1 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 17:59:23 0
重厚なファンタジーTRPGスレだ。別名、ダークファンタジースレ。

前スレ
■ヘヴィファンタジーTRPGスレ■
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1216546388/

2 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 18:06:01 0
とりあえず、1スレ完走おめでとう!

ルールを説明するぞ。

・とにかく重苦しいファンタジーがしたいやつは集まれ。中途半端な気分で参加はするな。
・世界観は中世風のファンタジー世界だ。
・コテは必ずトリップを付け、自己紹介をすること。
・重厚だからといって別に雄臭いという訳ではない。女はむしろ大歓迎だ。
・TRPGスレだが、そこまで厳しいルールではない。流れに任せる感じだ。
・sage進行、荒らしは徹底無視。設定などは自重すべし。
・ドロドロでムラムラな展開もあり。
・鎧とか白兵戦を主流に戦うが、多少グロいのもアリとする。
・ギスギスするのが大好きな奴は集まれ。また容赦はするな。
・とにかく重苦しく動け。ここがヘヴィファンタジースレである意味を考えろ。
・展開は多少速くても構わないが、あくまで空気を読む感じで。敵役も募集する。
・越境は認めない。
・ストーリーのみを投下できるのはキャラハン、もしくはスレで認められたトリップ付きのGMのみ。
・避難所はない。先の展開について打ち合わせをしたりは極力しない方針。
・長く抜ける場合、引退する場合は必ず宣言すること。


3 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 18:07:12 0
以下、キャラテンプレ

名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
性格:
魔法:
特技:
長所:
短所:
装備品右手:
装備品左手:
装備品鎧:
装備品兜:
装備品アクセサリー:
所持品:
髪の毛の色、長さ:
容姿の特徴・風貌:
趣味:
恋人の有無:
好きな異性のタイプ:
嫌いなもの:
最近気になること:
将来の夢(目標):
簡単なキャラ解説:

4 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 18:15:29 0
名前:グレゴリ=グレゴリオ=メロス
年齢:30
性別:男!
身長:188
体重:100
スリーサイズ:男には必要か?!
種族:人間
職業:ヘヴィアーマー
性格:重苦しく、暑苦しく、好色家
魔法:使えない!
特技:ヘヴィスマッシュ
長所:でかい
短所:重い、短気
装備品右手:ジャイアントファルシオン
装備品左手:
装備品鎧:ヘヴィアーマー
装備品兜:クロースヘルム
装備品アクセサリー:なし!
所持品:エナジーブーメラン、長剣、投げナイフ、回復アイテム等、特殊アイテム
髪の毛の色、長さ:短い!
容姿の特徴・風貌:整っているがやや原始的な顔。体はとにかくごつい。
趣味:大剣・アーマーの強化!
恋人の有無:シトリン、メディナ、ウィンディーが恋人だと勝手に思い込んでいる。
好きな異性のタイプ:むっちりしたタイプ
嫌いなもの:足軽系、アサシン系、魔法使い系の奴ら
最近気になること:デーモンについて
将来の夢(目標):デーモン、闇王軍を倒し、最強のヘヴィアーマーになる!
簡単なキャラ解説: とにかく重苦しいヘヴィアーマー兵。


5 名前:ギルム ◆/Y2dc7tUO. [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 21:18:44 O
2スレ目 おめでとうございます!
そしてエマリアさん 今後よろしくお願いします。

名前:ギルム・ガンバッサ
年齢:25
性別:男
身長:173
体重:77
スリーサイズ:ガッシリだがゴツくはない
種族:元人間(獣人)
職業:便利屋
性格:心配性で流されやすい
魔法:不可
特技:格闘、武器の扱い 共に並以上
長所:一般的な家事ならできる事
短所:他人に怪しまれやすい事
装備品右手:肘までの手甲 手袋
装備品左手:同上
装備品鎧:簡素な鎖帷子
装備品兜:質素な布 鍔の長い帽子
装備品アクセサリー:なし
所持品:ウエストポーチ、中身は薬草や金
髪の毛の色、長さ:頭部は虎そのもの
容姿の特徴・風貌:布を巻いて頭を隠している
趣味:一人になること
恋人の有無:妻と死別済み
好きな異性のタイプ:妻のように優しい人
嫌いなもの:同族と勘違いする化物共
最近気になること:世間が騒がしくなってる事
将来の夢(目標):早く呪いを解きたい…

簡単なキャラ解説:
5年前、病弱な妻の為に心臓が秘薬になると噂されていた聖獣に手を出し、怒りを買って人間と虎の中間のような姿になる
手の爪は鋭く、頭から腕や胸や背中まで虎の毛で覆われている
呪いを解く方法を見つけるため世界を放浪中


6 名前:ギルム ◆/Y2dc7tUO. [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 21:19:10 O
「それじゃあ俺はお前の文も含めて適当に武器を調達するからな
 お前もそれの代わりみつけたらさっさと武器屋の方に来いよ?」

肩を小突かれ武器屋に行くグルスを見ながら
(なんか、協力体勢になった途端やたら気さくだな…)
と、少々呆れながら ギルムは服屋へと向かった


「井戸といいココといい、街中がこうだってのか、…無茶苦茶だな。」

古びた扉を開け、店内を見回すが幸い荒らされた形跡はない。
しかし ギルムを出迎えたのは仕立て机で動かない男、奥部屋の機織り機に倒れかかる女、その女の膝元で座ったままの少女の変わり果てた骸だけだった。
一家団欒をそのまま止めたような光景。おそらくこの家族は『異変』に気付かないまま死んでいったのだろう。

「………………。 」

仮面の中で苛立ちを耐えるように歯を食いしばった。
闇王軍に復讐を誓うほどギルムは正義感は強くない。だが人々が無惨に死ぬ有り様を見ても何も感じないほど冷血でもない。
半獣の姿になって以来、心は最低限人間であろうと決めているなら尚更である。

「さて…」

いつまでも耽ってる訳にはいかない。 気持ちを入れ替えギルムは店の物色を始めた。
時期的にマフラーはなかったが仕立て前の長い布と鍔の長い帽子があったのでそれで顔を隠す事にする。

「よし、ありがとうございましたっと。」

死体に一礼して店を出るのは他者が見れば変に思うかもしれないがこれが彼なりのけじめだった。


服屋を出ると 今の状況に合わない少女がすぐ近くの物陰からここから真向かいの武器屋を眺めていた。

「お、おいそこのお嬢ちゃん。こんな時に何を…!」

釣られて武器屋を見ると 店内でグルスと鎧を着た大男が一触即発な雰囲気を作っているのがわかった。

「げっ…、あ〜お嬢ちゃん! んな所でのんびりしてないで避難するなり隠れるなりしたほうがいいぞ!」

万が一にも協力者を失うわけにもいかないのでギルムはそこにいる少女に一声かけると急いで武器屋に向かっていった。

7 名前:グルス ◆6O9Z41qEpo [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 23:52:34 0
「店主の前で堂々とヌスミとは、随分舐めた真似してくれるじゃねぇか…
有り金を全部置いていけ。それと…その”地獄”とやらについて教えてもらおう…
さもないと、殺すぞ?」
そういって目の前の男がグルスの肩に手を掛ける。
脅しの意味も込めてだろうがかなりの力が入っている。
どうやら目の前の男以外は特にグルスに興味はないらしい。
「おいおい、どうみても店主じゃあないだろう。
 それに俺は無一文でね。お前の連れも俺には興味なさそうだし、
 地獄についても説明するのは面倒だし……要するに息巻いてるのはお前だけってわけだ。
 ということでここは一つお互いに見なかったことにするということでどうだ?」
有り金とさっきいった地獄の言葉が気になるのか教えろと迫ってくるアーマーの男にも
普通の人間なら大剣を持った目の前の男に異様な威圧感を覚えるのだろう。
特に気押される様子もなく肩にかかっている手を払いのけいつもどおり飄々と答えるグルス。
そんなグルスの態度が頭に来たのかグレゴリは小刻みに震えている。相当イラついているようだ。
今にも背負っている剣を振り降ろしそうなその状態に、まるで挑発するかのようにグルスは続ける。
「……どうした。返事がないが理解できなかったのか?
 要するにお前に金を払う必要はないし、説明する必要もないってわけだ。
 あと店主ごっこしてるよりも逃げた方がいいんじゃないか?」

そこまで言った瞬間。グルスの前に巨大な鉄塊が振り下ろされてくる。
床が衝撃で割れ土埃がグルスとグレゴリの間に広がる……
それは目の前の男が人間など一撃でボロ雑巾のようにできることを証明していた。
しかし、体験を眼前にしてグルスは驚きすくみあがり漏らすどころか。
仮面から見える目には先ほどとは一転、突き殺すような殺気が放たれる。
「なるほどな……魔の憑いた大剣か」
そして目の前の男の獲物からすると陳腐とも言えるような自分の短剣を素早く取り出す。
一体グルスは何をする気なのだろうか。もしかして本気で目の前の男に戦うつもりなのだろうか?
しかし冗談ではないことはグルスの仮面から見える目が物語っている。本気でこの男を倒すつもりんなのだろう。
「事情が変わっちまったよ。まずその大剣…どうやって手にしたか教えてくれ。
 そしたらお前が言っていた地獄について話すのにオマケで地獄行きも付けてやるよ。
 どうだ?悪くないだろ?」
特徴的な笑い声を上げながらそう目の前の大男に向かって嘯くグルス。
しかし、その言葉にもその目にも強がった感じは見えない。
むしろ、奇妙なことに高楊感すら感じているように見える。

8 名前:グルス ◆6O9Z41qEpo [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 23:59:19 0
新スレおめ♪
不審人物だけどよろぴく

それとエマリアさんもよろしく



名前:グルス
年齢:30歳
性別:男
身長:180
体重:75
スリーサイズ:一見細く見えるが絞り込まれた肉体
種族:人間
職業:放浪の身…時には傭兵、盗賊の真似ごとをするときもある。
性格:目的のためならば手段を問わない
魔法:不可
特技:武器の扱い。ピッキング
長所:隠密行動が得意
短所:不審人物と思われやすい
装備品右手:黒い鉄鋼
装備品左手:↑に同じ
装備品鎧:チェインメイル(鎖帷子)の上にフード付きの黒ローブを纏っている
装備品兜:仮面
装備品アクセサリー:家紋のついた懐中時計
所持品:ローブの中にダガーやボウガン、火薬玉、
     足周りに矢筒やチンクエディアを納めている
髪の毛の色、長さ:短髪
容姿の特徴・風貌:笑っている表情の仮面が不気味な男。
            黒服とフードとの相乗効果で非常に危ない人間を思わせる。
趣味:闇王軍と戦う
恋人の有無:なし
好きな異性のタイプ:特にない、逆に言えばだれでもいい。
嫌いなもの:闇王軍
最近気になること:闇王軍が活発になってきていること
将来の夢(目標):なし
簡単なキャラ解説:根なし草で旅を続ける男。
            昔から闇王軍や化け物の噂を訊いてはその姿を追い続け
            ひたすら武器を振り続けてきた。その理由は正義感などではなく。
            本人の過去が関係してると思われるが彼の仮面を見て分かる通り
            自らを他人に見せたりはしないため何があったのかを知るものはもはや居ない。

9 名前:ウィンディー ◆TXKoM0CtY. [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 00:16:02 0
新スレ乙、なんだけど……
まだ前スレの容量がちょこっと残ってるからね。
向こうを使い切ってからこっちに来よう、な?
とりあえず今日は新スレへのテンプレ投下だけと言う事で。
エマリアちゃんようこそ、口汚い姉御だけどよろしくよ。

名前:ウィンディー
年齢:27
性別:女
身長:172
体重:61
スリーサイズ:ボンキュッボン
種族:人間
職業:剣士
性格:姉御肌、短気
魔法:無理
特技:曲刀、指突剣は達人級
長所:面倒事でも引き受けてくれる太っ腹
短所:口が悪い
装備品右手:シミター
装備品左手:手甲
装備品鎧:胸鎧
装備品兜:バンダナ
装備品アクセサリー:高価そうなペンダント
所持品:腰にレイピア
髪の毛の色、長さ:金髪、腰までのウェーブ
容姿の特徴・風貌:美人、左目に眼帯、全身に大小の傷
趣味:読書
恋人の有無:不明、本人は気付いてないがもうグレゴリに勝手に恋人扱いされている
            (本人にその気はまったくなし)
好きな異性のタイプ:理性的な男
嫌いなもの:人の話を聞かない奴
最近気になること:荒廃の進む世界の先
将来の夢(目標):傭兵を必要としない世界

簡単なキャラ解説:10年前から活動を続けている流れの傭兵。
育ちのよさが窺える面があり、傭兵としては変わり者の部類に入る。
以前グレゴリと組んだ際に押し倒されたが、股間の大事な玉を握り潰そうとした。
矜持を持って仕事に当たることを信条としているが、その姿勢は他の傭兵からは
理解されないことが多くそのことを嘆いている。

10 名前:エマリア ◆hKq3WA9Hik [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 09:48:52 0
名前:エマリア・エル・バ・デルサ・ダンテス
年齢:?歳(外見年齢は16歳ほど)
性別:女
身長:169cm
体重:59kg
スリーサイズ:80/56/80
種族:妖魔
職業:闇王軍枢機卿補佐
性格:破天荒・残忍
魔法:闇属性
特技:怪力によるパワー攻撃と闇魔法
長所:特になし
短所:残忍極まるトンデモ妖魔少女
装備品右手:ときめきの杖(ピンク色のオシャレな花柄の杖)
装備品左手:無し
装備品鎧:桃色の魔女服(女子高生の制服を模したような魔女服)
装備品兜:無し
装備品アクセサリー:漆黒のオーブ(自身の魔力を秘めたアイテム)
所持品:手錠
髪の毛の色、長さ:腰まで届く黒髪のストレート
容姿の特徴・風貌:今時の女子高生のような風貌の10代美少女
趣味:人間を誑かす
恋人の有無:居ない
好きな異性のタイプ:揺さぶったら簡単に落ちる心の弱い男
嫌いなもの:どうアプローチを掛けても折れない心の強い人間
最近気になること:お母様が「戻れ」と言ってうるさい
将来の夢(目標):母親以上の立派な妖魔になる
簡単なキャラ解説:
 闇王軍の幹部で、妖魔たちを束ねる王族ダンテス家に属する子供の妖魔
 闇王軍枢機卿にして、妖魔女王ギネヴィア・アル・バ・シルマ・ダンテスは、彼女の母親である
 子供でありながら、並みの成熟した大人の妖魔を凌ぐ魔力を誇っている
 人間に化け、人間を誑かして引っかき回すことを生き甲斐にしている
 一応は闇王軍の準幹部クラスなのだが、好き勝手に動き回っている

みなさんよろしくお願いします

11 名前:エマリア ◆hKq3WA9Hik [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 10:07:04 0
「うっざ・・・何よ?
今いいトコなんだから黙っててくんない?
あ、アイツ・・・」

ワクワクしながら見ているところへギルムの一声が掛かった。
余計なお節介は鬱陶しいだけである。
キッと睨み付けて文句を垂れるが、既に当人は背を向けて現場に向かっていた。
まさか止めるつもりなのだろうか?
だとしたらますます鬱陶しいことこの上ない男である。

「アレって獣人?今時珍しくない?」

しかし、すれ違いざまに見た男の顔に驚かされた。
顔が虎そのものの獣人なのだ。
大方、神聖なものに手を出して下された天罰の類いなのだろう。

「んふふふ・・・♪
こ・れ・はぁ〜、返って面白そう〜な感じだよねえ・・・
というわけで偵察続行!」

止めに入った獣人がただの人間でない以上、タダでは済まないかもしれない
殺し合いか何かに発展することを期待しながら、踊るような気持ちで見つめてる。

12 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 18:22:00 0
新スレおめでとうございます。
エマリアサンよろしくおねがいします。

名前:シトリン・グラハム
年齢:20前後
性別:女
身長:165前後
体重:50
スリーサイズ:不明
種族:人
職業:魔法使い
性格:マイペース。さみしがり屋で、怒ると手が出ることもある。自己評価は低め。
魔法:雷および爆破系の使い手(雷と爆破系以外の呪文は使えません)
特技:魔法
長所:なし
短所:マイペースなこと
装備品右手:なし
装備品左手:なし
装備品鎧:なし
装備品兜:なし
装備品アクセサリー:なし
所持品:
髪の毛の色、長さ:
・毛先がとんがった銀色の髪。長さは首の付け根まで
容姿の特徴・風貌:
・刺繍が施された白いブラウス
・袖口が大きく裂かれた綿素材の服
・黒の綿ズボン
・黒ブーツ
趣味:散歩と読書
恋人の有無:なし
好きな異性のタイプ:やさしくしてくれる人
嫌いなもの:怒りっぽい人、力で支配しようとする人
最近気になること:医者不足
将来の夢(目標):今のところなし
簡単なキャラ解説:
見た目はとにかく中性的。パッと見た感じでは男か女かわかりません。
かなり自己評価は低く、自信なさそうな感じですが、受け答えはそれなりにできます。
実はバイといううわさも…


13 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 20:09:07 0
「く、っくく……なぁにが、おぉぉ… だよ。
 あいつはあたしを笑い殺すつもりなのかね?」
ウィンディーの身体に触れたが、思ったよりも淡白な受け答えだったので、
つまらん、と思いつつも思わぬ盗人の動きを追った。
さらに後ろでは、盗人の連れと思われる、男と女の気配があった。
(敵は…三人か?)

>「ここは一つお互いに見なかったことにするということでどうだ?」
男に絡んでみたが、驚いたことにこいつは殆ど「怯え」という感情がなかった。
男も大柄な方ではあったが、客観的外見からしてグレゴリの方が遥かに威圧感があるのに、である。
ようやくグレゴリも相手の異常さに気付いた。男の様子を観察する。

「店主ごっこしてるよりも逃げた方がいいんじゃないか?」
(この野郎…!今の状況がわかってんのか?)
思うが早く、グレゴリは大剣に手をかけると男の前目掛けて一瞬で振り下ろした。
地響きのような音が鳴り、目の前に亀裂ができる。
しかし…
「?!」
(こいつ…全然ビビってねぇ)
>「なるほどな……魔の憑いた大剣か。まずその大剣…どうやって手にしたか教えてくれ。
>そしたらお前が言っていた地獄について話すのにオマケで地獄行きも付けてやるよ。
>どうだ?悪くないだろ?」

「あぁ?!俺とやり合おうってんのかぁぁ!!」
怯むどころか笑みをみせながらオーラを放つ相手に、いよいよ激昂したグレゴリは
大声で怒鳴った。女たちは既に奥の部屋で着替えをしており、しばらくは出て来ないだろう。
まさに男と男の決闘が始まったのである。

男が狙うは大剣。グレゴリはそれを握り締めると、巨体からは想像もつかない素早いステップで
横に跳び、そのまま横薙ぎに男目掛けて大剣を振るった。



14 名前:グルス ◆6O9Z41qEpo [sage] 投稿日:2009/01/23(金) 23:46:41 0
「あぁ?!俺とやり合おうってんのかぁぁ!!」
激昂した大男がグルスに向かって叫ぶ。
そして空気が冷たく凍りついていく……この張り詰める独特の空気。
正に今闘いが始まろうとしている。
「魔剣って奴の力を見せてもらおうか!」

先に動いたのは大男。その巨体からは想像もできないステップで横に跳び、
一瞬で踏みこみ横なぎに禍々しい大剣を振るった。
真っ二つ……さっきの威力を見ていればそう想像するのは難しくない。
しかし、一瞬でグルスは男の視界から消えていた。
そう、四つん這いになるぐらいまで体勢を下にして横薙ぎを擦れ擦れで避わしたのだ!
大剣は中に待っている盾や防具などの装備を粉砕するがグルスの命までは到底とどかなったようだ。
「中々の早さだ。威力だけが取り柄の愚鈍ってわけでもないみたいだな」
そう大男に言うグルスは心なしか嬉しそうだった。この状況を楽しんでいる…とでも言えばいいのか。
そしてグルスは横なぎでガラ空きになった男の懐に飛び込む。
かなり危険な行為かと思われるかもしれない。だがこの方法しかグルスに勝つ手段はない。
ヘビィアーマーを装備している男に短剣やダガー、ボウガンなどは効果的ではない上に大剣。
そしてこっちの装備は軽量でリーチがない。必然的に飛び込んだ方が楽なのだ。
(といっても、こっちのこんな武器じゃああいつのアーマーを打ち抜けるかどうかは怪しい。
 狙うなら継ぎ目……ヘルムとアーマーの間に首にしかない!)
そしてチンクエディアを男の首筋…一瞬の隙間に打ち込もうとしたとき。
店のドアが開かれ呼び鈴がチリーンッという音を立てる。

その音にグルスが振り向くとそこにはギルムの姿が、
どうやら止めに来た用だ。ギルムの姿を見て何を思ったのかグルスが短剣を下ろす。
「よ、ギルム。どうだ?仮面の代わりは……見つかったみたいだなぁ」
そういって目の前に大男が居るというのに呑気に手を振ってみせるグルス。
恐怖心がないのか、それとも単純にボケているのか……
「ああ、悪いけど俺の連れでね。ちょっと装備も渡したいしいいかい?」

15 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/01/24(土) 17:18:04 0
【調子が悪いので、1週間ぐらい書き込めなくなりそうです】

16 名前:ギルム ◆/Y2dc7tUO. [sage] 投稿日:2009/01/25(日) 21:28:26 O
ソレはひたすら空腹だった。
目覚めた時に近くで騒いでいた肉だけではこの空腹は収まらない。
街を徘徊しあらゆる肉を食べ、そして確信した。
街に転がっている動かない肉は味気がせず食べたくない。無数の肉が街を取り囲んでいるがアレは臭くて食べたくない。
動く、生きている肉は美味。
ソレは駆けた。食らっても喰らっても収まらない空腹を満たすため、次の肉を喰らうため。

後はここから飛び降りれば肉がもう目の前だ…。



武器屋につくと待っていたのは
二つの死体と様々な武具。怒気に溢れ大剣を構えた大男と

「よ、ギルム。どうだ?仮面の代わりは……見つかったみたいだなぁ」

その大男と対峙しながら呑気に構えるグルスだった。

「ああ、悪いけど俺の連れでね。ちょっと装備も渡したいしいいかい?」
「良いわけないだろ!こんな時に喧嘩しても意味ないだろが、少しは頭冷やせ馬鹿野郎!」

ギルムは内心うんざりしながら叫んだ。
今、必要以上に人間同士が争って何の利があるのか。奴が相当な腕利きなのは一目瞭然、関わるべきではない。

「武器なんか今あるもんでいいだろうが、そこの旦那も物騒なモンは…」

二人を説得し、なんとかこの場を納めようとした時だった。

「!!?」

悪寒を感じると同時に店の中に転がり込む。そろと同時に今までギルムがいた場所に何かが降ってきた。
落下した時の生々しい音と土埃で少々わかりづらいがどうやら人間が落ちてきたようだ。

「な、なんだぁ…、 あれ人だよな…?」
頭の布と帽子を整えながらギルムはその場の二人に聞いた。

17 名前: ◆/Y2dc7tUO. [sage] 投稿日:2009/01/25(日) 21:30:44 O
【戦闘フラグ建てましたが後は皆さんの判断で敵を動かして構いません。】

18 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/01/25(日) 23:51:51 0
グレゴリの一撃は空しく空を切った。
なんと、男は体勢を低くすると、しゃがんでそれをかわしたのだ。
>「中々の早さだ。威力だけが取り柄の愚鈍ってわけでもないみたいだな」

そう言うとグレゴリの一瞬の隙をついて、なんと彼の目の前まで
一気に間を詰め、一撃を叩き込もうとしてきたのである。
(しまった!)
もしこの男の攻撃が並のものでないのなら、メディナの時のように
ただでは済まない可能性が高い。ましてや狙われているのは首である。
もし貫通攻撃のようなものを食らえば、さすがのグレゴリも命に危険が及ぶ。

グレゴリは慌てて剣を握る片手を外すと、鉄板に覆われた腕を体の前に引き付け
ガードをした。普段なら鉄拳で弾き返すのだが、今回はなんとガントレットがない。
相手はそこまで読んで攻撃をしかけてきたのだった。
その時である。
顔を帽子と布で覆った男が入ってきた。連れの男女の一人だった。
>「よ、ギルム。どうだ?仮面の代わりは……見つかったみたいだなぁ」
>「ああ、悪いけど俺の連れでね。ちょっと装備も渡したいしいいかい?」

男の攻撃はいつの間にか止まっており、陽気に問いかける。
「あぁ?」
さすがのグレゴリもこれには拍子抜けして、しばし呆然とした。
>「良いわけないだろ!こんな時に喧嘩しても意味ないだろが、少しは頭冷やせ馬鹿野郎!」
連れの男も呆れているらしい。こちらの反応はまともなようだ。
「これが終わったら、俺から直接渡して…あ?」
再び激昂したグレゴリが大剣を振りかざすと、突如店の手前の屋根を突き破り
何者かが落ちてきた。

血をしたたらせながら入ってきたそれは、人のような姿をしていたが
明らかに人ではなかった。筋肉はあちこちで剥き出しになっており、
ときおり脈を打っていた。身体の色は紫がかっていて毒々しい。
そして…手足とは別に背中の方から複数の触手が生えていた。

「ぐおっ、何だ…?」
グレゴリの腕の中で大剣が突如異常な反応を示した。
それは明らかにこの「人のようなもの」が近くにいるせいだ。
(来る…)
横にいる二人の男への警戒も解けないまま、「それ」は触手から
体液のようなものを撒き散らしながらこちらに迫ってきた。


19 名前:エマリア ◆hKq3WA9Hik [sage] 投稿日:2009/01/26(月) 00:07:48 0
「うっわ〜、詰っまんない!
何よ何よ、不完全燃焼で終わっちゃってさ!
あたしのワクワクどうしてくれんのよ、あいつら!」

喧嘩を辞めてしまった様子を見て、地団太を踏む。
あの獣人が余計な事さえしなければ、血が見れたかもしれないのだ。
やっぱり鬱陶しいだけの輩だった、と思った。
しかしその時、鼻を突くような死臭が漂ってきた。
よく見れば、アンデッドの類が集まってきているようである。

「バカ付き人の中にネクロマンサーなんて居たっけ?
どっちにしたって、アタシの遊び場荒らすなんていい度胸よね…」

そう言うと、ステッキを構えて化け物たちにかざす。
闇王軍の一員なのだろうと思い、準幹部特権を使うのだ。

「アンタたち、膝まづきなさいよ!
アタシのこと誰だと思ってんの?
妖魔女王ギネヴィア枢機卿の娘、エマリア様よ!」

誇らしげに化け物たちを一喝し、先頭に居る者の頭をステッキで小突く。

20 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/01/28(水) 14:39:43 0
「ええ。そのつもりよ」
服の上から鎖帷子を着た。
厚手なせいか動きにくい。
おまけに重い。
脱いだ後に肩が凝りそうだなと思っていたら、下のほうから何かが音が聞こえてきた。
「ドスン…」
まるで人が落ちた時のような音に首をかしげていると、人の話し声が聞こえてきた。
>「アンタたち、膝まづきなさいよ!アタシのこと誰だと思ってんの?妖魔女王ギネヴィア枢機卿の娘、エマリア様よ!」
声が小さくて聞き取りづらい。
ウィンディの横を通り過ぎ、1階のほうへ階段を下りて行った。

21 名前:ギルム ◆/Y2dc7tUO. [sage] 投稿日:2009/01/31(土) 17:54:13 O

「な、なんだあぁぁー!?」

触手から吐き出された液体を寸でのところで回避し距離を離す
一瞬だけ周りを見回し自分以外の無事を確かめる
目まぐるしい状況の変化に混乱を隠ないが目の前の異形が友好的でないことを肌で感じる。
不意打ちに失敗した事を理解したのか怪物は更に触手を伸ばしこちらに迫った。

「冗談…!」

得体の知れない液を出す不気味な触手なぞ捕まったら悪い予感しかしない。
狭い店内を右へ左へと動き回り触手を見切る。散らばっている剣や槍を拾い触手を切り落としても次々と新しい肉片が再生しキリがなかった。

「こりゃ逃げた方が…」

この怪物を倒すには再生が間に合わない程の破壊力で粉砕するしかない。
今の自分にそんな力がないことを自覚しているギルムが逃走を考えた時だった。

「アンタたち、膝まづきなさいよ!アタシのこと誰だと思ってんの?妖魔女王ギネヴィア枢機卿の娘、エマリア様よ!」

聞き慣れない声と共に先の少女がこちらに向かってくるのが窓から見え、それと同時に奥の階段から銀髪の、…おそらく少年が顔を出した。
騒がしいから様子を見に来たといった具合で怪物を見て驚いていた。

「バッカ! 逃げっ…!!」

隙を見せている少年に声を荒げ、怪物の注意が一瞬離れた。怪物にとってはその一瞬で十分だった。
瞬く間に右足が触手に絡まれ、怪物の頭上に放り投げられた。

怪物は肉を切り裂く恐ろしい音をたてながら人間でいう肩あたりまで一気にその巨大な『口』を広げた。
あの大きさならほぼ丸呑みできるだろう。逃げようにも空中に投げ出されたギルムにはどうしようもできない。

「うわあぁあぁあぁぁ!!!」

22 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/02/02(月) 17:05:47 0
舞台を勝手に横へ、横へと広げてる馬鹿がいる限りは
このスレはいつまで経っても栄えないな

23 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/02/05(木) 19:03:20 0
「バッカ! 逃げっ…!!」 もうすでにシトリンは近くまで来ていた。
逃げろと言われても遅い。
それにこの状況を黙って見過ごすことなどできやしない。
(とはいえ魔力が尽きてるんだよね…)
ぐっすり寝るか、魔力の詰まった石があれば、魔力を補給することができる。
とはいえ、それはあいにく手持ちにはない。
寝る機会も今の今まで一度もなかった。
使えそうな魔法は一つもない。
初級魔法であるライトニングですら、魔力を消費するのだ。
「うわあぁあぁあぁぁ!!!」 ギルムの体が宙に浮いた。
胴体は触手によってぐるぐる巻きにされ、その下には人間一人ぐらいなら軽がる入りそうな口。
放っておけば死ぬのは確実だ。
(とりあえずこれでも投げとこ)
床に転がっている槍を拾い、怪物の口めがけて投げた。


24 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 14:33:48 0
>>22
統率する者が居ないのが問題だな
互いの意思疎通が図れてない

25 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/02/13(金) 20:59:49 0
槍が刺さった?
それは十中八九あり得ない。
ギルムをほおばる寸前に気配がしたからだ。
ギルムの体が地面に転がる音を耳にしながら槍をよけ、槍を投げたであろう銀髪の少年に触手を伸ばした。

銀髪の少年の手に触手が巻きついた。
少年は逃れようと触手を引っ張っている。
見たところの少年の腕は細い。
先ほど巻きつけた物の半分程度しかない。
その程度で引きちぎれるものか。
無駄なことをしている銀髪の少年をせせら笑いながら余った触手を足に伸ばした。

「きゃっ」
伸びきっていた触手を引っ込める。同時に少年の体が宙に浮かんだ。
少年とは到底思えない声が聞こえてくる。
こいつは女か?
まあ、よい。
口を大きくあけ、少年の体が口の中に入ってくるのを待つことにしよう。
何であろうと関係ない。
人間はみな食料だ。


26 名前:グレゴリ ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/02/16(月) 21:42:02 0
グレゴリは激昂していたが、触手男の登場で我に返った。

ふと奥の部屋にいる女たちの事を思い出す。
状況が明らかに変わっている。攻撃性を持った敵はこいつだけではないだろう。

さっきまで敵対していた盗賊も、帽子の男もひとまずはこちらに敵意を持つことも無くなった。
後ろからはさらに、仲間と思われる女の声がする。
(まずはこれを片付けるか…)

禍々しい妖気を放つ剣を一度、二度と振るってフェイントをかける。
しかし…触手の男はいっこうに怯む気配を見せず、こちらに近づいてくる。


気が付くと、向こうから帷子を着込んだ女…シトリンが降りてくるところだった。
勝算でもあるのだろうか?危険を顧みず前に進んで出てくるシトリンを
グレゴリはひとまず様子見した。
>「バッカ! 逃げっ…!!」
帽子の男が声をあげた次の瞬間、男は右足をつかまれ宙吊りとなった。

グサッ!
当たったはシトリンが投げた…槍だった。
どうやら焦っている様子。魔力が尽きたのだろうか…

>「きゃっ」
帽子の男が転がると同時にシトリンの手足が触手によってしばられ、
身体が宙を舞った。
慣れない服装で敏捷性を欠いているためか、暴れれば暴れるほど
触手が絡みつき、シトリンを締め上げていった。
人のものとは思えない口が開き、捕食しようと迫る。

「ぬぉぉ!!」
グレゴリが勢いをつけて大剣を振るうと、触手が次々と血しぶきをあげて千切れ、
シトリンの身体が地面に落ちた。
グレゴリは急いでそれを抱きかかえると、奥の部屋へと急いだ。
敵は怯んではいるが、到底致命傷にはなっていない。
まだ残っている二人にもこの異変を知らせる必要があった。

バタンッ
扉を蹴破ると、そこにはまだ着替えの最中らしく、豊満な体を曝け出した
メディナとウィンディーがいた。
「おい、敵襲だ!急いで支度をしろ」
衝動的な興奮を抑えつつ、グレゴリはシトリンに絡みつきながら尚も体液を
撒き散らし続ける触手を素手で払い、シトリンの鎖帷子を無理矢理脱がせた。
勿論、敏捷な動きを妨げているから、である。

そして、懐から魔力回復薬を取り出すと、封を開けてシトリンに渡した。
「…来るぞ」
再び大剣を構え、迫り来る触手男に備えた。

27 名前:ギルム ◆/Y2dc7tUO. [sage] 投稿日:2009/02/17(火) 02:38:59 O
補食される直前、触手の拘束が解かれた。
それだけではない。一歩も動かずただ口を開ければよかったヤツがなぜか後ろに飛び退き、ギルムは頭から床に落ちるだけで済んだ。

「ぐうぅっ…!」

落下の痛みをなんとか抑え、すぐさま起き上がって距離を離す。理由はわからないがひとまず助かったらしい。

「ぬぉぉ!!」

狭い店に響きわたる太く大きい声に気づき振り向くとあの大男が巨大な大剣を振るい、少年を狙っていた触手の一部を斬り伏せていた。
が、あの程度なら先程からギルムがつけている。 触手の数本位ヤツにはどうという事はないだろう。
大男は少年を抱えると奥の扉を蹴破り中に入る。ギルムの事などお構いなしだ。
ギルムとしてもさっさと逃げ出したいが今この状況で一人になる方が危険と感じ 、急いで後を追った。

「だ、旦那っ!置いてかないでくれっ!」

ギルムが部屋に入ると同時に、扉を閉める。しかしそれは時間稼ぎにもならなかった。
扉だけでなく、壁ごと家ごと触手で凪ぎ払いながら怪物は大口を開けて迫ってきた。

28 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/02/18(水) 18:57:44 0
体が宙に浮かんだ瞬間、シトリンは確信した。
もう数秒たてば生温かい口の中に落ちて、体中に牙を立てられる…
そして、そのまま死ぬ。

シトリンは目をゆっくりと閉じた。
それから数秒後、引っ張っている感触がなくなった。
同時に火花が暗闇の中にちらばった。
痛い。
鈍器で体中をたたかれた時の痛みに似ている。
目を開けると、グレゴリの顔が見えた。
どうやら助けてくれたのはグレゴリのようだ。
礼を言い、立ち上がろうと思ったら、抱きあげられ、2階に連れて行かれた。
こういう状況でやるつもりか!

と思ったが違った。
ドアを蹴破る音に驚いたウィンディとメディナと視線があった。
頬が真っ赤に染まるのを感じる。
ものすごく気まずい。
あわてて視線をそらすと、グレゴリ手が鎖帷子の首の部分にかかった。
シトリンの体はもちろん床の上だ。

シトリンの脳裏にあの時の光景が浮かんだ。
衣を裂く音が聞こえる。
手が胸に触れた。
腰のあたりにいも虫が這っているような感覚がした。
気持ち悪い。
気持ち悪い。

でも、その感覚はすぐに消えた。
嫌なことがあったせいか心臓の鼓動が聞こえてくる。
息を整えていると、ボトルを差し出された。
「へ…」
ボトルには魔力回復薬と書かれている。

意外だ。意外すぎる。
シトリンは何度も何度も目をしばたたかせた。


29 名前:シトリン・グラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/02/24(火) 11:12:44 0
が、すぐにその驚きもなくなった。
ドアが勢いよく開け放たれたと思ったら、すぐにしまったからだ。
背後に怪物の触手が見えたようなのは気のせいだろうか。
ギルムの頬は紅潮し、息が荒い。
何かがドアに体当たりをしているような音が聞こえている。
断じて気のせいではない。
(待っている暇はなしか…)
魔力回復薬と書かれたボトルをしばしの間見つめ。
ボトルを口のほうにむけて傾けると同時に目をつぶった。
(苦い…)
口の中に苦みが広がっている。
今にも吐き出してしまいたくなるぐらいの苦さだ。
その苦さと言ったらグレープフルーツの比ではない。
(なんであんなのが都合よく転がっているのよ…)
よくよく考えてみれば変だ。
でも、今はそれを気にしている場合ではない。
ドアに顔を向けたまま、メディナたちがいるほうへジャンプし、呪文を唱え始めた。

30 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/02/27(金) 01:06:53 O
アゲ

31 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/03/05(木) 01:37:11 0
o

32 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/03/09(月) 00:35:54 0
グレゴリよ、もう再起不能なら
せめてエンディングだけでも頼む

33 名前: ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/03/10(火) 18:39:04 0
ほかの皆さんはどうされたのでしょうか?

34 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 19:39:42 0
一応規制に引っかかってるかもしれないから、念のためまとめサイトの代理投稿スレのアドレス貼っとく
これで来ないならもうあきらめれ

ttp://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1161001942/(PC)
ttp://same.ula.cc/test/r.so/yy44.60.kg/figtree/1161001942/l10?guid=ON(携帯)



35 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/03/10(火) 19:40:31 0
PC失敗した

代理投稿スレ
ttp://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1161001942/ (PC)
ttp://same.ula.cc/test/r.so/yy44.60.kg/figtree/1161001942/l10?guid=ON (携帯)

36 名前: ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/03/11(水) 01:41:56 0
【人が急に減り、こちらも忙しくなってきた関係でそろそろ落ち頃かな、と思ってます】
【シトリンさんは続けますか?もし続けるならこちらも何とか続きを書きますが…】
【もし物語を閉じても構わないようなら、こちらも締めの準備をしようと思います】
【しばらく出られなくてごめんなさい】

37 名前: ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/03/11(水) 12:33:29 0
>>36
いえいえ。気にしないでください。
こちらも色々と忙しくなってきたので、ここらへんで終わりにしたいです。


38 名前: ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/03/13(金) 21:36:26 0

…その建物は、異様すぎるほど独特の空気に満たされていた。
大衆酒場であった空間の端の方にのみ明かりが灯っており、
時折卑猥な音や金属音、女の嬌声、男の唸り声などが聞こえてきた。

しかしながら部屋の全体は死臭にあふれており、薄暗い明かりの中に
ぼんやりと浮かびあがるのは紛れもなく死体であった。
それも、その多くはいくつかの肉片に分かれているような惨状のもの、である。
白目を剥き、内臓を撒き散らしたまま放置されたそれらは、奥で行われている
肉欲の宴とはあまりにもかけ離れており、シュールそのものであった。

「ぬぅうぅぅ…!…おぉぉ…」
高級な酒と、料理が何皿も乗った奥の長いテーブルのあたりで、
ウィンディーの豊満な腰を掴んだグレゴリが、今まさに唸り声を上げていた。
それもこれが一度目や二度目ではない。
グレゴリの傍には例の大剣が禍々しい妖気を放っていた。
それに包み込まれるように、筋肉の塊のようなグレゴリの肉体はより黒光りを帯びていた。
既に快楽に溺れて朦朧とした意識のウィンディーはグレゴリが身体から離れると
静かに床へと倒れ伏した。
その近くには同じようにメディナもグレゴリの欲望の渦に飲まれて転がっていた。
やがて料理を持って奥から顔を出したのは、グレゴリの臭いを十分に染み込ませたシトリンである。
そして…隣のテーブルではギルム、グルスと他数名の男たちが、それぞれ酒や料理を
味わいながら、女達との交わりを楽しんでいた。
まさに酒池肉林である。

どうしてこのような状況になったのか…

グレゴリたちは触手の怪物たちを街から一掃すると、やがて日が暮れたので
かつての酒場へと足を運んだ。
そこで見たのはごろつきの一団が、酒場にかつて通っていた男たちを皆殺しにし、
女たちを「娼婦」にして好き放題やっている光景だった。
腹の立ったグレゴリは、数で勝る彼らをあっという間に打ち破り、
女たちを「解放」した後、降伏した男たちをナイフ投げの的にして
皆殺しにしてしまった。今、壁際に並んで転がっているのがそれである。

39 名前: ◆NQTXk2ijkI [sage] 投稿日:2009/03/13(金) 22:18:37 0
(これで終わりじゃねぇ…今回の敵の親玉がどこかに居るはずだ)
刻々と変動する周囲の妖気に気付き、そんな事を真面目に考えながら…
吐き出しても吐き出しても留まることを知らない欲望に、
グレゴリは不安を感じつつもその状況を楽しんでいた。
より凄みを増した筋肉の躍動のみならず、全身から女を引き付ける
オーラのようなものが出ているのだろう。
ウィンディーはすっかり男として見直し、愛されることを求め、
メディナは家系の繁栄をこの「強い男」に託すようになった。
そしてあれほどグレゴリを嫌っていたシトリンでさえも、孤独を満たすがために
彼に擦り寄ってくるようになったのである。

グレゴリは縋り付くようにしてくるメディナを撫でつつもシトリンを抱き寄せ、
唇に深く熱いキスをするとすっかりシトリンも妖気にやられ、
自らグレゴリの唇を奪うとそのまま抱きついて甘えるようなポーズをした。
すっかり相乗効果を催したグレゴリは尚も抱きついてくるメディナを抱き上げて
静かに床に横たえると、いよいよ涎を垂らしながらシトリンの布地をずらし、
腰を掴み上げた。
「おぉぉぉおお! …お?」

突如壁が破れたかと思うと、巨大な黒い球体が現れ、それは
数条の波動となってグレゴリたちを襲った。
シトリンを抱えたまま慌てて伏せるグレゴリ。避け遅れた男のうち一人が頭を吹き飛ばされて絶命する。

壁の向こうから現れたのは、今回の騒動の首謀者である、闇王軍の幹部の一人、エマリアであった。
お付きの妖魔と、数体のモンスター化した人間を引き連れている。
「ふっふ〜ん。強そうな妖気、見〜つけたっ!」
邪悪な笑みを浮かべてグレゴリ達を見据える。

「おい、落ち着け」
ギルム、グルスたちと女たちに一声をかけ、危機が迫ってきたことを伝える。
グレゴリは抱き合っていた格好から慌ててシトリンを下ろし、
テーブルの下にあったローブを渡して着るようにと促した。
そして「壊れて」しまったメディナ、ウィンディーを庇うように大剣を持ち、
テーブルの前に立つと、置いてあったヘヴィアーマーを持ち上げて装着を始めた。
時折痙攣する黒光りした重厚な裸体を曝け出しながら。
勿論、尚も勢いを緩めない欲望の証もエマリアには丸見えである。

「…っ!!」
突然の状況に慌てふためき、目をそらすエマリアを尻目に、
グレゴリはヘヴィアーマーの装着を終えた。
シトリンから離れたグレゴリの目は、今度はエマリアの、装束に包まれた
幼い外見にしては意外にも豊満な体に釘付けになっていた。
特にスカートから覗く妖気に満ち溢れた太股は瑞々しく、目に焼きついてくる。
あの女を打ち負かしたい、あの女を屈服させたい、あの女を抱きたい…

剣と鎧がグレゴリの欲望を刺激するのか、それともグレゴリの欲望が剣と鎧を刺激するのか…
ギチギチ、ガチガチと振動する重厚な重装備の金属音が響き、グレゴリが口を開いた。
「行くぞ!かかって来いよ…雑魚どもが!」
より死臭を濃くしたこのフィールドにて、グレゴリ達と闇王軍との火蓋は久々に切って落とされた。


――― グレゴリたちが闇王軍の野望を打ち砕くことを信じて。。。   
                              END ―― 

【キャラハンの方もROMの方も長い間付き合ってくださってありがとうございました!】
【これにてグレゴリ編は終わりです】

【この機会に「ヘヴィファンタジーを新たにやってみたい!」という方は遠慮なく新編をどうぞ!】

40 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/03/15(日) 10:23:01 0
>>39
今までGJでした!

オツカレチャーン!!

41 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 15:14:41 0
>>747
後手キャンセルありのスレで何言ってるんだ
ぶっちゃけあの程度の演出全く問題にならん
むしろもっとはっちゃけても良い位だ

42 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 15:16:09 0
悪い誤爆した

43 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/03/15(日) 20:43:03 0
>>42
さっさと氏ねゴミカス

44 名前:シトリングラハム ◆YQFg90V7ew [sage] 投稿日:2009/03/16(月) 19:07:57 0
どういった経緯でこうなってしまったのだろうか。
嬌声を聞きながらシトリンは考え込んでいた。

(確か・・・触手を倒してから酒場に行って…)

急に心がざわめくのを感じた。
思い出せない。
なにも思い出せない。

シトリンの瞳孔が急に収縮した。
心臓が早鐘を打っている。
引き出しを開けようしているのに手が触れられない。
恐怖で体が震えている。

グレゴリはそんなシトリンを知ってか知らずか、抱き寄せた。
唇が触れた。
体が熱を帯びた。
下にグレゴリの手が伸びた。

いよいよ。一つになる…

その時、壁にひびが入った。
突然グレゴリが覆いかぶさってきた。
左から右へ猛スピードで駆け抜けていく音が聞こえた。

体を起こし、あたりを見回すと、人間が一人転がっているのに気づいた。
猛スピードで駆け抜けていった物体の直撃をくらったせいだろうか、首から上が猛獣の詰めによって引きちぎられていた時のようになっていた。

>「ふっふ〜ん。強そうな妖気、見〜つけたっ!」
声がしたほうを見ると、豊満な体つきの女性が立っているのが見えた。
その周りにはモンスターが数体、取り囲むように立っている。

>「…っ!!」
グレゴリが裸の上に鎧を着た。
何もつけていないのか、あれが丸見えだ。
エマリアは丸見えになっているあれに驚いている。
そんなエマリアに笑みを浮かべ、目をつぶった。

【今まで長いことお付き合いくださりありがとうございました。】


■ヘヴィファンタジーTRPGスレ 2■

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