に身が入っていないと思ったら、まさか…」
伊藤「勘違いしないで。黙っててくれない?卒業式での佐藤君の勇姿を見る前に倒れたくせに。
   真由美もおがちんを運んでたから知らないでしょうけど、佐藤君、ドン引きしてたんだよ」
緒方「……!」
加藤「し、詩織ちゃ…」

伊藤「ハッキリ言うけど、SSS隊は佐藤君にとって迷惑な存在でしかなかった。
   おがちん、真由美、あなた達…いえ、私達は佐藤君から 嫌 わ れ て い た の よ」
緒方「くっ……!」
加藤「(ビクッ!)……」
伊藤「二人はいつまでもSなんたら隊を続けたらいいわ。私は抜ける。これ以上佐藤君に嫌われたくないからね」

緒方「し、詩織!あんた、いい加減に…」
加藤「ちょ、おがち…」

ブスッ

緒方「ギャアァァーッ!」

バタリッ
加藤「!?おがちん!?おがちん!!そうしたの!?しっかりして!!」
緒方「か…体がっ…!!腐る…っ!!」

伊藤「安心して、真由美。今おがちんに注射したのは、佐藤君以外の男の血液だから。
   もちろんおがちんと同じ血液型よ、実害は無いわ」
加藤「そ…そんなもの…どこで…?」
伊藤「失われた信用を取り戻せるなら、どんな手段でも講じるわ。
   見てるだけなんて終わり。私はもう迷わない」
加藤「ど…どうして…?なぜ…こんな事を…」   
伊藤「実力行使よ、真由美。佐藤君を手に入れるためなら、私は何だってする…!
   ……じゃあね、真由美ちゃん。二度と話し掛けないでね。
   あなた達とはもう、友達でも何でも無いんだから」

ダッ!

加藤「ま、待って!詩織ちゃん!どこへ…!?…おがちん!起きて!大変よ!
   (実力行使って…詩織ちゃん、何する気?まさか…佐藤君が危ない!)」
その頃佐藤達も帰路についていた。

佐藤「はぁ…卒業式までロクなことなかったなぁ…」
千葉「ほほぉ?学年の女子ほぼ全員が校門前で涙でお見送りしていたのに、まだ不満があるとはさすがイケメン様だな」
佐藤「ちっ、違えよ!そのことじゃねえよ!卒業証書受け取るときだよ!
   あの変態集団が噴いた鼻血を、こっちはもろに背中に浴びたんだぞ!
   おまけに卒業証書まで汚れちまって、最悪だよ!」
田渕「おいこいつつまり校門前のお見送りは悪く無いと言ったぞ」
千葉「さすがイケメン」
佐藤「ばっ、おまっ、別にそれは…そういうわけじゃ…!あぁ~もう!
   中学生になってもこのメンバーとほぼ一緒だと思うとウンザリだよ!」
ふたば「え…?しんちゃん…小生と中学一緒は…イヤ…?」
田渕「また女泣かしたな」
佐藤「!!待て待て、違うんだ、ふたば!それとこれは…イヤじゃない!イヤじゃないから!
   一緒の中学行けて嬉しいからな!だから泣くなよふたば!」
千葉「おいおいおい、どうして俺らと反応がこうも違うんだ?ああ?」
田渕「俺らも涙を見せたら"一緒の中学で嬉しい"って言ってくれるのか?」
千葉「進学の腐れ外道イケメン」
佐藤「お前らっ……!!」
タッ タッ タッ タッ タッ タッ

加藤「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
   おがちん置いて来ちゃったけど…佐藤君を守るためだもの…仕方ないよねっ…
   ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
   それにしても詩織ちゃん…一人だとこんなに速いなんて…見失っちゃったよ…
   ハァ…ゼェ…ハァ…ゼェ…
   ここは佐藤君家の方角だけど、大丈夫かな…………!?……佐藤君の臭い…!!」

佐藤「お前らっ……!!」

加藤「……あの美しい後ろ姿は、まさしく佐藤君!!
   あああどうしようぅ、警告したいけど…話し掛けるの恥ずかしいよっ…」

バッ! コソコソコソ……
千葉「……おい、さっきから後ろに変なのが付いて来てるぞ…」
佐藤「げっ!あれは変態集団の一人!
   卒業式にしては大人しいと思ったけど、まだこういうの続ける気かよ…」

加藤「どうしよう……早く、危険を知らせないと……
   …あ、あと、ついでに告白も……!?何言ってるの、真由美!
   今はそれどころじゃないし、おがちんを置いて抜け駆けなんて……!
   …で、でも、想いを伝えるなら今……ううん!ダメ!!
   早く警告を……あああもう!学ラン姿の佐藤君、かっこいいよぉ~!!」

千葉「(ゾッ)……な、なぁ、何かブツブツ言ってるぞ…」
佐藤「や、やめろ、俺も怖いんだよ…放っておいて早く行こうぜ……」

ザッ!!

伊藤「佐藤君っ!!!!」

加藤&佐藤&他「(な……待ち伏せされてた……!?)」
佐藤「(へ、変態集団の、確か、伊藤……!!
   こいつは特に最近大人しいと思ってたけど、まさか……!)」
伊藤「……佐藤君、ずっと、待ってたんだよ……。 話 が あ る の」

カッ コッ カッ コッ カッ コッ

佐藤「(こっちに来るし、目付きがいつもと違う!!……こ、殺されるぅ~っ!!)」
加藤「(あぁっ!佐藤君が危ないっ…!!)ま、待って、佐藤く……」

ピタッ……!!

ぺこり

伊藤「佐藤君、今までの学校生活でたくさん迷惑をかけて、本当にごめんなさい!!」

佐藤&加藤「…………えぇ!?」
伊藤「私…佐藤君のこと…昔からずうっと大好きで…その気持ちに正直でいたくて……
   それで、おがちんとか、真由美ちゃんとかに、そそのかされて、ずっと一緒に追いかけてて……
   でも、大きな過ちだった…佐藤君に迷惑ばかりかけてた……それなのに…それなのに…」
佐藤「えええぇぇええぇっ!!??」
加藤「(な!?ちょっ…何!?えぇえぇ!?)」
伊藤「ごめんね、ごめんね、佐藤君……もっと早く辞めるべきだったよね…?
   でも、おがちんや真由美ちゃんは、佐藤君を嫌いにならなきゃ辞めちゃダメって…
   ……ううん、言い訳だよね、悪いのは弱かった私だよね……」
佐藤「伊藤…お前…」
加藤「(詩織ちゃん…何言って……とにかく、私も何か言わなきゃ…)」

伊藤「佐藤君も気持ち悪かったよね?SSS隊なんてストーカー集団…」
加藤「!?」
伊藤「だよね…嫌だったよね?…迷惑だったよね!?…」
佐藤「え!?…ああ…あぁ、まぁ…そ、そうだな…うん…」
加藤「(詩織ちゃん…?私がいるのに気付いて…?)」
伊藤「今日の卒業式でも、おがちんが壇上の佐藤君に鼻血かけて…
   私ドン引きしたのに、真由美ちゃんはおがちんをかばって保健室に行くし…」
加藤「(止めて)」
伊藤「さっきの帰り道でも、おがちんが"中学になっても佐藤君追いかけよう"って宣言して…
   真由美ちゃんも、それに賛成しちゃうし…」
加藤「(お願い、止めて)」
伊藤「それからおがちん、今夜は佐藤君家の前でパーティーだって…
   そしたら真由美ちゃん、"わぁー楽しみ!"って言って…」
加藤「(止めて、止めて止めて止めて止めて 止 め て)」

伊藤「佐藤君どう思う?」
佐藤「それは……気持ち悪いな…」

加藤「(~~~~~~~~~~~~~!!!!)」
伊藤「それでも佐藤君優しいから、今まで面と向かって文句も言わずに…」
佐藤「い、いやっ!?それは優しいとかそういうアレじゃ…まぁ慣れっつーかな…」
伊藤「ごめんね、ごめんね佐藤君…私、けじめをつけてあの二人とは縁を切ったからっ…
   ……それだけじゃない、もう中学生になっても、佐藤君のこと追いかけたりしないっ…!」
佐藤「縁って……まぁ、そこまでしなくても…」
伊藤「ありがとう、佐藤君。やっぱり優しいのね……でも、それでいいの…
   …とにかく、今まで本当にごめんね、佐藤君……」
佐藤「あ、あぁ…まぁ良いよ。せっかく同じ中学へ行く相手に、わだかまりを残す気はねーよ…」

伊藤「千葉君も、田渕君も、"体が腐る"とか言って、ごめんね」
千葉&田渕「……!!俺達ですかい!?」
伊藤「あの二人のノリに付き合うためとは言え、酷いこと言ったよね…(うるうるっ)」
千葉&田渕「(うっ…女の涙…)ま、まぁ、べ、別に気にしてないっスよ!(デレデレ)」
伊藤「ふたばちゃんも…今まで佐藤君と仲が良いからって、敵視してごめんね」
ふたば「…ほぇ?なんで小生?」
佐藤「やっ!ちょ、待っ!俺らは別に、そういう仲じゃ…」
伊藤「私も佐藤君のこと好きだからさ…ふたばちゃん、仲良くしてくれるかな…?」
ふたば「小生もしんちゃんのこと大好きっスよ!だから詩織ちゃんも友達っス!」
伊藤「ありがとうね、ふたばちゃん。
   佐藤君…もし私で良かったら…中学生から、お友達でいられないかな…?」
佐藤「お前、何言って…」
伊藤「そうだよね、ダメだよね…今更都合良過ぎるもんね。私、最悪な女だもんね…(泣きっ)」
佐藤「!?いやいや!今のはそういう意味じゃなくて…」
千葉&田渕「(チッ、イケメンがまた女泣かしたよ)」
佐藤「(うぅ…後ろの視線が痛い)…ま、まぁ、友達なら全然構わないよ」
伊藤「(ケロッ)本当!?本当に良いの!?ありがとう佐藤君!
   やっぱり優しいんだね!佐藤君のそういうところ、大好きよ!」
佐藤「そりゃどうも…」

加藤「…………」
伊藤「私も家、こっちの方角なんだ…一緒に帰って良いかな?みんな…」
千葉&田渕「俺達は別に…(あんまりイチャイチャしないなら)」
ふたば「詩織ちゃんも一緒に帰るっスよ!」
佐藤「あ、あぁ…もちろん、良いよ」
伊藤「ありがとう、佐藤君、みんな…。そういえば、この後予定とかあるのかな?」
ふたば「杉ちゃん家で卒業パーティーがあるっスよ!」
伊藤「佐藤君…と、千葉君達は行かないの?」
佐藤「俺ら男子は特に呼ばれてるわけじゃないんだけど…」
伊藤「でも、ほら、今夜はおがちんと真由美ちゃんが佐藤君家に…」
佐藤「うっ、あいつらがいたか…じゃあ、行くしかないか…」
ふたば「しんちゃんも千葉氏も詩織ちゃんもみんな行くっスよ!
    杉ちゃんのママが賑やかな方が楽しいって言ってたっス!」
詩織「じゃあ私もお邪魔するね。ウフフ、ありがとう、ふたばちゃん」

加藤「…………」
ふたば「それじゃあ早く帰って、杉ちゃん家に行く準備するっスよ!」

とてちてとてちて

伊藤「…そうだ、佐藤くん!私ね、最近サッカーに興味あってね、この前の試合…」
佐藤「お、おう…」
千葉&田渕「(チッ、やっぱりイチャイチャかよ…)」
伊藤「…千葉君と田渕君もサッカーするんだよね?どう思う?」
千葉&田渕「えっ!?あ、えーと、それはですね…」

ワイワイ……

加藤「……………………佐藤君」

スッ……

てくてく……
加藤「(さっきの詩織ちゃんは、すごく"普通"だった。同じ"佐藤君が好き"なのに、
   私達が今までしなかったこと、当たり前なのに、気付けなかったこと…)」

緒方「……真由美!!こんなところにいたのね!」
加藤「!?おがちん!?か…体の具合は大丈夫なの!?私ったら、置いて行ってごめ…」
緒方「何でだか分からないけど、卒業式で倒れてからさっきまでの記憶が無いのよ!
   きっと壇上に上がった佐藤君の勇姿を見た影響ね!さすが佐藤君!!」
加藤「……へ?……う、うん、そうだよ!おがちんったら、今まで放心状態で大変で…」
緒方「詩織は?詩織はどこへ行ったの!?」
加藤「(うぅっ…!)し、詩織、ちゃんはね……」

…………………………

緒方「どうしたの、真由美?悲しそうな顔しちゃって」
加藤「詩織ちゃんは……佐藤君が……好きで無くなったの……」
緒方「詩織が!?何で!?つまりSSS隊を…」
加藤「……あ!?あ、いや!そうじゃなくって、そのね!えぇっとねっ……
   ちょっと説明が難しいんだけど、佐藤君が恋愛対象としては好きで無くなったと言うか…
   と、友達!佐藤君とは友達でいたい感じになったんだって!だからSSS隊は抜けるって!」
緒方「佐藤君と友達…?それは今までと違うの?」
加藤「う、うんうん!全然気持ちが違うって言うか、その…すでに友達って言うか…。
   とにかく、中学生になって佐藤君と詩織ちゃんが仲良くても、それはあくまで"友達"としてだからね!」
緒方「???よく意味が分からないけど、とにかく詩織が抜けて、佐藤君と友達になったのは事実なのね…。
   残念だわ…。つまり中学生になったら、私達SSS隊は……」
加藤「(そうだよね、隊の一人の想いが成就しちゃったもんね…もう、解散だよね…)」

緒方「……私達SSS隊は、今後、真由美と二人だけなのね!」
加藤「…えぇ!?」
緒方「真由美はまだ佐藤君が"好き"なのよね!?それなら私もそうよ!
   佐藤君を愛する同好の志として、私達の絆は永遠に揺るがないわ!
   中学生になっても、私と真由美、SSS隊は永久に不滅よ!!」
加藤「……んもぅ、おがちんの、ばかぁっ!!」

ガシィッ!!

緒方「ちょ、真由美、何泣いてんのよぉ…」
加藤「そうだよ、おがちん…私達は、ずぅとずぅっと、友達だよ……」

こうして私は気付いた。見ているだけより、本当に大切だったもの。築かれたもの。
中学生になっても私達は相変わらず(それでもおがちんをなだめることが多くなったけど)。
佐藤君への気持ちもずっと変わらなかったし、特に最近仲の良いあの二人を見るのは、少し辛い。
いつか後悔するときが来るかも知れないけど、今はただ、本当に大切な人達のそばに、
友情と愛情の間でバランスを保ちながら、ずっとこうしていられたい。

そして加藤は、次の卒業式を迎える頃に、少しの後悔を経験するのだった。