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クリスマスの日の夕方、加藤はパーティーのため佐藤家前へと一人向かっていた

てくてく…

加藤「んもぅ、おがちんったら…パーティーの準備張り切っちゃって…。
   でも嬉しいな。卒業前にSSS隊らしい行動が出来て…。」
伊藤「…あっ、真由美ちゃんじゃない?」
加藤「あっ!詩織ちゃん!詩織ちゃんも、今から佐藤君家に向かうところ?」
伊藤「ええ、そうよ。ウフフ。一緒に行きましょ?」
加藤「うん!」

てくてく…てくてく…

加藤「(…あれ?詩織ちゃん、なんだか元気無いな…)」
伊藤「…この春休みが終わったら、私達、もう卒業だね」
加藤「…えぇ?う、うん、そーだね」
伊藤「…真由美ちゃんはさ、卒業式を迎えたら、佐藤君のこと、どうするの?」
加藤「えっ!?(急に何でそんな核心を!?)…う、う~ん…。
   やっぱり、諦めることなんて出来ないから、SSS隊を続けていくと、思うな…」
伊藤「ウフフ、真由美ちゃんならやっぱりそう言うと思ったな。
   …でも、佐藤君に告白はしないんだね」
加藤「だ、だって、抜け駆けはよくないし…。し、詩織ちゃんは、どうするの…?」
伊藤「私はねぇ…どうしよっかなぁ♪
   おがちんはずっとああだし、真由美ちゃんも、もたもたしてるみたいだし…」
加藤「え!?えぇ~っ!?酷いよ、詩織ちゃ…」

伊藤「…なぁーんてねっ!冗談よ、冗談♪真由美ちゃんったら、慌てちゃって。ウフフ」
加藤「あ、そうだよね、もちろん冗談だよね、ごめんね…。
   (なんか今日の詩織ちゃん、変な感じ…)」
伊藤「でも嬉しいな。真由美ちゃんもまだSSS隊、続けてくれるみたいで…。
   私もSSS隊はたぶん続けるからさ、これからもよろしくね、真由美ちゃん♪」
加藤「う、うん!こちらこそ、よろしくね、詩織ちゃん!
   (今まで詩織ちゃんのこと、怖いと思ったこともあったけど、やっぱり大切な友達なんだ…)」
伊藤&加藤「………………」
伊藤「…ねぇ真由美ちゃん。佐藤君家に行く前に、少し寄り道しない?」
加藤「えぇっ!?い、今からだと、遅くない!?」
伊藤「フフ、平気だって。どうせおがちんのことだから、遅れたところで
   『んもぅ!遅いわよ!真由美!詩織!』くらいのことで済んじゃうよ」
加藤「で、でもぉ…きっと先に着いて準備してるおがちんに悪いし…」
伊藤「(…チッ)…そう、そんなにおがちんが大事なの…フーン…」
加藤「(あ!!今嫌な感じだ!!)う、あ…で、でも!帰りなら、少し…」

緒方「いたわね!真由美!詩織!」
伊藤&加藤「おがちん!!」
緒方「二人が遅いから迎えに行くところだったのよ!
   さぁ、もうパーティーの準備は出来てるわ、急ぎましょ!」
加藤「う、うん!(助かった…でも"遅い"って、まだ夕方だよおがちん…)」

伊藤「(…ぼそぼそ)…じゃあ帰りにしましょ。ね?おがちんに内緒で・抜・け・駆・け・よ?」
加藤「う、うん、そーだね…(何なんだろ…いつもは抜け駆け・厳・禁・なのに…)」
そしてSSS隊によるクリスマスパーティーin佐藤家前は始まった
プレゼントの話や、まさかのサンタさん出現に加藤の気分も高揚し、
この約束をすっかり忘れたが、そこに佐藤姉が登場し…

緒方「出たわね変態ストーカー女!!」
絵理「(えぇ~っ!!??)」

ダダッ!!

緒方「あっ逃げた!追うのよーっ!!」

ドドドドドッ…!!

伊藤「私達も追いましょ!ねっ、真由美ちゃん!」
加藤「え!?あ、うん!!ちょっ、待って~おがちん!!」

タタタタタッ…

加藤「はぁ…はぁ…おがちん…速っ…もうっ…」
伊藤「…ウフフ。こっちが近道よ、真由美ちゃん」

ギュッ

加藤「え?(珍しいな、詩織ちゃんに手、握られちゃった…)あ…うん」

タッタッタッ…

タッタッタッタッ…くるり…

加藤「あれ!?詩織ちゃん、その方角は違…」
伊藤「もー、約束したじゃない真由美ちゃん。帰りに二人で寄り道しようって」
加藤「あ…うん…でも、おがちんが…」
伊藤「(チッ)…イヤなの?」
加藤「!?ううん!そうじゃないけど…」
伊藤「じゃあ決まりだね。行きましょ♪」
加藤「う、うん!(た…たまには詩織ちゃんと二人も…良い…かな…?)」

加藤は伊藤に手を引かれながら、イルミネーションに彩られた上尾の街を疾走してゆく

タッタッタッタッ…

伊藤「…ねぇ、すっごく綺麗だと思わない?真由美ちゃん」
加藤「う、うん。そうだねっ」
伊藤「おがちんとパーティーもいいけど、クリスマスって、こういうものでしょ?」
加藤「う…うん…(確かに、おがちんと一緒だったら、こういう景色は観なかったな…)」
やがて二人が辿り着いたのは、街並を一望出来る丘の上だった

伊藤「フゥ…観て、真由美ちゃん」
加藤「はぁ…はぁ…わぁ、すごく綺麗…」

二人の眼下には、様々な光にきらめく夜景が広がっていた

伊藤「連れ回してごめんね、真由美ちゃん。でも、この景色を真由美ちゃんにも見せたかったの」
加藤「そ、そんな!謝ること無いよ!?ありがとう、詩織ちゃん!」

伊藤&加藤「………………」

伊藤「…私ね、SSS隊を抜け駆けして、よくここへ来てたの。
   佐藤君と二人で、こうやってこの景色を眺めてる妄想してね…」
加藤「そ、そうだったんだ…良いね、それ…(詩織ちゃん、そんなロマンチックな面もあったんだ…)」
伊藤「真由美ちゃんは考えたこと無い?そういうの…」
加藤「えっ?私は…その…佐藤君と二人きりは…あまり無い…かも…。
   確かに、佐藤君のことは好きだけど、おがちんや、詩織ちゃんもいてのSSS隊だし…」
伊藤「クス…真由美ちゃんらしいね。
   でもね、私、真由美ちゃんのそういう優しいところ好きよ」
加藤「えっ(///)…あ…うん…ありがとう…。
   (うぅ…今の、すごく嬉しいな…こっちも何か言い返さなきゃ…)
   わ、私も…詩織ちゃんのこと…す、好きだよ…?(…あ、変な言い方になっちゃった)」
伊藤「…私が好き?ウフフ…どの辺が?」
加藤「ど、どの辺って…その…詩織ちゃん、び…美人だし、上品だし…。
   わ、私なんて、あまり目立たないし…地味だし…。
   (あぁもう!なんで外見しか言えないの?私ったら馬鹿…)」
伊藤「真由美ちゃん、そんなに卑下することないんじゃないかな(汗)…。
   …でも確かに、あまり女の子って感じしないね。背も高いし、その反目、大人しいし」
加藤「(うっ…気にしてることを…)う、うん…」
伊藤「…でもね」

スッ

加藤「!?(詩織ちゃん、なんで私の頬に手を…!?)」
伊藤「真由美ちゃんのそういうところ、私、可愛いと思うな…」
加藤「えっ!?(ドキッ)」
伊藤「クスクス…驚いちゃった?そういういじらしいところも素敵…」
加藤「(何か企んでいる…?)し、詩織ちゃん…からかっているんだよね…?」
伊藤「(ムスッ)…からかってなんか、いないわよ」

ススッ…

加藤「うっ!?(今度は両手を頬に…!!)」
伊藤「…ねぇ。真由美ちゃんは、キッスってしたこと、ある…?」
加藤「…な、無い…よ…(何?何これ…?)」
伊藤「(ニコ…)私もね、無いの…。試してみたいと思わない…?」
加藤「試すって…お、女同士だよ…ね…?(何これ何これ…?詩織ちゃんおかしいよ…)」
伊藤「クス…いいじゃない…佐藤君との練習だと思って、ね…?」
加藤「…れ、れんしゅ…なら…(顔が…近いよ…詩織ちゃん…)」

ぴちゅっ…

加藤「(!?)…………ぷはっ」
伊藤「ふぅ…どうだった…?真由美ちゃん。キッスの練習…」
加藤「うぅ~…(ゴシゴシ)…は、恥ずかしい…よ…」
伊藤「だから、練習よ。れ・ん・しゅ・う♪」
加藤「練習って言っても…詩織ちゃん…女同士だし…」
伊藤「…じゃあさ、目をつむって、私を佐藤君だと思えばいいのよ」
加藤「目をつむ…って…(えっ?えぇ~!?また…?)」

スッ…

伊藤「ほら…私が塞いでてあげるから…」
加藤「あ…!」

くちゅり…くちゃぁ…

加藤「(はっ…はっ…はぁっ…あっ…!舌までそんな…!
   あぁ…唇や…歯の裏…そんなに舐められちゃ…頭まで…おかしく…
   ああぁ…もう………~~っ!)ダ、ダメ~ッ!!」

バッ!!

伊藤「プハッ…はぁ…はぁ…はぁ…なんで止めちゃったの?真由美ちゃん…」
加藤「うっうっ…(ゴシゴシゴシ)だ、だって…無理だよ…こんなの!」
伊藤「…無理?」
加藤「だって…だって…女同士だよっ!?こんなのおかしいよ!」
伊藤「…別におかしくないでしょう?真由美ちゃん。相手は佐藤君だと思えば…」
加藤「思えないよ、無理だよ!詩織ちゃんは私を佐藤君だと思えるの!?
   詩織ちゃん、なんだか変だよっ!?」
伊藤「興奮しないで。…変、ね…。確かに変かもね。
   …認めるけど、私は真由美ちゃんを佐藤君だと思ってないわ」
加藤「……!!??詩織ちゃん…??」

ギュッ…

伊藤「…あのね、真由美ちゃん…」
加藤「し…詩織ちゃん…?(また手を握…)」
伊藤「…いつの頃からか、私が好きなのは…真由美ちゃん、あなたにかわったの」
加藤「!!??」
伊藤&加藤「…………」

加藤「…じょ、冗談だよね?からかっているんだよね…?詩織ちゃん…?
   だって、詩織ちゃんは佐藤君のこと…」
伊藤「佐藤君への想いは、もう過去のことよ。真由美ちゃん。
   もう一度言うね。私が好きなのは、真由美ちゃん、あ・な・た・だ・け♪」
加藤「…う、うそだよね…?だって、女同士だし…」
伊藤「(イラッ)…うそな訳ないじゃない。あんなキッスまでして…。
   あのまま気持ち良くさせて、真由美ちゃん墜とせたらなぁって、思ってたんだけどね。
   なかなか上手くいかないね。どう思う?真由美ちゃん」
加藤「(うっ、怖い…)ど、どうって…分かんない、分かんないよ…」
伊藤「私が真由美ちゃんを好きな気持ちは、真由美ちゃんが佐藤君を好きな気持ちと同じなんだよ?
   そう言えば分かってくれる?」
加藤「う、うぅんと…クラスに、そういう感じっぽい人はいるけど…やっぱり、女同士だし…」
伊藤「(チッ)…ううん、あの盗撮魔やデカくてウザいのとは違うから。私は真剣よ?真由美ちゃん」

ギュゥッ…

加藤「(う、ちょっと痛っ…)…で、でも!私は…佐藤君が好きだから…」
伊藤「…だから?」
加藤「あ…あ…えっと…し、詩織ちゃんは、友達だしっ、大事な…SSS隊で…
   その…友達で、おがちんと一緒でっ、大好きだけど…」
伊藤「…だけど?」
加藤「…う…うぅ…詩織ちゃんの、そういう気持ちは…ごめん、応えられないの…。
   …う、うぅぅうっ…ごめんね、詩織ちゃん…ううぅ…。
   ひっく…ひっく…うぅ…ごめん…もう、何がなんだか、分からないよ…」

伊藤「……そう。泣かないで、真由美ちゃん。最初から良い返事は、期待してないから」
加藤「…え?…あ…うん…ごめんね、詩織ちゃん…」
伊藤「私も、こんな重荷背負わせちゃってごめんね、真由美ちゃん。
   最後に、クリスマス一緒にいられて、楽しかったな…。ありがとうね」
加藤「さ、最後…?でも、同じ中学に…」
伊藤「進学のことじゃないの。SSS隊としてよ…。
   佐藤君を好きでなくなった私は、もうSSS隊ではいられない…」
加藤「そ、そんな…」
伊藤「佐藤君を好きなフリをして、SSS隊に、真由美ちゃんのそばに居続けることも出来たわ。
   でも、真由美ちゃんの一途な気持ちを見て、私もこうでありたいと思ったの。
   私に告白する勇気をくれたのは…真由美ちゃん、あなただったのよ…」
加藤「…………!!」
伊藤「(ぐすっ)…じゃあね、真由美ちゃん…。おがちんには、適当なこと言っておいて。
   真由美ちゃんと一緒にいられた4年間、本当に楽しかった。ありがとう…。
   今までも、これからも、大好きよ…」

スッ…

てくてくてく…

加藤「あ…あ…(佐藤君に告白も出来ていない私に、詩織ちゃんをふる資格なんてあるの…?
   そんなの…間違ってるよ…!!)…ま、待って!!詩織ちゃん!!」
伊藤「!?」

タッタッタッ…

ぎゅぅ…

加藤「詩織ちゃんはSSS隊として…ううん、友達としてだけど、私の…大切な人だから…。
   おがちんには、黙っていれば良いよ。そうすれば私達、ずっと一緒だよ?」
伊藤「真由美ちゃん…」
加藤「詩織ちゃん…。私も詩織ちゃんのこと…大好きだからっ!!」

ガバッ!!

ぎゅうぅっ…!!
伊藤「真由美ちゃん…嬉しいっ…」
加藤「詩織ちゃん…私もっ…」
加藤「……はくしょん!」
伊藤「真由美ちゃん、寒いんじゃない?
   ごめんね、こんなところ連れて来ちゃって…」
加藤「ううん、良いの。気にしないで」
伊藤「私の責任ね。…ほら、こうしてもっと強く抱き合えば、暖かくなるから…」

ゴソゴソ…

ぎゅうぅ

加藤「あ…ありがと…ちょっと恥ずかしいけど…。
   (でも、すごく暖かいな…詩織ちゃん、優しい…)」
伊藤「ふふ、真由美ちゃん、可愛い。…あら?唇まで乾燥しちゃって…」
加藤「あ…ほんと。これは…」
伊藤「こうして、重ね合わせればね…」

ちゅっ…くちゅぅ…

加藤「んっ…(ま、まぁ…減るもんじゃないし、練習にもなるなら、良いよね…)」
二人は強く抱き合い、時折唇を重ね合わせながら夜を過ごした
そして仲良く朝日が昇るのを眺めた

翌日

緒方「…あ!真由美!詩織!昨夜はどこ行ってたのよ!?」
加藤「おがちん!あの…えっと…その…」
伊藤「ごめんねおがちん!真由美ちゃんと道に迷っちゃって…ね?」
加藤「う、うん!そうそう!…てかおがちん、なんで体操着…?」
緒方「まあいいわ。今はとにかく佐藤君を見つけて、サンタさんのサインを渡すのよ!
   ああ、なんて可哀想な佐藤君!」
伊藤「…あ、あそこにいるの佐藤君じゃないかな」
緒方「あ!本当だ!佐藤くーん!!…」

ドドドドドッ…

加藤が緒方の後を追おうとした矢先、伊藤は後ろ手に加藤の手を握り、それを引き止めた
指を絡めてそっと隣に寄り添うと、愛おしそうに加藤の肩に頭をもたげる

加藤「!!…詩織ちゃん…恥ずかしいよ…」
伊藤「うふふ、少しの間だけ、ね?」
加藤「う、うん…(佐藤君に会いたかったけど…ま、まあ、良いか…)」
伊藤「…(まんざらでもなさそうね。あとはどうやって佐藤君を諦めさせるか…。
   …それなら、佐藤君が真由美ちゃんを嫌うよう仕向けた方が早いかもね。
   ごめんね、真由美ちゃん。でも、私がいくらでも愛してあげるからね…)」