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「ちょっと!! それは私のパパよ!!」
…あとになって思えば、もっと確認してから言えばよかったわ……。


今、私は不審者に追われて全力疾走している。
並走していたはずの警官は、途中で怪しい人物を見つけたらしく
職質に行ってしまってもういない。

「はぁ、はぁ、はぁ…」ポテチテ
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ」タッタッタッタ…

道路の両脇に並ぶ家々は、どこも扉が閉まっている。
もう、なんでこんな時に限って誰もいないのよ!

「はぁ、はぁ、はぁ…」ポテチテト
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ」タッタッタッタ…

ひぃ! 息が近づいてくる! 呼吸が荒い!
振り返ったらコートを開かれそうなので、振り返らずにひたすら走る。
ところが。
「…げっ、行き止まり!?」
曲がり角を曲がると、そこは行き止まりだった。

「だ、誰か…たすっ…げほげほっ!」
助けを呼ぼうとしたけれど、ずっと走っていたせいか咳き込んでしまう。
その間に、不審者は私の目の前までやってきて…

ガシッ
私は肩を掴まれ、強引に不審者の方を向かされる。
「はぁ、はぁ…おぢょうちゃん……」
ヤバイ、どうしよう!
こ、このままじゃ…このままじゃ…!
「このぉぉぉぉぉおぉぉっ!」
私は不審者がコートを開く瞬間を狙って、股間と思われる位置めがけて蹴りをいれてやった。

…ぼふっ
「あぐっ…!」
私の華麗なキックは(たぶん)股間に命中し、不審者はその場に崩れ落ちる。
ふん、他愛もないわね!

「い…」
不審者が口をパクパクさせて何か訴えかけてくる。
そうね、遺言くらいは聞いてやろうかしら?
「なによ、最期に言いたいことがあるなら聞いてあげるわよ」
「イイ…もっと蹴って…いや、踏んでくれ……」
「はぁ!?」
「はぁはぁ…頼む…いや、お願いします…!」
熱っぽい視線で見上げてくる不審者の姿に、私は何か熱いモノがこみ上げてくるのを感じた。

…ゾクゾクッ
あぁ…久々のこの感覚…っ!

「…ふっ、ふふふっ、わかったわ! 望みどおり踏んでやろうじゃないの!」
私は靴を脱ぐと、這いつくばっている不審者の頭をあしげにする。

げしっ、げしっ
ふみふみっ ぐりゅっ ぐりぐり…

「あぁ~~~っ!」
悶える不審者を仰向けにさせ、さらに顔面を踏みつける。
「ふふん、そんなにいいのかしら? この変態!」
「はぁはぁ……も、もっと」
あぁ、ゾクゾクしちゃう!

「ふん、粗末なもんおっ立てちゃって! そんなので襲うつもりだったわけ?」
「……はぁはぁ、もっともっと罵ってくださいぃ」
「もっと罵られたいなんて本物の変態ね! お望みどおり罵ってあげるわよ!
 この短小! 小学生並みじゃないの! 情けない不審者ね!
 ほら、その情けない下半身 私が直々に踏んであげるわ!」
不審者は私に言われるまま、下半身を私の方に向けたので、
自己主張する粗末なブツをゆっくりと踏みつけてやった。

ぐりぐりっ!
「あぅっ!」
「ほぅら、これがいいんでしょ!?
 どうなの!? はっきり言わないとやめちゃうわよ!」
「あぁ、いいです! やめないで…!」
「どうかやめないでください、でしょうが!」
「どうかやめないでくださいぃ…!」
この感覚…たまんないわっ!

「あらぁ? 踏んでたら前よりも大きくなったわね! 
 子供に踏まれて大きくするなんて、このド変態が!」
「はぁ、はぁ…うっ!」ビクビクン
「ちょ、なに勝手にイッてるのよ! 足が汚れちゃったじゃない!
 ほら、舐めてきれいにしなさいよ!」
「はいぃ…!」ペロペロ
あぁっ…最高! ゾクゾクッ


「……」(じーっ)


「…………っ!?」
ふと気がつくと、曲がり角に立っていたひとはが、こっちを冷めた目で見ていた…。

「何やってるの、みっちゃん」
どうしよう、ここは何とかごまかさないと!

「わ、私は不審者に襲われて…」
「そうは見えないけど…? その足を舐めてるのは何?」
こ、こいつまだ舐めてるじゃないの!
この変態め!

「こ、ここここれは…! そう、不審者を撃退して下僕にしたのよ!
 あんたこそ何やってるのよ、こんなとこで!」
「みっちゃんが不審者に追われてるのを見かけたから、警察を呼んできたんだけど…」
なるほど確かに、さっきの警官と一緒にいる。

「やぁ、さっきは途中でいなくなってすまなかったね。
 …? うわぁ! き、きみは自分の父親にそんなことを…!」
ぎゃあ、この警官余計なことを…!
「…父親…この不審者がですか?」
ほら見なさい、ひとはが変な目でこっちを見てるじゃないの!
「あれ、このパンツをかぶった男は君たち姉妹のお父さんだろう?」

「ち、ちがうちがう、こいつは不審者よ!」
私は全力で否定したんだけど、警官はちょっと引いたまま話を聞こうとしない。
「ま、まぁ警察は家庭内のことにはなるべく干渉しないようにしてるから、
 君たちの家族愛がそういう形であっても、止めるつもりはないよ…」
「ちょっと待ちなさいよ! こいつを逮捕して!」
けっきょく、警官は誤解を解かないままその場を去って行ってしまった。
このぉ、自分だってシスコンの変態のクセに!

「みっちゃん、その人と親子になったんだね。
 今日からその人の家で、変態同士仲良く暮らすといいよ」
ひとはもまた、こちらを振り返りもせずに行ってしまう。
「ま、待ってひとは! 行かないでー!」

「はぁ、はぁ、はぁ」ペロペロ
「いい加減にしなさいよ! この変態! ド変態!」
「あぁ…イィ……」
「この、このっ! こうなったら潰れるまで踏んであげるわよっ!
 ありがたく思いなさいよ!」

ふみふみっ、げしっ、
ぐりゅぐりゅ、ぐりぐりっ…


― おしまい ―