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【TRPG】魔の館、刻命館に挑め!【魔神の館】

1 :館主 ◆XYh9T.wkcE :2012/01/31(火) 19:20:31.31 0
古の伝承に曰く、神代に封印されし 魔神の館、求める者の願いを得、汝の仇を引き寄せん。
敵の魂を焼かんがため、汝に全てを引き渡さん。
汝の命を刻めし罠で、汝の 敵を引き裂くべし。
刻命館の闇の子らよ。血の盟約に従い、この呪われし館の主となれ。
(公式サイトより抜粋)


【概要】
 このスレは、株式会社テクモ(現コーエーテクモゲームズ)から発売されたトラップシミュレーションゲーム「刻命館」を基にしています。
 世界を滅ぼしかけた魔神が封印されているという「刻命館」の主が、魔神復活のために訪問者を殺して生贄にするなど、悪逆非道の限りを尽くしています。
 侵入者は、館主の悪行を許せず討伐に来たとか、館主の首にかかった賞金が目当てだとか、自分が新たな館主になって力を得るとか、様々な目的があります。
 館主は様々な罠で侵入者を出迎え、魔神の生贄にすることを望むでしょう。
 侵入者=あなたは、罠やモンスターを突破しつつ、館主を倒すことが目的となります。

 単にそんな内容ですので、原作を知らない人でも、多分問題なくお楽しみ頂けるかと思います。

2 :館主 ◆XYh9T.wkcE :2012/01/31(火) 19:25:17.45 0
【刻命館の世界】
たいへん普通のファンタジー世界。
魔法使いが権力を握るゼメキア王国と、剣の使い手が尊重されるエンゼリオ王国の2カ国があります。
通貨はWarl(ワール)。全世界共通。

【目的】
動機はどうでもいいので、現在の館主の「アルデバラン」を殺してください。以上。
※館主の手下のモンスターとしての参加は可能です。

【おやくそく】
■ネタを振られてから長いこと空きそうだったら、避難所か本スレで事前連絡してください。
 無断で長いこと空けると、そのキャラは死ぬ可能性があります。
■原作キャラでの参加は可能です。
しかし、そもそも原作のキャラの大半は基本的に館に来て殺されるだけの奴らなので、多分、知らない人にはオリキャラと区別がつきません。
一応、未経験者向けの配慮等はお願いします。
■決定リール、後手キャンセルあり。
■GMあり。
GMの仕事は、原則として、館主が務めます。
このため、新たな館主になるのが目的の侵入者さんには、場合によってはGM権限が移ることがあります。



【テンプレ】
名前:
年齢:
職業:
持ち物:
性格:
能力:
キャラクター紹介:

【サンプルキャラクター】
名前:ダッカード
年齢:24歳
職業:モンスターハンター
持ち物:ブロードソード、レザーアーマー、スモールシールド
性格:気は優しくて力持ち、頭はちょっと弱い
能力:剣術
キャラクター紹介:
最寄りの村に滞在中の賞金稼ぎ。
賞金首になっているアルデバランを倒した賞金を元手に、婚約者と派手な結婚式を挙げたいと思っている。
好物はパインサラダとステーキ。



3 :館主 ◆XYh9T.wkcE :2012/01/31(火) 19:29:23.29 0
【リンク】
●千夜万夜
http://yy44.60.kg/figtree/
そのうち避難所が立ちます。

●刻命館公式サイト
http://www.tecmo.co.jp/product/kokumei/index2.htm
軽めに知りたい人向け。ボスの画像もあるよ!

●Wikipediaにおける紹介記事
http://ja.m.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%88%BB%E5%91%BD%E9%A4%A8&mobileaction=view_normal_site
ちょっと詳しく知りたい人向け。

●トラップゲーム攻略wiki
http://www39.atwiki.jp/trapgame/
館主の座を狙う野心家向け。

4 :アルデバラン ◆XYh9T.wkcE :2012/01/31(火) 20:00:16.72 0
名前:アルデバラン
年齢:不明
職業:館主
持ち物:ロングソード、鉄仮面、契約の証、傀儡の面
性格:冷酷、残忍非道、若干狂っている
能力:剣術、闇の力(主にトラップ)
キャラクター紹介:
刻命館の現在の主。
魔神との契約で得た闇の力を用いて、侵入者を罠にかけ、殺しまくっている。
原作では最初の犠牲者で、公式サイトでも「こいつを殺すところから物語は始まる」みたいに書かれている。
更に、武器攻撃しか攻撃方法がないうえに、ステータスもほぼ最弱の敵でした。
なので、原作では持っていない「傀儡の面(捕まえた人間を使ってモンスターを作るマジックアイテム)」を持っており、若干強くなってます。



5 :名無しになりきれ:2012/01/31(火) 20:18:08.04 0
面白そうね。様子見て参加しようと思います。頑張ってください!

6 :イビルジョー ◆Uj6Q8pNd1lnE :2012/02/01(水) 00:36:08.79 O
名前:イビルジョー
年齢:不明
職業:G級モンスター
持ち物:無し
性格:狂暴
能力:強力な身体能力、ブレス
キャラクター紹介:獣竜種、何でも食べるよ!

7 :館主 ◆XYh9T.wkcE :2012/02/01(水) 07:10:02.60 0
>>6
ようこそ、イビルジョーさん。
モンスターということは、侵入者を迎え撃つ側での参加と推測します。

残念ながら、刻命館はそれほど広くないので、
最大3〜5メートル程度に縮小しないと、館に入れません。
また、上記のサイズはあくまで最大であり、
これくらいの大きさになると、大広間以外ではほぼ活動できず、
恐らく扉もくぐれないでしょう。
また、館の壁は壊したり燃やしたりできません。
このような点にご考慮のほどをお願い致します。

8 :館主 ◆XYh9T.wkcE :2012/02/05(日) 22:32:35.77 0
さしあたって生存報告を。

9 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/06(月) 21:46:21.39 O
名前:ザック・バラン
年齢:16
職業:狂戦士
持ち物:ショートソード×2
性格:根暗で狂っている
能力:二刀流剣術
キャラクター紹介:刻命館で行方不明になった恋人を探しにきた

【参加します】

10 :アルデバラン ◆XYh9T.wkcE :2012/02/06(月) 22:05:59.70 0
>>9
ようこそ、お客様。
たくさんの罠とで、貴方をおもてなしいたします。

貴方の目の前には、不気味な雰囲気に包まれた洋館があります。
これぞまさしく、伝説の魔神が封印されし闇の館、刻命館です。

貴方は、行方不明になった恋人を捜して、この館へとやってきました。

しかし、近隣住民から聞いた噂によれば、この館にはアルデバランという男が住んでいて、訪れる者を罠にかけ、魔神への生け贄にすると言われています。
そんなアルデバランの首には莫大な賞金がかかっており、その危険さにも関わらず、彼を討とうとする者が後を絶ちません。
それほどまでに、アルデバランという男は残忍で、悪名高い奴なのです。
貴方の恋人は、果たして無事でしょうか?

今、貴方の目の前には、刻命館の中へと通じる扉があります。

【導入はこんな感じで宜しいでしょうか?】

11 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/06(月) 23:26:36.66 O
【よろしくですぜ、良いでございますですぜ】

12 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/07(火) 01:02:55.17 O
太陽の下に生まれた俺達は、光が無くては真っ直ぐに歩くことすら出来ない


俺の名はザック・バラン
先祖が誰か知ってるか?

【白人の奴隷だ】

故に両親は夢も希望もなく生きていた
やる気と希望に溢れた白人の少年は、雨の日に俺の親に聞いた

「おまえらなんで生きてんの?」

それから数年が経ち、両親が死んだ。俺は屍に言ってやった

「おまえら、やっとしねたな」



飛び方を教わらなかった雛は取り残された
生きていくには力が必要だった

俺は世界一の、踊り子になる

太陽に誓ったある日
酒場で一人の歌姫と出会う
それが流しのナンシー。今は行方不明の俺の恋人
俺はナンシーを探すために踊りを辞め、さすらいの二刀流剣士になったのだ


ザックは薄汚い黒衣に、恋人への思いを包み隠しながら、館に足を踏み入れる
長く伸びた野獣のような黒髪に静電気が篭れば
足元に停滞する静寂に靴音が染みこむのだった

【書きましたですぜ】

13 :館主 ◇XYh9T.wkcE:2012/02/09(木) 22:09:38.69 0
別館が建ちました。

刻命館別館(避難所)
http://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1328624452/

14 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE :2012/02/09(木) 22:10:28.55 0
>>12
貴方が館へと一歩足を踏み入れる。

赤い絨毯が敷き詰められた、広いエントランスホールだ。
灯りは無く、奥までは見通すことは難しそうだ。
>>6イビルジョーさん、もし居られましたら登場可能です)

また、どうやら先客が居るらしかった。
右手に剣、左手にランタンを持った男が居る。
彼はそちらの存在に気付いたようだ。
「お前もアルデバランの首を求めて来たのか?」
格好からするに、魔物を専門とした賞金稼ぎのようだった。
「俺はダッカード。賞金稼ぎさ。あんたは?」

15 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/09(木) 23:46:40.64 O
>>14
俺は館へと足を踏み入れた。
赤い絨毯が敷き詰められた広いエントランスホールに靴音が沈む。
灯りは無く奥までは見通すことは難しそうだ。
また、どうやら先客が居るらしい。
右手に剣、左手にランタンを持った男が居る。

>「お前もアルデバランの首を求めて来たのか?」
格好からするに、魔物を専門とした賞金稼ぎのようだった。

「ちがう…。俺はナンシーを探しに来た。恋人のナンシーだ」
俺は男の耳元で囁いた。

>「俺はダッカード。賞金稼ぎさ。あんたは?」

「俺の名はザック・バラン。さすらい人とでも名乗っておこう」

ランタンに照らされた剣は静かに闇に浮かんでいる。
俺は扉を探すために壁際に歩んだ。

16 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE :2012/02/11(土) 23:05:50.82 0
>>15
「そうか、ザックか。よろしくな」
「だが急いだ方が良いぜ。
 アルデバランは殺人鬼なんだ。
 ここで行方を絶ったなんざ、悪い予感しかしねえ話だ」
アルデバランの悪行は広く知れ渡っている。
あなたの恋人は、もう犠牲になっている可能性が高い。

「だが、運が良けりゃ生きてるかもな。
 モンスター創造の儀式のために捕虜にしてる可能性だってある」
これが最大限の希望的観測だ。それでさえ、あまり時間があるうわけではなさそうだ。

「ザック、俺は先に行くぜ。
 へへっ、アルデバランの首にかかった賞金でよ、結婚式を挙げるんだ」
ザックは先に駆けていった。
どうやら真っ直ぐ進むと扉があるようで、扉を開け閉めする音が聞こえた。
だが、ダッカードの足取りはあなたに比べ、いささか無防備で、警戒心に欠けていたようだった。
案の定、何か重たくて大きなものが床にぶつかる音と、何かが潰れる音、あとは悲鳴が聞こえた。それ以降は静かだ。

17 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/12(日) 01:41:28.02 0
>「だが急いだ方が良いぜ。
 アルデバランは殺人鬼なんだ。
 ここで行方を絶ったなんざ、悪い予感しかしねえ話だ」

「ああ、俺もだ」
アルデバランの悪行は、俺も知っている。
ナンシーはもう犠牲になっている可能性が高い。

>「だが、運が良けりゃ生きてるかもな。
 モンスター創造の儀式のために捕虜にしてる可能性だってある」

「ありがとうよダッカード」
俺を気遣うダッカードの言葉は希望的観測だ。

>「ザック、俺は先に行くぜ。
 へへっ、アルデバランの首にかかった賞金でよ、結婚式を挙げるんだ」

「ああ・・・がんばれよ」
歩む俺を追い越し、ダッカードが先へ進めば
何かが潰れる音、あとは悲鳴が聞こえた。だがそれ以降は静かだった。

「………ダッカード?」

太陽の下に生まれた俺達は、光が無くては真っ直ぐに歩くことすら出来ない

「結婚式…、挙げるんじゃなかったのかよ」


「ダッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードー!!!!!!!!!」
沈黙を俺の咆哮が破った。エントランスホールにこだまするダッカード。
涙に濡らした頬が乾く間もなく、俺は次の扉を開けていた。


そう、開けていた。

開けていたのだ。。。

18 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/02/13(月) 02:58:08.49 0
名前:アマリア
年齢:19
職業:盗賊
持ち物:スリング、ナイフ、針金、ロープ
性格:猫被り / 剛気
能力:投げ物、身軽、器用
キャラクター紹介:
 エンゼリオのある富豪の娘であったが、商売の失敗によって一家離散。単身放浪の末、盗みで日々の糧を得るようになる。
 館を訪れた目的は、「賞金と名誉を得て元の生活を取り戻すこと」。


【少々出遅れてしまいましたが、参加させていただきたきますわ。
 必ずや、館の惨劇を解決し、人々の不安を取り除いてさしあげましょう。
 ……まあ。私の純粋な善意を、まさかお疑いになって? ふふっ】

19 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE:2012/02/13(月) 22:35:40.03 0
>>17
「ハハハハハハハハ!」
ダッカードの死に激高するあなたは、何者かのあざ笑う声を聞いた。
扉を開けると、道幅の広い廊下だった。
右と左に進む道がある。
左手には、押しつぶされたダッカードの遺骸がある。

>>18アマリアさん
刻命館へようこそ、アマリアさん。

あなたは刻命館へと足を踏み入れた。
どうやら先客が居るらしい。
薄暗いエントランスホールの奥に、武装した男の姿がうっすらと見える。
その男はザックという名前の狂戦士だ。
あなたは彼について見覚えがあるかも知れないし、無いかも知れない。

また、奥からは館主のものと思しき声が聞こえる。
あざ笑うかのような、高らかな笑い声だった。

20 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/02/15(水) 03:21:16.51 0
 慟哭に導かれるように私がその洋館に足を踏み入れると、エントランスホールの空気には、既に新鮮な血の匂いが漂っていた。
 館主のものであろう不気味な笑い声が響く中、ホールには、武装した男の背中がたった1つ。
 彼が、先ほどの慟哭の主だろうか。だとすれば、流れた血の主は最奥の扉の先にでも横たわっていることだろう。

 たった一部屋で、憐れなものだ。私は、そのような拙い真似はしない。
 
「訪れる者を罠にかけ、魔神への生け贄にする――でしたわね、確か。
 噂に違わぬ恐ろしい場所ですわ。お気をつけになって? 剣士様」

 粗末だが動きやすい服の裾と、結い上げた長い金髪を揺らしながら、男の元へとゆっくりと歩み寄る。
 私は敵意が無いことを示すために、両手を広げて微笑んだ。

「お初にお目にかかります、アマリアと申します。
 アルデバランの悪逆非道に義憤を抱いて参上いたしました、流れの軽戦士とでも思っていただければ」

 金と名誉が欲しい盗人です、などという本音は覆い隠して、あくまで人の良さそうな笑みを浮かべてみる。

「この館に挑戦なさるのでしょう? 私もご一緒させていただきますわ。
 身のこなしには多少の自負がございますが、女一人でこのような館に挑むのは恐ろしいですわ」
 そう言って、返答も待たずに男の横に並んで、開いた扉の奥をひょいと覗き込む。

>扉を開けると、道幅の広い廊下だった。
「左手には罠があったようですわね。だからといって、右に何も無いとは限りませんが――」

21 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/17(金) 01:43:30.92 O
>「ハハハハハハハハ!」

「グッ…!きさま、アルデバランだな!?出て来い!虫けらのように殺されたダッカードの怨みを晴らしてやる!」

ダッカードの死に激高していた俺は、何者かのあざ笑う声を聞きながら、顔をぶるぶると震わせ吠えた。
しかし、闇は答えない

道幅の広い廊下は右と左の通路にわかれており
左手には押しつぶされたダッカードの遺骸がある

>「訪れる者を罠にかけ、魔神への生け贄にする――でしたわね、確か。
 噂に違わぬ恐ろしい場所ですわ。お気をつけになって? 剣士様」

「……ナンシー?」
聞こえてきた女の声に、呟くは我が恋人の名
振り返れば粗末な服を纏った金髪の女が両手を広げて微笑んでいた。

>「お初にお目にかかります、アマリアと申します。
 アルデバランの悪逆非道に義憤を抱いて参上いたしました、流れの軽戦士とでも思っていただければ」

「アマリア……」
頭(かぶり)を振り、俺は我に帰る。目の前にはみすぼらしい服装をした女がいる。
だが、その言葉遣いは服装とは似合わぬ上品なもの。

(訳ありか)そう思ったが、男はあれこれ詮索をしない生き物だ


「俺の名前はザック・バラン。さすらいの戦士だ。恋人のナンシーを探し、この屋敷に来た」

>「この館に挑戦なさるのでしょう?(略)恐ろしいですわ」

「恐ろしいのなら去れ。アルデバランの悪行に義憤を抱くのは良いが、これは男の仕事だ。
お前が死んだら悲しむ者がいるだろう」

>「左手には罠があったようですわね。だからといって、右には何もないとは限りませんが――」
「ああ、左手にはダッカードが眠っている。アルデバランの賞金で結婚式をあげたいと願っていた男だ…
出来ることなら、君も冥福を祈ってやってくれまいか」

俺は左の扉を開け、あえて「左」へ進んだ。
正々堂々と左を攻略するために…、ダッカードを弔うために…

「アマリア、君は帰れ!アルデバランは俺が必ず倒してみせる!!」

「さあ来い!俺を罠にかけてみろぉ!!
俺はそう簡単には潰れんぞ!潰れてなるものかーーーーっ!!」
刀を一本右手に構え、天井を注意しながら、ジリジリと部屋の中央に進む。

22 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/17(金) 02:07:05.43 O
【アマリアさん、よろしくですぜ】
【部屋ではなく通路の間違いですぜ。すみませんぜ】

23 :アマリア ◇i2buyYLi1Q:2012/02/20(月) 22:44:45.65 0
「ふふ。女は傷つけない、女は家で戦士が戦場から帰る場所を守っていろ、と? 男らしいお方」

>「アマリア、君は帰れ!アルデバランは俺が必ず倒してみせる!!」

トラップが作動し、ゴーレムが現れる。
今ならばまだ、言われた通りに逃げることも可能であろう、が。

「死を悼む人も、守るべき安息も、哀れな私にはとうにございませんわ。
己が意思一つに従い生きる術、どうかお奪いにならないでくださいませ――!」
そうして私はスリングを取り出し、参戦の意思を表明する。

廊下という狭い空間にあの巨体、いくら鈍重とはいえ、駆け抜けるのは不可能だろう。
そもそも、このような罠の館で「駆け抜ける」などという切り抜け方は避けたいところである。

磁力の圏外にいた私はその場から、ゴーレムの頭部に一撃だけ放って駆け出した。
一瞬だけひるんだであろうその隙に、ゴーレムの眼前――罠の効果圏に躍り出る。
これで私もゴーレムの捕縛対象にカウントされるはずである。
もちろん動きは重くなるが、避けに専念するつもりである私はしばらくはもつであろう、と予想している。

また、攻撃対象がザックに移るならば、攻撃を重ねて注意をこちらに引き戻そうとする。
私の役割は、ただ撹乱し、ザックが攻撃を加える隙をつくることだけである。

「それは安息ではないけれど、戦場であなたがほんの一歩足を退くその間隙くらいは、守ってさしあげますわ。
魅力的ではございません? お互いに――ね!」

24 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/22(水) 00:50:26.19 O
太陽の下に生まれた俺達は、光が無くては真っ直ぐに歩くことすら出来ない

――なあ、俺の夢を知ってるか?
恋人のナンシーと世界一幸せな家庭を築くことよ
世界でたった一人の女だ
望んで当たり前だろ?

だがよ、かなしいことに今は無理なんだわ

この館で消えちまった

だからよ、今の俺にあるのは奴隷の先祖から受け継いだ劣等感とアルデバランにたいする怒りだけよ

なあアルデバラン、俺の女は返してもらうぜ。
それとダッカード。お前の敵はゼッテェ討ってやる

俺が警戒しながら廊下を進めば、眼前に巨大なゴーレムが現れやがった。
へっ、狭い廊下がさらに狭苦しくなっちまう。

>「死を悼む人も、守るべき安息も、哀れな私にはとうにございませんわ。
>己が意思一つに従い生きる術、どうかお奪いにならないでくださいませ――!」

「あ!?」

磁力の圏外からアマリアが割って入り、罠の効果圏に踊り出た。
こいつ何者なんだよ?思ったよりしたたかで必死な女だ。

>「それは安息ではないけれど、戦場であなたがほんの一歩足を退くその間隙くらいは、守ってさしあげますわ。
>魅力的ではございません? お互いに――ね!」

「一歩引く…?守ってさしあげる?ふざけるな…。俺が女一人守れねぇと思ってんのかぁ!?こらぁ!」
逆上した俺は、咄嗟にゴーレムの背中に回り込み、刀で膝の間接部分を突きまくるつもりだ。
で気がついたんだがよ。
アマリアのやつは敵の囮になってくれてんだわ。
こりゃ口車に乗せられちまった。
こりゃ、互いに魅力的過ぎだわ…まったくよ

25 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/22(水) 01:06:24.01 O
【口車じゃねぇですぜ】

26 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE:2012/02/24(金) 00:40:19.70 0
>>23
あなたの陽動は功を奏したようだ。
ゴーレムは身体をゆっくりとあなたの方へ向け、腕を伸ばした。
幸運なことに、あなたの動きを阻害する魔導磁石の壁も、その効力を失いつつあるようだった。
鈍重なゴーレムの腕など、簡単に避けられる。
だが、相手はゴーレムで、生身の人間であるあなたと異なり、いつまでも引きつけ続ければ、そのうち捕まってしまうだろう。

>>24
そのとき、魔導磁石の壁のエネルギーが底をつき、あなたの動きが軽くなった。
今なら、全力による反撃を行うことができる。
狂戦士たるあなたの破壊力をもってすれば、このゴーレムを倒すこともできそうだ。

27 :アマリア ◇i2buyYLi1Q:2012/02/24(金) 22:44:32.72 0
>>24>>26
 思った通り、磁力に囚われてはいても、この相手なら危なげなく攻撃を避けることができる。
 ひらりと半身をひらいた私の眼前を素通りしていく、侵入者をつかもうとしたのであろうゴーレムの重い腕を見やって、私は有利を確信した。

 さあ、あとは体力が切れる前に、戦士に決着をつけてもらうだけ。

>「一歩引く…?守ってさしあげる?ふざけるな…。俺が女一人守れねぇと思ってんのかぁ!?こらぁ!」

 ――くすっ。小さな笑みが漏れて。

「なら、頼らせていただきますわ。――やってしまって、ザック様!」

 磁力の効果が弱まると、私はぎりぎりまで相手を引きつけ――大きく飛び退いて。
 隙をつくると同時に、攻撃の邪魔にならないように距離をとった。
 
 また、磁力の弱まりによって生まれた余裕は、少し周囲の警戒に割いておく。
 罠や敵が、これだけなら良いのだけれど。

28 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/02/27(月) 00:23:57.61 O
>>26>>27
俺は涎を垂らしていた。

>「なら、頼らせていただきますわ。――やってしまって、ザック様!」

「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーィ!!!!!!」
ゴーレムが歩く時、右足から左足へと体重が移る刹那。
俺は地に着く前の足を薙ぐり続けた。まるで狂った太鼓叩きのように。
そして魔導磁石の効果が弱まった俺は風の踊り子になっていたのさ。

「ひへへへへへへへぇ」
たまらねえな。こんなところで…踊れるなんてよ。
((ズズーンン!))
絶叫のような轟音を響かせてゴーレムが地に伏すのを見る。

「ダンスはおわったぜ。アマリア」
――にかっ。自然と頬が緩み、俺は油断していた。
そう、油断していたのだ。
死に神の笑い声が聞こえたような気がしたのだぜ……

29 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE:2012/02/28(火) 21:20:53.58 0
>>27
ゴーレムは無事に倒れたようだ。
そのとき、あなたの盗賊としての危険関知能力が、何者かの視線がこちらへ向けられていることを知らせた。
どうやら、あなたたちの戦いは見られていたらしい。
罠の存在については、ゴーレムが来た方角には、槍が仕込まれた壁がいくつかあるらしい。
それ以外の罠については、残念ながら、もっと進んでみないことにはわからない。

>>28
ゴーレムは倒したが、まだ奥からモンスターの声が聞こえる。
また、同じ方角から、助けを呼ぶ女性の悲鳴も聞こえた。
モンスターの声は、多くの者に恐怖をもたらした、モンスターの中のモンスター、ドラゴンのものに違いない。
ドラゴンにうら若き乙女が襲われている、といったところなのだろう。
死神の笑い声が聞こえたような気がするのは、どうやら錯覚ではないようだ。
何故ならドラゴンに挑めば、死神に魅入られながらの戦いになるだろうから。
声は、ダッカードが進もうとしていた方向と同じ方向から聞こえる。

30 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/01(木) 03:05:51.49 0
【ゴーレムが来た方向(槍のトラップがある方向)=悲鳴が聞こえた方向(私の進みたい方向)、と理解して構いませんでしたか?
 もし違っていましたら、*〜*は除いて考えてくださいませ】

>>28
 突然に起こった嵐のような剣舞を前に、一観客となった私は軽く目を見張った。

>「ダンスはおわったぜ。アマリア」
「……ええ、終わったようですわね。凡人には真似できそうもない、迫力ある舞いでございましたわ」
 崩れ落ちた敵の姿を背後にニカリと笑みを向けられ、私はようやっと認識を改めたのだ。
 彼は、剣士でも戦士でもない、狂戦士であると。

>>29
 と、私は気がついた。どうやら、ザック以外の何者かがこちらに視線を向けているようだ。これは、最初に聞いた哄笑の主なのか。  

「――ねえ、そちらの観客さんもそう思いますでしょう?」
 その言葉を誰も居ない方角に投げかけることで、隠れた不審者の存在をザックに知らせつつ、不審者への牽制とする。



>ゴーレムは倒したが、まだ奥からモンスターの声が聞こえる。
>また、同じ方角から、助けを呼ぶ女性の悲鳴も聞こえた。
 
 一応、ゴーレムが出現しなかった方の廊下に向かうという選択肢も考えられなくはないけれど―― 

「――悲鳴と咆吼。こうして戦える者が2名もそろって、向かう以外の選択肢はございませんわね。
 どうせ楽な道など無いのでしょうから、生存者から情報を――、ではなくて、人の命を大切する道を選ばなければなりませんわ」


 言いながら、私は地に伏したゴーレムから大きめの破片を拾い上げ、槍が仕込まれていると思われる壁の前に放り投げた。
 仕掛けを一度起動させ、くぐるなり登るなりして通りぬけてしまえるように試みる。


「急ぎましょう。……一つ倒したからといって、油断は禁物ですわ。
 この館は、どこにいても見られていて、狙われていると思ってよさそうですから」
 
 そうして、罠を警戒しつつ悲鳴の元へ向かう。

31 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/02(金) 00:27:32.70 O
>>29-30
よう、俺の名前はザック・バラン。
失踪した恋人を探しに刻命館に来た躍り子崩れの狂戦士さ

今俺たちはエントランスホールを抜け廊下にいる。
魔導磁石とゴーレムの罠には正直ビビったがアマリアとの初めての共同作業で難無く罠は突破出来たのだぜ?

>「……ええ、終わったようですわね。凡人には真似できそうもない、迫力ある舞いでございましたわ」

「くひひ…、戦う姿が舞いに見えちまったのかい?戦いは俺の感情表現なのだぜ。
恋人のナンシーを救い出したら俺は再び踊り子に戻る…。その時はあんたをいの一番に劇場に正体させてくれよ?」

倒れたゴーレムの頭を斬断し俺が笑っていると、アマリアは何者かの視線を感じていた

>「――ねえ、そちらの観客さんもそう思いますでしょう?」

「……ちっ(アルデバランのやろうか?)」
小さく舌打ちした俺は、そっと気配がした場所まで這っていくと剣で壁をカンカン叩いて脅かしてやった

すると聞こえてきやがったのさ!
女の悲鳴とドラゴンの声がよ〜!

どくん…どくん…

「まさか…ナンシー!?」

>「――悲鳴(略)せんわ」

「君は義のために荊の道を歩むつもりか?どうやらアルデバランに対して抱く義憤は本物のようだな!?
ならば共にいこう!命を大切にする道をよぉ!」
はやる心に火がついた俺はいてもたってもいられないのだぜ

>「急ぎましょう(略)ですから」

「ナンシーーーー!!」
油断はしていなかったが俺は駆け足で、ドラゴンの声のする場所に進んだ。

32 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE :2012/03/05(月) 02:05:47.84 0
>>30>>31
あなたたちが悲鳴の方へと向かうと、その先に待ち受けていたのは罠、罠、罠!
落とし穴があり、アロースリットがあり、壁から床から人を串刺しにせんと槍が飛び出し、果ては魔神の足で踏みつぶすような不思議なトラップまであった。
あなたたちはこれを無傷に切り抜けたかも知れないし、多少の手傷を負ったかも知れないし、あるいは途中で力つきたかも知れない。

無事にたどり着けたのであれば、ひどくがっかりするような光景が目にすることになる。

エントランスホールほどではないが、広々とした部屋だ。
悲鳴をあげていたのは、本物の女性ではなくて、決められた音声を発する魔力の込められた仮面だった。
助けを呼ぶ悲鳴や館主のあざ笑う声などで侵入者の心理を操作して罠へと誘導する、そういう用途の魔法のアイテムだ。

だが、肉の焼け焦げたような臭いと血の臭いが漂い、幾つか焼き尽くされずに残っていた遺品があちこちに転がっていた。
どうやらドラゴンの方は、本物だったらしい。

何人かの先客がここにいて、ある者は焼かれ、ある者は食われたようだ。

さてドラゴンを見てみると、それは一筋縄ではいかない相手だということがわかる。
というのも、それは単なるドラゴンではなく、地獄の炎を吐く上位のドラゴン、アークドラゴンだ。
特にこいつは、ディアボロスという名前でも呼ばれている、伝説の邪竜だ。

また、助けるべき女性は居なかったものの、もっと大きな標的の姿を目にした。
特徴的な鉄仮面を被ったその男は、禍々しいオーラを身にまとっている。
ヤツこそがアルデバランに違いない!
「おや、今日はお客様が多いですねえ。
 竜王ディアボロスよ、丁重にお客様をもてなしてあげなさい。
 ヒィッヒッヒッヒッヒ!」
アルデバランの哄笑が高らかに響く。
彼はアークドラゴンとの戦いで弱ったあなたたちを捕らえる気のようだ。

33 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/06(火) 07:34:42.12 0
>>31>>32
「はぁ、はぁ…………到着、いたしました……ね」
 私は、上がってしまった息を強引に整えながら、広々としたその部屋を見回した。
 
 罠の山については、持てる技術を駆使してあるものは避け、また解除した。
 かすり傷程度の外傷は受けたが、無傷でたどりつくことができたといえるだろう――“そのように見えている”と、信じたい。
 というのも、トラップの連続の中でほんの一度強く打ちつけてしまった右足が、今になって少しずつ大きな痛みを主張してきていた。
 痛みを挙動に漏らさない自信は、個人的にはあるけれど。さて、どう見えているのだろう。

 部屋には女性の姿などなく、ただドラゴンと禍々しい鉄仮面の男が待ち構えていた。これまでにない威圧感に押され、汗がにじむ。
 生存者から多少なりとも情報を得ることを狙っていた私は、策略にはまってしまったようである。
 しかし私は、何も感じていないかのように、ことさら挑発的な微笑みを浮かべて見せた。

「――あら。今日の私たちは幸運の女神に愛を受けているようですわね、ザック様。
 だって、情報源を見つけ損ねはしましたが、罠や下僕に荒事を任せて引きこもる臆病なお魚さんが、都合良く食いついて目の前に――、ではなくて、傷ついて悲鳴を上げているお嬢さんはいらっしゃらなかったのですものね」

>「おや、今日はお客様が多いですねえ」

「約束も無しに訪れた失礼な客人にも、丁重におもてなしいただいたことを感謝いたしますわ、館主アルデバラン。
 失礼ついでに、もう一つ――」

>「竜王ディアボロスよ、丁重にお客様をもてなしてあげなさい」。

「――そのお命、私たちがもらいうけましょう!」



 そんな啖呵を切ってから、私はそっとザックに耳打ちした。

「……などと勢いで申し上げてしまいましたが、残念ながら私はあのような規格外のドラゴンに対する特別に有効な手立てなどは存じませんの。
 とりあえず、炎を吐くというならば、散りましょう。
 また今回は、ゴーレムとの戦いの時のように囮になるやり方は取りません。……少々、事情がございまして」
 右足の事情は、行動にそう深刻な支障をきたしてはいない。継続的に囮になったり、長期戦になるには厳しいが。

「アルデバランにも注意を払いたいところですが――使役が主ということならば、私たちが弱り切るまでは大きく動きはしない、と信じたいところですね。何か隠し球をもっていないとも限りませんが。
 ――それでは、私は少々調べて参ります」
 
 私はまず、攻撃を避けて広間を駆け回りながら、辺りの様子を確認しようと思う。
 広間には罠がしかけられていないのか。地面に残されている遺品の中に利用できそうなアイテムはないのか。
 
 また、駆ける途中ではディアボロスの全身の様々な場所にスリングで投石を行い、相手の反応をうかがう。
 鱗の堅さは私たちがどの程度ダメージを与えられるものなのか。また、鱗が薄かったり、先に侵入した者たちが傷をつけている場所はないのか。

34 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/07(水) 22:26:07.73 0
原理はわからねえが俺たちには次々と罠が襲いかかって来た。
糸が張られているのか、体重でスイッチが作動するのか、
それともお化け屋敷のように何者かが視認し発動させているのか。
もしかしたら生命力に反応しているのかも知れない。
アマリアは持てる技術を駆使してすべての罠を華麗に避けているようだったが
俺はそんなことは気にしねえ。本能だけですべての罠を避けるのだ!
神経が狂うほど研ぎ澄まされている俺は超反応を見せるのだぜ。

>「はぁ、はぁ…………到着、いたしました……ね」

「ぜはーぜはー………そうだ……な」
肩と胸を上下させながら俺は息を整えていた。体力はまだ残っている。
そして広い部屋を見渡しそこにナンシーの姿がないことに気がついてたいへん失望したのだが
足元に光る短刀にさらに失望してしまっていたのだぜ。

……これは、俺がナンシーにプレゼントしたものじゃねえのか

>「――あら。今日の私たちは幸運の女神に愛を受けているようですわね、ザック様。
 だって、情報源を見つけ損ねはしましたが、罠や下僕に荒事を任せて引きこもる臆病なお魚さんが、都合良く食いついて目の前に――、ではなくて、傷ついて悲鳴を上げているお嬢さんはいらっしゃらなかったのですものね」
>「おや、今日はお客様が多いですねえ」
>「約束も無しに訪れた失礼な客人にも、丁重におもてなしいただいたことを感謝いたしますわ、館主アルデバラン。
 失礼ついでに、もう一つ――」
>「竜王ディアボロスよ、丁重にお客様をもてなしてあげなさい」。
>「――そのお命、私たちがもらいうけましょう!」

「……お、おぅ」
言葉が出ない。やはり、恋人のナンシーの生存は希望的観測だったのか。
短刀の形が綺麗に残っていることと、同じ代物かも知れないというのが俺に残された最後の希望。

35 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/07(水) 22:28:10.75 0
>「……などと勢いで申し上げてしまいましたが、残念ながら私はあのような規格外のドラゴンに対する特別に有効な手立てなどは存じませんの。
 とりあえず、炎を吐くというならば、散りましょう。
 また今回は、ゴーレムとの戦いの時のように囮になるやり方は取りません。……少々、事情がございまして」

「…ああ、わかった…ぜ」
俺はアマリアの負傷を察して短く返し、拳を震せ奥歯を噛む。
アマリアの覚悟を感じたからだ。

>「アルデバランにも注意を払いたいところですが――使役が主ということならば、私たちが弱り切るまでは大きく動きはしない、と信じたいところですね。何か隠し球をもっていないとも限りませんが。
 ――それでは、私は少々調べて参ります」

「すまねえ…たのんだぜ」
たとえ死ぬとわかっていても、今の俺に「引き」はない。
怒りに燃えた俺の瞳は、アルデバランのクソ野郎を視認しているからだ。
それに目の前で生きてる女をむざむざ殺されてたまるかってんだ!

「よおアルデバラン!ドラゴンをぶっ殺したら次はテメーだ。
全身洗ってまっていやがれ。粉微塵に斬り刻んでやるからよぉ!」
俺は二刀に構えると床にステップを刻みドラゴンを挑発。
アマリアの投石に気を取られている隙を見計らい間合いを潰す。
ドラゴンには腹の下に潜った影が一瞬見えたことだろう。
そして一か八か、肛門を狙い剣を突きささんとする!
へへ、まさかこれでドラゴンが死ぬとは思えねえがよ、
アマリアが勝機を見つけ出すための時間稼ぎにはなるだろうぜぇ!

36 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE:2012/03/13(火) 06:34:24.21 0
>>33
スリングによる攻撃は、若干ながら効き目があるらしい。
生身のために痛覚があるという点で、ゴーレムとは違い、スリングでもひるませる程度のことはできる。
だがタフなことに変わりはなく、致命傷を与えようと思うと苦労しそうだ。
鱗の隙間を縫ってナイフを突き入れる、眼等のむき出しの臓器を狙うなどすれば、かなりの痛手を負わせられる。
もちろん、それは卓越した技術と勇気が必要だ。
また、アルデバランは、いつでも捕獲用トラップを効果的に起動できるよう、すぐ近くで待機している。

>>34-35
腹部の下へと潜り込むのに合わせて、ドラゴンは少し跳ねた。
それによって肛門へと向けられた攻撃は尻尾へと命中した。
致命傷には至らない。
ドラゴンは意外なほど器用で、天井に頭をぶつけないように超低空飛行ができるらしい。
そして空中に留まりながら、踏みつけ、引っかき、尻尾によるラッシュをかけてきた。
言うまでもなく、これを真正面から受け止めるのは非常に危険だ。
ドラゴンは狡猾で、先ほど肛門を狙った攻撃を行ったのを見逃さなかったらしい。
鱗で覆われていない口内を曝さないよう、炎のブレスや牙による攻撃は控えている。
一応、武器が届く程度の高さを飛んでいるので、攻撃と攻撃の間の隙を見極めれば、反撃は可能だ。

37 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/13(火) 06:36:49.76 0
>>34-36
 ザックが尻尾に与えた僅かな損傷と、こちらの投石の成果を確認する。
 ……さすが、相手は伝説とまで言われた存在である。
 決定打を与えるには、鱗を避ける工夫と相応の覚悟が必要であるようだ。

 工夫――方法は無くはないし、幸い相棒にも恵まれた。
 覚悟――今更だ。私は、この戦いを切り抜けて全てを取り戻す。

 私は、ナイフの鞘を払って逆手に構えた。
 鞘はその場に捨て、スリングは懐に一度しまっておく。

「自ら口を開く気がないと言うのなら、無理にでも――」

 竜がザックへ攻撃を加えようとする、その隙を狙う。
 爪か足かを振り下ろそうととドラゴンの高度が下がった瞬間、私は左足で踏み切って大きく飛んだ。
 狙いは、ドラゴンの横腹に飛びつくこと。
 成功したなら、ドラゴンに振り払われてしまう前に、翼の付け根辺りへ手を伸ばす。
 地を這う人間と異なり、空中に留まることができるというのは厄介だと感じたためだ。

「――叫ばせて差し上げましょう、邪竜!」

 そうして私は攻撃意図をザックに伝えると共に、翼の付け根辺り、鱗と鱗の隙間に刃をねじ込もうとする。


38 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/13(火) 19:27:43.78 O
>>36-37
「ぐがあーっ!」
俺の攻撃では竜に致命を与えることは出来なかった。逆に反撃を受けちまっている。
後ろ脚の鋭い爪が俺を襲う。きっとあの爪は、たやすく人肉を引き裂くことだろう。
俺は疲労した体を必死に動かし爪撃を裂け続ける。
怒りによって恐怖は薄れていたがここでダメージを受けるわけにはいかない。
何故なら後にはアルデバランが控えていやがるからだ。
やつのプレッシャーがビリビリと俺の敏感な神経を刺激してきやがる。

その時だ。パン!強力な尾撃が左手を掠りやがった。

「……つっ!?」
やべぇ、手に力が入らねえ。ぬかったぜ。左腕が折れちまった。

そのかんもアマリアは果敢に竜に跳び移り、ある作戦を俺に伝えてくれる
まったく勇敢な女だ。女にしとくには勿体ねえくらいだ。
俺は疾駆し、黒焦げの騎士の遺骸が持つ長槍を手にとると、竜の落下地点を予想
奴が大口を開けて落ちた所目掛け、槍を喉の奥へぶちこんでやるつもりだ
「さあ、きやがれぇ!」
呼吸を調え、ステップを踏みながら俺はタイミングをとり続ける。竜が開口した瞬間、この槍は投擲されるだろうぜ

39 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE :2012/03/14(水) 23:28:38.40 0
>>37
ドラゴンは身体が大きく、その恵まれた体格は強大なパワーを生み出すため、ほとんどの場合は長所となる。
しかし、動きそのものは遅い。
特に、相手の攻撃を避けるということは苦手だ。
何故なら、回避動作が必要になることが少ないから。
あなたの一撃は、狙い通り、竜の翼の付け根に突き刺さった。
苦痛を与え、肉をえぐり、そして空中から引きずり降ろすことに成功した。

竜が吼えた。耳を覆いたくなるほど、凄まじい轟音だ。
優位を保ちつつなぶり殺しにしようとする狡猾さは失われ、代わりにひたむきな凶暴性と憤怒を感じ取ることができた。
怒りに燃える竜王ディアボロスは、自身の最大の武器である、地獄の業火を口から吐いた。
辺りは炎に包まれたことで、あなたたちは更なる危険にさらされる。
同時に、炎の熱気と煙によって視界を遮られ、アルデバランの姿も隠れてしまう。
もっとも、それはアルデバランにも同じことだが。

>>38
ディアボロスの口から吹き出した地獄の業火の威力は凄まじい。
あなたが投げつけた槍は、口へと突き刺さる前に、その機能を失ってしまう。
だが、炎のブレスを吐くために、口を大きく開けていることには変わりはない。
ディアボロスは生身であり、呼吸をする生物だ。
ずっと息を吐き続けることはできない。
ましてや、これほどの威力の炎の吐息であれば、尚更のことだ。
この炎にさえ耐えきれば、あなたたちは真に活路を見い出すことができる。

40 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/16(金) 03:40:31.79 0
>>38-39
 ナイフを鱗の隙間にねじり込む。熱い血潮が散って私の上半身を汚した。
 苦痛に悶えるドラゴンに跳ね飛ばされないよう、私は必死で体勢を保とうと試みる。

>竜が吼えた。耳を覆いたくなるほど、凄まじい轟音だ。

「……っ!」
 聴覚が駄目になりそうな、憤怒の咆吼。予測できるのは、次撃は最大攻撃であるということ――そうか、炎だ。あの音に聞く、地獄の業火。
 どう避ける? 私の位置から最も近い遮蔽は? この広間にそんなものは――いや、一つだけあった。

 ドラゴンの傷口からナイフを引き抜き、ほんの数瞬、右腕を押しつける。べちゃりと音をたてて、右腕の袖が血潮に浸る。
 その濡れた右腕で頭を庇うようにしながら、私はさらにドラゴンの巨躯を上へ上へとよじ登った。
 攻撃を加えた時点では片翼の付け根に下から手を伸ばせる程度の位置にいたが、そこから、ドラゴンの背まで移動を試みる。
 跳ね飛ばされるだろうか? ナイフで刺しても跳ね飛ばされずに済むような鈍重さなら、炎を吐くことに集中している間くらいは、このドラゴンという巨大な遮蔽を手放さないでいられることを祈る。
 
 炎の吐息は、広間を熱と煙で包み込んだ。
 ザックは無事か? アルデバランは?
 先ほどから激しく動き回っている私は、ふとそんな思考に気をとられた瞬間に呼吸をしてしまった。
 途端、煙の毒と熱気に胸をやられ、喉が詰まるような感覚に襲われる。
 ぐるぐると回転するような錯覚の中、私は堅く目をつぶり、燃える地面に叩き付けられないことだけを願って必死に手に力を込めた。

41 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/16(金) 06:12:39.23 O
時を同じくして、酒場で酔い潰れている女がいた。
名前はナンシー。ザックの恋人だった女だ

「はぁいこれぇ。酒代」
カウンターの上に置かれたイヤリングはザックが護身用のナイフとともにプレゼントしたもの。

「いいのかいこれ?男に貢がれたものじゃねぇのかい」

「いいのよ。その男は今頃、刻鳴館でおっ死んでらぁ。
あ、そう言えばこの前、会った戦士にあいつのナイフをプレゼントしたっけな。
あれも刻鳴館に行くって言ってなかったっけ…ばかなやつらぁ…ふひひ」
肘が当たり、落ちたカクテルが石畳で割れる
店主は苦笑いしている

「仕方なかったんだってば。ストーカーみたいに付きまとってきてウザったかったのよ。
だから死亡説を流してもらったわけ。刻鳴館で私が死んだってねぇ



……俺の投げた槍は、竜の喉に突き刺さることはなかった
そのかわりに目の前が真っ赤に染まる
地獄の火炎だ
槍があれば棒高跳びみてぇに跳躍して避けれるかも知れねぇが投げちまったし骨折した左手も使えねぇ
まあ何のために間合いを開けて槍投げしたかっつったらこの炎攻撃を見越してのことなんだけどな
でも予想は遥かにそれを上回っちまっていた。奴の火炎は部屋中を火の海にしやがった
すべては希望的観測だったわけだ。すまねえなダッカード、仇はうてなかったぜ

だがよ……なんでだ?なんでこんな目に俺があわなきゃなんねぇんだよ?
女一人愛しちゃいけねぇってことなのか?
だったらこの五月蝿い心臓や爆発しそうなこの思いは一体何のためにあるっつうんだ!?
ただ死ねば満足なのかよ!?答えやがれアルデバラン!
ああああああああ!!

に、逃げろ…逃げろアマリアー!!

42 :名無しになりきれ:2012/03/19(月) 17:25:21.90 0
妄想症状でてるねー

43 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE:2012/03/19(月) 23:16:43.29 0
>>41
竜の吐息が途切れ、辺りを包む業火の勢いが弱まった。
反撃のチャンスだ。
だが、あなたは満身創痍で、もはや戦う力など残っていないかも知れない。
あるいは、痛烈な反撃を見舞うだけの力がまだ残されているかも知れない。

「上出来です、ディアボロスよ!」
炎が消えると、慟哭に応じるかのように、アルデバランが姿を現した。
「悲哀、絶望、憤怒、憎悪。
あらゆる負の感情を抱く魂は、魔神にとって最高の生け贄となる。
それを捧げれば、私の闇の力は更に強くなるのです。
さあ、その魂を私に捧げるのだ!」

アルデバランの手が光ると、捕獲用のトラップが作動した。
あなたの頭上から鉄格子が迫る。

>>40
あなたの狙い通り、ディアボロスの動きによって振り落とされることはなさそうだ
だが、前脚は長く、爪を用いてあなたを取り除こうとする。
だが、その動きはあなたを引き裂こうとするものではなく、掴んで捕獲しようという意図が見られた。
その理由はすぐに判明した。

ザックを捕獲するべく、アルデバランが姿を表した。
彼はディアボロスとの戦いで弱ったあなたたちを捕獲したいのだろう。
ここで彼を倒すことができれば、使役されているディアボロスは活動を停止する可能性もある。
見たところ、アルデバランの手には特に魔力も秘められていないロングソードが握られているのみである。
また、左腕には特徴的な腕輪がはめられている。
これこそ、刻命館の主だけが持つ、闇の力の継承権の象徴、魔神との契約の証だ。
何らかの方法でこれを奪えば、闇の力を手に入れることができる。
ディアボロスのような強大な魔物も、あなたのしもべとできるだろう。


44 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/20(火) 07:39:25.41 0
>>41-43
 きっと、一瞬気を失っていたのだろう。
 いつの間にか、胸の痛みと苦しさは和らいでいて。
 いつの間にか、尖った爪先が鼻先にあった。

 空転する思考の中で、闇雲に足下を蹴った。
 転がり落ちるようにドラゴンの背から離れ、焼けた石畳に背中から叩き付けられる寸前で不格好ながら受け身をとり、咳き込みながら間合いをとる。
 どうやら、殺戮よりも捕獲に重点を移したらしい。

 ザックに目を移せば、先ほどの炎によって酷く負傷しているように見えた。
 いまいち焦点を合わせきれず、はっきりとした様子はわからない。ただ、女性の危険を好まないということはわかっていたから、私は先手を打っておく。
 咳を押し込め、口元に笑みを載せ――『逃げない』と。

 味方側の負傷が大きい以上、私は動きを変えなければならない。本当は、もっと早くこうしておくべきだったのだ。
 私はドラゴンを対象と定め、懐に左手を入れて石を掴みながら一度間合いをとる――ように見せかけて、ほとんど視線を向けていないアルデバランに対し、不意をついて足下の物体を蹴飛ばした。
 足下の物体とは、ナイフを抜いた際(>>37)に地面に放りだした鞘である。金属製であり、先ほどの炎で焼かれてそれは酷く熱を持っている。牽制・妨害程度にはなるはずだ。

 鞘の後を追うようにして、アルデバランに肉薄する。
 捕獲用トラップやドラゴンの炎などの広い攻撃がこちらに向けたくないため、できる限り距離を離さないよう、回り込み、迫り続ける。
 私は、アルデバランの急所を狙って何度も右手のナイフを突き入れた。また隙を見て、空いた左手による組み付きや足払いなどの体術も織り交ぜる。

45 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/21(水) 21:55:24.80 O
左腕を骨折し大火傷をおった俺は、床に突っ伏したままアルデバランの言葉を聞いていた。

>「悲哀、絶望、憤怒、憎悪。
>あらゆる負の感情を抱く魂は、魔神にとって最高の生け贄となる。
>それを捧げれば、私の闇の力は更に強くなるのです。
>さあ、その魂を私に捧げるのだ!」

「……っざけん…な。てめぇに利用されるくらいなら、……この命」
俺は恋人にプレゼントしたナイフを己の首筋に当て自ら命を絶とうとする。
だがしかし――アマリアの笑顔を見た。
ふっ…まだだよな。まだ終わっちゃいけねえんだよ。
アマリアは自分が死んでも悲しむ奴はこの世にいねえって言った。
――そんな悲しい女を…ほっとけるかってんだぜ!
ガシャァァン!落ちて来た鉄格子に捕獲される俺。
捕まったてことはもう殺されねぇってことだ。
アマリアはアルデバランとの間合いを詰めながら戦っている。
そこで俺はアルデンバランにナイフを投擲すべく身構える。だが構えたまま。
このナイフを投げるのはアルデバランに罠を使うための間合いが生まれた時。
だがそれはねえ。アマリアがきっとこの戦いを終わらせてくれる。
そう信じ、俺はひたすら待つのみだぜ

「ぐははは!アマリアの勝利を俺は信じてただ待つのみだぜ!」
俺はワイルドに高笑うのだぜぇ

46 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE:2012/03/24(土) 23:06:40.14 0
>>44
アルデバランの体術は、恐ろしい闇の力に比して、ひどく凡庸だった。
熱せられた鞘は見事に命中し、怯ませることに成功した。
「くっ、小娘!」
アルデバランとの間合いを詰めるという行動は、実に効果的だった。
ドラゴンには繊細さが欠けている。
炎や尻尾によって薙払ったりすれば、アルデバランの命も危ない。
「おのれ、忌々しい!だが私にはまだ……!」
追い詰められたアルデバランは、いよいよ冷静さを欠いたらしく、更に館の奥へと続く扉へと逃げようと背を向けた。
おそらく、館の中枢部へと逃げ込み、闇の力を回復させることが目的なのだろう。
しかし、好機でもった。
本業の盗賊であるあなたは、アルデバランが扉をくぐるまでに、会心の一撃を加えることが期待できる。
また、ディアボロスは扉をくぐることができないので、単に追いかけるだけでも、この恐ろしい竜王から逃れられるということだけでも大きな意味がある。

>>45
鉄格子は単なる鉄格子ではなかった。
電撃によって犠牲者を弱らせて捕獲する、恐ろしい捕獲トラップだ。
殺傷力はそれほど高くはないが、消耗は激しい。
だが、アルデバランは寸でのところで、間合いを取るどころか、背を向けて逃げ出した。
アルデバランはディアボロスの制御や、多くの罠の生成に魔力をつぎ込んだ結果、彼の魔力は枯渇している。
それゆえの行動だが、千載一遇の好機に相違ない。


47 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/25(日) 01:46:17.58 0
>>45-46
「――」
 私がほんの少し迫っただけで、館主は面白いように動揺してくれた。
 ああ、配下に頼っていばかりいるから、彼はとんでもなく『初心』なのだ。私は歓喜した。無防備に晒された、きっと傷跡一つないであろう背中に、最初の証を刻み込むことを思って。
 扉に向かい、背が遠ざかる。だが、知性を欠いて逃げる相手を打ちのめし、刻み込み、人生を奪い取ることなど、私の日常だ――忌々しい日常――今日で終わらせてみせる、日常。

>「おのれ、忌々しい!だが私にはまだ……!」

 唇を曲げ、音もなく踏み切り、羽根のように館主の背後を奪い取る。そして扉から出るより先に、握ったナイフを、背から心臓を狙って突き立てた。

「『まだ』……なにか、おっしゃいました?」

 命中したならば、私は手にぎりぎりと力をこめ、えぐるように刃を進める。そして、耳元で小さく小さく、囁く。

 ――そんなに闇の力がお好きなら、地獄へ落として差し上げる。私、世俗の力にしか興味がございませんの――

 もしこのダメージでアルデバランの動きを封じることができたなら、私は彼を蹴って扉から遠ざけるように地面に転がし、四肢を押さえて腕輪を奪い取ろうとしながら、ドラゴンとザックの様子を確かめる。
 奥へ逃げる元気が残っているというのなら、追いかけ、組み付いて引き戻そうとする。

48 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/25(日) 20:36:16.12 O
>>46-47
「どぅぎゃあぁー!」
牢屋から電流が流れてきて俺は感電した。
全身の筋肉が痙攣して股間からは尿が出やがるのだぜ。
やばいぜ。ピンチだぜ。
だがよ、俺は見逃さなかったのだぜ。逃げるアルデバランの背中をよぉ!

「ぐぎー!」
ほとばしれ!俺の脳から電気信号!
強くもっと強く!
腕を…体を…魂を…動かしてくれるのだぜー!

「うがーッ!!」
渾身のナイフ投げたぜ。ナイフはアマリアが追い付くよりも先に
アルデバランの背中に到達することだろうぜ。

「ぎひひ…」
俺は倒れて、アマリアの姿を見て微笑むのだぜ。

49 :アルデバラン ◇XYh9T.wkcE :2012/03/27(火) 20:25:33.46 0
>>47
あなたの刃はアルデバランの心臓を確実に捉えた。
同時に、喉の辺りもナイフで刺し貫かれる。
ザックが檻の中から投げつけたナイフだ。
アルデバランはうつ伏せに倒れ、数秒ほど痙攣した後、動かなくなった。
彼が絶命すると、ドラゴンもまた姿を消した。
それまでのゴーレムやドラゴンとの戦いと比して、あっけない最期と言えた。

「ウフフフフフ……」
アルデバランを殺した直後、あなたは女性の笑い声を聞いた。
誘うような、ある種の魔力が感じられる声だ。

>>48
意識があるのであれば、鉄格子と電撃が失われたことに気づくことができる。
闇の力の使い手が死滅したことによるのだろう。
もちろん、アルデバランの最期をその目で確認することができる。

さて、闇の館の主は倒れたが、まだ館の闇を全て解き明かしたわけではない。

アルデバランはいくつかの重要な魔法の道具を残している。
刻命館の主であることを示す、魔神との契約の証たる腕輪。
魔物を制御する闇の道具、傀儡の面。
これらは高名な魔術師、たとえばゼメキアの大魔導師ザムールなどに売れば、一生遊んで暮らせるだけの値段で買い取ってくれるだろう。
そうすることによって世に放たれる災厄の度合いはともかくとして。

あたたたちは引き続き館の探検を続けても良い。
あるいは、このままアルデバランの首と遺物を換金するのも良いだろう。
契約の証の腕輪を継承し、刻命館の新たな主となることも選択肢の一つだ。

50 :ザック ◆pZqFAv403. :2012/03/27(火) 20:53:53.13 0
俺はアマリアの義憤ってものにほとほと感心しちまっていた。
あの女は義を貫き通しアルデバランを倒し安息の日を手に入れたのだ。
だがよ…俺にはあるのか?安息の日がよ?

「腕輪も仮面も何にもいらねぇんだぜ…」
恋人のナンシーがいなければ意味がないのだぜ……
アルデバランを打ち倒したアマリアは安息を手に入れることが出来た。
そう勝手に想像した俺はアマリアに声をかけることさえ出来ずにいた。
自分を惨めに思い、アマリアに嫉妬感さえも覚える。
だから俺は狂ったようにナンシーを求め館を捜しまわった。

そして地下の牢屋まで移動するとそこで生贄となる前の人々と出会い
一人のごろつきから驚愕の事実を知らされることとなる。

ナンシーは今も酒場で生きていると。
俺は生贄たちを牢屋から逃がし刻命館をあとにした。
プレゼントした短刀を懐に隠し、しかとその胸元で握り締めながら。

【アルデバランさん、アマリアさんありがとうございました】

51 :アマリア ◆9mTaoohTU/LD :2012/03/28(水) 03:59:29.12 0
>>49-50
 血溜まりに浸かった館主の体が痙攣を終えるまでの時間は、魔法をかけられたかと錯覚するほど長く感じた。
 張り詰めて震える手で男の頸動脈に触れ、その静かであることを確認した次の瞬間、私の視界が大きく揺れた。どうやら、無意識のうちに力が抜けて尻餅をついていたようだ。
 ――よく、生きていたと思う。私も、彼も。
 鉛のような息を胸の底から吐き出すと、実感の沸いていなかった勝利の事実が少しずつ頭に染みこんでくる。
 
 ……さて。
 これからどうしよう? 目的である賞金と名誉を得るための、アルデバランの打倒は果たした。まだ闇の謎を解き明かしたわけではないが――
 正直、私は私は俗な事柄にしか興味がないのだ。謎の探求は私の求める『名誉』に繋がり、高価なアイテムの捜索は豊かさに繋がるかもしれないが、欲張って危険を侵そうというつもりはない。
 それに――ちらりと、彼をみやって。ザックはぼろぼろの体を引きずり、狂気じみた様子で館の探索に出ようとしている。
 そう、彼は思い人の捜索にしか興味がなく、アルデバランという共通の敵を倒した以上は助力を得るのは難しい。一人で何かをしようというのは、無謀だ。

 ――いや。
 私は、自分の言い訳がましい思考に気づいて口元に小さく笑みを浮かべた。いろいろと理由は並べてみはしたが――きっと、本質は一つだ。私は『一刻も早く帰りたい』。

 だって。

 早く帰って、懸賞金を受け取って。そうしたら、街に出よう。伸ばした髪を綺麗に梳いて、着飾ってみたりなんかして。日の当たる大通りで、盗みなんて忘れて、買い物をしよう。
 いずれは、屋敷を買い戻そう。仲の良かった使用人に手紙を出したら、ゆっくりと本を読んで知らせを待とう。
 そして遠くないうち、商売を始めよう。アルデバラン打倒という名誉を足がかりに、いずれは商売でも名を広めよう。人生を狂わせた商売という魔物を、私の手で希望にかえよう。

 ――だから、早く帰りたい。

 ただ。
 腕輪と仮面の処分方法だけは真剣に考えなければならない。
 街一つ買えるほどの稀少で強力な品であると、知っている。だから困るのだ。これが、数年遊んで暮らせる程度の稀少品であれば飛びついたのだが――こんなものを売り払ったとして、その後の私の身の安全はどうなると?
 売った先が蔵にしまいこんでくれればいいのだが、問題はそれが何らかの過程を経て世に出回った場合である。
 私が未来どんなに栄誉を得たとしても、館主の証が世に出回って災厄をまいたその時には、私に咎めが向けられるのだ。『明らかな危険と理解しているマジックアイテムを、なぜ売り払いなどした?』 ――名誉は地に落ちる。
 それは困る。私は、名誉と豊かさのどちらもそろったあの暮らしを取り戻したい。“犯罪者を倒した正義の使徒”と、誤解してもらえるのが望ましいのだ。

 だから――私は、腕輪と仮面を拾い上げ、決意した。こんなもの、あってはいけない。この腕輪は、私が人知れず処分しよう。王室に預ける――いや、人目に触れぬ谷底にでも放ってしまえばよいのだ。
 この館に闇が残ろうが、主の証が人里になければそう問題はあるまい。
 金なら、賞金だけで十分だ。その気になれば、何倍にでも増やしてみせよう。

「――ザック様、お待ちになって? はやる気持ちはご理解いたしますが……ザック様? …………もう。視線くらい合わせていただいてもよろしいのに――」
 未だこちらに目をあわせかねている男の心中はついに量れず、私は毒にも薬にもならない言葉を投げかけながら、帰路の準備を整えて――もう一度、懐に押し込んだ魔具の重みを確かめ、頷いた。

 ――こんなもの、あってはいけない。





 ――だって。

 ――だって、だって。魔導師が息絶えるあの瞬間、何か、確かに聞こえた気が 魔力が 誘うように 女の   いや そんな 主は死んだのに。

「私は……何も聞いておりませんわ。何も――」

 全てに蓋をしてしまおう。
 事態は収束し、私は望みを叶える。それでいい。主は死んだ。それでいい。謎は残るが、それだけ。
 触れてはいけない。知ってはいけない。きっと、これ以上、関わったら、取り返しのつかない、恐ろしいこと、に――

「そう、何も――」   笑い声など、聞いていない。




『ウフフフフフ……』
【GMさん、ザック様、どうもありがとうございました】

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