澪SSまとめ @wiki

澪「家出少女」2

最終更新:

moemoequn

- view
管理者のみ編集可
~次の日

目覚まし時計が朝を告げる。

澪「う、うーん朝か」

目を開けると目の前に梓の顔。

澪「うわっ梓!何でそんな所に」

梓「おはようございます。って澪先輩が抱きついてきたんですよ」

澪「へ?そうなのか?」

梓「澪先輩、昨日どんな夢見てました?」

澪「昨日?そーだな……」

ボンッ



真っ赤になる澪。

梓「どうしたんですか?」

澪「い、いやどんな夢見たか忘れちゃったよ」

梓「……澪先輩、寝言で私の名前呼んでましたよ」

澪「えっ?///」

梓「抱きついてきて、私の名前呼んだ後、……キ、キスまでされちゃいました///」

澪「ええええっ!!///」

梓「お陰で、全然眠れなかったです」

梓が眠れなかったというのは本当だろう、うっすらとクマが出来ている。

澪「ご、ご免な、寝ぼけてたみたいで///」



~午後

澪「この後どうする?」

梓「そうですね……」

少し考え込む仕草をする梓。

梓「あっそうだ、映画観に行きません?私無料チケット持ってますよ」

澪「映画か、良いね」

梓「泊めてくれたお礼です」



手を繋ぐタイミングって、どうすれば良いのだろう?

映画館への道のりを歩く間、梓はそんな事を思っていた。

「澪先輩と手を繋ぎたいです」なんて恥ずかしくて言えない。

隣を歩く、自分より少し大きな彼女を見る。すると

澪「なあ、梓。お願いがあるんだけど」

梓「何ですか?」

澪「えーと…あの、手繋ぎたいんだけど///」

梓「えっ!あ、はい、どうぞ」

梓がそう応えると同時にぎゅっと手が握られた。

柔らかくて温かい、優しい手。

梓(澪先輩も同じ事を思ってたんだ)



~映画館

澪「何の映画観よっか?」

梓「そうですね、ホラー映画とか」

澪「えええっ!!」

梓「冗談ですよ、澪先輩こわいの苦手ですもんね」

澪「梓の意地悪…」

梓「ラブロマンスにしましょうか?」

澪「そうしよう」



瀧エリ「あれ?澪ちゃん?」

佐藤アカネ「あ、本当だ」

澪「エリとアカネ?」

エリ「隣にいるのは、あずにゃん?」

梓「ええっ!?何でその呼び方を?」

エリ「学園祭の時、唯がそうやって呼んでたから」

梓「唯先輩……もしかして私知らない所でみんなから『あずにゃん』って呼ばれてるの?」



アカネ「二人も映画観に来たの?」

澪「うん」

エリ「なるほど、二人はそう言う関係でしたか」

澪「そういう関係って、そんなのじゃない///それを言うならそっちだって」

エリ「私とアカネはそういう関係だもん」

アカネ「エリッ///」

梓「ち、違いますよ。澪先輩が私を泊めてくれたから、そのお礼に映画を」

アカネ「泊めた?」

梓「と、泊まったって言ってもキスしただけでやましい事は何も///」

澪「梓///」

エリ「キスした?」



梓「あの、その、キスって言っても澪先輩が一方的にしてきただけで///」

アカネ「一方的に?」

エリ「それで寝かせてもらえなかったあずにゃんは、クマ出来てるんだね」

澪「ち、違うんだ。誤解だ誤解///」

エリ「さっきから仲良さそうに手繋いでるのに?」

握られたままの澪と梓の手

澪梓「うわあああぁっ///」

慌てて離す澪と梓

アカネ「大丈夫よ、秘密にしておくから」

エリ「口止め料でコーラね」

アカネ「エリッ」

澪「コーラでも何でも買ってやるからみんなには秘密で頼む」

エリ「やったあ」



~映画上映開始

澪「エリとアカネは2つ前の席か」

澪(エリ達の後ろで良かったな、前だと観られてる感じで落ち着いて観られなかっただろうし)

梓がふと、前の座席を観ると既にエリとアカネは手を繋いでいた。

梓(さっきはエリさんに言われた勢いで手、離しちゃったけど映画観てる間また手繋ぎたいな)

梓(今度は私から)

肘掛けに右手を置いてる澪。そこにそっと手を伸ばす梓。

キュッ

澪(梓…)

キュッ

優しく握り替えされる手

梓(澪先輩……)



映画のちょっとHなシーン

澪(うう、気まずい……///)

梓(どんな反応をして良いやら///)

澪(エリ達はどうしてるんだろう?)

身体を寄り添うようにして観てる二人。

澪(うわ、大胆だな///)

澪(私も、ちょっとだけ梓の方に身体寄せてみようかな?///)

ズズッ

梓(澪先輩?)

梓(私からもちょっと)

ズズッ



お互いの腕が少しだけ触れる距離

澪(これ以上は///)

梓(無理です///)

アカネ(エリ、恥ずかしいよ///)

ヒソヒソ

エリ(澪ちゃんとあずにゃんに見せ付けてあげるのよ)

ヒソヒソ



~映画終わり

梓「映画、面白かったですね」

澪「ああ、そうだな」

エリ「澪ちゃん、あずにゃん近くに美味しい店あるんだけど一緒に食べに行かない?」

梓(私はもう、あずにゃん呼び確定なんですね)

澪「ああ、良いけど。梓は?」

梓「あ、私も大丈夫ですよ」

~お店

エリ「ここのパスタ美味しいの」

澪「へ~」

アカネ「このパスタとドリンクとスイーツのセットがお得よ。好きなの選べるし」

梓「じゃあ私それにします」

澪「私も」

エリ「じゃセット4つね」



エリ「私パスタはこれで、スイーツはこれ、ドリンクはコーラ」

澪「またコーラ?」

アカネ「エリ、コーラ好きだから。私もだけど」

梓「じゃあ私パスタこれで、ドリンクは紅茶でスイーツは澪先輩と同じのを」

エリ「駄目だよ、あずにゃん!!」

梓「え?」

エリ「スイーツは違う種類のを頼んで食べ比べしないと」

梓「そ、そうなんですか。じゃあこっちにします」



エリ「アカネのスイーツ美味しそうね」

アカネ「食べる?あーん」

エリ「あーん」

もぐもぐ

エリ「美味しい」

澪(目の前で、このいちゃつきっぷり///)

梓(見てるこっちが恥ずかしいです///)



エリ「あずにゃんも澪ちゃんに食べさせてあげなよ」

梓「そんな恥ずかしい」

アカネ「澪ちゃんは食べさせて欲しそうにしてるけど」

澪「……うん、梓に食べさせて欲しい///」

梓「ええ?……じゃ、じゃあ澪先輩、あーん」

澪「あーん///」

もぐもぐ

澪「美味しい」



アカネ「今度は澪ちゃんの番だよホラ」

澪「ええ?私も?」

エリ「自分だけ食べてずるいよ。ね、あずにゃん?」

梓「そ、そうですよ」

澪「分かったよホラ、あーん」

梓「あーん」

もぐもぐ

梓「美味しいです」



梓「私、トイレ行ってきます」

エリ「あ、私も」

~トイレ

エリ「あずにゃんって澪ちゃんの事好きなんでしょ?」

梓「……ハイ、そうです///」

エリ「澪ちゃんもあずにゃんの事好きなんじゃないかな?」

梓「えっ!!本当ですか?」

エリ「乙女の感よ」

梓「感ですか……」



エリ「美味しかった」

アカネ「私たちはお邪魔みたいだからこの辺で」

エリ「じゃあね、あずにゃん頑張ってね」

アカネ「バイバイ」

澪「さよなら」

梓「頑張るって…」



~帰路

ブルブルブル

梓の携帯が震える。

梓「あ、親からのメールです。あれ?気付かなかったけど5件も入ってる」

梓「…もう家、帰ります。さすがに親も心配してるみたいだし」

澪「そうか……」

落胆の表情を見せる澪。

梓「もしかして私が居ないと寂しいですか?」

澪「……うん、寂しい」

梓(あれ?てっきり『そんな事無い!』って言うと思ったのに)

梓「また、泊まりに来ますよ。今度は家出じゃなくて」

澪「いつでも来てくれて構わないぞ」

梓「ありがとうございました」

澪「また学校でな」



梓「澪先輩」

梓は振り返る。

梓「これは、泊めてくれたお礼に」

梓は澪の肩に手を掛けて背伸びした。

そっと澪の顔が近付き、唇を重ねる。

今にも気絶してしまいそうな位、梓はドキドキしていた。

梓「昨日のお返しに今度は私からです」

梓「澪先輩、大好きです」



澪はすっかり赤くなりながら梓を見つめていたが、

澪「…梓、私も大好き」

そう呟くと、澪は今度は自分から梓に唇を合わせにいった。

深いけども優しくて、そして少し感情的な口付け。

唇が離れると、しばし見つめ合った。

梓「私、自分の考えは曲げません。絶対澪先輩と同じ大学に入ります」

澪「ああ、待ってるよ」

そして再び二人は抱き合った。




お終い


記事メニュー
目安箱バナー