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ピカッ、ピカッ…パチパチ…


澪「…あっ」

唯「ほら、綺麗でしょ?」

澪「…うん」

唯「このキーホルダーね、お母さんがお土産に買ってきてくれたの」

唯「私眠れない時は布団に包まってこのキーホルダーをチカチカさせてるんだ~」

澪「…凄い。見ててとても落ち着く…」

唯「ほら、人間って火を見ると落ち着く習性があるでしょ?」

唯「だからこうやって光が入らないようにして、このキーホルダーが綺麗に見えるようにしたの」

澪「なるほど…そういう事だったか」

唯「どう?少し落ち着いた?」

澪「あぁ…凄く気がラクになったよ」

唯「ふふん、よかった~♪」



――――――――――――――



唯「澪ちゃん!虹!空に虹が架かってるよ!」

澪「あっ、本当だ…」

澪「さっきの夕立でできたんだろうなぁ」

唯「でも穴の中からだと少ししか見えないね」

澪「そうだな、でも私はこんな風景も好きだな」

澪「きっと私達が井の中の蛙だったら、虹はこんな風にしか見ることができないのかもしれない」

唯「それって、蛙がそれ以上外の世界を知ることが出来ないって事だよね」

澪「あぁ、私が蛙だったら、きっとまた違う見え方ができるのだろうな」

澪「そしてその光景も、今私が感じてる事とは全く異なっている筈だ」

唯「うん、そうかもしれないね…」

唯「でも澪ちゃん、それって悲しい事なのかな?」

澪「分からないな…私は人間だから」



唯「……」

澪「……」

唯「ねぇ澪ちゃん」

澪「ん、どうした?」

唯「私ね、高校卒業したらどうしようかってずっと考えてたんだ」

澪「大学には行かないのか?」

唯「ううん、そういう事じゃないの」

唯「私、みんなと同じ大学に行って、同じ事して、高校みたいな生活がずっと続けばいいと思ってたんだ」

澪「うん」

唯「でも、さっきの澪ちゃんの蛙の話を聞いて、ちょっと考えが変わっちゃったよ」

澪「どうしてだ?」

唯「私はみんなと一緒って事しか考えてなかった」

唯「でも、それはとっても頭が悪い考え方だったって思い知らされたよ」




澪「…興味があるな。話してみろよ」



唯「さっきまでの私の考えは、井の中の蛙」

唯「外の世界なんて見えてなくて、自分がしたいことだけにしか興味がなかった」

唯「でも、それって絶対長くは続かないよね?」

唯「話に終わりがあるように、そんな夢物語にもいつか終止符が打たれちゃう」

唯「これで私達の物語は終わり。とっても感動的な最終回でした。ちゃんちゃん」




澪「……」

唯「でも、私の人生はそれで終わりじゃないよね?」

唯「そしたら私はその先、何を目標に生きていけばいいの?何もないと思う」

唯「そんなことになったらきっと私ね、憂や他のみんなに迷惑かけちゃうよ」

唯「そしてね、昔はよかったなぁ…なんておじいちゃんみたいな事言っちゃうと思うんだ」

唯「自分が自分で自分の人生をつまらなくしてる癖にね…」



唯「私、そんな人生嫌だ」

唯「周りが嫌いになって、自分をこんな風にした世界が嫌いになって、そこまで考えようとしなかった自分自身が嫌いになっちゃう」

唯「そうなったら、もう何もかも終わりだよ」

澪「人生の袋小路ってやつか」

唯「うん、自分に本当の意味で終わりが来ちゃったんだなぁって…そんな事思っちゃうだろうね」

澪「…それで?唯はそんな人生は嫌なんだろ?じゃあどうするべきだと思ったんだ?」

唯「うん」

唯「私、もっと自分と真剣に向き合ってみたい」

唯「自分が何のために生まれてきたのか、自分が誰の役に立つ事ができるのか、見つけてみたい」

唯「みんなのためだけじゃなくて、自分で自分を誇れる人間になりたい」

唯「私は、ずっと幸せでいたい…」

唯「…グスッ」

澪「…唯」

唯「…何?澪ちゃん?」

澪「……」














          「…お前がこの穴から、外に出る時が来たみたいだな」
















唯「もうすっかり日が暮れちゃったね~」

澪「そうだな。いつの間にか夕方になってたよ」

唯「時間ってせっかちだよね、もっとゆっくり流れてくれてもいいのに」

澪「まぁな、けど今の状況が、時間が有限である事を証明しているんだよ」

唯「そうだね~」

澪「……」

唯「……」

唯「ねぇ澪ちゃん」

澪「何だ?」

唯「私って、これから何をすべきだと思う?」

澪「そうだな…」

澪「とりあえず、軽音部のみんなと一緒に新入生歓迎会の話し合いでもすればいいと思うぞ」

唯「そっかぁ、もう春の事考えなきゃいけないんだねぇ~」

澪「まぁ、そんなに焦らなくてもいいと思うけどな」



澪「なぁ唯」

唯「なぁに澪ちゃん?」

澪「人間ってさ、一人では生きていけないよな」

唯「うん」

澪「もし自分が本当に袋小路に止まってしまったと思ったら、私達に相談していいんだからな?」

唯「澪ちゃん?」

澪「お前の考えは正しい、だからってそんなに悲観的にならなくても大丈夫だ」

澪「悩むだけ悩んで、そればかりに時間を費やしてしまったらそれこそ本末転倒だ」

澪「自分じゃ解決できないと思ったら、迷わずに私や律、梓やムギに相談しろ」

澪「人生の穴ってのは、今日の穴みたいに浅くないからな」

唯「…うん。分かったよ澪ちゃん」

唯「じゃあ澪ちゃんも悩んでしまったら、私に相談してよね!」

唯「私頑張っちゃうよ!」フンスッ

澪「ふふっ、ありがとう」



律「あっ!お~いゆーいー!みーおー!」

唯「あっ!りっちゃんだ!」

梓「唯先輩!こんな時間まで何処に行ってたんですか!澪先輩まで一体どうしたんですか!?」

澪「あ、あぁ…ちょっとな」

唯「うん!ちょっとねぇ~」

紬「あらあら、唯ちゃん達自分探しの旅に出てたの?」

澪「ん…まぁそんな所かな?」

律「おいおい、それって学校や部活サボってまでやる事かよ…」

唯「あ、あはは~」

梓「もうっ、新入部員歓迎会も近いんですから、なるべく部活はサボらないで下さいよね?」

澪「ははっ、悪かったよ梓。もうサボったりしないって」

唯「あずにゃ~ん私がいなくて寂しかった~?」

梓「ち、ちょっと抱きつかないで下さい!」

紬「あらあらまぁまぁまぁ」

梓「にゃーっ!」



律「よーしっ全員揃った事だし帰ろうぜ~」

澪「おい律、そんなにはしゃぐなよ。恥ずかしいだろ」

紬「ねぇみんな、せっかくだからこの後どこか寄っていかないかしら?」

唯「いいね~私お腹ペコペコだよ~」

梓「あっ、でしたらついでに楽器も見に行きませんか?私ギターの玄が錆びてきちゃって…」

澪「あぁいいぞ。時間もまだ余裕があるしな」

律「おっしゃあー!どんどん行くぞ~」

唯「ああっ!りっちゃん待ってよ~!」

澪「だからっ!はしゃぐなって言ってるだろがーっ!」

紬「あはは~」

梓「ちょっと唯先輩!?そっちは違う道ですよ!待ってくださいってばーっ!」







「ねぇ澪ちゃん」


「何だ?」


「こんな楽しい事って、いつまで続くと思う?」


「さぁな。分からないよ」


「そうだよね」


「でも…」


「ん?」


「たとえ終わっても、私達が友達なのは変わりないよ。」




「…うんっ、そうだよね!」




 ○←俺  
 く|)へ
  〉   ヽ○ノ←澪
 ̄ ̄7  ヘ/
  /   ノ
  |
 /         ヽ○ノ←唯
           ヘ/
            ノ



                                   ┼ヽ  -|r‐、. レ |        
                                   d⌒) ./| _ノ  __ノ
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                                  制作・著作 HTT