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―――――

部室前

澪(今日はみんな用事で和は階段からこけて病院、か)

澪(律は部室にいるみたいだから、誘って帰るか)

澪(ついでに、告白してやる!)

ガチャ

澪「律、いるかー?」

澪(あっ、いたいた)スタスタ

律「……」スゥー

澪(ふふっ、寝てる。可愛い寝顔だ)

澪「……」



澪「ちょっとくらい、いいかなぁ」スゥー

律「……ううっ」

澪(ヤバい、起きる!)

律「……みーお?」

澪「そ、そうだよ。律、一緒に……」

律「澪!」ギュッ

澪「!」

澪(り、律が抱き着いて来た!!)

律「澪」

澪「ど、どうしたんだ?」

律「……えへへー」

澪「ん?」



律「澪。私、澪の言うことなーんでも聞いてあげるよ」

澪(な、なんだってー!)

澪「律、どうしたんだ!」

律「別に、どうもしないよ。私は澪の言うことを聞きたいんだよ」

澪「いやいや、それはおかしくないよ」

律「だって、澪がそう望んだんじゃん」

澪「私が……」

澪(机の上にメトロノーム……もしかして、催眠術にかかってる!?)

律「みーおー」

澪(これはもしかしたら)



澪「なぁ律、私のこと好きか?」

律「大好き!」

澪「そうかそうか」ナデナデ

律「澪に頭撫でて貰った!」

澪(これはこれは……ははっ。案外、使えるなぁ)

澪「もし私が律のこと好きって言ったら」

律「普通に嬉しい」

澪「そうかそうか、嬉しいか。あははは」



澪「じゃあ律、もしも私が『律はいらないんだ』って言ったら」

律「えっ?」

澪「私には律は必要ない、って言ったら」ニヤリ

律「そ、そんなこと言うなよ」ウルウル

澪「か、可愛い!」ギュッ

澪(ヤバい。なんだろ、この高揚感)

律「澪……グスッ」

澪(泣かしちゃおっかな……でも、さすがに悪いか)

澪「冗談だからな」

律「ほんとに」

澪「あぁ、ほんとだ」

律「よかった」ホッ



澪「律、今日は部室に誰も来ないから。二人で楽しいことしよっか」

律「何、ゲーム?」

澪「まぁ、そんな感じかな」

澪(このまま律を懐柔しちゃおう)

律「ねぇ、澪」

澪「ん、なんだ?」

律「本当に澪は私のこと好きなの?」

澪「あ、当たり前じゃないか!? 誰よりも愛してるぞ」

律「じゃあさ、どうして澪は私に変なことしようとしたの?」

澪「な、何言ってるんだよ」



律「本当に私のこと好きなの?」

澪(まさか、催眠が切れかかって)

律「答えろよ」

澪「わ、私に口答えか!? 律は私の言うことを……」


律「最初っから、そんな催眠なんかにかかってるかよ」


澪「えっ?」

律「悪いな、澪。騙すようなことして」

澪「な、なんで……えっ」

律「いやー、なんとなく澪のことが気になってな」



律「だから、澪の真意が知りたくて、催眠を逆利用させてもらった」

澪「あ、ああ……」

律「本当はもう少し催眠にかかったフリしてるつもりだったけど、なんか貞操がヤバいと感じたからさ」

澪「じゃあ、つまり」

律「私の演技だよーん」

澪「……」ガクッ

律「おいおい、大丈夫か?」

澪「あ、あははは。なーんだ」ポロポロ

律「あれ、澪ちゃん?」



澪「そうだよな……上手くいくワケ、ないよな」ポロポロ

律「な、泣くなよ」アセアセ

澪(あー、なんだろ。凄く馬鹿なことやったと思う)

澪(もう取り返しつかないかも。律に嫌われちゃったかも)

澪「……律」

律「な、なんだ!?」

澪「ごめん……なさい」

律「?」

澪「ごめんなさい!」



律「澪」

澪「律……私のこと嫌い?」

律「えっ?」

澪(だよな、うん。こんなことしといて、好きだなんておかしいよ)

律「……私は嫌いじゃないかな」

澪「今、なんて」

律「澪のこと、嫌いじゃない……嫌いじゃない!!」

澪「り、律」

律「だからよ、なんでこんなことしたか教えてくれよ。なっ」

澪「……」

律「私達、親友だろ。隠し事なんか、なしだからな」

澪「……分かったよ」

澪は全てを話した。



律「わ、私のことが好きなのか!?」

澪「私はどうしても、律が欲しかったんだ」

律「その思考に驚きだよ。はぁー、幼なじみがまさかそんなこと考えてたなんて」

澪「幻滅しただろ」

律「まぁ少しは……それならさ、素直に言えよ。私が好きなら好きって」

澪「だって、律にフラれるのが怖かったから。それに女の子同士なんて、律が嫌がるパターンじゃないか」

律「誰もそんなこと」

澪「だから、律を自分のモノにすればずっと、律と一緒にいられると思って和に相談したんだ」



律「……」

澪「ごめん、律。私のことはもう……」

律「ばーか。んなこと言われて、澪をほっとけるかよ」ポンッ

澪「律?」

律「私を好きになってくれた奴だ、私はちゃんと受け入れてやるよ」ナデナデ

澪「えっと、それって」

律「だあー、もう! 私は澪が好きだよ!」

チュッ!

澪(り、律が私に!)

律「……昨日、私にキスしただろ」

澪「し、知ってたのか?」

律「分かるよ。幼なじみだろ、言わせんな」



澪(あれ、私のファーストキス)

律「それに私だって告白するけど、澪の下着たくさん持ってるし」

澪「……なぬ?」

律「泊まりに来た時とか、勝手に拝借したし」

澪「律、盗みは犯罪だぞ!?」

律「盗みじゃねぇし、拝借だから問題ないもん」

澪「……」

律「結局、似た者同士ってことよ」

澪「いや、全然似てないから」



律「うっせぇ!」

澪「ふふっ、あははは」

律「な、なんだよー」

澪「いや、律も私や和同様、変態だったって思ったら」

律「変態じゃねぇし」

澪「変態」

律「!」ビクッ

澪「律、やっぱりMなんだな」

律「わ、悪いかよ」

澪「いーや、私はSだから問題ないよ」

律「Oh……」



澪「まぁ、私にとっては好都合なワケで」

律「私にとってもだな。だけど、付き合うからには『対等』な関係で行くからな」

澪「そうだな。変態さん」

律「その呼び方、やめろ」

澪「変態、変態」ボソッ

律「み、耳元で囁くなよ」

澪「声が震えてるぞ」

律「澪のせいだろ」



澪「確かにな……じゃ、行くか」

律「……お願いします」

ガラッ

律澪「!」

純「すいまーん。梓、います……か」

律澪「……」

純「……」


純は泡を吹いて倒れた。

そのあとのことだが純は、

「見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ」

と言い続けたそうな。



―――――

しばらくして、


澪「とゆーワケで、付き合うことになったんだ」

和「へぇー、そうなんだ。じゃあ私、生徒会に行くね」

律「こらこら、入院してるのに何言ってるんだよ」

和「じゃあ二人とも、私のモノにならない?」

律「悪い。私は誰かのモノになるつもりはないし」

澪「あぁ、私達はあくまで『対等』だからな」

和「面白くないわね」



律「まーまー、ほら見舞いのフルーツだ」

和「こんなのより、唯のストッキングでも持って来なさいよ」

澪「無茶言うなって」

和「はぁ、退院までが退屈だわ」

律「仕方ないって、諦めろ」

澪「じゃあ、私達は帰るな」

和「はいはい。ラブラブ、イチャイチャなんか見たくもないわ」

律「じゃ、お大事にな」

澪「早く退屈出来るといいな」



―――――

律「なぁ、これからどうする?」

澪「昼間からやるか?」

律「なっ、誰もそんなこと」

澪「変態」

律「や、やめろよ」

澪「律はこの言葉に弱いな」

律「うるさいなー」

澪「また今日も可愛がってやるからな」

律「お願い、澪」



澪「じゃあ、帰ろっか」

律「……うん」


今日も空は青かった。

それは変態の心を持った人の如く清々しいものだった。

そしてまた、律と澪も変態という共通項で結ばれた固い絆が存在した。

それは決して、誰にも壊すことが出来ないものであった。


紬「よきかな、よきかな」




おわり