【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!

1 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/02(金) 22:54:55 0
統一基準歴355年。
魔法文明は隆盛を極め、あらゆる場所、場面に魔法が活用されていた。
そんな栄華の果てにいつしか異変が起きる。
確認されたのは20年前にもなるだろうか?

ある属性の魔法に異常なまでの適性を示す。
ある魔法を生まれつき能力として有している。
未知なる力に開眼する。

今までは天才と言われて来た種類の子供たちが続々と生まれ始めたのだ。
このことに世界は大いに恐れ、憂慮した。

なぜならば、本来数十年単位の修行と研究の果てに身につけていく力を僅か数年の学習で身につけてしまうのだ。
あるいは以って生まれてくるのだ。
修行と研究は何も力を得るためだけの時間ではない。
力を振るう為の経験や知識をも身につけるための時間でもあるのだ。

そして大きな力を当たり前のように使える事への危惧は現実のものとなる。
世界各地で引き起こされる悲劇に、統一魔法評議会は一つの決定をなした。

魔法学園の開設!

魔海域を回遊するとも、海と空の狭間にあるとも言われるフィジル諸島に魔法学園を開校し、子供たちに学ばせるのだ。
己が力を振るう術を。



■舞台はファンタジー世界。謎多きフィジル諸島にある全寮制の魔法学園です。
■学園が舞台だからといって参加資格は学生キャラのみではありません。
  参加キャラは生徒でも、学園関係者でも、全く無関係な侵入者でも可。敵役大歓迎。
■当学園には種族制限はありません。お好きな種族と得意分野でどうぞ。
■オリジナルキャラクターでも版権キャラクターでも参加できます。
  完走したスレのキャラを使ってもOKですが、過去の因縁は水に流しておきましょう。
  また版権キャラの人は、原作を知らなくても支障が無いような説明をお願いします。
■途中参加、一発ネタ、短期ネタ大歓迎。
 ネタ投下の場合、テンプレは必ずしも埋める必要はありません。
 ただしテンプレが無い場合、受け手が設定をでっち上げたり改変したりすることになります。ご了承を。

■テンプレ

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
得意技・
好きなもの・
苦手なもの・
うわさ1・
うわさ2・

【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
2 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/02(金) 22:55:47 0
(参考サイト)

【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1270211641/

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
千夜万夜
PC:ttp://verger.sakura.ne.jp/
携帯:ttp://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm

※アクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう。

代理投稿スレ(なな板TRPGまとめサイト、千夜万夜さん内)
ttp://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1243456885/

【なな板】書き込みたい人のレスを代行しようず!【過疎阻止】(なな板避難所内)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1265360933/
3 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/02(金) 22:56:33 0
「不安かい?だったら、その不安はゴブリンにでも食べさせるといい。
 確かに学園には危険なところもある。
 特に校舎の裏にある森にはめったに足を踏み入れない方がいい。
 だけど学園の寮は快適だし、食堂のご飯もとびきりおいしい。
 わからないことがあっても、きっとまわりの友達や先輩達が君を助けてくれるよ。
 素敵な恋を見つけることもできるかもしれないよ。僕のようにね。

 テンプレートの記入は終わった?荷物の準備はいい?
 ガリオン金貨よりももっと必要なものは、
 ちょっとした魔法のエッセンスとポケットに詰めた笑いだよ。
 OK、じゃあ改めて言わせてもらうよ。

 僕らの魔法学園へようこそ!君に素敵な冒険が待っていることを願うよ!」
                            
                                 〜 とある銀髪青年の言葉より 〜


――――   【TRPG】フィジル魔法学園へようこそ!  ――――
4 :三つあみ眼鏡少女 [sage]:2010/04/02(金) 22:57:29 0

春のうららかな昼下がり。
そんな日差しすら届かないほど鬱蒼とした森の中を、1人の少女がとぼとぼと歩いていた。

泥で汚れた革靴。制服と薄手のマント。
そして手には大きな古ぼけたトランク。
半分開いたままのトランクからは、真っ二つに折れた箒が顔を覗かせている。
ハイキングに来たにしては、あまりにも場違いな出で立ちだ。

「ああ、なんで私がこんな目に・・・・・・・」


ことの発端は一月前のこと。
銀髪の青年が、一通の入学届を持って彼女の元を訪れたのだ。
そう、青年は、魔法学園からの使者だったのだ。

魔法学園への入学を許された彼女は、転移ゲートと呼ばれる魔法装置から学園へと転送されることになった。
転移ゲートを使えば、一瞬で学園に到着できるはず、だった。
しかし転送直前、学園関係者からあんな言葉をかけられる事になるとは!!

『あ、そうそう。いい忘れたけど、転移ゲートで送れるのはフィジル島までなんだよね。
 島内にある学園までは、各自自力で移動してもらうことになるってこったな。
 手段は問わないし、新入生同士協力も自由だ。
 一応入学試験も兼ねてるから、まー死なない程度に頑張ってくれ。 
 それと、学園の森には近づかないようにな。ナナシっていう魔物が出るからな。
 いいな、近づくなよ?ぜーったいに近づくなよ?』
「ちょ、ちょっと待って――――!やっぱり入学考え直させて―――― っ!!」
『―――Good Luck』
「ギャ――――!!」

――――暗転。


そして現在。
彼女は今、14年間の人生最大のピンチに瀕していた。
彼女はこともあろうに、あれほど近づくなと言われた森へと転移させられていたのだった!!

「あーどうしよう。まずいよまずいよ。私魔法なんかロクに使えないっていうのに!
 食べられちゃうよ、ナナシって魔物に頭からバリバリ食べられちゃうよおお!!」」
独り言が多いのは、不安な気持ちを少しでも紛らわせるためだった。

なにせ、今の彼女が出来ること。
ひとつは、箒を使って空を飛ぶこと。
そしてもうひとつは、相手に自分の意志を伝えるだけの一方的なテレパシー。
しかし、今彼女は空を飛ぶことが出来ない。
先程ゴブリンと戦った時に、真っ二つに折れてしまったからだ!
もう一方のテレパシーは、さっきから『誰かいませんか』と送りまくっているが、残念ながら返事は無い。

「もしかして、森に飛ばされたの私だけ・・・じゃないよ・・・・・ね?」
彼女の言葉に答えるかのように、がさりと廃語の茂みが揺れた!
彼女は震える手で、トランクから折れた箒を取り出し、構えた。
「だ、だれっ?!隠れてないで出てきなさいよねっ!!」
威勢のいい口調とは裏腹に、がたがた膝が震えているのはご愛嬌である。
5 :◇jntvk4zYjI [sage]:2010/04/02(金) 22:57:56 0
名前・ リリィ
性別・ 女
年齢・ 14
髪型・ 金髪。二つに分けたお下げ髪
瞳色・ 青。ぐるぐるメガネ着用
容姿・ ガリガリのチビだが巨乳
備考・ お人よし。
得意技・ 発信専用のテレパシー。箒で空を飛べる
好きなもの・ 空を飛ぶこと
苦手なもの・ お化け
うわさ1・ 学園入学に際し、髪型ならぬ胸型を変えたらしい
6 :猫を探す少年[sage]:2010/04/03(土) 03:15:18 P
「いけない子猫ちゃんだ。そんなにこれが欲しいのかい?」
と本物の子猫に餌をあげている中学生ぐらいの・・・たぶん少年
良く言えば中性的な美しい顔
悪く言えば性別不明のおか(ry
金色のワカメ・・・・もとい金髪のウェーブヘアー
背はちっちゃい・・・ちっちゃいものクラブに入れるぐらいちっちゃい
小さくてかわいい男の子は大好物で(ry
半ズボンを履いている事からしてたぶん男なのだろうが
きっとスカートを履いても似合うに違いない
腰に提げているのはサーベルであろうか?
人相手なら役に立つであろうが巨大な怪物であれば無いも同然である

彼の名はフリードリッヒ・ノクターン、通称フリード
北方に存在する雪と氷に覆われた大地
ジルベリア公国からの留学生
ノクターン公爵家の長男である

公爵家の長男でフリードだからってけっしてデューク・フリードと呼んではいけない
呼んではいけないのだ!!

「そうだ!グレン!君の名は今日からグレン・ダイザーだ!!」
ノラなのに勝手に名前をつけるフリード少年
すっかりこの猫を飼うつもりらしい
「早速寮長にペット許可の書類を・・・・ん?」
いつの間にか居なくなってしまったグレン・ダイザー(猫)

鬱蒼とした森の中
>「だ、だれっ?!隠れてないで出てきなさいよねっ!!」
「猫を知らんか?猫が逃げてしもうた・・・・」
猫を探してそのまま森の中に迷い込んでしまったフリード少年
何故か喋り方が変だがきっとこれはジルベリア弁なのであろう
「実は猫ちゃんが迷子になってね
 黒っぽい色をした頭の天辺だけ赤い猫なんだけれど」
自分も迷子だと言うことを棚に上げ始めてあった少女に猫の行方を聞くフリード少年
いろいろとフリーダムな少年である

「ナナシ?それはジルベリアンホワイトベアーより強いのですか?」
どうやら彼は人の話を聞くのが苦手なようである
7 : ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/03(土) 03:16:56 P
名前・フリードリッヒ・ノクターン
性別・男
年齢・14歳
髪型・金髪ワカメ
瞳色・青
容姿・男装した女の子にしか見えない細身の美少年
備考・見た目は細いがジルベリア人なので・・・・・・
   フリージアという姉がいる
得意技・氷の魔法、剣術
好きなもの・猫
苦手なもの・自分より綺麗な男
目標・見た目が売りのキャラでも役立たずではないと証明すること
うわさ1・初恋の人が女装少年だった事にトラウマを持っているらしい
うわさ2・小さい頃、母親に無理やり女装させられてトラウマになったらしい
8 :アーティカル ◆LX0y54edAk [sage]:2010/04/03(土) 16:36:00 P
名前・アーティカル・セイネ
性別・男
年齢・22
髪型・黒髪のショート
瞳色・黒
容姿・長いブラウンのトレンチコート
備考・旅行者。世界を旅して回っている
得意技・雷の魔術・銃の扱い
好きなもの・神秘的なもの
苦手なもの・酸っぱいもの
うわさ1・ 5か国語を使いこなすらしい

//こんな感じでしょうか。よろしくお願いします。
9 :アーティカル ◆LX0y54edAk [sage]:2010/04/03(土) 16:55:32 P
トランクを提げて学園の前。

「デカい学校だなあ…評議会もこんなのに金回してる暇あるならもっと他のに使えばいいのになあ」

と学園を眺めていると数人の少年少女が入っていく。
団体で来ている子らもいたし、一人で来ている子もいたがすべてに共通していたのはみんなやけに汚れている。
土。土だろう。この島特有の土の匂いがする。旅人ゆえの嗅覚の鋭さだ。

「この学園は田舎から生徒を集めてるのかぁ?」

青年―アーティカルという―はやれやれと思いつつも再び歩き出した。
学園は見学できるらしい。自分も魔術の素質を生まれ持ってきたくちである。
今の子供達はどれほどの力を持っているのか、興味あったのだ。

――学園玄関

「すいません、見学してもよいですか?」

学園の職員にそう尋ねるアーティカル。
武器の類を預けると身分証明を求められた。見学の許可が下りた。

「さて…と。どれ、田舎っぺの魔力を見せてもらおうかな」

アーティカルは足早に実習室へ向かった。が、忘れていた。
常に非常時用として一丁だけハンドガンを携行していた。
それが引っかかったみたいだ。気付いた時には空間に歪みが生じ始めていた。

気づけば森。ここにも空間の歪みの軌跡があった。

「なるほど、さっきの生徒さん達はここを通ってきたのか。
 入試…みたいなもんか。ここで落ちる奴は素質無しってか」

と、不意に何かを感じた。テレパシーだろうか。
恐らく生徒だろう。助けてよいのかわからないが、テレパシーの発信源に向けて歩きだした。
10 :レイヴン ◇3EZNxXddgo [[sage]:2010/04/03(土) 21:23:51 0
リリィが森へ飛ばされ七転八倒している、その時を同じくして
若き鴉もまた同じ様に危険と言われる森へと飛ばされていた。
むろん彼もまた森の危険性について説明は受けている。下手を打てば
命はないほどという認識、それは間違いではない。

だが彼には自信があった。物心付いた時から殺し殺されるのが当たり前の世界で
曲がりなりにも生き延びてきたと言う――――もっともそれは同時に、彼が
死してなお下ろす事の許されない重い十字架を背負っている事の証明ともなるのだが――。

「……しかし、さっきから頭に響いてくるこの声の主はどこにいるんだ?
 追い詰められている様だったから、早くに合流したい所だが……」
鴉もまた独り言を呟き、森を進んでいく。大よその方角は分かったが、
距離まで分かるわけではなく、顔にこそ出ないが焦りが募り始めた……その時!


いきなり飛び出してきた猫に右肩を占拠されてしまった!
何を言っているのか分からないと思うが(ry

「どうしたお前?何をそんなに慌ててるんだ……はぁっ。
 猫、か……皮肉なもんだな。おい、顔を寄せるな……」
どうやら懐かれてしまった様であるが、彼には猫に対してあまりいい印象を持っていない。
迷惑そうにしながらも、追っ払うのも大人気ないとそのままにし、歩を進める。


『「だ、だれっ?!隠れてないで出てきなさいよねっ!!」』
『「猫を知らんか?猫が逃げてしもうた・・・・」』


……どうやら探していた声の主は近くにいるらしい。
内心胸を撫で下ろしつつも、顔には出さずさらに歩を進め姿を見せる。
すると、そこには声の主と他に先客がいた。
「やっと辿り着けたか。子供がこんな所で何を、と言いたいが
 どうにも、揃ってこの先の学園に用があるらしいな。
 さ、お喋りは学園に着いてからにしようか……一応危険な場所だからな」
そう言って先を促す鴉。その肩にはグレン・ダイザー(仮)。



名前・レイヴン
性別・男
年齢・17
髪型・黒。濡羽色のストレートだが髪の先が羽根っぽくなっている
瞳色・黒。白目、虹彩まで黒の切れ長のツリ目
容姿・平均よりも高め、ラフな格好、服の下は傷だらけ
備考・クールな熱血漢、厄介事に自分から首を突っ込む
得意技・刀の使い手、魔力武具の投擲投射、『第三の眼』開眼による時間操作
好きなもの・魚類
苦手なもの・拒絶される事
うわさ1・入学前の暮らしは酷かったらしい
うわさ2・年齢詐称をしているとかいないとか
うわさ3・ろくな教育を受けてないためか、魔法の制御がほとんど出来ないらしい
11 :クレイ◇hJu/xZK7JQ [sage]:2010/04/03(土) 23:22:45 0
ここは魔法学園の森の中
そこで一人の青年が寝ていた
いつ魔物が出るともわからないのに、それはまさに自殺行為ともいえた
しかも彼の装備は魔法学園のものと思われる制服に腰にポーチ、武器になりそうなのはサバイバルナイフ1つだけと、何とも頼りないものであった

そんな青年が寝ている場所の上空に、1羽の鳥が飛んでいた
その鳥は何の前兆もなく、おもむろにお尻の方からある物質を発射した
そう、糞である
しかも落下地点はあの青年の顔
しかし、彼は寝ているためかまったくそのことには気付いていない
無情にも彼の顔と糞も距離は縮まっていく
このままでは彼の顔は目にも当てられない状態になるだろう
そんなことになれば、ある者は彼の顔を見て笑い、ある者は彼の顔を見て慰める
だがその方がどれだけましか
中には彼の顔を見た瞬間、2度と目を合わせない者や、彼の顔を見て涙する者もいるであろう
そうなると彼は2度と人前に姿を現さないであろう
と、そんなことを言ってる間にも鳥の糞は、そのような情景が思い浮かぶ状態になるのにあと数秒もかからない距離になっていた
ああ、南無三…

だが、彼の顔に当たる瞬間、バチッ!!と音がすると、鳥の糞が跡形もなく消えてしまった
寝ているときに雷属性のバリアーを張っていたようだ
ナルホド、これなら寝ていても安心だね☆

「トレス、さっきからうるさいぞ」

だが、彼は目をさました途端、誰もいない空間に話しかけた
ああ可哀想に...バリアーの代償はまともな精神だったのか...

「お前がいるだろ。そのナレーション口調をやめろ。あと、俺のバリアーには代償はない」
「あやや...すみません。いつから起きてました?」
「俺のバリアーが発動したときだよ。
ったく、お前はよくふざけるよな」
「まぁ、つまんないのはキライなので。
それに楽しい方が得っしょ」
「そうかいそうかい...っう〜ん...と」

彼はその場で背伸びをすると、立ち上がった
そのすぐ近くでトレスと呼ばれたロボットが彼の肩の高さくらいまで浮き上がる

「じゃあ、そろそろ出発するか...いくぞ、トレス」
「了解しました、クレイ様」

彼...クレイが歩き出すとそのすぐ横でトレスがついて来るような形で、彼らは森の中を進んでいった...
12 :クレイ◇hJu/xZK7JQ [sage]:2010/04/03(土) 23:22:59 0
名前・クレイ
性別・男
年齢・16
髪型・青色のショート
瞳色・赤色
容姿・175cmくらい・俗に言う細マッチョと呼ばれる体格
備考・ややクールでもどこか抜けている・運動神経が良い・相棒にトレスというロボット(ソフトボールくらいの大きさの球状)がいる
得意技・雷属性の魔法・体術
好きなもの・動物(特に猫)
苦手なもの・昆虫以外の虫(Gを含む)
うわさ1・ケガの治りがとても早いらしい
うわさ2・両親が優秀な科学者らしい(故人)
13 :アーティカル ◆LX0y54edAk [sage]:2010/04/03(土) 23:24:15 P
テレパシーとは実に古くから存在しうる魔術である。
それでも多くの人間が使えるようになったのはごく最近だ。
だがアーティカルはその多くの人間には含まれない。
実に多くの魔法を使うことができ、20歳―今から2年ほど前―という若さにして賢者の称号を取得したりもしたが、
テレパシーだけは使う事が出来ない。傍受するのみである。
しかし、それの代わりとしてアーティカルの一族、セイネ一族にのみ使える魔術がある。
遺伝子レベルで伝わる、古代から天文学の名家であるセイネ一族であるが故の事だ。
それは星の魔術。世界で使えるのはたった一つの血筋しか使えない魔術だ。

「ふむ、テレパシーの主は近いみたいだけど…」

星の魔術とは名の通り星を用いた魔術である。
それ故、アーティカルは星の賢者の異名で呼ばれていた時期もあった。
アーティカルの兄も同じく魔術に長けているのだが、性格に難があるのだ。

「って迷っちゃったみたい…どうしよっかな」

テレパシーの主の方向を辿りつつ歩く。
歩いているとやたらと何か獣の気配がする。
もっとも学園のある島の森にそんな凶暴な生き物が生息するはずも無いのだが…

//酉は◆(or◇)じゃなくて#で指定しますよ。
14 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/03(土) 23:28:03 0
ギャア!ギャア!と牙の生えたカラスが朽ちかけた建物の屋根の上でけたたましく鳴いている。
十を越える建物が軒を連ねるが、どれもが一目で打ち捨てられているとわかる。
目を端にやれば陰鬱な墓地が広がっている。
そして遥か遠くに魔法学園とおぼしきシルエットが微かに見える。
「別の島に飛ばされたと言う訳ではないのだろうけど…ここはどういう場所なのかしら。」
不気味なゴーストタウンの端で小さく息をつきながら呟く少女。

全身黄色の衣に身を纏い、一糸乱れぬ金色の髪は後ろに流れている。
おでこから口元まで滑らかな鏡で出来た仮面はその表情を外に漏らす事無く、陽光を弾き輝いている。
唯一見えるその口元からは不安の色は無く、むしろ穏やかな笑みすら見て取れる。

目の部分にすら穴の無い仮面で辺りを見回しながらセラエノはゴーストタウンの中、歩き出す。


名前・セラエノ・プレアデス
性別・ 女
年齢・ 17
髪型・ 金髪ロングストレートを後ろに流している
瞳色・ 鏡仮面を被っている為不明
容姿・ 同上、口元はすっきりとしている。黄色い学ラン+ロングスカート着用
備考・ 神。質実剛健、品行方正。沈着冷静。奇蹟とは、あらゆる法則、理論、律を超越して結果を顕在させる力。
得意技・ あらゆる属性において突出した能力はないが苦手もない。奇蹟。
好きなもの・ 蜂蜜酒
苦手なもの・ 下ネタ
目標・全知全能
うわさ1・ 人当たりもいいし、優秀なんだけどなんか作られたというかマネキンみたいな感じがするんだよな(某男子生徒)
うわさ2・ 視界確保する穴もない鏡仮面被っているけど、素顔は普通の顔だったよ。(某女子生徒)

15 :クレイ◇hJu/xZK7JQの代理[sage]:2010/04/04(日) 00:16:32 0
ときはさかのぼること約1ヶ月...
銀髪の青年が入学書を持ってクレイの元を訪れた
彼は最初、驚いた
なにせ彼の家の周りは高度な結界が張ってあったからだ
その結界を自由に行き来できるのは、今は亡きクレイの両親にクレイ自身と両親が作ったロボットのトレス、あとは『賢者達』と彼らに特別な魔法をかけられた使者だけだ
賢者といっても、『賢者』の称号を得た者ではない
トレイ自身、そのことはよくわからないが父が言うには『世界の創造者』だそうだ

「...トレイ」
「分かりました。少し待っててください」

トレイには『賢者達』の情報が入っている
隠されているならともかく(『賢者達』自体隠れた存在だが)トレイは見ただけでそれが『賢者達』か、分かるのだ
もっとも、隠されていたところでそれは意味を成さないであろう
たとえ『賢者達』でも、両親の作ったトレイを欺くことは不可能に近い

「...只今終わりました。彼は『賢者達』ではありません」
「...そうか」

まぁ、分かってはいた
『賢者達』の1人に、そう自分と対して年齢の変わらない者がいるとは思えない
だが使者とも思えない
確信は無いが彼らとはどこか違う...そう思ったからだ

青年の方を見ると彼はイライラした様子もなく、にこにことして待っていた

「待たせて悪かったな。...それで、学園の入学の話だったな。
一つ聞くが、どうして俺を入学を?」
「いえいえ、深い意味は無いよ。
ただ、僕は君に魔法学院にきて欲しいだけだよ」
「なんかしっくりとこないなぁ...
まぁいい。それで、俺はそこでなにを学ぶんだ?」
「さぁ?」
「さぁ?!?」
「君はそこで多くのことお学ぶかもしれないし、なにも学ばないかもしれない。
全ては君次第だ。
ただ一つ言えるのは、君はそこで多くの人と出会うことになるよ」
「...そうか...おい、トレス」
「はい」
「しゅっぱつじゅんびをしろ」
「入学するのですか?」
「ああ、面白そうだからな。
それに...たまに人と触れ合うのも悪く無い」
「分かりました、少々お待ちください」

そう言うとトレスは家の中へ戻っていった

「なぁ、必要なものとかあるか?」
「とくにないね。だいたいは向こうで揃うから。
あ、とりあえず制服を渡しとくよ」

彼はカバンの中から制服を取り出した

「どう?大きさは合っているかい」
「...ああ、問題ない」
「それはよかった。...ああ、言い忘れていたけど今から送るのはフィジル島までだから、学園には自力でたどり着いでね。
さてと、君の相棒も戻ってきたことだしそろそろ行こうか」

こうしてクレイと相棒のトレスはフィジル島へと旅立つことになった...
16 :アーティカル ◆LX0y54edAk [sage]:2010/04/04(日) 00:35:52 P
//酉は◆(or◇)じゃなくて#で指定しますよ。
17 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/04(日) 01:07:57 O
>>16
悪いこと言わないから半年ロムってろよ。な?
18 :アーティカル ◆LX0y54edAk [sage]:2010/04/04(日) 01:35:31 P
申し訳ない。そうか、規制中か。
19 :クレイ◇eA/eUrt9sQ の代理[sage]:2010/04/04(日) 21:57:17 0
「...なぁ、トレス」
「なんです、クレイ様」

鬱蒼と茂る森の中、クレイはトレスに話しかけた

「先から送られてきたテレパシー、急に止まったことに気付いていたか?」
「あやや、知っていらしたのですか?
てっきり気付いていないものかと...」
「あんだけ送られけくれば誰でも気付く。面倒だから無視していただけだ」
「クレイ様、結構ひどいですね...それで、そのことがどうしました?」
「急に止まったことが不思議でな...あんだけバリバリ送るやつだ、そんなやつにふつうは誰もよって来ない。
よって来るとしたら...よっぽどなお人好しか、なにかに夢中でテレパシーに気付いていないやつぐらいだろう。
...人が合流して発信をやめた以外、発信を止めることになるのは...」
「やられた、って事ですか?」
「だろうなぁ。...はぁ」

クレイはそんな事を言うと進路を変え、テレパシーが発していたところに向かい出した

「ありゃ?面倒じゃなかったんですかい」
「気付いていたのに無視したせいでそいつが死んだんじゃぁ目覚めが悪い...いくぞ」
「はぁ、そうですかい」

トレスはクレイの後をついて行った
だが、彼は知っていた...
お人好しやなにかに夢中になってテレパシーに気付いていない人が彼女と接触した事を
ではなぜ、クレイに教えないのか...それはクレイが彼女達と接触する事が、彼にとっていい事になると思っていたからだ

{さて、これからどうなるか...私はとても楽しみですよ}

自分の相棒がそんな事を思っている事も知らず、クレイは森の中を進んで行った



トリップを変えました、御迷惑をかけてすみませんでした
20 :三つあみ眼鏡少女◇jntvk4zYj の代理[sage]:2010/04/04(日) 21:58:03 0
>「猫を知らんか?猫が逃げてしもうた・・・・」
「きゃ―――― っ!出た出た出た――――・・・ってあれ?!」
茂みの影から現れたのは、怪物とは似ても似つかない存在だった。
抜けるように色素の薄い肌と、動くたびに煌く金色の髪。
中性的な美しい顔だちの、綺麗な美少年(で、いいんだよね?半ズボンだし)だった。

「えっと、ここはもしかして、あなた方フェアリー☆さんのテリトリーだったのですか?
 すみません、転送に失敗して森に入り込んでしまいました。
 帰り道を教えていただけたら、今すぐもりから出て行きます。ですから・・・・・」
>「実は猫ちゃんが迷子になってね
> 黒っぽい色をした頭の天辺だけ赤い猫なんだけれど」
「ええっ!猫が迷子に?!それは大変!!」
リリィは仰天し、きょろきょろと周囲を見渡した。
「ナナシって怪物に襲われる前に、早く見つけてあげないと!早く探しましょう!
 ・・・・・えっと、私はリリィです。あなたは?」
>「ナナシ?それはジルベリアンホワイトベアーより強いのですか?」
>どうやら彼は人の話を聞くのが苦手なようである
「分かりません。けどきっと目と耳が二つで、口がひとつなんですよ!ああ、こわい怖い!!
 そういえば私、さっきもゴブリンに襲われたんです。おかげで、大事な箒が真っ二つに」
かみ合っているようでかみ合っていない、金髪コンビの会話は続く。

>10
「出たでたデタ――――!!目と耳が二つで口がひとつの怪物――――!!・・・・・って・・・あれ?」
リリィは突然現れた青年の方に乗っている小動物に目を留めた。
「ねえねえ、その肩に乗っかっている猫ちゃんって・・・・・・?」
リリィはそう言って、猫を肩に乗せた青年と美少年の表情を交互にうかがった。
もしこの猫が迷い猫なら、美少年の懸案は解決した事になる。

>「やっと辿り着けたか。子供がこんな所で何を、と言いたいが
> どうにも、揃ってこの先の学園に用があるらしいな。
> さ、お喋りは学園に着いてからにしようか……一応危険な場所だからな」
リリィの表情がぱあっと明るくなった。
「えっ!じゃあもしかして、あなたは帰り道をご存知なんですねっ?!
やったー!やったやったー!これでこんなおっかない森ともおさらばよー!!」
リリィは嬉しそうに、ラフな格好の青年の手を取ってぶんぶん振り回した。
「ありがとうありがとう!じゃあ行きましょ!今すぐ学園へ行きましょ!
 おいしいご飯とあったかいベッドが私を待ってるわ〜ん!」

>クレイ
それは『ほんの偶然』だったのかもしれない。
リリィは突然身を強張らせたかと思うと、折れた箒を鷲づかみ、物凄い勢いで走り始めた。
とても足場の悪い森の中とは思えないほどのスピードだ!!
「そこの人危ない!!あなたの後ろにナナシの魔の手が―――― っ!!」
「そこの人」ことクレイは、さぞ驚いただろう。
なにを勘違いしたのか、リリィが狙っているのは怪物ではなく彼の大切な相棒だったからだ!
しかもリリィはもんどりうって倒れた後、ころころ転がってそのまま消えてしまった。

・・・・・・勘のいい人間ならば、空間のひずみ(>9)に落っこちてしまったのだと気づくかもしれない。
21 :クレイ◇eA/eUrt9sQ の代理[sage]:2010/04/04(日) 23:26:07 0
クレイの両親はテレパシーを発していたと思われる少女を発見した
その周りには背が高めの青年と、少女...いや、少年か。ともかく3人がいた

{俺の考えすぎか...まったく、俺はいつもマイナス思考に考えてしまうな...}

呆れた様な、しかしどこかホッとした顔でそう思った
いつもそうだ...クレイの両親が死んだ7年前のあの事故以来、物事を考えるときのほとんどがマイナス思考なのだ
まぁ、そのおかげで人や村を救った事も少なく無いが...

{さて、隠れていないでそろそろ出るか...}

しかし、なかなか踏み出せない
それもそうだ。彼はクレイは両親が死んでからほとんど人とは関わっていないのだ。関わる機会があるとすれば、『賢者達』やその使者が来たときと、近辺の村に行くときだけだ
だが『賢者達』が来たのはクレイの両親が死んだあの日だけだし、使者にしても数年に1度、生活費等を持ってくるときか、よっぽどの事がない限り来ない。よって関わっていない、と言っても差し違えは無い
村に行くにしても最低限必要なものを買うときや、嫌な予感がしたときだけ。人にお礼を言われても短く返事をしてすぐその場を去ってしまう。それがカッコイイ、と女性や子供達には人気なのだが...

「どうしました?行かないんですか?」

トレスが急かす
しかし、クレイの様子を見て楽しんでいる様に見える

{こいつ...分かって言ってるな}

だが、いつまでもこうしてはいられない
クレイは意を結して踏み出した...

>20 リリィ

クレイが出た瞬間、少女の気配が変わった

「そこの人危ない!!あなたの後ろにナナシの魔の手が―――― っ!!」?

とか叫びながら折れた箒をもって、トレスに向かって走り出した

「!!?」

無論、彼は驚いた
出た瞬間、意味不明なことを叫びながらトレスに突っ込んで来たからだ

だが、クレイはそのままではいなかった
どんな理由があるにしろ、家族とも言うべきトレスに、危害を加えようとするからだ
両親の最高傑作であるトレスに傷を付ることは、万が一でもあり得ないが、それでもトレスに自分以外の者が触れることは許せなかった

{安心しろ、死なない程度に加減してやる}

彼は構えた。そして彼女が攻撃範囲に入るのを待った
しかし、攻撃範囲に入る瞬間、偶然か構えを見切ったかは知らないが、彼女は倒れた。そしてその勢いでコロコロと転がっていた

「.........」

クレイは構えをとっていたので、彼女を受け止めることもできず、ただ呆然と転がっていく様を見ているしかなかった

{.........よし、見なかったことにしよう}

冷静ではいられなかった彼は、とりあえず、なかったことにした
22 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/05(月) 00:32:35 P
>10>20>「分かりません。けどきっと目と耳が二つで、口がひとつなんですよ!ああ、こわい怖い!!
 そういえば私、さっきもゴブリンに襲われたんです。おかげで、大事な箒が真っ二つに」
と会話になっていない会話を続けていると何処からともかく見知らぬ青年が・・・
>「出たでたデタ――――!!目と耳が二つで口がひとつの怪物――――!!・・・・・って・・・あれ?」
>「ねえねえ、その肩に乗っかっている猫ちゃんって・・・・・・?」

>「やっと辿り着けたか。子供がこんな所で何を、と言いたいが
  どうにも、揃ってこの先の学園に用があるらしいな。
  さ、お喋りは学園に着いてからにしようか……一応危険な場所だからな」
と青年。どうやら彼もまた学園を目指しているらしい

「お兄ちゃんだあれ?・・・・ってグレン!グレン・ダイザーじゃないか!!
 どこ行ってたんだ心配したんだぞ!さあ僕にそのかわゆい猫を抱かせるんだ!!
 ああ・・グレン可愛いよ可愛いよグレン・ダイザーv」
子供らしく振舞うための営業用ショタっ子スマイルを忘れ
あっという間に猫を強奪しはぁはぁしているフリード少年
変な名前をつけられてちょっと迷惑そうな猫
ちなみにこの猫その後、万能式動物用コタツ スペイザーを与えられたり
二本足で立ち双頭の鎌を振るうようになったりとますます名にふさわしい姿になるのだが
このさいそんなことはどうでも良くまあ一言でいうなら猫可愛いよ可愛いよ猫である

>「ありがとうありがとう!じゃあ行きましょ!今すぐ学園へ行きましょ!
  おいしいご飯とあったかいベッドが私を待ってるわ〜ん!」
「そこの人危ない!!あなたの後ろにナナシの魔の手が―――― っ!!」?
と突然走り出しそしてそのまま消えてしまう名も知れぬ少女

「ちょっと!ひとりで走っていったら危ないですよ!!」
と言いながらも猫を手放そうとはしないフリード少年
「仕方ありません!追いかけましょう!……………消えた!?」
突然見えなくなった少女にあっと驚くフリード少年

>21
「一体どこへ?もし!そこのあなた!そうあなたです!
 たぶん私と同じ学園の新入生かと存じますがこっちの方へ走ってきた少女を見ませんでしたか?」
と少女の走っていった方角に居た少年に話しかけるフリード少年
「このままでは推定身長3m以上あり目が二つ耳も二つ口は一つの……普通ですねそれって
 とにかく恐ろしい化けであるナナシに襲われかねません!!」
とそばに浮いている球状物質をガン無視して名前も知らない少年に話しかけるフリード少年
怪物といったらとにかく大きいという固定観念を持ったフリード少年は
そばで浮いている謎の球状物体の事を怪物だとは思わなかったようだ
「…………!?ボールボーイ!ボールボーイじゃないか!?懐かしいな3年ぶりじゃないか!!」
どうやらトレスを別のゴーレムと勘違いしたようである
「相変わらずファイティングボールとか言われて投げられたり
 エクシードパンチとか言って鈍器替わりにされてるのかい?」
だから人(物)違いだってば!!
「は!?そんな場合じゃない!女の子を助けるのは男の義務!早く彼女を探さないと!!」
と少年が足を一歩踏み出すと靴の先が見えなくなった
「こ、これは空間の歪み?まさかこの先に彼女がいるのか?」
とすごいご都合主義を発揮して空間の歪みを見つけるフリード少年であった

23 :ゼルフェルド ◇46fzeSvBIISbの代理[sage]:2010/04/05(月) 21:01:35 0
「…………う………………」


静かなる月夜の草原…その中に見える一本の木の下で、異形は目覚めた。
全身に灯る赤黒い光。地を捉えるその足は人間のそれとは明らかに異なる大きさ。
座った姿勢のままでも、異形がどれほどの巨躯なのかが窺い知れる。
そして、その身は漆黒の鎧。月光さえ反射することもなく、ただ深い黒に飲まれるのみ。

「………いかん………眠って…いたのか、私は……」
あまり遅すぎるのもいかん、と独り言を漏らしつつ、隣に立て掛けてあった二本の太刀を腰に差し、
元より手にしていた十文字槍を杖代わりに、異形…“ゼルフェルド卿”はゆっくりと立ち上がり、風にマントを靡かせた。
しばらく周囲を見渡した後、重々しい足音を響かせ歩いていった卿の行く先には、同じく黒き鎧を纏う、一頭の巨大な馬。
「待たせたようだな…どうだ、少しは休めたか、ゲキシンよ」
大きな背に跨ると、軽く首の辺りを叩き、戦友に問う。
「……………」
答えはもちろん、沈黙。ゲキシンと呼ばれたその馬は、僅かに鬣を揺らした後、蹄を鳴らして歩を進め始める。
しかし、ゼルフェルドにすれば、それだけで返事としては事足りる。
「それは良かった…では、行こうか……」


また何度目かの月を眺め、夜を行く。この異形は何を求め、何処に向かうのか……
“撃神”はひたすらに、歩む。

名前・ゼルフェルド卿
性別・??
年齢・??
髪型・??
瞳色・紅
容姿・日本鎧と西洋鎧を合わせたような特殊な黒い鎧姿。
顔まで全て鎧で覆われている。頭には長い二本の羽飾りが付いている(呂布みたいな)身長は2m。
備考・人間数名の血肉と、満月の夜に鍛えられた鎧に、過去の戦士の魂を定着させたゴーレム。
得意技・槍術 剣術 炎&風系魔法
好きなもの・正々堂々とした真っ向勝負
苦手なもの・回りくどいこと、汚い戦法
うわさ1・生前の記憶は失っているらしい
うわさ2・禍々しい外見に反して、口調は丁寧でわりと穏やかな性格らしい
24 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/05(月) 21:01:59 0
>14
「よぉ、あんたも魔法学園の新入生か?」
ゴーストタウンを歩いていたセラエノに、ちょんまげ頭の少年が話しかけてきた。
「実は俺もなんだよ。だがよぉ、
 学園に行くつもりだったのにいつの間にかこんな場所に飛ばされるなんてよぉ。
 ついてねぇよな、俺もお前もよぉ。…おん?お前なんだよその仮面?
 それで前が見えんのかよ?あ、わかった!そいつはマジックミラーになってんだな。
 へぇ〜、魔法学園にはいろんな文化があるって聞いたがよ〜おもしれ〜な〜。」
自らも魔法学園の新入生だと語るその少年は、セラエノの仮面を見て好き勝手に言った。
「こうやって会ったのも何かの縁だし、一緒に学園まで行かねぇか?
 こんなところに女の子一人だけで行くなんて怖いだろぉ?
 …べ、別に俺が怖いわけじゃあねぇぞ!
 (バシャリ)
 ひぇあああっ!?」
少年の後ろの水溜りで何かがバシャリと音をたてたので、少年はびびって振り向いた。
「なっ!なんだよ!ただの亀じゃねぇか!脅かしやがってよぉ〜!」
どうやら一人で行くのが怖いのはこの少年の方らしい。
25 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/05(月) 21:27:48 0
>24
ゴーストタウン、朽ちかけた礼拝堂。
壁には三人並んで通れるほどの大きな穴が開いており、左手には大通りが、右手には墓地が見える。
屋根は豪快に抜け落ち、爽やかな日差しが降り注いでいた。
荒れ果てた礼拝堂の中ではちょんまげ頭の少年とセラエノがテーブルを挟み向かい合う。

突然現われたちょんまげ頭の少年にセラエノが提案したのだ。
ここであったのも何かの縁。
お互い飛ばされたばかりで落ち着かないから、静かなところで休憩しましょう、と。

そして時は今に至る。
「まずは出会いに感謝して…。」
セラエノが持つ杯を掲げた瞬間、それは現われた。

>20
リリィが空間の歪に飲み込まれサイド現われたのは地上1mの空中。
ちょんまげ頭の少年とセラエノが囲むテーブルの真上だった。

ドッバキョ!

朽ちかけたテーブルにリリィの落ちる衝撃に耐えろと言うのは酷と言うものだろう。
盛大な破壊音と飛び散る破片、立ち上る埃があたりを埋め尽くそうとしていた。
「…陣風。」
セラエノの短い呪文と共に一陣の風が押し寄せ、立ち上ろうとする埃や破片を礼拝堂の外へと吹き飛ばしていく。
一緒に転がって行きそうなリリィは不可視の力によって持ち上げられ、その下を滑るように新たなるテーブルと椅子が駆け抜ける。
風属性の初歩魔法と念動により、即座に混乱は収められ元の配置に戻る。
ただ違うところはテーブルを囲む人間が一人増えた、というだけで。

「はじめまして、私はセラエノ・プレアデス。そちらの男の子は…まだこれから自己紹介だったの。
多分あなたと同じようにフィジル魔法学園に入学するものよ。ただ、あなたほど派手な入島ではなかったけれど、ね」
鏡の仮面の為に表情は窺い知れないが、口元は柔和な笑みを浮かべていた。
自己紹介と共にリリィの前にも杯をおくと、見る間に黄色い液体に満たされていく。
「蜂蜜酒よ。鎮静効果と体力増強の効果があるわ。
それでは、まずは出会いに乾杯しましょう!」
廃屋にたおやかなセラエノの乾杯の音頭が響いた。
26 :レイヴン ◇70VgGM3HY6の代理[sage]:2010/04/05(月) 21:32:29 0
>20
まず最初に思っておく。いきなり出てきてすまんかった。

大した事じゃない、ただ目当ての少女に化け物と勘違いされた事へのなんだから。
「目と耳が二つで口が一つ……普通じゃないか!」
勢いに乗ってついツッコミを入れてしまった。まぁいい。
知り合いにもこんな頓狂な事を言う奴がいたのだから……
ん、おかしいな。今までとあまり変わんないぞ?

「……コホン。コイツか? 何か知らんがすごい勢いで
 何かから逃げてたみたいだが、初対面で懐かれてしまった……
 い、いや、俺もここに来たばっかりで帰り道なんかああああああああああ?????」
この少女、人の話を聞きやがらねぇ。喜びのあまり俺の手を縄跳びの縄みたいにしやがる。


『・・・・・・勘のいい人間ならば、空間のひずみ(>9)に落っこちてしまったのだと気づくかもしれない。』
かと思えば、突然出てきたお客さんの方に突撃した挙句どっか行きやがった。
しかし、人間ってボールのように転がれるんだな。
「あ〜あ〜あ〜あ〜……世話の焼けるおぜうさんだ事で。
 だがどこ行った? いきなり消えたように見えたが……」


>21
とうのお客さんはと言えば、突っ込んだ少女を見て構えてた。
ま、そのまま転がっていっちまったんで肩透かしに終わっちまったわけだが。
「あんたも学園に用があるみたいだな。
 とりあえず一人……じゃないみたいだが、どっちにしろここは安全じゃない。
 行き先が同じなら一緒に行こうじゃないか。旅は道連れ世は情け、袖摺り合うも多少の縁ってな」
固まったまんまの魔法生物を連れた少年に提案を持ちかける。
受ける受けないまでは俺の管轄じゃない、嫌だと言うならそこまでだ。


>22
どうやらこの猫はこの子供の飼い猫?のようだ。えらいはしゃぎ様である。
過剰な愛情表現の受け皿となった猫の方はかなり嫌がってるようだが……気にしない事にした。
「お前の飼い猫か、ならきちんと首輪を着けておくんだな……。
 首輪のない猫は誰彼構わず噛み付く。そう、同族も例外じゃない」
文字通り肩の荷が下りて清々しつつも、嫌そうな顔のまま注意する。
……『山猫』には煮え湯を飲まされてばかりの鴉としては、猫が好きな人間の気が知れない。


『「仕方ありません!追いかけましょう!……………消えた!?」』
『「こ、これは空間の歪み?まさかこの先に彼女がいるのか?」』
「……状況を鑑みるに、十中八九この先だろうな。
 少年、俺が先に行く……この先に何があるか分からんからな。
 年長者は若輩者の盾になるのが筋だ。が、背中は任せるぞ……
 お前を『男』と見込んでな。女だったらすまん」
そう言い残して、鴉は空間の歪みに踏み込んでいった。
その体運びは、見る者が見ればそうと分かるほど素人のものではなかった。
27 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk の代理[sage]:2010/04/05(月) 23:39:54 0
仲の良い二人の、男子の方の祖父が二人に渡した入学届け。
それは魔法学園へのものだった。
魔法は親から学んでいたが、学園には色々な素質を持った沢山の生徒が集まるということに興味をそそられた。
更に、二人が学んでいるのは親の専門ではなかったりする。

ならば行こう。
そう決めた、兄妹のような青少年と少女。
手紙を受け取ったその一週間後、二人は転移ゲートを潜っていった――。


「――って、んな事どうでもいーだろ?」
「こういうのが結構大事なんだってサ」
そんでもって狼の耳を生やした茶髪男子と、彼におぶられている栗色セミロング女子が居た。
二つの大きなトランクは男子の両手に提げられており、疲労は彼にだけ掛かっている形となる。
誰もが大変そうだと言いそうではあるが、当の本人は平然とした様子。
多少疲れた顔でも割と不思議ではあるのだが、そんなことは置いておき。

「それより、もう1時間は彷徨ってるよ。道わかってるの?」
女子が男子の余分な二つの耳を弄繰り回しながら聞いてみる。
彼らは今、生い茂って鬱蒼とした森林の中にいる。
何故か。恐らく関係者ならこう答えるだろう、『運が悪かったな!』と。
「耳引っ張んなー、ってかお前が知ってるんだろ?」
疲れの見せずに歩きながら質問に質問で答える男子。しかし。
「へ?いいや、知らないよ?」
「……」
「……」

>25
暫くの沈黙。後に冷や汗が二人の額を伝い始める。
誰だって不味いと思うこの瞬間。
しかし男子の方は生まれつきのオプティミズム(楽天主義)の思考で不安の無視を図る。
「いや大丈夫さ脱出できないほどの森じゃないさなんせ学園の森なんだから、うん。
 ところで今、その辺でなんかバキャだかドゴォだかっていう音がしたぜ?」
男子は人間離れした聴力を持ってして聞こえた出来事を報告する。
「え、あーその辺?それってアレじゃないの?」
そう言って、少女のライトグリーンの瞳は右前方を見つめる。
見えるのは、崩れかけた一つの廃屋。
28 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk の代理[sage]:2010/04/05(月) 23:40:09 0
「いんや、もっと向こう。話し声っぽいのも聞こえるような聞こえないような。
 お化けじゃあるまいし、かと言ってんなところに生徒?……ネリー、見てこようぜ?」
「グラディ、首を突っ込むのもほどほどにね。
 まぁいいや、誰かいるならそれも良し。道もわかんないし行こっか!」
「そーこなくっちゃあな!」
グラディと呼ばれた男子は、ガリオン金貨のような金目を光らせて再び歩き出し……。


「ノックしてないけどもしも〜し、さっきの音は君らの仕業だったり?」
「お茶会ですか?屋内なのに屋外っていうのもいいけど、危なくないですかー?」
仮面とちょんまげとあと色々の不思議な不思議な会合に出くわした。
壁の向こうからひょっこり出てきた。おぶっている男子とおぶられている女子の二人組。
その二対の目は好奇心で光っている。
こんな調子で無事に学園まで辿り付けるのか。
そしていつの間にか白目が黒くなっている男子とずっとおぶわれている女子の、二人の正体とは。


名前・グラディス・ウルフォード Gladys Wolford
性別・男(♂)
年齢・16
髪型・茶の短髪
瞳色・ぎらつく金目(時折白目が黒くなる)
容姿・頭にピンと立った狼の耳、狼っぽい顔つき、そこそこ長身の前開け学ラン野郎
備考・楽天的でトラブルに突っ込む癖有り。ネリーと幼馴染。あと祖父が人狼で親父が人狼ハーフ
得意技・火と氷の魔法、獣人変化
好きなもの・お肉とかお魚とか。
苦手なもの・銀だけは駄目だからな!体が焼けるからな!
      だからその手のモノこっちに近づけんなってぇぇぇッネリィィィイイイ!
うわさ1・耳は本物らしい。尻尾は特別なときには生えるとか。
うわさ2・妹のように可愛がる女の子が居るんだとか。
      しかし技量的には彼女の方が上であるという。

名前・ネリー・コルファー Nellie Colfer
性別・女
年齢・14
髪型・栗色セミロングのストレート
瞳色・ライトグリーン
容姿・平均的な身長で平均以上のスタイル、そんなセーラー服の少女。
備考・明るい。ミーハー。猫っぽい。グラディスの幼馴染。親は商売人(詳しいことは知らないらしい)
得意技・召喚系魔法、儀式系魔法
好きなもの・もふもふもこもこしたもの大好きー!
苦手なもの・蛇!蛇きーらーいー!にょろにょろがいーやーっ!
うわさ1・俗に言うミーハーらしい。今は巷で有名な「ギルデンロール・ロックバード」に御執心とか。
うわさ2・兄のように慕う男の子が居るんだとか。
      が、恋愛感情にはかけ離れた感情であるという。
29 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/06(火) 01:04:55 P
>25-26
>「……状況を鑑みるに、十中八九この先だろうな。
 少年、俺が先に行く……この先に何があるか分からんからな。
 年長者は若輩者の盾になるのが筋だ。が、背中は任せるぞ……
 お前を『男』と見込んでな。女だったらすまん」

「まあたしかに僕は女の子に見間違えられてもいいような美少年ですが間違いなく男ですよ
 良かったら後で女の子みたいな男の子と本物の女の子の見分け方を教えましょうか?
 僕が10歳の時に知り合いのお兄さんに教えてもらったんですけど」
と突っ込みどころ満載の返答をするフリード
そもそも女の子みたいな顔の男なんて………やっぱりいっぱい居るんだろうなファンタジーだし

「では僕たちも行きますか・・・おいでグレン」
・・・・・だが反応がない
チラッと猫えさを取り出すフリード少年
「にゃにゃにゃ〜んv」
餌を取り出すと茂みから現れる猫
ガシ!と猫を捕まえるフリード少年
「・・・・さあ行きましょう」
本当にわかりやすい猫である

空間の歪を抜けるとそこには地面が無かった
「おや?」
「にゃ?」
「まあこれぐらいの落下……ジルベリアンホワイトベアーにアッパーカットを食らったときに比べればどうってことはありませんが
 すいませんがついでなので受け止めてもらえませんでしょうか?」
先ほどまでテーブルがあった場所から1m上に出現するフリード少年
当然ながら重力に引かれ落下する
幸いのことながらすでに空間の歪みに入ったレイブンが居る
受け止めてもらえばケガをせずに済むであろう

「姉さん何でここに?・・・・いやこれは鏡に映った僕の顔か
 ねえねえお姉ちゃんなんで鏡なんか被ってるの?」
営業用ショタっ子スマイルで素朴な質問をするフリード少年

「にゃにゃにゃにゃ〜にゃにゃ」
(約:っていうかここに人間多くね?)
>27
「わんわん?」
狼男に言ってはいけないこと上位3位のキーワードをいきなりかますフリード少年
「なんだか状況が良くわかりませんが屋内で安全そうなので自己紹介だけはしておきましょう
 僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
 またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
と突っ込みどころ満載の自己紹介をするフリード少年
「ちなみに会員No1はここの学園長だと風の噂で聞いてます」
30 :羅門 ◆L4nNqWs2T6 [sage]:2010/04/06(火) 02:24:43 0
名前・羅門
性別・男
年齢・年齢不詳
髪型・金の短髪
瞳色・黒
容姿・身長2m超、ガチムチ
備考・力が全てという考え方
得意技・己の拳のみ(気を込め、相手の体を破壊する)、東洋の神秘を使う
好きなもの・征服
苦手なもの・敗北
うわさ1・酷い音痴
うわさ2・愛馬がおり、化物のような体躯を持つという
うわさ3・今までに千人の魔法使いを倒してきた
31 :ベッドフォード ◇k4Jcxtcj の代理[sage]:2010/04/06(火) 20:55:52 0
蝋燭が燃え盛る数多の燭台に照らされた薄暗い広間で
壁一面にまで及ぶ燃え盛る炎を背景に神々の軍団と邪神達との闘いが描かれた巨大な絵画を眺めている1人の老人がいた

「今度こそ失敗は許されぬ…
だが、我々の障害はもはや存在しないのだ」
上等な衣服を纏った老人は絵画を見つめながらしわがれた声で呟く
「総裁、折り入って御報告したい事が」
しわがれた声とは対象的な若い声が広間に響くと同時に蝋燭の影から現れた黒服の男は老人に仰々しく一礼した
だが老人は黒服の方に目を向ける事なく絵画へと視線を注ぐ
「ゼルフェルド卿が目覚められました」
黒服の報告にも態度を崩す事は無く、淡々と言葉を発する
「ほう…あの漆黒の鎧が遂に目を覚ましたか
目覚めに間違いないのだな?」
「はい…学園のあるフィジル諸島かと…
それと学園からもじき入学の儀があるとの連絡も」

「なら、舞台の幕が開くのはあの島になるだろう…
我々も学園へと向かわねばなるまい
長旅だ…彼女にも支度をさせなさい」
老人の指示に黒服は一礼すると また影の中へと姿を消した

「血塗られし漆黒の鎧…そして計画の雛形達…
彼らの覚醒と成長には漆黒の鎧に朝を告げる雄鶏となってもらわねばならん
分かっているな?お前は漆黒の鎧に朝が来た事を知らせて来るのだ…」

「お任せを!すぐに島へ向かいます」
朝を知らせる使者は姿は見せないが甲高い声で了承すると広間から気配を消した

「全ては私の思い通りに動けば良い…
計画の序章は始まったのだ…」
32 :リリィ◇jntvk4zYj の代理[sage]:2010/04/06(火) 20:56:36 0
「きゃ――――!!」

>ドッバキョ!

突如空中に投げ出されたリリィは焦った。
だが、いくら特技が空を飛ぶことでも、折れた箒を握っていても空を飛べるわけも無く、
空間のひずみから飛び出したリリィを待ち受けていたのは、朽ちかけたテーブルだった。
「わ――――っ?!落ちr」

>ドッバキョ!

派手な音と共に舞い上がる埃と飛び散る木片。
「きゅ〜・・・・・」
頭にたんこぶを作り、リリィは床の上で伸びていた。
>落下した彼女の重みと衝撃に耐え切れなかったテーブルは当然木っ端微塵だ。
ちょんまげ少年がグラスを手に持っていなければ、リリィはハニーもとい、更に悲惨な事になるだろう。

>「はじめまして、私はセラエノ・プレアデス。そちらの男の子は…まだこれから自己紹介だったの。
>多分あなたと同じようにフィジル魔法学園に入学するものよ。ただ、あなたほど派手な入島ではなかったけれど、ね」
はっと我に返ったリリィは、たっぷり5秒はセラエノの顔を見た。
セラエノの顔についた鏡に向かって手を振り――――鏡に映った自分を見て、一気に我に返る。

「はぅあ――――っ!!」
椅子を蹴立てて立ち上がったリリィは、机の上にちょこんと乗っかっている謎の物体を引ったくるなり、外に飛び出していった。
そして待つこと10秒。
妙に落ち着きの無い顔をしたリリィが、愛想笑いを浮かべながら戻ってきた。
「あはは、ごっめーん。ちょっと頭打って、私、混乱してたみたい!」
顔を赤くしつつ、ひっくり返った椅子を元に戻し、今度はちゃんと着席する。
「自己紹介が遅れたけど、私の名はリリィ。セラエノ、そちらの彼もどうかよろしくねっ!」
かなりアレな目覚め方をしたため、セラエノの仮面にまで突っ込みを入れる余裕が無いようだ。
>「蜂蜜酒よ。鎮静効果と体力増強の効果があるわ。
>それでは、まずは出会いに乾杯しましょう!」
「かんぱーい!!」
飲み物の説明を聞き流したリリィは、能天気に杯を掲げた。

「あ、言い忘れたけど、私、別にたった今入島したわけじゃないのよ。
 転移ゲート使ったまでは良かったんだけど、運悪く森の中に飛ばされちゃったのよね」
ふーっとりリィはため息をつくと、くいと蜂蜜酒を傾け・・・何ともいえない悲壮な顔をした。
口を押さえて外に飛び出し、待つこと10秒。
「この蜂蜜酒、けっこうきついのね。うちの田舎のとは大違いで、びっくりしたお〜」
先程と同じように赤い顔をして戻ってきた彼女だったが、前回とは少し様子が違うようだ。
33 :リリィ◇jntvk4zYj の代理[sage]:2010/04/06(火) 20:57:09 0
リリィは、ここに来るまでの経緯を2人に話して聞かせた。
「れもね、ずっと1人だったわけらなくて、森の中で綺麗な男の子と、猫に好かれてた男の人と一緒らったのよ。
 れね、偶然魔物に狙われてる男の人を見つけて・・・・・私、助けようとしたのよ!
 そしたらなれか、ここに飛あされちゃったのよね。
 何れかしら?やっぱり、あのボールみたいな形したナナシの仕業なのかしら?」
『狙われた男の人』ことクレイが聞いたら、さぞ気を悪くするに違いない。
だが、幸か不幸か今彼はここにはいなかった。

「ところれ2人とも、学園への行き方って分かる?私、道に迷っちゃってもう」

くたくたなのよ〜と言おうとしたリリィの言葉に、誰かがテーブルに着地する音が被る。
(余談だが、もしもレイブンが着地したテーブルが無事なら、リリィは立ち直れないかもしれない)
「・・・・・・あ、猫になつかれてた男の人らー!今のどうやったの〜?やっぱり魔法らの〜すごいすごい?」
きゃはは!とリリィは手を叩いて喜んだ。
次に現れたのは、猫を抱えたフリード少年だった。
「おやかた〜!空から男の子らー!」
変にとろんとした目のリリィがフリード少年を指差した。
はたしてレイブンは、猫とフリード少年を受け止めてあげるのだろうか?

>「ノックしてないけどもしも〜し、さっきの音は君らの仕業だったり?」
>「お茶会ですか?屋内なのに屋外っていうのもいいけど、危なくないですかー?」
フリード少年がセラエノに華麗なボケをかましているのを聞くともなしに聞いていると、
壁にあいた穴からおずおずと2人の男女が入ってきた。
「いぃえぇ、わらしは今度、魔法学園に入学する事になった新入生のリリィれす。14歳れす。
 そういうお2人も、もしかして新入生れすか?よろしくれす。・・・にしても・・・・・・・」
リリィは狼耳の青年と、背中の少女を見て、はぁ〜っと大きなため息をついた。
「いいないいな〜。ラブラブれ〜!私なんて・・・・・私なんて・・・・・・」
ぐるぐるメガネの下で、うるっとリリィの目が潤んだ。
「わーん、大事なトランク森の中に忘れてきちゃったお――――!!
 誰かー!私のトランク取ってきてお――――!!ねえねえねえ!!」
リリィは酔っ払い特有の強引さで、周囲の人間に絡んだ後、わっと泣き伏した。
「うわ――――ん、私の荷物――――!!」
・・・・・・今更言うまでも無いが、蜂蜜酒ひとくちで完全に酔っ払ってしまったようだ。

大トラと化し泣き続けるリリィは、まだ気づいていない。
先程まで昼下がりだったはずなのに、なぜか今は日が翳り、あたりが暗くなり始めていることを。

そして、何者かがこちらに接近している事も。
34 :クレイ◇eA/eUrt9sQ の代理[sage]:2010/04/06(火) 20:57:36 0
「クレイ様、それは酷いですよ...」
クレイの『見なかったことにしよう』発言の後、トレスがそう突っ込んだ。が、その突っ込みは10秒くらいたった後だった
さすがトレスも、あれは衝撃的であっただろう。
第3者から見れば『笑劇的』であっただろうが...
「こんな事、憶えといても意味は無いだろ」
「ありますよ。後で思い出して笑いましょう」
「笑えるか!!あと、お前の方が酷い奴だよ!!!」
「でも、そうしないと彼女の死が報われませんよ」
「死んだと決め付けるなーーー!!!!!後味悪いだろが!!!」

>22フリード>26レイヴン
クレイとトレスがそんな会話をしていると、向うから少女そっくりの少年と、あとを追うようにあの背の高めの青年が走って来た
>「一体どこへ?もし!そこのあなた!そうあなたです!
たぶん私と同じ学園の新入生かと存じますがこちらの方へ走ってきた少女を見かけませんでしたか?」
少年が話しかけてきた
少女?さっきの彼女の事か?だがさっきの事はなかった事にしているんだ、とクレイは頭で整理して、『いや、知らないな』と言おうとした
「いや、知らn」
>「このままでは推定3m以上あり目が二つ耳も二つ口は一つの......普通ですねそれって
とにかく恐ろしい化物であるナナシに襲われかねません!!」
少年は、クレイの返事を聞かずに話を進める
ナナシって何だ?聞いてないぞ。いや、それより俺の話を聞けよ
「落ち着け。俺のはなs」
>「............!?ボールボーイ!ボールボーイじゃないか!?懐かしいな3年振りじゃないか!!」
急にトレスの方を見ると、変な事を言い出した
ぼぉるぼぉい?何それ?あと、俺の話を聞け。殴るぞ
ついでに、青年も話しかけてきたようだが、耳に入らなかった
「いえ、私の名前はトr」
>「相変わらずファイティングボールとか言われて投げられたり
エクシードパンチとか言って鈍器替わりにされてるのかい?」
トレスの話すら無視して勝手に話を進めるする少年
お前は俺たちと、コミュニケーションをとる気があるのか?つうか、マジで殴るぞ
「いや、だからわたs」
>「は!?そんな場合じゃない!女の子を助けるのは男の義務!早く彼女を探さないと!!」
またトレスの話を無視した。
完璧に少年のペースだ。と言うか、ペースとか関係無い
さすがのクレイも、少年のカオスなペースには頭がきた
よし、殴ろう。
そう決めたクレイは拳を構えたが...

「?!」
なんと、少年が踏み出した足の、靴から先が消えたのだ

{これは...空間の歪みか}
ここだけに空間のズレがあるから、そうだろう
>「こ、これは空間の歪み?まさかこの先に彼女がいるのか?」
こちらを無視して騒ぐ少年。だがその考えは間違いでは無いだろう
なんせ、少女は転がっていったあと、彼女の姿や気配がまったく無いからだ

>「状況を鑑みるからに、十中八九この先だろうな。
少年、俺がこの先に行く......この先に何があるかわからんからな。
年長者は若輩者の盾になるのが筋だ。が、背中は任せるぞ......
お前を『男』と見込んでな。
女だったらすまん」
青年は少年にそう言うと、歪みの先に、慣れたような足並みで進んでいった
35 :クレイ◇eA/eUrt9sQ の代理[sage]:2010/04/06(火) 20:58:06 0
>29

「おい、少年」
とりあえずクレイは、そこに残った少年と話かけた
「俺の名前はクレイ、そしてこいつは俺の相棒のトレスだ。ぼぉるぼぉい、じゃない。
覚えておけ」
クレイは言葉を続ける
しかし、少年はすでに猫を連れて歪みに入って行った
「.........」
少し泣けた。両親が死んだとき以来、泣いたことはなかったのに
「......クレイ様、わたしたちも行きましょう」
「.........ああ」
とりあえず歪みに入ることにした


はいるとそこには、足場が無かった
だが床と対して距離がないので、態勢を崩すことなく降りることができる
着地地点の近くにあの少年がいたので、降りる前に蹴ってやろうかと思ったが...やめた
意味がないし、周りには人(と人外)がいる

「何でこんなところに集まっているのかは知らないが...
とりあえず自己紹介はしておこう。
俺の名前はクレイ、そしてこいつは俺の相棒のトレスだ。けしてぼぉるぼぉい、じゃない。
覚えておけ、特にフリードっという奴」
一応、釘を刺しておく
ちなみに、フリードの格好いい(?)二つ名を聞いたとき
{ああ、こいつは14歳だな...}
と思ったのはここだけの話
36 :エンカ ◇jWBUJ7IJ6Y の代理[sage]:2010/04/06(火) 20:58:50 0
>25
> ここであったのも何かの縁。
> お互い飛ばされたばかりで落ち着かないから、静かなところで休憩しましょう、と。
ちょんまげの少年、エンカ・ウォンは、目の前に置かれた蜂蜜酒入りの杯を前にしてこう考えていた。
「(休憩しようっていう提案はもっともだよな〜。俺もいろいろ歩きまわって疲れてたしよ〜。
 でもよ〜、ここって凄く不気味だぜ〜。何か出てきそうでよ〜。)」
エンカは顔に不安の色が出たりしていないか、セラエノの仮面で自分の顔をちらちらとチェックした。
「(こんな女の子が平気そうにしてるのに、俺だけびびってちゃかっこわりぃ〜よなぁ。)」
> 「まずは出会いに感謝して…。」
「お、おぅ…」
> セラエノが持つ杯を掲げた瞬間、それは現われた。

> ドッバキョ!

女の子がテーブルに落ちてきた。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!?」
エンカが悲鳴をあげている間に、セラエノの魔法ですっかりテーブルの周りが整理された。
「い…今のは気合の雄たけびだぜ!これから元気よく学園入りするためのよぉっ!」
エンカはふと冷たいと感じて視線を下に下げた。ズボンがびっちょりと濡れていた。
エンカは慌ててポケットからハンカチを取り出し、それを拭いた。
「びびって小便漏らしたわけじゃねええんだよぉお!蜂蜜酒をこぼしちまったんだよぉおおおっ!!
 (だっせーぜ!さっきから俺間抜けすぎるじゃねぇかよぉ!)」
セラエノの気配りでエンカが持つ杯には再び蜂蜜酒が入っている。エンカは余計みじめな気分になった。

>「あはは、ごっめーん。ちょっと頭打って、私、混乱してたみたい!」
「あれ?お前さっきテーブルに落ちた奴だよなぁ?なんで外から入って来るんだ?」
エンカはズボンを拭くのに忙しかったため、同じく忙しかったリリィを見ていなかった。
そして、エンカはリリィのバストに目を奪われた。
「(こいつはボッティチェリもビックリのワンダフルボディだぜ。俺より歳下そうな顔してるくせによぉ。)」
>「自己紹介が遅れたけど、私の名はリリィ。セラエノ、そちらの彼もどうかよろしくねっ!」
「俺はエンカ・ウォンっつーんだ。よろしくな。」
エンカはセラエノやリリィと一緒に蜂蜜酒を飲んだ。
「(何か俺の右手がべたべたするなぁ。さっき蜂蜜酒をこぼしたズボンを拭いたからだろーなぁ。)」
エンカはテーブルに右手を擦りつけた。

>リリィは、ここに来るまでの経緯を2人に話して聞かせた。
>「ところれ2人とも、学園への行き方って分かる?私、道に迷っちゃってもう」
「ああ、それなら問題ねぇよ。ほら、見てみろよ。あそこに学園が見え…」
エンカがそう言って指さした先には何も見えなかった。
「あれ?さっきまで見えてたんだが…どうなってんだ?今はまだ昼下がりのはずだろ!?
 おかしーだろーがよーっ!!なんでこんなに暗くなってんだよーっ!!」
リリィとは違う意味でエンカもうるさくなっていた。
>「うわ――――ん、私の荷物――――!!」
「かやましいぜ!このままどんどん暗くなったらよーっ!俺達学園に着けるかどうかわかんねーよーっ!!」
エンカはそう叫んでぜーぜーと肩で息をすると、少し冷静さを取り戻そうとした。
「…OK、ちょいとばかし冷静さを失うところだったぜ。焦ってもどうしようもねぇもんなぁ。
 いつの間にやら新入生が集まってきたみてぇだなぁ。
 この中によぉ、無事に学園まで辿りつける方法を知ってる奴がいたら教えてほしいんだがなぉ。」
37 :エンカ ◇jWBUJ7IJ6Y の代理[sage]:2010/04/06(火) 21:52:52 0
「よろしく、リリィ。よろしく、エンカ…それにしても、拙かったようね。」
リリィとエンカと挨拶を交わしながらセラエノの口元は少々引きつっていた。
その原因は勿論一口で大虎と化したリリィの変貌に、である。

呂律の回らないリリィのこれまでの経緯を聞きながら、テーブルは静かに滑り場を空ける。
先ほどは突然で対処できなかったが、二度目となれば頭上の空間の歪みの増大に気付くというものだ。
テーブルが念動によって動いた後、次々に降って来る男性陣。
>ねえねえお姉ちゃんなんで鏡なんか被ってるの?」
営業用ショタっ子スマイルで素朴な質問をするフリードににっこりと微笑みながら応える。
「それはね、私が神だからよ。」
落ち着いて応えたように見えるが、その鏡の仮面の下は真っ赤に染まっていた。
(ちょ、顔!近!かわいい!半ズボンの美少年…!飼いたい!)
鼻腔内にじんわりと血が滲み出ているのを気合で止めるセラエノ。
神たるもの、ここで取り乱すわけにはいかないのだから。

密かに平静を取り戻した時には、壁の穴から覗くネリーをおんぶしたグラディスにリリィが絡んでいた。
それにかぶさるようにフリードリッヒが自己紹介。
そのフリードリッヒに食って掛かるようにクレイが自己紹介する。

「ふふふ、にぎやかね。これから同級生になると思うと楽しみだわ。ね?
あなたは結構落ち着いているほうなのねえ」
朽ちかけた礼拝堂は唐突にわいのわいのと賑やかになっていく。
冷静さを取り戻し、学園まで辿り着ける方法を知っているかと聞くエンカに笑みを向けた。
「学園に辿り着くのが試験、といわれたけど、方法なんてないのではないかしら?
辿り着くべき人間は何もしなくても辿り着くでしょうし、辿り着くべきでない人間は何をやっても辿り着けない。
そんな気がするわ」
エンカに応えるとおもむろに立ち上がると、壁に開いた大穴を潜り、グラディスとネリーの横を通り過ぎる。
表通りに立つとじっと彼方を見つめる。
「……なにか、猛々しい者が来るわ。私たちと同様の新入生には思えないけど…」
暗くなった空に彼方から微かに、しかし確実に馬蹄の音が響いてきていた。
38 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/06(火) 21:53:38 0
名前欄間違えました
>37はセラエノです
39 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/06(火) 23:19:55 0
>24-25>27-29>32-37
それにしてもこの少年、一体どんな思考の持ち主なのやら。
まともな事を言ったかと思えばすぐに頓狂に走る。
少女っぽい少年と本物の少女の見分け方? 流石に活用のしようがない。
「いや、遠慮しておく……俺はロリコンでもペドフィリアでもないからな」
サクッとお断りして一歩を踏み出したら……


ありのまま、起こった事を話そう。
空間の歪みに踏み込んだら、地面がなかった。
何を言ってるのか分かるだろう?分かってくれ。


まぁそこはそれ、身に染み付いた習性と言いますか。
バランスを整えてテーブルを壊さないように着地しようとしたらテーブルが逃げた。
あの根性なしめ、後で酷い目にあわせちゃるぞ……!と思いながら無事着地。
続いて降って来た少年を片手でキャッチしてやる。落下の勢いが付いた人間を
受け止めても関節やらが痛まないぜ……素直に喜べんぜ、クソ。
「で、今度はどこに飛んだのやら」


少年を降ろし周囲を確認した俺の目に最初に飛び込んできたのは、
少女を担いだ上荷物まで持ってる狼男だった。人狼はあまり見た事ないが、
猫よりははるかにマシだね。

次に確認できたのは……この短時間で何があったのか、泥酔してるさっきの少女と
独特の髪形をした少年、そして、目抜きもない鏡で出来た仮面を着けた別の少女だった。
……訂正、最後の一人を少女と言ったが、頭に『見た目』を追加しといてくれ。
それほどに異様な気配を、俺は確かに仮面の少女に感じたのだ……

「確かに、さっきの場所よりは安全だろうよ。
 ……少なくとも、今の所はな」
どうやら俺の他にこの違和感を感じてる奴はいないらしい。
なら知らぬ存ぜぬを決め込むとしよう。無駄な波風は立てたくない。

「特に理由がないって事は、運命を司る女神様とやらの悪戯か何かだろうよ。
 ともあれ自己紹介の流れは悪くない。誰が誰だか、一時に増えすぎて分からなくなってしまったしな。
 俺はレイヴン、この面子だと前衛かね。まぁよろしく頼む」


「生憎ここにいる連中は揃って外から来たばっかり。期待にはそえんねぇ。
 慌てたって仕方ない、闇雲に動くのは危険……すまん、訂正する。
 ここでじっとしてるのも十分危険だ」
どこからか、分かるわけがない。だのに、勘とか本能とかは正直だ。
正確に、近づきつつある脅威を恐れ警戒するんだから。
「……向こうの方角か?」
強烈なプレッシャーを受けながら、仮面少女の隣に立ち同じ方向を見る。
40 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/07(水) 00:25:16 P
>33>36>37>39
>「何でこんなところに集まっているのかは知らないが...
 とりあえず自己紹介はしておこう。
 俺の名前はクレイ、そしてこいつは俺の相棒のトレスだ。けしてぼぉるぼぉい、じゃない。
 覚えておけ、特にフリードっという奴」

「クレイとトレス、二人あわせてクレイトスですね。分かりました
 それにしてもよく似ている……サイズといい丸っこさといい……ですがよく見たら違うようです
 丸くて空を飛ぶゴーレムなんて彼以外いないと思ったんですけどねぇ
 あれ?そもそも無機物に性別とかあるんでしょうか?」
と素朴な疑問を浮かべるフリード少年

>「うわ――――ん、私の荷物――――!!」
「こんな事もあろうかととか言って誰か拾ってませんか?」
と誰か荷物を拾っていないかと訪ねるフリード
そんなご都合主義があるわけが………いやもしかして
「にゃ」
僕は持ってないよとばかりに首を振る猫

「……なんでしょうか?鉄の‥‥血の臭いがします
 誰か怪我をしているのでは無いのですか?」
いいえ只の鼻血です

「神様…………か
 やっぱりチェーンソーに弱いんでしょうか?」
とひとり呟くフリード少年14歳
それは作品が違います

>「かやましいぜ!このままどんどん暗くなったらよーっ!俺達学園に着けるかどうかわかんねーよーっ!!」
>「…OK、ちょいとばかし冷静さを失うところだったぜ。焦ってもどうしようもねぇもんなぁ。
 いつの間にやら新入生が集まってきたみてぇだなぁ。
 この中によぉ、無事に学園まで辿りつける方法を知ってる奴がいたら教えてほしいんだがなぉ。」

>「学園に辿り着くのが試験、といわれたけど、方法なんてないのではないかしら?
 辿り着くべき人間は何もしなくても辿り着くでしょうし、辿り着くべきでない人間は何をやっても辿り着けない。
 そんな気がするわ」

>「……なにか、猛々しい者が来るわ。私たちと同様の新入生には思えないけど…」
>「……向こうの方角か?」
「なんだか良くわかりませんがいわゆる一つの敵襲というやつですね
 とりあえず僕が無謀にも飛び出して一瞬でやられますのでその間に逃げてください」
やられるの前提かよと突っ込みどころ満載の作戦を立てるフリード少年
そもそも一瞬でやられたら時間稼ぎにならないだろう
「薔薇持った美形とマッチョの巨漢はかませ犬が役目だと知り合いのお兄さんが言ってましたから
 僕はやられてしまうでしょう……そもそも僕みたいな小さくて可愛いのが強いと思いますか?
 せいぜいジルベリアンホワイトベアーとタイマンして勝てる程度の戦闘力しかありませんよ」
周りの人間が化物しかいない環境で育った子供はそれが普通だと思い込む 
人はそれを”逆井の中の蛙現象”という
他国家の人間は言う……ジルベリアの一般人は逸般人であると
他国家の人間は言う……ジルベリアの常識は世界の非常識であると

「さて襲撃者は熊より強いのでしょうか?熊より強かったら逃げましょう………
 とりあえず準備だけはしておきましょうフリィィィィジングサァァァベル!イチゴ味!!」
腰に携えた鞘からピンク色をしたビームサーベ………もとい氷の刃を抜くフリード少年
折れた?ならば新しい刃を生み出せばいいじゃないかがコンセプトのフリード少年の武器である
「さて………あなたがナナシと呼ばれる怪物ですか?それとも………」
41 :ラモン:2010/04/07(水) 08:43:42 O
来いよオラァァァァァァ!
42 :名無しになりきれ:2010/04/07(水) 17:31:24 0
そにっく
43 :クレイ◇eA/eUrt9sQ の代理[sage]:2010/04/07(水) 21:59:47 0
>40
クレイが最初に気にかかったのは、鏡仮面を被った女性だった
{こいつ、自分のことを神だとか言ってたな...}
普通だったら正気だとは思えない。
だが、彼女から感じられる気配が、神である事を肯定しているように感じる
「トレス。あの仮面の女をちょっと調べてくれ」
「少々お待ちを.........あやや!?すみません。
あの仮面、どうやら特殊な作りのようです。彼女の正体が全くわかりません。」
「!?.........そうか」
まさかトレスにすら分らないとは...
どうやら神というのは嘘では無さそうだ
「...ですが、分かることが一つだけあります」
「何だ?」
「彼女は、ショタコンです」
「...はぁ!?」
言ってる意味が分らなかった

「そんな事より、クレイ様...」
「...ああ、わかっている」
さっきから遠くの方から、大きい気配を感じる。それも恐ろしいほどに
「何かは知らんが、かなりの者だな...これは怪我するかな」
はぁ〜、と溜め息をする
人前で怪我をするのはあんまり望ましく無い
理由は普通に痛いのもあるが...後でわかるだろう
腰に付けていポーチを外す。こんな物、戦うのに邪魔なだけだ
「トレス」
「わかりました」
そう答えるとトレスは自分の後ろを開けて、そこに自分が入ってしまいそうな大きさのポーチを入れた
そこには他にも色々入るらしい
某ネコ型ロボットのポケット並の収納性だ
どういう作りになっているのだろうか
そういえばここにくる前に、自分の何倍のあるトランクを拾っていた気がする

>「クレイとトレス、二人あわせてクレイトスですね。分かりました
 それにしてもよく似ている……サイズといい丸っこさといい……ですがよく見たら違うようです
 丸くて空を飛ぶゴーレムなんて彼以外いないと思ったんですけどねぇ
 あれ?そもそも無機物に性別とかあるんでしょうか?」
{突っ込んだら負けだ突っ込んだら負けだ突っ込んだら負けだ突っ込んだら(ry}
必死に堪えるクレイ
なんだよ、クレイトスって。クソッ、漫才師じゃないんだぞ

>「……なにか、猛々しい者が来るわ。私たちと同様の新入生には思えないけど…」
>「……向こうの方角か?」
どうやらあのデカい気配の持ち主が近づいて来たようだ
やれやれ...腹を括るか
>「なんだか良くわかりませんがいわゆる一つの敵襲というやつですね
 とりあえず僕が無謀にも飛び出して一瞬でやられますのでその間に逃げてください」
何でやられるのが、前提なんだ
しかも、あんなのが相手だったらやられたじゃ済まない
>「さて襲撃者は熊より強いのでしょうか?熊より強かったら逃げましょう………
 とりあえず準備だけはしておきましょうフリィィィィジングサァァァベル!イチゴ味!!」
何故ピンク。あとイチゴ味、て食えるのか!?
ああ、駄目だ。突っ込んではいけない。突っ込むのはトレスで十分だ
「...そんな事より、これからの方が重要だな。
さぁ!油断するなよ、お前ら。じゃないと死ぬぞ」
気を引き締めるクレイ
彼の赤い眼が、鋭く輝いた
44 :ゼルフェルド ◇46fzeSvBIISbの代理[sage]:2010/04/07(水) 22:01:04 0
愛馬、撃神は進む。闇を率いて。

纏った鎧を軋ませ、地響きが聞こえるほどに地を踏鳴らす。
ゆらゆらと揺れる尾が右へ左へ振れる度、それを追うかの様に、撃神の歩いた後から陽の光は引き下がり、
先が見えぬ程の暗闇のカーテンが……夜が降りてくる………
進む友の背にて、少し考え事をしていた。

「……ベッドフォード殿は…今回、如何様な考えをお持ちなのか…」
自らが属し、また仕えている、あの寡黙な上司のことを。
彼の中は、簡単に読めるようで読めない。ただの野心家……などというものでは納まるまいが。
ただ、自分では計り知ることがかなわぬであろうほどの“闇”が覗いていた気がする。
その闇は、継ぎ接ぎの死に損いである私程度では到底照らせまいが…

と、ここまで考え、卿はふと何かに気付き、素早く顔を上げる。
「……………見られている……いや…まだ探られている段階か…?」
視線を感じる。気配を感じる。微かなその感覚を捉え、撃神の歩を止めた。
幸か不幸か――否。学園を目指していた者達にとっては、それは間違いなく不幸。
そのまま行けば、近くに潜んでいるということにさえ気付かず、ただただ通り過ぎて何も無い場所に辿り着き、無力な自分を責め立てるところであったが…


>「……なにか、猛々しい者が来るわ。私たちと同様の新入生には思えないけど…」
「……いる…いるな…?…これは鳥獣の視線に非ず………しかして、人の物ともまた違うと取れる…」
忍べ撃神。と命ずると、先程まで地を揺るがせていた一歩が激変。草が踏み倒される微かな音さえも聞こえぬ程の忍び足となり、撃神は軽く首を下げて歩く。
近くに小高い丘を見つけ、撃神から降りてマントを手繰り寄せ、丘に身を隠し、この先の様子を窺い見る。
「…なるほど、死んだ街か………気付かなんだな…して……気配が示すはあの朽ちた聖域…」
よくよく眼を凝らせば、幾つかの人影が見える。そしてその人影も、どうやらこちらの存在を感じているようであった。

ならば。
45 :ゼルフェルド ◇46fzeSvBIISbの代理[sage]:2010/04/07(水) 22:01:11 0
「ならば………己が任を果たすのみだ…!」

そう決めるや否や、素早く撃神に跨り瞳を――瞳どころか眼球や瞼さえないのだが――閉じる。
全身の感覚を静め、そしてただ一点に集中する。
右手に握っていた十文字槍を大きくニ、三度振り回した後、手綱を握っていた左手を離し、腰の太刀を抜き放つ。
二つの得物を胸の前で静かに重ね、さらに深く集中する。
不気味なまでの沈黙。しかし、それに反してゼルフェルドは内で確実な、そして凄まじい闘志を燃やしていた。

きっと自分は、生前にも戦場で同じことをしていたのだろう。何となく分かる。
この体になってから、気付けばいつも、闘いの前はこうしている。
僅かに、太刀の刃が揺れる音がした…
「……行くぞ…時代を担う者達よ…………」


自分という魂が、誰で、どんな人間だったのかは知らない。
「この切っ先に……」
しかし、自分がどれだけ過去の者であろうと、憶えていることが一つある。
「…一擲を成して………」
戦とあらば、今でも胸の内にあの笛の音が響く。
「乾坤を、賭せん…!!」
ここが戦場であると知らす、あの角笛の音が―――!

“戦場の笛を聞け…………!!!”



   「   疾   風   怒   濤   !   !   !   !   」



空をも揺るがすゼルフェルドの雄叫びを合図に、撃神は雷光が如く、撃ち出された様に駆け出していた。
数秒前まで後ろ足が踏みしめていた地面は、跡形もなく深く抉られている。

夕を過ぎた夜の幕中から、闇を駆る闇の刃が、唖然としたまま立ち尽くす、生徒達に差し迫る――!
46 :エンカ ◇jWBUJ7IJ6Y の代理[sage]:2010/04/07(水) 22:01:34 0
「じょ、冗談じゃねぇぜーっ!お前らよーっ!」
エンカが叫んだ。
「なんでお前ら戦う気マンマンなんだよ!強い奴が来ることがわかってんなら、
 まず逃げることを考えろよ!俺はそうするぜ!敵が来るたびに戦うなんざ馬鹿にだってできるぜ!
 魔法使いっつーもんはよーっ!頭脳戦が真骨頂だろーがよーっ!三十六計逃げるにしかず、ってなーっ!」
しかし、エンカは一人で逃げる気はなかった。
「来いよオラァァァァァァ!」
エンカはリリィの手を引っ張った。
「言っとくけど、俺は怖いから逃げるわけじゃねーからな!こいつ、リリィっていうんだが、
 今酔っ払っててとても戦える状態じゃねぇ!だから俺はこいつを安全な場所まで逃がすんだ!
 文句はねーよなーっ!?」
この言葉の半分は本気で、もう半分は建前である。
エンカはリリィの手を握ったまま走って逃げだした。
47 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/07(水) 22:38:09 0
>40
この少年、フリードだったか?
頭のネジが何個か外れてるんじゃないのか。
ジルベリアンホワイトベアーと言えば、野生生物の中でも
『単純な』殴り合いなら最強ランクの存在だぞ……

いや、ウソじゃないか。ジルベリアの人間は傍から見ると異常な奴しかいない。
頭の出来だとか、戦闘に対する才覚とか、性格や趣味嗜好とか……
「フリード、あの白熊とタイマン張って勝てるなら十分だ。
 ……まぁ今度の相手は、白熊なんぞとは比較に並んだろうがな」
そう、徐々にではあるが近づいてきているのが分かる。
距離が一歩一歩縮まるたびに、その存在が放つプレッシャーが強まっていくのだ。
なまじ戦場を知っているだけに、鴉は冷静に判断を下す。



   『今の自分の精神状態は危険だ』と―――――



>43
「それはこっちのセリフだ。あんたはそう言うの、しなさそうだがな。
 ……ああそうそう、クレイだったっけ? ちょっと聞きたい事があるんだが。
 あんたに兄弟はいるか? それも下に二人ほど」
何を言っているのか、クレイには分からないだろう。

鴉には知り合いがいた。名前をアンソニーとベンジャミンと言う。
この二人は兄弟であり、さらに上にクレイと言う名の兄がいるのだそうだ。
もちろん、ここのクレイとは何の関係もない。ただ同じ名前だったから聞いただけである。

「……しかし、嫌な気配だ。およそ真っ当な生き物の放つものじゃない。
 相手は死人か……? やり合いたくない手合いだ」
彼は死体を啄ばむハゲタカではない、誇り高いカラスなのだ。
余計な思い込みから、死者を相手にするのを嫌っている。
しかし、嫌でもやるしかない状況ばかりだった。むろん今もそうだ。


>44-45
気配の主のいる方角に意識を向けていると……急に気配が変わった。
ただ垂れ流していたプレッシャーが、きれいさっぱり消えてしまったのだ。
だと言うのに自身の本能的な部分は警戒を解こうとしない。
それどころか押し潰されそうな重圧が最高潮に達しようとしていた。
そう、これは―――――


「……! 来るぞ!」
コンマ1秒未満、正しく刹那の瞬間、しかし鴉は遅れることなく
敵襲に対処した。と言っても、今の装備で受ける事はほぼ不可能である以上
避ける事しか選びようがない。だが、疾い……生涯最高の反応をもってして、
なお致命的な後れを取られるほどに。




―――――――瞬間、鴉は時が止まるのを幻視した―――――――




48 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/07(水) 23:00:12 0
レイヴン、フリードリッヒ、クレイがセラエノの横に並び立つ。
それぞれが迫る脅威に気付き、戦闘体制をとっている。
約一名ツッコミどころ満載の迎撃態勢ではあるが、あえて深く考えないことにした。
あまり深く考えると気合で止めている鼻血が噴出してしまいそうだからなのはいうまでもない!

あたりの闇は更に濃さを増し、肌で感じられるほどのプレッシャーが空気を満たす。
その闇を引き裂くようにエンカの声が響き渡る。
リリィの手を引き駆け出す姿を振り返りもせずセラエノは見、口には笑みとともに声をかける。
「エンカ、己を知り敵を知れば百戦危うからず、よ。」

それと同時に空気が震える。
>  「   疾   風   怒   濤   !   !   !   !   」
雄叫びとともに現われたのは漆黒の鎧に二本の羽飾りをつけた巨大な鎧武者。
その巨躯に相応しい馬に乗り、恐るべき速さで駆け出してきた。

パン!と胸の前で合わした両の手が乾いた音を立てると、セラエノの背後に七色の後光が発生し、背中からは黄金の腕が5対生えてきた。
「問答無用に武で押し通るそなたが何者かは知らぬ!
私たちの目的は学園に辿り着くことであり、その障害をどうするかは各自の判断に委ねられる!」

内一本の腕が伸び、走るエンカとリリィを掴むと10歩先の角まで押し進めた。
腕からセラエノの声が力強く流れる。
「彼女を酔わしたのは私の責任。
私に成り代わり彼女を避難させてくれること感謝するわ」

一方、その場から動かぬセラエノに切っ先が迫る。
「私は目的達成を優先させてもらうわ。
ここでであったのも何かの縁。闘う選択肢を選ぶのならばこれは私からの手向けです。」
後光は強さを増しセラエノの身体を飲み込み眩く光る!
まるで闇の領域を塗りつぶすかのように。
直後、ゼルフェルドの闇の刃が光を切り裂き、後光は小さな光玉となって辺りを照らすのみ。
光に飲み込まれていたはずのセラエノの姿は既にそこにはなかった。


後光が闇の刃に切り裂かれ、暫くした後、セラエノは闇の領域を抜け森の中にいた。
ゼルフェルド襲来に際し、セラエノの使った術は幻術と念動、そして浮遊術。
後光と背中の腕は幻術で生み出した映像に過ぎず、エンカとリリィを角の死角まで押したのは念動なのだ。
その後幻術の光を強め目晦ましにしたと同時に飛行術を発動させ海老のように低空飛行でバックして逃げた、というのが一連の顛末である。

正面から来ていたゼルフェルドや横に並んだレイヴン、クレイ、フリードリッヒからすれば光を媒体とした転移術のように見えたかもしれない。
だが実際のところは中級以下の魔法の組み合わせでしかなかった。
「一手分請け負ったわけだし、後は各自の力でがんばって。」
地に足をつけ、小さく笑みを浮かべながら遠くはなれたゴーストタウンに振り返り呟いた。
49 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk の代理[sage]:2010/04/08(木) 00:16:59 0
>33
反応したのは、何やら赤い顔をした女生徒。
>「いぃえぇ、わらしは今度、魔法学園に入学する事になった新入生のリリィれす。14歳れす。」
>「そういうお2人も、もしかして新入生れすか?よろしくれす。・・・にしても・・・・・・・」
>リリィは狼耳の青年と、背中の少女を見て、はぁ〜っと大きなため息をついた。
>「いいないいな〜。ラブラブれ〜!私なんて・・・・・私なんて・・・・・・」
「は?ちょっと待ちたまへ三つ編みの子、だーれがこの我侭娘とLOVE☆LOVEだって?
 そりゃ絶対ぇーないぅわこらネリー耳痛い痛い痛ぁぐあぐあぐあ〜っ!?」
>「わーん、大事なトランク森の中に忘れてきちゃったお――――!!
> 誰かー!私のトランク取ってきてお――――!!ねえねえねえ!!」
「グラディ、だぁれが我侭娘よ――っ!このこのこのこの――!」
おぶった女子・ネリーには頭の上の耳を引っ張られ、リリィと名乗る少女には襟を掴まれてがくがく揺さぶられる狼耳男子・グラディス。
すぐにリリィは手を離して泣き伏したが、人一倍敏感な感覚を持ってるグラディスにとっては踏んだり蹴ったりである。
ふらふらと上半身が頼りなく揺れる姿がまた物悲しい。

>37>39-40>43
ふと、仮面の人が二人の横を通り過ぎて、何処か遠くを見据える。
>「……なにか、猛々しい者が来るわ。私たちと同様の新入生には思えないけど…」
「うん?猛々しい?そういえば暗くなってるけど……」
疑問符を浮かべながら、ネリーはひらりとグラディスから飛び降りた。
元気一杯の少女に対し、グラディスの方はまだ復活するのに少し掛かりそうだ。

>「……向こうの方角か?」
今度はカラスを連想するような髪の男子が、仮面の人の横に立つ。
>「さて襲撃者は熊より強いのでしょうか?熊より強かったら逃げましょう………
> とりあえず準備だけはしておきましょうフリィィィィジングサァァァベル!イチゴ味!!」
ワカメヘアーの美少年が氷の剣を抜いて、更に丸いロボットを従えた人が赤い眼を光らせている。
>「...そんな事より、これからの方が重要だな。
>さぁ!油断するなよ、お前ら。じゃないと死ぬぞ」

「……あ〜っと何コレ?皆して嫌〜な雰囲気じゃん……」
そこに、復活したグラディスがぽつり呟いた。
あからさまに呆けた顔をし、羽織った制服の肩はずれている。
この光景に困惑、というか呆れていたのだ。
揃いも揃って過剰すぎる態勢をしていることに。
「(死ぬぞ、だとか猛々しい、だとかって何事さ。
 此処は仮にも学園の敷地内。生き死にに関わることなんて何も――)」

50 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk の代理[sage]:2010/04/08(木) 00:17:17 0
>45-46>48



>   「   疾   風   怒   濤   !   !   !   !   」



やけにはっきり聞こえた雄叫びで、弾かれたようにネリーの手を引いて逆側へと駆け出した。
トランクは放り投げられ、獣に勝るとも劣らぬグラディスの反応速度に混乱するはネリー。
後ろで仮面の人の威風堂々とした声が響き渡っているが、そんなもの気にしてはいられない。
「やばいやばーいッ!何だよあの馬、速度がおかしいじゃんか!?」
「グラディ!?何っ、何があったの!?」
「うるせっ、楽しくない喧嘩と血みどろの戦いは嫌いだッー!」
そう叫ぶと同時に、顔や手や腕から茶色の毛がぐんぐん生え始め、顎や背中の骨格が曲がっていく。
ネリーはそれをぎょっとしたまま見ていた。

きっかり5秒で、獣人へと変化を遂げたグラディスが現れた。
その爪は尖り、爛々と光る金目は野生そのもの。
ぐるると野獣のように唸るグラディス。
「っし、変身完了ぉーう!」
「軽い!初変身シーンなのに軽いよ!」
が、知性自体は変わっていないらしい。

自分の体を確認すると、今度は先程のようにネリーをおぶって更に加速する。
人狼のアビリティを存分に発揮し、あっという間にグラディスは先を逃げる二人と合流した。
「ようウォン君だっけ、それとリリィちゃん!さっき振りだけどちょっと同行させてもらうよー!
 あっと名乗る機会を逃していたな、俺はグラディス!こっちはネリーだ!」
酷く驚いた表情で迎えられたのだが、それを気にも留めずにあっという間に簡単な自己紹介を済ませてしまう。
おお早い早い。

「……っと、暗くて足元が見難いんじゃないか?ネリー、何か召喚召喚!」
「あ、えーっと、出てきて『ウィル・オー・ウィスプ』!」
ネリーは丸い魔法陣の描かれたカードを懐から取り出し、空へと掲げる。
すると陣が光り、そこから青い火の玉が現れて辺りを照らし始めた。
消されるかネリーに戻されるまでは、消えないで明かり程度にはなるだろう。
51 :名無しになりきれ:2010/04/08(木) 00:24:51 0
デッスモナーク
52 :鋼&シルヴァ[sage]:2010/04/08(木) 00:48:21 0
名前・王心 鋼(おうしん こう)
性別・男
年齢・17
髪型・少し長い程度の黒髪、悪く言えばボサボサ。版権キャラで言えばキラ・ヤマトや草薙京に近い。
瞳色・黒
容姿・身長は180センチ程度。中肉中背。馬鹿でかい斬馬刀と背負っているのが印象的。
備考・東洋の退魔師と西洋の吸血鬼の母を親に持つダンピール。
得意技・身体能力とセンスに頼った力任せの剣術
好きなもの・何でも食べる、貴金属
苦手なもの・勉強、というか頭を使う作業
うわさ1・いわゆる『馬鹿』らしい
うわさ2・低血圧のせいで寝起きが悪く、乗り物酔いもひどいらしい

名前・シルヴァ・カルヴォネン
性別・女
年齢・約100歳前後。
   人間年齢に換算すれば、二十歳に届くか届かないか程度。
髪型・金のセミロング
瞳色・金色
容姿・吸血鬼特有の美貌を持っている、
備考・鋼の母…の娘の吸血鬼。正確に言えば『鋼の実父の前の夫』の娘である。
   鋼に対して複雑な感情をいだいている。
得意技・吸血鬼特有の膨大な魔力に任せた爆発魔法。
好きなもの・A型の血液(魔力を込めたトマトジュースで我慢できる)
苦手なもの・銀製品(悪魔でも苦手なだけで恐れる程度ではない)
うわさ1・吸血鬼に似合わず非常に明るい性格らしい
うわさ2・ブラコンとの噂を時たま聞くらしい
53 :鋼&シルヴァ ◆jYIEFQ9hMw [sage]:2010/04/08(木) 00:50:18 0
「シル姉!学園はまだか!?」
「…たぶんもう少しじゃない?私には分からないけどね」

一組の男女が大量の荷物を乗せた荷車を引っ張り、森の中を歩いていた。
荷車の荷物は山のように積まれており、常人ならとても引っ張れないようなものだろう。
だが、荷車を引いている黒髪の男はそれを軽々と引いており、その上巨大な刀『斬馬刀』を背負っている。
一方、シル姉と呼ばれた金髪の女性…シルヴァ・カルヴォネンは手持ち無沙汰で荷物をまったく持っていない。

「にしても随分歩いてるわよねー、3時間は歩いてるんじゃない?」
「…手渡された地図がデタラメだったからな」
「あんな地図じゃ分かるものも分からないわよね」

二人に手渡された地図は、ひどくシンプルなものだった。
紙にデカデカと丸がいくつ書かれており、その中に『学園』とか『森』と描かれているだけ。
これではまるで子供の落書き…いや、むしろ子供の落書きのほうが遥かにマシかもしれない。

「これも試験なのかしらね、鋼」
「俺はそう思うことにする」

鋼と呼ばれた黒髪の青年、王心鋼(おうしん こう)は軽い溜息をつき、シルヴァは地図を片手でひらひらと風に流す。
そのまま数分程度、辺りを見回しながら歩いているとシルヴァがあるものに気がついた。

「…あれかしらね」
「お、そうかもしれない」

シルヴァが指さした先には、多少古ぼけた校舎が目に入った。
まだかなりの距離があるだろうというのに、視認出来ると言うことは恐らく非常に大きい校舎なのだろう。
二人は校舎の姿を確認すると、互いに顔を見合わせ、頷いてからから走り出した。
言い忘れたがこの二人は姉弟、それもかなり仲の良い姉弟だ。アイコンタクトなどお手の物である。

「着いたわねー」

およそ1分後、二人は校門であろう場所に辿り着いた。
かなりの速度で全力疾走というのに、二人は汗ひとつかいていない。

「さて、書類出さねーとな。
 シル姉、荷物だすから手伝ってくれ」
「はいはい」

二人は目当ての書類を探し出すべく、荷物の山に手を出し始めた。
54 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/08(木) 01:24:58 P
>43>45>47>48

>「フリード、あの白熊とタイマン張って勝てるなら十分だ。
 ……まぁ今度の相手は、白熊なんぞとは比較に並んだろうがな」

>「...そんな事より、これからの方が重要だな。
 さぁ!油断するなよ、お前ら。じゃないと死ぬぞ」
「分かってますよ!でもくだらないことでも言ってないと怖くて戦いなんて出来ませんからね!!」

>「……! 来るぞ!」

>「   疾   風   怒   濤   !   !   !   !   」

「フハハハハハどうしたぁ攻撃が当たらんかぁ?」
攻撃を避けるフリード、セリフは余裕ぶっているが実は結構ギリギリである
なんという速さ!そしてパワー!!この攻撃をくらっては痛いでは済まないであろう
それが証拠に剣圧で頬に傷が…………
「美少年は顔から傷が治る……それは世界の常識です」
すっと消える頬の傷……ありえん

「私は目的達成を優先させてもらうわ。
ここでであったのも何かの縁。闘う選択肢を選ぶのならばこれは私からの手向けです。」
「貴方は女性ですからね最期まで戦ってくださいとは言えませんよ・・・っと」
攻撃を避け続けるフリード少年
言葉を言い終わる頃にはもう彼女の姿は見えなかった

「ここは少し距離をとって………ビスケス!!」
懐に左手を突っ込んで薔薇を取り出し鋭い針のように尖った部分を相手に向け投げつけるフリード少年
何故この攻撃がビスケスなのか分かる人いるのだろうか?
「別にこの薔薇は血も吸いませんし毒もありません
 でもちょっとでも触れれば大爆発ですよ……これぞ世界一美しい爆弾!!」
ぶっちゃけ爆弾なので魔法も氷も関係無い上に無くなったら終わりである
爆発に備え耳を器用に前足で押さえ口を大きく広げ伏せるグレン(猫)
本当にこいつは猫なのだろうか?

「そしてこれがタウラスだ!!」
と右手のフリージング・サーベルを鞘に仕舞い抜刀術……詰まるところ居合を放つフリード少年
何故この技がタウラスなのかというと前述と同じ理由である
パキンッ・・・・と根元から折れ刃だけ飛んでいくフリージング・サーベル
「折れたぁ……まあこれも計算通りです。フリィィィィジングサァァァベル!メロン味!!」
今度は緑色の氷の刃が生まれるフリージングサーベル
いちいち叫ばないといけないのは呪文を兼ねているからである

「続いてキャンサー……とこれは僕には使えませんね」
これは空間をこじ開けて黄泉と現世を繋ぐ恐ろしい技だが常識的に考えて氷使いのフリードには使えない

「フハハハハハハどうしたぁこっちの攻撃も当たらないじゃないか
 せめてスピードさえ削げれば………かと言って馬に突っ込むのもあれですし」
木を背にしぎりぎりで避けて木に突っ込ませても木をへし折りそのまま走りそうな勢いである
「誰か何かいい作戦はありませんか?」


55 :羅門 ◆L4nNqWs2T6 [sage]:2010/04/08(木) 02:29:45 0
「ここが学園か。我が覇道においては前進あるのみ。」

学園の前に立ち、腕組みをする男の体躯・恐らくは2メートルを越す。
男の眉間には幾重にも重なった皺が刻み込まれ、それが何を物語るのかは
誰も知る由は無い。

「頼もう。我が名は羅門・・・いずれは世界を手にする者なり!!」


56 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/08(木) 22:52:33 0
光を求めて鬱蒼と茂った木々の葉は層と化し、大地へ日の光が刺す事を阻害している。
日の届かない地面は落ち葉を腐らせ、種を芽吹かせず、大地は菌類と虫達にとっての
楽園と化していた。
森の中に、遥か長い時間をかけて築き挙げられたその一角。
毒性を持った昆虫や、植物。何よりナナシと呼ばれる魔物が頻繁に出るとされる事から、
危険な森の中でも尚危険とされ、魔法使いでも踏み込む事を嫌がるその場所を、
一人の少年が歩いていた。
少年は赤錆の様な色の長い髪を後ろで結んでおり、その外見は平々凡々。
羽織ったマントは泥やその他諸々で汚れ、元は何色だったのか解らない程に
変色しているが、そのお陰で下に着ている制服は守られ、彼が魔法学園の試験中である
という事が判別出来た。

「困った……もう何時間も歩いてるのに、学園がどっちにあるのかさっぱりわからない。
 おまけに、妙な場所に入り込んでしまったみたいだし」

左腕で額に浮かんだ汗を拭いながら少年は髪の色と同じ瞳で周囲を見渡す。
だが、相も変わらず薄暗い森が広がるだけで、目印となる様な物は何も無い。

「こういう時、空を飛ぶ魔法でも使えばいいんだろうけどな。
 ……いやまあ、俺の魔力じゃあ直ぐ力尽きて墜落するだけだなんだけど」

呟く少年が浮かべた表情は苦笑。だが、苦笑であれ笑顔が出るという事は、
状況に対し精神は一切屈していないという事の証明でもある。
その証拠に、森に入ってからこの少年は一度もその足を止めていないのだから。

「まあ、このまま迷っていても水分を消費するだけだし、とりあえず倒れるまで歩くか。
 それだけ歩けば誰かに遭遇できるかもしれないし、いい修行にもなる。うん。そうしよう」

そうして、赤髪の少年は腐った地面を踏みしめ――――直後、眼前に広がる薄暗い
森の中を、黄色い何かが凄まじい速度で飛翔していったのを目撃した。

57 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/08(木) 22:52:53 0
>>48
(な、何だ今の……もしかして『ナナシ』とかいう魔物か!?)

突然の出来事に戸惑いつつ木の影に身を隠した少年は、
通過していった存在が「何」なのか確認すべく、恐る恐る体勢を動かし、
その存在の通過していった方向に視線を走らせる。

「……人?」
そうして少年が視認した存在は、少なくとも人の形をしている存在だった。
女性の形状の五体を持ち、黄色い色の服を着用している。
だが、その存在が人間であるかどうか少年は判断に迷う。
その原因は、女性が頭部に妙な被り物をしていた事にあった。
鏡の様な物で出来た視界さえ確保出来なさそうな被り物。
この魔法が蔓延する世界には、様々な形状の種族が存在する。
そして、それ故に顔を隠した目の前の存在が人であるかどうか
簡単に決め付ける事が、少年には出来ない。
もしもナナシという魔物が、人の形をしたゴーレムや亡霊の類だったら、
気軽に声をかけた少年の命は蝋燭の火の様に吹き消されてしまうからである。
幸いにも、森の魔力に紛れてしまう程に弱すぎる少年の魔力が幸を奏しているらしく、
今の所その女性は少年には気付いていない様に見える。
このまま逃げれば、少なくとも少年に命の危険は無い。無いのだが……

「そこの黄色い人、言葉が解るなら動かないでくれ。
 俺は、ゼルキ・ルオーム。今、魔法学園の試験の最中なんだ。
 失礼なのを承知で聞かせてもらうが、君は『ナナシ』か?」

悲しい事に、この少年はここで逃げるという選択肢を選べない人間だった。
悪は討つ。魔物は撃つ。それが少年の行動原理の一つなのである。
距離を取り、突き出した左の掌で初歩の初歩である火球魔法をいつでも
撃てる様に構えたまま、少年、ゼルキ・ルオームは黄色い女性に問いかけた。

名前・ゼルキ・ルオーム
性別・男
年齢・15
髪型・赤髪ポニーテール
瞳色・赤
容姿・中肉中背のどこにでもいそうな容姿。ただし右腕と左足は義手と義足。
備考・魔法の才能は下の下。独善の気が強い。
得意技・自身の肉体や魂を代価にする類の強力な闇属性魔法。
好きなもの・勇者、英雄
苦手なもの・盗賊の類
うわさ1・見ていて痛々しい練習量の訓練が日課らしい
うわさ2・両親は幼い頃に死んでいるようだ
うわさ3・味音痴ってレベルじゃないらしい
58 :リリィ◇jntvk4zYj の代理[sage]:2010/04/08(木) 22:53:39 0
>「かやましいぜ!このままどんどん暗くなったらよーっ!俺達学園に着けるかどうかわかんねーよーっ!!」
>「学園に辿り着くのが試験、といわれたけど、方法なんてないのではないかしら?
 辿り着くべき人間は何もしなくても辿り着くでしょうし、辿り着くべきでない人間は何をやっても辿り着けない。
 そんな気がするわ」
「そんなのやだー。入学できないなら帰るー!!
 でもその前に、おいしいご飯とあったかい寝床――――!!うわーん!!」
リリィはさらに激しく泣き出した。耳のいいグラディスが辛そうだが、お構い無しだ。

>「……なにか、猛々しい者が来るわ。私たちと同様の新入生には思えないけど…」
>「うん?猛々しい?そういえば暗くなってるけど……」
「もーもーしいもの?だったらきっとウシらよ牛ー!牛はモーモー鳴くれしょー」
ようやく泣き止んだ彼女は、くすんくすん鼻を鳴らしながら意味不明なことを言った。

まだ涙でぼやけている視界の隅に、グラディスの背から元気いっぱい飛び降りたネリーを捕らえた。
(あれ〜?あの子、足に怪我してたわけじゃないんだ)
なぁんだ、やっぱりらぶらぶカップルなんだー。そう酔っ払い少女は一人納得している。

納得して気が済んだのか、リリィは眠そうに目を擦っている。どうやら眠くなったようだ。
周りは敵を察知し、緊迫した空気に包まれているというのに、なんとものん気なものである。

>「じょ、冗談じゃねぇぜーっ!お前らよーっ!」
エンカの抗議を、リリィは全然聞いていなかった。
なぜなら彼女は、こっくりこっくり居眠りをしていたからだ!
>「なんでお前ら戦う気マンマンなんだよ!強い奴が来ることがわかってんなら、
> まず逃げることを考えろよ!俺はそうするぜ!敵が来るたびに戦うなんざ馬鹿にだってできるぜ!
> 魔法使いっつーもんはよーっ!頭脳戦が真骨頂だろーがよーっ!三十六計逃げるにしかず、ってなーっ!」
>「来いよオラァァァァァァ!」
ぷーぷーと膨らんだりしぼんだりしていた鼻ちょうちんが、衝撃でぱちんと割れた。
「にゃ?にゃにー?!」
>エンカはリリィの手を引っ張った。
>「言っとくけど、俺は怖いから逃げるわけじゃねーからな!こいつ、リリィっていうんだが、
> 今酔っ払っててとても戦える状態じゃねぇ!だから俺はこいつを安全な場所まで逃がすんだ!
> 文句はねーよなーっ!?」
「にゃんでー。わらし酔っ払ってなんか・・・・・・・にゃあぁぁぁぁ?!」
>エンカはリリィの手を握ったまま走って逃げだした。
59 :リリィ◇jntvk4zYj の代理[sage]:2010/04/08(木) 22:54:01 0
>48
「えー?そんな、私まだ心の準備が・・・・・・」
リリィははにかんだが、その時、何か巨大な威圧感を放つものが朽ちた礼拝堂へと迫っていった!
さすがのリリィも、ここに来てようやく表情を改める。
だが!
「さすがは学園に住んでるモーモー。田舎のとは一味ちがうのれー。・・・・・・・きゃはは!」
どうやら、まだ正気ではないようだ。

>内一本の腕が伸び、走るエンカとリリィを掴むと10歩先の角まで押し進めた。
「すごーい!ねえエンカ、これってソニックって魔法れしょー?でしょでしょー?!」
>腕からセラエノの声が力強く流れる。
「だからー私はちゃんと正(ガッ」
突然リリィは静かになった。どうやら今ので舌をかんだようだ。
危なっかしい足取りながらも、エンカの助けを借りて無事リリィはその場を脱出した。

そして、礼拝堂がまばゆく光り、何かが爆発するような音が聞こえてくる。
上気したリリィの顔から、さーっと血の気が引いていく。
「な、何あれ?何がいったいどうなってるの?何で暗いの!今のあの音何?!
 ねえ、私たち、つい今しがたまで、あそこで蜂蜜酒を飲んでたはずでしょう?!」
ようやく正気に戻ったリリィは、エンカに掴み掛からんばかりの勢いで質問をぶつけた。
どうやら酔っていた間のことは、すっかりきれいに忘れてしまったようだ。

>グラディスは人狼のアビリティを存分に発揮し、あっという間に二人と合流した。
「うわああああ?!女の子がおっきなわんこを馬代わりにしてるぅぅぅ?!」
仰天したリリアーナは失礼極まりない暴言を吐いた。
>「ようウォン君だっけ、それとリリィちゃん!さっき振りだけどちょっと同行させてもらうよー!
> あっと名乗る機会を逃していたな、俺はグラディス!こっちはネリーだ!」
酷く驚いた表情で迎えられたのだが、それを気にも留めずにあっという間に簡単な自己紹介を済ませてしまう。
「よ、よろしく・・・・・・」
さっき振りってなんだろうと思いつつも、リリィは挨拶を返した。

>「……っと、暗くて足元が見難いんじゃないか?ネリー、何か召喚召喚!」
>「あ、えーっと、出てきて『ウィル・オー・ウィスプ』!」
>ネリーは丸い魔法陣の描かれたカードを懐から取り出し、空へと掲げる。
>すると陣が光り、そこから青い火の玉が現れて辺りを照らし始めた。
「ギャー人魂!!・・・・・・って・・・・・え?これ、ネリーさんの魔法なの。
 そっか。ああ、びっくりした」
ゴーストタウンに青い火の玉。
墓場がまだ見えるこの場所でいきなり出されたのでは、正直いって雰囲気ありすぎである。

>47
「ねえ、ちょっとあれ見て!!」
リリィはがばっと身を潜めると、木の影を恐る恐る指差した。
「今、あそこを赤と黒っぽい人型の何かがいたような・・・・・・・。
 グラディス、あなた夜目が利くんでしょ?!だったらもっとよく見てよ!ねえねえ!!」
リリィはごくりと息を呑んだ。
「ねえ、あれもしかしてデッスモナーク・・・・・・なんてことはないよねっ!違うよね!
 いたとしてもただの幽霊だよねっ!単なる見間違いだよねっ!!」
ちなみにデスモナークとは、悪魔神である。
いくら怖いからといって、話が飛躍しすぎである。
60 :クレイ◇eA/eUrt9sQ の代理[sage]:2010/04/08(木) 22:54:26 0
>47
>「それはこっちのセリフだ。あんたはそう言うの、しなさそうだがな。
 ……ああそうそう、クレイだったっけ? ちょっと聞きたい事があるんだが。
 あんたに兄弟はいるか? それも下に二人ほど」
「兄弟?そんなのはいない。俺は一人っ子だ」
知り合いと名前が似ていたのだろうか
だが、そんな事は今は関係ない

>48
>  「   疾   風   怒   濤   !   !   !   !   」
そんな叫びが聞こえると、怪物みたいな馬に乗った、漆黒の鎧を着た怪物みたいな巨体が突っ込んで来た
それはまさに、電光石火と言うに相応しいほどの速度で
{だが、この程度なら...}
クレイは脚に雷属性の魔法を使い、それを匹敵する速さで横に回避した
「!?」
しかし、さっきまでいた場所を見ると、あの仮面の少女がまだそこにいた
どうやら、ちょんまげの男とそいつ曰くリリィを助けて、動かせずにいるようだ
「ッ危ない!!」
漆黒の鎧の刃が、彼女に刺さる瞬間...

>「私は目的達成を優先させてもらうわ。
ここでであったのも何かの縁。闘う選択肢を選ぶのならばこれは私からの手向けです。」
そう聞こえたかと思うと、仮面の少女が光に包まれた。そして光が消えると、そこに彼女はいなかった
...心配はいらなかったようだ
飛んで逃げた跡がある。跡と言っても、風の流れからだが

>54
「そうそう、心配といえばあいつは...」
フリーどの方を見る。頬に傷があった
>「美少年は顔から傷が治る……それは世界の常識です」
そんな事を言うと、頬の傷が消えた
バカな、もしかしてあいつは、俺と同じ...
いや、ちょっと待て。あいつは非常識の塊だ
こんな状況にもかかわらず、猫を抱えているのがいい例だ
たぶん顔が『見せられないよ』が出動する事態になっても大丈夫だろう

「フハハハハハハどうしたぁこっちの攻撃も当たらないじゃないか
 せめてスピードさえ削げれば………かと言って馬に突っ込むのもあれですし」
たしかに、避ける事はできても、当てるのは難しいな
「誰か何かいい作戦はありませんか?」
「作戦か.........二つだけ思いついた。
一つはフリード、お前の得意な氷の魔法で馬の足止め。
もう一つは、俺があいつを馬から蹴り落とす。」
クレイは上手い事立ち回りながら話す
「前者はフリーどの負担が大きい。
あんな怪物みたいな馬の動きを止めるからには、かなりの魔力がいるからな。
後者はまぁ、面倒だな。
俺はあの馬とやりあえるくらいのスピードは出せるが、当てるとなるとなかなか難しい。
イタチごっこをやる趣味はないしな。お前らが隙をつくるなら別だが。
さぁ、どっちにする?」
61 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/08(木) 23:36:40 0
>57
闇の領域に覆われたゴーストタウンから抜け出て、森に辿り着いたがこれからの宛があるわけではなかった。
うっそうとした深い森に差し込む日差しは僅かで、踏みしめる大地には湿り気を含む。

>「そこの黄色い人、言葉が解るなら動かないでくれ。
> 俺は、ゼルキ・ルオーム。今、魔法学園の試験の最中なんだ。
> 失礼なのを承知で聞かせてもらうが、君は『ナナシ』か?」
歩き出そうとしたところで突然声をかけられ、ゆっくりと振り返る。
そこにはマントを羽織り、赤毛のポニーテールのゼルキが立っていた。

距離を取り、左手を突き出し構えるその姿を見て顔の中で唯一顕になっている口元が笑みを浮かべる。
「私はセラエノ・プレアデス。あなたと同じ新入生よ。ナナシではなく神よ」
森の中に穏やかに流れる声は、苦労したようね、と付け加える。
距離の取り方、構え、そして変色したマントがゼルキの苦労を強く伝えていたのだから。

「それにしても絶妙に魔力を紛れさせたわね。全く気付かなかったわ。」
ゼルキの魔力が弱すぎる、と言う想定はなされていなかったようだ。
こうした魔力を含んだ森の中で、完全に自身の魔力や気配を消してしまってはかえって不自然な空白地帯を産むことになる。
そこまで考慮に入れ、魔力放出量を調節し同化していた達人だと思ったようで、感嘆の言葉を送った。

本来なら出会いを祝して蜂蜜酒を振舞うところなのだが、つい先ほどの大虎に懲りたので止めておいたのは秘密だ。

「かなりの使い手のようだけど、参考までにもし私が敵だったらその左手をどうしたか、教えてもらえる?」
ゼルキを達人だと思い、挨拶代わりに戦術や魔術の話題を振るのであった。
62 :クルード ◆2qZ7FF4TUs [sage]:2010/04/09(金) 00:39:11 O
>>57>>61
「やれやれ…紳士的ではないな少年」
木の上から声をかけるとソイツは木の葉を散らして、姿を現した。
「失礼、私の名はクルード・ナインテイル
 君達と同じく新入生だ」
クルードと名乗った少女はかぶっていた帽子をとり、深々と頭をさげた。
少女の格好は少し独特であった
大きなシルクハットとスーツ姿
口調から察するに紳士を意識しているのだろうが、キツネ耳と柔らかそうな九本の大きな尻尾によりミスマッチな感じになっている
「いい加減身構えるのは止めたまえ
 こんなかわ……個性的なお嬢さんが恐ろしい化け物でないぐらいわからないかな」
63 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/09(金) 00:51:05 P
>60
>「作戦か.........二つだけ思いついた。
 一つはフリード、お前の得意な氷の魔法で馬の足止め。
 もう一つは、俺があいつを馬から蹴り落とす。」

>「前者はフリードの負担が大きい。
 あんな怪物みたいな馬の動きを止めるからには、かなりの魔力がいるからな。
 後者はまぁ、面倒だな。
 俺はあの馬とやりあえるくらいのスピードは出せるが、当てるとなるとなかなか難しい。
 イタチごっこをやる趣味はないしな。お前らが隙をつくるなら別だが。
 さぁ、どっちにする?」

「いいでしょう……僕があの馬の動きを止めさせていただきます」
飛び込んで足を押さえ込み凍らせる技……ジルベリア仕込みの足封じ技
それを実行しようと馬の前に飛び出すフリード少年 
はたして試みは成功するのか?

「今は女性が近くにいない……ならばこそ、この格好悪い技も使えるんです!!
 フリージングストォォォォォム!!」
足を大きく広げ、剣を前に突き出すいわゆるサンライズポーズを決めるフリード
高速回転をしだす氷の刃そしてそのまま剣先から吹雪を生みだし目の前の地面を凍らせるフリード

さあ格好悪いのはこれからである
凍った地面で相手の動きが少しにぶったところに飛び込み馬の前足の一本を掴むフリード
「ノクターン家代々に伝わる必勝技!ジルベリア仕込みの足封じ!!」
足を掴むことに成功したとしてもこの近距離だと馬に攻撃を受けるだろう
なにせ馬の前足は二本あるのだから
「たとえいくら蹴られようが僕はこの足を離しません!さあこのまま凍っておしまいなさい!!」
全力で魔力を注ぎ込むフリード少年
地面を抉るような馬の蹴りをくらっても平気なのは多大なる謎である
「魔力とは精神力!つまるところ根性です!!
 僕の根性を見せて差し上げましょう!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
とても顔が売りの美形キャラとは思えない超精神論を展開するフリード
どうやら蹴りについても根性で耐えぬいたようである………ありえん

「にゃにゃな〜」
(なんか寒くね?)
遠巻きにフリードを見ている猫グレン
正直いても邪魔なんだから早く逃げろと言いたい

「これでもちょっとの時間稼ぎにしかならないでしょうが………役割は果たしましたよ」
といろいろボロボロになった体で言うフリード
でも顔は傷ついてない不思議

正直フリード少年は高々14歳の少年がこんな化物に勝てるとは自分でも思ってはいない
だが別に勝てなくてもいいのである。生き残って学園まで辿りつければ
そうすればきっと大人が何とかしてくれるはずだ
64 :鋼&シルヴァ ◆jYIEFQ9hMw [sage]:2010/04/09(金) 20:48:57 0
「「あれでもないこれでもない…」」

鋼とシルヴァの姉弟二人は、先程からずっと目当ての書類を探している。
だが、いくら探しても目当ての書類は出てこない。
辺りには掻き出された荷物が、所狭しと山のように積まれていた。

「もしかして忘れたとかじゃないだろうな!」
「それは無いわよ、来る前に荷物チェックしたけどちゃんとあったんだから」

山の中から鋼の疑問が投げかけられるが、シルヴァがそれを即座に否定する。
…シルヴァの言った通りに荷物の中に書類があったとしても、この中から探すのは至難の技だろうが。
それから30分後。

「あ、あった…これだァ!!」

振り上げた鋼の手には、二人分の書類がたしかに握られていた。
強く握ったせいでクシャクシャになっていたが。

「…どこにあったの?」
「接着剤のせいでカバンの裏に張り付いてた…」
「あー、通りで見つからなかったわけね。
 ま、とにかく。見つかったんだから早く荷物片付けて出しに行きましょ」

そう言って、辺りに散乱した荷物を片付けようとしたその時。

>>55
>「頼もう。我が名は羅門・・・いずれは世界を手にする者なり!!」

「「?」」

近くから聞き覚えの無い大声が聞こえてきた。
辺りを見回してみると、鋼よりも大きい…具体的に言えば、『鋼の身長に平均男子の頭二つ分の大きさ』をプラスしたような男がそこにいた。

「アンタは…ああ、アンタも俺たちと同じ新入生か。
 なあ、質問させてもらうけど…書類出すところってどこか分かるか?」

鋼は目の前の羅門と名乗った男に、いきなり質問を投げかけた。
初対面の人間にすることではないが…まあ過ぎた事はしょうがないだろう。
とにかく、羅門は質問に応えるのだろうか?
65 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/09(金) 21:50:32 0
>48>54>60>63、>代理投稿スレ56-57
あの仮面の少女は早々に戦えそうにない連中を連れて後退した。
いい判断だと、素直に思う。非戦闘員を守りながら戦えるほど鴉は器用でないし、
仮にやれと言われても一人が限界だ。

「了解だ。面倒を掛けるが、他の連中を頼むぞ。
 恐らくその面子の中じゃあんたが一番冷静だろうしな」
鴉は幸せであった。仮面の少女セラエノがショタコンである事を知らないのだから――――。
もちろんその部分さえ顕在しなければ非常に頼りになるのだが……


神速の域に到達した一撃、辛うじて避けられたのは経験ゆえか。
初動が遅れていれば今頃は物言わぬ屍を晒し、やがては自然に還っていく宿命だったろう。
されど鴉は消耗していた……首の皮一枚繋がったその回避に、相当の体力を持っていかれたのだ。
「クソッ、なんて奴だ!『山猫』どもよりも速いとはな……!」

               ―――――

鴉の天敵『山猫』、山猫にとっても『鴉』は天敵なのだが―――
この山猫と鴉が呼ぶ連中は、凄まじい速度で地を駆ける異能の持ち主達だ。

               ―――――

その山猫の速度に慣れた鴉ですら、先程の突撃は目視で回避できない。


攻撃を仕掛けてきた鎧の化け物は、自らをゼルフェルド卿と名乗り
武を試させろと言い放った。なんとも時代がかった言い回しである。
「両方だよ鎧の旦那。
 若い内は力の差なんて分からんからな、ぶつかって確かめるしかないのさ。
 ……まぁ、今回ぶつかる壁はてっぺんも見えないほど高いがな……」
セラエノを含めた非戦闘員に攻撃を加えようとせず追撃もしない、
さらには貴族じみた振る舞いに物言い、鴉は目の前の鎧の化け物は『武人肌』だと読んだ。
「……故あって、だと? まさか入学試験とか言うんじゃなかろうな?
 まぁいいさ、一旦抜いた以上一合は斬り合わんと刃の収めどころもありゃしない。
 たまには誰かの胸を貸してもらうとするかね……」
66 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/09(金) 21:56:47 0
あるわけないと思いつつも、鴉を隙をうかがう。
一挙手一投足にまるで無駄のない鎧の化け物―――ゼルフェルドは槍の穂先をこちらに向けた。
初手は鴉に決めたらしい。嬉しくない話だ。
「そうかい……!」
言い終わったかないかの間に、彼我の距離はほぼゼロになってしまった。
……疾い! 目で追う事もかなわない、まさに神速!


だが、鴉の目にはその動きがまるで亀の歩みのように遅く映っていた。
『第三の眼』が時間の流れを緩やかにしているのだと、すぐに鴉は悟った。

しかし、しかしだ。見えているからと言って避けられるとは限らない。
『第三の眼』は鴉自身の時間も緩やかにしていたのだから―――――
とは言え、当初首を狙っていた太刀筋が腹部に移り、しかも峰打ちに変わったのが見えたのだ。
先程までの遅さがどこへ行ったのかと思うほど迅速に鞘に収めたままの刀の峰側で
峰打ちを受けつつ後方に跳び、威力を減衰させた……と言うのに、なおも殺人的な衝撃で以って
鴉は数メートルほど吹っ飛ばされてしまう。

「っがぁっ! っくぅ、クッソ……あの速度にあの膂力、やろうと思えば
 神様だって打ち殺せそうじゃないか!」
体勢を立て直す間に、フリードが馬の足を止めにかかった……


いやシリアス台無しですまない、あの止め方はないわ。やれと言われてもやだと返すね。
しかもあんだけボロボロなのに顔だけはそのまま、やっぱジルベリア人はどっかおかしいわ。


一通りツッコミ終わった段階で、フリードの体を張った足止めも功を奏さず、
ゼルフェルドは今度はクレイに狙いを定める。ああいう手合いに不意打ち仕掛けるのには
気が引けるし通用するとも思えない。いつでも抜けるようにはしておいて、
鴉はクレイの隣に立った。
「クレイ、行けるな? 足止めが駄目だったんだ、
 今度はあんたの案……鎧の奴を馬上から引き摺り下ろす、だぜ。
 俺がトップを張る、蹴落とすのは任せた」
そう声を掛け、鴉は神速には程遠いながらもかなりの速度で距離を詰め、
周囲を止まる事無く駆けつつ居合いの連撃を仕掛ける。
全て受けられてしまうがそれでいいのだ。そう、自分の役目は地均しなのだから―――――。
67 :ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo [sage]:2010/04/09(金) 22:28:28 O
>>45

>「 疾 風 怒 濤 ! ! ! ! 」

森の隅々にまで響き渡ったゼルフェルドの凄まじい雄叫びは生い茂る木々の枝葉を震わせる程であり
その枝に留まっていた1羽の大きなミミズクはただならぬ気迫と恐ろしく強力な気配が物凄い速さで移動するのを察知していた

「ホッホッホゥ……朝告鳥が目覚めてしまったか…
だが、雄鶏は誰の為に鳴くのかという事を伝えねばならない…」
枝に留まったミミズクはそう呟くとゆっくりと目を開き翼を広げ宙へと飛びたった
木々の間をくぐり抜け、感じられる気配を頼りに、その方向へと飛ぶ間 ミミズクは嫌と言う程、気配の禍々しさから伝わるゼルフェルドの気迫を味わっていた
「これ程の気迫……恐ろしい輩だ
総裁が欲するのも当然か」

>>54 >>60 >>63 代理投稿56-57

距離が近づくにつれ気迫の源ゼルフェルドの他にいくつかの人の気配があるのも伺い知れた
今までは強力すぎる力に飲まれていたせいか読み取れ無かったのだろう
そして、ミミズクが見た戦況は既に圧倒的である
「お目覚めはいかがかな?ゼルフェルド卿」
甲高いミミズクの声が戦場に響いた
68 :エンカ ◇jWBUJ7IJ6Y の代理[sage]:2010/04/09(金) 22:50:56 0
>48>50>59
「うおおおおおおおっ!?」
いきなり何かに掴まれたエンカが悲鳴をあげた。しかし、その腕は逃げるエンカを推し進める。
> 「彼女を酔わしたのは私の責任。
> 私に成り代わり彼女を避難させてくれること感謝するわ」
「この声はセラエノ!?これもあいつの魔法なのかよ!?」
おかげでエンカ達はたちまち礼拝堂から離れることができた。
> そして、礼拝堂がまばゆく光り、何かが爆発するような音が聞こえてくる。
> 上気したリリィの顔から、さーっと血の気が引いていく。
> 「な、何あれ?何がいったいどうなってるの?何で暗いの!今のあの音何?!
>  ねえ、私たち、つい今しがたまで、あそこで蜂蜜酒を飲んでたはずでしょう?!」
「寝ぼけたこと言ってんなよなーっ!こういう危機的な状況こそ、俺達はピンチなんだよーっ!!」
> 「うわああああ?!女の子がおっきなわんこを馬代わりにしてるぅぅぅ?!」
「逃げるんだよぉぉぉおおっ!!」
リリィと同じものを見たエンカが叫んだ。エンカにとって、彼はモンスターにしかその時見えなかったからだ。
>「ようウォン君だっけ、それとリリィちゃん!さっき振りだけどちょっと同行させてもらうよー!
> あっと名乗る機会を逃していたな、俺はグラディス!こっちはネリーだ!」
「…ああ!?」
> 「よ、よろしく・・・・・・」
「じょ、冗談じゃねーっすよコラーッ!味方ならよぉ、もっと可愛い顔して現れろよなーっ!」
>「……っと、暗くて足元が見難いんじゃないか?ネリー、何か召喚召喚!」
>「あ、えーっと、出てきて『ウィル・オー・ウィスプ』!」
ネリーと呼ばれた少女が青い火の玉を出したのを見てエンカは思った。
「(この状況、もしかして魔法が使えないのは俺だけかよ!?)」

> 「ねえ、ちょっとあれ見て!!」
> リリィはがばっと身を潜めると、木の影を恐る恐る指差した。
エンカも同じように身を潜めた。
> 「今、あそこを赤と黒っぽい人型の何かがいたような・・・・・・・。
>  グラディス、あなた夜目が利くんでしょ?!だったらもっとよく見てよ!ねえねえ!!」
> リリィはごくりと息を呑んだ。
> 「ねえ、あれもしかしてデッスモナーク・・・・・・なんてことはないよねっ!違うよね!
>  いたとしてもただの幽霊だよねっ!単なる見間違いだよねっ!!」
「俺に聞かねぇでくれよ?こっちの国のことは詳しく知らないんだからよぉ。
 それよりもお前ら、何で“魔法”が使えるんだ?
 俺はよぉ、魔法は魔法学園に入学してから使えるようになるとばかり思ってたがよぉ、違うのか?」
エンカの母親は魔女だったが、彼に魔法の事は何一つ教えていなかったのだ。
「さっきセラエノが言ってたんだ。学園に辿り着くべき人間は何もしなくても辿り着くだろうし、
 辿り着くべきでない人間は何をやっても辿り着けない、ってよぉ!
 それってもしかすると、こういう危機的な状況で魔法能力に開花しないと、
 学園まで辿りつけないっていうことなんじゃあねぇか!?
 正直なところ、今の俺じゃあ学園に辿りつけない気がするぜ!
 なぜって?俺は魔法が使えないんだよぉーっ!
 どうすりゃいいんだよ!?お前らはどうやって魔法使ってんだぁ!?
 “コツ”とか“きっかけ”があるならよぉ、何でもいいから教えてくれよ!」
69 :ゼルフェルド ◇46fzeSvBIISbの代理[sage]:2010/04/09(金) 22:51:25 0
鎧の化け物が飛び込んで来た、場にいた生徒達の反応は様々である。
背を向け走り出し、逃げる者。構え、戦意を見せる者。
逃げ出した者達はまず間違いなく無事に生き残る。というのも、ゼルフェルドは戦意無き者に刃を向けるようなことは決してしない。
離れていく幾つかの影を一瞥した後、再び前方に向き直る。
「……逃げる者は追わん…闇より出でた牙に臆したならば、早々に去ねよ…!」
警告はした、と。十文字槍を突き出し、撃神は更に加速する!

突撃の姿勢。とならば、真っ先に狙うはこの槍の直線上にいる者。
しかし、自らの纏う闇で気付くのが若干遅れた――
十文字槍の切っ先に立っていたのは鏡の様な仮面を付けた…“女性”。
この情報を頭で理解した瞬間、ゼルフェルドの構える槍も太刀も、あっという間に鋭さを失い、鈍る。そして次の瞬間、
更に心が揺らぐ。その少女から、何故か身に覚えのある、しかし有り得ない「気」を感じ取ったから…

「……これは……神…気………!?」

崇め祀られる存在が放つ独特の気。それが目の前の少女から感じられたのが信じられなかった。
しかし、そこで下手に武器を傾けたのが不味かった。
「っ!?しまった!」
槍の切っ先が、ちょうど少女の胸辺りの高さにあったのだ。このままでは……!
撃神を急停止させるか、槍を地に刺し捨てるか、どちらが素早く取れる方法かと、刹那の時で悩んだ時、
>「私は目的達成を優先させてもらうわ。
ここでであったのも何かの縁。闘う選択肢を選ぶのならばこれは私からの手向けです。」
突如として少女が後光に包まれ、強烈に輝きだしたのだ。流石の撃神も驚いたらしく、地を抉ってその場で踏み止まった。
暫く視界が白一色になったが、その時、少女の気配が動き、この場から離れていくのを感じた。
ようやく目が見えるようになってから周囲を見渡すと、やはり少女はいなかった。ただ、ここに来る途中に見かけた森の方へと、
微かな神気と思えるものが続いていた。

「…………畏れ多い……あの様な存在に刃を向けるなどと………我が愚行…どうかお許しください…」
静かに胸の前で槍と太刀を交差させ、十字架を作り、祈る。
そして、懐から蒼く美しく輝く鳥の羽を取り出し、一厘の風を森へと流すと、それに蒼い羽を乗せて飛ばした。
これは気付けば集めていた羽のコレクションの一つであり、その中でも自分が最も美しいと思ったものである。
許されるとは思わないが、何故か、謝罪をしなくてはいけないと思ったのだ。

暫しの間、謎の少女のことを考えていたが、すぐさま全身に赤黒い光が灯り、鈍く、そして強く光り始める。
「………逃げぬ者あり……それは、勇ましさか、愚行か………!」
向き直った目の前に立つのは、黒く、暗い気を放つ少年と、先程の突撃を中々の速さで避けて見せた少年。
それと………少女…?いや違う、気配で分かる。男だ。ならば、刃を振るうに躊躇いは無い。

「…腕に自信があると見た…私はゼルフェルド卿…………
故あって、貴公らの武……試させてもらう…!!」
70 :ゼルフェルド ◇46fzeSvBIISbの代理[sage]:2010/04/09(金) 22:51:50 0
「…………………………………………」

構え、眼前に立ち並ぶ少年達を観察する。まず最初に一撃を放つ相手を選別する為に。
しかし、相手は簡単に決まった。鴉が如き、黒の少年である。
恐らくはこの中で一等最初に冷静さを取り戻し、こちらに対するその態度。
あるいは初めから混乱などしていなかったかもしれない。ならば尚のこと、まずその武を見ておきたい。
十文字槍を何度か振り回した後、その切っ先でレイヴンを指す。「お前を先に狙うぞ」という、暗黙の宣言。
「しかと構えろ、少年達よ…………行くぞ……!」
言い終わるが先か、撃神が再び地を蹴り走り出す。元より距離が近かったせいもあり、一瞬などという言葉が生温い程の速度で間合いを詰める。
直前で撃神は身を逸らし、三人の横をすり抜けるようなコースを取る。
ここぞとばかりにゼルフェルドは太刀を構え、腕の振り抜きと撃神の加速に任せてレイヴンの首を刎ね飛ばそうと、腕を思い切り後ろに引いた。
しかしその刹那、信じられないものを見る。
(………見ている…?この速度で迫る太刀筋を、目で追っているのか…?)
「……ぜああああああああああああ!!!」

咄嗟に太刀の刃を反し、狙いを首から腹に変え、そこに加速の乗った凄まじい峰打ちを叩き込む――!
そのまま数メートルほど吹き飛ばしたが、おそらくはまだ生きているだろう。
しかし、止めには行かず、そこで残り二人の少年の方へと向き直る。
これは実力を見る為の戦。まだここで誰かの命を奪うことなど考えていないのだ。

「これも任。問答無用!!」
間を空けず、十文字槍を振り回して突撃する。が、これがあっさりとかわされてしまった。
自分の実力に自惚れるつもりはないのだが、まさかこのような少年に避けられるとは思いもしなかった。
>「ここは少し距離をとって………ビスケス!!」
侮れんな、などと考えていると、薔薇の花が飛んで来るのが見える。聞くに、これは爆弾らしい。
ではどうするか?触るわけないだろう。武器の秘密を自ら暴露するとは…この少年も実に正々堂々しているな、
と、一人変に納得してフリードに好感を持つゼルフェルド。しかしだからと言って、わざわざ当たってはやれない。
「風よ……!荒れ狂いて、吹き抜けろ!!」
次の瞬間、ゼルフェルドの背後から数本の竜巻が、まるでドリルのように鋭くうねり、前方へと向かっていく。
飛んできた薔薇は全て風に飲まれ、また、フリードにも竜巻が何本も突き刺さる様に襲い掛かり、吹き飛ばす。
>「フハハハハハハどうしたぁこっちの攻撃も当たらないじゃないか
 せめてスピードさえ削げれば………かと言って馬に突っ込むのもあれですし」
>「誰か何かいい作戦はありませんか?」

今度は敵の目の前で堂々と作戦会議を始めた……なんと潔い…!
>「作戦か.........二つだけ思いついた。」
しかも答える者までいた!
…どうやら、撃神を厄介と判断して動きを封じようとしているらしい。間違ってはいない判断だ。
だがこちらとてそう簡単にやらせはしない…警戒していると、先程吹き飛ばしたフリードがもう立ち上がり、氷の魔法を展開してきた。
足元が凍りついたことで、数歩さがる撃神。すると何と、その脚に飛びついてきたではないか!
撃神は一瞬驚いていたが、直ぐに不快感を露にし、その巨大な蹄で纏わり付いた邪魔者を何度も何度も、大地を揺るがし踏み潰す。
しかし、普通の人間は一度踏みつけられただけで肉も骨も砕けてバラバラになる撃神の蹴りをこれだけ受けているにも関わらず、フリードは人の形を保っていた。
そうこうしているうちに、右前足が見事に凍らされてしまった…見事だ。だが、その程度―――
「ブルァッ………!!!」
撃神は前足で地を蹴り、高く高く振り上げたかと思いうと、そのまま地面に叩き付ける。
すると、脆くも氷は砕け散り、周囲に散っていった……ゼルフェルドはそれを見届けると、今度はクレイに向き直る。

「……次は……貴公が相手か…………?」
71 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/09(金) 22:52:16 0
>>61
>「私はセラエノ・プレアデス。あなたと同じ新入生よ。ナナシではなく神よ」

「か、神……?」

振り返ったその女性――セラエノと名乗ったその少女の突飛な台詞に、
ゼルキは先程までの緊張による物とは別の意味での硬直。即ち困惑の色を露にする。
だが、それでも会話が成立した事によってセラエノが魔物では無く、魔法学園の新入生
であるという事は伝わったらしい。
慌てて構えていた左手を下げると、頬を掻きすまなそうな表情を見せる。

「えーと……神っていうのは、ジョークみたいなものなのか?
 不味いな。こういうコミュニケーションには慣れてなくて……じゃない。
 その、女の子に対して魔物扱いなんかして悪かった。言い訳になるけど、
 これくらい警戒してないと俺にとっては危険なんだ。本当にごめん」

頭を下げるゼルキ。彼にとって幸いな事に、見た限りではあるが当のセラエノは
その事に対して怒っている様子は無い様だ。逆に、ゼルキに対し友好的な様子すら見せている。

>「それにしても絶妙に魔力を紛れさせたわね。全く気付かなかったわ」
>「かなりの使い手のようだけど、参考までにもし私が敵だったらその左手をどうしたか、教えても

らえる?」

「? いや、そんな大した芸当はしてないぞ。お世辞でもそう言って貰えるのは嬉しいけどな。
 けどまあ、実際の所俺なんて魔法使いとしては全然まだまださ」

と。ここで一つの誤解が生まれた。どうやらセラエノはゼルキの無能を才能と思ったらしい。
然しながら、セラエノがそんな勘違いをしたのも仕方が無い事だろう。
何せゼルキの構えや間合いの取り方が本物である事は確かだったのだから。
火球を出す基本中の基本の魔法ですら、才能の無いゼルキは何百何千回研鑽を行って身に着けたのだ


少し練習をすれば強力な魔法を習得できる今時の魔法使いのそれと比較すれば、少なくとも
動作に限って言えば洗練されているに違いない。まあ、本人にその自覚は無いのだが。

「ああ。セラエノさんの足元に紫色のキノコが生えてるだろ?それは少しでも火に触れると、
 強い麻痺毒を含んだ胞子を広い範囲撒き散らすんだ。だから、それを狙って――――」

そうして、セラエノの問いに、先程彼が咄嗟に練っていた作戦内容を答えようとした時である。
72 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/09(金) 22:52:48 0
>>62
>「やれやれ…紳士的ではないな少年」
>「失礼、私の名はクルード・ナインテイル
 君達と同じく新入生だ」

「っっ!!?」
突如として木の上から賭けられた声。ゼルキはビクリと身体を震わせ
反射的にセラエノと舞う木の葉の斜線上に飛び込もうとし――――

「……犬耳?」
その声の主が何者であるのかを目撃した。見れば、それは少女だった。
スーツを着込みシルクハットを持った少女。だが、その姿よりも特徴的なのは
その“耳”と“九本の尾”だ。それは明らかに動物のそれである。
ちなみに、ゼルキがその少女の狐耳を犬耳と勘違いしたのは、単に彼が狐と犬の耳の違いに
ついて詳しくなかったからである。
クルードと名乗るその少女は、セラエノと驚くゼルキに同じく魔法学園の新入生
である事を告げると、

>「いい加減身構えるのは止めたまえ
>こんなかわ……個性的なお嬢さんが恐ろしい化け物でないぐらいわからないかな」

「え? あ、ああ。そうだな。俺もセラエノさんには悪かったと思う……って、そうじゃない。
 犬耳の人……えーと、クルードさんでいいのか? 君はその、ここで何をしてたんだ?」

迷っていたゼルキ自身や、突発的に現れたセラエノは仕方が無いとして、
クルードという少女はこの森の中でも環境が劣悪な区画で一体何をしていたのだろうか。
聞きたい事は色々あったが、とりあえずゼルキは最初に疑問に思ったそれを聞く事にした。
73 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/09(金) 23:43:37 0
>63>69>70>65>66>67
驚いた
あの根性とは無縁だと思われたフリードが、まさにその根性であの馬の脚を凍らせたのだ
{こいつについて考え直す必要がありそうだな}
ただ、あんな馬に蹴られて、たいした怪我をしていないどころか、顔にいたっては全くの無傷と、非常識なのは考え直すつもりは無いが
おそらく、時速80キロで暴走する馬車にゴミのようにひかれても平気だろう

>「これでもちょっとの時間稼ぎにしかならないでしょうが………役割は果たしましたよ」
と言った矢先、
>「ブルァッ………!!!」
あの馬が氷を砕いた
残念だが、時間稼ぎにすらならなかったようだ
>「……次は……貴公が相手か…………?」
ゼルフェルドとかいう奴が、クレイに方を向く
だがすでに、レイヴンは攻撃を仕掛ける準備をしていた
>「クレイ、行けるな? 足止めが駄目だったんだ、
 今度はあんたの案……鎧の奴を馬上から引き摺り下ろす、だぜ。
 俺がトップを張る、蹴落とすのは任せた」
ゼルフェルドの背後から攻撃を繰り出すレイヴン
さすがのゼルフェルドも反応が遅れたようだ。一瞬だが隙が出来た
「任された」
クレイはそう言うと否や、怖るべき速さで動く
「はぁぁぁぁぁ!!!」
隙が出来たゼルフェルドを、思いっきり蹴り飛ばす
吹っ飛んで行ったところに、さらに上から追撃を行う

ズゴォン!!

地面に埋まるほどめり込む
しかし、これ以上の攻撃は行わずにその場からすぐに引いた
彼から恐ろしい闘気が出てきたからだ
{拉致が空かないな...どうしたものか}
いっそのこと、フルでやってみるか?
いや、全力でやったところで、この戦いは簡単には終わらないだろう
フリード(は大丈夫か?)とレイヴンが大事に至ったら、後悔してもしきれない
それにレイヴンは、すでに奴の攻撃を受けてしまっている
{......逃げるか。
しかし、どうやって....}
普通に逃げては追いつかれてしまう
かと言ってゼルフェルドに、逃がしてくれ、と頼んだら、こちらが手詰まりだとばれる事になる

その時
>「お目覚めはいかがかな?ゼルフェルド卿」
どこからか声が響いてきた
74 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/10(土) 00:04:51 0
>71
神です、と言っても相手は戸惑うのみ。
それは至極当然の反応であり、そういった反応には慣れていた。

説明する事も出来るが、流れ的にも状況的にもそれを行っている余裕はない。
目的は学園に辿り着く事であり、現在の場所は危険とされる森の中なのだから。
>「ああ。セラエノさんの足元に紫色のキノコが生えてるだろ?それは少しでも火に触れると、
> 強い麻痺毒を含んだ胞子を広い範囲撒き散らすんだ。だから、それを狙って――――」
「なるほど」
感心するように頷いていると、頭上から声がかけられる。

>62
>「やれやれ…紳士的ではないな少年」
声の方向を向けばそこにはスーツ姿の少女。
長身に見合う長い手足で大きめなシルクハットをとり優雅に頭を下げていた。
流れるような自己紹介としなやかな仕草だが、それ以上に目を奪われたのは9本の大きな尻尾だった。

「はじめまして、クルード。
私はセラエノ・プレアデス。あなたとこちらのゼルキ同様新入生よ。」
口元に微笑を浮かべながら挨拶をする。
ゼルキがなぜこんなところに?と至極まっとうな問いをかける中、セラエノは呟やいた。
「金毛だと聞いていたのだけど、銀髪なのねえ。」
75 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/10(土) 10:48:59 P
>66>70>73
>「ブルァッ………!!!」
「なん………だと……僕の全力の魔力が」
まるで光子力バリア並に簡単にパリーンと割られるフリードの氷
しょせん14歳が扱う魔力ではこの程度のようである

「にゃん……にゃな」
一緒になって驚く猫
お前絶対普通の猫じゃないだろう
まあある意味予想通りの展開である

>「……次は……貴公が相手か…………?」
>「クレイ、行けるな? 足止めが駄目だったんだ、
  今度はあんたの案……鎧の奴を馬上から引き摺り下ろす、だぜ。
  俺がトップを張る、蹴落とすのは任せた」

>「任された」
>「はぁぁぁぁぁ!!!」
鎧を着た騎士のような化物を蹴り倒すクレイ
その威力はまるで騎士猛襲脚
カタカナ表記にするとライダーキック
凄まじい威力である

「ええい!しょせん薔薇持った美形はかませ犬でしかないのか
 熊には効いたんだけどなぁ…………」
今までげしげし蹴られてたのに異様に元気なフリード
おのれジルベリアの人間は化物か!!
まあ効果があったら効果があったで
そんなに魔法を使いこなせてるなら学園で勉強する必要なくね?
という事になりかねないからある意味この結果が正しいのかもしれない

フリージングサーベルを杖の代わりにして立ち上がるフリード
まあフリージングサーベルの柄の部分は実際に魔法使いの杖でもあるのだが
76 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/10(土) 10:50:31 P
「ぐふっ………吐血する美少年って官能的ですよね
 どうやら肋骨が折れて肺に刺さったっぽいです」
さっきの元気な様子は何処に行ったのか?
今更思い出したかのように血を吐くフリード

「もう僕には戦う魔力は残されていません
 あとは父さんに教わった肉体言語ぐらいです」
フリードの父の名はザンギュラ・ノクターン
彼の得意技はグラップルリング
平たく言うとプロレス技である
だがこれをやるとジャンルが変わってしまう

「にゃぁ?」「ぐはぁ!!」「に”ゃ〜!?」
心配して寄って来た猫に思いっきり吐血が掛かる
「ふふふふふ……逃がしませんよ
 血の盟約により……この者を使い魔となせ!契約完了!!」
吐いた血をを媒介にとっととグレンを使い魔にしてしまうフリード
「僕って体が丈夫なんで傷とかすぐに治っちゃうんですよね
 こういう機会でも無いと血を使った契約なんて出来ませんからv」
まさに外道である

フリード少年はこう言った”戦う魔力は”と
どうやら使い魔契約分は別勘定だったらしい

>「お目覚めはいかがかな?ゼルフェルド卿」
「にゃにゃ〜」
どっからともかく聞こえてきた声に驚く猫 グレン
「一体何処から?ただでさえ苦戦してるのに増援とか勘弁願いたいです」
77 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/11(日) 02:59:07 0
魔法学園近くの森を木の葉を踏みしめ歩く少女が一人。
彼女もまた「近づいてはいけない」と警告された森に転送されてしまった不幸な生徒の一人である。

「ああもうさっきから鬱陶しい……どっかに行きなさいよ」

少女は不機嫌な表情で左手を振り、寄ってくる虫たちを追い払う。
もっとも虫たちが寄ってくる原因は甘い香りを漂わせている彼女自身にあるのだが。
彼女とて好きで香水を使っているわけではない。

「まったく……早くこの森から出ラレないかしら」

少女はため息を吐く。彼女を導く右手のペンダントは進むべき方角こそ示すものの、その距離までは知ることができない。
せめてこの島の地図でもあればだいぶ違うのだろうが、生憎と彼女はそんな都合のいいものを所持していなかった。

「あーあ、先が思いやラレルわ……って、あれ?」

姿は見えないが、近くから人の話す声がする。
自分と同じ境遇のニンゲンだろうか。
そう思って少女は一度ダウジングを打ち切り、声の聞こえるほうへと足を向けた。

>>62
>>72

>「いい加減身構えるのは止めたまえ
>こんなかわ……個性的なお嬢さんが恐ろしい化け物でないぐらいわからないかな」

>「え? あ、ああ。そうだな。俺もセラエノさんには悪かったと思う……って、そうじゃない。
> 犬耳の人……えーと、クルードさんでいいのか? 君はその、ここで何をしてたんだ?」

茂みをかきわけて顔を出すと、年の近そうな少年少女が3人顔を突き合わせていた。
三者三様の奇妙な出で立ちがなんとも言い難いが。

「ええと……割り込むようで申し訳ないけれど、ここにいるのはみんな魔法学園を目指しているヒトでいいのかしら」

それ以外の人物と出くわすとも思っていなかったが、彼女は一応確認の声をかけた。
それに対する彼らの返事を聞いて、少女は妖しく微笑む。

「あは、道に迷っているようなら一緒に行かない? ワタシはルータ・ルーダっていうんだけどね」

そう言って少女――ルータは右手に握りしめたペンダントの鎖をじゃらりと鳴らした。
78 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/11(日) 03:00:04 0
名前・ルータ・ルーダ
性別・女
年齢・16
髪型・セミロングの茶髪
瞳色・こげ茶
容姿・やや幼いダウナー系少女 フードの付いた黒マント 首輪
備考・高度なエンバーミングを施されたゾンビ。香水は手放せない
得意技・ペンダントによるダウジング 大地に関する魔法
好きなもの・りんご(ただし毒の入っていないものに限る)
苦手なもの・犬 蝿 お風呂
うわさ1・両親はお医者サマらしい
うわさ2・お風呂には入らないらしい
79 :クルード ◆2qZ7FF4TUs [sage]:2010/04/11(日) 04:05:04 O
「わかったならそれでいいさ。敵意ってやつは向けた瞬間『和解』という選択を遠ざけるものだ。
 気をつけたまえ少年」
ゼルキに軽く忠告し、帽子をかぶり直した
するとゼルキがここで何をしていたかと訪ねてきたので答えようとした時、セラエノの呟きを聞いたのか
クルードは視線を彼女に向けた
「驚きだな。神も先入観に捕らわれるものなのか
 失礼、つい思ったことを口にしてしまった悪く思わないでくれ
 だが言わせてもらうと、肌色や体毛なんてのは生まれた環境や遺伝で面白いほど変化するものだ
 『カラスだから黒だ』という先入観でものを見るのは凡人の発想だよ
 因みに私は毛皮の宝石と言われたジルベリアンホワイトフォックスが祖の獣人さ
 銀髪はそれの名残だと思ってくれていい
 因みに、ここまで言ったが別に気にしていることじゃないから気にしなくていいさ
 聞かれたらいつもこう答えるようにしているだけだからね」
にこやかに微笑みながら理屈っぽくそうセラエノに説明する。
尻尾がゆさゆさ揺れているところをみると本当に気にしていないみたいだ。
「さて、話が逸れたかな
 私が木の上で何をしていたかだったかな?
 そうだな。太陽の位置と時計台を確認しようとしてね
 門をくぐる前に学園にある時計台を見てね
 私の故郷にある時計台以上の大きさだったから目印になると思ったんだがね
 残念ながら時計台は確認できなかったよ
 だが、大体の方角は確認することは出来たわけだから良しするがね
 ………とまぁ実のところこの作業は10分ほどで終わってしまってね
 君らがこの辺りにくるまでの間、昼寝をしていたよ」
そんな暢気な答をゼルキに返し微笑んでみせた。
「さて、話はここまでにして試験を続けようではないか
 そこで私から提案が2つあるのだがいいかな
 1つはとりあえずもっと見晴らしのいい所に移動するか
 それか、この島を一望出来るぐらいの高台を目指すか
 どうかな?悪くないと思うが」
80 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/11(日) 12:16:46 0
「…意気消沈………何もせぬまま満身創痍か?少年よ…」
黙り込んだままのクレイに、軽く挑発の意味も込めた言葉を投げかける。
それでも一向に静かなまま……何か策があるのか、それとも本当に戦意が挫折れ、恐怖に支配されてしまったのか…
撃神が凍り付いていた脚の様子を気にして、何度か地面を踏鳴らしていた。その時であった。
「…………大丈夫かね、暗き少年。あまり無理をすると…骨が逝くぞ」

先程吹き飛ばしたレイヴンが復帰してきたようだ…流石に、足元が覚束ないようだが。
しかして、二本の脚で立ち上がってくるとは驚いた。峰打ちとはいえ、加減したつもりは無い。
>「クレイ、行けるな? 足止めが駄目だったんだ、
 今度はあんたの案……鎧の奴を馬上から引き摺り下ろす、だぜ。
 俺がトップを張る、蹴落とすのは任せた」
「…………その発言…それは、もう一度私に向かってくる。という理解で合っているかな」
嬉しいじゃないか。突風が巻き起こる程強烈に十文字槍を振り抜き、ゼルフェルドは笑う。
そんな威嚇にも怯まず、レイヴンはかなりの素早さで向かってきた。そうだ…こうでもなくては視る価値もないというもの。
右へ、左へ、上か、下か。最早一筋の黒き光線となったレイヴンが、ありとあらゆる方向から……これは…剣撃だろうか?
一撃も然ることながら、本人の動き自体の速さも相俟って、捌くのは相当に骨が折れる。
しかしこちらの得物は二本。加えて撃神も、その頭部の鎧から生えた角でいくらか剣撃を弾いてくれている。流石は戦友、といったところか。
だがこの時、久方振りの手合わせに、少し意識が浮いてしまっていたゼルフェルドは迂闊にも、一つ大事なことを忘れていた。
それは、このレイヴンが陽動役であるという、事前に知っていたならまず忘れぬであろう事実――

「――――ッうああっ!?」
瞬間。激しい打ち合いをしていた相手の顔が視界から消え、代わりに映ったのは、天空、瓦礫、そして終わりに地面。
視線を走らせ、先程まで自分がいた撃神の背上をみると、クレイが飛び蹴りの構え……蹴落とされたのか…!
何か身体強化系の魔法か。普通ではない威力だった。やってくれる…

着地しなくては。空中でどうにか体勢を整える為、脚を地面に向けた。
…………はずだった。
―――ドスゥン―――!
「!?!?!?!?!?」
落ちた。足から着地どころか、受身さえ取れなかった。
確かに今自分は、着地を試みようとしたはずだ。頭ではそう考えた。
だが……何か自分の奥底で、別の、ありえない命令が出され、体がそれを実行しようとした……

『飛べ』と…

「………………………………」
不思議には思うが、自分に起こった些細な異変など、今は気にしていられない。
まさかこのような少年達を相手に、撃神から引きずり降ろされるなどいう失態をおかすとは…
見縊っていた。もう一度撃神に乗る暇などない。となれば、こちらも本気をもって臨まねばなるまい――
と、不意に空気を滑る音が聞こえた。といっても、常人に聞こえるものではあるまい。
段々とこちらに近づいて来ている。気配も音も隠し、空気を切るこの独特な羽ばたき…これは梟。いや、羽角の靡く音もする…ミミズクか…

>「お目覚めはいかがかな?ゼルフェルド卿」
「む……?」
一瞬、ゼルフェルドの声が女性のそれに近くなったのだが、その場の全員が緊張状態にあった為か、
幸いそれに気付く者はいなかった。
案の定視界に入ったのはミミズクだったが、なんと言葉を話した。喋るミミズクかと目を輝かせていたが、
すぐに事実を理解し、少しがっかりしながらいつも通りの声で問いかけに応答する。
「……悪くはない…まだ体が寝こけているのかもしれんが、問題はないな…それよりも、
貴公がここに現れた理由をお聞かせ願いたいものだな………」
槍と太刀を少年達に向けたまま、ゼルフェルドはミミズクに問いかけた。
81 :グラディス&ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/11(日) 13:25:20 0
>59>68
>「ギャー人魂!!・・・・・・って・・・・・え?これ、ネリーさんの魔法なの。
> そっか。ああ、びっくりした」
「驚かしちゃった?でも、こういう魔法だからゴメンね!」
ニカッと良い笑顔で軽く謝るネリー。
しかし内心では……
「(……ウィル・オー・ウィスプって、多分人魂なんだよね。
 でも今は黙っておこうっと)」
召喚魔法は作り出す魔法ではなく、何処からか呼び出す魔法である。
召喚するものの本質は、ネリー自身は最低限のことしか知らないのだ。

>「ねえ、ちょっとあれ見て!!」
>リリィはがばっと身を潜めると、木の影を恐る恐る指差した。
エンカもそれに従い、グラディスはネリーをおぶったまますぐ横の木の陰に隠れる。
>「今、あそこを赤と黒っぽい人型の何かがいたような・・・・・・・。
> グラディス、あなた夜目が利くんでしょ?!だったらもっとよく見てよ!ねえねえ!!」
「ん〜……わかんねーなぁ。この位置だと丁度見えないし」
エンカやリリィの位置とは少しずれているため、リリィの言う『人型』は隠れている。
だったら移動すればいいとも思うが、先のことがあったばかりだ。
警戒して損は無いとグラディスは考える。

>「ねえ、あれもしかしてデッスモナーク・・・・・・なんてことはないよねっ!違うよね!
> いたとしてもただの幽霊だよねっ!単なる見間違いだよねっ!!」
>「俺に聞かねぇでくれよ?こっちの国のことは詳しく知らないんだからよぉ。
> それよりもお前ら、何で“魔法”が使えるんだ?
> 俺はよぉ、魔法は魔法学園に入学してから使えるようになるとばかり思ってたがよぉ、違うのか?」
>「さっきセラエノが言ってたんだ。学園に辿り着くべき人間は何もしなくても辿り着くだろうし、
> (中略)“コツ”とか“きっかけ”があるならよぉ、何でもいいから教えてくれよ!」
「ふーん……コツ、って言われてもなぁ。それぞれ違うもんじゃないのか?
 コツなんてあったら、もっと前に学園が出来ていただろうし」
腕組みして、うーんと頭を悩ます。
「でも、これから魔法を学ぶっていうのに使える必要はないと思うがなー。
 俺達は親が魔法使いだったから、教えてもらえる事は教えてもらっただけ。
 それでも学ぶものとは専門が違ったから、ほんの少ししか教えてもらってないし」

「……で、結局人影はどうするの?」
「ん?おお、そーだった。そーだな、一回降りてくれ」
グラディスが促したとおり再びひらりと飛び降りて、ネリーはリリィとエンカ同様に茂みに隠れる。
毛深い鼻面にヒトのハートを持つ男子が、両手を組んだ。
「こうやって手を組んでだな、背伸びをする。するとお〜〜〜〜ッ!」
ゴキゴキッ!
伸び上がった背中が音を立てて真っ直ぐになっていき、爪と体毛は引っ込んでいく。
顎の形も狼らしさが残るだけで、ほぼヒトと全く同じもの。目立つ違いといったら頭に真っ直ぐ生えた耳だけ。
瞬く間に、再びグラディスが狼耳の青少年へと変身した。
「こっちの方が魔力の通りっつーんかなァーッ!使いやすさっつーかなァ〜〜〜!
 そーいうのが良くなるのさァー!」

ぐっと右腕を引き、野球の投球直前のフォームとなる。
すると、右手に赤い火の手が上がる。魔法の火だ。
「さぁ行くぜ、魔法・初お披露目!うっりぃやああああぁぁぁぁ!!」
拳大の小さな炎を、その状態でも十分高い身体能力で目標の木に投げつけた。
82 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/04/11(日) 14:49:33 0
>81 >68
エンカ曰く、彼は魔法についてはあまり詳しくないらしい。 
>「それよりもお前ら、何で“魔法”が使えるんだ? 
> 俺はよぉ、魔法は魔法学園に入学してから使えるようになるとばかり思ってたがよぉ、違うのか?」 
「グラディスさんみたいな変身や、ネリーさんみたいな火の玉出す魔法のこと? 
 だったら無理無理!私にだってそんなの使えないから!」 
>「(中略)それってもしかすると、こういう危機的な状況で魔法能力に開花しないと、 
> 学園まで辿りつけないっていうことなんじゃあねぇか!? 
> 正直なところ、今の俺じゃあ学園に辿りつけない気がするぜ! 
> なぜって?俺は魔法が使えないんだよぉーっ! 」 
「え――――っ!!」 
リリィもつられて叫んだ。 
せっかく身を隠していたというのに、台無しである。 

>「どうすりゃいいんだよ!?お前らはどうやって魔法使ってんだぁ!?」 
 “コツ”とか“きっかけ”があるならよぉ、何でもいいから教えてくれよ!」 
リリィは一瞬だけ暗い顔をしたが、すぐに元の雰囲気を取り戻した。 
「ま、まあまあエンカ、落ち着いて。 
 残念ながら、私が使ってるのも魔法と呼べるのかどうか・・・・・。
 だって、一方的なテレパシーでの呼びかけと、箒で空を飛ぶことだけだもん。 
 しかも、大事な空飛ぶ箒はこんな姿になっちゃって・・・・・・」 
リリィは半分に折れた箒をエンカに掲げて見せた。 
 
>「ふーん……コツ、って言われてもなぁ。それぞれ違うもんじゃないのか? 
> コツなんてあったら、もっと前に学園が出来ていただろうし」 
>「でも、これから魔法を学ぶっていうのに使える必要はないと思うがなー。 (略)」
「私の『きっかけ』はあんまり参考にならないかも。 
 だって私の場合、多分原因は事故で死にかけたことなんだもの。
 で、コツとかの話だけど・・・・・・・。んー・・・。 
 確か、30歳まで純潔を守り抜くと魔法が使えるようになるって聞いたけど・・・・・・エンカまだ10代だよねぇ?」 
だったら、あと何十年も待てるわけがない。 
リリィはさらにうんうんと首を捻った。考えすぎて、頭からは煙が立ち上りそうだ! 
彼女はぽん、と手を叩いた。
「――――あっあっ!思い出した思い出した! 
 確かね、ちゅーすると、特別な魔法が使えるようになるって宿屋のおかみさんが!」
ちなみにリリィの預かり知らぬことではあるが、件の宿屋の女主人は、元娼館あがりの女傑である。 
「エンカ、この中の誰かとちゅーしてみる?」

リリィはつんつん、とエンカの腕を突いた。
「まあ、今は魔法のことをあれこれ悩んでもしょーがないよ。
 とりあえず、出来ることをしよう。
 大丈夫、ネリーさん達はどう見ても魔法使いだもん。二人と一緒にいれば学園に辿り着けるに決まってるわ!」
リリィは自信満々で言い切った。
「あとね、エンカは、魔法なんか使えなくても私よりずっと立派だと思うよ。
 1人でだって逃げられたのに、足手まといな私を連れて逃げてくれたんだしね!」
リリィは礼拝堂があった場所を振り返った。どうやらあちらも戦闘になっているようだ。
「皆、大丈夫かな・・・・・・無事だといいんだけど・・・・・・」

>「……で、結局人影はどうするの?」 
>グラディスが促したとおり再びひらりと飛び降りて、ネリーはリリィとエンカ同様に茂みに隠れる。 
>瞬く間に、再びグラディスが狼耳の青少年へと変身した。 
「すごーい!あっという間に元の姿になったよ!これも魔法なの?
 ネリー、あれもやっぱり魔法なの?!ねえねえ!」
リリィは目を輝かせ、隣に身を潜めているネリーをゆさゆさ揺さぶった。

>「さぁ行くぜ、魔法・初お披露目!うっりぃやああああぁぁぁぁ!!」 
>拳大の小さな炎を、その状態でも十分高い身体能力で目標の木に投げつけた。 
火の玉がぶつかった瞬間、何か大きなものが破壊されるような音がした。
「・・・・・・・なんか人の声が聞こえたような・・・・・・皆、どうする?どうなったか確認しに行く?」
83 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg [sage 代理投稿>68]:2010/04/11(日) 14:53:06 0
>>74 >>79 
(シベリアンフォックスって事は、あの耳は犬耳じゃなくて狐耳だったのか! 
 不味いな。さっき思いっきり犬耳って言ってしまったぞ……怒ってないといいんだが。 
 ……というか、初見の会話が尾の色の話っていうのも何か凄いよな。クルードさんも 
 セラエノさんが神って言ったジョークを信じてるみたいだいし、これが文化の違いってやつなのか?) 

言葉を挟む隙が無かった為に二人の少女の会話を黙って聞いていたゼルキだったが、 
暫くして会話が自身の投げかけた質問への回答へ流れてきた為、その姿勢を正した。 
・・・ 
聞けばクルードがこんな所にいた理由というのは、至極単純なものであった。 
シエスタ。つまる所の昼寝である。 
方角確認の為に木の上に出たら、暇で寝てしまった。という事の様だ。 
確かに、この区画の地上は腐る程に薄暗いが、逆に層を成し陽光を浴び続ける 
木の上というのは、睡眠を取るには適した環境だろう。 
しかしながら、ゼルキにはそれよりもクルードが発した台詞の中に、 
興味を惹かれざるを得ない言葉を見つけていた。それは、クルードがこの場の方角を 
把握しているという台詞である。道に迷っているゼルキからすれば、方角というのは 
貴重な情報である事に間違いは無い。 

>「さて、話はここまでにして試験を続けようではないか 
>そこで私から提案が2つあるのだがいいかな 
>1つはとりあえずもっと見晴らしのいい所に移動するか 
>それか、この島を一望出来るぐらいの高台を目指すか 
>どうかな?悪くないと思うが」 

「そうだな……うん。俺は、その二つの中では高台を目指すのが効率的だと思う。 
 全体の地理を把握できれば何かしらの指標は見つかるだろうし、運が良ければ 
 学園を発見できるかもしれない。ただ……」 

続けられたクルードの言葉に対して、返事をしするゼルキはそこで一端言葉を切り、 
バツが悪そうな苦笑を浮かべる。 

「ただ、俺はこの通りの義足だからな。歩いたり走ったりならともかく、 
 高台には登るには足手まといになると思う。だから――――高台には、セラエノさんとクルードさんの 
 二人だけで向かってくれ。俺にはさっきクルードさんが把握したっていうこの場所の方角を 
 教えてくれれば、それだけで十分だ。後は、自分で歩くなり何なりで学園を捜すよ」 
84 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg [sage 代理投稿>69]:2010/04/11(日) 14:53:52 0
ゼルキの言葉には嫌味も自虐も無い。ただ、自分以外の二人の試験合格を考えての台詞だった。 
しかしながら、開けた場所に行く事や他の選択肢もあるにも関わらず、自身が善しと考えた事を 
まるで決定事項の様に言っているという事には、ゼルキ本人は気付いていないようだ。 

と、そんな時である。 

>>77 
>「ええと……割り込むようで申し訳ないけれど、ここにいるのはみんな魔法学園を目指しているヒトでいいのかしら」 

付近の茂みから、またも別の声。反射的に左腕に魔力を込め、を上げそうになるゼルキだが、 
話した言葉の内容から害は無いと判断し、声からやや距離を取りながらも上げかけた腕を下げる。 
そうしてゼルキが声の方を見れば……その声の主は少女だった。 
茶髪と、やや小さめな身長。特徴的な物を挙げるとするなら、その首輪か。 
本来ならば香ってくる香水も特徴というのだろうが、ゼルキはそういう物は 
特徴として認識しないらしい。 

「ああ。俺はゼルキ、ゼルキ・ルオーム。魔法学園の新入生だ。 
 こっちの二人は、仮面を付けてるのがセラエノさんで、尻尾がある方がクルードさんだ。 
 ……えーと、ルータさんか。今、丁度どこに行くか話してたんだけど」 

他の二人が現れた少女、ルータ・ルーダの言葉にどの様な反応をするか確認をする為、 
ゼルキはセラエノとクルード、二人の方へと視線を向ける。 
85 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/11(日) 19:23:00 0
>81>82
> 「ま、まあまあエンカ、落ち着いて。
>  残念ながら、私が使ってるのも魔法と呼べるのかどうか・・・・・。
>  だって、一方的なテレパシーでの呼びかけと、箒で空を飛ぶことだけだもん。
>  しかも、大事な空飛ぶ箒はこんな姿になっちゃって・・・・・・」
> リリィは半分に折れた箒をエンカに掲げて見せた。
「おお!マジかよ!?この箒に乗って空を飛ぶのか!?噂には聞いてたが、魔法使いって半端ねぇな!
 …だが、確かにこの様子じゃ飛ばせそうにねぇなぁ。」
> 「ふーん……コツ、って言われてもなぁ。それぞれ違うもんじゃないのか?
>  コツなんてあったら、もっと前に学園が出来ていただろうし」
とグラディス。
> 「でも、これから魔法を学ぶっていうのに使える必要はないと思うがなー。
>  俺達は親が魔法使いだったから、教えてもらえる事は教えてもらっただけ。
>  それでも学ぶものとは専門が違ったから、ほんの少ししか教えてもらってないし」
「えーっ!?俺のお袋も魔女だったけど、何も教えてくれなかったぜ!?
 例えほんの少しでもよぉ、ゼロよりはマシだぜ!ゼロってのは、何倍になってもゼロのまんまだしなぁ。」
> 「私の『きっかけ』はあんまり参考にならないかも。
>  だって私の場合、多分原因は事故で死にかけたことなんだもの。
>  で、コツとかの話だけど・・・・・・・。んー・・・。
>  確か、30歳まで純潔を守り抜くと魔法が使えるようになるって聞いたけど・・・・・・エンカまだ10代だよねぇ?」
「ああ、16歳だ。あと14年も待てるわけがねぇし、死にかけるってのも難しそうだなぁ。
 それを防ぐために魔法を使えるようになりたいんだからよぉ。」
> 「――――あっあっ!思い出した思い出した!
>  確かね、ちゅーすると、特別な魔法が使えるようになるって宿屋のおかみさんが!」
「…ちゅー?ちゅーってのはあれか?男と女がお互いの唇をくっつける、あのちゅー?」
> 「エンカ、この中の誰かとちゅーしてみる?」
「いや〜俺って結構純愛派っすから無理っすよ〜。お互いに会って一時間もたってないんすよ、俺達?
 いきなりちゅーなんかできるわけないじゃないっすか〜。誰ともやったことないしよ〜。」
そう言いながらエンカは赤くなった。
> 「まあ、今は魔法のことをあれこれ悩んでもしょーがないよ。
>  とりあえず、出来ることをしよう。
>  大丈夫、ネリーさん達はどう見ても魔法使いだもん。二人と一緒にいれば学園に辿り着けるに決まってるわ!」
「そうっすねぇ。俺達を見捨てないでくださいよ〜!頼むっすよ〜!」
エンカはグラディスとネリーにそう言った。
> 「あとね、エンカは、魔法なんか使えなくても私よりずっと立派だと思うよ。
>  1人でだって逃げられたのに、足手まといな私を連れて逃げてくれたんだしね!」
「いや〜、そう言われると照れるっすよ〜。」
そう言いながらエンカは赤くなった。
86 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/11(日) 19:29:25 0
> 「……で、結局人影はどうするの?」
> 「ん?おお、そーだった。そーだな、一回降りてくれ」
> グラディスが促したとおり再びひらりと飛び降りて、ネリーはリリィとエンカ同様に茂みに隠れる。
「そういや、あんたとグラディスは兄妹なのか?」
エンカがネリーに尋ねた。
> 「こうやって手を組んでだな、背伸びをする。するとお〜〜〜〜ッ!」
> ゴキゴキッ!
> 「すごーい!あっという間に元の姿になったよ!これも魔法なの?
>  ネリー、あれもやっぱり魔法なの?!ねえねえ!」
> リリィは目を輝かせ、隣に身を潜めているネリーをゆさゆさ揺さぶった。
「ちょっと待った。それよりグラディスは何をする気なんだよ、ネリー?」
エンカの疑問はすぐに解決した。
> 「さぁ行くぜ、魔法・初お披露目!うっりぃやああああぁぁぁぁ!!」
> 拳大の小さな炎を、その状態でも十分高い身体能力で目標の木に投げつけた。
> 火の玉がぶつかった瞬間、何か大きなものが破壊されるような音がした。
「な、何やってんすかーっ!!」
エンカが茂みから飛び出してグラディスに叫んだ。
「まだ敵か味方かもわからないのに攻撃するのはまずいっすよー!
 攻撃した相手が、善良な村人Aとかだったらどうするっすかーっ!?」
しかし敵である可能性もある。それも重要である。
> 「・・・・・・・なんか人の声が聞こえたような・・・・・・皆、どうする?どうなったか確認しに行く?」
「じょ、冗談じゃないっすよ!さっさとここから離れようぜ!
 もしもあの人影が敵だったとして、さっきの攻撃で死んでなけりゃ確実に反撃されるんだからなーっ!」
エンカはそう言ってどこかへ行こうとしたが、すぐに戻ってきた。
「…仮によぉ、万が一にも、あそこにいたのが善良な村人AとかBとか、あるいは同じ学園の新入生ならよ〜。
 ほっといて行くわけにはいかねぇよなぁ。」
エンカは額にいっぱい冷や汗を光らせながらそう言った。
87 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/11(日) 22:43:16 0
>79>83
>「驚きだな。神も先入観に捕らわれるものなのか
> 失礼、つい思ったことを口にしてしまった悪く思わないでくれ
「いいのよ、神と言っても多分あなたの思う神の概念のものからは外れているでしょうから。」
クルードの言葉を軽く流して、続く話に耳を傾ける。
その途中、突然セラエノの膝が折れ、糸が切られた人形のように崩れ落ちる。
倒れるまででもないが、片膝をつき頭を垂れ口元に手を当てる。
地面にはポタポタっと2.3滴の血が飛び散った。

クルードの台詞の【ジルベリアンホワイトフォックス】
これがセラエノの膝を折り、血を流させたキーワードだった。
完全保存版!世界の美少年大図鑑を持っているセラエノはフリードリッヒがその顔立ちからジルベリア人だと見抜いていた。
そこにクルードからジルベリアンのキーワードからフリードリッヒの顔を思い出してしまい、気合で止めていた鼻血が噴出してしまったのだった。

とはいえ、流石に先ほど会った美少年の顔を思い出して鼻血が出ちゃったのよ。などといえるはずもない。
鏡の仮面のお陰で表情や血の滴る鼻の穴が見られないのは幸運だったと言えよう。
「あ、なんでもないのよ。気にしないで。」
ヨロヨロっと立ち上がり、手を上げて二人に大丈夫だと意思表示を示す。

>78
その時一人の女性とが甘い香りとともに現われる。
>「あは、道に迷っているようなら一緒に行かない? ワタシはルータ・ルーダっていうんだけどね」
「はじめまして、ルータ。
ゼルキさんからも紹介してもらったけど、セラエノ・プレアデスよ。」
気合で今度こそ鼻血を完全に止め、佇まいを正して挨拶をする。

「私も高台を目指したいわね。来たばかりだし、島を一望してみたいもの。
ゼルキは学園を目指す、という事だから、二手に分かれることになるわね。」
現状を説明し、これからの方針を伝える。
88 :ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo [sage]:2010/04/12(月) 12:11:42 O
>>76>>80

>「悪くは無い…まだ体が(略)」

「ホッホッホゥ!これは失敬!
驚かせてしまいましたかな?」
空中を羽ばたいていたミミズクは甲高い声で非礼を詫びると
いつの間にか1人の男へと姿を変えていた
ギョロりとした目、綺麗に整えられた口ヒゲが特徴の男はゼルフェルドの前で帽子を胸に当て深々と頭を下げた
「お目覚め、さぞやお喜びの事でしょう
突然の御無礼今一度お詫び申し上げます…」
頭をあげると口ヒゲをなぜながら言葉を続ける
「では本題に…今回私が卿にお目に掛かったのは我が主の言葉をあなた様にお伝えする為です

『夜は明けた 朝を告げる雄鶏とならん』

言葉の真意を男は知らされていなかったがこれが主の計画に組する物であるという事は分かっていた
真相をしているのは主と漆黒の鎧の二者のみであろう
「確かにお伝えしました…が、私にはどういう意味か知らされておりません故…
詳しい事はどうか御容赦を」

「なんとまあ、哀れな子供達…
怖いでしょうに…ホッホッホッホ!!」
ゼルフェルドの槍先にいる少年達を小馬鹿にするかのような口調と視線を向けた
89 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/12(月) 17:26:26 P
>80>88
>「む……?」
「にゃ〜?」
(ねえあれ食ってもいいかな?)
ミミズクの方を見て鳴く猫
「ご飯ならさっき食べたでしょ」
と契約の結果言葉がわかるようになったフリードはそう返す

>「ホッホッホゥ!これは失敬!
 驚かせてしまいましたかな?」
人の姿に変わるミミズク
「にゃ〜」
(人間に変わった?これじゃ食べられない)
残念そうに泣く猫
どうやらこの猫食欲のみで生きているようである

よし!今のうちに逃げよう!!
なんか敵が話しているうちに逃げようとするフリード
今の強さじゃ敵わない相手と無理に戦う必要はなく
むしろこれは良い判断だろう

>「なんとまあ、哀れな子供達…
 怖いでしょうに…ホッホッホッホ!!」
だが間に合わない
「怖いのはそこの騎士であってお前じゃないですよ」
と言葉を返すフリード

「ここは仕方がありません……奥の手その1を使います」
その1って一体何個奥の手があるのだろう?
それを知っているのはフリード自身だけである
「グレン!ソウル・ユニオンを使用しますよ!!」
「にゃ?」
(ソウルユニオン?)
ソウル・ユニオン……それは使い魔と合体してパワーアップするという
とてもわかりやすい能力である
ただし欠点として
@合体後の姿が必ずしも格好良いものではない
A長時間やるとお腹が空く
B合体する相手と自分の性別が違えば男でも女でも無いおか以下略になる
C合体相手によって人間の言葉が喋れなくなる
D格好良くなれても聖●士みたいで著作権が心配等があり
決してノーリスクではない
特にその@とBが致命的でありフリードの姉はそれが理由で決して使おうとはしなかった

「「ソウル・ユニオン!にゃにゃにゃな〜なにゃななな」」
          (フリード・SU・グレン)
グレンと合体し猫耳が生えて手が猫手になり猫尻尾が生えたフリード
幸いグレンはオスだったらしく性別はそのままである
だが中途半端にしか言葉が喋れていない
耳が4つある
この手ではサーベルが扱えない
明らかに失敗である
流石に出会って数時間では絆値が足らなかったようだ
「「にゃぁにゃにゃにゃん!!」」
((これが僕たちの絆だ!!))
とりあえず決め台詞っぽい物を言ってみるフリード
だが残念ながらにゃ〜言葉にしかならない
駄目駄目である
90 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/12(月) 21:18:59 0
>67>73>75-76>80>88-89

「…………大丈夫かね、暗き少年。あまり無理をすると…骨が逝くぞ」

ゼルフェルドは余裕すら含ませた調子で声をかけてきた。
まったく、腹立たしいくらいに『騎士の姿』ってのを見せ付けてくれる。
「心配されるほどヤワじゃないさ。死に掛けた事も一度や二度じゃない……
 それよりも、あんたはそろそろ自分の事を気に掛けるべきだぜ?
 ……なんせ、目の前にいるのは『手負い』だからな?」
その時ゼルフェルドは感じただろう……目の前の若き鴉が
その若年に釣り合わぬほどの戦場を生き抜いてきたであろう事が―――――。

大見得切って仕掛けたはいいが……さすがに一太刀も通りゃしねぇ。
困った事に馬の野郎も馬装具の角で捌きに参加しやがる。
乗ってる方も乗せてる方も、揃ってこれだ……骨が逝くってよりも『骨が折れる』。
まぁ、おかげで動きを止めて意識もこっちに向いてくれた。
……クレイなら、一瞬の隙に打ち込んでくれるだろ。


「やっぱ任せて正解だったな……俺じゃ、万全でもあそこまで吹っ飛ばせん。
 ……っち、今頃になってか。気紛れな奴だぜ……!」
蹴り飛ばされ、何故か受身も取らず無様に地面に横たわっているゼルフェルドを見ながら、
鴉は左半身を庇う。『第三の眼』は『本来受ける筈だった負傷』の発生を時間ごと止めていたのだが
その効果を切ったらしく、遅れて先程のダメージが今になって反映されてきたのだ。

(「……左肩は、感じからして脱臼、アバラも何本かやられたな……」)
激痛に耐える事は今更難しくはない、問題はこの状況で重傷を負った事で
先程の動きが出来なくなった事だ。相手にはまだ余力がある。
逃げるにしても、ここまでやっておいて逃がしてくれる相手とも思えない。
「……クレイ、奴が向かってきたらすぐにフリードを抱えて逃げろ」
そうクレイに小声でささやく。
91 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/12(月) 21:21:19 0
などと逃がす算段をしている所に突然現れた喋るミミズク、
どうもゼルフェルドの知り合いか何からしい。
かと思えば人間に化けたが……どうにもいけ好かない風体だ。
甲高い声とその見た目が合わさり、最ッ高に神経を逆撫でしてくれる。

「なんとまあ、哀れな子供達…怖いでしょうに…ホッホッホッホ!!」
極め付けはこの一言に込められた侮蔑。流石の鴉も怒りが有頂天。
「恐怖に足を竦ませる様なクソガキはとっくの昔に捨てたよ。
 そうそう、物知りなあんたなら知ってるんだろ? 焼きミミズクって旨いのか?」
遠回しにぶち殺す宣言、だがまだかわいい方だ。
本気と書いてマジと読むキレ方をした日には『ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』
などと言った奇声を上げてしまうからだ。それによる効能と言うと……
覚醒して剛体が倍増するとか火力が激増するとか推定32億オーバーのダメージを誇る
一撃必殺『世界を破壊する者』を開始早々ぶっぱなすとかそんな事が出来るようになる












                    わけがない












それにしても相変わらずのフリーダムっぷりを発揮してくれてるのはフリード君。
いつの間にか猫と合体する技を身につけたようだ……お陰で普通ならドシリアスな
この場面がイマイチ締まらない。かっこつけたがりではないにせよ、もうちょっと
真面目にならないと死ぬと言うのに……生粋のパフォーマー魂を垣間見た、気がする。
「……おいフリード、一応聞いておくぞ……体の方は大丈夫なんだな?
 その様子からすると聞くまでもないとは思うが……」
ダメだ、今のフリードを見ると……どうにも尖らせた神経が丸まっていく。
こんな体たらくじゃ確実に初動が遅れるってのに……
92 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/12(月) 21:50:29 0
>88>89>90>91
>「……クレイ、奴が向かってきたらすぐにフリードを抱えて逃げろ」
レイヴンがそんな事を言い出す
「阿呆なことを言うな。お前一人でどうこうできる相手じゃ無い。
それに、その役は俺の方がいい。俺は首が飛ばない限り死なんからな」
何を言っているかわからないだろうが...いや、勘のいいやつならわかるか
ともかく、クレイの体はそう言うのが正しい

急に現れたミミズクが、ヒゲの生えた男に変わった
「変化系の魔法か。珍しいな」
普通、このような魔法は敵の偵察ぐらいだ
変化系の魔法は戦闘ではほとんど役に立たない
移動にしても、箒とかで飛んだ方が速い
{何か見つかってはいけない事でもあるのか.........
まぁ、今は関係無いがな}

>「なんとまあ、哀れな子供達…
怖いでしょうに…ホッホッホッホ!!」
程度の低い挑発だ。いや、ただ単にバカにしているだけかもしれない
まぁいい、今回は乗ってやろう
「残念だな。俺には怖いと言う感情は無いんだ。
あと、ホッホッホうるせぇ。鳥頭が」
...笑方が嫌だっただけかもしれない。正直、ウザかった

>「ここは仕方がありません……奥の手その1を使います」
奥の手があったんだったら最初から使え、と思ったが、自分も全力じゃ無かったので人の事は言えない
>「グレン!ソウル・ユニオンを使用しますよ!!」
何だそれ?融合みたいなものか?
この状況を何とかするのだったら、何でもいいが...
>「「ソウル・ユニオン!にゃにゃにゃな〜なにゃななな」」
まさか、空気が変わるとは...ある程度予想は出来てはいたが
あの鏡仮面の方が見たら面白い事になりそうですね、とトレスが呟いた
意味わからん。と言うか、居たんだな、お前。
ほぼ空気になっていたトレスの方を見ると、光学迷彩を使って気配まで消していた。俺じゃなかったら、気付かないな
>「「にゃぁにゃにゃにゃん!!」」
せめて人語を話せと言いたい
お前、あれか。合体したら、動物によって能力変わるとか、そう言うやつか。猫ならスピードとか
だが、その代償はあまりにも大きい。簡単に言うと、痛い子だ
...もういい、止めよう。この話は
93 :名無しになりきれ:2010/04/12(月) 21:52:07 0
ソウル・ユニゾン

ブルースソウル!
94 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/12(月) 21:54:42 0
それよりも今の状況の方が大切だ
敵が二人になった。もっとも、あのミミズク野郎が参戦するかは知らないが
さて、逃げるにしても戦うにしても、ちゃんとした作戦が必要だ
向うが売ってきた喧嘩だが、ここまでくれば鞘の納め方がわからない
仕留めるにしても、あの化物相手じゃ難しい
{まったく、俺のこの体を持ってしても手こずる相手がいるとはな......}

今まであえて記入しなかったが、ここまで来て隠す事はなかろう
クレイは不死身だ。正確に言うと、ほぼ不死身
流石に首が飛べば死ぬが、それ以外はたとえ腕が取れようが骨折しようが治る
普通の怪我なら一瞬で治る
理由はまた後日に
とりあえず、知ってもらった方がいいかなと思ったので
以上、裏話でした。まる

トレスが何かまた訳のわからんことを考えていたようだが、気にしないことにする

{.........もういい、考えるのは止めだ。
正面からぶつかる。どうせ避けられないだろう}
クレイは意を決した
「おい、ゼルフィルドとやら。
恥を承知で言おう。
...俺たちを見逃す気は無いか?」
この場にいた者は驚いただろう。が、気にせずにクレイは続ける
「じゃないと.........双方がただでは済まなくなるぞ」
95 :シィルイナ ◆HrCZ8HIBjIt8 [sage]:2010/04/13(火) 03:40:36 0
その女性を視界に入れた時、まず目に入るのはその美しい金髪だろう。
光源があればその光を反射させ、常にうっすらと、そして眩しく光っている。
そんな髪の毛を足元まですらっと伸ばしているのだから、視界に入らないわけがない。

――スカートから取り出された、一本の短剣。

表情は柔らかい笑み、仕草は良家の子女、有体に言ってそれはまぎれもなく“お嬢様”と呼んで差し支えないだろう。
シィルイナ=ブロードソード。
その名前は、フィジル魔法学園の寮生ならば一度は聞き覚えがあるはずだ。

――ゆっくりと鞘から抜かれる、銀色の刃。

シィルイナは笑みを崩さず、左手で豊かな頭髪を持ち、右手に持ったその獲物を押し当て……
ぶちぃっ、というすさまじい音がした。
それは、刃を全力で横に引き裂き、髪の毛を切り捨てた効果音だった。

「あ痛っ! あぁ、しまった、ゆっくりやるべきでしたー……」

女子としては平均的な身長だけに、切断された髪の量もまた多く、ばさりと音を立ててそれらは床に散らばる。
短剣を鞘に収めてから、髪の毛を拾い上げると、そのままゴミ箱へ叩き込んだ。

「さて、頭も軽くなりましたしー、用事をすませますかー」

間延びした声で呟くと、こつこつと歩みを進める。
フィジル学園の女子寮、の、寮長室。

「シィルイナ=ブロードソード、入りますー」

ノックをした後、返事を待たずに扉を開けると、視線の先にいたのはメガネをかけた壮年の女性だった。

「あら、髪の毛を切ったのね? そっちも似合ってるわよ」

「あはー、ありがとうございますー」

シィルイナはころころと笑い、

「まぁどうせすぐに伸びてきちゃうんですけどねー」

と、くるくると話題の髪の毛を弄りながら返した。
女性もどこか面白そうな笑みを浮かべ、

「貴女も不憫よねぇ、その“呪い”」

と告げる。
96 :シィルイナ ◆HrCZ8HIBjIt8 [sage]:2010/04/13(火) 03:41:25 0
「それで、ご用件はなんですかー?」

そもそもシィルイナがこの場、即ち寮長室に出向いた理由は、目の前の女性――フィジル学園、女子寮の寮長先生に呼ばれたからである。
笑顔で首をかしげる生徒に対し、寮長先生は深く溜息をついて告げた。

「今日が何の日だか……わかりますか?」

「ええっとー、新入生が来るんですよねー?」

「その通りです、たどり着ければ……ですが。試験の内容は覚えてますか?」

「覚えてますよー、私も死にかけた一人ですしー」

まるで思い出話の様に語るシィルイナを眺め、昔話に花を咲かせる。
一通り笑うと、寮長先生の目つきが、鋭くなった。

「転送装置からフィジル島へ、そしてそこから学園まで……これが入学試験の内容です」

繰り返し、念を押してくる。

「ですが――少々トラブルが起きたようでして」

「はぁ、トラブルですかー」

鸚鵡返ししてくるシィルイナから目線を外し、窓から外を見やる。
どこか遠い目で、彼女は告げた。

「はい、本来ならば試験の内容ではないイレギュラーが紛れ込んでいるようです」

「そうですかー、それはつまり」

「ええ、新入生の入学試験です、教師達が手を出すわけには行きません」

寮長先生の背を見て、元々浮かんでいた笑みをさらに明るいものへ変え、シィルイナは小首をかしげた。

「『ですが先輩が手を貸すのは自由』、でしたっけ?」

「物分りが早くて助かりますよ、お願いできますか?」

「それは当然ですよー」

とん、と踵を鳴らす。
瞬間、それが合図になっていたのだろう、淡い光を放つ文字の羅列が足へと絡みつき、回転を始めた。

「それではシィルイナ=ブロードソード、たまたま偶然困った新入生達に出くわして参りますよー!」

いってらっしゃい、という言葉の前に、シィルイナの姿は一陣の風を残して寮長室から消えていた。
ふぅ、とため息をついてから、椅子へと座りなおし、目を伏せる。

「……大丈夫かしら、今年は……」

当然ながら呟きは、シィルイナの耳に入る事はなかった。

【校舎を出てゴーストタウン方面へ。門を通過します】
97 :シィルイナ ◆HrCZ8HIBjIt8 [sage]:2010/04/13(火) 03:42:08 0
名前・シィルイナ=ブロードソード
性別・女
年齢・18
髪型・変動するけど基本ロングヘア
瞳色・緑
容姿・基本的に金髪ロングに制服+ローブ、160cm前後、いつも笑顔。怒ってても笑顔。
備考・頭髪が美しい金髪になってしまう上に肩口で切り揃えても12時間で足まで伸びてしまう謎の呪いを受けており、解除法を探している。
   また邪魔だと感じたらその場で髪の毛を切り捨てる癖がある。
   誰にでも敬語で物腰柔らかい。後輩に優しく、教師から信頼のある優等生……
   という表向きのスペックはあるが、実は思慮深く見えて8割は脊髄反射で動いている。
   実際は自発的に問題を起こすトラブルメイカーだがトラブルがトラブルになる前に何とかするだけの処理能力がある、ある意味での問題児。
得意技・身体強化、及び属性付随の補助魔法を併用した高速肉弾格闘戦。
好きなもの・笑顔と後輩
苦手なもの・虫
うわさ1・街で売られるカツラの原料は彼女が切り捨てた髪らしい。
うわさ2・怒らせると物理的に怖いらしい。
98 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/13(火) 19:22:02 P
>91>92>94
>「……おいフリード、一応聞いておくぞ……体の方は大丈夫なんだな?
  その様子からすると聞くまでもないとは思うが……」

「「にゃにゃんぐはぁ…………」」
 (安心してくだぐはぁ………)
一見、大丈夫っぽいように見えたフリード

だが血反吐吐く

肋骨が折れて肺に突き刺さってるのに無理するから……
このままでは常に血を吐いているキャラに成りかねない

しかもグレンとの合体の影響で言葉がしゃべれない
これでは回復呪文も使えないだろう
まあ喋れてもMP不足なのだが
常識的に考えて美少年というだけで傷が治るわけがなく
”美少年は顔から傷が治るこれは世界の常識です”というセリフに
ちゃっかり呪文を交えていたからこそ顔の傷が治ったのだ
”顔から傷が治る”で効果を指定し”世界の常識です”という言葉でそれを発動させたのである
だがさっきのジルベリア仕込みの足封じ技で魔力を使ったため
この肺の傷は直せそうもない
魔力が残っていれば”いまどき血を吐く美少年なんて流行りません”
の言葉で傷を直すことが出来ただろう

「「にゃあなにゃにゃ」」
((ソウル・アウト))
あまりにも駄目駄目なので即分離するフリード
さて次の手を考えるとしよう

「にゃあにゃにゃん?」
(もう見捨てて逃げたら?)
「もしかしたらこれから先友となるかも知れない相手を見捨てたら
 それはもう男じゃありませんよ…………って知り合いのお兄さんが言ってました」
「にゃなぁ……」
(オカマの癖に……)
「グレン………おやつのマグロスティック抜きです」

>「おい、ゼルフィルドとやら。
  恥を承知で言おう。
  ...俺たちを見逃す気は無いか?」
あっと驚くフリードきゅん
>「じゃないと.........双方がただでは済まなくなるぞ」
「まさか………自爆でもする気ですか?」
「なにゃん」
(んなわけない)
一体何をしようと言うのか?
何かしら最後の手段があるんだろうか?

「そもそも何で僕らに襲いかかったんですか?
 まだ見習い魔法使いですら無い
 学園で正式に魔法を学んだ事が無い僕らに
 正直、僕にしたって一般人に毛が生えた程度ですよ」
この場合の一般人とはなんの魔法効果も追加してない文化包丁でファイヤーボールを切り払ったり
そこらの中古品のブロードソードでドラゴン叩き切ったりする
ジルベリアの色々とインフレした逸般人の事である
99 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/13(火) 20:28:53 0
>64 
>「アンタは…ああ、アンタも俺たちと同じ新入生か。
> なあ、質問させてもらうけど…書類出すところってどこか分かるか?」
羅門に書類の提出場所を尋ねた鋼。
ぶしつけな質問に、羅門が何か答えようと口を開いたちょうどその時、何者かが学園内から高速で移動してきた。

鋼が持っていた書類が、なぜか指の間をすり抜け風に舞い上がったのは果たして偶然だったのだろうか?

>95-97
舞い上がった書類は門を潜り抜けようとしたシィルイナの顔に張り付き、彼女の視界を奪った。
100 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/14(水) 00:25:18 0
名前・ヨーン・レーン
性別・男
年齢・18
髪型・金色で短髪、髪は硬め
瞳色・青色
容姿・身長181pで少し筋肉質、服装を黒で統一する癖がある。顔は整っている方だが目付きは悪く近寄りがたい
備考・体中切り刻まれた傷が夥しい数ある。育った環境のせいか口は良い方ではない。
得意技・かまいたちのようなものを発生させる魔法、ただ加減などができず本人もなんなのかよく理解できていない。
好きなもの・努力する奴、諦めない奴、強い奴
苦手なもの・親切な人、お人よし
うわさ1・両親はすでに死んでいるらしい
うわさ2・入学前は街の疫病神みたいな扱いだったらしい


恐ろしい怪物が出ると言われる森の中で男が一人、木の陰に座り込み休んでいる。
「あァーあ、学園っていうから来たのになーんでこんなことになってるかね…」
呟く男の体格からすると、年齢は青年といったところだろうか。
金髪に透き通った青い瞳、そして黒を基調とした服が特徴的だ。
困ったように髪を掻き毟り、落ち込んだように視線を地面に落とす。
「適当に歩きまわるだけじゃ迷いそうだし…どうすっかね。」
森の中をずっと歩きずくめでやっとのこと建築物を探したらゴーストタウン。
モチベーション的に青年には移動するという考えはもうなかった。
「ナナシとかいう化物でもきてくれりゃあなァ。」
あまりに退屈なためか欠伸をしながら物騒なことをさらりと言う。
そして、そのまま抗う様子もなく瞼を閉じて寝息を立てながら木陰で眠り始めてしまった。

>81>82>85
ゴーストタウンに人がやってきても青年は気付いて起きるどころか、
さらに深く夢の世界へと入っていき無防備な姿を晒している。
「Zzzzzzz…」
これがもしナナシだったならばどうなってたか分からない。
しかし幸い、向こうも同じく学園の新入生。
いきなり物騒なことをしてくるということはない…はずだった。
> 「さぁ行くぜ、魔法・初お披露目!うっりぃやああああぁぁぁぁ!!」
> 拳大の小さな炎を、その状態でも十分高い身体能力で目標の木に投げつけた。
> 火の玉がぶつかった瞬間、何か大きなものが破壊されるような音がした。
「zzzZ…うごぁあッ!?」
炎の塊は木を破壊し、しばらくゆらゆらと揺られた後、青年の頭の上に倒れ込みそのまま下敷きとなる。
青年からは反応がない…木の幹の太さから考えると相当の重量が伸しかかったことになる。
もしかすると重傷…いや、もしかしなくても重傷かもしれない。
> 「・・・・・・・なんか人の声が聞こえたような・・・・・・皆、どうする?どうなったか確認しに行く?」
>「じょ、冗談じゃないっすよ!さっさとここから離れようぜ!
>もしもあの人影が敵だったとして、さっきの攻撃で死んでなけりゃ確実に反撃されるんだからなーっ!」
>「…仮によぉ、万が一にも、あそこにいたのが善良な村人AとかBとか、あるいは同じ学園の新入生ならよ〜。
>ほっといて行くわけにはいかねぇよなぁ。」
額いっぱいに冷や汗を光らせた男子生徒が様子を確かめに恐る恐る近寄って来た時、
風切り音のような音が辺り一面に木霊する。すると倒れた木が一瞬で千切りとも言えるほど切断され
風とともに辺り一面を落ちる木の葉のように空中を舞う。

「…寝てる人間にする悪戯にしちゃ笑えねェんだけど…」

舞い散る木片の中、倒れていた青年がゆらりと立ち上がる。
頭と腕から血を流しながら歩いて行き、男子生徒の前で止まり、
怒りとも軽蔑とも取れるような視線を向けた。
「今のアンタか…?それとも向こうの奴ら?
 そうだなァ…今なら言いワケぐらいなら聞いてやるけど…どうする?」
101 :シィルイナ ◆HrCZ8HIBjIt8 [sage]:2010/04/14(水) 02:49:21 0
寮から後門まで、魔術を併用したシィルイナの足ならばほんの数分の道程だ。
最も廊下は走ってはいけないので、外にでるまでは徒歩と変わらないのだが。
途中、ちらほらと試験に合格したのであろう、服装がどこかしらぼろぼろになってる若者達の姿を眺め、くす、と笑みを浮かべる。

(あらあら、初々しいですねー)

道程で親睦を深めたのだろうか、どこか照れくさそうにしながら手を繋いでいる男女のペアなどを見ると、思わず声をかけたくなってしまう。

「ととー、ゆっくりしてる時間はないんでしたー」

が、それは今の自分の役目では無いと思い出す。
踵に力を篭めると、速度が、脈絡なく跳ね上がった。
ほんの数歩で寮の入り口から校舎の間、そのまま中庭を一気に抜け、校門へ向かう。

「……てぇー、わぁ!?」

速度に体をゆだねて、よく前を見ていなかったのがいけなかったのかもしれない。
ばさっ、と顔に飛んできたそれに真正面からぶつかり、たたらを踏んで立ち止まる。

「はわー、なんですかー?」

顔からそれをはがして改めて眺めると、それは紙のようだった。
やたらくしゃくしゃだが、それはシィルイナにも見覚えがある。

「入学……手続きの案内?」

眉をひそめながら、周囲を見回す。



真っ先に目に入ってきたのは2mを超える巨漢の男だった。



「…………」

なんとなく近づいてはいけない空気を察し、さらに目線を動かすと、こちらへ向かってくる男女の二人組がいた。
先ほどの男ほどではないが、やはり非常に背が高い。
資料でしか見たことのないような武器……名前は忘れたが、少なくとも普通に手で持って振るうようなものではないそれを背負っている。
女性の方は、同姓であるシィルイナから見ても『綺麗』と思えるような美貌を携えていた。
二人が注視しているのはこちらが手にしている紙らしい。

「えーっと、新入生の方ですかー?」

声をかけながら書類に目を落とす。

王心 鋼
シルヴァ・カルヴォネン

多種多様な種族が編入してくるフィジル学園においては、概念的に言語が理解できるよう、真っ先に覚えさせられる翻訳魔法が、見覚えのない形をした文字の読み方と意味を頭に伝えた。
どうやら彼等もまた試験を終えて、この場に着いたばかりらしいのようだ。
こちらからも足を進め、紙を男性――鋼に差し出しながら、シィルイナは言った。

「ようこそ、フィジル魔法学園へー、私達はあなた方を歓迎しますよー」

【鋼・シルヴァに書類を渡す】
102 :クルード ◇2qZ7FF4TUs [sage 代理投稿>82]:2010/04/14(水) 06:39:20 0
「ふむ…これは困ってしまったな」
ゼルキの義足を見ながら、クルードは考えを巡らせていた
確かにゼルキの義足で山を登るのは厳しいが、固まって行動するのは不可能ではない
何故なら、実は彼女の帽子は何でも入る超便利アイテムなのだ
それを用いればゼルキに負担をかけず、なおかつ固まって行動出来るが…
彼女はそれを提案しなかった。
「(恐らくこの試験の意図は3つ
  1つは実力を計る為、2つはこの島の地理を直に学ぶ為、そして、最後に生徒同士の協力
  仮に無理やり彼を帽子に入れ、試験を突破しても認められない…彼自身が認めないだろう
  だが、1人残すのは…)」
と困った時に現れたルータに彼女は喜びを隠せずにいた
簡単な挨拶をすませ、話始めた
「さて、いきなりだが、ちょっとした説明をさせてもらおう」
と懐から取り出した入学許可証についてきた粗雑な地図を取り出す。
「まず、現在地から話すとこの辺り、南西のエリアにいるのが分かった
 島の中央には山があって、北西のエリアに廃墟らしい建物が見えたが南のほうは特に何もなさそうに見える
 北西から南東までのエリアはなんとか確認出来たが学園の時計台は確認出来なかった。
 消去法からいくと恐らく学園は北東エリアにあると考えていいだろう
 私とセラエノはこれからこの山に登り、もう一度地形の確認をして、学園に向かう
 そうだな。この程度の木でここまで見えた訳だ。中腹まで行けば十分見える筈だ
 そして、君達2人は別ルートで学園を目指してくれ
 出来ればだが、北西エリアには近づかないように先ほどから様子がおかしいのだよ」
103 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/14(水) 07:13:37 0
>100
「グラディスの奴半端ねぇぜ。大木が折れちまってるよ。」
エンカは先ほど破壊された木の周辺に来ていた。
グラディスの魔法の威力に関心しつつ、あたりに誰かいないか注意深く見回す。
エンカはこの時、まさか倒れた木の下に誰かいるとは思っていなかった。
> 風切り音のような音が辺り一面に木霊する。すると倒れた木が一瞬で千切りとも言えるほど切断され
> 風とともに辺り一面を落ちる木の葉のように空中を舞う。
「うおおっ!?」
当たり前のようにびびるエンカ。
> 「…寝てる人間にする悪戯にしちゃ笑えねェんだけど…」
> 舞い散る木片の中、倒れていた青年がゆらりと立ち上がる。
「気をつけろ皆!木の下に誰かいたみてぇだ!」
エンカはその舞い散る木片の一つを指で摘んだ。そしてそれを見ながら思った。
「(爆発したのか!?いや、違うな。よく見れば切り口が綺麗に切断されたみてぇになってる。
 切断だと!?あれだけの大木を、まるで玉ネギみてぇにスライスしたってのか!?
 いいや、そもそもあの木に押しつぶされてたのに、平気で立てる時点でクレイジーだぜ!)」
彼の切断する能力は恐ろしい能力であるが、しかし…とエンカは考えた。
「(こういう事ができるのはたぶん俺達と同じ学園の新入生だぜ。
 自分の事を“人間”って言ってたしよぉ。)」
少なくともまともに話もできないモンスターの類とは違いそうだと思ったので、エンカは少し安心した。
> 「今のアンタか…?それとも向こうの奴ら?
>  そうだなァ…今なら言いワケぐらいなら聞いてやるけど…どうする?」
「あんたも学園の新入生かよ?
 …いや、まずはあんたの質問から答えるけどよぉ。
 “今の”ってのが火の玉を投げつけることだとしたらよぉ、それは俺じゃあねぇぜ。
 そんでもってありがたいことに“言いワケ”を聞いてくれるんならよぉ、
 疑心暗鬼になってたっつーわけだろうな。悪かったなぁ。

 だが、あんたもあんただぜ。さっきあんた、自分のことを“寝てる人間”って言ったよなぁ?
 こう言っちゃなんだが、どう見ても安全じゃなさそうなこんな場所で寝る人間によせる同情はねーなぁ。
 さっき木を文字通り木っ端微塵にしたのはあんたの魔法だろ?
 おだてるつもりはねぇが、あんたなら怪我する前に魔法でなんとかできたはずだぜ?
 今ここに来たのが俺達みたいな連中だから良かったが、
 もっと致命的な攻撃が飛んできたら、命が危なかったかもしれねぇんだからなぁ。

 そこらへんのことを理解してもらえるならよぉ、おめぇも俺達と一緒に来ないか?
 味方は多い方が心強いし、簡単な怪我の治療ならできるからよぉ。」
そう言ってエンカは包帯と塗り薬のようなものを取り出した。
104 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/14(水) 18:40:49 0
>『夜は明けた 朝を告げる雄鶏とならん』

変身を解いた男から聞かされた伝言。ゼルフェルドは最初は黙っていたが、
しばらくしてからようやっと口を利いた。
「……………夜明け……そうか……………」
鎧の頭部、目の部分で光っていた紅い光(おそらくこれが目なのだろうが)が、細く歪む。
すると、十文字槍は少年達に向けたまま、太刀だけをゆっくりと鞘に戻し収める。
視界の端では何やらフリードリッヒが連れていた猫と合体などしていた。
とりあえず彼が先程投げた「薔薇爆弾」が一本足元に落ちていたので、拾って鋭く投げつけておく。
「見たところ覇気も何も変わっていない……騒がしくなることが目的の融合ならば、私の居ないところで頼むよ、少年」
戦闘中の聞く者に威圧感を与えるような声ではなく、とても穏やかな声で語るゼルフェルド。
>「心配されるほどヤワじゃないさ。死に掛けた事も一度や二度じゃない……
 それよりも、あんたはそろそろ自分の事を気に掛けるべきだぜ?
 ……なんせ、目の前にいるのは『手負い』だからな?」
気遣いを余裕と受け取ったのか、レイヴンがその若さに見合わぬ中々の迫力を放つ。
それをしげしげと眺めていたゼルフェルドは、期待と、少しの不安を覚えていた…
(……完全なる無謀………これは時に強さにもなるが……)
「今の貴公には弱さとしかならぬ…………貴公が常に正しき道を選び、その無謀を勇猛と成せることを願いたいものだが…」
…自分も随分説教臭いことをするようになったものだ、と少し呆れる。
指摘はしても、助言までするつもりはなかったのだが………


>「おい、ゼルフィルドとやら。恥を承知で言おう。...俺たちを見逃す気は無いか?」
少しだけ首を傾けると、撃神から自分を蹴落として見せた少年…クレイが一応の降参と取れる交渉をしてきた。
無言のまま見つめると、更に言葉が紡がれる。
>「じゃないと.........双方がただでは済まなくなるぞ」
「……只では済まん、と?死をも越え、ただ流離い往く私を、そんな状況に落とせるというのなら面白いな…」
全身に灯る赤黒い光が引不気味なまでに輝きだし、少年達の顔を、まるで血でも塗られたかのように真っ赤に照らす。
「しかしだ………」
不意にその光が消え、ゼルフェルドからも戦意が完全に消える。
「私もたった今、動かねばならぬ理由が出来た……
そして何より、貴公らの武はしかと見届けた。“今”は…これ以上死合う意味もない…」
よろしい。と槍を二本に分割すると、次の瞬間にはどこかへとしまいこんでしまった。
>「そもそも何で僕らに襲いかかったんですか?(略)」
「…いずれ解ること………きっとな……」
背中に投げ掛けられたフリードリッヒの質問に、振り向かぬまま答え、再び撃神に跨る。
既に撃神は歩き出しており、そのまま闇の中へと吸い込まれるように進んで行く。



「使者殿よ…手間で悪いが、私からも伝言を頼みたい……『朝日に響く』…とな…」
少年達を嘲笑っていたオワゾーの横を通り過ぎた後、撃神は後ろ脚で地を破砕し、雷光の如く駆け出した。
「また会うぞ、“可能性”達よ!!!」
最初から最後まで呆気に取られていた少年達を背に、闇の領域はゴーストタウンを離れ往く…………
105 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/04/14(水) 22:14:32 0
>86 >100 >103 
火の玉を目標にぶつけたグラディス。
それを見たエンカが、茂みから飛び出し第三者に当たったらどうするのかとグラディスを諭している。
「はっ!そうね、ゴーストタウンに住んでた人の可能性だってあるのよね!」

そしてリリィの、命中した火の玉付近を確認しようか?という話には、
>「じょ、冗談じゃないっすよ!さっさとここから離れようぜ! 
> もしもあの人影が敵だったとして、さっきの攻撃で死んでなけりゃ確実に反撃されるんだからなーっ!」 
「ええーっ!でもでも、もしさっきの話みたいに命中したのが敵じゃなかったら・・・・・・エンカってばー!!」
>どこかへ行こうとしたエンカだったが、幸いすぐに戻ってきた。 
>「…仮によぉ、万が一にも、あそこにいたのが善良な村人AとかBとか、あるいは同じ学園の新入生ならよ〜。 
> ほっといて行くわけにはいかねぇよなぁ。」 
こくこくこく、とリリィは力いっぱい頷いた。

青い火の玉を引き連れ、リリィとエンカが倒れた木の様子を見に行く事になった。
「エンカ、汁いっぱい出てるよ!」
リリィはハンカチをエンカに手渡した。
「私も行くよ。1人より2人!ってね!」

>「グラディスの奴半端ねぇぜ。大木が折れちまってるよ。」 
>エンカは先ほど破壊された木の周辺に来ていた。 
「本当に凄いねー。あ、ネリーさん、火の玉もっと倒れた木の方に寄せてもらえるかな?」
人間はグラディスほど夜目が効かないのだ。

>風切り音のような音が辺り一面に木霊する。すると倒れた木が一瞬で千切りとも言えるほど切断され 
>風とともに辺り一面を落ちる木の葉のように空中を舞う。 
>「うおおっ!?」 
「わ――――っ!!木が積み木崩しみたいにばらばらに――――!!」
リリィは舞い落ちる落ち葉の中で右往左往した。
更に間の悪いことに、慌てすぎてメガネを落としてしまった。
>「…寝てる人間にする悪戯にしちゃ笑えねェんだけど…」 
「わーん、私のメガネメガネ」
リリィは凄んでいる青年そっちのけで、木っ端だらけの地面に落としたメガネを半べそで探している!

エンカが頭脳労働者らしく、難しい話を青年としている。
謝罪というにはあまりに上から目線の言葉に、リリィはやきもきしている!
>「(前略)おめぇも俺達と一緒に来ないか? 
> 味方は多い方が心強いし、簡単な怪我の治療ならできるからよぉ。」 
>そう言ってエンカは包帯と塗り薬のようなものを取り出した。 

>「えっ!もしかして木の下敷きになったせいでお怪我を?どどどどうしよう!
 ごめんなさい。私がデスモナークみたいな影を見た、なんて皆に言っちゃったから・・・・・・。
 お怪我酷いですか?歩けます?
 ねえグラディス、やっぱり担架とか作って学園まで運んだ方がいいのかな?」
だが、どうやら担架までは必要ではないらしい。

「ところで、どうしてこんな物騒な森の木の上でお休みになってたんですか?
 ・・・・・・・はっ!!もしかしてお疲れだったんですか?!」
リリィはしばらく何か悩んでいたようだが、やがてくるりと青年に背を向けた。
そして再び向き直った時には、手に大きな包みを持っていた。
「これを食べて元気になってください」
リリィが差し出した包みの中身は、大きなアンパンだった。
しかも、まだほのかに温かい。
「森の中でお腹をすかせて疲れたときには、アンパンが一番なんです!
 元気になったら、学園目指してレッツゴーです!
 そして私の名前はリリィです。よろしくね!」
パンを差し出す方向が微妙に間違っているのはご愛嬌である。
幸か不幸か、今のリリィに青年の目つきの悪さなど気づけるはずも無かった。
106 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk [sage 代理投稿 >95]:2010/04/14(水) 23:02:02 0
>82>85-86
少し時をマンダム。
>「そういや、あんたとグラディスは兄妹なのか?」
「ううん、お隣さんで幼馴染なだけ。でも、そういう関係かなー?」
>「すごーい!あっという間に元の姿になったよ!これも魔法なの?
> ネリー、あれもやっぱり魔法なの?!ねえねえ!」
「あうあう……ち、違うらしいよ。
 グラディの一族のお家芸だってサ。詳しいことはグラディに聞いた方がいいよ」
揺さぶられたりされつつも、ネリーは一つずつきちんと答えていく。

そして吹っ飛んだ時は再始動する。
メキメキと大きな音を立てて、へし折れた木の幹は中ほどから倒れる。
変な声が聞こえた気がするが、ネリーは勿論グラディスも木の倒れる音で聞こえなかった。
「やべ、加減間違えすぎた……調子良すぎだ今日の俺」
>「な、何やってんすかーっ!!」
>エンカが茂みから飛び出してグラディスに叫んだ。
>「まだ敵か味方かもわからないのに攻撃するのはまずいっすよー!
> 攻撃した相手が、善良な村人Aとかだったらどうするっすかーっ!?」
「あ、その可能性を忘れていた。まぁーなんとかなーるなんとかなーる!」
「馬鹿じゃないの?全く、いつもこうなんだから」
なっはっはと楽天的思考で動くグラディス。
死ななきゃ治らないだろうお気楽な幼馴染に、ネリーは呆れを隠し切れない。

>「・・・・・・・なんか人の声が聞こえたような・・・・・・皆、どうする?どうなったか確認しに行く?」
>「じょ、冗談じゃないっすよ!さっさとここから離れようぜ!
>もしもあの人影が敵だったとして、さっきの攻撃で死んでなけりゃ確実に反撃されるんだからなーっ!」
そう叫んで何処かへ行くエンカ。
どうするかなぁとグラディスが考えようとするが、すぐにエンカが戻ってきた。
>「…仮によぉ、万が一にも、あそこにいたのが善良な村人AとかBとか、あるいは同じ学園の新入生ならよ〜。
>ほっといて行くわけにはいかねぇよなぁ。」
「そーだがなー……まあいいや、手伝いが必要なら言ってくれよ」
そう言うと、後ろを向いて指先に火を灯し始める。魔法の調子の確認のようだ。

>「本当に凄いねー。あ、ネリーさん、火の玉もっと倒れた木の方に寄せてもらえるかな?」
「あ、はーい!今行く!」
声に応じて、カードの整理をしていたネリーが火の玉を引き連れてやってくる。
ウィル・オー・ウィスプはネリーに付き従っているらしい。彼女の周りは青白く照らされている。
107 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk [sage 代理投稿 >96]:2010/04/14(水) 23:02:59 0
>100>103>105
>「わ――――っ!!木が積み木崩しみたいにばらばらに――――!!」
グラディスが今度は手のひらの冷気を集め始めていると、突如風切り音とリリィの悲鳴が響いた。
ばっと振り向くと、木っ端が視界で舞っている。奥で対峙するのは、見知らぬ金髪の影とエンカだ。
リリィは這いつくばって何かを探している。ネリーは硬直状態だ。
>「…寝てる人間にする悪戯にしちゃ笑えねェんだけど…」
>「気をつけろ皆!木の下に誰かいたみてぇだ!」
「……めっちゃくちゃ血の臭いがするなー。一発ガツンと殴られたみてーにクラクラするほど」
さっきの倒木のせいだろうか、金髪の彼は頭やそこらから流血がしているのだ。
五感の鋭いグラディスには、鉄の錆びた独特の臭いが鼻につく。
白目は再び黒くなってきていた。

>「今のアンタか…?それとも向こうの奴ら?
> そうだなァ…今なら言いワケぐらいなら聞いてやるけど…どうする?」
一瞬ギクリとしたグラディスだが、それを悟られる前にエンカが話し始める。
>「あんたも学園の新入生かよ?(中略)
> そこらへんのことを理解してもらえるならよぉ、おめぇも俺達と一緒に来ないか?
> 味方は多い方が心強いし、簡単な怪我の治療ならできるからよぉ。」
高圧的だが、一緒に行こうと説得しているらしい。
そしてリリィはというと。
>「これを食べて元気になってください」
美味しそうなアンパンを差し出していた。
そして自己紹介と共に、相手を気遣う優しさを金髪の人に見せる。

「リリィちゃん、やっさしい!素敵、良い子すぎるよ!最高ー!」
それに感動するネリー。近くには同年代の子供が居なかったせいか、酷くリリィが美化されているらしい。
驚かさないようにゆっくりリリィに抱きつく。
「えっと、私はネリー・コルファー。同じ新入生だよ。……あ、それとこっちが」
「俺はグラディス、グラディス・ウルフォード!
 人狼の血を引く魔法使い見習いさー!あと、その木折ったの俺なんだ。スマン」
いつの間にかそばにやってきていたグラディスが、ビッとサムズアップ。
犬歯をむき出しにして笑う顔はやっぱり狼っぽい。

>104
「……ん?」
そんなこんなで話していると、グラディスの耳に小さく振動する音が聞こえてきた。
よく聞いてみると、何かが走ってる音らしい。だんだん大きくなってくるところから、こっちに向かってると判断が付く。
もっとよく聞こうと、耳を澄ましてみると……
「……ひづめ!?ちょっ、嘘だろっ!?」
「ひづめ?どうしたの、廃墟のところからなんか変だよ?」
「そうだっ、さっき逃げてきた理由じゃねーか!おい皆、さっきの“敵”だ、“強い奴”!
 仮面の人とかが応戦したはずの、あいつが来てる!なんで!?なんでだよ!?」
泡を食ったようにうろたえ始めるグラディス。
彼が追ってきている理由だろう、青く光るウィル・オー・ウィスプ。それの存在はすっかり忘れている。
108 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/14(水) 23:41:10 0
>98>104
>「……おいフリード、一応聞いておくぞ……体の方は大丈夫なんだな?
  その様子からすると聞くまでもないとは思うが……」
レイヴンが猫耳少年、フリードの体を心配する
>「「にゃにゃんぐはぁ…………」」
血を吐いた。人語ではなかったので分からないが多分、『もうムリぽぐはぁ............』て意味なのだろう......違うと思う
まぁ、いざとなれば俺が背負って行けばいい

>「「にゃあなにゃにゃ」」
融合を解いた。何がしたかったんだ、お前は
......あの姿のままずっといるのも困るが...

「まさか………自爆でもする気ですか?」
「残念だが、俺は自爆系魔法は知らないんでね。
...まぁ、お前らはなんともないと思うから安心しな」
フリードの心配するような声に、そう返事する
...さて、そろそろ魔力でも高めとくか
>「……只では済まん、と?死をも越え、ただ流離い往く私を、そんな状況に落とせるというのなら面白いな…」
ゼルフィルドの目が、真っ赤に光る
クレイの体が震え出した
......恐怖?いや、これは完全な武者震だ
初めて、初めてだ、本気を出すのは
『賢者達』に俺の体について気付かれないように、今まで制御してきた
だが、今俺の目の前にいる奴は、全力じゃないとやり合えない
『賢者達』どもにバレるならそれでもいい。それで俺を狙うなら、やり合えば良い事だ
...おかしいな、俺はこんなにも戦闘抂だったか?こんな状況にもかかわらず、俺は楽しみにしているか?
バチッ!!
「?」
気付くと体から電気が漏れ出していた
「......ははは」
どうやら、体は大丈夫でも頭はいかれてしまうらしい。伝達量が多すぎて冷静な判断ができなくなっている
.........ならば、考えなかったらいい
目の前の敵を潰す事だけを考えればいい
...もう我慢出来ない。
始めようじゃないか。なぁ、ゼルフィルド
オレトアソボウカ
109 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/14(水) 23:42:20 0
>「しかしだ………」
クレイが一気に攻めようとしたとき、ゼルフィルドがそう言った
シカシ?ナニガ、シカシナンダ?
>「私もたった今、動かねばならぬ理由が出来た……
そして何より、貴公らの武はしかと見届けた。“今”は…これ以上死合う意味もない…」
体中から戦意が抜ける
なにが動かねばならない理由だ。ここまでやっておいて逃げるのか
>「そもそも何で僕らに襲いかかったんですか?(略)」
>「…いずれ解ること………きっとな……」
そう言い残すとゼルフィルドは、馬に乗り闇の中に消えて行った

...優先事項を忘れていた。どうやって逃げるか、その為の事だったのに
「どうしたんです?フラれたみたいな顔をして」
「そんな顔をしていたのか、俺は」
パーフェクト・エアーになっていたトレスが話しかけてきた
こいつ、この展開を分かっていたな。俺を止めなかった事からわかる
「...まぁいい、嵐は去ったんだ。ここに長居は無用だ」
フリードとレイヴンの方を見る
「と言っても、お前らは怪我をしていたな。
一応、手当でもしていくか。おい、トレス」
「はい」
トレスが後ろから、治療薬やら包帯やらを出す
そういえばあのトランク、持ち主を探さないといけないな
「これを好きに使え。
終わったらすぐに行くぞ。
動けないようなら、俺が背負ってやる」
110 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/14(水) 23:43:49 0
暇だよね
111 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/15(木) 00:10:27 0
>>87
>「私も高台を目指したいわね。来たばかりだし、島を一望してみたいもの。
ゼルキは学園を目指す、という事だから、二手に分かれることになるわね。」

>>102
>「私とセラエノはこれからこの山に登り、もう一度地形の確認をして、学園に向かう
 そうだな。この程度の木でここまで見えた訳だ。中腹まで行けば十分見える筈だ
 そして、君達2人は別ルートで学園を目指してくれ
 出来ればだが、北西エリアには近づかないように先ほどから様子がおかしいのだよ」

鏡面の少女はセラエノ、銀狐の少女はクルード。義手義足の少年はゼルキと名乗った。
話を聞く限りでは、どうやらルータが来なければゼルキは一人で学園を目指すことになっていたようだ。
文字通り足を引っ張らないようにと本人が言いだしたことらしいが……。

「ふぅん……ワタシもまっすぐ学園に行くつもりだったから、ちょうどよかったノかな」

呟きながらルータはゼルキの元へと歩み寄り、その右手を取った。
手を通して伝わる温もり。逆に彼は、ルータの手の冷たさを感じているのだろう。

「それじゃ、ゼルキくん。一緒にイこう?」

そう言ってゼルキの顔を上目使いに覗き込んだ。
112 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/15(木) 11:57:01 P
>104>109
>「…いずれ解ること………きっとな……」

「いずれわかる………か。って事はまたあいつと戦わなきゃいけないハメになるって事ですね」
と嫌な運命を語るフリード
「こっちはこれでも自分なりに一生懸命やってるのにばかにしやがって
 学園で勉強して強くなっていつかリベンジしてやりますよ!!」
と学園で強くなるために努力する事を決意したフリード
だがその頭は投げ返された薔薇爆弾のせいでアフロだ
「にゃなぁ」
と鳴くグレン
「そのためにはグレン・ダイザー……お前ともっと絆を深めなきゃ駄目ですね」
もっと使い魔と絆を深めれば完全なソウル・ユニゾンを完成させることが出来るだろう
そうすればきっと今よりずっと強くなれるはずだ
「最低でもドラゴンを文化包丁で仕留められるようにならないとあれには勝てなさそうですが………」
無茶言うなと言いたいが…………出来るやつ居るんだろうなファンタジーだし

>「これを好きに使え。
 終わったらすぐに行くぞ。
 動けないようなら、俺が背負ってやる」
「ちょっと待ってください
 ポーション!回復だ!これで!!」
いちいち叫ばないと回復アイテムも使えないのかフリード
と思わなくも無いが魔法的な意味があるのだろう
たぶん薬だけを使うより回復するのだ

「だいぶましになりましたありがとうございます」
薬を飲んでダメージを回復したフリード
アフロも元に戻っている
どうやらアフロは状態異常に含まれるらしい
「アフロ状態になるとギャグの技しか使えなくなるんで結構厄介なんですよね
 シリアスで強い相手と戦うときには相手をギャグキャラに落とせばだいぶ楽になりますから」

「さて……次にやることは学園の位置を把握してそちらに移動することですね
 グレン・ダイザー木に登って背の高い建物を見つけなさい!!」
グレン(猫)に命令して学園の建物を探させるフリード
「使い魔と主人は視線を共有することが出来る………これは姉さんから教わりました
 色々便利なんで僕も早く使い魔が欲しかったんですよv」
「なにゃあ」
(だが断る)
フリードの命令を拒否するグレン(猫)
無理やり使い魔にされたうえに命令なんて聞いてられるかという事だ
「報酬としてマグロスティックをあげましょう」
「にゃにゃん♪」
食べ物につられて命令を実行するグレン(猫)
本当にわかりやすい性格の猫である
「なるほど…………あっちの方角ですか……」
グレンをなでなでしながらマグロスティックを食べさせるフリード

「もう一度言います学園で勉強して強くなっていつかリベンジしてやります
 僕は美しいものが大好きです。そしてたとえ報われなくてもすべての努力は美しいんです
 だから僕は美しく努力をして絶対に強くなってみせます!!」
フリードが少女のように美しい顔をしているのも父親の遺伝子に負けないと言う努力の結果である
もし努力をしていなかったら……………ウワァァァンである
「にゃんにゃん」
(僕、努力とか嫌い)
とクールキャラの多い氷属性とは思えないような性格のフリードであった
113 :ベッドフォード ◇k4Jcxtcj [sage 代理投稿 >100]:2010/04/15(木) 17:26:26 0
「ホッホッホッホゥ!!!!!!!
そんなに死に急ぎたいのですかねぇ…
子供二人に得体の知れぬ獣人が私に勝てますかな?」
オワゾーはまた耳障りな高笑いをあげる、丁寧な口調ではあるが皆を小馬鹿にしているのが滲み出ていた
その口ぶりは文句があるならいつでもかかってこいと言わんばかりの余裕をも漂わせている

>>「使者殿よ…手間で悪いが私からも伝言を頼みたい…『朝日に響く』とな……」

「…しかと承りました」
己の横を通りすぎるゼルフェルドに軽く一礼をすると呆気に取られている少年達の方へと視線をやった

「さて、まだ私が残っておりますが…
ところで、そこの貴方は先程 焼きミミズクは美味いのかとおっしゃいましたねぇ…
いかがでしょう怪鳥の脚力でしたらご馳走いたしますが?」
レイブンの方へニヤリと嫌らしく微笑み 言葉を続ける
「これを見ても軽口を叩ける余裕があれば良いのですが…」

いつの間にか杖を持ったオワゾーが小声で何かの魔法を唱え始めると
彼の周りは薄い煙と生臭い香りに包まれ呻き声が煙の中から聞こえてくる

「クェェェェェェ!!!!!!」
鳥のような鳴き声が煙を払うかの如く森中へと響き渡ると
そこには数メートルはあろうかの鳥が少年達を見下ろしていた
黒光りした爪と嘴を持ったその風貌はまさにに怪鳥と呼ぶのが相応しいかもしれない
「怖いでしょう?恐ろしいでしょう?
なら、この姿 良く目に焼き付けておきなさい!!!」
変わらず甲高い声の怪鳥は空へ飛び上がると廃墟と化した建物へと爪を向け急降下をした
爪は屋根を貫通し半壊する建物 柱をやられたのか今にも崩れそうである
怪鳥は方角とは違う方向へ笑い声をあげながら羽ばたいていった
114 :鋼&シルヴァ ◆jYIEFQ9hMw [sage]:2010/04/15(木) 20:00:38 0
>>99>>101
鋼が羅門に質問を投げかける、そして羅門が何かを答えようとしたその時。

「あっ」

突然舞起こった風により鋼の手から書類が離れ、それを見ていたシルヴァが変な声を上げた。
しかし、すぐに飛ばされた書類の先にはある人物におり、書類はその人物の顔に張り付き止まった。

>「はわー、なんですかー?」

「おっと、悪い!書類が風で飛ばされちまったみたいだ!」

鋼は軽く頭を下げながら、その人物の元へと向かう。
…風はその人物のせいで起きたものなのだが、そんなことは知る由もない。

(なんか嫌な気のする子ねえ、呪いでもかけられてるのかしら)

シルヴァはその人物を見てふとそんな事を思った。
何気に核心をついてるとも言えなくも無いのだが、今はそんな事は関係ないのだった。

>「えーっと、新入生の方ですかー?」

「ん…ああ、そうだな。
 俺は鋼、あっちにいるのはシルヴァ。あの大男は…同じ新入生みたいだけど名前は分からねえ」
「それより、『新入生の方』って事は…あなたは在校生?」

鋼の後ろから、シルヴァがずいっと現れた。
心なしか鋼を庇うようにして立っているように見えるのは、気のせいではないかもしれない。

「もし在校生で、尚且つ時間が空いてるというのなら、学園の案内を頼みたいのだけれどいいかしら?
 それとあなたの名前を聞いても?」

ニコッと笑いかけるシルヴァ、吸血鬼特有の伸びた八重歯がチラチラと見える。
…さて、目の前の人物はシルヴァの問いに答えるのだろうか?
115 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/15(木) 22:15:18 0
>>87 >>102
「南西か。自分では真っ直ぐ南に進んでたつもりだったけど、
 いつの間にか随分外れてたんだな。……まあ、仮に真っすぐ進めてても、
 俺が進んでた南は、どのみち外れの方角だったみたいだけど」

クルードによって齎された情報に、ゼルキは思わず苦笑する。
ゼルキは三人の少女に会う前、とりあえず倒れるまで歩くという選択肢を取っていた。
もしも、もしもその選択肢のまま誰にも出会わずに歩き続けていれば、
ゼルキはいずれ森の中で倒れていただろう。
ゴールから最も遠い地点で行き倒れる。いくら学園の試験会場とはいえ、
それはかなり危険な事の様に思える。

>「私も高台を目指したいわね。来たばかりだし、島を一望してみたいもの。
ゼルキは学園を目指す、という事だから、二手に分かれることになるわね。」
>「私とセラエノはこれからこの山に登り、もう一度地形の確認をして、学園に向かう
 そうだな。この程度の木でここまで見えた訳だ。中腹まで行けば十分見える筈だ
 そして、君達2人は別ルートで学園を目指してくれ
 出来ればだが、北西エリアには近づかないように先ほどから様子がおかしいのだよ」
>「ふぅん……ワタシもまっすぐ学園に行くつもりだったから、ちょうどよかったノかな」

それから少しの間の話し合いを経て、この集団の方針は決定した。
セラエノとクルードは高台に、ゼルキとルータは学園があると思われる方向へ。
ここから二手に別れるという選択肢に至った様である。

>>111
「えーと……その、ルータさんは高台の方に向かわなくていいのか?
 俺を気遣ってくれてるとかいう理由なら、やっぱり二人に付いて……って、うわっ!?
 ま、待ってくれ!何で俺の手なんか握るんだっ!?」

行動指針は決定したが、ルータが自分に気を使って学園に向かう道を選んだのではないかと
考えていたゼルキ。そんな彼は、ルータが不意打ち気味に手を握った瞬間その顔を赤くし、
慌ててその左腕を引いた。

(ルータさんの手、やけに冷たかったな……って何を考えてるんだ俺はっ!?)
どうやら、女性に免疫が無いらしい。ゼルキの年齢を考えれば仕方の無い事ではあるが。
>「それじゃ、ゼルキくん。一緒にイこう?」
左手で自身の額を押さえたゼルキは、そう言った上目遣いのルータの顔を出来るだけ見無いように
しながら、セラエノとクルードの方へとまだ朱の残る顔で振り返る。

「あー……セラエノさん、クルードさん。もしも北東に学園が無かった時は、
 のろしでも何でもして、連絡する。そっちも何か困った事があったら、サインか何かを出して
 みてくれ。見つけたら必ず駆けつけるから。……それじゃあ、また後で」

そう言って、少年は汚れたマントを羽織り直す。目指すは、北東。
116 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/15(木) 22:39:37 0
>102>111>115
> 出来ればだが、北西エリアには近づかないように先ほどから様子がおかしいのだよ」
「ああ、私そこから来たのよ。」
クルードの説明を聞き、最後の忠告ところでポムと手を合わせて思い出したように口に出すセラエノ。

「学園の用意したものか、森に生息しているのかイレギュラーかはわからないけど…
死を運ぶデュラハンも裸足で逃げ出すような巨大な鎧戦士が襲ってきてね。
3、4人闘う選択肢を選んだようだけど、どうなったかしらねえ。」
遠い目をするようにシミジミと語るが、実はそんなに綺麗な風景ではない。
鏡仮面の下ではまたしても滲んできた鼻血を気合で止めているのだから。
勿論原因は大好きな美少年フリードリッヒ(略

そうこうしているうちに方針は決まり、ルータとゼルキはこのまま学園を目指し、セラエノはクルードと共に山を目指す事になった。
>……それじゃあ、また後で」
「ええ、また会いましょ。」
短い別れの挨拶の後、四人は二手に別れる。

暫く森を進んだあと、唐突にセラエノが立ち止まる。
「流石に歩き詰めというのも疲れるわね。」
苦笑を浮かべながらスカートの裾をつまみ軽くあげると、ポトリと一本の巻物が落ちる。
しかしそれが巻物でない事はすぐに判るだろう。
落ちた巻物は回転しながら広がっていき、空気を吸い込むように立体を手に入れる。

巻物に見えたのは長さ2m、幅60cmほどの筒状の布だった。
表面には色彩豊な鱗や鰭、目や髭が描いてある。
「擬似騎乗生物コイノボリって言うの。よければ乗る?」
地上50センチほどのところに浮き泳ぐように漂うコイノボリ横乗りしてクルードに声をかけた。

ちなみにこのコイノボリ、内部は空間操作されており、簡単な部屋があったりするのは誰得なマメチシキ。
117 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/15(木) 22:40:30 0
またやってしまった…
>>116は私です
118 :リキル ◆GdwEn6wJAk [sage]:2010/04/15(木) 22:58:41 O
「ちっ…こんな適当な地図で学園に辿り着けるわけねぇだろがっ!」
頭からどくどくと血を流しながら高台に立つ短ランとボンタン姿の青年。
彼の名はリキル・グラッド。
最強の不良を目指し喧嘩に明け暮れる青年だ。
転送装置によって森に飛ばされ高台に着くまでに、10人の生徒に勝負を挑んだ。
適当に書かれた地図にイライラしていたらしいが、正確に書かれた地図でも彼は学園に辿り着けなかっただろう。
何故なら彼は地図が読めない&極度の方向音痴。
いわゆるバカである。
「あ〜……あれが学園か?多分……そうだよなぁ。
 …どっかに案内の立て札ぐらい立てとけっつんだよ…ったく。
 ……ん?」
背後から人の気配を感じた。
気配は2つ。
リキルはニヤリと微笑むと、向かってくる2人の気配に向かって叫んだ。
「どこのどいつだか知らねぇが、ここに来たのが運の尽きだな…。
 俺の相手になってもらうぜ!さあ、かかってきな!」
学園の位置を確認するという目的を果たした今、リキルの頭にあるのは強者との喧嘩だけだった。
119 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/15(木) 23:16:05 0
>103>105-107
>「(前略)そこらへんのことを理解してもらえるならよぉ、おめぇも俺達と一緒に来ないか?
>味方は多い方が心強いし、簡単な怪我の治療ならできるからよぉ。」
謝罪というわりにはずいぶんと大きい態度を取っているが、
青年は特にそれに対して指摘したり気を悪くしたりせず黙って話に耳を傾けた。
そして取りだした包帯と塗り薬を見て腕を組んで「うーん…」と悩んでいる。
そうしている間にも血は滴っているが、慣れているのか本人はさほど気にはしていないようだ。

>「えっ!もしかして木の下敷きになったせいでお怪我を?どどどどうしよう!
>ごめんなさい。私がデスモナークみたいな影を見た、なんて皆に言っちゃったから・・・・・・。
>お怪我酷いですか?歩けます?
「あー、怪我っていうほどのもんでもないから気にすんナ…」
心の底から心配してくる少女に、青年は少し厄介そうに見た後。
すっと手を伸ばすと包帯と塗り薬を少し強引に取っていき、傷に塗り始める。
「話聞いて悪気がなかったことは分かった。寝てたオレもオレだしなァ
 この包帯と薬でチャラにしてやるよ。でも次やったらバラバラにするから気をつけンだぞ?」
普通は文句の一つでも言うのかもしれないが、わりとあっさりと割り切る青年。
もっともやはり少しばかし物騒なことを口走っているが…

>「ところで、どうしてこんな物騒な森の木の上でお休みになってたんですか?
>・・・・・・・はっ!!もしかしてお疲れだったんですか?!」
「あー…まァね、学園が分かんなくてさ。
 だんだん探すのが面倒になってきちまってねェ。
 気が付いたら寝てたってワケ…」
包帯を巻き終わり「ふぁ〜あ」と欠伸とともに大きく背伸びをする。
寝むそうに眼を擦っていると、少女が大きな包みを青年に向けて差し出す。
>「これを食べて元気になってください」
包みからは大きなアンパンが出てくる。しかもまだ暖かい
「パンだ……」
お腹が減っていたのだろう。唾を飲み込み青年は呟く。
しかし、遠慮なく取っていくと思いきやお預けを食らった犬のように、
青年は停止し、目の前の少女をじっと見つめる。目付きの悪さと仏頂面が相まって、
おそらく少女の目には青年が睨み凄んでいるようにしか見えないだろう。
>「森の中でお腹をすかせて疲れたときには、アンパンが一番なんです!
>元気になったら、学園目指してレッツゴーです!
>そして私の名前はリリィです。よろしくね!」
しかし、そんなヨーンを怖がるどころかニコニコしながらパンを差し出すリリィに釣られるように、
仏頂面をしていた青年は少し頬を緩ませパンを受け取る。
「オレはヨーンだ。まァなんていうか、よろしく」
そして照れ隠しなのか視線を逸らしながら青年はヨーンと名乗った。
120 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/15(木) 23:17:36 0
>「えっと、私はネリー・コルファー。同じ新入生だよ。……あ、それとこっちが」
>「俺はグラディス、グラディス・ウルフォード!
>人狼の血を引く魔法使い見習いさー!あと、その木折ったの俺なんだ。スマン」
「オレはヨーン。まァこれから頼むぜ。さっきのことなら気にするなよ。
 それにどっちかっていうと少し期待してたんだ。魔法使い見たの初めてだからな。
 つか、人狼とかっているんだな。その歯はやっぱ人狼だからか?」
ヨーンは人懐っこく笑いかけるグラディスの犬歯を見て関心を示している。

>107
>「……ひづめ!?ちょっ、嘘だろっ!?」
「ひづめ…んな音するか?」
何やら慌てているグラディスをしり目に夢中になってもらったパンにかじりつく。
>「そうだっ、さっき逃げてきた理由じゃねーか!おい皆、さっきの“敵”だ、“強い奴”!
>仮面の人とかが応戦したはずの、あいつが来てる!なんで!?なんでだよ!?」
どうやら敵が迫っているらしい、それもグラディスのうろたえ方からして強いを通り越して『危険』なんだろう。
もっとも、ヨーンは「ふーん」と特に怖がる様子もなくパンにかじりつき口の周りをアンコだらけにしている。
「まァまずは落ち付こうぜ。こっちに向かってんだったら仕方ないんじゃあねェの?
 ちんたら怯えてたら何もできないままだし、逃げるのかやりあうのか決めようぜ。
 ちなみに、オレはやりあいたい……!!」
そういってグラディスの言う強い敵を想像して眼をぎらつかせるヨーン。
これで口がアンコだらけじゃなかったならば締まったのだが…
121 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/16(金) 21:35:09 0
>119>120
「おいおい、血がどんどん出てるじゃねぇか!悩む必要なんかねぇだろ?
 早く怪我を手当てさせろよ!」
包帯と塗り薬を見て悩むヨーンにエンカがそう言った。
>「えっ!もしかして木の下敷きになったせいでお怪我を?どどどどうしよう!
>ごめんなさい。私がデスモナークみたいな影を見た、なんて皆に言っちゃったから・・・・・・。
>お怪我酷いですか?歩けます?」
> 「あー、怪我っていうほどのもんでもないから気にすんナ…」
> 心の底から心配してくる少女に、青年は少し厄介そうに見た後。
> すっと手を伸ばすと包帯と塗り薬を少し強引に取っていき、傷に塗り始める。
「て、てやんでぇ!」
とエンカ。
> 「話聞いて悪気がなかったことは分かった。寝てたオレもオレだしなァ
>  この包帯と薬でチャラにしてやるよ。でも次やったらバラバラにするから気をつけンだぞ?」
「あーよ。」
バラバラにすると言われてもエンカは特に気にしなかった。
エンカが前にいた学校でも、友達同士で冗談で“殺すぞてめぇ”
などということはよく言いあっていたので、むしろエンカはヨーンと仲良くなれそうな気がしてきた。

>「ところで、どうしてこんな物騒な森の木の上でお休みになってたんですか?
>・・・・・・・はっ!!もしかしてお疲れだったんですか?!」
> 「あー…まァね、学園が分かんなくてさ。
>  だんだん探すのが面倒になってきちまってねェ。
>  気が付いたら寝てたってワケ…」
「まったく大胆な性格してるぜおめぇ。」
欠伸をするヨーンにエンカがそう言った後、リリィが大きな包みをヨーンに差し出した。
>「これを食べて元気になってください」
> 包みからは大きなアンパンが出てくる。しかもまだ暖かい
> 「パンだ……」
「パンっすね……」
ヨーンはお腹が減っていたので唾を飲み込み、
エンカはそのパンがまだ暖かい事に対して唾を飲み込んだ。
>「森の中でお腹をすかせて疲れたときには、アンパンが一番なんです!
>元気になったら、学園目指してレッツゴーです!
>そして私の名前はリリィです。よろしくね!」
>「オレはヨーンだ。まァなんていうか、よろしく」
ヨーンはリリィからアンパンを受け取った。
「俺はエンカ、エンカ・ウォンだ。あんたが賢い人なら、長い付き合いになるだろうぜ。」
122 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/16(金) 21:36:07 0
>「えっと、私はネリー・コルファー。同じ新入生だよ。……あ、それとこっちが」
>「俺はグラディス、グラディス・ウルフォード!
>人狼の血を引く魔法使い見習いさー!あと、その木折ったの俺なんだ。スマン」
> 「オレはヨーン。まァこれから頼むぜ。さっきのことなら気にするなよ。
>  それにどっちかっていうと少し期待してたんだ。魔法使い見たの初めてだからな。
>  つか、人狼とかっているんだな。その歯はやっぱ人狼だからか?」
「グラディスはマジで半端ねぇぜ。本気になりゃ、狼の姿に変身できるんだからよぉ。」
と、なぜかエンカが自慢げに答えた。
「実際俺もこの学園に来て驚きっぱなしだぜ。
 このフィジル魔法学園じゃよぉ、常識にとらわれちゃいけねーんだよなー。」

> >「……ひづめ!?ちょっ、嘘だろっ!?」
グラディスが突然そう言ったが、普通の聴力しかもたないヨーンやエンカ達には聞こえない。
> 「ひづめ…んな音するか?」
「聞こえないっすよ?それに、ひづめの音がしたら何になるんすか?
 (そんなことよりヨーンが妬ましいぜ。俺なんか女の子の体温つきパンツ…
 じゃなくて、パンなんか一度も貰ったことないのによ〜。)」
>「そうだっ、さっき逃げてきた理由じゃねーか!おい皆、さっきの“敵”だ、“強い奴”!
>仮面の人とかが応戦したはずの、あいつが来てる!なんで!?なんでだよ!?」
「マジっすかーっ!?そいつはかなりまずいっすよーっ!!」
しかし一人だけ落ち着いてパンにかじりつくヨーン。
> 「まァまずは落ち付こうぜ。こっちに向かってんだったら仕方ないんじゃあねェの?
>  ちんたら怯えてたら何もできないままだし、逃げるのかやりあうのか決めようぜ。
>  ちなみに、オレはやりあいたい……!!」
「あーもうこれだからお前らはよーっ!!」
いきなり複数形で呼ばれてもヨーンには意味不明だろう。
「俺達にはもっと仲間がいたんだがよぉ!そいつらは俺達が逃げろと言っても逃げなかったんだ!
 今のおめぇと同じように、戦いに自身満々の連中だったさ!だがどうだ!
 その“敵”がこっちに来てるってことは、結局手におえなかったってことじゃねーか!!
 ここは戦いを避けるのが賢明だぜ!死にたくなければなーっ!!」
しかし、今回エンカは逃げるつもりはなかった。だが、戦うつもりもない。
「グラディスが確かにひづめの音を聞いたなら、奴は馬か何かに乗ってるはずだ!
 走って逃げても追いつかれる!こうなったら隠れるんだよーっ!
 ネリー、その青い火を消してくれ!
 そんなわかりやすい目印をしてかくれんぼをしていいのは小学生までだからなーっ!」
123 :レイヴン ◇70VgGM3HY6の代理[sage]:2010/04/16(金) 22:45:49 0
>104>108>112-113
ミミズク野郎の意味深長なセリフに何か切欠でもあったのか、
ゼルフェルドは槍をこちらに向けたまま太刀を収めた。
……どうやらお開きらしい。殺るか殺られるかまでの予定じゃなかったのかね?
そう言えば、故あってとか言ってたな……きな臭い。

>「今の貴公には弱さとしかならぬ…………貴公が常に正しき道を選び、
> その無謀を勇猛と成せることを願いたいものだが…」
……参ったね、こいつは。『筋金入りの馬鹿野郎』だ。
そして、こういう奴をただの敵と認識しきれない俺は『救い様のない大馬鹿野郎』なんだが。
「仕方ない。たった一度で全部分かり合えるなんて都合のいい話は……
 どこにも、転がってないからな……まぁいいさ。今回はここまで、なんだろ……?」
どの道続けたところでこっちが死ぬだけだ……!?

「……まずいな、あの方角は……!」
野郎、喰い足りないからって『次』に行きやがったのか!
……まんまと、してやられたってわけだ……ああまったく、進歩のない!


>「さて、まだ私が残っておりますが…
> ところで、そこの貴方は先程 焼きミミズクは美味いのかとおっしゃいましたねぇ…
> いかがでしょう怪鳥の脚力でしたらご馳走いたしますが?」
つい意識を鎧野郎に向けてたが、そう言えばミミズク野郎もいたんだったな。
あ、何だって?
「おい、化けミミズク。俺は焼きミミズクって言っただろ。
 他の鳥なんか今は食う気にもなりゃしねぇよ」
自覚してるって事は、間違いなく焦ってるって事だ。
ぞんざいな言い回しになるのも、すぐにでも後を追いたいからだ……
まったく、いつからこんな甘ちゃんになったんだか。

>「怖いでしょう?恐ろしいでしょう?なら、この姿 良く目に焼き付けておきなさい!!!」
あの野郎、ミミズクじゃなかったのか! 騙された俺の怒りは有頂天を超え天元突破。
焦りとかまじどうでもいい、この怒り、晴らさで置くべきか!
「ふざけんな! てめぇがこんな不味そうな鳥だって分かってたら
 焼きミミズクとか言わなかったぞ! 俺のwktkを返せ!」
よっぽど頭に血が上っているのか、わけ分からん事を口走る鴉。
怖がらせようと必死なベッドフォードの努力も空しく、怒りだけが募るのだった。

余計な一言のせいで建物は崩壊寸前、必死こいて逃げ出した。
「……っざけやがって! 今度あったら全身の羽毛と言う羽毛全部毟ってやる……!」
どうにもあの手合いがいると、調子が狂うらしい。
124 :レイヴン ◇70VgGM3HY6の代理[sage]:2010/04/16(金) 22:46:05 0
>「もう一度言います学園で勉強して強くなっていつかリベンジしてやります
> 僕は美しいものが大好きです。そしてたとえ報われなくてもすべての努力は美しいんです
> だから僕は美しく努力をして絶対に強くなってみせます!!」
奇行の目立つ奴ではあるが……鴉は見直していた。
感覚的なものであるとは言え、本質を見た鴉にはフリードはとても眩しかった。
……煌々と輝く太陽か、暗闇の中でも輝きを失わない星か。自分がとうに亡くしたものだった。
「……随分と、気合入ってるじゃないか……負けて、悔しいか?
 まぁいいさ……フリード、お前はそのままでいろよ……その気持ちを、亡くすんじゃないぞ?
 亡くさなけりゃ、忘れなけりゃ、必ず、手に入れられる……必ず、な」
先程までの威勢はどこへ行ったのか、口調が途切れ途切れになっている。


>「これを好きに使え。終わったらすぐに行くぞ。
> 動けないようなら、俺が背負ってやる」
一体どこに隠していたのか、治療道具一式が出てきた。
便利そうな球体だ、一家に一体あると便利かもな……
「俺は大丈夫だ……大した事はない。
 それよりもあいつの後を追わないと……あっちは他の連中が逃げた方角だ。
 急がないと、手遅れになるかも知れん……っく!」
途中の木に思いっきり左肩を打ち付けて無理やり外れた骨をはめなおす。
危険すぎる荒療治だが、孤立無援の中自分の傷口を自分で縫った事もある。
脱臼をこんな方法で応急処置するのも両手で数え切れない。

「……クレイ、先に言っておく。
 俺はおぶられる趣味も、抱きかかえられる趣味もない。
 だから、仮に俺が歩けなくなったら……先に行け。
 あっちの心配もそうだが、フリードから目を離したら何をやらかすか分からんからな……
 薬も使わんでいい……どれだけ必要になるか分からん、少しでも節約しておけ」
鴉はクレイの異常性に気づいていた。先ほどの数瞬、クレイの中の『何か』が
ざわめいたのが見えたのだ。魔法的な観点とかじゃない……観察眼と言うもので、だ。
だからこそ、他人の世話を押し付けた。特に手のかかるだろうフリードはうってつけと言える。

フリードの奇行をクレイが窘め、クレイの異常性をフリードの存在で押し留める。
分の悪い賭けだ。いや、賭けとして成立すらしていまい。だがそれでいい……
甘くなったのなら、とことん甘ちゃんになってやろうじゃないか。

125 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/17(土) 00:41:39 0
>112>113>123>124
>「こっちはこれでも自分なりに一生懸命やってるのにばかにしやがって
 学園で勉強して強くなっていつかリベンジしてやりますよ!!」
おお、珍しく良い事を言う
アフロじゃなければ良い絵になっただろう

>「さて、まだ私が残っておりますが…
 ところで、そこの貴方は先程 焼きミミズクは美味いのかとおっしゃいましたねぇ…
 いかがでしょう怪鳥の脚力でしたらご馳走いたしますが?」
まだいたのか?
まぁ、雑魚はどうでもいいだろう
ちなみに、怪鳥の足は不味いランキングベスト4位だ

>「怖いでしょう?恐ろしいでしょう?なら、この姿 良く目に焼き付けておきなさい!!!」
おお、でかいでかい
でも残念ながら不味そうだ
豚の餌に混ぜるのも躊躇う
建物を壊すと、奇声をあげながら飛んで行った
壊すなよ、勿体ない
126 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ :2010/04/17(土) 00:42:56 0
>「ちょっと待ってください
 ポーション!回復だ!これで!!」
フリードが叫ぶ
なぜ叫ぶ。某怪物狩人並の無駄な行為だ
そんなんで回復量が上がるなら、世の中狂っている
.........アフロが治った。チクショウ、世の中、狂ってやがる
>「俺は大丈夫だ……大した事はない。
 それよりもあいつの後を追わないと……あっちは他の連中が逃げた方角だ。
 急がないと、手遅れになるかも知れん……っく!」
「おい、大丈夫か!?」
治療を断るレイヴン
無茶しやがる。しかも他人の心配ときたものだ。
こういうのを、漢と書いて『オトコ』と呼ぶのだろう
>「……クレイ、先に言っておく。
 俺はおぶられる趣味も、抱きかかえられる趣味もない。
 だから、仮に俺が歩けなくなったら……先に行け。
 あっちの心配もそうだが、フリードから目を離したら何をやらかすか分からんからな……
 薬も使わんでいい……どれだけ必要になるか分からん、少しでも節約しておけ」
「だが断る」
クレイ、即答、レイヴンの考えを拒否る
「残念だが、俺はケガ人を置いて行くほど賢くない。無理にでも運ばしてもらう。
それに、邪魔ならトレスの中にINさせる
フリードは......まぁ、同意する
薬なら心配するな
俺の父親が邪魔だから突っ込んだ薬が山ほどある。......いや、本当に」
ふぅ、とため息をする
「お前は良くできた奴だ。
戦いの事も俺以上に切れる。
それに、他人の事もよく見ている。
だがな、お前には欠点がある。
自分を軽く扱う事だ。自己犠牲、て言葉がお似合いだな。
...無駄なんだよ、そんなもの。
残った者に、後悔と無念を残すだけだ」
クレイは話を区切り、どこか遠くの方を見る
何か思っている様な...昔を思い出している様な顔で
「わかるか、レイヴン。
そんなのは自己満足でしかない。
人の事を考えるなら、まずは自分からだ」
クレイは向きを変える。そこはゼルフィルドの馬が、大地を削った跡がある
「さて、説教はあまり得意では無いのでね。放ってくれて構わないが、一応覚えて置いてくれ。
そろそろ行くか。
心配なんだろ、まったく......」
クレイは肩を震わせて、笑いながら歩き始める
「...俺もつくづく『馬鹿』だな」
127 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/04/17(土) 14:59:03 0
>107 >119-121
自分でてきぱきと治療を終えたヨーンは、少し躊躇した後リリィのパンを手に取った。
>「俺はエンカ、エンカ・ウォンだ。あんたが賢い人なら、長い付き合いになるだろうぜ。」 
>「オレはヨーンだ。まァなんていうか、よろしく」 
暗くて表情はイマイチ読めないが、ちょっと声のトーンが柔らかくなった気がする。
「よろしくね、ヨーンさん。うん、食欲あるならきっと大丈夫!
 それとこんな事言ってるけど、エンカは結構面倒みがいいんだよ〜。ねーエンカ」
>「リリィちゃん、やっさしい!素敵、良い子すぎるよ!最高ー!」 
ネリーが親しい友達にするように、ゆっくりとリリィに抱きついた。
「そ、そんな事ないって・・・・・ああっ!ネリーさんダメ!そこダメェェ!!」
果たしてネリーは、リリィの片方の胸が大きく抉れたことに気づいただろうか?

グラディスとネリーは、改めて自己紹介した。
>「えっと、私はネリー・コルファー。同じ新入生だよ。……あ、それとこっちが」 
>「俺はグラディス、グラディス・ウルフォード! 
> 人狼の血を引く魔法使い見習いさー!あと、その木折ったの俺なんだ。スマン」 
>「オレはヨーン。まァこれから頼むぜ。さっきのことなら気にするなよ。 
> それにどっちかっていうと少し期待してたんだ。魔法使い見たの初めてだからな。 
> つか、人狼とかっているんだな。その歯はやっぱ人狼だからか?」 
「さっきの血の匂いがわかるんだから、グラディスさんはすごく鼻が利くんだね」
リリィはじっとグラディスを見つめた。
(夜目も利くし匂いにも敏感だったら、私がアンパンをどこに入れてたたかも知ってたんだろうなー。)
リリィは、マントの下の胸に手をあて、はーっとため息をついた。
(あーあ。・・・・・・でも!ヨーンさん元気になったんだからOK!)

>「グラディスはマジで半端ねぇぜ。本気になりゃ、狼の姿に変身できるんだからよぉ。」 
>「実際俺もこの学園に来て驚きっぱなしだぜ。 
> このフィジル魔法学園じゃよぉ、常識にとらわれちゃいけねーんだよなー。」 
「エンカだって、もうじき非常識の仲間入りだよー」
リリィは脳天気に答えた。

>107 
「グラディスさん、私のメガネ、探してくれない?」
>「……ひづめ!?ちょっ、嘘だろっ!?」 
何やら慌てているグラディスだが、一同には何も聞こえない。
ただ尋常でなさそうな様子に、リリィは落としたメガネをあきらめ予備を取り出し、周囲を見渡した。
>「そうだっ、さっき逃げてきた理由じゃねーか!おい皆、さっきの“敵”だ、“強い奴”! 
>仮面の人とかが応戦したはずの、あいつが来てる!なんで!?なんでだよ!?」 
>「マジっすかーっ!?そいつはかなりまずいっすよーっ!!」 
>しかし一人だけ落ち着いてパンにかじりつくヨーン。 
戦いたいというヨーンの言葉に、エンカは
>「あーもうこれだからお前らはよーっ!!」と叫んだ。
「お前ら??」
当時酔っ払っていたリリィにも訳がわからない。
>「俺達にはもっと仲間がいたんだがよぉ!そいつらは俺達が逃げろと言っても逃げなかったんだ! 
> 今のおめぇと同じように、戦いに自身満々の連中だったさ!だがどうだ! 
> その“敵”がこっちに来てるってことは、結局手におえなかったってことじゃねーか!! 
> ここは戦いを避けるのが賢明だぜ!死にたくなければなーっ!!」 
「ええっ!じゃあ皆やられちゃったってことじゃない!大変、怪我してるなら戻って!助けないと!!」

>「グラディスが確かにひづめの音を聞いたなら、奴は馬か何かに乗ってるはずだ! 
> 走って逃げても追いつかれる!こうなったら隠れるんだよーっ! 
> ネリー、その青い火を消してくれ!(略)」
「待って! 私たちも散々騒いでたんだし、ここで火が消えて急に静かになったらかえって怪しまれるよ!
 ここはいったん敵をやり過ごそう。それから各自、どう動くか決めようよ!
 ネリーさん、敵を騙して違う場所に誘導しよう。
 火の玉だけネリーさんから離して、どこかに移動させる事って出来ない?」
128 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/17(土) 18:33:49 0
>>115,>>116
>「えーと……その、ルータさんは高台の方に向かわなくていいのか?
  俺を気遣ってくれてるとかいう理由なら、やっぱり二人に付いて……って、うわっ!?
  ま、待ってくれ!何で俺の手なんか握るんだっ!?」
どうやら彼は女性に免疫がないらしい。
顔を紅くし、慌てた様子で手を振りほどいてしまった。
「うーん、ワタシが一緒じゃ嫌かな? それだったら一人で行くケド……あは、冗談だよ?」
ゼルキの反応を見てクスクスと笑う。
その様子はゼルキをからかって遊んでいるようにも見えた。
>……それじゃあ、また後で」
>「ええ、また会いましょ。」
「今度会うときは学園で……ね」
別れの挨拶を口にし、4人はそれぞれのパートナーと歩き出す。


セラエノ、クルードと別れてからほどなくして、ルータは思い出したように立ち止まり、確認する。
「ええと、学園は南西……だったっけ」
当然間違っているので、ゼルキに訂正される。
「ごめんね、記憶力に自信がなくって……ア、ゼルキくんのことはちゃんと覚えたからね?」
そう言いながらルータはペンダントを持った右手を前へと突き出し、そして『力ある言葉』を紡ぐ。
「《示せ、友と歩むべき道を》」
するとペンダントの鎖が独りでに浮かび上がり、ハート形の先が矢印のように一方向を指す。
歩むべき道、すなわち学園が存在するであろう北東の方角を正確に示しているのだ。
「あは、これで迷わないよ……じゃ、イこっか」
129 :グラディス&ネリー◇e2mxb8LNqk の代理[sage]:2010/04/17(土) 22:44:14 0
>119-120>121-122>127
>「マジっすかーっ!?そいつはかなりまずいっすよーっ!!」
「まずいってやばいってー!どうするよ、どうするよ!?」
グラディスの言葉に、エンカもまた同じように焦り出す。
だが、事態の飲み込めてないリリィとネリーはわかっていないような表情。
ヨーンに至っては好戦的な笑みを浮かべている。餡子を口につけたまま。
>「まァまずは落ち付こうぜ。こっちに向かってんだったら仕方ないんじゃあねェの?
> ちんたら怯えてたら何もできないままだし、逃げるのかやりあうのか決めようぜ。
> ちなみに、オレはやりあいたい……!!」
>「あーもうこれだからお前らはよーっ!!」
>「俺達にはもっと仲間がいたんだがよぉ!そいつらは俺達が逃げろと言っても逃げなかったんだ!
> 今のおめぇと同じように、戦いに自身満々の連中だったさ!だがどうだ!
> その“敵”がこっちに来てるってことは、結局手におえなかったってことじゃねーか!!
> ここは戦いを避けるのが賢明だぜ!死にたくなければなーっ!!」
>「ええっ!じゃあ皆やられちゃったってことじゃない!大変、怪我してるなら戻って!助けないと!!」
「ストップ!確かに心配だけど、兎に角今は行動の指針を立てなきゃ!」
「そーだってーの!ぶっちゃけ真正面からぶつかるとかは無いなー!」
ある程度冷静なネリーとは違い、グラディスは半分パニックとなっていた。

>「グラディスが確かにひづめの音を聞いたなら、奴は馬か何かに乗ってるはずだ!
> 走って逃げても追いつかれる!こうなったら隠れるんだよーっ!
> ネリー、その青い火を消してくれ!
> そんなわかりやすい目印をしてかくれんぼをしていいのは小学生までだからなーっ!」
>「待って! 私たちも散々騒いでたんだし、ここで火が消えて急に静かになったらかえって怪しまれるよ!
> ここはいったん敵をやり過ごそう。それから各自、どう動くか決めようよ!
> ネリーさん、敵を騙して違う場所に誘導しよう。
> 火の玉だけネリーさんから離して、どこかに移動させる事って出来ない?」
「ええっ、えっと?消すの、それとも移動?一応目の届く範囲なら出来るけど……」
「移動だ!とりあえず此処にそれ留めて、で一旦こっちに隠れるぜ!こっちだ!」
漸く落ち着きを取り戻したグラディスはネリーの手を引き、近くなってくるひづめの音から逆の方向の茂みに皆を誘導する。

茂みに隠れてひづめの音をよく聞きながら、近くに呼び寄せた4人に話し始める。
「……さて、作戦会議だ。まず此処に隠れて奴さんをやり過ごすってのがエンカとリリィちゃんの複合案だ。
 けどなー、俺が俺達を追う敵なら、怪しんで辺りを散策するぜー?この惨状の中に一つだけ火の玉があったら怪しむ筈だ。
 だったら火の玉からもっと離れるべき な ん だ が !ネリー、これ以上動かせるか?」
「えっ?き、厳しいけど……」
ウィル・オー・ウィスプとの距離はおおよそ10mといったところだ。
相手が人間の範疇の五感ならばまず気付かれないが、大きな行動を起こせば一発でバレる距離である。
「そーだ、これ以上の移動は無理っつーわけだ。で、此処で提案なんだけどさー……。
 また聞くが、ネリー。お前、馬みたいに速くて人が乗れるような奴って召喚できる?」
「できるよ、でもこの人数が乗れるほど多くは無理……魔力が続かないよ。
 多くても二匹。それでリリィちゃんと私が相乗りで、あと誰かがもう片方に乗ってが限界」
「それでいい。エンカ、ネリー、リリィちゃんにはこれから学園に応援を呼んできて欲しい。
 ヨーンにゃ悪いが、俺と此処で足止めして、3人の時間を稼ぐ!力量的にはこれがいい!
 4人ともいいか?いいな?いいよな?よし話終了!準備しておけよ!」
誰の意見も聞かず、一方的に話を打ち切るグラディス。
しかしそれで良しとする人がいるだろうか、いや必ず一人は賛成しない。
「ちょっと待ったっ!何それ!?二人が犠牲になるって言うの?ふざけないでよ!」
「ふざけてなんかいませーん、真面目だー!いくら学園の森が広かろうが、馬とかならあっという間につくだろー?」
「そんな問題じゃないよ!もう3人とも、なんか言ってやってよ!」
130 :名無しになりきれ:2010/04/17(土) 22:53:03 0
ファイ
131 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/17(土) 23:28:26 P
>124>126

道がわからなくなったらグレンを木に登らせて場所を確認するフリード
「にゃにゃにゃにゃーにゃ」
「そうですか?分かりました」
と何やらカリカリとマッピングを始めるフリード
「マッピング技能は森や洞窟では必須ですからね
 覚えておいても損はありませんでした」

モンスターが現れればそれを肉体言語で粉砕するフリード
「ゴブゴブ!!」
おっと野生のゴブリンが飛び出してきたぞ
ゴブリンは錆びた包丁とお鍋のフタで武装している
ゴブリンはいきなり襲いかかってきた

「にゃ〜」
カ〜ン♪
あらかじめ用意していたのか前足でハンマーをつかみゴングを鳴らすグレン・ダイザー
てか本当はお前猫じゃないだろう

「コキュートス・ラリアット!!」
襲いかかってきたゴブリンをラリアット倒し仰向けにするフリード
「フリージング・スピニング・トーホールド!!」
ゴブリンの片足のひざ裏部分に自分の足を差込むフリード
ゴブリンの足を地面と水平に折りたたむフリード
両手で相手の足首とつま先をつかんでそこからテコの要領で膝と足首を極めるフリード
………どうでもいいがコキュートスもフリージングも全く技に関係ない気がする
「魔力さえ回復すればもうちょっとまともな戦い方を出来るんですけどね………」
そんな事を言いつつも技を緩めないフリード

「にゃ〜ん」
(今だ足を折ってしまえ)
「僕は暴力を好みません!ギブアップしなさい!さもないと足を折りますよ!!」
暴力が嫌い…………なのか?
「ゴブゴブ」
「何言っているか分からないので折ります」
「ゴブゥゥゥゥゥゥゥゥ」
という断末魔とボキッと嫌な音が森に響いた


足が曲がってはいけない方向に曲がっているゴブリンを尻目に技の解説をするフリード
「これはノクターン式魔導格闘術と言って
 元々は魔法や武器を無効化する邪教の信徒と戦う為に生み出された技だそうです」
その邪教の使徒にはありとあらゆる武器、発掘兵器である魔法の箱(ロケ●ン)でさえも通じなかったそうな
決して武器では傷つかず魔法も効かないのなら残りは肉体言語のみだというわけで生み出されたのがこれらの技である
そうこれはあくまでノクターン式魔導格闘術であり決してプロレスで無い!無いといったら無いのだ!!

こうやって次々とゴブリンやコボルトを肉体言語の餌食にしていくフリード
……………魔法剣士って設定は何処に行ったのだろう?
このままでは魔法を使うより生身で戦った方が強いのではと思われかねない
まあフリージング・サーベルの刃の部分は氷の魔法で出来ているので
MP切れの今の状態では使えないから
ある意味仕方が無いといえば仕方がないかも知れない
 
「さあ女の子たちが助けを待ってます!急ぎましょう!!」
とまたグレンの見た風景をマッピングしながら言うフリードであった
132 :ユーリ ◆pP6eYSrQUy.9 [sage]:2010/04/18(日) 05:36:07 O

「………いくら何でも遅すぎ」
学内のテラスで青い薔薇を弄びながらユーリはイライラした様子で呟く
だからユーリは教員達に申請したのだ。引率を出した方がいくらも効率的なのではないかと
しかし現実は無情なもので、何の意味も意義も無さそうなサバイバルレースが目下繰り広げられている
しかし例年一人くらい要領の良いのがさっさと学園に到達しているものだが、どういう訳かそれもない
端的に言おう。ユーリは痺れが切れた
苦難を乗り越えたルーキー達を、よく来たねと抱擁するのは自分の役目じゃない。自分のやりたい役目じゃあない
「それでは皆様。また後ほど」
誰がいる訳でもないがそう軽やかに宣言すると、世にも珍しい青い薔薇の花びらが無数に舞い踊る
それが止むとユーリはそこにはもういない。彼女は間違いなく生粋の魔法使いなのだ

>>129 etc
「あらー?お困りなのかしら?」
何やら入学前から蹴落とし合いを始めているかのような喧々とした集団の後方が薔薇の香りに包まれ
不意にユーリが現れた。服は学園の物なのでまさかそれ以外の何かと間違える者はいないだろう
「あなた達さぁ、これから長い付き合いになるのだから、仲良くしなきゃダメよ?」
目の前の新入生一行の置かれた現状を全く知らないかの如く(実際全く知らないのだが)呑気に彼らを窘めた
新入生達はきっとそれどころじゃないのに
133 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/18(日) 13:05:06 0
>121-122>127>129
>「俺達にはもっと仲間がいたんだがよぉ!そいつらは俺達が逃げろと言っても逃げなかったんだ!
> 今のおめぇと同じように、戦いに自身満々の連中だったさ!だがどうだ!
> その“敵”がこっちに来てるってことは、結局手におえなかったってことじゃねーか!!
> ここは戦いを避けるのが賢明だぜ!死にたくなければなーっ!!」
「まァ、学園に行くことが先決だしな。エンカの言ってることにも一理ある」
意見を曲げないかと思いきや意外にもエンカに同意するヨーン。
ただし、エンカの話を聞いても自分が負けるとは思ってはいないようだ。

>「グラディスが確かにひづめの音を聞いたなら、奴は馬か何かに乗ってるはずだ!
> 走って逃げても追いつかれる!こうなったら隠れるんだよーっ!
> ネリー、その青い火を消してくれ!(略)」
>「待って! 私たちも散々騒いでたんだし、ここで火が消えて急に静かになったらかえって怪しまれるよ!
> ここはいったん敵をやり過ごそう。それから各自、どう動くか決めようよ!
> ネリーさん、敵を騙して違う場所に誘導しよう。
> 火の玉だけネリーさんから離して、どこかに移動させる事って出来ない?」
>「ええっ、えっと?消すの、それとも移動?一応目の届く範囲なら出来るけど……」
>「移動だ!とりあえず此処にそれ留めて、で一旦こっちに隠れるぜ!こっちだ!」
グラディスに従い茂みの中にひとまず一行は茂みの中で息をひそめる。
>「……さて、作戦会議だ。まず此処に隠れて奴さんをやり過ごすってのがエンカとリリィちゃんの複合案だ。
> けどなー、俺が俺達を追う敵なら、怪しんで辺りを散策するぜー?この惨状の中に一つだけ火の玉があったら怪しむ筈だ。
> だったら火の玉からもっと離れるべき な ん だ が !ネリー、これ以上動かせるか?」
>「えっ?き、厳しいけど……」
どうやら火の玉はそれほど万能なものでもないらしく操れる範囲があるらしい。
そしてその範囲は思ったより狭い、グラディスの言うとおり散策されれば見つかる危険性が高い。
>「そーだ、これ以上の移動は無理っつーわけだ。で、此処で提案なんだけどさー……。
  また聞くが、ネリー。お前、馬みたいに速くて人が乗れるような奴って召喚できる?」
>「できるよ、でもこの人数が乗れるほど多くは無理……魔力が続かないよ。
> 多くても二匹。それでリリィちゃんと私が相乗りで、あと誰かがもう片方に乗ってが限界」
「つまり二人は残るってことだな」
ボソっとヨーンが呟く、どうやらグラディスの言いたい事を理解したようだ。
残ったアンパンを口に放り込み、袖をまくり戦いに備えるように全身が緊張していく。

>「それでいい。エンカ、ネリー、リリィちゃんにはこれから学園に応援を呼んできて欲しい。
> ヨーンにゃ悪いが、俺と此処で足止めして、3人の時間を稼ぐ!力量的にはこれがいい!
> 4人ともいいか?いいな?いいよな?よし話終了!準備しておけよ!」
「よし、ならキマリだな!持たせりャいいんだろ?」
待ってましたと言わんばかりに手を組みバキバキと指の骨を鳴らす。
しかし、そこでネリーが作戦に反対する。いや、ネリーだけではなく
おそらくリリィも性格上反対するはずだ。
>「そんな問題じゃないよ!もう3人とも、なんか言ってやってよ!」
意見を聞いてくるネリーに困った顔をするヨーン。
「そんなこと言われたってなァ…それ以外だと全員バラバラに散るか
 全員で迎え撃つぐらいしかねェぞ?その敵ってヤツは恐ろしく強いらしいし、
 やっぱグラディスの案でいくしかないと思うがね」
それでも首を縦に振ろうとしないネリー、しかしこうしている間にも敵は近付いてきている。
ヨーンの耳でも微かにとらえられるぐらい、ひづめの音は近付いているのだ。
これ以上時間の猶予などない。そう考えたヨーンは叫ぶ。

「早く召喚して逃げろ!!このままじゃ見つかって全員終わりだぞ?
 お前達がさっさと行動して応援を早く呼べば、
 それだけオレとグラディスは生存できる可能性が高くなる!
 分かったら早く行動しろ…!」

そこまで言った後、ヨーンは隠れるどころか茂みから出て仁王立ちしはじめる。
どう転ぼうが自分が何をするかは決まっているということなのだろう。
「最悪グラディスは何とか逃がすからよ。そんなに心配すんな」
134 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/18(日) 13:14:11 0
>131
>「ゴブゴブ!!」
>「コキュートス・ラリアット!!」
>「フリージング・スピニング・トーホールド!!」
現れたゴブリンに格闘技を決めていくフリード
魔法学校に入らずに、このまま格闘家になれば。良い線いけるよ。うん
>「僕は暴力を好みません!ギブアップしなさい!さもないと足を折りますよ!!」
>「ゴブゴブ」
「ギブギブギブ!!すみません。もう許して下さい。もう悪さはしませんから。
と、言ってます」
「たった4文字で結構な内容だな。
あと、お前そんな機能もついてたんだな」
ゴブリン語を訳すトレス
お前は何でもできるんだな。スゲーよ、マジで
「おい、フリード。そいつ謝ってるから、許してあげ...」
>「何言っているか分からないので折ります」
>「ゴブゥゥゥゥゥゥゥゥ」
「聞けよぉぉ!!」
無情にもゴブリンの足を折るフリード
酷い、酷すぎる。一種の種族差別だ。てか、何で猫語はわかるの?

クレイは、フリードに足を折られれて満身創痍、むしろ殺せ状態のゴブリンに近づく。そして、その側に薬と包帯を置いた
「悪かったな、連れが非常人間で。許してやってくれ。あれでも『非常』なだけで『非情』では無いんだ。多分」
「ゴブ...」
ゴブリンがうっすらと涙を浮かべながらキラキラとした目でクレイを見つめてくる
ちょっと待て。なんだ、その【ゴブリンは仲間になりたそうにこちらを見つめてきた】て出そうな目は。止めろ、馬車は無いぞ
「そ、それじゃあな。達者に生きろよ」
そう言うと、クレイはその場から離れて行った
ゴブリンがまだ見ている気がするが無視だ
何でゴブリンに懐かれなきゃならんのだ

それからフリードは現れるモンスターに次々と格闘技を繰り出して倒していく。そしてクレイは倒されたモンスターに薬を与える。あまりに可哀想だったからだ
だが、その度にモンスターはキラキラした目でクレイを見つめる。
当然といえば当然だが、面倒なので全て無視して行く。

>「さあ女の子たちが助けを待ってます!急ぎましょう!!」
「お前が罪の無いモンスターを倒しまくっているから遅れているんだよ」
実際に逃げたモンスターもいたんだが、フリードはそれにも蹴る殴る絞めるの暴行を加えていた
やっぱり非情人間かもしれない
「...はぁ、まぁいい。
ゼルフィルドの目的が何にしろ、このまま見過ごすのもあれだからな。急ぐとしよう」
クレイはそう言うと歩みを速めた
135 :レイヴン ◇70VgGM3HY6の代理[sage]:2010/04/18(日) 18:21:30 0
……やせ我慢も楽じゃない。
歩くたびに痛みが増し、挙句に咽喉部に鉄の味を感じるようになる。
これはあれだ、肺とか胃腸とか内臓が折れた肋骨に傷つけられたんだろう。
ともすれば嘔吐の感覚が襲い掛かって吐血しそうになるのを堪える。
……何をやってるんだ俺は。

>126>131>134
コイツもやっぱ馬鹿か。類は友を呼ぶと言うが、否定のしようがない。
……ま、仕方ない。
「自己犠牲? ……はっ、鎧野郎と言いお前と言い、俺を買い被り過ぎだ。
 そんな大層なタマじゃねぇよ……お前達は多少は恵まれた環境だったらしい。
 そう言う発想を臆面もなく口に出来る……ってのはそういう事だ」

とりあえず言葉を濁しておくが、コイツはどうにも精神面では恵まれてなかったようだ。
「……まぁいい、説教が得意じゃないのは俺も同じだ。
 ……殺し合いは馬鹿な大人だけがやってりゃいいんだ。
 これからの若造若子にさせるもんじゃねぇんだよ……」
分かったつもりになって笑ってるが、事の重大さに思い至れないのはしょうがない。
そうした部分も含めて『若さ』なんだから……


だがしかし、どーしてフリードのヤローは俺のシリアスをぶち壊してくれるかね。
どー見てもお前の技はただのプロレスじゃねぇか。ゆでたまごか。
ベアークロー二刀流で普段の倍のジャンプして三倍の回転で1200万パワーか。

しかも餌食になったゴブリンはまるで球体関節人形よろしく
変な方向に足が向いてやがる……あ゛ーーーーーーー!!!!!!!
内臓の痛みよりも頭痛の方が酷くなってきたかも!

「……なぁ、フリード。
 魔法も武器も効かないって事は、普通は体術もダメなんじゃないのか?」
言っちまってから後悔した。ジルベリアに世間的な常識を期待しちゃダメだっての。
こいつらはマジでゆで世界の住人だと思う。

……脳に酸素やら糖分やら足りなくなってきてるのか、
よく分からない事をつらつらと考えやがる。参ったね……?
「……これは」
『第三の眼』がまた何かやらかしてくれたようだ。
フリードとクレイの動きが完全に止まっている。鴉はと言えば……普通のままだ。
感じていた痛みもなくなっている。

「ご丁寧に、『一時的に負傷する前の肉体状態』にまで巻き戻すか。
 ……いい加減俺を振り回すのは止めて欲しいんだが。
 いいさ、やれと言うならやってやる。俺に選択権も拒否権もないんだからな」
そう言って停止した時の中、フリードとクレイを置いて先走る鴉。
……その額には『全てを見るものの眼』がはっきりと開いているのだった。
136 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/18(日) 18:57:27 0
>129>132>133
> 「ちょっと待ったっ!何それ!?二人が犠牲になるって言うの?ふざけないでよ!」
> 「ふざけてなんかいませーん、真面目だー!いくら学園の森が広かろうが、馬とかならあっという間につくだろー?」
> 「そんな問題じゃないよ!もう3人とも、なんか言ってやってよ!」
> 意見を聞いてくるネリーに困った顔をするヨーン。
> 「そんなこと言われたってなァ…それ以外だと全員バラバラに散るか
>  全員で迎え撃つぐらいしかねェぞ?その敵ってヤツは恐ろしく強いらしいし、
>  やっぱグラディスの案でいくしかないと思うがね」
「同感っす。俺はグラディスの言ってることは正しいと思うぜ。
 ここにいるメンバーの力量を考えれば、一番全員が助かる可能性が高い方法だよなぁ。」
ヨーンはグラディスの案に賛成した。エンカはグラディスは正しいと思った。
> それでも首を縦に振ろうとしないネリー、しかしこうしている間にも敵は近付いてきている。
> 「早く召喚して逃げろ!!このままじゃ見つかって全員終わりだぞ?
>  お前達がさっさと行動して応援を早く呼べば、
>  それだけオレとグラディスは生存できる可能性が高くなる!
>  分かったら早く行動しろ…!」
ヨーンはネリーに、最悪でもグラディスは生き残らせると話している。
その間にエンカはリリィに話しかけた。

「ネリーがグラディスを心配する気持ちはわかるぜ。ネリーとグラディスは兄妹みてぇなもんだしよぉ。
 しかしやっぱり、俺はグラディスの言ってることは正しいと思う。
 ここにいる“メンバーの力量”を考えれば…だが。
 俺の言いたいことがわかるかリリィ?つまり、“メンバーの力量”を変えればいいってことだ。
 そして、このメンバーの中で一番力量が変わる可能性があるのは…この俺だ。」
そう、エンカはグラディスの案は正しいと思ったが、賛成はしていないのだ。
「つまりよぉ、このメンバーの中でまだ魔法を発現していないのは俺だけだろ?
 もしも俺が、学園から強い奴を応援として召喚するゲートとか、
 ここにいるメンバー全員を乗せて馬より速く動ける乗り物を出すとか、
 どんな力の強い奴でも足止めできるトラップとか、
 とにかくそんな魔法が使えるようになれば、もっと全員が楽できる方法がとれるかもなぁ。
 都合良くそんな魔法が使えるようになるかわからねーけどよ〜。」
エンカはリリィに顔を近づけた。
「こうなったら“例の方法”を試すしかねーぜ。仮に魔法が発現できなくても俺を恨むなよな〜?
 言い出したのはおめぇなんだからよぉ。」
“例の方法”とは、“ちゅー”のことである。
私個人としてはエンカがリリィに“殺されかける”のも面白そうではあるが。
> 「あらー?お困りなのかしら?」
「だ、誰だてめーはっ!?」
不意に現れたユーリに対してエンカが驚いて叫んだ。
> 「あなた達さぁ、これから長い付き合いになるのだから、仲良くしなきゃダメよ?」
「生憎あんたが声をかけなけりゃ“ちゅー”してたくらい仲良いっすからよ〜!ほっといてくれよなーっ!」

「あ、あんたのその服…学園の関係者かよ!?」
ユーリの服を確認したエンカがそう言った。
「良かったぜ。いきなりこんな所へ飛ばされておかしいとは思ってたがよ〜。
 ちゃんと学園の人が迎えに来てくれることになってたんだな〜。
 これで心配事は何も無くなったぜ。早く学園に俺達を送ってくれよ。
 さっきあんたが突然現れたみてぇによぉ。テレポートっつ〜やつか?」

「…できるんだよなぁ?あんたは俺達を助けるために来てくれたんだよなぁ?
 もしかして、ただ様子を見に来たとかじゃあねぇよなぁ?」
137 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/18(日) 22:17:52 0
>>128
>「ええと、学園は南西……だったっけ」
「いやいや、北東だから。南西だと間逆だぞ?」

セラエノとクルード、二人の少女と別れてから暫く後。
ルータという少女と歩いていたゼルキは、突如立ち止まったルータに合わせて
立ち止まると、苦笑しつつルータの間違いを訂正する。

>「ごめんね、記憶力に自信がなくって……ア、ゼルキくんのことはちゃんと覚えたからね?」

「謝る事なんてないぞ。誰にだって苦手はある。俺なんて苦手の方が多いくらいだしな。
 ……あ。それから、俺の名前を覚えてくれたのはありがとな。
 俺、そこまでキャラが濃くないから、名前を覚えられてるかどうか自信無かったんだ」

どうやら、ルータは記憶力にあまり自信が無いらしい。
ゼルキはそんなルータに対し、半分冗談を交じえた気楽な回答を返す。
ちなみに、わりとむず痒いやりとりだというのに、先程顔を赤くしていたゼルキの反応が普通なのは、
このゼルキという少年が、そっちの方面の話に鈍感だからだろう。
免疫は無いが、先程の様に物理的な接触や出来事でも無ければ、照れるという事は余り無い。
良い事では無いが、自意識過剰に余計な勘違いをするよりはまあマシだとはいえる。

>「《示せ、友と歩むべき道を》」
>「あは、これで迷わないよ……じゃ、イこっか」

そんなやり取りの終わりに、ルータはハート型のペンダントを持った右腕を前に突き出した。
何事かとゼルキが興味深げな目で見ているその目の前でルータが言葉を紡ぐと
驚くべき事に、ペンダントは浮かび上がり薄暗い森の中の一角を指し示したのである。
そのペンダントが指し示した方角は、まさしく北東。

「凄いな……原理は解らないけど『ダウジング』みたいなものなのか?
 とにかく、これで森の中をぐるぐる回るなんて事態は避けられそうだ。
 ありがとなルータさん。 それじゃあ、前進再開だ」

と、そうして前進を再開して暫くした時の事である。

>>131 >>134 >>135
ゼルキとルータが森を歩き続け、少し開けた場所に出ようとしたその直前、
「ごめんルータさん、伏せてくれ!」
突如としてゼルキは小声でそう言うと、ルータの頭を押さえ込み、
自身と一緒に森の茂みの中へ隠そうと試みる。

その状態のまま暫くすると、なにやら数人の少年の姿と声が確認できた。
どうやらゼルキは、遠目にその姿を確認して反射的に隠れてしまったらしい。
しかしながら、何故目視したのが人間の姿をしていたにも関わらず隠れたのかといえば……

「なんだ、あのゴブリンを虐待しながら進んでる集団……ルータさん、どうする?
 ここは藪で死角になってるみたいだから、息を殺してればやり過ごせると思うけど……」

ゼルキはできるだけ声を殺し、ルータに尋ねた。
138 :響桜花 ◇tjqZ9xkETA [sage]:2010/04/19(月) 18:10:46 P

(やれやれ、こんな場所に一人で放り出されてもどうもしようがないのだがな)
各新入生がおのおの問題に直面している中遅れて森の外れに登場した新入生が一人
大きなトランクを手に持ち、セミロングの髪を風になびかせている
「あー、誰か居ないかー?居たら返事をしてくれー」
両眼を閉じたまま周りに人が居ないか声を発する
(…期待はしていなかったが、やはり誰もいないか)
目の見えない彼女はやれやれとため息をつく
(あまり音を出してなにか得体の知れないものが現れたりしても困るが今は周りの地形を把握するのが得策か)
彼女は持ってきたトランクを地面に下ろすと中を探り始める
(トランペットは・・・いらないな。吹くのに面倒だ
 バイオリンは・・・曲を弾くわけでもないのだから別にいいか
 音を出すだけなら・・・ホイッスルで十分か)
散々トランクの中身を探った後、取り出したのはごく平凡なホイッスル
肺に大量の酸素を取り込むべく大きく息をする。
(調べるのは周りの地形、状況だ…一音も聞き漏らすな)
一息入れた後

ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィー−−−−−−−!!!!!!

森に大きくホイッスルの音が鳴り響き、木々に止まっていた鳥などが驚き、飛び立つ
周りの木々や障害物、生き物にあたり跳ね返ってきた反響音を捕らえる
(やはり森の中のようだな…生き物の反応が多数…人も数はわからないがいるな
 森がかなり入り組んでいる…完全な把握は無理か…まあいい、歩きながら靴音の反響音でも拾うさ)
反響音から情報を整理し、自身の頭に地図を描いていく
(反響音の他に喧騒も聞こえていたな…やれやれ、森の中で無粋な音を出す与太郎も居たものだ)
やれやれともう一度ため息をつき、森の中へと入っていく
(とりあえず森の反対側へ行ってもう一度ホイッスルを吹こう…
 やはり森はいい、自然のあらゆる音に溢れていて…それでいてちゃんとした音楽になっている)


139 :リリィ ◇jntvk4zYjI [sage]:2010/04/19(月) 18:12:07 P
>129 >130 >132-133 >136-137 >桜花さん
グラディスとネリーの話では、火の玉ことウィル・オー・ウィスプと術者の距離は、おおよそ10mが限界らしい。
そしてネリーは、馬の足から逃げ切れるような召喚獣を呼べるが、乗せる人数は3人のみ。
>「それでいい。エンカ、ネリー、リリィちゃんにはこれから学園に応援を呼んできて欲しい。
> ヨーンにゃ悪いが、俺と此処で足止めして、3人の時間を稼ぐ!力量的にはこれがいい!
> 4人ともいいか?いいな?いいよな?よし話終了!準備しておけよ!」
グラディスとヨーンは迎撃準備に入っているが、納得しない者がここに若干名。
>「ちょっと待ったっ!何それ!?二人が犠牲になるって言うの?ふざけないでよ!」
>「ふざけてなんかいませーん、真面目だー!いくら学園の森が広かろうが、馬とかならあっという間につくだろー?」
>「そんな問題じゃないよ!もう3人とも、なんか言ってやってよ!」
「そうだよっ!さっきの爆発からそんな時間経ってないのに、もう廃墟からここまで来てるんでしょ?」
暗い上に足場も悪い森の中だ。騎馬で来るにしても驚異的なスピードである。
「敵はたいした怪我すらしてないんだよ!だめだよ、まともに戦ったら殺されちゃうよ!!」
ヨーン達は困った顔をした。
>「そんなこと言われたってなァ…それ以外だと全員バラバラに散るか
> 全員で迎え撃つぐらいしかねェぞ?その敵ってヤツは恐ろしく強いらしいし、
> やっぱグラディスの案でいくしかないと思うがね」
>「同感っす。俺はグラディスの言ってることは正しいと思うぜ。
> ここにいるメンバーの力量を考えれば、一番全員が助かる可能性が高い方法だよなぁ。」
「エンカまで!ひどいよ!」
もうリリィ達の耳でも聞き取れるくらい、蹄の音は近づいてきていた。
>「早く召喚して逃げろ!!このままじゃ見つかって全員終わりだぞ?
> お前達がさっさと行動して応援を早く呼べば、
> それだけオレとグラディスは生存できる可能性が高くなる!
> 分かったら早く行動しろ…!」
>そこまで言った後、ヨーンは隠れるどころか茂みから出て仁王立ちしはじめる。
「ヨーン!ダメだよ戻って!あなただって酷い怪我してるのに!早く隠れてよ!!」
何の力も無いリリィは、茂みの中でおろおろするしかない。
「・・・・・・・なんで?どうして?私達、何でこんな目にあわなきゃならないの?
 学園に入学するだけのために、何でこんな怪我したり命の危険に晒されなきゃいけないの?
 ここに来れば、人の役に立てる素晴らしい魔法が学べると思ってたのに・・・・・・・」
140 :リリィ ◇jntvk4zYjI [sage]:2010/04/19(月) 18:14:51 P
半べそをかいているリリィに、エンカが小声で話しかけてきた。
>「ネリーがグラディスを心配する気持ちはわかるぜ。ネリーとグラディスは兄妹みてぇなもんだしよぉ。
> しかしやっぱり、俺はグラディスの言ってることは正しいと思う。
> ここにいる“メンバーの力量”を考えれば…だが。」
「そんなの、改めて言われなくても分かってるよ!どうせ何にも出来ないよ!
 でも、もしこれを学園が仕組んだのなら、きっと助けになんか来てくれないよ!!」
敵に聞こえないよう小声だったが、悔しさと怒りがにじんでいた。
確かに、今のリリィが残っても、戦う皆の足を引っ張るだけだろう。
それよりは、学園に戻って関係者を連れてきたほうがずっと建設的だ。

>「俺の言いたいことがわかるかリリィ?つまり、“メンバーの力量”を変えればいいってことだ。
> そして、このメンバーの中で一番力量が変わる可能性があるのは…この俺だ。」
リリィの目からすっと怒気が消えた。彼女は黙って先を促した。
>「つまりよぉ、このメンバーの中でまだ魔法を発現していないのは俺だけだろ? (中略)
> とにかくそんな魔法が使えるようになれば、もっと全員が楽できる方法がとれるかもなぁ。
> 都合良くそんな魔法が使えるようになるかわからねーけどよ〜。」
「えっ!エンカ魔法使えるのっ?!お母様からやっぱり何かヒント貰ってたの!?・・・・・・んん??」
>エンカはリリィに顔を近づけた。
>「こうなったら“例の方法”を試すしかねーぜ。仮に魔法が発現できなくても俺を恨むなよな〜?
> 言い出したのはおめぇなんだからよぉ。」
「えええええええええええええ?!」
リリィが赤くなった。“例の方法”とは、もちろん臨死体験――――ではなく、“ちゅー”のことである。
「ちょ、まっ、こ、心の準備が・・・・・・・。私だって初めてだし本当に魔法が使えるようになるかどうかなんて・・・・・」
(でも・・・・・・・)
リリィは仁王立ちしているヨーン達の背を見た。
ネリーの必死な顔。決死の覚悟を決めているだろうグラディスの背中を見て、彼女はぎゅっと拳を握り締める。
(皆を守るためだもん、エンカだってはじめてだって言ってたし、抵抗あるのに言ってるんだよね。
 だったら私も、みんなの、エンカのために一肌脱がなくちゃ)
「わ、わかった。試してみ、みよう」
エンカの顔がゆっくり近づいてきた。リリィはゆでだこのように真っ赤になった。
緊張のあまり、唇が小刻みに震えている。多分エンカも同じなのだろう。
リリィはぎゅっと堅く目を閉じ、そして――――。
141 :リリィ ◇jntvk4zYjI [sage]:2010/04/19(月) 18:16:04 P
> 「あらー?お困りなのかしら?」
「ぅわ――――!!!!」
不意に声をかけられ、驚いたリリィは反射的にエンカを突き飛ばしてしまった。
「わっ!ごごごごめんエンカ!大丈夫?!」
>「だ、誰だてめーはっ!?」
>「あなた達さぁ、これから長い付き合いになるのだから、仲良くしなきゃダメよ?」
>「生憎あんたが声をかけなけりゃ“ちゅー”してたくらい仲良いっすからよ〜!ほっといてくれよなーっ!」
「エンカったら何を言うのよ!
 あのいやその、これは別に不純異性交遊とかじゃなくて色々深いわけがあばばばば」
慌てふためいているリリィをよそに、エンカはユーリが学園関係者だと気づいたようだ。
>「良かったぜ。いきなりこんな所へ飛ばされておかしいとは思ってたがよ〜。
> ちゃんと学園の人が迎えに来てくれることになってたんだな〜。
> これで心配事は何も無くなったぜ。早く学園に俺達を送ってくれよ。
> さっきあんたが突然現れたみてぇによぉ。テレポートっつ〜やつか?」
リリィはこくこくこく!と猛烈な勢いで首を縦に振っている!
>「…できるんだよなぁ?あんたは俺達を助けるために来てくれたんだよなぁ?
> もしかして、ただ様子を見に来たとかじゃあねぇよなぁ?」

「大変なんです!あの蹄の主は、森の中で迷った生徒を片っ端から襲ってるんです!!!
 そうよね、ネリーさん」
筋道だった説明はネリーの方が得意だろう。
「お願いします!とにかく助けてください、お姉さまぁ!!」
リリィはわらをもすがる思いで、青いバラを握るユーリの手を握り懇願した。
「まさか、あの蹄の音の主も学園関係者・・・・・・なんて事はないですよね?!ねっねっ!!」
>ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィー−−−−−−−!!!!!!
最後の方は、ホイッスルらしき音にかき消されてしまったかもしれない。
「えっ、何よ今の笛の音は?もしかして、誰かが森の中で助けを呼んでるの?」

蹄の音は、もうすぐそこまで来ていた。
142 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/19(月) 18:20:19 P
>134>135>137

>「……なぁ、フリード。
  魔法も武器も効かないって事は、普通は体術もダメなんじゃないのか?」
「さあ?でも実際効いたんじゃないですか?僕がちゃんと生まれてきて存在してるんですから
 もし効かなかったらすでに一族郎党皆殺しにされてノクターン公爵家は滅んでますよ」
と自分が今存在するのが証拠だと言うフリード

どうもこのあたりにはゴブリンやコボルトが多いようで………
「雪崩式ブリザード・バスタァァァァァァァ!!」
ゴブリンの両股を手で掴み頭上に逆さに持ち上げ
ゴブリンの首を自分の肩口で支え
その状態で尻餅をつくように着地しする
その衝撃で同時に首折り、背骨折り、股裂きのダメージを与えるフリード

「経験値になぁぁぁぁれぇぇぇぇ!!」
両手を組みゴブリンの頭にハンマーのように振り下ろすフリード
「にゃにゃにゃ〜なゃにゃ〜にゃにゃ」
(モンスターを殺して強くなるシステムって酷くね?)

「殺される覚悟がないなら人に刃物を向けるなぁぁぁぁ!!」
体を旋回させながら、脚部を回し込んでかかとでゴブリンを蹴るフリード

次々に雑魚をなぎ倒すフリード
本当に見た目が売りの美少年キャラなのだろうか?
もし魔力が充分にあったらもっと酷いことになっていただろう
まだ刃物じゃない分死ぬ確率も低いし

「見た目が可愛いくて小さいからって弱いと判断したのがあなた方の敗因です」
それを言うならゴブリンだからって弱いと限らないだろう

「にゃにゃ。にゃ〜なゃ」
(故郷へ帰るんだな。お前にも家族がいるだろう)
何もしてないのに無駄に尊大なグレン
っていうかここが故郷である

>「...はぁ、まぁいい。
 ゼルフィルドの目的が何にしろ、このまま見過ごすのもあれだからな。急ぐとしよう」

「ゼルフィルド…………やはりあの騎士の強さは異常です。学園が用意した試練にしては強すぎます
 あれはやはり学園とはまた別の…………」
 今までさんざんなぎ倒したゴブリンやコボルトと比べ騎士の強さの異常性を指摘するフリード
「それとも僕が新入生で一番弱いのでしょうか?他の人達はあれを軽々と倒すぐらい強いのでしょうか?
 どう思いますかレイブンさん」
どんな超人だらけのアストロ学園だよと突っ込まれそうな事をいうフリード

「あれ?いつの間にか居ない………」
そして今頃レイブンが居なくなったことに気がつくフリード

>「なんだ、あのゴブリンを虐待しながら進んでる集団……ルータさん、どうする?
  ここは藪で死角になってるみたいだから、息を殺してればやり過ごせると思うけど……」
距離は遠く人間だったらこの声を聞くことは不可能だったであろう………だが

「にゃ〜ん。にゃにゃん」
(あそこに誰かいるよ。ゴブリンじゃ無いよ)
と猫の聴力でその存在を見つけるグレン

「本当ですか僕のグレン? 
 そこにいるのはどなたですか?ってやっぱり誰も居ないじゃないですか」
人間であるフリードには探しだすことは出来ないようだ
143 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/19(月) 18:30:15 P
>138名前欄修正 響桜花 ◇tjqZ9xkETA→ 桜花
144 :ゼルフェルド ◇46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/19(月) 19:12:12 P
「…………黄泉よりの使者ならば…少々しつこすぎるだろう……?」
唐突に漏らした独り言は、前方に燃え揺れる怪しい蒼い光に対してである。
戦闘中にも視界の端に捉えていたが、せっかくなのであれの正体を確認しに往こうではないかということである。
ぼやいていた黄泉よりの使者というのは、自分が死した魂として彷徨っていた時、俗に言う“あの世”で見かけた、
楽園の最高裁判長と呼ばれる緑髪の少女。そしてその両隣に重々しく構えていた、蒼炎を揺らす鬼面の化け物のことだ。
巨大な鎧の腕を持ち、骨の翼を広げ、手には長大な太刀を一振り持っていた気がする。
正直、人外と化した今の自分でも勝てる気がしない。というか、あの少女にさえ勝てる気がしなかった。

では何故、その使者かもしれないものに向かっているかというと、単に最近はあの世も忙しいので、魂一つ追いかける暇はないだろうという安直な理由。
それともう一つは、恐らく生前から変わっていないだろう、「実際に見て確かめないと気がすまない」という、自分の頑固さのせいでもある。
「……今度は会う前に船頭に投げ出されるやもしれんな…」
なるべく善行を積もう…などと考えていたゼルフェルドには、さっき逃げた生徒が使用した何がしかの魔法、という選択肢が浮かばなかったようである…
撃神はなお加速し、地を揺るがし駆ける。


「………おや………?」
何かを不審に思い、撃神を止める。
先程までその場で浮いていた光が、右へ左へ慌てた様に揺れたかと思うと、また同じ位置に戻った。
こんなに近付いても向かってこないとなると、黄泉からの使者ではないようだ。ひとまず安心してみる。
だが、それならあれは本当に何なのか?ゼルフェルドの好奇心が軽く刺激されてしまう。
撃神から降り、ゆっくりと歩み寄ってみる。しかし、近付けば近付くほど、自分が知っているものにそっくりな気がする。
そしてついに謎の光にたどり着くと………がっかりした……知っているはずだ…これは……
「…これはウィル・オー・ウィプス……確かめに来る必要などなかった……まったく…」
やれやれ、と落胆する。ウィル・オー・ウィプスなら自分も使える。使い方次第で戦略にも使えるので重宝しているのだ。
両の手をかざすと、その掌から激しく燃える紫炎と、静かに重く燃える黒炎。二つのウィル・オー・ウィプスが現れる。
色は違えど、間違いなく同じ炎系召喚魔法。疑う余地もない。
無駄な時間を使ったか……もう一度撃神に跨ろうとした、その時、とある当然の疑問が浮かぶ。

   術   者   は   何   処   だ   ?

撃神の背に掛けていた手足を離し、軽く勢いを付けて飛び降りると、轟音と共に地を揺らし着地する。
全身に血を思わせるような紅い光が、奔るようにみるみる灯っていく。
最後に光線は顔に達し、ぼうっ…と、その眼が恐ろしいほどの真紅に鈍く輝く…
ウィル・オー・ウィプスは召喚中、あまり術者と離れることが出来ない。自分もそうだ。
武器こそ取らないものの、全身の感覚で周囲を警戒する。
戦闘を終えたばかりだからか、まだ体に昂りが残っており、普段のゼルフェルドらしくなく、少し冷静さを欠いていた。
この時、まさか自分が「逃げた者を追う」などという、自らの騎士道を汚すようなことをしていたとは思いもしなかったのだ…

「…!…………何者か……」
不意に近くの茂みが揺れ、人影が現れた。あの朽ちた街で見かけた者の中にはいなかった…となれば別の生徒。
明らかな戦意を感じる。こちらを敵と認識しているのか。見た目で決めたのか、それとも先程逃げた者のいずれかと接触したのか…
この際どちらでも良い。敵だと思われているならやりやすいというものだ。マントで全身を覆うと、軽く一礼する……闘志を隠さぬままに。
現れた少年…ヨーンがいかにも怪しそうだという視線を向けているが、それを気にもせず、ゼルフェルドは真紅の光を細める。


「……私はゼルフェルド卿……ゼルフェルド=セラフ……
…命故に………貴公の武を私に示していただけるかな…?」
我ながら、なんと脈絡のない…………?…………
………「セラフ」………?
145 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/19(月) 22:08:56 0
>135>137>142
レイヴンが消えた。文字通り、姿も気配も何もかも
{瞬間移動の魔法か?いや、それなら多少なり魔力の跡が残るはずだ。
だとすれば、俺と同じ類いの肉体強化による高速移動...も違うな。風の流れに変化は無い。それにあの怪我じゃ無理だ
......となると}
考えられるのは時空系魔法の類い。だがこれはかなり高等な魔法だ。使えれる者は片手で数えきれる程度だと聞く
{特殊能力...又は特異体質か?}
まさか時間を止めた訳ではないだろう。紅い館の瀟洒な従者やイニシャルDの吸血鬼じゃあるまいし
......考えてもしょうがない
先に行ったか、それとも違う所に行ったかはわからないが、彼の事だ、大丈夫だろう
そう信じたい

>「にゃ〜ん。にゃにゃん」
フリードの猫が何か言っている
>「本当ですか僕のグレン? 
 そこにいるのはどなたですか?ってやっぱり誰も居ないじゃないですか」
誰かがいるようだ
{......探してみるか}
クレイは意識を集中させた

{...............2人...か。
隠れるのが上手いな}
だが、こっちもなめてもらっては困る。伊達にステレス状態のトレスを見つけている訳ではない。幼少の頃から鍛えられたこの察知能力は、たとえ小さなネズミだろうが察知する事ができる
これもトレスが意地悪に見せかけた特訓のおかげだ...と思う
なぁ、そうだろう。意地悪されて半泣きの俺を見て、母と一緒にニヤニヤしているだけじゃないだろ
………クソッ!!

{さて、あの2人はどうしたものか...}
敵だったらボコればいいがどうも違うらしい。おそらく様子を見ているのだろう
声をかけてもいいが......やめておこう。向こうが話しかけてくるならそれでいいし、話しかけないならそれでもいい。どうしたいかは彼らに決めさせればいい

「っておい!!やめろ、フリード!そいつのHPはもう0だ!」
とりあえずクレイは、虐待活動をするフリードを止めるのであった
146 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/19(月) 23:14:56 0
>>118
「……コイのぉ…」
高台に立つリルキの耳に小さく声が届く。
その声はやがて大きくなり、ドップラー効果を伴ってすぐ目の前を通り過ぎる事になる。
「滝登ぉ〜〜りぃ〜〜〜〜!!」
リルキの視界を一瞬黒く塗りつぶし、何かが飛び出し過ぎ去っていく。

頭上を越えリルキの後ろにコイノボリに横乗りしたセラエノが小さく息をついていた。

###############

時は少し遡る。
セラエノとクルードを乗せたコイノボリは地を這うように浮遊し、木々を塗ってついに山の麓まで辿り着いた。
そこで二人が見たものは、断崖絶壁と言うに相応しいほぼ直角の岩肌だった。
「意外と切り立った山なのね。
大丈夫。でもちょっと勢いをつけて登ることになるから、しっかりつかまっていてね。」
そう注意を促すセラエノだったが、背びれに手をかけ残った手を髪に当てただけでそれほど身構える様子は無かった。
それが原因だったのかもしれない。
直後、コイノボリは凄まじい速さで絶壁に沿うように急上昇し始めた。

################

「あら?クルード?途中で落ちちゃったのかしら?まあいいわ。」
後ろを振り返り、クルードがいないことに少し首を傾げたが、それほど気にした様子もなくコイノボリから降り立つ。
「はじめまして、私はセラエノ・プレアデス。新入生よ。
あなたも同じようだけど…」
口元に柔和な笑みを浮かべ、よく通る声で挨拶をし、言葉を続ける。
「ああ、あれが学園ね。それにいい景色。」
大きく息を吸い、満足気に眼下に広がる森と、その向こう側に見える学園を眺めた。

ひとしきり風景を満喫した後、思い出したようにリルキに声をかけた。
「さっきの声はあなたね。
どうしてかかっていかなければならないの?」
と。

147 :クルード [sage]:2010/04/20(火) 01:15:38 P
「それもそうだな。そうだ丁度いいものが…」
とクルードが帽子の中に手を突っ込み何かを取りだそうとしている間に
セラエノが用意したコイノボリが準備出来てしまった。
「…ハハッそれはいい!乗らせていただくよ」
少しばかり残念そうにシルクハットを被りなおし、コイノボリに乗り込む

適当な話をしながら時間をしていると目的地に到着したのだが…
「これは意外だ…が、暫し待ってくれ!ちょっとってどれほどォォォォ!!!!」
目の前に立ちはだかる岩壁をコイノボリは猛スピードで登っていく
ロクに備えることが出来なかったクルードはどうなるのか

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「恐縮だが、勝手に殺すのはやめてもらえないかな」
コイノボリの尾ひれに引っかかっていたシルクハットからクルードの声が聞こえる
「とてもエキサイティングだったよ。あまりにも凄すぎて死にかけるぐらいにね」
皮肉めいたことを言いながらクルードが帽子の中から出てくる
シルクハットが引っかかっていた場所には、明らかにクルードのモノではない手形がついている
「少年、そこまで怯えることはない。私の名はクルード・ナインテイル君と同じ新入生さ」
リキルに軽く挨拶し、クルードも学園の位置を確認した
「ここまでドンピシャだとはな。約束とは違うが合図でもおくろうか」
そう言って帽子の中から取り出したのは絵に書いたような赤いロケット花火である
セラエノのがリキルと対峙している中、それに火をつける
花火は甲高い音を発てながら空へ上がると炸裂音と共にバラバラに散った。
「いやいや話中すまない。友人に合図を送るよう約束しててね
それはそうと、先ほどから君は随分興奮しているな…その様子からしてナナシにでも襲われたのかね?
いや、それにしては軽傷だな?フム…出来れば君から話してもらいたいのだが?」
148 :シィルイナ ◆HrCZ8HIBjIt8 [sage]:2010/04/20(火) 16:04:52 0
>>114
書類を受け取りながら、新入生の方ですか? という問いに答えたのは背の高い男性の方だった。

>「ん…ああ、そうだな。
 俺は鋼、あっちにいるのはシルヴァ。あの大男は…同じ新入生みたいだけど名前は分からねえ」

「鋼さんですね、私は――」

朗らかな笑みを崩さず、言葉を返そうとしたところで……

>「それより、『新入生の方』って事は…あなたは在校生?」

後ろにいた女性、シルヴァがその前に立った。
心持、後ろにいる鋼を守ろうとしているようにも見える。

>「もし在校生で、尚且つ時間が空いてるというのなら、学園の案内を頼みたいのだけれどいいかしら?
 それとあなたの名前を聞いても?」

「ふふっ」

その様子を見てなんとなく笑みがこぼれてしまい、軽く手のひらで口元を押さえてから。

「私は在学五年目のシィルイナ=ブロードソード、発音しにくいとよく言われますのでシィル、或いはルイナと呼んで下さいー」

言葉と同時に、シルヴァの背より向こう、それよりさらに遠い部分――に視線を移し

(もう嫌な気配は消えてますねー)

異常事態、シィルイナの感知にひっかかっていた、黒い現象はどうやら既に収まったらしい。
現場へ確認へ向かうかどうか、一瞬思考し、そして目の前の女性の笑みに気がつく。

(んーむ、自分達で処理できたのなら、こちらから向かうのも野暮ですよねー)

後で当事者達に確認を取ればいいか、と心中で呟き、言葉を返す。

「いいですよー、受付が終わったらご案内しましょうー」

事務に書類を出せば入学の手続きは終了する。
後数日もすれば入学式で、分野や能力によってクラスを決定するまでは入寮が決定するまでは仮部屋で生活してもらう、という説明を受けた後、シィルイナは姉弟のガイドをしていた。

「実際に入学式が終わればガイダンスで校舎の案内はしてくれますから、それ以前でも使える公共施設の方からいきますねー?」

薬学部が保有する薬草園や、やたらと専門的な蔵書の多い第一図書館等、見て多少楽しげな場所を優先した後、他の校舎との中継地点となる中庭を抜ける。

「そして、こっちが学生食堂ですー、折角ですからお昼ご一緒しませんかー?」

にこ、と笑顔を向けて、指を刺した先は小奇麗な白い建物だった。
確かに食欲をそそる、香辛料の良い香りがふわふわと空気を伝って漂ってくる。

「あ、でも残すと学食のおばちゃん怒るから怖いですよー」

【無難に案内して鋼とシルヴァを食事に誘う】
149 :リキルの代理[sage]:2010/04/20(火) 21:00:55 0

>>146>>147「お…女?」
リキルの前に現れた2人はどちらも女性だった。
2人とも男、あるいはどちらか片方は男であるというリキルの勝手な予想は見事に裏切られたのだ。
>「はじめまして、私はセラエノ・プレアデス。新入生よ。
あなたも同じようだけど…」
「(ちっ…これは予想外だった…。女と喧嘩するわけにゃいかねぇしな…。)」
>「さっきの声はあなたね。
どうしてかかっていかなければならないの?」
「うっ…ま、まさか2人とも女だとは思わなかったんだよ!」
基本的にリキルは女、自分より年下、又は弱そうな相手に喧嘩を売ることは無い。
女相手でも闘う事が無いわけではないが、やはり手は出しにくいらしい。
>「少年、そこまで怯えることはない。私の名はクルード・ナインテイル君と同じ新入生さ」
「なっ…!?俺のどこが怯えてるってんだよ!
俺は何にもビビらねぇ!俺は最強の不r」
クルードの言葉に噛み付くが、クルードはそんなリキルを無視して学園の位置を確認している。
そして赤いロケット花火に火を点けた。
>「いやいや話中すまない。友人に合図を送るよう約束しててね
それはそうと、先ほどから君は随分興奮しているな…その様子からしてナナシにでも襲われたのかね?
いや、それにしては軽傷だな?フム…出来れば君から話してもらいたいのだが?」
「あ…?ナナシ?何だそりゃ?
この傷は森の中で骨のありそうな新入生とやり合った時に出来たモンだ。
まあ大した傷じゃねぇが…。」
と、本人は言っているが頭からの出血は止まっていない。
「で、そのナナシってのは何者だ?強いのか、そいつは?」
150 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/20(火) 21:23:35 0
>>137
>「ごめんルータさん、伏せてくれ!」

森の開けた場所に出ようとしたその時、ゼルキが突如ルータの頭を押さえつけた。
「えっ……え?」
訳も分からず、抵抗らしい抵抗もできないまま近くの茂みへと連れ込まれるルータ。

>>131,>>134,>>135
しばらくして、複数の足音と少年らしき声、それに小鬼の喚き声が聞こえてくる。
>「なんだ、あのゴブリンを虐待しながら進んでる集団……ルータさん、どうする?
  ここは藪で死角になってるみたいだから、息を殺してればやり過ごせると思うけど……」
ゼルキが声を潜め、真剣そうな面持ちで尋ねてくるが……。
「ゴメン、ゼルキくん……お願いだからちょっとだけアッチ向いてて」
ルータはゼルキの方を見ないまま、というか見ることができないままそう懇願する。
不思議そうな顔をしながらもゼルキが目をそらした隙に、
ルータは一旦首輪を緩めて曲がった首を元に戻し、片手で顎を掴んで頭を固定し、首輪を締め直した。
「けほっ……ん、もういいよ。ちょっと見せられないことがあったから……ね?」

>>142,>>145
> そこにいるのはどなたですか?ってやっぱり誰も居ないじゃないですか」
そんな声とともにがさがさと辺りを探るような音が聞こえてくる。
「勘付かれたみたい……隠れててもきっと無駄なんじゃないかな」
ルータは立ちあがり、茂みから顔を出す。
反射的にこちらを向いた少年二人に、彼女は妖しげな微笑みを返した。
「えーっと……一緒にイく?」
色々と、いらない誤解を招きそうだった。
151 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/20(火) 21:24:27 0
【↑名前を入れ忘れましたー; 申し訳ない】
152 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/20(火) 21:31:15 0
>>147>>149
「あら、よかった。すっかり途中で落ちちゃったとばかり思っていたわ。」
皮肉めいた台詞と共に帽子からでてくるクルードに感心しながら声をかける。
だが次の台詞にセラエノの口元は僅かに歪む事になる。

>「少年、そこまで怯えることはない。
クルードの物言いにリルキが即座に食って掛かる。
>「なっ…!?俺のどこが怯えてるってんだよ!
>俺は何にもビビらねぇ!俺は最強の不r」
だがそんな言葉を歯牙にもかけず合図の赤いロケット花火を用意する。
そんな様子を見て小さく息をつき言葉を綴る。

「クルード。彼から感じられるのは闘争心よ。怯えや敵意じゃないわ。
それに彼のようなタイプにそういう核心をつくような言い方は駄目よ。もう少しオブラートに包まなきゃ。」
そうして取って返すようにリキルに向き直り言葉を続ける。
「あなたも、もう少し落ち着きなさい。悠然と受け流すくらいの余裕がないと見透かされちゃうわよ?」
台詞を言い終わると同時にロケット花火は甲高い音共に舞い上がり、炸裂音と共に破裂した。

>「で、そのナナシってのは何者だ?強いのか、そいつは?」
同じ新入生と戦ってきたと頭から血を流しながらいうリルキはなぜか嬉しそうな顔をしており、少々呆れながらセラエノは術の準備を始める。
「それで最初にかかってこいって言っていたのね。
ナナシには遭遇していないけど、目的は学園に到達する事だから興味ないわ。」
リキルに応えるセラエノが翳した手に光が集まっていく。
やがて光は七色に分かれ、筋となって学園へ一直線に伸びていった。
中級光術、偏光虹橋。
空には一直線に伸びる虹が現われているのが見えるだろう。

「さ、効果は30分ほど。このままコイノボリで一直線だけど、ふたりはどうする?」
セラエノはコイノボリに腰掛け、二人のこれからの行動を聞く。
153 :グラディス&ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/20(火) 21:54:25 0
>「そうだよっ!さっきの爆発からそんな時間経ってないのに、もう廃墟からここまで来てるんでしょ?」
>「敵はたいした怪我すらしてないんだよ!だめだよ、まともに戦ったら殺されちゃうよ!!」
>「そんなこと言われたってなァ…それ以外だと全員バラバラに散るか
> 全員で迎え撃つぐらいしかねェぞ?その敵ってヤツは恐ろしく強いらしいし、
> やっぱグラディスの案でいくしかないと思うがね」
>「同感っす。俺はグラディスの言ってることは正しいと思うぜ。
> ここにいるメンバーの力量を考えれば、一番全員が助かる可能性が高い方法だよなぁ。」
>「エンカまで!ひどいよ!」
「ひどいってねぇ、囮役の俺達は納得してるからいーじゃんよ?」
「だから、そういう問題じゃ……」

未だに渋るネリーとリリィだが、もう既に蹄の音は聞こえてきている。
もう時間がないと気が付いたヨーンが3人に叫んだ。
>「早く召喚して逃げろ!!このままじゃ見つかって全員終わりだぞ?
> (中略)分かったら早く行動しろ…!」
>「ヨーン!ダメだよ戻って!あなただって酷い怪我してるのに!早く隠れてよ!!」
「やる気満々じゃねーか、やっぱ面白そうだなヨーン!
 あとウィル・オー・ウィスプは俺が出て行ったらすぐ消せよー」
リリィに引き止められようと、ヨーンは茂みから出て行く。
グラディスも一緒に茂みを出るが、ヨーンが何気なく言葉を紡ぐ。
>「最悪グラディスは何とか逃がすからよ。そんなに心配すんな」
「アホ、そんなカッケー役回りさせてたまるかっつーの。寧ろ俺がその役をやるぜー?」
ネリーに向けた言葉だろうが、グラディス自身がけらけら笑いつつ答えた。


程なくして、暗い木々の向こうから巨馬に跨る、闇で染まっているような黒い騎士がやってきた。
青いウィル・オー・ウィスプを見て馬から降り、自身も色の違うそれを二つも出す。
一度馬に乗ろうとするが、再び騎士は辺りを警戒し始めた。
と、ヨーンがもう一つの茂みを越えて、騎士の目の前に立ちはだかる。
すぐにグラディスもその後を追った。

>「……私はゼルフェルド卿……ゼルフェルド=セラフ……
>…命故に………貴公の武を私に示していただけるかな…?」
身構えていたヨーンが動こうとするが、その前にグラディスの声が飛ぶ。
「おっと、まだ飛び掛かんなよーヨーン。ゼルフェルド卿、でいいんだよなー。
 俺の名はグラディス・ウルフォードとゆーんだが、少し話さしてもらっても?」
茂みの奥からのっそり出てくる狼耳の学生・グラディス。姿は人間同様のまま。
同時に、青いウィル・オー・ウィスプが消えた。
話しながらヨーンよりも一歩前に出てきて、自分よりも20cm以上高い騎士の巨体をついと見上げる。
「一つ。一つだけ、質問させてもらうぜ。『てめぇーは何で学園の生徒を襲ってるんだ?』
 場合によっちゃー兜ごとその頭ブチ割っぜこのヤロー。そうでなくとも、その鎧にゃー良い気分がしねーんだからよ」
物騒で強気な言葉を吐くが、ゼルフェルドの威圧のせいか。
グラディスのその額には冷や汗が滲んでいる。
果たしてゼルフェルドは、グラディスの質問に答えるのだろうか?
154 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/20(火) 21:55:15 0
>144
止まった時の中、鴉は地面にしっかりと付いた蹄の跡を頼りにゼルフェルドを追っていた。
鴉には分からない、ゼルフェルドが『何故一度は逃がした者の後を追った』のか。
まさか明かり代わりのウィル・オー・ウィスプを別のものかと思って確かめに行ったなどと―――――。

もっとも、知っていたとしても放置は出来なかっただろう。
鴉は否定したが、自己犠牲じみたお人好しこそが生来の性格である。
そんな物も、生きる為にしなければならなかった諸々の行為の連続に
埋もれてしまい、完全な自覚には至っていない。




――――――――――『それすらも、与えられたものと知らずに』――――――――――




そうして、実際には一瞬にも満たない間駆け続けてようやくその姿を視界に収めた。
既に新たな生徒?と接触していたのだろう、見慣れない少年が仁王立ちしている。
まだ始める前だったらしい……が、またしても体の内側が痛み始める。
……魔力と言う概念を鴉は持ち合わせていない。ただ、『第三の眼』は気紛れに時間を弄る。
今回も大した意味はなく、ただゼルフェルドに追いつかせたかっただけなのだろう。
「……ムカつく野郎だぜ」


時間停止が解除されれば、恐らくだが満身創痍の状態に戻されるのだろう。
万全の状態ですら勝てる相手でないのだ、どうも眼は鴉を死なせたいらしい。
「それならそれで……最期に驚かしてやるのも一興かね」
そう決めた鴉は、ゼルフェルドの真後ろに着くと背を向けて……ゼルフェルドにもたれ掛かる。
直後時間停止が解け、白と黒のコントラストに染まった世界が色づいていった。
「……また会ったな、鎧の旦那。
 アンタ気づいてるかい? こっちの方は、アンタが見逃した奴らが逃げた方だって。
 まぁ喰い足りないんだろうが……ちっとばかし言ってる事とやってる事が違うんじゃないのか?」
さて、少しでも肝を冷やしてくれればな……意趣返しとしては悪趣味だが。

>133
背中に陣取る前に少年の外見を見たが、どこか自分に似たものがあるようだった。
推測の域を出ないが荒んだ暮らしをしてきたのではなかろうか……
程度の問題にする気はなく、そんな第一印象ゆえか親近感を抱く鴉。
「少年、ずいぶんと勇気があるなぁ。
 その溢れんばかりの勇気を、どっかのダメ人間に少しだけ分けちゃくれんかね。
 ……これから死ぬ奴に、死ぬ事を恐れないために。どうよ?」

正直、死ぬのは怖い。主に、死んだらどうなるのか分からないからだ。
そんな事を寝ようとする時に限って考え出してしまい寝付けなかったり
悪夢にうなされて最悪の寝覚めを迎えたり―――他者に押し付けてきたモノが
今度は自分に牙を突きたてようとしていると自覚すると息が詰まるのだ。
155 :ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/20(火) 21:55:43 0

一方、二つの茂みを隔てた向こう側は。
>「大変なんです!あの蹄の主は、森の中で迷った生徒を片っ端から襲ってるんです!!!
> そうよね、ネリーさん」
「え?う、うん。何処から入ってきたのかわかんないけど、多分そうだと思う」
リリィの言葉にウィル・オー・ウィスプのカードを仕舞いながら答えるが、実際のところネリーはあまり知らない。
大体がグラディスの行動によるものだったからか、今の状況にさえも明るくは無い。
今わかるのは、とても危ない状況下だということだけである。

>「お願いします!とにかく助けてください、お姉さまぁ!!」
>「まさか、あの蹄の音の主も学園関係者・・・・・・なんて事はないですよね?!ねっねっ!!」
>ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィー−−−−−−−!!!!!!
リリィの言葉の最後は笛の音にかき消されて、ネリーには聞こえなかった。
>「えっ、何よ今の笛の音は?もしかして、誰かが森の中で助けを呼んでるの?」
「わかんないけど、兎に角これじゃ応援だって少なすぎるよ!
 ……でも、二人を置いていけないよ」
不安そうに視線を落とすネリー。
「ねえ、リリィちゃん、エンカくん。私達はどうすればいいの?
 二人に加勢するべきなのかな、それとも指示通りに学園に行くべきかな……」
156 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/20(火) 22:06:04 0
>154
×
>133〜〜〜どうよ?」


>133>153
背中に陣取る前に少年達の外見を見たが、目付きの悪い方はどこか自分に似たものがあるようだった。
推測の域を出ないが荒んだ暮らしをしてきたのではなかろうか……
程度の問題にする気はなく、そんな第一印象ゆえか親近感を抱く鴉。

もう片方は、どうも犬……と言うか、狼に近い顔立ちをしている。
獣人、なのだろうか? 実物を見たことがないのではっきりとは分からない。
しかし、その為か中々いい体つきをしており場馴れした感じがあった。

とは言え相手は規格外、無理に相手をさせるわけにもいかない事情もあったし
何よりその行動が……やはり眩しかったのだ。フリードにも見た『若さ』と言う輝きが――。
「少年達よぉ、ずいぶんと勇気があるなぁ。
 その溢れんばかりの勇気を、どっかのダメ人間に少しだけ分けちゃくれんかね。
 ……これから死ぬ奴に、死ぬ事を恐れないために。どうよ?」





失礼しました……。
157 :ベッドフォード ◇k4Jcxtcj [sage 代理投稿 >166]:2010/04/20(火) 23:39:21 0
森にある廃墟を抜け一足先に学園へと到着したオワゾーは
理事達を始めとした学園関係者達と共にある重要人物の到着の出迎えるべく
学園の敷地から少し離れた草原へと集まっていた
「このような場所に本当にいらっしゃるのですか?
来賓用の船着き場でお待ちするのかとばかり…」
不審がる理事の1人が問い掛けるがオワゾーは眉1つ動かさずここで良いのですと断言した
この理事ばかりでなく出迎えに来た関係者達には動揺が走っている
何も無いだだっ広い草原で事前情報すら与えられず何十分も待たされるのだから至って当たり前の反応であろう
関係者達がもう一度オワゾーに質問しようとした矢先
まばゆい閃光を伴い何も無い空の切れ目から大型のヘリコプターのような乗り物が爆音と風を靡かせながら何台も草原へと着陸していった
「皆様!ベッドフォード財団総裁 エッーリッヒ・ベッドフォード公が御到着されました!」
何台ものヘリコプターを背景にオワゾーはいきなり理事達の方を振り返り大袈裟に主賓の到着を告げる
「ミスター・オワゾー この乗り物は一体…」
また別の理事が口を開く
「これこそ我が財団の技術ですよ
ささ 総裁が降りて参ります ご挨拶の準備を…」
にやりと笑うと今度はヘリコプターの方へと振り返る
扉が開くと黒いタキシードの老人が数人の黒服の護衛を引き連れゆっくりと出迎えの方へと歩いていく
「諸君、出迎えご苦労だった…」
老人は出迎えた理事達へ謝意を伸べると理事の1人へ声をかける
「入学式はいつ頃になるのかね?」
「はい、生徒の到着を待たねばなりませんが数日中には行われるかと
総裁には学園近くにある邸宅にて御滞在頂きます」
「そうか…ここで見届けねばならぬからな…あの館ならば問題あるまい
オワゾー…お前の話は道中の車で聞くとしよう」
老人はまた緩やかな歩調で迎えの車へと足を進めていった
158 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/21(水) 12:26:53 P
>145>151
>「っておい!!やめろ、フリード!そいつのHPはもう0だ!」
「ゴブリンを舐めてはいけません!こいつらのせいで何人もの英雄候補が毎年やられてるんです!!
 サクソン村のパーソの敵いぃぃぃぃぃ」
色々あってやっと落ち着くフリード
ちなみにサクソン村のパーソは有名な冒険者の名前で
最後は自由奔放騎士とまで呼ばれた英雄である
最初のゴブリン退治で戦闘不能になった為LVが1遅れ
それを何度も仲間たちにネタにされたのだ

「二度と襲ってくるんじゃないよ
 次に襲いかかってきたら…………殺すよ」
とゴブリンを脅してから離すフリード
そんなにゴブリンが憎いか?

ガサガザっと音を立て茂みから現れる少女
>「えーっと……一緒にイく?」
フリードは思った
何で隠れてたんだろう?
なんか肌も青白いしきっと何か訳があるんだよ………と
「…………だいたい事情が分かりました
 たぶん貴方は僕らと同じで学園への新入生ですね」
どう見ても生きた人間の肌の色をしていないアンデッドなルータ相手に
営業用ショタっ子スマイルで接するフリード
さっきのゴブリンとは態度が違いすぎる
女だからか?女の子相手だからか?

「にゃな〜」
(乾物屋さんの匂いがする)
「乾物屋さん?目の前にいるのは美しいお嬢さんじゃ無いですか
 ゾンビやミイラじゃあるまいし…………」
どうやらそもそも彼女がアンデッドだと気付いていないようだった
もし気がついたら”ば、化物!?とテンプレ通りの反応を返すだろう
ぶっちゃけフリード自身の方が化物だと思うのだが
「にゃ〜ん」
(肌が青白いよ)
「僕の姉さんだってノンかっていうぐらい肌が青白いですよ」
ノンとは某魔女っ子のライバルキャラである

「自己紹介がまだでしたね
 僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
 またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
 気軽にフリードと呼んでください」
「にゃーにゃにゃにゃ」
(グレン・ダイザーらしいよ)
「この可愛い猫の名はグレン・ダイザー
 今日僕と運命的な出会いをした猫?の使い魔です」
本当に猫なんだろうか?さっきから二足歩行しているし
手で道具使ってるし…………

「実は僕たちは今、騎士の姿をした怪物から女の子たちを助けるために
 そいつを追いかけているところなんですよ」
男だったら自分で何とかするだろうとからガン無視である
159 :ユーリ [sage 代理投稿 >174]:2010/04/21(水) 20:05:17 0
>>136 >>141

ユーリの姿を見た少年は機関銃の如く喋り出す
>「良かったぜ。(中略)
もしかして、ただ様子を見に来たとかじゃあねぇよなぁ?」
そして追撃するように危うく襲われるところであった女の子からも
「お願いします!とにかく助けてください、お姉さまぁ!!」
と嘆願されてしまう。
「勿論、あなた達を直ぐに学園に行かせてあげる事は出来るよ
けれど………」
そこでユーリは言葉を区切ってエンカを指さす
「あなたはダメ。これっぽっちも魔法を使えない人を魔法学校へ行かせる訳にはいかないもの
あと、私の使う移動手段はとってもリスキーって事も言っとかなくちゃならないかな
説明すると長くなっちゃうんだけど、聞きたい?」
本当に説明すると長くなる。まずユーリはテレポートなど使ってはいない
彼女が使ったのはワープであり、自分のいる場所(A)と自分の行きたい場所(B)を魔力で無理矢理に最短距離で繋げて、移動した訳だ
平たく言えば自力のみでゲートを作成、使用した事になる
この場合のリスクは空間の固定が難しい事と、空間の固定が不安定ならば死も有り得るという事だ
例えると分かり易い
地点Aと地点Bを繋ぐ時、空間の固定を失敗したとする
すると右半身はB地点に行ったのに左半身はA地点に残る。なんてグロテスクな光景が見えるかもしれないのだ
一応ユーリの名誉のために断っておくと、今迄ただの一度たりとも失敗はない
しかし今回もないとは限らない
「ある程度の危険は承知で移動をしたいなら………
そうね、私に魔法を見せなさいな。それが切符
間違いなく学園の手前500mにきっちりと移動させてあげるけど、どうする?」

とにこやかに笑う。それは天使の微笑なのか悪魔の嘲りなのか………
160 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/21(水) 20:10:19 0
>141>155>159
>ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィー−−−−−−−!!!!!!
> 「えっ、何よ今の笛の音は?もしかして、誰かが森の中で助けを呼んでるの?」
> 「わかんないけど、兎に角これじゃ応援だって少なすぎるよ!
>  ……でも、二人を置いていけないよ」
> 不安そうに視線を落とすネリー。
> 「ねえ、リリィちゃん、エンカくん。私達はどうすればいいの?
>  二人に加勢するべきなのかな、それとも指示通りに学園に行くべきかな……」
「何言ってんだよネリー!この姉ちゃんがよぉ、俺達を逃がしてくれるんだぜーっ!
 グラディスとヨーン達もなーっ!」
>「勿論、あなた達を直ぐに学園に行かせてあげる事は出来るよ
>けれど………」
>そこでユーリは言葉を区切ってエンカを指さす
>「あなたはダメ。これっぽっちも魔法を使えない人を魔法学校へ行かせる訳にはいかないもの
>あと、私の使う移動手段はとってもリスキーって事も言っとかなくちゃならないかな
>説明すると長くなっちゃうんだけど、聞きたい?」
「な、何だとーっ!?じょ、冗談じゃないっすよーっ!
 あんた魔法使いかそうでないかで人を差別すんのかぁ!?
 それによぉ、いったい移動するのにどんなリスクがあるってんだーっ!?」
ユーリはワープする際の危険性、つまりバラける可能性を説明した。
>「ある程度の危険は承知で移動をしたいなら………
>そうね、私に魔法を見せなさいな。それが切符
>間違いなく学園の手前500mにきっちりと移動させてあげるけど、どうする?」
「………OK。」
エンカはそう言ってユーリに背を向けた。
「リリィはテレパシーを出せる。ネリーとグラディスは火を出せる。ヨーンは物を切ることができる。
 この4人はユーリに学園に送ってもらえるってことだ。」
エンカは茂みの向こうからグラディスとヨーンに叫んだ。
「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ!
 “全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」
“全員”…その言葉の中にエンカは含まれていない。
「俺っすか?悪いが皆のために自己犠牲するつもりはねぇよ。
 俺はいつだって全員が生き残る方法を考えているぜ、俺も含めてよぉ。
 俺は俺の方法で生き延びるぜ。自分の足で学園まで辿りついてみせるからよぉ。」
エンカはリリィとネリーにそう言った後、ユーリに指をさした。
「あんたは確かに言ったぜ?魔法を見せたら学園まで移動させるってなぁ。
 言った通り約束は守ってもらうぜ。リリィとネリー達を学園まで移動させろよな〜。

 あんたの言った通り、俺はこれっぽっちも魔法が使えねぇ駄目な奴さ。
 だが、人が人に意志を伝える言葉の力を俺は今信じている。
 これが俺からあんたにかける“魔法”だぜ。」
エンカはユーリにそう言った後、その場から走り去った。
ただやみくもに走るわけではない。彼が目指しているのは、笛の音が聞こえた方角だ。(>138
「(カッコつけたのはいいけどよぉ、俺は今めちゃくちゃピンチだぜ〜。
 さっきの笛の音は俺達と同じ学園の新入生のかもしれねぇからよぉ。早く合流しねぇとな〜。)」
161 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg[sage]:2010/04/21(水) 23:00:50 0
>>142 >>145 >>150
> そこにいるのはどなたですか?ってやっぱり誰も居ないじゃないですか」

(……っ!?)

その言葉を聞いた時に発しそうになった驚きの声を、ゼルキは意思の力で何とか押し込んだ。
よもや、こうも簡単に発見されるとは思っていなかったのだろう。
その表情には焦りの色が浮かんでいる。

(どうする……いくら魔物のゴブリンとはいえ、それをいたぶりながら
 進む奴なんて、ロクな奴じゃないに決まってる。
 俺が囮になってルータさんを逃がすか?それとも……)

>「勘付かれたみたい……隠れててもきっと無駄なんじゃないかな」

「!? ちょ、待っ……」

そうして必死に考えを巡らせていた為に、反応が遅れたのだろう。
静止の言葉をかけようとした時には、既にルータは茂みから立ち上がり、
その姿を二人組+αの前に晒してしまっていた。
それを見て、ゼルキは即座に立ち上がろうとし……だが、歯を食い縛り、思い留まった。
もしも目の前の二人がロクでもない人間だったら、弱い自分が姿を晒した状態では
いざという時にルータという少女を守れない。せいぜい薄い盾程度にしかなれないだろう。
だが、位置の特定し辛い茂みの中なら、初撃をいなし奇襲をかけられる可能性がある。
ゼルキは弱い。だからこそ、己の弱い力をその使い方も含めて徹底的に磨く事を日課としている。
その経験が、今回の判断を与えたのである。
>>158
>僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
>またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
>気軽にフリードと呼んでください」
>「実は僕たちは今、騎士の姿をした怪物から女の子たちを助けるために
>そいつを追いかけているところなんですよ」

「……嘘を言うな。誰かを助けたいっていうその言葉が本当なら、
 こんな所でふざけながら魔物をいたぶって、余計な時間を使ったりなんかしてない筈だろ。
 それに仮にその言葉が本当だとしたら、お前らは食い止める機会があったのに、
 女の子達の所へむざむざその化物って奴を向かわせた事になる。どっちにしろ言動が信用できないんだよ。
 ……もしお前らがそれ以上こっちに近づいたら、俺は強力な攻撃魔法をそっちに撃つ。
 五体満足でいたいなら、そのままその敵ってやつの方向へ歩いていけ」

フリードと名乗った少年に、ゼルキは茂みの中から距離を気付かせない様な声量で、
手に滲んだ汗と感情を押し隠しつつ、そんなブラフを混ぜた台詞を言い放った。
フリードの狂言じみた台詞にも反応を返さない。
……余談だが、この時点でゼルキは目の前の少年達をほとんど悪人だと認識してしまっていた。
正義感が強いが、それが頻繁に暴走してしまうのは、ゼルキの悪癖と言えるだろう。
162 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/21(水) 23:02:47 0
>153>144>154
>「アホ、そんなカッケー役回りさせてたまるかっつーの。寧ろ俺がその役をやるぜー?」
>ネリーに向けた言葉だろうが、グラディス自身がけらけら笑いつつ答えた。
「お前こそ馬鹿言うなよ。オレがやられるワケねーじゃねえか」
強がりか自信過剰か、どっちかは分からない。しかし少なくともヨーンはこの状況を楽しんでいるようだ。

>程なくして、暗い木々の向こうから巨馬に跨る、闇で染まっているような黒い騎士がやってきた。
>青いウィル・オー・ウィスプを見て馬から降り、自身も色の違うそれを二つも出す。
>一度馬に乗ろうとするが、再び騎士は辺りを警戒し始めた。
「アンタが敵ってやつか…?」
仰々しい黒い鎧を纏った騎士の前にヨーンは立ちはだかる。
だが予想外だった。敵はとんでもない化物で、
会話すら通じないものだと思っていたヨーンだったが、
目の前の騎士は一礼すらする礼儀正しさを持っている。
>「……私はゼルフェルド卿……ゼルフェルド=セラフ……
>…命故に………貴公の武を私に示していただけるかな…?」
「オレはヨーン・レーン。しかし驚いたぜ。こいつは想像以上に…」
ヨーンはそこで言葉を切り身構える。そう、敵に理性があるということは、
狂暴であること以上に脅威となる。更にいうなれば敵は闘志を剥き出しにするわけでもなく
静かに、それでいて隙の無い立ち振る舞い、闘い慣れている…
>「おっと、まだ飛び掛かんなよーヨーン。ゼルフェルド卿、でいいんだよなー。
>俺の名はグラディス・ウルフォードとゆーんだが、少し話さしてもらっても?」
ヨーンが動こうとした時、グラディスが茂みから出てくる。
そしてそのまま前に出ると臆することなく鎧へと対峙する。
>「一つ。一つだけ、質問させてもらうぜ。『てめぇーは何で学園の生徒を襲ってるんだ?』
>場合によっちゃー兜ごとその頭ブチ割っぜこのヤロー。そうでなくとも、その鎧にゃー良い気分がしねーんだからよ」
確かに、向こうが襲う意味がない。新入生へのテストにしては少々酷というものだ。

>「……また会ったな、鎧の旦那。
>アンタ気づいてるかい? こっちの方は、アンタが見逃した奴らが逃げた方だって。
>まぁ喰い足りないんだろうが……ちっとばかし言ってる事とやってる事が違うんじゃないのか?」
鎧とグラディスの会話を黙って聞いていると、突然鎧の後ろに男が現れた。
どうやって?分からない…ただ普通の手段ではないことははっきりと分かる。
この男も魔法使いなのだろうか?それとも新手の敵なのだろうか。
「なんだ…またなんか良くわからんヤツが増えたな…」
「まあいいか…」とヨーンは呟く、悩むのが面倒になったのだろう。
今更何が来ようが何が起ころうが悩むのは馬鹿らしい、ここは非常識な世界なのだ。
163 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/21(水) 23:03:37 0
すると、男が口を開く。
>「少年達よぉ、ずいぶんと勇気があるなぁ。
>その溢れんばかりの勇気を、どっかのダメ人間に少しだけ分けちゃくれんかね。
>……これから死ぬ奴に、死ぬ事を恐れないために。どうよ?」
まるで死ぬために来たと言っているような男の口ぶりにヨーンは少しイラついた口調で告げる。
「死ぬために来たならさっさと死ね、そんな奴に分けるほど勇気はありあまってねェよ」
良く見てみれば、男は相当弱っている。ということは先ほどまで鎧と戦っていた連中の一人なのかもしれない。
覚悟を決めてここまで追ってきたのか?

>160
>「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ!
>“全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」
後ろからエンカの叫び声が聞こえる。それを聞き届けると同時にヨーンが鎧に向かって走り出す。
「グラディス!話は終了だ!適当にケリつけて引き上げるぞ!」
それと同時にさきほど木を千切りにしたときのように風切り音が鳴り響く。
切断される木々、ちょうど鎧を左右からはさみ込むようにゆっくりと倒れかかる。
そしてヨーンは鎧の脇を素早く通り抜け、自力では倒れ込む木々から逃げられそうにない
ボロボロの男の襟首をひっつかみ、木々に巻き込まれないようにそのまま引きづり走り抜ける。
「はぁ…はぁ…結構重いんだな人間って……」
ヨーンは息を切らしながら呟くと、ボロボロの男にさきほど自分が使ってた塗り薬を渡す。
「アンタも話聞いたろ?まァ…それでも死ぬために来たっていうならもう何も言うことはないけどな
 でもまだ終わりたくないならそれ塗って早く備えろ。」
備えろ…そういうヨーンの瞳は倒れた木々を見ている。いや、
正確には倒れた木々すらものともせずその中で先ほどと変わらず平然としているあの鎧の騎士を見ていた…
もちろん、あの程度でやられるとは思っていなかったが、
それでもやはり平然としているのを見ると嫌が応にも恐怖を感じる。
そして、いま鎧の騎士が…ついに動く!
164 :桜花 ◆CBcqW9.llE [sage]:2010/04/22(木) 15:01:44 0
(しかし、音で捕らえたのより複雑だな…)
森の中を一人歩きながらぼんやりと考える桜花
目の見えない彼女にとっては聞こえた音に間違いがあるのは死活問題である
(どうする?もう一度吹くか?…いや、さっき聞こえた喧騒の件を考えると
 あまり音を出して注意を引くのも良くないだろう。
 ……?喧騒が大きくなった?)
彼女はその耳で周囲の音を聞き始める
(…喧騒がさらに大きくなった…発生場所は二つか…
 場所はここから…そう遠くないか…)
聞く事をやめて進路を変えようとした時だった
(…!足音…進行方向は…私の居る地点か)
やれやれと三度頭を振る
どうやら先ほど発したホイッスルの音が人を引きつけてしまったようだ
トランクを握る手に力がこもる
(私の足はそう速くない…向かってきている足音は私の足より早そうだ…
 距離も開いていない…逃げ切るのは無理か…
 問題はただの人か、それとも森の中で騒ぐ与太郎かなのだが…さて、これをいかにすべきかな…)
考えているうちにも足音は接近してくる
(とりあえず何か起こっても逃げる手段はいくつかある…無用心に動くべきではないかな…それに助けかもしれないから…)
トランクからバイオリンを取り出し、近づいてくる足音の方向に進路を変え歩きだす
165 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/22(木) 17:45:13 0
>150>158>161
>「えーっと……一緒にイく?」
色白の少女が現れた途端そんなことを言いやがった
イく?...逝く...行く...普通に後者だろう。集団自殺なんてごめんだ

>「実は僕たちは今、騎士の姿をした怪物から女の子たちを助けるために
そいつを追いかけているところなんですよ」
>「……嘘を言うな。誰かを助けたいっていうその言葉が本当なら、
 こんな所でふざけながら魔物をいたぶって、余計な時間を使ったりなんかしてない筈だろ。」
フリードが色白少女に話しかけていると、茂みの中ならもう一人の声がした
おお。まさに正論。俺もそう思う
>「それに仮にその言葉が本当だとしたら、お前らは食い止める機会があったのに、
 女の子達の所へむざむざその化物って奴を向かわせた事になる。どっちにしろ言動が信用できないんだよ。
 ……もしお前らがそれ以上こっちに近づいたら、俺は強力な攻撃魔法をそっちに撃つ。
 五体満足でいたいなら、そのままその敵ってやつの方向へ歩いていけ」
相手は自分に自信があるのか、それとも逆かは知らないが、どうやら自分達を警戒しているようだ
「落ち着け、茂みのお前。
フリードの言っていることは本当だ。信用性はないと思うが...
それにこんな所でやり合う意味がないだろ」
こんな所で無駄なことはしたくないので、茂みに居る青年を諭すことにした

「とりあえず自己紹介はしておこう
俺はクレイだ。そしてこいつはトレス。
今年からここの学園に入る。あんたらもそうだろ。
それで、フリードの言うとおり、俺たちはゼルフィルドとか言う奴を追っている。
あんたらはこのまま学園に行くといい。俺らと行くことは、あんまりオススメはできんからな」
相手がどう出るかは知らないが、一応言っておく
これでついて来たら、学園はお人好しばかり集めていることになるな...

「そう言えば、そこの色白娘。
動詞の前に目的語を付けろ。勘違いされるぞ」
色白少女に注意をしておく
この為に面倒ごとが起こる気がしたからだ

「さて、こんな所でくっちゃべってる時間はないな」
戦闘の気配がする。どうやら出会ってしまった様だ
「フリード、これからは魔物は無視しろ。じゃないと蹴る」
166 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/22(木) 20:49:58 0
……セラフ………セラフ……?
この場に来てからというものの、どうにも不思議なことばかり身に起きる。
今口走ったセラフとは何だ?名か?生前の………自らの?
確信なんてない。でも、何故だかそんな気がする。
だとすれば…断片的に流れ出る、記憶の残滓が告げるものはなんなのか……


……思案に耽っている場合ではない。今は。
目の前に仁王立ちするこの少年。視るに、中々度胸が在るようだ。
巨大な鎧の化物を前にして、退くどころか前に出て眉一つ動かさない。
しかして、これは悪く言えば無謀だ。故に彼もまた、これから己を磨き、自己を制すれば。絶好の好敵手に化けるに違いない。
それだけではない。

>「オレはヨーン・レーン。しかし驚いたぜ。こいつは想像以上に…」
少し動揺した様子ながらも、こちらの名乗りにしかと名乗りで応えてくれた。まったく、嬉しくなってしまう。
この少年ならば、騎士としての素質も十分だ。ここで摘むのは惜しい。
「………なっているな、少年……いや、ヨーン・レーンよ…」
こうなってくると実力にも自然と期待したくなってしまう。さぁ、如何様に出ようか…
初撃の攻め手を考えていると、ヨーンの背後から別の声が聞こえてきた。
そして、茂みから姿を現した声の主を見た時、ゼルフェルドは強い頭痛を感じる…

>「おっと、まだ飛び掛かんなよーヨーン。ゼルフェルド卿、でいいんだよなー。
>俺の名はグラディス・ウルフォードとゆーんだが、少し話さしてもらっても?」
何という恥!何という愚行!!この少年…グラディスと言ったか……『見覚えがある』…
これは生前の記憶だとかそういうものではない。つい先程!!あの廃れた街で!!
自分が逃がした生徒の内の一人ではないか!!ここにいる経緯は知らないが、結果として自分は「逃げるを追って来た」ことに変わりない!
……おかしくなって倒れそうだ…知らず知らずとはいえ、義も誇りも堕とすようなことを…
自分が生身の人間ならば、今すぐに自害したいところだが、生憎とこの身は黒く冷たい鎧の塊……
切っ先を腹に突きたてたところで、決して欠けぬ刃と、決して破れぬ装甲がぶつかり合い、まさに矛盾と消えるだけだ。
……………恥の極みだが……ここでただ去るわけにはいかない。自分には役目があるのだ……果てるならば、それを成してから…


気分が沈みきったおかげで、昂りも納まりある程度いつも通りの冷静さを取り戻せてきた。
すると、グラディスがいつの間にやら目の前にまで近付いて来ていた。落ち込みすぎて気付かなかったのか…
>「一つ。一つだけ、質問させてもらうぜ。『てめぇーは何で学園の生徒を襲ってるんだ?』
>場合によっちゃー兜ごとその頭ブチ割っぜこのヤロー。そうでなくとも、その鎧にゃー良い気分がしねーんだからよ」
「…外しても構わんが………貴公の気分を著しく害するものが覗いてしまうぞ」
……この少年もヨーンのように中々………と思ったが、違った。
よくよく見るとその額にはじんわりと汗が浮かび、視線も…実に若干ながら揺らいでいるように見える。
やはり、皆が皆図太いわけにはいかぬらしい。
相手は知らずとも、こちらとしては先の非礼もある。せめて答えよう。

「…良いだろう…その一つの問いに答えさせていただく………それは『選別』の為だ。
今は貴公に詳細を語ることはできぬが…何故果たし合うのかという問いへの答えは満たしている…」
すまないがな、とだけ付け加えて、マントの端でグラディスの額の汗を軽く拭う。
………相当おかしな行動だったのか、何とも表現できない顔をされてしまったが…
167 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/22(木) 20:51:28 0
この空気、どうしたものか。
と、雰囲気的にではなく、実際にその場の空気が揺らいだ気がした。
手にしていたマント……いや、背後に何かを感じる…………これは……

>「……また会ったな、鎧の旦那。
>アンタ気づいてるかい? こっちの方は、アンタが見逃した奴らが逃げた方だって。
>まぁ喰い足りないんだろうが……ちっとばかし言ってる事とやってる事が違うんじゃないのか?」
「恥は承知の上だ。愚かで小さな、一つの命よ。それこそ、何が為に私があの場を引き揚げたと思っている。
私に対する二度目は、真の武を示して死合う時だぞ………弁えろ…!!!」

いきなり背を取られたというのに、それ以上に腹の底で煮え滾る熱いものがある。驚くこともできない。
勇は消え、最早完全なる愚と堕ちたか…
背後に突然現れたレイヴンからは、諦めきり、生への執着がない屍のような気しか感じられない。視ずともわかる。
今の私と同じ気配だ。闘いの中に自分に足りない何かを求め、渇きを癒そうとする、私と。
本当ならば、あの場で感じたことを胸に学園にて自らを磨き、再び好敵手として眼前に現れることを願っていたのに。

「死絶える為に転げて来たというのならば、望み通りに……死をくれてやる…!命を掴み、足掻くことさえ止めたなら、な…」
二本の太刀の内、短い方を素早く引き抜き振り返る。
レイヴンの眼からは、やはり生気が感じられない。本気で死にに来たのか?
しかしここで、生気の変わりに別の異様な気の残り香を感じた。
「…貴様……その『眼』…憶えがあるぞ…………この感覚…!」
目の前の少年に、どのような変化があったのかは分からない。だが、何か自分は知っている気がする。“これ”を。
正体不明の何かと、少年の最後の生への依存を呼び覚ます為、斬りかかろうと一歩踏み込んだとき―――

>「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ!
>“全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」
「……………何……?」
またも別の声が響く。まだ他にも…いや…そもそもどういうことだ?
空間跳躍を操る仲間でも現れたのか?無事にとは大した自信だ……
しかし、丁度よかったのかもしれない。その方法とやらがどんなもので、他に何人いるのか知らないが、
手合わせした者は傷を癒し、再戦に期待できる。となればここは全力で見逃すべきか………

>「グラディス!話は終了だ!適当にケリつけて引き上げるぞ!」
捉えていたレイヴンを連れ、距離を取るヨーン。
それを合図に、突然左右から木々が倒れかかってきた。視るに、随分と綺麗に「切断」されている。
同時に空気の流れに、鋭い乱れを感じた。…魔法……風の刃か…
自然を乱すのはよろしくない、などとぼやきつつ、自らも風を纏い、迫り来る樹木を退け払う。
その様子をヨーンが唖然として見ているのに気付くと、軽くマントを靡かせる。
「……退くのか?ならば今度こそ追いはせん………安心して往くが良い。ただし……」
突如、ゼルフェルドの全身から闘志が溢れ出ると同時に、体の何処からか、黒い無数の光輪が発射され、
空を切りつつ周囲を不気味に駆け巡る…!


「折角名乗り合いまでしたのだ………貴公らの武…………一端でも示してからにしてもらおうかッ!!!」
咆哮と共に、黒い光輪が次々と連結し、長い棒の形状を作ってゆく。
その長さがゼルフェルドの背丈を越えるかどうかのところで、凄まじい爆音を伴い、先端に雷が落ちる。
次の瞬間、その手中には、深く輝く十字の刃を轟かせた十文字槍が唸り、少年達に向かって疾走していた。
迷いを敵と共に断ち切り、満たされぬ思いを、戦での昂りと一撃で隠す。
戦場に縛られ、どうしようもない渇きをその一刀一刀でしか癒せない、屍の魂。

「この切っ先…!!届けッ!!雲燿の彼方まで!!!!」




        ―――――“戦鬼”―――――
168 :クルードの代理[sage]:2010/04/22(木) 21:22:13 0
「教えられたのは名前だけなんでね。どういう生物かは不明だが、ワザワザ教えるということは
それなりに危険な生物なんだろうね。少な…いや、何でもない」
少なからず君一人の力ではかすり傷もつけられないだろう といいかけたが、先ほどの忠告を思い出し、言葉を飲み込む
彼の性格からして、そんなことを言えば余計面倒なことになりかねない

そうこうしているうちに、セラエノはコイノボリに乗り、学園に向かう準備を整えている
「もちろん、このまま学園に向かうよ。また乗せてもらうよ」
そい言ってクルードもコイノボリに乗った
169 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg の代理[sage]:2010/04/22(木) 22:42:33 0
>>152>>168>「教えられたのは名前だけなんでね。どういう生物かは不明だが、ワザワザ教えるということは
それなりに危険な生物なんだろうね。少な…いや、何でもない」
>「それで最初にかかってこいって言っていたのね。
ナナシには遭遇していないけど、目的は学園に到達する事だから興味ないわ。」
クルードが言葉を最後まで言わず、「少な…」で止めたのは正解だった。
もしも最後まで言っていたならリキルは間違いなく意地でもナナシを探しに行っていただろう。
自分より圧倒的に強いと思われる相手が居て放っておける性格ではないからだ。
セラエノのクルードに対する忠告が役に立った瞬間であった。

2人の発言を聞く限り、2人共ナナシに興味が無いらしい。
「確かに目的は学園に行く事だけどよ…。あーっ!なんか気になるじゃねぇか!
 どーにかしてソイツと…」
ふと視線をセラエノの方にやると、虹が学園に向かって一直線に掛かっている。
>「さ、効果は30分ほど。このままコイノボリで一直線だけど、ふたりはどうする?」
リキルは悩んだ。
自力で学園まで行くのは非常に難しい。
しかし先ほどの「ナナシ」という存在も気になる。
というより闘いたい。
「…………乗っけてくれ。今回はナナシって奴を見逃してやる…。」
暫し考えた結果、やはり学園に行くのを優先にした。
学園に着いてからでも森に行く事は出来る、リキルはそう考えたのだ。
170 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/22(木) 23:05:05 0
>168>169
「そ。じゃ、コイノボリにのってね。」
二人のの返事を聞きポンポンとコイノボリの背を叩き乗るように促す。
「賢明な選択ね。正式に入学となればこの島で暮らす事になるのだし、機会はいくらでもあるでしょうから。」
悔しそうなリキルの顔を見て、にっこりと微笑みながら言葉を付け足した。
一応これでも慰めているつもりなのだ。

三人を乗せたコイノボリは高台をゆらりと一周した後、断崖に向かい進みそのまま飛び出ていった。
基本的にコイノボリの限界高度は1mに満たない。
しかし今、崖から学園まで一直線の力場がある。
偏向虹橋は光を曲げ虹を作るだけの術であり、とてもその上を歩けるような代物ではない。
だが、物理的にはそうであっても、魔力の力場として形成された観点から行けばコイノボリの足場としてなら十分に役立つと言うわけだ。

「この虹を見てあの二人も方角を迷う事なく行けるかしらね。」
あの二人とは勿論先ほど別れたゼルキとルータの事だ。
空にかかる虹の橋の上を浮遊しながら眼下に広がる森を見下ろしながら二人とは別の、廃墟で別れた同級生達の顔も思い出していた。
様々な縁で出会った彼らとのこれから始まる学園生活を思い浮かべながら。

だが、それと同時にもう一つ、思い出してしまうことがある。
思い出す…のではなく、嫌でも思い出させられる。
眼下に広がる森の少し離れた地点に広がる闇の領域。
「ああ、クルード。さっき言っていた北西の廃墟の話し。アレよ。」
突然襲ってきた黒鎧の話しはしたが、闇の領域については言っていなかったと説明を付け加える。

そうしていると突如として響く轟音と、闇の領域を切り裂くかのような紫電!
闇の領域を離れ上空虹の橋ににいても尚、その力が空気を振るわせるかのように肌で感じられた。
「あらあら。説明不要ね。あそこでまだ誰かと戦っているようだわ。」
最早言葉にするのも余分にしかならないようなその伝わり方にセラエノの口元が引きつっていた。

「気になるだろうけど、後ろを見て自重してね。」
リキルが何か言う前に釘をさしておく。
後ろを見れば虹がコイノボリを追うかのように少しずつ消えていて既に高台には戻れなくなっている。
ここでゆっくりと高見の見物をしているほど時間の余裕はない事を表していた。
171 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/22(木) 23:09:12 0
>>169の名前欄は【リキルの代理】の間違いでした。
リキルさん、ゼルキさんのおふた方には大変ご迷惑をおかけしました。
172 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/22(木) 23:51:20 P
>161>165
>「……嘘を言うな。誰かを助けたいっていうその言葉が本当なら、
 こんな所でふざけながら魔物をいたぶって、余計な時間を使ったりなんかしてない筈だろ。」
「こっちが名乗ったのだから貴方も名乗りなさい
 それが紳士のマナーと言うものです」


>「フリード、これからは魔物は無視しろ。じゃないと蹴る」
「まあいいでしょう確かにこんな連中を相手にしている場合ではありませんね
ですがこれだけは覚えておいてください」
と自分と同じ髪の色をした少年に忠告するフリード
「決してゴブリンは可哀想な弱者ではありません
 むしろゴブリンは体力や腕力といったスペックは人間より上です
 大昔はミルクいっぱいでお手伝いをしてくれる妖精だったそうですが
 今のこいつらは街に火を放って楽しんだり
 子供を攫って自分の子と取り替えたり
 あまつさえ子供を食べてしまう邪悪極まりない存在ですよ
 現に僕の知り合いの子供もゴブリンに……………」

「にゃ〜」
説教すると相手がポッとなるセッポなんて幻です
とばかりににゃ〜と鳴くグレン

「いいですか?自分より弱いものに対してはこんなに残虐非道な奴らは居ません
 今回だって使える武器もなく魔力切れで魔法の使えない僕に卑劣にも刃物で襲いかかって来たんですから
 たぶん奴らには見てくれ上僕が一番弱く見えたんでしょうね」
とゴブリンがどれだけ恐ろしい奴らかを強調するフリード
確かに得体の知れない二本足で歩く猫と空を飛ぶ球体は除外して二人のうち弱そうなのはフリードだ
鋼の騎士との戦いで麻痺しているだろうが本来ならばゴブリンとは駆け出しの冒険者が苦戦する
いやむしろ戦いのシロートなら大人でも逆に殺されてしまいかねない恐ろしい相手なのである
逆に言うとフリードお前本当にまだ入学もしてない魔法学園の学生候補か?
そもそも魔法使いが何で素手でそんなに強いんだよとか
明らかに駆け出しの冒険者より強いだろとか突っ込みたいが
たぶん学園には彼以上のレベルがいっぱいいるだろうからま、いっかv

「僕はもう行かなければなりませんが貴方も男ならそのお嬢さんを生命に変えても守りなさいよ
 ここにはゴブリンよりもずっと凶暴な……………おっといけないまた長話をするところでした
 行きますよグレン」
とて騎士のいる方向へと進もうとするフリード
だがこのまま行っても騎士には勝つことは出来ないだろう
魔力を使い果たしたフリードにはサーベルの刃を生み出すことは出来ないのだから
せめて少し眠ることが出来たならば魔力が回復するのだが………………

だがその前にフリードを見て自分も強くなったと勘違いしてゴブリンに挑んだグレン・ダイザーが
ゴブリンの集団に殴る蹴るの暴行を受けている
「僕のグレンに何さらしとるんじゃごらぁぁあぁぁぁ!脊髄ぶっこ抜くぞごらぁぁぁぁ!!」
貴族のお坊ちゃまとは思えない言動を吐くフリード
これもすべて猫への愛ゆえである

「僕の大切な存在に手を出した報いです
 じゃあ改めて出発しましょうか………………」
ゴブリンがどうなったかはあえて書かないがたぶん挿絵とか書いたら18歳未満観覧禁止になるに違いない

「自分にとって大切な存在が虐げられれば誰だって内なる悪魔を目覚めさせるに決まってます
 クレイさん貴方もトレスさんを虐げられれば同じ行動を取るんじゃありませんか?」
173 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/04/23(金) 01:21:37 0
>153-156 >144  >159-160 >162-163 166-167
>「ねえ、リリィちゃん、エンカくん。私達はどうすればいいの? 
> 二人に加勢するべきなのかな、それとも指示通りに学園に行くべきかな……」 
「何言ってんだよネリー!この姉ちゃんがよぉ、俺達を逃がしてくれるんだぜーっ! 
 グラディスとヨーン達もなーっ!」 
「そうだよ!これで私達、全員学園に逃げられるのよ!」
リリィも俄然勢いづいた。

>「勿論、あなた達を直ぐに学園に行かせてあげる事は出来るよ 
>けれど………」 
>そこでユーリは言葉を区切ってエンカを指さす 
>「あなたはダメ。これっぽっちも魔法を使えない人を魔法学校へ行かせる訳にはいかないもの 
>あと、私の使う移動手段はとってもリスキーって事も言っとかなくちゃならないかな 」
>説明すると長くなっちゃうんだけど、聞きたい?」 
差別だと怒るエンカに、ユーリはワープする際の危険性、つまりバラける可能性を説明した。 

>「ある程度の危険は承知で移動をしたいなら……… 
>そうね、私に魔法を見せなさいな。それが切符 
>間違いなく学園の手前500mにきっちりと移動させてあげるけど、どうする?」 
>「………OK。」 
エンカがくるっとこちらを向いた。
(こ、これはやっぱりちゅーだよね?!
 こここ今度こそは逃げずにちゃんと頑張らないと・・・・・・・) 
>「リリィはテレパシーを出せる。ネリーとグラディスは火を出せる。ヨーンは物を切ることができる。 
> この4人はユーリに学園に送ってもらえるってことだ。」 
>「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ! 
> “全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」 
「ちょ、ちょっと待ってよ!エンカは?!」
>「俺っすか?(略)
> 俺は俺の方法で生き延びるぜ。自分の足で学園まで辿りついてみせるからよぉ。」 
「で、でも・・・・・・でも・・・・・・・」
>「あんたは確かに言ったぜ?魔法を見せたら学園まで移動させるってなぁ。 (略)
>これが俺からあんたにかける“魔法”だぜ。」 
エンカの言葉を聞き、リリィはこんな状況だというのに感動してしまった。
「エンカって凄い・・・・・・あっ!!エンカ待って、これ!!」
リリィは持っていた箒の一部を毟り取った後、走り去ろうとしたエンカの背に向かって残りを投げた。
「私の一部なの!必ず役に立つから捨てないで!」
エンカの背は闇に紛れ、すぐに見えなくなってしまった。

「・・・・・・エンカ、笛の音が聞こえた方に向かったみたいだね」
リリィはうん、とネリーに頷いて見せた後、ユーリに向き直った。
相変わらずにこやかだが、何を考えているのかその表情からはさっぱり読めない。
「ユーリさん、あの鎧騎士怖くないんですか?」
言ってから馬鹿な質問をした、と反省した。そう、今はそんな事を言っている場合ではないのだ。

「ユーリさん、この場に残った全員を今すぐ移動させることは本当に可能なんですか?」
エンカは一方的にユーリと約束を取り付けたが、先程説明を受けたユーリの能力はなかなか扱いが難しいらしい。
「もしも無理なら、私はこの窮地を確実に逃れる方法をとりたい・・・・・・です。
 全員の移動が無理なら、敵の鎧騎士を、あなたの魔法で思いっきり遠くに移動させてください」
リリィは真顔でさらに一言付け加えた。
『鎧騎士の転移なら、派手に『失敗』をしても構いません。むしろ、大歓迎です!!』
鎧騎士の戦いぶりを直接見てないリリィにとっては、鎧騎士は仲間の仇であり恐怖の対象でしかなかった。

囮役を買って出た者や、新たに加わった者の中には、明らかに深手を負ったと分かるものもいる。
長期戦にもつれ込めばジリ貧になるのは目に見えていた。
>「この切っ先…!!届けッ!!雲燿の彼方まで!!!!」 
「わーなんか危ないの来るー!!ユーリさん急いで急いで!!」
・・・・・・・お願いする側は、いつもお気楽で無責任なものである
174 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/23(金) 07:32:26 0
「う、わ!?」
エンカは自分の体がいきなり沈んだのでびっくりした。
どうやら、沼にドボンとはまったらしい。
幸い太ももがつかる程度の深さで、誰かに押し倒されでもしないかぎり溺れる心配はない。
さっきリリィからもらった折れた箒もベルトに挟んで上着の下に落ち着いている。濡れる心配はない。
「(リリィにとって大事なこれを俺に預けるってのはよ〜。結構信頼されてるってことだよな〜。
 別れる前に“ちゅー”しとけば良かったかな〜?それはともかくよ〜、
 絶対に学園まで辿りついてこれを返さねぇとな〜。)」
その時、エンカは誰かがシクシクと泣いている声が聞こえた。沼の中央からのようだった。
「おん?誰だ、そこで泣いているのは?」
エンカには、その声が少女のものに聞こえた。
「さっき笛を吹いた奴か?心配すんなよ、俺はお前と同じ…」
学園の新入生だと言おうとして、エンカはハッと息をのんだ。
沼の中央にいたのは15歳の少女だった。エンカと同じ瞳色と髪色の少女は、
エンカに背を向けていたが、エンカは彼女がシクシクと泣いているのがわかった。
「…スジャータ?」
そう、エンカは彼女を知っていた。もう二度と会えない。そう思っていた幼馴染の少女が。
「スジャータ?スジャータなんだよなぁ?どうして泣いてるんだよ?
 せっかくまた会うことができたのによぉ?」
エンカは自分の声が嬉しさで震えているのがわかった。
>「…12年前の事…憶えてる?」
「おん?」
エンカとスジャータが最後に会ったのは12年前だったのだ。
>「エンカ君は大きくなったら私をお嫁さんに貰いたいって言ってたわ…
> でも、エンカ君はさっき別の女の子とキスをしようとしてた…私、見てたわ…」
そう言って泣き続けるスジャータ。
「あ、あれはちょっと色々事情があったんだよ!魔法を使えるようにならねーといろいろ危険でよぉ!
 しかたがなかったんだよ!結局は“ちゅー”しなかったし、
 俺はスジャータのことを一日だって忘れた日はないぜ?だからよぉ、機嫌なおしてくれよぉ?」
エンカは沼の中央にいるスジャータに近づいていった。

エンカは考えた。
何故スジャータが故郷から離れたこのフィジル島の森の中にいるのか?
エンカは考えた。
何故自分が4歳の時15歳だったスジャータが、16歳になった自分の前に同じ年齢でいるのか?
しかし、エンカは考えるのをやめた。常識にとらわれてはいけない。これはきっと何かの魔法だ。
今ここにスジャータがいる。それこそがエンカにとって重要なことだった。
>「機嫌をなおす?…ちがうわ、そんなことが悲しくて泣いているんじゃないの。
> 私…嬉しくて泣いているのよ?エンカ君を食べれるのが嬉しくて泣いているの!」
少女はくるっと振り向き、無防備なエンカの首筋に噛み付いた。
「うわああああああああああああああああ…………!?」
エンカはそのまま少女に沼の中に押し込まれ、悲鳴も途絶えた。
エンカはやっと理解した。どんな魔法も奇跡も、12年前に死んだ少女を決して生き返らせたりはできない事を。
そして、今目の前にいる少女がスジャータとは似ても似つかない化け物だという事を。
175 :桜花 ◆CBcqW9.llE [sage]:2010/04/23(金) 15:49:04 0
>>174
向かってきていた者の異変にすばやく気づく桜花
(…向かってきていた者がたとえどのような者でも見捨てる事はできないか…)
冷めているようで熱い女、桜花
悲鳴の聞こえた先へ駆ける
ひたすら速く
ひたすら急いで

悲鳴の途絶えた場所へとたどり着く
(沼か…しかし、そうそう溺れるような与太郎もいないだろうが
 あるとすればよくない者へ引きずられたか…)
沼を一望し
(普通の魔法使いなら手探りで探しているしている所だが、音楽家である私なら調べるのに訳はない)
バイオリンを構えると演奏を始める
だがそのバイオリンからは音は出ていない。変わりに音符の形をした何かが彼女の周りに次々とできている
「大地への賛美曲…」
出来上がった音符の形をしたものは沼へと次々に沈んでいく
「私の曲は大地を走る…」
バイオリンを弾き終えると音符の沈んだ沼が泡立つ
沼からは微かにバイオリンの演奏がきこえてきた
先ほど沈めた音符が各自音を出し演奏を始めているのだ
そして出た音は沼の中で揺れ反響音を桜花に拾わせる。
(思った通りか…中に人の反応がある…)
今度はバイオリンをトランクにしまい、トランペットを取り出し吹き始める
今度も同じく音は出ない、しかしトランペットの前に大きな、大きな音符が出来ている
大きな音符は沼の中心の上空へ移動し止まる
「音よ、爆ぜろ…!」
大きな音符が破裂する。
その衝撃波で沼の泥も一緒に爆ぜ、沼は枯れた
中央では揉み合っている者が二つ
「やれやれ、演奏にもならないでかいだけの音を出させた割に釣れたのはこの程度か…」
飛んできた泥を払いながら沼の中央へと歩みを進める桜花
176 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/24(土) 01:15:21 0
>「乾物屋さん?目の前にいるのは美しいお嬢さんじゃ無いですか
> ゾンビやミイラじゃあるまいし…………」
「……だから獣は嫌いなのよ」
猫と話す少年の言葉を聞き、ルータは低く小さな声で呟いた。
獣の鼻は香水では誤魔化しきれない。
だから彼女は獣……特に犬が嫌いだった。
>「自己紹介がまだでしたね
> 僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
> またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です」
> 気軽にフリードと呼んでください」
笑顔を見せる少年に続いて猫も名乗りを上げたようだったが、ルータは聞かなかったことにした。
獣は嫌いだ。
>「実は僕たちは今、騎士の姿をした怪物から女の子たちを助けるために
> そいつを追いかけているところなんですよ」
「ふーん……その怪物ってナナシかな?」
誰に聞くでもなく、そんな疑問を口にする。

>「……嘘を言うな。誰かを助けたいっていうその言葉が本当なら、
> こんな所でふざけながら魔物をいたぶって、余計な時間を使ったりなんかしてない筈だろ。」
ゼルキが茂みの中からイラついた声を出す。
彼はどうやら目の前にいる少年二人を警戒しているらしい。
主にフリードの行動と言動が気に食わないようだった。
> ……もしお前らがそれ以上こっちに近づいたら、俺は強力な攻撃魔法をそっちに撃つ。
> 五体満足でいたいなら、そのままその敵ってやつの方向へ歩いていけ」
「……うん、それは言わなくてもよかったと思うよ」
余計な挑発だと、ルータは思った。
どうせ隠れているなら、せめて最後までいない振りをしていてくれればよかったのに。

>「落ち着け、茂みのお前。
> フリードの言っていることは本当だ。信用性はないと思うが...
> それにこんな所でやり合う意味がないだろ」
もう一人の少年が冷静にゼルキを諭した。何やら浮いている機械のようなものはオプションだろうか。
>「とりあえず自己紹介はしておこう
> 俺はクレイだ。そしてこいつはトレス。
> 今年からここの学園に入る。あんたらもそうだろ。
> それで、フリードの言うとおり、俺たちはゼルフィルドとか言う奴を追っている。
> あんたらはこのまま学園に行くといい。俺らと行くことは、あんまりオススメはできんからな」
「ワタシはルータ・ルーダだよ。こっちにいるのはゼルキくん。そうだね……それじゃ、お言葉に甘えて」
ルータはがさがさと茂みを突っ切り、ペンダントの示す方向へと歩き出そうとする。
そんなルータに、クレイから忠告が入る。
> 「そう言えば、そこの色白娘。
>  動詞の前に目的語を付けろ。勘違いされるぞ」
「あは……勘違いしてくれてもいいよ。クレイくんがどう思ったのかは知らないケドね」
そう言ってくすくすと笑う。
「ゼルキくん、イこ? それじゃ、また……学園で会えたらいいね」
177 :ユーリ◇gIPsgrF.N6(代理) [sage]:2010/04/24(土) 06:02:27 0
>>160 >>173
エンカが去っていったのを見送った後、リリィが話かけてきた
>「ユーリさん、あの鎧騎士怖くないんですか?」
突然何を言い出すのだろうか?とユーリはキョトンとして言葉を返す
「何故?どうして私の名前を知っているの?私はあなたに名前を知らせていないというのに
このままじゃ癪に触るから私から名乗らせて貰う」
騎士云々に全く興味も脅威も感じていないユーリには寧ろ、いつの間にやら漏れていた自分の名前の方が気になるというものだ
ここで少しばかり間を作って初めて名乗る
「私はエリーゼ・ユーリ・ローラン・デシャン。ユーリと呼びなさいね」
>「ユーリさん、この場に残った全員を今すぐ移動させることは本当に可能なんですか?」
言うよりやる方が早い。彼女はそう思い至ったので、どこからか取り出した青薔薇に優しく息を吹きかけて花びらを散らす
これがユーリ流の魔法の発動。つまり杖を振る事の代わりである
「そこから真っ直ぐ進みなさい。眼を見開いて歩くのも眼を瞑って走り抜けてもいいよ
そうしたら学園が眼の前に見えるから」
ニンマリ笑って、ユーリは自信ありげにおどけてお辞儀をしてみせる
「青薔薇のユーリの魔法、とくとご賞味あれ」
178 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/24(土) 15:14:07 P
>167>176>177
>「ゼルキくん、イこ? それじゃ、また……学園で会えたらいいね」
ゼルキとルータと分かれ
途中首刎ね兎に出会って全力で逃げたりしながらやっとこさたどり着くフリード
「あれはまずいです!見た目と本当の実力が違うのを絵に描いたような相手です!
 首チョンパされたく無かったら早く逃げないと…………」
首刎ね兎
世界中に生息しだいたい洞窟とかに住んでいる事が多い
少数の群れで行動する”肉食”の兎である
その歯はとても鋭く個体によってはオリハルコンさえも切り裂く
名前通り首を歯で噛み切られたら即死でございます
「にゃぁ」
(あんなにかわいいのに?)
「かわいいから余計危険なんです!誰だってだいたい見た目で判断してしまうから余計危ないんですよ
 この業界見た目が弱そう=本当に弱いとは限らないんですから!!」
「それより奴とどう戦うかです!
 前の戦いで奴は飛び道具を使いませんでした
 単に卑怯だからなのか使えないのかわかりませんがもしかしたらそれが攻略のヒントになるかも知れません」


>「この切っ先…!!届けッ!!雲燿の彼方まで!!!!」

        ―――――“戦鬼”―――――
「まてぃ!!」
このタイミングに無駄に高いところから太陽をバックに現れるフリード
当然腕組みポーズだ!!
「乙女がピンチに陥っている時
 誰かが颯爽と駆けつける!人それを『お約束』と言う!!」
どうやら兎は戦わなくてもいい相手だったらしい

「僕の名はフリードリッヒ!フリードリッヒ・ノクターン!!
 またの名を氷結剣フリード!格好良いい二つ名を考える会、会員No2515011です
(法律的に)なんの罪も犯していない人間を襲うなど言語道断!
 例え水の神様クトゥル・・・・もといポセイドンが許してもこの僕が許しませんよ!!
 ……………ってレイブンお兄さんがもういる!!」
何故かもう騎士と戦っているレイブンを見てあっと驚くフリードきゅん
何でフリードがポセイドンを信仰しているかと言うと
氷属性は水属性の延長であり雪も氷も水が原材料だからだ
「にゃあな」
(今クトゥルって言った!?)
「まあそんな細かい所は置いておいて
 さあ女の子達、僕が助けにきましたよ!!
 数々の強(?)敵と戦ってちょっとは強くなった所を見せてあげます」
数々の強敵って言ったってゴブリンじゃなぁ…………
それにさっきの鎧騎士戦から1時間も経っていない
故に今の彼のMPは回復していない
そんな彼に何が出来るのだろうか?
出来るとしたら囮役である
だからこそわざと派手な登場をして相手の注目を集めようとしたのだ
さっきのゴブリンと違って体格に差があるからプロレス技とか通用しそうも無いし

>「青薔薇のユーリの魔法、とくとご賞味あれ」
初めて見る女性がなにか魔法を使おうとしているらしい
はたしてそれを完遂させるまで時間をかせぐことは出来るのだろうか?
179 :グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/24(土) 18:36:55 0
>「…外しても構わんが……貴公の気分を著しく害するものが覗いてしまうぞ」
「ハン!ならゴメンこーむりたいね。満月の後天的人狼だけで十分だからな、そーいうのは」
噛み付くように答えるグラディス。
自分を誤魔化し心を保つためだが、対するゼルフェルドは。

>「…良いだろう…その一つの問いに答えさせていただく………それは『選別』の為だ。
>今は貴公に詳細を語ることはできぬが…何故果たし合うのかという問いへの答えは満たしている…」
そう言うなり、巨躯の騎士は謝りながらマントでグラディスの額を拭いた。
グラディスは一瞬ビクリとしたが、敵意のある行為じゃなさそうだったから放置した。結果が微妙な顔だ。
内心はそれよりも複雑になっている。
恐怖もブッ飛ぶ意外な行動、混乱するのも当たり前だ。

>「……また会ったな、鎧の旦那。
> アンタ気づいてるかい? こっちの方は、アンタが見逃した奴らが逃げた方だって。
> まぁ喰い足りないんだろうが……ちっとばかし言ってる事とやってる事が違うんじゃないのか?」
突如、気配が増えた。発生場所は鎧の後ろ、どうやら男のようだ。
グラディスは驚き、ヨーンは居たって冷静、さてゼルフェルドはといえば。
ちらと視線を動かせば、甲冑の外からでもわかる激昂の雰囲気。
>「恥は承知の上だ。愚かで小さな、一つの命よ。それこそ、何が為に私があの場を引き揚げたと思っている。
>私に対する二度目は、真の武を示して死合う時だぞ………弁えろ…!!!」
恐ろしい形相を浮かべているだろう騎士の言葉を無視しているのか、男は言葉をこちらに投げかける。
>「少年達よぉ、ずいぶんと勇気があるなぁ。
> その溢れんばかりの勇気を、どっかのダメ人間に少しだけ分けちゃくれんかね。
> ……これから死ぬ奴に、死ぬ事を恐れないために。どうよ?」
>「死ぬために来たならさっさと死ね、そんな奴に分けるほど勇気はありあまってねェよ」
どうやらヨーンもイライラしているらしい。

そのとき、聞き覚えのある声が聞こえた。
>「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ!
>“全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」
>「グラディス!話は終了だ!適当にケリつけて引き上げるぞ!」
「聞こえてるぜー、君はそいつ連れてさっさと行きなー!」
グラディスは魔力を溜めて、ゼルフェルドの次の行動に応ずるべくその騎士を見据えている。
180 :グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/24(土) 18:39:38 0
そのとき、聞き覚えのある声が聞こえた。
>「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ!
>“全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」
>「グラディス!話は終了だ!適当にケリつけて引き上げるぞ!」
「聞こえてるぜー、君はそいつ連れてさっさと行きなー!」
グラディスは魔力を溜めて、ゼルフェルドの次の行動に応ずるべくその騎士を見据えている。

ヨーンが倒した木々を跳ね飛ばし、言葉を紡ぐゼルフェルド。
>「……退くのか?ならば今度こそ追いはせん………安心して往くが良い。ただし……」
言葉に続いて出るのは、次の言葉ではなかった。
黒く輝く無数の輪であり、それは繋がって次第に長くなってゆく。
>「折角名乗り合いまでしたのだ………貴公らの武…………一端でも示してからにしてもらおうかッ!!!」
雷鳴の筈の轟音、そして手にされる十字の槍。
風を切り裂き、音を残した一閃はヨーン達へと迫る……!

>「この切っ先…!!届けッ!!雲燿の彼方まで!!!!」

>        ―――――“戦鬼”―――――

「させるかぁぁああああああッ!」
肉体を貫く前に、空間を突っ切る前に弾かれる槍。
弾いたのは蹴り上げた足。
ゼルフェルドの邪魔をしたのは、勿論――グラディス。
横槍を入れられた騎士は驚くだろうが、入れた本人も驚きを隠せない。
「(この俺が反応しきれなかった?『俺が』!『残像しか見えなかった』ッ!?イカレた速さじゃねーか!)」
人狼の底上げされた身体能力を持ってしても捕らえきれない、異常な速度。
それはゼルフェルドの異常さを物語っていた。

驚愕のグラディスだが、跳ね上げた槍は遥か頭上に到達している。騎士は突き出した格好でいた。
「(ショックっちゃーショックだが、邪魔できた!つまり、隙を作れたぁッ!)」
そこを逃すようなへまはしないし出来ない。
蹴り上げたせいでしゃがみ逆立ちのようになった体勢から、強靭な腕力で瞬時にぐるりと前方に回る。
引っかいた土の欠片がパラパラと落ちていく。
「その切っ先届かせねぇー!てめぇーを飲み込んでやるッ!食らえ親父直伝、魔力全力全開ぃ――……」
そしてその勢いのまま、振り上げた両手を地に叩きつけた!

「グレーシャー・ウェェェェ―――――――ブッ!!!」

同時に溜められた魔力が解放される。
それは氷の高波となって、ゼルフェルドへと襲い掛かった。


そういえばグラディスが必死になっているときに上の方で何か聞こえた気がしたが、グラディスには既に認識されていなかった。
181 :ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/24(土) 18:42:30 0
>「何言ってんだよネリー!この姉ちゃんがよぉ、俺達を逃がしてくれるんだぜーっ!
> グラディスとヨーン達もなーっ!」
>「そうだよ!これで私達、全員学園に逃げられるのよ!」
「そうだけど……」
本当に大丈夫なのか、という不安が脳裏によぎる。
>「勿論、あなた達を直ぐに学園に行かせてあげる事は出来るよ
>けれど………」
>「あなたはダメ。これっぽっちも魔法を使えない人を魔法学校へ行かせる訳にはいかないもの
>あと、私の使う移動手段はとってもリスキーって事も言っとかなくちゃならないかな
>説明すると長くなっちゃうんだけど、聞きたい?」
>「ある程度の危険は承知で移動をしたいなら………
>そうね、私に魔法を見せなさいな。それが切符
>間違いなく学園の手前500mにきっちりと移動させてあげるけど、どうする?」

>「………OK。」
>エンカはそう言ってユーリに背を向けた。
>「リリィはテレパシーを出せる。ネリーとグラディスは火を出せる。ヨーンは物を切ることができる。
> この4人はユーリに学園に送ってもらえるってことだ。」
>「グラディス!ヨーン!適当にケリをつけてこっちへ来いよなーっ!
> “全員”が学園まで無事に逃げきる方法ができたからよーっ!」
全員、そう言うがエンカには許可が下りていない。ということは?
>「ちょ、ちょっと待ってよ!エンカは?!」
「そうだよ!全員なんでしょ!?どういうこと!?」
>「俺っすか?(中略)自分の足で学園まで辿りついてみせるからよぉ。」
>エンカはリリィとネリーにそう言った後、ユーリに指をさした。
>「あんたは確かに言ったぜ?魔法を見せたら学園まで移動させるってなぁ。
> (中略)これが俺からあんたにかける“魔法”だぜ。」
走り去っていくエンカを見て、女子二人はその姿に感動していた。
「わあ、格好良い……」
>「エンカって凄い・・・・・・あっ!!エンカ待って、これ!!」
>リリィは持っていた箒の一部を毟り取った後、走り去ろうとしたエンカの背に向かって残りを投げた。
>「私の一部なの!必ず役に立つから捨てないで!」
私の一部、というと何か怖く感じる気がするが。
>「・・・・・・エンカ、笛の音が聞こえた方に向かったみたいだね」
「そうだね……学園に無事に着くといいけど……」
頷くリリィに頷き返すネリー。

>「ユーリさん、あの鎧騎士怖くないんですか?」
「……あれっ、リリィちゃん。今、この人のこと……」
ネリーが言い切る前に、ユーリが先に質問し始める。
>「何故?どうして私の名前を知っているの?私はあなたに名前を知らせていないというのに
>このままじゃ癪に触るから私から名乗らせて貰う」
>「私はエリーゼ・ユーリ・ローラン・デシャン。ユーリと呼びなさいね」
「不思議がらないのかな……あ、えとネリー・コルファーです。
 私のことは好きに呼んでくださいな、ユーリさん」

>「ユーリさん、この場に残った全員を今すぐ移動させることは本当に可能なんですか?」
>「もしも無理なら、私はこの窮地を確実に逃れる方法をとりたい・・・・・・です。
> 全員の移動が無理なら、敵の鎧騎士を、あなたの魔法で思いっきり遠くに移動させてください」
それを聞いてユーリは、青いバラに息を吹きかける。
吹きかけられたバラは美しい花びらを舞わせて、魔法を発動する。
>「そこから真っ直ぐ進みなさい。眼を見開いて歩くのも眼を瞑って走り抜けてもいいよ
>そうしたら学園が眼の前に見えるから」
ニンマリ笑ったユーリは、おどけてお辞儀をした。
自信の表れだろう、流石は学園の生徒である。
>「青薔薇のユーリの魔法、とくとご賞味あれ」
「ありがとうございます!行こう、リリィちゃん!
 それとグラディ、ヨーン君!早く早く!」
礼を言うなり、ネリーはリリィの手を引いて歩き出した。
182 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/24(土) 22:26:50 0
>172>176
>「僕のグレンに何さらしとるんじゃごらぁぁあぁぁぁ!脊髄ぶっこ抜くぞごらぁぁぁぁ!!」
ゴブリンに挑み、逆に返り討ちにあったグレンを見た途端、まるで別人の様な形相でゴブリンを蹴散らすフリード。
うおっ、そこは痛い.........ああ、あんな所にまで...
やり過ぎなので止めようかと思ったが、今のフリードを止めようとすると、戦争になりそうだからやめる
>「僕の大切な存在に手を出した報いです
 じゃあ改めて出発しましょうか………………」
始めて『見せられないよ』が出て来たのを見た
ゴブリン達は生きている様だが、あれじゃあ一週間はまともに歩けなさそうだ。南無三
>「自分にとって大切な存在が虐げられれば誰だって内なる悪魔を目覚めさせるに決まってます
 クレイさん貴方もトレスさんを虐げられれば同じ行動を取るんじゃありませんか?」
「俺か?こいつはかなり丈夫だから、ボコボコにされることはないとは思うが......
まぁそうしようとする奴は逆にボコボコにするがな」
クレイにとってトレスは両親の遺産であり家族でもある。それを傷つけようとくる奴は遠量なくフルボッコだ

「あは……勘違いしてくれてもいいよ。クレイくんがどう思ったのかは知らないケドね」
せっかくの人の忠告を...まったく。この言い方だとわかっててやっている様だ
「ゼルキくん、イこ? それじゃ、また……学園で会えたらいいね」
「ああ、気を付けろよ」

「クレイ様、空気って何のことだかわかりますか?」
トレスが唐突にそんな事を聞いてきた
「は?窒素と酸素の混合物だろ。それがどうした?」
「そう!空気とは特に必要の無い者の事」
「そんな事は言ってない」
「はじめの方は主キャラでしたが、話が進むに連れて出番が少なくなり、とうとういるのかどうかわからなくなる。そんな者をヤムty...空気と言うのです」
「おい。ヤム何だ、何を言おうとした...
そうそう、ヤムtyと言えば喉が乾いたな。トレス、茶をくれ」
自分が何かいけないモノを踏んだ事に気づいていないクレイ
トレスは気にせず水筒を取り出す
「ああ...はい、どうぞ。
...それでですね、私もそんな者達の仲間入りになりそうなんですよ......…」
「ゴクゴク......ふぅ。………んじゃ、なったらいいだろ。
あ、フリード、お茶いるか?」
フリードにお茶を差し出すクレイ
「嫌です!チャオz...じゃなくててんしんh...でもなくて、ナッパみたいになりたくありません」
「何でナッパ!!?伏字すらねぇし」
それにそこまで空気な奴では無い様な気がする。やられてから出番が無いだけだ
「嫌だ!あんな口から光線出す様なハゲにはなりたく無いです!!」
急に騒ぎ出すトレス。何が言いたいんだ、お前は
あと、毛が無い部分はお前も同じだ
「結局私が言いたいのは、私がそうなる前にクレイ様や他の方々が私に構っt」
「五月蝿い、黙っとけ」
五月蝿いトレスをポケットの中に突っ込む。結構キツい
「私がポケットに突っ込まれようと、第二、第三のトレスがぁアバババ」
「とりあえず黙ろうか。うん」
トレスに大量の電流を流す。それはトレスの唯一の弱点だからだ
それ以降、トレスは喋らなかった
183 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/24(土) 22:27:55 0
>178
首刎ねうさぎを見つけた途端、全力で逃げるフリード
>「あれはまずいです!見た目と本当の実力が違うのを絵に描いたような相手です!
 首チョンパされたく無かったら早く逃げないと…………」
>「かわいいから余計危険なんです!誰だってだいたい見た目で判断してしまうから余計危ないんですよ
 この業界見た目が弱そう=本当に弱いとは限らないんですから!!」
業界を出してきたか。ある意味正しい事だけど
>「それより奴とどう戦うかです!
 前の戦いで奴は飛び道具を使いませんでした
 単に卑怯だからなのか使えないのかわかりませんがもしかしたらそれが攻略のヒントになるかも知れません」
確かに攻略の鍵になる可能性はあるが、その対策をゼルフェルドがしていないとも限らない
だが、自分は遠距離型の魔法よりも近距離の格闘戦を得意とするから関係無い
今回は逃げる重視でいくから一応は覚えておこう

>「この切っ先…!!届けッ!!雲燿の彼方まで!!!!」
        ―――――“戦鬼”―――――
>「まてぃ!!」
無駄に高い所で叫ぶフリード
>「乙女がピンチに陥っている時
 誰かが颯爽と駆けつける!人それを『お約束』と言う!!」
何を言っているのかわからない。いや、わかりたく無い
......ん?あんな所にレイヴンがいる。やはり先に行っていたか

「よぉ、ゼルフェルド。さっきぶりだな。
もっとも、今回は長々とやり合う気は無いが」
全力...と言うか身体能力をあげる魔力を使い過ぎると、気が狂ってしまう。わかりやすく言うと、最大の70パーセント位かららしい(トレス曰く)
元々、ほぼ不死身体質のおかげで常人を遥かに超える身体能力をあげる雷属性の魔力を使う事ができるが、その分伝達量が増えて脳が正常ではなくなるためだろう
それでやり合うとしたら、仲間がいない所でやるのがベストだろう

>180
>「グレーシャー・ウェェェェ―――――――ブッ!!!」
狼に変身する青年が、かなりでかい魔法をゼルフェルドに放つ
さて、ゼルフェルドはどうでるのか
184 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/04/25(日) 09:19:23 0
>181
時間は、少し遡る。
「あれっ?そういえば何で知ってたんだろ?
 でも、初めてお会いした気がしないんですけれど・・・・・・・あれれれ?」
リリィは指摘されるまで、自分が、初めて会った相手の名前を知っていることを変だと思っていなかったようだ。
「初対面・・・・・・でしたよね?あれ〜?・・・・・・・あっ分かった!
 きっと極限状態での恐怖体験が引き金で、わたしのなかにねむっていたみちなるぱわーがはつどうしたんだわ
 というわけでおねえさまいきなりのぶれいはいくえにもおわびしますのでどうかわたしたちをみすてないで」
・・・・・・・本人の言ったとおり、極限状態にいるのは間違い無さそうだ。
ユーリはいささか気分を害したようだが、心変わりせず、リリィ達を助けてくれるようだ。
おかげでリリィも立ち直り、まともな会話が出来るようになった。

>「まてぃ!!」 
「うわっまぶしっ?!」
>「乙女がピンチに陥っている時 
> 誰かが颯爽と駆けつける!人それを『お約束』と言う!!」 
光を背負い颯爽と登場するフリード。
「あの声はフリード君!無事だったんだ!!」
隣には変なゴーレムを連れた男性が立っているようだが、闇に慣れた目では逆光でよく見えない。

リリィは知る由も無いが、鎧騎士にとっては、この光だけで十分過ぎるほどの衝撃を与えるだろう。
>『夜は明けた 朝を告げる雄鶏とならん』 
実に暗示的である。

>「グレーシャー・ウェェェェ―――――――ブッ!!!」 
グラディスの詠唱と共に、巨大な氷の高波が発動した。

そして現在。 
「まあそんな細かい所は置いておいて 
 さあ女の子達、僕が助けにきましたよ!! 
 数々の強(?)敵と戦ってちょっとは強くなった所を見せてあげます」 
「フリード君?!よく見たらあなた顔以外はぼろぼろじゃないの!!
 皆も早くこっち来て!逃げないと今度こそ殺されちゃうわよ!!」
バラの香りに包まれながら、リリィは叫んだ。
鎧騎士との会話をきちんと聞いていないのだから、彼女の発言は当然といえば当然である。

>「そこから真っ直ぐ進みなさい。眼を見開いて歩くのも眼を瞑って走り抜けてもいいよ 
>そうしたら学園が眼の前に見えるから」 
>「青薔薇のユーリの魔法、とくとご賞味あれ」 
リリィは目をうるうるさせて頼もしい先輩を見つめている。
>「ありがとうございます!行こう、リリィちゃん! 
> それとグラディ、ヨーン君!早く早く!」 
「うん!ユーリ先輩、本当にありがとう!」
リリィは繋いでいたネリーの手をさりげなく外すと、意を決するように深呼吸した。
「ネリーさん、私が先に行くから!何か変だと思ったらちゃんと立ち止まるんだよー!!」
リリィはそう叫ぶなり、目を閉じて一目散に走り出した。
どうやらユーリの「失敗した時のリスク」の脅しが相当効いたようだ。
「うわーん、怖くない!怖くないもん!!」
途中バラバラという不自然な音を聞いたような気もするが、きっと気のせいだろう。
185 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/04/25(日) 09:22:20 0
>177-178 >180-181 >183 

>148?
足元の地面が突如無くなった。
バラの香りが一気に遠のき、彼女は浮遊感に襲われる。
この感覚は知っている。
飛行に失敗して、高いところから落ちるときの感覚だ!!
「キャ――――――――ッ?!」
僅かな浮遊感の後、リリィは地面に激突――――は、しなかった。

「にゃ、にゃにがおこったの?――――ふぁれ?ここ・・・・・・?」
目を開けて最初に目に飛び込んできたのは、巨大な時計塔だった。
時計の文字盤は夕刻が近いことを示している。
どうやら彼女がいる場所は、どこかの回廊のようだった。
中庭には噴水があり、その周りに配された東屋には、少年少女達が思い思いの姿で寛いでいる。
どうやらユーリの魔法は、無事に発動したようだ。しかし・・・・・。
「500メートルじゃ、ない・・・・・・?!」
果たしてユーリのサービスだろうか?それとも・・・・・・・?

「わわっ!ごめんなさいごめんなさい!!おけがはありませんでしたか?!」
リリィは何度も頭を下げた。どうやら落ちたとき、誰かに何らかの迷惑をかけたようだ。

なおも謝ろうとしたリリィだったが、はっと口を噤んだ。
―――― どうやら、自分の置かれた立場と役割を思い出したようだ。

リリィは、物凄い勢いで目の前の人物の足に縋りついた。
「お願いです!助けてください!」
本人は必死だろうが、縋りつかれた方はいい迷惑だろう。
なにせ服は埃だらけ、靴はドロドロ、ボサボサになった三つ編みおさげには葉っぱや木の枝までくっついているのだ。
中庭にいる生徒達が好奇の視線を向けるのも構わず、リリィは大声でさらに続けた。
「偉い人どこですか?!試験って人殺しですか!
 森の中で変な騎士が大変で襲われてけがして皆死にそうで魔法使えない人は置き去りだって・・・・・・」
そこまで一気にまくし立てた後、リリィはぽろぽろ涙を流し始めた。
これ以上彼女の口から理路整然とした話を聞き出すのは無理だろう。
「お願いだから偉い人にあわせて。皆を助けてって言いに行くからぁ!!」

とはいえ今日はベッドフォード財団総裁が到着する日であり、関係者のほとんどは出迎え準備で忙しい。
学園長室に行っても、彼女の言う『偉い人』に面会できるかは甚だ疑問である。
186 :名無しになりきれ:2010/04/25(日) 09:24:25 0
オイル?
187 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/25(日) 19:18:56 0
>175
エンカは溺れかけた人間の多くがそうするように、あたりを掻きむしるように手を動かした。
「(これでもくらえ…!)」
エンカはその時偶然手に触れた何かを偽スジャータの頭にぶつけようとした。
彼女(?)は今エンカの首筋に噛みついている。
それが何であれ頭にぶつけるのは簡単だ。しかし、
「(…駄目だ…酸素が…足りねぇ…)」
エンカにはもう殴る力が残っていなかった。叫ぶのに酸素を使いすぎたのである。
「(ああ…こりゃ本当にお迎えが来た見たいっすね…音楽が聞こえてくるぜ…
 でもよぉ…普通、天使ってのはラッパを吹いてるもんじゃねぇのかよ…
 バイオリンを演奏しながら光臨するのが最近の流行なのか〜…?)」

> 「音よ、爆ぜろ…!」
> 大きな音符が破裂する。
> その衝撃波で沼の泥も一緒に爆ぜ、沼は枯れた
> 中央では揉み合っている者が二つ
「てやんでぇ!」
呼吸ができるようになったエンカは手に持っていた何かを偽スジャータの頭にぶつけた。
偽スジャータの牙が首から離れたエンカは転がるようにして彼女(?)から距離を取る。
「な、なんだよそりゃよーっ!?」
偽スジャータの姿を見たエンカが叫んだ。
沼に水が溜っていたときにはわからなかったが、彼女(?)の膝から下は木の根になっている。
「さっきは沼に水が溜ってたから見えなかったけどよぉ!こいつは木なのかよ!?
 根っこから上だけ人間に擬態して、ホイホイ釣られた奴を餌にしてきたわけだなーっ!?」
木の根から上が変身した。今度はエンカの姿に変わったのだ。
>「危なかったぜぇ。さっきの水をはじきとばした魔法はお前のだよなぁ?」
偽エンカが近寄ってきたオウカにそう話しかけた。
ここで、やっと本物のエンカもオウカの存在に気づいた。
>「ありがとよ。さっき笛を吹いたのもあんただろ?俺はエンカ・ウォンだ。
> あんたと同じ学園の新入生だぜ。あんたは何て名前なんだ?」
「うるせぇ!俺の姿に化けて勝手に喋ってんじゃねーぜ!」
>「そうか、オウカ・カナデっつーのか。へぇ、よろしくな。
> ところで、ちょっと背中がかゆいんだよな〜。いきなりで悪いがかいてくれねぇかな〜?」
「ああん!?」
偽エンカはオウカが何も言ってないのに彼女の名前を言った。
スジャータに化けた時からそうだったのだが、どうやらこの木は人間の頭の中にある情報を読み取れるらしい。
「おいオウカ…って名前で間違いねぇよな?早くここから離れた方が良さそうだぜ!
 この木に頭の中を読まれて、のっぴきならねぇ状況になる前によぉ!」
エンカは再び木に視線を戻した。その木は再び別の人間の姿に変わっている。
エンカはその人物に心当たりがないので、おそらくオウカの知り合いだろうとエンカは思った。
「どうやら奴は自分から動くことはできねぇみてーだしよぉ…」
188 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/25(日) 23:15:55 P
>180>183>184
>「フリード君?!よく見たらあなた顔以外はぼろぼろじゃないの!!
  皆も早くこっち来て!逃げないと今度こそ殺されちゃうわよ!!」

「分かりました。でも逃げるのは最後です!とう!!」
思いっきり高いところから飛び降りるフリード
地面にまっすぐ着地するフリード

ぐぎゃ

足の骨が折れる嫌な音を奏でるフリード
「ウボァー………でも泣きません初めて好きになった女の子が
 実は女装少年だった時の心の痛みに比べればこんな痛みなんて!!」
フリードは以前にレイブンに言った
”女装少年と本物の女の子の見分け方を教える”と
それは自分と同じ悲しみを味わう人間を減らすという思いからである
いわゆる”悲しい過去”は生きていれば誰にだってある
だがよりによってこんな悲しい過去は嫌すぎるだろう
はたから見ればギャグだが本人にとってはショックが大きかった
この時フリードはあまりのショックで腰まであった長い髪をぶった切り3日間寝込んだ
ちなみに相手の方もフリードを女の子と認識していたらしい
相手の方はなんとも思ってなかったのでなんだ男か………の一言で終わったそうな

「にゃ〜」
(これは折れてるなメディック!メディック!!)
自爆して完全に折れているフリードの足を心配してにゃぁにゃぁ言うグレンダイザー
お前ら何しに来た
189 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/25(日) 23:18:09 P
「仕方ありませんグレン!ソウル・ユニオン超下克上合体です!!」
何が仕方が無いのか不明だがこのままでは動けないので合体を試みるフリード
ソウル・ユニオン超下克上合体!それは通常の逆で使い魔が主で
主人が従になる通常のソウル・ユニオンの逆の形態である

原作版真ゲッターみたいなモーフィング合体の後に現れたのは
白鳥の翼を持った人間体系の長靴を履いた猫の剣士であった
身長130cmの(猫感覚で)巨体!!贅肉の殆どない引き締まった(同じ身長の子より重い)ボディ
だがしかしかかし魔力が無いので剣の刃を生み出すことは出来ない
これじゃあ戦えない……………意味無いじゃん

ちなみに何故白鳥かと言うとノクターン家の家紋が飛び立つ白鳥だからである
「最初に言って置く!この羽根は飾りだ!!」
フリードの能力である共通語を話す能力で喋るグレン・ダイザー
羽生えてるのに飛べないのかよ………駄目駄目じゃん

まあそもそも人間と合体したのに羽がある方がおかしいのである
練習すれば飛べるかも知れないが初合体では無理だろう常識的に考えて

戦場では狼男がもう戦っている
(わんわんですねにゃんこはここにいますしあとはコンコンとウサウサですね) 
何がですねなのかは不明だが残念ながらコンコンはいてもウサウサはいない
「…………でどうするの?」
(貴方がメインなら僕は痛みを感じません。挑発しながら逃げまわってください
 シリアスな敵ほど搦手や奇策やギャグに弱いはずです
 そもそもシリアスに強い敵にシリアスで挑んだって勝てるわけがないんです
 ギャグでおちょくって相手のペースを崩す。これがノクターン家の戦い方です
 挑発して相手の注意を引きつけ非戦闘員がゲートにより全員脱出後、僕らも離脱しますよ)
畑から見ると一人会話なグレンSUフリード

「挑発たって………」
とクレイに助けを求めるように視線を泳がすグレン
あ、トレスと目が合った
そういえばトレスってツインアイなのだろうかモノアイなんだろうか?

「やぁい!性別不明の鎧野郎!!ゼ●ガー・ゾンボ●トもどきぃ!!」」
しょせん猫のボキャブラリーではこの程度の悪口しか言えなかった
190 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/26(月) 00:57:34 0
>162-163>166-167>179-180>182-183>188-189
どうやら逃げ切れる算段がようやく立ったようだ。
悪態をついた目つきの悪い少年も、放っておけばいいのに
わざわざ自分を引っ張って避難させる辺り悪人になりきれないらしい。

「……ゲホッ……どうせ引っ張るならもうちっと
 負担のかからない所を持って欲しかったがね……いらん。
 今更、薬でどうにかなる負傷じゃない。他の奴に使ってやれ……」
事実である。


ゼルフェルドの一撃を狼少年が弾いたのが『視えた』。
素晴らしい反応速度、確かにどちらも強い。磨けば光るだろう。
……だから無性に腹立たしい。


「……だから、フリード。俺が何で怪我も治さんと身体張ってるか、分かってないだろ?」
そのまま高台にいればいいものを、わざわざ下りてきて足を折るとか。
なんなの?バカなの?死ぬの?
「クレイ! フリードをしっかり見とけって言っただろ!
 ……お前達にも聞こえただろう、森から出る手段がある。
 ここの二人も連れて先に行け! ……拒否は許さネェ」

そこまで言って懐から煙草を取り出し火をつけた……
咥えて煙を吸い込む鴉の姿が変貌していく。


   程よく締まった体つきが、筋骨隆々に

   大人になりきれていなかった顔立ちが無骨に変わり皺が走り

   濡羽色一色だった髪の半分ほどが白髪へと


その光景を見ていたなら、十数年分の年月を早送りで見せられている気分になっただろう。
レイヴン、今年で34歳。『第三の眼』に年齢を半分にさせられてしまっていたのだ。
元々ツリ眼気味だった目つきはさらに鋭く、同時にくたびれた気配をまとい
しっかりとしていた足取りにも気だるさが混じっている。
されど、息が詰まるほどの殺気がそれらを感じる事を許しはしないだろう。


「……若造共に年上への礼儀なんぞハナっから期待しちゃイネェがな。
 いい加減にシロ坊主ドモ、これはケンカじゃネェ……殺し合いだ」
タバコを咥えたまま刀を鞘から抜き放った。刀身が、青く発光し揺らめいている。
その右で持った刀を軽く宙に放り、左手で柄を握って袈裟斬りに振り下ろすと
剣閃の軌跡に青の輝きが宿り刃となってゼルフェルドへと駆けていく。


「いいかテメェら、三人以上いる時に撤退する場合は必ず殿を立てろ!
 全員で揃って背を向けるってのはナァ、殺してくださいって言ってるのと同じだ!
 それに、敵は目の前だけとは限らねぇ。最後まで気を緩めるなヨ!
 コノ場合は俺が殿を務める、分かったらサッサと行け!」
ゆっくりと、地面を踏みしめるようにゼルフェルドへと歩を進める鴉。
その額にははっきりと『第三の眼』が開いていた。
191 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/26(月) 02:00:14 0
>189
>「仕方ありませんグレン!ソウル・ユニオン超下克上合体です!!」
足を骨折したフリードが、またあの猫と合体する様だ
何だ?超下剋上合体て。どこを超えたんだ?

知る人は知っているが自分は知らない変身のあと、白い翼を生やして長靴を履いた人型の猫になった
......小さい頃に読んだ『長靴を履いた猫』を思い出すな。それには羽はなかったけど
>「最初に言って置く!この羽根は飾りだ!!」
だろうね!!そうだと思ったよ
取っちまえ、と言いたいところだが、それは痛いと思うからやめておく

>「…………でどうするの?」
どうやらあの人型猫の中では、フリードとグレイが話し合っているようだ
外見から見て、表にいるのはグレイだろう
>「挑発たって………」
脳内会議の結果、ゼルフェルドに挑発をするようだ
だが、相手が相手だ。並の挑発では意味が無いだろう。例えば、相手の騎士道を傷つけるモノなら効果がありそうだ
人型猫が助けを求めるようにこちらを見る。いつの間にか復帰したトレスと目が合ったようだ
「私はモノアイです」
急に何を言い出すんだ、この球型ロボットは

>「やぁい!性別不明の鎧野郎!!ゼ●ガー・ゾンボ●トもどきぃ!!」」
猫が考え出したとは思えない言葉だ。フリードの影響だろうな
しかし、この程度の挑発じゃあ、あいつには効かないだろう

「ふむ。では挑発マスターこと私がやりましょう」
いつの間にそんな称号を得た
嬉しそうなのは、脱空気者になったからだろうか
「トレス、やり過ぎるなよ。あんまり相手を怒らせては、あとが面倒だ」
あのゼルフェルドがしつこい奴だとは思えないが、あんまり侮辱したら本気でやり合う羽目になる
それはごめんだ
「わかっております。相手が黄金色になる程度にしますから」
「もういい、やめろ」
「それでは、ロボットとゴーレムの違いについて話しましょうか?」
「話してどうなる」
192 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/26(月) 02:03:33 0
>190
>「クレイ! フリードをしっかり見とけって言っただろ!
 ……お前達にも聞こえただろう、森から出る手段がある。
 ここの二人も連れて先に行け! ……拒否は許さネェ」
そう言うと、レイヴンは煙草を口にして火をつけた。すると、レイヴンの姿が変わっていく

信じられないモノを見た気分だ
今のレイヴンの姿はどう見ても三十代。それに額には目が見開いてある
自分もおかしな体質だが、レイヴンのも相当不思議だ
それに...
{なるほど。俺の二倍ほど生きているだけはあるな}
恐ろしい殺気だ
クレイの顔から汗が1滴落ちる
レベルが違う。正直、普段の自分では敵わない

>「……若造共に年上への礼儀なんぞハナっから期待しちゃイネェがな。
 いい加減にシロ坊主ドモ、これはケンカじゃネェ……殺し合いだ」
>「いいかテメェら、三人以上いる時に撤退する場合は必ず殿を立てろ!
 全員で揃って背を向けるってのはナァ、殺してくださいって言ってるのと同じだ!
 それに、敵は目の前だけとは限らねぇ。最後まで気を緩めるなヨ!
 コノ場合は俺が殿を務める、分かったらサッサと行け!」
「......おい、フリード、それにお前ら2人。行くぞ」
本来なら性格上、仲間を置いて逃げることはしないクレイが、このようの判断を下した
「レイヴンの言う通りだ。反対する者は力ずくで連れて行く。両足両手を全部へし折ってもな」
クレイの目は本気だった
193 :ゼルキ・ルオーム ◇W4.8/a5CZg[sage 代理投稿 >207]:2010/04/26(月) 12:19:31 0
>>165 >>172 
「……」
自己紹介を返してきたクレイとフリードに対し、しかしゼルキは返事を返さなかった。
いや、クレイの言葉に返事を返そうとしたが、フリードの言葉を聞いて
それをやめ、警戒の姿勢を強くしたというのが正確な表現になる。

(……ゴブリンがいくら悪辣だからって、それは嬲り者にしていい理由にはならないだろ。
 やるなら、躊躇わず殺すか、急所を狙って即座に行動不能にすればいい。
 少なくとも、この島にいる限りここのゴブリンは悪事を働けない筈なんだから)

どうやらゼルキは、フリードの言葉に嫌悪感を感じ、彼が善人ではないとその心中で確信したらしい。
ゼルキの性格を鑑みれば、それは仕方が無いと言えるだろう。
一見フリードの言った事は正論に聞こえるが、襲ってきた以外のゴブリンを、
少なくとも、傍から見る限りでは遊び目的の様に嬲っており、更にそれに対して
反省の欠片も無いとも、取ろうと思えば取る事が出来るのだから。
それは、少し独善が行き過ぎる気のあるゼルキにとっては看過できないだろう。

だが、この時点でゼルキは感情的になるあまり一つの事を失念していた。
それは、先程自身が言ったブラフ。つまり、この状況でゼルキとルータに攻撃の
意思といった物をフリードとクレイが見せなかった以上、二人が本気で誰かを助ける為に
歩いていた可能性があるという事。
感情でそんな事を忘れてしまう辺り、ゼルキが今の時点で正義を語るに
値しない未熟な人間である事が伺える。
そうして、煩悶を抱えながら二人の後ろ姿を睨んでいたゼルキに
声が掛けられた。その声を聞いたゼルキは、ハッと目が覚めた様に後ろを振り向く。

>>176
>「ゼルキくん、イこ? それじゃ、また……学園で会えたらいいね」

「えっ……あ、ああ。うん、分かった。行こうルータさん」

そう言ったゼルキは、自分自身でも理由が判っていないのだろうが、
何とはなしにバツが悪そうに左手で頬をかき、空を仰いだ。

>>170

「あ……」

そして、仰ぎ見たそこには虹の橋。その虹の先はルータのダウジングが
指し示した方角と同じだった。どうやら、入学試験の終わりも近いらしい。
194 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/27(火) 00:15:05 0
>>190-193>>180-185
>「……ゲホッ……どうせ引っ張るならもうちっと
> 負担のかからない所を持って欲しかったがね……いらん。
> 今更、薬でどうにかなる負傷じゃない。他の奴に使ってやれ……」
「あー…そう?結構これ効くんだけどなァ…」
そんなことを言っていると雷鳴の轟音が鳴り響き黒騎士が十字を手にしている。
(なんだ…ヤバいぞ…!?)
背筋が凍りつくこの感覚…全てを絡め取る暴威。
久しくなかった脅威に全身が粟立つの感じる。

>「この切っ先…!!届けッ!!雲燿の彼方まで!!!!」

>        ―――――“戦鬼”―――――

>「させるかぁぁああああああッ!」
貫かれる!そう確信した時、グラディスが槍を蹴りあげる。
「おいおい…何の冗談だ…」
間一髪で助けられた…グラディスの介入がなかったら、
槍先で血を流し、事切れていたのは自分だったのだ。
ヨーンにとってショックだったのは、黒騎士の想像以上の強さ、
そして速さ…しかしそれ以上にグラディスの動きすら全く視界に捉えることができなかった。
その後もグラディスの魔法を見ながらただ茫然とたちつくすヨーン
>「ありがとうございます!行こう、リリィちゃん!
> それとグラディ、ヨーン君!早く早く!」
それはネリーの声が聞こえても、フリードが登場しても変わることはなかった。
>「クレイ! フリードをしっかり見とけって言っただろ!
> ……お前達にも聞こえただろう、森から出る手段がある。
> ここの二人も連れて先に行け! ……拒否は許さネェ」
(ここの二人も連れて行く…?オレのことか…?)
戦力外とみなされたのか、それとも単純に邪魔なのか。
新しく現れたクレイとフリ―ドにヨーンとグラディスを連れ出すように告げている。


そして懐から煙草を取り出し火をつける。
特に何も趣向を凝らしているようには見えない煙草だが
吸い込むレイヴンの姿が変貌していく。
195 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/27(火) 00:15:50 0
> 程よく締まった体つきが、筋骨隆々に

> 大人になりきれていなかった顔立ちが無骨に変わり皺が走り

> 濡羽色一色だった髪の半分ほどが白髪へと

まるで人の成長を先送りで見させられているようだった。
とても10代の人間とは思えない…いや、元々10代ではなかったのだろうか?
くたびれた様子だが、突き刺さるような殺気を全身から発散させている。
>「……若造共に年上への礼儀なんぞハナっから期待しちゃイネェがな。
> いい加減にシロ坊主ドモ、これはケンカじゃネェ……殺し合いだ」
>剣閃の軌跡に青の輝きが宿り刃となってゼルフェルドへと駆けていく。
(これが普通なのか…?これがここの常識なのか?ならオレは…)
あまりの常識離れした光景。自分以外は魔法が使えないという環境で育ってきたヨーンにとっては
目の前の闘いはレベルが高すぎた。来る前、正直ヨーンは期待していた。
もしかすると自分など霞んで見えるほどの奴らがいるかもしれない、と
しかし、それはあくまで自分が強いと考えてるからこそくる驕りで、結局は本気で自分が弱いとなんて考えてなかった。
「そっかァ…オレ甘く考えすぎだろ…嫌んなっちゃうなァ…」
何かに気付いたように溜息をつきながらヨーンは呟く。
さきほどのまるで生気が抜けたような表情からは脱却したが、
今度は自分の甘さや情けなさに辟易しているようだ。

>「いいかテメェら、三人以上いる時に撤退する場合は必ず殿を立てろ!
>全員で揃って背を向けるってのはナァ、殺してくださいって言ってるのと同じだ!
>それに、敵は目の前だけとは限らねぇ。最後まで気を緩めるなヨ!
>コノ場合は俺が殿を務める、分かったらサッサと行け!」
>「レイヴンの言う通りだ。反対する者は力ずくで連れて行く。両足両手を全部へし折ってもな」
「ふぅ…力ずくも何も…オレが居たって役には立ちそうもねェよ」
そういってフラフラと歩きだし、青薔薇の方へと歩きだす。
途中でこの魔法を作りだしているユーリと目が合うが、意気消沈といった感じで、
感謝どころか挨拶もないまま青薔薇の中へと入っていった。
196 :桜花 ◆CBcqW9.llE [sage]:2010/04/27(火) 13:28:04 0
>>187
>「てやんでぇ!」
(親父か…)
とりあえず心の中で突っ込んでおく
>「な、なんだよそりゃよーっ!?」
>「さっきは沼に水が溜ってたから見えなかったけどよぉ!こいつは木なのかよ!?
> 根っこから上だけ人間に擬態して、ホイホイ釣られた奴を餌にしてきたわけだなーっ!?」(初歩的な相手か…やれやれ、ほんとにどうしようもないのが釣れたな)
(初歩的な相手か…やれやれ、ほんとにどうしようもないのが釣れたな)
心の中でため息をつく桜花
>「危なかったぜぇ。さっきの水をはじきとばした魔法はお前のだよなぁ?」
>「ありがとよ。さっき笛を吹いたのもあんただろ?俺はエンカ・ウォンだ。
> あんたと同じ学園の新入生だぜ。あんたは何て名前なんだ?」
>「うるせぇ!俺の姿に化けて勝手に喋ってんじゃねーぜ!」
>「そうか、オウカ・カナデっつーのか。へぇ、よろしくな。
> ところで、ちょっと背中がかゆいんだよな〜。いきなりで悪いがかいてくれねぇかな〜?」
>「ああん!?」
人型をした木から声をかけられる桜花
(なるほど、読心を使えるのか。認識を改めよう。中級クラスか…)
>「おいオウカ…って名前で間違いねぇよな?早くここから離れた方が良さそうだぜ!
> この木に頭の中を読まれて、のっぴきならねぇ状況になる前によぉ!」
>「どうやら奴は自分から動くことはできねぇみてーだしよぉ…」
「ああ、そうだな、エンカさん…であっているのだろうか?
 のっぴきならない状況になる前にな」
戦わなくてもよい状況なら無駄に疲れる事もない。そう判断した桜花はエンカの案に乗る
その間、人型の木は新たに姿に変えている。おそらく音的に桜花の父だろう。
「とりあえず、森の中で喧騒が大きくなってきている。
 貴方は誰か連れがいるのか?その人は森で喧騒を立てる与太郎ではないのか?」
エンカの話を聞く限りどうやら違うらしい。
「とにかくここから離れよう。音からすると学園はあちらのようだ」
木から離れていく桜花とエンカ

しばらく歩いた後
「エンカさん、貴方は首に怪我があるな?先ほどの木との戦闘でか…」
そういってトランクをあさり出す。
「首を出してくれ、深くないにせよ応急処置は必要だ。」
包帯とガーゼをトランクから取り出しエンカを座らせる。

桜花の応急処置ははっきり言って下手だった。
「…すまないな、目が見えないから細かい作業が苦手なんだ…」
自重気味に笑う桜花。

>「……若造共に年上への礼儀なんぞハナっから期待しちゃイネェがな。
> いい加減にシロ坊主ドモ、これはケンカじゃネェ……殺し合いだ」

「…!?」
桜花の耳はとてもいい、とてつもなくいい
その声が遠くの声を捕らえた
「やれやれ、試験を殺し合いと勘違いしている与太郎がいるようだな。
 さっきからの喧騒もこの与太郎どもの音か…」
桜花は思考する。学園まではあと少し、エンカ一人でも到底迷う距離ではない。
「…エンカさん、私は少々予定が出来た。ここから真っ直ぐに行くんだ。とにかく真っ直ぐだ。
 二十分もしないうちに学園につける。私にはついてくるな、いいな、けしてついてくるなよ。」
そういって桜花は駆け出す。真っ直ぐ与太郎たちの地点まで
197 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/27(火) 19:07:52 0
>196
> 「とりあえず、森の中で喧騒が大きくなってきている。
>  貴方は誰か連れがいるのか?その人は森で喧騒を立てる与太郎ではないのか?」
「いや、いねーよ。さっきまでは一緒だったが、わけあって別れたからよぉ。」
> 「とにかくここから離れよう。音からすると学園はあちらのようだ」
「音…っすか?」
> 木から離れていく桜花とエンカ
「(とりあえず、さっき笛を吹いてた新入生と合流できたのは良かったぜ。
 それにしても、オウカ。こいつはずっと目をつぶっているみてぇだが…
 なんか俺が一人で歩いてるとよぉ、何故か瞳の色が見えない奴に出会うよなぁ〜。)」
エンカは振り返って先ほど騙されたホイホイの木(と、エンカは名づけた)を見た。
「(沼があった場所から俺達が離れると普通の木に戻るみてぇだなぁ。 
 あの木、半分から上を雷に吹き飛ばされたみてぇだぜ。
 この森の腐った水と魔力を長い年月吸って、モンスターになっちまったのかなぁ?)」
こんどはホイホイの木を殴った謎の物体を見た。エンカの命をつないだ一品である。
「(なんとなく持ってきちまったけどよぉ。何なんだろうなこれは?
 最初は瓦かと思ったけど、この世界にあるわけねぇしよ〜。
 泥が石みたいに固くこびりついてるせいで、これが何かぜんぜんわからねぇぜ。
 でも、ホイホイの木の犠牲者の遺留品だとしたら、ゾッとするぜ〜。)」

> しばらく歩いた後
> 「エンカさん、貴方は首に怪我があるな?先ほどの木との戦闘でか…」
「ああ、さっきからなかなか血が止まらねぇぜ。困った事によぉ、
 持っていた包帯と塗り薬をダチに貸したまんまだから、どーにもこーにもできねーよ。」
> 「首を出してくれ、深くないにせよ応急処置は必要だ。」
> 包帯とガーゼをトランクから取り出しエンカを座らせる。
「悪いなぁ。そうしてもらえると助かるぜ〜。」
> 桜花の応急処置ははっきり言って下手だった。
「………まぁ、血さえ止まればOKだぜ?」
> 「…すまないな、目が見えないから細かい作業が苦手なんだ…」
「おん?やっぱり目が見えなかったのかよ。ずっと目を閉じてるから、もしかしてと思ったけどよ〜。
 目が見えねぇのに杖無しで大丈夫なのか?さっき音がどーのこーの言ってたが、
 コウモリが暗闇で超音波の反射を頼りに飛ぶみてぇによぉ、周りの状況を音だけで把握したりできるのかよ?」
エンカには聞こえなかったが、まさにこの時オウカは遠くから聞こえる声に意識を集中していた。
> 「…エンカさん、私は少々予定が出来た。ここから真っ直ぐに行くんだ。とにかく真っ直ぐだ。
>  二十分もしないうちに学園につける。私にはついてくるな、いいな、けしてついてくるなよ。」
> そういって桜花は駆け出す。
「わかった!ありがとよオウカ、また学園で会おうぜ!
 なんたっておめぇは命の恩人だからよぉ!お礼をさせろよなーっ!」
エンカはそう叫んでオウカを見送った。
「けしてついてくるなと言われるとついて行きたくなるけどよ〜。
 “鶴の恩返し”とか、“イザナギとイザナミが黄泉の国で会う物語”とか知ってるからよ〜。
 女の子が“けして○○しないで”とか言ったら素直に聞いちゃうぜ俺は〜。」
そしてエンカは一人で歩いていった。まもなく学園に到着する予定である。
198 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/27(火) 20:20:58 0
>「させるかぁぁああああああッ!」

「ううっ…!!?」

何が起きたか理解する前に、腕に重い衝撃が走り、槍先がブレた。
突き出した槍の柄を、横から急に飛び出してきたグラディスが思い切り蹴り上げたのだ。
よくもやる……こう無茶をされては、何かのミスで殺してしまうかもしれない。それだけは避けねば…
だが、手加減などと甘いことは出来ない。せめて刃を使わず闘うぐらいか。
決めるやいなや、突き出した姿勢のまま槍を横に大きく薙ぎ払う!
しかし、何とこれも弾かれた。いや、正確には「吹き飛ばされた」のだ。

>「グレーシャー・ウェェェェ―――――――ブッ!!!」
大きく振りかぶったグラディスがその両掌を地に伏せると、強力な氷の波動が吹き上がり、周囲を凍て付かせる!
何とも強大。正面から撃ち破るのはゼルフェルドといえど流石に気が引けた。
が。やはり、と構えなおす。結局自分のスタイルはいつも正面突破だ。今更変えるつもりもない。
「…いいだろう……ならば、いざ見るが良い……消えることなき、煉獄の呪焔を………!!」
十文字槍をその場に突き立て、マントを翻すと、腰からその巨体に見合わぬ一丁の小さな銃を取り出し向ける。
“銃”といっても、戦争に用いられるようなものではなく、あくまで趣味的な、眺めて満足する為に作られたようなものである。
細部まで細かく美しい金銀の装飾が施され、見惚れるほど美しいが、やはり実戦向けには思えない。
何よりこんなものを十発、百発撃ったところで、あの迫り来る氷嵐の前には意味を成すまい。
……………発射されるものが、「ただの弾」ならばの話だが……


「この焔……水などでは決して消えぬぞ、注意せよ…!」
言い放つと同時に、銃身に大量の黒く滾る極焔の魔力を注ぎ込む!
そんなことをすれば、ただの観賞用程度の銃なのだ。簡単に壊れてしまうだろう。
しかし、これはゼルフェルドの鎧と同じく、特殊な魔力の加護を受けた魔銃である。
その小さな銃身で膨大な量の魔力を受け止め、収束し、銃口にて黒く唸る焔が震える。

「  発  射  《ファイヤー》  !  !  」

大量の爆薬が一度に爆ぜたような、常人の鼓膜では耐えられぬであろう程の爆音が、周囲の木々を揺らす。
黒い火球は弾として飛距離を稼ぐわけでもなく、遠慮なしに銃口で大爆発したのだ。
もとよりこういう技だ。ゼルフェルドは弓以外の飛び道具があまり好きではない。
爆風は見事に吹雪の壁を打ち払い、吹き飛ばされたのであろうグラディスは、ただただ驚愕とした顔をこちらに向けてくるのみ。
しかし、驚いているのはゼルフェルドも同じこと。意識していなかったとはいえ、初撃の槍を蹴り弾き、
実に強力な氷系魔法まで喰らわされそうになったし、自分はそれに一瞬でも「焦り」を覚えた。本当に強い少年だ。
突き刺しておいた槍を抜き拾うと、どこか昂った様な、しかし冷静な様子で彼に向き直る。

「見事だ…グラディス・ウルフォード。貴公の武、しかと視た。もう私に付き合う必要はない…
………強い力の流れを感じる…学び舎に往く為の手段とは、あれのことか」
空間に魔力が集中している箇所がある。まさか本当にそんなことの出来る仲間がいたとは…
興味はあるが、いちいち見物させてもらおうなどとは思ってないし、させてもらえるとも思っていない。
「既に何人か跳んだようだな………気配が消えていく。貴公も往くがいい。不意打ちなどはせん。
…それとも、余裕があるなら、まだ自分の可能性を確かめておくかね…?」
十文字槍を振るってズイッと向ける。冗談だが。
199 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/04/27(火) 20:22:06 0
困っているグラディスに背を向けると、招かれざる者達へと向き返る。
三人全員先程挑み、武を確かめた、クレイ、フリード、レイヴンである。
そういえばさっき>「乙女がピンチに陥っている時
 誰かが颯爽と駆けつける!人それを『お約束』と言う!!」
だとか、名乗り文句のようなものが聞こえた気がしたが、気のせいじゃなかった。間違いなく言い放ったのはフリードであろう。
よくわからない内に今度は猫の姿などになっているが……何だろう、体の支配権でも奪われてしまったのだろうか。
あの猫は実は精神寄生体か何かだったのだろうか。

>「最初に言って置く!この羽根は飾りだ!!」
「……そうか、ならば付いている意味もあるまいな。後ろから破壊してやろうか」
>「やぁい!性別不明の鎧野郎!!ゼ●ガー・ゾンボ●トもどきぃ!!」
「何だと貴様………私の太刀はどちらも形状が変わったりなどせん」

……時々、人間という生き物が解らなくなる時がある。
見れば、何やらクレイの方まで何か言おうとしている様子。頭痛がしてきた…
「…もういい。貴公達とは先程闘り合った。力も確かめた。
ここで二度目を展開するつもりは元よりない………往け、仲間も待っているだろう」
太刀を収め、槍をニ、三度振り回す。全てとはいかないまでも、そこそこ程度の人数とぶつかり、実力も知れた。
収穫としては十分だ。後は機を見計らい、今頃到着したであろうベッドフォード財団に合流を果たせば、主な役目は終わる。
……………否、始まるのか。


ゼルフェルドは撃神の隣に立つと、しっかとその手綱を握り、撃神を方向転換させる。
背後から近付いてくる気配を、気にも留めず。
>「……若造共に年上への礼儀なんぞハナっから期待しちゃイネェがな。
 いい加減にシロ坊主ドモ、これはケンカじゃネェ……殺し合いだ」
どうやら今度こそ何か変質したレイヴンがフリードやクレイに檄を飛ばしている。
しかし、自分はこれ以上の戦意もなければ、ここに留まるつもりもない。殿など全く持って不要なのに…
先程のヨーンがそうだったように、こちらもまた苛立ちが含まれた声になってしまう。

「いい加減にせよ、餓鬼。これは殺し合いではない、いつか来るべき時の為の準備だ。
『選別』には意味がある。それによって命が消えることなど、あってはならないことなのだ」
そして、と付けたし、ようやくここで振り返る。
そこには、暗い少年の姿などなく、筋骨隆々の屈強な男が立っていたが、やはりゼルフェルドは気にしない。
注意を引くのは外見の変化などではなく、その額に開き、不気味に輝く「眼」。

「……その『眼』………それに覚えはないが、憶えはある」
哀しみに暮れる紅い眼光が、ふぅっ、と消える。憶えているが、憶えていない。
知ってはいるが、知っていない。記憶が不意に浮き沈みする度に、思い出すなと閉ざされる。
「……………危険な………いや…ある種邪悪な……私はその『眼』が嫌いだよ…」
撃神に跨ると、ただ当てもなく、森の中へと歩を進める。レイヴンは何ぞ考え事でもしているのか、追ってはこない。
一旦ここから離れる必要があるだろう。今すぐ学園に向かうことは出来ない。連絡でも待たねば……

しばらくはこの森ともお友達だ。仲良くやっていかねばなるまい。
忍ぶ撃神は、とてもゆっくり歩いている。そろりそろりと足音も立てずに。
「………?……」
だからこそ、静かな森の中ではどんな音も良く響いた。
足音だ。それも走っている。まだ生徒がいたのだろうか、などと思いつつ撃神から降り、巨躯を屈めて様子を窺う。

「……女子、か…………」
走っていたのは一人の少女だった。しかし、何故か目を閉じながら森を疾走している。
転んでしまうだろうに。それとも集中力を高める為の訓練か何かだろうか。
何にせよ、女性に対して武器など不要。ここは何事もなく通り過ぎよう。
そう思って、槍を光輪に分解したのが悪かった………


キィンッ!っと鋭い金属音と共に十文字槍は黒の光輪に還り、ゼルフェルドのどこかに取り込まれていくが…
この音はこんなに大きかったのか!おまけに自分自身驚いて「あっ…」とか言ってしまった…嫌になる…
とりあえずどうしようもなく、判断に困った末、何となく撃神に跨った。
少女が自分の足音でこちらには気付いていない…と信じて、愛馬の上から少女の様子を窺う。
200 :レイヴン ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/04/27(火) 21:45:12 0
既に戦いは終わっていた。少なくとも、ゼルフェルドは終わらせたつもりなのだろう。
追う気にはなれない、もう追うだけの体力も気力も残っていないのだ。
その場には鴉だけ、他に誰もいない。タバコの煙を吐き、虚空を見つめ嘆息。
「トリあえズ、人死にハ出なカッたな……
 殺スしか能のネェ俺にシチャ……上出来ナ部類かね。
 ……アア、俺も嫌いダヨこンなクソッたれな眼ハな……
 ……テメェは、テメェモ、結局殺スンだろう?
 決闘ダなンだ……命が失ワレる事に変わりはネェだロう……
 ダカラ、俺にトっちャ殺シ合いにナルのさ……

 殺し合いなンてゴミ以下の所業ハなぁ、俺達ミタいなバカな大人だけがやってリャいいンだ。
 勝手に殺し合ッて勝手に滅んジマえばいい。準備だノ選別ダの、テメェらの都合なンざ知るカ……
 ……俺が言えタ義理ジャネェ。俺も、俺ノ都合ヲ、殺シタ連中に、押シ付け、たンだから、ナ……」


ぎこちない動きで吸い切ったタバコの先端を指でつまんで消化しポイ捨て。
きちんと土に還るので問題はないがマナー違反である。
……指は熱を伝えなかった。体に走るのはただ、血が失われ冷たくなっていく感覚のみ。
巻き戻されていた記憶が引き摺り出され、脳裏に浮かぶのはかつて自分が助けた少年。
その少年の家族を殺し、復讐に走らせた己が所業。そして後ろから自分を刺した時の、少年の憎悪に歪んだ醜い顔。
「――――生きる為に殺シ、殺すために生キテキた俺ダ。
 そンな俺の、死に様ハ……ヤハリ、遺サレタものノ手デ……
 ショセン…オレノ、ソンザ、イナ、ンゾ…戦バノ、ハグ、ル、マ……カ…











時は進み、後ろから抉られる様に胸部に風穴が開く。
眼の輝きも無くなり、されど死後硬直ゆえ地に伏せる事もその手の『月光』と銘打たれた刀を
手放す事も許されず……齢4にして人を殺す事を世界に強要され、30年もの間
血と死と破壊、そして憎しみが渦巻く戦場でしか生きられなかった男は『二度目の死』を迎えたのだった。
一度目の死を追体験すると言う咎人への罰、その一つ目を受けながら―――――――。





その肩に漆黒のハヤブサが一羽、微塵も振動を伝えずに止まる。
死骸と同じ虚空を見つめたままその『ハヤブサ』は呟く。
『汝、吾が守護の外にあり。其は吾が宿業に反するなり。
 汝、死して裁きに甘んずるか。汝、今一度光求め彷徨うか。
 幾千幾万の絶望と裏切り、心を殺された汝(なれ)の記憶に刻まれし一つの光を』
ハヤブサの眼、それは鴉の額に開いていた『第三の眼』と全く同じだった。
201 :リキル ◇GdwEn6wJAkの代理[sage 代理投稿>>209]:2010/04/27(火) 21:50:12 0
>>170>「賢明な選択ね。正式に入学となればこの島で暮らす事になるのだし、機会はいくらでもあるでしょうから。」
口に出さずとも、リキルの考えはセラエノに読まれていたようだ。
その言葉に特に反応を示さなかったが、内心を見透かされているようで面白くない顔をするリキルだった。
だが、そんなリキルの表情がある地点に差し掛かった瞬間驚愕の表情に変わり、更に次の瞬間には喜びの表情に変わる。
轟く轟音、そして紫電。
ピリピリとした空気が肌に伝わってくる。
リキルは思った、ここには間違いなく強者が居る、と。
>「あらあら。説明不要ね。あそこでまだ誰かと戦っているようだわ。」
セラエノの言葉を聞き、それは確信になった。
「俺達も闘いに…」
>「気になるだろうけど、後ろを見て自重してね。」
リキルが全て言い終える前にセラエノが釘を刺す。
見れば、コイノボリの後ろの虹は少しずつ消えており、高台に戻ることは不可能になっていた。
「ちっ…んだよ…。近くに面白そうな奴が居るってのに…勿体無ぇ。
 ところで、お前ら名前は?い、一応聞いといてやる。…俺はリキル。リキル・」
202 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/28(水) 11:39:03 P
>190>192>199
>「……だから、フリード。俺が何で怪我も治さんと身体張ってるか、分かってないだろ?」
「知らんがな」
とグレン 彼にはかってに居なくなっていつの間にかゼルフィルドと戦ってた
それぐらいしか分からないのだ………猫だから
(知りませんよそんな事は!
 そうやって大人はいつもかってに子供を置いてきぼりにするんですから
 少しは説明もされずにほっておかれる子供のことを考えて欲しいです)
説明もされずに凶暴な熊の出る森の中に一人取り残されたことのあるフリード
そこでのらゴブリンに死なない程度にいたぶられたフリード
そこでドワーフに助けられ彼のゴブリンは見ただけで抹殺という尊い教えのおかげでもれなくゴブリンを憎むようになった
だがそんなフリードの言葉はグレンにしか聞こえない

そしていきなり老け始めるレイブン

「急に老けた!?え?何で?どうして」
(うろたえるな小童共!!……もといグレン・ダイザー!きっと今まで若作りをしていたんですよ
 この業界見た目年齢=実年齢とは限らないんですから!!
 あ、僕はショタじじいって訳じゃないですよ。見た目通りの美少年ですからね)
 唐突な事態で混乱しているフリード

そして逃げるときは殿を立てろと言い残し一人で鋼の騎士に突っ込むレイブン

>「......おい、フリード、それにお前ら2人。行くぞ」
>「レイヴンの言う通りだ。反対する者は力ずくで連れて行く。両足両手を全部へし折ってもな」
「両手両足だけじゃなくて尻尾や羽もおられそうだから従うよ」
(ちょっと!グレン!このまま一人で戦わせたらレイブンおじちゃんが死んじゃうじゃないか)
だがこの状態では主導権はグレンの方にありフリードは体を動かすことが出来ない
ここの部分が”超”下克上たる所以であり普通の下克上合体との違いだ
だがその変わりグレンがフリードの怪我の影響を受ける事は無い
怪我をしていても健康体と同じ状態で飛んだり跳ねたり出来るのである
「レイブンさんも大人なんだから勝算のない戦いを挑んで勝手に死んだりはしないよ」
(そうですよね学園でまた会えますよね)
とひとり納得し蒼薔薇の門を潜るフリード
「猫の鼻にはこの匂いはきついよ」
(我慢しなさい!僕が保健室で一晩眠って自力で回復呪文が使えるようになるまでの辛抱です)
自分しか回復できない中途半端な回復呪文も学園で勉強すれば他人も治せるようになるだろう………たぶん
うん?違ったかな?となる可能性もあるだろうが

>「…もういい。貴公達とは先程闘り合った。力も確かめた。
 ここで二度目を展開するつもりは元よりない………往け、仲間も待っているだろう」

二度目の完全敗北である
と言うか悪口しか入っていない以上戦っていないのだから敗北も何もない
「ぼくたち何しに来たんだろうね…………わざわざ合体したのに」
(少なくとも相手が飛び道具を使うと言うことは確認しました
 それだけでも大きな収穫です
 でもまだ対多数攻撃を持っているか確かめられてはいないのでデータ不足ですが)
と次の対決のために相手の攻撃を覚えておくフリード



「ここが学園………っていつも僕がご飯もらってる所じゃないの」
(場所知ってるなら始めから教えてくださいよグレン)
グレン・ダイザーはこの島で生まれた猫である
故に始めからこの場所を知っていた
グレン・ダイザーはこの島で生まれた猫である
故にこの場所の名前を………そもそも個体識別名称という概念が無く知らなかったのである
203 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/28(水) 19:00:56 0
ゼルフェルドが去った。それはもう、呆気なく
......そう言えば、始めの戦闘の最後に、理由があるとか言って去っていったが、あいつの性格上、逃げた者を追うことが理由とは思えない
つまり、あいつがここに来たのは偶然で、別に死合いをしようと思っていた訳もなく......
............結論。俺が来た意味は無い......
「ぷぷぷ、あんなシリアスモードで来て、フリードさんとあの二人に『力ずくでも連れて行く』とか言ってしまったのに、無駄足って......
ぷはははは、恥ずかしい事...クックック、この上無い...
はははははははは、ヤベェ...っぷくく、腹筋が崩壊する...あははは」
トレスが笑い出す
「畜生ぉ!!!俺のロボットがうざ過ぎる!!!」
くそぉ!貴様に腹筋なんて無いだろうが!!ロボットの分際でぇぇぇぇ!!!
本当の事を言われてるので言い返せないのもかなり頭に来る
仕方が無いのでトレスに電気を流す事で気を落ち着かせる
ふぅ、ちょっと力を使いすぎたかな
何ボルトかって?電気ネズミが100匹いても足らないんじゃねぇか?

薔薇の花吹雪が舞うあそこにリリィ達が入って行ったところを見ると、どうやら学園付近に飛ばしてくれる魔法のようだ
その魔法を使っているあの女、かなりの者だな。見た目が才女だし
だが、通してもらうのは遠慮しておこう。向こうは名前も知らない俺を助ける義理は無いのだから

未だに煙が出ているトレスをポケットの中に入れる
「じゃあ、俺は歩いて学園に行くことにする。場所は大体わかっているしな」
前にフリードが猫を使って学園の場所を調べた時に、大体の場所覚えた
「ここでお別れだ。縁があったらまた合おう」
そう言うとクレイは学園を目指して行った
レイヴンの様子に気がつかないで
204 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/28(水) 19:01:46 0
「クレイ様、ポーチを返しておきます」
トレスが預けておいたポーチを取り出す
「ん?ああ、忘れていた。別に要らんが持っておこう」
ポーチと言えば、トレスが拾ったトランク、どうしようか......学園に預けておけばいいか

「ひゃう!!?」
森におかしな叫びが響く。その声の主はクレイだった
......今思えば何で開けたんだろうと思う。何となくポーチの中身を見ようとしたんだ
そしたら......
「な、何でムカデがいるんだ!?」
...ムカデが入っていた

「どうして!お前は!この中に!こんな物を!入れるかなぁぁぁ!!!」
「ひぃぃ!すみまアバババ!!」
言うまでもなく犯人はトレスだった
あれは玩具だったらしいが、確認する前に蒸発させた
「電力は抑えてあるからな。ショートしたフリはすんなよ。
...何で入れた?今なら許してやる」
「すみません。出来心でsビャバババ」
「タイムオーバー。0.97秒遅れた」
「ひどい!!」

俺はクモやらムカデやら、兎に角足が沢山ある虫が大っ嫌いだ
六本までは許せる。だが、それ以上は無理だ。気持ち悪い
「それを!知っていながら!貴様はぁぁぁぁ!!!」
「ビュブブゆるギャベベしてデゴゴ」
例外として『G』嫌いだ。......『G』がなにっかて?聞くなよ。わかるだろ

脱空気者になって浮かれていた(と思う)トレスを三度目の煙を上げさせたクレイ
それをポケットに入れて歩いて行くと、学園が見えてきた
「ここからあと10分程度で着きそうだな」
205 :グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/28(水) 22:10:07 0
グラディスの最大魔法で槍ごとぶっ飛ぶゼルフェルド。
一瞬だけグラディスはにやりとしたが、すぐに気を引き締める。
今操っている魔法は、維持するだけで根こそぎ持っていく勢いで魔力を削っているのだ。
「(20、いや15秒。持てばいー方かねー……それまでに逃げてくれりゃーなー)」
そんな風に思っていると、氷の渦巻く嵐の向こうから波動の吹き荒れる音で掻き消えかけた何かが聞こえる。
なんだろう、と思う間もなく。

「……にゃに?」
轟々と自身の巻き起こす旋風と氷の小片の奏でる音の先から、強烈な魔法のプレッシャー。
それでも打ち破られるはずが無い。そう確信して――

>「  発  射  《ファイヤー》  !  !  」

「ッがぁ―――!?」
吹雪ごと吹き飛ばされた。轟音よりも耳に痛い爆音がグラディスの体に打ち付けられる。
宙を舞った体をどうにか制し、やっとの思いで地面に着陸する。
一瞬何が起きたかわからないような表情を浮かべた後に、すぐに気付く。
「っそだろ、全力が打ち破られたぁー……?」
驚愕に表情が染まっていく。砂煙の向こうから黒い騎士が現れた。
何を思っているのか、突き刺さった槍を抜いてこちらへと向き直った。

>「見事だ…グラディス・ウルフォード。貴公の武、しかと視た。もう私に付き合う必要はない…
>………強い力の流れを感じる…学び舎に往く為の手段とは、あれのことか」
「……へー?あ、ホントだ」
よくよく感じ取れば、ネリーやリリィの居た場所で魔力の気配らしいものがあるようなないような。
先の距離であればなんてことは無いが、少し離れればグラディスは魔力の察知には少しばかり鈍くなる。
>「既に何人か跳んだようだな………気配が消えていく。貴公も往くがいい。不意打ちなどはせん。
>…それとも、余裕があるなら、まだ自分の可能性を確かめておくかね…?」
「えー……見逃してくれんのかー、あんがとさん。そしてこれ以上は遠慮しとくぜー。
もう魔力が空っぽだしなー、卿は獣人モードだけで相手出来るような奴じゃねーもん」
困った表情のまま答えるが、ゼルフェルドは気付いているのかいないのか。背を向けて他と対峙する。
グラディスは腰を下ろし、事態の収束の現場を見ることにした
206 :グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/28(水) 22:16:47 0

>「…もういい。貴公達とは先程闘り合った。力も確かめた。
>ここで二度目を展開するつもりは元よりない………往け、仲間も待っているだろう」
時代を先取りしすぎた感のある猫(?)とロボット付きの男子生徒と妙な遣り取りを行った後、
ゼルフェルドはドでかい馬まで足を運ぶ。

その場面を見送るグラディスとは逆に、ゼルフェルドへと駆ける男の影一つ。
見覚えのあるその姿は、同時に見覚えの無い姿だった。
>「いいかテメェら、三人以上いる時に撤退する場合は必ず殿を立てろ!
> (略)コノ場合は俺が殿を務める、分かったらサッサと行け!」
もう戦いは終わったはずである。なのに、この男は何を言っているのか。
疲れと呆れで呆然と見ていると、ロボットの主が口を開く。
>「レイヴンの言う通りだ。反対する者は力ずくで連れて行く。両足両手を全部へし折ってもな」
「……へっ、よく見ろよてめぇーら。もう終わってんだぜー?何がしたいねん。
 てかさ、俺の四肢全部折れる自信あんのー?体はまだ動くぜー、人狼舐めんなよこるぁ」
ふざけ半分で挑発紛いの言葉を発するはグラディス。
正直動かない動けない動きたくないの状態ではあるのだが、同じ新入生に身体能力で劣るとは到底思えないのがグラディス。
なんせ人狼である。大分調子に乗った発言だということには違いないが。


多少の言葉を男と交わして、ゼルフェルドは去っていった。
同時に気と体が緩み、グラディスが大の字に寝転がる。
暫く闇の中を見続けて、大きく息を吐く。
「あ゛〜疲れたぁーッ!動きたくねーっ!お〜いヨーン連れてってくれー……あれ?
 ヨーン?あれ?まさかもう行った?ネリーは……多分ネリーも行っちまってるか。
 じゃあどうすっかなー……おーいそこのいきり立ってたおっさん!
 おっさん……聞こえてないのか?じゃあ……あれ?あれ?どうしよう」
叫んで喋って何をするべきか悩んで何もできないことに気が付いた。
他の二人には半分馬鹿にするような言葉を発した為に、声を掛け辛い。

そのうち、二人と一機は思い思いに歩き始めてグラディスを置いていった。
残ったのは……魔力が尽きて疲れたグラディスと、動かない男性だけだった。
207 :ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/04/28(水) 22:40:59 0
>「ネリーさん、私が先に行くから!何か変だと思ったらちゃんと立ち止まるんだよー!!」
「あれっ!?えっ、ちょちょ、ちょっと待って!」
いつの間にか外された手と、前を走っていくリリィを見比べて数瞬の逡巡。
そしてネリーはユーリに目を留める。
「すみません!先に行くので、ヨーン君やグラディ、あと……そこの男の子二人のこと……」
振り向いて、フリード達の方を見る。
……猫が居た。
「……訂正、ネコさんとロボットを引き連れた男の子のことをお願いします!
 そうと決まれば、リリィちゃんを追わなくちゃ!」
そう言い終えると、自身の足でリリィの走っていった後を追いかけ始める。
周りの景色が飛んでいくような、それでいて共通性の無いようなところを走っていく。
>「うわーん、怖くない!怖くないもん!!」
「怖いんでしょ!?じゃあ一人で行かないでよー!リリィちゃん!」

暫くの時間が経った頃だろうか。
ふわりという浮遊感とともに、あやふやなような地面から確りと土の感触のある地面へと降り立つ。
行き成り切り替わった地面に戸惑い、足をもつれさせるネリー。
「あわっ……とっとと。……此処は?」
振り替えれば、今の今まで走ってきたはずの足跡など無い林があった。
正面を見れば、大きな学園、魔法学園があった。高い時計台も見える。
それと大きな門と、小さな影。あの影は生徒だろうか。だとすれば、門は相当大きいのだろう。

小走りで近づいてみれば、そのスケールに圧倒された。
大きく開かれた門は人間の体躯では到底届かなさそうな高さ。
「やった、着いたんだ……そうだ!リリィちゃんは!?」
気付いて周りを見てみるが、それらしき影はない。
ぽつりぽつりと学園の門をくぐろうとする、他の新入生の姿しかない。
「リリィちゃん?リリィちゃーん!?何処ー!?」
叫んでも反応は無い。訝しい顔つきで生徒が睨んでくるだけだ。
後続は何時来るのだろうか。不安でいっぱいいっぱいになっているネリーにはそれすら脳裏から吹き飛んでいた。
208 : ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/04/28(水) 23:21:30 O
学園の教師一人一人に割り当てられる部屋の一つ。校門に面した時計塔の最上階。ちょうど時計盤の真下に位置
する、“ファンブルマン”と書かれたプレートが掲げられた扉の内。

ファンブルマンはいつものようにニコニコ朗らかに笑っていた。笑いつつも、その手は高速で筆を動かしている。
入学式のスピーチをしたためているのだ。
ファンブルマンは教師で、いわゆる魔法とは無関係の分野を教える教師だった。そのため今までの教師歴の内大
抵の生徒からは嫌われ、恐れられていて、彼の心をいつも傷付けていた。もちろん嘘だけれど。彼の心は傷付け
られるほど固くはなかった。
ともあれ、みんな椅子に座りながらやる授業など嫌いなのだ。それが魔法とは何の関係も無いとなると尚更であ
る。

(悩み所ではあるな、さてこの学園ではどう教えようか)

ふぅ、と彼は息を吐いて手と思考を止め、一休みにと立ち上がり、窓へと近付いた。ここからは校門が良く見え
る。校門では、ちらほら新入生達が学園に入ってきていた。

ふといたずら心が沸き上がる。ちょうどいい、誰かにイタズラをして気晴らしをしよう。さて、そうと決まれば
『誰』の『何』を『失敗』させるか……彼はじっと目を凝らして、哀れな新入生達を選別し始めた。
209 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/04/28(水) 23:23:05 O
名前・ファンブルマン
性別・男
年齢・34
髪型・スキンヘッド
瞳色・黒
容姿・いつも真っ黒なスーツを着ている。体格は中肉中背
年中ニコニコしている
備考・先生
得意技・『失敗』の運命操作魔法。目の届く範囲なら、他者の行動を必ず大失敗に導くことができる(と言うかこの魔法しか使えない)
ただし基本的にイタズラとジャンケンと身を守るため、あるいは娘の為にしか使わない
好きなもの・愛娘と下らないイタズラ
苦手なもの・偶然
うわさ1・学園に娘が先生として勤務しているらしい
うわさ2・娘に声を掛ける男連中の人生を片っ端から『失敗』させているらしい。真偽は定かではない


【よろしくお願いいたしまする】
210 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/28(水) 23:45:07 0
>>201
「ああ、そういえば…」
虹の橋を渡りながら後ろから自己紹介するリキルの言葉に思い出したようにセラエノが応える。
「私はセラエノ・プレアデス。
そしてこちらがクルードだけど、あら?また?」
振り返りながら自己紹介した後、後ろに乗っていたはずのクルードの姿が見当たらないことに気付く。
しかし驚きはしたが心配する素振りはない。
先ほどの鯉の滝登りの時と同じように。

「彼女は気まぐれで神出鬼没のようね。まあ良いわ。目的地は同じなのだしまた会えるでしょう。
改めまして、よろしくね、リキル。」
微笑を浮かべ挨拶をした時には虹の橋は殆ど消えており、コイノボリは時計台へと到着していた。

>>208
高台から放たれた虹は角度を着けながらも学園の時計台最上部に照射されていたのだ。
コイノボリは壁を伝い緩やかに滑り落ちながら、ファンブルマンの部屋の窓の横へと到着した。
 コンコン
「はじめまして、新入生のセラエノ・プレアデスとリキル。ただいま到着しました。
学園の先生、ですよね?
入学書類提出場所を教えていただきたいのですが?」
軽いノックの後、ファンブルマンに尋ねる。
211 :名無しになりきれ[sage]:2010/04/29(木) 02:02:56 0
>>193
>「えっ……あ、ああ。うん、分かった。行こうルータさん」
ルータの呼びかけに、去っていく二人の少年を睨みつけていたゼルキが振り向く。
彼は何やら決まりが悪そうに頬を掻き、ふと空を見る。
>「あ……」
>>170
その声につられて見上げると、空にきれいな虹がかかっていた。
「わぁ……」
純粋な驚き。そして全て理解した、というようにくすくすと笑う。
「そっか、アレの先に学園があるんだね。なら道標はもういいかな」
ルータは一度ダウジングを解除し、新たな『力ある言葉』を紡ぐ。
「《知らせ、迫り来る脅威を》」
それを受けて鎖がゆらゆらと揺れ始める。やがてペンダントが浮き上がり、一方向を示した。
それは先ほど、フリードとクレイが去って行ったのと同じ方向。
「あは……あっちに危ないのがいるみたいだし、早くイこうか。虹もすぐに消えちゃうだろうし、ね」
212 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/04/29(木) 02:04:27 0
【またやらかしたー! たびたびすみませんorz】
213 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/04/29(木) 02:14:57 O
>>210
なかなか面白そうな生徒が見付からず迷っていると、不意に窓ががたがた揺れた。おや、と視線を上に傾ける。
と、何かが窓の上を浮かんでいることに気が付いた。

「はじめまして、新入生のセラエノ・プレアデスとリキル。ただいま到着しました。
学園の先生、ですよね?
入学書類提出場所を教えていただきたいのですが?」

「今開けるよ……全く、三月の兎みたいに狂った状況だ」

窓を開けて、体を乗り出す。これでようやく彼女と彼、セラエノとリキルの全体像を見ることができた。

(ん?)

姿形が変わっているのは、この学園では大して意味のない事とはいえ、セラエノの雰囲気にはそれでも特に奇妙
なものを感じた……同族の匂いだ。手のひらの上で運命をねじ曲げることに飽きた生き物の匂い。

(どうでもいいか)

風の強い日のトンビより速く思考を切り替えて、口を開いた。

「本当は本館に行かなくっちゃならないんだけど、特別に、僕が後で届けておいてあげてもいいし、本館まで案
内してあげてもいい。ひょっとしたら、自分で探してみるのも悪くないかもしれないよ。運命ってものはどこに
あるか分からないからね。
ところで、その魚はいつまで息が続くのかな?時間はいつだって無遠慮で無配慮な、実におこがましい奴だから。
なんならここから下に降りてくかい?」

窓枠を軽く二度叩いて、二人に判断を仰いだ。
214 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/04/29(木) 10:15:54 0
「ふぅ、着いた」
クレイは今、学園の前にいる
「さて、書類の提出やら面倒な事をやるところは...」
近くに見取り図的な物が無いか探したが見つからなかった
なんで無いんだよ。こんなに広いのに
フッと下を見ると、地面に学園と思われる見取り図が描いてあった
......誰が描いたんだ?

あの見取り図の通りに行ったらちゃんと着けた
「すみません。新入生ですが書類提出等はここでよろしいですか?」
受付の人に話しかける。なんかニコニコしていかにも受付嬢って感じの女性だ
「はい、そうですよ。それでは、入学書を提出して下さい」
彼女に入学書を渡す。その後もいろいろしたが省略する

「...はい、よろしいですよ。
それでは、最後にこれに名前をお願いします」
ペンと書類を渡される。名前を書く欄に【クレイ】と書き込んだ
ついでに備考のところには、未だに動かないトレスの事を書いた
「あ、フルネームでお願いしますよ」
そんなことを言われる
「いや、これがフルネームですが...」
「嘘はいけませんよ。こんな名前の短い人がいるわけ無いですよ。
それにこの学園には嘘を見抜く魔法を使う教師がいますから、後でわかりますよ」
何だ、その反則的な魔法は
「安心して下さい。あなたの名前が出るのはこのときだけです。学園での生活のときはクレイだけでもいいですし。
大した問題さえ起こさなければ大丈夫でしょう」
「......本当だな」
「ええ、異次元保管庫に送られますので、たとえ教師でも好き勝手には見ることができません」
つい敬語で言うのを忘れてしまったクレイだが、それを気にした様子もなく答える受付嬢
仕方なく名前欄に文字を付け足す
別に名乗るなと言われているだけで、書くなとは言われてないからいいだろう
「...はい、オッケーです。
では言わせてもらいますね。えーこほん。
魔法学園にようこそ。楽しい生活を送れることを願ってます。
それでは、寮の鍵を渡しておきます」
鍵を貰った。鍵にはβ-056と書かれていた
「男女とか学年とか分けてないですから、隣がきれいなお姉さんだといいですね」
そんな期待はしてない
「では、式が始まるまでの間は好きな事でもして時間を潰しておいて下さい」
215 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/29(木) 11:52:27 P

入学届を提出し名前をサインするでっかい猫
「…………書類の肖像画と顔が違うようですが」
と受付嬢
「これは使い魔との合体形態です」
とフリードの言葉を追唱するグレン
名前をサインするでっかい猫…………だが
「本当にフルネームですか?僕、貴族ですよ」
とフリードの言葉を追唱するグレン
「ここでは貴族も平民もありません」
と受付嬢
「いやそうじゃなくって………貴族のフルネームがどれだけ長いかってことですよ
 僕はめんどくさいから一番初めと最後だけしか普段名乗ってませんがこのスペースじゃ書ききれませんよ」
とフリードの言葉を追唱するグレン………ああややこしい
何しろ名前・父親の名前・母親の名前・男子or女子・どの神を信仰しているか・洗礼名・洗礼を受けた寺院の名前
洗礼してくれた僧侶の名前・貴族としての位・何処の領地を治めているか・父親の苗字・母親の苗字である
祖父母の名前を両方書かなくて良いのがせめてもの救いだ
「では御貴族様用の書類を…………」
と名前欄が4行ぐらいある書類を手渡す受付嬢
そんな物用意してるんだ……………とグレンは思った

保健室に直行するグレンSUフリード
大概の怪我は自前の回復魔法で直してしまうためか、かなり暇そうに翻訳呪文で異言語の本を読んでいる保険医
「すみません怪我したんですけど」
保険医は見た!直立歩行する猫が保健室に入ってくるのを
「…………猫は獣医に言った方が良いのではないかね?」
いきなり獣人に喧嘩を売るようなことを言い放つ保険医
まあ大概の獣人は人間ベースなのでこんな直立した猫そのものが来ることは想定していなかったようだ
「ソウルアウト!」
直様分離して人間であることを見せるフリード

「にゃぁなぁ」
(この子、頭が悪いんです)
「僕が怪我したのは右脇腹と左足首です。頭には怪我を負ってません」
いきなりひどいことを言うグレンとそれをスルーするフリード

「少し待ちたまえギルギルガングフォ……ふんぬ!」
あっという間に脇腹から骨を素手で摘出する保険医
そのまま回復呪文を使うと骨が変な風にくっ付くからである
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!?」
いきなりのことに驚いたが痛みが全く無い
「万能たるマナよ生命の泉よ(ry」
あっという間に回復魔法で骨と傷を治してもらうフリード
いやいや全くもって魔法って便利だね
「次は足だな………」
添え木をしてから今度は普通に回復魔法をかける保険医

「君もうちょっとカルシウムを摂った方がいいね
 そうした方が背も高くなるし」
「小さくて何がいけないんですか!
 小さくて可愛い方が世の中じゃ便利なんです
 でもありがとうございます保険医さん」

骨折を治してもらうフリード
いやいや全くもって魔法って便利だね
「脇腹の骨さえあれば私好みの女の子が作れる………」
とか怪しいことをぶつぶつ言っていたが見なかったことにしよう
フリードリッヒクローンサーガなんてやる予定はないのだ
216 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/04/29(木) 12:06:29 P
>213
寮の様子を見に行くフリード
「…………ってここ女子寮じゃないか!!」
どうやら受付嬢が間違った鍵と場所を教えたようだ
ゴルゴム………もといファンブルマンの仕業だ

「僕は男の子ですよ!
 この業界女の子みたいな顔の男の子なんて珍しくも無いんだから間違えないで欲しいですよ!
 きちんと体のラインを見れば見分けられるっていうのに!!」
男と女では骨格が違うのでいくら女の子みたいな顔でも見分けられるはずだと言うのだ
具体的に言うと男の骨格ではぺったんこ座りができないが女の子は出来るのである
まあどうでもいいが
217 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/04/29(木) 13:20:06 0
学園の中庭。女子生徒と思われる少女が椅子に座って空を眺めていた。。
少女は退屈していた。その少年が現れるまでは。
「つ…着いたのかこれは!?マジにここが学園なのかよ!?」
林の中からエンカが出てきた。
服のあちこちが切れているのは、慣れない森歩きの最中に木の枝で切ったからだ。
けっしてオウカと離れた場所から迷うような距離に学園があったわけではないのだが、
なるべく楽な道を通ろうとした結果、かえって道に迷ってこんな場所から登場したしだいである。
エンカと少女の目があった。少女はにこーっと笑った。
「…あ〜、その、なんだ?俺はエンカ・ウォン。学園の新入生だけど…あんたもそうかよ?」
エンカは少女がじっと自分から目を離さないものだから、照れながらそう聞いた。
>「ううん、違うよ。あたいはあんたの一つ前に入学したの。」
「ああ、なるほどな。あんた俺の先輩っつーわけだな?」
少女は“うん”とも“いいえ”とも言わず、首を縦にも横にも振らずにエンカを見つめる。
エンカはなんだか気まずい気分になってきた。
とりあえず学園に無事にたどり着けたのは喜ばしいが。
>「…時計。」
「おん?」
>「あんた腕時計してるのね。もうそろそろランチタイムだと思うのよ。あたい今の時間が知りたいの。」
「おーそうか。今の時間はだな…」
エンカが左腕の時計の文字盤を読もうとしたとき、少女が椅子から立ち上がった。
>「駄目…あたいの目で見たいの。いいでしょ?おねがい。」
少女がエンカに近づく。彼女がエンカの手をそっと手に取ったのでエンカはドキドキが有頂天である。
「(こいつはめっちゃロマンスの予感がプンプンするよな〜!この子わりと美人だしよ〜?)」
しかし、エンカのロマンスの予感はすぐに木っ端微塵に砕け散ることになる。
エンカは知らなかったのだ。彼女が学園で“近づきたくない人物”の一人として数えられている事を。
だからこそ今中庭には彼女以外の生徒がいなかったことも。

>「ドコデモ・ドアー!」
少女がそう叫んだとたん、エンカの左手首が(つでにロマンスの予感もスッパリと)切断された。
「な…うおおおおおああああああああああああああああああっ!!?」
エンカは今日あげた中でも最大級の悲鳴をあげた。その様子を見ていた少女は何か迷っていたが、
すぐにエンカの左手を持ってその場から走り去っていった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!………って、なんだこりゃ!?」
エンカは、切断されたはずの手首から出るはずの血が出てないことにやっと気づいた。
というか、痛みすらない。エンカは恐る恐る切断面を見てみた。
「…どうなってんだこりゃ?真っ黒になってるぜ。」
エンカは切断面に触れてみた。なんだか黒い布ごしに肉に触れたようなプニプニとした感触が返ってきた。
気味が悪かったので、エンカはそれ以上触るのをやめた。
「とりあえずあの女を追いかけて左手をとりかえさねぇと書類にサインもできないぜ!
 ちくしょう!今日は女難の日かよ俺はよーっ!」

その頃少女は、エンカの左手を内ポケットに入れて食堂まで来ていた。
>「(ドコデモ・ドアーの秘密に気づいた…というわけではなさそうね。)」
少女は食堂でサンドイッチをテイクアウトした。
エンカがまだ自分を追いかけてきてないことを確かめると、ふらふらと日当たりのよさそうな場所まで歩いていく。
「あたいと一緒にランチを食べようね。エンカ君。」
少女はエンカの左手にそう呼びかけた。
218 :リキル ◇GdwEn6wJAk [sage 代理投稿 >215-216]:2010/04/29(木) 21:40:49 0
>>210>「私はセラエノ・プレアデス。
そしてこちらがクルードだけど、あら?また?」
セラエノがクルードの分も自己紹介しようとしたが、クルードの姿はコイノボリの上から消えていた。
>「彼女は気まぐれで神出鬼没のようね。まあ良いわ。目的地は同じなのだしまた会えるでしょう。
改めまして、よろしくね、リキル。」
セラエノは特に気に止める事もなく自己紹介を終了した。
「まあ良いのかよ…。言っとくが俺は群れんのが嫌いなんだ。
 こうやってお前と一緒に行動してんのは道が分からないだけであってだな…。
 ま、一応よろしくしといてやる。一応だからな!」
そうこうしているうちにコイノボリは時計台に到着する。
学園に着くなりセラエノはファンブルマンの部屋の窓を叩く。
>「はじめまして、新入生のセラエノ・プレアデスとリキル。ただいま到着しました。
学園の先生、ですよね?
入学書類提出場所を教えていただきたいのですが?」
>「今開けるよ……全く、三月の兎みたいに狂った状況だ」
ファンブルマンは窓を空け、体を乗り出す。
「うさ…ぎ……狂った……?」
リキルの頭ではファンブルマンの言葉を理解するのは難しいようだ。

>「本当は本館に行かなくっちゃならないんだけど、特別に、僕が後で届けておいてあげてもいいし、本館まで案
内してあげてもいい。ひょっとしたら、自分で探してみるのも悪くないかもしれないよ。運命ってものはどこに
あるか分からないからね。
ところで、その魚はいつまで息が続くのかな?時間はいつだって無遠慮で無配慮な、実におこがましい奴だから。
なんならここから下に降りてくかい?」
「……それなら遠慮無く。よっと。」
コイノボリからファンブルマンの部屋の中へ移動する。
「書類はアンタが提出しといてくれよ。本館とやらまで移動すんのダリーし…。
 で、質問なんだが……この学園の教師は生徒に売られた喧嘩は買ってくれんのか…?
 お預けくらってばっかで退屈してんだよ…。ちょっと遊んでくれねぇか、先生さんよぉ…。」
219 :ハヤブサ◇70VgGM3HY6の代理[sage]:2010/04/29(木) 22:26:45 0
『……光は灯らぬ、か。
 これでまた、一つ救えず……』
ハヤブサはそっと頭を振って複雑な感情の篭った呟きを漏らす。
そして興味を失ったかのように肩から地面に降り立ち寝そべる少年へと歩んだ。

>206
少年は先の大技で魔力を使い果たして動けないようだ。
無理もない、総量丸ごと吐き出すほどのものだったのだから。
ハヤブサは少年の胸板の上に跳び立ち声をかける。

「少年、どうやらへとへとの様だね。
 魔力が尽きて動けないのだろう? なら、私が学園まで運ぼう。
 ここにいると、たちの悪い生き物の餌になってしまうからね。
 それとも自分で歩けるようになるまで、休んでいくかね?」

呟く時とまるで調子も雰囲気も違う語りでグラディスに話しかける。
ハヤブサの眼には、特におかしな所はなかった。
「何故、と聞かれる前に喋っておこう。彼に頼まれたのさ。
 そう言うわけだ、お節介を受けてくれると助かるんだが」
くいっと嘴で死骸を指す。
220 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/04/29(木) 22:47:06 0
>213>218
ファンブルマンは突然の窓の外からの来訪者に対しても実に紳士的だった。
柔らかな笑みとともにいくつもの選択肢を提示する。
それに対しリキルは部屋の中に移動するのを見てセラエノもそれに習うように部屋の中へ。
コイノボリは部屋の中につくと立体を失い一枚の布になる。
出現した時の逆回しのようにセラエノの足元でコロコロと転がり一本の巻物状になると、そのままスカートの中へと吸い込まれていった。
クルードの帽子ほどでもないにしても、セラエノのスカートの中も空間操作がされた特異空間になっているのだ。

「運命のままに、と言うのも魅力的な提案ですけど、今は手続きを済ませ寮で荷物を整理したいので、案内を…」
そこまで口に出したところでリキルがファンブルマンに喧嘩を売っていた。
リルキとファンブルマンを交互に見、そして再度ファンブルマンをじっと見つめる。
といっても鏡の仮面を被っている為、視線が送られる事なく、仮面の曲面に合わせて歪んだファンブルマンの姿が映るのみだが。

ふぅっと小さくため息をついた後、小さく笑みを浮かべながらポムと口の前で両の手を合わせた。
「ではこうしましょう。喧嘩するにしてもここでは狭いでしょうからみんなで一旦外に出ましょう?
外に出たら場所さえ教えていただければ後は自分で行きますので。
その後二人で存分に遊んでください。」
テキパキとこれからの予定を決めてさっさと部屋から出るセラエノ。

時計台から降りるまでに迷いながら結局は口を開く事になる。
「リキル、止めはしないけど、多分あなたは楽しめないのではないかと思うわ。」
声には困惑と僅かに憐れみが込められていた。
教師と生徒の力量差というだけでない。
ファンブルマンのまとう雰囲気から、リキルの望むような闘いにならないであろうという確信にも似た予感がしたからだ。
もちろん、どういって忠告したところでリキルを止められないという事も判っていた。
221 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/04/29(木) 23:45:54 O
>>「運命のままに、と言うのも魅力的な提案ですけど、今は手続きを済ませ寮で荷物を整理したいので、案内を…」

>>「書類はアンタが提出しといてくれよ。本館とやらまで移動すんのダリーし…。
 で、質問なんだが……この学園の教師は生徒に売られた喧嘩は買ってくれんのか…?
 お預けくらってばっかで退屈してんだよ…。ちょっと遊んでくれねぇか、先生さんよぉ…。」


「了解したよ。僕は君達を寮まで案内し、書類を届け、少年と夕陽を後ろに喧嘩しなくてはならない。これぞ人
生と言うものだね。実にうまく形式化されている。
……あー、テステス。《テステス、こちらファンブルマンだ。
今からスピーチの原稿と一緒に二人分の入学手続き書類を……何?サイン?知らないな。面倒くさいから適当に
誤魔化しておいてくれ……わかったわかった。主任は適当に『失敗』させておくよ。
ん?美学に反してるんじゃないかって?これは生徒のためだよ、嘘じゃあない、それじゃあ》」

ファンブルマンは電話を切り、“通信箱”の中に原稿と書類を放り込んだ。程なくして箱から飛び出てきた二人
分の寮の鍵を受けとり、少年と少女のそれぞれに手渡した。

>>「ではこうしましょう。喧嘩するにしてもここでは狭いでしょうからみんなで一旦外に出ましょう?
外に出たら場所さえ教えていただければ後は自分で行きますので。
その後二人で存分に遊んでください。」

優等生らしい考え方ん示して、少女は部屋から出ていった。あの仮面にあの服装。とある戯曲が思い出されたが、
まあどうでもいいかとファンブルマンは首を振った。知らなければいけないことではないし、それに世の中には
知らない方がいいこともあるのだ。

「“人間の知恵と言うものは、
なにかもう、
まるで価値のないものなのである”か。
さて、じゃあ外に出ようか少年。風は温かく、日は柔らかい。
実に良い天気だ。きっと今日は死ぬにはいい日だぞ」
222 :ゼルキ・ルオーム ◆l3iGazKSc8Yq [sage]:2010/04/30(金) 01:43:34 0
>>211

>「あは……あっちに危ないのがいるみたいだし、早くイこうか。虹もすぐに消えちゃうだろうし、ね」

「うん、そうだな。俺も出来るなら危険な事は避けたい。急ごう」

現れた虹に見入っていたゼルキは、ルータの言葉を聞いて歩みを再開させた。
ルータの能力にダウジング(?)があると知っている為か、その言葉を疑う様子は一切無い。
向かうは虹の先。そこにあるであろうフィジル魔法学園。

――――そうして


「……これが、そうなのか」

そうして現在、ゼルキとルータの前には開かれた大きな門があった。
その奥に見えるのは巨大な建造物と、庭でたむろする新入生達や、
彼らを誘導する恐らくは教師であると思われる少数の人々。

つまり、辿り着いたのである。
あれから無事に森を抜け、とうとう彼らは辿り着いたのだ。魔法学園へ。

門を目の当たりにして、感動か或いは達成感か、言葉を無くしていたゼルキであったが、
しばらくするとここまで一緒に歩いてきたルータの方へと振り返った。

「ルータさん、ありがとう」

軽く頭を下げるゼルキ。

「正直、この入学試験は俺だけだったら無事に辿り着けたかどうか判らなかった。
 無事に辿りつけたのは、セラエノさん達とルータさんのお陰だと思ってる。
 だから、ありがとう。それから……これからの学園生活でも、よろしく」

少し照れているのか、言い終えたゼルキは下げた頭を上げると、義手の右手で頬を掻いた。
223 :ユーリ◇gIPsgrF.N6 [sage 代理投稿 >223]:2010/04/30(金) 07:23:13 0
>>185 >>207

空間と空間を繋いでいるのはユーリの魔力。ひいては彼女自身であり、空間と空間の繋ぎ目で何が起こったのかは手に取るように解るのである
ポーカーフェイスで愁眉をヒクヒクと動かすのはユーリ
その名も高き青薔薇の魔法使いの名を継ぎ、血を引く者である。故に――
(何があった?私が座標位置を間違えた?まさかそんな事有り得ない!!)
失敗は無いし、万が一にもそうであるなら魔法使い、少なくとも敬愛する曾々々祖母の二つ名なんて名乗れやしない
では何故リリィが通った瞬間だけ、繋いでいた座標が大幅にずれたのだろうか?
ユーリとしてはその場で暴れ回って気持ちを落ち着かせでもしたいが、それは出来ないというものだ
(誰かが邪魔した?しかし空間を固定する程の強固で強大な魔力に干渉できる者が………)
向こうに行って『サービスしてあげたのよ、感謝しなさいね』とか『失敗しちゃった、テヘ♪』とごまかすのは簡単だし、その場は収まるだろう
しかしユーリの気はこれっぽっちも収まらないのだ
考えられる可能性としては、リリィの魔力はユーリの魔力に影響を与えてしまう。平たく言えばユーリとリリィの魔力は相性が悪いのかもしれない
或いはリリィが体質(これも言わば魔力の質だが)が空間の跳躍移動に向いていないのかもしれない
もっと単純にただユーリの慢心が招いたミスなのかもしれない
どちらにしろ、いかなイレギュラーがあったにしろ、ユーリが失敗したのは事実である
原因らしきリリィの襟首掴んで詰問するのは容易いが、それをした所で相手は入学もしてない魔法のいろはも知らないであろう素人
ユーリが満足する答えが返ってくるとは思えない事は、自身がよくよく判っている
しかし何時までも一人に構ってはいられないのもまた事実
他にも運んだ者が居るのだからそちらへのフォローも必要だろう
>「リリィちゃん?リリィちゃーん!?何処ー!?」
取り乱しがちなネリーの背後に空間移動でいきなり登場して喋りかける
「リリィちゃんは先に学内に入っちゃったみたい。中に入ればその内見つかるよ」
と内心のざわめきは面に出さずお気楽に言い切って、ふと思い出したかのようにユーリは深々と貴族的礼法をとる
「ようこそ新入生諸君!!」
その言葉が始動呪文であったかのように校門までの一直線が色とりどりの薔薇で縁取られる。文字通りの花道という訳だ
「落ち着いたかな、ネリーちゃん?
それとも薔薇はお嫌いかしら?」
カラカラと人懐っこく笑ってみせたユーリはついでと言わんばかりに薔薇の花道を学内のいずこへ延長させる
「この薔薇を辿っていったら想い人に出会えるかもよ?
………向こうが移動してなかったらね。悪いけど私にゃそこまでの責任は取れないや」
一応補足しておくと想い人とは殿方ではなくリリィの事であり、つまりユーリなりの洒落である
224 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/30(金) 22:26:08 0
しばらく無心で歩き続けると、知らない間に学園が見えていた。
「こんなカンタンに着いちゃうのか…」
先ほどまでは学園に行くために散々迷い、挙句の果てに闘いまでしたというのに、
あまりにも味気ない到着に、頼ったのは間違いだったのかという疑問まで浮かんでくる。

(って何を考えてんだ……あのまま迷い続けて森の住人にでもなるつもりか。)
しかし気が乗らないといった感じでいつもより尚更気だるそうに歩いて行く。
人など簡単に呑みこみそうな巨大な門も、これから自分の学び舎になる学園も、
自分と同じ新入生達を見ても、何もかもが石灰色に見える。感動どころか、何の感慨もない。
いや、現実味がないと言った方が正しいのか、さっきの闘いがぐるぐると頭で回り現実味を奪っていく。
「間違ったかねェ……色々と」
村人が都会に来て周りにどうしていいか分からずオロオロするが如く。
自分がここにいてもいいのだろうかという不安に押し潰されそうになる。

>207
「……帰るか。」
突然ボソっとヨーンは呟く、どうにもここは息苦しい。
軽蔑され恐怖されようと今まで慣れ親しんだ街で、
歓迎されずに生きているほうがまだ良いかもしれない。
「あっちの方がオレにはお似合いかも…」
どうやって帰るかなんて考えもせず、とにかくここには居たくない。
その一心でヨーンはくぐったはずの門へと歩きはじめる。
そんな時、聞き覚えのある叫び声が聞こえヨーンは振り返る。
>「リリィちゃん?リリィちゃーん!?何処ー!?」
ネリーだった。先に向かったのでとっくに学園生活を満喫していたと思っていたが、
どうやらリリィが見つからないらしく名前を叫んでいる。
「よォ、お互い無事でよかったなァ。リリィが見つかンねェのか?」
知っている人間を見つけて心底ホッとしたのか、ヨーンはネリーに駆け寄る。

>取り乱しがちなネリーの背後に空間移動でいきなり登場して喋りかける
>「リリィちゃんは先に学内に入っちゃったみたい。中に入ればその内見つかるよ」
>と内心のざわめきは面に出さずお気楽に言い切って、ふと思い出したかのようにユーリは深々と貴族的礼法をとる
>「ようこそ新入生諸君!!」
>その言葉が始動呪文であったかのように校門までの一直線が色とりどりの薔薇で縁取られる。文字通りの花道という訳だ
>「落ち着いたかな、ネリーちゃん?
>それとも薔薇はお嫌いかしら?」
>カラカラと人懐っこく笑ってみせたユーリはついでと言わんばかりに薔薇の花道を学内のいずこへ延長させる
>「この薔薇を辿っていったら想い人に出会えるかもよ?
>………向こうが移動してなかったらね。悪いけど私にゃそこまでの責任は取れないや」
「よし、ならこれを辿っていけばいいんだな?んじゃ行こうぜ、送ってくれたことも含めてありがとさん」
ヨーンはユーリに一言感謝した後、半ば強引にネリーの手を取って薔薇で縁取られた道を歩いて行く。
225 :ヨーン ◆HuA/c7Ct3c [sage]:2010/04/30(金) 22:26:52 0
>185>217
花道は嫌でも目立つため、途中幾人にも笑われたり不思議がられたが、
ヨーンはそんなことは全く気にしてない様子だ。
先ほどまで周りの全てに対して委縮して帰ろうとまで考えていた人間の取る行動ではないが、
つまりそれだけ知っている人間に会うことができて安堵したんだろう。
「いやァ、でも良かったぜ。学園に着いたはいいけどよ。
 知らない場所に知らないヤツ等ばっかりでよ、困ってたんだよ」
そんな会話を続けながら花道を辿っていく、すると中庭に入ったところで、
道が途切れていた。どうやらここにリリィがいるらしい。
「結構広いなァ…移動してたら駄目らしいし見つかるかね…?」

>「偉い人どこですか?!試験って人殺しですか!
>森の中で変な騎士が大変で襲われてけがして皆死にそうで魔法使えない人は置き去りだって・・・・・・」

ヨーンがそう言った瞬間に、リリィの声が聞こえる。見つけるのは思ったより簡単だった。
リリィは埃だらけで葉っぱや木の枝がくっつき、藪か林かを全力疾走したかのようなボロボロの格好で知らない人の足に縋りついてる。
>「お願いだから偉い人にあわせて。皆を助けてって言いに行くからぁ!!」
どうやらまだ闘っていて、みんな悲惨な目にあっていると思っているらしい。
縋りつかれている方もどうしたらいいか分からない様子で困った顔を浮かべている。
「とりあえず落ち着けよ。その人なんか困ってるぞ?」
そう言ってリリィにヨーンは近付く。姿を現したヨーンと、後ろのネリーにリリィは目を丸くしている。
「あちゃー、酷いことになってんな…」
ヨーンはリリィの頭にくっついてる葉っぱや木の枝を取っていく。
相変わらず何が起こったのかさっぱり理解できないといったリリィ。
「まァ、そういうことだからさ、とりあえず助けは呼ばなくても大丈夫」
枝や葉っぱを一通り掃いおえるとリリィを手を掴んで立たせる。

>「とりあえずあの女を追いかけて左手をとりかえさねぇと書類にサインもできないぜ!
>ちくしょう!今日は女難の日かよ俺はよーっ!」
すると今度は向こうからまたも見知った声が聞こえてくる。あれはエンカだろう。
どうやらエンカも無事学園にたどり着けたようだ。再会を喜ぼうとヨーンはエンカの元へと歩いて行く。
「エンカもここに居たのか」
しかし、どうにも様子がおかしい。見ると左手首から先がなくなっている。
それも血すら噴き出ず、ただ切断面は真っ黒になっている。
「おい…エンカ…お前その手どうしたんだ?」
みると痛みも感じてないようだが…どういうことだろうか。

「あー、なんかやばいなそれ、どうする?
 とりあえず薬でも塗っておくか、お前のだけど…」
どうしていいかも分からないのでとりあえず薬をエンカに差し出すことにした。
226 :リキル ◇GdwEn6wJAk の代理[sage]:2010/05/01(土) 00:03:34 0
>>221>>220ファンブルマンから寮の鍵を受け取り、セラエノの提案に従い外に出たリキルの表情は嬉々としていた。
まさか学園に着くなり教師と喧嘩が出来るとは思っていなかったからだ。
そんなリキルの頭の中に時計台から移動中に放ったセラエノの言葉が引っ掛かっている。
>「リキル、止めはしないけど、多分あなたは楽しめないのではないかと思うわ。」
その時は
「何言ってやがる。魔法学園の教師と喧嘩なんて最高じゃねぇか。」
と、気にも止めなかったが、何故かあの言葉が頭から離れなかった。

「さーて、ちゃっちゃと始めますか…。言っとくが、俺が生徒だからって手加減なんかしたらマジで殺すからな。
 あ〜…あと、さっき『死ぬには良い日〜』とかなんとかほざいてたが…。死ぬには良い日なんて死ぬまでねぇんだよ。」
そこまで言うと指の骨を『ボキボキッ』と鳴らしファンブルマンを指差す。
「喧嘩のルールは特にねぇ。武器を使おうが魔法を使おうが好きにしな。相手が動けなくなるか敗けを認めたら終了だ。」
ルール説明を終えたリキルは指差していた拳を握りしめ、大きく深呼吸をする。
「そんじゃあ……先手貰ったあぁぁぁ!」
踏み込みながら思いっきり握りしめた右の拳を真っ直ぐとファンブルマンに突き出す。
いわゆる、ただの右ストレートだ。
227 :桜花 ◆CBcqW9.llE [sage]:2010/05/01(土) 00:04:31 0
>>199
>キィンッ!「あっ…」
走っていた桜花だったが森の中で聞こえた不自然な音に足を止める
(今の音は…あちらか…)
音のした方を見る
「誰だ!そこにいるのは聞こえているぞ!!」
呼びかけてみるが反応はない。
「そちらがこないなら、こちらから行くぞ!」
音のしたほうへ歩いていく桜花

そこで見たのは予想とは見当違いな者だった
黒金の鎧に巨躯の馬
そしてなにより、その鎧の中から音がしていなかった
「これはまた…想像以上だな…」
無機質な鎧から聞こえてくるのは無機質な音でしかなかった
「あなたか…この森で野暮な音を出し続けていたのは。」
(どうする…?腕に覚えがありそうな音を出しているな…
 振り切る事も不可能ではないが…)
バイオリンを持つ手に力が篭る
「あいにくこんな眼だ。私は戦闘には向かない。強者との戦いを求めるならお門違いの相手だ
 私としても戦闘などと言う無粋な音は出したくない…」
228 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/05/01(土) 00:19:11 O
>>226
セラエノ少女に寮の場所を教え(ちなみに『目的地にたどり着く』事を失敗させてみた。どうなるのか見届けら
れないのが残念だ。後で寮母さんにでも聞いてみよう)、今は既に塔の下で少年と向かい合っていた。

>>「さーて、ちゃっちゃと始めますか…。言っとくが、俺が生徒だからって手加減なんかしたらマジで殺すからな。
 あ〜…あと、さっき『死ぬには良い日〜』とかなんとかほざいてたが…。死ぬには良い日なんて死ぬまでねぇんだよ。」

「なるほど、それもひとつの考え方だ。大事にしたまえ少年」

>>「喧嘩のルールは特にねぇ。武器を使おうが魔法を使おうが好きにしな。相手が動けなくなるか敗けを認めたら終了だ。」

ふむ、とファンブルマンは頷いた。

「紳士の決闘と言うわけか。コインを投げるべきかな?しかし、今僕は小銭を切らしていてね。コーヒー牛乳の
蓋ならあるんだが。それでいいなら……あれ?どこにしまったかな?」

>> 「そんじゃあ……先手貰ったあぁぁぁ!」

「ッぷるぁ!?」

ちょうど上着を脱いで入念に内ポケットを調べようとしていたファンブルマンは少年の右ストレートをきれいに
鼻で受け止めて、地面に二三度転がった。最後にひとつ余計に前回りをして、さながら体操選手のようにきれい
なフォームで立ち上がる。胸を張り、その輪郭はそう、『Y』だ。

「そうか、コーヒー牛乳の瓶の蓋は学生の頃メンコにして、それっきりだったな。
懐かしい、実に懐かしい思い出だ……」

ファンブルマンは頭を振り、鼻を押さえる。鼻血が止まらない。どうも鼻の骨が折れてしまったらしい。後で保
健室にいかなければ。あのいけすかない保険医に会わなければならないのはしゃくだったが。

「そして、少年。僕は君に感謝しているよ。君に敬意を払う。なぜかって?
僕には
“武器を持たない、武器を持った相手には逆らわない”
と言う信念があってね。つまり、」

再び突っ込んできた少年を指差して、ファンブルマンはポツリと呟いた。

「『君』は『走る』ことに『失敗』する」

そして、用務員が誤って屋上から落とし、運動場で飛んできたボールにぶつかり、最後に間抜けなカラスが体当
たりすることによって奇跡的にリキル少年の頭上に落ちてきたタライは見事にその役目を果たした。

「つまり、君なら好きなだけ『失敗』させることができるのだよ……さて、
『立ち上がる』ことに『失敗』したまえ
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、」

リキル少年が立ち上がろうとすればするほど、どこからか風に流されてきたバナナの皮が運命的にエンカ少年の
足の裏に収まり、収まり、収まり、収まり続け、しまいにはリキル少年はバナナの皮に埋もれてしまった。

「おや、これは計算外だ。
どうだい少年。早く参ったなら参ったと言ってくれ。バナナの皮に埋もれて死んだなんて、後の世の教科書に載
ってしまうぞ?」

229 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage]:2010/05/01(土) 08:54:04 0
>225
> 「エンカもここに居たのか」
「ヨーン!無事だったのか!それにリリィとネリーもいるな!まったく、やれやれっすよ!」
ヨーンはエンカの左手の異変に気づいた。
> 「おい…エンカ…お前その手どうしたんだ?」
「どーもこーもねーっすよ〜!」
エンカは先ほど自分が林から中庭に現れた後、謎の少女に左手を切断された経緯を皆に話した。
「血もでなければ痛みもねぇ!
 ヨーン、おめぇも大木を切断してみせたが、あの女の能力は少し違うみてぇだ。
 おめぇと同じ能力で切断したなら、骨付きカルビみてぇになるはずだからよぉ!」
> 「あー、なんかやばいなそれ、どうする?
>  とりあえず薬でも塗っておくか、お前のだけど…」
「そうするぜ!だが、やめとくぜ!
 薬はとりあえず返してもらうが、この切断面にさわるのは気味が悪いぜ。
 さっきさわってみたらよぉ、布の上から肉をつついたような感触がしたからよぉ!」
エンカはリリィに話しかけた。
「リリィ、そういやヨーンが俺に薬を返したように、俺もおめぇに箒を返さねぇとな〜。
 上着の下にズボンのベルトで固定してるからよ〜。…悪いが俺の上着を脱がせて取ってくれねぇか?
 片手だけじゃあ脱ぎにくいし、あの女を追いかけるときに壊れたらまずいしよ〜。」
エンカは、今度はネリーに話しかけた。
「ネリー…グラディスはどうした?あいつの鼻なら、あの女の匂いを追跡できると思ったんだがよ〜。
 俺が思ってたよりこの学園は広すぎるぜ。
 逃げるのに十分すぎる時間をあの女にあたえちまったからな。
 あの女を追いかけるには、匂いで追跡するか、ダウジングとか念写能力を持った奴が必要だぜ。 
 でもよ〜、そんな能力を持った奴が偶然俺達の前に現れたりとか、
 そんな都合のいい展開はねぇよな〜。メルヘンやファンタジーじゃあるめぇしよ〜。」
エンカ本人はこの時気づいてなかったが、彼の左手首の切断面から人間の瞳のようなものが外を覗いていた。
特にリリィがエンカに言われたとおり彼の上着を脱がそうとすれば、その瞳と目があうかもしれない。
切断面から外を覗いていた瞳はすぐにフェードアウトし、また黒い布のようになった。


>「ここよエンカ君、あたいのお気に入りの場所なの。」
エンカの左手を持ち去った少女が、大きなイチイの木の前でエンカの左手にそう呼びかけた。
彼女はその木の下に腰掛け、テイクアウトしたサンドイッチを紙袋から取り出す。
>「ほら…触ってみてエンカ君。まだ柔らかいでしょう?このサンドイッチのパン、焼きたてだから。」
少女はそう言いながらエンカの左手にサンドイッチを持たせ、
それを自分の口元に運んでサンドイッチにかじりついた。
>「ちょっとあたいの昔話を聞かせてあげる。あたいがまだ4歳だったころだけど、
> 近所にトミーっていう同い年の男の子が住んでたの。あたい達はよく公園で一緒に遊んでたわ。
> あたいはトミーのことがすごく好きだったの。
> ある日ね、トミーの左手が公園の遊具に挟まれて…切れちゃった。
> トミーがその後どうなったか知らないけど、あたいの母親が魔女でね、
> トミーの切れた左手を凍らせて保存してくれたわ。
> あたいは毎日その手を眺めてた。トミーがいつか帰ってくると信じて。
> 帰ってこなかったけどね。」
少女は少し、ため息をついた。
>「あたいを追いかける気なのねエンカ君。
> でも、ドコデモ・ドアーの秘密を解かない限り、あんたはあたいには勝てないよ。」
230 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/05/01(土) 14:31:45 P
>217
というわけで受付に出戻るフリード少年
「なんか道中左手がなんとか叫んでた人とかいましたけど何があったんでしょうか?」
どうやらなにか事件があったようだが今のフリードに撮っては些細な出来事である
「ちょっとお姉さん!僕、男の子ですよ!女子寮の鍵渡してどうするんですか!!」
早速文句を言うフリード少年
だがこんな小さい男の子が女の子と一処の場所で生活しても
見た目上何の問題もないと思われる
「え?そうなの君?……………ちょっと失礼」
何の躊躇いも無くフリードの股間を触る受付嬢
「にゃ〜!?」
(痴女だこれぇ!?)
「ほ、本当だ!?ごめんなさいすぐに取り替えるわ」
すぐさま女子寮の鍵を回収し男子寮の鍵と取り替える受付嬢
だがしかしもっと他に確認する手段は無かったのだろうか?

「さあ今度こそ男子寮に行きましょう!!」
いきなりセクハラ行為を受けたフリードだったが
とりあえず無かった事にして男子寮へと足を運ぶのであった

「ここが男子寮…………すごい!キッチンにトイレに一人用のお風呂に魔導冷蔵庫まであります!!」
 水を利用する設備が充実していることにあっと驚くフリード少年
ジルベリアと違っていちいち氷を溶かさなくても水を利用できる設備は
雪と氷に覆われたジルベリアの住人にとっては驚きであった

ちょっと狭いけど一人暮らしには充分の環境ですね。とりあえず猫トイレと爪研ぎを設置しましょうか」
普通の寮ならペット不可だと思うがそこは魔法学園
普通じゃない使い魔の存在を考慮しているため猫ぐらいならディフォルトでOKである
「ちゃちゃちゃちゃん…………猫トイレと猫砂♪」
懐から物理法則を無視した大きさの猫グッズを取り出すフリード
「あとは万能ペット用コタツスペイザーですね」
何故か西洋風北国ワールドなジルベリアに存在するコタツ
どうやら東方文化を色々と受け入れているらしい

「え〜と使い魔預りセンターのお知らせ?
 知能が動物並の使い魔を有料にて預かります?」
入学式が始まるまで暇なので学園の案内を読むフリード少年
「にゃなぁ」
(じゃあ僕には関係ないね)
「人間型に変身できる使い魔にはちゃんと服を着せ
 使い魔だとわかるように”使い魔ですよv”バッチを着けること」
 ”使い魔ですよv”バッチは購買にて購入出来ます
「決して全裸で歩かせ無い事、猥褻物陳列罪に問われるのは主人の方です」
「なにゃぁ」
(これも僕には関係ないね)
「なおかつその使い魔が異性の場合は決して手を出さぬこと
 入浴を一緒にする時は必ず動物形態にて行う事
 ムラムラしてしまってからは手遅れです
 …………手を出すってどういう意味でしょうか?」
何書いてやがるんだ学園案内
「人間を変身魔法で動物にして使い魔とするのは人道的に禁止」
そのたもろもろの禁止事項がずらっと書かれている

231 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/05/01(土) 14:33:16 P
>229
「お腹が空いたら利用しよう学園食堂」
ぐ〜とお腹が鳴るフリード
「とりあえずご飯食べに行きましょうか
 グレンはねこまんまでいいですか?」
ねこまんままで置いてあるのか学園食堂?そして猫が入っても大丈夫なのか学園食堂?
ペットドラゴンとか空飛ぶクラゲとかに比べたらまだ普通だろうが食堂に動物って………
まあ獣人のことを考えたら別に問題ないか………

そしてやってきたのは学園食堂
「ボルヒチ定食いっちょ!!」
無駄に男らしく注文をするフリード
「さっきマネキンの手首と会話している女の子とすれ違ったような気がしたんですけど?
 気のせいですね」
思いっきり生手首だったのだが理性がそれを生物だと判断することを拒否した為
マネキンの手首だと思い込んだフリード
「にゃあ」
(僕知ってるハンドくんだよね)
現実逃避してアダ●ス・ファミリーネタを言うグレン
はたして彼らは被害に合わずに済むのか?
232 :ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/05/01(土) 23:53:18 0
>223>224
「うわーん、どうしよぉ〜……」
ネリーはまだ校門前に居た。何故か?
不安げにおろおろしているだけで、どうするべきか見当も付いていなかったのだ。
そこに、救世主が現れる。
>「よォ、お互い無事でよかったなァ。リリィが見つかンねェのか?」
「う、うん、そうなんだけど。ヨーン君は見てない……って、ヨーン君?」
小文字と『ん』の発音が特徴的な声。
振り向けば、先程出会ったばかりの新入生仲間・ヨーンが駆け寄ってきていた。
「無事に来れたんだ!よかった、リリィちゃんとはぐれたみたいで……」

>「リリィちゃんは先に学内に入っちゃったみたい。中に入ればその内見つかるよ」
突然背後から言葉が発せられる。話しかけられたネリーの反応は。
「うっひゃあ!?ユ、ユーリさん!」
当然、行き成りすぎる登場に驚く驚く。
しかしその反応を受け流してユーリは魔法を行使する。
>「ようこそ新入生諸君!!」
瞬間、ぶわっ、と、色とりどりのバラの道ができた。少し遅れて芳しい香りが鼻腔をくすぐる。
燃えるような赤、輝くような黄色、青なんていう珍しいものまで瞬時に咲き誇っていた。
おおっという驚きの声があちらこちらで上がっていた。
>「落ち着いたかな、ネリーちゃん?
>それとも薔薇はお嫌いかしら?」
「いえ……素敵な魔法、ありがとうございます」

ネリーの感動の表情にカラカラ笑い、ユーリは更にバラの道を延ばしていく。
>「この薔薇を辿っていったら想い人に出会えるかもよ?
>………向こうが移動してなかったらね。悪いけど私にゃそこまでの責任は取れないや」
>「よし、ならこれを辿っていけばいいんだな?んじゃ行こうぜ、送ってくれたことも含めてありがとさん」
「何から何まで、本当にありがとうございます!今度、何かお礼でも……わっ?ま、待って〜!?」
感謝の言葉を述べ切る前に、ヨーンに手を掴まれて半ば引きずられていった。
さあ、無事に『想い人』に出会えるのか。

>185>217>225>229
>「いやァ、でも良かったぜ。学園に着いたはいいけどよ。
> 知らない場所に知らないヤツ等ばっかりでよ、困ってたんだよ」
文字通りの花道を肩を並べて歩きながら、ヨーンとネリーは談笑する。
「結構怖いよね、知らない場所って。わかるわかる〜」
ある程度の目処を立てられて一安心のネリー。
満面の笑みとは行かずとも、ニコニコと安堵の笑みが浮かんでいる。
233 :ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/05/01(土) 23:56:29 0
そのまま進んでいくと、中庭で花道が途絶えていた。
ここからは自力で探すしかないだろう……と、思ったそのとき。
>「お願いだから偉い人にあわせて。皆を助けてって言いに行くからぁ!!」
嗚呼、なんて簡単に見つかるのだろう。
叫び声の原因は、見るも無残なリリィ。こちらの『想い人』である。
枝葉塗れであるのを見て、ネリーも髪の毛に絡まっている葉っぱや小枝に気付いて慌てて取っていく。
ヨーンが落ち着かせに行くと、こちらに驚きの視線を向けてきた。
>「まァ、そういうことだからさ、とりあえず助けは呼ばなくても大丈夫」
「そうそう……というか、終わってたんだ。今の今まで気付かなかった……」
自分の間抜けっぷりに苦笑する。何処か抜けているネリーであった。

>「とりあえずあの女を追いかけて左手をとりかえさねぇと書類にサインもできないぜ!
>ちくしょう!今日は女難の日かよ俺はよーっ!」
「うん?この声は……エンカ・ウォン君!」
>「エンカもここに居たのか」
>「ヨーン!無事だったのか!それにリリィとネリーもいるな!まったく、やれやれっすよ!」
「無事に着いたんだね、よかった〜」
ぽやぽやと笑みを浮かべていると、ヨーンが何かに気付く。
> 「おい…エンカ…お前その手どうしたんだ?」
「手?」
そう言ってちらとエンカの手に目線を落とす。

左手が無かった。

「わぁ〜っ!?てててててて、手が無い〜っ!?ささ、さっきまであったよね!?なんで〜!?」
>「どーもこーもねーっすよ〜!」
>エンカは先ほど自分が林から中庭に現れた後、謎の少女に左手を切断された経緯を皆に話した。
>「血もでなければ痛みもねぇ!
> ヨーン、おめぇも大木を切断してみせたが、あの女の能力は少し違うみてぇだ。
> おめぇと同じ能力で切断したなら、骨付きカルビみてぇになるはずだからよぉ!」
「うわ〜、さっすが魔法だね……」
事情を聞くだけ聞けば、なんとか平静に精神状態を保てた。
しかし、顔色は少しだけ青ざめている。

>「ネリー…グラディスはどうした?あいつの鼻なら、あの女の匂いを追跡できると思ったんだがよ〜。
> (略)そんな都合のいい展開はねぇよな〜。メルヘンやファンタジーじゃあるめぇしよ〜。」
その言葉でグラディスを思い出す。
ショックと安堵の連続があったせいか、かなり忘れかけていた。
「そういえば居ないよね。ヨーン君、グラディはどうしたの?あのタフなグラディがやられた風でもないし。
 あ、でもきっと探してくれないよ。随分前のことだけど、グラディの鼻で探し物を探してもらおうと思ったんだ。
 けど、『犬扱いすんなー!俺は人狼だぜ!?』とか言って怒ったし」
グラディスの声色の真似を交えて話す。
「私の召喚レパートリーにもそういう追跡できるのはいないし。
 二人は何か良い案ある?私には思いつきそうに無いよ〜」
234 :グラディス ◆e2mxb8LNqk [sage]:2010/05/02(日) 00:00:35 0
>219
そのまま寝転んでいると、なんかやってきた。
鳥だ。鳥である。
あまり知識の無いグラディスにはどのような種類かは知らないが、兎に角鳥だ。
その鳥は図々しくもグラディスの胸の上に陣取り、口を開いて喋りだす。
>「少年、どうやらへとへとの様だね。
> 魔力が尽きて動けないのだろう? なら、私が学園まで運ぼう。
> ここにいると、たちの悪い生き物の餌になってしまうからね。
> それとも自分で歩けるようになるまで、休んでいくかね?」
「んあー……あ!?鳥が喋ってる、だと……!?」
そのままの状態でカッと目を見開く。
獣の金色の眼で見据えていると、なんとなく落ち着いた雰囲気の鳥がなんとなく憎らしく感じられる。
>「何故、と聞かれる前に喋っておこう。彼に頼まれたのさ。
> そう言うわけだ、お節介を受けてくれると助かるんだが」
「それよりも何で鳥類が喋ってるんか気になるがな。彼ってそこのおっさん?
 まあ有り難いわなー。疲れてるしさぁー、だりーしさぁー」
なんとなく偉そうな鳥風情にぐちぐち言うグラディス。

ふと辺りの静けさに身を任せて――閃く。思い出す。
「あ゛ッ!荷物ッ!」
疲れた体をがばりと起き上がらせて叫ぶ。鳥は無視。
そう、彼の脳裏に浮かんだのは自らと妹分の荷物。
廃墟に置いてきた二つのトランクケースだった。
この場合、彼にとって重要なのは中身である。
「あん中には俺のマジックアイテムと財布がッ!あと、ネリーのにはポスターだっけか!
 ガリオン金貨何枚だっけ?兎に角今一文無しじゃねーか俺ぇー!
 マジックアイテムも馬鹿洒落にならねー!珍しいもんも、そしてよりによってウルフォード家のもあるっつーのに!
 あれを放り出したとか言ったときには……やばい!
 鳥っ!ちょっと廃墟に荷物あるから取ってきてくんない!?金貨一枚やるからさー!」
頼む!と、グラディスは手を合わせて懇願する。
先程とは違った冷や汗が彼の額を流れていく。

グラディスが思い出すのは、かつての父の姿。
魔法の素質があるとわかってから、氷魔法を叩き込み始めた張本人。
火の方により素質があるというのに、無理やり教え込んだ氷属性の一流魔法使い。
冷ややかで厳格な、職業資産家兼研究者のウルフォード家当代。
その息子はガクガクブルブルと先と別種の恐怖に怯える。
「親父にブチ割られるー!荒れ狂う海も蒸気機関車も止まる勢いで息の根を止められるー!
 あの親父に渡されたものをなんであの時投げ出したんだよ俺ぇぇぇぇええええ!!」
235 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/05/02(日) 00:11:35 0
>228
クレイは外を歩いていた。寮に行こうかと思ったが、それは式の後でもいいと思った。
「ん?」
ぶらぶら〜と学園の見て回っていたら、教師がいた
そして、その教師の前にはバナナの皮があった。それも人一人が下にいるのでは無いかと言うほど大量に
......全部あの教師が食べた跡なんだろうか。それとも、あそこでバナナの神でも降臨させるのだろうか
......興味は尽きないが、知ったところで意味がなさそうなので、そこを離れる事にした
「あ、そういえばお前が拾ったトランク、学校に預けないとな。職員室にでも行くか」

職員室にトレスの拾ったトランクを預ける。一つかと思ったら三つあった。お前はトランクが好きなのか?
預けるときにまた名前を書けと言われた
理由を聞いたら、持ち主が現れなかった場合に処理してもらうため、だそうだ。......魔法で何とかしろよ
今回はフルネームでなくてもいいので、【クレイ】とだけ書き込んだ

「うぁ〜、眠たい...」
太陽の光が、心地良い暖かさと一緒に睡魔まで運んできたようだ
ああ、眠りたい。あの青々と茂った芝生の上で.........と言うか、寝る。決定
睡眠欲ってたしか三大欲求の一つだったよな。それに逆らうのは生物として駄目だろ
「トレス。俺は寝る」
クールなんて知らん。寝たいから寝るのだ。と言わんばかりの勢いで芝生に転がる
「わかりました。ついでですから私もスリープモードに移項します」
念のために電気バリアを張っておく。......まぁ、どちらかと言うと癖に近いが
もうそろそろ眠れるところで、トレスが何かをしているようだ
薄く目を開けると、いつの間に作ったのかは知らないが[触るな危険]と書いた看板を立てていた
今すぐ消滅させたいところだが、面倒なのでそのまま寝た
236 :リリィ ◇jntvk4zYjI の代理[sage]:2010/05/02(日) 11:19:08 P
>223 >224 >225 >229
縋りつかれている不幸な生徒も、色々説得はしたようだが、彼女はその返答では満足していなかった。
「そんな事言わないで、どうかお願いしますー!!」
青い薔薇の道という目立つ魔法が発動しても、パニック状態のリリィは全く眼中に無かった。

そんな押し問答を救ったのは、突然現れた(とリリィは思っている)人影、だった。
>「とりあえず落ち着けよ。その人なんか困ってるぞ?」
リリィはヨーンとネリーを凝視したまま、完全に固まっている。
「あちゃー、酷いことになってんな…」
長身のヨーンは身をかがめると、リリィの頭にくっついてる葉っぱや木の枝を取っていく。
リリィはひとつ瞬きをした。
その向こうでは、女子生徒と話していた男子生徒が突然叫び声を上げていた。
特徴的な髪型と服装はリリィには見覚えがある。
そう、森の中で別れた『魔法の使えない』エンカ、その人だ!
リリィはまたひとつ瞬きをした。
「・・・・・・・皆、無事学園に着いてるの?」
>「まァ、そういうことだからさ、とりあえず助けは呼ばなくても大丈夫」
>「そうそう……というか、終わってたんだ。今の今まで気付かなかった……」
ヨーンは力の抜けたリリィの手を引き、その場に立たせた。リリィの頬に赤みが戻ってきた。
ここに来て、ようやくリリィにも実感が沸いてきたようだ。
「・・・・・・・よかったぁ。本当に良かった!
 じゃあ、皆移動先はバラバラだったけど、グラディス君達もきっと学園に到着したんだよね。良かったねネリーさん!」
リリィはほっとしたような笑みを浮かべた。
「あとで、親切な先輩にも改めて御礼言わなくちゃ!」
もしも後発組の状況を知っていたら、とてもこんな風に落ち着いていられなかっただろう。

> 「エンカもここに居たのか」
>「ヨーン!無事だったのか!それにリリィとネリーもいるな!まったく、やれやれっすよ!」
「そういえば、エンカはどうやって学園まで来たの?あっ!新しい魔法の力でびゅーんと?」
リリィは、つい先程別れたばかりのエンカが、自分達と同じタイミングで到着した事実に今頃気づいたようだ。
もっとも、森に点在した空間の歪み、ユーリの魔法発動に生じたイレギュラー。いる筈の無い侵入者達。
タイムラグを埋めた原因は、リリィが知らないだけでいくらでも考えられるのだが。
(あっ!そういえばヨーンさんに髪のゴミとかいっぱい取ってもらってたよー!!
  御礼言った方がいいのかな〜?で、でも今頃になって御礼言うのも変・・・・かなぁ?意識してるみたいだよね?)
リリィは手を引っ張ってもらった事を思い出し、1人あわあわした。
(こ、ここは特別意識するところじゃないわよね!!!)
1人百面相しているリリィをよそに、こちらは全く意識していないヨーンはエンカの異変に気づいたようだ。

> 「おい…エンカ…お前その手どうしたんだ?」
「「手?」」
リリィとネリーは揃ってエンカの手を見た。
そして。
>「わぁ〜っ!?てててててて、手が無い〜っ!?ささ、さっきまであったよね!?なんで〜!?」
「たたた大変!治癒魔法使える人に診てもらわないと!!」
>「どーもこーもねーっすよ〜!」
>エンカは先ほど自分が林から中庭に現れた後、謎の少女に左手を切断された経緯を皆に話した。
そして血も出なければ痛みも無い事も説明する。
>「うわ〜、さっすが魔法だね……」
「ひぃ〜」と変な声を出しながらネリーの腕にしがみついていたリリィも、その言葉に少し平静を取り戻したようだ。
「ほ、本当に痛くないのね?一体どんな魔法なのよ・・・・・・」
237 :リリィ ◇jntvk4zYjI の代理[sage]:2010/05/02(日) 11:20:30 P
(続きです)
エンカはヨーンから薬を受け取ったが、断面に薬を塗るのは同意しなかった。
>「リリィ、そういやヨーンが俺に薬を返したように、俺もおめぇに箒を返さねぇとな〜。
> 上着の下にズボンのベルトで固定してるからよ〜。…悪いが俺の上着を脱がせて取ってくれねぇか?
> 片手だけじゃあ脱ぎにくいし、あの女を追いかけるときに壊れたらまずいしよ〜。」
「う、うん。分かった!!」
リリィはエンカの服に手をかけた。上着はじっとりと湿っていた。
濡れた服は重く脱ぎにくい。確かに片手では難しいだろう。
(別れた後、川にでも落ちたのかな〜?あとで聞いてみよう」
ネリーとエンカの会話を聞きながら、リリィはエンカの上着を脱がせにかかる。

>「私の召喚レパートリーにもそういう追跡できるのはいないし。
> 二人は何か良い案ある?私には思いつきそうに無いよ〜」
「ごめん。左手を返してくださいっていう無差別テレパシーなら送れるんだけど。
 ただ、そんないたずらできる人ってそう多くないんじゃない?学園の人に特徴を話して、誰か調べ・・・・・・」
箒を引き抜いたリリィは、突然口を噤んだ。
なぜなら、左手の断面から見えたものと目が合ってしまったからだ!
「きゃ――――!!ででで出た!目!腕の断面から目が!!」
だが、皆が断面を確認する頃にはリリィの見た『目』は跡形も無かった。
「嘘じゃないよ!本当だよ!本当にここに目が生えてたんだから!!ぎょろってこっち見た!!」
リリィは必死で言い募った。
「エンカ、あなたは何か感じなかった?
 さっきの話だと、触ると肉の断面みたいな感触あるんでしょ?
 だったら目が生えた感触とか・・・・・・切れた左手が感じてるはずの感覚とかっ!」
238 :エンカ ◇jWBUJ7IJ6Y の代理[sage]:2010/05/02(日) 12:34:24 P
>233>237
>「そういえば居ないよね。ヨーン君、グラディはどうしたの?あのタフなグラディがやられた風でもないし。
> あ、でもきっと探してくれないよ。随分前のことだけど、グラディの鼻で探し物を探してもらおうと思ったんだ。
> けど、『犬扱いすんなー!俺は人狼だぜ!?』とか言って怒ったし」
とネリー。
「本人が嫌がるなら無理強いはできねぇな〜。取られたのはあくまで俺の手だしよ〜」
>「私の召喚レパートリーにもそういう追跡できるのはいないし。
> 二人は何か良い案ある?私には思いつきそうに無いよ〜」
> 「ごめん。左手を返してくださいっていう無差別テレパシーなら送れるんだけど。
>  ただ、そんないたずらできる人ってそう多くないんじゃない?学園の人に特徴を話して、誰か調べ・・・・・・」
> 箒を引き抜いたリリィは、突然口を噤んだ。
なぜなら、左手の断面から見えたものと目が合ってしまったからだ!
> 「きゃ――――!!ででで出た!目!腕の断面から目が!!」
「じょ、冗談じゃ…」
> だが、皆が断面を確認する頃にはリリィの見た『目』は跡形も無かった。
> 「嘘じゃないよ!本当だよ!本当にここに目が生えてたんだから!!ぎょろってこっち見た!!」
> リリィは必死で言い募った。
「リリィがそう言うなら本当なんだろうな〜」
> 「エンカ、あなたは何か感じなかった?
>  さっきの話だと、触ると肉の断面みたいな感触あるんでしょ?
>  だったら目が生えた感触とか・・・・・・切れた左手が感じてるはずの感覚とかっ!」
「いや、目が生える感触なんて何も感じなかったぜ。…だが、切れた左手の感触ってのは盲点だったぜ。
 俺は切れた左手は動かせないし感覚もないと思い込んでたのかもしれねぇ。
 もしかしたら切れているように見えていても繋がっているのかも…」
エンカは恐る恐る左手に少し力を入れた。そして、エンカは気づいた。
「ビンゴだぜリリィ。左手から感覚が返ってきた。俺の左手は何か暖かくて柔らかいスポンジみてぇな何かを掴んでいる。
 それがあの女のオッパイとかじゃねぇならよ〜。結構限定されんじゃねぇのか〜?」
三人寄ればもんじゅの知恵という。四人もいれば結論はすぐに出た。パンである。
「…OK、じゃああの女はどこで焼きたてのパンを手に入れたかだ。
 そう言えばあの女ランチタイムがどーのこーの言ってたなぁ。
 最初に出会った時には何も持って無かったから、俺の左手を奪った後にパンを手に入れたことになる。
 こうなったら食堂に行ってみるしかねーよな〜。あの女にパンを自分で焼く趣味がねぇと祈りつつよ〜。

…で、食堂にはどうやって行けばいいんだ?俺にはまだ学園の地理がわからねぇよ?」
239 :リキル ◇GdwEn6wJAk の代理[sage]:2010/05/02(日) 12:49:32 P
>>228「…………???」
リキルの右ストレートはファンブルマンの顔面を捉えた。
しかしリキルの表情は冴えない。
というより驚きを隠せないでいる。
右ストレートを放った本人が、まさか当たるとは思っていなかったのだ。
リキルの拳を受けたファンブルマンは2、3度転がった後、綺麗にY字フォームを決めた。
「…なんだよ……魔法学園の教師っつのは打たれ強いだけか?」
>「そうか、コーヒー牛乳の瓶の蓋は学生の頃メンコにして、それっきりだったな。
懐かしい、実に懐かしい思い出だ……」
ファンブルマンは鼻から血を流しながらブツブツと独り言を言っている。
>「そして、少年。僕は君に感謝しているよ。君に敬意を払う。なぜかって?
僕には
“武器を持たない、武器を持った相手には逆らわない”
と言う信念があってね。つまり、」
「ブツブツうるせぇよ先公。」
ファンブルマンの話を待たずに再び突っ込むリキル。
>「『君』は『走る』ことに『失敗』する」
「あ?…んなぁっ!!?」
右ストレートがファンブルマンの顔面を再び捉えようとした時、リキルの頭上にタライが落ちてくる。
>「つまり、君なら好きなだけ『失敗』させることができるのだよ……さて、
『立ち上がる』ことに『失敗』したまえ
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、
『失敗』したまえ、」
「ふざっ…けんっ…なっ……!つまん……ねぇっ…魔法っ…使って…んじゃっ……ねえっ……!!」
立ち上がろうとする度にバナナの皮を踏んでしまい、ついにはバナナの皮に埋もれてしまった。
>「おや、これは計算外だ。
どうだい少年。早く参ったなら参ったと言ってくれ。バナナの皮に埋もれて死んだなんて、後の世の教科書に載
ってしまうぞ?」
「こんの野郎…ふざけた魔法使いやがって…。
 もっと真面目に闘いやがれ!こんなん全然楽しかねぇんだよっ!!」
バナナの皮に埋もれたまま抗議するリキルであった。
240 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/05/02(日) 21:17:50 O
>>239
>> 「こんの野郎…ふざけた魔法使いやがって…。
 もっと真面目に闘いやがれ!こんなん全然楽しかねぇんだよっ!!」

バナナの皮の中でリキル少年がわめく。
そろそろ召喚科の先生に任せればバナナの神が呼び出せるほどの皮の量になってきていた。いったい誰がこんな
にバナナを食べたのだろう?実は心当たりはあったのだが、あえてファンブルマンは深く考えることを止めた。
この学園には、想像するだけで脳味噌を掻きむしりたくなる程の先生が腐るほどいるのだ。
それにしても、とファンブルマンは思った。
楽しくないとは?
ファンブルマンは困ってしまった。彼にとってその言葉を聞くのは人生において二度目だった。そのはずだ。
そうだったはずだ。
……ひょっとしたらそうじゃなかったかもしれない。ファンブルマンは余り過去を反芻しない人物で、記憶を掘り起こすのはとてつもなく苦手だった。

(そしてこの少年、我が愛娘と同じ病に掛かっているらしいな)

即ち、“強くなりたい病”である。

ファンブルマンから見ればやってることはハムスターが車輪の中をくるくる回っているのと何ら変わりがないよ
うに見えるのだが、この少年と同じように、娘はいつも勝利を求めてこちらに突っかかってきては、タライに襲
われているのだ。
だから、こう言う時には、どういう対処をすれば良かったか……そうだ。

「少年よ、いや、若人よ。
どうも君は負けを認めたくないようだが、実はこちらも勝ちたいわけではないのだよ。暇潰しだしね」

そこで!!とファンブルマンは勢い良くビシリと目の前のバナナの皮の山を指差した。格好良い。そして特に意味
はない。ファンブルマンの行動の八割は無意味さで構成されているのだ。ちなみにあとの二割は混沌と娘への愛
情である。

「君に宿題をあげよう!!
宿題をクリアーしたら君がこんなに恥ずかしい負け方をした、と言う事実を帳消しにしてあげるつもりだ。文字
通り記憶から抹消してあげよう。
もちろん単位も与えるぞ!!ちなみに僕の授業の単位は貴重だ。上級生が泣いて羨むぞ。
さらに今なら昼食もおごってあげよう!!ちょうどお昼時だ!!
さあ、このままバナナの皮に埋もれて歴史の教科書に載るか、『まいった』と一言言って宿題と昼食を手に入れ
るか。

選びたまえ!!」
241 :ベッドフォード ◇k4Jcxtcj の代理[sage]:2010/05/02(日) 22:14:39 0
「なるほど……
漆黒の鎧は確かにそう言ったのだな?」

車の後部席で足を組み悠然と構える老人は先刻の出来事を対面に座っているオワゾーへと問い掛けた
「はっ…確かに言っておりました…
『朝日に響く』と…」
「そうか…これで計画は本格的に始動した
後は両者の完全な覚醒を待つ間、我々は遂行に必要な遺物(アーティファクト)を集めれば良い…」

「あの…総裁…お聞きしたい事が…」

「何かなオワゾー?」
「その計画とは一体何なのですか?
それが我が財団の最重要課題である事は承知していますが…!」
オワゾーの必死な問い掛け虚しく老人は彼をじっと睨みつけその願いを一蹴する
「お前が仔細を知る必要は無い
私が命ずる通り動き『伝達者』としての役目を果たせばよい」
オワゾーは何か言いたげではあったが老人の視線に萎縮してしまいこれ以上は何も言い出せなかった

「じき学園に着く……
計画の礎となる者達の顔を見ておくのも一興か…」
242 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/05/02(日) 22:43:32 0
>>229>>235
「あら、良いところ。」
目の前に広がる芝生と大きなイチイの木を見てセラエノが思わず感嘆の声を上げる。
そよ風が草野臭いとともに頬を撫でる感触。
暖かく注ぐ日の光。
ここを抜ければ寮という事だったのだが、思わず足を止めたくなる不思議な場所。
あまりの心地よさに眠気を誘うほどに。

それを証明するかのように先客が芝生に横になり吐息を立てている。
近づいてみるとそれは森であった顔、クレイだった。
[触るな危険]
たて看板にクスリと笑いを漏らし、寝顔を見て声をかけるのを止めた。
ゼルフェルド襲来で別れたが、無事到着していたと言う安堵と、気持ちよさそうな寝顔に声をかけるのが憚られたのだ。
そのお陰で電気バリアに引っかかる事を回避できたのは幸運だと言えるだろう。
起こさないようにそっと離れる。

気持ち良いので少し離れた場所で座り、日向ぼっこでもと腰を落としかけたとき、不思議な光景が目に入る。
イチイの木の下でサンドイッチを食べる女子生徒。
それだけならどこにでもある光景だが、その食べ方が異様だった。
下ろしかけた腰を上げ、イチイの木の下の少女へと歩み寄る。
「はじめまして。私はセラエノ・プレアデス。新入生よ。
一つ聞きたいのだけど、どうして自分の手で直接でなく、その別の手にサンドイッチを持たせてそれを持って食べているの?」
心地よい木漏れ日の下で尋ねる。
243 :ルータ ◆IxIZE6/6Ok [sage]:2010/05/02(日) 23:31:24 0
魔法学園には驚くほどあっさりと到着した。
モンスターの襲撃や新入生同士のトラブルなど、なんのイレギュラーと遭遇することもなかったのだ。
今目の前にあるのは立派な正門。
入学試験を突破した生徒たちが次々と集まってきている。
>>222
>「ルータさん、ありがとう」
軽く頭を下げるゼルキ。
一方のルータは何かお礼を言われるようなことをしただろうかと首をかしげる。
>「正直、この入学試験は俺だけだったら無事に辿り着けたかどうか判らなかった。
  無事に辿りつけたのは、セラエノさん達とルータさんのお陰だと思ってる。
  だから、ありがとう。それから……これからの学園生活でも、よろしく」
「あは。こっちこそよろしくね」
ルータは笑顔で応じる。
その笑顔に含むところはまったく感じられない。
「あ、でも他のヒトともちゃんと仲良くしなきゃだめだよ? 同じ学生なんだし、ね」
と、思い出したように小さな鞄をがさごそと探りだした。
「そうだ、書類出しに行かなきゃね。一緒にイく?」
そう言って、彼女はここにきて初めて入学許可証を他人に見せた。
244 :ゼルフェルド ◆46fzeSvBIISb [sage]:2010/05/03(月) 17:02:42 0
走っていた少女が、急にその足を止めた。
やはり、気付かれたか……!

>「誰だ!そこにいるのは聞こえているぞ!!」
駄目か。完全に気付かれてしまったようだ…しかし、まだだ。もう少し隠れる努力というものをしてみよう。
全身から気配を消し、周囲から聞こえ来る自然の呼吸に、自身も合わせる。
撃神もそれに倣い、脚はまるで地に植わった樹根のように。その身は長年座り続けた岩のように。
身動き一つ取らずに静寂を保った。


>「そちらがこないなら、こちらから行くぞ!」
木の枝や草を払いのけ、少女が目の前までやって来る。それでもまだ沈黙。
何より、周囲はそこそこ暗く、この身も撃神もまた漆黒。忍べば、決して隠れきれない状況ではない。
>「あなたか…この森で野暮な音を出し続けていたのは。」
もう良い。何か恥かしさを覚える。というか完璧にこちらが認識されている。
仕方ない…と、肩をすくめて、始めて言葉を発する。

「失礼した……騒がしくさせてしまったようだな」
とりあえずは撃神から降り、武装の一切を背に回す。
存在の危機に陥る程の攻撃でも飛んでこない限り、女性に刃を向けるわけにはいかない。
こちらに敵意は無いことを第一に伝え、ここは穏便に済ます為、出来るだけ落ち着いた優しい声音で語る。

「私はゼルフェルド…故ありて、新たに学園を目指す者の、武を視ている」
>「あいにくこんな眼だ。私は戦闘には向かない。強者との戦いを求めるならお門違いの相手だ
 私としても戦闘などと言う無粋な音は出したくない…」
「…私としても、女性に危害を加えるようなことは避けたい。
利害が一致するようなら助かる」
音……そういえば手には楽器などが握られている。
少々変わっているように思うが、これが彼女の「器」なのだろうか…?
そんな疑問も程々に、思考を切り上げる。

「此処を通り往くのは構わんが……察するにどうやら眼が不自由な様子……
仮に眼が光を持っていようとも、この森を抜けるのは少々面倒であろう。
……実勝手ながら、助力させてもらうぞ」

そう言うと、ゼルフェルドの両手が燃え上がり、拳から二匹の黒い炎の龍が現れる。
龍、といっても、普通の蛇程度の大きさだが。
二匹の龍はしばらく辺りを見回すと、浮き上がって桜花の頭上をくるくると回り始めた。
「ここから学園までそう遠くはない。駆け抜けるだけでも、魔の者から逃れることはできよう。
しかし、咄嗟に何が起きるか分からん。その時に使うと良い」

自分達が紹介されたことに気付いたのか否か、二匹の龍は「ズェア」と鳴いた。
245 :ゼルキ・ルオーム ◆l3iGazKSc8Yq [sage]:2010/05/04(火) 01:48:05 0
>>243
>「あ、でも他のヒトともちゃんと仲良くしなきゃだめだよ? 同じ学生なんだし、ね」

「はは……わかった。気をつける」
左腕で鼻の頭をかきながら苦笑を浮かべるするゼルキ。
どうやら、先程出会った二人の学生に自分が取った態度の事を思い出したらしい。

(フリードって奴はともかく、クレイさんには失礼だったよなぁ……もし学園で会えたら、謝らないと)

>「そうだ、書類出しに行かなきゃね。一緒にイく?」
内省していたゼルキに、ルータは鞄からがさごそと入学許可証を取り出すと、
書類の提出に付いて来るか尋ねてきた。

「ん? そうだな……うん。ルータさんがいいなら同行させてもらうよ」
ゼルキも彼自身の鞄……森の散策で薄汚れたそれから書類を取り出す。
幸いにして、泥や汚れは鞄の中までは染み込んでいなかったらしい。
書類は書き込んだインクの黒を除いて真っ白であった。

「確か、書類を提出するのは本館だって聞いたから……ん?」

>>239 >>240
ゼルキが向いた方角。そこには、何故かバナナの山。
そして、そのバナナの山をビシリと指差しキメ顔をしている男性の姿があった。

(……流石、魔法学園っていうだけあって色々な人がいるんだな。きっとあれも、
 何かの魔法の訓練をしているに違いない。うん、そういう事にしておこう)

「えーと……書類を提出するのは本館だって聞いたから、そこに向かおう」

とりあえず、見なかった事にしたらしい。ゼルキは、ルータに本館に向かう提案をした。
246 :◇jWBUJ7IJ6Y[sage]:2010/05/04(火) 08:19:15 O

>242
少女は近づいてくる別の少女に気づき、エンカの左手を隠そうかと考えたが、それには遅かったと理解した。
少女はそのままエンカの左手でサンドイッチの最後の一口分を口に入れた。
>「はじめまして。私はセラエノ・プレアデス。新入生よ。
>一つ聞きたいのだけど、どうして自分の手で直接でなく、その別の手にサンドイッチを持たせてそれを持って食べているの?」
「なるほど、あんたも新入生。だからあたいに近づいてきた。」
少女はそう言った後、エンカの左手の切断面を見た。
その切断面は、エンカのそれがそうである通り、黒い布のようになっている。
少女はそこに指をつっこみ穴をあけて中を覗きこんだ。
ドコデモ・ドアーの能力。それは、あらゆるモノを切断し、その切断面同士を空間魔法でつなぐことである。
少女はその能力を使ってエンカの行動を把握することができた。
今回も、エンカの側にいた誰かと目があうハプニングがあったが、エンカ本人はいぜん自分から離れていることが確認できた。
穴をあけた切断面も、放っておくだけですぐに穴が塞がるので、
エンカ達がドコデモ・ドアーの秘密に気づきさえしなければ、こちらの状況を逆にチェックされることはないだろう。

結論として、少女はセラエノとエンカは無関係だと判断した。少女はセラエノの質問に答えた。
「理由があるとしたら、それが気持ちいいからよ。気持ちがよくなる理由は知らないけど。」
少女は恋人同士がそうするよに、エンカの左手と自分の手の指を絡ませ、頬擦りをした。
「あんたはマスターベーションをする時、何故それが気持ちよくなるのか考えたことある?
 あたいはそんな事は考えない。ただ、気持ちよくなれる事が重要だから。
 考えるのは、もっともっと気持ちよくなる方法だけ。
 あんたがマスターベーションする事を考えたことが無いのなら、あたいはこれ以上左手の事は話さない」
少女は紙袋の中にエンカの左手を入れ、再び新しいサンドイッチを持たせた。
「だってそれは無駄なことだから…
 無駄なことは嫌いなの…
 無駄無駄…」
その時、少女の持つエンカの左手がサンドイッチを握って潰した。当然少女が気づかないはずがない。
「エンカ君ったら、まさか…!」
そしてセラエノもまた、少女がそう言った以上、その左手の正体に気づかないはずもなくなっただろう。
247 :リキル ◇GdwEn6wJAk[sage]:2010/05/04(火) 13:45:06 0
>>240バナナに埋もれながら叫ぶリキルに対し、ファンブルマンは言った。
>「少年よ、いや、若人よ。
どうも君は負けを認めたくないようだが、実はこちらも勝ちたいわけではないのだよ。暇潰しだしね」
この言葉はリキルのプライドを大きく傷付けた。
「勝ちたいわけじゃない?暇潰しだと…?」
バナナの皮の中でリキルの怒りが沸々と音をたてている。
そしてリキルの怒りに油を注ぐようにファンブルマンは言葉を続けた。
「君に宿題をあげよう!!
宿題をクリアーしたら君がこんなに恥ずかしい負け方をした、と言う事実を帳消しにしてあげるつもりだ。文字
通り記憶から抹消してあげよう。
もちろん単位も与えるぞ!!ちなみに僕の授業の単位は貴重だ。上級生が泣いて羨むぞ。
さらに今なら昼食もおごってあげよう!!ちょうどお昼時だ!!
さあ、このままバナナの皮に埋もれて歴史の教科書に載るか、『まいった』と一言言って宿題と昼食を手に入れ
るか。
選びたまえ!!」
リキルは自分の父親以外に喧嘩で負けた事が無い。
相手が自分より年上でも、相手が10人居ても、負けた事は無かった。
それが相手はたった一人、しかもバナナの皮に埋められて負けるなんて、リキルにとって最大限の屈辱である。
「……誰がそんな提案に乗るかよ!俺を負けさせたかったら気絶でもさせるんだな!」
そう言ってリキルはバナナの皮の山から飛び出す。
「これでも喰らえ!!」
飛び出したリキルはファンブルマンに向かって野球ボールサイズの雷の球を投げつける。
「魔法に頼んのは嫌いだが…負けんのはもっと嫌いなんだよ!!」
248 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/05/04(火) 19:35:54 O
>>247
>>「……誰がそんな提案に乗るかよ!俺を負けさせたかったら気絶でもさせるんだな!」

若人はそう吼えた。つまり、バナナの皮に埋もれて死を選ぶと言うことだろうか?変わった少年だ。

>>「これでも喰らえ!!」

バナナの皮の山から飛び出した若人。電撃の弾を手に持ち、恐らくは不意を突いたつもりなのだろう。こちらに
向けて投げつけてきた。

>>「魔法に頼んのは嫌いだが…負けんのはもっと嫌いなんだよ!!」

「わかっていないな若人よ」

電撃の弾は容赦なく飛んでくる。だがあえて“失敗”はさせない。ファンブルマンなりのケジメだった。この若
人には教師として教えなくてはならないことができたから。

「僕はいつだって真面目に暇を潰しているよ。つまり、どうなるのか解らないから勝負は面白いのであって、勝
ち負けは客観的に見た場合大して意味のあるものではない。
しかし勝ち負けを意識せずに戦う勝負は常に詰まらないものとなる。これもまたしかり。事実だ、美しい事実。
ならは僕はどうすべきなのか?簡単な話だ。全力を出せば良い。全力で、井戸の中の蛙たる君に残酷な事実を突
きつけなくてはならない。例えそれが不正義であれ、現実を突きつけるのが教師の役目、使命だからね」

だから君には世界の深さと言うものを知ってもらおう。

「選択するのは君だ。経緯はどうあれ、君は自分の生き方を変えるためにこの学園へ来たはずだ。
だから今から僕が君に送る言葉を二つ。

“ようこそ”

そして

“『君』は『勝つ』事に『失敗』する”」

弾は到達し、電撃がファンブルマンを襲う。だがファンブルマンは気絶しない。気絶はできないのだ。
ぶすぶすと服の端から黒い煙が上がっている。全体的に皮膚を火傷をしたらしく、服と皮膚が擦れてヒリヒリと
痛んだ。

「ふむ」

若人は気絶していた。ファンブルマンと同じように服の端から黒い煙が上がっている。恐らくは、あまり使い慣
れていない魔法を使ったからなのだろう。効果範囲の設定と、自身に対する電撃の絶縁に失敗したと言うところ
だろうか。

「さてと、若人よ。保健室に行くとするか。鼻も折れてしまったし、ひどい火傷も負った。お互いボロボロだ」

聞こえているかは疑わしい。しかしファンブルマンは一人うなずき、リキル少年を背中に背負って、とぼとぼと
保健室のある校舎へと向かった。

249 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/05/04(火) 19:36:42 O
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
<保健室>

「なあマダム、伝言を頼めないか?この少年が起きたらこう伝えてほしいのだ

『僕に勝ちたいのなら、まずは寮をよく調べてみると良い』

『西側にある階段と、東側にある階段の段数が異なっている、と言うのがヒントだ。ちなみにあの寮は平坦な土
地に建っているよ』

『あと、仲間が居ないと死ぬかもしれないからそのつもりで』

以上だマダム。これから僕は昼食を食べに行くよ。
あと取り出した鼻の骨で何をしようとも構わないが、判明したら人生を失敗させるからそのつもりで。
……なに?珍しく教師らしいって?そういう日もあるさ。熱意ある生徒は、時々僕を教師にする」

250 :ハヤブサ ◆70VgGM3HY6 [sage]:2010/05/04(火) 20:44:47 0
>234-235
何をそんなに驚く事があるのか。
「鳥が喋っちゃいけないかね? まぁ今までの常識に従えばそうなんだろう。
 しかし、君がこれから暮らす場所ではいわゆる使い魔とかが当たり前に存在する。
 鳥じゃなくてももっと奇怪な物体まで喋っていてもおかしくないのさ。
 ……何故喋れるかって? 残念ながら企業秘密だよ」

企業でもなんでもないが、つまり語る気はないと言う事だ。
「その疲れも魔力の枯渇が原因だ。私が君の魔力を回復させれば、
 今感じているだるさやらも嘘の様になくなるだろう……おっとっと?」

疲れてる人間の動作と思えないほどの勢いで上体を起こす少年。
鳥の姿でなければ後頭部をぶつけていただろう。
「荷物? ……その様子だととても大切なもののようだね。
 そうでありながら勢いに任せて放り投げる……これが若さか。
 まったく羨ましいねぇ。年寄りにはその若さが眩しいよ」

鳥がまるで人間の様に肩をすくめ頭を振る姿は人間以上に憎たらしかろう。
むろん、当人(?)にはそんなつもりは一切ないのだが。
頭を抱え悶絶しているグラディスの気持ちなど知る由もなく、鳥は飄々と
「金貨はいらないよ。私は鴉じゃないからね、光り物には興味がないのさ。
 ……ふむ……ソレらしき物は森の中にはないみたいだね?
 おっと、これは……先ほど君と一緒にいた、少年の連れの球状の魔法生物が
 持っていってしまったようだ。彼らは学園に着いてるようだから、
 とりあえずは学園に向かうべきだねぇ」

鳥はその場から一歩も動いてなければ、周囲を確認するようなそぶりすらない。
だのに、その内容は正確だった。理由は『眼』である。


『第三の眼』とは砂漠の国では『万物照覧の眼』と呼ばれお守りなどのデザインに使われているもの。
眼は全てを見通し見守るとされ、事実鳥は眼の力で瞬時に確認を取れたのだ。
なお、時間操作は過去やすぐ先の未来を見る為に備わったもので、あくまでおまけに過ぎない。


「さて、いい加減向かわないとね。森の中に残っているのはごく僅か。
 このままのんびりしてると、最悪入学式に間に合わなくなってしまう……!?」
ハヤブサは異様な波動を感じて死骸の方を向いた。
そこには、死骸を中心に時計の様な術式が浮かんでおり、中心では時間の流れが
視覚で察知できるほどに歪んでいるのが分かる有様だった。

「これは……暴走している?
 確かに鴉には時間魔法の素養があったが……一体何故……」
ともあれ、このまま放置も出来ないとハヤブサが翼を広げ一鳴きすると
術式は消え……17歳前後の姿に戻った鴉が倒れていた。
「……見誤ったか……?」

「少年、予定を変更させてくれないかな?
 私は君の魔力を回復させるから、あそこで倒れた彼を学園まで運んであげて欲しい。
 もし彼が入学を認められなかったらそれは仕方がないと思ってくれ」
返事も聞かぬ内に、再び翼を広げ高らかに鳴くとグラディスは急激に
活力が沸いてくるのを感じるだろう。
251 :桜花 ◆CBcqW9.llE [sage]:2010/05/05(水) 14:27:12 0
>>244
鎧の者はセルフェルドと名乗った。
(武人気質な身のこなし…父上を思い出させる…)
ふと、遠い故郷の親の顔を思い出す桜花
>「…私としても、女性に危害を加えるようなことは避けたい。
>利害が一致するようなら助かる」
「話の通じる相手で助かる…言葉に甘えてここは立ち去れせてもらう」
くるりと背を向けその場を去ろうとする桜花だったが
>「此処を通り往くのは構わんが……察するにどうやら眼が不自由な様子……
>仮に眼が光を持っていようとも、この森を抜けるのは少々面倒であろう。
>……実勝手ながら、助力させてもらうぞ」
>そう言うと、ゼルフェルドの両手が燃え上がり、拳から二匹の黒い炎の龍が現れる。
>龍、といっても、普通の蛇程度の大きさだが。
>二匹の龍はしばらく辺りを見回すと、浮き上がって桜花の頭上をくるくると回り始めた。
>「ここから学園までそう遠くはない。駆け抜けるだけでも、魔の者から逃れることはできよう。
>しかし、咄嗟に何が起きるか分からん。その時に使うと良い」
龍を一瞥し
「重ね重ねのご好意、実に感謝します…」
ゼルフェルドに頭を下げ、今度こそその場を立ち去る桜花
(さて、私もそろそろ学園に向かわなくてはな…しかし、実に気持ちの良い武人にあったものだ…)
自分の頭の上を飛んでいる龍を見ながら思いかえす桜花

「もうここまででいいよ…貴方たちもご主人の下に帰るんだ…」
二匹の龍に別れを告げ、学園内へと入っていく桜花
(さて、先に手続きだけでも終わらせてしまうか…楽しげな音に溢れた場所だ…)
学園の中を歩く桜花

歩く事数分
(手続きをしようにも場所がわからん…)
学園内でorz状態の桜花。果たして彼女は無事手続きを終えることができるのだろうか?
252 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/05/05(水) 21:13:17 0
「頭が痛い...」
頭痛がして目覚めた。何か鋭い物で刺されたみたいに
「何でだ?」
そう思って頭に触れた。いや、触れようとしたが...
「〜っ!?」
その前に何かに触れた。そして、手の勢いでそのまま頭に押し込んでしまったみたいだ
というか、半端なく痛い。普通死ぬ。マジで
その場で痛みをこらえるのに精一杯のクレイだが、そんな事をしてても何の解決策にもならないので、思い切って頭に刺さっている物を抜いた
コメディー描写なら『トッピュー』と擬音が入りそうな勢いで血が吹き出す
「...ナイフ?」
刺さっていたのはナイフみたいな物。刃にはもちろん自分の血がべっとり付いている
誰だ、こんなの物を俺に刺したのは。命を狙われるような事はしてないのに

辺りを見回す。すると紙が一枚落ちていた
〈触ってはいけないみたいなので、ナイフを投げてみました。痛かったらごめんなさい〉
......何ふざけた事を書いているんだ。こいつは
俺じゃなかったら、痛いじゃ済まない。てか、何で投げた
首が取れない限りは死なない体だが、痛いもんは痛い

犯人候補その1:トレス
奴はなぜかは知らないが、字が書けないから違う
絶対つけ忘れただろう。その機能
犯人候補その2:フリード
......いや、それは無い。いくらあいつでもそこまで意味不な奴じゃ無いと信じている
...............信じてるぞ

一応、あれな奴らが犯人じゃ無いと確認して起き上がるクレイ。もう傷は塞がっていた
「おい、起きろ」
スリープモードになっていたトレスを蹴り起こす
「ふぇい!円周率はおよそ3です」
円周率を端折るな。どんな夢をみたんだ。......ロボットは夢をみるのか?
「なんですか?看板が気にいりませんでしたか?」
「ああ、その所為でナイフで刺された」
「大丈夫ですよ。死なないでしょ」
「でも痛いんだよ」
「それで、どうしろと?」
「いや、気晴らしに食堂に行こうと思ってな。犯人などどうでもいい。ストーリー上関係無さそうだし。それじゃ行くぞ」

食堂に行くとフリードが居た。食べるのに夢中でこっちに気づいていないようだ
食べ物の恨みは恐ろしいと聞くので、話しかけないでおく。話しかけられたときに相手でもしよう

注文した物を受け取って空いている席を探していると、この前見た教師が居た。ちょうど隣が空いていた
「すみません。隣いいですか?」

「あなたは教師ですよね。一応、自己紹介はしておきます。
俺の名前はクレイです。そして、浮かんでいるこいつはトレスといいます。以後、宜しくお願いします」
253 :セラエノ ◆LGeruanYjI [sage]:2010/05/05(水) 22:07:20 0
>246
>「理由があるとしたら、それが気持ちいいからよ。気持ちがよくなる理由は知らないけど。」
セラエノの問いかけにイチイの木の下の少女は意味深な言葉と行動の後、素直に応えてくれた。
この時点でセラエノの好奇心は満たされ、更に話が発展するにせよこれで終わるにせよ、目的は達せられたのだ。
だが、少女は思いもよらぬ言葉を発し畳み掛けてくる。
「な・・・ななにを・・・!」
突然かけられた言葉に明らかにセラエノは動揺し、それはとても隠しきれるものでなく態度にも表れる。
仮面の下だけでなく除き見える口元も真っ赤になり、直立不動だった姿勢も今やたっているのもやっとなほどグラグラとおぼつかない。

それはなぜか?
セラエノがこういった事に免疫がなく、気恥ずかしいから?
否。
むしろ逆。
今やセラエノの頭の中ではなぜマスターベーションが気持ち良いのかの理由がぐるぐると回り続けているのだ。
第二次成長期、思春期、性欲、ホルモンバランス、性的刺激、妄想、性知識、指、道具…
…そう、セラエノは凄まじいまでの耳年増なのだ。

あらゆる情報が脳内で巡り、やがてはその負荷に耐えられなくなった結果…
「ぶっ!!」
弾かれるように仰け反ると、その軌跡を描くように綺麗に鼻血のアーチが宙に描かれる。
よろよろっとニ、三歩後ずさると、片膝をつきしゃがみ込む。
その足元にはパタパタっと音を立て鼻血が垂れて血溜まりを作っていった。

無駄無駄…という言葉に抗うようにググッと顔をあげた時、少女の持つ左手がサンドイッチを握り潰した。
>「エンカ君ったら、まさか…!」
「エンカ…学園に来るまでに出会ったわ。面白い髪形をした男の子…。その左手が、なぜ?
左手の事を話さないのなら良いわ。それより、あなたは誰?」
その言葉を聞き、片膝をついたまま言葉を紡ぐ。
254 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/05/05(水) 22:09:19 P
フィジル魔法学園?

目の前のタペストリーには巨大な時計塔
「ここがフィジル魔法学園の世界か」
カメラを首に下げた男がそう呟く

「おのれマジケイド!貴様のせいでこの世界も破壊されてしまった!!」
目指し帽を被った眼鏡の男が悔しそうに叫ぶ

ファイナルメイジライド!フフフフフリージア!!
「姉さんが巨大なツインドリルアームに!?」
あっと驚くフリードきゅん
「お前は何者だ!!」
ピンクに縦縞の入った顔の男を指さして叫ぶ悪人だと思われる人物
「通りすがりの魔法使いだ覚えておけ!!」
他人の姉を勝手に武器にしておいて偉そうなピンクに縦縞の入った顔の男


「うなぁ……」
(は!?夢か………)
訳の分からない夢を見ていたグレン
お腹いっぱいになっていつの間にか眠っていたらしい
って言うか前回と全然話が違うし

「お腹がいっぱいになったら眠くなりましたよ」
だからといってここで眠ってはいけない
だが眠らないと魔力が回復しない

「Zzzzzzzzzzzzzzz…………すぴぃ」
結局寝てしまうフリード
中身はあれな子だが寝顔は天使である
「林檎を兎さんに斬るついでに相手も切り刻んじゃいますよぉ」
訳の分からない寝言を言うフリード
どうやらレベルアップして新しい技を覚えたようだ
っていうか細雪?
255 :フリ-ド ◆cOOmSNbyw6 [sage]:2010/05/05(水) 22:11:26 P


>252
「にゃあ」
周りをキョロキョロするグレン
クレイを見てシュタっと前足を上げる
「にゃにゃにゃんにゃぁな」
(ぼ、僕恐ろしいものを見たんだ!手首と会話する人間の女の子を!!)
だが猫語なので通じていない

「な、にゃあ」
フリードの懐に手を入れ
超簡単!人でも解るケットシー語会話という本を取り出しクレイに手渡すグレン
「にゃにゃにゃんにゃぁな」
(ぼ、僕恐ろしいものを見たんだ!切り取られた生手首と会話する人間の女の子を!!)
また同じことを言うグレン・ダイザー
今度は通じただろうか?

ゴブリンご翻訳をしてみせたトレスなら同時翻訳ぐらい出来るはずと
今度はトレスに本を見せるグレン
「にゃにゃにゃんにゃぁな」
(ぼ、僕恐ろしいものを見たんだ!切り取られた生手首と会話する人間の女の子を!!)
またまた同じことを言うグレン・ダイザー
バンクアニメならぬバンク文章である

「う〜ん、姉さんがやってきて僕の出番や見せ場を全部持ってた………Zzzzzzzzzz」
また訳の分からない寝言を言うフリード
前作のキャラがやってきて次回作のキャラの見せ場を全部奪うのはグレートマジンガーからのお約束である

「にゃなぁ!!」
(きっと殺人事件だよ猟奇的殺人だよ!!)
猫語の言語圧縮率は異常だ

「う〜ん……姉さんに白人なのに何で技名が全部漢字表記なのって聞いたら殴られた………は!?夢か」
ペットと同じパターンで目を覚ますフリード
とりあえず少しはMPが回復したようだ
「おや?奇遇ですね」
とやっとクレイ気づき話しかけるフリード

256 :ファンブルマン ◆Ui8SfUmIUc [sage]:2010/05/06(木) 09:11:17 O
>>252
>>「すみません。隣いいですか?」

一人食堂でコーヒー牛乳を啜っていると、なかなか体格のいい少年が話しかけてきた。
周りを見渡すと、いつの間にやら食堂は人で一杯になっていた。空いている席はファンブルマンの両脇と正面く
らいの物である。

「どうぞ、かまわないよ」

>>「あなたは教師ですよね。一応、自己紹介はしておきます。
俺の名前はクレイです。そして、浮かんでいるこいつはトレスといいます。以後、宜しくお願いします」

「クレイくんにトレスちゃんか。新入生だね、よろしく。多分君たちの……君の授業の一部を担当することにな
るファンブルマンだ。
ちなみにこれは本名じゃない」

と、周りからクレイくんとトレスちゃんに対する同情の視線が集まってくる。ファンブルマンは学園中の生徒か
ら嫌われているのだ。
ファンブルマンのせいで留年させられた生徒は数多く。学園内にファンブルマンの暗殺を目標とする部活が平然
と存在している事からもそれは透けて見えることだろう。ちなみにその部活の顧問はファンブルマンの娘である。

「そう言えば、少年。寮にはもう行ったかな?あそこは面白いぞ、あそこの地下には素晴らしい物があるんだ。
と言っても、地下に行くにはちょっとした細工をしなくちゃいけないんだけどね。ぱっと見はどこにあるか解ら
ないから。
そうだ、少年。ちょっと頼まれてくれないかな?寮の地下から『金属製の小箱』を取ってきてほしいんだ。
……ちょっとした冒険みたいな物さ、嫌ならそれで構わないが、興味があるならもう少し詳しく話してあげよう」

“ちょっとした冒険”の舞台ならわざわざ地下への階段を学園が隠す必要などどこにもない。
これはファンブルマンの、リキル少年へのちょっとした手助けだった。
257 :クレイ ◆eA/eUrt9sQ [sage]:2010/05/07(金) 02:00:00 0
>255
>「にゃあ」
フリードの猫、グレンがこちらに気付いた
>「にゃにゃにゃんにゃぁな」
話しかけてくるが全くわからない
>「な、にゃあ」
「ん?何だ?」
グレンがフリードの懐から一冊の本を取り出した......取り出した!??
本の題名は...『超簡単!人でも解るケットシー語会話』......ケットシーは妖精猫って意味だよな
>「にゃにゃにゃんにゃぁな」
さっきと同じような事を言うグレン。え〜と、意味は...
先ほど渡された本を開く。が......
「うお!?」
目に入ったのは大量の『に』と『ゃ』。偶に『ぁ』や『な』があるのが唯一の救い......んなわけあるか!
>「にゃにゃにゃんにゃぁな」
グレンは俺では力不足だと思ったのか、今度はトレスに本を見せ、話しかける
「ちょっと待って下さい。猫の言葉は訳し難いですから............出ました。
先ほどの言葉の意味は[ぼ、僕恐ろしいものを見たんだ!手首と会話する人間の女の子を!!]又は[ヘイ!あんちゃん。その魚、美味そうだな。俺にも少し分けてくれないか?]です」
前者と後者の差がありすぎる。どうなってんだ?
「ほら。これで満足か?」
普通後者だろ、と考えたクレイはグレンに魚を分けてやった

>「う〜ん、姉さんがやってきて僕の出番や見せ場を全部持ってた………Zzzzzzzzzz」
訳のわからん事を寝言で言い出すフリード。お前は寝てもあれだな...
>「にゃなぁ!!」
そんな主人はさて置き、まだなんか言っているグレン
「この言葉の意味は[きっと殺人事件だよ猟奇的殺人だよ!!]か[神は我に力を与えた]です」
「......トレス、ふざけてないか?」
「いえ、至って真面目です」
猫語がよく解らない。どうなってんだ?本当に...
よくわからなかったクレイはグレンに
「それは無い」
とだけ答えた。無難な答えだろう

>「う〜ん……姉さんに白人なのに何で技名が全部漢字表記なのって聞いたら殴られた………は!?夢か」
>「おや?奇遇ですね」
フリードが起きて俺に話しかけてきた
「ああ、奇遇だな。だが俺は飯が冷える前に食べておきたいから席を探しに行かないとならない。
話をするなら食べてからな」
そう言うとクレイはその場を離れ、席を探しに行った

>256
>「クレイくんにトレスちゃんか。新入生だね、よろしく。多分君たちの……君の授業の一部を担当することにな
るファンブルマンだ。
ちなみにこれは本名じゃない」
「ファンブルマン先生ですね。宜しくお願いします」
ファンブルマンが本名じゃ無い事はなんとなくわかっていた。
ファンブルはの意味はミス...つまり失敗という意味だ。ファンブルマンは失敗男、ていうあだ名だろう
失敗が多いからなのか。それとも相手を失敗させるのか......。まぁ、それは周囲の視線をみれば明らかだが

>「そう言えば、少年。寮にはもう行ったかな?あそこは面白いぞ、あそこの地下には素晴らしい物があるんだ。
と言っても、地下に行くにはちょっとした細工をしなくちゃいけないんだけどね。ぱっと見はどこにあるか解ら
ないから。
そうだ、少年。ちょっと頼まれてくれないかな?寮の地下から『金属製の小箱』を取ってきてほしいんだ。
……ちょっとした冒険みたいな物さ、嫌ならそれで構わないが、興味があるならもう少し詳しく話してあげよう」
「ええ、いいですよ。まだ寮にも行ってなかったし、地下には興味があります。聞かせて下さい」
隠してあるような場所に新入生を行かすなんて何を考えているかは分からないが、実際に地下には興味があったし、何故自分に頼んだかも気になった。
ならば乗ってみるしかない、とクレイは考えた
「そうそう、友人を一人...と一匹連れて行きたいんですがいいですか?」
258 :鋼&シルヴァ◇m7SMDDzk7s の代理[sage]:2010/05/07(金) 23:16:28 0
>>114

>「私は在学五年目のシィルイナ=ブロードソード、発音しにくいとよく言われますのでシィル、或いはルイナと呼んで下さいー」

「…シール…シイル…たしかに言いにくい。
 そっちが言ってる通り、ルイナって呼ばせてもらうぜ」

何度か間違えた後、鋼がシィルイナの事をルイナと呼ぶ。
他人の名を間違えるなど失礼なことだが、言いにくい名前だし本人もそういっているので仕方ないかもしれない。

>「いいですよー、受付が終わったらご案内しましょうー」
「あら、ありがとう。それじゃあよろしくね」

二人は書類を提出した後、シィルイナに学園内を案内してもらう。
薬草園や図書館など、様々な場所を案内してもらい中庭に移動した。

「かなり広い中庭だなァ…」

鋼の言うとおり、学園の中庭はかなりの広さを誇っている。
全国から生徒が集まる大規模な学園だ、施設の広さもそれに応じて広くなるというわけだろう。

>「そして、こっちが学生食堂ですー、折角ですからお昼ご一緒しませんかー?」

シィルイナが指さす先には大きな施設が立っていた。
どうやらあれが食堂らしい、施設の中からは空腹を誘うようないい匂いが漂ってくる。

「あー…申し出は嬉しいんだけど…」
「私たちは荷物の整理をしたいしね…多分けっこう時間かかるとおもうわ。
 私たちの都合であなたを待たせるわけにもいかないし、お先にとってもらっても結構よ。
 もし、私たちが行ったときに、あなたが食堂にいて食事を取っていたら、その時に一緒に食べさせてもらうわね」

「ごめんなさいね」と軽く頭を下げ、シルヴァが謝罪の意を見せる。
鋼もそれに習い軽く会釈すると、二人は自室へと向かった。
259 :鋼&シルヴァ◇m7SMDDzk7s の代理[sage]:2010/05/07(金) 23:17:02 0
>>238

二時間後。
部屋や荷物の整理も終わり、鋼は部屋から出た。

「遅かったわね」

部屋の前にシィルイナが立っていた。
どうやら鋼の事を待っていたようだ。

「俺はシル姉みたいに整理整頓は得意じゃねーからな」
「そうね、鋼はそういう細かい作業は苦手だものね。
 とにかく食堂に行きましょう」
「おう」

二人は食堂へと移動するため、食堂に隣接している中庭へと移動した。
整理作業をしていたため空腹の二人は、風を切ってかなりの高スピードで学園内を駆け抜ける。
…ヴァンパイアの血がなせる業、である。

「お?」

ちょうど中庭を走り抜けようとすると、数人のグループが集まって何かを騒ぎを起こしていた。
そのグループが気になった二人は、土煙をあげブレーキをかける。

「よー、何してるんだ」

鋼が手を上げ、目の前の少年に笑いかけながら話しかけた。

…少年説明中…

「…なるほど、食堂を探してるってわけね。
 そこが食堂だよ」

鋼が先程シィルイナに教えてもらった建物を指差す。

「俺たちは今から飯を食うところだったんだが…なんだったら一緒に飯でも食うか?」
260 :次スレ[sage]:2010/05/07(金) 23:38:41 0
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1273242531/
261 :ファンブルマン ◆vGGrxv4gyo [sage]:2010/05/08(土) 17:02:45 O
>>257

>>「ええ、いいですよ。まだ寮にも行ってなかったし、地下には興味があります。聞かせて下さい」
>>「そうそう、友人を一人...と一匹連れて行きたいんですがいいですか?」

構わないよ、と言ってファンブルマンはコーヒー牛乳を飲み干し、外した紙の蓋をティッシュで丁寧に拭った後、
胸ポケットに入れた。

「仲間は多ければ多いほどいいだろう。なにせ地下と言っても古代遺跡だからね。危険なものがたくさん有る」

あの寮は元々とある貴族の屋敷だったんだ。というか、この島そのものがね。

「だがその系譜もあの地下の遺跡を発見したときに途絶えてしまった……。
まあ、そんなことはどうだっていい。あそこには暗闇で開けてはならない“金属製の小箱”があって、僕はそれ
を欲しがっている。君がそれを自力で取ってきてくれれば、代わりに君には面白い物をあげよう。いや、取って
きてくれた人全員に、かな」

難しいことなど何処にもない。そういって、ファンブルマンは立ち上がった。

「手伝ってくれる人はきっといるさ、因みに期限はいつでもいい。手に入ったら時計塔まで持ってきてくれ。
それじゃあ『成功』を祈ってるよ」

【ファンブルマン:食堂から出ていきました。これから時計塔まで戻ります】
262 :リキル ◇GdwEn6wJAk[sage]:2010/05/08(土) 21:59:32 0
リキルはベッドの上で目を覚ます。 
自分の置かれている状況が分からずに起き上がろうとする。 
「いっ……いってぇ〜……。」 
全身に強い痛みが走る。 
見れば上半身には包帯が巻かれていた。 
記憶にあるのはファンブルマンに雷球を放った所まで。 
そこから先の記憶は無い。 
「俺は……負けたのか…。あんなふざけた野郎に…。」 
何が起こったのかはっきりとしないまま負けた事がよっぽどショックだったようだ。 
それも、父親以外に初めて負けてしまったのだ。 
リキルは魔法学園の教師陣のレベルを完全に甘く見ていた。 
「井の中の蛙…か…。…くくっ…確かにそうだったのかもしれねぇ…。 
 ……思ったよりも楽しめそうじゃねぇか…。」 
負けた事のショック以上に、自分より強い者が多そうなこの学園に感謝していた。 

リキルが独り言を呟いていると保険医と思わしき人物がファンブルマンからの伝言を伝えてくれた。 
「寮の西側と東側の階段の段数が違う? 
 そんなん調べてホントにアイツを倒せんのかよ…。 
 仲間が居ないと死ぬって言われて俺が連れてくと思ってんのかアイツ…。」 
保険医の話を聞くと無理矢理ベッドから起き上がる。 
「いっ…つつ……。一つ質問しても良いか…?……俺をここに連れて来たのはあのスキンヘッド野郎か?」 
保険医の答えを聞くと、リキルは不機嫌な表情で寮に向かった。 
「ちっ…とことんイケ好かない野郎だぜ…。」 
263 :リリィ ◆jntvk4zYjI [sage]:2010/05/09(日) 05:58:42 0
>238
>「ビンゴだぜリリィ。左手から感覚が返ってきた。俺の左手は何か暖かくて柔らかいスポンジみてぇな何かを掴んでいる。 
> それがあの女のオッパイとかじゃねぇならよ〜。結構限定されんじゃねぇのか〜?」 
「おおおおっぱいは、スポンジとかパンみたいな触感じゃないよ!」
リリィはなぜか自分の胸を押さえて叫んだ。
目端の利く者なら、彼女の片胸がぺしゃんこになっている事に気づくかもしれない。

>三人寄ればもんじゅの知恵という。四人もいれば結論はすぐに出た。パンである。 
>「…OK、じゃああの女はどこで焼きたてのパンを手に入れたかだ。 
> そう言えばあの女ランチタイムがどーのこーの言ってたなぁ。 
> 最初に出会った時には何も持って無かったから、俺の左手を奪った後にパンを手に入れたことになる。 
> こうなったら食堂に行ってみるしかねーよな〜。あの女にパンを自分で焼く趣味がねぇと祈りつつよ〜。」
「おお!エンカ冴えてるね!じゃあさっそく行ってみよう!」
リリィのお腹がぐ〜っとなった。
「そういえば今日はまだご飯食べてなかったんだっけ。私もお腹すいたよぉ〜」
>「…で、食堂にはどうやって行けばいいんだ?俺にはまだ学園の地理がわからねぇよ?」 
「あ」
リリィは困った顔をした。
当然彼女も学園に来たばかりで、施設の配置などわかるはずも無かった。

>259
そんな彼女達の横を、猛スピードで通り抜けようとした二つの影。
あまりにも早い移動は、お約束どおりいたずらな突風を巻き起こす!
「キャ――――――――ッ?!」
悪戯な風にあおられ、リリィのスカートが派手にめくれた。

>「よー、何してるんだ」 
「目がー!目がー!!」
リリィはメガネを外し、ごしごし目を擦っている。

そうこうしているうちに、エンカと男性らしき声の主の間で話はついたようだ。
>「俺たちは今から飯を食うところだったんだが…なんだったら一緒に飯でも食うか?」 
「行くっ!!」
リリィは目を閉じたまま、はいはいっと手を挙げた。
「それと、さっきの突風で私のパンティ見たあなた!」
リリィはびしっと声の主に向かって指差した。
「後でサンドイッチか何か、テイクアウトのランチをおごるよーに。
 夜はヨーンさんとエンカのおごりね!約束よ!」
とんだ言いがかりである。
「何よー!こっちは一日中森の中うろうろした挙句、荷物落として一文無しなのよー!
 ちょっとはかわいそうだとは思わないわけーっ!!」
―――― 文無し云々もそうだが、入学手続きの書類を無くした事も大問題なのだが。

「申し遅れましたが、私はリリィです。14歳独身です。よろしくです」
食堂へ向かう間、リリィは自己紹介をした。
「ところで、ついでに保健室の場所もご存知無いですか?
 実は、ヨーンさんが、森の中で酷いお怪我をなさっておいでで。
 ヨーンさん、一応保健室に顔出ししておいた方が良いんじゃないですか?」
リリィは心配そうにヨーンを見上げた。
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