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土曜日、喫茶店。

澪「えっと、なんか悪いな。急に呼び出して」

和「別にいいわよ。どうせ暇だったし」

澪「うん……」

和「それで、私になんの用かしら?」

澪「えっと、大したことじゃないんだけど……」

和「そうなんだ。じゃあ私、帰るね」ガタッ

澪「いやいや、大したことある! 大いにあるから!」

和「最初からそう言えばいいのに」

澪「ごめん」



和「じゃあ、その用とやらを聞こうかしら」

澪「分かった。実は……」

店員「コーヒーお持ちしました」


澪「律を私のモノにしたいんだ」


和「……」

澪「……」

店員「……」

和「えっと、なんてコメントしたら」

店員「コ、コーヒー。ここに置いて置きます!」ガタッ、スタコラ

和「随分と乱暴な店員ねぇ」



澪「へ、変だったかな」

和「何が?」

澪「その……律を私のモノに、って」

和「そうね。いきなりそんなことを言われたら、誰だって驚くわね」

澪「だ、だよな」

和「どうして、そんなことを思ったのかしら?」

澪「い、言わなきゃダメかな?」

和「意味もなく私に、そんな相談されても困るから」

澪「そ、そうだよな」



澪(ちゃんと言わないと)

店員「オレンジジュースを……」


澪「私は律のことが好きなんだ!」


和「へぇー、そうなんだ」

店員「……」

和「あっ、置いて行って構いませんよ」

店員「す、すいませんでした!」スタコラ

和「慌ただしい人ね」

澪「それで、和。私の相談……」

和「あぁ、ごめんなさい。澪は律のことが好きなのよね」

澪「う、うん」



和「それで、律を自分のモノにしたいと」

澪「そう」

和「でも、どうして? 好きなら告白すればいいじゃない」

澪「それが出来るなら、和に相談なんかしないよ」

和「それもそうね」

澪「あと、女の子同士っていうのも……」

和「互いの合意があればいいんじゃないかしら?」



澪「律、なんかそういうの嫌そうだし。それに、周りの目とか……」

和「うーん。でも、同性愛なんて、よくあることよ」

澪「そ、そうなのか?」

和「あら、知らないの。同性愛ってね、女性は一割、男性は六割の割合で存在してるらしいわよ」

澪「ほ、ほんとか!?」ガタッ

和「えぇ。さっきもトイレ行った時、男子トイレから変な声が聞こえたわ。あれは間違いなく、ボーリング作業中ね」

澪「ボ、ボーリング?」

和「穴開け作業」

澪「……」



和「だから澪も、何も心配なく律に告白しなさい」

澪「でも、フラれたら?」

和「それはそれで諦めなさい」

澪「それだと私が困る!」

和「どうしてよ」

澪「律が好きで堪らないんだ! 諦め切れないんだ!」

澪「だから、確実に成功させる方法を教えて欲しいんだ!」

和「……」

和(困ったわね。これは、私の知恵を使ってでも厳しいわね)

和(澪にモノを生やす、なんてのは不可能だし……多分、生えたら律を掘りそうだわ)



澪「のどかぁ~」ウルウル

和「泣かないの!」

和(さて、どうしよっか。確実に成功させる方法といえば……)

和「あっ、そうだ」

澪「な、何か思い付いたのか!?」

和「えぇ。ちょっとね」

和(成功するかは分からないけど、試してみる価値はありそうだわ)

澪「そ、それで」

和「早い話がね。律に催眠術をかければいいのよ」

澪「さ、催眠術?」



和「そっ。それで律を自分の思うがままに操ればいいのよ」

澪「でも、催眠が解けたら」

和「カメラなりテープに、証拠を残せばいいのよ。それで、その事実を突き付ければいいわ」

澪「な、なんか脅してるみたいで可哀相な気がする」

和「これしか方法が思いつかないわよ」

澪「だ、だけど私は律を支配しようとかは……」

和(めんどくさいわねぇ)

和「あくまでこれは一つの手段よ。別にやらなくてもいいから」

澪「そ、そうする」



和「でも、律に催眠術を書けて思い通り……なんかゾクゾクしない?」

澪「えっ?」

和「ほら、律って犬っぽくない?」

澪「そ、そうかなぁ」

澪(どっちかと言ったら……猿?)

和「そんな律に、あんなことやこんなこととか」

澪「あ、あんなこと……」



和「律を手なずけるのよ。そうしたら」

澪「そうしたら……」

和「澪の思うがままね」

澪「!」



律『澪、可愛がって!』

澪『あはは、可愛いなー』ナデナデ

律『澪、大好き!』ニッコリ



澪「なんか、いいかも!」

和「でしょ」



澪「興奮しそう」

和「濡れそうでしょ?」

澪「それは分からない」

和「……」

澪「だけど私に、催眠術なんて使えるかなぁ」

和「なんならウチ来る? 確か押し入れに、催眠術に関する本あったから」

澪(何に使うんだろうか?)

和「どうする?」

澪「じゃ、じゃあ。お願いします」

和「よろしい」



―――――

真鍋家、和の部屋。

和「えっと、確か……」ガサゴソ

澪「これじゃないかな?」

『サルでもわかる催眠術』

和「これだわ」

澪「それにしても、なんでこんな本が?」

和「小学生の頃、唯が催眠術に嵌まっててね」

澪「なんで?」

和「テレビの影響よ」

澪「なるほど、唯らしいや」



和「何度、実験台にさせられたことか」

澪「それで、和は催眠術にかかったのか?」

和「えぇ、かかったわ」

澪「ほんとに!?」

和「唯が『和ちゃんは私を好きになれ!』って言ったおかげで、私はそれにかかってしまったわ」

澪「そ、そうなんだ」

和「だけど、すぐに解けたわ」

澪「どうして?」

和「『私は憂が一番好き』なんて言うから」

澪「……」



和「おかげで、そのあとの副作用が大変だったわ」

澪「ふ、副作用なんてあるのか!?」

和「私の場合は唯の下着を盗むとかいう副作用が出たわ」

澪「それって泥棒……」

和「違うわ。そう、決して違うわ」

澪(どう見ても泥棒)

和「澪だって、律の下着を盗んだりしたでしょ」

澪「さ、さすがにそれはなかったよ」

和「変ね。これは世界の常識……」



澪「わ、分かったから! もう何も言うな!!」

澪(聡明な和のイメージが)

和「まぁ、今のは忘れてちょうだい」

澪(無理だよ)

和「それで、具体的なやり方はその本に書いてあるから」

澪「い、色んなやり方があるんだなぁ」ペラペラ

和「唯は五円玉をぶら下げてたわね」

澪「ベタだな」

和「お手軽に用意できるからね」



澪「わ、私もそうしたらいいのかなぁ?」

和「それは澪に任せるわ」

澪「じゃあ、そうしてみるかな」

和「そう。なら私、成功を祈ってるね」

澪「あっ、うん」

和「今からやるの?」

澪「どうしようか?」

和「自分で決めなさい」

澪「じゃあ、明日にするよ」



玄関。

澪「じゃあ、和。ありがとうな」

和「えぇ、成功したら報告してね」

澪「あぁ。それじゃあ」

和「さよなら」

バタン!

和「ふぅー、とりあえずこれでいいわ」

和(さて、唯の下着をクンカクンカしますか)

和「おっと、その前に」



―――――

田井中家、律の部屋。

律「……うん、分かった。じゃあな」ピッ

律「さてと、勉強……」

Prrrr♪

律(おっ、電話……澪からか)

律「はいよ」

澪『あっ、律。私』

律「知ってるよ」

澪『明日、遊びに行っていいかな?』

律「明日は無理。家族と遊びに行くから」

澪『な、なんでだよ!』

律「しゃーないだろ。前から予定してたことだし」



澪『じゃあ明日、何時くらいに帰ってくるんだ!?』

律「そうだなぁ。夜の九時くらいかな」

澪『遅い! さっさと帰って来い!』

律「人の家の予定に文句つけんな!」

澪『なぁ頼むよ、りつぅー』

律(どうしたんだろ)

律「ったく、なんなんだよ」

澪『どうしても大事なことなんだよ』

律「あー、考えとくわ」

澪『うん、考えといて。じゃっ!』



律「ったく、マジでなんなんだ?」

ガチャ!

聡「姉ちゃん、ゲームやろうぜ」

律「おっ、やるか」

聡「今日は負けないぜ」

律「また泣かしてやるよ」


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