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【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!7thシーズン

1 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/12(火) 20:57:07.34 0
統一基準歴355年。
魔法文明は隆盛を極め、あらゆる場所、場面に魔法が活用されていた。
そんな栄華の果てにいつしか異変が起きる。
確認されたのは20年前にもなるだろうか?

ある属性の魔法に異常なまでの適性を示す。
ある魔法を生まれつき能力として有している。
未知なる力に開眼する。

今までは天才と言われて来た種類の子供たちが続々と生まれ始めたのだ。
このことに世界は大いに恐れ、憂慮した。

なぜならば、本来数十年単位の修行と研究の果てに身につけていく力を僅か数年の学習で身につけてしまうのだ。
あるいは以って生まれてくるのだ。
修行と研究は何も力を得るためだけの時間ではない。
力を振るう為の経験や知識をも身につけるための時間でもあるのだ。

そして大きな力を当たり前のように使える事への危惧は現実のものとなる。
世界各地で引き起こされる悲劇に、統一魔法評議会は一つの決定をなした。

魔法学園の開設!

魔海域を回遊するとも、海と空の狭間にあるとも言われるフィジル諸島に魔法学園を開校し、子供たちに学ばせるのだ。
己が力を振るう術を。


―――― 【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!7thシーズン ――――


2 : ◆jntvk4zYjI :2011/04/12(火) 21:02:44.05 0
■舞台はファンタジー世界。謎多きフィジル諸島にある全寮制の魔法学園です。

■学園が舞台だからといって参加資格は学生キャラのみではありません。
  参加キャラは生徒でも、学園関係者でも、全く無関係な侵入者でも可。敵役大歓迎。
  また、舞台が必ずしも学園の敷地内で起きるとは限りません。
  いきなり見知らぬ土地に放り出されても泣かないで下さい。
  貴方の傍にはいつも名無しさんと仲間がいます。

■当学園には種族制限はありません。お好きな種族と得意分野でどうぞ。

■オリジナルキャラクターでも版権キャラクターでも参加できます。
  完走したスレのキャラを使ってもOKですが、過去の因縁は水に流しておきましょう。
  また版権キャラの人は、原作を知らなくても支障が無いような説明をお願いします。

■途中参加、一発ネタ、短期ネタ大大大歓迎。
 ネタ投下の場合、テンプレは必ずしも埋める必要はありません。
 ただしテンプレが無い場合、受け手が設定をでっち上げたり改変したりすることになります。ご了承を。

■名無しでのネタ投下も、もちろん大歓迎!
  スレに新風を吹き込み、思いもよらぬ展開のきっかけを作るのは貴方のレスかも!

■(重要)
 このスレでは、決定リール、後手キャンセル採用しています。
 決定リールとは、他コテに対する自分の行動の結果までを、自分の裁量で決定し書けるというものです。
 後手キャンセルとは、決定リールで行動を制限されたキャラが、自分のターンの時に
 「前の人に指定された自分の未来」を変えることが出来るというシステムです。

例:AがBに殴りかかった。
 その行動の結果(Bに命中・ガード・回避など)をAが書く事が可能です。
 これを実行すると、話のテンポが早くなるし、大胆な展開が可能となります。
 その反面、相手の行動を制限してしまう事にもなるので、後からレスを書く人は、「前の人に指定された行動結果」
 つまり決定リールをキャンセル(後手キャンセル)する事が出来ます。

 先の例に当てはめると、
 AがBに殴りかかった→Bはまともに喰らって受けては吹き飛んだ。
 と決定リールで書いてしまっても、受け手(B)が自分の行動の時に、
 「Bはまともに喰らったように見えたが紙一重で避けていた」
 と書けば、先に書いたレスの決定書き(BはAの拳をまともに受けては吹き飛んだ。)をキャンセル出来るのです。
 ただし、操作する人の存在するキャラを、相手の許可無く決定リールで喋らせるのは歓迎されません。要注意です。

※参加に関して不安があったり、何かわからないことがあったら、どうか避難所にお越しください。
  相談、質問何でもOKです。


3 : ◆jntvk4zYjI :2011/04/12(火) 21:06:51.81 0
■過去スレ
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!6thシーズン(前スレ)
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1294657842
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!5thシーズン(前スレ)
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1291300916
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!4thシーズン
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1284645469
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズン
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1278699028
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1273242531
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1270216495

■避難所
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所(現行)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/42940/1295181582
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1270211641

規制の巻き添えで書き込めないときは、上記の避難所か代理投稿スレでレスの代行を依頼してみてください。
代理投稿スレ(なな板TRPGまとめサイト、千夜万夜さん内)
ttp://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1277996017

■テンプレ

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
得意技・
好きなもの・
苦手なもの・
うわさ1・
うわさ2・

【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。

(外部参考サイト)
TRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
なな板TRPG広辞苑
ttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html

フィジル学園データまとめ(なな板TRPG広辞苑内)
ttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/37.html

4 : ◆jntvk4zYjI :2011/04/12(火) 21:07:10.73 0


―――― テンプレは以上です。
では、引き続き学園生活をお楽しみください。


5 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/14(木) 00:24:49.79 0
前スレ >226(エンカ)

          ―――――『彷徨者』side―――――

クリスの中に眠っていた『太陽のかけら』の二度目の発現を、ここではないどこか、
一切の生命の気配の感じられない場所から見ていた存在がいる。

               『彷徨者』

神代、世界に『肉体を持った神』が座し権勢を誇っていた頃よりその存在は確認されていた。
しかし、強大な力と知識を持った神々ですら『彷徨者』の正体や居場所は分からなかった。
世界に存在する謎の中で最も古く、今なお解き明かした者がいない存在……
その『彷徨者』が、『太陽のかけら』とそれに関わる者達の行動をじっと見ている。
相変わらずの、感情を感じられない薄笑い。見世物を見ている様な、そんな気配すら見て取れた。

「確かに想定の範囲内ではある。あの娘に疑心を植え付け、娘と近しい少女と
 蜘蛛神の合いの手でそれは更に膨らんだ。が、二つ名とやらが引き金となったか?
 少女が隠し持っていた『陽光』に気付き、取り込んでの第二覚醒とはな……」
空間の隙間の様な切れ目の先、学園屋上付近の光景から視線を外し、虚空を見つめる。
数瞬そうしていたかと思うと、切れ目に伊織に抱えられたクリスの顔が映り、視線を戻した。

「ふん、やはりか。近い内に『月光』の存在に気付き、それも手にする。
 三度目の発現、それは完全な覚醒であり……即ち世界の浄化。
 ……不要なのだ。『太陽のかけら』など、世界には」
そう呟き、『彷徨者』は最初からそこにいなかった様に姿を消した……
不揃いの、十字架の様な物が乱立する、黒一色の大地、赤一色の空が広がる『世界』から―――――。


>「あーもう!俺って本当に馬鹿だよなーっ!なんでブランエンさんにあんなこと言っちまったんだよっ、くそ〜っ!」
自室で自身の言動を盛大に後悔し、今にも頭を抱えて蹲ってしまいそうなチョンマゲ頭の男子生徒。
名をエンカ・ウォンと言う。そのエンカの様子を『彷徨者』は事前に確認していなかった。
してもしなくても、掛ける言葉に変わりはなく、またエンカの反応も変わらなかっただろうから。
「懺悔中に失礼するよ、エンカ・ウォン君……」
突如、エンカの背後から声がする。もし振り向けば、間違いなくそこには不審者がいる。
濡羽色のローブに身を包み、同色のマントを羽織り、服装に合致してはいる奇妙な仮面をつけた―――。

「驚かせてしまってすまないね。私は総裁閣下の協力者だ。
 エンカ君、君に内々で頼み事があってこんな時間にお邪魔させてもらった。
 話を、聞いてもらえるかな?」
言葉こそ丁寧だが、声に感情がまるで篭っていない為慇懃にしか聞こえない。
さらに、口元には笑みを浮かべているが……それは微笑みなのか薄ら笑いなのか判断できず
何より仮面の奥からエンカを見つめる瞳は、およそ血が通っている様な雰囲気ではなかった。

6 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/14(木) 00:25:31.05 0
前スレ >230(オワゾー)

>「あの軍人崩れのカマ野郎が…!!!! この私を誰だと思っている!!! くぅ………!!!」
オワゾー、ブレ・カブルに大きく水をあけられ独り鬱憤を自分で膨らませている可哀想な男である。
今日も今日とて、ブレへの意趣返しの材料すら見つからずシコシコと鬱憤をチャージしていたオワゾー。
この日の夜も、何も変わる事無く毒を吐くだけに終わるはずだったオワゾーの元を、誰かが訪れた。
空間跳躍でも時間操作でもない方法で……術を操るオワゾーは、その事にすぐに気付いた。
「どうも、荒れに荒れているようですねオワゾー殿。
 ああ、そんなに警戒しないで下さいな。私は、貴方にとって有益な話をしに来ただけなのですから」

物腰柔らかな印象を受ける言葉を紡ぐ目の前の不審者に、しかしオワゾーは気を許しはしないだろう。
正体不明、謎の手段で突然現れた、旨い話があると言う、極め付けはブレへの罵詈雑言を聞かれている。
ここまで材料が揃っていてなお気を許すような輩はただの大バカでしかないのだから……
「ブレ・カブル……彼には散々な目に遭わされましたね。さぞ悔しいことでしょう。
 ……見返してやりたいでしょう? そして、総裁閣下からの信頼を回復したいでしょう?
 隠さなくとも分かりますよ。自分を偽ってもいい事などありません。と、言う事で……
 こちらが貴方にとっての有益な話の主軸です。如何です、話を聞く価値はあると思いませんか?」
痛い所を的確に突き、オワゾーを怯ませた隙に不審者は左手に握っていた『あるモノ』を
テーブルの上に置く。その物体の正体にオワゾーが気付けば、間違いなく顔色を変えるだろう。
それの用途など分からなくとも問題はない。何故なら『ソレ』は、紛れもない遺物だからだ。

7 :フローラ ◆70VgGM3HY6 :2011/04/14(木) 00:26:12.25 0
前スレ >232-234(炎道勇気)

           ―――――管理者side―――――

>「ええ、管理人さん!ちょっと探してくるわ!!ま……じゃなくてそこの生意気な娘!ちょっと探してくるからまってなさい!
> それでは皆さんごきげんよう〜あ、あとこの腕預かっていてくださいね〜」
時によってはKYと言いたくなるほど鈍い事もある勇気だが、殊この進退窮まるタイミングで
やらかす事はさすがになかった様で、きちんと意図する所に気付いてくれたようだ。
「ええ、頼むわね……いつも面倒事ばかり押し付けてごめんなさい。
 っと、分かったわ。ちゃんと持ち主に返しておくから心配しないで」

勇気はこの腕が誰のものか知らない。知っていたら、それはそれで面倒な事になっていただろう。
……鈍さがこっちに回っていたから薬の件にはすぐに気付いたのだろうか。
「詮無い話ね、悪い癖だわ……」
自嘲し、頭を振る管理者。どうにも良くない兆候だと、自身で感じている。
こんなにも、気付くと一人の異性の事を考えてしまっている今の自分が、だ。

>「あ?舐めとんの?勇気を探すのは絶対決定事項に決まってんやんか、頼む頼まないの問題ちゃうで」
そんな風に思考を切り替えようとしてると、誂えたかのように真の文句が耳に飛び込んでくる。
内心ありがたいと思いながら、そんな気配を微塵も表に出さず切り返す。
「貴女の常識はここでは通用しない。だってここは貴女のお家じゃない、さっきもそう言ったわ。
 そう、貴女がバカをやるのは勝手だけれど……それで恥を掻くのは貴女だけじゃない。
 貴女に付いてきた人や、貴女の知人……ユーキ、彼にも貼られなくていいレッテルが貼られる事になる。
 それでもいいと言うならどうぞご自由に。最悪、一族の恥晒しとして
 揃って敷居を跨げなくなるかも知れないけれど、私には関係ないわね。」

>君はそれで良くても、この学園で生活してる相手はこの先困るだろ〜ニャ〜」
>「え、勇気が困るのはうちも困る……」
管理者はルイーズと真のやり取りで、やっと真の弱点に気付いた。
まだ管理者は勇気と真の関係を知らない、だからルイーズの言葉がなければ
延々と常識に囚われてないモードの真と泥仕合を続ける事になっていただろう。
だが、一度気付いてしまえば後はそこを徹底的に、大人しくなるまで突くだけだ。
その結果がほとんど脅し紛いの未来予想である。

管理者は腕を持ち主に返す為に、屋上から飛び降りリリィを抱えた保険医の元へと向かう。
もっとも、実を言うと管理者はどうすれば腕が元通りになるか分かってない。
術と言うものは画一的な物ではなく、術者によって程度の差こそあれどアレンジされている事が多いのだ。
そして管理者は、ロゼッタの術の構成を解析できていない。受け取ってから降りるまでの間に
解析を完璧に済ませるなど、いくら管理者でも出来るわけがない。

8 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/14(木) 20:15:26.42 0
>7前スレ>232
> 「ええ、管理人さん!ちょっと探してくるわ!!ま……じゃなくてそこの生意気な娘!ちょっと探してくるからまってなさい!
> それでは皆さんごきげんよう〜あ、あとこの腕預かっていてくださいね〜」
> 勇気はフローラに腕を渡すと走ってどこかに消えていった
「ちょっと…どうしてあたいに渡してくれないのさ?」
ロゼッタはそう言ったが、すでに炎道には彼女の言葉が聞こえないようだ。
> 「ええ、頼むわね……いつも面倒事ばかり押し付けてごめんなさい。
>  っと、分かったわ。ちゃんと持ち主に返しておくから心配しないで」
ロゼッタは炎道がリリィの手を渡した少女へと視線を移した。そして、気づいた。
「…あんた、もしかして“姿なき管理者”なんじゃないの?」
どうやらロゼッタはその噂を知っていたようだ。
しかし、別の少女(いわゆる“生意気な娘”)に気をとられているせいか、ロゼッタには関心が無いようだった。
ルイーズもその少女の人探しについて考えているようだった。

> 管理者は腕を持ち主に返す為に、屋上から飛び降りリリィを抱えた保険医の元へと向かう。
「待って…!その腕をどうするつもりなの…!?あたいに返して!」
ロゼッタから見れば、リリィに返すはずだったはずの左腕を見知らぬ第三者に取られたようにしか見えない。
管理者とリリィがどういう関係かも知る由もないので、
ロゼッタには管理者がリリィに左腕を返すことなど期待できなかった。
「あの“男”がいけないんだ!あたいが“設定上名前をしらないはずの女の子の左腕”をあたいに渡さないから!」
このセリフを聞いた者は一様に耳を疑うだろう。
解釈によっては“男”=青葉ともとれるが、彼とロゼッタのやりとりを見ていないものにとっては、
炎道のことをロゼッタが“男”と言ったようにしか聞こえないし、事実ロゼッタは炎道をさして“男”と言ったからだ。
「…どういう意味って、そのまんまの意味に決まってるでしょ。」
ロゼッタは炎道を“男”と言った理由を説明した。
「あたいは左手を見ればその人がどんな人かだいたいわかる。でも、それは男の左手じゃないといけない。
 なぜなら、男が女の乳首にしか興味がないように、あたいは男の手首にしか興味がないからさ。
 どんな魔法を使ったかはしらないけど、男であるということは、それは手の癖で簡単にわかるもんなのさ。」
ロゼッタが持つ男の左手首への執念は、単なる観察力を超えて、まさに異能の領域へと昇華されていた。
しかし、今この時ほどこの異能が迷惑となる時はなかったであろう。
「…あたいが何か悪いことでも言ったのか?」

9 :エンカの奇妙な冒険 第3部 祖母からの遺産 ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/14(木) 20:17:36.94 0
>5
> 「懺悔中に失礼するよ、エンカ・ウォン君……」
> 突如、エンカの背後から声がする。
当然のように。そう、コーラを飲めばゲップがでるように。エンカは突如現れた不審者に驚いた。
そう、不審者である。こんな夜中に自分の部屋にあがりこんでくる、
見知らぬ人間のことを不審者だと思わないエンカは一人もいない。
そして、エンカもまたこの世に一人だけのエンカなので、まさに放浪者は不審者に他ならなかった。
「てめぇ!おどろかすんじゃあねぇぜ!ノックをしろよコラあっ!」
エンカはそう叫び、自分はなんて間抜けなことを言っているんだろうと思った。
「(おいおい、そうじゃねぇだろ?こういう時は、『誰だお前は!?』とか『勝手に人の部屋にあがってくるんじゃねぇ!』
 とか、もうちょっとかっこよく『死にたくなけりゃあ3つ数える前に回れ右して出ていきな…!』とかよぉ、
 もうちょっとシャレたことを言うもんだぜ、なぁ!?俺…)』
エンカが次のセリフを言う前に、不審者の方からエンカに話しかけてきた。
> 「驚かせてしまってすまないね。私は総裁閣下の協力者だ。
>  エンカ君、君に内々で頼み事があってこんな時間にお邪魔させてもらった。
>  話を、聞いてもらえるかな?」
「そ…総裁だと…!?」
エンカは以前総裁に土下座をして、屋敷に不法侵入したリリィ達を許してもらおうとしたときの事を思い出した。
それは学園に入学した、まさにその日の夜の出来事だった。
「な〜んだ総帥閣下の関係者の方っすか〜。
 それならそうと早く言ってくださいっすよ〜。
 で、話って一体なんっすか?」
エンカは、総裁の関係者なら仲良くしておけばおいしい目にありつけるだろうと思い、
放浪者の話を聞いてみることにした。

「それにしても事前に連絡してくれたらよぉ、ちったあ部屋を片付けといたっすけどね〜。
 きたない部屋で申し訳ないっすよ〜。」
たしかにエンカの部屋にはいろいろなものが置いてあった。
割れた鏡の破片、魔道書“アナベル・ガトーの鍵”、蜘蛛の糸と小石、そして青い蜘蛛が一匹(「タチコマって名前っすよ」)、
そしてレイブンの刀と扇が一つ置かれていた。
レイブンの刀は、彼が総裁の前で投げ捨てた際、エンカがキャッチしたものだ。
エンカはその後レイブンがどうなったのか全然知らないので、
レイブンが取りにくるまでずっと預かっているのだ。
もう一つの扇は、エンカの祖母の遺留品だ。
学園に入学した直後、エンカは亡くなった祖母の遺産を相続することになったのだ。
その扇には不思議な力が宿っていた。その扇で少しあおぐだけで、人を吹き飛ばせる程の突風が吹き荒れるのだ。
その扇の正体を調べた結果、それが“芭蕉扇”という、妖怪のアイテムであることがわかった。
しかし、なぜそんなものをエンカの祖母が持っていたのか?
それはどんなに調べてみても、わからないままである。


10 :フローラ ◆70VgGM3HY6 :2011/04/15(金) 00:57:00.45 0
>8-9

          ―――――管理者side―――――

>「…あんた、もしかして“姿なき管理者”なんじゃないの?」
管理者はもっぱらアドラスと一行の戦闘とブレの監視に注力していた為、
リリィの腕を切断した術の使い手がロゼッタとは知らない。何がしか青葉と彼女の
使い魔か何からしき者とのイザコザがあった事は覚えているが、特別注意を払ってなかった。
だから、ロゼッタに自分の正体を見破られたのには驚かされた……やはり顔には出さなかったが。
「……出来れば秘密にしておいて欲しいのよね。
 その事で騒がれると、色々面倒だから……交換条件があるなら聞くわよ?」

管理者は下手な否定やはぐらかしが通用しなさそうだと判断して、
何とか口外しない様に努める事にした。真にとっての泣き所が勇気の事柄なら、
管理者フローラにとっての泣き所は自分の立ち位置がそれに当たると言う事だ。
ただでさえ身分や経歴を詐称して学園に入り込んだ挙句、図書館の管理を勝手に
行って一部の書物を私物も同然に扱っている……その辺に引け目を感じている事もあって、
学園大図書館の管理をメイドに任せ、裏図書館に引き篭もっていたのだから。

>「待って…!その腕をどうするつもりなの…!?あたいに返して!」(中略)
>「…あたいが何か悪いことでも言ったのか?」
ロゼッタとの交渉も大事だが、まずは腕をリリィに返さなければと思い優先順位を決めて
行動した管理者だったが、ロゼッタの言葉を疑問に感じて空中に浮かんだまま返答する。
「どうするって、決まってるじゃない。元の持ち主に返すのよ。
 ……まぁ、返したところで繋がるかどうかは分からないのだけれど。
 でも、何故貴女がこの腕を返せと言うのか……!」
管理者は疑問を最後まで口にする事が出来なかった。よりにもよって、ロゼッタは
薬によって女体化していた勇気が『男』だと見破った上にその事を口走ってしまったからだ!
しかし管理者にロゼッタを責める事は出来ない。彼女は一切の事情を知らないのだ、
しかも少々精神に難のある部分がある。そんなロゼッタに責任はない、発端は自業自得なのだから……

「……いえ、別に悪い事は言ってないわ。
 あの子はちょっとワケありでね、実家では男として育てられてたのよ。
 だから手の癖も男そのものでも何もおかしくない。でも……凄いわね。
 ほんのちょっと手を見ただけで、そんな事が分かるなんて」
管理者は内心大慌てで、それでも表情を一切崩す事無く勇気に関するフォローを行う。
されど管理者の精神は、かなり追い詰められている。ここまで予想外の事態が次々に発生し
それのフォローに奔走する破目になった事はほとんどないからだ。
思考回路をフル稼働させ、ボロを出さない様に努めてはいるが……限界は近い。

11 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/15(金) 00:57:42.76 0
          ―――――『彷徨者』side―――――

>「てめぇ!おどろかすんじゃあねぇぜ!ノックをしろよコラあっ!」
エンカの反応は、『彷徨者』の予想から少しだけ外れていた。
予想ではもう少しだけ、ふてぶてしさの類が見える様な反応が来る筈だったから。
「これは失礼した。内密ゆえ、なるべく人目につく事を避けたかったのでね。
 次からは、声を掛ける前にノックさせてもらうよ」
ただ口にするだけの謝罪、とても謝っている様には聞こえない。

>「そ…総裁だと…!?」(中略)
>「それにしても事前に連絡してくれたらよぉ、ちったあ部屋を片付けといたっすけどね〜。
> きたない部屋で申し訳ないっすよ〜。」
総裁と聞いた瞬間、エンカの表情が一瞬だが固くなった様に見えた。
感情面ではエンカはベッドフォードに対していい印象を持っていないのだろう。
が、理性と感情は別物と割り切ったのか、エンカは話を聞こうとしてきた。
「いや、気にしなくていい。きちんと整頓されているよりも多少は雑然としていた方がね。
 『人がいる』事を実感できていい。さて、では本題に入ろう……難しい話じゃない。
 君は、レイヴンと言う名の少年が持ち込んだ『刀』を今も保管しているね?
 それを、総裁閣下が必要としておられるのだよ……渡してもらえないか?
 もちろん、タダではない。可能な限り君の要望に応える様にと仰せつかっている。
 そちらにとっても、悪い話ではないと思うが?」

こんな事を言っているが、『彷徨者』とベッドフォードには繋がりなど一切ない。
だがエンカはそれを知らないし、気付く事もないだろう。
それよりも問題なのは、話の中心がエンカにとっては『人様の預かり物』だと言う事だ。
レイヴンがクリスに変化してしまった事や、故人になった事などもエンカは知らない。
つまりエンカの中では今なおあの刀は『レイヴンの物』である為、自身が決める事じゃないと思っている筈だ。
そして、同時に疑問に思うだろう。あの時総裁は刀が傍にあったのにその時は無関心だった。
だのに、今になって必要だから寄越せ、と言うのは理に適ってないのでは、と……

12 :アリス ◆sto7CTKDkA :2011/04/15(金) 17:57:36.13 O
「ねーえ! ちょっといいかなー!?」
屋上にいる生徒達に、屋上入り口から上がってきた白い修道服の少女が声をかけた。
年のころは10代なかばくらいだろうか。
見た目的には魔法学園の生徒に見えるだろうが、少女は学園の教師だった。
生徒と教師を区別するために渡される装飾品を身に着けていることから、それはすぐにわかるだろう。
以前マリアと行動を共にしていた者なら、彼女に体育館で出会った事があるかもしれない。
あるいは顔は知らなくても、キノコ狩り大会の放送でその声だけは知っているだろう。
少女の名はシスター・アリス。
今現在でのマリアの保護者で、学園で道徳を教える教師である。
人は見かけによらないとはよく言ったものだが、それはアリスには当てはまらない。
なぜならアリスの種族は人間ではなくデーモン、いわゆる悪魔なのだから。

十分に注目を集めたのを確認した後、アリスは困ったような顔で用件を話し始める。
「んー。 あんまりこういうこと言うのは好きじゃないんだけど、夜中に騒ぎすぎるのは良くないよねぇ。
 眠ってる人の迷惑にもなっちゃうし。
 ここで集まって何をしてたのか、ちょ〜っと教えてもらってもいいかな?」
そういってから、アリスは何かに得心したようにぽんと手を叩いた。

「あぁ! そーだよねえ!
 もう夜も遅いし、こんな所で立ち話じゃ大事な事も言いにくいよねぇ! うんうん。
 それじゃこうしよう。
 明日になって落ち着いたら、関係者のみんなは私の部屋まで今晩何があったのかの説明に来ること。
 これなら大丈夫だよね?
 みんなで来ても1人で来ても、早くても遅くても大丈夫だからね〜。
 あ。 これ私の部屋の場所だよ〜」
アリスは近くにいたフリードに、用意していたらしい紙を手渡した。
紙は職員に用意された居住スペースの地図で、その中の一室には赤丸で印がつけられている。
赤丸の横には丸文字で【アリスの秘密のお部屋(はぁと)】と書かれていた。
あまり行きたいとは思えないだろうその場所が、彼女の少女趣味全開の自室だ。

「それじゃ〜今日はおやすみ〜。 みんなも早く寝ないとダメだよ〜」
用件は伝えたとばかりに、アリスは手を振りながら屋上から出て行こうとする。
誰かが呼び止めたりしなければ、自室に帰って寝るつもりなのだ。

13 :青葉草介 ◆UeaUYwi1Nw :2011/04/15(金) 17:57:47.78 0
>>232
>「ちょっと待て青葉!薬は俺に薬はァァァァァァァァァァァァァァァァァァぁぁぁぁ!!」
「…そんな大声じゃなくても聞こえますよ。今は持ってきてないのでこの後僕の部屋に来てください」
後ろにテレポートしてきた青葉。まともな登場は出来ないのだろうか
「ところであの雷使いは倒れたんですか?」
現状を聞く青葉


14 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/04/15(金) 22:08:59.21 P
>8>10
>「あの“男”がいけないんだ!あたいが“設定上名前をしらないはずの女の子の左腕”をあたいに渡さないから!」
ロゼッタ曰く彼女は彼だということらしい
フリードはもちろんその事は重々承知の助だ
>「…あたいが何か悪いことでも言ったのか?」
>「……いえ、別に悪い事は言ってないわ。
 あの子はちょっとワケありでね、実家では男として育てられてたのよ。
 だから手の癖も男そのものでも何もおかしくない。」
と誤魔化しを入れる管理人
ここでバレたら全ては元の木阿弥である

「そうそう男しか跡取りに成れないという決まりごとがあるのに
 女の子しか生まれなかったとかいうケースではよく有ることですよ
 逆に後継者争いや徴兵を避けるために女の子として育てるケースも有りますけどね
 まあどちらにせよ本来の性別とは違うように育てられることなんて割とよく有ることですよ
 そのせいで僕の初恋は…………orz」
なにか自分で自分のトラウマを抉ったらしいフリード
壮絶な自爆である
「にゃあご」(好きになった子がそのケースだったんだ……かわいそうに)

「まあ男として育てられたのなら恋愛対象が女性になっても仕方がないですよね
 男の心を持っていたからこそ男の僕と友達になれたんでしょうし
 逆に普通のガチレズさんだったら友達どころか嫌悪の対象になっていたでしょう」
変なキャラ設定が増えていく炎道の明日はどっちだ?

>12
>【アリスの秘密のお部屋(はぁと)】
「なんだか良く分かりませんけど今日の事件の報告を明日ここですれば良いんですね」
とフリードはみんなに見えるように地図を広げる
「それにしても今日はいろいろな事件があって疲れました
 早く寮に帰ってシャワーを浴びて寝てしまいたいです」
「にゃあん」(猫は寝るからねこって言うんだよ)

15 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/16(土) 10:45:35.92 0
>11
> 「いや、気にしなくていい。きちんと整頓されているよりも多少は雑然としていた方がね。
>  『人がいる』事を実感できていい。さて、では本題に入ろう……難しい話じゃない。
>  君は、レイヴンと言う名の少年が持ち込んだ『刀』を今も保管しているね?
>  それを、総裁閣下が必要としておられるのだよ……渡してもらえないか?
>  もちろん、タダではない。可能な限り君の要望に応える様にと仰せつかっている。
>  そちらにとっても、悪い話ではないと思うが?」
「え〜!?ちょっと待ってくれよ、この刀はあんたが言ったとおり俺のものじゃあねえんだぜ〜?
 総統閣下のお言葉とはいえよぉ、俺が渡す渡さないなんて決められるわけないじゃないっすか〜!
 それとも、レイヴンの奴がこの刀を俺に譲ってもいいとか、あんたに渡してもいいとか言ったのかよ?」
エンカは総統が何のためにこの刀を必要としているかに対してはあまり関心がなかった。
たしかに総統が以前この刀に対して無関心だったのはエンカも覚えているが、
それはトイレットペーパーがトイレに行く時だけ必要なように、あくまでタイミングの問題程度にしか考えていない。
総統閣下はまさに今ウンコをひり出しあそばされるのだろう。
それよりも問題なのは、やはりこの刀がエンカの所有物ではない点だ。

エンカはあの晩の一件以後、レイヴンに刀を返すために彼を探した。
しかし、なぜかレイヴンはその日以降行方不明のままである。
セラエノやリリィ達とはその後もなんとなく付き合いが続いていたが、
彼女達もレイヴンがどこに行ったのか知らないようだった。
(この時点のリリィ達は禁書の間のバトルの前なので、実際に知らないのだ。
 禁書の間のバトルの後も、エンカはロゼッタに襲われたのでリリィ達と会っていない。
 ブランエンはエンカとそもそもその話をしていない。)

ところで、エンカは彷徨者のことを、いけすかない感じがするが悪人ではないのだろうと思っていた。
もしも彷徨者が悪人ならば、少なくともレイヴンの刀がどれかわからない場合を除けば、
魔法を使えないエンカを簡単に倒して持って行けばいいがそうしていないし、
この部屋にある刀は一本だけだからだ。
実は“刀”というものが何なのかわからないという可能性も無いわけではないが、
その場合悪いのは心ではなく頭である。
「そういや、あんたはなんて名前なんだ?」
エンカは彷徨者に名前を尋ねた。特に深い意味はなかった。

16 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/16(土) 10:47:44.60 0
>10>14
> 「……いえ、別に悪い事は言ってないわ。
>  あの子はちょっとワケありでね、実家では男として育てられてたのよ。
>  だから手の癖も男そのものでも何もおかしくない。でも……凄いわね。
>  ほんのちょっと手を見ただけで、そんな事が分かるなんて」
> 管理者は内心大慌てで、それでも表情を一切崩す事無く勇気に関するフォローを行う。
> 「そうそう男しか跡取りに成れないという決まりごとがあるのに
>  女の子しか生まれなかったとかいうケースではよく有ることですよ
>  逆に後継者争いや徴兵を避けるために女の子として育てるケースも有りますけどね
>  まあどちらにせよ本来の性別とは違うように育てられることなんて割とよく有ることですよ
>  そのせいで僕の初恋は…………orz」
フリードもフォローを行うが内心で自爆している。
「へぇ〜そうなのか〜」
ロゼッタは炎道が男であることにこだわる必要は無かったので、二人の説明に納得した。
しかし、これは問題の先延ばしにしかならなかった。
なぜなら炎道が男に戻った状態でここに戻ってくれば、彼の左手をロゼッタが見た際に、
同一人物だと指摘する可能性が高いからである。
それを避けるためには二つの方法がある。
戻ってくる炎道に左手を隠させるか、ロゼッタを別の場所に移動させるか、だ。
幸いにして、管理者はロゼッタを移動させる口実ができることになる。

「あんたがその腕を元の持ち主に返すなんて、どうしてあたいが期待できるのさ?」
ロゼッタは管理者にそう言った。“その腕”とはリリィの左腕のことである。
「あんたはそんな面倒に関わる必要はないんだ。なぜならその腕を切断したのはあたいだからさ。
 だからあたいにその腕を返させろ。あたいはあの子にちゃんと嫌われなくちゃあならないから。」
もっとも、ロゼッタには自力でリリィの元へ行く能力はない。移動には誰かの補助が必要だろう。

17 :オワゾー ◆k4Jcxtcjwo :2011/04/17(日) 01:15:45.17 O
>>6
オワゾーは言いようの無い異変を感じた 魔法の類では無い力で何かが今自分の近くにいるのだ
オワゾーとて仮にも魔術師の端くれ そのような気配に気づかない訳がなかった
「だ…誰だ!!!まさか警備部の連中か!!!」

>「どうも、荒れに荒れているようですねオワゾー殿(中略)私は貴方にとって有益な話をしに来ただけなのですから」

一応、目の前の男はブレ子飼いの警備部の人間では無かったが オワゾーにとっては彼が誰であれ信用できるはずがなかった
見ず知らずの不審者が甘言を囁いているのに加え自分が吐いたブレへの雑言を聞かれたかもしれない
警戒するのには十分すぎる要素が溢れている
「馬鹿な!見ず知らずの貴様の戯れ事などに誰が耳を貸すか!!
命までは取らん すぐに私の前から消え失せろ!!!!」
オワゾーは男の甘言に声を荒げた
命までは取らぬと言ったのは自分の知らない方法で現れた謎の輩を恐れていたのかもしれない
だが、男はオワゾーの態度など気にも留めず言葉を続けた

「ブレ・カブル…彼には散々な目に遭わされましたね(略)」

男の言葉にオワゾーは言い返す術が無かった
総裁からの信頼の件やブレへの恨みなど男はオワゾーの痛い所を的確に突いてくる
「だ…だが…貴様の話など…」

そして 男は、『あるモノ』をテーブルの上に置くとオワゾーの表示は一変する
「ま…まさか…これは間違いない!!!貴様 これを一体どこで!!!!
あれほど探させても見つからなかったのだ!!どうして貴様が…」
オワゾーの目の色は確実に変わった 男への不信感など遺物への関心の前には吹き飛んでしまったのかもしれない


18 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/17(日) 04:21:40.79 0
>前スレ229

ブレに、クリスの秘密を知られてしまった。
(どうしよう・・・・・・・)
ブレは危険な男だった。クリスが遺物を取り込んだと知った以上、何らかの行動を起こすのは確実。
もしかしたら危害を加える可能性だってあるかもあるのだ。
ブレがクリスを傷つける場面や、クリス(やレイヴン)が変貌した姿を思い出し、リリィは身を震わせた。
(どうしよう・・・どうしよう・・・クーちゃんの身に何かあったら、私のせいだ)
秘密がブレに知られてしまったせいでクリスに危険が及ぶかもしれないと思うだけで、胸が張り裂けそうだった。

リリィは深い悔恨に苛まれ、ソファの上で項垂れていた。
>「もう必要な事は聞きました…いいでしょう お帰りなさい
>「ただし貴女はここの出来事を忘れる 貴女が仲間を売ったという罪悪感のみを心に刻み込んで…」

「ま、待って!クーちゃ・・・クリスに何かするおつもりなんですか?ブレさん、止めてください。
 お願いです!さっきのこと、聞かなかったことにして。あの子を傷つけないで!そっとしておいてあげて!!」
ブレは椅子から立ち上がり 指を鳴らした。
すると、リリィの懇願の声は一瞬止んだものの、すぐに叫び声へと変わった。

秘密を喋った事実に打ちのめされたリリィの心は隙だらけだった。
覆いかぶさった影と接触した部分から、毒液がしみこむように彼女の中へと入り込んできた。
「いや!あ!あ!ああああ!!ブレさんお願い!やめ・・・・・!」
身をよじって逃れようとするが、侵食のスピードは緩まなかった。
影がずぶずぶと自分の体に入っていくさまを見せ付けられる苦痛と恐怖。
パニックと恐怖に彩られた少女の悲鳴が、絶望と苦痛に彩られた絶叫に変わるまで、そう時間はかからなかった。

体内に侵入した影達は、ブレの命令を実行するため、リリィの精神を苛み始めた。
影は、「リリィが仲間を売ったことで、クリスを始め仲間達が次々と不幸に見舞われる」幻覚を見せたのだ。
何度も何度も繰り返される幻覚は、そこに至る過程が違うだけで、最後は必ず「リリィが一番苦しむであろう末路」を迎えることになる。
影の侵食に抵抗できない惨めな自分と、現実同然のリアルさで何度も繰り返される仲間達の悲劇。
リリィの精神を崩壊寸前にまで追い詰めるには十分すぎた。

ブレにとってはわずかな時間だが、リリィにとっては永遠にも等しい時が過ぎた。
彼女の苦痛は、最後の影がリリィと溶け合い定着したことでひとまずの終わりを迎えた。
>「これで貴女の心には深い罪悪感が刻みこまれました
>貴女はこれから贖罪の為に何をするかしら? 」
リリィの反応は無い。
先ほどまでのた打ち回っていたが、突然糸が切れたように静かになったからだ。
涙に濡れ見開かれたままの瞳も暗く濁り、何も映さない。
唇がただ「ゆるして」と力なく形作るだけだ。
―――― そう、ブレはリリィに罪悪感を刻み込むだけでなく、限界まで精神を追い詰めることにも成功したのだった。

>それと現実の肉体の損傷は多少回復してありますから痛みは無いはずです 最も心の痛みは増していますけど
>それでは さようなら
>サイコォォォォ!!!!!!!!スキィィィィィル!!!!」
>軽くリリィに会釈すると大絶叫と共に空間に目が眩む程の閃光が広がった

限界まで追い詰められた彼女が、ブレの望む「新たな力」を手に入れたかどうかは分からない。
だが、少なくとも、今回のことが彼女の今後に何らかの影を落とすのだけは確実だった。

19 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/17(日) 04:32:33.55 0
>伊織さん
「――――っ!いや!いやあぁぁああ!!!!」
リリィは絶叫し、その場に飛び起きた。
もしまだ伊織がそばにいたならば、きっと呆れるか眉をしかめるに違いない。

ぜいぜいと肩で息をしていたリリィは我に返り、はたと周囲を見渡す。
クリスの姿はどこにもなかった。
すでに保険医は、クリスを連れて保健室へと戻ってしまったのだ。
「ああ・・・・・。・・・・・・?あれ?ここ、どこだっけ。あれ?私どうなったんだっけ?
 確か、塔の上から落ちたクーちゃんを追いかけて・・・・・」
ドクン、と心臓が波打った。
全身の血がすっと引いていったかと思うと、理由も分からず焦燥感に囚われる。
(何、何なの?何でこんなに胸がざわつくの?)
居ても立っても居られない焦燥感に、リリィはただ戸惑うばかりだった。
(私、塔から落ちたとき頭でも打ったのかな?)

リリィは、近くに居る人に恐る恐る声をかけた。
「あの〜、すみませんそこのお方、私が落ちてきたときに抱えていた・・・・・・女の子、を、知りませんか?
 酷い怪我をしていたはずなのですが」

そういうリリィもあちこち小さな怪我をしている上に、左腕が無かった。
「あ、いえ。左腕が無いのは怪我じゃないんです。ちょっと友達に取られちゃって」
そう、だから保険医は彼女を怪我人と思わず放置したのだ。
リリィは内心の動揺を押し殺し、無理に笑って見せた。

「私の左腕どこかな?その辺に落ちてたりしないかな?
 何かちょっと痛い気がするけど・・・・・・・ロゼッタちゃん、ちゃんと預かっててくれてるかな?」
その前に「あたいをちゃんと先輩と呼べ」と怒られそうだ。

「あの、これからどうされますか?
 今日は学園のゲストハウスにお泊りされているのですか?私の腕を見つけた後でよろしければ、そちらまでお送りしますが?」


20 :森の動物 ◆jntvk4zYjI :2011/04/17(日) 20:23:10.35 0
>生意気少女
「え、勇気が困るのはうちも困る……」
異国の御嬢様は、探している相手の事がよっぽど好きなのだろう。
彼への迷惑を仄めかせただけで、急にしおらしくなってしまった。
(恋する乙女は本当にかーわいいニャ〜)
その直後、管理人と真が激しい花を散らしていたが、ルイーズは気づかなかった。

>生意気ボディ
>「ええ、管理人さん!ちょっと探してくるわ!!ま……じゃなくてそこの生意気な娘!
ちょっと探してくるからまってなさい!
>それでは皆さんごきげんよう〜あ、あとこの腕預かっていてくださいね〜」
「げっ!何ニャその腕は!!本物か?本物なのかっ?!一体誰から毟り取ったニャ?!」

>腕を受取った少女
>「マッハでね……いってらしゃい」
>「ちょっと…どうしてあたいに渡してくれないのさ?」
「なんでちょっと荷物預かる気安さで人様の腕を預かってるニャ!ロゼッタ!そのボケは笑えないニャー!!」
ボケでなく真剣な訴えだったのだが、ルイーズは冗談で済ませたいようだ。
だが腕を預かった少女もルイーズの突込みをスルーし、にこやかに黒髪の少女を送り出している。
「お前!ニャーの話をちゃんと聞けニャ――――!!」
キイィっとルイーズが叫んだ。

>薬の人
>「…そんな大声じゃなくても聞こえますよ」
「ニャッ?!お前いつからそこにいたニャ?!」
突如沸いた青葉に、ルイーズは飛び上がらんばかりに驚いている。
>「今は持ってきてないのでこの後僕の部屋に来てください」
「あー・・・・・君の話、ちゃんと聞いてたかのかニャ〜あの娘。相当舞い上がってるみたいだけどニャ」

ルイーズはぽりぽり頭を掻いた後
「そう言えば薬と今言ってたニャ?もしかして薬学科の生徒か?
 ロゼッタが怪我したんだが、保健室の変質者が恐くて行けないらしいニャ〜。
 薬草の手持ちがあったら、悪いが分けてやってくれニャーか?」
と、頼んだ。
「あっ、劇的に効果がある回復薬でなくてもいいんニャ。
 あまり強力な奴は高価だし、中身も毒と紙一重だからニャ〜。身体の負担が大き過ぎてよろしくないニャ」
と付け加えた。


>「ところであの雷使いは倒れたんですか?」
「あの変な鎧来た不審者なら、さっき倒れて消えちまったニャ。
 何ニャ、お前もあの不審者を捕まえに来た朽ち立ったにゃ?」

>ロゼッタ
ロゼッタと少女は、黒髪の少女(エンドウ)から預かった「左腕」の処遇で揉めている。
状況は良く分からないが、なんとなく空気が重いのだけは分かった。
「(略)どんな魔法を使ったかはしらないけど、男であるということは、それは手の癖で簡単にわかるもんなのさ。」
「ロゼッタ!君は腕フェチか!顔に似合わずマニア過ぎだニャ!!」

21 :森の動物 ◆jntvk4zYjI :2011/04/17(日) 20:23:32.61 0

>「…あたいが何か悪いことでも言ったのか?」
「いや確かに彼氏が女装マニアってのはいろいろ問題あるかもニャ〜」
>「……いえ、別に悪い事は言ってないわ。
> あの子はちょっとワケありでね、実家では男として育てられてたのよ。
> だから手の癖も男そのものでも何もおかしくない。でも……凄いわね。
> ほんのちょっと手を見ただけで、そんな事が分かるなんて」
「全くだニャ。ロゼッタ恐るべきニャ!」

>美少女
>「まあ男として育てられたのなら恋愛対象が女性になっても仕方がないですよね(略)
> 逆に普通のガチレズさんだったら友達どころか嫌悪の対象になっていたでしょう」
「ニャ!!お、お前本当は男だったニャ?!嘘だと言えニャ。
 どこからどう見てもただの美少女だニャ!!!」
はい地雷スタンバイおkです。

ロゼッタは、管理者からどうしても腕を取り返したいようだ。
>「あんたはそんな面倒に関わる必要はないんだ。なぜならその腕を切断したのはあたいだからさ。
> だからあたいにその腕を返させろ。あたいはあの子にちゃんと嫌われなくちゃあならないから。」
「そんな事言ったって、ロゼッタ歩けないだろーがニャ」
ふー、とルイーズはため息をついた。
「腕切断なんかしたら、普通に嫌われてると思うニャ。
 でも何か今の話、まるでこの学園で囁かれてる怪談みたいな話だニャ〜」
怪談の原因が自分の目の前に居るとは夢にも思わないルイーズだった・
「でも、持ち主に返して謝るのはいいことだニャ!その気があるなら送ってやってもいいぞニャもし〜」
ルイーズは忘れている。ロゼッタにも、送ってもらう相手を選ぶ権利があるということを!

>アリス先生
>「ねーえ! ちょっといいかなー!?」
屋上にいる生徒達に、屋上入り口から上がってきた白い修道服の少女が声をかけた。
「アリス先生」
ルイーズはピッと居住まいを正した。カインと喋っていた時とは大違いである。
それは、彼女が風紀委員という立場も多少なりとも関係あるのかもしれない。
>「んー。 あんまりこういうこと言うのは好きじゃないんだけど、夜中に騒ぎすぎるのは良くないよねぇ。
> 眠ってる人の迷惑にもなっちゃうし。
> ここで集まって何をしてたのか、ちょ〜っと教えてもらってもいいかな?」
「はい。話せば長くなりますが、実は本日ウチュウジンなる不審者が・・・・・」
>「あぁ! そーだよねえ!
> もう夜も遅いし、こんな所で立ち話じゃ大事な事も言いにくいよねぇ! うんうん。 」
「って聞いてないのかニャ!!」

>「なんだか良く分かりませんけど今日の事件の報告を明日ここですれば良いんですね」
とフリードはみんなに見えるように地図を広げる
>「それじゃ〜今日はおやすみ〜。 みんなも早く寝ないとダメだよ〜」
>用件は伝えたとばかりに、アリスは手を振りながら屋上から出て行こうとする。
「アリス先生」
ルイーズは思わず呼び止めてしまった。
トリフィードが実験棟から脱走してるニャ。ここに来る途中見かけませんでしたかニャ?
それと・・・・・・」
ルイーズはもじもじしていたが、意を決し、疑問を口にした。
「本当に、それでいいですニャ?
 まさか今夜の騒動が、単に生徒同士のバカ騒ぎだった――――と本気で思ってらっしゃるニャ?」

22 :炎道勇気 ◆hCjEHNrkek :2011/04/18(月) 18:36:54.70 0
勇気はこの場にはいないのでまずは真sideから……

>「あの“男”がいけないんだ!あたいが“設定上名前をしらないはずの女の子の左腕”をあたいに渡さないから!」
いま、腕のやり取りをしていたのは女と女……おとこはここには1人だけ……いや、もう1人テレポートしてきていた
しかし、あの場でいたのはあの金髪の優男は腕のやり取りには参加していなかった
……なら男とは誰のことだ?あのいけ好かない性格の女か?あのムカつく体の女か?
渡さないと言うことは渡したほうのいけ好かない女のほうではなくムカつく体のほうか……
「どういう意味?ちょっとわからへんわ〜」
ほんとうにちょっとわからない、あとほんの少し手を加えれば糸のもつれがほつれる……そういう段階だ
先ほどから感じていた完璧への違和感、あの女への違和感……
>「…どういう意味って、そのまんまの意味に決まってるでしょ。」
そのまんまの意味……あの走り去ったムカつく女が男……火君勇華という奴が……
「ふ〜ん、そういうことなんやね」
もつれは取れた、すべてがわかった
>「……いえ、別に悪い事は言ってないわ。 ry」
>「そうそう男しか跡取りに成れないという決まりごとがあるのに ry」

なんと、苦しい言い訳だろうか……そもそも言い訳をすること自体があやしいのだ!

「勇気をあんな姿にした奴を5秒以内に言わへんと抹殺やで、やった奴は拷問したあと抹殺やけどね」

すべてを理解した、理解出来てしまった
目に見えるすべてをぶち壊したいと言う想い、破壊衝動が全身を一瞬で満たす
この場所に火君勇華がいない……なら!

「全員、殺しちゃってもええんや!勇気にバレへんかったら!迷惑かかれへんようにしたらええやん!
勇気にひどい目を遭わした奴は全員抹殺したらええんや!」

恋は盲目でも普通はここまではならない……
なぜ、彼女がここまで勇気を偏愛しているか、親が決めた婚約者
彼女達の故郷では生まれた時から結婚相手が決まっているなど普通のことだ
それに異論も疑問もない
せっかく決められた相手だ精一杯愛してやればいい
家柄もいい、顔もいい、同じ魔法使いとしての素養もある
相手は申し分ない、家の跡取りでもない彼女はどこかに嫁に行くものだ、そういうものだと思っていた
ただ幸運なことに彼女は嫁ぎ先を遥かに超える魔術の素養の持ち主だった
婚約解消までには至らなかったが、彼女は正式な術士として育てられることが決まり、ただの政略結婚の道具ではなくなった
そもそも天海家と炎道家は昔から仲が良かったわけじゃない、そもそも武断派というカテゴリーに属する炎道家と文治派の天海家はいがみ合っていたといっていい
その架け橋となるべくまとめられた縁談が勇気と真のというわけだ
初めてあったのは10歳のころ……縁談が正式に決まった時のことだった
いきなり結婚というのも珍しくない世の中だ、結婚前に顔を会わせることが幸運と言えるものだった

「なんでこんな山奥やねん!ありえへんはとんだ田舎武者やね!」
伊織「領地ってもんもありますしね〜奥方になればここら辺全部真様のもんですよ〜」
「それもええね〜領地経営〜」
などと二人で笑うと周りのお付きの者達も釣られたように笑う
笑い声に混じり遠くから馬が駆ける音が聞こえてくる
「なんだなんだ、女ばかりぞろぞろと……っとこれが俺の嫁さんご一行か……年は俺と同じということはお前か……」
少年は真の顔をまじまじと眺める。そして、何かに納得するようにしきりに頷く
「なんだ!可愛いじゃねぇか!名家のお嬢様って言うからどんなやつかと思ってたんだがよかったぜ〜」
少年の無邪気な笑顔はこのときから健在だった
「ほ、ほんま!」
真の純真な想いとは裏腹に若き日の勇気は
(これで体が成長したら完璧だな)
だが、真の体がこれ以上成長することはなかった
そんなこんなで真は勇気に一目惚れして今に至るのである

以上過去回想でした

23 :炎道勇気 ◆hCjEHNrkek :2011/04/18(月) 18:38:03.75 0
〜勇華ではなく勇気side〜
ほっておいたらここにいる全員の抹殺を実行しそうなところに管理人曰くKYな武士!炎道勇気が男になって帰って来た!!

「いや〜アドラスの野郎、強過ぎだろ!さすがの俺もびっくりしちまったぜ!
なんだ!お〜お〜真じゃねぇか!なんだ、寂しくなって追いかけて来たか?」

「勇気〜勇気!勇気!ゆうぅぅぅぅぅぅぅぅぅきぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
ダイナマイトタックル炸裂!さきほどまでの暗黒オーラが吹き飛んで笑顔全開で飛びかかった
「この浮気者がァァァァァァァァァァァァ!何人の女を一日で引っ掛けとんねん!このアホがぁぁぁぁぁぁぁ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁなんのはなしだぁぁぁぁぁぁぁ」
流れるようなコンボ、そこから最後の蹴り上げ、空中コンボにつながり軽く50ヒットをこえた
「謝罪は部屋で聞くからとっとと案内せんか!」
「は、はい……」
ボコボコにされた勇気はとぼとぼと真に首根っこ掴まれこの場を去ろうとする、その後ろ姿は寂しかった

24 :炎道勇気 ◆hCjEHNrkek :2011/04/18(月) 18:39:05.55 0
伊織side
長旅で疲れ、身を休めようとその場をあとにしようとしたが、先ほどの少女の悲鳴が暗い森に響く
あんな少女を夜の森に放置するのも勇気のぼっちゃんに怒られるような気がしたのでもう少し面倒をみてやることにした
先ほどの場所まで戻ると少女がもがき苦しみ、のたうち回っていた
毒?呪い?か、わからない、興味深いとしばらく観察することに決めた
>「――――っ!いや!いやあぁぁああ!!!!」
む、どうやら精神に作用する類いのものだ、惨いことをする者もいるものだ
少女の心に深い傷を負わすと言うのはなかなか面白いものではない
とは思いつつも積極的に介入するつもりはないというのが伊織の正直な気持ちだった
が、目の前の少女がいい子だと先ほどまでの行動でおおよそわかる
いい子が困ってるのに無視したらかわいそうだなと
>「ああ・・・・・。・・・・・・?あれ?ここ、どこだっけ。あれ?私どうなったんだっけ?
 確か、塔の上から落ちたクーちゃんを追いかけて・・・・・」
悪夢?から解放されたであろう少女、記憶の混乱がある
そろそろ姿を見して……
>「あの〜、すみませんそこのお方、私が落ちてきたときに抱えていた・・・・・・女の子、を、知りませんか?
 酷い怪我をしていたはずなのですが」
伊織に気付いてかどうかはわからないが、少女はどことなく話しかける
まだ意識がハッキリしていない状態で他人のことを心配するとはやはりいい子
「もう1人の子ならさっき保険医がどこかをつれていきましたえ、自分の左腕もないのに他の子を心配するなんてええこやね〜」
闇からぬっと現れる、心なしか糸目が楽しげに弧を描いてる
>「あ、いえ。左腕が無いのは怪我じゃないんです。ちょっと友達に取られちゃって」
無理に笑顔を見せようとする姿勢がそそられる……もとい、けなげに映る
「うんうん、魔法学園やもんね〜そんな目にもあうわな〜
でも、安心しそろそろあんたの左腕は帰って来るで……とおもったけどもう一悶着ありそうやね
気長に待ち〜坊ちゃんももとに戻ったみたいやし、あんたもなんとかなるわ〜」
>「あの、これからどうされますか?
 今日は学園のゲストハウスにお泊りされているのですか?私の腕を見つけた後でよろしければ、そちらまでお送りしますが?」
なんと、優しい子でしょうか
「ええよ、ええよ、勇気ぼっちゃんとこにお世話になるし〜あんたのほうが大変やろ?きいつかわんでええんで
そんなことより腕さがさんでええの?ここでぼ〜っとしても返ってくるとおもうけど、自分で動いたほうがはよ返ってくるで?
傷ならあたしが治してあげるわ〜」
指でリリィの傷口を触るとみるみるうちに治っていく
「ほら、もういたないで?」
その声は優しく安心させる魔力を帯びていた

25 :アリス ◆sto7CTKDkA :2011/04/19(火) 18:45:14.44 O
>21
>「アリス先生」
「んん? 何かな?」
帰りかけていた所を呼び止められてアリスは、振り向いてルイーズを見る。

>トリフィードが実験棟から脱走してるニャ。ここに来る途中見かけませんでしたかニャ?
>それと・・・・・・」
>ルイーズはもじもじしていたが、意を決し、疑問を口にした。
>「本当に、それでいいですニャ?
> まさか今夜の騒動が、単に生徒同士のバカ騒ぎだった――――と本気で思ってらっしゃるニャ?」

もじもじしているルイーズを黙ってみていたアリスは、んー。 と少し考えるようなしぐさを見せた。
「最初の質問から答えると、トリフィードは見なかったかなぁ。
 でもちょっと危ないから、明日の朝になってもお家に戻ってなかったら対策しないとまずいかもね。
 で、次の質問の騒動の方はねぇ。
 それを調べに来たんだよ〜」
うんうんと自分の言葉にうなずきながら、アリスは言葉を続ける。

「私が聞いてたのはね〜、屋上で総裁の部下のアドラスって人と決闘があるって話なのね。
 でもでも今はそんな人いないみたいだし、宇宙人狩りしたら単位がもらえるなんて噂もあるみたいだし。
 それに、さっきあったおっきな爆発は決闘って感じじゃなかったよね〜。
 だから、これはやっぱり現場にいた人に事情をちゃんと聞いた方がいいかなって。
 あ。 それからさっきも言ったけど、気持ちの整理もあるだろうから、別に明日じゃなくてもいいからね〜。
 いいろいろ事情がある人もいるみたいだし〜」
アリスはそう言って、”いろいろと事情がありそうな”ロゼッタや炎道たちをちらりと見た。

「ま〜そんなわけだから、気楽に考えてくれれば大丈夫!
 わからなかったら誰か選んで、私から聞きに行っちゃうだけだから!
 それじゃ〜ま〜たね〜!」
ルイーズの質問に答え終わって、アリスは今度こそ屋上を後にした。
その場にいた保険医や管理者については、一切触れることなく。


26 :ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo :2011/04/20(水) 00:00:37.78 O
【フィジル諸島 忘れられた神殿】

「まさか、『太陽のかけら』が、また現れたとはな これは本当かね?」

「間違いありません この目でしかと確認しております」
老人の質問にブレははっきりとした口調で答えた
老人は少し考えるかのように唸ると言葉を続ける
「ふむ、そうか…では事は私に、有利に運んでくれているようだ
しかし、これは良い意味で予測を裏切ってくれたよ」
石造りの玉座に腰掛けた老人は満足げな表情だった、口元は心なしか少しばかり緩んでいるかのようだ
「しかし、総裁 今回の戦いで警備部所属のアドラス・ヴィエーダーは完全に消失
また使用した秘術の影響により魂のサルベージは不可能と思われますが?」
ブレはあくまで事実の報告のみだった 彼の言葉には部下を失った悲しみなどの感情は露ほども含まれていない
最も彼にとってアドラスが消えた事など捨てたゴミの行方並にどうでも良いことなのだが
「構わんよ、太陽のかけらが出現できただけで十分だ 当て馬の代わりなど幾らでも用意できる」
老人にとってもアドラスは一つの駒を使い捨てた程度の認識でしか無い 気に留める必要すらない有象無象な存在であった
「了解致しました、ところで遺物の収集は進んでいるのでしょうか
太陽のかけらが観測されたのならば」
老人はブレの言葉を遮った
「あくまで計画は遺物を依代に進めねばならん もはや失敗は許されんのだ、確実に事は進めたい
だが万一の備えとしては太陽のかけらを依代にはできる
最も今は雛型達の覚醒が急務だがね
しかし、太陽のかけらを含め保険は必要だよ 完璧に計画を遂行するためのな」


27 :フローラ ◆70VgGM3HY6 :2011/04/20(水) 23:33:30.76 0

          ―――――管理者side―――――

>14、>16
>「そうそう男しか跡取りに成れないという決まりごとがあるのに(中略)
> そのせいで僕の初恋は…………orz」
ナイス援護、と管理者はフリードを内心で褒める。
……何だか哀愁を感じるが、それに対する慰めの言葉を管理者は持っていなかった。
出来る事と言えば、フリードの心の傷を癒してあげられる様なお相手が
現れてくれる様に祈るぐらいしかない。

>「へぇ〜そうなのか〜」
とりあえず、ロゼッタは納得させられた様である。
目の前にない物に頓着する性格ではないらしい……既に手遅れだとは思うが、
これ以上騒がれて手間が増えるのは流石に勘弁して欲しいと言うのが管理者の本音であった。
……まぁ、実際問題手遅れだったわけだが。

>22-23
>「勇気をあんな姿にした奴を5秒以内に言わへんと抹殺やで、やった奴は拷問したあと抹殺やけどね」
>「全員、殺しちゃってもええんや!勇気にバレへんかったら!迷惑かかれへんようにしたらええやん!
> 勇気にひどい目を遭わした奴は全員抹殺したらええんや!」
管理者は深い溜息を吐き出す。自分達の苦労が全て水の泡になってしまった事と……
真が狂気じみた殺気を放ったからだ。知らぬ事とは言え、真は一番やってはいけない事をしてしまった。
それは、管理者に一方的に殺気をぶつける事である。それは、管理者に過去を思い出させるからだ。
言葉を交わす事すらせず、ただただ殺戮と破壊だけが全てだった……『魔神』だった頃を――――。

「……環状封魔術式『ニーベルング』、第一から第五まで解除。
 敵対勢力殲滅完了までの限定解放、空間拘束術式構築開始……
 ああ、そんな事もあったわねぇ。忘れる事なんて、出来やしないのは分かってたけど。
 習慣付いちゃうのも考え物だわ……こんな、薄いモノでも反応してしまうのだものねぇ……!」
先程までの気配は一体なんだったのか、そう思いたくなる様な変貌振りである。
私室で白黒相手に見せたブチギレモードではなく、殲滅モードへと移行した管理者が眼鏡を外そうとして……

>ほっておいたらここにいる全員の抹殺を実行しそうなところに管理人曰くKYな武士!炎道勇気が男になって帰って来た!!
色々な覚悟と準備が完了し、今正に女二人の血も涙もないガチンコデスマッチが始まろうとしていた、
ちょうどその時に勇気が帰ってきた。管理者は、やっぱり勇気はKYであると理不尽な評価を下し
全員に背を向ける。管理者のそれは、真の様なスイッチ一つで切り替わるお手軽さとは無縁であった。
リミッターの掛け直しと精神の平静を取り戻すのに時間が掛かるし、何より今の自分の顔は
とてもじゃないが人様に見せられた物でないと言う自覚があるが故の所作だ。

その間に勇気は真にボコボコにされて引っ立てられていった。
……管理者はその様子を肩越しに視線だけを投げて見続けていたのだが……
勇気側からは表情を窺い知る事は出来ないが、その視線ははっきりと分かるほどに刺す様な鋭さだった。
されどいかなる感情がその瞳に秘められているか、それは誰にも分からない。

28 :フローラ ◆70VgGM3HY6 :2011/04/20(水) 23:34:12.02 0
>16、>20、>25
>「あんたがその腕を元の持ち主に返すなんて、どうしてあたいが期待できるのさ?」
>「あんたはそんな面倒に関わる必要はないんだ。なぜならその腕を切断したのはあたいだからさ。
> だからあたいにその腕を返させろ。あたいはあの子にちゃんと嫌われなくちゃあならないから。」
やがて、殺し合いをする為の心の波風が止んだ管理者は、殊勝なのかそうでないのか
よく分からない事を語るロゼッタへと向き直る。その表情に、先程までの人外の色は全くなかった。
「そう言えば、貴女は私とあの子の関係を知らないのだったわね。
 まぁいいわ、自分で自分の所業に決着をつけると言うのなら、私にそれを阻害する理由もない。
 ……生憎、一度面倒を見てしまうと最後まで見てしまいたくなる性分なのよ。
 だから、面倒に関わる必要がないと言われても『ふ〜ん、それで?』で終わってしまうわ。
 まぁ、あの子の性格を考えれば……腕を返さない方が嫌われる可能性は高いでしょうけれどね。
 ……さ、行きましょう」
管理者はそう言うとロゼッタに腕を渡し、ロゼッタを抱き上げて屋上から飛び降りる。
間違っても無理心中ではないし、お姫様抱っこして無理心中と言うのも無理があるだろう。

>「お前!ニャーの話をちゃんと聞けニャ――――!!」
そして、残念な事に管理者はルイーズの話を全く聞いてなかった。
と言うよりも、風紀委員に下手に絡んで自分の体に付いた埃を咎められるのは
勘弁願いたいから極力無視するしかなかったのである。
……問題はもう一つある。シスター・アリスだ。彼女が魔族なのは管理者も知っている。
そしてアリスも管理者の事を知っている筈なのだが、今なお接触しようとしてこない。
興味がないと言うのならありがたい話だが……楽観は出来ない。一方的ではあるが、
管理者は魔族全般に対して知られたくない『過去』があるのだから……

>18-19、>24
>「私の左腕どこかな?その辺に落ちてたりしないかな?
> 何かちょっと痛い気がするけど・・・・・・・ロゼッタちゃん、ちゃんと預かっててくれてるかな?」
>「ほら、もういたないで?」
……すとっ、と小さく音を立て、管理者とロゼッタはリリィと伊織の傍に降り立つ。
「リリィ、お待たせ。腕と、腕を切った悪い子を連れてきたわ。
 このお嬢さん……ロゼッタ、だったかしら。自分のやった事に最後まで責任を持つそうよ。
 彼女に対して、貴女がどう思うっているか……聞かせて上げなさいな」
リリィに語りかける管理者の声は優しげだったが、やはり裏はある。
先程リリィが上げた悲鳴の理由を、管理者は知っているから、分かってしまっているから。
億尾にも出しはしないが、管理者の心には理不尽に対する怒りが渦巻いていた。
ロゼッタとリリィの間に何かしらのやり取りがあろうし、真の付き人の伊織が気紛れを起こして
事態に介入して来るかも知れないが、管理者はそれ所ではないので何が起きても反応出来ないだろう。

29 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/20(水) 23:35:22.99 0
          ―――――『彷徨者』side―――――

>15
>「え〜!?ちょっと待ってくれよ、この刀はあんたが言ったとおり俺のものじゃあねえんだぜ〜?
> 総統閣下のお言葉とはいえよぉ、俺が渡す渡さないなんて決められるわけないじゃないっすか〜!
> それとも、レイヴンの奴がこの刀を俺に譲ってもいいとか、あんたに渡してもいいとか言ったのかよ?」
エンカの反応は至極当然の物であり、『彷徨者』にとっても予想できていた事だった。
「君の主張はもっともだ。しかしだね、エンカ・ウォン……この問題は、
 君が決めなければならない事なのだよ。何故なら、『レイヴン』は鬼籍に入ってしまい、
 自身の所有物についての言が一切なかった以上、今現在における所持者に権利と義務が発生する。
 ……そう、刀の現所持者であるエンカ君、君が刀に関する問題を解決せねばならない」
大きく左側を見せていた『彷徨者』が正対する姿勢を取る。
不自然なまでに長い右側の袖はローブの裾とほぼ同じ長さで、極めてアンバランスだった。
……正対する事で、ダブついたローブの上からでも胸部の脂肪の塊二つの存在がうっすら分かる様になったが、
そんな事はこの際どうでもいい、重要な事じゃないからだ。

「レイヴンの死を証明する物を、私は持ち合わせていない。
 確認が取れるまで自分に決定権が無いと言うのならそれはそれでいい……
 証言してくれる者ならば、いるのだからね。リリィ、と言ったか。
 あの少女と、行動を共にしていた幾人かに話を振ってみたまえ。
 ……詳細は伏せられてしまうかも知れないが、レイヴンの死は確認できるだろう」
『彷徨者』はこう言うものの、もちろん彼らが保証すると言う確証などありはしない。
更に言えば、エンカからレイヴンの刀を受け取れなくとも『彷徨者』としては何も困らない。
ただ、エンカが多少なりともこの一連の事態に対して動きを見せれば、それでいいのだ。
たったそれだけの事で、『彷徨者』の企みはまた一歩成就に近づく……

>「そういや、あんたはなんて名前なんだ?」
刀の件に関する話をしている中、唐突にエンカが名を聞いてきた。
これは完全に『彷徨者』の予想の外だった様で……初めて感情らしき物を見て取れた。
愉快、愉悦、ともかく『楽』に類する感情である事がありありと――――。
「ク、ククッ……いや、申し訳ない。
 まさか、この期に及んで私に名を聞くなどとは思ってなかったのでね……
 まぁ、確かに私だけが一方的に名を知っていると言うのも礼を失するだろうし
 名無しの権兵衛では君も声を掛け辛かろうね」
そこで一度間を置き、『彷徨者』は名を告げる……

「シャイナ、シャイナ・ムーンリング、そう呼んでくれ。
 ああ、偽名だよ。本名は……どんな名だったか。呼ぶ者のない名など
 あって無きが如し、私にとっては不要な物だよ。君がどう思うかは知らないがね」
不審者は、偽名であると付け加えつつもシャイナと名乗った。
「ところで、君は何故総裁閣下がレイヴンの刀を欲しているか……知りたくはないかね?
 なに、知られた所で困りはしない事だ。少しでも気になるなら語ろうと思うのだが」
そう言うシャイナだが、言外に『聞け』と言っている。
もっともエンカに聞くつもりがないなら、無理に語ろうとはしないだろう。
最悪、聞かせる相手を変えればいいだけなのだから。

30 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/20(水) 23:36:03.96 0
>17
>「馬鹿な!見ず知らずの貴様の戯れ事などに誰が耳を貸すか!!
> 命までは取らん すぐに私の前から消え失せろ!!!!」
>「だ…だが…貴様の話など…」
オワゾーは予想通り、いきなり現れて言いたい放題の不審者である自分に対し
不信感と警戒心、後は少々の……怯え、を抱き警告を放ってきた。
しかし、オワゾーにとっての急所を徹底的に突くとその語気もあからさまに弱っていく。
当然だろう、ブレと違いオワゾー自身には揺るがぬ自信があるわけではないのだし
そもそもがベッドフォードの腹心の中でも俗心に塗れている輩なのだから。
だからこそ『彷徨者』はブレではなく、オワゾーを選んだのだ……
自身の計画の『仕込み』を誰にも知られる事無く行わせる、『自覚なき協力者』に――――。

>「ま…まさか…これは間違いない!!!貴様 これを一体どこで!!!!
> あれほど探させても見つからなかったのだ!!どうして貴様が…」
オワゾーが『細身の剣の形をした遺物』を目にした瞬間の目の色、表情の変わり様と食い付きを見て
『彷徨者』は露骨に唇を大きく、悪辣な笑みを示す形へと歪ませる。
「そう、これは貴方が必死になって探していた『遺物』……
 学園地下に存在する遺跡に安置されている筈だった、『太陽のかけら』の制御装置の片割れ。
 名を『月光』と言いますがね……これは、学園が出来る前に持ち出されていたのですよ。
 総裁閣下の崇高な計画、それを妨害しようとする、不逞の輩によってね」
いくら探しても見つからないわけだ、初めから遺跡の中にはなかったのだから。
それを聞いたオワゾーの心中はいかばかりか。ご愁傷様としか言い様がない。

「しかし、巡り廻って『月光』はとある新入生が携え学園に戻り、
 こうして貴方の前にある。これは最早運命とすら言えましょう。紆余曲折あったとは言え、ね。
 ……私はこれを貴方に差し上げようと思い、今宵無礼を承知でお邪魔したわけです。
 どうぞ、手柄として総裁閣下にご献上下さい。入手経路云々については、貴方のお考えに一任します。
 まぁ、素直に今宵の出来事をお話になるのも結構ですが……」
言下に『それでは貴方の手柄にはならないでしょうね』と含みを持たせる『彷徨者』。
自身もオワゾーに現状のやり取りを話されると困るのだが、そんな様子は億尾にも出さない。
追い詰められ、余裕を完全に無くし、欲に支配されたオワゾーがこの話に飛びつかないわけがないのだ。
が、念には念を入れるべく『彷徨者』はオワゾーにとって残酷なダメ押しを行う。

「私は手柄には拘りませんし、総裁閣下に直接お会いできる身分でもないので
 閣下に近しいお方にお願いするべく、貴方に話を持ちかけましたが……
 こんなに旨い話、裏があると疑われても仕方がありません。
 どうしても私を信用できぬと申されるのならば、ブレ・カブル殿にお願いするとしましょう。
 あの方も総裁閣下の信任厚く、また清濁併せ呑む度量もある。きっと良いお返事を頂ける事でしょうね」
そう言いながら『彷徨者』は暗がりからすっと乗り出し、テーブルの上の『遺物』に手を伸ばす。
月明かりに照らされた事で、仮面から露出した口元の血の様に紅いルージュと、慎ましく主張する膨らみが露になり、
不審者が女性であった事を暴露する。『彷徨者』はわざとオワゾーに男と思わせる様な振る舞いに出ていたのだ。
動揺に動揺を重ねさせ、眼前の餌に釘付ける事で、不自然極まりない譲渡の話の裏を探られない様にと――――。
己の目的の為に、えげつない手練手管だろうと躊躇なく実行に移す『彷徨者』は、正しく悪魔であろう。

31 :クリス ◆70VgGM3HY6 :2011/04/20(水) 23:36:45.49 0
          ―――――クリスside―――――

クリスを抱えた保険医は保健室に戻るなり、クリスの肌と癒着した服を切り離しに掛かる。
全身の火傷を治療する為には、癒着したままの服が邪魔なのだから仕方がない。
確かに保険医はHENTAIである、否定できる要素はどこを探しても見当たらない。
だがしかし、同時に保険医は天才である。HENTAIと天才は両立するのだ。
ストーカーでロリコンでフィギュアフェチと創造主にさんざっぱら揶揄されたどこぞの
悪いハリー・ポッター(CV:子安武人)もHENTAIであり天才だったのだから―――――。

ともあれ、服を切り離す事に成功した保険医は次に火傷の処置と傷痕の消去作業に取り掛かる。
……が、ここで奇妙な現象が発生し、結果として作業は暗礁に乗り上げてしまう事になってしまった。
火傷は治癒できたのだが、元から体中にあった傷が、消える気配がないのだ。
その上、両目も保険医の治療魔法や薬を受け付けず、視力はおろか眼球の再形成もままならない。
極め付けは、右腕の傷痕に掛けた再生魔法が効果を全く発揮しないのだ。

その理由に、天才である保険医はすぐに気付いた。誰に聞かせるでもなく口に出した内容は……
「私の術を、受け入れていないのか……一体、何があったんだ?
 何度か診察したが、その時は、そう……こんな風に、頑なに、何もかもを
 拒絶する様な子じゃなかったんだが……それに、右腕の術の反応がおかしい。
 治す物がない? そんなバカな、腕が消失している以上無い訳がない……」
何度でも言おう、保険医はHENTAIだが天才である。時にはシリアス一辺倒にだってなったりする。
長続きしなかったらシリアル(シリアス+コミカル)なんだろうが、今はシリアスタイムだ。
それが故に理詰めの思考に囚われ、突飛な発想が出来ず事態の打開を図れないのは皮肉以外の何物でもないのだが……

32 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/04/21(木) 10:13:18.01 P
>21-23
>「ニャ!!お、お前本当は男だったニャ?!嘘だと言えニャ。
 どこからどう見てもただの美少女だニャ!!!」
「にゃなぁ」(綺麗な顔してるだろ生えてるんだぜこいつ)
「生えてるとか言わないでください!!
 はぁ………明日床屋に行くしか無いですね」
だがあるもんはあるんだから仕方がない
「まあ僕が言えることは男と女ではへその位置が違うとか
 肩幅が違うとかとにかく体の作りが違うってことですね」
「にゃおん」(だけど体をじっくり見るとセクハラな罠)

>「全員、殺しちゃってもええんや!勇気にバレへんかったら!迷惑かかれへんようにしたらええやん!
 勇気にひどい目を遭わした奴は全員抹殺したらええんや!」
「なんだか物騒なことを言ってますし逃げましょうか?」
「にゃあお」(早く帰ってカリカリ食べたい)
相変わらず食べることばかり考えているグレン

>「謝罪は部屋で聞くからとっとと案内せんか!」
>「は、はい……」
「男は女には逆らえない…………これが世界の真実か」
「にゃあご」(まあ僕らには関係無けどね)
男はみんな女の息子ならば逆らえるはずがないではないか
残念なことにこれが世界の真実である

「じゃあ僕とグレンは部屋に帰ってシャワー浴びて寝ますんでこれで」
そう言って寮に帰っていくグレンとフリード
本当に今日はイベントが沢山あって疲れただろう
明日寝すぎて遅刻しなければいいのだが………

33 :森の動物 ◆jntvk4zYjI :2011/04/21(木) 20:22:38.29 0
>22-25 >27-28 >32
アリスは、ロゼッタとルイーズを食べようとしたトリフィードとは鉢合わせしなかったと話した。
「とりあえず、帰り道の心配はさほどしなくてもよさそうだニャ〜」

また彼女は、ここへは騒動の調査に来たとも告げた。
アドラスとの決闘の話やウチュウジン捕獲などの話も、アリスの耳に届いていたらしい。
>「だから、これはやっぱり現場にいた人に事情をちゃんと聞いた方がいいかなって。 」
「あ、それなら」
ルイーズが喋りかけるのを制するように、さらにアリスは続けた。
「ま〜そんなわけだから、気楽に考えてくれれば大丈夫!
 わからなかったら誰か選んで、私から聞きに行っちゃうだけだから!
 それじゃ〜ま〜たね〜!」
ルイーズの質問に答え終わって、アリスは今度こそ屋上を後にした。
「あ、ああ・・・・・行っちゃったニャ」
ルイーズは、保険医がいたのだからそっちに聞けばよかったのに、と思った。
(※女子生徒こと管理人の正体には、まだ気づいていない)
ルイーズが、「もしかしたら、今この場で聞けない事情があるのかもしれない」などとうがった考えを持つはずが無かった。
「アリス先生おねむだったんだニャ〜。かーわいいニャ〜」

>「勇気をあんな姿にした奴を5秒以内に言わへんと抹殺やで、やった奴は拷問したあと抹殺やけどね」
ルイーズは「?」と首を傾げている。
>「全員、殺しちゃってもええんや!勇気にバレへんかったら!迷惑かかれへんようにしたらええやん!
>勇気にひどい目を遭わした奴は全員抹殺したらええんや!」
「ニャ――――――――!!普通に犯罪ニャ!!」
>「なんだか物騒なことを言ってますし逃げましょうか?」
>「にゃあお」(早く帰ってカリカリ食べたい)
「大☆賛☆成☆ニャ!というか部外者のニャーが抹殺されるって大迷惑ニャ――――!!思いとどまるニャ――――!!
 なーなー、そこの少女も何とか言ってやって・・・・・・」
>「……環状封魔術式『ニーベルング』、第一から第五まで解除。
「フギャ――――!!ブルータスお前もか!!」

管理人と真の間で飛び交う火花!漲る魔力!震えるぞビート(ry
「ちちち、痴話喧嘩は他所でやって欲しいニャ〜!皆、巻き添え食わないうちに逃げるニャ」

>ほっておいたらここにいる全員の抹殺を実行しそうなところに管理人曰くKYな武士!炎道勇気が男になって帰って来た!!
>「謝罪は部屋で聞くからとっとと案内せんか!」
>「は、はい……」
突如登場した異国の男は、高飛車少女にぼこぼこにされた後、いずこへと引きずられていった。
取り残された少女のオーラがなんとも恐ろしいが、触らぬ魔神になんとやらである。
>「男は女には逆らえない…………これが世界の真実か」
>「にゃあご」(まあ僕らには関係無けどね)
「尻に敷かれるのが嫌なら美少女になればいいじゃニャイ」
その後、管理人とロゼッタは「謎の左腕」のことで少し話し込んでいたのだが――――どうやら話が纏まったらしい。
>管理者はそう言うとロゼッタに腕を渡し、ロゼッタを抱き上げて屋上から飛び降りる。
>間違っても無理心中ではないし、お姫様抱っこして無理心中と言うのも無理があるだろう。
「のわ――――!!!大丈夫か!!・・・・・・・・・・・は〜。人一人抱えてなんつー身軽な」
ルイーズ、自分のことは完全に棚上げである。
(ルイーズ「獣人化するとパワフリャになるのニャ!!」)

>「じゃあ僕とグレンは部屋に帰ってシャワー浴びて寝ますんでこれで」
「あい、お疲れニャ。あっ!ちなみにニャーの名前はかわいい森の動物ニャ!
 明日アリス先生の部屋で会ったときは宜しくニャ」
ルイーズは前足をぴこぴこ振ってフリード達を見送った。
「あれ?そういえばあの美少女達、以前どっかであった気もするんだがニャ・・・・・・?」
ルイーズはちょっと考えたが、すぐにめんどくさくなって考えるのを止めた。
「今夜はよく働いたニャ。ニャーも帰って寝るかニャ〜」

ルイーズはコキコキ肩を回した後、改めて屋上の惨状を見つめた。
「しっかし・・・・・・・これ、一体どーしたもんかニャ〜」
――――明日も、色んな意味で忙しくなりそうである。

34 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/21(木) 20:24:17.93 0
>29
> 「ク、ククッ……いや、申し訳ない。
>  まさか、この期に及んで私に名を聞くなどとは思ってなかったのでね……
>  まぁ、確かに私だけが一方的に名を知っていると言うのも礼を失するだろうし
>  名無しの権兵衛では君も声を掛け辛かろうね」
そんなに愉快か?と思いつつもエンカは彷徨者の次の言葉を待った。
> 「シャイナ、シャイナ・ムーンリング、そう呼んでくれ。
>  ああ、偽名だよ。本名は……どんな名だったか。呼ぶ者のない名など
>  あって無きが如し、私にとっては不要な物だよ。君がどう思うかは知らないがね」
「あいよ、“シャイナちゃん”な。」
偽名を使われたことに対してエンカは特別悪い感情は抱かなかった。
というのも、彼の母親の生まれ故郷では、本名とは別の名前を持つ習慣があり、
身内や親しくない者に対しては本名を言わせない習慣があると聞いていたからだ。
エンカの母親は“レベッカ”という名前を本名とは別に名乗っており、
エンカの祖母にも“水生(スイション)”という別名があったことを最近知った。
「要するに、もうちょっと仲良くならねぇと教えてくれねぇわけだな。」

> 「ところで、君は何故総裁閣下がレイヴンの刀を欲しているか……知りたくはないかね?
>  なに、知られた所で困りはしない事だ。少しでも気になるなら語ろうと思うのだが」
「ああ、そうっすね。」
そう言われてエンカは、たしかに総裁がレイヴンの刀を欲しがる理由が気になってきた。
だから語ってくれるであろう“シャイナちゃん”に断る理由などあるはずも無かった。
「一体なんで総裁はレイヴンの刀を欲しがっているっすか?」

エンカはシャイナから総裁がなぜレイヴンの刀を欲しがっているのかを聞いた後、
こんな大切な事を話してもらえる自分は、きっと特別な存在なのだろうと思った。
「OK、あんたがさっき言ったとおりよ〜、リリィ達にレイヴンの事を聞いてみるぜ?
 それから総裁に…いや、やっぱりあんたに直接渡しにいくことにするぜ。
 俺があんたに会いたいと思った時は、どうすりゃいいんだ?」
エンカは総裁にではなく、シャイナに刀を渡したいと思った。
なぜなら、彼女もまたエンカにとって特別な存在だからである。

35 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/22(金) 09:10:12.36 0

>16 >28 >24
闇に解けていた女性がぬっと現れた。
夜目が利かないリリィにもようやく相手の顔が見えた。
リリィはこめかみに手をあて、しばし考えた。確かに見覚えがある女性だ。
(えっと・・・・・名前は確か――――そうだ、「イオリさん」だっけ?)
落下のとき頭を打ったせいかもしれない。リリィの今夜の記憶は、ひどく曖昧だった。

伊織は、クリスは保険医が治療するため連れて行ったと説明した。
リリィ自身、体のあちこちが痛むが、特に骨や内臓を痛めてはいない。
それは、ブレの手によっての救済だったが、残念ながらリリィは覚えていない。
だから「あの高さから落ちてこの怪我なら、自分は運がいい」などと思っていた。
「そうですか・・・・・・良かった」
クリスが無事と聞き、リリィの肩からすっと力が抜ける。
だがその心中はいささか複雑だった。
クリスの無事を喜ぶ気持ちと、もうひとつ――――顔を合わさずに済んだ、という奇妙な安堵感と後ろめたさのせいだ。

気絶していた間の夢だったのかもしれない。
何をしたのかも覚えていない。
だがなぜか、クリスを裏切った、取り返しのつかないことをしてしまった、という記憶だけがやけに鮮明に残っていた。
(・・・・・・夢、だよね?きっと、きっとそうだよね?)
胸の中に渦巻く悔恨と焦燥感を押さえつけ、危うい均衡の上で何とかいつもどおり過ごそうとしていた。

一方の伊織は、腕を取られたという話をしても少しも動じなかった。
リリィの内心の動揺をどう解釈したのか、もうじき腕は戻ってくるよと慰めてくれている。
>「ええよ、ええよ、勇気ぼっちゃんとこにお世話になるし〜あんたのほうが大変やろ?きいつかわんでええんで
>そんなことより腕さがさんでええの?ここでぼ〜っとしても返ってくるとおもうけど、自分で動いたほうがはよ返ってくるで?
>傷ならあたしが治してあげるわ〜」

伊織の伸ばされた手が、全く別の異質な何かと重なって見えた。
思わず振り払おうとしたが、伊織は全く気にすることなくリリィの傷に触れた。
彼女が指でなぞると、傷口はみるみるうちに塞がり治っていった。
>「ほら、もういたないで?」
>その声は優しく安心させる魔力を帯びていた
「・・・・・・あ、ありがとうございます」
リリィは立ち上がり、てのひらを何度か広げたり閉じたりを繰り返していた。その視界が不意にぼやけた。
「ご、ごめんなさい」
突然の涙に驚いたのは、当の本人だった。
「もう痛くないんです。治してもらったから。どこにも傷はないし・・・・・・・」
伊織が困惑する、そう思って何とか抑えようとするが、どうしてもとまらない。
「私、いい子なんて言ってもらう資格無いんです。全然いい子じゃない・・・・・・・」

>……すとっ、と小さく音を立て、管理者とロゼッタはリリィと伊織の傍に降り立つ。
>「リリィ、お待たせ。腕と、腕を切った悪い子を連れてきたわ。
> このお嬢さん……ロゼッタ、だったかしら。自分のやった事に最後まで責任を持つそうよ。」
>「彼女に対して、貴女がどう思うっているか……聞かせて上げなさいな」
「ロゼッタちゃ、・・・・・・先輩」

リリィは心もとない表情で、ロゼッタと対峙した。
管理者は優しげだったが、なんとなく本心から出ないことはリリィにも伝わってきた。
「ロゼッタ先輩もぼろぼろ。・・・・・どこか痛いところ、ない?傷薬あるよ?」
リリィの記憶が曖昧でなくても、ロゼッタが今回の騒動に巻き込まれたことくらい見れば分かる。
彼女は努めて平静を保っていたが、内心は決して同じとはいえなかった。
今夜起こった出来事全て、彼女の心身に与えた影響は大きかったからだ。

「わざわざ腕、持ってきてくれたの?ありがとう」
リリィはぎこちなく微笑み、受取ろうと右手を差し出そうとする。


36 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/22(金) 21:22:12.58 0
>28>35
> 「そう言えば、貴女は私とあの子の関係を知らないのだったわね。
>  まぁいいわ、自分で自分の所業に決着をつけると言うのなら、私にそれを阻害する理由もない。
>  ……生憎、一度面倒を見てしまうと最後まで見てしまいたくなる性分なのよ。
>  だから、面倒に関わる必要がないと言われても『ふ〜ん、それで?』で終わってしまうわ。
>  まぁ、あの子の性格を考えれば……腕を返さない方が嫌われる可能性は高いでしょうけれどね。
>  ……さ、行きましょう」
「ふーっ」
ロゼッタはなんだか不満そうに鼻息を鳴らした。
ロゼッタはフローラと一獅ノ落ちながら彼女に話しかけた。
「あの二人のプレイってばビッグバンね。
 地球人の男女が愛しあい新たな星を創造する…なんてロマンチックなの?」
勇気と真についてである。
「あんたもそう思うでしょ?…思わないの?
 …思ってるんでしょう?」

> 「リリィ、お待たせ。腕と、腕を切った悪い子を連れてきたわ。
>  このお嬢さん……ロゼッタ、だったかしら。自分のやった事に最後まで責任を持つそうよ。
>  彼女に対して、貴女がどう思うっているか……聞かせて上げなさいな」
ロゼッタはフローラの腕の中で借りてきた猫のように大人しくなっていた。
見方によっては、フローラがロゼッタをフルボッコにして腕を返させに来たように見えなくもない。
しかし、リリィはそうは思わなかったようだ。
> 「ロゼッタ先輩もぼろぼろ。・・・・・どこか痛いところ、ない?傷薬あるよ?」
「痛くないところがない。」
ロゼッタはそう答えた。
> 「わざわざ腕、持ってきてくれたの?ありがとう」
> リリィはぎこちなく微笑み、受取ろうと右手を差し出そうとする。
ロゼッタはフローラの腕の中から身を乗り出し、リリィの左腕を差し出した。
「ねぇ、あたいったら下半身が無くなったのに再生したよね?
 それってつまり、あたいって処女なのかなぁ?ねぇ、処女なのかなぁ?」
ロゼッタはすでに魔法を解除しているので、左肩に左腕をくっつくればすぐに元に戻るだろう。
「猫の眼(まなこ)と♪犬のお耳で♪あなたに〜♪ごあいさつ〜♪」
突然ロゼッタは両掌を自分の頭の上にかざしてピコピコさせながら短い歌を歌った。
「ね?」
とロゼッタはリリィに尋ねた。
「……ね?」
もう一度ロゼッタはリリィに尋ねた。

37 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/23(土) 06:45:54.23 0
>36
>「痛くないところがない。」
「ええっ!どうしよう」
リリィは反射的に伊織と管理者の両方に視線を向けた。
だが、さすがに直接「申し訳有りませんが、ロゼッタ先輩を治してくださいかせんか?」とは言い出せなかった。
学園には保険医もいる。さすがにそこまで頼るのは厚かましいだろう。
「・・・・・・・そ、そっか。ちょっと待ってて」
リリィはロゼッタから左腕を受取り、切断面同士をあわせた。こうしておけばすぐに腕は元通りだ。
「はい、これ傷薬。それと」
リリィは回復魔法を唱え始めた。伊織ほどの即効性は無いが、何もしないよりはマシだろう。

「はい。後でちゃんと、保健室で診てもらってね」
――――リリィは、ロゼッタが保険医を毛嫌いしていることを知らなかった。

>「ねぇ、あたいったら下半身が無くなったのに再生したよね?
> それってつまり、あたいって処女なのかなぁ?ねぇ、処女なのかなぁ?」
「えっ?!・・・・・・・・・ええっ?!」
何の脈絡も無いとしか思えない質問に、リリィは面食らっている。

>「猫の眼(まなこ)と♪犬のお耳で♪あなたに〜♪ごあいさつ〜♪」
次にロゼッタは、突然両掌を自分の頭の上にかざしてピコピコさせながら短い歌を歌った。
>「ね?」
「あの・・・・・・・えっと・・・・・・」

リリィはちょっともじもじしていたが、やがてロゼッタがしたのと同じように、両掌を自分の頭の上にかざしてぴこぴこしはじめた。
きっとこれが、ロゼッタ流の挨拶だと思ったのだろう。
そして今度は、ロゼッタとちゃんと向き合って
「・・・・・・こんばんは♪」
と言った。

>「……ね?」
>もう一度ロゼッタはリリィに尋ねた。ロゼッタのまっすぐな視線に、リリィは真っ赤な顔をして目を反らせる。
「再生した部分が・・・・・その・・・・・しょ、処、女、かどうかっていうのは、ごめんなさい、私にも良く分かんない・・・・・・です。」
頭の上でぴこぴこさせていた掌の動きが止まった。
「で、でもね、ロゼッタ先輩のことを心から愛してる人が現れたら、そういうこと、きっと拘らないんじゃないかなー・・・・・・って思うの。
 こんな答えじゃ・・・・・・だめかな?」
リリィは管理者と伊織に救いを求めるような目をした。
こんな答えでロゼッタは納得するのだろうか?
だが、恋のひとつもしたことが無い彼女では、これが精一杯である。

38 :オワゾー ◆k4Jcxtcjwo :2011/04/23(土) 13:00:41.17 O
>>30

>「そう、これは貴方が必死になって探していた『遺物』……
 学園地下に存在する遺跡に安置されている筈だった、『太陽のかけら』の制御装置の片割れ。
 名を『月光』と言いますがね……これは、学園が出来る前に持ち出されていたのですよ。
 総裁閣下の崇高な計画、それを妨害しようとする、不逞の輩によってね」

「で、では!!元々あそこには無かったというのか!!!
くぅぅぅぅぅ!!!!!!総裁すらお気づきにならなかったとは、やはり『介入者』の仕業だったのか!!!」
オワゾーは今まで自分のしていた事が無駄骨であった事を知り 大いに憤慨した
これまでの事は全て徒労に過ぎなかったのだ 無い物は見つからず当然なのに、その事で無能扱いされたのも彼の怒りに益々油をそそいだ

>「しかし、巡り廻って『月光』はとある新入生が携え学園に戻り、
 こうして貴方の前にある。(略)」

オワゾーは旨すぎる申し出に生唾を飲み込んだ
今、目の前には並々ならぬ力を持った遺物があるのだ
これ程の物を献上すれば今までの失態は十二分に挽回できる それに加えブレへ自分の功績を嫌という程見せつけられるだろう
しかし 心のどこかでは この男への不信と警戒があった

「私は手柄にはこだわりませんし
(中略)
どうしても私を信用できぬと申されるのならば、ブレ・カブル殿にお願い致しましょう(略)」

「待て待て待て!!!!あの男に渡すぐらいなら私が!!!!」
オワゾーはブレという言葉に慌て、遺物を引っ込めようとした男の手を上から強く掴んだ
ブレに遺物が渡ったら自分は完全に手柄を失う これだけは絶対に避けたかった
手を掴んだまま ふと顔を上げるとオワゾーは驚愕した
男と思っていた不審者は女であった 月明かりに照らされた仮面から覗く赤く塗られた口紅
掴んでいる手も思えば華奢で滑らかな感触である
あまりの驚きにオワゾーは女の手を強く掴んだまま離さなかった

39 :フローラ ◆70VgGM3HY6 :2011/04/25(月) 00:00:06.00 0

          ―――――管理者side―――――

>32
>本当に今日はイベントが沢山あって
ところがギッチョン、本日最後のイベントは自室にて待ち構えていたのであった!!


グレンを連れたフリードが部屋に帰ると、机の上に何かが置いてあった。
近づいて確認すると、それが首輪で……サイズから考えてグレン用に仕立てた物だろうと
思う物の傍に、手紙が添えられているのが分かる。
筆跡に見覚えはないが、内容に目を通すと手紙の主がメイド長だと判明する。

『ご注文の品が出来上がりましたのでお届けに参りましたが、
 折り悪く出払っているようでしたので、この手紙を添えておきます。
 グレンでしたでしょうか、気に入って頂ければ良いのですが』

一人と一匹は既に本性を知っているので、体裁を整える必要もないのだが
ドピンクな性癖を微塵も感じさせない、メイドとしての顔が文面から漂ってくる。
そう、管理者は『グレンの首輪下さい』と言うフリードの発言を覚えていたのだ。
面倒は嫌いと言い切った人物とは思えないほどの気の回しよう、多分管理者は苦労人。


>35-37
>「あの二人のプレイってばビッグバンね。
> 地球人の男女が愛しあい新たな星を創造する…なんてロマンチックなの?」
>「あんたもそう思うでしょ?…思わないの?…思ってるんでしょう?」
勇気と真のやり取りを見たロゼッタの、その表現はロゼッタの言通り、実に詩的でロマンチックだった。
しかし……それを聞いた管理者の表情は引き攣っていた。苦笑いと言うやつである。
「ビッグバン、ねぇ……確かにあの(一方的な)激しさはそう表現できなくもないわ。
 でもどちらかと言うと……ラグナロクかハルマゲドンかってところの様な……」
どの表現にしても、詰まるところ碌なもんじゃないと言う事である。仕方ないね。

「あと、その相槌の求め方は個人的にお勧めしないわ。
 永遠のヘタレ属性を得てしまうし、悪化すると……後ろの穴を狙われちゃうもの。
 そう、フロ○ム脳の犠牲者にして伝染源の一つn」

    興<ハメさせてくれ 干<尻を貸そう

「言った傍から出てくんな!」
突如現れた頭部以外マッパでガチムチの H☆E☆N★T☆A☆I(ゲイヴン) を
吹っ飛ばす管理者、その姿に普段のイメージはかけらもなかった……
そう、そこにいたのは『ゲイヴン種の天敵』と呼ばれる存在だったのだ!
が、この世界にAC的な概念は存在しない……カテ違いとかメメタァとかそんなチャチなもんである。

>「で、でもね、ロゼッタ先輩のことを心から愛してる人が現れたら、そういうこと、
> きっと拘らないんじゃないかなー・・・・・・って思うの。こんな答えじゃ・・・・・・だめかな?」
処女云々の話を振られたリリィは頗る答え辛そうであった。
だからと言って、その辺の話を管理者に投げてしまったのはリリィのミスである。
「……ん、何か言った? え、下半身が再生したら処女かって?
 ん〜、その部位まで再生してるか、実際に目視なり触診するなりでもしないと
 分からないんじゃないかしらねぇ?」
とんでもねー事を平然とほざきやがる管理者様であったが、彼女は悪くぬぇ。
いくら自分に余る話題だったからって、こういう性格だって事知ってた筈なのに話を振った
おぜうさんが迂闊なだけだ。だけどなおぜうさん、管理者だったからこの程度で済んだんだぜ?
おめぇ、メイド長だったらロゼッタお嬢ちゃんの貞操が確実に散ってたぜ……

40 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/25(月) 00:00:47.34 0
          ―――――『彷徨者』side―――――

>34
>「あいよ、“シャイナちゃん”な。」
>「要するに、もうちょっと仲良くならねぇと教えてくれねぇわけだな。」
偽名と聞かされたエンカの反応は、シャイナの予想していた物とまるで違った。
内心どう思っているかは分からなくとも、もっと露骨に不快感を露にすると――――。
「そういう事だね。私達は初対面で互いの事をほとんど知らない。
 名とは往々にして意味を持つもの、気安く教えられぬ事情もあったりするだろうしね。
 ……まぁ、私の名を知る時には、君は色んな事を知っている。故に君は……」
シャイナはそこで頭を振り、言葉を切った。つい口を滑らせた様な、そんな所作が見て取れる。

>「ああ、そうっすね。」
>「一体なんで総裁はレイヴンの刀を欲しがっているっすか?」
わざわざ自分から話を振った甲斐があったと言うものだ。
エンカに『総裁の目的』と『刀の正体』を教える機会が出来たのだから―――。
「総裁がレイヴンの刀を欲しがる理由……それはね、
 世界の破壊を防ぐ為、世界の平和を守る為なんだよ……そんなあからさまに
 顔を顰めないでくれ。気取った言葉を使った事は謝るが、事実なんだから」

「『太陽のかけら』と言う単語を知っているね? 総裁閣下の屋敷地下で見ただろう、
 熱を操る巨大な鴉の『化け物』……神の使いを名乗る白いハヤブサから聞かされた筈だ。
 ……あれが完全に覚醒すると、世界は『太陽のかけら』によって浄化され、
 全ての穢れが灰燼に帰し、新たな『世界』が始まる……穢れとは、『人間』の事さ。
 特に、『魔法』によって摂理への干渉が可能になった事で、世界の穢れは加速した。
 結果、本来目覚める予定ではなかった『太陽のかけら』が目覚めようとしている……」
一体何の関係があるのか、入学初日に起こった事を話し始めるシャイナ。
気のせいか、『化け物』の発声に若干ではあるが憤怒とか憎悪の類の感情が混じっていた様な……?

「『レイヴンの刀』は、その『太陽のかけら』を制御する為に必要な物なんだよ。
 ……レイヴンが生きていた時には、まだ覚醒していなかったからね。
 しかし、先頃『太陽のかけら』は二度目の覚醒に至ってしまった。
 三度目の覚醒は完全な覚醒、その前に制御に必要な物を確保しておきたい……
 総裁閣下のお考えはこんな所だよ。理解できたかな?」
シャイナは嘘は言っていない。ベッドフォードの目的もそうだ。
……あくまでも、超好意的解釈or盲目的信奉視点での話だが……

>「OK、あんたがさっき言ったとおりよ〜、リリィ達にレイヴンの事を聞いてみるぜ?
> それから総裁に…いや、やっぱりあんたに直接渡しにいくことにするぜ。
> 俺があんたに会いたいと思った時は、どうすりゃいいんだ?」
話を聞き終わった後、エンカはシャイナの言う通りリリィ達に話を聞く旨を伝えてきた。
そして、確認が取れたら総裁ではなく『シャイナ』に直接渡したいと言ってきたのだ。
交換条件的な要求を突きつけるのではなく、希望を述べるエンカの姿勢はシャイナの思考に
若干の変化を与えるものとなった。穿った言い方をすれば、好意に値すると言う事である。
「そうしてくれると、私としても助かるけれどね。君も、中々奇特だ。
 私に渡してくれると言うのなら、断る要素は何もない。
 ……君の都合のいい時、ただし君が一人きりの時、私の名を呼べばいい。
 すぐに君の許へと駆けつけるよ。事は穏便に、且つ内密に。
 世界の存亡が懸かっている話を、大っぴらにする訳にいかないからね」

話すべき事を全て話し終えたのだろう、シャイナは『壁』の方を向く。
「では、手筈通りに。
 ……君の賢明な判断に敬意を表するよ、エンカ君。
 長話に付き合わせてしまってすまなかったね。少々遅いが、ゆっくり休んでくれ」
そう言ってシャイナは『音もなく壁に切れ目を入れて』その中に入った。
裾まで完全に切れ目の向こう側に移ったと同時に、やはり音もせずその切れ目は塞がり……
痕跡一つ無くなってしまった。この様にして、シャイナはエンカの許を訪ねたのだ。
その様を、エンカの見ている前で行った理由……『敬意を表した』結果なのだろう。
……打算含みの行動で、敬意を示せるのかと言われると答えに詰まるのは確かだが。

41 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/04/25(月) 00:01:28.31 0
>38
>「で、では!!元々あそこには無かったというのか!!!(略)
遺物が元から遺跡に無かった事を知ったオワゾーは、怒髪天を衝くとばかりに怒りを露にした。
それも当然の事、自分の努力が無意味と知った時、大多数の人間はこうなってしまうもの。
……持ち出したのが目の前にいる『彷徨者』と知ったら、憤死してしまうかも知れない。
「総裁閣下のご慧眼をすら欺くほど、不逞と言えどかなりの手練でありましょうね」
真相を知る側からすれば、白々しいにも程がある『彷徨者』の相槌。
だがオワゾーは気付けない、盗人が盗品を返しに来ると言う発想がないからだ。

>オワゾーはブレという言葉に慌て、遺物を引っ込めようとした男の手を上から強く掴んだ
>あまりの驚きにオワゾーは女の手を強く掴んだまま離さなかった
腕を掴まれた時、『彷徨者』は心の内でほくそ笑んだ。
目的を達成する為、オワゾーの急所を突きに突き、そして食いついてきた事に――――。
(「ここまで必死ならば、私の事をベッドフォードに話す可能性はないな。
  ……ありがとう、オワゾー君。俗物でいてくれてありがとう」)

そして『彷徨者』の目論見通り自分が女だと言う事に気づいて硬直するオワゾー。
強く握られている手に痛みを感じるが、まったく動じた様子を見せる事無く……数瞬が経過する。
「……どうしましたかオワゾー殿?」
にこり、と微笑んで『彷徨者』はオワゾーの手からするりと自分の手を引き抜く。
何か言いたそうに口をパクパクさせているが、二の句は告げないだろう。
何しろ、『男だと思っていた』のはオワゾーの勝手な思い込みでしかないからだ。
『彷徨者』は一度として自分の事を男だと言っていないのだから、文句を言うのは筋違いである。
仮にも紳士を気取るオワゾーだ、女性と分かった今、罵声を浴びせるなどしたくても出来ないだろう。

「では、『月光』の件は貴方にお任せいたしますよオワゾー殿。
 必ず、必ず総裁閣下にお渡し下さいね……出来なかったら、閣下やブレ殿よりも先に
 私が貴方を粛清いたしますのでね。挽き肉になりたくなければ、くれぐれも
 油断召されませぬよう……では、私はこれで失礼します」
そう言って『彷徨者』は『時間を止めて』オワゾーの部屋から出、人気のない場所で
自身の世界へと帰っていった。オワゾーは結局、『彷徨者』が如何様にして自分の部屋に
侵入して来たのか……その実態を知る事はできなかったのである。

42 :炎道勇気 ◆hCjEHNrkek :2011/04/25(月) 18:13:31.80 0
勇気はボッコボコにされたあと、寂しく屋上を去っていった

〜〜〜〜〜〜伊織side〜〜〜〜〜〜〜

>「・・・・・・あ、ありがとうございます」
目の前の少女は一体何におびえているのか?
答えは明瞭、悪夢と予想される先ほどの精神攻撃
いたいけな少女を無下に傷つける行為を目の当たりにして伊織の中にはえも言えぬ怒りがふつふつとわき上がっている
伊織は立ち上がったリリィの汚れた衣服を手で払うその姿はまるで優しいお姉さんのようだ
>「ご、ごめんなさい」
「気にせんでええよ〜ほんまええ子やな〜それともまだどっかいたいん?」
突然、泣き出したリリィに伊織は面食らってしまうが外には微塵も感じさせない
頭をもう優しくなで上げ
>「もう痛くないんです。治してもらったから。どこにも傷はないし・・・・・・・」
その声は弱くか細い
>「私、いい子なんて言ってもらう資格無いんです。全然いい子じゃない・・・・・・・」
伊織は黙ってリリぃを抱き包んだ

>……すとっ、と小さく音を立て、管理者とロゼッタはリリィと伊織の傍に降り立つ。
>「リリィ、お待たせ。腕と、腕を切った悪い子を連れてきたわ。
> このお嬢さん……ロゼッタ、だったかしら。自分のやった事に最後まで責任を持つそうよ。」
>「彼女に対して、貴女がどう思うっているか……聞かせて上げなさいな」
「ロゼッタちゃ、・・・・・・先輩」

伊織は新たにやって来た2人とリリィの関係はわからなかった
だから、その間に割って入るような野暮なマネはしない
そして、自分の気配、魔力を不自然ではないぐらいに抑える、フローラに警戒してかどうかは定かではないが……
>「はい、これ傷薬。それと」
やって来た少女に傷薬を渡すリリィに胸キュン

>「……ね?」
>もう一度ロゼッタはリリィに尋ねた。ロゼッタのまっすぐな視線に、リリィは真っ赤な顔をして目を反らせる。
>「再生した部分が・・・・・その・・・・・しょ、処、女、かどうかっていうのは、ごめんなさい、私にも良く分かんない・・・・・・です。」
>「で、でもね、ロゼッタ先輩のことを心から愛してる人が現れたら、そういうこと、きっと拘らないんじゃないかなー・・・・・・って思うの。
 こんな答えじゃ・・・・・・だめかな?」
伊織が助けを求めて来たので助け舟を出すことにした
「勇気の坊ちゃんが男に戻ったことやし今夜あたりお嬢様と一発やられるかもしれへんな〜
いっつも勇気坊ちゃん襲われてはるし〜」
だが、その都度勇気は逃げてたりする
「生娘とかどうでもええんちゃう?そんなんにこだわるのは数奇者ぐらいなもんやろ〜」
東方の国は貞操観念が希薄のようだ
「再生して欲しかったら、おあげさん(厚揚げ)2枚で手を打ちますよ〜」
初対面のロゼッタの話についていく
伊織はもうしばらく静観することにした

勇気side

「ふんふんふ〜ん」
誰もいなくなった屋上にやって来た鼻歌まじりに勇気はアドラスの剣の残骸を取りに来た
真はすでに部屋で寝ている、長旅で疲れているのだろう
勇気も転校初日で疲れているはずだが微塵もそういう雰囲気は感じられなかった
……馬鹿だから
アドラスの剣は業物であると戦ってる最中から感じていた勇気はフリードの忠告を無視して……
剣を手に取った
勇気は剣を持って夜の闇に消えていった

43 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/26(火) 21:20:10.12 0
>37>39>42
> 「再生した部分が・・・・・その・・・・・しょ、処、女、かどうかっていうのは、ごめんなさい、私にも良く分かんない・・・・・・です。」
> 「で、でもね、ロゼッタ先輩のことを心から愛してる人が現れたら、そういうこと、きっと拘らないんじゃないかなー・・・・・・って思うの。
>  こんな答えじゃ・・・・・・だめかな?」
とリリィ。
「あんたにもそんな出会いがあるといいね?」
とロゼッタはリリィに返した。
> 「……ん、何か言った? え、下半身が再生したら処女かって?
>  ん〜、その部位まで再生してるか、実際に目視なり触診するなりでもしないと
>  分からないんじゃないかしらねぇ?」
とフローラ。
その言語を聞いてロゼッタは冷や汗をかいた。その時思い出したのは誰であろう、保険医である。
> 「生娘とかどうでもええんちゃう?そんなんにこだわるのは数奇者ぐらいなもんやろ〜」
> 「再生して欲しかったら、おあげさん(厚揚げ)2枚で手を打ちますよ〜」
と伊織。
「というかあんた達さぁ。あたいのこと元々処女じゃないことを前提にして話してない?」
そう、もともと処女であれば再生したところで処女のままだろう。
あと個人的に、処女でないと知ったとたんがっかりする男は嫌いである。
「結局あたいが元々処女かどうか?言わせんな恥ずかしい。」

「ねぇ、今晩あんたのところにお泊りしてもいい?」
ロゼッタがリリィにそう尋ねた。(ロゼッタ「そもそも、あんたなんて名前なの?」)
理由は2つあった。
1つはロゼッタの部屋のガス配管が、彼女の自殺未遂により損壊しており、シャワーが使えないからだ。
2つ目の理由は、後にあきらかになるであろう。
ロゼッタが処女かどうかを質問したのは、実はこの2つ目の理由に起因するのだ。
「いいの?だめなの?早く決めて。あたい、さっきからすごくオシッコがしたいの。」
ロゼッタはリリィを急かした。
「もしだめでもトイレは借りるけどね。」

44 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/04/26(火) 21:34:25.10 0
>40
> 「そうしてくれると、私としても助かるけれどね。君も、中々奇特だ。
>  私に渡してくれると言うのなら、断る要素は何もない。
>  ……君の都合のいい時、ただし君が一人きりの時、私の名を呼べばいい。
>  すぐに君の許へと駆けつけるよ。事は穏便に、且つ内密に。
>  世界の存亡が懸かっている話を、大っぴらにする訳にいかないからね」
「ああ、世界の平和のためっすね。」
エンカは機嫌が良かった。もしかしたら将来、
自分は世界を救った英雄として歴史の教科書に乗るのだろうか?
そんな妄想がエンカの頭の中によぎった。
> 話すべき事を全て話し終えたのだろう、シャイナは『壁』の方を向く。
> 「では、手筈通りに。
>  ……君の賢明な判断に敬意を表するよ、エンカ君。
>  長話に付き合わせてしまってすまなかったね。少々遅いが、ゆっくり休んでくれ」
> そう言ってシャイナは『音もなく壁に切れ目を入れて』その中に入った。
「あーよ。…ってなんだ!?空間魔法か!?」
> 裾まで完全に切れ目の向こう側に移ったと同時に、やはり音もせずその切れ目は塞がり……
> 痕跡一つ無くなってしまった。
残ったのはビックリしているエンカである。
「実は壁の中に入ってるわけじゃねーだろうな〜?」
エンカはシャイナが確かに入っていた裂け目があった場所の壁を触ってみたが、
実によくできた壁である事以上のことは無かった。
まぁ、テレポートの一種だろう…とエンカは結論を出し、もう遅いのでそのまま寝ることにした。
「明日は忙しくなりそうっすね〜、フーファー(注:あくび)」

45 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/04/28(木) 11:30:22.78 P
>39

>『ご注文の品が出来上がりましたのでお届けに参りましたが、
 折り悪く出払っているようでしたので、この手紙を添えておきます。
 グレンでしたでしょうか、気に入って頂ければ良いのですが』

「真っ赤で鈴のついた首輪ですよグレン」
「にゃあお」(早速装着するよ)
そう言って自分で首輪をつけるグレン…………本当にこいつ猫なのか?
「さすがに似合いますねグレン♪」

フリードはまだ知らない…………合体した後にもこの首輪は存在しているということを
その姿は少しSMチックだということをフリードはまだ知らないのである
ttp://web2.nazca.co.jp/nekomusi/neko.png

「さあシャワーも浴びたしあとは寝てしまいましょう」
「にゃあお」(眠いったらありゃしないね)
そうして眠りに付く一人と一匹
さて明日からはどんな事件が待っているのやら?


46 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/28(木) 11:37:25.54 0
>39 >42-43
>「あんたにもそんな出会いがあるといいね?」
>とロゼッタはリリィに返した。
「う、うん。あ、もちろんロゼッタちゃんにもね」
リリィはえへへ、と照れ笑いを浮かべた。
(動揺のあまり、リリィは「ロゼッタ先輩」というのをすっかり忘れていた)

> 「……ん、何か言った? え、下半身が再生したら処女かって? (略)」
> 「生娘とかどうでもええんちゃう?そんなんにこだわるのは数奇者ぐらいなもんやろ〜」
> 「再生して欲しかったら、おあげさん(厚揚げ)2枚で手を打ちますよ〜」
「・・・・・・えっ?えっ!!えええええ――――っ!!」
伊織と管理者の歯に衣着せぬ「超オトナ発言」に、リリィは終始うろたえていた。

>「というかあんた達さぁ。あたいのこと元々処女じゃないことを前提にして話してない?」
「えっ?!・・・・・・違うの?!」
それ以前に、ロゼッタが「男性の左腕」以外にも興味を持てるようにならない限り無理であるのだが。
>「結局あたいが元々処女かどうか?言わせんな恥ずかしい。」
「はい・・・・・・」

「あ、そうだ。自己紹介がまだでしたね!イオリさん、私はリリィと申します。宜しくお願いします」
リリィはぺこりと頭を下げた。
(実際にはミクが紹介してくれたのだが、当時首を絞められていた上にその後の記憶の混乱で本人は覚えていなかった)
「イオリさん、ロゼッタちゃん、こちらは図書館にお住まいの管理人さんです。
 滅多にお会いできないので、学園の七不思議になっちゃうくらいなんですよー」
何か色々間違っている気もするが、リリィの認識ではこうだった。

「管理人さん、こちらはイオリさん。エンドウ君とゆかりのあるお嬢様の、御付きの方なんですって。
 ・・・・・・・・あっ!!そういえばお嬢様、無事に「エンドウ君」には会えたのかな?!」
リリィは暗に、エンドウが男に戻れたかとたずねている。
もしも元に戻れたと知ったら、「良かった!」とわがことのように喜ぶだろう。

「最後に、こちらの方はロゼッタちゃん。左腕が大好きな、私の先輩です」
リリィは簡単にこの場にいた全員の紹介をした。
友達(と思っている)ロゼッタも、これで彼女の名前を知ることが出来ただろう。(リリィ「えー!私自己紹介まだだったの!?」)
「イオリさん、おかげで怪我も楽になりました。管理人さん、腕を届けてくれてありがとうございました」
リリィは深々と頭を下げた。
「イオリさんは、オアゲサンがお好きなんですか?お礼がしたいけれど、この辺でも手に入るのかな?」
とりあえずリリィは聞いたことが無いようだ。

>「ねぇ、今晩あんたのところにお泊りしてもいい?」
ロゼッタが唐突に切り出した。リリィはびっくりしたようだが、すぐに笑顔になった。
「うん、いいよ!来て来て。」
リリィは二つ返事でOKした後、あ、と困った顔をした。
「でも、着替えとかどうしよう?私ので良ければ喜んで貸すけど、サイズ、だいじょうぶかな?」
リリィはかなり小柄な体格だった。
「良かったら、一度ロゼッタちゃんのお部屋に荷物取りに行かない?
 あ、イオリさんと管理人さんはどうなさいますか?何も無いけれど歓迎しますよ」
最後の言葉は特にイオリに向けたものだ。
万が一、マコトがエンドウの部屋でなく、ゲストハウスの部屋を占領しているのならと考えたのだ。
(そもそも主と付き人は同室で寝ることは極めて稀なのだが、田舎モノで庶民の彼女は知らなかった)

>「いいの?だめなの?早く決めて。あたい、さっきからすごくオシッコがしたいの。」
「ええ――――!!大変!そういう事は早く言ってよ!!」
>「もしだめでもトイレは借りるけどね。」
「部屋まで我慢できる?途中のトイレでも全然構わないよ?」
もしどちらも同行しなかった場合、リリィは箒を使ってロゼッタを寮まで運ぶだろう。
そしてここでお別れの相手には手短に感謝の意を述べ、「おやすみなさい」と慌しくお暇するに違いない。

47 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/04/28(木) 11:37:53.09 0
トイレを済ませたり、シャワーを浴びさせたり、怪我の治療をしたりと、部屋に戻れても一息つくまでにはそれなりの時間がかかってしまった。
「はい。ロゼッタちゃんはここで休んでね」
そういってリリィは、ロゼッタを自分のベッドに降ろした。
そして自分は、ベッドの下に作った寝床にちょこんと座り、ロゼッタを見上げる。

「ロゼッタちゃん、もしかして、私に何か話したいこととかある?・・・・・・あ!ロゼッタ先輩だったごめん!」
リリィは慌てて言い直した。・・・・・・今さらである。
「今改めて思い返してみたら、今日屋上で会ったとき、何かちょっと・・・・・・様子が変だった気がするから。
 ――――あっ!違ってたらごめんね。それに、別に無理に聞き出そうとか思ってないよ!
 ただちょっと・・・・・・その・・・・・どうしたのかなって・・・・・・それで・・・・・・」


48 :名無しになりきれ:2011/04/28(木) 20:39:26.63 O
それじは さいてんをはぢめる


ぜんいん:0てん

100てんまで あと100てん

つめあますぎ とどめささなすぎ

ぢかいはもつとがんばりましよう


49 :オワゾー ◆k4Jcxtcjwo :2011/04/30(土) 15:38:36.59 O
>>41
オワゾーは女であった事への驚きからずっと手を強く掴んだままだ

>「どうかしましたかオワゾー殿?」
「い…いや!なっ何でもない!!これは失礼した!」
女からの呼びかけにようやく我に帰ったオワゾーは掴んでいた手を素早く引っ込める
予想だにしない出来事の連続に彼の頭はいっぱいいっぱいになっているだろう
思わぬハプニングやアクシデントに滅法弱いというのが彼の致命的な弱点でもあった

>「では月光の件はお任せ致しますよオワゾー殿
必ず、必ず総裁閣下にお渡し下さいね……(略)」

女の一言にオワゾーは心臓を握られたような恐怖を感じた
女は総裁へ遺物を何が何でも渡らねばならぬ事情があるのだ
自分の殺害まで仄めかす脅迫までしてきたのだから何かしらの意図が彼女にある事は子供ですら察知できるだろう
だがオワゾーに手段を選ぶ必要などなかった 女が仮に策を擁していようと自分は何も労せず遺物が手に入るのだ
総裁にお渡しすれば命だって取られる事は無い
むしろ利用されてやろうという魂胆すらオワゾーにはあった
「りょ了解した!この遺物必ず総裁にお渡しする事をや約束しよう!
まあ挽き肉すっするなら私よりも警備部長殿の方にしていただきたいものだっ!はははは……」
オワゾーは恐怖を悟られまいと目一杯の強がりとつまらないジョークを交え答えたが既に女は居なかった、目の前にあるのは月明かりに照らされた遺物だけだ
「あの女 どこへ…まあいい これでブレへ私の実力を見せつけてやる…」
遺物を仕舞うと オワゾーはオオミミズクへと変身し 老人のいる場所へと羽ばたいっていった

50 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/01(日) 19:17:01.15 0
>47
> 「ロゼッタちゃん、もしかして、私に何か話したいこととかある?・・・・・・あ!ロゼッタ先輩だったごめん!」
ロゼッタはリリィに対して背中を向けた格好で横向きに寝ていた。
ロゼッタは上半身だけ捻ってリリィの方を見た。
> 「今改めて思い返してみたら、今日屋上で会ったとき、何かちょっと・・・・・・様子が変だった気がするから。
>  ――――あっ!違ってたらごめんね。それに、別に無理に聞き出そうとか思ってないよ!
>  ただちょっと・・・・・・その・・・・・どうしたのかなって・・・・・・それで・・・・・・」
「もう寝ろよ、リリィ。」
まさに取り付く島もないというような雰囲気で、ロゼッタはまたリリィに背を向けて寝た。


それからしばらくして、リリィが夜中に目を覚ますと、彼女は誰かの視線を感じるだろう。
暗闇の中で、二つの眼が青く光ってリリィを見つめている。誰であろう、ロゼッタである。
ロゼッタは体をリリィに対して正面に向けるように寝返りをうち、無言でじっと彼女を見つめていたのだ。
リリィがロゼッタに何か言う前に、ロゼッタはリリィが目を覚ましたことに気づいたのか、ロゼッタの方から話しかけた。
「なぁ、リリィ。あんたも女だろう?
 この人さえいれば、他に何もいらないってくらい、男の人を好きになったことってある?」
ロゼッタはリリィの返事を聞きつつ、話を続けた。
「例えば、その好きな人が不幸な事故で死んだとするだろう?
 あんたにとっては、その人がいない世界なんて、なんの意味もないってくらい好きな人さ。
 もしそうなったら、あんたはその男の後を追って死ぬかい?
 それとも代わりになる別の男を探すのか?」
ロゼッタはリリィから返事を聞いた。
「あ、そう。」
ロゼッタは寝返りをうち、リリィに背中を向けた。
ロゼッタは背中越しにリリィと会話を続けた。
「エンカ・ウォンって知ってるだろう?…あたいね、馬鹿だからあいつを怒らせてばかりだった。
 あいつの左手ばかりしか見てなかった。でも、それはもうやめようと思う。
 普通にさ…友達でいいんだよ、ちゃんと仲直りしようと思ってる。
 リリィ、あんたエンカとは顔見知りというか…友達だろ?
 あたいだけだとエンカはきっと怒るだろうからさぁ、仲直りするの手伝ってほしいんだ…だめかな?」
ロゼッタはそう言ってリリィの返事を待った。
もしもリリィが断った場合は「あ、そう。」で終わりであるが、
とりあえず、ここはリリィが承諾した場合のロゼッタの台詞を書くことにしよう。
「ありがとう、あんたはあたいの最高の友達だよ。」

こうして様々な思惑とともに、それぞれの夜は過ぎて行った。
夜が過ぎた後はどうなるって?決まってるだろう、夜明けが来るのさ。

51 :炎道勇気 ◇hCjEHNrkek:2011/05/01(日) 20:57:49.92 0
>「あ、そうだ。自己紹介がまだでしたね!イオリさん、私はリリィと申します。宜しくお願いします」
>「イオリさん、ロゼッタちゃん、こちらは図書館にお住まいの管理人さんです。
 滅多にお会いできないので、学園の七不思議になっちゃうくらいなんですよー」

「これはご丁寧にどうも〜幸運な出会いに感謝しますわ〜私は伊織。先ほど学園にやって来た天海 真の乳母をやってます〜高槻 伊織と申します〜
リリィさま、ロゼッタさま、管理人さま、主共々、しばらく学園にごやっかいになりますんでよろしゅうたのんます。
管理人様や」

丁寧に挨拶を返す
じつににこやかな顔をしているが目は開いていないのでその奥を伺い知ることはできない
> ・・・・・・・・あっ!!そういえばお嬢様、無事に「エンドウ君」には会えたのかな?!」

心配するリリィにさらに顔をゆるませる
「ご心配には及びまへんよ、そこの管理人さんが万事まるくお納めてくださったご様子
深くご感謝いたしましょう」
フローラに深く頭をさげる

>「最後に、こちらの方はロゼッタちゃん。左腕が大好きな、私の先輩です」
「は〜これはまた変わった趣味をお持ちで……改めてよろしくお願いいたします」

>「イオリさんは、オアゲサンがお好きなんですか?お礼がしたいけれど、この辺でも手に入るのかな?」
「それほどまでにきを使わなくてもよろしいのに〜お礼はいりません
私は主の命に従ったまででございます」

再びリリィの頭をなでる
>
「良かったら、一度ロゼッタちゃんのお部屋に荷物取りに行かない?
 あ、イオリさんと管理人さんはどうなさいますか?何も無いけれど歓迎しますよ」

「いえいえ、気持ちだけうけとっときます。これで私の憂いと真お嬢様の願い「リリィ様のお助け」も解決いたしました
これにて私はおさらばいたします〜この学園には楽しそうなもんがありそうやしな〜探検にいってきますわ〜」

伊織は地面の落ち葉を巻き上げると夜空の黒に混じり消えた

52 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/05/03(火) 01:11:56.95 0

          ―――――『彷徨者』side―――――

>44
>「ああ、世界の平和のためっすね。」
エンカ・ウォン、その身に秘める才覚はともかく、内面はごく普通の少年である。
己が目的を達成する為、他者の思いすら策に利用する『彷徨者』シャイナ、
今の彼女には彼ほどの一種の能天気さは存在せず、故にエンカの発言は理解できなかった。
「そう言う事だね。世界、即ち人の為に正しい判断をし、道を選べる者は尊い存在だ。
 君もその一人だよ。願わくば、その感性を失う事無きように……」
シャイナは自身の言葉に心の内で驚いていた。いくら核心に触れぬ内容であるとは言え、
本心からの言葉を当たり前の様に口にしたのだから……たかが一時の邂逅でここまでの変化を与える、
それもまた『選ばれた存在』が持つ何かなのだろうか?

>「あーよ。…ってなんだ!?空間魔法か!?」
>「実は壁の中に入ってるわけじゃねーだろうな〜?」
>「明日は忙しくなりそうっすね〜、フーファー(注:あくび)」
捩れ、歪み、存在感のない風景の中を歩きながら、『彷徨者』シャイナはエンカの様子を見ていた。
彼は目の前で起こった事を、自分の中で納得できる形に変換し処理したようだった。
「ふむ……なるほど。中々、難しい。
 まぁそれも仕方ないね、自業自得と言う奴だ……
 さて、エンカへの仕込みは終わった。次は、彼奴の方に向かうとしよう」
シャイナはそう言って、再び『空間に切れ目を入れて』その向こう側へ歩を進める。
……切れ目から見えるのは、プライドをズタズタにされた怒りを発散しているオワゾーだった。

【そして>17へと繋がる】


>49
>「い…いや!なっ何でもない!!これは失礼した!」
言い淀み、落ち着きのない様子のオワゾーから、『彷徨者』はオワゾーの弱点を見た。
突然の事態に取り乱し、冷静さを手放し思考が乱れる……この負の特性は覚えておいて損はない。
そう、必ず役に立つ。オワゾーに対して、当初以上の利用価値を『彷徨者』は見出したのだ。
「そうですか? いえいえ、お気になさらず。アポイントメントも取らずに
 唐突にお邪魔した私にも非はありますので……ね」
オワゾーを落ち着かせるべく、『彷徨者』は常識ぶった言動を取る。
そうした所作一つ見せるだけで、この手の人物は冷静さを取り戻すもの。
対人に於ける、気遣いの実践値の少ない『彷徨者』ではあるが、この程度は出来るのだ。

>「りょ了解した!この遺物必ず総裁にお渡しする事をや約束しよう!
> まあ挽き肉すっするなら私よりも警備部長殿の方にしていただきたいものだっ!はははは……」
虚空へと吸い込まれていくオワゾーの言を、しかし『彷徨者』は自身の『世界』で聞いていた。
口元の笑みこそ変わらぬものの、その瞳に浮かぶのは……それだけで人を殺せるのではと思うほどの憎悪。
「ククク……笑えない冗談だよオワゾー君。まぁ、楽しみにしているといいよ。
 君の望みは叶えられるさ……君にとって、最悪の形でね……くっくく、くはははははは……!」
、誰に向けた物でもない呟きと、狂人以外の何物でもない哄笑はただ『世界』に虚しく響く。
その音に反応を返す物は、『世界』にはなかった……

53 :フローラ ◆70VgGM3HY6 :2011/05/03(火) 01:12:38.65 0
          ―――――管理者side―――――

>43、>46
>「というかあんた達さぁ。あたいのこと元々処女じゃないことを前提にして話してない?」
>「結局あたいが元々処女かどうか?言わせんな恥ずかしい。」
ロゼッタは周囲に非処女前提で話を進められている事が不満な様だが……
「話の切り出し方のせいね。あんな言い回しをされたら、大抵はそう思うわよ。
 まぁ、貴女が処女かどうか、悪いけれど私は興味ないわ」
管理者は肩をすくませ、ロゼッタに合わせてこの話を終わらせた。
種族的にも年齢的にも、処女か否かを気にする部類ではないし、
そこに拘る趣味も管理者には無い。

>何か色々間違っている気もするが、リリィの認識ではこうだった。
気を利かせてくれたのだろうが、リリィの紹介は管理者の心の脛を強打した。
……管理者はなるべく自分の素性を隠しておきたいのだ。理由はかつての通り。
「……いきなりで悪いけれど、この事は黙っててもらえるかしら?」
お決まりの、口止め要求。管理者に関しては、不干渉が決まっていて
特にどうこうされる事はないのだが……過度の露出の結果、煩雑になるのが目に見えているから。
まかせっきりになって、不要な仕事が増えるとメイド達の負担が大きくなったりとか……

>「管理人さん、こちらはイオリさん。エンドウ君とゆかりのあるお嬢様の、御付きの方なんですって。
> ・・・・・・・・あっ!!そういえばお嬢様、無事に「エンドウ君」には会えたのかな?!」
リリィから聞かされた内容……管理者は、気付いてはいけない事実に気付いてしまった。
何一つ、その事実を裏付ける部分はない。だが確信はあった、得てしまった……彼らの、関係。
「……!」
管理者は自身の、大きすぎる変化の兆候に敏感に反応した。
表情を読まれまいと俯き、顔を手で覆う。その手も、小さくだが震えている。
故に、リリィの勇気の安否確認への返答を、管理者は出来なかった。

>「これはご丁寧にどうも〜幸運な出会いに感謝しますわ〜私は伊織。先ほど学園にやって来た天海 真の乳母をやってます〜高槻 伊織と申します〜
> リリィさま、ロゼッタさま、管理人さま、主共々、しばらく学園にごやっかいになりますんでよろしゅうたのんます。
そこに追い討ちをかける伊織の自己紹介……乳母など、よほどの名家でなければ付けられないのだ。
管理者の知識は広く、そして深い……東方の『許婚』についても当然の様に知っている。
……自身の内面を、黒い炎が焼き尽くし染め上げていくのをはっきりと管理者は感じていた。
「……っ、え、ええ……よろしく、…。」
もはや満足に返礼もできないほど、急激に安定を失ってしまっている管理者。
伊織の丁寧な挨拶にも、返せたのは無味無臭で簡素な言葉だけだった。

>「良かったら、一度ロゼッタちゃんのお部屋に荷物取りに行かない?
> あ、イオリさんと管理人さんはどうなさいますか?何も無いけれど歓迎しますよ」
リリィから見た管理者は、表情こそ窺えないものの、どこか苦しそうで……
それを裏付けるように、続く言葉は先程までが嘘の様に弱々しかった。
「……ごめんなさい、ちょっと…疲れちゃった、みたい……
 折角の、お誘い、だけれど……またの、機会に取って、置くわ…ね。
 伊織、さんだった、かしら……大した、もてなしも出来なくて、ごめんなさい、ね…
 ……今度、あったら…おあげさん、ご馳走、するわ……お休み、なさい…」
搾り出す様に言葉を紡ぎ、管理者は転送魔法で自身を大図書館まで飛ばした。
……そのまま、苦しそうな所作とは裏腹な、猪突と言えるほどの勢いで裏図書館を駆けとある部屋に入った。
そして、その部屋の扉は『外側から』閂が掛けられ、鎖で扉が、部屋が厳重に封印される……。

54 :クリス ◆70VgGM3HY6 :2011/05/03(火) 01:13:20.35 0
          ―――――クリスside―――――

保険医の、珍しくシリアスで真面目な治療の甲斐もなく、クリスの眼球と右腕は治らなかった。
原因に行き着いた後、保険医は色々な手段で治療を続けはしたのだが……暖簾に腕押しの結果に終わる。
そうこうする内、クリスが目を覚ました。体がだるく、そして節々が痛む。

保険医『気がついたかい。調子はどうかな?』
クリス「……大丈夫、です。ご面倒を、かけました」
余所余所しく、硬質な感謝を述べて栗栖はベッドから降りようとするが
当然の如くその行動は保険医に見咎められ、止められてしまう。

『まだ傷が塞がりきっていない、大人しく寝てなさい』
「……分かり、ました」
クリス自身はすぐにでもこの場を離れたかったのだが、体があまり言う事を
聞かない現状で無理を通そうとしても、保険医に力ずくで寝かされるだろうと考え諦めた。
(「……やっぱり、全部、ウソだった……
  何も知らない、わたしを、利用する、ために……!
  ……『世界は君を裏切る』、こういう…事、だったの、ね―――――――――……………」)
クリスは、意識の奥底でずっと眠っていた『八汰鴉』の思念を見つけ、互いを認識した。
そして八汰鴉……先代の『太陽のかけら』から聞かされた様々な事実。
全てを知った時、クリスの疑心は情けなさと怒りに変わっていた。


『最初にはっきり言っておきますが、一時的な保護ならともかく、私達がこの子を人に戻すのは無理ですよ。
 お忘れかもしれませんが、私達は今日学園に入学したばかりの新入生なんですから。 
 私が何を言いたいのか、お分かりですよね?』

『その割には、随分あっさりと撤回しましたよね?この子のお世話の話。
 ヤタさん、実は自分の立場に酔ってるだけで、この子の事はあんまり大切じゃ無いのでは?」』


八汰鴉の認識は、あの時から止まっている。ずっと眠っていたのだから仕方がないのだが、
それがクリスの『空ろな心』にトドメを刺した。この事実をリリィが知ったら後悔するだろう。
かつての自分の言葉が、完全に裏目に出て、少女の拠り所を奪い、傷をより深く抉ったと―――――。
……しかし、リリィにそれを知る術は無い。外からの干渉が無ければ……

55 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/03(火) 17:58:40.71 0
>50
>「もう寝ろよ、リリィ。」
>まさに取り付く島もないというような雰囲気で、ロゼッタはまたリリィに背を向けて寝た。
少し踏み込みすぎたかな、と思っても後の祭りである。
リリィはしょんぼりしながら、枕元の明かりを消した。
暗くなった部屋の中では、今日起こった色々なことを思い出してしまう。

イオリとその主のこと。
管理人の別れ際の様子がおかしかったこと。
消えたアドラスのこと。
部屋の隅っこに置かれたままになっている変な黒いタイツ服と、黒い球体に浮かび上がっていた文字のこと。
そして――――保健室に運ばれたクリスのこと。
(今夜はもう遅いし、ロゼッタちゃんもいるから・・・・・・明日の朝一番に会いに行こう)
リリィがそう結論付けたのは、胸の奥でざわざわしている焦燥感のせいだ。
世の中には、機を逸すると取り返しのつかないこともあるのだが、案外当事者は気がつかないものである。
リリィは何度か寝返りを打っていたが、やがて静かな寝息をたて始めた。

身体はとても塚r手いるのだが、夢見が悪かったリリィは変な時間に起きてしまった。
(・・・・・・今何時かな?)
何気なく視線を時計のほうへ向けたリリィは――――暗闇に光る青い目にぎょっとした。
「うわ・・・・・・・あ!ああ。ロゼッタちゃん」
(そうだった、今日はロゼッタちゃんがお泊りに来てたんだっけ)

>「なぁ、リリィ。あんたも女だろう?
> この人さえいれば、他に何もいらないってくらい、男の人を好きになったことってある?」
「え・・・・・・。な、無い、かも」
リリィは一人で百面相した後。恥ずかしそうに小声で返した。
>「あ、そう。」
ロゼッタは短く答えると、寝返りを打ってリリィに背を向けた。
リリィも、手元の毛布を首まで引き上げ目を閉じる。
(こういうことを聞くって事は、ロゼッタちゃんは、そういう経験があったのかな?
 そのせいで、ロゼッタちゃんは、男の人の左腕にしか興味持てない人になっちゃったのかな?)
だとすれば、それはとてもとても悲しいことである。
まあどんな理由があろうと、他人の左手を持ち去る行為が許されるとは思えないのだが。

>「エンカ・ウォンって知ってるだろう?」
リリィは無言で肯定する。
エンカは、学園に来たときから縁があり、現在も友人関係を保っている。
リリィはロゼッタがエンカの左手を切り落とした際ののトラブルに巻き込まれたので、彼とロゼッタとの関係も大体知っていた。

>「…あたいね、馬鹿だからあいつを怒らせてばかりだった。
> あいつの左手ばかりしか見てなかった。でも、それはもうやめようと思う。
リリィはびっくりして、思わずロゼッタの背中を穴が開くほど見つめてしまった。
(あのロゼッタちゃんが、左手以外にも他人に興味を持つ日が来るなんて!)

>「普通にさ…友達でいいんだよ、ちゃんと仲直りしようと思ってる。
> リリィ、あんたエンカとは顔見知りというか…友達だろ?
> あたいだけだとエンカはきっと怒るだろうからさぁ、仲直りするの手伝ってほしいんだ…だめかな?」
「もちろん。私でよかったら協力する!」
リリィは即答した。
>「ありがとう、あんたはあたいの最高の友達だよ。」
えへへ、と嬉しそうに笑っていたリリィだったが、はた、と我に返りコホンとひとつ咳払いをした。

56 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/03(火) 17:59:16.40 0

「だけど、その・・・・・・ロゼッタちゃん、ひとつだけいいかな?
 今後はもう、人の左手をとったりしないって約束してくれる?
 そうでないとエンカの信頼は得られないし、仲直りなんてとうてい出来ないよ」
返事は無い。
リリィは沈黙にめげそうになったが、なおも続ける。

「結局のところさ、許すも許さないも、エンカ本人の心ひとつなんだよね。
 だから、もしもすぐに許してもらえなかったとしても、くじけないでね。
 それはつまり、エンカだってすごく辛かった、ってことなんだからね」

>こうして様々な思惑とともに、それぞれの夜は過ぎて行った。
明日もまた、騒がしくも楽しい一日が始まるのだろう。


自分達の未来に広がり始めた暗雲のことなど、このときのリリィが知る由も無かった。



57 : ◆jntvk4zYjI :2011/05/06(金) 18:39:14.64 0
こうして長い一日は終わり、学園に静寂が戻った。
アドラスとの戦闘はなぜか表沙汰にはならなかったが、翌朝には実しやかな噂となって、学園中に広まった。




―――― そして、夜が明けた。




―――― 【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!8thシーズン ――――







58 : ◆jntvk4zYjI :2011/05/06(金) 18:48:30.32 0
学園の掲示板には、以下のことが記されている。

・新入生は、入学式から1ヶ月経過した時期です。
 気を緩めず、勉学に励みましょう。

・昨日の体力測定と、きのこ狩りイベントのダメージが抜け切っていない者は、保健室へ来るように。
(場所は生徒手帳の>1-4を参考にしてください)

・キノコ狩りの結果(総代)は後ほど改めて発表されます。

・夕べは夜中に「うちゅうじん狩りイベント」も行われたらしいという噂が流れています。
 事実無根の噂を広めるのは止めましょう。

以上。


59 : ◆jntvk4zYjI :2011/05/06(金) 18:49:51.09 0

――――真っ暗な場所で、少女は打ちのめされていた。


>「貴女はここの出来事を忘れる 貴女が仲間を売ったという罪悪感のみを心に刻み込んで…」
(やめて!やめて!!私の中に入ってこないで!!)
>「これで貴女の心には深い罪悪感が刻みこまれました
>貴女はこれから贖罪の為に何をするかしら? それでは さようなら
>サイコォォォォ!!!!!!!!スキィィィィィル!!!!」
「嫌!嫌!いや―――― っ!!」

「はっ!!」
目を開けると、そこは見慣れた天井だった。
がばりと跳ね起きると、隣のベットではロゼッタが規則正しい寝息を立てている。
(あ、そうか。昨日ロゼッタちゃんが泊りに来てたんだっけ)

昨日は色々な事があった。
昼間は体力測定をして、午後からは総代決定のためのキノコ狩りイベント(結局誰が総代になったのかな>)
そして真夜中には、元ベッドフォード財団の警護をしていたアドラスとの決闘。(あれ?アドラスはどうなったんだろ?)
その後――――部屋に泊りに来たロゼッタと、恋の話をした。

>「普通にさ…友達でいいんだよ、ちゃんと仲直りしようと思ってる。
> リリィ、あんたエンカとは顔見知りというか…友達だろ?
> あたいだけだとエンカはきっと怒るだろうからさぁ、仲直りするの手伝ってほしいんだ…だめかな?」

リリィは寝汗で張り付くパジャマを引き剥がしながら、ちょっと微笑んだ。
仲直りへの道は険しいだろうが、ロゼッタとエンカが何とかいい方向に向かえばいいな、と彼女は思っている。
そう、そのときの彼女は、ロゼッタがエンカにしたことの全てを知っていたわけではなかった。

(それにしても酷い夢だったな――――なんであんな夢を・・・・・・あれ?)
リリィは首を傾げた。
とても恐ろしく怖い夢だったはずなのだが、内容が全く思い出せない。
(最近ずっと夢見悪すぎだよね)
リリィはあくびをしながら時計を確認した。
古びた時計の針は、いつもの起床時間よりもずっと早い時間を指していた。
(よし!)
リリィはなるべく音を立てないように気をつけながら、服を着替えて保健室へと向かった。
昨日大怪我をして保健室に運ばれたクリスの顔が無性に見たかったのだ。
(怪我はもう大丈夫かな?昨日訪ねなかった事、怒ってるかな・・・・・・)
まだ彼女は眠っているだろうが、それでも良かった。
寝顔でもいいから様子を確認して、安心したかったのだ。

――――だが、今保健室を訪ねても、リリィはクリスには逢えないだろう。
なぜなら、クリスは彼女と顔を合わせる気が無かったからだ。


60 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/06(金) 18:50:50.21 0
「ロゼッタちゃん、おはよー」
部屋に戻ってきたリリィが押してきたのは、保健室に何台か常備してある車椅子だ。
「えっとね、ロゼッタちゃんの車椅子が無いって言ったら、先生が貸してくれたの。
 大事な車椅子、どこ行っちゃったんだろうね?」
リリィは努めて明るい声でロゼッタに話しかけていた。
クリスに逢えなかった落胆を、昨日友達になれたばかりのロゼッタには悟られて気を使わせたく無かったからだ。
「したく手伝わなくても大丈夫?終わったら、朝ご飯食べに行こうよ!」
リリィは早く早く、と車椅子に手をかけロゼッタを促している。
ロゼッタが許せば、食堂までエスコートする気だ。

>ALL
「皆はもう来てるかな〜?」
リリィはきょろきょろと食堂を見渡し、見知った顔を捜した。
「結局、あの後アドラスがどうなったかわからずじまいなんだよね〜。
 管理人さんの感じじゃ、戦った皆は無事でアドラスには勝っただったみたいだけど・・・・・・・あっ!!」
見知った顔を見つけたようだ。
リリィは嬉しそうな顔で相手へと手を振った。
「おはよう。元気?一緒にご飯食べていい?」
相手によっては、彼女はこう付け加えるだろう。
「昨日の話、詳しく聞きたいし!・・・・・・ごめんね、全っ然役に立たなくて」


61 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/06(金) 19:23:42.27 P
フリード起床
「おはようございました」
「にゃ!?」(した!?)

今日の朝御飯はコーヒーにパンにハムエッグ
フリードリッヒの飲む朝のコーヒーは苦い
「……………」
あまりの苦さにむせるフリード
「にゃあお」(だからミーコーにしておけと)
「僕はもう子供じゃないんです!コーヒーぐらいブラックで飲めるんです!!」
14才は充分すぎるぐらい子供である
「あの信号機野郎に飲めて僕に飲めないわけがありません!!」
信号機野郎とはフリードリッヒの従兄弟でありフリードリッヒの父の兄
つまりジルべリア王の息子つまり現役の王子様だ
金髪で赤と青のオッドアイを持つことから彼をライバル視しているフリードは彼の事を信号機野郎と呼んでいる
「にゃ」(真豪鬼野郎…………強そうだね)

「そんな事よりも昨日の報告をしたらとっとと床屋さんに行って髪の毛を短くしなきゃ
 また昔みたいに女の子に間違われてしまいますよ」
「にゃおん」(あっしにはかかわりねえ話でござんす)
「ついでだからキャットフードも買い足しましょう」
「にゃん」(そいつはナイスなアイディアだぜ親分)
食べ物の話になると元気になるグレンまさに食欲の権化である

食う者と食われる者、そのおこぼれを狙う者。牙を持たぬ者は生きてゆかれぬ暴力の街。
「なんていう物騒な街じゃないんですよフィジルの商店街は」
「にゃあ」(誰に向かって解説してるんだよ)

そしてなんの変哲もないいつもの授業が終了しあっという間に放課後となる
「なあフィー坊、今日の数学のテストどうだった?」
そうフリードリッヒへ話を切り出すクラスメイトのホビット♂
見た目は子供だが実年齢は30近い彼は、背が低く130cmぐらいのフリードを同族だと勘違いしているようである
「ごめんなさい、ちょっと今日は用事があるのであなたと話している暇ないんですよ」
とクラスメイトとの会話を強引に切って目的地へと向かうフリードリッヒ
フリードは別に彼のことが嫌いではないが、ホビットだけに臆病なくせに好奇心旺盛という彼の性格が少し苦手である

62 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/06(金) 19:26:03.53 P
>「結局、あの後アドラスがどうなったかわからずじまいなんだよね〜。
 管理人さんの感じじゃ、戦った皆は無事でアドラスには勝っただったみたいだけど・・・・・・・あっ!!」
「つまるところこういうことがあったんですよ」
と説明を始めるフリード?

フリードがたどり着いたアリス先生の部屋
だがそこにはもうフリードが居てアリス先生に昨日の説明をしていた
「あ、ありのまま 今 起こったことを話します!
 アリス先生に昨日起こったことを説明しに来たのに
  いつの間にか僕が…………もう一人の僕が全ての説明をし終わっていたんです
 な… 何を言ってるのか わからないと思いますが
 僕も何が起こったのかさっぱり理解できません」
「にゃあん」(よく見てよ耳がとんがっててちょっと目付きが悪いよ)
「偽物のお約束通りじゃないですかぁやだぁ!!」
「じゃあこれで僕は………」
と部屋から立ち去ろうとする偽フリード
知らない人に説明すると彼は偽フリードなんかではなくフリードの姉の使い魔
自称機械文明の破壊者ことグレムリンのギズモである
何故彼がフリードリッヒの姿をしているか
それは彼が美少年になれば女の子にもてもてになれると考えた為
主人に頼んで変身魔法を掛けてもらった為である
つまり彼の姿はフリードの姉であるフリージアの趣味なのだ

「ええと……………さっきの僕と似た子が説明したとおりです」
何も言うことが無いフリードリッヒ、それでほんとうに大丈夫なのか?


63 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/06(金) 20:25:31.61 0
>60
ロゼッタはリリィを利用することだけしか考えていなかった。
なぜなら、ロゼッタにとって大切なのは、“切り取った左手”の回収とアップル・シーナとの再会である。
そのためには、友達とは少しも思っていない地球人のメスに『最高の友達』と言うくらいどういうことはない。
そう、ロゼッタはリリィの良心を踏みにじっているのだ。

> 「ロゼッタちゃん、おはよー」
> 部屋に戻ってきたリリィが押してきたのは、保健室に何台か常備してある車椅子だ。
リリィが部屋に戻ってきた時、ロゼッタは口にマスクを付けていた。
「猫の眼(まなこ)と♪犬のお耳で♪あなたに〜♪ごあいさつ〜♪」
ロゼッタは両掌を自分の頭の上にかざしてピコピコさせながら短い歌を歌った。
> 「えっとね、ロゼッタちゃんの車椅子が無いって言ったら、先生が貸してくれたの。
>  大事な車椅子、どこ行っちゃったんだろうね?」
「たぶんアントラーに食べられちゃったんだよ。」
アントラーって何?と質問しない方がいいだろう。余計に電波発言を聴き続けるはめになるから。
> 「したく手伝わなくても大丈夫?終わったら、朝ご飯食べに行こうよ!」
> リリィは早く早く、と車椅子に手をかけロゼッタを促している。
ロゼッタはリリィの用意してくれた車椅子に乗り「あんたは本当にいい友だち。」と言った。
食堂までの移動中、ロゼッタは口にマスクを付けている理由を話した。
「ちょっと鼻の下にヒゲが生えちゃってさ。恥ずかしいから隠してるんだよ。
 あんたのカミソリを借りるのも悪いしね。」

食堂のすぐそばまで来て、突然ロゼッタはリリィを制止した。
「ああ、だめだめ!ご飯食べる時はマスクを外さなきゃいけないじゃない!
 ヒゲの生えた顔なんて地球人に見られたくないよ…」
二人がこの時いたのはちょうど中庭だった。中庭の噴水を指さしてロゼッタが言った。
「リリィ悪いけど、サンドイッチをテイクアウトしてきてくれないかなぁ?
 あたいはあそこの噴水で待ってるよ。
 リリィが食べ終わった後でいいよ。ゆっくりしていきなよ。」

ロゼッタは一人になると、車椅子を噴水に近づけ、噴水の縁に体を預けた。
誰も乗らない車椅子が噴水から離れていく。
ロゼッタは噴水の縁に仰向けに寝そべり、輝く太陽を見つめていた。
それに飽きるとロゼッタは、今度は寝返りをうつようにして噴水の中に落ちた。
噴水の水位は浅いので、ロゼッタが溺れるようなことはない。
ロゼッタは左半身だけが水に浸かっているので、左目で水を見つめ、右目で空気を見つめることができた。

64 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/06(金) 22:29:10.55 0
エンカは腰のベルトにレイヴンの刀と芭蕉扇をさし、ポケットに両手を突っ込んで歩いていた。
だから一見しただけではわからないだろうが…
彼には左手が無い。昨晩ロゼッタに襲われ、切り取られ、持って行かれたのだ。
切り取る、と言っても本当に切断されているわけではない。
ロゼッタの空間切断魔法で空間的にただ離れているというだけだ。
しかし、どちらにせよエンカにとっては不便な事にかわりは無かった。

食堂についたエンカはリリィかフリードがいないかと見回した。
エンカは食堂に早く着きすぎた。ほとんどの生徒はまだ食堂に来ていなかった。
リリィやフリードも例外ではなかったようである。
エンカが早く食堂につきすぎたのには理由があった。
エンカは朝目が覚めるのが早すぎたのだ。
そして、エンカが朝目が覚めるのが早過ぎるのもまた理由があった。
それは昨晩突然現れた謎の女性、シャイナ・ムーンリングのせいではない。
もっと別の、気味の悪い何者かのせいだった。
『あたいと契約して魔法使いに な る が よ い 』
突然そんな不気味な声が聞こえたのだ。それがエンカの寝不足の原因だった。

エンカはこの魔法学園でほとんど唯一魔法が使えない生徒だった。
魔道書アナベル・ガトーの鍵でさえ、その力をエンカに与える事はなかった。
彼の名誉のために言えば、魔法学園に入学してから一ヶ月で魔法を覚える生徒はまずいない。
入学してすぐ魔法を覚えたり、魔法学園に入学する前から魔法が使える生徒は本来“天才”なのである。
だが、今年はあまりにも“天才”というべき生徒が多すぎた。
相対的に言えば、エンカはこの学園でもっとも弱い落ちこぼれの生徒となってしまったのだ。

リリィとフリードの姿を見つけられなかったエンカだったが、意外な顔見知りがテーブルに座っているのを見つけた。
人民服に身を包んだ若い女性が、ハンバーガーをムシャムシャと頬張っている。
エンカは彼女の座っているテーブルに腰を降ろし、そして彼女に話しかけた。
「ファーストフードを食うなんて珍しいな、おい。」
若い女性はエンカに顔を向けた。彼女は糸目だが、その目をいっそう細めてエンカを見た。
>「たまには悪くねぇもんさ。」
彼女の名はレベッカ・ウォン、通称“レベッカ少佐”。
彼女は闇払いとして働いており、本来は魔法学園にいるはずのない女だった。
レベッカは魔法学園にいる理由をエンカに話した。
>「ロックが昨日から行方不明になっている。俺はあいつを探すためにこの学園に派遣されたんだ。
> もっとも、昨日たまたまブランエンのところへ遊びに来てたもんでよぉ。
> なら事情が把握しやすいだろう、って理由で俺の担当になっちまったんだ。」
レベッカは心底ウンザリしたような様子だ。
いくら立場上ロックが闇の魔法使いに命を狙われる可能性が高いとはいえ、
たった一日連絡がつかないだけで捜索するのは大げさだとレベッカは考えていた。
うんざりしているレベッカに対して、エンカの方は少し嬉しそうだった。
「ということはよ〜、ロック先生が見つかるまでは一獅ノいることができるってことじゃねーか?」
しかし、ふとエンカの顔に陰りが見えた。
昨日ブランエンと“ある出来事”があり、気まずい関係になってしまったことを思い出したのだ。

65 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/06(金) 22:30:58.72 0
その時、しゅっとエンカの腰のベルトから、レベッカが芭蕉扇を抜き取った。
「ちょ、まっ、危な…」
>「大丈夫だ。問題ない。」
レベッカは芭蕉扇をじっくりと眺めた。それはエンカが祖母から譲り受けた遺産だった。
そして、レベッカにとっては母親の形見でもあった。そう、二人は母子なのだ。
>「悪ぃがこのゴミを捨ててきてくれ。」
レベッカはハンバーガーを包んでいた紙をエンカに押し付けた。
エンカはひやひやしながら母の言葉に従った。(エンカ「しょうがねぇな〜」)
もしかしたらレベッカは自分から芭蕉扇をとりあげるつもりだろうか?
幸いそんなことにはならなかった。エンカがゴミを捨てて帰ってくると、
レベッカはエンカの腰のベルトに芭蕉扇をさしなおし、彼にこう言った。
>「おめぇの婆ちゃんの形見だ。大切にしろよ?」
エンカはレベッカにそう言ってもらえたのでほっとした。
魔法が使えないエンカにとって、突風を巻き起こせるこの芭蕉扇は貴重な自衛手段だからだ。
>「…エンカ、おめぇにとりいろうとする奴が来たとしてもよぉ、簡単に信用するんじゃあねぇぞ?
> いつだって一方的にイイ話には裏があるもんだ。さもなければ、いいように利用されるだけだぜ?」
エンカは少しムッとした。
「シャイナの事を言ってるのかよ?」
レベッカは椅子から立ち上がり、壁にたてかけてあった槍を手に取ると食堂の出口へ向かった。
>「シャイナ?知らねぇな。俺はただ、かわいい息子のおめぇに世間の一般論を教えてるだけだぜ?
> それじゃあ、俺はもう行くぜ。あばよ。」
そう言うとレベッカはみるみる透明になり、そして完全に見えなくなってしまった。
それはエンカもよく知っている“光学迷彩”の魔法だった。そして、彼の父親が最も得意としている魔法でもあった。

レベッカと別れた後、エンカはリリィかフリードが現れるまで食堂で待つことにした。
しかし、やはり寝不足なのは問題だったのだ。
食堂に人が溢れかえる頃には、エンカはテーブルに突っ伏してスヤスヤと眠ってしまった。

66 :アリス ◆sto7CTKDkA :2011/05/08(日) 11:10:05.28 O
>62
職員用居住スペースに存在するアリスの部屋の扉は、大変少女趣味な飾りつけがなされていた。
扉の前にはリボンをつけて2足歩行する白猫と、口が×印のウサギのぬいぐるみが置かれ。
ネームプレートには本当に【アリスの秘密のお部屋(はぁと)】と書かれている。
その扉を叩くなら 「は〜い。どうぞ〜」 というアリスの言葉と共に、自動的に扉は開かれるだろう。

中に入れば、入り口がそうであるように部屋の中もやはり少女趣味全開である。
部屋のあちこちがリボンとフリルで飾り付けられ、壁際には大小様々な種類のぬいぐるみが置かれている。
パステルカラーの部屋の中に置かれたベッドはもちろん天蓋付きだ。
アリスの体からすればかなり大きな、書類の積まれた仕事用らしい机の前にはソファーがあり。
そこには先客がいて、アリスは先客の話を聞きながら ふむふむなるほど と頷いていた。
なぜかソファーの上には、大きな玉が吊り下げられている。

>「あ、ありのまま 今 起こったことを話します!
「やーやー。 よく来てくれたね〜。
 ままま、まずは座って座って。
 紅茶でも飲む? それともコーヒーが良いかな?」
来客に気づいたアリスがそう声をかけると、人間サイズの熊のぬいぐるみが飲み物とクッキーを持ってきた。
無論人数分であり、話の途中に誰が入ってきてもアリスとぬいぐるみは同じように来客を迎えるだろう。

>「じゃあこれで僕は………」
「うんうん。 とっても参考になったよ〜。
 また気軽に部屋に遊びに来てね〜」
手を振って偽フリードを送り出し、さて。 といったようにアリスは本物のフリードを見た。

>「ええと……………さっきの僕と似た子が説明したとおりです」
「さっきの子、本当にそっくりだったね〜。
 フリードくん双子のお兄さんでもいるのかな?」
軽く笑いながらそう言ったアリスは、机の上に置かれていた紅茶を一口、口にする。

「それじゃあ、今までに聞いた話を念のために確認させてね?
 間違ってたら訂正よろしくね〜」
そう前置きしたアリスは、昨日の出来事を軽くまとめてみせた。
1、図書館に進入していたオーガと戦闘後、アドラスと戦闘。
2、アドラスは総裁の部下で、命令で生徒と戦っていた。
3、アドラスと屋上で再戦するが、アドラスは戦いの末に消え去って消息不明。
「こんな感じかなー。 マリアちゃんや今の偽フリードくんから聞いたのは。
 保険医の先生に聞いたら、『薬と幼女の事以外は守備範囲外だ』って言われちゃったんだよね〜。
 …どうかな? 間違いないかな?」
アリスはへらりと笑ってフリードたちを見た。

67 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/08(日) 12:23:45.23 0
>63
食堂のすぐそば、中庭で突然ロゼッタはリリィを制止した。
「でも、マスクしたままじゃご飯食べられないよ?」
>中庭の噴水を指さしてロゼッタが言った。
>「リリィ悪いけど、サンドイッチをテイクアウトしてきてくれないかなぁ?
> あたいはあそこの噴水で待ってるよ。
> リリィが食べ終わった後でいいよ。ゆっくりしていきなよ。」
「うん、わかった!なるべく急いで戻るから、待っててね」
リリィは噴水の前にロゼッタの車椅子を止めると、一目散に食堂めがけて走り出した。

昨日のイベントはなかなかハードで、怪我人も少なくなかった。
そのため、殆どの教師は気を利かせて休講となっていた。
(まあ、中にはフリード達のように「怪我?そんなもんは気合だぁ!」で平常授業を行う教師もいたのだが)
そんなわけで、朝食というよりはブランチといった方がいい時間帯だったが、食堂はいつものこの時間よりも混雑していた。

食堂に入ったリリィは、それはそれは可愛らしい美少女に声をかけられた。
「・・・・・・えっ?ま、まさかフリード君?」
みれば、フリード周辺の男子生徒の目がハートになっている。
確かに、女装してないのに今のフリードは、同性のリリィから見てもため息が出そうな美少女ぶりだ。
もっとも砂糖菓子のようなのは外見だけで、中身は漢らしくジルベリアの巨大熊以上の戦闘力なのだが。
「どうしたのその髪、一晩で随分伸びたみたいだけど、まさか育毛剤でも間違えて被っちゃった?!」
リリィは何気に失礼な事を口走った。

>「つまるところこういうことがあったんですよ」
>と説明を始めるフリード?
「そっか、じゃあ、一度アリス先生に会いに行かなくちゃいけないのね。わかった。
 フリード君、悪いけれど先に行っててくれる?私、ロゼッタちゃんにサンドイッチ届けないといけないの。
 それにしても、グレン連れてないなんて珍しいね・・・・・・って・・・・・・ああ、行っちゃった」
リリィは「グレンと食べ物の事で喧嘩でもしたのかな?」と思いつつ、サンドイッチを手に入れるべく行動を開始した。

「しまったな〜。ロゼッタちゃんの好み、聞くの忘れちゃった」
リリィはちょっと考えた後、野菜サンドとツナサンド、ハムサンドにタマゴサンド、デザートにフルーツサンドを頼んだ。
これだけの種類があれば、どれかひとつくらいロゼッタの好みに合うだろう。
もちろん注文は一人分でなく、二人分である。
そう、リリィは食堂でなく、ロゼッタと一緒に中庭で遅い朝食をとるつもりなのだ。

68 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/08(日) 12:25:05.54 0

>65
(あれ?あのヘヤスタイルって・・・・・・)
サンドイッチが出来上がるのを待っていたリリィは、テーブルに突っ伏している男子生徒を見つけた。
あの奇抜な髪型は、学園広しといえどもそうはいない。
もちろんリリィは、ロゼッタに頼まれていた事はちゃんと覚えていた。
(仲直りさせるためには、まず二人を引き合わせなくちゃダメだよね)

リリィは食堂のおばちゃんに「すこし席を外します」と告げた後、エンカのテーブルまで移動した。
「エンカ、エンカ。起きて起きて」
リリィはエンカの背を軽く揺さぶった。
「おはよう、起きた?エンカ、朝から随分疲れてるみたいだけど大丈夫?」
リリィはエンカの前で手をひらひらさせた。
「私はねー。今から中庭でサンドイッチ食べるんだ〜。エンカはもうご飯済んだ?サンドイッチは好き?」
リリィは当り障りのない会話をしながら、頭の中ではいろいろ考えを巡らせていた。

ロゼッタは、エンカに謝りたいと言った。
だが、何の心の準備もなく、いきなり引き合わせるのはどうだろう?
かといって、ロゼッタの名前を出しただけでエンカに敬遠されるのではないだろうか?
リリィは自分の考えで手一杯で、エンカが彼女に話があるなんて夢にも思っていなかった。
「あ、ちょっと待ってて。サンドイッチ出来たみたい。受け取ってくるから!」
リリィは一旦席を外した。

(あーもう!悩んでても仕方ない!)
サンドイッチを受け取ったリリィは、戻るや否やおもむろに本題を切り出した。
「あの、さ。エンカは、ロゼッタって先輩、知ってるよね?
 彼女ね、その・・・・・・今、中庭の噴水のところにいるの。左手の事で謝りたいって言ってるんだけど・・・・・・」

69 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/09(月) 20:55:00.18 0
>68
> リリィは食堂のおばちゃんに「すこし席を外します」と告げた後、エンカのテーブルまで移動した。
> 「エンカ、エンカ。起きて起きて」
> リリィはエンカの背を軽く揺さぶった。
エンカは目を覚ました。
「よぉ、リリィ!ちょうどお前に会いたいと思ってたところだったんだぜ〜!」
エンカは上機嫌にリリィに声をかけた。
> 「おはよう、起きた?エンカ、朝から随分疲れてるみたいだけど大丈夫?」
> リリィはエンカの前で手をひらひらさせた。
「いや〜、なんか昨日の晩は色々ありすぎてよ〜、寝不足だったんだぜ。ファ〜(あくび)」
> 「私はねー。今から中庭でサンドイッチ食べるんだ〜。エンカはもうご飯済んだ?サンドイッチは好き?」
エンカはリリィが、自分と一獅ノサンドイッチを食べようよ!と言いたいのだと解釈した。
エンカに断る理由など無かった。
「かわいい妹分のおめぇにそう言われたらよ〜、一獅ノサンドイッチを食べに行かないわけにはいかねぇよな〜?」
> 「あ、ちょっと待ってて。サンドイッチ出来たみたい。受け取ってくるから!」
> リリィは一旦席を外した。

リリィが一旦席を外している間、エンカは鏡の破片を取り出し、
自分の髪型がうたた寝している間に崩れなかったかを確認した。
自慢の東方銀杏髷は崩れていなかったが、顔にテーブルの木の年輪の跡がついていた。
> サンドイッチを受け取ったリリィは、戻るや否やおもむろに本題を切り出した。
エンカは鏡の破片をポケットにしまった。
> 「あの、さ。エンカは、ロゼッタって先輩、知ってるよね?
>  彼女ね、その・・・・・・今、中庭の噴水のところにいるの。左手の事で謝りたいって言ってるんだけど・・・・・・」
「はぁ?あのロゼッタがっすか?」
エンカは自分の耳を疑った。
ロゼッタが自分から左手の件でエンカに謝罪をする可能性など今まで考えたこともなかったし、
事実そんなことを考えられないくらいロゼッタが自分の本能に忠実であることをエンカは知っていたからだ。
しかし、リリィが自分を騙そうとするはずはないと思ったエンカは、とりあえず信じることにした。
ロゼッタが左手の事で謝りたいと言うなら、きっと切り取った左手を返してもらえるのだろう。
エンカはそのように思った。
「で、今ロゼッタはどこにいるんだ?」

エンカはリリィと食堂を出た。少し歩いたところで、エンカはリリィを引き止めた。
「待て待てリリィ、ちょ〜っとロゼッタに会う前によぉ、おめぇに聞きたいことがあるんだ。」
エンカは昨日の晩、自分の部屋に現れた謎の女性、シャイナ・ムーンリングとの会話をリリィに掻い摘んで話した。
「レイヴンが死んじまったっていうのは、本当なのかよ?」

70 :名無しになりきれ:2011/05/09(月) 22:26:10.83 0
「サンドイッチそんなに食べられなくね?少し協力してやるぜ(ムシャムシャ)」

71 :天海真 ◇hCjEHNrkek:2011/05/09(月) 23:42:11.28 0
ある生徒は語る

「え、赤い髪をした東洋人を見たかって?いや、見てないぞ……行方不明!?昨日の夜、森の奥から聞こえて来た音とは関係ないのか?」

ある生徒は語る

「エンドウユウキ……ああ、昨日転校して来た噂の!いや、みてないぜ。探してるのか?まだ寝てるんじゃないか?」

ある生徒は語る

「赤い頭の男の子?しら……そういえば、そんな男の子がふらふら歩いて消えていったって……ごめんなさい、場所までは」

魔法学園を走り回る小さな体、炎道勇気の許嫁、天海真である
その顔は焦り一色で出会う生徒一人一人に問いかける?
「赤い髪をした炎道勇気という東洋人をしらないか?」
その様子は昨日の横暴な態度はなく、なにかにおびえる少女の顔であった

真が目覚めたとき部屋には主の勇気もいつも一緒にいる伊織の姿もない
「勇気!」
呼べども姿は見せず
「伊織!」
呼べば出てくる伊織も姿は見せず
朝食の準備をしているのか?それなら伊織1人で十分だ。しばし、待てども2人とも姿を見せない
真は困惑よりも怒りが先に来た

「あのアホ!どこいってんねん!こんなかわいい許嫁ほっておいてどこをほっつき歩いてんねん!」
勇気がどこかにいなくなると言うのはわからなくはないだけど……
「伊織もどこにいってん!」
こちらはあきらかにおかしい、いままで伊織がいなくなったことなどない、そこで真の目に入ったのは
手紙、折られた紙を開くとそこには伊織の字でこう書かれていた

<<真様へ 伊織の興味をそそるものを発見しました。お嬢様には申し訳ありませんが今日1日お暇をいただきます。
急で本当に申し訳ありません。昨夜から勇気様が帰っておられませんがご友人の部屋にお泊めいただいてるんでしょうか?照れてるだけやと思うんで許してあげてください>>

以上であった
伊織と勇気は一緒ではない、勇気の居場所もしらない……
これは非常事態だ!そう思うと真は駆け出し聞き込みを開始したのだ

〜アリス先生の部屋〜
バンッと勢い良く扉が開かれる

何人かの生徒に聞き込みをしたが特に大きな報告はなかった
どの生徒も奇妙な噂の話ばかり、さすがは魔法学園、おかしな出来事には事欠かないようだ
途方に暮れたとき真はあることを思い出した。明日アリス先生と言う人物の部屋に昨日、屋上にいたメンバーが集まるということを
真は生徒に場所を聞きながら目的の場所を目指した
そして勢い良く扉を開ける

「勇気は!炎道勇気はいる!」

72 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/10(火) 20:51:29.86 P
>67>66>71
>「さっきの子、本当にそっくりだったね〜。
 フリードくん双子のお兄さんでもいるのかな?」
と当然の疑問を口にするアリス

「いえそんなわけがありませんよ
 ノクターン家の男児は僕だけのはずです」
「にゃあん?」(双子は不吉だから片方捨たんじゃね?)
「どっかのアレンジ版乞食王子のお話じゃあるまいし
 そもそもそんな風習ジルベリアにはありませんよグレン
 それにしても一体彼は何者なんでしょうかねぇ?」
だがフリード自身も彼の正体が全く分からないらしい

>「こんな感じかなー。 マリアちゃんや今の偽フリードくんから聞いたのは。
 保険医の先生に聞いたら、『薬と幼女の事以外は守備範囲外だ』って言われちゃったんだよね〜。
 …どうかな? 間違いないかな?」
「大体合ってますね…………本当に僕の語ることは無いみたいです
 あれ試練の粋を超えてガチに殺しにかかってましたし大人気ないにもほどがありますよ」
「にゃあ?」(本当に試練的なものだったの?)
「だって総統の命令だったんでしょ?だったら他に考えられないじゃないですか」
それにしては本気だったような?とグレンは思った

>「勇気は!炎道勇気はいる!」
と扉を開け炎道が居るかどうか尋ねる真
「いえ今日はまだ会ってませんよ?そもそも僕と彼は教室が違いますし」
「にゃなぁ」(フィー坊氷結課だもんね)
「一体どうなさったんですか?」
と尋ねるフリード
「アリス先生は知ってますか?僕より先に来たとかは?」


その頃偽フリードことギズモは
「ねえねえご主人様この姿の元になったあの子本当に雄なの?」
「雄って………昔一緒にお風呂は言ってたから分かるけど間違いなく男ですわよ」
フリードが本当に男なのか自分の主人に確かめていた
彼女がギズモを召喚したのはフリードの入学よりも以前であるために
彼はフリードのことをよく知らないのだ
「あの子だったら僕とソウルユニオンしてくれるかな?」
「フリードちゃんをSM女王様ルックにしたいのかしら?」
「っていうかこの長ったらしい髪の毛切って良い?育毛剤でも被ったのかとか言われたんだけど?」
「フリードちゃんと見分けがつかなくなるから駄目ですわ」
フリードの姉でありギズモの主人であるフリージアさんはまだ知らない
覚醒の影響でフリードの髪が伸びギズモと同じヘアスタイルになっていること


73 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/11(水) 18:52:10.22 0
>「はぁ?あのロゼッタがっすか?」
「うん。ちゃんと謝って、出来れば友達に・・・・・・なりたい・・・・・・んだって」
リリィの声がだんだん小さくなっていく。
ロゼッタが謝罪すると聞いたエンカの眉間には深い皺が寄っている。
何か考え込んでいる様子に、リリィは上目遣いのまま、心配そうな顔でエンカを見つめた。

>「で、今ロゼッタはどこにいるんだ?」
「会ってくれるの?!ありがとエンカ!
 ロゼッタちゃんならちゃんと中庭の噴水のところに・・・・・・・・って、あれ?」
リリィは目を凝らした。
ロゼッタの車椅子は移動しているらしく、噴水からこぼれる水のカーテンからは背もたれ部分しか見えなかった。
「あ、ほら。あそこ」
リリィはロゼッタが車椅子に乗っているとばかり思っていたので、そう答えた。
まさかサンドイッチを買ってくる間に噴水に落ちたなど、想像できるはずも無かった。

74 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/11(水) 18:52:24.83 0
>エンカはリリィと食堂を出た。少し歩いたところで、エンカはリリィを引き止めた。
>「待て待てリリィ、ちょ〜っとロゼッタに会う前によぉ、おめぇに聞きたいことがあるんだ。」
リリィはと首を傾げ、なあに?と目で先を促す。
>エンカは昨日の晩、自分の部屋に現れた謎の女性、シャイナ・ムーンリングとの会話をリリィに掻い摘んで話した。
>「レイヴンが死んじまったっていうのは、本当なのかよ?」
リリィの顔にすっと影が差した。
彼女は目を伏せ、手の中の紙袋を持ち直した。中庭ではしゃぐ生徒たちの声が、遠くから聞こえる。
「うん。そうだよ」
廊下を渡る風がリリィの髪を揺らした。リリィは足元の影に再び目を落とした。
「消えてしまったのは昨日のことだけど、本当は、私達と出会うずっと以前に亡くなってたの。
 その・・・・・・・レイヴンさんは、妹分だったクリ」
『クリスのことが気がかりで、この世に残っていたんだと思う。』
彼女はそう続けたかったのだが、舌が張り付いたようにこわばって言葉が出ない。
急に胸が苦しくなって、リリィはふらふらと壁に手をついた。
紙袋からサンドイッチがこぼれ、包みのひとつが床に転がった。

>70
そこに飛び込んできたのは、小さなシマトラのネコだった!
リリィははっと我に返ると、エンカにサンドイッチの袋を押し付けるように渡した。
>「サンドイッチそんなに食べられなくね?少し協力してやるぜ(ムシャムシャ)」
「だめだめだめ!そっちは絶対にダメ!返しなさーい!」
リリィはトラネコと大人気なくサンドイッチを奪い合っている。
結局、唐突に始まったバトルは、彼女がオニオン入りのハムサンドを回収した後、手持ちのツナサンドを一切れ渡すことで決着を迎えた。

「あいたたた・・・・・・もう、思いっきり引っ掻くなんて!!」
リリィは手の甲をぺろりと舐めた。
「えっと・・・・・・さっきの話だけど、途中になっちゃったね。
 私も詳しいことは、その・・・・・・・よく、わからないんだ」
リリィは嘘をついた。
「だから、詳しいことはフリード君かブランエンさんに・・・・・・あ、ブランエンさんっていうのは、ロック先生のお母様ね。
 ロック先生のお部屋に住んでらっしゃるから、そっちから聞いてみてくれる?」
リリィ自身はそれ以上説明をする気はなさそうだ。
ブレの刻んだ見えない傷は、彼女の行動に微妙な変化をもたらしていた。
「そうそう、フリード君ならアリス先生の所に行ってるはずだよ?私もアリス先生には用があるし、なんならエンカも一緒に行かない?」

「それにしてもそのシャ、シャイニング☆ムーンリャイト、だっけ?
 その人、何でこそこそ夜中にエンカの部屋、訪ねてきたのかなぁ?
 本当に総裁が必要としてるのなら、普通にエンカを総裁の邸宅に招いて、順を追って説明すれば済む話なのにね」
ベッドフォード総裁の邸宅は学園の敷地内にあるため、総裁がその気になりさえすれば、いつでも彼を招くことは可能だった。

(あ、まさか今の話、セラエノちゃんにもしたのかな?)
セラエノとは、エンカと今ちょっといい雰囲気になっている(とリリィが思っている)女子生徒の事だ。
自称神様の彼女は否定しているが、リリィは二人とも結構いい線行っているのではないかと思っている。
だが、今聞くのは薮蛇にな理想泣きが舌ので、結局エンカに直接そのことで何か話すことは無かった。
まあ、出来なかった、というのが正しいのだが。

「ロゼッタちゃん!!なんで噴水の中なんかに!!」
リリィはようやくロゼッタの車椅子が空で、彼女自身は噴水の中に落ちたことに気づいた。
仰天した彼女は駆け寄り、噴水のふちに手をかけ、大きく身を乗り出す。
「今引き上げるから手を伸ばして!ほらエンカも手を貸して!!」
リリィは無理を言った。
彼女はまだ、エンカの左手が無い事に気づいていなかったのだ。

75 :オワゾー ◆k4Jcxtcjwo :2011/05/13(金) 22:06:37.28 O
何の憂いも感じない晴れ晴れとした気分だった こんなにも清々しい気持ちは久しく味わっておらず この久々の感覚をオワゾーは噛み締めていた
老人への遺物の献上は既に完了し、滅多に無いお褒めの言葉まで頂けたのだ 気分だけはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いと言った所だろうか
老人の前での態度はいつもと相変わらず萎縮しきったものであったが
「これで総裁の私に対する評価も大分変わっただろう
それに新たな御役目も賜ったからな…」
オワゾーは遺物探索を部下に引き継ぎ 老人より学園の監査官という任務を新たに任された
本来この役職は統一魔法評議会の任命を受けた者が派遣されるのであるが
財団の影響力とりわけ老人の力を行使すればオワゾー一人を統一魔法評議会の人間にしてしまう事など造作も無い事であった
「あの忌ま忌ましいカマ野郎は一介の講師…だが私は評議会より任命された監査官様だ
ふふふ…はっはっはっはっは!!!!!」
思わず意地の悪い笑いがこぼれる、形式的とは言えブレより上役なのだ その事がオワゾーには堪らなく愉快でならなかった
「臭いオーガ共と遺跡に篭って穴を掘る仕事とはもうおさらばだ!!」
オワゾーは大手を降って学園の門を潜っていく そしてその後ろ姿を影から見つめる大男の姿もあった

「全く持って救いようの無い愚か者だな
せいぜい今の楽しさを噛み締めておくがいいわ」
すると小声で呟いた大男に数人の生徒が挨拶をする
「ブレ先生おはようございます」
「あら皆さんおはようございます!今日も一日頑張りましようね!」
ブレは先程とは厳めしい口調とは打って変わっていつもの話し方で生徒達に挨拶を返した

76 :アリス ◆sto7CTKDkA :2011/05/14(土) 01:50:34.86 O
>71-72
>「大体合ってますね…………本当に僕の語ることは無いみたいです
> あれ試練の粋を超えてガチに殺しにかかってましたし大人気ないにもほどがありますよ」
>「にゃあ?」(本当に試練的なものだったの?)
>「だって総統の命令だったんでしょ?だったら他に考えられないじゃないですか」
「ふむふむ。 なるほどなるほど〜っと。 やっぱり間違いないんだね〜」
アリスは納得したように言いいながら、手元の用紙に聞いた以下の事柄を丸文字で書き込んだ。

1、図書館に進入していたオーガと学園生徒が戦闘、後にアドラスと戦闘。
2、アドラスは総裁の部下で、命令で生徒と戦っていた。
3、生徒達はアドラスと屋上で再戦するが、アドラスは戦いの末に消え去って消息不明。
1〜3の証言に相違は無いかな?

書いた内容を読み返してうんうんと頷いてから、アリスは用紙を綺麗に折りたたんで窓の近くまで歩いていく。
「それじゃあ〜、これを総裁のお家まで届けてね〜」
アリスが窓の外に向けて差し出した紙を、真っ黒な影がさっと受け取って飛び去った。
アリスは自身の使い魔を使って、総裁に質問状を送りつけたのだ。
無回答を含む総裁側の回答によって、アリスが今後どうするかが変わることになる。

「これでひとまずお仕事しゅ〜りょ〜っと。 協力ありがと! たすかっちゃったよ〜。
 さてさて、それじゃ〜次の用事は〜」
アリスが皆を呼び出した2番目の理由に入ろうとした時のことだった。
真が勢いよくアリスの部屋の扉を開けたのは。
>「勇気は!炎道勇気はいる!」
「いらっしゃ〜い。
 ままま、とりあえず落ち着いて座って座って。
 何か飲む? 紅茶かな? それともコーヒーかな?」
真の剣幕にも慌てず騒がず、アリスは飲み物をすすめた。
真からすればそれどころではないだろうが、それでも熊のぬいぐるみは飲み物を持ってくる。
ちなみに持って来られるのは、希望を言わなければアリスの趣味に合わせて紅茶である。

77 :アリス ◆sto7CTKDkA :2011/05/14(土) 01:52:07.50 O
>「アリス先生は知ってますか?僕より先に来たとかは?」
「ん〜。 知らないし来てないね〜。
 それにしても炎道くんまでいなくなっちゃったんだ。 困ったな〜」
少し考えるようなそぶりを見せたアリスだが、すぐにその顔に笑顔が戻った。

「ま、いっか。 いなくなったなら探せばいいんだよね〜。
 炎道くんはいないけど、代わりに許婚の真ちゃんもいることだし。
 も一個の用事もサクッと済ませちゃおう!」
アリスは背伸びして、天井にぶら下がった球体から伸びる紐を引っ張った。
すぐに球体に込められた魔法が効果を発揮し、部屋は暗闇に包まれる。
次に球体が2つに割れ、光と音の魔法によって部屋の中は花火を爆発させたように騒がしくなった。
割れた球体からは垂れ幕が飛び出し、そこにはアリスの字で【祝!総代決定!】と書かれている。
球体は魔法式のくす玉だったのだ。
「わ――――! ぱちぱちぱちぱち――――!」
部屋が魔法による拍手と歓声に埋め尽くされる中、アリスも一緒になって拍手している。
もちろん事前の事情説明など一切無しである。

5分ほどの光の祭典(!)が終わって部屋が明るさを取り戻した後。
ようやくアリスは得意そうに事情を説明しだした。
「キノコ狩りの結果がでたんだけど、炎道くんがばっちり最優秀賞を取って総代になったんだよ〜。
 でも、これって炎道くんに協力してキノコ狩りをしてたみんなの功績でもあるんだよね。
 そんなわけで〜。 炎道くんとお仲間を【そうだい!会】のメンバーに認定しちゃいま〜す!」
そうだい!会と言われても意味不明だと抗議すれば、アリスから説明が返されるだろう。
この会のメンバーは、実務で教師の手伝いをすれば授業に出なくても単位が保証されるのだ。と。
(教師にとっては)まさに夢のようなシステムだ。
…要するに体のいいなんでも屋の一種であり、フリードの悪い予想は当たったことになる。
なお悪いことに、真はともかく当事者のフリードは強制参加である。

「やっぱり魔法の上達には実技が一番だもんね〜。
 そうだい!会に入っているだけで、めきめき魔法が上達する事間違いなしだよ〜」
怪しい事を言ってから、アリスは【そうだい!】と書かれた腕章をひょいと真の腕に巻きつけた。

「炎道くんが見つかるまで、許嫁の真ちゃんに代理をお願いするね。
 炎道くんが見つかったら腕章を渡して、総代になったよって伝えてあげてね〜。
 あ。 フリードくんはこっち〜」
フリードには、腕章の代わりに書類が渡される。
書類にはこう書かれていた。

【作戦指令! ロック先生を探せ!】
屋上での決闘についてロック先生から事情を聞こうとした所、どこにいるかわからないことが判明!
至急ロック先生を探し出し、アリス先生が呼んでいたと伝えよ!

ひどい職権乱用に思えるが、そうだい!会のメンバーには拒否権が無い。
できることといえばサボタージュによる嫌がらせくらいである。

「それじゃ〜お願いするねフリードくん。
 お友達で良い人がいれば、どんどんそうだい!会に勧誘しちゃって大丈夫だから〜。
 後、炎道くんを見つけてくれたらボーナス単位をあげちゃうから、そちらもよろしく!
 記念すべき初仕事だからぶわ〜っと行っちゃおう! どーんと行っちゃおう! おー!!」

78 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/15(日) 06:57:17.75 0
>76
>「ブレ先生おはようございます」
>「あら皆さんおはようございます!今日も一日頑張りましようね!」
遠くから聞き覚えのある声が聞こえてくる。
見れば、ちょうど登園したブレが、中庭に面した廊下を歩いているところだった。
びくっと身を震わせたリリィの手から思わず力が抜ける。
「あ、ごめん!」
リリィは気を取り直すと、再びロゼッタを引き上げようと手を伸ばした。


79 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/05/15(日) 18:06:10.50 0
真が部屋に入るとそこには主のアリス先生とフリードの2人だけしかいなかった
>「いえ今日はまだ会ってませんよ?そもそも僕と彼は教室が違いますし」

もしかりに嘘を言っていたら、真が怒り狂って非常に面倒なことになるとフリードもわかっているのか
おそらくは彼の言葉は真実であろう
真が次の言葉を話す前にアリス先生が割り込む

>「いらっしゃ〜い。
 ままま、とりあえず落ち着いて座って座って。
 何か飲む? 紅茶かな? それともコーヒーかな?」

「お茶」

ぶっきらぼうに短く応える、年長者に対してもう少し言葉遣いを意識してもらいたいものだ
彼女が冷静な状態なら良家の淑女にふさわしい態度を見せてくれる日が来るかも知れない
>「ま、いっか。 いなくなったなら探せばいいんだよね〜。
 炎道くんはいないけど、代わりに許婚の真ちゃんもいることだし。
 も一個の用事もサクッと済ませちゃおう!」

アリス先生も知らない、炎道勇気の行方はおそらく誰もしらないだろう
それはたぶん図書館の管理人でさえも……
真はアリス先生の言葉を無視して用なしと言わんばかりに体を180度ターンして再び扉のほうへ向かう
だけどその手が扉を開くことはなかった

「うわ〜きれいやね〜」
アリス先生主催の光のイリュージョンに目を奪われる。こういうところは女の子である
しばらくそれに目を奪われているくす玉がわれ、『祝!総代決定』と書かれていた
真の頭にはそれを見ても?マークしか浮かばない、総代のくだりをまったく知らない真にはしかたのないことだ

>「キノコ狩りの結果がでたんだけど、炎道くんがばっちり最優秀賞を取って総代になったんだよ〜。
 でも、これって炎道くんに協力してキノコ狩りをしてたみんなの功績でもあるんだよね。
 そんなわけで〜。 炎道くんとお仲間を【そうだい!会】のメンバーに認定しちゃいま〜す!」

「は?なんの話?意味わからへん」
真は相変わらずぶすっとした表情をしている

「勇気が総代?総代ってなんなん?」
まずそこから知らない
>「炎道くんが見つかるまで、許嫁の真ちゃんに代理をお願いするね。
 炎道くんが見つかったら腕章を渡して、総代になったよって伝えてあげてね〜]

「勇気を見つけるのが私の目的やから!それ以外はどうでもいいから!
ほら、フリードとっとと行くで!勇気を見つけんのが第一や!」

真は勇んで扉をあけ外に出た

「まずは食堂で情報収集や!」

80 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/15(日) 21:10:11.97 P
>77
>「そんなわけで〜。 炎道くんとお仲間を【そうだい!会】のメンバーに認定しちゃいま〜す!」
あからさまに嫌そうな顔をするフリード
そりゃそうであるこれじゃああからさまな雑用係だ
「それあからさまに雑用係じゃないですかぁやだぁ」
やだぁと言ったところでその事実が覆る訳じゃない

>「やっぱり魔法の上達には実技が一番だもんね〜。
 そうだい!会に入っているだけで、めきめき魔法が上達する事間違いなしだよ〜」
「にゃあお」(だってさ)
「それ荒事に巻き込まれるって意味じゃないですかやだやだぁ」
だから無駄なんだってばよ

>「あ。 フリードくんはこっち〜」
と渡される書類
>【作戦指令! ロック先生を探せ!】
「ってロック先生まで行方不明なんですか!!」
「それじゃ〜お願いするねフリードくん。(ry」
「にゃあん」(何たる無責任)

>79
>「勇気を見つけるのが私の目的やから!それ以外はどうでもいいから!
 ほら、フリードとっとと行くで!勇気を見つけんのが第一や!」
「まあロック先生は大人ですし先生ですから何らかのトラブルがあっても自分で解決出来そうですしね」
と後回しにすることにしたフリード

>「まずは食堂で情報収集や!」
「やれやれこれじゃあ床屋に行くのが別の日になりそうです」
「にゃう」(食堂といえばごはんだね)
とやはり食べることしか考えていないグレン
そんな事で本当に大丈夫なのだろうか?

「二人の行方不明者そして僕の偽物
 まさかどっかの組織が本物と偽物を入れ替えてるんじゃ?
 ていうことは次に行方不明になるのは…………僕?」
「にゃあう」(それは考えすぎだよ)
そもそもどっかの組織ってなんだよ

「では手分けして聞き込みを開始です!この人を見ませんでしたか?」
名前で聞いても分からないだろうと手書きの似顔絵で聞き込みを始めるフリード
「にゃなぁ?」(この男を知らないか?)
「あれ?フィー坊また食堂に来たの?」
と生徒A
「どうやら僕の偽物も此処に来たみたいですね」
「にゃなあぁ」(馬鹿者そいつがルパンだ)
とボケるグレン………だが猫語なので通じない
「……いや見てないよ」

「この人を見ませんでしたか?」
果たしてなにか証言を得ることはできるのだろうか?

81 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/15(日) 21:39:12.62 0
>74>78
> リリィの顔にすっと影が差した。
> 「うん。そうだよ」
「そりゃあ一体どうしてまた…」
リリィはレイヴンが死んだことを認めた。
> 「消えてしまったのは昨日のことだけど、本当は、私達と出会うずっと以前に亡くなってたの。
>  その・・・・・・・レイヴンさんは、妹分だったクリ」
「クリ…?」
> リリィははっと我に返ると、エンカにサンドイッチの袋を押し付けるように渡した。
話の途中だったのだが、トラネコがサンドイッチを奪おうとしたため、リリィはそっちに気を取られているのだ。
エンカはトラネコの横腹を蹴り飛ばそうとしたが、生憎素早い動きでかわされてしまった。
> 結局、唐突に始まったバトルは、彼女がオニオン入りのハムサンドを回収した後、手持ちのツナサンドを一切れ渡すことで決着を迎えた。
> 「えっと・・・・・・さっきの話だけど、途中になっちゃったね。
>  私も詳しいことは、その・・・・・・・よく、わからないんだ」
「そうか、なら仕方ねぇな〜。」
エンカはリリィからそれ以上聞くのはやめとくことにした。
> 「だから、詳しいことはフリード君かブランエンさんに・・・・・・あ、ブランエンさんっていうのは、ロック先生のお母様ね。
>  ロック先生のお部屋に住んでらっしゃるから、そっちから聞いてみてくれる?」
「ブランエンさんか…」
エンカは気まずそうな顔をした。リリィは昨日エンカがブランエンとしたことを知らないはずだ。
> 「そうそう、フリード君ならアリス先生の所に行ってるはずだよ?私もアリス先生には用があるし、なんならエンカも一緒に行かない?」
「いや、俺はもういいっすよ。レイヴンが死んだことが確認できりゃあよぉ、とりあえず、シャイナに刀を預けるぜ。
 フリードには、その後にでも事情を聞いてみるっすよ。」
> 「それにしてもそのシャ、シャイニング☆ムーンリャイト、だっけ?
>  その人、何でこそこそ夜中にエンカの部屋、訪ねてきたのかなぁ?
>  本当に総裁が必要としてるのなら、普通にエンカを総裁の邸宅に招いて、順を追って説明すれば済む話なのにね」
「そりゃ〜決まってるっじゃねぇかリリィ。…な?」
エンカは自分の顔を指さした。
「な?」
エンカはもう一度リリィに言った。つまり、自分が色男だから、と言いたいらしい。

> 「ロゼッタちゃん!!なんで噴水の中なんかに!!」
ロゼッタは噴水の中に半身をつけていた。
> 仰天した彼女は駆け寄り、噴水のふちに手をかけ、大きく身を乗り出す。
> 「今引き上げるから手を伸ばして!ほらエンカも手を貸して!!」
「悪いが、それはごめんだぜ〜?」
エンカはポケットから左側の腕を出した。
その先端はロゼッタの魔法ドコデモ・ドアー特有の黒い膜のような断面になっている。
これでリリィにも事情がわかっただろう。
> びくっと身を震わせたリリィの手から思わず力が抜ける。
> 「あ、ごめん!」
> リリィは気を取り直すと、再びロゼッタを引き上げようと手を伸ばした。
ロゼッタにはリリィの手を拒む理由は無い。
ロゼッタはそれほど重くないので、リリィ一人でロゼッタを引き上げることができた。
噴水の縁に腰かけたロゼッタは、リリィがエンカを連れてきたことに気づいた。
「ロゼッタ、俺はおめぇに近づかねぇ!俺に謝りたいっつーならよ〜。
 誠意ってもんを見せてくれねぇとなーっ!」

82 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/15(日) 21:41:29.72 0
ロゼッタはリリィに引き上げられた後も、彼女の手を握ったまま離さなかった。
「どうかあたいに勇気を頂戴」とばかりにリリィを上目づかいで見た後、エンカをしっかりと見据えた。
見据えられた方のエンカは喧嘩腰だ。
>「な、なんだよ?言っとくけどなぁ、おめぇの魔法の射程距離はばっちり把握してるんだぜ!?
> 妙なことをしようとしたら、その射程距離外からおめぇをぶっとばせるんだからなーっ!」
「エンカ…怒ってる?」
>「あったりめぇだ!俺の左手ばかり狙いやがってよぉ!さっさと返しやがれ!」
ロゼッタはエンカの切り取った左手を今自分が持っていないことを説明した。
当然エンカはさらに怒ることになった。何しろリリィからロゼッタが謝りたいのだと聞いていたので、
左手は当然返してもらえると考えていたからだ。
ロゼッタはオロオロとした様子でエンカに説明した。
「も…もってこようとも思ったの…でも、あたいが誰かの切り取った左手を持っていると、
 あたいを嫌ってる誰かが、それを口実にあたいをいじめるから、む、無理だったの…」
エンカは若干冷静さを取り戻し、確かにそうかもしれないなと考えた。
事実、以前エンカから左手を奪って持ち歩いていたロゼッタは重傷を負うことになった。
ロゼッタは嫌われているし、誰かの体を盗む事は明確な悪行だ。
彼女が攻撃をされるのも無理からぬことである。
>「つまり、おめぇには俺の左手を返す意思があるってことだよな〜?」
リリィはロゼッタと手を握ったままなので、ロゼッタの手が震えているのがわかるだろう。
「おねがい…あたいの事を嫌いにならないで…
 あたい馬鹿だから、こんな風にしか自分の気持ちを表現できなかった…
 あんたが…好きなの!」
>「ああ!?」
エンカは仰天した。当然ながら、ロゼッタから愛の告白をされることなど想定していない。
「だから、お願い!あたいの事を嫌いにならないで!
 エンカはあたいの事を好きにならなくてもいいから!友達になってくれるだけでいいから!
 だからお願い!これ以上あたいから離れないで…!お願い…」
最期は消え入りそうな声になりながら、ロゼッタは真っ赤な顔をしてうつむいた。
エンカはリリィの方に視線を向けてリリィの顔を見た。
そしてもう一度、うつむいているロゼッタの方を見た。
>「………」
エンカは無言のままロゼッタから離れて行った。
ロゼッタはエンカを見ていなかったが、それでもなんとなくそれがわかった。
リリィの手を握っていたロゼッタの力が、ふっと弱くなった。
「…リリィ、ありがとう。結局うまくいかなかったけどさぁ、あんたには感謝しなきゃね。」
ロゼッタはうつむいたまま、リリィにそう言った。
「…リリィ?」
ロゼッタは、リリィの様子が想像と違ったので、顔をあげてリリィの顔を見た。
そしてそのすぐ横を見ると、車椅子を引いたエンカがロゼッタのすぐ前に来ていた。
>「さっさと乗れよ。一獅ノサンドイッチを食うんだろ?な?」
それがエンカの出した答えだった。
「…うん。」
ロゼッタは嬉しそうにそううなずいた。

83 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/15(日) 21:43:35.73 0
ロゼッタは車椅子に体を移した。
>「おっと、リリィ!別に俺達二人に気をつかってどこかに行こうなんて考えなくてもいいんだぜ〜?
> 一応俺達はまだ“お友達”なんだからよ〜。」
本当にリリィがそう考えたかどうかはともかく、エンカはリリィにそう言った。
「あんたも一獅カゃなきゃあ困る。」
ロゼッタもリリィにそう言った。ロゼッタはリリィの手を握ったままだ。
だからエンカが右手だけでロゼッタの車椅子を後ろから押した。
>「左手は後で返してもらうとしてよ〜、右手だけで飯を食べるっていうのは不便だよな〜?
> ロゼッタのせいなんだからよぉ、俺に食わせるのを手伝えよな〜?」
要するにエンカは、ロゼッタに「はい、あ〜んして♪」を期待しているようだ。
サンドイッチなんだから片手で食べられるだろ馬鹿、と思うのは私だけではないはず。
「ああ、なるほど。すげーわかりやすい。」
ロゼッタはリリィがテイクアウトしてきてくれたサンドイッチを一切れ取った。
「あ〜ん、しろよ。」
エンカは照れつつも、あ〜ん♪と口を大きく開けた。

次の瞬間、ロゼッタは持っていたサンドイッチを握りつぶし、
ボールのようになったそれをエンカの口に無理やり突っ込んだ。
>「もががっ!?」
これではエンカはまともに口がきけない。エンカは右手で口からサンドイッチの塊を取ろうとした。
「ドコデモ・ドアー…!」
ロゼッタは空間切断魔法でエンカの四肢と首を切断した。
地面に転がるバラバラになったエンカの体。ロゼッタがついにその本性を現したのだ。
「童貞は処女に弱い。んっん〜♪名言だねこれは。その通りだ。」
ロゼッタは顔からマスクを外した。その鼻の下には髭など生えていない。
そう、全ては嘘だったのだ。マスクをしていたのは、その下に悪魔のような笑みを隠すためだ。
エンカに告白する時、顔が真っ赤になったのも、リリィの手を握る手が震えていたのも、
思わず吹き出してしまうのを我慢していたからに過ぎない。
全ては、この瞬間のためにあった。
>「んーっ!んふーっ!」
地面に転がったエンカの頭が抗議の唸り声をあげている。
「ハハハ♪リリィ、あんたのおかげだよ。あんたのおかげで、全て上手くいった。
 あんたのことなんて友達ともなんとも思ってなかったけどさぁ、今はキスをしてあげたい気分だよ。」
エンカは生首のままリリィに視線を向けた。
その目はこう言っていた。「お前もグルだったのかよ…!?」と。
「本当にあたいがあんたみたいな地球人を好きになると思ったわけ?
 ハハハ♪地球人のオスが、こんなに面白いなんて思わなかったわ。マジうける。」
ロゼッタは両手をパンパン叩きながらエンカにそう言った後、地面に転がっているエンカの左腕を拾おうとした。
それがロゼッタの目的の物だった。

84 :名無しになりきれ:2011/05/17(火) 06:29:38.73 0
>>80
校内放送で呼び出し入れてもらえば?

85 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/05/17(火) 16:43:01.44 0
>>80
フリードが快く協力してくれたので2人と1匹で食堂にやってきた
>「二人の行方不明者そして僕の偽物
 まさかどっかの組織が本物と偽物を入れ替えてるんじゃ?
 ていうことは次に行方不明になるのは…………僕?」

で、なにか得体の知れないものを恐れだすフリード
はっはは、そんな組織がほいほいとあってしまってたまるものか、さすがの真もそんなことを信じるはずがないだろ

「え、え、え、勇気はどっかの組織にパクられて偽物と入れ替わってもうたん!?」
真はこと勇気に関することには弱い、フリードの言葉を聞いてあからさまに狼狽してしまう
「ああ、本物のほうは改造されて変身して仮面虫男になってまうんや〜!
いやや〜虫はいやや〜」
さらに論理が飛躍し勇気は正義の使者になってしまった
そんなこんなで食堂で聞き込み調査をしていた2人だったが成果はゼロと言ってよかった
>>84
2人に投げかけられた言葉……
「それや!」
ということで、その生徒に頼んで校内放送が流された
「ピンポンパンポ〜ン 火炎科1年生の炎道勇気くん、お連れの方がお待ちですので至急、一階、食堂までお越し下さい ピンポンパンポ〜ン」
デパートみたいな放送で全校に呼び出される
これで勇気は見つからなくても他の生徒に誰かが勇気を探しているということがわかるだろう

「キンコンカン健ちゃ〜ん あと、伝言を受けたまっております『早く来ないとぶっ殺す』でございます キンコンカン健ちゃ〜ん」
ローカルなネタなのであしからず、だけどこれで誰が探しているかはわかる人にはわかるだろう

86 :名無しになりきれ:2011/05/18(水) 14:26:10.37 O
!?

87 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/18(水) 18:00:10.13 0
>80 >82-83 >85-86
>「ロゼッタ、俺はおめぇに近づかねぇ!俺に謝りたいっつーならよ〜。
> 誠意ってもんを見せてくれねぇとなーっ!」
エンカの怒りはもっともだった。そしてリリィは当事者ではない。
だからリリィは口を挟まず、ロゼッタから滴る雫をぬぐっていた。
変にロゼッタを庇いだてしては、悪い方向に転ぶかもしれない、そう思ったからだ。
>ロゼッタはリリィに引き上げられた後も、彼女の手を握ったまま離さなかった。
リリィはロゼッタの手をしっかり握り返し、こくん、と頷いてみせる。。

リリィはロゼッタの告白を、固唾を呑んでじっと見守っていた。
エンカは仰天した後、リリィの方を見た。
リリィは静かにエンカを見つめ返す。
エンカは何もいわず、ロゼッタから離れて行った。

>「…リリィ、ありがとう。結局うまくいかなかったけどさぁ、あんたには感謝しなきゃね。」
>ロゼッタはうつむいたまま、リリィにそう言った。
「まだだよ」
>「…リリィ?」
リリィは目を輝かせ、自分の傍らを指差している。
>「さっさと乗れよ。一獅ノサンドイッチを食うんだろ?な?」
それがエンカの出した答えだった。
「…うん。」
>ロゼッタは嬉しそうにそううなずいた。

(あ。そうなると、私ってばもしかしなくてもお邪魔虫?)
リリィはそわそわと落ちつかなげだ。
>「おっと、リリィ!別に俺達二人に気をつかってどこかに行こうなんて考えなくてもいいんだぜ〜?
> 一応俺達はまだ“お友達”なんだからよ〜。」
>「あんたも一獅カゃなきゃあ困る。」
「いいの?」
(まあ、エンカもロゼッタの今までのこと考えたら、不安かもしれないもんね。
 ロゼッタも人と向き合うのは初めてだろうし・・・・・・)
「良かった!実はもうおなかペコペコだったの」
リリィはほっとすると、本気とも冗談ともつかないことをいっておどけて見せた。

エンカとロゼッタの「はい、あ〜ん」を目の前でやられると、さすがにお邪魔かも、と落ち着かない様子になった。
だが、次の瞬間甘い状況は一変する。
>「もががっ!?」
エンカは固めたサンドイッチを口に押し込まれた上に、空間魔法でバラバラにされたからだ。
ドコデモ・ドアーで細切れにされても死にはしないが、完全に動きを封じられてしまう。
「ロゼッタ?!」
何が起こったのかわからないリリィは、その場に棒立ちになった。
>「ハハハ♪リリィ、あんたのおかげだよ。あんたのおかげで、全て上手くいった。
> あんたのことなんて友達ともなんとも思ってなかったけどさぁ、今はキスをしてあげたい気分だよ。」
「どういうこと?!」
エンカの「お前もグルだったのかよ…!?」という視線を痛いほど感じながら、リリィはロゼッタを睨んだ。
>「本当にあたいがあんたみたいな地球人を好きになると思ったわけ?
> ハハハ♪地球人のオスが、こんなに面白いなんて思わなかったわ。マジうける。」

88 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/18(水) 18:00:20.88 0

ロゼッタは両手をパンパン叩きながらエンカにそう言った後、地面に転がっているエンカの左腕を拾おうとした。
両手が自由になったリリィはぐいとロゼッタの襟首を掴むと、椅子の背に押し付けるように身を起こさせた。
そしてドコデモ・ドアーの射程距離から逃れるため、渾身の力を込めて車椅子を前方に押し出す。
車椅子はロゼッタの重みでそう遠くまでは走らないだろうが、僅かな猶予は出来る。
もしもロゼッタが本当にエンカの腕にしか興味がないのなら、リリィがエンカの腕を持って彼から離れれば、本人の危機は一先ず回避できるはずだ。
(先ほどのエンカと噴水の位置を思い出せば、ドコデモ・ドアーの射程距離も自ずと知れた)
ばらばらにされたまま放置されることになるエンカにとっては業腹だろうが、リリィには他に手が無かった。

「ごめんエンカ、こんなことになるなんて・・・・・」
リリィは一先ずエンカの口からサンドイッチをかき出した。バラバラの身体を元に戻す余裕はない。
もう一度ドコデモ・ドアーで攻撃されたら回避する手がないのだから。
リリィはエンカの左腕を掴むと、ロゼッタと対峙した。
そして開いている手を天に翳し
「来い!」と叫んだ。
ポンッと軽快な音がして、リリィの手にはぼろぼろの箒が召還された。
リリィはすばやく箒にまたがると、エンカの腕を抱きかかえたまま猛烈な勢いで上空へと浮き上がった。

上空を旋回しているリリィの元にも、校内放送が聞こえてくる。
のどかな放送だが、リリィの顔は険しい。
校内放送が終わるや否や、中庭から食堂に居るなるべく多くの人間に、全力でテレパシーを送るつもりだからだ。
『誰か助けて!中庭の噴水の近くで、男友達の体がバラバラに切断されちゃったの!!
 誰か!エンカの身体を元に戻してあげて!お願い!!』
>86
>「?!」
どこからかどよめきが上がった。
今までにロゼッタの被害にあった生徒達は、今ので何が起こったかおおよそ見当がつくだろう。
果たして、エンカの窮地に救いの手は伸ばされるのだろうか?

「ロゼッタちゃん!あなたには、人の心が分からないの?」
リリィは完全に頭にきていた。
ロゼッタがエンカの厚意を踏みにじり、彼のことを侮辱したからだ。
リリィに「何でこんなことするの?あなたの嘘を信じた私達を見て、心の中でずっと笑ってたの?!そうなの?答えてよ!」
ロゼッタがどんな返答をしても、きっとリリィは納得しないだろう。
眼鏡の下の瞳からは、今にも涙が零れそうだ。

「エンカの左手はどこに隠したの?
 もしも私が居なかったら、ロゼッタちゃん、エンカの左腕も持ってくつもりだったんでしょう?!どうしてこんな事・・・・・・!?」
そこまで叫んで、あれ?とリリィは違和感を感じた。
先ほどエンカは、リリィに残れと言った。まだお友達だからと。
それは分かる。
問題は、ロゼッタもエンカに同意していたことだ。
彼女はこう言っていた。
>「あんたも一獅カゃなきゃあ困る。」
(どういう意味、なのかな?)

リリィがこの場に残って、ロゼッタにどんないい事があったのだろうか?
謝罪した後多少態度が軟化したエンカを説得して、二人っきりになるのはそう難しいことではなかったはずだ。
ましてリリィがここに居なければ、今頃ロゼッタはエンカの左腕を手に入れ、悠々と逃亡出来ていた。
「ロゼッタちゃん!あなたは何でこんなことするの?」

リリィは首を振ると、もう一度質問を繰り返した。
「私が知りたいのは、ロゼッタちゃんの本当の気持ちだよ!
 それとも何?私の左手に『エンカの左手』って書けば、こんな馬鹿なこともうやめてくれるの!?」

どうでもいいが、上空できゃんきゃん喚いているさまは、さぞや遠くからでも目立つことだろう。


89 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/18(水) 19:07:57.61 P
>85>88
>校内放送で呼び出し入れてもらえば?
>「それや!」
>「キンコンカン健ちゃ〜ん あと、伝言を受けたまっております『早く来ないとぶっ殺す』でございます キンコンカン健ちゃ〜ん」
「なんでこんな簡単なことも思いつかなかったんでしょうね」
「にゃあご」(まさにコロンブスの発想だよね)
だがそもそもこの世界にコロンブスはいたのだろうか?

やれやれこれでなんとかなるだろうとご飯を食べつつ待つ二人と一匹
>『誰か助けて!中庭の噴水の近くで、男友達の体がバラバラに切断されちゃったの!!
  誰か!エンカの身体を元に戻してあげて!お願い!!』
「グレン!大至急保険医を呼んでください!!」
「にゃあ?」(え?まだ食べてないよ)
「そんな場合じゃないでしょうが!!」
と使い魔に使いを頼むフリード
しぶしぶメザシを齧りながら
自分でなくグレンを寄越したのはここから動いてしまえばサマルトリア現象が発生し
こっちに来た炎道とすれ違いを起こしてしまう危険性があるからだ
それにフリードは”他人を”癒す能力なんてこれっぽっちも無いため
専門家をつれてくるのが一番だと考えたのだ

(保健室)
「それは私より葬儀屋かネクロマンサーを呼んだほうがいいのでは?」
”男”がバラバラになったという事であまり興味を惹かなかったのかひどいことを言う保険医
「にゃあお!!」(冗談言ってる場合じゃないよ!!)
>86!?
驚愕!保険医も猫語を理解できたという新事実!!

(中庭)
「これは酷い…………」
エンカの参上を確かめ毎度おなじみのセリフを吐く保険医
来るの早すぎね?とかクリスほっといていいんか?とか色々突込みどころがあるだろうが
まあ保険医だし仕方がない
「にゃあご」(じゃあ僕はご飯の続きを)
と言って食堂に帰っていくグレン
友達のピンチはどうでもいいのか?

(食堂)
そして食堂に帰ってきたグレン
「エンカさん大丈夫ですかねぇ?まあ彼も男ですし自分で何とかするでしょうけど」
「なにゃあ」(いやあれ無理だろ常識的に考えて)
「僕の記憶が確かでしたらあれ切れてるように見えて空間的に繋がってるから手を動かそうとすれば動くんですよね
 エンカさんがそこに気がつけば何とかなるでしょう」
本当になんとかなるんかいな?

(中庭)
「少年……アダムスさんちのお化け一家という物語を知ってるかね?
 ああアダムスキー円盤とかリトルグレイは関係ないよ」
と妙なことを言い手のひらを下にしうねうねと指を動かす保険医
はたして保険医の意図とは?


90 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/19(木) 19:15:18.03 0
>88
> 両手が自由になったリリィはぐいとロゼッタの襟首を掴むと、椅子の背に押し付けるように身を起こさせた。
「げふっ!?」
背中を背もたれに打ちつけ肺から空気を絞られるロゼッタ。
彼女はリリィに懇親の力を込めて車椅子を押されたため、
エンカの左腕を回収することも、リリィに反撃をすることもできなかった。

> 「ごめんエンカ、こんなことになるなんて・・・・・」
> リリィは一先ずエンカの口からサンドイッチをかき出した。
>「いいぜ、おめぇだってロゼッタに騙されたんだろ?」
エンカはリリィの様子から、当たり前のようにそう判断した。

> 「来い!」
> リリィはすばやく箒にまたがると、エンカの腕を抱きかかえたまま猛烈な勢いで上空へと浮き上がった。
これではいよいよロゼッタはドコデモ・ドアーでリリィを攻撃することができない。
ドコデモ・ドアーの射程距離は、ロゼッタから半径2mが限界なのだ。
> 「ロゼッタちゃん!あなたには、人の心が分からないの?」
「わかるわ、リリィ。あんたの心がよくわかる。あんたはあたいに怒っている。そうでしょ?」
ロゼッタは悪びれる様子もなくそう言った。
> 「何でこんなことするの?あなたの嘘を信じた私達を見て、心の中でずっと笑ってたの?!そうなの?答えてよ!」
「心の中で笑っていたと思われてたのなら、心外だわ。だって、あたいは本当に笑っていたんだもの。」
エンカは「いちいちムカつく奴だぜ、てめぇはよーっ!」とロゼッタに叫んでいる。
実際ロゼッタの言動は、いちいちリリィやエンカの気持ちを逆撫でるようだった。
> 「エンカの左手はどこに隠したの?
>  もしも私が居なかったら、ロゼッタちゃん、エンカの左腕も持ってくつもりだったんでしょう?!どうしてこんな事・・・・・・!?」
> そこまで叫んで、あれ?とリリィは違和感を感じた。
確かにロゼッタがリリィに同行を促すのは結果的に理にかなっていないと言えよう。
実際そのせいでロゼッタはリリィにエンカの左腕をおあずけされているのだから。
しかし、ロゼッタとしてはそれにはちゃんと理由があった。
結果的には失敗してしまったが、もし第三者がロゼッタの邪魔をしようとした際に、
リリィをバラして人質にしようと考えていたのだ。
少なくとも、ロゼッタは表向きはそれが理由であると自分に思い込ませていた。
> 「ロゼッタちゃん!あなたは何でこんなことするの?」
「答える必要はない。しいて言うなら、あたいの行動原理は至ってシンプルだ。
 地球人を利用し、支配すること。そこに友情や恋慕なんて、あるわけなかろうなのだ。」
> リリィは首を振ると、もう一度質問を繰り返した。
> 「私が知りたいのは、ロゼッタちゃんの本当の気持ちだよ!
>  それとも何?私の左手に『エンカの左手』って書けば、こんな馬鹿なこともうやめてくれるの!?」
「…わけがわからないよ。」
ロゼッタはそう言った。

91 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/19(木) 19:17:27.46 0
>89
> 「これは酷い…………」
「げぇっ!?保険医!?」
エンカは突然現れた保険医に驚いてそう言った。
「ていうかよぉ、あんた来るの早すぎるんじゃねぇのか〜!?」
> まあ保険医だし仕方がない
> 「少年……アダムスさんちのお化け一家という物語を知ってるかね?
>  ああアダムスキー円盤とかリトルグレイは関係ないよ」
> と妙なことを言い手のひらを下にしうねうねと指を動かす保険医
「し、知らねぇよ!宇宙人だの遊星人だってのはもうたくさんっすよ!
 頼むから俺を女の子に変えたりしないでくれよなーっ!
 スカートをひるがえしながら登校するなんて考えたくもねぇんだからよーっ!」
この時、ロゼッタも保険医の存在に気づいた。
>「あ、あ、あたいに近寄るなーっ!!」
ロゼッタは見るからに狼狽した様子で、車椅子の車輪を手でまわし、その場から逃げようとした。
無論、車椅子の速度はたかが知れているので、ロゼッタを追いかけるのは簡単だろう。

92 :ベッドフォード ◆k4Jcxtcjwo :2011/05/20(金) 15:45:53.48 O
【フィジル諸島 ベッドフォードの邸宅】

先の戦いにおいて植物の蔦まみれになり倒壊した館に代わり ベッドフォードはフィジル諸島に同じく建てられていた由緒ある別の邸宅へと居を移した
その様式はまさに絢爛たる造りであり、老人の財力を伺わせるには十二分すぎる物だ
無論、屋敷にはブレ配下である財団警備部の黒服達や総裁直属の魔導師連中が昼夜を問わず警戒体制を敷いており、蟻一匹入り込める余地は無い、正に難攻不落の館と呼んでも過言ではない。


「見たまえ、面白い物が届いた。」
老人はそう言うと 眼前に座る女へ一枚の紙を差し出した 女は無言で、だが仰々しく受け取ると真剣にその紙を読みはじめる
「お前はどう思うかね?」
老人の問いにしばらくして女はわなわなと奮え始め、やや怒りを帯びた口調で答えた
「これは総裁への侮辱です!
恐れ多くも賎民が貴方様に直接手紙を送るなど…万死に値します!」
女の答に老人はにやりと笑い言葉を続ける
「今回の件については評議会から理事会を通じ、学園側には圧力を掛けておいた。
だが、あの件に直接関わった者なら話は別だ。」

「では………」

「恐らくは雛形いや彼らに準ずる人間の仕業だろう。
彼らには財団の関与がある事は匂わせてある 気づいても不思議ではあるまい」
老人が言い終えると女は興奮した様子でソファから立ち上がる
「総裁、どうか私に御命令を…
無礼者を始末する御役目、どうか私にお与え下さい!!」
女の目は血走り その声は怒りで満ちていた、だが老人はあくまで冷静であった
「ならぬよ、今はまだ雛形達に手を下す時ではない
お前にはじき重大な役目がある それを忘れるな」
老人の言葉に女は先程とは打って変わり大変恐縮した様子で大きく一礼すると またソファへと腰を掛けた
「今回も内偵はブレに任せよう、オワゾーの火遊びの件もある」

老人は差出人にただ一言 署名は入れずに返信した

『全ては我が計画のままに』と


93 :名無しになりきれ:2011/05/21(土) 09:18:33.44 0
生徒A「ちょっと中庭の騒ぎ見た?」
生徒B「見た見た。見事にバラッバラだったわね」
生徒A「被害者って確か、東方から来た新入生よね?」
生徒A.B「「ホント、怖いわよねー」」

94 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/21(土) 18:08:38.98 0
>89 >91
リリィは首を振ると、もう一度質問を繰り返した。
> 「私が知りたいのは、ロゼッタちゃんの本当の気持ちだよ!
>  それとも何?私の左手に『エンカの左手』って書けば、こんな馬鹿なこともうやめてくれるの!?」
「…わけがわからないよ。」
ロゼッタはそう言った。
「わけがわからないのはこっちの方だよ!ロゼッタちゃんが何考えてるのかぜんぜんわかんない。
 利用とか支配とか壮大な事言っちゃってるけど、実際はどっちも全然ダメじゃない!
 そういうのはね、もっと人と上手に付き合えるようになってからの話だよ!!」
今日のリリィは、普段なら絶対に言わないことまで口にした。

「左手だけが欲しいのなら、誰の手だって同じでしょ!
 そうじゃないのなら、やっぱりロゼッタちゃんはエンカのことが好きなんだよ!」
な、何だってー!!と言われそうな超理論である。
「でも、自分を知られて嫌われるのが恐いから。
 だから、最初から手だけ欲しいんだって自分に言い聞かせて、ずっと自分に嘘ついてるんだ!!」
誰の手でもいいとリリィは言っているが、実際のところは男性限定である。
よって、リリィの反論は既に破綻しているのだが・・・・・・。

エンカの元に突如現れた保険医(マッド)によって、状況は一変した。
>「(略)頼むから俺を女の子に変えたりしないでくれよなーっ!
> スカートをひるがえしながら登校するなんて考えたくもねぇんだからよーっ!」
「先生!いつからそちらに?!」
>「あ、あ、あたいに近寄るなーっ!!」
>ロゼッタは見るからに狼狽した様子で、車椅子の車輪を手でまわし、その場から逃げようとした。
リリィはふわりと保険医の側に着陸すると、エンカの左腕を手渡した。
「先生、エンカのことをよろしくお願いします!
 エンカ!ホントにごめんね!私はロゼッタちゃんから左手取り返してくる!待ってて!」
リリィは宙に舞い上がると、ロゼッタの車椅子を追跡し始めた。

「ロゼッタちゃん!話はまだ終わってないわよ!エンカの左手どうしたのよ!ちゃんと返しなさいよ!」
リリィは一定の距離を保ちつつ、ロゼッタの後からぴったりついてくる。
「知らないなんて言ったって、もう騙されないんだからね!どこに隠したのよ!
 正直に言わないと、保険医さんをココに召喚するわよ」
騙されないと大見得切ったにもかかわらず、早速雲行きが怪しい。
「まさか本当に知らない、なんてこと無いわよね?ちゃんと探したの?
 左手大好きなんて変な趣味があるのなんて、ロゼッタちゃんくらいじゃなかったの?」

95 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/05/23(月) 15:29:46.79 0
>『誰か助けて!中庭の噴水の近くで、男友達の体がバラバラに切断されちゃったの!!
  誰か!エンカの身体を元に戻してあげて!お願い!!』

「なんでそんなグロいもんにみにいかなあかんねん!アホか!」
一蹴……!エンカ君ごめんね〜
グレン君が保険の先生を呼びにいったからたぶん大丈夫でしょう。
>「グレン!大至急保険医を呼んでください!!」
「さすが魔法学園やな〜保健の先生が死霊魔術師なんてさすがやな〜」
真はエンカがバラバラ殺人に巻き込まれたもんだと思っている

>「僕の記憶が確かでしたらあれ切れてるように見えて空間的に繋がってるから手を動かそうとすれば動くんですよね
 エンカさんがそこに気がつけば何とかなるでしょう」

「なんや、死んだんちゃうんや。しょうもな、バラバラにされた言うから死んだかと思たわ」
ちょっと残念そう、グロいから見たくないと言いつつ、ちょっと興味があったおませな真ちゃん
「この学校って頻繁にこんなことが起こる物騒な学校なん?
許嫁は謎の失踪、朝から男子生徒がバラバラ、昨日は昨日で乱闘騒ぎ、まったくせわしない
「それにしても勇気のアホは遅いな〜あたしをこんなに待たせて一体どういうつもりなんやろ!」
プンプンと起こりながらいちごのショートケーキを頬張っていた。初めて食べる甘みに言葉を怒っていても、声色はケーキのように甘かった
「これで勇気があらわれんかったらどうしよ?」

学園のことがまだよくわかっていない真は学内を探すにしてもどこを探したらいいかわかっていなかった

96 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/23(月) 19:38:00.31 0
>94
> リリィはふわりと保険医の側に着陸すると、エンカの左腕を手渡した。
> 「先生、エンカのことをよろしくお願いします!
>  エンカ!ホントにごめんね!私はロゼッタちゃんから左手取り返してくる!待ってて!」
> リリィは宙に舞い上がると、ロゼッタの車椅子を追跡し始めた。
>「ええっ!?俺を一人にする気かよ、ぉいい!?」
どんだけ保険医は生徒達から危険視されているのだろうか?

> 「ロゼッタちゃん!話はまだ終わってないわよ!エンカの左手どうしたのよ!ちゃんと返しなさいよ!」
> リリィは一定の距離を保ちつつ、ロゼッタの後からぴったりついてくる。
ロゼッタは校舎の中に入っていった。
「お馬鹿なリリィ…!あたいが知らないものを、どうしてあたいが返せるのさ?」
ロゼッタは逃走をやめた。
彼女は車椅子を反転させ、リリィと向かいあう。
その瞬間、リリィの後ろに瓦礫が散乱し、廊下を塞いでしまった。
ロゼッタがリリィの逃げ道を防ぐために、移動している最中、
廊下の天井を手当たり次第にドコデモ・ドアーで切断したからだ。
> 「知らないなんて言ったって、もう騙されないんだからね!どこに隠したのよ!
>  正直に言わないと、保険医さんをココに召喚するわよ」
「やれるもんなら、試してみなよ。
 あんたが保険医を召喚するのが早いか、あたいがあんたをバラバラにする方が早いか、
 比べてみようじゃないか?」
ロゼッタはリリィにゆっくり近づいていった。
リリィはなんとかして逃げ道をつくるか、ロゼッタを攻撃しなければ、
ドコデモ・ドアーの射程距離に入り、ロゼッタにバラバラにされるだろう。
> 「まさか本当に知らない、なんてこと無いわよね?ちゃんと探したの?
>  左手大好きなんて変な趣味があるのなんて、ロゼッタちゃんくらいじゃなかったの?」
「そうとも言えるし、そうでないとも言える。
 “アナベル・ガトーの鍵”で召喚したあたいの悪魔が左手を持ち去った。
 あんたには何がなんだかわからないだろうが、別にわからなくたっていいよ。
 あんたは“アナベル・ガトーの鍵”を知らないんだろうから。」
ロゼッタは知らなかった。リリィが魔道書“アナベル・ガトーの鍵”を知っていることを。
そして、彼女がその魔道書に記された呪文を詠唱したことがあるということを。
「左手を取り戻す。アップル・シーナを連れ戻す。両方しなきゃならないのが、宇宙人のつらいところね…
 覚悟はできてる?あたいはもうできてる。」

97 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/23(月) 22:27:39.93 P
>95
>「なんや、死んだんちゃうんや。しょうもな、バラバラにされた言うから死んだかと思たわ」
「まあこの業界、体がばらばらになったぐらいじゃ死なない人もいますし」
だがエンカはその類ではないはずだとフリードは思っている
「にゃぁ」(それ絶対人類じゃないよね)
>「この学校って頻繁にこんなことが起こる物騒な学校なん?」
「僕だってそんなに長くいるわけじゃないですけど
 刺激的でいいんじゃないですか?死人が出ない限り」
「にゃなぁ」(ただし元から死んでる人は除く)

>「これで勇気があらわれんかったらどうしよ?」
「その時は学園を探し回らないといけませんね」
「にゃん」(学外でも島の中であることは確かだよね)
だが学外たって商店街と森ぐらいしか知らないグレン
「この島からは簡単に出れませんからね確か・・・・・」
「にゃあお」(入るのは簡単っぽいけどね)

>94>96
そのころ保険医はエンカの体を組み立てていた・・・・・セロハンテープで
「まあこの前やった3Dパズルよりは簡単だな」
と形だけはそれっぽく組み上げられたエンカ

「もういっそのこと残った手首を切断して付け根から魔法で新しいのを生やした方が楽かもしれん?
 なあにトカゲの尻尾再生を応用した技術の副作用で新しい手が緑色になるだけだ
 大丈夫見た目以外は問題ない」
生命の尊厳って何だっけ?な事を言い出す保険医
問題ありまくりである

98 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/25(水) 18:21:34.76 0
>96
校舎の中に入ったロゼッタは逃走を止め、リリィに向かい合った。
その瞬間、リリィの背後で轟音が起こった。
「わっ!!」
ロゼッタのドコデモ・ドアーで切断された廊下の天井が落ち、粉塵がもうもうと立ち込めた。
音と瓦礫が落ちた際の風圧でバランスを崩した彼女は、箒から落下し嫌というほど床にお尻をぶつけた。
(箒!箒はどこ?!)
手元から離れてしまった箒を、床の上を這い回りながら必死で探しまわる。

ロゼッタの声は次第に近づいてきているが、視界を奪われたリリィにははっきりとした位置が分からなかった。
おそらく、今からでは保険医の助けは間に合わないだろう。
このままロゼッタの「ドコデモ・ドアー」の射程距離に入ったら、そこでチェック・メイトである。

>「(略)“アナベル・ガトーの鍵”で召喚したあたいの悪魔が左手を持ち去った。
> あんたには何がなんだかわからないだろうが、別にわからなくたっていいよ。
> あんたは“アナベル・ガトーの鍵”を知らないんだろうから。」


「“アナベル・ガトーの鍵”ですって?!
 『我は、汝、悪魔を呼び起こさん。至高の名にかけて、我汝に命ず』で始まる祈祷文(プレイヤー)が書かれているやつ?!」
リリィは素っ頓狂な声をだした。
「何で?私も詠んだけど、悪魔なんか出なかったし。なーんにも起こらなかったよ?」

>「左手を取り戻す。アップル・シーナを連れ戻す。両方しなきゃならないのが、宇宙人のつらいところね…
> 覚悟はできてる?あたいはもうできてる。」
(あった!!)
リリィはようやく自分の箒を探り当てた。
だが視界は遮られている上に、出口はロゼッタの声がする方角にしかない。
しかもロゼッタは、方角さえわかれば無条件でリリィをバラバラにできるのだ。
「私は、エンカに左手を返したい。でも、ロゼッタちゃんが持っていないのなら、ここで争っても意味が無い。
 ドコデモ・ドアーで切断された左手は、ずうっとそのままの状態で切断面を保てるの?
 効力が切れたら、エンカの左手はどうなってしまうの?」
リリィはぎゅうっと古びた箒を握り締めた。
「ロゼッタちゃんがやった仕打ちは許せない。だけど、今となっては消えたエンカの左手を捜すほうが最優先だわ」
リリィはごくりと生唾を飲み込んだ。
「私は空が飛べるし、ロゼッタちゃんよりは行動範囲が広い。 人手は多いほうがいいでしょう。一時休戦といかない?」
もしも拒絶された場合、リリィの体はバラバラにされるだろう。
だがもしも受け入れられたとしたら、彼女はこうロゼッタに尋ねるだろう。
「アップル・シーナって、ロゼッタちゃんが呼び出した悪魔なんでしょ?何か心当たりとか無いの?」

99 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/26(木) 21:18:11.63 0
>98
> 「私は、エンカに左手を返したい。でも、ロゼッタちゃんが持っていないのなら、ここで争っても意味が無い。
>  ドコデモ・ドアーで切断された左手は、ずうっとそのままの状態で切断面を保てるの?
>  効力が切れたら、エンカの左手はどうなってしまうの?」
「切れない…と思うけどなぁ?」
リリィのとっさの一言に、ロゼッタは考え込んでしまった。
今まで一度も切断面が保てなかったことはないが、
万が一ドコデモ・ドアーの効果が切れたらどうなってしまうのか、ロゼッタにも想像がつかなかった。
> 「ロゼッタちゃんがやった仕打ちは許せない。だけど、今となっては消えたエンカの左手を捜すほうが最優先だわ」
> リリィはごくりと生唾を飲み込んだ。
> 「私は空が飛べるし、ロゼッタちゃんよりは行動範囲が広い。 人手は多いほうがいいでしょう。一時休戦といかない?」
「あー、なるほど。あんたってばすごくわかりやすい。」
ロゼッタは何か合点がいったらしく、掌をポンと叩いた。
「エンカを好きなのはあたいじゃなくって、本当はリリィ、あんたなんだ。
 エンカの左手を見つけたらさぁ、あんたはエンカに返すだろう?
 エンカはあんたに感謝するんだろう?あんたを好きになるんだろう?
 そうかそうか、リリィはそれが目当てなのか。」
ロゼッタは「欲望に忠実な女は嫌いでない。」と言いつつ話しつづけた。
「せいぜい地球人同士で慣れ合うといいよ。あたいを悪者にしてさぁ。
 …どうしたの?もしかして怒った?だったらあたいの顔を殴ってみる?
 きっといい気持ちになれるよ?」

> 「アップル・シーナって、ロゼッタちゃんが呼び出した悪魔なんでしょ?何か心当たりとか無いの?」
ロゼッタはリリィに3つのヒントを与えた。
1つ目は、エンカの左腕だ。おそらくエンカの左手はまだアップル・シーナが持ち歩いている。
エンカの左腕から左手の切断面を覗き込めば、アップル・シーナがいる場所がわかるかもしれない。
そもそもロゼッタがエンカの左腕を拝借しようとしたのはそれが目的なのだ。
もう1つのヒントは、ロゼッタの部屋に置いてある。
エンカもリリィも、アップル・シーナの容姿を知らない。
「アップル・シーナに限らず、アナベル・ガトーの鍵で呼び出した悪魔は念写できない。」
しかし、ロゼッタはスケッチブックにアップル・シーナを写生した事を話した。
このスケッチブックを見れば、アップル・シーナのだいたいのイメージがつかめるだろう。
そして最後のヒントは…
「決まってるだろう?アップル・シーナはとっても可愛いんだ。」
別に聞かなくても良かったかもしれない。

>97
その頃のエンカ。
> 「まあこの前やった3Dパズルよりは簡単だな」
>「ちょ、まっ!?セロテープじゃねぇか!?もっとマシなもんはねぇのかよ!?」
> 「もういっそのこと残った手首を切断して付け根から魔法で新しいのを生やした方が楽かもしれん?
>  なあにトカゲの尻尾再生を応用した技術の副作用で新しい手が緑色になるだけだ
>  大丈夫見た目以外は問題ない」
>「大丈夫じゃねぇよ!問題だろ!」
エンカの内心としては、もうやだこの保険医、である。
>「もうあんたには頼らねぇ!シャイナ!シャイナーっ!!」
エンカは本来一人になった時に呼ぶつもりだったシャイナ・ムーンリングを呼んだ。
シャイナならなんとかしてくれる!エンカは都合よくそう考えたのだ。

100 :アリス ◆sto7CTKDkA :2011/05/27(金) 17:54:51.71 O
>92
「ふうむ。 どうしよっかなー」
大きな机に向かって座ったアリスは、書類整理を止めて手にした手紙をぴらぴらと振っている。
『全ては我が計画のままに』
総裁に当ててアリスが出した質問状には、そう返事が返された。
悩んでいるのは、その内容をどう伝えるかだ。

「マリアちゃんには手紙出すねって言っちゃったから、返事の事を言わないわけには行かないよねー。
 でもでも計画っていってもいろいろあるから、いきなり突っ走られても困っちゃうしー。
 言わないわけには行かないし〜。
 ん〜。ど〜しよっかな〜?
 …ま。 なんとかなるか〜」
手にした返信文を机の横に置き、アリスは再び書類の山ににハンコを押す作業に戻ることにした。
彼女も学園の教師である以上、仕事は文字通り山のようにあるのである。
だれか来客が来るまでは、書類整理の仕事に励んでいることだろう。

101 :ミク ◆sto7CTKDkA :2011/05/27(金) 17:56:17.44 O
>95 >97
「あら。 あなたは昨夜屋上の近くでお会いした…
 人を探しているというのはあなたでしたのね。
 今日はお付の方はご一緒ではありませんの?」
ケーキを食べる真の後ろから、ミクは声をかけた。
手には竹皮で包まれたおにぎりを持っている。
これから遅い朝食を食べようとしたところ、先の放送を聞いて声をかけたのだ。
敵意があって話かけたのではない。
猫も殺すと言われる好奇心からである。
衆人環視の中で事を構えるつもりも必要も、ミクには無いのだ。
昨日会った時に自己紹介は済ませているので、真のことはある程度知っている。
真と勇気が婚約関係にあることも。

ミクは持っていた学園新聞を真に見せた。
1面には新総代となった炎道勇気の名前が、似顔絵と一緒にでかでかと書かれている。
「あなたが探しているのはもしかして、この生徒ではないかしら。
 だとしたら彼、ここには来られないかもしれませんわよ。
 友人の友人から聞いた話ですけど、昨晩どこかにふらふらと歩いていかれたそうですから。
 …もしかすると、神隠しにあわれたのかも知れませんわね。
 この学園では時々人がいなくなるそうですから」
万一掴みかかられても対応できるように、ミクは半歩真から距離を取った。
炎道の失踪に自分が関係しているわけではないが、勘違いで疑われるのは誰しも嫌なものだ。

「学園を探し回るおつもりでしたら、人手は多い方がよろしいのでしょうけど。
 生憎私はお手伝いできませんの。
 代わりに、先ほどから大声で叫んでおられるリリィさんにお願いしてみられてはいかがかしら。
 仲間思いのリリィさんなら、きっと喜んで協力してくださると思いますわ」
ミクはちらりと中庭の方を見た。
物見高い見物客も集まっているだろうが、騒ぎのほうもそろそろ収まるに違いない。

「それでは私これから食事をいただきますので。
 ごめんなさいましね」

102 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/28(土) 15:23:13.83 0
>97 >99
ロゼッタは何か合点がいったらしく、掌をポンと叩いた。
>「エンカを好きなのはあたいじゃなくって、本当はリリィ、あんたなんだ。 」
「?????」
その後ロゼッタは、とんでもない超理論を展開し始めた。
> そうかそうか、リリィはそれが目当てなのか。」
「こらこらこら、何でそんな結論になるのよ!!」
>ロゼッタは「欲望に忠実な女は嫌いでない。」と
ロゼッタは何か合点がいったらしく、掌をポンと叩いた。
>「エンカを好きなのはあたいじゃなくって、本当はリリィ、あんたなんだ。 」
「?????」
その後ロゼッタは、とんでもない超理論を展開し始めた。
> そうかそうか、リリィはそれが目当てなのか。」
「こらこらこら、何でそんな結論になるのよ!!」
>ロゼッタは「欲望に忠実な女は嫌いでない。」と言いつつ話しつづけた。
「ちょっとロゼッタちゃん、すこしは人の話聞きなs」
>「せいぜい地球人同士で慣れ合うといいよ。あたいを悪者にしてさぁ。
> …どうしたの?もしかして怒った?だったらあたいの顔を殴ってみる?
> きっといい気持ちになれるよ?」
「・・・・・・・・・」
リリィはムッとしたり、怒鳴りそうになったり、驚いたりと一人百面相をしていたが、
やがて、「はぁ〜」と大きなため息をついた。
「ロゼッタちゃんって、変わってる。
 いや、左手に固執してるわりに、意外と恋愛脳だった・・・・・・というべきなのかな?
 困ってる人や友達に親切にするのは、当たり前の事だよ。
 誰かに親切にされるたびに惚れてたら、世界中好きな人だらけになっちゃうよ。
 ・・・・・・・それに、さ。」
リリィはちょっと肩をすくめた。
「ロゼッタちゃんの理論が正しければ、今頃あなたは、私に「メロメロ」になってる筈なんだけど?」

エンカの左手を持っているアップル・シーナについて、ロゼッタは3つのヒントを与えた。
ふんふん、と熱心に説明を聞いていたリリィだったが
そして最後のヒントは…
>「決まってるだろう?アップル・シーナはとっても可愛いんだ。」
「あ、さようでございますか・・・・・・」
リリィは箒の柄でぽりぽりと頭を掻いた。
新発見。ロゼッタは意外と親ばか(ナルシスト?)らしい。

「じゃあ、一旦エンカのところに戻らないとだね。それから似顔絵持って聞き込み調査だねー。
 そうだ、ロゼッタちゃん、ここの廊下どうするの?――――え?もしかして直せない、なんてことないよね?」
もしもそんな芸当が出来るのだったら、もっと早くにエンカの左手を取り戻せた筈なのだが・・・・・。
「と、とにかくエンカに頼んで、左腕の断面を見せてもらいに行ってくる。
 確か断面の黒い部分を破ると、アップル・シーナが持ってる左手の断面と空間が繋がるんだったよね?」
リリィは箒にまたがると、なるべくロゼッタから距離を取って出口の方へと飛んでいった。
いずれにせよ、エンカの側にはまだ保険医がいる。
いくらエンカの身体が不自由だとはいえ、ロゼッタが接近する事はまず無いだろうが。

103 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/05/28(土) 15:23:54.83 0
>「もうあんたには頼らねぇ!シャイナ!シャイナーっ!!」
「ちょっと通して、通してください」
噴水の前には、野次馬が集まり始めていた。

「エンカ、何をそんなに騒いでるのよ?
 あ、先生。エンカの治療ご苦労様です・・・・・・・って、何ですかこのセロテープは??」
断面同士を合わせていればそのうち繋がるのだが、ちょっとでも突けばバラバラになりそうな止め具合である。
「あ、そうだエンカ。ちょっと左腕の断面見せてくれない?実はね・・・・・・」
エンカに精神的余裕があれば、リリィはロゼッタとの話を彼にも話し、今後のことについて相談しようとするだろう。
果たして衆人環視の中、謎の女性シャイナは現れるのだろうか?

104 :森の動物 ◆jntvk4zYjI :2011/05/29(日) 06:29:50.88 0
>青葉さん
「おや、そこのにーさん」
食堂へ行こうとしていた青葉を、腕に腕章をはめた三毛猫タイプの獣人が呼び止めた。
昨夜屋上であったのを、青葉は果たして覚えているだろうか?
もしも誰だと聞かれれば、彼女はこう答えるだろう。
「ニャ〜はかわいい森の動物ニャ。そして風紀委員ニャ。
 ちなみに獣人姿の時は、常に全裸ニャ!」

「にーさんは食事かニャ?もう聞いてるかニャ?
 昨夜屋上に居合わせた人間は、全員アリス先生のところで事情聴取することになってるにゃ。
 まあいつでもいいらしいが、にーさんはもう済ませたかニャ?」
ちなみに、ルイーズもまだである。
「もし暇なら、ニャーと一緒に行くニャ?
 なんせ、アリス先生の部屋はフリフリのヒラヒラで、男子が一人で入るのは結構勇気がいる場所ニャ〜。
 嫌なことはとっとと済ませるに限るニャ〜」

105 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/29(日) 12:18:37.48 P
>99>101>103
真の後ろから現れリリィに協力してもらえと助言をするミク
>「それでは私これから食事をいただきますのでごめんなさいましね」
「というわけでリリィさんに手伝ってもらいましょう」
と結論から言うフリード
「もし入れ違いになっても大丈夫なように僕の代わりにこれを置いておきますね」
と”ふりいど”と名札のついた熊のぬいぐるみを椅子の上に設置するフリード
そんな処置で本当に大丈夫か?


106 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/29(日) 12:21:17.57 P
「それにしても神隠しですか…………にわかには信じがたいですが」
だがここは魔法使いの学ぶ学園決して非科学的でありえないとは言えない環境なのだ
「にゃなぁ」(きっと鏡の向こうのミラーワールドだよ)
「そのネタは前にやりましたから無いと思いますよグレン」

>「エンカ、何をそんなに騒いでるのよ?
 あ、先生。エンカの治療ご苦労様です・・・・・・・って、何ですかこのセロテープは??」
>「あ、そうだエンカ。ちょっと左腕の断面見せてくれない?実はね・・・・・・」

「というわけで中庭にやってきたのですが…………」
「にゃあお」(うわぁセロハンテープでべとべとだ)
そこでフリードが見たものは哀れにもセロハンテープで仮組みされたエンカであった

「駄目ですよ保険医さん!糊の跡がつくから仮組みはマスキングテープでやらなくちゃ!!」
「うなぁ!」(プラモかよ!)


107 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/29(日) 12:24:39.66 P
保険に曰く物理的にはどこも傷ついていないのに針で縫ったら物理的に怪我をさせてしまう
傷のない体に傷を付けるのは本末転倒であり医者のプライドが許せない
だからテープで処置したとの事らしい
だがせめてバンドエイドか粘着タイプの包帯を使って欲しいものである
「ああ粘着タイプの包帯なら全部そこのロゼッタくんに使ったよ」
どうやら品切れのようである

「あ!リリィさんちょっと大変なことが……………ってそっちも大変っぽいですね」
とセロハンテープまみれのエンカを見て呟くフリード

108 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/05/29(日) 12:26:39.88 P
事情はなんだか良く分かりませんが僕がそっちも手伝いますので
  代わりに僕の方のトラブルも手伝って欲しいんですよ
  実は炎道さんとロック先生を探してるんですけど
  炎道さんの方が昨日どこかにふらふらっと歩いて行っちゃったらしく
  もしかして神隠しじゃないのかってミクさんが…………」
「にゃあお」(ロック先生も同じだったりしてね)
「ついでに僕の偽物が出現してるみたいなんで気を付けてくださいね
 偽物の特徴は耳が少しとんがってて目付きが悪いっていう………でも体にリベットは打ってなかったからメカ系じゃないことは確かです」
「にゃあご」(偽物の美学だね)

109 :青葉草介 ◆UeaUYwi1Nw :2011/05/29(日) 15:13:56.20 0
「食堂だし何か食べましょうかね…」
取り合えず座っている青葉
「そうだね…じゃあ僕はホットケーキで」
蟲野は向かいの席に座りホットケーキを注文する
「うーん、僕はチョコレートアイスクリームにします」
チョコアイスを注文する青葉。こいつらおやつ食べに来たのかよ
「そういえば皆何か話してるみたいですね」
「確かエンカって人がばらばらになったんじゃないっけ?」
「バラバラ殺人ですか、物騒ですね…」
「いや、違うと思うけど…あれ、そもそも人だったっけ?」
「取り合えず食べ終わったらみんなのとこに行きますか…」
「そうだね。食堂だからね」



110 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/05/30(月) 16:11:50.93 O
ブレは学園のロビーで目にした巨大な掲示物に苦笑を交え軽くため息を付いた
『統一魔法評議会より監査官 オワゾー氏が来校されます
生徒諸君並びに教職員一同くれぐれも粗相の無いように』
上等な材木に掘られた彫刻で縁取られた掲示板には金の文字でオワゾー来校の知らせが堂々と刻み込まれている
こんな馬鹿げた事をさせたのは恐らく いや間違いなくオワゾー自身だ
あからさまな権力の乱用に流石のブレも呆れ返ってしまう
「全く何を考えているのかしら…」
思わず言葉がそのまま口に出てしまった 。愚者の考えはブレにとって到底理解できる物ではない
周りを見れば 生徒達も何だ何だと騒ぎ始め あれは一体と朝食の話題に登る事請け合いであった
「まあ、好きなだけ遊ぶといいわ…
せいぜい役に立って…死んで頂戴…」
ブレは少し後ろを振り返り、掲示板を一瞥すると何かを含んだ笑いをロビーを後にした

その時、チャイムが鳴り校内に放送が響き渡る
「おはよう、生徒諸君!
私は統一魔法評議会より派遣された監査官オワゾーである!
今日から、この学園の監査並びに諸君等が魔法を学ぶ生徒としてあるまじき事が無いよう目を光らせるつもりだ!
生徒諸君そして教職員の方々も肝に命じておくように
では良い一日を!」
喜々とした声で放送は始まり そして終わった
学園と生徒には決して良くは無い一日の始まりであった


111 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/05/31(火) 14:39:39.35 0
>「その時は学園を探し回らないといけませんね」
「にゃん」(学外でも島の中であることは確かだよね)

「あのあほ、私にどんな苦労をさせるつもりなんやろ!!まったく!まったくやわ!」
頬を膨らませてプンスカプンスカ怒ってる真
「そうや!」
なにかしょうもないことを思いついた真
「にゃにゃん、にゃあにゃん」(ちょっと、グレン。勇気探して来て。かつおぶしでもキャットフードでもなんでもあげるから
グレンに丸投げしようとする真
とまあ、そんなこんなでだらっと勇気を待っていた真、先ほどまでの緊張と焦りはケーキの糖分が溶かして胃の中で消化されてしまった
そんなとき……
>「あら。 あなたは昨夜屋上の近くでお会いした…
確か名前は……
「あんた、確かミクやったか?なんのようや」
相変わらず、女の子にはキツい態度をとります
>「あなたが探しているのはもしかして、この生徒ではないかしら。
 だとしたら彼、ここには来られないかもしれませんわよ。
そういって、新聞を取り出すそこにはでかでかと『新総代!炎道勇気』という文字とあんまり似ていない写真が文字通り踊っていた
「似てへん……」
まずそこに駄目だしをする
「神隠しか……あんたがやったっていう可能性もあるんやろうな。
私らが結構探したのに知り得へんかった情報や……いや、『森の中から音』『ふらふら歩く少年』
その情報とあんたの話は合致するわ……森か。この学園の森になんか怪しいところってある?」
その質問を投げかける前にミクはすでに去っていた。仕方なくフリードとグレンに同じ質問をする
『この学園の森になにか怪しい場所はないのか』と……

112 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/05/31(火) 14:45:10.06 0
そして、協力者「リリィ」を求めて中庭へ
っとその前に・・・・・・>>109
「あんたら昨日屋上居ったやろ?ちょっと顔貸し!」
半ば強制的に屋上に連れて行く

「これがバラバラなんか〜血も出てへんし、意識もあるみたいやし興味深い魔術やな〜是非、教えて欲しいもんやわ〜」
絶対に勇気に使うつもりだ。かわいそうな勇気、出番もないし。事情説明はフリードがやってくれていたので真はエンカをつついたり、切断面の観察をしている
「ま、これは『お願い』のうて『命令』やけどな」
これ見よがしに総代代行のタスキを見せびらかす


113 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/05/31(火) 20:57:45.40 0
>99
赤と黒に染まった『自分だけの世界』を、『彷徨者』は漫然と眺めていた。
彼女が望まずして得た物は多く、大きく、そして重い。
そして、引き換えに失った物はそれ以上に多く、大きく、大切なもの。
柄にもなく思考を世界に投げ出そうとした『彷徨者』だったが、届いた声にゆっくりと振り返る。

>「もうあんたには頼らねぇ!シャイナ!シャイナーっ!!」
声の主はエンカ・ウォン。レイヴンの刀の現所有者である。
『彷徨者』が『空間に切れ目を入れて』エンカの様子を見てみると、
どうやら相当に難儀な状態に陥っている様だった。
応急処置と呼ぶにも呼べない方法で、辛うじて体を繋ぎ止めていると言う有様。
……前夜、『彷徨者』としての力を目にしていたエンカが名を呼ぶのも致し方なし。

「……とは言え、衆目の前で名を呼ぶとはね。
 まぁ、修正はいくらでも効かせられる。どの道、彼らの前には
 姿を現しておかねばならなかったのだ。早いか、遅いか、でしかない……」
一人不穏な事を呟きつつ、『彷徨者』は切れ目に足を踏み入れ、『世界』へと降り立つのだった。


「約束どおり、呼ばれたから来たよ。
 ……だが酷いじゃないか。私を名で呼ぶのは二人っきりの時だけに
 してくれと、重ねて伝えておいたのに……」
などと誤解を招きかねない言い回しで遠回しに注意する……全身に包帯を巻いた女性。
本当に突然、その場に現れた包帯女の声は、前夜エンカにシャイナと名乗った人物と同じだった。
その、シャイナと思わしき人物が着ているのは学園の女生徒に支給される制服で、取り立てて特徴はない。
が、肌が露出する所にはことごとく包帯が巻かれており、顔も例外ではなかった。
その見た目はミイラ男ならぬミイラ女、いくら個性的な存在の坩堝と言える魔法学園とは言え、
この姿はさすがにどうかと……そう思う様な人は多分長くはいられないだろう。
フィジル魔法学園とはそういう所である、諦めたまえ^^

「それで、一体どうしたんだね……ふむ、そのセロテープは仮装か何かか?」
もちろん、『彷徨者』はエンカの身に何が起こったのかとっくに理解している。
だのに知らない振りをするのにも、やはり理由と言うものがある。
余計な事を口走って不要な軋轢を生むのは得策ではない、と言う事だ。
しかし代わりに口にした事を冷静に考えると……かなり間抜けである。

114 :ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/31(火) 21:59:29.52 0
>102>103>106>107>112>113
> リリィはちょっと肩をすくめた。
> 「ロゼッタちゃんの理論が正しければ、今頃あなたは、私に「メロメロ」になってる筈なんだけど?」
「は?…えーっ!あんたあたいの事をそんな目で見ていたのか!」
ロゼッタはリリィにドン引きした。
どうやらロゼッタは、リリィが女の子と恋愛をする女の子だと認識したようだ。
> 「じゃあ、一旦エンカのところに戻らないとだね。それから似顔絵持って聞き込み調査だねー。
>  そうだ、ロゼッタちゃん、ここの廊下どうするの?――――え?もしかして直せない、なんてことないよね?」
「あたいの事はロゼッタ“先輩”と呼べ。そして、あんたがいなくなってからそうさせてもらうわ。」
どうやら、ロゼッタはリリィと一獅ノ行動するつもりはないようだった。
無論、そんなことではお互いにアップル・シーナとエンカの左手の探索に支障が出る。
悩んだロゼッタは、あるものをリリィに預けることにした。
それは、ロゼッタが自分の魔法で切断した、ロゼッタの片耳だった。
「あんたがアップル・シーナを見つけたら、あたいの耳にそれを教えろ。
 しかし、あたいからはあんた達に教えたりはしない。先輩命令な。」
しかし、ロゼッタの耳の切断面を破ればロゼッタが聞こえる音やロゼッタの声がそのまま聞こえるので、
結局それがトランシーバーがわりになりそうだ。
> 「と、とにかくエンカに頼んで、左腕の断面を見せてもらいに行ってくる。
>  確か断面の黒い部分を破ると、アップル・シーナが持ってる左手の断面と空間が繋がるんだったよね?」
> リリィは箒にまたがると、なるべくロゼッタから距離を取って出口の方へと飛んでいった。
ロゼッタはリリィと行動を共にしないようだ。おそらく、自分の部屋に行くのだろう。
「あたいの耳にいたずらするなよ?いいか?絶対にしないでよ?」

115 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/31(火) 22:02:05.05 0
> 「エンカ、何をそんなに騒いでるのよ?
>  あ、先生。エンカの治療ご苦労様です・・・・・・・って、何ですかこのセロテープは??」
「よう、リリィ!無事だったか!おめぇまでバラバラにされないかとちょっと心配してたぜ!」
とエンカ。
> 「駄目ですよ保険医さん!糊の跡がつくから仮組みはマスキングテープでやらなくちゃ!!」
そう言うフリードの横で黒猫が鳴いている。
「フリード、俺の体をプラモデルみたいに言うんじゃあねぇぜ!ていうか、それってかなり古いプラモじゃねぇかよ!?」
> だがせめてバンドエイドか粘着タイプの包帯を使って欲しいものである
> 「ああ粘着タイプの包帯なら全部そこのロゼッタくんに使ったよ」
>「(なぜ聞いてるのがバレたし!?)」
ロゼッタはリリィに片耳を預けていたので、保険医に限らず、他のメンバーの会話を聞くことができた。
「だからなんでテープで貼り合わせようって発想なんだよおめぇらはよーっ!?
 もっとこう…スッと塗ってパーッシュワーみたいに、俺がいい感じになるような塗り薬はねぇのかよ!?」
エンカはまるでボラギノールのようにそう言った。
> 「これがバラバラなんか〜血も出てへんし、意識もあるみたいやし興味深い魔術やな〜是非、教えて欲しいもんやわ〜」
「ああん!?誰だよあんたは!?いくら可愛い女の子だからって、俺の体を勝手につっつきまわすんじゃあねぇぜ!」
エンカは真にそう言った。しかし、彼女の持っている総代代行のタスキを見ると態度を変えた。
> 「ま、これは『お願い』のうて『命令』やけどな」
「な、なーんだ!あんた総代の人だったのか!怒鳴っちまってごめんな〜?
 俺がこんな姿になっちまったのはよぉ、ロゼッタっていうふてぇ女の仕業なんだ!
 総代の権限ってやつでよ〜!懲らしめてやってくださいよ〜!?」

116 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/05/31(火) 22:05:17.42 0
> 「あ、そうだエンカ。ちょっと左腕の断面見せてくれない?実はね・・・・・・」
エンカはリリィから、ロゼッタがエンカの左腕を狙った理由、
そして自分の左手を持ち去ったアップル・シーナという悪魔の存在、
さらにその悪魔が魔道書『アナベル・ガトーの鍵』によって召喚されたことを知らされた。
「あんなもの何の役にも立たないと思ってたけどよぉ、まさかロゼッタが本当に悪魔を呼び出すなんてな〜。
 リリィ、俺は後で自分の部屋に戻って『アナベル・ガトーの鍵』を持ってくる。
 そのアップル・シーナとやらをなんとかするためのヒントが、もしかしたら書かれているかもしれねぇからな!
 だから、俺の左腕はいったんリリィに預けるぜ!」
エンカはリリィにそう言った。
> 「約束どおり、呼ばれたから来たよ。
>  ……だが酷いじゃないか。私を名で呼ぶのは二人っきりの時だけに
>  してくれと、重ねて伝えておいたのに……」
「おおっ!シャイナ!来てくれたのか!すまねぇなー、ちょっと緊急事態だったもんでよぉ!」
エンカはシャイナの姿が見えない体勢だったが、声だけで彼女だと気づいた。
しかし、彼女を見ようとなんとか体を捻ったエンカは自分の目を疑った。
シャイナは、昨夜とはあまりにも異なる姿だった。
「シャイナ…一体どうしちまったんだ?怪我でもしたのかよ?」
エンカは心配そうにシャイナにそう尋ねた。
> 「それで、一体どうしたんだね……ふむ、そのセロテープは仮装か何かか?」
エンカはシャイナがジョークを言っているのだと解釈した。
「ハ…ハハハッ、面白いことを言うなシャイナは。おめぇこそ、その包帯は仮装だったのかい?
 まぁ、それはいいや。シャイナ、たった今ロゼッタっていうふてぇ女に空間切断魔法でバラバラにされちまったところなんだ。
 シャイナの魔法でよぉ、なんとか俺を元通りに戻すことはできねぇかな?」
エンカはシャイナにそうお願いしてみた。
「俺の体が元に戻ったら、一獅ノ俺の部屋について来てくれねぇか?例の話の続きはよ〜、俺の部屋の中でしようぜ?」
例の話とは、無論レイヴンの刀についてのことである。

117 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/03(金) 17:36:33.39 0

>106-108 >111->116
「あたいの耳にいたずらするなよ?いいか?絶対にしないでよ?」
「りょーかーいだよー」
リリィの返事は、ロゼッタの耳に鮮明に届いただろう。
・・・・・・駆け引き、や頭脳プレイ、などという言葉は、リリィの辞書に載ってないようだ。

>「よう、リリィ!無事だったか!おめぇまでバラバラにされないかとちょっと心配してたぜ!」
「あはは、ちょっと危なかったんだけどねー」
> 「駄目ですよ保険医さん!糊の跡がつくから仮組みはマスキングテープでやらなくちゃ!!」
>「フリード、俺の体をプラモデルみたいに言うんじゃあねぇぜ!ていうか、それってかなり古いプラモじゃねぇかよ!?」
「プラ・・・・・・?なにそれおいしいの?」

> 「ああ粘着タイプの包帯なら全部そこのロゼッタくんに使ったよ」
>「(なぜ聞いてるのがバレたし!?)」
「あれ?!先生すごい!なんで私が、ロゼッタちゃんの耳持ってるってわかったの?!」
>ロゼッタはリリィに片耳を預けていたので、保険医に限らず、他のメンバーの会話を聞くことができた。
「・・・・・・・?あれ、何かゴミがついてる?」
リリィはふーっとロゼッタの耳に息で吹きかけた後、指先で軽くこすってみる。
「なーんだ、私の勘違いかー。あははー」
あはは、ではない。

エンカがテープだらけになって怒っていると、見慣れない女子が現れた。
> 「これがバラバラなんか〜血も出てへんし、意識もあるみたいやし興味深い魔術やな〜是非、教えて欲しいもんやわ〜」
「残念だけど、ばらばらにした人はここにはいないよー。・・・・・・あれ?私たち、以前どこかでお会いしました?」
昨夜の記憶があいまいなリリィは、間抜けな質問をした。
まあエンドウ以外のつまらない雑事を、このお姫様がいちいち覚えているかは疑問だが。

118 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/03(金) 17:38:37.36 0
「ああん!?誰だよあんたは!?いくら可愛い女の子だからって、俺の体を勝手につっつきまわすんじゃあねぇぜ!」
エンカは真にそう言った。しかし、彼女の持っている総代代行のタスキを見ると態度を変えた。
> 「ま、これは『お願い』のうて『命令』やけどな」
「な、なーんだ!あんた総代の人だったのか!怒鳴っちまってごめんな〜?
 俺がこんな姿になっちまったのはよぉ、ロゼッタっていうふてぇ女の仕業なんだ!
 総代の権限ってやつでよ〜!懲らしめてやってくださいよ〜!?」
「エンカエンカ、今の会話ぜーんぶロゼッタちゃんに筒抜けだし」
リリィは、持っていたロゼッタの耳を見せた。
事情を知らなければ、完全に危ない人である。
「あ、そこの・・・・・・総代さん?総代さんがこんなところで何してるの?
 ・・・・・・はっ!もしかして、初仕事に中庭のトラブル調査にこられたとか?
 いいいいいいいっておくけど、わわわわわ私は犯人じゃないからね!
 ロゼッタちゃんと違って、空を飛んだり怪我を治したりすることくらいしか出来ないし!!」
リリィはしどろもどろで言い訳をしている。

リリィからロゼッタとのやり取りを聞いたエンカは、
>「あんなもの何の役にも立たないと思ってたけどよぉ、まさかロゼッタが本当に悪魔を呼び出すなんてな〜。
> リリィ、俺は後で自分の部屋に戻って『アナベル・ガトーの鍵』を持ってくる。
> そのアップル・シーナとやらをなんとかするためのヒントが、もしかしたら書かれているかもしれねぇからな!
> だから、俺の左腕はいったんリリィに預けるぜ!」
「えっ、いいの?じゃあ大事に預かっておくね。
 あっ!でも私、ロゼッタちゃんの部屋に行って、アップル・シーナの似顔絵取りに行かないといけないんだよね。
 私が預かってても平気かな?」
リリィはちらっ、ちらっとフリードのほうを見た。
「あれ?フリード君。今日はこの後、髪の毛切りに行くんじゃなかったの?もしかして暇?」
まあ、お姫様連れで、とても暇そうには見えないのだが。
「美形は風になびく長髪も似合うから、別にいいけど。
 あのねフリード君にグレン、実は昨日から、エンカの左手持ち逃げしたアップル・シーナが行方不明なの。
 左手を取り返すために協力してくれない?
 あ、なんなら後で、お礼にリボン編みこみヘアーにしてあげるから。・・・・・・・ダメ?」

119 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/03(金) 17:41:10.39 0
>「事情はなんだか良く分かりませんが僕がそっちも手伝いますので
>  代わりに僕の方のトラブルも手伝って欲しいんですよ 」
>フリードはエンカとロックが消えたことを説明した。
>「ついでに僕の偽物が出現してるみたいなんで気を付けてくださいね (略)」
「あ、私その偽者に会ったよ!でも、そんな悪い人には見えなかったよ?」
悪い人云々ではなく、偽者であること自体が問題なのだが。

「じゃあ、そっちもあんまり手がかり無いんだね。だったら、一緒に探そうよ。
 学園内でもしかしたら新しい情報が手に入るかもしれないし!
 ・・・・・・あ、そうだった!エンカから預かった左腕の断面破って、何が見えるかチェックしないと!
 アップル・シーナの手がかりがつかめるかもしれないし!」
そう。エンカの左腕の断面を破って中を覗き込めば、エンカの左手の断面から見える風景が見えるはずなのだ。
「何かヒントになればいいんだけど・・・・・・」

リリィが断面を覗き込んでいる間に、突如として全身包帯だらけのミイラ女が中庭に出現した。
「・・・・・・・あれ?もしかして、以前どこかでお会いしませんでした?なんて、そんなわけ無いか!」
真へと同じ台詞というのも、なんとも芸が無い話である。
まあ、これだけ目立つ姿なら、一度あったら絶対忘れないだろう。
「ねえエンカ、この方どなた?もしかして、さっき話してた「レイヴンさんの刀欲しいよ」って夜たずねてきた女の子?」
リリィはあっけらかんと言った。
鏡の仮面を被ったり実は素顔が石版だったりする友達がいると、多少のことでは動じないのだった。
問題は、容姿よりもリリィが今喋った内容のほうがより重要な意味をもつのだが・・・・・・。
果たして、気づく者はいるだろうか?

>その時、チャイムが鳴り校内に放送が響き渡る
>「おはよう、生徒諸君!
>私は統一魔法評議会より派遣された監査官オワゾーである!
>今日から、この学園の監査並びに諸君等が魔法を学ぶ生徒としてあるまじき事が無いよう目を光らせるつもりだ! (略)」
>喜々とした声で放送は始まり そして終わった
「うわ、なんか怖そうな人が来たみたいだね〜」
中庭から中に戻れば、掲示板にでかでかと張り出したお知らせが読めるだろう。
「はっ!大変!!こんなところ監査の人に見られたら一大事かもしれないよ!
 エンカ、体はまだくっつかないの?もう、じれったいなー!!」

エンカの体が無事くっついたら、後で合流するためにどこかで待ち合わせをしなくてはならないだろう。
エンカ左腕の断面から見える風景次第だろうが、そう遠い場所ではないはずだ。
たとえば、学園のロビーのような。

120 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/03(金) 23:08:50.27 P
>110-113>116>119
>私は統一魔法評議会より派遣された監査官オワゾーである!
>今日から、この学園の監査並びに諸君等が魔法を学ぶ生徒としてあるまじき事が無いよう目を光らせるつもりだ! (略)」
>「はっ!大変!!こんなところ監査の人に見られたら一大事かもしれないよ!
 エンカ、体はまだくっつかないの?もう、じれったいなー!!」
「何だかよく分かりませんがとりあえず場所を移動しましょう
 こんな場所に何時までも居る訳にもいきませんからね」
「にゃなぁ」(でもこの状態で動いたらバラけね?)
「目の前に包帯の塊がいらっしゃるのですから彼女に包帯を分けていただければ問題ないと
 僕はそう思いますが・・・・・・・」
>「女の子から包帯を脱がして裸にするのだな任せたまえ」
と超のりのりな保険医
はたしてシャイナは包帯を奪われてしまうのだろうか?
「あの包帯が入用でしたら執事のブリッツに命令して届けさせますが・・・・・」
「にゃあご」(便利だよねあの人)


121 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/03(金) 23:11:12.31 P
>「あらブリッツさんなら今日は定休日でお休みですわよ」
「げぇ!いつの間にか姉さんがいる!!」
「ぎにゃあ!?」(げぇ!フィー坊が二人!?」
「作画ミス!作画ミスですよね!!」
超混乱するフリード
>「うふふふふ・・・・・包帯の女性の登場に紛れてこっそりと後ろを取ってましたのよ
  それはともかくギズモちゃんややこしいから元の姿に戻りなさいな」
>「この姿気に入っちゃったんだけどなぁ」
「え?ギズモ?グレムりンのギズモなんですか?何で僕の姿に!?」
>「それは女の子にもてるからだよ!!」
なんという理由
「いや顔が良いだけでもてるほど女の子は甘くないですから」
「にゃあお」(顔だけいい男なんてほかの女の子に自慢するためのアクセサリーだもんね)


「で、とりあえずロビーに集合ということでよろしかったでしょうか?」

122 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/06(月) 21:11:33.07 0
>116
>「おおっ!シャイナ!来てくれたのか!すまねぇなー、ちょっと緊急事態だったもんでよぉ!」(中略)
> シャイナの魔法でよぉ、なんとか俺を元通りに戻すことはできねぇかな?」
「緊急事態。確かに、形を保てなくなってしまうのはいただけない。
 まぁいいさ、いずれは他の人達とも会わなければならなくなるんだ。
 手間が省けた、と前向きに捉えておくよ」
軽い調子で、ここに来る前に呟いたのとほぼ同じ事を口にする『彷徨者』。
その裏に抱える危険な思想を、包帯と演技で二重に隠しながら……

「怪我などしていないさ。流石に、人前に出るのにあんな不審者極まりない
 格好をしているわけにはいかないだろう? そういう意味では、仮装と言えるかな。
 ……空間切断魔法……見せてもらうよ」
そう言ってセロテープの下の切断面をじっと見る『彷徨者』。
一分ほどそのまま、考え込む様に切断面を見ていたがおもむろに
「……私の術とは系統が違う。残念だが、君に掛けられた術を完全に無効化して
 元に戻す事は私でも出来ない……まぁ、応急処置ならばと言ったところか」

そこで言葉を切ると、『彷徨者』はエンカを指差し何かを呟く。
するとエンカの切断面に次々と『歪んでいない時計盤』が現れた。よく見ると、
時計の針が逆方向に回転している。その逆回転は数秒で終わり、時計盤が消えると
ロゼッタによって切断された空間が、エンカの体が繋がっていた。
「君の切断された部分周辺の『時間を切断される前』に戻した。
 しばらくはこれで保つだろうけど……さっきも言ったとおりこれはあくまで応急処置に過ぎない。
 時の流れを歪めるのは、それだけで様々な箇所に悪影響を与えるもの。
 それが長く続いたらどうなるか……予測の付けようもない。
 ロゼッタが誰かは知らないが、なるたけ早く術を解かせる事だ」
根本的解決はロゼッタに術を解かせる事である、と断言する『彷徨者』だったが……
『レイヴン』が『クリス』に変わってしまった光景を見ていた者達は、シャイナと名乗る包帯女の
術に奇妙な感覚を覚えただろう。そう、『時計盤』である。あの時のそれと、そっくりなのだ。

123 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/06(月) 21:12:44.67 0
>119
>「・・・・・・・あれ?もしかして、以前どこかでお会いしませんでした?なんて、そんなわけ無いか!」
リリィのその言葉に、『彷徨者』は皮肉げに口元を歪め言葉を紡ぐ。
「何度も会っているよ。そう、何度もね……
 今はこんな姿をしているが、前の時はまた違った姿だった。
 分からないのも無理はない」
まるで変装が趣味と言わんばかりの返答だが、『彷徨者』の声色は違った。
一言で表すならば……多くの色が交じり合った結果生まれた黒と言う複雑なものだ。
何故か……それを知る者は『彷徨者』のみである。

>「ねえエンカ、この方どなた?もしかして、さっき話してた「レイヴンさんの刀欲しいよ」って夜たずねてきた女の子?」
「私個人が欲しいのは刀ではないけれどね……夜、男の部屋に女が訪ねる。
 それが何を意味するのか、ネンネちゃんでもなければ分かるだろう?
 あまりこういう事を言わせないでくれるかなはずかしい」
明らかに誤解を誘う言い回し、しかもリリィの様な早とちりには覿面な――――。
そんな事を冗談めかしてほざいたがしかし、軌道修正も早かった。
「やれやれ、そこまで話してしまったのか……まぁ仕方ないね。
 では『誰が』『何故』『今になって』と言うところは知っているかな?」
わざとらしい強調を裏付ける様に、視線が鋭くなっていた。
とぼけているのか、それとも本当に知らないのか……『短くはない付き合い』だったが
その辺の境目はいまだに判別つきかねているのが本音であった。

>120
>「女の子から包帯を脱がして裸にするのだな任せたまえ」
「だが断る。この岸部露伴が最も好きな事のひとつは、
 自分の好きな事をしようとしてるやつに「NO」と断ってやる事だ……」
いきなり何言い出したこのミイラ。岸部露伴って誰よ。
「とにかく、今の私にとってこの包帯は衣服と同じ、いや皮膚と言ってもいい。
 それを剥がすだと? きさまァ、この私を、なめているのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」
なんでいきなりキレたんだ。全く以って意味不明である。

ごく一部の男性陣は、どうやら女難の相を抱えているらしい……

・姉に頭の上がらない弟
・婚約者の尻に敷かれてる自称武士
・自称宇宙人の女に何度も絡まれるちょんまげ

……よくもまぁ、揃いも揃ってここまで悲惨な目に遭えるものである。
運命を神が決めているのならば、その神様は相当なサディストであろう……

124 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/06/07(火) 12:40:30.12 0
>>113
「あんた誰や……」
真は突然あらわれた包帯少女が誰か知らない、まだついて1日も経ってないからしたがないと言えば仕方がない
あと彼女がシャイナを見て始めに思ったことは『こいつは変態や』とだけ思った
「あんたは勇気に近づいただけで殺すから、抹殺するからな。」

たぶんこんなエロティシズムな格好を勇気が見たら発情すること間違いないなしと真は考えている
シャイナは勇気の好みまであとバストが2cmたりなかった

>「ああん!?誰だよあんたは!?いくら可愛い女の子だからって、俺の体を勝手につっつきまわすんじゃあねぇぜ!」
つんつんしてたらエンカくんが怒りだす。当たり前だけど
「可愛い女の子って言葉に免じて私に逆らったことはゆるしてあげてもええけどな」
相変わらず不遜な物言いです
>「な、なーんだ!あんた総代の人だったのか!怒鳴っちまってごめんな〜?
 俺がこんな姿になっちまったのはよぉ、ロゼッタっていうふてぇ女の仕業なんだ!
 総代の権限ってやつでよ〜!懲らしめてやってくださいよ〜!?」

「やだ。めんどくさい」
ひどい人です
>「残念だけど、ばらばらにした人はここにはいないよー。・・・・・・あれ?私たち、以前どこかでお会いしました?」
「あんたがリリィか……昨日あってるけど、あんたは覚えてへんやろな。なんか変やったし
あたしは天海真や、あんたは勇気の友達なんやろ?自分のことより友達を大切にする。ええ友達や
間違っても、勇気と恋人関係やのうて友達、ただの友達やんな!!」
友達の部分を激しく強調する。昨夜のリリィの友達を想う姿勢に悪い奴ではないと感じていた
ただ伊織が昨夜、リリィの気持ちを解説してなかったらたぶん今伝説の鬼とかが召還されていた

>「あ、そこの・・・・・・総代さん?総代さんがこんなところで何してるの?
 ・・・・・・はっ!もしかして、初仕事に中庭のトラブル調査にこられたとか?
 いいいいいいいっておくけど、わわわわわ私は犯人じゃないからね!
 ロゼッタちゃんと違って、空を飛んだり怪我を治したりすることくらいしか出来ないし!!」

「あ?私は総代に任命された世界一かっこいい炎道勇気の代役!妻として当然の責務やわ!夫の留守を守るのは当然の役目や
ただのこのこ帰ってきたら抹殺やけどな! 私になんの断りもなしにどっかいくなんてな!百兆億光年はやいねん!!」

>「で、とりあえずロビーに集合ということでよろしかったでしょうか?」
勇気に関しては森に消えたと言う至極曖昧な情報しかない、ならもう少しこの学園で起こる奇妙な事件に付き合えば自然と勇気にたどり着けるのではないか?
そう感じた

「ええで、とっと行こ」

125 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/08(水) 20:53:36.03 0
>117
>「…えっ?何?ああっ!?ちょ…やめ、あん!…ふぁあ」

>118>119>120>121>122>123>124
> 「えっ、いいの?じゃあ大事に預かっておくね。
>  あっ!でも私、ロゼッタちゃんの部屋に行って、アップル・シーナの似顔絵取りに行かないといけないんだよね。
>  私が預かってても平気かな?」
エンカは渋い顔をした。
「あんな奴につきあう必要はねぇよ、リリィ。だいたい、似顔絵なんかなくたってよぉ、俺の左手を持った奴がいたら、
 そいつがアップル・シーナに違いねぇんだからよ〜。」
エンカは今までの経緯のせいで、とてもロゼッタのためにアップル・シーナをどうにかしてあげようとは思えなかった。
エンカがアップル・シーナをどうにかするとしたら、それはあくまで自分の左手を奪い返すためだけだろう。

126 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/08(水) 20:56:23.02 0
エンカがリリィと話している間、シャイナがエンカの切断面を調べてくれた。
> 「……私の術とは系統が違う。残念だが、君に掛けられた術を完全に無効化して
>  元に戻す事は私でも出来ない……まぁ、応急処置ならばと言ったところか」
「応急処置ができるのか!?やっぱりシャイナは頼もしいぜ!」
> ロゼッタによって切断された空間が、エンカの体が繋がっていた。
> 「君の切断された部分周辺の『時間を切断される前』に戻した。
>  しばらくはこれで保つだろうけど……さっきも言ったとおりこれはあくまで応急処置に過ぎない。
>  時の流れを歪めるのは、それだけで様々な箇所に悪影響を与えるもの。
>  それが長く続いたらどうなるか……予測の付けようもない。
>  ロゼッタが誰かは知らないが、なるたけ早く術を解かせる事だ」
「ありがとう、シャイナ!きっとそうさせるっすよ!」
> 「ねえエンカ、この方どなた?もしかして、さっき話してた「レイヴンさんの刀欲しいよ」って夜たずねてきた女の子?」
> リリィはあっけらかんと言った。
「あーよ。」
エンカがリリィに応えた。
> 「私個人が欲しいのは刀ではないけれどね……夜、男の部屋に女が訪ねる。
>  それが何を意味するのか、ネンネちゃんでもなければ分かるだろう?
>  あまりこういう事を言わせないでくれるかなはずかしい」
「…まぁそういうことだリリィ。なんだよ?あんまり変な顔するんじゃあねぇぜ?」

127 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/08(水) 20:58:34.95 0
>その時、チャイムが鳴り校内に放送が響き渡る
> 「何だかよく分かりませんがとりあえず場所を移動しましょう
>  こんな場所に何時までも居る訳にもいきませんからね」
フリードの横で黒猫が鳴いている。
「ハハハ、フリード!お前っていっつも猫を連れて歩いてるけどよ〜、
 こいつお前が喋る度に相槌をうつんだな〜、おかしいよな〜?」
エンカはグレンとフリードが会話しているとは気づいていないようだ。
そしていつの間にか、シャイナは保険医にブチ切れていた。
> 「とにかく、今の私にとってこの包帯は衣服と同じ、いや皮膚と言ってもいい。
>  それを剥がすだと? きさまァ、この私を、なめているのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」
「どおどお、落ち着けよシャイナ。この保険医をまともに相手するんじゃあねぇぜ。変態なんだからよ〜。」

> 「で、とりあえずロビーに集合ということでよろしかったでしょうか?」
> 「ええで、とっと行こ」
「ちょっと待てよ、おめェら。なんでロビーに集合…そういうことっすか。」
なんやかんやしている間に、エンカの左手の切断面が破かれていた。
その先に『狂った帽子の蝙蝠殿(Sir.MadHatBat)』の壁画が見えている。この壁画は学園のロビーにしかないのだ。
「案外すんなりわかっちまったな〜。俺の左手もすんなり返してもらえたらいいんだけどよ〜。」
エンカは手筈通り、シャイナと一獅ノ自分の部屋に行くことにした。
その直前に、エンカはフリードにコソコソと話しかけた。
「さっきのお前の姉ちゃんかよ?すげ〜美人だよな〜、今度俺に紹介してくれよ?」

128 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/11(土) 07:54:37.11 0
>120-127
時間は少し遡る。

>真ちゃん
>「あんたがリリィか……昨日あってるけど、あんたは覚えてへんやろな。なんか変やったし
>あたしは天海真や、あんたは勇気の友達なんやろ?自分のことより友達を大切にする。ええ友達や
>間違っても、勇気と恋人関係やのうて友達、ただの友達やんな!!」
「えっと・・・・・・・ただの友達以外にどんなのがあるの?あっ、もしかして親友?!
 やだなー、まだそんなんじゃ・・・・・・やだマコトちゃん、照れるじゃないのよもー」
大事なのはそこではなく、恋人か否かだったのだが・・・・・・。
まあ真も、リリィの反応とスタイルを見れば、はなから真の敵ではないと十分理解できただろう。

>「あ?私は総代に任命された世界一かっこいい炎道勇気の代役!妻として当然の責務やわ!夫の留守を守る>のは当然の役目や
ただのこのこ帰ってきたら抹殺やけどな!(略)」
「あ、つまりエンドウ君が総代になったんだ!すごーいおめでとう!」
リリィはぱちぱちと拍手をした。
「それはそうと、東方って夫婦別姓なんだね。こっちとはまた違うんだー」

>エンカ
>「あんな奴につきあう必要はねぇよ、リリィ。だいたい、似顔絵なんかなくたってよぉ、俺の左手を持った奴がいたら、
> そいつがアップル・シーナに違いねぇんだからよ〜。」
「んー。・・・・・・うん。まあ・・・・・・・そうなんだけど」
リリィは珍しく歯切れが悪い返事をした。
エンカの言わんとすることも、彼女は良く分かっていた。
ロゼッタはリリィのことを好きでも何でも無いと言ったし、信頼もしていないだろう。
だが一応協力するといった以上、あまり不義理なこともしたくはなかった。
「じゃあ、左腕の断面から覗いてみて、それでも分からなかったらロゼッタちゃんの部屋に行ってみるよ。
その場合はロゼッタちゃんにとっても、この左腕は用済みだろうから盗られないと思うし。
ロゼッタの欲しいものはエンカの左手であって、左腕全体ではないのだ。
預かった左腕を使っても左手の位置が特定できない状況だとしたら、左腕のパーツを欲しがる理由も無い。
「それでいいよね?ロゼッタちゃん」
最後は手にしていたロゼッタの耳に話しかけた。ちょっと、近い近い。

>シャイナさん
シャイナはエンカの部屋を訪ねた理由に、誤解しやすいような言い回しを使った。
>「…まぁそういうことだリリィ。なんだよ?あんまり変な顔するんじゃあねぇぜ?」
真っ赤になって固まっていたリリィが、エンカの言葉を合図にわたわたと動き出した。
>「やれやれ、そこまで話してしまったのか……まぁ仕方ないね。
> では『誰が』『何故』『今になって』と言うところは知っているかな?」
「ゆうべは おたのしみでし・・・・・ゲフンゲフン。え・・・えっと何の話だっけ・・・あ、そうだった。
 『シャイニングさんが』『レイヴンさんの形見が欲しくて』『彼が成仏した今になって』来たんじゃないの?
  あれ?シャイニングさん、レイヴンさんの知り合いじゃないの?
 だってほら、なんとなーくなつかしー感じがするし、レイヴンさんやク・・・ゲフンゲフンと同じ魔法だって使えるみたいだし・・・・・・?」
シャイナが使った魔法と、文字盤を見たリリィはそう指摘した。
「えっ?違うの?」

129 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/11(土) 07:54:58.45 0
>120 
そして現在。
フリード達も場所を変えることに異存は無いようだ。
>「目の前に包帯の塊がいらっしゃるのですから彼女に包帯を分けていただければ問題ないと
>僕はそう思いますが・・・・・・・」
>「女の子から包帯を脱がして裸にするのだな任せたまえ」
>「だが断る。この岸部露伴が最も好きな事のひとつは、
> 自分の好きな事をしようとしてるやつに「NO」と断ってやる事だ……」
「キシ・・・・・?や、ちょ、先生止めてください!!
 っていうかこんな場所で服ごと包帯切るつもりですか!危ないじゃないですかいろんな意味で!!
 確かにシャイニングさんは怪我人には見えないけど、何か理由があるから包帯巻いてるんですよきっと!!!」
どうでもいいことだが、いい加減誰か訂正しないと、リリィの中でシャイナがシャイニング☆ムーンリャイトという名で固定されそうだ・・・・・・。
>「とにかく、今の私にとってこの包帯は衣服と同じ、いや皮膚と言ってもいい。
> それを剥がすだと? きさまァ、この私を、なめているのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」
>「どおどお、落ち着けよシャイナ。この保険医をまともに相手するんじゃあねぇぜ。変態なんだからよ〜。」
>「あの包帯が入用でしたら執事のブリッツに命令して届けさせますが・・・・・」
「それだ!フリード君冴えてる!!」
>「にゃあご」(便利だよねあの人)
>「あらブリッツさんなら今日は定休日でお休みですわよ」
「美形姉妹?!・・・・・あっ!このフリード君、食堂で会った偽者?!」
突如現れたもう一人のフリードとその美貌の姉。
・・・・・・結局、偽者のフリード君は、フリード君のお姉さんの使い魔でした。
「ひとつ謎は解けたね!でもさ、これから学園内でフリード君の偽者を時々見かけることになるかもしれないね。
 あっ!ところでギズモちゃんって、顔と体別々に変身できるのかな?
 もし顔がフリード君で体が女の子に変身できたとしたら、保険医さんの標的がフリード君からギズモちゃんに向いてしまうんじゃない?」
リリィは恐ろしいことを言った。もっとも、本人はもちろん冗談のつもりなのだが。

>「で、とりあえずロビーに集合ということでよろしかったでしょうか?」
>「ええで、とっと行こ」
>「ちょっと待てよ、おめェら。なんでロビーに集合…そういうことっすか。」
「うん、そういうこと!」
「案外すんなりわかっちまったな〜。俺の左手もすんなり返してもらえたらいいんだけどよ〜。」
「もしアップル・シーナを追って場所移動した時には、預かってるこの左腕使って連絡するよー」
エンカはシャイナと部屋に向かうようだ。
その前に、フリードに何か耳打ちしていたようだが、リリィは気にしなかった。
もし内容を知ったら「シャイニングさんに失礼でしょ!」と頭の一つも叩いて首を落としてしまったかもしれないが。
「とにかく行こう!学園ロビーでアップルシーナゲットよ!!じゃあエンカにシャイニングさん、また後でねー!!」
リリィはばたばたと走り出した。

学園ロビーに到着すると、いつもと何か空気が違っていた。
見慣れた『狂った帽子の蝙蝠殿(Sir.MadHatBat)』の壁画の隣には、新しい掲示板が出来ていた。
そこにはでかでかと『統一魔法評議会より監査官 オワゾー氏が来校されます
生徒諸君並びに教職員一同くれぐれも粗相の無いように』
と金の文字で刻み込まれていた。
だがリリィはそれどころではない。
「アップル・シーナ?!」リリィはロビーに入るなり、空気も読まずリリィは大声で叫んだ。
なにせ彼女は、アップル・シーナの姿を知らない。
だから、名前を呼んで周りの反応を見るしかなかったのだ。

「どこにいるの?!エンカの左手を返しなさい!いい子だから!!」
リリィはもう一度叫ぶと、エンカの左腕の切断面をもう一度覗き込もうとした。
切断面から見える景色と、今実際に見えるロビーのを見て、アップル・シーナの位置を確認しようとしたのだ。

・・・・・・・さて。
リリィは、友達の体を取り返そうと必死だ。
だが、人の二の腕らしきものと片耳を持ち、大声でわめく少女、というのは、第三者的な視点からはどう写るのだろうか?
もしもこの場に監査官やその関係者が居合わせれば、一発で目を付けられてしまうだろう。

130 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/11(土) 22:10:51.91 P
>122-129
>「きさまァ、この私を、なめているのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」
「突然切れだしたぁ!?」
困惑するフリード
「キシ・・・・・?や、ちょ、先生止めてください!! 」
ちぃっと舌打ちをする保険医

>「案外すんなりわかっちまったな〜。俺の左手もすんなり返してもらえたらいいんだけどよ〜。」
「たぶん力尽くになるでしょうね今までのパターンから行くと」
「にゃあお」(たまには話し合いだけで解決できると良いのにね)
「そうですね平和的に解決できればそれが一番良いんですけどね」
愛も変わらずナチュラルにグレンと会話するフリード
猫の言葉が分からないエンカの目にはきっと奇妙に写るに違いない
>「さっきのお前の姉ちゃんかよ?すげ〜美人だよな〜、今度俺に紹介してくれよ?」
「確かに姉さんは基本線僕と同系統の顔ですから見てくれだけは美人ですけど
 中身を知ったらきっとあなたは後悔することになりますよ、本当にそれでいいんですか?」
>「あっ!ところでギズモちゃんって、顔と体別々に変身できるのかな?
 もし顔がフリード君で体が女の子に変身できたとしたら、保険医さんの標的がフリード君からギズモちゃんに向いてしまうんじゃない?」
保険医はフリードの見た目だけは気に入ってるのだ
わぁいじゃなかったら危なかっただろう
>「ちゃんって・・・・・ぼ、僕男の子だよ!それに女の子に変身なんかしたらトイレとか困るじゃない」
「でもこのままだと僕が迷惑かかるんですけど」
「にゃあご」(猫トイレでよかったら貸すよ?)
>「ごめん僕、妖精語と共通語しか分からないんだ」
どうやらギズモにはグレンの言葉が分からないらしい
>「私にいい考えがありますわ!」
と大きなリボンをギズモの頭に着けるフリージアさん
「さすが姉さん!頭が良いですね!!」
>「僕は女の子にちやほやされるんだったら何でも良いけどね♪」
それで良いのか男の子?


そしてロビー
>「アップル・シーナ?!」
>「どこにいるの?!エンカの左手を返しなさい!いい子だから!!」
「明らかに人間じゃない姿をしていればすぐにわかるんですけどねぇ
 さっきのギズモみたいに人間変身の魔法を使っていたら判別しかねます
 早く炎道さんを見つけるためにもとっとと取り戻してしまわなければいけないというのに」
「にゃあな」(変身してても多分飼い主と似たような姿じゃね?)

131 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/12(日) 20:16:23.81 0
『やぁ君たち、今日の授業はお休みかね?』
学園ロビーの玄関にかかっている農夫の壁画が話しかけてくる。
そのとなりにある巌流島の壁画の中では、
侍がいらいらした様子で絵の中を歩き回っていた。(『ええい!ムサシはまだか!?』)
学園の中にかかった壁画は魔法により動き、喋り、そして自分達のロールを演じる。
そう、この学園では絵画さえも生きているのだ。
農夫はロビーに入ってきた生徒達への興味を失うと、
先ほどまでそうしていたように、再び畑に種を撒き始めた。

『ほとんど首なし女(Ms.NearlyHeadlessMami)と話せなくて退屈だったんだ。』
狂った帽子の蝙蝠殿(Sir.MadHatBat)のとなりに本来あったその壁画は撤去され、
『統一魔法評議会より監査官 オワゾー氏が来校されます
生徒諸君並びに教職員一同くれぐれも粗相の無いように』
と金文字で書かれた新しい掲示板がかかっていた。
『ねぇ、僕となぞなぞをしないかい?君が人食いライオンと出会ったとする。
 ライオンは言った「私の考えていることを見事当てたら命を助けてやろう」
 さぁ、君ならなんて答えるんだい?』
狂った帽子の蝙蝠殿の壁画のすぐ下で、背中に白い翼のついたメスライオンが、
スヤスヤと眠っていた。そして、ライオンのすぐ側にエンカの左手が転がっていた。
ライオンはよほど眠たいらしく、そばで大きな声を出したくらいでは起きそうにないようだ。

132 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/13(月) 21:02:53.54 0
>124
>「あんた誰や……」
「見ての通り、包帯を巻いただけの、どこにでもいる
 普通の魔法学園女生徒だが」
全身包帯姿と言う時点で既に普通じゃない。
そんな突っ込みは誰からもされなかった。

>「あんたは勇気に近づいただけで殺すから、抹殺するからな。」
会って早々に剣先を突きつける真だったが、『彷徨者』には通じなかった様で……
「そうか、ならば今すぐに私を殺すのか?
 ……フフ、彼には色々と良くしてもらった……そう、色々とね。
 時既に時間切れ、君はとっくに敗者に成り下がっていたんだよ……フフフ……」
もはや説明不要なレベルのあからさまな挑発、怖いものと命、果たしてどちらを知らないのか……

「まぁ……私を殺すのは不可能だよ。
 君は『私の事を何も知らない』、それではダメだ。
 もっと、そう、もっと親しくならなければね……色々な意味で」
包帯を巻いていない口元がニタァ、と三日月状に形を変える。
真の『変態』と言う思いも、あながち間違っていないだろう。


>128
>「ゆうべは おたのしみでし・・・・・ゲフンゲフン。え・・・えっと何の話だっけ・・・あ、そうだった。(中略)
>「えっ?違うの?」
リリィの憶測だらけの返答に、しかし『彷徨者』の視線は一層鋭さを増していく。
物事の本質を捉える力と言うのは、時に世界を滅ぼす力よりも強いものである。
そして当人は気付いていないが、しっかりとその力を使っているのだ……
これは推測でしかないが……これこそが、リリィの『天与の才』なのだろう。


『彷徨者』はリリィと自分以外の全ての時を止め、事実と疑問をぶつける。
「私自身にとって、あれはそこまで重要じゃない。最悪、なくても一向に構わないものだ
 ……『総裁閣下が』『太陽のかけらを制御する為に』『二度目の覚醒を終えた今になって』だよ。
 さて、君はどうするね? 君は、あの『化け物』をまだ守るつもりかい? 」


言うだけ言ってから止めた時間を元に戻し、さも濁した様な物言いで辻褄を合わせる。
「まぁ、そんな所だよ。知り合い、と言えるほど親密な関係ではなかったがね。
 ……あと、私の名前はシャイナであってシャイニングなどと言う閃光の(ry まがいの
 響きを持つものじゃない。人の名前くらい、きちんと覚える事だね」
周囲を煙に巻きながらも、『彷徨者』はリリィの自覚なき鋭さに内心冷や汗をかいていた。
たった数分前に姿を見せたばかりと言うのに、自身の核心を嗅ぎ付けられたのだから……


>127
>エンカは手筈通り、シャイナと一獅ノ自分の部屋に行くことにした。
エンカの後ろにつき、彼の部屋へとやってきた。
この部屋に来たのは言うまでもなく、二度目である。
「さて、まずは本題を片付けてしまおうか……
 結論を聞こう。レイヴンの形見、渡してもらえるか否かをね」
駆け引きの類を全て投げ捨てた、文字通りの直球勝負を仕掛ける『彷徨者』。
雰囲気や所作には一切変化が見られないが、どこかしら焦っている様にも感じられる。
この掌返しを、エンカは果たして如何様に受け取るのだろうか?

133 :オワゾー ◆k4Jcxtcjwo :2011/06/14(火) 04:33:45.35 O
「そこの生徒!挨拶はどうした!私を誰だと思っている!」

「おい!お前!服装が乱れてるぞ!クラスと名前を言え!」

朝から監査官という名の下に与えられた権限を早速行使したオワゾーは愉快で堪らなかった
今までは総裁直属とは言え どちらかと言えば裏の仕事ばかりであった為
こうして堂々と陽の当たる場所を歩ける役職に付けた事に例えようの無い喜びを感じている
こうして公に他人を叱責できるという力を得られた事は心臓が爆発しそうな程の快感であった

>>128->>131
目の前に自分の溜まりに溜まった鬱憤を撒き散らせる もとい 学園の風紀を乱す者達がいた
ただ大声で騒ぐというだけでもオワゾーにはストレスと若干の脅えを感じさせる
理由はブレの使う得体の知れない超能力の発動を彷彿とさせるというのも一因であった
「ええい!!お前ら 朝から何を騒いでいる!!名前は何だ!クラスはどこだ!!
私の近くで騒ぐのはやめろ!!!」

オワゾーの叫び声の方が煩いのは遠巻きに見つめる周りの生徒達の心の言葉であろう
だが、こんな事には構いもせず手にしたステッキを振り上げながら徐々に近づいてくる
「あの看板は見なかったのか!?
ええ!?私は統一魔法評議会から派遣された監査官だぞ!」
オワゾーはステッキで看板の方を指しながら『統一魔法評議会の監査官』であると強調した

134 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/14(火) 21:34:56.93 0
>130>132
> 「確かに姉さんは基本線僕と同系統の顔ですから見てくれだけは美人ですけど
>  中身を知ったらきっとあなたは後悔することになりますよ、本当にそれでいいんですか?」
「ああん?じゃあパスだぜ。」
エンカはあっさり引いた。
「植物のように穏やかな心で生活したいもんでよぉ俺は。」

「じゃあなリリィ!気をつけろよ!俺の左手にわざわざ命をかけるこたぁねーんだからよーっ!」
エンカはリリィ達と別れて、シャイナと一獅ノ自分の部屋へ向かった。
目的はアップル・シーナに対抗するために魔道書“アナベル・ガトーの鍵”を持っていくこと。
そして、シャイナ・ムーンリングにレイヴンの刀を渡すことだ。
リリィからレイヴンが死んだことを聞き、
そしてその刀が“太陽のかけら”から世界を救うために必要であることを聞いた以上、
シャイナに刀を渡すことを断る理由は何一つ無かった。
> 「さて、まずは本題を片付けてしまおうか……
>  結論を聞こう。レイヴンの形見、渡してもらえるか否かをね」
「…“太陽のかけら”のことなんだけどよぉ?」
エンカは腰にさしていたレイヴンの刀を抜き取りながらシャイナにそう話しかけた。
エンカはなんとなくシャイナが焦っているような気配を感じた。
もしかしたら、自分が刀の件をはぐらかそうとしているように聞こえたのだろうか?
そう考えたエンカは慌てて彼女に言った。
「いや、別にあんたに刀を渡さないとかそんな事は考えてねぇよ?
 ただ俺が勝手に気になってるだけだから、別に大したことじゃあねぇんだけどよぉ。」
エンカはシャイナにレイヴンの刀を渡した。
「“太陽のかけら”っていうのは、もしかして前にも世界を浄化したのかな?
 もしかしたら、その時に生き延びた奴がいてよぉ。
 新しい世界の人間である俺達と一獅ノ暮らしてたりしてるのかな?
 もしそうだとしたらよぉ、旧世界の人間は、俺達新世界の人間を見て、どんな風に思ってるんだろうなぁ?」
エンカはシャイナに背を向け、机の上に置いてあった魔道書“アナベル・ガトーの鍵”を手に取った。
エンカはシャイナに背を向けたまま言った。
「つまらねぇことを聞かせちまって悪かったな。俺の勝手な妄想さ。
 ところで、俺達がこうして会うのはこれっきりってことは無いんだろ?
 また会いに来てくれよ。嫌なことがあった時は、愚痴の一つも聞いてやるからよぉ。な?」
エンカは振り向いてシャイナを見た。

135 :名無しになりきれ:2011/06/14(火) 22:02:06.50 0
24時間テレビ"ギャグは地球を救う"

136 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/14(火) 22:04:01.70 P
>131>133
>『ねぇ、僕となぞなぞをしないかい?君が人食いライオンと出会ったとする。
 ライオンは言った「私の考えていることを見事当てたら命を助けてやろう」
 さぁ、君ならなんて答えるんだい?』
「人食いの生き物が考えることなんて常に一つです、すなわち俺お前丸かじり」
「にゃなぁ」(それだとどっちにしろ助からないじゃん)
「大丈夫ですジルベリアには人食い熊を食うというこということわざがあります(人がいつも食われるとは限らないという意味)
 そんなことより知らない獣人っぽい人が変わった抱き枕を抱いて気持ちよさそうに眠っていますね
 起こすのもかわいそうなのでちょっとやそっとじゃ起きないようにもっと深く眠ってもらいましょうか
 ぐっすりと眠れるようにどなたかスリープクラウドをあの方に掛けてさしあげてください」
「うなぁ!」(使えないんかい!)

>「あの看板は見なかったのか!?
  ええ!?私は統一魔法評議会から派遣された監査官だぞ!」
「おさがわせして申し訳ございません、もう暫らくお持ちいただければすぐにでも静かになりますので」
「にゃあな?」(力尽くで静かにするの間違いじゃね?)
「・・・・・・・あれ監査官さん?貴方と以前どこかで会いませんでしたっけ?」
「にゃあな」(確か梟男爵さんだっけ?)
「いえ確かミミズクだったかと・・・・・・そういえば実技試験のときの『夜は明けた 朝を告げる雄鶏とならん』とはどういう意味だったんでしょうか?
 まだ未熟者である僕にはいまだに意味が分からないんですよね」
「にゃあご」(だから知らないって言ってたじゃん)
「ああそうだ(ぽんと手を叩くフリード)僕なんかが逆立ちしても勝てないであろう強力無比で素晴しき魔法使いであるオワゾー様
 よろしければこのライオン娘さんを教材にスリープクラウドの実技指導をして頂けないでしょうか?
 貴方のような実力者なら例えあのような悪魔であっても眠らせてしまうのは容易いのではありませんか?」
「にゃあお」(立ってる者は神様でも使えってね)


137 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/15(水) 17:53:14.61 0
>131 >133 >135-136
「今後はリボンをつけたギズモフリード君が学園内を闊歩するんだね」
それはそれでコアなファンがついたり変な誤解をされたりしそうだが、フリード本人はあまり気にしてなさそうだ。

>真さん
「ロビーに行こう。うん、あそこなら、たとえ消灯後の出来事でも知ってる人がいるかもしれない。
 人・・・・・・うーん、『人』だよね?人でいいと思うんだけど」
昨夜遅くに学園に到着した真には、何のことかわからないかもしれない。

移動している間、リリィはシャイナとの会話を思い出していた。
「ちょっと待って、二度目の覚醒って何の話よ?それに化け物ってどういう意味?!」
だがそれをいい終わったとたん時間は戻され、シャイナはエンカと一緒に部屋へ場所を移すことになった。
部外者の真がいる前でシャイナにこれ以上食い下がるわけにもいかず、またエンカの左手のことも一刻を争う。
リリィはしぶしぶロビーへと向かうしかなかった。

(化け物、かあ)
彼女はクリスをそんな風に見たことはなかった。
だがなぜか、今日はクリスのことを考えると、なぜか胸の奥がざわついた。
わけのわからない焦燥感や不安感にとらわれる。
彼女のことを決して嫌いなわけではない。
だがなぜか今日は申し訳ないような、身の置き所がないような、とても目をあわせられないような気持ちになるのだ。
(私、昨日クーちゃんに何かしたのかな)
昨夜の記憶はなぜかひどく曖昧で・・・・・・・もしかしたらそのとき、リリィは何か色々やらかしてしまったのかもしれない。
(後でもう一度、クーちゃんに会いに行こう)

138 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/15(水) 17:53:41.44 0
そしてロビー 。
「そういえば、フリード君達はエンカの左手をアップル・シーナが持っていくところ見てなかった?」
アドラスとの戦闘中では、そんな余裕はなかったかもしれない。
>「明らかに人間じゃない姿をしていればすぐにわかるんですけどねぇ (略)」
「にゃあな」(変身してても多分飼い主と似たような姿じゃね?)
「うーん、そうだといいなあ」

>『やぁ君たち、今日の授業はお休みかね?』
絵の中の農夫が親しげに話しかけてくる。
「うん。で、今は人探しの真っ最中なの。アップル・シーナとエンドウユウキって生徒、見なかった?
 エンドウ君のこと、真ちゃんが朝からずっと探してて。・・・・・・ほら、真ちゃん?」
リリィは真の背をかるく押した。

いつものように『ギャグは世界を救う!』の歌が聞こえてくる。
『ほとんど首なし女(Ms.NearlyHeadlessMami)の壁画は撤去されていたが、
そのにあった、頭に触覚を生やしたエルフっぽい女性の壁画は無事だったようだ。
>『ほとんど首なし女(Ms.NearlyHeadlessMami)と話せなくて退屈だったんだ。』
リリィは狂った帽子の蝙蝠殿(Sir.MadHatBat)の言葉に苦笑した。
「そりゃ彼女と一緒にいたら、退屈しないわよね」
『ほとんど首なし女(Ms.NearlyHeadlessMami)』は、女性を見るとなぜか攻撃的になるのだ。
魔女が嫌いなのかもしれない。

「あっ!あった!見て、あれ!!」
すやすや眠る翼の生えたライオンが眠る傍らには、エンカの左手らしきものが転がっていた。
「じゃ、じゃああれが、とってもかわいい・・・・・・・アップル・シーナ?」
絶句しているリリィをよそに、狂った帽子の蝙蝠殿(Sir.MadHatBat)はなぞなぞを仕掛けてきた。
>「人食いの生き物が考えることなんて常に一つです、すなわち俺お前丸かじり」
>「にゃなぁ」(それだとどっちにしろ助からないじゃん)
「で、でも一応考えてること当てたんだから助かるんじゃないの?」

>「そんなことより知らない獣人っぽい人が変わった抱き枕を抱いて気持ちよさそうに眠っていますね (略)
 ぐっすりと眠れるようにどなたかスリープクラウドをあの方に掛けてさしあげてください」
>「うなぁ!」(使えないんかい!)
「わ、私だって無理だよ!真ちゃんは?あれ?真ちゃーん?!総裁代理?!」

>「あの看板は見なかったのか!?
  ええ!?私は統一魔法評議会から派遣された監査官だぞ!」
ひいい、と小柄なフリードの影に隠れ、目を閉じ小さくなるリリィ。
怖くて監査官の姿が見られない。
一方のフリードは、監査官の剣幕にも一歩も引かず、冷静に会話を続けている。
どうやら二人と一匹は、どこかで面識があるらしかった。
>「ああそうだ(ぽんと手を叩くフリード)僕なんかが逆立ちしても勝てないであろう強力無比で素晴しき魔法使いであるオワゾー様
> よろしければこのライオン娘さんを教材にスリープクラウドの実技指導をして頂けないでしょうか? (略)」
>「にゃあお」(立ってる者は神様でも使えってね)
一言余計である。

リリィは俯いたまま、持っていた箒をぐっと握り締めた。
監査官が引き受けてくれる可能性は非常に低い。
もしも断ったなら、リリィは次の瞬間箒にまたがりアップル・シーナめがけて全力で飛ぶだろう。
リリィには、ライオンと戦うだけの力が無い。
取り返せる可能性があるとすれば、箒で飛び不意をついて左手を掻っ攫っていく方法しか思いつかないのだ。
いずれにせよ、アップル・シーナが目を覚ますまでが勝負だった。
リリィは固唾を呑んで、ヒステリックな監査官の返答を待っていた。

139 :オワゾー ◆DyK.TseWVo :2011/06/16(木) 20:09:36.91 O
>>136-138

>「……あれ、監査官さん?貴方と以前どこかで会いませんでしたっけ?」

確かに一度実技試験で顔を合わせているのだが、いらつきがほぼ頂点に達している今のオワゾーにはフリード達の言葉など耳に入らない
よく顔を見れば思い出すのだろうが彼にとっては目の前に写るのは雛型などでは無くただの騒々しいだけの生徒に過ぎないのだ
間抜けな監査官で良かったねみんな!

「何をごちゃごちゃ言ってるんだ!!ええ!?
朝から騒ぐ大馬鹿がどこにいる!?
だいたい貴様等みたいな生徒は」

>「ああそうだ(ぽんと手を叩くフリード)僕なんかが逆立ちしても勝てないであろう強力無比で素晴らしき魔法使いであるオワゾー様(略)」

「ほぉ…私の事を良くわかっているじゃないか…
うむ、感心感心!本来であれば実技指導など行わないんだが 君は実に人を見る目がある
君の頼みに免じて『特別』に私がこやつを深き眠りの世界へ送ってやろう」

フリードの明らかに皮肉とも取れなくない言葉にオワゾーは馬鹿正直に乗ってしまった
先程の怒り様はどこへやら おだてに乗り すっかりと気を良くしてしまう
単純で良かったねみんな!
そして、偉大なる監査官様は杖を大袈裟に構え、呪文を永唱する
「後ろに隠れている そこの女生徒も、よおく見ていろ!!!

スリープクラウド!!!!!!!」

ライオンが深き眠りの世界(笑)へ旅だった様には感じられない

魔法が決まらないオワゾーはもう一度杖を構える

「スリープクラウド!!!!」
「スリープクラウド!!!」
「スリープクラウド!!!!」

数回繰り返しても一向に深い眠りには付かない
オワゾーの顔は赤みを帯び 体は小刻みに動き始めていく

「き…貴様等私をバカにしているのかぁ!!!
もういい!貴様等全員すぐに整列しろ!名前を言え!クラスの担任は誰だ!!
下らん遊びに付き合ってやったというのにその態度は何だ!!私を舐めるなぁ!!!」

偉大なる監査官様は魔法が出来なかった末に、その怒りを生徒にぶつけるという有様だ
とんだ災難が皆へ降り懸かったものである

140 :天海真 ◇hCjEHNrkek:2011/06/16(木) 21:54:27.31 0
>「えっと・・・・・・・ただの友達以外にどんなのがあるの?あっ、もしかして親友?!
 やだなー、まだそんなんじゃ・・・・・・やだマコトちゃん、照れるじゃないのよもー」

「まあ、あんたは人の男に手を出すような悪どい女とはちゃうやろな……食人鬼の餌になりたいんやったら止めはせえへんけどな」
真ちゃんは実は召還術士なのだ

>「それはそうと、東方って夫婦別姓なんだね。こっちとはまた違うんだー」

「まだ結婚はしてへんねん……勇気が『この学園を卒業するまでは待ってくれ!!』って私に哀願するから渋々待ってあげてんねん
私を守れるようないっぱしの魔法武士になるんやて」
顔を赤らめながら恥ずかしいながらも楽しそうに話す

>「見ての通り、包帯を巻いただけの、どこにでもいる
 普通の魔法学園女生徒だが」

「変わった格好やな……そういう風習なんか?」
ただ学術的に興味があると言ったご様子

「そうか、ならば今すぐに私を殺すのか?
 ……フフ、彼には色々と良くしてもらった……そう、色々とね。
 時既に時間切れ、君はとっくに敗者に成り下がっていたんだよ……フフフ……」

真を知る者が入ればだれもが「あ、こいつ死んだな」と思うぐらいのあからさまな言葉
だが……
「ふ〜ん」
真は意外と興味無さげであった
「あんたからは勇気の匂いがせえへん、あんたは勇気には近づいたこともないやろ?
正直ドン引きするぐらいの発言だけど彼女はこれで大真面目
「>まぁ……私を殺すのは不可能だよ。
「あんたみたいな変態さんはおことわりやわ」
どっちが変態なんだか
 
そして、ロビーへ

>「どこにいるの?!エンカの左手を返しなさい!いい子だから!!」
アップルシーナという奴からエンカの左手を取り返すというのだけど真にはどうでもよかった
「早く見つけてや……勇気を探しにいきたいねんから」
真はそれだけいってロビーの人間に聞き込みを始めた
だけど誰も知らない……さすがの真も少ししょんぼりのご様子
そこにリリィが助け舟

>「うん。で、今は人探しの真っ最中なの。アップル・シーナとエンドウユウキって生徒、見なかった?
 エンドウ君のこと、真ちゃんが朝からずっと探してて。・・・・・・ほら、真ちゃん?」

「な、なんや絵の中のおっちゃんが喋っとる!!おもろいもんがあるもんやな〜昨日の夜か今朝の明け方ぐらいに髪の毛真っ赤かの男見いひんかった?」
農夫はすぐに合点がいったようで
「おお、みたよ。みたよ。確か……森の神殿がどうのこうのとうわ言のように呟きながら歩いていたからよく覚えているよ」

>>133
真は今すぐにでも飛び出したい衝動をぐっと抑えてオワゾーに話しかける
「森の神殿ってどこにあんの?」
監察官だか監査官だか知らないがとりあえず偉そうなので知ってるかもと考えた

141 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/17(金) 21:42:00.24 0
>134
>「…“太陽のかけら”のことなんだけどよぉ?」
「……何か疑問でもあるのかい?
 あるなら、解決できる時にしておくべきだ。
 知らなかったが故に、と後悔するのも業腹だろう?」
当人はごく普通に接しているつもりなのだが、遠回しな催促とも受け取れる返答は
エンカの考えも合わさって、焦っていると言う印象をより強めただろう。
……自身の感情の波立ちに、『彷徨者』は気づいていなかった。

>「いや、別にあんたに刀を渡さないとかそんな事は考えてねぇよ?(中略)
> もしそうだとしたらよぉ、旧世界の人間は、俺達新世界の人間を見て、どんな風に思ってるんだろうなぁ?」
「……それで?」
エンカから刀を受け取りつつ、『彷徨者』は次の句を促す。
そして語られる、妄想と言う名のささやかな疑問……『彷徨者』は考える素振りを見せ
「形見を渡してもらった礼も含めて、私の個人的思考でよければ答えよう。
 ……その生き残りがどの様に考えているかは分からないが、仮に人と同じ感性を持っているとしてだ。
 新世界の人間、つまり君達が今をどう思っているか……それが答えの一つになり得るのではないかな?
 分かり易く言えば、自分達が嫌いな世界を過去の人間達が気に入るとは思えない、そうだろう?」
明確な答えを提示しない、逃げの返答を告げた『彷徨者』だったが……これも嘘である。
『彷徨者』は、明確な答えを知っている。だが、少なくとも今はまだそれを告げるつもりはない。

>「つまらねぇことを聞かせちまって悪かったな。俺の勝手な妄想さ。
> ところで、俺達がこうして会うのはこれっきりってことは無いんだろ?
> また会いに来てくれよ。嫌なことがあった時は、愚痴の一つも聞いてやるからよぉ。な?」
「いや、構わないさ。人間、誰しも気になった事は誰かに聞かずにはいられないもの。
 その好奇心が、人間と言う種をここまで進化させてきたのだからね。
 ……一つ、聞かせてもらっていいかな? 何故君はそんな事を言う。
 私なぞに多少なりとも気を回す、その感性は私には理解できない。何故だ?」


エンカからの答えを聞いた『彷徨者』の表情に、変化はない。
いや、最初に会った時のあの仮面の張り付いた様な、生気を感じない薄ら笑いに戻っていた。
「さて、ではロビーに行くのだろう?
 君さえよければ送って行こうじゃないか……左手を取り戻すのならば、
 場所が確定している今が最大のチャンスだろうね。これを逃せば、君の不便な時間が
 長引くのは間違いない。それとも、諦めてどこぞから右手を頂戴して両方とも右手にしてしまうかね?」
そんな事をすれば、エンカに『吊られた男』の二つ名と超常的な力が自動で贈呈されてしまうだろう。
結末? 『しゃぶれッ!おれの剣をしゃぶれッ!このドグサレがッ!』に決まってるじゃないか……

ともあれ、『彷徨者』は用事が済んだにも拘らずいまだ一行と行動を共にするつもりの様だ。
そこに如何なる意図があるか、周囲に知る術はない。

142 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/17(金) 21:42:49.05 0
>140
>「あんたからは勇気の匂いがせえへん、あんたは勇気には近づいたこともないやろ?
ロビーへと向かう間、『彷徨者』は真の判別方法である匂いについて考えていた。
(「ックク、まさか匂いを根拠にするとはね。流石の私も苦笑いだよ。
  ……無知とは罪である、さて誰の言葉だったか」)
真の言葉に嘘はない。確かに『彷徨者』からは炎道勇気の匂いはしなかった。
されど、信じ難い事に『彷徨者』も嘘はついていないのだ。
(「匂いなど、するわけがない……そう、『今の私』からはね」)


>139
>「き…貴様等私をバカにしているのかぁ!!!
> もういい!貴様等全員すぐに整列しろ!名前を言え!クラスの担任は誰だ!!
> 下らん遊びに付き合ってやったというのにその態度は何だ!!私を舐めるなぁ!!!」
そうしてこっそりと一行から少し離れた所に姿を現した『彷徨者』とエンカだったが、
どうやら例の『監査官』とやらに一行は絡まれている様だった。とんだ災難である。
(「やれやれ、理解はしていたが……私の想像を超えるレベルの小物だな。
  まぁ、小物ゆえに私にとっては都合がいいわけだが……この場で余計な事をして
  ブレに干渉されるのは好ましくないな。上手く冷水を浴びせられればよいのだが……」)

「おや、何ぞ騒がしいと思えば……監査官様ではありませぬか。
 斯様な場所で、はて何をしておられるのでしょう」
癇癪を起こし喚き散らすオワゾーの背後から、唐突に声を掛ける『彷徨者』。
オワゾーの性格的な弱点を早速突きに掛かったわけだが、果たして効果はあるのだろうか?

「さてさて、御身の近くで騒ぐなと監査官様は仰いますが……
 かく言う御身もまた、年端も行かない若造と同じ様に大声を張り上げておられる。
 規律を重んじ、粛々たる精神と行動を身に付けるべしと申されるならば
 まずは御身が模範となりかくあるべしとの姿を見せるのも、また一つの所作ではありませぬか?
 ……それとも、権威を笠に着て力無き者を抑え付けるのが評議会の方針なのですかな。
 だとするならば……それは評議会が各国の信用を一方的に裏切るにも等しい行為。
 如何な評議会と言えども、世界を敵に回す愚行はいたすまいと思いたいのですが……
 まさか、御身の独断などと言う事は……ハハハ、有り得ませぬな」
屁理屈、暴論、詭弁のミックス粘土を捏ね回す『彷徨者』。
『彷徨者』が見切った『普段のオワゾー』ならば、自分の軽率な行動が
とんでもない大事に繋がると知ったら、知恵を絞って保身に回り矛を収める筈……なのだが。

143 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/18(土) 19:49:48.07 P
>138>139>142
>「スリープクラウド!!!!」
>「スリープクラウド!!!」
>「スリープクラウド!!!!」

「スリープクラウドが遺失呪文だという噂は本当だったんですね
 せめて蝙蝠人間だったら催眠音波とか使えたのに・・・・・・」
ぜんぜん駄目じゃないですかやだぁな結果に思わずつぶやいてしまうフリード
だが残念ながらオワゾーはミミズクである
「にゃあご」(いやそもそもこの魔法使いだらけの環境で精神系呪文が簡単に効くわけなくね?)
「でも寝てるんですよ・・・・・・まさかライオンさん実は狸寝入りなんじゃ?」
本当にアップルシーナが眠っているのかどうかに疑問を持ち始めるフリード
箒に乗って飛び掛ろうとするリリィ
果たしてアップルシーナは本当に眠っているのだろうか?

>「き…貴様等私をバカにしているのかぁ!!!
 もういい!貴様等全員すぐに整列しろ!名前を言え!クラスの担任は誰だ!!
 下らん遊びに付き合ってやったというのにその態度は何だ!!私を舐めるなぁ!!!」
「まあまあ落ち着いてください・・・・・それに僕の名前を聞けば後悔しますよ主にジュゲム的な意味で」
「んみぁ」(貴族のフルネームって何であんなに長いんだろうね)
ちなみにフリードリッヒ・カイ・ポリアフ・ザンギュラビッチ・シャーベットビッチ・デューク・ノクターンといい
ノクターン公爵家のシャーベットとザンギュラの息子で雪の女神ポリアフにカイとして洗礼されたフリードという意味である

>「おや、何ぞ騒がしいと思えば……監査官様ではありませぬか。
> 斯様な場所で、はて何をしておられるのでしょう」
と唐突に現れるシャイナ
「あれ?閃光魔女さん?」
「にゃあ?」(なんで漢訳?)

>「さてさて、御身の近くで騒ぐなと監査官様は仰いますが……(ry」
「別に僕は国の代表でも何でも無いんですけど・・・・・・」
「みゃあ・・・・」( 親が偉いと大変だね・・・・)
「親は関係ないでしょうが親は!!」

森の神殿というキーワードを手に入れ
恐れを知らないスピリットでオワゾーに質問を投げかける真
>「森の神殿ってどこにあんの?」
「グレンは知ってますか?」
「なうお」(知らんがな)
「猫の森なら知ってるんですけどねぇ」
猫の森には猫がいっぱいでモフモフなのだ


144 :オワゾー ◆k4Jcxtcjwo :2011/06/18(土) 23:40:26.56 O
>>140-143

呪文に失敗し面子が丸潰れとなったオワゾーの怒りは測りしれない物であった
せっかく手に入れた権威を踏みにじられたと錯覚しプライドを大きく傷つけられた彼にどんな言葉も通用しないだろう

>「森の神殿ってどこにあんの?」

>「まあまあ落ち着いてください・・・・・それに僕の名前を聞けば後悔しますよ主にジュゲム的な意味で」
「んみぁ」(貴族のフルネームって何であんなに長いんだろうね)

「だいたい貴様等みたいなのが居るから学園の、いや魔法界全体の風紀が乱れるんだ!!
何!?森の神殿だ!?今は人が話してる途中だ!そんな話はどうでもいい!!!
評議会の監査官として正式に貴様等を」

真の質問などに真偽はともかく冷静に答えられる程、今のオワゾーは落ち着いていない
顔は熟したトマトのように真っ赤になり、知能の低いオーガの如く今にもステッキで殴りかからんとする有様であった

>「おや、何ぞ騒々しいと思えば…監査官様ではありませんか(略)」
何者かの声がオワゾーの監査官権限を発する直前で遮った
自身の発言を邪魔されたオワゾーは怒りのあまりギョロっとした目をより見開き振り返る、目の前には見覚えのある女が映っていた
>「さてさて、御身の近くで騒ぐなと監査官様は仰いますが……
 かく言う御身もまた、年端も行かない若造と同じ様に大声を張り上げておられる。
 規律を重んじ、粛々たる精神と行動を身に付けるべしと申されるならば (略)」
延々と講釈を垂れ流す彷徨者のお陰でオワゾーは益々生徒達への怒りを募らせていく
監査官としての任務初日から自身の描いていた予想から大きく外れてしまった事もあり、沸々と沸き上がる黒い感情は抑えられない
だが、ここで騒ぎになれば自分の益にならないというのも十分理解している、この女はオワゾーの殺害すらも仄めかしていたのだから
彷徨者の意図に反するというのも得策では無い
「もう良い!今の出来事は全て無かった事にする!
私は忙しいんだ!これ以上貴様達に構っていられるか!!!」
オワゾーは今にも湯気が出そうな程顔を真っ赤にし捨て台詞を吐きながら去っていった

145 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/19(日) 04:01:57.58 0
>139-140 >142-144
リリィは、監査官とフリード、マコト、そして後から現れたシャイナ達のやり取りには一切口を挟まなかった。
いや、挟めなかったといったほうが正しいだろうか。
なぜなら、箒にまたがり飛ぼうとした瞬間、オワゾーがリリィに向かって
「後ろに隠れている そこの女生徒も、よおく見ていろ!!!
と言ったからだ。
結果、彼女は金縛りにでもあったように動かなくなった。

「私の名前はリリィです。現在特定のクラスには属していません、オワゾー様」
感情を高ぶらせていくオワゾーの姿にも全く動じず、無感情に淡々と返答する。
常日頃のリリィを知っているものなら、多少違和感を覚えるかもしれない。

146 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/19(日) 04:04:39.59 0
オワゾーの姿が見えなくなった後、リリィははっと我に返った。
そしてくしゃりと顔を歪ませる。
「なんか、頭・・・痛いかも・・・・・・・声が大きかったせいかな?
 怖いよ、あの監査官って人」
あれだけ大声で怒鳴られ続けていれば、気持ち悪くなるのも仕方ないかもしれない、とリリィは思っていた。
「とりあえずアップル・シーナは目を覚ましてないよね?無いよね?」
今のところライオンの寝息は乱れていない。
が、あれだけ大騒ぎしたのだ。いつ目を覚ましてもおかしくは無かった。
「私が行く!行って、エンカの左手を取り返してくる!」
リリィはキリッとした顔で言い切り、ぴっと親指を立てた。気合十分である。

彼女が箒に跨り魔力を高め始めると、スカートの裾が風も無いのにはためき、体も淡く光り始めた。
「だ、だけど・・・・・・もしライオンが目を覚まして襲い掛かってきたら・・・・・・え、援護してね?」

ロビーの天井は高く、ステンドガラス越しの光がやわらかくロビーの壁画に色を添えていた。
アップル・シーナとリリィの間は約10メートル強。
ロビー全体では(障害物はいくつかあるものの)直線距離で20メートルくらいは取れる。
仮に全力飛行後急停止出来ずとも、ロビー反対側に伸びる廊下に飛びこめれば大惨事は避けられるだろう。
まあ、バランスさえ崩さなければ、の話だが。

147 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/19(日) 04:20:40.81 0
「では・・・・・・行きます!」
リリィは、放たれた矢のように飛び出していった。
すべては一瞬だ。
しかし今の彼女には、全てがコマ送りのようにゆっくりで、ひとつひとつが鮮明に感じることができた。
5メートル、3メートル、2メートル・・・・・・1メートル・・・・・・
(今だ!)
リリィは箒から大きく身を乗り出し、エンカの左手へと手を伸ばした。

148 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/19(日) 19:29:23.61 0
>141
> 「(前略)……一つ、聞かせてもらっていいかな? 何故君はそんな事を言う。
>  私なぞに多少なりとも気を回す、その感性は私には理解できない。何故だ?」
「何故って、そりゃあ……」
エンカはシャイナにそう尋ねられて、少し考えてから言った。
「あんたが今まで、いい男に巡り合わなかったってだけっすよ。」
エンカはニヤリと笑った。シャイナも笑っている。
しかし、二人の笑いは全く異質のものだった。

> 「さて、ではロビーに行くのだろう?
>  君さえよければ送って行こうじゃないか……左手を取り戻すのならば、
>  場所が確定している今が最大のチャンスだろうね。これを逃せば、君の不便な時間が
>  長引くのは間違いない。それとも、諦めてどこぞから右手を頂戴して両方とも右手にしてしまうかね?」
「いやいや、その発想はおかしいっすよ。それに…
 ロビーに送ってくれるって言ってくれるのはありがたいんだけどよ、遠慮しとくぜ。
 あんたはロビーに行くのか?もしもリリィやフリードに会っても、
 俺がロビーに行くことを拒否したことは内緒にしといてもらえねぇか?
 ちょっと俺一人で確かめなきゃならねぇことがあるんだ。」
エンカはシャイナの提案を断った。
もしもシャイナがその内容を聞こうとしても、
エンカは「いや、プライベートな事っすから。」と秘密にするだろう。

149 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/19(日) 19:34:44.06 0
>147
> リリィは箒から大きく身を乗り出し、エンカの左手へと手を伸ばした。
背中に翼をはやしたメスライオンはいまだに気持よさそうに眠っている。
リリィを邪魔するものは何もない。彼女は間違いなく、エンカの左手を回収できるはずだった。
そしてリリィはエンカの左手と自分の手が重なった瞬間気付くだろう。
そこに実体としてのエンカの左手が無かったことを…

少しして、とうとう背中に翼をはやしたメスライオンが目を覚ました。
厳密に言えば、それはただのライオンではなく、より人にちかい形をした何かだった。
彼女はあたりを見回し、そしてリリィ達がやろうとしていたことを悟った。
『…他人の夫を勝手に持っていくんじゃないよ。』
ライオンの獣人が体を大きく伸ばした。彼女は女性と形容するにはあまりにも筋肉質で、大きな体だった。
『アップル・シーナ?違う、あたいの名はキラー・チューン。
 祝福しろ。夫婦にはそれが必要だ。』
床に置かれているように見えるエンカの左手は、
どうやら鏡やレンズにうつった像のようなもので、実体はそこには存在しないようだ。
そして、キラー・チューンと名乗ったメスライオンの獣人は、その秘密を教えるほど親切ではなさそうだった。
キラー・チューンが天井に手をかざすと、ステンドグラスが崩壊し、鋭利な破片が大量に落ちてきた。
『祝福しろ。』

150 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/22(水) 14:38:27.84 P
>144>146>149
結局文句を言って帰ってしまったオワゾー
「もしかしてあの人ミミズクになるしか能が無いんじゃ?」
「にゃあ」(いやさすがにそれは無い・・・・・よね?)

>「だ、だけど・・・・・・もしライオンが目を覚まして襲い掛かってきたら・・・・・・え、援護してね?」
「一身上の理由につき攻撃できませんが防御は任せてください」
と魔法で氷の盾を生み出すフリード

エンカの手を取り戻そうとアップルシーナに飛び掛るリリィ
意外それは偽者!?
やはり眠っていなかったらしいライオン獣人
そして手を取り戻せなかったリリィ

>『アップル・シーナ?違う、あたいの名はキラー・チューン。
 祝福しろ。夫婦にはそれが必要だ。』
「キラー・カーン?」
それはプロレスラーの名前である

>『祝福しろ。』
「だが断ります!」
頭上に氷の結晶の盾を生み出しガラスの破片を防ぐフリードリッヒ
「そういう愛される方の都合を考えない一方的な愛って良くないと思うんですよ」
「うなぁご」(僕とは無理やり契約したくせに)
と茶化すグレン
「っていうかそれはエンカさんの体の一部であって本体じゃないんですから
 意思の確認すら出来やしないじゃないですか」
「なあご」(でも本体だからといって生首持ち出されても困るよね)
それだとサロメになってしまうだろう

「相手は女性ですし猫科です・・・・・攻撃するわけにもいけないですしどうしましょう?」
フリードはフェミニストで猫好きなので攻撃するには意志の強さで判定をする必要があるだろう
「にゃあご」(羽も生えてるし飛ばれたら対応できないよね)
「そうですね空なんか飛ばれたら対応の仕様がないです」
そしてフリードリッヒは空が飛べない
地味にフリードの弱点を備えた相手である

「空が飛べないなら僕と合体(ソウルユニオン)してよ♪
 そうすれば空が飛べるようになるよ♪」
と天井に開いた穴から蝙蝠のような翼を羽ばたかせ現れる頭にリボンのついたもう一人のフリード
その名もグレムリンのギズモである
ちなみにこのリボンには全状態異常無効化なんて便利な効果はない
「僕のタッグパートナーはグレンだと決めているのでお断りします」
「にゃあな」(僕は別にかまわないよ?)
「猫ちゃんが何言ってるか分かんないけど多分良いって意味だね♪よし強制合体だ♪」
「きょ、強制合体!?」
合体戦士は心が一つにならないと馬鹿になって役に立たないって事分かっているのだろうかこの子は?
合体時の光の後に現れたのはどこぞのサキュバスクイーンのコスプレをしたフリードであった
・・・・・・まあ本来はフリージアさんとの合体を考慮した格好だから仕方が無いよね
「何ですかこの恥ずかしい格好やだぁ!!」
フリードSUギズモ爆誕!!

「にゃあ?」(リ○ス?)


151 :青葉草介 ◆UeaUYwi1Nw :2011/06/22(水) 18:55:20.29 0
>>20
>「そう言えば薬と今言ってたニャ?もしかして薬学科の生徒か?
 ロゼッタが怪我したんだが、保健室の変質者が恐くて行けないらしいニャ〜。
 薬草の手持ちがあったら、悪いが分けてやってくれニャーか?」
と、頼んだ。
>「あっ、劇的に効果がある回復薬でなくてもいいんニャ。
 あまり強力な奴は高価だし、中身も毒と紙一重だからニャ〜。身体の負担が大き過ぎてよろしくないニャ」
「了解です。ええと…有りました、『ヒールポーション(緑)』。副作用は少しだるくなる程度です。ロゼッタさーん、薬ですよー!!」

>>131
>『ねぇ、僕となぞなぞをしないかい?君が人食いライオンと出会ったとする。
 ライオンは言った「私の考えていることを見事当てたら命を助けてやろう」
 さぁ、君ならなんて答えるんだい?』
「その前にいくつか確認。1、ライオンは喋る物なのですか? 2、答えの真偽の確認は? 3、その判定が本当のことだと言い切れます?
これってライオン側に明らかに有利なクイズですよね? 此方はライオンの心の中を確認する術を持たない。故に、万が一偶然にも考えを言い当てられたとしても、
それを『外れ』としたところで何の問題にもならない。故にこの問いは此方に読心能力がなければ成り立たない。しかし、読心能力があった場合クイズとして成り立たない。テストの答えを見れるようなものなんですから。
…でも、それらをまるっきり無視した上で答えるなら、『貴方の考えを言い当てたら命を助ける。では、僕からも条件を。もし僕が貴方の考えを言い当てられなかったら、僕とは会わなかったことにしてください』」


152 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/22(水) 20:06:17.12 0
>149-150
翼の生えたライオンは眠っている。
箒で飛ぶリリィとエンカの左手の間には、何も遮るものは無かった。
リリィは確実にエンカの左手を取り返せた・・・・・はずだった。
「えっ?!」
伸ばしたリリィの手はむなしく空を掴み、虚をつかれた彼女はメスライオンの翼に手を接触させてしまった。
ぐらり、と飛行姿勢が崩れる。
『わーっ危なっ!!シャイナさん避けて避けて避けてええっ!!!』
テレパシーで大騒ぎするリリィをよそに、エンカの左手は何事も無かったかのようにライオンの傍に鎮座していた。
その場にいた全員が気づいただろう。
実体としてのエンカの左手が、その場に無かったことを。

ロビーから伸びる廊下から、リリィがよろよろと戻ってきた。
ちょうどアップル・シーナ改めキラー・チューンは、ロビーのステンドグラスを砕いたところだった。
「うわっ危なっ!!」
リリィは廊下へ逃げ込んだ。
彼女のすぐ後ろを、鋭いガラスの破片がいくつも突き刺さっていた。
「皆!大丈夫だった?!」
フリードは氷の盾を出し、危険な雨を防いでいる。
(他のメンバー達はほとんどが女性だ、フェミニストのフリードが無事ならば、他の女性陣も無事に違いない。)

153 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/22(水) 20:14:10.40 0
>「そういう愛される方の都合を考えない一方的な愛って良くないと思うんですよ」
>「うなぁご」(僕とは無理やり契約したくせに)
「それはグレンがオスだからじゃ・・・・・」
>「っていうかそれはエンカさんの体の一部であって本体じゃないんですから
> 意思の確認すら出来やしないじゃないですか」
「そうよそうよ!エンカの許可もなしに体の一部を夫にするんじゃないわよー!!」
(っていうかこの身勝手さ、ロゼッタちゃんにそっくりじゃない?!)
リリィはロゼッタの耳たぶをぎゅーっと引っ張ると、勢い込んでささやいた。
「ちょっとロゼッタちゃん聞こえてる?!何か翼の生えたライオンがロビーで暴れてるわよ。
 ライオンは自分のこと、キラー・カーンって名乗ってる!これがアップル・シーナなの?
 それとも別のライオン獣人なの?!
 でもこのライオン、エンカの左手の幻のこと夫って言ってるわよ?!何か心当たりとか無いわけ?!
 もしもーし、ロゼッタちゃん、聞こえてますかー!!」
とりあえず、名前を聞き間違える癖は、何とかしたほうがいいかもしれない。

目の前でギズモと合体したフリードは、サキュパスも真っ青な姿に変身した。
「わぁい!じゃなかった!大変!フリード君が変な趣味に目覚めちゃったよぉおおー!!!」
>「何ですかこの恥ずかしい格好やだぁ!!」
一応、中身は普段のフリードのままのようだ。
「フリード君がんばれー!!カッコウなんか気にするなー!
 そんでもって、そのライオンからエンカの左手をどこに隠したか聞き出してー!!」
無責任に応援するリリィ。
「あれ?マコトちゃん?マコトちゃんとシャイナさんは?
 マコトちゃーん!シャイナさーん!!はっ、もしかして・・・・・・怪我してるの?!」
りりぃはきょろきょろと、ロビー入り口から中を覗き込み二人の姿を探した。
リリィの位置からは、ライオンと対峙するフリードとグレンしか見えないのだ。

154 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/06/22(水) 20:23:09.25 0
「誰でもいい、エンカの左腕の断面を覗き込んで!何が見えるか教えて!」
左腕を預けたのはフリードだが、今も彼が持っているとは限らない。
そして真やシャイナには、会ったばかりのリリィの頼みを聞く謂れは無い。
だがいきなり攻撃を仕掛けられてきて、是とするような性格にも見えない。
リリィは箒に跨ると、キラー・チューン目掛けて飛んだ。
「お前は何者なの?!エンカの左手をどこに隠したの?!
 フリード君の言うとおりだわ!相手の意思もお構いなしで夫婦とか祝福しろだとか!独りよがりにも程があるわ!
 夫婦ってそんなものじゃないでしょう?
 あなたの言い草、ロゼッタちゃんにそっくり!」
叫んだ後、リリィははっとした。強い違和感を感じたからだ。
そしてキラー・チューンの手前で急上昇し、割れたステンドグラスのあたりで停止した。
リリィはふわふわと宙に浮いたまま、キラー・チューンを見下ろした。
「キラー・チューン。あなたに質問するわ」
なぜこんなことを言う気になったかは、本人にもわからない。
これは昨夜、リリィがロゼッタから受けた質問だった。
リリィにはこの言葉の表面上の意味しかわからない。
だが、ロゼッタにとっては、何か特別な意味があるように思えたのだ。
「仮にあなたの『夫』が不幸な事故で、この世からいなくなったとする。
 あなたにとっては、その人がいない世界なんて、なんの意味もないってくらい好きな人よ。
 もしそうなったら、あんたはその男の後を追って死ぬの?
 それとも代わりになる別の男を探すの?」
リリィは一呼吸おいて、更に続けた。
「あなたが持っている左手は、あなたにとってそれだけの価値があるの?!」


155 : ◆jntvk4zYjI :2011/06/22(水) 20:23:56.83 0

時間は、少しさかのぼる。
>151
「おい青葉しっかりするニャ!しまった、打ち所が悪かったニャ?!」
人食いライオンの質問に答えている青葉を、誰かがゆさゆさと揺さぶった。
「仕方ない、目を覚まさないならこうするまでニャー!」
その直後、青葉は頬をぶたれたような痛みを感じただろう。
「お、目が覚めたニャ?!良かったニャー!!」
目を開けたなら、青葉の周りの状況が一変していることに気づくだろう。
先ほどまで、監査官を迎え入れるために整えられていたロビーだったが、今ではすっかり見る影も無かった。

青葉と問答していた蝙蝠男は、絵の中の隅っこへと逃げている。
他の壁画も似たり寄ったりだった。
壊され降り注いだステンドグラスの破片が、学園ロビーの床や壁画に突き刺さっていたからだ。
幸いにも、青葉とルイーズの周りにはガラスは無かった。ちょうど柱の影だったおかげだろう。
「状況はわかるニャ?お前、監査官に突き飛ばされて頭打ったにゃ。
 しばらく意識が無かったが、吐き気とか無いかニャ?具合悪いならヒールポーション(緑)飲むニャ?!」
それは青葉がロゼッタにと渡した品だったのだが・・・・・・。

「とにかく大変なんニャ!ついさっきまであそこで寝ていたライオン獣人が、いきなり暴れ始めたニャ!
 青葉、お前はどうするニャ?!
 まだ具合悪いなら保健室に運んでやるニャ?」

156 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/23(木) 21:42:19.66 0
>150>153>154
> 「っていうかそれはエンカさんの体の一部であって本体じゃないんですから
>  意思の確認すら出来やしないじゃないですか」
とフリード。リリィも一獅ノなってキラー・チューンに叫ぶ。
> 「そうよそうよ!エンカの許可もなしに体の一部を夫にするんじゃないわよー!!」
『…あの左手、本体はエンカというのか。あんた達、彼を知っているのね!』
キラー・チューンは、まるで遠距離恋愛していた恋人を待ちわびたかのようにときめいた顔をした。
もっとも顔はライオンそのものなので、周りからはただアブナイ顔にしか見えないだろうが。

> リリィはロゼッタの耳たぶをぎゅーっと引っ張ると、勢い込んでささやいた。
> 「ちょっとロゼッタちゃん聞こえてる?!何か翼の生えたライオンがロビーで暴れてるわよ。
>  ライオンは自分のこと、キラー・カーンって名乗ってる!これがアップル・シーナなの?
>  それとも別のライオン獣人なの?!
>  でもこのライオン、エンカの左手の幻のこと夫って言ってるわよ?!何か心当たりとか無いわけ?!
>  もしもーし、ロゼッタちゃん、聞こえてますかー!!」
>「うるっさいな、リリィ。聞こえてるからあたいの耳にどならないで…!」
ロゼッタの耳がリリィに応えた。本当はリリィに語りかけるつもりなどなかったのだが、
とうとう根負けしたのか、耳の切断面を破って、そこからリリィに語りかけたのだ。
>「話は全部聞こえてるよ。キラー・カーンじゃなくて、キラー・チューンだ。まぬけ。
> なんで改名したか知らないけど、たぶんその子がアップル・シーナだよ。かわいいだろう?
> 左手を夫って言うのは…例えば“リリィは俺の嫁!”的な発想じゃないの?」

157 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/23(木) 21:44:24.75 0
> 「誰でもいい、エンカの左腕の断面を覗き込んで!何が見えるか教えて!」
『無駄だ。そこにあるのは偽物じゃあない。“光の情報”だけが置き去りにされた状態だ。
 覗き込んだところで、本当の場所はわからない。』
実際エンカの左腕の断面を覗き込んでも、絵の隅っこの方へ避難した蝙蝠殿しか見えないだろう。
> リリィは箒に跨ると、キラー・チューン目掛けて飛んだ。
> 「お前は何者なの?!エンカの左手をどこに隠したの?!
>  フリード君の言うとおりだわ!相手の意思もお構いなしで夫婦とか祝福しろだとか!独りよがりにも程があるわ!
>  夫婦ってそんなものじゃないでしょう?
>  あなたの言い草、ロゼッタちゃんにそっくり!」
『あたいを!ロゼッタと!一獅ノ!するな!!』
キラー・チューンがリリィに激怒した。どうやらそれがキラー・チューンの逆鱗らしい。
キラー・チューンはリリィに殴りかかったが、リリィが急上昇したのでその攻撃は当たらなかった。
『化け物?違う、あたいは悪魔だ!』

158 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/23(木) 21:46:04.79 0
> 「キラー・チューン。あなたに質問するわ」
リリィは昨晩ロゼッタにされた質問をキラー・チューンに尋ねた。
> 「あなたが持っている左手は、あなたにとってそれだけの価値があるの?!」
『あるね。ただし、あたいは死なない。死が、神の定めた法則だというのなら、
 あたいは神でさえ殺してみせる。』
ロゼッタと比べれば、キラー・チューンははるかに暴力的な思想の持ち主だった。
『あんた達は肝心なことがまるでわかっていない。
 本人の意思の問題だのなんだのと、正しいことを言ってるつもりなんだろうけど。
 だが、この世界で正しい事というのは、強い奴の言う事が正しいんだ!
 あたいは、あたいより弱いヤツには従わない!
 そして、あたいは最強だ!!』
そう叫んだキラー・チューンは、さっきより少しだけ筋肉が膨らんだように見えた。
『ところで、あんた達からは面白いことが聞けた。あの左手の本体…エンカのことを知っているようだ。
 あたいはロゼッタとは違う。左手にしか興味をもてない、あの女とは違うんだ。
 エンカをあたいの夫にしてみせるぞ!力づくでもな!!』
キラー・チューンの手の中に緑色に光る小さな玉が現れ、
それを、空を飛んでいるリリィを除く他のメンバーの足元に投げつけた。
緑色に光る小さな玉は地面に触れたとたん大爆発をおこした。
『あんた達のような虫けらには用がない。さぁ、次はあんたの番だ。』
キラー・チューンはさっきまでステンドグラスがあったところにふわふわ浮いているリリィを指さしながらそう言った。
もっとも、リリィ以外のメンバーがそう簡単にやられるわけがなかったのだが。

159 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/06/23(木) 22:35:05.10 0
>>143
「猫の森はいいかもしれへんな〜」
かわいい動物が嫌いな女の子はいないのだ
「勇気との家では猫をいっぱい飼ってな〜」
リリィが真の心配をしていたが真は勝手に自分の世界に入っていただけだった

「それにしてもさっきの先生、いけ好かへんやっちゃな〜あんなんが先生とか信じられへんわ〜」
真の質問にまったく相手にせず勝手に去っていったオワゾーにプリプリと怒っていた

>『アップル・シーナ?違う、あたいの名はキラー・チューン。
「キラー・クイーン?」
それは負けて死ね!の奴です
突っ込んでみたものの真には事態の推移にはさして興味はなかった
エンカという人間もよく知らないし、好きでもない相手になぜこうも真剣になれるのだろうかと思った

>>150
サキュバスクイーンになったフリードをみて一言
「ロッテってやつ?」
有名なサキュバス、アスタロッテさんのことでしょう

細かいネタは置いておいて、真は物珍しい物をみる感じで離れてことを観察していると
>『ところで、あんた達からは面白いことが聞けた。あの左手の本体…エンカのことを知っているようだ。
 あたいはロゼッタとは違う。左手にしか興味をもてない、あの女とは違うんだ。
 エンカをあたいの夫にしてみせるぞ!力づくでもな!!』

「ふん、そんなもの……」
真は常に魔法障壁を多重に展開させているため、爆発の被害はなにもなかった
ただ他のみんなを守ろうという行動はいっさいしなかった

160 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/26(日) 02:10:26.26 P
>154>158>159
>「フリード君がんばれー!!カッコウなんか気にするなー!
 そんでもって、そのライオンからエンカの左手をどこに隠したか聞き出してー!!」
「にゃあな」(何たる他力本願)
>「ロッテってやつ?」
「にゃなぁ」(全裸万歳チョコだっけ?)
「何でそうなるんでかぁ!!」

>「誰でもいい、エンカの左腕の断面を覗き込んで!何が見えるか教えて!」
>『無駄だ。そこにあるのは偽物じゃあない。“光の情報”だけが置き去りにされた状態だ。
 覗き込んだところで、本当の場所はわからない。』
「蝙蝠が見えますね金色ではないようですが・・・・・」
「ふにゃあ」」(まずいそのネタは絶対にまずい)
見えたのは狂った帽子の蝙蝠殿であって決してアトランティスから蘇った黄金髑髏のヒーローではない

キラーチェーンの放った緑の光玉
>『あんた達のような虫けらには用がない。さぁ、次はあんたの番だ。』
>「ふん、そんなもの……」
「ふう・・・・死ぬかと思いました」
「にゃぎゃー」(フィー坊がアフロに!?)
「ああ、安心してくださいこれはかつらです」
とアフロのかつらを放り投げるフリード
「何とかギャグで乗り切りましたが・・・・・シリアスやってたら死んでたかもしれませんね」
キリ○・QBじゃあるまいし人間死ぬときは死ぬのだ
だがそれは今じゃない
「どうやらこの学園に納められる学費が減った・・・・なんて事は無いようですね」
仲間の無事を確認するフリード
「にゃあな」(くだらないギャグ言ってないで何とかしてよ)
「グレン、なぜ僕が戦いのときにくだらないギャグをやると思ってるんですか?
 それは戦いが怖いからですよ。ギャグでもやってなきゃやってられませんからね」
「にゃあご」(でも攻撃しないんでしょ)
「猫と女性は傷つけられませんから・・・・・野郎だったら即首根っこへし折って脊髄ブッコ抜いてる所ですよ」
だがフリードには相手を傷付けられない!何故ならキラーチェーンは猫科でメスだからだ!!
「派手な攻撃呪文だけが魔法じゃないって教えてあげますよ。フリージング・ホールド!!」
せっかく羽が生えているのに飛ばずに床に拳を叩きつけるフリード
フリードの目の前の床が凍っていきキラーチェーンの真下まで氷が広がるとそこから氷でできた腕が伸び足を掴もうとする
「ちょっと冷たいですよぉ」
「うにゃ?」(それ普通は土でやる魔法じゃね?)
「細かいことは気にしないでください」
果たして捕まえる事は出来るのだろうか?
「にゃあ?」(ちなみに捕まるとどうなるの?)
「本来は捕まえるだけなんですけど・・・・僕のアレンジで自動的に足の指の関節を極めるようになってます」
「にゃあご」(うわ地味にいたそう)


161 : ◆jntvk4zYjI :2011/06/27(月) 04:13:01.41 0
> 156-160
この期に及んでも、ロゼッタは親ばかだった。
>「(略)なんで改名したか知らないけど、たぶんその子がアップル・シーナだよ。かわいいだろう? 」
「え?えっ?!あー・・・・・うん、寝てる姿はかわいい・・・・・かも・・・・・・」
リリィは歯切れが悪かった。
ちょうど「エンカ」という名前を聞いたときのキラー・チューンを思い出していたからだ。

> 左手を夫って言うのは…例えば“リリィは俺の嫁!”的な発想じゃないの?」
「でも俺の嫁って何?私、まだ誰とも結婚してないよ?
 ・・・・・あれ?あれっ?!私もしかして何か間違えた?ロゼッタちゃん?ロゼッタちゃーん!!」

>シャイナさん
リリィはシャイナの姿を見て驚いていた。
「シャイナさん、エンカは?エンカ自分の一大事だって言うのに、どこいっちゃったの?
 どうしたんだろ、こっち側の音は、左腕の切断面から漏れてて聞こえてるはずなのに。
 シャイナさん、何か聞いていらっしゃいませんか?」

>『あたいを!ロゼッタと!一獅ノ!するな!!』
>キラー・チューンがリリィに激怒した。
どうやら『ロゼッタ』は、キラー・チューンにとって地雷だったようだ。
「ひー!!」
>キラー・チューンはリリィに殴りかかったが、リリィが急上昇したのでその攻撃は当たらなかった。
(ロゼッタのドコデモ・ドアーの射程距離が2メートルということを、リリィは一応は覚えていたのだ)

162 : ◆jntvk4zYjI :2011/06/27(月) 04:13:32.80 0
キラー・チューンは言った。自分は、化け物ではなく悪魔だと。
そして力こそが正義であり、自分が最強であると。
・・・・・外見が肉食系獣人だけあってか、悪魔キラー・チューンの思想の根底には
「力こそ全て!」「貴方は一生私のもの!」「世界はあたいの前にひれ伏せ!」が流れているらしい。
そして、(これはキラー・チューンは絶対に認めないだろうが)ロゼッタに強い執着があることも。

「蝙蝠が見えますね金色ではないようですが・・・・・」
やっぱり意味無いのか、とリリィは肩を落とした。


『(略) あたいはロゼッタとは違う。左手にしか興味をもてない、あの女とは違うんだ。
 エンカをあたいの夫にしてみせるぞ!力づくでもな!!』
「馬鹿言ってんじゃないわよ!エンカにだって選ぶ権利があるに決まってるでしょ?!」
説得は無意味なことは、リリィもわかっていた。
キラー・チューンに思いとどまらせるためには、言葉でなく実力で黙らせる必要があるのだった。

キラー・チューンは緑色に光る小さな玉を使い、リリィ以外のメンバーの足元へ投げつけた。
「馬鹿!アップル・シーナ何てことするの!皆が怪我したらどうするのよ!!」
>『あんた達のような虫けらには用がない。さぁ、次はあんたの番だ。』
リリィはカッとなった。皆が攻撃を受けたことと、虫けら呼ばわりされたことに腹を立てたのだ。
怒りの感情は恐怖を和らげる。
だから、キラー・チューンに指差されても怯えたりはしなかった。

爆発に巻き込まれたと思ったフリード達だったが、何とか無事だったようだ。
フリードがキラーチューンに攻撃を仕掛けようとしているのを見て、リリィはキラーチューンに少し接近する。
攻撃があたるよう彼女の注意を引くためと、自分の疑問をぶつけるためにだ。

「で?あなたはエンカのどこが好きなの?
 顔も名前も知らなかった手の持ち主のために、命を掛けられるって?」
ばっかじゃないの?という心の声が今にも聞こえてきそうだ。
「その気持ちって、あなた自身のものなの?
 ロゼッタがエンカの左手を愛してるから、自分は彼女よりずっと優れてると証明したいだけじゃないの?」

リリィは忘れている。
彼女を打ち落とすせる、小さい玉だけではないことを。

一方、真の近くにはm大きな熊が転がっていた。
「うう、ひどい目にあったクマー」
もとい、熊ではなく熊タイプの獣人だったようだ。

熊獣人の下には、男子生徒が横たわっていた。
どうやら獣人は、その場にいた男子生徒を庇って爆発を回避できなかったようだ。

熊タイプの獣人は、真の持っている腕章に気づくと「うう」とうめいた。
「お前総代のくせに何で他の生徒助けなかったクマー・・・・・。
 今年の総代・・・・・・エンドウユウキ・・・・・・・お前総代の資格無いクマー」
もしも総代ではないと真がいったなら、彼女は更にこういうだろう。
「総代の証をそんな奴に託すなんて、エンドウって奴は人を見る目も無いクマー」

163 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/06/28(火) 21:41:04.19 0
>160>162
> 「派手な攻撃呪文だけが魔法じゃないって教えてあげますよ。フリージング・ホールド!!」
> フリードの目の前の床が凍っていきキラーチェーンの真下まで氷が広がるとそこから氷でできた腕が伸び足を掴もうとする
その時、キラー・チューンにリリィが接近してきた。
> 「で?あなたはエンカのどこが好きなの?
>  顔も名前も知らなかった手の持ち主のために、命を掛けられるって?」
『あたいを見くびるな!顔と名前以外のことならば、あたいは左手を見ればすぐにわかるんだ!』
リリィがキラー・チューンの気を引いたので、フリージング・ホールドががっちりとキラー・チューンの足を捕らえることができた。
>「ああん!?」
なぜかロゼッタが、リリィの持っているロゼッタの耳の切断面越しに悲鳴をあげた。
> 「その気持ちって、あなた自身のものなの?
>  ロゼッタがエンカの左手を愛してるから、自分は彼女よりずっと優れてると証明したいだけじゃないの?」
『あたいと!ロゼッタを!比較!するな!!』
キラー・チューンはますます怒った。
『小賢しい!!』
キラー・チューンはフリージング・ホールドを破壊した。
魔法でも何でもなく、その膂力のみで無理やり潰したのだ。
おかげで、片方の足の甲の皮が向け、痛々しい見た目になったが、本人は至って気にしていない。
自由になったキラー・チューンは、すぐさまリリィに襲いかかった。
リリィの頭をポカンとなぐると、逃げられないように襟元を掴む。
『言ったはずだよ?あんたの番だって…!』
キラー・チューンは、リリィの頭を潰してやろうなどとは考えていなかった。
だから手加減をして殴ったのだ。
『貴様!あたいに手加減をしたな!あたいは相手に手加減をされることが、まんじゅうの次に大嫌いなんだ!』
キラー・チューンがフリードにそう叫んだ。
乱暴者の彼女には、ネコ好きのフェミニストの都合など理解できるはずもない。
『貴様が本気で戦う意思を見せないならば、あたいはこの娘を破壊しつくすだけだ…!』
そう叫ぶと、キラー・チューンはリリィを捕まえたまま、ステンドグラスがあった場所から外へと飛んで出て行った。
果たしてキラー・チューンはリリィをどこへ連れ去るつもりなのだろうか?

164 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/28(火) 22:25:35.41 0
>148
>「いやいや、その発想はおかしいっすよ。それに…(中略)
> ちょっと俺一人で確かめなきゃならねぇことがあるんだ。」
「そうかね、我ながら名案だと思ったのだが。
 まぁいいさ、とにかく君は一緒には行かないのだね。
 分かった、彼らに聞かれた時は適当に誤魔化しておくとするよ」
エンカは何か思う所があるのだろう、自身の手に関する事であるにも拘らず
同行はせず単独で動くと言う。『彷徨者』はそれに対して特に食い下がる様な真似はせず、
エンカの意思を尊重する様な態度に終始する。そして、『彷徨者』は自分の足で
エンカの部屋から出て行った。
(「……警戒されているのか? まぁそれも想定の範囲内、焦る事はない。それはそうと……」)

>「何故って、そりゃあ……」
>「あんたが今まで、いい男に巡り合わなかったってだけっすよ。」
移動中、『彷徨者』はまたも意識を少し前の出来事へと放る。

『彷徨者』の問いに、エンカは本気なのか冗談なのか測りかねる答えを返した。
その一言は『彷徨者』の、決して平穏でない精神状態に更なる追い討ちとなっていた。
……ある意味において、エンカの返答は正鵠を射ているからである。
「そうだな……確かにその通りだよエンカ・ウォン。私は出会わなかった。
 ……『私の事を本当に理解してくれる人間』には、ね」
虚空に吸い込まれ消えていった『彷徨者』の呟きには、明確な憎悪の感情が含まれていた。
その憎悪が、何に向けられたものなのか……それを知る時は、『彼女の我が儘』が叶った時である。

>144
オワゾーは相当頭に血が上っているようで、予想していたのとは
違う反応を返した。平素からは考えられない言動、そんなに自分の思い通りに
事が運ばないことが腹立たしいのだろうか。『彷徨者』にはその心情は理解できなかった。
否、もはや失敗に対して腹を立てる様な感性が『彷徨者』から欠如しているだけである。

>オワゾーは今にも湯気が出そうな程顔を真っ赤にし捨て台詞を吐きながら去っていった
(「大人しくしていれば、年端も行かぬ子供らに振り回される事もなかったろうに。
  ともあれ、不要な諍いは止められた、か……? あまり楽観視も出来そうにないな」)
オワゾーの怒り肩を眺めながら、『彷徨者』は次の手順へと意識を向ける。
あまり時間を取られると機を逸してしまう、そうなると『修正』に手間が掛かる。
『彷徨者』にとって、必要以上の他者との接触は好ましくない事柄なのだ。
故に、手間は少なければ少ないほどいいと言うわけである。


>149-150
>キラー・チューンが天井に手をかざすと、ステンドグラスが崩壊し、鋭利な破片が大量に落ちてきた。
>『祝福しろ。』
獣人は周囲の騒ぎとリリィの行動が引き金となったのか、目を覚ました。
ご丁寧に自己紹介をし、その後問答無用で攻撃を仕掛けてきた。かなり好戦的な性格をしているらしい。
「……クックック」
キラー・チューンと名乗った獣人の言葉を、『彷徨者』は喉で嗤う。
まるで、見当違いな事をさも当然の様に主張する物知らずを嘲う様な――――。
そして、『彷徨者』は降り注ぐガラスの破片を避けようともせず……
全身をガラスで切り裂かれ、包帯は見る間に血で染まっていく。

―――この時、フリードは『彷徨者』も氷の盾で守ろうとしたのだが
   何故かそうしようと思った時には既に『彷徨者』は傷だらけだった―――

165 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/06/28(火) 22:26:59.42 0
>158
>緑色に光る小さな玉は地面に触れたとたん大爆発をおこした。

            デデーン!

そんな擬音表現が似合う様な攻撃で、『彷徨者』は更に傷つき包帯の一部が
ほつれ始める。ガラスで切られなかった素肌は、病的なまでに白く……そして『傷だらけ』だった。
重傷を負いながらも、『彷徨者』の仮面の様に張り付いた笑みに変化はなく
喉から響く嘲りの音もまた変わらず漏れていた……。

>『あるね。ただし、あたいは死なない。死が、神の定めた法則だというのなら、
> あたいは神でさえ殺してみせる。』
キラー・チューンの発言を黙って、いや喉を鳴らす様な嗤いを続けながら
聞き続けていた『彷徨者』だったが、『死』の件を聞いた瞬間その密やかな嗤いは
鼓膜を震わせるほどの大笑いへと変わった。一体、何がそんなにおかしいと言うのか。
「クク、クハハハハ……!!! 死が神の定めた法則。ハハハ、『奴ら』に
 そんな大層な事など出来る筈もなかろう? しかも神を殺す? どうやって。
 断言してやろう、君に神は殺せんよ……クク、クックックッ……!!」
そうキラー・チューンに大声で語りかけると、『彷徨者』は浮遊を始める。

>153
>「あれ?マコトちゃん?マコトちゃんとシャイナさんは?
> マコトちゃーん!シャイナさーん!!はっ、もしかして・・・・・・怪我してるの?!」
「ああ、問題ない。この程度、かすり傷だよ。
 いやはや、飛行は得意なんだがね……浮遊は難しい」
フラフラと、リリィと同程度の高さまで実に頼りなく浮遊してきた『彷徨者』。
ただ浮かぶのは苦手だと言ってはいるが、リリィからは全身の傷やらが原因で
術の制御が上手く行っていない様にしか見えないだろう。

>「シャイナさん、エンカは?エンカ自分の一大事だって言うのに、どこいっちゃったの?(中略)
> シャイナさん、何か聞いていらっしゃいませんか?」
「ん、ああ……彼か。部屋を出た所で『行く所がある』と行って別れたよ。
 ……お腹を押さえて、若干苦しそうだったからねぇ。今頃はトイレに入居したんじゃないかな?」
言いにくそうな演技を交えて大嘘ぶっこく『彷徨者』。
……確かに、エンカからはロビー行きを拒否したのを黙っててくれと言われた。
適当に誤魔化すとも言ったさ、しかしもう少しマシな誤魔化し方はなかったのか。
オブラートに包んだ言い方が却って酷さに拍車をかけている。
……まぁ、生理現象には誰も勝てない。良識はある方なリリィならそれ以上追求しない筈である。

>163
>『貴様が本気で戦う意思を見せないならば、あたいはこの娘を破壊しつくすだけだ…!』
右へ左へブレにブレる体勢を安定させようと意識を逸らしていたら、
キラー・チューンにリリィを攫われてしまったではないか。
「……ああ、飛行ならば大丈夫だな。君たち、すまないが私は先に行かせてもらうよ。
 生憎、現状では複数人を浮かべるだけの魔力を制御する事は出来そうになくてね。
 出来るだけ早く追いつかないと……私だけでは荷が重いかも知れない。よろしく頼むよ」
そう言い残して『彷徨者』はキラー・チューンを追いかけて飛んでいく。
浮遊の時の四苦八苦が嘘の様に、飛行時の状態は安定していた。速度を調節し、
追いつきもしないが引き離されもしない状態を維持しつつ『彷徨者』は声を掛ける。

「まぁ待ちたまえよキラー・ザ・ブッチャー君」
それは人間爆弾な宇宙蛮族だ。
「どこへ行こうと言うのかね? 君には、逃げ場もなければ行き場もない。
 そう……『生き場』もないし『逝き場』もない。存在を否定された者は、ただ消えるのみだ。
 そんなに怖いのかね? ロゼッタに否定される事が、自分の最後の拠り所がなくなるのが。
 ……『世界』に否定されるのが」
見当違いも甚だしい事を言い放つ『彷徨者』、その表情はやはり張り付いた笑い。
感情を感じさせない笑みを浮かべた口から出る言葉、最後の言葉は特に、冷たく乾いていた。

166 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/06/30(木) 17:19:06.10 P
>162>163>165
>「総代の証をそんな奴に託すなんて、エンドウって奴は人を見る目も無いクマー」
あ・・・・死んだなとフリードは思った
「成仏してください・・・・・」
「にゃあな」(・・・・・・・ひどい事件だったね)
果たしてクマァの命は助かるのだろうか?

>「しかも神を殺す? どうやって。
 断言してやろう、君に神は殺せんよ……クク、クックックッ……!!」
「チェーンソーでも使えば別でしょうけどね」
「なにゃあ」(いまどき神はバラバラになったなんて誰も知らないネタだよ)
「そういえば神様を本当に殺すにはどうすればいいんでしょう?」
「にゃあご」(とりあえず信者が居なくなれば神はただの化け物になるよ 
       誰も信仰しなくなった神はもはや神じゃないからね)
散々神様の力を借りてきたグレンがそんなことを言っていいのだろうか?
「大体分かりました、アイドルはファンが居なくなったらもうアイドルじゃないってことですね
 逆に言えば一人でもファンが居ればアイドルで居続けることが出来ると」
もしかしたら信者が一人しか居ない神様とかも居るかもしれない
例えばカラス麦の神様とかマイナー所で

>『貴様!あたいに手加減をしたな!あたいは相手に手加減をされることが、まんじゅうの次に大嫌いなんだ!』
「にゃん?」(それって好きなんじゃね?)
饅頭は怖いものだと相場は決まっているのだが・・・・・・
>『貴様が本気で戦う意思を見せないならば、あたいはこの娘を破壊しつくすだけだ…!』
「つまり力こそパワァーという事ですか・・・・・・・・
 困りましたねぇ、猫と女性は傷つけられないというのに」
「にゃあ」(ライオンは猫科だけど猫じゃないよ?)
「じゃあ問題ないですねv」とにぱっと笑うフリード
何故かグレンにはその笑顔がウォーズマンスマイルに見えた

「さあ追いかけますよ!飛べないのなら僕に掴まってください」
「にゃあご」(飛ぶのはフィー坊の能力じゃないじゃん)
そんな突込みを聴かなかったことにするフリード
>「……ああ、飛行ならば大丈夫だな。」
「じゃあ真さんはどうですか?女性一人と猫一匹ぐらいなら大丈夫ですよ?」
と真に問いかけるフリード
野郎には声を掛けないところが実にフリードらしい
果たしてキラー・チェーンに追いつくことは出来るのだろうか?

167 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/01(金) 04:30:57.31 0
>163-166

リリィの挑発に乗ったキラー・チューンはいきり立った。
フリードへの注意が散漫になった結果、フリージング・ホールドによって拘束される結果になる。
>『あたいと!ロゼッタを!比較!するな!!』
リリィの問いかけに対し、キラー・チューンはますます怒った。
「名前を変えたのも、ロゼッタちゃんに対する反抗なの?アップル・シーナ?」
キラー・チューンのコンプレックスに気づいたリリィは、あえてロゼッタのつけた名前で呼ぶ。
こうかは ばつぐんだ!

>『小賢しい!!』
キラー・チューンは、力任せにフリージング・ホールドを破壊した。
「なっ・・・・・・・?!」
用心はしていたが、まさかここまで早く拘束から抜け出すとは。
不意を突かれたリリィは、足から血を滴らせながら迫るキラー・チューンの攻撃を回避できない。
あっという間に距離を詰められ、その大きな手で頭を殴られた。

「キャ・・・・・・・!」
キラーチューンの一撃を受けたリリィはバランスを崩し、ガラスの残骸が散乱する地面へと落下した。
手加減したとはいえ、彼女の攻撃はリリィをおとなしくさせるには十分過ぎるものだった。
ぐったりして血を流しているリリィの襟首を、逃げられないようキラー・チューンが掴む。
>『貴様が本気で戦う意思を見せないならば、あたいはこの娘を破壊しつくすだけだ…!』
(まずい、逃げなきゃ・・・・)
ぼんやりした頭でそう思うものの、もがくどころか今は自分の指一本すら動かせない。

耳元で羽音がしたかとおもうと、ぐん、と内臓が浮き上がるような感覚がした。
うっすらと瞼をあけると、ちょうどキラー・チューンがリリィごと窓から外に飛び出したところだった。
ロビーの外に居た野次馬達がこちらを指差している。
この騒ぎが、あの監察官の耳に入るのも時間の問題かもしれない、とぼんやりした頭で思った。

「どこに行く・・・つもりなの?ア」
アップル・シーナと言いかけて慌てて口をつぐむ。
さすがのリリィも、この状況で相手を挑発するのは得策でないと気づいたからだ。
「まさか、男子トイレをしらみつぶしに探す気じゃないでしょうね?
 おなか壊してる相手を無理に連れ出すなんて、人間のすることじゃないわよ!!」
人どころか、キラー・チューンは獣人ですらないのだが・・・・・・。
まあこの言葉はロゼッタに聞かせるためでもあるので、リリィとしては問題ないのだ。
エンカに逃げるよう伝えてほしいと思うものの、中庭での一件があったことw考えるとそれも難しいだろう。

リリィは無駄話をしながら、先ほど聞こえたロゼッタの悲鳴と、今も隠し持っているロゼッタの耳のことを考えていた。
(私の考えが正しければ、一度だけキラー・チューンへの反撃チャンスがあるわ。機を待つのよリリィ)

>「どこへ行こうと言うのかね? 君には、逃げ場もなければ行き場もない。
> そう……『生き場』もないし『逝き場』もない。存在を否定された者は、ただ消えるのみだ。
> そんなに怖いのかね? ロゼッタに否定される事が、自分の最後の拠り所がなくなるのが。
> ……『世界』に否定されるのが」
「そうなの?キラー・チューン・・・・・って!シャイナさん!来てくれたの?!」
リリィの声のトーンがあがったが、傷だらけのシャイナの姿を改めて目にし、さっと顔が曇った。
彼女の姿は、リリィの知る人物を彷彿とさせたからだ。

「ちょっとキラー・チューン、シャイナさんは話してるだけなんだから。
 けが人に、いきなりひどいことなんかしないでよ?!」
リリィは釘を刺したが、乱暴者の彼女にどこまで通じるだろうか?

「キラー・チューン。あなた世界に否定されてると思ってるの?!
 でも、ロゼッタちゃんはあなたのこと大好きなのよ。否定なんかされてないし、世界だってあなたを否定なんかしてないよ!
 ほんとに否定されてるなら、そもそもここに存在すらできないじゃない」
リリィもまた見当違いな方向に話を進め始めた。
「そもそも、どうしてそんなにロゼッタちゃんを嫌うの?
 そりゃちょっと・・・・・かなり変わってるかもしれないけどさ」

168 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/07/02(土) 13:17:19.55 0
魔法を弾いた真は暇になった。なんどでもいうが今目の前に行なわれている騒動に真は興味がなかった
むしろ、1人で勇気を探しにいかないのが不思議なほどだった
ひとりで探すよりは少し待ってみんなで探すほうが効率がいいと考えてはいるが、心の奥では別の想いが芽生えはじめていた……

>「総代の証をそんな奴に託すなんて、エンドウって奴は人を見る目も無いクマー」
せっかく、真が優しい少女への一歩を踏み出したような気がしないでもないような、そんな気配が見え始めたような感じなのに
このクマ吉くん、なんと余計なことを言っているのでしょうか!!
そんな火に油どころか、爆弾岩ぶち込むようなことをしてしまったら……

>「成仏してください・・・・・」
「にゃあな」(・・・・・・・ひどい事件だったね)
さて、1人と一匹の予想は……
「よし、殺すわ」
大当たり!!配当は1.1倍です
文字ではわかりにくいですがちゃんとイントネーションは違いますよ

真はふうと息をはくと懐から扇子を取り出し、勢いよく広げると綺麗な声で歌いだした
「天に鎮座する龍の神、私の願いを聞いてください。龍の怒りを私の力に、私にあだなす者に鉄槌を!……」
空間に穴があき、厳めしい西洋風の龍が穴から現れる。天井が低いから窮屈そうです
「さあ、私の勇気をバカにしたあほ変態紳士を丸こげにして、ぶっころして!」
龍さんが大きな口を開けて高温のブレスでクマ吉くんを丸こげにして帰るのかと思いきや暴れだしてしまいました
「勇気をバカにしたんは許されへん!許されへんのや!!」
怒り狂った真ちゃんを止められることは出来るんでしょうか??


169 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/07/03(日) 19:23:07.59 0
>165>167
> 「まさか、男子トイレをしらみつぶしに探す気じゃないでしょうね?
>  おなか壊してる相手を無理に連れ出すなんて、人間のすることじゃないわよ!!」
『人間?ちがう、あたいは悪魔だ。…その発想はなかったわ。』
キラー・チューンの次の行き先が決定したようだ。

シャイナが空を飛び、キラー・チューン達を追いかけてきた。
> 「まぁ待ちたまえよキラー・ザ・ブッチャー君」
『キラー・チューンだ!キラー・カーンでも、キラー・クイーンでも、キラー・ザ・ブッチャーでもない!
 キラー・クイーンだ!今度名前を間違えたら、あんたから血祭りにあげてやる!』
名前を間違えられたキラー・チューンが振り向きながら怒った。
> 「どこへ行こうと言うのかね? 君には、逃げ場もなければ行き場もない。
>  そう……『生き場』もないし『逝き場』もない。存在を否定された者は、ただ消えるのみだ。
>  そんなに怖いのかね? ロゼッタに否定される事が、自分の最後の拠り所がなくなるのが。
>  ……『世界』に否定されるのが」
> 「そうなの?キラー・チューン・・・・・って!シャイナさん!来てくれたの?!」
『どうやら虫けらが一匹ノコノコと殺されにきたようだな…!』
> 「ちょっとキラー・チューン、シャイナさんは話してるだけなんだから。
>  けが人に、いきなりひどいことなんかしないでよ?!」
> リリィは釘を刺したが、乱暴者の彼女にどこまで通じるだろうか?
『安心しろ、すぐ楽にしてやる!』
たぶんどこまでも通じなかった。
> 「キラー・チューン。あなた世界に否定されてると思ってるの?!
>  でも、ロゼッタちゃんはあなたのこと大好きなのよ。否定なんかされてないし、世界だってあなたを否定なんかしてないよ!
>  ほんとに否定されてるなら、そもそもここに存在すらできないじゃない」
『……あんた達は馬鹿じゃないのか?あたいがここにいることに、誰からも承認なんて必要ないのだ!
 あたいはあたい自身の承認でここに存在している。ちっぽけな、他人からの承認無しでは生きられない、
 貴様ら人間と、あたいを同列に扱えるとでも思っているのか!?』

> 「そもそも、どうしてそんなにロゼッタちゃんを嫌うの?
>  そりゃちょっと・・・・・かなり変わってるかもしれないけどさ」
『知れたこと!あいつが弱虫だからだ!そもそも、お前はなぜロゼッタが男の左手に執着するか知っているのか?』
おそらく青葉以外は知らないだろう。キラー・チューンがその理由を話した。
それはロゼッタがまだ幼い頃のトラウマが原因だった。彼女には年上の、トニーという好きな男の子がいた。
いつものように公園で一獅ノ遊んでいたところ、公園の遊具の隙間にトニーの左手が挟まり、切断された。
それ以来、ロゼッタはトニーと会えなくなってしまった。トニーが死んでしまったのか、生きているのか、
なぜか周りの大人は誰も彼女に教えてくれなかった。
『そこからずっと、ロゼッタはひねくれた生き方をしている。あたいはそんな弱虫を主人だとは認めない。』

キラー・チューンは急降下した。無論、リリィも一獅セ。
その先には校舎が見える。ぐんぐん建物に近づいていくが、キラー・チューンはスピードを落とさない。
そのまま蹴りで校舎の壁を破壊し、中に侵入した。
キラー・チューンが壁を破壊したとき、水道管を破壊してしまったらしく、あたり一面に水がぶちまけられた。
そう、キラー・チューンは手近な男子トイレに突貫したのだ。
一見すると、中に誰もいないように見える。
『どこに隠れているんだぁ?』
キラー・チューンはトイレのドアを開けた。
中には誰もいなかったが、もしも鍵をかけていても、その膂力で無理やり開けるだろう。
『ここかぁ?』
キラー・チューンは隣のドアを開こうとしている。
どうやら本気で学園中の男子トイレをあらためるつもりのようだ。

170 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/07/04(月) 18:07:27.38 O
>>169
筆舌に尽くしがたい音。具体的には、様々な素材が砕けたり捻れたり吹き飛んだりした音が合わさった物
それらに包まれて今まさにトイレから出ようとしていたロロは見事に吹き飛び、トイレの隅の方に叩きつけられる
そして視界は暗転

が、それは失神等が理由じゃない。現にロロの意識はしっかりしている
つまるところ、瓦礫か何かに覆われてしまったのだろう
それをあっさり処理して上体を起こすと、男子トイレには居るはず無いものと視線が合った
まさかこんな変態に出会すなんて………。そんな仕草で首を振る
「あんまりだ………
男子トイレに嬉々として飛び込む変態女子なんてあんまりじゃないか……」
事情を何も知らないロロは、このペアが抑え切れない性癖を持て余して男子トイレに突っ込んだ
そう思っている

171 : ◆jntvk4zYjI :2011/07/05(火) 01:11:18.44 0
>「成仏してください・・・・・」
>「にゃあな」(・・・・・・・ひどい事件だったね)
「お二人さん、人の顔見るなり何てこと言うクマー。
 ちょっと生き埋めになりかけただけでまだ生きてるクマー」
クマは腰に手を当てて、緑色のドリンクを一気に飲み干している。
クマが飲んだのは『ヒールポーション(緑)』、回復薬の一種だ。
「それより、アリス先生のところに事件の報告行ったクマー?まだならクマーと一緒に行くクマー」
クマーは体についた埃を払いながら、やけにフレンドリーに話しかけている。

だが、もしも普段どおり殺気を感じ取ることが出来ていたのなら、後ろも振り返らず逃亡しただろう。
生き埋めになった直後だったせいか、少し野生の勘が鈍っていたのかもしれない。
>「よし、殺すわ」
「・・・・・・・・クマー?」
振り向くと、総代代理の少女が唄と踊りを披露し始めたところだった。
「もしかして新手の修繕魔法か?!
ロビーはめちゃくちゃになったし、これはいいアイディアだクマー」

>空間に穴があき、厳めしい西洋風の龍が穴から現れる。天井が低いから窮屈そうです
「ちょ、ロビーさらに壊す気クマー?!修繕魔法ならもっと手軽にやるクマー!!」
>「さあ、私の勇気をバカにしたあほ変態紳士を丸こげにして、ぶっころして!」
「クマー?!クマーの丸焼きを食う気クマー?!お そ ろ し い 子 ・・・・・・!!」
クマーが白目になっているのはお約束だ!

>龍さんが大きな口を開けて高温のブレスでクマ吉くんを丸こげにして帰るのかと思いきや暴れだしてしまいました
>「勇気をバカにしたんは許されへん!許されへんのや!!」

「事実言っただけでクマーは悪くないクマー!!
 総代の証持ってるお前が、こうやって暴れれば暴れるほどエンドウユウキの評価下がるクマー!
 あと変態紳士じゃないクマー!!全裸で徘徊してても心は錦、あえての露出、あえての羞恥プレイ。
 クマーのことは変態淑女と呼ぶクマー!!」
いろいろ間違ってますよクマーさん。

「つーか危ないクマー!!いったん外に出るクマー!!」
壁にめり込んでいる龍を尻目に、クマは別の出口から外へと移動しようとしている。
「あの龍コントロールできてるクマー?!
 こらそこの女!お前の龍私そっちのけで暴れてるクマー!ちゃんとコントロール取れてるクマー?!」
もしも暴走しているのなら、食い止めるためにクマーは死ぬ気で働くだろう。
なぜならクマーは風紀委員だからだ。

まあ、いくら龍であっても、召還者が昏倒してしまえば元の世界に戻るしかないだろう。


172 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/05(火) 04:05:56.63 0
>165 >169 
>『人間?ちがう、あたいは悪魔だ。…その発想はなかったわ。』
キラー・チューンの次の行き先が決定したようだ。
「いや、だからだめだって!エンカの具合悪くなったらトイレどうするのよ!
 エンカの左手みたいに、光の情報なんちゃらかんちゃらでどうにかなるものじゃないでしょー!!
 オニー!アクマー!」
リリィは後悔していた。
まさかキラー・チューンが男子トイレに踏み込む気になるとは。
そしてよくよく考えてみれば、頼みの綱のロゼッタは、エンカの左手にしか興味が無かった。
したがって、アップル・シーナを追ってくることはあっても、エンカを助けようとする確率は限りなく低い。
(・・・・・・こうなったら、男子トイレに接近した時テレパシーで警告を発するしかないわね!)

シャイナが空を飛び、キラー・チューン達を追いかけてきた。 そして語った。
(シャイナさんって・・・・・・)
「まるで、レイヴンさんみたいな事言うのね」
あ、とリリィは口を押さえた。
心の中で言ったつもりだったが、うっかり声に出してしまっていたようだ。
「ごめんなさい」

キラー・チューンに釘を刺したが、彼女はシャイナをやる気満々である。
だが『世界に否定されていると思っているのか?』という質問には、ちゃんと答えてくれた。
もしかしたら、心の琴線に触れるものがあったのかもしれない。
『……あんた達は馬鹿じゃないのか?あたいがここにいることに、誰からも承認なんて必要ないのだ!
 あたいはあたい自身の承認でここに存在している。ちっぽけな、他人からの承認無しでは生きられない、
 貴様ら人間と、あたいを同列に扱えるとでも思っているのか!?』
えっ?!とリリィは目を見開いた。
(ロゼッタとキラー・チューンは、まだ契約を交わしていないの?悪魔なのに、それってどうなの?)

そしてキラー・チューンは、ロゼッタが男の左腕に執着する理由も語った。
彼女の幼いころの話は、とても悲しいものだった。
そしてその話は、昨夜ロゼッタがリリィに語り、リリィが先ほどキラー・チューンにぶつけた質問の内容を彷彿とさせるものだった。
>『そこからずっと、ロゼッタはひねくれた生き方をしている。あたいはそんな弱虫を主人だとは認めない。』
「そっか・・・・・・ロゼッタちゃん、そんなにトニーって子のことが好きだったんだ。
 ・・・・・・・あれ?!ってことはつまり、ロゼッタちゃんがひねくれた生き方をやめて弱虫じゃなくなったら、主人だと認めるってことじゃ・・・・・?!」

>キラー・チューンは急降下した。無論、リリィも一獅セ。
>その先には校舎が見える。ぐんぐん建物に近づいていくが、キラー・チューンはスピードを落とさない。
「ああああ!!ごめんなさい失言でしたやめて死ぬ許してえええ!助けてシャイナさあああああああん!!!」
テレパシーで警告を送れるだけの余裕など無かった。
>そのまま蹴りで校舎の壁を破壊し、中に侵入した。
「わーっ!冷たっ!!冷たいよー!!」
>『どこに隠れているんだぁ?』
>キラー・チューンはトイレのドアを開けた。
「ちょ、やめてよ何てことするのよ!
 それにこんなに派手に壊して・・・・・うっかり生き埋めになってる人がいるかもしれないじゃない!エンカだったらどうするのよ?!
 ちょっと。聞いてるの?!」
>『ここかぁ?』
>キラー・チューンは隣のドアを開こうとしている。
「いやー!!中の人!いるならパンツはいて逃げてー!!」


173 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/05(火) 04:08:26.02 0

>170
その時、背後の瓦礫の山がぼこりと動いた。
そして、中から長髪の男子生徒が現れた。撒き散らされている水のせいで、彼もまたびしょぬれである。
リリィは目を輝かせたが、相手は驚きと軽蔑の入り混じったような視線を彼女に向けている。
男子生徒はリリィの頭のてっぺんから足のつま先まで一瞥すると、『やれやれ』と首を振った。
>「あんまりだ………
>男子トイレに嬉々として飛び込む変態女子なんてあんまりじゃないか……」
「・・・・・・へっ?!」
リリィは髪が逆立つような、全身を雷に打ち抜かれたような衝撃を受けた。
「変態女子は!このキラー・チューンだけで!男子トイレにいるのは!私の!意志じゃないわ!
 っていうかこの状況で私が喜んでいるとでも?!どこからどう見ても哀れな人質でしょうが!!!!」
哀れな割には元気いっぱいだ。
変態呼ばわりされたのがよほどショックだったのだろう。

「キラー・チューン!いい加減はーなーしーてー!!」
リリィは全力でじたばたもがいたが、腕力でキラー・チューンに適う訳が無かった。
「そこの男子生徒!見てないでちょっと助けてよー!!シャイナさーん!どーこー!!」

174 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/07/05(火) 21:15:15.31 0
>169-170
アップル・シーナだかキラー・チューンだか知らないが、この自称悪魔たんは
名前を間違えられる事もお嫌いらしく、更に頭に血を上らせ歯をむき出しにして怒っている。

>『キラー・チューンだ!キラー・カーンでも、キラー・クイーンでも、キラー・ザ・ブッチャーでもない!
> キラー・クイーンだ!今度名前を間違えたら、あんたから血祭りにあげてやる!』
が、しかしと言うべきか故にと言うべきか、冷静さを欠いた結果自分で名前を間違えてしまう有様。
「分かった分かった、これからはしっかりキラー・クイーンと呼ばせてもらうよ。
 君がそう名乗ったんだ、文句はないだろう?」
次から次へと火に油を注ぐ『彷徨者』の顔には、相変わらずの笑みが浮かんでいる。
だが、心なしか声に潤いと言うか張りと言うか、が宿り始めていた。この状況を楽しんでいるのか?

>『……あんた達は馬鹿じゃないのか?あたいがここにいることに、誰からも承認なんて必要ないのだ!(中略)
> 貴様ら人間と、あたいを同列に扱えるとでも思っているのか!?』
悪魔は世界に存在する事に対して、誰かの許可や承認など必要ないと言い放った。
その言を受けた『彷徨者』は再び喉を鳴らして嗤う。
「君は『世界』の理を知らないのだねぇ。それで悪魔とは、名が泣くよ?
 これだから脳みそまで筋肉で出来ている輩は、とそんな事はどうでもいいんだ、重要な事じゃない。
 ……『世界』は全てを受け入れる。ただただ、受け入れるだけ。『世界』はそれしかしない。
 そして、『世界』を形作るのはそこに生きる多数の知的生命体。その群体が、『世界』を決めるのだ。
 この世界における多数、それは『人』だ。人が世界の形を決めている。その形を歪める者は、尽く矯正される。
 拒めば、人も拒むだろう。そして『世界』は異物と定め、拒絶し排斥しようとする」

そこで一度言葉を切り、深呼吸して続きを語る。
「分かるかね? 君が君自身のエゴのみを認め、『世界』の理を受け入れなければ……
 『世界』、『人の世界』は君を消し去るよ。まぁ、多少の道連れくらいが限界だろうね。
 戦争は数、と23歳の中将閣下も眉毛のない兄に言い放ったくらい、数の力は絶対だ」
小難しい話をするだけして、結局どうしろとかこうしろとかを『彷徨者』は言っていない。
まるで目的の見えない言動、もしかしたら深い意味はないのかも知れない……

>『そこからずっと、ロゼッタはひねくれた生き方をしている。あたいはそんな弱虫を主人だとは認めない。』
そんなキラー・チューンの独白を聞いた『彷徨者』、地雷と予想してそれを盛大に踏んづけた!
「これはいいツンデレですね^^。
 けっ、リア充は爆発してもげちまえよ、おぅはやくしろよ」
油どころか爆薬を投下した気分になった『彷徨者』、若干堅物めいた口調はどこへやら。
キラー・チューンが何か言っている様だったが「なぁにぃ〜? きこえんなぁ〜」と
どこぞのKINGみたいな一言で一蹴してしまう。全身の傷から確実に血が流れていくと言うのに、
テンションはどんどん上がっていく……


>「あんまりだ………
>男子トイレに嬉々として飛び込む変態女子なんてあんまりじゃないか……」
そしてリリィの会心の失言から、キラー・チューンは男子トイレに突撃をかました。
『どこの』とか考えない辺り、実はキラー・チューンは頭が良くないのか?
ともあれそれを追いかけて男子トイレに遅れてやってきた『彷徨者』。
その奇矯奇天烈なテンションの鉾先は、哀れその場に居合わせた男子生徒ロロに向けられてしまった。
「うほっ、いい男。」
興『 や☆ら☆な☆い☆か 』『 し☆り☆を☆か☆そ☆う 』干
「うん、代弁してくれるのはありがたいんだがねぇ。
 君たちのいる場所はここでもないんだなぁ」
突如包帯女が現れ後ろの貞操の危機を感じさせる一言、その直後女の背後に
バケツを被っている以外はほぼ全裸のムキムキマッチョと頭部が二段式物干し竿みたいに
なっている以外はバケツと同じ格好をしたのが現れ更に危険な事をほざき、包帯女が
そのマッチョ二人を空間の切れ目の向こう側に蹴り込むと言う……わけが分からないよ!な事になっていた。

「ああ、自己紹介が遅れたね。私は包帯ぐるぐる、ムチムチボディの変態だ。
 と言うわけでそこの君、やらないか」
それは自己紹介(自己紹介)ではなく恥己紹介(ぢこしょうかい)である。座布団没収。

175 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/07/05(火) 21:16:11.66 0
>172-173

   〜〜〜時は遡り〜〜〜

>「まるで、レイヴンさんみたいな事言うのね」
リリィの一言は『彷徨者』の琴線に触れたらしい。口元の笑みこそ変わっていないものの、
彼女を見つめる瞳はいまだかつてないほど鋭く、また感情がはっきりと見えていた。
「あんな薄汚い人殺しの死にたがりと一緒にされるのは不愉快だねぇ。
 ……まぁ、仕方ない。『世界』とは手を差し伸べぬもの、豊かに生きられる者ばかりでもない。
 『世界』に虐げられ、糧とされ、礎とされてきた者は大体こんな思考に行き着く。
 ある種の悟りに近いだろう……」
『彷徨者』の言葉には、先程までは感じられなかった棘、そして毒が含まれていた。
特に『レイヴン』と一緒にされた事がよほど気に食わなかったのか、彼女らしからぬ
明確な罵倒、嘲りの単語を用いてまで怒りを露にしている、様に見えただろう。

>「ごめんなさい」
「眼前の存在に別の存在を重ね合わせる事は重大な侮辱だ。
 重ねられた方にも、見られた方にも、だ。分かったならばそれでいい、ただし二度は言わないよ」
ダメ押しの念押し、これでリリィは迂闊に『レイヴン』と『彷徨者』を結び付けようとしなくなる筈。
……そんな事をされては困るのだ。少なくとも、今はまだ。


   〜〜〜そして時は今に追いつく〜〜〜

>「そこの男子生徒!見てないでちょっと助けてよー!!シャイナさーん!どーこー!!」
「わたしゃここにいるよ……」
どこぞの悪霊みたいな事言いながらリリィの視界に入った『彷徨者』。
格好もあいまって、どちらかと言うと悪霊よりアンデッドじゃないのか? と思ってしまいかねない。

『彷徨者』はもう少しキラー・チューンが男子トイレを物色するのを見ていたかったのだが、
あまり移動されては後続が追いつけなくなりそうだったし、リリィも放置できそうにないと判断。
「まんまと騙されてくれたな、残念だが目標など初めからいない。
 そうとも知らずに、おめでたい野郎だ。だが安心しな、すぐ楽にしてやるよ」
まだテンションが高いのか、妙に小物臭い台詞を、それも早口で言い放つ。
どう見ても負けフラグです、本当にありがとうございました。
「……そこの少年が」
おーっとぉ! ここでまさかの後出しスルーパス!
ロロを指差し、まさかの押し付けと言う無理振りをかます『彷徨者』。
一体どうしてしまったのか?

176 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/07/05(火) 22:30:35.07 O
>>173 >>175

>「変態女子は!このキラー・チューンだけで!男子トイレにいるのは!私の!意志じゃないわ!
っていうかこの状況で私が喜んでいるとでも?!どこからどう見ても哀れな人質でしょうが!!!!」
と人質な割には随分と威勢良くロロの変態説を否定する。さらには
>「そこの男子生徒!見てないでちょっと助けてよー!!」
と助けまで求めてくる始末だ
実際抜き差しならない状況だとそれとなくは解るが………
どうしたものかと思案にくれたながらもリリィ達から視線を外さないよう注意しながら
濡れて鬱陶しい長髪を手早く束ね終えた時、畳み掛ける如くこんな声もした
>「……そこの少年が」
つまり男子トイレの招かれざる客はロロが何とかするのだ。という事らしい
清々しいくらいの無茶振りにロロは困り顔を崩せない
一体自分にどうしろと言うのだろう………?
たが表情や仕草の割に内面は案外冷静なロロは
ここはひとまず平和的に行くべきだろう。そう判断してキラー・チェーンにニッコリしながら話しかける
「妙な状況だけど、僕たちきっとどこかに妥協点があると思うんだ」
そう、ニッコリしながら。限りなく引きつって不自然な笑顔で

非常に苦し紛れだが、考えもある。問答無用で襲いかかってきたら気合いで避ける
話に食いついたら破裂した水道管から勢いよく出ている水を軌道をねじ曲げ、キラー・チェーンの顔面にぶつける
それで事態が好転しなかったら…………
どうにでもなれ。だ

177 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/07/06(水) 12:34:26.42 P
>168-1699>171>173>175-176
>「勇気をバカにしたんは許されへん!許されへんのや!!
「わ!わ!暴れだしちゃいましたよ!」
「にゃあご」(女の涙はずるいよね)
「とりあえず先に行きますからね!なるべく警察にお厄介にならない程度に済ませてくださいね!!」
「にゃあお」(いざとなったらもみ消せるんじゃね?)
真は大きな家の娘であるので不祥事のもみ消しは余裕だろう
だがそれは正義側のやることじゃない

「デモニックウィィィング!!」
ただ空を飛ぶだけなのに大げさに叫ぶフリード
デモニックとは悪魔っぽいという意味である
つまり悪魔っぽい翼略してぽい翼だ
だが実際に翼を動かすのはフリードに融合したグレムリン、ギズモである

やっと追いついたフリードリッヒ・・・・意外そこは男子トイレ!!
「げえ!男子トイレがひどいことになってるじゃないですか!?」
「にゃあお」(女の子みたいなフィー坊が男子トイレに居るという違和感)
「男の僕が男子トイレに居て何が悪いんですか!」
フリードと男子トイレで出会って絶望した男子生徒は数多いという
「まあそんなことはどうでも良いです、それよりも・・・・・・・・」

>「……そこの少年が」
見ると見知らぬ少年がシャイナに無茶振りをされているではないか

>「妙な状況だけど、僕たちきっとどこかに妥協点があると思うんだ」
押し付けられた少年は何か考えがあるようだ
「魔法使いの本当の武器は派手な攻撃呪文ではなく知恵
 どうやら何か考えがあるようですし、しばらく様子を見て・・・・・駄目だったら」
「なにゃあ」(エンカさんを引き渡すの?)
「なんで友達を売らなきゃいけないんですか!!」
グレンに突っ込むフリード
フリードは水がキラー何とかさんにぶっ掛かったらチャンスとばかりに即座にそれを凍らせるだろう
「大丈夫です!人間凍ったぐらいで死にませんから」
フリードはジルベリア人を基準に物事を考えているようである



178 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/07/06(水) 19:03:37.24 0
>170>173>175>176
> 「あんまりだ………
> 男子トイレに嬉々として飛び込む変態女子なんてあんまりじゃないか……」
キラー・チューンが壊した男子トイレには先客がいたようだ。ロロである。
> 「変態女子は!このキラー・チューンだけで!男子トイレにいるのは!私の!意志じゃないわ!
>  っていうかこの状況で私が喜んでいるとでも?!どこからどう見ても哀れな人質でしょうが!!!!」
とリリィ。
『変態?…ちがう、あたいは悪魔だ!』
キラー・チューンはそう応えた。人によってはムキムキマッチョのメスライオンの獣人は、
変態女子というより悪魔と形容した方がスッキリするだろう。
リリィはキラー・チューンから逃れようとしたが、キラー・チューンはリリィを離すつもりはなかった。
リリィはロロに助けを求め、彷徨者もロロがそれをなす事を期待しているようだ。

> 「妙な状況だけど、僕たちきっとどこかに妥協点があると思うんだ」
『…なるほど、力ではかなわないと見て取り引きを持ちかけたいというわけか?
 なかなか殊勝な態度で結構だ。だが、その前にあたいを騙したことを後悔させてやらないとなぁ!!』
キラー・チューンは反転して彷徨者に緑色の光の玉を投げつけた。
例によって、魔法で作った爆弾を投げつけたのだ。
それは彷徨者の足元に落ちると、またしても大爆発を起こした。
『雑魚がどれだけ数を揃えたところで、このあたいを倒すことはできない!ハハハハハッ!』
キラー・チューンは大変ご満悦のようである。かわいくないけど。
『死ぬがよい。そしてさようなら。』

『あんた、どうやら武術をしているようだな?』
キラー・チューンはロロにそう言った。
『その程度のことは、あんたの左手を見ればすぐにわかる。右利きか、左利きか、
 箸とフォークのどちらをよくつかうか、オナニーをする時にどっちの手を使うかまでもな。』
キラー・チューンの目前に、バチバチと火花が飛び、突然男子の左手が宙に現れた。
それは空間魔法で切断された、エンカ・ウォンという男子生徒の左手だった。
キラー・チューンはエンカの左手を掴むと、それを甘噛みした。
『この子は右利きでも、左利きでもない。強いて言えば両利きということだが、箸は右手でもつようだ。
 身長は180cm、体重70kg前後、アジア系だが、人間以外の種族の血も混じっているらしい。
 そしてこれは重要なことだが、オナニーをする時は左手を使うようだなぁ。
 あたいは今、この左手の本体であるエンカという男を探している。
 あんたがエンカを連れてくるなら、あたいは男子トイレを壊さないと約束してやろう。』

『さぁ、あたいと契約するがよい。』

179 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/07/06(水) 23:13:28.20 O
>>178
キラーチェーンが不意に凄まじい破壊魔法を見せつけ、ロロは一瞬怯む
正面から対峙してやり合う術なんてあるのだろうか………
>『あんた、どうやら武術をしているようだな?』
またしても不意をつく行動だが、今度の問いには比較的冷静でいられた
それでも内心の冷静さを悟られぬよう、参ったな。と言いたそうな顔で俯きながら左手をヒラヒラさせる
だからその手の動きも、降参の仕草にも或いはおちょくっているようにも見えてしまうのだろう

そして本題
>『あたいは今、この左手の本体であるエンカという男を探している。
あんたがエンカを連れてくるなら、あたいは男子トイレを壊さないと約束してやろう。』
別にトイレが大事な訳ではないのだが………
しかし少なからず相手は引っかかった。後はタイミングだけだ
ロロはしくじるなよ。自身にそう言い聞かせせ
『さぁ、――――』
文字通り悪魔の囁きを遮って、宣誓の時のように左手を軽く挙げる
「君たちには驚かされてばかりだ」
と例の如く困り顔で苦笑いを浮かべる。しかしこれは表面的な物に過ぎない
そしておもむろに左手を軽く握る。それがささやかな罠の始動キー
あちこちから溢れ出る水がキラー・チェーンの顔面に一点集中するのを待たずにリリィに向かって一気に間を詰める
それぞれの水圧はささやかだが、集まるとかなりの物だ
しかしリリィにグイグイ近付いて行く中、視界の端でキラー・チェーンへの水が凍り始めているのが見えた
(あ、マズい)
途中よろけながらも一気にリリィに近づき、キラー・チェーンからの解放を試みる
………さし当たっては腕力で

180 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/10(日) 08:27:02.65 0
>174-179
シャイナは「レイヴンみたいだ」というリリィの失言に、ひどく気分を害したようだった。
リリィは自分の失言を悔いたので、彼女の思惑は成功したといえる。
だが、同時にシャイナとレイヴンとの関係についても強く興味を持つ結果にもなった。
シャイナはレイヴンをあまり好きではなかったようだ。ではなぜ、わざわざ彼の遺品を回収しに来たのだろうか?
「キラー・チューン!離してよー!!」
どちらにせよ、今は自分の好奇心を満たせるような状況ではないようだ。

そして現在。
リリィを変態扱いした男子生徒は、シャイナに無茶振りされている。
そしてフリードとグレンが遅れて到着した。(どうやら空を飛んできたらしい)
男子生徒からみれば、サキュパスっぽい美少女が猫を連れて空を飛んできた、ということになるだろう。
「キャー!!ここ男子トイレ・・・・・」
と言いかけて、リリィは黙った。
フリードは様子を見るつもりのようだからだ。
もっとも、男子生徒は気づいていなくても、悪魔であるキラー・チューンにはお見通しかもしれない。
なにせあくまでライオンですから。
>「大丈夫です!人間凍ったぐらいで死にませんから」
『死ぬよー!フリード君、金魚じゃないんだから!凍ったら、普通の人間は死んじゃうよー!!』
リリィはテレパシーを送ったが、フリードは不思議そうな顔をしている。
強靭な肉体を生まれ持つジルベリア人のフリードに、か弱い一般人の常識は通用しない。

男子生徒は、キラー・チューンに対話を始めた。
「あ、あんまり話し合いには応じてはくれなさそうだよ・・・・・、彼女あくまで変態だけど、力こそ」
正義って人だから、と言おうとしたが、最後まで語られることは無かった。
なぜなら、キラー・チューンが放ったシャイナへの爆発攻撃を目の当たりにしてしまったからだ。

「きゃああぁぁぁあああ!シャイナさん!シャイナさーん!!
 ちょっとキラ・チューン!けが人になんてことするのよ!!」
先ほど不用意な発言でシャイナを怒らせてはしまったものの、リリィが彼女の身を心配することに何の変わりない。
>『雑魚がどれだけ数を揃えたところで、このあたいを倒すことはできない!ハハハハハッ!』
>キラー・チューンは大変ご満悦のようである。かわいくないけど。
>『死ぬがよい。そしてさようなら。』
「死んじゃったら、もう二度と会えなくなるんだよ・・・・・・」
さめざめとリリィは泣き出した。
実は、リリィは先ほどから、シャイナへ回復魔法を試みていた。彼女はここに来る前に怪我を負っていたからだ。
だが、対象者であるシャイナとの距離があったせいかもしれないが、シャイナに回復魔法の効果は薄いように思えた。
そんな彼女が、これほどの爆発をまともに食らったらどうなってしまうのだろう?
仮に大怪我ですんだとしても、リリィに彼女を癒せるのだろうか?

181 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/10(日) 08:29:16.34 0
>『あんた、どうやら武術をしているようだな?』
面食らっている男子生徒に、キラー・チューンはさらに続ける。
>『その程度のことは、あんたの左手を見ればすぐにわかる。右利きか、左利きか、
> 箸とフォークのどちらをよくつかうか、オナニーをする時にどっちの手を使うかまでもな。』
>キラー・チューンの目前に、バチバチと火花が飛び、突然男子の左手が宙に現れた。
「それ・・・・・!!返して!返しなさいよキラー・チューン!!」
>キラー・チューンはエンカの左手を掴むと、それを甘噛みした。
「キャー!!!食べた!食べちゃったあああああ!!!」
>『この子は右利きでも、左利きでもない。強いて言えば両利きということだが、箸は右手でもつようだ。
 身長は180cm、体重70kg前後、アジア系だが、人間以外の種族の血も混じっているらしい。
 そしてこれは重要なことだが、オ
>「わー!わー!!!わー!!!」
リリィは耳をふさいで大声を出し始めたので、最後の「重要な部分」は少々聞き取りにくかったかもしれない。
・・・・・うるさい人質である。

> あたいは今、この左手の本体であるエンカという男を探している。
> あんたがエンカを連れてくるなら、あたいは男子トイレを壊さないと約束してやろう。』
>『さぁ、
男子生徒はキラー・チューンの話をさえぎって、先制するように左手を軽く挙げた。
「君たちには驚かされてばかりだ」

「ちょっとキラー・チューン!
 まさかロゼッタちゃんみたいに、左手見ただけで全部プライバシーまでわかるわけじゃないでしょうね?
 エンカのときみたいにばらさないでよ?!ばらさないでよ?!」
リリィの話は、ちょっとだけ事実と違うかもしれない。
それを知るのはキラー・チューンだけだ。
キラー・チューンは、リリィの話に嫌でも反応せざるをえないだろう。
なぜなら黙っていれば、キラー・チューンがロゼッタよりも劣っていると取られかねないらだ。

水が一気に噴出し、キラー・チューンに当たった。
それを合図としたように、フリードが即座に反応し、男子生徒も動いた。
現れたフリードの姿はどこからどう見ても美しいサキュパス(悪魔)そのものだが、今の男子生徒は驚く暇も無いだろう。

リリィもまた全力で暴れ、接近してくる男子生徒に向かって精一杯腕を伸ばした。
もともとぬれているリリィにも影響は出ていた。(すでに服の一部が凍り始めている)
男子生徒が腕をつかみ、リリィをキラー・チューンの拘束から引っ張り出そうと試みた。
「いたたたたたた!!!」

果たしてリリィは、キラー・チューンの拘束から無事逃れることができるのだろうか?

182 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/07/13(水) 21:05:33.28 0
>179>181
> 男子生徒はキラー・チューンの話をさえぎって、先制するように左手を軽く挙げた。
> 「君たちには驚かされてばかりだ」
『…どういう意味だ?』
> 「ちょっとキラー・チューン!
>  まさかロゼッタちゃんみたいに、左手見ただけで全部プライバシーまでわかるわけじゃないでしょうね?
>  エンカのときみたいにばらさないでよ?!ばらさないでよ?!」
とリリィ。
『いいか!あたいと、ロゼッタを比較するなと言った筈だ!
 あたいは同じことを二度も言うのは嫌いなのだ!
 何故ならそれは無駄なことだから!無駄無駄…』
その時、そこらに溢れでている水がキラー・チューンの顔面に一点集中した。
リリィはキラー・チューンを怒らせてしまったが、
おかげでキラー・チューンを攻撃から気をそらせることができたのだ。
そして待っていたとばかりに水がすぐに凍り始めた。おそらくはフリードの魔法の効用だろう。

> 男子生徒が腕をつかみ、リリィをキラー・チューンの拘束から引っ張り出そうと試みた。
> 「いたたたたたた!!!」
『無駄無駄無駄無駄!!…!?(ビリビリ』
キラー・チューンは顔面を凍てつかせながらもリリィの襟首を掴み続けたが、
リリィの服が限界を超え、ビリビリと破れてしまった。つまり、リリィは開放されたのだ。
そして、キラー・チューンの顔面は完全に氷に埋もれてしまったようだ。

ところで思い出してほしい。キラー・チューンは先ほどまでエンカの左手を甘噛みしていた。
その後顔面に水をかけられ、そのまま凍らされたのだ。
そう、エンカの左手はキラー・チューンの顔面と一獅ノ凍った水に埋もれてしまったのである。
今エンカの左腕がどこにあるのか不明だが、もし側にいればエンカの悲鳴を聞くだろう。(「うおおおっ!?」)

183 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/07/13(水) 22:40:53.27 O
「何の騒ぎかと思って来てみれば…ふふっ…」
ブレは男子トイレで繰り広げられている惨状を陰から見るや否や、人差し指を唇に当て気味の悪い笑みをこぼす
「一体これは誰の差し金かしら?
まあ、いいでしょう 誰かは知らないけど、少しでも彼等の覚醒に役立って頂戴」
この状況を引き起こしたのは誰なのかブレは少し考えたが覚醒の一助になるならば、誰であれ構わないと判断した
「とは言え、これ以上騒ぎが大きくなれば何かと面倒です」
確かにこのまま闘いが続けば騒ぎを聞き付けた生徒やら教師が様子を見に来るのが必然
下手すれば、いや間違いなく監査官オワゾーがしゃしゃり出てくるだろう
するとブレは懐から手帳を取り出し適当なページに幾つも得体の知れぬ文字やら記号を殴り書きし、乱暴にそのページを破り捨てると軽く指を鳴らした
「これで外から邪魔は入りません 存分に力を発揮するといいわ」
壁は壊され男子トイレには瓦礫の山が出来上がっている いつ誰かに感づかれてもおかしくは無い だがブレは男子トイレと壁の外の一部に空間隔離魔法を発動させた
これでトイレの中は勿論 壁の外での戦闘に発展してしまっても多少の距離であれば誰にも気づかれる事は無い
「まあ、彼等の命が危うくなるようなら私が出るまで 彼等が勝てば止し 負けるようなら…」
ブレにとって得体の知れぬ存在に雛形との闘いを許したのは、いつでも自分が止められるという絶対の自信があったからだ
そしてブレは、また懐を探り 悪趣味な手鏡を取り出すと闘いの様子を眺め始めた


184 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/07/15(金) 04:52:23.18 O
>>177 >>182
ロロのささやかな作戦が一応功を奏し、キラーチェーンの顔面は固まりリリィの奪還にも成功した
結果としては充分と言えるだろう。だから服は一部裂けてしまったようだが許してほしい
こっちだって解放されたリリィの体を保護するために
故意に体を思いっ切りリリィと床に挟まれてクッション代わりになったんだから

しかしそんな事はおくびにも出さないで
よろめいた時に掴んだ何らかの建築素材の欠片
それを粉末状にした物を手からサラサラと流してゆったりとリリィの周りを歩きながら
ロロはちょこんと首を傾げてリリィに笑いかける。そんな動作も妙に似合っている
「一応、助けたけど満足かな?」

流れる粉末を視界の端に捉えながら、リリィの周りを歩き続ける
この粉末はもし策が破られたら二次策としてキラーチェーンへの目潰しに使うつもりだった物だ
そうしてリリィの側面からそのまま散漫な動作で前へ進み、残ってる瓦礫の山に腰を下ろす
「そこの………君だよな、援護をくれたのは?助かったよ。感謝する」
フリードリッヒにも、そのまたしても場にそぐわない容姿に一瞬言葉が詰まったものの、笑顔で礼を述べておく
「こんな所で会ったのも何かしらの縁だろう。俺は………まぁロロとでも呼んでくれ」
そして参ったと言わんばかりに呟く
「これでお終いって訳にはいかない………よな」
些細な事だが、さっきから人に喋り掛ける度にやたらと立ち位置を動いている
癖なのだろうか?
今は丁度リリィとキラーチェーンの中間よりリリィ寄りに腰を降ろしている

185 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/07/15(金) 12:22:31.10 0
>171

>「事実言っただけでクマーは悪くないクマー!!
 総代の証持ってるお前が、こうやって暴れれば暴れるほどエンドウユウキの評価下がるクマー!
 あと変態紳士じゃないクマー!!全裸で徘徊してても心は錦、あえての露出、あえての羞恥プレイ。
 クマーのことは変態淑女と呼ぶクマー!!」

これはクマーは痛恨のミス!クマーはこう言ったら真は……
「勇気が困んの!!それはいやや!ごめんクマ吉君……お詫びになんでもするから……」
クマ「グェへへへっ、じゃあ体で払ってもらおうか!!」
真「……はい」

……
クマー「みたいな!はやく脱ぐクマー!!」
妄想から抜け出していないクマ吉君

真「……他に言い残すことはない?」
>「つーか危ないクマー!!いったん外に出るクマー!!」
戦略的撤退だったクマーと後にクマ吉は語る。死にたくはなかった……彼の顔を見れば誰でもわかるだろう

「どこいくんや?あんまり動いたら、へんなとこに当たって痛いだけやで?」
顔は笑ってるけど、目は笑ってませんでした

>「あの龍コントロールできてるクマー?!
 こらそこの女!お前の龍私そっちのけで暴れてるクマー!ちゃんとコントロール取れてるクマー?!」
「私のゲオルギアスちゃんは賢い子やからな〜私の言うことならなんでもきくで!
ほ〜ら、あの変態淑女を燃やして〜」

しかし、頼みのゲオルギスちゃんはまったく言うことも聞かずに暴れ回っています

「あれ?おっかしいな〜、でもこれは逃げなあかんな〜」
真とクマーは一緒にリリィやフリード、ロロがいる男子トイレのほうに全速力で走り出した

186 :青葉草介 ◆UeaUYwi1Nw :2011/07/16(土) 14:46:32.15 0
>>155
>「状況はわかるニャ?お前、監査官に突き飛ばされて頭打ったにゃ。
 しばらく意識が無かったが、吐き気とか無いかニャ?具合悪いならヒールポーション(緑)飲むニャ?!」
「う…。なんで僕が吹っ飛ばされなきゃいけないんでしょう…? 何か変なことしたかなぁ…?
…腹いせに強力腹痛薬でも盛ってやろうかな(ボソッ)
ああ、少し具合がよくないですね。コミックLOを読めば治るかもしれません
…っていうかその薬僕がロゼッタさんに渡したやつですよ? どうして貴方が?」
青葉は平常運転だった。少し真面目な部分もあるが…
>「とにかく大変なんニャ!ついさっきまであそこで寝ていたライオン獣人が、いきなり暴れ始めたニャ!
 青葉、お前はどうするニャ?!
 まだ具合悪いなら保健室に運んでやるニャ?」
「大丈夫です。僕は保健委員ですから。コミックLOさえ読めばすぐにでも参加できますよ。
…で、皆は何処に行ってしまったのです?」
保健委員関係ねぇよ。そしてここで明かされる青葉の所属委員会

187 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/07/16(土) 15:28:03.24 P
>81-85
>「こんな所で会ったのも何かしらの縁だろう。俺は………まぁロロとでも呼んでくれ」
「では僕のことはフリードと
 ちなみにわけあってこんな格好ですが性別は男なんで勘違いしないでくださいね」
「にゃあご」(キラー何とかが凍ってるうちに分離すればいいじゃん)
「・・・・・・・・・おお」
とポンと手を叩き二人に別れるフリードとギズモ
二人はほぼ同じ姿なので知らない人間が見れば分裂したように見えるかもしれない

「そういえばリリィさんの服が酷い事になってますね・・・・・そうだ♪」
とまたしても今度は何か面白いことを思い付いたかのごとくポンと手を叩くフリード
「お脱ぎなさい!」
「え”?」
とフリードそっくりに化けたグレムリンのギズモに詰め寄るフリード
それは少年が少年を脱がそうとするあれな光景であった

「リリィさんにこのような姿をいつまでもさせておけませんから
 あなたの上着を脱いでリリィさんに着せなさい」
「うなぁ」(お前が脱げばいいじゃん)
「彼は使い魔です!服を脱いで元の姿に戻りまた変身すればまた同じ服を着てる
 そういう存在だから脱いだって平気なんです
 でも僕みたいな美少年がトイレで脱いだら襲われる可能性が高いんです」
むちゃくちゃな理論である

「恥ずかしいよぉ」
とか言いながら結局は服を脱ぐギズモ
服をフリードに手渡すとその場で元のグレムリンの姿に戻る
そして再度フリードと同じ姿に変身するとさっき脱いだ服はフリードの手元に残っているにも拘らず
先程と全く同じ服を着ているのギズモ
「にゃあ」(これ利用すれば同じ服を量産できるんじゃね?)
「同じデザインしか作れないからやってもあまり意味無いんですよグレン」
リリィにギズモから奪い取った服を手渡すフリード

「さてキラーさんは一応女性ですので僕が体中を調べるわけにはいけません
 かといって暴れだしたらリリィさんでは対応できないでしょう
 とりあえず真さんが来たら頼んでみますか」
「にゃあな」(今のうちにロープかワイヤーで縛ったほうがいいよね)
「その前に男子トイレから出ましょうか
 女の子をいつまでもこんな所に居させられませんですからね」

188 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/17(日) 05:03:14.27 0
>183−187
リリィの挑発に乗ったキラー・チューンには、わずかな隙が出来た。
それを見逃さず、フリードと男子生徒が攻撃に転じる。
男子生徒がリリィの腕を引っ張り、キラー・チューンは彼女の襟首を掴んで離すまいとする。
>『無駄無駄無駄無駄!!…!?(ビリビリ』
「うわ――――っ?!」
突然キラー・チューンの抵抗が消え、リリィと男子生徒は凍った床にダイブすることになった。
(リリィが痛くなかったのは、男子生徒が身を挺して庇ってくれたからだ)

かくしてキラー・チューンの顔面は凍り、動きを止めることに成功した。
(やった・・・・・のかな?転んだ割にはあんまり痛くない・・・・・?)
「・・・・・・・あっ!」
はっと我に返ったリリィは、下敷きにしていた男子生徒の上から勢いよく起き上がった。
「あのっ、そのっ、ごめん!大丈夫?痛くなかった?」
さらに何か言おうと口を開きかけたちょうどその時、リリィの服(の残骸)が、ぱりぱりと剥がれて落ちた。
「・・・・・・・・・・え?」
リリィは目の前に落ちた服の残骸と、目の前の男子生徒達、キラー・チューンを見つめた後、恐る恐る視線を下に向けた。
「キャ――――っ!!イヤ――――っ?!何で――――っ!!」
動きを止めたキラー・チューンの手には、リリィの服の後ろ身ごろ部分にあたる残骸が握られたままになっていた。

ぽろりもあるよ!なんてことが言えるのは、当事者以外の誰かだけである。

とにもかくにも、こうしててリリィは、キラー・チューンからは開放された。
もっとも、すべての問題からはまだ開放されていないのだが。

真っ赤な顔をして床の上にうずくまるリリィの周りを、男子生徒が何かの粉のようなものを撒きながら歩き始めた。
(恥ずかしいよー。何でこんな場所で服まで無くなっちゃうの?これじゃ私、本当にHENTAIさんじゃないの〜〜〜!!!)
一人で赤くなったり青くなったりしていると、件の男子生徒と目が合ってしまった。
>「一応、助けたけど満足かな?」
ぼっ、とリリィの顔がさらに赤くなった。
「は、はい・・・・・ア・・・・・・アリガトゴザマシタ」

男子生徒は特にうろたえた様子も無く、さらに何かの粉を撒きながら再び歩き始めた。
なんだかあまりに平然としているので、自分一人だけさっきのハプニングを焦ったり慌てたりしているようで・・・・・・ちょっとだけ悲しい。
(そんなたいしたことでもないのに、一人だけ慌ててて馬鹿みたい)

>「そこの………君だよな、援護をくれたのは?助かったよ。感謝する」
フリードの姿に一瞬言葉を詰まらせたものの、男子生徒は笑顔で礼を述べている。
>「こんな所で会ったのも何かしらの縁だろう。俺は………まぁロロとでも呼んでくれ」
>「では僕のことはフリードと
> ちなみにわけあってこんな格好ですが性別は男なんで勘違いしないでくださいね」
>「にゃあご」(キラー何とかが凍ってるうちに分離すればいいじゃん)
「・・・・・・・・・おお」
ぽん、と手を叩くフリード。

「今しゃべった黒猫は、グレンだよ。 さっきはありがとう。ロロ君。私はリリィだよ。よろしくね。
 私達は、キラー・チューンに奪われた、友達の左手を取り返そうとしてたの。私はヘマをして捕まっちゃって・・・・・・」
説明するリリィの声は小さく、はりが無い。
まあぼろ布と化した服を撒きつけているだけの姿では、まあ仕方の無いことかもしれない。

リリィはそんなぼろ布から、人間の耳としか思えないものを取り出した。
「あ、これはキラー・チューンを召還した女子生徒が貸してくれたものなの。
 これを使えば、彼女と連絡が取れるんだ。キラー・チューンが見つかったって教えてあげないと」
ロロはマジックアイテムか何かだと思ったに違いない。
だが実際には、これはマジックアイテムではない。
リリィの話に出てきた女子生徒の耳そのものである。
女子生徒は特殊な魔法で自分の体を切断し、l切り取った耳部分をリリィに預けているのだ。
切断されたように見えても実際にはつながっているので、こちらの音はすべて彼女も聞いている。
「もしもしロゼッタちゃん?キラー・チューンは足止めできたよ。
 西校舎の男子トイレにいるから、今すぐ迎えに来てー」

189 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/17(日) 05:04:57.60 0
>「恥ずかしいよぉ」
>とか言いながら結局は服を脱ぐギズモ
「わ――――っ!!な、なんでギズモちゃん脱いでるの?!こんなところ他の男子に見られたらどうするのよ!
 っていうかフリード君の姿で脱がないでよ!私も恥ずかしいよ!!」
そんなことを言われても、変身した姿で脱がないと服が増えないから仕方ないのだ。

>「にゃあ」(これ利用すれば同じ服を量産できるんじゃね?)
>「同じデザインしか作れないからやってもあまり意味無いんですよグレン」
>リリィにギズモから奪い取った服を手渡すフリード
「あ、ありがとフリード君にギズモ。でもこの服丈は問題ないけど、胸のボタン、かけられるかな?」

>「さてキラーさんは一応女性ですので僕が体中を調べるわけにはいけません
> かといって暴れだしたらリリィさんでは対応できないでしょう

うんうん!と大きく頷くリリィ。
ちなみに服のボタンは余裕をもってかけることが出来ました(リリ「ほっといてよウワアアアン」)。

 とりあえず真さんが来たら頼んでみますか」
「にゃあな」(今のうちにロープかワイヤーで縛ったほうがいいよね)
「ロープかワイヤーなんて持ってないよね?2人は拘束魔法とか使える?」
>「その前に男子トイレから出ましょうか
> 女の子をいつまでもこんな所に居させられませんですからね」
「じゃあ、外に誰も居ないかちょっと確認してくれる?男子トイレから出て行く姿なんて、絶対人に見られたくなんかないよ」
金髪おさげを服の下に隠しながらリリィは頼んだ。
どうやら人が居たら、男子生徒になりすましてこの場から立ち去るつもりのようだ。
「あ、そうだフリード君にグレン、さっき預けた左腕どうなってる?」
だが2人の返答を聞くや否や、リリィはさーっと青ざめていく。
「どうしよう?私てっきり・・・・・・ああ、じゃあ私、エンカの腕落としてきちゃったのね。どうしようどうしよう!!
 今すぐ探しにいかないと!!」


その時、トイレのドアが勢いよく開いた。
そしてそこには、真と熊獣人が立っていた。
本来ならこの場には入れないのだが、リリィに持たせてある手鏡でブレは中の様子を確認している。
そして熊獣人が持っている左腕らしき物体を見て、中に通しても大丈夫な関係者と判断したに違いない。
風紀委員の腕章をつけた熊は、中をみるなり嫌そうに顔をしかめた。
>「お前ら・・・・・・何があったクマー、この惨状はあの羽つきメスライオンのせいクマー?」
そう言いながら、熊の姿はみるみる猫獣人に変化していった。
昨夜屋上で出会った人間なら、この熊=三毛猫獣人=風紀委員で自称森の動物「タマタロー」だと気づいただろう。
>「ロビーで巻き込まれたトラブルから身を守るには、猫獣人より守備力の高い熊獣人のほうが良かったから変身してたニャ。
> まあ、この際ニャーの変身能力のことなんかどうでもいいニャー」

ルイーズはひげを得意そうにぴくぴく動かした。
>「・・・・・・まー、説明されなくても大体のことは知ってるニャ。この左腕から、ずっとこっちの様子が漏れ聞こえて来たニャ。ほれ」
そう言って、クマーはエンカの左腕を差し出した。
左腕の断面からは、「うおおおおおお」という声が漏れ聞こえている。
>「なんかさっきから急に苦しみ始めたみたいニャ。お前ら何か心当たり無いニャ?」
「あ!」
リリィは素っ頓狂な声を上げた。
「ねえ、覚えてる?さっき、キラー・チューン、エンカの左手、どうしてたっけ?」

リリィは恐る恐る振り向き、氷で覆われたキラー・チューンの顔(正確には口)を注視した。
「フリード君、人間って多少凍っても生きられるんだよ・・・・・・・ね?」
とりあえずエンカの安否と、キラー・チューンが持っている(はずの)彼の左手を回収するのが急務だろう。

190 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/07/18(月) 20:04:06.33 0
>188
> 「もしもしロゼッタちゃん?キラー・チューンは足止めできたよ。
>  西校舎の男子トイレにいるから、今すぐ迎えに来てー」
リリィがロゼッタの耳に話しかけると、その切断面からロゼッタの声が返ってきた。
>「わかった。わかったけどさぁ…」
ロゼッタの様子がおかしい。
>「どうしてだか知らないけど、あたいの顔を冷たくてしかたがないんだ。
> さっきもいきなり足から血が出るし…まぁ、あんたに言ってもしかたないんだけどさぁ…」

「俺の左手がどうかしちまったのかよ〜っ!?」
エンカの左腕の切断面から、彼の情けない声が聞こえてきた。
「俺も今学園のロビーのすぐ外にいるんだが、アップル・シーナが暴れているせいで近づけねぇぜ!
 それにしてもアップル・シーナが龍だったとはなぁ!
 ロゼッタの奴よくあんなもん召喚したもんだよなーっ!」
どうやら遅れてやって来たエンカは真が召喚したゲオルギスをアップル・シーナだと思っているようだ。
耳を直接預けていたロゼッタと違い、エンカはリリィ達の今の状況を把握できていないようだ。
もしエンカが自分が狙われていると知っていたなら、
わざわざキラー・チューンに自分の声を聴かせる愚は犯さなかっただろうから。

しばし混乱していたキラー・チューンは、エンカの声を聞くと我にかえり、
両手の爪でガリガリと自分の顔についた氷を削り始めた。
ほっとけばキラー・チューンは顔の氷を破壊し、学園ロビーへと飛んでいくだろう。

191 :名無しになりきれ:2011/07/19(火) 23:50:19.09 0
a

192 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/07/21(木) 02:31:16.93 P
>188-190
ロゼッタの言葉を聞いた一人と一匹の会話
「やっぱり痛みのフィードバックがあるんですね」
「うなぁ」(使い魔のお約束だね)
「グレン……あなたの痛みは僕の痛みです」
「なにゃあ」(フィー坊の痛みはフィー坊の痛みだけどね)
まさに外道である

リリィのロープか何かあるかという質問に対してフリードはこう答える
「さっきの質問ですが普段からロープ持ち歩いてる人間なんて居ませんよ
 普段からローブ着ている人間は居るかもしれませんが魔法学園的に考えて
 かといって前に使った捕縛の呪文はまた無理やり剥がすでしょうし困ったものです」
キラー・チェーンのダメージはロゼッタのダメージでもある
ならばさっきと同じ呪文を使えばロゼッタを傷つける結果になるだろう
「こうなったら四文字固めからの足殺し技のオンパレードで動けなくなるぐらい痛めつけるしかないんでしょうか?」
だからそれやるとロゼッタにもダメージが行くんだってばよ
「にゃあご」(羽で飛ぶんだから足関係なくね?)
「ああそうかロゼッタさんに羽根は生えてませんから羽にダメージを与えてもフィードバックはありませんね
 ………羽根に効く関節技ってありましたっけ?」
関節から離れろ魔法剣士

>「あ、そうだフリード君にグレン、さっき預けた左腕どうなってる?」
「え?僕知りませんよ?」
「にゃあご」(しらんがな)
おいこらちょっと待て

>「どうしよう?私てっきり・・・・・・ああ、じゃあ私、エンカの腕落としてきちゃったのね。どうしようどうしよう!!
 今すぐ探しにいかないと!!」
と言っている間にその腕は向こうからやってきた

>「フリード君、人間って多少凍っても生きられるんだよ・・・・・・・ね?」
「余裕ですよ完全に氷に閉じ込められた人間が復活できるぐらいには」
どこの聖闘士だよそれ

そうこう言っているうちに顔面の氷を剥がそうとしているキラーチェーン
「すいませんが真さん!彼女が持っているはずのエンカさんの左手を探し出して欲しいんですが
 僕は男ですので女性の体を弄る訳にはいかないんですよ!!」
はたして真は言うことを聞いてくれるのか?
それとも拒否されてエンカの貞操が復活したキラーチェーンに奪われてしまうのか?

193 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/07/21(木) 21:42:24.93 0
>176-190、>192
>「妙な状況だけど、僕たちきっとどこかに妥協点があると思うんだ」
>『あんた、どうやら武術をしているようだな?』(略)
キラー・チューンはまたしても『彷徨者』へと攻撃を仕掛けた。
先程と同じ、爆発する緑色の光球である。爆発に巻き込まれた『彷徨者』の姿は
煙に紛れて見えなくなってしまう。

(「……やはり私の目に狂いはなかった。あの少年も、か」)
煙の中、流石に感じ始めてきた痛みを押し殺し『彷徨者』は思索に耽る。
少年ロロは、『彷徨者』の突然の無茶振りに困惑しながらも状況に適応し行動を起こした。
些細な事ではあるが、誰でも出来る類でないのも事実。
そう見抜いたからこそ『彷徨者は』ロロに放ったのだ……自身の手の内を隠す事も兼ねて。
その間にこちらに向かっているであろう真の様子を『見る』……下らない事で龍を召喚した挙句
そのコントロールが出来ずほったらかし。総代代行が早々にやらかしているわけで、
炎道勇気が戻って来た時には総代の件が取り消しになってもおかしくない。
(「……使えるな」)煙の中、『彷徨者』は口元だけで嗤った。

>『死ぬがよい。そしてさようなら。』
>「死んじゃったら、もう二度と会えなくなるんだよ・・・・・・」
「あまり強そうな言葉を使わない方がいい……弱く見えるぞ?」
煙が晴れた爆発の中心には、一層酷い怪我を負った『彷徨者』がいた。
声の調子はまるで変わっていないが……見ると、左の肘から先が無くなっている。
全身の包帯も大部分が千切れ飛び、様々な怪我の跡がそこから覗いていた。
……そんな中、何故か顔と右腕の包帯には一切ダメージが入っていない。

「死とは、生きていれば必ず迎えねばならない絶対不変の理……
 死者は二度と動かない、語らない、笑わない、その暖かさもなくなってしまう。
 ……では、アンデッド(不死者)とは一体何なのだろうねぇ?」
全身の傷から流れていた血が、今はほとんど流れていない。
肌は土気色を通り越しどんどん黒ずんでいく……死体特有の変化だ。
そんな状態でありながら平然としている『彷徨者』は、実はアンデッドだったのだろうか?
もしそうならば、リリィの回復魔法が効かなかったのも当然である。
生命力を活性化させ、損傷箇所を修復したり枯渇した活力を回復すると言うのが
今の世界に存在する回復魔法の根底である。回復魔法に必要な、生命力を持っていない
アンデッドには回復魔法は薬にも毒にもならないのだ……事実はどうであれ―――。

194 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/07/21(木) 21:43:06.11 0
そんなやり取りの間に、事態は収束へと向かい始めていた。
キラー・チューンに捕縛されていたリリィはフリードとロロの即興の連携で解放され、
合流する手筈だった残りの人員も駆けつけてきたからだ……男子トイレに。
そんな中、『彷徨者』は暢気にも口さがなく話し始める。標的は真とロロ、そしてフリードだった。

「遅かったじゃないか真君……まぁいいさ、無事だっただけで儲けもの。
 到着早々悪いんだが、キラー・チューン拘束に手を貸してもらえないかな。
 情けは人の為ならず、恩は買う物じゃなくて売る物だよ。
 ここで人助けに精を出せば、『君のせいで下がった炎道勇気の評判』も
 少しは挽回できるかも知れないねぇ。そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが?(笑)」
何と言う嫌味ったらしさ……だがおかしい。具体的な事こそ言っていないものの、
間接的に真の不祥事を知っていると言っているのだ……何故知っているのだろうか?


「いやいやすまなかったね、ロロ君、だったかな。
 無理難題をいきなり押し付けてしまって。見ての通りのザマでね、
 完全に敵とみなされている私じゃあ隙を見せないだろうと思って、ね。
 ありがとう、、、『ワタシノトモダチ』を助けてくれて……」
そうロロに礼を述べる『彷徨者』、無茶振りの張本人がいい度胸と言わざるを得ない。
だが、ロロには包帯女の言葉がどこか薄っぺらいというか、表面的な物に感じられただろう。


「羽に限らず、付け根と言うのはある一定の方向への負荷に弱い。
 君の膂力なら関節技など必要ない、力任せに引き裂いてしまえばいい。
 ……まぁ、フェミニストで愛猫家の君には出来ないかも知れないけれどね。
 しかし、己の信条を貫いて死ぬのは結構だが、巻き込まれた方は恨むだろうねぇ。
 そうした恨みやらも覚悟の上と言うなら、私はもう何も言わないよ」
婉曲的にフリードの姿勢を揶揄し、挑発する『彷徨者』。
可能な限り、多くの者達の『底』を見ておかなければならない。
……場合によっては、予定外のテコ入れも必要になるだろうから。


>ほっとけばキラー・チューンは顔の氷を破壊し、学園ロビーへと飛んでいくだろう。
奇妙な音を聞き、その音の正体に目を向けると、キラー・チューンが顔面の氷を剥がしていた。
エンカの声を聞いた瞬間からの行動である、何が狙いなのかは丸分かりだった。
「どこへ行こうというのかねぇ? さっきも言っただろう、君に行き場所などない。
 ……それに、『ココ』からは出られない。君の攻撃で舞い上がった煙に隠れて
 結界を張ったからね……出たければ、『ワタシヲコロス』しかないよキラー・チューン」
そう言って『彷徨者』は虚空を見やる……その視線は、一瞬だけだが手鏡で覗いていたブレを射抜いた。
『彷徨者』はブレのやった事に気付いていたのだが、その不自然さを消す為に嘘をついた。

「君にこれ以上外をうろつかれると困るからね……何はともあれ、
 ここで決着を付けるしかないんだよ。君達も、そのつもりでいて欲しいね。
 ……なに、私の事は上手く盾にしてくれればいい。それしか能がない」
そう言付け、『彷徨者』はキラー・チューンへと歩み寄っていく。
……同時に、ルイーズ(タマタロー)の足元に転がっている『彷徨者』の左腕がピクリ、と動いた。

195 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/07/22(金) 02:32:45.30 O
>>187 >>192-194

>「では僕のことはフリードと
ちなみにわけあってこんな格好ですが性別は男なんで勘違いしないでくださいね」
「それ聞いて心底安心したよ、フリードくん」
フリードリッヒの言葉おどけながらそう答える

そして―――
ガリガリガリ
頭を覆う氷ってものは如何に鋭かろうと爪では中々削りきれるものではない
だからロロは、キラーチェーンが動き出した時にも落ち着いて彷徨者の方を見れた
無茶振りしてきた時はよく見てなかったが、今なら解る。コイツは異様だ
> 「いやいやすまなかったね、ロロ君、だったかな。
ありがとう、、、『ワタシノトモダチ』を助けてくれて……」
故意なのか本音なのか、声色の意図が計りかねるために
どこか白々しい言葉には一切触れないでロロは笑い顔のような困り顔を作って、彷徨者からキラーチェーンへ視線を移す
「でも不意は何度も突けない」
つまり次はないのだ
どうしたものかとぼんやり考え………始めようとした時にフリードの言葉がやけに頭にはっきり響く
>「………羽根に効く関節技ってありましたっけ?」
むしろ関節などと生温い事を言わずにペディグリーでもキメて頂きたい
などと言うのは場をかき乱すだけなので口には出さない

>「君にこれ以上外をうろつかれると困るからね……何はともあれ、 ここで決着を付けるしかないんだよ。君達も、そのつもりでいて欲しいね」
そして彷徨者から、所謂逃げられない状況である事を告げられる
即座にロロはその場の誰より早く口を開き
「それの対処は他の人に任せるよ。武術なんて往々にして実戦じゃ役に立たないものさ」
と情けない予防線を張っておく。刃物でも持っていればまだ判らなくもないが、今のロロは丸腰である
刃物の扱いだけが武術ではないが、素手は刃物に比べ達者でない
それにトイレという場所は複数人で乱闘するには少々狭い

しかし、あんなヘタレた事を言いながらも瓦礫の上に座ったままトイレ内を観察する
どこの何をどう使えば事が有利に運ぶのか、それを見極めているのだ
端から見るとやたらソワソワしているようにしか見えないかもしれない

196 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/24(日) 04:07:41.54 0
>煙が晴れた爆発の中心には、一層酷い怪我を負った『彷徨者』がいた。
>声の調子はまるで変わっていないが……見ると、左の肘から先が無くなっている。

「いやあああああ!!シャイナさんがあああ!!」
リリィの声は完全に裏返っていた。
だが当のシャイナは外見とは裏腹に平然としており、全く声の調子が変わっていない。
シャイナは、淡々と死と不死者について語っていた。
「い、痛く・・・・・無いの?」
状態から見ると、完全に死体の特徴そのままである。
「アンデットさんだったの?ちょっと!無理に動いちゃだめ、パーツがもげちゃう!!
 後で死霊科のアル先生のところで直してもらえるよう頼んであげるから!!」

それにしても、死人が死人の遺品を回収に来るとは・・・・・。
(レイヴンさんとの関係って、ロゼッタちゃんとキラー・チューンの関係に似てるかも)

ロゼッタにキラー・チューンの居場所を連絡したものの、少し様子がおかしい。
>「どうしてだか知らないけど、あたいの顔を冷たくてしかたがないんだ。
> さっきもいきなり足から血が出るし…まぁ、あんたに言ってもしかたないんだけどさぁ…」
リリィは思わず振り返った。今の話でフリードは大体状況が飲み込めたようだ。
どうやらキラー・チューンとロゼッタは感覚を共有しているらしい。
すなわちそれは、キラー・チューンを倒すことが、ロゼッタを倒すということに他ならない。
確かに、ロゼッタとはいろいろあったが、別に怪我を負わせたいとは思っていない。
リリィは状況を知らない、ロロや包帯少女の方に視線を走らせた。
(言うべきかな、それとも、黙ってるべきかな・・・・・・)
これではリリィの代わりに、ロゼッタを人質にとられたようなものである。
[a」
あの実は・・・と言いかけて、リリィは飲み込んだ。
こうしてキラー・チューンの抵抗が収まっているのなら、わざわざ口に出す必要はないのだから。

フリードは、ロープは持ち合わせていないらしい。
「そうなんだ。あの執事さん?なら、何でもホイホイ持っていそうなのにねー」
今日彼はお休みであることを、リリィは知らない。
>「(略)かといって前に使った捕縛の呪文はまた無理やり剥がすでしょうし困ったものです」
うんうん、とリリィも頷く。
>「こうなったら四文字固めからの足殺し技のオンパレードで動けなくなるぐらい痛めつけるしかないんでしょうか?」
「いやだからそれはだめだってば!」
>「にゃあご」(羽で飛ぶんだから足関係なくね?)
>「ああそうかロゼッタさんに羽根は生えてませんから羽にダメージを与えてもフィードバックはありませんね
> ………羽根に効く関節技ってありましたっけ?」
「氷の檻とか作れないの?あ、でも暴れて壊しちゃうか・・・・・」
そして檻を壊すときに、また傷を作るかもしれない。
そこに、シャイナが羽を力任せに引き裂いてしまえばいいと助言する。
いいたい事はわかるのだが、なんとも痛そうな話の上に、一言余計である。
「シャイナさん、もしかして人付き合い苦手? 何か人にして欲しいときは、お願いしますって言わなきゃだめだよ。
 そんな意地悪な言い方しなくたって、皆ちゃんと助けてくれるよ。
 あっ!いやその・・・・・・・そうじゃない人だって世の中にはそりゃいると思うけど」
シャイナもレイヴンの知り合いなら、彼らの壮絶な過去も知っているかもしれない。
そう思ったリリィは、あわてて最後の言葉を付け足した。

197 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/07/24(日) 04:07:56.45 0

フリードは、人間凍らされたくらいじゃ死なないと語った。
「そっかー、よかったー!!」
逸般人であるフリードの言葉を、冬を知らないリリィは鵜呑みにした。

>「すいませんが真さん!彼女が持っているはずのエンカさんの左手を探し出して欲しいんですが
> 僕は男ですので女性の体を弄る訳にはいかないんですよ!!」
「え、真ちゃん魔法使えるの?」
リリィよりはるかに高度な術を扱う相手にたいして、なんとも身のほど知らずな話である。
包帯少女も一緒になって真への説得を始めている。
「どっちにしても、お姫様にそんな危ないことさせられないよ!イオリさんに顔向けできないし!
 危ないから下がってて!」
空元気を出してはいるが、膝ががくがくしていては勇ましさも半減である。

>「俺の左手がどうかしちまったのかよ〜っ!?」
「あっ!エンカ?!い、一応さ、左手はみつかったんだけど・・・・・・その・・・・・ちょっとトラブルが・・・・・・。
 左手、ちゃんと動かせるかな?」
>「俺も今学園のロビーのすぐ外にいるんだが、アップル・シーナが暴れているせいで近づけねぇぜ!
> それにしてもアップル・シーナが龍だったとはなぁ!
> ロゼッタの奴よくあんなもん召喚したもんだよなーっ!」
「えっ、何のこと?アップル・シーナ改めキラー・チューンは悪魔だよ。ライオンに羽が生えたみたいな。
 私達は今、西館の男子・・・・・西館にいるの。うん、そうなの。
 そういえばエンカ、おなかの調子はもう大丈夫なの?」
リリィは、キラー・チューンにエンカの居場所を知られた危険に気づいていない。

>しばし混乱していたキラー・チューンは、エンカの声を聞くと我にかえり、
>両手の爪でガリガリと自分の顔についた氷を削り始めた。
「うわあっ?!まだ動けるの?!」
>「どこへ行こうというのかねぇ? さっきも言っただろう、君に行き場所などない。 (略)
シャイナは結界を張ったらしい。しかも解除するには、彼女を殺すしかないと言い切った。
>「君にこれ以上外をうろつかれると困るからね……何はともあれ、
> ここで決着を付けるしかないんだよ。君達も、そのつもりでいて欲しいね。」
>「それの対処は他の人に任せるよ。武術なんて往々にして実戦じゃ役に立たないものさ」
「武術できるなら十分だよお!!っていうか他の人って言ったって私もっと実践で役に立たないし!」
ロロの落ち着きなそうな振る舞いの真意に、リリィは気づいていない。

> ……なに、私の事は上手く盾にしてくれればいい。それしか能がない」
そう言付け、『彷徨者』はキラー・チューンへと歩み寄っていく。
「バカ――――!!」
リリィはタックルしてシャイナを引きとめた。
「何やってるの!誰もそんなこと頼んでないよ!
 そもそもシャイナさんがやってること、あんなに怒ってたレイヴンさんと全く同じだし!
 あなたはよくても、あなたに大怪我されたら残されたほうはどうしたらいいのよ?」

そのころのルイーズこと森の動物タマタローと言えば
「まさか・・・・・この左腕が本体で、ミイラ姿のほうはトカゲの尻尾部分?!」
拾った左腕二本を持ちながら、ボケたことをつぶやいていた。
「猫ちゃん、私にすごくいい考えがあるの!だから、その左腕私に頂戴!」
リリィはルイーズから、エンカの左腕を受け取った。
そしてキラー・チューンに警告する。
「エンカの左手はどこ?返さないならひどい目に合うわよ?それでもいいの?」
返答いかんによっては、リリィは「ひどい」方法を実行するだろう。
ちなみにやることは、エンカの左腕の黒い断面の中に、自分の腕を突っ込むことだ。
リリィの想像が正しければ、キラー・チューンはまだエンカの左手を甘噛みしているはずだ。l
ここから手を入れれば、キラー・チューンの体内・・・・喉の奥か口の中あたりに通じているはずだ。
そこに手を突っ込んだらどうなるか、ああ、考えるだに恐ろしい。

「やるわよ?ほんとーにやるわよ?!嫌ならエンカの左手を返して!」


198 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/07/25(月) 19:34:21.08 0
>194>197
> 「えっ、何のこと?アップル・シーナ改めキラー・チューンは悪魔だよ。ライオンに羽が生えたみたいな。
>  私達は今、西館の男子・・・・・西館にいるの。うん、そうなの。
>  そういえばエンカ、おなかの調子はもう大丈夫なの?」
「一体何のことだ!?まぁ、いい!俺もすぐ行くから無理すんなよなーっ!」
そうエンカが応えた。

キラー・チューンは顔から氷を剥がすと、すぐさま男子トイレの外に飛んで出ようとした。
しかし、彼女は何か見えない壁のようなものにしこたま頭をぶつけてしまった。
「痛ぇな、ちくしょう!」
キラー・チューンはエンカの左手を甘噛みしたままだったが、頭をぶつけた拍子に強く噛んでしまったようだ。
『なんなんだぁ、今のは?』
キラー・チューンは頭にできたタンコブをおさえながら降りてきた。
> 「どこへ行こうというのかねぇ? さっきも言っただろう、君に行き場所などない。
>  ……それに、『ココ』からは出られない。君の攻撃で舞い上がった煙に隠れて
>  結界を張ったからね……出たければ、『ワタシヲコロス』しかないよキラー・チューン」
『あんた生きていたのか?さすが魔女とほめてやりたいところだが、
 どうやらよっぽど死にたいらしいな?』
既にシャイナは死人のように見えるがキラー・チューンからはそう見えないようだ。
> 「君にこれ以上外をうろつかれると困るからね……何はともあれ、
>  ここで決着を付けるしかないんだよ。君達も、そのつもりでいて欲しいね。
>  ……なに、私の事は上手く盾にしてくれればいい。それしか能がない」
> そう言付け、『彷徨者』はキラー・チューンへと歩み寄っていく。
> 「バカ――――!!」
> リリィはタックルしてシャイナを引きとめた。
> 「何やってるの!誰もそんなこと頼んでないよ!
>  そもそもシャイナさんがやってること、あんなに怒ってたレイヴンさんと全く同じだし!
>  あなたはよくても、あなたに大怪我されたら残されたほうはどうしたらいいのよ?」
『心配しなくても、あんたら二人まとめてあの世に送ってやる』
キラー・チューンがシャイナとリリィの側に飛んできた。
二人ともキラー・チューンのパンチの射程距離内である。
『どうやらあんたは魔法で攻撃しても死なないようだから、もっと手っ取り早い方法を思いついた。
 あたいが直接あんた達をバラバラに砕いてやろう』

> リリィはルイーズから、エンカの左腕を受け取った。
> 「エンカの左手はどこ?返さないならひどい目に合うわよ?それでもいいの?」
『小娘が・・・やれるものならやってみるがいい!このキラー・チューンに対してな!』
> 「やるわよ?ほんとーにやるわよ?!嫌ならエンカの左手を返して!」
『いよいよもって、死ぬがよい!!』
キラー・チューンはリリィとシャイナにパンチのラッシュを放とうとした。
しかし、ここでリリィがエンカの左腕の断面に自分の手を突っ込んだため、
キラー・チューンは攻撃を中断せざるを得なかった。
『ゲッ!?ガハッ!!グ・・・・!!』
リリィが予想した通り、彼女の手がキラー・チューンが甘噛みしていたエンカの左手の断面から飛び出し、
キラー・チューンの気道を塞いだのだ。まもなくキラー・チューンは呼吸困難によって気絶してしまうだろう。
『!!!!!!!!!!!』
だが、キラー・チューンはまだ動けるようだ。
彼女は最後の力を振り絞ってリリィとシャイナに向けてパンチのラッシュを放った。

199 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/07/26(火) 14:47:37.27 P
>193-198
>「羽に限らず、付け根と言うのはある一定の方向への負荷に弱い(ryよ」
「力任せに引きちぎっていいんですねやったぁ
 返り血で服が汚れちゃうじゃないですかやだぁ」
「にゃあ」(何その反応?)
「戦う力がある人は自分で自分を守るでしょうし死んだら本人の責任だから良いとして」
「ふにゃあ」(いや良くねえよ)
「力無き者を守るのは力持つ者の義務です
 リリィさんは非戦闘員ですから僕が全力で守ってみせましょう
 たとえそれが世間から卑怯だと罵られる様な方法だとしても」
「にゃあご」(敵を倒せば罵られる・・・基本だよね)
「たとえ正当な理由があったとしても暴力には変わりありませんからね」

>「それの対処は他の人に任せるよ。武術なんて往々にして実戦じゃ役に立たないものさ」
「そうですねプロレス技なんて唯の趣味でここは魔法学園で僕らの本業は魔法使いなんですから」
そして魔法使いの本当の武器は攻撃呪文で無く知恵である

>「武術できるなら十分だよお!!っていうか他の人って言ったって私もっと実践で役に立たないし!」
「大丈夫ですよ!戦いは戦闘員だけでなくサポーターも重要ですから
 それにいざとなったらさっき言ったように僕が全力で守ってみせます」

>「やるわよ?ほんとーにやるわよ?!嫌ならエンカの左手を返して!」
「え?本当にやるんですか?止めませんが後でちゃんと手を洗った方がいいですよ」

>『ゲッ!?ガハッ!!グ・・・・!!』
>『!!!!!!!!!!!』
「まずい!」
飛び込んで身代わりにパンチのラッシュを受けるフリード
ダメージを受け背中から血を流すフリード
「にゃあ!?」(フィー坊がダメージを受けた!?)
「結局、服は汚れてしまいましたか・・・・・・」
「えぇぇ!?自分を身代わりにした!?ご主人様なら僕を投げ込んで盾にするのに!?」
!?が多すぎるギズモ・・・・・ていうか居たんだ
あまりにも台詞が無いから帰ったものだと・・・・・・
「僕は姉さんとは違う人間ですからね・・・・・秘技味方バリアなんてやりませんよ」
やるフリージアさんもフリージアさんである

「僕が使えるのが自分の顔以外直せない治療魔術じゃなければ良かったんですけどね・・・・・・」
ちなみに整形した人間にかけると整形前の顔に治ります
「にゃあああ!!」(死ぬなフィー坊!!)
「いや・・・・・死にはしませんよ熊相手で慣れてますから、でもとりあえず治療魔法お願いします」
「よし!ここは僕が保険医を召喚するよ!ロリロリペドリータロリロリペドリータ魔界より現れよ保険医よ!!」
ギズモよ保険医は一応人類だ

200 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/07/27(水) 14:45:37.94 0
>「すいませんが真さん!彼女が持っているはずのエンカさんの左手を探し出して欲しいんですが
 僕は男ですので女性の体を弄る訳にはいかないんですよ!!」

真がトイレのドアを思い切り開けるとまず、フリードが反応した

「めんどくさいねんけど……」
真は乗り気ではない、ちなみに走って汗をかいたら怒りはどこかに飛んでいった
「ゲオルギアスちゃんが代わりにまさぐってくれるっていうとるわ」
やる気のない、真に変わって急にやる気になったゲルギアス君(オス)
アップル・シーナが獣人だからだろうか?あ、だからさっきはクマ吉君ことルイーズを追いかけていたんだろう

>
「遅かったじゃないか真君……まぁいいさ、無事だっただけで儲けもの。
 到着早々悪いんだが、キラー・チューン拘束に手を貸してもらえないかな。
 情けは人の為ならず、恩は買う物じゃなくて売る物だよ。

「『私のせいで下がった勇気の評判』そんなもんあるわけないやん?
私が龍を暴れさしたとでも思ってるんちゃう?あんなもん誤差の範囲内やで?」
誤差の範囲ってなんだよ……
ちなみに修理はツクモガミさんたちにやってもらっています
ええ、証拠隠滅です

「ゲオちゃんがそんなことするわけないやんね〜
私はあんまのりきちゃうけど、しゅあないな……エンカのあとは勇気を探してや!!」

そういうと真はトイレの中に足を踏み入れた
そしてぼそっとシャイナに耳打ちする

(あとで見た奴の記憶消すん手伝ってや)

>「え、真ちゃん魔法使えるの?」
>「どっちにしても、お姫様にそんな危ないことさせられないよ!イオリさんに顔向けできないし!
 危ないから下がってて!」

そういえばリリィが意識のあるときに魔法をつかっていなかった

「いっとくけど、私と勇気との関係は許嫁のほかに術士と護衛っていう関係があるんやからね
魔法使いとしてはあいつとは比べ物にもならへんねんで!!」

真はちょっぴり怒っている
自分の実力に自信を持っているからです

「まあ、そういうことなら私の実力をみせてあげるわ」
うしろにすでにドラゴンがいるが気にしない

「そうやねぇ……こんなんどうやろ?」

>『!!!!!!!!!!!』
キラーチェーンがリリィ達を殴ろうと飛び出す
それを受けるフリード。
真は無詠唱で光の鎖を出現させキラーチェーンを拘束する

201 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/07/31(日) 02:09:02.30 O
>>197 >>200
真とやらの捕縛術は見事な物だ。そしてリリィの気管締めも確実に利いている
かなり落ち着いて戦況を静観しつつも、正直ロロはそれでかなり安心した
召還主との肉体的フィードバックが成立している以上、仮に武器を用意出来てもロロお得意の武術では召還主にも致命傷を与えかねないだろうからだ

ただ、万が一捕縛が解けてしまった時のために保険は掛けておく
礫程の大きさの瓦礫の欠片を手に取り、無造作にキラーチェーンの足元に投げる
当然その礫には術式を仕込んである
まず、風魔法を載せて踏ん張れば足場が崩れる程度に床にダメージを与える
そして、衝撃で強い粘着性のある液体に変化するイタズラ魔法
つまり跳びかかるにしろ飛びかかるにしろ踏ん張れば足場は崩壊、そして崩れた瓦礫と建物の基礎に粘着剤で繋がれる
という寸法だ。しかし飽くまでも保険だから、使われないならそれで良い

この手を打って、ロロはもう少しだけ静観というか見物というかを決め込む事にする

202 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/01(月) 20:41:54.57 0
キラー・チューンは乱暴なラッシュをフリードに見舞ったが、長くは続かなかった。
呼吸困難な状況にもかかわらずパンチのラッシュを行ったのだ、息が上がらないわけがなかった。
真の光の鎖がキラー・チューンを拘束しても、それに抵抗する力もない。
キラー・チューンは気を失ってその場に倒れこんだ。
このままロロの“保険”を使わなくてすむと良いのだが…

エンカは西館についたものの、どこでキラー・チューンが暴れているのか検討がつかなかった。
おそらくブレの結界の影響だろう。非魔法使いのエンカではどうすることもできない。
「おいリリィ!西館ってだけじゃあよぉ、おめぇらがどこにいるかわかんねぇよーっ!」
エンカは自分の左腕の断面にそう叫んだが、リリィ達にその声が届いているか確認が難しかった。
なぜなら、左腕の断面を自分の顔に向けるのが難しいからだ。
だから未だにキラー・チューンの容姿をエンカは知らなかった。

西館の男子トイレのすぐ近くで、一人の車椅子に乗った少女がぐったりとうなだれていた。
彼女こそがキラー・チューンの召喚者、ロゼッタである。
そう、フリード達が気づいた通りキラー・チューンへの効用はロゼッタにもフィードバックされ、
ロゼッタもまた気を失っているのだ。
そのためロゼッタを起こすには、まずキラー・チューンを起こす必要があるだろう。
呼吸困難で倒れた患者への応急処置は一つだけである。
そう、人工呼吸だ。

203 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/01(月) 21:47:05.76 0
時間は、少しさかのぼる。
>「力無き者を守るのは力持つ者の義務です
> リリィさんは非戦闘員ですから僕が全力で守ってみせましょう
「フリード君・・・・・・」
リリィは両手を組み、うるうるした目でフリードを見つめている。
> たとえそれが世間から卑怯だと罵られる様な方法だとしても」
「いや、それはよくないから!」
>「にゃあご」(敵を倒せば罵られる・・・基本だよね)
>「たとえ正当な理由があったとしても暴力には変わりありませんからね」
リリィは、フリードの深い言葉に胸を打たれた。
「そっか。そうだよね。
 ・・・・・・フリード君、いつもそんなこと考えながら戦ってたんだね・・・・・・」
リリィの、フリードを見る目がちょっぴり変わった瞬間だった。

>「大丈夫ですよ!戦いは戦闘員だけでなくサポーターも重要ですから
> それにいざとなったらさっき言ったように僕が全力で守ってみせます」
「あ・・・・・・ありがと・・・・・・・」
美少年フリードのニコポをまともに食らったリリィは、ご多分に漏れずぽっと赤くなった。
フリードは変人だが、かなりのフェミニストだ。
背の丈と逸般人であることを覗けば文句無しの美少女で理想的なお姫様・・・じゃなくて王子様である。

>「いっとくけど、私と勇気との関係は許嫁のほかに術士と護衛っていう関係があるんやからね
>魔法使いとしてはあいつとは比べ物にもならへんねんで!!」
「・・・・・・・・・・・」
3秒ほど悩んだ後、リリィはぽんと手をたたいた。
「えっと・・・・・・じゃあ、エンドウ君が術士で護衛がマコトちゃんってこと?
 エンドウ君、見かけによらずキョーサイカなんだね!」
全く悪気なく、他人にとっての地雷を踏みまくりなリリィであった。

そして現在。

>『いよいよもって、死ぬがよい!!』
どうやら、話し合いの余地は全く無いらしい。
フリードの言うとおり暴力はよくない事だが、降りかかる火の粉は払わなくてはならない。
>「え?本当にやるんですか?止めませんが後でちゃんと手を洗った方がいいですよ」
ましてや、こちらにはシャイナというけが人(?)もいるのだ。
悲壮な覚悟で文字通りの「奥の手」を使おうとするリリィに、フリードが的確ながらもちょっとズレたことを言った。


204 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/01(月) 21:49:36.61 0
「もう!本当に!どうなっても知らないんだからねーっ!」
奥歯をかみ締め、意を決してエンカの左腕の断面に手を突っ込んだ。
>『ゲッ!?ガハッ!!グ・・・・!!』
リリィが予想した通り、彼女の手がキラー・チューンが甘噛みしていたエンカの左手の断面から飛び出した。
まあ、キラー・チューンの口側でなく、気道側をふさげたのは幸いだった。
下手をすれば、断面から飛び出したリリィの腕は綺麗に食いちぎられていたからだ。
(仮に防御魔法をかけていても、無事ではとても済まなかっただろう)

『!!!!!!!!!!!』
「ロゼッタちゃんごめん、息苦しいだろうけど我慢して!」
(早く・・・・・・早くキラー・チューン、気絶して・・・・・・・!!)
リリィの願いもむなしく、キラー・チューンは拳を振り上げ、パンチのラッシュを繰り出す体勢をとった。
逃げられない。
そう悟ったリリィは、パンチのラッシュが来る直前、シャイナを突き飛ばしていた。
けが人の彼女には申し訳ないことをしたが、リリィにできるのはコレが精一杯。
彼女の防御魔法では、キラー・チューンが繰り出すパンチのダメージを相殺することは不可能だからだ。
>「まずい!」
飛び込んで身代わりにパンチのラッシュを受けるフリード
「フリード君!!やだ、しっかりして!!」
>ダメージを受け背中から血を流すフリード
>「にゃあ!?」(フィー坊がダメージを受けた!?)
>「結局、服は汚れてしまいましたか・・・・・・」
「服なんてどうでもいいよ!ああ、どうしよう!」
>「えぇぇ!?自分を身代わりにした!?ご主人様なら僕を投げ込んで盾にするのに!?」
・・・・・どうでもいいが、フリードのような美形に変身している時は、ギズモといえど即死亡フラグである。
>「僕が使えるのが自分の顔以外直せない治療魔術じゃなければ良かったんですけどね・・・・・・」
>「にゃあああ!!」(死ぬなフィー坊!!)
「フリード君しっかりして!死んじゃやだあ!!」
>「いや・・・・・死にはしませんよ熊相手で慣れてますから、でもとりあえず治療魔法お願いします」
「どうしよう、手が塞がってるから今すぐは唱えられないよ!」
>「よし!ここは僕が保険医を召喚するよ!ロリロリペドリータロリロリペドリータ魔界より現れよ保険医よ!!」
「保険医さんは一応人間だよ!」
それにロビーでドラゴンが暴れてるのなら、けが人が出てそちらにかかりっきりになってるかもしれない。
「ああ、私も、青葉おにぃちゃんの薬や、ブレさんみたいな魔法が使えたら良かったのに・・・・・・」

目の前では、真が無詠唱で光の鎖を出現させキラーチェーンを拘束した。
これを目の当たりにしては、おバカなリリィも、術士がマコトだと確信せざるを得ないだろう。
ロロは、全体を見渡せる位置で静観している。
きっと、何か考えがあるにちがいない、とリリィは思っていた。

マコトの鎖は繊細そうに見えて、がっちりキラー・チューンの動きを止めている。
そしてキラー・チューンは息ができず苦しんでいた。
「どうしよう・・・・・・かなり苦しそう・・・・・・」
息も絶え絶えな姿を見て、リリィはロゼッタへの影響を考えた。
そして無意識のうちに、突っ込んでいた手の力を僅かに緩めてしまった。

だが幸いにも、キラー・チューンは気を失ってその場に倒れこんだ。
「やった・・・・・・んだよね?」
恐ろしくて確認ができない。

205 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/01(月) 21:49:46.68 0


>「おいリリィ!西館ってだけじゃあよぉ、おめぇらがどこにいるかわかんねぇよーっ!」
「あっ!エンカ、左手冷たいのは治った?」
リリィはくぐもって聞こえるエンカの声にこたえた。
「えーっと、その・・・・・・だ・・・・・・だん・・・・・・男子トイレ、にいるのよ。はは・・・・・」
リリィの声は変に上ずっていた。
「ロゼッタちゃん、ロゼッタちゃーん!!キラー・チューン捕まえたよ!気絶してるうちに引き取りに来て!
 ・・・・・・・ロゼッタちゃん?ちょ、ロゼッタちゃーん!!!」
反応が無いのは、気絶しているからである。
「あああ、どーしよ。ロゼッタちゃんからの返事が無いよー。
 マコトちゃん、ねえ、すごい魔法使いなんでしょ?ロゼッタちゃんが今どこにいるかわからない?」
無茶ぶりにも程がある。
もしもそんなことができるのなら、真が朝からエンドウを探して走り回ったりしないのだ。

>「なんか、リリィとやらの声が外からも聞こえる気がするニャ。」
さすがに人間の聴覚では、聞き分けが難しいだろう。
>「「そこのグレムリンと黒猫、二人はどうかニャ?二重に聞こえないかニャ?」

ちなみに、キラー・チューンに人工呼吸をする必要があるといったら、真っ先にリリィが手をあげ誰にも譲らないだろう。
どんなに恐ろしくても、だ。
なぜなら、気絶させたのは彼女の仕業だからだ。

206 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/08/04(木) 00:24:29.54 P
>200-204
>「「そこのグレムリンと黒猫、二人はどうかニャ?二重に聞こえないかニャ?」
「そうですね不思議ですね何ででしょうか?」
とフリード調に答えるギズモ
「にゃなぁ」(ややこしいから止めて)
「うん人間には分からないと思うけどなんか二重に聞こえてるよ♪」
「しゃぎゃあ」(てめえ人の主人が怪我したってのに楽しそうに言うんじゃねえ)
「何で怒ってるんだよぉ」
グレンの猫語はギズモには分からないのだ

「今確か保健室包帯不足なんですよね・・・・・困ったもんです」
止血の道具が無い為、傷口を凍らせて血を止めながらぼやくフリード
「とりあえず後は取り出した手を持ち主に返却すればミッションコンプリートですね
 結局何処に隠して・・・・・」
他者により取り出されたエンカの手を見て絶句するフリード
「うわべとべとだぁ・・・・・」
正直な感想を述べるギズモ
「にゃあ」(これ飲み込んでたら終わりだったよね)

「さてこれが終わったら次のミッションである炎道さんとロック先生の探索ですが・・・・・」
そんな怪我で大丈夫か?と猫語で問いかけるグレン
「じゃあ!僕の怪我が治るまで姉さんに替わりに・・・・・・」
「にゃあご」(余計ややこしくなるからやめてよ!)
「ご主人様なら今授業中で忙しいから無理だよ♪だから僕一人で行動してるんだしね☆」
まさに保護者不在

「みゃあな」(ほっとしたと言うべきか弟より授業をとるかと言うべきか)
「あ☆ご主人様が呼んでるから行かなきゃ♪」
案外大丈夫そうなフリードに安心したのか翼を広げ何処かに飛び去っていくギズモ

「で、人工呼吸でもしない限り復活しなさそうですが・・・・・・・」
「にゃあん」(やっぱり人工呼吸といえば蛸だよね)
「そりゃあ島の周りは海で蛸もいるでしょうが・・・・それは無いです」

「そうだ彼女の横隔膜あたりにせいやーっと正拳突きをかましてやれば復活するかも」
とロロを期待に満ちた目で見つめるフリード、まさに外道である


207 :ロロ ◆r1OtPOlAhj.7 :2011/08/06(土) 01:30:33.80 O
>>206
いきなりの呼吸困難からその場に崩れ落ちるキラーチェーン
しかしそのまま崩れられてはロロが仕掛けた罠に意図せずにはまってしまう
それを避けたいロロはキラーチェーンが床に激突しないように魔力で彼女をゆっくり床に下ろす
「変な所をぶつけたらマズいだろ?」
勿論本音も含まれてはいるのだが、そうやってしたり顔でごまかして床に下ろす作業に平行しながら
やはり魔力で罠を仕掛けた床部分に薄い膜を張る
近寄った仲間ごと誤作動に巻き込む事ほどマヌケな事もないだろう

>「そうだ彼女の横隔膜あたりにせいやーっと正拳突きをかましてやれば復活するかも」
「何でそんな眼で俺を見る!?」
これぞ無茶振り。フリードの突飛な発言に取り乱してしまう
一つ咳払いをして仕切り直し
「そもそも、そう都合よくいくとは思わないな」
リスク管理の面からそれはやるべきではない。とロロは遠回しに言っている
キラーチェーンの頭の方、つまりそのまま起き上がったら丁度背後になる位置まで移動しながらセオリーを言ってみる
「普通気管を絞めただけじゃ呼吸困難にはならないと思うけどね
どうしても気になるなら呼吸を確かめたら良い」
一般的に自発呼吸している者に人工呼吸を施すのは、殺人行為とされている

208 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/07(日) 21:11:14.19 0
「おいおい、一体どうなってるんだよ!?さっきそこで息をしてないロゼッタを拾ったぞ!?」
男子トイレに車椅子を押したエンカが入ってきた。
車椅子でぐったりしているのは誰であろう、
アップル・シーナ改めキラー・チューンの召喚者、ロゼッタである。
「人工呼吸を試してみたんだけどよーっ!うんともすんともいわねぇよ!
 誰でもいいからどうにかしてくれよ〜!」

エンカは男子トイレをざっと見渡した。トイレはあちらこちら破壊されていた。
しかしトイレの損壊などどうでもよかった、少なくともシャイナの体の欠損に比べれば。
「シャイナ…おめぇ……」
エンカは床に転がっていた彼女の左腕を拾い上げ、すぐに彼女に駆け寄った。
「馬鹿なことをっ!俺なんかのためにそこまで体はるなんてどうかしてるよ!
 …痛くないのか?みんなと一獅ノ、すぐに保健室に行こうぜ!」
しかしエンカはシャイナの様子を見れば見るほど、ある疑問を抱かざるを得なかった。
エンカは我慢ができず、シャイナに尋ねた。
「おめぇは、もしかして…アンデッドなのか……!?」

次にエンカの視界に入ったのは、エンカの左手を加えたまま気絶しているキラー・チューンだった。
状況から、エンカは彼女こそがロゼッタが召喚した悪魔であるとわかった。
「これがアップル・シーナ……美しい…」
彼は思わずそうつぶやいた。

209 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/08(月) 00:04:21.83 0
>206-208
>「うん人間には分からないと思うけどなんか二重に聞こえてるよ♪」
>「しゃぎゃあ」(てめえ人の主人が怪我したってのに楽しそうに言うんじゃねえ)
>「何で怒ってるんだよぉ」
「まあまあそこの黒猫、出欠の割りに、お前さんのご主人様は元気そうだニャー
 意外と心配要らないかもニャー」
ルイーズはうんうん、と一人納得している。
今のグレンの言葉、主であるフリードがちゃんと聞いていれば、泣いて喜んだかもしれない。
グレンは意外とツンデレなのだ。

>「変な所をぶつけたらマズいだろ?」
床に崩れ落ちそうになったキラー・チューンを抱きとめ、静かに床に下ろすロロ。
>「紳士ニャ!紳士様がこんなところにいるニャー!!」
ルイーズが騒いでいるが、リリィも同じ気持ちだった。
「ロロ君、悪魔にもやさしー」
・・・・・・その場にトラップが仕掛けてある可能性など、微塵も感じていないリリィだった。

>「今確か保健室包帯不足なんですよね・・・・・困ったもんです」
>止血の道具が無い為、傷口を凍らせて血を止めながらぼやくフリード
「そ、その止血方法で大丈夫なの?」
恐る恐る質問するものの、逸般人であるジルベリア人相手では、世間一般の常識は通用しないのだった。

>「とりあえず後は取り出した手を持ち主に返却すればミッションコンプリートですね
> 結局何処に隠して・・・・・」
「う、うん・・・・・・ここです、みたいなー」
リリィはキラー・チューンの口内から、エンカの左手を回収した。
>「うわべとべとだぁ・・・・・」
「べとべと言うなー!!」
>「にゃあ」(これ飲み込んでたら終わりだったよね)
「そうだね。キラー・チューンの歯型がついてるけど、とりあえず無事回収できたね。
 後はこれをエンカに返せば、問題のひとつは解決だね!
 あとはフリード君の言うとおり、保健室に言った後エンドウ君とロック先生を探さなきゃ」
洗面台でエンカの左手を洗い終わったリリィは、手を拭きつつそう答えた。

さて、回収はしたものの、間接的ながらも氷魔法をくらったせいで、エンカの左手の血色が悪い。
(これは暖めないとだめね)
低体温になった人間は、人肌で暖めるのが良い、とこの間の授業で聞いていた。
ゆえにリリィは、左手の水気をふき取るなり、何の抵抗もなく服の下に押し込んだのだった。

フリードそっくりだったギズモは、ご主人様に呼ばれたといって退場してしまった。
「えっ?!ちょ、ちょっと待ってよー、けが人運ぶの手伝ってよー!!」
とリリィが叫んでも、あとの祭りである。

210 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/08(月) 00:05:35.05 0
>「で、人工呼吸でもしない限り復活しなさそうですが・・・・・・・」
「それ以前に、悪魔って呼吸が止まると死ぬの?
 あー、そのあたりも含めて、ギズモに教えてもらいたかったのにー!!」
リリィは頭を抱えた。
>「そうだ彼女の横隔膜あたりにせいやーっと正拳突きをかましてやれば復活するかも」
「すごーい!そんなことできるんだ!」
リリィは、期待に満ちた目でロロを見上げている。
>「何でそんな眼で俺を見る!?」

ちょっと取り乱した後、ロロは一つ咳払いをして仕切り直した。
>「そもそも、そう都合よくいくとは思わないな」
しょぼん、となったリリィに、ロロはさらに続ける。
>「普通気管を絞めただけじゃ呼吸困難にはならないと思うけどね
>どうしても気になるなら呼吸を確かめたら良い」
一般的に自発呼吸している者に人工呼吸を施すのは、殺人行為とされている
「よ、よし!じゃあ、私がこれをつかって確かめてみるよ!!」
リリィは箒の先っぽに、薄くて軽い紙をくくりつけた。
これをキラー・チューンの鼻先に持っていけば、接触しなくても自発呼吸の有無が確認できると思ったからだ。

だが、結論から言えば、この時点で確認することはできなかった。
なぜなら、左手の持ち主であるエンカがロゼッタをつれて室内に入ってきたからだ。
>「おいおい、一体どうなってるんだよ!?さっきそこで息をしてないロゼッタを拾ったぞ!?」
「えーっ!!どういうこと?!」
リリィはあわててロゼッタに駆け寄った。
「本当だ・・・・・息してない・・・・・・。
 わ、私、なんてことを・・・・・キラーチューンを止めようとして、ロゼッタちゃんを殺しちゃったの!?」
>「人工呼吸を試してみたんだけどよーっ!うんともすんともいわねぇよ!
> 誰でもいいからどうにかしてくれよ〜!」

リリィも大慌てでロゼッタに人工呼吸を試みたが、状態が回復することはなかった。
「こ・・・・・こうなったら・・・・・・・」
リリィは悲壮な顔で、床に横たわっているキラー・チューンを振り返った。
ロゼッタの状態がキラー・チューンと連動しているのなら、キラー・チューンが回復すればロゼッタも回復するかもしれない。
「フリード君にシャイナさん、マコトちゃん、保健室行くのはちょっと待ってて。
 ロロ君、巻き込んじゃって悪いけれど、もう少しだけこの場に残ってもらえないかな?」
リリィの声は完全に裏返っている。微妙に声が震えているのも、気のせいではないだろう。
「エンカ、これ、あなたの左手と左腕。遅くなってごめんね」
リリィは懐から左手を取り出すと、左腕とともにエンカに差し出した。
無事エンカの体にくっつけば、ひとつ心配事が減ることになるだろう。

「じゃ、じゃあ私、今からキラー・チューンにも人工呼吸試してみるから。
 う、うまくしたら、ロゼッタちゃんの呼吸が回復するかもしれないし、ね」
リリィは引きつった顔で、みんなにブイサインをしてみせた。
「で、でも、もしキラー・チューンが目を覚まして襲ってきたりしたら・・・・・・た、助けてよ・・・・ね?」
がたがた震えてはいるが、リリィの決意は揺らがなかったようだ。

リリィはおっかなびっくりで、キラー・チューンににじり寄っていった。
ロゼッタは好きではないが、このまま命を落とさなくてはいけないほどの悪人でもない。
なんとしても助けないと、とは思うのだが・・・・・・。
(ひー!!口が・・・・・牙が・・・・・・!!)
アップル・シーナは悪魔だが、外見はライオンに似ていた。
この鋭い牙が生えた口で噛み付かれたら、首を噛み砕かれ頭ごと簡単に持っていかれてしまうだろう。
今更ながら自分の選択肢の無さをうらんでは見るものの、これ以外の方法が思い浮かばなかったのだ。
一応初歩の防御魔法を自分にかけては見たが、本気で襲われたら長くは持たないだろう。

211 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/08(月) 00:05:54.71 0

リリィは恐る恐るキラー・チューンの横に跪くと、意を決して彼女に顔を近づけようとした。
>「これがアップル・シーナ……美しい…」
確かに美しいが、リリィにとっては恐ろしさのほうが先にたつ。
リリィが思っていた以上に、エンカの肝は太いのかもしれない。
それとも、エンカの血縁者が触手を自在に操っていたように、エンカも人外の者への抵抗が少ないのだろうか?
(そういえば、エンカには人外の血が混じってるってキラー・チューンが言ってたっけ)
だがいずれにせよ、リリィはエンカに一言言わなくてはならなかった。
「言葉に気をつけたほうがいいよ、エンカ。
 彼女はエンカの左手だけじゃなくて、全部ほしいって思ってる悪魔なんだからね。
 迂闊なこというと、頭からバリバリ食べられちゃうかもよ」
そう言った後、今度こそリリィはキラー・チューンに人工呼吸を試みようとする。

212 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/08/09(火) 23:58:24.49 0
>195-211

     〜〜〜〜巻き戻し〜〜〜〜

>(あとで見た奴の記憶消すん手伝ってや)
表面上は取り繕っているが、やはり炎道勇気の事となると
放置も傍観も出来ぬようで……真は交換条件つきで協力する方向で折れた。
その折れ方も婉曲的で、事情を知らぬ者には仔細を把握できないレベル。
自分に向けられた呟きに、『彷徨者』はにたりと唇を歪めつつ返答する。
〔「私のやり方はあまりスマートじゃない、それでもよければ」〕
こちらもまた婉曲的ではあるが、ともあれ交渉は成立した。
そしてそれは、『彷徨者』の思惑通りに事が進んでいると言う事でもある……。

>「シャイナさん、もしかして人付き合い苦手? 何か人にして欲しいときは、お願いしますって言わなきゃだめだよ。
> そんな意地悪な言い方しなくたって、皆ちゃんと助けてくれるよ。
> あっ!いやその・・・・・・・そうじゃない人だって世の中にはそりゃいると思うけど」
……どうにも、リリィと言う少女の『底』は覗き難い。
自覚なきまま真相の断片に触れたかと思えば、まるで見当違いな方向に物事を捉える。
『本質を捉える力』は、不要な時には発動しないのだろうか? まったく読みづらい。
「……君は、今まで幸せに生きてきたのだねぇ。それはとてもとても素晴らしい事であり、
 当たり前の事だ……が、『世界』とはその『当たり前』すら時として許してくれぬもの。
 どんなに願おうと、どんなに乞おうと、人とは、世界とは手を差し伸べはしない。
 むしろむしろ、救いを望む心に冷酷を、伸ばした手に飛礫を以って応えてくれる……
 実に素晴らしい世界だと思わないかね? それが、『私達』が思い知らされた『当たり前』だよ」
要約すれば『人の善意など信用に値しない』と言っているのだ。
リリィの思いは『彷徨者』には届かない……届くわけがないのだ。


>「たとえ正当な理由があったとしても暴力には変わりありませんからね」
「君の信念はこの程度では揺らがぬか……まぁいいさ。
 だが、果たして君はその信念が通用しない相手が現れても同じ事を言えるのかね。
 私は心配で仕方ないよ……強固な信念を持つ者ほど、それが折られた時の無惨さは凄まじい」
安い挑発には乗らない、そういう輩は得てして厄介な代物だ。
もっともその鉾先は自分には向けられぬだろう……少なくとも、今は。

      〜〜〜〜早送り〜〜〜〜

>「バカ――――!!」
キラー・チューンへと歩み寄っていく『彷徨者』だったが、その行動が
リリィには気に入らなかったらしく後ろからタックルされ押さえ込まれてしまった。
……果たして、止めるのに必死だったリリィは聞こえる筈の異音を聞き逃してしまう。
(元)人間ならば決して発しない……硬いものが軋む音を――――。

「あいつは死にたがっていた、拾った命を捨てたがっていた。
 私は違う、死にやしないし痛みも感じない。所詮は『人形』だからねぇ。
 ……どうしたらいいとはおかしな事を。至極簡単、捨て置けばいいだけだよ。
 壊れた人形に価値などなく、そうなったら躊躇い無く捨てるのが人間だろう……!
 それとも違うと言うのかね? ならばその根拠w」

>『心配しなくても、あんたら二人まとめてあの世に送ってやる』
『彷徨者』もまた、リリィの空気に当てられたか意識をキラー・チューンから逸らしてしまっていた。
その為キラー・チューンが自身の得意距離に自分達を捉えた事に気付くのが遅れてしまう。
既にラッシュの間合い、距離を離すには今のコンディションでは色々なものが足りない。
「……っぐっ……」
『彷徨者』の口から初めて漏れた呻き、それと同時に『彷徨者』の上半身は宙を舞っていた。
咄嗟にリリィが突き飛ばし、かつキラー・チューンの気道を塞いだ為にラッシュの威力は
本来のそれよりもはるかに弱かった……が、条件が悪すぎた。キラー・チューンの攻撃を
何度も無防備に受けた上、先程のリリィのタックル……腰部の損傷は拡大し、突き飛ばしと
何発か胴体を捉えたパンチで完全に腰の部分が千切れてしまったのだ。
そのまま、俗に『車田飛び』と呼ばれる姿勢で吹き飛んだ『彷徨者』は壁に叩きつけられ床に落ちた……

213 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/08/09(火) 23:59:06.33 0
>「い、痛く・・・・・無いの?」
>「馬鹿なことをっ!俺なんかのためにそこまで体はるなんてどうかしてるよ!
> …痛くないのか?みんなと一緒に、すぐに保健室に行こうぜ!」
そして、キラー・チューンは完全に意識を失いとりあえずの脅威は去った。
リリィはフリードに庇われ無傷、そのフリードは外傷こそかなりのものだが、
見た目とは裏腹の頑健さで軽傷に留めている。他の面子にも目立った被害は無い。
そんな確認を、ぼんやりと確認しているとエンカがロゼッタを連れて合流した。

自分の今の姿を見るや、バカと言いつつ左腕を持ってエンカが駆け寄ってきた。
「そういうもの、かねぇ。私には、よく分からんよ。
 ……破損部分に、違和感を感じる。不快感を、感じる。これは……『痛み』、だったか?」
要領を得ない返答は、一同に若干の困惑と大きな不審を与えるには十分だった。

>「アンデットさんだったの?ちょっと!無理に動いちゃだめ、パーツがもげちゃう!!
> 後で死霊科のアル先生のところで直してもらえるよう頼んであげるから!!」
>「おめぇは、もしかして…アンデッドなのか……!?」
『今の姿』の核心に触れる部分、触れずに流そうとしたがやはりダメだった。
この空気では、きちんとした説明を行わなければ後々に影響するだろう。『彷徨者』は口を開いた。
「だった、と言うのが正しい、かな。私は、人間でも、アンデッドでも、ない。
 ……私は『人造人間(アーティフィシャル ヒューマン)』、その未完成品だ」
そう言う『彷徨者』の断面をよく見ると、そこには複雑に組み上げられた歯車やら太さの違う棒状の何か、
人体部分の筋と繋がった細い鋼線などなど、人の体にあってはならないカラクリが骨や筋組織に混じって
その決して多くないスペースに収められ……今も動いている。
詳細を知りたければ……恐らくこれが最後のチャンスだ。損傷箇所の修復が済めば、
『彷徨者』は口を閉ざし二度とこの件に触れさせようとしないだろう。


>「で、でも、もしキラー・チューンが目を覚まして襲ってきたりしたら・・・・・・た、助けてよ・・・・ね?」
この事態を引き起こした張本人であるという事実がそうさせるのだろう。
が、どう見ても恐怖を感じている。怖いならそんな手段など取らず、別の方策を考えればいいだろうに。
「私には、期待しないで、くれ。見ての通りの、有様では、ね。
 その辺、頼まれて、くれるかな……」
『彷徨者』は緩慢な動作で、フリード、ロロ、真、エンカと見やる。
……たまたろ〜が勘定に入っていないのは、その人となりを知らない為だ。

214 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/08/11(木) 22:23:38.59 O
ブレは一向に動く気配は見せなかった
壁に腕を組んで寄り掛かり ただ戦いを傍観しているだけである
だが、目標のキラー・チューンはブレが介入せずとも生徒達だけの力で意識を失わせる事ができたのは秘められた力が徐々に目覚めてきたという何よりの証明であろう

「芽は出てきましたか…」
一人、意味ありげな言葉をぽつりと呟く、後は芽生え始めた大事な萌芽を腐らせる事の無いよう慎重に慎重に『水』を与えていく必要がある
その為には頃合いを見誤っては絶対にいけない
とりあえず満身創痍の彼らに水を与えすぎては元も子も無くなるのだから
「しかし、あなたが人造人間だったとは驚きましたねぇ…」
ブレは壁から身体を離し、巨体をゆっくりと皆の方へと近づけていく
「未完成と言う割にはかなりのお力をお持ちのように見受けられましたわ
不思議ですね、まるで完成品にも引けを取らない…いえ、それ以上だったかもしれない」
ブレは、何かを含んだ視線で、その断面をじっと見つめている
「無知な人間の愚かな疑問として聞いて頂きたいのですけど、そんな高度な技術力を有する人造人間を造りだせるような施設が、この世界にあったのかしら?」
ブレは一見、当たり障りの無い?疑問を彼女に投げかけた
「もしかして財団の方とか…?嫌だわ私ったら、変に勘繰ってしまって、でも気になるわ、もし差し支えなければですけれど」
無論、彼女に財団の息が掛かっていない事などはブレは十二分に知っている
しかし、この女の素性を探れるのならば少しでも探っておきたい こうした意図からの質問であった
しかし本当の事を話すとは限らない無論、真相を知るには別途 手段を講じる必要があるのだろうが


215 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/12(金) 10:01:11.94 0
>210>211>213>214
> 「だった、と言うのが正しい、かな。私は、人間でも、アンデッドでも、ない。
>  ……私は『人造人間(アーティフィシャル ヒューマン)』、その未完成品だ」
「…そうか。だがシャイナ、今俺とリリィが聞きたいのは厳密にはおめぇの正体じゃあねぇんだ。
 おめぇの体をどうしたら元に戻してやれるかってことだ。話せるな?」

> リリィも大慌てでロゼッタに人工呼吸を試みたが、状態が回復することはなかった。
事の次第を知ったエンカは、魔導書『アナベル・ガトーの鍵』で呼び出した悪魔に対する効用は、
その召喚者にフィードバックされることを皆に説明した。
「つまりこの場合はよぉ、アップル・シーナに“呼吸を回復させる”という効用を加えたら、
 ロゼッタの呼吸も回復するってことだぜ〜。」
> 「エンカ、これ、あなたの左手と左腕。遅くなってごめんね」
「あーよ。」
エンカはリリィから、左手と左腕を受け取った。これでエンカの体のパーツが全て揃った。
> 「じゃ、じゃあ私、今からキラー・チューンにも人工呼吸試してみるから。
>  う、うまくしたら、ロゼッタちゃんの呼吸が回復するかもしれないし、ね」
> リリィは引きつった顔で、みんなにブイサインをしてみせた。
> 「で、でも、もしキラー・チューンが目を覚まして襲ってきたりしたら・・・・・・た、助けてよ・・・・ね?」
> がたがた震えてはいるが、リリィの決意は揺らがなかったようだ。
> 「私には、期待しないで、くれ。見ての通りの、有様では、ね。
>  その辺、頼まれて、くれるかな……」
> 『彷徨者』は緩慢な動作で、フリード、ロロ、真、エンカと見やる。
しかしエンカは…
「だってよぉ、男の子が好きなものが全部一獅ノなっているんだぜぇ!?
 百獣の王ライオン、天使の羽、マッチョムキムキでその上ナイスバディ、
 そんな女が鎖で拘束されているとくりゃあ、これを見て発情しねぇ奴は人間じゃねぇ!」
“アップル・シーナ=美しい”発言の釈明をフリードとルイーズにしているところだった。
> 「言葉に気をつけたほうがいいよ、エンカ。
>  彼女はエンカの左手だけじゃなくて、全部ほしいって思ってる悪魔なんだからね。
>  迂闊なこというと、頭からバリバリ食べられちゃうかもよ」
「最近流行りの肉食系女子ってやつか?なるほど、たしかにそんな顔をしているぜ。」
そんなやりとりの後、今度こそリリィはキラー・チューンに人工呼吸を試みようとしたが、エンカが止めた。
何を思ったのかズボンからベルトを引き抜くと、キラー・チューンの上顎と下顎が離れないように巻いて固定した。
「最近通信販売で『スフィンクスと暮らそう!』って本を買って知ったんだ。
 動物に人工呼吸をする時は鼻から息を吹きこむんだ。マウス・トゥ・ノーズってことだな。
 こうしとけば、おめぇが噛みつかれる心配もねぇだろ〜?」
しかし人工呼吸役をかわってあげるつもりは無いようだ。

> 「しかし、あなたが人造人間だったとは驚きましたねぇ…」
> ブレは壁から身体を離し、巨体をゆっくりと皆の方へと近づけていく
「えーっと、あんたは…あ、ブレ先生だっけ!?」
ブレがシャイナに話しかける。
> 「未完成と言う割にはかなりのお力をお持ちのように見受けられましたわ
> 不思議ですね、まるで完成品にも引けを取らない…いえ、それ以上だったかもしれない」
「ブレ先生は、いわゆる完成品って奴を知っているのか?」
エンカが口をはさむ。
> 「もしかして財団の方とか…?嫌だわ私ったら、変に勘繰ってしまって、でも気になるわ、もし差し支えなければですけれど」
エンカはブレがシャイナにした質問に対し、当然YESと答えるものと思った。
なぜならエンカはシャイナから、総帥の代理としてレイヴンの刀を預かりに来たと聞いているからだ。

216 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/08/13(土) 01:06:21.55 P
>207-215
>「普通気管を絞めただけじゃ呼吸困難にはならないと思うけどね
 どうしても気になるなら呼吸を確かめたら良い」
リリィが本当にそうなのか確かめようとしたがエンカが入ってきたことでその試みは中断される

>「これがアップル・シーナ……美しい…」
「にゃ〜ん!?」
「え?ケモナー!?」
「にゃにゃあ!」(こっち見んな!)
キラー・チェーンを見たエンカの意外な反応にえ”?と言うフリード
エンカケモナー疑惑に嫌悪感を示すグレン
だがグレンはオスケモだから別に安全なはずだ

>「言葉に気をつけたほうがいいよ、エンカ」
とエンカに注意を促すリリィ
これじゃ誤解されて当然である

>「だった、と言うのが正しい、かな。私は、人間でも、アンデッドでも、ない。
 ……私は『人造人間(アーティフィシャル ヒューマン)』、その未完成品だ」
自分は人間でもアンデットでも無いというシャイナ
「完全な機械製のオートマータなら知り合いにいた気もしますが
 アンデットを原料に使ったサイボーグゾンビ……いわばゾンボーグってとこでしょうか?」
「にゃあ?」(なにその造語?)
ちなみにその知り合いとはクレイという少年のパートナートレスの事である
詳しいことは第1章参照のこと

>「…そうか。だがシャイナ、今俺とリリィが聞きたいのは厳密にはおめぇの正体じゃあねぇんだ。
 おめぇの体をどうしたら元に戻してやれるかってことだ。話せるな?」
「少なくとも保険医じゃ無理ですねあの人マッドですけどバイオ系ですから」

>「私には、期待しないで、くれ。見ての通りの、有様では、ね。
 その辺、頼まれて、くれるかな……」
「これは早いところパーツを集めないと元に戻せなくなるかもしれませんね」
「にゃ?」(予備パーツぐらいあるんじゃね?)
「完全機械ならともかくハイブリッドなんですからあるわけ無いでしょグレン」
ウォーズマンに予備パーツがあるのか?というあれである

>「だってよぉ、男の子が好きなものが全部一獅ノなっているんだぜぇ!?」
と釈明を始めるエンカ
>「言葉に気をつけたほうがいいよ、エンカ」
>「最近流行りの肉食系女子ってやつか?なるほど、たしかにそんな顔をしているぜ。」

「物理的に肉食系ですね分かります」

>「無知な人間の愚かな疑問として聞いて頂きたいのですけど、
 そんな高度な技術力を有する人造人間を造りだせるような施設が、この世界にあったのかしら?」
「この世界?」
「にゃなん」(ほら魔界とか精霊界とか色々あるじゃん)
ブレのいうこの世界という不可思議な単語におや?と思うフリード
それに対して異世界なんて珍しくないよねと自己解釈するグレン
ついでに言うなら平行世界もあるのだがそんなことはフリードは知らない

217 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/16(火) 10:09:27.12 0
> 「だった、と言うのが正しい、かな。私は、人間でも、アンデッドでも、ない。
>  ……私は『人造人間(アーティフィシャル ヒューマン)』、その未完成品だ」
>「…そうか。だがシャイナ、今俺とリリィが聞きたいのは厳密にはおめぇの正体じゃあねぇんだ。
> おめぇの体をどうしたら元に戻してやれるかってことだ。話せるな?」
リリィもこくこく頷いている。
>「少なくとも保険医じゃ無理ですねあの人マッドですけどバイオ系ですから」
「死霊科のアル先生だと厳しいかな?人工物ならゴーレム科の方がいいのかな?
 なんにせよ生きててくれてよかった。普通の人がそんな大怪我したら、すぐに死んじゃうもの」

>「私には、期待しないで、くれ。見ての通りの、有様では、ね。
 その辺、頼まれて、くれるかな……」
>「これは早いところパーツを集めないと元に戻せなくなるかもしれませんね」
「はいはいはいっとニャー。じゃあニャーが集めてあげますニャー」
回復魔法も使えず、ブレの話にも興味が無いルイーズは、シャイナの体を拾い集め始めた。
「そっちのエンカとやらみたいに、切断面くっつけるだけで元通りだと話が早いんだけどニャー」


>「私には、期待しないで、くれ。見ての通りの、有様では、ね。
> その辺、頼まれて、くれるかな……」
「いくらなんでも、今のシャイナさんに期待するわけ無いでしょ!
 とにかく今は、自分のことだけ考えて。生きててくれたら、それだけでいいから!」
『人間でもアンデットでもない』とシャイナは説明したのだが、リリィには正しく伝わらなかったようだ。
とりあえず、「痛くなければ良いや」くらいに考えていようだが、りりぃの中のシャイナはいまだ『人』という認識のままだった。
顔が石版だったり、体から悪霊がわんさか出てきたりする友達を持つと、多少のことでは動じないのだった。

>今度こそリリィはキラー・チューンに人工呼吸を試みようとしたが、エンカが止めた。
>何を思ったのかズボンからベルトを引き抜くと、キラー・チューンの上顎と下顎が離れないように巻いて固定した。
「キャーっ!何でこんなところでベルトはずすのって・・・・・・あ、ああ。やだ、そういうことね」
何に驚いたかは秘密だ!
>「最近通信販売で『スフィンクスと暮らそう!』って本を買って知ったんだ。
 動物に人工呼吸をする時は鼻から息を吹きこむんだ。マウス・トゥ・ノーズってことだな。
 こうしとけば、おめぇが噛みつかれる心配もねぇだろ〜?」
「そっかー!ありがとエンカ。ついでにうつくしーキラー・チューンとちゅーする気は無い?」
しかし交替の願いは、エンカにあっさりと却下された。

>ブレはシャイナ壁から身体を離し、巨体をゆっくりと皆の方へと近づけていく
「あれっ、ブレ先生いつからそこに?!
 あのすみません、シャイナさんも大事なんですけど、今ロゼッタちゃんが息してなくて大変なんです!」
>「しかし、あなたが人造人間だったとは驚きましたねぇ…」
「あの、キラー・チューンに人工呼吸したら、ロゼッタちゃんも回復するかもって思ってるんですけれど・・・・・・。
 先生、ロゼッタちゃんの治療を・・・・・。 
 あの、その・・・・・・聞いていらっしゃいますか?!」
リリィがまくし立てているが、ブレにはまったく耳に入っていないようだった。
そうしている間にも、ロゼッタの顔色はますます悪くなっていく。
「わーん!!」

まあ、結局当初の予定どおり実行することになっただけの話である。
「い、いくよー!!」

リリィはふうっとキラー・チューンに息を吹き込んだ。
何度も何度も繰り返すうちに、キラー・チューンは息を吹き返したのだった。
「やった!呼吸が戻ったよ!ねえ、ロゼッタちゃんは?息してる?!」
もしもロゼッタも息を吹き返せば、キラー・チューンを引き渡して問題のひとつは解決である。
もっとも、ロロは警戒を解いていないようだが。


218 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/08/16(火) 21:09:45.34 O
>>215-217
>「えーっと、あんたは…あ、ブレ先生だっけ!?」
>「ブレ先生はいわゆる完成品って奴を知っているのか?」

「まあ、ご挨拶がまだだったかしら?初めまして、私はブレ・カブル
皆さんの幾つかの授業を担当させて頂く者ですわ」
ブレはエンカの方を振り返ると厳つい表情を緩ませて野太いながらも笑みを浮かべ穏やかに挨拶をした
「ええ、私も前に何回か完成品を目にした事はありますが
いかに完成品と言えど ここまでのレベルのタイプは初めてかもしれません」
今度は彷徨者を眺めつつ、のっそりと腰を下ろし直ぐ側で彼女を観察し始めた
「今の技術力で果してこんな完璧な代物が出来るか私は不思議でなりません
しかし、私達があまり意識しない世界の技術であれば…まあ財団の関与とも思われますが」
そして彼女の耳元近く、皆にも聞こえる声でわざとらしく己の見解を述べはじめる
また損傷を調べるふりをして彼女に聞こえるか聞こえないかの声量で耳打ちした
「(ここに潜り込んだ目的は何です?
まだ取引の余地はあります
私は貴方を助けられる 心(メモリー)まで全て覗かれたくは無いでしょう)」
そっと離れた後、ブレはキラー・チューンの方へと視線を向ける
「申し訳ありません、リリィさん 私ったら気が付かなくて…
教師として生徒の命が危ないというのに少し気が動転してしまったようですの…
ロゼッタさん!ロゼッタさん!返事をして頂戴!」
ブレは慌てふためいた様子でロゼッタの元へと駆け寄る
勿論、ブレはこの程度で気が動転するような人間ではない
さっきはあえてリリィの呼びかけを無視したのである
しかし、事が済んだ今は多少取り乱した演技をして無視した事を感づかれぬよう、信憑性を持たせねばならなかった


219 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/17(水) 22:49:55.81 0
>217>218
> リリィはふうっとキラー・チューンに息を吹き込んだ。
> 何度も何度も繰り返すうちに、キラー・チューンは息を吹き返したのだった。
> 「やった!呼吸が戻ったよ!ねえ、ロゼッタちゃんは?息してる?!」
> 「申し訳ありません、リリィさん 私ったら気が付かなくて…
> 教師として生徒の命が危ないというのに少し気が動転してしまったようですの…
> ロゼッタさん!ロゼッタさん!返事をして頂戴!」
> ブレは慌てふためいた様子でロゼッタの元へと駆け寄る
「よくやったリリィ!ロゼッタが目を覚ましたぞ!」
ロゼッタは何が何だかわからないといった様子だったが、
自分が男子トイレにいることがわかると、ちょっと顔を赤くした。
>「…もしかして、あたいまた死んでた?」
エンカと違いロゼッタはキラー・チューンとのやりとりを全て聞いていたので、
状況を把握するのにそう時間は必要なかった。
キラー・チューンは拘束された上に顎にベルトを巻きつけられているので何も出来なかったが、
それでも隙を見せたら噛み殺してやるとばかりに各々に睨みをきかせ、不機嫌そうに鼻息を鳴らした。
(エンカ「…あんまり可愛くねぇな。」)

「俺の体も回収できたし、アップル・シーナも捕まえられた。
 これで万事解決ってやつだよな〜。
 ロゼッタ、いい加減俺の左手をあきらめてよぉ、もっとちゃんとした恋愛しようぜ〜?」
ロゼッタはエンカの言葉を無視して、魔導書『アナベル・ガトーの鍵』を開いた。
その時、キラー・チューンの表情に一瞬だけ恐怖が混じった。
「…おい、何をする気だ?ロゼッタ?」
>「消すのよ。」
ロゼッタはただ一言そう言った。
まるでランプの灯りを“消す”かのようにあまりに簡単に言ったので困惑したかもしれないが、
状況から考えて、ロゼッタが“消す”と言ったのはキラー・チューンしか考えられなかった。
「何考えてんだ、ロゼッタ!おめぇにとって、アップル・シーナは大切なものじゃあなかったのかよ!?」
ロゼッタはしばらく考え、そして答えた。
>「そう、大切な…娘のように考えてた。でも、この子の存在はあたいよりもずっと迷惑だわ。
> 第一、あんたの左手を愛する女はこの世に二人もいらないの。」
ロゼッタはエンカ以外のメンバーにも問いかけた。
>「誰か、アップル・シーナを残してほしいと思っている人はいるのかな?
> …いないよね?だって、ここでアップル・シーナが消えなかったら、
> みんなアップル・シーナに逆襲されるんだから。」
ロゼッタはメンバーの反応を無視してキラー・チューンの頭をなでた。
>「ハイ、決定〜。あんたはここで消えるの。
> そうすれば、みんなニッコリ♪あたいもニッコリ♪…じゃあ始めようか。」
何もしなければ、ロゼッタはキラー・チューンを消滅させるだろう。
それが主人に歯向かった悪魔の運命なのだから。

220 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/20(土) 03:27:41.67 0
>「申し訳ありません、リリィさん 私ったら気が付かなくて…
>教師として生徒の命が危ないというのに少し気が動転してしまったようですの…
「いいんですブレ先生。
だって、体がばらばらになってしまった人が倒れていたら、気が動転して当然ですもの!」
リリィは、ブレがつい今しばたこの状況に出くわしたと思っていたので、全く疑いなど持たなかった。
>ロゼッタさん!ロゼッタさん!返事をして頂戴!」
>ブレは慌てふためいた様子でロゼッタの元へと駆け寄る
>「よくやったリリィ!ロゼッタが目を覚ましたぞ!」
「やったあ!
 もう、ロゼッタちゃんたら!あんまり心配させないでよね!」
状況が飲み込めたロゼッタは、少し顔を赤らめながら
>「…もしかして、あたいまた死んでた?」
とたずねてきた。
「なにそれ?ロゼッタちゃん、そんなにしょっちゅう呼吸とまったり死にかけたりしてたの?!」
もしそのつど保険医に助けられていたのなら、ロゼッタの保険医嫌いの理由も分からなくも無かった。
なぜなら、この学園の保険医は、大変優秀だが、超がつくほどの変わり者だからだ。

>キラー・チューンは拘束された上に顎にベルトを巻きつけられているので何も出来なかったが、
>それでも隙を見せたら噛み殺してやるとばかりに各々に睨みをきかせ、不機嫌そうに鼻息を鳴らした。
「何よ、がんばって助けたのにー!怖いからこっち睨まないでよね!」
リリィはぷんすか怒っていたが、ちゃっかりロロとフリードの後ろに隠れていては威力半減である。

>「俺の体も回収できたし、アップル・シーナも捕まえられた。
> これで万事解決ってやつだよな〜。
「うん、万事解決だね!あー良かった元通りになって」
> ロゼッタ、いい加減俺の左手をあきらめてよぉ、もっとちゃんとした恋愛しようぜ〜?」
「恋愛もいいけど、ロゼッタちゃんはもっと他人とコミュニケーションをとるべきだと思うの。
 あのね、さっきキラー・チューンと話したんだけど・・・・・・あの、聞いてる?」
>ロゼッタはエンカの言葉を無視して、魔導書『アナベル・ガトーの鍵』を開いた。
>「…おい、何をする気だ?ロゼッタ?」
>「消すのよ。」
「???」
状況が飲み込めなかったリリィはぽかんとしていたが、エンカとロゼッタのやり取りを聞いているうちに
それがキラー・チューンの事だとようやく飲み込めた。

>「誰か、アップル・シーナを残してほしいと思っている人はいるのかな?(略)
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!!」
>「ロゼッタ、ニャーはちょっと落ち着くニャ。」
>ロゼッタはメンバーの反応を無視してキラー・チューンの頭をなでた。
>「ハイ、決定〜。あんたはここで消えるの。
> そうすれば、みんなニッコリ♪あたいもニッコリ♪…じゃあ始めようか。」
リリィは慌ててロゼッタに駆け寄り腕をつかんだ。
「何がニッコリ♪よ!ちょっと待ってって言ってるでしょ、ばかー!!」
馬鹿はリリィの方である。

ルイーズは「うーん」と言いながら、困ったように頭をぽりぽりかいた。 
「ロゼッタ、そもそもあのスフィンクスは、ニャーが歩くことを犠牲にして召還したんじゃ無かったニャ?
 今更悪魔を消したからって、また元通り歩けるようになるもんかニャ?」
「えっ?タマタローさん、その話本当なの?!」
ルイーズはこっくりと頷いた。
ちなみに、なぜルイーズがこんな事を知っているのだろうか?
それは、昨夜校舎屋上で騎士アドラスとの決闘騒動に巻き込まれた際、ロゼッタ本人から話を聞く機会に恵まれたからである。
「ちなみに昨夜の段階では、ロゼッタは超親馬鹿状態だったニャ。
 でも懐いては居ない感じだったニャー。ニャーが思うに、やっぱりあの歌が良くないんじゃないかニャー」
ルイーズは両手を頭の上でぴこぴこさせながら、「猫のまなこと♪犬のお耳で♪」と歌いながら体を左右に揺すった。
もちろん、そういう問題ではない。

221 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/20(土) 03:28:08.99 0
「ロゼッタちゃん、キラー・チューンを消した後、どうするつもりなの?
 また新しい悪魔を召還して、自分の理想どおりの悪魔が現れるのを待つつもりなの?
 でもね、多分何度悪魔を召還しても同じ事だと思うよ。
 だってキラー・チューン言ってたよ、ロゼッタちゃんに従わないのは、あなたが弱虫だからって・・・・・」
リリィはキラー・チューンが話した「なぜロゼッタが男の左手に執着するのか」という理由を皆にもかいつまんで話した。

>ロゼッタが男の左手にこだわるのは、まだ幼い頃のトラウマが原因だ。
>彼女には年上の、トニーという好きな男の子がいた。
>いつものように公園で一獅ノ遊んでいたところ、公園の遊具の隙間にトニーの左手が挟まり、切断された。
>それ以来、ロゼッタはトニーと会えなくなってしまった。トニーが死んでしまったのか、生きているのか、
>なぜか周りの大人は誰も彼女に教えてくれなかった。
「キラー・チューン言ってたよ。
 『そこからずっと、ロゼッタはひねくれた生き方をしている。あたいはそんな弱虫を主人だとは認めない。』 って。
 えっと、確か悪魔って、弱い心を見せてしまうと、反抗したり主を攻撃したりするんだよね?
 あれ?でもさ、『弱虫を主人とは認めない』ってことは『強くなったら主人として認める』って事じゃない?
 ロゼッタちゃんを主と認めたら、キラー・チューンだって私達を襲ったりしないんじゃない?」
・・・・・・・キラー・チューンが口を塞がれているのは、実に幸いだったかもしれない。
リリィは「どう思う?」と一同に意見を求めた。

さて、ルイーズは口にこそ出さなかったが
「わざわざ消さなくても、そこのエンカとやらに引き取ってもらえば話早いんじゃ無いニャー?」と思っていた。
ここまでエンカの左手に執着しているのなら、左手を守るついでに本体も大事に守ってくれそうだからだ。
(ちゃんと守らないと本体が死んで、結果的に左手も腐ることになるからニャー)
エンカも『スフィンクスの飼い方』を読んでいるくらいなのだから、好きなのだろう。
飼うことにそう抵抗は無さそうだ。

ルイーズはこの場に居る面々の顔を順番に眺めた。
・・・・・・どうやら、同じような意見を持った者も居そうである。
まあ説得はルイーズの趣味ではないので、それ以上ロゼッタへのおせっかいをする気は無かった。
ほかにも、この場で手を貸して欲しいと思っている者が存在するのだから。
「ブレ先生、シャイナとやらのパーツ集め終わりましたニャ。
 保健室での治療は無理だとしたら、どこへ連れて行きますかニャー?」

222 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/08/21(日) 09:03:32.20 P
>218-221
>「第一、あんたの左手を愛する女はこの世に二人もいらないの。」
「あれですね姉さんも言ってましたがハーレムなんて男の妄想、一緒に愛しましょうなんてありえない
 同じ男を愛したからには敵同士戦うしかないって戦って戦い抜いて勝ち残ったものだけが男を得られるって」
「にゃあん?」(でもライオンはハーレムだよ?)
>「誰か、アップル・シーナを残してほしいと思っている人はいるのかな?
 …いないよね?だって、ここでアップル・シーナが消えなかったら、
 みんなアップル・シーナに逆襲されるんだから。」
「ライオンは猫科ですが猫そのものじゃありませんから正直どうでもいいです」
まさに外道

>「ハイ、決定〜。あんたはここで消えるの。
> そうすれば、みんなニッコリ♪あたいもニッコリ♪…じゃあ始めようか。」
「でもちょっともったいないんじゃ?どうせ消すならエンカさんにあげちゃえばいいのに」
「にゃあ」(もの扱いかよ)

>「あれ?でもさ、『弱虫を主人とは認めない』ってことは『強くなったら主人として認める』って事じゃない?
 ロゼッタちゃんを主と認めたら、キラー・チューンだって私達を襲ったりしないんじゃない?」
「つまりあれですね物理的にぼこり続ければ大人しくなるって事ですね」
「ふにゃあ」(いやその理屈はおかしい)
「つまりエンカさんそのライオン悪魔を手に入れたかったらタイマン張って勝つことです」
「にゃなあ」(人間がライオンに勝てるかよ常識的に考えて)
「世の中には魔法抜きで熊倒せる人間がいるんだからやってやれないことは無いでしょう
 他所には最低入学条件が素手で虎倒せることな女子高だってあるんですから」
「にゃ?」(そいつらは人類ですか?)

>「ブレ先生、シャイナとやらのパーツ集め終わりましたニャ。
 保健室での治療は無理だとしたら、どこへ連れて行きますかニャー?」
「ここは町に出かけて本格的な機械技師に頼みましょう
 たしかゼベット爺さんとかいう有名な人がいたはずです
 ついでに行方不明者の聞き込み調査や僕の髪の毛を散髪出来ますしね」
「にゃあご」(ピノキオは人間になって本当に幸せだったのだろうか?だね)
「あれ?でも行方不明者が消えたのは森ですよね・・・・・ここは二手に分かれる必要がありそうですね」



223 :ボドリス爺さん ◆0ckLj8k7oA :2011/08/21(日) 16:10:39.89 0
???「へへへ、魔法ってのは便利なもんだ
     正しく俺みたいな奴のためにあるんだろうな!」
フィジル魔法学園の制服を着た男子生徒が、短い木のステッキを持っている
彼は、写真機を念動力で操って女子生徒や教師のパンチラなどを撮影しているのだ

???「俺のコレクションは既に総数一万枚を迎えようとしている!
     記念すべき一万枚目は、鉄の若き女教頭メアリーのパンツを撮ってやるぜ!
     メアリーのババア、俺の仕事を何度も妨害してくれたからな。
     あの憎き鉄面皮を赤っ恥で崩壊させてやる!」
???「ほう…、いい度胸だな」
???「は、はいぃ?」
聞き覚えのある声が背後から聞こえ、後ろを恐る恐る振り返る
すると、そこには噂の鉄の若き女教頭が仁王立ちで構えていたのだ
少年は恐怖に駆られた

???「や、やだなぁ、メアリー先生…
     冗談に決まってるじゃないスか…」
メアリー先生「それ以前にまだ『仕事』を辞めていなかったようだな
         前回、最後の警告をしたはずだ
         今後同じことをすれば、もうこの学園に貴様の席は無いものと思え、と…
         覚悟は出来ているな?」
???「う、うわあぁぁぁっ!?」


224 :ボドリス爺さん ◆0ckLj8k7oA :2011/08/21(日) 16:21:46.14 0
ボドリス「ファイッ!?」
所変わって、島内某所の掘っ立て小屋内にて爺さんがベッドから飛び起きる
この男、名をボドリスという
かつて若い頃、フィジル魔法学園に在籍していた経験を持つ老人だ

ボドリス「ちっ…、またあの夢を見てしもうたわい…
      エロを極める道を一筋に進むため、未練は断ったつもりじゃったが…
      やはり、こればかりは避けて通れん道じゃったということか」
老人は、禿げ上がった頭に白いヒゲを蓄え、身長も低いチビである
ボロの綿製ズボンを履き、マントを羽織った以外は上半身裸である
自称魔法界のエロ探求者であり、長年に渡ってある魔法の開発と研究を続けている
その名も、「エロ魔法及びそれに付帯する補助魔法」である

ボドリス「ワシがワシであることを保つためには、あの学園への復讐は必須じゃ!
      待っておれよ!
      全女子生徒と女教師のパンチラを島中にバラまいてくれるわ!
      ついでに控えを取ってぜ〜んぶワシのコレクションに加えてくれる!
      フェーッフェッフェッフェッ!」
不気味な老人の笑い声が響き渡る
そして、老人は女の匂いを辿って復讐の機会を伺うのだ

225 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/23(火) 22:33:06.31 0
>220>221>222
> 「何がニッコリ♪よ!ちょっと待ってって言ってるでしょ、ばかー!!」
とリリィはロゼッタを止めた。
> 「でもちょっともったいないんじゃ?どうせ消すならエンカさんにあげちゃえばいいのに」
「ちょっと待てよフリード!アップル・シーナにその気が無けりゃあ、そいつは無理ってもんだぜ!」
とフリードとエンカ。
> ルイーズは「うーん」と言いながら、困ったように頭をぽりぽりかいた。 
> 「ロゼッタ、そもそもあのスフィンクスは、ニャーが歩くことを犠牲にして召還したんじゃ無かったニャ?
>  今更悪魔を消したからって、また元通り歩けるようになるもんかニャ?」
> 「えっ?タマタローさん、その話本当なの?!」
> ルイーズはこっくりと頷いた。
「ロゼッタ、おめぇだって知ってるだろう。魔導書のルールだ。
 一度代償にしたものは、どんなことがあっても還ってこねぇんだぜ?」
>「知ってる。」
とロゼッタ。

> 「ロゼッタちゃん、キラー・チューンを消した後、どうするつもりなの?
>  また新しい悪魔を召還して、自分の理想どおりの悪魔が現れるのを待つつもりなの?
>  でもね、多分何度悪魔を召還しても同じ事だと思うよ。
>  だってキラー・チューン言ってたよ、ロゼッタちゃんに従わないのは、あなたが弱虫だからって・・・・・」
> リリィはキラー・チューンが話した「なぜロゼッタが男の左手に執着するのか」という理由を皆にもかいつまんで話した。
エンカにとっては初耳だった。
やっと自分の左手が狙われる理由に合点がいったが、同時にロゼッタが哀れに思えてきた。
>「あまり人の心に土足で踏み込まないでよ…」
ロゼッタが珍しく怒りの表情を見せた。あまり他人には語りたくない過去らしい。
しかし、エンカもまた怒った。
「何を偉そうに言ってんだよーっ!てめぇのその性癖のせいで俺やみんながどんだけ迷惑したかわかってんのか〜!?」
リリィもロゼッタに語りかける。
> 「キラー・チューン言ってたよ。
>  『そこからずっと、ロゼッタはひねくれた生き方をしている。あたいはそんな弱虫を主人だとは認めない。』 って。
>  えっと、確か悪魔って、弱い心を見せてしまうと、反抗したり主を攻撃したりするんだよね?
>  あれ?でもさ、『弱虫を主人とは認めない』ってことは『強くなったら主人として認める』って事じゃない?
>  ロゼッタちゃんを主と認めたら、キラー・チューンだって私達を襲ったりしないんじゃない?」
> リリィは「どう思う?」と一同に意見を求めた。
以下はフリードとエンカのボケとツッコミである。
> 「つまりあれですね物理的にぼこり続ければ大人しくなるって事ですね」
「よせフリード、アップル・シーナへの攻撃は全部ロゼッタのダメージになるんだぜ?」
> 「つまりエンカさんそのライオン悪魔を手に入れたかったらタイマン張って勝つことです」
「俺が勝てるわけがねぇじゃね〜か!」
> 「世の中には魔法抜きで熊倒せる人間がいるんだからやってやれないことは無いでしょう
>  他所には最低入学条件が素手で虎倒せることな女子高だってあるんですから」
「俺はそんなの女子と認めねぇよーっ!」
エンカにはグレンの言葉がわからないので、
一人でボケているようにしか見えないフリードにツッコミをいれないわけにはいかないのだ。

226 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/23(火) 22:35:40.43 0
ひと通りツッコミをいれた後、エンカが自分の意見を言った。
「俺が気に入らねぇのは!浴びているシャワーのお湯が急に冷たい水に変わるくらい気に入らねぇのは!
 ロゼッタ、てめぇがまだ誰にも謝ってねぇってことだ!!
 しかもてめぇがアップル・シーナを消そうとしているのは、みんなにこれ以上の迷惑をかけまいと考えてのことじゃねぇ!
 てめぇが左手を独占するためだ!てめぇはいつもいつも、そうやって自分の本能に負け続けてんだよーっ!!」
>「え?きゃっ!?…痛たたた!」
「シャイナに謝れよコラーッ!!」
エンカは持ってきた魔導書でロゼッタに殴りかかった。
ロゼッタもまた持っていた魔導書でエンカに応戦した。
二人の殴りあいにみんなの視線が集まった時、それは起こった。

爆竹が爆ぜるような音がしたかと思うと、キラー・チューンを縛っていた鎖がジャラジャラと音を立てて床に落ちた。
キラー・チューンは小さな爆弾を作り、それでこっそりと自分を縛っていた鎖を破断させたのだ。
自由になったキラー・チューンはすぐさま男子トイレの窓によじ登った。
『馬鹿な奴らめ。今ここであたいを消しておけば良かったものを。あんた達をいつか全員血祭りにしてやる。
 それまで…あたい以外の誰にも殺されるなよ?』
キラー・チューンは窓を突き破り、外へと逃げていった。
キラー・チューンを追いかけるのは容易ではないが、可能だろう。
しかし、間もなくキラー・チューンは学園の外へと飛び出してしまった。

227 :名無しになりきれ:2011/08/26(金) 13:42:53.17 0
復活の呪文

228 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/08/28(日) 11:11:58.72 P
>226
>「シャイナに謝れよコラーッ!!」
「ちょっとそんな子供みたいな喧嘩しないでくださいよ!」
「にゃあ」(いや俺ら子供やん)
「せめて中高生クラスの喧嘩をしてくださいそれじゃあ小学生です」
「にゃなぁ」(フィー坊の背は小学生並だけどね)
「誰がホビット以上ドワーフ未満ですって!!」

>『馬鹿な奴らめ。今ここであたいを消しておけば良かったものを。あんた達をいつか全員血祭りにしてやる。
 それまで…あたい以外の誰にも殺されるなよ?』
「あれですね殺デレって奴ですね」
「にゃ!にゃぁ!!」(ちょっと!逃げちゃうよ!!)
「目的であるエンカさんの手を取り戻すことには成功したんですからわざわざ追う必要は無いでしょう」
>間もなくキラー・チューンは学園の外へと飛び出してしまった
「さて、何にしろ一度、外に出る必要がありそうですね
 いつまでも男子トイレに女子を居させる訳にも行きませんし
 それより何よりも男子トイレの中じゃなに言ったってギャグにしかなりません」
「にゃあご」(そもそもフィー坊シリアスできないじゃん)

というわけで男子トイレから外に出るフリードリッヒ
「さてこれからどうしましょうか?とりあえず僕としては森に行って行方不明者の捜索をしたい所ですが
 ここに僕を含め怪我人が二人もいるのでそういう訳にも行きません
 特にシャイナさんは特別な体を持っているので保健室では治せないでしょうし
 先に町に行って然るべき施設で治療を行ってから改めて森へロック先生と炎道さんの捜索を行うことを提案しますが?」
「にゃお?」(散髪はどうすんの?)
「伸びた髪の毛はもう面倒ですしナイフでバッサリやってしまいましょう
 ある程度短かれば女の子に間違われることも無いでしょうし問題ありません」
だが髪の毛に魔力を蓄えているフリードが髪の毛をばっさりと切ったらMPが減るだろう
また覚醒状態になれば髪の毛が腰まで伸びる為切るだけ無駄という説がある
「にゃあご?」(このまま伸ばして髪の毛で剣を操ったりは?)
「死髪舞剣なんて出来るわけないでしょうが常識的に考えて
 ともかく僕は女の子と間違えられたくなかったらその長ったらしい髪の毛を切れっていう
 という至極真っ当な意見に答えなければいけないんですよ」
「にゃにゃあ」(誰の意見だよ)

229 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/28(日) 21:49:18.49 0

>222 >225-228
>「あまり人の心に土足で踏み込まないでよ…」
ロゼッタが珍しく怒りの表情を見せた。あまり他人には語りたくない過去らしい。
>「ご、ごめん・・・・・・でもさ、いろいろ巻き込んじゃったんだから、知る権利くらいあると思う・・・・・」
>「何を偉そうに言ってんだよーっ!てめぇのその性癖のせいで俺やみんながどんだけ迷惑したかわかってんのか〜!?」
被害者の一人、エンカがロゼッタに食ってかかっている。

>「つまりあれですね物理的にぼこり続ければ大人しくなるって事ですね」
>「ふにゃあ」(いやその理屈はおかしい)
「いやそういう意味じゃないし」
皆から一斉に突っ込まれているフリード。
>「よせフリード、アップル・シーナへの攻撃は全部ロゼッタのダメージになるんだぜ?」
その答えを聞いて、リリィは目をキラキラさせた。
だが次のフリードの意見で、話が一気におかしな方向へずれていく。
>「つまりあれですね物理的にぼこり続ければ大人しくなるって事ですね」
>「つまりエンカさんそのライオン悪魔を手に入れたかったらタイマン張って勝つことです」
>「にゃなあ」(人間がライオンに勝てるかよ常識的に考えて)
>「俺が勝てるわけがねぇじゃね〜か!」
「そうだよ!私だって無理だよ!!」
>「世の中には魔法抜きで熊倒せる人間がいるんだからやってやれないことは無いでしょう
> 他所には最低入学条件が素手で虎倒せることな女子高だってあるんですから」
「どこの女子高?!」
>「にゃ?」(そいつらは人類ですか?)
>「俺はそんなの女子と認めねぇよーっ!」
「お前さりげなく失礼だニャー。それは暗にニャーに喧嘩売ってるニャ?」
シャイナのパーツを手に、ルイーズがジト目でエンカを睨んだ。

>「シャイナに謝れよコラーッ!!」
>「ちょっとそんな子供みたいな喧嘩しないでくださいよ!」
>「にゃあ」(いや俺ら子供やん)
「せめて中高生クラスの喧嘩をしてくださいそれじゃあ小学生です」
>「にゃなぁ」(フィー坊の背は小学生並だけどね)
>「誰がホビット以上ドワーフ未満ですって!!」
「いや誰もそんなこと言ってないし!
 ・・・・・・まあ、あれならロゼッタちゃんはもう蘇生魔法まで必要ないみたいだね。
 エンカが怒るの無理ないし、あの程度なら、放っておいて大丈夫でしょ。
  それに、ロゼッタも少しは後ろめたく思ってるから、魔法抜きで反撃してるんだろうし」
そう。ロゼッタが使う魔法、「ドコデモ・ドアー」の射程距離は2メートル。
その気があればいつだって、彼女はエンカの体をばらばらにして黙らせることができるのだから。

ルイーズはどこからともなく取り出した袋にシャイナのパーツを詰めようとして、ふと手を止めた。
「あれ?目の錯覚かニャー?なんか心なしか、集めたパーツの形が変わってる気がするニャー。
 お互いくっ付いて一つ一つ大きくなった気がするんだが、・・・・・・気のせいかニャー?」
ルイーズはごしごしと目をこすった後、床に倒れたままのシャイナをよいせっと担ぎ上げた。
「シャイナとやら、意識は残ってるニャー?
 派手に壊れたけど、ゼベット爺さんところで修理依頼できるかニャー?」


230 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/28(日) 21:49:40.31 0
爆竹が爆ぜるような音がしたかと思うと、突然キラー・チューンは自由を取り戻していた。
>『馬鹿な奴らめ。今ここであたいを消しておけば良かったものを。あんた達をいつか全員血祭りにしてやる。
「えーっ、エンカまで?そんな、ひどいよ!」
> それまで…あたい以外の誰にも殺されるなよ?』
「ちょっとなんで血祭りにされなくちゃいけないのよ!!しかも無関係なロロ君達や被害者のエンカまで!」
>「あれですね殺デレって奴ですね」
「そんなの認めないわー!!」
>「にゃ!にゃぁ!!」(ちょっと!逃げちゃうよ!!)
「そ、そうだった!捕まえなくていいの?!」
>「目的であるエンカさんの手を取り戻すことには成功したんですからわざわざ追う必要は無いでしょう」
「そ、そっかなー?」
リリィは知らなかったが、ロロのトラップが発動しなかったところを見ると、ロロもフリードと同じ意見なのだろう。
「わーん、どうしよう!私も血祭りにされちゃうよー!
 ロロ君やブレさんなんて、たまたまこの場に居合わせただけなのにー!
 キラー・チューンのばか!あんまりだわ!」

フリードに促され、リリィとルイーズも男子トイレから外に出た。
「ほらエンカ、続きは後にして、とにかく外に出よう。ロゼッタちゃんもだよ」
リリィはロゼッタとエンカの間に割ってはいると、車椅子を押して廊下へと出ることにした。
(ちなみにシャイナから特に抗議が出なかったので、ルイーズは彼女も一緒に運び出している)
「エンカとやら、お姫様だっこしてみたかったニャ?そりゃ悪かったニャー?」
殊勝な口調とは裏腹に、ルイーズの尻尾は楽しげにぴょこぴょこ左右にゆれていた。

「ねえ、ロゼッタちゃん、エンカの言ったこと、本当なの?」
 リリィはロゼッタの返答を聞くと、ため息をついた。
「私、キラー・チューンを消すのは、皆に迷惑がかかるからだとばかり思ってた。
 とにかくエンカの言ったとおり、ちゃんとシャイナさんと皆に謝ってね。
 悪気があろうと無かろうと、人に迷惑をかけたら謝る、これ常識だよ?」
リリィはちょっと考えてから「ウチュウジンでもだめです」と付け加えた。


231 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/08/28(日) 21:50:56.31 0
>「さてこれからどうしましょうか?とりあえず僕としては森に行って行方不明者の捜索をしたい所ですが (略)
> 先に町に行って然るべき施設で治療を行ってから改めて森へロック先生と炎道さんの捜索を行うことを提案しますが?」
「そうだね。とにかくシャイナさんの怪我を何とかしないとだね。
 でもマコトちゃん、そんなに待てるのかな?けっこう急いでるみたいなのに・・・・・・あれ?ところで、肝心のマコトちゃんは?」
リリィはきょろきょろとマコトの姿を探した。

>「伸びた髪の毛はもう面倒ですしナイフでバッサリやってしまいましょう
> ある程度短かれば女の子に間違われることも無いでしょうし問題ありません」

「えー?でも絵本に出てくるお姫様も王子様も、皆長い髪で描かれたよ?」
リリィがフリードたちの話に割り込んできた。
「こんなにきれいなんだから、何もわざわざ、切らなくても良いんじゃない?
 なによりもさ、やっぱり美形はさ、短い髪より髪のほうが似合うと思うよ?」
「後ろで三つ編みにしとけば邪魔にならないニャー。
 魔力だってアップするし、人外と交渉する時の交換条件にも使えるニャー
 まあどうしてもというなら、ニャーが切ってあげてもかまわんがニャー」
ルイーズが含み笑いを浮かべながら、もみ手をしている。
フリードの髪なら、熱狂的な信者に高く売りつけることも可能だろう。
(まあ保険医が買い占める可能性大だが・・・・・)


「とりあえずここでいったん解散して、後でもう一度集まることにしよう。
 それまでにお二人が見つかっていれば、なお良いしね
 私は、シャイナさんをゼベット爺さんのところに連れて行くことにするね。
 その間学園に残る人は、情報集めてくれるかな?もしかしたら、私達より早くエンドウ君やロック先生が戻ってくるかもしれないし」
リリィはロロに向き直ると、すまなそうな顔をした。
「ロロ君、なんか、いろいろ巻き込んじゃってごめんね。ブレ先生も。
 皆さんは、この後どうなさいます?
 もし街に出るのなら、一緒に行きませんか?そしてどこかでお茶でも・・・・・・。
 あっ、べ、別にこれはデートとかじゃなくて、巻き込んだお詫びというかその・・・・・・」
リリィはもじもじしながら言い訳している。

その後リリィはこほんと咳払いすると、ロゼッタの車椅子の向きを変え、皆のほうへと向けさせた。
「さあ、ロゼッタちゃん。・・・・・・皆に、何か言うことは?」
リリィはじーっとロゼッタを見つめている。


232 :名無しになりきれ:2011/08/29(月) 06:36:12.28 0
さてブラックパスタでも食うとしますかね

233 :ブレ ◇k4Jcxtcjwo:2011/08/29(月) 17:46:25.35 0
「とは言え考える時間は、まだあります
取引に応じるつもりなら悪い様にはしませんわ」
ブレはシャイナにそっと耳打ちをし、側を離れる
キラー・チューンが結界を壊し、逃げおおせる事ができたのには少しながら驚かされた
その驚きは自分の作った結界を壊された事にでは無く、結界が壊せる程の余力が残っていた事にだ
「(…どのみち島からは逃れられない…
だが目標の動きは把握しておかなくてはいけませんね…
奴が雛型達を狙うのは確実…)」
ブレは逃げだしたキラー・チューンの動向について熟孝を重ね、対策を導き出す
「(課題は雛型達の護衛と目標の捜索そして人造人間の身柄確保…
もし彼らには死なれてしまっては任務は水泡に帰す
捜索はともかく護衛には私の特務隊を動かす他ないでしょう…警備部の隊員では荷が重い)」

「皆さん、怪我とかは大丈夫ですか?
見た所、空間閉鎖の術は既に壊されているので外には出られそうだわ
しかし、ここまで目茶苦茶になっては学園に、いや…監査官にバレるのも時間の問題ですね」
ブレは壊れたトイレと皆を見回しながら言葉を続ける
「ですので、これから私は事が大きくなる前に監査官へ事態の説明に向かいます
安心して下さい、皆さんに責任は負わせませんわ
そうそう、街に出るなら私が許可します くれぐれも学園の生徒として恥ずかしくない行動をお願いしますね
では、お話が終わり次第また会いましょう、一旦私はこれでお暇させて頂くわ」
ブレは教師としての立場をうまく利用し、ごく自然な形でこの場を後にした
だが監査官に説明に行くと言った彼の言葉は嘘では無い、どちらかと言えば黙認を迫りに行くのであるが

234 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/30(火) 21:59:39.80 0
>228>230>231>233
> 「わーん、どうしよう!私も血祭りにされちゃうよー!
>  ロロ君やブレさんなんて、たまたまこの場に居合わせただけなのにー!
>  キラー・チューンのばか!あんまりだわ!」
動揺するリリィにエンカが話しかけた。
「お、お、お、落ち着けよリリィ!あれだろ!?フリ、フリードも言ってたじぇねぇか、殺デレだろ!?
 俺達がぴ、ぴ、ピンチになったら、『お前らを殺すのはこの俺だからな!』とか言って助けにくるんだろ!?」
>「あんたこそ落ち着け。」
珍しくロゼッタがエンカにツッコミをいれた。

エンカとロゼッタもリリィに喧嘩を仲裁され、男子トイレの外に出た。
> 「エンカとやら、お姫様だっこしてみたかったニャ?そりゃ悪かったニャー?」
とルイーズ。
「今回はおめぇに譲ってやるぜ。そのかわり、フリードは俺がいただくけどよ〜。」
エンカは無理やりフリードをお姫様抱っこした。
「ところでフリード、さっき妙なこと言ってたよなぁ?
 ロック先生だけじゃなくて、炎道までもが行方不明なのか〜?」

> 「ねえ、ロゼッタちゃん、エンカの言ったこと、本当なの?」
ロゼッタはリリィと視線を合わせて言った。
>「うん、本当。当然でしょ?ライバルは少ない方がいい。」
>  リリィはロゼッタの返答を聞くと、ため息をついた。
> 「私、キラー・チューンを消すのは、皆に迷惑がかかるからだとばかり思ってた。
>  とにかくエンカの言ったとおり、ちゃんとシャイナさんと皆に謝ってね。
>  悪気があろうと無かろうと、人に迷惑をかけたら謝る、これ常識だよ?」
>「謝る、という文化は宇宙人のあたいでも理解できる。」
だけど、とロゼッタは続けた。
>「それは免罪符じゃないんでしょ?許してほしいと、そう思える相手に言うもんでしょ?
> だったら、やっぱりあんた達はあたいにとってそういう存在じゃないんだけどな。」
ロゼッタは気だるそうにそう言った。

235 : ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/08/30(火) 22:01:50.94 0
リリィは一旦ここで解散することを提案した。
> 「ロロ君、なんか、いろいろ巻き込んじゃってごめんね。ブレ先生も。
>  皆さんは、この後どうなさいます?
>  もし街に出るのなら、一緒に行きませんか?そしてどこかでお茶でも・・・・・・。
>  あっ、べ、別にこれはデートとかじゃなくて、巻き込んだお詫びというかその・・・・・・」
「ヒューっ!お熱いねぇ!」
エンカがテンプレ通りにロロとリリィを冷やかした。

> 「(前略) しかし、ここまで目茶苦茶になっては学園に、いや…監査官にバレるのも時間の問題ですね」
「確かに…こりゃあやべぇよな〜。あっ!しかもこれ俺の左手を取り返すためにこうなっちまったんだよなぁ!?
 やべぇなおい、俺達もしかして退学になっちまうんじゃねぇのか〜!?」
と心配するエンカ。
> 「ですので、これから私は事が大きくなる前に監査官へ事態の説明に向かいます
> 安心して下さい、皆さんに責任は負わせませんわ
> そうそう、街に出るなら私が許可します くれぐれも学園の生徒として恥ずかしくない行動をお願いしますね
> では、お話が終わり次第また会いましょう、一旦私はこれでお暇させて頂くわ」
「お〜、流石ブレ先生だぜ!頼りになっちまうなぁまったくよーっ!」
ブレの本質を知らないエンカは、素直に安心したようだ。

> その後リリィはこほんと咳払いすると、ロゼッタの車椅子の向きを変え、皆のほうへと向けさせた。
> 「さあ、ロゼッタちゃん。・・・・・・皆に、何か言うことは?」
> リリィはじーっとロゼッタを見つめている。
>「……なんだか、今日は疲れた。」
ロゼッタはそう言うと自分で車椅子を操作し、皆に背を向けてさっさとどこかへ去ろうとした。
しかし、少し進んだところで突然車椅子が反転した。
>「ありがとう、みんな…」
ロゼッタはニッコリ笑ってそう言うと、今度こそどこかへと去っていった。
「まったく、可愛げがあるんだか!ないんだか!」
エンカは呆れたように両手をあげてロゼッタを見送った。
「俺は学園に残るぜ。シャイナだって女なんだから、バラバラの姿を俺に見られ続けたくねぇだろ?
 それに、俺には闇払い局に務めている身内がいてよぉ、たまたま今この学園に来ているんだ。
 その人に何か新しい情報が無いか聞いてみるぜ。」
もしもフリードとリリィがその闇払いの情報をエンカから詳しくきいたなら、それがレベッカ少佐だとわかるだろう。

236 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/08/31(水) 20:45:14.35 0
さてさて、真はブレ先生とは別で、壁に寄り添って事態を静観していた
彼女にとって、目の前で起こっていることは、悪い言い方をすれば茶番だった
もちろんリリィやロゼッタ、エンカ・・・・・・フリードは真面目かどうか判断しかねるが
各々がそれぞれ真剣に、取り組んでいたが真にとっては紛れもなく茶番

いまは勇気を探すことが彼女にとって至上
それ以外のことは本当にどうでもよかった。キラーチューンを拘束したことなど、彼女からしたら破格の対応だ
だから以降は静観、ことがおわるまでは動かなかった
そして、キラーチューンの逃走をもって、事態はひとまず終息した
真は、ついに炎道勇気を探しにいけると安堵したが……
リリィが一度解散してからいなくなった人間を探そうという言葉に状況は一変した

「ちょ、ちょっと待ってや!なんでここで一回解散なん?勇気を探しに行くんちゃう?それならはよ探しに行こ!!」
真はここで自分の主張を通そうとする。当然、勇気のために彼女は生きているのだ
しかし、彼女はほとんどなにもしていない彼女の意見が通るというのは考えづらい

「いま、勇気がどうなってるか考えると怖いわ。勇気がもし命の危険にあったら……」
そういって真は泣き始めた
2割嘘で8割本気で泣いている

237 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/08/31(水) 22:38:00.29 O
一方、生徒達と離れたブレは、向こうからお呼びがかからない限り普通の生徒・教職員では絶対に立ち入る事が出来ない監査官オワゾーの執務室へ向かっていた
階段付近から執務室の扉の前に至るまで評議会から派遣された魔導師達が陣取っており、監査官の護衛の任務に当たっている
許可なき者は、その階にすら立ち入る事は許されておらず、もし忍び込んだ場合、有無を言わさず摘みだされた挙げ句
生徒なら停学、仮に教職員なら休職という厳罰を食らってしまうだろう
無論、ブレもここでは招かれざる客であった
「貴様!ここは一般の教職員は立入禁止だ!すぐに出ていけ!」
ブレの姿を見かけた護衛の一人が居丈高な態度で退去を命令する
「申し訳ありませんけど監査官オワゾー様にお目通り願いたいのです お伝え頂けますか」
ブレはあくまで普段通り丁寧な口調で返答するも護衛の態度は変わる事は無い
「貴様如きが監査官殿に会える訳が無いだろう これ以上居座るようなら学園に報告するぞ!」

「では、ブレ・カブルが来たとだけ言づけを」
「いい加減にしろ!もう一度名前を言え!学園に貴様の狼藉を報告する!評議会への反抗だ!」

「あらあら仕方ありませんね…」
とうとう激昂した護衛にブレは軽く諦めたかのような溜息を付くと、大きく深呼吸をした
「サイコォォォォスキィィィィル!!!!!!!!」
ブレが大声でサイコ・スキルを発動するとフロア全体が大きく軋み、護衛達は次々に両手で耳を抑え倒れ込んで言った
「評議会の魔導師も腑抜けばかりですね
では、向かうとしましょう」
ブレは倒れ込んだ護衛達を一瞥すると執務室の扉を勢いよく開いた

「ひぃ…っ!!!ブ…ブレ!!!」
大声を聞いて察知したのか開いた扉の前に立っていたブレを見るやオワゾーは素っ頓狂な声を上げた

238 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/08/31(水) 23:35:46.34 O
「ブ!!ブレ!!!これは何の真似だ?」
オワゾーの声にブレはすぐに答えず執務室のふかふかした来客用ソファーに、どすんと腰を掛ける
「部下の躾がなっていないわね オワゾー」
そう言って、鼻で笑うとブレはオワゾーを見下しかのような視線を向け、言葉を続ける
「トイレでの騒ぎは貴方も聞いているでしょう?
結論から言うわ、あの騒動に関して、一切の追求をしないで頂戴 無論、詳しい調査もよ」

「あの騒ぎはお前の謀だったのかブレ!!
あれだけの騒ぎを起こしてタダで済む訳が無いだろう!!
犯人を見つけねば示しがつかん!!」
当然、ブレの提案をオワゾーは一蹴する
「でも、貴方には事実を隠蔽できる権限がある
それに今から、この事案は警備部の管轄よ 貴方はただ、私が動き易いように取り計らえばいいの」
今度はオワゾーの方を見ようともせず 壁に飾られた絵を眺めながら言った
「総裁が貴方をこの役職に就けたのも その為。
貴方はただ大人しく黙認していればいい それだけよ」

「ちょ…調子に乗るなよブレ!!!!
いつからお前は私に命令できる立場になった!!!!」
オワゾーは机を勢いよく叩き、焼けた鉄の如く顔色を真っ赤に燃やした
「あら、これは失礼 でも、私の任務は総裁の御意思の遂行
生徒如きに威張り散らしている方との重要度の違いぐらいは監査官様には認識して頂きたいものね」
ブレは冷静に事実を突き付けた、図星を突かれたオワゾーは言葉も無く怒りに体を震わせる
「それと もうじき学園に『点検業者』が来るの 彼らにも自由に動いて貰うから では宜しく頼むわ」
だが、ブレがソファーから立ち上がった途端 オワゾーは感情が高まったせいか禁句をブレに投げつけてしまった
「何様のつもりだカマ野郎が!!!ふざけるなよ!!!」
部屋を出ようとした矢先ぴくりとブレは動きを止め、一目散にオワゾーへと向かう、その目は一気に冷酷な何かへと変わった
「うぐっ!!!!!!」
ブレの巨大な手がオワゾーの首を締め上げた、口調もいつもの女言葉から厳めしい男の物へと変わってる
「忠告したはずだ その言葉をもう一度口にしたら命は無いと、だが今の私にはお前のようなゴミクズを片付ける時間すら惜しい
もう一度聞く、黙認するか、しないかだ」
「わがっだ!!わがっだ!!」
ブレの問いにオワゾーは頭を激しく縦に振るとブレは乱暴にオワゾーを突き放した

239 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/09/02(金) 10:48:27.99 P
>229-238
>「今回はおめぇに譲ってやるぜ。そのかわり、フリードは俺がいただくけどよ〜。」
「いや正直、野郎にお姫様抱っこされても欠片も嬉しくないんですが」
だがあっさり抱っこされるフリード
所詮は身長130cmクラスのちみっこである

>「ところでフリード、さっき妙なこと言ってたよなぁ?
  ロック先生だけじゃなくて、炎道までもが行方不明なのか〜?」
「あれ?言ってませんでしたっけ?まあそれはともかく行方不明者の探索の為
 人手が欲しいんですよ、だからこそ助けを求めてこっちに来たんですけど
 こっちはこっちで別のトラブルが起こってるなんて想定外でしたけどね」
とフリードは語る

>「だったら、やっぱりあんた達はあたいにとってそういう存在じゃないんだけどな。」
「まあ確かにあなたと僕はただの知り合いで友達でも何でも無いですけどね
 一応社交辞令として謝罪の言葉は欲しいところです」
「にゃなぁ」(でも悪いとも思ってないのに言葉だけで謝られるよりはよくね?)

>「ありがとう、みんな…」
>「まったく、可愛げがあるんだか!ないんだか!」
「これはツンデレなのでしょうか?」
「にゃあ」(しらんがな)

>「俺には闇払い局に務めている身内がいてよぉ、たまたま今この学園に来ているんだ。
  その人に何か新しい情報が無いか聞いてみるぜ。」
「へえそうなんですかぁ・・・・なるほどそういう関係なんですかぁ」


>「とりあえずここでいったん解散して、後でもう一度集まることにしよう。」
>「ちょ、ちょっと待ってや!なんでここで一回解散なん?勇気を探しに行くんちゃう?それならはよ探しに行こ!!」
>「いま、勇気がどうなってるか考えると怖いわ。勇気がもし命の危険にあったら……」
「大丈夫ですよ炎道さんは強いんですから
 僕もほんの少ししか共闘はしていませんが
 それでもそう簡単にやられてしまうような方では無い事ぐらいは分かります」
「にゃあご」(クビチョンパウサギに会わない限りね)
空気を読まずに発言をするグレン
クビチョンパウサギはダイレクトに首を狙ってくる大変危険なウサギである
可愛い見た目に騙されればあっという間に首と胴体がお別れであろう
「だ、大丈夫ですよ!きっとたぶん・・・・・」
だんだん不安になってきたフリード
はたして炎道は無事なんだろうか?

「にゃあご」(まあ猫の森周辺なら僕ら猫のテリトリーだからウサギもゴブリンもいないんだけどね)
「それを早く言いなさいよグレン」

240 :ブレ ◆k4Jcxtcjwo :2011/09/05(月) 02:36:06.24 O
「少尉、体勢は整いました 直ちに部隊を学園並びに市街地へと集結させて下さい」
監査官オワゾーとの“平和的”かつ“穏便”な話し合いの後、ブレは子飼いの部下達へ一つの命令を出した
「指令121、想定パターン7で展開の後、行動を開始なさい」
天文台にあるを地球儀を挟んで背中合わせに立っていたブレの部下は その指示の意図を理解し 復習した
「指令121 想定パターン7…隠密行動下による要人警護並びに敵対目標の索敵任務ですか?」
「そうだ少尉、これは重要な案件だ気を引き締めてかかれ
絶対に油断せぬよう、これを各員に徹底させろ」
子飼いの部下との会話故かブレの口調はいつもの女言葉から厳めしい男の口調へと変わっていく
「また警護対象にも我々の存在を絶対に気取られるな
索敵班は目標を発見した場合、攻撃は仕掛けず監視を続行、万一、露見した場合は速やかに行動を中止し、その場を離脱
警護班についても対象が目標による攻撃を受けた時点で迎撃を開始、これを撃退しろ」
今のブレは見た目を除けばまさに軍人という言葉が相応しかった
「索敵班の指揮は曹長に任せろ
警護班の指揮は少尉、貴官に執ってもらう
敵は、見る物全てに噛み付きたがる野獣だ せいぜい我々が躾てやろうじゃないか」
ブレが意地悪い笑みを浮かべると少尉は了解と呟き、敬礼の後天文台から姿を消した
「さて、これで雛型達が殺されるという最悪の事態は防げるでしょう
後は どう動くか見極めるだけですね」

241 : 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/09/05(月) 02:49:36.29 0
限界突破エターナルフォースブリザード!?♪。

242 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/09/07(水) 13:23:24.51 0

>232-236 >239
>「だったら、やっぱりあんた達はあたいにとってそういう存在じゃないんだけどな。」
>>「まあ確かにあなたと僕はただの知り合いで友達でも何でも無いですけどね
 一応社交辞令として謝罪の言葉は欲しいところです」
>「にゃなぁ」(でも悪いとも思ってないのに言葉だけで謝られるよりはよくね?)
「グレンもそういうこと言わないの!もう・・・ロゼッタちゃんたら・・・・・・」

一方、一同の前に現れたブレは、状況を検分し「監査官へ事態の説明をする」と告げてその場を後にした。
> そうそう、街に出るなら私が許可します くれぐれも学園の生徒として恥ずかしくない行動をお願いしますね
> では、お話が終わり次第また会いましょう、一旦私はこれでお暇させて頂くわ」
>「お〜、流石ブレ先生だぜ!頼りになっちまうなぁまったくよーっ!」
「本当に!これでシャイナさんの治療ができるね!」
リリィも素直に喜んでいる。
「・・・・あれ?でもブレ先生、いつの間にいらしたのかしら?あんなに背の高い方なのに、不思議ね!」
気配を消す術を持っているブレにとっては、素人のリリに気づかれないくらい朝飯前なのだろう。
「でも大丈夫かなぁ?ブレ先生は、学園に着任したばかりの講師なんだよね・・・・・・。
 あの監査官って人、結構ヒステリックな感じの人だよね?ひどいことされたり、言われたりしなきゃいいけど・・・・・・」
ブレの本質を目の当たりにしたものの、その時の記憶がないリリィはちょっぴり心配そうだ。

>「……なんだか、今日は疲れた。」
ロゼッタはそう言うと自分で車椅子を操作し、皆に背を向けてさっさとどこかへ去ろうとした。
リリィはため息をついてその背を見送っていたが、少し進んだところで突然車椅子が反転した。
>「ありがとう、みんな…」
リリィの顔がぱあっと明るくなった。
「足!痛くしたところ、ちゃんと手当てするのよ!!」と言いながら手など振っている。
>「まったく、可愛げがあるんだか!ないんだか!」
>「これはツンデレなのでしょうか?」
「素直じゃないだけだよ、きっとね」
今日はこれで上等、と言ったところだろうか。
「あー、でも殺デレの方はどうしよう?飛んで逃げるっていったってあの子も飛べるのよね」
キラー・チューンの捨て台詞は気になるところだが、彼女も足に怪我をしている。
そうそう簡単に仕掛けてはこないだろう。・・・・・・多分。

シャイナの治療に外に出るか否か、という話を切り出したところ、反応はまちまちだった。
エンカは学園に残るらしい。
ちょっと意外だったが、確かにシャイナも、好きな人に(※先入観)バラバラの姿を見られたくないだろうと納得する。
>「俺には闇払い局に務めている身内がいてよぉ、たまたま今この学園に来ているんだ。
  その人に何か新しい情報が無いか聞いてみるぜ。」
>「へえそうなんですかぁ・・・・なるほどそういう関係なんですかぁ」
「えっ、身内ってもしかしてメイション君?・・・・・・ってそれは無いか。闇払い局に勤めるには若すぎるもんね」
フリードと違い、リリィは察しが悪かった。
ちなみにメイションとは、入学当初リリィがお世話になったエンカの親族だ。
8歳程度にしか見えないアルピノの美少年で、リリィはずっと自分より年下だと思いこんでいる。
「じゃあじゃあ、いらしてるのはメイション君のご家族の方かなっ?メイション君は学園に来てるの?
 会いたいなー。この前私、あんなに迷惑かけたのに、きちんとお礼してないのよね」
・・・・・・リリィは知らないが、メイションの家族が来ているのは事実だった。
もっとも、彼女が思い浮かべているのとは全く別の形で、だが。

243 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/09/07(水) 13:23:57.28 0
>「とりあえずここでいったん解散して、後でもう一度集まることにしよう。」
>「ちょ、ちょっと待ってや!なんでここで一回解散なん?勇気を探しに行くんちゃう?それならはよ探しに行こ!!」
「うわあっ!!マコトちゃん?!
 ご、ごめんね。全然姿が見えないから、お部屋に戻ったのか探しに行ったとばかり・・・・・・・」
>「いま、勇気がどうなってるか考えると怖いわ。勇気がもし命の危険にあったら……」
>「大丈夫ですよ炎道さんは強いんですから
「そうそう、エンドウ君強いよ?あれだけ強かったら、森に入ったくらいじゃどうってことないよ」
>「にゃあご」(クビチョンパウサギに会わない限りね)
「え、うそ、そんなのいるの?」
フリードと一緒に心配し始めるリリィ。
>「にゃあご」(まあ猫の森周辺なら僕ら猫のテリトリーだからウサギもゴブリンもいないんだけどね)
>「それを早く言いなさいよグレン」
「もーっ!びっくりさせないでよ!
 でも、どうしようか?フリード君は怪我してるし、森に入るならそれなりの準備も必要だし。
 それに、シャイナさんの治療のことだってあるし」

>「ニャー達忙しそうだニャ、何ならニャーが代わりにゼベットさんのところに連れて行ってあげてもいいニャ?
 なに、お礼ならブラックパスタで手を打つニャ」
ずっと静観していたルイーズが、話に割って入った。
「それとほれ、怪我した美少年にはこれ貸してあげるニャ」
ルイーズは手にした小さな瓢箪の栓を抜くと、ロロに向けた。
すると、なんとロロは瓢箪の中に吸い込まれてしまった。
「この瓢箪は、中に吸い込んだ者の傷を癒すし、体力も回復してくれるニャ。
 まあ、呪いや毒は回復してくれんのだがニャ。
 あの保険医と、時空、空間操作科とのコラボ試作品だけど、けっこう使えるニャ。
 フリードとやら、ニャーも怪我してるし、吸い込んでやるニャ?
 大丈夫ニャ。治療中でも外の様子わかるし、時間の流れが中と外とでは違うから、回復も早いニャ〜」
そう言って、ルイーズはロロの入った(!)瓢箪を、グレンに(!!!)押し付けた。

「でもニャー、真とやら、校内放送入れても勇気とやらは現れなかったそうだニャ。
 となると、放送を無視してるか、学園の中にいない可能性も出てくるニャー。
 森に入ったって?うーん、森の中には、町への近道もあるからニャー
 今でも森にいる、とはなから決め付けるのは危険ニャ」
風紀委員だけあって、規則破りの行動やルートにも多少は通じているようだ。

「・・・・・・・・そもそも勇気とやらは、何で行方不明になったニャ?
 そういえば・・・・・昨日、ニャーは勇気をぼっこぼこにしてなかったニャ?
 案外勇気とやらは気まずくて、ニャーと顔をあわせたくないだけなんじゃないのかニャー?」
ルイーズはニヤニヤしている。
恋する乙女をからかって楽しんでいるのだ。
「いずれにせよ、森は危険ニャ。行くならよーっく準備してから行ったほうがいいニャ。
 ニャーは一度部屋に戻って、それから町へ出かけるニャ。町に来る気なら、30分後に正門前でニャ。
 もしも門を通らず町に出る気なら、そこの黒猫に案内してもらうといいニャ。
 抜け道は、猫の森のはずれを突っ切るルートがポピュラーニャ。
 もっとも、通り抜けたなら猫の情報網に勇気の目撃情報が引っかかるはずだがニャー」
ルイーズはバラバラになったシャイナをよいしょと背負いなおすと、バイバイと手を振って立ち去っていった。

「ど、どうする?エンドウ君が町に行ったのが確かなら、あんな森に入ること無いと思うんだけど・・・・・・」
森でロクな目にあっていないリリィは、少し及び腰気味だ。
もっとも、真に頼まれれば助力は惜しまないのだが。


244 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/09/08(木) 01:24:34.51 0
かなり面白くない流れになりつつある場に真は苦虫を噛み潰したような顔をしている

「勇気が!! 勇気が危ないのに呑気にこんなところで油売ってる場合ちゃうの!!」
真は誰の言葉も耳に入らず、といった様子、こういうときはフリードの口の上手さが役に立つと言うもの

>「大丈夫ですよ炎道さんは強いんですから
 僕もほんの少ししか共闘はしていませんが
 それでもそう簡単にやられてしまうような方では無い事ぐらいは分かります」

「そりゃ、そうや! わ、わたしのゆ、勇気がそう簡単にやられるわけがないんや!
これから私も一生、守ってもらうし」

狼狽して、落ち着きがない様子でフリードやリリィの周りをウロチョロとまわっていたかと思うと突然、両手で顔を隠して
きゃっきゃいいながら、床をごろんごろんと転がる
完全にキャラが変わっています。本当にありがとうございました

しかし、真の桃色フィーバータイムはグレンの一言で完全に粉砕される

>「にゃあご」(クビチョンパウサギに会わない限りね)
ピタリと真の動きが止まる
小さく、周りの人間にぎりぎり聞こえそうなか細い声で呟く

「勇気、死んでしまうん?」

めそめそと小さい鳴き声が顔を覆う両手から漏れだす

>「にゃあご」(まあ猫の森周辺なら僕ら猫のテリトリーだからウサギもゴブリンもいないんだけどね)

「そう言うことはもっとはよいってや、グレンちゃん!!」

急に元気になって立ち上がる

>「・・・・・・・・そもそも勇気とやらは、何で行方不明になったニャ?
 そういえば・・・・・昨日、ニャーは勇気をぼっこぼこにしてなかったニャ?
 案外勇気とやらは気まずくて、ニャーと顔をあわせたくないだけなんじゃないのかニャー?」

「……ふふふ」
不敵な笑みを浮かべる

245 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/09/08(木) 01:25:51.63 0
「なにをいってんの?昨日のあれくらいで勇気が逃げ出すんなら、とっくに今頃は天竺の彼方まで裸足でにげとるわ
あれは愛の証や!!」

笑顔がどんどん暗黒面に落ちていく

「わたしの愛の大きさは無限や!! 勇気もそれを受け止められるぐらいのでっかい男や!」
ない胸を必死に逸らしながらさも、世界の真理を語るような口調で話す
事実、彼女の中では世界の真理と言っても、過言ではない

>「ど、どうする?エンドウ君が町に行ったのが確かなら、あんな森に入ること無いと思うんだけど・・・・・・」

「いや、ちゃう。勇気はたぶんやけど、街に行ってへん。あんだけ目立つ見た目や、私が朝から探しまわってることは生徒のほとんどが
知ってる。絶対誰かに声をかけられて、私が探してることが、知るはずや
そうなったら、何を置いてでも来るはずや、こないにしても魔法で知らせてくるはずや
つまり、あいつは街には居らんし、魔法で居場所もしらされへんとこに居る」

そこまで、断言する
そのあとみるみる顔が青くなっていく

「最悪、誰かに監禁されてるとかなにかしらの被害にあってるかもしれん……な」
最後は消え入りそうな声でぼそっと呟いた

あたらずとも遠からずと言ったところ

246 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/09/08(木) 22:13:34.67 0
>239>242
> 「へえそうなんですかぁ・・・・なるほどそういう関係なんですかぁ」
「俺は何も言ってねーよ、フリード?」
> 「えっ、身内ってもしかしてメイション君?・・・・・・ってそれは無いか。闇払い局に勤めるには若すぎるもんね」
「あーよ、メイションじゃあねぇ。」
エンカもまたリリィと同じように、メイションは見た目相応の年齢だと思っていた。
エンカはあえて彼に年齢を聞いたこともなかった。
> 「じゃあじゃあ、いらしてるのはメイション君のご家族の方かなっ?メイション君は学園に来てるの?
>  会いたいなー。この前私、あんなに迷惑かけたのに、きちんとお礼してないのよね」
「メイションならきっと今頃は中国の実家にいるぜ〜?
 一体どんな迷惑かけたか知らねぇけど、別にあいつは気にしてねぇよ。」
エンカはふと寂しい顔をした。
「家族かぁ・・・考えてもみりゃあ、あいつの母親が死んでからまだ半年もたってねーんだもんなぁ。
 俺達と一獅ノいる時は楽しそうにしてたけどよぉ、一人の時は寂しくて泣いてるんじゃねぇか?
 メイションが簡単に学園へ行き来できるようになりゃあいいのにな〜。」
エンカはそんな調子だったので、メイションにはレベッカという姉がいること、
そしてそのレベッカこそが自分の母親であることを話しそびれた。

一度解散しようというリリィ達の提案に対し、天海真はどちらかと言えば大反対のようだ。
彼女は今すぐにでも炎道勇気を探しに行きたいらしい。
校内放送にも応えず、連絡手段の少なくない街にもいない可能性が高い。
となると森を探すことになるが、その危険性は入学試験のせいでエンカも知っていた。
入学早々に森の中に放り出されたエンカは、
幼なじみに擬態した奇怪な木に危うく食い殺されるところだったのだから。
「・・・総代代行さんよぉ〜、エンドウに食堂へ来るように校内放送をしたんだって〜?
 だったら、俺がエンドウがその後に食堂へ現れたか聞いといてやるよ。」
エンカはそう言いつつも、たぶんエンドウは食堂に来なかったんだろうなぁ、と思った。
しかし、エンカはちょっとした後ろめたさを感じつつも、あんな森に入るのは二度とゴメンだ、と思っていた。
つまるところ、学園でエンドウの聞き込みをすることを口実にして森に入るのを拒否しようと考えているのだ。
だが、さすがに自分の左手を取り戻すために尽力してくれた(とエンカは思っている)天海真に対して、
これでサヨウナラと言うのは申し訳ない気がしたエンカは、彼女に自分の“とっておき”を渡そうかと考えた。
「そうだ、いいものを貸してやるぜ〜。こいつは魔導書『アナベル・ガトーの鍵』だ。
 おめぇに才能があるなら、この魔導書に書かれた祈祷文(プレイヤー)で悪魔を召喚できる。
 さっきのアップル・シーナも、ロゼッタがこの魔導書で召喚したんだ。
 おめぇにどうしても叶えてぇ望みがあるんならよぉ、おめぇの悪魔がその助けになるかもしれねぇぜ〜?」
エンカは天海真に魔導書を差し出した。受け取るか受け取らないかは彼女の自由だ。
「俺は悪魔を召喚するには精神力が足りなかった。
 ロゼッタは悪魔を召喚するのに十分な精神力を持っていたが、それを操る才覚が無かった。
 おめぇの場合はどうなるんだろうな〜?」
魔導書『アナベル・ガトーの鍵』で召喚される悪魔とは、人間の無意識領域に眠る精神力が具現化された存在である。
ロゼッタが左手への執念ゆえにキラー・チューンを召喚できたというのなら、
天海真がもつ炎道勇気へのヘビー級な愛で悪魔を召喚できないなどと、誰が想像するだろうか?

247 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/09/09(金) 19:23:04.28 P
>242-246
>「最悪、誰かに監禁されてるとかなにかしらの被害にあってるかもしれん……な」
不安なことを言う真
「僕もちょっと不安になってきました」
とフリード

>「俺は悪魔を召喚するには精神力が足りなかった。
 ロゼッタは悪魔を召喚するのに十分な精神力を持っていたが、それを操る才覚が無かった。
 おめぇの場合はどうなるんだろうな〜?」
と真にアナベルガトーの鍵を渡すエンカ
はたしてどんな悪魔が出現するのか?

「エンカさんに渡されたそのアナベルガトーの鍵
 ギリギリまでがんばってそれでもどうにもならない
 そんな本当のピンチの時まで使わないべきだと思います
 だってもしもキラーチェーンみたいなのが現れたら大変じゃないですか
 だからどうしようもない時の一か八かの賭けとして温存しておくべきだと僕は考えますね」
とフリードリッヒは言う
「にゃあご」(恋敵ツクールみたいなもんだしね)
グレンはキラーチェーンみたいに主人と同じ人間を好きになる危険性を指摘した
「それに悪魔を呼び出すには何か代償を捧げなければならないんでしょう
 影の色が一生ピンクになるって言うレベルじゃすまないだろう代償が
 例えば残りの寿命が半分になるとかロゼッタさんみたいに体の一部が不自由になるとか
 見た目が醜くなるとか・・・・・・想像するだけでも恐ろしくなってきましたよ」
見た目の綺麗さが売りのフリードとしてはそれだけは避けたい事態である

>「フリードとやら、ニャーも怪我してるし、吸い込んでやるニャ?
 大丈夫ニャ。治療中でも外の様子わかるし、時間の流れが中と外とでは違うから、回復も早いニャ〜」
といいグレンに渡される瓢箪
「にゃあ」(フィー坊入る?)
「そうですねお願いします」
と吸い込まれていくフリードリッヒ坊や
「にゃご」(これでメインキャラ交代だね)
と勝手なことを言うグレン
だがグレンはケットシー語しか喋れないので通訳が必要になるだろう

「にゃなあ」(まあ猫の森での通訳は任せてよ)
グレンは猫語は話せるが人間語は話せない
そして人間語を理解できる・・・・・めんどくさいので両方話せる人を呼ぶか
翻訳のマジックアイテムを使ったほうが良いだろう

瓢箪の中のフリードはこうロロに話しかける
「で、ロロさんは打撃と関節技のどちらがお好みなんでしょうか?
 僕としては関節技のほうが芸術的で美しいと思うんですが」
おいこら魔法剣士!魔法か剣の話しろよ!



248 :『彷徨者』 ◆70VgGM3HY6 :2011/09/11(日) 23:17:32.60 0
シャイナは周囲からの問いかけに一切答えなかった。
……まるで、壊れて捨てられた人形の様に、ただそこにあるだけ。
結局周囲は『シャイナ・ムーンリング』の意思を確認できぬまま
思い思いの行動を取るしかなかったのである。


そして『彷徨者』は体をゆっくりと起こした。
……『シャイナ』として受けたダメージのせいで、全身が痛む。
緩慢な動作でローブを脱ぎ、痛む部位を確認すると真新しい傷や痣、内出血などが見られる。
「……操作精度を上げる為とは言え、やはりフルリンクは考え物だな。
 所詮人形と、無茶をしてしまった。それにしても……」
『シャイナ』の遠隔操作を打ち切った『彷徨者』は剣呑な輝きを瞳に宿らせ、虚空を見やる。

「彼らの甘さなど、とうに分かっていた事だろう……
 自分から仮面を外そうとする道化がいるか、馬鹿者め」
明確な憤りを孕んだ声質で放たれた言葉は、自身への叱責。
文字通り『壊れた人形』となったシャイナを、純粋な善意で修復しようとする一行。
その厚意を、『彷徨者』は甘さと切り捨てる。そう、『彷徨者』は意図的に沈黙したのだ。
限界まで空気を入れた破裂寸前の風船が如く、ほんのちょっとの刺激で『彷徨者』は
自ら着けた仮面を外してしまうレベルまで、感情が昂ぶっていたのである。

「……落ち着け、焦る事など無い。幸いにして『シャイナ・ムーンリング』は破損している。
 私自身が再びあの世界に干渉できるのはまだ先の話、修復が済むまでに気を鎮めればいい。
 そしてあれをブレが調べたところで、情報を得る事など出来はしないのだから……
 『シャイナ』、壊され捨てられた哀れな人形……『私』と同じだな」
自嘲の笑みを浮かべ、『彷徨者』は自身の世界を再び見渡す。
眼前に広がる『死の世界』……十字架並び立つ黒の大地と、星の瞬きを失った血色の空を――――。

249 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/09/13(火) 21:15:42.23 0
>244-247
「お、落ち着いて・・・・・・」
ハートマークを飛ばして床を転げまわったかと思うと、突然めそめそ泣き出したりするマコト相手に、リリィは困惑するしかなかった。
「(どーしよ、もしかしてマコトちゃん、お酒か何か間違って飲んじゃってる?
!)」
>「恋する乙女は皆コンナモンじゃないのかニャー」
ルイーズの返答に、ええーっ、と驚くリリィ。
左手に執着するロゼッタや、自称神のセラエノが、恋する相手を想って床の上を転がったりめそめそ泣いている姿は・・・・・・。
いやはや、ちょっと想像できなかった。

>「メイションならきっと今頃は中国の実家にいるぜ〜?
> 一体どんな迷惑かけたか知らねぇけど、別にあいつは気にしてねぇよ。」
「そ・・・・・そうかな?そうだといいなあ」
>「家族かぁ・・・考えてもみりゃあ、あいつの母親が死んでからまだ半年もたってねーんだもんなぁ。
> 俺達と一獅ノいる時は楽しそうにしてたけどよぉ、一人の時は寂しくて泣いてるんじゃねぇか?
> メイションが簡単に学園へ行き来できるようになりゃあいいのにな〜。」
「そっかあ・・・・・・メイション君まだ小さいのに・・・・・・」
リリィもしゅんとなった。
「もっといっぱいお話したかったな・・・・・・本当に、簡単に行き来できたらいい
のに。
 それこそロゼッタちゃんの使う、ドコデモ・ドアーみたいな魔法が使えたらなあ・・・・・・!」

>「・・・総代代行さんよぉ〜、エンドウに食堂へ来るように校内放送をしたんだって〜?
> だったら、俺がエンドウがその後に食堂へ現れたか聞いといてやるよ。」
>「ホント?!エンカったら気がきくー!!結果は、森で合流したときにでも教えてね!」
リリィはエンカの深い考えも知らず、単純に感心していた。

>「そうだ、いいものを貸してやるぜ〜。こいつは魔導書『アナベル・ガトーの鍵』だ。 (略)」
エンカは天海真に魔導書を差し出した。
「えっ、でもそれ私も使っちゃったけど、悪魔とかぜんぜん出てこなかったよ?」
リリィもエンカと同じで、悪魔を召喚するには精神力が足りなかったのかもしれない。

一方のフリードは、アナベル・ガトーの鍵をマコト使うことには反対のようだ。
話を聞いている間、不思議そうな顔をしていたリリィだったが、
>「だってもしもキラーチェーンみたいなのが現れたら大変じゃないですか
という言葉で、ようやく合点がいったようだ。
>「だからどうしようもない時の一か八かの賭けとして温存しておくべきだと僕は考えますね」
>「にゃあご」(恋敵ツクールみたいなもんだしね)
「そんでもって今度は、マコトちゃんが自分で召還した悪魔をまっさつすることになるのね・・・・・・。
 はっ!それじゃ元の木阿弥じゃない!」
そうなったとしたら、文字通り骨肉の争いである。

>「それに悪魔を呼び出すには何か代償を捧げなければならないんでしょう (略)
> 見た目が醜くなるとか・・・・・・想像するだけでも恐ろしくなってきました
よ」
「確かに、あんだけ素手でエンドウ君をぼこぼこにできるのなら、わざわざ悪魔を呼び出す必要は無いかもね・・・・・。
 それどころか、あのアッブナイ森の中でさえ、彼女なら平気でホイホイ歩けちゃうんじゃない?」
しかもマコトは、腕っ節が強いだけでなく、強力な魔法まで使えるのだから。

ルイーズからグレンに渡される瓢箪
グレンが瓢箪を向けると、フリードが吸い込まれていった。
>「にゃなあ」(まあ猫の森での通訳は任せてよ)
「ホント?!猫の森の口利きもしてくれるのね?じゃあじゃあ、私はグレンの通訳をしてあげるよ!
 みんなー、グレンが猫の森で通訳してくれるって!」
フリード動揺猫語がわかるリリィは、ナチュラルにグレンと会話している。


250 :リリィ ◆jntvk4zYjI :2011/09/13(火) 21:15:54.26 0
「ちゅーかシャイナとやら、さっきからぴくりともしないんだニャー。大丈夫かニャー。
 おまえら、ちょっとニャーは先に街へ行くニャ!まあ任せとけニャ。
 それともう一つ!
 ここだけの話だが、昨夜脱走したトリフィード。まだ捕獲されてないから、もしも森を歩くときには気をつけるニャ!じゃっ!」
ルイーズは背中のシャイナをゆすり上げると、さっさとその場を立ち去ってしまった。
ちなみにトリフィードとは、醜い外見の大型食獣植物である。
本来は密林で大型の哺乳類を捕食しているのだが、実験のために学園で飼育されていた。
だが昨夜、何らかの外部的要因で実験棟から逃げ出してしまったのだった。

「えっと・・・・・マコトちゃん、急がば回れ、だよ。
 とにかく森に入るなら、それなりの準備が必要だと思う。
 私は荷物まとめ次第、学園の掲示板前に行くよ!もし先に森へ行く人がいたら、伝言残しておいてね!
 私は上空から探してみるから!・・・・・・えっと、何か質問は?
 無ければ、ひとまず部屋に戻るよ!皆、今日はありがとう!エンカも今日はごめんね!ありがとう。
 あ、それとロロ君、フリード君は怪我してるんだから、二人っきりの密室だからって口説いたりしちゃだめなんだからね!」
リリィはばいばい、と手を振ると、慌しく立ち去っていった。

251 :ロロ◇MOMsD0avSQ:2011/09/14(水) 00:25:38.71 0

あれこれと状況が流れていくうちに、ロロは瓢箪だか何だかに吸い込まれてしまった
一応、怪我と言われるような大事にはなっていなかったつもりだったんだが……
だがせっかく休みを貰ったのだから、その間に状況を整理しようじゃないか
どうもエンドウとやらがいなくなったらしい
基本的に探す気も推理する気もないロロは、男は旅に出る度逞しくなるのさ
くらいにしか考えていない
それでも困ってる人は助けてやる程度には良心もあるから、徒労だろうが道化だろうが
エンドウ探索に付き合おうと決めた

が折角貰った休みなので、いつの間にやら隣にいる美丈夫とも親睦を深めてみよう
>「で、ロロさんは打撃と関節技のどちらがお好みなんでしょうか?
僕としては関節技のほうが芸術的で美しいと思うんですが」
「打撃有りきの関節技じゃないか?だから打撃」
逆水平チョップで歓声を戴く者もいるのだ
暫くプロレス談義をしたら、ロロは外に戻ってリリィにホイホイついて行くのだ
男は仏頂面の硬派より軽薄な軟派が良いというのが持論だからだ

252 :天海真 ◆hCjEHNrkek :2011/09/14(水) 22:37:55.59 0
>「・・・総代代行さんよぉ〜、エンドウに食堂へ来るように校内放送をしたんだって〜?
 だったら、俺がエンドウがその後に食堂へ現れたか聞いといてやるよ。」

「それはお願いしたとこやね。エンカ
勇気が来てたら、私が『ぶっ殺す』って言ってたって言っといてくれへん?」

ニコニコと人当たりのよい笑顔でエンカにお願いする

>「そうだ、いいものを貸してやるぜ〜。こいつは魔導書『アナベル・ガトーの鍵』だ。〜」
>「えっ、でもそれ私も使っちゃったけど、悪魔とかぜんぜん出てこなかったよ?」
「悪魔を呼び出す本?グリモアの類いやね。
ありがたく頂戴しとくわ。召還術士として戦力が増えることは嬉しいことやわ
西洋の召還術にも興味があるから。さっそく召還してみるわ……」

そこまで言ったところでフリードが口を挟む

>「 だってもしもキラーチェーンみたいなのが現れたら大変じゃないですか
 だからどうしようもない時の一か八かの賭けとして温存しておくべきだと僕は考えますね」

「それもそうやね。使ったことのない奴やし、悪い前例もあることやしそうすることにするわ」
真はそういうと本を服のなかにしまう

>「にゃあご」(恋敵ツクールみたいなもんだしね)

「そうやね。私みたいな超天才召還術士やったら、どんな大悪魔を召還するかわからへんもんな」
真はさも当然と言った顔でグレンと猫語で会話する

「それに悪魔を呼び出すには何か代償を捧げなければならないんでしょう 〜」

「代償やね。こんな可愛い私が醜くなったら勇気が悲し過ぎてしんでまうで」
どんなことがおくるかとか、そんなん本に書いてあるんちゃう?生け贄とかですますんちゃうの?そういうの
ところで、西洋の召還で一般的な生け贄ってなんなん?」

>「えっと・・・・・マコトちゃん、急がば回れ、だよ。
 とにかく森に入るなら、それなりの準備が必要だと思う。

「準備……それもそうやな
そもそも、勇気が森に向かったっていうっ決定的な証拠がないんもあるしな
よく考えてみたら情報の洗い直しや道具も準備とかも必要になってくるかもしれんな〜
でも、勇気が酷い目に遭ってたらどうしよ……」

やっぱり勇気が心配な真であった

253 :フリードリッヒ ◆cOOmSNbyw6 :2011/09/16(金) 02:23:54.36 P
>249-252
瓢箪の中のフリードはレスリングの話を色々としているようだ
「だからバックドロップの真髄は膝をついた状態でもなおかつ・・・・・」

「にゃにゃ」(何を話しているのか全然わかんないよ)
それはそうである猫であるグレンには人間の使うレスリングの知識なんて全くないのだ
そもそも魔法使いがレスリングや格闘技の知識を沢山持っているなんて想像もつかないだろう
だがあえて言わせてもらおう!魔法使いとは魔法が使える者であって魔法しか使えない者じゃないということを
だから魔法使いが同時に剣の名手であろうが格闘技の達人であろうが別に構わないのである

「あれロロさん出ちゃうんですか?じゃあ僕はもう少しこの傷が治るまで留まりますので
 グレンは森に行く準備を僕の代わりにやってください」
「にゃあご」(分かった)
どうやらこんな事もあろうかと用意していた冒険者セットを持っていく機会が出来たようである
ちなみに冒険者セットの内容は
背負い袋
水袋
ベルトポーチ
マント
火口箱
ランタン

ロープ
くさび
小型ハンマー
ナイフ
保存食
拭き布である
特に氷の魔法使いであるフリードは炎を生み出せないため
火口箱は重要なのだ

「にゃん」(じゃあ僕は一旦戻って道具一式を取ってくるね)
と瓢箪を持ったままで男子寮まで歩いていくグレン
はてさてはたして遭難者を無事見つけ出すことができるのだろうか?
そして猫の森ではどんな事件が待ち構えているのだろうか?

次回へ続く!!

254 :エンカ ◆jWBUJ7IJ6Y :2011/09/16(金) 17:13:41.15 0
「じゃあ、俺はもう行くぜ〜?」
エンカはそう言ってメンバーから離脱した。
天海真にも魔導書“アナベル・ガトーの鍵”を貸してあげたので、
これで貸し借りは無し、自分の仕事は学園に残って情報収集をすることだと納得させ、
森へ行く勇気のない自分を取り繕った。

エンカは食堂で炎道勇気を見なかったかと聞きまわってみたが、やはり彼は現れていないようだ。
そのためエンカは天海真に頼まれた伝言(『愛してるわ』)を伝えることができなかった。
仕方ないので食堂でケーキを食べていると、彼のテーブルに白い着物姿の女性が座ってきた。
「…他にも席は空いてるっすよ?」
エンカはここ最近は女難続きだったため、その女性にも少し警戒し、そう言った。
>「エンカ・ウォンさん…ですね?」
そうエンカに尋ねてきた白い着物の女性は大人のようだが、
指に学園の生徒であることを示す指輪がはめられているのをエンカは見た。
そんなエンカの様子を見ていた着物の女性は、どうやら彼がエンカらしいと確信した。
>「中庭でバラバラになったとお聞きしましたが…」
「おん?…あぁ、そういうことっすか。」
エンカはロゼッタに体を魔法でバラバラにされた時、
リリィが助けを呼ぶためにテレパシーを送ったことを思い出した。
きっとこの親切な人は、それを聞いて自分の心配をしてくれたのだろうとエンカは解釈した。
「俺の仲間達のおかげでよ〜この通り体も元通り、問題ないぜ〜。」
>「そうですか。なら、私はこれで…」
席を立ち、去ろうとするその女性をエンカは引き止めた。
「ちょっと待てよ、あんた名前はなんていうんだ?」
>「…トモエです。トモエ・ユミ。」
「せっかくだから一獅ノお茶していかねぇか?
 いやなぁに、あんたが俺のことを心配して気にかけてくれたのが嬉しぃもんでよぉ、
 チーズケーキの一つでも、あんたに奢りてぇ気分なんだぜ〜?」
トモエ・ユミは首を横に振った。
>「すみません、これから友達と一獅ノ森に薬草を集めにいくところだったんです。」
エンカの顔が険しくなった。
「悪いことは言わねぇ、今は森に近づくんじゃねぇ。
 トリフィードっていう化け物みてぇな植物がうろついてるって話だぜ〜?
 薬草なら俺がなんとかしてやるからよ〜?」
エンカの話を聞いたトモエ・ユミは少し考えたエンカに言った。
>「エンカさん。その話を私だけではなく、他の生徒達にも伝えてあげてください。お願いします。」
「え?でもこの件はここだけの話ってやつでよぉ…」
>「お願いします。誰一人として、危険な目にはあってほしくないから。」
トモエ・ユミに手を握られてそうお願いされたものだから、エンカは断れなくなってしまった。
「しょうがねぇな〜。いいぜ?皆に教えて回ってやるよ。」

そういうわけでエンカは食堂を出た後、道行く生徒をつかまえてはトリフィードの事を話してまわった。
「やれやれ、デートし損ねたぜ。でも、確かにトリフィードの事を皆に教えておかねぇと危ねぇからなぁ…」
しかしエンカは知らなかった。
こうしてふれ回ったせいでかえってトリフィードに近づこうとする生徒を増やしてしまったことを。
そしてトモエ・ユミ自身が積極的にトリフィードに近づこうとしていることを…

to be continue

255 : ◆70VgGM3HY6 :2011/09/16(金) 23:51:52.49 0
      〜〜〜〜〜その頃、裏図書館では〜〜〜〜〜


外での騒動終結と時を同じくして、『大図書館の管理者』と呼ばれる女性の根城である
裏図書館ではメイド達が慌しく、否血相を変えて走り回っていた。
殆ど差異の見られないメイド魔族だが、色濃い疲労の色まで差異が見られない……
そんなメイド達の指揮を取っていたメイド長もまた、酷く疲労していた。
そして、メイド達の必死の作業を嘲笑うかのように、状況は徐々に悪化していく。
ついにメイド長は、事態の自力解決を諦め別の索を決行する事にした。

長「……では、私は『外』に出ます。
  分の悪い賭けですが、0%よりはよほどマシですからね……」
司書『姉様があの方達をお連れになるまでは保たせてみせます。
   ……正直、自信はありません。なので―――』
長「分かっています。では、頼みましたよ」

裏図書館で起こっている『異変』は、メイド達だけで解決する事は叶わなかった。
メイド長は自ら“分の悪い賭け”と揶揄しながらも、解決の為には已む無しと言い聞かせ
裏図書館から学園へと足を踏み入れた……そこでメイド長を、そしてあの方達と呼ばれた
少年少女達を待ち受けるモノとは一体何なのか―――――?


          次回『新緑の悪魔、紫紺の魔神、そして運命の申し子』


   ――――世界は常に選択を強いる……たとえ、そこに望む選択肢が無くとも――――

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