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別に。


「………………」

日曜日、朝6時前。
右手にはいつものように合鍵。
左手には久しぶりにチクビのケージ。
目的地は…ま、今日返しに行くって約束だったからね。不本意だけどしょうがない。

スイー

早朝は気持ち良い。
私以外には新聞配達の人くらいしか活動していない。
数が少ないのに加えて、バイクや自転車の音が大きいから、簡単に誰にも見つからず動き回れる。
みんなの知らないところで私ひとりが世界を組み立ててる。ちょっと優越感。

むふ…。


カシャン パタン...

ゆっくり、静かに。いつものように先生の部屋へ上がる。
先生に起きられると面倒な会話を強制させられちゃうし、そもそも大きな音は近所迷惑だ。
……変に隣に怪しまれると先生は笑えない事になっちゃうから、というのもちょっとはある。
まぁ実際にそうなったらそうなったで、私は笑って済ませるけどね。

さて、いつものように……あれ?

「いない……」

ゴミと趣味の悪いエロ本が散らばる部屋の中、唯一の空間であるベッドの上。
いつもなら情けない姿をさらしている主が居ない。
だらしない先生がこの時間に活動してるなんてありえない。
必然的に考えられるのは、
「朝帰りか……」

一番可能性が高いのは、『楠』さんとまだ一緒にいるって事だな。

「ふん…別にいいですけどね。
私はいつものようにチクビと遊ぶだけですから。
チクビ、おいで」
「チー」
ケージからチクビを出してあげて、ベッドで一緒に遊ぶ。
ふふっ…指先、そんなに舐めないで。くすぐったいよ。

………可能性は考えてた。
昨日、いつもように先生の携帯をチェックしたら、楠という人と東京でお酒を飲もうってメールのやりとりが残ってた。
家主がいつも来客をほっといてグースカ寝てるから、手持ち無沙汰になってしまって、
仕方なく時間つぶしとして携帯で遊んでいるだけなんだけど、たまにこうやって役に立つときもある。
…いい歳のくせに、しっかりしてるところがひとつも無い人だ。
多少気をつけて見ておいてあげないと、何が有るかわかったもんじゃない。

「そのくせ徹夜で遊びまわってるんだから、良いご身分だね」

……今日だけじゃなく、最近先生は勝手な行動が目に余るな。
二学期になってからは特にひどい。
席替えのときは、私が廊下に立ってる間に席を宮代さんと入れ替えていた。
…隣の人も一緒に入れ替える、なんてくらいに気をまわせるんなら、ついでにうっとうしい宮野さんとは席を離しておいて欲しかったよ。
吉岡さんには気を使ったくせに。
こないだの体育じゃ丸山さんと本庄くんの相手ばっかりしてた。私だって高飛びできてなかったのに。
そりゃ杉ちゃんや松岡さんが練習手伝ってくれてたけど、だからって担任なら生徒をしっかり見ておくべきだ。
見ておくべきと言えば、図工で壁時計を作ったときだって。
せっかく、たまにはやる気を出してあげようと思って頑張ったというのに、私の作品にひと言も無かったのはどういうことだろう。
確かに、針のところまで手を入れていたふたばのがすごかったのは認める。だけど周りが見えなくなるほどじゃなかったはずだよ。

最近の先生はどう考えても調子に乗っているとしか思えない。
1度、自分の立場というものを思い出させて上げなければ。

「チー……」
「あっ…ゴメンねチクビ」
いけないいけない。せっかくふたりきりの時間が持てたっていうのに、余計なことを考えてた。

「チチチッ」
「……先生のこと、心配?」
「チー」
「そっか。優しいな、チクビは」
「チチッ!」

チクビは先生が好きだ。もちろん私の事ほどじゃないけど。
だけど長い時間先生から離れてると、だらしない童貞が孤独死してないかを心配して、この部屋に帰りたがりだすんだよね。
まったくもう!チクビにまで心配かけて!

「チーチチ、チチチッ」

……先生は不思議と動物に好かれる。
飼育小屋のウサギたちも先生が小屋に入ると集まってくるし、野良猫だって無警戒で近寄ってくる。餌も持ってないのに。
動物園で象に鼻を寄せられた事もあるって言ってたな。
…ま、先生の方が無警戒で隙だらけだからか。いざというときは先生自体を餌にできそうだと思われてるんだろう。
なんせ先生は『YES』しか言えないもんなぁ。『餌になって』と言われても、断れないかもしれない。
情けない話…だけど、すごいのはすごい。動物王国でもひらいた方が似合ってるんじゃないだろうか?
……いやいや、だめだだめだ。甲斐性なしの先生じゃ、集まってくれた動物達が不幸になるだけだよ。
最低限、ギリギリ、限りなくボーダーに近いけど、それでも適正の見られる『先生』の方が向いている。
今のままが1番世の中に迷惑を掛けないよ。

「…チー……?」
「あっ…ゴメンねチクビ」
「チ」

いけない。まただ。
なんでこんなにつまらない事をつらつらと……疲れてるのかな、私?
……うん。ちょっと疲れてるかも。

「今日はほんとにゴメンね、チクビ…」
「チチー」
少しケージに戻っていて。

「ふう………」

ポフン

ベッドに仰向けに倒れる。と、少しホコリが舞った。
やれやれ…どれだけ干してないんだか。シーツも最後に洗濯したのはいつだろう?汗の匂い、染み付いちゃってるよ。
よくこんな状態で気にならないなぁ。しかもあれだけガーガー熟睡できるなんて、信じられないよ。
服に匂いが染みちゃうかも……。
…でもしょうがない。今日は疲れてるし、この部屋は他に寝転べるところなんてないんだ。
ちょっと休憩するだけだから………。


ガチャガチャ

「ん…」
ちょっとウトウトしちゃってたか……。
まったく…先生のくせに私を待たせるなんて、今日はちょっと色々言っておかなければ。

……でも立ち上がるのはもうちょっと後にしよう。
もうちょっと、このベッドで……。

ガチャン!

「おぉい、さとやん!開いたぞ!起きろ!自立歩行しろっ!!」
えええぇぇ!?誰っ!!?

「ふ…ぐぅ……。
ごめん、くす…のき……」
「マジで反省しやがれ。カラオケんときほとんど寝てたくせによ。
俺なんて完徹だぜ?」
「う…悪、い……」
「……すまん。俺が引き止めたせいで終電逃しちまったんだもんな。
その後も酒付き合ってくれてサンキュ。
工学部のノリで、ちょっと調子に乗りすぎたよ。
でも久々で楽しかった。ありがとうな」
「ああ…。
ボクも、久しぶりで楽しかった……ありが…うぅ……」
「良かった。また機会つくって飲もうぜ。
…さて、悪ぃけどちょい便所貸してくれよ。
すぐ駅に……ッ!!?」

まずいまずいまずい!見つかっちゃった!!
って、ベッドで金縛りになってただけなんだから当たり前だけど!

「…?
トイレならそこだよ……ぶぅっ!!
んなっ…ひとっ……!!」
「なっ…え…?
女の子…?
えっ、何?なん……?不法侵入?
やっ、え?真っ白…死体とかじゃない、よな?」
誰が死体なんです誰が!みっちゃんといい先生といい、みんなしていちいち人を死人扱いして!!
そっちこそ目が腐ってるじゃないですか!?
…なんていつものように言い返してやりたいところだけど、さすがにこの状況じゃはばかられる。

「やっ…した……じゃないんだってコレ…あっ!
ああああっ!しまった!人形!!
人形しまい忘れてた!!!」
アホですか先生!そんな言い訳信じるわけないでしょう!!もっと上手くやってくださいよ!!

「人形ってお前、これ……」
「楠!トイレ行きたかったんだろ!
とりあえず行けって!話しはあとでするからさ!!」
「いやお前「後で後で!!人形がちょっとさ!!事情あるんだって!!ちょっと長くなるから!!」 …聞かせてもらうからな」

バタン

「ちょっとぉぉ!ひとはちゃん!いったい何してるの!!?」モニョモニョ
「あっ、いえその…チクビを返しに……」モニョモニョ
「とにかく目を瞑って動かないでいて!何とかごまかすから!」モニョモニョ
「人形設定なんてどう考えても無理 ジャー わかりました!」モニョモニョ

こうなったらヤケだよ!行けるところまで行ってみよう!
……先生が行きつくところは、牢屋かな………。

「便所はサンキュ。
…んで、その子なんなんだよ?」
「え…『その子』って、どういう事だよ…?
あはは……」

ええっと、人形らしく人形らしく…ってどうすればいいんだろう?
…とりあえずなるべく無表情で、息は浅く……ゆったりめの服でよかった…。

「おい!ふざけて言ってないぞ、俺。
冗談抜きで、なんで女の子がこんな時間にお前のベッドで寝てるんだ?
…教え子、なんじゃないのか?」

いきなりバレた!
そりゃそうだよ!こんなネタ信じるのは漫画だけだよ!
やっぱり素直に謝って…だけど、最低でもこの部屋は出入り禁止になっちゃう………。

「いやっ、だから人形だって!
ほらほら、良く見ろって!!」
言葉の降る中、浮遊感。抱え上げられたんだろう。

…って、だからアホですか先生!?良く見せたらバレるに決まってるでしょ!!

「う…ん……?」

めっちゃ見てるめっちゃ見てる!!ビシビシ感じる!!

「……………う~ん…………?」

さすがに今回は私が…ちょっとだけ悪いところもあった…気がするから……え~っと、
もしものときは居候くらいは考えてあげようかな。…次の働き口が見つかるまで。

「…………これ、は………」

ああでも、ロリコンのレッテル貼られた人が再就職なんて無理か……。
特にこの町じゃ…それでもバイトくらいはできるだろうから、食費だけ入れてくれれば長期でも……。
しばらくは色々厳しいだろうけど、根本的には誤解なんだから徐々には何とかなるよ。たぶん。

「………人形…」

とっ…とにかく勝手にこの町を出て行かれるのは非常に困る!何が困るってわけじゃないけど色々困る!!

「……ふむ」

お願い神様!!

「なんだ人形か。マジでびびった」


信じた!!?


ええええっ!?信じちゃったよこの人!!
ちょっ…失礼とは思いますけど先生、友達は選んだほうがいいですよ!?

「確かにさとやんがそんな事するわけないか」

あっ…そっか。先生だから……。

「この人形も凝りすぎだしな。
寝顔…顔立ちとか肌の色とか…アレすぎてありえないよ。
ほんとに……見てると寒気がしてくるくらい……」

どういう意味ですか。祟りますよ。

「だいたい、さとやんは6年のクラスもってるんだもんな。
コレ、どう見ても10歳以下の子だ」

連帯責任で先生も祟ります。

「そっ…そうそう!人形なんだよ人形!こんな女の子がボクの部屋に毎週来てるわけないだろ!
アキバのマニアな店で売ってるヤツなんだ!」
「お前大学のときも近所のちっさいプラモ屋とか行ってたもんなぁ。
……だからって正直引くぞコレ。どういうつもりだ?
職場行ってて趣味変わった…おいおい、待て。自分で言ってて余計に引いた。やっぱヤバイだろお前」
「いやっ、ちがっ…!
ボクのじゃないんだってば!預かってるんだ!ちょっと事情があって!」
「しょうもない言い訳すんなよ。
誰がこんなもん他人に預けるんだ。しかも無造作に部屋におきっぱにしてたし」
「いやいやいや!ほんとなんだって!
特撮仲間でこういうのも好きな知り合いがいてさ!ちょっと引越しの間だけ預かってるだけ!」
「…………人の趣味趣向をどうこう言うのは本意じゃないが…しかしなぁ……。
俺みたいにフラスコ振ってるってならまだ見逃すけど……。
……リアルでヤバイこと、してないよな?」
「してない!絶対しない!
ボクは子供たちをそんな目で見ることなんてない!!」

…………ふん。それで当然です……。

「……保留にしとく。
散らばってるエロ本見ると、嘘じゃなさそうだ」
「あっ!
あはは……」
「俺も人のことは言えないけど…お互い掃除しないとな」
「そうだなぁ。
ボクもたびたび言われてるんだけど、なかなかなぁ」
「言われてるって、誰に?」
「へっ!?」
バカーッ!せっかく上手くごまかせそうだったのに!!

「えっとあのっ!ちょっとあれだよ、母さんにさ!
たまに見に来るんだよ!困るんだよな、口うるさいことばっかり言ってさ!!」
悪かったですね、口うるさくて。

「ああ、そういう事か。
大変だな」
「大変なんだよ~。ほんと大変でさ~。
…心休まる日がない………」
いっつも熟睡してるくせに、よく言えますね。

「…ふぅ…しっかし、びっくりし過ぎて酔いが覚めたわ」
「ほんとに。ボクも完全に覚めた」
「ポカリとかねえ?」
「冷蔵庫見てみて」
「ああ。100円払うから」
「いいって。
ふう……」

ボスン

ひと息ついて、ベッドに座り込む先生。…私を抱えたまま。
「チャンスなんだから押入れに隠すとかしてくださいよ」モニョモニョ
「あっ、そうだった」モニョモニョ
「ところでさとやん」
「はひぃ!
あっ、タバコは禁止!
やめてくれ」
……珍しく…口調も強いし……。

「えっ、スマン。…大学のときは許してくれたじゃん」
「あの頃は強く断る理由が無かったからだよ。
でも臭い、子供たちが嫌がるからさ。
だから今はだめだ。守ってくれ」
………。

「…プロ意識だな。了解だ、従うよ。
…で、さ。ちょっとそれ触らせてくれないか?」

「は?」 は?

「いや、んな趣味があるってわけじゃないけどさ、職業柄やっぱ素材や構造が気になるんだ。
できれば中身もいじらせてくれよ」
「え…なか…み…!?
ダメダメダメ!コレは触らせられないよ!絶対だめ!!!」

ムギュウ

ふむっ…!
少しでも友達の人から遠ざけようとしてくれるのはいいんですけどね!こんな力いっぱい抱き締められたら苦しいんですけど!!
ああもうっ!状況がピンチなんだからしょうがないけど、うるさいぞ私の心臓!!

「頼むって!せめて触らせてくれ!いいじゃん!
気になるんだよ。さとやんは気にしてないかもだが、それすごいよ。ゴムとかじゃその質感は絶対ありえない!」
「だからダメだってば!やめてくれ…やめろ!」

……少し、空気が尖りだしてきた。

「…キレなくてもいいだろ」
「家主はボクなんだから、ここじゃボクに従えよ。
ダメだ」
「触るのもダメってのはさ…やっぱそれ、『生きてる』って事か?」

ううっ…!

「なっ…なんでそうなるんだよ!ただの人形だって言ってるだろ!」
「じゃあ触るくらいいいだろ」
「………それ、は……」

やっぱりダメなの!?
頑張って!もうちょっとですから!何でもいいから誤魔化して!お願い!!!

「……そのっ…コレはさ、アレに使う用の人形だから。だから他人には触って欲しくないんだ。
言いたくなかったんだけど」
「アレ……げっ、大人のオモチャかよ!
おまっ…ベッドの上にあったって事は………」


「「「……………………」」」


「……とっとと片付けてくれ…」
「……そうする」

ゴソゴソ

「……独身貴族の無駄遣いにしても…そういうパターンもあるか…。
…相当しただろ」
「ま…まあ。給料3ヶ月分、ってところあ痛っ!!」
「うわっ!なんだ急に!?」
「いやっ、ちょっと噛まれた…こないだ噛まれたところが痛んで。ネコに」
「…珍しいな、さとやんが動物に噛まれるなんて」
「そっ…そうだな。ちょっと近所に気まぐれで手のかかる黒ネコが痛い!!」

バタン

暗闇。
ふぅ……落ち着いた…って、こんな狭いところじゃ落ち着けないよ!
今は我慢してあげますけど、さっきの事もあわせて、あの人が帰ったらひどいですからね!!

「……さて、帰るわ……」
「そうか………」

なんていうか、言葉にできない空気だよ。
表現する言葉を一生覚えたくないけど。

「お。
今さら気付いたけど、ハム朗いたんだな。元気か~、うりうり」
その子は『ハム朗』なんて名前じゃありません。しかも私に許可無く触らないで。

「やめろってそういうの。小動物はストレスになるんだから。
あと勝手に名前つけるなよ」
「まだ我輩はハムスターである太郎なのか?
いいじゃん、ハム朗で。お前の彼女もそう呼んでたし」
「めったな事いうなよなぁ…。
扇さんはただの友達だよ。だった。卒業後は会ってない」
「もったいねぇの。
はっきり言っとけばいけてたんじゃないか?」
「無理だって」
「そうかぁ?
あの自転車のときだって、さとやんが走り回って……」
帰るんじゃなかったんですか。昔話なんて始めて。……さっきから私の知らない話ばっかりして。
だいたい先生は『さとやん』なんて名前じゃありません。勝手な名前で呼ばないで。

「あのなぁ…。
あれはボクのせいじゃなかっただろ。だいたいお前にしてもやっさんにしても、いっつも後片付け押し付けやがって……」
先生もそんなどうでもいい話に花を咲かせてないで、さっさと帰ってもらってください。
それにさっきからちょっと言葉遣いが悪いですよ。あとで生活態度も含めて、色々言わせてもらいますから。

「だけど知ってるか?さとやんが帰った後、篠崎とかも集まって……」
知る必要ありません。私は十分先生を知ってます。全部知ってるんです。余計な話をしないで。
先生には、私としなきゃならない話がたくさんあるの。


「昔のメンバー集まるんだけど、さとやんも……」



早く帰って。



「…………」
「…?どうした?」
「いや……なんか背筋が……。
…悪い、帰るわ俺。また今度連絡するよ」
「あ…ああ……」
「じゃ、またな」

バタム

………………………。
「………………………」

………………………戻ってこないな。

ギィ...

「ひとはちゃん……」
「とりあえず下ろしてください」
「うん。
よっと」

ポスン

「えっと、ひとはちゃん……」
「そこ、私の前。床で正座」
「……うん」

さて、まずは「悪い!タバコ忘れた!!」




「………………………」
「………………………」
「………………………」



あ…危なかった……。
大丈夫だ。とっさに先生が覆いかぶさってくれたおかげで、ドアの方は見えない。という事は向こうからも表情は見えてない。
大丈夫だ。股の間に先生が割り込んできてて、布を介してお互いの腰が当たってるけど、意識しなければ大丈夫。
パンツ越しに感じるのはファスナーだから大丈夫!!

「……帰るわ。
じゃあな」

パタン...

「…………」
先生がのろのろと身を起こし、そして。


「うっ…ううっ……。ひっく……。
…でも、ひと…ちゃん、ごめ…ね……。
ひぅ……」


……色々言いたかったけど、この水溜りを見てると……しょうがないなぁ。
「今後は断りなく知らない人を連れてこないでください。
あと帰宅が深夜以降になるときは必ず連絡してください。
それとケージのネームプレート買ってください。
当然この部屋は永久禁煙です」

このくらいにしてあげよう。

「…そこまで……」
『ひとはちゃんのこといっつも見てるよ!!』
「するに決まってるよね~……。
ひっ…ぐぅ……」

むふぅ。



<おわり>