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【第三期】ダークファンタジーTRPGスレ【新規始動】

1 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 20:29:01.45 0
さぁやろう
ダクファン

2 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 20:31:59.66 0
うおおおおおおおおお

3 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 20:35:40.85 0
【キャラ紹介テンプレ】

名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
属性:
性格:
利き手:
魔法:
特技:
装備品:
所持品:
髪の毛の色、長さ:
容姿の特徴・風貌:
趣味:
将来の夢(目標):
簡単なキャラ解説:

4 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 20:43:43.98 0
そういやダークの始まりって今読み返すと結構適当だったな

5 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 20:45:42.82 0
最初のキャラが即FOした奴だし
立て逃げから適当に集まった5、6人で始まったからな
だがあの初期メンバーがTRPG界に革命を起こした訳で

6 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 20:52:17.06 0
じゃああの時のトレースをしてみるか

参加する気ある人どのくらいいる?

7 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:17:53.38 0
たとえばどんな世界観なのよ
ダークのことよく知らんから教えてくれ

8 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:25:11.30 0
広辞苑から持ってくるか

9 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:31:18.00 0
白兵戦中心なのがヘヴィ
黒魔術とか暗躍とか陰謀とかいう単語が中心なのがダーク
設定がファンタジックなのがハード

10 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:36:16.97 0
>>5
あのメンバーが集まったのは本当に奇跡に近いわ

11 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:38:10.23 0
>>6
ノシ

12 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:39:27.14 0
TRPGの最盛期を作ったのがシモンとミアとガチムチみたいなもんだからな

13 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:41:00.26 0
消えろ懐古厨
過去の遺物は所詮過去の遺物
今を楽しめないgmksなぞお呼びでない

14 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:41:03.61 0
>>7
http://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/35.html

これが当時のまとめ

15 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:41:48.90 0
世界は混沌としていた。

昨日よりも今日は暗く

今日より明日は尚暗い

人々は日々に絶望を抱きながら

只、惰性で日常をすごしていた

道行く同胞の亡骸を一顧だにせず

誰もが生きる為に必死な世界。

16 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:42:27.05 0
第一期


世界は混沌としていた。

昨日よりも今日は暗く

今日より明日は尚暗い

人々は日々に絶望を抱きながら

只、惰性で日常をすごしていた

道行く同胞の亡骸を一顧だにせず

誰もが生きる為に必死な世界――――


不老の呪いを受け旅をする青年・ページは森の中で少女・ミアと盗賊・シモンに出会う。
何者かから逃げ続ける彼女たちと共に森を駆け抜けるうち、宗教結社『深淵の月』の狂妄なる陰謀を目のあたりにすることになる。
命からがら近隣有数の結界都市ヴァフティアにたどり着いた彼らは、人形師レノや破戒僧ディーバダッダの導く
『七年前』の過去、『ゲート争奪戦』から続く遺恨に再び翻弄されるのであった……


シリアス系ファンタジースレの金字塔。深大なシナリオ、緻密な世界観、重厚な人間ドラマが魅力。
『魔』に支配され、さりとて『魔』なくしては生きられない人々の脆弱で強靭な抗いの物語を描く。
師匠、ガチムチ、従士、フィオナなど四天王や五傑の有名株を輩出したスレとしても有名で、のちのTRPGに大きな影響を与えた。

17 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:43:05.45 0
第二期

人の思惑は大きな『潮流』となり、それが交わる時……『奔流』となって陰謀の大河となる。
その大きな『渦』は周囲を翻弄し飲み込んでいく!

その真相を知る為に人々は渦の『中心』を目指し、或いは引き込まれていく。
しかし渦は『中心』に近づくほど・・・苛烈に渦巻き、『深淵』へと加速していくのだ――!


ヴィフティアの南方。
帝国横断鉄道の南端鉄道都市【メトロサウス】――

水瓶に垂らした一滴のミルクが如き朝靄を切り裂き!
推進の魔力が散らす紫電を纏った『魔導列車』が到着した!

衝角の傷やヘコミは『大陸』を走破する力の象徴!
そして『都市』は人々が交錯する出発と到着の広場!!

折り返し『帝都』へ向かう魔導列車は大渦を切り裂く刃か、深淵へと引き摺り込む運命の糸か?
物語を紡ぐ旅人達は未だそれを知らない……!


都市一つをまるごと巻き込んだ降魔計画『ヴァフティア事変』を生き残った従士、レクストはこの件を報告し
『深淵の月』そのものに切り込まんと従士隊の本拠がある帝都エストアリアを目指す。同行者は聖騎士のフィオナ、ハンターのハスタ。
道中魔物の襲撃に遭いながらもたどり着いた帝都で、レクストは自分が更なる陰謀に巻き込まれているのを知ることとなる。
上位存在・魔族。その頭目ルキフェルの暗躍や、見え隠れする『地獄侵攻計画』の断片。地下に棲む人ならざる者たちの影。
都市そのものを一晩で滅消し去る魔導兵器『自壊円環』。憧れだったとある従士の死と、それに関わる妄執の螺旋。
そして彼自身に根ざす『七年前』の遺恨と因縁とが、糾える縄の如く重なり連なりあっていく……。


第一期の伏線、シナリオを引き継ぎ国家全体を巻き込む壮大な抗いを描いた第二期。
メインシナリオに従士、狂言回しにガチムチを据えた磐石体制で世界観は一気に広がった。
強大な力に翻弄され続けた一期に比べると人類の強かさをテーマに据えており、虐げられてきた者たちの『反撃』を力強く描いている。
伝説の武器や最強の英雄がいなくても、人類は魔族なんかに負けないという『王道の否定』を王道に乗せて打ち出した意欲作。
ラスボスを倒した武器が交通インフラを改造した兵器という異色ぶりを違和感なく落とし込むPL達の連携に注目。

18 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:46:05.92 0
上に貼られたテンプレより元に忠実なこっちのがよくないか?
短いしスリーサイズとかいらんやろ


名前:
年齢:
性別:
種族:
体型:
服装:
能力:
所持品:
簡易説明:

19 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:49:06.10 0
>>14
面白そうね
上がってたから何かと思って見に来たけど

20 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:49:20.76 0
いやスリーサイズはいるだろ

名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
性格:
特技:
所持品:
容姿の特徴・風貌:
簡単なキャラ解説:

これぐらいでどや?

21 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:52:38.66 0
一期・二期の細かい設定はいらんから
完全新規でやろう
銃とか機械とかは基本なしな方向で

22 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 21:54:39.01 0
FFのナンバリングみたいな感じでどうよ
ところどころの固有名詞だけリンクしてるとか

23 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:02:41.94 0
>>21
列車とかあったほうがよくね?
従士が途中で空気読まずにねじ込んできたものだけどさ
とはいえそれ含めてダークでしょ

24 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:12:56.53 0
列車とか入れたらファンタジーぶち壊しだろ
あれが周囲から見て許容範囲だったと思うか?
列車はなしな

25 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:20:37.89 0
>>20
そんなもんでいいんじゃね
男はスリーサイズなしでいいみたいに付け加えとけば

26 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:21:13.96 0
列車≠ファンタジーってどういう理屈だよ
ドラクエにすら出てくる時代だぞ

27 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:24:02.77 0
大きな動力さえあれば自然に思いつくものだからな
とか言いつつ従士のあれには萎えたクチだがw

28 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:26:47.74 0
いや完全に萎えてたよ
機械系はNGな、頼むから

29 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:30:35.15 0
まあ声の大きい人の機嫌損ねると面倒だから
出さないほうが無難かもね

30 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:33:31.20 0
とりあえず冒頭文書いてくれる人がいたらそれに乗って設定書くわ
俺含め数人で好きなように書いて一番いいの選択する方法でもいいが
正直恥ずかしいからできれば誰かに任せたい気分

31 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:43:28.40 0
DQに列車出たときは萎えまくったからわからんでもない

32 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 22:50:55.83 0
>>30
冒頭文だったらキャラとして出るのが確定の奴に酉付きで書かせないと
大変なことになるぞ

33 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:01:39.81 0
39 名前:ページ ◆p0UoX09u/I [sage よろしくお願い] 投稿日:2009/06/29(月) 23:38:13 O
その夜は蒸し暑かった。
夜風が吹いても生暖かく、服はべたつき飲み水も既にぬるくなっている
こんな事ならさっさと飲むんだったと、男は軽く後悔しながら水筒を煽り飲み干した。

「まず…」

悪態を付きながら水筒を投げ捨てる。どうせ使い捨てだ
鬱蒼とした森の獣道の隙間に、街の光が微かに見えた。今夜は久しぶりに野宿せずにすみそうだ。 男は安堵と共に一抹の不安を覚えた。

「金、あったかな…?」

上着のポケットを漁り、小銭を取り出す。一食はできるが一泊となると難しい といった具合だ。
全く、ため息が出る。 一体何故自分がこんな苦労をしなければならないのか?
愚痴のような疑問が頭を掠めるがそれ以上は考えない事にする。それについては何年、いや何十年考えても答えは出ず その答えを求め苦労しているのだから。
今考えるべきは、今日の宿の確保、それだけだ

「あ〜…、風呂入りたい…」


ちなみにこれがダーク初代の冒頭
適当過ぎてビビる

34 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/05/25(日) 23:04:58.60 0
名前:ミカエル・ヴィジテイル
年齢:37
性別:男
身長:175cm
体重:62kg
スリーサイズ:
種族:男
職業:賞金稼ぎ
性格:プライドが高く、口が悪いが根は優しい
特技:ギャンブル
所持品:片手剣、錫杖型の槍、比較的高貴な雰囲気の皮装備
容姿の特徴・風貌:金髪で前に垂らしており、やや癖がある。気品のある顔立ち、細マッチョ。
簡単なキャラ解説:貴族ヴィジテイル家出身の末っ子。成人すると僧侶になった後独立し、冒険者として転々とする。
         魔法の才能もあり、ただの冒険者に拘ることなく「賞金稼ぎ」を名乗る。
         年齢的にはおっさんだが、外見は20代でも通じるほど若い。現在独身で、遠くの街に子供がいる。

35 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:14:33.91 0
細かい設定はその場のノリで決めたみたいね
ただ列車みたいな機械が嫌な人もいるってことは覚えておいたほうがよさそう

36 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:19:27.12 0
嫌な人もいれば好きな人もいるよ
自分は大陸横断鉄道は結構好きだった

37 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:20:25.03 0
せめて続編のレギオン終わってからやれよこういうのw

38 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:23:55.10 0
列車がどっちに該当するんかしらんけど
機械出すのは絶対イヤっていう奴はどこまでが許容範囲なんかね

機械と一口に言ってもいろいろあるぞ
電子機器とか銃器みたいな精密機械もあれば
ゼンマイ仕掛けの大雑把な機械もあるし、それこそ時計や馬車だって機械じゃん

どの程度の文明基準かを明らかにしてくれんと困るよ

39 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/05/25(日) 23:28:30.63 0
「困ったもんだ」
冬のことだった。
大陸でも北に位置するこのクレーヴスの街は、すっかり雪に覆われ、
暖炉のある酒場「ホワイトナイト」には大勢の客で賑わっていた。
マスターの話では「いつものことだ」ということだが、
この光景を初めて見るミカエルにとっては、煩わしいことこの上なかった。
寒いのは嫌いだ。仕事や依頼は選ばなければいくらでもある。
彼の狙いは、短期間で一気に稼げるような仕事だった。
さらに雪が深くなる前に、さっさと南に出て、のんびりと暮らしたいものだ。
「困ったもんだ」
彼の口癖の二回目が早くも出た。持ち金も決して多くなく、身の振り方を考えなくてはいけない。
長く地元を後にしているので、今更戻る訳にもいかないだろう。既に父は亡く、
現在は長兄が領主に就いている。肩身はどんどん狭くなっていくばかりだ。

あたりを見渡すと、武器のような獲物を持った冒険者らしき人物が多くいるのが分かる。
長居したいのだろう。酒が回っている者が多い。冒険者というのはそういうものだが、
下戸のミカエルは酒を酒場で飲むことは殆ど無かった。
テーブルの相席でただ考えながら、干し肉をボリボリと齧っていた。

徐々に客も酒が回りヒートアップしていき、遠くの席では喧嘩らしき声も聞こえた。
あまり雰囲気の良い街ではないな、と思いつつ、宿に戻る準備をし始めた。

【よろしくお願いします】
【とりあえず冒頭の部分です。】

40 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:28:54.93 0
従士はファンタジーではご法度なのに
銃とか列車とか出してきたからな
魔法銃とか魔法列車とかいろいろ言い訳してたけど
常識を疑うわ

41 :名無しになりきれ:2014/05/25(日) 23:33:02.93 0
>>37
続編がまだ続いてるの?

42 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/05/25(日) 23:44:09.15 0
名前:ハンス・レイク・トールヴ
年齢:23
性別:男
身長:201cm
体重:75kg
スリーサイズ:
種族:人間
職業:放浪騎士
性格: 義を重んじるが目的のためなら悪も辞さない矛盾を抱えている。
    自己を殺してでも全体を生かす傾向がある。
    親切で紳士ではあるが中立であることに拘る。
    が、お人よしのため大抵うまくいかない。
特技:水泳、格闘
所持品:斧、短剣、錆止めの塗られた黒い甲冑。
容姿の特徴・風貌: 肩幅は広く、顔が角ばったしかめつらの巨人。お世辞にも美形とは言えない。
            髪をほとんど剃っており、黒髪の短いモヒカン。
簡単なキャラ解説:パトロンを失ったため放浪する騎士。傭兵のように雇われで戦場へ赴き、小銭を稼ぐ。
            魔法はからきしだが常軌を逸した腕力を持つ。
            体格のせいもあり老けて見えるため40代に見られることを珍しくない。

43 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/05/25(日) 23:57:17.31 0
名前: サゥヴェル・クラウズ
年齢: 23
性別: 男
種族: 人間
体型: 180強くらいの長身で細身の引き締まった筋肉を持つ若い青年。
服装: 胸元の開いた服とズボンに、黄土で染めたコートを羽織っている
    頭髪に当たる部分は焦げたように黒く、だらしなく伸びてうねっている。
性格:面倒くさがりで事なかれ主義。年の割に達観した性格。
能力: 先天性の雷属性持ち。所持する金属に雷属性が付く。また、跳躍等の身体能力が高い。
所持品: ナイフ、金銭、タバコと火打石のライター。
簡易説明: 各地の自警団を回り、雇われの使い走りをしている。荒事を取り扱う事が多い。
       現場を回る事が多いため、仕事上その辺の情報には詳しい。

44 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:19:25.93 0
>>41
それは無視しといて良いよ
無関係だから

45 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:25:42.11 0
>>38
西暦1200年ぐらいで良いだろ
多少の火薬ぐらいはあるが、銃をメイン武器として扱わない中世ファンタジーで

>>40
常識を疑うとか以前によく追い出されなかったなと思うわ
ファンタジー系やると必ず銃厨や機械厨が沸くからな
まずい設定が出たらノーと言える勇気も必要

46 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:31:06.85 0
その辺りの設定をゴリ押せる実力があったからだろ
むしろ成功事例じゃん

47 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:35:04.27 0
機械に対してアレルギーもってる奴がそもそも少数派なのであって
わざわざマイノリティの意見を無条件に汲み取る必要なんぞない
スレ主の裁量でレギュレーションを設定すりゃいいよ

48 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:39:59.55 0
>>46
いやいや、キモイキモイって今まで何度も言われてるやん
あとそいつ自演の常習犯だってのも分かってることやん
この話はもう終わりな 機械は要らんてことで

49 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:40:42.75 0
そもそも銃とか機械がタブー視されてる理由は、
過去にそういう設定を持ち込んだ奴が悉くクソコテだったからなのであって
銃自体が問題なわけではない

そのあたりの経緯も知らず、ただ一部の影響力の強い連中の発言を盲目的に信じてるだけのアホが
今でもキカイガージュウガーと繰り返してるだけ

50 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/05/26(月) 00:40:50.04 0
まあまあ落ち着け。
何度同じ言葉を口にしただろう。
最早呪文と化したそれを幾度となく並べ立て、
潰れた鼻から血を垂らし唸る男を、後ろから羽交い絞めにする。

「そっちもだ、もういいだろう」

向かい合うようにして、こちら――正確には俺の押さえつけているこの男――を睨みながら暴れる太っちょは、
相当に力があるのか、組み付く野次馬を振り払い、また組み付かれを繰り返し余談を許さない。
太っちょの手は、時折カウンターに乗ったナイフへと伸びる。

誰かそいつをそこから除けろ、と。

叫ぶ前に太っちょはナイフをかっさらう。その腕を店員が必死に押さえつける。
グゥ。
俺が両腕で抑える男が、低い悲鳴を上げる。強く押さえつけすぎて、着たままの鎧の関節が、男の肌を噛んだのだ。
すまん、と謝る。
ここに来るなり、鎧を脱ぐ間もなく、いきなりこの喧嘩(>>39参照)に巻き込まれた。
外したのは兜のみ、こういった装飾にめずらしく、魚を模したそれが、カウンターに横倒しになり、虚ろにこちらをみつめる。
黒い鎧、先祖から伝わる。俺に残された、騎士としての唯一の誇り。

「――っぶねぇ!避けろ!!」

幽かに、気が逸れていた。
太っちょがついにすべての拘束を振り払い、ナイフを腰に構えて突進。
野次馬の警告でそれに気が付く始末/迂闊、守らねばならない。この男を。
この失敗を償わなければならない。禊がねばならない。
瞬時に判断/投擲、男を、左側はカウンター、空間がない。
右腕にすべての力をこめて、抱えた男を右に放り棄てる。
その軌跡を目の端に収めながら、男を一瞬目で追ってしまった太っちょへと、距離を詰める。
ガギン!と金属音。
鎧の腕の関節部に“すべり込ませた”ナイフの刃を曲げ折る。
腕に籠る熱さと、痛み。

なんて喜ばしい。俺は償った。この痛みはその証拠だ。

そんな思考は己の内に膨れ上がった獰猛さに瞬時に塗り替えられ、
あっけに取られた太っちょの喉元を掴み、持ちあげ、そのままカウンターに叩き付けて首の骨を――

俺は太っちょから、すんでのところで手を離した。
音が戻ってくる。シンとした店内。キイキイと軋む扉の音がやけに耳につく。
白い泡を吹いて太っちょがカウンターにうつぶせになって伸びている。

今のは一体。

一拍置いた野次馬たちの歓声に包まれ、胸を、肩を小突かれて称えられながら、俺の頭にあるのはそのことだけだった。
まるで――誰かに操られたようだった。この肥えた男を殺すように。
不快さが残る。
横倒しになった兜の魚の目だけが、すべてを中立に眺めていた。

>>39>>43ミカエルさんにサゥヴェルさんよろしくお願いします!】
【とりあえずキャラを紹介しつつ陰謀の匂いをば】
【次から本格的に絡むつもりですので、改めてよろしくお願いします】

51 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:48:11.10 0
>>48
そのキモいキモい言ってた奴がそもそも
お前みたいな声の大きい自演野朗だったんじゃない?
一人で喚いてたってなにも変わらないよ

名無しに発言力があると勘違いしてスレ主でもないのに仕切り出す馬鹿w

52 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:49:36.03 0
どちらにも言えるが
変えたかったら参加者にならないとな

53 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 00:54:13.51 0
宿便連中の糞の投げ合いと
まともなシナリオ進行が並行してて草生える

54 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 01:06:21.49 0
名前:ルデル・ボドリア
年齢:31歳
性別:男
種族:人間(オーガの血が僅かに混じっている)
体型:筋骨隆々、見上げるほどの体躯(2m半ほどの長身)、スキンヘッド
服装:質素な法衣
能力:身体能力及び肉体強度を10倍に強化する呼吸法
所持品:頑丈な手甲、脚甲
簡易説明:
強面に似合わず、温厚そうな人柄と人当たりのいい物腰が特徴な旅の僧侶
しかし、その実態は己の拳技を人で試すことを楽しみとする快楽殺人者である
普段は行きずりで雇われる一時雇用専門の傭兵業で日銭を稼いでいる

55 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 01:12:01.65 0
そろそろヒロイン的ポジションの女の子来ないかなぁ(チラチラッ

56 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 01:13:55.42 0
だってどっからエロール飛んでくるかわかんねーもん

57 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 01:24:10.77 0
大丈夫
ここ紳士多い
YESロリータNOタッチ

58 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 01:26:59.55 0
ミーもそう思うネ
インディアン嘘つかないアル

59 : ◆5Ee1Upsxyk :2014/05/26(月) 01:30:49.65 0
>>50
【よろしくお願いします!良い流れですね
 次のトリップ付けた方、順次投下よろしくです
 まずは冒頭なので 気楽にいきましょう
 世界観は、オーソドックスな中世ファンタジーでお願いします】

60 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/05/26(月) 01:45:16.51 0
窓から見渡す雪景色のせいか、街の景色は幾らか心許無く見える。
が、そこそこ栄えている賭博場や、珍しい薬品を売る店などを見るに、周辺の農村よりはいくらか裕福な街である事は伺えた。
とにかく宿屋にまともなベッドが付いてさえいれば及第点。ズタ袋の上でシラミに食われる地獄はもう散々だった。
上の無茶振りで辺境に辺境を越え、遥か北の国まで移動させられていたサゥヴェルには、その程度でもこの上ない報酬だったのだ。

行き着いた酒場の暖炉のすぐ前に陣取り、煙草に火をつけこれでもかと足を伸ばしていると、隣の席で客が喧嘩を始める。
・・・・チンピラの小競り合いなど、本来意にも介さない。相手にしていたらキリが無いからだ。
が、それほど酒が回っていたのか、力の差が目糞鼻糞なのか、その客の喧嘩は中々終わらない。
終いにはナイフを持ち出して別の大男に組み伏せられ・・・・・いや、何か人間には『不自然なほどの勢いで』、その客は天板へ叩きつけられた。
気づけば、店はその華麗な闘技でお祭り騒ぎになっている。
カウンターには目を廻し、泡を吹いた肥満体型の男。と、ちょうどその喧嘩をねじ伏せた大男が野次馬に持て囃されていた。

「はぁ、ったく、元気なこった」

そう言いつつ、右手に一枚の銅貨を乗せる。
冷気で冷え切ったその銅貨を持った手で、目を廻したその客の首を鷲掴みにすると、客を起こすように持ち上げた。
そうしてその男を例の大男の前に引っ張ってくる。
―――直後、雷属性特有の紫電が、騒音と共に弾け飛んだ。

掴んだ首に無数の火花が飛び四散り、肥満男のわけのわからぬ悲鳴が上がる。
・・・・・指を離す。泡を吹いていたこの男も尻餅をつき、すっかり素面に戻って目を覚ました。
落ちた銅貨の高い音が店の中に響く。
そうして彼は大男を見るなりひぃ、と悲鳴を上げ、怯えるように後ずさりして、この暖かい酒場を飛び出していった。
少し黒くなった銅貨を拾い上げ、引きつつあった野次馬の、奇異の視線を一蹴する。
その焦げ付いたように黒い髪、寒さで一層締まった白肌のその男は巨漢を舐めるように見上げると、含んだ煙草の煙を一杯に吹かす。
そうして煙草を口から外すと、大して物怖じもせず言い放った。

「いやぁ、お見事な暴漢退治。是非感謝状を送りたい所ですな。
 月並みではございますが、貴殿ほどの方へ何とかご協力頂きたい『難件事案』がございます、ご協力頂けませんかね?
 おっと、私は《組合員》のサゥヴェルと申す者で御座います。どうぞ宜しく。」

そう流暢な口ぶりで話すその男は、口を止めるとその異様に長い指の手を差し出した。
目つきは眠そうではあったが、どこか妖しく、只ならぬ雰囲気を持ち、この寒さの中でやけに開いた胸元と相俟って一層不可思議に見えた。
そうして、周囲でその様子を見ていた野次馬に向かっても、煙草の煙を舞わせながら言い放つ。

「えーこの方のように体力に自身の有る方。
もしくはここ最近で何かしら「異常なもの」に悩まされている方は是非自警団支部へお越しください。
茶菓子とそれなりの報酬を用意してお待ちしておりますよ」

61 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/05/26(月) 02:08:26.07 0
【あ、一応投下ってことで次どうぞ】

62 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 19:32:59.00 0
すまん、過去作の事全く知らないんだが参加しても良いのか?

63 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 19:47:57.03 0
どうぞどうぞ

64 :名無しになりきれ:2014/05/26(月) 19:59:21.12 0
了解っす
これから用事なんで帰ってきたら投下します

65 :クロウ ◆EtHzYLYZnU :2014/05/26(月) 23:13:43.99 0
名前:クロウ・クロック
年齢:14歳
性別:女
身長:152cm
体重:47kg
種族:人間
職業:暗殺者
性格:内面は同年代の一般人と大差ない、極一般的な少女。
但し基本的にその感情を表情として出す事はなく、人にも出来るだけ冷たく接している。
能力:〈暗殺術〉隠密行動や軽業、ナイフの扱いなど、暗殺に必要な技能を持っている。時間を掛けて観察する事で、対象に感知される位置の予想を視覚化出来る。
所持品:ナイフ、仕込みナイフ、フック付きワイヤー(5m)、ロープ、マスク
容姿の特徴・風貌:黒いコートに身を包んだ少年。職務中は常にフードを被っており、更にマスクを付けている。それらが無ければ、少し小柄で幼さが残る普通の少女。
簡単なキャラ解説:フリーで依頼を受ける暗殺者。善も悪も区別することなく、届いた依頼を片っ端から処理して行く。
情報屋などを通して依頼を受ける事が多く、更に本業中は常にフードとマスクを付けているので、裏の人間で素顔を知る者は少ない。彼女を女だと知ってる者も少ないとか。
実は街中に以外と一般人に紛れて居たりする。
能力は基本的に一般人の延長線上で、体格以上の身体能力を発揮できる。感知される位置を視覚化するものは暗殺者としての経験と錯覚によるものである。
それ故に五感以外を使用する者や敏感な者に対しては意味を成さない。

66 :名無しになりきれ:2014/05/27(火) 09:44:30.62 0
スリーサイズキボン

67 :ルデル ◆O2IScv7Izw :2014/05/27(火) 11:43:03.33 0
人通りがほぼ皆無な廃商店街
華やかな街中とはまるで雰囲気を異にする空間を作り上げていた
地下に空洞が見つかり、陥没する危険性が高いということで住民が避難し放棄された区画である
未だに手を加えられることはなく、一種のゴーストタウン状態と化していた
そんな廃商店街の裏路地には、二人の男の姿があった


男「あが…や、やめてくれ…命だけは…」

大男に頭を鷲掴みにされ、そのまま持ち上げられ壁に押し付けられている
鎧を着ていることから傭兵らしいが、その鎧はところどころ破損し最早使い物にならない
それどころか、男自身も全身アザと傷だからけでほぼ血まみれである
右腕と左脚も明後日の方向にひん曲がってしまっている
酷く痛々しい光景であった

ルデル「何をおっしゃられますか?
貴殿は拙僧の拳技の栄えある礎となられるのです
しかも、神の御許へ行くことも出来るというおまけ付きですぞ
もっと喜びなさい」

男「あぎゃあああぁぁぁぁぁっ!?」

大男は人差し指を傭兵の脇腹に突き立てると、そのまま捻り込むように圧迫する
激痛と肋骨が軋む不快感、肺が押し潰されるような圧迫感を同時に受けに思わず絶叫する
大男の顔は終始感情が感じられない不気味な微笑を浮かべていた
そして、ゴキンという不快な音と共に傭兵は吐血し、そのまま動かなくなった

ルデル「神の御許へ旅立たれましたか…
もう少し持ち堪えていただければ、試したいことを全て為し終えることが出来たのですが…
何れにせよ感謝いたしますぞ…せめてご冥福を祈りましょう…」

そう言うと、息絶えた男の死体をその場に寝かせ、見開いていた目を閉じさせる
おぞましい断末魔の苦悶の表情だったが、それだけで安らかに眠っているように見えた
両手を合わせ、祈るように何か呪文のような文言を呟く
そして、満足したかのようにその場を後にしていった
ルデルの表情は常に柔和な笑顔で、普段の強面が隠れ消えてしまうほどである
しかし、そこには考えていることを読み取れない不気味さが潜んでいる

ルデル「今日のこの時、この瞬間を神に感謝いたします…
我が拳技はより鋭く冴え、迷える者を救うことが出来たのですから…」

そう言いながら、ゆっくりとその場を後にし立ち去っていった
無論、気配を消すことを忘れずに…

【プロフ投下時に鳥を付け忘れましたが、参加希望の者です】
【よろしくお願いします】

68 :欄火 ◆Ff79MuO3Ug :2014/05/27(火) 18:20:30.22 0
>>65/忘れてた&半分以上適当
スリーサイズ:上から80,60,81

69 :名無しになりきれ:2014/05/27(火) 19:11:34.13 0
鳥変わってるぞ

87  54  85 ぐらいなんじゃないか?

70 :名無しになりきれ:2014/05/27(火) 19:12:03.32 0
鳥変わってるぞ

87  54  85 ぐらいなんじゃないか?

71 : ◆EtHzYLYZnU :2014/05/27(火) 19:17:22.65 0
っと、全然変わってるね
実質一文字違いなのに

さっきサイトで出した大体の平均値に従ってるんだけどね
Bなのは仕方ry

72 :名無しになりきれ:2014/05/27(火) 19:59:13.34 0
ほう質雑スレもやってるのか
ま、FOはするなよ

73 :名無しになりきれ:2014/05/27(火) 20:00:52.86 0
名無しとキャラハンが馴れ合うスレじゃねーよ
自重しろ

74 : ◆EtHzYLYZnU :2014/05/27(火) 20:11:14.56 0
私の元には色々な「依頼」が入ってくる。要人暗殺は勿論、誰かの恨みを買った一般人の暗殺ーーー言わば復讐だーーーも含む。兎に角「暗殺」であればどんな冗談めいた依頼も不可能で無ければ受ける。
そう、例えば今回の様なーーー協力者を暗殺する様な物であっても。

「...で、今回の依頼は?」
『いつも通りさ、とあるブラックの幹部暗殺だ。依頼人はその上司だ』
「ふーん...まぁ、いつも通りか」
『そう言っただろう?』

渡された紙には、標的の詳細なデータが入っていた。
それを黒コートの内ポケットに突っ込み、隣を見る。
他にだれも酒場のカウンターで話す私含めた2人は、情報屋と暗殺者だ。
会話を聞かない限りとてもそうは見えないだろう。情報屋は良いとして暗殺者の方はただの少女なのだから。

「...ま、分かったよ」

そう言って、椅子を引いて立ち上がる。
一歩左に歩いて、情報屋の後ろへ。

「ついでにさ」
『...どうした?俺に愛の告白か?』
「そんな訳無いでしょ?別の要件さ」
『情報を買いたいのか?』
「そうじゃない、まぁもう分かるさ」
『...?』

疑問符を浮かべる標的の左肩に、手を置き、同時に、右手の袖に仕込んだナイフを握る。その間にも殺気は見せず、表情を変えぬままに。

「死んで欲しいのさ」
『なっ...!?ぐっ...あ...』

そのまま右手を振り上げ、斜めに首に当てがい、動脈を切り裂く。血が吹き出すが、それが付着しない様にすぐに身を引く。
証拠を残さないようにしつつ、直様店を出る。殺人犯となった直後であっても、表情は変えず、殺気も見せずーーー。

ミッションコンプリート
任務完了。そう心の中で言った。
これが私の日常。常に血生臭い、殺気に満ち溢れた、非平凡でいつも通りな日常。

【大まかなキャラの雰囲気を紹介する感じです】
【余り上手い訳でもありませんが...】

75 :名無しになりきれ:2014/05/27(火) 20:18:52.46 0
全員導入投下したな
さあどうなる

76 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/05/27(火) 20:29:42.49 0
>>65>>67
【ルデルさんクロウさんよろしくお願いします!】
【名無しの方たちのこともありますし、避難所についてもそのうち考えないといけないかもしれませんね・・・】

77 : ◆EtHzYLYZnU :2014/05/27(火) 20:35:22.28 0
>>76
【此方こそです...避難所の件は余り自分が言えた事でも無いですが、何れ必要になるかもしれませんね...】
【このスレの世界観や進行方法もまだ掴み切れて居ないので、何かとご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします】

78 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/05/27(火) 21:21:23.96 0
【見た感じ酉付きのGMもまだ見えないのでとりあえずミハイルさん待ち】

79 :名無しになりきれ:2014/05/28(水) 00:04:50.74 0
ルデルが悪役ポジ?
いいね楽しみ

80 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/05/28(水) 01:06:39.99 0
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20240/1401206765/
【一応作っときました】

81 :監視役 ◆98RYwk/lK6 :2014/05/28(水) 16:36:20.23 0
折角人も集まってストーリーが進みかけてるところだ
ここは俺が監視役として常駐しようと思う
ウケミンや下手糞には容赦しないからそこんとこよろしく
こういう役を参加キャラハンが直接やると、いろいろとトラブルの元になるからな
ウザいと思う人も居るかもしれんが、ここの状況を鑑みて察してくれ
んじゃよろしく頼む

82 :名無しになりきれ:2014/05/28(水) 17:28:14.69 0
>>81
カチャ…

パァーン!!
>>81監視役 ◆98RYwk/lK6が肛門を撃たれ射殺される)

83 :監視役 ◆QS360x1VuM :2014/05/28(水) 20:33:02.96 0
いきなり鳥を紛失したんで変更する
とりあえず、客観的に各参加キャラハンの導入を評価していく

>>39 ミカエル
導入としてはいささかあっさりとし過ぎている気がする
もう少し華やかな登場にして印象を強めても良かったかと
ただ、短いなりに分かりやすく纏まってて内容理解はしやすい
描写力はこれぐらいが参加キャラハンとしては及第点だろう

>>50 ハンス
一見してTRPGに慣れていることがよく分かるな
正確だがしつこくない表現なので、臨場感を上手く表せている
読む者を楽しませることができるプレイヤーだ
更に、>>39の導入を拾うことで本編への繋ぎをしやすくしている点も評価できる
ストーリーの引っ張り手としては申し分ない描写力を持っていると思われる
キャラ設定をもっとヒロイックにしてみても良かったはず

>>60 サゥヴェル
ハンスほどではないが、こっちも手馴れた感じが強い
分かりやすく味気なさを感じさせない描写がきちんと出来ている
そして、ハンスが拾った導入を更に繋げるナイスコンボ
他の参加者が導入から本編に絡む余地を作り上げる下地作りはさすが
期待度はやはり大きい参加者といえるだろう

>>67 ルデル
まるで中学生の創作小説みたいな描写力
創意工夫の余地がいくらでもある
まだ慣れてないのだろうが、正直この程度で参加を決めた理由が分からない
しかも、それでサゥヴェルまで繋がれた導入を拾わない辺り
本編への絡みをどうするか考えられているのか不安
ストーリー開始までにせめて文章力を上げておくべき

>>74
描写力は及第点レベルで、問題は無い
ただハンスやサゥヴェルと比べるとあっさり感が強すぎるきらいがある
ミカエルとは違った意味でもう少し華やかにしてみてもいいかと
繋がれた導入を拾ってないが、ルデルと違ってこっちはきちんと絡めるだろう

84 :名無しになりきれ:2014/05/28(水) 21:28:16.08 0
評論家気取りの荒らしとか斬新
NG安定

85 :名無しになりきれ:2014/05/29(木) 08:06:27.05 0
NGにされるわけにはいかん
だから今後は名無しで書き込むことにしよう
ダークやヘヴィが何度参加者のFOとウケミンの跳梁で瓦解したと思ってる?
もう同じ過ちを繰り返してなんていられないんだよ
こういう役目もそろそろ必要だということだ
俺が今後のためにもモデルケースになろうと言うんだ

86 :フーバー ◆A93WH9IFbE :2014/05/29(木) 22:32:18.08 0
名前: フーバー・フリントストーン
年齢: 28
性別: 男
種族: 人間
体型: 中肉中背、低くも高くもない身長(173cm)
髪型: 黒の艶髪をオールバックにした髪型
服装: 平時は黒のパンツに、白いシャツ、黒いベスト。
   戦闘が予想される場合や依頼がある場合は、黒いフード付きマントを羽織る。
   腰には鉄くずと火薬、縄、火打ち石が満載されたベルトポーチ
   また、軍刀拵えの細剣を常に帯剣している
性格:承認欲求と劣等感が強い性格。また自分本位かつ打算的。
   自己の利益と名誉だけを求める筋金入りの利己主義者。
能力: 即興錬金術の使い手。金属加工の技術と精度は高く、鉄くずをその場で武器や道具に作り変える事ができる。
   また、細剣を振るいながら自在に形状を変化させることで奇想天外な軌道の攻撃を繰り出す剣技を得意とする。
   弱点は身体能力の低さ(体力、筋力に強く劣り、速度も特筆する点はない)
   手先の器用さと小回りの効く術による小技を得意とする小手先工作員
所持品: 細剣、鉄くず、火薬、縄、火打ち石、裁縫セット(毒の瓶と強度の高い糸つき)
簡易説明:
   没落貴族の生まれで、魔力と身体能力に恵まれなかった男。
   それでも国の為にと努力と鬱屈とした感情を重ね、間諜として一定の地位まで上り詰めた。
   特徴の薄い外見から、人の興味を集めづらい長所を活かし、あらゆる場所に入り込み工作を行う。
   雷撃や火焔などの派手な魔術に対する適性は微塵も無く、有ったのは地属性の派生たる金属性のみ。
   大地を隆起させるなどといった事を行えば容易く魔力切れを起こす為、
   手のひらサイズの細々とした道具や罠を作る程度しかできない。
   ただし、その金属加工の精度と速度だけは特筆するべきレベルであり、剣技も技術面だけでみれば中々のもの。
   現在は暗殺や工作活動などの任を与えられておらず、冒険者として平時は生活を送っているふりをしている。
   才能のある者、容姿に優れる者、貴族などに対する強い妬みや劣等感は筋金入りのもの。
   また才能の無い者や軽薄な女、賤民を見下す価値観も持ち合わせている為、基本的に自分を含めて全ての人間が嫌いな人嫌い。

87 :フーバー ◆A93WH9IFbE :2014/05/29(木) 22:32:44.00 0
酒場の喧騒。喧嘩や馬鹿笑い、女を口説く男、男を誘う娼婦、金を踏み倒そうとクレームをふっかける者。
なけなしの金で安酒一杯を買い、それで粘り続けようとする貧乏人。
対照的に大きな依頼を達成し、卓に山盛りの食事と酒を積み上げ宴を開く成金共。
老若男女、貧富善悪様々な人間模様が入り乱れるこの酒場。カウンター前の席に鎮座するそれは、いうなれば中間層だった。

(汚らわしい。汚ならしい……。酒は毒だ、おが屑のような肉だ。
客は煩く、馬鹿ばかり――。程度が知れる、だが我慢しなければならないのもまた事実)

居たのは、真顔で酒を啜り、干し肉を齧っている黒髪の男だ。
中肉中背、濃くも薄くもない印象に残らないだろう顔、地味な服装。
それらの要素は、すれ違いざまに男の姿を視界に収めたとて直ぐ後には忘れていると確約できる印象の薄さ。
本職が間諜であるこの男は、表向きは冒険者として生活している為、ここの酒場には良く通いつめていた。
冒険者の多い店は十把一絡げの彼らの同類として紛れ込み、情報を集めるには最適な場所だった。
不味い酒も旨味の無い肉も、全ては間諜としての職務を全うする為のもの。
そも、酒を嗜まず、美食を楽しまない男にとっては、食事も飲酒もただの作業にすぎない。
違和感なく己を酒場に埋没させる作業を済ませながら、男は酒場の喧騒に耳を傾けていて。

「――――、厄介な」

表情には出さないが、このような場ではままある事にうんざりして、つい言葉が漏れる。
そして、男の近くで小競り合い(>>50)が始まった時点で、男はゆっくりと立ち上がることとした。
その直後、カウンターにあったグラスと干し肉の皿は破砕し、伸びた男がグラスと皿の代わりに設置された。
尋常ならざる速度、鋭さ。それを認識し、男はそれを実行した男に目線を向けた。
人の様子を見てきたからこそ分かる、困惑、狼狽。隠し切れない不自然な気配が見える。

それから程なくしてやってきた大男が視界を遮る。
容易く太めの男を持ち上げる辺り、身体能力に『恵まれた』者であると理解する。
視線に粘性の感情が宿り、じわりと殺意や敵意ではない薄ら寒いもの――悪意――が向けられる。
それは、鎧の男にであり、大男にもであった。
鎧の男の卓越した体術、そして大男の体格と魔術と膂力。そのどれもが男の持ち得ないもの。
その持ち得ないものに対して男が抱く感情は、称賛でも羨望でもなく――嫉妬だった。

また、間諜としての勘が働く。この鎧の男は、怪しい。
先ほどの動作と、その後の僅かに呆けた表情。まるで、自分の意思とは関係なく体が動いたかのような様子。
探らねばならない。あらゆる脅威を調査することこそ男に与えられた役割の一つ。
その役割を全うする事こそが男の存在意義であり、職務であり、人生であるのだから。

>「いやぁ、お見事な暴漢退治。是非感謝状を送りたい所ですな。
> 月並みではございますが、貴殿ほどの方へ何とかご協力頂きたい『難件事案』がございます、ご協力頂けませんかね?
> おっと、私は《組合員》のサゥヴェルと申す者で御座います。どうぞ宜しく。」
>「えーこの方のように体力に自身の有る方。
>もしくはここ最近で何かしら「異常なもの」に悩まされている方は是非自警団支部へお越しください。
>茶菓子とそれなりの報酬を用意してお待ちしておりますよ」

「……いやはや、おふた方ともお強い。さぞかし高名な方なのでしょう。
それで、ですが。もし差し支えなければ、私にもその『難件事案』の話を聞かせて頂けませんでしょうか。
最低限以上の体力はありますし、……お恥ずかしい話ですがこの年まで冒険者を続けている身です。
あそこのような安酒と干し肉が精々の生活としては、日銭を稼ぐ切掛というのは喉から手が出る程欲しい物でして」

ゆっくりと、男は大男の近くに向かい歩いて行く。
恐らくだが、鎧の男はこの案件に関わるだろうと予測した結果の行動だ。
また、『難件事案』にも興味が有った。己に手が負えなければ迷わず引けば良い、不利も損もそこには無い。
印象に残らない顔に、とりたて語る所の無い笑顔を浮かべ、どこにでも居るそこそこベテランの冒険者のような言葉を発した。
また、男は無意識に安酒の飛沫で汚れたシャツを拭っていた。只管に、血痕や泥、汚物を削り落とすかの様に、執拗に。

【まだ参加してもよろしいのでしたら参加を希望します】
【よろしくお願いしますね】

88 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/05/29(木) 23:06:08.93 0
【よろしくお願いします】
避難所は>>80

89 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/01(日) 00:04:10.07 0
ガキン!

「ん?こりゃ本格的にやるつもりだな。困ったもんだ」
ミカエルはすっくと立ち上がり、額に手を当てながら現場の様子を見に行くことにした。
亡き父、ユリウスから「まずは現場を見てから物事を言え」とは幼い頃から言われている。

見ると、どうやらこの倒れこんだ男が、刃物で鎧の大男にかかって、
返り討ちにあったらしい。
北の連中はやる事がなくなると喧嘩を始める、と聞いてはいたが予想以上か。

…しかし一瞬だが、ほんの一瞬だが、その男から殺気、のようなものがしたのだ。
いわゆるダーク・パワーというものだ。
そこにもう一人の男が追い討ちとばかりに倒れた男を起き上がらせる。
その男は一瞬で体格にも合わないスピードで酒場から逃亡した。
残った2人は、自分と同じぐらいの年代にも見える。

野次馬から歓声が上がる。こういう光景は何度か見たはずだ。
どこまでも北の連中は品がないな、そういう表情でさらに近づいた。
ミカエルがまさにその2人と接する前に、1人の男が躍り出る。

「いやぁ、お見事な暴漢退治。是非感謝状を送りたい所ですな。
 月並みではございますが、貴殿ほどの方へ何とかご協力頂きたい『難件事案』がございます、ご協力頂けませんかね?
 おっと、私は《組合員》のサゥヴェルと申す者で御座います。どうぞ宜しく。」
「『難件事案』…だと?」

ミカエルが間に入る前に、いかにも卑屈そうな顔つきの男がさらに割って入る。
「もし差し支えなければ、私にもその『難件事案』の話を聞かせて頂けませんでしょうか。」

依頼人に志願者、さらに近くにはそこそこ腕の立ちそうな男が2名。
男ばかりではあるが、歳も近いように見え、話しかけやすそうだ。
迷わずミカエルが割って入る。
「待て。その条件なら私も入るだろう。いや、入って当然のはずだ。
<体力に自信>、…まぁ、それなりだな。<悩まされている>?今がまさにそうだ。
退屈と喧騒に悩まされているよ。困ったもんだ。
報酬?報酬だ…報酬、良いだろう。文句無しだ。ちなみに…」

顔の前で指を立て、人差し指に小さな炎を出し、それを目の前で振って見せる。
「この通り、ハッキリ言って私は腕が立つ。名前はミカエルだ。
さぁ、報酬が減るからな。さっさと自警団とやらに案内してくれないか?」

さきほどの喧嘩に絡んだ2名と一瞬だけ目を合わせ、再び視線を外して言う。
名前も堂々と名乗った。「ミカエル」という名は自分でも気に入っている。
出身地の歴代国王もミカエルの名から3名輩出している。堂々と名乗れる訳だ。
「今のところ志願者は2人だろう?報酬の分け前が減ると困るのでね。
マスター、会計を頼む」

支払いを早々と済ませると、手をヒラヒラと振って、依頼主を外へ誘おうと扉を開けた。
ブワッ、と寒い外気が流れ込んで来る。やはり寒いのは嫌いだ。
「…!」
それと同時に不自然な悪寒もする。先ほどと同じ感覚だ。

90 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/06/02(月) 21:33:52.96 0
≪組合員≫のサゥヴェルと名乗った男をしばし見つめる。

『難件事案』
その"冒険(クエスト)"に協力できるもの、あるいはその件について情報を提供できるものを自警団支部へ招待する、という言葉で彼の弁舌は締めくくられる。

お祭り騒ぎの空気を、サゥヴェルの魔法の派手さにはねのけられ、水を差されたことに戸惑っていた群衆たちも、彼が大声で語ったその口上の内容にどよめく。
彼らの会話の断片、その端々に聞こえるのは、香具師の大げさな物言いに踊らされた野次馬特有の熱気ではない。
そこにあるのは死の恐怖。

不安。妄想。錯誤。疑惑。不信。
劣等感。孤独。静寂。
苦痛。

                             「棄てられたあそこだよ、ほら
        「でっかい空洞」     「あの区画」
例の商店街」        「勝気な連中」 「ノミの勇気」
    「今更なにを「結局役人さんは」  「濡れ仕事」    「暗殺」
もどってこなかった」    「無駄」        「どうにもならない」
               「二の舞」                      「何かいる
  「触らないほうがいい」                「ほうっておいてくれ」


   「どうせ誰にも」
           「なにも」
                「できない」


目を逸らしていたおぞましい現実を突き付けられたような、あるいは、せっかく忘れていたのに、という湿った怒り。

それを前にしてなお、サゥヴェルは紫煙をくゆらせ、冷めた目で事態を俯瞰していた。

「黒騎士は騎士の誰よりも勇猛だ、ということわざがある」

衆目が集まるのを感じる。
俺はカウンターに横倒しになったままだった兜を拾い上げ、かぶり、目蓋を親指で持ち上げた。
俺はこれが一種の興業だと自覚している。同時に、俺は嘘を吐きたくない。俺の騎士道を貫いた結果として、今のこの屈辱的な身があるのなら、俺はくたばるまでこの騎士道を貫く頑なさがあった。

「その理由は食いっぱぐれるからだ!」

空気が幽かに和らぐのを感じる。くすくすと、忍び笑い。道化への笑いだ。

黒騎士とは、出資者のいない、首を切られた騎士の姿。
鎧を手入れする余裕もないから、どんなに鎧が美しくても、真っ黒な錆止めをべたりと塗り込むその惨めな有り様は、陰でどんなに笑われたか知らない。
だが、構うものか。

「だから必死に働く、死に物狂いで勇気を振るい、誰も成さない正義も成す」
「なにせ腹が減るからな、食い物はいつも欲しい。嫁も欲しいな!まあ、それはいい」
「――故郷が欲しい」
「家が欲しい。友人が欲しい。守るべき人々が欲しい……誇りが欲しい」

「慈愛で人を救う騎士道など信じられぬだろうが、俺ならどうだ?」
「俺は貴様らを救うぞ、断じて救う。神になど誓うものか、俺のこの強欲さにかけて誓おう」

和らいだ空気が、わずかに暖かなほうへ流れ出る。その確信を得てから、俺はサゥヴェルに向き合った。
やはり、彼にはこんな安い茶番は何の面白味もないのだろう、期待を含み始めた群衆の目と違い、どこまでも冷めた目で見つめかえす。
彼の話す『難件事案』。この凍てついた街にジッと伏して構える闇。
名を上げるにはいい機会だ。

「ぜひ参加しよう。
 その支部に招待してくれるかな?」

91 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/05(木) 04:32:05.94 0
名前:シンシア・ローレンス
年齢:19
性別:女
身長:161
体重:50
種族:半魔
職業:医者
性格:争いを好まない優しい性格だが、自信家
能力:光魔法の使い手
所持品:杖とローブ、胸には赤いペンダント
容姿の特徴・風貌:肩までかかった長い銀髪が特徴。瞳は赤。
簡単なキャラ解説:使い手の少ない治癒魔法の使い手であり、その中でも類い稀な才を持つ。
主に貧民専門の医者、治療魔法だけでなく医学も囓っている。
人を癒すことが自分の宿命だと信じており、それこそが行動原理。
魔族と人間のハーフで、そのことは本人はできるだけ触れられたくないと思っている。

92 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/05(木) 04:39:44.37 0
雪に覆われた街、クレーヴス。
北方に位置するこの街は、雪が頻繁に降ることから交通の弁が悪く、栄えているとは言い難い。
そんな街の中でも、一際雰囲気が重い区画――地下の空洞の問題で普通の住民に放棄された区画。そこを雪の中でも一際輝く銀色――シンシア・ローレンスが悠然と歩を進めていた。

「寒い……」

シンシアは白い息とともにぽつりと呟くと、左右のローブの袖をくっつけて、手に冷気があたらないようにする。
ここは普通の住民には放棄された場所であるが、当然街には普通じゃない住民もいる。
ろくな仕事もすむ場所もない住民である。そんな住民からしたら、ここ《スラム》は格好の住処である。
己の明日の生活すら怪しい人間にとって、地下の空洞の問題など些細なものだ。
それでも、廃れていることに違いはなく、人通りはほとんどない。

「おい、そこの女」
「私?」
「表から迷い込んだ女か? へへへ、久しぶりにやれるな」

下卑た笑みを浮かべながら、二人の男がシンシアへと近づいてくる。
《スラム》では身体を売る女は腐るほどいるが、なんだかんだで金がかかり、そこらの貧民では中々手が出せない。
そして、そうした商売を取り仕切っている人間がいるため、そうした娼婦に手を出して目をつけられるのはまずく、逆に身なりの良い表の人間は襲いやすいのだ。

「はぁ……女なら見境なく声かけるその頭は私でも治せないわね」
「って、こいつ……」
「シンシアじゃねーか」

当てが外れたとでも言いたげにがっくりと肩を落とす二人組。シンシアは、そんな二人を見て小さく笑う。
シンシアは見た目通り普通の女性と同じ身体能力しか持ち合わせておらず、二人どころか一人の男相手ですら押さえ込まれてしまうだろう。
それでも男達がシンシアを襲わなかったのは、シンシアが医者だからだ。ただでさえ医者という存在は貴重であるのに、こんな《スラム》に医者がいることは奇跡である。
下手に手を出していなくなられたら困るのだ。当然、他の住民も同じ認識であるため、もし何かしたことがばれれば、ただではすまないだろう。
シンシアもそれが分かっているからこそ、治安もなにもないこの《スラム》で一人歩いているのだ。

「私を抱きたいなら、そうね……一回死になさい。 そしたら、考えてあげる」
「せめて、骨折くらいにしてくれねえか?」
「馬鹿ね、それじゃあ治せちゃうじゃない」

そう言って、肩越しにヒラヒラとローブの袖を振って歩み去る。
暫く歩いていると、シンシアの顔に雪の交じった風が吹きつける。ローブで防ごうとした瞬間その風にのった血の匂いをかぎつけた。
血の匂いは《スラム》ではそう珍しいものではないが、無視するわけにもいかないため、匂いの元へと歩いていく。
そこには、一人の男が両足をあらぬ方向に曲げられたまま倒れていた。そして、その下の雪は男の血で紅く染まっていた。
シンシアは僅かに顔を歪める。《スラム》で死体を見るのは初めてではないが、これほど無惨な死体は初めてだった。

「酷い……」

シンシアは男の胸へと手を添える。案の定、そこから命の鼓動が聞こえることはなかった。
シンシアは男の死体の前で小さく祈ると、そのまま踵を返して立ち去る。死体を前に、シンシアができることは何もない。

(騒がしくなってきたわね、何も起きなければいいけど……)

人形のような死体を背に、シンシアは不吉な予感を拭い去ることはできなかった。

【よろしくお願いします】

93 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/06/05(木) 05:19:23.62 0
黒騎士の体術に秀でた例の動作は気に掛かったが、事案の情報や風説とは外見も戦い方も微妙に違う。微妙に似ているというほど大きな異であるものだ。
此処の所戦争が減ったせいか、体術に秀でた者は方々へ散り、かつ何処にでも蔓延っている。
その辺の酒場を探せば玉石の如く湧いて出てくるだろう。――――その程度で疑念を解く理由にもならないが。

慣れない大声を吐き出した喉に再びモクを流し込み、呼吸を整える。舞い上がった煙が他の煙草の灰煙と混合し、身体に悪そうな色相を醸し出す。
鎧の大男が暫し思惑を巡らしている僅かな間ではあったが、その間に撫で付けた黒い髪がまず割って入ってきた。

>「……いやはや、おふた方ともお強い。さぞかし高名な方なのでしょう。
>それで、ですが。もし差し支えなければ、私にもその『難件事案』の話を聞かせて頂けませんでしょうか。
>最低限以上の体力はありますし、……お恥ずかしい話ですがこの年まで冒険者を続けている身です。
>あそこのような安酒と干し肉が精々の生活としては、日銭を稼ぐ切掛というのは喉から手が出る程欲しい物でして」

黒髪は北の人間としては少数派に属する、というのが常識なのだが。
しかしそれを完膚無きまでに叩き潰すほど、その男は群集に隠れる事において、無類とも言える非常に特徴の無い見た目をしていた。
東国の地平線まで黒髪の続く喧騒ならば、数秒で見失う自信がある。暗殺業と言っても十分通る技術・・・いや、ある種才能か、これは。

そのあからさまな作り笑いの奥には、印象とは乖離したそれ以下の何かを感じたが、まあそちらは余計な詮索だろう。
この舞台で踊る道化なら尚更の事。―――故に、短く即答した。

「ええ、いいでしょう。見たところ旅慣れた方と見受けられます、是非お話を伺わせて頂きたい。」
 
「・・・ああ、所で長く冒険を続けられているという事でしたら何か職能の類をお持ちなのでしょうか」

>「待て。その条件なら私も入るだろう。いや、入って当然のはずだ。
><体力に自信>、…まぁ、それなりだな。<悩まされている>?今がまさにそうだ。
>退屈と喧騒に悩まされているよ。困ったもんだ。 報酬?報酬だ…報酬、良いだろう。文句無しだ」

間髪入れず我もと言わんばかりにしゃしゃり出てきた若気滲み出る金髪の男も、この無駄にせっかちな言動からして何かしらの逸れ者と見る他無い。
しかし付け加えるように名乗った、ミカエルという名は相応の身分、もしくは過去そうであった事実を示していた。
服装から見当を付けてもその男の階級は伺える。―――役に立たせるとすればそちらを最大限生かすべきか。どうやら魔法も使えるらしい。

「歓迎します、早速「我々」と話を付けましょう。
 此処からは割と近場ですからね。大路地の外れの黒樫の建物ですよ」

自分で腕が立つと言うや否や、分け前が減るからという至極真っ当な理由で他三人をさっさと屋外へ連れ出そうとする。
まぁ、どうせ「過去そうであった」人間が今は報酬に目が眩む程度だという境遇なのだろうか。

94 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/06/05(木) 05:21:01.58 0
―――さて、これほどの観客を、それも愚衆ばかり集めた舞台で今まさに持ちかけた名声を断るような男など、そう居ないだろう。自分のようなひねくれ者を除いて。
ましてや流浪の傭兵とあらば事態は生活に関わるというものだ。
かと言って件の『一部』だけを見た凡衆ならば、関与を希望するような人間はまず居ない。それは比較的安易に予想できる。
贅沢を言えばなるべく事情を知らぬ者と、逆に事情を知りすぎている者。
そういった連中を釣り上げるならば、こんな雑多な酒場から求人を掛けるしか無かったのが現状である。

>「黒騎士は騎士の誰よりも勇猛だ、ということわざがある」
>「その理由は食いっぱぐれるからだ!」

>「ぜひ参加しよう。
   その支部に招待してくれるかな?」

この大男も大分それを自覚してか、不穏な話題に困惑する大衆へ演説をかまし、その上で堂々と依頼を受けるという意思を表明した。
なるほど、寧ろ変にはぐらかした物言いをしない辺りには逆に好感を持てる。
欲と状況に付け込んだとはいえ、人手は幾ら有っても足りない。半ば協力を強制できるこの状況は願ったり叶ったりだ。

「ご快諾感謝します、黒騎士さん。
 話は早ければ早いほど良いものです。早速、場所を移しましょうか」

錆び止めを塗りつけた研磨もされていない漆黒の鎧、隠しきれない薄汚れた外見。少なくともこの街の人間でない事には初見で賭けた。
そもそも普通に隣席を取って交渉を持ちかけるつもりだったが、目星を付けるまでもなかったようだ。
我ながら野次に便乗した下衆極まりない思考ではあったが、その収穫もまた及第点と言って不足は無いだろう。口頭で三人も集まれば上出来だ。
後から自警団へ垂れ込む者にも期待しつつ、3人を急かすミカエルを尻目に、カウンターで強めの蒸留酒を一本買い付け、一寸送れて酒場の戸を開ける。
戸外は日が上っているのか沈んでいるのかもわからない暗澹とした雲が立ち込めていた。踏みしめる雪も一層硬く、冷たい。

「・・・全く、今日のような日は飲みながらでもないとやってられないな」

3人を連れて路地の外れにある「支部」へと真っ直ぐ、時折そのよく冷えた酒を少しずつ含みつつ、足を運ぶ。
雪は未だ、空から漏れるようにちらちらと降り、その寒さから周囲を歩く人間もほとんど居ない。
積雪のせいか、明かりこそあれど街は異様なほど静まり返っている。
状況を鑑みてか、サゥヴェルも特に事を隠した様子を見せず、依頼の詳細を歩きながら説明していく。

「斡旋したのは他でもありません、腕っ節を存分に生かせる仕事です。・・・早い話が、犯人を締め上げて教会にでも持っていけば解決なのです。案件の一部は、ですが。」
「此処の所かなり特徴的な殺しが方々で起きてましてね、人っ気の無い場所に連れ込んでの絞殺、撲殺、圧殺――貴方達のような、共同体に属さない傭兵や拳闘士が特に多く狙われています」
「私も殺しの起きた街を辿って行った結果、この袋小路のような果ての街に辿りついた訳です」

そこまで言い終えると、僅かに表情を変え、軽快に雪を踏み潰していたその足をはたと止める。
その真っ黒く、うねった髪から覗いた大きな金色の目には、《此方へ向かってくる巨人と見まごうほどの体躯の僧侶が映っていた。》

95 :名無しになりきれ:2014/06/05(木) 07:42:41.72 0
>>91-92
スリーサイズキボン

96 :ルデル ◆O2IScv7Izw :2014/06/05(木) 08:54:04.47 0
これは、ルデルがサゥヴェルたちと遭遇する少し前のやり取りである
ここは、この地でのファーデル教の活動を統括する支部である
現在、ルデルはここに出入りしながら布教活動と奉仕活動を行っていた

???「ルデル、おまえの気持ちは分からんでもないが、ここでの過激な活動はもう控えてくれんか?
最近、おまえが起こした殺人事件の調査の手がこの支部にも伸びている
確実に目星をつけられているぞ…万が一のことがあれば教会の名に傷が…」

そう言って不安げな表情を浮かべながら、ルデルの巨躯を見上げる男が居た
上質な布で造られた美しい司祭服に身を纏い、禿げ上がった頭に豊かな金色の髭
この男は、支部の責任者を務めるデリウスという教長であった

ルデル「だからこそ、支部の支援と庇護が必要なのです
それにデリウス教長、貴方がこの地で行っていた不正こそ教会の名に傷を付ける背信行為ですぞ
活動に託けて信者たちからの尊いお布施を着服するなぞ、断罪は免れません
これを教団本部に報告すれば、直ぐにでもあなたを処断する許可が下されるでしょうな」

怒りに満ちた目をデリウスに向け、着服の証拠と思しき書類一式を見せ付けるルデル
ルデルがそもそもこの地を訪れた切っ掛けは、デリウスの不正を暴くという教団本部の密命を受けてのものだった
善行という名の殺戮を行っているルデルこそ処断されるべきかもしれないが、
実際のところ、彼の行為は一部の教団幹部も知るところであり、敬虔なる信徒の彼の行為を庇ってひた隠しにしているのである
デリウスもそれは知っており、逆にルデルを密告しても無意味なのは分かっていた

デリウス「うう…わ、分かっている…
だが、私の権限でもおまえを庇い切るのには限界があるのだ
この地では、ファーデル教の影響力はそれほど強いとは言えんからな」

ルデル貴方のような不心得者が責任者であるならば当然でしょうな
ともかく…、この罪深き地で数多居る迷える者を救うためには致し方のないこと
拙僧はこれから奉仕活動の上、宿代を稼ぐために一仕事こなしてくるつもりです
調査の手を撹乱し、神を恐れぬ者どもの跳梁を防いでおいてください…それでは…」

旅の途上で奉仕活動と布教活動を行う際、教団からの支援は基本的に一切受けない
このスタンスも、ルデルが敬虔な信徒として教団本部からも信頼されている理由の一つであった
しかし、彼が行っている「裏の善行」を行う場合は別の話となる
一部の教団幹部の根回しによって、彼の足取りや活動記録は同地の支部によって変えられてしまうのである
大胆な犯行、特徴的な手法、目撃証言にある大きな特徴、今まで逃げ果せたのはそこが大きかった
ルデルは巨体を翻すと、支部を出て廃墟の貧民街へと向かって行った

97 :ケレブルム ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/05(木) 13:50:48.23 0
名前:ケレブルム
年齢:???(精神年齢は幼児並み)
性別:女
身長:156cm
体重:羽根のように軽い
スリーサイズ:91/60/93
種族:指環に宿る女
職業:無職
性格:明朗快活、無邪気で奔放、人懐っこい。
能力:指環の所持者の能力を増幅し強化する。逆に無力化させることも可能。指環は所持者の命を吸い取り、その輝きと力を増す。
所持品:ペトリファイの指環(白銀製に見えるが材質は謎。右手の人差し指にはめている)
容姿の特徴・風貌:外見は二十歳前後の女性。足首に届きそうな程の長髪、緑青色。服装は白いワンピース一枚のみで靴や下着すらもない。
簡単なキャラ解説:
指環に魂を宿す女性。人間の姿をしているが本質的には精霊や妖精に近い。
直接触れ合うことは可能だが、指環が実体であるため感覚は全くない。
指環の担い手に相応しい強い人間を捜している。
世間知らずなため小さなことにも感動を示したり、好奇心も非常に旺盛。

98 :ケレブルム ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/05(木) 13:55:51.08 0
一面の銀世界だ、真っ白だ。ケレブルムは見たままの感想を声に出して歓喜した。
白銀の絨毯の上を裸足で踏みしめながら、ちらちらと降りしきる雪を右手で払ってみたり、鳥のように両腕を広げてそれを全身で受け止めてみたり。
そんな動作を無邪気に何度も繰り返すケレブルムを制すように、老齢の男が皺の刻まれた掌で彼女の頭を優しく包んだ。

「これ、落ち着きなさい」

「だっておじいさん、雪よ? これが雪なんでしょう? わたし初めてなんだもの!」

すごいすごい、そうはしゃぎながら雪の上に飛び込んで全身を埋もれさせた。
男は呆れてため息をつく、だが彼女を見守る瞳にははっきりと慈愛が満ちていた。
その光景は、まるで仲の良い親子のように微笑ましいものだった。

クレーヴス、雪に覆われた北方の街。そこが二人の目的地だ。
西の遠い村からようやくここまで来た。街はもうすぐそこだというのに、ケレブルムは雪に夢中でその場から離れようとしない。

「日が暮れるぞ」

そう諭す男に空返事をして身を起こすと、今度は雪を口でキャッチする遊びを始めた。
だが、これがなかなか難しい。何度やっても上手くいかず自然に苛立ちが募り、だからこそ意地になる。
いつの間にか男の制止の声も消えた、諦めたのだろうか。
そんなことも意に介さず、数えるのを忘れた何度目かの挑戦。
舞い散る雪の一粒をようやく口の中に取り込んだ。
唇を真っ直ぐに閉じたまま、その場で声にならない喜びを表すように跳ねて見せる。

「おじいさん! ねえ、見てた? 今の…」

ケレブルムが振り返ると、そこに男の姿はなかった。
いや、正確には男の左手だけが、ケレブルムへ差し伸べるようにして積もる雪の中から覗いていた。
それに気付き、男の元へ慌てて駆け寄ると、埋もれた体から雪を払う。

「おじいさん、おじいさん、平気?」

うつ伏せに倒れた男の肩に手を置き、耳元で声を掛けると、重く閉じられた瞼が眩しそうに僅かに開いた。

「……すまん、儂はもう一緒には行けんようだ……。ついにお迎えが来てしまった」

もう何も見えていないのだろう、男の左手が空を彷徨う、ケレブルムの姿を求めて。
それに答えるように、男の手を取り、両手で強く握り締める。
男の人差し指にはめられた指環がその輝きを増していく、消えゆく灯火は最後の力を振り絞り、より一層に熱く燃え盛るのだ。

99 :ケレブルム ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/05(木) 13:56:57.12 0
「おじいさん、もう一歩も歩けないの? クレーヴスはすぐそこよ」

「……最期に、お前に、見せることが出来て……良かった。この……雪を……やくそくを……はたし……」

もう声すら届いていない、この手の感覚すらも既に消えかかっているのだろう。
約束。『二人でクレーヴスに行って雪を見たい』、西の山村を離れたのはケレブルムのそんな我が儘がきっかけだった。
彼女にとってはたった一つの我が儘だったが、男にとってはこれが最期の約束事のつもりだったのだ。

男の名は、ブラディカ・ウッズ・ウィンデロフ。
この世の全ての力を理解し、あらゆる魔法を行使する高名な大魔術師だった。
ある日からその傍らには常に一人の女性が控えるようになり、彼の力は更にその強大さを増した。
だが、そんな男も年老いた己の身に巣食う不治の病に打ち勝つことは叶わなかったのだ。

ブラディカは震える手で懐から一枚のストールを取り出して、ケレブルムに差し出す。

「……かぜを……ひく……」

それを最後に、ブラディカは事切れた。虚ろな瞳にはもう何も映していなかった。
冷えていくブラディカの人差し指から指環を抜き取り、自分の人差し指にあてがうと指環は瞬時に形を変えてピタリとはまった。


ケレブルムがクレーヴスに着いたのは、それから数十分後のことだった。
彼女の右手の人差し指で輝く『パトリファイの指環』。
それを雪の舞う空に向かって翳してみる。

「一緒に来ようって言ったのに…。もう、おじいさんのうそつき」

子供のように頬を膨らませて、独りごちる。

「やっぱり強いだけじゃだめなのね…。今度はもっと長く生きられそうな人にしなくっちゃ!」

指環に落ちた雪をさっさと払い落して、そこでふと振り返る。

「おじいさんったら、わたしが病気になんてならないこと知ってるのに。変なの」

屈託のない笑顔を浮かべてくすくすと声を上げると、街の奥へと足を踏み入れた。


動かなくなったブラディカの体に雪が被さり、その手を、その手に握られたストールを、白く白く覆い隠していく。
そうして、独りの男の全てが一面の銀世界の中へと姿を消した。

100 : ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/05(木) 13:58:11.48 0
【宜しくお願いします】
【流れを崩さず、機会を見て入りたいと思います】

101 :ルデル ◆O2IScv7Izw :2014/06/05(木) 15:51:17.17 0
>>94
>「斡旋したのは他でもありません、腕っ節を存分に生かせる仕事です。・・・早い話が、犯人を締め上げて教会にでも持っていけば解決なのです。案件の一部は、ですが。」
「此処の所かなり特徴的な殺しが方々で起きてましてね、人っ気の無い場所に連れ込んでの絞殺、撲殺、圧殺――貴方達のような、共同体に属さない傭兵や拳闘士が特に多く狙われています」
「私も殺しの起きた街を辿って行った結果、この袋小路のような果ての街に辿りついた訳です」

ルデル「ほほう、それはそれは実に面白い話でございますな
拙僧にもその腕っ節が存分に生かせる仕事とやら、一枚噛ませていただけますかな?」

そう言って、サゥヴェルの目の前に現れたのは身長2m半を超える長身を持つ大男であった
胴体、腕、脚、掌など、肉体のどの部分も常人を凌駕する太さ、長さ、大きさである
質素な法衣から覗く素肌には、多数の痛々しい古傷が走っていた
ルデルは柔和な笑顔で一行を見下ろし、自分もその話に乗りたいと求めた

ルデル「おお、これは失礼しました
先に自己紹介をすべきでしたな
拙僧、名をルデル・ボドリアと言い、ファーデル教の信徒をしておる者です
教義に従い、この廃墟のスラム街で奉仕活動を行っていたのですが、資金が底を尽きかけておりましてな…
それを用立てるための仕事をずっと探していたのです」

笑顔を崩さず、照れくさそうにそう続ける
雰囲気は如何にも温厚そうで、心優しい慈善活動家といった様子である
しかし、そこにはそれ以外読み取れそうな感情や雰囲気といったものは皆無であった
言わば、純粋そのものとでも言うべきだろうか

ルデル「聞けばこの廃墟で何やら不穏な事件が起こっているものと見受けました
スラム街に住む迷える者たちの安全のためにも、是非拙僧にも助力の許可をいただきたい
…なに、少々拳術をかじっておる身ゆえ、足手まといにはなりませぬ
それに、ここの廃墟に関しては裏道に至るまで知り尽くしております
いかがですかな?」

笑顔のまま、一行にそう尋ねるルデル
どこまでも純粋な様子のまま、感情を窺い知ることができない

ルデルは支部と人伝の情報を頼りに、支部に調査に来た人物の中で最も厄介そうな相手を既に割り出していた
彼が目星を付けた厄介な相手とは、正しくサゥヴェルであった
最後に「裏の善行」を行い、そして今正に自らが奉仕活動を行っているこの廃墟に足を踏み入れたのがいい証拠である
おそらく、サゥヴェルという男はほとんど確信を得ていると見て間違いないだろう
だからこそ、ルデルは廃墟の中で最も人気が無く、スラムの住人ですら近寄らないこの場所を通るまで待っていたのだ

だがしかし、ルデルはサゥヴェルという男の顔まで知ることは出来なかった
何かしら人を集め、「難件事案」とやらの対処に乗り出そうとしているということだけは分かった
その中には、ルデルがしでかしたであろう殺人事件の件が含まれているということは想像に難くない
カマ掛けを兼ねて接触を図り、予想通りなら一行諸共始末しようという算段である
始末するのならば、地面を踏み抜き陥没させ、廃墟地下に広がる空洞に叩き落そうしてやろうと考えていた

102 :クロウ ◆EtHzYLYZnU :2014/06/05(木) 21:33:30.33 0
この街の『闇』を生きる私にとって、『情報』という名の兵器を味方に付ける事は、生き延びる為の策略であり、最優先事項とも言える。
自分にとって有益な情報ーーー依頼や標的の素性などーーーは勿論、世間情勢や、各組織の動きなどもリアルタイムで把握出来るかが運命の分かれ目である。
ーーーそう、「組合」なんてそしきの情報も。

ーーー数分前、大通りから一本外れた路地裏で男に出会った。彼は俗に言う「情報屋」で、私が最も付き合いの多い職業だ。

「『難件事項』?」

私は目の前に立っている男に対して聞き返した。どうにも聞き慣れない、序でに仄かに嫌な臭いがする言葉だ。

『そう、「難件事項」らしいぞ』
『因みに情報源は、組合員だ』

その組合という組織自体は知っている。だが、何故自分にそんな情報が飛んでくるのだ。

「はぁ...なんでまた暗殺者の私にそんな情報を?」

一種の倦怠感を感じて、大きくため息を吐く。そしてその情報を自分に教えた意図を探る。

『アンタだって、裏の世界の人間だろ?一応気を付けておけ、って事だよ...今回の情報には、「街の裏」が絡んでくるからな」

そう言って彼は私の横を通り過ぎて行った。その時点で数分間の短いやり取りは終了し、男は別の目的地へと向かう。

それにしても、嫌な予感はするものの、どうにもその「難件事項」という言葉が引っ掛かる。どうやら、只事では無いらしい。

「やっぱ、軽く情報集めはした方が良さそうだね...一度、ここの近くの組合支部に忍び込んで見る...か」

そこまで意見が纏まった所で、前方から人が歩いてきた。体長は1m70cm前後、大柄な男だ。見たところ武装は見当たらない、おそらく安全だろうーーー。そう思っていた。「何よりも危険な存在が自分であることも知らずに」

男は横を通り過ぎようとしている。だが、私は体が何かに誘導されているような、そんな感覚を覚えながらーーー

「ーーーー冥界送りよ」

ナイフを一突き。男の首に突き刺した。飛び散る鮮血が身に降りかかり、黒いコートに掛かる。
その時点でもう体は自分の物では無かった。二回、三回、四回、五回。自分でも数えきれない程の回数、私は無言で男の首を抉る様にナイフを振るっていた。
自分がやっている行為に気付いた時には、男の首は原型を留めて居なかった。血に濡れた手とナイフ、肉が剥き出しになった男の死体。

「...ひっ」

軽く悲鳴を上げ、目を見開いた。自分がやった事の意味を、理由を、道理を、全く理解出来なかった。
誰の、依頼でもなく、自分で、人を、殺した。何故だ、何故、ナゼ、なぜ?

...そんな事は分からないが、ただ1つだけ分かる事がある

「絶対に...私がしたかった事じゃない...」

そう呟いたことも分からぬまま、ただ路地を歩き始める。
体には血の跡が付いている為、可能な限り隠密に、バレないよう。
出来れば皮膚に付いた雪溶け水が、その血を、先ほどの記憶ごと洗い流してくれれば良いのだが。

ふと前方を見てみれば、何やら4人組の男達が通り過ぎて行く。
異常に存在感のあるその集団に見つからぬ様に気配を殺し、一定の距離を保って後を付ける。
別にストーカー紛いの事をしたいわけではない、自分の目的地がそちらの方向に存在するだけだ。
物陰に身を隠し、4人の行方を見据えるーーーーと

「何...あれ...」

呆然と呟いていた。視界に映ったのは推定2m半程度の大男。先程から居た4人も自分にしてみればデカいが、こいつは規格外とかそういう問題じゃない。人間であるかも疑われる様な巨体に、数瞬の戦慄を覚えた。

その場から逃げ出す事も、向こうの場に突入する事もなく、暗殺者らしく物陰から気配を殺して観察する。一応15mは離れているし、いざと成れば離脱できるだろう、そう考えている。

103 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/08(日) 01:15:44.13 0
ミカエルは酒場を後にした。冒険者らしき男たちを一通り見下ろすようにして、
<これで締め切りだ>とばかりに、バタン、と酒場の扉を閉める。
暖炉の温もりが遮断され、いっそう寒さが強くなった。

サゥヴェルとそこに合流したフーバー、ハンス、そして僧侶ルデルとミカエルの5人は、
路地の外れにある「自警団支部」という黒樫の建物を目指し進んだ。

歩きながらルデルの話を聞く。
<ルデル・ボドリア><ファーデル教><スラム街の奉仕活動>…
寒さと吹雪の音の中、ミカエルはそれらの単語を反芻していた。

祖父の時代の頃、王国軍は北方民族らとの戦いで悲願の大勝利を収め、
クレーヴスを含む北部領土を征服した。
クレーヴスの西にあるメデリオトは特に東西南北へのルートが開けており、
王国側としては交易の重要拠点となり得る。
しかしながら、北方民族の統治は上手くいっておらず、生活水準や治安に大きな乱れがある。
いずれ北方民族が蜂起をする日も近いという。
だが、近いうちにメデリオトに王国の軍勢が送られ、城を建てて城下町として発展させ、
北方民族を纏めることになる。その際は、ファーデル教会の力が不可欠だろう――
と、いうのが兄・レオンから聞いた話だ。
「ミカエルという者だ。しかし、凄い体格だな。それも神のご加護というものか?」
皮肉たっぷりにルデルに話しかける。

(面倒なことにならなければ良いが…)
放蕩の身であるミカエルは領主の兄と違い、政務には大して興味はなかったが、
幼い頃から教会を通してカネの流れを見ている身としては、やはりルデルは胡散臭く映った。

>>102と、その時、後ろで只ならぬ気配に気付く。
この街に来てから、あまりにも不明確な「闇の波動」が多すぎるのだ。
「はぁっ!」
ミカエルは錫杖を高らかにかざすと、光球を発動させ、「闇の波動」がしたあたりで
爆発させる。威力の割に光の爆発音は小さく、すぐにあたりは静まりかえった。
人の気配は無いようだ。

「気のせいか…行くぞ」
錫杖を降ろし、斜めに傾けると右手の人差し指を立て、建物を指差す。
丁度王国を反映させた名君であるミカエル1世の肖像画にある、有名なポーズである。
気取り屋のミカエルはこういう「演出」が好きなのだ。

支部に到着し、黒樫の扉が開くと、サゥヴェルが招くと同時にミカエルは嬉々として
中へと入って行った。やはり寒いのは苦手なのだ。

104 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/06/08(日) 06:39:05.30 0
「そのうちメデリオトに城ができる」

秋のころ、戦場近くの宿だった。
俺は入口の広間に据えられた暖炉を眺めて、
同じ戦場を共にし、共に生き延びた仲間との別れまで、しばしの閑談を楽しんでいた。
次に行く当てもない。
戦場に身を預ける楽しさにおぼれ、『騎士を忘れるべきだ』という言葉が、頭の隅でいつ
も燻っていた。
そんな折に、俺はその話を聞いた。

「北方か」
「知恵のない蛮族どもが荒れて、移民が苦労しているらしい。
 領主を立てて、体裁が整うまで、国が軍を派遣して治安管理だとよ」

国の軍。
その単語に、傭兵たちは一種独特の苦い表情を見せる。
ゾッとするほど『無感情な暴力』に特化したそのコンセプト。
ほかの誰よりも戦に長けた傭兵たちは、自分たちの職業の破滅に感づいていた。
相手は、今までの商売敵とは違う。
奴らは『国のため』に戦い、自分たちは『金のため』に戦う。
かかるコストが違う。
おまけに奴らは傭兵のように背を向けて逃げはしない。
誇りがあるから。命を投げ捨ててでも達成すべき職務だから。

抗いようのない不幸な未来への予感の中にいる傭兵たちの弱音まじりの雑談の中身は、自
然とこれからどう生き延びるかに集中した。

そんななか、ふと湧き出たその情報は、『騎士の出来損ない』になりかけていた俺の魂に
火をくべた。

「領主は騎士を雇うかな」
「さあな、けど国がいつまでも領主のお守をするわけもない。
 血筋と歴史と……それを証明する書類があるなら、可能性あるんじゃないか」

俺たちも、偽造でもして潜り込むか?
そんな冗談ともつかない言葉に、沸く笑い声。
それに背を向けて、俺はもう歩き始めていた。
わずかにあった別離の寂しさもどこへやら、足にはかつてのような力が戻っていた。

「おい、どこ行くんだ」

声を掛けて初めて、離れたことに気づいた彼らが、振り向いて俺のほうを見る。
俺はただ一言、
北へ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

105 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/06/08(日) 06:42:20.67 0
凍えるような寒さが身を貫く。
先ほどつけられた腕の傷も凍り付き、塞がるような寒さ。
血は流れないが、代わりにじくじく痛む。
熱のこもった、傷周辺の肉。
刃に毒でも塗られていたか、あるいは単に不潔な刃物だったか、
ともかくそのうち治療をする必要がありそうだ。
その痛み/寒さすら意識の外に置いて、俺はこの土地へ来た経緯を思い返しては、
クレーヴスで名を上げる意味と方法を考えて、そして行き着いたある悩みに惑っていた。

ここはメデリオトほどの要所でなくとも、今は人口で圧倒的に勝る。
もちろんそれこそがここへ来た理由だが、あの謎のテロリスト集団の拠点があるらしい、
という与太話への意識がなかったとは言えない。
大きな手柄の事を考えていると、時たま子供のころ聞いたあの話を想起し、ゲン担ぎのよ
うなものとして、結局はこちらを選んだ。
謎、というのはそのテロリスト集団の母数も正体も、その活動目的すら不明なところにあ
るので、
彼らのことを『北方領独立を掲げる集団』という現実的でありながら事実に則さない推理
をする者もいれば、
『地獄からの使者』とかわけのわからない予想をする声もあり、人によってその像は様々。

この世にその名が知られるのは、
模倣者でなく、確かに彼らが起こしたと確定できる、ただ一つにして歴史に名を刻む事件。
半世紀以上前、北方へ国王軍が侵攻する最中に起きた"ペトリファイ事変"とそれに伴う国
王誘拐。
テロリスト側のあまりに奇妙な要求と、それにおとなしく従った王国。
返還されても、妻に対してすら頑なに口を閉ざした国王。
その結末まで含めて、王国がその顛末の詳細すべてを、テロリストの要求通り文章にして
民衆に公開したこと。

それら、あまりに謎めいた事態の進行。
その中心に立つ、ほとんど『おとぎ話』に近い、"彼ら"。
その"彼ら"がなんという名前だったか、どうしても思い出せない。

ああ忌々しい、あれほど有名なものを。

その悩みのせいで、我ら一団に加わった自分より頭一つ大きな男も、ミカエルの不思議な
行動も、瞬間的に気になりはしたが深くまでは思い至らなかった。
しつこく考えながら、自警団支部の敷居を跨ぎ、顔を上げて、そこでようやく俺は思い出
す。
例の、王国が発布した事件の顛末についての文章、その最後に書かれた“彼ら”の有り様
を表すらしいとも言われた短い文。
やや間の抜けた印象を受けるその文章は、半世紀の時を経て、含蓄ある格言というよりは、
空いた侘しい空間を埋めるためのある種の飾りとして、時たまこの自警団詰所のような場
所に張り付けられていた。

曰く
『われら 大地を支える 庶民の味方
           地の底より あなたを 見ている』

思い出し、思わず悩みの答えが声に出た。

「ああ、そうか。
 『従士隊』だ」

106 :フーバー ◆A93WH9IFbE :2014/06/09(月) 22:59:56.74 0
>「黒騎士は騎士の誰よりも勇猛だ、ということわざがある」
>「俺は貴様らを救うぞ、断じて救う。神になど誓うものか、俺のこの強欲さにかけて誓おう」

(――救う? 救えるものか、救う必要があるものか。
……このような馬鹿は嫌いだな。度し難い程に醜い。――どうせその腹の中はその鎧と同じように黒いのだろう?)

男は、目を細めて、黒騎士に目線を向ける。
黒騎士。己の正義を貫く、その愚直な様。尊い意思ではある。
しかし、この地において、この場において。その尊さは何の価値も持ち得ない。
特にこの男、フーバーにとっては何よりも無価値で、唾棄すべきもので。
微笑みを崩さぬ男の目は、先ほどから僅かも喜怒哀楽のどの感情も宿してはいなかった。

>「ええ、いいでしょう。見たところ旅慣れた方と見受けられます、是非お話を伺わせて頂きたい。」
>「・・・ああ、所で長く冒険を続けられているという事でしたら何か職能の類をお持ちなのでしょうか」

「一応ですが、多少の金属加工術と剣技の心得程度は。
と言っても、こうしてまんまと儲け話に食いつく程度の者でしかありませんが。
足を引っ張りはしません。その点だけはご安心下さい」

謙遜を交えながら、腰から下げる冒険者のそれにしては華奢な細剣を示し。
その他にも、腰に巻いたポーチの群れには、幾つかの工作道具などが入っていた。
武闘派というよりは、罠の解除などの小手先の技術に長けたタイプだということが一見して印象づけられるかもしれない。

「……寒そうですね。すいません、マントを取ってきます」

外の様子を見て、フーバーは近くにかけておいたマントを手にとった。
フード付きで、防寒性のあるそのマントは、防水と防火加工を施された一級品だ。
身体を覆うそれは、地味ながらも質実剛健な――冒険者の道具としての存在感があった。
そのマントに身を包み、フードを目深にかぶれば雪国の冬の寒さであっても、さほど気になることはなかった。
迷いなく歩む。そして、思考は回転する。今共に歩む、利用するべき存在についてを。

(人気のない場所での殺人。噂では聞いていた、死体を私も見た。
――さて、狙われているのは後ろ盾のないものばかり。理由は、差別か、憐憫か。
どちらにしろ、碌な輩が為す物事ではないのは間違いない。……情報が足りんな。判断するにはまだ時期尚早か)

サゥヴェルの話を聞きながら、酒を好まぬ男は黙したまま後ろを歩む。
今の状況。そして、他のものの様子。これからどうするべきか。
そして、サゥヴェルが歩みを止める。視線の先には何が有るのか、巨体の僧侶が写っていた。

「――ああ。私としましては、仲間が増えるのは心強いばかりです」

現れた僧侶の発現に対して、フーバーは迷いなくそのような言葉を口にする。
崩さない笑顔。しかし目だけは笑わないまま。
どこと無く、フーバーは目の前の僧侶に己と似た気配を感じていた。
――要するに、決して信用出来ない、決して信用してはいけない人間だということ。
ベルトポーチに右手を伸ばす。鉄くずをひとつかみ。手のひらの中に握りこんでいた。

その警戒の中で、フーバーは感じた。己と似たもの。気配を消している気配≠セ。
つい、と右足を半歩後ろへと動かし、身体を半身として、視線を滑らせた。
目が合う。黒色の淀んだ目が、少女を無感動に観察≠オていた。その観察は程なくして終わる。
そして、目線を僧侶に戻す。そして、この男を殺すならばどのような術が居るのか。
この場のうち、他の全員を犠牲にしてでも自分だけは生き残る術は無いか。
思考する。全ては己のため、己の名誉と命――利益の為に。

「……まあ向かいましょう。その服装ではさぞかし寒いことでしょうし」

フーバーは、ルデルを促した。
ミカエルが先を歩き、フーバーは一行の一番後ろをとぼとぼと歩いて行く。
いかにも冴えないその様。しかしながら、それもどこまでが演技なのかは定かではない。
兎角、暫く歩けば支部へと辿り着き。皆が中に入るのを確認し次第、一番最後に支部の中に潜り込んでいくのだった。

107 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/10(火) 03:30:25.11 0
「絶対なめられてる、やっぱり人間ってありがたみを常に感じさせなきゃ図々しくなるわね」

誰に聞かせるでもなく、一人呟く。シンシアは先ほど見つけた男の死体の前まで、戻ってきていた。
というのも、死体があったという報告を、シンシアが日々世話になっている《スラム》の元締めに話したところ、
その死体からなにか殺人者の手がかりが得られないか調べてみて欲しいと頼まれたのだ。
自分は医者であり、死者には関与しないといった旨を伝えたが、これ以上被害者を出さないためと言われ、仕方無く一人で戻ってきた。
幸か不幸か、死体はまだ残っていたが、寒気に晒されていたため、身体は冷えきり、殺されたおおまかな時間すら分からない。

「にしても、どうすればこんな風になるのかしら」

男の両脚である。高いところから落ちたような場合だと、折れると言うより砕けるためここまで綺麗にはならない。
これは、強い力で折られた折れ方だ。

「肋骨と肩の方も……って、どこもかしこも折れてるわね」

手の感覚と魔力を頼りに、損傷箇所を探っていく。
骨の折れている箇所を探すより、折れていない箇所を探すほうが大変というくらいに酷い損傷だ。
シンシアは冷え切った手をローブの中に入れ、暫く考え込む。この死体の状態から、何が分かるのか、ということである。

(全身の打撲痕から考えて、何か固いモノで叩かれたっていう線が強いわね)

そんなこと分かってもしょうがないけどね、とため息と共に吐き出す。
意味のない情報が手に入ったところで結局何も分からなかったのと同義だ。
最後に男の顔を見る、何の変哲もない顔。凄まじい激痛により死んでいったはずなのに、その顔はどこか安らかに眠っているように見えた。
よく見ると顔の両側にうっすらと細い痕がある。強い力で圧迫された時に付く痕。

「これって……指?」

痕の細さ――細いと言ってもシンシアの指の倍以上はあるが――からして、指で間違いないだろう、とシンシアは考える。
そして、顔の両側についているということは、殺人者はこの男の顔を手で掴んだということになる。
死んでいる男は、シンシアが今まで見てきた男の中では間違いなく大きい方だ。

「この顔を掴める手というと、相当手が大きくなきゃ無理よね」

自分の手を広げて、男の顔の前にかざす。シンシアは背も手も大きくないため当然ではあるが、倍近い大きさがなければ掴むことはできない。
例外はあるとはいえ、このレベルで大きい手を持つ人間は身長も大きいはずで、それも180cmや190cmではすまない。

「こんなところかな、とりあえず報告しちゃいますか、っと先に支部にいかなきゃ」

本来支部は《スラム》にはあまり関与しないが、このところの殺人については自警団の支部も見過ごせないようで、
《スラム》の元締めと協力体制で犯人を捕まえるべく情報を共有しあっている。
そのため、シンシアはここで得た情報を双方に伝える必要があり、この場所から近い支部に先に知らせようと思ったのだ。

108 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/10(火) 03:32:22.55 0
>「おお、これは失礼しました
先に自己紹介をすべきでしたな
拙僧、名をルデル・ボドリアと言い、ファーデル教の信徒をしておる者です
教義に従い、この廃墟のスラム街で奉仕活動を行っていたのですが、資金が底を尽きかけておりましてな…
それを用立てるための仕事をずっと探していたのです」

特に聞き耳をたてていたわけではないが、支部に向かう道中で聞こえてきた会話にふと足を止める。
声の元をたどると、むさくるしい男の集団の中にいる一際大きい男が目に入る。

(あんな男いたかしら?)

シンシア自身《スラム》で起きていること全てを把握しているわけではないが、自分と同じように奉仕活動をしている人間がいるならば耳に入ってもおかしくない。
ましてや、あの大きさである。一度見たら、一生忘れられそうにない。
現にシンシアは、活動を始めてすぐに《スラム》中で話題となり、元締めと知り合ったという過去がある。

(どうでもいいわね)

しかし、シンシアの頭の中では、些細な疑問より、早く支部に行って暖をとりつつ茶菓子を食べることのほうが重要であると判断された。
支部に入ると、外のこごえるような寒気は嘘のように消え去り、代わりに暖かい空気がシンシアの肌に赤みを帯びさせる。
ローブについた雪を軽くはらうと、支部のカウンターへと向かう。
支部の男が近づいてきたシンシアを見つけると、顔を綻ばせて声を掛けてくる。

「おお、シンシアちゃん!」
「ちゃんはやめてって言ってるでしょ。 それと、馴れ馴れしく呼ばないで」
「はいはい」

シンシアは職業柄度々支部に呼ばれることがあるため、自警団の人間とは面識がある。

「それで、今日はどうした?」
「《スラム》の殺人のことで分かったことがあるの」

それを聞いた途端、自警団の男は緩んでいた顔を引き締め、そのまま黙ってシンシアの次の言葉を待っている。

109 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/10(火) 03:32:50.58 0
「私がこの寒い中、たった一人で検死してきたことについてどう思う?」

“寒い中”と”たった一人”を殊更強調して問いかけると、自警団の男は呆れたように肩をすくめる。
張り詰めていた空気は一気に四散し、シンシアの目の前には暖かい茶と茶菓子が置かれた。
一旦話をやめ、もらった茶菓子を食べていると、シンシアは首筋に僅かな寒気を感じる。
何事かと振り向けば、支部の扉が開き、先ほど見た男達が入ってきたようであった。
シンシアはすぐに興味を失い、再び茶菓子をほおばった時、入ってきた男の中の一人が腕に怪我をしているのを目聡く見つける。
普段は隠れている場所だが、腕を曲げるとちょうど見えるようになっていた。

「ふぉっふぉ!(ちょっと!)」

茶菓子をほおばっていたためか、シンシアの口から出た言葉は言葉の体をなしていなかった。
回りの人間の視線を一手に受けたシンシアは顔を赤らめつつ茶菓子を飲み込む。
そして、小さく咳払いをして

「ちょっと、いいかしら。
その傷どうしたの?」

男に近づくと有無を言わせずに鎧を手早く脱がせていき、傷口に触れる。
傷口は凍り付いていているが、見たところそこまで深くはないようだ。
ただ手当をしていなかったため、あまり良い状態ではない。

「この程度の傷なら、怪我した直後に処置すればなんてことないのに。
いい年して自分の身体も面倒みられないのはまずいわよ、身体が資本でしょ?
それで、どんな感じ? 今も痛む?」

そう言いながら、暖炉の近くまで連れていき、凍り付いた傷口を溶かしていく。
そして、水で軽く傷口を洗い流す。
本人に聞くと、傷口の周りが熱を持ったように痛むということだったが、おそらく凍り付いたせいで凍傷に近い症状が出たのだろう。
シンシアはこの様子なら、わざわざ魔法を使うまでもない、と判断した。

「あとは傷口保護すれば大丈夫。もし、悪化するようだったら私に言って。
それと、くれぐれもそのまま外に出て『悪化した』なんて言わないように!」

そう締めくくると、今更になって頼まれたわけでもないのに、
何故こんなことをしてしまったのか、という後悔の念が沸いてくる。

「私はシンシア・ローレンス、この街で医者をやってるの。
職業柄そういう怪我を見ると黙ってられなくて、お節介だったならごめんなさい。
これからは気をつけるわ」

そして、カウンターに戻ろうとして、思い出したように振り返る。

「あ、それと、その鎧。こんな寒い中着てると身体壊すわよ」

110 :ケレブルム ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/10(火) 19:19:19.94 0
「それって、つまり連続殺人ということ?」

ケレブルムは驚いてテーブルの上に身を乗り出す。
その向かいに座ったふくよかで恰幅の良い女性も同じようにして顔を近付け、耳打ちする。

「ああ、そうさね。しかも聞いたところによると狙われてるのは大抵腕に覚えのあるヤツばかりらしいじゃないか」

「“腕に覚え”って?」

「早い話が傭兵かなんかだろ。まあ中にはかよわい民間人も殺られてるそうだけどねえ、例えばアタシみたいに?」

女性のおどけた態度にケレブルムが楽しそうに笑うと、女性もそのぽっこり膨らんだお腹を抱えながら声を上げて笑った。


目の前の女性はこの酒場『ホワイトナイト』で働く店員の一人だ。
竹を割ったような性格という表現がこれ以上に当てはまる人間はそうはいない、酒場の活気が大変よく似合う女性だった。
マスターに惚れ込みこの店で働いているというもっぱらの噂だが、実のところはその逆だとか何だとか。
ともかく、雪の降る中、酒場など気にも留めずにその前を通り過ぎようとしたケレブルムを無理やり店の中に連れ込み、暖炉の前まで引きずってきたのがこの女性だ。
雪国には到底似つかわしくないケレブルムの格好に驚き、つい世話を焼いてしまったらしい。
そんな格好でなにやってんだい、早く中へお入り、ほら早く! と、それは凄い剣幕だった。
そして二人でテーブルを囲み談笑に耽りながら、今に至るというわけだ。

「その殺人犯ってきっと凄く強いんでしょうね」

「そりゃあわざわざ自警団が動くほどだからねえ」

「“自警団”ってなに?」

「正義の味方ってやつさ。アタシらを守ってくれる、ね」

お偉いさんよりよっぽど頼りになる、女性はまた大きな声を上げて笑った。

「自警団の人はその殺人犯よりも強いの?」

「アンタさっきから質問ばっかだね、ったく! そりゃ強いさ、バカが悪いことしようもんならキュッと一捻り」

そう言って右腕で首をへし折るような動作をして見せる、この太い腕ならそこらの男の細首など容易いものだろう。

111 :ケレブルム ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/10(火) 19:20:56.96 0
「そういやアンタが来る少し前さ。ちょいと店の中で擦った揉んだあってね、いつものことだ。そこで自警団のお方が高らかに声を上げて営業して帰ってったよ、腕っぷしの強そうなヤツらを連れて」

「そう……」

じゃあ今回はそれにしようかしら、ケレブルムはどこか遠くを眺めるようにそっと呟いた。
その呟きは酒場の喧騒にまぎれて掻き消され、女性の耳には届かなかったようだ。

「オバチャ〜ン、酒持ってきてくれ酒〜!」

客の男の一人が大きく手を振りながら声を掛けると、女性が勢いづいて席を立って男に怒号を飛ばす。

「だれがオバチャンだって? アタシはまだピチピチの35歳さっ!」

女性の威勢の良いツッコミに客達の笑い声がこだまして店中を包む、外の雪景色など記憶の彼方に消えてしまうほどに暖かい光景だ。

「さあて、そんじゃあアタシはそろそろ仕事に戻るかねえ」

「ええ、お話をありがとう、おばさん」

「舌引っこ抜いてやろうかい?」

「ふふふ。お話をありがとう、おねえさん」

「よろしい! ……あっと、あの客まぁ〜だ寝てやがんのかい」

ほんとにもう、呆れて愚痴をこぼしながらカウンターに突っ伏して顔を埋めている客にずかずかと歩み寄っていく。

「ちょいとアンタ! ここは宿屋じゃないんだ、酔いつぶれんのもいい加減にしとくれっ!」

肩を軽く揺さぶってみるが、全く反応がない。
余程深く眠り込んでいるのか、もしくはカウンターに頭が張り付いてでもいるのか。
さっきよりも少し強く――女性にとっては少しだったが、一般的にはかなり乱暴な力で――肩を揺さぶる。
すると男の体はぐらりと傾き、そのまま――

「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?」

蛙を踏み潰したような女性の悲鳴が轟き、先程までの酒場の雰囲気は一変した。
酔い潰れて眠っている……ように見えた男の体は床に倒れ、斜めにぱっくり切り裂かれた頸元からはどくどくと鮮血が溢れ出してその場に真っ赤な水溜まりを作っていた。
見ればカウンターにも、男が腰掛けていた椅子にも、その下の床にも、血、血、血。
談笑や飲み食いを止めた客達も集まって、一定の距離を取りつつも死体を囲みながら口々に何事かを囁く。

「おばさん、その人死んでるの?」

いつの間にかケレブルムは女性の背後に立って、その横から顔を覗かせて暢気に死体を眺めていた。
女性は慌ててケレブルムを抱きしめた、その巨体で視界を奪って何も見せないように覆い隠す。

「若い娘が見るもんじゃないよ。……きっと例のヤツの仕業だ」

早いとこ自警団に報せた方がいいんじゃないか、客の一人が口に出すと他の客達も我先にとそれに同意し始める。
だが、誰も自分から動こうとはしない。誰かが行くだろう、誰もがそう言いたげだ。

「――その“自警団の人のおうち”ってどこにあるのか分かる?」

そんな中、屈託の無い声でケレブルムが女性に問い掛ける。

「……アンタ、まさか行く気じゃないだろうね」

「ええ、行くわ。誰かが行かないと」

どうせわたしもそこに行きたいんだし、ついでに伝言してあげましょうっと。

112 :ケレブルム ◆MM666FJUb7o3 :2014/06/10(火) 19:25:54.46 0
その建物は路地の外れに位置していた、黒樫で形作られた風貌からはどことなく物々しい雰囲気を感じさせる。
渋る女性をなんとか説得した為、大分遅れながらも『自警団支部』の場所を聞き出してここまでやってきた。
周囲には誰もいない、話に聞いた人間達はもう皆あの中に入ってしまったのだろうか。

「……やっぱりこのまま行ったら変かしら?」

寒空の下をワンピース一枚、裸足で歩くのはどうやら物凄くおかしなことのようだ。
それをケレブルムは、先程女性に酒場に連れ込まれる時に言われた言葉で多少なりとも学んだ。
しかし服はケレブルムにとっては重いのだ、酒場を出る時に女性に強引に押し付けられた暖かなローブさえも路地裏に捨ててきた程だ。

「うぅん、そうね。じゃあ、こうしましょう!」

誰かが投げ棄てたのだろう、隅に落ちている空のワインボトルを手に取る、やはり自分には重い。

「『突然扉を開けて飛び込んできたのは着の身着のままの傷ついた可哀想な女』…それならどうかしら? ちょっとしたお話みたいで素敵ね」

両手で細い口の部分を掴んでようやく持ち上げたそれを、全身を使って振り上げ、傍の壁面に思いきり叩き付けた。
割れてそこら中に破片が飛び散り、ワインボトルは特徴的な形状をした鋭利な刃物に姿を変えた。
それを前に構えて壁に押し当て、尖った部分を向けて、そして――体当たりするように思いっきり腹を押し込む。
柔らかな皮膚を、肉を突き破っていく、感覚はない。だが、大量の血液が積もった白い雪を赤く汚しているのでそれなりに傷は付いているはずだろう。
念の為、少し抉っておいてから深く刺し込まれたそれを引き抜くと、じゅぽりと音がして、次にびちゃびちゃと血がとめどなく流れ出し、ぶよぶよとした肉片が零れ落ちた。
血に塗れたワインボトルをその場に落として、腰を曲げて傷を覗き込んで確認する。

「ああ、少しやりすぎちゃった」

間抜け面のように口を空けて真っ赤な涎を垂れ流す腹部を両手で覆い隠すと、その場で踊り子のように爪先を立てて一回転する。
次の瞬間、傷は痕すら残さず幻のように消え去っていた。
残ったのは腹の部分が破れた服を着た無傷の女性と、その場に不自然に残る大量の血の跡と肉片。

「あそこまでやってしまったら普通は死ぬはずよね、やっぱりちょっと切り裂くだけにしましょう」

ワインボトルを構え直し、割れて尖った先端を今度は直接腹にあてがうと、そのまま一文字に引いた。


黒樫の扉をトントンと叩く音が支部の中に小さく響く。

「おねがい…っ、たすけて…! 痛くて死にそうなの…!」

苦痛に歪む表情を思わせる女の悲痛な声が、扉を挟んだ向こう側から聞こえた。

「ああ、あぁぁ…! お腹から血が…止まらないわ…。たすけてっ、このままじゃわたしも、あの人みたいに…殺されてしまう…!」


もう、いったいなんなのかしら…? この扉あまりに重すぎるわ、さっさと開けて入ってしまおうと思ったのに。
ああ、手で叩くだけじゃきっと聴こえないのね、勢いをつけて体当たりしましょう。
えいっ、えいっ! さあ、誰かここを開けてちょうだい。わたしは可哀想な人間よ。


再度、扉を叩く音。今度はまるで全身を叩きつけているような。
ドン、ドン、ドンドン、そんな乱暴な音が何度も、何度も。

「あぁ、嫌っ、痛い、苦しいわ…っ! うぅぅ…!」

痛いってこういう感じでいいのかしら、そんな迫真の演技を続けながら扉に攻撃を繰り返す。

113 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/06/11(水) 22:23:08.18 0
>「拙僧、名をルデル・ボドリアと言い、ファーデル教の信徒をしておる者です
>教義に従い、この廃墟のスラム街で奉仕活動を行っていたのですが、資金が底を尽きかけておりましてな…
>それを用立てるための仕事をずっと探していたのです」

思わず腰のナイフへ手を伸ばしかけたほど、その遭遇は唐突であった。
度を越した大きさの図体、丸太と見紛うほど太いその腕、その他目に見える何もかも全てが、追っていた男の情報と寸分違わず一致する。
今すぐにでも喉元に電撃をかましたい勢いだったが、まだ手は出せない。捕らえるにも物証が存在しないのでは話にならない。
煙を吐き、それで動揺を紛らわす。

「心強いお言葉感謝します、歓迎しましょう。
 他にも話すべき事は多々御座います故、まずは自警団支部まで」

まずは屋内へ連れ込む。話によっては味方になるという希望的観測もあるが、せめてもの対策として。
あの図体だ、スピードも桁違いであろうその動きを構造物の中で少しでも緩慢にさせるためにはその方がいい。
元々管轄外であった支部なのだから心配をする必要も無いだろう。万が一の場合は建物の一つや二つは犠牲になってもらうしかない。

彼の言った「支部」は本当に近場で、大路地を挟んで斜向かい、酒場とは目と鼻の先の距離であった。
すぐ隣はスラム、地盤沈下だとかで放棄された地区が広がる。支部の窓からも見える陰惨な光景だ。
説明通りの質実剛健さを見せる、黒樫を幾重にも組んだ二階建ての屋敷。その頑丈な扉を4回、緩急をつけて叩く。

「サゥヴェルか」
「野暮用からの戻りだ。客も居る」
ギィーー・・・と鈍く軋んだ音を立てて扉が開き、さあお寒いでしょうと4人を先へ招き入れた。
最後尾で入ったサゥヴェルは扉を閉めると、再度その重い扉へ鍵を掛ける。
全員が真っ先に暖炉の方へ向かっていく中で、支部の番をしていた男が話しかけてきた。

「役に立つ連中なんだろうな」
「酒場で集めた面子だがな、・・・それとも男ばかりじゃ不満か?」

その男に向けたのは、営業トークとはまるで毛色の正反対なフランクな言葉遣い。
相変わらずの冷めた視線とはいえ――微かに楽観的な雰囲気が、その男の会話からは伺える。
また余裕の表情で、呆れた表情の男の顔に、今度は紫煙を吹きながら放った。

「・・・はあ、ユーコフ、暫く見ない間に仕事しながら女と垂れ込めるようになったか―――”ずいぶん偉くなったな”」
「シンシアちゃ・・・シンシアさんだ、この辺じゃ有名な医者だ。件の事で来てくれたまでだ」
「やれやれ、北の連中は色欲にゃ厳しいと聞いてたんだがな」

話題を切り上げつつ雪を擦り落とし、ユーコフと言うらしいその男を玄関から連れてくる。
支部1階の内装はいたってその辺の民家と変わらず、隙間こそ埋めてはいるものの、材木打ちっぱなしの味も素っ気もない造り。
別段自警団らしさと言ったような雰囲気も無く、その空間を埋めるように格言やら刀剣やらが、申し訳程度に壁に飾られている。
暖炉の周辺には長机といくつかの椅子があり、その一つでシンシア――スラムの医者だというその女が、長椅子で無邪気に茶菓子を頬張っていた。

「――ああ、そこに掛けて下さい」

サゥヴェルは吸殻を纏めると暖かな光を放つ暖炉へ投げ込み、暖炉の上に置いてあった簡素なポットを掴む。
少々低めのそのテーブルには、質素ではあるものの、酒場などではそもそも作られない、小洒落た茶菓子の類が籠に入れられていた。
発酵させたレモンバームの葉を含ませた程よい酸味のその茶を、不揃いなティーカップに注ぎ、テーブルの新たな来客へそれぞれ並べる。

114 :サゥヴェル ◆ow3/zGwEMbdk :2014/06/11(水) 22:25:03.36 0
>「この程度の傷なら、怪我した直後に処置すればなんてことないのに。
>いい年して自分の身体も面倒みられないのはまずいわよ、身体が資本でしょ?
>それで、どんな感じ? 今も痛む?」

鎧の男を見るなり、腰掛けて暖を取っていたシンシアが椅子から飛んでくる。
あの取っ組み合いの最中に随分な怪我をしていたようだ。全く、傭兵と言うのは我慢強いのか鈍いのか理解に苦しむ。
その凍傷への応対を見る限り、シンシアが医者であると言う話もどうやら本当のようだ。
治療を待って一段落すると、サゥヴェルも椅子の一つに深く腰掛け、新たな煙草に火を灯し、同時に口火を切った。

「まず報酬を用意して差し上げましょうか―――”これ”です。」

サゥヴェルは小さな麻袋から、そのごく小さな青黒い宝石を机上へ転がす。
―――その手に精通している者ならば、それは名を聞いただけでも竦み上がる代物。
よく見ると微かに淀んだ色の斑紋が見える、ある意味毒々しいとすら言える色彩のその石を軽々しく摘まみ上げ、手のひらで弄ぶ。

「”ペトロニウム”という名を聞いた事がありますか?「かの石は主を蝕みてその意を狂わせ、果てた主もまた石となる」
 ・・・有名なおとぎ話の一句です。私も真相は定かではありませんが、これはその結晶と言われているモノ。・・・この石はまだまだ低純度ですがね。
  はっきり言ってこれが取れるだけでも驚きなのですが、ここの所、裁判所や教会に突き出した連中の多くがこいつの高純度結晶を所持していたのですよ。
   いや――正確には「埋め込まれていた」とでも言いましょうか」

その石は一部が円錐状に鋭く尖っており、今にも肌へ食い込みそうな不自然な尖り方をしている。それを机へ突き立てると、サゥヴェルは何かの呪文を詠唱し始める。

「我ラ大地ヲ支エシ ??ノ?? ?ノ底ヨリ貴方ヲ見テイル。
  貴方ガ望ムノナラバ 我々ハ??ノ契リニ従イテ??ヲ与エン」

所々聞き取れないその呪文が終わると、石は黒く艶のある硬い木目の間へ生き物のように入り込んでゆく。
それは完全に埋まったかと思うと、直後、その切れ目から数発、どす黒い煙を噴出した。

「この鉱物は素でもなかなかの毒性ですが、この精錬物や結晶は<あるいくつかの術式や魔法陣に反応する>と言われています。
 独特の非常に強い覚醒魔法を起こし、副作用として突如の破壊衝動やそれによる快楽。
  「一部種族を除けば」周囲へ闇属性をバラ撒くのですぐ解かり、その"致死量”もかなり高い。
 こんなものの結晶を首の根に埋め込みでもすれば、容易く貴方達も<狂戦士>へと豹変出来るでしょう。事実、彼らの殆ども「首」からその結晶を産出したのですから。」
  ですが、同時に各地の錬金商では薬品となり相当の値を張るものとして重宝されます。交易街であるほど値も付く筈ですよ」

「さて、貴方がたへの要点はいたって簡潔です。
  貴方達はこの石に犯された者を見つけ出し、仕留めてそれを取り出さなければならない。
      しかしその結晶を自由に売り捌く事は構わない――――如何です?」

言い終わって、先刻鍵を掛けたあの玄関の扉を叩く音に気が付く。
音の割にドアの揺れは妙に小さいが、新たな来客ということは間違いない。
失礼、と席を立ち、その重厚な扉の止め具を外す。
勢いよく開いたそのドアから、恐らくは体当たりでもしていたのだろう勢いで、来客は玄関先から室内へ突っ込みその身を床へ投げていた。
そしてその来客の様子を見て、サゥヴェルは淡々とした口調でそう放つ。

「・・・シンシアさん、急患みたいですよ」

115 :名無しになりきれ:2014/06/14(土) 18:35:12.17 0
そういえば監視員は消えたのかw

116 :名無しになりきれ:2014/06/14(土) 21:03:15.27 0
ダークもこのままFOが相次いで終了かな?

117 :名無しになりきれ:2014/06/14(土) 21:08:16.65 0
終わってクレクレ

118 :名無しになりきれ:2014/06/14(土) 21:18:13.54 0
終わってクレクレ

119 :名無しになりきれ:2014/06/16(月) 20:33:27.22 0
今日の22:30になった時点でルデルはFOとみなす
クロウに投下権が移る

120 :クロウ ◆EtHzYLYZnU :2014/06/17(火) 00:09:33.53 0
距離を置いて動向を見守る少女には、複数の感情が渦巻いていた。
見つからずにやり過ごせた安堵。
あの人間達への好奇心。
そして、何よりも強い高揚感。

ーーーあの人達に付いて行けばきっと面白い事になる。
そう少女の勘が告げている。

121 :クロウ ◆EtHzYLYZnU :2014/06/17(火) 00:30:22.05 0
>>120/途中送信すいません

ならば、それに従わない訳がない。
無論、リスクも多少負うが、そんな物で戸惑う程この「欲望」とも言える感情は弱くない。
距離の所為で声は聞こえない。然しあの集団の目的地は大体予想が付いている。
幾つかの情報が頭の中でパズルのように形成され、嵌め込まれる。

「難件事項」「組合」「街の裏」「目の前の集団」「組合支部」

先程の恐怖に陥った自分は何処にも居なかった。
頭の中で組み上がった一枚の絵に、完全に意識を奪われ、魅了されている。

ーーーこの少女に、引き返すという意思は欠片も無かった。

後ろから距離を保って後を付ける。
その行動はやはり暗殺者と言うべきか、実に洗練された、迷いのない動き。
そして、組合支部に着いた所で、近場の建物の影から覗くように様子を伺う。

全員が入り終わり、更に鍵を閉める音が聞こえた。このままではどうする事も出来ないが、中に居る人物と一度話をしたい。
となれば、後は簡単だ。

「見た所は黒樫か…まぁ、ノックは盛大に…!!」

地面を踏み切り、一歩二歩と地面を駆ける。凡そ2秒後に、少女はその扉に向けて、全力で蹴りを入れる。
本来ならば暗殺で標的のバランスを崩す為に使うのだが、その威力はそこそこ。

扉を貫通ーーーという訳には当然行かないが、ドンッと言う大きな音と共に、ミシミシと音を鳴らして扉が軋んだ。
中の奴らも流石に気づかない訳がないだろう。ノックが聞こえるのにこれで聞こえないのはおかしい。

唯一の懸念は敵だと思われて問答無用で捕縛される事かーーー

122 :名無しになりきれ:2014/06/17(火) 00:41:41.66 0
ミカエルからクロウに攻撃魔法が飛んだはずだが、それはどこ行った?

123 :名無しになりきれ:2014/06/17(火) 19:27:21.25 0
a

124 :クロウ ◆EtHzYLYZnU :2014/06/17(火) 21:27:11.67 0
//指摘ありがとうございます
//>>121に挿入
ーーーこの少女に、引き返すという意思は欠片も無かった。

だが、そんな事よりも大問題。
暗殺者たる者、自分に対しての殺気には敏感に反応する。特に、それが手練れとなればーーー。

「ーーー...」

本来なら息を止めて瞬時に回避するべきなのだが、こちらに攻撃を撃ってきたということは薄々だが気配を察知されているという事。下手に軽業を使って離脱しても気づかれる可能性が高い。
光球を確認した瞬間、後ろにそのまま倒れ込む。その勢いで背中から地面に激突…せずに、背中を丸め、後ろに1回転。更に立ち上がりつつ1度後ろに跳ぶ。
これだけで爆発からは逃れられる。
下手な動きを見せるのは悪手だ。

そして、後ろから距離を保って後を付ける。
気配を察知されているということは、更に気配を押し殺せば良いという事だろう。

125 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/19(木) 23:33:36.13 0
>「かの石は主を蝕みてその意を狂わせ、果てた主もまた石となる」
サゥヴェルの言葉にミカエルが反応する。
「知っている」

ミカエルの声に、周囲が耳を傾けた。
「知っている。 ”ペトロニウム”とは、これの事であろう…?」
ミカエルが懐から茶色の小瓶を取り出し、同じ色で塗られた武器の先端部を取り出した。
「『ペトリファイ事変』そう、あの時、北方の遊撃隊が使っていた剣の一部だ。
これを食らうと、たとえ掠り傷であっても、その兵は発狂する…!恐ろしいものだ
教団がやはり、北方と絡んでいるということか」
持っておけ。何かの役に立つかもしれん。これは私の国、いや…故郷にもいくつか保管されている」
そう言ってミカエルはその先端部を小瓶ごとサゥヴェルに渡した。

「して、仕事は…むっ…?!」
バタン、と扉が開き、不思議な少女、ケレブレムが現れる。
「何だこの娘は… 何っ、怪我をしているではないか」
ミカエルが慌てて倒れるケレブレムを抱きかかえ、床に寝かす。
「…!!」
軽い、と瞬間的に分かった。こいつは人ではない。
「おい、そこの医者。こいつを治してやってくれ。”タダの怪我”ではないぞ
やはりこの街、おかしい、おかしい事だらけではないか…」
抱きかかえ、シンシアへと引き渡す。

「して、結晶の件は引き受けよう。他に報酬は…? むっ!」
サゥヴェルに再び向き直ったとき、窓が突然割れ、一話の小鳥が飛び込んできた。
緑色に輝くその鳥はハミング・レターと呼ばれる魔法生物で、ミカエルの長兄、レオンから宛てられたものだと直感する。
「私に、か… 中身は…どれどれ?」
その鳥は瞬く間に羊皮紙へと変化し、ミカエルの手に渡る。
内容は次のようなものだった。


<シメオンが行方不明。北方四旗の一人、オユンゾルが周辺部族を率いてメデリオト付近に移動。
国王陛下と私はそれぞれ兵を率いてメデリオト付近まで出陣する故、ミカエルには急ぎ城の居留守を任せる>


「…また戦争か…そして次兄上は行方不明と。何やら面倒だが、戻る以外に選択肢はあるまい」

サゥヴェルら数名に向き直り、すぐに仕事抜けることを宣言する。
「すまぬ…急用ができてな。やはり私はこれから故郷に帰ることにする。
また機会があれば会お、ぐぼっ!!」
扉に手をかけた途端、ミカエルはクロウの勢いのある蹴りによって弾き飛ばされた。

「おい!曲者だ、こいつを何とかしろ!」
どうやらスマートには立ち去れなかったようだが、この日ミカエルはクレーヴスを後にした。

126 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/20(金) 00:01:17.94 0
メリヴィア王国の歴史は長く、元々は大陸の北西部に位置し、
王都セントメリヴィアを中心にリルゼス川の周辺で数百年にわたり栄えてきた。
100年以上前から、大陸中央にある、広大な「中央湖」の沿岸へと進出し、
湖の北西部を治め、一気に豊かになっていった。
近年はヴィジテイル公爵領からさらに北の「北方方面」へも領土を拡大し大陸でも有数の勢力である。

中央湖沿岸では都市同盟勢力と対立しており、小競り合いが続いていたが、現在は大きな戦闘はない。
南からは帝国軍が中央湖南岸へと勢力を拡大しており、間には湖畔の中立都市リフティスを残すのみだが、
現国王がリフティスを仲介役として不戦同盟を結び、後顧の憂いは絶ってある。

つまり、王国側としては北方方面へと勢力を拡大する絶好の機会である。
王国北部のヴィジテイル公爵家を先鋒として、交易都市メデリオト周辺への開発部隊および外征が行われようとしていた頃だった。

北方軍がついにまとまった部隊を集結させたのだった。
国王ガブリエル3世は、ヴィジテイル公レオンに命じ、自らも出陣し、
本国からおよそ20000、公爵領から7000もの兵力を動員した。
そこにメデリオトの傭兵部隊も合わせ、兵力は3万あまりにも膨れ上がった。
北方四旗と呼ばれる将軍オユンゾルはメデリオトの北西の森に陣を構えており、両軍は対峙する。

127 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/20(金) 00:50:32.52 0
ミカエルは、メデリオトを経て、セントメリヴィアの東にある故郷リザンに入った。
彼は急務が嫌いだった。

聳え立つリザン城に背中を向け、暢気にも娘たちが暮らす城下町へと入っていった。
いくら火急の用事とはいえ、面倒なのはなるべく避けたい、だが状況だけは知っておきたい。
それがミカエルのポリシーのようなものだった。
彼は若年時代にファーデル教会の一員として「洗礼」を受け、ヴィジテイル家の三男として僧院で修行を
積まされた。
しかし、素行はお世辞にも良いとは言えず、ナタリアという修道女に手を出してしまい、あげくの果てに
子供を授けてしまった。子供は二人とも娘でベラとミラと名付けられ、そのまま修道院に預けられた。
ミカエルとナタリアは厳しく罰せられ、ナタリアは追い込まれて自殺を図るが、ミカエルは当時の父が
僧院に”力添え”をすることで赦してもらったのである。
僧院を実質追放されるような形で出た後もミカエルはこの街に何度か住んでいたこともあるが、
領主の息子ということで持ち前の弁舌と風貌から人気はあったが、また一方では「ノヴォー」(この地域で”アホ”の意味)
もしくは「ノヴォー様」などと言われ、あまり宜しくない評価も受けていた。

長女ベラと次女ミラは、まるで庶民の子のように自由にこの街で暮らしていた。
「ベラか、久しいな。…相変わらず商人の真似事をしているのか?」
街の一角で雑貨商人をしているのはベラ。すっかり商売人としての風格が出ている。
「あらお父様、レオン様が出払っているのに、行かなくても良いの?
風格とか言わないで貰えるかしら?私は商売のプロなんですもの!
年商はなんと200000!そういうお父様はどれだけ稼いでいて?」
「おのれ…父を馬鹿にしたな!私だってなぁ…」
その二人の姿は、若く見えるミカエルのこともあって、まるでじゃれ合う恋人のように見えなくもないが、
そこに一人の若い男がやってきた。

(あ…!あれは…ネロ王子…殿下!)
「ちょっとネル!あんたどこ行ってたの?早く手伝わないとお客さん来ちゃうよ!」
それは紛れも無く国王の嫡男であるネロ王子であった。生まれの遅い男児ということで、
まだ16歳程度ではあるが、とにかく放蕩癖があり、よく城を抜け出す問題児と聞いている。
ミカエルは見たことはあったが、どうやら娘は知らないらしい。偽名も使っているようだ。
「あぁ、ごめんごめんベラ。ちょっと美味しいものがあったからさぁ!」
(ダメだこの方は、軽すぎる!しかし、娘と仲が良いのならば…)

「おい、ミラ。あ、すみません、ちょっとこの娘を借りますぞ」
誰とは知らぬような顔でミラを呼ぶ。
「…」
「なに?商売の邪魔しないでくれる?」
「ミラよ、ちょ、ちょっとしたプレゼントなんだが…」
「え?」
「まぁ受け取ってくれ。ま、まあ良く分からんが、誕生日プレゼントってことで!ところであの男とは付き合っているのか?」
「…!!な、何言っちゃってるの?!そ、そんなのじゃないってば!」
ベラが明らかに顔を赤らめ、ミカエルに殴りかかる。こやつめ。
ミカエルが長女に渡したものは、長い旅の間に見つけた”魅力を最大限に引き出す”貴重な香水であった。
(これも家のためだ。幸せにな)

ミカエルは長女の商店を後にし、酒場へと向かった。
「お、ノヴォー様じゃん。チィーッス!娘さん来てるぜ」
「慣れ慣れしいなおい、領主様代理だ、って、アイツが来てるのか?」
この男は、ミカエルの悪友と言ってもいい、幼馴染で、酒場を経営しているジョンという男だ。
あちこちでこの”あだ名”を言いふらしているらしい。

128 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/20(金) 01:02:53.36 0
「うぃっす。親父、来たの?もう領主様とか言われてるけど、マジ?」
「ミラよ。その喋りはどこで覚えたんだ?何だその格好、ちょっとこっちに来なさい」
ミラはいかにも冒険者、という風体で、腹部や脚部が大きく露出する服装をしていた。
どうもミカエルは、次女に対しては親馬鹿らしい。
「ちょっと、引っ張んなって!こっちの方が動きやすいから良いの!」
「おいおい…ここなら良いが、外で男に襲われたらどうするんだ。良いか?男ってのはな…」
「だから、もう結構危ない目に遭ってるし、そういう男は全部ノしてるってば!」
確かにミラは、小さい頃から武芸の才能があった。今も相当の腕前と見る。
しかし父としては悔しい。
「そんな事言って、じゃあ私と腕相撲勝負するか?」
「良いけど?」
「え?」
娘の即答に慌て、すぐに何か言い訳を探す。
「あっ、お前、昼から酒など飲んで、だらしないぞ!」
「良いじゃーん、自分の稼ぎなんだし。親父もどう?飲む?奢るよ」
結局、館に帰るのを目前にして、散々飲まされた。
「何かあったら私を呼んでね。すぐ行くから♪ただし、お金は多少貰うけど!」
次女も次女らしくなったもんだ。安心してミカエルは館へと向かった。

名前:ベラ・ヴィジテイル
年齢:18
性別:女
身長:162cm
体重:50kg
スリーサイズ:87/59/89
種族:人間
職業:商人
性格:積極的で好奇心旺盛
能力:商売の才
所持品:基本的に武装は護身用のナイフ程度である
容姿の特徴・風貌:普通の街娘の町人の格好。ウェーブぎみの金髪や顔立ちに気品が残る。
簡単なキャラ解説:
ミカエルの長女。貴族の一族であることは一部でしか知られていない。
ガブリエル国王の長男、ネロ王子とはかなり親密な様子。

名前:ミラ・ヴィジテイル
年齢:17
性別:女
身長:164cm
体重:55kg
スリーサイズ:92/64/93
種族:人間
職業:冒険者
性格:血気盛んで無邪気で酒好き
能力:剣術
所持品:ロングソード、ブレストアーマー
容姿の特徴・風貌:あどけなさが残る傭兵風の少女。金髪と気品は父親譲り
簡単なキャラ解説:
ミカエルの次女。血縁については一部では有名である。しかし、冒険者としても名前を上げつつある。
父親にはかなり将来を心配されている。魔術の才能もあり、剣術では父親以上と思われる。

129 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/20(金) 01:24:26.19 0
北方では国王軍が本陣を構え、その両翼を諸侯、特に左翼にはヴィジテイル公レオンが構えた。
以前の北方との戦闘では武器に特殊な物質が塗られていた、という情報から、長らく王国では作戦が練られていた。
敵の槍兵に苦戦したため、今回は多数の弓兵と魔法兵を、交互に繰り出せるような手筈になっている。
前線兵力はあくまで防衛に努め、敵を引き付けて飽和攻撃を加える。そんな手筈であった。
「敵は機動力に優れております。少しでも動きがあればすぐに攻撃のご命令を」
<猛将>と呼ばれているグスタフ将軍が国王に耳打ちし、躍起になる。
「兵も疲れているでしょう。たまには休息を入れるとよろしいかと」
今回はファーデル教の司教も加わっていた。魔法部隊の一部で参加している。
地の利は明らかにこちらにあるように見えた。
森の中から「彼ら」が現れるまでは…
そう、今回は始めから敵は正面からの攻撃を狙ってはいなかったのだ。
それが後の悲劇に繋がった――



ミカエルが城館に戻ると、入り口では早速多くの兵たちが出迎えた。
「ミカエル様、お帰りなさいませ」
「領主様!お待ちしておりました!」
「ノヴォー様!」
「その呼び方はやめろ」

政務室では、兄に仕えていた文官が恭しく頭を下げ、
現在の状況について詳しく説明をはじめた。
やはり、放蕩弟としての不信からか、たどたどしさがあり、どこか不安げな感じではある。
しかしながら、ミカエルはその良い意味で悪いイメージから畏れられることはあまりなく、
恐怖心のよなものは配下にはなかった。そういう意味ではやりやすい。
放蕩の日々のおかげで、敵の意図はある程度読めてきていた。頭が冴える。
「良いだろう。兄上が戻るまで、しばし私に任せておけ」
かくして、彼は”一時的に”という形で、ヴィジテイル公爵代理となった。

  
 ―― この男こそが、後のメリヴィア国王ミカエル4世”開放王”である ――

130 :ミカエル ◆5Ee1Upsxyk :2014/06/20(金) 01:25:31.24 0
【ミカエル・ベラ・ミラをNPC化します、ありがとでした、途中抜けすみません】

131 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/06/22(日) 00:38:40.81 0
「『これを体の一部の如く着こなせ』とは我が家の家訓でな」

シンシアの呆れ混じりの忠言にそう返しながら、とは言えことあるごとに機会を逃しただ
けなんだが、と道化ぶって付け加える。
だが、今こそその機会だ、と兜を持ち上げて小脇に抱えた。
途端に暖炉の熱が顔を照らし、寒さでこわばった頬を溶かす。視界が広がる。

「感謝するよ
 ただ……君のような若い、それも女の医者がいるとはな。
 いいや、皮肉じゃあない純粋に驚いただけだ」

マントルピース、暖炉の上の棚、に兜を。診て貰うため外していた小手も立てかける。
背後からサゥヴェルとユーコフ、はじめから支部にいた男、が語り合う声。
説明までしばらく掛かりそうと踏み、その間に手を握り、開きを繰り返し、傷の具合を確
かめる。
診てもらって楽になったからか、痛みも気にならない。
まったく、『病は気から』とはよく言ったものだ。
己の体の現金さに呆れつつ、座るのに邪魔な腰の部位も取り外す。

「こんなナリでも、魔を断つとまで称された逸品なんだ。
 あまり貶してくれるな」

その間にも、シンシアの揶揄が背後から突き刺さる。よっぽど、家訓、などという瀟洒な
言葉が今のこのみすぼらしい身に似合わなかったらしい。
そこに被せるように横から質問、俺は声の元を見る。

「ただの例えだよ、あー。
 フーバーか、いい名前だな。よろしく頼む」


目深に被ったフードを脱いで、質問を投げかけてきた男が近づく。
艶のある黒い髪の、どこか影のようなあやふやな印象を受ける男。フーバー。一行の最後
尾にいた男だ。

「……調べさせたが、学者によるとそのような機能は無いらしい。
 錬金術師としては、やはり気になるかな?」

彼にとって、ふと沸いた好奇心を満たすため、程度の質問だったのか、自分の名前を答え
たきり、それ以上何も言わなかった。
愛想のない奴だ、と少し呆れる。補足の言葉が宙ぶらりんになった気がして、すわりが悪
い。

「フムン、腹が痛いなら彼女に診て貰うといい。
 ついでにスカウトしてくれよ。美人な医者がいると捗る」

シンシアの胡乱げな視線をかわして、暖炉に背を預け、自警団支部全体を見回す。
仮にも治安を預かる施設らしく、あばら屋というわけではない。雪に耐えられるよう太い
梁が張り巡らされた堅牢なつくり。
暖炉を中心としたこの広場には、不特定多数が暖をとれるよう扇状に配置された、形も質
も不揃いな椅子やソファー。
そのあたりで、一行のめいめいは好きなように、大抵は椅子に腰かけてくつろぐ。
そんななか目につくのは、巨大、という修飾がよく似合う男。坊主らしくかしこまって、
律儀に直立して待っている。それだけなら木偶の坊のような印象。
しかし、同じく格闘を嗜む者として、すぐにわかる。鍛え抜いた体幹。立つ、という意識
を介するのが難しい運動に際して、一切のゆらぎがない。
不躾に眺め過ぎたか、俺の視線に気づいて、ルデル・ボドリアはこちらを向きにこやかに
ほほ笑んだ。

132 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/06/22(日) 00:39:37.64 0
「何か悩みでもおありかな?」
「いいや、俺よりデカい奴が存在することに驚いていたんだ。
 むしろアンタのほうが、俺に何か言いたいことでもあるようだな」
「ほほう、それはなかなか面白い見解ですな。フム、では一つだけ」

俺はこの男の視線の動きを見逃さない。傷、この男は俺の腕の傷を見た。――なぜ?

「あなたは正義の人のようだ。少なくともそれを自認しておられると踏んだ。そしてそれ
はあなたの誇りでもある。
 ――その意識は変わらぬまま、悪道に身を委ねることがあるのなら、如何にか?」
「作麼生に説破とはな。坊主らしい問答だが、生憎おれは正義の人じゃあない。買い被り
だ。
 正義と観られたのなら俺はここにはいないが、現に俺はいまここにいる。それは正義で
なかったからだ。ならそんなものは、糞くらえ、だよ」
「私が問うたのは公共の正義ではないのだが」ルデルの眉が少しだけ歪む。
「……まあいい、言葉足らずだったようだ。
 あなたが騎士たる主体を己とみなすなら、公を主とする騎士らしい答え、それの歪んだ
もの、それこそがあなたなのだろう。
 『深淵の月』はすべてを見そなわす。貴方が貴方の悪道に堕ちたのなら、それはきっと……」
「悪いが宗教に興味はないんだ。
 俺の神は海の底で眠っている。これまでも、これからも」

たちの悪い勧誘につながる気配を読んで、それ以上の会話を打ち切る。まったく、ファー
デル教徒が月、月と五月蠅く言い始めたらこの手に限るというものだ。
ルデルは笑みを崩さないまま、「問答での救いは難しいですな」とつぶやき、その鍛えら
れた腕をすっと撫ぜた。
問答以外で坊主がどう救いをもたらすのか若干気にはなったが、
今は同僚との会話を終えて、椅子の一つに腰かけようとしているサゥヴェルに注意を払う
べきだろう。
俺も手近な椅子に座り、勧められた茶菓子には手を付けずに傾聴する。
シンシアのみ、他人事らしく菓子と茶に重きを置いて、食い漁り、貪り飲んでいた。

>「まず報酬を用意して差し上げましょうか―――"これ"です。」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

133 :ハンス ◆LXkv5cXmPyY/ :2014/06/22(日) 00:40:23.46 0
「それでこの傷は大丈夫なんだな?
 このペトリファイだかとは関係ないんだな?」

シンシアに再度確認する。うなずく彼女は、同じ確認を何度も繰り返され、すでにウンザ
リした様子だったが、こちらからすれば気が狂わされる瀬戸際なのだ。
正直に言って、なりふりは構っていられない。
まったく、『悪道に身を委ねることがあるなら』だって?心底『糞くらえ』だ!

「それにしても、どうしてこうも立て続けに子供が。
 そういう祭りでもあるのか?」

戸口に立ってお菓子をおくれって、そいつは秋にやるものだろう。

「まあ、こいつはその程度の行儀もなってない糞ガキだが」

足首を捉えられ、逆さに吊られた『それ』を片手で軽く持ち上げて見せる。突如としてこ
の支部に飛び込んできて、すばしっこく逃げ回ったあとようやく捕えられた、いまだに一
本釣りされた魚さながらの暴れっぷりを見せる『それ』。
名前を吐かせたところクロウ・クロックというらしい"少年"。
その向かい側では、シンシアが首を傾げてしげしげと、クロウとは対照的に真っ白な少女
(今は血まみれだが)の『存在しない傷』を探している。彼女の言っていることはどこか
世間ずれしており、個人的にはあまり相手にしたくない。嫁に出された妹を思い出す。
彼らと入れ違うように、報せを受けて去ったミカエルの独り言に含まれた「戦争」という
単語も気にはなったが、なにしろ事が複雑になってきて、それ以上の気が回らない。

「――祭りは、ある。地の悪霊を仮装して鎮める祭りだ。
 しかしこのことには関係はないだろう、今日じゃない。
 あれは明日だ……だよな?シンシアちゃん」

散々な目に逢ってか、大分立てつけが悪くなった入口の扉を修理するユーコフが、片手間
にそんなことを言う。

「祭りの最中に例の気狂いどもが暴れるかもしれんのか。嫌な話だな」

言いながら、だからサゥヴェルはこんな荒い手で人を集めたのか、と納得する。人を選ぶ
余裕などはじめから無かったというわけだ。
姑息な手を使って逃れようとしたクロウの両足を捕えなおしてから、俺はサゥヴェルに向
きなおった。

「サゥヴェル、さっきの提案だが、俺は受けるよ。
 だがこいつらの処遇はどうする?このガキも素人じゃないし、そこの寒そうな格好のお
嬢さんも訳ありのようだ。
 それに、俺は聞き逃しちゃいないぞ。あんた、ここに来る途中、今の依頼すら『案件の
一部』と言ったな。
 裏でどんな大事が起こっているかしらないが、この程度の"深さ"に関わっただけで終わ
りにする気はない」

これは興業なのだ、と俺は再度認識する。悪党を数人倒したところで名声は広がらない。
仕えるに値する領主に認められることもない。
俺は名声を欲している。単なる自己顕示欲ではない、必要なものとして。

134 :名無しになりきれ:2014/06/22(日) 00:49:55.82 0
よう従士
機械だけは出すなよ

135 :名無しになりきれ:2014/06/22(日) 11:36:00.02 0
ハンスにイエローカード、です。

136 :名無しになりきれ:2014/06/22(日) 23:26:21.26 0
47 :こいよwwww:2014/06/22(日) 22:43:40.95 0
http://hiezan.chatx.whocares.jp/

137 :名無しになりきれ:2014/06/23(月) 01:43:30.11 0
イエローカードです(キリッ)

138 :名無しになりきれ:2014/06/23(月) 01:50:17.49 0
もうキムチカードに近いけどな(笑

139 :名無しになりきれ:2014/06/23(月) 13:46:32.40 O
ミカエル×ベラ&ミラの近親相姦フラグ

140 :名無しになりきれ:2014/06/23(月) 17:57:00.77 0
どうやったらその流れになるんだよ?

141 :名無しになりきれ:2014/06/24(火) 07:51:38.56 0
マルコシアスを呼べばそうなるだろ
もし従士が原因でここ潰れたら
結構な確率で見てると思われるマルコシアスにエンディング書いてもらおう
奴ならできるはずだ

142 :名無しになりきれ:2014/06/24(火) 22:47:37.41 0
もういねえだろ

143 :名無しになりきれ:2014/06/24(火) 23:15:59.75 0
真面目な話マルシコアヌスは責任感のようなものからエロ文章書いてるから
FO者が出て崩壊しても絶対に自スレ以外でそんな事はしない
ただし読んでいる可能性はあるので、頼めば完全終了後に書いてくれる可能性も微レ存

ところで俺はここにいずれ評価を下す予定だが
最低点は出しゃばった上で無責任にFOしたルデルでほぼ確定で
20点以下と算出できる
ミカエルは場を動かした上、抜ける際に宣言しある程度の行動を施したので50点以上は行くと思われる
あとは頑張れとしか言いようがないな
お前らの行動にかかっている

144 :名無しになりきれ:2014/06/24(火) 23:22:59.62 0
余計なお世話だチンカスやろー

145 :名無しになりきれ:2014/06/25(水) 00:06:23.70 0
>>144
貴様のチンカスを寄越せ

146 :名無しになりきれ:2014/06/25(水) 20:18:09.43 0
>>145
お前のチンカスは何色だ?

147 :名無しになりきれ:2014/06/25(水) 21:12:23.93 0
>>146
不敬であろう!
まずは貴公が先に答えるべきだ!

148 :名無しになりきれ:2014/06/26(木) 08:00:57.63 0
恥ずかしいけど言うよ…白なんだ。
でも凄く臭いよ。

149 :名無しになりきれ:2014/06/26(木) 09:09:28.54 0
恥ずかしい奴だな

150 :名無しになりきれ:2014/06/26(木) 09:10:40.94 0
ダクファン

151 :名無しになりきれ:2014/06/26(木) 09:11:47.26 0
シキシド

152 :名無しになりきれ:2014/06/27(金) 00:33:54.09 0
はいフーバー終わり

次シンシアな
さっさと書けよ
マジでダーク終了するぞ

153 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/27(金) 22:07:58.38 0
>「感謝するよ
 ただ……君のような若い、それも女の医者がいるとはな。
 いいや、皮肉じゃあない純粋に驚いただけだ」
「若くて女ってだけでなめられるのはなれてるから、別に良いわ」

シンシアはそれだけ言って会話を打ち切ると、再び茶菓子を食べ始める。
ハンスを含んだ一行が何かを話している声が、途切れ途切れながらもシンシアの耳に届く。
それから推察するに、最近多発しているスラムでの殺人についての話らしい。
暫くすると、ハンスがやってきて、シンシアへ執拗に傷のことを問いかけてくる。

>「それでこの傷は大丈夫なんだな?
 このペトリファイだかとは関係ないんだな?」
「同じ事を何度も言わせないで、”多分”大丈夫よ。
絶対大丈夫って言葉が聞きたいなら、他の人に聞いて。
こういう仕事やってると、絶対って言葉は使えないから」

>「・・・シンシアさん、急患みたいですよ」

ハンスとの会話に一区切り付いた時、扉から白いローブのようなものを纏った女――ケルブレムが倒れ込んできた。
シンシアはどうせ酔っぱらいかなんかだろう、と高をくくっていたがケルブレムの服についている大量の血を見て目の色を変える。

「ちょ、ちょっと、大怪我じゃない!」

慌てて駆け寄ると、ローブに忍ばせていたナイフを使い、服を切り裂いていく。
男ばかりの場所で服を切り裂くのはどうかと思ったが、この状況でとやかくいっている暇はないと判断した。

「あれ?」

ケルブレムは確かに怪我をしていた。
ただ、それは服についている大量の血から、シンシアが想定していた怪我より遥かに浅いモノだった。
軽い怪我ではないが、一刻を争うほどの怪我というわけではない。
シンシアはケルブレムの腹部に手を当て、傷がずれないように固定して治療魔法を使う。
シンシアの治療魔法は少々特別で、傷を即座に治すというより、
生物の持つ自然治癒能力を極限まで高めることによって治療する。
ケルブレムの腹部の傷は徐々に塞がっていき、数分後には完全に塞がった。

「これでよし、と。
何があったかはあそこらへんにいるおじさん達に言ってあげて」

ケルブレムはシンシアの言葉を聞くと何も纏わずに起き上がる。
周りの男の目線が、豊かなケルブレムの肢体へと向かっているのを見て、ためいきをつくと

「服くらい着て、それと靴はきなさい」

先ほど切り裂いた服を、強引にケルブレムへと巻き付けた。
もういいだろうと一息つくとカウンターに戻る。
出された茶菓子は殆ど食べたはずだが、先ほどより茶菓子が増えていた。
シンシアへの一仕事終えた報酬なのか、それとも支部に来た人達へのもてなしなのか。
どちらか分からなかったが、とりあえずシンシアは茶菓子を食べることにした。

154 :シンシア ◆dCajEjvGE. :2014/06/27(金) 22:08:58.00 0
>「――祭りは、ある。地の悪霊を仮装して鎮める祭りだ。
 しかしこのことには関係はないだろう、今日じゃない。
 あれは明日だ……だよな?シンシアちゃん」
「同じ事を何度も言わせないで、って何度言えば分かるの?
馬鹿らしくなってきたから、もういいわ。
祭りは……そうね、確かに明日よ、大した祭りじゃないけどね」
「それでちょっと提案なんだけど」
「お断りするわ、今日はもう疲れたの」
「こいつらに、スラムを案内してくれないか?
殺人が起きた場所とか」
「あの、私の話聞いてた?」
「シンシアちゃんが案内してくれないと、調査がはかどらなくて明日の祭りで被害者がでるかもなあ。
結局仕事が増えちゃうかもなあ」

わざとらしいユーコフの言葉に、シンシアは手元の茶菓子をユーコフの顔に投げつけることで応えた。

「私が怪我したら、貴方が責任もって患者を診なさいよ」

シンシアは立ち上がり、支部を見渡す。
かなり屈強な男達が揃っており、よほどのことがない限りシンシアへと危害が及ぶ可能性はなさそうだ。

「何か起きたら全力で私を逃がすように。
付いてきたい人は勝手についてきて」

そういって、サゥヴェルの連れてきた一行を引き連れ、支部から出る。
少し前に検死した死体のある場所へと一行を案内する。
かなり雪に埋もれていたが、まだ死体は残っていた。

「見て分かる通り、これがおそらくペトリニウム?に蝕まれた人間による殺人よ。
外傷の具合から見て、快楽殺人である可能性は極めて高いわ」

そこまで言って、シンシアは自分が支部に行った理由を思い出した。

「そういえば、この死体から推測すると、犯人はかなり大柄で力のある人間ってことが分かったわ、まず男でしょうね。
だから、スラム付近で見かけられた大男が怪しいってこと」

一行にしたり顔で説明していたシンシアは、ふとルデルに目を向ける。
今までシンシアが見たことのないほどの巨躯、大きな手、そして体中が筋肉でもりあがっている。

(この人くらいの手の大きさなら……大きいだけで疑っちゃ失礼よね。
待って、そういえばこの人スラムで奉仕活動をしてるって)
「そこの大きい人、いや貴方じゃなくてもっと大きい方」

反応したルデルとハンスの両者に対してシンシアはルデルの方を指差す。

「貴方、スラムで奉仕活動をしていたって言ってたわよね。
よかったら詳しい内容を教えてくれない?
私も貴方と同じようにここで奉仕活動をしているから、ちょっと気になって」

ルデルは更に笑みを深めていく。
一見すると柔和そうな笑みではあるが、どこか言葉にしがたい違和感がある。
シンシアはそれを見て一歩二歩とルデルから距離をとっていく。
ほぼ間違いなくルデルは犯人であると確信したからこそ、襲われない位置へと下がっていく。
そうしてハンスの後ろまで下がると、両手でハンスを前へと押した。

「もし大怪我してもただで治してあげるから」

155 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 02:18:57.04 0
お疲れ

156 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 03:19:41.99 0
はいここも終了

157 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 08:28:36.32 0
分かってると思うが
ケレブルムも今日10時時間切れな

次のハンスはさっさと構えとけ

158 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 12:30:37.57 0
時間切れだオラ

159 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 13:21:24.71 0
>>157
毎度偉そうに書いてるお前は何様なんだよ
参加者じゃないなら黙って見てろ

160 :157:2014/07/02(水) 13:44:25.16 0
>>159
あ?俺様は神だ
俺様の言葉は絶対の法だ糞野郎

161 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 20:04:25.29 0
>>157
なぜハンス?
偉そうなこと言う前にターン確認しろカス

162 :157:2014/07/02(水) 20:10:15.63 0
だまって俺様に従ってりゃいいんだよ雑魚どもが

163 :名無しになりきれ:2014/07/02(水) 20:17:22.86 0
頭悪すぎて草

164 :157:2014/07/02(水) 20:24:25.39 0
貴様らがどれだけ喚こうとも現実は何も変わらない
あー愉快愉快

165 :名無しになりきれ:2014/07/03(木) 07:55:55.66 O


166 :名無しになりきれ:2014/07/03(木) 14:37:58.35 O
オワタ?

167 :名無しになりきれ:2014/07/03(木) 15:44:00.82 0
終了

168 :名無しになりきれ:2014/07/04(金) 08:42:31.82 O
or2

169 :名無しになりきれ:2014/07/05(土) 01:05:05.75 0
はい、ケレブルム終了
次はサゥヴェルか? さっさと書けよ

書かなければ壮絶なエンディングを俺が書き下ろしてやる

170 :名無しになりきれ:2014/07/05(土) 12:02:56.30 0
>>169
頼む

171 :名無しになりきれ:2014/07/07(月) 20:44:16.92 0
ミカエルさっさと後方支援しろよ
口だけかよ

172 :名無しになりきれ:2014/07/08(火) 10:48:16.81 O
今更何を言ってんだよ。ミカエルは口だけの飽きっぽいヤツだろ。
ヘヴィー、ハードも続かずにこのスレ立ててんだから。

173 :名無しになりきれ:2014/07/08(火) 10:52:04.25 O
ホントにやる気あったら自キャラをあんな風に殺したりしない

174 :名無しになりきれ:2014/07/08(火) 10:53:47.14 O
ミカエル「もう飽きた寝る」

175 :名無しになりきれ:2014/07/08(火) 21:07:10.90 0
>>173
ミカエルいつ殺たし

176 :名無しになりきれ:2014/07/09(水) 00:18:41.43 0
次クロウだな
もう既に推定3名しか残っていない

177 :名無しになりきれ:2014/07/09(水) 08:42:43.00 O
もうキャラハンは誰もいないと思う

178 :名無しになりきれ:2014/07/09(水) 08:43:44.28 O
さようなら

179 :名無しになりきれ:2014/07/09(水) 10:38:13.77 O


180 :名無しになりきれ:2014/07/10(木) 00:44:37.80 0
もうミカエル書いちゃって良いんじゃね?

181 :名無しになりきれ:2014/07/11(金) 00:47:22.33 0
書いていいよ
俺が許可する

182 :名無しになりきれ:2014/07/11(金) 10:44:15.56 0
俺は許可しない
諦めろ

183 :名無しになりきれ:2014/07/11(金) 11:44:56.59 O
飽きっぽいミカエルが続けられる筈がない

184 :名無しになりきれ:2014/07/11(金) 20:06:31.16 0
やってみないとわからんだろ
やらせてみろ

185 :名無しになりきれ:2014/07/12(土) 21:35:20.61 O
出来るもんならさっさとやれ
できもしないで大口ばっか叩いてんな

186 :名無しになりきれ:2014/07/19(土) 02:52:23.90 0
どうなんだここ

187 :名無しになりきれ:2014/07/19(土) 09:31:55.74 O
ご覧の通り終わっております

188 :名無しになりきれ:2014/07/22(火) 07:10:53.51 0
もはやミカエルが動かないとどうにもならないんだよなぁ・・

189 :名無しになりきれ:2014/07/22(火) 08:49:08.73 O
ミカエルは死にました

190 :名無しになりきれ:2014/07/22(火) 15:47:59.62 0
ダークファンタジースレとは悲劇なのか

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