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・ ・ ・ ・ ・あったかい……。

右手に、『全て』が在るのがはっきりわかる。
包み込んでくれる大きさがあって、導いてくれる強さがあって、気遣ってくれる優しさがあって、
心地いい温もりが確かにある。
感じるのは右手だけじゃない。頭の上から髪先までの長い旅路を、奏でるようにゆっくり何度も行き来してる。
いい子だねって軽く踊ってから、風合いを変えながら髪を流れ、やがて微かな余韻を残して、消える。
最後だけは寂しくなって、ちょっとだけ胸が苦しくなるけど、すぐさまちゃんと頭上へ帰ってくる。
想いの通りに帰ってきてくれる度、ぽぉ…っと身体中にあったかさが広がって、その分力が抜けていく。
温水プールにプカプカ浮いてるみたいな、心地いいものだけでで包まれた世界を、漂う。

「ん、ふぅ……」
「ひとはちゃん、起きた?」

まぶたの向こうから、大好きな人の声が意識をゆっくり引き起こしてくれる。
むふ、これも幸せ……あ、ダメだ、もうちょっとまどろんでいたいのに、笑いが堪えられない。

「ん…ふふっ……。
うふふふ……」
「よかった。
起きられそう?」
「ふふっ…えへへぇ~……。
ちゅーしてくれたら、起きられるかも知れません」
「うん。
ん……」

此れも、想いの通りに。
唇にふわりとした温もりが触れる。
あ~う~…えへへ。幸せすぎて溶けちゃいそうだよ。

「どう?」
「う~ん。
これからもずっと、私を起こすときはこうしてくれるって約束してくれますか?」
「うん。約束するよ」
「じゃあ、起きてあげましょう」

ゆったりとした速さで、まぶたを開ける。
当然、当たり前で、想っていた通りに、私の世界いっぱいに優しい微笑みが描かれる。
同時に右手に繋がっている先生の左手に、いっそうの力が籠もる。
『ひとはちゃんとの約束は絶対守るからね』って先生の想いが、はっきりと聞こえてくる。

「むふ……ふふ…ふへへぇ~…」

言葉にし尽くせないくらい沢山のものたちが溢れてきて、手足がパタパタはしゃいじゃうのを抑えられない。

「えっへっへ…あ……」

パタパタ、動かしたことで、私はやっと自分の体勢を把握する。
最後の記憶とは逆で、今度は私が仰向けでシーツに乗っていて、少し開いた脚の間には先生が座ってる。
私と先生が、正常位で向かい合ってる。
そしてお腹の上…恥丘からおヘソに渡って、熱くて重い塊が、乗ってる……。

「先生……」

大好きな人を呼ぶ。
するとその人は目をさらに細めて、両手を私の腰へと移した。
空いていた右手はしっかりとお尻ごと掴むように、繋がったままの左手は横から押さえるようにして、『私』を固定する。

「入れるよ」

無理だ。
きっと小学生にだってひと目でわかる。入るわけない。
だって指1本でもあんなにキチキチだったんだよ?
こんなに大きくなものを入れたりなんてしたら、絶対『痛い』じゃ済まないに決まってる。
そもそもこの身体はただでさえ容積が無いんだ。替わりにいくつか中身を抜かなきゃ。

だけど先生は『恋人にする』って言ってくれた。迷い無く。

だからね?
もちろん私は、

「はい」


幸せだよ。




―――みちっ――




「ぐっ…ふぐううぅっ!」
痛い痛い痛い痛い痛い!!
裂ける!裂けてる!!身体が割れる!!!

身体の中から音が聞こえた瞬間、用意していた覚悟なんてあっさり粉々になるくらいの強烈な痛みに下腹部が襲われる。
股間を引き裂かれるような激痛と、鉄塊に分け入られる異物感でせり上がってきた内臓によって、心臓も肺も押さえつけられて、
呼吸すらまともにできなくなってしまう。
まだ始まったばかりだっていうのに、もう世界の全部が真っ赤に染まってしまった。

「くっ…ひとはちゃん…!」
そして聞こえてくるのは、恐怖と哀しみで染まりきった声。

違います、先生。怖がらないで。
悦んで!

想いを伝えるため、私は右手に力を込める。

「ひと…っ、ボクは…っ!」
先生が私の腰を、右手を一層の力で握り、もっと近くへ。ゼロを遥かに通り越して、マイナスになる。
指1本すら通るのに苦労する肉の道が、灼熱の鉄塊によって押し広げられ、た。

夢が叶って、私は先生に『女』にしてもらった。

嬉しい。

はずなのに、私は喉が裂けるほど大きな悲鳴を上げて…たまるもんか!!

「ぐっ、ぎい、がぎっ!!」

昇ってきた震えを、歯を食いしばって噛み殺し、喉の奥へと飲み込み返してやる。
絶え間なく襲い来る肉を灼かれるような痛みを、奥歯が欠けるくらいに噛み締めてシャットアウトする。
けれど裡に籠もった振動は、反響によってますます大きくなり、熱として変換されて私の身体が更に灼かれていく。
熱い。血液が沸騰しているみたいだ。
顔から吹き出た汗が目に入り、瞬きする間もなく涙と混ざり合って零れ落ちる。

「んぐっ…がっ、ぐぅうっ!!」
駄目だ、こんな獣みたいな声じゃ。もっと可愛い声で啼かなくちゃ。
先生には私の良いところだけをあげなくちゃ!!

「ぐぶっ、ぎ、はぁ…がっ!」
「ぐっ…ひとはちゃん……!
ごめ…っ!」
「ちが…ぐぅっ、ぎ、もぢいび、でずっから!」
「むちゃくちゃ言わないで!!」

こんなに頑張ってもまだ、悲鳴が木霊してしまう。止まってしまう。
違うって言ってるでしょう!
私が欲しいのは謝罪でも、後悔でも、泣きだしそうな顔でもないんです!

「もう入ったから!もう十分だから!
ねっ!?」
「がはっ…っ、うぐっ、ふっ…ふうぅ……っ。
は、あぁ~……。ふー…はー……。
はいっ…た……?ぜんぶ…?」
 「うん」
返答は、僅かな間を伴って私に辿り着く。
…ほんの僅か、でも、5年間の時間を経た私にはそれだけで十分。

「嘘っ!」
「あ…いや……」
「ぐ…ぅぅっ」
血まみれになってるかも、なんて恐怖を無視して、結合部へと目を向ける。

「~~~ッ!」
果たして、其処には一縷の赤も存在してはいなかった。
血の海よりも酷い惨状が広がっていた。

『繋がってる』なんて優しいものじゃない。打ち込まれてる。
なだらかだった白い丘は、巨大な杭の形そのままに盛り上がり、
入り口に至っては、限界まで引き延ばされてもまるで足りずに、周りの柔らかい肉ごと巻き込まれて内側へと沈み込んでしまっている。
歪に変形してしまった『私』はあまりに不気味で、吐き気がこみ上げてくるほどだ。
……ううん、そんなの些細なことだよ。
だって、
「ほらっ!まだ半分も入ってない!!」

「う…で、も……っ、もう十分だよ!
ひとはちゃんの中、すごく温かくて、ぎゅってしてて…くっ、すごく気持ちいいよ。
頑張ってくれて…あっ、りがとう」
「はがっ、んくっ…くだらない嘘…つがっ…はぁ、つかないで!
せっ…かく、うぐぅ、女子高生と生でしてるんですよ!!
ほらっ、野良犬らしくがつがつ押し込んで!!」
「ひとは…ちゃん……はふっ、はぁ~…。
……ねぇ、落ち着いて。無理しないで。
こんなに涙が……」
私の頬を人差し指で拭いながら、穏やかな声音で先生が語る。
小さな女の子に語るみたいに。聞き分けの無い生徒を諭すみたいに。

違うよ。私が欲しいのはこれでもない。

「涙なんて…アクビ!アクビしたからです!
もっ…もう入ってたんですか!?先生のが小さ過ぎて、全然気付きませんでした!!」
ヒステリックな声が壁に反響して、耳を揺さぶる。
痛い。
鼓膜が、頭が、身体が、なによりも心が。今にも壊れてしまいそう。
やっと此処まで来れたのに、なんでこうなんだろう。忌まわしい矮躯。大好きな人とひとつになる事すら、満足にできない。

そんなの嫌だ。

「だから気にせず全部入れてっ!!」
「………ひとはちゃん…………」

先生の目を見る。心を覗く。
ぐるぐると廻って、迷って、どうすれば私を傷つけないのかを必死で考えてる。

「ボク…は……」
先生は迷いのままにノロノロと腕を動かし、ふたりの腰を縦向きに変える。
先生が上に。私が下に。

ごめんなさい、先生。
だけど私は貴方の全部が欲しいんです。

お願い、わかってください。

「………ごめん」

先生が、腰の重みごと、落ちて来た。



「ぅぐっ、あああぁぁあぁっっ!!!!」



中の傷がさらに拡がる。中の肉がぞりぞり削がれる。中に新たな臓器が無理矢理埋められる。
膣壁はたっぷりの愛撫で潤みきっていたけれど、そもそも私の分泌液は粘度が無さ過ぎて、潤滑油の役目をまるで果たさない。
肉の皺もヒダも無くなるくらいにビッチリ引き延ばされて、粘膜全部に焼け付くような摩擦をたっぷり味あわされてしまう。
痛い。

痛い怖い痛い怖い痛い怖い痛い怖い痛い怖い!!!

先生!!早く!!

「来て!!」
「うっ、あああっ!!」

ごにゅり、と。内臓の配置が変わったのを感覚が捕らえる。
おちんちんが子宮を持ち上げた画が、怖いくらい鮮明に頭に浮かんで、身体中から嫌な汗がどっと吹き出てくる。

「あがっ!?
あ、ああ、あぁっ!ぎはっ!!」

外側だけでなく、中身まで形を変えられた衝撃を受けて、私は眼球が飛び出しそうなくらいに目を見開いて泣き叫ぶ。
衝撃を逃すために四肢を限界まで伸ばし、
それでも最後に残った理性で、先生にしがみついちゃいけない、爪を立てちゃいけないって、左手でシーツを握り締めてひたすら耐える。

「うがっ、ぐぐうっ、が、はああっ!」
「ひとはちゃん!全部入ったよ!
頑張ったね!本当に頑張ったね!」
「あぐっ、ふ、うう……は、ああ~……。
はひ、った…?
あぐっ、ぜんぶ……?」
「うん!
今度こそ全部!もういいんだよ!痛いのは終わったよ!」

終わった。やっとひとつの『最後』に辿り着いた。やっと先生とひとつになれた。
想いが身体を満たして、張り詰めていたものが少しだけ引いていく。

「あかっ……うぐ…はふぅ、はぁ~…あ…。
せんせい……せんせい……せん、せい……」
「うん。
ボクはここにいるよ。大丈夫。ずっと傍にいるからね」
私の右手を両手で掴んで掲げ、先生が告げる。まるで祈るみたいに。
涙をこぼしながら。

………ごめんなさい。
先生はもっと痛かったんですよね。痛いんですよね。
ありがとうございます。
私は今、すごく幸せです。今度は私にもわかります。
先生が私の奥底に触れてくれたって。私の全部を埋めてくれたって。

「あ…ぅ……。
うれ、しい……」
まだすごくすごくすごく痛いけど、涙が溢れちゃうけど、いっぱい頑張って良かった。

私は幸せをもっとはっきり確かめるため、自由な左手を向かわせ、順になぞっていく。
ぱんぱんに膨らんだ亀頭。大きく開いた笠。確かな括れのカリ首。膣内をめいっぱい押し広げている太い幹。
鉄のように硬くて、けど熱い血潮を脈打たせている先生の分身が、私を隙間なく埋め尽くしている。
すごいな。私の中に、こんなに大きなものが入ってるなんて。

「ん…痛っ……」
外側から軽く傷口を、お腹側の壁にある特に大きなものを押さえつけてしまったせいで、私は呻き声をもらす。

…なんだかもう、どこまでが私のなのかよくわかんないや。
だけどこの痛み。手のひらにさわさわ触れる微かな柔毛。ここが私の入り口…『私』は終点だな。
じゃあ、ここからは……


「…………え?」


嘘。


「う…そ……。
これ、こんな……」
声が、掠れる。

信じられない。信じたくない。でも、確かに今、私は指をまわして掴んでしまっている……!

「んっ…ああっ…嘘じゃない、よ…。
ひとはちゃんの奥まで全部…はくっ…う、気持ちいい……。本当にありがとう……。」
「え……。
こ、れ…せんせ……。
私の身体、これだけしか無いの…?」
「………?
ど…どういうこと?」
「これでこの身体は全部なの?もう入らないんですか!?
そんな、だって……!!」


おちんちんが残ってる……!


「ぜん……?
うん…今度はひとはちゃんもわかるでしょ?だってほら」

ごり。
少しだけ、ほんの少しだけ先生が私に向かい、子宮を押し込む。
粘膜に生まれた傷口を盛大にやすりがけながら。

「うっ…くっ!」
「うぐっ…!
ごめん!痛かったね!!ごめんね!!」

わかる。
確かに、私の1番奥に触れてくれてる。……私の中はもう満杯だ。

「ぐ…そんなぁ……。
まだ、残ってる…のにぃ……。
こんなに……」
先生が外に放りだされてしまってるのに。もう3センチ。ちょうど足りない分だけ。

……嫌だ。
嫌だ!!こんなの嫌だよっ!!

「入れ、て…ください…っ」
「ふ、はあっ…ひとはちゃん…。
もう全部入ってるんだ。すごく頑張ってくれた。
ありがとう。大好きだよ」
額にうっすら汗をかき、眉根を寄せた先生が、うめくように『此処まで』だって告げる。
右手で優しく私の頭を撫でながら、自分がすごく幸せだって伝えてくれる。

嘘だよ。さっきはあんなに根元まで入れたがってたのに。

「う…ぅ……。
ふくっ…勝手に終わりにしないでぇ……。
もっとちゃんと、入れて……。
だいじょうぶだからぁ……!」
「……さっき見たでしょ?おヘソのところまであったよね。
今はちょっと無理だよ。
大丈夫、ひとはちゃんはこれからまだまだ大きくなれるさ」
「今は、まだ……」

そうなの?ちゃんと最後まで行けないの?

……違うよ。そんなはずない。先生が変に我慢してるのがいけないんだよ。
だってほら、本にはあったじゃないか。『お胎が上がった』とか『子宮の奥まで入った』とか。
躊躇も遠慮もなく、思いっきりしてくれば、きっと全部入るはずだ。そうなってるんだって。

「大丈夫。ずっと傍にいるからね」

入れなきゃ。
今、此処で、全部を最後にしなきゃ……!!
私が!!
先生の手を振り払ってでも!!

「あっ」
ふたりの手が離れたとき、泣き出しそうな顔が目に入って、胸が身体中のどこよりも軋んで私は一瞬だけ動きを止めてしまう。
一瞬だけで後悔も振り払って、私は前に進む。
いいんだよ。今すぐ悦び一色で塗り潰してあげるんだから。

「ぜんっ…ぶ、入れます…っ!」
「ちょっ、ひとはちゃん!
ダメだよ!これ以上無理しないで!」
「無理じゃない!!」

無理だ。
身体が言う。これ以上は受け入れられないって。
うるさいよ私。『初めて』くせに何がわかるの。

「うっ…ぐうぅう~…っ!」

脚は痛みのせいで麻痺して、伸びきったまま動かない。
代わりに右手で先生の肩を掴み、左手を先生の膝について、腕の力で起き上がる。
崩し正座の先生の上に乗る…対面座位へと体位を変える。

「ぐ、ぐぐぅっ!」
ただそれだけなのに、動作の毎に激痛が走って、噛み締めた歯の隙間から呻き声が漏れ出てしまう。
お腹がはち切れそうなくらいに詰め込まれているせいで、僅かに屈むだけでも内臓を抉られて、意識が断線しそうになる。
身体のあらゆるところから悲鳴が上がる。
もちろんそんなものは全て無視して、私は黙々と『最後』へと向かう。

「あ…なんでそんな……。
ダメだよ……」

宙をさまよう大きな腕をすり抜けて、先生の真上へと移動する。
これで、身体を支えている左腕の力を抜けば、私の全体重がかかるはずだ。

「はー……ぐっ、は、ああ~……」
ガクガクと震え、とめどなく涙を流しながら、身体は絶叫し続ける。
無理だよ。
やめよう、危ないよ。赤ちゃんできなくなっちゃう。もう十分だよ。先生だってそう言ってくれてるじゃない。

うるさい。

腕から、身体中から力を、

「入れ!!」


抜く!!




めきぃ




最初に届いたのは音。
身体の中心、1番大事なところから背骨を伝って頭の奥の奥へ。一生忘れない場所へ。
次に届いたのは感覚。
硬い先端がお部屋の壁にめりこんでる。目に見える場所だけじゃない、中身もカタチが変わった。ずっと先生専用になるように。


そしてやっと、ノロマな身体が反応する。


「ぅああああああああああああああああああああああッ!!!!」


「ひぃっ…ちょっと入っ…!!?
それにぐにぐに動いて……っ!!
ひとはちゃん!?」
「ああああッ、ああっ、あー!ああああーーー!!」

大地震が起こってるみたいに、ガクガクと視界が揺れる。
お腹も胸も頭も、全色の絵の具を混ぜたみたいにぐちゃぐちゃのどろどろで、何がどうなってるのか全然わからない。
何もわからなくて、ひたすら怖くて、喉が裂けるくらいに叫びをあげてのたうつだけしかできない。

「うああああぅ!あああっ、あ、ああああっ!!」
先生の背後に突き出た手足が、ばたばたと揺れる。意味不明な動きで…違う、足はシーツを蹴って先生から離れようとしてる。
身体が拒否反応を起こして、逃げ出そうとしてる。
させるものかと私はあわてて手で腿を押さえつける。
ダメだ、震えて力が入らない……っ!

「やッ…!
せんせっ、押さえてぇッ!私をっ、押さえつけて!!
早く!!」
「えっ…押さえ、る…?
何言ってるの!?抜くよ!
ひとはちゃんが壊れちゃう!!」
「ダメっ!!」
「だって身体がミシミシ鳴ってる!!」
「入れるの!ぜんぶ入れなきゃダメなの!!恋人だから!!誰にもあげない!!全部私の!
先生が取られちゃう!!!」
「ひと……くっ!」
「あうっ!」

ぎゅむっと、髪と腕を巻き込んで身体全部が抱きしめられる。
太く剛い幹に縛りつけてもらえたおかげで、激しい揺れが収まる。
それでもまだ裡に渦巻く嵐に震えていると、右頬にぴとりと温もりが触れた。感触に、はっと焦点が合う。
先生のうなじが目の前にある。恋人が私を抱きしめ、頬を寄せてくれている。

「せんっ、ぐはっ、う、はあぁっ~っ!」
まだダメだ。息をするので精一杯。
せっかくこんなに近づけたのに。先生の腰に乗って、ちょうど目線が合う高さに来れたのに。
唇に先生の左肩…盛り上がった強そうな僧帽筋が当たるくらいに……っ。
ああっ、大好きな先生の身体がすぐ口元にある!

「いいよっ!噛んで!
ちょっとでも痛みをボクに逃がして!お願い!」

『お願い』!!

言葉を認識した瞬間、私の中で何かがプツンと切れた。
今は抱きしめられない手足の分も込めて、籠もる衝動の全てを収束させて、ゴチソウに噛み付く!

「ぐっううう~~~っ!!!」
「痛う…っ!
いいよひとはちゃん!もっと噛んで!」

言われるままに、更にアゴへと力を込める。
前歯と犬歯が柔らかな皮膚を破り、肉に食い込むのを感じる。その下に在る、堅い筋肉も。
アゴを押し返す噛み応えの強さが、私を安心させてくれる。
噛み込む程に抱き締めが強くなり、私はもっと幸せになる。
もっと、もっと先生に近づきたくて、一心不乱に温もりを噛み締める。

「ぐっふ、はふっ、ふぅんっ、ふうっ!」
「ぐっあ…くそっ、収まれ…っ!
この子がこんなに痛がってるのに、情けない……っ!」

ふたり、ぶるぶる震えるひとつの塊になる。
汗と涙と血を流し合って、暴風雨を耐える。

「はぁ~…ふ、う……。ふじゅるっ…はくっ」
やがて、私の裡でびくびくと暴れていた獣もおとなしくなり、ひと息つける程度の余裕が生まれてくる。
少しずつ、少しずつ。身体の様子がはっきりしてくる。
わかる。進んだ。奥から奥へ。進んじゃいけないところまで、大きく。

だけど。私にとっては大きな進行だったけど。

「う…うぅ……っ。ぷ、はぁっ……。
入って、ない……」

肌と肉が感じ取った現実はまるで進んでなくて。全部を受け入れるなんてできなくて。
大好きな人を上手に愛せない自分だけが、此処に居る。
胸が痛い。身体よりもずっとずっと痛いよ。

「あ…ううぅ…ごめ…。せんせ……ぐず…」
「ちがっ…!
ごめっ…ごめんはボクだ!
くっ…ううっ…こんなっ…怖がらせてっ……。
気持ち知ってて…ずっと、ひどい…っ、ごめんっ…うう~、ごめんねぇ…っ」

くっつけあった頬に、熱いものが伝わり零れ落ちていく。
私の涙と、それよりももっと熱い……
「あ…泣か、ないで…せんせい…」
「う、ぐっ…違うよ、ごめ……ありがとう、ひとはちゃん。
大好きだよ。絶対幸せにするからね」
「……こんな…弱くて、小さくても……?」
「違うよ!ひとはちゃんはとっても強くて、優しくて、ボクなんかにはもったいないすごい女の子だよ!
そんな事を言わないで!」
「ほんとう……?」
「うん!
……ごめんね、ずっと怖い思いをさせ続けて。こんなに泣かせて。
絶対幸せにするからね。
ひとはちゃんのためだったら、何でもしてみせるよ。どんなお願いでも叶えてみせるから…っ!」

………『何でも』……。

「やく、そく……」
「約束する!」





むふう。





「もっとぎゅってして」
「うん」

ぎゅうっ。私を抱き締めている腕に、もっと力が籠もる。身体がますます先生に埋まる。
気持ちいい。このまま埋まってひとつになれたらいいのに。

「なでなでして」
「うん」

ごしごし。背中に回った右腕が肘で私を抱きしめたまま、いっぱい頭を撫でてくれる。
気持ちいい。頑張ってきてよかった。良い子にしてたからこんなに褒めてもらえる。

「『ひとはちゃん大好き』って、100回言って」
「うん。
ひとはちゃん大好き。ひとはちゃん、大好き。ひとはちゃんだーい好き。ひとはちゃん――…」

すぐ耳元から優しい囁きが聞こえてくる。1回1回丁寧に想いを込めて、何回も何回も告白してくれる。
気持ちいい。むふぅ。先生ってば、こんなに私が大好きなんだ。大好きでしょうがないんだ。

「は、ああ……。
あ…」
吐息とともに目線を下ろすと、鎖骨の窪みに小さな赤い水溜りができていた。
源泉は、U字の歯型。ジワリと溢れ出し、細い滝を作っている。

「ん…ちろっ」

美味しい。

赤色を舌に乗せたら、潮の中に僅かな鉄味が混じった独特の風味が広がった。
フェラの時とは違う、輪郭のくっきりした『先生』の味に、私はすぐに虜になる。
水溜りをすぐに飲み干し、湧き出す源流そのものにかぶり付いて、ちゅうちゅうと吸い出す。
うああ…美味しいよお。
旨みももちろんだけど、飲み込んだときに鼻腔を通り抜ける、りんごを切った包丁みたいな甘い金臭さがたまらない。
飲み込めば飲み込むほど、先生が頭の中にクリアに浮かぶ。
外も内も、五感全部で先生を愉しむ。心の中まで先生で満たされていく。

「…――とはちゃんだい…くっ…大好き、だ…っ。ひとはちゃんが大好き――…」

温もりで包まれながら、汗と血潮をたっぷり味わい、心地いい告白を間近で聞き取る。
誰よりも近くで、先生の『大好き』を感じられる。自然な形で受け入れられる。
あつらえたように全部ぴったりだ。
…そうだよ。私の身体が小さいのは、全部このためだったんだ。これがあるべき自然な形だったんだ。
やっとわかった。やっと辿り着けた。

むふふぅ…。


「…――ひとはちゃん、んくっ、大好き、はあっ…だよー。ひとはちゃん、大好きなんだ。んうっ……」


………うぐっ…くぅっ……。ぐ、ううっ…。……しょうがないなぁ。

ひとまず滲み出ている分を吸い切って飲み込んでから、口を先生の耳元へと移す。
吐息が吹きかかるよう意識しながら、ひと言呟く。

「我慢できませんか?」

「ひとはちゃんが大好きだ。大好きだよ、ひとはちゃん。何がかな?大好きです、ひとはちゃん」
「ぴくんぴくんって…っ、くはっ…動いて、ます」
「ひと……はちゃん、だいすき。ひとはちゃん、ごめん、大好きです。ひとはちゃん、大好きだからね」
またみるみるうちにりんご飴が出来上がる。
もうそれ言い訳になってますよね。まったく。

「んぅっ……大好き、なのは…はあぁ……。
一旦休憩にしてあげます。
ちゃん…とっ、答えて」
「………ごめんね。えっと…ひとはちゃんの中がきっ…気持ちよくて、ちょっと動いちゃいました。
ごめんなさい。
ほんとごめ…んっ」
なんて上では謝ってるくせに、下の動きはむしろ大きくなっていく。
尻尾をただ振るだけじゃなく、腰ごと円を描くように動かして膣壁へと擦りつける。
その度に亀頭の先端が子宮口を圧迫し、開いた笠が肉皺を逆撫でする。
うくっ…もうっ、すぐ調子に乗って。

「……野良犬。『お座り』も満足に…ああっ。
『ちんちん』ばっかり…っ、じょうずな、駄犬……っ!」
「……ごめんなさい」
だから謝るくらいなら腰を止めてくださいよ。
ギチギチに詰め込まれてるから、こっちは中身がまとめて揺さぶられるんです。

「ふくっ…はぁ…。
ごめっ…ひとはちゃ……ごめんねっ」
性愛の紅に頬を染めた先生が、鼻に掛かった声で私に許しを請い続ける。
その額には玉の汗が浮かび、春の日差しを受けてキラキラと輝いていて、私は思わず目を奪われる。

…まぁ、これはこれで可愛いけど……。
それだけ『私』が気持ちいいってことなんだし。

……ふむ。

「どんなふうに、気持ちいい…ふはっ…。
…気持ちいいですか?」
「えっ?
どんなって……へぇっ!?」
いつものようにすっとんきょうな声を出して、先生が止まる。
いつもそうしていたあの頃のように、私はどんどん攻め立てる。

「言って。お願い」

気になる。

本で読んだときはこんな台詞ありえないって思ったけど、実際こうなってみると気持ちがよくわかるよ。
大好きな人がどんなふうに感じてくれてるのか、『私』がどんなに特別なのか、聞きたい。知りたい。

「あ…ぅ……。
えっと…ひとはちゃんの中、あったかくて…きっ…気持ちいい、よ」
「ダメで、す…ふうっ…。
全然、わかりませ……っ。もっと丁寧に、詳しっ…く。ほ、ら…国語、教え…ああっ、あっ…。
ナデナデ、休憩しちゃダメ…っ」
んもう。
尻尾はずっと振ってるくせに。優先順位がまるわかりですよ。男の人って結局こうなんですね。

「う…うう~~っ……」
「お願い、何でも…。約束っ」
目を瞑っていやいやしたってダメです。
こっちは先生の1番弱いところを、とっくに握っちゃってるんですからね。

「ひとはちゃんの……ううっ!わかったよ!」
むふう、やっと観念したか。
頭に感じる右手の動きが活発になったことに安心して、私は口を血の滲む左肩へと戻す。
あーあ、先生が早くしてくれないから、ちょっと背中側に流れ落ちちゃったよ。もったいない。

「ひとはちゃんの、キツくて、押し潰されそうなくらいで…あぁ……特に入り口、が…はふっ……すごい……。
柔らかいお肉に、噛み付かれてるみたいだ……。
それに…なんでこんな…これ、中、すごい吸い付…くっ。気持ちよすぎる……っ。
あちこち引っ張られて、我慢が…ごめんね…っ」
「んじゅっ…ふっ……ふじゅっ」

先生は言葉にする度はっきりしてくるみたいだ。
告白が進むに従って、オクターブが上がっていく。おちんちんの暴れ方も激しくなる。
ギッチリ固定された根元近くを支点にして、おちんちんが私の中に逆三角錐を描く。
潤滑性の足りない膣粘膜は、強ばりが押し付けられる度その表面へと張り付き、著しい摩擦を与えながら次のヒダへと引き渡す。
肉ヒダのたっぷり重なり合った浅井戸が、大きな肉棒に掻き混ぜられてぷちゅぷちゅと音を鳴らす。

「じゅるっ、ふっ…くはっ!」
大胆になっていく動きによって、入り口の傷を引っかかれたせいで、私は大きく喘ぐ。
あわせて身体も…膣内までもが軽い痙攣を起こす。

「うあっ!
ちょっ…ひとはちゃ…!
このグネグネ動くの…押し潰されそうで…良すぎっ!
待って…!」
「ふ、うっ…噛み付かれて、潰されそ、でっ……はあっ…。
それでもよがる…節操、なし……っ」
「ふー…ふー……。
んぁっ…ごめっ、ああっ…。
壁の全部がぎゅっと握ってきて…ううっ…出ちゃ、いそ……っ」
「早漏」
「うぐっ…!
だっ…だって、えっと……あの、ね?指でも気になってた、けど…っ、はぁ、ふぅ……。
奥が、なんか、ツブツブがびっしりで…プチプチっていうか、ザラザラで……ひょっとしてって言うか、コレ……」

ザラザラ……?

荒い息を右肩に感じながら、頭の中で台詞を反芻する。
何だっけ…なにかで読んだような……。確か良い事だった気が…?
記憶のたどる…途中、たびたび痛みに邪魔される。ええい、ちょっと止まりなさい駄犬。

「わひゃっ!?」
『待て』の命令代わりに耳たぶを強めに噛んであげたら、やっと少し落ち着いた。
そのまま前歯でコリコリしながら、糸の先の答えへと向かう。
え~~っと……そうそう。

「…カズノコ、天井?」
「うう…っ、たぶん…初めてだからわかんない、けど…。
それに天井っていうか奥が一周グルっとザラザラ…うあっ、だから動かないで!
カリがゾリゾリってソレやばい!!」
前壁を亀頭に押し付けるように腰を動かした途端、先生の口調が切羽詰った早口に切り替わった。
おまけに両腕には凄い力が籠もって、首と背骨が軋みそうなくらい。
むふ……凄い反応だよ。
私はとっても痛いけど。

「はぁ~…はぁ~……ふ、うぅ~~。
うくっ、あと、あのぅ…だいじょうぶ、なの…?」
「何が、ですか?」
嘘でもやせ我慢でもなく、正直に疑問だ。
だって身体中大丈夫じゃないところが多すぎて、何の事を聴かれてるのかわからない。

「えっと………コリコリ。
ずっと当たって…っていうか当たり過ぎてて、恐い……。
いやあのっ、ボクはすごく気持ちいいんだけど……」
さっきあれだけ触っておいて今更何が恥ずかしいのか、頬の朱が深くなる。
…そういえば今日はまだ、一度も先生の口から聞いてなかったな。

「ぅんっ…『コリコリ』ってなんっ、ですか?」
「うえええっ!!?
そんなっ………それは、コリコリでぇ……」
「お願い」
「言わなきゃ、ダメぇ…?」
「お願い」
泣きそうな顔したって、許してあげません。
私は5年も泣いたんです。まだまだお相子には程遠いですよ。

「……………ひとはちゃんのコリコリのし…子宮が当たって、むちゃくちゃ気持ちいいです!!」
先生が羞恥に染まりきった表情で、天井に向かって吠えるように告白する。
むふぅ。そっかそっか。むちゃくちゃ気持ちいいんだ。
いやぁ、この身体、コッチはすっごく優秀なんだな。
ロリコンじゃない先生を、こんなに啼いて悦ばせることができるなんて。

「うぐっ…口にしたら、ますます……っ!
うあっ……ちょっ…すごっ!もっ…このままイっちゃいそう……!」
「くっ…痛っ……!
もうっ、調子に乗って暴れないでください……っ!」
「ごめんっ!ひとはちゃんが気持ち良すぎて…っ!!」
びくんびくん、私のお腹をかき混ぜるたび、先生の額に汗が浮く。荒い吐息が漏れる。
はっ、はっ、はっ…って耳元をくすぐられる。
お腹痛い…けど、ふふっ……私が気持ち良すぎるんならしょうがない。
正直に告白できたご褒美に、ちょっと頑張ってあげるとしましょうか。

「んぐっ……」
奥歯を噛み締め覚悟を決めて、わざと傷口を押し当てる。
すぐさま肉壁がグネグネと蠢き、絡めとった巨柱を凄まじい力で絞り上げ始める。
長い幹を余すところ無く柔ヒダで扱きあげ、先端部にはカズノコをたっぷりご馳走してあげる。
柔らかい膣肉は開いたエラの裏側にまでぴったり張り付いて、極小のツブツブで敏感な粘膜を弾くように何度も何度も執拗に攻め立てる。

「うわっ!?また締ま…っ!!
だからカリが凄すぎるってちょっと待ってってば!!」
甲高いわななきが、部屋に響き渡る。
甘美な締め付けと研磨の競演に、眼下の大きな背中がブルブルと波打った。

「くふ…ふ……」
予想通りに導き出された結果を目の当たりにして、胸の中で歓喜の渦が巻きこもる。笑いを堪えきれない。
やっぱりそうだ。
私が痛いほど、苦しいほど、先生は気持ちいいんだ。
考えてみれば当たり前だよ。
噛み付かれても気持ちよくなっちゃうんだ。
私の受けてる許容外の圧迫感も摩擦も、先生には物凄い快感になってるに決まってる。
強く締め付けるほど、粘膜を掻き毟るほど、『私』に病みつきになってくれるんだ…!

「ほ…らぁっ、『大好き』、休憩、おわっ…りぃ!
ひゃっかい言って!!終わるまでイッちゃだめですよ!!」
「ひとは、ちゃん、だいすきっ!ひと…は、ちゃん!大好き!!ひとはちゃん大好き!!1番大好きだ!!」
気持ちよくなってる先生は、とっても素直だ。
刹那の間も置かず、熱唱で私の鼓膜を痛いくらいに震わせ始めた。
『ぎゅうっ』と『ごしごし』もどんどん熱が入って、触れ合う肌が焼けどしそう。
そうですよ。ひとはちゃんが1番なんです。
脂肪だらけでぶよぶよの女なんて、不味くて二度と食べられないようにしてあげますから!

「ん…じゅるっ……。ぐ、ぢゅうっ…!」
三度、左肩の泉に口をつけ、私はアゴと膣で先生の身体を噛み締める。
食いちぎるつもりで。

膣口の柔らかいお肉で陰茎の脈が止まるくらいに締め付けながら、半円を描くように腰を左右に振って粘膜を擦り合わせる。
コリコリの子宮口で亀頭を押し潰すように撫で、無数に敷き詰められた肉粒を使っておちんちんを磨いてあげる。
竿扱きだってもうすっごく上手になった。
壁をたっぷり絡みつけ、ミルクを搾り取るように螺旋に蠢かせば「ひとはちゃんっ!」 ねえ、とっても嬉しそうに啼くでしょう?

「ひとはちゃん大好き!」
優しい忠犬は、今にも爆発しそうな衝動を我慢して健気にご主人様との約束を守り続ける。
もう悲鳴そのものになった告白が終わる度、ガチンと歯を食いしばって射精を押し留める。
天井知らずに音程が上がっていき、切ない響きが寒気をもよおすくらいに私を震わせる。

「んじゅっ、ふぅ…っ、くふぅ、ぢゅふっ……!」
私はもっと高く綺麗に啼いて欲しくて、弧を描く動きを加速させていく。
身体の痛みなんて気にしてられない。
こんなの止められないよ……っ!!

「ひとはちゃん!」

頑張れ。あと10回。

もっと啼いて。


「ひとはちゃん、ひとはちゃん、ひとはちゃん、ひとはちゃんひとはちゃんひとはちゃんひとはちゃんひとはちゃんひとはちゃん!!!」

 もっと啼いて、もっと啼いて、もっと啼いて、もっと啼いてもっと啼いてもっと啼いてもっと啼いてもっと啼いてもっと啼いて!!!


「ひとはちゃん!!!
抜くよっ!!」

もちろん、


「嫌です」
「えっ?」