ロックの課題・ななし##########################

166 名前:名無しになりきれ[sage【ロックの課題 第零章】] 本日のレス 投稿日:2008/10/21(火) 16:21:13 O
「まったくしつこい奴らだぜ!」
言葉と同時に放たれたロックの鉄拳を受け、黒装束の男は声も立てずに崩れ落ちた。
周囲には同じような服装の男たちが数人倒れていて、この戦いが以前から続いていた事を教えている。
その襲いかかってきた敵の最後の一人を、たった今ロックが打ち倒したのだ。
「それにしてもこいつらは一体なんなんだ?
 揃って同じような服装をしやがって‥‥」
ロックが襲撃を受けたのは、これが初めてではない。
このフィンカイラ島についてから、すでに何度か襲撃者を撃退している。
ただ、ロックには自分が狙われる理由がわからなかった。
敵のことで分かることといえば、誰も彼もが同じようなフードにマント姿だということだけなのだ。

とにかくポンデと合流しようと歩き出したロックの前に、新たな敵が立ちはだかる。
襲撃者達と同じ服装は、この男もロックに敵意を持っていることの証だ。
「我らの女神を奪っただけでは飽きたらず、別の女の所に走って女神を侮辱しおって‥‥!!
 生きながら地獄に叩き込んでその罪を償わせてやるぞ!ロック・ウィル!」
歯ぎしりの音と共に絞り出される言葉の中に、ロックにはよく分からない単語があった。
「女神だって?誰のことを言ってるんだ?」
「我らの女神と言えば、女神リリアーナに決まっているだろうが!
 どこまで女神を侮辱すれば気が済むのだ!」
激高する男だが、ロックはまるで意に介さない。
「リリアーナは女神なんかじゃないぜ!
 ただ、俺が世界中で一番愛してる女性だってだけだ!」
「おのれ二流が‥‥!」
怒りの余り言葉の続かない男だったが、すぐに両手を天に掲げる。
「我らヒンヌーの世を築くために!奥義!!」
男の回復魔法を受け、倒れていたヒンヌー教徒たちが次々に起きあがった。
多勢に無勢。
普通の人間なら怯むところだが、燃える男ロックは怯まない。
「来い!フォルティシモ!!」
ロックの呼びかけと同時に、男達の背後で混乱が起きた。
ロックの愛箒フォルティシモが男達を攻撃しているのだ。
「はああぁぁっ!ペリキュラム!」
その隙を逃さずロックは特大花火を集団に打ち込み、ヒンヌー教徒の群に突撃する。
「燃え上がれ俺の魔力!ホウヨクテンショウ!!」
夜空に、吹き飛ばされたヒンヌー教徒達の体が舞い上がった。


「ご主人様。どうやら一連の襲撃は過激派ヒンヌー教徒が起こしているようです」
翌日の朝、フィンカイラ島の宿屋の一室で、ロックはポンデが調べてきた事を聞いていた。
「そうだったのか。それでリリアーナの事を女神とか言っていたんだな」
ヒンヌー教の過激派集団は、フィジル島では女神リリアーナの手前、ロックへの攻撃を差し控えていた。
だがロックがフィジル島とリリアーナの側を離れた今、女神を取り戻すために執拗に攻撃してくるだろう。
「一度フィジル島にお戻りになりますか?」
「いや。俺は戻らない。
 アンジェリーナの課題も済ませずに戻ったら、リリアーナ達に何と言われるか分からないしな。
 それに、本当の漢っていうのは。
 どんな問題が立ちはだかっても、絶対に逃げたりしないんだぜ!」
新たな主人の言葉を聞いたポンデは、恭しく一礼して決定を受け入れる。
ロックのフィンカイラ島での冒険はまだ始まったばかりだ。
それでも燃える漢ロックは、不屈の闘志でどんな困難にも立ち向かい、打ち勝っていくだろう。
ロック・ウィルの新たな冒険に幸あれ!


フラグ講座2###########################

193 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/11/22(土) 23:52:46 0
ラルヴァ「ラルヴァと」
キサカ「キサカの」
二人「フラグ講座〜」
キ「というわけで現時刻を以ってまたまた始まりました「ラルヴァ&キサカのフラグ講座2」」
ラ「司会はこの私、「マジで二回目やるのか?アホかとバナナかと思った」ラルヴァ・ケラスと」
キ「「定期化して副収入にならないか狙っている」キサカがお送りします。
  というわけではい二回目。まあ正直ベタなのは出しつくしちゃったんですけどね」
ラ「ぶっつけ本番の前回とはちがって微妙にスタンバってきたのが悲しいですねはい。」
キ「例によって前回かなりダラダラ気味でしたからねぇ。そしてそれを解消するべく!今回はなんとゲストが登場します!
  正直なところギャラに少しでも響くからゲストなんざ要らないんですけどね」
ラ「まあそこらへんの生々しい話は置いておいて……今回のゲストは巷で噂の副会長!バン・クローd」
副「人をいつまで待たせるつもりだぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!」
キ「えー、というわけで熱いというよりも暑苦しい男の副会ちょ」
副「この番組温すぎるぞぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!」
ラ「ちょうどいい感じで会場が温まってきたので早速行きたいと思います」
副「うぉぉぉぉおおおおおおおっ!!どぁぁぁぁぁぁああああっ!!」


【シーン1】

親父「帰ったら、みんなで一緒にうまい酒でも飲もうや」

副「おやじぃぃぃいいいいいいいいっ!!!」
ラ「あーこれはもうダメですね手遅れですね」
キ「最後死ぬときに取っておいたうまい酒飲むタイプですね」
副「おやじぃぃぃいいいいいいいいっ!!!」
ラ「なんか激しいのが一人いますが先行きましょう」

【シーン2】

勇者達は逃げ出した!

しかしまわり込まれてしまった!

ラ「あ、これ死んだ」
キ「あるあるwそもそも逃げるコマンド自体が一種のフリですからね」
副「ああ、俺も何度逃げ切れずに全滅したことか・・・」
ラ「あれ、なんかずいぶんと冷静に」
キ「てかドラ○エは副会長さんもやるんですね」
副「俺はいつだってちゃぁぁんと冷静に物事を判断しているっ!!
  ふっ・・・それに自慢じゃあないが俺は一応のことドラ○エは
  あの苦行とも言えるエデンの戦士を職業無しでクリアしたほどやりこんでいるぅっ!」
ラ「それはもうマゾといっていいプレイじゃないんでしょうか?」
副「いや実を言うとダー●神殿で一回騙されてから疑心暗鬼になっていた時代があってな!
  もしかしたらまた騙されるのかもしれない、いやこれこそが罠!?
  などと勘ぐっているうちにどんどん深みに嵌っていったんだ!!
  それに俺は思うのだがエデンの戦士は正直最初のカラクリ兵の・・・」
キ&ラ「長くなりそうなんで次行きます」

【シーン3】
男「ねんがんのアイスソードを手に入r」

副「殺してでも奪いとる!!」
キ「殺してでも奪い取る!!」
ラ「え、なにこれ。どうしたんですか二人とも」
副「殺してでも奪い取る!!」
キ「殺してでも奪い取る!!」
ラ「呪いでもかかってんのかアンタ等はぁぁ!!」




194 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/11/22(土) 23:53:44 0
【シーン4】
女「男くん・・・あたしのピアニカに、何の、用?」
男「・・・・・・・・・・・・・」

キ「これ完全にアレですよね」
ラ「はい、ぺろぺろしてたんですね」
副「これは男に全ての否が内包されているな!」
ラ「しかしここから始まるラブロマンス!!」
キ「ラブロマ!!・・・ねーよwwwww」
副「ラブロマンスどころか男が女にフルボッコにされるバイオレンスしか見えんっ!!」

キ「さて、そろそろお時間のようですね」
ラ「あっという間でしたね、まあ前回と同じように大して時間も経ってないみたいですが」
副「よぉぉし!!告知タイムだぁぁぁぁああああああ!!」
キ「そういうシステムうちおいてないから」
副「これを見ている諸君!!生徒会はフィジル校舎の三階!!階段を上がって左の隅に設置されている!!」
ラ「ちょ、人の話し聞いてる?」
副「明るい職場に楽しい役員!!ウノや人生ゲームも完備!!
  優しい先輩のおかげで後輩のケアもばっちし!!」
キ「職場って職じゃねーだろ!!」
副「興味のある方はぜひ!生徒会はいつでも君たちを歓迎する!!
  やっていく自信がなくても大丈夫!! 俺についてこい!!
  一緒に沈む夕日までブーストファイヤーだぁぁぁぁ!!」
ラ「スタッフ〜!!スタッフ〜!!鎮静剤持ってきて〜!!」
キ「いやもう麻酔でいいからこの人どうにかして!!」
副「どおりゃあああああああ!!!だっしゃあああああ!!!」

    
     し ば ら く お 待 ち く だ さ い

ラ「オホンッ・・・ということで気を取りなして」
キ「皆さまごきげんよう〜」
副「・・・ああ、星が見える!!・・・僕にはまだ帰るところがあるんだ!!
  大丈夫、リリィにはいつでも会えるから・・・うふ、うふふふふふうふふふ」


   この番組は
    ベアトリ薬局
    シュガーローン
    ハカタの死王
    魅!漢団!!
   の提供でお送りしました


魔法少女らが甲子園優勝を目指すそうです・センバツP ◆dItGlIsd2k##############

223 名前:センバツP ◆dItGlIsd2k [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/04(土) 14:46:53 O
「魔法少女らが甲子園優勝を目指すそうです〜その1〜」

ある夏の日、それは前々からそこにあったかのように佇んでいた。
昨日まで何もなかったグラウンド狭しと現れたそれは、一見すると闘技場にも似た外見をし、誘うかのように門を開き、中へいざなう。
その門の上に、ソレの名が東方の言葉で「甲子園球場」と記されていた。

この日から、魔法少女達の熱い夏が始まることをまだ誰も知らない。


224 名前:センバツP ◆dItGlIsd2k [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/04(土) 14:49:16 O
魔法少女野球ルール
1.基本的なルールは野球と同じものとする
2.選手は学生であれば、男女は問わないものとする
3.魔法の使用は許可するが、以下の行動は禁止とする
 選手への攻撃等の直接的な妨害
 空を飛ぶ行為
 故意にボール、バットを破壊する行為
 審判の判定、勝敗を覆す行為
 ボールを増やす、バットを巨大させたりなどの行為
 使い魔、召還獣の使用
 球場の破壊、縮小、巨大化等の球場に影響を及ぼす行為
以上の行為を行った選手は即刻退場処分とする
加えて、試合中魔法を使えるのは、プレー中の選手のみとするが、治癒魔法は例外とする
4.バットの素材については不問とするが、形、大きさの上限は野球と同じものとする。
5.選手は生物であるのが好ましいが、人形、その他でもよいものとする。
その場合、操縦者もしくはそれに準ずるものは、専用の選手枠を用意するので、選手登録をするものとする。
その場合は、操縦関係以外の魔法の使用を禁じる


225 名前:センバツP ◆dItGlIsd2k [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/04(土) 14:55:39 O
センバツを見ながら、幻想野球見てた結果がこれだよ!
かなり短いプロローグなのは、出すキャラクターを選んでいないから
今居るメンバーと過去のメンバーから、個人的に面白そうなのを選びたいと思います。
ルールに対しての質問、意見は常時募集してますので、遠慮なくお願いします。

230 名前:センバツP ◆dItGlIsd2k [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/07(火) 02:16:31 0
予定変更、休みが明日に伸びてしまったので、第二話は今日中にはムリっぽいです。
が、一応メンバー揃えてみました!!!

アイシャ(控え投手) セット クリス(控えキャッチャー)
タイプ:軟投派 トリックプレー主義
フリージア(ライト)
スクナ(ショート)
マオ(ファースト)
バン(投手 四番、キャプテン) セット クロウ(キャッチャー)
タイプ:力投派 真っ向勝負主義
ユリ(センター)
リリアーナ(マネージャー兼控え投手) セット アルナワーズ(控えキャッチャー)
タイプ:特殊 
キサカ(セカンド)
キサラ(レフト)
ケオス(サード)

外野は足の速そうな三人で固め、投手陣は少々心持たないけど二人でどうにか
リリアルコンビは、特殊な場面用ってことで
内野は…適当です。ごめんなさい。

とりあえず、生徒会メンバーはバンが無理やり誘った感じ、あとはまぁ口車にのせられたり
興味があったりと、それそれ違ってたり…

>>229
ルール上、三振後のアレはご法度ですが、確かに使える感が出てますね。
とりあえず、対戦相手は、甲子園球場の意思通称「甲子園の魔物」が用意した
歴代優勝校の幻影とやっていただくことになります。
歴代優勝校といっても、現実ではなくあくまでも「魔法野球」での優勝校ですので
スポコン物のパロディチームでいくことになると思います。

また、試合に関しては、決勝以外はダイジェストになりますが、名勝負のシーンは描写するつもりです。

231 名前:センバツP ◆dItGlIsd2k [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/08(水) 22:44:17 0
「魔法少女らが甲子園優勝をめざすそうです〜二回表〜」

『甲子園球場』が現れたその日、教師たちによる調査が行われた。
その間、生徒達は自習ということで全員教室で待機することになったのだが、
教室の中は、『甲子園』の話題で持ちきり…ではなく、先日行われたWMBC
(ワールドマジックベースボールチャンピオンシップ)の話題と共に盛り上がっていた。
各々の教室にて、東方出身の生徒が『甲子園』とは何かと質問攻めを受けるなか
その日は何もなく終わった。

翌日、その日の朝の朝会は何故か、その『甲子園』内で行われた。
いつものように、あいさつから始まり、教頭が諸連絡やらなにやらと話す。
「…以上で今日の話を終るが、その前に1つ…この球場についてだ
 昨日我々がここを調査したところ…」
「ちょっと待った!そこんところはワイが話すさかい。おっちゃんはだまっといてぇな」
教頭が話をしてる中、ソイツは颯爽と教頭の隣に現れた。
縦じまの衣装を身にまとい、黒い帽子とバット型メガホンを手に持った。
いかにも野球好きな身なりをしている。
「さっきからダラダラまたしよってからに、お堅い挨拶なんかいらんちゅーってんねん
 おっと、ワイとしたことが…え〜みなさんこんにちわ、甲子園の魔物です」

 シ ー ン

「カーッ!アカン!アカンな!見事にスベッてもうた…お前のせいじゃこのハゲ」
生徒の大半が現状を把握できず、静止している最中、魔物はメガホンで教頭の頭をポコポコ叩いている。
が、教頭は反撃せずにただ小刻みに震えながら話を進めた。
「あ〜、我々が調査した結果、この球場は誰かが勝手に建てたものではなく、球場の幽霊が実体化したもので
 本来ならば、昨日のうちに消去する予定であったが…いい加減にせんかぁ!!!」
教頭の怒りが頂点に達し、怒りの拳骨が飛び出るが、魔物はそれをひらりとかわして、教頭の代わりに話を続ける。
「ワイのしぶとさは天下一品やからな、おたくらの力じゃそう簡単にゃ成仏せぇへんちゅーわけでな
 んで、ワイが学園長と勝負せぇへんか、ちゅーたらのってきてたわけや
 勝負の内容は簡単や、ワイが容易する相手に野球で勝ったらええねんて、それに全部勝ったらワイは大人しく成仏するし
 負けたら、ここに居座らせてもらう…そんだけの話や、どや簡単やろ?」
それから、驚きを隠せない生徒たちを置いて、魔物は話を進める。
試合のスケジュールやそれ以外の日には練習場として使用していいこと、細かいルールの説明、それからここに来た経緯の説明
を分かりやすく、出来るだけ笑いを狙いながら(全部スベったが)話した。
「とまぁ、こんな感じでええやろ?ほんじゃまぁ、二週間後にな」
そういいながら、魔物は甲子園に消えていった。


232 名前:センバツP ◆dItGlIsd2k [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/08(水) 22:45:30 0
「二回裏」
名前・甲子園の魔物
性別・男
年齢・不明
髪型・金髪
瞳色・茶色、猫っぽい感じ
容姿・縦じまのユニフォーム(上)、下は黒ズボン、黒い帽子
備考・バット型メガホン
得意技・ツッコミ
好きな食べ物・たこ焼き、お好み焼き
好きな偉人・エイジ・バンドウ(未だに最高奪三振記録を破られていないので)
好きな生物・虎
嫌いな食べ物・もんじゃ焼き
嫌いな生物・兎

【備考】
甲子園球場に集まった残留思念がまとまり意思をもった姿
甲子園が取り壊される前は、姿は無く、逆転劇を演出する程度の悪戯をしていたが
甲子園ごと幽霊になり、フィジル特有の風土のお陰で実体化出来た。

【成仏しない理由】
老朽化により、今年の夏の大会で最後のはずだったのだが、WBCPのせいで大会は延期
結局最後の大会を迎えることなく、取り壊されることになった。
「どうせ、あっちにいくなら最後にもいっちょ熱いモンがみたいねん」
と本人曰くそういうことらしい
【能力】
「固有空間 熱闘空間」
範囲:甲子園球場内全体
球場内、もしくは、球場に対して発動された魔法を察知、無効にする。
本人は発動している自覚はない。
「記憶実体再生」
過去の優勝校と戦わせるために使用
選手の身体能力、チームの特徴は再現できるが、個々の意志までは再現できないので
自分で動かさないといけない


魔法少女らが甲子園優勝をめざすそうです〜勝手に応援篇〜・名無し##############

239 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/15(水) 23:46:08 0
「魔法少女らが甲子園優勝をめざすそうです〜勝手に応援篇〜」

魔法学園に突如出現した野球場。
それは甲子園の魔物という幽体であった。
正攻法で排除するにはあまりにも難しく、野球で対戦することで成仏させる事になったのだ。
魔法学園から選ばれた精鋭が甲子園にて熱戦を繰り広げようとしているその時、一つの影が駆けてゆく。
「ああ〜!フリージア女王様の勇姿をこの目に焼き付けねば〜!」
影の正体は一匹の黒猫。
しかしてその実体はフリージアに倒錯した愛を寄せる白百合騎士団の一人ルズ!
メンバーに選ばれなかったが、ならばせめて応援する事でこのイベントに参加することにしたのだ。

ルズが甲子園の入り口に入った瞬間、異変に気がついた。
辺りに漂うただならぬ冷気。
それは決して自然発生したものではなく、人為的に生まれたものだ。
その証拠に冷気はルズに纏わり就くように集まり、辺りには敵意が充満する。
「ふ・・ふぎゃああ!なんですの〜!」
突然の異変に飛び上がったが、冷気から逃れる事はできなかった。

冷気は一気に加速し、六角形の氷柱となってルズを飲み込んでしまったのだ。

「ほほほほ!如何に二等課のルズ様といえども私たちにかかればこの通りですわね。」
「うふふ、氷結迷彩のおかげで全く気付かれなかったわ。」
「全く間抜け面して。このまま暫く閉じ込めて置きましょ。」
氷漬けになったルズの周囲を取り囲む空間がパズルをはがすように崩れ、真っ白なドレスを纏った三人の女性とが現われた。
一人が言っていたように、氷の結晶を身に纏い光の屈折率を変えて姿を消し、ルズを待ち伏せていたのだ。

一人の女性とが得意気に氷柱を突付いた時、*ピシ*と小さな音が響く。
小さな音であってもそれを聞き逃す三人ではない。
想定外のことであったが、即座に距離を取り構える。
その次の瞬間、音は大きくなり、それとともに標柱には亀裂が走る。
「フギャアアア!!あなたたち!フリージア女王様のお側に仕える私を甘く見るのではなくてよ!
この程度の氷、フリージア上王様に比べれば温泉も同様ですわ!」
氷柱を砕きながらルズ復活!
まさか氷漬けにしたにも拘らず力ずくで破るとは思っていなかった三人は戸惑いを隠せないでいた。

そんな様子にルズは更に畳み掛ける。
「白百合騎士団第一小隊サイン!白百合騎士団第四小隊コサイン!白百合騎士団本隊付きタンジェント!
三等課程生徒の分際でこの私に喧嘩を売るだなんていい度胸をしていますわね!」
そう、この三人は白百合騎士団の団員であり、ルズとは顔見知りである。
所属タイが違う三人が何故組んでいるかは疑問に思ったが、今はそれはどうでもいい。
毛を逆立て威嚇するルズに三人は気おされるが、三人とてここで引くわけには行かなかった。

「ルズ様!少々あざといのではなくて?フリージア女王様が猫好きだからって猫に変化して近づくだなんて!」
「その横暴に対抗すべく私たち、隊を越えて超党派で団結しましたの!」
「我らブリザードメイデン!フリージア女王様親衛隊(非公認)がフリージア女王様に就く悪い虫は排除します!」
サイン、コサイン、タンジェントがそれぞれ啖呵を切り気を集中させる。
それを受け、ルズの目がギラリと光る。
「小娘どもにはきついお灸が必要なようですわね!
いいですわ!フリージア女王様の親衛隊(非公認)をかけて!この決闘受けてたちますわ!」

熱戦が繰り広げられる甲子園の外でもう一つの熱い戦いが繰り広げられようとしていた。
どちらも結局非公認でフリージア本人には全く相手にされていない親衛隊の座を駆けるという不毛極まりない戦いではあるが・・・
本人達は全くそのことに気付いていないが、幸せなのは確かであった。


白羽の矢・アノマリー ◆DENPAGG8UY######################

242 名前:アノマリー ◆DENPAGG8UY [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/25(土) 23:34:49 0
【白羽の矢・プロローグ】

「固まるな、大魔法の狙い撃ちだぞ!」
「あそこだ!二時の方角の丘の上に魔法使いが!次の詠唱が終わるまでに殺せ!」
「左翼、弾幕薄いよ!なにやってんの!!」
「邪魔だ難民ども!」
「中にゲリラが紛れている模様!」
「かまわん!弓兵部隊!斉射!」
「突貫!」
雷鳴が轟き、火球は爆炎をあげる。
戦場を覆いつくす怒号と悲鳴。血と鉄、そして泥の臭い。
世界に起こる無数の戦火の一つ。
戦いは激しさを増していくが、この阿鼻と叫喚の宴は後数分の後に唐突に消え去る事になる。
一つの意思に統合されて・・・


243 名前:アノマリー ◆DENPAGG8UY [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/25(土) 23:35:00 0
【白羽の矢・1】

フィジル島魔法学園大会議室。
重厚なテーブルに主だった教師たちが硬い表情で座り、上座には学園長と教頭が苦しげな表情で正面を見ていた。
その視線の先、二人の対角線上には一人の生徒が座っていた。
リリアーナ・W・モントローズ。
成績は中の上。
それなりに特別な存在ではあるが、学園の一生徒でしかない。
本来この場にいられるはずもないのだが、唐突に呼び出されその表情には戸惑いが隠せないでいた。

「突然呼び出してすまなかったね。」
荘厳に響き渡る学園長の声に笑みをもって応えるが、誰が見ても引きつっているのは判るだろう。
会議室の雰囲気は彼女の笑みを引きつらせるのに充分なのだから。
しかしそれを気遣うものは誰もいない。
正確に言えば、気遣う余裕がないのだ。
静寂の空気が支配する中、学園長が言葉を続ける。

「とあるところで、一人の天才が生まれてしまった。
そう、生まれてしまったのだ・・・。」
その言葉にリリアーナは首を傾げる。
天才が【生まれてしまった。】
まるで不幸な事であるかのように。
「あの・・・」
「時として過ぎたる力は不幸を生み出す。君にはよくわかるだろう?
生まれてしまった天才は力の制御ができず、暴走しているのだよ。」
リリアーナの質問が口に出る前に学園長が説明をする。
そう、リリアーナ自身もカドゥケウスという神器を身に封印している。
カドゥケウスの力は人間の域を超えており、身をもって知ったリリアーナには学園長の言葉の意味がよくわかった。

しかしそれが自分にどう関係しているのか。
疑問が心に浮かんだ瞬間、まるでそれがわかっているかのように説明がなされる。

天才が生まれたのは数日前。強力なテレパシストである。
暗示やマインドコントロール、シンクロなどと言うレベルではない。
強制的な感情や意思の矯正。操心術とでもいおうか・・・。
しかも対象者にその自覚は皆無。
効果範囲は20kmにも及び、範囲内のものは天才の感情に同化矯正されてしまう。
これは遠見の水晶を介してもその範囲に入れば影響は免れない。
あまりに強力な為、精神構造の違う精霊達すらも影響を受けている。と。
【意思の在るもの】には逃れる術はない。
「暴走するテレパスの範囲内で活動できるのはテレパシーを受信できないリリアーナ君だけなのだよ。」
説明はそう締めくくられた。

「判りました!暴走する天才さんを宥め、連れてこればいいのですね?」
そこまで聞いたリリアーナは力強く立ち上がる。
しかし、その言葉に対し、反応するものはいなかった。
いや、会議室の空気はますます冷たくなっていく。


244 名前:アノマリー ◆DENPAGG8UY [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/25(土) 23:35:10 0
【白羽の矢・2】

「リリアーナだけだ。といったはずだが?」
教頭がぱちんと指を鳴らすと、リリアーナの姿は煙に包まれ、その正体が露になる。
褐色の肌、黒髪、そして民族衣装。
アルナワーズ・アル・アジフがそこに立っていた。
「あらぁん、バレてましたぁん?」
「学園教師陣を舐めるなよ?また機密書類を盗み見しおったな。
まったく。お前では無理なんじゃ。
説明はした。おとなしく引き渡してくれるな?」
おどけて見せるアルナワーズだが、ペースを乱す者はいない。
教頭の重々しい叱責が響くのみ。
その言葉を受け、アルナワーズの表情にも変化がおきる。
すっと目が細められ笑みが消えていく。
自分では無理な事はわかっていた。
いくら幻術科に席を置き、精神魔法に秀でていたとしても所詮は生徒の身。
アルナワーズが策を弄してできるくらいならば教師たちが処理しているだろう。
居並ぶ教師陣があえて生徒であるリリアーナを頼るのは・・・

「天才暴走テレパス。放っておけば数日中に衰弱して死ぬのでしょう?
だったら放っておけばよろしいのではぁん?」
「だからこそだ。保護し、制御法を教える必要があるのだ。
それができるのはリリアーナだけだとわからんか?」
「ベアトリーチェのように?」
「・・・!」
学ぶ意思のある者に広く門戸を開く魔法学園。
それと同時に、制御できぬ巨大な力の持ち主を保護し、教育する側面もある。
が、アルナワーズの矢のような一言で教頭は言葉に詰まる。

教師陣もリバース内でベアトリーチェとリリアーナの邂逅があったことは把握している。
そしてアルナワーズが何故ベアトリーチェの名前を出したのかも。
ベアトリーチェ同様、下手に死なせても周囲一帯に影響が残る。
ベアトリーチェの場合は強力な毒だが、この場合は残留思念が・・・。
だがそれは学園側の、そして世界的な懸念であり、アルナワーズの懸念ではない。
言葉に詰まる教頭に畳み掛けるようにアルナワーズは続ける。

「リリィはテレパシー受信ができない。故に暴走するテレパスに対する最も有効な手段でしょうねぇん。
でぇも〜・・・受信できないだけでリリィの感受性は人一倍強くてよ?
機密書類によると件の場所は戦場だった。しかも今はテレパスの影響で戦場は同士討ちまたは自決により生きているものはいない。
挙句の果て、自然すらも捻じ曲がっている。
そんなところへリリィをやることはできませんわぁん。
代わりに私が行くか・・・超超遠距離魔法や巨大封殺陣・・・いいえ、ゴーレムを一体差し向けるだけでもいい。
いくらでも方法があるでしょう?」
勿論これは【天災たる天才】の殺害を前提とする提案である。
学園側としてはあくまで最後の手段。今のところは選択肢にはない。
教頭がそれを口に出す前に言葉は発せられる。

「ほっほっほ、美しき友情ぢゃの。
しかし、アルナワーズ。君はリリアーナ君を見くびっていまいかな?
先ほどでたベアトリーチェとの邂逅。
彼女はやってのけた。その強さを・・・。
彼女の慈母の力。それが今必要とされているのだよ?」
要求を突きつけるアルナワーズに応えたのは学園長だった。
説得材料として使ったベアトリーチェの件を逆利用されては出る言葉もない。
が、それでも引く事はできなかった。


245 名前:アノマリー ◆DENPAGG8UY [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/25(土) 23:35:21 0
【白羽の矢・3】

「どのように言われてもリリィは渡しませんわ。」
「ふぅむ。ならば仕方がないな。君を暫く拘束させてもらおう。
理由は機密書類の操作、重要会議への潜入・・その他望のモノを付け加えるぞ?
それとも、逃げる算段はついておるのかな?」
学園長の言葉とともに、アルナワーズの両脇に二人の教師が現われる。
その手には青白い炎が握られている。
が、アルナワーズは抵抗する素振りもなく、静かに笑みを浮かべる。

この炎は【セントエルモの火】というマジックアイテムであり、その効果はあらゆる嵐を鎮める。
本性が嵐の具現であるアルナワーズも例外なくこの火から逃れられる術はない。

しかしアルナワーズは己を知っている。
自分の真なる力は幻術でもなく、現象の具現でもなく、その弁舌であるという事を。
「うふふ、そんなものを出さなくとも、ここに来て逃げられるとは思っていませんわ。
でも、私がいなくても志を同じくする友人達がいますもの・・・!
ここに学園憲章第13条第四項の適用を要請します。」
毅然と言い切るアルナワーズに学園長の顔がほころぶ。
そして、確認するように連れて行かれるアルナワーズの背に問いかけるのであった。
「・・・ならば仕方があるまい。
しかし、君がこのような行動にでるとは意外だったよ。
あるがままなり、ではなかったのかな?」
「うふふ・・・確かに・・・
私もこの学園に来て変りましたの。それもまたあるがままなり、ですわぁん。」
振り向きもせず答え、そのままアルナワーズは連れて行かれた。


この言葉が魔法学園で生徒と教師の対決の開始を意味する宣戦布告となる。
学園憲章第13条第四項。
学園に定められた様々な決まりの中でも、生徒と教師の対立についての項目である。
力押しで行けば教師側はいくらでも生徒達を押さえつけられる。
が、それを是としない学風がこの項目を作り出したのだ。
特定条件を定め、教師と生徒の代表者たちが競い合う。
後にリリアーナ攻防戦と言われる長い24時間の始まりであった。

教師たちと生徒達に緊張が走る中、当のリリアーナはまだ何も知らない・・・
知ればあらゆる危機を理解した上でも行くであろう。
だから知られないように情報操作し、場合によっては氷漬けにしてでもとフリージアには言い含めてあるのだった。



246 名前:アノマリー ◆DENPAGG8UY [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/25(土) 23:35:34 0
【白羽の矢・4】

リリアーナが赴いて数日後。
彼女が見たものは・・・一つの感情に引きずられ捻じ曲がる大地。
そしてその中心に倒れる・・・頭を貫かれ衰弱しきった一人の少女だった。
傷と飢え、そして何より、能力の及ぶ広大な範囲内の全ての生き物の心の隅々を強制的に全て認識してしまったが故に。
戦場というフィールドの心の奥底の闇を、膨大な数の殺戮と憎しみ、悲哀・・・。
目を閉じようがどうしようが見続けなければならぬその能力ゆえに・・・!

そしてその瞬間、リリアーナは理解した。
何故自分が選ばれたのか、を。
テレパシーの非受信体質などほんの些細な事でしかない。
神器の共鳴・・・
その意味を!そしてこれから起こる事を!

#############################################

リリアーナがそこで何を感じ、どうしたのかは記録には残っていない。
唯一つ。
彼女は無事生還し、一人の少女を保護したのであった。
彼女は精神感応によって膨大な知識を吸収しており、保護期間を経て飛び級で二等課程幻術課に編入される事となる。
無分別な精神波動を抑え、それを思念の具現化というベクトルに変更して・・・


リリアーナ帰還の翌日。フィジル島魔法学園博物館の某所にて・・・
数人の人影が一般には知られていない展示室にて集っていた。
学園長、教頭、シヴァ、レオ・・・
学園の重鎮ともいえる数人が生徒には決して見せぬ表情で
「神杖カドゥケウスと神矢シラハが接触したか・・・。」
「もうそろそろ限界ですな。」
「博物館とフィジル島の結界を三重にしましたが・・・無理でしょうな。」
「然り、流石に神器がこれほどの数一箇所に集まれば、もはや協会も騙しきれますまい。」
「協会だけではない・・・奴らも・・・。」
「星辰は正しき位置に戻りつつある。ここで神矢シラハが手に入ることは僥倖ぢゃったな。」
「うむ・・・良くぞ間に合った。諸君、感謝するぞ。
これからの世界、人間と呼べるのは不屈なる精神を持って戦う者。じゃからの・・・」
「神々と戦いうる種族・・・か。」
語られる言葉と表情はこれから起きる未曾有宇の出来事への畏怖とそれを乗り越えるであろう確信に満ちながら・・



247 名前:アノマリー ◆DENPAGG8UY [sage] 本日のレス 投稿日:2009/04/25(土) 23:35:44 0
【白羽の矢・資料】

名前・ アノマリー
性別・女
年齢・9
髪型・ 金髪ロング
瞳色・ 金
容姿・ キトン着用 側頭部を矢が貫いている マーチの手からシーツを剥ぎ取った者は更におぞましきものを見ることになるであろう。
備考・ 頭を貫通した矢が原因で突発性睡眠症候群になり、一日の殆どを寝てすごしている。
   また、その影響で強力なテレパシストになった。
   が、その強力すぎる能力ゆえに人の心に関わる事を極端に恐れている。
   眠りながら1秒先の予知夢を見ており、眠っていても日常生活に不自由がない。
   普段は夢が具現化した思念獣マーチ(茨+ゴスロリ服を着た巨大ぬいぐるみウサギ(雄)2m)に小型ベッドごと抱えられて活動している。
   アノマリーに突き刺さっている矢は神器シラハの矢。
   これによって傷つけられると極僅かな確率で特殊能力を身につけられるとか付けられないとか・・・    
(以下は任意解答欄)
得意技・ 精神感応
好きな食べ物・ 腐っていない肉
好きな偉人・ なし
好きな生物・ ウサギ
嫌いな食べ物・ 腐っている肉
嫌いな金属・ 鉄
今一番欲しい生物の毛・なし
保険に入りますか?・ いいえ


<基本能力>                
STR : 1
VIT : 5
AGI : 2
DEX : 2
INT : 25
MAG : 5
MEN : 50
LUK : 60

<職業Lv>
精神感応 9
生への渇望 7
すれている心 5
ガラスの心 5
思念の具現化 8
寝起き(悪) 6
 
キャラクターイメージ
http://verger.sakura.ne.jp/top/z/01.jpg