1 名前: ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/07(金) 23:28:51 0
統一基準歴355年。 
魔法文明は隆盛を極め、あらゆる場所、場面に魔法が活用されていた。 
そんな栄華の果てにいつしか異変が起きる。 
確認されたのは20年前にもなるだろうか? 

ある属性の魔法に異常なまでの適性を示す。 
ある魔法を生まれつき能力として有している。 
未知なる力に開眼する。 

今までは天才と言われて来た種類の子供たちが続々と生まれ始めたのだ。 
このことに世界は大いに恐れ、憂慮した。 

なぜならば、本来数十年単位の修行と研究の果てに身につけていく力を僅か数年の学習で身につけてしまうのだ。 
あるいは以って生まれてくるのだ。 
修行と研究は何も力を得るためだけの時間ではない。 
力を振るう為の経験や知識をも身につけるための時間でもあるのだ。 

そして大きな力を当たり前のように使える事への危惧は現実のものとなる。 
世界各地で引き起こされる悲劇に、統一魔法評議会は一つの決定をなした。 

魔法学園の開設! 

魔海域を回遊するとも、海と空の狭間にあるとも言われるフィジル諸島に魔法学園を開校し、子供たちに学ばせるのだ。 
己が力を振るう術を。 


―――― 【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン ――――


■舞台はファンタジー世界。謎多きフィジル諸島にある全寮制の魔法学園です。 
■学園が舞台だからといって参加資格は学生キャラのみではありません。 
  参加キャラは生徒でも、学園関係者でも、全く無関係な侵入者でも可。敵役大歓迎。 
■当学園には種族制限はありません。お好きな種族と得意分野でどうぞ。 
■オリジナルキャラクターでも版権キャラクターでも参加できます。 
  完走したスレのキャラを使ってもOKですが、過去の因縁は水に流しておきましょう。 
  また版権キャラの人は、原作を知らなくても支障が無いような説明をお願いします。 
■途中参加、一発ネタ、短期ネタ大歓迎。 
 ネタ投下の場合、テンプレは必ずしも埋める必要はありません。 
 ただしテンプレが無い場合、受け手が設定をでっち上げたり改変したりすることになります。ご了承を。 

■(重要)
 このスレでは、決定リール、後手キャンセル採用しています。
 決定リールとは、他コテに対する自分の行動の結果までを、自分の裁量で決定し書けるというものです。 
 後手キャンセルとは、決定リールで行動を制限されたキャラが、自分のターンの時に
 「前の人に指定された自分の未来」を変えることが出来るというシステムです。

例:AがBに殴りかかった。 
 その行動の結果(Bに命中・ガード・回避など)をAが書く事が可能です。
 これを実行すると、話のテンポが早くなるし、大胆な展開が可能となります。 
 その反面、相手の行動を制限してしまう事にもなるので、後からレスを書く人は、「前の人に指定された行動結果」
 つまり決定リールをキャンセル(後手キャンセル)する事が出来ます。
 
 先の例に当てはめると、
 AがBに殴りかかった→Bはまともに喰らって受けては吹き飛んだ。
 と決定リールで書いてしまっても、受け手(B)が自分の行動の時に、
 「Bはまともに喰らったように見えたが紙一重で避けていた」
 と書けば、先に書いたレスの決定書き(BはAの拳をまともに受けては吹き飛んだ。)をキャンセル出来るのです。

※ただし、NPCと自分以外のコテを、決定リールで勝手に喋らせるのはマナー違反です。気をつけましょう。

2 名前: ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/07(金) 23:34:55 0
 ■前スレ
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1270216495/

■避難所
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所 
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1270211641/ 

■テンプレ 

名前・ 
性別・ 
年齢・ 
髪型・ 
瞳色・ 
容姿・ 
備考・ 
得意技・ 
好きなもの・ 
苦手なもの・ 
うわさ1・ 
うわさ2・ 

【備考】 
全部埋める必要はありません。 
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。 
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。 
余り悩まず、気楽に行きましょう。 

(参考サイト) 
各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ 
千夜万夜 
PC:ttp://verger.sakura.ne.jp/
携帯:ttp://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm

※アクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。 
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう。 

代理投稿スレ(なな板TRPGまとめサイト、千夜万夜さん内) 
http://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1270477718/

【なな板】書き込みたい人のレスを代行しようず!【過疎阻止】(なな板避難所内) 
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1265360933/

3 名前: ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/07(金) 23:37:29 0
「不安かい?だったら、その不安はゴブリンにでも食べさせるといい。 
 確かに学園には危険なところもある。 
 特に校舎の裏にある森にはめったに足を踏み入れない方がいい。 
 だけど学園の寮は快適だし、食堂のご飯もとびきりおいしい。 
 わからないことがあっても、きっとまわりの友達や先輩達が君を助けてくれるよ。 
 素敵な恋を見つけることもできるかもしれないよ。僕のようにね。 

 テンプレートの記入は終わった?荷物の準備はいい? 
 ガリオン金貨よりももっと必要なものは、 
 ちょっとした魔法のエッセンスとポケットに詰めた笑いだよ。 
 OK、じゃあ改めて言わせてもらうよ。 

 僕らの魔法学園へようこそ!君に素敵な冒険が待っていることを願うよ!」 
                             
                                 〜 とある銀髪青年の言葉より 〜 


4 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/05/08(土) 21:38:09 0
           _____,,..-─''"´ ̄ ̄`"''ー─、.,            _
           >' ´             `ヽ.        /
    !     /                   ヽ.      /
 _ __人_ _.,:' /  /   ,'´       、ヽ    ':,/「i  |  わ
   `Y´'  ,' /   /  ,'  !      ;   ',  ヽ__ /::::L|  |
    i   / ,'   ,'!  /!  !   ;  /!   i  「:::|'´::::::::「|. |  |
      ∠__,!   / !ノ´」_,,./|   /! / !   ハ! |__」<::::」」  |
        !  / ,ァイ´::::`iヽ| / |ノY''⌒''ヽ、 | ! |^ヽ、」」  |
        i,/レイ iノ::::::::i レ'    !_」::ハヽ|  |   |  ∠
        /  !  ゝ::::メ      !::::::::::::! !  |   |   `ヽ.
       /   7/l/l/   、     `ー‐ 'ノ !  | i  |     ` ' ー---
 ,. -──-'、   ,人   i ̄アー─-─┐/l/l/l/|  ! |  |
    お   ヽ.ソ  `:、. ヽ/      i   ,/|  |  !  |
..    も    .i  /.ーナ= 、 '、     ノ  ,.イ,カ  ! |  |
     し   |ヘ./|/レへ`>─r =ニi´、.,_ |  i ハ ! ,'
    ろ    .!    _,..イ´ヽ7   /  /:::| /レ' レ'レ'
    そ     |   /7:::::!  ○O'´  /::::::レ'ヽ.
..     l    .|  / /:::::::レ'/ムヽ.  /::::::::/   ヽ.
         ! /  ,':::::::::!/ ハ:::::`V:::::::::;'     ',

5 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/09(日) 06:02:47 0
食堂はこんな時間だと言うのに、非常に混雑していた。
「もしここに、エンカの左手盗んだ女の子が来たとしても、聞き込み大変かも」
リリィはぽんと手を叩いた。
「そうだ!テレパシーでこの場にいる全員に質問してみればいいんだ!良いよね、エンカ!」
リリィは目を閉じ、大声を出す時のように大きく息を吸った。
『お食事中すみませーん。どなたか、生の左手を持った女子を目撃していませんかー?』
どれだけ食堂が騒がしくても、テレパシーは頭に直接届くだろう。

>4
「ありがとー!でもこっちは一大事なんだー。何か女の子の情報知らない?!」


>255 >257
「あっ!フリード君・・・・・・と、さっき森の中にいた人と・・・・・・変な鳥?」
ちっちゃくても、フリードのきらきらした金髪と美少年オーラは遠くからでも良く目立つ。
リリィはおーいと手を振った。

リリィは人にぶつかりそうになりながらも、フリード達の席に近寄ってきた。
「無事戻って来れたみたいで良かったね!
 ねえねえ、唐突で悪いんだけど、エンカの手首持った女子生徒を見かけなかった?」
・・・・・・・いくら何でも端折りすぎである。

6 名前:フリード ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/09(日) 10:36:05 P
>257>261
>「そうそう、友人を一人...と一匹連れて行きたいんですがいいですか?」
「話はすべて聴かせてもらいましたよ」
というセリフのタイミングを測って会話するファンブルマンとクレイの様子を伺うフリード
「とりあえず古代遺跡と言うことはこれは持っていっちゃ駄目ですね」
と爆発する青い薔薇を使っちゃ駄目袋に仕分けるフリード
地下古代遺跡で爆発物なんて使ったら生き埋めvである

>「仲間は多ければ多いほどいいだろう。なにせ地下と言っても古代遺跡だからね。危険なものがたくさん有る」
やはり聞き耳を立てるフリード
フリードの耳は1000km先の針が落ちる音も聞き逃さないのだ
当然嘘なのはであるが
>「だがその系譜もあの地下の遺跡を発見したときに途絶えてしまった……。
 まあ、そんなことはどうだっていい。あそこには暗闇で開けてはならない“金属製の小箱”があって、僕はそれを欲しがっている。
 君がそれを自力で取ってきてくれれば、代わりに君には面白い物をあげよう。いや、取って きてくれた人全員に、かな」
「…………………………」
フリードは想像した
暗闇で開けてしまいあっという間に老人になってしまう自分の姿を

ファンブルマンが居なくなったのを見計らってクレイに話しかけるフリード
「まるで大昔にパンドラが開けてしまったと言うこの世の災厄がすべて詰まっている箱のようですね
 話はすべて聴かせてもらいました。僕で良ければ同行しましょう」
「にゃにゃ〜」
(アタッカーしか居ないパーティって)
「まあ魔法は戦いだけの道具じゃありませんから派手な攻撃呪文しか使えないようなのは魔法使いじゃ無くて戦闘マシーンです
 包丁は人を殺すこともできるがおいしい料理だって作れるのと同じです
 要は使い方によって戦い以外にも役に立つはずです
 って派手な攻撃呪文(MAP兵器)が大好きな僕の姉さんが言ってました
 ですが冒険は明日にしませんか?まだ始業式も始まってないですし
 十分な睡眠をとらなければ魔力も回復しませんしね」
とニコリと笑うフリード
「にゃー」
(いまどきニコポなんて流行んないよ)
それ以前に相手は男である
「にゃんにゃん」
(そういや冒険なら松明とかお弁当とかロープとかいるよね)
と何故か冒険の必需品を色々と知っているグレン
「こんな事もあろうかと………………と言いたいところですが
 冒険者基本セットは残念ながら持っていませんからそれを買いに街に繰り出さなければいけませんね
 冒険に行くには事前の準備が大切です」
お前のお小遣いの貯蓄は充分かとクレイに聞くフリードであった

>5
しばらく話しているとリリィがやってきた
>「あっ!フリード君・・・・・・と、さっき森の中にいた人と・・・・・・変な鳥?」
>「無事戻って来れたみたいで良かったね!
  ねえねえ、唐突で悪いんだけど、エンカの手首持った女子生徒を見かけなかった?」
「エンカが誰かは知りませんがマネキンの手首に話しかけている女の子だったら食堂に入るときにすれ違いましたよ」
とフリード
心の平穏を守るために生の手首だと言うことを認識しようとはせず
あくまでもマネキンだと思い込もうとするのであった
「にゃにゃにゃんにゃぁな」
(ぼ、僕恐ろしいものを見たんだ!切り取られた生手首と会話する人間の女の子を!!)
「にゃなぁ!!」
(きっと殺人事件だよ猟奇的殺人だよ!!)
またもやバンク文章で今度はリリィに話しかけるグレン
当然人間でも解るケットシー語会話を開きながらだ
「貴方まさか………………猫じゃなくて……………」
今頃真実に気がつくフリード
まあ見た目が猫なので特に態度は変わらないだろうが

7 名前:クルード ◇2qZ7FF4TUs [sage 代理投稿 gt;273] 投稿日:2010/05/09(日) 14:40:28 0
コイノボリから姿を消したクルードは何故が食堂できつねうどんと対峙していた。
何故あの場から消えたのか、どのような手段を使ったのか
様々な疑問が出るが答えはシンプル

お ち た 。

単純にそれだけのことなのだ。
その話は置いといて、クルードときつねうどん
はたから見れば、ここまでしっくりくる構図は無い
きつねの獣人がきつねうどんを食べようとしているのだから
しかし、クルードは箸をつけない
寧ろ険しい表情できつねうどんを睨む
「…分からない。なんでこれが『きつね』うどんなのか全く分からない」
未知の料理に対し、思いっきり疑問を抱いてしまっている。
食べれば分かるのか、それとも深みにハマるのか
きっかけがない限り、箸が動くことは…

ぐ ぅ 〜

「…あとで調べればいいか…それでは、いただきます」
考えるのを止め、黙々ときつねうどんを食べるクルード
しかし、順調に進んでいたその箸がまた止まることになったのだ。

背後からケットシー語で事件と聞こえ反応したからだ。
ちらりと声の方に視線を向けると本を掲げ必死で話す猫の姿が見えた。
その相手は言葉がわからないのか魚を渡しあしらってしまった。

その一部始終を確認すると、帽子に手を突っ込みある物を探す
帽子から出したのは木の枝、だが、ただの木の枝ではない
そうマタタビだ。
早速取り出したマタタビを猫の視線に入るように出し、小刻みに振ってみせる。
猫科の動物ならこれで八割強は釣れる。

8 名前:ネリー◇e2mxb8LNqk [sage 代理投稿 gt;274] 投稿日:2010/05/09(日) 14:41:18 0
前スレ>237>238>263
>「ごめん。左手を返してくださいっていう無差別テレパシーなら送れるんだけど。
> ただ、そんないたずらできる人ってそう多くないんじゃない?学園の人に特徴を話して、誰か調べ・・・・・・」
>箒を引き抜いたリリィは、突然口を噤んだ。
「?」
一同は訝しんで口を挟む前に、リリィの悲鳴を聞く。
>「きゃ――――!!ででで出た!目!腕の断面から目が!!」
「わ〜っ!?何!?……目?目が生えた、って?」
>「じょ、冗談じゃ…」
本当なのかと確認の意味でのネリーの問い。
恐らく口をついて出ただろうエンカの冗談という言葉。
「嘘じゃないよ!本当だよ!本当にここに目が生えてたんだから!!ぎょろってこっち見た!!」
だが、混乱の渦中で漂うリリィには疑いの意味で問われたと思ったらしい。
必死に嘘じゃないと金髪三つ編み少女は叫ぶ。

>「リリィがそう言うなら本当なんだろうな〜」
>「エンカ、あなたは何か感じなかった?
> さっきの話だと、触ると肉の断面みたいな感触あるんでしょ?
> だったら目が生えた感触とか・・・・・・切れた左手が感じてるはずの感覚とかっ!」
>「いや、目が生える感触なんて何も感じなかったぜ。…だが、切れた左手の感触ってのは盲点だったぜ。
> 俺は切れた左手は動かせないし感覚もないと思い込んでたのかもしれねぇ。
> もしかしたら切れているように見えていても繋がっているのかも…」
恐る恐るある筈の左手に力を入れていくエンカ。
緊張の一瞬。

>「ビンゴだぜリリィ。左手から感覚が返ってきた。俺の左手は何か暖かくて柔らかいスポンジみてぇな何かを掴んでいる。
> それがあの女のオッパイとかじゃねぇならよ〜。結構限定されんじゃねぇのか〜?」
「あったかくて、柔らかくて、スポンジみたい?」
>「おおおおっぱいは、スポンジとかパンみたいな触感じゃないよ!」
「あ、そっか!パンだね!多分、食パンだとかサンドイッチ用のパンだとか!
 流石リリィちゃん!すごいすごい!」
ネリーは諸手を挙げて凄い凄いと連呼する。
……だが、何故胸を押さえているのかと疑問に思ってもいた。あえて触れはしないのだが。

>「…OK、じゃああの女はどこで焼きたてのパンを手に入れたかだ。
> そう言えばあの女ランチタイムがどーのこーの言ってたなぁ。
> 最初に出会った時には何も持って無かったから、俺の左手を奪った後にパンを手に入れたことになる。
> こうなったら食堂に行ってみるしかねーよな〜。あの女にパンを自分で焼く趣味がねぇと祈りつつよ〜。」
>「おお!エンカ冴えてるね!じゃあさっそく行ってみよう!」
「食堂かぁ、どんなのが売ってるのかな?楽しみ楽しみ〜」
>「そういえば今日はまだご飯食べてなかったんだっけ。私もお腹すいたよぉ〜」
>「…で、食堂にはどうやって行けばいいんだ?俺にはまだ学園の地理がわからねぇよ?」
「「あ」」
再び揃う間抜けな声。
「た、確か入学パンフレットに……ああっ、そうだ!トランクの中だ〜!
 私持ってきてない!エンカ君も駄目、リリィちゃんも駄目。だったらヨーン君は?」


9 名前:ネリー◇e2mxb8LNqk [sage 代理投稿 gt;275] 投稿日:2010/05/09(日) 14:42:09 0
前スレ>259
そのとき駆け抜ける影二つ。そして起きる唐突な強風!
ネリーは思わず目をつぶって風に身構える。
「キャ――――――――ッ?!」
横がうるさい。

土ぼこりの向こうから声が聞こえる。男性のだ。
>「よー、何してるんだ」
「え?えーっと?」
目をしきりに擦るリリィをよそに、クエスチョンマークを出すネリー。
そちらには、グラディスよりも幾分背の高い黒髪の男性と、金髪セミロングの麗しい女性。
「もしかして今の風は貴方達が?わぁ〜、グラディ以外にもこんな人達がいるんだ」
ちなみに昔グラディスもよくこういう風を起こしていた。最近はどういうわけか起こらないが。


>「何よー!こっちは一日中森の中うろうろした挙句、荷物落として一文無しなのよー!
> ちょっとはかわいそうだとは思わないわけーっ!!」
話を終えて、さあ食堂へ向かおうとする直前。
リリィがパンツを見たという男性三人に昼食の奢りを要求していた。
そういえばネリー自身も荷物がない。故に文無し。
「……はいはいは〜い!私の分も奢ってもらってもいい?
 私も荷物落としちゃって、入学書類もなくて、更に更にギルデンロール様のポスターも……よよよよよ」
よくある時代劇のように、よよよと口元を隠して泣き崩れるネリー。
ちなみにギルデンロールとは、今世界中でライブツアー中の魔法使いアイドルグループのリーダーである。
歌唱力抜群の超イケメンで、本も執筆しているとか。『雪男とゆっくりしていってね!』だとか。こっちは売れないが。
「いいでしょ?どうせリリィちゃんのおパンツ見たんだから〜」
自分は勘定に入れていないのは、どうせ見られてないと高をくくっているからか。

>5
>食堂はこんな時間だと言うのに、非常に混雑していた。
>「もしここに、エンカの左手盗んだ女の子が来たとしても、聞き込み大変かも」
「ここにいるとかは無さそうだけどね。もしそうだったら今頃騒ぎになってるし……」
>「そうだ!テレパシーでこの場にいる全員に質問してみればいいんだ!良いよね、エンカ!」
>『お食事中すみませーん。どなたか、生の左手を持った女子を目撃していませんかー?』
「知ってる方はこっちこっち!どんな小さな情報でも構いません!こちらの方まで〜!」
ざわつき始めた食堂に声を投げかける。果たして見つけられるのだろうか。

>「おい、あいつじゃないか?」
>「手ぇっつったら、やっぱりなぁ」
>「おお、こわいこわい」

そんな声もし始めた、食堂だった。

10 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk [sage 代理投稿 gt;276] 投稿日:2010/05/09(日) 14:43:09 0
前スレ>250
>「金貨はいらないよ。私は鴉じゃないからね、光り物には興味がないのさ。
> ……ふむ……ソレらしき物は森の中にはないみたいだね?
> おっと、これは……先ほど君と一緒にいた、少年の連れの球状の魔法生物が
> 持っていってしまったようだ。彼らは学園に着いてるようだから、
> とりあえずは学園に向かうべきだねぇ」
「おう?すげーなー……いや、マジにすげーな。グレートってやつだ」
身じろぎ一つせずに、遠くの様子を言い当てる鳥。
なんとなくグラディスは以前習ったことを思い出す。
「……千里眼、ってやつ?いや、どっかの国でなんかの鳥の眼がとても崇められてたっつー話を聞いたような……」
しかし、完璧に覚えているようなタマではなかった。

>「さて、いい加減向かわないとね。森の中に残っているのはごく僅か。
> このままのんびりしてると、最悪入学式に間に合わなくなってしまう……!?」
「ん?……うおぁッ!?」
瞬間、異様としか感じられない波動が辺りに発せられる。
驚いて気配の方向を見れば、まず見えたのは空間の歪み。
そして捻じ曲がった時計盤のような、術式だろうか?複雑な模様を描いている。
その中心には……あの、動かなかった男性の姿。
>「これは……暴走している?
> 確かに鴉には時間魔法の素養があったが……一体何故……」
「暴走だぁ?おいコラ鳥公、何が起きてるんだよ?説明プリィーズ」
グラディスの言葉を聞き流して、鳥は大きく一啼き。

するとまあ、あれだけとんでもないオーラを出していた術式はフッと消え、残ったのは男性。
いや、青年と言うべきか。
どう見ても十代後半!そう言っても過言ではない姿へとなっていた。
>「……見誤ったか……?」
>「少年、予定を変更させてくれないかな?
> 私は君の魔力を回復させるから、あそこで倒れた彼を学園まで運んであげて欲しい。
> もし彼が入学を認められなかったらそれは仕方がないと思ってくれ」
そして再び啼く鳥。同時に、出し切っていた魔力がぐんぐんと戻ってくる。

それを感じつつ、どうにも納得しない表情のグラディス。
「……なんつーか、ねえ。別に運ぶのは決定事項だったけどよー。
 正直のところ誰が入学できて誰が入学できないっつーはどーでもいい。俺が入れりゃいいからなー。
 そんなことよりてめぇーは何者だよ?
 魔力の回復やら時空魔法の解除?やら、不思議の塊不死鳥ならまだしも。
 平凡な鳥が何から何まで変な力持ってるとは考えにくいしなぁ。
 ……ま、聞いたところで答えるつもりもねーんだろうけどよー」
ぶつくさ言いつつ立ち上がり、カラスのような青年に近づいて担ぎ上げる。
「とりあえず……まだ道案内くらいは出来んだろ?ほら、飛べやくるぁ」
鳥に案内を促し、学園へとグラディスは走り始めた。

11 名前:ハヤブサ ◆70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/05/09(日) 20:32:08 0
>10
>「……千里眼、ってやつ?いや、どっかの国でなんかの鳥の眼がとても崇められてたっつー話を聞いたような……」
「そんなところだよ。本当はもうちょっと込み入ってるんだけど、
 まだ学業を始めてない者にいきなり最上級の難問レベルの問題を解かせる様な所業だ。
 勉学に勤しんで、知識や理解を深めてからのお楽しみにしておこう」


>「暴走だぁ?おいコラ鳥公、何が起きてるんだよ?説明プリィーズ」
術式の強制終了の後始末を終わらせた所で、先ほどの返答を開始するハヤブサ。
「鳥公とはひどい言い草だねぇ。
 それはそうと……結論から言うとだ、彼は術式発動直前までは死んでいた。
 彼自身には確かに時間操作系の魔術に関する素養はあったけれど、
 学も自覚もない為にさっきみたいな視覚できるほどの術式を組んだ事もない。
 ……条件指定式の術ならば、死後の発動も可能だけどそれもあり得ない。
 だのにあの光景……私にも理由が見通せてないんだ」

一息。
「とまれ、ああして彼はまた死に損なった。
 一度目はやり直しをさせるつもりだったけど、外的要因で事を起こすと
 碌な事にならないようだ。まぁ今回は、恐らくだけど彼自身の意思が介在している。
 今度こそはと、期待できそうな状態ってわけだよ」
そう言いつつ、ハヤブサが頭をかくように翼を動かす。
鳥類とは思えないほど人間くさい挙動である。


>「……なんつーか、ねえ。別に運ぶのは決定事項だったけどよー。
> 正直のところ誰が入学できて誰が入学できないっつーはどーでもいい。俺が入れりゃいいからなー。
> そんなことよりてめぇーは何者だよ?
> 魔力の回復やら時空魔法の解除?やら、不思議の塊不死鳥ならまだしも。
> 平凡な鳥が何から何まで変な力持ってるとは考えにくいしなぁ。
> ……ま、聞いたところで答えるつもりもねーんだろうけどよー」
>「とりあえず……まだ道案内くらいは出来んだろ?ほら、飛べやくるぁ」
答えが返ってくるとは思ってない様子で少年はモノを言う。
「世の中と言うのは、一から十まで答えがあるとは限らないからねぇ。
 私が何者か、と言う問いへの返答で君が抱く全ての疑問が解決するわけだけど……
 残念ながら今の君が納得する答えは返せないだろうね」

グラディスの数歩先を飛びつつ、ハヤブサは答えた。
「『私』はただの使い走りだよ。ご主人様が直接様子を見るための器も兼ねた、ね。
 ご主人様は人が健やかである事を望まれるお方であり、そうでない者に手を差し伸べたりする。
 とは言えさすがに単体では捌き切れないからと、私みたいなのを複数用意しておくわけだ。
 ここまで直接的な介入は滅多にしないんだがねぇ、ご主人様がやけにご執心なんだよ。
 まぁ……職務熱心と言えば聞こえはいいけど、時にお節介の押し売りになる事も……
 今回の件も、私はいささか踏み込み過ぎじゃないか、と思うんだよ」
喋りつつ、ようやく森を抜け学園正門前へと出る事が出来た。

「っととと、着いたよ。ここがお目当ての学園だ。
 彼をしかるべき所に預け、入学手続きを済ませたら職員室に行くといい。
 球体ゴーレムを連れた少年が、トランクを三つ預けていたからね。
 君のトランクがどれかは知らないが、その中にあるはずだ。では、また」
道案内を終え、グラディスを送り届けたハヤブサはそのままどこかへと飛び去っていく。
正門前には鴉を担いだグラディスだけが残されたのだった。

12 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage 代理投稿 gt;284] 投稿日:2010/05/09(日) 23:28:26 0
前スレ261
>「仲間は多ければ多いほどいいだろう。なにせ地下と言っても古代遺跡だからね。危険なものがたくさん有る」
古代遺跡か...昔、父がそんな感じの所へ行っていたことがあった。理由は......知らないが.........
>「だがその系譜もあの地下の遺跡を発見したときに途絶えてしまった……。
まあ、そんなことはどうだっていい。あそこには暗闇で開けてはならない“金属製の小箱”があって、僕はそれ
を欲しがっている。君がそれを自力で取ってきてくれれば、代わりに君には面白い物をあげよう。いや、取って
きてくれた人全員に、かな」
暗闇で開けてはならない、って呪われてんのか?吸血鬼でも入ってるんじゃないだろうな。手のひらサイズの
だが、『面白い物』は何かが気になる。純粋に好奇心から。バナナの皮なら笑おう
>「手伝ってくれる人はきっといるさ、因みに期限はいつでもいい。手に入ったら時計塔まで持ってきてくれ。
それじゃあ『成功』を祈ってるよ」
「分かりました。時計台で会いましょう」
ファンブルマンは食堂を出て行った。おそらく時計台に行ったのだろう
...そう言えば、地下に行くための細工を聞いてなかったな......まぁ、勘で分かるか。そんなもんだろ、人生ってもんは

>6
>「まるで大昔にパンドラが開けてしまったと言うこの世の災厄がすべて詰まっている箱のようですね
 話はすべて聴かせてもらいました。僕で良ければ同行しましょう」
「ああ、そうしてもらうと助かる」
いつの間にか話に参加していたフリード
こいつはあれな奴だが、実力はあるからな
>「(前略)
 ですが冒険は明日にしませんか?まだ始業式も始まってないですし
 十分な睡眠をとらなければ魔力も回復しませんしね」
「それもそうだな。行っている間に式が始まったら洒落にならんし」
それに頭にナイフを刺されたため、充分な睡眠が取れてない
>「こんな事もあろうかと………………と言いたいところですが
 冒険者基本セットは残念ながら持っていませんからそれを買いに街に繰り出さなければいけませんね
 冒険に行くには事前の準備が大切です」
「おれはそんな準備はいらないな。大抵の物はトレスが持っているし、まぁ大丈夫だろう」
薬、テント、ランプ、携帯食料、ライフル...他にも色々入っている。少し、便利すぎだろっと言われても仕方ないな
「しかし、私の中には夢と希望は入ってないんですよ」
「それは街で売っている物じゃない...と思う」
何でもありのこの世界だから、案外あるかもしれない。買う気はないけど
「まぁ、買い物に付き合うくらいならいいか」

>5
>「あっ!フリード君・・・・・・と、さっき森の中にいた人と・・・・・・変な鳥?」
「ん?自己紹介してなかったか?......ああ、あの時酔ってたな、あんた。
じゃあ、改めて言わしてもらおう。俺はクレイ、でこいつがトレス」
この球体が鳥に見えるとは...確か合ったときもトレスをナナシとか言ってたな
>「無事戻って来れたみたいで良かったね!
  ねえねえ、唐突で悪いんだけど、エンカの手首持った女子生徒を見かけなかった?」
エンカ...リリィの横にいる奴のことか。あの時に居たうちの一人だ。手の方を見ると確かに左手が手首から綺麗になくなっている
血は出ていない...空間ごと取られたのか?
「俺は知らないな。
...もしその取られた手を動かすことができるなら、その手でめちゃくちゃに暴れたらどうだ?
そうしたら、手が動いたー、とかでそこが多少なりも騒ぎになると思う。そうしたら見つけやすいだろ」


13 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/10(月) 18:23:41 0
前スレ(>259>263>9
> あまりにも早い移動は、お約束どおりいたずらな突風を巻き起こす!
> 「キャ――――――――ッ?!」
> 悪戯な風にあおられ、リリィのスカートが派手にめくれた。
「お、もうけもうけ」
エンカは普通にそれを見た。
> 「よー、何してるんだ」
と鋼。
> 「え?えーっと?」
> 目をしきりに擦るリリィをよそに、クエスチョンマークを出すネリー。
「少なくともスカートめくりじゃあねぇよな、ネリー」
エンカは謎の少女に左手を奪われ、彼女の手がかりが食堂にあることを話した。
> 「…なるほど、食堂を探してるってわけね。
>  そこが食堂だよ」
「なるほど…詳しいっすね」
エンカはそう言いながら 鋼とシルヴァ(まだ名前は知らない)を見て思った。
「(この男の方、やけにでっけぇ刀を背負ってるけど、振り回せんのかこんなの?
 だとしたらそうとうの馬鹿力だぜ。魔法で軽くしてるとかじゃなけりゃーよ〜。
 そしてこっちの女の方、結構いい線してるよな〜。
 ネリーとグラディスみてぇに、こいつらも兄妹みたいな関係なのかぁ?)」
> 「俺たちは今から飯を食うところだったんだが…なんだったら一緒に飯でも食うか?」
> 「行くっ!!」
> リリィは目を閉じたまま、はいはいっと手を挙げた。
「確かに行くには行くけどよぉ、俺は自分の左手を取り返すほうが先だぜ。」
> 「それと、さっきの突風で私のパンティ見たあなた!」
> リリィはびしっと声の主に向かって指差した。
> 「後でサンドイッチか何か、テイクアウトのランチをおごるよーに。
>  夜はヨーンさんとエンカのおごりね!約束よ!」
「えーっ!?マジっすか!?」
> 「何よー!こっちは一日中森の中うろうろした挙句、荷物落として一文無しなのよー!
>  ちょっとはかわいそうだとは思わないわけーっ!!」
> 「……はいはいは〜い!私の分も奢ってもらってもいい?
>  私も荷物落としちゃって、入学書類もなくて、更に更にギルデンロール様のポスターも……よよよよよ」
> 「いいでしょ?どうせリリィちゃんのおパンツ見たんだから〜」
「しょうがないっすね〜。でもなんだったらよぉ、
 一文無しっつーことなら、今晩俺の部屋に泊めてやってもいいんだぜ〜(笑)」
エンカは冗談を言って笑った。

> 「申し遅れましたが、私はリリィです。14歳独身です。よろしくです」
> 食堂へ向かう間、リリィは自己紹介をした。
「俺はエンカ・ウォン。16歳独身っつーとこだな」
エンカも自己紹介をした。
> 「ところで、ついでに保健室の場所もご存知無いですか?
>  実は、ヨーンさんが、森の中で酷いお怪我をなさっておいでで。
>  ヨーンさん、一応保健室に顔出ししておいた方が良いんじゃないですか?」
「そうだなぁ。おい、ヨーン。あくまで左手を取られたのは俺だからよぉ。
 無理に俺の手伝いをすることはねぇぜ?」

14 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/10(月) 18:24:36 0
>5>6>12
> 食堂はこんな時間だと言うのに、非常に混雑していた。
> 「もしここに、エンカの左手盗んだ女の子が来たとしても、聞き込み大変かも」
> リリィはぽんと手を叩いた。
> 「そうだ!テレパシーでこの場にいる全員に質問してみればいいんだ!良いよね、エンカ!」
「ああ、頼むぜリリィ」
> リリィは目を閉じ、大声を出す時のように大きく息を吸った。
> 『お食事中すみませーん。どなたか、生の左手を持った女子を目撃していませんかー?』
「おお!これがテレパシーか!初体験っすよ!」
エンカはちょっと感激した。
> 「知ってる方はこっちこっち!どんな小さな情報でも構いません!こちらの方まで〜!」
ネリーもそう言うと、食堂内からこんな声が聞こえてきた。
>「おい、あいつじゃないか?」
>「手ぇっつったら、やっぱりなぁ」
>「おお、こわいこわい」
「お!なんか知ってたら教えて欲しいんすけど!」
エンカは声が聞こえたグループの席に近づき、詳しい話を彼らから聞くことにした。

> 「エンカが誰かは知りませんがマネキンの手首に話しかけている女の子だったら食堂に入るときにすれ違いましたよ」
> 「俺は知らないな。
> ...もしその取られた手を動かすことができるなら、その手でめちゃくちゃに暴れたらどうだ?
> そうしたら、手が動いたー、とかでそこが多少なりも騒ぎになると思う。そうしたら見つけやすいだろ」
フリードとクレイがリリィにそう話していると、エンカも彼らの席に近づいてきた。
「リリィ、わかったぜ!俺の左手を盗んだのはロゼッタ・ウィルって奴だ。
 自称宇宙人のキレた奴らしいぜ。だが、さすがにどこにいるかまではわからなかったけどなぁ。
 
 …あれ?おめぇら無事だったのか。てことは、セラエノも無事なのか?」
クレイのアイデアを聞いたエンカが言った。
「残念ながらよぉ、動かせるには動かせるがジャンケンぐらいしかできねぇっすよ。
 …いや、待てよ。俺の体と左手が繋がってるとしたら、俺の体に電気を流したら、
 俺の左手を持っているロゼッタを感電させられるかもしれねぇな!
 もちろん俺も保健室に行かなきゃならなくなるかもしれねぇが、ロゼッタも同じダメージを喰らうはずだぜ!
 それで多少なりとも騒ぎになれば見つけやすくなるし、
 最悪二人とも保健室に運ばれても、逃げられる心配だけは無くなるよなぁ!」
>「ちょっとあんた!」
厨房から顔を覗かせたおばちゃんがエンカに叫んだ。
>「なんて汚いものを食堂に持ち込むんだい!
> 食事が欲しけりゃ、そいつを捨てるか、きれいに洗って出なおしてきな!」
食堂のおばちゃんが言う“汚いもの”とは、エンカの上着のポケットからはみ出た泥だらけの塊だった。
森でモンスターを殴打するのに使ったこの謎の物体の正体は不明だが、
なんとなくポケットに入れて持ち帰っていたのだ。
「…しょうがないっすねぇ。俺は一旦外に出るぜ。
 イチゴの入ったミルフィーユをナイフとフォークを使って食べるには、
 ロゼッタから左手を取り返さねぇとならねぇからな。リリィ達はこれから食堂で何か食べるんだろ?
 とりあえず俺一人で奴を追ってみるから、ゆっくりしてけよな〜。」
エンカはそう言って食堂から出ていった。

15 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/10(月) 18:26:19 0
「ところでよぉ。俺も実際これが何なのか気になってんだよな〜」
食堂から出たエンカは近くにあった噴水にその泥だらけの塊を浸けてみた。
まわりに付いていた泥が落ちるにつれ、エンカにはだんたんその正体がわかってきた。
「…おいおい、マジかよこれ!?俺って実はすごくいい物を拾ったんじゃねぇか!?」
すっかりきれいになった“それ”を噴水から取り出した途端、エンカはばたんとその場に倒れてしまった。

前スレ(>253
所変わってイチイの木の下。セラエノと少女の会話が続いていた。
> 「エンカ…学園に来るまでに出会ったわ。面白い髪形をした男の子…。その左手が、なぜ?
> 左手の事を話さないのなら良いわ。それより、あなたは誰?」
>「よくぞ聞いてくれました。あたいは実ははるかかなたの星からやって来た宇宙人なのだ」
自称宇宙人がセラエノにそう答えながら短い杖を取り出した。
>「…あれ?もしかして他のことを聞きたかったのかな?
> あたいがあんたの一つ上の先輩だ、とか?
> あたいの名前はロゼッタ・ウィルだ、とか?」
ロゼッタはエンカの左手をそっと地面に置いた。そして杖の先を左手に近づけて呪文を唱えた。
>「ステューピファイ!」
こんな皮肉なことがあるだろうか。クレイが提案したアイデアを実行したのはロゼッタの方だった。
彼女はエンカの左手に失神呪文を流し、本体のエンカを失神させたのだ。
>「これで左手が勝手に動く心配はなくなったわ。さっきは悩んじゃったけど、
> 最初からこうすれば良かった。左手は添えるだけだから」
エンカの左手は、さっきサンドイッチをつぶしたのでソースが付いていた。
ロゼッタはそれをレロレロ、レロレロと舐めたが、失神しているエンカにはわからない。
もし噴水の側で倒れている彼を発見したら、一緒に地面に落ちている“あるもの”を発見するだろう。
それは魔道書(グリモワール)である。今は水浸しなのでページをまともに開けないが、
乾けばページを開いて内容を読むことができるだろう。

16 名前:ユーダ・マルスン ◆/riDhgg7wk [sage] 投稿日:2010/05/10(月) 23:43:50 0
名前・ユーダ・マルスン
性別・男
年齢・22歳
髪型・オールバック。髪の色は茶色。
瞳色・茶色
容姿・黒フレームの眼鏡をかけている。 身長175cm 57kg ちょっと痩せ型。人間。
備考・いつも前向き。小難しいことを考えるのが苦手。微妙に空気が読めない。
得意技・脱力系魔法。(主に基礎能力減少)。周りの環境を生かした戦い方。
好きなもの・魚はなんでも好き。
苦手なもの・トゲとか先端が鋭いもの。
うわさ1・オッサンのような話し方をすることがある。
うわさ2・戦いに勝つためには落ちてる馬糞を投げつけるようなことまでする。
     そのため、いつも変人扱い。




「いやあ、すばらしい門ですなぁ」
立派な構えのゲートを見ながら男は大きな独り言を呟いた。
いい歳した大人が手を腰に当てながら独り言を呟くシーンはちょっと危ない雰囲気が出ていた。
「校舎の構えも、また一段と素晴らしいですなぁ!」
そう言いつつも、中に入ろうとはせず、校舎の道、
校門、自分が歩いてきた道をウロウロとしている。
かれこれ10分程過ぎているが、男は中々校舎の中に入ろうとはしない。
傍から見れば不審者丸出しであった。尋問されてもおかしくない。
「・・・私の入学届けやその他諸々の書類はどこに言ったんでしょうなぁ!」
かれこれ何度目か、数えるのも面倒になった独り言を呟くが、
誰も聞いてくれる人がいなかったので、その声は虚しく空気の中に消えていった。
せめて一緒に来てくれる人がいたのなら、また色々と変わっていたであろう。
男はそろそろ涙目になりそうだった。
「ヘルプミーですなぁ!」
男はついに涙目になった。

17 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/10(月) 23:46:27 0
>15
「そう、ありがとう。
あなたは星界の彼方よりやってきた宇宙人ロゼッタ・ウィル。
私の一つ上の先輩なのね。」
何とか立ち上がり、ロゼッタの言葉を復唱するように呟く。
しかし鼻血で血を流しすぎたのか、その足はまだおぼつかない。

ポケットからハンカチを取り出すと鏡仮面に隠れた鼻を拭き、大きく一息をつく。
これでようやく落ち着きを取り戻したのか、大きく一つ息を吐き言葉を紡ぐ。
「改めまして、私はセラエノ・プレアデス。神よ!」
あえてもう一度名乗り、神だと言ったのはある種の自己暗示に近かった。
左手をレロレロ舐めるロゼッタの行動を見、また鼻血が吹き出そうになるのを防ぐ為の。

鼻血を気合で止めながらロゼッタの一連の動きを分析していた。
今の呪文は失神魔法。
左手を切り取ってきたのであればそんなものは必要ない。
もし左手だけでも動くのであれば失神させるのではなく麻痺させれば良いだけ。
にも拘らず失神させるのは左手に意思があるか、左手は切り取られたように見えて繋がっている。
失神呪文で左手を通してエンカ本人を失神させた、という事は…。

「今の呪文、失神呪文ね。
勝手に動く事に対する心配、添えるだけという言葉。
それらから推測するに、その左手の主であるエンカの同意を得ずに持ってきたのね。
ならば今すぐその左手をエンカにお返しなさい。
左手が欲しいのであれば改めてエンカの了承を得なければならない。」
直立不動の姿勢でロゼッタに向き高らかに言い放つ。

勿論全て推測でしかなく、シラをきられれば追求する術などない。
だがそんな時はなんお躊躇いも躊躇もなく当然のように言うだろう。
「証拠など必要ないわ。なぜならば私は神なのだから!」と。

毅然とした態度でいるがその脳内では
(無理矢理左手を取られて失神させられてレロレロなんてシュチュも・・・アリカモ…
でもどうせなら失神させないで動けなくしてから目の前での方が…)
などと言う妄想がうねっていた。
先ほどのロゼッタの発言がまだ尾を引いていたのだ。

じんわりと滲む鼻血が吹き出ないのは、神と自己紹介したお陰だろう。

18 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/11(火) 21:14:09 0
>6 >12 >14 >9
幸い、例の女子は有名人だったようで、エンカとネリーの元に続々と情報が集まって来ていた。

>「ん?自己紹介してなかったか?......ああ、あの時酔ってたな、あんた。 
>じゃあ、改めて言わしてもらおう。俺はクレイ、でこいつがトレス」 
「へえ、トレスって言うんだー。良く見たら鳥じゃないね、丸いし」
リリィは明るい場所で、まじまじとトレスを見た。瞬間、リリィHは雷に打たれたような感銘を受けた!
「か・・・・・・・・・」
リリィはトレスを睨みつけた。握りこぶしはぶるぶる震えている!
「か・・・かわいいーかわいいかわいい!なにこの子!まんまるで浮いててすっごくかわいいー!
 触らせてー!トレスちゃんを私に抱っこさせてー!!こっちおいでー!!ほらほらほらほら!」
リリィは目をハートにしながら、宙に浮かぶトレスに触れようとぴょんぴょんジャンプしている!
だが、混雑した食堂では迷惑以外の何者でもなかった。

〜そのまましばらくお待ちください〜

「ごめんなさい、かわいいものを見るとつい・・・・・・・」
リリィはトレスを見てぽっと頬を赤らめた後、こほんとひとつ咳払いをした。
(今更取り繕ってみても手遅れなのだが)
> 「エンカが誰かは知りませんがマネキンの手首に話しかけている女の子だったら食堂に入るときにすれ違いましたよ」 
「それだー!!その女の子だわ!どんなコだった?!」
>またもやバンク文章で今度はリリィに話しかけるグレン 
「いや、手がうっ血してたり、切れた部分から血は滴ってなかったでしょ?」
 だったら多分、エンカの手首だと思うよ〜。良かったね、死んだ人はいなかったんだよ!」
リリィは特に驚く事も無く、普通に対応している。
 フリード君、グレンってすごーく頭いいね!やっぱりご主人に似たのかな?」
リリィは空気も読まず、何かを考えている風のフリードにそう返した。
(ここでグレンが鼻をぴくっとさせたのだが、リリィは全然気づいていない)

>フリードとクレイがリリィにそう話していると、エンカも彼らの席に近づいてきた。 
>「リリィ、わかったぜ!俺の左手を盗んだのはロゼッタ・ウィルって奴だ。 
> 自称宇宙人のキレた奴らしいぜ。だが、さすがにどこにいるかまではわからなかったけどなぁ」
「宇宙人!さすが魔法学園ね。凄いところから留学生が来てるんだ〜」

>…あれ?おめぇら無事だったのか。てことは、セラエノも無事なのか?」 
「あ、そうだった。エンカ、目撃証言が出たわ!」 
リリィは、フリード達から聞き出した情報とアイディアをエンカ達にも伝えた。
>「残念ながらよぉ、動かせるには動かせるがジャンケンぐらいしかできねぇっすよ。 
> …いや、待てよ。俺の体と左手が繋がってるとしたら、俺の体に電気を流したら、 
> 俺の左手を持っているロゼッタを感電させられるかもしれねぇな! (略)
> 最悪二人とも保健室に運ばれても、逃げられる心配だけは無くなるよなぁ!」 
「でも、今はロゼッタって子の行方がわからないんでしょ?
 例えばその子が、木の上とか塔の上みたいな高くて危ないところに隠れてるとしたら?
 手が暴れたり電流流したりしたら、いろんな意味で大惨事にならないかしら?」

19 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/11(火) 21:18:09 0

ここで、食堂のおばちゃんからエンカにお叱りがとんだ。
>食堂のおばちゃんが言う“汚いもの”とは、エンカの上着のポケットからはみ出た泥だらけの塊だった。 
リリィは自分の足元を見、うっと声をあげた。
綺麗に磨き上げられた床が、自分の歩いたところだけ汚れていた。
>「…しょうがないっすねぇ。俺は一旦外に出るぜ。 (略)
> とりあえず俺一人で奴を追ってみるから、ゆっくりしてけよな〜。」 
「ちょっ、待っ・・・・・」
エンカはすたすたと食堂から出て行ってしまった。
「あんのバカ!!私はテイクアウトのランチをって言ったの聞いてなかったのね!!
 だいたい女の子見つけても、首チョンパされたら完全にアウトじゃない!!」

「ネリーさんはグラディス君探さなきゃいけないんでしょ?
 グラディス君、あれでヨーンさんを怪我させたの気にしてたみたいだし、保健室行けば会えるかも!
 フリード君、その様子だと保健室に顔出したでしょ?だったら案内してあげて!!・・・・ぎゃん!!」
前を見ていなかったリリィは、何か棒切れをもった人に激突した。
「いたた・・・・・・ご、ごめんなさーい!!」
リリィはペコペコ頭を下げると、慌ただしく走っていった。
だが、後には箒の穂の部分らしきものが床の上に落ちていた。
どうやら、ぶつかった弾みで大事な箒(の残骸)を落としたようだが・・・・・・全く気づいていないようだ。


食堂から出たリリィが見たのは、今にも噴水に倒れ込もうとしているエンカの姿だった。
「わーっ!エンカ早まっちゃダメ!噴水に飛び込んでも死ねないったら!!・・・・・・うわ、重っ」
間一髪『身投げ』を阻止したものの、今度は意識の無いエンカを支えるのに一苦労である。
「ちょっとエンカ、どうしたの?しっかりしてよ、エンカってば!!」
リリィはぺしぺしとエンカの頬を叩いたが、今のところ目を覚ましそうにない。
「何で?今の今まで元気にしてたのに。・・・・・・・はっ!もしかして、ロゼッタに手を盗られた後遺症?!」
落ち着いて見れば、リリィにもエンカの状態は失神呪文によるものだと分かったかもしれない。
だが、今のリリィにはエンカの言葉を思い出し、結びつけるだけの余裕は無かった。

「あれ?これはもしかして・・・・・・」
リリィはエンカの傍に落ちていた魔道書を拾い上げた。
大きさから言って、さっきエンカが持っていた泥だらけのものだろう。
「何か参考になるようなことは・・・・・・・ああ、濡れてるから無理か」
リリィはハンカチで魔道書をぬぐった後、ひとまずそれを脇に挟んだ。
「エンカ!起きてエンカ!もう・・・・・・こうなったら!!」
リリィがエンカの名前を呼ぶたびに、ぱしーん、ぱしーんといい音が響く。
「エンカ、ほら起きてエンカ!左手を探しに行くんでしょ!!」
早く目を覚ますか誰かが状況を説明してストップをかけないと、エンカの顔の形が変わってしまうかもしれない。

20 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/05/12(水) 00:43:07 0
保守

21 名前:フリード ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/12(水) 18:30:07 P
>7>14>18
>「フリード君、グレンってすごーく頭いいね!やっぱりご主人に似たのかな?」
「まあ出会ってそんなに経ってませんけどね
 一目見て僕は感じたんです。彼こそが僕の一番のパートナーだって
 姉さんの僕とキャラ被ってる使い魔にも負けませんよ」
と返すフリード
そんな事は誰も聞いていない

「にゃ〜にゃ〜にゃ〜」
だがまたたびの匂いにつられただの猫と化しているグレン
「ああもう!グレンかわいいよvかわいいよグレンv
 でも駄目ですよちゃんと首輪を着けて飼猫だと言うことを分かるようにしなきゃ」
とグレンの首に鈴付きの首輪を装着するフリード
赤い首輪にはノクターン家の家紋である羽ばたく白鳥のマークが金色で描かれている
「にゃ〜にゃ〜」
ふらふらとまたたびの匂いのする方向へと”二本足!?”で歩いていくグレン
「……………………やはりグレンは伝説の猫妖精ケットシーでは?」
まあ魔法のある世界なので何が起こってもおかしくはない
むしろ普通の猫のほうが珍しいのではないのだろうか?
フリードはそう考えた

「にゃ〜にゃあ」
(頂戴!頂戴!それ頂戴!!)
クルードに向かってにゃにゃあ言うグレン
どっちにせよ共通語の話せないグレン相手では会話が成立しないだろう
クルードがケットシー語を習っているのなら話は別であるのだが

>「リリィ、わかったぜ!俺の左手を盗んだのはロゼッタ・ウィルって奴だ。
> 自称宇宙人のキレた奴らしいぜ。だが、さすがにどこにいるかまではわからなかったけどなぁ」
>「宇宙人!さすが魔法学園ね。凄いところから留学生が来てるんだ〜」
俺の左手……………そう彼は言った
つまり彼がエンカと言う今回の騒動の被害者のようだ

「ところで宇宙って何ですか?」
フリードはどうやら宇宙を知らないようである
もしかしてジルベリアはまだ天動説なのか?
「にゃにゃあ」
(メテオストライクの弾が浮いている弾薬庫のことだよ)
魔法的な意味であっているがかなり間違った説明をする宇宙の王者の名を持った猫グレン・ダイザー
猫の世界では空のお星様は敵を殲滅するための武器なのだろうか?
「ああ!メテオストライクの弾丸が浮いている所ですか」
その説明に納得してしまうフリード
宇宙にある星を落として攻撃するメテオストライク……………良く考えなくてもとんでもない魔法である
「そんなところにも人は住めるんですね……………いつ落とされるかわかったものじゃないのに」



22 名前:フリード ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/12(水) 18:34:15 P
>「ネリーさんはグラディス君探さなきゃいけないんでしょ?
  グラディス君、あれでヨーンさんを怪我させたの気にしてたみたいだし、保健室行けば会えるかも!
  フリード君、その様子だと保健室に顔出したでしょ?だったら案内してあげて!!・・・・ぎゃん!!」
「気をつけてください………………ってもう居ないや
 とりあえず僕が保健室まで案内しますよわんわんさんいるかも知れませんし」
そのわんわんって呼び方は何だ?


「ここが保健室です」
とネリーを案内するフリード
そこにいたのは怪しげな笑みを浮かべつつガラス製の管のようなものに骨をセットする保険医であった
………………どう見てもマッドな科学者か錬金術師です
どうもありがとうございました

「うふふふふふふ………………もうすぐ、もうすぐ私好みの女の子が……………っは!?」
やっここっちに気がつく保険医
どうやら見てはいけない物を見てしまったようだ
「何やってるんですか?ってそれは僕の脇腹の骨じゃないですか!!
 まさかアダムからイブを作ったみたいに僕のコピーを作るつ森じゃないでしょうね!!」
 

23 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/12(水) 19:02:28 0
>17>19
> 「今の呪文、失神呪文ね。
> 勝手に動く事に対する心配、添えるだけという言葉。
> それらから推測するに、その左手の主であるエンカの同意を得ずに持ってきたのね。
> ならば今すぐその左手をエンカにお返しなさい。
> 左手が欲しいのであれば改めてエンカの了承を得なければならない。」
> 直立不動の姿勢でロゼッタに向き高らかに言い放つ。
「やだ」
ロゼッタはそれだけ言って、まるで、この星の神の言う事など知ったことか!
あるいは、kiSS my aSS if U caN!とでも言いたげにその場から逃げようとした。
「あんたがエンカに気があるなら、早く彼のいるところへ行けば?
 失神して水溜りにでも頭をつっこんでたらさ。早く解除しないと死ぬかもよ?」
そう、例えリリィがエンカの顔を、まるで熟したトマトのように真っ赤に腫れ上がるまで叩いても、
魔法で失神させたのだから、それ相応の回復呪文か魔法薬が無ければ目を覚ます事ができないのだ。
セラエノのとる行動は大きくわけると3種類だろう。
ロゼッタを追いかけるか、エンカを探して回復させるか、あるいは二人を放っておくことである。

24 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/05/13(木) 20:42:01 0
>18
>「か・・・かわいいーかわいいかわいい!なにこの子!まんまるで浮いててすっごくかわいいー!
 触らせてー!トレスちゃんを私に抱っこさせてー!!こっちおいでー!!ほらほらほらほら!」
「ひぃぃ!!たすk」
リリィがトレスを捕獲。なんか色々している
この非生物がカワイイと感じるとは...なかなかレアな人物だな
「感心してないでたs」
トレスの叫びも虚しく、リリィはスベスベ、コロコロ等してトレスを愛でていた

>「ごめんなさい、かわいいものを見るとつい・・・・・・・」
「かわいい...ねぇ......」
あんたの可愛い判定が俺にはわからない。
{そんなに可愛いのか?}
じーっとトレスを視るクレイ
「......!?」
「じーーー」
「ヒ、ヒエー!!」
思いっきり怖がられてしまった。トラウマになったみたいだ。ロボットのくせに

みんなそれぞれ分かれて行った
「さて、寮にでも行くか。する事無いし」
ちなみにトレスは「さっきのトラウマをデータから消します」とか言って俺のポケットの中に入った。邪魔くさい...

寮に行く途中の中庭で少女を見かけた
彼女は何か困っているみたいで、クレイはそのまま放って行ってのよかったが何となく気になって話しかけてみた
「おい、どうした?
入学の手続きの場所?それなら、そっちの道を真っ直ぐ行って二番目の角でこう行ってその次に...」
入学の手続きの場所がわからないと言った少女に指で道を示して教えるクレイ。いわゆるジェスチャーってやつだ
「え?そっちが何処かわからないって?あんた、目が見えないのか?
それは悪かった。杖も使わずにしっかりと立っているものだから、まさか目が見えないとは思わなかった。
じゃあ、俺が案内するな。付いて来てくれ...っと、そう言えば目が見えなかったんだよな。
それなら......」
パシッっと少女の手をとった
「これなら問題無いだろ。じゃあ、行くぞ」
少女は目は見えなくても耳でクレイの足音を聴いて付いて来る事が出来るのだが、クレイはその事を知らないので少女を引っ張って行った

「この扉の先がそうだが、ここで待っててやろうか?
ああ、悪いとか気にするな。どうせ暇なんだから」

25 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/13(木) 22:56:17 0
>23
セラエノがとった行動は逃亡阻止だった。
その選択に全くの迷いも躊躇いもない。
「今話しているのはエンカの安否ではなく、あなたの間違いを正す事よ。」
トンと足音を鳴らして数センチ浮き、そのまま滑る様に逃げ出そうとするロゼッタの前に回りこむ。
素早く呪文を唱えると、突き出した手からピンク色の雲が溢れ出た。

「何処でどうなっているかわからないエンカを当てもなく探すのは無駄だし、ね。」
失神魔法で気絶している事はわかったが、ロゼッタのいうように水溜りに頭を突っ込んでいるかどうかなどわからない。
場所も状態もわからないエンカを心配するより、今目の前にいるロゼッタを取り押さえる方が重要と判断したのだ。
しかしセラエノは知らない。
エンカが水溜りに頭を突っ込むより悲惨な目に遭っているなどという事を。

ピンク色の雲は風向きを無視してロゼッタを飲み込もうと広がっていく。
深い眠りに引きずり込む眠り雲の魔法の発現だった。

26 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 の代理[sage] 投稿日:2010/05/13(木) 23:14:58 0
>「行くっ!!」

「あら、元気がいいわね。
 それじゃあ一緒に食べましょうか」

クスクスと笑うシルヴァ。

>「それと、さっきの突風で私のパンティ見たあなた!」
「…あ?俺は見てねーよッ」

鋼は否定するが、リリィは早口で捲くし立てる。
そのため最初は否定こそしていたものの、終いには勢いに押されて見たと言うことになってしまった。

「…まったく、サンドイッチか何かで良かったな?
 一番安いのでよかったら奢ってやるぜ」

食堂に向かう途中、リリィが挨拶してきたので鋼も挨拶をし返す。

「リリィか…俺は鋼でこっちはシルヴァ、よろしくな」

>>5
「着いた着いた…結構人が多いな」

辺りを見回してみると、かなりの人数だ。
流石に座る場所がない…いうわけではないが、それでも席は結構埋まっている。

>「そうだ!テレパシーでこの場にいる全員に質問してみればいいんだ!良いよね、エンカ!」

そうリリィが言うやいなや、頭の中に直接声が聞こえてきた。
どうやらこれがリリィのいうテレパシーらしい。

> 『お食事中すみませーん。どなたか、生の左手を持った女子を目撃していませんかー?』

「生の左手ねえ…俺は来たばかりだし、まったく知らないんで力になれねえや…悪いな」

普通なら冗談か何かと聞き取られそうな話だが、ここは魔法学園であるためナニが起きても不思議ではない。
それに、吸血鬼の屋敷の元で育った鋼とシルヴァだ。鋼の実家カルヴォネン家の敷地内で
死体なんて腐るほど…というわけではないが…それなりに見ている。
故にそういったオカルトじみたことやスプラッタ系統には慣れっこである。
ちなみに死体は、基本的に身の程をわきまえない強盗のモノで、正当防衛が成立している…らしい。

「俺は注文しに行ってくるぜ、情報収集はそっちで頑張ってくれ」

そういうと鋼はスタコラサッサとカウンターに向かった。


27 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 の代理[sage] 投稿日:2010/05/13(木) 23:15:51 0
「もがもが」

鋼は口一杯に大きな焼きそばパンを頬張っている。
多少具がはみ出ているが、落ちてはいないので床が汚れる心配はない。

「…ちゃんと食べなさいよ」

その様子を見ていたシルヴァがジト目で鋼に言う。

「もが…むぐっ。
 …ぶはっ、いいじゃないか。どうせすぐ食っちまうんだし…
 おっと、リリィにサンドイッチ渡さねえとな。にしてもどこにいったんだ?」
「…この食堂にはいないみたいね。
 でも、残留魔力が多少残っているしそう遠くは行っていないはずよ」

残留魔力、それはシルヴァが捉えることの出来る、残留思念とはまた違うその人物特有の魔力のことである。
言ってしまえば『気』や『オーラ』みたいなもので、それを探ることは
この魔法学園の生徒なら、訓練次第で誰でも身につけることが芸当だそうだ。
「って事は中庭かどこかか?」
「かもしれないわね。
 行方が知れなくなる前に、探しに行きましょう」

>>19>>23
中庭に出ると、案の定と言うべきか噴水にエンカとリリィの両名がいた。
にしても何やら様子がおかしい。

「…あら」

どういう様子になっているかは、すぐに分かった。
リリィがエンカの顔を叩いているのだ。それもしつっこく。
早く止めないと何かと厄介な事になるかもしれない。

「おい、やめろ馬鹿。
 このエンカは早くも終了ですね…って言ってる場合じゃねーか」
「はいはいそこまで。
 それじゃあ、あなたのビンタで逆に失神しちゃうわよ」
シルヴァが、リリィをエンカの元から力づくで離す。
叩かれていたエンカは…ボコボコと言うわけではないが、結構顔が腫れていた。

「で、どうしたんだよ?
 エンカの顔をあんなに叩いてたなんて、なにか理由でもあるんだろ?」
「へぇ?」
シルヴァが屈み、エンカのシャツをたくし上げ、彼の胸の心臓部に手を当てる。
純血の吸血鬼たるシルヴァは、その生命体の血の流れで身体のどこがおかしいか…と言うことが分かる。
そして正確な診断を行うためには、身体の各部に血を送り込む心臓が一番いいというわけだ。

「…左手のことを除けば、肉体自身におかしい所はないわねえ。
 となると…なにかの精神魔法でも受けて、そのせいで失神したのかしら。
 リリィ、いきなりだけど変わった事とか…何か分かることはある?」

数秒もすると、シルヴァは首をかしげながら立ち上がってリリィに質問をぶつける。
肉体に異常がないなら精神に異常あり、と踏んだのだ。

「お、アゲハチョウ」

鋼はといえば、何もすることが無いのでボケッとしていた。

28 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/14(金) 21:36:16 0
>25
> 「今話しているのはエンカの安否ではなく、あなたの間違いを正す事よ。」
セラエノがトンと足音を鳴らして数センチ浮き、
そのまま滑る様に逃げ出そうとするロゼッタの前に回りこむ。
「(速い…!)」
ロゼッタがそう思うより早く、セラエノは素早く呪文を唱える。
そして、突き出した手からピンク色の雲が溢れ出た。
> 「何処でどうなっているかわからないエンカを当てもなく探すのは無駄だし、ね。」
セラエノがロゼッタの切断能力を知っているかどうかは定かではないが、
彼女はロゼッタが彼女をバラバラにできるだけの、
踏み込みの間合いから絶妙に離れた位置に立っている。
逆にロゼッタにもこのピンク色の雲の正体は不明だが、
なんとなく吸い込んだらセラエノの術中にははまるだろうと思った。
このまま突っ込むわけにはいかない。
「ステューピファイ!」
ロゼッタは杖先をセラエノに向けて、そこから赤い閃光を放った。
失神呪文である。まともに当たれば失神するだろう。
「ドコデモ・ドアー!」
ロゼッタはさらに攻撃を続けるつもりだ。
失神呪文は1年生の時点で護身用に覚えさせられる基本的な呪文の一つである。
よって、対処法はたくさんある。セラエノがその内の一つを知っていても不思議ではない。
ドコデモ・ドアーの能力はあらゆるものを切断し、その切断面を空間魔法で繋ぐ事だ。
「ばれっとぉ!」
ロゼッタはドコデモ・ドアーで半分に切断した、握り拳程度の石の半分をセラエノに投げつけた。
“ばれっとぉ!”はかけ声であり、別に魔法の呪文ではない。そう、つまりただの投石である。

> ピンク色の雲は風向きを無視してロゼッタを飲み込もうと広がっていく。
「(…やばいなぁ、攻撃することに気を使いすぎた。逃げ場が無くなった。)」
ロゼッタの体がピンク色の雲に包まれた。その一瞬、セラエノとロゼッタの間にある雲が厚くなり、
セラエノからもロゼッタからもお互いが見えなくなったが、すぐにセラエノはロゼッタの姿を見るだろう。
ピンク色の雲に包まれても、そこに“立っている”彼女の姿を。
「(たぶん、セラエノはドコデモ・ドアーの秘密に気づいただろうなぁ。)」
ロゼッタは、エンカの左手の切断面でぴったりと自分の口元を押さえていた。
そう、ロゼッタの持つ左手の切断面は、今噴水の前で失神しているエンカの切断面と繋がっているのだ。
そこから空気を吸えば、ピンク色の雲を吸わないですむ。しかし、当然この行為にはデメリットがあった。
それは、エンカの側にいる人間に、彼の左手の切断面からロゼッタの口が出ているのを見られる可能性があることだ。
「(セラエノを呪文で攻撃したいけど、今呪文を叫ぶのはまずい。
 エンカの側に誰かいるなら、彼らにドコデモ・ドアーの秘密がばれるのはなるべく遅い方がいい。
 呪文の解除は無言でできるけど、無言で使える魔法はまだあたいは覚えていない。
 セラエノとは、これから魔法の呪文無しで戦わないといけないのか…)」
どこからか飛んできたアゲハチョウが、ピンク色の雲の中に入ると、ポタリと地面に落ちてしまった。

29 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/15(土) 12:28:49 0
>23 >26-27
「うーん、やっぱり起きない・・・・・・・」
エンカの外見に魔法攻撃の痕跡が無かったためリリィは気づかなかったが、
失神呪文で気絶したのだから、頬を叩いたくらいで目覚めるわけが無い。

「こ、この上は・・・・・・・宿屋のおかみさん直伝、死人も起こす究極の目覚まし奥義を――――」
>「おい、やめろ馬鹿。 
> このエンカは早くも終了ですね…って言ってる場合じゃねーか」 
「止めないでよー!早く起こして左手探さないと!
 だって、まだ私達、入学手続きだってしてないのよー!!」
>「はいはいそこまで。 
> それじゃあ、あなたのビンタで逆に失神しちゃうわよ」 
「えっ・・・・・・あっ!!」
リリィはエンカの顔がはれていることに、今更ながら気づいたようだ。

>「で、どうしたんだよ? 
> エンカの顔をあんなに叩いてたなんて、なにか理由でもあるんだろ?」 
「そうです!大変なんです!!
 エンカが突然倒れて、どれだけ声かけても全然起きなくて!
 今の今までぴんぴんしてたから、怪我とか病気って訳じゃ無さそうなんですけれど」 

>シルヴァが屈み、エンカのシャツをたくし上げ、彼の胸の心臓部に手を当てる。 
「いええええっ?!」
綺麗なお嬢様のいきなりの行動に驚くが、すぐにエンカの状態を確認するためだと理解する。
(目を覚ましたら、エンカに教えてあげよー)
果たして喜ぶのか残念がるのか恥ずかしがるのかまでは分からないが。
>「…左手のことを除けば、肉体自身におかしい所はないわねえ。 
> となると…なにかの精神魔法でも受けて、そのせいで失神したのかしら。 
> リリィ、いきなりだけど変わった事とか…何か分かることはある?」 
「いえ、周りには怪しい人影も無かったですし、魔法が飛んできた痕跡もありませんでした。
 だから、エンカはただ気絶したのだとばかり思っていたのですが・・・・・・あっ!!」
その時になって、リリィは食堂でエンカが話していた言葉を思い出した。
「そうだ!エンカはこうも言っていました!」
彼のいった言葉とはこうだ。
>俺の体と左手が繋がってるとしたら、俺の体に電気を流したら、 
>俺の左手を持っているロゼッタを感電させられるかもしれねぇな! 

>28
「もしかしたらロゼッタは、誰かとトラブルになって、失神呪文をかけられたのかも!
 大変、こうしちゃいられないわ!!早く彼女を探さないと!!
 お2人とも、精神系の魔法解除は出来ますか?無理なら、エンカを保健室に運ぼないと。
 ・・・・・・・・鋼さーん!他人のふりしないで助けてクダサーイ
 そして、サンドイッチアリガトゴザイマース!!・・・・・・・って。
 鋼さん、何を見て・・・・・・・アゲハチョウがそんなに珍しいんですか?」
リリィは鋼が目で追っているものを自分も目で追い、不思議そうに首をかしげた。
そして、見てしまった。
地面に投げ出されたエンカの左手の断面に、アゲハチョウがふっと吸い込まれたのを!!

「・・・・・!!・・・・・・・・!!!!」
リリィは総毛立ち、そばにいたシルヴァの腕にしがみ付いた。
彼女はエンカの腕の断面を指差しながら、口をパクパクさせている。
まあ、何がいいたいかは恐らく通じているだろう。

そうこうしているうちに、真っ黒の断面にはピンク色の何かが浮かび上がってきた。
ピンク色の柔らかそうなそれは、良く見れば人間の唇だと分かっただろう。
だが、リリィはしょせん粗忽者だった。
「大変!目の次は虫が!!エンカの腕にナメクジモドキが生えてきたぁ!!」
リリィは、断面に浮かんだナメクジ(仮)を鷲づかみし、引き剥がそうと思いっきり引っ張った!

30 名前:二本足で歩く黒猫グレン ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/15(土) 13:20:44 P
>28>29
主人が保健室に行ってしまったので一匹取り残されたグレン・ダイザー
仕方が無いのでリリィに着いて行くことにした
>「大変!目の次は虫が!!エンカの腕にナメクジモドキが生えてきたぁ!!」

「にゃあ」
(僕にいい考えがある)
とタバスコの瓶を食堂から持ってきたグレン
って前足で物掴んでるぅ!?
キュポンと音を立て外れるタバスコの瓶
「にゃあん♪」
(ナメクジにはタバスコだよねそぉい♪)
エンカの腕の断面に生えた唇らしきものに瓶の中身を思いっきりぶちまけるグレン
普通ナメクジには塩なのだがいかんせんグレンは明らかにまたたびのせいで悪酔いをしている

「にゃあにゃあ♪」
さっきまで怖がっていたのが嘘のように上機嫌なグレン
どう見てもまたたびでラリパッパである
そのグレンが取り出したのはやはり食堂から持ち出した激辛ハバネロ調味料であった
「にゃあん♪」
(投入投入ハバネロ投入♪)

その頃食堂では保険医にガチレズロリコン疑惑が持ち上がっていたが
そんな事はそこにはいないグレン・ダイザーには関係なく辛味系調味料を投入し続けるのであった
麻薬駄目絶対!!

31 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/05/15(土) 14:47:33 0
>>24
桜花は途方にくれていた
相変わらず入学手続きができていないのだ
(まいった・・・というより困った。)
ここを通った人々にも道を聞いたが
ある人曰く、それを探すのも入学式の醍醐味
またある人曰く、そんなものは存在しない
一番酷いときは、見つけられないくらいならカエレ
などなど

しかし、捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったものである
>「おい、どうした?
「ああぁ、すまない。貴方は入学手続きの場所がわかるだろうか?」
>入学の手続きの場所?それなら、そっちの道を真っ直ぐ行って二番目の角でこう行ってその次に...」
>入学の手続きの場所がわからないと言った少女に指で道を示して教えるクレイ。いわゆるジェスチャーってやつだ
桜花は困った。なにやら指差したらしいがまったく見えない桜花には伝わらなかった
「あー…すまない、私は貴方と違って目明きじゃないんだ」
>「え?そっちが何処かわからないって?あんた、目が見えないのか?
>それは悪かった。杖も使わずにしっかりと立っているものだから、まさか目が見えないとは思わなかった。
>じゃあ、俺が案内するな。付いて来てくれ...っと、そう言えば目が見えなかったんだよな。
>それなら......」
>パシッっと少女の手をとった
「えっ…」
>「これなら問題無いだろ。じゃあ、行くぞ」
桜花は少年に手をとられ歩きだす

ラブストーリーは突然に(少々ネタは古いが)が桜花の頭の中で流れた気がした

>「この扉の先がそうだが、ここで待っててやろうか?
>ああ、悪いとか気にするな。どうせ暇なんだから」
「重ね重ねすまない。少々待ってて頂けるか?貴方にお礼がしたい。」
そういいながら扉へと入って行く桜花

数分すると桜花が扉から出てくる
「お待たせした…えっと…すまない、まだ互いに名前さえしらなかったな。
 私は奏 桜花。気軽に桜花と呼んでいただけると嬉しい。」


32 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/15(土) 22:59:53 0
>>28
>「ステューピファイ!」
ロゼッタの声とともに杖から迸る赤い閃光。
お互いの攻撃が激突、となれば中々の絵になったのだが、それぞれの攻撃の質が違いすぎる。
閃光はまっすぐにセラエノに命中したが気絶はしなかった。
なぜならば閃光は顔面を直撃。
光である以上、鏡の仮面に当たれば反射し、その曲面に沿って空の彼方へと飛んでいった。

偶然ではあるがロゼッタの攻撃を凌いだセラエノに更なる声が届く。
ロゼッタとの距離を更に取ったところに飛んできたのは石。
それぞれの掛け声の意味はわからずとも、距離さえ取っていれば飛来する石を捌く事は難しくない。
石は数十センチ手前で見えざる力により勢いを殺され、セラエノの手に収まる。

石を片手に完全に雲に覆われながら経っているロゼッタのシルエットに一つの確信を持っていた。
それを確定にしうるものは手の内にある。
エンカの左手の切断面は黒くなっていた。
そして今手にある石も一面が黒く覆われている。

眠り雲が晴れるまで数分。
初撃は運良く弾き返したが、赤い閃光の攻撃手段がある以上迂闊に近寄れない。
激しい攻防の最中ならば思いもしなかっただろうが、膠着状態となった今、セラエノの頭にむくりと湧き上がる好奇心があった。
エンカの手を切断した能力の検証…。
うずうずと湧き上がる好奇心のまま石の黒い部分を破ってみた。
破れた部分から見えるのは、ローアングルからの左手の切断面を口に当てているロゼッタの姿。

「わかったわ、ロゼッタ。あなたの能力…あ…!」
未だ眠り雲の中にいるロゼッタに能力を見破った事を口に出した瞬間、自分が致命の間違いを犯した事に気がついたがもう遅かった。
石の切断面は眠り雲の中にあるもう一つの石と繋がっているのだ。
即ち、視線が通るだけでなく他の物も行き来する。
そう、例えばアゲハチョウだったり、石の破り目から流れ出る眠り雲だったり。
流れてきた眠り雲の量は多くなかったが、覗き込んでいた為にまともに顔に浴びてしまったのだ。

「な…なんていう狡猾な罠・・・!だけど…」
単なる自爆なのだが、あえて罠という事にして置いてください、お願いします。
襲い繰る睡魔に抗いながら最早戦えないことを理解していた。
魔法の行使には集中力が必要だが、とても無理だ。
ならばできる事を…
「エンカ!あなたの左手は女子寮南の芝生広場にあるわ!早く来なさい!!」
セラエノは大きな声で叫んだ。
ロゼッタが左手の切断面に口を当てているという事は、今、この場とエンカのいる場所はそこを通じて繋がっているという事。
大きな声で叫べば声も届くだろう。
眠気と戦い朦朧とした頭では、エンカが気絶呪文で気絶しているという事までは考慮できなかった。

叫び終わったあと、セラエノの膝がカクッと折れる。
最早眠気に抵抗するのも限界だった。
最後にスカートの裾を軽く持ち上げると芝生に倒れ、安らかな吐息をたて眠ってしまった。

最後に裾を持ち上げられたスカートからは幅10センチほどの巻物と金色のカードが落ちる。
金色のカードは動かなかったが、巻物はそれぞれ紐が解け、コロコロと広がっていった。
巻物はコイノボリと同じく、擬似生命体「タチウヲ」
胸鰭までの魚の身体に、腹から尾びれまでが太刀となっている物騒なものだった。
ちなみに擬似生命体なのに性別があり、全てが雌体で、同じく擬似生命体で全てが雌体の「ウミネコ」と相性が良いというのは誰得のマメチシキ。

吐息をたてるセラエノの周辺を泳ぐように浮遊するタチウヲは害意を持つ者が近づけばその鋭い刀身を向けるだろう。

33 名前:ネリー◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/05/16(日) 09:09:10 0
>「お!なんか知ってたら教えて欲しいんすけど!」
「あっ、そこのテーブルの人、何か教えて〜!」
エンカはどうやら噂しているグループに気が付き、話を聞きに行く。
ネリーはネリーで同じように聞き込みに行く。無論、聞く対象は違うが。
「ふんふん、学園777つの不思議の一つにそういう話が。で、その正体がその子なの?」
どんどんだんだん集まってきた情報を聞いてそのまま記憶。
ネリーは意外と頭、というか記憶力が良いらしい。


>「リリィ、わかったぜ!俺の左手を盗んだのはロゼッタ・ウィルって奴だ。
> 自称宇宙人のキレた奴らしいぜ。だが、さすがにどこにいるかまではわからなかったけどなぁ」
>「宇宙人!さすが魔法学園ね。凄いところから留学生が来てるんだ〜」
「私の方も同じような情報だね。サンドイッチをよく買っていくって聞くけど、なんでサンドイッチなんだろ?」
首をかしげていると、エンカが二人の生徒の存在に気付く。
>「…あれ?おめぇら無事だったのか。てことは、セラエノも無事なのか?」
「あっ、さっきの……フリード君達だっけ?」
>「あ、そうだった。エンカ、目撃証言が出たわ!」
>リリィは、フリード達から聞き出した情報とアイディアをエンカ達にも伝えた。
>「残念ながらよぉ、動かせるには(略)
> 最悪二人とも保健室に運ばれても、逃げられる心配だけは無くなるよなぁ!」
>「でも、今はロゼッタって子の行方がわからないんでしょ?
> 例えばその子が、木の上とか塔の上みたいな高くて危ないところに隠れてるとしたら?
> 手が暴れたり電流流したりしたら、いろんな意味で大惨事にならないかしら?」
「う〜ん、いいのが思いつかないなぁ。感覚は繋がってるんだから……」

>「ちょっとあんた!」
そう考え出したところで、横から怒声が飛んできた。
>「なんて汚いものを食堂に持ち込むんだい!
> 食事が欲しけりゃ、そいつを捨てるか、きれいに洗って出なおしてきな!」
おばちゃんである。エンカを見れば泥だらけの何かを持っている。
料理を作ってる側からすれば、確かにとんでもない行為だろう。
>「とりあえず俺一人で奴を追ってみるから、ゆっくりしてけよな〜。」
ら注意を受けたエンカはそう言い残すと、すたこらさっさと食堂を出て行く。
……約束したはずのリリィを残して。
>「ちょっ、待っ・・・・・」
>「あんのバカ!!私はテイクアウトのランチをって言ったの聞いてなかったのね!!
> だいたい女の子見つけても、首チョンパされたら完全にアウトじゃない!!」
「まあまあ、きっとその前に考えがあるんじゃない?情報だって揃ってるんだから思いついてもおかしくないよ」


34 名前:ネリー◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/05/16(日) 09:10:22 0
どうどうと宥めていると、ネリーを見てリリィは何かに気付く。
「……?どうしたの?」
>「ネリーさんはグラディス君探さなきゃいけないんでしょ?
> グラディス君、あれでヨーンさんを怪我させたの気にしてたみたいだし、保健室行けば会えるかも!
> フリード君、その様子だと保健室に顔出したでしょ?だったら案内してあげて!!・・・・ぎゃん!!」
>前を見ていなかったリリィは、何か棒切れをもった人に激突した。
「リリィちゃん!?だ、大丈夫〜?」
>「いたた・・・・・・ご、ごめんなさーい!!」
>「気をつけてください………………ってもう居ないや
> とりあえず僕が保健室まで案内しますよわんわんさんいるかも知れませんし」
「うん、よろしくお願いするね。それじゃリリィ、また後で!」


それから幾程も経たないうちに、目的の場所へと到着する。
部屋の前のプレートには、確かに『保健室』と書かれている。間違いなさそうだ。
>「ここが保健室です」
「此処なんだ。やっぱり設備とかいいのかな?
 フリード君、案内してくれてありがとう!それじゃ、失礼しま〜……す?」
ガラガラと扉を開けて、一番に見たもの。
それは怪我したヨーンでも誰かを負ぶったグラディスでもなく……

怪しげな笑みを浮かべた、保険医。それも、何かの骨を設置した実験器具を前にしての、だ。
「まっ、マッドな人だ〜っ!?」
>「うふふふふふふ………………もうすぐ、もうすぐ私好みの女の子が……………っは!?」
>「何やってるんですか?ってそれは僕の脇腹の骨じゃないですか!!
> まさかアダムからイブを作ったみたいに僕のコピーを作るつもりじゃないでしょうね!!」
「ってあれ、フリード君の骨!?抜いたの!?設備が良いってレベルじゃないと思うんだけど!
 というか先生は本当に怪我人の治療はしてるんですか〜!?」
怪しすぎる〜!というのが、暴走中の保険医に対するネリーの第一印象である。


35 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/05/16(日) 09:11:58 0
>11
>「世の中と言うのは、一から十まで答えがあるとは限らないからねぇ。
> 私が何者か、と言う問いへの返答で君が抱く全ての疑問が解決するわけだけど……
> 残念ながら今の君が納得する答えは返せないだろうね」
「話が長い。言うんだったら言えよー」
走りながらにも関わらず、余裕の表情で話すグラディス。
早くと説明を促すと、今度こそ鳥は自分の素性の一部を明かし始める。
>「『私』はただの使い走りだよ。ご主人様が直接様子を見るための器も兼ねた、ね。(略)
> 今回の件も、私はいささか踏み込み過ぎじゃないか、と思うんだよ」

ははあ、と納得したようなしてないような微妙な返事を返していると、ようやく森を抜けることができたらしい。
最初とは随分と傾きの変わった日が二人と一羽をお出迎え。
ちょいと先には大きな正門。ようやく魔法学園に到着したのか、と感慨深いような感触のグラディス。
>「っととと、着いたよ。ここがお目当ての学園だ。
> 彼をしかるべき所に預け、入学手続きを済ませたら職員室に行くといい。
> 球体ゴーレムを連れた少年が、トランクを三つ預けていたからね。
> 君のトランクがどれかは知らないが、その中にあるはずだ。では、また」
「おっ、道案内サンキューなー。なんか偉そうな口調には二度と出くわしたくないがな」
最後に毒舌を浴びせて、飛び去る鳥を見送る。

>16
「さーて、どうすっかなー。医務室なんて場所知らないしなー。
 またどいつかに案内頼もうかねー……ん?」
暫くあたりに立っていると、自分と同じようにずっと立っている男の姿。
間違っても十代ではないが、大人といっても教師のような雰囲気ではないし、なんか涙目である。
>「ヘルプミーですなぁ!」
あとなんか騒がしい。涙目になった。聞くに、自分を助けて欲しいらしい。
周りは目をそらして通り過ぎていく。
そのため男の周りには誰もいない。

仕方がないと思い、カラスっぽい青年を担ぎなおして気だるげに声を掛けることにした。
「……おーい、そこのオールバック茶色。どうしたよー?
 まさか荷物がないとか?それなら、一緒に行こうぜー」

36 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/16(日) 19:51:33 0
>29>30>32
> 「大変!目の次は虫が!!エンカの腕にナメクジモドキが生えてきたぁ!!」
> リリィは、断面に浮かんだナメクジ(仮)を鷲づかみし、引き剥がそうと思いっきり引っ張った!
「(痛たたたたたた…!!?)」
とロゼッタは思っても声に出せない。しかし、
エンカの左手の断面に無防備に露出したロゼッタの口への攻撃は続く。
> 「にゃあん♪」
> (投入投入ハバネロ投入♪)
ロゼッタの顔が真っ赤になる。もう隠密もくそもない。
ロゼッタは激しくげほげほと咳き込み、エンカの左手の切断面から口を離そうとしたが、
リリィが彼女の口を引き剥がそうと引っ張っているためそれもできない。
二足歩行猫グレンはなおも執拗にハバネロ成分たっぷりのタバスコを流し込む。
「ごぁ…ぐぇ…げ、ごばぁーっ!ぐげっ……ごがが…」
ロゼッタはたまらず嘔吐した。
エンカの左手から、酸っぱい匂いと、ボロボロになったサンドイッチが垂れ流された。

リリィがロゼッタの口を掴んで離さなかったことは、結果的にロゼッタに有利に働いた。
> 「な…なんていう狡猾な罠・・・!だけど…」
セラエノが、ロゼッタの投げた石の断面を破き、
ロゼッタの足元にあるもう一つの石の断面からピンク色の雲を吸い込んでしまったのだ。
本来ロゼッタもその方法でセラエノを攻撃するつもりだった。
それをロゼッタが激辛ハバネロに苦しんでいる最中にセラエノ自身が行ってくれたのは幸運というより他はない。
ピンク色の雲が徐々に晴れてきた。地面に落ちていたアゲハチョウが再び宙を舞う。
ロゼッタはもう大丈夫だと判断し、エンカの左手から口元を離した。
(もしもリリィ達が、ロゼッタのゲロにひるまず彼女の口を掴んだままなら、ドコデモ・ドアーで切断されただろう。)
> 「エンカ!あなたの左手は女子寮南の芝生広場にあるわ!早く来なさい!!」
セラエノは倒れる前にそう叫んだ。その叫びは左手の切断面を通して、エンカの周りの人間の耳に入るだろう。

「涙が止まらない。汗も出てる。鼻血も出てきた。出していないとしたら、小便とクソぐらいか…」
ロゼッタは広場にある水飲み場で自分の状態を確認した後、きれいに顔を洗った。
「あたいを慰めてくれるの?やさしいのね、エンカ君。」
ロゼッタはエンカの左手で勝手に自分の頭をなでなでした。
そして、地面をドコデモ・ドアーで丸く切り抜き、エンカの左手の切断面に押し当てる。
もしもエンカ達が左手の切断面の秘密を理解し、それを覗き込んでも地面しか見えないというわけだ。
「もうエンカ君達の動向をチェックする余裕はない。早くここから移動しなければいけない。」
ロゼッタは女子寮に向けて移動を開始した。

37 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/05/16(日) 21:19:14 0
>31
>「重ね重ねすまない。少々待ってて頂けるか?貴方にお礼がしたい。」
>そういいながら扉へと入って行く桜花
>数分すると桜花が扉から出てくる
>「お待たせした…えっと…すまない、まだ互いに名前さえしらなかったな。
 私は奏 桜花。気軽に桜花と呼んでいただけると嬉しい。」
「俺はクレイ。あんたと同じ新入生だ。よろしくな、桜花。
......っと、そうそう、こいつも紹介しておかないとな」
ポケットからトレスを取り出そうとする。ポケットはそんなに大きく無いので、トレスぐらいの大きさの物が入ると、結構きつい。そのため、なかなか出ない
「...っと、やっと出た。
おい、トレス。初対面の相手がいるのに寝ている場合じゃないぞ」
返事がない。ただの金属球体のようだ
まださっきの事から立ち直れないのか?どんだけ脆い心なんだよ。ロボットなのに
「空気者になっちまうぞ。いいのか?.........ったく。
ああ、悪い。俺の相棒がちょっとな......。俺の相棒はトレスって言うボール状のロボットなんだが、色々あって今は話ができない状態なんだ。すまないな。
.........そうだ、こいつに触ってみるか?目が見えないのだったら触ってみた方がいいだろう」
トレスを桜花に差し出す
ちなみにトレスは、ほぼ凹凸の無い金属製の球体だ。凸になっている部分っといえば、一つだけ付いている目の部分で、そこの表面はガラス製で形は半ドーム型になっている

「お礼っていっても、俺はあんたをここまで連れて来ただけだからな...
まぁ、こんな所で立ち話もあれだからどこか座れる所にでも行くか」
そう言うとクレイは、また桜花の手を取り歩き出した
誰かが見れば勘違いされそうな状態だが、そういう事に疎いクレイは気にしないで行く
貴様はどこの主人公だ、と言いたくなる
「そうだ。あんた、その荷物ずっと持っているのも大変だろ。先に寮に行ってそいつを置いていくか?」
クレイは目の見えない彼女が荷物を持って歩くのは危ないだろうと考えた
桜花がそうする、と言うのなら桜花を寮へ連れて行き、大丈夫だ、と答えるのならそのまま中庭で何処か座れる場所にでも行くだろう

38 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/17(月) 01:19:48 P
>34
>「ってあれ、フリード君の骨!?抜いたの!?設備が良いってレベルじゃないと思うんだけど!
 というか先生は本当に怪我人の治療はしてるんですか〜!?」
「みんな自前の回復魔法で直してしまうから保険医は暇で暇でしょうがないのだよ
 今日は珍しく患者が多いがね」
と保険医
「ここは僕が抑えますからワンワンさんがいるかどうか確かめてください」
とフリード少年
「いや別に暴れるつもりとかはないんだがね
 だいたい保険医に戦闘能力が有るわけがないだろう常識的に考えて
 私は人の傷や病気を直す魔法は持っていても人を傷つける魔法は持たないのさ
 君の骨を抜き取った理由はただ一つ可愛らしい女のが欲しいただそれだけなのだよ」
と保険医
治療のためじゃなかったのか!?
どうやらこの人もある意味ロゼッタの同類の様である
「かわいい女の子が欲しかったら結婚相手探して自分で産めばいいんですよ
 美人なんだからお婿さんは選り取りみどりでしょ!!」
とフリード少年
どうやら保険医はかなりの美女のようである
「残念ながら私は男には興味なくってね」
と保険医 やべえ!この人ガチレズだ!?
「欲しいからと言ってコピーホムンクルスの製造は法律で禁止されているはずです
 同じ人間が二人いるなんて個の概念の危機に成りかねません
 だいたい男の僕のコピーは男にしか成り得ませんよ」
と自分は男であるのだからその複製は男にしかなり得ないと否定するフリード
「魔法の世界で重要なのは体ではなく心の性別!
心を立派なレディに育て上げてしまえばもはや君のコピーではない
それに体が男なら後から魔法で女にしてしまえばいいのさ!!
 なぁにガマガエルに変身させるよりはずっと簡単だ!人間を人間に変えるのだからな!!
 必要なのは美しい顔を持った人間の骨だ!元の性別は関係ない!
 私は究極の乙女を作り出す!私だけのアリスをね!!」
とヤバめな妄言を繰り広げる保険医
「だったら基本線同じ顔の姉さんの骨を使えばいいじゃありませんか」
とフリード少年 っていうかいるの!?
「あれは丈夫すぎてそもそも保健室に来ないし背が高すぎて好みじゃない
 性別を変えるのは簡単でも大きいものを小さくするのは難しい
 私はちっちゃ可愛い女の子が好みなのだ!!」
と保険医どうやら彼の姉の事を知っているらしい

そういえば保健室には他に誰がいるのだろうか?
少なくともフリードの知り合いは居ないようであるが?
「ワンワンさん居ましたか?」
とネリーに問いかけるフリード
保険医のことは放って置いてもいいのか?
それ以前にワンワンさんって呼び方は何だ?



>36
その頃 噴水脇
「にゃぁぁぁっ!?」
ゲロにまみれてひどいことになっているグレン
あまりの事に噴水に飛び込み体を洗う
猫のくせに自ら水に飛び込むとはよっぽどゲロが嫌だったに違いない
水に濡れたグレンはなんていうかすごくボリュームが減った
洗った猫はかなり大きさが縮むのだ

「にゃにゃにゃ〜」
(ナメクジが変な物吐いた!えんがっちょ)

39 名前:クルード ◇2qZ7FF4TUs[sage] 投稿日:2010/05/17(月) 07:48:59 0
グレンがまたたびに食いついてくるまで、クルードは空いている手でメモ帳を取り出し 
この事件の容疑者もとい、ロゼッタについての聞こえた情報を書き留めていた。 
しかし、肝心の容姿についての情報は聞き取ることが出来なかった。 
「まぁ、それに関しては彼に聞くかな」 
そんなことを呟いたとき、お目当てのグレンがやっと食いついてきた。 
「やぁ猫君、そんなにこれが気になるのかな?ん?」 
グレンの目の前にまたたびをチラつかせながら、グレンの目の前に姿を現す 
「君の話は一部始終聞かせてもらったよ猫君。実に興味深い事件だね」 
クルードの口ぶりだと、ケットシー語を完全に理解しているみたいだ。 
「安心したまえ、私は…ってそれどころでは無いか、君が私に協力してくれるのならこれは差し上げよう 
 私が君に聞きたいのは1つ…そのひだ…なんとぉ!!!」 
グレンにロゼッタの事を聞こうとした瞬間、視界の外から誰かに思いっきり突き飛ばされた。 
「やれやれ、ちゃんと前を向いて走って欲しいねって…やれやれ」 
突き飛ばした相手は既にどこかへ走り去り、手にしていたまたたびはなくしてしまった。 
おそらく、持っていかれたのだろう。 

さて、こうなった場合やることは1つ、推理だ。 
これ以上の情報は得られそうに無い食堂を後にし、ぶらつきながら考える。 
(おそらくだが、彼女の噂を聞く限りじゃ、被害件数は相当なものだと考えていい 
 ただその件数分の手首はどうしたのんだろうか?大人しく返すだろうか? 
 生きたまま処分したならかなりの問題だ。確実に退学処分が下るだろう 
 ならば、とる処置は1つだろう。 
 安定した環境下に置き、保存管理…のはずだ。常人の考え方ならば 
 仮にそういう真似をする場合、一番確実にそういう状況を作れる場所は限られる 
 例えば…) 
ふと見上げた先に見えたのは今日から住処となる女子寮があった。 
「有力なのはそこだろうな」 
少し駆け足でクルードは女子寮へ向かった。 

40 名前:リキル ◇GdwEn6wJAk の代理[sage] 投稿日:2010/05/17(月) 21:39:06 0
「…………何処だここはー!!?」
保健室を出たリキルは寮を目指して移動していた筈が、見知らぬ場所に辿り着いてしまった。「地図でも書いてもらえば良かったな…いってて…。」
包帯を巻かれた上半身が痛む。
火傷はリキルの思っている以上に重傷だった。
だが、傷付いたのは体だけではない。
むしろ体よりプライドの方が重傷だった。
「ぜってぇー見返してやる…あのスキンヘッド野郎…。…ん?」
どうやってファンブルマンを倒してやろうかと考えながら学園を巡っていると、ある場所に辿り着いた。
「ここは……講堂か。少し歩き疲れたな…誰も居ないみてーだし、軽く休憩するか…。」
リキルは講堂に入ると、隅の方に座りこんだ。

41 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/19(水) 05:38:44 0
>30 >32 >36
「グレンったら器用ねー。
 それにしても、ナメクジには塩じゃなくて辛いものが効果的だったのね!」
何の疑いも無く、酔っ払いグレンとキャッキャウフフしているリリィ。
> 「にゃあん♪」 
> (投入投入ハバネロ投入♪) 
「でも変ね、このナメクジちっとも取れないのよ・・・・・うわっ?!ナメクジが暴れ――せ、咳き込んでる?!」
>二足歩行猫グレンはなおも執拗にハバネロ成分たっぷりのタバスコを流し込む。 
>「ごぁ…ぐぇ…げ、ごばぁーっ!ぐげっ……ごがが…」 
「きゃ――――っ!!ナメクジから何か出た――――っ!!」
リリィはぱっと手を離すと、エンカの身体を引きずって、ナメクジが吐き出した謎の物体から避難した。

「いいい今のは一体?ナメクジを引っ張った呪いなのっ?
 でも、なんかこの匂いって・・・・・・・えーと。多分私の想像は間違ってない気がするんだけど・・・・・・」
>「エンカ!あなたの左手は女子寮南の芝生広場にあるわ!早く来なさい!!」 
リリィの声にかぶさるように、女性の声が聞こえてきた。この声は恐らくグレンも聞き覚えがあるはずだ。
「セラエノ?!セラエノだよねっ?!
 あ、セラエノって言うのは、学園に来る前、森の中で出会った親切な女の子です。
 彼女の顔、まぶしいし見えないんですよ」
色々端折りすぎである。
「セラエノ、早く来なさいって言われても、女子寮南の芝生広場ってどこにあるのよー!!」
リリィの叫びも空しく、セラエノからの答えは無かった。
「ねえシルヴァさん、女子寮南の芝生広場ってどのへんにあるかご存知ですかっ?!」

>「新入生の皆様に、お知らせします」
リリィが芝生広場の場所を問いただしていると、空から声が降ってきた。
だが空を見上げても誰もいない。どうやらこれは、噂に聞く校内放送のようだ。
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」
「うわああああ!!私もエンカもまだ入学手続きしてないのに――――!!
 このままじゃまずいよー、でも左腕が無いのはもっとまずいよ!本当にどうしよう!!
 ・・・・・・あ、グレン君のご主人や、鋼さんやシルヴァさんは、もう入学手続き終わってるんですか?」
そう聞きながら、鋼さんとシルヴァさん、どういう関係なんだろう?とリリィはちらっと考えた、
だが返答を聞いたおかげで、そんな疑問は一気に吹っ飛んだ。
リリィはうわあああ、と頭を抱える。
「まずい、まずいよ。このままだと時間切れで、本当に入学し損ねちゃう・・・・・・」
―――― とりあえずエンカの事は後回しにして、先に入学手続きだけしてしまおうか。
そんな考えが脳裏をよぎる。
「ダメダメ!エンカには借りがあるんだから!!」
リリィは悪い考えを追い払うようにぶんぶん首を振る。
それ以前に、彼女は必要書類一式を森の中に落として来てしまったのだ。
(今から探しに行っても、間に合うわけないわ)
なら、今の自分に出来ることはひとつだ。

「とにかく私、芝生広場ってところに行ってきます。
 それと入学の手続きが終わってるのなら、どちらかお一方、エンカを見ててくれませんか?
 本当は治療を受けさせるのがベストなんだけど・・・・・・。
 意識を取り戻したら、すぐにでも入学手続きに行かないと間に合わないし。
 え、私?私は・・・・・・と、とにかくエンカの左手取り返すのが先です!」
リリィは女子寮の芝生広場へと駆け出した。

「えっと・・・・・・ここ、だよね?」
リリィは芝生広場にやってきたが、ロゼッタらしき人物は見当たらなかった。
代わりに横たわっていたのは、変な仮面をつけた少女、セラエノだった。
セラエノの周りには、得体の知れない生物が眠る彼女を守護するかのように屯している。
「セラエノー!起きてセラエノー!!・・・・・・・エンカと同じで、魔法受けて気絶してるのかな〜?
 ああ、ロゼッタがどんな女の子なのか確認したかったのにー」
リリィはセラエノに近寄りたかったが、変な生物が怖くて近寄れない。
「ああ、ロゼッタはいったいどこにいるんだろう?・・・・・・ん?グレン、何か考えでもあるの?」

42 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/05/19(水) 08:19:40 0
>37
>「俺はクレイ。あんたと同じ新入生だ。よろしくな、桜花。
>......っと、そうそう、こいつも紹介しておかないとな」
「??他に誰か居るのか?音は聞こえないが?」
桜花は周りをきょろきょろと見回す
>「...っと、やっと出た。
>おい、トレス。初対面の相手がいるのに寝ている場合じゃないぞ」
「???それが・・・紹介しておくもの?」
球体に話かけているクレイを不思議そうな顔で見ている桜花
>「空気者になっちまうぞ。いいのか?.........ったく。
>ああ、悪い。俺の相棒がちょっとな......。俺の相棒はトレスって言うボール状のロボットなんだが、色々あって今は話ができない状態なんだ。すまないな。
>.........そうだ、こいつに触ってみるか?目が見えないのだったら触ってみた方がいいだろう」
クレイからトレスを受け取りながら合点がいったように頷く桜花
「なるほど、ロボットだったのか。
 …うん、形は把握した。クレイにトレス…うん、覚えた。これからよろしく頼む。」

>「お礼っていっても、俺はあんたをここまで連れて来ただけだからな...
>まぁ、こんな所で立ち話もあれだからどこか座れる所にでも行くか」
>そう言うとクレイは、また桜花の手を取り歩き出した
「あ、あの、・・・」
クレイに再び手を取られ歩いていく桜花
悪い気はしないがこのまま自分が音によって辺りを把握する事ができる事を黙っていていいのだろうか?
>「そうだ。あんた、その荷物ずっと持っているのも大変だろ。先に寮に行ってそいつを置いていくか?」
「いや、大丈夫・・・それにこのトランクには私の大切な物が入っているから。
 だが、心遣い感謝する。…それと」
しばらく思い悩んだ末に
「すまない、貴方は先ほどから手を引いて導いてくれるが
 私は音によって周囲の状況、人の動き、反響によって建物、場所の把握ができるんだ。
 あ…だからと言ってあなたに感謝していないわけではないし、先ほどは本当に場所がわからなかったんだ、これは本当だ。
 …すまない、黙っていて」
しょんぼりする桜花

43 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/20(木) 19:07:04 0
>39>41
女子寮の廊下でロゼッタはクルードと出会った。
「………」
当然と言えばそうだが、ロゼッタは先ほどのセラエノとの一件があったので、
エンカの左手を上着の内ポケットに隠していた。
切り取った地面でエンカの左手の切断面を押さえているので、
少々土で汚れてしまうのは仕方が無い。
「あんた急いでたみたいだけど…トイレならあっちだよ」
ロゼッタはクロードにそう言った。

> >「新入生の皆様に、お知らせします」
校内放送が女子寮内にも響き渡った。
> >「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> > 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」
ロゼッタはそれに対し、あまり興味を示さなかった。
その様子から、ロゼッタが新入生ではないとわかるだろう。

ちなみに、もしもクルードがロゼッタに会いたいと思っていればだが、
ロゼッタに名前を聞けば、ロゼッタは素直に名乗るだろう。
あるいは、ロゼッタの部屋まで案内してほしいと言えば、素直にそうするだろう。

44 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 [sage] 投稿日:2010/05/20(木) 23:58:54 0
鋼はアゲハチョウの行方を見つめている。
やることが無い彼が、いまここで出来る暇つぶしといえばこれぐらいなのだ。

「…」

黙ってアゲハチョウを見つめる鋼。
いかにも「やる気なんてありませんよ」という顔を浮かべていたが、次の瞬間その表情は変わった。

>そして、見てしまった。
>地面に投げ出されたエンカの左手の断面に、アゲハチョウがふっと吸い込まれたのを!

「「!!」」

鋼は何かの見間違いかと思い、辺りを見回し蝶を探す。
シルヴァは黙って左手の断面を見つめていた。

(ただ切り取られただけではなく、空間がどこかに繋がっている?)

シルヴァの思考は限りなく正解に近いものだった。

(繋がっているとしたら、どこに繋がっているのかしら)

どこに繋がっているか、それを確かめるためにエンカの左腕を持ち上げようとしたその時。

>リリィは総毛立ち、そばにいたシルヴァの腕にしがみ付いた。

「ちょっ、こら、放しなさい」

リリィが腕にしがみついてきた為、上手くしゃがむことが出来ず断面を調べることが出来ない。
一匹の二足歩行の黒猫がエンカの左手に近づき、断面に何かをドバドバと注ぎこんでいる。
すると、左手から何か妙なものが吐き出された。

>「ごぁ…ぐぇ…げ、ごばぁーっ!ぐげっ……ごがが…」

「な、なんじゃこりゃ!」

鋼が驚きの表情を見せ、叫んだ。
吐き出されたものは、ロゼッタの吐瀉物なのだが鋼とシルヴァの両名がそれに気付くことは無かった。

45 名前:&シルヴァ ◇m7SMDDzk7s [sage] 投稿日:2010/05/21(金) 00:00:56 0
>「エンカ!あなたの左手は女子寮南の芝生広場にあるわ!早く来なさい!!」

聞いたことの無い、女性の声が噴水の前に響きわたる。
その声を聞いた鋼とシルヴァは顔を見合わせた。

「…どうする?」
「どうするったって、こいつはこんなんだし俺たちが行くしかねぇーだろ」
「それじゃあエンカはどうするのよ。担いで行くつもり?」
「…う、うーむ」

シルヴァの返答に鋼がどうやって答えようか頭をひねっていると
リリィが焦った様子でシルヴァに質問を投げかけた。

>「ねえシルヴァさん、女子寮南の芝生広場ってどのへんにあるかご存知ですかっ?!」

「ん、女子寮入り口を出て真っすぐ行けばすぐよ」

>「新入生の皆様に、お知らせします」
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」

>・・・・・・あ、グレン君のご主人や、鋼さんやシルヴァさんは、もう入学手続き終わってるんですか?」

「終わってるぞ?」
「そうねえ、学校に着いたらさっさと提出しちゃったしね。
 面倒事は早く終わらせるに限るわ」

そう答えるとリリィが一気に取り乱したような様子を見せる。
…様子を見るに、リリィ入学手続きが未だに終わってないらしい。

(それにしてもなるほど…道理で焦っていたのね)
(書類出さないと入学できねーもんなあ…)

姉弟二人は妙な部分で納得している。

「とにかく私、芝生広場ってところに行ってきます。」

リリィはそういうと芝生広場に向かって走り出した。
黒猫も一緒のようだ。

「あ、ちょっと…ああ、行っちゃった」
「…で、どっちが行くんだ?」
「そうねえ、万が一女子寮に逃げ込まれたら、私の方が動きやすいわね。
 そういうわけでその子は頼んだわよ」
「おう、頑張ってな」

46 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/05/21(金) 00:01:44 0
>41>42
>「すまない、貴方は先ほどから手を引いて導いてくれるが
> 私は音によって周囲の状況、人の動き、反響によって建物、場所の把握ができるんだ。
> あ…だからと言ってあなたに感謝していないわけではないし、先ほどは本当に場所がわからなかったんだ、これは本当だ。
 …すまない、黙っていて」
「い、いや、悪いのは俺の方だ。人の話も訊かずに勝手に手を握ってしまって......嫌な思いをさせてしまって、すまない!」
しょんぼりしてしまった桜花に慌てて謝るクレイ。気不味いムードが漂う
だめだこの空気、はやくなんとかしないと

>「新入生の皆様に、お知らせします」
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」

「!?」
何処からともなく声が聞こえた。これが巷で有名な校内放送ってやつか
どこの巷だ、って話になるがそんなの関係ない。この空気を打開できるならこれを利用しない手はない
「よし、じゃあ大講堂に行こうか」
今度は桜花の手を取らずに歩き出す
なんか手が寂しいからトレスでも弄っておくか

「しかし、音だけで周囲の状況がわかる、ってすごく耳はいいな。生まれつきなのか?」
未だに気まずい空気が健在中なので、少しでもその空気を和らげようと話題づくりを始めるクレイ
えーっと他になんか無いか...

「私は帰って来たー!!」
「うお!?」
手で弄っていたトレスが急に叫ぶ。正直驚いた
「...クレイ様、なんで私を弄っているんですか?
あとそちらのお嬢さんは?てか、なに?この空気?」
イマイチ状況がわからずに、連続で疑問文を言うトレス。とりあえず軽く説明でもしておこう
「やっと起きたか、トレス。実はな...かくかくしかじか...」
「なるほど、分かりました。そちらのお嬢さんは桜花さんと言うのですね。
そして、クレイ様はフラグを立てようとしたが失敗。それで私を慰み者にしようとしたわけですか」
「後半部分が全く持って違う」
「今どき『核拡死化自壊(かくかくしかじか)』で話が通じるのは私ぐらいなんですから、多少の違いは仕方が無いでしょう」
「多少の違い...って100パーセント脚色だろ。てか、恐いな。核拡死化自壊」
「ボンジュ〜ル マドワ〜ゼル」
「スルーされた!?」
ま、別にいいんだけど。こいつがこの空気をなんとかしてくれるだろう

「ボンジュ〜ル マドワ〜ゼル。私の名前はトレス。ピチピチの18歳です」
ピチピチ...って言うかカチカチ
「たまに思うのですが、目が見えない人って食事とかお風呂とかどうしてるんですかね?一人じゃ大変でしょ」
他愛も無い会話をしだすトレス

47 名前:別に宇宙でも王者でも無いグレン ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/21(金) 14:21:09 P
>32>41
>「セラエノー!起きてセラエノー!!・・・・・・・エンカと同じで、魔法受けて気絶してるのかな〜?
 ああ、ロゼッタがどんな女の子なのか確認したかったのにー」
>「ああ、ロゼッタはいったいどこにいるんだろう?・・・・・・ん?グレン、何か考えでもあるの?」

セラエノの周りをぐるぐると回っているタチウヲ
つまるところお魚である
そしてグレンは二本足で歩いているとはいえ猫である
そして猫はお魚が大好物で有る
「にゃぁ!!」
だが相対するタチウヲの体は鋭利な刃物になっておりそのまま飛びかかれば
真っ二つだ!とりゃぁぁ!!ってな事になってしまうだろう
だからまずはあの刃を何とかしなければ
「にゃあ!」
そうだ刃物には刃物…………
だがグレンは刃物を持っていない
いや猫であるグレンには最強の刃物がついているではないか
そう前足の爪である
「にゃあん!!」
(必殺アトミックレーザークロー!!)
何がアトミックで何がレーザーなのか分からないが
前足の爪を振りかぶりタチウヲに挑むグレン……
だがしかしカカシ
「にゃあん………」
鋭い尾ひれに切り裂かれ短くなるグレンの爪
駄目駄目じゃん
仕方が無いので距離をとり後ろ足で砂をかけるグレン
「にゃなー」
(サンドスプラッシュキック)
効くかどうかは分からないがとりあえず時間稼ぎにはなっているだろう

「にゃあなんにゃんにゃん」
(僕にもっと強い爪もっと強い牙があれば美味しいお魚が食べられるのに)
どうやらグレンはあの魚をよっぽど食べたいらしい
「にゃあん………にゃ」
(どこかにいる猫の神様………僕に力を)
お空に浮かぶ月を見上げそう願うグレン……………こんな時間に月?
上から突然降ってくる月いや三日月の形をした刃物が両端に着いた棒
「なにゃなんなにゃ!?にゃあん」
(これは猫族に代々伝わる伝説の武器ダブルクレッセントハーケン!?略してダブハー」
お魚を食べたいという純粋な気持ちに魔法が答えたのか?
なんぞこの超展開…………ありえん
まあパワーアップアイテムがチベットから突然宅急便で送られてくる時代だし
これもありかも知れない

48 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/21(金) 14:23:30 P
さてここは保健室
>「入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」
「だ、そうですよ………さて5時までどう時間を潰しましょうか」
とネリーに話しかけるフリード
保険医は治療中の生徒に回復魔法をかけている
さっきまでの会話の応酬はなんだったんだろう?
保険医いわく培養カプセルがまだ届いていないから計画実行は当分先なんだそうだ

「とりあえずグレンと視覚の共有でもしてみますか……………なんぞこれ!?」
グレンの視覚で見たフリードの目の前ではどアップになっている刃物がついた魚と
それと切り結ぶ三日月の形をした刃物………そして倒れたセラエノであった
どうやら魚とチャンチャンバラバラしているのはグレンの様である
「あの怪物魚がセラエノさんを襲ってそれをグレンが助けようとしてるんですね!
 こうしてはいられません!僕も助太刀に行かないと!!」
そうして保健室を飛び出すフリード
本当は猫が魚を食べようとしただけだがそんな事はフリードは知らない
それにしてもガチレズ疑惑の有る保険医とネリーを一緒にしておいていいのか?

49 名前:レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/05/21(金) 20:47:16 0
>35
            『僕はジーク……おじさんの名前は?』

      「……俺に名前はない。生みの親が付けたかも知れないが、知らない」

      『ふ〜ん……関係ないけど、おじさんってなんかカラスみたいだよね』

       「カラス……か。そうだな、それなら俺の名前は今からレイヴンだ」

                  『レイヴン?』

        「そう、レイヴン……空を自由に飛びまわる、渡り鴉の事だ」



「ん、うぅ……」
鴉は苦しそうに身をよじる。担がれてるせいもあるが、
あまり良くない夢を見ているのが要因として強いだろう。
やがて身をよじるのを止め、うっすらと目を開ける。

「う……ん!?」
まず最初に、視界がおかしな事になってるのが分かった。
次に分かった事は、自分が誰かに担がれてるって事である。
「な……っ!」
状況を把握しきらないまま、グラディスの肩から降りた鴉は周囲を見渡す。
目に飛び込んでくる光景は鴉の常識には存在しない世界だった。

「どこだ……ここは? 俺は一体何をやって……」
ぶっつりと切れた記憶を手繰り寄せようとする鴉だったが、まるで覚えがない。
確か自分は助けた少年と一緒に廃屋で寝てたはず……と、ふと視線を感じ顔を上げると
訝しむような表情のグラディスがいた。
「……よく分からんが、どうも面倒かけたらしいな。すまない。
 それで、ここはどこであんたは何者なんだ?」
自分の周りの事を知るため、グラディスにとっては『知ってて当然』の事まで質問する鴉。


>「新入生の皆様に、お知らせします」
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」
空から降って来た声に上を見上げる鴉、そこには誰もいない。
「……魔法、か? ……入学手続き? 入園式?
 一体何の事だよ、わけ分からん……ん?」
一行に状況把握も情報整理もおぼつかない現状に、頭をかきつつズボンのポケットをまさぐると、
何か紙の様な感触が返ってくる。またしても覚えのないものに首をひねりながらも
それを取り出してみると……希望者側の記入欄をきっちり埋めた状態の入学手続き用の書類一式だった。

「……俺は、ここに来るつもりだったって事か?
 そんなバカな……いや、『仕事』って可能性もある……ならしかたない」
入学云々は一人で勝手に納得したのだった。

50 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 の代理[sage] 投稿日:2010/05/21(金) 22:28:16 0
>>47
先程リリィがやっていたように、鋼がペシペシとエンカの頬を叩いている。
リリィと違う点は、手加減しているから頬が腫れるような事はないと言うことだろうか。
しかし…何度叩いても起きない。かなり強力な失神呪文のようだ。

「…起きねーな」

鋼は腕を組みどうしたモンかと考え込む。
だが、それほど良くない頭だ。一応フル回転して考えてはいるのだが…

「気付け薬は…効かねーよなあ、魔法で無理矢理失神させられてるんだし…
 回復魔法なんて俺は使えねーし…」

鋼が使える魔法は、主に物質に属性を与える魔法や身体能力を向上させる魔法などだ。
だが、使えるのはそれだけ…言ってしまえば魔法剣が使えて、補助が出来るただの戦士なのだ。
…エンカの魔法に対する抵抗力を、補助魔法で強化すれば目覚めた可能性はあるのだが、鋼にはそんな器用な真似が出来なかった。

「ううむ、こりゃ目覚めるのを待つか…シル姉たちが帰ってくるのを待った方がいいか。
 保健室にいくのはそれからでも遅くないだろ」

鋼はそういうと、背中の斬馬刀を芝生に下ろしその横に寝転んだ。

「まあシル姉が上手くやってくれんだろ。それまで俺はゴロゴロしてっか」

51 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 の代理[sage] 投稿日:2010/05/21(金) 22:28:25 0
一方その頃、シルヴァはリリィと猫(グレン)の元…
つまり芝生広場で倒れているセラエノの元へと辿りついていた。
…セラエノの周りをふよふよと漂っているタチウオが怪しいことこの上ない。
爆発魔法で体内からドカンとやってもよかったのだが、グレンがタチウオ相手に立ち回っている。
あそこまで近寄っているとグレンを巻き込んでしまいそうだし、何より頑張っているので邪魔したくは無かった。

「じゃ、私は私で調べましょうか」

シルヴァはそう言うとさっさと周りを調べ始める。
しばらくすると妙なものを発見した。

「これは…」

地面にポッカリと穴が開いているのだ。
穴が掘られたとかそういうものではなく、地面そのものが無くなっているという感じである。

「…」

シルヴァは意識を軽く集中させ、その場から残留魔力を探ってみることにした。
すると、それなりに強い残留魔力を発見することに成功する。
それもそうだろう、普通に生活するだけでも残留魔力は僅かだが残るのだ。
空間を切り取るなんてことを残ったら残留魔力はかなり残るだろう。
…まあ一応、残留魔力を消すことも出来るのだがそれはここで語ることではない。

「…リリィ、恐らくだけどロゼッタとやらはコッチよ」

シルヴァの視線の先には女子寮があった、どうやら女子寮に逃げ込んだようだ。

「あなたじゃ危なっかしいから、私が先に行くわね。
 来るなら後からついてきなさい」

そう言い残すと、寮内に単身乗り込むシルヴァ。
…自分の部屋が存在する寮内に乗り込む、というのも妙な言い方だがとにかく乗り込んだ。

(どんどん残留魔力が薄くなってきてる…急いだ方がいいわね)

意識を集中させながら、ロゼッタの残留魔力を頼りに道を進む。
寮内は複雑な迷路になっており、シルヴァの進行を阻む…なんて事はまったく無いので思ったよりスムーズに移動出来た。
しばらくもするとロゼッタ(らしき人物)を発見することに成功する。

(…あの娘がロゼッタかしら…ま、とにかく話しかけて反応を見て確認でもしましょう)
「ごめんなさい、ちょっと質問してもいいかしら…あなた、とある男子生徒の左手を見なかった?
 というより…あなたが左手を持っているんじゃないかしら?…ねえ?ロゼッタ…」

けっこう軽い気持ちでロゼッタ(らしき人物)に話しかけるシルヴァ。
間違えてたら「人違いでした」で済ませればいい話だろう。

52 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/21(金) 22:53:39 0
>41>47
麗らかな陽射しが降り注ぐ芝生広場に不似合いな音が鳴り響く。
周囲にはそれを見守るしかないリリィとすやすやと寝息を立てるセラエノ。

戦うのは二本足で立ち伝説の武器ダブルクレッセントハーケンを構えるグレン。
それに対するは身体そのものが刀身と言うタチウヲ。
この戦いは食物連鎖の理とそれに反逆する生命の戦い!

両者の実力は拮抗し、戦いはいつ果てるともなく突付いていた。
が…それも終焉を迎える時が来た。
両者が飛び上がり中天に位置する太陽の下、交錯する!
激しい金属音が響き渡る仲、両者が位置を入れ替え着地。
ゆらりと振り向くタチウヲがパクパクと口を動かす。
『見事…猫よ。まさかアレが勝負を分けるとは…!』
猫と魚(擬似生命体)と種族は違えど死力をつくして戦いあったもの同士は意思疎通が出来るのだ!(たぶん)

タチウヲが言ったアレとは、サンドスプラッシュキック。
後ろ足でかけた砂は全く効きはしなかった。少なくともその場では。
しかし拮抗した戦いの中、付着した砂は切れ味を鈍らせ刀身を重くしていく。
その僅かな差が致命の差となって現れたのだった。

グフっと小さく血を吐き、タチウヲは三枚におろされてしまった。
グレンの勝利だが、その勝利を喜べるかはわからない。
なぜならば、タチウヲは所詮は擬似生命体。
三枚におろされれば元の依り代である紙に戻ってしまうのだから。

そんな使い魔同士の闘いを余所に、セラエノは普通に目覚めていた。
セラエノの使える術は殆どが初級、たまに中級まで出しかない。
眠り雲の魔法は初級に分類されるものであり、眠りを誘うがその眠りは通常のものと変らない。
周りでギャンギャン金属音を立てられれば嫌でも起きようというものだ。

「なるほど、それであなたが来たのね。その良き行いに祝福を与えます。
では、ロゼッタだけど…わかった?」
事情をリリィから聞き応えるが、当のリリィはきょとんとした顔。
セラエノも様子がおかしいと首を傾げる。
口で話すよりテレパシーで一部始終を見せたほうが早いと送ったのだが、リリィがテレパシーは発信専用で受信できない事を知らないのだ。

「あら?もしかして、届いていない?私のテレパシーが…?
だったら、こうよ!」
セラエノはテレパシーの強さにはかなり自信があった。
それがセラエノが神であるという事と深く繋がりがあるのだが、それは話が進むにつれ機会があれば明かされていくだろうから割愛。
ともかく自分のテレパシーが通じていない事に思い至ると、リリィの頭に手を宛て集中する。

途端にリリィの脳裏にロゼッタの顔、姿、セラエノとのやり取り。
そしてドコデモドアーが空間魔法であり、エンカの手もそうして分離されている。
という事が映像となって流し込まれるだろう。

強力なテレパシーを頭にてを乗せて直接流し込む事によって、受信できないリリィにも強制的に受信させたのだった。

「後は・・・」
足元に落ちていた金色のカードを拾い上げ、さすると、それは真珠貝のように口を開いた。
真珠貝と違うところは中にあるものが眼球だという事だが。
セラエノが眠ってしまったあと、その眼球はじっと見ていたのだ。ロゼッタが洗い、女子寮の方へと去っていくまでを。
その様子が立体映像として映し出された。




53 名前:ネリー◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 21:59:53 0
>38>48
>「みんな自前の回復魔法で直してしまうから保険医は暇で暇でしょうがないのだよ
 今日は珍しく患者が多いがね」
やれやれといった感じに零す保健医。
(確かに、傷の治癒が簡単に出来れば医師は大して必要も無いもんね……)
ほほう、と納得するネリーの前で、フリードが保健医の前に立ちはだかる。
その背中は華奢だが中々頼れそうなものである。
>「ここは僕が抑えますからワンワンさんがいるかどうか確かめてください」
「うん、わかっ……誰!?ワンワンさんって誰!?」
突っ込みを入れつつも、医務室の中を見ていく。

割と大きな保健室。
ベッドも相当数あるが、一つとして見覚えのある生徒はいない。
(あちこちカーテン掛かってるけど、グラディいないな〜。
 ヨーン君も何処だろ?別の医務室だとかもあるのかな……)
背後の会話をBGMに、カーテンの中を覗いてみてみた。
が、やはり見知った顔は無い。

>「ワンワンさん居ましたか?」
「ううん、いなかった。全く、何処で寄り道してるんだろうね」
フリードからの質問に、肩を竦めて答える。
「先生は知りません?こう、結構背が高くて、茶髪で、狼の耳が頭に生えてる男子生徒。
 私の知り合いなんですけど……」

と、そこへ。
>「新入生の皆様に、お知らせします」
「みゃう!?」
突然の声に驚いたネリーは猫みたいな鳴き声を出して辺りを見回す。
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」
>「だ、そうですよ………さて5時までどう時間を潰しましょうか」
「あ、ああ、放送か〜。びっくりした……って、あと30分?」
入学手続き、といえば書類が必要なはず。
肝心の書類はというと、トランクの中。
トランクは廃屋で投げ捨てており、手元には存在しない。

「……ど、ど、ど……どうしよう〜!?
 書類も無いのに、どうやって手続きすれば!?」
>「あの怪物魚がセラエノさんを襲ってそれをグレンが助けようとしてるんですね!
> こうしてはいられません!僕も助太刀に行かないと!!」
慌てるネリーを他所に、頼れそうなフリードはさっさと保健室を飛び出していく。
残されたネリーは、あわあわとうろたえるばかりである。

54 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:00:29 0
>49
>「う……ん!?」
「んー?お、起きたか?」
肩の上で何やら身じろぎする感覚が起きる。
レイヴンが目覚めたらしい、すぐに気が付くグラディス。
しかし担ぐのをやめないのは何故なのか。
>「な……っ!」
レイヴンはその体勢でグラディスの腕から逃れ、辺りを見回す。
その表情は何か驚いているらしいが。
(なーんで驚いてんだかねー。入学するためにきたんじゃねーの?)
グラディスはグラディスで不思議そうな表情を浮かべる。

>「どこだ……ここは? 俺は一体何をやって……」
そして、グラディスに目を留める。
どうやら漸く傍にいる獣耳野郎の存在に気が付いたらしい。
>「……よく分からんが、どうも面倒かけたらしいな。すまない。
> それで、ここはどこであんたは何者なんだ?」
「別にいいっての。で、『誰だ?』って聞きたそうな顔してんで自己紹介させてもらうがよ。
 俺はお節介焼き……でもないグラディス・ウルフォード!鳥公に頼まれたんで君を連れてきた。
 んでもって、此処は……」

>「新入生の皆様に、お知らせします」
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」
反射的に上を見るグラディス。無論、誰もいない。
校内放送の類らしいが、流石魔法学園である。
「お聞きの通り魔法学園だ。しっかし行き成り放送かかったのはビックリしたなー」

>「……魔法、か? ……入学手続き? 入園式?
> 一体何の事だよ、わけ分からん……ん?」
特に話を聞いた様子ではないレイヴンは、ごそごそやり始める。
少しすると、ポケットから書類一式を取り出してまじまじと見る。
>「……俺は、ここに来るつもりだったって事か?
> そんなバカな……いや、『仕事』って可能性もある……ならしかたない」
「何ブツブツ言ってんだよ?まあいいや、大丈夫そうだしな!
 そんじゃ、俺は荷物取りに行ってくるかね。念のために医務室とか行っておけよー!」
そう言い残すと、グラディスは常人の3倍速くらいの駆け足で、砂埃を上げ門を潜り抜けていく。
目指すは職員室。トランクを取り戻すため。ひいては書類とマジックアイテムと金貨。
「マジックアイテム大丈夫かねー……ひいい、氷像にはなりたくねーよ!」

55 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:01:55 0
>47
謎の生物を見て、グレンの目の色が変わる。しかし
>「にゃあん………」 
>鋭い尾ひれに切り裂かれ短くなるグレンの爪 
「グレンだめよ、危険すぎる!あなたのツメ程度じゃ無理よ!
 第一、あの魚モドキは食べられる部分ほとんどないじゃない!」
だが、セラエノは知り合いだ。森の中でお世話にもなっている。
危険な目に遭っているのに、見てみぬふりをすることは出来ない。
「こらー!セラエノさんから離れなさーい!えいっえいっ!!」
リリィはその辺の木の枝を拾って、タチウヲを追い払おうとした。
「危なっ!キャ――――っ!こっち来ないで――――!!」
リリィは謎の魚モドキに追いかけられ、必死で逃げ惑った。
その間にグレンは、三日月の形をした、刃物が両端に着いた棒を手に入れていた。

魚(?)と猫(?!)の、生存競争をかけた壮絶なバトルが今、幕を開けた!

タチウヲとグレンの戦いを、手に汗握りながら見守っていたリリィに、シルヴァが声をかけた。
>「…リリィ、恐らくだけどロゼッタとやらはコッチよ」 
「あの建物ですか?すごい、シルヴァさん、どうしてご存知なんですか?!」
リリィは素直に感動している。

>「あなたじゃ危なっかしいから、私が先に行くわね。 
> 来るなら後からついてきなさい」 
「にょろーん。・・・・・・あ、ちょこっとだけ待って下さい」
リリィはとぼとぼと後に続こうとしたが、セラエノが起きているのに気づき、歩を止めた。
「セラエノさん、何で気絶してたの?ロゼッタに襲われたの?それともあの変な魚のせい?
 こっちも大変だったのよー」

リリィは手短に、今までの経緯を話した。
>「なるほど、それであなたが来たのね。その良き行いに祝福を与えます」
「わーい、ありがと〜」
何かもらえると思ったのか、リリィは嬉しそうに手を差し出した。
>では、ロゼッタだけど…わかった?」 
「・・・・・・???」
リリィは、ふるふると首を振った。
>「あら?もしかして、届いていない?私のテレパシーが…? 
>だったら、こうよ!」 
「え?あの、ちょっとこれじゃ前が見えな・・・あばばばばば・・・・・・!」
>途端にリリィの脳裏にロゼッタの顔、姿、セラエノとのやり取り。 
>そしてドコデモドアーが空間魔法であり、エンカの手もそうして分離されている。 
>という事が映像となって流し込まれるだろう。 
「・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・すごーい!ロゼッタの顔とか声までばっちりだよ!
 セラヴィさん、今の見た?見た? ドコデモ・ドアーってすごいね!」
その後、貝のようなマジックアイテムで、ロゼッタが顔を洗い女子寮へ行ったことが確認される。

「セラヴィさんの言ったように、ロゼッタは女子寮に行ったのは間違い無さそうね。
 教えてくれてありがとうセラエノさん。そうと分かれば、早速ロゼッタを追いかけましょう!!
 グレンも行くよー。最悪あなたの鼻に頼らないとダメかもしれないんだからねー」
リリィは当然のようにセラエノとグレンの腕を掴むと、女子寮へと走り始めた。

「ロゼッタのことだけどさー、手が欲しいっていう気持ちは分かったけど、あんな形はよくないよねー。
 そもそも、その魔法の効果がいつまで続くかわかんないわけだし。
 魔法が切れたらエンカの手も切断されました、じゃ困るよー。
 あ、そうだ!ねえ誰か、何か書くもの持ってない?
 ペンとかあったら、ちょっとの間私に貸してくれないかな〜?」
移動中も、リリィは何かとうるさかった。

56 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:03:03 0

>48
「フリード君、どこ行くの?急いでるみたいだけど、何か用事?」
リリィは目ざとくフリードを見つけると、ひらひら手を振った。
「グレン?ああ、良く分からないんだけど、セラエノさんを襲ってた魚を3枚におろしたら、紙になっちゃったんだって」
リリィの話は、相変わらず要領を得ないものだった。
「でね、エンカの手を盗んだロゼッタの足取りがわかったの!女子寮に行ったんだって!
 フリード君、一緒にとっちめに行こうよ!」
リリィは自分のおさげにつけていたリボンを解き、
「それをつければ、女子寮だってばっちりだよ!」と凄くいい笑顔で断言した。
(リリィはまだ入学手続きをしていないため、色々よく分かっていないようだ)

女子寮らしき建物に入ったリリィは、誰かに声をかけているシルヴィを発見した。
「シルヴィさんちゃう!ロゼッタはその隣や!」

「ロゼッタぁ!他人の手を勝手にとったらダメじゃない!
 エンカは手は無くすわ意識は無くすわで、今大変な事になってるのよ!
 あなたエンカのこと気に入ったから、こんな事したんでしょ?
 もし入学手続き出来なかったら、エンカともう会えなくなるかもしれないのよ?それでいいの?」
リリィはロゼッタにタックルを仕掛けた。

57 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/23(日) 18:30:12 0
>51>56
> 「ごめんなさい、ちょっと質問してもいいかしら…あなた、とある男子生徒の左手を見なかった?
>  というより…あなたが左手を持っているんじゃないかしら?…ねえ?ロゼッタ…」
新たに現れた女子生徒とクルードの顔を交互に見るロゼッタ。
「へぇ、あんたロゼッタって名前なの?この子が聞いてるよ?答えてあげなよ。」
ロゼッタは平気な顔でクルードにそう言った。どうやらクルードを同姓同名だと思ったらしい。
> 「シルヴィさんちゃう!ロゼッタはその隣や!」
リリィを含む他のメンバーもその場に集まった。
ロゼッタはリリィの顔を見るのは二度目となるが、彼女が自分の口を引っ張ったことまでは知らない。
もっとも、もっと酷い仕打ちをロゼッタがリリィになすことをリリィは知らないが。
> 「ロゼッタぁ!他人の手を勝手にとったらダメじゃない!
>  エンカは手は無くすわ意識は無くすわで、今大変な事になってるのよ!
>  あなたエンカのこと気に入ったから、こんな事したんでしょ?
>  もし入学手続き出来なかったら、エンカともう会えなくなるかもしれないのよ?それでいいの?」
> リリィはロゼッタにタックルを仕掛けた。

「ドコデモ・ドアー!」
ロゼッタはそう叫び、びしっとリリィに向けて指を突き出した。
とたんにロゼッタと接触したリリィの五体がバラバラに切断された。
ドコデモ・ドアーの能力。それはあらゆるものを切断し、その切断面を空間魔法で繋げることである。
「あたいの能力を知らなかったの?知っていて突っ込んできたなら、あんたってばうかつすぎね。」
ロゼッタはリリィの頭を拾って他のメンバーに彼女の顔を向けた。リリィの頭に杖を突きつける。
「変なことはしないで。あたいにこの子を傷つけさせたいなら別だけど。」
ロゼッタは他のメンバーにそう言った。ロゼッタはリリィを人質にしているのだ。
「あんたの言ってることは正しい理屈だよ金髪さん。でも、人間は理屈で動くもんじゃない。
 感情を無視して生きることはあたいにはできないのよ。」
ロゼッタはリリィにそう言った。そして、その場にいるメンバー全員にこう聞いた。
「ちょっとした興味で聞きたいんだけど、あんた達はエンカ君の左手を取り返して何か得するの?
 所詮はエンカ君とは赤の他人じゃないの?
 …まぁ、それがあんた達のマスターベーションだとしたら、聞くのは無駄かもしれないけど。」
ロゼッタは小さく無駄無駄…とつぶやいた。

58 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/23(日) 22:59:44 0
>56
リリィに引っ張られるセラエノの足取りはふらついていた。
眠りから醒めたばかりというだけでなく、大量の鼻血を出して貧血気味なのだ。

寮までの途中、リリィの注文に答えながら進んでいくと、更なる危険に見舞われる。
(ある意味)セラエノにとって最大の脅威であるフリードの登場である。
再び間近で見る美少年に貧血とはまた別にクラッとするが、更にトドメの一撃を見舞われる。
リリィがリボンを解きフリードにつけるように渡したのだから。
最早フリードが実際にリボンを付ける付けないの問題ではない。
その時点でセラエノの妄想はMAXに達し、大量の鼻血が…吹き出なかった。
しかし吹き出なかっただけで鼻血は確実に出ている。
フリードの前で鼻血を噴出すわけにはいかないセラエノは気合で溢れる血を吸い飲み込んでいたのだ!

>57
寮に入るとすぐに目的は達成される。
ロゼッタの姿を確認。
いっしょにクルードとシルヴァもいる。

それを見るや否や止める間もなくタックルをし、ドコデモ・ドアーでバラバラにされるリリィ。
バラバラになったリリィの頭を拾って杖を突きつけるロゼッタは言い放つ。
「稚拙な責任転嫁ね。私たちがどのように動こうがリリィを傷つけるのはあなた自身よ。
故にその行動は私たちの動きを止めるに値しない!」
いきなり突っ込んだリリィの迂闊と止められなかった自分。
先手を取られてしまったが、セラエノはそれで動きを止める気はさらさらなかった。

この場にいるフリード、グレン、シルヴァ、クルードにテレパシーを送る。
ロゼッタの今までの言動、攻撃魔法、ドコデモ・ドアーの能力の射程や詳細を。

「人間は理屈と感情の折り合いを付けていける生き物よ。それを理性と言う。
極論に走り理屈のみで動く、感情を無視するなど破綻した理論を繰り広げるなど語るに落ちるもいいところだね。
正しい理とわかっていながらそれを否定するのならば最早問答は無用!」
人質であるリリィもエンカの手も一切考慮に入れていなかった。
セラエノにとって正しき行い、断罪、改悛、それが全てなのだから。
一触即発の場面で動作を始めたその時、ロゼッタが尋ねる。
>「ちょっとした興味で聞きたいんだけど、あんた達はエンカ君の左手を取り返して何か得するの?
> 所詮はエンカ君とは赤の他人じゃないの?
> …まぁ、それがあんた達のマスターベーションだとしたら、聞くのは無駄かもしれないけど。」

> …まぁ、それがあんた達のマスターベーションだとしたら、聞くのは無駄かもしれないけど。」

> あんた達のマスターベーションだ

脳内でヤマビコのように繰り返し響くロゼッタの声に、セラエノは限界を迎えた。
「他人だから何?あなたの行いを正す事で二人が救われ神(私)の…ぶはぁっ・・・・!!」
元々フリードで鼻血はダクダクと溢れていたのを飲み込んでいたのだが、ロゼッタの発した単語でその限界量を超えたのだ。
問いに応える途中で鼻と口から大量に血を噴出しその血溜まりに沈むセラエノだった。


59 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/23(日) 23:14:13 P
>53
>「先生は知りません?こう、結構背が高くて、茶髪で、狼の耳が頭に生えてる男子生徒。
  私の知り合いなんですけど……」
当然知らないと答える保険医
彼女曰く「私は男には興味ないがそこまで特徴的なのだったらすぐに分かると」
そこまで男に興味ないと強調しなくてもいいじゃないかと思うのだが
たぶん個性を知ってもらうのに一生懸命なのだろう
まだ彼女はキャラが薄い方でありそれほどこの学園の教師は皆なんていうか………濃いのだ

>「……ど、ど、ど……どうしよう〜!?
  書類も無いのに、どうやって手続きすれば!?」
「う〜ん先生にアポート(取寄)の呪文が使えれば良かったんだけどねぇ
 生憎知らないんだよ」
と保険医なんていうか……その…ガンバ♪

>52
シャキーン!スパ!
>『見事…猫よ。まさかアレが勝負を分けるとは…!』
>「ぐふっ……」
「にゃ!?にゃあ」
獲物が紙になってしまい落ち込むグレン
折角食べやすいように3枚におろしたのに骨折り損のくたびれ儲けである
仕方が無いのでとりあえずフリードに後でご飯をたかるかとすぐに思い直すグレン
>56
>「フリード君、どこ行くの?急いでるみたいだけど、何か用事?」
「あ、リリィさん!グレンがピンチなんです!やられそうなんですよ!!」
>「グレン?ああ、良く分からないんだけど、セラエノさんを襲ってた魚を3枚におろしたら、紙になっちゃったんだって」
どうやらグレンは戦闘に勝利したらしい
>「でね、エンカの手を盗んだロゼッタの足取りがわかったの!女子寮に行ったんだって!
  フリード君、一緒にとっちめに行こうよ!」
「正直エンカって誰でしたっけ?ていう感じですけどいいでしょう人のものを盗むのは悪いことです」
そもそもフリードとエンカは会話すら交わしたことが無いのである
つまり顔と名前を知っている程度であり絆値0の状態でありぶっちゃけフリードにとってどうでもいいのである
>「それをつければ、女子寮だってばっちりだよ!」
「はぁ………」
よく分からないがとりあえずリボンを装備するフリード
ただでさえ性別不明の謎のオカ(ryなのにますますどっちかわからなくなった
「にゃあ」
(これで状態異常無効だね)
とリリィに付いてきたグレンはそう言った
だがそれは作品が違う

60 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/23(日) 23:23:26 P
>57
>「ドコデモ・ドアー!」
「うわぁ!?ミ○ト……じゃ無かったリリィさん!?」
ロングホーンミキサーを食らったミー○君のごとくバラバラになってしまうリリィ
>「あたいの能力を知らなかったの?知っていて突っ込んできたなら、あんたってばうかつすぎね。」
>「変なことはしないで。あたいにこの子を傷つけさせたいなら別だけど。」
「もう傷つけてるじゃないですか!っていうかバラバラじゃないですか!!」
いつもボケ役のフリードが珍しく突っ込む
そもそもフリードはロゼッタの能力のことなんて知らないのだ
いきなりバラバラにされたら殺されたと思うに決まっている
>「あんたの言ってることは正しい理屈だよ金髪さん。でも、人間は理屈で動くもんじゃない。
  感情を無視して生きることはあたいにはできないのよ。」
>「ちょっとした興味で聞きたいんだけど、あんた達はエンカ君の左手を取り返して何か得するの?
  所詮はエンカ君とは赤の他人じゃないの?
  …まぁ、それがあんた達のマスターベーションだとしたら、聞くのは無駄かもしれないけど。」
「マスタードだかマスター&モンスターだか知りませんし、エンカさんはまだ別に友達でもない赤の他人で
 野郎だから正直どうでもいいですがリリィさんをバラバラにしたことは許せません!!」
まさに外道である
「にゃあにゃあ」
(違うよマスターヨーダだよ)
「僕は基本的に女の人は傷つけられませんし男は女を傷つけてはいけないと思っています
 ですが24時間連続で体中を羽ぼうきでくすぐり続けることぐらいなら遠慮なくやりますよ!!」
「にゃあ」
(きっと新しい快感に目覚めるよ)
「それにいざとなったら姉さんを呼んで吹き飛ばしてもらいます!
 姉さんは敵を倒すのに味方ごと吹っ飛ばす人ですからたぶん僕らごと吹っ飛びますがそんな事は些細な事です!!」
「に”ゃあ!!」
(細かくねえよ!!)

>58
いきなり血を吐いて倒れるセラエノ
「ああ!よくもセラエノさんまでおのれロゼッタ!!」
急に鳴滝さんになるフリード超濡れ衣である
「にゃあにゃあ」
(コップ出してコップ)
「何するんですかグレン?」
懐からコップを取り出すフリード
渡されたコップにセラエノの血を集め始めるグレン
「にゃあ♪」
(聖杯いっちょ上がり♪)
聖杯ってそんなのか?そんなのでいいのか!?
まあ神の血を満たした器には違いない

61 名前:クルード ◇2qZ7FF4TUs [sage] 投稿日:2010/05/24(月) 03:12:57 0
>「あんた急いでたみたいだけど…トイレならあっちだよ」
「そう見えるのならば、空気を読まずに『やらないか』ぐらい言って欲しいものだね」
角で鉢合わせした少女に対し、そんなジョークで返す。
ここは女子寮だ。こんな出会いがあってもおかしくない。
特に疑う素振りを見せず、目の前にいる少女を観察する。
観察している間、新入生に対しての館内放送が響いたが、無関心な素振りを見せる表情からして
おそらく、在校生であると推測していい。
ならば、ちょうどいい。ここでロゼッタについて聞こう。
そんなことを思ったそのときである。

>「ごめんなさい、ちょっと質問してもいいかしら…あなた、とある男子生徒の左手を見なかった?
> というより…あなたが左手を持っているんじゃないかしら?…ねえ?ロゼッタ…」
>「へぇ、あんたロゼッタって名前なの?この子が聞いてるよ?答えてあげなよ。」
会話に割り込んできた金髪の少女に思いっきり人違いされ、一瞬うろたえる素振りを見せるが
すぐに不愉快そうな表情に変わった。
「何を根拠に私をロゼッタと判断したのか言ってみたまえ
 それとも、君の地方では狐の獣人が左腕を持っていくとかいう根も葉もない伝承でもあるのかい?
 悪いがその理屈も根拠も間違っている。私の名はクルード・ナインテイル
 ロゼッタでもなければ、左腕も隠し持っているわけでもない」
いささか強めの口調で金髪の少女を捲くし立てると事態は一変する。

「まるでサイコパスだな」
人質を取られ、セラエノが一喝する中、まるで達観しているかのように呟き
帽子に手を伸ばす。
>「ちょっとした興味で聞きたいんだけど、あんた達はエンカ君の左手を取り返して何か得するの?
> 所詮はエンカ君とは赤の他人じゃないの?
> …まぁ、それがあんた達のマスターベーションだとしたら、聞くのは無駄かもしれないけど。」
「そうさ、性癖だよ。君のようなキレた『強姦魔』を困らせたくてしょうがない性癖なのさ
 いい趣味だろ?誰にも迷惑をかけずに気持ちよくなれるんだから…ねッ!!!」
セラエノが何故か墳血した隙を見計らい、シルクハットを投げ飛ばす。

投げられたシルトハットはリリの頭ごとロゼッタの腕を肩まで飲み込んだ。
「形勢逆転って奴かな?おっとその魔法で切り離そうなんて考えないほうがいい
 私達より分かっているだろ?空間魔法対して空間魔法を使用する危険性ぐらいね
 それにわかるだろう?下手に動けばどうなるかぐらい」
ロゼッタは認識する。シルトハットに飲み込まれた腕を力強く握られているのを
頭を突っ込んでいるリリは恐怖するだろう。
眼光を光らせ、蒸気を吐き出き、ロゼッタの腕を掴む身の丈2mほどの怪物のようなゴーレムが
間近にいるのだから、切り取られた両足が獲れたての魚のようにビチビチ跳ねているのを見ると
相当怖がっているようだ。
「さぁ君の罪を数えたまえ」

62 名前:リリィ[sage] 投稿日:2010/05/25(火) 08:14:56 0
>「ドコデモ・ドアー!」 
「ぎゃー!!やられたー!!」
>「うわぁ!?ミ○ト……じゃ無かったリリィさん!?」 
>ロゼッタと接触したリリィの五体がバラバラに切断された。 
>ドコデモ・ドアーの能力。それはあらゆるものを切断し、その切断面を空間魔法で繋げることである。 
リリィの身体は、ロゼッタの周りにバラバラと落ちた。
「痛い痛い痛いいたーい!」
そして生首状態になったリリィは、頭をしこたま地面に打ちつけた。
目を回し、頭にたんこぶが出来たリリィの生首を、ロゼッタが拾い杖を突きつけてきた。
>「あたいの能力を知らなかったの?知っていて突っ込んできたなら、あんたってばうかつすぎね。」 
>「変なことはしないで。あたいにこの子を傷つけさせたいなら別だけど。」 
>「もう傷つけてるじゃないですか!っていうかバラバラじゃないですか!!」 
「一応生きてるよー。空間魔法で切断されたけど、本当にバラバラにされたわけじゃないから。
 私の切断面に手を突っ込んだら、他の切断面から手が出てくる、なんてことも出来るよ」
>「稚拙な責任転嫁ね。私たちがどのように動こうがリリィを傷つけるのはあなた自身よ。 
故にその行動は私たちの動きを止めるに値しない!」 
「そーよそーよ・・・・・・・・って、ええええええ?!」
リリィは仰天した。
要約すると、人質?知らんがなと言われたのだから当然である。
「ロゼッタ!もうバレてるんだから、今更人質とったって意味無いでしょー!
 こうなったら観念して、潔くエンカに「ごめんなさい」しなさい!」

>「あんたの言ってることは正しい理屈だよ金髪さん。でも、人間は理屈で動くもんじゃない。 
> 感情を無視して生きることはあたいにはできないのよ。」 
>ロゼッタはリリィにそう言った。
「それじゃケダモノと同じじゃない!ロゼッタはそれでよくても、エンカの感情はどうなるのよ!
 それとも、宇宙って国ではそういうのが常識なの?」 
>「人間は理屈と感情の折り合いを付けていける生き物よ。それを理性と言う。 
>極論に走り理屈のみで動く、感情を無視するなど破綻した理論を繰り広げるなど語るに落ちるもいいところだね。 
>正しい理とわかっていながらそれを否定するのならば最早問答は無用!」 

>「ちょっとした興味で聞きたいんだけど、あんた達はエンカ君の左手を取り返して何か得するの? 
> 所詮はエンカ君とは赤の他人じゃないの? 
> …まぁ、それがあんた達のマスターベーションだとしたら、聞くのは無駄かもしれないけど。」 
ロゼッタは小さく無駄無駄…とつぶやいた。 リリィにはそれがなぜか寂しそうに聞こえた。
「・・・・・・何で友達を助けるのに、得とかの話が出てくるの?」
>「マスタードだかマスター&モンスターだか知りませんし、エンカさんはまだ別に友達でもない赤の他人で 
> 野郎だから正直どうでもいいですがリリィさんをバラバラにしたことは許せません!!」 
「いや野郎だからどうでもいいってあんまりでしょ、私もこうして生きてるし」
>「にゃあにゃあ」 
>「僕は基本的に女の人は傷つけられませんし男は女を傷つけてはいけないと思っています 
> ですが24時間連続で体中を羽ぼうきでくすぐり続けることぐらいなら遠慮なくやりますよ!!」 
>「にゃあ」 (きっと新しい快感に目覚めるよ) 
「ええええええええ!それじゃ夜になっても寝れないじゃない!」
>「それにいざとなったら姉さんを呼んで吹き飛ばしてもらいます! 
> 姉さんは敵を倒すのに味方ごと吹っ飛ばす人ですからたぶん僕らごと吹っ飛びますがそんな事は些細な事です!!」 
>「に”ゃあ!!」 (細かくねえよ!!)
「それじゃ私、どっちにしても死亡フラグじゃない!」
リリィは大きく息を吸い込むと、ロゼッタ以外の全員にテレパシーを送った。
『皆聞いて、私のバラバラになった体の断面同士は、それぞれ繋がってるの!
 ロゼッタの周りに散乱してる私の体を見て!
 あの黒い部分を破ったら、私の体の別のパーツへ通り抜けすることだってできるのよ!つまり・・・・・』
だが、リリィのテレパシーはそこで中断される事になる。
>鼻と口から大量に血を噴出し、その血溜まりに沈むセラエノ。 
「セラエノさーん!死んじゃだめー!」
>「ああ!よくもセラエノさんまでおのれロゼッタ!!」 

63 名前:リリィ[sage] 投稿日:2010/05/25(火) 08:16:31 0

それまでずっと事態を静観していたスーツ姿の女子生徒が動いた。
男装で狐耳。ここに件の保険医がいたら、フリードの時とは別の意味で小躍りするかもしれない。
>「そうさ、性癖だよ。君のようなキレた『強姦魔』を困らせたくてしょうがない性癖なのさ 
> いい趣味だろ?誰にも迷惑をかけずに気持ちよくなれるんだから…ねッ!!!」 
シルクハットが飛んできたかと思うと、リリィの視界は一変した。

「ぎゃー!ゴーレムがゴーレムがゴーレムがー!!!何で?何でこんなところにいるのよー!
 湯気をかけないでよ私達おいしく無いわよー!!」
リリィはじたばたと暴れたが、生首ではどうしようもない。

64 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/25(火) 19:42:50 0
>61
> 「そうさ、性癖だよ。君のようなキレた『強姦魔』を困らせたくてしょうがない性癖なのさ
>  いい趣味だろ?誰にも迷惑をかけずに気持ちよくなれるんだから…ねッ!!!」
クルードが、鼻血を出して倒れたセラエノに、気をとられたロゼッタにシルクハットを投げる。
> 投げられたシルクハットはリリィの頭ごとロゼッタの腕を肩まで飲み込んだ。
> 「形勢逆転って奴かな?おっとその魔法で切り離そうなんて考えないほうがいい
>  私達より分かっているだろ?空間魔法対して空間魔法を使用する危険性ぐらいね
>  それにわかるだろう?下手に動けばどうなるかぐらい」
> ロゼッタは認識する。シルクハットに飲み込まれた腕を力強く握られているのを
「変なことをすればあたいの腕を握りつぶすってことかしら?」
クルードの言う通り、シルクハットそのものをドコデモ・ドアーで切断するのは、
空間同士のパラドックスを生みかねない危険な行為だ。
ロゼッタ本体の肩から先を切断することは可能であるが、それでは何の解決にもならない。
ドコデモ・ドアーで切断されたものは、切断されているようでも繋がったままなのだから。
> 「さぁ君の罪を数えたまえ」
「一本…二本…三本…」
ロゼッタは片腕に持っていた杖をポケットにしまい、数を数えた。
しかし、何故か細長いものを数えるように。
「クルード・ナインテイル、あんたにはあたいの腕を破壊することはできない。
 なぜなら今、あたいがポケットに手を突っ込んだのにそうしなかったから。
 あんたがあたいの腕をぶっ壊すと心の中で思った時には、
 既に行動は終わらせるべきだった。」
次の瞬間、シュボっという音とともにロゼッタの手の先に三つの光が揺れた。
それは火のついたマッチだった。ロゼッタはクロードのシルクハットに、
魔法を使わない方法で火をつけたのだ。
「ぶっ壊した、なら使ってもいい。今のあたいのように。」
もしもシルクハットが燃え尽きたらどうなるのか?おそらく中の空間は消滅するだろう。
リリアーナの生首と、ロゼッタの片腕と共に。

「ドコデモ・ドアー!」
次にロゼッタはシルクハットに入っていない自分の体を、細かくバラバラにした。
どうやら術者であるロゼッタはバラバラになっても自由に動けるらしく、
そのままシルクハットの中に入っていった。
空間魔法に対して空間魔法を使用するのは時に危険だが、
既にバラバラにした状態のリリィが無事にシルクハットの中に入っている事実から、
それが危険ではないことがロゼッタにはわかっていた。
だが、他者から見れば支離滅裂な行動にしか見えないだろう。
自分で消滅さえようとしている魔法空間に、自らをバラバラにして飛び込んでいったのだから。
しかし決してロゼッタに自殺願望があるわけではない。
おそらく、シルクハットの外の世界では、誰かがシルクハットについた火を消そうとするだろう。
仮に誰もシルクハットの火を消さず、シルクハットの中の世界が消滅しかけたなら、
自分の体を細かくバラバラにして、リリィの首にある切断面から外の世界に移動できるだろう。
しかし、そのためには一つやっておくべき事があった。
「無駄っ!」
シルクハットの中の世界に入り、バラバラの体を再構築したロゼッタは、
自分の腕を掴んでいるゴーレムの手をドコデモ・ドアーで殴った。
ゴーレムの手首から先が細かくバラバラになり、彼(?)はもうその手で何かを掴むことはできないだろう。
「可愛そうな子。誰もがあんたを見捨てたわ。」
ロゼッタはリリィの生首を拾い、彼女の顔を自分に向けてそう話しかけた。

65 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/25(火) 22:46:31 0
>60
血溜まりに沈むセラエノだったがまだ死んではいなかった。
地が足りずにも売ろうとする意識の中、天使の声(セラエノ主観)が耳に届く。
>「ああ!よくもセラエノさんまでおのれロゼッタ!!」
その言葉が言い終わる前にセラエノを中心とした血溜りが一回り面積を大きくする。
(ああ、美少年が私のために怒っている…!もういつ死んでも良いわ…)
朦朧とする中、こんな事を思ってしまったが、間違いである。
もういつ死んでも良いのではなく、もういつ死んでもおかしくない、出血量なのだから。
ダクダクと血を流しながらその表情は至福に満ちているのでまあ、いいか。


>64
>「可愛そうな子。誰もがあんたを見捨てたわ。」
「あら、そうでもないわよ?」
シルクハットの中、リリィの生首を拾い話しかけるロゼッタに答える声は背後からだった。
吸血鬼の固有スキルである霧化を使い、他の切り口からリリィの首を通り現れたのだ。

「正解の出口は一つだから手間取ったけど、ようやく繋がったわ。」
まだ半ば霧の身体のまま、ロゼッタが振り向くよりも早くシルヴァはリリィの生首を奪い取るとそのまま上に投げ放つ。
リリィの首は頭上の光の塊りに飲み込まれていった。
恐らくはシルクハットの出口なのだろう。
「救出できた事だし、シルクハットが燃え尽きる前に私も出ることにするわ。
あなたにはこれをお土産にあげる。その能力、爆発も切断できるのかしら?」
その言葉とともにロゼッタを囲むように現れる幾つもの炎の玉。
それはシルヴァが霧となってシルクハットの出口へと飛んでいくと同時に爆発を巻き起こす!

66 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/25(火) 23:10:29 P
>64
完全にシルクハットの中に消えてしまったロゼッタ
そしてその前にとんでもない置き土産”マッチの火”を残していった
このままでは帽子が全焼し消えてしまうだろう
つまり帽子の中の異空間も消えてしまうと言うことなのだ

「ここは氷の魔法使いである僕の出番ですね!
 僕は火を消しますからグレンはそのコップの中身をリリィさんの首の断面にぶちまけてください!!」
意味不明の命令をグレンにするフリード
なにか深い考えでもあるのだろうか?

「にゃあ」
(イエス!マイロード!!)
前足で敬礼するグレン

「氷結剣!霙!!」
刃のついていないサーベルを腰からぬ……取り外し
色の付いていない透明な氷の刃を形成するフリード
「フリィィィィィィジングストォォォォォォム!!」
勇者シリーズ風の剣を前に突き出すポーズを取り
刃先から吹雪を生み出す
狙うは炎の着いたシルクハット
吹雪はシルクハットを巻き上げその炎を消していく
これは元々必殺技の前に相手を動けなくする目的の技だがこんなふうにも使えるのだ
「にゃあ……にゃあ」
(なんて大げさな火の消し方そぉい!!)
とか何とか言いながらコップの中身であるセラエノの血をぶちまけるグレン

「セラエノさんは神様だそうですからなにか奇跡が起こるに違いありません
 何しろ神様の血ですからね」
奇跡頼りかよ!おい!!
バラバラだが血が一滴も流れていない不自然な体にセラエノの血がぶちまけられたことにより
より自然なバラバラ死体に仕上がったリリィ
はたして中のロゼッタに影響を与えることは出来たのだろうか?

目の前にはいまだに巻き上げられているシルクハット
「……………僕はまだ入学式も終えてない新しく入ってきた学生です。その意味が分かるでしょうか?」
つまり彼はまだ未熟であり
「にゃあ?」
(もしかして止め方分からないの?)
「まあ時間が立てば自然に消えるでしょうし問題ありません」
はたして外界の影響は中の世界にどれほどの影響を与えるのだろうか?
>65
唐突に上から降ってくる赤いもの………そう!それはリリィの断面から落ちてきたセラエノの血であった
「リリィさんの首が空から降ってきた!?」
もう血をぶちまけるタイミングが悪かったら吸血鬼が血まみれになっていただろう
血まみれの吸血鬼………すごく自然だ
「これが…………奇跡?」
全然違います
「コンコンさん!リリィさんの首のキャッチお願いします!!」
たぶん空間を作った本人に一番近いところに落ちてくるに違いない
そう思ったフリードはまだ名前を知らない狐娘にリリィを頼んだ
「そういえばリリィさんの体ってどうくっつければいいんでしょうか?」
たぶんこれをくっつけるのはバラバラにしたロゼッタにしか無理ではないのだろうか?
当然エンカの手首もである

67 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/05/27(木) 19:29:51 0
>「新入生の皆様に、お知らせします」
>「入学手続きは、あと30分で締め切られます。まだの方は、大至急学園入り口受付までお越しください。
> 入園式は、5時から大講堂にて行われます。新入生の皆様は、各自案内に従い、お集まりください」

>「よし、じゃあ大講堂に行こうか」

「あぁ・・・そうだな・・・」
気まずい雰囲気もそのままに桜花とクレイは歩き出す

(失敗したなぁ…あそこで言うべき話題ではなかったな…)
歩きながらもくよくよ考えてしまう桜花
東の国から来た住人の大半は和やその場の空気を重んじる所がある
桜花も例に漏れず、周りの空気を大切にする人間だ
その自分が空気を壊してしまったのだ。後悔も大きい

>「しかし、音だけで周囲の状況がわかる、ってすごく耳はいいな。生まれつきなのか?」
クレイが話を振ってくれる
彼もこの空気が苦手なのだろうか?
「あ、あぁ…耳は最初は人より少し良いくらいだった。
 しかし、目の見えない生活をしていると耳に頼らざるおえない。
 自然と耳もよくなってしまうと言うものさ」
そこまで言うとトランクをちらりと見て
「それに今ではこの耳がないと商売にならない」

>「私は帰って来たー!!」
突然の大きな声に慌てて耳を塞ぐ桜花
人よりよく聞こえるため大きな音はより大きく聞こえるのである
先ほど紹介されたロボット、トレスが起きたようだ
クレイはトレスに事情を話している。
>「ボンジュ〜ル マドワ〜ゼル」
「え?え?え?ボ、ボンジュ〜ル… 」
どうやら他の国の言葉は苦手なようだ
>「ボンジュ〜ル マドワ〜ゼル。私の名前はトレス。ピチピチの18歳です」
「先ほどクレイさんに聞いたと思うが、私は奏 桜花。よろしく頼む、トレス君」
>「たまに思うのですが、目が見えない人って食事とかお風呂とかどうしてるんですかね?一人じゃ大変でしょ」
「…私くらいの聴力があれば、お風呂に張っている水の波紋の音も拾えるし
 食事の時はお皿を一度弾けばそれから出る振動音で上に何が乗っているかわかる
 この世の中に無意味な音は無いんだ。音一つ一つにちゃんと意味がある。目の見える人にはなかなかわからいなだろうけど」
そこで一旦切り、クレイの目の前まで歩いていく
「ちなみにこのくらいの距離まで行けば、貴方がどのような顔をしていてどれくらいの体格をしているかもわかる
 …ふむ…なかなか男前な顔をしているな…?ん?今一瞬ドキリとしたな?心音が乱れたぞ?
 自分で言うのもなんだが、これでも私はかわいい顔をしているからな。男だったら仕方のない事だ
 …以上だ、これが私の悪趣味な特技だ。」
少し自分の悪戯に苦笑を交え笑う桜花


68 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/27(木) 19:43:06 0
>65>66
> 「あら、そうでもないわよ?」
「え?」
背後から聞こえた声にロゼッタが振り向いた時には、
既にリリィの生首は霧化したシルヴァに取られていた。
> 「救出できた事だし、シルクハットが燃え尽きる前に私も出ることにするわ。
> あなたにはこれをお土産にあげる。その能力、爆発も切断できるのかしら?」
> その言葉とともにロゼッタを囲むように現れる幾つもの炎の玉。
同時にリリィの首の切断面からセラエノの血がロゼッタにかかるが、ロゼッタはそれどころではない。
「そんな、爆発だって!?あたいのエンカ君が…」
> それはシルヴァが霧となってシルクハットの出口へと飛んでいくと同時に爆発を巻き起こす!
「あたいのエンカ君があああああああっ!!」
その最後の叫びと共に、シルクハットの中には誰もいなくなった。
ただ、焼けた肉片と、黒焦げの土くれだけを残して…
しばらくすると、バラバラになったリリィの体同士が引力を持ったように引き合い、繋がり始めた。
間もなくリリィの体は元通りになるだろう。


女子寮南の芝生広場。
少し前にロゼッタに切り取られた地面は、既に片方の切断面を破壊された事により、
ただ歪に凹んだだけの地面になっていた。そのそばに、エンカの左手とロゼッタの“約半分”がいた。

ロゼッタは女子寮に入る前に、エンカの左手の切断面を芝生広場で切り取った地面で押さえていた。
そう、ロゼッタはその切断面から、体をドコデモ・ドアーで細かくバラバラにし、
シルクハットの中から抜け出たのだ。ロゼッタは“ずりずり”とエンカの左手に近づいた。
「やっぱり…先にエンカ君を逃がして良かった…
 私から先に逃げていたら…エンカ君は失われていた…」
エンカの左手とロゼッタの両方を爆発から避難させるにはあまりにも時間が足りなかった。
どちらかを犠牲にしなければ、どちらかが爆発に巻き込まれる。
そして、ロゼッタが犠牲に選んだのは、ロゼッタの体の方だった。
今ロゼッタに残された体は、上半身と、首と頭と左腕だけだった。
左腕を除く四肢の焼失、そしてそれに伴う女性機能の消失。
左手を盗んだ罪としては重過ぎる罰だった。ただ一人、ロゼッタはそうは思っていなかったが。
「やっとまた二人きりになれたね。あたい…あたいはエンカ君さえいればそれでいい。
 今…あたいはとても幸せだよ〜」
やっとエンカの左手に手が届いたロゼッタは、涙を流しながらそれに頬ずりをした。
もしもこの場に誰か来たら、ロゼッタは激昂して叫ぶだろう。
「あ た い に 近 寄 る な ー っ ! !」

69 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/27(木) 21:48:34 0
>64-65
シルクハットの中に、ロゼッタの腕ごと入り込んでしまったリリィ。
しかしいかんせん生首では、ゴーレムが吐き出す蒸気をよける事も出来ない。
「何がどうなってるのー。っていうか、私を掴んでるロゼッタの腕しか見えないってどういうことー?!
 えーん、ゴーレムが怖いよー!フリードくーん、シルヴァさーん!狐の人ー!誰かー!たぁすけてー!!」

その頃、シルクハットに飲み込まれたリリィはというと。

「もー、何なのよーこの世界はっ!」
リリィの目に映る世界は、一言で言うとカオスだった。
「あちちちちちっ!ゴーレムの湯気がっ!あつっ、暑いよー!」
おまけに、リリィの目の前には大きなゴーレム。
生首の一つや二つ、簡単にぷちっと踏み潰せそうである。

突然リリィをつかんでいたロゼッタの腕が揺れた。
ゴーレムが吼える。
「な、何っ?何が起きてるの??―――― えっえっ、何か出てきた!」
リリィの断面から
>「無駄っ!」 
ロゼッタの声に呼応するように、ゴーレムの体がばらばらになった。
その弾みで、リリィの生首も地面に落ちてしまった。
きゅう、と頭にたんこぶを作っている生首を、ロゼッタが拾い上げる。
「痛たたた・・・・・・あれ?ロゼッタ、あなた何でここにいるの?」 
>「可愛そうな子。誰もがあんたを見捨てたわ。」 
>ロゼッタはリリィの生首を拾い、彼女の顔を自分に向けてそう話しかけた。 
「み、見捨てられてなんか無いもん!多分だけど、ここに来る直前、狐の人が何かしたの見えたもん!
 だから、あの人は私のこと、ちゃんと考えてくれるもん!
 フリード君は、困ってる女の子を絶対見捨てたり出来ないタイプだもん!
 初対面だけど、シルヴァさんだってきっと!・・・・・・あれ?」
リリィはここでふと黙り込み、今のロゼッタの言葉を反芻する。
「・・・・・・・もしかして、私が見捨てられたと思ったの?だからロゼッタ、ここに来たの?」

>「あら、そうでもないわよ?」 
不意に聞こえた声には覚えがあった。
「ぎゃー!!霧が喋った―――― っ!!・・・・・・ってシルヴァさん!?どどどどっから出て・・・・・・きゃん?!」
首から噴き出た血は、ロゼッタだけでなく『通り道』となったリリィの顔にもかかった。
リリィはそのまま、シルヴァの見つけた『出口』へと投げ飛ばされる!

70 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/27(木) 21:58:58 0

>66
風が変わり、視界が大きくひらけた。
空中で回転したため、リリィにも、そこが元いた女子寮付近、戻ってきたのだと理解できた。
しかし。
「うわ――――――――っ!落ちる落ちる!」
>「コンコンさん!リリィさんの首のキャッチお願いします!!」 
まともに落ちたら、割れたスイカどころの騒ぎではなかった。
だが、幸いにもそのような事態は何とか回避できたようだ。

「わーっ!皆見て!こんなところに血まみれのバラバラ死体がっ!!
 さささ、殺人事件だよ!!」
残念、それは自身のバラバラ肢体だ!

「へっくち!」
リリィはくしゃみをした後、鼻を啜った。
シルクハットから出た時、一瞬ながらとても寒い目にあったからだろう。
「ところでロゼッタは?姿が見えないようだけど。
 あっシルヴァさん、さっきはありがとうございました。ところで、ロゼッタ知りません?
 私、まだ彼女から、エンカの左手返してもらってなくて」
シルヴァの表情を見て、「あれ、私、何か変な事言ったかな〜?」と首をかしげる。

>「そういえばリリィさんの体ってどうくっつければいいんでしょうか?」 
「うーん・・・・・・ロゼッタのみぞ知るって感じかな。痛くはないけど、これじゃ私動けないよ。困ったね」
リリィは血まみれのボディを見て、ふぅ、とため息をついた。
「元に戻ったら戻ったで、余計な注目浴びそうだけどね。血まみれだし。
 血を吐いて倒れたセラエノさんも心配だけど、このままじゃ、エンカも私も手続きしないまま時間切れになっちゃうし」

「ねえフリード君、セラエノさんを担いで保健室にもらってもいい?私は・・・・・・どうしようかな。
 移動するにしても、自分の力じゃ無理っぽいし。
 狐の人、シルヴァさん、何か良いアイディアありませんか?このままじゃ・・・・・・んん?」
リリィは気づいてしまった。
自分の体のパーツ同士が、じり、じりと勝手に動き、リリィの方へとにじり寄ってきていることに。
「ぎゃ――――っ!!わわわ私の手足が勝手に動いてるうぅぅぅぅ――――?!」
結構シュール、というよりホラーである。

>68
>「あ た い に 近 寄 る な ー っ ! !」 
なにやら芝生広場の方が騒がしいようだ。

71 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/30(日) 08:21:17 0
「「皆、ありがとう。何とか元の姿に戻れたよ〜。
 でも、なーんか・・・・・・元に戻ったは戻ったみたいだけど」
血まみれの少女は、とんとんとつま先で地面を叩いてみた。
「まだ、ちょっと変な感じがする」
セラエノの血のなせる技か、はたまた時間が解決したのか。
リリィのばらばらに切断された体は、拍子抜けするくらい簡単に元に戻ることが出来た。

「あ、でも、結局エンカの左手はロゼッタから返してもらえなかったのよね。
 ・・・・・・でもでも、私も元に戻ったんだし、もしかしたら今頃エンカの手も元に戻ってるかも!
 私、ちょっとひとっ走り見てくる!何かわかったらテレパシーで連絡するからねー!」
リリィはぶんぶんと手を振ると、エンカ達がいた場所へと一目散に戻っていった。
周りが「血まみれ少女のランニング姿」にどよめいているが、本人は気づいていないようだ。

>68
>「あ た い に 近 寄 る な ー っ ! !」 
芝生広場を全力疾走していたリリィは、キキキとブレーキをかけた。、
広場の水場らしき場所で何かあったらしく、人垣が出来ていて中の様子はわからない。
だが、叫び声には聞き覚えがあった。
『皆!ロゼッタを発見したよ!!場所は芝生広場の水場で・・・・・でも何か様子が変みたい』
リリィはテレパシーで、フリード達にテレパシーを送った。

「すみません、ちょ・・・・・・ちょっと通してください!!
 あ、触れると血で汚れますよ。あ、いや。血は私のじゃないですけれど」
周りの反応も何のその、リリィは人垣を掻き分け、ようやく輪の中心まで到達する事が出来た。
そして絶句する。

「ロ、ロゼッタ!あなたどうしたのその姿は!!
 あれっ?!足りない体のパーツはどこにあるの?
 もしかして、あなたがエンカにしたみたいに、誰かに持っていかれたの?!」
リリィは、自分がシルクハットから放り出された後の事情を全く知らなかった。
だからこそずかずかロゼッタに近づき、空気も読まず彼女のパーツに手を伸ばす事が出来たのだ。
「とにかくあなた衰弱してるみたいだし、医務室か保健室に行こう。 
 そんで、エンカの左手は本人に返す、と」

「っていうかさ、何度も言うようだけど、そんなに左手が欲しいなら、ズルしないで、ちゃんと本人の許可とりなさいよ。
 口説き落としてラブラブになるとか、大金積んで契約結ぶとか、あるでしょ。
 それに、切り取った手は物でしかないの。エンカの魂は宿ってないの。
 そんなモノでしかない手でも構わないって言うのなら」
リリィはセラエノから借りたペンを取り出すと、ロゼッタの唯一残った手に「えんか」と書き
「これで十分でしょ」
と言った。

「・・・・・・・しょうがないなー」
リリィはちょっと考えた後、再びペンを握った。
そして、何を思ったのか、自分の左手にも『エンカの手』と書き込む。
「切り取らないでよね。あなたとエンカの左手を運べなくなるから。
 さ、保健室行くよ」

72 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/05/30(日) 20:27:47 0
>71
> 「ロ、ロゼッタ!あなたどうしたのその姿は!!
>  あれっ?!足りない体のパーツはどこにあるの?
>  もしかして、あなたがエンカにしたみたいに、誰かに持っていかれたの?!」
「あ た い に 近 寄 る な ー っ ! !」
ロゼッタが再び叫んだ。
> 「とにかくあなた衰弱してるみたいだし、医務室か保健室に行こう。 
>  そんで、エンカの左手は本人に返す、と」
「い や だ ー っ ! !」
リリィの後ろに位置する人垣から数名の笑い声が漏れた。
ここに集まっている生徒達の中にも、ロゼッタに対して快く思ってない人間は多い。
“ロゼッタざまぁwww”という風に思っているのだ。
それ以外の、ロゼッタに対して別段悪い思いを持っていない者達もこの場にいるにはいるが、
そういったロゼッタを敵視する連中に目をつけられたくないし、
再びロゼッタが攻撃された時に巻き込まれたくないので傍観しているのである。

> 「っていうかさ、何度も言うようだけど、そんなに左手が欲しいなら、ズルしないで、ちゃんと本人の許可とりなさいよ。
>  口説き落としてラブラブになるとか、大金積んで契約結ぶとか、あるでしょ。
>  それに、切り取った手は物でしかないの。エンカの魂は宿ってないの。
>  そんなモノでしかない手でも構わないって言うのなら」
> リリィはセラエノから借りたペンを取り出すと、ロゼッタの唯一残った手に「えんか」と書き
> 「これで十分でしょ」
> と言った。
「ふ ざ け る な ー っ ! !
 牛乳瓶の蓋に1ガリオンとでも書けばパンが買えるのか?!
 石に金とかけば牛が買えるのか?!」
当然だが、ロゼッタが納得するわけがない。
> 「・・・・・・・しょうがないなー」
> リリィはちょっと考えた後、再びペンを握った。
> そして、何を思ったのか、自分の左手にも『エンカの手』と書き込む。
> 「切り取らないでよね。あなたとエンカの左手を運べなくなるから。
>  さ、保健室行くよ」
「あ ん た は ー っ ! 理 解 で き な い !
 …あ…あぅ…」
ロゼッタは最後にそう叫んだ後、気を失った。
その時点でドコデモ・ドアーの効果が切れたらしく、エンカの左手がふわふわとエンカ本体に向って飛び始めた。
リリィの体が元に戻ったように、エンカの左手もやがて本体と繋がるだろう。

73 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/05/30(日) 20:29:59 0
>54

>「別にいいっての。で、『誰だ?』って聞きたそうな顔してんで自己紹介させてもらうがよ。
> 俺はお節介焼き……でもないグラディス・ウルフォード!鳥公に頼まれたんで君を連れてきた。
> んでもって、此処は……」
>「お聞きの通り魔法学園だ。しっかし行き成り放送かかったのはビックリしたなー」
「グラディス・ウルフォード……俺はレイヴンだ。
 この借りは必ず返す。借りっ放しはよくないからな。
 ……魔法学園……確か、フィジルとか言う変な島に作られたんだったっけ?
 設立からわずか3年でここまでの物が出来上がるとは……」

最後の一言、知ってる人間にとっては違和感を感じる内容である。
その違和感を目の前のグラディスが感じるかは分からないが。

>「何ブツブツ言ってんだよ?まあいいや、大丈夫そうだしな!
> そんじゃ、俺は荷物取りに行ってくるかね。念のために医務室とか行っておけよー!」
アドバイスを残して、グラディスは凄まじい速度で駆け、門を抜けていった。
後に残された鴉は、その背をしばし呆然と見送るしかなかった。
「……そんなに急ぐような事か? よっぽど大事なもんなんだろうか……
 いまいち釈然としないが、一応手続きは済ませておこう」
一人、方針を決定した鴉は門の近くにいた在校生に受付の場所を聞いたら、
『たぶん説明しても分からない』と言われ案内される運びとなった。


            ――――10分後――――


無事受付を済ませた鴉、書類の内容の一部に違和感を感じるも
自分が学園にいる事の異常性の方が強く、すぐに考えるのをやめた。
「さて、この後は講堂とやらに向かうんだったっけ……
 まだ多少時間はあるな、じゃあ先に医務室で見てもらおう。
 自分じゃ分からない異常があるかも知れないしな」
その後、別の在校生に医務室の場所を聞き、医務室へ。

そこにいたのは、グラディスの連れのネリー(今のレイヴンは知らない)と
そのネリーを妖しい表情で眺める白衣の女性だった……その女性の視線が冷めている理由を鴉は知らない。
「……今、保険医はいるだろうか? 一応診察希望なんだが……」

74 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/05/30(日) 22:31:21 0
>66
結論から言えばセラエノの血はなんの奇蹟も起こさなかった。
ただリリィの肢体の状態に相応しくスプラッターな感じにした以外は。
それと、
「あら良い匂い。勿体無いわねえ。」
帽子から出て来て身体を再構築したシルヴァが機嫌よさそうに呟いたが、流石に拾い食い(?)をすることはなかった。

>70
リリィの身体は元に戻り、ロゼッタは行方不明。
とりあえず一段落ついた今、女子寮にい続ける意味はない。
>「ねえフリード君、セラエノさんを担いで保健室にもらってもいい?
その言葉に血溜まりに沈んでいたセラエノがピクリと反応する。
立ち上がれはしないが、顔だけがズズズと向きを変え、フリードのほうへと向いた。
「駄目よ。自分の事は自分で何とかするから。」
スカートから転がり出る巻物が一本。
それは独りでに封が解かれて転がり、コイノボリとなって宙を浮く。
コイノボリは倒れたままのセラエノを掬う様に飲み込むと、ゆったりと女子寮を出て行く。

フリードに担がれる。
一見セラエノにとって小躍りするようなシュチュエーションではあるがそうではないのだ。
まず第一に美少年は汚れてはいけない!
血塗れの自分を担げばフリードにも血がついてしまう。
美少年がちに塗れるのは返り血などではなく、自分の血(苦悶の表情があれば尚良し!)なのだ。
第二に、美少年は抱くものであって抱かれるものではない!
いやもう、なんというか説明は割愛。
第三に、ここでフリードに担がれでもしたら最後の血の一滴までも噴出しそうだからだ。

以上の理由によりセラエノはフリードに担がれる事を断り、コイノボリの中に入り保健室に向かったのだった。


>71
保健室に向かう途中、リリィとロゼッタのやり取りに追いついた一行。
「あらら、気絶する程度の爆発だったんだけど、シルクハットの中だから?」
半分焼け焦げたロゼッタにシルヴァが小さく驚きの声を上げた。

周囲にロゼッタを治療しようとする生徒はおらず、ただ一人リリィが保健室に運ぼうとしていた。
「フリード、ロゼッタの傷口を凍らせてあげて。
リリィ、運ぶの大変でしょうから、このコイノボリに乗せて運びましょ」
コイノボリの口から顔だけ出したセラエノが二人に声をかける。


75 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/05/31(月) 01:38:08 0
>「…私くらいの聴力があれば、お風呂に張っている水の波紋の音も拾えるし
 食事の時はお皿を一度弾けばそれから出る振動音で上に何が乗っているかわかる
 この世の中に無意味な音は無いんだ。音一つ一つにちゃんと意味がある。目の見える人にはなかなかわからいなだろうけど」
「へー、凄いですね。深イイ〜、って言いたくなりますよ」
トレスが感嘆の声を上げる
確かに凄い。そこまでくれば、耳が良い、とかで済まされるレベルじゃない。だがその分大きな音は苦手なんだろう
桜花が近くにいる時は、スパーク等は使わないでおこう
>「ちなみにこのくらいの距離まで行けば、貴方がどのような顔をしていてどれくらいの体格をしているかもわかる」
色々と考えていたら、いつの間にか桜花が俺に近づいて来...って近い!目の前まで来た!
>「…ふむ…なかなか男前な顔をしているな…?ん?今一瞬ドキリとしたな?心音が乱れたぞ?
 自分で言うのもなんだが、これでも私はかわいい顔をしているからな。男だったら仕方のない事だ」
何でそこまで分かるんだ!?心眼か?心眼の域まで達したのか!?
心拍数が一秒間で10回になった......わけないが、それなりに上がった
顔が熱い。......絶対赤くなってる
>「…以上だ、これが私の悪趣味な特技だ。」
「ま、全くだ」
ああ、クレイよ。照れてしまうとは情けない
向こう笑ってるし。うぅ...また顔が熱くなった
こ、ここは一つ反撃せねば......。なんかこう、プライド的に
「......まぁ、俺も...その...可愛いと思う...あんたの笑顔とか...さ」
.............うぐぁ!!ある意味、自滅だった!熱い、熱いぞぉ!!
「クレイ様、すごく顔が赤いですよ。例えるなら、ある単語が頭から離れずに鼻血を出して倒れたどこかの神様の顔色のようです」
「なにその例え!?意味がわからん...」
どこの神様だ。どんな単語を聞いたらそうなるんだよ
あと、鼻血を出して倒れたのなら、むしろ青くないか?
「その顔が血で真っ赤に染まっていたらどうですか?」
「怖え、その一言に限る」
そんな神がいるのなら、一度、その顔を拝んで見たい

トレスと話をしていたら気持ちが落ち着いてきた。
流石トレス。俺の心のケアをしてくれたんだな。もう少しいい方法があるような気もするが

講堂に向かう途中、フワフワと目の前を肌色の物体が飛んできた
「何あれ?」
「手じゃないですか?」
トレスが答える
「......本当だ。手だ。あれ」
流石魔法学園。まさか手が飛んでいるなんて思ってもいなかった。ビックリして喋り方がおかしくなったぞ
「サンダー!」
とりあえず魔法を撃って落すことにした
「...あれ?落ちないな」
「あれ多分エンカさんの左手じゃないですか?痙攣していますよ」
よく見ると確かにピクピクと痙攣していた
「どうする。あれ」
「ほっといたらいいと思います。あれは多分、エンカさんの元へ戻って行ってるのでしょう」
ピクピク痙攣しながら飛ぶ手。...かなりシュールだ。もっとも、痙攣しているのは俺のせいかもしれないが
「まぁ俺にはどうすることもできないし、ほっておこう」
結論が出たところで、講堂に向かうことにした
手が飛んで行った方向から時々叫び後やら聞こえるが気にしない

「大講堂と言うだけあって、本当にでかいな」
なんだかんだで大講堂に着くことが出来た
時計は持ってないのでわからないが新入生達が集まり出しているから、式まであと30分いったところか
「なあ、桜花。人とか結構いるけどこう言う所は大丈夫か?」
クレイは席を探しながら桜花に聞いた

76 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/05/31(月) 01:39:11 0
「……よし。これで手続き終了だよなー?」
>「あん?ああ、確かに二人分受理したぜ。あとは講堂で学園長のありがたい話でも聞いてきな」
ガラの悪い受付係の生徒と話す中々長身の犬耳野郎グラディスの姿が、入り口の前にあった。
手には二つのトランク。自身と妹分のものだろう。

「書類出した、トランク持った、中身確認した、よしオッケーっと!
 さぁって、ネリー探して噂の大講堂にでも行くかなー」
くるりひらりと学ランの裾を翻して歩き出す。
振り回されるトランクは相当の重量がある筈だが。

>71>72>74
「おろ?あー、騒ぎの中心がこっちだっけ?」
そーいやうるさかったなーと、ちょいと歩くうちに自分が騒ぎの方向に進んでいることに気付いた。
大勢の人の臭いが鼻に届き、誰かの絶叫が耳にこだまする。
進むうちに肉の焼け焦げた臭いと鉄錆びた臭いが追加されていく。
「なんだろなー、遠回りした方がよさそうだなー?
 ……ああそうだっけ、そういやネリー忘れてったんだっけ」
帰ってこない言葉のキャッチボールに、そういえばと妹分を忘れていたことを思い出す。
忘れてた忘れてたと独りで笑いながら進路を変えるグラディス。

しばらくすると、グラディスは妙なものを見つけた。
「……おおう、なんだあれ!」
でかい魚、否、こいのぼりが廊下に浮いている。
すげーすげーと言いながら駆け寄って行くと、さっきの臭いがぶり返してきた。
鉄錆びた臭いと肉の焼けた臭い。
なんだろうと疑問符を浮かべて近づいたグラディスの目に、とんでもない光景が飛び込んできた!

「……リリィちゃん、君は何やったんだー!」
血塗れのリリィの姿!
『私さっき誰か刺してきました』といっても頷けそうな血塗れ具合である。
誰かが見れば通報確実!火薬に火を放てば爆発するように!
間違いなくさっきの鉄錆びた臭いの元凶だろう。
そして他の面子はといえば。
「仮面の人は変なのに食われてるし!そしてその焼け焦げた子は何が!?
 誰だっけ、金髪ショタメンの君説明プリーズ!」
何があったか不思議でしかない状態である。

77 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/05/31(月) 18:13:05 0
>「あ ん た は ー っ ! 理 解 で き な い ! 
> …あ…あぅ…」 
「あ、おとなしくなった」
>その時点でドコデモ・ドアーの効果が切れたらしく、エンカの左手がふわふわとエンカ本体に向って飛び始めた。 
「何だかんだ言ってても、ロゼッタはちゃんとわかってくれたんだね〜。良かった〜。
 じゃあ後は・・・・・・と。
 すみません、この中で回復魔法とか使える人、いらっしゃいませんか?」
残念ながら、野次馬の中に該当者はいないようだ。

リリィがロゼッタを運ぼうと四苦八苦していると、巨大な魚と一緒にフリード達がやってきた。
>「フリード、ロゼッタの傷口を凍らせてあげて。 」
「さ、魚が喋った――――っ!!!・・・・・って、あれ?セラエノ?!」
リリィは巨大魚の頭から尾びれの先までたっぷり3秒は眺めたあと、
「いいなぁ、かわいい着ぐるみ・・・・・」
(はっ!今はそんな場合じゃなかった!)
リリィはぶんぶんと首を横に振った後、雑念を振り払うように自分の頭をぽかぽかした。

>「リリィ、運ぶの大変でしょうから、このコイノボリに乗せて運びましょ」 
「えっ、背中に乗せていいの?
 それは助かるけど、セラエノだって怪我してるんでしょ?重たくない?え?大丈夫なの?」
リリィは勧められるまま、コイノボリにロゼッタを乗せた。
「そういえばフリード君、回復魔法使えないの?怪我の治りが異常に早い気がするんだけど」


>「……リリィちゃん、君は何やったんだー!」 
「あれっ、グラディス君?!えっと、何をしたかって?色々大変だったのよ。
 あ、説明は移動しながらでいいかな?」
リリィはコイノボリに乗せたロゼッタをきにしつつ、歩を進めた。

「えっとね、エンカの左手が切断されて、私も体がバラバラになったの。
 それから変な世界に飛ばされちゃったり凍りそうになったり。
 で、犯人のロゼッタが怪我してるから、今から保健室に運ぼうと思って」
相変わらず・・・・・・、としかいいようの無い説明である。

「そういえばグラディス君、他の人たちはどうなったの?保健室にはもう立ち寄った?
 ネリーさんはきっとそっちに行ったと思うんだけど、無事に会えたかな?
 そろそろ入学受付が終了する時間だから、受付がまだなら急いだ方がいいよ!」
リリィは時計を指差しながら、そう忠告した。
「それと、確かグラディス君達は魔法使えたんだよね。失神魔法の回復薬とか持ってる?
 彼、失神魔法みたいなのを食らって気絶しちゃってるのよね。
 もし良かったら、受付に行く時はエンカも連れて行ってもらえないかな?
 通り道の中庭――あの噴水の辺りね――に、おっきな剣を持った鋼さんって人と一緒にいるはずだから」
リリィはロゼッタの体をコイノボリの背に乗せながら、グラディスにそう頼んだ。
「ほら、あの手。エンカの本体に戻っていくんだけど、多分保健室までの通り道だと思うから」
通り道だと言う根拠は、フリードがそっち方向から来たからに他ならないのだが。
「あ、私はいいの。」
リリィは自分の左手に書かれた走り書きをグラディスにみせた
「荷物も全部無くしちゃったし、書類も無いから受付は無理なの。だから、気にしないで」

78 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/05/31(月) 19:44:44 P
>73>74>76>77
>「ねえフリード君、セラエノさんを担いで保健室にもらってもいい?
  その言葉に血溜まりに沈んでいたセラエノがピクリと反応する。
  立ち上がれはしないが、顔だけがズズズと向きを変え、フリードのほうへと向いた。
>「駄目よ。自分の事は自分で何とかするから。」
「…………貴方がそう言うのなら仕方がありません。でもあまり無理しないでくださいね」
心配そうにセラエノを見るフリード
>「フリード、ロゼッタの傷口を凍らせてあげて。
 リリィ、運ぶの大変でしょうから、このコイノボリに乗せて運びましょ」
「傷口を塞ぐんですね、分かりました」
フリードはサーベルの刃のついてない部分を傷口に押し当てると魔力を流し込み凍らせる
「これでこれ以上傷が広がることはありませんよ」
と営業用のショタっ子スマイルでロゼッタに微笑むフリード

そこにやってきたグラディス
>「仮面の人は変なのに食われてるし!そしてその焼け焦げた子は何が!?
  誰だっけ、金髪ショタメンの君説明プリーズ!」

「落ち着いてくださいワンワンさん!つまり赫赫然然で色々あったんですよ」
と簡単に今まであったことを説明するフリード
「と言う訳で他人の手を奪おうとしたこの人はこんなふうになっちゃったんです
 ぶっちゃけ自業自得ですが怪我をした女の人を放っておく訳にも行きませんので」
野郎だったらそのまま見捨てるのかフリード?

>「そういえばフリード君、回復魔法使えないの?怪我の治りが異常に早い気がするんだけど」
「使えないことはありませんが…………これ自分にしか効果ないんですよ
 やはり独学では無理がありますね」
とぶっちゃけるフリード。しょせんは見習い未満である


保健室に向かう一行
>「……今、保険医はいるだろうか? 一応診察希望なんだが……」
そこにいたのはレイブンと ネリーにじわじわとにじり寄っている名称不確定名たぶん保険医であった
「あれ?レイブンさんずいぶんと遅かったですね
 それより何やってるんですか先生?重症の患者さんですよ」

保険医がロゼッタを見た第一印象は「これはひどいであった」
事象を聞いた保険医はこう言うのであった
「手だけでいいなんてずいぶんと謙虚だな、私なら全身手に入れる」と
そして「ここまでひどいなら保健室よりも大きな病院に入院すべきだ」とも
ぶっちゃけ保健室で治せるってレベルじゃねえぞということらしい
「大きな病院に運ぶ前に死んじゃいますよ!!」
とフリードが不平不満をぶち撒けると
無理をすれば私でもやれないことはないが
「ただここまで欠損が多いと体を再生するときに確実に全体が小さくなってしまう」
体積が足りないなどと色々理屈をこねているが結論として五体満足になったとしても
小人か幼女になるという事らしい
「本当は自分だけのアリス、究極の少女を創り出すために使いたかったんだけどね
 ロゼッタ君、君のせいでアリス計画はおじゃんだよ」
と保健室の隅に設置してある人ひとり入れる培養液の入ったカプセルを見せるのであった
「にゃあ……なぁ」
(ええと……なんかジャンル違わね?)
「まあロゼッタの実家に領収書を送ればいいか」
まさに外道な保険医である


79 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/02(水) 01:21:01 0
>77>78
>「あれっ、グラディス君?!えっと、何をしたかって?色々大変だったのよ。
> あ、説明は移動しながらでいいかな?」
>「落ち着いてくださいワンワンさん!つまり赫赫然然で色々あったんですよ」
「勿論歩きながらでいいぜー。何があったんだか教えてやー。
 ……てかショタメン君ワンワンて何だコルァ、俺は人狼だッ人狼ッ!」
最初にオーバーなリアクションを取ったせいか、リリィの反応の薄さからか。
臭いに顔をしかめつつ、グラディスはぱっと平常心へと戻った。

>「えっとね、エンカの左手が切断されて、私も体がバラバラになったの。
> それから変な世界に飛ばされちゃったり凍りそうになったり。
> で、犯人のロゼッタが怪我してるから、今から保健室に運ぼうと思って」
>「と言う訳で他人の手を奪おうとしたこの人はこんなふうになっちゃったんです
> ぶっちゃけ自業自得ですが怪我をした女の人を放っておく訳にも行きませんので」
なんとも端折りまくった感が拭えない説明だが、ふむふむと力強く頷くグラディス。
「オッケー、兎に角そのロゼッタちゃんが何かやった結果がそれなんだな!理解『可』能ー」
しかし細部までは理解していないらしいが。

>「そういえばグラディス君、他の人たちはどうなったの?保健室にはもう立ち寄った?
> ネリーさんはきっとそっちに行ったと思うんだけど、無事に会えたかな?
> そろそろ入学受付が終了する時間だから、受付がまだなら急いだ方がいいよ!」
「んー?ああ、もうそんな時間かー。そういやアイツにまだ会ってねーなー」
リリィが時計を指差して言うが、グラディスはぽやぽやと再びネリーを思い出すだけ。
>「それと、確かグラディス君達は魔法使えたんだよね。失神魔法の回復薬とか持ってる?
> 彼、失神魔法みたいなのを食らって気絶しちゃってるのよね。
> もし良かったら、受付に行く時はエンカも連れて行ってもらえないかな?
> 通り道の中庭――あの噴水の辺りね――に、おっきな剣を持った鋼さんって人と一緒にいるはずだから」
>「ほら、あの手。エンカの本体に戻っていくんだけど、多分保健室までの通り道だと思うから」
「オッケー了解。まー俺そーいう薬とか無いけどなー!
 あ、そだ。そーいえばリリィちゃんはもう受付したのか?」
>「あ、私はいいの。」
グラディスが話を振ると、リリィは自分の左手をみせた。
そこには走り書きで『エンカの手』と書かれていた。
>「荷物も全部無くしちゃったし、書類も無いから受付は無理なの。だから、気にしないで」
「ええー?荷物は知らんけど、書類ぐらい職員室にあんだろー?一回聞きに行けばいいさ。
 ……ん?職員室?そーいや確か、職員室にトランクがも一つあったぜ?
 そーいう意味でも一回職員室に行ってみるといいんじゃねーのー?」
疑問符たっぷりの台詞をリリィに言うと、トントンとつま先で床を叩く。
「んじゃ、エンカ連れて受付させてくるかねー。
 リリィちゃんに仮面の人、んでショタメン君!講堂かどっかでまた会おうぜー!」
そう言うと、足にぐっと力を溜めて……床を蹴る!
ドギャッ!と壊す音を立てながら生んだ加速を持ってして、廊下を駆け出す学ラン野郎。
捲り上がった床と一同を残して、グラディスはその場を去っていった。

80 名前:ネリー◇e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/02(水) 01:21:51 0
>59
一方ネリーin保健室では。
>「う〜ん先生にアポート(取寄)の呪文が使えれば良かったんだけどねぇ
> 生憎知らないんだよ」
「そ、そんな〜……入学できなかったらどうしよう……」
適当にそこらの椅子に座って、真っ白に燃え尽きたかのように肩を落とすネリー。
そんな落胆しきった彼女に、保健医の妖しくも怪しい視線が降りかかっていく。
が、ネリーはそんなことを知る由もなかった。

>73
ネリーがしばらくその身に保健医の視線を浴びていると、ガララと扉の開く音がする。
残念そうな保健医をほっといて、すかさず顔を上げるネリー。
すると、見覚えのあるカラスっぽい雰囲気の男子生徒が保健室に入ってくるところだった。
>「……今、保険医はいるだろうか? 一応診察希望なんだが……」
「あれっ、確か廃墟に居た……貴方も医務室に用なの?」

>「あれ?レイブンさんずいぶんと遅かったですね
> それより何やってるんですか先生?重症の患者さんですよ」
「あっ、フリード君!重症患者ってどういう……うわあっ!?」
数分振りのフリードの後ろから、ぞろぞろと色々な方々がやってきていた。
こいのぼりに入った仮面の人、こいのぼりの上に乗っかった右腕と下半身が焼失している少女。
傷口を凍らせて処置しているらしいが……。
「うわわわわ、酷い……事故?いや、まさか誰かが!?
 もし誰かが故意になら、こんな酷いことする人は許せないね〜!そう思いません?」
保健医が培養カプセルを用意している間に、セラエノへそんなことを口走った。

81 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/06/02(水) 10:31:04 0
ぽっぽ辞任

82 名前:ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo [sage] 投稿日:2010/06/02(水) 18:36:56 O
校舎のある一角は廊下からその部屋の扉の前まで生徒達はいかなる理由があろうと一切立入禁止であった
普段は『立ち入った者、厳罰に処す 学園長』と書かれた立て看板が置かれており
看板の置かれた境目からは赤絨毯が敷かれ、天井の照明から窓の作りに至るまで
まるで宮殿を思わせる造詣は、何故、あそこだけ学校とは思えないくらい豪華なのだろうかと生徒達の間で時折話題に上る程であり
そして、今日は立て看板の隣と扉の前にサングラスを掛けた厳めしい黒スーツの男達が無言で立っている

「………やはり、我々の持つ写本では情報不足だったか…
それに遺物(アーティファクト)の位置を完全に把握するにはオリジナルを手中に収める他ない…」
金と深紅の布で作られた椅子に足を組み腰掛けている謎の老人は前にいる部下のオワゾーへと視線をやる
「恐らく、この諸島にある事は間違いないのですが…
いかんせん、未開発の地域が多く調査が捗らず…」
ギョロ目で口ヒゲを蓄えた男オワゾーは恐縮した面持ちで返答した
「まあよい、時間にまだ余裕はある
オリジナルの原典はこの諸島にある図書館に保管されているはずだ…
異空間にあるこの諸島には戦災を免れるべく古今東西様々な貴重な書物が貪欲に運びこまれていたからな…」

「オワゾー、お前は図書館に赴き原典を確保したまえ
遺物の回収は早い方が良い…この杖だけでは万一の場合に不安がある」
オワゾーはふと老人の手元へと目をやった
老人に握られた黒く彫金が施された細い杖からは禍々しい程の魔力が感じられた
「しかし、僭越ですが総裁御自身がスピーチをなさらずとも宜しいのでは…
万が一、介入者の残党が…」

老人はオワゾーの進言を遮るとゆっくりと立ち上がり扉の方へと歩き始めた
「彼らは我が計画の礎となる者達だ…
その彼らの顔を見ておくのは計画の主導者として最低限の礼儀というものだろう?」


83 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2010/06/02(水) 21:00:16 0
オザワー

84 名前:ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage] 投稿日:2010/06/02(水) 23:58:29 O
「いかないよ」

ファンブルマンは窓の外、校門の方をほんやりと眺めながら、電話に向かってそう答えた。
時計塔の一番上。陽の良く当たる彼の部屋はぽかぽかと温かく。眠気を誘われた彼は大きくあくびをした。

「だからいきませんって。スピーチなんて」

しつこく食い下がる事務にゆったりと応対しながら、彼はコーヒーを淹れるためにマグカップを探し始めた。

「僕は時間の管理をしてるんですよ。……ええ?娘が?
いやいや、駄目。駄目ですって。人生そんなに上手くいきませんよ」

何度かのやり取りのあと、ようやく電話を切ることのできたファンブルマンはコーヒーを一口飲み、再び窓の外
を眺め始めた。
もうほとんど人は通らない、暖かい陽気に包まれた明るい校舎までの道は、彼の目には寂しいもののように思わ
れた。

「もう何度目でしょうか。
今度こそうまくいくと良いですね……」

と、鐘が鳴る。今頃講堂ではスピーチが始まっている頃だろうか?ファンブルマンは笑みを深め、もう一口、コ
ーヒーを口に含んだ。

「遺物の取り合いですか……今度こそ巻き戻さなくて良くなるといいんですが」


85 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 21:09:33 0
>78>80
>「あれっ、確か廃墟に居た……貴方も医務室に用なの?」
そこにいた女子に開口一番おかしな事を言われた。
廃墟にいた? ……心当たりが無いわけじゃないが、大昔の話だ。
「……あんた、俺を知ってるのか?
 気が付いたら狼っぽい奴に担がれてて……俺は一体何やったんだ。
 まさか、あんたに危害を加えた、って訳じゃなさそうだけど」

実際はその真逆なのだが、時間の彼方に記憶を大暴投した今の鴉に覚えなどある筈もなく。
「とにかく、ここで知り合ったのも何かの縁なんだろ。
 一応名乗っておく……もう知ってるかも知れないけど、俺の名前はレイヴンだ」
益体のないやり取りであった。


初めはとっとと帰れオーラをあからさまに発散させていた保健医だったが、
一通り診察を済ませた頃にはオーラが引っ込んでいた。
……代わりに、最初に目に飛び込んできた妖しい表情が表に出てきていたが。

「特に問題はなし、か……診てもらったのはありがたいんだが、
 その表情を俺に向けないでくれ……何と言うか、その……」
背筋が寒くなる、と言いかけたけど止めた。
そして言わなかったのは賢明な判断だったと直後に自画自賛する羽目になったのだった。


>「あれ?レイブンさんずいぶんと遅かったですね
> それより何やってるんですか先生?重症の患者さんですよ」
新たに保健室に入ってきた集団、有り体に言えば『なんだこりゃ』だった。
どーにもこ−にも、何をどーしたらこーなるのかさっぱりわかりゃしない。
当事者でもない鴉は呆けるしかなかった……少女だか少年だか分からない子に
自分の名前を呼ばれて初めて我に返った。それほどのカオスだった。

「……あんたも俺の事を知ってるのか。いよいよ俺は何かやらかしたらしいな……。
 正直に言うと、なんであんたらが俺に知り合いじみた空気で声を掛けるのかが分からない。
 察するにそこまでアホな事をしたって訳でもなさそうだが……俺が校門前で
 意識を取り戻すまでの間、何をやってたんだ?」

先ほどまでの鴉を知ってる者からすれば、『何を言ってるんだ』と思うだろう。
だがそう思われても仕方がない、今の鴉は先ほどまでとは別人も同然なのだから。


86 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/03(木) 21:19:23 0
>79
時間はちょっと遡る。
>「オッケー了解。まー俺そーいう薬とか無いけどなー! 」
「えー!じゃあ、エンカ連れて行っても受け付け出来ないってこと?
 うーん・・・・・・・事情を話せば、同情して回復魔法かけてくれる・・・・・・かなぁ?」
エンカの手を目で追いつつ、リリィは唸った。

>「ええー?荷物は知らんけど、書類ぐらい職員室にあんだろー?一回聞きに行けばいいさ。 
> ……ん?職員室?そーいや確か、職員室にトランクがも一つあったぜ? 
> そーいう意味でも一回職員室に行ってみるといいんじゃねーのー?」 
「ええーっ、トランクが?!それ本当?!
 じゃあじゃあ、もしかしたらそれ、私の荷物かもっ!!
 ねえグラディス君、職員室の場所って」
>「んじゃ、エンカ連れて受付させてくるかねー。 
> リリィちゃんに仮面の人、んでショタメン君!講堂かどっかでまた会おうぜー!」 
「どこにあr……あれれ?グラディス君消えちゃったよ!!」
ドギャッ!という異音と捲り上がった床と一同を残し、グラディスは姿を消した。
「まあいいか。フリード君、ちょっとロゼッタをお願い」

リリィはばたばたと走り、何とかエンカの左手を捕獲する事に成功した。
(グラディスは方向の目安にはしたようだが、左手を捕獲しなかったようだ)

エンカと一緒にいたはずの鋼は、狐につままれたような顔をしている。
心なしか眠そうにも見えるが、きっと気のせいだろう。
「鋼さん、こ、ここに今、狼の耳つけた男の子、エンカ、迎えに、に、来たでしょう?」
リリィはぜーはーと息を切らしながら、簡単に今までの経緯を話した。
「・・・・・そんなわけで、エンカの左手はこうして無事回収できました。
 シルヴァさんだけど、今、ロゼッタって子と一緒にいます。・・・・・・ほら、あそこ」
コイノボリは遠くからでも良く目立つ。
鋼がシルヴァ達と合流するのは、そう難しくないだろう。
「私は今から職員室行ってきます!色々ありがとうございました!
 じゃあ私はこれで」
リリィは去り際、鋼がもっていたサンドイッチの包みを掴み、
「ごちそうさまです!」と言い残し、ばたばたと走り去っていった。

「フリードくーん!セラエノさーん!シルヴァさーん!」
リリィは手をぶんぶん振りながら、一行の元へと戻ってきた。
「これ、エンカの左手!悪いけど、これを保健室に持っていって、治療を頼んでくれない?
 左手と本体は繋がったままだから、左手に回復魔法かければ、きっとエンカも回復すると思うんだ」
グラディスはネリーを探しに保健室に寄るかもしれないのだが、
タイミングが悪かったときなど『万が一』の場合に備えておきたいようだ。
「本当は私が保健室に行くのが一番なんだろうけど・・・・・・ロゼッタとも、約束してるし」
リリィは自分の手に書いた文字に視線を落とした。。
「でも、まだ学園に残れるチャンスがあるなら、私はそれに賭けてみたい。
 職員室の忘れ物が私のトランクかどうかはわからないけど、とにかく行ってみる。
 じゃ、さよなら皆!運が良かったらまた後でねーっ!」
リリィは、エンカの左手をその場にいる人間に託し、入学手続きをするべく去っていった。

87 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/06/03(木) 22:02:12 0
グラディスやリリィが慌しくいったり来たりしている間、セラエノは一言も発しなかった。
と言うより発せられなかった。
貧血により朦朧とし、半ば意識を失っていたからだ。

コイノボリの口から顔だけ出して搬送されていった先は保健室。
そこには先客がいたが、上記の理由で殆ど反応を示さない。
フリードが保険医に説明をし、治療準備に取り掛かっている間、ネリーがロゼッタの状況を見て口走る。
当然と言えば当然の感想である。
「え、いや、故意って訳じゃ〜…」
流石に罪悪感があったか、シルヴァがしどろもどろしている所でセラエノの意識が戻る。

「そうは思わないわ。
彼女は無数の選択肢を理解した上で己の意思で選び、結果としてこの状態になった。
だからこれは酷いとか言う尺度で見るものではないわ。」
キッパリしっかりと言い切るセラエノ。
しかしそれと同時にロゼッタの行動を思い返していた。

ロゼッタは己の障害になるものを排除するのに必要最小限の力しか使っていない。
眠ってしまった自分に何もせずに立ち去り、戦いにおいても相手を気絶させる事しか指定ない。
ドコデモ・ドアーにしても、バラバラになるだけで実質的な怪我はさせていないのだから。

だからと言って同情する気もないのだが。
正しき理を外れ己を通そうとしたのだから。
正しき理を外れなくとも己を通す方法もあったかもしれないのだから。

ネリーに応えたあと、ズリズリとコイノボリから這い出るセラエノ。
よろめく足で向かう先はレイヴンだった。
「迷える子羊に道を照らすのは神の勤め。
記憶が混乱しているようだから見せてあげるわ。」
弱々しくレイヴンの服を掴むとぐっと顔を寄せる。
勿論目貫もない鏡の仮面を被っているので、映るのは曲面に沿って歪んだレイヴンの顔であるが、それは徐々に形を変えていく。

「私もあなたが何をしていたかは知らない。でも、あなたと共にあったその服は見続けていたはず。
サイコメトリー。器物などの記憶を知る術よ。
これはあなたの服の記憶…!」
鏡の仮面に映ったのは理解不能の模様であったが、それはレイヴンの目を通してテレパシーのように脳裏で再構築される。
断片的であり、服の視点の為判りにくくはあるが、フィジル島に来てからの出来事。
更に現在に至るまでの出来事が流れていった。

術が終わるとおぼつかない足取りで離れ、コイノボリに腰掛ける。
「血よ…血が足りないわ。
食べ物を頂戴。なんでも良いわ。ドンドン持ってきて…」
貧血なのに輸血ではなく何故食べ物?
と言う突っ込みより先に、食べ物なら食堂にいきなさい。という至極まっとうな保険医の指摘に従い食堂へコイノボリは漂っていく。

88 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/03(木) 22:11:21 0

そして現在。
リリィは今、とても困っていた。

「うーん、どうしよう」
紆余曲折はあったが、トランクは見つかり、一応入学受付は済ませることが出来た。
(正確には、『お願いします受け取ってください』と強引に書類を押し付けてきたのだが)

では、何で困っているのか。
「かんっぜんに、式、始まっちゃってるよね。困ったな、どうやって中に入ればいいのかな?」
リリィは扉の前で右往左往した。

「この場合必要なことは、いかに目立たず、さりげなく中に入る事よね。うーん。
 『HAHAHA、遅刻しちまったZE☆』
 ・・・・・・・だめだわ、軽すぎる。
 『ゴホッゴホッ、ああ、頭痛が痛い』
 ・・・・・・うーん、ちとわざとらしすぎるかしら。
 『すみません、入学したばかりで道に迷っちゃって、よよよよ・・・・・』
 うん!これだわ!実にぱーふぇくとかつすまーとな言い訳だわっ!」
本当にそうかはさておき、今回問題なのは、この1人小芝居が、ドアの向こう側にも筒抜けだという事だろう。
リリィは知らなかったのだ。
田舎育ちの彼女は、世間一般の人に比べ、無駄に声が大きいと言うことを。

ドアをそーっと開けたつもりだったのだが、静まり返った構内では良く響いた。
「す、すみません、入学したばかりで道にまよ……」
静かに、というジェスチャーを受けたので、リリィは口を噤んだ。

>82
ちょうど壇上では、誰か偉い人がスピーチを始めるところのようだ。
リリィは新入生に混じり、壇上の紳士を見上げた。

89 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/06/04(金) 00:28:08 0
フィジー諸島

90 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/05(土) 08:28:16 0
>88
リリィが講堂に入って数分後。
ドアが普通に(つまり無遠慮に)開けられた。
「新入生は講堂に集まれって聞いたんだけどよーっ!
 ここで合ってんのかなーっ!?」
エンカは講堂に集まっている全員が聞こえるようにそう叫んだ。
講堂に入っていた新入生の視線が一斉にエンカに集まる。
なんやかんやあって、結局彼も回復したらしい。
エンカは、“静かに!!”というジェスチャーを受けたので、
「へいへい、悪かったっすね。」
と頭を掻きながら他の新入生達に混じっていった。
> ちょうど壇上では、誰か偉い人がスピーチを始めるところのようだ。
エンカは上の空だった。
先ほど入学手続きをした時に、係の人に言われたことを思い出していたのだ。

時は遡る。

>「エンカ・ウォンさん。あなたのお婆様が一週間前にお亡くなりになったそうです。」
「………は?」
>「ご愁傷様です。」
「はぁ、そりゃどうも。」
エンカは自分の祖母が亡くなったと聞いても特に悲しむような様子を見せなかった。
どちらかといえば、係の人の方が心を痛めているようにさえ見える。
「で、なんであんたがそんなこと知ってるんすか?俺だって知らなかったのによぉ。」
>「はい、あなたのお婆様の遺言に、
> 財産の半分と遺留品をあなた宛に送ることが書かれていたからです。
> もうすぐ大講堂で入園式が始まります。
> 式が終わった後に、荷物を受け取る手続きがありますので、またこちらにお越しください。」

そして現在。

「財産の半分ねぇ…」
エンカは考えた。はたしてろくに顔も見せていなかった孫が、
祖母にとって財産の半分を与えるほど可愛いものなのかと。
「(まぁ、病気以外のものなら何でももらっちゃうけどよぉ、俺は。)」

91 名前:ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo [sage] 投稿日:2010/06/05(土) 09:03:55 O
壇上に登り生徒達を見下ろしていたのは高級そうなタキシードに身を包んだ白髪の老人、綺麗に整えられた頭髪に上等な衣服からは明らかに上層階級に属している事が伺える
もちろん生徒達の中に老人の顔そのものを知っている者は少ないだろう
しかし、どんなに世間に疎い人間でさえ世界有数の大企業ベッドフォード財団の名前ぐらいは聞いた事があるはずだ
魔法使い達が用いるありとあらゆる魔法製品の殆どは財団によって製造され世間に流通しているというのは常識と言っても過言ではない

「さて…本日は実にめでたい日だ
諸君にも…そして私にもだ」
その総裁 エーリッヒ・ベッドフォードは不気味さも漂わせる声で生徒達を壇上から見回していた
「…この中にいずれ世界を変える程の力を持つ者がいるだろう…
私はそういう人間に巡り会いたい
諸君らは秘められた力を持っている…1人でも多く目を覚ますのだ…
限られた時間の中 競合しあい選ばれし雛型として……」

老人はスピーチを終えると杖を付きながらゆっくりと壇上を降りていった

「あの中にいるはずた…間違いない…まさか神々の眷属すら集まっているとわな…
奴は介入者となりうるやもしれん……」



92 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/06/05(土) 19:47:44 0
Staff Sergeant Vic W. Bedford

93 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/06/05(土) 23:39:26 0
突き刺し、切り、口に運び、良く噛み、飲み込む。
食堂に現れたセラエノはこの動作の繰り返しを延々と繰り返していた。
慌てるでもなく、ゆっくりするのでもなく、一定のリズムを保ち、厚切りステーキの皿を重ねていく。
鼻から大量に噴出した血を補っているのだ。
しかしその姿からは鼻血の痕跡は見当たらない。

コイノボリの中は特異空間となっており、ちょっとした部屋になっている。
そこで血糊のついた服を脱ぎ、新しい服に着替えたのだ。
しかしその新しい服というのも全く同じ、黄色い学生服に黄色いロングスカート。
なので先ほどまで後塗れセラエノを見た人間は驚くかもしれない。

5皿目の鉄板を重ねたところで口元を拭き、立ち上がる。
時間は入学式の10分前だった。

大講堂に入り、最前列で背筋を伸ばしながら式の流れる時間を過ごしていく。
本来ならば寮の自室で荷物を整理してから来たかったのだが…
途中大声をあげながら遅れて入ってくる生徒がいたが、セラエノが姿勢を変える事はなかった。

壇上のベッドフォードのスピーチを聞きながらこれからの学園生活を思い描いていく。
…選ばれし雛型…
ベッドフォードの言葉に何かを感じながら降りていく姿を見送った。

94 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/06(日) 09:28:53 P

保健室の隅にある巨大な試験管の中には無残な姿になった少女が液体の中に漬けられていた
そうロゼッタである
「まあ………一月もあれば見た目だけならまともになるだろう」
とは保険医の弁である
あんた一体何者だ!?

>88>93
>「す、すみません、入学したばかりで道にまよ……」
しいっというジェスチャーを送るフリード
何気に普通に入学式に参加中である
ちなみにフリードの背はかなり低いために席は前のほうである
「…………まさか僕より背が低い子がいるとは思いませんでしたが」
この世界にいるのは人間族だけではないホビットやドワーフなどの亜人といわれる種族もいるのである
そして彼らの背は人間の背よりも平均的に低いフェアリーにいたっては20cm未満ではないだろうか?
逆に巨人族とかは後ろの方に座らされている
何しろ彼らの背は人間に比べると異様に高く3mとか当たり前だからだ
巨人って頭悪いから魔法使いに向いてないんじゃって?
旦那それは偏見ってものですぜ。巨人が頭悪いってのは人間の嫉妬が生み出した思い込みでさあ
「お前ホビットにしては大きいな」
とホビットらしい子に言われるフリード
人間だよと教えてやると彼(?)はすごく驚いた顔を見せた
あまりにも騒がしいので黙ってサイレントの呪文を掛ける教師
まさに外道である
>「…この中にいずれ世界を変える程の力を持つ者がいるだろう…
  私はそういう人間に巡り会いたい
諸君らは秘められた力を持っている…1人でも多く目を覚ますのだ…
限られた時間の中 競合しあい選ばれし雛型として……」
「選ばれし雛形……………どういう意味なんでしょうか?」
よく意味は分からないが何となく意味深だとフリードは感じた

さて入学式の後は在校生との顔合わせである
「別に上級生から薔薇をもらったり義姉妹になるわけじゃないんですけどね」
と誰に話しているでも無くひとり呟くフリード

どっからともかく「かわいい猫ちゃんですわぁ!!」という声と「に”ゃ〜〜〜」
という悲鳴が聞こえてきた
フリードが見るとどっかで見たような金髪縦ロールのお嬢様がグレンをもふもふしていた
「ああ………グレンの奴さっそく姉さんに捕まりましたか
 まあ仕方がありません姉さんはああいう人ですから」
フリードは「ワタクシ魔法少女になりますわ!!」とか言い残して突然居なくなった姉がこの学園に居るということは知っていた
「今、姉さんに関わると僕の出番や活躍の場がすべて奪われる危険性がありますからね
 仕方ありませんグレンには生贄になってもらいましょう」
いわゆる前作のキャラが突然帰ってきて新しいキャラの出番を根こそぎ奪っていく現象である
だからとはいえ相棒を見捨てるとは………まさに外道である

95 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 13:55:18 0
この世界にもホビットが居るのか?

96 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/06(日) 16:56:23 O
>88 >91
ユリ・オオヤマとはどんな人物か?と聞かれたなら。
彼女を知る者の半分は「アホのこだ」と答えるだろう。
アホのこは馬鹿に似ているが、少し違う。
無駄に変な知識を持っているのだから、物事を知らないという意味の馬鹿ではない。
突拍子もない行動をするという意味ではドジっこに似ているが、それも違う。
【立ち入り禁止】と書かれた場所に、うっかり入ってしまうのがドジっこであり。
「立って入らなければいいんだ!」などと言いながら、匍匐前進で入るのがユリだからだ。
ちなみに残り半分の人間は「体力バカ」と答えるので、やっぱりバカなのかもしれない。

そんな体力バカでアホのこのユリも、今回は珍しく問題もおこさずに講堂に到着している。
これはユリの友人の尽力の賜物であり、彼女の導きなしでは成し得なかった偉業とも言えるだろう。
もっともその友人は「体調が悪い」などと言って、早々に自室に引きこもってしまっていた。
ようするに面倒事を押しつけただけなのだ…ユリは知らないし、気づいてもいないのだが。

>老人はスピーチを終えると杖を付きながらゆっくりと壇上を降りていった
スピーチを聞き終わったユリは、キョロキョロ周りを見回した。
ベッドフォード財団の事は知っていたが、老人について感じたことを“魔法使い”に聞いてみたかったのだ。
最初に目に留まったのは、遅れて入ってきたエンカだ。
しかし、彼は上の空で考え事をしているようなので、珍しく空気をよんでユリは別の人を探すことにした。
頭についている蜘蛛の糸を無意識に払おうとしながら、今度はリリィに目を付ける。

「ねえねえ。さっきのお爺さんって、この学園の学園長なの?
 なんか悪人っぽい感じだけど、この学園大丈夫?」
話の内容も問題だったが、ユリの声が一般人の声より大きかったのも問題だった。
近くにいた修道服姿のシスター2人が、あからさまに好奇な目をユリとリリィに向けている。
もちろん、ユリは自分がそんな目で見られている事なんか、ちっとも気にしなかった。

97 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/06/06(日) 20:32:36 0
>「…この中にいずれ世界を変える程の力を持つ者がいるだろう…
私はそういう人間に巡り会いたい
諸君らは秘められた力を持っている…1人でも多く目を覚ますのだ…
限られた時間の中 競合しあい選ばれし雛型として……」
かの有名なベッドフォード財団の総裁が壇上でスピーチをしている。
不気味さを感じさせるあの声はカリスマ性に長けた者の証なんだろうな、と思っているあたり、クレイは話の内容についてはたいして興味がないようだ
気になったといえば、『雛型』という単語くらいか...

「まさか、こんな所にあの人がいるなんて...」
トレスは信じられない人物を見つけてしまった
それはベッドフォード財団の総裁のことではない
確かに彼を見るここで見る事も驚くべき事なのだが、それは『有名なベッドフォード財団の総裁』と言う有名人を見たに過ぎない。
だが、トレスが見つけた人物はその逆。有名どころか裏の世界で生きている者すら、その存在を知らない、『賢者達』の一人を見つけてしまったのだ
3mもあると言われる巨人族すらすっぽり入ってしまうこの大講堂。そこの光が当たらずちょうど影になっていた天井の隅の方で、彼は中に浮きながらベッドフォード総裁の話を聞いているようだった
おそらく気づいているのはトレスだけ。クレイも気づいてないだろう
{何故ここに?彼が直々に来るような事がここにあるのでしょうか?}
クレイがいるから、と言うのはまずあり得ない。彼らは既に...と言うか最初からクレイには興味がないからだ
クレイの体質がばれた時は別だが、彼らにとってクレイは、自分達が頼んだものを作る奴の子供程度の存在なのだ。
つまり、その作る奴がいない今、その子供は全くの他人なのである

いつの間にか式も終わり、ベッドフォード財団の総裁が大講堂から出て行った。すると、
「!?」
それと同時に、天井の隅に居た彼が消えた
{まさか、ベッドフォード総裁のあとを!?}
『賢者達』の一人が直接調べるような秘密があの老人にあるのか?いや、それともこの島自体が...

「おい、トレス」
「あ、はい。なんでしょう?」
クレイに呼ばれたので考え事を中断する
「どうした?さっきから呼んでるのに返事をしないで。お前にしては珍しい」
心配した声で話しかけるクレイ
なんだかんだ言っても自分の事を心配してもらえるのは嬉しい事だ
「いえ、今日の夜、クレイ様が寝ている間にどんないたずらを仕掛けようか考えていたものですから」
だから私は嘘をつく。いつも通りに振る舞う。彼に不安を与えないために
「いたずらをする相手にはっきりと言うとは、流石だな」
呆れた声で言われる。きっと、どうしてこいつはこんな事しか考えてないんだ、と思っているのだろう
それでいい。この子を苦しませてはいけない。私はこの子を守るために存在しているのだから。
例え、その過程がどうなろうとも。そのために私は感情を与えられた
「ええ、私は正直者ですから」

「正直者がいたずらするなよ...」
本当に呆れた。心配した自分がバカみたいだ
バカといえば、
>「ねえねえ。さっきのお爺さんって、この学園の学園長なの?
 なんか悪人っぽい感じだけど、この学園大丈夫?」
と無駄に大きい声で話す少女もフリードに並ぶかなりアレな子なんだろう。ベッドフォード総裁の自己紹介、聞いてなかったのか?
関わると気力が下がりそうなのでやめておこう
大講堂の時計を見ると、もう6時を過ぎていた
「まあいい。少し早いが夕食でも食べに食堂に行くか」

98 名前:ユーリ ◆xhl1mMpBWH4A [sage] 投稿日:2010/06/06(日) 22:45:56 O

式典には挨拶が付き物で、挨拶はそれなりに格式ばっているもの
そしてその式典の挨拶を、ユーリはする事になっている。在校生代表の祝辞とか何とか、そういった類のものだ
学年はそう上でないユーリが何故そんな大層なお役目を押し付けられたのか?
歴史や血統を重んじる古くからの魔法使いの子女には、この学園を軽んじる者も多い
昨日今日ぽっと出の魔法使い達と共に学ぶ事など何一つない。という具合だ
その点でユーリ、名の有る魔法使いの次期当主が生徒である。という事は歴史も伝統もない学園にとって有効な泊付けになるのだ
(本日はご入学おめでとうございます……)
ちなみに現在のユーリは今さっき渡された原稿を小声で何度も読み返している。それもかなりイライラしたご様子で
慣れぬ事をやるソワソワ感や緊張感がない交ぜになって怒りや苛立ちに近い感情になってしまっている
そこに―――
「一本いかがかな?お嬢さん」
気さくに声を掛ける教員が1人
「どうも…………って葉巻かぁ」
ユーリとしても別に飲み物を期待していた訳ではないが、一本吸いきるのに30分はかかる葉巻は嬉しくない
「ミシェル先生、紙巻きのが嬉しい」
大体誰にでもフレンドリーな学内礼拝堂の主、ミシェル・シュスターは酒はやらないが煙草好きで、その上に寛容だ
例えば礼拝堂で賭ポーカーをしようが喫煙しようが同性で愛し合おうが放置している
故に。というべきなのかユーリの喫煙も見事に見逃している
というか趣味の合う喫煙仲間が出来て喜んでいる節もある
「場末の値段は紙巻き以上の良い葉っぱですよ?この前狩りに出た時に直に買い付けたものなんです」
「いえ、そうではなく時間が―――」
ユーリの訴えもミシェルは平然煙をふかしながらと流す
「どうせ時間内になんか終わりゃしませんよ。焦らなくともタップリ2本は吸える」
そう、今二人は外に居る。ユーリは自慢の空間操作でミシェルは狩りで鍛えたそれとなく気配を消す術を駆使して抜け出したのだ
来賓祝辞、校長挨拶を済ませてようやくユーリの番だ。当分出番はあるまい
「そういえば新入生が放り込まれた森に変なのが出たとか」
「耳が宜しいのですね先生」
二人は葉巻片手に下らない雑談を興じるようにしたらしい

99 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/07(月) 00:11:43 0
大講堂は本当に大きかった。
様々な音や声が飛び交っている。これは桜花の好きな音たちだった
活気があり、それでいて調和しており、雑音にならない
希望に満ちた音や声だった

>「なあ、桜花。人とか結構いるけどこう言う所は大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫だ。むしろ好きだ、こういう音たちは・・・」
クレイの問いかけに上の空で答え、きょろきょろと周りを見る
皆、席へ座り初めていた
クレイの横へ座ってもよかったのだが先ほどの件もあり
「クレイさん・・・ありがとう、私が迷わず来れたのも貴方が居てくれたからだ
 本当に感謝する。では・・・また、あえるといいかな?」
そう言い残し、クレイから離れる桜花

やがて時間になり式が始まる

>「…この中にいずれ世界を変える程の力を持つ者がいるだろう…
> 私はそういう人間に巡り会いたい
> 諸君らは秘められた力を持っている…1人でも多く目を覚ますのだ…
> 限られた時間の中 競合しあい選ばれし雛型として……」

どうやらお偉方のありがたいお言葉らしい
そういった事にとんと興味のない桜花はあくび混じりに聞いてる
(退屈な音だ・・・面白みがない・・・)
再び欠伸をする桜花。よほどつまらないのだろう

>「ねえねえ。さっきのお爺さんって、この学園の学園長なの?
> なんか悪人っぽい感じだけど、この学園大丈夫?」

面白そうな大きな声が聞こえてきた
丁度桜花の真後ろ辺りだ
「面白い事を言う人だな貴方は。
 悪人がいかにも悪人です、と言う顔をしてたらおもしろくないじゃないか
 あの人もあれで心優しい人かも知れないぞ?」
黒い髪を揺らしながら後ろを振り返る桜花
「いや、すまない、おもしろそうな話をしているのでつい・・・な」

100 名前:レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/06/07(月) 21:05:46 0
>87
自分が何をしていたのか、との問いに答える者はなかった。
変わりに浮かんだのは困惑の表情。それも当然、誰一人として
鴉の身に起きた事を知らないのだから――――知っていたなら?
まるで違う事態になってたのだけは確定だろう。


伝染したかのように困惑を浮かべる鴉に、這い寄る影が一つ。セラエノだった。
>断片的であり、服の視点の為判りにくくはあるが、フィジル島に来てからの出来事。
>更に現在に至るまでの出来事が流れていった。
物にも記憶は宿る。その記憶を見る術がサイコメトリー。
聞いた事はあっても、その術によって引き出された物の記憶を見た事など
今も先ほどまでの鴉にもまったく経験がないこと……突然脳に浮かんでは刻まれる、
断片的ではあるが鮮烈な『異物』に等しい記憶に強烈なめまいを引き起こされた。

辛うじて持ちこたえた鴉だったが、理解に苦しむ記憶に落ち着きかけた心が再び揺さぶられる。
「……何だあれは……あんな、どう足掻いたって勝てるわけのない相手に、
 何だって俺は突っかかってたんだ……それに、あの一言……」





         『殺し合いなんて、馬鹿な大人だけでやってりゃいい』




今の鴉にはそんな思いなんて微塵もない。あるわけがないのだ……あるわけが。
堂々巡りを始めた思考を振り払う様にかぶりを振ると、講堂へと向かう事にした……


>98
が、何故か鴉は講堂に入らず講堂近くの『どこか』に潜んでいた。
先ほど新入生らしき人物が遅れて講堂に入っていったが、それに続く気は元よりない。
理由は単純だがかなり辛辣、つまるところ『お偉いさんの話なんて真面目に聞いてられない』のだ。

そも、鴉は真っ当な生き方をしてきていない。
そんな使い捨ての駒だからお偉いさんは都合よく使いまわし、邪魔になれば捨てるのだ。
鴉自身、両手で数えても三時間は優にかかる程度には騙されてきた。
植え付けられた不信感と職業柄の警戒心、どちらも一朝一夕でどうにかできるもんじゃない。

理由はもう一つある、と言ってもこっちは大した事じゃないの……
「……これって、タバコだよな。俺にタバコを吸う習慣はなかった筈なんだが……?」
そう、タバコを見つけてしまい処分に困っていたのだ。
かと言って下手に捨てれば後で余計な面倒を背負い込みかねない。いいか、俺は面倒が嫌いなんだ!

おもむろに、うつろな記憶だけを頼りにタバコに火をつけ喫煙じみた事をする……
大抵の喫煙初心者はここでむせるのだが、鴉はごく当たり前の様に喫煙できてしまった。
自然に肺へと煙を取り込み、口を細め紫煙を燻らせる。どー見てもヘビースモーカーです、本当に(ry

101 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:41:04 O
次の日

102 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/07(月) 23:50:16 0
>90-91
「あはは、ごめんごめん」
拝むポーズをして、フリードの近くに座るリリィ。
>「この世界にホビットなんているのか?」
まさに、事実は小説よりも奇なり、である。

>90
発信専用とはいえ、テレパシーを使えるのは非常に便利だ。
例えばこんな、喋ってはいけないシーンでは。
>『エンカ、こっちこっち!』
リリィは派手な登場をしたエンカに合図を送った。
エンカは頭を掻きながら、他の新入生達に混じっていった。

『エンカ、左手、どうなってる?
 それと!あなたが気絶している間、ものすごーく大変なことが起こったんだからね!』
リリィはテレパシーで、エンカが気絶している間に起こった事件をかいつまんで説明した。
『というわけなの。だから、お世話になった人達には後できちんとお礼言っときなさいよね。
 ・・・・・・もしもーし、私のテレパシーちゃんと聞こえてる?!』 
上の空のエンカに、リリィはため息をついた。
(――――後でもう一度、きちんと説明し直した方がいいかもね)

>91
壇上の紳士は、ベッドフォード財団の総帥らしい。
神妙な面持ちでスピーチを拝聴するリリィ。
だが頭の中は、というと。

「(ベッドフォード財団って確か、魔法製品扱ってるところよね。
 あーあ、折れた箒の修理代どうしよう。
 学園は生活費、学費は免除だけど、お小遣いまで貰えるわけじゃないからなー)」
リリィは深いため息をついた。
総帥は壇上で、「世界を変えるほどの力をもつ者に巡りあいたい」と語っているが、
正直りリィにとっては一生無縁、というよりも雲の上の話としか思えなかった。

「(財団の総帥ならきっと、箒の修理代くらい何てこと無いんだろうなー。
 あーあ。もしもあの人が、私のおじいちゃんだったらなー)」

(以下、リリィの脳内妄想劇場)
[ねーねーおじいちゃん、あのね、実は今日かくかくしかじかで、大事な魔法の箒を折っちゃったの]
[なんじゃと?!]
[(ひー、おじいちゃん顔怖いよー)]
[で、リリィに怪我は無かったのか]
[うん!]
[よかった、よかった。じいちゃんはリリィが元気ならそれが何よりじゃ。
 おうおう、箒くらい何本も買ってやるぞ]
[わーい、おじいちゃん大好きー!]
[リリィを危ない目にあわせた学園長は辞任じゃ。
 フィジル諸島はフィジー諸島と名前を変えるぞ。
 そして学園の表玄関には、Staff Sergeant Vic W. Bedford と書いた看板を立・・・・・・]
[うわーおじいちゃん待って待って!!]

「(なーんてね。・・・・・・・はー、空しい)」
リリィはぶんぶんと手を振って妄想を追い払うと、また深いため息をついた。
「(いっそ学園で、働き口とか紹介してくれないかなー)」

103 名前:鋼&シルヴァ ◇m7SMDDzk7s[sage] 投稿日:2010/06/08(火) 00:21:15 0
…あれから色々あったが、鋼とシルヴァは無事に講堂で入学式に出席していた。
席は真ん中より少し前辺りの位置である。
途中鋼が人狼の少年と遭遇したのだが、カルヴォネン家の使用人の中にも人狼がいたので鋼が驚くようなことは無かった。

「にしても沢山いるよなー」
「そうね、下はフェアリーで上は巨人まで…
 この様子じゃ、私たち以外にも吸血鬼の眷属はいるでしょうね」
「もしかしたら分家とかもいるかもな」

そういって鋼はキョロキョロとあたりを見回す。
もしかしたら見知った顔がいるかもしれないと思ったからだ。

説明し忘れたが、鋼とシルヴァの実家であるカルヴォネン家はかなり有力な貴族だ。
国内でも三本の指に入る…というわけではないが、トップ10ぐらいには入るだろう。
まあそういうわけだから…

「ん…っ、シル姉あれ…」
「あれは…ベッドフォード?
 へえ、この学園の関係者だったんだ」

壇上に上がってスピーチをしている老人、ベッドフォードの名を二人は呟く。
もちろん鋼やシルヴァがベッドフォードの事を、ベッドフォードが鋼とシルヴァのことを知っていたわけではない。
ただ、単純に『写真でベッドフォードの姿をみたことがあるだけ』である。
二人の関心を他所にベッドフォードはスピーチを続ける。

>「諸君らは秘められた力を持っている…1人でも多く目を覚ますのだ…
  限られた時間の中 競合しあい選ばれし雛型として……」

「?」

鋼は首を傾げて頭の上にハテナを浮かべている。
そんな鋼にシルヴァから補足が入った。

「君たちは若いから可能性があるが、この学園にいる時間はほんの僅かしかない。
 一人でも多く成功できるように、お互いに競いあって頑張りなさいってことじゃないの」
「ああ、なるほど」

シルヴァの補足で話が理解出来た鋼。
まあ、そのシルヴァの説明もあっているとは限らないのだが…
と、そんな事を話しているうちに、何時の間にやらスピーチが終わったようだ。
周りにいる生徒が次々と席を立つ。入学式自体も終わったらしい。

「さて、どーっすっかなー」

講堂から出て、伸びをしながら鋼が呟く。

「そろそろ夕食時だけど…空腹ってわけでもないのよね」
「さっき食ったしなあ」

鋼とシルヴァは二人して考え込んだ。

104 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/08(火) 00:25:44 0
>96 >97 >99
「ねえねえ。さっきのお爺さんって、この学園の学園長なの? 
 なんか悪人っぽい感じだけど、この学園大丈夫?」 
すぐ傍に座っていた、ポニーテールの元気そうな子がリリィに話しかけてきた。
リリィが口を開こうとしたところで、前に座っていた少女が振り向き
>「(略)悪人がいかにも悪人です、と言う顔をしてたらおもしろくないじゃないか 
> あの人もあれで心優しい人かも知れないぞ?」 
と言った。
「そうそう。その細目の子の言うとおりだよー。
 それに、学費の免除は財団の申し出とかいう話も聞いてるし。
 だからね、ちょっとくらい不気味でも大目に見てあげてよ。おじいちゃんはあれで結構いい人だと・・・・・・」
周りの視線と杖を構えた教師に気づいたリリィは、口を噤みひゃっと首をすくめた。

『私はリリィだよ。こっちの変な髪形の子はエンカで、あの線の細い美少年はフリード。
 あなた達のお名前はなんていうの?後で絶対聞かせてね!』
リリィはニコニコしながら、桜花とユリにこっそりテレパシーを送った。

>98
式典は順調に進んだが、内容は退屈極まりなかった。
おかげでリリィは、在校生のスピーチの頃にはすっかり居眠りを始めていた。
だが、スピーチの声を聞いた途端、リリィの意識は一気に覚醒する!
「あ、森の中で助けてくれた先輩だ!」
リリィはスピーチが終わった後、手が真っ赤になるほどの拍手を送った。
『ユーリ先輩!リリィでーす!森の中ではありがとうございました!
 先輩のおかげで、何とか無事に入学できそうです!
 もしかして、森で無くしたトランクを届けてくれたのも先輩ですか?ありがとうございまーす!』

>さて入学式の後は在校生との顔合わせである 
『ユーリせんぱーい!』
リリィが嬉しそうに手を振っていると、どこからともなく「かわいい猫ちゃんですわぁ!!」という声と「に”ゃ〜〜〜」 
という悲鳴が聞こえてきた。
>「ああ………グレンの奴さっそく姉さんに捕まりましたか 
> まあ仕方がありません姉さんはああいう人ですから」 
「やっぱりあれグレンなんだ。ねえ、助けないでいいの? フリード君だってねこだいすきでしょ?」
>「今、姉さんに関わると僕の出番や活躍の場がすべて奪われる危険性がありますからね 
> 仕方ありませんグレンには生贄になってもらいましょう」 
「ええー・・・・・・そ、そういうものなの?」
姉妹・・・・・・もとい、姉弟の間には、イロイロあるのだろうと、リリィは1人納得した。
「お姉さんも猫好きなんだね。だったら、グレンに預けても心配ないか。
 ところで、お姉さんの足元で泣いたり地団駄踏んでる白と黒の猫は何だろうね?
 女王様がどうとか言ってるみたいだけど、聞き間違い、かなぁ?」
そんなことをしているうちに顔合わせも無事終わり、夕食の時間である。
リリィはポニーテールの少女と細目の少女と友達になりたかった。

>リキルさん >97
だがしかし、人ごみの中にクレイの姿を目ざとく見つけたばかりに、話はややこしくなる。
>「まあいい。少し早いが夕食でも食べに食堂に行くか」 
「トレスちゃーん!!もふもふさせてー!!」
リリィはトレスを捕獲しようとしたが、勢い余ってある生徒にぶつかってしまった。
「あ、どうもすみませ・・・・・・・!!!」
包帯でぐるぐる巻きの生徒は、どおおおん!という効果音がぴったりな外見だった。
金髪のオールバックの彼は長身で、リリィよりも頭ひとつ上からこちらを見下ろしている。
どう見てもおっかない人です本当に(ry

あうあうと、言葉にならない言葉を発しているリリィ。
>「あら、あの子もしかして、バナナの皮に埋もれてた人じゃない?」
>「あら、本当ね」
通りすがりの生徒の言葉に、リリィは閃いた!
(そうか!バナナの皮に埋もれる→バナナを大量に食べた→つまりこの人はバナナ好き!)
「あの、ぶつかって本当にごめんなさい。バナナ奢りますから許して」

105 名前: ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/08(火) 00:37:01 0
食堂へ移動しようとしている新入生の脳裏に、不思議な声が届いた。
『さーて、新入生諸君。改めて、学園入学おめでとう!
 もしも困った事があったとしたら、学園掲示板を見に来るといい。
 物品交換やアルバイト、果ては肝試しのイベントまで、学園のありとあらゆる情報が集約されている!
 ここから一番近い掲示板は、学食の入り口にある。ぜひチェックしてみてくれ!』

106 名前:リキル ◆GdwEn6wJAk [sage] 投稿日:2010/06/08(火) 15:01:01 O
「よーやく終わったか…。どーしてこう、式典ってのは長いうえにつまらねぇんだろうなぁ。」
運よく講堂で休んでいたリキルはそのまま式典に出る事が出来た。
「さ〜て、ここにあのスキンヘッドは来て…いつっ!!誰だコラッ!?」
ファンブルマンを探すリキルに何者かがぶつかった。
火傷の傷が癒えていないため、結構痛かったらしい。
>「あ、どうもすみませ・・・・・・・!!!」
リキルにぶつかったのはメガネをかけた小柄な女子生徒。
「ちっ…女かよ…次から気を付け…」
>「あら、あの子もしかして、バナナの皮に埋もれてた人じゃない?」
>「あら、本当ね」
通りすがりの女子生徒から衝撃的な言葉が発せられた。
見られていたのだ…あの屈辱的なシーンを…。
「あ…あのクソッパゲ…!ちくしょう…見られてたのか…」
>「あの、ぶつかって本当にごめんなさい。バナナ奢りますから許して」
このリリィの発言を聞いた瞬間、リキルの頭の中で何かがキレた。
怒りを含めた笑いを見せながらリリィの頭をガッシリと鷲掴みにする。
「いいか〜クソガキ…。俺はバナナが大っっっ嫌いなんだよ。
 あのスキンヘッドのせいで俺は…俺は…。」
そこまで言うとリリィの頭を掴む力が弱まり、ドンドンと表情が暗くなっていくのがわかる。
どうやらあの姿を他人に見られていたのがよっぽどショックだったようだ。

107 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/08(火) 18:49:01 0
「セラエノ!俺だ!つきあってくれ!」

>93
エンカは式が終わった後セラエノに近づき、セラエノにいきなり告白した。
ちなみに、エンカはセラエノが自分を神と名乗ることは知らない。
仮に名乗ったとしても、自称宇宙人に左手を奪われそうになっていた彼は信じないだろう。
実は俺は妖怪なんだよ、とか言って返すかもしれない。
「リリィからさっきテレパシーで聞いたんだけどよぉ、」
一応内容は把握していたらしい。
「どうやらお前にはまた助けられたみてぇだな〜。リリィに言われたとおり、
 俺の左手を取り返すのを手伝ってくれた奴らにはお礼に回るつもりだがよぉ〜、
 俺が知ってる中じゃあセラエノ、俺はお前に一番恩義があるからよぉ〜。
 感謝の言葉だけじゃあ、ぜんぜん足りねぇ〜って感じだよなぁ〜。」
ちなみに、左手は元に戻っている。目覚めた途端に顔と左手にあった強烈な痛みも、
保険医に治してもらった。原因は不明であるが、左手が無事なのでそれ以上は望めない。
「それでよぉ、もしセラエノさえよかったら俺とつきあわねぇか?
 もしもYesなら、これから俺と食事に行こうぜ?
 俺、ロゼッタのせいで昼飯が食えなかったから、腹ペコだぜ〜」
エンカはセラエノが少し前に厚切りステーキを5皿もたいらげたことなど知る由も無い。

>94
エンカはフリードも見つけたので彼に声をかけた。
ちなみに、彼の隣にいる彼の姉にエンカが声をかけると、
本当にフリードの出番を根こそぎ奪いかねないので、
作者の見えざる手により、エンカはフリードにしか声をかけられない状態になっている。
「おめぇも俺の左手を取り返すのに協力してくれたんだってなぁ。ありがとよ。」
そしてエンカはフリードの耳元で小声で言った。
「女子寮に入ったんだって?ハラショー、どうやったのか後で俺にも秘密を教えてくれよな〜」
エンカはフリードの肩をポンポンと叩いた後、彼から離れて行った。
もしもフリードが「女装したんだよ」とか話したら、きっとエンカも同じようにするだろう。

108 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/06/08(火) 23:12:35 0
ゴトリと重々しい音を立てながら鎮座するのはセラエノの鏡面。
クローゼットに並べられた鏡面は6つ。
その上には黄色い学乱とロングスカートが5組ハンガーにかけられている。
セラエノは全く同じ服装、鏡面を7組持っていた。
逆に言えば他の服は持っていない。
一組は今、身につけており、一着は血塗れなので洗濯籠にきちんと折りたたまれて入っている。

ここは女子寮、セラエノに宛がわれた部屋。
この部屋にはベッドとクローゼット、そして机と本棚が備え付けてある。
隣の部屋にはテーブルにバス、トイレ、簡易キッチンと、2DKだった。
最初入った時はその広さに驚き、他の部屋も同様なのか、この部屋だけ特別に広い、もしくは狭いのか。
どちらにしても学生一人が住むには広く思える。
最も、様々な魔法道具を持つ者にとってはこれでも手狭に感じられるだろう。
セラエノにとっては広く快適な部屋である事は間違いない。

入学式が終わったあと、セラエノは部屋に入り荷物の整理をしていた。
とはいっても荷物は衣服とその他は勉強道具だけであり、整理もすぐに終わる。
クローゼットの扉を閉めると、スカートの裾を軽くあげ、次なる荷物を取り出すのだ。
すると滑り落ちるように本の束がいくつか落ちてくる。
順番に本棚に入れ、数冊を手に取り机に向かう。
本棚に並べられた本は様々な系統の魔導書、魔法教本、などなど。
それらは随分と使い込まれており、付箋が幾つも貼られている。

セラエノは魔法の才能や能力があるわけではない。
使える魔法も幅は広くとも基礎が殆どで、上は中級どまり。
だからこそ、日々の学習は欠かさない。
努力は凡才に許された最後の希望だと理解しているから。

机に向かい魔導書と教本を広げ読みいるのだが…その時間は長く続かなかった。
そわそわとしてしまい、集中できない。
その原因はわかっている……。
それは入学式の終わりの事だった。

109 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/06/08(火) 23:14:37 0
>>107
>「セラエノ!俺だ!つきあってくれ!」
突然のエンカからの告白。
数秒の後に、姿勢を崩さず良く通る声で応えた。

「エンカ、恋愛は恋愛感情に基づき構築するものであって、恩義を返す為にするものではないわ。
それ以前に左手の件はあなたの為ではなくロゼッタの間違った行いを正す為にやったこと。
森の件は私が酔っ払わせたリリィを代わりに介助したのだから、むしろ私が助けられたのよ。
だから恩に感じる必要はないのよ。
以上の事からあなたの申し出は前提から成り立ちません。
もし貴方の気がすまないであれば、付き合うのではなく私を崇め讃えなさい。
そうする事が私にとって最もありがたいから。」

最後に、食事は既に摂取したので夕食はとりません、と付け加えて踵を返す。
早い話し、切り捨て御免と言わんばかりにエンカの告白を切って捨てたのだった。


そうして現在に至るのだが、一人になって今更ながらにそのことが思い返され集中できなくなっているのだ。
(あああ…どうしてあんなこと言っちゃったのかな…
男の人に告白されるなんて初めてだし、真っ白になっちゃって…私の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。
でも神たるもの男の人と付き合うなんて…
私の言葉に間違いはないはずなのにどうして集中できないの?
うぅ〜〜〜恥ずかしい…!)
一人身悶えをするセラエノ。
付き合う付き合わないは別として、告白された事はセラエノの心に大きな影響を及ぼしていた。
自制しようとしても、集中しようとしても収まらない感覚に、ついにセラエノは席を立つ。

どうにもならない悶々とした気持ちを切り替える為、学園案内パンフレットを片手に寮を出た。
ついた先は学園図書館。
「…す、凄い…!こんな…!!」
図書館に入った途端、口から思わず漏れ出る感嘆の言葉。
古今東西あらゆる書物が納められている壮大なまでのスケールに圧倒されてしまったのだ。
「え、と…トンパ文字辞典とアンダーソン憲章にファティマ第三部は…」
図書館に圧倒されながら目的の本を探して奥へと入っていく。

110 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/09(水) 18:23:23 0
このリリィの発言を聞いた瞬間、リキルの頭の中で何かがキレた。 
怒りを含めた笑いを見せながらリリィの頭をガッシリと鷲掴みにする。 
「いいか〜クソガキ…。俺はバナナが大っっっ嫌いなんだよ。 
 あのスキンヘッドのせいで俺は…俺は…。」 
「あうあう、ごめんなさーい!!」
そこまで言うとリリィの頭を掴む力が弱まり、ドンドンと表情が暗くなっていくのがわかる。 
>「・・・・・・・・・?」
リリィはその様子を見て、顔を曇らせた。
とてもおっかない人だ。怒っているし、頭も鷲づかみされている。
叶うなら、猛ダッシュして逃げ出したい。逃げ出したいのだが・・・・・・・。
(すごく、具合が悪そう)

「あ、あの・・・・・・大丈夫ですか?
 ―――― はっ!!もしかして私がぶつかったから怪我が悪化したんですね、そうなんですね!」
うわあどうしよう、と、リリィは1人で焦り始めた。
「それはいけません、今すぐ保健室へ行きましょう!私も付き合います。ちょうど用事あるし。
 肩、お貸しします!遠慮しないで、どうか私に捕まってください」
キリッとした顔で親指を立てるリリィ。
相手の話も何のその、リリィは相手の腕を自分の肩に回す。
そして、怪我人を肩に担ごうと、リリィが頑張ること約10秒。

「・・・・・・・・だ、だめだー、重くて全然動かないよー。はっ、そうだわ!
 ねえフリード君、グレンは本当に放置で良いの?
 だったらちょっとこっち来て、この人に肩を貸してくれないかな〜?」
ちなみにフリードの身長は、リリィとどっこいどっこいである。
「ってエンカ、あなたもお礼言い終わったなら、こっち来て手を貸しなさいよー!
 恩人に恩が返せないなら、その分を他の人の親切に回すってのが筋ってもんでしょー!」

だがどうも、『怪我をしたおっかない人』は、保健室に行く気は無いらしい。
「あ、そうか!」
リリィはポン、と手を叩いた。
「ということはつまり、お怪我が痛いんじゃなくてお腹が空いてたんですね!
 じゃあ食堂行きましょう!お腹が空いてると、幸せも遠のきます!
 それに場所、私ちゃんと知ってますから!
 ステーキ・・・・・を奢るのは無理でも、ハムステーキくらいなら何とか!」
リリィはちゃらちゃらと小銭の音がする財布を振ってみせた。
「それと私の名前は、リリィです。新入生同士、よろしくね!」

「ねー、皆、ご飯食べに行く?一緒に行こうよー」
リリィは、先程近くの席に座っていた生徒達に手を振った。
中には用事があると言って離れていった者もいるが、リリィはお構いなしだ。
「ほら、あそこに見える建物が食堂だよー!サンドイッチ食べたけど、おいしかったよー」

今夜はバイキングスタイルで無礼講だということを、リリィはまだ知らない。

111 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/10(木) 11:02:14 P
>107>110
>「おめぇも俺の左手を取り返すのに協力してくれたんだってなぁ。ありがとよ。」
「別にあなたの為ではありませんよ、他人の体の一部を盗むという行為が気に入らなかっただけです
 本当なら女の人は傷つけたく無かったんですけどね・・・・・あんな結末になって残念です」
何という女尊男卑の精神
>「女子寮に入ったんだって?ハラショー、どうやったのか後で俺にも秘密を教えてくれよな〜」
「簡単な理屈ですよ僕は美少年です、美少年に不可能はありません。美少年は何をやっても大抵許されます」
ンな訳がないが世の中には美形だからと言う理由だけで攻撃を無効化するようなキャラもいるらしい
「まあ僕の見た目が中性的(男と女の描き分けの出来ない漫画家が描いたような美形キャラ)だったからこそ出来た芸当ですけどね」
「にゃあん」
(性別不明の謎のオカマだからだよね)
あんた男だったんだとあっと驚くホビット
ちなみにこいつも性別不明である
「何ならトイレで確かめてみますか?」
下品だが確実な方法である

>「・・・・・・・・だ、だめだー、重くて全然動かないよー。はっ、そうだわ!
 ねえフリード君、グレンは本当に放置で良いの?
  だったらちょっとこっち来て、この人に肩を貸してくれないかな〜?」
「まあ姉さんは猫大好きですからグレンを傷つけたりはしないでしょう
 いざとなったら召還すればいいですし
 わかりましたリリィさんの頼みです
 このフリードリッヒ・ノクターンが特別に力を貸してあげましょう
 こう見えても下手なドワーフよりは力がありますからね
 この業界小さいからと言って非力だとは限りませんからね」
と無駄に尊大な態度でリリィに力を貸そうとするフリード
だが拒否られるフリード

「そうですか助太刀不要ですかなら仕方がありませんね」
野郎と触れ合わずに済みほっとするフリード
やっぱりこいつ女尊男卑人間だ

>「ねー、皆、ご飯食べに行く?一緒に行こうよー」
>「ほら、あそこに見える建物が食堂だよー!サンドイッチ食べたけど、おいしかったよー」
「そうですねvそろそろお腹空いてきましたし」
「にゃああん」
(ご飯♪)
グレンは相変わらず頭の中は食べ物のことだらけである

「だから打撃技より関節技ですってば相手がいくら大きくても間接を極めれば・・・・・・」
明らかに魔法も剣も関係ない会話を食堂で繰り広げるフリード
その腰の剣は飾りなのかという質問に対し
「だって攻撃魔法や剣なんか使ったら相手を殺しちゃうじゃないですか
 僕には殺す覚悟とか説教もどきをして自分が殺人鬼である事を自慢する趣味はありませんから」
と言って刃の無い剣を見せるフリード
「まあ相手が人じゃないのなら遠慮無く使いますけどね」
と付け加えるのであった
「にゃあ・・・・・」
(もっと平和のインテリジェンスにあふれた会話しようよ)
と一声鳴くグレンであった

112 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/10(木) 13:49:29 0
>110>111
> 「簡単な理屈ですよ僕は美少年です、美少年に不可能はありません。美少年は何をやっても大抵許されます」
「う〜ん、イケメンに限るってやつか?俺には難しいな。」
エンカの中では美少年=イケメンであった。ただし、実際は美少年≒イケメンである。

リリィがフリードとエンカを呼んだ。よって、二人は彼女の方へ移動した。
曰く、『怪我をしたおっかない人』を保健室まで連れて行きたいらしい。
「そりゃ〜リリィちゃんのお願いだったら俺は聞いちゃうけどよ〜。
 そいつの顔を見てみろよ。明らかに余計なおせっかいだ、って顔をしてるぜ?」
とエンカ。
> 「そうですか助太刀不要ですかなら仕方がありませんね」
と、フリード。
「あ、ちなみに俺はエンカ・ウォンね。」
エンカはリキルに短く自己紹介をした。

なんやかんやで食堂で食事をとるリリィ一行。
> 「だから打撃技より関節技ですってば相手がいくら大きくても間接を極めれば・・・・・・」
「あ〜あ、俺はそういう話にはついていけないっつ〜の。」
戦いの話に盛り上がるフリードを尻目に、エンカがラーメンをずるずるとすすった。
「やっぱりこういう時には普通よ〜、恋の話に盛り上がるもんじゃねーの?
 さっそくだけどよぉ、俺さっきセラエノに…」
エンカはセラエノとの会話を皆に話した。

時間は少し遡る。(>109
「セラエノ!俺だ!つきあってくれ!」
「エンカ、恋愛は恋愛感情に基づき構築するものであって、恩義を返す為にするものではないわ。(中略)
以上の事からあなたの申し出は前提から成り立ちません。
もし貴方の気がすまないであれば、付き合うのではなく私を崇め讃えなさい。
そうする事が私にとって最もありがたいから。」
「あ…あーめん…」
エンカはそれ以上何も言えなかった。

「つーわけなんすよ。」
エンカはちょっと気落ちしているようだ。
「でもよぉ、恩義から始まるロマンスだってあってもいいんじゃねーの?
 ウラシマタロウだってよぉ、亀を助けたところからオトヒメとのロマンスが始まるんだぜ〜。
 …おん?なんだ?ウラシマタロウを知らねぇだと?」
エンカは簡単にウラシマタロウの物語の概要を話した。
「でもこの物語って変だよな〜?普通よぉ、亀を助けるってのは良いことだよな〜?
 良い事した奴が幸せになるのがおとぎ話だよな〜?
 でもウラシマタロウってよ〜、最終的には不幸になってんじゃねぇか?」
そういえばセラエノと初めて会った時も亀がいたなぁ、とエンカは思い出した。

113 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/10(木) 16:17:13 0
>99 >104-107 >110-112
>「面白い事を言う人だな貴方は。
> 悪人がいかにも悪人です、と言う顔をしてたらおもしろくないじゃないか
> あの人もあれで心優しい人かも知れないぞ?」
「うーん、そうかなあ…あれは絶対、悪巧みとかしてそうな雰囲気だったけど…」
ユリの知っている悪人は、見た目から行動からわかりやすい悪人が多かった。
例えば世界征服を企んでいたり、怪しい軍服を着ていたり。
弱きものには死を!と言ってみたりと、どう見ても善人には見えなかったものだ。
反面、壇上にいた老人にはそういった要素は無いものの。
身に纏う雰囲気が、ユリの知る悪人のそれに良く似ていたのだ。
ただし彼らは“悪の格闘家”であって、“悪の魔法使い”ではなかった。
それで確認の意味を込めて“魔法使い”らしき人に聞いてみたのだが…

>「そうそう。その細目の子の言うとおりだよー。
> それに、学費の免除は財団の申し出とかいう話も聞いてるし。
> だからね、ちょっとくらい不気味でも大目に見てあげてよ。おじいちゃんはあれで結構いい人だと・・・・・・」
「うーん……」
周りから帰ってくるのは否定的な意見ばかり。
普段なら「そっかー、そうだよねー!」で忘れるところだが、今回ユリは考え込んだ。
老人の言葉に、生徒の成長を期待する教師のものではなく。
面倒な式典を早く終わらせようとする類のものでなく。
実験動物の行く末を見るような何かを感じたのが原因なのだ。

>『私はリリィだよ。こっちの変な髪形の子はエンカで、あの線の細い美少年はフリード。
> あなた達のお名前はなんていうの?後で絶対聞かせてね!』
「あれ?」
教師の無言の圧力に黙った少女の声が頭の中に聞こえ、ユリは思わず周囲を見回した。
他に声を発した生徒はいない…つまり、彼女も間違いなく魔法使いなのだ。
(ううーん…魔法使いの子がそう言うなら、やっぱり勘違いなのかな…)
ユリは、リリィと名乗った少女のから名前を聞いた生徒に、視線と意識を移した。
あまり強そうには見えなかった。
しかし魔法学園にわざわざ入学しているからには、只者ではないに違いない。
人は見かけによらないものだという事は、ユリも故郷で経験済みである。
あのリリィという子も、きっとすごい魔法が使えるに違いない。
(やっぱり本場の魔法学園は楽しそうだなー!
 よーし!これからがんがん頑張っちゃうぞー!!)
これからの学園生活に思いを馳せるユリの頭には、当然その後の式の内容は頭に入っていなかった。

「んー、なんかお腹すいたなー…。ねえねえ、食堂ってどこだったっけ?」
式が終わった後、お腹の空腹を告げるサインに負けたユリは、桜花に話しかける。
「その髪の色、もしかして出身は極東の方?
 私も極東のほう出身なんだー。名前は大山百合!よろしくお願いします!」

114 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/10(木) 16:18:15 0
>113
>「ねー、皆、ご飯食べに行く?一緒に行こうよー」
「あ!あのリリィって子もご飯食べに行くみたいだよ!
 せっかく近くに座って知り合いになれたんだもん、皆で一緒にご飯食べに行こうよ!ね!
 待って待って!私も食堂行くー!」
ユリは桜花を誘って、リリィ達について食堂に行くことにした。
>「ほら、あそこに見える建物が食堂だよー!サンドイッチ食べたけど、おいしかったよー」
「サンドイッチ美味しそうだね!10段重ねサンドとかあるかな!?」
夕食の期待に胸膨らませ、食堂に到着するユリ。
夕食はバイキング形式で、無礼講だった。
ユリからすれば天国だ。
「うわー!美味しそうなのがいっぱいだ!どれからたべよっかな…」
結果、頭がどれから食べるかという難問に全て使われたため、ユリの自己紹介はかなり遅れることになる。

>「だから打撃技より関節技ですってば相手がいくら大きくても間接を極めれば・・・・・・」
「いーや!やっぱり打撃技でしょ! どんなに大きな相手でも弱点はあるはず!
 それに、間接技じゃ間接の無い相手に極められないじゃん!」
何とか皆に自己紹介を済ませた後、ユリはフリードと平和とインテリジェンスに欠けた会話を始めた。
本日のユリの夕食は、手造り11段重ねハンバーガーだ。
入園式前に蕎麦と鰻丼を食べていたため、いつもより軽めの夕食である。
>「まあ相手が人じゃないのなら遠慮無く使いますけどね」
「武器を持った敵が相手なら、覇王翔孔拳をつかわざるをえないよね」
物騒な所に意見の一致を見て、ユリはうんうんうなずいた。

>「でもこの物語って変だよな〜?普通よぉ、亀を助けるってのは良いことだよな〜?
> 良い事した奴が幸せになるのがおとぎ話だよな〜?
> でもウラシマタロウってよ〜、最終的には不幸になってんじゃねぇか?」
「じっちゃんに聞いたんだけどさ、あれって救いになってるらしいよ。
 タロウは帰ってきたら知り合いも誰もいなくて、全然知らない時代で、ほんとに一人ぼっちだった。
 オトヒメはそうなるのがわかってたから、帰るって言ったタロウに玉手箱を渡したんだって。
 実際の時間に帰れるように、皆のところに行けるようにするために。
 でもなんでそれが救いになるのかなぁ。 私だったら『うわ未来すごーい!』って思っちゃうけど」

「そうそう、学食の入り口にあった掲示板見た!?
 この学園の地下に遺跡があるとか、ベッドフォード財団の事を調べた人が謎の失踪を遂げる噂があるとか!
 いろいろ書いてあったよね!」
話と食事が一段落ついた後、ユリは掲示板の話題を持ち出した。
もっともユリが言っているのは学園新聞の話題であり、信憑性という面では他の掲示情報より劣るものだ。
「財団の事を調べてる人が失踪なんて、なんだかおかしいよね。
 やっぱりあの総帥って人悪人なんじゃないかな。
 食べ終わって暫くしたらさ、みんな寝てる頃を見計らってちょっと総帥の人のお宅拝見に行ってみない?
 もしかしたらとんでもないものが出てくるかも!」
この場合、自分も失踪者リストに名を連ねるかもしれないという発想を、もちろんユリは持ち合わせていない。

115 名前:リキル ◆GdwEn6wJAk [sage] 投稿日:2010/06/11(金) 07:03:02 O
>>110-114リキルはリリィ達と共に食堂へと向かった。
その表情は非常に複雑だった。
リキルは基本的に人との関わりを好む人種ではない。
他人と仲良く食事をした経験なんて皆無…。
そんなリキルにはリリィが若干羨ましくも思えたのだった。

食堂に着いたリキルはリリィ達と少し離れた所で一人黙々と食事をしながら次にやるべき事を頭で整理していた。
(真っ先にあのスキンヘッドを殺るか……他の奴を叩いて力をつけてから殺るか…)
するとユリの話が自然と耳に入ってくる。
>「そうそう、学食の入り口にあった掲示板見た!?
 この学園の地下に遺跡があるとか、ベッドフォード財団の事を調べた人が謎の失踪を遂げる噂があるとか!
 いろいろ書いてあったよね!」
>「財団の事を調べてる人が失踪なんて、なんだかおかしいよね。
 やっぱりあの総帥って人悪人なんじゃないかな。
 食べ終わって暫くしたらさ、みんな寝てる頃を見計らってちょっと総帥の人のお宅拝見に行ってみない?
 もしかしたらとんでもないものが出てくるかも!」
(なるほど…面白そうだな…。
 地下に遺跡があるとして…そこに化物みたいに強ぇ奴が居たりしてな…くっくっく…。)
厚切りのステーキを頬張りながらリキルは次にするべき事を決定した。

116 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/06/11(金) 19:23:44 0
>「トレスちゃーん!!もふもふさせてー!!」 
そんな声が聞こえたかと思うと、何処からかリリィがトレスに向かって走ってきた 
金属で出来ているモノをもふれるのか? 
「ふっふっふ、この前の私だと思わないでください」 
とか言うトレスはいつの間にかクレイの制服のズボンのポケットに入っていた 
ポケットのサイズが変わっていく... 
>「さ〜て、ここにあのスキンヘッドは来て…いつっ!!誰だコラッ!?」 
>「あ、どうもすみませ・・・・・・・!!!」 
まぁ、そんなトレスはさて置き、どうやらリリィは誰かにぶつかってしまったようだ 
見るとぶつかった相手は結構な数の包帯を巻かれた男であった 
>「ちっ…女かよ…次から気を付け…」 
>「あら、あの子もしかして、バナナの皮に埋もれてた人じゃない?」 
>「あら、本当ね」 
どうやら彼は、バナナの皮に埋もれていたようだ 
バナナの皮...何処かで大量のそれを見た気がする 
>「あ…あのクソッパゲ…!ちくしょう…見られてたのか…」 
ハゲ...この学園で見たスキンヘッドといえばファンブルマン先生だけだ 
バナナの皮とファンブルマン先生......そうか!わかったぞ! 
この2つの事が導き出す真実はただ一つ.........彼はファンブルマン先生が召喚したバナナの神、バナナ神だ!! 
まさか本当に召喚していたとは思わなかった。しっかしバナナらしい要素が無い神様だな 
>「あの、ぶつかって本当にごめんなさい。バナナ奢りますから許して」 
頭の中でどんな思考をしたのかはわからないが、リリィはバナナ神(以下:バ神)にバナナを献上するみたいだ 
ところがバ神はあまり爽やかとは言えない笑みを浮かべながらリリィの頭を鷲掴みした 
>「いいか〜クソガキ…。俺はバナナが大っっっ嫌いなんだよ。 
 あのスキンヘッドのせいで俺は…俺は…。」 
どうやらバ神はバナナが嫌いらしい。バ神としてそれはいいのか? 
それとファンブルマン先生との間に何かがあったみたいだ。契約でも失敗したのか? 
まさか、野生のバナナでも貰ったのか!?確かに野生のバナナは種がいっぱいで西瓜以上にイライラさせられるが、味は悪くないぞ 
ちなみにクレイの思考がなんかおかしいのは、昼寝をしていた時に刺されたナイフのせいかもしれない 
「クレイ様、一体何を考え......」 
クレイのポケットから、迂闊にもひょっこりとトレスが現れる。途端にリリィの目が光る。 
あれは狩人の眼だ。血に飢えた狩人のハント10秒前の眼だ 

......例えるなら、リリィは煙草を吸ってその後ろでトレスがしくしく泣いている構造が似合いそうだ 

色々端折ってここは食堂。 
>「だから打撃技より関節技ですってば相手がいくら大きくても間接を極めれば・・・・・・」 
>「いーや!やっぱり打撃技でしょ! どんなに大きな相手でも弱点はあるはず! 
 それに、間接技じゃ間接の無い相手に極められないじゃん!」 
何故こんな会話になったんだろうか。不思議だ。ちなみに俺は打撃技派。関節技とかめんどいし 
味噌汁をすすっているクレイ。彼が頼んだのはとんかつ定食。キツネ色に揚がった衣が食欲をそそる一品だ 
「初めて和食を食ったな。実に美味い」 
そんな独り言も呟いた 

>「財団の事を調べてる人が失踪なんて、なんだかおかしいよね。 
 やっぱりあの総帥って人悪人なんじゃないかな。 
 食べ終わって暫くしたらさ、みんな寝てる頃を見計らってちょっと総帥の人のお宅拝見に行ってみない? 
 もしかしたらとんでもないものが出てくるかも!」 
「やめておけ。お前はしらんがみんなは今日の事で疲れているんだ。 
それにバレたら、入学して次の日に退学、って事になりかねん。俺はそんな新記録は出したくない」 
否定の声を上げるクレイ。しかし、既に何人かはヤル気になっていた。 

117 名前:グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/11(金) 20:51:44 0
食堂。
気の早い在校生は新入生が来る前にとっとと食事を始めていたり、または終えている姿が結構な数見られた。
そこに混じって、テーブル席を占領して骨付き肉の骨をガリガリ齧っている犬科の耳を生やした男子が一人。
足元には重そうなトランクが『一つ』。
彼は骨をバキバキと噛み砕いて、次の肉へと手を伸ばす。
……が、生徒があるときを境にどんどん増えていっているのに気が付き、少し戸惑いを感じ始めていた。
「……あり?あっちから皆出てきたな。……もしかしてあれか、あれ。
 えーと、そうだ入学式!もう入学式終わっちまったのかねー?」
やっぱりのグラディス・ウルフォードである。

リリィにエンカを受付まで連れて行くよう頼まれたはずの彼が何故此処にいるのか?
答えとして此処までの流れを述べるならば、大剣持ちの青年の元からエンカを連れ去り、受付まで運ぶ。
その途中にエンカが目覚めた。それならば自分は不要と感じたグラディスは再びドギャンと立ち去ってネリーを探しに行った。
そして彼女と合流し、入学式を忘れて悠々とディナータイムに入ったというわけだ。

さてはて、主役である新入生の一員でもあるグラディスは腕を組んだ。
もぐもぐと肉を頬張りながら大丈夫かどうか思案し、存分に咀嚼してからごくりと胃へ送り込む。
「まあ、大事な話なんてのもねーだろ。おばちゃん、ごちそーさんでしたー!」
結果は上記の通り。入学式があろうが地震が起ころうが喧嘩しようがいつもの通りである。
軽く揺れる程度に積み重ねた皿をトレーに乗せて、おばちゃんの下へと返却。
先程見知ったばかりの新入生集団を人垣一つ向こうで通り過ぎる。
色々な嗅覚、視覚情報が集まる食堂ではグラディスは気が付くこともなかった。

>103
気紛れに人の波に逆らって、知らずの内に講堂への道を辿るグラディス。
勿論、校内念話放送(>105)で知らされた学食入り口の掲示板もスルーする。
唯我独尊我が道を行く姿は、実に男らしい……といえるわけではないが。

「ん!あれは……」
グラディスが目を留めたのは、彼よりも少し背の大きい男子生徒。
髪は珍しくもない黒だが、背中には特徴的な大剣が背負われている。
隣には金髪の美しい女生徒。グラディスよりも年上だろうか?
講堂から出てきた生徒と歩く方向が同じ、ということは彼らもまた新入生なのだろう。
見覚えのある顔に、手を上げて気さくに声を掛ける。
「よう、そこのお二人さん!そっちの男の君はさっき会ったな。
 もう飯も食い終わったし暇なんだ、少しばかり話し相手になってくれねーか?」
にししと笑い、二人の横でターンして歩行の方向を合わせる。
「あっとと失礼。名乗っていなかったなー。
 グラディス・ウルフォード、俺のことを呼ぶならそう呼べ!グラディでも可」

118 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/12(土) 20:46:44 P
>114>116

>「でもこの物語って変だよな〜?普通よぉ、亀を助けるってのは良いことだよな〜?
 良い事した奴が幸せになるのがおとぎ話だよな〜?
 でもウラシマタロウってよ〜、最終的には不幸になってんじゃねぇか?」
「そうですね開けちゃいけないのなら最初から渡さないで欲しいですよね
 そんな明らかに危険だろうものを受け取った浦島太郎も浦島太郎ですけど」
と感想を述べるフリード
>「じっちゃんに聞いたんだけどさ、あれって救いになってるらしいよ」
と自分の感想を述べるユリ
「うなぁ……にゃん」
(皆の所って…………あの世じゃん)
と感想を鳴き声で述べるグレン

>「そうそう、学食の入り口にあった掲示板見た!?」
「確か物品交換やアルバイト、果ては肝試しのイベントまで、学園のありとあらゆる情報が集約されている!
 っていうあれですよね…………肝試しとかリアルアンデットが普通に混ざってそうですよね
 べ、別にお化けが怖いわけじゃないんですよ!お化けには僕の魔法が通じないから対処出来ないだけですよ!?」
ぶっちゃけ氷魔法は物理的ではないモンスターに無力である
浄化の炎の呪文はあっても浄化の氷の呪文はないのだ
「物理的に強くても殴っても斬っても蹴っても凍らせても効果ないゴーストやスペクターに出会ったら一巻の終わりで2巻に続かずDEAD ENDなだけですよ!
 どんなに強くなっても相性の問題で絶対に勝てないだけですよ!!」
ちなみにスライム系にも弱い、凍らせて砕いても氷が溶けたら後から再生するので時間稼ぎにしかならないのだ
「にゃあ」
(こっちも死んだら相手殴り放題だよね)
その発想は無かったな事を言うグレン
「それじゃあ意味が無いですよグレン」
だが他の人にグレンの言葉は理解出来ないので猫相手に漫才をしてるようにしか見えない


>「財団の事を調べてる人が失踪なんて、なんだかおかしいよね。
 やっぱりあの総帥って人悪人なんじゃないかな。
 食べ終わって暫くしたらさ、みんな寝てる頃を見計らってちょっと総帥の人のお宅拝見に行ってみない?
 もしかしたらとんでもないものが出てくるかも!」
>「やめておけ。お前はしらんがみんなは今日の事で疲れているんだ。
それにバレたら、入学して次の日に退学、って事になりかねん。俺はそんな新記録は出したくない」
「僕は今日一日ぐっすりと寝ないと魔力が回復しませんしそんな状態で非常事態にでも陥ったら間違いなく死にます
 死んでしまったらもう永遠に強くも賢くもなれません、だからやるにしたって明日以降にお願いします」
と今日はもう無理だからと断るフリード
そんな大げさなと思うがたとえ同行したところで今のフリードは足手纏いになるだろう
ぶっちゃけ鉛筆削り程度の氷の刃しか生み出せないほど魔力を消耗しているのである
それほど今日はいろいろあったのだ
「何しろ今日は一日で二回も限界バトルを繰り広げたんですからこう見えてもかなり疲れてるんですよ」
と疲労困憊を訴えるフリード
「うなぁ」
(じゃあ僕行く)
と鳴き声で述べるグレン
だが猫一匹行ったって何の足しになるというのか?
「駄目ですよグレン!今日は僕と一緒に寝るんですから」
と猫をもふもふしながら寝ると決めたフリードはグレンを静止した

119 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/13(日) 10:33:12 0
>116 >118 >111
リリィにはよく分からない技の話で、大いに盛り上がるユリとフリード。
食堂の隅でなにやらごそごそやってきたリリィだが、今は皆と同じテーブルについている。
一時期変形した胸は、今はすっかり復活していた。

>116
>「初めて和食を食ったな。実に美味い」  
「それ、わしょくっていうんだ。おいしそうね」
だがリリィの視線は見慣れない料理ではなく、クレイの下半身に釘付けとなっている。 
「ねえ、クレイ君。トレスちゃんに何か食べさせたり飲ませたりしなくていいの?」
「トレスちゃん、ケーキとか好き?何か食べたいものがあるかな?
 あったら私が捕って、じゃなかった、取って来るよ〜(ハアト)」
リリィは手をわきわきさせながら、愛想よくクレイの下半身に話し掛けた。
否、正確には、クレイのズボンのポケットに釘付け、であるが。

>112
>「やっぱりこういう時には普通よ〜、恋の話に盛り上がるもんじゃねーの? 
> さっそくだけどよぉ、俺さっきセラエノに…」
リリィはグレイの下半身から視線を外す。エンカはセラエノとの会話を皆に話した。 
>エンカはちょっと気落ちしているようだ。 
>「でもよぉ、恩義から始まるロマンスだってあってもいいんじゃねーの? 
> ウラシマタロウだってよぉ、亀を助けたところからオトヒメとのロマンスが始まるんだぜ〜。 
> …おん?なんだ?ウラシマタロウを知らねぇだと?」 
エンカは簡単にウラシマタロウの物語の概要を話した

「多分さ、ウラシマタロウが箱を開けるのは最初からわかってたんだと思うよ。
 他の誰かに渡すくらいならいっそ!・・・・・なーんてね。
 本当、エンカはさ、女心ぜーんぜんわかってないよね。さっきのセラエノの事だってそうよ。
 エンカの話聞いてると、私にもシルヴァさんにも、他の人にだって交際申し込まれる可能性があったわけじゃない?
  逆の立場でよーく考えてみてよ。
 『別にあんたのこと好きでも何でもないけど、特別お世話になったお礼にお付き合いしてあげる』って言われて嬉しい?」
まあ、フリードの女装ver的超美少女だったら、それもアリかもしれないが。
「恩義から始まるのも確かにアリかもしれないけど、好きでも無いのに交際を申し込むのはダメだと思うよ。
 それくらいなら、最初は『お友達』でいいんじゃないの?
 じゃあ私、飲み物とって来るね」

120 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/13(日) 10:34:12 0
>115
「ステーキもいいけど、野菜も摂らないと元気になれませんよ」
リリィは、山盛りのレバー料理と薬膳料理を手にリキルの席にやってきた。
「結局お詫び何にも出来なくてごめんなさい。あっ、料理にバナナ入ってないから安心して・・・・・・あわわ。
 ととととにかく!気が向いたら、こっちのテーブルに来てください。一緒に食べましょうね!」
リリィはぴゅーっと逃げ出すと、紅茶を持って元の席に戻ってきた。
「ただいま!」

>114
その頃ユリ達は、総帥悪人説と、総裁のお宅拝見!の話題で盛り上がっていた。
クレイとフリードはユリを止めようとしている。
だが、リリィは目を輝かせた。
「やっぱり総帥の滞在先って、ホテルみたいに豪華なのかなー?
 いいね、一度見てみたいね!でも・・・・・・どこにあるんだろうね?
 先生とか学園長みたいな学園関係者なら知ってるかもしれないけど、ユリさんは知ってる?
 まあ、うまくすれば、総帥の秘書とかお付きの人が食堂に顔出すかもしれないけど・・・・・・」
リリィは、黒魔法使いの装束姿で、妙に色っぽい女性を目で追った。
(いいな〜、かっこいい)

「あ、ところでフリード君、あの後保健室に行ったロゼッタどう?元気になった?
 後でお見舞いに行こうと思ってるんだけど、まだ保健室かな?」
リリィはロゼッタの体の足りない分は、誰かが意地悪して持って行った、くらいにしか考えていなかった。
「ところでエンカ、ロゼッタみたいな女の子、どう思う?
 勝手に手とか盗っていくのはどうかと思うけど、一目ぼれって別に顔だけに限らないと思うし。
 でも・・・・・・・やっぱり無理、かなぁ?」

もしもロゼッタの惨状を聞けば、リリィは椅子を蹴立てて食堂を飛び出していくだろう。

121 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 [sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:48:42 0
>>105
二人がどうしようかと考えていると、頭の中に不思議な声が響き渡る。

>『さーて、新入生諸君。改めて、学園入学おめでとう!
  もしも困った事があったとしたら、学園掲示板を見に来るといい。
  物品交換やアルバイト、果ては肝試しのイベントまで、学園のありとあらゆる情報が集約されている!
  ここから一番近い掲示板は、学食の入り口にある。ぜひチェックしてみてくれ!』

「今のは…大規模なテレパシーだな。学内放送ってところか」
「どうやらそうみたいね。
 それにしても大した物ね、これだけの範囲にテレパシーを送り込もうとしたら、
 ノイズか何かが出そうなモノなのに…」

シルヴァはそう呟くと、今言われた学園掲示板へと向かった。
どうやら何か面白そうなことが書かれていないか、チェックしに行くようだ。
鋼はそんな姉の後ろを黙ってついていった。

「バイトは…今更どうでもいいわね」
「金は家から送られてきてるからな。
 まあだからといって、無駄遣いする気にはなれないけどよ」
「…この遺跡探索というのは、文字どおりなのかしら」
「文字どおりなんじゃねえの?
 こういうのは学生じゃなくて、専門職やその道のプロに任せたほうがいいと思うんだが」

一瞬「俺は戦闘のプロだぜ!」という言葉が鋼の脳裏を過ぎったが、まったく関係ないので割愛する。

>>117
「うーん、やっぱり入学したてってのもあるからか、あまり面白そうなイベントはないわね」
「待ってれば、そのうち面白いことが起こるだろうよ」

>「よう、そこのお二人さん!そっちの男の君はさっき会ったな。
  もう飯も食い終わったし暇なんだ、少しばかり話し相手になってくれねーか?」

掲示板を眺めていると、後ろから声がかけられた。

「お…あんたは…確かにさっき会ったな」
「知り合い?」
「いや、ちょっとね」

>「あっとと失礼。名乗っていなかったなー。
  グラディス・ウルフォード、俺のことを呼ぶならそう呼べ!グラディでも可」

「ああ、そういや俺も名乗ってなかったな。
 俺は鋼、王心鋼(おうしん こう)。よろしくな、グラディス」
「私はシルヴァ・カルヴォネン。よろしく、グラディス」

グラディスが名乗ると、それに答えるように鋼とシルヴァも名乗る。

「そう言えば話し相手になって、だったわね。
 何から話そうかしら」
「どこから来たか、とかはどうだ?」
「じゃあそれでいいわね」

二人は出身地や実家のことなどを、隠すような素振りを見せずに語った。


122 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/13(日) 19:54:57 0
>114>116>118>119>120
エンカがウラシマタロウの話をすると、各々の感想が返ってきた。
> 「そうですね開けちゃいけないのなら最初から渡さないで欲しいですよね
>  そんな明らかに危険だろうものを受け取った浦島太郎も浦島太郎ですけど」
とフリード。
「だよなーっ!でもウラシマタロウだって、まさかそんな物を渡されるとは考えが及ばねぇだろうぜ!
 さっきまでキャッキャウフフだった女によーっ!」
> 「じっちゃんに聞いたんだけどさ、あれって救いになってるらしいよ。
>  タロウは帰ってきたら知り合いも誰もいなくて、全然知らない時代で、ほんとに一人ぼっちだった。
>  オトヒメはそうなるのがわかってたから、帰るって言ったタロウに玉手箱を渡したんだって。
>  実際の時間に帰れるように、皆のところに行けるようにするために。
>  でもなんでそれが救いになるのかなぁ。 私だったら『うわ未来すごーい!』って思っちゃうけど」
とユリ。
「歳くってそのまま死ね、ってのが救いなのかぁ!?ウラシマタロウにとって一番良かったのは、
 そのままリュウグーでオトヒメと一緒に暮らすことだと思うんだけどなーっ!」
> 「多分さ、ウラシマタロウが箱を開けるのは最初からわかってたんだと思うよ。
>  他の誰かに渡すくらいならいっそ!・・・・・なーんてね。
>  本当、エンカはさ、女心ぜーんぜんわかってないよね。さっきのセラエノの事だってそうよ。
>  エンカの話聞いてると、私にもシルヴァさんにも、他の人にだって交際申し込まれる可能性があったわけじゃない?
> 逆の立場でよーく考えてみてよ。
>  『別にあんたのこと好きでも何でもないけど、特別お世話になったお礼にお付き合いしてあげる』って言われて嬉しい?」
とリリィ。
「いやいや、俺はそんなつもりじゃなかったんすよ!?…でも、そうとられてたとしたらまずいな〜。」
> 「恩義から始まるのも確かにアリかもしれないけど、好きでも無いのに交際を申し込むのはダメだと思うよ。
>  それくらいなら、最初は『お友達』でいいんじゃないの?」
「そうっすね〜、そんくらいからまた話しかけてみるかなぁ。ところで、リリィ?
 俺達は友達ってことでいいんだよな?おん?あん?あれ?リリィ!?」
既にリリィはその場にいなかったし。

123 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/13(日) 19:55:54 0
> 「そうそう、学食の入り口にあった掲示板見た!?(後略)」
> 話と食事が一段落ついた後、ユリは掲示板の話題を持ち出した。
> 「財団の事を調べてる人が失踪なんて、なんだかおかしいよね。
>  やっぱりあの総帥って人悪人なんじゃないかな。
>  食べ終わって暫くしたらさ、みんな寝てる頃を見計らってちょっと総帥の人のお宅拝見に行ってみない?
>  もしかしたらとんでもないものが出てくるかも!」
> 「やめておけ。お前はしらんがみんなは今日の事で疲れているんだ。
> それにバレたら、入学して次の日に退学、って事になりかねん。俺はそんな新記録は出したくない」
> 「僕は今日一日ぐっすりと寝ないと魔力が回復しませんしそんな状態で非常事態にでも陥ったら間違いなく死にます
>  死んでしまったらもう永遠に強くも賢くもなれません、だからやるにしたって明日以降にお願いします」
> クレイとフリードはユリを止めようとしている。
> だが、リリィは目を輝かせた。
> 「やっぱり総帥の滞在先って、ホテルみたいに豪華なのかなー?
>  いいね、一度見てみたいね!でも・・・・・・どこにあるんだろうね?
>  先生とか学園長みたいな学園関係者なら知ってるかもしれないけど、ユリさんは知ってる?
>  まあ、うまくすれば、総帥の秘書とかお付きの人が食堂に顔出すかもしれないけど・・・・・・」
「あ、俺はパスするぜ。別にあのジジィが怖いとかそんなんじゃねーっすよ!?
 急用を思い出してよぉ、そっちを優先しないといけねぇからなーっ!」
急用とは、祖母の遺産の受け取り手続きである。忘れるところだったが、思い出したからには、
食事が終わった後にその件を済ませるつもりだ。

> 「ところでエンカ、ロゼッタみたいな女の子、どう思う?
>  勝手に手とか盗っていくのはどうかと思うけど、一目ぼれって別に顔だけに限らないと思うし。
>  でも・・・・・・・やっぱり無理、かなぁ?」
「おん?無理って何のことっすか?まさか、俺がロゼッタとつきあうってことか!?
 じょ、冗談じゃねーっすよ!…でも何でリリィは俺にそんな事聞くんだ?」
エンカとリリィが話していると、太った小男が二人の会話に割って入ってきた。
>「どうやら君がロゼッタに左手を取られたエンカ君と、その仲間達らしいな。」
エンカは困惑した顔をしたが、小男はかまわずに続けた。
>「ジョン・ボン・ジョヴィに気をつけろ。ロゼッタが飼っている“犬”だ。
> 奴がロゼッタを傷めた犯人を知ったら、きっとそいつに復讐するだろうぜ。」
「何なんすか?あんた?」
>「ロゼッタの見舞いなんか考えない方が良い、って先輩からの忠告だよ。
> ジョン・ボン・ジョヴィはロゼッタの側にいるはずだ。…じゃあな」
「おい!ちょ、待て!」
エンカにとって、走り去った太った小男を人ごみの中から見つけ出すのは困難だった。
「ロゼッタの飼い犬が俺達に復讐するだと!?ふざけんなよなーっ!こっちは被害者なんだからよーっ!」

124 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:53:26 0
桜花が食堂へ現れたのは皆にくらべだいぶ遅れてからだった

以下回想...

>『私はリリィだよ。こっちの変な髪形の子はエンカで、あの線の細い美少年はフリード。
> あなた達のお名前はなんていうの?後で絶対聞かせてね!』
>「その髪の色、もしかして出身は極東の方?
> 私も極東のほう出身なんだー。名前は大山百合!よろしくお願いします!」

後ろに座っていた二人の名前を聞いた桜花
片方はその後どこかへ行ってしまったが・・・

「ああ、よろしく頼む百合さん。
 私は奏桜花、見ての通り目が不自由でな。なにかと迷惑をかけると思う」

>「ねー、皆、ご飯食べに行く?一緒に行こうよー」
>「あ!あのリリィって子もご飯食べに行くみたいだよ!
> せっかく近くに座って知り合いになれたんだもん、皆で一緒にご飯食べに行こうよ!ね!
> 待って待って!私も食堂行くー!」

先ほどテレパシーで自己紹介をしてきた子が大きな声でこちらに向かって呼びかけている
百合はそちらに行ってしまった

「すまない、少々荷物の整理をしたいのでな、少し遅れるかもしれない!
 必ず行くから待っていてくれ!」
人ごみに消えていく二人の背に大きな声で呼びかける
聞こえたかはわからない

そして現在...

部屋にたどり着いたはいいが道にすっかり迷った桜花はようやく食堂にたどり着く
「やっとついた・・・(グゥ〜)・・・お腹減った・・・」
いつものトランクを持つのも辛そうによろよろと歩きだす
・・・が
「・・・!・・・なぜ音楽がない?皆で楽しく会食する場で音楽がないのはナンセンスだろうに
 音楽の無い会食などあんこの無いおはぎだろう・・・?
 この学園は雰囲気作りのなんたるかすらわかっていないのか?
 ナンセンス、実にナンセンスだ」
音楽家の悪癖、といってしまっていいのだろうか?
一人でぶつぶつと語り初めてしまった
「・・・ブツブツ・・・もういい、学園側が雰囲気作りというものがわからないなら
 私が・・・」
食堂の端でトランクを床に置く
「みんなおいで・・・楽しい音楽の時間だ」
桜花が一声トランクに声をかけるとトランクの蓋が自然に開き
その中からバイオリン、チェロ、トランペット・・・etc
様々な楽器が一同に浮いている。桜花は指揮棒を取り出し、咳払いを一つ
「今日は落ち着いた曲、そうだな、皆の話す声の邪魔にならない程度の落ち着いた曲だ」
一言言うと指揮棒を振り始める。楽器が音を奏で始める
ゆったりとしていて耳障りにならない程度の音楽が食堂全体を包み込んだ

125 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/06/14(月) 06:07:16 0
結局、鴉は講堂に入ることなく式をやり過ごした。
途中こっそり式を抜け出していた先輩学生と教師に見つかった時は
心臓が逆流して口から出てきそうなほど驚いたが……
愛煙家と見なされお咎めでなく忠告をされたのは運が良かったのやら。


式が終わって、新入生たちが思い思いの場所へと向かっていく。
多くは食堂へ行くようで、その中には覚えのある顔もちらほら。
もっと詳しい話を聞こうと、鴉も人ごみに紛れて食堂へと向かった。

>116>118
しかし長年のクセと言うものはどうにもすぐには抜けないもので、
鴉は無意識のうちに気配を消し、彼らに気づかれないようにしてしまっていた。
元はもっと強力な『異能』なのだが、それが実は『魔法』の一種だとは鴉は知らない。
ともあれ、鴉は注文したさばの味噌煮定食のトレーを持ち近づいていく。

>「やめておけ。お前はしらんがみんなは今日の事で疲れているんだ。
> それにバレたら、入学して次の日に退学、って事になりかねん。俺はそんな新記録は出したくない」
>「何しろ今日は一日で二回も限界バトルを繰り広げたんですからこう見えてもかなり疲れてるんですよ」
飛び込んできた声から類推するとこうだ、姦しい女子連中が厄介事に首を突っ込もうとしていて
男子連中はそれぞれの事情で押し留めようとしている、のだろう。
「もう言っても聞く耳なくなってると思うぞ……あんた達が付いて行かないなら、
 代わりに俺が面倒見るさ。まぁ、逆に面倒見られるかも知れんけどね」
クレイの後ろから唐突に声を掛ける鴉。先ほど自分の名前を呼んだフリードと
慣れた調子でくっちゃべってるって事は互いに顔見知りなんだろう……多分。

どうせ止まらないなら、見てない所で騒がれるよりは見てる所での方が
フォローもしやすい、と言うか気づいたらとんでもない事になってましたとかご勘弁である。


「ところで……フリード、だったっけ?
 ちょっと話を聞かせて欲しいんだ。その、限界バトルとやらの事でさ。
 セラエノ、だっけ。あの自称神様に服の記憶ってやつを見せてもらったんだが
 どうにもよく分かんなくて……あんたらも、あの化け物みたいな奴とやりあったのか?」
フリードに話を持ちかけつつ、そこにいる面子にも言葉を広げる鴉。
事実、クレイとフリードは鴉と共闘した仲なのだが……『鴉』は知らない。


126 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/14(月) 23:06:00 P
>120>123>125

>「あ、ところでフリード君、あの後保健室に行ったロゼッタどう?元気になった?
  後でお見舞いに行こうと思ってるんだけど、まだ保健室かな?」
「ロゼッタさんなら今頃培養液の中で足りない部分を再生しているはずですよ
 あとひと月はカプセルの中から出られませんでしょうね」
とロゼッタの現状を説明するフリード
「ただあの保険医は噂によると同性愛者の上に少女趣味らしいですから
 五体満足になる保証は出来ても貞操の保証はできないかもしれません」
そんな奴に預けていいのかとも思わなくも無いが性格はともかく実力は確かなので困ったものである
「何しろ僕の脇腹の骨を完全に直したんですからね、実力の方は確かでしょう」

>「ジョン・ボン・ジョヴィに気をつけろ。ロゼッタが飼っている“犬”だ。
> 奴がロゼッタを傷めた犯人を知ったら、きっとそいつに復讐するだろうぜ。」
>「何なんすか?あんた?」
「そのジョン・ボン・ジョヴィとやらは倒すとどれぐらい経験値がもらえてどれぐらいHPがあるんですか?」
と小意気なジルベリアンジョークを飛ばすフリード
「にゃあ?」
(HPとか経験値って何さ?)
>「ジョン・ボン・ジョヴィはロゼッタの側にいるはずだ。…じゃあな」
そんなフリードをガン無視してエンカに奇妙な忠告をする小男、と言ってもフリードよりは大きいのだが……どうやら彼は先輩のようである
「ずいぶんと大きい人でしたね」
「にゃあ」
(いやあんたがちっちゃすぎるんだよ)
>「ロゼッタの飼い犬が俺達に復讐するだと!?ふざけんなよなーっ!こっちは被害者なんだからよーっ!」
「あれだけ忠告するということは少なくとも彼がジョン・ボン・ジョヴィ本人ということはないようですね」
一体全体ジョン・ボン・ジョヴィとはどういう存在なのだろうか?
「せめて名前だけでも名乗っていけばいいのに………」

>「ところで……フリード、だったっけ?
  ちょっと話を聞かせて欲しいんだ。その、限界バトルとやらの事でさ。
 セラエノ、だっけ。あの自称神様に服の記憶ってやつを見せてもらったんだが
  どうにもよく分かんなくて……あんたらも、あの化け物みたいな奴とやりあったのか?」
「………まあ今日出会ったばかりだから僕の名前の方が曖昧なのは仕方がありませんが
 あの化け物と一番長く戦ったのはレイブンさん貴方じゃないですか?
 何しろ最後は自ら殿をつとめて僕達を逃がしてくれたんですから
 まさかあの後頭でも打って記憶を無くしたんじゃ…………まさか漫画や小説じゃあるまいしありえませんよね
 では改めて自己紹介をさせていただきます僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
 またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」


127 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/15(火) 18:24:44 O
>115-116 >118-120 >122-126
>「やめておけ。お前はしらんがみんなは今日の事で疲れているんだ。
>それにバレたら、入学して次の日に退学、って事になりかねん。俺はそんな新記録は出したくない」
>「僕は今日一日ぐっすりと寝ないと魔力が回復しませんしそんな状態で非常事態にでも陥ったら間違いなく死にます
> 死んでしまったらもう永遠に強くも賢くもなれません、だからやるにしたって明日以降にお願いします」
>「何しろ今日は一日で二回も限界バトルを繰り広げたんですからこう見えてもかなり疲れてるんですよ」
>「やっぱり総帥の滞在先って、ホテルみたいに豪華なのかなー?(中略)
>  まあ、うまくすれば、総帥の秘書とかお付きの人が食堂に顔出すかもしれないけど・・・・・・」
>「あ、俺はパスするぜ。別にあのジジィが怖いとかそんなんじゃねーっすよ!?
> 急用を思い出してよぉ、そっちを優先しないといけねぇからなーっ!」

総帥のお宅拝見作戦への反応は、お世辞にも良いとは言い難いものだった。
しかし、そんな事でくじけるようなユリではない。
「それじゃ今日は様子見だけにして、本格的な潜入は明日にしよう!
 これなら新記録にもならないし、疲れも消えて急用も無し!
 滞在先の場所は知らないけど、あんな有名人だから、聞けばだれか知ってるよね!
 私たちは今晩一緒に行こうリリィ!」
リリィの同意は得られたものして、そう言うユリ。

>「もう言っても聞く耳なくなってると思うぞ……あんた達が付いて行かないなら、
> 代わりに俺が面倒見るさ。まぁ、逆に面倒見られるかも知れんけどね」
「あ!ひょっとして、一緒にお宅拝見に付き合ってくれるんだ?
 ありがとー! よーし!探索仲間おひとり様追加だね!」
捨てる神あれば拾う神あり。
レイヴンの協力の約束も取り付けて、ユリのやる気はさらに加速した。
ただ、総裁が悪人なら(ユリの中では半ば確定事項)、万が一の事を考えて仲間は多い方がいい。
他に仲間になりそうな人は…と、生贄を探すユリ。
その耳が、今まで意識していなかった音楽をとらえた。
桜花の奏でる音楽が、完璧に場の雰囲気に合わせたものだったため、会話中は気づかなかったのだ。

「よい音楽だね、これも魔法?桜花すごいなー」
てけてけ近寄って、桜花に話しかけるユリ。
これ、というのはもちろん、桜花の指揮棒に合わせて自動演奏する楽器のことである。
「もう夕飯は食べた?まだだったら、リリィ達も居るからあっちで一緒に食べようよ。
 ご飯はみんなで食べた方が美味しいもんね。
 私も追加注文しちゃおうっと。
 すいませーん!味噌カツ丼お願いしまーす!」

128 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/15(火) 18:26:25 O
>127
ユリがテーブルに戻って来たのは、ロゼッタの見舞いに行かないようエンカが忠告されている時だ。
ロゼッタの事を、ユリは知らない。
当然口を挟める事もなく、ユリは話を聞きながらカツ丼を食べ始める。

>(前略)またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
「私はユリ・オオヤマ!
 強くなるために魔法の勉強をしにやってきた格闘家だよ!
 よろしくお願いします!」
フリードに続いて勢いで自己紹介を済ませ、ユリは今までの情報を整理する。

前に化け物と戦った人がいる→ロゼッタの飼い犬が復讐しにくる→謎解明
「つまり、保健室にいるロゼッタは、少女型化け物ってことだね!
 じゃあ私がジョンの様子を見てくるよ!
 大丈夫大丈夫!私はロゼッタと私は戦ってないから、噛みつかれる心配は無し!
 支度もあるだろうし、総裁のお宅拝見に行く人は、夜半過ぎにここに集合って事で!
 じゃ!行ってきまーす!」
人の話も聞かないで、ユリは食器を戻すと食堂を飛び出していった。
保健室の場所を知らないのに気づいたのは、しばらく走った後だった。

「失礼しまーす!こちらにロゼッタって名前の人が来てませんか!?」
その後、道行く人に場所を聞いたユリは、無事保健室に到着。
すぐにドアを開けて勢い良く宣言し、見知らぬ化け物を探すために保健室に入った。
顔は知らなくても、近くに犬がいればすぐわかると考えたのだ。

129 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 06:25:10 0
>127
時間は、少し遡る。
総帥の滞在先見学については、あまりいい反応は得られなかった。
ユリは「今日は様子見だけにして、本格的な潜入は明日にしよう!」と提案した。 
>「滞在先の場所は知らないけど、あんな有名人だから、聞けばだれか知ってるよね! 
> 私たちは今晩一緒に行こうリリィ!」 
「うん、わかった!」
リリィは安請け合いをした。
今日森の中で散々な目にあったのは、すっかり忘却のかなたのようだ。

>125
レイブンと名乗る男性は、ユリ達に同行してくれるらしい。
「そうなんだ。夜だし女の子だけじゃちょっと心細かったんだ。よろしく、レイブンさん」
リリィはまじまじとレイヴンを眺めた後
「もしかして、私たち以前どこかでお会いしませんでしたか?」と言った。

>123
>「あ、俺はパスするぜ。別にあのジジィが怖いとかそんなんじゃねーっすよ!? 
> 急用を思い出してよぉ、そっちを優先しないといけねぇからなーっ!」 
「そっか、急用なら仕方ないね」

>126
>「ロゼッタさんなら今頃培養液の中で足りない部分を再生しているはずですよ 
> あとひと月はカプセルの中から出られませんでしょうね」 
「え?足りない部分を再生、ってどういうこと?」
ロゼッタの現状を説明するフリードの言葉に、リリィの顔から血の気が引いていった。
その上保険医は、腕は良いが同性愛家の上に少女趣味らしい。
いくら好みのタイプだからって、野獣のようにいきなり相手に襲い掛かる事は無いだろう。
無いが、そんな話を聞かされたら不安になるのは否めない。

「わ、私!ちょっとロゼッタの様子を見てくる!!」
リリィは椅子から立ち上がった。
先程からとても素敵な演奏が始まったのだというのに、今のリリィには気づく余裕は無かった。

>123
そして現在。
>「おん?無理って何のことっすか?まさか、俺がロゼッタとつきあうってことか!? 
> じょ、冗談じゃねーっすよ!…でも何でリリィは俺にそんな事聞くんだ?」 
「そうだよね…・・・・いや、実はね」
リリィが何か言おうとした時、太った小男が二人の会話に割って入ってきた。 
小男はロゼッタの飼い犬に気をつけろと忠告し、走り去っていった。
>「そのジョン・ボン・ジョヴィとやらは倒すとどれぐらい経験値がもらえてどれぐらいHPがあるんですか?」 
「いや倒しちゃダメだよ!ロゼッタの友達なんだから!」
>「ロゼッタの飼い犬が俺達に復讐するだと!?ふざけんなよなーっ!こっちは被害者なんだからよーっ!」 
「あれだけ忠告するということは少なくとも彼がジョン・ボン・ジョヴィ本人ということはないようですね」 
リリィの目が点になった。その発想は無かったようだ。
「・・・・・・ま、まあこれで、ロゼッタの貞操の心配は無さそうね。ナイトが傍にいるんだから。
 あーあ、復讐か・・・・・・ご主人を傷つけられたジョンにしてみたら、細かい事情なんか関係ないんだろうね。
 でも、迷惑でも、お見舞いには行きたいなぁ。私、自称エンカの左手代理なのに」
リリィは力無く椅子に腰をおろすと、すっかり頭を抱えてしまった。
ユリとフリードが自己紹介をしている。
いつもなら私も私も!と自己紹介するところなのだが、すっかり気落ちしたリリィは黙っていた。
だがそれも、ユリの爆弾発言を聞くまでだった。

130 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 06:29:24 0

>「つまり、保健室にいるロゼッタは、少女型化け物ってことだね!」
「えええ?それどんなQ.E.Dなのよ!ロゼッタは化け物じゃないよ!宇宙人だよ」. 
>「じゃあ私がジョンの様子を見てくるよ! 
> 大丈夫大丈夫!私はロゼッタと私は戦ってないから、噛みつかれる心配は無し! 
> 支度もあるだろうし、総裁のお宅拝見に行く人は、夜半過ぎにここに集合って事で! 
> じゃ!行ってきまーす!」 
「え、ちょっと待ってよ!」
人の話も聞かないで、ユリは食器を戻すと食堂を飛び出していこうとする。
リリィはナプキンの裏に「早く元気になってください」と左手で書いてユリに渡した。

「だ、大丈夫かな〜」
物凄い勢いで食堂を飛び出していったユリの後姿に、リリィは不安そうな視線を送った。

「さっき講堂でお会いしましたよね。私はリリィです。
 テレパスですが、送信専用なのでプライバシーの心配は要りません」
森の中でのユーリの一件はまぐれと思っているらしく、数に入れていないようだ。
「一応空も飛べますが、箒が壊れたので今は・・・・・・。
 あ、かっこいい二つ名は無いので、そのうちフリード君につけてもらおうと思っています」
『鍛錬のために目を閉じていらっしゃるのかなー。それとも単に、物凄い細目なのかな〜。
 聞いてみたいけど、もし本当に細目だったら、もう口聞いてくれないかもしれないしな〜』
・・・・・・・・無意識とはいえ、テレパシーだだ漏れである。

リリィは桜花に自己紹介したが、いつものような明るさは無かった。
ひとしきり談笑した後、リリィはそろそろ、と切り出す。
「じゃあ、私は一度部屋に戻るね。ユリさんと一緒に行く準備もあるし。
 今日はありがとう。いろいろあったけど、皆に会えて嬉しかったよ」

131 名前:】クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 06:40:28 0
>>119
>「ねえ、クレイ君。トレスちゃんに何か食べさせたり飲ませたりしなくていいの?」
>「トレスちゃん、ケーキとか好き?何か食べたいものがあるかな?
 あったら私が捕って、じゃなかった、取って来るよ〜(ハアト)」
>リリィは手をわきわきさせながら、愛想よくクレイの下半身に話し掛けた。
変態にしか見えない。いや、変態以外の何者でもない。補うって何をだ?でも面倒なのでスルーする
トレスはというと無言の抵抗をしている。...まぁ、無視と言う奴だ。
仕方が無いのでクレイが答える
「いや、こいつはロボットだからそう言ったモノは必要としない。動力源はゴーレムと違って電気だ。
知らないか、ロボット?たしか、ここ最近で結構有名になってるだろ。人の代わりに効率良く作業を行う、って事で各国が開発している。
ゴーレムは特別な魔法が使えないと扱えれないが、ロボットは電気があればいいしな
こいつは太陽光発電だから食い物って言ったら、光かな。
いざとなれば俺が直接電気を与えることができるしな」

>>123>>126
>「どうやら君がロゼッタに左手を取られたエンカ君と、その仲間達らしいな。」
何処からか現れた太った小男が、エンカに話しかけていた。
>「ジョン・ボン・ジョヴィに気をつけろ。ロゼッタが飼っている“犬”だ。
> 奴がロゼッタを傷めた犯人を知ったら、きっとそいつに復讐するだろうぜ。」
“犬”?犬にしては長い名前だな。 犬の様にロゼッタに懐いてる奴、って意味なのか?
にしてもその名前を略したら、奇妙な冒険してそうだ
>「何なんすか?あんた?」
>「ロゼッタの見舞いなんか考えない方が良い、って先輩からの忠告だよ。
> ジョン・ボン・ジョヴィはロゼッタの側にいるはずだ。…じゃあな」
>「おい!ちょ、待て!」
>エンカにとって、走り去った太った小男を人ごみの中から見つけ出すのは困難だった。
>「ロゼッタの飼い犬が俺達に復讐するだと!?ふざけんなよなーっ!こっちは被害者なんだからよーっ!」
>「あれだけ忠告するということは少なくとも彼がジョン・ボン・ジョヴィ本人ということはないようですね」
>「せめて名前だけでも名乗っていけばいいのに………」
「贅沢を言ってはダメですよフリードさん。
あの類いのキャラは『太った小男』あるいは『先輩男子生徒W』くらいしか呼び名が無いんですから」
トレスが意味のわからないことを言う。ポケットの中で。何故にW?

132 名前:】クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 06:41:18 0
>>125>>127
>「それじゃ今日は様子見だけにして、本格的な潜入は明日にしよう!
 これなら新記録にもならないし、疲れも消えて急用も無し!
 滞在先の場所は知らないけど、あんな有名人だから、聞けばだれか知ってるよね!
 私たちは今晩一緒に行こうリリィ!」
「いや、様子見でもほとんどアウトだろ」
>「もう言っても聞く耳なくなってると思うぞ……あんた達が付いて行かないなら、
 代わりに俺が面倒見るさ。まぁ、逆に面倒見られるかも知れんけどね」
唐突に後ろから話される。振り向くとそこにはレイヴンが居た
「なんだ、レイヴンか。付いて行くのはやめておけよ。見つかったら即アウトだぞ」
一応、忠告しておく。意味をなすかは知らないが
>「ところで……フリード、だったっけ?
 ちょっと話を聞かせて欲しいんだ。その、限界バトルとやらの事でさ。
 セラエノ、だっけ。あの自称神様に服の記憶ってやつを見せてもらったんだが
 どうにもよく分かんなくて……あんたらも、あの化け物みたいな奴とやりあったのか?」
>「………まあ今日出会ったばかりだから僕の名前の方が曖昧なのは仕方がありませんが (中略)
 では改めて自己紹介をさせていただきます僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
 またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
同じ相手に二度もそんなことを言って恥ずかしく無いのだろうか......無いんだろうなぁ
格好良いい二つ名を考える会、って二つ名を考えるためだけに存在しているのだろうか......まぁ、どうでもいいか
「レイヴン、俺のことも覚えてないのか?一応、自己紹介はしておく。俺の名前はクレイ。で、こいつがトレス」
ポケットからトレスを取り出す。途中でリリィがトレスを奪い取ろうとしたので、その手をピシッと叩く。
そしてリリィを睨んで、もう今日は十分だろ、と眼で脅しておいた。とりあえず、しばらくは大丈夫だろう、多分

>>124
さわがしくしていたから気付かなかったが、いつの間にか食堂に居心地の良い音楽が流れていた
音源はどこだろう、と探してみると、桜花を見つけた。指揮棒を持って楽器達を操っているみたいだ
どうしようか。話しかけたら演奏の邪魔になるかもしれないし......
>「よい音楽だね、これも魔法?桜花すごいなー」
>てけてけ近寄って、桜花に話しかけるユリ。
音に乱れがないから話しかけてもたいした邪魔にはならない様だ。てか知り合いだったのか
>「もう夕飯は食べた?まだだったら、リリィ達も居るからあっちで一緒に食べようよ。
 ご飯はみんなで食べた方が美味しいもんね。
 私も追加注文しちゃおうっと。
 すいませーん!味噌カツ丼お願いしまーす!」
あれだけ食べてまだ食うと言うのかこの娘は!?それをどこに収納してるんだ?
まぁ、それは置いといて、桜花に話し掛けた
「よぅ、桜花。すごい魔法だな。
それだけの楽器、トランクに入れて持っていたのか?だったら案外、力あるんだな」

133 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 06:43:24 0
時間は、少し遡る。
>「よぅ、桜花。すごい魔法だな。 
>それだけの楽器、トランクに入れて持っていたのか?だったら案外、力あるんだな」 
「音楽家は体力勝負だって宿屋のおかみさんがいってたよ」
そう言いつつも、リリィの目はトレスに釘付けだ。
ロゼッタの事は心配でも、狩人の本能・・・・・・もとい、愛は押さえきれないようだ。
「さっきの話だけど、そんなに心配してくれるなら、トレスちゃんとクレイ君も一緒に来てくれればいいのに。
 退学が心配なら、トレスちゃんだけでもいいよ。あの子は生徒じゃないし」
下心ありすぎである。

134 名前:エンカ◇jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 20:37:03 0
>126>128>129>130>131
> 「あれだけ忠告するということは少なくとも彼がジョン・ボン・ジョヴィ本人ということはないようですね」
> リリィの目が点になった。その発想は無かったようだ。
「あれは犬というより太ったコウモリって感じっすよ?」
とエンカ。
> 「・・・・・・ま、まあこれで、ロゼッタの貞操の心配は無さそうね。ナイトが傍にいるんだから。
>  あーあ、復讐か・・・・・・ご主人を傷つけられたジョンにしてみたら、細かい事情なんか関係ないんだろうね。
>  でも、迷惑でも、お見舞いには行きたいなぁ。私、自称エンカの左手代理なのに」
「何すか自称左手代理って?あ!よく見たらリリィの左手に俺の名前!知らない人が見たらよ〜、
 両思いになるための占いか何かに見えるんじゃねーっすか〜?(笑)」

> 「つまり、保健室にいるロゼッタは、少女型化け物ってことだね!」
> 「えええ?それどんなQ.E.Dなのよ!ロゼッタは化け物じゃないよ!宇宙人だよ」.
「左手を切断して拉致する宇宙人を、化け物と呼ばないならの話だけどな。」
>「じゃあ私がジョンの様子を見てくるよ!
>  大丈夫大丈夫!私はロゼッタと私は戦ってないから、噛みつかれる心配は無し!
>  支度もあるだろうし、総裁のお宅拝見に行く人は、夜半過ぎにここに集合って事で!
>  じゃ!行ってきまーす!」
> 「え、ちょっと待ってよ!」
> 人の話も聞かないで、ユリは食器を戻すと食堂を飛び出していった。
> リリィはナプキンの裏に「早く元気になってください」と左手で書いてユリに渡した。
> 「だ、大丈夫かな〜」
> 物凄い勢いで食堂を飛び出していったユリの後姿に、リリィは不安そうな視線を送った。
「クレイ、あいつ本当は大食い用ロボットか何かなんじゃねーの?」
エンカはクレイに、ひそひそとユリについてそう言った。

> ひとしきり談笑した後、リリィはそろそろ、と切り出す。
> 「じゃあ、私は一度部屋に戻るね。ユリさんと一緒に行く準備もあるし。
>  今日はありがとう。いろいろあったけど、皆に会えて嬉しかったよ」
「それじゃあ俺もちょっと用事を済ませてくるぜ。またな。」
エンカもそう言って食堂から出て行った。

135 名前:◇jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 20:39:10 0
> 「失礼しまーす!こちらにロゼッタって名前の人が来てませんか!?」
学園に住んでいる生徒の数は多い。
だから、彼らの怪我の治療を一手に引き受ける保健室もまた広い。
保健室のベッドの幾つかにはカーテンがかかっている。中に誰かいるのだろう。
そして、その中の一つにロゼッタの入ったカプセルが置いてあるのだろう。
ユリが想像したとおり、そこに犬がいた。
ユリが今いる保健室の入り口から8m進んだ場所に、小さく透明な立方体が置かれている。
ブサイクで、マヌケそうな顔をした犬が、その立方体をレロレロ、レロレロと舐めていた。

ユリが犬との距離を7mまで縮めると、犬はぎょろっと視線をユリに向けた。
ユリが犬との距離を6mまで縮めると、犬は立方体を舐めるのをやめ、顔をユリに向けた。
ユリが犬との距離を5mまで縮めると、それは始まった。
ユリの体から、大量の汗が流れ始めたのだ。
ユリは暑いと感じたわけでもなければ、その犬が怖くて冷や汗を流したというわけでもない。
ユリが精神の動揺を止めても、流れる汗は止まらないのだ。

>「近づいちゃ駄目だ!!」
ユリの後ろから保健室に入ってきた小さな子供が、
彼女の背中を掴むと、そのままぐいぐいと引っ張って保健室から連れ出した。
ユリはびっくりするかもしれない。格闘家の自分が、こんな小さな子供に引っ張りだされたのだから。
>「僕の力が強いわけじゃあない。お姉ちゃんの力が弱っているんだ。」
少年は透明な液体が入った瓶をユリに渡した。
>「保健室に置いてあった生理食塩水だ。何も言わずにこれを飲んで!説明するから!」
もしもユリがそれを飲めば、すぐに体力が戻ってくるだろう。
>「あの犬の魔法能力は半径5m以内の“塩”を自由に操ることなんだ。
> 塩は全ての生物に含まれていて、生命活動にとても重要な物質だ。
> お姉ちゃんはさっきあの犬に汗として塩分を放出させられたから力が弱くなったんだ。」
こう少年が説明したことで、犬が再びレロレロと舐め始めた物体の正体がわかるだろう。
それは塩の結晶である。あの犬は犠牲者から絞りとった塩分を結晶化して舐めているのである。
あの犬自体も、どこか人間を舐めているような態度である。
>「お姉ちゃんが何の目的で保健室に来たかはしらないけどさ。
> 今保険医がゴーストの先生を呼びに行ってるんだ。
> ゴーストの先生があの犬を追い払ってくれるまで一緒に待とうよ。」

しかし、ゴーストの先生とやらはなかなか現れなかった。理由は不明だが、時間がかかっているらしい。
>「あの犬が誰の犬かなんて僕にはわからない。いや、もしかしたらあの犬自体が生徒の一人なのかも。
> 僕だってあの犬をなんとかしたいけど、僕の魔法能力の射程距離は2mだから届かない。
> 何かを投げつけようなんて考えないでね。あの犬はブルテリアだ。
> ブルドックの闘争力と、ボストンテリアの俊敏さを併せ持った、見た目より賢い犬種だ。
> もしもこっちの攻撃を避けられたら、保健室の中にいる他の人にも被害が及ぶかもしれない。」

136 名前:グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/17(木) 00:35:12 0
>121
>「ああ、そういや俺も名乗ってなかったな。
> 俺は鋼、王心鋼(おうしん こう)。よろしくな、グラディス」
>「私はシルヴァ・カルヴォネン。よろしく、グラディス」
「はっはー、グラディのくだりは二人して無視かー!オーケーなんでもない、コウとシルヴァだな。
 呼び方は……まあまあ呼びやすいし、そのまんまでいっか」
自身の渾名をスルーされて少しやけっぱちに叫んでから、二人の名前を確かめる。
>「そう言えば話し相手になって、だったわね。
> 何から話そうかしら」
>「どこから来たか、とかはどうだ?」
>「じゃあそれでいいわね」
「おーいいねー、じゃあお先どーぞ!」


掲示板の前で、3人が楽しげに自身らの出身を談義する。
鋼とシルヴァに続き、グラディスもまた自分の故郷を回想しつつ話していく。
平和な町、近くの公園、綺麗な川、妹分である隣家の子との親交。
適当な思い出をチョイスして織り交ぜつつ、懐かしさに浸りながら話していく。

「……んで、その町の中心部から少し離れた辺りにそこそこでかくて古い屋敷があってさ。
 そこの主人がやたら冷血で厳しいんだよ。……まあ、そこは俺の家でそいつは俺の親父なんだけどなー」
叱るとき滅茶苦茶高圧的且つおっそろしいんだぜーとふざけ3割慄き7割の様子で語るグラディス。

そんな風に語らっているとき、ふと掲示板に目を留める。
ありとあらゆる情報、というだけあってその大きさは中々壮観。
「そーいや掲示板見てなかったなー。なんか面白そうな奴あった?」
そう言いつつ、金色の目でまじまじと掲示物一つ一つを吟味するつもりらしい。
先輩による相談請負だったり、生徒会勧誘だったりと様々な物をどんどん流し読みしていく。
その内に、グラディスの首と目と狼耳の動きがピタリと止まった。
視線の先には生徒の発行する学園広報誌の記事の一つ。
「お……『謎の失踪!ベッドフォード財団の影か!?』だってよ。
 こいつぁートラブルの臭いがするぜ!にひひ、面白そーだよなー。んー?」
顎に手を当て、わざわざ長い犬歯を見せ付けるようににやりと笑う。

が、すぐに首を45度傾けて『?』を浮かべてみせた。
「しっかし、なんで学園の新聞であのベッドフォード財団が出て来るんだー?
 ベッドフォード財団っていやーマジックアイテムとかに関わるやつだろ。
 わっかんねぇーなぁー……」
独り言のように二人に尋ねると、どうやら入学式で総裁がスピーチしてたらしい。
そのことを知ると、ますます笑みを浮かべていく。
「あーなるほど、学園に関わってんのか。財団。
 んで奇妙に思った奴が調べて失踪、と。ますます面白くなってきやがったなー!
 コウ、シルヴァ!ちぃーっと調べてみようぜー!」
目を金色に輝かせて発案を提示するグラディス。
思いっきり首を突っ込むつもり満々らしい。
それが棺桶に足を突っ込む行為だとは露も考えていないようだ。

「なぁーに大丈夫大丈夫!そんな大剣背負ってるくらいだし、腕っ節は強いんだろ?
 シルヴァも何かめちゃめちゃ有能そうだし!
 かくゆう俺は魔法にも腕力にもそれなりに自信はあるんだなーこれが!」
学ランの下で力瘤を作ってみせるグラディス。
そういう問題ではない。

137 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 01:55:30 0
>>124
>「よい音楽だね、これも魔法?桜花すごいなー」
桜花が音楽を奏でる事に熱中していると先ほど大講堂で出会った少女が話しかけてきた
「あぁ、ユリさん、いい音楽だろう?
 これは・・・(以下今流れている音楽について嬉々として語る桜花)」
どこの世の中にもいるものだ、自分の得意分野になると口が軽くなる人物というのは・・・
>「もう夕飯は食べた?まだだったら、リリィ達も居るからあっちで一緒に食べようよ。
 ご飯はみんなで食べた方が美味しいもんね。
 私も追加注文しちゃおうっと。
 すいませーん!味噌カツ丼お願いしまーす!」
「あ・・・そうだった。私はここに食事にきたんだった・・・」
夢中になりすぎてすっかり目的を忘却の彼方に飛ばしていた桜花は
ユリに言われて本来の目的を思い出す
「オート演奏、第四小説から第八章説までをリピート」
指揮棒を止めた後でも楽器たちは鳴り止まず演奏を続けている

>>132
>「よぅ、桜花。すごい魔法だな。
 それだけの楽器、トランクに入れて持っていたのか?だったら案外、力あるんだな」
再び桜花が自分の食事(月見きつねとろろそばとあんみつ)を持って現れると
クレイから話しかけられる
「あぁ、クレイさん、またあったな」
腰掛つつクレイの質問に答えようとする桜花だったが
>「音楽家は体力勝負だって宿屋のおかみさんがいってたよ」
リリィが簡潔に纏めてくれた
「そう、正解
 ちなみに私のトランクは魔法製の特殊なものをつかっているからな、容量が凄まじく膨大だ。
 今出ている楽器がすべてではない。もっとマイナーな民族楽器もあったりする。
 後、音楽家の力に関してだが
 私は大型弦楽器も弾きこなす事ができるがあれは弦の押さえ方の技術も然る事ながら、腕力も相当必要なんだ
 ・・・胡散臭そうな心音だな?だが実際に大型弦楽器奏者の中にはリンゴを素手で握りつぶす握力を持つ人だっているんだが?
 (以下嬉々として楽器の奥深さについて語る桜花)」

>>130
>「さっき講堂でお会いしましたよね。私はリリィです。
 テレパスですが、送信専用なのでプライバシーの心配は要りません」
「さきほどの人か、私は奏桜花。貴女からしたらめずらしい名前かもしれないが気軽に桜花と呼んでくれ。」
>「一応空も飛べますが、箒が壊れたので今は・・・・・・。
 あ、かっこいい二つ名は無いので、そのうちフリード君につけてもらおうと思っています」
>『鍛錬のために目を閉じていらっしゃるのかなー。それとも単に、物凄い細目なのかな〜。
 聞いてみたいけど、もし本当に細目だったら、もう口聞いてくれないかもしれないしな〜』
桜花はクスリと笑う
「私の魔法は見ての通り音楽、楽器に関する事の魔法だ
 私も二つ名などはないな・・・
 それと先ほどから気にしているようだが、別に鍛錬のために目を閉じているわけでも
 物凄い細目なわけでもない。単純な理由だ。
 私は生まれついての全盲なんだ」
特に問題ないと言うようにあんみつを食べながら話す桜花
「ん?あぁ、目は見えないが、耳は物凄くいい。生活する程度なら全く問題ない」

とりあえず食べ終え、皆との話も一区切りついた
>「じゃあ、私は一度部屋に戻るね。ユリさんと一緒に行く準備もあるし。
 今日はありがとう。いろいろあったけど、皆に会えて嬉しかったよ」
「あぁ、ちょっと待ってくれないか?
 皆、戻っておいで」
再びトランクを開けると楽器達はぴたりと演奏を止めトランクの中へ戻っていく
「私も部屋に戻りたい。一緒に行こう」

「そうだ、先ほどユリさんと行くと言っていたが一体どこに行くんだ?」
部屋への道すがらリリィに問いかける桜花

138 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/18(金) 23:36:03 P
>130>132>137

>「よい音楽だね、これも魔法?桜花すごいなー」
>「よぅ、桜花。すごい魔法だな。
 それだけの楽器、トランクに入れて持っていたのか?だったら案外、力あるんだな」
>「あぁ、クレイさん、またあったな」
>「音楽家は体力勝負だって宿屋のおかみさんがいってたよ」
と何やら音楽の話をしているようだ
実はフリードもリュートを演奏出来る
それは誰かがピンチに陥ったとき高いところからリュートをかき鳴らして登場したらかっこよくね?
というどうでも良くなおかつ不純な動機であった
故に演奏出来ることは演奏できるのだがその曲目は一種類だけである

>「さっき講堂でお会いしましたよね。私はリリィです。
 テレパスですが、送信専用なのでプライバシーの心配は要りません」
「さきほどの人か、私は奏桜花。貴女からしたらめずらしい名前かもしれないが気軽に桜花と呼んでくれ。」
>「一応空も飛べますが、箒が壊れたので今は・・・・・・。
 あ、かっこいい二つ名は無いので、そのうちフリード君につけてもらおうと思っています」
「どうも始めまして僕がフリードリッヒ・ノクターン…………人呼んで氷結剣フリードです
 まあ二つ名なんて学生風情が名乗れるようなものじゃないんですけど一応そう呼ばれているので」
誰も聞いていないが自分の話題が出たのでとりえず名乗っておくフリード
ちなみに呼んでいるのは格好良い二つ名を考える会のメンバーだけである
「にゃあん」
(三味線にしちゃ嫌だよ) 

>「じゃあ、私は一度部屋に戻るね。ユリさんと一緒に行く準備もあるし。
 今日はありがとう。いろいろあったけど、皆に会えて嬉しかったよ」
>「私も部屋に戻りたい。一緒に行こう」
そう言ってリリィと一緒に外へ出る桜花


さてフリードリッヒには弱点がある
使う魔法の消費MPがデカイということだ
まあその分威力も折り紙付きなのだが
さらに彼の姉に比べ保有する最大MPも少ない
それは何故かと言うと魔力とは髪に宿るものであり
外見を男らしく見せるために長い髪の毛をぶった斬ったせいで思いっきり最大魔力が減ってしまったのである
逆に言うとロンゲの女顔美形キャラがやたらめったら髪の毛が長くて女に間違えられるのに
滅多に髪の毛を切らないのはこういう理由があるからである
「というわけで僕は帰って寮の自室で寝ます」
なにがというわけなのか全く分からないがとにかくそういうわけである
「行きますよグレン」
食堂から出て行くフリード
少なくとも7時間は眠らないと魔力は満タンに出来ないだろう
まあ怪しいキノコ汁を使えば例外だろうがあれを使ってしまうと冷静な判断ができなくなる
ここでグレンが保健室に向かったならば犬猫大戦争になって面白いのだろうが特にそんな用事もなく
フリードの腕はぎゅっとグレンを抱きしめているためグレンは脱出不可能だ

フリードの姉はグレンに会いに夜中に男子寮へ出かけるだろうが特に問題はないだろう
せいぜい学級新聞で熟愛発覚!?お姉さま男子寮へお忍びとか書かれる程度だ


その頃保険医は「マンドクセとかシンだって生きてるのと大して変わらんよ」
とか言って出向拒否するゴーストの教師を必死に説得していた
もし説得が駄目なら塩分のとりすぎで高血圧症になった患者をけしかけるだろう

139 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/06/19(土) 02:30:45 0
>124>126-127>129>132
>「………まあ今日出会ったばかりだから僕の名前の方が曖昧なのは仕方がありませんが(中略)
> またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
「さぁ? 服の記憶とやらを信じるならそうじゃないみたいだが……
 そもそも、あんな化け物を相手にした事を忘れるなんて自分でもおかしいと思ってるんだ。
 ……殿をつとめたって? それはウソだろ……そんな事する義理がないじゃないか」
そう言いつつも、目の前の少年(?)がウソを言ってる風に見えない。
少しはこのもやもやが解消するかと思ったらいっそう深まった事に嘆息しつつ

「じゃあこちらも名乗り返そうか。俺の名はレイヴン……またの名を
 『死肉を漁る渡り鴉のレイヴン』、別に格好良いい二つ名を考える会とやらには所属してないぞ」
律儀に相手の名乗りに合わせるあたり、実はノリのいい性格なのかも知れない……
物騒な二つ名を名乗らなければ完璧だったのだろうが。


>「あ!ひょっとして、一緒にお宅拝見に付き合ってくれるんだ?
> ありがとー! よーし!探索仲間おひとり様追加だね!」
「先に言っとくけどな、俺がついてくのは抑え役としてだ。
 おかしな事になったり、踏み出しちゃいけないラインが見えたりしたら
 力づくでも引き返させるぞ。若い命を無駄に散らしたかぁないだろ?」
お人よし丸出しな事を言いながら、楽にはいかないんだろうなぁと思うに留める。

「それに、だ。その総裁とやらが悪人と決まったわけでもないだろ?
 ……まぁ、お偉いさんってのは程度の差こそあれ腹に一物抱えてるもんだけどな」
むしろ、清廉潔白な支配者なんてのはある意味人の上に立つ資格がない。
喉から出かかった言葉を、さばの味噌煮と一緒に飲み込む鴉。


>「もしかして、私たち以前どこかでお会いしませんでしたか?」
リリィと名乗った少女にそう問われ、困った顔をする鴉。
「この服の記憶が確かなら、学園に来る途中の森の中で出会ってるみたいだな。
 ……そうだ、フリードにクレイ、他にも数人と会ってるらしい……
 自称神様のセラエノの姿もある……それをどうして俺自身が覚えてないんだ……?」
思い出そうと記憶の糸を手繰ってもこれっぽっちも引っかからない。
元々ないものを引き寄せようとしているのだ、引っかかるわけがない。


>「なんだ、レイヴンか。付いて行くのはやめておけよ。見つかったら即アウトだぞ」
「クレイ、そういう時は逆転の発想をするんだ……そんなに難しくない。
 見つかったらアウトなら、見つからなけりゃいい。違うか?」
その言葉の意味を理解するにつれ、クレイの顔になんとも言えない表情が浮かんでくる。

「そんな呆れた顔するなよ……『散歩してたら道に迷いました』程度の事は考えてるさ」
ま、こんな見え見えのウソに乗っかってくれるとは思ってないけどな、と続けた。

>「レイヴン、俺のことも覚えてないのか?一応、自己紹介はしておく。
> 俺の名前はクレイ。で、こいつがトレス」
クレイの自己紹介に、それまで軽い調子だった鴉が考え込むような表情になる。
数瞬時が経ち、俯き加減だった顔を上げて訥々と語るは
「……俺は覚えてないんじゃない。忘れたわけでもないだろう……
 多分、俺は『知らない』んだ……はじめっから、な」
限りなく正解に近い、誤解。鴉に起きた異変、その唯一の目撃者であるグラディスも
はっきりとは理解していないそれに当事者の鴉は行き着けないでいた。

140 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 02:32:26 0
>ゆったりとしていて耳障りにならない程度の音楽が食堂全体を包み込んだ
喋りながらの食事だった為、定食はまだ半分も残っている。
だが鴉は、ふと食堂に流れ始めた音楽を聴いて箸を止めてしまった。
別に曲が不愉快だったわけじゃない、ただ思ってしまったのだ……
『チーズやサラミを摘まみながらワインを嗜みたい』などと言うキザったらしい事を―――。

元々そんな気取った嗜みを持っていたわけじゃないし、かつても数えるほどしか
行った事のない事。そんな鴉をして、そう思わせるような音楽を奏でる……
それが奏 桜花と言う少女と知った時は大層驚いたものだ。

食事を手に、桜花がテーブルにつく。彼らとは知り合いらしい。寛いだ鴉も声をかける。
「いい曲だ……俺みたいな、芸術のげの字も知らないような奴でも分かる。
 俺と同じくらいなのに、あんたは凄いんだな」
桜花の耳に届く鴉の声は、響きこそ寛いではいたが……森の中で聞いたあの声に良く似ていた。



       ……若造共に年上への礼儀なんぞハナっから期待しちゃイネェがな



       いい加減にシロ坊主ドモ、これはケンカじゃネェ……殺し合いだ



それだけに留まらず、桜花の耳には聞えない筈の声まで聴こえてくる。
鴉にたかる、無数の死者の『声』……怨嗟と無念、呪詛の塊。
おおよそ自分と同年齢であるはずの鴉がまとう様なものではなかった。
それもこれも、生来の全盲であるが故に視覚に頼らない桜花だからこそ聴こえるのだ。



「さて、集合時間まではまだ時間がある。
 俺はいったん部屋に行って仮眠を取るとするよ。じゃあ、また後で」
そう言って、結局半分以上残した定食のトレーを戻し食堂を後にした。

141 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/19(土) 15:13:23 0
>138
>「にゃあん」 (三味線にしちゃ嫌だよ)  
「え?シャミセンって何?」
グレンの言葉は理解できても、楽器の名前は知らないようだ。
「お・・・・オゥカさん、オー花さん桜カオゥ花・・・・・・桜花さん!うん、言えた!
 桜花さん、楽器が演奏できるなんてすごいね!どうかよろしくね!」

>139-140
>「この服の記憶が確かなら、学園に来る途中の森の中で出会ってるみたいだな。 (略)
> 自称神様のセラエノの姿もある……それをどうして俺自身が覚えてないんだ……?」 
「ええっ!セラエノさんって神様だったんですか!!そっか、神様も努力して勉強するのかー。
 だったら私達は、もっと勉強がんばらなくちゃね」
リリィは変なところに食いついている。

レイヴンは、自分は記憶が無いのではなく知らないのだという結論に達した。
「ふぅん?二重人格とかそんな感じかなぁ?・・・・・・た、大変そうですね。
 ちゃんとテスト勉強しても、別人格と入れ替わっちゃって赤点取ったりとか、
 おいしいケーキを食べる直前入れ替わっちゃって、気づいたら食べ終わった後、なんて事もあるかもしれないし・・・・・・」
リリィは同情の眼差しをレイヴンに向けた。
「げ、元気出してくださいね。記憶が無いだけなら、意外と何とかなるもんですよ。
 私も間違ってお酒飲んじゃったから、森の中での記憶が半分ありませんしね。あははは」

リリィが寮に戻ろうとすると、桜花が一緒に帰ろうといってくれた。
「うん!一緒に帰ろう。レイヴンさん、また後で。エンカは用事頑張って。
 フリード君はちゃんと休んで元気になってね。
 クレイ君、本当にトレスちゃんだけでも構わないからね〜。ばいばーい!」
クレイには先約があることを、彼女は知らない。
リリィは桜花と連れ立って食堂から出ていった。

>137
>「そうだ、先ほどユリさんと行くと言っていたが一体どこに行くんだ?」 
>部屋への道すがらリリィに問いかける桜花 
「ああ、『総帥のお宅拝見作戦』のこと?」
リリィはユリとレイヴンと一緒に、ベッドフォード財団の総帥の滞在先である施設を見に行くと話した。
「ユリさんは、財団の事を調べてる人が失踪なんて変だから、総帥って人が悪人だって言ってる。
 一応今日は様子見で、明日は中に入るとか言ってたけど、警備の人とかもいるだろうし、多分無理だと思う。
 でもいいの。どんなところでお泊りしてるのか見てみたいだけだし!
 ああ、総裁御用達ってどんな建物なのかなぁ?お城みたいに豪華なのかな?ああっ、すっごく楽しみっ!!」
リリィはうっとりとした。
「・・・・・・・あ、ごめんね。私だけ1人ではしゃいじゃって。
 そういえばオウカさん、食堂から出る少し前からちょっと元気なかったよね?
 やっぱり私が無神経なこと、うっかりテレパシーで伝えちゃったから?」
リリィはしゅんとなった。桜花に目のことを、彼女なりに気にしているようだ。

142 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/19(土) 15:14:21 0

>121 >136
>「なぁーに大丈夫大丈夫!そんな大剣背負ってるくらいだし、腕っ節は強いんだろ? 
> シルヴァも何かめちゃめちゃ有能そうだし! 
> かくゆう俺は魔法にも腕力にもそれなりに自信はあるんだなーこれが!」 
「ん?あの声、もしかしてグラディス君かな?
 あ、グラディス君っていうのはね、私たちと同じ新入生だよ!学園に到着するまでお世話になった人なの」
曲がり角を曲がると、予想通りグラディスがいた。掲示板の前には他にも、鋼、シルヴァを見つけた。
「グラディス君、ネリーさんとはもう合流できたの?入学式や顔合わせの時いなかったから、心配しちゃったよ。
 あ!シルヴァさんに鋼さんも。さっきはどうもです」
リリィはぺこりと頭を下げた。
「こちらは桜花さん。私達と同じ新入生で、食堂で一緒になったのよ。
 で、皆は何を見て盛り上がっていたの?」
リリィは桜花を引き合わせた後、壁際の掲示板をしげしげと眺めた。
「わあ、アルバイトが載ってる!なになに?皿洗いに・・・・・寮の地下でお宝捜し?
 『封じられた階段をくだり、暗闇で開けてはならない“金属製の小箱‘’を見つけろ!
 成功者には素敵な商品と交換します――――ファンブルマン』すごいよ桜花さん、お宝探しだって!」
掲示板には、他にも色々な情報が書かれていた。
リリィは大まかな見出しを読み上げ、桜花が興味を持った情報は全文を伝えた。

「で、こっちは・・・・・・あ!『謎の失踪!ベッドフォード財団の影か!?』ってあるよ!
 そっか、この記事を見たから、ユリさんは総裁のお宅拝見しようって言い出したのね!納得納得・・・・・ん?」
リリィはグラディスの視線に気づいた。
「実は私、ユリさんって子に誘われて、今夜総裁のお宅を見学に行くんだー。
 レイブンさんも一緒に来てくれるって言ってた。
 そう言えばグラディス君、森の中でレイヴンさんって人に会った?」
リリィは食堂で聞いた話をそのままグラディスにも話した。
「というわけで、レイヴンさん、森の中の記憶が一部飛んでるんだって。
 もしも何か知ってる事があったら、教えてあげたら喜ぶかも。
 あ、いっそのこと、グラディス君達も一緒にお宅拝見ツアーに行かない?消灯後、食堂に集合なんだよ〜!」

143 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/20(日) 11:33:30 0
保健室に入ったユリは、すぐに目当ての場所を見つけた。
部屋に入って少し奥、カーテンのかかったベッドの前に、立方体を舐める犬の姿を見つけたからだ。
「なるほど〜あのベッドだね」
かわいい犬だね〜などと考えながら、意気揚々とベッドに近づくユリの体に異変が起きたのはその時だ。
近づくにつれて警戒する素振りをみせる犬にさらに接近すると、ユリの体から汗が流れ出したのだ。
それも暑くもないのに不自然に、大量にである。

ユリは、これは犬の放つプレッシャーによるものと考えた。
そのため無念無想、風にしなる柳のように、心を無にしてプレッシャーを受け流そうとした。
汗は止まらなかった。
「むむむ…この犬…できる!」
己の修行不足を痛感したユリは、当初の目的を忘れて犬に一撃を入れるべく足を進めた。
その背中が、ぐいと強い力で引っ張られたのだ。

「わわわわ!?ちょっとちょっとなにすんのさ!」
>「近づいちゃ駄目だ!!」
ほとんど抵抗も出来ないほど強い力で、声の主は保健室の外までユリを引っ張り出す。
声の正体を見てユリは驚いた。
それは自分のように体を鍛えているとは思えない、小さな子供だったのだ。
「君凄く力が強いんだね。もしかしてそれも魔法?」
>「僕の力が強いわけじゃあない。お姉ちゃんの力が弱っているんだ。」
少年の答えに頭に?マークを浮かべるユリに、液体入りの瓶が押し付けられる。
>「保健室に置いてあった生理食塩水だ。何も言わずにこれを飲んで!説明するから!」
「う、うん……。んぐんぐ…ぷはー!不味い!もう一杯!」
腰に手を当てて一気に生理食塩水を飲み干すユリ。
>「あの犬の魔法能力は半径5m以内の“塩”を自由に操ることなんだ。(中略)
> お姉ちゃんはさっきあの犬に汗として塩分を放出させられたから力が弱くなったんだ。」
「塩を操る魔法なんてあるんだ…すごいなー。」
少年の説明に、ユリは感心しながら聞き入った。
塩を操る能力に初めて出会ったのもそうだが、一目で魔法を見破った少年にも感心したのだ。

>「お姉ちゃんが何の目的で保健室に来たかはしらないけどさ。(中略)
> ゴーストの先生があの犬を追い払ってくれるまで一緒に待とうよ。」
「そっかー。その先生なら何とかできるんだね。それじゃ一緒に待ってようか」
廊下に座って、ユリは少年とゴーストの先生を待ち続けた。
しかし助けは来なかった。
「遅いねーゴーストの先生。トレーニングでもしてるのかな」
保健室の中を覗くと、犬はさっきと同じ場所で塩を舐め続けている。
梃子でも持ってこないとその場を動きそうになかった。

>「あの犬が誰の犬かなんて僕にはわからない。(中略)
> もしもこっちの攻撃を避けられたら、保健室の中にいる他の人にも被害が及ぶかもしれない。」
「あの犬の名前と、飼い主なら知ってるよ。
 名前はジョン・ボン・ジョヴィで、飼い主はロゼッタ!
 ん〜それから…そうそう!化け物じゃなくて、宇宙人の飼い犬なんだよ!」
ユリは去り際にエンカが言った言葉を思い出して、そう言った。
この場合、”飼い犬”が比喩表現かもしれないという発想は無い。

144 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/20(日) 11:34:51 0
>135 >143
もう一度室内を覗き込んで、ユリは目標の位置を確認する。
さすがにユリも、ほかの人を巻き込みそうな場所で飛び道具を使うほどバカではない。
そうなると接近戦しかないわけだが、相手の射程を考えると近づくのは難しそうに思えた。
自分なら5m、少年の魔法でも3mの距離を縮めないといけないのだ。
何かいい方法は無いだろうか?
無い知恵を絞って考えるユリはふと、自分が握りしめているものにきづいた。
それは、リリィから託されたメッセ―ジ入りのナプキンだった。
汗で随分濡れていたが、幸い書かれた文字は消えてはいない。

「そーだ、私、これを渡さないといけないんだった!」
すっかり忘れていたが、ユリはやっと自分が何をしに保健室に来たかを思い出した。
犬を倒すことではなく、ロゼッタとジョンの様子見が目的だったのだ。
「ちょっと待ってて!すぐ戻ってくるから!」
少年にそう言って、ユリは再び5mほどまで犬に近づいた。
ベッドの中はカーテンのせいで見えないが、犬が動かないという事はまだロゼッタはお休み中だ。
そう考えて、ユリはしゃがむと、そっとリリィのメッセージ入りナプキンを床に置く。
「ご主人様早く良くなると良いね。
 これ、リリィって子からロゼッタあての手紙。ロゼッタに後で渡してね」
ここは魔法の世界で、相手は魔法を使える賢い犬だ。
普通の犬でもお使いはできるから、犬に手紙を渡してもらおうと考えたのだ。
これならゴーストの先生を待つ必要も、犬を無理やり動かす必要もない。

「お待たせー!いやー、君のおかげで手紙渡せてよかったよ。ありがと!
 私、もう少ししたら、ベッドフォード財団総帥のお宅拝見に行く予定だったからさ。
 ここで足止めされてたら大変だったよ〜。
 そういや、まだ自己紹介してなかったね。
 私はユリ・オオヤマ! 最強を求めてこの学園にやってきた新入生!
 君の名前は?」

145 名前:ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage] 投稿日:2010/06/20(日) 19:33:02 O
夢を見ていた気がする
だが夢の中身は忘れてしまった

「…………」

ファンブルマンは突っ伏していた机から起き上がり、眼を擦った後、あたりを見回した。もう随分陽は落ちてい
て、部屋の中は暗くなっていた。
ふむ、と呟く。後に何か言葉が出てきそうで、出てこない。あまり適当でない時間に寝てしまった、そのせいで
頭がぼやけているのか。
頭上の、塔の時計の針を回す歯車の音が、小人の歯軋りのように不鮮明に、不確かに耳に残る。

「……嫌な予感がするなあ」

これは、『やりなおし』だろうか?だとすれば随分中途半端な時間に戻ったものだ。
 時計を見れば、丁度生徒達の寮の門限だった。今頃寮では門限に遅れた寮生が折檻を受けている事だろう。
ファンブルマンは、だとしたら、と考えた。何か不味いことがあったに違いないが、だけれど、それは何だ?

「寮を抜け出して誰かが何かをやらかしたか、もしくは地下で誰かが死んじゃったかな?」

どうも不思議だ。その程度の事で『やりなおし』になるだろうか?いちいち詰まらない事に目くじらたててもし
ょうがないだろ、と未来の自分にぼやいた後、ひょっとしたらとんでもないことが起こるのかもしれないので、
彼はとりあえず辺りを調べてみることにした。



146 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/20(日) 19:46:27 0
>143>144
> 「あの犬の名前と、飼い主なら知ってるよ。
>  名前はジョン・ボン・ジョヴィで、飼い主はロゼッタ!
>  ん〜それから…そうそう!化け物じゃなくて、宇宙人の飼い犬なんだよ!」
>「………はぁ?」
少年がユリにそう反応を返した。
> 「そーだ、私、これを渡さないといけないんだった!」
>「それナプキン?そんなものを渡すってどういうこと?」
> 「ちょっと待ってて!すぐ戻ってくるから!」
> 少年にそう言って、ユリは再び5mほどまで犬に近づいた。
>「あぶないよお姉ちゃん!あいつがちょっとでも前に動いたら射程距離に入ってしまう!」
少年がユリにそう叫ぶが…
> 「ご主人様早く良くなると良いね。
>  これ、リリィって子からロゼッタあての手紙。ロゼッタに後で渡してね」
犬はパッとユリのすぐ前まで飛んで来て彼女を威嚇した。
その時点でユリはジョン・ボン・ジョヴィの射程距離に入っていたが、再び魔法攻撃を受けたりはしなかった。
ユリが置いたナプキンをくわえると、『今日はもう帰りな』といった視線を送り、元の位置まで戻っていった。


その頃、エンカは学生課で彼の祖母の遺品を受け取ろうとしていた。が…
「じょ、冗談じゃないっすよーっ!!」
>>「申し訳ありません!」
受付の係の人がエンカに頭を下げていた。エンカは怒っていた。
彼が受け取る筈の遺品、それが無くなってしまったと聞かされたからである。
「孫に渡す大切な遺品なんだからよぉ!ずさんに管理してんなよなーっ!」
>>「入学式の後片付けのために、人が少なくなった隙を見て逃げ出してしまったみたいです。
>> すぐに探しますから…」
「ちょ、待…おいぃ!」
エンカは受付の人の言葉に耳を疑った。
「逃げ出した…って、そいつは生き物、いや、少なくとも何か自意識を持ったものなのかよ!?」
受付の人の手から、ぽろっと写真が落ちた。エンカはそれを拾って写っているものを確認した。
写真に写っていたのはアルビノの少年だった。


> 「お待たせー!いやー、君のおかげで手紙渡せてよかったよ。ありがと!
>  私、もう少ししたら、ベッドフォード財団総帥のお宅拝見に行く予定だったからさ。
>  ここで足止めされてたら大変だったよ〜。
>  そういや、まだ自己紹介してなかったね。
>  私はユリ・オオヤマ! 最強を求めてこの学園にやってきた新入生!
>  君の名前は?」
>「僕の名前はファン・メイション(黄美生)。甥に会うために来たんだ。」
もしもユリが甥の事を聞けば、そのアルビノの少年、ファン・メイションは答えるだろう。
それがエンカ・ウォンであることを。
>「僕の甥が左手を切断されたと聞いて心配になったから保健室に来たんだ。
> あのカーテンがかかっているベッドの内どれか一つがそうなんだと思うけど…」

147 名前:クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/06/20(日) 22:01:41 0
>>134
>「クレイ、あいつ本当は大食い用ロボットか何かなんじゃねーの?」
>エンカはクレイに、ひそひそとユリについてそう言った。
「そんなロボットなんかいるわけないだろ......いや?そういえばあいつ、名前からして東方の島国出身だよな。
あそこは確か、機械とかの技術に優れてているって聞いたし......」
少しだけその可能性がある様な気がした。

>>133
>「さっきの話だけど、そんなに心配してくれるなら、トレスちゃんとクレイ君も一緒に来てくれればいいのに。
 退学が心配なら、トレスちゃんだけでもいいよ。あの子は生徒じゃないし」
「わ、私は遠慮しておきます.....」
怯えた様に返事を返すトレス。かなり怯えてる。そこまでリリィが苦手なのか?だがそれにしては怯えすぎだ。
まさか、怖いのか?ベッドフォード宅に行くのが......いや、こいつに限ってそれは無いな
だが、明らかにリリィ以外の何かに怯えている。自分の及ばない様な圧倒的な何者かが.....例えるなら(絶対あり得ないと思うが)、『賢者達』がそこにいるみたいに
>「うん!一緒に帰ろう。レイヴンさん、また後で。エンカは用事頑張って。
 フリード君はちゃんと休んで元気になってね。
 クレイ君、本当にトレスちゃんだけでも構わないからね〜。ばいばーい!」
「やめておく」
クレイは一言だけそう返した。もうどうなっても知らん

>>137
>「音楽家は体力勝負だって宿屋のおかみさんがいってたよ」
>「そう、正解
 ちなみに私のトランクは魔法製の特殊なものをつかっているからな、容量が凄まじく膨大だ。
 今出ている楽器がすべてではない。もっとマイナーな民族楽器もあったりする。
 後、音楽家の力に関してだが
 私は大型弦楽器も弾きこなす事ができるがあれは弦の押さえ方の技術も然る事ながら、腕力も相当必要なんだ
 ・・・胡散臭そうな心音だな?だが実際に大型弦楽器奏者の中にはリンゴを素手で握りつぶす握力を持つ人だっているんだが?
 (以下嬉々として楽器の奥深さについて語る桜花)」
「そ、そうか。よ〜くわかった。うん」
嬉しそうに語るのは大変よろしいことだけど、途中から話についていけなくなったクレイは適当に区切りを付けた
...これも読まれているのだろうか

>>139>>140
>「クレイ、そういう時は逆転の発想をするんだ……そんなに難しくない。
 見つかったらアウトなら、見つからなけりゃいい。違うか?」
「...違うだろ」
たった3秒で...いや、3秒もかかった返事。呆れた顔になるクレイ
あまりにもスッパリと言うものだから、あれ?これで良いのか?、と考えてしまったじゃないか
>「そんな呆れた顔するなよ……『散歩してたら道に迷いました』程度の事は考えてるさ」
...戦闘においては一流でも、こういう事はダメなのか?

>「さて、集合時間まではまだ時間がある。
 俺はいったん部屋に行って仮眠を取るとするよ。じゃあ、また後で」
「ああ、お休み。頑張れよ」
そう言ってレイヴンを見送る。

「さて、俺らも部屋に行くか」
時計を見ると長いこと喋っていたせいかそろそろ門限、といっても歩いて行ってもまだ間に合う時間だが
周りを見ると、まだ食べている生徒に自分達と同じ様にまだ喋っている生徒、あと近くには自分達と一緒に食べて居たいかにも喧嘩好きそうな生徒が居た
「おい、お前。そろそろ門限だぞ。」
クレイはその喧嘩好きそうな生徒に話し掛けた


148 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 16:42:19 O
>142 >146
>「僕の名前はファン・メイション(黄美生)。甥に会うために来たんだ。」
「甥?」
予想外の単語を聴いてユリは首を傾げた。
甥、ということは、少年の兄弟か姉妹の息子になる。
見た目自分より小さい子の言葉とは思えなかったのだ。
「ファンの甥っ子ってどんな子なの?」
ユリの質問に、少年は甥の名前はエンカ・ウォンだと答える。

>「僕の甥が左手を切断されたと聞いて心配になったから保健室に来たんだ。
> あのカーテンがかかっているベッドの内どれか一つがそうなんだと思うけど…」
「エンカ?左手?」
ユリの聞いたことのある名前だった。
食堂で浦島太郎の話をしてた生徒に、左手はついてたかな?
そういえばリリィが「私はエンカの左手〜」とか言ってたような……

そんな事を考えながら、ユリはまず目前の問題から解決する事にした。
保健室にいる軽傷の生徒に、「左手を切断されたエンカって生徒はいる?」と尋ねたのだ。
帰ってきた答えはノー。
ファンの甥っ子のエンカは、少なくとも今は保健室にいないのだ。

「エンカ、保健室にはいないみたいだよ。
 でもでもしかし!私さっきまで、食堂でエンカって名前の新入生と一緒に食事してたんだ!
 ファンの探してるエンカって、もしかしてこんな子?」
ユリは、身ぶり手ぶりを交えてエンカの特徴を説明した。
「とにかく食堂!食堂に行けば、まだエンカがいるかもだよ!
 ほらほら行こ行こ!
 それじゃジョン、待ったねー!!」
右手でファンの手を引っ張り、左手で賢い番犬に手を振って。
ユリは来たときと同じほど騒々しくその場を立ち去った。
保健室の住人たちにも、これでようやく静かな時が戻ってくることだろう。

「たっだいまー!エンカはまだ居る!?」
騒動の場は、保健室から食堂前に移ることになる。
桜花やリリィの前で猛進に急ブレーキをかけたユリは、食堂内にエンカの姿を探した。
人の減りつつある食堂に、エンカはいなかった。
「いないのか〜。どこへいっちゃったんだろ」
少しがっかりしたような様子を見せたが、すぐに立ち直るのがユリの良いところだ。
リリィと桜花の他に見知らぬ生徒が居るのを見て、まずは自己紹介を始めることにした。

「はじめまして!私はユリ・オオヤマ!
 桜花やリリィの友達の新入生!よろしく!
 で、こちらはファン・メイション!
 左手を切断された甥っ子のエンカ・ウォンを探してる最中なんだって!
 確かリリィって、エンカの左手代理とか言ってたよね?
 エンカの左手って切り落とされちゃってたの?
 何か知ってたらファンに教えてあげてよ。
 ジョンにリリィのメッセージを預ける時にすっごくお世話になったから、お礼代わりって事で!」

事情を説明し終わったユリは、グラディスと鋼とシルヴァを見た。
「ねえねえ、今夜消灯後って暇かな?
 実は今晩、ベッドフォード財団総帥の泊まってる場所を、偵察に行こうと思ってるんだー。
 暇ならみんなでお宅拝見に行かない?
 だーいじょうぶだよー!ちょっと覗きに行くだけだから!
 桜花も一緒にどうかな!?」

149 名前:グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:28:11 0
>142
>「グラディス君、ネリーさんとはもう合流できたの?入学式や顔合わせの時いなかったから、心配しちゃったよ。
> あ!シルヴァさんに鋼さんも。さっきはどうもです」
向こうから聞き覚えのある声がして振り向けば、少女リリィが友人と連れ立ってやってきていた。
「あいあい?おっ、リリィちゃんじゃねーか。心配どーも、無事合流したぜー!
 『受付したのは嬉しいけど、そういうことはきちんと伝えて』とか言われたけどな!にひ」
ってか二人とも知り合いなのか、交友関係作るの早ぇーなーなどと思いつつ、リリィの連れてきた少女を見る。
黒髪の東洋系少女で、目は閉じている。しかしその動きに危なげなものは無い。
リリィが少女を紹介する。
>「こちらは桜花さん。私達と同じ新入生で、食堂で一緒になったのよ。
> で、皆は何を見て盛り上がっていたの?」
「それはだ……」
リリィの質問に、グラディスが親指でビッと指した。
親指の先は掲示板へと向けられていて、更に実際は広報誌の方を示していた。
「こいつだ!この掲示板、ケッコー色々あって面白いぜ?
 あと、君は桜花ちゃんだったか?俺はグラディス・ウルフォード。よろしくなー!」
>「わあ、アルバイトが載ってる!なになに?皿洗いに・・・・・寮の地下でお宝捜し?
> 『封じられた階段をくだり、暗闇で開けてはならない“金属製の小箱‘’を見つけろ!
> 成功者には素敵な商品と交換します――――ファンブルマン』すごいよ桜花さん、お宝探しだって!」
>掲示板には、他にも色々な情報が書かれていた。
>リリィは大まかな見出しを読み上げ、桜花が興味を持った情報は全文を伝えた。

>「で、こっちは・・・・・・あ!『謎の失踪!ベッドフォード財団の影か!?』ってあるよ!
> そっか、この記事を見たから、ユリさんは総裁のお宅拝見しようって言い出したのね!納得納得・・・・・ん?」
グラディスが読み上げられた記事に反応してリリィを見れば、リリィがその視線に気付いた。
そしてリリィが気付いたのにグラディスもまた気付く。
「ん、あーさっき話してたとき、丁度そいつの話題だったのさー。
 みょおおおおぉぉぉぉに気になってよ。調べたら失踪ってどう見ても怪しいじゃん。
 だから、ベッドフォード財団をちみっと調べてみよーぜ!ってな!」
何気なく耳を掻きつつ視線の理由を話すと、今度はリリィも
>「実は私、ユリさんって子に誘われて、今夜総裁のお宅を見学に行くんだー。
> レイブンさんも一緒に来てくれるって言ってた。
> そう言えばグラディス君、森の中でレイヴンさんって人に会った?」
「おう、途中まで一緒に来てたんだけど?」

150 名前:グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:37:32 0
 
>リリィは食堂で聞いた話をそのままグラディスにも話した。
>「というわけで、レイヴンさん、森の中の記憶が一部飛んでるんだって。
> もしも何か知ってる事があったら、教えてあげたら喜ぶかも。
> あ、いっそのこと、グラディス君達も一緒にお宅拝見ツアーに行かない?消灯後、食堂に集合なんだよ〜!」
「ほほうー!そりゃーいい、じゃあ……」
グラディスはそこまで言いかけて、溜める。溜める。溜め……

>148
とそのとき、誰かがズドドドと廊下を走ってくる音が聞こえてくる。
>「たっだいまー!エンカはまだ居る!?」
そういいながら、リリィと桜花のすぐ傍に急ブレーキしてきてすぐに食堂の中を見る誰か。
これまた東洋系の顔立ちの少女。桜花とは違い、随分とエネルギッシュではあるが。
エンカを探しているようだが、どうやらいなかったらしい。
少女は右手に小さな男の子、それもアルビノの子を連れていた。
彼女が少しがっかり気味で向き直ると、こちらを見てぱっと気を取り直す。
>「はじめまして!私はユリ・オオヤマ!
> 桜花やリリィの友達の新入生!よろしく!
> で、こちらはファン・メイション!(略)
> ジョンにリリィのメッセージを預ける時にすっごくお世話になったから、お礼代わりって事で!」
事情をまくし立てて説明しきると、今度はこちらがわ三人を見て口を開く。
>「ねえねえ、今夜消灯後って暇かな?
> 実は今晩、ベッドフォード財団総帥の泊まってる場所を、偵察に行こうと思ってるんだー。
> 暇ならみんなでお宅拝見に行かない?
> だーいじょうぶだよー!ちょっと覗きに行くだけだから!
> 桜花も一緒にどうかな!?」
「おうおうおう、ワンダフルな子だな!俺は人狼のグラディス・ウルフォード!
 よろしくユリちゃんにファン!いや、メイションの方がいいのか?
 んで……その提案にはYESと答えよう!俺もベッドフォード財団を調査しようと目論んでたし!
 それとレイヴンにも会って話しておきてーし、丁度良い機会なのさ。
 コウとシルヴァ、それと桜花はどーすっよ?面白そーなんだがなー」

思い出したようにグラディスがポケットから懐中時計を取り出し、時刻を読み上げる。
「しっかしそろそろいー時間じゃあねーの?一旦部屋に行くとしよーぜ。
 あっと、ネリーには絶対言うなよ!あいつこーいうの嫌いだから、教えたら中止にしようとするから!
 一応言っておくけど、ネリーってのは俺の幼馴染。栗毛でセーラー服着てるからわかりやすいと思うぜ?
 皆くれぐれも気を付けるよーに!じゃあ、また後でなー!」
そう言って、手を振りながら自分の部屋がある『だろう』方向へと去っていった。

151 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/22(火) 00:18:26 0
リリィに話を振っておきながら桜花はすでに違う事を考えていた
見た目や雰囲気からよく勘違いをされるのだが桜花は結構マイペース
(それでも和を大切にする律儀さはあるが)
なのだ。
>「・・・・・・・あ、ごめんね。私だけ1人ではしゃいじゃって。
> そういえばオウカさん、食堂から出る少し前からちょっと元気なかったよね?
> やっぱり私が無神経なこと、うっかりテレパシーで伝えちゃったから?」
どうやら考え込んでいる桜花を見てリリィが勘違いをしてしまったようだ
「あ・・・ごめん。
 別にそういうわけじゃないんだ、ただちょっと考え事をしていただけなんだ。」
慌ててリリィに謝る桜花
彼女の考え事を知るにはちょっと過去に遡る事になる

場面は食堂で食事を取っている時まで戻る

>「そ、そうか。よ〜くわかった。うん」
軽く聞き流された感じのするクレイからの返答。
「・・・今、無理やり話を切ったな?
 私の前で隠し事が無意味な事がわからないのか?貴方の声色から・・・
 (以下、クドクドと説教)」
まあ、音楽に精通していない人からすれば当然の反応だったがクレイは聞き流した相手が悪かった

>「お・・・・オゥカさん、オー花さん桜カオゥ花・・・・・・桜花さん!うん、言えた!
 桜花さん、楽器が演奏できるなんてすごいね!どうかよろしくね!」
>「どうも始めまして僕がフリードリッヒ・ノクターン…………人呼んで氷結剣フリードです
 まあ二つ名なんて学生風情が名乗れるようなものじゃないんですけど一応そう呼ばれているので」
「リリィさんもフリードさんもよろしく頼む。
 リリィさんももし演奏が気に入ってもらえたならいつでも弾くよ。」
あえて二つ名にはツッコミを入れなかった
深い理由はない、二つ名を持っている人だって居るだろうという桜花のマイペースな考えの結果だった

>「いい曲だ……俺みたいな、芸術のげの字も知らないような奴でも分かる。
 俺と同じくらいなのに、あんたは凄いんだな」
声色から察するに同い年くらいの少年が話しかけてきた
「ああ、ありがとう・・・?」
桜花はふと、引っかかりを感じた
森で聞こえた物騒な声に質が似ているのだ
人が持つ声色には各自が持つ独特の音があるのだが
森で聞いた声と今聞いた声・・・
あまりに音が似通っているのだ。
違いといえば、年・・・それも一つ二つの年齢の違いではない、それこそ二十や三十も離れたような
違いだけなのだ

>それだけに留まらず、桜花の耳には聞えない筈の声まで聴こえてくる。
 鴉にたかる、無数の死者の『声』……怨嗟と無念、呪詛の塊。
 おおよそ自分と同年齢であるはずの鴉がまとう様なものではなかった。
 それもこれも、生来の全盲であるが故に視覚に頼らない桜花だからこそ聴こえるのだ。

こういった声や音を聞くのは初めてではない桜花だったが
それ量たるや、まるで呪詛のオーケストラのようだった
(不快な音が不快な音を飲み込み・・・それを彩るように不愉快な音が全体を包む・・・
 地獄で鳴る音楽のようなものだな、全く・・・)
すべての音に意味があると考える桜花はその音を拒絶したりはしなかった
ただそれが自分の嫌いな雑音に似ていたのでちょっぴり気分を害しただけだった
別にレイブンの事が気に入らないわけでもなかった。
ただ考えてしまった。どういった人生を歩んだらこのような音を出すのだろうと

152 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/22(火) 00:19:36 0
>「うん!一緒に帰ろう。レイヴンさん、また後で。エンカは用事頑張って。
 フリード君はちゃんと休んで元気になってね。
 クレイ君、本当にトレスちゃんだけでも構わないからね〜。ばいばーい!」
「あ・・・あぁ」
ここで桜花は思考を止める
考えても至らない事だと結論づけたのだ
それがリリィとの会話の途中で再び考えだしてしまっただけだった

そして時間は今に至る
「私は別に自分の目が見えない事など気にした事はないし、貴女にも気にしてほしくない」
よしよし、とリリィの頭を撫でる桜花
年はそうかわらないだろうが頭を撫でたのは少しでも元気を出してほしかったからだ

>「なぁーに大丈夫大丈夫!そんな大剣背負ってるくらいだし、腕っ節は強いんだろ?
> シルヴァも何かめちゃめちゃ有能そうだし!
> かくゆう俺は魔法にも腕力にもそれなりに自信はあるんだなーこれが!」
>「ん?あの声、もしかしてグラディス君かな?
> あ、グラディス君っていうのはね、私たちと同じ新入生だよ!学園に到着するまでお世話になった人なの」
近くで知った声を聞いたリリィは桜花に簡単に説明をしてくれた
「そうか、ならその人は貴女の友達と言うわけだな。」
>「グラディス君、ネリーさんとはもう合流できたの?入学式や顔合わせの時いなかったから、心配しちゃったよ。
 あ!シルヴァさんに鋼さんも。さっきはどうもです」
>「あいあい?おっ、リリィちゃんじゃねーか。心配どーも、無事合流したぜー!
 『受付したのは嬉しいけど、そういうことはきちんと伝えて』とか言われたけどな!にひ」
いたのは三人、名前はグラディス、シルヴァ、鋼、だというのは話で分かった
>「こちらは桜花さん。私達と同じ新入生で、食堂で一緒になったのよ。
> で、皆は何を見て盛り上がっていたの?」
「紹介に預かった奏 桜花だ。リリィさんの友達と聞いている。貴方たちもよろしく頼む」
簡単に自己紹介をすませる桜花
>「それはだ……」
>「こいつだ!この掲示板、ケッコー色々あって面白いぜ?
> あと、君は桜花ちゃんだったか?俺はグラディス・ウルフォード。よろしくなー!」
「掲示板か・・・あ・・・後、桜花“ちゃん”と言うのは止めてくれないか?
 普通に桜花でいい、ちゃん付けで呼ばれるとちょっと・・・背中が痒くなる」
多少苦笑の混ざった笑顔を見せる桜花
>「わあ、アルバイトが載ってる!なになに?皿洗いに・・・・・寮の地下でお宝捜し?
> 『封じられた階段をくだり、暗闇で開けてはならない“金属製の小箱‘’を見つけろ!
> 成功者には素敵な商品と交換します――――ファンブルマン』すごいよ桜花さん、お宝探しだって!」
>掲示板には、他にも色々な情報が書かれていた。
>リリィは大まかな見出しを読み上げ、桜花が興味を持った情報は全文を伝えた。
>「で、こっちは・・・・・・あ!『謎の失踪!ベッドフォード財団の影か!?』ってあるよ!
> そっか、この記事を見たから、ユリさんは総裁のお宅拝見しようって言い出したのね!納得納得・・・・・ん?」
リリィに記事の内容を聞いてふんふんと頷いている桜花
「そうか・・・さっきの話題はこれだったな」
>「ん、あーさっき話してたとき、丁度そいつの話題だったのさー。
 みょおおおおぉぉぉぉに気になってよ。調べたら失踪ってどう見ても怪しいじゃん。
 だから、ベッドフォード財団をちみっと調べてみよーぜ!ってな!」
>「実は私、ユリさんって子に誘われて、今夜総裁のお宅を見学に行くんだー。
> レイブンさんも一緒に来てくれるって言ってた。
> そう言えばグラディス君、森の中でレイヴンさんって人に会った?」
一緒に行きたいと桜花も言えればいいのだがちょっと勇気の出ない桜花
何かきっかけがほしい・・・
>「というわけで、レイヴンさん、森の中の記憶が一部飛んでるんだって。
> もしも何か知ってる事があったら、教えてあげたら喜ぶかも。
> あ、いっそのこと、グラディス君達も一緒にお宅拝見ツアーに行かない?消灯後、食堂に集合なんだよ〜!」
>「ほほうー!そりゃーいい、じゃあ……」
「あ・・・」
このままだとこれで話が完結してしまいそうだ
そんな時、救いの音を聞く桜花

153 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/22(火) 00:24:58 0
>「たっだいまー!エンカはまだ居る!?」
先ほどどこかへ行ってしまったユリが帰ってきたのだ
>「はじめまして!私はユリ・オオヤマ!
> 桜花やリリィの友達の新入生!よろしく!
> で、こちらはファン・メイション!(略)
> ジョンにリリィのメッセージを預ける時にすっごくお世話になったから、お礼代わりって事で!」
「ん?ファン・メイション?」
桜花はこの名前が気になった。
具体的にいうと別次元の自分が似た名前の人物に助けられたような事があるような、ないような・・・
>「ねえねえ、今夜消灯後って暇かな?
> 実は今晩、ベッドフォード財団総帥の泊まってる場所を、偵察に行こうと思ってるんだー。
> 暇ならみんなでお宅拝見に行かない?
> だーいじょうぶだよー!ちょっと覗きに行くだけだから!
> 桜花も一緒にどうかな!?」
>「おうおうおう、ワンダフルな子だな!俺は人狼のグラディス・ウルフォード!
 よろしくユリちゃんにファン!いや、メイションの方がいいのか?
 んで……その提案にはYESと答えよう!俺もベッドフォード財団を調査しようと目論んでたし!
 それとレイヴンにも会って話しておきてーし、丁度良い機会なのさ。
 コウとシルヴァ、それと桜花はどーすっよ?面白そーなんだがなー」
「行く・・・ぜひ、ご一緒したい。」
この回答までに掛かった時間、わずか0.1秒
待ってましたとばかりに答える桜花
>「しっかしそろそろいー時間じゃあねーの?一旦部屋に行くとしよーぜ。
 あっと、ネリーには絶対言うなよ!あいつこーいうの嫌いだから、教えたら中止にしようとするから!
 一応言っておくけど、ネリーってのは俺の幼馴染。栗毛でセーラー服着てるからわかりやすいと思うぜ?
 皆くれぐれも気を付けるよーに!じゃあ、また後でなー!」
グラディスはそういうと去っていった
「彼の言うことももっともだな・・・リリィさん、ユリさん、部屋に戻ろう
 まだ決行もしていないのに教師に捕まるなんて笑えなさそうだ」

154 名前:フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/22(火) 00:42:36 P
男子寮

自室で眠るフリード
彼は寝るときは何故か全裸である
別にジルベリアには根巻きという風習が無い訳ではないのだが
その隣に丸まって寝ているグレン
ちなみに彼らが寝ているのは普通のベットであり
別に氷の棺桶とか特殊なものではない

「ZZZZZzzzzzzz……………むにゃむにゃ
 カキ氷じゃお腹が膨れませんよ…………もっと普通のお肉とか食べたいです姉さん」
意味不明の寝言を言うフリード

「にゃぁん」
(ついに伝説のキャットフードをみつけたぞ)
同じく意味不明の夢をみているグレン
「なにゃあ」
(次は伝説の缶切だ…………)
このまま寝ていてはイベントに参加出来ないぞどうする?


職員室

その頃、保険医はいまだにゴーストの教師を説得していた
「いいから来て下さい!私の患者がピンチなんです!!」
だがゴーストの教師は
「大げさな…………保健室の患者なんてたいしたことないだろう。死んだって私みたいになるだけだし
 案外死んでも生きられるものだよ」
ととり合ってくれない
「だいたい私はお前たち医者が嫌いだ。人間…………では無いものもいるが
 人はいつか死ぬというのにその死を無理にねじ曲げようとする
 そんな努力をいくらしてもいつかは私の同類になるというのに」
それに反論する保険医
「だったら貴方は生徒たちに貴方と同じような酒を飲んでも味も感じず酔うことすら出来ず
 大切な人を抱きしめても温かみも感じない存在になれというのですか!
 肉体の温かみを失って心の温かみまで失ってしまったというのですか!!」
「死んだことの無い人間が何を言う!!
 だいたいお前ら医者がもっとしっかりしていれば私はこんな存在にはならなかったのだ!!」
こんな調子では何時まで経ってもゴーストの先生はやってこないだろう
そもそも生者が死者になることを防ぐのが仕事の医者と
生者では無くなってしまった存在であるゴーストの相性は最悪なのだ
体を持たないから犬の能力は効かないという考え自体は間違っていなかったのだが……………

はたして誰か彼を説得出来るものはいるのだろうか?
彼といったがそもそもゴーストの先生は男なのだろうか?
説得が終わる頃には保健室のイベントが終わってやしないだろうか?
不安は募るばかりである

155 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/22(火) 18:59:18 0
>148
> 「エンカ、保健室にはいないみたいだよ。
>  でもでもしかし!私さっきまで、食堂でエンカって名前の新入生と一緒に食事してたんだ!
>  ファンの探してるエンカって、もしかしてこんな子?」
> ユリは、身ぶり手ぶりを交えてエンカの特徴を説明した。
「ごめんなさい。僕、エンカ君がどんな姿なのか見たことないんだ。」
そもそもメイションには、エンカが自分より年上なのか年下なのかも知らないのだ。
> 「とにかく食堂!食堂に行けば、まだエンカがいるかもだよ!
>  ほらほら行こ行こ!
>  それじゃジョン、待ったねー!!」
「じゃあね。」
メイションもユリにならってジョンに手を振り、ユリについていった。
>150>153
> 「たっだいまー!エンカはまだ居る!?」
エンカはそこにはいなかった。きっと今頃、彼もまたメイションを探しているのかもしれない。
> 「いないのか〜。どこへいっちゃったんだろ」
> 少しがっかりしたような様子を見せたが、すぐに立ち直るのがユリの良いところだ。
> 「はじめまして!私はユリ・オオヤマ!
>  桜花やリリィの友達の新入生!よろしく!
>  で、こちらはファン・メイション!
>  左手を切断された甥っ子のエンカ・ウォンを探してる最中なんだって!
>  確かリリィって、エンカの左手代理とか言ってたよね?
>  エンカの左手って切り落とされちゃってたの?
>  何か知ってたらファンに教えてあげてよ。
>  ジョンにリリィのメッセージを預ける時にすっごくお世話になったから、お礼代わりって事で!」
「はじめまして、ファン・メイションです。甥っ子がいつもお世話になっています。」
メイションは、とりあえずテンプレート通りにそう挨拶をした。
> 「おうおうおう、ワンダフルな子だな!俺は人狼のグラディス・ウルフォード!
>  よろしくユリちゃんにファン!いや、メイションの方がいいのか?(後略)」
「よろしく、グラディスお兄ちゃん。メイションでいいよ。」
メイションは人狼を見るのが初めてだったので、少しおどおどしながらそう言った。
> 思い出したようにグラディスがポケットから懐中時計を取り出し、時刻を読み上げる。
> 「しっかしそろそろいー時間じゃあねーの?一旦部屋に行くとしよーぜ。
>  あっと、ネリーには絶対言うなよ!あいつこーいうの嫌いだから、教えたら中止にしようとするから!
>  一応言っておくけど、ネリーってのは俺の幼馴染。栗毛でセーラー服着てるからわかりやすいと思うぜ?
>  皆くれぐれも気を付けるよーに!じゃあ、また後でなー!」
そう言って走りさったグラディスを見てメイションは感心しながら言った。
「あの人、本当の狼みたいに速く走るんだね。」
> 「彼の言うことももっともだな・・・リリィさん、ユリさん、部屋に戻ろう
>  まだ決行もしていないのに教師に捕まるなんて笑えなさそうだ」
「ええっと…僕はどうしよう?エンカ君が見つかるまでユリお姉ちゃんと一緒にいていい?」
メイションはユリにそうお願いした。

156 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/23(水) 06:38:50 0
>152
>「私は別に自分の目が見えない事など気にした事はないし、貴女にも気にしてほしくない」 
リリィの顔がぱあっと明るくなったが、よしよし、と頭を撫でられて赤面する。
「わ、わかった・・・・・・・ょ」
(すごいなぁ、歳は私とそう変わらないはずなのに・・・・・・大人だなぁ)

>149 >143 
グラディス達と桜花を引き合わせたリリィ。
>「そうか、ならその人は貴女の友達と言うわけだな。」 
「うん、桜花さんもね!」

グラディスはネリーと無事再会出来たらしい。
そんな彼は今、元気いっぱい桜花に自己紹介をしている。
リリィはレイヴンのことを伝えた後、グラディス達を総帥にお宅(滞在先)拝見ツアーにさそった。
>「ほほうー!そりゃーいい、じゃあ……」 
>グラディスはそこまで言いかけて、溜める。溜める。溜め…… 
溜めるにあわせて、リリィの首がぐぐぐ、と傾いていく。
「・・・・・・・・・・・ど、どうかな?」

>「たっだいまー!エンカはまだ居る!?」 
「ううん。・・・・・・あ、何か急ぎで大事な用事があるって言ってた」
>「いないのか〜。どこへいっちゃったんだろ」
行き先までは聞いていなかったので、申し訳無さそうな顔になった。

ユリは白い少年を紹介した後、リリィ同様グラディス達を総帥御宅(滞在先)拝見ツアーに誘った。
>「はじめまして、ファン・メイションです。甥っ子がいつもお世話になっています。」 
(甥っ子?!)
魔法使いの中には、見た目どおりではない人間も多い。彼もその類なのだろうか?
(まあ両親に歳の離れた兄弟がいれば、年下でもおじさん、なんて事も珍しくはないよね)

>「よろしく、グラディスお兄ちゃん。メイションでいいよ。」 
>メイションは人狼を見るのが初めてだったので、少しおどおどしながらそう言った。 
「やったー!来てくれるの?グラディス君が居てくれたら100人力だね!」
ファンが少しおどおどしてるようなので、リリィはことさら明るく笑うと、ばしん!とグラディスの背を叩いた。
「グラディス君は声大きいけど、力持ちですごーく親切なんだよ〜!
 あ、初めまして、リリィです。よろしくメイション君。私のことはリリィって呼んでね」

>「確かリリィって、エンカの左手代理とか言ってたよね? 」
リリィは赤い顔で、ばっと左手に書かれた文字を隠した。
「べべべべべ、別にこれはおまじないじゃなくて・・・・・・エエエエンカとは友達で、なんでも無いんだからね!」
誰も聞いてない。
> エンカの左手って切り落とされちゃってたの? (略)
> ジョンにリリィのメッセージを預ける時にすっごくお世話になったから、お礼代わりって事で!」 

「手紙、渡してくれたんだね、ありがとう!」
リリィはロゼッタの具合など色々聞きたそうだったが、メイションの様子を見て一旦保留にした。
「左手が切り落とされたっていうなら、多分エンカのことだと思うよ。
 ロゼッタって子がエンカの左手に一目ぼれして、持って行っちゃって騒動になったから。
 あ、安心して!エンカはぴんぴんしてるよ!
 そもそもエンカの左手は本当に切断されたわけじゃなくて、空間魔法の一種で体から切り離されてただけだから。
 左手が無くなった!って驚きはあっただろうけど、痛い!なんてことは無かった思う」
頬を叩いて起こそうとした事は、リリィの中では痛みのうちに入らないようだ。

157 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/23(水) 06:40:46 0
>「しっかしそろそろいー時間じゃあねーの?一旦部屋に行くとしよーぜ。 
> あっと、ネリーには絶対言うなよ!あいつこーいうの嫌いだから、教えたら中止にしようとするから! (略)」
>グラディスはそういうと去っていった 
>「あの人、本当の狼みたいに速く走るんだね。」 
> 「彼の言うことももっともだな・・・リリィさん、ユリさん、部屋に戻ろう 
>  まだ決行もしていないのに教師に捕まるなんて笑えなさそうだ」 
「そうだね、帰ろうか。
 でも、桜花さんが参加してくれるなんてちょっと意外かも。嬉しい!」

>「ええっと…僕はどうしよう?エンカ君が見つかるまでユリお姉ちゃんと一緒にいていい?」 
「消灯まであんまり時間無いし、後は歩きながら話そうよ。シルヴァさん達も行こう?」 
リリィは食堂の中にいるトレス達に手を振ったが、華麗にスルーされ肩を落としている。

「寮の受付で聞けば、エンカの部屋がどこか教えてくれると思うよ。
 消灯になればエンカだってさすがに戻ってくるだろうし。放送入れてもらうって手もあるし。大丈夫、元気出して」
「それとユリさん、ロゼッタの様子どうだった?ジョンって犬、大丈夫だった?」

そんな話をしているうちに、寮に到着した。
「じゃあ皆、おやすみなさい。総帥の御宅見に行く人は、後で食堂集合だからね〜!」


リリィは一同と別れた後、自室に戻った。
彼女の部屋には、トランクがぽつんと置いてあった。
リリィはトランクを開けた。トランク一杯分の荷物はすぐに片付いた。
「楽しみだな〜。御宅拝見ツアー。何持っていこうかな?お菓子は絶対いるよね!」
リリィはうきうきしながら、今夜の準備に取り掛かる。

「・・・・・・・あっ!しまったどうしよう!!」
リリィはポケットから一冊の本を取り出した。水でふやけた跡が残るそれは、エンカの魔道書だった。
「これずっとエンカから預かったままだっけ。どうしよう?」
エンカは今夜のツアーには参加しないと言っていた。
「明日返しても大丈夫かな〜。・・・・・・はっ!濡れて文字が流れたり、ページ同士がくっついてたりしてないよね?!」
リリィはあわてて魔道書をチェックしようとする。

夜はまだ長い。

158 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/24(木) 20:42:50 0
>157
リリィが魔道書を手にした今、この書についての解説が必要であろう。
なぜならその魔道書はすっかり乾き、中のページに書かれた内容を見れるようになったのだから。

魔道書の名は『アナベル・ガトーの鍵』、悪魔召喚のための書である。
リリィがページを開けば、そこに次のような祈祷文(プレイヤー)が書かれているのを見るだろう。
『我は、汝、悪魔を呼び起こさん。至高の名にかけて、我汝に命ず。
 あらゆるものの造り主、その下にあらゆる生がひざまずくかたの名にかけて、万物の主の威光にかけて。
 いと高きかたの姿によって生まれし、我が名に応じよ。
 神によって生まれ、神の意思をなす我が名に従い、現れよ。
 アドニー、エル、エルオーヒーム、エーヘイエー、ツアバオト、エルオーン、テトラグラマトン、シャダイ、
 いと高き、万能の主にかけて、汝、悪魔よ、しかるべき姿で、いかなる悪臭も音響もなく、
 すみやかに現れよ。』

注意が必要なのは、この書に書かれている悪魔が、
現実に存在する悪魔を意味しているわけではない点である。
人間には意識と無意識がある。
意識は無意識と比べればちっぽけな力しかないが、無意識には隠された大きな力が秘められている。
その無意識の持つ力こそが、『アナベル・ガトーの鍵』に書かれている“悪魔”なのである。

つまり、例えば他の誰かがそのようにしてもそうなるように、
もしもリリィがこの祈祷文を唱えれば、
リリィの無意識に秘められた力がアンロック(開錠)されるだろう。
それがいかなる能力であるかは誰にも予想できない。
しかし、その力は彼女の大きな味方になるだろう。

159 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/24(木) 22:23:24 O
>149-153 >155-157
>「おうおうおう、ワンダフルな子だな!俺は人狼のグラディス・ウルフォード!
> よろしくユリちゃんにファン!いや、メイションの方がいいのか?
> んで……その提案にはYESと答えよう!俺もベッドフォード財団を調査しようと目論んでたし!
> それとレイヴンにも会って話しておきてーし、丁度良い機会なのさ。
> コウとシルヴァ、それと桜花はどーすっよ?面白そーなんだがなー」
>「行く・・・ぜひ、ご一緒したい。」
「やったー!賛同者激増だね!」
勧誘成功に喜ぶユリ。
楽しいことは大人数ですればより楽しくなるというのが、ユリの考えである。
そして総帥のお宅拝見なんてことは”楽しいに決まっている”のだ。

>「しっかしそろそろいー時間じゃあねーの?一旦部屋に行くとしよーぜ。
> あっと、ネリーには絶対言うなよ!あいつこーいうの嫌いだから、教えたら中止にしようとするから!
> 一応言っておくけど、ネリーってのは俺の幼馴染。栗毛でセーラー服着てるからわかりやすいと思うぜ?
> 皆くれぐれも気を付けるよーに!じゃあ、また後でなー!」
「うん!また後でねー!」
>「あの人、本当の狼みたいに速く走るんだね。」
「人狼の人ってみんな早いよねー。 戦ったら攻撃が当り難くて大変だよ」
走りさるグラディスに手を振りながら、ユリはそう感想を言った。

>「彼の言うことももっともだな・・・リリィさん、ユリさん、部屋に戻ろう
> まだ決行もしていないのに教師に捕まるなんて笑えなさそうだ」
>「そうだね、帰ろうか。
> でも、桜花さんが参加してくれるなんてちょっと意外かも。嬉しい!」
「やっぱり、こんなことはみんなで楽しまなきゃだよ。
 みんなで行けば、総裁が普通の人でも、お宅に何にもなくても、楽しくなるもんね。
 ありがと桜花!」
>「ええっと…僕はどうしよう?エンカ君が見つかるまでユリお姉ちゃんと一緒にいていい?」
「うん、いいよ。 そうだ、良かったらメイションも一緒に、『ベッドフォード財団総帥のお宅見学ツアー』に行かない?
 まあ、ほんとはもっと早くエンカが見つかったら、その方がいいんだけど。
 まったくもー、エンカどこ行っちゃったんだろ。
 せっかくメイションが探してるのに」
>「消灯まであんまり時間無いし、後は歩きながら話そうよ。シルヴァさん達も行こう?」
リリィに誘われて、ユリも寮に向かって歩き始めた。

160 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/24(木) 22:24:16 O
>「寮の受付で聞けば、エンカの部屋がどこか教えてくれると思うよ。
> 消灯になればエンカだってさすがに戻ってくるだろうし。放送入れてもらうって手もあるし。大丈夫、元気出して」
「そっか、それならエンカの居場所もわかるね。
 良かったねメイション、これでエンカにもうすぐ会えるよ!」
>「それとユリさん、ロゼッタの様子どうだった?ジョンって犬、大丈夫だった?」
「んー、それが、カーテンで見えなかったんだよねー。 私も少女型宇宙人見たかったんだけどなー。
 ジョンは可愛いし、賢かったよ。 手紙もお使いできるし、塩を操る魔法も使えるし。
 ロゼッタのいるベッドの前から動かないみたいだから、すぐ復讐とかはされないと思う。
 でも魔法の国では普通の犬でも魔法が使えるんだね。すごいなー」 
ユリの故郷では、戦う犬はいても魔法を使える犬はいなかったのだ。

>「じゃあ皆、おやすみなさい。総帥の御宅見に行く人は、後で食堂集合だからね〜!」
「私もエンカの部屋を聞きに受付に行ってくるよ!
 それじゃ、また後でねー!」
ユリも一度皆と別れて、エンカの居場所を調べるために寮の受付に向かった。

「えー!わからないってなんでさ!」
ただ、事は思い通りには運ばなかった。
受付にいた生徒は、まだ新入生の部屋は確実に特定できないと申し訳なさそうに繰り返すばかり。
消灯時間が近いために、校内放送ですぐに呼び出すのも難しいようだ。
「んんんん……どーしようメイション…」
何かほかにエンカを見つける手は無いか考えるユリだが、もともと頭を使うのは苦手な上に時間がない。
消灯時間になれば待ち合わせ場所に行かねばならないのだ。
しかし、ここまでくればできるだけ早くメイションをエンカに合わせてあげたいとも思う。
進むべきか退くべきか。
迷うユリに、声をかけるものがいた。

>「こんなところで何をしているのかしら。
> お宅拝見の待ち合わせ場所には、まだいかなくていいの?」
「あれ?初音?もう体調は良くなったの?」
ユリはメイションに、近づいてきた少女が、友達の人形遣い、ミク・ハツネだと紹介した。
>「初音美紅よ。よろしく、ファン・メイションくん」
長い黒髪に黒いセーラー服姿のミクも、メイションに簡単に自己紹介する。

>「人助けも結構だけど、友達を待たせるのは良くないわ。
> エンカの部屋は私が調べておいてあげるから、まず先約の潜入を優先させなさい。
> あなたの荷物からいろいろ持ってきてあげたから、トイレで着替えてきなさいな。」
ミクが軽く人差し指を動かすと、控えていた枯れ木を組み合わせたようなゴーレムが動き出す。
「なになに?……うわー!潜入用具一式だ!ありがとミク!」
渡された風呂敷包みを開いたユリが、感動の声をあげた。
中身は、忍者服セットと竹皮に包まれたおにぎりだったのだ。
「あれ?でもなんでミクがお宅拝見作戦の事知ってるの?」
>「あなたが食堂で作戦の説明をしている時、私も食堂に居たのよ。
> 潜入作戦なんて計画するなら、もっと声を落としなさい」
ミクの説明を特に疑問に思うことなく、ユリは「そっかー」と納得した。

「それじゃちょっと着替えてくる!待っててねメイション!」
>「……メイションくんもユリと一緒に夜の探検に行くのかしら?
> 行くのなら、何か持って行く準備はしなくていいの?」
走り去るユリを見送ってから、ミクはメイションに話しかける。
>「あなたぐらいの年齢なら、おにぎりよりお菓子の方が好きでしょうね。
> それともお菓子より肉の方が食べたいのかしら。
> 例えば生きの良い人間の肉とか」
ミクはからかうようにそう言って、赤い瞳でメイションをじっと見た。

161 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 [sage] 投稿日:2010/06/24(木) 22:52:49 0
>>136
>「……んで、その町の中心部から少し離れた辺りにそこそこでかくて古い屋敷があってさ。
> そこの主人がやたら冷血で厳しいんだよ。……まあ、そこは俺の家でそいつは俺の親父なんだけどなー」

「へえ、それじゃあグラディスの実家も結構な金持ちなのか?」
「まあ話の流れからしてそういう事になるわよね」

グラディスの話に鋼が興味を示す。

>「そーいや掲示板見てなかったなー。なんか面白そうな奴あった?」
「いや、特には無かったような…」

話の途中でグラディスが掲示板をマジマジと見つめ始める、どうやら何か面白そうなことはないか探しているようだ。
鋼はグラディスの問いに『無い』と返した。
だが、『無い』と答えたのは悪魔でも鋼の主観だからであって、他人から見た面白いことが鋼にとって面白いとは限らないのだ。

>「お……『謎の失踪!ベッドフォード財団の影か!?』だってよ。
  こいつぁートラブルの臭いがするぜ!にひひ、面白そーだよなー。んー?」

案の定、グラディスが何かを発見したようだ。
鋼やシルヴァがこの内容に興味を示さなかったのを見ると、面白いとは思わなかったらしい。

「ベッドフォード財団の影…ね、まあ話の虚実に関わらず、大きい勢力にそういう怪しい話は付き物よね。
 実際私たちの家も色々と噂が広まってるし…」

噂の内容はここで語るようなことではないので割愛する。

>「コウ、シルヴァ!ちぃーっと調べてみようぜー!」
>「なぁーに大丈夫大丈夫!そんな大剣背負ってるくらいだし、腕っ節は強いんだろ?
> シルヴァも何かめちゃめちゃ有能そうだし!」

「いや、まあ腕力や体力は人並み以上にあるけどよ…」
「確かに有能と言われたことはあるけど、この人数だけじゃ流石に心許ないわね。
 行くとなるなら、もう少し人数が欲しいところね…多すぎるのも問題だけど」

確かにこの人数では、何かトラブルが起きた時に対処するのは難しいだろう。
主に何らかの襲撃的な意味で。


>>142
>「あ!シルヴァさんに鋼さんも。さっきはどうもです」

その時、ちょうどというタイミングでリリィが後ろから現れる。

>「こちらは桜花さん。私達と同じ新入生で、食堂で一緒になったのよ」

 「桜花…ね。私はシルヴァ、よろしく」
 「俺は鋼だ、よろしくな」

リリィの近くにいる初対面の女生徒、二人は桜花に軽く会釈をする。

>「グラディス君達も一緒にお宅拝見ツアーに行かない?消灯後、食堂に集合なんだよ〜!」
 (なんか随分人が増えてきたわね)

シルヴァがそう思っていると…

162 名前:鋼&シルヴァ ◇ggGL1TiMOPu4 [sage] 投稿日:2010/06/24(木) 22:53:05 0
>>144
>「はじめまして!私はユリ・オオヤマ!
  桜花やリリィの友達の新入生!よろしく!」
「なんか随分人が増えたわね、私はシルヴァ。よろしく」
「俺は鋼、よろしく。ホントに人増えたな」

シルヴァは、うっかり思っていたことを口に出してしまっていた。
まあ思っていたことは誰かの批判などではないので大丈夫だろう。


>>148>>150
>「ねえねえ、今夜消灯後って暇かな?
  実は今晩、ベッドフォード財団総帥の泊まってる場所を、偵察に行こうと思ってるんだー」
>「コウとシルヴァ、それと桜花はどーすっよ?面白そーなんだがなー」
「…分かったわ、私たちも行かせてもらうわね。
 何て言うか、私がいないと無茶しそうだし…」
「あー、じゃあ俺も行くか。
 どうせ学校内の地理とか把握しなきゃならねえしよ」

この場の集まっている面子のほぼ全員が『行く』と言っているのだ。
自分だけ『行かない』というわけにもいかないだろう。

>「しっかしそろそろいー時間じゃあねーの?一旦部屋に行くとしよーぜ」
「そうね、少し準備もしたいし部屋に戻りましょうか」
「そうすっか、それじゃあまた後でな」

鋼とシルヴァは場を離れ、自分の部屋へと向かった。

163 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/25(金) 08:45:54 0
>157>159>160
> 「うん、いいよ。 そうだ、良かったらメイションも一緒に、『ベッドフォード財団総帥のお宅見学ツアー』に行かない?
>  まあ、ほんとはもっと早くエンカが見つかったら、その方がいいんだけど。
>  まったくもー、エンカどこ行っちゃったんだろ。
>  せっかくメイションが探してるのに」
メイションはうんと頷いた後こう言った。
「とりあえず、エンカ君が大怪我してないのはわかったから安心したよ。」
> 「寮の受付で聞けば、エンカの部屋がどこか教えてくれると思うよ。
>  消灯になればエンカだってさすがに戻ってくるだろうし。放送入れてもらうって手もあるし。大丈夫、元気出して」
「ありがとう、リリィお姉ちゃん。」
> 「そっか、それならエンカの居場所もわかるね。
>  良かったねメイション、これでエンカにもうすぐ会えるよ!」
「だといいけど。受付の人は存外不親切だったから。」
> そんな話をしているうちに、寮に到着した。
> 「じゃあ皆、おやすみなさい。総帥の御宅見に行く人は、後で食堂集合だからね〜!」
> 「私もエンカの部屋を聞きに受付に行ってくるよ!
>  それじゃ、また後でねー!」
メイションもユリについていった。

> 「えー!わからないってなんでさ!」
> ただ、事は思い通りには運ばなかった。
> 「んんんん……どーしようメイション…」
「入れ違いになったみたい。またここで待ってみようかなぁ。」
> 迷うユリに、声をかけるものがいた。
> >「こんなところで何をしているのかしら。
> > お宅拝見の待ち合わせ場所には、まだいかなくていいの?」
> 「あれ?初音?もう体調は良くなったの?」
「このお姉ちゃんは誰?」
> ユリはメイションに、近づいてきた少女が、友達の人形遣い、ミク・ハツネだと紹介した。
「僕の名前はファン・メイションだよ。」
> >「初音美紅よ。よろしく、ファン・メイションくん」
> 長い黒髪に黒いセーラー服姿のミクも、メイションに簡単に自己紹介する。
「こちらこそよろしくです。」

> >「人助けも結構だけど、友達を待たせるのは良くないわ。
> > エンカの部屋は私が調べておいてあげるから、まず先約の潜入を優先させなさい。
> > あなたの荷物からいろいろ持ってきてあげたから、トイレで着替えてきなさいな。」
ミクはユリに装備の引渡しを行った。
> 中身は、忍者服セットと竹皮に包まれたおにぎりだったのだ。
> 「それじゃちょっと着替えてくる!待っててねメイション!」
> >「……メイションくんもユリと一緒に夜の探検に行くのかしら?
> > 行くのなら、何か持って行く準備はしなくていいの?」
「大丈夫、必要なものは全てここに入っている。」
メイションはそういって胸のあたりをトンと叩いた。
> >「あなたぐらいの年齢なら、おにぎりよりお菓子の方が好きでしょうね。
> > それともお菓子より肉の方が食べたいのかしら。
> > 例えば生きの良い人間の肉とか」
「そうだね、例えばミクお姉ちゃんのお肉なら食べてみたいかも。」
ちなみにアルビノのメイションも瞳は赤い。
「今はお腹がすいてないから大丈夫だよ。」

164 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/25(金) 15:21:19 0
>163
>「そうだね、例えばミクお姉ちゃんのお肉なら食べてみたいかも。」
メイションの答えを聞いて、薄く笑っていたミクの笑みがわずかに深まった。
>「今はお腹がすいてないから大丈夫だよ。」
>「そう。それはなによりだわ。
> でも気をつけなさい。 ユリはそんな会話が好きではないから。
> 冗談でも口に出したら、小一時間ほど熱血お説教を受ける羽目になるわよ」
自分から話題を振ったことを棚に上げて、ミクはそう言った。

「お待たせー! どうどうこの服!
 やっぱり深夜のお宅拝見といえば、この服でしょ!」
くるりとその場で一回転するユリは、紺色の忍者服に紫色の頭巾をかぶっている。
肌の露出はほとんどなく、出ているのは目と纏めた髪だけという、気合の入った姿だった。
声を聴かないと、すぐにはユリだとわからないかもしれない。
>「よく似合ってるわ。 メイション君もそう思わない?」

そう感想を述べたミクが、ユリの髪を見て眉をひそめる。
>「蜘蛛の糸が取れかけてるわ。
> 今日のあなたに幸運を呼ぶから、きちんとつけておきなさいと言ったでしょう?
> またつけてあげるから、後ろを向きなさい」
「あれ?ほんと? さっきまではちゃんとついてたのになー」
ユリが首を傾げながら後ろを向くと、するすると天井から手のひらサイズの蜘蛛が降りてきた。
蜘蛛はユリの髪に取りつくと、糸を出してユリの髪に絡ませていく。
>「…これでいいわ。 多少暴れても外れないと思うけど、次は外れないよう気をつけなさい」
「ありがとー!今度は大丈夫だよ!」
蜘蛛を自分の腕に移動させたミクに、ユリはお礼を言った。

重々しい鐘の音が、寮の中に響き渡った。
消灯時間を告げる鐘の音だ。
「あ。もう消灯の時間なんだ。 もう行かなきゃ。
 ミクも一緒にお宅拝見に行く?」
ユリの質問に、ミクは首を横に振る。
>「遠慮しておくわ。 睡眠不足は美容の天敵だから」
そっかー残念、と言って、ユリは次にメイションに尋ねた。
「メイションはどうする? 一緒にお宅拝見に行く? それともここでエンカを待ってる?」

165 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/06/25(金) 21:40:51 0
>141
>「ええっ!セラエノさんって神様だったんですか!!そっか、神様も努力して勉強するのかー。
> だったら私達は、もっと勉強がんばらなくちゃね」
「……そうだねプロテインだね、じゃなくて。
 セラエノ嬢が神様って決まったわけじゃないだろう……?
 あくまで自称の域を出てないと思うんだが。
 まぁ、本当に神様だからって拝んだりはしないけどな」
鴉は神というものを信じていない。牧師やら僧侶やらが説く神は特に――。
神が本当にいて、聖職者連中が言う通りの存在なら何故自分のような存在がいるのか……
そう、自分の存在こそが神の否定であると鴉は強く思い込んでいたのだ。

>リリィは同情の眼差しをレイヴンに向けた。
……何だろう、この生暖かい視線と脱力してしまうような心配の仕方は。
普通はもうちょっと踏み込んだ部分を考えるのだが……リリィは天然なのかも知れない。
「そうだねプロテイン……二度目はなしですかそうですか。
 つーかさ、それって二重人格ってよりも……夢遊病つった方が良くないか?
 とにかく今の所は大きな問題になってないから。気持ちだけもらっとくよ」

「ああ、また後で……遅刻したら罰ゲームだからな?」
こういう場面でのこの手の発言は、言いだしっぺが遅刻するフラグだったりする……


>147
>たった3秒で...いや、3秒もかかった返事。呆れた顔になるクレイ
>あまりにもスッパリと言うものだから、あれ?これで良いのか?、と考えてしまったじゃないか
クレイの詰まり気味の返答に本気で目を丸くする鴉がそこにいた。
『え゛、違うの?』と視線だけで語りかける様は見事とすらいえる。
「おかしい、おかしいぞクレイ。俺とあんたの間で話が通じてないぞ。
 そんなバカな、逆転の発想は万国共通の認識のはずだろ?」
そんな認識はさすがのジルベリアにもない。

「いいかクレイ、物事を悪い方向に考えるとその考えが結果を呼び込んでしまうんだ。
 見つかったらと考えてしまうと、無意識の内に見つかってしまう様な動きになる。
 だから実際に見つかってしまうんだ……これは逆の考えでも適用されるんだぜ?」
理路整然と本人は話しているつもりなのだが、一般的な視点に立てば
いかにトンチキな事を言ってるのかが分かるだろう。
しかし鴉にとっては経験から来る『自分にとっての真理』であり、
また一つの思考に凝り固まってしまうと言うよくある停滞(ステイシス)に陥っているのだった。

「ま、迷惑だけは掛けないようにするさ。
 それじゃ、明日を無事に迎えられる様に祈っといてくれ」
手だけをひらひらと揺らして背中越しに檄を受け取る鴉。
かっこつけ極まりないが、当人にその自覚はない。


166 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/06/25(金) 21:43:28 0
>150
>「おうおうおう、ワンダフルな子だな!俺は人狼のグラディス・ウルフォード!(中略)
> コウとシルヴァ、それと桜花はどーすっよ?面白そーなんだがなー」
鴉は自分に割り当てられた部屋で目を瞑っていた。
横にならず、ドア近くの壁にもたれかかった状態で――――。
むろん何故か持っていた見覚えのない刀を握りながら、である。

鴉は熟睡と言う概念を知らない。無用心に寝ようものなら明日の朝日を拝む事など
けして出来ない、そんな後ろ暗い生活を物心つく前から行ってきた鴉は気づいたら
この体勢でなければ休息すら取れなくなっていたのだ。
しかも何がしかの気配を感じたら薄いまどろみは一瞬で払われ意識が完全に覚醒してしまう。
ましてやベッドに身を横たえるなど……殺して下さいと言っているような物なのだ。


167 名前:名無しになりきれ[age] 投稿日:2010/06/26(土) 08:51:15 0
.

168 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/26(土) 23:12:42 0
「こ、これは一体どういう事なの?」
今、リリィの目の前には、突如得体の知れない者が出現していた。

「や、やっぱりこれのせいかな?」
水濡れが心配で、開いて状態を確認したエンカの魔道書。
中の文章を何気なく読んでいたら、(リリィは文章を小声で出して読み上げる癖がある)突然目の前のこれが現れたのだ。
「あああ、あれ、悪魔召喚の本だったんだ、どどどどうしよう、代償に魂とか取られちゃうのかな?」
リリィはがくがく震えながら、アナルなんとかの本を抱きしめた。

悪魔は女の姿だった。
桜花よりも高い背、豊かで動くたびに煌く金髪。白く美しいドレス。淡く光る肌。
だが顔だけはなぜか真っ黒で、ただ目と口だけが赤く浮きあがって見えた。

【「・・・・・・・我は汝、汝は我」】
「悪魔に魂取られるなんてそんなの嫌―――― っ!!お願いですから早々にお帰りください!」
【「お前の願いを言え、どんなものでも叶えてやろう」】

「えっ、何でもいいの?じゃ、じゃあね」
【「うむ」】
「おっぱい!!!」
【「・・・・・・・」】
リリィと悪魔の間に、奇妙な沈黙が流れる。
「・・・・・・・お前の願いを言え、どんなものでも叶えてやろう」
「いや、だから胸のサイズを」
【「お前の願いを言え、どんn」】
「何よ――――!!どんなものでも叶えてくれるって言ったじゃないのよ――――っ!!
 まさか、悪魔でも不可能だとでも言うつもり――――っ!!」
悪魔はしばし沈黙した後、ようやく重い口を開く。
【「キーンコーンカーンコーン」】
その声はまさに、チャイムそのもの。
「ふ、ふざけないでよ――――っ!!」

「・・・・・・・あれ?」
次にリリィの目に映ったのは、【悪魔】ではなく窓から覗く月だった。
状況が飲み込めるまで、たっぷり5秒は掛かってしまった。
「何だ夢かー。あーあ、何あのひどい夢・・・・・・・・」

リリィは枕もとに置かれていた魔道書に目を留め、しばし凝視した後ぺちりと叩いた。
(こんなものを枕もとにおいて寝たから、あんな夢見ちゃったのね)
アナベル・ガトーの鍵。エンカが持っていた魔道書のタイトルだ。
あの時、リリィはいつもの癖で、魔道書の呪文を読み上げてしまった。
夢と同じように。
だが、実際には悪魔は現れなかった。何も起こらなかったのだ。
(きっと、悪魔召喚は魔法使いの卵程度じゃ無理なのね)
アナベル・がトーの鍵の本質を知らないリリィは、勝手にそう結論付けている。
「うわっ、もうこんな時間!!レイヴンさんの予言的中だよ!早く食堂へ行かなくちゃ!!」
リリィは縄を取り出したかと思うと、するすると窓から外に下りていった。
田舎育ちだけあって、まるで猿である。

「皆、遅れてごめん!もう集まってる?」
リリィは食堂の扉に張り付くと、そっと扉を開け中へ小声で呼びかけた。



169 名前:猫妖精グレン・ダイザー ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 00:03:57 P
右にゴロンと寝返りをうつフリード
全く同じタイミングで寝返りをうつグレン
左にゴロンと寝返りをうつフリード
やはり全く同じタイミングで寝返りをうつグレン
今日出会ったばかりとは思えないほど息があっている

「にゃ!?」
夜中に目が覚めるグレン
猫は夜行性なのでむしろ今の方が元気ハツラツである

「にゃあ」
必死に外に出ようとガリガリと扉をひっかくグレン
だが猫の爪程度じゃ丈夫な扉はびくともしない
扉をあけてもらおううとフリードの腕を血が出ない程度にかりかりするグレン
だがあいも変わらずすやすやと眠っているフリード
きちんと睡眠を取らなければ魔力は回復しない
魔力のない魔法使いなど単なる荷物でしか無い
故にフリードはきちんと睡眠をとるのだ
多分、今はどんなことをしても起きないだろう

どんどんどん………
という扉を叩く音が外から聞こえてくる
だが完全に眠りこけているフリードは全く反応しようとしない
「にゃ?」
扉を叩く主が誰なのか気になったグレンはそっと扉についている覗き穴を見た
そこでグレンが見たものは昼間自分をやたらめったら撫で回した縦ロールの少女であった
「にゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」
あっと驚くグレンダイザー
また揉みくちゃにされてしまうのだろうか?

「ちょっと!開けなさいな!フリードちゃん!!」
だが全く反応がないもしかしたら留守なのだろうか?
諦めた縦ロールの少女は女子寮の方向へ帰っていった
もしここでフリードが起きていて扉を開ければグレンがひどいことになっていたに違いない
彼女は猫という生き物に対して少々愛情過多なのだ
そしてそれをフリードが止めることはできない
何故なら彼女は親世代よりは下とはいえフリードの完全上位互換であり
大切な姉であり逆らえない存在であるのだ

「にゃあ?」
さてどうしようとグレンは考えた
彼は好奇心たっぷりの猫である
彼の好奇心はホビットにも負ける事が無いほどである
そんな彼が学園長のお宅訪問というイベントを見過ごせるはずもなく
どうにか主人に黙って参加しようと目論んでいたのである
だがしかし案山子、男子寮の扉は分厚く猫の身ではとても開けることはできない
「にゃあん………にゃ」
(どこかにいる猫の神様………僕に力を)
お空に浮かぶ月を見上げそう願うグレン
空から降ってくるダブルクレッセントハーケン
だが分厚い男子寮の屋根に阻まれてグレンの元まで届かない
っていうかいちいち降ってくるのかこれ?
そしてどんだけ丈夫なんだ男子寮の建物?
前作の簡単に打ち破れてた寮とは大違いである
果たしてこのまま次の日まで動けないのか?



170 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 19:16:57 0
>164
> >「そう。それはなによりだわ。
> > でも気をつけなさい。 ユリはそんな会話が好きではないから。
> > 冗談でも口に出したら、小一時間ほど熱血お説教を受ける羽目になるわよ」
「食べちゃいたいくらいキュートって言えば許してもらえるかも。」
> 「お待たせー! どうどうこの服!
なんやかんや待っていると、忍者服に着替えたユリがトイレから戻ってきた。
> >「よく似合ってるわ。 メイション君もそう思わない?」
「キュートだね。」

> 重々しい鐘の音が、寮の中に響き渡った。
> 消灯時間を告げる鐘の音だ。
> 「メイションはどうする? 一緒にお宅拝見に行く? それともここでエンカを待ってる?」
「僕もユリお姉ちゃんと一緒に行くよ。エンカ君の部屋はミクお姉ちゃんが調べてくれるから。」
食堂までの道すがらにメイションはユリに尋ねた。
「さっきのアレはなんだったの?」
メイションはユリとミクの“さっきのアレ”を思い出す。

> >『蜘蛛の糸が取れかけてるわ。
> > 今日のあなたに幸運を呼ぶから、きちんとつけておきなさいと言ったでしょう?
> > またつけてあげるから、後ろを向きなさい』
> 『あれ?ほんと? さっきまではちゃんとついてたのになー』
> ユリが首を傾げながら後ろを向くと、するすると天井から手のひらサイズの蜘蛛が降りてきた。
> 蜘蛛はユリの髪に取りつくと、糸を出してユリの髪に絡ませていく。
> >『…これでいいわ。 多少暴れても外れないと思うけど、次は外れないよう気をつけなさい』
> 『ありがとー!今度は大丈夫だよ!』

「何か魔法の効果でもあるの?蜘蛛の糸なんて、ただのお守りとして持つには気味が悪い気がするけどなぁ。」

171 名前:鋼&シルヴァ ◆ggGL1TiMOPu4 [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 21:34:30 O
「凄い散らかってるわね」
「まだ荷物の整理が終わってないんだよ」

辺りに散乱した私物を眺めながら、鋼とシルヴァは呟く。

「それで何を持っていくのかしら?」
「そうだな、俺はこの斬馬刀がありゃ十分なんだけど…今回は複数人数だし何があるか分からないから、応急手当て用の薬でも持って行こうとでも思ってるんだ」
「薬は私が持っていくわよ」
「ありゃ、そうか」

シルヴァの腰元には小さめの布袋がくくりつけてあった。
シルヴァの言葉が正しいのなら、その中に薬が入っているのだろう。
どうでもいいが、『ぬのぶくろ』であって『ほてい』ではない。

「そういや、応急手当て用の薬って具体的にどんなヤツなんだ?」
「擦り傷や切り傷に使う塗り薬とか、食中毒に使う解毒剤とか…市販されてる薬よ。
 あとは私用の血液パックね」

そう言ってシルヴァは布袋を開けた。
布袋の中には言ったとおり、市販薬とシルヴァが飲むための血液パックが入っている。
布袋の要領にはまだ少し余裕があるようだ。

「あれ?血液パックの数って結構少なくなかったか?」
「人間の血じゃなくて動物の血だからね、こっちは数残ってるのよ」
「そうなのか…俺は気付け薬代わりのブランデーでも持っていくか」

鋼は近くにあった箱をがさごそと探り、中から一本のブランデーのビンを取り出した。
ちなみに、安物のブランデーである。
未成年が酒を飲んでいいのか、という意見もあるだろうがまあ吸血鬼の血族だし問題ないだろう。

「…」
「悪魔でも気付け薬で持って行くんだから、今飲むんじゃないわよ」
「わ、分かってるよ」

じっとブランデーを見ていた鋼だったが、シルヴァから注意を受けると慌てて布袋の中にブランデーを入れる。
ブランデーをいれたことで、布袋は一杯いっぱいになったようだ。

「さて、そろそろ行きましょうか?
 片付けは明日でもいいでしょう」
「ん、おう」

二人は部屋を出て、食堂へと向かう。
消灯時間は過ぎてるので、こそこそと泥棒のように向かわなければならなかったのはここだけの話だ。
まあ問題なく着いたので詳しいことは割愛する。

「ついたついた、失礼するよ…っと」

鋼は辺りの様子を伺いながら食堂のドアを開けた。
すると、もう先に誰かが来ていたようだ。

「おっ、もう先客がいるのか。
 それじゃあ俺たちもここで待たせてもらうとするか」


172 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/06/27(日) 22:46:58 0
>>169
夜の静寂に紛れるようにそれは男子寮を覆っていた。
音もなく這いより、蠢き、更にその範囲を広げる茨。
植物の柔軟性と棘の硬質を併せ持ち、静に、誰にも気づかれる事なく…
そう、男子寮の誰もがその茨の存在に気付けなかったのだ。
確かに存在したにも拘らず。

ガチャリ…
フリードリッヒの部屋の扉の鍵が解除される。
物理的なものは勿論、魔法での施錠もされていたはずだが、茨はそれを開けてしまったのだ。
他の部屋には一切見向きをすることもなく、茨はフリードリッヒの部屋だけを。
目的の扉を開けた茨は勢いを増し、部屋になだれ込む。
音もなく、存在感もなく、ただ部屋に満ちていく。
グレンが気付こうとも爪を立てようともお構い無に!

結構ホラーな状況だが、それは唐突に終わりを迎えた。
部屋の半分ほどを覆い、ベッドにその先端が触れようとした瞬間、茨は消えてしまった。
まるで最初からなかったかのように、唐突に。
しかしグレンはそれが幻ではない事を知るだろう。
なぜならば、確かに部屋の扉は開いていたのだから。

############################################

>「はい、ではここまでにしましょう。」
薄暗い図書館で司書がパチンと指を鳴らして終わりを告げる。
司書の前には一冊の本を広げたセラエノ。
図書館に入ってから今まで、セラエノが何をしていたのか。
司書はセラエノに何をしたのか。
詳しくは省くが、端的に言えば進路指導だった。

>「ずいぶんと遅くなってしまったが、君にとっても重要な事だからね。証明書を書いてあげるから安心しなさい。」
「ありがとうございます。入学初日で大きな収穫がありました。」
>「それは良かった。その為の学園であり、その為に君は入学したのだからね。
>しかしまだ本質には遠く、むしろ今こそが危険な状態とも言える。
>これから先、学園で身につけていけば良い」
「はい。それでは。」
司書とのやり取りの後、セラエノは司書から証明書と本を数冊受け取り図書館を後にした。
既に消灯時間が過ぎていたが、それに見合う収穫があったと笑みを浮かべていた。



>「ふぅ…二回目で何とか…、ファンブルマン先生、お世話かけました。」
セラエノが去った後、図書館で司書が宙に向かい小さく呟いていた。

173 名前:クレイ◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/06/28(月) 02:53:02 0
>>151
>「・・・今、無理やり話を切ったな?
 私の前で隠し事が無意味な事がわからないのか?貴方の声色から・・・
 (以下、クドクドと説教)」
「はい、すみませんでした...」
案の定ばれてましたー、あははは...
言葉を発したらそれだけ長くなると考えたクレイはその説教をおとなしく聞くことにした

桜花の説教も無事に終わり、やっと解放されたクレイ。説教の内容が途中で音楽やら楽器やらに変わったのはさすが桜花といったところか

>>165
>「おかしい、おかしいぞクレイ。俺とあんたの間で話が通じてないぞ。
 そんなバカな、逆転の発想は万国共通の認識のはずだろ?」
「知らんがな、そんなことは」
>「いいかクレイ、物事を悪い方向に考えるとその考えが結果を呼び込んでしまうんだ。
 見つかったらと考えてしまうと、無意識の内に見つかってしまう様な動きになる。
 だから実際に見つかってしまうんだ……これは逆の考えでも適用されるんだぜ?」
「あ〜、言いたいことはわかるよ。心境滅却すれば火もまた涼し、ってことわざと似た様なものだろ。多分。
だが、熱いものは熱いのと同じで見つかるときは見つかるものだ。まぁ、それは相手のセキュリティー次第だな」
>「ま、迷惑だけは掛けないようにするさ。
 それじゃ、明日を無事に迎えられる様に祈っといてくれ」
「ああ、じゃあな」
そう言うと、レイヴンは去って行った
あいつが迷惑を掛ける、ってどんなときだろう?

ここに居た連中は各々他の場所に行ったので、クレイは寮に向かった

荷物の整理が終わったクレイは、シャワーを浴びるとすぐにベットの中に入った
「相変わらず早く寝ますね。昼寝をしたくせに」
トレスが話しかけてきた
「仕方ないだろ、俺は一日十時間位寝ないと気が済まないんだから」
これはただの性分だ。だから別に睡眠時間がそれ以下でも支障は無い。ただ、機嫌が少し悪くなるだけだ
「まぁ、いいですけど。それではお休みなさいませ」
「ああ、お休み」
クレイはそう言うと、ランプの火を消した

174 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/06/28(月) 02:54:14 0
>168
>「皆、遅れてごめん!もう集まってる?」
リリィが中へ入ると、視界の端に小さな火があった筈だ。
小声の呼びかけで、その火はゆらりと動く。
それは火の玉でもなんでもなく、よくあるろうそくの火だ。
ろうそくの火はゆらゆらと揺れながら、持つ人の姿を僅かに暴いている。
学ランを着た、背の高めな男子生徒。
彼はフンと息を鳴らして口を開いた。

「……そこの女生徒。もう消灯時間すら過ぎているが、何をしに来た?
 この魔法学園に危ないものは沢山在ると知っているだろうが。危険に会いたいというのなら――ん?」
ろうそくが持ち上げられ、今度はその人の顔が見える。
目深に被ったニット帽と、その間から覗く青い髪。瞳も見えるのなら、それは澄んだ青色だろう。
そして眉間に刻まれた深い皺は気難しそうな雰囲気を醸し出していた。

「誰かと思ったらリリィちゃんか。遅かったな、ドン臭い奴め。
 ボーっと突っ立っているくらいなら入ってこい。……どうした?俺の顔に何か付いているのか?」
怪訝に目を細めてから、ああ、とすぐに納得した表情になる。
そして彼はおもむろに、『青い髪ごと』ニット帽を脱いだ。
出てきたのは茶髪と、とても特徴的な――狼の耳!
「ああ、悪いな……変装しているのを忘れていた。目にもカラコン入れてるからな、お前に分かる筈も無い。
 それとも……分かるか?俺だ、グラディス・ウルフォード。人狼のグラディスだ」
くつくつと笑いつつ、自身の正体を明かす彼――グラディス。
人とは違う頭の耳をピコピコ動かして、思いがけない悪戯が成功したことに喜んでいた。

グラディスはリリィを招き入れると、あからさまに昼とは違う口調で話を続けていく。
「万が一誰かに見つかったときに、まんまの姿ではバレるだろう?そのときの為の変装だ。
 用心してしすぎることも無いしな……ん、何だ?違うか?
 寧ろ退学の可能性だってあるのに何の準備もしない奴の方が驚きだ」
心底馬鹿にしたように鼻で笑う、変貌し切ったグラディス。
未だに不思議そうにしているリリィに気付き、さらに説明を付け加える。
「……そうそう、話し言葉でもバレかねんし、口調も変えておいた。
 『出来るだけ正体を隠してかつ堂々と調査を行うための口調変更薬』、略して『口調変更薬』のおかげだ。
 決して二重人格だとか、これが本性だとか、またまた違う魂だとかいう話じゃあない。
 ちなみに一ダース20ガリオン(約2万円)……ちと値が張ったが、効果は抜群だな」
変わったのは口調だけではなさそうではある。

>171
>「ついたついた、失礼するよ…っと」
ドアの開く音に反応してグラディスが振り向くと、また誰かが入ってきていた。
>「おっ、もう先客がいるのか。
> それじゃあ俺たちもここで待たせてもらうとするか」
「その声はコウか、シルヴァも居るみたいだな。まあいい、とっとと入れ。
 ……そうだ、誰か口調変更薬が欲しい奴はいるか?念のためにもう二本持ってきた。
 欲しければやるぜ、しかしどんな口調と化すかは予想も付かないがな」
青毛カツラ付きニット帽を被りながら、グラディスは全体に問いかけてみる。

175 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/06/28(月) 15:45:21 0
>「じゃあ皆、おやすみなさい。総帥の御宅見に行く人は、後で食堂集合だからね〜!」
「あぁ、では、みんなまた後で・・・」
自室へと帰っていく桜花

――自室にて――

(制服じゃ動き辛いだろうからな・・・うん、これだな)
桜花は部屋で着替えをしている
その横では楽器たちがトランクの中に入ったり出たりしている
(えっと・・・コンバスとヴァイオリンは当然だな。
 管楽器は今回はお留守番・・・いや、フルートは入れよう
 打楽器はうるさいから全部出して・・・あ、フルートもやっぱりやめた)
桜花の思考に合わせて楽器たちは右往左往する
そうこうしているうちに部屋がどんどんと散らかっていく
(・・・うーん・・・ずいぶんと汚くなってしまった・・・
 ま・・・いいか・・・後でかたずければ・・・)
整理整頓?なにそれ?おいしいの?
(しまった・・・湯浴みをしてから着替えればよかった・・・
 でも眠いしな・・・いいや、寝よう)
部屋がずいぶんと汚れたが気にせずベットに横になる桜花。少し疲れもたまっていたのだろう
すぐに眠ってしまった

――現在――

「ハァ・・・ハァ・・・」
桜花は食堂へと急いでいた。もちろん見つからないようにだが
原因はというと・・・
(やっぱり、寝る前に湯浴みをしておくべきだった・・・
 寝汗をかくこともちゃんと考えておけば・・・それに、せっかく着替えたのに
 そのまま寝たから服がしわクチャになってしまった・・・もぅ・・・)
起きた後桜花は自分の自堕落さを呪いながら再び準備してたのである
そのせいか、髪はまだ若干濡れているし、白いシャツはズボンから飛び出ているし、
黒いジャケットの襟は片方が内側に丸まっている
しかも慌てていた桜花は準備していたいつものトランクではなく
後でトランクの中にいれようと思っていた、コントラバスだけを背負っているのである
しかし、急いでいる桜花は気づかない

ようやく、食堂へと着く
「・・・・」
周りの音を注意深く聞く桜花。何も聞こえない事を確認するとゆっくりと扉を開ける
「遅くなったすまない・・・」
中にはもうグラディス、リリィ、鋼、シルヴァが居た

176 名前:ルイーズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/28(月) 23:30:19 0
「あぁん、ここにも地下への階段は無し、と」
床に置いたカンテラを持ち上げた人影は、手元の地図にバツ印をつけ、立ち上がった。
白い壁に映し出されている巨大な影の頭では、ツインテールに結ばれたリボンが揺れている。

「・・・・・・ふぅ。掲示板を見たときに「これは!」と思いましたけれど、
 地下への階段発見までには意外と手間がかかりそうですわね〜」
彼女の名前はルイーズ。(時折ルイージと名乗るが、今あまり関係ないので割愛する)
ルイーズは、本日魔法学園に入学したばかりの新入生だ。
ファンブルマンが出した掲示板の依頼が面白そうだったので、消灯後の今この場に居る。
もちろん彼女とて、夕食の時、知り合った何人かを地下探検ツアーに誘ったものの、
皆尻込みしたり曖昧に濁されたりと、いい返事が貰えなかった。
多分、入学したばかりで余計なトラブルを起こしたくないのだろう。

「今日はもうこのくらいにして、明日、ファンブルマン先生とやらに情報を貰いに行ったほうがいいのかしらん?」
寮の地図は持っているが、案内図に隠し通路まではさすがに載っていない。
・・・・・・・カンテラを持った少女は、早くもあきらめモードのようだ。

口に咥えた魔法ペンをぴこぴこさせていたルイーズだったが、人の気配を感じ、物陰へと飛び込む。
(消灯時間は過ぎていますのに。誰かしら?こんな夜中にほっつき歩いているのは)
完全に自分の事は棚にあげているようだ。

このまま通り過ぎれば良し。
違っていたら、「消灯後なのに、なぜあなたはこんな場所をうろうろしているの?早く部屋に戻りなさい!」
と逆切れしてうやむやにする作戦のようだ。


177 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6[sage] 投稿日:2010/06/29(火) 01:54:31 0
消灯を告げるチャイムの音が全校に鳴り響く。
それが合図となって、まどろみよりも深い眠りに落ちる事の出来ない
鴉の意識を完全に覚醒させた。途中で起きなかったと言う事は、
来客の類はなかったのだろうと思う。
鴉は自分のその悪癖じみた習性を信用していた……だから今も生きている。

明かりと音の消えた寮内を、音もなく駆け抜ける。
実際には音は出ているのだが、桜花レベルの聴力がなければ聞き取れないほど小さい。
鴉も仕事柄耳も鍛えているがついぞ自分の足音を聞けたためしがない。


>168>171>174-175
「すまん、やはり遅れたな」

既に集まっていた全員が気づいた時にはそこに鴉はいた。
別に無意識下で時間を操作したわけでも、初めから食堂にいたわけでもない。
ただ、気配を消して食堂に音もなく入っただけである。
これもまた鴉の職業病とも言うべき悪癖……当然の様に自覚もない。

>「皆、遅れてごめん!もう集まってる?」
「いや、俺の方が遅れたから問題ない。
 ……それに、まだ着てないのもいる」
淡々と事実だけを述べる鴉。そこには人を安心させようとか言う意思がまるでなかった。
内容も相まって、いたずらに不安を掻き立てるような状況になってしまったが
発言者である鴉はその事に気づいてなかった。

>「おっ、もう先客がいるのか。
 それじゃあ俺たちもここで待たせてもらうとするか」
鴉の途切れ途切れの記憶には存在しない二人組。
周囲の様子から察するに、彼らも新入生でこの中の誰かと知り合いらしい。
「……あんた達も参加するのか。思ったよりも大所帯になりそうだな。
 まぁいいさ、お互い初対面だ……先に自己紹介を済ませておこう。
 俺はレイヴン、あんた達は?」

>青毛カツラ付きニット帽を被りながら、グラディスは全体に問いかけてみる。
グラディスはやけに用意周到だった。変装した上に口調まで変えているのだから。
「……俺は遠慮しておく。そういうものに頼ると……鈍るからな。
 それに、そこまでやっても気づく奴は気づく……道具のせいにはしたくない。
 一応その類には自信があるしな……まぁ、通用するかは別として」

口ではそういうものの、鴉が変装やら何やらをした事は、『実地』では一度もない!
ただ訓練を受けさせられただけである……そんな事をしなくてもいい理由が
すぐに見つかったから訓練すらまともに受けてないと言う嬉しくない後日談つきで。

>「遅くなったすまない・・・」
「気にするな……奏 桜花、だったっけ?
 ここにそんな小さな事を本気で気にする様な奴はいない……よな?」
言ってて途中で自信なくすなら言わなきゃいいのに……
つい勢いだけでものを言ってしまうあたり、今の鴉も若造だった。

「……ところで桜花嬢、何だかとっ散らかってるような身なりだが……
 服装や髪型は乱れているし、昼に見たトランクも持っていないしで……
 はっ……まさか、誰かに襲われたのか……!?」
リリィの勘違いが感染を始めたか、鴉がとんでもない事を言い出す。
いつでも抜き放てるように刀に手をかけ、殺気すら漂わせ始める始末。

178 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/06/29(火) 16:42:24 0
>168 >170-171 >174-175 >177
>「さっきのアレはなんだったの?」
「んん?あれって?」
>「何か魔法の効果でもあるの?蜘蛛の糸なんて、ただのお守りとして持つには気味が悪い気がするけどなぁ。」
最初は意味が分からなかったユリも、続く言葉でアレがなんだったのか理解した。
「んー、よく知らないんだけど、ミクって占いとか好きらしいんだよね。
 でもって、陰陽術と八卦を組み合わせた、ミク開発のまったく新しい占いによると。
 今日の私のラッキーアイテムは蜘蛛の糸!
 ラッキーカラーは紫!なんだって」
ユリはミクから聞いたままの事をメイションに説明した。

「私は魔法の事は全然わからないけど、特にそんなことは言ってなかったから普通の蜘蛛糸じゃないかな。
 そうそうそれから、気味悪いなんて言ったら蜘蛛に失礼だよ。
 蜘蛛だっておけらだってアメンボだって生きてるんだから。
 まあでも、蜘蛛嫌いな人多いからねー。
 ミクみたいに蜘蛛飼ってる人ってほとんどいないし。
 よく見たら結構かわいいと思うんだけどなー」
メイションに魔法を調べる能力があれば、蜘蛛糸から魔法の力を感じ取れるかもしれない。
それは探知系の魔法に近く、少なくとも人に害をなす類のものではない魔法だ。

「うひゃー、遅刻遅刻。みんな待ってるかなー!」
消灯後の寮を抜け出すのに手間取ったこともあり、待ち合わせの時間に少し遅れてユリたちは食堂に到着した。
入ろうとして少し戻り、掲示板から学園案内図だけ持ち出すと、ユリは元気よく食堂に入る。
「お待たせー!遅いくなっちゃってごめんね!
 いやー、思ったより準備に手間取っちゃってさー。
 みんなもう集まってるかな?
 あ、これ学園案内図。 この中のどこかにベッドフォード財団総帥が…」
机の上に案内図を広げた所で、ユリも刀に手をかけて殺気を放つレイヴンに気付く。

「なになにどったの?……はっ!まさかもうベッドフォード財団の刺客に襲われたの!?
 大丈夫!?桜花! どこにもケガはない!?
 ここに逃げてくるまで尾行とかされなかった!?」
勘違いは時に病気と同じく感染する。
ましてそれが勘違い増幅器のユリならこんなものだ。
レイヴンの視点から相手が桜花だと素早く感じ取ったユリは、桜花の肩を掴んで問い詰め始めた。

179 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/29(火) 19:28:12 0
>172
「いよう。」
エンカがセラエノとばったり出会ったのは、セラエノが図書館を後にした直後だった。
「おっと、そう構えるなよ。さっきのアレのことならよぉ、
 俺はもう立ち直れてるから。ここに来たのは偶然なんだぜ〜?」
“さっきのアレ”とはエンカがセラエノに付き合ってくれと言った件だ。
ついでに、セラエノに“No”とふられた件でもある。
「お前の言うことも一理あると思うからよ〜。
 とりあえず友達ってことでいいか?
 まぁ、お前がどう思おうとも俺はそのつもりだけどな〜。」
ところで、消灯時間を知らせる鐘の音は既にエンカも聞いていたが、
その意味するところを誰もエンカに教えなかったらしい。
仮に知っていたとしても、エンカは部屋には戻らないだろうが。
「ちょっとわけありでよ〜、学園に来ている俺のおじさんを探してるんすよ。
 俺のお袋の歳の離れた弟で、まだ子供っすよ。奇妙だけどなぁ。」
エンカの手にはアルビノの少年の写真が握られていた。
「おっといけねぇ!これじゃあお前に探すのを手伝ってほしいみてぇな言い方だよな〜。
 まぁ、セラエノが俺につきあう義理はねぇよな〜。俺の身内の話だしよ〜。

 …もしも手伝ってくれるなら、このテンプレートを見たほうがいいかもな〜。」
そう言ってエンカは取り出した資料をひらひらさせた。


名前・ ファン・メイション(黄美生)
性別・ 男
年齢・ 8歳程度に見える年齢
髪型・ 白のショートヘヤ
瞳色・ 赤
容姿・ アルビノなので白い
備考・ エンカ・ウォンの叔父(エンカの母の弟)
うわさ1・ 魔法の射程距離が2m、と女子生徒に話していた。

180 名前:メイション ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/06/29(火) 19:29:11 0
>178
ユリがミクの占いの話をしても、メイションはにわかには納得しなたっか。
> 「私は魔法の事は全然わからないけど、特にそんなことは言ってなかったから普通の蜘蛛糸じゃないかな。
>  そうそうそれから、気味悪いなんて言ったら蜘蛛に失礼だよ。
>  蜘蛛だっておけらだってアメンボだって生きてるんだから。
>  まあでも、蜘蛛嫌いな人多いからねー。
>  ミクみたいに蜘蛛飼ってる人ってほとんどいないし。
>  よく見たら結構かわいいと思うんだけどなー」
「ユリお姉ちゃんって…そう…ユーモアがあるんだね。」
メイションは慎重に言葉を選んでそう言った。
ちなみに、メイションには魔法を調べるための直接の能力は無い。
ジョン・ボン・ジョビ戦も、単純な状況判断で魔法の正体に気づいただけである。

ユリとメイションは皆から送れて食堂に入った。
> 「なになにどったの?……はっ!まさかもうベッドフォード財団の刺客に襲われたの!?
>  大丈夫!?桜花! どこにもケガはない!?
>  ここに逃げてくるまで尾行とかされなかった!?」
> レイヴンの視点から相手が桜花だと素早く感じ取ったユリは、桜花の肩を掴んで問い詰め始めた。
「待って!この人はユリお姉ちゃんだから!」
刀を持って殺気を出すレイブンにメイションが叫んだ。
そうしなければ、変装したユリをそうと気づかずレイブンが斬ってしまいそうに見えたからだ。
「みんな落ち着いて!まずはこのお姉ちゃんの話を聞いてあげようよ!冷静に。」
メイションは、ひとまずオウカから事情を聞くべきだと提案した。

181 名前:猫妖精グレン・ダイザー ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/06/29(火) 19:49:33 P
>172
>ガチャリ…
開く寮の扉
部屋に雪崩れ込むは謎の茨

「う〜ん…う〜んグレンが人間の男の子に…………しかも僕よりかわいいし」
どうやらフリードは悪夢をみているようだ
動物好きにとっての最大の悪夢
それは愛する動物が擬人化キャラになってしまうことである
しかもよりにもよって男である
よく漫画だとこういうシュチュエーションの場合
簡単に受け入れるが真の動物好きなら早く元の動物の姿に戻ってくれと願うことだろう
端的に言えばフリードは猫耳キャラより猫そのものが好きということである

「にゃにゃ〜ん」
(ちゃ〜んす♪)
おビラが空いていると確認するとすごい勢いで脱走するグレン
何故扉が開いたかなんて関係無い
ただひたすら集合場所に走るグレン
室内外の猫が外に脱走しようとする行為への執着心は異常である

>176
「にゃあ?」
知らない女の子を見つけたグレン
だが今は特に用事はない
「にゃあん」
そのまま食堂の方へ行くグレン

>168>171>174>175>177>178>180
そして食堂である
「にゃにゃにゃ〜ん」
どうやらもう何人か集合しているようである
多分何人かはグレンを見てフリードのことを探すだろうが
何処を捜したとしてもグレンしかいない
主人ほっぽりだして使い魔だけイベントに参加しようという
超下克上的行為である
まあフリードは今完全にヨガの眠りに入っているから仕方が無い
中途半端に起こしても戦力にはならないだろうし
そもそも今は全裸である気がついても着替えるのに時間がかかるだろう

「にゃにゃにゃ〜にゃにゃにゃ?」
(もう全員そろったの?)
と問いかけるグレン
だが殆どの人間はケットシー語を理解出来ないであろう

>「なになにどったの?……はっ!まさかもうベッドフォード財団の刺客に襲われたの!?
 大丈夫!?桜花! どこにもケガはない!?
 ここに逃げてくるまで尾行とかされなかった!?」
「にゃな〜?」
刺客という言葉を聞いて全身黒タイツでイーと鳴く人形の生き物を想像するグレン
だが別にベッドフォード財団はショ●カーでは無い
世界征服という名で全人類の面倒を見てくれるボランティアをしてくれる団体ではないのだ
>「待って!この人はユリお姉ちゃんだから!」
>「みんな落ち着いて!まずはこのお姉ちゃんの話を聞いてあげようよ!冷静に。」
グレンは猫だからか状況が全く理解できなかった


182 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 04:34:21 0
>171 >174-175 >177-178 >180

>グラディス
食堂に居たのは、学ランを着た、背の高めな男子生徒だった。
ニット帽と青い髪が印象的だ。目の色は暗くてよく分からないが、明らかに不機嫌そうだ。
>「……そこの女生徒。もう消灯時間すら過ぎているが、何をしに来た? 
> この魔法学園に危ないものは沢山在ると知っているだろうが。危険に会いたいというのなら――ん?」 
(うわー、 どうしようどうしよう、こんな時、何て言い訳すればいい?おなかすいた?忘れ物?)
リリィはぐるぐると言い訳を考えている間に、男子生徒はろうそくを軽く持ち上げた。
>「誰かと思ったらリリィちゃんか。遅かったな、ドン臭い奴め。 
> ボーっと突っ立っているくらいなら入ってこい。……どうした?俺の顔に何か付いているのか?」 
「あの・・・・・・・?どこかでお会いしましたっけ?」
目の前で男子生徒が『青い髪ごと』ニット帽を脱いだ。リリィの顎ががくんと落ちた。
 「バカバカ、寿命が縮んだじゃないのよ!!」

グラディスによる変装の重要さを黙って最後まで聞き終えたリリィ。
素でも二重人格でもないと本人は語っているので、
「じゃあ、グラディス君って、ネリーさんが傍に居ないといじわるさんなんだね」と結論付けた。
どう見ても口調変更だけの薬じゃないです本当にありがとうございました。

>鋼
>「おっ、もう先客がいるのか。 
> それじゃあ俺たちもここで待たせてもらうとするか」 
リリィはぺこりとシルヴァに会釈した後、鋼に
「なんかお姉さん、生き生きしてない?もしかして、こういう探検とかお好きなの?
 それと口調変更薬って聞いたことある?」
リリィはちらっとグラディスの方を見た。
「どう見ても変わったの口調だけじゃないよねぇ?」

>レイヴン
>「……あんた達も参加するのか。思ったよりも大所帯になりそうだな。」
「う(モゴモゴ)・・・・!!レイヴンさん、気配消さないで下さいよ!っていうかいつから居たんですか!」
悲鳴をあげなかったのは、咄嗟に口を押さえたからだ。

>桜花
「遅くなったすまない・・・」 
>「気にするな……奏 桜花、だったっけ? 
> ここにそんな小さな事を本気で気にする様な奴はいない……よな?」 
「うん、私もたった今来たんだよ〜。それよりどうしたの?その格好は・・・・・・・」
>「(略) はっ……まさか、誰かに襲われたのか……!?」 
「な、なんだってー!!」

>ユリ、メイション、グレン
バタンと音を立てて、食堂の扉が開いた。
入ってきたのはタイトな服を顔を隠せる帽子を被った人と、白い男の子。そしてグレン。
「メイション君?!ってことはつまりこの人は・・・・・・・ユリさんと見せかけて実はエンカ?」
グラディスの変貌ぶりを目の当たりにしたリリィは、変なところで用心深くなっている。

>「にゃにゃにゃ〜にゃにゃにゃ?」 (もう全員そろったの?) 
「全員・・・・・・かな?グレンは疲れて寝てるフリード君のお使いで来たの?偉いねぇ」
リリィはグレンの頭を撫でた。

>「みんな落ち着いて!まずはこのお姉ちゃんの話を聞いてあげようよ!冷静に。」 
「桜花さん、お水だよ」
リリィは水筒の水を差し出した。
「尾行の心配は多分無いんじゃないかな?桜花さんなら、追っ手の足音くらい聞き分けられるだろうし」

183 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 04:35:04 0

「桜花さんの件ですっかりうやむやになっちゃってたけど、
 『出来るだけ正体を隠してかつ堂々と調査を行うための口調と性格変更薬』だったっけ?一ダース20ガリオンの。
 グラディス君が二本余分に持ってるんだって。欲しい人手を挙げて!」
リリィはさっと手を挙げた。人数が多ければくじ引きになるだろう。

リリィはユリが持ってきた学園地図を眺め、うーんと唸った。
「私、今日ゴブリンに撃墜されるまでは箒で空を飛んでいたのね。
 だから、上空から学園全体を一度見てるんだ。
 いくつか地図には載ってない建物がある・・・・・・・気がする。こことか、ここ」
リリィは地図の上の何箇所かを指で押さえた。
「あと、森の中に石畳が敷かれた道もあった気がする。なんか、大きいお屋敷みたいなところに続いてた。
 大きいから寮か何かかな〜と思ってたんだけど、こうして地図で見ると、違うみたいだね」
リリィはこの先の話は、頭のいい人に任せることにした。

「そういえばメイション君、エンカと一緒じゃないんだね。無事会えたの?」
リリィはメイションの話を聞き、気の毒そうな顔をした。
「大変だったね。私もエンカに用があったんだけどな〜。
 ・・・・・・そうだ!もしかしたらエンカ、掲示板をチェックしに来るかも!!」
リリィはいそいそと筆記用具を取り出し、『エンカへ。本を預かっています。リリィ』と書き込んだ。
「メイション君もエンカ宛に伝言残しておく?」

184 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:38:36 0
>179
図書館から出た直後、エンカに声をかけられ抱えていた本をお手玉してしまった。
何とか本を落とさずに抱える事に成功したが、どうやらこれが身構えたととられたようだ。
いや、実際に身構えてしまっているのだが。
先ほどの告白の険で集中出来ずに図書館に来て落ち着いたというのに、すっかり台無しになってしまった。
正直今はまだ顔を会わせたくなかった、と思う余裕もないほど突然の出会いだったのだから。

挨拶位しなければと思いつつも言葉が出てこない。
そんなセラエノに気を使ったのか、エンカが友達宣言をする。
お陰で落ち着きを取り戻し、一つ咳払いをしてから言葉を紡ぐ。
「友達というものは宣言をしてなるものではありません。
お互いの信頼関係の積み重ねによって自然と成り立つもの。
私の故郷カナンには『袖触れ合うも他生の縁』という事場があります。
私にとってもあなたは友達です。」
もってまわした言い方しか出来ないのはセラエノのサガ。
要するに勿論私も友達と思っているわ。
と言っているだけなのだ。

毅然として言い放ったセラエノだが、内心はかなりドキドキしていた。
無事に台詞を言い終えた。
そしてモヤモヤしていたものがこれで解消された、と。
突然の再会だったが、安堵の息と共にエンカへの感謝を感じていたのだ。

その後、エンカがおじを探していると話すが、セラエノはあまり興味を引かなかった。
いや、正確に言えばエンカのおじを探すという目的よりも優先すべきものがあるからだ。
「エンカ、友達として忠告するわ。
既に消灯時間は過ぎており、本来外出して良い時間ではないのよ。
この時間に闇雲に探すより、朝になってから…」
そう、セラエノの最優先すべきものは規律。
そして合理性。
消灯時間が過ぎたのであれば出るべきでなく、手がかりもなく慣れない学園を探し回ったとてどれほどの効果があるというのだろうか。
故に協力するにしても朝からであり、エンカには部屋に戻るように勧める。
それが正しき理なのだから。

しかしそんな理を無造作に蹂躙するものもまた存在するのだ。
>「おっといけねぇ!これじゃあお前に探すのを手伝ってほしいみてぇな言い方だよな〜。
> まぁ、セラエノが俺につきあう義理はねぇよな〜。俺の身内の話だしよ〜。
> …もしも手伝ってくれるなら、このテンプレートを見たほうがいいかもな〜。」
そう言って渡された資料と写真を見てセラエノの台詞は止まる。
「……!!!!か…、ん!んん!!」
発しかけた言葉を強引に咳払いで閉ざすと、きっとエンカを見据える。

「エンカ、こんな美…幼い子が遥々会いに来たというのにまだ会えないだなんて!
見知らぬ土地でどれだけ心細いか…胸が潰れそうだわ!
事態は一刻も争うから、一緒に探しましょう!今すぐ!
消灯時間?許可証はもらってあるから大丈夫!
美少…メイションからメッセージがあるかもしれないから、まずは掲示板よ!」
先ほどの台詞はなんだったのか?
凛とした口調でメイション捜索を宣言し、エンカを置いていく勢いで歩き出した。

アルビノの少年。真っ赤な瞳。
それでいて美少年とくれば希少価値も相まってセラエノが放って置けるはずがないのだから。

「ところでエンカ。最初に出会ったときから気になっていたのだけど、どうしてそんな面白い髪型をしているの?」
余闇の中、セラエノが歩きながらエンカに尋ねた。

185 名前:ルイーズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/01(木) 18:16:45 0
>176
「むむっ、視線?!」
ルイーズは振り向いた。そこには一匹の猫がいた。
>「にゃあん」 
「なんだ、ただの猫でしたわ〜」
正確にはただの猫ではないのだが・・・・・・・残念!今日フラグは立たなかった!!

「ホント、どこに行けば地下への階段に行けるのかしら〜ん?
 ん〜。ここはナナシ精霊を召喚して、行き先を問うべきかしらっ?」

>184
足音を聞きつけ、ルイーズは物陰に隠れた。
珍妙な髪形をした男子と、仮面をつけた女子らしき組み合わせだ。
「ははーん」
二人の姿を見たルイーズはにやりとした。
消灯後。
そして人目を忍びそっと夜男女が逢う。
「なんて言ったら、することは一つしかないですわね〜。
 でも消灯後ですから、学生とばれたら面倒ですわね〜・・・・・・はっ!そうだわ!」

「ねえねえ、そこのらぶらぶカップルのお2人〜」
先を急ぐセラエノとエンカの前に、ざっと人影が立ちはだかった。
その人影は、やたらと頭が大きかった。
近くで見れば、それが猫人の顔をしているとわかるだろう。
そう、ルイーズは得意の変身能力で、三毛猫タイプの猫人に変身したのだ。

「デート中悪いニャ、ちょっと道を聞きたいニャ」
逢引していると誤解したルイーズは、2人が自分と同じ新入生とは思ってもいないようだ。
「そんな照れること無いニャ。わたくしはただ、寮の地下に続く階段を探してるだけニャ。
 道を聞けばすぐにも消えるニャ。先輩方、何か知ってることは無いかニャ?」



186 名前:メイションとエンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/01(木) 21:44:27 0
>183
> 「そういえばメイション君、エンカと一緒じゃないんだね。無事会えたの?」
メイションは今までの経緯を簡単にリリィに説明した。
> 「大変だったね。私もエンカに用があったんだけどな〜。
>  ・・・・・・そうだ!もしかしたらエンカ、掲示板をチェックしに来るかも!!」
> リリィはいそいそと筆記用具を取り出し、『エンカへ。本を預かっています。リリィ』と書き込んだ。
> 「メイション君もエンカ宛に伝言残しておく?」
メイションはリリィから筆記用具を借りてこう描いた。
『エンカ君へ
 リリィお姉ちゃんやユリお姉ちゃん達と一緒にベッドフォードさんのところへ行きます。
 早くこないと二人とも僕が食べちゃうぞ。美生おじさん』
「ほんのジョークだよ。」
メイションはそうお断りを入れた。

>184
その頃のエンカ達。
なんだか様子がおかしいが、セラエノがメイション探しを手伝ってくれると聞いてエンカは喜んだ。
「さすがセラエノちゃん!協力してくれると思ってたっすよ!
 そこに痺れる憧れr  ははは、ちょっと待ってくれよ〜。」
エンカを置き去りにしかねない勢いで歩くセラエノを追いかけるエンカ。
> 「ところでエンカ。最初に出会ったときから気になっていたのだけど、どうしてそんな面白い髪型をしているの?」
> 余闇の中、セラエノが歩きながらエンカに尋ねた。
「別におもしろおかしくするためにこの髪型にしてるわけじゃないっすけど…
 これは俺の尊敬する人。男の中の漢。Gay in the Man(ガイ?・イン・ザ・マン)の髪型なんすよ。
 まぁ、つまりその人へのリスペクトでこの髪型にしてるんだぜ〜。」
決して名前が“演歌”だからとかいう安直な発想ではないのだ。断じて!
「だからこの髪型をけなす奴がいたら、めっちゃ許せねぇよな〜。」
“面白い”という表現はなんとかセーフのようだ。
「ところで、お前の故郷のカナンなら、お袋から話を聞いたことがあるぜ〜。
 乳と蜜あふれる約束の地なんだってな〜。俺も一度行ってみたいっすよ〜。」

>185
> 「ねえねえ、そこのらぶらぶカップルのお2人〜」
> 先を急ぐセラエノとエンカの前に、ざっと人影が立ちはだかった。
「何っすか?」
らぶらぶカップルという言葉は否定しない男、エンカ・ウォン。
> 「デート中悪いニャ、ちょっと道を聞きたいニャ」
「ははは、やっぱりそんな風に見えちゃうのかなぁ俺たちよ〜(笑)」
デート中という言葉を聞いて悪い気はしない男、エンカ・ウォン。
> 「そんな照れること無いニャ。わたくしはただ、寮の地下に続く階段を探してるだけニャ。
>  道を聞けばすぐにも消えるニャ。先輩方、何か知ってることは無いかニャ?」
「知らないっすよ。掲示板に書き込んでおけば誰か教えてくれるんじゃないっすか?
 それと、俺達は先輩なんて言われるもんじゃないっすよ。
 俺達は今日入学したばかりの新入生だぜ〜。」

187 名前:ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo [sage] 投稿日:2010/07/02(金) 17:10:19 O
【フィジル諸島 ベッドフォードの邸宅】

「……原典は収められていなかったと言うのだな…」

「はっ…図書館地下の『禁書の間』なる場所をくまなく探しましたが それらしき物は何も…」

老人は壁一面ガラス張りの窓から外を眺め 申し訳なさそうに報告するオワゾーの方を一瞥すらしない

「あれは散らばった遺物を回収する為にも最優先で確保せねばならぬ物だ
構わぬ 図書館を閉鎖してでも探索を開始しろ
必ず収められている あの場所以外あれを保管できる所は無い」

「はい、一般区域より下層の書棚は既に閉鎖しており……
その…調査班が到着し次第 探索を開始致します…」

「そうか なら当面は写本にて探索を行う他あるまい
オワゾー 原典の確保はお前に任せる」

「そうだ、そろそろ彼女にも新たな仕事を与えねばならん
オワゾー 彼女への言付けだ ここに来るよう伝えたまえ」

「はい…しかし あの女に…」

「…聞こえなかったのか…オワゾー」

あまりの威圧感にオワゾーは怯えながら謝罪の言葉を口にし いそいそと部屋を後にした
老人はずっと窓の外を眺め 静かに目をつむった

188 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/07/02(金) 20:07:09 0
>「気にするな……奏 桜花、だったっけ?
 ここにそんな小さな事を本気で気にする様な奴はいない……よな?」
桜花はレイブンに目?を向ける
「その声は・・・あぁ、レイブンさんか・・・すまない、慌てていたせいで聞き漏らしたようだ」

>「お待たせー!遅いくなっちゃってごめんね!
 いやー、思ったより準備に手間取っちゃってさー。
 みんなもう集まってるかな?
 あ、これ学園案内図。 この中のどこかにベッドフォード財団総帥が…」
「うん?この声はユリさんか・・・大丈夫・・・私もいまきたとこr−−−」
>「うん、私もたった今来たんだよ〜。それよりどうしたの?その格好は・・・・・・・」
>「……ところで桜花嬢、何だかとっ散らかってるような身なりだが……
 服装や髪型は乱れているし、昼に見たトランクも持っていないしで……
 はっ……まさか、誰かに襲われたのか……!?」
>「な、なんだってー!!」
「ハッ?・・・貴方達は一体なにを・・・」
ここまで来てようやく自分の身なりだらしなさに気づく
>「なになにどったの?……はっ!まさかもうベッドフォード財団の刺客に襲われたの!?
 大丈夫!?桜花! どこにもケガはない!?
 ここに逃げてくるまで尾行とかされなかった!?」
「ちょ・・・ちょっとまってくれ、皆!みんな盛大に何かとてつもない勘違いをしていないか?」
ユリに肩を掴まれ慌てる
>「みんな落ち着いて!まずはこのお姉ちゃんの話を聞いてあげようよ!冷静に。」
メイションが冷静な提案出してくれた
>「桜花さん、お水だよ」
「あぁ、すまない、リリィさん・・・」
リリィから水をもらいようやく一息つく桜花
>「尾行の心配は多分無いんじゃないかな?桜花さんなら、追っ手の足音くらい聞き分けられるだろうし」
「だから、違うって・・・みんな良く話を聞いてくれ・・・」
桜花は皆にちゃんと説明した
自分の自堕落さのせいで再び支度をしなければならなかった事。
慌てたせいで服がちゃんと着れていなかった事。
これまた慌てていたせいで準備していたトランクではなく、外に出ていたコントラバスしか持ってきていない事。

「・・・・こういうわけだ、理解してくれたか?」
周りに伝え終えた桜花は隅に行き、再び服装を整え始める

>「私、今日ゴブリンに撃墜されるまでは箒で空を飛んでいたのね。
 だから、上空から学園全体を一度見てるんだ。
 いくつか地図には載ってない建物がある・・・・・・・気がする。こことか、ここ」
リリィは地図の上の何箇所かを指で押さえた。
>「あと、森の中に石畳が敷かれた道もあった気がする。なんか、大きいお屋敷みたいなところに続いてた。
 大きいから寮か何かかな〜と思ってたんだけど、こうして地図で見ると、違うみたいだね」
「一番怪しいのはその石畳の敷かれた屋敷だな、えらい人ならそれ相応の建物に住んでいるだろう」
服装の乱れを直した桜花は話し合いに参加する。

189 名前:ユーリ ◆xhl1mMpBWH4A [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 03:01:51 O
ユーリは痛感している。何故だろうか今までそれなりに平穏であった学園がきな臭くなった気がするのだ
色々な偶然が重なっていると言われればそうかもしれないが、偶然というにはあまりにも出来過ぎだ

1.謎の人物による新入生の襲撃
2.学園最大のスポンサーたる財団の長直々の祝辞
そして夕食をサラリと抜けて得意の能力で図書館に行ったところ深部、禁書や危ない魔導書が安置されているセクションが理由不明の封鎖をされていた
一応図書館深部は危険故に立入禁止扱いではあるが、あからさまに侵入を禁ずる事は無かった

故にユーリはごく簡単に当たりをつけたのだ。そのスポンサー様が怪しいと
ならばコソッと尻尾でも掴んで自分を納得させよう
と夜中に思いたった所で集団を発見する。今日はやたら見る面子だ
「こんばんわ、仲良し一年生諸君。興奮醒めやらぬ夜に冒険の算段かな?
それともいきなりのホームシックで脱走の算段かしら?
どうか寝つけない私にもお話聞かせて下さいな」
寝つけないなどと嘘を吐いたが、まぁそんな些細な事を追求する者はいまい

そして胸に手を当てて宣誓の真似事をしておどけてみせる
「勿論、他言はしない。見た事も助けてくれた事もない神に誓って
要するにチクったりしないって事ね」

190 名前:ルイーズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 07:21:38 0
>186
「知らないっすよ。掲示板に書き込んでおけば誰か教えてくれるんじゃないっすか? 」
おお!とルイーズは感心した。
「なるほど!しかしそれだと、今日探索は難しいのニャ・・・・・」

>「それと、俺達は先輩なんて言われるもんじゃないっすよ。 
> 俺達は今日入学したばかりの新入生だぜ〜。」 
「な、なんにゃって――――!!(AAry)」
その場にがっくりと膝をつき、うな垂れるルイーズ。

「色々ありがとうニャ。早速掲示板に質問貼り付けてくるニャ・・・・・・・」
とぼとぼと食堂に向かって歩き出すルイーズ。
だが後ろのカップルもルイーズの後をついてくる。
「カッポーのラブラブタイムの邪魔する趣味は無いんニャが。
 はっ!それとも何か地下のこと思い出したかニャ?」


191 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 08:12:01 0
>175>177-178>180-183>188
>「なんかお姉さん、生き生きしてない?もしかして、こういう探検とかお好きなの?
> それと口調変更薬って聞いたことある?」
リリィは薬の存在、または効果を疑っているらしく、ちらっと見られたグラディスは不快な様子でリリィを見やる。
>「どう見ても変わったの口調だけじゃないよねぇ?」
「やかましい。こいつは薬に相当詳しいようでなければ知らないレベルの代物だと聞く。
 それこそ薬学専攻の学生、それも卒業寸前の奴などがちらと聞くというぐらいの、な。
 ……ま、俺はたまたま特殊なツテがあったから知っただけだが」
火と氷だけだよ、俺は。そう呟いて気まずげに視線を落とすグラディス。

>「遅くなったすまない・・・」
>「気にするな……奏 桜花、だったっけ?
> ここにそんな小さな事を本気で気にする様な奴はいない……よな?」
「遅れた分際のくせして、悪びれた様子も見せない奴が何を言うんだか……」
やってきた桜花に対して言ったレイヴンの言葉に、ぼそりと文句をつけるグラディス。
>「うん、私もたった今来たんだよ〜。それよりどうしたの?その格好は・・・・・・・」
>「(略) はっ……まさか、誰かに襲われたのか……!?」
>「な、なんだってー!!」
「な、なんだっ……阿呆どもが」
うっかり釣られて言いそうになりつつ、寸前で留まりぶーたら文句付けに走る。
どうやらノリノリな性情は変わらずあるらしい。

不意に耳を澄ますと、つい先程も聞いた走り来る音。
「……どいつもこいつも時間にルーズな奴らだな」
>「お待たせー!遅いくなっちゃってごめんね!
> いやー、思ったより準備に手間取っちゃってさー。
> みんなもう集まってるかな?
> あ、これ学園案内図。 この中のどこかにベッドフォード財団総帥が…」
> 「なになにどったの?……はっ!まさかもうベッドフォード財団の刺客に襲われたの!?
>  大丈夫!?桜花! どこにもケガはない!?
>  ここに逃げてくるまで尾行とかされなかった!?」
>「待って!この人はユリお姉ちゃんだから!」
>「みんな落ち着いて!まずはこのお姉ちゃんの話を聞いてあげようよ!冷静に。」
「あーあーうるさいぞお前ら。はい落ち着け、でなければブチ割るぞ」


192 名前:グラディス◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 08:14:38 0
>「桜花さんの件ですっかりうやむやになっちゃってたけど、
> 『出来るだけ正体を隠してかつ堂々と調査を行うための口調と性格変更薬』だったっけ?一ダース20ガリオンの。
> グラディス君が二本余分に持ってるんだって。欲しい人手を挙げて!」
「……オイ」
意気揚々に手を上げるリリィの頭をニット帽の人狼・グラディスが鷲掴みし、少しずつ力を加えてゆく。
「しつこいようだが『口調変更薬』だ。そこまで俺の口調が合わんか、あ?」
ギリギリと弱めに締め付けた後、パッと手を離す。
溜息をついて、親指程度の大きさの薬を二つテーブルに置き、掌の上で飴を弄び始めた。
「そうそう。言っておくがその薬、非常に非常に苦い。
 想像したければ、ブラックコーヒーの苦味だけを100倍にしたような味だ。……正直甘味がなければヤバイぞ。
 飴がいらないって言うんなら、精々俺と同じく苦味に苦しめ」
その経験を語っている顔は、まさに苦々しかった。

>「私、今日ゴブリンに撃墜されるまでは箒で空を飛んでいたのね。
> だから、上空から学園全体を一度見てるんだ。
> いくつか地図には載ってない建物がある・・・・・・・気がする。こことか、ここ」
>リリィは地図の上の何箇所かを指で押さえた。
>「あと、森の中に石畳が敷かれた道もあった気がする。なんか、大きいお屋敷みたいなところに続いてた。
> 大きいから寮か何かかな〜と思ってたんだけど、こうして地図で見ると、違うみたいだね」
>「一番怪しいのはその石畳の敷かれた屋敷だな、えらい人ならそれ相応の建物に住んでいるだろう」
「現時点でそいつが一番の有力候補か。いいだろう、まずは屋敷へ向かうとしよう。
 それでいいな?リーダー・ユリちゃん。ああっと、発案者なんだからリーダーでいいんだろう?」
そう言いつつ勝手に事を進めていく。
「ふむ、リリィちゃんが屋敷の方角をわかるのならその通りに行く。
 わからないのであれば……そうだな、俺が門なりなんなりを登って高所から方角を確認する。
 よし、じゃあ早速外に出るとするか。行くぞ」
それだけ言うとグラディスはとっとと席を立ち、蝋燭を吹き消して歩き始めた。


193 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 11:41:28 0
>180-183 >186-189 >191-192
>「ちょ・・・ちょっとまってくれ、皆!みんな盛大に何かとてつもない勘違いをしていないか?」
>「みんな落ち着いて!まずはこのお姉ちゃんの話を聞いてあげようよ!冷静に。」
「大丈夫! 今私すごく落ち着いてる!
 盛大に勘違いしてないから話して桜花!」
もちろんユリが落ち着いているというのは、口先だけの話だ。
>「尾行の心配は多分無いんじゃないかな?桜花さんなら、追っ手の足音くらい聞き分けられるだろうし」
>「だから、違うって・・・みんな良く話を聞いてくれ・・・」
>「あーあーうるさいぞお前ら。はい落ち着け、でなければブチ割るぞ」 そして桜花の口から話される真実。
それは襲撃でもなんでもなく、桜花が慌てていたために服装の乱れその他の状況を作り出したのだという事実。

>「・・・・こういうわけだ、理解してくれたか?」
話を聞いてユリもようやく、全ては勘違いだと気付いた。
「うーん…そうだったのか…桜花って意外にあわてんぼさんなんだね…」
桜花にとっては不本意極まるであろう評価を下してから、ユリは言葉を続ける。
「いやー、私もよくそんなミスしちゃうからさー。
 なんだかこう、完璧超人です!って人見ると、うおっまぶしっ!てなっちゃうんだよねー。
 でも桜花もそんなミスするんだってわかって、ますます親近感がわいちゃったよ。
 これからもよろしくね! 桜花!」

「でもでもさ。レイヴンはひどいよね。
 桜花はちゃんと見分けてくれたのに、私のこの完璧な変装を見破れないなんて!
 死肉を漁る渡り鴉のレイヴン!なんてカッコいい二つ名がついてるのに!
 メイションが止めてくれてなかったら、私を三枚に下ろすつもりだったんじゃないの!?」
一応つきながら一人前の格闘家のユリは、気を読む能力に長けている。
レイヴンの強い殺気を向けられては、一般人は何も感じなくても、ユリからすれば抜身の白刃を突き付けられたのと同じだ。
文句の一つも言いたい気持ちになっても仕方がない。

>「桜花さんの件ですっかりうやむやになっちゃってたけど、
> 『出来るだけ正体を隠してかつ堂々と調査を行うための口調と性格変更薬』だったっけ?一ダース20ガリオンの。
> グラディス君が二本余分に持ってるんだって。欲しい人手を挙げて!」
>「そうそう。言っておくがその薬、非常に非常に苦い。
> 想像したければ、ブラックコーヒーの苦味だけを100倍にしたような味だ。……正直甘味がなければヤバイぞ。
> 飴がいらないって言うんなら、精々俺と同じく苦味に苦しめ」
「んー、私は変装してるからいいや。 これ以上正体隠したら、ほんとに誰だかわからなくなっちゃうもんね」
レイヴンの一件が無ければ、苦かろうがなんだろうが好奇心旺盛なユリは飲んでいただろう。
が、さすがに直前の事件から警戒心が働いたようだ。
ユリは薬を飲まないことを伝えてから、机の上でろうそくの明かりに照らされた学園地図に注意を向ける。

>「私、今日ゴブリンに撃墜されるまでは箒で空を飛んでいたのね。
> だから、上空から学園全体を一度見てるんだ。
> いくつか地図には載ってない建物がある・・・・・・・気がする。こことか、ここ」
「地図に載ってない建物…怪しいなあ。 なんで載ってないんだろ。
 必要ないからかな。 それとも、知られたくない何かがあるのかな」
リリィの指の動きに合わせ、ユリの視点も地図上を動く。
>「あと、森の中に石畳が敷かれた道もあった気がする。なんか、大きいお屋敷みたいなところに続いてた。
> 大きいから寮か何かかな〜と思ってたんだけど、こうして地図で見ると、違うみたいだね」
>「一番怪しいのはその石畳の敷かれた屋敷だな、えらい人ならそれ相応の建物に住んでいるだろう」
>「現時点でそいつが一番の有力候補か。いいだろう、まずは屋敷へ向かうとしよう。
> それでいいな?リーダー・ユリちゃん。ああっと、発案者なんだからリーダーでいいんだろう?」
「私リーダー? おっけーい!リーダーくらい私にまっかせなさーい!!」
リーダーと聞いて、ぐっと拳を握って気合を入れるユリ。
実際に任せると大変な事になるであろうことは、自明の理である。


194 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 11:43:59 0
出かける前に、ユリは食堂の入り口から顔を出し、右見て左見てまた右見て、不審人物はいないか確認した。
掲示板前にいるリリィとメイション以外、人はいなかった。
念の為天井も確認したが、怪しい人はいなかった。
「いまなら大丈夫。左右上下に怪しい人影無し」
食堂から出て皆に手招きしてから、ユリはメイションが書いた伝言を見た。
「食べちゃうぞ!? これってもしかして…!!」
>「ほんのジョークだよ。」
「だよねー」
ユリはあっさり納得した。
「もー、メイションってばミクみたいな冗談言い出すんだからー。
 私の知らない所で流行ってるの?そのジョーク。
 あ。ミクっていうのは、この学園に来る途中知り合った、私の友達でね。
 初対面で『食べちゃいたいくらい元気が良いわね』なんて冗談言い出すんだよ。
 物理的に人間を食べちゃうなんて冗談でもひどいと思って、つい一時間ほど説教しちゃったんだー」
今回軽く流したのは、ミクの時はさすがにやりすぎたとのユリなりの反省の気持ちの表れだ。

「しっ!誰か近づいてくるよ!」
近づく気配を察して口に人差し指を当て、仲間に警戒を促すユリ。
現れたのは、ユリの知らない生徒だった。
>「こんばんわ、仲良し一年生諸君。興奮醒めやらぬ夜に冒険の算段かな?
>それともいきなりのホームシックで脱走の算段かしら?
>どうか寝つけない私にもお話聞かせて下さいな」
かろうじて相手が壇上からスピーチしていた生徒だと気づけたが、ユリは警戒を解かない。
見回りか、敵の刺客か。
わからないうちは警戒を解くわけにはいかない。
>「勿論、他言はしない。見た事も助けてくれた事もない神に誓って
>要するにチクったりしないって事ね」
しかし、どうも相手がリリィ達の知り合いらしいとわかってきたため、そこに来てようやくユリは警戒を解いた。
話の内容から考えるに、相手はどうも先輩にあたるらしい。
それなら理由を話して協力してもらおう。ユリはそう考える。

「始めまして先輩、私はユリ・オオヤマといいます。
 実は今からみんなで、ベッドフォード財団総帥のお宅拝見に行こうと思ってるんです。」
ユリは目的地に歩きながら、ベッドフォード総裁が怪しいため、宿泊先を偵察するつもりだとユーリに説明した。
「せっかくだから先輩も一緒に夜の散歩に行きませんか?」
イベントはみんなで楽しむ物を持論とするユリは、ユーリも探検に誘う事にした。

リリィの記憶をたどって森に近づけば、石畳の道は存外すぐに見つかった。
人が通るために道というものは存在するのだから、わかりやすいのは当たり前だ。
しかしユリからすると、少し肩すかし感があったのは否めない。
悪人の屋敷に通じる道がわかりやすい、という事態は考えていなかったのだ。
「なんだかすぐに道見つかっちゃったねー。 つまんないの。
 …あ、そーだ。きっとお屋敷には見張りがいるだろうから、今のうちに潜入方法を考えておこうよ。
 まずは騒ぎを起こす組と、忍び込む組の2つに別れる。
 騒ぎ組がおとりになってるうちに、潜入組が屋敷に潜入。
 騒ぎ組は後から別の方法で入るか、潜入組が中で起こす騒ぎに合わせて突入。
 こんな感じでどうかな?
 これで行くなら、私は騒ぎ組やりたい!」
石畳を歩きながらそう言うユリの手には、いつの間にかデッキブラシが握られていた。
自分は隠密行動に向いていない事を一応自覚しているらしい。

195 名前:ミク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 17:45:38 O
>170
>「何か魔法の効果でもあるの?蜘蛛の糸なんて、ただのお守りとして持つには気味が悪い気がするけどなぁ。」
「普通の反応ねメイション君。 ユリみたいにすぐ人の話を信じる人にならないと、他人に信じてもらえないわよ?」
耳に手を当ててユリとメイションの会話を聞きながら、ミクは笑った。
聞きながらといっても、もちろん後をつけているわけではない。
ミクの手には細く長い蜘蛛の糸が巻き付いていて、その先端はユリの髪とつながっている。
要するに簡単な魔法を用いた一種の糸電話で、ユリとその周辺の会話を盗聴しているのだ。
実際には行ったことのない食堂での会話を知っていたのも、この技術の賜物だ。
糸電話の会話の内容を聞くのにコップが必要なように、特殊な技術を持たない者が糸から音を聞きだすことはできない。
ユリが自力で盗聴の事実を知ることは不可能だ。
いかに極楽とんぼのユリでも、いつでも話を聞かれてしまうとわかっていれば、糸は丁重にお断りしただろう。

もちろん、糸が切れれば修復するまでは使用不可能、中継に蜘蛛たちを使う必要がある、など。
純粋な魔法による盗聴と比べると、糸を用いた盗聴には欠点も多い。
しかしミクはこの方法が気に入っていた。
魔力感知で盗聴がばれる心配が少ないという点もあるが、釣糸で釣りをしているように思えるのが楽しかった。
というのが一番の理由だ。

「事がうまく運んだら、ベッドフォード財団の総帥様にもお礼を言わないといけないわ。
 周辺を嗅ぎまわった人間が行方不明になる、なんて都合のいい噂を作ってくれたお礼をね。
 あなたも嬉しいでしょう? 久しぶりに人間が食べられるんだから」
ミクは、近くに立つ枯れ木のような人形に…正確には、人形の頭に移動した大蜘蛛に話しかけた。
さっきユリの髪に糸を巻きつけた蜘蛛は、何も言わずに人形の体に空いた穴の中に入り込んだ。

それを確認してから、ミクは糸を操って人形を動かし、寮の外を目指して歩き始めた。
すでに総帥の家の周囲には、蜘蛛たちを先行させて罠を仕掛けてある。
後は状況を見極めて、網に獲物を絡め取るだけだ。
もしも新入生が居なくなったことに誰かが気づいても、ベッドフォード財団の黒い噂に真実味が増すだけだろう。
魔法で事実関係が確認できるのなら、そもそもそんな噂が立つはずがないのだ。

当然ミクは、エンカの居場所を探す、なんて約束を律儀に守るつもりはない。
夜だったから探してもわからなかったわ。ごめんなさい。
と言えば、ユリはすぐ納得するだろうから。
それでも形だけでも探すために、ミクは寮から出るまではエンカの部屋が無いか探しながら歩いた。
部屋は、見つからなかった。

196 名前:◇eA/eUrt9sQ [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 20:40:59 0
暗い夜の学園。殆どの部屋の明かりは消され、あたりを照らすは月の光ぐらいだ
「良いね〜、やっぱ夜は動きやすい」
その月の光に照らせれながら学園の校舎の屋根の上で一人の男が座っていた
見た目は20歳前後の青年。闇に紛れてしまいそうなほど真っ黒な衣服に同じ様に真っ黒なマントを羽織った、どこかの貴族のような格好。その服に対するかの様に真っ白な肌。血の様に赤い髪にそれとは違った赤の目をしている

パサパサパサパサ
その男のもとに一匹のコウモリが飛んで来た
「おや、お帰り。どうだった?......へぇ、 結構いるね。......猫もいるのか。......面白くなりそうだ」
男はそのコウモリから何かの情報を受けたらしい
ふふふ、っと笑うと、文字通り音もなく立ち上がる
「ご苦労様。さあ、戻っておいで」
そう言って男はコウモリに向かって手を差し出す。コウモリが男の手触れると、すぅ、と手に吸い込まれるように消えていった

「さてと、僕も何かしないと彼に怒られてしまう」
『ああ、そうだな』
急に男の脳内に声が響く
「わっ、驚いた。君か」
『なぜ子供達をベッドフォードの所に行かすんだ?』
男の脳内に響く声は少し怒った口調で話してくる
「まあそんなに怒らないでよ。大丈夫。ミッションはちゃんとするよ。前持って3匹、向こうに送っておいたし」
『......俺はそういう事を言っているんじゃない。子供達がそこに行ったら危け...』
「わかってるわかってる。"誰も"死なせやしないから。安心しなって」
男は脳内に響く声を途中で遮るように返事をする
「まったく君は、長いこと生きているくせに、死についてはとことん嫌っているね」
『......別に死が嫌いというわけでは無い。俺は無意味な死が嫌なだけだ』
「君が言う無意味な死は自然死以外だろ。それだったら死が嫌いなのと変わらないよ。
?......もしも君が戦争に行ったら、敵も味方も誰一人死なさずに終わらしそうだね」
からかう様に言う
『......』
「ごめんごめん、黙らないでよ。僕は君のそういうところが気にいっているよ。
?......しっかし、君のテレパシーはすごいね。まさかあそこからここまで、しかも傍聴もできるタイプが届くとは思ってなかったよ」
『それはお前と俺の相性が良いからだ。他のやつだったらこんな距離でするのは無理だ』
「お、嬉しい事言ってくれるねー」
男は笑いながら話す

『......無駄話は終わりだ。早く行け。......【賢者達】としてちゃんとやれよ』
「了解。美味しいワインでも用意して待っててよ」
男はそう答えると、トン、っと小さく音を立てて宙に浮いた。すると男の体が、足から順に無数のコウモリに分かれていく
「じゃあ、まずは子供達でも見て行くかな」
男がそう呟き終わったとき、すべてコウモリになっていた

コウモリ達がその場を飛び去ると、そこにはもう誰かがいた形跡は残っていなかった

197 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 23:57:09 0
>185>186>190
セラエノがメイション捜索の協力を進み出たのは不純極まりない理由だった。
そうとも知らずエンカは無邪気に喜び「さすがセラエノちゃん!」と口走る。
「ちゃ、ちゃん!?」
スタスタと先行していたセラエノが思わず上げてしまった素っ頓狂な声。
ちゃん付けで呼ばれたことなどなく、しかも異性、それもほんの数時間前に告白してきた相手とあっては動揺せざる得なかったのだ。

そんな動揺を知ってか知らずか、エンカはその髪型の由来を教えてくれた。
「そうなんだ。実用性を考えてもその用途がわからなかったから面白さを追求するものだと思っていたけど…
尊敬を表していたのね。侮辱するつもりはなかったのよ。謝罪するわ。」
尊敬を表す髪形を知らぬとはいえ「面白」と評されたにも拘らずエンカは怒らなかったのだ。
ばつが悪そうに謝意を表し、それと同時にエンカの器の広さを感じていた。

>「ところで、お前の故郷のカナンなら、お袋から話を聞いたことがあるぜ〜。
> 乳と蜜あふれる約束の地なんだってな〜。俺も一度行ってみたいっすよ〜。」
「…ええ、そうね…とても…いいところよ。」
故郷の話しになってセラエノの言葉の切れが悪くなった。
言葉少なく、暗く、小さな声で…

暗くなりかけた時、その空気を打ち破るようにそれは現れた。
頭の大きな猫人が突然現われ、あろう事か二人を「らぶらぶカップル」と評したのだ。
「な、らぶら…デート?」
驚き言葉に詰まるセラエノとは対照的に、エンカは満更でもない様子で否定をしない。
本来のセラエノならば即座に事実誤認を指摘訂正しただろう。
だが今までの流れと突然のルイーズの出現に動揺し、普段の言葉が出てこなかった。
そうこうしているうちにエンカはルイーズの質問に応え、ルイーズはその言葉に従い掲示板へと向かっていく。

目的地が同じなので当たり前なのだが、二人はルイーズについていくことに。
>「カッポーのラブラブタイムの邪魔する趣味は無いんニャが。
> はっ!それとも何か地下のこと思い出したかニャ?」
ここに来てようやく落ち着きを取り戻したセラエノが本来の行動にでた。

「あなた、初対面の人にものを訪ねる時はまず名乗り挨拶をするのが礼儀よ。
それと、私達を見て迷う事無く先輩方、と言ったわね。
これはあなたに後輩がいない、即ち私たちと同じく新入生だという事を表しているわ。
その新入生が寮の地下に続く階段を探しているのはなぜ?
いいえ、探しているのは構わない。でも、なぜこの消灯時間を過ぎた今探しているの?
私たちは今ここにいる理由もあるし、許可証も持っているわ。
あなたは?ないのであれば規則に従い自室に戻るべきよ。
最後に、私たちは友人であって、カ…カッポー…じゃない…わ」

つらつらと詰問するように長台詞を並べ立てるセラエノ。
最後の台詞だけは途端にその言葉の強さを失ってしまったが、それが何故かはセラエノ自身もわからなかった。

198 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/07/03(土) 23:58:16 0
しかしこんなに長い台詞を並べていたために、台詞を終える頃には掲示板付近まで到達してしまっていた。
仕方がなくルイーズも伴い掲示板を見る。
>『エンカへ。本を預かっています。リリィ』
>『エンカ君へ
> リリィお姉ちゃんやユリお姉ちゃん達と一緒にベッドフォードさんのところへ行きます。
> 早くこないと二人とも僕が食べちゃうぞ。美生おじさん』
「エンカ、見て。やはりメッセージがあったわ。えーっと…」
掲示板に貼り付けられている様々なメモからエンカのメッセージを見つけ目を走らせると…
 ツ…ツーー…
音もなく垂れる鼻血が床にポタリと音を立てて落ちたと同時に、糸が切れた人形のように崩れ落ちた。
片膝をつき暫く動かないセラエノ。
(た、食べちゃうですって?
リリィはあの子ね。ユリも名前の響きからして女。
食べちゃうってどういう事?ねえ、どういうこと?
ベッドフォードといえばあの…それってつまり…)
勿論食べちゃうと聞いてセラエノが思い浮かべるのは唯一つ、性的な意味しかない。
アルビノの美少年が少女といっても美少年からすれば随分と年上である。(少なくとも絵的には)
豪奢なベッドに上に二人の少女をはべらせ裸で寝そべるアルビノの美少年。

脳内では凄まじい勢いでこんな妄想という名のヴィジョンが駆け巡っていた。

(な、なんてことなの?美少年は抱かれるか組み伏されるものだと言うのに…!
女を二人はべらせ悪の笑みを浮かべるアルビノの美少年なんて…ああ、有かも知れない。
だ、駄目よ。それは正しき理から外れる道。
神たる私がそんな背徳に惹かれるだなんて…!)
もうセラエノの言う正しき理がなんなのかもわからなくなりそうな妄想を繰り広げながら葛藤する事8秒。
「エンカ!行きましょう、正しき理の為に!」
再び立ち上がったセラエノはメイションを追いベッドフォード邸へ行く事を宣言した。
鼻血を垂らしたままに。


199 名前:ルイーズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 05:07:24 0
ちっちっち、とルイーズは人差し指を横に振った。
「我輩は猫であるニャ。名前はまだ無いニャ〜」
そう言ってルイーズはくるりとターンした。
「寮の地下を調べてるのは、それがファンブルマン先生のクエストだからニャ。
 もうひとつ付け加えるなら、そもそも前提が間違ってるニャ。
 学食のおばちゃんは生徒かニャ?それとも教師かニャ?
 学園の中にいるからといって、必ずしもそいつが生徒であるとは限らないニャ〜」
相手が新入生であること、自分の面が割れてないこと。
たとえ論破されたとしても、100%否定できるだけの材料も相手が持ち合わせていないこと。
これらを鑑みて、ルイーズは適当なことを並べた。
「猫が夜ふらつくのは本能だから仕方ないニャ。
 ついでにいうと、クエストは夜限定だからしょうがないのニャ。
 気になるなら掲示板にイロイロ書いてあるから、見に行くといいニャ〜」
 
そうしてルズは、くふふと人の悪そうな笑みを浮かべた。
「いくら照れくさいからって、そんな立て板に水みたいに喋って誤魔化すこと無いと思うニャ」
ルイーズはいそいそとエンカに近寄ると、
「恋人じゃないって話ニャが、なかなかどうして。セ ラ エ ノ た ん は十分脈アリニャ〜」
と、わざとセラエノに聞こえるように耳打ちした。
平常心を失ってもらえれば、これ以上セラエノからの追求は無い。
ルイーズとしては儲けものである。

>156
そんな事をやっているうちに、掲示板まで到着してしまった。
ルイーズはファンブルマンのクエスト文に
「先生!入り口が見つかりません。何かヒント下さい!」
と矢印をつけて書き込んだ。
「これでオッケーにゃ!」

そして振り向けば、なぜか orz の形で蹲っているセラエノ。
だが、猫人化しているルイーズにはわかってしまった。
彼女の体から発せられるオーラは尋常ではなく、どこか鬼気迫るものがあると!

「・・・・・・何かまがまがしい気を感じるニャ。セラエノたん、何かストレスでも溜まってるのかニャ?」
お近づきになりたくないルイーズは、エンカの陰に隠れ(今度は聞こえないようこっそりと)耳打ちした。
>「エンカ!行きましょう、正しき理の為に!」
「正しい理の前に鼻血ふけニャ〜」

状況が見えないルイーズだが、これ以上カッポーのデートを邪魔する気は無さそうだ。

200 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 06:31:35 0
>188 >193
桜花は皆に心配ないと事情を話し、部屋の隅で服装を整えた。
一方、殺気を向けられたユリはレイヴンに文句を言っている。
「大丈夫だよ〜。ユリさんちゃんと手も足もついてるし」
ユリほど殺気に敏感でないリリィはお気楽にそう言った後、ユリにだけテレパシーで
『つまりレイヴンさん、それだけ桜花さんのことが心配だったって事だよね〜』
と伝え、意味ありげな目配せをした。
そしてなぜか桜花ではなくレイヴンに
「大事無くて良かったね」
と言って、にこーっとすごく良い笑顔を向けた。

>192
>意気揚々に手を上げるリリィの頭をニット帽の人狼・グラディスが鷲掴みし、少しずつ力を加えてゆく。 
(ひ〜?!)
青い顔で、手を挙げた体勢のまま固まるリリィ。
>「しつこいようだが『口調変更薬』だ。そこまで俺の口調が合わんか、あ?」 
「わーん、間違えました!グラディス様、ギブギブギブ!」
 
「・・・・・・・これ以上背が縮んだらどうしてくれるのよ、グラディス君のいじわる。
 もう、ネリーさんに言いつけてやるんだから」
>「そうそう。言っておくがその薬、非常に非常に苦い。 
> 想像したければ、ブラックコーヒーの苦味だけを100倍にしたような味だ。……正直甘味がなければヤバイぞ。 
> 飴がいらないって言うんなら、精々俺と同じく苦味に苦しめ」 
「ごめんなさいグラディス様、私が悪うございました」
深々と頭を下げたリリィは『だからちょーだい!』と言わんばかりに両手を差し出した。

>188 >192
>「一番怪しいのはその石畳の敷かれた屋敷だな、えらい人ならそれ相応の建物に住んでいるだろう」 
服装の乱れを直した桜花は話し合いに参加する。 
>「現時点でそいつが一番の有力候補か。いいだろう、まずは屋敷へ向かうとしよう。 
> それでいいな?リーダー・ユリちゃん。ああっと、発案者なんだからリーダーでいいんだろう?」 
>「私リーダー? おっけーい!リーダーくらい私にまっかせなさーい!!」 
>「ふむ、リリィちゃんが屋敷の方角をわかるのならその通りに行く。 
> わからないのであれば……そうだな、俺が門なりなんなりを登って高所から方角を確認する。 」
「方向はわかるよ。ここからだと南南東。でも、正確な場所まではわからないよ。
 夜だし森の中に入らなきゃいけないし、見つからなければ誰かに場所を確認してもらった方が良いかも」
その後リリィは掲示板にメモを貼るべく、メイションと一緒に食堂の入り口から外に出た。
この位置からなら食堂内の会話も聞こえるので、特に問題は無い。

「エンカ宛ての伝言だし、くっつけて貼っておこうね。メイション君、メモちょうだい」
押しピンで掲示板に留めようとして、リリィはふと手を止めた。
>『エンカ君へ 
> リリィお姉ちゃんやユリお姉ちゃん達と一緒にベッドフォードさんのところへ行きます。 
> 早くこないと二人とも僕が食べちゃうぞ。美生おじさん』 
「・・・・・・?」
リリィは首を大きく傾け、じっとメッセージを眺めている。
>「ほんのジョークだよ。」 
>「だよねー」 
「なんだー。びっくりした〜」
リリィもあっさり納得した。
その後同じジョークを言ったユリの友人の話を聞いたリリィは
「あー、いや・・・・・・多分それは、物理的な意味じゃない気がするんだけど・・・・・・ありゃりゃ・・・・・聞いてないね」
と、控えめにコメントした。

201 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 06:33:08 0

>「しっ!誰か近づいてくるよ!」 
>近づく気配を察して口に人差し指を当て、仲間に警戒を促すユリ。 
現れた生徒を見て、リリィの顔がぱああっと明るくなった。
>「こんばんわ、仲良し一年生諸君。興奮醒めやらぬ夜に冒険の算段かな? 
>それともいきなりのホームシックで脱走の算段かしら? 」
>「どうか寝つけない私にもお話聞かせて下さいな」 
リリィはぶるぶる震えている。もし犬なら、振り切れるくらい尻尾を振っているだろう。
「先輩!ユーリ先輩・・・・・・!」
今のリリィの顔を見れば、ユーリと面識の無い生徒達も一発で知り合いとわかっただろう。

>「勿論、他言はしない。見た事も助けてくれた事もない神に誓って 
>要するにチクったりしないって事ね」 
>「始めまして先輩、私はユリ・オオヤマといいます。 
> 実は今からみんなで、ベッドフォード財団総帥のお宅拝見に行こうと思ってるんです。」 
>「せっかくだから先輩も一緒に夜の散歩に行きませんか?」 
「ユーリ先輩のおかげで無事学園にも到着できました!なんとか入学出来そうです!
 それと、私の荷物拾ってくださったのも先輩ですよねっ!なんてお優しい!
 もうもうなんとお礼を言っていいか!このご恩は一生忘れません!
 あと生徒代表のスピーチ、最高でした!感動です!!
 もしもお暇なら、ぜひともご一緒してください。私、ユーリ先輩のこと、もっと知りたいです!」
リリィは目をきらきらさせている。悪気が無いだけに始末が悪い。


>リリィの記憶をたどって森に近づけば、石畳の道は存外すぐに見つかった。 
>人が通るために道というものは存在するのだから、わかりやすいのは当たり前だ。 
>「なんだかすぐに道見つかっちゃったねー。 つまんないの。」
「やめてよー!そんな事言ったら、またあの黒騎士が現れるかもしれないでしょー!」
リリィはぶるぶると震え上がった。
事情を知らないメンバーが首をかしげているが、リリィの口からは言いたくないようだ。
誰かからのフォローが必要かもしれない。

>「…あ、そーだ。きっとお屋敷には見張りがいるだろうから、今のうちに潜入方法を考えておこうよ。 
> まずは騒ぎを起こす組と、忍び込む組の2つに別れる。
> これで行くなら、私は騒ぎ組やりたい!」 
「メイション君はどうする?
 あ、私はメイション君と一緒に行動するよ。小さい子1人だと危ないからね。
 ・・・・・・・それにしても、なんか見張りの人少ないね。魔法学園の敷地内だからかな?
 総帥って偉い人だから、もっとこう・・・・・物々しいというか、厳重な警戒態勢?みたいなのを想像してたのに」

202 名前:ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 08:09:22 O
月明かりの下、ぼんやりと浮かんだ森の小道をファンブルマンは歩いていた。
考えることは夢の事。いまいちハッキリしないが、今夜学園にとって致命的な事が起こるらしい。
“らしい”と言うのは、学園の時間の管理を任されているファンブルマンには、残念なことに“巻き戻した時間”
に起こったことが記憶に残らないのだ。
いつもその記憶は夢になって、曖昧にぼやけてしまう。

(とりあえず見回ってはみてはいるけど、特に変なところはないね)

すべての校舎を見て回り、結局問題を起こすなら生徒達だろうと結論付け、今は寮に向かっている所だった。
ふと内にこもりがちだった意識を正面に向け。
おや、と心中で呟く。
こちらに向かってぞろぞろと歩いてくる集団が見える。あれは、生徒だろう。すくさまファンブルマンの頭に
“深夜徘徊……罰則:反省文三十枚提出”の文章(校則である)が浮かんだが、彼は何となく脇の森に飛び込ん
で身を隠した。
木の陰で、ふむ、と彼は頷いた。たぶんこれだ。間違いないが、しかし、彼らは何をするつもりなのか。
学園そのものに関係するとあっては、ここで止めてしまっては意味がない。原因を探らなくては。

(しばらく、こっそり付いていくかな)

久しぶりにワクワクしながら、ファンブルマンはじっと息を潜めて彼らが通りすぎるのを待った。

「あ、そうそう忘れるところだった」

パチン、と指を鳴らして。

「君たちは“僕”を“見つける”ことに失敗する」



203 名前:猫妖精グレン・ダイザー ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 09:07:36 P
相変わらずすやすや寝ているフリード
「銀髪で赤目の人間に老弱男女関係なしにゴスロリを着せようとする悪の秘密結社ゴスロリ団許せん!!」
それはただの変態の集団である
「う〜ん誰が劣化版姉さんですか・・・・・・・・僕は姉さんとは違うんです
 やはり姉より優秀な弟はいないんでしょうか?女尊男卑バンザイ」
どうやらもっと小さい頃から姉と比べられていたようだ
「誰が後一年で賞味期限切れのショタっ子ですか・・・・・・男の価値は若さじゃありません」
ショタロリで通用するのは14までみんな覚えたね
と意味不明の寝言を言うフリード
まあどうでもいいけど
>183
「全員・・・・・・かな?グレンは疲れて寝てるフリード君のお使いで来たの?偉いねぇ」
ゴロゴロと喉を鳴らすグレン
ペットは飼い主に似る

>「勿論、他言はしない。見た事も助けてくれた事もない神に誓って
 要するにチクったりしないって事ね」
「にゃにゃなな〜な」
(僕は見たこともあるし助けられたこともあるけどね)
どうでもいい茶々を入れるグレン
ちなみに見たことある神はセラエノであり助けてくれた神は猫の神様である
ちなみにもともと生徒ではないグレンは見つかったって平気だし
問題があっても責任を取るのはフリードである
>198>199
>「我輩は猫であるニャ。名前はまだ無いニャ〜」
>そう言ってルイーズはくるりとターンした。
「にゃあん。にゃにゃん」
(吾輩はグレン・ダイザーである。名前はすでにある)
「にゃにゃにゃーななあ。なーご」
(暗くてジメジメした森の中今日始めて出会った男の子に無理やり付けられた。
 だがそれが昔からの名前としか思えないのである)
がグレンは人間の言葉を喋れないので解読は難しい
だって猫だもの
>「寮の地下を調べてるのは、それがファンブルマン先生のクエストだからニャ。
 もうひとつ付け加えるなら、そもそも前提が間違ってるニャ。
 学食のおばちゃんは生徒かニャ?それとも教師かニャ?
 学園の中にいるからといって、必ずしもそいつが生徒であるとは限らないニャ〜」
「にゃおにゃお〜ん。にゃな」
(僕は只の好奇心で此処に来た。理由なんてそれで充分だ)

>「エンカ!行きましょう、正しき理の為に!」
「にゃ〜〜〜!?」
(変態だぁ!?)
鼻血を垂らしたままのセラエノにちょっと引くグレン

>202
「にゃ?・・・・・にゃん」
(なんかいる?・・・・・いや気のせいか)
何か見た気がしたグレンだったがファンブルマンの能力に阻害されてしまったようだ

いろいろあってそれっぽいお屋敷を見つけた一行
どうやら騒ぎを起こして注意を引くチームと潜入するチームで分かれるようである
「にゃなな〜なな」
(当然僕は潜入ちーむだよ)
と主張するグレン
猫が騒いだところでそんなに注意は引けないし
猫は足音を立てずに行動することができる
故に猫であるグレンは潜入にぴったりであろう

204 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 21:04:13 0
>190>197>198>199
> 「カッポーのラブラブタイムの邪魔する趣味は無いんニャが。
>  はっ!それとも何か地下のこと思い出したかニャ?」
「いや、別にそういうわけじゃないっすよ。俺達も掲示板を見にいくんすよ。
 それと、セラエノがお前に言いたいことが山ほどあるみてぇだぜ〜。」
> 「あなた、初対面の人にものを訪ねる時はまず名乗り挨拶をするのが礼儀よ。(中略)
> 最後に、私たちは友人であって、カ…カッポー…じゃない…わ」
「そうっすよ。“まだ”カップルじゃねぇんだよ。」
> ちっちっち、とルイーズは人差し指を横に振った。
> 「我輩は猫であるニャ。名前はまだ無いニャ〜」
「それじゃ後で俺が名前を付けてやんよ。」
ルイーズはファンブルマン先生のクエストについて話したが、
エンカにとってはあまり興味の無い話だった。
> そうしてルイーズは、くふふと人の悪そうな笑みを浮かべた。
> 「いくら照れくさいからって、そんな立て板に水みたいに喋って誤魔化すこと無いと思うニャ」
こっちの話にはエンカも興味を示した。
> 「恋人じゃないって話ニャが、なかなかどうして。セ ラ エ ノ た ん は十分脈アリニャ〜」
> ルイーズはいそいそとエンカに近寄ると、わざとセラエノに聞こえるように耳打ちした。
「俺もそう思うニャ〜」
とエンカもセラエノに聞こえるように答えた。

一行はなんやかんやで掲示板まで到着した。
エンカはまずリリィの書き込みを見つけた。
> >『エンカへ。本を預かっています。リリィ』
「あーっ!あの魔道書リリィちゃんが持って行っちゃったのかよ!?
 どうりで倒れた場所を探しても見つからないはずだぜ!
 俺がこの先生きのこるためにも、あれを返してもらわねぇとなーっ!」
セラエノもメイションが残した書き込みを見つけていた。
> 「エンカ、見て。やはりメッセージがあったわ。えーっと…」
> >『エンカ君へ
> > リリィお姉ちゃんやユリお姉ちゃん達と一緒にベッドフォードさんのところへ行きます。
> > 早くこないと二人とも僕が食べちゃうぞ。美生おじさん』
「はははっ、こいつめ(笑)」
エンカが想像したことも、セラエノとそう違いは無かった。
「でもメイションがリリィの側にいるなら好都合だぜ!
 二人を探せば、メイションも見つかって、リリィからも本を返してもらえるんだからなーっ!」
エンカはそう言って笑ったが、崩れ落ちたセラエノを見て笑いが止まった。
「しっかりしろよセラエノ、大丈夫か?」
> 「・・・・・・何かまがまがしい気を感じるニャ。セラエノたん、何かストレスでも溜まってるのかニャ?」
> お近づきになりたくないルイーズは、エンカの陰に隠れ(今度は聞こえないようこっそりと)耳打ちした。
「もしかしたら生理なのかもな〜。俺のお袋もそういう時は不機嫌だからよ〜。」
エンカもセラエノに聞こえないようにルイーズに耳打ちした。
> 「エンカ!行きましょう、正しき理の為に!」
> 再び立ち上がったセラエノはメイションを追いベッドフォード邸へ行く事を宣言した。
> 鼻血を垂らしたままに。
> 「正しい理の前に鼻血ふけニャ〜」
「とりあえず俺達はもう行くぜ!じゃあな、タマタロー!」
エンカはルイーズに勝手にそう名前を付けて彼女と別れた。
「ベッドフォードってのは入学式でスピーチしてたあの爺さんだろ?
 それにしても頼りになるぜセラエノちゃん!
 俺はあの爺さんの家がどこにあるかなんてぜんぜん知らねぇからなーっ!」
まさかセラエノもベッドフォード邸の場所がわからない可能性などエンカはこの時考えていなかった。

205 名前:メイション ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 21:05:21 0
>194>195>201
> リリィの記憶をたどって森に近づけば、石畳の道は存外すぐに見つかった。
> 「なんだかすぐに道見つかっちゃったねー。 つまんないの。
>  …あ、そーだ。きっとお屋敷には見張りがいるだろうから、今のうちに潜入方法を考えておこうよ。
>  まずは騒ぎを起こす組と、忍び込む組の2つに別れる。
>  騒ぎ組がおとりになってるうちに、潜入組が屋敷に潜入。
>  騒ぎ組は後から別の方法で入るか、潜入組が中で起こす騒ぎに合わせて突入。
>  こんな感じでどうかな?
>  これで行くなら、私は騒ぎ組やりたい!」
> 石畳を歩きながらそう言うユリの手には、いつの間にかデッキブラシが握られていた。
> 自分は隠密行動に向いていない事を一応自覚しているらしい。
> 「メイション君はどうする?
>  あ、私はメイション君と一緒に行動するよ。小さい子1人だと危ないからね。
>  ・・・・・・・それにしても、なんか見張りの人少ないね。魔法学園の敷地内だからかな?
>  総帥って偉い人だから、もっとこう・・・・・物々しいというか、厳重な警戒態勢?みたいなのを想像してたのに」
メイションは、リリィが自分と一緒に行動するのは都合が良いと思った。
「僕はユリお姉ちゃんと遊びたい。」
そう言えばユリもリリィも自分の側にいるからである。
「それで僕達は何をすればいいの?ユリお姉ちゃん?」
ユリに前に話したとおり、メイションの魔法攻撃の射程距離は2mである。
ユリもリリィも、この時メイションの攻撃可能範囲に収まっていた。
そして、ユリとリリィにとっては唐突に、メイションによる攻撃が始まった。

「上海ハニー!!」
メイションがそう叫びながらリリィに向けた左手から、太い触手が飛び出した。
触手は銃口から発射された弾丸のような勢いと、より激しい動きをしながらリリィに迫る。
「…リリィお姉ちゃんの首の後ろに何かが飛んできたみたいだから獲ってみたけど
 …なんだ、ただの蜘蛛じゃないか。」
メイションの触手、上海ハニーと名づけられたそれは、リリィを襲ったわけではなかった。
リリィの首の後ろにまわりこんでいた触手がメイションの左手に引き戻されると、
メイションの左手には小さな蜘蛛だけが残った。
「今のが僕の魔法、上海ハニー。射程距離は半径2m。
 驚かせてごめんねリリィお姉ちゃん。僕の触手が敏感すぎたんだ。
 きっとリリィお姉ちゃんはあんな気味の悪い触手は嫌いだよね?
 僕の事も嫌いになっちゃった?」
メイションは左手に残っていた蜘蛛を地面に降ろそうとした。
「バイバイ、蜘蛛さん。」

206 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 23:51:33 0
>178>180-183>188-189>191-193>200-202

〜〜〜〜〜少しだけ時間を遡る…〜〜〜〜〜

>「う(モゴモゴ)・・・・!!レイヴンさん、気配消さないで下さいよ!っていうかいつから居たんですか!」
「い、いや……今来たところなんだが。
 ってか、気配を消すのは当たり前だろ? そんなに怒る様な事か?
 ……まさか、気づかなかったわけじゃあ……」
ないよな、とまでは続かなかった。表情から分かってしまったからである。
「……これから行く所にも、この程度は平然とやりそうな奴がいるかもな……
 その時誰かが気づいてくれる保証なんかない、最後に自分を守れるのは、自分だけだぜ」
まるで説教だが、鴉的には常識なのである……世間一般の視点で見た場合、非常識と言われる―――。

〜〜〜〜〜元に戻る〜〜〜〜〜

>「お待たせー!遅いくなっちゃってごめんね!
殺気だってるところに、まるで謀ったかのように飛び込んできた……不審者。
その格好は鴉の知る限り、東方の『ニンジャ』だとか『シノビ』と呼ばれる連中のもの。
ろくな奴がいない事を知っている鴉は斬りかかろうとしたが、先だって耳に届いた声を思い出す。

聞いた事のあるその声の持ち主は、確かユリ・オオヤマ。
昼間食堂にいた面子の一人でニギヤカ、よりかはヤカマシ担当と言った方がいいか……
色んな事が頭を巡った結果、いきり立った精神を鎮める事にした。


>「待って!この人はユリお姉ちゃんだから!」
一緒に入ってきた……何だか人間離れしたふいんき(何故かry の少年が
辛うじてたどり着いた推測に確証を齎してくれた。
「……大丈夫だ、分かってる」
とは言ったものの、危うく無実の人間を斬るところだったのだ。
こんな早合点は以前はしなかったと言うのに……不甲斐ない限りだ。


>「尾行の心配は多分無いんじゃないかな?桜花さんなら、追っ手の足音くらい聞き分けられるだろうし」
「リリィ嬢、その考えは危険だぞ……
 確かに桜花嬢ほどの耳の持ち主なら音はまず聞き漏らさないだろう。
 ……『音を立ててくれる』ならな」
傍から見れば屁理屈でしかない。その屁理屈すら罷り通る世界で
生きてきた鴉には、リリィの様な楽観視は絶対にやってはいけない事なのだ。
自然、否定を口にしてしまうその性分は贔屓目に見てもいいものではない。

207 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 23:53:31 0
>「その声は・・・あぁ、レイブンさんか・・・すまない、慌てていたせいで聞き漏らしたようだ」
落ち着いて桜花の声を聞いてみると……とりあえず落ち着いてはいるようだ。
少なくとも誰かに襲われて逃げてきた人間は、こんな風に落ち着いてはいないはずだ。
桜花のように、音の響きから感情を読み取るまねは出来ないものの
その人物の声色や表情などから平静か否かを判断する程度は出来る。

「いや……気にするな。
 ああそうそう、今の内にみんなに言っておくぞ。
 俺の名前が発音し辛いなら、呼ぶ時は鴉で済ませていい」
『ヴ』と言うのは普段から意識して発音しないとかなり言いづらい。
鴉は知らないが、周囲の人間が名前をきちんと発音できていないケースは何度もあったのだ。
そういう自身も『レイヴン』と名乗り始めた頃はよく間違えた。

>「だから、違うって・・・みんな良く話を聞いてくれ・・・」
話し終えた桜花は隅に行って身なりを整え始めた。
話を聞く間、能面の様に表情に変化のない鴉だったが、おもむろに
桜花のいる方と逆の隅へ歩いていき……頭を抱えてうずくまってしまう。
性別、年齢、身長体重etc... 何もかも違うと言うのに、その体勢は
某紅い館に住まう吸血鬼のそれとまるで同じだった……

(「あああああああああ、何たる早合点、何たる先走り……」)
あまりにアホくさいミスであった事を自覚して、俺の恥が有頂天状態になってしまったのだ。


>「でもでもさ。レイヴンはひどいよね。(中略)
> メイションが止めてくれてなかったら、私を三枚に下ろすつもりだったんじゃないの!?」
そんないい感じに凹んでいる所に追撃がくりゃあ、ダメージはさらに加速しますとも。
「……うるへー!いくら隠密行動つっても、んな胡散くせぇ格好しちゃうよーな奴に言われたかぬぇー!
 あとそりゃフリードに合わせただけでほんとーにそんな名前で呼ばれてたわけじゃねーっつの!
 ついでに言うとっ、第一声の時点で気づいてたぞ! あ、何だその嘘つきを見るような目は!?」
……安い男だ。
ついでに言えば、一応小声で収めてる辺り完全に自棄になったわけでもないらしい。


>「大事無くて良かったね」
レベルの低い言い争いは唐突に終了した。
リリィが、何故か俺にとびっきりの笑顔を向けてそんな事を言うからだ。
「あ、ああ……まぁ、確かに、な……
 と言うか、リリィ嬢……なんでそんな笑顔なんだ?」
あまりに不審すぎて普段なら裏ぐりもしない笑顔の真意を問うてしまう鴉。
何か勘違いされてるんじゃなかろうか、と半ば正解に近い思いを抱いてしまっていた。

208 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6 [sage] 投稿日:2010/07/04(日) 23:55:10 0
>それでいいな?リーダー・ユリちゃん。ああっと、発案者なんだからリーダーでいいんだろう?」
>「私リーダー? おっけーい!リーダーくらい私にまっかせなさーい!!」
グラディスの発言に我が耳を疑う鴉。おいちょっと待てこのワンころ今なんつった?
「ちょっと待てグラディス、お前本気か!?
 このおてんば娘にリーダーなんか張らせたら、ぜってぇただじゃすまねぇぞ!
 確かに行動力と人を引っ張る力はあるだろうさ、そこは俺も認めてる。
 だけどn……あーもう!」
またしても唐突に話を終わらせる鴉。昼間の自分の発言を思い出してしまったのだ。

>これで行くなら、私は騒ぎ組やりたい!」
案の定、ユリは騒ぎを起こす方に回った。
予想できてた事とは言え、鴉は嘆息を禁じえない。
「はぁっ……言うと思った。じゃあ俺も騒ぎ組の方で。
 多分この面子でこいつを止められるのは俺だけだと思うから……
 グラディス、つーわけで潜入の方は任せた」
数少ない男は揃ってものを考えるタイプでした。


>「しっ!誰か近づいてくるよ!」
>「こんばんわ、仲良し一年生諸君。興奮醒めやらぬ夜に冒険の算段かな?
誰かが近づいてくるのは鴉にも分かった。しかし鴉は警戒していない。
……匂いですぐに誰か特定できてしまったからだ。そこまで嗅覚が鋭いわけじゃない。
相手が愛煙家でなかったなら、早々に特定など出来なかっただろう。
「ユーリ、先輩か……寝付けないとかウソだr……でしょう。
 まぁ、一緒に行くなら歓迎す……しますよ。
 学園の事を俺達よりも知ってる人がいるってのは、それだけで安心できますからね」
何故か敬語になる鴉。まさか、入園式をサボった挙句喫煙してるのを見つかった事を
一方的に弱味と認定しているとは誰も思うまい。


>「やめてよー!そんな事言ったら、またあの黒騎士が現れるかもしれないでしょー!」
黒騎士、と言う単語に鴉の眉がぴくりと動く。
今の自分には覚えがない、しかし……
「……あの化け物の事か……グラディス、確かあんたもアレとやりあったんだったよな?」
引っかかっていた事をグラディスに質問する鴉。
服の記憶が確かなら、校門前で意識を取り戻す前にアレと二度相対している筈だった。
しかしまるで覚えがない……あんな化け物、一度見たら忘れるはずがないと思うのだが――――。


>「君たちは“僕”を“見つける”ことに失敗する」
そんな考え事をしていた鴉だったが、何かの気配を感じてそちらに視線を向ける。
鳥の名前を冠する割に、鴉は夜目が利いた。仕事柄、暗視能力も必要だったからだ。
……そこには誰もいなかった。感じた筈の気配はしかし、跡形もなく。

ファンブルマンの『失敗』はきちんと効果を発揮した。
ファンブルマンに向けた暗視も気配察知もことごとく、その時だけ失敗したのだ。
この辺は無意識レベルで行っている為、鴉は失敗した事に気づいてもいない。


一方、学園の時間の管理を任されているファンブルマンの目には妙な物が映っているだろう。
自分の方に視線を向けた生徒の、時間と言う概念が歪んでいると言う事態が――。

209 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/06(火) 17:03:54 O
>200-203 >205-208
>「メイション君はどうする?
> あ、私はメイション君と一緒に行動するよ。小さい子1人だと危ないからね。
> ・・・・・・・それにしても、なんか見張りの人少ないね。魔法学園の敷地内だからかな?
> 総帥って偉い人だから、もっとこう・・・・・物々しいというか、厳重な警戒態勢?みたいなのを想像してたのに」
「きっと目に見えない魔法の見張りがいるんだよ。 透明になった衛兵とか、そんな感じの何かが」
学園内でそんな物々しい警戒をしていれば、叩けば埃が出ますと周囲に宣言しているようなものだが。
ユリからすれば総帥悪人説はもはや決定である。
悪人である以上、敷地内は厳重に警戒態勢を取っているに違いない。
そして警戒態勢が見えない以上、目には見えない何かがあるはずだ。
以上の論法でもって、ユリは魔法の警備があるに違いないと結論づけた。
あながち間違いではないのだろうが、どんな警備があるかわからないのではあまり意味がない。

>「にゃなな〜なな」
>「僕はユリお姉ちゃんと遊びたい。」
「おっけー、それじゃにゃんこちゃんは潜入組で、リリィとメイションは私と一緒に騒ぎ組だね」
ケットシー語はわからなくても、グレンの意図は察したユリがそう言った時だった。
>「君たちは“僕”を“見つける”ことに失敗する」
> 「にゃ?・・・・・にゃん」
「……むむむっ…!? なにやつ!?」
ユリの警戒探知網に、“誰か”が引っかかったのだ。
すぐに身構えて気配のした場所を見るユリだが、視線の先には誰もいなかった。
もう一度気配を探ってみても、そこにはやはり誰もいなかった。
「あれー?おっかしいなぁ。 誰かいると思ったのに…
 ねえ、誰か、あそこに誰か隠れていないかどうかわからない?」
あるいは魔法を使って隠れているのかも知れないと思い、ユリは不審を感じたと見える仲間にそう尋ねた。

210 名前:ユリ ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/06(火) 17:05:48 O
>「それで僕達は何をすればいいの?ユリお姉ちゃん?」
「うん、メイションの魔法の範囲って確か2mぐらいって言ってたよね?
 まずは私がこのデッキブラシに乗って突撃して、見張りをおびき寄せるんだ。
 そこで見張りが2mまで近づいたら、隠れていたメイションとリリィに攻撃を…わっ!?」
>「上海ハニー!!」
突然メイションの手元から飛び出した触手に、ユリは仰天した。
メイションがリリィを攻撃した、と思って驚いたわけではない。
触手の攻撃速度に驚いたのだ。
>「…リリィお姉ちゃんの首の後ろに何かが飛んできたみたいだから獲ってみたけど
> …なんだ、ただの蜘蛛じゃないか。」
「うわー。 すごい早業だね。 あの速さで蜘蛛を潰さずに捕まえられるなんて!」
ユリの覗き込んだメイションの手の中で、毛むくじゃらの蜘蛛がうごめいていた。

>「今のが僕の魔法、上海ハニー。射程距離は半径2m。
> 驚かせてごめんねリリィお姉ちゃん。僕の触手が敏感すぎたんだ。
> きっとリリィお姉ちゃんはあんな気味の悪い触手は嫌いだよね?
> 僕の事も嫌いになっちゃった?」
「そんなことないよね!? すごかったよ!びっくりしちゃったー!」
ユリから見れば、別に触手使いだからどうという事は無い。
触手が怖くては珍味が食べられないのだ。
>「バイバイ、蜘蛛さん。」
メイションが蜘蛛を逃がそうとした時、状況は大きく動いた。
それまで手の中であまり動こうとしなかった蜘蛛が、ガッとメイションの手に牙を突き立てたのだ。
この蜘蛛は毒蜘蛛であり、強い麻痺性の毒を持っている。
メイションが毒への抵抗を持っていなければ、痛みと共に体が麻痺しだすだろう。

もちろん状況が動いたのは、メイションだけではない。
メイションが蜘蛛を逃がそうとするのと同時に、まずユリの頭上から網のような蜘蛛糸が落ちてきた。
網はすぐにユリを絡め取ると、たちまち樹上に引き揚げてしまう。
「なにこれなにこれ!? いったーっ!なんか噛まれ……」
木々の間からユリの場所と時間を考えない悲鳴が聞こえたが、すぐに静かになった。
夜目の利くものが見れば、獲物を糸でぐるぐる巻きにした大蜘蛛の姿が見えるはずだ。
蜘蛛が足の一本を動かすと、木々の上に張り巡らされていた網が支えを失い、その場にいる者たちの頭上に落ちかかる。
さらに別の足が、それまで静かに振り回していた粘着力のある糸をリリィに投げつけた。
網でも糸でも、獲物がかかれば大蜘蛛は樹上に引き上げて、噛みついて毒で動けなくしようとする。

さらに悪いことにユリの悲鳴が注意を引いたのか、総裁の屋敷の方が騒がしくなってきた。
この機会を逃せば屋敷の警戒は強くなり、侵入は難しくなるだろう。

211 名前:ミク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/06(火) 17:09:35 0
>198 >204
2組に別れるというユリの提案を聞きながら、事が思惑通りに運んでいることにミクは満足していた。
あれだけの人数を相手にすれば罠の効果も半減するだろうから、頭数が減るのは喜ばしい。
後は、突入組の者たちの移動を待って、ゆっくり網にかければいいだけだ。
そんなことを考えながら月明かりの下を歩くミクの上機嫌は、しかし長くは続かなかった。

>「…リリィお姉ちゃんの首の後ろに何かが飛んできたみたいだから獲ってみたけど
> …なんだ、ただの蜘蛛じゃないか。」
糸を通して聞こえてきたメイションの言葉に、ミクは一瞬足を止める。
ミクの頭に真っ先に浮かんだのは、罠を見破られたのではないかという事だった。
夜の森の中で、わざわざ魔法を使ってまでただの蜘蛛を捕まえるとは考えにくい。
仕掛けた罠を見破ったので、近くにいた蜘蛛に狙いを定めたのではないか?

ミクがその場で状況を見ていれば、そうは考えなかったのかもしれない。
しかし入ってくる情報が音声だけの限られたものだった事。
そして、出会った時にメイションから自分に近い何かを感じ取っていた事。
この2点から、ミクは罠の発動を決断した。
手持ちの糸を使って、蜘蛛たちに攻撃の指示を出す。
後は蜘蛛たちに任せておけばいい。
野生種なのだから、狩りはお手の物だろう。
成功すればよし、失敗してもこちらに不利益が出る事はない。
時間の無駄という一点を除いては。

>「バイバイ、蜘蛛さん。」
メイションの言葉から一拍おいて、糸の向こうからユリの悲鳴が聞えてきた。
ミクは深くため息をつく。
メイションが罠の存在に気付いていれば、蜘蛛を逃がすはずはない。
「メイション君気づいてなかったのかしら? 罠を動かしたのは少し早計だったわね」
今更ながらに失敗に気づいたが、もう出来ることはほぼ無いに等しい。
ミクはあまり獲物の期待はせずに、網の状態を見に行く事にした。

「あれは…?」
夜道を総帥の宿泊先目指して歩く途中、ミクはエンカとセラエノが歩いているのを見つけた。
セラエノの事は知らないが、エンカの声はユリとの会話から知っている。
メイションの探しているエンカの情報は、ユリからもメイションからも聞いてはいない。
それでもこんな夜中に、同名の人物が偶然歩いているとは考えにくい。
メイションがエンカを探しているように、エンカもメイションを探していると考えるのが自然だろう。
「どうやら、仕掛けが無駄にならずに済みそうね」
ミクはそう言って人形の中にいる蜘蛛に笑いかけ,エンカとセラエノを次の獲物にしようと決めた。

「こんばんは。 月の綺麗な夜中に男女2人で逢引かしら?」
ミクは挨拶しながら2人に近づいた。
「あなた、食堂でユリと話をしていたエンカよね?
 私はユリの友達の、初音美紅。
 実は私、あなたのおじのメイション君から、あなたを探すように頼まれていたの。
 ここで会えるなんて、本当にうれしいわ」
もちろん、ミクは本当に嬉しかったのだ。 新しい獲物と出会えた事が。

「メイション君は、ユリと一緒にベッドフォード総裁のお宅拝見に出向いてるの。
 ここからなら森の中を抜ければすぐに追いつけるから、私と一緒に行きましょう。
 可愛いおいと、こんなにすぐに出会えるなんて、メイション君もきっと喜ぶわよ」
ミクは糸を操って人形を動かすと、枯れ木のような人形は腰から鉈のような刃物を取り出した。
人形は鉈を振い、森に入る獣道のような道を広げ始める。
「あなたも一緒にどうかしら? それとも、こんな夜中に森の中を歩くのは怖い?
 大丈夫よ。 私の人形が道を開いてくれるから」
ミクはセラエノにもそう呼びかけるが、その顔がふと曇った。
セラエノから、人間ではない何かを感じ取ったのだ。
「血の匂いがするわ……。あなた、人間ではないわね。 何の目的があって、この学園に来ているの?」
セラエノが本当の目的を話すとは考えていない。
ただセラエノの出方を見るために、ミクはそう質問する。

212 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage] 投稿日:2010/07/06(火) 22:36:48 0
>199>204
同じく新入生であると指摘されたルイーズは誤魔化すように反論するが、それを論破する事はできた。
学校関係者ならば『先輩』などとつける事はないのだから。
しかしそれが出来なかったのはルイーズが話をエンカとの恋仲の方面に持っていったから。
そしてエンカも否定する事無く、『まだ』とか、『そう思うにゃ〜』などと口走った為、気勢がそがれてしまったのだ。

そして掲示板前、勢い良くベッドフォードの元へと行くと宣言したはいいが
エンカは行き先を知らない。これは当然のこと。
そして猫人の嗅覚を頼りにしようと思っていたのだが、ルイーズはそそくさとその場を去っていってしまった。

これで手がかりがなくなってしまったのだが、闇雲に探し回るという選択肢はない。
暫く考えた後、懐から学園案内パンフレットを取り出した。
「私も知らないわ。だったら知っている人に聞けばいいだけのこと。
…職員宿舎は…こっちね。」
そう、自分たちは知らなくとも教師たちならば知っているはず。
この時間ならば校舎内ではなく職員宿舎。
方針が決まれば迷う事はなく、スタスタと食堂を後にした。

>211
月明かりのさす中、職員宿舎に向かって歩くエンカとセラエノ。
「エンカ、…ちゃん付けはやめてくれない?
その…なんだか恥ずかしいの。セラエノでいいのよ。」
黙々と歩くのも間が持たず、ポソリと呟くように話しかける。
本当は神としてあまり親しみを込められるのは不都合だからなのだが、上手くそれが言葉に出来ない。
セラエノにとってこのような感情は初めてのことであり、困惑し、対処しきれないでいるのだ。

そんな困惑に拍車をかける者が現れる。
>「こんばんは。 月の綺麗な夜中に男女2人で逢引かしら?」
「な、ち、ちが…!」
エンカの知り合いでミクと名乗った少女の挨拶に動揺を隠し切れない。
だがそれでも有用な情報をミクはもたらした。
メイションに頼まれエンカを探していた、と。
そしてベッドフォードの館を知っており、連れて行ってくれるというのだ。
挑発的な言葉と共に人形を繰り獣道を広げていく。
「正に渡りに船だわ。ありがとう。同行させてもらうわ。」
挑発を受け流し、答えるセラエノにミクは新たに問いを投げかけてきた。

その言葉にセラエノは佇まいを居直し胸を張って応える。
「私はセラエノ・プレアデス。神よ。
目的は魔法の術を収め自分の能力を見極める事。
そして篤き信仰を得るか、さもなくば苛烈なる迫害を受け5つの門を開く事よ。」
駆け引きも何もなく、セラエノは正直に答えた。

213 名前:ユーリ ◆xhl1mMpBWH4A [sage] 投稿日:2010/07/06(火) 23:13:25 O
>>194、201、210
「始めまして先輩、私はユリ・オオヤマといいます。
実は今からみんなで、ベッドフォード財団総帥のお宅拝見に行こうと思ってるんです。」
ユリとやらの説明ではそういう事らしい。ユーリにしても有り難いというか面白い話だ
「せっかくだから先輩も一緒に夜の散歩に行きませんか?」
とのお誘いも断る理由はない
「そうね。それじゃあご一緒――――」
軽い感じの了承の言葉はしかしどこかで聞いた声に遮られた
「先輩!ユーリ先輩・・・・・・!」
まるで犬。というよりは犬そのものの行動を取ったのはリリィである
今ならユーリが木の枝投げたら拾ってきそうだ
「ユーリ先輩のおかげで無事学園にも到着できました!なんとか入学出来そうです!
(中略)」
「あぁ、うん。まぁ………」
リリィのマシンガントークに気圧されたようにグイグイ後ろに仰け反っていくユーリ
どうもかしましいのは苦手だ

その後も道中リリィと世間話をしながら進んでいく
途中気持ち悪い触手も見たが、視界に写ってなかった事にする
そうしないとユーリはきっと羽虫を潰すようにメイションを空間ごと捻り潰してしまうだろうから

が、先程触手が追い払った蜘蛛にどうも眼を付けられたらしい
頭上にはそれはそれは大きな蜘蛛がいた。オマケにユリも
そして蜘蛛は網の如き糸の集まりをユーリ達を捕まえようと放った
「服がベトベトになるのは嫌ですわ」
と言って自分たちの頭上の空間とどこか見当もつかない海の上の空間を繋げた
結果、糸は当然どこかの海へ落ちていく
「うん。ほんのり磯の香り」
顔は満足げなユーリだがとても恐ろしい事も考えている
つまり時間が有れば不快な蜘蛛をじっくりなぶり殺す
けれどユリが上げた不用意に大きい悲鳴で屋敷の方にも動きが見える
つまり時間はなぶり殺しを許さない
仕方ないのでユーリは近くにいたリリィの手を掴んで屋敷へ駆け出す
「さ、他が囮をやってくれてる間に行こっか」
がユーリの肩に不快な感覚、恐らく蜘蛛の糸だろう。それがベチャっと不快な音を立てて当たる
のをあっさり焼き払ってふと歩みを止める
「蜘蛛の相手をする人たちにヒントね
蜘蛛の糸はタンパク質だから熱にとても弱いの。さっきみたいに焼き払うのは有効よ」
と肩にベッチョリ粘膜性の糸の付いた制服の上着を脱ぎ捨てながらウインク
そして再びリリィの手を引いて屋敷へ走りだす
無論どうやって侵入しようとかは全く考えてない

214 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 03:52:12 0
>「僕はユリお姉ちゃんと遊びたい。」 
「そ、そっか・・・・・・がんばるよ」
リリィは腕っ節には全く自信が無い。無いが、何とかするしかないだろう。

>203
>「にゃなな〜なな」 (当然僕は潜入ちーむだよ) 
「あっ!グレン!さっきからちょくちょく姿消してたみたいだけど、どこ行ってたのよ? 心配したじゃない」
リリィはグレンを抱き上げると、ぎゅっと抱きしめた。
>「おっけー、それじゃにゃんこちゃんは潜入組で、リリィとメイションは私と一緒に騒ぎ組だね」 
>ケットシー語はわからなくても、グレンの意図は察したユリがそう言った時だった。 

>「にゃ?・・・・・にゃん」 
>「……むむむっ…!? なにやつ!?」 
一同身構えるが、リリィは頭の上に?マークを出すばかりだ。
>「あれー?おっかしいなぁ。 誰かいると思ったのに… 
> ねえ、誰か、あそこに誰か隠れていないかどうかわからない?」 
「皆、何も感じない?・・・・・・・じゃあ、気のせい・・・・・・なのかな?
 それともさっき鴉さんが言ってたみたいな、音を立ててくれない種類の人?」

皆が奇妙な気配について話しているが、リリィは会話に入らなかった。
「そういえば、グレンは潜入チームなんだよね。じゃあ、いいものがあるよ!じゃじゃーん!」
リリィは、グラディスから貰った小瓶を取り出した。
「くちょーへんこー薬〜!
グレンが飲んだら、もしかしたら人間の言葉喋れるようになるかも!あ、私、ちょっと飲んでみるね!」
リリィは口調変更薬を半分ほど飲んだ。
よほどまずかったのか、今にも吐きそうな顔をしている。
「ぐえ、苦・・・・・・」
リリィは甘いものを口に放り込んだ
「ち、ちょっと苦いけど、・・・・・・大丈夫でちゅ。甘いものもあるから、苦くないでちゅよ!
 ・・・・・・って、何でちゅかこの変な赤ちゃん言葉は?
 ・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあいいでちゅ。イメージチェンジでちゅ!グレンたんも変身するでちゅ!!」
リリィはあっさり受け入れた後、気を取り直してじりじりとグレンに迫る!
グレン、猫人生史上最悪のぴーんち!・・・・・・・かもしれない。

「上海ハニー!!」 
ユリと打ち合わせをしていたメイションが、突如そう叫んだ。
「き・・・・・・・・」
叫び声すら上げられないほど吃驚したリリィは、その場で石のように固まっている。
>リリィの首の後ろにまわりこんでいた触手がメイションの左手に引き戻されると、 
>メイションの左手には小さな蜘蛛だけが残った。 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
>「今のが僕の魔法、上海ハニー。射程距離は半径2m。 
> 驚かせてごめんねリリィお姉ちゃん。僕の触手が敏感すぎたんだ。 
> きっとリリィお姉ちゃんはあんな気味の悪い触手は嫌いだよね? 
> 僕の事も嫌いになっちゃった?」 
「い、いや・・・・・・!」
ここでようやくリリィは我に返った。
>「そんなことないよね!? すごかったよ!びっくりしちゃったー!」 
「そんなこと無いでちゅ。ちょっと吃驚しちゃっただけで・・・・・・ごめんなさい。
 メイシェンたんは、触手使いだったんでちゅね。小さいのにすごいでちゅ。
 さっきのハニーたん、にもお礼いわなくちゃでちゅ」
リリィは一瞬だけメイシェンを引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。
「蜘蛛を取ってくれて、ありがとでちゅ。
 でも・・・・・触手をこんな近くで見たことなかったから・・・・・・・ほんの少しだけ、ハニーたんが怖いって感じちゃったでちゅ。
 本当にごめんでちゅ。許して欲しいでちゅ」

215 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 03:54:05 0

>「バイバイ、蜘蛛さん。」 
「・・・・・・メイションたん?どうか」
したのか?と問う前に、事態は大きく動いた。
>「なにこれなにこれ!? いったーっ!なんか噛まれ……」 
「ユリたんっ?!」
>木々の間からユリの場所と時間を考えない悲鳴が聞こえたが、すぐに静かになった。 
「まさか、これが屋敷に近づくものに仕掛けられた罠なんでちゅか?!」
さらに別の足が、それまで静かに振り回していた粘着力のある糸をリリィに投げつけた。 
無防備なリリィは、糸に絡め取られるはずだったのだが――――。
>「服がベトベトになるのは嫌ですわ」 
「あれっ?!何でちゅか今の――――・・・・・・っ?!」
リリィは頭の上に手を乗せた。なぜかアホ毛が消えていた。
>「うん。ほんのり磯の香り」 
「ああ、アホ毛なんかどうでもいいでちゅ!そんなことよりユリさんが!!
 暗くて全然見えないでちゅ!一体何がどうなって」
 >さらに悪いことにユリの悲鳴が注意を引いたのか、総裁の屋敷の方が騒がしくなってきた。 
>「さ、他が囮をやってくれてる間に行こっか」 
「―――― え?!」
>ユーリは近くにいたリリィの手を掴んだ。
「ええええ――――っ!!
 いやユーリ先輩、私、連れて行っても多分全然役に立たない気が」
>「蜘蛛の相手をする人たちにヒントね 
>蜘蛛の糸はタンパク質だから熱にとても弱いの。さっきみたいに焼き払うのは有効よ」 
「誰か火を持ってるでちゅか?魔法で焼ききっても・・・・うわあああ?!」
>そして再びリリィの手を引いて屋敷へ走りだす。
リリィは咄嗟にグレンを引き寄せた。
「うわあああん、ユーリ先輩意外と過激でちゅぅぅぅぅ(小声)」

手を引かれるまま走っているリリィは、屋敷の住人と仲間一同に、テレパシーでメッセージを送った。
『ああ、声が出ない。何でこんなことに。
 森の中に落とした忘れ物を探しにきただけなのに、なんでこんなひどい目にあうの?
 私が何をしたって言うの?!誰か助けてー』
これで、万が一見つかっても口裏合わせは簡単だろう。
また、声ではなくテレパシーでの意思伝達なので、屋敷側の警備も発信源を探すのに時間が掛かるはずだった。

「・・・・・・で、これからどうするでちゅか?」
屋敷の壁と生垣の間の空間に身を隠し、リリィはユーリに質問した。
「私的には、こうやって窓からお屋敷の中を見られたし、大満足なんでちゅが。
 ユリたんのことも心配だし・・・・・・・」

「ん?グレン、猫流のいい作戦でもあるでちゅか?」

216 名前:猫妖精グレン・ダイザー ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 11:47:24 P
相変わらずフリードは寝ている
「あ、あのお姉ちゃん前から貴方のことが・・・・・・え?お姉ちゃんじゃなくてお兄ちゃん・・・そうですか男ですか」
小さい頃の悪夢をみているフリード
ナイトメアにでも取りつかれてるんじゃあるまいな

>214>215
>「そういえば、グレンは潜入チームなんだよね。じゃあ、いいものがあるよ!じゃじゃーん!」
>「くちょーへんこー薬〜!
 グレンが飲んだら、もしかしたら人間の言葉喋れるようになるかも!あ、私、ちょっと飲んでみるね!」
「にゃあ?」
りりえもん・・・・・もといリリィが出した薬を訝しげに見つめるグレン
「ぐえ、苦・・・・・・」
どうやらかなり苦いようだ
>「ち、ちょっと苦いけど、・・・・・・大丈夫でちゅ。甘いものもあるから、苦くないでちゅよ!
 ・・・・・・って、何でちゅかこの変な赤ちゃん言葉は?
 ・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあいいでちゅ。イメージチェンジでちゅ!グレンたんも変身するでちゅ!!」
「にゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
苦いと分かっていて飲む猫はいないとばかりに後ずさるグレン
結局飲まされてしまったが・・・・・・・特に変化はない・・・のか?
「て、てやんでぇ!なにしやがるんでえ!!」
(にゃにゃにゃんにゃにゃ)
猫言とその訳が入れ替わったグレン
別に猫キャラだからといってにゃとは付かないようだ

>リリィは咄嗟にグレンを引き寄せた。
>「うわあああん、ユーリ先輩意外と過激でちゅぅぅぅぅ(小声)」
「うなぁぁぁぁぁぁぁ!?」
蜘蛛と戦うか迷っていたところを連れていかれるグレン

「僕にいい考えがある」
(にゃんにゃなーお)
>「ん?グレン、猫流のいい作戦でもあるでちゅか?」
コンボ●司令官のようなことを言い出すグレン
「つまりこういう作戦だ」
(にゃなあ)
グレンの提案するのは屋根から煙突に入り込むことである
幸い今は暖房を炊く時期では無い
だがちょっと待って欲しい体が軽い猫でもない限り屋根に登るなんて無理ではないだろうか?
そもそも屋敷には煙突があるのだろうか?
いやあるに違いない何故ならお屋敷だからだ
お屋敷と言ったら暖炉である
暖炉といえば煙突なのだ
「パワー型筋肉キャラには無理だけどね」
(にゃにゃんなお)
特徴大柄のあるキャラクターはこの作戦には参加できません

217 名前:グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 18:28:20 0
>「んー、私は変装してるからいいや。 これ以上正体隠したら、ほんとに誰だかわからなくなっちゃうもんね」
>「ごめんなさいグラディス様、私が悪うございました」
ユリは薬を使わないことにし、リリィは謝罪をしつつ『ちょーだい!』と手を差し出してきた。
「仕方ない、今回だけは許してやろう。ほら、くれてやる」
傲慢な態度でリリィのその手に飴を二つとも乗せる。
やはりノリノリである。

>「私リーダー? おっけーい!リーダーくらい私にまっかせなさーい!!」
「ああ。任せた」
この発言にレイヴンが威勢よく噛み付いてきた。
>「ちょっと待てグラディス、お前本気か!?
> このおてんば娘にリーダーなんか張らせたら、ぜってぇただじゃすまねぇぞ!
> 確かに行動力と人を引っ張る力はあるだろうさ、そこは俺も認めてる。
> だけどn……あーもう!」
突然言葉を打ち切ったレイヴンだが、グラディスは彼にひっそりと耳打ちをする。
「自己完結したようだが、一つ言っておこう。
 リーダーであるということの名と実はイコールではない……ってな」
建前上ではユリを立てているだけであり、実際は自分が仕切るつもりであるということだ。
流石のグラディスでもユリに仕切らせる気は更々無い。


途中、ユーリ先輩とやらと遭遇&合流しつつも、あっさりと道は見つかった。
>「なんだかすぐに道見つかっちゃったねー。 つまんないの。」
>「やめてよー!そんな事言ったら、またあの黒騎士が現れるかもしれないでしょー!」
>「……あの化け物の事か……グラディス、確かあんたもアレとやりあったんだったよな?」
「ん?ああ、そうだ。なんと言ったかな……そう、ゼルフェルド。ゼルフェルド卿だ。
 酷く強い、そして誠実――襲ってきておいて何だというかもしれんが――誠実な騎士だった。
 恐ろしい強さなのは変わりないがな。……もしかして、怖いのか?フン、臆病者め」
レイヴンの態度を臆病と決め付け、鼻で笑い出すグラディス。
とてもゼルフェルドを前に震えていた奴の態度ではない。

>「…あ、そーだ。きっとお屋敷には見張りがいるだろうから、(略)
> これで行くなら、私は騒ぎ組やりたい!」
>「はぁっ……言うと思った。じゃあ俺も騒ぎ組の方で。
> 多分この面子でこいつを止められるのは俺だけだと思うから……
> グラディス、つーわけで潜入の方は任せた」
なにやらレイヴンが勝手に決め始めたことに、不満たらたらに睨みつける。
「む……本音を言えば陽動側の方が良いんだがな。仕方が無い、潜入に回ってやる」
言葉ではこうは言っているが、確りと睨みを利かせたままである。

>「上海ハニー!!」
「!」
メイションの叫びにぱっと反応して振り向くグラディス。
そこには、手から触手の伸びたメイションの姿が。
先端はリリィの首の後ろに伸びており、すぐにメイションの手に引き戻される。
>「…リリィお姉ちゃんの首の後ろに何かが飛んできたみたいだから獲ってみたけど
> …なんだ、ただの蜘蛛じゃないか。」
「……ほう、興味深い魔法だな。」
>「今のが僕の魔法、上海ハニー。射程距離は半径2m。
> 驚かせてごめんねリリィお姉ちゃん。僕の触手が敏感すぎたんだ。
> きっとリリィお姉ちゃんはあんな気味の悪い触手は嫌いだよね?
> 僕の事も嫌いになっちゃった?」
>「そんなことないよね!? すごかったよ!びっくりしちゃったー!」
「そんなこと無いでちゅ。ちょっと吃驚しちゃっただけで・・・・・・ごめんなさい(略)」
そういってユリやリリィがフォローしたが、そんなことにお構いなしにグラディスは顎に手を当て、思考する。
「(触手を召喚する魔法?結構使い勝手は良さそうだな……氷で代用は無理か。
 炎系統なら鞭にして攻撃が出来るか。いずれ習う物で工夫してみるか。……いや、もしかしたら氷でも……)」

218 名前:グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:04:28 0

>「なにこれなにこれ!? いったーっ!なんか噛まれ……」
>「ユリたんっ?!」
ユリとリリィの叫びで、グラディスは思考の海から引きずり上げられる。
見えたのは引き上げられていくユリの姿!
「!?ユリちゃん、大じょ……」
そういいかけて、頭上の影を視界に捉えた。
大きな蜘蛛。魔法生物に相応しい大きさである。
その蜘蛛は、思考の停止したグラディスたち目掛けて網を放り――

>「服がベトベトになるのは嫌ですわ」
ユーリによって妨げられた。
頭上の空間が歪んで見え、その歪みに入った瞬間網は消えていた。
>「うん。ほんのり磯の香り」
「凄い、といえば凄いが……何に浸っているんだ?あーっと、ユーリ?」
先輩などというどうでもいい敬称は使わず、グラディスが問う。
それに答えずしてユーリはその辺のリリィの手を取り、さっさと屋敷に行ってしまう。
>「ええええ――――っ!!
> いやユーリ先輩、私、連れて行っても多分全然役に立たない気が」
「おい、二人して何処に……潜入か!」
>「蜘蛛の相手をする人たちにヒントね
>蜘蛛の糸はタンパク質だから熱にとても弱いの。さっきみたいに焼き払うのは有効よ」
>「誰か火を持ってるでちゅか?魔法で焼ききっても・・・・うわあああ?!」
その後姿を目で追いつつ、グラディスは自嘲とも怒声とも取れる叫びを放つ。
「……ハッ!ああ知ってるよ!よく知ってるとも!!
 しかし炎系の魔法を持つ俺にはそれが出来なくて困ってるんだがな!」
グラディスの持つ炎の魔法は一種のみ。掌に生み出す火球、それ以外は何一つ知らない。
一度放たれた糸なら大丈夫だろうが……。
「ユリちゃんが糸に捕らわれてるのが面倒だ!
 しかもおそらく即効性の麻痺毒なりなんなりにやられてるか。
 下手したら、ユリちゃんをこんがり丸焼きにしてしまうな……!」
言い終えると、蜘蛛が再び糸を放ってくる。

グラディスは糸を避けつつ、大蜘蛛のいないそこらの木へと突進していく。
無論、ぶつかりに行くわけではない。
「人狼モードッ!」
言葉と共にグラディスの外見が変わっていく。
顎の伸びた骨格へ、毛深い鼻面へ、鋭利な爪へ、煌く牙へ。
木の幹を蹴った時には、まさしく人狼と呼べる姿へと変身を遂げていた。
「レイヴンたち!俺はユリちゃんの救出劇を努めさせてもらうぜ!君らは蜘蛛の迎撃!
 失踪したくなかったらしっかり頼んだぜー!」
いつの間にかカラコンが落ちている。金色の目が暗闇でもぎらついているのが見えるだろう。
口調もいつものものへ戻っていた。通常ならばこうはならず、5時間は継続する。突然体を変質させたせいか?
幹を蹴り、枝へと飛び移るグラディス。高さは大蜘蛛の位置とほぼ同じ。
夜闇の中でも見通せる人狼の眼は、しかと捕らわれたユリを見据えた。

ベキッ!と枝が折れる音と共に、グラディスは乗っていた枝から跳ぶ。
闇さえ切り裂きそうな速さで向かうは、糸でぐるぐる巻きのユリ。
「うるぁぁああああああああ!!」
牙をむき出しにしながら、唸りを上げながら、グラディスは中空を突っ切る。
蜘蛛が糸を放てば、爪で切り裂こうとするだろう。

219 名前:メイション ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:47:00 0
>210>214>215
時間は少し遡る。
> 「そんなことないよね!? すごかったよ!びっくりしちゃったー!」
> 「そんなこと無いでちゅ。ちょっと吃驚しちゃっただけで・・・・・・ごめんなさい。
>  メイシェンたんは、触手使いだったんでちゅね。小さいのにすごいでちゅ。
>  さっきのハニーたん、にもお礼いわなくちゃでちゅ」
> リリィは一瞬だけメイシェンを引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。
> 「蜘蛛を取ってくれて、ありがとでちゅ。
>  でも・・・・・触手をこんな近くで見たことなかったから・・・・・・・ほんの少しだけ、ハニーたんが怖いって感じちゃったでちゅ。
>  本当にごめんでちゅ。許して欲しいでちゅ」
「二人とも謝る必要なんてないよ。きっとそれが普通の反応だから。
 でも…良かったら僕の上海ハニーを触ってみる?」
メイションの背中から触手が少し伸びた。どうやら体の他の部位からも触手が出せるらしい。
「あ、でも触手の先端には触らないでね。大変なことになるから。」

「バイバイ、蜘蛛さん。」
> メイションが蜘蛛を逃がそうとした時、状況は大きく動いた。
> それまで手の中であまり動こうとしなかった蜘蛛が、ガッとメイションの手に牙を突き立てたのだ。
> 「・・・・・・メイションたん?どうか」
答えられるはずもなかった。口から泡を吐きながら、メイションはその場にしゃがみこんだ。
メイションに毒蜘蛛への抵抗などなかったからである。
動けなくなったメイションは、リリィに触ってもらおうと思って出した触手も引っ込めることができない。

220 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/07(水) 19:48:32 0
>211>212
> 「私も知らないわ。だったら知っている人に聞けばいいだけのこと。
> …職員宿舎は…こっちね。」
「セラエノちゃんも知らないなら、仕方がないっすね〜。」
> 月明かりのさす中、職員宿舎に向かって歩くエンカとセラエノ。
> 「エンカ、…ちゃん付けはやめてくれない?
> その…なんだか恥ずかしいの。セラエノでいいのよ。」
「おん?そりゃあセラエノがそっちの方がいいならそうするっすよ?
 イザナギとイザナミの話にあるとおりよぉ、
 俺は女の子の言う事は素直に聞いたほうが良いと思ってるからな〜。」
奇しくもエンカが話したイザナギとイザナミはカミである。

> 「こんばんは。 月の綺麗な夜中に男女2人で逢引かしら?」
> ミクは挨拶しながら2人に近づいた。
> 「な、ち、ちが…!」
「今夜はあんたのように気をきかせてくれる人がいなくて困ってたところっすけどね。」
エンカは皮肉を言った。
> 「あなた、食堂でユリと話をしていたエンカよね?」
「そういうあんたは誰っすか?」
> 「私はユリの友達の、初音美紅。
>  実は私、あなたのおじのメイション君から、あなたを探すように頼まれていたの。
>  ここで会えるなんて、本当にうれしいわ」
「おぉ!そいつはちょうど良かった!俺達もメイションを探してたっすよ!
 それで、メイションは今どこに行ったのか、あんた知ってるっすか!?」
> 「メイション君は、ユリと一緒にベッドフォード総裁のお宅拝見に出向いてるの。
>  ここからなら森の中を抜ければすぐに追いつけるから、私と一緒に行きましょう。
>  可愛いおいと、こんなにすぐに出会えるなんて、メイション君もきっと喜ぶわよ」
> ミクは糸を操って人形を動かすと、枯れ木のような人形は腰から鉈のような刃物を取り出した。
> 人形は鉈を振い、森に入る獣道のような道を広げ始める。
「おおん!?この夜中にまさかその道で森の中を突っ切るつもりなのかよ!?」
> 「あなたも一緒にどうかしら? それとも、こんな夜中に森の中を歩くのは怖い?
>  大丈夫よ。 私の人形が道を開いてくれるから」
「こ、怖いわけないじゃないっすか!なぁ、セラエノ!」
> 「正に渡りに船だわ。ありがとう。同行させてもらうわ。」
「お、おうよ!」
> 「血の匂いがするわ……。あなた、人間ではないわね。 何の目的があって、この学園に来ているの?」
ミクが唐突にそうセラエノに質問した。エンカは血の匂いがするのは鼻血のせいだと思ったし、
もし仮にセラエノが人間でないとしたら、それは性的な意味で野獣なんじゃないかと考えた。
> 「私はセラエノ・プレアデス。神よ。
> 目的は魔法の術を収め自分の能力を見極める事。
> そして篤き信仰を得るか、さもなくば苛烈なる迫害を受け5つの門を開く事よ。」
「…はぁ?」
セラエノの回答は、エンカの常識の範囲を超えていた。
「おいおい、冗談がきついっすよセラエノ。だったらアレっすか?
 大多数の人類を洪水で押し流したり、他の神々を信仰する人間の子供を殺して回ったり、
 同性愛者達を塩の柱に変えたり、世界の終わりに全人類を殺してまわるような、
 そんな存在とお前が同類だっていうのかよ?
 正直そんな奴だとしたら尊敬できねぇし、お友達にもなりたくねぇって感じだけどなーっ。」
エンカの持つ神のイメージは彼が自身で話したようなイメージだった。
つまり、世界を創造した一神教としての神の姿である。
「生憎俺も、俺の両親や祖父母もその前の祖先も、神に祈ったりしてねぇたちだからよぉ。」
だったらお前も地獄行きだ!とか言われたらエンカも慌てるかもしれない。

221 名前:ミク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/07/08(木) 17:38:44 0
>212 >220
>「私はセラエノ・プレアデス。神よ。
>目的は魔法の術を収め自分の能力を見極める事。
>そして篤き信仰を得るか、さもなくば苛烈なる迫害を受け5つの門を開く事よ。」
自分は神だ。と言い切るセラエノを、ミクは絶滅寸前の希少生物を見るような目で見た。
>「おいおい、冗談がきついっすよセラエノ。だったらアレっすか?(後略)
信じられないと言いたげなエンカと違い、ミクは「自分は神だ」主張する人物を他にも知っている。
ただ、その主張はあくまで“自称”であり、“事実”ではなかった。
セラエノが同じように自分を過大評価していても、何の不思議もない。
神の概念がエンカとは違ったというのも、あまり驚かなかった一因かもしれないが。

「そんな風に言わないで、エンカ。
神様と夜の散歩をご一緒できるなんて、そうそう体験できない事よ。
篤き信仰を得たいようだから、困った時に後利益の方をはずんでいただきましょう。
それで、セラエノが神かどうかが、はっきりわかるでしょうから」
そして、その機会はすぐに訪れるだろう事を、ミクは良く知っていた。

「そういえばエンカ、あなた食堂でユリたちと面白い話をしていたわね。
 そう、浦島太郎の話よ。
 私は近くにいたから話を聞いていたけど、セラエノは知らないかしら?」
夜の森の中を先導しながら、ミクはセラエノに浦島太郎の話を簡単に説明する。
間が持たないから、ではない。
人は話を聞いて考える時に注意力が散漫になるからだ。
歩きながら、話しながら、ミクは糸を作り出しては道に張り、後ろを歩く2人の位置を把握する。

「私は、玉手箱は浦島太郎にとって、救いだったと考えるわ。
 懐かしい故郷に帰ってみれば、父母も思い人もなく、故郷は様変わりして自分の居場所はどこにもない。
 乙姫の所に帰ろうにも、その手段は失われている。
 浦島太郎にできたことは、玉手箱を開けることだけだったのよ。
 例えそれが自分の身の破滅に至るとわかっていても…ね。
 神様のセラエノは、この話をどう思うかしら?」
一連の話の中で、ミクはエンカよりもセラエノの方を先に襲う事に決めていた。
自分の挑発を軽く受け流し、夜の森に臆せず入る者は、神かどうかはともかく油断はできない。
逆にエンカは話し方からしても態度からしても、セラエノよりも自分に自信がない印象を受ける。
セラエノさえ倒せば、捕獲はたやすいはずだ。

セラエノの答えを待って、ミクは足元に張られていた蜘蛛の巣を踏み破って合図を送った。
近くの穴の中、糸と落ち葉で作った蓋の下に隠れていた大蜘蛛が、猛然と飛び出してセラエノに襲いかかる。
毛むくじゃらの大蜘蛛はセラエノを押し倒し、その体に毒牙を突き立てようとする。
同時にエンカの背中には別の蜘蛛が貼りついて、やはり噛みついて麻痺させようとした。
ミクは、後ろの出来事に気づいていないように、まっすぐ前だけを見て振り向こうともしない。
代わりに前を歩く人形から蜘蛛が顔を出し、セラエノとエンカが襲われるのをじっと見つめていた。


222 名前:名無しになりきれ[age] 投稿日:2010/07/08(木) 18:35:38 0
どうしたらそんなに上手なレスを書けるの?教えて!

223 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage自分語りスマンス] 投稿日:2010/07/08(木) 23:17:55 0
>>220
セラエノが神と聞き驚きの声を上げたのはエンカだった。
エンカは神の存在を忌避するようにまくし立てる。
まくし立てられた方のセラエノはといえば、露になっている口元に憐憫とも自嘲とも知れぬ笑みを浮かべて答える。
「エンカ、その問に答える前に私の問いに応えて。
自分の若さと美貌を保つ為に300人の処女を殺し、その血で満たしたバスタブに身を沈める貴婦人。
鬱屈とした社会生活のはけ口として魔女の名を与え虐殺したエウロパ地方の人々。
民族が違うという理由で隣人を嬲り殺した農夫たち。
未開の土地と黄金を奪う為に先住民を殺戮した侵略者。
あなたはそういった存在と同類だというの?
『そうだ』と答えられるのであれば、私も『神というカテゴリーにおいて同類だ』と答えましょう。」
エンカからセラエノに流れ込んでくる疑惑・憎悪・恐怖、そして戸惑い。
そのような感情を浴びながら説明を続ける。

「神の視座を人の身で目の当たりにしても戸惑ってしまうのはわかるわ。
でも、神魔は人心と不可分の存在であり、本来無力なものなのよ。
少なくともあなたの今言った行いは人が望んだ事よ。」
エンカの反応とは対照的に整然と並べ立てられる言葉。
一通りの台詞が結ばれるとエンカを宥めるようにミクが入り、浦島太郎の話を持ち出した。

その話は知っていたため、セラエノは説明を待つまでもなかったが、ミクの話が終わってから応えられた。
「それは幼子に教訓を与える為に用意された展開であって、救われたかどうかまでは考える必要はないこと。
話しの流れや矛盾点を正すよりも、約束を守らないといけない。
そういった教訓が与えられればそれでそのお話の役割は完遂されているのだから。」
本題である考察を全否定する回答だが、セラエノ的には至って真面目な回答だった。
しかしそれを応えた瞬間、それは襲い掛かってきた。

224 名前:セラエノ ◆LGeruanYjI [sage魔法世界の神ってよっぽどでないと有り難味がないかな、と] 投稿日:2010/07/08(木) 23:19:08 0
>>221
突如として飛び出してきた大蜘蛛がセラエノに襲い掛かってきたのだ。
突然の事で避けることも出来ず、その毛むくじゃらの足で押し倒されてしまう。
迫る牙から滴るのは強力な麻痺毒。
「判っていたわ。あなたから悪意が流れ込んできたから。
だから用意はしていた。蜘蛛だったのは残念ね。」
蜘蛛の下敷きになったセラエノから言葉が流れる。

「蜘蛛は肺を持たず気道が変化した原始的な呼吸器官しか持たない。
だから、僅かな眠り雲でもよく効くわ。」
覆いかぶさったまま動かない蜘蛛がズリズリとズレ、セラエノが立ち上がった。
そして佇まいを直すと、スカートの裾を僅かに持ち上げる。
スカートの中から飛び出す30センチほどの魚が5匹。
ガンフィッシュという下顎が銃身となっている擬似生命体であり、コイノボリ・タイウヲと同様のセラエノの使い魔だった。

一瞬も留まらずセラエノの周囲を飛び回るガンフィッシュから高水圧の水弾が発せられ人形の頭を打ち抜いた。
散らばった本を拾い集め、大事そうに抱えると、凛とした声が夜闇に響く。
「いい機会だから説明を続けるわ。
人工生命を作り出す錬金術師は創造主では有るけど神とは呼ばれない。
学園教師を含め、有史以来超越した力を持つ者はいるけど神とは呼ばれない。
何を以って神足りえるのか?
人の意識は『意識』『無意識』を個有し、『種としての共有意識』『生命全体の意識』と繋がるの。
人の信仰、もしくは迫害は個人の意識から全ての階層を通り神へと達する。
神とは、進行と迫害を通じてあらゆる層の意識の門を開きその力を行使する力を持つ者。
だから信仰も迫害も受けていない私の力はこの程度。」
『意識』『無意識』『種としての共有意識』『生命全体の意識』そして『神に至る門』の五つの門に通じる力を持つ。
その力の副産物がセラエノが有する強力なテレパシー能力だった。

突き出した二本の指にともる小さな炎。
人差し指から発生した炎は初級魔法である『着火』で発生した炎。
しかし中指に発生した炎は一見同じ炎に見えるが、感覚の目で見ればあらゆる魔力、現象に依らない純粋な炎だとわかるだろう。
そこに存在しえぬ炎。
それがセラエノの起こした、そして今起こせる精一杯の奇蹟なのだ。
魔法が一般的な世界において、微量の奇蹟など魔法で十分代用できてしまう。
魔力に依ろうと奇蹟に依ろうと、炎は炎なのだから。

「あなたはご利益があるかも、といったけど、エンカは私を信仰していない。
それにエンカ一人の信仰で開くほど門は小さくないし、事象の因果は軽くないわ。
神が人を作るのではなく、人が神を作りより信仰と迫害を受ける更に神は強大になっていくのよ。
だから私がエンカに与えられるの神としてのご利益ではなく、友人としての助けだけよ。」
大きく息を吐き、無力な神がミクに言い放つ。

二つの炎に照らされたセラエノの手には血が滲んでおり、微かに震えている。
僅かではあるが蜘蛛の牙を受け麻痺の毒に蝕まれているのだった。

225 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/09(金) 09:43:27 0
>221>223>224
> 「エンカ、その問に答える前に私の問いに応えて。
> 自分の若さと美貌を保つ為に300人の処女を殺し、その血で満たしたバスタブに身を沈める貴婦人。
> 鬱屈とした社会生活のはけ口として魔女の名を与え虐殺したエウロパ地方の人々。
> 民族が違うという理由で隣人を嬲り殺した農夫たち。
> 未開の土地と黄金を奪う為に先住民を殺戮した侵略者。
> あなたはそういった存在と同類だというの?
> 『そうだ』と答えられるのであれば、私も『神というカテゴリーにおいて同類だ』と答えましょう。」
「そうだ!だが、違うぜ!
 俺だってずっと若いままでいてぇし、むかつく奴を殴りたくなる時がある!
 一神教を信仰する連中とは気が合わねぇし、金だって欲しいぜ!
 質問に質問で返すんじゃねぇぜーっ!セラエノ!
 そんな誘導尋問じみたことを言わなくてもよーっ!
 自分には他人の痛みがわかるって言やぁ俺はお前に敬意を持てたんだ!
 カテゴライズの問題じゃあねぇんだよーっ!」
セラエノの言葉は、エンカの精神を逆撫でしたようだ。
> 「神の視座を人の身で目の当たりにしても戸惑ってしまうのはわかるわ。
> でも、神魔は人心と不可分の存在であり、本来無力なものなのよ。
> 少なくともあなたの今言った行いは人が望んだ事よ。」
「人が持つデストルドー(破滅欲求)が人を殺したと言いたいのか?
 それを本気で言ってるとしたら、神ってのはとんだ責任転嫁野朗じゃあねーかよ!
 そうやってワタシの事は誰も理解できないってイキがってりゃいいぜ。
 だが、そんな奴は結局、一人だけで感じられる幸せを追求する他無くなるんだからよぉ。」
エンカとセラエノの間にピリピリとしたムードが漂った。

> 「そんな風に言わないで、エンカ。
> 神様と夜の散歩をご一緒できるなんて、そうそう体験できない事よ。
> 篤き信仰を得たいようだから、困った時に後利益の方をはずんでいただきましょう。
> それで、セラエノが神かどうかが、はっきりわかるでしょうから」
ミクだ。
> 「そういえばエンカ、あなた食堂でユリたちと面白い話をしていたわね。
>  そう、浦島太郎の話よ。
>  私は近くにいたから話を聞いていたけど、セラエノは知らないかしら?」
> 夜の森の中を先導しながら、ミクはセラエノに浦島太郎の話を簡単に説明する。
エンカも「たぶん昔お袋から聞いた話だと思うぜ。」と付け加えた。
> 「私は、玉手箱は浦島太郎にとって、救いだったと考えるわ。
>  懐かしい故郷に帰ってみれば、父母も思い人もなく、故郷は様変わりして自分の居場所はどこにもない。
>  乙姫の所に帰ろうにも、その手段は失われている。
>  浦島太郎にできたことは、玉手箱を開けることだけだったのよ。
>  例えそれが自分の身の破滅に至るとわかっていても…ね。
>  神様のセラエノは、この話をどう思うかしら?」
ミクがセラエノにそう聞いた。(エンカ「俺はそんな風に思えないっすけどね。」)
> 「それは幼子に教訓を与える為に用意された展開であって、救われたかどうかまでは考える必要はないこと。
> 話しの流れや矛盾点を正すよりも、約束を守らないといけない。
> そういった教訓が与えられればそれでそのお話の役割は完遂されているのだから。」
とセラエノ。
「だったらいつか、ウラシマタロウが幸せになるお話を考えてみようぜ?
 なぜなら俺達は教訓が必要な幼子じゃあねぇし、俺がメイションに聞かせるなら、
 もっと幸せな結末を語ってやりてぇからよぉ。」

226 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/07/09(金) 09:44:22 0
> 近くの穴の中、糸と落ち葉で作った蓋の下に隠れていた大蜘蛛が、猛然と飛び出してセラエノに襲いかかる。
> 毛むくじゃらの大蜘蛛はセラエノを押し倒し、その体に毒牙を突き立てようとする。
「な、何っすかこりゃーっ!?」
エンカはセラエノが大蜘蛛に押し倒されたのを見て、地面に落ちていた手ごろな岩を掴むと、
大蜘蛛にそれで殴りかかった。ゴツン!大蜘蛛に3のダメージ!
「セラエノから離れろよコラアァァッ!」
ゴツン!大蜘蛛に0.5のダメージ!
エンカ ノ イワ ガ バラバラ ニ ナッタ

#########################################
エンカは手に持っていた岩が砕けてしまったので、仕方なく素手で大蜘蛛に殴りかかった。
「オラッ!!」
すると、セラエノを押し倒していた大蜘蛛が、ギャピー!と悲鳴をあげて吹き飛ばされた。
「なっ!?」
驚いたのはエンカ本人である。
近くの穴から、新しい大蜘蛛が何匹も這い出してきた。
その存在に真っ先に気づいたのは意外にもエンカだった。
「オラオラオラオラオラオラオラオラーッ!!」
エンカは飛び掛ってきた大蜘蛛達を片っ端から殴り飛ばした。
あるものは月まで吹っ飛び、あるものは四散し、あるものは木に叩きつけられ潰された。
エンカの目が今、真っ赤な血の色に変わっていく。
「力がみなぎってきたぜーっ!!」
エンカの体の筋肉という筋肉が膨張し、来ていた服を内側から破って吹き飛ばした。
>「どうやらやっと自らの真の力に目覚めたようですね。」
エンカの目の前に、きれいに光る妖精が現れた。妖精がエンカの秘密を語った。
>「あなたは妖怪と悪魔と幽霊と魔人と超人とイチローの血を受け継いでいるのです。
> そんなあなたの命を、あなたの父の仇、魔王ショーカイセキーが狙っているのです。
> さぁ、運命にしたがい魔王ショーカイセキーからタイワーン国を救ってください。」
「どんと来い、ショーカイセキー!俺は逃げも隠れもしない!
 この命ある限り戦い続けるぜーっ!!」
>「ワタシ ハ エンカ ガ ダイスキ エッチ シマショウ」
#########################################

突然、エンカの目の前に存在していた、エンカにとって都合の良い全てが消えた。
エンカにはただ、首の後ろに残った重い痛みと、
手に握られた砕けた岩の破片のみが残された。エンカは真実を悟った。
「(あぁ…俺は蜘蛛に噛まれたショックで、都合の良い幻想を見ていただけみたいっすね…
 だいたい、俺の親父は死んでねぇしよぉ…俺は雑種でもねぇ…)」
エンカはセラエノを見た。エンカが助けようとしても、そうしなくても、
彼女はエンカが幻想を見ている最中に自力で毒蜘蛛を撃退できるのだ。エンカがそうできなかったように。

227 名前:エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage連投ゴメン、これで最後] 投稿日:2010/07/09(金) 09:45:21 0
> 散らばった本を拾い集め、大事そうに抱えると、凛とした声が夜闇に響く。
> 「いい機会だから説明を続けるわ。
> 人工生命を作り出す錬金術師は創造主では有るけど神とは呼ばれない。
> 学園教師を含め、有史以来超越した力を持つ者はいるけど神とは呼ばれない。
> 何を以って神足りえるのか?
> 人の意識は『意識』『無意識』を個有し、『種としての共有意識』『生命全体の意識』と繋がるの。
> 人の信仰、もしくは迫害は個人の意識から全ての階層を通り神へと達する。
> 神とは、進行と迫害を通じてあらゆる層の意識の門を開きその力を行使する力を持つ者。
> だから信仰も迫害も受けていない私の力はこの程度。」
> 突き出した二本の指にともる小さな炎。
エンカにはその二つの小さな炎の違いがわからなかった。
ただエンカにはその炎が、神と人、男と女、賢者と愚者、
そういった対称的すぎる自分達と重なって見えた。
> 「あなたはご利益があるかも、といったけど、エンカは私を信仰していない。
> それにエンカ一人の信仰で開くほど門は小さくないし、事象の因果は軽くないわ。
> 神が人を作るのではなく、人が神を作りより信仰と迫害を受ける更に神は強大になっていくのよ。
> だから私がエンカに与えられるの神としてのご利益ではなく、友人としての助けだけよ。」

「悪ぃな、セラエノ。友人として助けられてやりてぇところだけどよぉ。
 俺はお前が支えるには重過ぎるみてぇだ…」
エンカがセラエノにそう話しかけた。エンカが喋れる時間はもうあまり無い。
「神話の世界ならよぉ。ヒーローはピンチになった時、突然すげぇ力に目覚めたりするよなぁ?
 俺もいつかそうなるんじゃねぇかと思ってたぜ。何の根拠も無いってのによぉ。
 そう、都合良くヒーローになれる奴なんか一握りしかいねぇ。
 多くの誰もが、自分よりも圧倒的に大きな何かに翻弄されて生きていくしかねぇんだ。
 今俺が、その多くの一人だってわかっちまったからよぉ、どうしようもねぇよ…
 (いや、違うな。きっと本当は誰よりも自分で知ってたんだ。
 だからこそ神を名乗ったお前にハネ返っちまんたんだろうなぁ…)許せよ…な…」
エンカは最後にセラエノに言った。
「セラエノ、さっき話しかけてたみてぇだけど、ミクは無事なのか?目が見難くなってきた。
 あいつに伝えてくれよ。ここは危ねぇから早く逃げろってなぁ…」
そしてエンカは口から泡を吹き、喋る事もできなくなった。間もなく意識も無くなるだろう。

228 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/07/09(金) 10:31:35 0
「さて、参った事になったな、鴉さん?」
突如鴉の背後から桜花が現れる
「怪しい音はしていたんだが・・・ここら辺に来てから妙なノイズ音がひどくて・・・
 ちょっと聞き落としてしまっていた」

>「レイヴンたち!俺はユリちゃんの救出劇を努めさせてもらうぜ!君らは蜘蛛の迎撃!
 失踪したくなかったらしっかり頼んだぜー!」
「・・・やれやれだな、出さなくてもいい無粋な音楽を奏でる事になるとは」
この間にも蜘蛛から吐き出される糸は止まらない
それにもかかわらず桜花は糸に当たらない
まるで桜花を避けるように糸は桜花の横を通り過ぎていく
桜花は蜘蛛が動く前にちょっとだけ体を動かしているだけなのに
「・・・?目の見えない私がどうして糸に当たらないか不思議か?鴉さん?
 簡単な事だ、蜘蛛の動かす口元や首の動く音を聞いているだけだ。
 相手に糸を当てるならこちらに首を向けなければならない
 狙いをつけたら糸を吐くために空気を吐き出さなければならない
 私にはその吐き出す時の微かな音が聞こえるんだ
 それにあわせて自分の位置をちょっとずらしてやればいい、それだけだ・・・」
簡単に言っているがそれは類稀なる聴力を持つ桜花だからこそ出来る事であって素人にはおススメできない
「私には楽譜を見るのと同じだ、どの音がすれば次になんの音が来るか如実にわかる」

「しかし困った・・・私は戦闘に向いた魔法はあまり多くないんだ
 それに荒々しい曲調は好みじゃなんだ」
ぶつぶつと文句を言っている桜花
「それに音は攻撃するためのものじゃないんだ
 戦うなら拳・・・うん、拳の方がいい、あなたもそうは思わないか?鴉さん」

229 名前:リリィ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/07/09(金) 17:37:14 0
>216
>「つまりこういう作戦だ」 (にゃなあ) 
>グレンの提案するのは屋根から煙突に入り込むことである 
「おお〜グレン冴えてるでちゅ!」
リリィはひたすら感心している。猫の案に感心する人間、・・・・・・アリなのだろうか?
>「パワー型筋肉キャラには無理だけどね」 (にゃにゃんなお)
リリィはユーリを見た後、大丈夫!とばかりにぐっと親指を突き出した。
「私、寮の部屋を抜け出した時に使った縄持ってるでちゅ!
 あ、だけど・・・・・・煙突っていうのは、この建物のどの辺にあるんでちゅかね?」
こんな大きなお屋敷を見たことが無かったリリィには、煙突がどこにあるのか皆目見当がつかなかった。
そして上ばかり見ているリリィは、ユーリが自分に向ける視線の『意味』にも気づけなかった。

「グラディス君達と別れる時、蜘蛛との戦い方の話をしてたでちゅよね?
、で、蜘蛛の糸は燃やせばいいって・・・・・・・。
 そういえばさっきユリさんが突然消えたとき、何かに噛まれたって・・・・・・。
 もしかしてユリさん、蜘蛛か何かに襲われて、捕まっちゃったんでちゅか?」
ユーリにとっては今更過ぎる事実に、リリィは今到達したようだ。

「えっ、あっ、もしかしてそれって!!どどど、どうちよう・・・・・・!
 ユーリ先輩、大変でちゅ!
 もしかして、総裁のお屋敷を調べた人間が消える原因って!ユリさんを襲った蜘蛛の仕業なんじゃないでちゅか?」

グラディス達が起こした騒ぎを、屋敷の者たちも気づいたようだ。
仕着せらしい服に身を包んだ人影は、仲間達が潜む木陰の方を見てなにやら話している。
見つかるのは時間の問題だろう。

(大丈夫なのかな?メイション君。
 あの時、別れ際、なんだか様子がおかしかった気がする)
リリィは、先程メイションに触らせてもらった触手の感触を思い出していた。
ヤギの腸のように柔らかいのかと思っていたが、実際にはもっとしっかりしていた。
多分リリィが思っているよりずっと、メイションの触手は強いし、同行した仲間の方がずっと信頼できるだろう。
だが。

>「僕はユリお姉ちゃんと遊びたい。」 

「・・・・・・・・・」
リリィは、『総裁のお宅』と、メイション達が潜む木陰とを交互に眺め・・・・・・そして言った。
「このまま潜入しないで、グラディス君達と一緒に寮に戻りまちぇんか?
 私達が屋敷に入らなければ、道に迷って、たまたまここに来て、蜘蛛に襲われたと言い訳できるでちゅ。
 ・・・・・・・ちょっと苦しいでちゅが」

だが、リリィは大事なことに気づいていない。
ユーリや猫のグレンはともかく、リリィは、気配を消す技術など持ち合わせていない。
ここまで要人の住む屋敷に接近して、グラディス達もリリィ達も見つかっていない理由はいったい何だろうか?

一つ目は、ユーリによるフォロー。
二つ目は、単なる偶然と幸運。
三つ目は、総裁側があえて接近を許している場合、だ。

230 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6[sage] 投稿日:2010/07/09(金) 22:32:49 0
>217-218>228
>「自己完結したようだが、一つ言っておこう。
> リーダーであるということの名と実はイコールではない……ってな」
耳打ちを受けた鴉はその内容に顔をしかめると同じように耳打ちをする。
「……つまり、お飾りってことか……
 まぁ、発案者の面子を潰さずに済む方法としては……?」
そこで何か引っかかったのか、言葉を切る鴉。
数秒してどうも何かに納得したらしく
「……あんたも大変だな。問題児中の問題児の集まりの面倒見なきゃならないんだから」

>「ん?ああ、そうだ。なんと言ったかな……そう、ゼルフェルド。ゼルフェルド卿だ。
> 酷く強い、そして誠実――襲ってきておいて何だというかもしれんが――誠実な騎士だった。
> 恐ろしい強さなのは変わりないがな。……もしかして、怖いのか?フン、臆病者め」
ビビリを笑うグラディスだったが、それを聞いた鴉は特に動じた様子もなく
「俺みたいな奴に臆病は褒め言葉だぜ? ……怖いと思うからこそ、立ち向かえる。
 恐怖を感じない奴は人間じゃない、人形だ……俺は最近そう思うようになった」
自分の右手を見、握っては開いてを繰り返す。

「……誠実な騎士、ね。だが結局はそいつも誰かを殺すんだろう?
 今までも殺してきたんだろう? ……だったら、俺にとっちゃただの人殺しだよ」
そう言い切る鴉の表情は暗く、言葉に力がない。その暗さの根元が何なのかは読み取れそうになかった。


>「蜘蛛の相手をする人たちにヒントね
> 蜘蛛の糸はタンパク質だから熱にとても弱いの。さっきみたいに焼き払うのは有効よ」
>「さて、参った事になったな、鴉さん?」
どこに危険があるか分からない状況で物思いに耽ってしまうなど、愚の骨頂。
以前や『未来の姿』ならば決してしなかっただろうミスを、しかし今の鴉はしてしまった。
忍び寄る大蜘蛛の襲撃に、即座に対応できなかったのだから。

初撃こそユーリのお陰で事なきを得たものの、撃退したわけじゃない為
望まぬ戦闘をする羽目になってしまった。
「熱に弱いと言われたってな……! 俺はそんな魔法とか使えないんだぞ!?
 そういう事が出来るならこいつらを……行っちまったのかよぉぉぉぉぉ!?」
丸投げされた格好の鴉、大絶叫。言葉通り、鴉には熱を発生させるような何かはない。
自身がそう思ってるだけで、本当はあるのだが……それに鴉は気づかない。知らないのだから―――。


231 名前:レイヴン ◇70VgGM3HY6[sage] 投稿日:2010/07/09(金) 22:34:12 0
「っ……! ああ、そうだな……まさかとは思うが、消息不明の原因はこいつらか……?」
桜花のぼやきじみた言葉に賛同するも、大蜘蛛の吐く糸に苦戦する鴉。

そもそも刀と言うものは力任せに斬る物ではない。技で斬る、故に鋼鉄を前に一刀両断も成し得るのだ。
が、どう言う訳か刀と言うものには往々にして『斬れない物』があったりする。
かの斬れぬ物なしと言われた伝説の名刀も、『こんにゃく』の前には文字通り歯が立たなかったのだ……

鴉の刀が大蜘蛛の糸を斬れない訳じゃないのだが、
つまるところ伸縮する糸は剣とか刀にとって相性が良くないのだ。

>「・・・?目の見えない私がどうして糸に当たらないか不思議か?鴉さん?(中略)
> それにあわせて自分の位置をちょっとずらしてやればいい、それだけだ・・・」
そんなこんなで、動きこそ封じられてはいないものの近づく事も出来ないだったが
桜花の方は盲目とは思えないほどの達者な動きで、大蜘蛛の糸を正確に避けていた。
「……なるほどね。俺も仕事柄耳は鍛えてるが、桜花嬢には遠く及ばないな。
 目に頼ってる内は未熟者、分かっちゃいるんだがな……っと!」

>「それに音は攻撃するためのものじゃないんだ
> 戦うなら拳・・・うん、拳の方がいい、あなたもそうは思わないか?鴉さん」
発せられた言葉もそうだが、それが意味する所を鴉なりに考えて導き出した答えに我が耳を疑う。
確かに桜花は同年代の女子よりは上背もあるし、楽器を扱うと言う事で普通よりも鍛えてはいるだろう。
しかし、どちらかと言えば荒事に向かない雰囲気を漂わせる桜花から、『戦うなら拳』なんて
ワイルドな台詞が出てくるとは思ってもみなかったのだ。
「否定は……しないけどな、桜花嬢。音楽家なんだろ?
 楽器を触る手を血とかで汚すのは……俺はどうかと思う……っ!
 ……俺が動ける内は頼ってくれ。昼間の曲の礼だと思ってさ。
 むざむざと嬢の手を汚れさせたくないんだよ……」

こっぱずかしい事を言ってる自覚は、まだない。
非常事態と言う事で意識がそっちに向いてるからだ。
……とは言え、事態を打開する手もまだないのだが。


>「レイヴンたち!俺はユリちゃんの救出劇を努めさせてもらうぜ!君らは蜘蛛の迎撃!
> 失踪したくなかったらしっかり頼んだぜー!」
グラディスはグラディスで、大蜘蛛にさらわれたユリの救出に向かった。
信用されてるのかどうなのか、分かるわけもない。だがそんな事お構いなしに口をついて出た言葉は――
「グラディース! とっとと済ませて戻ってこいよ!
 いつまで待っても帰ってこないから探してみたら仲良く蜘蛛の餌になってましたとか
 そんなヘマやらかしたら許さねぇからなー!」
悪ガキ二人組と言った趣のやり取りだが、会って一日も経ってないのに
自然とそんな言葉が出てくる……こんな掛け合いなど生まれて初めてだと言うのに、だ。


【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン

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