【特別掲載】

163 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/21(火) 10:19:47 P
エピローグ
>252
カリカリカリカリ・・・・と窓を引っかく音がする
>「女王様〜!開けてくださいまし〜」
>「スーとルズがフリージングドールをいただきに参上いたしましたわ〜」
>「フリージングドールがまだでしたら、女王様をお持ち帰りですわ〜」
>「むしろ大歓迎ですわ〜お持ち帰りぃ!なのですわ〜」
>「そしてあーんなことやこーんなことを!」
>「やめてぇん、そんなこと恥ずかしくて言えないっ!のですわ〜」

「お〜ほっほっほ抜かりは無くてよ!」
「抜かりは無くてよ!!」
何故か二回同じことを繰り返すフリージア

「大切なことだから二回言いました」
とデッキ調整をしながら言うギズモ
その姿はリリアーナでもグレムリンでもなく
猫のフードパーカーを着た男の子・・・・むしろ男の娘の姿をしている
「ねぇ・・・開けてあげようよお母さん」
どうやらフリージアはギズモに強請られて擬人化の魔法を使用したようである

仕方ないわねえという風情でしぶしぶ窓をあけるフリージア
フリージアの部屋の床には熊の毛皮で出来た敷物が敷かれている

この敷物はフリージアが生まれて初めて仕留めた熊の成れの果てというのは秘密である

「いっぱいあるからどれでも好きなものを選びなさいな」
フリージアの目の前にはいつの間にやらフリージアの頭が船から生えていたり
飛行物体に足だけ付いていたりその他のパーツがバラバラに色々な乗り物にくっついた
まさにアオ○マの合体プラモデル状態のものや
SD体型のフリージア人形(ねんどろ○ど)や、可動部分が16箇所あるフリージア人形が並べてあった

「色々考えて作ってみましたわ!お〜ほっほっほ!!」

今日も絶好調のフリージア・・・きっと明日も絶好調であろう
彼女の行く末に幸あれ


167 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage 非常に遅くなってゴメンナサイorz] 本日のレス 投稿日:2008/10/21(火) 22:52:35 0
> 「ヘレンだったよね。見たところ怪我も無いようだけど、どうやったらリバースが回復するの?
 エルザ…ここに来てない友達も心配だし、速く脱出してイベント終了させたいんだけど」
>「リリアーナならきっとできるよ。前にも治してもらった事があるんだ。
 エルザは無事だよ。君は何も心配しなくていい。」
>「ヘレンを回復すればリバースが回復するらしい…が、ヘレン、お前は普通の回復魔法で回復するのか?」
>「ご心配なく。」
…異空間だからどうやって回復するか疑問に思ったが、リリアーナが以前にやったことがあるようだ。
ベアトリーチェや死王戦であまり活躍していなかった分(クリス視点)疑わしいのだが。

>「ではリリアーナよ…はやいとこ回復を頼むぞ」
先程までロックといちゃついていたリリアーナに吸血鬼がヘレンの回復を促す。
>「前にもリバースを回復した事あるみたいだし、ぱぱっと終わらせちゃってよね。
 危ない場所は急いで抜け出して、打ち上げでゆっくり楽しんじゃおう!」
>「う、うん!みんなの言うとおりだよね!ところで吸血鬼、何で顔が赤い・・・・・・きゃっ!!」
やっぱり不安だ。
本当に任せて大丈夫なのだろうか?

>「お、おまたせヘレン。悪いけどこっちに来てくれる?」
そう言ってヘレンの前に立ち呪文を詠唱し始めると見たこともない魔法陣が現れた。
…これだけの力があるのなら、なぜ今まで使わなかったのだろう?

リリアーナが途中で苦しそうにしたり、
ロックがクラウチングスタートの構えをとったり、
足もとの“水”が一瞬発行したりする以外は、特に何事もなく終わったようだ。
その後待っていたかのように宝箱が浮上し、ヘレンの
>「さあ、ミルク。ゲームは終わりだ。」
という言葉により、レクリエーションが完全に終了したことが告げられた。


168 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/21(火) 22:53:25 0

ここでミルクがすぐに宝箱を開けると思ったのだが、
>「……ねえ、リリアーナ。箱を開けて鍵を取り出すの、変わってもらっても良いかな?」
なんと優勝の譲渡をしたいと言ってきた。
…別に優勝を目指していたわけじゃないからどうでもいいんだけどな。

皆の意見にも反対の言葉はなく、早く帰りたがっているようだ。
早く帰りたいのは俺も同じだな。
現に体の節々が痛くて座り込んでいるのだから。

>「―――― でも、私と一緒に皆も宝箱に触れて欲しい。
 私一人の力でここまで来たわけじゃないから、皆で宝箱を開けたいの。
 真の優勝者であるミルクが困らないのなら、そうしてもいいんだよね?ヘレン」
それなのにこいつは全員で開けようとか言いだす。
動けそうにない所とか様子見て気付けよ!!
…………ああ、わかった!行けばいいんだろ!行けば!
だからそんな目で俺を見るな!

宝箱に手を掛け、リリアーナが蓋を開くとまばゆい光とともに大量の情報が流れ込んできた。
…これはリバースでの記録か?
マオや吸血鬼と会う前の、威嚇射撃しながら逃げている俺も見えたし…
>「・・・・・・い、今のって皆にも見えた?」
>「……見えた。いろいろと」
>「なかなか面白い趣向だな、これが優勝賞品か?だったら残念だなミルク!
 お金になるようなものは一個もないようだ」
この様子だと宝箱に触れた者全員が見たようだな。
それにしてもクロウの奴、いきなり時空の狭間に入るとか本当にやる気があるのかよ!!
…おごりの件も少し考え直す必要がありそうだな。

>「あ、良かった。何か色々入ってるよ?」
どうやらリリアーナが宝箱の中に色々見つけたらしい。
別に賞品とかいらないんだけどな。
人数分あるようだし、一応もらっておくか。

>「もしかしてこれがリバースの鍵・・・・・・・なのかな?」
賞品を受け取ると、中身を確認する前に視界が暗転し、感覚がぼやけ始めた。
>「おめでとう。そして、さようなら。僕が君達によりふさわしくなるまで、しばしの別れを味わおう。」
最後にそんな言葉を聞いた気がしたが、気づくと大広間に戻ってきていた。


169 名前:クリス エピローグ 1/2 ◆zuDFbGiSHI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/21(火) 22:54:46 0
それは昼間、魔銃のメンテナンスをしているときに突然やってきた。
ペチペチペチペチペチペチペチペチペチペチペチ
>「いてててててて!!!!なんだこれは!!!!」
振り向くと部屋に仕掛けたトラップ、輪ゴムマシンガンに引っかかったクロウが立っていた。
>「お前またトラップを増やしたのかよ!!!!」
トラップについて抗議してくるが、いわゆる自業自得というやつである。
なぜなら・・・
「…また空間移動を使って部屋の中に入ってきたな。
 ノックすれば普通に入れたものを。」
そう、こいつは空間移動を使ってよく勝手に入ってくるのだ。

>「少しくらいいいじゃねえかよ。」
「で、入ってきたからには何か用があるんだろ。」
こいつが入ってくるのは大抵用がある時である。
>「ああ、そうそう。
 その件なんだけど、お前リバースの地下図書館で火を使っただろ。」
「ああ、確かに使ったぞ。」
あの時には魔銃の炎弾で床に穴を開けたり、炎の刃を出したりしたからな。
>「…それ、ターナー先生にばれてる。」
・・・・・・・・・マジ?
それが本当だったらかなりやばいぞ。
地下図書館は火気厳禁だったはずだからな。


170 名前:クリス エピローグ 2/2 ◆zuDFbGiSHI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/21(火) 22:57:32 0
>「それでここからが本題なんだが。
 俺がターナー先生に話をつけておくから、頼みごとを一つ聞いてくれないか?」
なるほど、取引をしに来たわけか。
しかし以前安請け合いしてひどい目に遭ったからな。
「…頼みごとの内容にもよるぞ。」
>「いや、さすがにやばいことは頼まないから。」
…背に腹はかえられないか。
ターナー先生、マジになると何をするか分からないからな。
「わかった、引き受けよう。
 で、何を頼みたいんだ?」
>「…剣、壊しちまったから修理してくれ。」
そう言って真ん中らへんから真っ二つに折れた剣を取り出してくる。
…というかこれって!!
「まさか、この剣は・・・」
>「うん、予想通りなんだ。済まない。
 仏の顔m」
「てめぇ!!あれだけ壊すなって言ったのに真っ二つにしやがって!!」
やはりクロウに作ってやった剣『インディフィニティバスター』みたいだ。
>「でも、この切り口を見たとき、君はきっと言葉ではいい表s」
「ネタはいらん!!どうやったら真っ二つに折れるんだよ!!」
この剣の素材はミスリル、オリハルコン、アダマンタイトと貴重な金属をつぎ込み
かなりの強度と魔力伝導性を持たせたはずである。
>「…最後までやらせろよ。
 原因は、死王戦の時に無茶をやったお前らのサポートだ。」
「…じゃあ、注文を聞こうか。」
>「ちょっ、ストップストップ!
 とりあえず武器から手を離して最後まで話を聞け。」
まったく、あの時に何をやったて言うんだよ。
>「細かく説明するとだな、鏡があるのに強力な攻撃を放っただろ。
 あの鏡はリバースと現実世界を繋いでいるうえ、亀裂の中心が集まっていたから
 すぐに接続を切らなきゃいけなかったんだ。」
まあ、そこは分からなくもない。
実際に二発ほど強力な魔法が放たれたからな。

>「で、その接続を切る為とっさに剣に魔力をこめて切ったら
 剣だけ攻撃に巻き込まれて折れちまったわけだ。」
…状況はだいたい理解できた。
「理由はわかった。それでも修理代はばかにならないぞ。」
>「だから、ターナー先生に話をつけるんだよ。」
何となくわかった。
ターナー先生を何とかするから、剣を無料で修理しろと。

「はぁ…仕方がない、修理してやるよ。」

こうしてシュガーローンに頼らざるを得なくなったクリス
後に残るのはため息ばかりだった。



176 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/23(木) 18:43:23 0

(おまけ)
祝賀パーティ会場。
隅っこで盛り上がっている二匹の猫たちはひときわ異彩を放っていた。
何せ周りには、生首や人の手足が映えた謎の乗り物や飛行物体がうろうろしていたからだ。
ぎょっとするほど精巧なつくりの生首は、美少女で有名な生徒の顔と瓜二つだった。

「幸せですわ〜ハーレムなのですわ〜」
「幸せなのですわ〜。がんばったかいがあったのですわ〜」
いずれも、フリージアから貰い受けたルズ達の宝物である。
まさに、恋は盲目である。

「そういえば優勝者の宝箱からこんなものを貰ったのですわ〜」
ルズは巾着袋からスカウターのような物を取り出した。
「ああ!存じておりますわ〜
 『戦闘力・・・たったの5か・・・ ゴミめ・・・
 とか言いたくなるマジックアイテムでしょう?ソレが優勝景品ですの〜?」
ルズはチッチッチ、と人差し指を左右に振った後、スカウターを装着した。
「いいえ!これは相手のプロポーションを萌え度を測るためのマジックアイテムなの
ですわ〜!!
 これをつければどんな女性のプロポーションも・・・」
測定開始とばかりに顔をあげたルズの目前を、猫耳のおっさんが通り過ぎていった。
「ぎゃー!目が!目がぁ!!」
「きゃー!!ルズ、しっかりするのですわ〜」

こうしてリバース終了パーティの夜は過ぎていった。


177 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/23(木) 18:44:08 0

「あれ?あのアンデット、塩じゃなくて死王だったんだ・・・・・・」
昼下がりのカフェテリア。
渋い顔でゴシップ雑誌らしきものを読んでいたリリアーナの上に影が落ちた。
「あら久しぶりね!」
リリアーナは手にしていた雑誌をテーブルに置くと、立ち上がって椅子を勧めた。
「リバースの後のパーティ以来じゃない?あれからどうしてた?」
楽しそうに近況を聞くリリアーナの表情は、『週間フィジル自身』の表紙を飾っている写真と同じだった。

あのリバースのイベントが終って既に一週間が過ぎていた。
今の学園は、次のイベントの準備で少し浮き足立っている。
おかげで、リバース戦優勝者であるリリアーナの周りも、おかげでだいぶ静かになった。

ロックのことを聞かれ、リリアーナは課題に言っていると説明した。
後を追わなくていいのかと聞かれ、リリアーナはすっと居住まいを正す。
どうやら目の前の友人は、大体のあらましを知っているらしい。
「フィンカイラ島にいくのを『課題』にしてくれたのは、粋な学園長のはからいだったと思っているわ。
 後を追いたくないといえば嘘になるけど、私は私でやるべき事が残ってるしね」
そう言って微笑むと、リリアーナは冷めかけた紅茶を口に含んだ。
舌先に残る苦い味と共に、リリアーナは学園長室でのやり取りを思い出していた。

優勝したリリアーナのために用意された副賞は、強力な封印の石だった。
神の杖と呼ばれたものは、今はリリアーナの内に封印されて眠っている。
もっとも、人の力でカドゥケウスを完全に封印できる筈も無い。
実際には、所有者の願いを聞き入れたカドゥケウスが封印に応じた形だ。
魔力探知に特化した優秀な魔法使いでも、今のカドゥケウスに気づく事は難しいだろう。

もっとも、封印した後もリリアーナの魔法は相変わらずだ。
所有権自体を放棄していないからだ。
なぜ所有権を放棄しないのかと学園長に尋ねられ、リリアーナはしばし躊躇った後、こういった。
「カドゥケウスが本当のご主人様のもとへ帰りたがってるからですよ
 でも彼らの主は今、黒い扉の先――――冥界にいます」
カドゥケウスは異界へ渡る免罪符でもあるが、手放しては元の世界に戻る術は無い。
「でも、私が杖を持ったまま天寿を全うしたら、私は冥界に行きますよね?
 その・・・つまり・・・・・・・カドゥケウスとはそういう約束なんです」



178 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage エピローグ] 本日のレス 投稿日:2008/10/23(木) 18:45:16 0
しばし物思いに耽っていたリリアーナだったが、何度か呼びかけられハッと我に帰った。
「ごめん、ちょっとぼうっとしてた。何?」
「ロックと一緒に行かなくて本当に良かったのか?」
リリアーナはああ、と納得したように頷くと、わざとらしく泣きまねをして答えた。
「いいのよっ、それに、ロックがアンジェリーナの後を追ったのなら私には止められないし。
 だって、アンジェリーナ先生はロックにとって『トクベツ』なんだもの。よよよ」
そういって亡き真似をしたリリアーナの目は明らかに笑っていた。
一方、それを聞いた相手の行動は明らかに挙動不審だった。
慌てて周りを確認した後、「それ、絶対他人の前で喋らない方がいい」と何度も念押しされたのだ。
「う、うん?分かった」
きっとアンジェリーナにも熱狂的なファンがいるに違いない、そうリリアーナは納得した。
その冗談を真に受ける人間が存在するなど、考えてもみなかったのだ。

「あっ、もうこんな時間!じゃあ私、そろそろ学園祭の準備に行かなくちゃ!。またねキサカさん」
リリアーナは立ち上がると、ふと思い出したように一枚のチケットを差し出した。
「これ、猫耳メイド喫茶のコーヒー無料券なの。よかったら遊びに来てね」

カフェテラスを抜け外に出たリリアーナは空を見上げた。
今日もいい天気だ。
ロックはそろそろ次の転移ゲートについた頃だろうか?
それとも、フォルティシモと共に空を飛んでいる頃だろうか。
別れ際のロックの言葉を思い出し、リリアーナはかすかに微笑んだ。
「うん。・・・・・・・・・・・・・なるべく早くね」
リリアーナは秋めいた陽射しを左手で軽く遮る。
今にも抜け落ちそうな程ぶかぶかの指輪が、頷くようにリリアーナの指で揺れていた。



その夜リリアーナはとんでもない災難に見舞われるのだが―――― これはまた、別の話である。