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――――――――――


「んっ……。
入っ…た……」
小鳥が詠うように、けれど確かな艶と熱を乗せて細い喉が言葉を紡ぐ。

「あ…うあぁ……。
は、い……」

『生きた美術品』とまで囃される可憐な裸体が、俺の前に在る。
品良く尖った顎から流麗な曲線によって繋がれた、握りこめるほど細い肩。
続く薄っすらと肉付いたおっぱいは、確かにささやかではあるけれど女の子を強く意識させる曲線を描き、
その僅かな丘陵の頂点には、ピュアピンクの蕾がぷっくり勃ち上がっている。
わずかに透けた肋骨と筋が、可愛いおヘソを中心にして細長い菱形を描き、独特の艶かさを放って俺の脳髄を揺さぶる。
極上の絹を更に超えて滑らかな肌は、柔らかでありながら引き締まったくびれを形成し、
やがて瑞々しさの中に硬さを感じさせる腰骨、そしてひっそりと茂った、髪と同じ宵闇色の柔毛へと収束してゆく……。

「入って、ます……」
クラクラする。
頭に血が上りすぎて、目の中で奇妙な光まで瞬き始めた。

妖精か精霊かと幻視するほど芸術的な身体のラインが収束した終点では、
茂みに透けてシンプルな縦線がひとスジ通って終わる……本来だったら。
だけど今。
視線の先では、つつましやかな女性器が痛々しいくらいめいっぱいに広がって、
脈打つ俺のモノを半ば以上受け入れてくれている。
あまりにもサイズが違いすぎるんだろう。
粘膜が伸ばされきって、これも本来なら姿を見せないはずの、米粒のようなクリトリスまで露出してしまっている。

そう。
三女さんが俺の腰に跨り、俺とセックスをしている。

「入ってますね……」
もう一度、カラカラになった喉を必死で絞りながら、夢のような光景を口にする。

儚く清らか、過ぎるくらいに可憐で性的な事を一切想像させない麗しの髪長姫が、俺と繋がっている。信じられない。
実際、腰で受け止めている相手の体重はあまりに軽すぎて現実感が希薄だ。骨や内臓がちゃんと入っているんだろうか?
茫然と手を動かし、仄かに桜色に染まったお腹に触れてみる。

「ん…やっ…。
手、ちょっと冷たいよ」
「すっ…スンマセン!」
口では謝罪を述べながらも、手は柔らかな温塊から離せない。女の子ってなんて気持ちいい手触りなんだろう。
うっすらと脂の乗った瑞々しい絹肌は汗でしっとりと濡れて手のひらに吸い付いつくようで、
軽く触れているだけでも感動的なまでのさわり心地が俺を満たす。
手触りだけじゃない。何もかもが心地いい。
花開いたように色づいた肌身は玉の汗が浮かんで煌きを放ち、ほのかに甘い汗の匂いを醸し出している。
何よりも、剛直を包んでくれているみっしりとした肉感と温もりがたまらない。

「ん、はぁ…。
おっきぃ……」
三女さんは柳眉を軽く寄せ、スッと整った鼻梁から深く甘い息を漏らす。
俺の腰に乗っているっていうのにまだ頭頂が目にできるほど小さな身体は、見た目通り凄まじい狭さだ。
だけど締め付ける肉壁は温かくぬめっていて、複雑な絡みつきで純粋に快感だけを生成してくれる。
特に最高なのが亀頭部分。三女さんの奥は小さな粒々がびっしり敷き詰められていて、
軽く身じろぎしただけで傘の開いたカリ裏がゾリゾリと擦られて、鳥肌が立つほど気持ちいい。
ひょっとしたら三女さんのアソコは、噂に聞く『カズノコ天井』なのかも知れない。何から何まで特別製な人だ。
更には先端に押し付けられているコリっとした感触もアクセントになって、
ただ挿入しているだけだっていうのにもう達してしまいそうだ。

……でも、こうなるとやっぱり入りきってない根元部分がちょっと寂しいな……。

俺は底なしに湧き上がってくる欲望に従い、腰に力を込めて挿入を深めた。
が、肉棒は一切進まず、代わりに亀頭が歪むほどに柔硬い奥壁へ押し当たっただけだった。
ツルツルして温かい軟骨のような感触が鈴口にめり込むのは、予想とは違ったが格別の気持ちよさで、
自然と「はふぅ」と切ない鼻息がもれ出た。

「かぅっ!
くはっ……!?」
同時に、三女さんが目を見開き魚のように口をパクパクさせて大きく喘ぐ。

「えっ!?
すっ…スンマセン!大丈夫ですか!?」
「くふっ…。
ちば…くんっ、そこッ!
はっ…ふぅ……っ、はあ……」
三女さんは面積の小さい額を俺の喉下に当て、乱れた息を整えようとする。
はあはあと荒い呼吸を付くたび膣道がキュウッと締まってこちらも喘ぎそうになるが、ただ事ではない空気を読んで何とか押え付ける。

「…ぅ……ぱい…なの」
「え?」
問い直した俺へ、濡れた虹色の瞳と官能が見え隠れする切ない貌が向けられる。
白い爪が大粒の汗の浮かんだ背中にわずかに食い込んだ。

「もう、私の中は満杯なの」
「え…満杯ってどういうことっスか?」
「……千葉くんの先っちょ、当たってるでしょ……」
「あ、はい。
なんかすごいコリコリしたのが、ぎゅっと当たってます」
「それ……」
三女さんは一旦言葉を切る。
美貌は真っ赤に染まり迷うように瞳が揺れるが、やがて決心したかのように強い眼差しで答えを告げる。

「それ、私の赤ちゃん作るところ」

…………………!!?
たっぷり時間をかけてその意味するところに辿り着いた瞬間、完全に停止する。
さっきからずっと、亀頭が歪むくらい力いっぱい押し当たっている硬さ。
それは三女さんの…女の子の最も大切な場所、子宮だった。

「うっ…うわっ!?」
これまで想像もしたことのない神秘の器官にまともに触れているという衝撃で、激しくうろたえてしまう。
凄すぎるっていうか、浅すぎるっていうか、だって俺のモノはかなり余ってるっていうのにっ。
女の子のお胎ってこんな簡単に触れられるものなのか?こんなに密着した状態で射精したら……っ。
浮かんで来た想像によって雄の本能を直接刺激されて、海綿体に血液が更にどくんと送り込まれる。
根源から湧き上る満足感と充足感で鼻血も出そうだ。
ぐるぐるする頭をなんとか落ち着けたくて、縋るように視線を正面に座した相手へと向ける。

「ごめんね……」
辿り着いた先で突然、美しい顔と声に悲しみの影が差した。

「え……?
そ…そんな、どうして…」
目のあたりにした俺の胸は、押し潰されたかのように痛み、悲鳴を上げる。

いったい何を謝ってるんだろう?むしろ謝る必要があるのはこっちだ。
三女さんは小さな身体に明らかな負担をかけてまで俺を受け入れてくれてるっていうのに、
心配よりも身勝手な気持ちよさを優先させてばっかりで……。

「全部入れてあげるの無理で……。
小さくて……。何もかも小さくて、ごめん」
小鈴のような寂しい音色は、所在無く空間へと消え入る。
長いまつ毛に乗って輝く涙の珠は、不謹慎だけれど目を奪われるほど綺麗だった。
けれど今は見ほれている暇なんて無い。一刻も早くこの想いを伝えなくては。

「そんなっ。
ちがっ…俺が、俺こそマジですんませ……っ、こんな、これ、俺はありが……っ!」
自分の馬鹿さが今ほど悔しい事は無い。
こんなときにまで言葉を見つけられず上手くカタチにできないなんて、情けないにも程が有る。
せっかく大好きな女の子が精一杯、文字通り身体中で想いを伝えようと……そうだ。
後悔も苦悩も今は必要ない。今の自分ができる精一杯で伝えるんだ。
俺は決意と共に両腕で、か細い身体を抱き寄せて包み込むように抱き締める。折ってしまわないよう細心の注意を払いながら。
手の甲にかかった黒髪がサラサラと気持ちいい。

「あっ……」
右の耳元で、また鈴が鳴る。
相対して俺の口へと近づいてきた形の整った耳へ、自分の心の全てを届ける。

長い間裡に溜めてきた万感の想いを、全て。

「好きです!」
「………っ」
腕の中の温もりがピクリとふるえる。
伝えたい気持ちが逃げてしまわないよう全身で抱擁し、何度も何度も届ける。

「好きです。好きです。好きです。好きです。
大好きです。ずっと好きでした。好きです!好きです!大好きです!!」
「ち…ば、くん……」
想いへの応えとして白く細い腕が俺の背に回り、ゆっくりと力が込められる。
はじけそうなくらい瑞々しい肌が一層に密着して、身体の全部が心地いい。
『心』はもっと。

そして三女さんは軽くあごを上げて愛らしい唇を俺の耳元へ寄せ、天使の囁きのように―――

「変態」

「すきで……へぇっ!?」
すぐ耳元で、しかも透き通るような声で伝えられた言葉はあまりにも辛辣で、
状況と行為にそぐわない頓狂な悲鳴を上げてしまった。
へんた……え?あれ?俺今、『好きです』って言えたよな?
かっこ良くはできなかったけど、それでも精一杯の気持ちを込めてはっきり言えた…はずだったよな?
身に受けてる悦楽との落差で激しく混乱している俺を他所に、三女さんは確認するようにもう一度唇を動かす。

「変態」

…やはりさっきのは聞き間違いじゃなかったようだ。

「へ…変態って。
そんな、なんで、だって俺、マジで…うひゃい!」
真意を確かめるため身体を離そうとした瞬間、三女さんに一層の力で抱きつかれ、身動きが取れなくなる。
……腕の方は全然弱いんだが、アレがすげぇ。キュキュッと搾り取るように締まって、危うくイきかけた。

三女さんの中は入れているだけでも蕩けそうなくらいに気持ち良くて、ピストン運動の必要が無い程だ。
規格が違うとまで思える狭い肉道はただでさえ締め付けが強烈だというのに、
シャフトの半ば…秘裂の入り口部は特に凄まじくて、鈍痛すら感じるくらいに柔肉が食いついてくる。
亀頭はぷちぷちとした粒いっぱいの天井でぐるりと隙間なく包み込まれ、
蠕動によってカリ首が弾くように何度も何度も責め立てられる。
そして先端を圧迫する子宮のコリコリが堪らないくらい本能へ訴えかけてきて、あまりの快感で目から星が飛び散りそうだ。

「んっ……ほらぁ、変態。
本当は貧乳のチビ女になんか興味ないくせに、気持ち良いから全部どうでもよくなっちゃう。
イきたくて堪らないから、とりあえず好きって言っちゃう。
千葉くんが好きなのは私じゃなくて、キツキツ穴なんだよね。
キモチイイお肉の穴があるから、骨ばったチビでも好きって言っちゃうんだよね。
タテスジのロリマンに釣られておっぱいもお尻も捨てちゃう最低のロリコンド変態だね。
今すぐ死んだ方が地球のためだよ」
ふう~っと熱い吐息と一緒に耳へ吹きかけられた言葉は、透明感のある音質なのに鋭い切れ味を持っていて、
硝子の剣を思わせる。
神経を削り取るような一閃を無防備に受けたせいで、背がブルッと震える。
その身じろぎだけで、亀頭がゾリゾリコリコリと眩暈がするくらい気持ちいい。

でも今ここで終わってしまうわけには行かない。

「くっ…ちがっ…うっス!三女さん、俺はほんと「ほぅら、子宮コリコリ~」 ぐあっ!!」

三女さんが垂直に体重を掛けながら、円を描くようにねっとりと腰を振ったことで、
柔硬の子宮が鈴口を広げるほどの高圧で押し付けられる。
最も弱い尿道粘膜を卑猥な動きで擦り上げられて、甘い悦楽が背筋を駆け上り、今にも堰が瓦解しそうになる。
これじゃあ反論するどころじゃない。
俺はまぶたと奥歯をがっちり閉じ拳を握り締めて、射精を押し留めるのに集中する。

「ん…ふくっ……。
ほぅら、コリコリ、コリコリッ。
知ってるんだよ、私ってカズノコ天井で肉巾着で男の子には最高なんだよね。
ほら、ガマンしないでいいよ。早くびゅーびゅーってイって」
「ぐっ…ううぅ……!」

細い腰が揺れるたび、狭肉リングでシャフトを捻られながら無数のヒダによって締め付けシゴかれる。
奥のザラつきが裏スジを執拗なくらいに擦り立て、俺の意思を削り取っていく。
そして鈴口と口付けしてるのが確信できるくらいはっきり感じられる、極小の子宮口。
この灼けるような四重攻めの中で射精すれば、天にも昇るほど気持ちいいに違いない。
むしろこのまま我慢なんてしていたら狂ってしまうかもしれない。
それでもダメなんだ。ここで終わるわけにはいかないんだ。

「んっ、んっ、あんっ…んぅ…」
「ぐっ…く、ぐうぅ…っ!」
怒涛のように迫る快楽を、歯を食いしばって耐える。耐える。耐える。
ただ美しさだけ追求して編まれた硝子細工のような身体は、腕の中に在るからこそその細さと軽さを直接的に感じられて、
見た目以上に致命的に脆いものであるのだと突きつけられる。
こんなの、俺の野太い腕じゃあ力を込めたら簡単に壊してしまう。自信もって答えられる。
だから押え付ける事も突き放す事もできない。どんなに激しい悦楽の拷問を受けても、ひたすら耐え続けるしかない。
ギリッと食いしばった奥歯が軋む音が耳の奥で木霊する。…奥歯なんて折れてもいい。この想いを折るわけにはいかないんだ!

「なん…で、我慢…んっ。
ふうっ、はぁ~~…」
自身も刺激を受けていたためだろう、三女さんは裡に溜まった感覚を鎮めるように深く息をついた。
あわせて我が身を苛んでいた責めも一時停まる。今しかない。俺は両腕に少しだけ力を込める。
相手を縛り付けるためじゃなく、想いの熱を少しでも沢山伝えるために。

「やめてください……っ!」
「………女の子より先にイっちゃうの、恥ずかしい?
いいよ。ロリコンで早漏でも私は気にしないから。
こんな身体の私を好きって言ってくれるなら、私はなんだって……」
「やめてください、そんなふうに自分を傷つけるのは!」
「………何言ってるの。
千葉くんの方こそ痛い人だよ。おちんちん入れてるオナホに告白してるのと同じなんだよ?」
「嘘つかないで下さい。怖がらないで下さい」
自分の右肩に寄せられた小さな頭を抱え込むように抱き、回した左手で彼女の頬に触れる。
ふっくらと柔らかなほっぺの感触が手のひらに返ってくる。
抱き合っているから表情は見えない。見えたとしても、いつも人形のように澄ましているこの子の心はきっと目じゃわからない。
でもさ、目に映らなくったってわかるんだ。

「大丈夫ですよ、三女さん。
お願いです。怖がらないで」
「………」
小さく震える彼女を安心させるため、精一杯優しく声をかけ、流れる黒髪を梳くように頭を撫でる。
何度も何度も、温もりを塗り込むようにくり返す。この子の凍えが治まるようにと。

「綺麗です、世界中の誰よりも。『姫』も『妖精』も、冗談とかからかいじゃあないんです。
三女さんが本当に信じられないくらい綺麗で、だからみんな心から三女さんをそう呼ぶんです。
みんな三女さんの事が好きなんです。信じてください」
「……そんなの…」
「信じてください。
俺、バカだから全然上手く言えなくて、それしか言葉が見つけられないけど。
でも、だから信じてもらえるまで何度でも言います。
好きです」
くり返す。静かにゆっくりと……。

「好きです、三女さん」
「千葉くん……」
「ガキの頃からずっと好きでした。
俺と同い年なのに家の事とかすげえ頑張ってて、でもその事が辛いとか、嫌だとか全然弱音とか吐かなくて……。
すごく強い子なんだって、憧れてたんです。好きだったんです。髪長姫だからとかそういうの関係なく、本当に。
俺、全然力になれてないかもしれないけど……もっと頑張ります。
だからもう強がって、無理をして、嘘をついて離れるのやめてください…っ」
「……………」
三女さんが無言のまま、けれど首を離して俺と向き合ってくれる。

神様って居るんだ。

だってこんなに綺麗な微笑は、神様が美しい芸術を造り上げようって思わないと生まれない。
虹を閉じ込めた瞳は薄っすらと潤んで光を反射し、まるで千の星が瞬いているみたいだ。
瞼の上で静かに震える長い睫毛が麗しさと共に儚さを表現し、。
上気した薔薇色の頬と艶やかな美唇はきめ細やかな雪肌に鮮やかな彩を与えている。
絶世の美少女。
自分が立っている世界とは明らかに隔絶した美しさが、だけど温もりと一緒に繋がってくれている。
恵みに満ちた、咲き誇るような微笑を俺に向けてくれている。
こんなに幸せな事ってない。

「千葉くん……」
煌く唇が滑らかに動いた後、静かに差し出される。瞼がゆっくりと落とされ触れ合う瞬間を待つ。
もう言葉は要らない。
俺は首を落として自分の唇を近づけ、重ねた。

「ん………」
三女さんの唇はゼリーのように瑞々しくて柔らかい。
ただ触れているだけなのに蕩けそうなくらい気持ちいい口付け。
心が通じ合った喜びで細胞の全部が快哉を叫び震える。

「んはっ……?」
唇を割ってぬるりと舌が潜り込んできたことに驚いて、息が漏れる。
唾液にまみれた侵入者は、すぐに舌へ絡みついてきた。
その感触は信じられないほどに柔らかく、軟体動物のようにとらえどころが無い。
それでいて確かな意志でヌルヌルと巻きついてくる。

「ん…ふぅっ……」
「んぐっ…。こくっ……」
小さな口腔から唾液が送り込まれてくる。さらりとした口内分泌は、不思議と甘い味がした。
まろやかで、クリーミーで、さながら上質の蜂蜜のようだ。俺はすぐに夢中になって、口いっぱいで味わい嚥下していく。
うわあっ…なんて美味いんだ……。
想像を超えたディープキスの世界にまどろむ。お互いの粘膜が擦れあうたび、頭の中がゆるゆるとほどけて行く。
甘露は飲めば飲むほどにまた欲しくなり、飲み込むほどに熱が生まれる。
想いを伝えきった満足感と幸福感で、ひとたび追いやっていた欲望がまたムクムクと頭を持ち上げてきた。

「――んっ。
…ふふふっ……。気持いいんだ?」
悪戯っぽさを含んだ微笑は、さっきのものとは違う魅力に満ち溢れていて、また俺の心臓が跳ねる。
気恥ずかしさと申し訳なさとが合わさって、とてもじゃないけど直視できない。
目を逸らせ「ダメだよ」ようとした瞬間、膣内がうねって硬直したままだった肉棒を絞り上げた。

「うあっ」
「気持いいんだよね?」
「いやっ、それはその…………はい……。
むちゃくちゃきもちいい……です」
顔が熱い。恥ずかしすぎる。穴があったら今すぐ入りたい。いやすでに入ってるんだけど。って上手い事言ってる場合かよ!
追い詰められた思考が逃げ道を探して跳ね回り、こんがらがる。ここまで来てまだ、あたふたと情けないばかりだ。
なのにそんな俺の無様な姿を見て、三女さんはむふぅっと熱の篭った息を吐き出した。

「私もすごく気持ちいいよ。
ねえ、ちゃんとしよう。一緒に気持ちよくなろう」
三女さんは抱きついていた腕を解き、ゆっくりと華奢な上半身を後ろに倒した。
シーツよりなお白く清らかな肢体が、再び俺の目に晒される。

「三女さん……」
「好きだよ、千葉くん」
また違う微笑み。
慈愛を湛えた柔和な笑みは、心からの愛情を表してくれていて、感動で胸がいっぱいになる。
『母性』の免罪符によって全てを許された俺は、理性の檻を開き欲情を解き放った。

「動きます……っ!」
細い腰を両手で固定し、味わうようにじっくりと抽送を開始する。
血管の浮いた剛直が緩やかに抜け、さらりとした愛液に塗れた姿を現していく。
みっちりとした膣壁は肉棒を離すまいと絡みつき、細やかなヒダがカリ首を逆撫して蕩ける快感を生み出してくれる。

「んあっ、ああっ……」
腰を引くのに合わせて甘い嬌声があがった。長い黒蜜の髪もざわめいている。
肉筒でだけでなく耳と目でも蜜のような身体の愉悦に浸っていると、
やがて亀頭がプリッとした肉の輪に引っかかった。
入り口柔肉の噛み付き責めは腰ごともっていかれそうなくらいに甘美で、意識が白濁していく。

「うあっ、そこっ!
角度、すごっ……ああぅ!」
くっと持ち上げた亀頭が周りと違う弾力を持った壁に触れる。
瞬間、三女さんの嬌声がひと際跳ね上がり、性愛に濡れ染まった紅葉のような手がシーツを握り締めた。
恐らくはGスポットに当たったんだろう。純白の裸体が快感を受け止めきれないというように激しく身悶えする。
柔らかなお腹にくっきりと筋が浮き、込められた力によって肉棒が更に引き絞られる。

「三女さん…っ。
声、すげえ可愛いです」
「やあっ、待って凄いよッ!あああっ!」

僅かとはいえ初めて優位に立てたことで余裕が出てきた。イくのをもう少だけ先延ばしできそうだ。
至上の快楽を噛み締めながら、今度は上壁を抉るよう意識しながら露出した幹を押し戻す。
緻密なヒダが愛しむように強張りへ吸い付き、奥に奥にと引き込むように蠢く。
プリプリしたGスポットの感触を抜けると今度はすぐまた粒々びっしりの奥部屋に辿り着いた。
ザラついた肉壁がまとわりつき、膣全体で歓待してきた。
抜けていた時間をさびしがるようにうねりと締め付け、そして研磨で帰還を祝福する。
俺はそれに答えるように、ゆっくりとしかし力強く最奥を叩いた。

「うっ、ああっ!
ひあっ!コツンって、ああぅ、響、くぅ!」
「く、うう……。
三女さん、奥、いいっスかっ」
「いいよっ、気持ちいいっ。
もっと突いて。奥のお部屋ごっつんして!」
「くうっ…」
無我夢中で腰を使う。気持ちよくて仕方なかった。
出し入れするごとに性感が背筋を駆け上り、腰が勝手に動いていく。
幹の大半を露出させてから、勢いをつけて腰を打ち込み、ズンッと子宮へめり込ませるように貫く。
天井知らずにオクターブが上がる美声が快感をまた増幅させる、怒張の肉傘がはちきれそうなくらいに開く。

「あうぅっ、おっ…きいよっ。
お胎いっぱいで、掻き回される。私、ぐちゃぐちゃになっちゃうよぉ…っ」
「掻き回す…こんなっ、感じ?」
子宮頚部を亀頭の先端で圧迫したまま腰を揺すって、コリコリ肉を捏ねるように円を描く。

「ああん、それッ」
ここが三女さんの最も弱い性感帯だったみたいだ。気持ちが通じ合ったことで、本来の性感が拓かれたんだろう。
お腹を突き出すように背を弓なりにして、肌を染める紅が深くなる。
締め付けがまた一段苛烈になって、こちらの快楽指数も上昇していく。
埋まっているモノが溶けているんじゃないかって心配になるくらいだ。

「ごりって、くはっ…んふっ…!」
背を曲げ口を近づけ、再び口腔でも愛し合う。
気持ちを確かめ合うように舌を絡ませ、唾液を交換する。
自然と肌同士も密着しあい、温もりが全身を通じて伝わってくる。
汗によって絹柔が吸い付き、ふたり溶け合うような錯覚をもたらす。

「ぷはっ、はあっ……。
三女っ、さんっ」
今だけは脆い矮躯への気遣いも忘れて、荒れ狂う欲望を腰遣いに転化し、白銀色の美少女を力の限り犯し尽くす。
入り口の食いつく肉輪を使って竿をシゴき、円を描くグラインドで幼さの残る硬い子宮を貪る。
極狭の膣道は休むことなく俺を責め立て、絶頂へと導き上げる。

「うはっ、つっ、締め付けキツすぎ……っ。
ちょっ、千切れそっ…!」
「あふぅっ、ああっ、だって、千葉くんがゴリゴリって……っ、身体が自然に、うあああんっ」
痛々しいほどにぴっちりと引き延ばされた秘裂は、太いシャフトに負けまいと必死で閉じて食いついてくる。
腰が抜けそうなほど甘い摩擦を伴う、狭穴の複雑な肉シゴきによってついに限界まで射精感がこみ上げてきた。
もうだめだ……っ!!

「三女さんごめん!」
「いいよ!出して!中に思いっきり射精して!
私のお胎いっぱいにして!!」
「~~~~っ!!」
ひと際強く腰を打ちつけ、子宮口へ亀頭を捻じ込むようにしながら欲望を解き放つ。
目を瞑り奥歯を噛み締め、呼吸さえ止めて全ての感覚を射精の快感で埋める。

「っ、~~~っ、っっ!!」
ガクガクと腰が震え、脈打つこわばりから特濃の白濁がびゅるっ、びゅるっと何度も飛び出していく。
精管を精液がゾロゾロと通り抜けるのをはっきり認識できるくらい、激しい射精。
永遠に続くかと思われるほどの愉悦の波を抜け切った俺は、生命活動を維持するため全力で肺に空気を取り込んだ。



「ぷはあっ!
三女さ……あれ?」


目を見開いた先にあるのは、見慣れた天井。
窓から入り込む僅かな月明かりによって、ここが自室……自分のベッドで横になっている状況を1分くらいかけて理解する。
寝苦しい熱帯夜を誤魔化すためカーテンと窓を開け放ち、煙をくゆらせている蚊取り線香を点けた、記憶が、ある………。

「おい…待て、マジか……」

月面からマリアナ海溝とでも言うべき落差によって、三半規管が痛みを覚えるほどに視界が揺れる。
残酷な現実を確かめるため、恐る恐る枕もとの目覚まし代わりのスマホを確認する。
午前2時46分。
もはや迷う要素は微塵も無い。間違いなく、

「夢か…………」

おい………おい、ちょっとマジで待て。なんだ今の、何者かの悪意すら感じるほどリアルな夢は………。
えっ、マジでなんなの?かなり本格的に理解不能なんだが。
いやいやいや落ち着こうぜ。あれか?昼間にあった色々のせいなのか?
確かにワイシャツを受け取るとき、触れた手の柔らかさに感動したよ。
用具室で、初めて聞いたあられもない喘ぎ声に興奮したよ。
御伽噺の世界から抜け出てきたみたいな美少女にボタンを縫ってもらって手作り弁当もらうとか、素敵シチュを味わったさ!
でもなんなんだコレ?妄想力っつーか童貞力高すぎるぞ。
夢の内容が鮮明なのが余計にキツすぎる。怖がらないでとか中二過ぎるだろう俺。やばい死にたい。
え……あ、ヤベッ、夢?こっちが夢なのか?
現実の俺は、三女さんの薄いながらもぷにぷに柔らかくて果てしなく触り心地の良い胸の上でまどろんでるんじゃね?
だってほら、あのエグいくらい良かったアレの感触とか……「っ!?」

生々しいほど感覚に残っていた快楽の残滓によって、意識が下半身へと収束した瞬間、更に残酷な現実に直面する。
あまりの絶望感で血の気が音を立てて引いていく。
もしこの場に誰かがいたら、俺の顔面の蒼白さに驚き即救急車を呼んだだろう。

だって……股間が………生 暖 か く 湿 っ て い る …………。

しかも尋常な量じゃない。身体にかけたタオルケットにまで染みて、独特の生臭さが鼻まで漂ってきている。
この匂いと粘度は明らかにションベンとは違う。いやいっそその方が1000倍良かった。
何故だ。確かに俺は健全な高校生男子さ。今日はぐったり疲れてたからヌかずに眠りについたさ。
でもこれは…ちょっ、マジ待ってくれ………ええぇ~~………。


「死にたい………」


ベッドに横たわって天井を見上げたまま、俺は生まれて初めて本気で泣いた。


==========


今日も今日とて遠慮を知らない日差しが通学路の俺を灼く。むしろ灼け死ねればどんなに楽だろうか。
両足は鉄球付きの足かせを嵌められているかのように重い。アスファルトに沈み込みそうだ。
そしてそれすら軽く感じられるほど、胃が、心が重い。重すぎる。死ぬ。死にたい。殺せ。
つうか精神的にはもちろんだが、あの後トランクスとズボンとタオルケットを洗う際、
両親にばれないよう焼ききれそうなほど神経を巡らせて作業にあたったせいで、妙に目が冴えて朝方まで眠れなかったのが、
肉体的にも死ねるレベル。とてもじゃないけどおふくろとも顔を合わせられなくて、朝飯食わずに出たし。
そりゃ徹夜の1回くらい、普通ならドンと来いだが、
夢の世界での自分のセリフの厨臭さと、あんな夢を見てしまった事実が頭の中でリピートしてうぐあああ!
マジで死にたい!!

「っ!?」
実際、相当に死にかけた表情と顔色をしているんだろう。
前から来たサラリーマンのおっさんが露骨に驚いた顔で身を引いてすれ違って行った。

……ダメだ。今日はフケよう。生徒指導室とか呼ばれてもいい。
杉崎たちにノート返す件も、メールで明日にするって伝えよう。
絶対授業とか受けてられんし。何より、もしも三女さんに出会ったら「おはよう、千葉くん」 ~~~っっ!!?

あらゆるものを両断する硝子の剣で、背中をバッサリと切り裂かれた。錯覚に陥る。
そのくらいその声は澄み切り過ぎていて……鋭く感じられた。もちろんその主にそんなつもりは無いんだろうけれど……。

「……え…っと…?おはよ「ああいえ、聞こえてますです…おはようございます、三女さん……」 ……うん、おはよう」

神様なんていない。間違いない。いたとしたらこんなタイミングでの出会いを用意しない。
もしもいたら殴る。全力で。
無理。振り返るなんてできない。左手を後ろへ向けて軽く振りながら挨拶するのが精一杯だ。

「……どうしたの…?」
「い…いえ……。何でもありませんっスから……」
細い脚が歩調を速めて俺に並ぼうとする微小な気配をなんとか捉え、一定距離を保つため同じくスピードアップして対応する。
明らかに不自然な行動だがしょうがねえじゃん。顔なんて見たら100%余計な事を思い出す。そもそも声だってかなりヤバイ。

「…ひょっとして、こないだ言った事を気にしてる?」

『ほぅら、子宮コリコリ~』

「うおおおおお!!」

ゴンゴンゴン!

頭を力いっぱいコンクリ塀に打ちつけ、脳内で再生された幻聴を追い出す。

「ちょちょちょっ……!
ど…どうしたの突然!?大丈夫!?」
「大丈夫です!いたってノーマルです!」
あくまでもコンクリ塀へと、青年の主張を全力でぶつける俺。
そうさ俺は正常な高校生男子さ!

「とてもそうは見えない……。
え…こないだ言った事、そんなにショックだった……?」

『今すぐ死んだ方が地球のためだよ』

「うおおお!!死にます!今すぐ!!
可及的速やかに死にます!!」

ゴンゴンゴンゴンゴン!!

「いやいやいや!?みっちゃんじゃあるまいし、『死ね』なんて言った覚えないよ!?
目立つようなことはちょっと気をつけて欲しいかなってくらいで…っていうかあの、千葉くん?
ちょっと…かなり目立ってて……あ、いやどうしてもやりたいなら……止めない……わけでもないけど……」
「あっ、こないだ言った事ってそっちでしたか……」
「???
え?私、他に何か言ったっけ?」

『私のお胎いっぱいにして!!』

「うぐあああああああああああっ!!!」

ズガンズガンズガンズガン!!!





「そ…そっか………。
眠気を払ってたんだ………」
「ええまあ。眠れなかったんで。なんせ昨日はすげえ寝苦しかったっスからね」
「た…確かに昨日の夜は暑かったもんね……」

コンクリートのキャンバスに赤い染みが残るほど努力した甲斐あって、なんとか不埒な煩悩は消え去ってくれた。
こうやって並んで歩くくらいはもうできる。
苦し紛れに用意した言い訳も機能して……るようには、三女さんのドン引き具合からして思えないが、
深くは聞いてくれないのが助かった。
いつだって『主人公』な三女さんからすれば、俺のような端役の状態など瑣末事ではないという現実が、今はありがたい。
………マジでありがたいって思ってるよ。

「……ねえ、千葉くん。悩みがあるなら遠慮なく相談してね」
「い…いやいや。大丈夫っスよマジでマジで。
今朝はちょい無様なところをお見せしましたが…アレなんスよ。男ってそういうときがあるんですよ!
熱い滾りを抑えられなくなって思わず夕日に向かって叫びたくなる的な!!」
「今朝だけじゃないよ。このところずっと表情が沈んでたり、空元気だったり……心配してるんだよ、私。
と…だち……から」
「え……?
い…今、なんて……?」
夢のような、幻聴としか思えない単語が脳髄に響いて、思わず足が止まる。
けれど隣を行っていた幻想的な姫はそのまま無音で歩を進めて、校門を通り抜けたところで背中向きのままピタリと停止した。
抜けるような白磁の肌はいつものように眩しく輝いている。
ただひとつ、髪の間から覗いた耳とうなじが真っ赤に染まっている事を除いて。

「友達だから」

「え……ええっ?
ともだち……トモダチって友達っスか!?お…俺が!!?」
「……違うのかな……?
私はそうだと思ってたんだけど……」
俯きがちに振り向いた横顔は、明らかに曇った『表情』を浮かべていた。
氷の美少女、陶器製の髪長姫がその秘めやかな心裡を表に出して、他の誰でもない俺へと向けてくれている。

「いえ!いやそうです!じゃなくて違ってるっていうか違うくないじゃなくてそう!
友達……でいいんスか……。俺なんかが……?
だって俺バカで、何にもできないのに……」
憧れの女の子が、せっかく持ち上げ支えようとしてくれているのに、
それでもまだ確かな自信をを持てない心は、情けなく沈んでいってしまう。我ながらヘタレすぎて泣けてくる。
せっかくの浮かび上がるチャンスを自分でフイにして、何やってんだよ……。

「そんなことないよ!」
高く澄んだ、大きな声が校庭に響き渡る。
やや早い時間とは言え、道路とグラウンドにいた多くの生徒の視線全てが髪長姫の大声に集まる。
刺すような、痛みすら覚えるほどに強い、沢山の視線。
それでも三女さんは身じろぎひとつせず確信に満ちた声を夏の青空に響き渡らせる。

「子供の頃からずっと、私にもみっちゃんにもふたばにも…問題だらけの私たちに付き合ってくれた事、すごく嬉しい。
うちで力仕事が必要なときとか、忙しくてもふたつ返事で来てくれて、手伝ってくれるのすごく助かってる。
頑張って一緒の高校に来てくれて、気軽に声をかけてくれて、すごく頼もしい」
三女さんがその華奢な右手を胸にあて、はっきりとした言葉で伝えてくれる。
そして眩しい笑顔を咲き誇らせたかと思えば、声のトーンを落としてひっそり続ける。

「それに…千葉くんは覚えてないかもしれないけど、中学生のときに私の悩みを真剣に聞いてくれたよね。
いつも、先生との事聞いてくれるよね。
ありがとう。
あの日、自分の気持ちをカタチにできたから、いつも千葉くんに大丈夫って力強く返してもらえるから、
私、今日も頑張れるよ。
だから私も千葉くんの力になりたいんだ。悩みがあるなら教えて欲しい」
深い虹色は純粋な輝きで、凛とした強さを示す。
子供の頃から憧れてきた女の子は、子供の頃よりずっと強くなっていた。
眩しいくらいに強く輝く人が、千葉雄大を見ていてくれる。千葉雄大に『力』があるって言ってくれる。

『ひとはを心配させてるって事、ちゃんと考えなさいよ』

……まったくもってその通りだよ、長女。1000回に1回くらいは正しいことを言うな。
ひっじょーに遅ればせながらだが、俺は俺のやるべきことをしっかりやるぜ。

「大丈夫っス。確かに俺、悩んでました。
でも、たった今解決しました。
三女さんのおかげです。

ありがとうございます!!」

自分の気持ちを大きな声でカタチにして、深々と頭を下げる。
恥ずかしがることも後ろめたいことも無い。自信を持ってしっかりと今日も頑張れる。
そうさ、端役だからだなんて言い訳はもうするもんかよ。『友達』にふさわしく、もっと強くなろう!!

想いが届いたんだろう、三女さんは麗しい黒髪をかき上げ白光の粒子を撒き散らしながら、
満足気にむふうと鼻を鳴らした。
「そっか。
どういたしまして」
「はい!」
友達の隣に並んで、真っ直ぐ背を伸ばし、校庭に踏み出す。
さあ行くぜ!

「あっ、おはよう三女。
千葉もおはよう。昨日は予定変更悪かったわね。
っていうかあんた、オデコ大丈夫?いくら単純頑丈でも痛いでしょうに」
「はよ~さん、姫。
なんやゴリラ、えらい張りきっとるな。キモいで。
にしてもお前、頭。ボーっとしとってぶつけたんやろ。ボケやな」
「やあやあ三女。今日も暑いね。
おや千葉。おはよう。また早いじゃあないか。どうした、本気で生活態度を改める気になったのか。
いいことだ。三日坊主にならないよう心がけろ。
それはさておき額はどうした?結構派手に血が滲んでるぞ。保健室へ行け」
後ろから杉崎、チビ女、松原が駆け寄ってきて俺達に声をかけてくる。

見合わない場所なんかじゃない。ここには挨拶を交わす人が沢山いる。
昨日、今日、そして明日。俺と一緒に、俺の日々を繋げてくれる人が溢れてる。
そうさ!

「おう!おはよう杉崎!おはよう神戸!おはよう松原!」

「「「…………」」」

「何だよボケっとした面しやがって!
オラッ、朝なんだから気合出してけ!何事も始まりが肝心だぞ!!」
「ウザッ。ホンマなんやねん、お前は。
…ま、ええわ。やる気のあるのはええことや。いつもの覇気の無い顔よりは100倍マシやで。
アホはアホなりにせいぜい頑張りや」
「おう!まかせとけ!!」
「………?」
「………」
答えはどこまでも当たり前のものだたったというのに、チビ女はきょとんとしたかと思えば隣の松原と顔を見合わせ、
息をそろえて肩を竦めた。失礼な連中だが、まあ今日は許してやろう。俺は心が広いからな!

「そうね、神戸の言う通りやる気のあるのはいい事だわ。
例の運搬の件もそのやる気でしっかり頼むわよ」
「モチのロンだろうが!あの程度パパパッと運んでやるぜ!」
「……えらく絶好調ねえ。不気味よあんた」
「なあに言ってんだよ!俺はいつだって絶好調だぜ!
見ろ!この華麗なジャブ!!」
シュシュシュッと見事な左が宙に残像を残す。
うむ、我ながらいい動きだ。世界だって狙えるぜ!

「なんだお前?今日は本当に痛いぞ。妙なものでも拾って食べたのか?」
「だぁから俺は昔から、いつだって絶好調なんだって!
ふっふっふっ、お前にも見せてやるぜ松原。
秘儀!高速片手ブラホックはずし!!」
軽やかなフットワークで手近にいた杉崎の背後に回り、華麗なる絶技を見舞う。
指遣いは錆付くことなく…むしろ昔以上に滑らかな動きで、プツッと杉崎のブラを外し……ってマズっ。

「きゃあ!?
……変態ブタゴリラぁ~…っ。近頃は大人しくしてるから甘い顔見せてやっていればぁ~っっ!!」
杉崎は薄い胸部を両腕で抱えるように押さえながらも、切れ長の目を人を殺せる鋭さに研ぎ澄ませ、
マグマのようにグラグラ煮え立つ怒りを吹き上げた。
その熱量は、秘儀を披露していなかったこの数年間わざわざずっと溜めていたんじゃないかってくらいの規模だ。
いかん!急いで鎮火しなければ消し炭も遺さず燃やしつくされてしまう!

「あっ…すまっ……。
これはなんて言うか、勢い余ってっつーか、俺の頑張ろうという決意表明がちょっとカタチを間違って現れたというか……。
大丈夫大丈夫、安心しろ。制服との間に隙間がありすぎて、ブラの状態なんてまったくわかんねえって」
「なんですってぇ~~っ」
あちちっ!しまった、つい正直な本音が!
しかもこの場にいる女子四人は全員、貧乳ネタがタブーだってのに……俺としたことが迂闊!

「ちなみに私はみつばさんから、お前がバカな事をやったら容赦なく制裁しておけとおおせつかっていてなぁ」
こっちの声はまるで極北に吹きすさぶブリザード。
そのくせやけににこやかな表情で、松原がつま先で地面をトントンと打ち蹴り技の準備に入る。

「待て!お前の脚力はシャレにならん!!」
前門の蛇、後門の豹に挟まれて心臓がすくみ上がる。照りつける日差しは強いのに、薄っすらと鳥肌が。
しかし敵はこれだけではない。見た目ポメラニアンだがとびっきり牙の鋭い奴がまだ控えている。

「昨日の放課後、このゴミクズゴリラ、活動用具室の掃除用具箱に隠れ取ったで。
真っ赤なキモ顔して出てくるの、この目で見た。間違いなく私らの着替えをノゾいとったで」

容赦ねぇ!!

「おい!昨日は俺のことわかってるって……」
反論の勢いは、チビ女の昏い瞳を見た瞬間に消え去る。
なんだこの汚物を見る目は……。いつもの蔑んだ眼差しより更に『下』があったのか。
今日一番へこんだぞコレ。

「そういえばあんたさっき『あの程度』って……。
つまり荷物をすでに確認した…活動用具室へ見に行ったってことね」
「ほほう、興味深いなあ。
おっと、言い訳の心配は不要だぞ。何せお前は今から私にアゴを蹴り砕かれるんだからな。
反省は病院のベッドでたっぷりしやがれ」
「杉ちゃん。私、生徒指導室寄って報告してくるから、朝の小テスト休むわー」
「お前らちょっと落ち着け!
違う!誤解だ!何も見てない!見てきただろう俺の事を!
俺はそんなゲスい事する男じゃないだろうが!!
三女さんからもこいつらを説得……やっぱ居ないし!!」

「「「死ね!!!」」」

ボカスカボカスカ


「………………」スイー



<おわり>