「唯「澪ちゃん髪に何かついてるよ」澪「え、唯取って」1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「唯「澪ちゃん髪に何かついてるよ」澪「え、唯取って」1」(2011/04/06 (水) 13:26:51) の最新版変更点
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唯「おー。澪ちゃんおはよー。なんか今朝は寒いねー」
澪「あ、唯。おはよう。寒いな。今週末まで天気よくないらしいぞ」
唯「そうなんだ。ところでめずらしいね、一人で登校だなんて」
澪「はは、まあな。今日は律が生徒会への書類提出だとかで、先に学校行って今から書くってさ」
唯「あはは。りっちゃんらしいや」
澪「唯こそ憂ちゃんはどうしたんだ?」
唯「憂もクラスの用事とかで先に行っちゃったんだぁ」
澪「ふーん」
唯「うん」
澪「…………」
唯「…………」
唯「寒いねぇ」
澪「寒いな」
唯「こういう時はアイスが食べたくなるね!」
澪「なんでだよ!」
唯「えー、だって寒い時はちべたいアイスの甘みが増すんだよ」
澪「そんな訳ないだろ、まったく。う~、そんな話聞いたら余計に寒くなってきた」
唯「ぎゅっ」キュッ
澪「ふえっ」ビクッ
唯「えへへ。あったかあったか。澪ちゃんは嫌?」
澪「い、嫌じゃないけど。いきなり手を繋いでくるからちょっと驚いただけだ」
澪「唯は本当にスキンシップが好きだな」
唯「うん。だってその人の温かさが直接感じられるのが好きだし。こうしてれば少しでも寒さが紛れるでしょ?」
澪「そりゃそうだけど、学校近くになったら離すからな」
唯「えー、なんでぇ」
澪「は、恥ずかしいだろ/// 大体梓だって所構わず抱きつかれて恥ずかしがってるじゃないか」
唯「だぁってあずにゃんとっても可愛いんだもん。抱きつかずにはいられないよ!」
澪(梓……不憫な子)
唯「澪ちゃんの手、おっきくてあったかいね」
澪「……どうせ私の手は大きいですよ」
唯「そ、そういう意味じゃなくて。女の子にしては大きいなぁって」
澪「唯、それフォローになってない」
唯「わ、私と比べたら、大きい、よね!」アワアワ
澪「……ありがと」グスン
唯「この前の『澪ちゃんファンクラブお茶会』すごかったね。あんなに澪ちゃんのファンがいるとは驚きだよ」
澪「その話題はもういいだろ。恥ずかしい……///」テレテレ
唯「同じメンバーとしては妬けちゃうかな」
澪「ゆ、唯にだってファンの子はいっぱいいるだろ。ライブの時唯の名前呼んでる子多いぞ」
唯「そういう意味じゃなくて。なんかファンの人と話してる澪ちゃん見てると、遠くに行っちゃうようで」
澪「クスッ。大げさだな。ファンって言っても同じ学校で身内みたいなもんだし、私は唯と同じ軽音部員だよ」
唯「えへへ。そうだよね」
唯「このままみんなとずっと一緒に楽しく部活できたらなぁって、最近よく思うんだ」
澪「うん」
唯「だってさ、よく考えたらあと数ヶ月で私達卒業しちゃうんだよ。そしたらどうなるかわからないし」
澪「のんびり屋の唯にしては珍しく先を考えてるんだな」
澪(進路の事はまだずっと先の先の事って言ってた癖に)
唯「ぶー。私だってそのくらい考えるよ。澪ちゃんはどうなの?」
澪「先の事かぁ。私にだってわからないけど、でもほら、もし別の大学だとしても放課後ティータイムは続けられるじゃないか」
澪「スタジオ借りて、みんなで時間決めて集まって」
唯「そういうことじゃなくって、その、なんていうか」
唯「…………」
澪「……気持ちは分かるよ。とりあえず今私たちができることをしていくしかないだろ」ナデナデ
唯「うー……」
澪「追々みんなで話し合っていこう……って」パッ
唯「ん? あ、もう学校着いたんだ」
澪「まさか学校の中まではな」
唯「澪ちゃん」
澪「なに?」
唯「ありがとね」テヘヘ
澪「あ、ああ///」
紬(唯!澪!唯!澪!こんな偶然神様ありがとう!)パシャパシャ!!
放課後!
唯「あずにゃ~ん! あずにゃんあずにゃんあずにゃんにゃんにゃん!」ギュギュギュ!
梓「ゆ、唯先輩! ちょっとやめてください!/// やめっ……あっホントに苦しい! 苦し! い」
澪「こら唯! 梓が昏倒してるぞ!」
唯「えっ?」
梓「」
律「ははっ今日はまた激しいな唯」
澪「笑ってる場合じゃないだろ。唯、ちょっと梓抑えておいて。……ふんっ!」グッ
梓「はっ!? シャトルミュータジェネシス……」
唯「あずにゃんごめんね。私つい……」シュン
梓「も、もう。絞め落とす程に抱きつかないでください! 隠された血統の能力が静かな怒りで開花したらどうするですか!」
紬「空気になる前にみんなお茶の用意が出来たわよ~」
律「お、今日のお菓子はシンプルで変な形だな」
紬「ヌスボイゲルよ。ちょっと渋めのお茶とよく合うわ」
澪「うめー!」モグモグ
唯「げふっ。さ、さすがに食べ過ぎたよ。恐るべしアヌスポンチョ」
律「ヌスビトハギだろ。あっさり甘めなのが罠だったな」
澪「ガツガツ食べるからそうなるんだろ。練習はどうするんだよ」
梓(まっさきに食いついていた人が!?)
律「いやこれじゃマジで練習無理だわ。後の時間は休憩~。各自解散でよろしく~」
澪「うおい! 今週入ってからろくに練習してないんだぞ!」
紬「思いの外喜んで貰えてよかったわ。明日も期待していてね」
梓「ムギ先輩、嬉しいですけどあんまり唯先輩と律先輩を堕落させないでください」
紬「私食器を洗ってくるわ」
梓「先輩会話のキャッチボールしましょうよ」
律「澪~。トイレ~」
澪「どうしろって言うんだ……」
梓「フリーマンばかりです」
律「今ここにある危機に陥っている親友を見捨てるつもりか!? も、漏」
澪「その危機に自ら足を突っ込んだ奴を助ける程お人好しじゃないよ」
唯「澪ちゃん恐ろしい子!」
梓「はいはい、収集着きませんから私が付き添ってあげます。肩をかせばいいですか?」
律「梓ぁ~お前だけが戦友だぁ」
梓「どうでもいいですけどマーライオンとかしないでくださいよ」
澪「まったく。こんなので最後の文化祭に間に合うんだか」
唯「あはは。そうだねぇ」
澪「だから笑い事じゃないって。怠けてるとまたコードとか忘れるぞ」
唯「忘れてもいいかなぁ」
澪「唯?」
唯「こうしてまったりしてコード忘れて澪ちゃんが怒って、りっちゃんが笑って、ムギちゃんがほんわかさせてくれて、あずにゃんが可愛くて~」
澪「…………」
唯「あはは、なんか澪ちゃんだけが悪者みたいに言っちゃったね。ごめんね澪ちゃ」
澪「唯。一人で抱えるな」キュッ
唯「……澪ちゃん?」
澪「朝も言ったろ。どうしようもない事もあるけどさ、一人で考えて悶々としてるより、みんなで悩んでみようよ」
澪「ああ見えてみんなだって考えてるんだ。きっとわかってくれるよ」
唯「……。やっぱり澪ちゃんの手、あったかいね」
澪「っ! あああのこっこれはだなぁ///」
唯「弱音吐いちゃってごめんね。澪ちゃんの顔見てたらつい」
澪「べ、別に迷惑じゃないからいいよ。それに私なんかよりも他の人のほうがもっといい意見出るんじゃないかな」
唯「そんなことないよ。私助かった」
唯(でも、どうして澪ちゃんにだと言っちゃうんだろ……)
紬(わざわざ外に洗いに出て良かったー!)デジカメデジカメ!!
唯の家!
唯「うーいー。ただいまぁ」
憂「お帰りなさい、お姉ちゃん」
唯「いやー今日も練習疲れたよー」
憂「お疲れ様。でも今日はあんまりお腹空いてないんじゃない?」
唯「え、なんで?」
憂「うふふ。梓ちゃんからメールあったよ。今日はヌスボイゲルの食べ過ぎで練習にならなかったって」
唯「あずにゃんめ~。明日はフィギュア・フォー・ネックロックだね!」フンスッ!
憂「今度私がヌスボイゲル作ってあげるね」
唯「わ~い! 楽しみにしてるね、憂」
憂「じゃあお姉ちゃんおやついらないなら夕飯の前にお姉ちゃんの汗にまみれた腋をペロペ」
唯「夕飯できたら呼んでね憂!」ダダッ!
憂「も~。お姉ちゃんのいけずぅ///」
唯「ふぃ~。危うくまた桜の園に足を踏み入れるところだったよ」
唯「よいっ、しょっと。今日もギー太ちゃんは重いでしゅね~」トスッ
唯「朝は寒いのに昼は暑くて夜は寒いなんてずるいよね。夏着にすればいいのか冬着にすればいいのかわからなくなるよ」ヌギヌギ
唯「そうだっ! 半袖と長袖を一緒に着れば!」テンサイッ!
メルメルメル♪
唯「あ、あずにゃんからメールだ。『お加減はどうですか』だって」
唯「『お、ま、え、を、蝋、人、形、に、し、て、や、ろ、う、か』よしっ、返信!」ジョウチャク!
唯「はぁ~。夕飯食べられるように副交感神経を活性させて消化しないとぉ~」グゥグゥ
唯「かゆ……うま……」
梓「はっ!? コムニスチーチェスキイ・インテルナツィオナール……」ガバッ!
梓「唯先輩からの返信内容のショックで思わず気絶しちゃった。まさかそんなに怒ってるなんて……」
梓「返信するタイミング……今からするのもおかしいし」
梓母「梓ぁ~ご飯よ~」
梓「はぁ~い! 今行くぅ~。うう~ん、予想はしていたけど憂に予めメールしたのが悪かったのかな」
梓「でもあんなにお菓子食べて帰る間際までお腹抱えてたのに、その上憂が餌付けしたらきっとお腹壊しちゃうし」
梓「どうして唯先輩は家に帰ってからまでも私を悩ますんですか/// んっ……ゆ、唯先輩……///」クチュ
梓母「ご飯よっ!」ドカン!
梓「ぎゃー! おかーさーん!」
澪「ママ。ママはさー」
澪母「なに、澪」
澪「高校卒業するときって寂しかった? 高校時代の友達とは今でも会ってる?」
澪母「そうね、そりゃ寂しかったし、いつまでも友達と一緒にいたいって思ったと思う」
澪「思うって」
澪母「もう随分前だからね。でも大学に入ったら入ったで、また人間関係作っていったり高校以上にやることも増えて」
澪母「いつの間にか澪のお母さんになってた……って感じかな」
澪「なんだか無理矢理別の良い話に持って行こうとしてない?」
澪母「それよりもどうしたの? 三年生になってアンニュイになっちゃった?」
澪「ん……、友達がさ。いつもは仲間内で一番明るくて良い意味で何も考えてないような子なんだけど」
澪「最近元気無い顔してると思ってたら、今日になってみんなと別れたくないみたいな話してて」
律「唯らしくないって?」
澪「そうなんだよね。私だって、きっと他の子だって同じ思いを抱えてると思うんだけど、どう言ってあげればいいのか」
律「とりあえずお菓子あげてりゃいいんじゃね?」
澪「お前は考えが短絡なんだ!」ゴチン!
澪「って律!? ママもなんで律にご飯出してるの!」
律「ってぇ~。ずっとさっきからいたんですけど」モグモグ
澪「だったら声かけろ!」
澪「ママ! 律がいくら幼馴染みって言ってもさ」
澪母「さっきの続きだけど、私は今でも高校時代の友達と会ってるわよ」
澪「話聞こうよママ」
律「それで、唯がなんだって」
澪「…………」
律「悪かったよ。盗み聞きするつもりはなかったんだ」
律「まさか食卓で隣の席に着いてるのに気づかないなんて思わなかったし」
澪「はぁー。まあ言って駄目な事じゃないけどさぁ」
律「言いたくない……言いにくいことだったら、いいよ。唯が話すまで待ってる」
澪「分かったよ。前からも唯がちょくちょく言ってたことだけどさ……」
律「卒業したくないとか?」
澪「そ。でも今はもう数ヶ月しかないだろ。さすがの唯もちょっと実感湧いてきたみたい」
澪「なんだかちょっと心配なんだよ」
律「ああ、分かる。唯って一番軽音部の変化を嫌ってそうだしな」
澪「なんだよそれ」
律「悪い。言い方悪かった。でも私達で卒業がどうとかできる訳じゃないし」
律「唯のこと、見守ってやるしかできないんじゃないか」
澪「律……」
律「部長の私も寂しいよぅ~私も優しく見守ってくれよぉ~澪ちゅわ~ん!」
澪「調子に乗るな!」ゴチン!
憂「ハァハァ……お、お姉ちゃんの脱ぎたての下着……ドア一枚向こうにいるのに私」
唯『うーいー。タオル持ってきてくれたぁー?』チャポン
憂「う、うん! ここに置いておくね」
憂(パンツのクロッチが黄ばんでるよぉ~!)クンカクンカ!
唯『憂』
憂「なっ! 何?」ダラダラ
唯『憂は私が高校卒業しちゃったら寂しい?』
憂「……。寂しいよ。でも姉妹だもん大丈夫だよ」
唯『もし私が遠くの大学行って引っ越しちゃったら?』
憂「えっ!? そうなの!?」
唯『うわっ、そんなに驚かないでよぉ。”もし”だったらだって』
憂「そんなのいや!」
憂「そんなの、いや、だよ……お姉ちゃん。うっ……」
唯『え、憂泣いてるの?』ガラッ
唯「わっ! ちょ、鼻血が!」
憂「うぇっ、うっ……ふぐっうっ、おねっちゃ」グシグシ
唯「うーいー、もう泣かないで、ほらお姉ちゃんが鼻血拭いてあげるよぉ。フキフキ~」フキフキ
唯(鼻血出しちゃうほど興奮して泣いちゃう憂なんて久しぶりだよぉ。ハァハァ)
翌日!
憂「……っていうことがあってねー。お姉ちゃんってばやっぱり優しいの!」キャッ
梓「えっ! 唯先輩遠くの大学に行くつもりなの!?」
純子「仮の話って言ってたじゃん」
梓「えっ誰」
純子「えっ」
純「憂、梓、おはよー。で、唯先輩が鼻血ブーでどうしたの?」
梓「えっ」
純「私のデビルイヤーを舐めるな!」スチャッ!
憂「梓ちゃん落ち着いて。お姉ちゃんちょっとアンニュイになっちゃってるんだよ」
純「ジャズ研の先輩にも似たような人いるよ。練習中に唐突もなくいきなりボロボロ涙流し始めちゃったりするの」
純「うちらにしたらまだまだ先だって思っちゃうけど、ああいうの見ると切なくなるよねー」
梓「そ、そうなんだ」ズーン
梓(新入部員が入らないことにばかり気にかけてて……)
梓(唯先輩達がもうすぐ卒業するってこと、無意識に避けてたのかも)
授業中!
姫子「」トントン
唯(ん? あ、澪ちゃんから手紙だ。めずらしー)
澪『昨日のこと、大丈夫か』
唯(直接聞いたりメールにしないとこが澪ちゃんらしいなぁ)
唯(ええっと……)カキカキ
唯(姫ちゃんよろしく!)トントン
姫子「」ガッテン!
信代「」ドス!
澪「あいたーっ!?」
先生「秋山さん?」
澪「す、すみません。机に足ぶつけて/// すみません……」
クラスメイト「プー! クスクス!」
澪(中島さぁん……)
信代(ご、ごめんごめん。唯からだよ)
澪(もう。ええと……)
唯『澪ちゃん1919892051821←1,1,2,1,1,2,1,2,2』
澪(何コレ???)
澪「」ソッ
唯「」グッ!
澪(そんな得意げな顔されても)
先生「秋山さん、よそ見して何か窓の外にあるの?」
澪「あひゃいっ! しゅ、すみません……///」
クラスメイト「プー! クスクス!」
[[2/7>http://www43.atwiki.jp/moemoequn/pages/221.html]]
唯「おー。澪ちゃんおはよー。なんか今朝は寒いねー」
澪「あ、唯。おはよう。寒いな。今週末まで天気よくないらしいぞ」
唯「そうなんだ。ところでめずらしいね、一人で登校だなんて」
澪「はは、まあな。今日は律が生徒会への書類提出だとかで、先に学校行って今から書くってさ」
唯「あはは。りっちゃんらしいや」
澪「唯こそ憂ちゃんはどうしたんだ?」
唯「憂もクラスの用事とかで先に行っちゃったんだぁ」
澪「ふーん」
唯「うん」
澪「…………」
唯「…………」
唯「寒いねぇ」
澪「寒いな」
唯「こういう時はアイスが食べたくなるね!」
澪「なんでだよ!」
唯「えー、だって寒い時はちべたいアイスの甘みが増すんだよ」
澪「そんな訳ないだろ、まったく。う~、そんな話聞いたら余計に寒くなってきた」
唯「ぎゅっ」キュッ
澪「ふえっ」ビクッ
唯「えへへ。あったかあったか。澪ちゃんは嫌?」
澪「い、嫌じゃないけど。いきなり手を繋いでくるからちょっと驚いただけだ」
澪「唯は本当にスキンシップが好きだな」
唯「うん。だってその人の温かさが直接感じられるのが好きだし。こうしてれば少しでも寒さが紛れるでしょ?」
澪「そりゃそうだけど、学校近くになったら離すからな」
唯「えー、なんでぇ」
澪「は、恥ずかしいだろ/// 大体梓だって所構わず抱きつかれて恥ずかしがってるじゃないか」
唯「だぁってあずにゃんとっても可愛いんだもん。抱きつかずにはいられないよ!」
澪(梓……不憫な子)
唯「澪ちゃんの手、おっきくてあったかいね」
澪「……どうせ私の手は大きいですよ」
唯「そ、そういう意味じゃなくて。女の子にしては大きいなぁって」
澪「唯、それフォローになってない」
唯「わ、私と比べたら、大きい、よね!」アワアワ
澪「……ありがと」グスン
唯「この前の『澪ちゃんファンクラブお茶会』すごかったね。あんなに澪ちゃんのファンがいるとは驚きだよ」
澪「その話題はもういいだろ。恥ずかしい……///」テレテレ
唯「同じメンバーとしては妬けちゃうかな」
澪「ゆ、唯にだってファンの子はいっぱいいるだろ。ライブの時唯の名前呼んでる子多いぞ」
唯「そういう意味じゃなくて。なんかファンの人と話してる澪ちゃん見てると、遠くに行っちゃうようで」
澪「クスッ。大げさだな。ファンって言っても同じ学校で身内みたいなもんだし、私は唯と同じ軽音部員だよ」
唯「えへへ。そうだよね」
唯「このままみんなとずっと一緒に楽しく部活できたらなぁって、最近よく思うんだ」
澪「うん」
唯「だってさ、よく考えたらあと数ヶ月で私達卒業しちゃうんだよ。そしたらどうなるかわからないし」
澪「のんびり屋の唯にしては珍しく先を考えてるんだな」
澪(進路の事はまだずっと先の先の事って言ってた癖に)
唯「ぶー。私だってそのくらい考えるよ。澪ちゃんはどうなの?」
澪「先の事かぁ。私にだってわからないけど、でもほら、もし別の大学だとしても放課後ティータイムは続けられるじゃないか」
澪「スタジオ借りて、みんなで時間決めて集まって」
唯「そういうことじゃなくって、その、なんていうか」
唯「…………」
澪「……気持ちは分かるよ。とりあえず今私たちができることをしていくしかないだろ」ナデナデ
唯「うー……」
澪「追々みんなで話し合っていこう……って」パッ
唯「ん? あ、もう学校着いたんだ」
澪「まさか学校の中まではな」
唯「澪ちゃん」
澪「なに?」
唯「ありがとね」テヘヘ
澪「あ、ああ///」
紬(唯!澪!唯!澪!こんな偶然神様ありがとう!)パシャパシャ!!
放課後!
唯「あずにゃ~ん! あずにゃんあずにゃんあずにゃんにゃんにゃん!」ギュギュギュ!
梓「ゆ、唯先輩! ちょっとやめてください!/// やめっ……あっホントに苦しい! 苦し! い」
澪「こら唯! 梓が昏倒してるぞ!」
唯「えっ?」
梓「」
律「ははっ今日はまた激しいな唯」
澪「笑ってる場合じゃないだろ。唯、ちょっと梓抑えておいて。……ふんっ!」グッ
梓「はっ!? シャトルミュータジェネシス……」
唯「あずにゃんごめんね。私つい……」シュン
梓「も、もう。絞め落とす程に抱きつかないでください! 隠された血統の能力が静かな怒りで開花したらどうするですか!」
紬「空気になる前にみんなお茶の用意が出来たわよ~」
律「お、今日のお菓子はシンプルで変な形だな」
紬「ヌスボイゲルよ。ちょっと渋めのお茶とよく合うわ」
澪「うめー!」モグモグ
唯「げふっ。さ、さすがに食べ過ぎたよ。恐るべしアヌスポンチョ」
律「ヌスビトハギだろ。あっさり甘めなのが罠だったな」
澪「ガツガツ食べるからそうなるんだろ。練習はどうするんだよ」
梓(まっさきに食いついていた人が!?)
律「いやこれじゃマジで練習無理だわ。後の時間は休憩~。各自解散でよろしく~」
澪「うおい! 今週入ってからろくに練習してないんだぞ!」
紬「思いの外喜んで貰えてよかったわ。明日も期待していてね」
梓「ムギ先輩、嬉しいですけどあんまり唯先輩と律先輩を堕落させないでください」
紬「私食器を洗ってくるわ」
梓「先輩会話のキャッチボールしましょうよ」
律「澪~。トイレ~」
澪「どうしろって言うんだ……」
梓「フリーマンばかりです」
律「今ここにある危機に陥っている親友を見捨てるつもりか!? も、漏」
澪「その危機に自ら足を突っ込んだ奴を助ける程お人好しじゃないよ」
唯「澪ちゃん恐ろしい子!」
梓「はいはい、収集着きませんから私が付き添ってあげます。肩をかせばいいですか?」
律「梓ぁ~お前だけが戦友だぁ」
梓「どうでもいいですけどマーライオンとかしないでくださいよ」
澪「まったく。こんなので最後の文化祭に間に合うんだか」
唯「あはは。そうだねぇ」
澪「だから笑い事じゃないって。怠けてるとまたコードとか忘れるぞ」
唯「忘れてもいいかなぁ」
澪「唯?」
唯「こうしてまったりしてコード忘れて澪ちゃんが怒って、りっちゃんが笑って、ムギちゃんがほんわかさせてくれて、あずにゃんが可愛くて~」
澪「…………」
唯「あはは、なんか澪ちゃんだけが悪者みたいに言っちゃったね。ごめんね澪ちゃ」
澪「唯。一人で抱えるな」キュッ
唯「……澪ちゃん?」
澪「朝も言ったろ。どうしようもない事もあるけどさ、一人で考えて悶々としてるより、みんなで悩んでみようよ」
澪「ああ見えてみんなだって考えてるんだ。きっとわかってくれるよ」
唯「……。やっぱり澪ちゃんの手、あったかいね」
澪「っ! あああのこっこれはだなぁ///」
唯「弱音吐いちゃってごめんね。澪ちゃんの顔見てたらつい」
澪「べ、別に迷惑じゃないからいいよ。それに私なんかよりも他の人のほうがもっといい意見出るんじゃないかな」
唯「そんなことないよ。私助かった」
唯(でも、どうして澪ちゃんにだと言っちゃうんだろ……)
紬(わざわざ外に洗いに出て良かったー!)デジカメデジカメ!!
唯の家!
唯「うーいー。ただいまぁ」
憂「お帰りなさい、お姉ちゃん」
唯「いやー今日も練習疲れたよー」
憂「お疲れ様。でも今日はあんまりお腹空いてないんじゃない?」
唯「え、なんで?」
憂「うふふ。梓ちゃんからメールあったよ。今日はヌスボイゲルの食べ過ぎで練習にならなかったって」
唯「あずにゃんめ~。明日はフィギュア・フォー・ネックロックだね!」フンスッ!
憂「今度私がヌスボイゲル作ってあげるね」
唯「わ~い! 楽しみにしてるね、憂」
憂「じゃあお姉ちゃんおやついらないなら夕飯の前にお姉ちゃんの汗にまみれた腋をペロペ」
唯「夕飯できたら呼んでね憂!」ダダッ!
憂「も~。お姉ちゃんのいけずぅ///」
唯「ふぃ~。危うくまた桜の園に足を踏み入れるところだったよ」
唯「よいっ、しょっと。今日もギー太ちゃんは重いでしゅね~」トスッ
唯「朝は寒いのに昼は暑くて夜は寒いなんてずるいよね。夏着にすればいいのか冬着にすればいいのかわからなくなるよ」ヌギヌギ
唯「そうだっ! 半袖と長袖を一緒に着れば!」テンサイッ!
メルメルメル♪
唯「あ、あずにゃんからメールだ。『お加減はどうですか』だって」
唯「『お、ま、え、を、蝋、人、形、に、し、て、や、ろ、う、か』よしっ、返信!」ジョウチャク!
唯「はぁ~。夕飯食べられるように副交感神経を活性させて消化しないとぉ~」グゥグゥ
唯「かゆ……うま……」
梓「はっ!? コムニスチーチェスキイ・インテルナツィオナール……」ガバッ!
梓「唯先輩からの返信内容のショックで思わず気絶しちゃった。まさかそんなに怒ってるなんて……」
梓「返信するタイミング……今からするのもおかしいし」
梓母「梓ぁ~ご飯よ~」
梓「はぁ~い! 今行くぅ~。うう~ん、予想はしていたけど憂に予めメールしたのが悪かったのかな」
梓「でもあんなにお菓子食べて帰る間際までお腹抱えてたのに、その上憂が餌付けしたらきっとお腹壊しちゃうし」
梓「どうして唯先輩は家に帰ってからまでも私を悩ますんですか/// んっ……ゆ、唯先輩……///」クチュ
梓母「ご飯よっ!」ドカン!
梓「ぎゃー! おかーさーん!」
澪「ママ。ママはさー」
澪母「なに、澪」
澪「高校卒業するときって寂しかった? 高校時代の友達とは今でも会ってる?」
澪母「そうね、そりゃ寂しかったし、いつまでも友達と一緒にいたいって思ったと思う」
澪「思うって」
澪母「もう随分前だからね。でも大学に入ったら入ったで、また人間関係作っていったり高校以上にやることも増えて」
澪母「いつの間にか澪のお母さんになってた……って感じかな」
澪「なんだか無理矢理別の良い話に持って行こうとしてない?」
澪母「それよりもどうしたの? 三年生になってアンニュイになっちゃった?」
澪「ん……、友達がさ。いつもは仲間内で一番明るくて良い意味で何も考えてないような子なんだけど」
澪「最近元気無い顔してると思ってたら、今日になってみんなと別れたくないみたいな話してて」
律「唯らしくないって?」
澪「そうなんだよね。私だって、きっと他の子だって同じ思いを抱えてると思うんだけど、どう言ってあげればいいのか」
律「とりあえずお菓子あげてりゃいいんじゃね?」
澪「お前は考えが短絡なんだ!」ゴチン!
澪「って律!? ママもなんで律にご飯出してるの!」
律「ってぇ~。ずっとさっきからいたんですけど」モグモグ
澪「だったら声かけろ!」
澪「ママ! 律がいくら幼馴染みって言ってもさ」
澪母「さっきの続きだけど、私は今でも高校時代の友達と会ってるわよ」
澪「話聞こうよママ」
律「それで、唯がなんだって」
澪「…………」
律「悪かったよ。盗み聞きするつもりはなかったんだ」
律「まさか食卓で隣の席に着いてるのに気づかないなんて思わなかったし」
澪「はぁー。まあ言って駄目な事じゃないけどさぁ」
律「言いたくない……言いにくいことだったら、いいよ。唯が話すまで待ってる」
澪「分かったよ。前からも唯がちょくちょく言ってたことだけどさ……」
律「卒業したくないとか?」
澪「そ。でも今はもう数ヶ月しかないだろ。さすがの唯もちょっと実感湧いてきたみたい」
澪「なんだかちょっと心配なんだよ」
律「ああ、分かる。唯って一番軽音部の変化を嫌ってそうだしな」
澪「なんだよそれ」
律「悪い。言い方悪かった。でも私達で卒業がどうとかできる訳じゃないし」
律「唯のこと、見守ってやるしかできないんじゃないか」
澪「律……」
律「部長の私も寂しいよぅ~私も優しく見守ってくれよぉ~澪ちゅわ~ん!」
澪「調子に乗るな!」ゴチン!
憂「ハァハァ……お、お姉ちゃんの脱ぎたての下着……ドア一枚向こうにいるのに私」
唯『うーいー。タオル持ってきてくれたぁー?』チャポン
憂「う、うん! ここに置いておくね」
憂(パンツのクロッチが黄ばんでるよぉ~!)クンカクンカ!
唯『憂』
憂「なっ! 何?」ダラダラ
唯『憂は私が高校卒業しちゃったら寂しい?』
憂「……。寂しいよ。でも姉妹だもん大丈夫だよ」
唯『もし私が遠くの大学行って引っ越しちゃったら?』
憂「えっ!? そうなの!?」
唯『うわっ、そんなに驚かないでよぉ。”もし”だったらだって』
憂「そんなのいや!」
憂「そんなの、いや、だよ……お姉ちゃん。うっ……」
唯『え、憂泣いてるの?』ガラッ
唯「わっ! ちょ、鼻血が!」
憂「うぇっ、うっ……ふぐっうっ、おねっちゃ」グシグシ
唯「うーいー、もう泣かないで、ほらお姉ちゃんが鼻血拭いてあげるよぉ。フキフキ~」フキフキ
唯(鼻血出しちゃうほど興奮して泣いちゃう憂なんて久しぶりだよぉ。ハァハァ)
翌日!
憂「……っていうことがあってねー。お姉ちゃんってばやっぱり優しいの!」キャッ
梓「えっ! 唯先輩遠くの大学に行くつもりなの!?」
純子「仮の話って言ってたじゃん」
梓「えっ誰」
純子「えっ」
純「憂、梓、おはよー。で、唯先輩が鼻血ブーでどうしたの?」
梓「えっ」
純「私のデビルイヤーを舐めるな!」スチャッ!
憂「梓ちゃん落ち着いて。お姉ちゃんちょっとアンニュイになっちゃってるんだよ」
純「ジャズ研の先輩にも似たような人いるよ。練習中に唐突もなくいきなりボロボロ涙流し始めちゃったりするの」
純「うちらにしたらまだまだ先だって思っちゃうけど、ああいうの見ると切なくなるよねー」
梓「そ、そうなんだ」ズーン
梓(新入部員が入らないことにばかり気にかけてて……)
梓(唯先輩達がもうすぐ卒業するってこと、無意識に避けてたのかも)
授業中!
姫子「」トントン
唯(ん? あ、澪ちゃんから手紙だ。めずらしー)
澪『昨日のこと、大丈夫か』
唯(直接聞いたりメールにしないとこが澪ちゃんらしいなぁ)
唯(ええっと……)カキカキ
唯(姫ちゃんよろしく!)トントン
姫子「」ガッテン!
信代「」ドス!
澪「あいたーっ!?」
先生「秋山さん?」
澪「す、すみません。机に足ぶつけて/// すみません……」
クラスメイト「プー! クスクス!」
澪(中島さぁん……)
信代(ご、ごめんごめん。唯からだよ)
澪(もう。ええと……)
唯『澪ちゃん1919892051821←1,1,2,1,1,2,1,2,2』
澪(何コレ???)
澪「」ソッ
唯「」グッ!
澪(そんな得意げな顔されても)
先生「秋山さん、よそ見して何か窓の外にあるの?」
澪「あひゃいっ! しゅ、すみません……///」
クラスメイト「プー! クスクス!」
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