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律「今日は私達二人だけか」

澪「他の三人は用事があるとかで帰っちゃったな。三人ともさっきまでここに居たみたいだが」

律「二人っきり…澪、そんな熱い目で見つめられると、その…キャッ!!」

澪「私が見つめてるのは楽譜でーす」

律「ぶーっ、少しはノれよな?」

澪「はいはい」

律「…」

澪「…」

律「…滅殺饅頭~♪」

澪「ブッ!!なんだよそれ、滅殺!?」

律「おやおや澪さん、集中力が切れましたか?」



澪「せ、説明しろよ!!」

律「ふふーん、じゃあお手元の楽譜を置いて、はい、ルックアトミー」

澪「…置いたぞ」ジー

律「よろしい。昔九州に家族旅行に行ったのよ」

澪「うん」

律「そこでホテルのテレビをつけたらさー」

澪「待て、九州のどこだよ」

律「ああ、北九州」

澪「北九州県か」

律「…そうそう、北九州県。そんでテレビをつけたらさー、このフレーズがCMで流れてきたんだ」

澪「え、なにそれこわい」



律「だろ?私も驚いたさー」

澪「でもさ…普通に考えて滅殺なんて言葉使わないだろ?その、聞き間違いだったんじゃないか?」

律「うーん、かもなー」

澪「おい。ていうか、旅行行ったのいつごろよ?」

律「うーん、6年生くらい?」

澪「小学生の語彙に普通『滅殺』なんてないだろ?聞き間違うにしても他の物に聞こえるだろ?」

律「ああ。あの時ちょうどストリートファイターにハマっててさ、聡と一緒に」

澪「ストリートファイター?格闘ゲーム?」

律「そうそう。で、その中のキャラクターでさ、何て言ったかな、ものすごい怖い顔のキャラが居てさ、そいつが技出す時にいちいち『滅・殺』!!」ヌン

澪「ブッ」



律「って言うもんだから覚えちゃってさ。あれ、なに机に顔くっつけてんの?」

澪「ククク…もいっかい、もいっかいやって」プルプル

律「え?いいけど…滅殺!!」ヌン

澪「ブーッwww」

律「なになに?何かおかしいことした私?」

澪「エーホエホおかしいってばブフッ、何でそんなに声に力入れるの?あと、顔」

律「え、だってこんな感じだったもん」ガタ

澪「立ち上がって何するの?」

律「滅・殺!!」ヌゥン

澪「ヒヒィッwwwがにまたはやめて、そのポーズはないってばww」

律「このポーズから波動拳とか出すよ?」

澪「ぶはっww波動拳ってあれ?上に飛び上がりながらパンチするヤツ?」

律「それは昇竜拳」

澪「あ、ごめん」



律「もー、何なんだよ今日の秋山さんはー」ガタ

澪「フフッw、いや、ゴメンゴメン、久々にキレのある律を見たぞ」

律「それどうせなら演奏の後とかに言って欲しいセリフなんですけどー」

澪「どうせ演奏中は律のこと見れないだろ?」

律「あ、そっか」

澪「それともいつか唯がしてたみたいに振り向き導入するか?」

律「あれは勘弁だって」

澪「そういえば律、お前が参考に出来そうなバンドをこの間ネットで見たぞ」

律「ほう、どんな?」

澪「何と、ドラムがヴォーカルなんだよ」

律「へー」



澪「もう解散しちゃったらしいんだけどさ、当時は結構人気あったらしいよ?」

律「曲はどんななんだよ?」

澪「私が聞いたのは『Romanticが止まらない』ってやつ」

律「あ、それ知ってるかも」

澪「おお、知ってたか。でさあ、演奏してるんだけど何かこう、斬新でな」

律「斬新?」

澪「うん、まず、ドラムの人が眼鏡でね」

律「うん」

澪「髪がピンクでね」

律「ブーッwww」

澪「!!何だよいきなり!?」



律「い、いや、今眼鏡って聞いて和を想像しちゃったからさ、ピ、ピンクってw」

澪「和に失礼だぞー、まぁ確かに和には似合わないけど。ドラムの人は男だし」

律「悪い悪い、続けて…ちょっと待った、髪がピンクってあれ?昔のさわちゃんみたいなメッシュ的な?」

澪「いや、前髪だけ割とがっつりピンク」

律「ヒッwwwww」

澪「え、そんなに面白くないだろ今の!?」

律「み、澪の言い方が悪いよwwがっつりピンクってなによ?ヘアカラーでそんなのあっても誰も買わないよww」

澪「そ、そうか、悪かった。まあ後は普通だな。その人がメインで歌う。つまりドラム弾き語り…叩き語りのほうがいいかな?」

律「いや、どっちでもいい」

澪「いや、ドラムとしてはこだわるんじゃないのか?」

律「うんにゃ」



澪「そうか。それで…うん、何かそんな感じ」

律「終わりかよおい!全然想像出来ないんだけど」

澪「えー、ドラムがピンクなだけで十分だろー?」

律「うひゃっwwだ、ダメだよ。もっと詳しく、そうだ、澪がここでピンクさんの物真似やってよ?」

澪「え、えええ///やだよー!普通に家帰ってネットで見ろよなー」

律「さっきあたしが物真似してあげたじゃん?その借りを返せってば」

澪「ふっwwさっきのは…うん、面白かった、なぁw」

律「笑った分は笑わせて返せよー」

澪「笑うの確定なの!?…うーん///」

律「見てるの私だけだしさー」

澪「あうう、わ、わかったよ」

律「おーし」



澪「じゃ、じゃあやるぞ」

律「待って…はい、マイスティック」

澪「うう、プレッシャー掛けるなよぉ…じゃあ、いくぞ」

律「うん♪」

澪「…スゥー、だっれっか!!!ロマンティック!!と!め!て!ロマンティック!胸が!胸が!く・る・し・く・な・る♪」シュババババババッ

律「ファーッwww何その動き、かっこいいのそれ?ねぇそれかっこいいの?」

澪「と!め!て!ロマンティ…あーもうやだー!///」

律「あーよしよし秋山選手ww私のスティックを振り回さないこらww」

澪「うう…///」

律「ヒッヒヒwwwいやー、いいもん見してもらったぞ澪、今度ドラムやってみるか」

澪「やだ、ドラム嫌い、ドラムいらない///」

律「おい、私クビかよ」



澪「と、とにかく!こんな感じだったの!!」

律「はいありがとさん…今度皆がいる前でスティック渡してみていい?」

澪「律ーーーー!!」

律「はいはい、冗談だってば。いやしかし、お互いがお互いのツボを見事につくなんて、考えてみたら珍しいよな?」

澪「二人だけっていうのが大きいんじゃないか?普段はほら、誰か面白い事いったら唯とかが真っ先にツボるから」

律「ああ、唯はゲラだからな」

澪「ゲラ?」

律「うん、ゲラ」

澪「…ゲラ?」

律「ゲ・ラ」

澪「…」



律「…その顔は一生懸命脳内を検索しておりますなぁ秋山選手」

澪「さ、魚か?」

律「は?」

澪「だ、だから。魚?ゲラって魚?」

律「は?」

澪「唯が笑ってる姿がゲラって魚に似てたから、だからゲラ?」

律「…うわー秋山さんひっどーい。先生秋山さんが平沢さんのこと魚クンとか言ってましたー」

澪「も、もう!!ゲラって何なんだよ!?」

律「ようやく素直になったな澪ちゃん。ゲラっていうのはさ、一度笑い出したら止まらなくなる人のことを言うんだよ。ほら、マンガでよくあるだろ?笑い声の効果音で『ゲラゲラ』ってやつ」



澪「な、なるほどそれが語源か。な、ならさ、他の効果音からでもいいわけだろ?別にゲラゲラからとらなくてもいいじゃん」

律「言われてみりゃそうだな。例えば…えーと、『アハハハ』からとってアハとか」

澪「アハ?」

律「うん、アハ。だからさっきの場合だと、唯はアハだからな、って感じ?」

澪「…う、うわー田井中さんひっどーい。先生田井中さんが平沢さんのことアホとか言ってましたー」

律「おい!アホじゃなくてアハ!」

澪「いやいやいや絶対今のツッコミ待ちだったろ?アハはないだろ流石に」

律「…ボケじゃねーし」

澪「え?」

律「結構いけると思ってたし」

澪「うわー…」

律「あーもう!こっちみんな///」



澪「はいはい。じゃあ代わりに楽譜を見るよ」パサッ

律「…」

澪「…」

律「なあ澪?」

澪「うん?」

律「滅殺饅頭~♪って、本当は何て言ってたんだろうな?」

澪「今更それかよ」

律「何か急に気になってきた」

澪「問題にするの遅すぎだろ。何年越しだよ」

律「いーの。澪も一緒に考えろよ」

澪「まぁいいけどさ…。聡には聞いてみれば?」

律「いや、多分聡は覚えてない。北九州の遊園地のことしかおそらく覚えてない」

澪「そっか。うーん…滅殺、めっさつ、め、っ、さ、つ」

律「滅殺」ヌン

澪「ブハッwww」



律「フフン」ドヤッ

澪「真面目にやれ!あといきなりぶっこむな…順当に考えると、めっさつ、と語感が似通ってる言葉なんだろうけど」

律「そうだなぁ…あ、抹殺とか」

澪「あんまり変わってないだろそれじゃ!」

律「いやでも字で書くとさ『抹殺饅頭』って、『抹茶饅頭』と似てるからあり得るんじゃ?」

澪「字面まで持ち出すな煩わしい!とにかく抹殺はナシだ」

律「ぶー」

澪「うーん…別冊、とか?」

律「付録かよ。雑誌のオマケじゃ腐っちまうだろ、饅頭は」

澪「それもそうだな」



律「えーと…診察?」

澪「何か薬臭そうでイヤだなそれ。ペプシかよ」

律「ペプシ?」

澪「何か薬臭くないあれ?」

律「そうかも。てか、澪ちゃん炭酸飲めるんだねー偉いねー」

澪「おい」

律「ごめん」

澪「それはいいとして…添削?」

律「赤ペン先生かよ。進研ゼミかよ」

澪「チラシのマンガ面白かったよなあれ」

律「うん」

澪「あれ?リアクション薄くないか?」

律「脱線させないでくださるかしら秋山さん?」

澪「ああごめん…って律は言う資格無いだろ!」

律「ハハッ」



澪「大体、小学生ならもっとかわいらしい聞き間違えをしろよな」

律「無茶言うなよ…一発?」

澪「一発饅頭…何かすぐブーム終わりそうな名前だな」

律「もしくはファイトー!!とか聞こえてきそう。うーん、じゃあ、結髪?」

澪「髪を結びなさい饅頭、か。そういや結髪とか生徒手帳でしか見た事無い言葉だよな…あ、こんなのはどうだ?原点回帰して、減殺、とか」

律「げんさつ?」

澪「うん、げんさつ」

律「減らすに殺す?」

澪「うん」

律「それ、げんさい、って読むんじゃ…」

澪「ええ!?」



律「うん…間違えやすい漢字読み一覧みたいなので載ってた」

澪「うう、は、恥ずかしい///で、でも、滅殺と字面が似てるからいいじゃないか!?」

律「字面を持ち出すなって言ったのは秋山氏ですことよ!!」

澪「うう、そうだった…ホントに、何なんだろうなー…」

律「じゃあ、こんなのはどうだ…」

~一時間後~

律「はぁ~わっかんねえよ~…」

澪「教室から辞書まで引っ張ってきてもダメかー」

律「…てか、そもそも似てる言葉並べたってさ、私自身が全然覚えてないんだから正解か不正解かも判断つかないよねこれ」

澪「…おい、私の一時間を返せ~!!」

律「う、うおわ!!大体、語感から探そうって言ったのは澪じゃんか!!逆恨みはんたーい!!

澪「問答無用~!!」

ガチャ

和「…ごめん、ノックしても聞こえてないみたいだったから開けちゃった。今、大丈夫?」

澪・律「「……うん」」



和「……ふふっ、それで一時間も悩んでたの?本当に仲がいいのね」

澪「でもこのままだと悪くなっちゃいそう…」

律「お互いの顔見てたらますます気になってきてさ…」

和「わ、割と深刻ね…その、滅殺饅頭、だっけ?」

澪「そうそう。何だっけ律?元のCMのフレーズっぽく言ってみてよ」

律「うん、滅殺饅頭~♪」

和「…………それ、本当は『傑作饅頭』よ」

律&澪「!!!!!????」



和「実は私も九州に行った事があってね、そのCMは覚えてるわ…」

律「…」ポカーン

和「よ、よっぽどストリートファイター、だっけ?そのゲームにハマってたってことよね、うん。誰でもあるわよねそういうこと、うん」

澪「…律、お前…」

律「ふ、ふふ…復讐は、何も生まないな」

澪「意味がわからんぞ…し、しかし、あれだな、和も九州に行った事があったのか。やっぱ律と同じで北九州県か?」

和「えっ」

澪「えっ」

律「…ニヤリ」



和「あー、九州に行った事無いなら仕方ないわよね。うん、誰だって仕方ないわ。その、北九州っていうのは、福岡県のなかにある市の一つ、正しくは北九州市、よ?」

澪「…」ポカーン

和「じゃ、じゃあ私、戻るね。お邪魔しました…」ガチャ

律&澪「」ガクッ

澪「…おい律」

律「なに?」

澪「知ってたのに教えなかったろ?」

律「ふふーん、痛み分けじゃーい…」

澪「ああーもう、恥ずかしいっていうか疲れた…」

律「うん」

澪「…」

律「…」

澪「たまには」

律「えっ?」

澪「たまには、いいかもな、こんなのも」



律「私はやだよ!!二人してバカを自覚したくないわい」

澪「ふふっ、それは私も嫌だけどさ、なんかさ」

律「ベースとドラムだけじゃセッションしてもなぁ」

澪「そりゃそうだけどさ…そういうんじゃなくて…」

律「わかってるって」

澪「え?」

律「何でもなーい!!さあ、帰るか」

澪「う、うん」

律「おっと、その前に!!」

澪「ん?」

スチャッ

律「もう一回、アレ見せてくれよ」

澪「…律ーーーー!!」ブンブン

律「ぉおおい!!私のスティックがぁ!!」

〈終〉


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