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紬「冗談よ、澪ちゃん」

澪「冗談にしては言葉遣いがやけに滑らかだったような……」

紬「大体、私本当はMだもの」

澪「どこが」

紬「うん?」ニコ

澪「なんでもないよ」ニコ

紬「うーん、澪ちゃんで遊ぶのも飽きちゃったわね」

澪「今私で遊ぶって聞こえたのは気のせいだよな?」

紬「気のせいよ。きっと音が水面で屈折してそう聞こえたのよ」

澪「そんな物理現象あってたまるか!」




紬「そろそろ行くわね」

澪「うわっ、本当に飽きてるよこの人」

紬「また来ていいかしら?」

澪「……」

紬「あら、嫌われちゃった?」

澪「その……いじめないなら、また来てほしい、かも………」モジモジ

紬(なにこのかわいい生き物」

澪「途中から声に出てるよ」

紬「あら失礼」ウフフ




紬「じゃあね、澪ちゃん。チーズケーキは人間に戻ってから一緒に食べましょう?」

澪「うん、そうしよう。是非!」

紬「それでは~」


バタン


澪「……」

澪「ムギ怖ぇ……」




澪「まぁ冗談なんだろうけどさ」

澪「うん、きっと冗談だ!」

澪「こういうときは……そうだ、歌を歌って忘れよう!」

澪「花は恥らうものー鳥はさえずるものー♪目立つのはやだけどーなんで?歌作っちゃう♪」

澪「……」

澪「ぶんぶんぶんぶーん♪」

澪「……」

澪「なんか蜂みたい。すっぽんだけど」




ガチャ


梓「こんにちはです」

澪「梓?」

梓「澪先輩、どうもです」

澪「梓も来てくれたのか」

梓「えぇ、まぁ……」ジー

澪「ん?」

梓「いや、なんでもないです」ジー

澪「言いたいことがあるならはっきり言ったほうが良いぞ」

梓「じゃあ……あ、やっぱいいです」




梓「どうですか、水中での暮らしは?」

澪「まだそんな経ってないけど、悪くはないよ」

梓「そうですか……」

澪「どうした梓、気分でも悪いのか?」

梓「いえ、そういうのじゃなくて、ただ……」

澪「ただ?」

梓「これが現実かと思うと頭が痛くなってきて……」

澪「それを本人の前で言うか普通」




梓「すいませんでした」ペコ

澪「怒ってないよ、気にするな」

梓「でも、本当にトンちゃんになっちゃったんですね」

澪「信じられないか?」

梓「むしろ何を信じていいのか……」

澪「何も信じなくていい。ただ自分だけを信じるんだ」

梓「澪先輩……」




澪「なぁ、梓」

梓「なんですか?」

澪「すっぽんに説教される女子高生ってシュールだな」

梓「本当ですね」クスッ

澪「お、やっと笑ったか」

梓「なんかもういろいろと笑えて来ました」クスクス

澪「そうだそうだ、困ったらとりあえず笑っとけば良いんだ。あとはなんとかなるさ」

梓「澪先輩って意外に楽観的だったんですね」

澪「環境の変化による心境の変化ってやつだよ」

梓「それでいいんですか?」

澪「すまなかった」




梓「今日は練習は中止ですか?」

澪「いや、私抜きでやってくれていいんだぞ?」

梓「ベースは、弾けないですよね」

澪「弾かそうとしてたのか」

梓「そんな酷なことさせませんよ。でも澪先輩がこの状態だと、今日も練習しなさそうですね」

澪「まぁ、私がいてもまともに練習したことあんまりないけどな」

梓「そうでしたね」




梓「澪先輩のベースが聞きたいです」

澪「無茶言うな」

梓「だって、もしこのまま先輩がトンちゃんのままだったら、もう二度と演奏が聴けなくなるじゃないですか」

澪「そうなるな」

梓「そう思うと余計聴きたくなりました」

澪「今の私じゃ1弦弾くので精一杯だよ」

梓「……」

澪「梓?」




梓「大丈夫ですよね?」

澪「ん?」

梓「また一緒に演奏できますよね?」

澪「大丈夫さ」

梓「また、澪先輩のベース聴けますよね?」

澪「もちろんさ」

梓「よかった……」ホッ

澪(これは梓のためにも何が何でも戻らないといけなくなったぞ)




梓「でもいつからそんな風に?」

澪「わからん。気づいたらこうなってた」

梓「普通に登校してきたんですよね?」

澪「多分そのはず」

梓「覚えてないんですか?」

澪「覚えてない」

梓「……」




梓「ちゃんと戻れる気がしなくなってきたんですけど」

澪「安心しろ。私はずっとそう思ってる」

梓「あ」

澪「どうした?」

梓「澪先輩がトンちゃんなら、トンちゃんはどこに?」

澪「違うぞ、梓。私がトンちゃんだ」

梓「そんなとんちはいらないです」

澪「とんちとトンちゃんをかけたのか?いくらなんでもそれは……」

梓「黙ってろです」




澪「酷い言われようだ」

梓「だって今はトンちゃんなんじゃないんですか?」

澪「うぐぐ……」

梓「だったら私のほうが上です」

澪「じ、実は私は秋山澪だったのだー」

梓「見たらわかります」

澪「私はお前がわからない」




梓「すみません。なんか今の澪先輩見てたらかわいくなってきて……」

澪「か、かわいい!?」

梓「えぇ、もう食べちゃいたいくらい」ガサゴソ

澪「そっかそっか……って、ん?」

梓「なんですか?」ゴト

澪「何で鍋持ってんの?本当に食べる気なの?」

梓「私、すっぽん鍋食べるのが夢だったのー」

澪「やめろぉおおぉぉおおおおぉぉおおおおお!!!!」




梓「冗談ですよ、澪先輩」

澪「ムギの真似はやめて。軽くトラウマだから」

梓「何かあったんですか?」

澪「何もなかった……何もなかったんだ………」

梓「澪先輩が遠い目を……」

澪「遠い目ってどんな感じだ?」

梓「いや、だからその……ニュアンスで……その、えっと……」

澪「ん?ん?」

梓「む」イラッ

澪「ったん!」

梓「は?」

澪「なんでもないよ」




梓「それじゃ、私はこれで」

澪「もう行くのか?」

梓「授業が残ってるんで」

澪「あぁ、授業ね」

梓「澪先輩は授業受けないんですか」

澪「この姿でか?」

梓「そうでしたね」

澪「梓、私が人間に戻ったら覚えてろよ」

梓「な、何をする気ですか!?」

澪「マタタビ投げつけてやる」

梓「私は猫じゃありません!」

澪「……なぁ梓、次は『梓が猫になっちゃった』って話でどうだ?」

梓「訳のわからないこと言わないでください」




梓「それじゃ、失礼します」

澪「あぁ、また後で」

梓「はい。では」ペコ


バタン


澪「なんだろう……扱いがだんだん酷くなってる気がする」




澪「てゆーかみんな冷たい。冷たいといえば……寒い………」

澪「どんなに寒くてもー僕はーしあわーせー白い吐息♪」

澪「弾ませてー駆ーけてくー君を見てるとー♪」

澪「……」

澪「律のやつ、私のこの歌詞をラブレターだと思ってたんだよな」

澪「ぷぷっ、かわいいとこあるじゃないか」クスクス




澪「2ndアルバムじゃ、この曲が一番好きだな」

澪「歌詞も書いたし、全体的にほっこりするし」

澪「でも何で唯が歌ってるんだろう」

澪「歌詞書いたの私なのに」

澪「それだったら私だってU&I歌いたかった!唯作詞の歌を!」

澪「まぁ、唯の方が歌うまいしなぁ……澪ちゃんちょっとジェラシー」

澪「……」

澪「せっかっいーを覆いつくすジェラスィー♪」




澪「B'zかっこいいなぁ。あんな演奏できたらいいのになぁ」

和「そうね」

澪「ライブの迫力は圧倒的だし」

和「確かに」

澪「梓はともかく、唯が稲葉さんみたいになってるのは想像できないけどな」クスッ

和「本当ね」クスクス





澪「……で、いつからいたんだ?」




和「澪が律かわいいなとか言ってた時からよ」

澪「序盤じゃないか!」

和「ほんと律が大好きなのね」

澪「そういう意味じゃない!」

和「じゃあどういう意味?」

澪「だからその、友達としてって言うかなんて言うか……」

和「ふーん」ジトー

澪「な、何だよ……」

和「律に言っちゃおうっかな?」

澪「や、やめろぉ!」




和「冗談よ」

澪「驚かさないでくれよ……」

和「でも澪の弱味を握ることができたわね」

澪「まさか、それで私を強請るつもりじゃ……」

和「……」ニヤッ

澪「!!」



和「ヤキソバパン買って来いよぉ」

澪「無理だよ。まず外に出られない」




和「それにしても……」ジー

澪「もうその視線は慣れた」

和「唯の言ってたことは本当だったのね」

澪「唯に聞いたのか?」

和「そうよ。いきなり唯が『澪ちゃんがトンちゃんになっちゃった!』って」

澪「そうだったのか」

和「唯もついに気が触れちゃったのかと思っちゃったわ」

澪「おい幼馴染」




和「何よ」

澪「ちょっと言いすぎじゃないか?さすがに気違いは……」

和「いや、私そこまでは言ってないけど」

澪「ゴホン……それで?」

和「ほら、唯ってちょっと変わってるでしょ?」

澪「そうかな、ただ天然なだけじゃないか?」

和「天然ってだけで、人ん家のお風呂をザリガニ塗れにしたり、赤クレヨンを咀嚼しようとしたりする?狂気の沙汰よ」

澪「和ひどい」

和「高校生になっても醤油のおつかい一つできないし。バカなのかしら。脳みそスポンジとはこのことね」

澪「なぁ、お前本当に幼馴染か?」


3/3