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「…お風呂、湧いたよ」

「あっ、…ひと!」
小生は事故にあって、腰から下が動かなくなってしまったっス。
足の代わりに、車椅子を使ってるっス。ひとやみっちゃんが色々と小生のお世話をしてくれて、とても助かるッス。

「大丈夫ッス!服はほら、自分でぬげるから……」
「……ちょ…何もここで全部脱がなくても…」
「ほら、ひと!一緒に入ろ!わあ!」
「………………また洗濯機にぶつけた…………昨日直したのに…………」
「ごめんね!ひと…小生、車椅子でどこでも行けるのが嬉しいから、つい車輪をブンブン回してしまうッス……」
「……また直すから……今度は気をつけてね……ほら、あの手すり持って…」
「んしょ!」
「持ち上げるよ!?せえの!」
「へいやっ!」
「えっ、…ええ……身体…流してから湯船入ってよ……」
「大丈夫、大丈夫!ほら?ひともお風呂入ろ!」

「ひとー、小生の足さわって!ほら、ペシペシって!」

「……………」

「うーん…感じるような感じないような…」

「…じゃあ、ふたばが目をつぶって…私が叩いたら、手を上げて…」

「わかったッス!はい、いつでもバッチリッス!あ!ひと今触った!」

「……わかるんだね」

「本当だ!…でも、自分ではまだ動かないなあ…!」

「…多分、骨を通して振動が身体の上まで伝わってるんだと思う」

「ふうん、さすがひと!えへへ…ひと!大好きだよ!」

「わあ…っ…!もう…よくそんなに機敏に動けるね…」

「こんなの余裕ッス!小生パラリンピックに出て、金メダル取るッスよ!」


「えと、……え?何やってるの…?」

「こうやって、…んしょ!バスタオル敷いて、ほら!ゴロゴロ~~…
ね!からだ拭けるでしょ!」

「…そんなことしなくても…私が拭いてあげるのに…」

「大丈夫!ひとに、迷惑かけたくないから…!…ほら、服も着れた!」

「………じゃあ、髪乾かしてあげる」

「お願いするッス!」

「…終わったよ。手を上げて…よい…しょ…う………」

「ひと、大丈夫?小生、重いから…あ!ひと、あれ取って!あれ持ったら1人で車椅子に戻れるッス!」

「ちょ!何してんのよあんたたち…!ち、ちょっと、足、の、踏み、場、が…」

「ちょっと!みっちゃん、手伝ってよ!ふたばを車椅子に乗せるの、1人じゃ大変なんだから…!」

「大丈夫ッス!あの、箱があったら……みっちゃんは早くお風呂入らないと、虫が寄ってくるッスよ!」

「失礼ね!」

「ええ……結局、手伝ってくれなかった……」

「ひと、ドライヤー貸して!小生が髪乾かしてあげるッス!」

「いや、もうこっちはいいから……」



最後は普通に、パパが運んでくれたのでした。


「…ちょっと、みんな、もうすぐ家出る時間だってばあ…!!ちょっ、ほら、みっちゃん、ドーナツ…、よし起きた、もう行く時間だからね!」

「ひとー!おはよう!」

「あー…おはよう…ふたばは、ちょっと待って!」

「ひと!小生もう着替え終わったッス!朝ごはん食べとくねー!」

「ええっ、…なんで匍匐前進であんなに…」

「ちょっと!私のドーナツ何であんたが食べんのよ!私のドーナツ!!」

「…うるさいなあ…早く起きて、顔洗って、ご飯食べて、学校に行く準備してよ…」

「ちょっとあんた、私を引っ張って起こしてくれる?このワンアクションが、一日で一番エネルギーを使うのよ!」

「………………もう…………ほんの少しくらい、ふたばを見習ってよ………
ふたばは足が全然動かないのに………自分で起きて、自分で着替えて、自分で動いてるじゃない………
………五体満足なみっちゃんは………布団から起きることさえできないの…………?手も足も、全部ちゃんと動けるのに……!ふたばと違って、自由に身体が動けるのに……………!!」


「あー!しんちゃん、おはよう!」

「あー、…ふたば。おはよう。ちょっと止まれよ。押してやるから」

「大丈夫ッス!しんちゃんに迷惑かけなくても、小生は一人で動けるッス!」

「うわっ、おい…お前、そんなに動いて、昼休みのドッジボールまで体力もつのかよ…」

「あ!そうだった!ドッジボールのこと忘れてた!えへ、じゃあ、しんちゃんに車椅子押してもらうッス!」

「おう…そういえばふたば、ふたばは今、身体どこまで動くんだ?」

「腰から上は全部動くッス!ほら!全然普通に動くッスよ!」

「足は全く動かないのか?」

「…、…全然動かないなあ…」

「お前、学校でトイレ行きたくなったらどうするんだよ。そんなんじゃしゃがめないだろ」

「職員室の横に車椅子用のトイレがあるよ!小生ひとりで入れるッス!こうやって、こう、車椅子から降りてね!」

「ふたば…大変だな…こんな身体になってしまってな…」

「ごめんね…しんちゃんに心配かけちゃって…しんちゃんは優しいね!小生はしんちゃんのこと、大好きだよ!」

「お、お…………………」


「ただいまー」

「ちょっと、右の車輪どうしたのよ!?ぐにゃぐにゃじゃない!」

「…堤防の階段を降りようと思ったら、転がり落ちてしまったッス…!」

「…怪我はすぐ治ったんだろうけど……どうすんの車椅子……」

「なんでもう少し奥のスロープを使わなかったのよ!階段を車椅子で降りられるわけないでしょ」

「しんちゃんのチーム、フォワードが押されてたから…早く小生が援護に回ろうと思ったッス」

「…とりあえず、ホイールなんとかしないと、動かないよこれ…そもそもどうやって帰ってきたの…」