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やはり今日は曇りだから人が全くいない

澪「はぁ……着いた」

天気が良ければ賑わうであろうその場所に一人ぽつんと仰向けに寝転ぶ人がいた

澪「……律?」

律「来てくれるって信じてた」

澪「お前どれだけみんなが心配してるか―――、

澪「律?」

律「……ぅ…ヒグッ」ポロポロ

澪「どうした?」

律「みーおー!」ギュッ

突然律が泣き出し私に抱きついてきたため私はどうしていいかわからなかった

律「いやだよー!みんなとずっと一緒にいたいよー!」ポロポロ

澪「律……」



澪「…大丈夫だよ、私がずっとそばにいてやるから」

律「ほんとう…?」ポロポロ

澪「当たり前だろ?私達親友なんだからさ」

律「うわああああん」ポロポロ


澪「よしよし…」

律を泣き止ます間私も泣いていたことなんて律は知らないだろう

何せあんなことを律が思っていたなんて知らなかったからな

――――25:00

私達は泣き止み今までの思い出を語り合っていた



律「今考えてみたらさー、本当に良かったと思ってる。軽音部に入って」
澪「私も」

律「ずっとずーっと演奏してたいな皆と」
澪「ああ」

私はまだ律に聞いていないことがあった
澪「なあ律…?」

律「ん?」

澪「そういやなんでこんな曇ってる日に星なんて見に来ようと思ったんだ?」

律「……」

澪「星なんてひとつも…」

律「……見えるよ」
澪「どこ?」

「目には見えないよ」

澪「?」

まさかそんな深い言葉をまさか律に言われるとは思わなかった

でもその言葉の意味はいつか皆とやった花火の時にムギが言った言葉の意味に近いものがあったんだろう



律なんかでも未来への不安やそういう心が私の知らないうちに覚えていたかと思うとちょっぴりホッとした


私はふと律の顔を見ると律は目を閉じていた

澪「眠いのか?」

律「違うよ。星を眺めてるんだ」

澪「星を?」

律「こうやると見えるんだ」

そう言われ私も同じように目を閉じた



タッタッタ

律『みーおー!』
澪『ん?』
律『軽音部入ろうぜー!』

思えば律のあの言葉から始まった私の物語

例えいつかこの物語が終わる日が来たとしても私は忘れることはないだろう

唯『澪ちゃん!』
ちょっぴり天然な平沢唯

紬『澪ちゃん』
お嬢様の琴吹紬

梓『澪先輩』
しっかり者の中野梓
律『澪!』
そして親友の律

目を閉じたら確かに見えた気がした

今まで見たことがない綺麗な星空が

目を開けると律が私の顔をじっと見ていた

律「見えた?」
澪「見えた……かも」
律「そっか…」



お互いどんな星が見えたかなんて聞きもしなかった

なぜならそう、私も律もきっと同じ星空を見ていると思ったからだ

ふと律の顔を見ると目があってドキッとした

律「………」

澪「………」

律・澪「あ、あのさ」

律・澪「!」

律「お前から言えよ!」

澪「いいよお前で!」

律「えと……じゃ、じゃあ……」

律「その……今日はありがとうな」

澪「………クス」

澪「あはははは!」
律「なっ……おい澪、こっちは真面目に言ってんだぞ!」
澪「あー、悪い悪い」
律「……で、澪は?」
澪「なーんか変な空気になったから言わない!」
律「卑怯な!」




実際私も律と同じことを言おうと思ってた



これから先楽しいことだけじゃない、辛いこともあるだろう

でも律と一緒なら……


……一緒なら大丈夫。そんな気がした


澪「帰ろっか」

律「だな」


あとは帰るだけ



―――だった。




澪「一応さっき電話したんだが出なくて…まあメール送っておいたから事はすんでると思うんだけど」

律「あ、そうか私携帯家に…」

澪「帰ったらスゴいことになってるぞ、きっと」

律「だよねー…」


ふとその時人影が目に入った

澪「今…誰かいたような…」

律「え?」


ビニール袋か何かを背負った二人組の姿があった

ガサゴソと音を立てながらスコップで地面を掘っていた


澪「!」

ふと私は思い出した

例の事件のことを


そしてさらに悪いことに雨が降ってきた




澪「律早く逃げ――――、

律「冷たっ!……って雨か…」

澪「り、律……!」
男A「!」
男B「そこに誰かいるのか?」

澪「走るぞ!律!」
律「え?なんで?」
澪「あいつら犯人だよ!あの例の!」

律「ちょっ……マジかよ……!」

男B「待てえええ!」
澪「今のうちにメールを……」

澪「うわっ!」

ザーッ

いきなりのどしゃ降りのせいで私は滑って転んでしまった

律「大丈夫か?」
澪「け…携帯が…」
そして転んだ拍子に携帯をどこかに落としてしまった



もちろん明かりもない中携帯を探すのは無理だった

澪「しょうがない行くぞ!」

律「ああ!」

二人はぐれないように私達はお互いの手を握り必死に犯人から逃げた


男B「逃がさねえぞ!」

澪「私達…どうなるんだ……?」

律「私がこんなとこに来なきゃ…」

タッタッタ

とそのとき、私達が向かう方向に人影が見えた


――――助かった。
そんな気がした

澪「助けてください!」

律「私達通り魔の犯人に追われてて!」

「………」



男B「そいつら捕まえてくれ!」

一瞬恐怖が脳裏をよぎった

男C「時間かかりすぎなんだよお前らは」

澪「え?」

律「マジかよ…」

隠れる場所も逃げ道もない

男C「大丈夫大丈夫。お前らもあっという間に連れてってやるからな」

男C「天国に」

「それは君たちだよ」

ガスッ

男C「うっ…」バタ

男B「!?」

澪「!」

律「!」




今からさかのぼること一時間前


紬「やっぱり私達もりっちゃん探しに行くべきよ!」

梓「そうですよ!このまま黙って祈ってるわけには行かないですよ!」

唯「よし!行こう!」フンス

憂「でも澪さんどこ行ったかわからないんじゃ…それに澪さんが向かった方向がわかっても律さんがいるとは…」


プルルルル

ガチャ

憂「はい、平沢ですが」

聡「あっ、えっと律の弟の聡です。お騒がせしてすいません!」

唯「だれー?」

憂「律さんの弟の聡くん!」



聡「お姉ちゃんもしかしたら星を見に山に行ってるかもしれません!」

憂「山……?」

聡「最近どこの山が綺麗に星空が見えるか母や父に聞いていたのでもしかしたら!」

憂「お姉ちゃん星が見える山だって」

唯「やまー?」

紬「星が見える山………」

梓「!」

梓「もしかしたらあの山かもしれない!」

憂「ありがとう聡くん!」

聡「いえ…姉を心配する気持ちは同じなので」

ガチャ

唯「わかるの?あずにゃん」

梓「小さい頃見に行った記憶が…とりあえず行ってみましょう!」
唯「よっしゃー!」紬「待っててりっちゃん!」
憂「おー!」



ガチャ

憂「よし!鍵OK!」
唯「じゃあ出ぱ…………」

「遅いんじゃないの?」


唯「さ、さわちゃん!」

さわ子「さあ行くわよ!乗って!」

梓「どうして…」

さわ子「私は軽音部の顧問よ!当たり前じゃない!」

紬「行こう!」

「おー!」




ブーーン

さわ子「何もなきゃいいわね…」

梓「あ、あそこに人が!」

キキー


さわ子「すいません!」

「はい?」

さわ子「山ってこの方向であってますかね」

「あってるけど……今日は星は見えな……」

さわ子「ありがとう!」

ブーーン

「最近の若者は何が流行ってるのかわからないなあ……もう」


「あのー!」

「え?」





ブーーン


さわ子「ここだわ!」

唯「真っ暗だー」

紬「本当…何も見えないわあ」

梓「い、今誰か人が!」

さわ子「あそこから入るのね!行くわよみんな!」

唯「りっちゃん今行くぞー!」

紬「行きましょー!」

梓「おー!」



あの時聡が唯たちに伝えていなかったら私は今頃存在しないんだろう

もちろん律も

もし伝え損ねていたら文化祭や卒業ライヴの思い出なんて出来る前に私達は死んでいたのかもしれない


4/4