1 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:20:15 0
魔法学園における生徒及び教師達の交流、切磋琢磨を目的としたレクリエーション
2日間にわたり行われるイベントの舞台は、亜空間魔本『リバース』


強者のみが生き残ることが許される鏡の中の戦場
多くの者が傷つき、嘆き、そして倒れていく
はたして、この戦いの先に待っているのは一体何なのか…

なんて、しけた事を考えている場合じゃないぜ!
クライマックスまで全力疾走する
100億パワーの魔法少女達が繰り広げる
ぶっちぎりの全開バトルをその目に焼きつけろ!!

俺達の魂の咆哮は、まだまだとことん止まらない!!



――――   魔法少女達と冒険するスレ 9thシーズン   ――――



                                   〜 真!猫耳ロック 〜


うおおおおおっ!!俺は今、猛烈にわくわくしてきたぜ!!

↓このスレのル−ルだ!耳かっぽじってよく聞いておけよ!


2 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:21:47 0
【スレのお約束】
・決定リール&変換受けありです。
(用語については、なな板TRPGまとめサイト「千夜万夜」参照)
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎!
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・魔法学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
 なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
・もし何かわからない事があったら、避難所でお気軽にどうぞ。


【過去ログ】
魔法少女達と冒険するスレ 8thシーズン(前スレ)
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205039545/
魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1203680942/
魔法少女達と冒険するスレ 6thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1198207423/
魔法少女達と冒険するスレ 5thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190890101/
魔法少女と冒険するスレ 4thシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1185104132/
魔法少女達と冒険するスレ 3rdシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1181023531/
魔法少女達と冒険するスレ 2ndシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1173987357/
魔法少女と冒険するスレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1167716362/


【みんなの憩いの場(質問、打ち合わせ等はこちらでどうぞ) 】
魔法少女達と冒険するスレ 第3避難所(現行)
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205030171
魔法少女達と冒険するスレ 第2避難所 (前スレ)
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190274484
魔法少女と冒険するスレ避難所
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198
(旧避難所跡)
http://yy32.kakiko.com/test/read.cgi/trpg/1119683611

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
千夜万夜
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm
(アクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう。)


3 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:22:47 0
テンプレはこちらです。

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・

【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。

【テンプレ記載例】
名前・ リリアーナ
性別・ 女
年齢・ 17
髪型・ 金髪のストレートロング
瞳色・ 青
容姿・ 色白で華奢。背はあまり高くない。スタイルは年 相 応 ←
備考・ カドゥケウスと呼ばれる杖の所有者。だがそれに伴い、学園で習う魔法が実質上使用不能に。
     杖を装備した時に限り、空間、回復、蘇生、即死魔法が使用可能。
     ただし使用自体リスキーなため、自ら進んで杖を装備することは無い。
得意技・応急手当、薬草等の調合
     ロックバスター(精神エネルギーを弾丸に変化させて攻撃する召喚銃の一種。左腕に装着して使用)
好きな食べ物・甘いもの
好きな偉人・えっと・・・・・レイド先生です・・・ご婚約おめでとうございます。
好きな生物・犬
嫌いな食べ物・ゲテモノ系
嫌いな金属・合金。(肌が弱いので、肌に直接触れるものだとかぶれる場合があるのよね)
今一番欲しい生物の毛・ フェニックスの羽根。・・・あ、これって毛じゃないよね。
保険に入りますか?・学園入学時に強制加入した気が・・・あれ?気のせいかな?

※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせくださいね。


4 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:23:06 0
【イベントについての説明】

今回のイベントは、亜空間魔本『リバース』の中が舞台です。
参加者達は魔本の中で戦い、相手が持つペンダントを奪い合います。
ある一定の数のペンダントををごみ箱に捨てることが出来た者の前には、宝箱へ至る道が示されます。 
誰かが宝箱をあけ外の世界への鍵を手に入れた時点でゲームは終了し、現実世界に帰還できます。
上位3名までが表彰されます。

本来は生徒及び教師達の交流・レクリエーションが目的であるイベントです。
しかし今回は、とある女子生徒を巡っての争奪戦も兼ねているらしいです。
(秋のバレンタインで彼女が配ったチョコを食べた人間が、全員彼女に惚れてしまったらしいです。
媚薬の治療薬入手には時間がかかるため、
事態の収拾案として今回のイベントの優勝者に彼女を進呈するという条件が出されました。
参加者の一部が無駄に気合が入りまくっているのは、おそらくそれが原因かと思われます。


5 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:23:28 0
【魔本『リバース』への参加ルール】

@勝負は仮想現実の世界で行われる。つまり死んでも死にきれない。

A各プレイヤーには、自分そっくりの小さな人形がついたペンダントが渡される。
 ペンダントは自分が持っていてもいいし、どこかに隠してもいい。
 誰かに預けるのも自由である。
 ただし、ペンダント自体に細工はできないし、魔法もかけられない。
 微弱ながらオーラが出ているので、隠すことは出来ても所在がばれる可能性がある

Bフィールドには魔法のゴミ箱が設置される。
 プレイヤーは自分のペンダントをゴミ箱に投下されると負け、その世界におけるゴーストになる。
 広さに比例してごみ箱が出現している。
 校舎なら1フロアに1個、寮などの施設なら1箇所につき1〜2箇所個ごみ箱が設置されている。
 具体的な場所は書いたもの勝ち。
 ちなみに中庭にも一個。森の中には数個配置されているもよう。

Cプレイヤーが他のプレイヤーに倒された場合、
 そのプレイヤーはゴミ箱の前で復活する。
 そのプレイヤーが持っていた人形つきペンダント(自分の物も含む)だけはその場に残る。
 自分のペンダントが残ってさえいれば、何度でも復活できる。
 ただし復活の際、ペナルティとして残存体力および魔力は半分になる。

Dゴーストは戦いやペンダントには干渉できないが、偵察等の協力はできる。
 誰に協力するかは自由である。

E他人のペンダントを奪ったり、待ち伏せすることが出来る。
 ただし幻術などでペンダントの偽造は不可。似た波動で罠を張るのも不可。

Fペンダントは破壊しても自己復元する。また、教師のペンダントは生徒3人分の価値だが、手に入れること自体が名誉である。

G戦闘中リアル事情で3日以上動けない場合、避難所で連絡すること。
 本スレ内で対処するのが望ましいが、無理なら「逃亡した」「敗退した」という具合に退場方法を連絡すること。
 連絡無しで3日経過した場合、対戦相手は決定リールで相手を倒せる。

Hメ欄か文章の最後に、収集アイテムの所持or管理数、ごみ箱に投下した個数を記入。

I魔本の中でアイテム獲得は可能だが、効力は本来の1/3程度。必要なものはあらかじめ持参すること。
  開始時に学園からアイテムの箱が支給される。中身はあけてのお楽しみらしい。

J基本的に全員参加イベントのため、職員もそのままリバースの中にいる。
 ただし職員の場合、積極的にバトルに干渉するかどうかは個人差がある。
 生徒から勝負を吹っかけられない限り、食堂のおばちゃんは料理を、図書館管理人は図書館で通常業務を行っているらしい。

K予定ではリバース内時間で2日間行われる予定。フィールドチェンジも可能。

L上位3名まで表彰。副賞もあり。(リリアーナは優勝者のみに進呈)
ただし、副賞に何が贈られるかは知らされていない。噂では「すごくいいもの」らしい。


6 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:24:06 0
【魔本【リバース】内の状況】
(簡単な説明)
魔本『リバース』の中でイベント続行中。 リバース内の季節も秋。現在は夜。
誰かが広範囲魔法発動したため、日没以来雨が降っている。雨足は強まり肌寒い。(今後吹雪に変化)
学園内外で激しいバトルが展開。
現在学園裏の森はPIPTが大量発生し腐海のように変化している。腐海ではバイオハザード発生中。
なお、ベアトリーチェが仕掛けた腐海は翌日に消滅する模様(ただし参加者は知らず)
腐海の奥にはベアトリーチェの毒庭園(後述)がある。
現在森の中は菌糸巨人(スペックは後述)が徘徊。
校内放送で追加ルール発表「今後リバース内で死亡した者はペナルティとしてHP,MPが全快時の半分まで減少される」

(女子寮の状況)
女子寮全体が氷のトラップと化している。
大半の地面と壁がエミューの憑依する氷と化している。屋上には儀式の跡あり
(ただし屋上の儀式魔法陣内に行かない限り不可視、魔力検知も困難)
階段も殆どが氷で封鎖(窓から強引に入ってくるのは4階以下の階層なら容易、それ以上は結構困難)
2階の談話室の隣に、アルナワーズとリリアーナの部屋がある。
部屋の中は強力な結界が張られており、攻撃魔法を無効化する。ただしリバース内なので効力は1/3。
(現在大量の猫と白百合騎士団隊長のピッコロ、氷漬けになった女子生徒数人が避難している)
寮内のごみ箱は氷漬けになっている。
二階の一部が脱出しようとした生徒に破壊されたが、間もなく氷にふさがれる模様。


7 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:24:30 0
(腐海の状況)
森の設置された4つのゴミ箱のすぐ側に小さな穴。
そこから通常の魔法障壁では防げない無色透明・無味無臭の神経毒とピプトの胞子が充満。
(【PIPT】=Parasitic Intention Plant Trooper )
ピプトの胞子は樹木に寄生し、変質させ、森を特殊菌類生態系へと変え、寄生された樹は変質する。
更にピプトの胞子と神経毒の両方を撒き散らす。
ピプトが人に寄生した場合、寄生された人は死ぬ事もできずに人面疽が発生し、意識を奪われる。
神経毒にやられ寄生生物にのっとられた者は自分のペンダントをごみ箱付近の穴に投げ捨てた後、
ペンダントを狩り仲間を増やすため森を徘徊。
魔法障壁を強化すれば毒に犯されずにすむが、能力的には7割の力しか発揮できない。  
寄生被害者は精神的なリミッターを外されている。
寄生被害者に傷を負わされたものはその傷口から感染し、寄生被害者となる。
森の異変は盛り全体に広がりつつあるが、徐々に収束に向かっている。
実際に森に入るか高所から見下ろさない限り、森の腐海化に気づくことが出来ない。
異変が起こっているのは森の中だけである。

変化した森を焼き払おうとすると巨大な湿った胞子が大量発生。
延焼を防ぎ火を消した後、焼失した範囲以上に勢力を強める。
ごみ箱の設置してある地点も、菌類群と瘴気と神経毒に満ちた腐臭立ち込める腐海化。
地面も菌糸がびっしり、ぬかるんでいる。
寄生被害者を倒すとごみ箱付近で復活。即毒に犯され感染し寄生被害者化。永久機関と化している。
現在寄生被害者は10人単位で菌糸巨人に取り込まれている。
巨人は森の中におり、エンカウントすると襲ってくる。

(菌糸巨人について)
十数メートルの巨体。 胴体部分に感染者の顔が並んでおり、呪文を唱えている。
魔法反射魔方陣を展開。 抹茶色の濃厚麻痺毒ブレスを吐く。
ブレスもしくは直接触れられると強化障壁でも数回で感染麻痺。
取り込んでいる感染者がエネルギー源なので、むき出しの顔を全て潰せば動かぬ菌糸となる。
むき出しの顔には毒成分は含まれていない。
腐海の外までは追ってこれない。
ベアトリーチェから抗体を受け取ったマオ・ソフィア・キサラには攻撃しない。 なお、抗体の予備は学園内には無い。

(戦闘人形について)
中にはベアトリーチェによって戦闘人形化した生徒が混じっている。
通常のピプトではなくピプト改の人面疽が入り込んで身体を操っている。
限界まで能力を行使させるが、リミッターを超える事は無く、自決プログラムは無い。
更に腐海外での活動も可能にしている。

(湿原とベアトリーチェの毒庭園について)
森の奥に湿原地帯があり、その中央にベアトリーチェの毒庭園がある。
広さは庭園直径100M、外周の湿原地帯は半径300M。
薄紫の靄のかかったような湿原の毒濃度は、菌糸巨人のブレスより濃厚で凶悪。
ベアトリーチェから抗体を貰ったもの以外は強力な障壁を張らざるえないため戦力低下。
発動した攻撃魔法も毒素により威力が半減する。
さらに現在は、戦闘による後遺症で ※湿原全体が強力な腐食性の毒ガスに覆われている※ 
障壁、呪具、魔力、有象無象問わず冒し腐らせ、無に帰すガスで、通常の数倍。
(攻撃特化タイプは限界まで障壁を強化しても無駄、バランスタイプでも消耗してるともたない)
湿原には巨大ミミズが自在に這い回っている。

ベアトリーチェの毒庭園には毒の花々が咲き乱れており、ベアトリーチェの指示で湿原に巨大ミミズの橋がかかる。
茶室は庭園中央に位置していたが、既に破壊され残骸と化している。
庭園の地下 には、ベアトリーチェ所有の秘密の実験室が存在するらしいが、目撃したものはいない。

(ペンダント状況)
現在トップは「アリーと20人のゴースト組の43」 クレティアン組は「確保分合わせても28」
ただし、ベアトリーチェは100個以上集めている可能性がある。
他にも女子寮に罠を仕掛けた者がおり、ペンダントを大量に獲得しているもよう。


8 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:24:51 0
【学園についての説明】

※魔本【リバース】の中では鏡に映ったように全ての配置が左右反転しています。

・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔法学園が主な舞台です.。
 フィジル島は「魔海域」と呼ばれる、法則を無視した魔の海域の中にあります。
 (魔海域は、「法則を無視した潮流、乱気流」「突然の魔法無効旋風」
 「召喚生物強制送還地帯」などが特に有名です)
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。
・学園は全寮制、男女共学です。
・魔法学園の施設は西洋のお城のような外観をしています。
・女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。カフェテリア等一部の施設は男女共通です。
・女子寮内外には侵入者避けのトラップがあります。要注意。
・校舎には校庭があります。
・校舎の裏手には霧のかかった森があります。 森の奥深くには強力な魔物や貴重な生物が住んでいるという噂です。
・森の奥深くには庭園があり、近くにはかつて新魔法研究の為に使われていたらしい施設があります。
 施設の中には何に使うのか分からない装置が置いてあります。
・描写されていない施設等に関しては、整合性さえ保っていれば好きに設定投下してOKです。

(図書館およびDレベル階層について)
・学園地下には広大な図書館があります。管理人はオルビア・ターナー先生です。
・薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書館です。
・置いてある本は古今東西から集められたもので膨大です。
・なお、一般生徒立ち入り禁止区域であるDレベル以下の階層には危険な本が多く保管されています。
 地下にどれだけ広がっているのか不明の階層で、そこに在るのは全て魔本です。
 本から漏れ出たモンスター、怪異現象が巻き起こっている世界でもあります。

【学園生徒関連】
・女子寮には、生徒で結成された白百合騎士団という自警団がいます。
・男子寮では、 隠密魔法戦隊というグループが人知れず暗躍しています。
・三等過程合格者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入り可能となります。
 また、「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。
・寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。
・ただしカップルなど、当事者同士の間で合意があれば、特例として相部屋も認められます。
・生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます

【カリキュラムについて】
卒業までには幾つか試験があります。
最初の試験(卒業試験という名称)に合格すると、三等課程合格という事になります。(第一部参照)
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。
・なお、二等課程からは月一の割合で課題や指令が出されます。



9 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:25:09 0
(参考資料)
※一般生徒、教師用に発表された説明を基にしているため、事実と異なる部分があります
 真実を知りたい方は過去ログ参照。

【第一部】
念願の試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。

【第二部】
闇の魔法使いマリアベルによる、学園襲撃事件の顛末です。

幾つもの人格を持つマリアベルは、ある生徒に成りすまし学園内に侵入しました。
マリアベルの人格のうちの一人は、学園内に大量の悪魔を召喚し、混乱に乗じて建物を破壊し塔へと再構築させました。
襲撃の際殆どの生徒たちは転移ゲートから島の外へ避難しましたが、学園に残った生徒や教師もゼロではありませんでした。
彼らは協力し、悪魔やマリアベルに戦いを挑みました。
激戦の末、マリアベルは退けられ学園に平和が戻りました。

事件直後にはさまざまな憶測が流れていました。
マリアベルは何らかの儀式を学園で行おうとしたとも、何かを探していたとも囁かれていましたが、
何れも噂の域を出ることはありませんでした。
そうこうするうちに夏期休暇に突入したため、事件は徐々に人々の記憶から薄れつつあるようです。

【第三部】
魔法学園の日常編。
夏休み明けの始業式の朝。なぜか猫化した女子生徒を人間に戻すべく奔走した友達&巻き添えを食らった方々のお話。

この日に関する噂話一覧
・転入生がやってきた。 また、新しい非常勤の女医は美人。中庭に野人出現
・朝、食堂に悪臭が立ち込めた。その後100匹の猫が現れ、招き猫広場まで暴走後、解散。
・男子生徒が女子寮に侵入しトラブルになったが、実は寮生のリリアーナが、ロックを自室に招き入れたらしい。
 (しかもそのときリリアーナは服を着ていなかった)
・その後食堂でリリアーナとロックが口論。リリアーナとフリージアはロックが偽者だと糾弾。
・直後、ロックの死体が出現。すぐに人形だと判明したが、混乱に乗じて偽ロック(?)は逃走。
・リリアーナの視覚的に刺激的かつ衝撃的な告白(!)シーンが、食堂で大々的に上映される。           orz
・男子寮のロックの部屋に、謎の美少女出現。しかもトップレスだった。
・ずっと元気が無かったレイド先生が復活したらしい。

【第四部】
始業式の翌日、ロック・ウィルは無断欠席をしました。
お見舞いや成り行きでロックの部屋を訪ねた一同が見たのは、ロックではなく記憶をなくした見知らぬ少女でした。
残された手がかりは、部屋に残されたメッセージと、少女が持っている一本の杖だけです・・・・。
はたして少女の記憶は戻るのでしょうか? そして私達は、行方不明のロックを無事に見つけ出す事ができるのでしょうか?

(この日に起きた事件、および関連する噂話一覧)
・ロックが女の子を連れこんでいた。その日爆発騒ぎが起きたが、なぜか修理費はレイド先生持ち。
・食堂でキキにロックがバトルを仕掛けた。
・ロックに婚約者がいたと知ったリリアーナが、食堂にいたロックにシャンデリアを落とし、婚約者をひっぱたいた。
・シャンデリアを落とされたロックは実は偽者だった。金色の液体と化した偽者はキキが回収していった。
・森の奥で誰かが魔法実験を行ったらしい。森が破壊されたため、エース先生を始めとする学園関係者が様子を見に行った。
・人間時計のように規則正しい生活のアルナワーズが、この日の夕食にもお風呂にも来なかった。
・夜、食堂に食料泥棒が入ったらしい。
・ロックがかわいい女の子と二人、箒で空を飛んでいた。
・レイド先生に隠し子がいたらしい。また、吸血鬼がショタ化。
・キキが動く精巧なフィギュアを校内販売するらしい。
・夏なのにフード+手袋+マフラー姿の怪しい大男が校内をうろついていた。


10 名前:魔法少女[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 21:25:30 0


テンプレは以上です。





・・・・・・では、素敵な学園生活を!



11 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/31(月) 22:02:44 0
前スレ>253>255
> 「ら、らいじょうぶなのれすわ〜」
> エルザのすぐ側から、へろへろになったルズの声があがった。
> だが黒猫の姿は闇にすっかり溶けこみ、人間の目ではどこに居るのか見る事は出来ない。
例え人形の体を持つエルザであっても、その点は人間とさほど変わりはなかった。
> 「フリージア女王様、そのまま降りてくださって構わないのですわ〜わたくしのほうでちゃんと避けるのですわ〜」
「降りる?」
エルザは上を向いてびっくりした。
フリージアが氷の結晶に乗って、宙を浮いていたからだ。
「…全く、皆が皆どうしてこうも“早く言わない”のかしら?」
そう、シャニィが暖める魔法を使える事を教えるのも遅かった。
フリージアが、空を飛べる魔法を使える事を教えるのも遅かった。
そして何より、アルナワーズが、エルザが人形である事を教えるのも遅かった。

> 「エルザ様、わたくしのために飛び降りてくださってありがとうございます。とっても嬉しかったのですわ〜」
エルザはそう言われて、やっとルズが自分の傍らでこちらを見上げている事に気づいた。
エルザはルズの頭をなでながら言った。
「感謝する必要は無いと思うわ、黒猫さん。さっきも言ったけど、私はわがままな女なの。
 私は私がやりたい事をしただけ。体がまともに動くうちは、いつも自分のエゴで頭が一杯よ。」
> 「それにしても・・・・・・脱出できたのはいいのですが、エルザ様のお召し物が汚れてしまったのですわ〜。
>  早くお着替えしないと風邪をひいてしまわれるのですわ〜」
「あはっ…」
エルザは乾いた笑い声を上げた。人形の自分が風邪をひくわけがない。
確かに寒いが、所詮こんなものは魂の錯覚でしかないのだ。

> 「とはいえ、女子寮にお着替えを取りに行けるような雰囲気とも思えないのですわ〜・・・・・くしゅっ!!」
> ルズはくしゃみをすると、寒そうにぶるぶる震え始めた。
> 「どこかでエルザ様のお着替えを手に入れる必要がありますわ〜。皆様、心当たりなどございませんこと〜?」
エルザは、ルズが寒くないようにと、彼女の体を抱き上げて自分の懐に入れた。
こう言っては何だが、ルズは大変汚れているので、エルザの服はさらに汚れてしまった。
しかし、エルザはそんな事を気にしなかった。なぜなら、エルザは着替えがある場所を知っているからだ。
「…ねえ、フリージア。私アンジェリーナの部屋に行きたいけど…いいかな?」
そう、アンジェリーナの部屋なら、エルザは服を確保できるとふんだのだ。
アンジェリーナの部屋は校舎にある。本来は研究室なのだが、ちゃんと生活できるだけの用意はある。
そこなら、ルズを暖かいシャワーで洗ってあげる事もできるだろう。
それに、クローゼットを開ければ、きっとアンジェリーナが着る服があるにちがいない。
もっとも、アンジェリーナがメイド服以外の服を着たところを一度も見たことはないが…まあいいか。
「でも、あなたまで一緒に来る必要は無いと思うわ。だって、私は服を着替えるだけなんですもの。」
エルザはフリージアにそう言った。


12 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/31(月) 22:43:38 0
前スレ>254
屋上にて、暫く待っているとメラルが戻ってきた。
リバースの復活ルールにより傷は全く残っていないが、体力や魔力の回復率は2回目なので25%なのだろう。
随分と気だるい筈なのに、そのような素振りを見せぬメラルの精神力に心の中で拍手をしていた。
そんなメラルから問われるのは、ベアトリーチェの狙い。

戦術とは戦闘においてどのように戦うか、という事だ。
戦力が直接作用する。
しかし、戦術とは何時・何処で・誰と、戦うかという事だ。
戦力よりも情報が最重要要素となる。
相手の目的は戦略上最も重要な情報といえるだろう。

それを単刀直入に聞くところにメラルの消耗を感じ取ったアルナワーズは悦楽に頬を歪ませる。
「あらあら。【お願い】されちゃったら仕方がないわよねぇ・・・!
でも、あまり材料にはならないと思うし、メラルが予定を変更する必要もないと思うけどねぇん。」
【お願い】この一言は、一般に使われた時とアルナワーズに向けて言った時ではその重みはまるで違ってくる。
アルナワーズは気まぐれはあっても、基本的に目的に沿った行動しかしない。
親切心や友情に免じて、などということは行動原理なりえないのだから。
満面の笑みを浮かべメラルの問いに答え始める。

「彼女の、いいえ、彼女達の目的は誰かを倒すとか、特定個人をどうこうするというものではないのよ〜。」
彼女はベアトリーチェのことだが、【達】はアルナワーズでもある。
勿論私達と素直に言うような人間ではない。

認識の否定から入った後、唐突に話は変わる。
「ねえ、メラルは【愛】は存在すると思う?
人の愛情とか、想いとかって意外と簡単に変えられちゃうものなのよね。
しかも本人の自覚をさせぬままに。
薬とか、催眠とかで。
まあ、そんな術を専攻していると、ある時気付いちゃう事があるの。
大きな壁の存在に。
哲学的な意味合いじゃなく、実際問題として、ね。
その壁を越えられなかった彼女は・・・」
メラルの反応を味わうように見ながら言葉を続ける。
恐らくここまで話せば彼女達にアルナワーズ自身も入っている事は気付かれているだろう。
だがそれでも構わなかった。

「ベアトリーチェは弱い子なのね〜。
生の始まりは化学反応にしか過ぎず、精神は神経細胞の火花に過ぎず、人間存在はただの記憶情報の影に過ぎない。
そんな中で自分の想いは本物なのか、そもそも愛というものは存在するのか。
あまりに不安で自分ではチョコすら渡せないのに、レオ先生に近づく女を排除し続ける。
哀れで滑稽なベアトリーチェはこのリバースの中で愛の存在を観測しようとしているのよ。」
ベアトリーチェの目的を口にしたアルナワーズは肩を竦めて見せる。
取引材料にしようのない目的だからだ。
目的が誰かを倒す事ならばメラルがその手助けをするといえば取引材料になるだろう。
だが、目的がこうも抽象的では・・・

「彼女達がそれぞれどのように愛の存在を観測するのかは知らないわぉん。
でも、ベアトリーチェは【極限状態】を作り出すつもりのようね。
ほら、極限状態に追い込まれると人間本性が出るって言うじゃない?
それにベアトリーチェにはリバースでないと使えないような危険な術が多いみたいだし、ね。
メラルと同じように、思いっきり戦ってみたいってのも入っているみたいなのよぉん。
術の特性上、今頃準備に追われているんじゃないかしら〜?」
私に話せるのはここまで。と言わんばかりに話し終わりメラルを見つめる。
面白い玩具を見つめるような目で。
どのようにこの話を取引材料に仕立て、どのような反応を示すのか、を。

13 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/03/31(月) 22:54:19 0
このフィジル島の魔法学園。
様々な階級はあれど、それぞれの階級でトップクラスになるということは生易しい事ではない。
偶然や運などという要素の入る隙間などない。
個人の才能と弛まぬ修練のみがその域に立たせるのだ。
マオは性格的にエリート意識があり、お馬鹿な一面は否めない。
しかしそれでも二等課程トップクラスというのは伊達ではない。

ここは庭園地下に広がるベアトリーチェラボ。
ラボの中央に鎮座していた二機の培養槽が割れて壊れていた。
マオの落雷は地上の庵をケシ炭にするだけでなく、地下のラボにも被害を与えていたのだった。
片方の培養槽【空】であったが、もう片方の培養槽は割れ目から培養液が流れ出していた。
出来かけで外気に触れる事になったクローンベアトリーチェが体組織を崩壊させ浮いている。
そして今、地下には【誰もいない】・・・

前スレ>211>247>249
ベアトリーチェの庭園から去っていくミルクたち。
湿原は強力腐食毒ガスが立ち上り、紫の靄の壁となっている。
気流の関係だろうか、庭園内部には強力腐食毒ガスは流れ込んできていない。
庭園でただ一人石柱に背を預け動けぬベアトリーチェ・・・
いや、ただ一人ではない。

>「…無様ですね、ベアトリーチェさん」

いつの間にかキサラがベアトリーチェの前に歩み寄り声をかけた。
そして丁重な口調でペンダントを返し、首筋の人面疽を取るように迫る。
言葉は冷静にて冷酷。
初めて会った時のおどおどした表情など微塵も見られない。
まるで実際の冷気を伴うかの様な暗殺者の視線で見つめる。

その言葉と視線を受け・・・
「ぷっ!くくくく!あっはっはっは!
オメー馬鹿だろ。いや、馬鹿だ!
良く周りから脳みそ使ってないとか言われるだろ。」
エースによって与えられたダメージは表面上は見えないが、ベアトリーチェに致命の傷を負わせていた。
今ここで戦えば・・・いや、戦いになどなりはしない。
キサラは止めを刺すだけなのだから。
そのような状態にも拘らず、ベアトリーチェはキサラに向かって嘲笑う。
嘲笑交じりに更に続ける。
「あのさ、ノコノコこんな所来て、勝てると思ってんの?
なあ、やってみろよ。殺せるものなら殺してみろよ!」
大笑いしながらキサラを挑発するベアトリーチェ。
否、これは挑発ではない。
単なる事実の確認である。

事実、キサラが銃を抜こうとしても、その腕がなくなったかのように動かす事が出来なかったろう。
呪文を紡ごうにも喉が切り取られたように、そして最初から魔力などないかのように、紡げはしない。

キサラはミルクたちとの戦いによって記憶を取り戻し体の自由を奪い返した。
だが、それだけなのだ。
スピードや体力の強化は継続しているし、暗視能力も継続している。
そして当然、【腐海毒に抗体を持つ者に攻撃できない】という制限も継続しているのだ。
ベアトリーチェが笑ったのは、解呪いもせぬまま術者の前に現れたキサラの迂闊さを笑ったのだった。

14 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/03/31(月) 22:54:28 0
「よぉ、どうした。代わりにやってやろうか?」
キサラにかけられる声と共に、肩に感じる重み。
そしてキサラの左脇からぬっと出てくる白い脚が、石柱に張り付いているベアトリーチェの顔を踏み、そのまま石柱のシミに変えた。

「あはははは!どいつもこいつもたかが殺し合いに妙なこだわりなんか持ち込むからよぉ!」
狂気じみた絶叫にも似た笑いと共に現れたのはベアトリーチェだった。
背後からキサラの肩に腕を回し、クローンベアトリーチェの頭を踏み潰したのだ。
既にキサラは動く事すら出来ない。
ベアトリーチェの魔力に呼応し、張り付いた首筋から脊髄を介して運動神経を乗っ取ったのだから。


ベアトリーチェは感じていたのだ。
たとえソフィアと協力しても勝てない戦力が腐海を突っ切り庭園に向かってきている事を。
事実、マオ・ミルク・ヴァンエレン・エース・レイドがやってきた。
このメンバーを相手にすれば如何に地の利を生かしたといえども勝てはしない。
だから・・・負けることにした。
ベアトリーチェの目的は儀式を維持し続ける事。
その事に気付かせないように、相手が勝利に納得できるように。
全力で戦い、負けた。
ミルクにどちらが本体か聞くな、などといったが、正解はどちらもクローンだったのだ。
結果、ミルクたちは腐海を去り、更にはレイドのペンダントを手に入れることにも成功した。
クローン二体と茶室、そしてラボの培養槽二機。
もはやクローン作成が出来なくなったのは痛いが、この程度の損害であのメンバーを退けられたのだから十分な取引といえる。


「誰が無様だって?あ”〜〜!?
あたしとやりあいたけりゃせめて毛が生えてからにしやがれこのビチグソがぁ!
おい!犬のように這い蹲って口で拾え。」
完全に体の自由を奪ったベアトリーチェはキサラに命ずる。
既に肉塊となったクローンベアトリーチェの手に握らされているレイドのペンダントを犬のように拾え、と。
キサラの意思はどうであれ、屈辱に塗れた命令に身体は従う。
レイドのペンダントを受け取ると、首を鷲掴みにして前回と同じように毒を抽入して意識を奪っていく。
「その足の運び。足を怪我してんな。
安心しろよ。優しいお姉さまがお薬塗って治してやっからよ!念入りになあ!」
闇に落ち逝くキサラの意識に最後に響くであろうベアトリーチェの言葉だった。

生命活動が停止したクローンベアトリーチェは急速に崩れていく。
まるで腐食ガスに蝕まれたかのように。
そしてベアトリーチェはキサラを引きずり、地下のラボへと姿を消すのであった。

15 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/03/31(月) 23:46:35 0
>>13-14
>「ぷっ!くくくく!あっはっはっは!
オメー馬鹿だろ。いや、馬鹿だ!
良く周りから脳みそ使ってないとか言われるだろ。」
>「あのさ、ノコノコこんな所来て、勝てると思ってんの?
なあ、やってみろよ。殺せるものなら殺してみろよ!」
ベアトリーチェの強気な発言にもキサラは一切臆さない
腕を動かそうとしても―――動かない
魔力も断ち切られ―――反撃の術はない
…だが、それでも表情も一切変えることはなく、その体制を崩さない

…そして、キサラの肩にのしかかる重み
目の前にいるはずのベアトリーチェの声が―――背後から聞こえた
>「よぉ、どうした。代わりにやってやろうか?」
…それは幻聴でも何でもなく―――本当に、後ろに背後にもう一人、ベアトリーチェがいたのだった
だがそれにも僅かに驚きを見せることもなく、その背後に現れたベアトリーチェに視線を移すだけのキサラ―――
そこまで動くともう身体は動かず―――言葉を発することもできなくなった
ベアトリーチェの魔力が脊髄から運動神経を乗っ取ったのだ

>「誰が無様だって?あ”〜〜!?
あたしとやりあいたけりゃせめて毛が生えてからにしやがれこのビチグソがぁ!
おい!犬のように這い蹲って口で拾え。」
キサラの身体はすでに自分の意志では動かず―――ベアトリーチェの命令に従う
レイドのペンダントをベアトリーチェに渡すと、首を鷲掴みにされ、意識が消えていく―――
>「その足の運び。足を怪我してんな。
安心しろよ。優しいお姉さまがお薬塗って治してやっからよ!念入りになあ!」

キサラを引きずって地下のラボへ姿を消すベアトリーチェ―――
キサラの意識はすでにあらず、抵抗することもなく引きずられていく―――

16 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/04/01(火) 00:06:03 0
―――地下のベアトリーチェのラボ
キサラを引きずっていくベアトリーチェ

だが―――気付いたろうか?
そのベアトリーチェの後ろに、更にキサラの姿が映るのを―――
そう、ベアトリーチェのひきずるキサラと、ベアトリーチェの背後のキサラ―――キサラが(も)2人いるのだ
ただ違うのは、その背中に人面疽はなく、ベアトリーチェの支配下に置かれていないことだろう
振り向くベアトリーチェに、キサラは銃を抜いたまま声をかける
「……別に驚くことじゃないでしょう?
 …そっちだってクローン技術使ってますし」

なぜベアトリーチェに意識を奪われたはずのキサラがベアトリーチェの背後をとっているのか?
そのからくりは、キサラに配られたアイテムにあった

―――ダミーバルーン―――
使用者の魔力を送り込めば、その使用者そっくりの、いわばクローンができるというもの
…わかりにくければパー●ンのコピーロボットを思い浮かべるといい
魔力やその時の状態もそのままコピーするので、本物か偽物か見極めるのはほぼ不可能に近いが、攻撃能力はない…といったものだ

キサラはその配られたダミーバルーンを、男子寮からの移動中に使っていたのだ
そしてダミーキサラを腐海に向かわせ、自分は一旦地面に着地、その後持っていたナイフで自分の頸動脈を切断―――一度人面疽の影響をリセットしたのだ

「…人面疽をつけたまま挑んでも、また操られるのがオチ―――って、わかってましたから
 ……改造キサラ1号なんて、ナンセンスな名前つけられるのも嫌ですし」
銃をゆっくりと抜きながらキサラは言葉を続ける
改造キサラ1号という単語は、ベアトリーチェは1度も発していないのは内緒だ!
「……ダミーバルーンは残り4つ…どうも5個で1セットだったみたいです
 ………ここで僕のペンダントを返してもらえたら、戦闘は行いませんけど……どうします?」
キサラはダミーバルーンを見せずにベアトリーチェに問う
ダミーバルーンは本当に5個1セットであと4つあるのか?
それともこの話しているキサラもダミーなのか?
はたまたダミーは1個しかなく、単なるハッタリなのか…?

17 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/01(火) 11:32:20 0
前スレ>258
>「え〜とね・・・・・・」
>リリアーナに質問されてもそこまで反応せずにボトルの成分一覧表を見ているランド
どうやら彼は、何かに気を取られると他の事がおろそかになるようだ。
そうしている間にも、リリアーナのコップの中身はドンドン減っていく。

>「・・ごめん。え〜と・・・だれかと組んでたわけじゃないよ。
> ボク・・・あんまり友達いないからね・・・でも逃げ回っていればそこまでむずかしくないよ。」
>ランドが質問に答えたのはリリアーナがグラスの中身を全部減らしてからだった。
「・・・それにしても、この回復薬好きな味みたいだね。」
なくなったグラスを見て少し笑いランドが言うが・・・
リリアーナから反応はない・・・・・・ちょっと様子が変なのを感じとってランドが言う。
「えっと・・・リリアーナさん・・・どうかしたの?」
「うん、おいしーよー。だからもっとちょーらいちょーらい!ジュース、ジュース!ジュース!!!」
リリアーナはずいと身を乗り出すと、空のグラスを差し出した。完全に目が据わっている。

「私はねーもう散々らったわよー。
 キサカさんとミニアルが助けてくんなかったら、とてもじゃないけどやってらんなかったわー」
注いでくれないランドに焦れたのか、リリアーナはランドの手を取り自分のグラスに注がせようとする。

 今日メラルさんに呼び出し食らってるのよれ・・・・・・今夜ペンダント取りに一人で来いらって。
 きっと媚薬チョコのこととラルヴァのことで小一時間問い詰められるんらわ〜。
 チョコのことは本当に何にも知ららいし、ラルヴァにはただ雪山で死にかけてたのを助けてもらっただけらのに・・・・・・
 うわあああんランディどうしよー!私、メラルしゃんに殺されちゃうかも〜!!」
リリアーナはランドの肩を掴むなり、前後にがくがくがくがく盛大に揺さぶった。

だがそのうち酔いが回ったのか、ずるずるとランドにもたれかかって来る。
「ランディは知ってる〜?ロックはねー、エルザのことが大大だーい好きらんらってー!
そりゃエルザはいい子おー。すっごく可愛いし、優しいし、思いやりがあるし。ちょっとランディ聞いてるろ〜?!」
酔っ払いだけに話しに全く脈絡がない。 
リリアーナは再び空になったグラスを差し出してきた。完全に絡み酒だ。

「二人の間には特別な絆があってれ、誰にも入り込むらんて出来らいの。 
 ・・・・・・・・今はロックのことを嫌ってるけろ、エルザもきっとそのうち気づくと思う。
 そもそも私がブランエンしゃんに・・・・・・敵うわけ・・・らいのよねー」
リリアーナはぽろぽろと大粒の涙を流し始めた。
「どうしてかな・・・・・・どうして自分の気持ちだけは思うようにならないんらろ・・・
 好きな人には笑って欲しいと思ってるのに、素直に祝福してあげられないの。
 嫉妬したり、うらやんだりしたらダメだって分かってるろに・・・・・どうして私じゃだめらのかな・・・・・・」
リリアーナの手からグラスが滑り落ちた。
どうやら酔っ払って眠ってしまったようだ。

「何か暑・・・・・脱ぐ・・・・・・」
リリアーナは寝ぼけながら服のボタンを手で探り始めた。
放っておけばここで脱ぎ始めるかもしれない。


18 名前:シャニィ@人化 ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/01(火) 13:37:29 0
前スレ>243>250>253現行>11
自分の出した光玉に飛びつき損ねたルズ。
落下していく彼女にシャニィがびっくりしていると、エルザが飛び出していった。
>「シャニィさん!これに乗って追いかけますわよ!!」
「ん!」
とう、と氷の結晶に飛び乗って降りていく。

>「フリージア女王様、そのまま降りてくださって構わないのですわ〜わたくしのほうでちゃんと避けるのですわ〜」
「テぇいー!」
ばしゃん、と真っ先に飛び降りたシャニィは夜目が利く。
手早くびっこを引く黒猫を抱きかかえる。

「黒猫ゲットだにゃー!」
左手にルズを抱きかかえ、右手には光玉がまだ握られている。
おかげで周囲は少し明るく、暖かいが・・・。

>「…全く、皆が皆どうしてこうも“早く言わない”のかしら?」
「ごめンね・・・。」
耳の垂れるシャニィ。彼女いわく
シャニィは一般的に言う魔力制御が、【ド】が付くほど下手である為
自分がこうしたい、ああしたいと思った時にしかちゃんと魔法が発動できないのだという。

「ごめんね、聞かれるのを『待ってるだけじゃ、遅いよね・・・。』ちゃんと自分から話さないとねっ。」
とりあえずルズがびっこを引いている為、シャニィは足に支障を来たさないように
抱きかかえなおす。

>「…ねえ、フリージア。私アンジェリーナの部屋に行きたいけど…いいかな?」
「後応急セットが必要だヨ。ルズ、ちょっと怪我してるみたイ。」

19 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/04/01(火) 13:38:04 0
前スレ>248
>「はぁ…はぁ…何を…はぁ…勘違いしているんだ……はぁはぁ…僕がやられるわけ…ないだろ!!」
レイドを見つけてから遅れて現れたのはマオの姿だった。
無理に教師のスピードに合わせていたためか、かなり息は上がっていてしゃべるのも辛そうである。
彼女の姿をみて、自分の考えがただの勘違いだとわかるのにそう長い時間はいらなかった。
きっとエースやミルクも無事なのだろう、そして二人はさきに森を出てレイドとマオは自分を探してきてくれたのだと悟る。
「よくぞ…よくぞ生きておられました!
 さすがはエリートといったところだな」
>「ほ、ほらヴァンエレン……お前のペンダントと本…それと帽子だ…僕に感謝しろよ。
> 全くお前は本当に僕がいないとダメだな……はぁはぁ…ところでちょっと馬に変化してくれないか?
> レイド先生の動きについていこうと走り回ったから体力の限界だ…お前の背中で休ませてくれ……」
追っているレイドを見失ってしまったら一人でヴァンを探すことや森を出ることは非常に困難になる。
一歩間違えれば危険な状況に陥ってしまうというにも関わらずペンダントと本を渡すためにレイドを追いかけてきたマオ。
レイドも少し驚いているようにも見えるが、だいたいはあきれていることだろう。
>「わざわざ主人の所持品を届ける為にここまで来るとは、健気なペットですこと。」
マオがペンダンントをヴァンの首にかけたところで必死で駆けつけてきたことにより、疲れがピークに達して倒れそうになる。
そこを顔が地面につく前にあわてて抱えるヴァンは感謝の思いと感動であふれんばかりの涙を流している。
「無茶しおって…目から汗が出てきたではないか!」

前スレ>259
>「ベアトリーチェにはキッチリ決着をつけてきたよ。
>腐海は明日の昼前に自壊するらしい。
>それと同時にピプトやら神経毒も消えて、感染者は無事解放だとさ。
>腐食ガスについては俺も詳しく知らん。
>ミルクがベアトリーチェから聴いたらしい。
>……こんなもんで良いか?あまり時間が無い。
>俺としてはさっさとこんな森とはおさらばしたいんだけど。
>腐食ガスで溶けて死ぬのは勘弁だからな。」
「そうか、苦労をかけてしまってすまないな」
ヴァンが去った後ベアトリーチェと討伐隊の両者の間で戦闘があったことは確実だが、ここは細かいことについては言及しない。
皆が無事だっただけでよい。
「もう時間がないのだったな?
 マオは馬がご希望だったようだが、それだと二人乗せられない。
 ここは私の奥義を見せるとき!
 皆の者、力を見せよ!」
主のヴァンエレンの号令のもと、マントからでてきた使い魔はヴァンに一斉に張り付くと巨大な魔法陣が展開された。
詠唱が終わると徐々に変化していくヴァンはレイドとマオを巻き込んで巨大化していき、ついには茶色のもっふもふの巨大猫へ変化した。
『にゃああああぁぁぁぁぁぉぉん!』
森に猫の鳴き声が木霊した。
『このまま森を突っ切るにゃ』
レイドの目線は森の木の上でそこから見える景色は学園を捉えていた。
巨大猫はふわりと軽い足取りで進路を遮る木々を薙ぎ倒して学園の校舎を目指していく。


※奥義「超絶変化」
使い魔たちの力を借りて通常の変化よりも大きな生き物に変化できる。
ただし魔力が増すようなことはなく、あくまでヴァンレンの魔力が基本となる。
当然のことながら使用中は使い魔は使えない。

20 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持1投下3】] 投稿日:2008/04/01(火) 14:37:43 O
エース先生の作った竜巻の中は揺れが酷いわけでもなく、なかなか快適だった。
欠点は風が渦巻いているからか視界がやたらと悪いこと。
森を上から眺めるどころか、竜巻の中に誰が乗ってるかもまるでわかりゃしない。
ヴァンエレンを空から探さずに、レイド先生やマオに任せたのは大正解だったみたいだ。

しばらくすると竜巻の威力が弱まってきたらしく、外の様子が見えるようになってきた。
竜巻はもう魔の森を越えたようで、女子寮や男子寮、それに校舎がどんどん近づいてくる。
「エース先生!送ってくれてありがとう!
あたしは悪いけどここで途中下車するね!」
あんまり校舎に近づいて変な奴に狙われてもイヤだ。
いるのかいないのかもわからないエース先生にお礼を言ってから、タイミングを見計らって外に飛び降りた。
風にあおられて水たまりにダイブしそうになったけど、なんとか着地には成功。
外は相変わらずの雨で、夜に入ったからか少し肌寒くなってきている。
このままじゃ風邪を引きそうだから、さっさと校舎なり寮なりに入った方がいいだろう。
いくら服が水を弾いてくれても、中に全然水が入ってこない訳じゃないのだ。
まったく学園長もわざわざゲーム中に雨なんか降らさなくてももいいのに!

近くにあるのは校舎だけど、それでもちょっとは歩かないといけない。
時間があるうちにユリに新情報を伝えておこう。
あたしは遠話の水晶を取り出して、歩きながら交信を始めた。
「もしもーし。ユリ。ベアトリーチェから話を聞いてきたわよ」
>「ミルクってばやるじゃん。でもなんであれはしなかったの?
>ほら、情報を聞き終わった後で『お礼をやろう』とか言いながら相手を殺しちゃうやつ」
ユリの奴、腐海で何があったのか見てたのか。
「あんたね、あたしを鬼畜かなんかだと思ってない?
それから、知ってたんならベアトリーチェのクローンとか教えておきなさいよ」
>「場所によってはジャミングが入るから、クローンがあるなんて知らなかったんだってば。
>それに知っててもペンダント関係のことはミルクにも教えられないよ!中立ジャーナリストとして!」
ジャーナリスト言うならガセネタばかり仕入れてくるな。

「…ベアトリーチェを殺しても、ペンダントをゴミ箱に入れなきゃすぐ復活してくるでしょ。
どうせペンダントは隠してあるだろうし、あの状況じゃ探す時間も余裕も無かった。
欲しい情報は素直にしゃべってくれたし、わざわざ敵を増やすこともないよ」
>「でも後で後悔するかもよ?あの時殺しておけばよかった!って」
「あたしは校舎方面であいつは森の奥。
結構離れてるし、ベアトリーチェが何してもあたしに影響がなきゃ問題なし。
それにもし今度戦うことになったら、殺さなかった事を後悔するのはあいつの方だ。
二度とゲームに参加できないよう神の奇跡で念入りに地獄送りにしてやる」
いつも首に掛けている、孤児院の院長から贈られた聖印を軽く握る。
修道服の下に隠してるから他人にはわからないだろうけど、あたしにとってはいろんな意味で大切なものだ。
>「神の奇跡って、ミルクはコスプレシスターなのに大丈夫なの?」
「あたしが本気で戦ったらベアトリーチェには絶対勝つ自信がある。
もちろんこのゲームのルール内限定の話だけどね。
まあ、大金積んで命乞いでもしたら許してやってもいいけど。
普段なら毒殺されたらそれで終わりでも、今は死んでも生き返る特別ルール中。
ペンダントをレイド先生に預けてる以上、あたしの優位は動かない。」

>「うわっ!ひど!やっぱりミルクって鬼畜だーっ!」
「そんなことよりベアトリーチェからの新情報の内容をよく考えたいよ。
ペンダントじゃなくて、近くにある安全で食事と休憩のできる場所情報をよろしく」
雨の中、休み場を求めてあたしは寮よりも近い校舎に向かった。

21 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持1(自)] 投稿日:2008/04/01(火) 18:40:23 0
前スレ>>252
 来い、と指差したキサカに、グレイブは溜息を吐いてみせる。
「"現れよ氷の槍、天井に"……ペンダント全賭けの方が面白そうなんだがな。まあいい。最上級だな?
 その前に言っておこう…俺の最大魔法は全魔力の半分は使う。…が、今残っている魔力は…」
 言いつつ、手に精製した氷の槍を回した。
 差し出された切っ先が光る。
「…この手の槍がもう1つか作れるくらいだ。
 ……いやなに、だからと言ってハンデをくれって訳じゃない…自業自得、だからな。
 要はこの残り僅かの魔力で貴様に勝つという事だ…。」
 つまり全力を以って向かってくる、と解釈していいのだろうか。
 ……有り難いね。
 それにしても寒いなチクショウ、とキサカが投げ捨てた上着を着直すと、
 グレイブが持ち直した槍の石突が床に当たり、音が鳴る。
「そういえば……この地面、妙じゃないか?さっき俺が放った魔力体のような光を放っている…」
 突いた点から現れるのは青の波紋だ。水が延びるように、光が床を広がる。
「遅い…既に出来上がっているのだからな……"凍らせよ"!」
 遅い? と疑問に思えば、グレイブの足元が凍結を開始。
 床の上を氷が這って来る。
 またか、と思うが、地味に強力だと理解できる。
「連鎖ってやつだな。さて…お前のようなキツネ野郎には避けれないだろうな?」
「連鎖ってやつだね。さてどうやって避けよう……なんて言うと思ったか愚か者」
 微笑するグレイブを尻目に、キサカは右足で強いターンを一つ。
 身体と視界が横に一回転するのに合わせ、扇状の衝撃波をぶち撒けた。
 破音。
 余波。
 光塵。
 展開した魔力を基礎に氷を広げているのだから、吹き飛ばしても時間稼ぎにしかならないが、
 ――それで充分。
「とりあえず目的は達した。手抜きとはいえ全力も拝めた事だし」
 継続引用を解除。く、と張っていた喉が緩んで痛みが来るが、
 ……まだ行ける。
「こっちが痛い目に会わない内に逃げるとしよう。
 “オレは「正しい」と思ったからやったんだ。後悔はない……
  こんな世界とはいえ、オレは自分の「信じられる道」を歩いていたい”」
 踵に体重を乗せて裏拳を一発。
 背後には壁。否、扉がある。
 拳が扉に当たる。
 手に反動が来ると同時、金属を擦るような音が落ちる。
 音源は扉に生えたジッパーだ。拳の当たった所から真下に一筋、金具に縁取られた穴がある。
 細長い縦の楕円。
 体が傾くまま、穴に身を押し込む。立っていた場所に氷柱が落ちたが構いやしない。
 氷が迫ってくるのを視界に留めながら、キサカは右手を強く振る。
「いいものをやろう」
 言うと同時にキサカの右手から鎖状の物が離れ、ジッパーが閉まって消えた。
 アッパー軌道で、グレイブの顔面へとペンダントが飛ぶ。


 誰もいない廊下をキサカは走り、足音の反響が追随する。
 何かに追われる錯覚は怖いが、暗がりを駆け抜けるのは面白い。
 何より無意味にテンションが上がっているから、こうでもしないと笑い出しそうだ。
 モブのペンダント一つなど惜しくはない。どうせポイント稼ぎは他の奴らが群を抜いている。
 ……そういえばこれからどうしよう。
 闇に慣れた目を瞬かせ、陰を眺めて影へ跳ぶ。
 時間稼ぎは充分やった。
 魔力も無駄に使わせた。
 勝負という筋も通した。
 ……これ以上何を望む?
「嗚呼、なんて無様――!」
 一歩、また一歩、と、キサカは床を蹴り飛ばす。

22 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/01(火) 21:56:51 0
>253 >11 >18 
フリージングドールの頭に着地した青いサラマンダーだったが、冷たすぎたのかつるんと地面に落下してしまった。
ルズの近くに落ちたサラマンダーは、完全にドロに沈む前に伸びてきた腕が救い上げる。
>「黒猫ゲットだにゃー!」
「ち〜♥」
「残念!それは私のおいなr「ち〜!ちー!!ち〜ぃぃぃぃ・・・・・・(怒)!!!!」
ルズの暴言をかき消すかのように、サラマンダーが抗議するかのように声を張り上げた。
だがすぐにふにゃあとのびてしまう。
そう、シャニィが左手に抱きかかえたのは、雨で火が消されしょぼくれているサラマンダーだった。

>エルザは、ルズが寒くないようにと、彼女の体を抱き上げて自分の懐に入れた。
「だめなのですわ〜。服が汚れてしまうのですわ〜!!」
ルズはじたばた暴れたが、力で敵うわけも無くエルザの懐の中に収まってしまう。
(ぱ・・・ぱふぱふですわ〜!ぱふぱふなのですわ〜!!)
ルズは足が痛いのも忘れて滂沱の涙を流していた。

>「…ねえ、フリージア。私アンジェリーナの部屋に行きたいけど…いいかな?」
「もしかしてそれはアンジェリーナ先生のお召し物ですのっ?!
 ではメイドですわね?!メイド服なのですわね〜〜っ??!」
月刊白百合の美女チェックを舐めてはいけない。
「はあぁぁああん・・・エルザ様のメイド姿・・・萌えですわ〜!萌え萌えなのですわ〜!!
 そしてフリージア女王様やシャニィ様もメイド姿にっ・・・・・・・!」
ルズは前足を両頬に添えると、素敵なメイド三人衆を妄想しうっとりした。
>「後応急セットが必要だヨ。ルズ、ちょっと怪我してるみたイ。」
一人浮かれていたルズだったが、その言葉にしょんぼりと項垂れた。
「お手間を取らせて本当に申し訳ないのですわ〜」

>「でも、あなたまで一緒に来る必要は無いと思うわ。だって、私は服を着替えるだけなんですもの。」
「ええ〜!!そんなぁ・・・・・・」
フリージアのメイド姿が拝めない事に気づいたルズはショックを受けた。
「でも・・・・・・そうですわね、これだけ広大な水と氷のトラップを仕掛けたのは只者ではございませんわー。
 そもそも、なぜあんなところに猫がうじゃうじゃ居たのかわからないのですわー。
 お陰で『わたくし達の艶姿☆猫になって女王様のハートをがっちりキャッチ』作戦が不発に終わってしまったのですわ〜」
 氷結のフリージアの二つ名を持つ女王様が、気にならない筈がないのですわ〜。
 いくら女王様のメイド姿が見たいからといって、無理を申してはいけないのですわ・・・・・・」
ルズがよよよと泣き崩れた。


「もし女王様が別行動を取られるのでしたら、わたくしのサラマンダーをお連れ下さいませ〜。
 それはわたくしの分身ともいえる存在ですわ〜。サラマンダーを介してエルザ様と連絡を取る事が出来ますわ〜」
 火が消えると弱ってしまうので、雨の当たらない場所においてやってくださいませ〜」
ルズはシャニィを促し、フリージアにサラマンダーを渡すようお願いした。


23 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/04/01(火) 22:32:24 0
>16
背後からキサラに銃を突きつけられていながら、ベアトリーチェは動きを止めなかった。
乱暴にクローンキサラを処置台の上に載せ、ようやく振り向く。
「ここがどこだかわかってないようだな。終わったぞテメー。」
ベアトリーチェは椅子に座り、手すりの部分に魔力を込める。

ここはベアトリーチェラボ。
実験室なのだ。
しかも化学物質、細菌などを扱う・・・
空気感染を防ぐため、当然のように気密設備であり、対爆を含む結界が敷かれている。
この密閉空間でベアトリーチェと戦う事の意味をキサラはすぐに知るだろう。

室内に響く地鳴り。
キサラは知る由もないが、地上である庭園と地下のラボを結ぶ通路が閉められたことを意味する。
これはすなわち、強力腐食毒ガスの進入を阻止していた気流の喪失と同義なのだ。
庭園は強力腐食毒ガスに覆われた。

更にラボではそこかしらから【シューーー】という噴出音が鳴り続ける。
キサラをじっと見つめるベアトリーチェはニヤニヤしながら言葉を続ける。
「見たところ体力も魔力も半分程度。人面疽取るために一度死んでんだろ。
つまりは、元通り、耐性はあっても抗体はないってこった。
今吹き出てる神経ガスはそうだな、5分もすればお前の耐性を超える濃度に達する。
が、あたしゃそれ程気が長くないからね・・・!」
言葉と共にベアトリーチェの足元からカサカサと青い蜘蛛が這い出てくる。

そして残酷に宣言する。
この蜘蛛を殺して体液を啜れ、と。
ダミーバルーンは攻撃力がないので蜘蛛を殺す事は出来ない。
本体かどうか手っ取り早い判別法なのだ。
当然蜘蛛を殺し、体液を啜れば意識は完全に奪われるだろう。

「どうした?蜘蛛じゃなくて私を殺してもいいぞ?
だがそれをやればお前のペンダントはゴミ箱行きだ。」
キサラのペンダントはベアトリーチェのミミズが体内に取り込み地中を這っている。
もしもキサラがベアトリーチェに危害を加えるのなら即座にペンダントをゴミ箱に捨てるのだ。
「ペンダント取り返したいのであれば、よっぽどの阿呆じゃない限りお前はダミーだ。
私を挑発して、ミミズにペンダントを捨てさせようとする。そこが狙い目だからな。
だが・・・この広い腐海に点在するゴミ箱は四箇所。
魔法反射障壁をはる菌糸巨人が二体ずつ守ってる。
で、囮のミミズが一箇所に付き10以上。
魔法抜きで阻止てきるか?随分と分の悪い賭けだよなあ。」
目の前のキサラが本体だろうがクローンだろうがどうでもよかった。
多少の怪我ならともかく、体力魔力共に50%になったキサラを今更手駒にしようとは思っていないからだ。

目の前のキサラが本物であれば、助かる道は唯一つ。
蜘蛛を殺し、体液を啜り意識を奪われる事。
ラボのどこかに隠れていても同様だ。
五分もすれば麻痺毒の濃度が上がり倒れる。
結界を破れば施設の特性上すぐにわかる。

もしラボにいないのであれば、キサラは無駄足を踏むだけだ。
庭園にいれば腐り溶け死ぬ。
ゴミ箱を這っていても、ベアトリーチェの身に何も起こらなければミミズは地上に出ることはないのだから。
「さあ、10秒待つ。10秒経ったら私がテメーを仕留めに立つからよ。
戦うなり仕留められるなり好きにしろよ。私は結構弱いぞ?」
八方塞りにして、いやらしく笑いながら宣告する。

24 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/01(火) 23:12:46 0
>>17
>「うん、おいしーよー。だからもっとちょーらいちょーらい!ジュース、ジュース!ジュース!!!」
「あ、あの〜・・・リリアーナさん?・・・えっと大丈夫?」
ランドが驚いて手に持っているボトルの成分表にもう一度視線を移してみると
そこには微量なアルコールが入っていると書かれている・・・
普通に飲む分では酔うはずもなく特に無害なのだが・・・
どうやらリリアーナはアルコールに凄まじく弱いようだ・・・

「リ、リリアーナさん・・・もうあんまり飲まないほうが・・・」
>「私はねーもう散々らったわよー。キサカさんとミニアルが助けてくんなかったら、とてもじゃないけどやってらんなかったわー」
ランドの方に身を乗り出し空のボトルを差し出すリリアーナに、
これ以上この回復薬を飲まさせたらまずいと思いランドが止める。
だがそんなことはまるっきり聞いてないかのようにいきなり愚痴をこぼしながら
ボトルを持っているランドの手を掴んでグラスに注がせる。
「こ、これ以上飲んだらだめだよぉ・・・落ち着いてリリアーナさん。」

>「今日メラルさんに呼び出し食らってるのよれ・・・・・・今夜ペンダント取りに一人で来いらって。
>きっと媚薬チョコのこととラルヴァのことで小一時間問い詰められるんらわ〜。
>チョコのことは本当に何にも知ららいし、ラルヴァにはただ雪山で死にかけてたのを助けてもらっただけらのに・・・・・・
>うわあああんランディどうしよー!私、メラルしゃんに殺されちゃうかも〜!!」
>リリアーナはランドの肩を掴むなり、前後にがくがくがくがく盛大に揺さぶった。
完全に会話にならない状態にどうしていいか分からずにあたふたしているランド・・・
「媚薬チョコ・・・雪山?・・・ラルヴァ?メラル?・・・ええっと・・・うぅ・・・」
なんとか会話を内容を自分なりに整理しようともしたランドだったがさっぱり分からない。
そもそも話の中にメラル、キサカ、ラルヴァ、と知らない人間がすでに三人も出てきている時点で答えようがない。
しかもリリアーナもアルコールが入ったせいで抱えていた悩みが爆発したのか
最終的にメラルに殺されてしまうと叫んでランドの肩を掴み強く前後に揺さぶられる・・・
「・・・だ、大丈夫だから・・・あうあう・・・落ち着いて・・・大丈夫だよ。」



25 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/01(火) 23:13:32 0
その後しばらくリリアーナに酔いが回るまでランドは揺さぶられ続けた。
「うぅ・・・・・・気持ち悪い・・・ボクも違う意味で酔ったみたい・・・」
揺さぶられてぐったりしているランドに今度はリリアーナがもたれかかってくる・・・
>「ランディは知ってる〜?ロックはねー、エルザのことが大大だーい好きらんらってー!
>そりゃエルザはいい子おー。すっごく可愛いし、優しいし、思いやりがあるし。ちょっとランディ聞いてるろ〜?!」
免疫がないランドは異性に体が触れているということだけで混乱しているのにそこに更に意味不明なことを言ってくるリリアーナ。
しかもさっきと登場人物が全部違うところからしてさっきの話とは全く関係ないようだ。
ランドの心は今死刑執行前の死刑囚の無心の境地に達しているといっても過言じゃない。
思考停止状態のランドは無表情で無言のまま差し出されたグラスにまた回復薬を注ぐことしかできなかった。

>「二人の間には特別な絆があってれ、誰にも入り込むらんて出来らいの。 
>・・・・・・・・今はロックのことを嫌ってるけろ、エルザもきっとそのうち気づくと思う。
>そもそも私がブランエンしゃんに・・・・・・敵うわけ・・・らいのよねー」
そして涙を流し始め辛そうにしているリリアーナ・・・
ランドはそんなリリアーナを見て何もいえない。
>「どうしてかな・・・・・・どうして自分の気持ちだけは思うようにならないんらろ・・・
>好きな人には笑って欲しいと思ってるのに、素直に祝福してあげられないの。
>嫉妬したり、うらやんだりしたらダメだって分かってるろに・・・・・どうして私じゃだめらのかな・・・・・・」
「・・・だめじゃないよ。大丈夫・・・だめなんかじゃない・・・」
ランドは拙いが自分なりに励まそうとリリアーナに答える。
それが聞こえたか聞こえなかったかは分からないがリリアーナはそのまま眠ってしまう。

ランドがリリアーナをベッドに運ぼうか考えていると
リリアーナが暑いと言って服のボタンを探りはじめる。
「だ、ダメだよ女の子なのにそんなことしたら!」
ランドはとりあえずベッドにリリアーナを寝かせて毛布をかける。
「何か涼しくなるものないかな・・・」
部屋を探しまわっているとタオルを一枚見つける。ランドはタオルを手に取ると、
何かひらめいたように机に置いてあったミネラルウォーターをかけて湿らし、
それをたたみリリアーナの首に軽く巻く。

「頚動脈を冷やすと体温が下がるって聞いたことあるからやってみたけど・・・どう?」



26 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 01:00:37 0
>21
>「連鎖ってやつだね。さてどうやって避けよう……なんて言うと思ったか愚か者」
「思う筈が無いな…」
>キサカは右足で強いターンを一つ。
>身体と視界が横に一回転するのに合わせ、扇状の衝撃波をぶち撒けた。
生成された氷が派手な音を立てて砕かれる!
「!衝撃波か……!だが、そんな事では凍結は止まらない…!」
グレイブの言うとおり、地面の氷結は進み続ける。

しかし、キサカは余裕があるように見える。
>「とりあえず目的は達した。手抜きとはいえ全力も拝めた事だし」
>「こっちが痛い目に会わない内に逃げるとしよう。
> “オレは「正しい」と思ったからやったんだ。後悔はない……
>  こんな世界とはいえ、オレは自分の「信じられる道」を歩いていたい”」
> 踵に体重を乗せて裏拳を一発。
ガン、と音と共に金属が擦れるような音も聞こえる。
【…じ、ジッパー?】
そう、俗に言うチャック、ジッパーが扉に付けられていた。
「んな……魔法とはいえアリか?」
アリなんです。
キサカは背中から扉に開いたジッパーの中に体を入れる。
ガシャン、と氷同士がぶつかって砕ける。

…してやられた。
その言葉がグレイブの頭に響く。
【おい!B!攻撃しろー!】
「……無理だ…」
御存知の通りグレイブには魔力は残っていない。
追撃をしようにも出来ないのである。
キサカはジッパーに入りながら、
>「いいものをやろう」
と、まるでご褒美だと言わんばかりに何かを顔面に投げる。
反射的に受け取り、ゆっくりと確認するグレイブ。
「……ペンダントか。」
グレイブはペンダントが飛んできた方向を再び見た。
ジッパーは消えていた。


「くっそ…後味が悪いというか、屈辱だ……」
【まあまあ、気持ちは分かるよ…】
【ま、1個増えたんだしよくねー?】
「よくねー?じゃない…!」
キサカが去った後、お馴染みの会議を始めた3人。
なに?寧ろ単なるお喋りになっている?目を瞑ってください。
【でさ、もうお腹がペコペコだし、食堂行く?あ、でもリリアーナさんに謝らなきゃ…】
「……その前にまずR、交代しろ。今襲われたら相当の雑魚か馬鹿にしか勝てん…」
【オッケーだ!】

27 名前:グレイル ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 01:02:01 0
「じゃ、何処行くよ?」
背伸びをしながらグレイルが問う。
【……仕方が無い、リリアーナを探すか…ずぶ濡れにしたことに対する謝罪もしないといけないからな】
「よっしゃ、じゃー行くぜ!」
【うん、行こっか!…って、何で走り出してるんだよ!?】
「モチのロンでアレだー!」
ダダダダダダダ…ダンッ!
扉に向き、加速をつけ、跳ぶ。
「まだまだ行くぜー!対もの用!ドロップ・キィーック!!」

 ド ゴ ァ ッ !!

猛烈な勢いで扉を蹴破った!扉は留め金から外れて倒れる。
グレイルはそのまま外に出る。
「あひゃひゃひゃひゃ!そーかいそーかい!」
【またやったよ!弁償しなきゃいけないんだよ!?】
【…此処がリバースで良かったな……】
グレイブが諦めの表情をして溜息をつく。
「じゃ、探すか!すぅぅぅ―――……」
息を大きく吸う。
「… お お ぉ ー い !! 貧 乳 の リ リ ア ー ナ ァ ァ ァ ー !!!
 居 た ら 返 事 し ろ ぉ ぉ ー !!!」
【馬鹿みたいに大きな声を出すな!!】

28 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/02(水) 10:48:30 O
>>27
校舎には、茂みでペンダントを拾った以外特に何もなく無事に到着した。
服はメギドである程度乾かしたので多分風邪も引かないだろう。
「えーっと、左右逆転だから食堂はこっちと…」
ユリが言うには食べるなら食堂、休むならラブスポットが一番だとか。
そんなわけであたしは校舎内を食堂目指して歩いていた。
とりあえずお腹が空いたのをなんとかしないと寝ても寝られない。
変な所までリアルで困るなこのゲームは…

>「… お お ぉ ー い !! 貧 乳 の リ リ ア ー ナ ァ ァ ァ ー !!!
> 居 た ら 返 事 し ろ ぉ ぉ ー !!!」
近くから聞いたことのある声が聞こえてきた。
あのバカみたいな大声は…人狼のグレイルだな、間違いない。
急いで声のする方に行ってみれば、壊れた扉の前にグレイルが立っていた。
髪と瞳の色は、最初に出会ったときと同じ赤。
「またあったわね、グレイル。それともグレイブかグレイズの方?
まあ誰でもいいわ。リリアーナを探してるみたいだけど、何か用があるの?」
森で別れる時にグレイブはペンダントを二つ取ってくると言っていた。
順当に考えれば、探している相手のペンダントを手に入れたいんだろう。
「言っておくけど、あたしはリリアーナに借りがある。
だからリリアーナのペンダントが欲しけりゃ、まずあたしを倒していきな。
それから確か森では、次会うときは敵同士とも言ってたわね…
あれってマオにだけ言ってたの?
それともあたしやレイド先生にも?」
廊下はあまり広くないから魔法の範囲指定も楽だ。
あたしの魔法で一番大事なのは集中力。
しっかり集中出来てるなら詠唱無しでも攻撃できる。
こっちを倒そうと呪文の詠唱でもしやがったら即丸焼きの刑だ。
廊下一杯の攻撃範囲に集中しながら、グレイルの返事を待つ。

29 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 11:10:27 0
今現在の私は森の上、沼地の上。
つまりは東洋的な龍の式神に乗って旋回中。
なぜ素直に逃げないのか?理由はちょっとした考え事。
さっきまでの会話と気持ちの整理をしたいから。

「近くあなたは私と出会う。その時知る事になる・・・全ては公式の中の事だったのだと。」
ベアトリーチェくんのかけたこの言葉に、思わずハッとさせられる。
いけないね彼女に主導権を握られっぱなしじゃないか。
敵わないな、彼女には。頭の良い人には。
しかし、イライラしたのは、今でもイライラしてるのはなぜだろう?
う〜ん………あれかな?うん。きっとあれだ。
優男のこれだ。
「確かにそうだな。気付かせてくれて礼を言うよ凡骨君。」
これが礼を言う態度なのか?こっちは親切で言ったのに。
あんな人間のクズの残りカスみたいのにはなるまいと心に刻もう。
人間、礼儀と親切が肝要なんだ。きっと、そう。

この会話から得られた情報といえば『私が接していたベアトリーチェくんはニセモノらしい』だけだ。
理由?何となく。………ゴメン、うそ。拙い頭で考えた結果。
自分で自分を他人のように言うだろうか?痛みを気にしないで話し続ける人がいるだろうか?
答えは………言うまでもないね。
そうすると、今までに得た彼女の情報、思考からこういった結論になる。と。

出会う?なら出会わせてもらおうじゃないか。
多分この世界で地獄に一番近い所でね。
さっきは期待外れもいいとこだったけど、君はそんなじゃないんだろう?
さあ、早く来い!早く早く早くはやくはやくはやく!!

っと、落ち着こう、落ち着こう。待ってれば何かあるさ。
そういう人だ。そういう所だ。

30 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 12:20:06 0
>25
>「だ、ダメだよ女の子なのにそんなことしたら!」
ランドはリリアーナのために、ミネラルウォーターをかけて湿らしたタオルを首に巻いてくれた。

>「頚動脈を冷やすと体温が下がるって聞いたことあるからやってみたけど・・・どう?」
「んー・・・・・・?んー。気持ちいい・・・・・・」
リリアーナは赤い顔のまま、ふうと満足そうなため息をついた。
だが、ランドが掛けてくれた毛布の下で、リリアーナの手がもこもこ動いているようだ。

>27
>「… お お ぉ ー い !! 貧 乳 の リ リ ア ー ナ ァ ァ ァ ー !!!
> 居 た ら 返 事 し ろ ぉ ぉ ー !!!」

ぐったりしていたリリアーナの眼がかっと見開かれる。
リリアーナはがばっと起き上がった。
「だーれーがー二次元並みれ肉眼れ確認れきないミニマム貧乳れすってええぇぇぇぇええっ!」
これまた先程の声に負けないほどの大きな声で怒鳴った。
起き上がった彼女の上着のボタンは、いつの間にか全て外れていた。
「おっぱいには最強、最弱の概念なろ無いろよおお〜!!・・・・・・むにゃむにゃ・・・・・・」
叫んで気が済んだのか、リリアーナはぽすんとベッドに倒れこんだ。
どうも熟睡しているというよりは、浅い眠りでうとうとしているようだ。

ただしここは特異点。
グレイルの声がたった今発せられたものかも、リリアーナの声が今すぐ外に届いているのかどうかも定かではない。、

「んー・・・んー・・・
「でも・・・・・やっぱり暑い・・・・・服・・・・・・しわになっちゃう・・・・・・」
しばらくおとなしかったリリアーナの足元がもこもこ動き始めた。
毛布のしたから、ころんとリリアーナの靴が転がり落ちる。
「んー・・・・・アルー、明日片付けるー・・・から・・・服、踏まないれー・・・・・・」
毛布の下から今度はリリアーナのブラウスが出てきた。
どうやら完全に寝ぼけているようだ。

「みず・・・・・みず〜・・・・・・」
今度はなんと、その格好のまま起き上がる気のようだ。

31 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 15:31:12 0
  
>「あらあら。【お願い】されちゃったら仕方がないわよねぇ・・・!
  でも、あまり材料にはならないと思うし、メラルが予定を変更する必要もないと思うけどねぇん。」
>「彼女の、いいえ、彼女達の目的は誰かを倒すとか、特定個人をどうこうするというものではないのよ〜。」
「彼女"達"…。しかも、狙いがフリージアでもレオ先生でもない…。
 これは…難しい交渉になりそうね。」
(アルが知っていると言う事は…"達"にアルも含まれる可能性が高いわね。
…でなきゃ、相談中に盗み聞きとかを警戒する上で、この学園で一番
警戒すべき相手がアルなのはアルと親しい人間ならまずわかるでしょうし。
…かなりの対価は覚悟する必要がありそうね。)
メラルは、一度しゃがんで、地面の氷…エミューから指輪を受け取りつつ
アルの話を聞き、表情は無表情なものの…内心かなり悩んでいた。
もし、ベアトリーチェが個人の計画だけで動き、狙いが二人のいずれかだったのなら
交渉は容易に進んでいただろう。フリージアが狙いであったならば、メラルには
フリージアの弱点に関する知識もあり、しかも弱点そのものと言える猫も用意してあった。
最も、この対価を提供してしまえば、ラルヴァに対してはこれ以降敵対の姿勢を崩せなくなるが。
そして…レオ先生が狙いだとすれば、フリージアが狙いの場合に比べれば苦しくなるが
目的を果たすまでより安全に動くためのマジックアイテムの提供と言う手段もあったのだ。
だが、相手が複数ではマジックアイテムの提供と言う手段も、効果が薄れる。
しかも…目の前のアルワナーズもまた交渉相手みたいなものなのだ。
その為、メラルは交渉をどう進めるか、一から考えざるを得なくなっていたのだ。


アルが本題…ベアトリーチェの目的について話し始めた。
>「ねえ、メラルは【愛】は存在すると思う? (中略)
  その壁を越えられなかった彼女は・・・」
>「ベアトリーチェは弱い子なのね〜。 (中略)
  哀れで滑稽なベアトリーチェはこのリバースの中で愛の存在を観測しようとしているのよ。」
>「彼女達がそれぞれどのように愛の存在を観測するのかは知らないわぉん。
  (中略)術の特性上、今頃準備に追われているんじゃないかしら〜?」
話を聞き、メラルは少しの間悩む素振りを見せていた。

=======================================================================

途中、二人の上にも容赦なく降り注いでいた雨が…雪に変化した。
しかも…風も強くなり始めている。そう。雪国の冬を知る者でなければ、
見た事もないような…強烈な吹雪が森を除く学園内に吹き荒れ始めたのだ。

=======================================================================

32 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 15:31:47 0
 しかし、魔法陣内は風はなかった。その為、雪がただ降り積もるだけである。
その雪を浴び、心地よさそうな表情を少し見せた後で普段の無表情に戻った
メラルが話を始めた。
「先に結論から言うと…交渉の予定は変わったわ。」
そして、一拍置いて話を続ける。
「あなたは知っていると思うけど、相応の家柄を持つって事は…
 個人の感情よりも家の発展を優先しなきゃならないって事なの。
 愛、なんて物はその典型でね。特殊な魔術理論を知る者と結ばれる…
 みたいな例外もあるけど、基本的には力の劣る者は政略結婚の道具にされ、
 力ある者もその血を保つ為に力ある者と結ばれる事しか許されない。
 家のために、ね。」

話が派手にそれているが…これは前置きのような物である。
またもメラルが一拍おいて続きを話し始めた。
「そう言った環境で育ってきたからかしらね。私は…
 "愛"を許されないからこそ、愛という物は存在すると思ってる。
 そもそも、変えられると言うことは、存在すると言う事だしね。
 残念ながら、私にはあまり縁が無さそうだけれど。」
すべてが本心からなのかは無表情に近いメラルの表情からは伺えない。
どうしても理屈で考えてしまうのはある意味メラルならではなのだろうが…。

「いずれにしても…目的がこうも抽象的だと、普通の取引は無理ね。
 諦めざるをえない。かといって、最初から覚悟はしていたとはいえ…
 あなたには今日随分と借りを作ってるのに、ただ無駄にするのも愚の骨頂。
 せめて、少しでも借りを返さないとね。」
言い終わり、メラルはアルワナーズを見る。
メラルは、少しの間をおいてから言った。
「…リリアーナとの勝負の後、私には戦いたい相手はもういないのよ。
 私の"力"を無闇に、知らない人にまで見せるなんて、
 それこそありえない事だし。…だから、その後はリリアーナが
 本気を出してくれたなら私が勝ったなら私が優勝を目指し、
 リリアーナが勝ったならペンダントを人質に取らせて
 リリアーナの優勝のために動くつもりだったけど…
 その時間。彼女達…いえ、あなた達の為に使うわ。まぁ、限度はあるけれど…。」

 一見、ただ借りを少しでも返そうとしているように見える。
しかし…目的は別にあった。メラルがアルの話で一番重要に思っているのは
愛についてではない。ベアトリーチェも思いっきり戦ってみたいと思っていると言う部分である。
そう。ベアトリーチェと一緒にいればメラルの望む戦いが向こうから舞い込んでくるのだ。
そもそも、メラルにとって目の力を抜きのした全力を振るう機会はどうでもいいという訳ではないのだから。

しかも…ここにはもう一つの保険も混ざっている。リリアーナとの密会で全力戦闘に失敗したとしても。
ベアトリーチェの作戦が非道であれば非道であるほどリリアーナが止めに来る可能性は高い。
その時に敵として立ち塞がって杖を使わせようとすると言う選択肢を作ると言う保険にもなるのだ。
そして…森そのものを自分のフィールドにするベアトリーチェの作戦には、
メラルの女子寮を氷で閉ざす作戦同様目的のために手段を選ばない方針が伺える。
リリアーナと対立する可能性は十分に高いのだ。

そう、メラルは全力でアルワナーズを騙しにかかっている。そう、
交渉…駆け引きの相手はベアトリーチェではない。アルワナーズなのだ。
更なる借りを作る形で戦場をもらうのではなく、借りを返しつつも自分の目的を果たす為に。

33 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 自前2投下0] 投稿日:2008/04/02(水) 18:32:32 O
>19>「もう時間がないのだったな?(中略)皆の者、力を見せよ!」

サンダー1号のマントから出てきた使い魔が張り付き、巨大な魔法陣を展開する。
詠唱を終えると、サンダー1号は巨大化、そして茶色の巨大猫へ変化。
このまま森を突っ切るらしい。

巨大猫の背中に乗りながら、校舎を目指す。
確かにこれなら間に合いそうだ…。
しかし…
「さみぃ…。」
…まったく誰だよ、雨なんか降らした奴は。
寒さに耐える事数分、ようやく森を脱け出す事が出来た。
「ん……?あれは……おー、エースせんせー。」
校舎付近でエース先生を発見。
俺は巨大猫の背中から飛び降り、エース先生と合流する。
>「間に合ったみたいですね。ところで、あの猫は?」
「サンダー1号、巨大猫バージョン。二人はどうした?」
>「ミルクは途中下車しました。
ソフィアは個人的に用事があるらしく、自力で森から脱け出したようで、行方は知りません。」
なるほど、大体状況は理解した。
しかし俺はミルクのペンダントを持ったままなんだが、これは忘れているのか、単に俺に預けているのか…。
まあ、そんな事を考えるのは後回しにして、目の前の問題と向き合おうか。

34 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/02(水) 18:40:06 O
「さみぃーー!!凍え死んじまうぞ馬鹿野郎ー!」
さっきまでただの雨だと思ったら、いきなり吹雪ですか!
マジで凍え死んでしまう。
>「叫んだところで吹雪は止みませんよ。」
「シャツ一枚で吹雪の中に居れば叫びたくもなるわ!
とりあえず室内に移動だ!ここからだと女子寮と男子寮が近いな…よしっ男子寮に行くぞ!
おーい、サンダー1号、マオ、お前らとはお別れだ!
達者でなー!」
サンダー1号とマオに別れを告げ、俺達は急いで男子寮に向かう…筈だった。

「だぁーっ!失敗したー!?このゲーム逆になってんだった!?」
>「僕は途中で言ったんですがね。聴こえてなかったんですか?」
聴こえねぇよ!必死だったんだよ!
「ええい!こうなりゃ女子寮でも構わん。
玄関に居れば白百合騎士団にバレないだろ。」
そして女子寮に潜入。

よし、玄関に人影無し。
俺は今のうちにYシャツとTシャツを乾かす事にした。
「エース先生は乾かさなくて良いの?」
>「男教師が二人共上半身裸で女子寮に居る所を万が一、誰かに見られたら問題になりますよ。」
そりゃもっともな意見だ…。
「それじゃあエース先生、温風を頼む。」
>「結局僕任せですか…。」

35 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/04/02(水) 18:56:58 0
>34
「それにしても随分大掛かりな魔法ですね。おそらくは生徒のうちの誰かでしょうが・・・・・・」
エースは氷で封鎖されていた玄関のドアと、水と氷で覆われた玄関内の壁に視線を巡らせた。

レイド達はエルザとは逆方向から入ったため、彼女たちと接触する事は無かった。
だが少なくとも、寮内の1階に居る人物の耳には十分届いたに違いない。

「寒さ的には風が無い分中のほうが若干マシといえないことも無いですが・・・・・・
 本当は、単に女子寮に入って見たかっただけじゃないんですか?レイド先生」
温風を出しながら、エースが悪戯っぽく微笑んだ。


36 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/02(水) 19:19:26 0
>18>22>31
> 「もし女王様が別行動を取られるのでしたら、わたくしのサラマンダーをお連れ下さいませ〜。
>  それはわたくしの分身ともいえる存在ですわ〜。サラマンダーを介してエルザ様と連絡を取る事が出来ますわ〜」
>  火が消えると弱ってしまうので、雨の当たらない場所においてやってくださいませ〜」
ルズがそう言い終わったすぐ後の事だった。

> 容赦なく降り注いでいた雨が雪に変化した。
> しかも、風も強くなり始めている。そう、雪国の冬を知る者でなければ、
> 見た事もないような強烈な吹雪が吹き荒れ始めたのだ。

「うわ!何!?寒っ!」
エルザは突然の吹雪に驚き、悴んだ。
エルザは人形なので、寒くなっても人間のように凍えたりはしない。
しかし、エルザ本人からすれば、やっぱり寒いのは勘弁してもらいたい。
「私もう行くからね!」
エルザは皆の返事を待たずに、校舎に向かって走り出した。
走りながら、エルザは懐のルズに言った。
「きっと落ちたときに捻挫したのね。でも、大丈夫よ。
 アンジェリーナの部屋なら薬草があるし、
 いつも薬を調合したりするのを見てたから、きっと私にもできるわ!」

校舎になんとか辿り着いたエルザは、
勢いよくドアを開け、校舎の中に入った。
「う〜寒っ、早く着替えましょう。アンジェリーナの部屋に着いたら、
 あなたもシャワーで洗ってあげるわ。」
エルザはルズと一緒にシャワーを浴びるつもりだ。

37 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/04/02(水) 19:33:11 0
>34>35
灯りの無い女子寮の廊下は暗い。
しかし、その廊下の奥のほうからポワッと光が灯った。
その光は、コツン…コツン…と足音を立てながら、レイドとエースに近づいていった。

「レイド先生にエース先生、こんなところで何をしているのだ?」
二人の前に現れたのは、杖の先に光を灯したロックだった。
登場の仕方になんのひねりも意外性も無いが、
なにしろそれがロックなのだからしかたが無い。

「男が女子寮に入ってはいけないのだ。二人とも後で先生に言いつけてやるのだ。」
ロックは教師二人に対して堂々と言ってのけた。それ以前にロックも男である。

38 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/02(水) 23:56:43 0
前スレ>>259>>19>>33-34
>「無茶しおって…目から汗が出てきたではないか!」
そういってサンダー1号は沈み込む僕の体を支える。
「フフ…目から汗ってずいぶんとベタベタだなヴァン…」
まあ…確かにレイドについていこうとしたのは無茶だったかもしれない。
なにせレイドにペット扱いされているというのに反論する気力もない……

しかし、ずっとこうしているわけにもいかない。
今すぐにでもここを離れなければ腐食ガスが一帯を覆いつくす…
疲れ果てて喋る気力もない僕に代わってレイドがもう少し深く突っ込んだ説明をする。
>「そうか、苦労をかけてしまってすまないな」
「何言ってる…お前の使い魔のお陰で僕も一大事になる前に援護できた…お前はよく頑張った…フフフ。」
事実…あの使い魔がなければ五分も援護が遅れていたかもしれない。
それに生き返れるとはいえ人質や足手まといにならないように自ら決断して死を選んだなど、
真の臆病者にはできるようなことではない。いや、臆病者だったらおそらく最初の変装作戦の時点で拒んでたはずだ。
ヴァンエレンは十分によくやったとこのエリートが認めてやる。

>「もう時間がないのだったな?
>マオは馬がご希望だったようだが、それだと二人乗せられない。
>ここは私の奥義を見せるとき!
>皆の者、力を見せよ!」
そういい使い魔たちを体に纏わせ巨大な魔法陣を展開させ詠唱を始める…
一体何をする気だ…転移術でも使うつもりなのか?
よく分からずに見ているとヴァンの体が変化し大きくなっていく…その体は僕とレイドを巻きこみなお変化をやめない…
「お、おいなにする気なんだ!?
体毛が生え始め使い魔とヴァンエレンは完全に融合し一つの個体へとなっていく。
そして変化が終わったと同時にヴァンエレン(?)の咆哮が森に轟く!
>『にゃああああぁぁぁぁぁぉぉん!』
「……………ネコ?」
てっきりドラゴンか何かになるのかと思っていただけに
なんか拍子抜けだな……ま、まあいい…ネコは嫌いじゃないしな。
>『このまま森を突っ切るにゃ』
「よし!!いけヴァンエレン…いやサンダー1号!!」
僕は背中に乗りヴァンエレンに高らかに命令する。
巨大ネコは木々をなぎ倒しながらどんどん校舎へと向かっていく…
しかし……さむい……森の中だと雨を大木が邪魔してあまり感じなかったが…
>「さみぃ…。」
「……そうだな…さむい……クシュンッ!!…寒いな」
レイドと数分間寒いと言い合いながら数分…ようやく森を抜け出せる。
この巨大なネコの歩幅でこれだけかかるんだ…どれだけ森が大きいか分かるな…
森を抜けるとそこにはエースがいた…ミルクはどうやら途中で別れたらしい。
凡骨は…まああいつはどうでもいいな。僕は他人をポンコツ呼ばわりする礼節に欠いた奴など興味ない。

しかし、それにしてもこの雨…いや雪のようなことからすでに吹雪か…
これは確実に人為的に巻き起こされているとしか思えない。
>「シャツ一枚で吹雪の中に居れば叫びたくもなるわ!
>(中略)
>達者でなー!」
「ああ、じゃあまた後に会おう、最もその時は敵かもしれないがな…フフフ」
そういい僕はレイドたちを見送る…もちろんあっちが女子寮など気付いている。
気付いていたが言わないでおいた…なぜならレイド教師は僕の頭をくしゃくしゃにし、
エース教師にいたっては自らの提案を僕のせいにするなどしたからだ!

しかし…それはそうとこの吹雪は半端じゃない、というかすでに降っている雪は硬く
雹にすら近いともいえる…このままではレイド教師達の言ったとおり本当に凍え死ぬかもしれない。
「ヴ…ヴァン…ぼぼ僕たちも室内に入ろう…このままでは死んでしまう…ッ」
僕は寒さに凍えながらヴァンに訴えかける。

39 名前:グレイル ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 16:17:06 0
>30
>「だーれーがー二次元並みれ肉眼れ確認れきないミニマム貧乳れすってええぇぇぇぇええっ!」
「……今の聞こえたかー?」
【うん、ばっちり…】
山彦のように少しエコーがかかった叫び声が耳に響く。
>「おっぱいには最強、最弱の概念なろ無いろよおお〜!!」
…もう突っ込むのも面倒になったのか、言ってて空しくなったのか、理由は定かではないがリリアーナの声はそれっきり聞こえてこなかった。
【近くに居るのか、遠くにいるのか分かり難いな…】
【こうなったら地道に探すしか無いね……ん?】

>27
グレイズが気配を感じ、その方向を向く。
そこには、
「ん?えーっと…牛乳!じゃなくてミルクじゃん!」
>「またあったわね、グレイル。それともグレイブかグレイズの方?
>まあ誰でもいいわ。リリアーナを探してるみたいだけど、何か用があるの?」
「ん、んーまーな。」
即答。
>「言っておくけど、あたしはリリアーナに借りがある。
>だからリリアーナのペンダントが欲しけりゃ、まずあたしを倒していきな。
>それから確か森では、次会うときは敵同士とも言ってたわね…
>あれってマオにだけ言ってたの?
>それともあたしやレイド先生にも?」
どうやらグレイルが敵になりえるか見ているようだ。
少し棘がある話し方の気がする。
雪が降ってきた。
「さ〜あ〜な〜♪B、どうなん?」
【…そうだ】
「…だってよー。聞いてた?」
【いや霊感ある人意外聞こえないよ!】
即座に突っ込むグレイズ。

「……つか、寒ぃ!雪!?雪!!?無理無理無理!ちょま、凍える!」ガチガチガチガチ
歯を鳴らして思い切り寒がるグレイル。
頭に少しずつ雪が積もってきている。
「寒ぃ!寒い!寒いいいいい!!"頭上火球"!」
ぽっ、と軽い音がしてグレイルの頭上に火の玉が出来た…と、思った次の瞬間には消えた。
「きっ、きえっ、消えたぁぁ!!死ぬ!死゛ぬ゛!!凍゛え゛死゛ぬ゛!!!ミルキーヘルプミィィィー!!!」

40 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 16:27:06 0
>>30

濡れタオルのお陰で少しは体温が下がったようで
おとなしくなる…ふぅと一息つき冷や汗を拭うランド。
やっと落ち着けるとつぶやきソファにもう一度座り回復薬を少し口に含んだ時だった。

>「… お お ぉ ー い !! 貧 乳 の リ リ ア ー ナ ァ ァ ァ ー !!!
> 居 た ら 返 事 し ろ ぉ ぉ ー !!!」
外から響く凄まじい叫び・・・いきなりの叫び声に
驚いたのと貧乳というワードが入っていたせいでランドは咽て盛大に回復薬を噴き出す。
「ごほごほっ・・・・・・ああ、机の上が・・・」
自分がぶちまけてしまった机の上をいそいそと拭くランド。
するとリリアーナが勢いよく上半身を起こす。ランドもどうしたのかなと思い声をかけようしたが
さっきの声に負けてない怒声にかき消される。
>「だーれーがー二次元並みれ肉眼れ確認れきないミニマム貧乳れすってええぇぇぇぇええっ!」
肉眼で確認しきれないだとか二次元並みだとかミニマムだとかはさっきの声の主は
一切言ってないのだが・・・おそらく自分で色々と修飾してしまうほどコンプレックスなのだろう。

それよりも・・・いつのまにか上着のボタンが全て外れている。
慌てるランドかと思ったが・・・この時はいたって冷静にリリアーナの胸辺りを見ていた。
(た・・・確かに肉眼で確認できないなぁ・・・リリアーナさんも色々大変なんだね・・・)
>「おっぱいには最強、最弱の概念なろ無いろよおお〜!!・・・・・・むにゃむにゃ・・・・・・」
思う存分反論できたのかまたリリアーナはベッドへと倒れこむ。
色々と忙しい人だなとランドは思いながらソファに座りさっき噴出してしまい飲めなかった
回復薬をもう一度飲みゆっくりすることにした・・・


しばらく経ち回復薬を飲み続けるランド・・・これで3杯目だが全く酔わない・・・
それもそのはず、成分抽出用の微量なアルコールで酔えといわれても酔えるはずがない。
「なんでこれで酔えるんだろ。不思議だなぁ・・・」
そうランドが呟やき不思議がっているとリリアーナの方から何か落っこちた音がする。
気になってランドがリリアーナが寝ているベッドの方に行くとリリアーナの靴がベッドの下・・・
足元の方に転がっている。おそらくまた暑くなってきて脱いだんだろう。
>「んー・・・・・アルー、明日片付けるー・・・から・・・服、踏まないれー・・・・・・」
すると今度はブラウスが毛布から出てくる・・・完全に自室と勘違いしてしまっているのか
同居人であるアルナワーズの名前を言っている。
「あ・・・あのぉ・・・明日って・・・いまここリバース内だよ・・・」

>「みず・・・・・みず〜・・・・・・」
水と呟きながら起き上がろうとするリリアーナ。
「え・・・み、水?ちょっと待ってて!持ってくるよ!」
慌てて机のミネラルウォーターをグラスに注ぐランド。ブラウスは脱いでしまったし。
またリリアーナが何かしでかすかもしれないとランドは思ったので自分が持って行くことにした。

「水持ってきた・・うわあぁっ!?」
しかし、慌てて向かったはいいがリリアーナが脱いだ靴に足を突っ込むという
ある意味神がかり的なことをしてしまい、結果バランスを崩しリリアーナの方に倒れこむ形になる。
空を舞うグラスの中の水・・・グラスの水は全部リリアーナの顔にバシャッと勢いよくかかり
ランドも後を追うかのようにリリアーナの寝ているベッドへと倒れこむ。
失敗しただとかではもはやフォローできないような状態へと陥ってしまう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

・・・この最悪な状況でランドにできるのは脳のブレーカーを落とすことだけだった・・・

41 名前:白猫スー ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 17:23:18 0
ここはアルナワーズとリリアーナの部屋。
壁には一面びっしりと封印術式が彫り込まれており、そこら中に香炉や御札が張って
ある。
家具も独特なものが多い。
しかし、部屋の雰囲気とは全くそぐわないちぐはぐな家具も置かれていた。

「こらお前達、御札の上で爪を研ぐな!」
温まった部屋の中、ピッコロは壁に爪を立てる猫達を抱き上げた。
「スー、悪いが猫達を説得してくれ。爪を研ぐならこちらの家具にしておけとな」
ピッコロは御札が貼られていないカントリー調の家具を指差した。
「分かりましたわ〜ピッコロ様ぁ」
白猫がすっくと立ち上がり、にゃあと一声泣いた。
魔法の絨毯
の上で爪を研ごうとしていた猫達が、ぞろぞろと家具の方へと移動した。

「この方達、回復するにはもう少し掛かりそうですわ〜」
「ああ。近くにいた数人を助け出すのが精一杯だったよ」
白百合騎士団の小隊長ピッコロは、痛ましそうな顔でベッドに横たわる人影を眺め
た。
「ロックの奴を懲らしめてやりたかったが、諦めざるを得ないな。可愛い子猫ちゃん
達を救うのが私の役目だ」
ピッコロは意識が戻らない「子猫ちゃん」の寝顔を見つめた。
「でもピッコロ様のお陰で部屋の中は暖かいのですわ〜。猫達も喜んでいるのです
わ〜。
 被害者の方々も、もうじき意識は回復すると思うのですわ〜」
「ああ、そうだな」
「そしてここはやはり雪山のお約束!肌と肌とで凍えた方々を暖めるのですわ〜」
「ああ、そうだな・・・・・っておいスー、ちょっと待て!」
「ええ〜?なんですの〜?」
「猫の姿のままでどうやって相手を暖めるつもりだ!」

――――どうやらスーは、まだしばらく部屋に滞在することになりそうだ。


42 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 17:24:39 0
>36
>「うわ!何!?寒っ!」
「秋なのに吹雪なのですわ〜!異常気象なのですわ〜!!」
ルズも叫んだ。
フィジルでこんな時期に雪が降るなど、ありえない。
>「私もう行くからね!」
「行くのですわ〜!レッツゴーなのですわ〜!」

エルザが走って移動する間、ルズは口数が少なかった。
ゆさゆさ揺れるたびに足の傷がずきずき痛んだからだ。

>「きっと落ちたときに捻挫したのね。でも、大丈夫よ。
> アンジェリーナの部屋なら薬草があるし、
> いつも薬を調合したりするのを見てたから、きっと私にもできるわ!」
「ありがとうございます、エルザ様〜嬉しいのですわ〜」
薬の効果が1/3だと分かっていたが、ルズは口にしなかった。

>「う〜寒っ、早く着替えましょう。アンジェリーナの部屋に着いたら、
> あなたもシャワーで洗ってあげるわ。」
「・・・・・・え?わわわわたくしと・・・いいい一緒に、ですの〜?」
ルズはなぜかあたふたと慌ててしまい、懐の中でごそごそした。

エルザが歩くたびに、薄暗い廊下にぽたぽたと雫が落ちる。
「今のところ誰も居ないようですわ〜。でも、用心しなくてはいけないのですわ〜。
 ところでアンジェリーナ先生のお部屋はどちらにありますの〜?」
ルズは職員宿舎か何かを想像していたようだ。

43 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 投稿日:2008/04/03(木) 18:04:14 0
>33>38
>「さみぃ…。」
>「……そうだな…さむい……クシュンッ!!…寒いな」
木という雨を遮るものがなくなったために容赦なく雨に打たれる二人が寒さに震えていたようだが、ヴァンは森を脱出するのに必死なのでどうにもできない。
猫毛をもふって気合でがんばってください。
雨にも負けず、風にも負けず。
とても大きな猫はお共を乗せて森を抜けていったのであります。

校舎付近では先に森を抜けたエースが一人で待っていた。
>「間に合ったみたいですね。ところで、あの猫は?」
>「サンダー1号、巨大猫バージョン。二人はどうした?」
巨大な猫は徐々に小さくなっていき、やがて「ボンっ」と音を立てて変身を解くとへとへとのヴァンが現れた。
一連の光景にエースは多少驚いたような表情をしたものの、学園ではこのようなことはさして珍しくもないことなのですぐに平然とした態度に戻る。
エースのレイドからの質問の答えを聞くに、どうやらミルクは途中で別れてソフィアは最初から別行動をとったらしい。
「むむむ…ミルクにも礼をと思ったのだが。
 しょうがない、このゲームが終わってからお菓子でも土産に渡そう」
土産のお菓子をクッキーにしようかケーキにしようか考えているところに雪が降っているのに気がついた。

雨から雪に変わって「綺麗だ」と浮かれている気分になれないぐらいに吹雪いてらっしゃる。
>「シャツ一枚で吹雪の中に居れば叫びたくもなるわ!
>とりあえず室内に移動だ!ここからだと女子寮と男子寮が近いな…よしっ男子寮に行くぞ!
>おーい、サンダー1号、マオ、お前らとはお別れだ!
>達者でなー!」
>「ああ、じゃあまた後に会おう、最もその時は敵かもしれないがな…フフフ」
「めったなことを言うもんじゃない…。
 あの二人ほど厄介な奴はいないのだぞ?
 ではな、このまま会わないことを願う!」
いよいよしびれを切らしたレイドが吹雪の中で魂の叫びを吐いて、最後までハイテンションのままでヴァンたちと別れた。
エースとレイドが去ってこの場にはマオとヴァンの二人が残されたかたちになる。
>「ヴ…ヴァン…ぼぼ僕たちも室内に入ろう…このままでは死んでしまう…ッ」
寒くてしょうがないと耐えるマオはどこか暖かい場所に行こうと提案する。
人間と違って体温がない吸血鬼には寒さなぞどうということはないが、この場に何時間もいるわけにはいかないのでどこか休める場所を探してみる。
「ふーむ、わかった。
 とりあえず中へ入るとしよう」
しかし、一人で潜入したときのようにねずみに化けて行くわけにもいかない。
マオがいるからには彼女に合わせて行くしかないのだが、校舎内はいつ襲われるともわからない。
うかつに「わしを殺せるものがおるか?」と聞いてしまったら「ここにいるぞ!」と数十人の伏兵に囲まれるとも限らないのだ。
「さて、では校舎に入るぞ…外は吹雪きなので室内に自然と敵は集まってくるはずだ。
 ここからは決して油断めされるな?」


校舎内はまるで敵などいないかのように静まりかえっていた、しかしそれが逆に不気味でもある。
「さて…ここからどうしたものか。
 少し休憩するならば食堂へ行くのが一番いい。
 あそこはいまは守護神がいて、非戦闘地帯だ。
 私はベアトリーチェとのこともあって、ちょっと疲れているが…どうしようか?」
このまま食堂に行くならばその道中でエースと別れて行動したミルクと敵対宣言したグレイルと対面することになるだろう。
選択はマオに託された。

44 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 18:26:59 P
>255>11>22>31>36
>「フリージア女王様、そのまま降りてくださって構わないのですわ〜わたくしのほうでちゃんと避けるのですわ〜」
「本当に大丈夫ですわね?」
フリージアは足元に注意しながらゆっくりと下に降りた
女王様云々についてはもはや諦めた様である
>「ち〜!!」
頭の上ではいつの間に飛び乗ったのかサラマンダーが鳴いている

>「…ねえ、フリージア。私アンジェリーナの部屋に行きたいけど…いいかな?」
>「でも、あなたまで一緒に来る必要は無いと思うわ。だって、私は服を着替えるだけなんですもの。」
確かに二人とも服がどろどろになってしまっていてこのままではいけないだろう

>「ええ〜!!そんなぁ・・・・・・」

>「でも・・・・・・そうですわね、これだけ広大な水と氷のトラップを仕掛けたのは只者ではございませんわー。
 そもそも、なぜあんなところに猫がうじゃうじゃ居たのかわからないのですわー。
 お陰で『わたくし達の艶姿☆猫になって女王様のハートをがっちりキャッチ』作戦が不発に終わってしまったのです

わ〜」
 氷結のフリージアの二つ名を持つ女王様が、気にならない筈がないのですわ〜。
 いくら女王様のメイド姿が見たいからといって、無理を申してはいけないのですわ・・・・・・」
「メイド・・・・」
フリージアは思い出してしまった・・・・実家に仕えているアマゾネスのような筋骨隆々のメイド達を
見た目よりも能力なのはわかるがいくらなんでもあれは限度があるだろう
まあ今は関係ない話であるが・・・

「もし女王様が別行動を取られるのでしたら、わたくしのサラマンダーをお連れ下さいませ〜。
 それはわたくしの分身ともいえる存在ですわ〜。サラマンダーを介してエルザ様と連絡を取る事が出来ますわ〜」
 火が消えると弱ってしまうので、雨の当たらない場所においてやってくださいませ〜」

そして強烈な吹雪が吹き荒れ始める

>「うわ!何!?寒っ!」

>「私もう行くからね!」

>「行くのですわ〜!レッツゴーなのですわ〜!」

「仕方ありませんわねえ・・・・待ってますわよ」
フリージアは絵に描いたような魔女の帽子を雪の結晶を集めて作り出すと
雪で凍えてしまわないようにとサラマンダーの上に被せる

どうやらフリージアはここで二人を待つことにしたようである
「帰ってくるまで暇ですわねえ・・・・」


45 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 18:30:30 O
>35「馬鹿言っちゃいかんよ。俺がそんな教師に見えるか?」
>「僕にはそういう教師にしか見えませんが…。」
なんと失礼な…俺より真面目な教師なんか滅多に居ないぞ。
>「あ、それともう一つ気付いたんですけど。」
「何よ?」
>「あそこからだったら、寮よりも校舎に逃げた方が速かったんじゃないですか?
テレポートを使うとか…。」
「……灯台もと暗し…ってことか…。もっと早く気付けy…ん?」

>37「……何か足音が聞こえるんですけど…。」
>「シャツはまだ半乾きですよ〜。」
やっばい!半裸なんかで白百合騎士団に見付かったら即攻撃されんぞ!
>「レイド先生にエース先生、こんなところで何をしているのだ?」
慌てる俺達(正確には俺しか慌ててないけど)の前に現れたのは、杖の先に光を灯したロック。
「な、なんだよ……ロックか…。」
>「男が女子寮に入ってはいけないのだ。二人とも後で先生に言いつけてやるのだ。」
「俺達は先生だから問題無いのだ。それにロック、お前だって男なのだ。」
>「エース先生、口調、移ってます。」
「……こほん。俺達は外が吹雪だったんで、避難してきたの。で、ついでにシャツも乾かしてるってわけ。
お前こそこんな所で何やってんの?」

46 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/03(木) 19:24:55 0
>42
> 「今のところ誰も居ないようですわ〜。でも、用心しなくてはいけないのですわ〜。
>  ところでアンジェリーナ先生のお部屋はどちらにありますの〜?」
「校舎の一番上の階よ。なんでもアンジェリーナのたっての願いで、
 この学園で一番高い建物の、一番高い部屋を研究室にしてもらったんだって。
 もっとも、部屋としての利便性も必要だから、実際には二番目に高い部屋なんだけどね。」
そういえば、何でアンジェリーナはそんなに高いところが好きなのだろうか?
エルザはふと疑問に思ったが、本来の目的を思い出し、歩き始めた。
「さあ、行きましょうか。さっき言ったとおり、一番上の階を目指すわよ。」

>43
校舎を歩いていたエルザは、曲がり角を曲がったとたん二人の人影を目撃した。
暗くてどんな人かよくわからなかったが、
出会う人全てが自分に好意的でないことぐらいはいいかげんわかっていた。
エルザは慌てて曲がり角に隠れた。
「どうしよう、黒猫さん?あの二人…階段の前にいるわ。」
エルザは謎の二人組みに聞こえないよう、小声でルズにそう言った。
エルザは曲がり角からそっと顔を出し、改めて謎の二人組みの様子をうかがった。
そう様子から察するに、この二人も吹雪にあい、慌てて校舎に入ってきたようだ。

> 「さて…ここからどうしたものか。
>  少し休憩するならば食堂へ行くのが一番いい。
>  あそこはいまは守護神がいて、非戦闘地帯だ。
>  私はベアトリーチェとのこともあって、ちょっと疲れているが…どうしようか?」
エルザは、二人組みのうちの一人がそう言っているのを盗み聞きした。
声の調子から、どうやら二人組みのうち一人は男性らしい。
エルザはまたひそひそとルズに話しかけた。
「あの二人が階段の前から動かないなら…別の階段から上に昇るしかないわね。」
もしエルザが回り道をするならばその道中で、
共にエースに立ち向かったミルクと再会し、グレイルと初対面するだろう。
> 選択はマオに託された。

47 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/04/03(木) 19:42:39 0
>45
> 「俺達は先生だから問題無いのだ。それにロック、お前だって男なのだ。」
「そういえばそうだったのだ。」
> >「エース先生、口調、移ってます。」
> 「……こほん。俺達は外が吹雪だったんで、避難してきたの。で、ついでにシャツも乾かしてるってわけ。
> お前こそこんな所で何やってんの?」
「俺はエルザの知らない女の子に会いに来たのだ。」
ロックはレイドの質問にそう答えた。…いや、決して間違いではないのだが、
これだけではレイドもエースも事情がさっぱりわからないだろう。
ただし、ハッキリしているのはロックがペンダントを持っていないという事だ。

「外が吹雪?レイド先生、今は秋なのだ。秋に吹雪なんてあり得ないのだ。
 いくら女子寮に入りたいからって、普通はもうちょっとましな言い訳を考えるものなのだ。」
ロックはレイドの話を半信半疑に聞きながら、玄関の近くにある窓の前に立った。
その窓もやはり厚い氷で覆われている。
ロックはその窓の氷に顔をぴったりくっつけて、外の様子を見ようとした。
「う〜ん、外は暗くてよく見えないのだ…むむっ!」
ロックはあることに気づき、そして悲鳴をあげた。
「ひ〜、顔が氷にくっついてしまったのだ!」
子供の頃にこんな経験をした人は少なくないのではないだろうか?
ロック・ウィル16歳、心はまだまだ少年なのだ。

48 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/04/03(木) 22:29:45 0
>31>32
猛吹雪に見舞われる【外】とは対照的に、女子寮屋上には深々と雪が静かに舞い降りるだけだった。
そんな不思議な光景の中、二人の魔女の交渉は静かに始まっていた。

メラルが【愛】について語る間、アルナワーズはにこやかに聞いていた。
その答えを否定も肯定もしない。
無表情のメラルと満面の笑みのアルナワーズ。
共に瞳の奥の真意は悟らせない・・・筈だったが・・・
先に崩れたのはアルナワーズだった。
> 残念ながら、私にはあまり縁が無さそうだけれど。」
「っん〜〜〜もう!メラルったらぁ〜!」
ころころと笑いながら手を振り上げ、メラルの背中を叩くが、いかんせんゴーストの身体。
てはメラルの身体をすり抜けてしまうが、それでもアルナワーズは満足げだった。
「あんな妬けちゃう位の激しい睦愛を見せ付けておいて縁がないだなんてよく言うわぁん。」
ラルヴァとメラルの本気の戦いを間近で見れてよほど機嫌がいいらしい。
それだけでなく、普段では絶対聞けないような愛について語るメラルを見れたのだ。
十分な収穫といえる。
じっとりとした目で面白そうにメラルを睨みつけるのであった。

その後、メラルが差し出す条件を提示するが、アルナワーズは考える様子もなくくすくすと笑うばかり。
「やぁねえ。借りを返すだなんて。別に今返さなくても言いのよぉん。」
返さなくてはいいなどとは勿論言わない。
しかし、返してとも言いたくないのだ。
貸しというのは取り立てるのではなく、背負わせている事に意味があるのだから。
そして本題に入る。
「メラル〜?勘違いしているようだから教えてあげる。
難しく考えすぎるのがあなたの悪い癖よぉん。
彼女達の思考が想定の範囲外にいることは目的の時点でわかるでしょぉん?
彼女達は目的を一にするけれど、必ずしも共同歩調を取っているわけではないのよ〜。
ま、アドアイスくらいはするでしょうけど〜。」
あなた達といわれたのをあえて無視して彼女達を貫くが、今更ごまかせるなどとは思っていない。
アルナワーズ自身の目的はあくまで観測のみ。
あるがままの流れ、業のうねりを見ているのだ。
それは個々の戦いの動向、メラルやベアトリーチェの思惑も含まれている。
強いて言うのならばリリアーナとメラルの戦いを見ることが目的なので、ある意味メラルと目的が一致しているのだから。
そういった意味ではメラルの出すいかなる条件もアルナワーズにとっては餌にはなり得ない。

「メラルがベアトリーチェから何を引き出したいかは知らないけれど、そう難しく考える事ないわ。
例えばこの吹雪。もしかして島全体が範囲なんじゃない?
範囲座標を少しずらして森の中心を逸らすだけでも十分な材料よ。
あの子冷え性だからぁ、喜ばれるんじゃない?」
勿論誰が吹雪を起こしているかなどはいう必要はない。
元来駆け引きとはそういうものだ。
テーブルに乗せるのは困難な状況から救ってやるという事実だけでいいのだから。

「まあ難しく考えずにベアトリーチェに話してみたらぁん?
私も後ろから応援しているから、意外とすんなり話が纏まるかもよぉん。」
微笑みながらメラルに背を向け、森のほうへと視線を走らす。
その視線の遥か彼方、腐海の中心。
毒庭園では・・・
湿原全体を覆う紫の靄。その上空を舞う式神とそれに乗るソフィア。
強力腐食毒ガスは降り落ちる大粒の雨を腐らせているが、徐々にその色を薄めていっている。
元々腐食ガスは長くは効力を発揮する事はない。
強力バージョンとはいえ雨と風に打たれ、20分もすれば霧散し、再び庭園が姿を現すだろう。
腐食ガスに晒され庭園は廃墟のように変貌していた。
ほんの数種類の毒草が腐食ガスに耐性を持っていたようで咲き誇っているが、もはや見る影もない。
そして地下ラボに身を潜めるベアトリーチェが腐海外の全島範囲にわたって吹雪になっていることなど知る由もなかった。

49 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/03(木) 22:29:55 0
>25>30
ラヴスポットに入ってからリリアーナとランドのやり取りをミニアルナワーズは幻灯機の中で見ていた。
そのやり取りを見たミニアルナワーズは・・・
「あひゃひゃひゃひゃ!オモスレー!
リリィったらそんな大技身につけて!お母さん泣いちゃうわ〜!」
と、大笑いしていた。
酔っ払って絡んで脱いでと、これでもかとやってくれるのだ。
ランドの反応もあまりにも期待通りで転がって笑ってしまうのも仕方がない。
そんなミニアルナワーズに何かが降臨!
「キターーーーー!
来たわ!びんびん来てる!
恋多き女が身体を餌に男を踏み台にしてのし上がってゆく悪女に転身!
リリアーナ愛の劇場第二弾!【白革の手帳】に決定よ!」
幻灯機の中で一人盛り上がっていると、更なる燃料が降ってきた。

>「… お お ぉ ー い !! 貧 乳 の リ リ ア ー ナ ァ ァ ァ ー !!!
> 居 た ら 返 事 し ろ ぉ ぉ ー !!!」
>「だーれーがー二次元並みれ肉眼れ確認れきないミニマム貧乳れすってええぇぇぇぇええっ!」

これでピーンときてしまったのは仕方がない。
声はグレイル。
グレイブから入れ替わったのはキサカとの戦闘で消耗したためか。
リリアーナとは敵対関係にあり、危険なのだが・・・だからこそ美味しい素材!とミニアルナワーズには映ってしまう。
元々このラヴスポットにいる限りは倒される事はない。
となればやることは一つだ。
ミニアルナワーズは密かに幻灯機から抜け出して、外へと向かった。

おかげでランドの超お約束を身損ねてしまうのだが、どっこい幻灯機は黙々と録画中なのだ。

>28>39
ミニアルナワーズがラヴスポットを出て階下に降りたとき、グレイルとミルクが対峙していた。
話の内容からミルクはグレイルとリリアーナが対立関係にあるのを知っているようだ。
そしてリリアーナのために戦おうとしている。
それに対し、グレイルは・・・
突然吹雪になり吹き付ける雪に震えだしてバタバタとミルクに救いを求めている。

傍から見るとシュールというかカオスというか・・・
思わず声をかけるのをためらってしまう二人だったが、ここで素通りなのはもったいなさ過ぎる。
「はぁ〜い二人とも。突然の吹雪にお困りのようねぇん。
探し物と暖を一挙両得な極楽コースにご案内するけど、いかがぁん?」
窓から身を乗り出してグレイルとミルクを呼びかける。

二人が呼びかけに応ずればラヴスポットに案内するだろう。
勿論、「ラヴスポットに行くのなら男と女が手を繋いでいくのがお約束よぉん。」
というのは忘れない。
グレイルとミルクは仲睦まじくリリアーナのいる、そしてある意味惨状になっているラヴスポットに辿り着く事ができるだろうか?


50 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/04(金) 07:10:14 0
>40
>「水持ってきた・・うわあぁっ!?」
>ランドも後を追うかのようにリリアーナの寝ているベッドへと倒れこむ。
「いやーん!つめたーい!」
リリアーナはがばっと起き上がろうとしたが、上にランドがのしかかっているのでそれは無理だった。

「・・・・・・・・・・」
リリアーナは気絶したランドの顔をじーっと見つめた。
そして不思議そうに首をかしげる。
「アル髪の毛切ったんら〜。すごいイメチェン!何らか本当に別人みたいらよー
 それに普通の服着てるの初めて見たぉー!!」
びっくりだわ〜すごーいと、気絶したランドの髪の毛をくしゃくしゃにかき回す。
どう見ても別人です本当に(ry

「んしょ、んしょ!!」
リリアーナ苦労してランドの体の中からシーツを引っぱり出すと、ふーっとため息をついた。
「アル、今日は寝相悪すぎるわおー。人のこと言えらいわよー」
リリアーナはぶつくさ文句を言った後、濡れた枕とタオルをサイドボードに乗せた。
「あれえ?何か大事なことを忘れてる気がするぉ〜?」
リリアーナは首を傾げたが、酔ってルームメイトの顔を見間違える状態でまともに考える事ができるわけが無い。
隣で眠るアル(※ランド)と、部屋の中をぐるりと見渡した後、彼女はぽんと手を叩いた。
「分かった!今日は部屋のふいんき違ってるんらわ〜!!
 アルったら幻術の無駄づかいらわー。それになにこれ悪趣味な灯り〜。きゃはははは」
悪趣味と言われても、幻灯機は黙々と録画中である。

リリアーナは引き出した毛布をランドの肩に掛けてやると、ぽんぽんと肩を叩いた。
皺にならないようにとスカートまで床に落としたリリアーナは、気絶したランドの隣に横たわる。
上気した頬の彼女は、隣に眠っている人間がアルナワーズだと信じて疑っていないようだ。
ちなみに、リリアーナはアルナワーズと寝る場合、諸般の事情で一メートル以内で眠る事にしている。
「お休みぃ〜アルー」
リリアーナは再び眠りについてしまった。

ランドの災難は、こうして気絶している間にも雪だるま式に膨れ上がっているようだ。

51 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/04(金) 17:49:49 O
>39 >49
「さ〜あ〜な〜♪B、どうなん?」
あたしの質問の意図が伝わったのかどうか、グレイルはあくまでお気楽な態度を崩そうとしなかった。
他人事を聞くような感じで返す質問はあたしに向けられたものじゃなさそうだし。
>「…だってよー。聞いてた?」
少しの間の後に続く言葉は意味不明だし。
「まだなんにも言ってないでしょうが!
あんたあたしをバカにしてんの!?」
空腹と寒さからかイライラがたまってきた。
いつの間にかさっきまでの雨は雪に、いや風の強さも合わさって吹雪に変わっている。
あたしだって南国出身じゃないけど、こんなに雪降るの見たことないぞ。
あれ?リバース内の季節は現実と同じ秋じゃなかったっけ?
そうすると、誰かが魔法で大雪を降らせていることになる。
…雪を降らせて魔法を強化するにしても、こんな大魔法使ったらそれだけで魔力枯渇しないのか?

>「……つか、寒ぃ!雪!?雪!!?無理無理無理!ちょま、凍える!」ガチガチガチガチ
グレイルは大袈裟なんじゃないかと思うくらい寒がっている。
頭に少し雪が積もっただけなのに、よほど寒さが苦手なんだろうか。
>「寒ぃ!寒い!寒いいいいい!!"頭上火球"!」
必殺の炎でも放つつもりかと身構えたけど、出て来たのはとても攻撃用とは思えない火だった。
しかも雪に負けたのかすぐ消えたし。
>「きっ、きえっ、消えたぁぁ!!死ぬ!死゛ぬ゛!!凍゛え゛死゛ぬ゛!!!ミルキーヘルプミィィィー!!!」
「誰がミルキーだ誰が!」
とりあえずあたしに敵対する気がなさそうなのはわかりました。
しかたない。ここは助けて恩を売りつけておきますか。

>「はぁ〜い二人とも。突然の吹雪にお困りのようねぇん。
>探し物と暖を一挙両得な極楽コースにご案内するけど、いかがぁん?」
急に会話に【関わりたくない奴ランキングNo.1】の声が割り込んできた。
見れば、窓から身を乗り出しているミニアルナワーズの姿が。
この女いつから見てやがったんだ。
「あんたゴーストになったんじゃなかったの?
なんでそんなミニキャラになってるのよ」
とっさに疑問が口から出たけど重要点はそこじゃない。
あたしとグレイル共通の捜し物、つまりリリアーナの居場所を知ってるって方だ。
「暖かい場所に案内するって言ったわね。
グレイルを助けてやろうと思ってたとこだし、ちょうどいいわ。
その一挙両得極楽コースとやらに案内してもらいましょうか」
リリアーナには聞きたい話があって、あたしだって暖かい所で休みたい。
でもそんなこと言ったらアルナワーズが調子に乗るだけだし、グレイルを助けるためとしておこう。
どうせ知ってるんだろうけど自分で認めるのはイヤだ。

>「ラヴスポットに行くのなら男と女が手を繋いでいくのがお約束よぉん。」
「ちょ、ちょっとなによそのいかがわしいお約束は!」
さすがラヴスポットだなんて怪しい名前がついてるだけの事はある。
アルナワーズは極楽に行くために妙な条件を出して来やがった。
男と女が手を繋いでないと行けない?
リリアーナの話を聞くのにそんな事しなきゃいけないの?
でも、考えようによってはそれはそれで安心かもしれない。
男女のペアなんてそんなに無いだろうから、他の連中が休憩中に入ってくる心配は減るわけだ。
それに相手がグレイルじゃ間違いの起こりようもないし。

「やれやれ、そうしなきゃ行けないんじゃしょうがないわね。
暖かい極楽コースに行きたいんでしょ?
1つでっかい貸しにしてあげるから、後でちゃんと利子つけて返しなさいよ、グレイル」
あたしはそう言ってグレイルに手を差し出した。

52 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/04(金) 18:55:33 O
>47俺の質問に対するロックの答えは全くもって予想外のものだった。
>「俺はエルザの知らない女の子に会いに来たのだ。」
「はい?」
エルザの知らない女の子に会いに来た?
エルザが知らない女の子なんて学園中にいくらでも居るだろうが。
ま、とりあえず戦意があってここに来たってんじゃないのは助かった。
そういや見たところロックのペンダントが見付からないな。
何処かに隠してんのか?

>「外が吹雪?レイド先生、今は秋なのだ。秋に吹雪なんてあり得ないのだ。
 いくら女子寮に入りたいからって、普通はもうちょっとましな言い訳を考えるものなのだ。」
>「クスクス…。」
ぐっ…こいつまでエース先生と同じような事を。
何気にエース先生笑ってやがるし。
「いいかロック、よ〜く聞け。俺は学園一真面目…」
>「う〜ん、外は暗くてよく見えないのだ…むむっ!」
って聞いてないし…。
「…どした?」
>「ひ〜、顔が氷にくっついてしまったのだ!」
何やってんだよ…お前は何歳だ?
「エース先生、温風で少し氷を溶かしてやれ。」
>「はいはい。」


「ところでロックよ、この女子寮に何人位生徒が居るか分かるか?
ほら、俺達より早く女子寮に居たみたいだし。」

53 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/04(金) 22:41:24 0
>>43>>46
>「ふーむ、わかった。とりあえず中へ入るとしよう」
ヴァンエレンは僕の校舎内に行こうという提案をのむ。
まあ当たり前だ…こんな吹雪の中で外にいるなんてマゾヒスト以外の何者でもない。
そして僕たちは校舎内へと入ろうとする僕にヴァンエレンが釘を刺す。
>「さて、では校舎に入るぞ…外は吹雪きなので室内に自然と敵は集まってくるはずだ。
>ここからは決して油断めされるな?」
「分かった。だけどお前の方こそ気をつけろよ。ちょっとお前は神経質すぎる一面を持ってるからな。」
そして僕たちはいざ校舎へと入っていく…出てくるならばドラゴンだろうがなんだろうが出て来い!
…と思っていたんだが…校舎内は静まり返っていた…潜伏しているのかは分からないが
とりあえずあたりから魔力は感じられない…生き残った連中も今は戦うような余力がないのかもしれない。

>「さて…ここからどうしたものか。
>少し休憩するならば食堂へ行くのが一番いい。
>あそこはいまは守護神がいて、非戦闘地帯だ。
>私はベアトリーチェとのこともあって、ちょっと疲れているが…どうしようか?」
ヴァンエレンの食堂という言葉に僕のお腹が大きい音を鳴らす…そうだ。
思い出したが僕は何にも食べてないんだった…このままではもしかしたら
今日一日あのマズイ飴しか食べてないことになってしまう…。
しかも、不利になるため誰にも言ってないが僕の魔力は2割もない。
どのみち戦っていけるような状態ではない…この二つの事から導き出される答えは一つ!
「食堂に行こう。僕はお腹ペコペコでヴァンエレンは少し休みたい。よし、決まりだな!」

しかし、その時だった、向こうの曲がり角から僕たちを覗き見ている顔と目が合ってしまった…
覗き主はさっと顔を引っ込め更に周りが薄暗いためにだれかは分からなかったが…
どうしようか…僕は正直戦いになるのはごめんだ……
とりあえずあの覗き主には聞かれないようにヴァンエレンに近づき耳元で囁く。
「向こうの曲がり角…だれか居る…今目があった…どうしようかヴァン。
 僕はできれば戦いたくないんだが…逃げるか?それとも対話してみるか?」
ヴァンエレンにどうしようか僕は聞くことにした…。
なぜなら魔力も少なくもしかしたら足手まといになるかもしれない僕の独断で動くわけにもいかないし。
それに慎重派なヴァンエレンに一回聞いたほうがいいと思ったからだ。

「どうするヴァン……僕はお前に判断を任せる。」

54 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/04/05(土) 07:12:23 0
>52
> 「エース先生、温風で少し氷を溶かしてやれ。」
> >「はいはい。」
「う〜、顔がヒリヒリするのだ。」
エースの温風によって氷から顔が離れたロックは、
赤くなった顔をポリポリ掻いた。

> 「ところでロックよ、この女子寮に何人位生徒が居るか分かるか?
> ほら、俺達より早く女子寮に居たみたいだし。」
「今のところ俺が会った生徒は二人だけなのだ。
 フリージアと、白百合騎士団のピッコロがいたのだ。
 それと、エルザも俺と一緒に行動してたけど、わけあって別行動中なのだ。
 ああ、そうだ。猫に変身してる奴が二人いたっけ。
 それにおっぱい特盛りな虎の女の子がいたけど、どう考えたって彼女は生徒ではないのだ。」
ロックはレイドにそこまで説明した後、足元の氷をコツコツ蹴った。
「それと…どうやら女子寮を凍らせている奴がいるようなのだ。
 フリージア以外の、そして彼女と同じくらいの氷の使い手が。」
ロックは、女子寮を凍らせたのはフリージアではない別の誰かだと考えていた。

最初、ロックはフリージアが女子寮を凍らせたのだと考えていた。
ロックにとって氷の魔女といえばフリージアしか思いつかなかったからだ。
しかし、ロックが猫達を暖めたいと言った時、フリージアは特に氷をどうにかしようとしなかった。
猫好きのフリージアの事だ。例えそれが自分にとって有意であっても、猫のためなら解氷するはずだ。
しかし、そうしようとしなかった。何故か?
それは暗にその氷がフリージアによるものではないという事を示しているのだ。

「ところで、エース先生。俺はエルザとエース先生が戦っているのを見てたのだ。」
ロックは、現実世界のアンジェリーナの部屋から、魔法の鏡でエルザの様子を見ていたことを話した。
「たぶん、あの戦いでエルザは随分成長したと思うのだ。
 エルザは絶対にエース先生にお礼を言わないと思うから、
 俺からお礼を言わせてもらうのだ。ありがとうございます。」
ロックはエース先生に頭を下げた。
「でも、エース先生は優しすぎるのだ。」
ロックは下げた頭を上げると、上目づかいにエースを見た。
「エルザが本当の力を覚醒させえるためには強い感情が必要なのだ。
 エース先生はいいところまでエルザを追い詰めてくれたけど、
 あれではまだエルザは一線を越えることができないのだ。
 エルザならできるはずなのだ。ハードニングを超えるハードニング、
 スーパーハードニングが…」

「いや、俺とした事がおしゃべりに夢中になりすぎたのだ。
 俺はもう行くのだ。さっき言ったとおり、俺はエルザの知らない女の子に会いに来たのだ。」

55 名前:ラルヴァ&シャニィ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/05(土) 09:29:00 0
女子寮付近・ゴミ箱――

氷のピラミッドの中に未だラルヴァは留まっていた。
メラルが出現し、自分のペンダントはゴミ箱に叩き込むこともせず
あっという間にいなくなった事について考えていたのだ。

そうこうしている内に景色は雪景色から猛吹雪へと変化しつつある。
「(正直このままここにいた方がいいんだろうけど、フリージアに説明も必要だし・・・行くか、頼むよ。)」
猛吹雪の音に紛れて周囲にに聞こえる事は殆どなかっただろう。
氷に囚われたラルヴァの体から、巨大な錨、騎士槍、矛槍が飛び出して彼の前面の氷を打ち砕いた。

「ん〜・・・寒いね。早くフリージアと合流しないと。」
出現した時のように、3種の武器は彼の体の中に納まってゆく。
メラルと戦闘していた際にこんな戦法を取らなかったのは、やはり個人としての力に拘ったからだろう。

――――――――――――シャニィside―――――――――――――――

>22>36>44
突然の猛吹雪にエルザは脱兎の如く、黒猫を抱いて走り去ってしまった。
とりあえずおいてけぼりになったシャニィもフリージアと一緒に待っていたのだが・・・
シャニィは猛吹雪の寒さが身にこたえるのかガタガタガタガタと震えている。

?「あ、いた。おーい、フリージアー!」
吹雪の向こうからラルヴァが現れた。
フリージアにしてみれば、さっき上階に向かっていた筈なのに何故?というところだろう。
吹雪で姿もよく見えない。彼は本物なのだろうか。

56 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/04/05(土) 17:22:12 0
>46
>「食堂に行こう。僕はお腹ペコペコでヴァンエレンは少し休みたい。よし、決まりだな!」
ヴァンがこれからの向かう先を訪ねたときにタイミングよく腹が食べ物を要求して大きく鳴いた。
腹が減っては戦はできぬということで、マオはなんの迷いもなく食堂へ行くことを決定した。
「わかった。
 まずは食堂へ行って腹ごしらえするとしよう」
腹で返事をしたマオに対して多少の苦笑を漏らしながら、食堂を目指そうとしたときにマオの様子が変なことに気がつく。

>46
>「向こうの曲がり角…だれか居る…今目があった…どうしようかヴァン。
> 僕はできれば戦いたくないんだが…逃げるか?それとも対話してみるか?」
そうして差す方角を見てみるが誰もいないがこの状況で嘘をつくわけもないし、どうやら隠れてしまったのだろう。
こちらの状況があまりよろしくないので戦闘は避けるべきと言うマオは、退くかそれとも話し合うべきかを相談する。
相手は誰ともしれない未知の存在ゆえに、むやみに近づいていって罠でしたなんてことになったらお話にならない。
それになによりいまはベアトリーチェでの失敗が話し合いという平和的解決への考えの余地をなくしていた。
「彼を知り己れを知れば百戦して殆うからず。
 まぁ要は『敵の力を知るのはもちろん、身の程も知っておきましょう』ってことさ。
 ってことで逃げろぉ!」
三十六計逃げるに如かず、後ろを向いて走るを上とすとえらい人も言っている。
ヴァンエレンに一切のためらいはなかった。
馬になってマオを乗せると一目散に走りだし、敵に振り返る間もなく階段を上って駆けて行く。

>51
食堂までの道中では遠くで誰かが戦っている音にいくばくか警戒しながらなんとか無事にたどり着くことができた。
「ここまで来ればもう安心…のはず。
 おばちゃん、トマトジュースをいただきたい」
開きっぱなしになっているドアを抜けた先では暖かい空間でおよそいままでの戦場が嘘だったかのように平和な空間が広がっていた。
マオを降ろして変身をとくと、最近になって味を覚えた『赤いが決して血ではない』飲み物を早速注文を入れた。
疲労感によって倒れこむようにぐでーっと席につく。
「これからどうするのだ?
 優勝を狙うにしてもいまの我々には力がなさすぎるし…。
 いっそのこと棄権してしまおうか?」

57 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/05(土) 19:12:40 O
>54>「今のところ俺が会った生徒は二人だけなのだ。(中略)
それにおっぱい特盛りな虎の女の子がいたけど、どう考えたって彼女は生徒じゃないのだ。」
なるほど…とりあえず人はそんなに居なそうだな。
厄介なのはフリージアと白百合騎士団くらいか…。
猫に変身してる奴は保留、特盛りな虎の女の子は是非ともお会いしたい。
>「それと…どうやら女子寮を凍らせている奴がいるようなのだ。
 フリージア以外の、そして彼女と同じくらいの氷の使い手が。」
フリージアと同じくらいの氷の使い手…となると、かなり数は絞られるな…。
誰だか知らんが、余計な事をしてくれたよ…。
>「ところで、エース先生。俺はエルザとエース先生が戦っているのを見てたのだ。」
>「たぶん、あの戦いでエルザは随分成長したと思うのだ。
 エルザは絶対にエース先生にお礼を言わないと思うから
 俺からお礼を言わせてもらうのだ。ありがとうございます。」
>「いや、そんな感謝される事では…」
>「でも、エース先生は優しすぎるのだ。」

もう少しエース先生が追い詰めエルザを覚醒させれば、スーパーハードニングとやらが撃てるようになっていたらしい。
彼女にそんな力があったとは、驚きだな。

58 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/05(土) 19:14:58 O
「なんだ、もう行くのか?少し位休めば良いのによ。
…ま、目的があるんならしょうがねぇか。
殺られないように気を付けろよ、じゃあな。」

ロックが去った後、エース先生は俺の服を乾かしながらポツリと呟いた。
>「僕は…甘すぎるんですかね…?」
「何を今更…。確かにエース先生は甘い。
その甘さを戦場で見せたら命取りになる。
自分だけならまだしも、仲間まで危険に巻き込んでしまう可能性も否めない。
戦場で情を見せる奴は死ぬ可能性が高い。」
>「………。」
「…でもさ、俺は良いと思うんだ、甘くても。だってよ、人間が情を捨てちまったらもう人間じゃない。
機械だ。」
>「機械…。」
「そう。だからエース先生は今のままで良い。
甘くないエース先生なんてエース先生じゃねぇよ。
ヤバくなったら俺が助けるから、今のままで居てくれ。」
>「……クスクス…。」
「ん?どうしたんだ?」
>「いや、なんかレイド先生らしいなぁ〜って。…クスクス。」
こ、こんにゃろ…。人が珍しく真面目に話してやったのに…。
>「ありがとうございます。気が楽になりました。」
「そいつは良かった。
…さ、服も乾いたようだしそろそろ行きますか。」
乾いた服に袖を通し、俺達は一階廊下を歩き出した。

59 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/05(土) 22:07:55 0
>51
ミルクはミニアルナワーズの誘いに乗った。
しかし、『あくまでグレイルを助けるつもりだから』という姿勢でだ。
そんな反応でも十分だった。
いや、そんな反応だからこそ十分なのだ。

ラヴスポットに連れて行くに当たり、ミニアルナワーズはにこやかに、そして当たり前のように告げる。
「ラヴスポットに行くのなら男と女が手を繋いでいくのがお約束よぉん。」
この台詞を出せた以上、既に確定したようなものだった。
ミルクは驚いたような反応をしながら、結局は・・・
>「やれやれ、そうしなきゃ行けないんじゃしょうがないわね。
>暖かい極楽コースに行きたいんでしょ?
>1つでっかい貸しにしてあげるから、後でちゃんと利子つけて返しなさいよ、グレイル」
そういいながら仕方がなさそうにグレイルに手を差し出すのだから。

その瞬間、ミニアルナワーズの表情がニヘラと崩れる。
「あらあら、まあまあ!ミルクったらぁ〜。」
ふよふよと浮遊しながらミルクの頭に着地し、面白そうに続ける。
「ミルクってば【ツンデレ】だったのねえ。
【お約束】としか言ってないのに。
チャンスだからって【条件】って脳内変換しちゃって自分を納得させたのねえ。
テ・レ・や・さ・ん(は〜と)。
か〜わいいわぁ〜ん。」
そう、まさに今のミルクの行動は「ベ、別にあんたの為じゃないんだからね!」を地で行く言動ではないか!
この反応が見たいが故にミニアルナワーズの一連の行動があったといっても過言ではない。

吹雪の吹き荒む中、おちょくるようにミルクの頭で笑うと、すぐに離れていく。
勿論、照れて怒ったミルクから逃れるために、だ。
「吹雪の中でもあつ〜いのは判ったから〜。照れないでぇん。いきましょ〜。」
くすくす笑いながら巧みにミルクとつかず離れづの距離を保ちながら校舎内へといざなう。
その途中、ふと思い出したように振り向き・・・
「そういえば、グレイル?グレイブと遊んでいたキサカはどうしたのぉん?」
ひょいと距離をとりながら演習室での戦いの顛末を尋ねた。

60 名前:グレイル ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/04/05(土) 23:18:43 0
>49 >51 >59
寒がるグレイルとその寒がりように驚くミルク。
そこにある人物が!
>「はぁ〜い二人とも。突然の吹雪にお困りのようねぇん。
>探し物と暖を一挙両得な極楽コースにご案内するけど、いかがぁん?」
「mjd!?つか誰!?」
咄嗟に声のした方向に向き直る。
そこには、窓から身を乗り出したミニアルが!
…間違い無く酷い目に遭う。
そうグレイズとグレイブは確信した。

グレイルは暫くミニアルとミルクの話に耳を傾け…てはおらず、ただただ寒がっている。
>「ラヴスポットに行くのなら男と女が手を繋いでいくのがお約束よぉん。」
>「ちょ、ちょっとなによそのいかがわしいお約束は!」
「ととと兎に角行こうぜぇー!ここここ凍えじじじ死ぬぬぬ!!」
勿論手を繋ぐことに全く動じないグレイル。
まあ3人の誰でも動じないが、ピュアなのかミルクは恥ずかしがっている?
不思議そうな目で3人はその様子を眺める。
やっぱりグレイルは寒がってそれどころではないが。

>「やれやれ、そうしなきゃ行けないんじゃしょうがないわね。
>暖かい極楽コースに行きたいんでしょ?
>1つでっかい貸しにしてあげるから、後でちゃんと利子つけて返しなさいよ、グレイル」
>そう言ってグレイルに手を差し出した。
「ああああありがとよー!」
この様子をどう解釈したのか、ミニアルが口を挟んできた。
>「ミルクってば【ツンデレ】だったのねえ。
>【お約束】としか言ってないのに。
>チャンスだからって【条件】って脳内変換しちゃって自分を納得させたのねえ。
>テ・レ・や・さ・ん(は〜と)。
>か〜わいいわぁ〜ん。」
【…全く、こいつは……何がしたいんだ?】
「つつつんでれ?つんでれミルキー?意味わかんねーけど早く行こうぜ!」
横で怒り出すだろうミルキー…おっと、ミルクの事など考えてはいない。
哀れミルキー。

>「吹雪の中でもあつ〜いのは判ったから〜。照れないでぇん。いきましょ〜。」
というミニアルの声を聞き流しながらとりあえず差し伸べられた手を繋ぎながら校舎内へ歩く。
炎魔法をよく使うからか、グレイルの手は人より暖かい筈だ。
にしても。
【…R、大丈夫?】
「む、り!」
【いつもの調子が出ないことぐらい分かってるだろう…仕方がない、俺が替わるか】
「よろ…俺にゃ無理!」
そんな会話をした直後、ミニアルが
>ふと思い出したように振り向き・・・
>「そういえば、グレイル?グレイブと遊んでいたキサカはどうしたのぉん?」
>ひょいと距離をとりながら演習室での戦いの顛末を尋ねた。

61 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/04/05(土) 23:19:03 0
同時にグレイルの体温が下がる。
頭髪と瞳の色も変化し、目が細くなる。
グレイブが身体に入ったのだ。
「……俺にペンダントを一つ、投げてからチャック…いや、ジッパーを扉に付けて何処かに行きやがった…。
あいつもお前と同じ人種だな…何がやりたかったか、さっぱりわからない……それよりも、」
ミニアルを繋いでいない方の手の指で指し、
「この間、白百合の奴の一人が『この、女の敵がぁぁぁ!!』とか言って襲ってきたんだが…お前が妙な噂を流したんじゃないだろうな…。
唯でさえ奴らには何故か嫌われているというのに………ああ、ところでラヴスポットにワインはあるか…?」
【駄目だぁぁ!アルナワーズ!この状況でワインは、いや、アルコールは飲ませちゃ駄目だぁぁ!!】

62 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/06(日) 08:59:58 P
>55
?「あ、いた。おーい、フリージアー!」
「え?」
吹雪の向こうから現われるラルヴァ
はたして本物なのだろうか?
確か彼は上の階に上がっていったはずである
なぜそんなところから現われたのだろう

もしかしたら偽者かもしれない!!
いっそのこと本物かどうか確かめるためフリージングディストラクションをぶっ放してみようかしら・・・
どうせこの呪文は等身大の相手にはめったに当たらないし・・・
ちょうど一発分の踊りは途中まで終わってますわ
それで本物だったら・・・・「敵を倒すにはまず味方から」とか言って誤魔化そうかしら

そう結論を出し残りの踊りを踊ろうとするフリージアだったが
ふとシャニィの姿が視界に入ると考え直した

いえいえ・・・もっと確実な方法がひとつあるじゃないの
こんなことのために今のところ一日4回しか使えない貴重なフリージング・ディストラクションを使うことはありませんわ

「ねえシャニィさん・・・・あれ本物のラルヴァさんですの?」
もっと確実な方法・・・・そう彼の使い魔であるシャニィに本物かどうか聞いたのである
それは別に猫科の動物嘘付かない・・・とかいう理由ではなく
使い魔であるからには主人と魔力のラインがつながっているはず
本物であるならある程度離れていてもわかるはずだ

実際フリージア自体もギズモという使い魔を持っているのだが
そのギズモは自分と自分の姿を模したフリージングドールを間違えたことは無い

「鎌倉を作るから早くこっちに来なさいな」
そしてそうラルヴァに声をかけるのであった

ペンダント 自前1 ゲット2 預かり1 投下1 アイテム 魔力回復薬


63 名前:黒猫ルズ[sage代理投稿スレ250] 投稿日:2008/04/06(日) 09:36:25 0
>43 >46 >51 >53 >56
エルザの話では、アンジェリーナの研究室は学園で二番目に高い場所にあるという。
>「さあ、行きましょうか。さっき言ったとおり、一番上の階を目指すわよ。」
「了解なのですわ〜。エルザ様、宜しくお願いするのですわ〜」
ルズは懐に入ったまま、アンジェリーナの研究室まで連れて行ってもらうつもりのようだ。
「それにしてもアンジェリーナ様は、大型飛行箒免許でもお持ちなのかしら〜。
 いくら見晴らしが良いとはいえ、研究室が高い場所では移動が大変でしょうに〜。
 一緒にお住まいのエルザ様も、何かと不便な思いをなさっておられるのでは〜?」

>校舎を歩いていたエルザは、曲がり角を曲がったとたん二人の人影を目撃した。
>「どうしよう、黒猫さん?あの二人…階段の前にいるわ。」
>エルザは謎の二人組みに聞こえないよう、小声でルズにそう言った。
ルズは人影をじっと凝視した。どうやら猫になっている分、エルザよりは夜目が利くようだ。

「二人のうちの片方は吸血鬼のようですわ〜夜間、夜の眷属を敵に回すのはあまり利口とは言えませんわ〜。
 早くどこかに立ち去って下さらないかしら〜。・・・・・・あら嫌だ、こちらに気づいたようですわ〜」
彼女はさほど焦ったふうでもなく、エルザに隠れているのがばれた事を伝える。

だが今後のことを相談するまでも無かった。
二人のうち片方が馬に変化し、脱兎のごとく階段を駆け上がって行ってしまったからだ。
「階段を馬に変身して駆け上がるとは・・・・・・エキセントリックですわ〜」
馬にとっては人間用の階段はいささか手狭である。踊り場での方向転換はさぞやりにくいに違いない。

「今の二人は階段を駆け上がって行きましたわ〜。しかも一度も振り向きませんでしたわ〜。
 彼らが逃亡したのか待ち伏せしようとしているのか、わたくしでは判断しかねるのですわ〜。
 エルザ様、どうなさいます〜?」


64 名前:ラルヴァ&シャニィ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/06(日) 14:07:03 0
>62
>「ねえシャニィさん・・・・あれ本物のラルヴァさんですの?」
「う゛ん゛・・・(ガタガタガタ)マ゛ス゛タ゛ーだよ・・・(がたがたがたがた)」
シャニィはがたがたと震えながらかろうじてそう答えた。

ラルヴァがちゃんと目で捉えられるほど近づいてくると
シャニィは「マスター!寒いーー!!!」などと叫びながらラルヴァの体に溶け込むように帰ってしまった。

>「鎌倉を作るから早くこっちに来なさいな」
「確かにこの吹雪は辛いね・・・。あぁ、ごめんフリージア。状況を説明するね。」
ラルヴァの説明は事実のみを語るような口調で以下のとおり
・この吹雪+女子寮が氷だらけなのはメラルの魔法
・メラルはどうやらラルヴァを偽者と勘違いして(何故か)激怒して攻撃を仕掛けてきたらしいこと
・誤解は解けたが結局戦闘になり、やられてしまったこと。

「で、こっからは僕の推測だけど・・・メラルは優勝を狙っている感じではなさそうなんだよね。
 なんていうかここまでしたのは、ペンダント集めが何かの目的の為の手段みたいな感じかな。
 本物だと分かってからも僕と戦闘しようとしたのは、優勝だけを狙うなら無意味だからね。」

>「鎌倉を作るから早くこっちに来なさいな」
「吹雪を防ぐにはありがたいけど氷のベッドは辞退しておくね、一度やられたせいか眠気もリセットされるみたい。
 見張りも必要かもしれないし。」
時刻はもう深夜になろうとしているのだろうか、もはや吹雪で昼も夜も関係なさそうではあるが。

「あ、そうだ。これがあった。」
ラルヴァが帰還する寸前のシャニィから受け取った箱を開けると
中には携帯保存食が4食分程入っていた。
「フリージアも食べる?」
ラルヴァは保存食を差し出した。

※携帯保存食:支給品のひとつ、のり弁のようなハズレの分類に入る。
          いわゆるひとつのカ○リーメ○トもどき。
ラルヴァ:ペンダント所持数0:携帯保存食x4所持。

65 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/06(日) 18:55:22 0
>>50

水をかけられたことで眼が覚めるリリアーナ。
本来ランドはこの時点で半殺しにされても文句など言えない。
しかし、リリアーナはランドの事を同居人のアルナワーズと勘違いし、
更にここを自室だと思っているようだ。
気絶しているランドにイメチェンかと聞きながら髪の毛を乱す。

そしてシーツを引っ張り出し文句をいいながら濡れた枕とタオルをサイドボードに置く。
どうやら本当に同居人のアルナワーズと思っているようだ。
部屋の違いもアルナワーズが気分転換に幻術で変えた模様替えのようなものだと・・・
リリアーナはランドに毛布をかけさせスカートを脱ぎランドの隣に寝る。
>「お休みぃ〜アルー」
「・・・う・・・ん・・・」

この一部始終を録画している幻灯機・・・確かにリリアーナはランドをアルナワーズだと思っているし。
ランドもまさかこんなことになるなど思ってなかっただろうがそんなことはすでに関係ない。
二人がラヴスポットで同じベッドに寝ているというのは事実・・・
この光景を見たら殆どの人はおそらくそういう関係なのだろうと勘違いするに決まっている。

もしここの映像をアルナワーズが意気揚々と色んな人間に公開しただけでランドは
この学校に居られないような状態になってしまうだろう。
いやそれならばまだいい、アルナワーズとリリアーナが公式カップルだと、
そう信じて疑わない白百合騎士団に本当に殺されてしまうかもしれない。

しかも・・・今アルナワーズの分身であるミニアルナワーズが事態に拍車をかけるように
このラヴスポットにグレイ3兄弟とミルクを来させようとしている・・・
いまこの状況を誰かに見られなどしたらアルナワーズの公開を待たずしてランドは破滅だ。
・・・今まさにランドにとって今まさに史上最大の危機が迫っている!

66 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/06(日) 19:06:46 0
>56>63
> 「二人のうちの片方は吸血鬼のようですわ〜夜間、夜の眷属を敵に回すのはあまり利口とは言えませんわ〜。
>  早くどこかに立ち去って下さらないかしら〜。・・・・・・あら嫌だ、こちらに気づいたようですわ〜」
> 彼女はさほど焦ったふうでもなく、エルザに隠れているのがばれた事を伝える。
エルザはさっと死角に身を隠した。
「吸血鬼…あまり恐ろしくないわね。」
どんなに物好きな吸血鬼がいても、まさか銀色の血まで吸ったりはしないだろう、と思った。
さて、向こうがこちらの存在に気づいた以上、戦いを覚悟しなくてはいけない。
気を抜いたら、さっきエースにやられたように、いきなり壁に叩きつけられるかもしれない。
エルザは衝撃波を放つ準備をした。しかし、その衝撃波が放たれる事はなかった。
> 二人のうち片方が馬に変化し、脱兎のごとく階段を駆け上がって行ってしまったからだ。
> 「階段を馬に変身して駆け上がるとは・・・・・・エキセントリックですわ〜」
エルザは逃げる二人に対して何もしようとしなかった。
直情型のエルザは、襲われたり、狂気に走ったり、個人的な恨みが無い限り人を傷つけようとしない。
ロックのように、強い敵と戦って自分を高めようという発想も無い。
見ず知らずのマオとヴァンエレンに、危険を冒してわざわざ襲い掛かる理由が無いのだ。
ペンダントは欲しくないのか?とエルザに聞いても、彼女は『いいえ』と答えるだろう。
無知なエルザは、最初こそ自分が優勝しようと考えていた。
しかし、エースとの戦いは、エルザの根拠無き自信を打ち砕くのに十分なものだった。
だから優勝しようとは思わない、でもとりあえず今やりたいと思う事をやろう。
それが、今エルザがリバースの中にいる理由なのだ。
> 「今の二人は階段を駆け上がって行きましたわ〜。しかも一度も振り向きませんでしたわ〜。
>  彼らが逃亡したのか待ち伏せしようとしているのか、わたくしでは判断しかねるのですわ〜。
>  エルザ様、どうなさいます〜?」
「行きましょう、黒猫さん、さっきの二人は私の存在に気づいていたわ。
 その場合で待ち伏せが成立するのは、私が必ず階段を昇らなければいけない場合だけ。
 でも、さっきの二人は私がどこに行きたいかを知らないはずよ。
 だから…正直理解に苦しむけど、どうやら私から逃げたみたいね。」
エルザはヴァンエレン達が昇っていった階段を昇り始めた。

「さっきの話…アンジェリーナの事だけど、箒の免許は持っていなかったと思うわ。
 私も以前、ロックに同じ事を聞いたんだけど、ロックもわからないって言ってた。」
エルザはどんどん階段を昇っていった。先はまだ長い。
「たしかに…ちょっと…ハァ、不便かもしれないわね。でも、アンジェリーナは私の面倒を良く見てくれるわ。
 私にはお母さんがいないけど、もしいたとしたらアンジェリーナみたいな人がいいと思う。
 みんな恐がって彼女に近づこうとしないけど、結構かわいいところもあるのよ。」
エルザは、あはっと笑った。思い出し笑いだ。
「そういえば、前に変な寝言を言ってたわ。
 『ロック…もっとちょうだい…』って、一体どんな夢を見てたのかしら?」
エルザはどんどん階段を昇っていった。先はまだ長い。
「アンジェリーナも…いつかお母さんになる日が来るのかな…」
エルザは意味深にそうつぶやいた。

67 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/06(日) 20:10:19 0
(やはり食堂は平和だ…)
俺、クリス・オーランは6杯目になるコーヒーを飲みながら吹雪が止むのを待っている。
(できれば仲間がほしいけど共闘してくれるやつなんていないよな…)
そんなことを思いながらゆっくりしていると前のほうの席に誰か来たようだ。
(あれは…ヴァンエレンとマオか)
(闇の眷属は夜になると強いし、エリートもいれば大丈夫かな?)
そう思ったので二人に同行できるように早速話に行くことにした。
「エリートのマオさんと偉大なる吸血鬼のヴァンエレンさんですよね。
 俺は魔道工学科のクリス・オーランというんだが、お二方に同行させていただけないでしょうか?」

68 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/06(日) 21:11:55 O
>59-61
>「あらあら、まあまあ!ミルクったらぁ〜。」
ミニアルナワーズがいかにもわざとらしい声を出しながらあたしの頭に乗りに来た。
こいつがこんな事を言うときはろくな事がない。
>「ああああありがとよー!」何を言い出すのかと警戒していると、グレイルの方は大層ありがたがって差し出した手を握ってきた。
うわっ体温高っ。なんて思っていると。
>「ミルクってば【ツンデレ】だったのねえ。(中略)
>か〜わいいわぁ〜ん。」
「なっ!ツンデレ!?あたしが!?
それにチャンスってなによ!?」
いきなりアルナワーズが予想外の攻撃を仕掛けてきやがった。
こ、こいつ〜っ!わざと紛らわしい言い方をしやがったな!!
頭の上で笑うアルナワーズを捕まえようとしたけど、その手はむなしく空振りする。

>「つつつんでれ?つんでれミルキー?意味わかんねーけど早く行こうぜ!」
>「吹雪の中でもあつ〜いのは判ったから〜。照れないでぇん。いきましょ〜。」
逃げるアルナワーズは手が届くか届かないかの距離をくすくす笑いながら飛んでいく。
グレイルが繋いだ手を引っ張るから無理に捕まえに行くこともできやしない!
「あたしはツンデレでもミルキーでもないわよ!
それにグレイルもいい加減人の名前ぐらいちゃんと覚えろーっ!」
いまさらやっぱり手を離せとも言えず、あたしはグレイルと手を繋いだまま校舎を歩く事になった。
アルナワーズが録画装置らしき物を持っていないのが不幸中の幸いと言うべきか。
くっそーっ!この貸しは高くつくわよグレイル!!

>「そういえば、グレイル?グレイブと遊んでいたキサカはどうしたのぉん?」
しばらく行くと、アルナワーズがグレイルに何か聞きだした。
グレイブっていうと森でグレイルと切り替わった青髪だ。
キサカの方は名前も聞いたこと無いけど、グレイブと敵対してた奴か?
考えていると、繋いでいたグレイルの手がすうっと冷えていく。
グレイルがグレイブと入れ替わったらしい。
体温が変わるって事は属性も人格によって変わるって事。
敵に回したときは気をつけた方がいいだろう。
人格は最低でも三つあるみたいだから、三属性は使いこなせるってわけだ。

>「……俺にペンダントを一つ、投げてからチャック…いや、ジッパーを扉に付けて何処かに行きやがった…。
>あいつもお前と同じ人種だな…(中略)お前が妙な噂を流したんじゃないだろうな…。
>唯でさえ奴らには何故か嫌われているというのに………ああ、ところでラヴスポットにワインはあるか…?」
「ワインは知らないけどアルコールくらいあるでしょうよ。
なにしろラヴスポットだなんていかがわしい名前が付いてる場所なんだし」
あたしはさっさとラヴスポットに入りたい一心で適当に答えてやった。
こんな所だれかに見られて学園中の噂にされても困る。
それにアルコール飲んだら体が温まるから、あるとあたしも嬉しい。

「それよりえーっと…グレイブでいいわよね。
前から聞きたかったんだけど、あんたたち三人って話したり入れ替わったりできるのよね?
やっぱり憑依系の魔法でも使って入れ替わってるの?
それからヴァンエレンが人狼って呼んでたけど、どの辺が人狼なわけ?」
グレイルと違ってグレイブはおバカじゃなさそうだ。
正直に話すかわからないけど、今のうちに疑問を聞いておこう。

69 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/06(日) 22:06:39 0
>60>61>68
怒るミルクとは対照的に、寒さのあまりおちょくられている事にも気付かないグレイル。
ちょっと物足りないが、その分ミルクが過剰反応してくれているので良しとしておこう。
それに、その物足りなさを補って有り余る情報も手に入ったのだから。
キサカとの戦いの顛末に笑いをかみ殺していた。

顛末を語ったグレイブはキサカが何を考えているかさっぱりわからないといたが、ミニアルナワーズにはよくわかる。
叩きのめし一方的に倒すより効果的な方法をキサカは選んだという事だ。
見たところリリアーナへの敵対心は既にないように見える。
それにグレイルとわざわざ入れ替わっていたという事は魔力の消耗が著しいのだろう。
最小の労力で最大の効果を上げたときっと喜んでいるだろう。
実にアルナワーズ好みの戦いであったろうと手に取るように判ったのだ。

笑いを噛み締めていると、グレイブが白百合騎士団に襲われた話をする。
その話は既にミニアルナワーズの耳に入っていた。
勿論酔えば記憶の飛ぶグレイブの乱行の成果で、アルナワーズの操作するところではない。
が・・・それを素直に教えてやるような人間でもありはしない。
「さあ?私は妙な噂なんて流さないわよぉん。基本的に嘘は言わないし〜。」
ニヘラと笑いながら横目で視線を送る。

その間にはこの段は踏まないだの一歩戻るだのとラヴスポット出現手順を踏ませていくのは忘れない。
ミルクがグレイズに体質について質問していると三人は校舎二階に辿り着く。
そう、本来は窓であるはずの空間に堂々とドアが出現していた。
「到着よぉん。ワイン?グレイブ、ここをどこだと思っているの?
ラヴスポットよぉん。
二人を盛り上げるワイン、酒類は勿論、皇帝液ユンゲルンをはじめ、各種精力剤は完備は当然よ〜。
でもあまり強いお酒は期待しないでねぇん。役立たずになっちゃうと困るから置いてないの。」
エッヘンと胸を張るミニアルナワーズだが、それなりの訳はある。
本来空間特異点でしかない場所を発見し、ラヴスポットとして整備したのにはそれなりの人数が関わっている。
その中の一人にアルナワーズも入っているのだから。

「じゃあ適当に飲んでねぇ。
はぁ〜い、リリィ!ランド!仲良くしてたぁ?」
ラヴスポットに到着したが、そこにランドの姿はなかった。
艶かしい赤色に染まる室内。
テーブルの上に置かれたグラスは二つ。
中央に鎮座するクイーンサイズベッドは一つの山になっている。
「リリィが寝ているのはいいとして・・・ランドは・・ケダモノになれずに逃げちゃったかしらぁ〜。」
詰まらなさそうに辺りを見回すのだが、まだ知らない。
ランドがミニアルナワーズの予想の斜め上を突っ走っている事に!

############################################

その頃腐海、ベアトリーチェラボでは。

「投薬後20秒経過。質問を始める・・・」
椅子に座らされているキサラにベアトリーチェが質問を始める。
・・・・・
・・・・
・・・
・・

「さて、時間はまだあるわけだが、こいつどうしようかな。」
自白剤を使い、キサラの本体でる事を確認したベアトリーチェ。
予定時刻にはまだ随分とある。
まだまだ時間がかかるのだ。
毒コーヒーを啜りながらじっくりと時が過ぎるのを待っていた。

70 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/04/07(月) 14:32:32 0
>68
横で適当そうにミルクが答える。
>「ワインは知らないけどアルコールくらいあるでしょうよ。
>なにしろラヴスポットだなんていかがわしい名前が付いてる場所なんだし」
「まあ、確かにな。他にも異様なモノがある気がしてならないが…」
アルナワーズのような奴らが何か持ち込んでいるだけあって、恐ろしい。
【それでも、今回は感謝出来るんじゃない?】
【そっそそそうだよななななー!!】

そういえば、という感じにミルクが質問をしてくる。
>「それよりえーっと…グレイブでいいわよね。
>前から聞きたかったんだけど、あんたたち三人って話したり入れ替わったりできるのよね?
>やっぱり憑依系の魔法でも使って入れ替わってるの?
>それからヴァンエレンが人狼って呼んでたけど、どの辺が人狼なわけ?」
そうきたか、とばかりにふん、と息をつく。
「魔法を使っているわけじゃない…幽体離脱と憑依…いや、口寄せだったか、こう言えばわかるか?
それと人狼についてか…俺達はクォーター、つまり1/4だけ血を継いでいる。
更に『俺は』その影響があまり無いから違いが殆ど無いんだろう。俺も何処に影響があるのかわからないな…」
ミニアルの指示に従い、着々と出現手順を踏むグレイブ。
「あとヘボ吸血鬼が俺が人狼とわかったのは疑問に思うが、アレが吸血鬼だからわかったんだろう…そろそろか?」

>69
丁度ミルクの返答を終えたところで面倒な手順を全て終えたようだ。
3人は二階に辿り着いていた。
>「到着よぉん。ワイン?グレイブ、ここをどこだと思っているの?
>ラヴスポットよぉん。
>二人を盛り上げるワイン、酒類は勿論、皇帝液ユンゲルンをはじめ、各種精力剤は完備は当然よ〜。
>でもあまり強いお酒は期待しないでねぇん。役立たずになっちゃうと困るから置いてないの。」
「…役立たず?」
何が役立たずなのかわからず、怪訝な顔をしながらもドアを開け、ミルクを引きつれてラヴスポット内に入る。

>「じゃあ適当に飲んでねぇ。
>はぁ〜い、リリィ!ランド!仲良くしてたぁ?」
「ん?リリアーナは…其処で酔いつぶれて寝てるのか…だが、居ないな」
【なにー誰がよー?】
「さっき呼ばれた、『ランド』とやらだ…」
【本当だね、たぶん男子だろうけど…気配もそこのベットくらいしか】
戦闘した形跡はない、出て行ったのだろうか。
「ま、どうでもいいがな…俺はワインが飲めればそれでいい」
【【だぁぁぁ――――ッ!駄目だぁぁ―――――――!!】】
「…アルナワーズ、ワインは何処にある?」

71 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/04/07(月) 18:11:08 O
俺はファイアーボールを右手に(照明の代わり)、女子寮に仕掛けられているトラップを回避しながら1階を探索していた。
「う〜、寒い…照明も無いし…。
上下左右、どの方向向いても氷が張ってやがる…どこの国だ、ここは。」
1階にあるのはトラップや氷ばかりで生徒の姿は見当たらない。

「…2階に行きますか。」
>「そうですね、階段を探しましょう。」

そして階段に辿り着いた訳だが…。
「手の込んだ事してくれるなぁ…。」
>「階段を氷で封鎖ですか…これは上に行かせたくないって事ですかね?」
「だな。…だが、行くなと言われれば行きたくなるのが男の性ってやつよ。」
>「一部の人間だけだと思いますけど…。」
「うるせーい。とりあえず氷を溶かす。タバコ、タバコ…。」
階段から少し離れた位置からタバコを投げ、爆発。
そこにエース先生が風を送り込み威力倍増、というコンボで氷を溶かす。

「何がなんでも誰がこんな事したのか突き止めてやる。
俺が何回転けそうになったと思ってんだ。」
>「女子寮に入った僕達が悪いんだと思いますけど…。
突き止めたらどうするつもりですか?」
「もち、ペンダント没収。寒さに弱い俺様をこんな目に逢わせた罰だ。」
>「……物凄く迷惑な話です

72 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/07(月) 19:14:44 0
>「さっきの話…アンジェリーナの事だけど、箒の免許は持っていなかったと思うわ。
> 私も以前、ロックに同じ事を聞いたんだけど、ロックもわからないって言ってた。」
「そうなんですの。体力がつきそうですけれど、急いでいる時には困りものですわ〜。
 エルザ様〜、わたくし重くはありません〜?」
先は長い。エルザが望むなら、ルズはいつでも自力で歩くつもりだ。
ただし、エルザのペースについていけるかは分からないが。

>「たしかに…ちょっと…ハァ、不便かもしれないわね。でも、アンジェリーナは私の面倒を良く見てくれるわ。
> 私にはお母さんがいないけど、もしいたとしたらアンジェリーナみたいな人がいいと思う。
> みんな恐がって彼女に近づこうとしないけど、結構かわいいところもあるのよ。」
「そうなんですの?」
>エルザは、あはっと笑った。思い出し笑いだ。
「そういえば、前に変な寝言を言ってたわ。
 『ロック…もっとちょうだい…』って、一体どんな夢を見てたのかしら?」
「ももももも、もっとちょうだい?!あああああ、あのアンジェリーナ先生がですのっ?!」
きゅぴーん☆とルズの目が光った。
(これは・・・お約束ですわ〜!教師と生徒の許されざる恋の香りなのですわ〜!!)
>66
ルズは頭の中でメイド姿のアンジェリーナを想像した。
ピンク色のライトが飛び交う中、赤毛のメイド美女が頬を赤らめながら熱っぽい視線を相手に向ける。
『ロック、愛してるわ』
『俺もなのだアンジェリーナ!愛しているのだ!』
そしてその先に立っているのは――――

趣 味 の 悪 い ア ロ ハ シ ャ ツ を 着 て、 頭 に 白 い 布 を 巻 い た 長 髪 男 !!

(いや――――!!もうぜんっぜん!なってないのですわ〜!
 美女の相手が抱かれたくない男ランキングNO1では萌えが足りないのですわ〜!!)
き〜っと妄想をかき消すようにルズがぶんぶん振ったが、エルザの視線に気づきはっと我に返る。
「ななな何でも無いのですわ〜。おーほほほ!」
ルズは『愛しのフリージア女王さま』の真似をして笑った。

>「アンジェリーナも…いつかお母さんになる日が来るのかな…」
>エルザは意味深にそうつぶやいた。
妄想の中で、アンジェリーナの相手役をエルザやナナを当てはめていたルズだったが、
エルザの声から伝わってきたものに気づき、真面目な顔になった。
「エルザ様ったら先走りしすぎですわ〜。
 普通心配するなら、恋人ができるとか結婚するとかが先なのですわ〜」
ルズはそう言ってころころ笑った後、はっとある事実に気づいた。

「も・・・もしかしてアンジェリーナ先生は、あのロックと結婚する予定でもおありですの〜?!」
だとしたらビックニュースだ。
「でもロックといえば、あまりいい噂を聞かないのですわ〜。
 女子寮で、裸のリリアーナと部屋で会っていたとかいないとか・・・・・・ああ、あくまで噂ですけれど〜」
ルズは慌てて噂の部分を強調する。

「エルザ様は、アンジェリーナ先生のことをお慕いしているのですね〜」
ルズはしみじみと呟いた。
彼女は男子生徒に全く興味が無いため、ロックがイメチェン(?)した事を知らなかった。
だから先程女子寮で出会った青年がロックだという事も気づいていない。
「何も心配する事は無いのですわ〜。
 アンジェリーナ先生は、誰かを好きになったらエルザ様への接し方を帰るような方ですの〜?」
ルズはくふふ、と笑った。
「もしも心配なら、本人に直接聞いてみるといいのですわ〜。
 エルザ様が真剣なのでしたら、きっと先生も笑ったり誤魔化したりしないで答えてくださるはずですわ〜」

73 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/07(月) 20:11:52 0
>68-70
>「じゃあ適当に飲んでねぇ。
>はぁ〜い、リリィ!ランド!仲良くしてたぁ?」
>「ん?リリアーナは…其処で酔いつぶれて寝てるのか…だが、居ないな」
>「さっき呼ばれた、『ランド』とやらだ…」
「ま、どうでもいいがな…俺はワインが飲めればそれでいい」
「も〜・・・・・・・うるさーい・・・・・」
ベッドの中から眠そうな声が聞こえてきたかと思うと、毛布がもぞもぞ動いた。
リリアーナに蹴飛ばされたらしい少年が、ころんとベッドから転がり落ちて来る。

「アルー・・・お客さん・・・・・・らよー・・・・・・」
リリアーナはランドに向かってアルと呼びかけ、ドアの方の人影を指差した。
そして再び毛布をすっぽり被って眠ってしまう。
どうやらまだランド=アルナワーズだと勘違いしたままのようだ。

ちなみに、ベッドの下にはリリアーナが脱ぎ捨てた衣類が散乱している。
そして室内には怪しい照明。
ベッドから落ちてきた男子生徒。

新たな訪問者の目には、これらは一体どんなふうに映るのだろうか?

74 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/07(月) 21:53:04 0
>72
> 「エルザ様ったら先走りしすぎですわ〜。
>  普通心配するなら、恋人ができるとか結婚するとかが先なのですわ〜」
「う〜ん、確かにそうね。それに、ウエディングドレスを着たアンジェリーナって想像がつかないわ。」
> 「も・・・もしかしてアンジェリーナ先生は、あのロックと結婚する予定でもおありですの〜?!」
「いや、たぶん無いと思うけど…アンジェリーナって何考えているのかわかりづらい…
 まあ、悪くは無いんじゃない?」
> 「でもロックといえば、あまりいい噂を聞かないのですわ〜。
>  女子寮で、裸のリリアーナと部屋で会っていたとかいないとか・・・・・・ああ、あくまで噂ですけれど〜」
> ルズは慌てて噂の部分を強調する。
エルザは、後でロックを刺しておこうと思った。全力で。

> 「エルザ様は、アンジェリーナ先生のことをお慕いしているのですね〜」
> ルズはしみじみと呟いた。
「まあね。」
エルザはルズが勘違いをしている事に薄々気づいたが、
なんとなくおもしろそうなので、あいまいに肯定しておく事にした。
> 「何も心配する事は無いのですわ〜。
>  アンジェリーナ先生は、誰かを好きになったらエルザ様への接し方を変えるような方ですの〜?」
> ルズはくふふ、と笑った。
> 「もしも心配なら、本人に直接聞いてみるといいのですわ〜。
>  エルザ様が真剣なのでしたら、きっと先生も笑ったり誤魔化したりしないで答えてくださるはずですわ〜」
エルザはその通りだと思った。アンジェリーナは嘘をつかない女性だ。
あまりにデリカシーの無い質問に対しては『私にそんな質問をする事は許さないわ。』
と言って一蹴するが、たいていの事は親切に、丁寧に答えてくれるし、
その口から偽りが出る事は一度も無かった。だからエルザはルズに愛想よく言った。
「うん、そうさせてもらうのだ。…はっ!?しまった!?」
エルザはついついロックの口調で答えてしまった。
慌てて両手で口を塞いだが、そんなことをしても言ってしまったものはしょうがない。
さらにこの行動が、エルザをさらに慌てさせる原因となってしまう。

エルザの袖口から、何か小さな物が飛び出し、階段を転げ落ちたのだ。
「ああっ!ガジュマルの実が!」
そう、エルザが落としたのは先程女子寮の前でロックから渡された木の実だった。
エルザは慌てて階段を下り、ガジュマルの実を追いかけた。
その小さな木の実は、コツンコツンと音を出しながらどんどん下に落ちていく。

75 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/04/07(月) 22:06:12 0
ロックは落ちていたガジュマルの実を拾い上げた。
先程女子寮の前で、エルザと自分のために取ったガジュマルの実だ。
ロックは知っている。この何の魔力も感じられない小さな木の実に、
この世界でもっとも偉大な魔法が込められている事を。

>71
さて、ロックがその大事な木の実を落としてしまったのは他でもない。
背後から聞こえた突然の爆発音に驚いて、ずっこけてしまったからだ。
ロックはさっさと拾ったガジュマルの実を懐にしまうと、
爆発音がした方向へ走っていった。

「ひょえ〜、レイド先生はあいかわらずなのだ!」
ロックは、氷が派手に爆砕された階段の前で目を丸くした。
記憶違いでなければ、この階段は氷で封鎖されていたはずだ。
その場にはもうレイドもエースもいなかったが、
きっと二人はこの調子で氷のバリケードを粉砕しながら上を目指すんだろうな、
とロックは思った。

76 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/07(月) 22:27:32 0
>>56
>「彼を知り己れを知れば百戦して殆うからず。
>まぁ要は『敵の力を知るのはもちろん、身の程も知っておきましょう』ってことさ。
>ってことで逃げろぉ!」
やはりというか適切というか、ヴァンエレンは逃げる選択をした。
馬へと変化しボクをのせ階段を上っていく。
しかし、やっぱりあの巨大猫よりも馬のほうがいい。

食堂に辿り着くまでにどこかで戦っているような音がしたりしたが、
今の目的は食堂、警戒しつつ真っ直ぐに食堂へと向かう。
>「ここまで来ればもう安心…のはず。おばちゃん、トマトジュースをいただきたい」
食堂はいたって平和そのもので結構人がいたが特にペンダント争奪戦などは
起こっていなく随分と平和だ…変身をといたヴァンエレンはトマトジュースを注文する。
「僕はオムライスをいただこう。」
僕はお腹が減っているため何かお腹にたまるものを頼みヴァンエレンの向かい側に座る。
どうやらヴァンエレンはいままでの疲れが出たらしく力なく座る。

>「これからどうするのだ?
>優勝を狙うにしてもいまの我々には力がなさすぎるし…。
>いっそのこと棄権してしまおうか?」
「どうする…か、確かにベアトリーチェの件もうまく言い包められてしまった…
 あの戦いは魔力をただ浪費しただけかもしれないな…」
ヴァンエレンが言う危険するかという言葉…本来の僕ならば全力で否定か
ヴァンエレンに文句を言っているが…だけど現状から考えて確かに優勝は難しい。
なにせ僕のペンダントは自分のを含めて4個…端からベアトリーチェが溜め込んでいる
ペンダント狙いでいったから他の生徒とは戦っていない…
この食堂に居る奴等の中に僕のペンダントの数などとっくに超えている奴はざらにいるだろう…

「確かに…僕たちの優勝云々はベアトリーチェの抱え込んでいるペンダントを
 奪って初めて成立するもの…今から集めようとしても明らかに一番にはなれない…」
深い溜息をつく…このまま棄権するしかないのか?
だが…エリートの僕がレクレーションとはいえ棄権なんて…屈辱だ。
オムライスを食べながらどうしようかと策をめぐらすが……あまり言い案はない…
ペンダントを独占している奴を倒せばいいんだろうが……それが誰かも分からない…

>>67
スプーンを咥えながら唸っていると後ろからだれかが声をかけてくる。
>「エリートのマオさんと偉大なる吸血鬼のヴァンエレンさんですよね。
>俺は魔道工学科のクリス・オーランというんだが、お二方に同行させていただけないでしょうか?」
振り向いてみると知らない男子が立っている。
どうやら僕がエリートなのとヴァンエレンが吸血鬼なのは知っているらしい。
「…魔工科の人間?……まあ立ち話もなんだから座るといい。」
だれも座ってない近くの椅子に座るようにクリスにすすめる。

「それで……なんで僕たちに同行したいんだ?…いやなに。
 このゲームでは簡単に人を信頼するのは危険なんだ…それは君も分かってるだろう?
 教えてもらいたいね。それと…魔道工学科のクリスを悪いが僕は知らない。
 できるならどんなことができるのか、どういうことが得意なのか簡潔に自己紹介してもらえると
 こちらとしても組みやすいし組んだ後の連携が取れやすいから楽なんだが…」
細かい情報を知っておいたほうが組みやすい…今までは行き当たりばったりで組んだり解散したりしてきたが…
時間があるならばできればこのぐらい聞いておきたいのは事実。
僕はクリスにもう少し突っ込んだ自己紹介をするように頼んだ。 
 

77 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/07(月) 23:45:42 0
>「…魔工科の人間?……まあ立ち話もなんだから座るといい。」
どうやら話は聞いてもらえそうである。
「それじゃあ失礼します。」
そう答えて席に着く。
>「それで……なんで僕たちに同行したいんだ?…いやなに。
 このゲームでは簡単に人を信頼するのは危険なんだ…それは君も分かってるだろう?
 教えてもらいたいね。それと…魔道工学科のクリスを悪いが僕は知らない。
(まあ知らないのは当然だろうな。魔道工学科はマイナーだし。)
魔道工学科はあまり有名ではない。そのうえ学力がさほど高いわけではないクリスを知らないのは当然といえるだろう。
> できるならどんなことができるのか、どういうことが得意なのか簡潔に自己紹介してもらえると
 こちらとしても組みやすいし組んだ後の連携が取れやすいから楽なんだが…」
(確かにお互いのことはよく知っていたほうがいい)
マオの問いはもっともである。よく知らない相手と組む前に普通は警戒するだろう。
それに戦略を組む上で相手のことを知ることは重要である。動機と自分ができることを説明しておこう。
「とりあえず信頼する理由として、お二方には誇りがあるはず。だから誇りを捨ててまで卑怯な行為をしないと思うんだ。
 それに強敵しか残っていないだろうから一人で戦うよりもエリートや闇の眷属が仲間にいるととても心強い。」
そして腰にある銃をテーブルの上に置いて話を続ける。
「あと俺にできることはこの魔銃を使って援護射撃ができる。風、火、雷の基本魔法と自然治癒力の向上、身体能力の強化、
バリヤー、ほかには工具を持っているから材料さえあればスタントラップや武器も作れる。」
本当は剣術もできるのだが、棒や剣がないので敢えて言わないことにした。
それよりもさっきから吸血鬼がぐったりしているように見えるが気のせいだろうか?

78 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/08(火) 04:53:36 0
  
>「っん〜〜〜もう!メラルったらぁ〜!」
>「あんな妬けちゃう位の激しい睦愛を見せ付けておいて縁がないだなんてよく言うわぁん。」
メラルは、わざわざ何かを言いはしなかった。今下手に何かを言えば、
それもまたからかわれる材料にされるだけだっただろうから。

>「やぁねえ。借りを返すだなんて。別に今返さなくても言いのよぉん。」
>「メラル〜?勘違いしているようだから教えてあげる。 (中略)くらいはするでしょうけど〜。」
「…つまり…事実上、交渉相手はベアトリーチェ一人の可能性が高い…そういう事ね?」
メラルにとって、この部分は重要であった。相手が一人であれば、交渉はかなり楽になる。

>「メラルがベアトリーチェから何を引き出したいかは知らないけれど、そう難しく考える事ないわ。
  (中略)あの子冷え性だからぁ、喜ばれるんじゃない?」
>「まあ難しく考えずにベアトリーチェに話してみたらぁん? 私も後ろから応援しているから、意外とすんなり話が纏まるかもよぉん。」
「難しく考えずに…と言われてもね。それが一番難しいんだけど…。」
しかし、そう言われてもまだメラルは悩んでいた。既にメラルの目的はキサラのペンダントではなく、
自分の力を振るえる場を手に入れる為に、ベアトリーチェに協力する事になっていた。
しかし、そうすると今度は逆にキサラが最大の障害になる。手はいくつかあるのだが、
問題は…キサラの安全と目的。どちらに重きをおくかであった。
しかし…状況はエミューの連絡のせいで、唐突に変化した。

(おい、やべぇゾ。レイド先生とエース先生が女子寮に侵入してこっちに向かってやがる。
後・・・フリージアを容疑者に仕立て上げるのは無理そうだゼ?)
「…なんですって!…エミュー。私がやったのはバラしていいから時間を稼いで。
 多分…それなりに話すべき事を話せば、レイド先生がそっちまで本気で潰しに来るとは思えないわ。
 それに、エース先生はこういうイベントで能動的に動くタイプじゃない。
 レイド先生さえ抑えればなんとかなるわ。…戦闘じゃ勝ち目がないけど、
 こういう手なら私たちにも分があるはずよ。」
エミューからの声なのも忘れ、メラルは顔に出るほど焦って口で指示を出した。
そして…そのまま魔法陣の中央に戻って魔法陣に魔力を送り、先に森上空への
儀式による天候への影響を薄めるように操作するのも事前に済ませておき、
ついでに…ベアトリーチェとの会話中に後ろの魔法陣が見えないよう、魔法陣の大きさも調整した。
最も、これはメラルの立っている位置も風に見舞われ、吹雪が吹き荒れ…
そして、いずれ校舎や寮付近の雪がさらに強くなる事も示しているのだが。

操作が終わった後でメラルがアルに声をかけた。
「アル、交渉を開始するわ。・・・動作が間違ってたら教えて。」
そして、メラルが先ほどアルのやっていた呪的歩行法を模倣し始め…
数度のミスの後、何とか術を成功させて、メラルは幻灯機を取り出した。
そして、ベアトリーチェに連絡を取り始めた。
「…ど-9-9641…と。」

繋がるまでの間にメラルは心を落ち着け、内心を悟られぬよう、無表情を作り上げる。
そして、ベアトリーチェとの通信が繋がった。まずは、自己紹介。
ただし…氷については意図的に言及しない。わざわざ相手を不快にさせる必要もないし…
それに、占いをやっていると言う事実は、相手に自分に都合のいい類推をさせるための武器となる。
そう。本来当事者しか知るはずのない情報も、占術の類ならば知る事ができるのではないかと言う類推を。
「始めまして、ベアトリーチェさん。…私はメラル=エルディーン。占術と…誘導系の術を得意とする二等課生よ。」

==========================================================================================================


79 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/08(火) 04:54:21 0
  
階段の氷は文字通り、あっさり溶けた。しかし…溶けたそばからすぐに凍り始め、
もう一度階段を封鎖しようと氷を伸ばしている。最も、駆け抜けようとすれば
容易な程度の速度ではあるが…駆け抜けようとすれば足も凍らされる可能性は否定できない。

しかも、登ろうとした時に目の前の壁から声が聞こえた。エミューの声である。
もちろん、エミューが声を上げればこの氷がメラルのしわざ
だという事は発覚するだろう。しかし…それでも言葉によるかく乱の方が有効な場合もあった。
「まさか、教師がイベントにかこつけて女子寮に潜入しようとするなんてナ、
 ホント世も末だゼ。しかも中の女子生徒の数が少ないと見て入ってくる徹底振りときたもんダ。
 こいつは白百合騎士団にきっちり伝えて対処してもらわねーとナ。
 …そこで待ってナ。上から人を呼んでくるからヨ。…いや、
 いっそ教頭先生にでも報告した方がいいカ?」
この状況。無策な人間ならただ逃げるだろうが、相手は教師。
レイド先生達がただ策もなく引くとはエミューは考えていなかった。
交渉なり糾弾なりを向こうにさせて時間を稼ぎ…状況の改善を狙っているのである。

======================================================================
ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持

80 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/08(火) 12:46:59 0
>>68-70>>71

ミルクとグレイブがミニアルナワーズに案内されてとうとうラヴスポットに来てしまった。
しかし、奇跡的にアルナワーズはランドがリリアーナと一緒に寝ていることに気付かない。
気絶というのが気配をなくしているのか・・・
とにかくこのままやり過ごせれば窮地は脱出できる・・・
>「も〜・・・・・・・うるさーい・・・・・」
「うっ・・・・・・うう・・・」
しかし、かすかな希望を打ち砕くかのようにリリアーナはランドを蹴り、
ランドはそのまま押し出されるかのようにベッドから落ちる。
>「アルー・・・お客さん・・・・・・らよー・・・・・・」
「う・・・え?・・・」
ベッドから落ちたこととリリアーナの言葉で覚醒し始めるランド。
ぼーっとしながら顔を上げてみるとそこには知らない人間が立っている。
一体誰なのか、そもそも自分がどこにいるのかすら起きたばかりで思い出せず、
状況をさっぱり理解できないランドの頭には?マークが浮かんでいる。

「・・え・・・えぇっと・・・どちら様ですか?」
ランドは今自分がどれだけの窮地に立たされているかなんて分からずに、
とりあえず目の前の人たちにだれかを問うことしかできなかった。


81 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/08(火) 17:12:37 0
>74
>「うん、そうさせてもらうのだ。…はっ!?しまった!?」
>エルザはついついロックの口調で答えてしまった。
「・・・もらう『のだ』〜?」
エルザの口調を聞いて、ルズは首を傾げた。

>エルザの袖口から、何か小さな物が飛び出し、階段を転げ落ちたのだ。
>「ああっ!ガジュマルの実が!」
>エルザは慌てて階段を下り、ガジュマルの実を追いかけた。
>その小さな木の実は、コツンコツンと音を出しながらどんどん下に落ちていく。
「あ〜れ〜〜〜!!」
激しく揺さぶられ、ルズは悲鳴をあげた。
「エ、エルザ様〜?!そのガジュマロの実はどうやって手に入れられましたの〜?」
足の痛みを堪えながらルズがたずねる。
「とりあえず大切なものは、肌身離さず持っているべきですわ〜
 拾ったらわたくしと一緒に懐にしまっておくのですわ〜」
その言葉を最後に、ルズはエルザの懐で目を回してしまった。

82 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/08(火) 17:56:43 O
>69-70
>「魔法を使っているわけじゃない…幽体離脱と憑依…いや、口寄せだったか、こう言えばわかるか?
>それと人狼についてか…俺達はクォーター、つまり1/4だけ血を継いでいる。
>更に『俺は』その影響があまり無いから違いが殆ど無いんだろう。俺も何処に影響があるのかわからないな…」
「なるほど。それで人格が変わったり、人狼なんて呼ばれたりしてたわけね」
グレイブがあっさり答えてくれた内容は、利用するには少し無理のあるものだった。
魔法じゃないなら交代の邪魔もできないし。
しかし、幽体離脱と口寄せで人格交代とはかなりの特異体質だな。
で、『俺は』なんて言うからには他に人狼の影響が強い人格がいると。
やっぱり犬耳犬尻尾の人格だったりするんだろうか。

>「あとヘボ吸血鬼が俺が人狼とわかったのは疑問に思うが、アレが吸血鬼だからわかったんだろう…そろそろか?」
階段をアルナワーズのややこしい指示通り登った先に、見覚えのないドアがあった。
確かにここにあったはずの窓じゃなくてドア。
これが噂のラヴスポットの入り口ってことか。
>「到着よぉん。ワイン?グレイブ、ここをどこだと思っているの?
>ラヴスポットよぉん。
>二人を盛り上げるワイン、酒類は勿論、皇帝液ユンゲルンをはじめ、各種精力剤は完備は当然よ〜。
>でもあまり強いお酒は期待しないでねぇん。役立たずになっちゃうと困るから置いてないの。」
「そんな下品な説明するなよ…」
胸を張って威張るアルナワーズにつっこみを入れる気にもなれない。
ドアを開けて中に入るグレイブに続いて、あたしもラヴスポットに足を踏み入れる。
ユリから聞いた話だと、ラヴスポット内での戦闘行為は何が起こるかわからないので禁止のはず。
ラヴスポットにいる限りは戦いの心配もなくゆっくりできるだろう。
ま、中にいるのがリリアーナとその友達じゃ戦闘になる心配はないだろうけど。

>「じゃあ適当に飲んでねぇ。
>はぁ〜い、リリィ!ランド!仲良くしてたぁ?」
室内は怪しい照明に照らされていかにもムード満点って感じだった。
>「リリィが寝ているのはいいとして・・・ランドは・・ケダモノになれずに逃げちゃったかしらぁ〜。」
部屋の真ん中にはベッドがあって、中でリリアーナが眠っているらしく毛布が山になっている。
エルザと狐耳の姿が見えないのはきっと用があって別行動中なのに違いない。
狐耳はともかくリリアーナスキーのエルザがリリアーナと別れるとかありえん。

とりあえずアルナワーズの相手はグレイブに任せておいて、あたしは酒を漁ることにした。
リリアーナに話を聞きたい所だけど、目を覚ましてからでいいよね。
>「…アルナワーズ、ワインは何処にある?」
「ワインならこっちにあるわよほら。
いくら酒好きでも、酔うほど飲むんじゃないわよ」
自分の分の酒を確保してからワインのビンをグレイブに放り投げた。
前にグレイルにビンを投げたときはキサラに横取りされたけど、今回は大丈夫。

83 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/08(火) 17:57:41 O
>73 >80
>「も〜・・・・・・・うるさーい・・・・・」
眠そうなリリアーナの声がベッドの方から聞こえてきた。
お、リリアーナが目を覚ましたか?
毛布がもぞもぞ動いて転がり出て来たのは……リリアーナじゃなくて見たこと無い男子だった。
たぶんこいつがアルナワーズが名前を呼んでたランドなんだろう。
>「アルー・・・お客さん・・・・・・らよー・・・・・・」
>「う・・・え?・・・」
リリアーナは寝直したみたいだけど、ランドは寝ぼけているのかぼーっとこちらを見ているだけだ。
状況を整理してみよう。
2人っきりのラヴスポットで、ベッドの中くっついて寝ていたリリアーナとランド。
リリアーナの服はベッドの下に脱いであるから、リリアーナは下着姿と思われる。
つまり、2人はそんな深い仲で、リリアーナの本命はロックじゃなくてこのランド?

いやいやちょっと待て。
リリアーナはランドの事をアルナワーズと間違えているような事を言っていた。
つまり寝ぼけてるか酔っぱらってるって事になる。
グレイルがリリアーナを貧乳呼ばわりした時に聞こえてきた返事は呂律が回っていなかった。
テーブルの上には酒でも飲んだのか二人分のグラス。
アルコールに極端に弱いリリアーナが自分から酒を飲むとは思えない。
ってことはつまり……こいつリリアーナを酔わせてベッドに連れ込みやがったなーーーっ!!

>「・・え・・・えぇっと・・・どちら様ですか?」
「どちら様ですかじゃなーいっ!」
あたしはランドに駆け寄ると、前にベアトリーチェにしたみたいに胸ぐらをひっつかむ。
「このやろうリリアーナを酔わせてからベッドに連れ込んでイタズラしてやがったなーっ!
リバース内でイベント中だからって性犯罪が許されると思うなよ!
白百合騎士団に突き出して人生終わらせてやるから覚悟しろ!!」

84 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/08(火) 19:08:30 O
>79「おいおい…勘弁してくれよ。」
>「自己再生する氷とは…厄介ですね。」
「無理して駆け上がれないことも無いが……行くか…。」
>「まさか、教師がイベントにかこつけて女子寮に潜入しようとするなんてナ、
 ホント世も末だゼ。(中略)
 いっそ教頭先生にでも報告した方がいいカ?」
目の前の壁から声だけが聴こえてくる。
姿は見えない。
「だーかーら、俺は女子寮に入るつもりなんざ微塵も無かったの。
ちょっとした手違いで女子寮に入ったらこの有り様。
…寒いのを嫌う俺に対しての嫌がらせとしか思えんだろ!
外の吹雪も俺に対する嫌がらせだね、絶対。」
>「被害妄想が入ってきてますね…。」
「うるせーい。とりあえずな、俺は寒いのが嫌いなんだよ。
こうなったら白百合騎士団だろうが教頭だろうが関係ねぇ。
邪魔をする奴は全員ぶっ飛ばす。」
教頭ぶっ飛ばしたら結構洒落になんないけど…。
「待っててやるからさっさと人を呼んでこいよ。
そいつぶっ飛ばしたら俺は2階に行かせてもらう。
お前が誰だか知らんが、よっぽど上に行かせたくないみたいだからな、意地でも行ってやるよ。」

85 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/08(火) 19:12:13 0
>81
> 「あ〜れ〜〜〜!!」
> 激しく揺さぶられ、ルズは悲鳴をあげた。
> 「エ、エルザ様〜?!そのガジュマロの実はどうやって手に入れられましたの〜?」
「あれは、ロックが…いいえ、後で話してあげるから。」
エルザは必死でガジュマルの実を追いかけた。
> 「とりあえず大切なものは、肌身離さず持っているべきですわ〜
>  拾ったらわたくしと一緒に懐にしまっておくのですわ〜」
> その言葉を最後に、ルズはエルザの懐で目を回してしまった。
エルザは走りながら考えた、何故こんな取るに足りない小さな木の実を、
私は必死で追いかけているのだろうか?
ガジュマルの実には、この世界でもっとも偉大な魔法が込められている。
ロックはそんな事を言ったが、いくら魔法初心者のエルザでも、
そんなわけが無いのはすぐにわかった。それでも、
ロックがこの木の実を良い物だと思ってエルザに渡した事を疑うわけも無かった。
そのロックの気持ちを、まさか私は嬉しいと感じているのだろうか?
少し前に、リリアーナに対してそう感じたのと同じように…

「ハァ…よかった、見つかった…ハァ…」
エルザは荒い息をしながら、ガジュマルの実を拾った。
もう随分下の階に移動してしまった。これからまた長い階段を昇るのだから、
少し休憩した方がいいかもしれない。エルザはそう思い、階段に腰を下ろした。
「あれ?黒猫さん?」
急にルズが静かになってしまったので、エルザは懐のルズをツンツンした。
「…寝てるのかしら。」
エルザはさっきルズが言ったとおり、懐にガジュマルの木の実をしまおうと考えた。
しかし、ただ懐にしまっただけでは、また何かの拍子に落としてしまうかもしれない。
ああ、そうだ。これがあったわ。そう思いついたエルザは、ある物を取り出した。
エルザが取り出したのは、巾着袋だった。さっき食堂に居た時、
リリアーナからお守りとして渡されたものだ。
エルザは知らないが、巾着袋の中にはリリアーナの指輪が入っている。
エルザはこの巾着袋の中に、ガジュマルの実を入れようと考えたのだ。
しかし、この巾着袋の中にガジュマルの実が入ることはなかった。
エルザが、ガジュマルの実を握る自分の手に違和感を感じてしまったからである。

恐る恐る、エルザは握っていた手を開いた。
エルザの手の中にあったのは、ひび割れて、今にも割れてしまいそうなガジュマルの実だった。

86 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/08(火) 22:32:33 0
>70>73>80>82
>「そんな下品な説明するなよ…」
「あらぁん。下品な説明ってわかっちゃうミルクも中々のものねぇん。」
ラヴスポットに入り、ミルクの呟きを聞き逃さずすかさず茶々を入れるミニアルナワーズ。
とても楽しそうである。

更にワインを探すグレイブにミルクがワインを投げ渡すのを見てニタリと笑みを浮かべる。
恐らく霊体になっているグレイルとグレイズはこれから起こるであろうことに悲鳴を上げているだろう。
しかしミニアルナワーズは【これから起こるであろうこと】が楽しみで仕方がないのだ。

そんなやり取りをしていると、ベッドで毛布の山がもぞもぞと動く。
>「アルー・・・お客さん・・・・・・らよー・・・・・・」
その声の後、起こったことに流石のミニアルナワーズも凍りついた。
蹴落とされ落ちてきたのはなんとランド!
まさかの想定外に【しぇー!】のポーズで浮き上がってしまった。

当のランドというと。
>「・・え・・・えぇっと・・・どちら様ですか?」
どうも寝惚けている様で、事態を把握していない様子。
ベッドの脇に抜き散らかったリリアーナの服。
ぼさぼさになったランドの髪。
本来なら・・・
『リリィの友人よぉ。でも、あなたほど近しい仲じゃないけれど。
それにしても、ほんの5分や10分で。そんなにボサボサの頭になるなんて激しいのねぇ!
あ、ゴメンなさ〜い。30分くらいはずしてましょうかぁ?』
と畳み掛けるところであるが、その台詞を言う前にミルクが動いてしまった。

激昂しながらつめより、ランドの胸倉を掴んで怒鳴りつけるミルク。
傍目に見れば十人が十人ミルクと同じ事を考えるだろう。
が、事態の推移を知っているミニアルナワーズはそうでない事は予想が付いていた。
そしてこの状態は、ランドに最大級の恩を売るチャンスだと。

「はいはい、ミルク〜。そんなに興奮しないでぇん。
証拠もなく決め付けちゃいけないわ。
ランド、安心して。この名探偵ミニアルナワーズがあなたの潔白を証明して見せるから!」
そう言い残し幻灯機に潜り込む。
艶かしい赤色の照明は消え、通常の白色灯が室内を照らす。
これだけでも色彩効果で気分が落ち着くだろう。

その後映し出されるのは、ランドがいかにしてリリアーナとベッドを共にしたかの経過映像だった。
リリアーナの管を巻くシーンはカットして放映。
酔っ払ったリリアーナを濡れタオルなどで介抱するランドから始まり、勝手にブラウスを脱ぐリリアーナ。
終始うろたえ最後には転んで気絶し、リリアーナがベッドに引きずり込むまでが流された。
「う〜ん。神懸り的な事だけど、少なくともベッドに引きずり込んだのはリリィよねえ。
どちらかというと、ランドはリリィの毒牙にかかったと見えなくもなくなぁい?」
ランドににっこりと微笑みかけ、ミルクに対して同意を求めるように首を傾げる。

87 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/04/08(火) 22:36:30 0
>78
アルナワーズのおちょくりを軽く流して本題に入るメラルを見ながら十分満足していた。
過剰反応であっても無視であっても、【反応】であれば十分に餌になるのだから。
>「難しく考えずに…と言われてもね。それが一番難しいんだけど…。」
などと呟くメラルも勿論極上の餌だ。
難しく考えずに、などと言いはしたが、メラルが考えずに動く事などありえないのは先刻承知の上。
考え、迷い、思案する姿を堪能するのであった。

>「…なんですって!…エミュー。私がやったのはバラしていいから時間を稼いで。
> 多分…それなりに話すべき事を話せば、レイド先生がそっちまで本気で潰しに来るとは思えないわ。
> それに、エース先生はこういうイベントで能動的に動くタイプじゃない。
> レイド先生さえ抑えればなんとかなるわ。…戦闘じゃ勝ち目がないけど、
> こういう手なら私たちにも分があるはずよ。」

反応を堪能していると、突然メラルが口走る言葉。
エミュとの念話が口に出てしまったということに気付くのに数秒かかった。
それ程までにメラルの焦り口走る姿は衝撃的だったのだ。
ここに来て見せる焦りの表情が、その台詞以上に深刻さを物語っている。

メラルの表情を楽しみながら心の中でそっと呟く。
(さ、お手並み拝見。)
アルナワーズはこうなる事は予想はしていた。※
大規模な儀式を行い一挙にペンダントを集める事は可能だろう。
だが、その儀式攻撃をかいくぐった者がいれば?
当然、その原因を探り、一級線の者であればこの場所に気づくこともありうる。
かいくぐる者が一級であることは当然だが、一級も一級、レイドとエースがくるとは思っていなかった。
夕方メラルに忠告しなかったこのことが、今になって生きてきているのにほくそえむ。

魔方陣の大きさを縮小させ、メラルが幻灯機取り出しに取り掛かる。
その後、表情を消していき、ベアトリーチェと連絡を取る姿を後ろの方でそっと見守るのであった。


※魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン レス番号227参照

88 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/04/08(火) 22:42:56 0
>78
腐海の中心、毒草庭園地下。
水タバコの紫煙が充満する中、突如としてコミニュケーションクリスタルが光りだした。

クリスタルに表示されるのはアルナワーズの幻灯機番号。
既にアルナワーズがゴーストと化している今、本来ならばかかって来ることのない番号である。
不審に思いながらクリスタルを掴んで移動。
天井からぶら下がる真っ黒なロールカーテンを引きおろし、その前のテーブルに据え置いた。
背景から自分の位置を探られる事を防ぐためだ。

フェイスベールを付け椅子に座り、テーブルに据え置いたコミニュケーションクリスタルに魔力を送り込む。
クリスタル内に映し出されるのはメラル。
その顔を見てベアトリーチェは一瞬ぎょっとしてしまう。
>「始めまして、ベアトリーチェさん。…私はメラル=エルディーン。占術と…誘導系の術を得意とする二等課生よ。」
当たり前なのだが丁重な挨拶と自己紹介に更に驚くベアトリーチェ。
数秒の硬直の後、表情を整えて返事を返す。

「あ、あら、始めましてメラルさん。噂はかねがね。連絡を寄越したって事は私の自己紹介は不要のようね。」
本音同時通訳(なんだこの女。澄ました面しやがって。後ろの白いチラチラ・・・まさか、雪か!?)
ここに至りて様々な事がベアトリーチェの頭を過ぎり始める。

そもそも、メラルがベアトリーチェに連絡を取ってくる事がありえない。
キサラがメラルと組んでいるなどとは全く思っていないのだ。
故に他に理由を求めようと思考は迷走を始める。
「突然雪になっちゃってびっくりしてた所なの。そちらも随分と吹雪いちゃっているみたいね。」
何気ない会話をチョイスして繰り出すが、単なる時間稼ぎでしかない。
脳内では必死にメラルの意図を推理し、一つの結論に辿り着いた。

ベアトリーチェの出した結論はこうだ。
アルナワーズの助言を取り入れ、メラルとリリアーナの戦いに横槍を入れようとマオを向かわせた。
しかしマオはメラルに敗北、もしくは籠絡。
レイド、エース、ヴァンエレン、ミルクという大戦力と共にマオを送り込んだ。
クローンを使い勝利したと思わせたのだが・・・
こうやって連絡を取りに来たと言うことはメラルは倒されたのがクローンだと察知したのだろう。
しかもメラルの背後に降る雪。
秋であるにも拘らず、これはあまりのも有り得ない。
そう思えば天気予報が外れたと軽く見ていた雨も呪的な雨である可能性が高くなる。
それが雪に変化する事も・・・
もしや広域魔法で雪を降らせ、腐海を封じるつもりか・・・?
いや、それどころではない。
吹雪ともいえる雪が続けばベアトリーチェの儀式にも影響してくる。
これは吹雪で圧倒的に優位に立つメラルが降伏勧告をしにきた、と。

傍から見ればびっくりするくらい穴だらけな理論。
だが人間、後ろめたい事があると、物事を自分の都合の悪い方へと考えてしまうのは当然の心理であろう。
メラルに刺客を放ったという事が思考を偏重させてしまっているのだ。
考えが纏まると、沸いてくる感情は怒り。
もはや逆恨みでしかないのだが、性格なので仕方がない。
どこまで握られているかわからない不安と、雪による不都合がそれに拍車をかける。

「ふ〜〜〜〜・・・。占いと誘導、ね。なかなかやってくれるじゃない。」
大きく息をついた後、最初の挨拶の口調とはがらりと変わり、ドスの利いた声で応える。
「あんたが誘導したレイド達が失敗したってのは占いでわかったのかい?
たかが殺し合いに拘りなんぞ持ち込むから、あんたの大戦力もこの通りさ。」
おもむろに突き出すのはレイドのペンダント。
既にレイドとメラルが組んでいるという前提で話を進めてしまっている。
不利な状況の中で、せめて相手の敗北を強調し自分の劣勢を悟らせないための行動であった。

89 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage ランドさんの漢っぷりに乾杯] 投稿日:2008/04/09(水) 14:51:32 0
>86
「もーうるさいって言ってるろにー」
リリアーナはむくりと起き上がると、寝癖がついた髪のままきょろきょろと周りを見渡した。
ぼーっとした顔でミニアルがミルクを説得しているのを聞いている。
>「う〜ん。神懸り的な事だけど、少なくともベッドに引きずり込んだのはリリィよねえ。
>どちらかというと、ランドはリリィの毒牙にかかったと見えなくもなくなぁい?」
>ランドににっこりと微笑みかけ、ミルクに対して同意を求めるように首を傾げる。

その様子を見ていたリリアーナだったが、何か思いついたのか突然にこーっと笑みを浮かべる。
「アルー、アルー!見てみて!!」
リリアーナは起き上がると、何を思ったのかスリップの中に両膝を入れ、体育座りのように膝を胸にぴったり押し付けた。
そして一言
「『チョー特盛りぃ〜!』」

・・・・・・・・・ベッドの上で毛布に包まったままやってるため、胸の谷間(※偽造)から上しか見えない。
だがそれが救いと言えるかは甚だ疑問だ。

>80 >83
「あっミルクしゃん〜!!無事だったろれ〜、良かったー」
リリアーナはきゃっきゃと笑うと、ミルクの側にいるランドを指差した、
「見てー、アルったらイメチェンしたんらよー。髪まで切ってなんらかボーイッシュらおね〜。
 どうせなら女の子の制服にすればいいろにれー」
自分の発言が受けたのか、きゃはははは!とリリアーナが高笑いした。
酔いはエタノールによる麻酔症状であり、一種の中毒症状である。
誰かが解毒しない限り、リリアーナの酔いが醒めるのは当分先だろう。

>70
リリアーナはグレイブに目を止めると、「あーっ!」と大声を出して彼を指差した。
「あなたさっきの意地悪な奴らわ〜。何で意地悪メガネがちゃっかり女子寮にいるろよー。
 大体レディの部屋に入ってくる時はねー、ちゃんとノックしないとらめなのよー」
どうやらまだここが寮の自室だと思って疑わないようだ。
「それに、なんでキサカさんと一緒じゃないの?!彼をどうしたろよー!答えらさいよれー!!」
リリアーナは一息に叫ぶと、ふらつく足でベッドの上に立ち上がろうとする。

酔っ払いに特異点の事情など話しても無駄である。
グレイブの返答によっては、ここでロックバスターをぶっ放すだろう。

90 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/09(水) 14:53:31 0
>85
揺れが収まったおかげで、ルズはようやく目を覚ました。
ルズはエルザの顔を見上げると
「どうなさいました?ガジュマルの実は無事見つかりましたの〜?」
とたずねた。
エルザは答えない。
>恐る恐る、エルザは握っていた手を開いた。
>エルザの手の中にあったのは、ひび割れて、今にも割れてしまいそうなガジュマルの実だった。

「あら〜」
ルズは絶句したが、すぐに気を取り直した。
「エルザ様、この実を、何に使うつもりでしたの〜?
 大丈夫ですわ〜。ガジュマルの木は女子寮の前に生えてますから。
 もし植えるおつもりだったのでしたら、ひび割れていても土に埋めればきっと芽は出ますわ〜」
どうやらルズは慰めているつもりのようだ。
「それとも何か大切なものでしたの〜?
 さっきの猫耳殿方がいらっしゃればよかったのですわね〜。
 ハードニングをこの実にかければ、これ以上実が壊れることはないのですわ〜」
ルズはごろごろ喉を鳴らしながら、エルザの鎖骨辺りに頭を擦り付けた。

91 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 投稿日:2008/04/09(水) 17:57:42 0
>76
二人の注文が届くのにそう時間はかからずに、ほかほかのオムライスと赤くて濃厚などろりとしたトマトジュースが運ばれてきた。
おばちゃんはいつも以上の忙しさに愛想半分に早々と引き上げていって、他の料理に手いっぱいのようだ。
>「確かに…僕たちの優勝云々はベアトリーチェの抱え込んでいるペンダントを
> 奪って初めて成立するもの…今から集めようとしても明らかに一番にはなれない…」
ベアトリーチェ討伐での失敗は『気に入らなかったから』という理由でペンダントそっちのけで事に当たったこと。
その時点で優勝する気があるのか疑わしい。
というよりもなんでこんな争い嫌いのヴァンがこんなゲームなんか参加しているのだろう。
ことの始まりはなんだったであろうか?
それすらもヴァンははるか昔のように感じてしまってかけらも覚えていないようだ。

>67
>「エリートのマオさんと偉大なる吸血鬼のヴァンエレンさんですよね。
> 俺は魔道工学科のクリス・オーランというんだが、お二方に同行させていただけないでしょうか?」
この吸血鬼が偉大だ、なんて思っていた時期が俺にもありました…。
ご覧の通りクリスの言葉を否定するように、ぐでーとまるで死んだかのように身動きひとつとらない。
>「…魔工科の人間?……まあ立ち話もなんだから座るといい。」
この人物をヴァンは知らないし信用があるのか疑わしい。
だがここは食堂なのでもし不意打ちで襲い掛かってきたとしても、『天下無双のおばちゃん』がいるので不安はない。
>「それで……なんで僕たちに同行したいんだ?…いやなに。
> このゲームでは簡単に人を信頼するのは危険なんだ…それは君も分かってるだろう?
> 教えてもらいたいね。それと…魔道工学科のクリスを悪いが僕は知らない。
> できるならどんなことができるのか、どういうことが得意なのか簡潔に自己紹介してもらえると
> こちらとしても組みやすいし組んだ後の連携が取れやすいから楽なんだが…」
マオとクリスだけが会話していてヴァンは参加してない。
耳だけは空想のかなたにはいないのでちゃんと聞いてはいるのだが、ちうちうとトマトジュースをストローで吸っている。

92 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/04/09(水) 17:58:19 0
>77
魔工科のクリスがマオの質問に素直に答えていく。
魔銃が使えるうえに多彩な魔道具を作れて、後方支援としては優秀な部類に入るだろう。
「組むのはいいが我々では優勝は無理だな。
 森にいるベアトリーチェがおそらく一番多くペンダントを持っているし、私が最初に取った三つのペンダント以外はゼロ。
 マオはどうだかわからぬが、これから地道に戦闘していく中で彼女らに届くのは不可能だ。
 やはりベアトリーチェと同じような大掛かりな策がいる」
そこで言葉を止めて残り少ないトマトジュースを一気に呷る。
周囲はベアトリーチェという単語に反応してざわついているが、バレたところで彼らにどうこうできるものでもなかろう。
「それにこの悪天候…。
 誰かの意図を感じる。
 行事やゲームのために作られた世界ならば、公平にするために誰かが有利になるような状況にはしないはずだ。
 この天候を変えた者もまた優勝のために右往左往と策を巡らしているに決まっている」
この勢力の他にも大勢で組んで他を圧倒してペンダントを山分けするような団体もいないはずはない。
ポイントの高い教師を狙うにしても一個人ですでに生徒が束になってかかっても敵う域でもない、すなわち三人が今更組んだとしても優勝はないということ。
「皆は皆なりに、生徒は生徒なりにこのゲームで勝つことを考えているんだ。
 そんな中でなんの策もなく下準備もおろそかで、なお少人数で勝とうとするならば世界を変えるぐらいの裏技が必要なわけだ。
 魔物的な考えならそうだな…元の世界の地下図書館とラインを無理やりつなげて、ゲートを開いてやって魔物たちに協力させるしかない」
およそ策ともいえぬ愚策であり、魔物たちはゲートを開けば地下世界に飽き飽きしてた者たちはやってくるだろう。
しかしそこまででそれ以上は進まずしてこの作戦は破綻する。
気まぐれで勝手な魔物たちがたかだか吸血鬼一人に対して言うことを聞くわけがない。
招きよせた吸血鬼と人間を殺して、生徒や教師たちと適当に戦争でもおっぱじめて満足したら帰っていくだけだろう。
後に残るのはゲームを台無しにしてしまったことへの罪悪感だけが残るに決まっている。
「まあ冗談はともかくとしてクリスよ…。
 我々と組んだとて優勝は不可能に近い。
 それでも私らと組む気があるか?」

93 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/09(水) 19:35:39 0
>90
> 「あら〜」
> ルズは絶句したが、すぐに気を取り直した。
> 「エルザ様、この実を、何に使うつもりでしたの〜?」
そう言われて、エルザは初めてあれ?と思った。
たしかにこの木の実の使い方なんて知らない。
たとえ偉大な魔法が込められていても、使い方がわからなければ意味が無いではないか。
>「大丈夫ですわ〜。ガジュマルの木は女子寮の前に生えてますから。
>  もし植えるおつもりだったのでしたら、ひび割れていても土に埋めればきっと芽は出ますわ〜」
> どうやらルズは慰めているつもりのようだ。
「あの…えっと…」
エルザは口ごもった。
たしかに、この実を地面に埋めればまたガジュマルの木が生えるだろう。
だけど、まさかこの世界で最も偉大な魔法が、ただ木が生える事を意味するわけではないだろう。

> 「それとも何か大切なものでしたの〜?
>  さっきの猫耳殿方がいらっしゃればよかったのですわね〜。
>  ハードニングをこの実にかければ、これ以上実が壊れることはないのですわ〜」
「猫耳殿方?ああ、ロックのことね。」
エルザはそう言って、リリアーナの巾着袋を懐にしまった。
これでルズの頭の中で猫耳殿方=ロックになっただろう。
そして、ロックの事を思い出したエルザは、はっとあることに気づいた。
エルザは、とりあえず先程ルズが自分にした質問に答える事にした。
「この実は、さっきロックが女子寮の前にあるガジュマルの木から取って私にくれたものなの。
 ロックは言ったわ。このガジュマルの実には、この世界でもっとも偉大な魔法が込められているって。
 それが一体どんな魔法なのかさっぱりわからないけど…」
エルザは両手でぎゅっとガジュマルの実に力を加えた。エルザはガジュマルの実を壊す気なのだ。
「あなたは正しい事を言ったわ、黒猫さん。この実にハードニングをかければ壊れることはない。
 ロックにとってそれは簡単なはずだし、ロックはこの実を大切なものだと考えていた。
 でもそうしようとしなかった、何故か?」
エルザの手の中で乾いた音がし、ガジュマルの実が砕けた。
「本当に大切なのものは、ガジュマルの実の中にあるものだからよ。」
そう言いながら、エルザは砕けたガジュマルの実から何かをつまみ上げた。
それは、ガジュマルの種だった。小さい種が数粒。エルザはそれをそっと握り締めた。

「さあ、行きましょうか黒猫さん。ガジュマルがどんな魔法を持っているか知らないけど、
 少なくともさっきよりはロックの意図に近づけた気がするわ。」
エルザは再び階段を昇り始めた。さっきよりも足どりが軽い。
このペースなら、アンジェリーナの部屋に着くまでそう時間はかからないだろう。

94 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/09(水) 20:58:14 P
>64
>「で、こっからは僕の推測だけど・・・メラルは優勝を狙っている感じではなさそうなんだよね。
 なんていうかここまでしたのは、ペンダント集めが何かの目的の為の手段みたいな感じかな。
 本物だと分かってからも僕と戦闘しようとしたのは、優勝だけを狙うなら無意味だからね。」

ラルヴァの言葉を聞き考え込むフリージア
一体彼女は何のためにこのイベントに参加しているのだろう?
「まさか強い人と戦いたいなんて理由じゃ・・・いえいえメラルさんに限ってそんなわけありませんわよね」
どうも固定観念にとらわれやすいのはフリージアの悪い癖である

>「吹雪を防ぐにはありがたいけど氷のベッドは辞退しておくね、一度やられたせいか眠気もリセットされるみたい。
 見張りも必要かもしれないし。」
「そう?じゃあ遠慮せずに見張りを頼めますわね」
フリージアは今フリージングドールスーツを着ているので襲われる心配も無いだろう
・・・というよりそんな無謀な男性がいるのだろうか?いやいまい
「ラルヴァさんは紳士ですもの寝込みを襲ったりしないだろうから安心ですわv」
と一言余計なことを言うフリージア

>「あ、そうだ。これがあった。」
>「フリージアも食べる?」
「もらいたいのはやまやまなんですけど・・・・
 このフリージングドールスーツを着てると外からのものが受け付けられなくなりますの」
残念だけど・・・とフリージアは続ける
どうやって呼吸してるのかがこの魔法最大の謎である
どうも秘密は何でも出てくる胸の谷間にあるようだが・・・

「しかも一度着たら最後簡単には脱げなくなってしまいますのよ」
フリージアいわく一応自分の意思で脱ぐことは出来る
しかしすごい勢いで尖った氷の破片が散らばって”周りにいる人”がかなり危険らしい
「安全に脱ぐにはギズモちゃんの機械破壊音波を浴びればいいんだけど・・・・ギズモちゃんいま現実世界にいますのよね」
ぶっちゃけると恋の病で使い物にならないから置いてきたのだが
さすがにこれを言うのはかわいそうなのでラルヴァには黙っていることにするフリージアであった

そしてフリージアは雪の結晶を集め鎌倉(?)を製作し始める
しばらく作業を続け出来上がったのは高さ3m以上あるドーム型の建物であった
「前のお城よりはしょぼいけど・・・・まあこんなものかしら?」
>71
とかやってたら女子寮から謎の爆発音がこだました!!

「誰だか知らないけど随分派手ですわねえ」
普段ならあっと驚くフリージアだったがまあ今はこういうイベントだしと一人納得するのであった

ペンダント 自前1 ゲット2 預かり1 投下1 アイテム 魔力回復薬









「そうでしたわ!私ラルヴァさんからペンダントを預かってましたっけ」
とりあえずどれだったか判らなくなったので適当に選んだザボーネのペンダントをラルヴァに渡すのであった

ペンダント 自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

95 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/10(木) 14:52:05 0
>>77
クリスは僕たちのエリートと吸血鬼だということを知り
組みたいといった…確かに僕はエリートだしヴァンエレンは…
まあ小心者だが吸血鬼だ……要するに強いと思われる奴と
組みたいというわけだな…
>「あと俺にできることはこの魔銃を使って援護射撃ができる。風、火、雷の基本魔法と自然治癒力の向上、身体能力の強化、
>バリヤー、ほかには工具を持っているから材料さえあればスタントラップや武器も作れる。」
机の上に銃を置き、今度は自分の長所と思われる点を言っていくクリス。
後方支援の能力は確かに使えるし、三つの基本魔法…
そして治癒もできトラップや武器も作れる……どうやらクリスの話しを聞く限り、
高いサバイバリティを持っているということが分かった……

自己紹介も終わったとき、今まで死んでるようにぐったりしていた
ヴァンエレンは口を開く、その内容は少々腑に落ちなかったが事実だ。
僕のペンダントも3個、このまま地道に…など優勝できるわけない。
勝つには他の人間が驚くような仕掛けや策が必要…ここまではだいたいさっき話していたことと同じだ。
そしてヴァンエレンはトマトジュースを飲み干し話しを続ける。

>「それにこの悪天候…。誰かの意図を感じる。
>行事やゲームのために作られた世界ならば、公平にするために誰かが有利になるような状況にはしないはずだ。
>この天候を変えた者もまた優勝のために右往左往と策を巡らしているに決まっている」
悪天候のことは僕も思っていた…吹雪が降ったりこんな不自然があるわけない。
しかし、目的意識に裏打ちされていないとここまでやろうとは思わない……
この悪天候を引き起こしている奴には目的があるはずだ…優勝?
いや、しかし優勝のために悪天候を起こすというのもどこかおかしいような……
そんなことを考えているとヴァンエレンが一つの提案をする。
>「魔物的な考えならそうだな…元の世界の地下図書館とラインを無理やりつなげて、ゲートを開いてやって魔物たちに協力させるしかない」
その言葉に僕は溜息をつく…いや、確かに面白いと思うんだが……
リバースとは別の空間である本当の地下図書館と直接ラインを繋ぐなど…
優秀な空間系魔法使いがいなければできないこと…エリートの僕でも空間系は専門外で
大したこともできないし……やっぱり無理か……

ヴァンエレンもそう思ったようでクリスに話しかける。
>「我々と組んだとて優勝は不可能に近い。
>それでも私らと組む気があるか?」
「……そうだな…クリス、優勝したいならもっと別の奴等と交渉したほうがいいぞ。
 残念ながら僕たちの優勝は不可能に限りなく近い……」」
ヴァンエレンのクリスへの言葉に僕も最後の良心で他の奴等と組んだほうがいいと言うことにした。


96 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/10(木) 16:02:37 O
>86
>「はいはい、ミルク〜。そんなに興奮しないでぇん。
> 証拠もなく決め付けちゃいけないわ。
>ランド、安心して。この名探偵ミニアルナワーズがあなたの潔白を証明して見せるから!」
「証明って、あんたここにいなかったのにどうやってするのよ。
状況証拠からはどう考えてもランドが犯人だけど、何か無実の証拠でもあるの?」
あたしの言葉にも動じずに、幻灯機に潜り込むミニアルナワーズ。
それと共に赤色だった照明が普通の明かりに戻る。
あの怪しい照明はおまえの仕業か。

ミニアルナワーズが幻灯機で映し出す証拠映像は、信じられないようなものだった。
リリアーナが酔っぱらって変な行動をするのはともかく、あのタイミングで転んで気絶とかありえん。
>「う〜ん。神懸り的な事だけど、少なくともベッドに引きずり込んだのはリリィよねえ。
>どちらかというと、ランドはリリィの毒牙にかかったと見えなくもなくなぁい?」
神懸かりってレベルじゃねーぞと思ったけど、どうやらランドの無実は確実なようだ。
「なるほど、どうやらあんたが言うように、ランドは性犯罪者じゃなかったみたいね。
幻灯機で録画してくれてたアルナワーズに感謝しなさいよランド。
もうちょっとで白百合騎士団に人生終わらされる所だったんだから」
誤解なのはわかったけど、ここは別に謝らなくてもいいだろう。
慰謝料とか請求されても困る。
それにしてもリリアーナも、これだけアルコールに弱いと大変だよなぁ。

>89
>「アルー、アルー!見てみて!!」
衝撃の映像に驚いているうちにリリアーナが起きてきたみたいだ。
嬉しそうにアルナワーズを呼んで何を言うのかと思えば。
>「『チョー特盛りぃ〜!』」
…いかん。完全に酔っぱらいだ。
>「あっミルクしゃん〜!!無事だったろれ〜、良かったー」「あー、うん。あの時は助かった。ありがとう」
リリアーナはいろいろ無事じゃなさそうだけど。
>「見てー、アルったらイメチェンしたんらよー。髪まで切ってなんらかボーイッシュらおね〜。
> どうせなら女の子の制服にすればいいろにれー」
「えーっと、リリアーナ?
こう言っちゃなんだけど、ここにいるのはアルナワーズじゃなくてね…」
説明しようと思うものの、酔っぱらいをうまく納得させるなんて無理だ。
ここはもっと酒を飲ませて明日まで寝かせておいた方がましか?

>「あーっ!」
リリアーナがいきなり大声を出したので物騒な考えを中断する。今度は何だ。
>「あなたさっきの意地悪な奴らわ〜。何で意地悪メガネがちゃっかり女子寮にいるろよー。
> 大体レディの部屋に入ってくる時はねー、ちゃんとノックしないとらめなのよー」
どうもグレイブと何かあったらしく、指さして文句を付け始めるリリアーナ。
ここは女子寮じゃないんだけどな…グレイブが刺激するような事を言い出しませんように。
なんて心の中で祈っていると。
>「それに、なんでキサカさんと一緒じゃないの?!彼をどうしたろよー!答えらさいよれー!!」
何を思ったのかリリアーナがいきなり立ち上がろうとし始めた!
ちょっと待てーっ!服を脱いでるのに毛布がとれたらどうするつもりだ!!
「リリアーナ!落ち着いて!
今立ち上がったら大変なことになる!
グレイブとランドは回れ右して後ろ向け!
アルナワーズは何か酔い醒ましになる薬持ってこーいっ!」
あたしは全力でリリアーナを押さえにかかった。

97 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/10(木) 17:35:10 0
>「組むのはいいが我々では優勝は無理だな。
 森にいるベアトリーチェがおそらく一番多くペンダントを持っているし、私が最初に取った三つのペンダント以外はゼロ。
 マオはどうだかわからぬが、これから地道に戦闘していく中で彼女らに届くのは不可能だ。
 やはりベアトリーチェと同じような大掛かりな策がいる」
軽い自己紹介を終えるとさっきまで黙っていた話し出した。
どうやらあのバイオハザードはベアトリーチェが原因らしい。
(かなりえげつないな…)
>「それにこの悪天候…。
 誰かの意図を感じる。
 行事やゲームのために作られた世界ならば、公平にするために誰かが有利になるような状況にはしないはずだ。
 この天候を変えた者もまた優勝のために右往左往と策を巡らしているに決まっている」
それは同意である。いくらリバースの中だとしても秋なのに吹雪になるわけがない。
(たぶん氷雪科の人間が関係しているんだろう)
こんな大掛かりな魔法である。氷雪系に精通したものでなければ不可能だろう。
しかし問題になるのは火属性である。これだけ吹雪いているのだからまともに火魔法を使うことができないだろう。
>「皆は皆なりに、生徒は生徒なりにこのゲームで勝つことを考えているんだ。
 そんな中でなんの策もなく下準備もおろそかで、なお少人数で勝とうとするならば世界を変えるぐらいの裏技が必要なわけだ。
 魔物的な考えならそうだな…元の世界の地下図書館とラインを無理やりつなげて、ゲートを開いてやって魔物たちに協力させるしかない」
(おいおい…そこまでスケールがでかくなるのか!?)
地下図書館のDレベル以下は魔物がいることが有名である。その代わりに貴重な本も保管されているらしいが…
>「まあ冗談はともかくとしてクリスよ…。
 我々と組んだとて優勝は不可能に近い。
 それでも私らと組む気があるか?」
>「……そうだな…クリス、優勝したいならもっと別の奴等と交渉したほうがいいぞ。
残念ながら僕たちの優勝は不可能に限りなく近い……」
どうやら二人とも俺が組もうとするのが優勝するためだと思っているらしい。
「別に優勝することが目的じゃない。ただ友達と賭けをしていてね、最後まで残れなかったら一日食事をおごることになっているんだ。」
ちなみにその友達は大メシ食らいである。クリスの所持金では借金せざるを得なくなるだろう。

98 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/10(木) 18:47:06 0
>93
>「猫耳殿方?ああ、ロックのことね。」
「ええそのロック・・・・・・」
ルズは機嫌よく相槌を打ったが、その直後固まった。
(な、なんですと――――――――――――!!)
ルズの頭はこんがらがってきた。
(ロックとやらとアンジェリーナ先生が禁断の関係で、ロックはリリアーナとも付き合ってて、
 エルザ様はアンジェリーナ先生もリリアーナにも好意を寄せているということですの〜?)
人間模様が入り乱れており、さながらA・A・A先生の作品世界そのまんまである。
(やっぱりリリアーナの噂は本当だったのですわ〜!不潔ですわ〜悪女なのですわ〜!!)
等と考えつつも、ルズの目は面白い物を見つけた子供のようにきらきら輝いている。

>「あなたは正しい事を言ったわ、黒猫さん。この実にハードニングをかければ壊れることはない。
> ロックにとってそれは簡単なはずだし、ロックはこの実を大切なものだと考えていた。
> でもそうしようとしなかった、何故か?」
>エルザの手の中で乾いた音がし、ガジュマルの実が砕けた。
>「本当に大切なのものは、ガジュマルの実の中にあるものだからよ。」
「んま〜!!エルザ様は鋭いのですわ〜!冴えてるのですわ〜!!」
ルズはぱちぱちと前足で拍手し、自分の事のように喜んだ。

その間にエルザはガジュマルの実を割り、中から種を取り出している。
これに『この世界でもっとも偉大な魔法が込められている』との事らしい。
ルズの目から見ればただの種でしかないのだが、そんな事を口に出す彼女ではなかった。

>「さあ、行きましょうか黒猫さん。ガジュマルがどんな魔法を持っているか知らないけど、
> 少なくともさっきよりはロックの意図に近づけた気がするわ。」
「了解なのですわ〜」
>エルザは再び階段を昇り始めた。さっきよりも足どりが軽い。
「エルザ様〜。
 わたくしルズは、何があってもエルザ様の恋を応援するのですわ〜。
 リリアーナ相手では道は相当険しそうですが、くじけずがんばるのですわ〜」
ルズの頭の中でどう結論付けたのか分からないが、ルズは相当気合が入っているようだ。

「それにしても・・・ロックとやらが実を取った時、リバースでは雨が降っていたのですわね〜?
 どんな偉大な魔法が詰まっているにしても、現実世界のそれと比べれば効力も1/3になりますのに〜。
 なぜわざわざリバースの世界で手に入れようとなさったのかしら〜?」
もしルズがロックの立場なら、いつ狙われるか分からない世界で木に登ったりしない。
現実世界で手に入れようとするに決まっている。
(それとも、リバースで、自分の力で手に入れる要でもあったのかしら〜?)

「そろそろですわね〜。この階にアンジェリーナ先生の実験室がありますの〜?」
ルズはきょろきょろと周りを見渡した。
「エルザ様、侵入者避けのトラップや鍵などございませんわよね〜?」

99 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/10(木) 20:05:17 0
>98
> 「エルザ様〜。
>  わたくしルズは、何があってもエルザ様の恋を応援するのですわ〜。
>  リリアーナ相手では道は相当険しそうですが、くじけずがんばるのですわ〜」
> ルズの頭の中でどう結論付けたのか分からないが、
エルザはその言葉を聞いて少し笑顔を見せた。
「ありがとう、黒猫さん。私が幸せになったら、少しだけ幸せを分けてあげるわ。」
> 「それにしても・・・ロックとやらが実を取った時、リバースでは雨が降っていたのですわね〜?
>  どんな偉大な魔法が詰まっているにしても、現実世界のそれと比べれば効力も1/3になりますのに〜。
>  なぜわざわざリバースの世界で手に入れようとなさったのかしら〜?」
「1/3!そうね、その事をすっかり忘れていたわ!」
エルザはそう言いながら、両手で頭を押さえた。
「ロックがリバースの中でガジュマルの実を手に入れた理由はわかるわ。
 それは、ロックがリバースの中でしかガジュマルの実を手に入れる事ができなかったからよ。
 最初ロックは、自分はこのゲームに参加せず、現実世界から私を観察するつもりだったらしいわ。
 ところが、理由はわからないけどロックはアンジェリーナを怒らせてしまった。
 ロックが言っていたわ。『アンジェリーナに無理やりリバースに“叩き落された”』ってね。
 つまり、事前に準備する事はできなかったわけよ。」

> 「そろそろですわね〜。この階にアンジェリーナ先生の実験室がありますの〜?」
> ルズはきょろきょろと周りを見渡した。
> 「エルザ様、侵入者避けのトラップや鍵などございませんわよね〜?」
エルザは何の飾りも無い、あっさりとした風情のドアを指差した。
どうやら、それがアンジェリーナの部屋らしい。
「トラップは仕掛けられていないけど、鍵はかかっていると思うわ。」
エルザはドアの前まで移動すると、すぐ近くにあったカリフラワーの鉢植えを持ち上げた。
鉢植えの下から出てきたのは小さな鍵だ。
エルザがその鍵を鍵穴に突っ込むと、かちゃりとドアが開く。
「この部屋、オートロックなんだって。」

部屋の中は暗く、奥の方がどうなっているのか全く見えなかった。
エルザは手探りでバスルームの照明をつけた。
おかげで部屋の入り口付近だけはよく見えるようになった。
エルザは懐のルズを取り出し、所持品を洗面台に置くと、おもむろに服を脱ぎ始めた。
「さあ、黒猫さん♪全裸の付き合いをしましょうか?」
エルザは服を脱ぎ終わると、ルズを抱えてバスルームに入った。
出てくる頃には、二人についた泥は綺麗さっぱり洗い流されているだろう。

100 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/10(木) 22:24:19 0
>94
>「まさか強い人と戦いたいなんて理由じゃ・・・いえいえメラルさんに限ってそんなわけありませんわよね」
現実だけ見据えるなら、それが一番可能性が高いんだけどね、とはラルヴァは言わない。

>「ラルヴァさんは紳士ですもの寝込みを襲ったりしないだろうから安心ですわv」
「あはは、寝込みを襲うなんて敵じゃぁないんだからさ・・・・・・。」
微妙にズレた答えを返し、携帯食料をひっこめる。

爆発音にも動じないラルヴァはペンダントを受け取ると、両手を軽く組んで考え事を始める。
と同時に、地についた足から魔力を引き寄せて充填していく。
「(メラルの目的はうっすらとだけ見えた。まだまだ学園の人で会ってない面子は多いなぁ。
 もしこのイベントに全力で勝とうと思ったら、やっぱり大規模魔法は必須かな・・・?
 でも、『あの魔法』だけは今の僕じゃ絶対使っちゃいけない。あれは惨過ぎる。)」


フリージアが寝静まってもラルヴァは当然のように起きている。
「僕は確かに力は増した。多分あのまま学園にいるよりはずっと。
 『七角』の状態もコントロールしている。でも・・・。」
(僕は、指針と呼べる物を失っている・・・。『意思なき力は単純な暴力』、か。)

「新たな力の為に、更に強くならなくっちゃな・・・身も、心も。」
かまくらの入り口でラルヴァはそうつぶやくのだった。

ペンダント所持数:1 自前分なし 
所持アイテム:携帯食料x3

101 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 投稿日:2008/04/11(金) 16:37:05 0
>97
三人が組んだとて優勝はできるわけがないと言うヴァンに続いてマオも同意の言葉を口にする。
変えようもない事実にエリートを自負するマオは内面でかなり悔しがっているように見えた。
背を向けてまた有力な仲間を探すと思っていたクリスだが、反応はまったく予想できないものだった。
>「別に優勝することが目的じゃない。ただ友達と賭けをしていてね、最後まで残れなかったら一日食事をおごることになっているんだ。」
なんというか…あまりに簡単な理由にヴァンの思考がかき乱されて、一瞬変な顔のまま止まってしまった。
「ね、狙いが優勝ではなくただの生存ということならば…いいのかな?」
どうなんだろうかとマオにたずねてみる。
ともあれ仲間に入れることを拒否する要素はこれでなにもなくなったので、晴れてクリスが仲間に加わってより強いグループとなった。

「さーて、これからどうするか…。
 棄権するという選択肢はないし。
 地下図書館にある安全な我が家にでも篭るかい?」
ゲームとはなんら関係もない地下図書館は果てを知らない奈落の沼のように広大だ。
来る人間を拒む魔界の毒気が充満していて、世界から隔離されたもうひとつの世界と表現してもいい。
そんな人間がおよそ足を踏み入ることができない本棚の世界に場違いな家が一軒建っている。
図書館の中に家とはまた奇怪であるが、中には空間を捻じ曲げて城を作ったりしている魔族もいるのでまともな部類に入るだろう。
キッチンとベッドもあっておよそ魔族らしくない住まいではあるが、そこがヴァンの現在の棲家となっている。
ちなみに食堂の献血などに配るドーナッツを作るのもこの場である。
ちゃんとオルビアに許可をとっていて、ヴァンの領地として認められているため魔物が荒らしに来ることはないために結構快適だったりする。
「魔物がいなくて絶対安全な道を知ってるから安心していい。
 お茶ぐらいだったら出せるし、悪くはない場所だとは思わないかい?」

102 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/11(金) 19:51:56 0
>99
>エルザは何の飾りも無い、あっさりとした風情のドアを指差した。
>どうやら、それがアンジェリーナの部屋らしい。
>「トラップは仕掛けられていないけど、鍵はかかっていると思うわ。」
エルザはドアの前まで移動すると、すぐ近くにあったカリフラワーの鉢植えを持ち上げた。
「わ、分かりやす・・・ゲフンゲフン!いい隠し場所なのですわ〜」
ルズは無用心だと思ったが、あえて突っ込むことはしなかった。
いくらなんでも『あのアンジェリーナ先生の研究室』にやってきて戦いを挑もうとする勇者はそう居まい。
>「この部屋、オートロックなんだって。」
「そうですの〜。では誰かが入ってきたら少しは時間が稼げますわね〜」
ルズはなんとなくそわそわしているようだ。

照明の関係で、入り口付近だけはよく見えるようになった。
エルザは懐のルズを取り出し、所持品を洗面台に置くと、おもむろに服を脱ぎ始めた。
>「さあ、黒猫さん♪全裸の付き合いをしましょうか?」
>「えー、いや、その・・・・・・や、やっぱりわたくしはタオルで拭いていただければ十分で・・・・・・あーれー!!」
>エルザは服を脱ぎ終わると、ルズを抱えてバスルームに入った。

「キャーお止めくださいエルザ様ぁ!――――あっ!そ、そんなっ!み、耳は・・・。
 だ、だめです!本当に・・・どうかお許しくだ・・・あーっ!!」
擦りガラス越しには、人影にごしごし洗われている猫のシルエットが浮かび上がっている。
・・・・・・どうやら猫モードのルズは、お風呂が大の苦手なようだ。

「もう綺麗になったのですわー!お先に失礼するのですわ〜!!」
バァン!と勢いよく扉が開いたかと思うと、びっこをひきながら黒猫が飛び出してくる。
黒猫は部屋の中央で思いっきり毛皮についた泡と水気を吹き飛ばし、ベッドの上へと飛び上がった。
ここまでくれば一安心である。
「・・・・・・あら?」
ルズはふと、おなかの下に何か違和感を感じた。
さっそく毛布の中に潜り、せっせと引っ張り出す。
「・・・・・・お菓子の箱・・・・・・なのですわ〜?」
箱からは甘い匂いがする。そして箱にはギフト用のボックスである。
誰かが作って、アンジェリーナかエルザ用にプレゼントしたものだろうか?
ルズはとても空腹だったが、エルザがバスルームから出てくるまで手をつけない事にした。

「それにしても殺風景な部屋なのですわ〜。」
目に付くものといえば水晶の灰皿と、ベッドのすぐ側にある大きな姿見だけである。
(・・・・・・あら?)
ルズはふと大きな鏡に目を止めた。
「今何か鏡の中で動いたような・・・・・・?気のせいかしら〜?」
ルズはベッドから飛び降りると、大きな鏡にそろそろと近寄っていった。

103 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/11(金) 22:14:36 0
>96
幻灯機の映像を見てミルクは渋々ながらにランドの無実を納得。
掴んでいた胸倉から手を離すが、そのまますんなり行かせるほどお人よしではない。
「ミルク。一方的な濡れ衣で胸倉掴んでおいて何もなしというのは人としてどうかな!
君は僕に大きな借りを作ったんだよ?」
ちょっと苛立ったようなランドの声がミルクの背中に投げかけられる。
が、勿論ランドが発した言葉ではない。
ランドの後頭部にへばりついて隠れているミニアルナワーズがランドの声真似をしているのだ。

無実を証明しランドに恩を売り、更にはミルクに間接的に貸しを作っておこうというのだ。

>89
言うだけ言うとそ知らぬ顔でランドの後頭部から離れたその時。
リリアーナが突然起き上がり、
>「『チョー特盛りぃ〜!』」
「リリィ・・・あなたって子は・・・!」
これを見たミニアルナワーズはぶわっと涙がこみ上げ、思わず口に手を当てて顔を背ける。
あまりにも、あまりにもリリアーナが不憫でならなかったのだ。

体育座りをして足を胸にぴったりとくっつける。
すると膝は見事な谷間を形成する。
・・・それが男性ならば、だ。
一般女性だと、足と胸板の間に肉の塊すなわち乳房があるため、膝はどうしても前に押し出されてしまう。
本来谷間のあるべきところには膝はくっつかず、胸元と谷間の間に不自然な空間が出来てしまう。
しかし!
リリアーナのチョー特盛はあまりにも見事だった。
揃えられた膝は見事に胸元に谷間を作っている。
その見事さがミニアルナワーズの涙を誘ったのだ。
胸と脚の接触を阻むものなきリリアーナに乾杯するしかない!

そうこうしている間に、リリアーナはグレイを見つけ立ち上がろうとする。
前後不覚に酔っ払っており、まともな判断力もなくただ一直線にロックバスターを突きつけている。
しかしそれ以上に問題なのは今のリリアーナの姿だ。
ミルクが慌ててリリアーナを押さえ、ミニアルナワーズに酔い覚ましを持ってくるように言うが・・・
このラヴスポットにそんなものは存在しない。
少し考えた後、ミニアルナワーズは幻灯機へと飛び込んでいく。
「レッツコンバイン!メカアルナワーズ発進!」
掛け声と共に幻灯機は各所が開き、少々変形。
ぎこちなく浮き始めた。
中でミニアルナワーズが操作する事により、幻灯機が動き始めたのだ。

小さな蛇腹状のアームが伸び、ランドの小指を掴み引っ張る。
ランドを引っ張って動かすようなパワーはないが、グイグイとこっちこいと言う意思表示にはなるだろう。
「ミルク〜、酔い覚ましつれてきたわよぉん。
こう見えてもランドは防御治療のスペシャリストなのよぉん。
血中アルコールの浄化くらいできると思うわぁん。」

そういいながら密かに伸びる更なる蛇腹アーム。
ミルクの要求に応えながらもこれから起こるであろう事に備えていたのだ。
ワインを手に入れたグレイブがどうなるか。
そしてその結果リリアーナが何をするか。
その先に待ち受ける事態は・・・

その事態に備え、蛇腹アームはリリアーナの脱ぎ散らかされた服や靴を掴みにかかっていた。

104 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 03:01:43 0
>>83>>86

>「どちら様ですかじゃなーいっ!」
ミルクはランドに凄いけんまくで向かっていき胸ぐらを掴む。
いきなりこんなことされてランドはなにがどうしたのか分からずに
完全に萎縮してしまっている。
「あ・・・の・・・」
>「このやろうリリアーナを酔わせてからベッドに連れ込んでイタズラしてやがったなーっ!
>リバース内でイベント中だからって性犯罪が許されると思うなよ!
>白百合騎士団に突き出して人生終わらせてやるから覚悟しろ!!」
そしてミルクの怒声に全てを思い出す・・・自分がリリアーナに水を持って行こうとしたときに
転んでしまったことも・・・そしてそのまま倒れこみそれからの記憶がないことも・・・
気絶している間のこともミルクの言葉からなんとなくは感じ取れた。

そして絶望した・・・どうしていいかわからない。
誤解を解くなんて無理そうだし人生終わらせるなど言われたのだ。
走馬灯のように今までのことを思い浮かべ・・・眼をつぶる。
(あぁ・・・せめて1人くらい親友が欲しかった・・・・・・)
そう思いながら覚悟を決めかけたとき・・・ミニアルナワーズが助け舟を出す。
>「はいはい、ミルク〜。そんなに興奮しないでぇん。
>証拠もなく決め付けちゃいけないわ。
>ランド、安心して。この名探偵ミニアルナワーズがあなたの潔白を証明して見せるから!」
「え・・・ほんとう?」
聞き返すランドに自信満々の表情で幻灯機の中に入っていくミニアルナワーズ。
そう、幻灯機は映像保存ができる・・・これを使えば身の潔白を証明できる。
辺りを照らしていた赤い光りが消えここにいたるまでの経緯を映像として映し出す幻灯機。

今一度見ると凄まじい凶運としか言いようがないが
確かにランドは無実だ、ミルクもおそらく分かってくれはするだろう。
>「う〜ん。神懸り的な事だけど、少なくともベッドに引きずり込んだのはリリィよねえ。
>どちらかというと、ランドはリリィの毒牙にかかったと見えなくもなくなぁい?」
「ありがとう。助かったよ・・・本当にありがとう。もう終わりかと思ったよ。」
胸を撫で下ろすランド・・・最悪の事態はなんとか乗り切れたことに心から安心する。



105 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 03:02:48 0
>>96>>103>>89

>「なるほど、どうやらあんたが言うように、ランドは性犯罪者じゃなかったみたいね。
>幻灯機で録画してくれてたアルナワーズに感謝しなさいよランド。
>もうちょっとで白百合騎士団に人生終わらされる所だったんだから」
「ご、ごめんなさ・・・」
>「ミルク。一方的な濡れ衣で胸倉掴んでおいて何もなしというのは人としてどうかな!
>君は僕に大きな借りを作ったんだよ?」
ランドがあやまろうとしたときランドの後頭部から似せた声がミルクに放たれる。
もちろんこれはランドではない。貸し借りがあまり好きじゃないランドはこんなことを言うわけがない。
ミニアルナワーズが勝手に言ったのだ・・・・・・
「い、いや今のはボクじゃ・・・」

ミルクにそう言おうとしたら今度はリリアーナがおきて一発芸をし始める。
>「『チョー特盛りぃ〜!』」
「・・・・・・・・・・・・」
ランドはもうリリアーナをどう扱っていいのか完全に分からないでいる。
>「見てー、アルったらイメチェンしたんらよー。髪まで切ってなんらかボーイッシュらおね〜。
>どうせなら女の子の制服にすればいいろにれー」
「リ、リリアーナさん・・・ボクはランドだよ・・・アルじゃないんだけど・・・」
一応訂正するがそんなことをはまるできいてなく今度はいきなりグレイブに向かって
大声を張り上げる・・・キサカをどうしただのなにやら言っている意味がさっぱり分からない・・・
しまいには立ち上がりロックバスターを準備し攻撃態勢は万全だ・・・
自室と思っている酔っ払いにここが攻撃魔法が棄権な場所なんて説明しても無駄だ。

おろおろと回りを見回しているランドにミルクが一括いれ
何か酔い醒ましを持って来いと叫ぶ。
「分かった探してみるよ!」
といってもさっきタオルを探すときに一応この部屋のものは一通り探したから
酔い醒ましなんてあるわけないと心のどこかでは分かっていた。
そして、予想どおり探し回ってみるが酔い醒ましみたいなものはない・・・
どうしようと思っているとミニアルナワーズが自分の指を引っ張る。
なにかと思って振り向くとミニアルナワーズがミルクに酔い醒ましを連れてきたという。
「分かった・・・でも浄化には体に触れないとできないんだけど、大丈夫なのかな・・・それで。」
さっきのこともあるしセクハラだと思われないかが心配でミルク達に聞くランド・・・


106 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 09:56:32 P
>100

どうやらフリージアはぐっすりと寝ているようだ
なぜ”ようだ”かというと
フリージングドールの目はカッと見開いているからだ
まあこれは仕方が無い
フリージングドールの頭はあくまで飾り兼武器であるドリルのハードポイント
本当の頭ではない
したがって目を瞑る機能などは持ち合わせていないのだ

「ZZZZZZZzzzzお母様・・・もう食べられませんわ」
お約束のような寝言を言い寝返りをうつフリージア・・・・
だが寝返りをうったのはフリージングドールの中にいるフリージアであって
フリージングドールではない
フリージングドールだったら近くにいる青いサラマンダーがかな〜り危険だったであろう



さて一体フリージアはどんな夢を見ているのだろうか?少しだけ覗いてみよう

「ねえお母様・・・・お母様ってば・・・なんでお母様は起きないのお父様?」

「お婆様!?お父様!お婆様が・・・!!」

「私も死ぬの・・・お母様やお婆様のように死んでしまいますの?むぐぅ!?行き成り何を飲ませますの!あら?苦しくなくなりましたわ」

「なんで・・・・・なんでもっと早く来てくださらなかったの?
 もっと早く来てくださればお母様もお婆様も助かったかも知れなかったのに・・・」

「なんですのこの本?何で殿方同士が抱き合って・・・・え?私のお母様が生前に描いた本ですって!?」

「こんな本をお描きになられてたなんて・・・・私のお母様へのイメージが壊れていく・・・」







「ふりぃぃじんぐ・・・でぃすとらく・・すぅすぅ・」
寝言でフリージング・ディストラクションをぶっ放しそうになるフリージア
・・・・どうやら未遂に終わったようであるがかな〜り危険だった

ペンダント 自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

107 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/12(土) 10:06:41 0
>102
> ルズはふと大きな鏡に目を止めた。
> 「今何か鏡の中で動いたような・・・・・・?気のせいかしら〜?」
> ルズはベッドから飛び降りると、大きな姿見にそろそろと近寄っていった。
大きな姿見に映っていたのは、バスルームでシャワーを浴びているエルザの姿だった。

熱い水の流れがエルザの凝り固まった四肢をほぐし、エルザは生き返ったような心地がした。
エルザは目の前にある曇った鏡を手で拭った。
そこに映ったのは見慣れた自分の顔と裸体だった。
墨を流したような黒い髪からぽたぽたと滴がたれている。
エルザは鏡に映る自分の姿を観察した。 まさに人間そのものの体だ。
エルザ自身も言われるまでわからなかったのだから、他人もまた見ただけではわかるまい。
エルザは自分の体を作ったキキが憎らしかったが、この点だけはありがたいと思った。

バスルームから出てきたエルザは、体をタオルで拭きながら部屋の奥に入ると、
手探りで部屋の照明をつけた。
> 目に付くものといえば水晶の灰皿と、ベッドのすぐ側にある大きな姿見だけである。
ルズが引っ張り出したお菓子の箱にエルザは気づかなかったようだ。
大きな姿見の前で何かを見ているルズが気になったからである。
「どうしたの?何か気になることがある?」
エルザは姿見を覗き込んだが、特に変わった点があるように見えなかった。
ごく当然のように、姿見には覗き込む自分の姿が映ったからだ。
「ちょっと待っててね、黒猫さん。着替えたらすぐに湿布を作ってあげるから。」
エルザはルズにそう言いながらクローゼットを開けた。
クローゼットの中には何着もメイド服がある、とエルザは予想していた。
しかし、クローゼットの中にあった服はメイド服ではなかった。
エルザははっと息を飲んだ。
「あ…、アンジェリーナもこんな服を着るんだ……」
エルザはびっくりした。クローゼットの中にあった服が、
およそ普段のアンジェリーナに似つかわしくない服だったからだ。
ルズにもその服が見えたらしく、エルザはルズに言った。
「アンジェリーナがこんな服を着ているところなんて見たことが無いわ。
 まあ、 歳 が 歳 だ か ら こんな服を着られないのは当然だとは思うけど。」
(注:現実世界のアンジェリーナに聞こえています)
「他に着るものもなさそうだから、この服を着ることにするわ。」

108 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 16:39:57 0
  
メラルの連絡を受けて、ベアトリーチェが数秒の硬直の後で連絡をしてきた。  
もちろんメラルはその間を見過ごしたりはしない。それも材料に、相手の状況を推測する。
>「あ、あら、始めましてメラルさん。噂はかねがね。連絡を寄越したって事は私の自己紹介は不要のようね。」
「ええ。…あなたの自己紹介は聞いてみたかった気もするけれど…。」
(…カーテン…いい判断ね。でも、濡れてない…。室内にいる可能性が高いわね。
それだけの準備をするほど落ち着いていたのに、あの間というのは…私だから、ね。
つまりアルから話は聞いていないはず…よね。)

>「突然雪になっちゃってびっくりしてた所なの。そちらも随分と吹雪いちゃっているみたいね。」
「ええ。といっても、これは明らかに誰かの術ね。この島じゃ、冬でもこんな吹雪は吹かない。
 …まぁ、この学園でこんな真似をする生徒とくれば…あなたなら、誰のしわざかは
 考えるまでもなくわかるでしょうけど。」
相手の時間稼ぎに乗じて、フリージアが犯人という可能性を考えさせるように言葉で誘導をかけておく。


…と、ベアトリーチェが素を見せた。レイドのペンダントを見せながら話を進めている。
が、もちろんメラルに心当たりはない。当然…まず交渉の邪魔となる誤解を解こうとした。
>「ふ〜〜〜〜・・・。占いと誘導、ね。なかなかやってくれるじゃない。」
>「あんたが誘導したレイド達が失敗したってのは占いでわかったのかい?
  たかが殺し合いに拘りなんぞ持ち込むから、あんたの大戦力もこの通りさ。」
「いくつか誤解をしているみたいだから、この際はっきり言うわ。私はレイド先生とは手を組んでない。
 むしろ…レイド先生は私の目的にとって大きな障害になる可能性が高いわ。逆に、あなたは…
 あなたから私に敵対しない限り、けして障害にならない。むしろ…あなたが人の目を
 ひきつけてくれるという意味では、なくてはならない存在と言ってもいいかもしれない。
 でも、何を勘違いしたのか、私の仲間が一人、あなたの領域に踏み込んで行っちゃったらしいの。
 この通信は、"彼"…キサラ=トールフェトに関する交渉をする為にしたの。」

ここまで言って、一拍おいてから話を続けた。
「と言っても。こう言った所であなたは信じないでしょうね。だから…あえて私の要求に…
 レイド先生のペンダントの即時破棄、もしくは引渡し…を入れてておくわ。もちろん、
 この要求を実行するまでもなく信じると言うのなら、それでもいいけれど…その代わり、
 その場合そこには、一切の疑念は許さない。絶対に。」
淡々と話し、最後だけ少し強く言ってベアトリーチェに鋭い視線を向ける。殺気と言うほどではないが、
その言葉が本気だと言う事は…目を見るだけでわかりそうな…そういう鋭さだ。
普通に考えればただ破棄を要求した方が疑われないだろう。しかし…その後で
引渡しという、疑っているならばありえない選択肢と…そして、現状維持はすれど
一切の疑念は許さないという、相当の度胸を要する選択肢…つまり、
事実上選択肢になっていない選択肢を加える事で、レイド先生のペンダントを捨てさせ、
なおかつ自分の意思で選んだという考えを持たせる事を狙ったのだ。
その上で、本題の交渉に入る。

109 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 16:40:55 0
  
「私の要求は、さっき言ったレイド先生への対処と…今あなたの手の内にあるのなら
 キサラのペンダント。そして、彼に私にペンダントを預けた旨を伝えるのと、
 これから言う彼への伝言を伝える事。もし、ないのならば…彼があなたの前に現れた時
 に彼に伝言してくれるのと…正当防衛以外の場合には彼に一切手出ししない事。
 そうそう。伝言内容は…「森には一切の手出しは無用。この伝言を聞いた後での
 ベアトリーチェへの攻撃は、正当防衛か私からの要請以外なら裏切りと看做す」
 …でお願い。…既にキサラがゴースト化しているのなら、それを教えてくれるだけでいいわ。
 でも…それが嘘だったとしても後でキサラに会えば確実にわかる。…その時後悔しても遅いわよ?」
今度も、メラルは落ち着いて淡々と話し、最後は口調で強調した。しかし…この条件には大きな穴がある。
正当防衛か否かなど、所詮は水掛け論なのだ。どちらかが証拠でも持っていない限り
確実に示す事などできはしないのだ。…ここで…アルワナーズだけは気づくかもしれない。
メラルは、交渉をする際に…裏切りに関する話をするときは
必ず殺気…もしくはそれに近い気迫を伴う鋭い視線を見せる癖がある。しかし…キサラに関する交渉ではそれはなかった。
それどころか、別のところ…そう、レイド先生に関する話をする時だけその視線を見せた。つまり…
故意に条件に抜け道を作ったのだ。相手が賢ければ賢いほどおいしい条件になるように。


そして…また一拍置いてから話を続ける。
「対価は…この、フリージアにとって天国以外の何物でもなさそうな吹雪があなたの森に直撃しないように
 …少しでも抑える事。…残念だけど、私にこの吹雪を完全に止める力はないから。」
これもまた、嘘ではない。実際、フリージアにとってこの寒さは大いに助けになるだろうし、
この吹雪の範囲を変えるならともかく、完全に止める事は出来ない。たとえ、今魔法陣を破壊したとしても。
もう雪を降らせる環境は完全に整っており、後は固定だせるだけなのだ。それなりに長い間、雪が降り続くだろう。
ただ、それをあえて言ったのは…あくまでこの雪はフリージアの仕掛けだと思い込ませようとする作戦である。
そして…さらに話を続けた。

「それと…もう一つ。私の目的とする戦いは、恐らく明日の朝までには
 達成できる。もし出来なかったとしたら、この催しではもう達成は無理。
 いずれにしても、明日の朝には…」
ここで、メラルが一度しゃがむそぶりを見せ、何かを取り出した。…水晶球である。
それを手の上に浮かべてから話を続けた。もちろん、占いで調べた、と思い込ませるために。
「私が聞いたあなたの目的が間違っていなかったのなら……
 あなたの観測に、少し手を貸してあげる。そのときになったら…
 改めてもう一度連絡するわ。最も、今を以ってあなたが私に
 敵対しないと約束してくれるなら、だけど。…どうかしら?」
言い終えると、メラルはベアトリーチェの返答を待った。
一見ベアトリーチェにとっておいしく見えて、その実メラルのもう一つの目的である
全力で戦える戦いの場、そして今直面している問題の、レイド先生への対処も含めて
全てを一気に解決する…メラルのベアトリーチェに望めるであろう全てを要求
する取引を、それと悟られにくいように持ちかけたのだ。

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110 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 16:42:22 0
  
>「だーかーら、俺は女子寮に入るつもりなんざ微塵も無かったの。
  ちょっとした手違いで女子寮に入ったらこの有り様。
  …寒いのを嫌う俺に対しての嫌がらせとしか思えんだろ!
  外の吹雪も俺に対する嫌がらせだね、絶対。」
>「うるせーい。とりあえずな、俺は寒いのが嫌いなんだよ。
  こうなったら白百合騎士団だろうが教頭だろうが関係ねぇ。
  邪魔をする奴は全員ぶっ飛ばす。」
>「待っててやるからさっさと人を呼んでこいよ。
  そいつぶっ飛ばしたら俺は2階に行かせてもらう。
  お前が誰だか知らんが、よっぽど上に行かせたくないみたいだからな、意地でも行ってやるよ。」
どう見ても本音にしか聞こえないレイドの言葉に、露骨にため息をつくエミュー。
ただ…こういった単純な理由ならば時間を稼ぐのは難しくない。とも考えていた。
「…チッ…アンタに開き直られちゃ勝ち目なんてねーヨ。…負けだ負けだ。
 吹雪も女子寮も俺の術だヨ。夜襲されない拠点が欲しくて外に出にくくしただけダ。
 …矛収めてくれるなら暖かく出来る部屋一つ準備してやっから、
 そこを寝床にでもして落ち着きナ。朝にはこの吹雪も弱まって女子寮の氷も消えてるからヨ。」
今度は露骨な懐柔に出た。…実はこの時間稼ぎ、二重の意味があるのだ。

一つは、メラルに頼まれた時間稼ぎ。もう一つは・・・四階以上の階の守りを
さらに強烈なものとする為の時間稼ぎである。実際…密かにエミューは四階より上の階層の
部屋、廊下の全てを氷漬けにするために、原料となる水の術を仕掛けて水を供給していた。
この女子寮の大量の氷の"再利用"も、氷の総量が多い方が後々有益だと言う事を視野に入れて…。
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ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持


111 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 17:23:36 0
>「ね、狙いが優勝ではなくただの生存ということならば…いいのかな?」
どうやら同行は許可されたらしい。
(……優勝狙いでないのがそこまで意外だったのか・・・)
ちなみに賭けをしているのはクリスだけではない。大規模な行事が行われるときは学園のいたるところで賭けがされている。
>「さーて、これからどうするか…。
 棄権するという選択肢はないし。
 地下図書館にある安全な我が家にでも篭るかい?」
(地下図書館に家!?オルビア先生はこのことを知っているのか?)
食堂も安全ではあるのだが、おばちゃんが起きている間だけである。移動することは悪い案ではない。

>「魔物がいなくて絶対安全な道を知ってるから安心していい。
 お茶ぐらいだったら出せるし、悪くはない場所だとは思わないかい?」
しかも吸血鬼は安全な道を知っているらしい。しかし今はリバースの中、魔物まで反映しているとは思えない。
そのうえその道がわかりやすいところにあれば、待ち伏せされる可能性もある。
「地下図書館に行くのは構わないんだが、その道は目立たないところにあるのか?
 それに一箇所に留まり続けるのはあまりよくない。ペンダントの魔力を感知されて囲まれる可能性があるからな。
 他にも行く場所を考えておいたほうがいいだろう。」
そうは言ったもののクリスには他の場所が思いつかない。
(工房…は今の天気じゃ無理そうだからな。)
工房は校舎から少し離れたところの地下にある。吹雪いている今外に出るのははっきり言って無謀だろう。

112 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 18:43:16 0
>107
>大きな姿見に映っていたのは、バスルームでシャワーを浴びているエルザの姿だった。
「こ・・・これはっ・・・・・・・!!」
ルズは【シェー】のポーズを取った。
鏡にはエルザのシャワーシーンが映し出されている。

ルズはガジュマルの実のことで、エルザが話してくれた事を思い出した。
「(前略)最初ロックは、自分はこのゲームに参加せず、現実世界から私を観察するつもりだったらしいわ。
 ところが、理由はわからないけどロックはアンジェリーナを怒らせてしまった。
 ロックが言っていたわ。『アンジェリーナに無理やりリバースに“叩き落された”』ってね。」

「つまりロックとやらは、リバースに叩き落されるまでどこかでエルザ様をじっくり観察し、
 なおかつアンジェリーナ先生と一緒に居たというわけなのですわ〜。・・・・・・はっ!」
ピキーン!とルズは閃いた。
「キタ――――――――!!謎は全て解けたのですわ〜!!
 つまりこうなのですわ!
 ロックは覗き魔で、アンジェリーナ先生はエルザ様のストーカーなのですわ〜!!
 渡る世間は鬼ばかりなのですわ〜!!」
ルズは一人納得し、うんうんと頷いている。
「全く!雨を降らせてあわよくばエルザ様のシャワーシーンを拝もうなどと、姑息極まりないのですわ〜。
 これではアンジェリーナ先生が怒ってロックとやらをリバースに叩き込んでも仕方ないのですわ〜!!」

・・・・・・正否はともかく、少なくともルズの脳内ではそういうストーリーが展開されているようだ。
「そしてっ!やはりアンジェリーナ先生の本命はエルザ様で、ロックは若いツバメなのですわ〜。
 全くアンジェリーナ先生も女性の見る目は確かですが〜殿方の趣味が悪・・・・・・ゲフンゲフン!
 何がともあれイロイロお盛んなのですわ〜人は見かけによらないのですわ〜」

>「どうしたの?何か気になることがある?」
「ひょえ――――!!」
ルズは飛び上がって驚いた。
>エルザは姿見を覗き込んだが、特に変わった点があるように見えなかった。
>ごく当然のように、姿見には覗き込む自分の姿が映ったからだ。
>「ちょっと待っててね、黒猫さん。着替えたらすぐに湿布を作ってあげるから。」
「ははははは・・・はいなのですわ〜」
ルズはあはははと乾いた笑いを浮かべた。心臓はバクバク波打っている。
ちょうど鏡の中では、エルザがクローゼットを開けているところだった。

>「あ…、アンジェリーナもこんな服を着るんだ……」
「・・・・・い、意外な一面を見てしまったのですわ〜」
>「アンジェリーナがこんな服を着ているところなんて見たことが無いわ。
> まあ、 歳 が 歳 だ か ら こんな服を着られないのは当然だとは思うけど。」
「年齢は関係ないのですわ〜。外見とて、魔法使いにとっては何の意味もございませんもの〜。
 学園長やわたくしを見れば、エルザ様とてよくお分かりでしょう〜?」
ルズはぱたりぱたりと尻尾を振ってみせると、床に降りた。
エルザが背を向けている隙に一瞬だけ黒猫の姿が揺らぎ、ピンクの髪の少女が現れた。
ピンクの髪の少女は鏡を床に倒した後、すぐに猫の姿へと戻る。
黒猫は鏡を踏まないよう気をつけながら、クローゼットの方へとひょこひょこ歩いてきた。
「アンジェリーナ先生のご趣味だけではなく、どなたかの贈り物も混じってそうなのですわ〜」
ルズは体操着や鶏着ぐるみを見上げながら、ため息をついた。
これでは贈り主も唯ではすまなさそうである。
「アンジェリーナ先生も思い切ってイメチェンすればよろしいのですわ〜。
 全てに優先するのはラヴ&ビューティですわ〜。
 ですが真の美しさとは〜目では見えないものばかりなのですわ〜」

ルズはクローゼットの中の一枚に前足でじゃれついた。
「これなどいかがでしょう〜?きっとお似合いなのですわ〜」

113 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/12(土) 20:23:20 O
>110>「…チッ…アンタに開き直られちゃ勝ち目なんてねーヨ。(中略)
 朝にはこの吹雪も弱まって女子寮の氷も消えてるからヨ。」
声の主は呆れたように懐柔策を出してきた。
いつもの俺なら
「ふざけんじゃねぇ!部屋を用意してやるだぁ?
んなもん必要ねぇからさっさと姿を現せこの野郎!」
と言ってるところだが…
この状況で夜を明かせる部屋を用意して頂けるのは非常に助かる。
吹雪を発生させた理由も分かったし、ここはコイツの案に乗った方が良いな。
「オーケー。その話、信じてやろう。
さ、それじゃあ早速部屋にエスコートしてもらおうか。」
>「良いんですか、そんな簡単に信用して?」
「罠だったらぶっ飛ばすまでよ。」
姿を現さないってのは怪しいが、まあ、自分の身を晒したくない気持ちは分かる。
「あ、嬉し〜い罠だったら大歓迎だぜ?
部屋に入ったら美女が沢山…みたいな。
で、その美女達が俺達の夜の相手をしてくれる…みたいな。」
>「……発想がエロ親父ですね…。」

114 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/12(土) 23:00:49 0
>>97>>101>>111
>「別に優勝することが目的じゃない。ただ友達と賭けをしていてね、最後まで残れなかったら一日食事をおごることになっているんだ。」
「なに!?そんなことか!?……いや、ごめん…ちょっと意外だったものだから…」
こういっては悪いがあまりにも目標ない答えに僕は唖然とする。
>「ね、狙いが優勝ではなくただの生存ということならば…いいのかな?」
「……ま、まあそうなるな…拒む必要もない…」
そんなこんなで新しいメンバーができた……まあそれはいいんだけど……
これからどうするべきか……ヴァンエレンもそう思っていたようで話し始める。

>「さーて、これからどうするか…。
>棄権するという選択肢はないし。
>地下図書館にある安全な我が家にでも篭るかい?」
我が家…そういえばヴァンエレンは吸血鬼だったな。
なんだかあんまり深くは気にしていなかった…しかし、図書館に家があるってことは
図書館に住んでるってことか…そういえばなんとなしに図書館に暮らしている
臆病な吸血鬼がいるって聞いたが…ヴァンエレンのことか…
「うーん……あの図書館に?…」

まあ、あの図書館は底が知れないし別の世界だと信じている奴もいる……
オルビア管理人しかその全貌を知らないということも聞いたことがある。
もしかしたら家なんて当たり前なのかもしれない。

>「魔物がいなくて絶対安全な道を知ってるから安心していい。
>お茶ぐらいだったら出せるし、悪くはない場所だとは思わないかい?」
「へえ…さすがは住んでいるだけあるな。うん。賛成だ。
 お前がどんな家に住んでるのかちょっと興味もあるしな。」
僕は素直に賛成した。地下図書館は迷宮のようだし隠れ場所としては最適だ。

>「地下図書館に行くのは構わないんだが、その道は目立たないところにあるのか?
>それに一箇所に留まり続けるのはあまりよくない。ペンダントの魔力を感知されて囲まれる可能性があるからな。
>他にも行く場所を考えておいたほうがいいだろう。」
クリスが本当に安全なのかヴァンエレンに聞き返す。
クリスの心配も最もだが…だが心配はいらない、僕はクリスの肩を叩き笑う。
「安心していい、ヴァンエレンが安全だっていってるんだ。
 それはすなわち僕達が想像しているよりもずっと安全ってことだ。
 他に行く場所は…まあ向こうについてから考えてもいいじゃないか。」
ヴァンエレンは慎重だし小心者…その小心者が寝床としている場所なんだ。
安全じゃなければ寝床になんてするはずがない…
きっとちょっとやそっとじゃあ見つからないような場所なんだろう

「クリスも賛成のようだし、よし!ヴァンエレン。早速案内してくれ!」
 

115 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 12:18:47 0
>96 >103 >105
>「リリアーナ!落ち着いて!
>今立ち上がったら大変なことになる!
>グレイブとランドは回れ右して後ろ向け!
>アルナワーズは何か酔い醒ましになる薬持ってこーいっ!」

周りの騒ぎもどこ吹く風、リリアーナは相変わらず酔っ払ったままだった。

>「ミルク〜、酔い覚ましつれてきたわよぉん。
>こう見えてもランドは防御治療のスペシャリストなのよぉん。」
>「分かった・・・でも浄化には体に触れないとできないんだけど、大丈夫なのかな・・・それで。」
先程セクハラ呼ばわりされたことは、ランドの心に影を落としていたようだ。
彼がリリアーナに触れることを躊躇ったのはごく自然ななりゆきだといえる。
だがランド一瞬の戸惑いが、事態をさらに混沌へと導く事になった。

ゴゴゴゴ・・・・・と室内に不気味な地鳴りが響き、室内が揺らぎ始める。
メンバーのうちの誰かが、魔力を高めるか発動準備をしようとしているようだ。
どこにそんな力があったのか、とうとうリリアーナはミルクの手を振り払ってしまった。
「そんな意地悪メガネには、天に代わってゴージャスリリアーナがお仕置きなのら〜!
 キサカさんの仇を取った後、私の手で白百合騎士団に突き出してやるのろ〜!!」
リリアーナは高らかにそう宣言すると、勝ち誇った顔でベッドの上に仁王立ちした。
そしてフリージアばりの高笑いをしながらロックバスターをバンバンぶっ放し始める。
ビキッ!と嫌な音がした。
壁に命中した場所から放射線状に亀裂が入り始める。
「私・・・・・・残酷ですわよ」
変なポーズを決めたリリアーナは満足そうな笑みを浮かべると、そのままふーっと仰向けに倒れこんだ。

―――― さて。
リリアーナのロックバスターは、精神エネルギーを弾丸に変化させて攻撃する召喚銃の一種である。
それを特異点の中で使用したら一体どうなってしまうのか?
そして、ランドのアルコール浄化は無事出来たのだろうか?
リリアーナの乱心に巻き込まれたメンバー達の運命は?

これから起こる事も周りの迷惑も知らず、当のリリアーナは安らかな寝息を立てていた。

116 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/13(日) 16:08:53 O
>103-105 >115
>「分かった探してみるよ!」
>「レッツコンバイン!メカアルナワーズ発進!」
「なんでもいいから早く探しなさいよ〜っ!」
リリアーナを押さえるのに忙しくて、後ろを振り向く手間も惜しい。
何しろリリアーナときたらグレイブにロックバスターを突きつけているのだ!
戦闘行為禁止区域だなんて事は頭から完璧に抜けているに違いない!
「リリアーナ!下着で暴れるだけならまだいいけどここで武器は出すな!
ロックバスター使うのは浮気したロックにお仕置きする時だけにしろー!」
酔っぱらいの説得に苦心していると、アルナワーズが緊張感ゼロの声をかけてきた。

>「ミルク〜、酔い覚ましつれてきたわよぉん。
>こう見えてもランドは防御治療のスペシャリストなのよぉん。
>血中アルコールの浄化くらいできると思うわぁん。」
>「分かった・・・でも浄化には体に触れないとできないんだけど、大丈夫なのかな・・・それで。」
できるなら最初からやっとけとも思うけど、今そんな事を言っても仕方がない。
「非常時だから大丈夫!
それよりさっさとアルコールを浄化して〜っ!」
あたしはランドを捕まえてリリアーナの方に押しつけた。

その時、室内に不気味な地鳴りが響き、部屋が揺らぎ始める。
「なっ、なに!?特異点に地震なんて起きないはずなのに!
まさか…ラヴスポットが壊れかけてる!?」
揺らぎに驚いたのがいけなかったのか、ランドを押しつけたのがいけなかったのか。
次の瞬間あたしはリリアーナに振り払われてベッドに突っ伏すはめになった。

>「そんな意地悪メガネには、天に代わってゴージャスリリアーナがお仕置きなのら〜!
> キサカさんの仇を取った後、私の手で白百合騎士団に突き出してやるのろ〜!!」
頭の上から聞こえてくるリリアーナの声が、最悪の事態を教えてくれる。
もうなんだかこのまま目を閉じて寝てたい。いろんな意味で。
それでも何とか悪魔のささやきに抵抗して立ち上がったあたしが見たのは。
フリージアが乗り移ったのかと思うような高笑いとともにロックバスターを乱射するリリアーナの姿。
それからロックバスターの攻撃を受けて亀裂が入る壁だった。

>「私・・・・・・残酷ですわよ」
変なポーズでリリアーナが決めゼリフを言ってるけどツッコミを入れられる状況じゃない。
何がどうなるか分からない以上、切り札を切らなきゃいけないかもしれない。
神様頼みの上に1回しか使えない切り札だけど、次元の歪みに吸い込まれて人生終わるなんてイヤだ。
服の上から聖印を握りしめて壁を見守ったけど、幸い壁の亀裂はあまり広がる事はなかった。
「た、助かった……」

当のリリアーナは気が済んだのかなんなのか、仰向けに寝ながら幸せそうな寝息を立てている。
なんかもう今の出来事だけでリリアーナからの借りは全部返せたような気もするな…
ま、一応ラヴスポットが無事でよかった。
酒でも飲んで何か食べて、今日はもう寝よう。
そう考えてベッドから飛び降りるあたしの足下で、バキッとよろしくない音が。
何の音かと見てみれば、床が踏み抜かれて足下には一面の暗黒が広がっていた。
も、もしかして、ラヴスポットが外側から壊れかかってた?
でもってあたしってば薄くなってた床を踏み抜いちゃった!?
「ぎゃあーっ!?たぁすけてぇーーーっ!!」
せめて床にしがみつこうとする努力も空しく、あたしの体は悲鳴と一緒に次元の歪みに落ちていった。

117 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/13(日) 19:14:44 0
>112
> 「年齢は関係ないのですわ〜。外見とて、魔法使いにとっては何の意味もございませんもの〜。
>  学園長やわたくしを見れば、エルザ様とてよくお分かりでしょう〜?」
「え〜、だってどう見てもアンジェリーナは30歳過ぎてるでしょ。」
(注:アンジェリーナ本人に聞こえています。)
> 「アンジェリーナ先生のご趣味だけではなく、どなたかの贈り物も混じってそうなのですわ〜」
エルザはスクール水着やウェディングドレスを見ながらため息をついた。ルズもため息をついている。
「それにしても、選び方がマニアックね。もしかしてロックがプレゼントしたのかしら?」

『アンジェリーナ、町でお土産を買ってきのだ。 ちゃららちゃっちゃら〜 バニースーツ〜』
エルザはそんな事を言っているロックを想像した。
エルザはますますロックを包丁で刺したくなった。

> 「アンジェリーナ先生も思い切ってイメチェンすればよろしいのですわ〜。
>  全てに優先するのはラヴ&ビューティですわ〜。
>  ですが真の美しさとは〜目では見えないものばかりなのですわ〜」
「イメチェンねぇ…でもあんまりエッチなアンジェリーナは見たくないな。」

『お帰りなさい、ロック。お風呂にする?ご飯にする?私にする?全部一緒にする?』
エルザはそんな事を言っているアンジェ@裸エプロンを想像した。
エルザはますますロックを包丁で刺したくなった。

> 「これなどいかがでしょう〜?きっとお似合いなのですわ〜」
「どれどれ?…へぇ、悪くないかも。」
エルザはルズに勧められた服に着替えた。

「ちょっと胸まわりがきついわね、でもそれ以外はだいたい大丈夫…似合うかな?」
エルザはモデルのように、ルズの前でくるっと回って見せた。
エルザが着た服は、黒を基調とした…ゴスロリとでも言うのだろうか?そんな感じの服装だった。
「今すぐ湿布を作ってあげるからね。」
エルザは棚の中から、乾燥した薬草、すり鉢、ナイフ、ボウル、蒸留水と布を取り出した。
エルザは薬草をナイフで適当な長さに切ると、それをすり鉢ですり潰した。
次にボウルに蒸留水を少し入れ、先ほどすり潰した薬草の粉を混ぜる。
最後にそれを布に染み込ませれば、簡単な湿布の完成である。
「さあ、黒猫さん。ちょっとしみるかもしれないけど我慢してよ。」
エルザはその湿布をルズの足に巻きつけた。

118 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/04/13(日) 22:42:55 0
メラルとベアトリーチェの交渉を後ろで黙ってみていたアルナワーズ。
この二人のやり取りもまた、高級な餌というわけなのだ。
(誘導は術ではなくその頭脳の成せる技なのよねぇん。)
メラルの幾重にも張り巡らされた誘導や微妙な表情の変化。
更には交渉のテーブルに載せる材料選びに感心していた。
が、それ故の危うさも感じていた。

綿密に組み立てられたが故に、それは相手にも同等の能力を要求する事になる。
熟練した戦士同士の戦いで、視線の動き一つが恐るべきフェイントとなるのだ。
しかし、あまりにも格下の相手だとその視線の動きに気付く事すらない。
結果、無駄な動きとなり、不意の一撃を喰らうという事も往々にしてある。

ベアトリーチェは基本的に感情で動くタイプ。
それは時として全ての理や利を捨て、組み立てられた誘導経路を塗りつぶす事もある。

交渉が進み、雲行き、というかベアトリーチェの表情が怪しくなった時、アルナワーズが動く。
メラルの背後でブロックサインというか踊りというか、奇妙な動作を始める。

アルナワーズにも目的がある。
リリアーナはカドゥケウスの使い手として選ばれているが、アルナワーズにとって見ればそれすらも余波でしかない。
その芯の強さの。
逆に言えば、芯の強さ以外リリアーナの強さはないといえる。
だが、それこそが、アルナワーズがリリアーナを側においている最大の理由なのだ。
リリアーナは『偉大なる無能者』。
これがアルナワーズのリリアーナに対する評価である。

特別な力があるわけでもない。
誰にも負けないわけでもない。
能力的に見れば平均以下かもしれない。
それでもリリアーナが動けば周りも動く。
まるで大渦のように周囲を巻き込み、いつの間にかその関係を広げていく。
それは味方として巻き込まれるだけでなく、メラルのように敵となる者、アルナワーズのように観察者となる者。
立場は違えど、例外なくリリアーナを中心にして動きをとってしまっているのだから。。

古代の文献に出てくる劉・元徳。
まさに【業】の特異点。
そのようなタイプを目の前にして、アルナワーズが放って置く訳はない。

勿論、これから始まるであろうメラルとリリアーナの戦い。
ある意味メラル以上に実現させたいと思っているのだから。

119 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/04/13(日) 22:43:07 0
>108
女子寮と魔の森。
共に広大なフィールドを己がモノとし、猛威を振るう二人の魔女。
氷のメラルと毒のベアトリーチェの通信は唐突に終わりを迎えた。

> …まぁ、この学園でこんな真似をする生徒とくれば…あなたなら、誰のしわざかは
> 考えるまでもなくわかるでしょうけど。」
この言葉の直後、メラルの前の幻灯機から映し出されていたベアトリーチェの画像がノイズに変わってしまったのだ。
元々出力1/3の幻灯機が毒素の立ち込めた腐海の中心部と通信を保つのも難しい。
危うい状態でも通信にフリージアを連想されるようなメラルの言葉。
その瞬間にベアトリーチェから高濃度の毒が噴出して通信が途絶えてしまったのだ。

クリスタルの出力を最大値まで上げ通信再開。
思考の迷走の果てに行き着いた結論が振り出しに戻り、行き場を失っていた。
アルナワーズからメラルの情報は聞いている。
氷雪系の術者であり、それだけで雪をメラルの仕業だと思い込んでしまっていたのだが・・・全面的に修正の必要がでてきた。

脳内でめまぐるしく状況の再整理が行われている中、メラルから更に状況変化について言葉が付け加えられる。
レイドとは組んでいない。
更にはレイドがメラルにとって大きな障害であり、ベアトリーチェは人の目をひきつける囮になるというのだ。
その証拠といわんばかりにレイドのペンダントの即時破棄、もしくは引渡しを要求してきた。

ここまでの会話でベアトリーチェの思考から先程の結論は跡形もなく消え去っていた。
刺客に放ったマオのカウンターにメラルがレイドたちを送り込んだと結論付けていたのだ。
が、これまでの会話にレイド以外のメンバーの名前が出ていない。
マオの名前は隠すにしても、ペンダントを見せたのはレイドのみ。
レイドと同等のレベルを持つエースのペンダントがないことにあまりにも触れなさ過ぎている。
繋がりがあろうとなかろうと、この場合ペンダントを捨ててしまえばなんら問題ない、だのが・・・
頭でわかっていても、ベアトリーチェが結論を出すに当たってどうしてもネックになることがある。

考え場纏まらぬうちに話は次に進む。
メラルの本題はキサラに関してだった。
間違って腐海に入っているから、出会ったら手出ししない事を伝えるように、だ。
この一連のメラルの要求を聞いて、ベアトリーチェは気付いた。
レイドのペンダントの話で結論を付けられなかったその訳を。

頭の中ではわかっている。
その後提示された提供条件は十分見合う代物だった。
同じ氷雪系ならこの吹雪の儀式を妨害する事も可能だろう。
水晶球を見せる事から、既にフリージアがどこで儀式を行っているかもわかっているのだろう。
ベアトリーチェにとってはそれだけで十分な対価だ。
元々その後の事は一人でやるつもりだったので、どうでもいい。
腐海に降る雪を止めてくれさえすれば・・・

120 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/04/13(日) 22:43:15 0
その為にすべき事はレイドのペンダント破棄とキサラの返却。
元々処分に困っていたキサラを取引材料に出来るのなら願ったり叶ったり、だ。
しかしそれでも、それでも。
頭でわかっていても緒戦はベアトリーチェは感情の女。
相手が氷雪系の女となれば尚更だ。
>「一切の疑念は許さない。絶対に。」
>「悔しても遅いわよ?」
>「少し手を貸してあげる。」
これらの言葉に思考の線は次々に切断されていく。
試されている。脅されている。
その言葉がベアトリーチェのどうしようもなく不快にさせていたのだ。
端的に言えば『何上から目線で話してんだテメー?』という想いが思考を塗り潰されていく。

フェイスベールで顔を隠しているが、目の変化だけでその表情は丸判りだろう。
理性と憎悪の入り混じった想いの中で、ゆっくりと応える。
「・・・キサラ?こいつはオメーの男だったのかよ。
殺気撒き散らして来て勘違いだ?伝言あるのなら直接言えよ。」
画面外から首を掴まれて入り込んできたのはキサラだった。
画面越しでもその目線や表情から意識混濁している事がわかるだろう。

ここに至り、もはやベアトリーチェの思考は状況整理を放棄していた。
何がどう繋がっていてもいい。
既に如何にムカつくメラルに嫌がらせをしながら、雪を止めさせるか、という方向で固定されていたのだから。
故にレイドのペンダントも捨てればいい、という考えはなくなっていた。
メラルの障害になるのであればペンダントを捨てず障害にしておく方がいい。
手の内にあればいつでも捨てられるのだから。

考えをめぐらしていると、メラルの肩越しに見覚えのある人物が映っている事に気付く。
ブロックサインのような、踊りのような奇妙な動きをしている。
ゴーストアルナワーズはメラルの背後で一通り舞うと、メラルが振り向くより前に動きをやめ、何食わぬ顔で微笑むだろう。
しかしベアトリーチェにはその動きの意味、メッセージをしっかりと受け取っていた。
「ふっはっ!そーかい。それなら仕方がねえ。渦にどれだけ抗えるか見せてもらうよ。」
唐突な笑いと呟き。
今までの会話の流れからはでてこないような意味不明な言葉だが、それは当たり前のこと。
この言葉はメラルにではなく、後ろのゴーストアルナワーズに向けられた言葉なのだから。

幻灯機から映し出されるベアトリーチェが突然アップになって返事を始める。
「いいだろうよ。レイドとキサラのペンダント、返してやるよ。
ちょうど本体がいるからな、こいつに持たせてやる。
ただし、こいつのここに関する記憶は消させてもらうからね。
どこに持っていかせればいいか言いな。
オメーはきっちりドリル頭ぶち殺して雪を止めろよ?」

121 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 22:43:22 0
>105>115>116
ロックバスター連発により、ラヴスポットは崩壊を迎える事になった。
ミルクが床を踏み抜き次元の歪みに落ちていったのをきっかけに、一斉に亀裂が広がり家具などが落ちていく。
「ランド!」
酔い覚ましのためにミルクにリリアーナに押し付けられていたランドの位置を確認。
メカアルナワーズの蛇腹アームが伸びる。
気持ちよさそうに吐息を立てるリリアーナと共にランドとリリアーナの服と靴をベッドに縛り付けるようにだ。
次の瞬間、亀裂が更に大きくなり、ベッドごと時空の歪みに落ちていくのであった。

その最中、幻灯機からミニアルナワーズが飛び出てしまう。
慌ててランドとリリアーナをベッドに固定した為、ミニアルナワーズ自身の固定が間に合わなかったのだ。
あっという間に時空の狭間に消えていくベッドを見ながらミニアルナワーズは近くにミルクがいることに気付いた。
「ま、リリィにはランドをくっつけておいたから何とかなるでしょうねぇ。
でも私たちってどうなるのかしらぁん。特にミルクって・・・」
空間の歪みの中なので、すぐ近くにいるように見えて実際にはどれだけの距離なのかは判らない。
それでも見えるのならば話しかけるのが人の情というもの。
特にミニアルナワーズは思念体なので最悪の事態でも消滅するだけ。
が、ミルクは身一つなので・・・
そんな哀れみを込めた言葉を遮る様に時空の狭間に何かが見えてきた。

###################################

それは昼下がり、落ちているアイテムボックスを急いで回収する二人の生徒。
「よし、話通りの場所で回収した!」
「中身は?」
「間違いない!」
「急いでラボに持ち帰りましょう!」

更に景色が変わる。
そこは校舎から切り離された薬学課の実験棟。
白衣を着た生徒達が集まっている。
「アルナワーズの協力を得て、我々はベアトリーチェの本命チョコを手に入れた!」
「「「「うぉおおおおお!!」」」」
「チョコは3枚!貴重なサンプルなので大事に使うように!」
「チキチキ毒摂り〜ぬゲーム!一番手は私よ!」
窓の外は夜、雨が降っている。
どうやら時間軸的に少し前の風景のようだった。
一舐めした生徒が2秒後に発症。
舌が蛇のようなものになり、生徒をかみ殺してしまう。
周りの生徒はその様子を戦慄しながら分析していく。
「舐めて二秒で変形?どういうことだよ。」
「毒って言うか、ミュータントポーションの一種だな。」
「彼女が戻ってきたら解析を始めるか。」
「培養実験もやってみたいしね。」

薬物学課生の饗宴の風景は見えてきたときと同様に、唐突に消えていった。

###################################

122 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 22:43:29 0
【学園長室】
「・・・!学園長、感じましたか?」
「ふぅむ、僅かながら時空震、だね。」
ラヴスポットの異変をいち早く気付いたのはやはり学園長と教頭だった。

現実世界の中でラヴスポットの破綻が起こっても、空間潮汐力が働くので大きな事態には発展しない。
しかしここは閉鎖された仮想世界、リバースの中。
何が起こるかはわからない。
最悪の場合、リバース全体の崩壊にも繋がりかねないのだ。

いち早く対処を行おうとする教頭に、学園長が待ったをかける。
「まあまあ、こういうこともイベントの一つと言うことでよいのではないかな?」
そんな学園長に教頭は苛立ちを隠せない。
あまりに大きな力を持つ者は危機感という者が麻痺しがちなのだ。
凡人の身としてはとても付いてはいけない。
結局、空間の綻びを校舎からどこかへと移動させる事で落ち着いた。
「空間スライド法!展開!」
教頭の術によりラヴスポットは完全消滅し、中にいたものは島内にランダムで放り出されるだろう。

そして綻びた空間は・・・地下図書館奥深くに移された。
ここならば生徒が立ち入る事もなく、空間の綻びに刺激が与えられる事がない、と。

123 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/04/13(日) 23:47:55 0
>111>114
地下図書館にある自分の住処に移動しようかという提案に対して、二人はやはり普段のこともあってか抵抗があるのかもしれない。
マオはうーんと唸りをあげてなにやら考えている様子。
>「へえ…さすがは住んでいるだけあるな。うん。賛成だ。
> お前がどんな家に住んでるのかちょっと興味もあるしな。」
対してマオは全面的に地下図書館行きに賛成の票を入れたのだが、クリスは少し不安要素があるようだった。
>「地下図書館に行くのは構わないんだが、その道は目立たないところにあるのか?
> それに一箇所に留まり続けるのはあまりよくない。ペンダントの魔力を感知されて囲まれる可能性があるからな。
> 他にも行く場所を考えておいたほうがいいだろう。」
家に行くのはいいが何らかの集団に包囲されることを危惧したクリスは、まず地下図書館以外にも第二の目的地を決めることを提案した。
家や食堂以外に安全な場所なんて校舎内には思いつきようもないので、しばし安全な場所についてしばし考えて巡らすヴァン。
森については決着はないがいちおうの落着はしたので却下。
というかもう二度と足を踏み入れたくないのが現状である。
外はいまだ悪天候でむやみに外へ出ることは危険になるが、それ故に敵が少ないと考えられる。
まあ魔物であるヴァンが平気でも二人は人間であるために、おそらく全力で否定してくるだろうからこれも却下である。

>「安心していい、ヴァンエレンが安全だっていってるんだ。
> それはすなわち僕達が想像しているよりもずっと安全ってことだ。
> 他に行く場所は…まあ向こうについてから考えてもいいじゃないか。」
ついには「ぐぬぬ」と唸りだしてしまったヴァンだがマオからの一声で思考の迷路から呼び戻された。
確かにヴァンの住家は絶対安全と自信をもって言える場所である。
ごく少数の魔物と人間約一名を除いて家に入られたことはないのでまあ大丈夫だと思われる。
>「クリスも賛成のようだし、よし!ヴァンエレン。早速案内してくれ!」
案内を頼むマオに頷いて、おばちゃんに軽い挨拶をした後に食堂から出て再び戦場へ。

124 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 23:48:29 0
戦場は音もなくかつ迅速に敵に見つからぬように道を行く。
地下図書館にたどり着いてまず気づいたことはオルビアの姿が見あたらないことであった。
教師もペンダントを持って狙われる対象となるので、大方挑んでくる生徒にめんどくさくなってどこかに隠れてしまったのだろう。
適当に三人分のランプをそれぞれが手に取り、延々と続く階段を下りていっていよいよD階層に一行はたどり着いた。
人間二人に突如寒気が襲い、辺りには人間には見慣れない魔性の霧が立ち込める。
それ以外を除けばまだまだ普通の図書館ではあるが、手入れがなされていないのでかなり埃っぽい。
「いつもならばここにはイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるのだが、それがないからかなりはやく家にたどり着けると思うよ」
奥に進むにつれてだんだんと霧が濃くなっていき、伸ばした手が霞んでしまうぐらいの視界の悪さになる。
先がわからぬ人間たちにはそこの階層はまるで先が見えぬようだが、ヴァンの赤い瞳だけはちゃんとした道を見据えていた。
ちゃんと世界が逆になったことも考慮して、なんの障害もなく順調にヴァンの家を目指す一行。


しばらく進んでいくと唐突に霧が晴れていき、巨大な本棚が四方に立ち並ぶ広大な面積の先にはぽつりと二階建ての普通の家が建っていた。
花壇があって魔界のいろとりどりの花が植えられていていままでとはまるで別世界だった。
家から漏れる明かりと玄関前に立てられた外灯のランプが少ない来客を迎えてる。
「木造建築で風呂トイレ別の
 ちゃんとキッチンも備えられていて、生活するうえでは何不自由することはない最高の場所だ。
 ようこそ我が家へ!」
貴重な二人の来客を丁重に中へ招き入れて、ちゃんと整理されて綺麗なキッチンから人数分のコップを用意して湯を沸かす。

>122
二人に紅茶を差し出していざ一服ついて休憩をしようというときに異変が起きた。
ヴァンは眼を細めてその異変が起きたと思われる方向をただじっと見つめる。
「空間に異常が起きてるみたいだ…。
 こんな大事を誰かがやったとも思えないし、この世界の創造者の手抜きかな?」

125 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/14(月) 00:43:13 0
他の場所を思いつかなかったのは、クリスだけではなく吸血鬼も同じようだ。
ついには唸りだしていた。
>「安心していい、ヴァンエレンが安全だっていってるんだ。
 それはすなわち僕達が想像しているよりもずっと安全ってことだ。
  他に行く場所は…まあ向こうについてから考えてもいいじゃないか。」
どうやらマオにとって吸血鬼はかなり信用できるらしい。
>「クリスも賛成のようだし、よし!ヴァンエレン。早速案内してくれ!」
その言葉にうなずいた吸血鬼はおばちゃんに挨拶した後食堂から出て行く。
っとそうだ、移動する前に瓶を2本もらっていこう。
「おばちゃーん、空き瓶2本もらっていっていい?」
>「ああ、空き瓶は好きなだけ持っていきな。」
そうこうしているうちにマオも食堂を出て行ってる。
「あ、ちょっと待ってくれよ。」
二人に追いつくべく急いで食堂を出た。



移動の最中は本当に安全な道だったのだろう。敵に見つかることはなかった。
地下図書館に着くとランプを手にとってヴァンエレンの後をついて階段を下りていった。
D階層に着くと同時に突如寒気に襲われる。
しかも霧が立ち込めているようで視界が悪い。
さらに言うとかなり埃っぽくなっている。
ヴァンエレンが安全だと言ったのも納得がいく。
こんな場所に入る物好きはあまりいないだろう。
なんでこんなところに住んでいるのか聞きたかったが、寒くてそれどころではない。
>「いつもならばここにはイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるのだが、
それがないからかなりはやく家にたどり着けると思うよ」
そんなことを言いどんどん吸血鬼は奥へと進んでいく。
「せめてもう少しゆっくり歩いてくれないか?視界が悪くて見失ってしまいそうだ。」
こんなところではぐれたら大変である。本棚にぶつかりながらも何とか後を追っていった。


どんどん悪くなっていく視界の中目を凝らし、吸血鬼の後を追っていくと唐突に霧が晴れ巨大な本棚に囲まれた家が目に入った。
どうやらここがヴァンエレンの家のようだ。
>「木造建築で風呂トイレ別の、ちゃんとキッチンも備えられていて、生活するうえでは何不自由することはない最高の場所だ。
ようこそ我が家へ!」
家の中に招き入れられると、吸血鬼は紅茶を淹れ始めた。
どうやらかなり本格的なようである。
紅茶を差し出されて飲もうとおもった瞬間変な違和感を感じた。
>「空間に異常が起きてるみたいだ…。
  こんな大事を誰かがやったとも思えないし、この世界の創造者の手抜きかな?」
吸血鬼の視線の先を見ると空間が歪み穴が開いていた。
「この穴をうまく使えば別のところにつなげるんじゃないのか?」

126 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/14(月) 18:47:47 0
>117
>エルザはルズに勧められた服に着替えた。
「え?あの〜、その〜。エルザ様、その・・・あの・・・下着・・・・・・あー・・・」
ルズが何と切り出していいものか迷っているうちに、コトは終わっていた。
>「ちょっと胸まわりがきついわね、でもそれ以外はだいたい大丈夫…似合うかな?」
エルザはモデルのように、ルズの前でくるっと回って見せた。
「はぐあ〜!!」
ルズの脳内では、自分がブーッと鼻血を拭きごろごろと転がり悶絶していた。
「エルザ様可愛いのですわ〜っ!キュートなのですわ〜!!激萌えなのですわ〜!!
 フリージア女王様の次にわたくしのストライクゾーン!なのですわ〜!!」
>エルザが着た服は、黒を基調とした…ゴスロリとでも言うのだろうか?そんな感じの服装だった。
だが頭の中の冷静な部分では、
(ノーブラで胸周りがきついって事は・・・ううーん、エルザ様>アンジェリーナ先生なのですわね〜。要チェックですわ〜)
と、「脳内萌えもえ手帳」にきっちり追加しているルズなのであった。

>「今すぐ湿布を作ってあげるからね。」
「助かるのですわ〜」
ルズはエルザの姿にぼーっと見ほれながら、夢見心地で答えた。
ポポポポポ・・・とルズの頭の上からは無数のハートマークが漂っている。
エルザは手馴れた様子でシップを作っていくと、
「さあ、黒猫さん。ちょっとしみるかもしれないけど我慢してよ。」
そう言って、その湿布をルズの足に巻きつけた。
「・・・・・・フンギャ〜!!」
ルズは絶叫するとじたばたした。
湿布を張った場所からババババっと毛が逆立ち、ぴんと張った尻尾と耳先までブルブルと震えている。
「よ、よく効きそうですわ〜。効力が1/3でなければ今すぐ治っていそうな勢いですわ〜。いいお薬に感謝しますわ〜」
ルズは涙をちょちょぎらせながら、エルザにお礼を言った。

「ところでエルザ様、これからどうしましょうか〜?
 猫耳殿・・・ロックとやらのペンダントのあても今のところ無いのですわね〜?」
ルズは窓の外の景色を眺めた。外は猛吹雪のようだ。
「ペンダントガ雪の下になっていたら、この分では掘り出すのも一苦労かもしれませんわね〜。
 何か手がかりでもあるとよいのですけれど〜。
 ロックをリバースに叩き落したアンジェリーナ先生とちょっとでも連絡が取れれば話も違ってくるとは思うのですけれど〜」
だが例の鏡とロックの話などを総合すると、この世界に居る可能性は限りなく低そうだ。
「リバースにいらっしゃらないのでしたら連絡のとりようもありませんわね〜。困りましたわ〜。」

127 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/14(月) 18:57:33 0
 
ルズは少し考えてみた。
だが突然上機嫌になると、パタパタ尻尾を振リ始めた。
ルズはエルザの側に近寄ると、明後日の方向を見ながら突然大きな声で喋り始めた。
「あっ!そうだー。とっても良いこと思いついたー。
 吹雪で外に出られないし、やることないからアンジェリーナ先生の実験室をだいそうさくしちゃうぞー。
 なぞめいたアンジェリーナ先生の魅力にせまる大チャンスだー。
 先生がご不在な今が大チャンスだー。これはめいあんだー」
全くもって棒読みである。まるで誰かに聞かせるために話しているようだ。

「エルザ様、アンジェリーナ先生がこっそり婚約とかなさっていたらどうします〜?気になりません〜?
 探せばラブレターの一枚でも見つかるかもしれないのですわ〜」
ルズはチェシャ猫のような笑みを浮かべたが、すぐにその笑みが引きつった。。
「あ、い、いやですわ〜エルザ様〜ほんのお茶目な冗談なのですわ〜。
 いいですの?今はゲーム中。自分たちの有利になるよう、リバース内のアイテムは自由に使って構わないはずなのですわ〜。
 先程薬草を使ったり、お洋服を借りたのはそのルールに乗っ取ったものなのですわ〜。
 そう!わたくし達は、ここで何か便利なマジックアイテムを手に入れる権利があるのですわ〜」
・・・・・・見つける「ついでに」何か恥ずかしいものが見つかっても、それは不幸な事故というものである。
「わたくし達と同じように考える生徒達が、他にもいるかもしれませんわ〜。
 トラップも無いのですから、もしそうなったら、アンジェリーナ先生の秘密が第三者にばれてしまうかもしれませんわ〜」
まあそれ以前に、アンジェリーナの秘密を知ろうとする命知らずが居るとは思えないのだが・・・。
そんな事を今言う必要など無い。
「それにエルザ様、ウェディングドレスの贈り主、どなたか気になりません〜?」
ルズはウィンクすると、いそいそと家捜しを始めた。

これでアンジェリーナが自ら接触して来てくれればラッキー。
そうでなくてもマジックアイテム獲得かルズの知的好奇心的には満足する。
ルズにとっては全く損の無い話である。
・・・・・命の保証は無いが。

128 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/14(月) 22:30:03 0
>>124-125

ヴァンエレンの誘導にしたがって僕たちは歩いていく。
幸いなことにだれにも会わずに地下の図書館までいくことができた。
薄暗い図書館なのはいつものことだが…オルビア管理人の姿がない…
だがヴァンエレンは特になんの問題もないようにランプを取ったので
僕もそれにならいランプを取り図書館の更なる地下に続く階段を降りていく……
「しかし…D階層は初めてだな……」
永遠とも思えるような階段に終わりが見え…とうとうD階層へと足を踏み入れる…
「……結構不気味だな………なんていったらいいかは分からないが…」
辺りに霧が立ち込め…視界がせまくなってくる。なんだか埃っぽくもあり
あまり居たいとは思えない場所だ……
>「いつもならばここにはイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるのだが、それがないからかなりはやく家にたどり着けると思うよ」
「ん…とにかく僕たちは全くここについては分からない。信頼してるぞ!」
そしてD階層を歩いていく…壁は全て本棚みたいで本で埋まっている。
おそらく一生ここに住み続けても人間では到底読みきれないような数の本なのだろう…
「凄いな……確かに危なそうな本ばかり置いてある…」
そして強くなってくる霧……こんなところでは読み物などできるわけないし
それどころか前に進むのでさえ危ういかもしれない…僕は必死でヴァンエレンについていく。

「まだなのか?だんだん不安に……」
僕がヴァンエレンに煽ろうとしたとき、いきなり今までの霧などなかったかのように
視界が晴れ…本棚に囲まれている普通の二階建ての家があらわれる…
「…ずいぶんと普通…吸血鬼らしくもっとダークかと思ってたけど。」
>「木造建築で風呂トイレ別の
>ちゃんとキッチンも備えられていて、生活するうえでは何不自由することはない最高の場所だ。
>ようこそ我が家へ!」
確かにヴァンエレンの言うとおり本当に普通の家だ…確かに生活するのになんら不自由はない。
僕は家のなかへと進みクリスとともにソファーに座る。
ヴァンエレンはキッチンに行き紅茶をいれてくる。
「良い場所だな。僕の部屋よりもよっぽどいいじゃないか。
 荷物が多すぎていま僕の部屋足の踏み場がなかったんだ。」
そう…僕がヴァンエレンの家に行くことをすぐに賛成したのは…
今僕の部屋は買った家具でいっぱいだからだ……ベッドしか機能してないような部屋に戻りたくはない。

「さてと……ちゃんとお風呂があるっていってたな?
 紅茶を飲んだらはいってきてもいいか?疲れを取りたいんだ…」
そういったとき、ヴァンエレンがなにやら眼を細めて一点を見つめている…
>「空間に異常が起きてるみたいだ…。
>こんな大事を誰かがやったとも思えないし、この世界の創造者の手抜きかな?」
>「この穴をうまく使えば別のところにつなげるんじゃないのか?」
ヴァンエレンが見つめているところを見てみると確かになにやら穴のようなものがあいている。
それもただの穴じゃない…空間が断裂したような裂け目…
「うまく使えといってもなぁ……だいたい危ないと……ん?そうか!」
僕は前のヴァンエレンの言っていたことを思い出す。
どうにかして本当の世界の図書館と空間をつなげられれば魔物たちをこっちの世界に召喚できるかもしれないと…

「ヴァンエレン!この穴もしかしてお前がいっていた魔物的考え策とかに使えないか?」

129 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/15(火) 07:20:16 0
>126>127
> 「ところでエルザ様、これからどうしましょうか〜?
>  猫耳殿・・・ロックとやらのペンダントのあても今のところ無いのですわね〜?」
「そうね、せめてロックがリバースに入って初めて訪れた場所がわかればいいんだけど。」
>「(前略)
> ロックをリバースに叩き落したアンジェリーナ先生とちょっとでも連絡が取れれば話も違ってくるとは思うのですけれど〜」
> 「リバースにいらっしゃらないのでしたら連絡のとりようもありませんわね〜。困りましたわ〜。」
エルザは、全くその通りだと思いながら、洗面所に置いていた所持品を取りに行った。
リリアーナからもらったお守り、ペンダント、ガジュマルの種、そして空き瓶のつまったアイテムボックスだ。
> ルズはエルザの側に近寄ると、明後日の方向を見ながら突然大きな声で喋り始めた。
> 「あっ!そうだー。とっても良いこと思いついたー。
>  吹雪で外に出られないし、やることないからアンジェリーナ先生の実験室をだいそうさくしちゃうぞー。(後略)」
「だめよ、黒猫さん。あまりフリージアを待たせてはいけないわ。私は吹雪でも大丈夫だから、早く帰りましょうよ。」
> 「エルザ様、アンジェリーナ先生がこっそり婚約とかなさっていたらどうします〜?気になりません〜?
>  探せばラブレターの一枚でも見つかるかもしれないのですわ〜」
「…な ん で す っ て?」
エルザの瞳が殺気で煌めいた。
> 「あ、い、いやですわ〜エルザ様〜ほんのお茶目な冗談なのですわ〜。
>  いいですの?今はゲーム中。(中略)
>  そう!わたくし達は、ここで何か便利なマジックアイテムを手に入れる権利があるのですわ〜」
「う〜ん、たしかにその通りかもね。」
エルザはルズと同じように、だんだんと好奇心を抑えられなくなってきた。
普段はアンジェリーナの目が光っているから無理だが、今なら思う存分アンジェリーナのプライベートに踏み込めそうだ。
> 「わたくし達と同じように考える生徒達が、他にもいるかもしれませんわ〜。
>  トラップも無いのですから、もしそうなったら、アンジェリーナ先生の秘密が第三者にばれてしまうかもしれませんわ〜」
「そうか、うんそうよね。私達は正しい事をしようとしているのよね!」
> 「それにエルザ様、ウェディングドレスの贈り主、どなたか気になりません〜?」
「そうよ、その通りよ。私達はアンジェリーナの部屋を調べなければならないのよ!
 だって、気になるんだもの!しかたないわよねぇ!?あははっ♪」
エルザはルズのペースに引き込まれ、すっかり開き直ってしまったようだ。
エルザとルズはいそいそと家捜しを始めた。


その頃、現実世界のアンジェリーナの部屋にて。
アンジェリーナは席を外しているらしく、部屋の中には誰もいなかった。
ただ、テーブルの上に大小二つのお菓子箱が乗っているだけだ。
どちらも最初はチョコレートが入っていたが、中身はもうなくなっているようだ。

130 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/15(火) 07:22:39 0
エルザがクローゼットの奥の方を探していると、何か銀色に光る細長い物があることに気づいた。
それは金属製の棍棒だった。エルザはその棍棒に心当たりがあった。
失神魔法が込められていて、殴った相手を気絶させる棍棒だ。
リバース内のアイテムなので効果は1/3になるだろうが、3回殴れば同じ事だとエルザは思い、それを手に取った。
「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪」
エルザが変な歌を口ずさみながら振り返ると、ルズが机の引き出しの前で困っているのが見えた。
というのも、机の引き出しに鍵がかかっていて開けられないからだ。
「…ちょっとそこよけて、黒猫さん。」
エルザはそう言うと、棍棒を思い切り振りかぶり、鍵のかかった机の引き出しに叩きつけた。
引き出しはほとんど抵抗無く、エルザの一撃で破壊された。ルズの頭に、
飛び散った引き出しの破片がコツンとぶつかったが、たいしたことはない。
「ん〜?これは何かしら?…あはっ♪これ、お絵かき帳だわ!
 きっとアンジェリーナが子供の頃に書いたのね、かわいい〜♪」
エルザが拾ったノートには、下手な字で『アンジェリーナ』と書かれていた。
「ねえねえ、ちょっと見てみない?」
エルザはルズにも見えるように、そのノートを床に置いた。エルザは一枚目のページを開いた。

【1枚目】
3名の人間の姿が描かれている。若い女性と、車椅子の老人と、そして赤毛の少女だ。
車椅子の老人の膝に、黒い猫が乗っているのが見える。
何故か若い女性にだけ、目が描かれていない。

【2枚目】
犬の絵が描かれている。それが犬の絵だとわかるのは、
ページの右上に下手な字で『犬』と書かれているからだ。
しかし、描かれている“犬”には足も尾も無いし、鼻も犬にしてはやけに短くて、まるで猫のようだ。

【3枚目】
4名の人間の姿が描かれている。
しかし、4名とも首から上が紙からはみ出しているため、顔が描かれていない。
また、他の絵と違い。肌の色が全員赤色で塗られている。


【4枚目】
一人の若い女性と、羽の生えた小さな生物がたくさん描かれている。
女性は目を両手で塞いで、大きな口を開けている。
悲鳴をあげているのか、それとも、羽の生えた生物を食べようとしているのか、それとも…

「…なんか…気味が悪いわ。」
エルザはそう言って、ページをめくるのをやめた。
なんだか、この先に何が描かれているのかを知るのが恐くなったのだ。
そして何より、自分の知らないアンジェリーナを知る事が恐くなったのだ。
「ごめん、黒猫さん。やっぱり、もうやめにしましょう。私達がアンジェリーナの秘密を知るには、
 私達はあまりに幼すぎるのかもしれないわ。なんというか…見てはいけない気がするの。」

131 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/15(火) 12:11:42 0
>129-130
>エルザが変な歌を口ずさみながら振り返ると、ルズが机の引き出しの前で困っているのが見えた。
>「…ちょっとそこよけて、黒猫さん。」
「あら、なかなかおしゃれな棍棒なのですわ〜なかなかお似合いなのですわ〜。
 で、エルザ様、それをどうなさるおつもり・・・・・・え?あ・・・ひょえー!!」
ルズが飛びのき、その場に身を伏せた。エルザは棍棒で引き出しを破壊した。
ばらばらと飛び散った破片がコンッとルズの頭に当たった。
「・・・・・エルザ様ったら、見かけによらず激しいのですわ〜」

>「ん〜?これは何かしら?…あはっ♪これ、お絵かき帳だわ!
> きっとアンジェリーナが子供の頃に書いたのね、かわいい〜♪」
>「ねえねえ、ちょっと見てみない?」
ルズも同意しいそいそとエルザの膝に座った。
>エルザはルズにも見えるように、そのノートを床に置いた。エルザは一枚目のページを開いた。
「あら〜。家族の絵なのでしょうか〜・・・・・ あら?でも何か足りない・・・・・あ。
 つ、次は・・・・・・・か、変わった犬なのですわ・・・・・・犬?」
だが3枚目、4枚目と進むにつれ、ルズもだんだん無口になっていった。

>「…なんか…気味が悪いわ。」
ルズは無言でエルザを見上げた。
>「ごめん、黒猫さん。やっぱり、もうやめにしましょう。私達がアンジェリーナの秘密を知るには、
> 私達はあまりに幼すぎるのかもしれないわ。なんというか…見てはいけない気がするの。」
ルズも神妙な顔で頷いた。
「そうですわね、エルザ様のおっしゃるとおりなのですわ〜。
 わたくしもつい調子に乗ってしまい申し訳なかったのですわ〜」
ルズは服に爪を立てないよう注意しながら、エルザの肩へと登った。
「悪いのはエルザ様をけしかけたルズなのですわ〜。エルザ様は悪くないのですわ〜」
ルズはしょんぼりと項垂れた。
「でも、そう気味悪がることはないのですわ〜変な絵を書くのは小さい子供にはよくあることなのですわ〜
 そうでなくてもアンジェリーナ先生は大人の女性ですもの、過去や秘密の一つや二つ持っていてあたり前ですわ〜。
 むしろそういった女性のほうがミステリアスで萌えるのですわ〜。そうは思いませんこと〜?」
そう言って、ルズは小さい頭をエルザの頬に摺り寄せた。

「でもノートをもう一度隠すにしても、引出しはもう壊れてしまったのですわ〜。
 ・・・・・・ならば、大きな家具の裏にでも隠す事にいたしましょう〜」
ルズはエルザに立つようお願いすると、肩を踏み台にクローゼットの上へと飛び乗った。
どうやら足はかなり良くなったようだ。
そしてエルザからノートを受け取ると、クローゼットと壁の隙間へと落とし込んでしまう。

「さて、これで良し!なのですわ〜。
 ではフリージア女王様が待ちくたびれいてることでしょうし、そろそろお暇いたしましょう〜」
ルズは先程までの雰囲気を払拭するかのように陽気に宣言した。
「ああそうですわエルザ様、忘れるところでした。
 行きがけの駄賃ですわ〜空き瓶にイロイロ詰めてみませんこと〜」
ルズはエルザが薬が効かない体質とは知らなかった。
だが今回エルザが、例えば薬草を持っていたとしたらここまで回り道をする必要も無かっただろう。
それに、魔法薬によっては組み合わせ次第で攻撃に使えるものもある。

「ほら、コレなんか良さげですわ〜、ヌーク草なのですわ〜。エルザ様はご存知かしら〜?」
ルズは簡単にヌーク草について語った。
ヌーク草とは雪国で料理に使われる薬草である。
スープにして飲むと体が温まり、吹雪の中でも普通に歩けるようになる。
だが生だと火を噴くほど辛く、また、これの粉末が目や鼻に入ったら大変なことになる。
その威力は暗黒神をも苦しめたと、雪国の伝説では語り告がれている程だった。
といっても、ルズは専門外なので薬草についてはあまり詳しくはないのだが。

部屋を後にする直前、ルズはエルザを呼び止めた。
「ねえエルザ様、部屋を出る前に灯りを壊してくださいませんこと〜?」
暗がりの中、クローゼットを動かしてまで家捜ししようとする物好きはそう居ないだろう。
女性の秘密を垣間見ようとした自分の野暮さを恥じた、これがルズなりの反省の印なのもしれない。

132 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/15(火) 13:45:32 O
>121
どうもラヴスポットは崩壊しちゃったようで、ベッドやテーブルまで闇の中に吸い込まれて消えていく。
リリアーナたちがどうなったかも気になるけど、それよりあたしはどうなっちゃうの!?
時空の狭間を脱出出来ずにずっと落ちっぱなしだなんてイヤだー!
>「ま、リリィにはランドをくっつけておいたから何とかなるでしょうねぇ。
>でも私たちってどうなるのかしらぁん。特にミルクって・・・」
いつの間に近くに来ていたのか、ミニアルナワーズが話しかけてきた。
「特にあたしがどうなるっていうんだーっ!
あんたもせっかく近くにいるんだから得意の……」
幻術で何とかしろと無茶を言い掛けて、突如見えてきた光景にあたしの言葉はさえぎられた。

最初見えたのは、場所もわからない所で怪しげな会話をする二人組。
そして持ち去られるアイテムボックス。
あれは誰?箱の中身は何?
なんで時空の狭間であんなものが見えるの?
あたしの疑問に答えるように、見える景色は切り替わる。

今度は雨の降る夜の実験室。
白衣を着た生徒たちが興奮を隠しきれない様子で話し合っている。
生徒の中にはさっきの二人組の顔もあった。
見たことのある薬物学科の生徒もいた。
聞こえてくる話からすると、どうもベアトリーチェのチョコを何かの実験に使っているらしい。
チョコをなめた生徒が自分の舌に噛み殺され、周りの生徒はそれを分析する。
そこで。驚きのあまり声もでないあたしの視界はまた暗闇へと唐突に戻ってしまった。
まるで蜃気楼のように、白衣の生徒たちの姿は消え去ってしまった。

「アルナワーズ…今の、見えた?」
近くにいるはずのミニアルナワーズに今の景色が見えてたか確認をとる。
こんな時近くに誰かがいるのはとっても助かる。
自分に都合のいい幻を見ていたのか、それとも本当にあの景色が見えたのかすぐ調べられるから。
あれが実際の出来事なら毒チョコ事件の犯人は確定。
薬学科のラボを家捜しすれば証拠なり証人なりがみつかるだろう。
なんであんなものが見えたかはわからないけど、そんな事はどうでもいい。
問題は。このままだとあたしが時空の狭間から出れないって事だ。
「ああぁぁ、せっかく犯人がわかりかけているのに確認にも行けないなんてぇ!
なにか!なにか外にでる方法を探すわよアルナワーズ!
せっかくの毒チョコ事件解決のチャンスを逃してたまるかーっ!」

その時、焦るあたしの体を魔力が優しく包み込んだ。
「え?な、なにこれ?」
ぽかんとするあたしを魔力はゆっくりと引っ張っていく。
向かう先の暗闇には亀裂が走り、そこから光があふれ出してくる。
目蓋を閉じなきゃ眼を痛めてしまいそうなくらいの光が!

しばらくして目を開けると、あたしは部屋の中らしい所に立っていた。
なんだか服がきついような気もするけど、とりあえず体に痛む場所はない。
それにもう周りは真っ暗じゃなくて、暗視サングラスを通して部屋の中がよく見える。
「時空の狭間じゃない!?助かったの!?」
近くにある窓に飛びついて外を見れば、相変わらずの吹雪と雪に打たれる校舎が見えた。
リバース内で、この位置関係で校舎が見えるってことは、ここは薬学科の実験棟か?
てことは、この近くに時空の狭間で見たラボがあるに違いない!
助けてくれた神様、それから時空間を歪ませてくれたリリアーナ、ありがとう!
おかげで事件をスピード解決させて、明日は小遣い稼ぎに専念できそうだよ!

急いでラボを探しに行こうとして、ミニアルナワーズがいるなら場所を聞いてもいいと思い直した。
「アルナワーズ、まだ近くにいる?
いるなら、さっき見えた景色の場所がこの棟のどこにあるか教えてくれない?」
小さいからか途中ではぐれたからか、ミニアルナワーズの姿は今のところ見えない。
いないならユリと連絡を取りながらこの棟をしらみつぶしに探すまでだ。

133 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/15(火) 22:39:33 0
>132
>「アルナワーズ…今の、見えた?」
時空の狭間で垣間見た風景はミルクも見えていたのだろう。
確認するようにミニアルナワーズに問いかける。
答えとしては勿論「見えた」の一言で済むのだが、それで済ませるわけにも行かない。
暫く考え込んだあと、口を開く。

「魔法物理理論体系の話になるのだけれどぉ〜。
実界、つまりさっきまで私たちがいた世界では、空間の繋がりや時間の流れは一定だったのよねぇん。
でもここは時空の狭間。時間や空間の法則が固定していない場所なのね。
時空が固定していないが為に私たちの思念に影響されて、関連した時間軸や座標の風景が見られたのかも〜。
勿論ミルクが何を思っても、ミルクの身体は実界の肉体だから影響しないはずだけど・・・
ほら、私って思念体でしょ〜?
ミルクの思念を増幅して直で時空に影響を与えたのかしら〜。
だから、このまま強く願えば時空の狭間から出られる可能性もあると思うわ〜。
・・・全部仮説だけどぉん。」
一番可能性の高い仮定を披露してみたのだが、ミルクにしては藁にも縋りたい思いなのだろう。
>せっかくの毒チョコ事件解決のチャンスを逃してたまるかーっ!」
叫び声は声の大きさ以上に強い思念を持って空間を揺るがした。
それが教頭の空間スライド法の展開と相まってミルクの身体は出口に向かっていく。

当然ミニアルナワーズも同じ方向へと引っ張られていくのだが・・・。
やはり肉体を持つミルクと思念体むき出しで時空の歪みに影響を与えるミニアルナワーズでは出た地点がズレてしまうのであった。

#########################################

薬物学課実験棟。
校舎に併設された4階建ての建物で、明かりがついているのはただ一部屋だけだった。
外で吹き荒れる風も、窓を叩く雪も全く眼中にないかのように30人ほどの薬物学科生が作業に取り組んでいた。
「A班、経過は?」
「まるで癌細胞ね。焼いても凍らせてもチョコの変異細胞はなかなか死滅しないわ。」
「薬物をかけてもかけるそばから薬の成分自体が変異させられてしまうから効果が薄い。」
「そんな事より成分解析、16%も成分不明ってどんなチョコだよ!」
「諸君、慌てるな。ベアトリーチェの本命チョコだぞ?一舐めして二秒で舌が蛇状に変異するチョコだ。
このくらいでうろたえてどうする!」
薬物学科の生徒達は毒摂り〜ぬゲームを諦め、チョコの解析にかかっていた。
2秒で挑戦者死亡するようなチョコならそれも仕方があるまい。
解析を始めてかなりの時間が経つが、未だに不明な点が多すぎるのだ。

「B班、そちらは?」
「駄目だ・・・うんともすんともいわねえ。」
立ち並ぶ培養槽の中にチョコの欠片が物言わず浮いていた。
様々な培養成分のパターンで増やそうとしているのだが、全く変化が現われないのだ。

研究は膠着状態に陥った、かに見えたその時・・・
ミニアルナワーズ「はぁ〜い!皆さんごきげんよ〜。」
薬物学科一同「えええええ???」
突如として培養槽の一つの中にミニアルナワーズが出現!
ミルクが強くベアトリーチェの毒チョコについて念じたが故にミルクは薬物学科実験棟に出現した。
むき出しの思念体であるミニアルナワーズはミルクよりより強く時空の歪みに影響を与えていたのだ。
故に、毒チョコの座標とほぼ同一。
培養槽の中に出現したというわけだ。
しかし、出現したのはミニアルナワーズだけではない。
ラヴスポットで乱射されたロックバスターの内、一発が同時に時空の狭間から出現したのだ。

こう着状態の実験器具に偶発的に強いエネルギーが打ち込まれれば何かが起きる!
これ業界のオヤクソク!
期待に違わず、ミニアルナワーズが現われた培養槽は火花を散らし、中のチョコに変化が現われた!
微妙に増えゆくチョコの欠片を薬物学科生は歓声を上げながら見守るのであった。

134 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/04/16(水) 06:00:42 0
>131
> 「ああそうですわエルザ様、忘れるところでした。
>  行きがけの駄賃ですわ〜空き瓶にイロイロ詰めてみませんこと〜」
「えっ?ああ、そうね。ここにはたくさん薬草があるんだもの。利用しない手はないわ。」
先程の絵のせいで気持ちが沈んでいたエルザは、ルズの言葉を聞いて少し楽になった。
エルザは棚から持てるだけたくさんの薬草を取り出してきた。
> 「ほら、コレなんか良さげですわ〜、ヌーク草なのですわ〜。エルザ様はご存知かしら〜?」
「いいえ。」
> ルズは簡単にヌーク草について語った。
「ふ〜ん、それはいいわね。」
エルザはヌーク草を先程と同じように粉末にしてビンに詰めた。後でロックにぶつけよう。
「あと、この二つはどうかしら。グルコースとウルフスベーン。
 …ウルフスベーンって何かはわからないけど、毒薬らしいわ。」
エルザは既に薬らしき粉末が入っている二つの瓶をルズに見せた。
確かに、その瓶にはグルコースとウルフスベーンと描かれている。
エルザはその二つをアイテムボックスに入れた。
ちなみに、グルコースとはブドウ糖の事で、
ウルフスベーンは別名トリカブトとも言われる毒物である。後でロックにぶつけよう。
「あ!これなら私にもわかるわ!ベアゾール石よ!」
エルザは小さな石をルズに見せ、やはり細かく砕いて瓶に入れた。
ベアゾール石は山羊の胃袋から取れる石で、俗に万病に効く薬と言われている。
石に空いている細かい孔が、毒素を吸い取ってくれるそうだ。
「うん、さすがは魔法薬学の先生ね。これだけ揃えば十分だわ。」
エルザは数々の薬品と一緒に、薬草を切るのに使ったナイフも持っていくことにした。
> 「ねえエルザ様、部屋を出る前に灯りを壊してくださいませんこと〜?」
「そうね。」
エルザは部屋の照明に手を向けた。掌に魔力を集中させる。
「1、2、3…」
そして魔力は放たれた。エルザではない別の誰かの魔力が…

135 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/16(水) 06:03:50 0
それは一瞬の出来事だった。エルザが掌から衝撃波を放とうとしたまさにその時、
部屋の窓が粉々に破壊され、エルザは部屋の中に突如発生した圧力に吹き飛ばされた。
そんな馬鹿な!?そう思った時には、既に壁に叩きつけられていた。
風の魔法?いや、違う。これは圧力波だ。誰かが部屋の外から窓に向かって圧力波を放ったのだ。
もっとも、ルズからすればエルザの魔法が暴発しただけのように見えたかもしれない。
実際、部屋の照明は半分壊れてしまったのだから。
「痛たた…はっ!黒猫さん!大丈夫!?」
エルザはルズの姿を探した。幸いにも、ルズがいた場所はあまり圧力波の影響を受けなかったようだ。
ルズは少し毛が逆立つ程度で、特に怪我をしている様子は無かった。
「一体、どうしてこんな事に…」
エルザは粉々に破壊された窓に眼を向けた。そこから、容赦なく風と雪が吹き込んでくる。
その時、窓から突然大きな雪の塊が一直線にルズに襲いかかり、エルザはびっくりした。
しかし、よく見るとそれは雪の塊ではなかった。
だいたい、雪の塊には今ルズを押さえつけているような足は無いし、
ルズを威嚇するように光る緑色の目も無い。エルザは雪の塊のような物の正体に気づき、叫んだ。
「アウル!」
それはロックのペットフクロウのアウルだった。
雪のように白い体は、この吹雪の中では視認するのは困難だ。
「アウル、やめて!その黒猫は悪い黒猫じゃないわ!」
ルズに飛びかかり、その足で力まかせに押さえつけていたアウルは、
エルザの言葉を聞いてしぶしぶルズを開放した。
「大丈夫?黒猫さん?」
エルザはルズに心配して声をかけた。これ以上ルズには怪我してほしくない。
エルザはルズを襲った事を叱ろうと思ってアウルの方を向いた。
しかし、そのアウルの首にかかっている物を見て、エルザは先程以上にびっくりした。
「…ちょっと待って、アウル。その首にかけているの…もしかして!
 ペンダントだわ!それもこの間抜けな顔した人形はロックの!
 しかもこっちの赤毛のメイドの人形はアンジェリーナじゃない!」
ペンダントには、持ち主そっくりの小さな人形が付いている。
アンジェリーナのペンダントがリバースに存在する事は、
同時にアンジェリーナもリバースに存在している事を意味しているのだ。

136 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/16(水) 17:56:34 0
>134-135
エルザが薬草の類を瓶に詰めていく様子を、ルズは上機嫌で見守っていた。
本当は敵に塩を贈る行為なのだろうが、ルズは全く気にしなかった。
なぜならルズにとっては優勝など二の次。
彼女にとっての最優先事項は、可愛い女の子や綺麗なお姉様の勇姿を拝んで萌えることなのだから!

ルズの頼みを聞き入れたエルザは、照明を壊そうとしていた。
ルズは思わず、ノートを隠したクローゼットを振り返った。
――――アンジェリーナのノートをエルザに持たせるべきだったかしら〜?
だが、エルザの様子を見る限り、もたせるのがいい方法だとは思えなかった。
それに・・・・・時がくれば、本物をエルザとアンジェリーナで眺める日が来るかもしれない。

>「1、2、3…」
エルザが照明を壊すための魔法を発動しようとしていた。
だが発動後、照明以上に吹き飛んだのは部屋の窓ガラスだった。
「あ〜れ〜!!」
ばふーっと圧力のある風が吹き付け、ルズは思わず目を閉じた。
>「痛たた…はっ!黒猫さん!大丈夫!?」
「へ、平気なのれすわ〜エルザ様こそお怪我はございませんこと〜?」
>「一体、どうしてこんな事に…」
「エルザ様・・・・・・?」
ルズは首を傾げた。てっきりエルザの魔法が暴発したのだとばかり思っていたのだ。
とはいえ、それをズバリ口にするのも躊躇われ、ルズは困り顔でエルザの横顔を見上げていた。
「それにしても凄い吹雪なのですわ〜。ほら、あんなに大きな雪の塊が・・・・・塊?」
雪の塊には白い翼と逞しい足、そして緑色の目がついていた。

「・・・フギャー!!」
ルズはフクロウに押さえつけられ、情けない悲鳴をあげた。
「にゃにゃにゃにゃ!!重いのですわ痛いのですわ離すのですわ〜」
じたばた短い足で必死に応戦するものの、いかんせん子猫とフクロウでは勝負にならない。
>「アウル、やめて!その黒猫は悪い黒猫じゃないわ!」
>ルズに飛びかかり、その足で力まかせに押さえつけていたアウルは、
>エルザの言葉を聞いてしぶしぶルズを開放した。

>「大丈夫?黒猫さん?」
頭の上にピヨピヨとひよこを飛ばせていたルズだったが、われに返ったとたん飛び上がった。
「このフクロウ、なにやらわたくしにひどく腹を立てているようなのですわ〜。
 いきなりけんか腰なのですわ〜。ムカツクのですわ〜!!
 わたくしあいにくとフクロウに悪さをした覚えがないのですわ〜!!ムキー!!」
ルズは素早くエルザの肩に登ると、フーッとアウルを威嚇した。
「アウルとやらがどなたのフクロウか存じませんが、わたくしに近づけないでくださいまし〜!!」
ルズはまだ興奮冷めやらぬ様子で毛を逆立てている。まあこれなら怪我の心配は無さそうだ。

>「…ちょっと待って、アウル。その首にかけているの…もしかして!
> ペンダントだわ!それもこの間抜けな顔した人形はロックの!
> しかもこっちの赤毛のメイドの人形はアンジェリーナじゃない!」
ヒイィィィィィイ!と、ルズはムンクの叫びのポーズになった。
「あ、アンジェリーナ先生がこちらに?」
ルズは今までの自分の行動を振り返った。
(も、もしや・・・先程の振る舞いをご覧になった先生が、怒りのあまり直接鉄拳を下しに来たのではっ?!)
ルズはアンジェリーナが不埒な男子生徒を粛清したのを思い出した。
さーっと顔から血が引いていくのを感じた。
このままでは殺される!
「い、今すぐここをお暇するのですわ〜!!フリージア女王様がお待ちかねなのですわ〜!!」
ルズはエルザの返事も待たず、大慌てでアンジェリーナの部屋から逃げ出した。

137 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/16(水) 20:18:52 O
>133
しばらく待ったけどアルナワーズからの返事は帰ってこなかった。
隠れて脅かすってタイプの奴じゃないから、これは途中ではぐれたんだろう。
あたしが助かったみたいにどこか別の場所に脱出したのかもしれない。
多分アルナワーズは無事だろうから、今は毒チョコ事件の解決が先だ。
あたしはユリと連絡を取ろうとして、遠話の水晶球を取り出して魔力を込める。
でも、なんだかいつもと反応が違うような…?

「ユリ!ユリ!?聞こえてる!?」
>「あれー?どうしたのミルク?
>ラヴスポットで明日まで寝てるのかと思ってたのに」
無事にユリから返事が返ってきてちょっと安心した。
「詳しくは長くなるから省くけど、毒チョコの在処が分かりそうなんだよ。
あたしは今薬物学科の実験棟にいる。
どこに誰が居るとか調べられない?」
>「えぇっ本当!?実験棟なんかにいつ移動したの!?
>とにかくちょっと待って。さっきから映像の調子が悪くってさ。
>とりあえずミルクの居場所だけでも確認するから」

そのユリの言葉から数分後。
>「あーっはっはっはっはっ!!ミルクっていつの間にそんな趣味になったの!」
聞こえてきたのは失礼極まる笑い声だった。
「なによいきなり。あんたのために苦労してるあたしに向かって言うことがそれ?」
>「ごめんごめん。でもさ、すごい格好だよそれ?近くに姿見か何かないの?」
「姿見なんて都合よく実験室にあるわけないだろ。鏡ぐらいならありそうだけど。」

部屋の中を見回せば、都合よく洗面台と鏡があった。
そんなに笑われるほど服が汚れてるのかと思って鏡をのぞき込む。
別に変わったとこはなさそうだけど…ってなんであたし背が伸びてるの?
なんか服がきついと思ったら服が縮んだんじゃなくて、あたしが成長してたのか!?
「な、な、な…何よこれはー!!」
>「ミルク自分の格好に気づいてなかったの?
>私はてっきりラヴスポットで大人の階段でも上ったのかと思ったんだけどなぁ」
「上るか!うわ胸とか裾とかなんかヤバい…」
ううぅ、いろいろ成長してるのは嬉しいけどこれはまずいんじゃないのか?
なんだかえちぃゲームや漫画のキャラみたいな服装になってるぞ?

とりあえずこのままだと動きにくくて仕方がない。
あたしは部屋の家捜しを開始してカッターを探し出した。
次は修道服に切り目を入れて動きやすさを確保。
見た目はさらに危険になったけど、動けなくてやられたりしたら本末転倒だ。
さらにカーテンを切ってマントみたいに体に羽織る。
これで少しは見た目もましになるだろう。
作業しながらなんでこんな事になったのか考えたけど、思い当たる事は特異点の崩壊しかない。
あの時変になった時間軸が肉体年齢を加速させたんだろうか?
>「どーする?寮に着替えでも取りに戻る?」
「そんな暇どこにある。まずはラボを見つけてベアトリーチェチョコの所在を確認する。
実験が終わって連中に逃げ出されてたら大変だし、仕事優先だ」
できるだけの準備を終えたあたしは、部屋を出て薬物学科の連中が集まるラボを探し始めた。

目指す場所は意外にあっさり見つかった。
実験棟の明かりがついている部屋がこの【L5実験室】しかなかったのだ。
どうもリバースと現実世界の結び付きが一時的に揺らいでいるらしく、ユリは中を確認できていない。
それでも部屋から複数の声が漏れ聞こえてくるのを考えれば、目指すラボがここなのは間違いないだろう。
ドアを開けようとしたけど、カギがかけてあるらしくて開かなかった。
なかなかの防犯意識だけど、まだまだ考え方が甘い。
あたしはカギをメギドでぶっ壊すと部屋の中に突撃した。
「そこまでよ、ベアトリーチェチョコ盗人ども!
大人しく投降すればよし、さもなくばメギドラオンでチョコごと消し去るわよ!
お金を積んでの司法取引なら応じてやってもいいけどね!」

138 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/16(水) 20:55:30 0
>106
フリージアがぐっすりと寝こけているところを
ラルヴァはかまくらの入り口付近に座り込んで考え事をしていた。
魔力の集積具合はそれなりに良好。朝を迎えるころは大分回復していることだろう。

さて、それから自分自身はどうするべきなのだろうか。
このレクリエーションに参加している以上、優勝は狙ってみたいものだが・・・・・・
優勝する為の手立てが浮かばない。

ルールを思い返してみる。
ペンダントはゴミ箱に捨てられない限り、プレイヤーはゴーストにならない。
ゴミ箱は複数箇所においてある。
プレイヤーはフィールド内で死亡するとゴミ箱のそばで復活する・・・。

「ゴミ箱・・・か。」
いずれにしろこの猛吹雪では行動もできない。
今はただ、魔力の集積に専念することにした。

所持:ペンダント1(ザボーネの分)・携帯食料x3

139 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/16(水) 22:23:41 0
>>116>>115>>138

>「非常時だから大丈夫!
>それよりさっさとアルコールを浄化して〜っ!」
ミルクはランドをリリアーナの方へと強引に押し付ける。
最も今は時間などないから仕方ないともいえるが・・・・・・
「い、いやそうはいっても・・下着姿なんだよ?本当に大丈夫なの?」
急に押し付けられたことにびっくりしてしまい慌てながらミルクの方を見て言うランド・・・
ランドだから仕方ないとはいえ二手も遅れたことが最悪の事態を招く・・・

>「そんな意地悪メガネには、天に代わってゴージャスリリアーナがお仕置きなのら〜!
>キサカさんの仇を取った後、私の手で白百合騎士団に突き出してやるのろ〜!!」
そう言い放ちミルクを振り払い、下着姿など気にしてないかのようにベッドの上に立ち
ロックバスターを連射しはじめる・・・まるで違う人間がのり移ったようだ。
「うわぁ!・・・リ、リリアーナさん落ち着いて・・・・・・!」
壁を破壊し亀裂を作っていくリリアーナを見てランドができることは
当たらないようにうつぶせに寝るしかない・・・
取り押さえるにしても相手が下着姿では男のランドではうかつに触れることもできないからだ。

>「私・・・・・・残酷ですわよ」
さんざん暴れまわった挙句にポーズを決めまたベッドへと倒れこむリリアーナ。
さっきの嵐のような風景は収まり静けさが戻ってくる・・・
亀裂もそれ以上広がる様子はない・・・
「・・・・・・今度の今度は危なかった・・・かな・・・」
ランドはバクバクしている自分の心臓を押さえながら溜息をつく・・・

「・・・今すぐ浄化しないと・・・これ以上暴れられちゃったら本当にここ崩壊するかも・・・」
しかし、その時腐った屋根を踏み抜いたようないやな音が響く・・・
>「ぎゃあーっ!?たぁすけてぇーーーっ!!」
ミルクの叫びが響き渡りあっという間にミルクは歪みへと落ちていきランドの視界から消える・・・
そして、ミルクの踏み広げた穴から部屋全体に駆け巡るように亀裂がはしっていく。
どうやら部屋崩壊のトリガーを引いてしまったようだ。
「はわわわわわ・・・」
>「ランド!」
ミニアルナワーズが事態を素早く把握し幻灯機のアームを使い、
ランドとリリアーナをベッドに縛り付ける。後々のことも考え先ほどから回収していた服も一緒だ。
そしてほんの数秒後・・・ベッドはミルクと同じように時空の歪みへと落下していく・・・
もしかしたら時空の狭間に囚われて出ることも叶わないような状態になることも考えられる・・・
そのことを想像し恐怖で今日二度目の気絶をするランド・・・
このまま終わりかと思ったが、その時ランドとリリアーナを眩い光がつつみこむ・・・



140 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/16(水) 22:26:20 0

そして・・・ランドとリリアーナを乗せたベッドは奇跡的に時空の歪みを脱し、
通常空間へと放り出される。放り出された先は吹雪が吹き荒れる外・・・
かなりどころか相当に寒くこんなところに居たら凍死するといっても大げさなことじゃない。
しばらくベッドからは何も反応がない・・・雪がどんどんベッドに積もっていく。
このまま二人とも凍死するかもしれないと思われた時・・・ベッドから起き上がる1人の人影・・・
長身でかなり体に合っていない小さいサイズの服装をし、なかなか端整な顔つきをしている若者。
そう・・・これは実は10年後のランド・・・時空の歪みを抜け出る際に何かあったのか
体が年を取っている・・・最も大人しそうで気弱そうな雰囲気はそのままだからランドの面影は残っている。

ランドは何も言わずに毛布から出ているリリアーナの手に触れる・・・
するとリリアーナの体から真空状態においた水のようなものが出てくる。
これはリリアーナの血中にあったアルコールを水分として取り出したもの・・・
これでおそらく眼が覚めた時は酔いは覚めているだろう。
「これで大丈夫、遅かったかもしれないけど・・・まあでもこれ以上暴れることはないから・・・
 しかし、寒いなぁ・・・このままだと凍死しちゃうよ・・・」
改めてランドが回りを見回すと凄まじい猛吹雪・・・とりあえずランドはこのままではいけないと思い。
すぐさまベッドの周りに物理的なものも防げる防御魔法であるバリアをドーム状に張り雪の進入を防ぐ。

「リリアーナさん。大丈夫?」
リリアーナが起きなければここを離れるわけにもいかない・・・
ランドはとりあえず毛布に包まっているリリアーナの体を揺すって起こすことにした。

141 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/17(木) 16:04:25 0
>139-140
自分が引き起こした惨事も露知らず、リリアーナはすやすや眠っていた。

>「リリアーナさん。大丈夫?」
ランドがアルコールを除去してくれたお陰で、リリアーナの体調は元の状態に戻っていた。
そう、体調だけは。
ランドに軽く揺すられ、毛布に包まった物体は「うー」とか「むー」とか唸っていた。
だがしばらくして、ようやくもぞもぞと動き出す。
「・・・・・・・・え〜・・・もう朝〜?」
眠たそうな声が毛布の中から聞こえてくる。
子供特有の高いキーの声はちょっと舌足らずで、リリアーナのものとは明らかに違う。
そして毛布から現れたのは、リリアーナよりもずっと幼い金髪の女の子だった。

年の頃は5〜6歳くらいだろうか?ぽわぽわした金髪は、肩のラインで揃えられている。
まだ眠いのか、ごしごしと目を擦っていたが、ふと回りの異常さに気づき固まってしまった。
「・・・・・・・・あれ?」
金髪の少女は目をまん丸に見開いたまま、ランドと、猛吹雪の外と、場違いなベッドを眺めた。
余程驚いているのか、大きな目は今にもぽろっと落ちてきそうだ。

「あの・・・・・・その・・・・・・ここ、どこですか?
 何でベッドが外においてあるんですか?それと、失礼ですが貴方はどなたですか?」
ようやく口を開いた子供の口からは、矢継ぎ早に質問が飛び出した。
思いつくまま話しているようだが、突然どちらかというと自分の頭を整理しているようだ。
何がどうなっているのか全く理解できていない・・・・・・当然といえば当然である。

「さ・・・寒いっ?!」
少女はぶるっと身震いすると、寒さに耐えかねたかのように二の腕をさすった。
そして、ようやく自分がぶかぶかのスリップ(!!)しか身につけていないことに気づいた。
少女の顔からサーッと血の気が引いていく。

「キャ――――!!キャ――――!!キャ――――!!!!」
少女は絶叫すると、毛布に包まりベッドの端まで逃げた。
「なななななんで私こんな格好なのっ?!それ以前に、何で幼女化っ?
 さ・・・さっきまで確かラヴスポットにいて、ランドさんとミニアルと一緒に居たはずなのにっ???」
・・・・・・・・どうやらこのやたらとにぎやかな子供は、リリアーナが10歳若返った姿で間違い無さそうだ。

「あっ、わかった!」
うーうー悩んでいたリリアーナだったが、突然ぽんと手を叩いた。
「コレは夢だわ、夢なんだわ、夢に決まってる!!
 私ったらきっと疲れてるのね、んもう〜私ったらお茶目さんっ!!
 もう一回寝たらきっと夢から覚めるわよねっ。うん、我ながらナイスアイディア!」
リリアーナはそう決め付けると、いそいそと毛布にもぐりこんだ。

「・・・・・・夢のお兄さん、もしかして何か私に話とか・・・・・ある?」
毛布にもぐりこんでいたリリアーナだったが、何を思ったのかひょっこり毛布から顔だけを出した。
ランドの顔を改めてじっと凝視した彼女は、不思議そうに首をかしげる。
「・・・・・・以前、どこかでお会いした事ありませんか?」


142 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 投稿日:2008/04/17(木) 16:54:05 0
学園長が地下の奥深くに移動させた綻びは誰も予測できぬ方向に利用されて事態は加速する。
教頭の考えはまったく正しい、そう…生徒が世界の綻びに刺激を与えるはずはないのだ。

>125
>「この穴をうまく使えば別のところにつなげるんじゃないのか?」
気にせずに事なかれ主義のヴァンは自分には関係ねぇからほっとこう、と綻びに対してあまり興味を示さなかった。
クリスの言ったとおりなるほど見事な穴だったが、先のない穴をどこかにつなげるということは通路として利用しようということ。
>「うまく使えといってもなぁ……だいたい危ないと……ん?そうか!」
どうやらマオにはその穴の使い道に心当たりがあるそうだ。
>「ヴァンエレン!この穴もしかしてお前がいっていた魔物的考え策とかに使えないか?」
マオが言っているのは十中八九食堂でヴァンが話したあの暗黒の策のことだろう。
話しの最後には冗談として終わったようなはずだが、まさか覚えているとは思わなかったのでヴァンは少々思いだすのに時間がかかってしまった。
「あぁー…あの思いつきで話したあのことか。
 確かにあれだけ歪んでるのならば、あとは繋ぐ『先』とやらを決めてやれば簡単にできるだろうが…。
 マオ、クリス…いや、なんでもない。
 それでは早速はじめるとしよう」

家を出てから空間の歪みの前まで移動して、その性質をじっくり観察してから『猿でもできる簡単な空間の繋げ方!』という胡散臭い本片手に事にあたる。
そのうちに妖しげな呪文を言ったり塩を振りかけたりしているうち、歪みが消滅したかと思えば鏡が出現して映されたのはもうひとつの地下図書館。
「さて、これでラインはつながって作戦は順調。
 問題はこれからなのだが、異変に気がついた魔物共は面白そうなことに大挙して押し寄せてくるだろう。
 魔物たちへの説明は私に任せてもらって、君たちには私の家に避難していて欲しいのだ」
避難してもらう理由とは無論、魔物と人間の関係にある。
魔物は人間を糧として生きるものであり、魔物を退治するのも人間だ。
殺し殺される両者の間のそんな関係の中でどうして人間に友好的な魔物が存在するというのだ?
これを機に人間に復讐しようと考える輩も出てくることだろうから、そんな思惑が交差する中でゲート前に絶好の標的がいたらどうか?
「死にたくなければ見つからぬうちに家に避難してくれ。
 アンデッドの王あたりにはもう気づかれてる」

143 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/17(木) 19:23:36 0
>136
> 「あ、アンジェリーナ先生がこちらに?」
「どうもそうらしいわね。アンジェリーナがリバースに来ている以上、
 最悪のケースも考える必要がありそうだわ。」
最悪のケースとは、アンジェリーナと戦う事だ。
エルザは壊れた窓を注視した。もしかしたら、
さっき圧力波を打ち込んだのはアンジェリーナではないだろうか?
部屋を荒らした以上、狙われても仕方のないことかもしれないが、
できれば彼女と敵対する事は避けなければいけない。
仮にロックと二人がかりで挑んでも、全く歯が立たない相手だからだ。
> 「い、今すぐここをお暇するのですわ〜!!フリージア女王様がお待ちかねなのですわ〜!!」
> ルズはエルザの返事も待たず、大慌てでアンジェリーナの部屋から逃げ出した。
「ちょっと、黒猫さん!…行っちゃった。おいで、アウル!」
エルザはアウルを呼んで腕を差し出した。
しかし、アウルはその腕ではなく、エルザの頭に止まった。そして、一撃。
「はうっ!?」
アウルはエルザの頭に止まると、頭頂部にくちばしで鋭い一撃を加えたのだ。
その後、アウルはエルザの腕に止まり直した。しかし、何か気に入らない事があるのか、
目を細め、不機嫌そうにくちばしをカチカチ鳴らしている。
「う〜、私が何か悪い事した?」
エルザはアウルに聞いたが、アウルは何も答えなかった。
エルザは引き出しの破壊に使った棍棒を肩に担ぎ、部屋の出口に向かった。ルズを追いかけるためだ。
エルザは振り返り、部屋の様子を確認した。
照明は半分壊れていて暗いし、部屋には壊れた窓から吹き付ける吹雪で、既にうっすらと雪が積もっている。
わざわざ、完全破壊しなくても、もうこの部屋は利用できそうにないだろう。
「アウル、ペンダントを預かるわよ?」
エルザはアウルの首から、ロックとアンジェリーナのペンダントを取り、自分の首にかけた。
何しろ、今このペンダントの争奪戦をしているのだ。か弱い小動物に持たせておくわけには行かない。

部屋から出たエルザは、急いでルズを追いかけた。
しかし、校舎の中は暗く、エルザでは容易にルズを見つけることはできない。
「アウル、あなたなら暗くてもよく見えるでしょう?先行して、黒猫さんを追いかけて!」
アウルはそう言われると、ぱっとエルザの腕から飛び立ち、ルズを追いかけた。
アウルはフクロウであり、そしてフクロウは生粋の夜のハンターだ。
そんなアウルにとって、ルズを追いかけるのは難しい事ではなかった。
さらに、エルザにとってありがたかったのはアウルの体の色だった。
吹雪の中でこそ視認しにくいその雪のように白い体は、暗い校舎の中では逆によく見えた。
そのため、エルザがアウルを追いかける事もまた難しい事ではなかった。

144 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/17(木) 22:33:57 0
>137
メキドで鍵を壊し、扉を開けると軽い風がミルクの頬を撫でるだろう。
切った啖呵を迎えたのは、たたましくなる警報音と赤色灯だった。
背後からは何か大きなものが動く音がいくつもする。

いきなり現われたミルクにポカンとしていた薬物学科生だったが、警報音と共にあわただしく動き出す。
「バ・・・!なんて事してくれたんだ!」
「急げ、隔壁と汚染レベルチェック!」
「誰か、雑菌だらけのその女を滅菌陣に叩き込め!」
切った啖呵もどこへやら、実験をそっちのけで全員がチェックに走る。
ミルクの両脇にも二人の生徒が現われ、腕を絡めて引きずっていく。

「まずこのマント、焼却処理!」
「はい!って・・・何よ!その格好。」
「勘弁してくれよ。何のプレイ中かは知らないけど場所を考えろ。」
有無を言わさずマントを剥ぎ取った薬物学科生は思わず絶句。
それもそのはず、元々豊満な体だったが、10年の時を経て更に成長。
しかも動きやすいようにと切った服はもう18禁な世界の格好だったのだから。

かなり冷ややかな目で見られつつ、魔法陣の中に放り込まれるミルク。
放り込まれると、温かな光がミルクを包んでいく。
そうこうしているうちに警報音は鳴り止み、明かりも元に戻っていた。
「隔壁は全て閉じています。実験棟の隔離完了しています。」
「ありがと。ひとまず安心ね。で、この変態さんは誰?」
ミルクの前に険しい表情で立ち並ぶ30人を越える薬物学科生たち。
露出狂と思われている以上の怒りと侮蔑の眼差しが突き刺さる。

ミルクと顔見知りの生徒もいたが、ミルクの変わりようにまるで気付いていないようだ。
「あなたねえ、ここがどこだかわかってないの?L5実験室よ?L5!
バイオセーフティーレベル5の意味わかる?」
ミルクと顔見知りの女子生徒が説教混じりに説明を始める。
要約すると・・・
バイオセーフティーレベル5とは最も危険な細菌・毒物を扱う実験室である。
当然のように空気感染し、重大なダメージを与え、その治療法や予防法は通常得られない。
一歩間違えば即バイオハザードに直結する事を現す。
故に当然のように気密処理がされている。
ミルクが扉を開けた時に風が頬を撫でたのは室内と室外の気圧が違っていたからだ。
更に実験の性質上、完全無菌室になっている。
雑菌だらけといったのは、ミルクが汚いというわけでなく、空気中に存在する雑菌すら許されない空間だからだったのだ。
ここに入れるのは魔法障壁が特に優れている選ばれた生徒だけ。
それほど危険な場所なのだ。
そしてこの場所を使うほど、ベアトリーチェチョコの扱いに細心の注意を払っていた。
にも拘らず、ミルクは鍵を吹き飛ばして入るという手順完全無視で入ったのだ。

事態の重大性から薬物学科生の慌てようと怒りも当然というものだろう。
しかもそれが露出狂紛いな服装で現われた見知らぬ女となれば尚更である。
「盗人とか言っていたけど、ちゃんと事情を話してもらいましょうか!」
怒気混じりにミルクに詰め寄る薬物学科生たち。

#############################################

そんな騒動に紛れてミニアルナワーズの現われた培養槽で着々と変化が進んでいることに誰も気付かないでいた。
既に培養槽の筒がチョコで満たされようとしているなど・・・。
勿論、チョコに満たされた筒の中にミニアルナワーズの姿はなかった。

145 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/18(金) 00:22:08 0
>「うまく使えといってもなぁ……だいたい危ないと……ん?そうか!」
空間の歪みを非常口として使えないか考えていたらマオが別のことを思いついたようだ。
>「ヴァンエレン!この穴もしかしてお前がいっていた魔物的考え策とかに使えないか?」
どうやら吸血鬼が食堂で話した裏技的なもののことらしい。
>「あぁー…あの思いつきで話したあのことか。
  確かにあれだけ歪んでるのならば、あとは繋ぐ『先』とやらを決めてやれば簡単にできるだろうが…。
  マオ、クリス…いや、なんでもない。
  それでは早速はじめるとしよう」
吸血鬼はそのことを忘れていたのだろうか、返答に少し時間がかかった。
しかしためらったのは少し気になるな。なにかリスクでもあるのだろうか?
そんなことを考えている間に吸血鬼は空間の歪みを観察していた。
次に本を片手に作業を開始するが、儀式はかなり胡散臭いものだった。
本当に繋がるのか怪しく感じていたが、突然歪みが消えて鏡が現れた。
>「さて、これでラインはつながって作戦は順調。
  問題はこれからなのだが、異変に気がついた魔物共は面白そうなことに大挙して押し寄せてくるだろう。
 魔物たちへの説明は私に任せてもらって、君たちには私の家に避難していて欲しいのだ」
どうやら空間が繋がったらしい。これから魔物が呼び込まれるようなので吸血鬼の言うとおり避難していた方が良さそうだ。
>「死にたくなければ見つからぬうちに家に避難してくれ。
  アンデッドの王あたりにはもう気づかれてる」
いや、ちょっとまて。それはかなりやばいんじゃないのか?
大体アンデッドに有効な魔法なんて覚えていないぞ。
「…念のためカモフラージュでもしておこう。」
そうマオに言って詠唱を始める。正直強力な魔物に効果があると思えないが、無いよりはましになるだろう。
「我が周囲に在りし大気よ、数多なる目から我を守りし膜を成せ。
 エアーズカバー」
これで低級な魔物に姿を見られることはないだろう。

146 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/18(金) 10:21:44 P
>138
ラルヴァが考え事をしている中
フリージアはいまだにぐっすりと眠っているようだ・・・・!?

「は!?かわいいギズモちゃんがかわいくないデスグレムリンに!?早く進化キャンセルしなきゃ!」
http://q.pic.to/pjgeh
と言って飛び起きるフリージア
「良かった夢でしたわ・・・・・もう一回寝ましょ」
そう言ってもう一回眠り始めるフリージア


どうやらさっきとは別の夢を見ているようだが・・・
「ZZZZZzzzz・・・やめてお父様!お父様やめて!!」
「お風呂上りでパンツもはかずにうろうろするのは止めて!!」
フリージアの故郷は雪と氷に覆われた極寒の地ジルベリアである
そんな土地で家の中とはいえ全裸でうろうろするフリージアの父親
ある意味豪傑過ぎる
「ああ!?お父様が熊にスクリューパイルドライバーを・・・・ZZZZZzzzz」
って、一体どんな夢だ!
そんなフリージアの寝言に青いサラマンダーがびっくりしてあっちゃっこっちゃを見ているが
寝ているフリージアには関係ない話である



ペンダント 自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

147 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/18(金) 17:30:18 0
アンジェリーナの影に怯え、がむしゃらに逃亡したルズは今になって困っていた。
「しまったのですわ〜!!エルザ様を置いてきてしまったのですわ〜!!
 おまけにこの姿ではドアノブが回せないのですわ〜!!」

ここは校舎1階、出口付近である。
人型に戻ってドアを開けてもいいのだが、こんな場所で元の姿に戻るのはできれば避けたい。
辺りは暗く人影こそ無いものの、人の目が無いとは限らないのだ。
こんな場所で人型に戻っているのを誰かに見られでもしたら!
「それなんて露出狂?なのですわ〜困るのですわ〜。
 おまけにドアが開けられても、外は猛吹雪なのですわ〜」
ルズはあーとかにゃーとか言いながらドアの前で悶絶した。
「分身であるサラマンダーを置いてきたから、フリージア女王様の居場所はわかるのですわ〜。
 でも猛吹雪の中ひょこひょこ出歩いたりしたら、合流する前に凍死するのですわ〜」

そうして悩む事数秒。ルズは唐突に解決策を見出した。
「あっ!そうですわ、何もこちらから出歩く必要は無いのですわ〜。
 わたくしのサラマンダーに命じて、フリージア女王様を案内させればいいのですわ〜」
ルズはサラマンダーに向かって「フリージアをこちらにつれて来るように」とテレパシーを送ってみた。

>143
背後から人の足音らしきものが聞こえてくる。
ルズはじっと暗闇に目を凝らしていたが、ふと警戒を解いた。
「エルザ様〜!!よくここがお分かりに!・・・・・・・きゃ〜!!」
ルズは悲鳴をあげ、すぐ側にあった物入れの影に逃げ込んだ。
「そ、その獰猛で乱暴なフクロウをこちらに近づけないで下さいまし〜!」
フーッと全身の毛を逆立てアウルを威嚇しつつ、ルズは現状を説明する。
「先程は見苦しいところをお見せしてしまい、大変失礼いたしましたわ〜。
 さて。わたくしは今自分のサラマンダーを使って、フリージア女王様と連絡を試みている最中なのですわー。
 ですが、女王様はただいまお休み中のようなのですわ〜。
 エルザ様、いかがなさいましょう?吹雪の中、女王様の元まで歩いて移動なさいます〜?」

>146
一方その頃のかまくら内。
「ち〜。ち〜!!」
フリージアの寝言に右往左往していたサラマンダーだったが、ルズのテレパシーを無事受信したようだ。
そして今、フリージアを起こそうといろいろ試みていた。
頭の上に飛び乗ったり暴れたりしているようだが、フリージングドール越しではあまり効果は無さそうだ。

>138
困ったサラマンダーは、次にラルヴァに向かって一生懸命意思疎通を試みた。
「ちー。ちーちーちー!!」
ラルヴァの袖を焦がさないよう気をつけながらつんつん引っ張っている。
どうやらエルザ達が近くに居る事を必死にアピールしているようだが・・・・・・。
ラルヴァは、果たして「ちー」しか喋れないサラマンダーと無事意思疎通できるのだろうか?

148 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/18(金) 21:31:35 0
>147
> 「エルザ様〜!!よくここがお分かりに!・・・・・・・きゃ〜!!」
> ルズは悲鳴をあげ、すぐ側にあった物入れの影に逃げ込んだ。
「アウル!黒猫さんがそこにいるのね!?」
>「ギェー!!」
アウルはけたたましい囀りを上げながら、ルズの周りを飛んだ。
> 「そ、その獰猛で乱暴なフクロウをこちらに近づけないで下さいまし〜!」
「ああ、ごめん黒猫さん。おいで、アウル!」
エルザに呼ばれたアウルは、彼女の肩に止まった。
> 「先程は見苦しいところをお見せしてしまい、大変失礼いたしましたわ〜。
>  さて。わたくしは今自分のサラマンダーを使って、フリージア女王様と連絡を試みている最中なのですわー。
>  ですが、女王様はただいまお休み中のようなのですわ〜。
>  エルザ様、いかがなさいましょう?吹雪の中、女王様の元まで歩いて移動なさいます〜?」
「ええ、楽勝よ。」
エルザは、アイテムボックスからヌーク草の粉が入ったビンを取り出した。
ヌーク草の効果をエルザに説明したルズならわかるだろう。エルザがこれから何をするつもりなのかを。
>ヌーク草とは雪国で料理に使われる薬草である。
>スープにして飲むと体が温まり、吹雪の中でも普通に歩けるようになる。
>だが生だと火を噴くほど辛く、また、これの粉末が目や鼻に入ったら大変なことになる。
それをエルザは、ルズに食べさせようと考えているのだ。
「さあ、黒猫さん。口をあ〜んして♪」
なにげに暴力を振るう時はいい顔をするエルザは、今回もやはりいい顔をしてルズに迫った。
ルズの説明によれば、フリージアとは連絡が取れないようだが、
このまま助けが来なければ、ルズは口に激辛のヌーク草を詰め込まれるだろう。

149 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/19(土) 11:57:08 O
>144
うるさいほど大音量の警報と大回転する赤色灯にあっけに取られていると、薬物学科の連中が騒ぎ始めた。
>「バ・・・!なんて事してくれたんだ!」
>「急げ、隔壁と汚染レベルチェック!」
>「誰か、雑菌だらけのその女を滅菌陣に叩き込め!」
「誰が雑菌だらけだ誰が…って、ちょっとこら!何するのよはーなーせーっ!」
問答無用とばかりにあたしは2人の生徒に両腕を捕まえられ、そのままずるずる引っ張られていく。
がっちり腕を絡められているからろくに抵抗も出来ないじゃないか!

>「まずこのマント、焼却処理!」
「わーっ!待て待て待て!それは取るなー!」
あたしの必死の抵抗も空しく、あぶない服装を隠してたカーテンがあっさり持って行かれてしまう。
>「はい!って・・・何よ!その格好。」
>「勘弁してくれよ。何のプレイ中かは知らないけど場所を考えろ。」
「勘弁して欲しいのはこっちの方だっての…」
ううぅ…みんなの冷たい視線が痛い…。
あたしだって好きでこんな格好してるんじゃないのに、どんな羞恥プレイだよこれ…
暴れるといろいろ見えちゃうから大人しくしてたあたしは、ポイと魔法陣に投げ込まれた。
なんかこの魔法陣光ってるけど、滅菌ってあたしを殺しちゃうとかそんなのじゃないよな?

>「隔壁は全て閉じています。実験棟の隔離完了しています。」
>「ありがと。ひとまず安心ね。で、この変態さんは誰?」
どうやら危機的状況は終わったらしく、連中の意識はこっちに向けられる。
なんだか随分殺気立ってるけど、あたしそんなまずいことやっちゃったんだろうか?

>「あなたねえ、ここがどこだかわかってないの?L5実験室よ?L5!
>バイオセーフティーレベル5の意味わかる?」
説教混じりの怒りの口調で詰め寄ってきたのは、顔見知りの
シーリだった。
「や、まー名前くらいは前にあんたに聞いたことあるけど…」
あたしの弁明を聞いてるのかどうかも怪しい様子でシーリは部屋の説明を始める。
ようするにうっかりするとバイオハザード発生させちゃうような危険な実験をする部屋なんだな。
でもって、もうちょっとでこの実験棟が魔の森みたいになる所だったから怒ってると。
>「盗人とか言っていたけど、ちゃんと事情を話してもらいましょうか!」

150 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/19(土) 12:00:30 O
長い説明を聞いてるうちに、あたしもだいぶ落ち着いてきた。
普段ならさすがにまずいことしたなと思う所だけど、今はバイオハザードがどうしたって感じだ。
いくら酷いことが起きたってベアトリーチェの毒庭園より百倍はましだろ。
「ほほぅ…このあたしにそんな口聞くなんて随分偉くなったじゃないシーリ。
あんた、確か昨日あたしの部屋にきて、ユリに好きな奴の情報聞いてたわよねえ。
なんならあたしが誰か証明するために、ここで大声でそいつの名前を上げてやってもいいんだけど?」
>「えぇっ!?ど、どういう意味よそれ!」
あからさまにうろたえるシーリ。

「それからアイ!この間実験器具を買うのに金を貸してやったあたしの恩を忘れたの!?
忘れたんなら思い出せるように利子を十三に上げてやるわよ!」
>「利子を上げるって…もしかしてミルクなん!?
>嘘やっ!ミルクがウチより胸が大きいはずないやろ!!」
もう1人の知り合いの方は何気に失礼な事を言いやがった。
「あんたらがパクったベアトリーチェチョコを探してるうちに老化しちゃったみたいなんだよ!
こっちはユリに言われてあちこち探し回るのに大変だったんだぞーっ!!」
老化したと言った途端に、がっしとシーリがあたしの右手を掴んだ。
>「ミルク?本当にミルクなの!?」
「そうだよ。ほら、これユリとの連絡用水晶球」
普段持ち歩いてて証拠になりそうな物を見せる。
やれやれ、これで信じてもらえそうだ。
>「だれか!ミルクの血液サンプル採集の用意して!
>もしかしたら老化のメカニズムを解き明かす画期的発見があるかも!」
「アホな事言ってるとアトミックハザード起こしてやるぞ!
さっさと上に着る服持ってこいっっ!!」
あたしはシーリの頭をはり倒した。

誤解が解けたところで、ユリから受けた依頼の内容を意訳して説明してみる。
「危険なチョコ勝手に持ち出した上に、ユリに頼まれて捜査中のあたしをよくも変態扱いしやがったな。
不幸な事故が起こってもいいように、あんたら全員身の回りの整理は済ませておきなさいよ」
>「やだなーミルク。私たち盗んだりなんかしないよ。
>あのチョコは正規ルートで手に入れたものなんだから」
>「せやせや、またユリのガセネタやって。
>まあ教員用の白衣でも着て落ち着き?な?」
怒ると自重しなくなるあたしの性格をよく知ってる2人は、とりあえずなだめる事にしたようだ。
他の連中は事情が呑み込めていないのか交渉を2人に任せたのか、事態の推移を見守っている。
なんでもいいけど、あたしのことを新種のモルモットを見るみたいな眼で見るのはやめろ。
「アルナワーズの協力で手に入れたとか言って盛り上がってたでしょうが。
だいたい舐めて二秒で人死にがでるようなチョコ、いつどの先生になんて言って持ち出したのよ。
アルナワーズもあんたたちがチョコ手に入れる所見てたから、証人喚問で呼び出してやってもいいんだぞ?」
そもそもアルナワーズがどう協力したか喋れば早いんだけどなー。
まあ、時空の狭間の景色は見えてたみたいだから嘘は言わないだろ。

>「嘘や!そないな事見とるはずないやろ!?
>アルナワーズやったらさっきチョコの培養槽に転移してき…」
アイの言葉はそこで唐突に途切れた。
見れば視線の先には、火山が成長するみたいに今ももこもこ大きくなっていくチョコレート色の何かでできた山が。
培養槽って…もしかしてベアトリーチェチョコをあんなに増やしやがったのか!?。

>「アルナワーズがベアトリーチェチョコに食われてもたー!!」
>「そんな訳ないでしょ!培養実験中止!
>すぐに増殖を止めないと大変なことになるわよ!」
シーリの声を合図に、薬物学科の連中は火がついたように慌てだした。
あたしは今のうちにとまずボロ修道服の上から白衣装着。
次に、アイの話じゃここに転移してきたらしいミニアルナワーズを呼び出すことにする。
「アルナワーズーッ!!どうせその辺で見てるんだろ出てこい!
見てたんなら増えるのを止めろっていうか誤解されてたあたしを助けにこーーいっっ!!」

151 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/19(土) 15:05:14 0
 メラルがフリージアが犯人だという説を匂わせた瞬間、
ベアトリーチェの映像が唐突にノイズと化した。
(…これは…思った以上の成果が出たのかしら?
 それとも…気付いていて交渉の余地がない…?)
考えながら待っていると、通信が再開した。それを受けて
前者か、若しくは演技の可能性が高いと判断して交渉に入った。

交渉の最中、ベアトリーチェの目に怒りに近い色が見て取れた。
しかし…メラルは交渉の手法を一切変えようとはしない。いや、変えられないのだ。
もともと、メラルは年不相応と言っていいくらい小柄である。そんなメラルが
初めて話す相手に下手に出るような交渉をしても…甘く見られるだけである。
そのため、交渉の際に…確固たる自信を以って強い姿勢で臨む必要があったのだ。
それが裏目に出たのは、まさに皮肉としか言いようがないが…。

>「・・・キサラ?こいつはオメーの男だったのかよ。
  殺気撒き散らして来て勘違いだ?伝言あるのなら直接言えよ。」
「そういう言い方は止めてほしいわね。…それと…私はキサラを
 あなたにけしかけた覚えはない。何があったのかは知らないけれど、
 彼があなたを襲ったのだとすれば、それは彼個人の意思よ。確かめてもいいわ。
 あなたなら、彼から事実を聞き出すことは出来るはずでしょう?」
鋭い目でキサラを見つつ、ベアトリーチェに言った。
もちろん、メラルはキサラと話そうとはしない。顔を見るだけでも
キサラが正常な状態には見えなかったからだ。そして、薬による洗脳で
言葉を含めた行動すべてを操られている可能性も十分にあるのだから。

…と、ベアトリーチェの態度が唐突に変わった。
>「ふっはっ!そーかい。それなら仕方がねえ。渦にどれだけ抗えるか見せてもらうよ。」
すぐさまメラルは後ろを見るが、何食わぬ顔で微笑みを向けられてしまう。
理由はアルワナーズなのは考えるまでもないだろう。と言う事は、
その意味のわからない言葉は思考のすみにおいておけば良い。
メラルはそう割り切って話の続きを待った。その途中にエミューから入った報告も確認しつつ。

「いいだろうよ。レイドとキサラのペンダント、返してやるよ。 (中略)オメーはきっちりドリル頭ぶち殺して雪を止めろよ?」
「それは出来ないわ。」
交渉が好転したはずなのに、メラルが意外な答えを即答した。
そして…一拍おいて話を続ける。
「この状況からだと、私には森に降る雪を止めるのが精一杯よ。フリージアを倒した後で
 雪を止めようとなんてしたら…雪を止める頃にはあなたの森は死滅しているわ。
 そうなる前に森の雪を止めるには…森以外の場所に雲を集める方法しかないの。」
実際問題、既に大量の雲を作り出していて、今更雪を完全に止めるなどメラルにも無理である。
たとえ魔法陣を破壊しても、かなりの間雪は続くだろう。そして…
フリージアと戦った後で雪を止めるというのも、間に合わないだろう。
しかし…肝心な所。雪を降らせたのはメラルだという事と、
実は既に森に降る雪を弱める細工を終えている事は巧妙に隠している。

「それと…持っていく必要はないわ。思いのほか雲が多いから、集めるのに時間がかかりそうなの。
 それに、もうレイド先生の懐柔はもう済んだみたいだから、レイド先生のペンダントを
 至急手に入れる必要もなくなったわ。だから、ペンダントは私の目的を果たした後で直接取りに行く。
 あなたの手伝いをするついでにね。…それじゃあ、急がないと被害が拡大するから…
 私は早速作業に入るわ。…また後で会いましょう。」
そして、話を終え…返事も聞かずに一方的に交信を切った。
建前でない、本当の理由は簡単。ベアトリーチェの反応を見る限り、普通の手段では
"目的"を果たした後の協力をするのが難しそうだと踏んで、
既成事実に近い形を作り出すつもりなのだ。

「後は、レイド先生達を利用して安全に魔力を回復してから… 本番、ね。」
メラルは屋上の扉を開けた。氷で埋め尽くされた階段は、メラルの歩く先だけは
通れるように道が開け、通り終わるとすぐに封鎖された。メラルはゆっくりと
階段を下りていく…。
============================================================

152 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/19(土) 15:06:09 0
 
>「オーケー。その話、信じてやろう。
  さ、それじゃあ早速部屋にエスコートしてもらおうか。」
(やり取りで時間を稼ぐつもりだったが、信じるのかヨ…。まぁ、いいカ…。)
「少し待ってナ。こっちにも準備とかあんだヨ。」
エミューがそう言った直後。地下階へ行く方の階段を閉ざしていた氷が消え、
道が開けた。少しして、エミューが再度声をかけた。
「準備出来たぞ。…こっちに来ナ。」
行き先らしきルート以外に薄い氷の壁を作り、誘導をかける。
そのまま素直に誘導に従って行けば、地下1階にある、ある扉の前に出るだろう。

そして、その扉を開けると…その中には、確かに氷もなく、
外に比べればそこそこマシな暖かさの部屋があった。
一応、ベッドなどはしっかり完備されている。
「暖め始めたばかりだから、まだそこまで暖かくはねーかもナ。」
中央には、鍋と火力の強そうなコンロ。そして、その近くに
いくつかの酒やワインのビンにおつまみまで置かれている。
"罠でなければ"待遇としては悪くないだろう。
因みに、奥の方には熱風を出している箱のような形状の
マジックアイテムがあるようだ。

======================================================================
ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持


153 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/19(土) 16:28:58 0
>>141

>「・・・・・・・・え〜・・・もう朝〜?」
眠そうに聞こえてきた声は子供だった。
まだ10歳いかないような小さい幼児の声、
本来そこに寝ているリリアーナの声とは全然違う。

そしてベッドから寝ぼけながら小さい金髪の女の子がのそのそ出てくる。
眼を丸くするランド・・・なぜ子供が出てくるんだろうと頭に?がつく。
>「・・・・・・・・あれ?」
子供はランドよりも驚いた様子でランドを見ている。
>「あの・・・・・・その・・・・・・ここ、どこですか?
>何でベッドが外においてあるんですか?それと、失礼ですが貴方はどなたですか?」
子供が口早に質問するがランドも事態がつかめていなく答えにつまる。
目の前の子供は一体だれなんだろう。リリアーナはどこにいったのだろう・・・
頭の中でこの二つをぐるぐる回している状態になっている。

>「さ・・・寒いっ?!」
この気温でスリップしか着てないのだから寒いのも当たり前
この子供もすぐに自分の状態に気付き顔が青ざめていく。
>「キャ――――!!キャ――――!!キャ――――!!!!」
>「なななななんで私こんな格好なのっ?!それ以前に、何で幼女化っ?
>さ・・・さっきまで確かラヴスポットにいて、ランドさんとミニアルと一緒に居たはずなのにっ???」
叫びながらベッドの端まで逃げ、さっきまでのことを喋る。
「えっ、ちょっと待って。今ボクの名前言ったよね?ラヴスポットとも・・・まさか。」
そこでようやくランドの方はどうなったのか分かってきた。
目の前の子供はリリアーナでなぜかは分からないが体が若返ったということ。

「えぇ〜ありえるのそんなこと・・・信じられないよ。
 もしかして呪いの一種とか?いやありえないありえない、
 術者はあの時じゃ存在しえないもの。だったら細胞が本当に変質して・・・」
ランドは目の前の現象に驚きなにやらこの状況に対しブツブツと推測を始める
リリアーナもまた勝手にこの状態を夢のせいにしていそいそと毛布に潜り込み
寝る準備をし始める・・・しかし、そのとき何を思ったかリリアーナがランドに話しかける。
>「・・・・・・夢のお兄さん、もしかして何か私に話とか・・・・・ある?」
「え?夢?そうか・・・夢ということもあるのかも。
 ちょっと釈然とはしないけど夢なのかもしれない・・・」
リリアーナの夢というワードだけに反応しまたブツブツ言い始めるランド。
>「・・・・・・以前、どこかでお会いした事ありませんか?」
「・・・え?どこかでってもう会ってるよ。ボクだよ、ラヴスポットでリリアーナさんと会ったランドアンド!」
このリリアーナの言葉にランドはやっと反応するランド。
さっきリリアーナの口からランドって出てきているのに自分を誰だかわからないわけがないからだ。
もしかして・・・とおそるおそる自分の体をランドは見てみて愕然とした。
「そんなぁ。まさかボクも変化してるのぉ!?」

足や手が伸び身長が前よりもかなり高くなっている。
立ってみると今までと視点が違うことをはっきりとランドは実感した。
しかし、そんなことよりも服が悲惨なことになっていた・・・
なんだか服がかなりキツイとは思ってはいたが・・身長が伸びて少し筋肉質になったせいで、
シャツのもズボンもサイズが合わなくなりへそは出ているしスネ辺りはズボンの裾が足りなくなっている。
また腕も長くなったためか半袖のシャツと長袖のシャツの中間のようになっている。
ダサイというのを通り越して見っとも無いとしか言いようのない格好をしている。

「うわぁ・・・・・・なぁにこれ・・・」
あまりの変な格好に思わず苦笑いするしかないランド・・・
「リリアーナさん・・・どうやらボクは年取ったみたいだね。
 それでリリアーナさんは若返った・・・はぁ〜っ」
溜息をつきベッドの空いてる場所に座り込むランド・・・
また状況も最悪、バリアを維持するにも魔力が必要だしあと1時間も持たない・・・
「まいったなぁ。こんなとこに出ちゃったしどうしよう。近くに建物か何かあるといいんだけどなぁ・・・」

154 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/19(土) 20:23:43 0
>153
「リリアーナさん・・・どうやらボクは年取ったみたいだね。
 それでリリアーナさんは若返った・・・はぁ〜っ」
>「まいったなぁ。こんなとこに出ちゃったしどうしよう。近くに建物か何かあるといいんだけどなぁ・・・」
リリアーナはずっと放心状態だったが、ここに来てようやく我に返った。
あまりの事態にまだ頭が混乱しているようだが、とりあえず今できることを提案する。
「とにかくここでぼうっとしてても始まらないわ、寒いしさっさと移動しましょ。
 服を着るからこっち見ないでね」
そう言って、リリアーナは幻灯機が確保していた服に袖を通した。
だぼだぼで動きにくい事この上ないが、何も身に付けないよりはましだ。
「ミニアル〜!この手足、どうやって片付けたらいいの〜?
 何がどうなったのか全然わからないから、録画した画像ちょっと見せてよー」
リリアーナは幻灯機をゆさゆさ揺さぶったが、ミニアルは出てこなかった。
「・・・・・・・・寝てるのかな?」
仕方なく、蛇腹アームが飛び出たままの幻灯機を腰に結わえ付ける。

「で、何が一体どうなってるの?何で私達、ベッドごと雪の中に居るわけ?
 ああ、話は後でも構わないわ。頭の中を整理してから、何があったのか教えてくれる?」
リリアーナはふぶいている外に視線を向けた。
「・・・・・・とりあえず、ここがリバース内だって事は間違いないと思うわ。雪降ってるし。
 それに見たかんじ巨木も無いようだし、森の中って訳でもないと思う。
 運がよければ、ちょっと移動すればすぐに校舎や建物が見えてきたりするかもよ?」
リリアーナはわざと明るく楽天的に話した。
リバース以外の世界に吹き飛ばされた可能性も無きにしも非ずだが、それを言っても始まらない。

「とにかく 防護魔法を延々使いつづけるんじゃ効率が悪すぎるわ。
 ここに居ても状況は悪化するばかりよ。ランディ、雪を凌げる場所を探しましょう。
 それと・・・その、ごめんね、何か色々迷惑かけたみたいで。
 重ね重ね申し訳ないけど、迷惑ついでにもう一つお願いしてもいいかな?」
リリアーナはもじもじといいにくそうに口篭もった。
「あの・・・・・その・・・・・・ランディさえ良かったら、背負ってくれると嬉しい・・・かも」
ランドの反応を見て、リリアーナは少し顔を赤らめた。
「だ…だって・・・・・・・靴のサイズが大きすぎて、とても雪の中歩けそうにないんだもの!
それにランディだってコート無しじゃ寒いでしょ?
 毛布は一枚しかないけど、一緒に包まったらきっとちょっとは寒さもましになると思うわ」
毛布をマントのように肩にかけた女の子は、すねた顔で「おんぶして」のポーズを取った。
もし断られた場合は裸足で行くか、ガバガバの靴で雪の中を歩くしかないだろう。

155 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/19(土) 20:36:04 O
>152「お〜っ!鍋と酒の用意とはなかなか気が効くじゃねぇか。
美女が居ないのが残念だけど。」
>「こだわり過ぎですよ。
それに競技中に飲酒はまずいんじゃないですか?」
「良いの、良いの。ちょっとだけ、な。」
俺は早速鍋をコンロにかける。
火力を調節し、ワインのビンに手を伸ばす。
「え〜と、グラス、グラス…あった。
お!つまみまである。今日は飲み会だな〜。」
グラスにワインを注ぎながら姿の見えない相手に一つ質問をした。
「そういや、さっき思い出したんだけどよ。
 お前、メラルの使い魔じゃないか?
 どっかでお前の声聞いた事あんだよな〜。
 とりあえず姿を見せろよ。
 危害を加えたりはしねぇからさ。
 一緒に飲もうぜ〜?」

156 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/20(日) 00:00:30 0
>150
シーリ達は培養槽に取り付きチューブを外していく。
あっという間に高さ1m直径50cmの筒型培養槽は外部との繋がりを切られ、天井に吊り下げられた。
アイ達は培養槽で何が起こったのか、データを引き出していた。
「・・・これは・・・チョコが増えたんやあらへんのや!
チョコの変異作用で培養槽内の培養液がチョコになってもおたんや!
何やこれえ!五行属性が変化し続けてる?突然変異?」
「え・・・じゃあアルナワーズは・・・?」
>「アルナワーズーッ!!どうせその辺で見てるんだろ出てこい!
>見てたんなら増えるのを止めろっていうか誤解されてたあたしを助けにこーーいっっ!!」
顔を見合わせるアイとシーリ、そしてミルクの声が実験室に響いた。

「はぁ〜い。ミルク、露出プレイは終わったのぉん?
趣味のお邪魔しちゃ悪いと思って黙っていたけど、もういいのかしらぁん。」
相変わらずのんびりした口調でクスクスと笑いながらミルクに応えるミニアルナワーズの声。
その声は・・・吊り下げられた培養槽からだった。
培養槽内のチョコがうにょうにょ動き、ミニアルナワーズの顔を形どっていく。
「びっくりしたわぁん。チョコに侵食されて私もチョコになっちゃった。
これからはチョコナワーズとでも名乗ろうかしら〜。」
今起こっている事態も、自分が置かれている状態も無視するかのようなミニアルナワーズはあくまでマイペース。
そして自由人だ。
相手の反応を待たずして、突如として言葉を切り返す。

「ミルク〜。証人喚問もいいけど、助けになるかは疑問よぉん。
もう少し落ち着かなきゃ〜。
ちょっと前にも同じパターンあったでしょう?」
そう前置きすると、ベアトリーチェチョコの入手経路を話し始める。
ベアトリーチェチョコはアルナワーズが薬物学科有志たちに提供したものだと。
回収時、レオにリバース内で薬物学科有志が実験に使うと三枚手に入れておいたのだ。
危険性は十分にわかっていたので、たとえ死亡しても大丈夫なリバース内でという条件で了承が得られた。
そしてリバースに入って早々アルナワーズはリタイアする。
が、チョコはアイテムボックスに入れ指定の場所に隠しておいた。
時空の狭間で見たのはそのアイテムボックス回収の場面だった、というわけだ。

そう、すなわちユリのチョコがなくなっているという情報は不完全なものだった。
更に言えば、チョコを使っての陰謀論は全くのガセということがはっきりとしてしまったのだ。
「さて、確かにアルナワーズの協力で手に入れたとか言って盛り上がってたが、それが何か?」
どちらが悪いがはっきりし、ピキピキと額に青筋を立てた薬物学科生たちがミルクに冷たい視線を送る。
そんな状況を打破したのは、またしても培養槽からの声だった。

「そんなに怒らないでぇん。完全な誤解で迷惑な乱入だったけど・・・
怪我の功名というか、結果的にはミルクの言葉も正しくなっちゃったのだから。
チョコに取り込まれて判ったのだけど、このチョコは危険よ。
ミルク、あなたの術で私ごと焼き尽くして頂戴。」
突然の提案に驚く一同。
偶然とはいえ、折角培養に成功した貴重なサンプルを焼き尽くせというのだから収まらない。
薬A「ふざけるな!これがどれだけ貴重なサンプルか判らないのか!?」
ミニアル「これが外に出たら大変な事になるわ〜。もうすぐ培養槽を破壊するほど増殖しちゃう。」
薬B「培養液抽入やめて物理的に遮断しているのにどうやって増殖するんだよ!それにその培養槽は内側から壊れるわけねえよ!」
ミニアル「実際に取り込まれた私だから判るのよ〜。これ以上増えないうちに焼き尽くすのよ〜。」
アイ「あかんて、このチョコがどんな性質かもわからへんのに下手に手を出したら何が起こるか!」
ミニアル「ミルク〜。ランドの時も、チョコの事も、私が間違った事を言ったかしら〜?
実験よりも安全が大事よ〜。私は思念体だから大丈夫。さあ、最大限の一撃で焼き尽くして!」

喧々囂々と薬物学科生達とチョコに侵食されたミニアルナワーズがお互いにミルクに決断を迫る!

157 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/04/20(日) 00:00:40 0
>151
交渉も終盤、メラルはフリージアを倒す事をあっさり出来ないと応える。
その瞬間、通信にノイズが走り始める。
乱れた映像の中、メラルはその理由を話す。
が、収まらないのはベアトリーチェだ。
理由としては納得できるものだし、そうしてもらわなければいけない。
しかしわざわざ最初に否定し、更に一拍置いているので、その間に頭に血は上っている。
言ってみれば拳を振り上げさせられた状態でするりと逃げられたようなものだ。
拳の降ろしどころがなく怒りに震えるしかない。
結局そんな状態のまま通信は一方的に切られてしまう。
まるで勝ち逃げされたような気分で机を蹴飛ばし憂さを晴らすしかなかった。

通信が終わったあと、ゆっくり時間をかけて気持ちを落ち着ける。
濃厚な毒を入れた暖かいカプチーノを優雅に飲み、お気に入りの水タバコをふかす。
気持ちを落ち着けるのにかなりの時間を費やした後、ゆっくりと立ち上がった。
送り返して処分しようと思ったキサラを倉庫に叩き込んでおく。
そして、おもむろに地上へと向かうのだった。

通信が終わってからかなりの時間が経っている。
時間にすればもはや深夜の域だ。
今まで地下のラボに篭っていたので地上の気象気温など知る術もなかったので、実際に確かめるために、だ。
幻想的に庭園を照らしていた明かりは腐食ガスで完全に消えうせている。
その真っ暗な中、ベアトリーチェは庭園に現われた。
傘から伝わるは極小さな振動。
手を差し出してみると、指先に降り立ったのは霙のように冷たく半固形の雨だった。
「あのチビ、一応は仕事はしたわけか。」
メラルの背後に映っていたのはかなりの激しい吹雪だった。
しかし今ここに降っているのは霙。
冷たくはあるが、吹雪である事を思えばマシと言うものだ。
「ふん、ムカつくがいいだろう・・・ん?」
なんらか難癖つける種を探している半分だったが、十分な結果に少々複雑である。
そんな心境でふと空を見上げると・・・

158 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/20(日) 13:46:28 0
>147
>ちー。ちーちーちー!!
「・・・・・・ん?」
座禅を組んでいたラルヴァがふと目を開くと、裾を青いサラマンダーがつかんでいる。
微妙に涙目で何かを訴えている。だが、現在のラルヴァは精霊語のコネクションを失っている。

「ん〜・・・よし、リザ。おきてる?」
その声に応えるように、鎧を着込んだ赤髪の少女がラルヴァの体から抜け出すように現れる。
『なんだ。』
「えっとだね、そこの青い子の通訳できない?」
『・・・・・・面倒くさい。なんで私がお前なんかの為にやらなきゃいけないんだ。』
「いや、同じ爬虫類系だから言葉が通じないかと思って・・・。」

最後のラルヴァの一言に顔を真っ赤にした少女が平手打ちを放とうとするが、ラルヴァは右腕でそれを防ぐ。
『バカか貴様は!私は卑しくも<全て持つ獣>たる竜族だ!サラマンダーとは違う!!』
「うーん・・・・・・やっぱりダメか。あぁ、ごめんねリザ。後でお詫びはするからさ。」
『全く・・・夜中に起こしたかと思えばすわ一大事かと急いで鎧をつけてきてみれば・・・』
一通り痴話喧嘩が終わると、少女はまたラルヴァの中に引っ込んでしまった。

「仕方ない。何か用があるんなら、行くしかないか。フリージアも多分この状態なら大丈夫だろうし。」
そう呟いて立ち上がり、足元の土で球形の珠を作ると、穴を開けてその中に青いサラマンダーを放り込む。
さらに、手元の皮袋からコークスを取り出すとその穴の中に入れてやる。

「とりあえず、誰かが呼んでるんだろうから案内してくれる?」
土の珠は、青いサラマンダーを雪から守ってくれるだろう。
そして、自身は特に防寒の用意をする様子も見せずにかまくらの外に出た。

「うーん・・・やっぱりこのチュニックは便利だね。」
猛吹雪に襲われようと、ラルヴァはあまり寒がっている様子はない。
かまくらを一度振り返り、何かを確認するように頷くと
ラルヴァは青いサラマンダーに導かれるままに歩き出した。

>153>154
吹雪の向こうに人影が見えた気がする。
向こうもこちらに気づくだろうか。
もし相手が猛吹雪の環境を得意としていたりすれば厄介だ。
相手が知り合いとは限らない。
ラルヴァはとりあえずその人影を無視し、歩くことにした。

159 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/04/20(日) 18:34:34 0
>75改訂版
>71
ロックは爆発音がした方向へ走っていった。

「ひょえ〜、レイド先生はあいかわらずなのだ!」
ロックは、氷が派手に爆砕された階段の前で目を丸くした。
記憶違いでなければ、この階段は氷で封鎖されていたはずだ。
その場にはもうレイドもエースもいなかったが、
きっと二人はこの調子で氷のバリケードを粉砕しながら上を目指すんだろうな、とロックは思った。

>152
この時、地下階へ向けての階段がぽっかり開いていたが、ロックは気にする様子を見せなかった。
ましてや、レイドとエースが地下階へ移動した事など知る由も無い。

>79
二階へ昇る階段の氷は、
> もう一度階段を封鎖しようと氷を伸ばしている。最も、駆け抜けようとすれば
> 容易な程度の速度ではあるが…駆け抜けようとすれば足も凍らされる可能性は否定できない。
「なるほど、おもしろいなー。自己修復する氷のようなのだ。」
ロックが感心してそう呟いている間に、氷が完全に階段を塞いでしまった。
「一体どんな奴がこんな仕掛けをしたのか、ますます興味がわいてきたのだ。」
その“奴”が、今まさに自分の方へ近づいて来ている事など知る由も無い。
ロックがいる場所は、地下階へ行く階段のすぐ近くだ。
メラルが何の対策も無く地下階へ移動しようとすれば、ロックがすぐに気づき、接触は免れないだろう。

「あれ?そういえば、俺は何か大切な事を忘れているような…
 何だったかな?何かを探していたような…う〜ん、何だったっけ?」
ロックは懐からガジュマルの実を取り出すと、手の中でころころと回し始めた。

160 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/20(日) 21:07:46 0
>>142>>145
>「あぁー…あの思いつきで話したあのことか。
>確かにあれだけ歪んでるのならば、あとは繋ぐ『先』とやらを決めてやれば簡単にできるだろうが…。
>マオ、クリス…いや、なんでもない。
>それでは早速はじめるとしよう」
冗談のまま終わらせる気だったのか…
それとも何か違った事情があるのかあんまりヴァンは乗り気じゃない。
「なんだ…あんまり気乗りしないみたいだな…
 やめるなら今のうちだぞ?」
だがやりたくないわけでもないらしくちゃんと準備をし始める。
『猿でもできる簡単な空間の繋げ方』とかいう胡散臭い本を持ち出して家を出る。
僕もヴァンについていきどうやって空間を繋げるのか見ることにした。
そしてヴァンは黒魔術みたいな胡散臭い儀式のようなことをし始める。
「本当にこんなんで繋がるのか?見るからに失敗しそうだぞ…」

そうぼやくが次の瞬間歪みが消失し鏡が現れる…どうやら僕の心配をよそに無事に成功したようだ。
>「さて、これでラインはつながって作戦は順調。
>問題はこれからなのだが、異変に気がついた魔物共は面白そうなことに大挙して押し寄せてくるだろう。
>魔物たちへの説明は私に任せてもらって、君たちには私の家に避難していて欲しいのだ」
「そうか…そうだな。僕たちよりも同じ魔物のお前に任した方がいいかもしれないな。」
僕は素直にヴァンの言うことを聞くことにした。魔物が話しなど聞かずに僕たちに攻撃をしかけてくるかもしれないしな。
もしそうなったら多分相手などしてられない。
>「死にたくなければ見つからぬうちに家に避難してくれ。
>アンデッドの王あたりにはもう気づかれてる」
「分かった家の中に……んッ!?もう気付かれてる!?」
ヴァンエレンの言葉に僕は驚く…というかやばい……
すでに気付かれているということは狙われる可能性だってあるということだ。
>「…念のためカモフラージュでもしておこう。」
クリスも危険だと判断したのかすぐさま僕達にカモフラージュする魔法をかける。
何もないよりは数段ましだが…だが高位な魔物の眼を欺けるかといったらどうか…
とりあえず僕はクリスに礼を言うよりも前に腕を掴みヴァンエレンの家のドアを開け家の中に入る。
「ふぅ…クリスのカモフラージュも効いてることだしここに居れば今のところは安心だな。
 後はヴァンエレンの奴がうまくやってくれるだけなんだが……」



161 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/21(月) 13:42:49 O
>156
>「はぁ〜い。ミルク、露出プレイは終わったのぉん?
>趣味のお邪魔しちゃ悪いと思って黙っていたけど、もういいのかしらぁん。」
「そんなプレイしてないし趣味でもないっての!
どこ!?どこにいるのっ!?」
あたしの声に答えたのか、培養槽内のチョコがうにょうにょ動く。
チョコレートをかき分けて出てくるのかと思ったら、なんとチョコがミニアルナワーズの顔を作り上げた。
怖っ!なんか凄く怖いよそれ!
>「びっくりしたわぁん。チョコに侵食されて私もチョコになっちゃった。
>これからはチョコナワーズとでも名乗ろうかしら〜。」

こちらの驚きも気にせず、ミニアルナワーズはいたってマイペースを崩さない。
しかし侵食って本当にチョコに食われてたのか…
>「ミルク〜。証人喚問もいいけど、助けになるかは疑問よぉん。
>もう少し落ち着かなきゃ〜。
>ちょっと前にも同じパターンあったでしょう?」
ちょっと前。証人喚問が助けにならないパターン。
それはもしかして、ラヴスポットのランド勘違い事件のことを言ってるのか?
続くミニアルナワーズの事情説明は、あたしの嫌な予想を裏付けるものだった。
正規ルートのものなら紛らわしい渡し方するなー!
アルナワーズも知ってたんなら先にそう言っとけーっ!

>「さて、確かにアルナワーズの協力で手に入れたとか言って盛り上がってたが、それが何か?」
「えーと。これはなんといいますか、つまりそのですね…」
うわマズい、ベアトリーチェの庵以来の絶体絶命のピンチ再来。
アイはともかく、シーリなんかは研究となると眼の色が変わるのはよく知ってる。
他にもそんな連中は多いらしく、あたしを見る視線の冷たいこと冷たいこと。
さすがに今すぐこいつらを納得させられる言い訳なんて思い浮かばないぞ。
こうなったらメギドラオンで全員ぶっ飛ばして、イベント中だからとか言ってごまかすしかないか?

>「そんなに怒らないでぇん。完全な誤解で迷惑な乱入だったけど・・・
>怪我の功名というか、結果的にはミルクの言葉も正しくなっちゃったのだから。
>チョコに取り込まれて判ったのだけど、このチョコは危険よ。
>ミルク、あなたの術で私ごと焼き尽くして頂戴。」
助け船は意外な所から意外な形でやって来た。
危険だから焼き尽くせって、乱入を正当化して大丈夫ってことですか?
「それはまあ、構わないけど…」
いつもと同じ大きさで出した言葉は、薬物学科の生徒たちの怒りの声にかき消された。
そりゃ苦労して増やしたサンプルが焼き尽くされたらたまらないよな。
あたしはミニアルナワーズと薬物学科生のやりとりを聞きながら、どうしたものかと考える。
チョコを焼かなきゃどんな危険があるか分からない上に、あたしの乱入正当化なんて無理だ。
かといって焼いたら薬物学科の連中の恨みを買うことは必死。
それこそ何をされるかわかったもんじゃない。
どうしようかなこれ…

162 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/21(月) 13:44:34 O
>ミニアル「ミルク〜。ランドの時も、チョコの事も、私が間違った事を言ったかしら〜?
>実験よりも安全が大事よ〜。私は思念体だから大丈夫。さあ、最大限の一撃で焼き尽くして!」
思考の森でさまよっていたあたしの心に、ミニアルナワーズの言葉が響いた。
あのアルナワーズが危険性を説くんだから、よほど危険なんだろう。
それに餅は餅屋って言うし、チョコレートのことはチョコナワーズに聞くのが一番だ。
「分かったわアルナワーズ。チョコレートになっちゃったあんたの言葉を信じる。
世のため人のため、その危険なチョコをこの世界から消し去ってやるからね!」
集中する。天井に吊り下げられた培養槽の中身を焼き尽くすために。
あたしがそうすると決めたからには、誰にも絶対邪魔させない!

>「ミルクに魔法を使わせちゃだめ!取り押さえて!」
>「あかん!目が攻撃色や!間に合えへん!」
>「防御魔法を使え!なんとしてもベアトリーチェチョコを守るんだ!」
「メギドラオン!!」
悲鳴と怒号の交差する中、何人かに飛びかかられながらもあたしの魔法は発動。
培養槽ごと中に入っていたチョコナワーズを焼き尽くした。

>「ベアトリーチェチョコが…俺たちの青春が…」
>「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」
サンプル消滅を見てがっくりうなだれる連中の手を払って、あたしは立ち上がる。
これに懲りたら、今度からはもっと危険性のない実験を頑張って欲しいものだ。
>「ボサボサするな!今は一分一秒たりとも無駄にできんぞ!
>A班は残されたデータの解析と空気中の成分に変化がないかをチェック!
>B班はアルナワーズに協力を要請してチョコレートの危険性を調べろ!
>C班は献体の確保だ!急げ!」
リーダー格らしい男の支持を受けて、また薬物学科の生徒たちは慌ただしく動き始めた。
本当に元気な連中だな。
あたしは朝からの騒動でかなり疲れてるから、こっそり帰るとしよう。
もうここに残ってても意味ないしな…

>「お疲れさまミルク。ホットミルクでも飲んで、少しゆっくりしていったら?」
「あ。ありがと」
シーリが差し出すコップをいつもの調子で受け取ってから、ふと違和感に気づいた。
周りの生徒たちがあたしをじっと見つめている。
なんだか鳥が罠にかかるのを今か今かと待ちかまえているような目で…
「シ、シーリ?これ普通のミルクだよね?
何にも薬とか入ってないよね?」
>「大丈夫や。砂糖しか入ってへんはずやさかい」
後ろからがっしとあたしの肩を掴むアイの手に、やけに力が入っている。
前に立ってるシーリも顔は笑ってるけど、目はちっとも笑ってない。
まさか……確保する献体って…あたし!?

「絶対嘘だーっ!何かやばい薬入ってるだろこれ!」
>「くそっ!失敗だ!気づかれたぞ!」
>「攻撃魔法に注意しろ!防御結界展開!」
>「ミルクは攻撃は強力だけど防御は貧弱よ!鎮静剤持ってきて!」
>「鎮静剤よりガスの方がええで!鎮圧ガスで昏倒させたれ!」
「ぎゃーっ!助けてアルナワーズ!解剖されるーっ!」
あたしの悲鳴がL5実験室に響き渡った。

163 名前:黒猫ルズ&青サラマンダー ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/21(月) 18:17:32 0
>148
>「ええ、楽勝よ。」
「へ?エルザ様、ヌーク草など今取り出して何をなさいますの〜?」
>「さあ、黒猫さん。口をあ〜んして♪」
>なにげに暴力を振るう時はいい顔をするエルザは、今回もやはりいい顔をしてルズに迫った。
「ええ?口をあ〜ん?ちょ・・・・待・・・・・ま、まさかエルザ様」
じりじりと後退するルズの上に、エルザとアウルの長い影が落ちた。

>158
ところ変わって、青サラマンダー。
>「仕方ない。何か用があるんなら、行くしかないか。フリージアも多分この状態なら大丈夫だろうし。」
>そう呟いて立ち上がり、足元の土で球形の珠を作ると、穴を開けてその中に青いサラマンダーを放り込む。
>さらに、手元の皮袋からコークスを取り出すとその穴の中に入れてやる。
頭にこぶをつくり目を回していたサラマンダーだったが、すぐに意識を取り戻し「ちーちー」と抗議し鳴き喚いている。
だがサラマンダーの抗議もむなしく、ラルヴァは雪吹きすさぶ外に出ようとしている。
フリージアを起こすべく球から飛び出そうとしていたサラマンダーだったが、ここでルズの念話が届いた。
『きゃー!!死ぬ・・・死ぬぅ!!そ、それをやられたら、わたくしいってしまうのですわ〜!!』
サラマンダーは迷った。ルズに命じられたのは、フリージアとの連絡係である。
だが、ルズも相当危険な状態のようだ。どちらを優先させればいいのだろう?
結局サラマンダーはラルヴァを連れて行くことにした。
(サラマンダーはリバースのルールなど分かっていないのだから、仕方がないといえば仕方が無いのかもしれない)
サラマンダーは自分の尻尾を引きちぎり、フリージングドールに命中させた。
これでフリージアがフリージングドールを脱がない限り、どこにいてもサラマンダーには居場所がわかる。

しばらくすると、再びルズから悲鳴混じりの念話が届いた。
『早くフリージア女王様とつれてくるのですわ〜!!エルザ様がご乱心なのですわ〜!!
 こ、このままではヌーク草を食べさせられるのですわ〜!!』
「ちー!!ちー!!ちー!!」
サラマンダーは急かすように3回鳴くと、球から飛び出し自ら先行し始めた。
吹雪のせいで身にまとう炎がどんどん小さくなっていくが、ラルヴァが追うには十分だろう。。
青い炎が消えそうになる頃、ようやく校舎の建物が見えてきた。

>148
「フギャ〜!!!」
校舎の中から断末魔の悲鳴が聞こえてきた。
サラマンダーは扉についた窓を突き破り、ラルヴァより先に校舎の内へと侵入した。
そこでサラマンダーが目にしたものとは!

164 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/21(月) 19:28:11 0
>163
サラマンダーが目にしたのは、満足そうな顔をしながら振り返るエルザと、
その奥で、口から火を吹きそうな顔をしているルズだった。
実際口からいつ火を吹き出してもおかしくないかもしれない。
エルザにたっぷりと、口の中にヌーク草を詰め込まれたのだから。
「あら、あなたは黒猫さんのペットね。」
エルザは小さいサラマンダーを見て、そう言った。
「迎えに来てくれたの?もう大丈夫よ。これで黒猫さんは吹雪の中でも普通に歩く事ができるわ。」

エルザは機嫌の良さそうな顔をしていたが、その表情が急にこわばった。
サラマンダーの後ろから、こちらに近づいてくる人影に気づいたからだ。
「黒猫さん、アウル、さがって。」
エルザはルズとアウルにそう命令した。しかし、ルズはともかく、
アウルはエルザの肩から動こうとしなかった。エルザは内心舌打ちしながらも、
すぐに戦いができるように、棍棒を両手で握り締めた。

謎の人物ことラルヴァが校舎に入ったとたん、エルザは叫んだ。
「あなたは誰!?何が狙いでここに来たの!?」
エルザはすぐに、現れたラルヴァの横顔を叩けるように、棍棒を右脇に構えた。
言うなれば、野球のバッターのような構えだ。
「言っとくけど、ロックのペンダントも、アンジェリーナのペンダントも、
 私のペンダントもあなたなんかには渡さないわ!」

165 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 投稿日:2008/04/21(月) 19:50:32 0
>145>160
この監視されてピリピリと刺すような気配とこみあげてくる恐怖感は間違いなくアンデッドの王のもの。
その標的がヴァン限定で放たれているようなので二人には何も感じるものがないのだろうが、ガンガンに当てられている当人にとっては冷や汗ものだ。
>「分かった家の中に……んッ!?もう気付かれてる!?」
バレている事実に驚きのあまり声を荒げるマオ。
>「…念のためカモフラージュでもしておこう。」
すぐさま危険を察知したクリスはこれ以上察知されぬようにと偽装の魔法を唱える。
二人は周囲の風景に溶け込むように存在が気薄になり視るものを欺く。
それからヴァンのいうとおりにして家に駆け込んで隠れてもらう。

「ううう。
 しかしあの気色悪い気配には毎度のことながら馴れぬものだな…」
いまだに全身を襲う寒気に身震いしながら、独り言をぽつりとこぼす。
『吸血鬼が寒気とは相変わらず人間臭い』
人間二人は家に避難しているので、ここにはヴァン以外はいないはず。
ならばこの冷え切った耳に響くような地獄の声は一体誰なのか?
声が聞こえたのは空間を繋いだ鏡からではなくヴァンの背後であり、そんなことはありえないはずだった。
まず鏡を正面にしているのでまず現れるならばそこからしかなく、はじめにヴァンの視界に入るしかないのだが…。
『なにを驚いている?
 ここへ招いたのはお前であろう』
人間の骸骨が黒い襤褸切れを纏って王冠を被る、その容姿こそがアンデッドの配下を従える王の正体である。
「み、皆様方に上で行われているゲームにてご助力をお願いしたくお呼び出しいたしました」
目の前にいる人物は王であり一介の弱小貴族にすぎぬヴァンはひれ伏すことでその立場というものを態度で示す。
『祭りで人間共が騒いでいるのは知っている。
 いままで我々は指をくわえて見ていただけだが、幼き吸血鬼の手によって地獄の門は開かれた』
王はふわりと空中を舞って地下図書館の魔界に棲む者共に語りかける。
鏡に映った向こう側には無数の眼が存在し、種族大小を問わず魔物の群れが開戦を待っている。
スケルトンの骨の擦れる音が聞こえ、亡霊の歓喜とも絶叫ともとれる声が聞こえ、獣は獲物の味を思想して遠吠えする。
『では皆の者。
 楽しもうぞ』
アンデッドの王の号令に呼応して、皆一斉に雄たけびをあげると次々と鏡より出て行軍を開始する。
そのすさまじさは魔物たちが一歩踏み出すごとに地下図書館を揺らすほどであった。
魔物共はヴァンの家を横切っていくと光に包まれた地上を闇に染めるべく一目散に地上を目指した。

だんだんと地響きも遠くなっていき、後にはぽつんと正座する一匹の吸血鬼。
「嵐脱して 暗い鉄火見やる時。
 明るみや争ったカナリヤ…」


食堂にいて安全な場所を満喫している生徒たちがふと異変に気がついた。
一階で誰かが遠くで襲われているのだろう悲鳴があちこちでするのだ。
あの吸血鬼の言っていたベアトリーチェが校舎内に毒でもばらまいたのであろうか?
しかし、それにしても悲鳴が尋常ではない。
やがてあれだけうるさかった悲鳴は聞こえなくなり、食堂の誰しもが疑問に思う中でその場を訪れたのは……。

166 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/21(月) 21:19:27 P
>158>163
ラルヴァとブルーサラマンダーが鎌倉から去った後にも眠り続けるフリージア
まさかフリージアはこのままイベント終了まで眠り続けるのか!?

「う〜んキスしたらギズモちゃんが人間の男の子に・・・・ZZZZZzzzz」
どうやら夢の中のギズモはカエルの王子のごとく
キスで人間の姿に変身する設定らしい
「ギズモちゃん・・・・・は!?」
突然目を覚ますフリージア
「そういえば現実世界にギズモちゃん用のご飯を置いてくるの忘れましたわ!!」

ジルベリアの山の中でサバイバル修行した自分は兎も角
ギズモはご飯を食べられないことを我慢することには慣れていない
きっと耐え切れないくて泣いているだろう

「こっちに召喚してご飯を食べさせてあげようかしら・・・・でも」
フリージアはフリージングドールの中で胸の谷間から謎のカードを取り出して思案した
そのカードにはグレムリンのイラスト等、色々と書かれている

具体的には
星4/闇属性/悪魔族/攻1300/守1400
いたずら好きの小さな悪魔。
暗闇から襲ってくる。気をつけろ!
とかだ
それにしてもこの文章・・・・
ギズモはいたずらなんかしない良い子なのにひどい話だ

どうやらこれを使えばいつでもギズモを呼び出すことが出来るようだが・・・・
「ギズモちゃんを危ない目には合わせたくありませんわ」
と言ってカードを胸の谷間に仕舞い込んだ
前に敵にぶつけたりしてたくせに危ない目も何もと思うのだが・・・・

それにフリージアは気が付いていない
カードを使って呼び出しても出てくるのはフリージングドールの中
フリージングドールを中から破壊しなければ結局ご飯は食べられないということに

「そういえばラルヴァさんは外にいるとして・・・・サラマンダーちゃんはどこに行ったのかしら?」
今頃になってやっと近くにいたはずのサラマンダーがいないことに気が付くフリージアであった


ペンダント 自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

167 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/21(月) 22:54:52 0
魔法をかけ終わると突然マオに腕を引っ張られヴァンエレンの家の中に入った。
>「ふぅ…クリスのカモフラージュも効いてることだしここに居れば今のところは安心だな。
  後はヴァンエレンの奴がうまくやってくれるだけなんだが……」
「カモフラージュといっても視覚的に見えなくするだけだぞ。」
実際さっきの魔法は空気の屈折に干渉して光を曲げているだけである。
魔力感知に対してはあまり効果が無いだろう。
だが地下図書館には魔性の霧が立ち込めている。
霧の魔力と同じくらいの強さでカモフラージュを展開すれば感知されないだろう。
…ペンダントが無ければの話だが…

「そこの窓から少し覗いてみないか?」
とりあえず家の外の状況も気になるのでマオに提案してみる。
窓から外を見ると吸血鬼が王冠を被った骸骨に向かってひれ伏していた。
「あれがアンデッドの王か…」
>王はふわりと空中を舞って地下図書館の魔界に棲む者共に語りかける。
>鏡に映った向こう側には無数の眼が存在し、種族大小を問わず魔物の群れが開戦を待っている。
>スケルトンの骨の擦れる音が聞こえ、亡霊の歓喜とも絶叫ともとれる声が聞こえ、獣は獲物の味を思想して遠吠えする。
これはその場にいたらかなりやばかったな…
避難しているように言っていた吸血鬼に感謝するべきだろう。
アンデッドの王が号令をあげると次々と魔物が鏡から地上へ向けて行軍を開始した。
その間外にいるアンデッドの王と目が合った。
しばらくこっちを見ていたが、不敵に笑った(?)あと図書館の奥へと向かっていった。

>「嵐脱して 暗い鉄火見やる時。
  明るみや争ったカナリヤ…」
どうやらかなり疲れたらしい。
魔物の行進による地響きが終わったあと、家から出て正座して残っている吸血鬼に話しかける。
「お疲れさん。いろいろあると思うが今は一晩ここに泊めてくれないか?」
一日中競技に参加していたため非常に眠たくなっているクリスであった。

168 名前:黒猫ルズ&サラマンダー ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 15:29:37 0
>164
サラマンダーが目にしたのは、口一杯に何か食べさせられたルズの姿だった。
>「あら、あなたは黒猫さんのペットね。」
>エルザは小さいサラマンダーを見て、そう言った。
>「迎えに来てくれたの?もう大丈夫よ。これで黒猫さんは吹雪の中でも普通に歩く事ができるわ。」
心なしか、ルズは硬直してぷるぷる震えているようだ。
「ち〜?」
サラマンダーは首を傾げつつ、ルズの側に近寄っていった。
本当に吹雪が平気になったのだろうか?見た目はあまり変わっていない気がするのだが。

>158
サラマンダーに続き、新たな人影が割れた窓越しに見えた。
>「黒猫さん、アウル、さがって。」
だがルズは動かない。いや、動けないというべきか。
>謎の人物ことラルヴァが校舎に入ったとたん、エルザは叫んだ。
>「あなたは誰!?何が狙いでここに来たの!?」
>「言っとくけど、ロックのペンダントも、アンジェリーナのペンダントも、
> 私のペンダントもあなたなんかには渡さないわ!」

ラルヴァが何か言おうとする前に、それは起こった。
「フギャ〜!!」
ルズは口から赤いものを盛大に吐き出すと、ラルヴァに向かって突進していく。
否、正確にはその足元へと。
「辛い辛い辛い辛い辛いのですわ〜!火事なのですわ〜!!もう死んでしまうのですわ〜!!!」
ルズはラルヴァが開けた扉をすり抜けると、猛吹雪の中に飛び出して行った。
あまりの辛さにルズは我を忘れているようだ。
ある意味エルザの言うとおり、寒さを克服したと言える・・・かもしれない。

「ち・・・・ち〜!!!」
絶叫しながら暴走するルズの後を、サラマンダーがおろおろしながら追いかけていく。

>153-154 >166
途中子供を負ぶった青年を見かけたような気もするが、よく分からない。
ルズは女子寮方面に向かっているようだ。
このまま直進すれば、程なくルズはフリージアが居るかまくら付近に到着するだろう。

169 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 22:07:24 0
>162
薬物学科生達の目にはもはやミルクは人間ではなく、貴重なサンプルとしか映っていない!
実験室内でどたばたと捕り物劇が展開される。
シーリが鎮圧ガスの入った大きな壷を持ち出した時、悲鳴にも似た声がそれを制した。
「ちょっと待った!それどころじゃない!やばい!やばいぞ!」
声の主はデータ解析と空気中の成分を調べていたA班からだった。
わなわなと震える手でびっしりと計算式が書かれた紙を差し出す。
それを手に取ったアイの目が驚きに見開かれる。
「な、なんやのこれ!
メギドラオン発動直後にチョコの五行属性が土に固定!?
その後空気中の成分が・・・げ・・・針が振り切れたぁ・・・??」
「・・・!馬鹿な!それじゃあ、あのチョコは・・・!」
紙を覗き込んだリーダー格の生徒が結論を言おうとした瞬間、突如として実験室の明かりが全て消えた。
突然の暗闇に目が慣れず、視界が奪われる。

直後・・・
「ぎゃ!?ぐあああああ!!!」
「いでええ!!!なんだこりゃあああ!」
「な・・なんやの!何が起こって」
「やだー!誰か!助け・・・」
暗闇の中、響き渡るは阿鼻と叫喚の組曲。
部屋の至る処から悲鳴が上がり、そして短く悲鳴は途切れてしまう。
そして目には見えなくとも、確実に部屋の中の気配は減っていく。

ミルクが暗視ゴーグルで見れば、突然悲鳴をあげ倒れる様が見えるだろう。
しかし倒れた者は長くは悲鳴を上げていられない。
倒れ、物陰に消えたと同時に、そのままそこからいなくなってしまうのだから。

「チョコの危険性を教えるのと、ミルクを助けるの、両方してあげる〜。」「チョコの危険性を教えるのと、ミ
ルクを助けるの、両方してあげる〜。」「チョコの危険性を教えるのと、ミルクを助けるの、両方してあげる〜。」
どこからとも響くアルナワーズの声。
しかし、その声の場所が特定できない。
部屋のいたる処から聞こえてくるのだから。

「薬物学科生の障壁はウイルスの類や魔法はほぼ通さない強力なものだけどね。防護であって防壁じゃないから単純
な物理攻撃には意外と弱いのよ〜。」「薬物学科生の障壁はウイルスの類や魔法はほぼ通さない強力なものだけどね。
防護であって防壁じゃないから単純な物理攻撃には意外と弱いのよ〜。」「薬物学科生の障壁はウイルスの類や魔法
はほぼ通さない強力なものだけどね。防護であって防壁じゃないから単純な物理攻撃には意外と弱いのよ〜。」

なおも続く台詞も同様にいたる処から聞こえてくる。
そして気配も部屋の至る処から感じられる。

中でも特に気配強く感じられる場所・・・
それは真上。
天井なのだ。
その気配の強さにつられて上を向けば見ることになるだろう。
天井が歪み、天井一面に広がる巨大なアルナワーズの顔が浮き上がってくる事に!

170 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 22:07:32 0
「ミルク〜。お馬鹿な子。あなたのお陰でこんなに大きくなれたわぁ〜。
でも私はもっともっと大きくならなければいけない・・
だから、私と一つになりましょう〜!」
天井に浮かび上がる巨大なアルナワーズが微笑むと、ミルクの足元の床から無数の手が浮かび上がってくる。
我先にと掴みかかろうとする手の群れ。
更には、壁からは人の顔が浮かび上がってくる。
「なあ、ミルク〜。一つになるととっても気持ちええでえ〜。」
「怖い事ないよ。さあ・・・!」
緩慢な動きながらも、壁から浮かび上がってきたのはアイやシーリをはじめとする消えた薬物学科生達だった。
まるでマネキン人形のように目に生気がなく、緩慢な動きながらミルクを捕まえようと手を伸ばしてくる。

伸びてくる手に360度全て囲まれた時、ミルクは強い光に包まれた。
「攻撃するんじゃないぞ!餌を与えるようなものだからな!」
がっしりとミルクの肩を掴み密着するのはリーダー格の男だった。
光り輝く防御結界は群がるてを跳ね除け侵入を許さない。
その表情は自信に満ち満ちていた。
「ふふふ!この程度この俺が解析できないと思うなよ!
お前の特徴は属性変更による五行相生作用を利用した増殖!
それと有機無機問わず変異作用によって増殖していくのだろう!
お前自体はミニアルナワーズを核とし取り込んだ有機体意識の集合体!」
びしっと天井の巨大アルナワーズに向かって指をさし宣言する。
光に照らされた室内は色彩を失っており、全て茶色。そう、チョコと化していたのだ。

「さすがね。この短時間でそこまで判るだなんて。
そう、私はチョコに込められた思念。
思念体のミニアルナワーズは相性が良く、自我が生まれた。
そして属性変更によってミルクのメギドラオンを利用して一気に増殖。
この実験棟自体が私になるのも時間の問題よ。」
男の宣言を肯定し、似たりと笑う巨大アルナワーズ。
既に勝利を確信しているが故の自信だろうか?
まるで『冥土の土産に教えてやる』という悪役黄金パターンを踏襲しているようだ。

そんなやり取りのあと、男はミルクに向きかえる。
「うん、理解できてなさそうだから簡単に説明しよう。
ベアトリーチェチョコは突然変異を起こして、ミニアルナワーズを取り込み増殖。
恐らく原因はどこからかテレポートアウトしてきたミニアルナワーズ、そして一緒に出てきて培養槽を故障させたエネルギー弾だろう。
で、増殖したチョコは木火土金水の五行属性変化の能力を手に入れていた。
君を利用して、巨大な火属性の攻撃を行わせ、自分は土属性になる。
五行属性に拠れば【火】属性は【土】属性を増幅させる作用があるからな。
要するに君の火属性の攻撃が凄まじい分だけベアトリーチェチョコも凄まじく増殖したって訳だ。
障壁の弱い君を脅かすだけで倒さないのは、もう一度攻撃させて更にエネルギーを得るためだろう。」
リーダー格の男の推理はほぼ正しかった。

触れたものを変異させ、チョコに同化させるにもエネルギーを使う。
その為にミルクの攻撃を食って変異エネルギーに変換、更に増殖しようとしていたのだ。
説明しながらもじりじりと窓側に移動している。
だが既に窓も塗りつぶされたようにチョコになっている。

171 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sage 所持32] 投稿日:2008/04/22(火) 22:07:40 0
「これを倒す方法は二つ!
一つは複数の属性で攻撃する事。
君の火属性の攻撃でダメージを与えるためには、まず土属性で攻撃する必要がある。
土属性を餌とする金属性にチョコが変わったところで、金属性に強い火属性で攻撃すれば大ダメージを与えられるだろう。
もしくは火属性を餌にして土属性にしたところで、木属性で攻撃するか、だ!このようにな!」
壁に投げつけた瓶が割れると、中から雷が迸る。
紫電が走り、壁に大穴が明けられた。
「ぎゃああああ!!!」
天井の巨大アルナワーズの顔が歪んだ。
実験室の窓は既に隔壁が降りていたが、チョコと同化した事によって属性を正しく利用すればかえって脆くなっていたのだ。
穴から吹きこんでくる吹雪。

「やはりな。たかがこれしきの雷でも相性的に悪いから大穴が開く。
ここは四階だが死ぬ事はないだろ。行け。
俺はもう一つの倒し方で戦う!」
そういうと、男は防壁を解いてしまった。

途端に群がるチョコの波。
「俺はなあ!薬学でずっとトップだったんだ!
睡眠時間2時間で血反吐吐くような努力をしてきた!
なのに俺でも解毒剤を作れない毒をポンポン造るあの女が大嫌いだ!
毒限定とはいえ、たかが特異体質ってだけで一足飛びにトップとられちゃやってらんねえっツーの!
待ってろよ!ベアトリーチェ!お前の全てを解析してやる!いや、くどき文句じゃねえぞ、これ。
内部から崩壊させたやっからな!」
思いのたけを吐き出し、自信満々にチョコの波に飲み込まれていくのであった。

壁に開けられた大穴もどろどろとしたチョコ(?)が塞ぎにかかり徐々に小さくなっていく。
更にはミルクの踏みしめる床も当然チョコであり、硬度を崩して沼のようになり絡み付いてくる。
「ミルク〜。皆で一つになろうや〜。」
「チョコになるだけで死ぬわけじゃないから心配しなく出いいんだよ?」
床が歪み、チョコとなった生徒達が足を掴もうとする。
このままチョコに取り込まれるか、飛び降りるか・・・ミルクに残された時間はあまりにも少ない!

外から見た薬物学科実験棟はまるで一つの生き物のように脈動している。
内部の結界などがあり、完全なる同化にはしばし時間はかかるが・・・
100m級のチョコスライムが動き出すのは時間の問題だろう。
有機無機物問わずチョコに変異同化させ、属性を変化させて魔法を餌とする恐怖のベアトリーチェチョコが!
チョコナワーズが!今ここに誕生した!

172 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/04/22(火) 22:34:02 0
ピシビキビシ!
無数の亀裂が・・・いや、太い血管が教頭の額と頭の曖昧な境界に無数に浮かび上がる。
その原因は勿論今起こっているリバースへの重大な異変によるものだ。

不要な刺激を避けるために空間の歪みを地下図書館へと移動させた。
にも拘らず、そこに待ち構えていたかのように空間の歪みに刺激を与えたものがいる。
ゲートを作り現実世界と繋げただけでも重大問題だ。
しかしそれだけでなく、そのゲートをくぐりアンデッドの王とその配下がこちらに渡った事が更に自体を進行させる。
【存在】とはそのまま【力場】を形成する。
歪みをゲートしに、そこを強大な力場が通過する事により、歪みは更に広がる。

今、この事態に気付いているのは学園長室の教頭と学園長くらいだろう。
リバース世界には細かく、気付けないほどのだが、無数のヒビが走っている。
まるで教頭の頭に浮かび上がる無数の血管のように。
それがいつ亀裂となり、世界の崩壊を招いても不思議でないのだ。
崩壊とまでいかなくとも、ところどころ空間連結がズレたり空間歪曲を起こすところも出てくるかもしれない。

「ほっほっほっほ。事象を捻じ曲げれば反動がある。
教頭先生。大人しく見ていようではありませんか。
なぁに、我らが生徒達は、そして教師達は我々が思っている以上に優秀ですぞ?」
学園長はゆっくりと笑うのであった。

##############################################

その頃レオ先生・・・
時を少し撒き戻し、宵の口。
フィジル島全域に強い雨が降り始めた頃。
西海岸で50人ほどの一団が集まっていた。
「レオ先生!雨が強くなってきました!」
「うむ!秋の雨にしては冷たいな!こんな時はどうする!?」
「押忍!気合と根性で温まります!!」
「よくいったあああ!!!皆!気合と根性で雨に感謝の正拳突き一万回!はじめぇええいい!!」
「「「「おおおおっす!!!」」」」
全員上半身裸の熱い男達。
ペンダント争奪戦もどこへやら。
すっかり特訓モードで魔の海に正拳突きを放ち、波を割るのであった。

173 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 22:40:19 0
>>154

「なんでこんなことになっちゃったんだろ・・・ラヴスポットになんか行っちゃったのが失敗だったのかなぁ・・・」
>「とにかくここでぼうっとしてても始まらないわ、寒いしさっさと移動しましょ。
>服を着るからこっち見ないでね」
体育座りをしてウジウジ独り言をしているランドとは対象的に、
すぐさま現実を受け止めて今できることをしようとリリアーナは言い服を着始める。
とりあえず見るわけにも行かないので膝に顔を埋めて溜息をつくランド。
外見は大人なのに精神は成長してないため普段以上に頼りなく、そして情けなく見える。

一方リリアーナは幼くなったため服を着るというだけに悪戦苦闘している。
そして幻灯機に一体どうなったのかと問いかけるがミニアルナワーズから反応はない。
それもそのはずミニアルナワーズはランドをベッドに貼り付けるという行動で一手遅れてしまい
自分自身は幻灯機へと潜り込んでいる暇がなかった・・・ここに飛ばされているという可能性は
奇跡でも無い限りありえないだろう。

>「で、何が一体どうなってるの?何で私達、ベッドごと雪の中に居るわけ?
>ああ、話は後でも構わないわ。頭の中を整理してから、何があったのか教えてくれる?」
ミニアルナワーズから反応がなかったためかランドに何があったという疑問をぶつけてくる。
「え・・・・・・う〜ん。いや話せばすんごく長くなっちゃうし・・・それになんというか・・・話しにくいんだよねぇ。」
ランドがそういうのも無理はない。なぜならこうなった元凶に聞かれているのだから
答えづらくて仕方が無い。しかも本人は何も覚えていないというのだから余計だ……
ランドが言葉を濁しているとリリアーナは後で話すように求む。ランドもそれに同意するようにうなずく。

>「・・・・・・とりあえず、ここがリバース内だって事は間違いないと思うわ。雪降ってるし。
>それに見たかんじ巨木も無いようだし、森の中って訳でもないと思う。
>運がよければ、ちょっと移動すればすぐに校舎や建物が見えてきたりするかもよ?」
「確かにボクもここはリバースだと思うし、森でもないようだけど・・・
 でも吹雪が凄すぎて・・・遠くが見えないからもし迷ったりなんかしたら終わりだよ。」
北極などで起こるダイヤモンドダストには及ばないが吹雪のせいで相当視界が狭いのも事実。
ランドの言うことも最もだ・・・だがこのままでもランドの魔力はすぐに枯渇し凍死するのも事実。

>「とにかく 防護魔法を延々使いつづけるんじゃ効率が悪すぎるわ。
>ここに居ても状況は悪化するばかりよ。ランディ、雪を凌げる場所を探しましょう。
>それと・・・その、ごめんね、何か色々迷惑かけたみたいで。
>重ね重ね申し訳ないけど、迷惑ついでにもう一つお願いしてもいいかな?」
「・・・・・・分かったよ!確かに何もせずに凍死しちゃうのもいやだし。
 建物や雪をしのげる場所を探そう!」
リリアーナの意見に同意して建物を探そうと奮立つランド・・・
おそらくこのまま黙って死ぬなら足掻いて死んだ方がまだ幾分かましだと思ったのだろう。
「・・・ところでお願いってなに?食べ物とかなら悪いんだけどボク持ってないよ・・・」
ランドがそういうとなにやら恥ずかしいのか口篭りながらリリアーナはランドに背負ってくれといった。
だれが見ているわけでもないし、背負ってくれといっているリリアーナは子供になっているが、
ラヴスポットの件がまだ少し心に残っており、え!?と身を引くランド・・・

>「だ…だって・・・・・・・靴のサイズが大きすぎて、とても雪の中歩けそうにないんだもの!
>それにランディだってコート無しじゃ寒いでしょ?
>毛布は一枚しかないけど、一緒に包まったらきっとちょっとは寒さもましになると思うわ」
そういって毛布をマントのように羽織りリリアーナがおんぶを求めてくる。
「うん分かったよ。子供をこんな吹雪の中で歩かせるわけにもいかないし・・・
 ボクも大人になって体力は上がっているだろうし大丈夫。」
ちゃんとした理由があったのを理解し安心したランドはリリアーナを背負う。
子供になって体重が軽くなっているのも助かった・・・
「・・・じゃあバリアを解除するよ。いっきに寒くなる思うから気をつけて・・・」
そしてバリアを解除したとたんにさっきまで遮断されていた吹雪がなだれ込んでくる。
「ひゃーっ!!・・・凄い雪だ・・・!ズボンの裾が足りてないせいで堪えるなぁ・・・」


174 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 22:41:17 0
改めて寒さを実感しながら一歩一歩踏みしめるように歩きだすランド・・・
方角も何も分かったものではないし今歩いている先に何があるのかも分からないが。
とにかく雑念をすてひたすら前だけを進むことを考える。

>>158

それから結構たったが・・・未だどこにも辿り着いておらず
ひたすらこの悪天候の中を歩き続けるランド。
「リリアーナさん大丈夫?」
最初は少しは雑談をしたりもしたが・・・どんどん口数が減っていき
今ではたまにリリアーナに大丈夫かと聞く余裕しかない・・・
靴に雪がどんどん入ってくるせいで足の感覚は大分なくなってきているせいで
最初よりもペースダウンしていることが余計にランドの体力を奪っていく。

そして疲れと前の見えない状況がランドの心を着実に折ろうとしている
限界を感じ始め急に足を止めるランド・・・その顔には諦めが見え始めている。
「・・・・・・もうダメかもしれない・・・」
そうつぶやいたとき、かすかに向こうに人影となにやらボンヤリと燃える青い炎らしきものが見える。
限界から見える幻覚なのだろうか・・・すぐに何処へと去っていき見えなくなっていく鬼火のようなものと人影・・・
それを見ていたランドはまた歩みはじめる・・・幻覚でも何でもいい。
見えない建物を追い続けるよりもまだ幻覚の方が幾ばくかマシだと思ったのだろう・・・

そして、さっき人影と青い火の玉がいた付近に辿り着く。
すると雪でかき消されそうになっている足跡があることにランドはきづく。
「ひ、人だ!リリアーナさん!やったよ!ついていけば助かるかもしれない!」
活路を見出し喜ぶランド、足跡が雪に埋もれて消えないようにペースを上げ足早に歩き続ける。
すると足跡の方面から猫が走っきてすれ違う形となる・・・
生き物が来るということはやはりなにか建物のようなものがあるのかもしれないと更にランドに希望の光が差し込む。

その後も希望が支えたのかペースを落とすことなく歩き続け。
そんなに経たないうちに校舎を見つけることができた。
「や・・・やったぁ!校舎・・・やっぱりここはリバースだったんだ!」
校舎玄関の扉を開けてそのまま中へと倒れこむランド
足は当に全部の感覚がなくなっているために足がもつれてしまったのだ。
「やった・・・やったよリリアーナさん・・・」


175 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/23(水) 18:30:19 O
>169-171
>「ちょっと待った!それどころじゃない!やばい!やばいぞ!」
悲鳴のような声が、ベッドにあたしを縛り付けようとする薬物学科生たちの動きを止めた。
続くのは、あたしを放り出してデータを見るアイの驚きの声。
五行属性?空気中の成分がって焼いたから毒でも出た?
意味の分からないあたしはリーダー格の男の言葉を待つ。
でもその言葉は。突然の暗闇とそれに続く悲鳴とにさえぎられた。

さすがの暗視ゴーグルも、明るい状態からいきなりの暗闇への変化にはまるで無力。
「なに!?何があったの!?」
叫びに帰ってくるのが悲鳴しかない事に焦りながら、目を閉じて目が闇になれるのを待つ。
そうしているうちにも部屋からはどんどん気配が減っていく。
あー!もう!一体何が起こってるのよ!?
そろそろいいかと目を開ければ、見えたのは倒れる薬物学科生。
その口から出る悲鳴は長くは続かない。
即効性の致死ガス!?でもここにいたのは防御能力の高い生徒だけだったのに!
それにあたしが無事なのはなんで!?

>「チョコの危険性を教えるのと、ミルクを助けるの、両方してあげる〜。」
アルナワーズの声が、なぜか四方八方から聞こえてくる。
「アルナワーズ!どこ!?どこから何をしてるのよ!
ここにいるのは防御能力の高い生徒たちばかりじゃなかったの!?」
帰ってきた返事の意味を考えつつ気配を探る。
…部屋全体から声と気配を感じるけど特に強いのは…天井か!
見上げる先でぐにゃりと天井は歪み、巨大なアルナワーズの顔が浮き上がった。
げげげーっ!!なによあの気持ち悪いのは!
それに助けるとか言ってたけど、なんかそんな雰囲気じゃないんですけどーっ!?

>「ミルク〜。お馬鹿な子。あなたのお陰でこんなに大きくなれたわぁ〜。
>でも私はもっともっと大きくならなければいけない・・
>だから、私と一つになりましょう〜!」
驚きで言葉も出ないあたしの足下から、数え切れないほどの手が生えてくる。
壁からは、最初は顔。次に体。
シーリがアイが。さっきあたしを捕まえようとしてた連中が抜け出してきてこっちに手を伸ばしてくる。
一つにって、何かに取り込まれたのか!?けど、何に!?
とにかく、このままだと捕まってあたしも取り込まれる。
迷う暇もなし、ここはもう一発どかんとメギドラオンで焼き尽くすしかないか!

176 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/23(水) 18:32:45 O
魔法を使うため集中しようと身構えるあたしの肩を、誰かが強く掴んだ。
>「攻撃するんじゃないぞ!餌を与えるようなものだからな!」
同時に周りを輝く壁が覆い、伸びる手の侵入を阻む。
「あんた、薬物学科生のリーダー!?無事だったの!?」
側にいるリーダーにも驚いたけど、もっと驚いたのは照らし出された室内の状況。
壁も天井もそこから伸びる手もみんなチョコレート色。
どうなってるのよこれ!?

驚いている間にも、リーダーとチョコナワーズ(もうこの呼び方でいいよね)の会話は続く。
どうもチョコナワーズの奴はあたしの魔法を吸収して大きくなったらしい。
こいつ、だからさっきあたしをお馬鹿呼ばわりしやがったんだなーっ!!
「ちょっとこら!どうなってるのかあたしにも分かるように説明しなさいよ!
どうやったらあのムカつくチョコナワーズをぶっ殺せるの!?」

質問に親切に答えるリーダーによれば、チョコナワーズは自我を持ったスライムみたいなものらしい。
しかも属性吸収だなんて、あたしの魔法が通用しないじゃないか!
火に強いチョコレートなんて反則だぞーっ!

五行属性の説明と共に、いつの間にか近くに来ていた窓にリーダーは手にした瓶を叩きつける。
瓶は割れて封じられていた雷の力を解放。
窓とも同化していたらしいチョコナワーズの絶叫と共に、壁に大穴が空いて雪が吹き込んできた。
おお!今なら雷で大ダメージが与えられるのか!
…でもあたしって、複属性どころか雷魔法もほとんど使えないぞ!

>「やはりな。たかがこれしきの雷でも相性的に悪いから大穴が開く。
ここは四階だが死ぬ事はないだろ。行け。
俺はもう一つの倒し方で戦う!」
「もう一つの倒し方!?なによそれ!
あんたは一緒に脱出しないの!?」
リーダーが防御結界を解除すると、またチョコナワーズたちが押し寄せてくる。
それでもリーダーの自信も決意も揺らぐことはなく。
ベアトリーチェへの感情を露わにしながらチョコの海に飛び込んでいく。
なるほど、中からチョコナワーズを分解する気か!
もちろんあたしにそんな事ができるはずもない。
ここは好意に甘えて一度チョコナワーズの腹の中から脱出しよう。
そう思ったんだけど。
足下がドロドロして走れないじゃないかくそーっ!!

「ええぃ、掴むな離せ近寄るなーっ!
チョコになるのはともかくアルナワーズやベアトリーチェと同化するなんてごめんだーっ!!」
しかもシーリやアイや他の生徒たち型チョコの邪魔もあって、なかなか窓の穴に近づけない。
あぁー!穴が!窓の穴が塞がるーっ!!

177 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/04/23(水) 19:13:14 0
>>157
寒い。一体どれくらい雨風にされされてたんだろうか?
もうとっくに手足の感覚もなければ、体の震えも止まらなかった。
さっきから『どうしよう、どうしよう?』と考えてたのに、これっぽっちも思いつかない。
焦りは短慮を生み、身体の消耗は頭を鈍らせる。
つまりはダメダメスパイラル。
やることなすこと全てが裏目。ということ。

だから、そう。万全なら、きっとこんなヘマはしなかった。
『雲を突っ切ればいい』だなんて、安易に考えて、飛龍を思いっきり上に傾けた。
その結果。
手もかじかんでいて、掴み損ねて、落下。垂直落下。
あー、失敗したなぁ。まだ腐敗ガスが有ればいいのに。
だって、あれはきっと、痛くない。
何の因果だろうか?憶えが有り過ぎて解らないな。
まぁ、神様は意地悪だってことで。

夜目が良い人には、落下しているさまが見えているんだろうか?
さぞ、めずらしんだろうな。

178 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/04/23(水) 21:27:36 0
>173-174
ランドはリリアーナを背負うと、バリアを解除し雪の中歩き始めた。
>「ひゃーっ!!・・・凄い雪だ・・・!ズボンの裾が足りてないせいで堪えるなぁ・・・」
「ホントだ、ぴちぴちだー。ランディ、すっごく背が伸びてるもんね」
(ランディは、バリア張ったまま歩けない・・・のかな?)
ちょっとだけそう考えたものの、リリアーナはわざわざ訊ねたりはしなかった。

ランドは雑談の中で、ラヴスポットの中で何が起こったのかをかいつまんで話してくれた。
ジュースでリリアーナが酔っ払った挙句服を脱いで寝てしまった事、
原因は不明だが、ラヴスポットが崩壊してしまった事などの説明を受ける。
「何で崩壊してしまったのかしら?やっぱりこれも現実世界とリバースとの環境の違いなのかしらっ?」
諸悪の根源であるリリアーナは、神妙な顔をして考え込んでいた。

>それから結構たったが・・・未だどこにも辿り着いておらず
>ひたすらこの悪天候の中を歩き続けるランド。
>「リリアーナさん大丈夫?」
「う・・・・・ん」
リリアーナはランドの問いかけに生返事を返していた。
寒さに耐性の無いリリアーナにとって今の環境は過酷過ぎたのだ。
>最初は少しは雑談をしたりもしたが・・・どんどん口数が減っていき
>今ではたまにリリアーナに大丈夫かと聞く余裕しかない・・・
ランドがラルヴァの足跡を辿る頃には、リリアーナはすっかりうとうとしていた。

>「や・・・やったぁ!校舎・・・やっぱりここはリバースだったんだ!」
>校舎玄関の扉を開けてそのまま中へと倒れこむランド
「きゃん!」
廊下に放り出された衝撃で、リリアーナはようやく意識を取り戻した。
リリアーナはぼんやりした顔で、倒れこんだランドと吹雪が吹き込んでくるドアを見比べている。
>「やった・・・やったよリリアーナさん・・・」
「あ・・・ランディ・・・・・・うん、助かった。ありがとねランディ」
ここにきてようやく事態が飲み込めたのか、リリアーナはランディに礼を述べのろのろと立ち上がった。
リリアーナは覚束ない足どりながらもドアノブに手をかけ、渾身の力をこめてドアを閉ざす。
ガラスが割れているものの、ドアを閉めると吹き込んでくる風は随分ましになった気がした。

>164 >153
リリアーナはほうっと安堵の息をついた。
「疲れたでしょ?とにかくちょっと校舎で一休みして・・・・・・っ――?!」
リリアーナは不意に口を噤んだ。
ここに来てようやく、自分とランド以外の人間が近くに居る事に気づいたようだ。

「だ、誰っ?誰かそこに居るのっ?!」
リリアーナはロックバスターを召喚した。
だが身体に合わせてあるのか、いつもの半分くらいの大きさしかない。

サイズの合わないきつきつの服を着た青年と、だぼだぼの服を着た小さな女の子の組み合わせ。
相手にしてみれば奇妙な事この上ないだろう。
それでも7歳のリリアーナは、見上げるようなシルエットの相手に精一杯虚勢を張ってみせた。
いっそこっけいだろうが、「ランドは今弱ってるから私ががんばらなきゃ!」と、これでも必死なのだ。
「い、言っておくけど私達強いんだからね、に、逃げるなら今のうち――――痛っ?!」
口上の最中で、リリアーナはステーンと転んでしまった。
裸足だったため、割れたガラスで足の裏を切ってしまったようだ。
「ま、まきびしなんて卑怯だわっ!!」
リリアーナは涙目で抗議した。言いがかりここに極まれリ!である。

179 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/23(水) 21:51:04 0
>166
ズトーン!という音がして、かまくらの中に何かが突き刺さった。
フリージアが目を凝らせば、きっとかまくらの壁に頭を埋めている黒猫を発見するだろう。
黒猫は壁から下半身だけはみ出した姿でじたばたしている。

どうやら壁の中に突き刺さった頭が抜けなくなったようだ。
このまま放置すれば、息が出来ずに窒息するだろう。

180 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/04/23(水) 23:19:00 0
>177
ふと空を見上げると視界に入ってきたものは・・・空にはありえない何か。
ナイトシェードという暗視薬を始め、各種薬物で強化されたベアトリーチェの目は暗闇の中でもそれを正確に捉えていた、
「・・・人!」
かなりの高度から落ちてくる。
浮遊行動をする素振りも見せぬ事にベアトリーチェは驚いた。
このままでは確実に地面に叩きつけられ、潰れたトマトのようになる事は間違いない。
待ち受けるのは・・・死!
そう思った瞬間、ベアトリーチェは傘を放り出して駆け出した。

ベアトリーチェは誰よりも生に執着する。
くちづけは愛を語らず、抱擁はぬくもりを生まない。
意に問わず触れる者全てに死を招く。
何も生み出すことのない身体・・・。
だからこそ、生に執着する。

魔の森を腐海に変え、神経毒で麻痺させ寄生させても、殺す毒は放たなかった。
腐食ガスでソフィアを溶かしても殺すつもりはなかった。形状はどうあれ生かしておきたかった。
キサラを氷雪系の女と勘違いしていても、いたぶりはしても殺す事はなかった。
怒髪天を突く怒りの激情に飲まれても、ヴァンエレンに致死毒は与えなかった。
そしてあらゆる戦闘をクローンに任せていた事も・・・
それはリバースでの戦略性の産物ではあるが、別の側面もある。
死にたくない、殺したくない。
生むことが出来ないのであれば、せめて殺す事はしたくない。

その強き想いが、記号で呼ばれていた毒姫をベアトリーチェに足らしめたのかもしれない。

庭園を駆け、落下地点に到着した時、それがソフィアだと判った。
そして自分では助けられない事を悟る。
あの高さから落ちてきた人一人を受け止めるには圧倒的に足りないのだ。
ドーピングした身体でも受け止めきれない。
制動制御の魔法が使えぬ以上、受け止めてもその衝撃は二人にかかる。
だから・・・
「嫦娥7号!喰らえ!!」
ベアトリーチェの叫びに応えるかのように、湿原に突如として大きな穴が開く。
その直径は30mにも及ぶだろうか?
穴からは巨大な触手が飛び出してきて、恐るべき速さで天に向かい伸びてゆく。
ミミズではない別の何か!
触手は正確にソフィアを捉え、表面の粘着質がその身体を絡め取る。
そのまま大きくしなり、縮み、穴へと戻っていった。
ソフィアを飲み込むと穴は音もなく閉じ・・・数秒後ぺッと吐き出した。
抗体を持つが故に飲み込まれずに吐き出されたのだ。

庭園隅に転がるソフィアは粘液に塗れているが傷はない。
が・・・寒さに震え、ところどころ凍傷にかかっているのがわかる。

「ふふふ・・・本当はもう少し後で出会うはずだったのに・・・」
ベアトリーチェはソフィアを抱きかかえてラボへと戻っていく。
たとえ抱かれても粘液が保護幕となり、ソフィアを侵す事はない。
本来ありえぬ行動。
殺し合いの場で本体を晒し、あまつさえラボに連れて行く。
それは庵でも邂逅がもたらした幸運なのだろう。

ラボでソフィアはあらゆる治療を受ける事になる。
鍼、灸、薬などベアトリーチェの出来うる限り全ての治療を。

181 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持1(自)] 投稿日:2008/04/24(木) 00:44:58 0
 ミルクが扉を破ってラボに突入してから数分後。
 降りた隔壁の前には少年が一人立っている。
「“煮ても食えない
  女心と松ぼっくり”」
 呟きながら懐に手を突っ込み、渦巻きマーク付きのペンを取り出して隔壁に何かを書き始めた。
 描いていくのは縦に細長い長方形だ。漫画で歯を剥いて笑う口のように、細かいギザギザ模様が入っている。
 天辺には小さな金具のようなものが一つ。
 狐耳の少年は右手でペンを動かしながら、両耳に付けた耳当てのようなものに左手を当て、
「HQ、HQ。こちらキサカ。中の様子はどうなっている?」
 僅かな間の後、耳当てから鼓膜へと声が鳴る。
『んーなんかエロい声が聞こえるよ。難しく言うと嬌声』
「けしからん急がねば……! ってかそっちは映像も見える筈だろうよ。どうなってる?」
『ミルクの勇気が世界を救うと信じて……!』
「もうちょっと詳しく」
『チョコの化身と化したアルナワーズが「撃て――ッ! ミルク・パウダーシュガ――ッ!」』
「ローエングリン! ローエングリンじゃないか! あんにゃろう神の伴侶のくせにロマンがあるな」

 陽電子砲はさておき、侵入目的は中に居る女性の身柄だ。
 友人が展開した亜空間で治療を受けていたキサカは、
 エマージェンシーが起きたラボ内のライブ映像に、見覚えのある格好を見る。
 友人は薬学科だが、チョコの研究には参加していない。
 リバース内とはいえ実際の研究が危険なのは確かだ。危ないことは出来る限り避けるのが普通。
 でもだからといって仮にも共同使用スペースに監視機構を仕込んでくるのはどうかと思う。見学ってレベルじゃない。
 同じ薬学科生徒とはいえ怪しまれずに仕込めるのかと疑問やツッコミどころは多いが、
 機密保持もへったくれも無い友人には感謝せねばなるまい。
 映像の女性に対し、なんか色々とサイズおかしくね? と疑問を浮かべれば、友人が独自の見解を述べる。
 ……そういえば個人情報保護とかどうなってるんだこの学園。
 話を聞いて、やっぱりあの時の爆熱シスターか、とキサカは対象を確認する。

「――完成っ」
 左手でペンの蓋を嵌めると同時、右手で絵の金具に指を押し当てれば、僅かな反動の後指先が揺れる。
 それに疑問符を浮かべたものの、構わずそのまま手を引き落とした。
 演習室で起こしたのとは少し違う音と共に、隔壁にジッパー状の穴が開く。
 いざ、と身を押し込もうとした途端、甘ったるい臭いが鼻を突いた。
 うぁ、と一度身を引いたがこのまま帰るわけにも行かず、頭からジッパーに身を入れる。

 まず、うおっまぶしっ、と室内灯に目を細める。
 次にジッパーを消して物影へ隠れ、複数の生徒に囲まれた白衣の女性を観察する。
 無計画に出ていくと何が起こるか判らない。
「絶対嘘だーっ! 何かやばい薬入ってるだろこれ!」
 薬とクスリは違うんだぜ。発音がなってないな。
「くそっ! 失敗だ! 気づかれたぞ!」
 つか同じ学園の女子生徒に薬盛るなよ。
「攻撃魔法に注意しろ! 防御結界展開!」
 詠唱される前に薬品使えよ。
「ミルクは攻撃は強力だけど防御は貧弱よ! 鎮静剤持ってきて!」
 つまり基本S内面Mですかそうですか。
「鎮静剤よりガスの方がええで! 鎮圧ガスで昏倒させたれ!」
 そんな猛獣みたいな扱いしなくても。
「ぎゃーっ! 助けてアルナワーズ! 解剖されるーっ!」
 うわアル様絡みですかよ。
 一通りダメ出しを終えたところで、さてどうやって救出しようかと考える。
 華麗に、そして優雅に。例え人非人でも女子を張り倒すのは避けたい。
 だが野郎は殴る。しこたま殴る。
 鎮圧ガスで昏倒させようか、と騒ぐ生徒達を眺めながら首を掻いていると、
 不意に視界がブラックアウトした。

182 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持1(自)] 投稿日:2008/04/24(木) 00:49:42 0
 何拍か置いて、視界と言うよりは部屋が真っ暗になったことに気付く。
 キサカは曲がりなりにも獣の亜人だ。夜目はそれなりに効く。
「チョコの危険性を教えるのと、ミルクを助けるの、両方してあげる〜。」「チョコの危険性を教えるのと、ミ
 ルクを助けるの、両方してあげる〜。」「チョコの危険性を教えるのと、ミルクを助けるの、両方してあげる〜。」
 突然サラウンドで聞こえるアルナワーズの声。黒幕お前かよと胸中で突っ込みを入れつつ、キサカは左手を左耳へ。
「HQ、HQ。こちらキサカ、攻撃を受けている」
 数秒待ってみるものの、応答は無い。
 俺が馬鹿みたいじゃないかと憤慨しても手遅れだ。
 この調子だと映像装置他も駄目だろう。救助なんてどちらにせよ期待できない。
 釣りか、釣りなのか。と、甘い臭いが強さを増すのに顔をしかめていると、床に倒れ沈んでいく生徒をキサカは見る。
 なんかわからんがミルクと合流しよう、と思うと同時に足が床にめり込んだ。
 驚き、足に力を入れれば粘性がある。
 なにこれ、と思ったが、眼を凝らして見れば、
「チョコ……だと……!?」
 ……甘いのが嫌いだと知っての狼藉かチクショウ。
 嘆いている余裕があったら脱出しよう、とキサカは足回りの確保を開始する。
「“双光の使徒よ、覚醒せよ。汝の波動は永遠の詩なり”」
 ズ、と身体を震動が伝う。
 深呼吸すれば甘さが鼻を突くが、この際我慢するしかないだろう。
 薬学科なら特殊マスクぐらいはあるだろうが、床すらチョコレート化しているのを考えると使い物にならない確率が高い。
 足を踏み直せば床には弾性がある。足跡には細波のような紋様。
 行ける、とミルク達がいたであろう方向を見ると、熱く語る男子がミルクの傍で障壁を張っていた。
 ……入る隙間無いなぁ。

 攻略ヒントと身の上話を終え、勇んでチョコへ沈む男子生徒。
 障壁が解除されればチョコレートを止めるものは無く、研究生やらマドハンドやらがミルクを取り囲む。 
 ……なにこの光景。

 いつの間にか手に包囲されていることに気付き、キサカは一歩目から大きく足を踏み出した。
 床が柔らかいせいか足音が無い。伸びてくる手を殴り払って足は前へ。
 ミルクへ一斉に掴みかかる手の中にキサカも腕を突っ込み、
「うろたえるんじゃあないッ!」
 無理矢理チョコの波から引きずり出す。当然キサカも多方向から掴まれるが、波紋モードを頼みに強行突破。
 留める抵抗を振り払って距離をとる。
 緩急をつけて力を入れステップ。ミルクを引き摺る姿勢からそのまま抱え込み、って、
 ――重ッ!
「……ッ!」
 口に出すのは無礼の極み……!
 たたらを踏んで、キサカはとりあえず姿勢を制御する。

 距離を詰めてくるチョコレート達を前に、キサカは迷っても不安を感じない。
 恐れれば身が強張る。だが状況を把握して対処すれば意外と何とかなる。
 長く深い呼吸を一つ。
「「勇気」とは「怖さ」を知ること。「恐怖」を我が物とすることだ。
 呼吸を乱すのは「恐怖」。だが「恐怖」を支配した時、呼吸は規則正しく乱れないッ。
 波紋法の呼吸は「勇気」の産物。人間賛歌は「勇気」の賛歌ッ。
 人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ。
 いくら無敵でもこいつらチョコレートは「勇気」を知らん。ノミと同類ッ」
 落ち着け、と自分に言って聞かせ、視線をチョコレートから外さぬまま言う。
「ミルク・パウダーシュガーと見た。ご同行願いたい」
 足から背へと力を入れ直し、全方位から囲まれたのを確認。
 ……切実に腕つりそう。
「逃げるなら手を引こう。戦うなら手を貸そう。……俺としてはとっとと逃げ出したい」

183 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/24(木) 17:04:48 P
「とりあえず外に出てラルヴァさんにサラマンダーが何処に行ったか聞いてみましょっと」
と重い腰を上げるフリージアであったが・・・

>179
突然、ズドーン!という音がしてグラグラと揺れる鎌倉
「な、何ですの!?」
あっと驚くフリージア!
扉を開けるとあわてて外へと飛び出していく

鎌倉なのに何故扉?

「一体何が・・・・!?」
今にも窒息しそうなルズを見つけ
またしてもあっと驚くフリージア!
「た、大変ですわ!い、今、助けますわよ!!」
あわてて後ろ足を引っ張って引き抜こうとする

「えい!!」
スッポーン!
引き抜けたまでは良かったのだが・・・・
勢い余って後ろのほうに投げ飛ばしてしまった
た〜まや〜といった風情である

「・・・・・ちょっと勢いが強すぎたかしら?」
そういう問題ではないと思われる

「とにかく追いかけなきゃ!」
ルズが飛んでいった方向へと駆け出すフリージア
フリージアが踏みしめた地面には人間よりも少し大きい足跡が残る
フリージングドールは人間より大きいからだ

「お待ちなさいな!!」
ルズを追いかけるフリージアの頭からはギズモのことなんてすっかり抜け落ちていた




(その頃のギズモ)
フリージアがご飯を用意するのを忘れたため
現実世界のギズモは飢えていた・・・・
「オナカスイタ・・・・」
「おなかすいた・・・・・」
「お腹・・・・」
てゆっか!いつの間にか漢字まで喋れるようになってるし!?


184 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/24(木) 18:43:26 0
>168
> ラルヴァが何か言おうとする前に、それは起こった。
> 「フギャ〜!!」
> ルズはラルヴァが開けた扉をすり抜けると、猛吹雪の中に飛び出して行った。
「黒猫さん!?…あなた、黒猫さんに何をしたのよ!?」
エルザはラルヴァに言いがかりをつけた。
しかし、実際はエルザのせいである。

>174>178
その時だった。小さくなったリリアーナを背負ったランドが校舎の玄関に入ってきた。
エルザはランドを見てまたしても驚き、ラルヴァに問いただした。
「こ、今度は何!?あなたの仲間!?何であんなにパッツンパッツンなのよ!?」
パッツンパッツンとは、ランドの服の事だ。ランドが10歳年を取ってしまい、
服が小さくなってしまった事など、エルザが知る由も無い。
エルザにとって、そんな服装をするのは変態かコメディアンくらいしか思いつかなかった。

> 「だ、誰っ?誰かそこに居るのっ?!」
コメディアンが連れていた小さい女の子がエルザとラルヴァにそう尋ねた。
この女の子も、体のわりに大きい服を着ていて、だぼだぼだ。
エルザは彼女の声を聞き、ランドを見た時以上に戦慄した。
「まさか、そんな…!」
> リリアーナはロックバスターを召喚した。
> 「い、言っておくけど私達強いんだからね、に、逃げるなら今のうち――――痛っ?!」
> 「ま、まきびしなんて卑怯だわっ!!」
> リリアーナは涙目で抗議した。
しかし、涙目になったのはエルザも同じだった。
「ああ、リリアーナ!またあなたと会えてうれしいわ!私よ…エルザよ!」
エルザの格好が、白装束から黒ゴスロリに変わっていても、リリアーナにはすぐにエルザだとわかっただろう。
エルザがこの小さな女の子の声を聞いて、リリアーナだとすぐに気づいたように。
エルザはリリアーナに駆け寄り、足の傷を確認した。
しかし、残念ながらエルザにはそれを治療する準備が無かった。
「リリアーナったら、男になったり、小さくなったり忙しいわね。
 用事が済んだのなら、私と一緒に行かない?」
エルザは朗らかにリリアーナにそう言うと、すぐに顔が恐くなった。
恐くなったエルザの顔が、ランドの方を向いた。
「で、あなたは一体何なのよ?どうしてリリアーナがこんなに小さくなったわけ?
 そもそも、あなたはリリアーナと一体どういう関係なのかしら?」

185 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/24(木) 22:07:02 0
>>167>>165
>「カモフラージュといっても視覚的に見えなくするだけだぞ。」
「ま…まあないよりはいい。視覚だけでも惑わせるんだ。」
そういって僕は自分を納得させる。実際かなり不安は不安だけど…
やってもらっているから文句なんて言えるわけもないしな。
それにこの霧がごまかしてくれるかもしれない…ペンダントがあるから絶対とは程遠いが…
>「そこの窓から少し覗いてみないか?」
クリスはそういってすぐそこの窓を指差す。確かにどうなっているのか心配といったら心配だ…
見つかるかもしれない…と思ったが覗いた程度で見つかるようなら
どうせ覗かなくてもすぐに見つかるな……
「実をいうと僕も気になっていた。覗こう…」
そして僕とクリスの二人で窓を覗き込む…すると外でヴァンエレンは王冠骸骨にひれ伏している。
どうやらあの王冠骸骨がアンデットの王という奴か…
「しかし、同じ魔族だというのにヴァンエレンの奴あそこまで縮こまることないじゃないか…
 あいかわらず気が小さい男だな……」

僕がヴァンエレンを情けなく思っている間にもアンデットの王とヴァンエレンの話しは進んでいき、
どうやら元々暴れたがっていたのもあったのか僕たちの作戦は成功へと向かったらしく。
鏡の向こうからおびただしい数の魔物達がその姿を現し始める。
そしてアンデットの楽しもうの一言が聞こえると待ちきれないように行軍を開始し始める魔物たち…
見たことは無いが地獄を表すかのような光景を僕が見ていると…
ふとアンデットの王がこっちを凝視している…おそらく見破られているだろう…
終わったと思ったが…アンデットの王はそのまま去っていく……
「おい見破られてるじゃないか!!何がカモフラージュだ!心臓止まりそうになったじゃないか!!」

しかし、クリスはそのまま家を出ると正座しているヴァンエレンのところに向かっていく。
僕もクリスの後を追い精神的にちょっと疲れきって正座しているヴァンエレンのところに向かう。
>「お疲れさん。いろいろあると思うが今は一晩ここに泊めてくれないか?」
クリスの言葉を聞き、今の時間帯や自分の現状を今一度思いだす…
「そういえばもう時間的には夜なのか…よしヴァンエレン。僕もここで仮眠するぞ!
もちろん来客のことを考えてベッドは何個もあるよな!?」

186 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/04/24(木) 22:45:54 0
メラルが屋上から去っていくのを見送り、アルナワーズはじっと学園を見下ろしていた。
そしてその異変を一つ一つ整理したいたのだ。

まずは自分の異変。
既に時刻は22時をとうに過ぎ、深夜の域へと入ろうとしている。
にも拘らず、体調に変調はない。
普段ならば既に熟睡中であり、無理して起きていれば極端な体調不良に見舞われる。
ゴーストとなって体内時計も停止しているのだろう。
これならばじっくりと観察が出来るというものだ。

この異変はありがたいことであるが、更なる異変は少々困った事になっている。
思念体であるミニアルナワーズとの意識同期が出来なくなっている。
ラヴスポットから薬物学科実験棟へ飛んだのは特異点の異変によるものだと想像できる。
が・・・それ以降、意識同期ができないので何が起こっているか知る術がない。
特異点異変の影響か、別の要因か。
どちらにしても無事ではあるまい。
ミニアルナワーズが、ではない。
それを持っていたリリアーナが、だ。
ミニアルナワーズが幻灯機から遠くはなれることはまずないので、リリアーナも薬物学科実験棟にいることになる。
薬物学科生達にはチョコ調達で貸しを作ってある。
だからミニアルナワーズと、それが憑いているリリアーナに危害を加えることはないはずなのだが・・・
実際に何があったのかは確かめようがない。

そしてもう一つ。
地下から湧き上がってくる禍々しい気配。
そう、まるで何かが溢れてきたかのように。
大きな力がうねりを上げて這い上がってきたようだ。
誰かの儀式による力か、教師が本気を出したか。
なんにせよ、このイベントに大きなポイントとなることは間違いないだろう。

様々な事を考え整理し、一言。
「・・・あるがままなり・・・!」
すがすがしい笑みを浮かべ、呟くのだった。
「でもぉ・・・メラルはレイド先生達の対応で手一杯だろうしぃ〜。また貸しひとつぅ〜。」
楽しそうに言葉を残してゴーストアルナワーズは飛び立った。

>176>182
その先で見たものは・・・巨大な塊。
薬物学科実験棟だったソレは最早まったく別の何かになっていた。
四階に穴を見つけ、覗いてみると、ミルクとキサカが絶体絶命の状況。

「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」「キサカじゃな〜い!
戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、
私と一つになりましょう〜。」
「 ワ タ シ と 一 つ に ナ り ま し ョ う 〜 。 」

全方向から響くチョコナワーズの声。
そして吊天井ヨロシク、天井のチョコナワーズの顔が迫ってくる。
圧倒的質量のベアトリーチェチョコが巨大な顔となってくちづけをするが如く部屋ごと押し潰しにかかる。

「取り込み中ごめんなさ〜い。私の思念体とリリィ見なかった〜?」
キサカとミルクの危機的状況も省みず、のんびりと声をかけるのであった。

187 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/25(金) 16:45:23 O
>181-182 >186
>「うろたえるんじゃあないッ!」
声と同時にひときわ強い力で誰かがあたしを引っ張った。
「うわっ!なになに誰!?」
突然のことによけいうろたえるあたしを、誰かさんはチョコナワーズの中から引っ張り出して抱え込む。
その顔には、より正確にはその頭には見覚えがあった。
「あんた、リリアーナやエルザと一緒にいた狐耳!?
もしかしてエルザも一緒にいるの!?」
慌てて周りを見回すけど、エルザの姿は見えない。
あの後また何かあって別れたんだろうか。
まあ、今はエルザの居場所より、チョコナワーズをなんとかしなきゃいけない。
迫るチョコレート達にも狐耳はまるで怯む気配もなく、人間と勇気の素晴らしさを述べる。
詩人なのか、それともあたしの知らない『波紋法』とやらの準備なのか。

>「ミルク・パウダーシュガーと見た。ご同行願いたい」
まだ自己紹介もしていないのに、狐耳があたしの名前を呼ぶ。
>「逃げるなら手を引こう。戦うなら手を貸そう。……俺としてはとっとと逃げ出したい」
「逃げるわけにはいかないけど、戦うにはここじゃ不利すぎる!
いつまでこの部屋がもつか分からないし、いったん外に出るわよ!」
幸いリーダーの内部工作のおかげか、さっきの窓の穴はまだ塞がっていない。
今の内ならあそこから外に出れそうだ。

>「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」
>「 ワ タ シ と 一 つ に ナ り ま し ョ う 〜 。 」
狐耳にキサカと呼びかけるチョコナワーズの声が四方から聞こえる様はまさに四面楚歌。
キサカ…ってリリアーナが言ってたグレイブかグレイルと戦ってた奴だよな。
なるほどその時にリリアーナと別れたのか。

>「取り込み中ごめんなさ〜い。私の思念体とリリィ見なかった〜?」
チョコナワーズとはまた違う、場違いにのんきなアルナワーズの声が聞こえる。
見れば、ふわふわ浮かぶ半透明アルナワーズの姿が。
こいつ見れば分かるだろうに何言ってるんだ!
「アルナワーズ=アル=アジフ!
開始早々、自分からゴーストになったくせにゲームに干渉だなんていい度胸じゃない!
あんたの思念体なら、ベアトリーチェチョコと一緒になって今あたしとキサカを襲ってるわよ!」
取り込まれても反抗する気ならできるのは、リーダーの言葉から分かる。
どうせ面白い事になりそうだ、なんてアルナワーズが考えて同調したに決まってるのだ。
「リリアーナの方は…時空の狭間に吸い込まれた後どうなったかわかんない。
あたしはこの近くに出たから、実験棟の中にいるのかもしれないけど…
とにかく、今は脱出優先!
キサカ!引っ張って引っ張って!急がないと潰されるーっ!!」
吊り天井チョコナワーズが迫ってきてるのに、足下ドロドロでなかなか穴に近づけない。
キサカは足場があるみたいだけど、どうすればあんな事が出来るんだー!

188 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/04/25(金) 18:17:41 0
雪の壁に頭を突っ込みふごふごしているルズの後ろ足を、巨大な冷たい手が掴んだ。
>「えい!!」
>スッポーン!
>引き抜けたまでは良かったのだが・・・・
>勢い余って後ろのほうに投げ飛ばしてしまった
ひゅるるる―――― っ!
「うにゃ〜〜ん!!」
涙をちょちょ切らせながら、ルズは空とぶ猫になった。

すわ墜落!と思いきや、意外と衝撃は少なかった。
「ふい〜。助かったのですわ〜。
 わたくしを受け止めて下さった方〜ありがとうなのですわ〜!!」
そう言って命の恩人を見上げたルズは固まった。
目の前には甲冑を纏った骸骨が3体。他にもアンデット系のモンスターがうようよしている。
「だ、誰かが召喚したのですの〜?臭いのですわ〜醜いのですわ〜!!サイアクですわ〜!!」
骸骨の一体がが、ルズの尻尾を鷲づかみして持ち上げいただきまーすとばかりに大口を開けた。
「「うにゃ――――っ!!アンデットに食べられちゃうのですわ ――― っ!!」
 骸骨が食べ物を口にしても意味がありませんわ〜!やめるのですわ〜!!
 誰かぁ〜、た〜すけてぇ〜っ!!」

ルズ、絶体絶命である。


189 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/04/25(金) 18:19:53 0
>184
>「ああ、リリアーナ!またあなたと会えてうれしいわ!私よ…エルザよ!」
「エルザ・・・・・・」
リリアーナはまん丸に目を見開き、呆然とエルザを見上げている。
白装束からゴスロリ服に着替えても、リリアーナがエルザをみまちがえるはずも無かった。
>エルザはリリアーナに駆け寄り、足の傷を確認した。
リリアーナは戸惑い遠慮がちに身を引いた。
>「リリアーナったら、男になったり、小さくなったり忙しいわね。
> 用事が済んだのなら、私と一緒に行かない?」
「えと・・・・あの・・・・・・」
エルザの上機嫌さとは裏腹に、リリアーナは元気が無い。
リリアーナは気まずそうに俯いた。気持ちの整理がつくまで、出来れば会いたくなかったのだ。
そのため、彼女の恐くなった顔には全く気づくことが出来なかった。

>174
>「で、あなたは一体何なのよ?どうしてリリアーナがこんなに小さくなったわけ?
> そもそも、あなたはリリアーナと一体どういう関係なのかしら?」
リリアーナははっとし、エルザの袖口を引いた。
「あ・・・えっと、彼はランドアンド。私と同じ治癒魔法科の生徒なの。
 私は覚えてないんだけど、ラヴスポットで酔った私の介抱して、ずっと一緒にベッドの上にいてくれたんだって」
リリアーナは不思議そうに首を傾げた。
「あれ?そう言えば何で私小さくなったのかな?目が醒めた時上着もスカートもはいてなかったし・・・・・?」
吹雪の中にベッドごと放り出された衝撃で、細かい事に全然気が回らなかったようだ。

>158
ここにきてようやくリリアーナは、近くにいたもう一人の人物に気づき歓声をあげた。
「あれっ?もしかしてあなたラル君?やだ、ラル君でしょ!!いつこっちに戻・・・っ!痛〜!」
リリアーナは喜びのあまり怪我を忘れて立ち上がろうとしたが、痛みでしりもちをついてしまった。
しばらく奥歯をかみ締めていたものの、痛みをやり過ごした後また無邪気な笑顔を浮かべる。
「ラル君本当に久しぶりっ! いつ学園に戻ったの?シャニィ達は元気?メラルさんにはもう会えた?
 もしかして、背、少し伸びたんじゃない?角も生えてるし・・・・・ああ、もっとよく顔を良く見せて!」
動けないリリアーナは質問攻めの後、心底嬉しそうな顔でラルヴァに手を差し伸べた。
「なにがともあれ、お帰り、ラル君!」
どうもリリアーナは、今がリバースでのゲーム中だということをすっかり失念しているようだ。

「そういえばエルザ、ロックはどうしたの?さっきから姿が見えないようだけど・・・」
リリアーナはエルザが下げているペンダントに目を止めた。
「あ、ロックのペンダント!見つかったのね、良かった〜。
 あれっ?でもこの赤毛のペンダントってもしかして・・・・・・?」
よくよく見ると、エルザが持っている棍棒はアンジェリーナの物にそっくりだった。
「エルザ、もしかしてアンジェリーナと・・・じゃなかった、アンジェリーナ先生と勝負したのかな?それとも・・・・・・」
リリアーナは引きつった顔のまま、エルザがつれているアウルをじいっと凝視した。
「ま、考えすぎよね〜。何かさっきから嫌〜な予感がするから・・・・・」
リリアーナはあはははは、と乾いた笑みを浮かべた。

190 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/25(金) 20:13:21 0
>189
「…二人とも知り合いだったの?」
エルザはリリアーナの説明を聞き、そうつぶやいた。

> 「そういえばエルザ、ロックはどうしたの?さっきから姿が見えないようだけど・・・」
「ロックなら今頃かわいい子猫ちゃんとデート中じゃない?私はふられちゃったのよ。」
ある意味、真実である。ロックは猫達を暖めるために別行動をしている事を、エルザはリリアーナに説明した。
エルザがロックのペンダントを死守する限り、猫達はロックによって暖められるだろう。
> 「あ、ロックのペンダント!見つかったのね、良かった〜。
>  あれっ?でもこの赤毛のペンダントってもしかして・・・・・・?」
「私も最初は驚いたけど、間違いなくこれは…アンジェリーナね。」
人形のアンジェリーナは、普段よりももっと無表情に見える。
どうやったらこんな無表情な顔ができるのか、エルザには不思議でならなかった。
> 「エルザ、もしかしてアンジェリーナと・・・じゃなかった、アンジェリーナ先生と勝負したのかな?それとも・・・・・・」
> リリアーナは引きつった顔のまま、エルザがつれているアウルをじいっと凝視した。
エルザもそれに気づき、アウルの顔を見たが、特に何の変哲も無いアウルだった。
> 「ま、考えすぎよね〜。何かさっきから嫌〜な予感がするから・・・・・」
「アンジェリーナは………もうリリアーナったら、そんな細かい事どうだっていいじゃない♪」
エルザはリリアーナと一緒になって笑った。(「あははははははっ♪」)
しかし、目は一切笑っていなかった。

「ところで、リリアーナ。さっき言った事が少〜し気になるんだけど♪」
エルザの顔から少し笑いが取れた。
「そこのランドアンド君がリリアーナの介抱をしたんですってねぇ?
 それも、ベッドの上でずっと一緒に。それで、
 寝ている隙に上着とスカートを脱がされて、小さくされたわけね〜♪」
エルザの顔が突然鬼のような顔になった。
「ふざけるんじゃないわよ!!このロリコンがぁ!!」
鬼のエルザはそう叫びながら、倒れているランドの顔のすぐ近くに棍棒を叩きつけた。
ランドの顔に、棍棒の一撃によって砕けた床の破片がかかる。
「次から次へと、私の邪魔をしやがって…
 まずは、貴様からぶっ殺してやる!ぬあああああああっ!!」
エルザは次の一撃を繰り出すべく、棍棒を振り上げた。そして、突然その場の空気が腐肉臭に包まれた。

191 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/25(金) 20:16:31 0
>165
エルザは棍棒を叩きつけた。ランドにではなく、
エルザのすぐ後ろに迫っていた男の足に、だ。
男の足があらぬ方向に曲がり、そのまま地面にうつ伏せに倒れた。
「なんなのよ!?こいつ!?」
エルザは倒れた男を見て驚いた。腐肉臭を体中から発するその男は、
どう見てもゾンビだったからだ。ゾンビは倒れてもなお床を這いつくばりながらエルザに迫った。
「嫌…来ないでよ…あっちに言ってよ!」
そんな叫びも虚しく、エルザの足にゾンビの腕が絡みついた。
「いやあああああああっ!!」
エルザは悲鳴をあげ、ゾンビの頭をぐしゃりと踏み潰した。
「はあ…はあ…はあ…うぇぷっ!?…ぶふっ!」
エルザは気持ち悪くなり、その場で嘔吐した。辺りを包む腐肉臭に、酸味のある臭いが追加される。

その時、廊下の奥から無数のうめき声が聞こえてきた。
見れば、たくさんのゾンビがノロノロとこちらに迫ってきているではないか。
「まったく、次から次へと私の邪魔を…」
エルザは、口元を拭いながら、懐からナイフを取り出した。
右手には棍棒、そして左手にはナイフを持っている。
そんなエルザは、どうやら頭の中で何かが吹っ切れたようだ。
「全員まとめてぶっ殺してやる!!うおおおおおおああああっ!!」
エルザは、ゾンビ達に襲い掛かっていった。

エルザの攻撃が、ゾンビ達の肉を裂き、骨を砕き、内臓を潰した。
ゾンビを殺傷していくエルザの目は、らんらんと輝いている。
おとなしいエルザしか見たことなかったリリアーナにとっては信じられない光景かもしれないが、
もしこの光景をロックが見たら間違い無くこう言うだろう。これがエルザなのだ、と。

192 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/04/25(金) 22:28:51 0
死王が招く極楽の 戦場目指し賑わしく。
魔の行列は死の誘い どんじゃんどんじゃん百鬼夜行。
人間共は誘われた 生きて帰らぬ百鬼夜行。
どんじゃんどんじゃん百鬼夜行。
哀れ人間は呆然と どんじゃんどんじゃん百鬼夜行。

>167
>「お疲れさん。いろいろあると思うが今は一晩ここに泊めてくれないか?」
王もどこかへ行ってしまって、魔物の気配があたりにはしなくなったために安全と判断したであろうクリスが家から出てきて労いの言葉をかける。
>「そういえばもう時間的には夜なのか…よしヴァンエレン。僕もここで仮眠するぞ!
>もちろん来客のことを考えてベッドは何個もあるよな!?」
時刻としてはちょうど良い人間の子は寝る時間になっているため、疲労もたまっているだろうマオとクリスは泊めてくれとヴァンに頼みこむ。
「ん?あぁ、ベッドなら二階に来客用のが複数あるから案内しよう」
ヴァンはようやく二人が家から出てきて声をかけられたことに気がついてすぐさま返答する。
長いこと正座をしていたせいで多少足がしびれてフラつきながら再び家に入って二階へ案内をはじめた。
「あぁ、そうだ…。
 ペンダント回収はどうやってしようか?」

二階は一階よりも明かりが少なく、各々のベッドがある部屋へ向かう廊下はわずかな明かりがかすかに導いている。
歩みを止めたヴァンたちの前にはたまにもぐりこんで来る客専用になってしまったほとんど無人の部屋が二つ。
「どちらでも好きなほうを選んでくれ。
 中のつくりはだいたい一緒だからどっちを選んでも同じだ」
片方の部屋の扉を開けて中のつくりを二人に見せる。
机とふかふかのベッドのみの実に簡素なつくりの無駄がない洋風の部屋だった。
「私も少し疲れたから自分の部屋で休むよ…。
 なにかあったら奥の部屋にいるからノックでもしてくれ」
そう言って猫背のまま歩き出してそのまま自室に閉じこもってしまう。


夜の校舎では魔物たちが紅い眼を光らせて、どんどんと内部にいる生徒たちを仕留めていく…。
ゾンビやゴーストは校舎外の人間を狩りにいき、スケルトンは隊列を組んで食堂にたどり着くと入り口の前で一人の女傑が仁王立ちしていた。
周りには先発で来ていたはずのスケルトンがバラバラになって錯乱していた。
フライパンと箒を手にして立つおばちゃんの後方には遠距離魔法を打つ準備をしている生徒たちの姿があった。
「このあたしがいる限り、食堂での争いごととお残しは許しまへんで!」
ただならぬ強さを感じて思わず一歩後退してしまう前列のスケルトンたちだが、すぐさま武器を構えなおして眼前の敵へ一斉に襲い掛かった。
一匹一匹の骨の戦士たちを屠っていくおばちゃんと魔法で支援する生徒たちの戦いぶりは見事であった。
しかし生徒たちの魔力の消費も激しく、湧き水のごとく襲いくる魔物たち相手にそう長くも持たないだろう。

193 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 00:46:21 0
>「そういえばもう時間的には夜なのか…よしヴァンエレン。僕もここで仮眠するぞ!
もちろん来客のことを考えてベッドは何個もあるよな!?」
どうやらマオは時間感覚が麻痺していたらしい。
まあアンデッドの王に見られていたんだから分からなくも無いが…
>「ん?あぁ、ベッドなら二階に来客用のが複数あるから案内しよう」
正直雑魚寝でもよかったのだが、来客用のベッドがあるらしい。
せっかくだからお言葉に甘えてベッドを使わせてもらおう。
…しかしこんな所に来客なんて来るのだろうか?
>「あぁ、そうだ…。
  ペンダント回収はどうやってしようか?」
どうでもいいことを考えていたら回収についての話題が持ち上がった。
「やっぱり自分たちで回収するしかないんじゃないのか?」
それ以外の案なんて思いつかない。
だいたいさっきの光景からして魔物たちが回収してくることは無いだろう。
「あと回収は早めにしたほうがいいだろうな。」
すると魔物が倒した後に他の奴が漁夫の利状態でペンダントを手に入れているかもしれない。
「でも行動を起こすのは寝てからだ。」
でも睡眠は回収以上に必要だ。
戦闘中に寝不足で戦えなかったら問題にもならない。

吸血鬼について二階にいくと二つの部屋の前に案内された。
>「どちらでも好きなほうを選んでくれ。
  中のつくりはだいたい一緒だからどっちを選んでも同じだ」
どうやらここが来客用の寝室らしい。
吸血鬼がドアを開けた先には机とふかふかのベッドが置かれた洋風の部屋があった。
>「私も少し疲れたから自分の部屋で休むよ…。
  なにかあったら奥の部屋にいるからノックでもしてくれ」
「ああ、わかった。」
やっぱりさっきのでかなり疲れたのだろうか?吸血鬼は別の部屋に入っていった。
「さて、マオは右と左、どっちの部屋を選ぶ?」
吸血鬼の話では両方とも同じつくりらしい。
だったらレディーファーストで先に選ばせるのもいいだろう。




部屋に入ってからこれからの事を考えてみる。
外は今吹雪いている。秋なのに吹雪いているということは誰かの魔法である可能性があるし、朝に止んでいる可能性は低いだろう。
しかし外に出れないのは厳しい。
起きてから図書館で吹雪の中でも歩けるようになる魔本でも探したほうがよさそうだ。
そんなことを考えながらクリスは眠りについた。

194 名前:ラルヴァ&・・・ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 14:17:19 0
>179>183
轟音とともにかまくらが揺れると、かまくらの上のそれはぐらぐらとバランスを崩してしまう。
それでも尚、気配をひた隠しにしていると・・・
フリージアが現れ、更に猫を引っこ抜いて、追いかけ始めた。

「・・・・・・・・・・・・」
その様をしばらく眺めると、それは巨大な足跡を追って追跡を開始した。

>163>164>168
ようやっと辿り着いてみれば、黒猫がとても悲壮な表情をしているように見える。
それに対して、こちらをあからさまに警戒する女性。
>「あなたは誰!?何が狙いでここに来たの!?」

>178>184>189>191
そこで名乗ろうとした途端に、黒猫が悲鳴をあげて走り去ってしまう。
>「黒猫さん!?…あなた、黒猫さんに何をしたのよ!?」
「僕はあの子に対して手も触れてないのは見て分かると思うんだけど?
 あぁ、で。僕の名前はラ・・・」
と、言いかけたところで後ろから大声が
>「ラル君本当に久しぶりっ! いつ学園に戻ったの?シャニィ達は元気?メラルさんにはもう会えた?
 もしかして、背、少し伸びたんじゃない?角も生えてるし・・・・・ああ、もっとよく顔を良く見せて!」

「久しぶりだねリリアーナ。姿がちょっと変わったけど中身はあんまり・・・変わってないね。
 ロックとはうまくいってるかい?と、言うかまたトラブルメイカーしてるのかな。」
そう言って笑みを返す。

>174>191
振り返ればエルザが棍棒でもってゾンビを撲殺している。
それを見たラルヴァは、背中の大剣を引き抜き、リリアーナの視界にゾンビ達の姿が入らないように立つ。
そして懐から携帯食料を取り出すと、ランドの足元へ放った。
「旧交を温めるというのも悪くはないけど、邪魔が多いみたいだし・・・・・・
 そこの君、ランドアンドって言ってたっけ。できればリリアーナを守っていてくれると嬉しいな。」

手元が一瞬光を放ち、大剣は二振りの長剣へと姿を変える。
「問答無用に襲い掛かるその性質。口が聞けずとも語るまでもなくお前達は『敵』だ。
 容赦するまでもない。」
瞳を軽く閉じて、意識を己の内へ向ける。[追従自動投射設定 <左剣:石槍><右剣:礫弾>]

「援護するよ!」
そうエルザに声を掛け、ラルヴァは双剣を持ってゾンビの群れを切り伏せて、否。切り潰してゆく。
左の剣を振るえば、校舎の地面・壁面が槍となって相手を貫き、
右の剣を振るえば、校舎の一部が剥離、高速の弾丸として相手を撃つ。
詠唱をも必要とせず、ラルヴァはゾンビの殲滅を開始した。

所持品:ペンダント1(自前0、ザボーネの分)、携帯食料x2

195 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/04/26(土) 15:03:33 0
あげ

196 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 16:07:51 0
>>184

>「ああ、リリアーナ!またあなたと会えてうれしいわ!私よ…エルザよ!」
どうやら近くに居たのはリリアーナの知り合い、
リリアーナがラヴスポットで酔った際にランドに言っていたエルザという人物だった。
エルザがリリアーナに駆け寄り足の傷を確認する。
態度からするとおそらく親しい仲なのだろう。

エルザが敵ではないと知って安心するランドだが。
エルザは怖い顔をしてランドをにらみつける。
>「で、あなたは一体何なのよ?どうしてリリアーナがこんなに小さくなったわけ?
>そもそも、あなたはリリアーナと一体どういう関係なのかしら?」

そう、確かにエルザは子供化したリリアーナをリリアーナと分かるほどの友達かもしれない。
だがそれはリリアーナとの関係であってランドとではない。
当たり前のことだが向こうからしたらランドは他人であって怪しい男ということに変わりない。
ましてやこんな服装をしていれば尚更おかしく見られるだろう。

「いやえっと・・・関係は全くないっていうか・・・なんていったらいいのかなぁ・・・」

>>189-191
エルザの迫力にランドが圧されて思うように言葉を言えないでいると
リリアーナがエルザの袖口を引く。どうやらフォローを入れてくれるようだ。
>「あ・・・えっと、彼はランドアンド。私と同じ治癒魔法科の生徒なの。
>私は覚えてないんだけど、ラヴスポットで酔った私の介抱して、ずっと一緒にベッドの上にいてくれたんだって」
「そ・・・そう!それで・・・って・・・・・・え?」
リリアーナのフォローに乗っかろうと相槌を打とうとしたランドだが、
途中で言葉を止める・・・なぜならリリアーナの最後の言った言葉が、
あまりにも語弊を生むような言い方だったからだ。
>「あれ?そう言えば何で私小さくなったのかな?目が醒めた時上着もスカートもはいてなかったし・・・・・?」
おそらくリリアーナは悪気があって言っているわけではないのだろう。
だがこの流れは聞き手からするとまるでランドがリリアーナを小さくさせて何かしてたように思える。
フォローどころかもしかしたらランドに止めをさす一撃にだってなりえる。

エルザと共にいたラルヴァと再会を喜んでいるリリアーナとは見ながら
どんどん気分が沈んでいくランド・・・もはや覚悟を決めるしかないのかもしれない。
リバースと分かっている以上死んでも復活できるし、
なによりランドはもう正直なところリリアーナからはなれたいという気持ちもあった。



197 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 16:08:22 0
>「…二人とも知り合いだったの?」
覚悟を決めていたランドだったが、エルザはリリアーナの説明にとくに
過敏に反応することなく普通に流し、リリアーナと会話しはじめる。
今度こそ安心できると思ったランドだったが・・・そう甘くなかった。
>「ところで、リリアーナ。さっき言った事が少〜し気になるんだけど♪」
そしてエルザから笑みが消える。

>「そこのランドアンド君がリリアーナの介抱をしたんですってねぇ?
>それも、ベッドの上でずっと一緒に。それで、
>寝ている隙に上着とスカートを脱がされて、小さくされたわけね〜♪」
「ち、違っ・・・・・・」
しかし、否定する暇もなくエルザは鬼の形相を浮かべる。
>「ふざけるんじゃないわよ!!このロリコンがぁ!!」
「うわぁぁぁ!!ご、ごめんなさいバックベアード様ぁ!!」
そして憤怒したエルザはランドの顔のすぐ近くに持っていた棍棒を叩きつける。
床が砕けランドの顔に残骸がかかる・・・あと数センチずれていたら
おそらくランドの頭部に辺り頭蓋骨が粉々になっていたに違いない。
>「次から次へと、私の邪魔をしやがって…
>まずは、貴様からぶっ殺してやる!ぬあああああああっ!!」
そう叫びまた棍棒を振り上げるエルザ・・・ランドは眼を瞑り本日二回目の走馬灯を経験していた・・・

そして、棍棒の叩きつける音が聞こえる。しかしおかしい。
棍棒を叩きつけられたのに痛くない。もしかしたらもう死んだのか・・・
ランドはおそるおそる眼を空けてみると、エルザの棍棒はランドではなく違う男に振り下ろされていた。
何が起こったか分からないランドが呆然としていると腐乱臭がただよってくる。
臭いにランドは驚き起き上がる、エルザが倒した男から腐乱臭は漂ってきている。
よく見てみると男は完全に腐乱しており、見たままにゾンビだと分かる。

エルザは嘔吐しながらもゾンビを倒すが・・・向こうの廊下の奥からも
無数の腐敗した体がうめきをあげながらこっちに向かっている。
しかし、エルザは臆するどころか更に激怒しゾンビに向かっていく。
ランドはそんなエルザを見て恐怖した、ゾンビを倒したら次に殺されるのは自分だと・・・

>>194
どうやってエルザから逃げようと頭をめぐらせるランド・・・
その時ラルヴァがランドの足元に携帯食料を放る。
>「旧交を温めるというのも悪くはないけど、邪魔が多いみたいだし・・・・・・
>そこの君、ランドアンドって言ってたっけ。できればリリアーナを守っていてくれると嬉しいな。」
「え・・・あ、うん分かったよ・・・・・・」
心の中では守られたいのは自分だと思いながらもラルヴァの言葉にうなずきリリアーナの元に行く。
「リリアーナさん、足見せて・・・さっき切ったみたいだからさ・・・」
そういってリリアーナの足を見せてもらいキュアを唱えて傷を治す。
「じゃあボクの後ろに隠れててよ、あの二人が全部倒してくれるまで・・・」
ゾンビを全滅させたら今度は自分・・・死刑囚の気持ちでランドはエルザとラルヴァの戦いぶりをランドは見ていた。


198 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 21:05:42 0
>>186-187
 人間賛歌を並べ立てると、何言ってるんだこいつはと怪訝な視線を向けられる。
 ……気持ちはわかるが思い込みって大事なんだそんな眼で見るな。

「逃げるわけにはいかないけど、戦うにはここじゃ不利すぎる!
 いつまでこの部屋がもつか分からないし、いったん外に出るわよ!」
「やっぱり戦う羽目になりますかよ……」
 御意、とキサカはミルクを抱えたまま足を窓へと向ける。
 人が通れるかどうか怪しい程度の大きさしかないが、壁を破るよりは穴を広げる方が楽だろう。
 床を踏み抜けば釜の中、なんてことも十分ありうる。
 よろめいた一歩を踏むと同時、キサカは外に何かを見る。
「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」
「 ワ タ シ と 一 つ に ナ り ま し ョ う 〜 。 」
 ええいサラウンドやめんか鬱陶しい。
 二歩目を踏もうと足を持ち上げれば、今度は外から声がする。
 ゴーストだ。
「取り込み中ごめんなさ〜い。私の思念体とリリィ見なかった〜?」
「アル様じゃありませんか。どうか御慈悲を御願い致しますぶっちゃけこれ何とかして」
「アルナワーズ=アル=アジフ!
 開始早々、自分からゴーストになったくせにゲームに干渉だなんていい度胸じゃない!
 あんたの思念体なら、ベアトリーチェチョコと一緒になって今あたしとキサカを襲ってるわよ!」
 耳元で怒鳴らないで頂きたい。
「リリアーナの方は…時空の狭間に吸い込まれた後どうなったかわかんない。
 あたしはこの近くに出たから、実験棟の中にいるのかもしれないけど…
 とにかく、今は脱出優先!
 キサカ!引っ張って引っ張って!急がないと潰されるーっ!!」
 後で詳しく話を伺おうか。
「今引っ張ってるっつーの! 足場が安定しないから下手に動くな転ぶ!」
 ええい動き辛い、とキサカは一度ミルクから身を離す。
 軽く肩を押すような形で彼女を支え、立ち位置を変えて手早く背負った。
 ――ああもうなにこれすごい。
 柔らかいの一言に尽きる。簡潔に言えばエロは正義もっと言えば巨乳シスターってなんか背徳的でいいですね。
 足先から膝、腿、腰、背中、と全身で持ち上げるように体を起こせば、
 ……いかんこれ腰に来る。
 そして背中に圧力。
 後で湿布貼ればいいや、とキサカは一歩を踏んだ。
 進路上、掴みかかってくる人型チョコが幾つも在る。
 ミルクの腕を首の前で組ませてこちらも手を差し出し、生温い軟体を素手で阻んで前へ前へ。

199 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 21:07:21 0
 指先から肘の上まで、黒い袖が茶に塗れている。
 腕を払えば道が空き、歩を踏み出せば身は進む。
 窓が塞がるスピードはゆっくりだが、既に人が通れるスペースは無い。
 どないせえっつーねん、とキサカは状況を反芻してみる。
 チョコナワーズは属性変更によって弱点と吸収属性が変更出来る。
 火は土を灰で養い、木は土から養分を吸う。
 先ほど雷の入った瓶が炸裂したのを踏まえると、雷を吸収する属性に変化している可能性がある。
 適当に試す余裕は無い。
 逆に考えるんだ、とキサカは自問する。
 ――雷を吸収する属性に変化する必要はあるのか?
 雷瓶を放った研究員は既にチョコの中。闖入者であるキサカが雷を扱えるという素振りを見せた覚えは無い。
 加えて、雷である木属性を吸収するなら火属性になる必要がある。
 その場合、吸収できない属性である火を放置するのはそれなりに危険だ。相殺は出来ても火力はこちらの方が上だろう。
 つまり、アクシデントなり堪忍袋の緒なりで火が来るのを待っているということ。

 この間歩数にして三歩前後。

 窓があった場所に辿り着き、背から降りるようミルクに告げる。床はデュルデュルだがこの際我慢してもらおう。
 今にも落ちてきそうな天井の下で、キサカは背後のチョコ達を確認。
 数歩で届く距離だ。払わねば捕まる。
 沈むのを少しでも留めるよう、チョコを軽く拭った左手でミルクの腕を掴んだまま、
「減圧指定――
 “乱雲の使徒よ、覚醒せよ。汝の祈りは裁きの矛なり”」
 舌を噛みそうな勢いで「あ」と言う間もなく唱え、適当に手を振って雷片を撒いた。
 炸裂して電撃が飛び散るが見ている暇は無い。
「減圧指定――
 “自然系雷撃型表現機構着弾照準プログラム:加語:詞速
  対自然系雷撃型表現機構防護プログラム:加語:詞速
  両プログラムが同期後、雷撃型表現を発射可能とします
  制限時間は十秒です”」
 迅速かつ滑らかに言い終わると同時、ミルクの手を離す。
「轟音起こすから耳塞いでて」
 耳当ての付いた頭頂部の狐耳を指差し、すぐさま両手を軽く振って拳を作る。
 グラブを鳴らすように打ち合わせ、次に両手を掲げ、
「――ッ!」
 窓の外から落雷が来た。
 眼が眩むと同時に衝撃で全身が震えること半秒。両手を構え直すこと半秒。
 キサカは緩く一歩を踏み込み、
「疾風雷花の拳を受けるがいい!」
 指の付け根を押し当てるように窓を打った。
 青雷が爆発する。


200 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/04/26(土) 22:26:48 0
 メラルはまだ外での騒動に気付いていない。しかし、気付いていても無視しただろう。
女子寮と屋上に入られなければ、影響はほぼ皆無なのだから。
地下への階段の近くにロックがいるという情報を、
当然エミューは認識している。階段を降りていくメラルに即座に伝えられた。
「…よりによって、階段近くにロックが…。レイド先生達のいる部屋への階段は
 あそこだけなのに…。つまり…彼が最後の関門…ね。魔力回復は後回しにしないと。
 レイド先生達は仮にも教師。そもそも生徒相手に嘘八百並べ立てて優勝を
 目指すなんて考えそうにないし、万が一それを考えて、私を倒したとしてもエミューごと
 ペンダントを下水道に逃がせば、私のペンダントにだけは届かない。
 "セット"してから中に突入するのは、さすがに厳しいでしょうし…。
 突入しても罠で絡めとるだけ。すでに中にいる相手以外ならどうとでもなるし…。
 ロック相手とはいえ、彼も一応弱点属性持ちよ。
 念には念を入れましょう。ここに入る辺りからの彼の行動、教えて。」

エミューに改めて報告を受けつつ、メラルは三階まで降りると別の階段に向けて移動を始めていた。
「…今の彼は、恐らく昔とは違う。熱さだけじゃなくて、
 冷静さもしっかりと身に着けた可能性は高いわね…。
 戦わないならそれでよし。戦うなら、長期化は免れない。
 避けるには…あの切り札で一撃勝負。
 本来は…レイド先生対策の奥の手…だったんだけどね…。
 エミュー。そろそろリリアーナの部屋を外から封鎖して。
 あの部屋の防御能力は脅威だけど、あれは逆用すれば鉄壁の牢獄にもなる。
 後は部屋との接合部を切りとっていつでも外に排出できるようにすれば十分よ。」
言い終わると、メラルは別の階段から一階まで降りていった…。 


 後方から、メラルの声が聞こえてきた。しかし、振り向いても、
黒…いや、藍色の煙しか見えないだろう。だが、その煙の中から視線は感じる。 
 「あなたが何が目的で来たかは知らないけど…自分のペンダントを持っていないのなら、
 まずそれから探すべきじゃないかしら?…それと…この女子寮にあなたのペンダントの
 反応は感じられないから、他所を探した方が良いわ。」
言うと、その煙が視線と足音を伴ってロックに近付いて来た。
と言っても、ロックが攻撃を仕掛けなければ何事もなく通り過ぎていくだろうが。

================================================================================

>155
エミューは、相変わらずレイド先生達の対応をしていた。
片手間でリリアーナの部屋の周囲に厳重な氷の壁を作りつつ。
>「そういや、さっき思い出したんだけどよ。 お前、メラルの使い魔じゃないか?
 どっかでお前の声聞いた事あんだよな〜。 とりあえず姿を見せろよ。
 危害を加えたりはしねぇからさ。 一緒に飲もうぜ〜?」
「…そうしたいのは山々なんだが無理だゼ。女子寮の安全確保に支障が出るからヨ。
 もう少ししたらあいつが来るから待ってナ。多分、変な手出しをしないのなら
 色々と話が聞けるからヨ。それと…レイド先生の方だけに一つ確認したい事があってナ…。
 正直に答えてくれ。」
そこまで声が聞こえた後で、レイド先生の頭の中に声が響いた。
エミューが…ある意味エミューらしくない真剣さで聞いているのは、
内容だけでも十分察しがつくだろう。そして、メラルの狙いについても。
(エース先生はカドゥケウスと"目"について…知ってるか?…いや、聞き方を変えるカ。
教師陣は全員知ってるのカ?それとも、偶然知りえた人だけの秘密にしてるのカ?
それによっちゃ、この先の話はアンタだけに聞いてもらう事になる。答えてくれ。)

======================================================================
ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持



201 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/04/26(土) 23:34:09 0
>187>198
実験棟の外から、しかもゴーストの身であるアルナワーズ。
今まさに地獄の釜の内部レポート中のようなキサカとミルク。
お互いの立場が違いすぎるというものだ。
「ごめんねぇ〜。ゴーストだから戦いには関与できないの。こんな非力な私を許してぇ〜ん。」
一応は驚いている振りはしているが、あからさまに振りだった。
その証拠に悲しむ振りをさっさと終了させて考察に移っている。
「ミルク〜。思念体は正確には【残留思念の法】といって、直接の私の分身じゃないのよ〜。
私の思念の残像みたいなもの。ほら、サイコメントリーで無機物の記憶を読み取るってあるじゃない?
ああいう(以下魔法理論の説明のため略)
どの道、今の思念体には幻術かける能力もないから自発的な攻撃力なんて無いはずなのにねぇ〜。
ナビゲーター程度の思念体がどうやったらこんな風になるのかしら?」
一刻を争う状況にも拘らず、全て無視!
延々と話し続けるゴーストアルナワーズ。
勿論そんな事を二人が悠長に聞いてはいまい。
そうしている間にも徐々にではあるが穴は小さくなっていく。

ゴーストアルナワーズが浮いているのは実験棟外壁から数メートル離れた地点。
覗き窓の様相を呈してきたその穴から見たゴーストアルナワーズの目は爛々と輝いているのが判るかもしれない。
今、この極限状態でミルクとキサカが何を思い何をするのか!
それを観る事に比べればミニアルナワーズの変異もリリアーナ捜索も些細な事なのだ。

直後、ゴーストアルナワーズを貫き雷が窓へと吸い込まれていく。
室内ではキサカが雷を受け止めた瞬間、袖についたチョコが消し飛んだ。
そのまま窓に指の付け根を押し当てるように打つ!
そして起こる青雷の爆発!
雷は窓を吹き飛ばし、壁を這うように広がっていき、消えていく。
開いた大穴から吹き込む吹雪と共に、歓喜に顔を歪めるゴーストアルナワーズの姿が見えるだろう。
しかしそれをゆっくりみている暇はない。

最初は小さな振動。
それが徐々に大きくなり、やがては床や壁が泡立つような揺れとなる。
「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」
「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」
天井から迫っていたアルナワーズの顔が歪み絶叫を発する。
あまりの歪みに顔の形を保てず単なるうねりとなっている。
迫っていた手もまるでカタツムリの角のように床に引っ込み、遂には部屋自体が大きなうねりとなって爆ぜた!

まるで体内に入った毒を肉ごと体外へと弾き出すかのように。
キサカとミルクもチョコの破片と共に宙に飛ばされていた。
外から見たそれは、実験棟の一角、L5実験室が吹き飛んだかのようだ。
しかしL5実験室だったところに大穴はない。
大量のチョコが内部から押し出したような形なので、既に穴も塞がっているのだ。

ゴゴゴゴゴゴ・・・・
と鳴動するチョコナワーズだが、程なくしてその動きを止める。
猛吹雪のため、外皮に当たるチョコレートが固まり、動きが封じられていた為だ。
「凄いわ〜。こんな大技持っていただなんて!実験室ごと吹き飛んだみたいよ〜。
でも・・・全体からすると1割程度かしら・・・追撃がこないわねぇ。」」
吹き飛ばされている二人に向かい、興奮気味にゴーストアルナワーズが解説をする。
その言葉通り、チョコアルナワーズは動きを止めている。

否・・・外から見ると動いていないだけで、実際には動いていた。
冷えて固まり動かなくなった外皮部分を残し、内部のゲル状部分は既に移動を開始していたのだ。
ダメージを回復させかつ目的を達成するために。
実験棟を繋ぐ渡り廊下をマグマのように流れ校舎の中へと・・・。

202 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/04/27(日) 02:10:18 0
>194
>「久しぶりだねリリアーナ。姿がちょっと変わったけど中身はあんまり・・・変わってないね。
> ロックとはうまくいってるかい?と、言うかまたトラブルメイカーしてるのかな。」
リリアーナは少し顔を曇らせたものの、すぐに何事も無かったかのように振舞う。
「違うもん、トラブルメイカーなのは私じゃなくてアルなんだから!」
リリアーナはぷうと頬を膨らませたものの、目は悪戯っぽく輝いていた。

>190-191
>「ところで、リリアーナ。さっき言った事が少〜し気になるんだけど♪」
リリアーナは「ん?」と首を傾げた。
>「そこのランドアンド君がリリアーナの介抱をしたんですってねぇ?
> それも、ベッドの上でずっと一緒に。それで、
> 寝ている隙に上着とスカートを脱がされて、小さくされたわけね〜♪」
「え?でもそれは治療のためじゃないの?」
>「ち、違っ・・・・・・」
「えっ?違ったの?」
がーん!とリリアーナはショックを受けた。
>「ふざけるんじゃないわよ!!このロリコンがぁ!!」
>「うわぁぁぁ!!ご、ごめんなさいバックベアード様ぁ!!」
「バック・・・?その子はエルザで・・・わーエルザ待って!待ってってばー!!」
リリアーナの制止など木に求めず、エルザは鬼のような形相で懇望を振り上げた。
>「次から次へと、私の邪魔をしやがって…
> まずは、貴様からぶっ殺してやる!ぬあああああああっ!!」
「わーっ!ダメ――――!!」
リリアーナは思わず目を閉じ耳を塞いだ。
だが塞いだ手を通して、棍棒を何かに叩きつける水っぽい音がかすかに聞こえた。

強烈な腐敗臭に混じって、エルザが何かを叫んでいる。
リリアーナは恐る恐る目をあけた。
ランドは無事のようだ。
ラルヴァは背中の大剣を引き抜き、リリアーナの視界を塞ぐように立っている。
だが彼女の尋常ならざる戦いぶりは、骨肉が潰される音や声で察するに十分だった。
>「全員まとめてぶっ殺してやる!!うおおおおおおああああっ!!」
(まるで狂戦士だわ・・・・・・)
リリアーナは背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。
彼女が知っているエルザとあまりに違いすぎて、頭がついてこないのだ。
エルザと初めてであった日の事と、その事件に深く関わったヘレン少年の言葉が脳裏に蘇る。
「ヘレンが言ってた、ロックの“最後の心”って・・・もしかして・・・・・・」

203 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/27(日) 02:12:10 0
>196-197
>「リリアーナさん、足見せて・・・さっき切ったみたいだからさ・・・」
ランドに声を掛けられ、リリアーナははっと我に返った。
ランドは傷を治してくれた。ずきずきと熱を持っていた足の痛みがすっと引いていく。
リリアーナは気持ちよさそうに目を閉じた。
「ありがとうランディ、楽になったわ」
リリアーナはお礼を言いながら、ガバガバの靴を履いた。とても歩きづらいが、怪我をするよりはマシだろう。

>「じゃあボクの後ろに隠れててよ、あの二人が全部倒してくれるまで・・・」
リリアーナはあっけに取られていたが、キッと目を吊り上げてランドを睨みつけた。
「寝言は寝て言いなさいよ!ランディ、あなた補助魔法使えるんでしょ?だったら何を出し惜しみしてるのよ!
 ラル君はともかくエルザにまでおんぶに抱っこするつもり?!
 ランディはいつリタイヤしても良いって言ってたじゃない、だったらこんなところで駆け引きしたってしょうがないでしょう!」
リリアーナは肩でぜいぜいと息をしていたが、ふと顔を曇らせた。

「ねえ、私を小さくして服脱がせたってホントなの?・・・ホントにランディは不埒なロリコンさんなの?
 正直信じられないわ。だって私は10歳若返ってるけど、ランディは10年ほど成長してない?」
本当にランディの仕業なら、きっとあらかじめ服を用意出来ていたのではないか、と彼女は考えていた。
「私を元に戻せるのなら戻して。違うなら違うって言って。ロリコンじゃないならちゃんと弁解して何があったか話してよ。
 私、信頼できない人に守って貰うなんて嫌よ!」

リリアーナは大きく息を吐き出し、少し平静さを取り戻した。
「・・・・・・それにね、何だか嫌な予感がするの。あのゾンビ達、ちょっとおかしくない?」
リリアーナはゾンビの群れに視線を移した。
本能のままに動いている。とても統率されているとは言いがたいものだった。
「死霊科の生徒が作ったのか誰かが召喚したのかは知らないけど、あれほどの数を一介の生徒が用意出来るものかしら?
 そもそもあのゾンビ達、誰かがちゃんと術で制御してるのかしら?ねえ、ランディは術者の魔力を感じる?」
リリアーナは窓の外を心配そうに眺めた。まだまだ敵が増えるようなら、一時撤退した方が良いかもしれない。
「皆、無理しないで!適当なところで退却しましょう!」
リリアーナは今更ながらに考えた。アンデットたちはペンダントを持っているのだろうか?と。

>201
床からかすかに振動が伝わってくるが、その時のリリアーナはさほど深く考えなかった。

204 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/04/27(日) 17:49:36 O
「戦セオリーその壱
強力な手足よりまず頭脳を潰すべし!」
いつのまにかリリアーナとランドの後ろにガシャ髑髏が立っていた
何もない目に赤い光が宿り妖刃をふりかざしている
かっこいいこといっているが、エルザたちの強さにちびって弱そうな二人を狙ったヘタレだったりする
鋭い横薙の一撃が繰り出される

205 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/27(日) 18:29:12 0
>194
エルザはついに顔に笑みを浮かべながらゾンビを潰していった。
棍棒を通して伝わってくる肉の感触が、楽しくて楽しくてしょうがないらしい。
「何匹殺った!?」
エルザは一緒になってゾンビを倒しているラルヴァに尋ねた。
ラルヴァが倒したゾンビの数を言うと、エルザは機嫌よく答えた。
「上出来ね!」

さて、エルザがこのように荒くれているのもちゃんと理由がある。
エルザとロックは、もともと同じ一人の人間だった。
ロックとエルザが分離した際、エルザがロックの“悪の心”を取ってしまったのだ。
その結果、エルザは“欲望”という生きる理由を得て元気になったが、凶悪になった。
そして、ロックの方は執着心の無い無垢な子供のようになってしまったのである。

あらかたのゾンビが片付いてきた頃、廊下の奥から、ゾンビとは異なるアンデッドが3体、こちらに近づいてきた。
「あれは…ゴーストっぽいわね。」
エルザは本物のゴーストを見たことはなかったが、なんとなくゴーストっぽく見えたのでそう言った。

「このおおっ!!」
エルザの叩きつける攻撃!
ゴーストAには効果がないようだ…
「はあっ!!」
エルザの斬りつける攻撃!
ゴーストBには効果がないようだ…

ここにきて、エルザは窮地に立たされる事になる。
エルザの魔法のベースは、ロックと同じ物理的な魔法だ。
ゴーレムなどの剛体には抜群の効果を発揮するこの手の魔法も、ゴーストのように非物理的な敵には弱いのである。

「な、何よ!これ!?」
ゴーストCの催眠ガス攻撃!
エルザには効果がないようだ…

ゴーストの口から催眠ガスが出て、エルザを直撃したが、人形であるエルザには効果が無い。
どうやら、お互いにダメージを与える事ができないようだ。こうなると、頼みの綱はラルヴァである。

>201>204
ゴーストに気をとられているエルザは、地面の揺れも、リリアーナとランドを狙う髑髏にも気づかなかった。
こうなると頼みの綱は裏ランドか、アンデッドに対して抜群の効果を持つカドゥケウスの杖である。

206 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/04/27(日) 18:49:23 0
>200
>  「あなたが何が目的で来たかは知らないけど…自分のペンダントを持っていないのなら、
>  まずそれから探すべきじゃないかしら?…それと…この女子寮にあなたのペンダントの
>  反応は感じられないから、他所を探した方が良いわ。」
>  後方から、メラルの声が聞こえてきた。
「おお!そうだった!そうだった!俺は自分のペンダントを探してたのだ!」
ロックはそう言って、声のした方へくるっと振り向いた。
しかし、振り向いても、黒…いや、藍色の煙しか見えない。
ロックは不思議そうに首をかしげた。
「ん〜?その声はメラルだよな?何かちょっと見ない間に印象が変わったな〜。
 何というか…前よりモクモクした女の子になったのだ。イメージチェンジってやつか?」
どうやらロックの頭の中で、藍色の煙=メラルになったらしい。なにしろ、ロックからは煙しか見えないし、
その煙がメラルの声で話しかけてきたようにしか見えなかったのだから仕方が無い。
「それが最近の流行りなのかは知らないけど、俺は元のメラルの方が可愛いと思うのだ。」
ロックは煙に向かってそう言った。
「それにしても、ここに俺のペンダントが無いんじゃ探してもしょうがないな。
 エルザ達にもこの事を伝えて、別の場所を探さなきゃいけないのだ。
 そうだ、メラル!今エルザ達がどこにいるか知ってるか?」

ロックはメラルの返答を聞いた後、にこっと笑った。
「情報をありがとうなのだ、メラル!お礼にこれをあげるのだ!」
ロックは手に持っていたガジュマルの実を藍色の煙に向かって投げ込んだ。
「じゃあ、またな!」
そう言ってロックは、メラルに言われた場所まで走って行った。
ロックはメラルの言葉を、微塵も疑っていなかった。
何があろうと、ロックはメラルに教えられた場所まで移動しようとするだろう。
メラルの言葉が、真実だろうと、虚偽だろうと…

207 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/04/27(日) 19:00:47 O
魔法機械止まったな

208 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/04/27(日) 20:25:08 O
>200>「そうしたいのは山々なんだが無理だゼ。
 (中略)正直に答えてくれ。」
姿の見えない奴は、そこまで話すと俺にだけ聞こえるようにテレパシーを使う。
>(エース先生はカドゥケウスと"目"について…知ってるか?(中略)
 答えてくれ。)
エミューの話を聞きながらグラスに注いだワインを飲む。
俺は基本、ワインなんて代物は飲まないがこれは美味い。
今度給料が入ったらワインを買おうかな。
(目について知ってるのは学園長と教頭と俺だけだ。 言ってみれば個人情報だからな。責任者と担任である俺だけが知ってりゃ良いんだ。
 しかしカドゥケウスについては複数の教師が知ってる可能性があるな。
 結構マイナーな代物だが教師の中に知ってる奴が居てもおかしくはない。)
真面目な質問に対し俺も真面目に答える。
>「どうやら僕は仲間外れみたいなので一人鍋でも楽しんでますね。」
「まあまあ、そう言うなよ。
 向こうにだって事情ってもんがあるんだからさ。」

209 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/27(日) 23:10:24 P
>188
>「「うにゃ――――っ!!アンデットに食べられちゃうのですわ ――― っ!!」
 >骸骨が食べ物を口にしても意味がありませんわ〜!やめるのですわ〜!!
 >誰かぁ〜、た〜すけてぇ〜っ!!」

「ちょっとお待ちなさいな!!」
ババァァァァン!!という謎の効果音と共に
何故か高いところから登場するフリージア
・・・・・・まさかわざわざ登ったのだろうか?

「お〜ほっほっほ!そこのアンデット!!
 本物の猫ちゃんではないとはいえ私の前で猫ちゃんを食べようとするなんて
 たとえ動物愛護協会が許してもこの氷結のフリージア許しませんことよ!!」
と大見得を張るフリージア
まるで魔法少女と言うより特撮ヒロインのようだ
「氷の塊になりたくなかったらとっととお家に帰りなさいな!!」
当然無視するアンデット
だって脳味噌腐ってるんだもんv

「この私を無視するつもりですわね!そういうつもりなら!イヤァァァァァ!!」
ルズを救わんと飛び降りるフリージア
本当はとぉぉぉ!と言って飛び降りたかったのだが
レオ先生の弟子であるからにはイヤァァァァ!でなくてはいけないので
仕方が無くイヤァァァァ!と叫び飛び降りるフリージア

着地点はルズの目の前・・・・というわけにはいかなかったようだ
仕方が無いので手の中に生み出した氷結根で近くに居たアンデットをぶち倒す
簡単に吹き飛ぶアンデットウォリアー(仮称)
・・・・あまりに手ごたえが無さ過ぎて唖然とするフリージア
どうやら実力的には同じ鎧を着たアンデットでも以前闘ったことがあるアルテリオンとは月とミジンコのようだ
本人が聞いたらこんなものと一緒にするなと怒りそうではあるが

「待ってなさい!今、急いで助けますわ!!」
フリージアは大勢のアンデットを氷結根でしばきつつ
ルズの元に走るのであった


210 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/04/27(日) 23:44:30 0
>>192>>193
>「ん?あぁ、ベッドなら二階に来客用のが複数あるから案内しよう」
ヴァンエレンは僕たちのことばにすぐ反応し、
立ち上がって家に入っていく…足は少しふらついている…
それにさっきからなんとなくだが覇気ってものがない…
>「あぁ、そうだ…。ペンダント回収はどうやってしようか?」
思い出したようにヴァンエレンが言う。それに対しクリスは自分たちで回収するしかないと言う。
確かにペンダントに下手な小細工はできないし集める方法も思い当たらない。
それにクリスが言ったように集めるならなるべく早いほうがいいだろう。
他のだれかが眼を光らせているかもしれないしな…
>「でも行動を起こすのは寝てからだ。」
「確かに疲れている状態じゃあここから出て行ってもやられるだけだ。」
とりあえず今は休むことにしよう…ヴァンエレンの案内に従い二階へと上がると二つの部屋の前へと案内される。

>「どちらでも好きなほうを選んでくれ。
>中のつくりはだいたい一緒だからどっちを選んでも同じだ」
そういって片方の扉を開けると簡素でシンプルな作りの部屋が見える。
寝るには不足しないしどこかの莫迦が作るような悪趣味な部屋より全然マシだ。
>「私も少し疲れたから自分の部屋で休むよ…。
>なにかあったら奥の部屋にいるからノックでもしてくれ」
部屋の案内が終わるとヴァンエレンは気力が抜け落ちたように猫背のまま自室へと向かっていく。
「……どうしたんだヴァンエレンは……」
あんなに疲れたヴァンエレンを見るのは初めてだ…何かあったのか?
ただ疲れているだけにはちょっと見えない……一体どうしたんだ…
>「さて、マオは右と左、どっちの部屋を選ぶ?」
「………ん?ああ、ごめん少しぼーっとしていた。そうだな、左の部屋に行こう。それじゃあクリスお休み。」
僕はクリスにそういい部屋に入りベッドに潜り込む。しかし、ヴァンエレンの奴はどうしたんだ?
あいつがああだとなんかこっちまでテンションが下がってきちゃうじゃないか…


「……くそっ…気になって眠れないじゃないか!」
ダメだ……なんだか気になってさっきから全然眠れない。
僕はベッドから出て部屋のドアの開けて廊下に出る。
薄暗い廊下を歩いていき…奥のヴァンエレンの自室の前へと立ちコンコンと二回ノックする。
「あー…ヴァンエレン?なんだかかなり疲れてるみたいだが大丈夫か?何かあったのか?」
そう言うがドアの向こうから返事はない……
「…まあなんだ…ただの僕の思い過ごしだったら別にいいんだが…
 ちょっと普通じゃないように見えてな………じゃあな。」
そういって部屋に戻ろうとするが…良い機会だ、一つ言っておくことがあった。
いや、言っておかなくちゃならないことがあった…言わないと僕の中でもケジメがつかない。

「今日は…色々と僕に付き合ってくれてありがとう。正直ここまでお前と組むとは思ってなかったんだ。
 最初は利用できる駒ぐらいに考えてたんだ…所詮は使い捨ての駒だってな…
 僕は人と関わるのが得意じゃないからか信用できない性質でさ…今は悪かっと思ってる。
 愛想を尽かしてないならこの後も僕と組んでくれ…じゃあお休みヴァンエレン。」



211 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/28(月) 15:45:46 O
>198-199 >201
>「今引っ張ってるっつーの! 足場が安定しないから下手に動くな転ぶ!」
「そんな事言ったって床がぐにゃぐにゃで歩きにくいんだよーっ!
沈まないけどすぐドロドロしてきて…って、ちょ、ちょっとちょっと何するのよ!降ろしなさいよ!」
焦りのためかうまく歩けないあたしを、キサカは立ち位置を変えてから背負う。
反射的に降ろしてとは言ったものの、本当に降ろされたらチョコナワーズに押し潰されるのは確実。
今のあたしにできるのは、キサカの邪魔にならないようにしっかり捕まってることぐらいだ。
こんな風に男子と密着するのは久しぶりだから、なんだか恥ずかしい。
背負われてる上に暗いので、多分赤くなってるであろう顔を見られないのはありがたいけど。
そんな事に意識が向いていたからか、アルナワーズの言い訳や魔法理論はほとんど頭に入ってこなかった。

そうこうしているうちに、あたしを背負ったキサカはチョコナワーズをかき分けながら窓際に到着する。
すでに穴は換気扇くらいの大きさまで塞がっていた。
いや、外からアルナワーズが目を輝かせてのぞいてるから、どっちかと言えばのぞき窓か。
人の苦労を楽しんで見るなんて相変わらず性格の悪い奴だ!
キサカは何か考えがあるんだろう。
あたしに背中から降りるように言うので、素直に降りる事にした。
うわわわわ、足が沈む沈む。
こんな所でチョコで溺死なんてイヤだから、慌ててキサカの左腕にしがみつく。
>「減圧指定――
 “乱雲の使徒よ、覚醒せよ。汝の祈りは裁きの矛なり”」
ものすごい速さの呪文の詠唱と腕の動きで、キサカは雷撃をチョコナワーズに放つ。
そしてすぐに次の詠唱を早口で開始。
フィジル早口言葉選手権があれば金メダルは間違いない。

>「轟音起こすから耳塞いでて」
「耳!?轟音!?わ、わかった!」
窓の穴を広げるのにどんな音を鳴らすのかよくわからないけど、とりあえず言われた通りにする。
そして起きたのは、轟音と閃光。
光に目がくらんで何がどうなっているのかわからないあたしの耳に、キサカの声が聞こえる。
>「疾風雷花の拳を受けるがいい!」
そして再度の爆発音が響く。

212 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/28(月) 15:47:25 O
次に見えたのは、壁に空いた大穴から吹き込む吹雪と、笑うゴーストアルナワーズだった。
何がそんなに面白いのかと考える暇もなく、部屋全体がチョコナワーズの絶叫と共に大きくうねる。
天井が壁が床が歪み、揺れ、爆発し、あたしとキサカは穴から外に放り出された。
「ひぃやぁああ!死ぬ!これ死ぬーっ!」
確かここ四階だったよね四階から突き落とされたらかなり死ねるよね!?
そんな心配をしているうちに、あたしの体はそこそこ柔らかいなにかに衝突。
ガサガサ音を立てながら下の雪に落下する。
どうやら植木がクッションになってくれたようで、体の痛みはあまりない。
でも、寒い。とにかく寒い。
ただでさえあたしは寒さに弱いのに、薄着で雪中行軍なんて自殺行為だよ!

>「凄いわ〜。こんな大技持っていただなんて!実験室ごと吹き飛んだみたいよ〜。
>でも・・・全体からすると1割程度かしら・・・追撃がこないわねぇ。」
キサカの雷撃に感心したアルナワーズの声が聞こえてくる。
追撃の言葉に慌ててチョコナワーズを探せば…寒さに弱いのはチョコレートの悲しさか。
チョコレート色の実験棟が奇妙な形のまま動きを止めていた。
「あのまま固まってくれれば手間が省けて助かるんだけどな…」
警戒はしてみたけど、チョコナワーズは動く気配もない。
まさか本当に固まっちゃったのかと淡い期待を抱いた時、あたしの危険と物欲センサーが反応した。
チョコナワーズのいた辺りから校舎に向けて動く沢山のペンダントの魔力。
一度にあんな数の生徒が実験棟から逃げ出したとは思えない。
ってことは……チョコナワーズの奴、トカゲの尻尾切りをして本体は校舎に逃げる気だなーっ!!

「アルナワーズ!チョコナワーズが校舎に逃げる!!
また魔法攻撃を吸収して大きくなる気だろうから、先回りするか追いかけて!
あいつは五行属性変化で魔法を吸収するって中の生徒に伝えて!
チョコナワーズがこれ以上大きく育ったらリリアーナも危なくなる!!」
アルナワーズは自分の思念体とリリアーナを探していた。
なにか訳ありだろうから、リリアーナも危ないとわかったら動いてくれるだろう。
五行属性は知ってるだろうから説明しなくてもいいよな。
知らなかったら…その時はその時だ。

あたしもチョコナワーズを追いかけようとしたけど、寒さと雪でなかなかうまく歩けない。
あーもう!鬱陶しい!
こうなったら雪を吹き飛ばして校舎まで道を作ってやる!
キサカやチョコナワーズに当たらないように、校舎までの範囲を魔法指定して集中する。
「メギド!」
核熱と爆発が、地面を覆う雪とかいろいろな物を消し飛ばした。
そろそろ魔力切れが近いかと思ってたけど、なんだかまだ余力もありそうだ。
時空の狭間の効果で成長したからかもしれない。
「さっきは助けてくれてありがとうキサカ!
あたしはチョコナワーズにトドメ刺しに行くから!
もし一緒に退治しに来てくれるなら、ペンダント分けてあげてもいいわよ!」
キサカにお礼を言ってから、あたしは雪が吹き飛んで出来た道を校舎に向かって走り出した。

213 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/04/28(月) 18:55:55 0
>205
入り口付近で、エルザとラルヴァは互いの獲物を振るい、着実にゾンビの数を減らしていく。
>「何匹殺った!?」
「14人ってところか、な!」
ラルヴァの14人目の犠牲者は回し蹴りによって壁に頭を押し付けられ、叩き潰されてしまう。

だが、調子に乗るのもそこまでだった。
>「あれは…ゴーストっぽいわね。」
「ゴーストかぁ・・・苦手だな。」
ゴーストは物理的な攻撃が効きにくい。加えて地属性も物理的な魔法が多いのだ。
「まったく手が無い訳でもないけどね。エルザ、少しひきつけておいてね。」
そう言うと、ラルヴァは自分の左腕を剣で切りつけ、血を足元に滴らせる。

ラルヴァは出血している!
ラルヴァは精神を集中させている!
「【七芒星の陣を以って 此の地を異界と成せ
 我招くは 凄惨なる紅雨
 噴けよ爆炎 地を裂きて出でよ
 彼の者達に 驟雨となりて打ちつけよ!】」

その呪文と共に、ラルヴァの足元の血がぼこぼこと沸騰を始め・・・
ついにはその血だまりからマグマが噴出し、ゴーストへと襲い掛かる!
ただ石や岩をたたきつける魔法よりはゴースト達には遥かに効果があるだろう。

>204
だが、呪文を詠唱している背後で起こっている事態に対してラルヴァもエルザも感付かないでいる


214 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/04/28(月) 21:07:21 0
>204
>いつのまにかリリアーナとランドの後ろにガシャ髑髏が立っていた.
「危ない!」
妖刃の鋭い横薙の一撃を受け、リリアーナはばったりとその場に倒れた。
「あ・・・あれっ?」
むくっと起き上がったリリアーナは、不思議そうに自分の胸や腹を手で探った。
完全に切られたはずなのに、どこも痛くない。
信じられない事に、リリアーナは無傷だった。
―――― 少なくとも外見上は。

リリアーナは顔を上げた。だが様子がおかしい。
おどおどびくびくしている様は、まるでコマネズミのようだ。

>205 >213
リリアーナは目の前に立っているガシャ髑髏と目が合ったとたん飛び上がった。
「あうあう・・・・・!!」
リリアーナはガタガタ震えている。
慌てて逃げ出そうとしたが、周囲に飛び散ったゾンビの残骸をみてすっかり足がすくむ。
そしてゴーストを目の当たりにしたとたん、気が触れたように絶叫した。
「キャ―――――――― っ!!イヤ――――――――!!
 ゴーストだわっ!ゴースト!ゾンビや髑髏までいる!」
エルザの攻撃が全くゴーストに通じていない。
リリアーナは蒼白な顔で目の前の髑髏に視線を移した。
髑髏は刀を構えている

「ふえ・・・・・・」
リリアーナの目に大粒の涙が浮かんだ。
「うえぇぇええん。恐い、恐いよう!やだ、もうこんな恐いの嫌だよ。
 私、元の世界に帰りたいっ!帰りたいよう!帰りたいのーっ!ランディ助けてぇ!!」
リリアーナは泣きじゃくりながらランドにすがりついた。


215 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/04/28(月) 22:41:56 0
>212
吹雪の中、四階から墜落したというのにミルクは元気だった。
ガバッと起き上がり、実験棟だったモノ=チョコナワーズを見つめている。
動きが止まったかのように見えるチョコナワーズが実は移動している事を見抜いたのだ。
>「アルナワーズ!チョコナワーズが校舎に逃げる!!
>また魔法攻撃を吸収して大きくなる気だろうから、先回りするか追いかけて!
>あいつは五行属性変化で魔法を吸収するって中の生徒に伝えて!
>チョコナワーズがこれ以上大きく育ったらリリアーナも危なくなる!!」
「えぇ〜。それはそれで面白そうだけど・・・先回りねぇ。」
のほほんと首を傾げ、少し考える。
巨大な質量と五行属性変化能力を持ったチョコナワーズ。
それ自体驚くべき事であるが、本質は別にあると感じていた。
思念体を取り込み自我を持ったという事なのだ。

ミニアルナワーズは残留思念。
その影響で自我を持ったというのであれば、その核はチョコに込められたベアトリーチェの想い。
すなわち残留思念なのだ。
お互いの残留思念が共鳴して顕在化したと言うのだろう。
となれば、チョコナワーズの行動も読めてくる。
「判ったわ〜。チョコナワーズの向かう先はきっと食堂だと思うの。」
考えをまとめ、ミルクに説明を始めた。

ベアトリーチェチョコに込められた想いは本命であるレオに食べてもらう事。
チョコナワーズの最終目的も同じである。
が、直接行動に結びつくわけではないのが厄介なところ。
レオの前では猫を被るあまりバレンタインチョコを渡せないベアトリーチェ。
そんなレオに直接ぶつけられない思いは屈折して周囲へと向かう。
すなわちレオに近づく女への攻撃性となるわけだ。
ここまでは周知の事実。
となれば、その想いが込められたチョコも同じ行動を取るのは自然の理というもの。
チョコナワーズは直接レオの元へはいかず、食堂へ行くだろう。
本人がレオに近づく女を攻撃するように、チョコナワーズはレオが食べる自分以外のものを消しに行くはずだ、と。
全ての食べ物が無くなれば・・・否、全ての食べ物がチョコナワーズになれば自動的に自分が食べてもらえるのだから。

「そういうわけだから食堂へ言ってくるわ〜。」
一通り説明すると、アルナワーズはゴーストで吹雪の影響を受けない事をいい事に、一直線に食堂へと飛んでいった。



216 名前:ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/04/28(月) 22:42:05 0
校舎の中、廊下には壁が突き進んでいた。
いや、壁ではない。チョコだ。
廊下一杯を塞ぎ、圧倒的質量を持って突き進んでいく。
大量のペンダントの反応にやってきた生徒達を飲み込み、なおも進む。
往く先はアルナワーズの推理通り、食堂だった。
そこはまさにアンデッドと食堂のおばちゃんを筆頭にした生徒達の戦場だった。
ゴゴゴゴゴゴ・・・という地響きと共に現われたチョコナワーズ。
最初に接触したのはゴースト。

行進を止め、アルナワーズの顔が浮かび上がり、ゴーストたちと見詰め合う。
この奇妙な対峙は言葉こそ発せられていないが、その纏うオーラで通じるものがあったようだ。
片や生を憎み、現世に恨みを抱く怨念。
片やもはや妄執ともいえる増幅されし乙女心。
負の思念に捕らわれた両者は常人には理解不能の邂逅を迎えていた。

そんな邂逅をしている隙を逃すほど魔法学園の生徒達は甘くない。
「アンデットには火を!焼き払え!!!」
号令のもと、食堂の生徒達が合同魔法を放つ。
燃え盛る紅蓮の炎が廊下を包む!

(あら〜。遅かったわぁん。)
その様子をゴーストアルナワーズは見ていた。
チョコナワーズが食堂に到達する前についていた。
が、既にそこはアンデッド達との戦場の場。
戦闘中は一切影響を受けないが関与できない。
関与とは戦闘協力だけでなく、助言や存在提示も含まれる。
この条件のため、ゴーストアルナワーズは食堂の誰にも認識される事なくただ見ているしかなかったのだ。
紅蓮の炎を飲み込み、更に大きくなる様も。
そしてスケルトンやゴースト達を包み込みながら食堂になだれ込んでいく様を。
まるでチョコという沼から大量のスケルトンやゾンビが生えていて、沼ごと食堂に流れ込んできたようだ。

その様子を見るゴーストアルナワーズの表情に落胆の色はない。
巨大かつ強力な器に相応しい業の塊に映っているからだ。
むしろその表情は愉悦に近いものがあった。

217 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/29(火) 08:01:13 0
尻尾を捕まれたルズは振り子のように揺れながら、器用にアンデットの口に飛び込むのを回避している。
ルズ、絶体絶命!
そこに独特の高笑いが響き渡る!
>「お〜ほっほっほ!そこのアンデット!!
> 本物の猫ちゃんではないとはいえ私の前で猫ちゃんを食べようとするなんて
> たとえ動物愛護協会が許してもこの氷結のフリージア許しませんことよ!!」
「はっ!あれは煌く氷のエレメント!じゃなかった、氷結のフリージア女王様!!」
>「氷の塊になりたくなかったらとっととお家に帰りなさいな!!」
たとえ夜だろうが戦場だろうが、ヒロインの登場にはスポットライトが当たるのがお約束である。

>209 >194
>「待ってなさい!今、急いで助けますわ!!」
ルズはあからさまにホッとした様子を見せた。
「ああんフリージア女王様ぁ〜!助けて下さいまし〜」
(きゃーん素敵ぃ〜!女王様、りりしいですわっ!ああん、誰か幻灯機持ってないの〜?!)
絶体絶命だというのに、ルズの頭からは無数のハートマークが飛び出している。
こんな時でもルズは萌えが最優先のようだ。
もっとも、恐怖のあまり現実逃避しているのかもしれないが。

業を煮やしたのか、骸骨はとうとうルズを鷲づかみすると口の中に放り込んだ。
「うにゃーっ食べられるのですわ〜!助けてくださいましー!!」
咄嗟にの顎と下の顎の間を必死で押さえて噛み砕かれるのを防ぐ。

>216
食堂の方では大きな合体魔法が放たれたようだ。
ぱっと上がった紅蓮の炎が、離れたこの場まで真昼のように明るく照らし出す。
そしてその炎を飲み込み、更に大きくなる何かも見えた。
「な、なんですの〜あれは・・・」
ぐぐぐぐ、と骸骨のかみ締める力が強くなっていく。
「い、今はそれどころでは無かったのですわ〜!!!むぐぐぐぐぐ」

骸骨は持っていた剣を自分の口に向けた。
どうやらルズを串刺しにしてから食べる事にしたようだ。
「や、やめるのですわ〜。くしに刺すのは焼き鳥で十分なのですわ〜!!」

218 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/29(火) 09:10:47 0
>213
> ラルヴァは出血している!
> ラルヴァは精神を集中させている!
> 「【七芒星の陣を以って 此の地を異界と成せ
>  我招くは 凄惨なる紅雨
>  噴けよ爆炎 地を裂きて出でよ
>  彼の者達に 驟雨となりて打ちつけよ!】」

ラルヴァの攻撃はゴーストに高い効果があるようだ。
3体居たゴーストは、文字通り煙のように霧散した。
「ああ、狂っているわ!」
エルザは、ラルヴァを見ながらそう言い、にやっと笑った。
この場合『狂っている』は褒め言葉である。

それにしても、エルザとラルヴァがいくら頑張っても、ゾンビやゴースト、
スケルトン等アンデッド軍団が次から次へと沸いてくる。
倒す数よりも出てくる数の方が多いのだから、エルザはいい加減嫌気が差してきた。
一体一体が弱くても、数で押されてはいずれ窮地に立たされるだろう。
「これはリリアーナが言ったとおり、一旦逃げたほうがいいかもね!
 …かっ、勘違いしないでよ!別にあなたを気遣っているわけじゃないんだからね!」

>214
エルザはリリアーナの方を見た。
> だが様子がおかしい。おどおどびくびくしている様は、まるでコマネズミのようだ。
> 「うえぇぇええん。恐い、恐いよう!やだ、もうこんな恐いの嫌だよ。
>  私、元の世界に帰りたいっ!帰りたいよう!帰りたいのーっ!ランディ助けてぇ!!」
> リリアーナは泣きじゃくりながらランドにすがりついた。
「えっ?リリアーナ?」
いつもならランドに嫉妬して、処刑リストに彼の名前を加えるところだが、
リリアーナの様子があまりにおかしいので、そっちの方が心配になった。
エルザはランドとリリアーナに近づいた。
「どうしたの?一体何があったのよ!?」
どうやら、リリアーナはアンデッドを恐がっているようだ。エルザはラルヴァに叫んだ。
「坊や!化け物達をなるべくリリアーナから遠ざけて!あなたならできるでしょう!?」
この場合『坊や』とはラルヴァの事である。
「もしも、あなたにできないのなら、私がやってやるわ!」

>204
エルザはリリアーナに気をとられて、まだガシャ髑髏に気づいてない。
しかし、リリアーナに近づいてくれば、すぐにエルザが攻撃を加えるだろう。


219 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/29(火) 12:50:33 0
>>203

>「寝言は寝て言いなさいよ!ランディ、あなた補助魔法使えるんでしょ?だったら何を出し惜しみしてるのよ!
>ラル君はともかくエルザにまでおんぶに抱っこするつもり?!
>ランディはいつリタイヤしても良いって言ってたじゃない、だったらこんなところで駆け引きしたってしょうがないでしょう!」
「そ、そんなこと言われても・・・・・・」
リリアーナの訴えにランドはどうしていいか分からず困り果てる。
別に補助をしてもいいのだが、だがしたらしたでエルザは次に自分に来るかもしれないと思っているのだ。
さっきは頭蓋骨を粉砕されそうになったのだからそう思っても仕方が無いといえる。
煮えきらずにうじうじしているランドを見てリリアーナは顔を曇らせる。

>「ねえ、私を小さくして服脱がせたってホントなの?・・・ホントにランディは不埒なロリコンさんなの?
>正直信じられないわ。だって私は10歳若返ってるけど、ランディは10年ほど成長してない?」
「え・・・い、いやもちろん違うよ・・・・・・」
もちろんランドの言っていることは嘘でもなんでもない。
ただ凄まじい偶然や凶運が重なって今に至っている。
だが本人の声は小さく説得力がない・・・まるで嘘をついている人のような喋りだ。
>「私を元に戻せるのなら戻して。違うなら違うって言って。ロリコンじゃないならちゃんと弁解して何があったか話してよ。
>私、信頼できない人に守って貰うなんて嫌よ!」
そして、次から次へとくるリリアーナの言葉にだんだんとランドの中に怒りと不満が湧いてくる・・・・・・
なぜこんなことを言われなくてはならないのだろうと。
そもそも自分がこうなっているのは全てリリアーナのせいだと・・・激しい怒りがこみ上げてくる。
「違う。元には戻せないよ。それと・・・ボクだって、別に君を守りたいわけじゃない・・・」
そう言ってランドはリリアーナから少し離れる。もううんざりだと・・・そう思った。

>「・・・・・・それにね、何だか嫌な予感がするの。あのゾンビ達、ちょっとおかしくない?」
>「死霊科の生徒が作ったのか誰かが召喚したのかは知らないけど、あれほどの数を一介の生徒が用意出来るものかしら?
>そもそもあのゾンビ達、誰かがちゃんと術で制御してるのかしら?ねえ、ランディは術者の魔力を感じる?
「どうかな、少なくとも近くには感じないけど・・・」
そっけなく反応するランド・・・どうせ生き返れるしここで死んでしまおうかと考えていた。
次のリリアーナの退却しようという言葉はむしろランドにとって嬉しくない。
死ねばリリアーナとも別れられるのだから・・・

220 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/29(火) 12:51:29 0
>>204>>214

>「戦セオリーその壱
>強力な手足よりまず頭脳を潰すべし!」
後ろから聞こえてきた声に振り向く、するとそこには刀を振りかざしている骸骨が映る。
反射的にランドは横薙ぎを避けるために一歩後ろに下がったが、
リリアーナは反応が遅れその一撃を受け倒れてしまう。
だがリリアーナに外傷はなかった。よほどのなまくら刀なのだろうか・・・
しかし、次瞬間リリアーナに異変が起こる・・・おどおどびくびくし
骸骨を見て逃げ惑い、更にはさきほどエルザが倒したゾンビの残骸にすら驚き、
ゴーストを見たとたん凄まじい絶叫を上げる。

>「うえぇぇええん。恐い、恐いよう!やだ、もうこんな恐いの嫌だよ。
>私、元の世界に帰りたいっ!帰りたいよう!帰りたいのーっ!ランディ助けてぇ!!」
しまいにはランドに泣きつく始末・・・さっきは信頼できない人間に守って欲しくないといっていたにも関わらず、
今度は助けてと言う・・・ランドからすればリリアーナの行動は都合のいいこととしか思えなかった。
こうなっているのはあの刀の持つ効果なのだが・・・そんなことはランドには分からない。
ランドの怒りという感情にまた火がつく・・・その怒りに呼応するかのようにゆらゆらと揺らめきはじめるランドの影・・・
それと同時にいきなりランドは魂が抜けたように顔を俯き呆然と立ち尽くす・・・
そして、ランドが顔を上げたとき、そこにいつもの表情はなかった。眼は鋭く殺気を放ち・・・今までの大人しそうな雰囲気はない。

>>218>>204

>「どうしたの?一体何があったのよ!?」
リリアーナの様子が心配で来たエルザ。
だがそんなエルザをランドは睨みつける。
「いいからてめぇは黙って死霊どもの相手してりゃいいんだよ!!!」
そしてすがりついているリリアーナを掴み上げてリリアーナを斬った骸骨に真正面から対峙する。
「おい骸骨。ずいぶんと面白れぇ刀使うじゃねぇか。ならこっちもチャンバラに付き合ってやるよ。
 久しぶりのお出ましだからちと体の動かし方に自信がねぇ・・・丁度いいウォーミングアップになるぜ。」
そして手を前に出すと暗く影ができている地面から黒い刀が延びてくる。
ランドは刀を引き抜き軽く回してみるととくに構えるわけでもなく馬鹿にした笑いを浮かべている。
「ほらこいよ・・・くくく・・・それともなんだ?腹斬りでもするか?
 骸骨に出来るかどうかは分かんねぇけどよ・・・くくく・・・はははは!!」
 

221 名前:キサカ ◇lbUJfu0lHM[sage持1(自)] 投稿日:2008/04/30(水) 07:43:35 0
 放った雷拳が壁に着弾すると同時、予想以上の爆発が起きた。
 雷自体の反動は抑えられるが、その他は保障されていない。
 視界が回復するよりも早く吹雪が顔に掛かり、壁をぶち破ったことを確認。
 まあ元ネタは八発分だったしだとか弱点属性ウマーだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない。
 もっと恐ろしいチョコナワーズの片鱗を味わいながら「良しッ!くそ野郎ッ!!」とポージングを決めようとして、
「――って余波飛び散ってるだろ常識的に考えて」
 慌ててミルクを見たが眼が眩んだだけらしく、キサカは胸を撫で下ろす。
 制御不足か、実力不足か。なんにせよ配慮不足だったのは間違いあるまい。
 もしかしたら彼女ごと焼いていたかも、と思うと背筋が冷える。

 ともあれ、とキサカはミルクに手を差し出そうとしたが、足場が揺れた為姿勢を崩した。
 ぬぁ、とよろめいた矢先、波紋で浮いていた筈の足が沈む。
 ……そういえば反響指定しなかったな。
 良く保ったな、と思い込みに感謝しながら、体勢をギリギリ維持しつつミルクへ手を伸ばそうとして、
 チョコの悲鳴に続く部屋全体の爆発で吹っ飛ばされた。

 全身に衝撃を受けつつ、は、とキサカは息を吐く。
 雪の中でも真っ白だ。
 押し潰された肺を何とか膨らませ呼吸を再開。
 ミルクは? と視界を動かせば、少し離れた位置を落下する白衣があった。
「ひぃやぁああ!死ぬ!これ死ぬーっ!」
 某研究員は四階だから死にはしないとか言っていた気がするがどうなんだろう。
 どちらにせよ、そのまま落ちれば怪我するのは確実だ。だからキサカは手を伸ばすが、
 届かん……!
 手が短いとかそういうレベルではなく、普通に遠過ぎる。
 音枷? 軟結界? 重力制御? 瞬間移動?
 事象は想起出来ても条文が思い出せない。
 マズイ、とキサカは息を吐き、しかし何も出来ず、
「――ッ!」
 そのまま落ちた。

222 名前:キサカ ◇lbUJfu0lHM[sage持1(自)] 投稿日:2008/04/30(水) 07:44:23 0
 二発目の打撃は背中から入った。
 地面を蹴るようにして衝撃を軽く削り、背中から雪に叩きつけられる。
 ぐぁ、っは、と断続的に悲鳴を挙げてキサカは停止する。
 真面目に血反吐が出そうだ。うずくまって唸ること数秒。
 彼女は? と身体を起こせば腰が痛む。
 植木の傍に、雪とは違う白いものが見えた。辺りを睨んでいるのを見ると、大した怪我は無いらしい。
 よかった、とキサカは安堵の息を吐いて、何度か咳をしてから立ち上がる。
 頭痛がする。吐き気もだ。歩く気がしない。
 手を貸さないと、と思うが体が重い。
 膝が折れた。
 いかんな、と呼吸を落ち着けていると、ミルクの視線が一点で固定される。
「アルナワーズ!チョコナワーズが校舎に逃げる!!
 また魔法攻撃を吸収して大きくなる気だろうから、先回りするか追いかけて!
 あいつは五行属性変化で魔法を吸収するって中の生徒に伝えて!
 チョコナワーズがこれ以上大きく育ったらリリアーナも危なくなる!!」
 ……校舎、となると食堂があるか。
 食堂は一種の休憩スペースだから手練れも多いだろう。
 研究員を飲み込んだことから考えるとペンダントも内蔵している可能性が高い。
 夜中とはいえ大量入手のチャンスだ。喜び勇んで戦うに違いない。
 一区切りか……。
 キサカは耳に手を当てる。声を出す前に咳払いを一つ。
「あーあー、HQ、HQ。こちらキサカ聞こえますかどうぞ」
『キサカてめーこのやろう心配したんだぞ何があったかウィットとジョークを交えておもしろおかしく報告せよ』
「腰痛いんだ無茶言うな。今実験棟の外なんだが一番近いリンクは?」
『外ってお前……まあいいや。歩けばすぐ校舎に着くから適当な場所から接続しろぃ』
「校舎は今修羅場の筈なんだが」
『上等じゃん。ちゃんとエスコートしてこいよ?』
 へいへい、とキサカは生返事をしつつミルクを見る。
「メギド!」
 爆発があった。
 えー、と疑問を浮かべる間に吹き飛ばされた蒸気や雪を軽く被る。
 物理的に白い視界の中で沈黙すること数秒。
「さっきは助けてくれてありがとうキサカ!
 あたしはチョコナワーズにトドメ刺しに行くから!
 もし一緒に退治しに来てくれるなら、ペンダント分けてあげてもいいわよ!」
 あーこれは一体なんだろうなチクショウ。
 爆破した道を駆け出すミルクを目で追いながら、キサカは左手で眉間を押さえ、右手を腰に。
『……頑張れよ?』
「……頑張ります」
 最後の薬用食品を咥えつつ、キサカは彼女の後を追う。

223 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/04/30(水) 08:50:36 P
>217
「いやぁぁぁぁ!!」
このままでは間に合わない
そう判断したフリージア
思いっきり氷結根をルズを噛み砕こうとしているアンデットめがけてぶん投げた

ガキィィン!!
と言う音をたて
命中する氷結根

外れる上顎
行き成り何をするんだとばかりに激昂する下顎から上が無いアンデット
「お〜ほっほっほ!上の顎がなければ食べ物は食べれませんわよ!!」
持っていた剣をお返しとばかりにフリージアにぶん投げる
頭にぶっ刺さるアンデットの剣
だがフリージアの頭は偽者であるため痛くも痒くもない

「お〜ほっほっほっほ!頭に剣が刺さったくらいでやられるわけが無いでしょおばかさ〜ん」

頭に何か刺さったぐらいでやられないには自分達も同じなので気にしないアンデット達
相手に武器が無くなったと見て
フリージアに殺到するのであった
だがフリージアは今全身武器の塊のようなフリージングドールを着込んでいるのである
「フリィィィィジングドリィィィル!!」
次々とドリルの餌食になっていくアンデット達
全身バラバラにされても死んでるので死なせてもらえない
何だかぴくぴく動いていてとても不気味だ!!

「お〜ほっほっほっほ!今のうちに安全なところに隠れなさい子猫ちゃん」

224 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/04/30(水) 09:29:44 O
「よいヘタレ具合いぢゃ
今宵のむらましゃは血に飢えておるわ」
ガシャ髑髏のセリフとは裏腹に声は裏返り切っ先はカタカタと震えて定まらない
だってランドが急に怖い人になったんだもん
(ちょ、何この人?さっきまで優しそうだったのに言ってること怖すぎなんですけど!)
内股になっちゃってるのはちょっとチビったからと言うのは秘密だ
イメージ的に涙目になりかけたくらいに、エルザもやって来る
無理無理無理無理無理無理無理!
「戦いのセオリーその2!
36計逃げるが勝ち!」
ガシャ髑髏は逃げ出した!

225 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/04/30(水) 18:01:47 O
>215 >221-222
チョコナワーズは玄関に回らずに直接校舎内に進入したようで、進路にある窓がぶち壊されていた。
あたしも同じ窓から校舎内に入り、走りながら体に積もった雪を払う。
真っ白になるくらい雪がついていたけど、雨と違って払えば落ちるのはありがたい。

どうやら後を追ってきてくれたようで、キサカも携帯食品を食べながら校舎に入ってきた。
「さすがキサカ!困ってる女の子を見捨てたりはしないって信じてたわよ!
ペンダントの取り分は、後でちゃんと渡すからね」
チョコナワーズはあたしの核熱を吸収する厄介な敵だ。
他の属性攻撃が出来るキサカがいてくれるのは、ものすっごく心強い。

「えーっと、アルナワーズは確か、チョコナワーズが食堂に向かうって言ってたよね」
頭がいいからか類は友を呼ぶからか、アルナワーズの予想はぴたりと当たったようだ。
食堂のあるはずの方から、巨大な何かが動く振動が聞こえてくる。
食堂側からどおんと大きな爆発音が響く。
誰かが景気良く大魔法を発動したんだろう。
玄関側からは、別の戦いの音が聞こえてきた。

「どうする?あたしたちだけでチョコナワーズを倒しに行く?
それとも、誰か他の生徒を探して仲間を増やしておく?
玄関側で戦闘があるみたいだから、ペンダントを餌に手助けを引き出せるかも。
あいつアルナワーズの思念も取り込んでるから、なんかイヤな予感がするんだよね…」

226 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/04/30(水) 18:43:07 0
>220>224
> 「いいからてめぇは黙って死霊どもの相手してりゃいいんだよ!!!」
「なんですって!?」
エルザは真っ赤になって怒った。
> 「おい骸骨。ずいぶんと面白れぇ刀使うじゃねぇか。ならこっちもチャンバラに付き合ってやるよ。
>  久しぶりのお出ましだからちと体の動かし方に自信がねぇ・・・丁度いいウォーミングアップになるぜ。」
エルザはランドのこの言葉でやっとガシャ髑髏に気づいた。
> 「ほらこいよ・・・くくく・・・それともなんだ?腹斬りでもするか?
>  骸骨に出来るかどうかは分かんねぇけどよ・・・くくく・・・はははは!!」
「ふん、ロリコンのくせに調子に乗っちゃって!あんたなんかやられちゃえばいいのよ!」
エルザはそうランドに悪態をついた。しかし、エルザの期待は大きく外れた。
> 「戦いのセオリーその2!36計逃げるが勝ち!」
ガシャ髑髏がそう言って逃げ出してしまったからだ。
「ちっ!」
エルザは大きく舌打ちをした。

「ランドアンド!早くリリアーナを降ろしなさいよ!というより、リリアーナに触らないで!」
リリアーナを掴み上げているランドにエルザが叫んだ。

227 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/04/30(水) 20:15:58 0
>220
>「どうしたの?一体何があったのよ!?」
エルザの心配そうな声も、泣きじゃくっているリリアーナには届かない。
そして。
ずっと理不尽な不幸に見舞われ続けたランドは、まるで別人のようになっていた。

>226 >224
>「いいからてめぇは黙って死霊どもの相手してりゃいいんだよ!!!」
>そしてすがりついているリリアーナを掴み上げてリリアーナを斬った骸骨に真正面から対峙する。
襟首を捕まれリリアーナは宙吊りにされた。
真正面から骸骨と対面する羽目になったリリアーナは、まるで火がついたように大泣きしている。
「うわぁぁぁああん!恐いよー、恐いよー!!」
>「よいヘタレ具合いぢゃ
>今宵のむらましゃは血に飢えておるわ」
ガシャ髑髏はリリアーナに呪いの言葉を吐いた。

ランドの挑発にエルザが悪態をつく。
だがガシャ髑髏はすぐに撤退してしまった。
ちっと誰かが舌打ちするのが聞こえる。

>「ランドアンド!早くリリアーナを降ろしなさいよ!というより、リリアーナに触らないで!」
>リリアーナを掴み上げているランドにエルザが叫んだ。
今にも気絶しそうな顔色をしたリリアーナは、ようやく地面に降ろされた。
「エルザ・・・・・・」
リリアーナはじっとエルザを見たが、またぐすぐす泣き始めた。

棍棒からゾンビの残骸を滴らせるエルザ
人が変わったようなランド
軽々とゾンビを倒したラルヴァ。
折れた心で見る世界は、何もかもが恐ろしく感じた。
「恐いよう・・・恐いよう・・・」
その場でぐすぐすとしゃくりあげていたリリアーナからは、何の気概も感じられない。
ただ怯え戸惑うだけの姿は、外見だけでなく心まで子供に戻ったようだ。

>「グオオオォォォオオ!!」
半身を吹き飛ばされ倒れていたゾンビが不意に起き上がり、リリアーナに掴みかかろうとした。
「ひっ!やだっ!」
リリアーナは震え上がりロックバスターを向けたが、なぜか弾は出なかった。
「な、なんでっ?!」
リリアーナをあざ笑うかのように、ロックバスターはただカチカチと音を立てるだけだった。
唯一の武器が使えなくなったリリアーナはパニックを起こした。

「もう・・・・いやぁぁああ!!」
リリアーナは脱兎のごとく逃げ出した。
どうやらガシャ髑髏とは反対方向――――食堂方面に向かったようだ。

228 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/04/30(水) 22:26:05 0
>>224>>226>>227

>「うわぁぁぁああん!恐いよー、恐いよー!!」
泣き喚いているリリアーナの方を見て楽しそうに笑うランド。
「ははは・・・こいつを楯にして戦うのも面白そうだぜ。」
がしゃ髑髏もどうやら台詞からして中々乗り気のようだ・・・ランドの眼が活き活きと輝く。
>「戦いのセオリーその2!
>36計逃げるが勝ち!」
しかし、戦いは起こらずにがしゃ髑髏は凄いスピードで逃げいく・・・しばらく呆気に取られているランド。
「・・・つまんねぇ・・・萎えちまったぜ・・・」
いきなりの行動に拍子抜けし追いかける気にもなれない。
ランドは剣を自分の影に落とししまうと傍からエルザの舌打ちが聞こえる。

>「ランドアンド!早くリリアーナを降ろしなさいよ!というより、リリアーナに触らないで!」
エルザの大声が響いても気圧されるどころか
むしろ真赤になって怒っているエルザを見て楽しんでいるランド。
「降ろせ?だがこいつを今は離さないほうがいいじゃねぇか?・・・ははは!」
しかし、エルザが一段とランドを睨みつけるのでランドは分かった分かったとリリアーナを降ろす。
リリアーナはエルザの方を見るがまた泣き出しはじめる。
リリアーナの泣いている表情を見て笑いを浮かべているランド。
>「恐いよう・・・恐いよう・・・」
そういって泣き続けるリリアーナはまるで本物の子供のようだ。
おそらくガシャ髑髏の攻撃によって心が弱くなっているのだろう。

>「グオオオォォォオオ!!」
そして、その心の弱くなったリリアーナに上半身だけのゾンビが不意に起き上がり襲い掛かる。
リリアーナはロックバスターを使おうとしたが弾がでない。
どうしようもなくなったリリアーナはパニックを起こしてしまう。
>「もう・・・・いやぁぁああ!!」
そういって脱兎のごとく走っていくリリアーナ・・・食堂の方面へと走り去っていってしまった。
それを見てもランドは特に追いかけるそぶりも見せずにリリアーナを襲ったゾンビを蹴り飛ばし、
苦しそうに呻いているゾンビの頭を踏みつけ恍惚の表情を浮かべている。

「くくく・・・んで?どうすんだ?行っちまったぜ・・・だから言ったじゃねぇか離さないほうがいいってな。
 あいつは今一種の呪い状態にあんだよ。恐怖を煽るような奴で軽度だけどなぁ。
 要するにだ、あの餓鬼からすれば俺様も・・・そんでテメェもそこの男も畏怖の対象ってわけだ。
 だから安心を求めてどこかに行った・・・もっとも・・・
 この状況からして行き着く先が安全とは到底思えねぇけどよ。」

話が終わりランドはゾンビの頭を力を込め蹴り飛ばす。腐敗した首は簡単に折れ、ボールのように飛んでいき、
エルザの顔の横を通り抜け壁へと当たりグシャッという嫌な音とともに中身を撒き散らす・・・
「さぁてと・・・俺は行かせてもらうぜ、せいぜい楽しまなねぇとなぁ!」
助けにいく気など毛頭ない・・・今のランドに明確な目的などない。
ただ食堂の方面に行ったほうが校舎から出るよりもよっぽど退屈しなさそうだから行くだけ。
リリアーナの向かった先に行くのも特に考えがあったわけではない。
ただそっちに行ったほうが面白いことになると勘が告げているにすぎない・・・



229 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 本日のレス 投稿日:2008/05/01(木) 07:25:03 0
>227>228
> 「もう・・・・いやぁぁああ!!」
> リリアーナは脱兎のごとく逃げ出した。
> 「くくく・・・んで?どうすんだ?行っちまったぜ・・・だから言ったじゃねぇか離さないほうがいいってな。
>  あいつは今一種の呪い状態にあんだよ。恐怖を煽るような奴で軽度だけどなぁ。
>  要するにだ、あの餓鬼からすれば俺様も・・・そんでテメェもそこの男も畏怖の対象ってわけだ。
>  だから安心を求めてどこかに行った・・・もっとも・・・
>  この状況からして行き着く先が安全とは到底思えねぇけどよ。」
「…どうしてそれをさっき私に言わなかったのよ?」
エルザは確かに、さっきランドにリリアーナがどうしたのかと尋ねた。
しかし、ランドはその言葉を一蹴したのだ。エルザはさらに怒った。
「わざとだったのね!?あんたはロリコンだけじゃなく、子供をいじめる趣味もあるわけ!?」
リリアーナを脅かしたゾンビの頭がランドに蹴り飛ばされ、
> エルザの顔の横を通り抜け壁へと当たりグシャッという嫌な音とともに中身を撒き散らす・・・
> 「さぁてと・・・俺は行かせてもらうぜ、せいぜい楽しまなねぇとなぁ!」
「待ちなさいロリコン!あんただけはリリアーナに近づけさせないわ!!」
エルザはランドを、というよりリリアーナを追いかけた。
「アウル!先行してリリアーナを追いかけて!…アウル!?嘘でしょ!?」
エルザは自分の肩に止まっている梟のアウルにそう命令したつもりだった。
しかし、アウルはそこにいなかった。先程の戦闘の最中、エルザの肩を離れてどこかへ飛んでいってしまったらしい。

「(あのロリコンは一つだけ正しい事を言ったわ。この状況、リリアーナが行く先にゾンビ達が居ないとは限らない!)」
エルザはこの時、ゾンビなんかよりもっとやっかいなものが食堂にいる事など知る由も無かった。

230 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 本日のレス 投稿日:2008/05/01(木) 16:42:34 0
>>223
「も・・・もうだめなのですわ〜!!」
哀れルズ、リバースの雪原に消ゆ!というタイトルがルズの脳裏をよぎる。


そんな絶体絶命のルズを救ったのは、フリージアの氷結根だった。
「あ〜れ〜!!・・・・・・・・あれ?」
ガキィィン!! という音と共に不意に世界が開けた。
「お〜ほっほっほ!上の顎がなければ食べ物は食べれませんわよ!!」
「さすがはわたくしのフリージア女王様〜!素敵なのですわ〜・・・っ!危ないっ!!」
顎が破壊されたアンデットはフリージアに剣を投げた。
フリージアの頭にアンデットの剣が突き刺さる。
「キャ――――!!女王様の花のかんばせにまた傷が!!」
ルズは絶叫し、アンデットの口から飛び降りた。
だが当のフリージアは全く無傷のようで、高笑いしながらアンデットを挑発している。

>アンデットはフリージアに殺到している。
>「フリィィィィジングドリィィィル!!」
>「お〜ほっほっほっほ!今のうちに安全なところに隠れなさい子猫ちゃん」
「は、はいなのですわ〜!!」
フリージアの戦闘は激しく、とてもルズが接近できるようなものではなかった。
ルズは足手まといを避けるべく近くの木に登った。

夜目が利くルズは辺りを観察した。
フリージアはこの付近のアンデットを圧倒している。制圧するのも時間の問題だろう。
だが、校舎の屋根や窓の中にゴーストの姿がちらちら見え隠れしている。
どうやらアンデット軍団はゾンビやスケルトンで終わりというわけではないらしい。
「こいつら一体どこから沸きましたの〜?」
奴らが来る方角は図書館方面だとは思うのだが・・・・・・あそこにはオルビア先生がいるはずだ。
図書館の最下層は魔本や魔物が住み着いているらしいが、それらが学園の生徒を襲ったなど聞いたことが無い。
ルズはしばらく考え込んでいたが、不意に閃いた。
「キタ――――!!謎は全て解けたのですわっ!
 このアンデットは全てリバースでのゲームに色をつけるため、オルビア先生が召喚なさったのですわっ!!」

ルズが勝手な推理を展開している間に、フリージアとアンデット集団との戦いに変化が起こっていた。
何と、フリージアに破壊されたゾンビの残骸が集まり始めたのだ。
背の丈はフリージングドールの二倍はあるだろうか?
外見は泥でつくったゴーレムに似ているが、右腕が左に比べ明らかに肥大している。
「ヲヲヲヲ・・・・・・・タオス・・・・タオス・・・」
ミチミチと何かが引き絞られていく音がする。
音を発しているのは巨大ゾンビだった。
フリージアを見据えたまま、不気味に右腕が回転し始めている。
ルズははっとした。
「ま、まさか!あいつは右腕の筋力に、螺旋状から元に戻る際の腕の回転を付与するつもりですのっ?!」
腕を捻転させらせん状に変化させた巨大ゾンビは、右腕を大きく振りかぶりフリージアに襲い掛かった。

「フリージア女王様ぁ!」
ドーン!という地響きが上がり、ルズは絶叫した。
フリージアの姿を探すが、吹雪と舞い上がった泥混じりの雪に遮られ良く見えない。

231 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 本日のレス 投稿日:2008/05/01(木) 19:38:16 0
>218
>「ああ、狂っているわ!」
「(君は血に酔っているみたいだけどね・・・)」
ラルヴァには誉め言葉としては受け取れないようだ。

しかし、どれほど倒してもまったく尽きる様子もない。
>「坊や!化け物達をなるべくリリアーナから遠ざけて!あなたならできるでしょう!?」
「あー・・・・・・うん、分かった。」

エルザがリリアーナの方へ向かっていくのを横目に、ラルヴァは己の左腕を強く握り
より血を流して、それを周囲の床面に撒き散らす。そして血に汚れた右手を眼前に掲げ
「『グレイブウォール』!!」

血にまみれた床を壁面として床が、厚さ90cmの壁として持ち上がる。
廊下いっぱいに広がった壁は、蟻すら這い出る隙間も残さずごりごりとアンデッド達に向かう。
更に加えてラルヴァは進んでいく壁に右手を当てて再び詠唱を開始する。

「【我招くは 凄惨なる紅雨
 噴けよ爆炎 地を裂きて出でよ
 彼の者達に 驟雨となりて打ちつけよ】!」
再びの詠唱に応えるように、壁の向こう側ではラルヴァの血がぼこぼこと泡立ち
溶岩と化して、壁をすり抜けようとするゴーストを再び焼き尽くしていく。
おそらくこれで一通りアンデッド達が向かってくることはないだろう。

>220>228>229
ふと振り返ってみれば、なぜか誰もいない。
魔法に精神を集中している内に何かが起こったらしい。
「あー・・・・・・・・・・・・んー・・・・・・・・・・・・???」
リリアーナがどうなったのかやや心配だが、どこに行ったかも分からない。

「とりあえず、かまくらに戻ろうかな。」
そして再びラルヴァは雪の中へと歩き出すことにした。


232 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 本日のレス 投稿日:2008/05/01(木) 22:03:46 0
恐怖に突き動かされ、無我夢中で走っていたリリアーナの足がようやく止まった。
膝に手を当て、ぜいぜいと息をつく。
辺りはしんとして人の気配はない。
「どうしよう・・・皆とはぐれちゃった・・・・・・」
あの時は皆にどうしようもない恐ろしさを感じたが、今度は一人が怖い。
矛盾しているし身勝手だと自分でも思うが、どうしようもない。
「私、どうしちゃったのかな・・・・・」
お化けが怖いのは昔からだが、友達に恐怖を感じるなんて。
確かにリバース内では皆ライバルだが、今までこんな気持ちになった事など無かった。

だがこうしていても仕方がない。
リリアーナは身を起こすと、とぼとぼと歩き始めた。
ここからなら食堂は目と鼻の先だ。
あそこは今休戦地帯のようだから、しばらくの間身体を休ませる事もできるだろう。

「・・・・・あれ?」
そんな事を考えながら歩いていたリリアーナは、ふと足を止めた。
あるはずの廊下が消えている。
目の前には壁があるばかりだ。
「変ね、ここから食堂へ行ける筈なのに」
リリアーナは首を傾げた。
もっと明るければ、リリアーナの行く手を遮る壁の色がおかしい事に気づいただろう。
だがあたりは薄暗く、リリアーナも怖くて気が急いているために見落としてしまったのだ。

「リバース世界は左右反転しているから、どこかで道を間違えたのかしら?
 ああ、それにしても美味しそうな匂い!」
リリアーナはうっとりと息をついた。
辺りにはチョコレートのの甘い香りが充満していた。
「食堂についたら、チョコケーキとホットチョコレートでも頼もうかな・・・・・・」
楽しい事を考えたら少しだけ気分が良くなった。
リリアーナは茶色い壁に背を向け、その場を立ち去ろうとした。

233 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2008/05/01(木) 22:04:34 0
                                  
                                   
                               
                               
                            
                             
                            
                            
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