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――――――――――


幸せな昼食後の、眠さマキシマムな午後の授業も終わって、本日の業務は終了…と行きたいが、
ピョンピョン女から理不尽に要求された荷物運びが残っている。
人の足元を見やがった杉崎はムカつくし、血は止まったとはいえヒジを痛めたこの状態で、
肉体労働なんてやってられるかとも思う。
だが、引き受けてしまった以上、すっぽかすわけには行かない。
俺は貴重な放課後を削って、活動用具室……旧第二視聴覚室へとやってきた。
用具室と言えば聞こえは良いが、要は卒業生が部室に残していったラケットとかグローブとかを置いてる倉庫だ。
倉庫なので、校内で1番使われない空き教室が選ばれている。すなわち、4階端部屋だ。
そして生徒会室は向こうの校舎の1階端。思いっきり対角に配置されていやがる。

「くそっ、やっぱ引き受けるんじゃなかった」

作業開始前にすでにやる気メーターはマイナスに振り切れているが、突っ立ってても荷物は自分で移動しない。
なんとか気持ちを奮い立たせてドアに手をかけ…ようとしたところで、ケツのスマホがブルブルふるえ出した。
画面を確認してみると、メール着信……当の杉崎からだ。どうせサボるなとかそういうムカつく内容だろう。
メールを開くまでも無い、と判断して、スマホをケツに戻しておく。
いちいち頭に来るやつだ。そんなに信用ならねえんだったら、監視にでも来いっての。
こみ上げてくる怒りを右手に込めて、景気良くドアを横引きに開け……られねえ。鍵がかかってやがる。

「なんだあ?」

この学校は生徒の素行が良い(俺も含めてな)から、基本的に空き教室や屋上は開きっぱなしだ。
活動用具室もそうだったはず。実際、俺は入学直後の校内見物で中を見たことがある。
しかし、再度手に力を込めても、やはり結果は同じ。年季の入ったドアはガチャガチャ鳴るだけだ。
元々視聴覚室だったここのドアは、小窓ひとつ無いから中は見えないが、人の気配は感じない。
ということは授業とかで使用中って事もないだろう。

「ちっ……」

誰だよ鍵かけやがった野郎は。ここには盗る価値のあるもんなんてねーっての。
……1階の職員室まで鍵をもらいに戻るのは、超めんどくせぇな。しゃーない。

「……………」
振り向いて廊下を確認する。
よし、人影は無い。

俺はドアに向き直り、スマホを入れてるのとは反対のケツポケットから、生徒手帳を取り出す。
適当な厚さになるようページを開き、ドアとドアが重なってるとこの隙間に差し入れる。
そして鍵のある部分を下からガンガン叩きつつ、もう一方の手で力いっぱいドアを揺すってやる。

ガタガタガタガタガタカチャリ

「おっしゃ」
音と手ごたえの双方から開錠を確信して、俺は軽くガッツポーズを取る。

ここの校舎は結構古い上、世の中の不景気にならって、使ってない教室は鍵の更新がされてない。
だからこうやって、力技でも簡単に開けられるってわけだ。
……俺は別に不良じゃねえって。この技だって、仲良い先輩から教えてもらったもんだしな。本当だって!!

ガラッ

「………?」

なぜか教室手前半分のカーテンが閉められてる。しかも後ろ半分は窓が全開だ。蒸し暑いのがマシになっていいけど。
やっぱ誰かが使ってたのかと思って、教室を見回して見る。
通常教室の1.5倍程度の大きさを持つ室内には、机が階段状に備え付けられてる。
窓際には古臭い部活用具の数々が雑多に積まれてるが、
流石に生徒の素行の良い学校だけあって、それなりに整頓が行き届いている。
前見たときよりちょっと小奇麗なのは、杉崎が手を入れたからだろう。
後は…向こう端の机の上に、何か白い布みたいなのがチョコチョコ乗ってるが、人間の姿は見えない。

「………まいっか」

タラタラしてても時間の無駄だ。今日はノートのコピーもしなきゃならんし、とっとと終わらせよう。
ダンボールは……………………あれか?

ドアから教卓をはさんで向こう側、木製の掃除用具箱の横に、黒い布の被せられたでかい塊がある。
端からボール紙の茶色が見えるから、多分間違いないだろうとは思いながら、歩み寄って確認してみる。
予想通り、布の下はダンボールが並べられていた。
中身は…テニスボールやら剣道の面やら。そして1番上にはA4のルーズリーフが一枚入っていた。
そこには、昨日数学ノートで眺めた杉崎の字で、『再利用可能品リスト』。
他にも環境整備委員の仕事として杉崎が仕分けた事や、何かあった場合の携帯番号まで書かれていて、
アフターサービスも万全だ。俺にももっとサービスしやがれと強い憤りを感じる。
なんだってこんな隠すみたいに置いてんだ、あの女?
人に頼むんなら、運びやすいよう出入り口近くに置いとけってんだ、ボケが。
どうも今日は気が削がれる事ばっかりだぜ。
ため息ひとつついて、なんとなく周りに目をやってみる。
さっき目に付いた白い布が、近くの机にもひとつ乗っている。………たたまれたセーラー服?

キャッキャッウフフ

?!!???

ガチャガチャ...

「あれー?
ヤナギーン、ドア開いてるよー?」
「えっ、嘘っ!?制服ドロとか!?
……園っち、誰から鍵もらった?」
「神戸さん」
「じゃあ掛け忘れだよ。あの子、頭は良いんだけど雑なの。全般的に」
「どれどれ……?」

ガララ...

ドアがゆっくりと開き、そろりそろりといった足取りでブルマ姿の女子が入ってくる。
女子は3歩進んだところで立ち止まって、背伸びしながら首を回して辺りを確認し、
やがて後ろから来たもうひとりの女…昼にも見たAクラの柳へと、敬礼付きで結果を報告した。

「現場には誰も居ません、警部。
制服も、ちゃんと3着あります」

「ね。
昔も似たようなことあったから」
「ヤナギン、神戸さんとオナチューだっけ?」
「小学校も一緒。ていうか近所。
5年生のときにあの子が引っ越してきてからだけど」
「そうなんだぁ~。
じゃあさ、神戸さんの彼氏って見たことある?」
「あるよん。神戸の隣の家のお兄さんなんだ。私も私のお兄ちゃんもお世話になった。
4コ上で、今は北海道大学に行ってる」
「てことは遠距離恋愛?」
「そういうこと」
「超かっこいいってほんと?」
「いやぁ~、普通のメガネさん。
頭良くて、落ち着いた雰囲気なんだけどね。正直、神戸と付き合うとは思ってなかった。
まあ神戸の方は、子供の頃からその人にめちゃくちゃ懐いてたから、熱意に押し切られたかな?
優しい人だし」
「へぇ~」
「写メあるよ。見る?」
「見る!!」

おお…俺もちょっと見たい。などという余裕はもちろん無い。
なぜなら俺は今、掃除用具箱の中に無理矢理体を詰め込んでいる状況だからだ。

狭いっ、そして蒸し暑い……っ!

ただでさえ人が隠れるようにできていない木の箱は、身体のでかい俺の場合、腰を屈めてやっとのぎゅう詰めだ。
怪我してるヒジが、モップの柄か何かに当たってかなり痛い。
それはまだ我慢できるが、湿度の高い真夏の空気が一切動かず肌にまとわりついて熱中症一歩手前だ。
さらに緊張もあわさって、滝のように汗が吹き出てくるから、シャツだけじゃなくズボンまでもうびっしょり。
これで目の高さのところに穴が空いてなかったら、暗所も加わって流石の俺でも発狂してたかもしれん。
しかしなんなんだこいつら、なんでこんなところで着替えを?女子は更衣室あるだろ。

「園っち、一応盗られたり触られた形跡ないか見ときなさいよー」
「りょうか~い。
それにしても、照明の業者さんが早めに来ちゃったからって、こんなところを仮更衣室にすること無いのにね。
上がってくるのめんどくさかった」
「ノゾキをシャットアウトできるとこ少ないから、しょうがないよ」

なるほど、だからカーテンが閉められていたのか。
使ってるのは1-Aみたいだから、杉崎からのメールはこれについてだったのかもしれん。
なんというドッキリ☆ハプニングイベントだ。


いらねえええええええ!!!!


アホか!!こんなもん現実的に考えて、リスクとメリットが全然釣り合ってねえんだよ!!
見つかったら残りの学校生活真っ暗になるだろうが!!それにこんなしんどい体勢で興奮できんわ!!
大体、ネットでイロイロ見放題な今時、女子の下着姿くらいで……はっ、いかん!
重大な事実に気付いた俺は、慌ててぎゅっと目を瞑る。まぶたの上を汗が流れ落ちてかゆい。

エロスは正々堂々とが千葉流だ。こんな覗きまがいは、ただの犯罪だぜ。

「姫、入ったら内側から鍵かけといて。
これ鍵。パース」

なにい!?三女さんまでいらっしゃってるのか!!?

聞こえてきたあだ名に反応して、思わず一瞬目を開きかけてしまう。
だがしかし、俺は男だ。惚れ……じゃなくて色々あれだ、ちょっとそのとにかくの女が居るなら、
なおの事ぜったいに見るわけにはいかない。
俺はまぶたに力と決意を上乗せする。

「………?」
「どったの姫?」
「一瞬『視線』が……?
……ううん、なんでもないよ。ごめん」

カチャカチャ...カシャン

「ごめんね、私のせいで遅くまで居残りになっちゃって………」
三女さんの声は、ひたすら申し訳なさそうで、最後の方は消え入りそうだった。
ただでさえ鈴のように物悲しい響きをもつ声質は、哀しみの色が混じると、
聞いているだけで心臓が締め付けられてるみたいに痛む。

「そんな暗いオーラをださないでよ。
私もヤナギンも気にしてないんだから、姫も気にしないで欲しいな。
班なんだから、オールフォーワン・ワンフォーオールの精神は基本だって。
ね、ヤナギン?」
「そうそう。
気にするなら、せっかくの美白を長時間真夏の太陽に晒しちゃったことにしなさいな」
「……私、昔から日に焼けないんだよ。
不健康そうだよね……」
声はまた一段暗くなる。

白銀に例えられる三女さんの肌は、神秘的なまでに美しい白さで、儚く可憐な雰囲気を見事に彩ってる。
男子どころか女子すらも羨望でため息が絶えない、誰もに誇れる美しさなのに、
本人はまるで自信を持っていない。
不思議じゃない。ただ、くやしい。噛み締めた奥歯が軋むほど。
俺じゃあどんなに必死に褒め称えても、気休めの世辞だとしか受け取ってもらえない。
くそっ、何やってんだよ矢部っち。あんたが三女さんの殻になってどうすんだ。バカ野郎。
……バカは俺だ。自分の力不足を他人のせいにするなんざ、男として最低だ。

「そういう話じゃないっていうか、そういうレベルじゃない白さなんだけど……まいっか。
いちいちネガティブにならない!調理実習のときの元気を出しなさい!
それでもって、苦手なところは遠慮なく頼ってよ。せっかく友達なんだからさ」
「……うん」
「大体、これくらいじゃあ今朝もらったマーマレードのお礼にもならないよ」
「マーマレード?」
「姫手作りの、夏みかんマーマレード。
昨日、姫がデザートに持ってきてたんだけど、クラッカーにつけて食べると、んも~~ぅ!
あんまり美味しかったから、小瓶に分けてもらっちゃった」
「えー!いいなぁ~!
姫、姫!私にもちょうだい!」
「あ…ごめん、柳さんに渡したので最後なんだ。食いしん坊の姉がムシャムシャ食べちゃって……。
おすそ分けでもらった夏みかんはまだあるから、また作るよ」
「でも優先順位は私が先だからね~。
友達特権だもんね~」
「えぇ~っ!姫、私も友達だよね!」
「ダメです~。『美少女の友達になる普通の女の子』枠は私がもう埋めてます~。
園っちは、もっとキャラ付けをはっきりさせてから登録申請しなさい」
「ずるい!それ1番美味しい枠なのに!」
「美味しいの、ソレ……?」
黄色い声が飛び交うたび、鈴の音には呆れが強く出て、その分だけ悲しみの色合いは薄まってきた。

なかなかいい仕事をする。
いつも手も足も出せない(しかも今は箱詰めな)俺より、よっぽど頼りになってやがる。
……当たり前か。『今』の三女さんには、頼れる友達をつくる力がしっかりある。
俺ってつくづく、居ても居なくても何も変わらん端役だ………。

「か~な~り美味しいってば。
解説は後でしてあげるから、姫も早く着替えなよ」
「そうだね。今日は私も汗、すごくかいちゃったよ」

情けなく肩を落としている俺の耳に、衣擦れの音が入ってくる。
たかが聴覚情報…とは侮れない。
両腕を上げて体育着を脱いでるのとか、スカートのチャックを上げてるのとかが、
暗闇の中にリアルに浮かんでくる。
しかも頭の中で肌を晒してくれているのは、どれもこれも見知った顔だから、
妙な肉感があって……何というか、新次元のエロスを開拓された気分だ。
って、さっきまでヘコんでたくせに我ながら節操の無いうおお制汗スプレー何処に吹きかけてる…ダメだ!
これじゃ完全に変態じゃねえか!もう耳も塞いで「姫のブラ、可愛いね」 …………。

「ほんとだ。見たこと無いデザインだね。
メーカーどこ?」
「うん…この辺では売ってないっていうか……ちょっとね。
うぁ…今日はブラまで汗でびしょびしょだよ。換えなきゃ……」
直後、俺の極限まで神経を尖らせた聴覚は、『プツッ』という小さな音を捕らえた。

こ…これは……っ、三女さんがブラを外しているのか……!
ノーブラの三女さんが、俺のすぐ近くに!!

「………まあ、私にブラなんて意味ないんだけどね……」
「いきなり虚ろな目で自虐ネタかまさないでよ……。
私も無い方だから悩みはわかるけど、姫ってちょっとおっぱいにこだわりすぎだよ?
ネコの名前といい」
「おっぱいとはすなわち女子力そのものだからだよ……。
見たこと無いデザイン?それもそのはずだよ。
私はアンダーすら無さ過ぎて、通販で特別小さいのを取り寄せてるからね。
女児用キャミで充分なくせに、背伸びしてブラを着けてる私を笑うがいいよ……」
「そんなにウエストのくびれた女児が居たら、不気味だってば。
……しょうがないなあ」
「……えっ、柳さん?
キャッ!?」
三女さんには珍しい、女子そのものな可愛い悲鳴が上がる。
純度100%の驚きで満ちた高音は、クールで物静かないつもを知ってるからこそ実に新鮮で、
むしろ俺の方が驚愕で口が半開きになってしまう。

だが、後に控えていた衝撃は、それとは比較にならないほど大なものだった。

「あっ…んぅっ……。
は…あっ……」
まるで小鳥のさえずりのように瑞々しく、それでいて頭の芯を熱くさせる艶を含んだ音色が、鼓膜を震わせる。
声を上げまいと必死で抑え付けているのに、裡から来る抗いようの無い感覚に競り負けてしまう。
そんなはしたない自分が恥ずかしくて、我慢が募り、けれどそのせいでますます声に熱が篭っていく。
初めて聞く、三女さんのあられもない心の透けた声。
あの三女さんの。
あの天上の世界の住人のように清純な三女さんの。
あのオナニーのオの字も知らないはずの三女さんの。
あのトイレには行った事が無いと言われても信じてしまえそうな三女さんの!

喘ぎ声……っ!!

「あっ…あ、はあ……ふくぅっ」

う…あ……。すごく綺麗なのに、すごくエロい。
まぶたの裏が赤く染まる。頭に血が上りすぎてクラクラしてきた。鼻血が出そうだ。
なんだなんだなんなんだ?いったい何が起こってるんだ??
眼を開ければそこにに広がっているであろう、桃色の世界を目撃するため…ダメだ!
我慢しろ千葉雄大!目を開くな!それは絶対にやってはいけない!!

「ほれほれ~、ここがええのんか~」
「やっ…んぁ……。
やめっ…やな…ああっ!」

すみません普通に勃ちました。

「……いよっし!」
「あ……は…ぁ……」
突如始まった桃色空間は、また突如、達成感に満ちた女の声で強制終了される。
馬鹿野郎!もっと続けろ……じゃなかった、一体全体、どういうつもりだ!?

「な…にを……はふ…。
と、つぜん……」
「ほら、これでノーブラだと乳首が目立って困るでしょ?
ブラの意味ができたじゃん。
やったね!」
「はあ…はぁ…っ、そっ…んな、ばか…な……っ」
1度押し寄せた波はすぐには引かないんだろう、三女さんが息も絶え絶えに抗議を上げる。
羞恥と屈辱と、そして情欲のミックスされたその声も、さっきとは違う味わいで俺を熱くさせる。
鼻の下を垂れていく液体の感覚はもう、汗では無いと断言できない。

「う…わぁ~、びっくりした……。ヤナギンが暑さでついに壊れたのかと思ったよ~。
でも、姫の喘ぎ声って綺麗だったなぁ。ドキドキしちゃった。録音しとけばよかったぁ~」
「はあ…ふくっ…う……。
や…めて……」
「ねえ~。
私も姫のおっぱい、すべすべのプニプニでつい夢中になっちゃった。
大丈夫だよ、姫。これならどんな男も充分楽しめるから。自信持って!」
「む…ちゃ、くちゃ……!」
「乳首も薄ピンクですっごく綺麗だったよ。
使い込んで黒ずんでるヤナギンのとは全然違った!」
「やだもぉ~、園っちってば!さっきから冗談ばっかり!
あんまり調子に乗ってると、肉塊にしちゃうゾ☆」

……しかしこいつら(特に柳とかいう方)、さっきから明るい声で妙な会話するな……。
それとも女子って、男の見てないとこじゃ、結構バカな会話するもんなのか?

「……ふう~…。落ち着いてきた……。
…二度とこういうマネはしないように」
「ひっ…!ごめっ…ごめんなさい!謝るから睨まないで!!」
「わっ…私もヤナギンも、姫はうらやましいくらい綺麗だって事を伝えたかっただけだって!!
ほらほら、美少女は常に笑顔じゃなくちゃダメよ!!ねっ!?」
突然、女子どもが方向転換する。おそらくは『ギヌロ』と血走った目玉を向けられたんだろう。
アレ、普段とは180度違う向きで心臓に悪いからなぁ。
実際俺も、ちょっと思い出しただけで寒気がしてきた。ぶっ倒れそうなくらい暑いのに。

「いよっ、髪長姫!
美しいお顔に可憐なお身体、しかもお優しくて家事万能と非の打ち所がございません!
あっしら平民の女子力では、足元にも及びませんぜ~。
のう、園村屋よ」
「そうでございまする。この程度でお怒りになられては、姫様のご高名にキズが付きまするぞ!」
「………もうっ、調子いいんだから」
「ぐえっへっへっ、そんなに褒められたらこの柳、照れちゃいますぜ。
……でもこれだけ完璧だと、遺伝子を調べたら美容整形に飛躍的な進歩が起こりそうだよね。
お姉さんも、あのご当地アイドル『丸井ふたば』なわけだし。
美少女形成の遺伝子が見つかるよ、ぜったい」
「もうひとりのお姉さんも、すっごい可愛いんでしょ?
松原さんが『理想の少女像そのままの、天使のように愛らしい女の子』って、絶賛してたよ」
「その情報は無視していいよ。
ていうか、聞かなかったことにして………」

一体あいつの目には、長女がどう見えてるんだ……?

確かに長女は可愛い。
もちろん、三女さんやふたばみたいな桁外れの美少女とは比較にならんが、
『黙ってれば可愛い』女子揃いだった6-3でもさらに上位に位置していただけあって、
言動の残念さと腹周りに目を瞑れば、普通に高得点なのだ、ヤツは。
うちの学校にも、長女(が頻繁に見せるパンツ)目当てで駅前のファミレスに通ってる奴だって居る。
かと言って、松原だって負けてはいない。
癪だが、凛と輝く黒い瞳も、不適に笑う薄い唇も、形良く尖った顎も、
本音を言えば充分に美人の範疇に入っている。
スタイルは……まあ松原はぶっちゃけ貧乳(俺査定A)なわけだが、
流石元陸上部だけあって良く引き締まってて、
太腿の細さとか、むしろ長女の方が涙を流して悔しがっていいレベルだ。背が高いのも映える。
さらにメンタルと学力に関しては、改めて比べるまでも無く松原に軍配が上がる。
それでも何故か、ガチで理由不明に、あの女は長女を崇拝している。
……微妙に馬鹿にしているようにも見えるが。
でもはっきり言って、俺的に人生最大の謎のひとつなんだよな。たぶん、一生わからない予感がする。

「無視なんてできるわけないじゃない。
あのクールな松原さんが、うっとりした表情で語ってたんだよ。気になっちゃうってば。
…ううむ、こうやって考えてみると姫ってば、周りのキャラの布陣も豪華だよね。
私、ちょっとやそっとのキャラ付けじゃあ友達申請できないなぁ」
「申請制度なんてとってないよ」
「アイドル級に可愛いお姉さんたち、クールビューティーの松原さん、
天才の神戸さん、でもって姉御肌で頼れる杉崎さん……あっ」
杉崎の名前が出たところで、教室の空気が少しだけ張り詰める。
次いで、さっきまでのんきそうだった園村とかいう方の声が、恐る恐るといったふうで続ける。

「あ…や~……私はもちろんヤナギンの味方なんだけどぉ~…」
「別にいいって。あの子が仕切り上手な事、私だって認めてる。
まあ?今日みたいにグループの和を乱されると、溜まるものはあるけどさ」
「杉ちゃんは、火曜日はお稽古事があるから……」
「姫。
私、姫の事すごく好きだし、努力家なところすごく尊敬してる。
でも、その八方美人なところはどうかと思うな。
お弁当もいろんなグループを行ったり来たりして。
姫は特別だからみんな従うけどさ」

「…………うん。みんなが良くしてくれるからって、私、好き勝手してるよね……。
ただ、それでも私は……」
「わかってる。姫がクラスの雰囲気良くしようとしてくれてるの。優しいって思うよ。
でもね、ちょっとおせっかいが過ぎるよ」
声にははっきりと棘が感じられる。
ついさっきまで、キャッキャウフフと華やかだった雰囲気は、
ただの一言を契機に、寒々しい荒野に変わってしまった。

女は怖い。なんでこんな簡単に温度が切り替えられるんだ、こいつら。

「……ごめん」
「姫に謝ってもらうことじゃないけど。
でもそっか、お稽古事か。さすがはお嬢様って感じだよねぇ」
「だよね~、ヤナギン。
庶民とは一緒にやってられないっていうんなら、お嬢様学校とかに行けばよかったのに」
「いっそ杉崎学園とか作って、別世界に引っ込んでればいいのよ。
ショップを何件も店ごと買い取るくらいお金余ってるんだから」
「あの噂って、ホントなの?」
「冗談みたいだけど、本当。
私、子供の頃、あの子が下北沢の雑貨屋さんをまるごと買い取ってるの、この目で見たもん」

杉崎の負債。
金に物を言わせてわがままし放題だった女子の悪評は、鴨橋小の外にまで鳴り響いていた。
ぶっちゃけた話、杉崎は6年生にあがる以前から、男子の間ですら評判が悪かった。
高価な物を見せびらかしてたし、何でもかんでも金で解決しようとしてたし、
超が付くくらいの高慢高飛車だった(これは今もか)。悪くならないはずが無い。
小学生男子の間ですら悪かったんだから、女子連中の間じゃ相当だ。
4年も経った今ですら、基本サバサバしてる虻川が、苦笑いして思い出話するくらいなんだから。

杉崎の件については、良いも悪いもめちゃくちゃに掻き回して訳わかんなくする長女の性格が、
プラスに作用した唯一の事例だと、俺は思ってる。

「高校入って、ひと目でわかった。あの目つき。
あの時、成金らしいヤラシー目でこっちを見下してたの、よく覚えてる」

中学に入ってしばらくした頃、杉崎は自分のやってた事の恥かしさとかで、すっげー悩んでた。
プライドが高くて、しかも自分がズレてる自覚がある分、
一時期のふたばより深刻だったかもしれない。
……結局のところ俺は男子だから、詳しい事は何も知らん。
だが、あの杉崎が委員会の仕事に積極的で、後輩の面倒見が良くて、節約にうるさくて、
しかも全部をうまく切り盛りできるようになったんだ。
きっと相当な苦労があったんだと思う。

「そのくせ、私は普通の子と一緒の苦労してる、みんなと同じだよってポーズしちゃってさ」

女ってのはわからん。わからなさ過ぎて怖い。
杉崎の気の強さを慕うグループもあれば、未だに昔の事を掘り返すグループも居る。
しかもひとつのクラス内で、だ。

「……実際、杉ちゃんは私たちと同じ条件で勉強して、学校生活して、
委員会のお仕事してるよ。
お稽古だってして、Aクラに居るんだから、普通の子よりすごいくらいだって思ってる。
……思ってくれない、かな?」
「姫は昔からの友達だから庇うのはわかるけど、杉崎さんのはあくまでポーズじゃない。
私、そこが嫌いなの。
少ないお小遣いでやりくりしてるって言ってたって、
あの子が豪奢なドレスですごい車に乗ってるの、何度も見かけるし。
1学期の打ち上げのときとか、軽~くカラオケ貸し切りにしちゃってさ。
あの日は空気読んで黙っててあげたけど、根本的にズレてるよね」
はきはきとした口調での断定。
それは分厚い壁みたいに、三女さんの想いをシャットアウトする。

「…………そうだね」

ここまで、か。
だけどそれでもすげえ。
あの大人しくて無口だった三女さんが、こんなにはっきり主張するようになってたなんて、思いもしなかった。
女の子にとって、誰かを『好き』なるって、こんなに特別な事なんだ。
……やっぱ、くそっ。わかってた事だけどよ。

「だけど、柳さん」

なんて勝手に結論付けてるバカ野郎を置いてけぼりにして、
小さな鈴を思わせる声は、だけど凛々しいくらいに明確な響きで空気を震わせ続ける。
壁なんて越えて行ってみせるって、想いと一緒に。

「杉ちゃんは、お金持ちの家に生まれた責任をしっかり果たしてるよ。
私たちとは別世界の事‘も’してるんだよ。
お稽古事もパーティも、普通の高校生ならしなくてもいい事だって思わない?
ドレスを着て出かけるのは、ふさわしい格好があるからだし、
高校に入ってから、杉ちゃんが学校に高価な物を着けて来たの、一度も無いよ」
「姫……」
「ズレてるところがあるの、認める。
だからこそ、普通じゃない、おかしいって思ったなら、はっきり言って欲しい」
「……それって、甘えよ。
『悪いところは教えて』なんて、空気読めない子の言い訳じゃない。
周りを見て、合わせるよう努力するのが普通でしょ」
「でも、柳さんは私に教えてくれたよ。
流行の音楽とかテレビとか、カラオケでもデュエット一緒に歌ってくれた。
私には、素敵に笑って教えてくれたよ」
「姫の事、すごいって思えるからよ。
わがままとか自分の事とかじゃない、家の事情と向き合って、
家の事も学校の事も一生懸命頑張ってるの見せられたら、誰だって力になりたいって思うわ。
それこそ、普通に」
「杉ちゃんは私よりずっと頑張ってるよ。ポーズなんかじゃなく」
「ふうん……。
例えば?」
「例えば………」

例えば、自主的に再利用可能な部活用具を仕分けたり。
やってる。ただでさえ稽古事とかで忙しいってのに、自分の時間を削ってだ。
よっぽど物を大切にする気持ちが無かったら、出来ない。
バカか、あのピョンピョン女。何を親友の三女さんにまで秘密でやってんだ。意味不明なプライド持ってんなよ。
こうなったら俺がズバッと出て行って……なんて出来るわけねえ……。
……わかってるさ、三女さんがこんなに勇気を見せてくれたんだ。
ここで出て行くのが男だ。
つったって、無理だって実際。こんな状況で出て行ったら100%変態野郎だぜ。
叫ばれて生徒指導室連行で、おふくろまで呼ばれて、晒し者になって……。
漫画みたいに次の週になったら何事も無く、なんてのはありえないんだ。
残り学校生活の2年半、容赦なく地獄になる。

「お稽古事こそ、杉ちゃんの家の事情で……」
「それは結局自己研鑽よ。自分の事で、自分の都合なの。
遅くまで部活や塾で頑張ってる子はいくらでも居る。
姫みたいに逃げられない事情があって、家のお手伝いやアルバイトしている子だって居るわ。
それが『頑張ってる』だって思ってるんなら、ただの友達贔屓よ」

やっぱ無理だって!!
俺は佐藤じゃないんだ。普通の男子高校生なんだ。明日からの毎日が大事なんだよ。
いいじゃん、確かに惜しいタイミングだけど、杉崎が頑張ってる事はいつか証明されるって。
ていうか、近いうちに生徒会報かなんかで、このリサイクルの件が載るって。
放っといても無問題だって!!
大体、俺は杉崎に義理も何もないっての!!
むしろムカついてる!いつもいつも人をバカにしやがって!
今日だってメールじゃなくて電話で教えてくれりゃあ、こんな目にあわずに済んだんだ!
生徒会には細かいメモ準備してたくせに……あっ。

そういえば、左手に詳細を書いたルーズリーフを持ってるんだった。

「………………」
俺はあくまで目を瞑ったまま、右手で穴の開いている箇所を確認する。

作戦。
①この穴からメモを教室へ落とす。
②物音を立てて注意を引く。
③落ちてるメモに気付く三女さんたち。
④杉崎さんすげーっスわー。っべーっスわー。カンドーっスわー。

「委員会の仕事だってしてるし、クラスを率先してまとめてくれてるよ」
「委員会なんてボーっと座ってればいいし、仕切り屋なのはあの子の性格だわ。
本当にクラスをまとめる気があるなら、仕事の多い委員長に立候補すればよかったはずよ。
そういうところが、杉崎さんのポーズなの」

いやいやいやいやいやいや。

もしこっち向いてるヤツが居たら、穴からメモを差し出してるの丸見えじゃん。
中に人が居るのがモロバレじゃん。出て行くのと一緒じゃん。
そもそもこのメモ、かなりくしゃくしゃになってて汗で湿ってて、怪しさ爆発じゃんか。
リスクでかい。無理だな無理。
すんません、三女さん。マジすんません。後で土下座でも何でもしますから。

『先生みたいになりたい』

今電撃的にわかったぜ。矢部っちすげえ。すげえいい先生だった。
泣いて言い訳しながら土下座して、情けねえ大人だって笑ってたけど、全然そんなこと無かった。
だって俺今、出て行けねーもん。指も動かせねーもん。
わかってなかった。気付いたときにはもう遅かったとかじゃなかった。
俺じゃそもそも無理だった。進行形で無理。
それに俺、矢部っちみたいなイジられキャラじゃねえし。
プライドあるっつーか、土下座しても許してもらえないキャラっつーか、
しかもあの頃のドタバタは、所詮教師と生徒の間のことだったから…ってダメじゃん俺。
完璧言い訳モード入ってんじゃん。
覚えてるっての。矢部っちは校長先生にも、おふくろ達PTAにもボコボコにされてた。
変態教師とかシャレになんねえ場面でも、堂々と出て行ってたよ。
流石は三女さんが惚れるだけはあった……でも、美少女に好かれるんだったらやる価値あるか…ってだから!!
損得勘定する時点でダメ過ぎるだろ!!やっぱのやっぱで無理!!結論出た!!
俺は所詮『登場人物A』だし!過剰な期待かけられても困る!!

『変わらなきゃって思ったんだ』

「でもわかって。杉ちゃんは誰より頑張ってるんだよ」
「いいってば、姫。園っちにも言った通り、私だって杉崎さんを認めてる部分はあるの。
それでいいでしょ。
私は姫の事が好きだし、これからも カタン ……?」
「あれ?」
「ヤナギンも姫も聞こえたよね?
後ろの方から………」

もう上手く聞き取れない。
耳の中は、自分の心臓がバクンバクンと鳴る音が反響して、痛いくらいだ。
脱水症状になりそうなくらいカラカラだったのに、嫌な汗が後から後から滝のように噴き出てくる。

「……くしゃくしゃのノートだ……。
こんなの、落ちてたっけ……?」
「わかんない。
前に着替えた子が落として行ったのかな?
園っち、最初に見渡したときあった?」
「ん~……。
あんまり意識してなかったけど、なにも落ちてなかったような……」

心臓が痛ぇ。
血流が激しすぎて、鼻だけじゃなく、耳からも血が噴き出そうだ…っ。

「姫、なんか書いてある?
名前とか」
「……これって……!」









まとめると、なんだろ?
そうだな……とりあえず土下座はせずに済んだ。
後は、やっぱ頭いい人間は良いこと言えるもんなんだなって思ったわ。マジで。





「………もう誰も居ない……よな……?」

三女さんたちが出て行ってから、ずいぶん経った(と思う)。
目のところの穴で最後の確認をしてから、用具箱のドアを内側から開く。

「ぶっ…はあああああ~~~っ!!!」
肺全体を使って、深呼吸する。
シャバの空気が美味すぎる。生きてるって素晴らしいぜ。

「はぁ~~っ、ふう~~っ」

今回はかなりキッツかった。
後5分、出て来るのが遅かったら間違いなく気絶してた。
最悪そのまま汗で水分が全部出て、ミイラ化してた可能性もある。
冗談の類じゃない。
教室は窓が締め切られてかなり室温が上がってるってのに、
汗がガンガン蒸発していくせいで涼しく感じるくらいだ。
さっきまで俺が押し込められていた環境、推して知るべし。

「ふはぁ~~~っ。
……ヤベ、何か飲まないとぶっ倒れるな。
購買にポカリ ガラッ っ~~~!!??」

ひとりごちている俺の目線の先で、突然教室の入り口が開く。そして、

「わっすれものやねん~♪」
訳のわからん歌(おそらく自作)を機嫌よく口ずさみながら入ってきたのは、
俺にとって最悪の相手、チビ女だった。
チビ女は当然すぐに、ギョッとして固まっている俺を発見する。

「……………」
ガキみたいにキラキラ輝く大きな瞳は、すぐさまスイと細まり、
いつものごとく、虫を見る蔑んだ眼差しへと移り変わった。


終わった……!!


「……………」スタスタスタ

俺の事を息をするようにディスりまくっているこいつの事だ、
こっちの言い分を聞かず、容赦なく『ノゾキ!』とか大声を上げるだろう。
どころか背びれ尾びれを付けまくって、
『口からよだれを撒き散らしながら下半身裸で押し倒そうとしてきた』くらいは証言するに違いない。

「…………あれ?」ガサゴソ

なんでよりにもよってこいつが来るんだよ、畜生!
つうか、お前みたいな幼児体型じゃ勃たねえっつの!なめんな!!
だが東大確実とされてるこいつは教師の間でも特別扱いだし、劣等生の俺じゃあ分が悪すぎる。
まさかとは思うが、た…退学の可能性も……っ!!

「…………やっぱあった」

嘘だろマジかよオイッ!?
脳が破裂するほど勉強して入った高校なのに!
スマホまで買ってくれるくらい、おふくろも超喜んでたのに!
何よりせっかく三女さんとの高校ライフを満喫できてたっつーのに!!
ていうか三女さんだよ三女さん!
やべえ、三女さんの可愛さは近隣の高校でも有名なんだ。
それをノゾいたなんてレッテル貼られたら、夜逃げ確定じゃねえか……!

「……………」スタスタスタ

くそう、こんな事ならあの時ちゃんと目に焼き付けときゃ…じゃねえ、ちゃんと名乗り出ときゃよかった。
同じノゾキのレッテル貼られるなら、チビ女のレイプ疑惑より杉崎を助けといた方がマシだったし、
あいつに恩を売っときゃ働き口の紹介くらいは「…っておい!」

身動き取れなかった俺を完全に無視して、スタスタと教室から出ようとしているチビ女の背中へ慌てて声をかける。

「…………なんやねん」
逐一むかつく事に、チビ女は背中向きのまま、めんどくさそうに返事をする。

しかしとりあえず猶予時間は得られたみたいだ。
俺は何とか自分の言い分を通すため、小さな背中へと主張を続ける。

「俺は変な事なんてしてねーからな!
おかしなこと叫んだりすんなよ!!」
「…………叫ぶって、何を?」
「何をって……『ノゾキ!』とか、『チカン!』とか」
「ノゾいとったんか?」
「してねえ!一切何も見てねえ!!」
「やったら、別に何も叫ばんわ」
「そう、だから叫ぶなよ絶対……って、へ?
え、ノゾキ扱いしないのか?」

意外な回答に思わず拍子抜けする。しかし油断は出来ない。
チビ女は相変わらず背中向きで表情は見えないし、声には友好的な雰囲気は全く感じられない。

「なんやねん。ノゾキ魔にして欲しいんか?
お前はアホな上にドMなんか?」
「なわけねーだろ!」
「そしたら呼び止めんなや」
「……いや、まあ、そうなんだが………」
「……………はぁ~~…。
あのなぁ、私はちゃんと物を見とんねん。
お前はド低脳やけど、しょーもない事するヤツとちゃうの、わかっとるわ」
「……え?
え…え~~っと……?」

え?あれ?
俺、褒められてんの?けなされてんの?

「私、アホと話して時間無駄にすんの、死ぬほど嫌いやねん。
バイバイ」

ガララ ピシャン

「え……。
ええ~~~………???」


だから何なんだよ女ってぇ~……。
誰か解説してくれよぉ~……。