※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

時は少し遡る。





澪「…!?」ガバッ

今律に呼ばれたような気がする…

澪「…ああ…寝ちゃったのか…」

夢か…少しウトウトしてしまっていたらしい。

疲れは確かに溜まっていたようだ

澪「…もう少しこうしてよう…」

いまさらテントに戻るのも億劫だしな。風邪をひきはしないだろう。

澪「…でもちょっと体が冷えちゃったな」

あ、やば…くしゃみ出そう

澪「くしゃみ出そうハ…ハ…ハクション!!」



柄にもなく思い切りやってしまった。律が聞いてたらからかわれるだろうな…

澪「はは…親父か…」

一人ツッコミはやっぱり寂しい…飽きもせず瞬いている星達を見ながらそう思った。

澪「…」

そういえば小学生の頃、律と一緒にプラネタリウムに行ったっけ…

澪「…星座…」



昔の記憶を手繰り寄せてみる

澪「…」

いくつか律に星座を教えてもらったんだよな…見つかるかな

澪「…ふむ」

えっと、確か北極星の近くにあるのが北斗七星だったよな

澪「…」

あ、あったアレだ。じゃああのひしゃくみたいな形の星達が…



澪「…こぐま」

次はと…お、これは良く覚えてる。西の空にある星群だ。名前が変だったから直ぐ覚えた。

澪「…かみのけ」

で…あの天の川でひときわ白く輝いてるのがデネブだから…そこを頭とみて十字型に伸びるのが…

澪「はくちょう」

後覚えてるのはっと…ああ、西の空にある、少し地味めな星座

澪「てんびん」

うーん…やっぱりこれだけ暗いと他の星が目立って、線を繋ぎにくい

澪「…結構難しいな…」

星空は律との思い出をよみがえらせてくれる。それが少し、寂しいけれど。

澪「星座は…もういいか」



天の川は相変わらず白く輝いている

澪「今年は…織姫と彦星は晴れた夜空で会えるのかな…?」

青白く瞬く彦星と、純白に煌めく織姫。年に一度だけ会うことの許された二人。

澪「…」

地上の人間が思っている以上に、彼らは辛くないのだろう。年に一度のチャンスとはいえ、恋人は対岸にいるのだから。

澪「…やっぱり好きな人と会えないのはつらいよ…」

遠くに逝ってしまった私の大切な人…一度でいいから…もう一回会いたいよ…律…

澪「…」



丁度去年の今頃。律は死んでしまった。川で溺れている子供を助けようとした末のことだった。

澪「…」

当時私は何度も律の後を追おうと考えた…今の私がいるのは、軽音部のみんなが必死に止めてくれたお陰だ。

澪「…」

皆のおかげでショックを乗り越えることは出来た。でもこんなに星が綺麗な夜は、やっぱりあいつのことを思い出してしまう。

澪「律…」

律の分まで生きると決めた…あいつは向こうでも元気にやっているだろうか。

澪「…」



 ゚ ,   , 。 .   +  ゚   。  。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚  。 . 。
。 .  .。    o   .. 。 ゚  ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 . .
        。   .   。  . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. .  .
 。 .  . .   .   .  。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。  , .。
    ゚  。   ゚  .  +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚.   . . .  .
 。  .   . 。 。゚. 。* 。, ´。.  ☆。。. ゚。+ 。 .。  .  。   .
  .   。  ゚ ゚。 。, .。o ☆ + ,゚。 *。. 。 。 .    。    .
 ゚ .゚ ゚  。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . .   ,    ,   .
゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚. ° 。 .   ,      ゚    ゚
 。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚.,  . ゚   ,   。     。   .   .
 ゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。  ゚
゚` .゚ .゚. ゚. . ゚  .  ゚  .   ,  .  .    / .  .   。      ゚ .
                          /
                        ☆



澪「!」

あ、流れ星…願い事しなくちゃ

澪「願い事…うん!」

やっぱりこれしかないよな

澪「律に…」

無理だと分かっていても…願わずにはいられない。

澪「律に…もう一度でいいから会えますように」



澪「…」

願いを口に出した瞬間、律がもうこの世にいないことを再び確かめたようで、胸の奥が苦しくなる。

澪「律…どうして死んじゃったんだよ…」

死んだ人は星になるのだと、昔パパに教わった。

澪「…」

ならばこの空に瞬く星のうち、どれかが律なんだろうか。

律は今、宇宙で一人ぼっちなんだろうか。

澪「…」

律…そっちはどうだ?暑かったり、寒かったり、寂しくなったりしてないか…?



  +     ゚  . +            . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。
   . .   ゚  . o    ゚  。  .  , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。.
             .  。          。  *。, + 。. o ゚, 。*,
  ゚  o   .  。   .  .   ,  . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
 ゚ ,   , 。 .   +     ゚   。  。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚  。
。 .  .。       . 。 ゚  ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 .
        。   .   。  . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. .  .
 。 .  . .   .   .  。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。  , .。
    ゚  。   ゚  .  +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚.   . . .  .
 。  .   . 。 。゚. 。* 。, ´。.  。。. ゚。+ 。 .。  .  。  ゚  ,
  .   。  ゚ ゚。 。, .。o ☆ + ,゚。 *。. 。 。 .    。    .
 ゚ .゚ ゚  。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . .   ,    ,   .
゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚. ° 。 .   ,      ゚    ゚
 。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚.,  . ゚   ,   。     。   .   .
 ゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 ゚
゚` .゚ .゚. ゚. . ゚  .  ゚  .   ,  .     .  .   。      ゚ .
 .  .     . ,     。       .           .  ,    .
      。                 ゚   .           。
 , .        .           ,       .     .

                  チュッ



澪「…!?」ガバッ

今の感触は…

それにしても…いままで私は、誰かと一緒に星を見ていた気がする…



唯「おーい。みーおちゃーん。」

澪「ああ、唯」

唯「もう!トイレ行こうと思ったらいないんだもん!びっくりしたよ!」

澪「ごめんごめんちょっと星を見ててな…」



唯「…りっちゃんのことを考えてたの?」

澪「ああ…律が死んだのも、星の綺麗な夜だったから…ついな」

唯「大丈夫?」

澪「ああ、大丈夫だよ。星を見て少しセンチメンタルになってただけだ」

唯「せんちめーたー?」

澪「センチメンタル。昔のことを思い出して、すこし涙もろくなってた」

唯「あれからもう一年だもんね…」



澪「あの時はありがとうな、唯。みんながいなかったら、今頃私もあの星達の仲間入りだ」

唯「…澪ちゃんが心の底からりっちゃんの事を好きでよかったよ」

澪「どういうこと?」

唯「上手く言えないけどね…後追いなんてしたらりっちゃん絶対に悲しむだろうし」

澪「そうだな…あいつの悲しむ顔なんて見たくない…律にはいつでも笑ってて欲しい」

唯「…辛くなったらいつでも私たちを頼ってね?」

澪「…本当にありがとう」

唯「いーえいえ」



澪「あ、そういえばさ。さっき律の声を聞いた気がしたんだ」

唯「え!?ま、まさか…幽霊?」

澪「さぁ…どうだろうか…でもな?」

唯「うん」

澪「律は星になって、私たちのことを見守ってくれている。そう言ってくれた気がしたんだ」

唯「…気のせいじゃないと思うよ。りっちゃんも心の底から澪ちゃんが好きだったもん。やっぱり気になるんだよ」

澪「そっか…」

唯「そうだよ…」



澪「…律の分も精一杯生きるって決めたもんな」

唯「そうだね!あんまりくよくよしてるとりっちゃんに笑われちゃうかもね!」

澪「沢山練習して…勉強して…向こうでまた律とバンド組みたいな」

唯「天国にも音楽はあるのかな?」

澪「あるんじゃないか?」

唯「でもそれいいね!天国でバンド再結成!軽音部は不滅だもんね!」

澪「そうだな!でも律だけ若くて私たちはお婆ちゃんの姿だったらちょっと嫌だな…」

唯「あははは。よーし!帰ったら練習に明け暮れるぞー!」

澪「おー!」

唯「ふあぁ…とりあえず今日は寝よっか」

澪「それもそうだな。すっかり話しこんじゃったな…」



ということで、律。

私達がそっちにそろうまでもう少し時間がかかりそうだ。

ムギのお茶とお菓子がないのはちょっとキツイと思うけれど、

まあ長い自主練だと思ってくれ。走り気味のリズムを直しておくように。

あ、そうだ。もしあるんだったら部室を用意しておいてほしいな。

顧問もちゃんと確保しておいてくれ。

多分私たちより少し早く先生がそっちに行くんじゃないか…と思う。無呼吸症候群だし…

とりあえず、気長に待っててくれ。



おっと。忘れるところだった。

…今日はありがとうな。

なんとなく律の気配がするとは思ってたんだ。

声も聞いた気がするし、唯には言っていないけど…唇のあの感触。

微かにでも、律にもう一度会えてよかった。

律。できることなら、私達を見守っていてくれ。

私もどんなに離れていても、いつでも律のこと、思ってるから。



唯「みおちゃーん?テント閉めるよー?」

澪「ああごめんごめん…」

唯「じゃあおやすみ…」

澪「ああ…おやすみ…唯」



律もおやすみ。

また、星の綺麗な夜にでも会えたらいいな。







律「彦星は織姫に出合えた」 おわり