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澪「歌詞、か。・・・秋鮭、紅鮭、シャケラッチョ」1」(2011/04/29 (金) 16:23:50) の最新版変更点

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   休日 秋山家、澪の自室 澪「熊が100頭、クマっちゃうー♪鮭に出会って、サケられたー♪」 カチ、カチ、カチ 澪「・・・駄目だ。こんな歌詞じゃ」 カチ、カチ、カチ 澪「もうこんな時間か。あー、間に合わないっ」 ピロピロピロッ♪ 澪「・・・あっ。今、今書いてる。あさって。い、いや。明日までには必ずっ」 澪「・・・ああ、ムギか。・・・いや、律が催促してきたかと思って。・・・期限は無いし怒られないけど、私的にちょっと」 カチ、カチ、カチ 澪「・・・今、時間良いかな?・・・そう。たまには一緒に作るのも良いかと思って。・・・うん、私の家に来てくれれば」 カチ、カチ、カチ 澪「ムギ。時計って、一体何のためにあるのかな」    同時刻、平沢家リビング 律「えいっ、おりゃっ」 ピピピ 唯「なんのっ、そやっ」 シャシャッ 律「うわーっ」 どかーん」 唯「やったー」 律「ちぇー、自爆しちゃったぜ」 唯「自爆熊爆発、自爆熊爆発、自爆熊爆発」 律「何だそれ、意味無いじゃん。だははー♪」 憂「お疲れ様。ホットケーキ、焼けました」 唯「憂、ありがと♪」 律「さんきゅー。・・・んー、すごいふっくらしてんな」 憂「ヨーグルトを入れてみたんです。入れすぎると酸っぱいけど、上手く行きましたね」 唯「あー。ホットケーキには、やっぱりメープルシロップだね」 律「・・・澪の奴、今頃やってるのかな。また歌詞作ってるのかな」 唯「澪ちゃん、真面目だもんね。私達も練習する?」 律「いいな。ダンダダ、ダンダダ」 唯「ギュイーン、ギュギュイーン。・・・憂もエアセッションしようよ♪」 憂「え?」 唯「憂はエアオルガンね」 憂「オ、オルガン?・・・タラララーン、タラララーン?」 律「憂ちゃん、良いよー。ダダダン、ダダダン、ダダダダー」 唯「ギュギューン、音楽最高ーっ♪」    秋山家、澪の自室 チャッ、チャラー♪ 澪「・打ち込み音源か。・・・良いメロディだな、うん」 紬「主旋律しか入力してないから、まだまだなんだけど」 澪「いや。私も曲を聴いて、イメージが出来てきたよ。これ、コピーして良いかな」 紬「勿論。他のパートも出来たら、メールで送るわね」 澪「・・・ここ、初めのフレーズをアレンジしているのか。ちょっと面白いな」 紬「あら、分かってくれた?」 澪「少し弾いてみようか。ムギは、パソコンで頼む」 紬「ここは移調してるから、ちょっと気を付けないとね」 澪「なんだか、楽しくなってきたぞ♪」    同時刻、鈴木家リビング 梓「暖かいね、あずにゃん2号は」 もふもふ 純「そんな名前じゃないってば」 梓「良いじゃない。私の中では、あずにゃん2号なんだから」 純「8時になったらどこに行くのよ。・・・と、私は行かなきゃ」 梓「もう?」 純「休日練習の日なのよ、今日は」 梓「休めないの?」 純「私だって休みたいよ。でもそうしたら、他の子が上手くなる訳じゃない。それってどう?」 梓「まあ、結構困るよね」 純「そういう事なのよ。はぁ」 純「梓はこの後、どうするの?」 梓「特に予定も無いし、家に帰るだけだよ」 純「澪先輩達と練習したら?」 梓「自分からは言いにくいもん。それに先輩達は先輩達で楽しんでそうだから、私が割って入るのもね」 純「案外、気を遣ってるんだ」 梓「案外って何よ。あーあ。軽音部も、ジャズ研の半分くらい練習してくれればな」    平沢家、リビング 律「・・・ふー。熱いセッションだったぜ」 唯「燃えたねー♪」 律「その分、猛烈に虚しいけどな」 唯「たはは。エアセッションだからね」 憂「私、飲み物持ってくるよ」 唯「良いよ、憂。私が持ってくるから。りっちゃんは、何飲みたい?」 律「冷たい物なら、何でも良いよ」 唯「それなら、平沢スペシャル作っちゃおーかな」 律「・・・それ以外を頼む」 唯「そっか。残念だな」 すたすた 憂「お姉ちゃん、私はお茶で良いよ」 唯「分かった。りっちゃんはやっぱり、平沢・・・」 くるっ 律「よく冷えた、氷入りのグレープジュースを頼む」 律「ふー、危ないところだった」 憂「お姉ちゃん、創作料理が好きですから」 律「創作、か。澪の創作活動はどうなってるのかな」 憂「気になります?」 律「唯が言ったように、生真面目な奴だからさ。自分の中で勝手に締め切りを作って、唸ってるんじゃないか」 憂「心配ですか?」 律「さあね。私はそれよりも、唯が平沢スペシャルを持ってこないか心配だよ」 憂「ふふ♪」    秋山家、澪の自室    ボボーン♪ 澪「・・・なかなか良いな」 紬「後は歌詞を付けるだけね」 澪「歌詞、か。・・・秋鮭、紅鮭、シャケラッチョ」 紬「え、えーと」 澪「私、知ってるんだ」 紬「え?」 澪「過ぎた時間は、決して戻ってはこない事を。あはは、はは、ははは・・・」 紬(こんな重い空気、生まれて初めてっ♪) 紬「私達だけだと煮詰まっちゃうから、誰か呼んだ方が良くない?」 澪「梓を呼ぼうか。多分、真剣に考えてくれると思うから」 紬「それって、余計に煮詰まらない?」 澪「大丈夫。煮詰まるのは、お鍋でコトコト3時間。ふんわり小豆の出来上がりだ」 紬「歌詞が浮かんだの?」 澪「私、何か言ってたか?」 紬(突っ込みたいっ。でも、突っ込み方が分からないっ♪)    30分後 梓「お邪魔します」 澪「ああ。メロディはムギが作ってくれたから、後は歌詞を作るだけだ。もう少し待っててくれ」 梓「期限は特に無いですよね」 澪「だからって、いつまでも先延ばしする訳にも行かないだろ。よく煮たお餅は良く伸びる、もっちりもちもちモチベーションだ」 梓「それ、新しい歌詞ですか?」 澪「私、何か言ったか?」 梓「・・・私の聞き間違いでした」 澪「ぷっ、変な奴だな」 くすっ 梓(相当追い詰められてるな、澪先輩。でも、動物ネタに走ってないだけましか) 澪「あーり、さんかく、ひつーじ、あーり、さんかく、ひーつじ。・・・うん、調子出てきたっ」 梓(全然訳分かんないし、でも何かイメージ出来ちゃうし) 紬「うふふ♪」    平沢家リビング 律「うーん、ゲームはもう良いか」 唯「そだね。・・・あずにゃん、何してるのかな」 憂「家でゆっくり休んでるよ、きっと」 律「よし。梓にメールだ。・・・今、何してる?え?どうしてそんな事聞くのかって?私、梓の事が気になって仕方ないんだ♪・・・送信と」 唯「ふざけすぎだよ、りっちゃん。怒られちゃうよ」 律「梓が怒る訳無いだろ。・・・と、帰ってきた」 憂「なんて書いてあります?」 律「……ふざけるな、デコ」 唯、憂「えっ」 律「by、澪とある」 唯「ああ、澪ちゃんと一緒にいるんだ」 律「ちぇっ。向こうは向こうで楽しんでやがるな」 唯「私もメール送ろっと。澪にゃん、澪にゃん。今日から、澪にゃんって呼んで良い?・・・送信と」 律「もう呼んでるじゃんよ」 唯「えへへー。あ、返ってきた」 憂「なんて書いてある?」 唯「おっけーでーす♪」 律、憂「えっ」 唯「byムギにゃんだって」 律「ムギにゃん・・・、じゃなくてムギもいるのか。何やってるのかな、あいつら」 唯「間違っても、エアセッションはやってないだろうね」 憂「もしかして、曲作ってるのかも」 唯「あ、それはあるかも」 憂「お姉ちゃん達も、応援に行ってみれば?私、差し入れ作るね」 すたすた 律「澪の奴、自分一人だけ楽しみやがって」 唯「でも曲を作るのは、澪ちゃんとムギちゃんだよね」 律「おう」 唯「私達って、一体何なのかな」 律「・・・少なくとも、演奏時には必要だぞ」 唯「演奏して無い時の私達って、何なのかな。もしかして、単なる賑やか・・・」 律「あはは、何言ってるんだよ。私達は、そこにいるだけで良い存在なんだよ」 唯「そかな。本当に、そかな?」 律「唯、真面目になったら負けだ。ドラムは打ち込みの音源だけで十分なんて思うのは、絶対良くないぞ」 唯「私、変な汗が出てきたよ」 律「私なんて、目から出てきそうだよ」    秋山家、澪の自室 澪「・・・駄目だ、全然良いアイディアが出て来ない」 ぐったり 梓「大丈夫ですか、澪先輩」 紬「澪ちゃん、根を詰め過ぎじゃなくて?」 澪「・・・コンコンコン。キツネキツツキ北杜夫」 梓「えーと、今のは」 澪「駄目だ」 梓「そうですよね」 紬「明るいイメージはどうかしら。マンボみたいに、燦々と太陽が降り注ぐような」 澪「・・・さんさんさん。サンマサワガニ斎藤宗吉。・・・駄目だっ」 梓(斎藤宗吉って、誰) 澪「うーん、うーん、うーん」 ぐったり 紬「空気が重いわねー♪」 ぽそっ 梓「・・・ムギ先輩は平気なんですか?」  紬「今まで味わった事がないから、むしろ新鮮なのよね」 梓「私は倒れそうなんですが。・・・ムギ先輩は曲を作る時、あまり悩みません?」 紬「そういう時は庭を散歩してみたりして、気分転換するの。私の場合、無理をするのは良くないみたい」 梓「澪先輩は、性格的に無理するタイプっぽいですからね」 紬「でもそうやって頑張るのが、澪ちゃんの良い所じゃないかしら」 梓「はいです♪」 澪「・・・イルカだよ。クジラじゃないよ、イルカだよ。イルカとクジラの違いはね。体の大きさだけなんだ♪」 梓(だったら一緒だし、もはや歌詞でもないし) 澪「・・・違う。何かが違う。梓は、何が違うと思う?」 梓(何もかもが違うと思う) 澪「どう思う?」 ずいっ 梓「え、えと。その、あの」 紬「取りあえず、少し休憩しましょうか。お菓子も持ってきてあるし♪」 澪「・・・そうだな。ちょっと休むか。私、お茶持ってくる」 とたとた 梓(やっぱりムギ先輩は気が利くなー。良い匂いがする訳だよ♪) くんかくんか 澪「あー、うー。むーん」 ぐったり 梓(やはり、重い) 紬「・・・唯ちゃん達を呼ぼうか?あの二人がいれば、空気も和むだろうし」 ぽそっ 梓「澪先輩、怒りませんか?」 紬「きっとは大丈夫だと思う。それに何かあったら、私が怒られるから」 梓「ムギ先輩♪」 澪「・・・やっぱり、万葉集から紐解いてみるか。なんといっても、歌の元祖だからな。・・・熱田津にー♪船乗りせむとー♪」 梓(遡りすぎだし、吟じ出しちゃったし) 紬「はー。よいさー、よいさっ♪」 ぱん、ぱん 梓(合いの手入れる事じゃないし) ぱん、ぱん    平沢家リビング  ピロピロピロ 律「お、ムギからメールだ。・・・今すぐ、澪ちゃんの家に来て下さい。お菓子あり。だって」 唯「おおっ。行く前に、向こうからお呼びが掛かったよ」 律「結局さ、私達の力が必要だって事なんだよ」  唯「出ちゃう?私達の隠されてた能力が発揮されちゃう?」 律「されちゃう、されちゃう。いやー、参ったな。ムギがそこまで言うなら、行くしかないか」 憂「ロールケーキ出来たよ。・・・ムギさんに呼ばれたって聞こえてきたけど」 唯「憂、ありがと♪私達、澪ちゃんの家に行ってくるね。だって私達、必要とされてるから」 律「もう、私達じゃないと駄目なんだって感じだよ」 憂「ふふっ。律さん、頑張ってきて下さいね。お姉ちゃんも♪」 唯「憂、お姉ちゃんはやってくるよ♪」 律「待ってろよー、澪。私達の本気って奴を見せてやるぜ」 [[2/2>http://www43.atwiki.jp/moemoequn/pages/286.html]]

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