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澪「…」

澪「これ以上、秘密にしておくのは無理だよな……」

澪「隠し通すのにも限界があるし、それにいずれみんなにも迷惑がかかるかもしれない……」

澪「……決めた。みんなには全部話そう」

澪「…やっぱり突然お別れになるだなんて辛すぎるしな……」

澪「…」



澪「……!」ガタッ

澪「し、静まれ!私の右腕!」ウワァァア!

澪「はあ…はあ……」

澪「やっぱりみんなに伝えないと…」

澪「私がいにしえの時代に地上を救った天使の末裔だということ」

澪「近い将来ルシファーの封印が解け、地上が再び滅亡の危機に晒されること」

澪「私の能力【絶対運命】が世界を救う唯一の鍵だということ」

澪「…そして近いうちに私も天界に戻らなくてはいけないことを」


澪ママ「やだ、あの子ったらまた一人でなにか言ってるわ……」

澪パパ「まだ可愛いものじゃないか。お父さんの若い頃はあれより重症だったよ」



澪「しかし、こんな話一体どうやって切り出せば……ん?」ピロリロリーン

澪「あ、律からメールだ」ピッ


From:りつ

梓がなんか話があるらしいから明日の放課後は全員部室に集合なー

遅れるなよー


澪「梓からの話か……一体何の話だろう?」

澪「! まさか梓も私と同じ能力者なのか!?」

澪「それならとっても心強い!仲間は多い方がいいもんな!」

澪「その時に私の能力のことも話せばいいし、これで全部解決だ!」



放課後!

唯「おいっす」ガチャ

律「お、唯おいっす。これで全員そろったな」

梓「すみません、わざわざ集まってもらって……」

唯「あずにゃんの頼みならお安い御用だよ~」ダキッ

紬「今お茶の準備をするからね」

澪「…」

澪(さて、どう話せばよいものか……)

澪(こんな話、いきなり話しても信じてもらえそうにないし…)

澪(私の能力を見せれば直ぐなんだろうだけど、まだ不完全で発動できないからなあ……)

澪(やっぱりここは梓に任せるしかないか……)



梓「…先輩、驚かないで聞いてくださいね」

律「どうしたんだ?もったいぶらずに早く言えよ」

梓「……実は私、普通の人間じゃないんです」

唯律紬「!?」

紬「人間じゃない、って……?」

澪「……やっぱりな」

梓「…澪先輩は気付いていたんですか?」

澪「なんとなく、だけどな」

唯「ねえ、一体どういうことなの?」

律「そ、そうだぞ!説明してくれよ!」



澪「…実は梓は私と同じでこの世界の 梓「……私の正体は、猫なんです」

澪「……え?」

梓「前に話してくれましたよね?先輩たちが1年生の時に車に轢かれそうになった猫を助けた事があるって」

唯「うん……道路に飛び出そうとしたところを私が捕まえて……」

律「まさか……!」

梓「はい、私の正体はその猫なんです……」

紬「そんな……」



梓「猫は長生きすると不思議な力を持つようになるんです。私の場合はそれ人間に変身する力でした」

唯「…」

梓「私は先輩たちにあのときのお礼がしたくって……」

梓「先輩たちと同じ高校に入って、そこで軽音部が新入部員を募集してるときいて……」

律「後輩として軽音部に入部してくれたんだな…」

梓「はい…」

紬「でも、なんで今そんな話を……?」

梓「……猫の寿命は人間よりもずっと短いんです」



梓「……私は17年間も生きることができました」

梓「なんとなく自分でわかるんです……。もう十分生きたんだって……寿命だって……」

梓「私は猫として生まれて、一緒に生まれた兄弟たちとも比べてとても長生きできました」

梓「その上先輩たちにこんなに可愛がってもらえて、優しくしてもらえて……」グスッ

梓「とっても……幸せでした……」ポロポロ

唯「あずにゃん、うそ…でしょ……?」グスッ

梓「先輩…私、ちゃんと後輩出来ていました……?ぐすっ……ちゃんと、おんがえし…、できていましたか……?」ポロポロ

律「当たり前だよ…お前は私たちの、自慢の後輩だよ……」グスッ

梓「…よかった……」ポロポロ

紬「あずさ、ぢゃん……」ポロポロ



梓「みなさん、本当にありがとうございました……」

梓「わたし、みなさんと、あえて…ぐすっ、ほんとうによかったです…」ポロポロ

唯「あずにゃん!」ポロポロ

律「あずさ!」ポロポロ

紬「あずさちゃん!」ポロポロ

梓「ありがとう、さようなら…」ポロポロ

そう言い残して、梓は消えてしまいました



澪「」

唯「うう……あずにゃぁん」グスッ

律「唯、梓も辛かったんだよ…」

律「自分のことをずっと言いだせなくて、結局ギリギリまで言えなくて……」

律「梓の為にも、軽音部、つづけていこうなぁ」ポロポロ

澪(そうだよな、突然別れを告げられても辛いだけだよな……)

澪(梓が教えてくれたんだ……みんなの為にも勇気を出して今言わなくちゃ!)

澪「あの、実はわたs紬「実は私も、みんなに隠してた事があるの……」

澪「……はい?」



紬「……この音楽準備室は代々軽音部の部室として使われてきたの」

紬「みんなこの場所で一生懸命練習して、時にはケンカして、仲直りして……」

紬「とっても素敵な時間を過ごしていたの」

紬「でもさわ子先生の代が卒業してからは部員が段々少なくなって、廃部になってしまって……」

紬「とうとうただの物置としてしか使われなくなったの」

紬「いつまでたっても誰も来ない。たまに来ても荷物を運びに来るだけ。何カ月も人が来ないこともあったわ」

紬「とっても辛かった…」

紬「でも、そんなときにりっちゃん達がもう一度軽音部を作ってくれたの……」

律「まさか……」

紬「そう、私の正体はこの音楽準備室の座敷わらし」

紬「こんな髪の色の座敷わらしっていうのもおかしいかもだけれどね」

澪「」



唯「そんな…」

紬「でもせっかく軽音部が復活したのに、りっちゃんと澪ちゃん以外は誰も入ってくれなくて……」

紬「だから私もこの学校の生徒に姿を変えて軽音部に入部したの。せっかく復活した軽音部をなくさない為に」

紬「そしたら唯ちゃんが入部してくれて……。ありがとう唯ちゃん、とっても嬉しかったわ」

唯「ムギちゃん……」

律「もしかしていつもムギが持ってきてるお菓子は…」

紬「うん、座敷わらしの力は人を幸せにすること。みんなが楽しく部活が出来るように色々頑張っちゃった」

紬「さすがにちょっとやりすぎたかな、と自分でも思うけど……」

唯「そんなことないよ!ギー太を買えたのも、みんなで合宿できたのも全部ムギちゃんのおかげだよ!」

唯「本当にありがとね!私とっても嬉しかったよ!」



紬「…ありがとう唯ちゃん。そう言ってもらえると、報われた気がするわ」

唯「報われるって……?」

紬「うん、ちょっと力を使い過ぎたみたい……だからしばらくお休みしないと」

律「休むって、一体どれくらいだよ…?」

紬「わからない……何十年もかかるかもしれないし、もしかしたらもう戻ってこれないかも……」

唯「そんな…そんなの嫌だよ!」グスッ

紬「ごめんね唯ちゃん。唯ちゃんはとっても優しいのね、りっちゃんも」

律「ムギ……」



紬「ねえ、私からひとつお願いがあるの」

紬「軽音部をなくさないで……。この部屋をずっと軽音部の部室として使い続けて……」

紬「この部屋を私たちと、これから入る私たちの後輩の思い出でいっぱいにしてほしいの……」

紬「私がここに戻ってこれたときに、みんなのことを思い出せるように……」

律「わかった…、約束、するよ……」グスッ

紬「ありがとう……」

唯「わたし、ムギちゃんのこと、絶対に…ぐすっ、絶対に忘れないからぁ……」ポロポロ

律「ムギぃ……!私たちはずっと…ずっと友達なんだからな…!」ポロポロ

紬「私、みんなと一緒に音楽が出来て楽しかった……。本当に、幸せだった……」グスッ

律「ムギ!」ポロポロ

唯「ムギちゃん!」ポロポロ

紬「みんなありがとう……じゃあね……」ポロポロ

そう言い残して、紬は消えてしまいました



唯「うう…ムギちゃん……」ポロポロ

律「ムギ……」グスッ

澪(まさか梓に続いてムギまでとは……)

澪(このままじゃ私が言いだすタイミングを逃してしまう……!)

澪「あの、実は…唯「私も…思い出したことがあるんだ……」

澪「」



唯「あのね、私たちが高校に入学する前にこの近くで交通事故があったの」

唯「仲の良い姉妹が横断歩道を渡っているところに、信号無視のトラックが突っ込んで来て……」

唯「被害に遭ったのは来週から高校生になるはずだった女の子と、1歳年下のその妹」

唯「お医者さんも頑張ったんだけど、入学式の前日に結局2人とも死んじゃったんだ」

唯「きっととっても悔しかったと思うよ」

唯「あんなに必死に勉強したのに……、妹や友達にあんなに応援してもらったのに……」

唯「やっと合格して、これから楽しい高校生活が始まるはずだったのに……」

律「まさか…」



唯「うん。その事故で亡くなった女の子って私と憂のことなんだ」

唯「今なんとなく思い出したよ。事故に遭った時のこと、病院にいる時のこと、そして死んじゃう直前のこと」

唯「よっぽど未練があったんだろうね。幽霊になってまで学校に通っちゃうだなんてさ」

律「もしかして……唯の家にいつも親がいないのは……」

唯「きっと悲しいことを思い出すから、って引っ越しちゃんだろうね……」



唯「私、軽音部に入って本当によかったよ」

唯「音楽の楽しさを知ることができたし、みんなとも友達になれたから」

唯「みんなとおしゃべりして、遊んで、いろんなところに行って……」

唯「本当だったら高校生になれなかった私を、みんなが高校生にしてくれたんだよ」

唯「それにギターを教えてくれて……」

唯「私、今まで知らなかったよ……。1つのことを頑張ることがこんなに楽しいことだなんて……」

律「唯…」



唯「でももう行かなきゃ……。もう、死んじゃってたんだって気付いちゃったから……」

律「そんな…お願いだから行くなよ……ゆいぃ……」グスッ

唯「本当に、ごめ゙んね……、今までたぐざん…、迷惑掛けて……」グスッ

唯「私、みんなと会えて…、ぐすっ…本当によかった……」ポロポロ

唯「またいつか…、天国で会ったら、よろしくね……」ポロポロ

律「ゆいぃ……」ポロポロ

唯「ばいばい…」ポロポロ

そう言い残して、唯は消えてしまいました



律「うう……ゆいぃ……みんなぁ……」

澪(なんだよこれ?どうなってんの?)

澪(みんな衝撃の告白しすぎだろ!完全にタイミング逃しちゃったよ!)

澪(この流れで『ああ、私も近いうち天界に帰るからな~』、なんて言えないじゃん!律一人になんかできないじゃん!)

澪(とりあえず私の出生の秘密は置いといて……親友として律を慰めなきゃ……)




澪「律……、みんなの為にも軽音部を続けていこうな」

澪「最初の頃みたいにまた二人に戻っちゃったけど、きっとなんとかなるよ」

澪「私もクラスの友達に声かけてみるし……また二人で頑張ろうな?」

律「…澪は優しいんだな……。それに私よりもずっと頭もいいし、しっかり者だし」

律「大勢の人に頼られて、みんなのあこがれの的で」

律「最初に会った頃から見たら嘘のようだよ……。澪はずっと立派なったな……」

澪「そ、そうかな……」



律「これで私の役目も終わったよ」

澪「……はい?」

律「小学生の頃の澪は恥ずかしがり屋で、物静かで、クラスの端っこでずっと本を読んでるような子で」

律「だから友達もあんまりいなかったんだよな」

澪「確かにそうだったけど……」

律「だからいつも思っていたんだよ。『私をみんなの中に引っ張っていってくれる明るくて優しい友達が欲しい』って」

澪「そう言えばそうだったかも……って」

律「……私の正体はそんな澪の思いが作り出した幻。私も本当は人間じゃないんだ」

澪「」



律「でももう大丈夫だよ。あの頃に比べて澪はずっと立派になったし、私以外にも友達もできた…」

律「私の役目は終わりだ。だからもう行かなくちゃ……」

澪「」

律「澪、最後に言わせてくれ…」

律「……お前はいつまでたっても、私の自慢の親友だ!」

澪「」

律「今までありがとう、大好きだ」

そう言い残して、律は消えてしまいました

澪「」

澪「………なんだこれ?」



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