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唯「…」

澪「…」

唯「ねぇ澪ちゃん」

澪「何?」

唯「何で地面に埋まってるの?」

澪「分からない。けど何故か埋まらないといけない気がする」

唯「そっかー」

澪「うん」



澪「…」 

唯「はい澪ちゃん。今日のお水だよ」

澪「ありがとう唯、助かるよ」

唯「えへへ、誉められちゃった」

澪「ゴクゴク」

唯「でも凄いね。水だけで生活できるなんて」

澪「まぁ、土に埋まってるからな」

唯「埋まると水だけで生きていけるの?」

澪「うん、何か身体に自然と栄養が流れてくる」

唯「いいなー」

澪「えっへん」



澪「…」サンサン

唯「澪ちゃん何してるの?」

澪「ん?光合成だけど」

唯「こうごうせい?澪ちゃん植物なの?」

澪「バカ言え。私は人間だよ」

唯「でも光合成って葉っぱがないとできないんでしょ?」

澪「いや、人間は土に埋まったらできるようになるんだって」

唯「そうなんだー、いいなぁ」

澪「ふふん」



唯「あれ?澪ちゃんどうしたの?」

澪「ん…なんか最近身体の調子がおかしいんだ」

唯「んんー…あっ澪ちゃん、頭に青虫が付いてるよ!」

澪「あーやっぱりか。道理で調子が悪くなるはずだ」

唯「大丈夫。すぐに取ってあげるね」

澪「いや、そのままでいいよ」

唯「えっ?何で?」

澪「この青虫だって生き物だ。私を食べて成長し、いずれ綺麗な蝶になると思うんだよ」

澪「生物の進化を邪魔してまで私は土に埋まろうとは思わないよ」

唯「そっかー。澪ちゃんは優しいんだね」

澪「えっへん」



唯「ねぇねぇ澪ちゃん」

澪「何だ?」

唯「そろそろ梅雨の季節だけど、澪ちゃん埋まったままでいいの?」

澪「あぁ。埋まってる事が私の存在意義だからな」

唯「そうなの?」

澪「うん」

唯「じゃあ私が雨が降ったときにはちゃんと傘持ってきてあげるね」

澪「ありがとう、助かるよ」

唯「えへへー」



澪「…」

唯「はい澪ちゃん、今日水は液体肥料入りだよ」

澪「おお、太っ腹だな唯」

唯「そろそろ7月だからちゃんと栄養取らないと元気なくなっちゃうもんね」

澪「そっか…もうそんな時期になるのか」

唯「時間が経つのって早いよねー」

澪「そうだなー」

唯「あっ。じゃあ澪ちゃん口開けて」

澪「あーん」

澪「ゴクゴク…」

唯「おいしい?」

澪「あぁ、ちょっと水で薄めすぎかな?」

唯「そっか。じゃあ今度はもうちょっと少なめに混ぜるね」

澪「うん。ありがとう」



澪「…」

唯「澪ちゃん大丈夫?何だかとても暑そうだけど…」

澪「あー…やっぱ夏は土の中と外の温度差が激しいからな…」

唯「日傘持ってきてあげようか?」

澪「いや、そうしたら光合成できないじゃん」

唯「そっか…大変だね」

澪「これでも土に埋まってるからな。生半可な気持で自分の義務を放棄しようなんて許されることじゃないよ」

唯「土に埋まるって大変な事なんだねー」

澪「唯も埋まってみれば分かるさ」

唯「そっかぁ」

澪「うん」



澪「…」サンサン

唯「あっ澪ちゃん、頭にキノコが生えてるよ」

澪「えっ?キノコが?」

唯「取ってあげるね」

澪「あっ…」

唯「…すっごく毒々しい色してる」

澪「私の頭にそんなものが生えるなんて…」

唯「でもそれだけ澪ちゃんの身体に栄養がいっぱいあるって事だよね」

澪「そうだな。私も土に埋まる者として日々成長しているのかもしれない」

唯「さすが澪ちゃんだね」

澪「ふふん」



唯「~♪」

澪「やけに機嫌がいいな、いい事でもあったの?」

唯「ううん。澪ちゃんのお世話するのが楽しいだけだよ」

澪「…そっか」

唯「そろそろ秋の季節だねー。私秋はおいしいものがいっぱい食べれるから好きだなー」

澪「秋か…私も過ごし易い季節は好きだな」

唯「あっ、澪ちゃんも植物みたいに秋になると実がなったりするの?」

澪「気になるか?」

唯「うんっ」

澪「ふふ、秋になってからのお楽しみだ」

唯「えぇー教えてよー」

澪「だーめ」

唯「ぶーぶー」



唯「はい澪ちゃん。今日は固形肥料持ってきたよ」

澪「ありがとう。そこにばら撒いてくれ」

唯「はいはーい」

澪「~♪」

唯「あっ澪ちゃん、また頭に何かあるよ」

澪「お、もう生えてきたか。ちょっと取ってみてくれ」

唯「えいっ」ブチッ

唯「…何これ?」

澪「くるみだよ。実るのはもうちょっと先になると思ってたんだけどな」

唯「そっか~澪ちゃんからはくるみが実るんだー」

澪「別に胡桃だけじゃないぞ」

澪「その気になれば秋にデキる物は何だって実らせる事ができるんだ」

唯「すごーい!でも何で?」

澪「私が土に埋まってるからさ」

唯「なるほどー」



唯「あっ澪ちゃん」

澪「どうした?」

唯「頭のてっぺんに大きなキノコが生えてるよ」

澪「あぁ。コレは私が生やしたんだ」

唯「えっ?何で?」

澪「唯、このキノコが何か分かるか?」

唯「うーん…あっ!これってもしかして…」

澪「うん、松茸だよ」



唯「すごい!私本物が生えてるの初めて見たよ!」

澪「コレを生やすのに結構苦労したんだよ?私の体内の栄養素の半分も使ったんだ」

唯「そうなんだー。でもどうして?」

澪「唯にはいつも世話になってるからな。この松茸はほんのお礼の気持だ」

唯「澪ちゃん…」

澪「私はこうやって土に埋まることしかできない。でも、それが続けれるのは私をサポートしてくれる唯のおかげだ」

澪「その感謝の気持を込めて、私はこの松茸を唯に贈りたい」

唯「澪ちゃん…ありがとう」

唯「これからも私、澪ちゃんのお世話頑張るね!」

澪「あぁ、頼りにしてるぞ」



唯「澪ちゃん、落ち葉全部かき集めたよ」

澪「そうか、じゃあ私の周りに撒いてくれ」

唯「ほいほーい」

澪「ふぅ…」

唯「でも何でこんな事するの?」

澪「もうすぐ冬だからな、寒さで凍えてしまわない様にするためさ」

唯「そうなんだー」

唯「でもこんなにいっぱい落ち葉いるの?」

澪「いや、残りは全部山にしてくれ」

唯「?」

澪「唯、私の頭だ」

唯「…あっ!さつま芋だ!」

澪「コレを落ち葉で焼いて焼き芋にしよう。きっと美味しいと思うよ」

唯「わーい♪」



澪「…」

唯「へぷちっ」

澪「風邪か?」

唯「ううん…ちょっと寒くなってきたから」

澪「…もう秋も終わりか」

唯「こうやって澪ちゃんが土に埋まって随分時間が経ったねぇ」

澪「そうだな…時の流れは本当に早いよ」

唯「でももうちょっとの辛抱だよ。残す季節はあと冬だけだもん」

澪「そうか、あとちょっとだな…」

唯「うん」

澪「…」



唯「っちゅん!」

澪「ほら、そろそろ帰らないと風邪引くぞ」

唯「うん…でも」

澪「私は大丈夫だ、唯が集めてくれた落ち葉が毛布になって暖かいよ」

唯「ほんと?」

澪「私には私の環境があるんだ。唯も自分の家で暖かくして欲しい」

唯「うん…分かった」

唯「じゃあまた明日ね!風邪引いちゃだめだよ!」

澪「ああ、また明日」



唯「あっ…」

澪「どうした?」

唯「雪が降ってきたよ」

澪「えっ」



澪「…ホントだ、今年は早かったな」

唯「うん、まだクリスマス前なのに凄いね」

澪「地球温暖化って言っても、四季の流れは正常なんだな」

唯「うん、私日本に生まれてきてよかったって思う」

澪「そうなると、地球に生まれてきてよかったとも言えるな」

唯「そうだねぇ」

澪「…」



唯「あっ…今日の水すっかり忘れてた」

澪「今日はしなくていいと思うよ」

唯「?どうして?」

澪「春や夏じゃないからさ、何度も水を飲んでも土に流れていくだけなんだよ」

唯「そっか、あまり飲みすぎも良くないんだね」

澪「ああ、何事も程々が一番さ」

唯「そうなんだねぇ」

澪「あっ、肥料だけは撒いといてくれないかな?冬になると栄養が吸収しにくくなるんだよ」

唯「りょーかーい」


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