1 名前:◆NOA/MhDsUs [] 投稿日:2009/10/18(日) 21:19:11 0
悠久の時を経て地球は寿命を終え消滅した。
人類は繁栄を極めたが、その限界を知り星と運命を共にする。
唯一つ、種の可能性を宇宙に残して。
あらゆる生物の遺伝子と文化データを収めた星間移民船団ノア。
自分達の超えられなかった限界を宇宙のどこかの星で超える願いを託して・・・。

悠久なる旅の果て、星間移民船団ノアは緑に包まれた星に到達。
全長100キロの巨大な宇宙船は新天地の星の各所にその身を沈め、地表に突き出た10キロほどの塔として残る。
長い年月をかけテラフォーミングを完成させた。

そして環境が整った時、ソレは行われた。
即ち生命の誕生。
遺伝子プールが開放され、あらゆる環境に生命が溢れる。
環境に適応し、または遺伝子が混ざり、規定数以上の生命が生まれたのだ。
中には機械やそれとの融合した種も発生する。
生まれた生命たちの遺伝子にはこう刻まれていた。
戦え!そして塔の頂点を極めよ!
それは強く生き残る種を育てる為に。

そして現在。
1000年たち、代替わりを繰り返し戦いを繰り返しながら世界は安定していった。
和・洋・中、古今東西。
あらゆる文明・文化・神話・ファンタジーが同時に、そして一つの世界に混在する世界。
星に立つ塔は8本。
既にその意味を知るものは殆どいないが、塔を中心に社会が形成されていく。
未だ塔を制したものはいないが、中階層まで到達した者達がその地域を治める世界となっていた。
支配者達は塔の機能を一部解析しインフラを整え人口を増やしていくが、基本的に干渉はしない。
放置することで適度なサバイバルが起こり、それが強者を育てるのだから。
遺伝子プールの開放は続いており、絶えず新たなる生命が発生する。
しかしそのうちに遺伝子障害により、怪物も生まれる。
そして様々な文化・道具・武器・食料を柱は供給し続ける。

塔への渇望が薄まり、社会が形成されつつも戦いを日常とした生活が一般的なものとなる。
塔を中心とした都市部を中央と呼び、インフラも整うが、塔から離れた外部と呼ばれる地域には未だ未開の地が広がっていた。
そんな未開の土地にオアシスの如く生産拠点となる建物が出現する。
一般開放の拠点と戦闘用拠点。
戦闘用拠点は建物に登録する事により、毎月一定量のその者のエネルギーを対価として吸収される。
故に自ずと戦闘力の高いものだけが登録し集う事になる。
情報と物資を提供とする建物は外部の人々にとっての生活拠点となり、自然と集まる。
勿論それを独占しようとする者達との戦いも起きる。
そんな数ある建物の一つ、戦闘用生産拠点。
バビロンタワーを中心としたソドムシティ外区イノシカ町月桂館の物語。

2 名前:◆NOA/MhDsUs [sage] 投稿日:2009/10/18(日) 21:21:59 0
キャラ用テンプレ&テンプレ記入例

名前:サン・プール
種族:吸血鬼
種族特性:吸血能力・催眠・鏡に映らない・日中は能力半減
性別:女
実年齢/外見年齢:450/15
体格:150センチ・45キロ・細身・小柄
容姿:銀髪ロングストレート
性格:明朗活発
装備:仕込み日傘(ショットガン)・ゴスロリドレス・大鎌
職業:魔法剣士
キャラ解説
闇の貴族。 大鎌は普段は影の中にしまってある。


●キャラクターレギュレーション
モンスター・悪魔・精霊・天使・ロボ・混血など全てこの星で一生命体として生まれます。
魔界、天界、精霊などの異次元・別世界は存在しません。
物理攻撃でダメージが与えられる事。代わりに弱点はあっても致命的な弱点はありません。
混血の場合は長所の足し算ではなく長所短所双方ともに平均である事を留意 。
時間を操る能力はパラドックス的な問題の為に不可。

神・魔王・邪神は存在しますが、創造主や概念的な存在ではなく塔の上層ガーディアンとして存在を確認されています。
召喚されたり塔外に干渉する事はないようですが、当該の人々が勝手に崇める事はあるようです。


ジャンル: ごちゃ混ぜファンタジー
コンセプト: 世界規模の戦いとか、世界の根幹の秘密みたいな大げさなものではありません。
      日常的なご近所バトルと言うか喧嘩に近い感覚の戦闘メインで。。
      シリアスとギャグの比率は7:3くらい
期間(目安): キリがいいところで

GM:(なし)
決定リール:(あり)
○日ルール:(あり/3日)
版権・越境:(なし)
名無し参加:(あり)
敵役参加:(あり)
避難所の有無:(なし)

3 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/10/18(日) 21:37:41 0
ファルシでコクーン♪

4 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/18(日) 21:50:55 0
名前:宇佐美 眠兎(うさみ みんと)
種族:ヴォーパルバニー
種族特性:血肉に治療回復再生効果・野生の勘
性別:女
実年齢/外見年齢:24/22
体格:165・55/グラマラス
容姿:ウェーブのかかった金髪長髪・赤瞳・タレ目・ウサ耳
性格:姉御肌
装備:ゴージャスな毛皮とロシア帽子・ショットシェルベルト
職業:屍獣使い
キャラ解説
嘗ては市内に豪邸を構える令嬢だった。
両親の死後莫大な遺産を受け継ぐが、悪い男に騙され貢ぎ捨てられること数回ですっかり散在。
身一つでチェーン荘に転がり込む。
男運が悪くもう信じないといいつつ、惚れっぽさからまた悪い男に引っかかる。
野性の勘、女の勘を持っていてかなり鋭いはずなのに、男関係には働かない様子。
コートの中身はバニーガール。

5 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/18(日) 22:10:23 O
おっぱいもみもみ

6 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/18(日) 22:22:03 0
町の中央に鎮座するバビロンタワー。
そのあまりの高さに頂は霞み、見る事は叶わない。
世界に八本立つ塔のうちの一柱である。
バビロンタワーを中心に広がるソドムシティーは様々な商店が並び活気に溢れ、あらゆる種族の坩堝となっている。
その一角に周囲とは明らかに趣の違う館が建っていた。
陰気で薄暗い洋館はネクロマンサー達の集うネクロパレス。
塔によって作られた拠点のひとつ。
戦闘拠点であるが、その中でも特定アイテムを扱う専門店。

ここではネクロマンサーたちが使う骸・魂、その他アイテムが売られている。
・ドラゴンゾンビ入荷!入札受付!
・平家の落ち武者群。バラ売り可。
・超強力!ファラオ直属戦士ミイラ。
・特売!ゾンビパウダー10キロ。
・ワゴンセール。スケルトン用の骨(欠落部分アリ)
瘴気漂う店内には様々な広告やディスプレーが並ぶが、女はそれに目もくれない。
と言うか、見るだけ無駄なのだ。
ゴージャスな毛皮を纏い、軽くウェーブした金髪を揺らしながら店の奥へと進んでいく。
ロシア帽子の横からぴょこりと伸びたウサ耳は女がヴォーパルバニーである事を示していた。

店の置くまでくると、女・・・宇佐美眠兎は難しそうに壁に備え付けられた瓶の群れを目でなぞる。
ネクロマンサーは大別して二種類に分けられる。
一つは骸を使い死体を操るタイプ。
一つは霊魂を使い媒体もしくは自分に憑依させるタイプ。
宇佐美眠兎は後者と言える。
媒体である毛皮に魂を憑依させ顕在化させる能力を持つ。

壁一面に取り付けられたのは封魂管。
試験管に魔法陣を刻み、蓋ができるようになっているものである。
これさえあれば持ち運びも便利であり、ターンアンデットで一発消滅するリスクも回避できるのだ。

難しい顔をしながら壁を見つめる先には・・・
ファイアードラゴン・・・ワイバーン・・・トロール・・・ケロベロス・・・ファントム・・・落ち武者・・・
そうそうたる札がついている。
魂だけで媒体がない分随分と安くはなっているのだが、それでも宇佐美眠兎の予算を軽く超えるものばかり。
更に視線は壁の下部に進んでいく。
ゴースト・・・ゴブリン・・・オーク・・・戦士・・・弓兵・・・
随分とランクが下がっていくが、それでも視線の下降は止まらない。
ついには最下部にまで辿り着く。
犬・鼠・熊。
モンスターでも人間でもなんでもない単なる動物。
しかしそれこそが宇佐美眠兎の目的としている商品なのだ。
「店員さん、動物霊だけど種類はこれだけなの?」
「またあんたか。たまにはモンスターとか強力なの買っていったら?」
動物霊の品揃えの悪さに店員に尋ねると、店員は呆れたように返事をする。

そもそもネクロマンシーに使われる霊魂はこの世への未練や強い思い・・・残念が必要になる。
弱肉強食の世界を本能だけで生きている動物霊は残念しないからおのずと入荷種類も少ない。
それだけでなく、魔獣やモンスターが闊歩する世界において、単なる動物は決して強いとは言えない部類。
好き好んで動物霊ばかり買う客など宇佐美眠兎位のものだ。


7 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/18(日) 22:22:35 0
「やあよ。大体モンスターの魂を扱うのにどれだけ魔力を消費すると思っているのよ。
動物霊だってちゃんと使える能力あるし、使いようによっては十分役に立つものよ。
強力なアンデッドを持つだけの能力馬鹿と一緒にしないでしょね。」
同業者が聞いていれば噴飯ものの台詞だが・・・誰一人として怒るものはいない。
店員すらも苦笑を浮かべて首を振るだけなのだ。
それはこの台詞が辛らつな正論ではなく、単なる負け犬の遠吠えでしかないからだ。
強力なアンデッドを使わないのではなく、使えない。
予算的にも能力的にも。
ヴォーパルバニーは己が血肉で再生回復をする能力を持つ属性光の種族。
闇の術であるネクロマンサーとは相性がいいとは言い難いのだから。
故に必然的に強力なモンスターの霊魂より、弱くとも使い勝手の良い動物霊に流れているだけなのは周知の事実なのだから。

「それならもう、自分で捕まえたらどうだい?」
そういうと一本の古びた釣竿を差し出した。
これは霊魂を釣るマジックアイテムだが、その貧弱さから強力な魂は釣れず、せいぜい動物霊が引っかかる程度のものだ。
「いいわよ。それと、あと封魂管を10本頂戴。」
暫く考えた後に買い物を終わらせる。
コートの下には体の各所にショットシェルベルトが巻かれている。
本来ショットガンの弾を差し込むところに封魂管を差し込みながら店を後にした。

塔を中心とした市街地を中央と呼ぶならば、そこから離れた郊外を外区と呼ばれる。。
ソドムシティ外区イノシカ町ゲッケイ館・・・
宇佐美眠兎がゲッケイ館を拠点とする理由の一つは中庭には霊道に通じると言う井戸があるからだ。
買い物から帰った宇佐美眠兎はその井戸に糸を垂らしていた。


釣竿を井戸に垂らしてから1時間。
イライラが募り始めたところで漸く最初のヒットが来る。
勢いよく引き上げると、針には蝙蝠の霊魂がついていた。
バタバタと飛び回るが、所詮は糸と繋がっている状態。
うまく引き寄せて封魂管に吸引に成功した。
「蝙蝠!いいわね。これは封魂管じゃなくて常時憑依でいいかも!」
嬉しそうにこうもりの霊魂の入った封魂管を見つめる宇佐美眠兎。

封魂管に入れておけば保管や持ち運びには便利だが、いざと言う時に対応できない。
封魂管体して憑依させてから能力行使、と言う手間がかかるのだ。
最初から媒体である毛皮に憑依させ休眠させておけばこういった手間を省いて即座に能力行使が出来る。
しかし休眠させておくとはいえ常時憑依状態なので魔力の消費は避けられないし、剥き出しのアンデット状態なのでターンアンデットで掻き消される危険も付きまとう。
こういったことを考慮し、2.3体を常時憑依させておき、強力で消費魔力の大きい霊魂は封魂管に保管しておくスタイルをとっている。

蝙蝠の霊魂を手に入れ上機嫌になった宇佐美眠兎は再度井戸に釣り糸をたらすのであった。

8 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/10/20(火) 01:52:08 O
ここって一刻館の

パチリ?

9 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/20(火) 17:03:14 0
いっこく堂

10 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/20(火) 20:54:56 0
実年齢/外見年齢:24/22
 ↑
これ意味不明w

11 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/20(火) 22:29:06 0
>8>9
「ん?一刻館?いっこく堂?どっかで聞いたような名前だね。
まあ拠点となる建物は色々あるからそんなような建物もあるんじゃない?」
釣り糸を垂らしているとゲッケイ館の前を通り過ぎる人々が声をかけてくる。
井戸に垂らした釣り糸をじっと眺めながら振り向きもせずに応えるが、次の問いかけには思わず振り向いて応える。
「24/22が意味不明だって?
女心ってモノがわかってないねぇ!この二年の差がどれほどの意味を持つか!
そりゃ男は年取ったら渋みや重さが出てくるだろうけど、女はシミとシワしか出てこないのよ!」
キー!となりながらわめく宇佐美眠兎。
彼女にとってこの2年の差というのは限りなく大きいらしかった。

思わず向きになってしまって、釣竿が大きくしなったのに反応が遅れて、慌てて竿を引く。
が、先ほどの蝙蝠とは違い、かなり強く竿ごと引きずり込まれそうになる。
「ぬぬぬぬ!ぬがあああ!!」
気合一閃。
叫び声と共に竿を引き上げたが、その瞬間背筋に冷たいものが走った。
野生の勘と女の勘が総動員して危険を知らせたのだ。

井戸から飛び出る巨大な影に、頭で理解するよりも本能的に竿を放り投げて飛び上がっていた。
しかしそれでも危険を知らせるアラームは止まらない。
ムキになって2年の差を力説していた為に反応が遅れ、このままでは危険から逃げ切れないと伝えているのだ。
「だーーー!起きて!上海蟹!!」
宇佐美眠兎が普段から毛皮に憑依させている霊は犬・蛇・上海蟹。
その中の一つ、上海蟹を起動させたのだ。

見る間に毛皮は甲殻に覆われていき、即席の鎧と化す。
***ゾリィィィィ***
予感は的中。
飛び上がっても巨大な影からは逃れきれず、接触。
弾かれて中庭の隅に何とか着地したが、甲殻の鎧は無残にも削り取られていた。
「だーーー!数少ない防御系の霊がああ!」
実体化した霊が破壊されれば霊も破壊され消滅してしまう。
基本的の動物霊は防御力に弱く、蟹のように防御に適した霊は少ないのだ。
が、その上海蟹の霊も今、削られ粉々に砕けて消滅してしまう。

毛皮に戻ったコートに落ち込んでいる暇はない。
対峙しているのは体長5メートルを超える鮫の霊。
巨大で鋭い牙は勿論、巨体を生かした体当たりも脅威だ。
避けたとしても躱しきれなければ先ほどのように鮫肌で削られてしまう。

「う〜〜。まずい!鮫の荒魂を調伏って・・・無理いいい!」
霊魂を釣り上げてもそれを調伏し、支配下に置かねばならない。
蝙蝠程度なら楽なものだが、今突進してくる巨大な鮫などは・・・
最早跳んで躱すのが精一杯なのだ!

12 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/20(火) 23:30:55 0
突然、その巨大鮫の股間から巨大な竿が突き出した
このまま宇佐美に種付けするつもりだ・・・

13 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/21(水) 15:37:08 O
名前:ドゥメイ
種族:妖怪(百目)
種族特性:体に無数の瞳・瞳術・瞳のうちいくつかは取り外しも可能
性別:男
実年齢/外見年齢:?/20前後
体格:173cm・65kg 普通の体型
容姿:ボサボサ頭の冴えない風采。肌(瞳)はあまり見せていない
性格:自由人
装備:紳士服、手袋、サングラス。片手斧
職業:風来坊(ニーt)
キャラ解説
その体に無数の瞳を持つ、「百々目鬼」「百目」などと呼ばれる妖怪の血を受け継ぐもの。
落ち着いた紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。
経歴等は不明。流れ流れた風来坊。いつの間にか月桂館に流れ着いていた。
色んな場所に瞳を隠し置き、着替えなどを覗き見ているという疑いがある。本人は否定。

14 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 19:19:03 0
>>13=潜伏荒らし

15 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/21(水) 22:19:23 0
>12
圧死!
削られての轢死!
串刺しの内臓破裂!

月桂館の壁に張り付きその突き出してくるモノを見ながら宇佐美眠兎の脳内に嫌な未来予想図画駆け巡る。
それぞれかなり嫌な死に方だが、それが一度にやってこようとしているのだから!
「だー!こいつ煩悩持ってんの???
こういうのが嫌だから動物霊専門なのに!
魚なら魚らしく体外受精しなさいよーー!」
生き物が死んだ後、魂魄は霊道に帰る。
実際その後どうなるかは解明されていないのだが、生への執着が強いと霊道に帰らず幽霊になる。
生への執着。
それは無念であったり、この鮫のように煩悩であったり。
それが幽霊の存在エネルギーとなり、その強さにも直結する。
無念がなくなれば成仏する、というのはこのような仕組みにある。
こういったものは知能や力の強い人間やモンスターに見られる現象であり、本来本能で生きている野生動物にはあまりないのだ。
だが、この鮫にはソレを顕在化させるほどの煩悩がある。

鮫の雄生殖器には驚くなかれ、骨がある!
抽入されると鉤状の骨がせり出してきて抜けないようになってしまう。
しかもその部分だけは鱗が逆向きに生えているのでますます抜けない!
挙句の果てには二本あるのだ!
これだけでももう話しにならないほど恐ろしいのに、その鮫肌で絡みつく!
念には念を入れ、最中はメスが離れないようにオスは雌に噛み付いてする!
そのために鮫のメスはオスより皮膚が三倍も厚い!
(これマジな話し)

鮫同士ならソレもまた自然の営みだろうが、その煩悩が向けられてるの兎!
結果はもう日を見るよりも明らかだ!

ジリリ、ジリリとタイミングを計りながら・・・
突進してきた鮫をギリギリまでひきつけて横に飛びのいた!

目論見通り鮫は月桂館の壁に激突するが、発情したオスがこの程度で引き下がるわけもない!
文字通り脱兎の如く逃げる宇佐美眠兎をいきり立つ二本の竿を突き出しながら追うのであった。
「だーーー!霊魂呼び出す間がないっ!
変な風に犯されるうう!!
ドゥメイ!どうせ見ているんでしょっ!早く助けなさいよっっ!!!」
全力で疾走しながら月桂館の各所に瞳を置いて見ていると半ば公然の秘密を持つ仲間の名を叫ぶのであった。


16 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/21(水) 22:21:22 0
【>ドゥメイさん
熱烈歓迎。いらっしゃいませ。
よろしくお願いします。
難しいこと考えずに気持ちよく戦闘するのがこのスレの趣旨です。
建物破壊しない程度に暴れちゃってください!】

17 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/21(水) 23:32:38 0
月経姦

18 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/22(木) 14:32:06 O
うら若き(?)女性のピンチとあれば、そこに現れるのはヒーローなのが定石だが。
「レディーッス!エーンッ!ジェントルメェンッ!」
聞こえてくる声は、英雄のものとは似ても似つかないものだった。

壊れた月桂館の壁から中庭に現れたのは、喪服にも見紛う黒の紳士服に身を包んだサングラスの男が1人。
右手にコーヒーカップを携え、空いた左手で整髪されていない緑色の髪を掻きあげる。
「誰が呼んだか知らないが、呼ばれたら出るのが紳士たる務め。
知己のお呼びとあらばこの『百目』のドゥメイ、一肌脱ぐと致しましょう」
残っていたココアを飲み干すとともに、カップをその場に投げ捨てるように放る。

「しかぁーしっ!」
どこを指しているのか、虚空に向かって強く人差し指を向ける。
「私はあくまでもこちらには通りがかっただけでございます。
近頃私がこの月桂館の至る場所に瞳を設置しているひいては覗き見ているという事実無根の言いがかりが存在し
またそのような噂が広がっていること多数の方がそれを信じていることに大変私は心を痛めておりますが
そのような事実は一切なくすべては私を貶めようとする輩の根も葉もない与太でしかないことは至極当然のことです
そのように瞳を潜伏させて月桂館に暮らす皆様の心を荒らすなどということは全くありませんので
そのあたりは誤解の無いよう宜しくお願い致します宇佐美氏及びこの声を聞かれていらっしゃる皆様!」
すらすらと淀みなく語りぬくその姿に曇りはない。
このように無駄に演説などしている間に助けようとした人物はますます危険に追い込まれていくのは想像に堅くない。
しかし本人にとっては名乗りというものは重要らしい。

右手の手袋を取り外すと、その掌には幾つかの瞳。その瞼は閉じられ、まるで眠っているように。
逃げる宇佐美、追う鮫。その間に割り込み、右手を鮫に向ける。
瞼が開かれると同時に、掌を中心とした世界が白く覆われる。それぞれの瞳から、太陽にも遜色ないような光。
突然の閃光に、鮫も少しは目が眩む。それは一瞬でしかない。だがその一瞬で、十分だった。
クラスパーと呼ばれる雄鮫の生殖器。左右に一本ずつある顕在化し肥大化したソレを。
どこからか取り出した片手斧で。
鮫の懐に入り込み、根元からぶった斬った。

瞳から放つ閃光を使った目くらましはドゥメイの瞳術の中でも一番の常套手段と言える。
閃光を進化させていけばいつかレーザーも出せるはずだと日夜訓練を重ねているらしい。
「これで一先ずは大丈夫ですね?残りの御始末は、ご自分で」
痛みにのたうち回る鮫を横目に、先ほど放ったコーヒーカップを拾い上げる。

19 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/10/22(木) 17:45:07 0
アルゼンチン

20 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:52:30 0
>17
「誰がうまい事をいえと(ry」
面白がって口を挟む奴を引っつかんで鮫の餌にしてやろうかと思ったが、台詞を言い切れられない宇佐美眠兎にそんな余裕はない!
すぐ後ろには発情した鮫の荒魂が迫っているのだから!

>18
月桂冠を一周しようとしたところで漸く助けが顕れる。
芝居がかった登場で長々と口上を述べるドゥメイに追い詰められた宇佐美眠兎はブチキレる!
「あーもう!判ったから!そういう事にしといてあげるから早く助けなさいよ!!」
絶叫にも似た怒声にも動ぜず口上を言い切るドゥメイ。
こういう奴だとわかっていてもこの状況では叫ばずにいられない。

だが実の所安心もしていた。
出てきた以上、何とかするはずだ、と。
そしてその通りになる。
振り返らずとも背後に太陽が降ってきたような閃光が引き起こされた事が判ったからだ。
いつもの必勝パターンが発動したと確信した宇佐美眠兎は大きくジャンプしながら攻撃態勢を整えていた。

空中で身体を捻り、振り向いた時には鮫がのた打ち回り、当のドゥメイは悠々とコーヒーカップを拾い上げている。
その傍らには無残にも切り落とされた二本の生殖器。
男の急所を叩ききられたその衝撃と苦痛は女の宇佐美眠兎には想像できないが、その様を見れば十分に理解できる。
それ以上に、煩悩が肥大化した荒魂がそのよりどころであるシンボルを失うという事は力が激減したといっても過言ではないのだから。
「ありがと、ドゥメイ!
ちょっと勿体無いけど、これで決めるわ!!」
コートをはだけ、腰のショットシェルベルトに刺さる封魂管を三本取り出した。
その蓋にはそれぞれ【犬】と書いてある。
「犬!犬!犬!魂魄合成憑依!!ケロベロス!!!」
通常犬の霊魂を憑依させればそのまま犬が顕在化する。
しかし、複数の魂を合成することによって、新たなる御霊として顕在化させることが出来るのだ。
普通にケロベロスの魂を扱うより、手間はかかるが、ストがかからない、宇佐美眠兎が開発した技術だった。

毛皮に巨大な犬の頭部が三つ連なって現れる。
「雄叫べ地獄の番犬!無残!無常!無道!の三重咆哮!」
三つの犬の口から黒い雷が這い出て、一つの巨大な球体となる。
それぞれの轟雷が如き咆哮と共に黒い雷球は打ち出された。

苦痛にのた打ち回る鮫にそれが避けられるはずもなく、バリバリという電撃音と共に爆発が起きた。

咆哮を終えたケロベロスは次第に形を崩し消えていく。
それぞれ独立した魂を無理矢理合成して使うため、一度使えば再利用は不能。
そのまま消滅してしまうのがこの術の欠点だった。
だが、それでも目的は果たした。
宇佐美眠兎が着地する時には爆炎も納まり、そこには黒焦げて動かなくなった鮫が倒れていたのだから。

「はぁ〜、助かったわ。犬の霊魂三つと上海蟹の霊魂消費して鮫か・・・まあ仕方がないか・・・。」
微妙な損益を計算しながらドゥメイに礼を言い、動けない鮫の霊魂を封魂管に収納しする。
先ほどの鮫のお陰で釣竿も折れ、もう釣りも出来ない。

「ん〜。他のメンバーはいないの?ってことは仕事もないって事?」
死の危険から解放され、安堵と共に凝った身体を伸ばしながら尋ねる。
基本的にメンバーの出入りは自由であり、溜まり場になることもあれば殆どいない事もある。
仕事とは、遺伝子バグの怪物出現情報や危険スポットの探索依頼。
そういったものは月桂館内部の掲示板に自動表示されるのだが・・・

「助けてもらったお礼になんか奢るけど、食べたいものとかある?」
仕事も特になさそうだと思い、ドゥメイへの礼を先に済ませることにした。

21 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/23(金) 15:07:00 O
>>13

>落ち着いた紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。 (・・ω・・ )…

>落ち着いた (・・ω・・ )? 紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。

>紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。 落ち着いた⊂( ・・ω・・)

>紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。 (・・ω・・ )⊃無駄に

 (・・ω・・)ヨイショッ
  ∪∪
>無駄に紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。

>無駄に紳士面してはいるが言動は支離滅裂なところも多く、信用に足るとは言い難い。 ( ・・ω・・)ノシ

( ・・ω・・)では気を取り直して本編をお楽しみ下さい(・・ω・・ )

22 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/23(金) 15:07:54 O
>>20
もう何も入ってはいないが、ドゥメイは拾い上げたカップに口付け、傾ける。
それはさながら紳士の優雅なティータイム。…空気椅子なところが、すべてを台無しにしているが。

自分の役目は終わったとばかりに、我関せずといった雰囲気で背景に溶け込んでいる。
事の顛末を見守ろうという様子もなく、カップを傾けている。『見て』はいるとは言えど。
助けを求められているのに無視するほど仲間の能力を過大評価していないが、
力を削がれた相手に苦戦すると思うほど仲間の能力を過小評価もしていない。
これぐらいならば容易に処理出来ることが分かっているからこそ、ドゥメイは心配も期待もしない。
当たり前のことが当たり前に行われることに、何の興味が沸くだろうか?

「終わりましたか?」
大轟音の少しのち。終わったことを確認したドゥメイは空気椅子を止め、礼に恭しく胡散臭い会釈で応じる。
霊魂を使用しないドゥメイには今回の収支は計り知れないが、宇佐美の声のトーンからマイナスなのだろうと考える。
だがそれはドゥメイにとっては果てしなくどうでもいいことなので本人は無視する。

「ふむ、私は部屋で寛いでいた所ですので他の皆様の現在は存じませんが……。
アルゼン氏ならば先ほど(>>19)お見かけした気もしますが、
何か用があるご様子でもありませんでしたし、おそらくは現時点ですと仕事は出ていないのではないかと」
先ほど空のコップでティータイムを過ごしている間に見かけた人影を思い出す。
仕事に熱心なあのアルゼン・チンがあわてている様子でないのであれば、きっとそういうことなのだろう。

「ということで!」
突然ドゥメイは片膝をつき、深くこうべを垂れる。右手を胸の前に下げるその姿勢は、さながら従者ように。
「私は助けを求める者を助けるという紳士の務めを果たしただけであり、そこに礼などを求める気持ちはありません!
助けたと言えどものの数秒十数秒数十秒の世界!お礼をされるほどの労働では御座いませんでしょう!
しかぁしやはりギブアンドテイク!と言うならば私はわざわざ固辞して宇佐美氏の気分を害する訳にもいかず!
ここは宇佐美氏の辞書より厚いご厚意に甘え、ご相伴に預からせて頂くのも吝かでは御座いません!
謹んでその御申し出、拝受させて頂きたいと思います!」
顔を上げ、立ち上がったドゥメイは口元を吊り上げている。それはまさに満面の笑み。
サングラスに隠された瞳は見えないが、首元に幾つか点在している瞳は確実に笑っている。
「では、食べたいもので御座いますね?ふむ、まずは…」
現在は人型の姿をとっているが、元々は百々目鬼と呼ばれる妖怪、ひいては鬼である。食欲は、かなり大きい。
以降延々と、高級料理の連呼が続く。

23 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/23(金) 15:29:18 0
男根を切り取られようとした鮫はその瞬間
ものすごい勢いで宇佐美に白濁した精を吐き出した

24 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/23(金) 15:30:52 O
>>23
わかったからヘヴィに帰れよ

25 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/23(金) 23:21:47 0
>22
ロシア帽子に先ほど釣り上げた蝙蝠の霊を仕込みながらドゥメイの芝居がかった台詞を聞き流す。
それなりの付き合いもあり、こういったことに文句もつけないが真正面から付き合うこともない。
結局は奢ってもらうという事がいいたいがためにどれだけの台詞を並べるのやら、と小さく息をつく程度である。

漸く前口上が終わり、希望のしながドゥメイの口から流れ出すが、正に立て板に水というところか。
延々と流れる流れる高級料理の数々。
その数が二桁を越えたあたりで宇佐美眠兎のコメカミに青筋が走る。
「よーし、あんたの食べたいものは判った!
じゃあ私が直々に餅をついてあげるわ!
兎がつく餅は絶品だからね!」
まだまだ続くドゥメイの台詞を遮るように宣言する宇佐美眠兎の指には封魂管が数本挟まれている。
そしてそのうちの一本は既に封があいている。

そこに封じられていたものは・・・すぐにわかるだろう。
宇佐美眠兎の腕が・・・いや、その毛皮のコートの腕が丸太のように太く逞しいゴリラの腕になるのだから。
「だからその良く回る口を閉じときなさいっ!」
唐突に始まる戦闘。
これが月桂館の、そしてこの星の生き物の一般的な生活なのだ。

力強く振るわれるゴリラの腕による鉄拳がドゥメイに繰り出された!

26 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/24(土) 12:21:33 O
>>25
「それにサンガルン牛のフィレステー…」
13品目を口にしようとしたところで、世界が反転する。
警戒もしていなかったので避けられるはずもなく鉄拳をもろに食らい、ドゥメイは館の壁に叩きつけられた。

「なるほどなるほど!」
頭から血を流しながらドゥメイは立ち上がる。当たり所はそんなに良くはないようだが、まだ十分動けるようだ。
「つまり食事前に一度お手合わせということですね、よろしいでしょう!受けて立つと致します!
腹ごなしならぬ食前戦!うむ、これはいい!食前酒と並べてフルコースのメニューに加えたら大人気で御座いますね!
それはともかくとして私先程出た『兎の餅は美味しい』というのにも非常に興味がありますので
やはり伝承はその通りだった!食事をご相伴に預かる際には是非そちらも頂きたいと存じます!」
突然の戦闘開始に全く驚く様子もない。むしろ表情は晴れやか。嬉々とさえしている。

ここは戦闘用拠点なのだ。
大なり小なり、戦闘狂なのだ。
ここに住まう者は、誰しもが。

「ふむ、宇佐美氏は今回は肉弾戦でございますか!よろしい!それでは私も手斧の使用は見送りましょう!
私もこの肉体を武器として!殴り蹴り掴んで搦めて投げて極める!拳と拳のぶつかり合いと致しましょう!」
言い切った後、デュメイは片手斧を優しくその場に擱き、右手を高々と挙げる。
「ドゥメイ・チェーンジッ!」
右手を自分の顔の前に持ってゆくと、そこにある瞳と見つめ合う。
すぐに、効果は現れる。ドゥメイの様子が変わる。

古来より瞳というものは催眠によく使われる。呪眼には魅了効果のものが特に有名であるが、催眠にも種類はあって。
BERSERK。バーサク、バーサークなどと呼ばれる催眠の一種がある。ポピュラーなものの1つだろう。
その者の闘争本能と破壊衝動を格段に増幅させることにより、バーサーカー…狂戦士へと変貌させるもの。
自我の喪失と引き換えに生身からは想像つかぬほどの身体能力を呼び起こし、さらに痛覚神経を麻痺させるもの。
催眠解除の条件によっては、その場に動くものがなくなるまで暴れ続けることもあるという。
囮目的の捨てゴマや命がけの特攻隊、乃至は敵方の厄介な魔法使いや参謀などに使うのが大半だ。
自分にかけるものではないが。ドゥメイが己にかけた催眠は、まさしくそれだった。

「ぐ…が…ご…」
すでにそこに居るのは先程までのぼやけ面したドゥメイではない。前かがみになり、ただ狙うべき相手だけを見据えて。
「ぐるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
咆哮。
のち、即、突進。
自我がかなり失われているため直線的な行動しか出来ないが、その動きは極端に俊敏で。
瞬く間に間合いを詰め、鉄拳を。横殴りに、を叩きつけるように薙ぐ。
先刻の、お返しとばかりに。

27 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/25(日) 00:39:17 0
>26
ゴリラの腕から繰り出される鉄拳は無防備なドゥメイを捉えて壁に叩きつけた。
だが、無論こんな程度でどうこうなるとは思っていない。
相変わらずの口授を垂れ流しながらドゥメイは戦闘体勢になっていく。

>「ドゥメイ・チェーンジッ!」
右手の目と見詰め合うドゥメイを見ながら、眠兎も次なる準備をしていた。
帽子からは蝙蝠の顔が、右胸からは犬の顔が、そして左の裾からは蛇の顔が顕在化している。
>「ぐ…が…ご…」
変貌していくドゥメイを見つめる眠兎の顔には興奮の色が帯びてくる。
だがその実実に冷静にドゥメイの変化を観察しているのだ。

心拍加速・・・!蝙蝠の耳でその心音の変化を確認。
アドレナリン放出・・・!犬の鼻でその臭いを嗅ぎ当てる。
体温上昇・・・!蛇のセンサーで体温変化を見極める。
即座にその変化が自己暗示によるバーサークと解析し終えると、大きく顔を歪める。
してやったりと!

>「ぐるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
空気を震わす咆哮と共に一直線に突進。
あっという間に間合いを詰めて横殴りの拳が繰り出される。
「あははははは!かかったわね!ドゥメイ!」
ゴリラの腕でガードするも、勿論バーサーク状態の鬼の膂力にかなう筈もない。
殴られた瞬間、眠兎は殴られる衝撃を緩和する為に自ら跳んだ。

ドゴン!という音と共に派手に吹き飛ばされたようだが、それもコントロールのうち。
衝撃を緩和したとはいえガードしたゴリラの腕はミシミシと音を立てて限界寸前。
吹き飛びながら身体を回転させ、月桂館の壁に足を着き、三角跳びで大きく宙を舞ながらゴリラの霊魂を戻した。
「戦略、戦術というものは圧倒的な戦力差を覆す為にあるのよー!」
宇佐美眠兎は決して戦闘力が高い方ではない。
まともにドゥメイとやり合えば勝てはしない。
だから肉弾戦を誘い、バーサーク化を促したのだ。
勿論パワーに押し切られる可能性も高いが、無数の瞳術を駆使されるよりは、というわけだ。

自我が低下し、直線的な動きしかしなくなれば先読みがしやすくなる。
いくら俊敏に動かれても対処くらいは出来るというものだ。
更にバーサークすると、痛覚が失われるというのも眠兎のアドバンテージとなる。
痛覚が無いという事は、己の異変に気付き難いという事なのだから。

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!』
着地した眠兎が両手を広げながら狂戦士と化したドゥメイに威嚇する。
勿論これはポーズであり、本命は帽子の蝙蝠が発する超音波によって、ドゥメイの三半規管を攻撃しているのだ。

28 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/25(日) 06:07:05 O
>>27
拳は当たった、手応えあり。しかし狂戦士となったドゥメイは、それだけで満足するはずもない。
吹き飛ばした方角を見ると、壁を足蹴にして悠々と着地する宇佐美の姿がある。
あれを破壊するまでは、狂戦士に欣快はない。

「ぐるる…」
威嚇する宇佐美の元へ再び突進しようとした瞬間、ドゥメイの様子が変わる。めまいが起きたように足下がもつれる。
真っ直ぐ突進するはずが明後日の方向へ向かってしまい、そのまま月桂館の陰に入ってしまったり、また出てきたり。
やがてドゥメイは、その場に倒れ込んだ。その表情は困惑の色。何が起きたか分からない、そんな表情で。
立ち上がりたくても立ち上がれない。しかし倒すべき相手はあちらにいる。闘争本能の権化は、果たしてどうするか?

本能的に無理だと悟ったのだろう、立ち上がるのを早々に諦めたらしいドゥメイは、うつ伏せのまま腕の力で動き出す。
三半規管とは体の平衡感覚を司り、三次元的な動きの助けになるもの。
三次元的な動きが出来ないのなら、二次元的に突っ込めばいい、ということなのだろう。
一直線に、匍匐前進。それでいて驚異的なスピードで進むことが出来るのは流石と言える。
そのままトップスピードで頭突きを食らわすつもりだろう。

とはいえ、この攻撃法には誰にだってわかる致命的な弱点があるのだが…。
そんなことすら、自我を失ってしまうと思いつかないものなのだろうか。

29 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/25(日) 23:12:44 0
>28
強力な能力というのは見方を変えれば大きな弱点にもなる。
痛覚がなければ身体の異変に気付けない。
視覚がよければ閃光によって目が眩む。
五感が鋭ければ僅かな障害に過剰に反応してしまう。

正に今のドゥメイはその状態だった。
バーサーク化したが故に知性が減り、眠兎の戦術に容易く嵌る。
強靭な肉体とそれを制御できるほどの三半規管は超音波によって機能障害を起こしている。
「ぬふふふ!さあ、どうしてやろうかしらぁ?」
立ち上がることすら困難になったドゥメイを前に眠兎は不敵に笑いながら次なる攻撃を考えていた。

殆ど無力化に成功したとはいえ、バーサーク状態の耐久力は恐るべきものがある。
ゴリラ・ライオン・鷲・熊・・・
眠兎の持つ攻撃力の高い動物霊を使ったとしても大ダメージは期待できない。
先ほど手に入れた鮫もかなりの攻撃力は期待できるが、慣らしも済んでいない霊を使う気にはなれない。
というか、鮫戦での魂魄合成憑依も併せて、立て続けの憑依による消費で鮫の霊を御す自信はなかったのだ。

「ん〜・・・ここは熊でベシベシ叩き続け・・・」
腕を組みながら漸く試案をまとめた時にはドゥメイが動き出していた。
眠兎が思いもつかなかった方法で。
なんと立ち上がるのを早々と諦め、うつ伏せのまま腕の力だけで動き出したのだ!

その姿に眠兎は思わず噴出してしまう!
「ぶっはっ!だーっはっはっは!テケテ・・・ギャンッ・・・っっ!!!」
ああ無残。
眠兎の跳躍力があれば何の脅威でもない攻撃が。
まさかの匍匐前進!
しかも驚異的なスピードに都市伝説テケテケが重なってしまい大笑いしてしまった。

結果、まともにドゥメイの匍匐前進頭突きをまともに喰らった眠兎は大きく宙を舞う事になる。
そして月桂館の敷地から飛び出ようとしたところで不可視の壁にぶち当たり、暫く張り付く。
こうした戦闘用拠点は敷地単位で強力な結界に覆われており、空からの侵入などを防いでいる。
今回の場合は飛び出る事を防止したわけだが、ある意味そのまま飛んでいってしまったほうが良かったかもしれない。

数秒後に眠兎は月桂館中庭の隅に目を回して落ちることになった。
なんだか戦闘力とは違うところが決め手になったようだが、眠兎KOなのだ。

30 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/26(月) 11:40:40 O
>>29
頭突きを食らわせた。でも安心は出来ない。三半規管への障害が止み、すぐさま立ち上がったドゥメイは走り出す。
飛んでいった宇佐美は壁にぶつかり、地に落ちていった。目を回し倒れている宇佐美に近づき、いざトドメを…
と、いった所でドゥメイの表情が元に戻る。催眠解除の条件、「相手が戦闘不能になる」を満たしたので催眠が解除されたのだ。

「これは、勝ったということなのでしょうか?」
その疑問に自ずから答えを導き出すため、ドゥメイは幾つも月桂館の壁にしかけてある瞳のうちから一つをひり出し、それを飲み込む。
そうすることにより、少しの間ならば、その瞳が映していた光景を脳内で再生出来るのだ。
顔が歪む。どうもドゥメイには納得のいかない勝ち方らしい。バーサーク状態になることを選んだのが全ての失敗だろう。
「とはいえ…」
匍匐前進したからだろう、かなり汚れてしまった紳士服の土ぼこりを軽く払いのけ、大きく息を吸う。
「大・勝・利ぃ!!」
手放していた手斧を拾い上げ、ポージングしながら大声で叫ぶ。すごくうざいです。
体全体に電流が走るような痛みを抱き、軽くバランスを崩すが、ポージングは保ったままだ。
そのまま数秒。

短い時間であろうとバーサーク状態が体にかける負担は大きい。ドゥメイは何とか平静を保っていられているが、
普通ならばしばらく体が動かなくなっていてもおかしくない。すぐに体を休めないと、潰れてしまう。
ドゥメイはそんなことおくびにも出さず、あくまでもいつものテンションを崩すことはないが。
「ふむ、なかなかの運動となりました。食事は食べてはおりませんが、すでに私はお腹いっぱい胸いっぱい。
お手合わせ、ありがとうございます。バーサーク状態となるのも久々ではございますが、やはり紳士的ではありませんね…行動が。
お食事のお礼はまた今度、とさせて頂きますね。先ほどあげた品目が全て揃うとある和洋折衷ごちゃ混ぜレストランを
私知っておりますので、そちらでお食事を頂きたいと思います。ご予算は多めですと宜しいかと。それでは、アデュー♪」
相手が聞いているかはどちらでもいいらしい。とりあえず非常に自分勝手な口述をべらべらと語り尽くすと、
クルリと踵を返して意気揚々とその場を後にし、月桂館の中に消えてゆくドゥメイ。
宇佐美をその場に放置したままで。

31 名前:テスカ ◆0qK4tXhwlk [sage] 投稿日:2009/10/26(月) 14:38:27 O
名前:テスカ・ポリトカ
種族:オートマタ
種族特性:内蔵兵器
性別:女
実年齢/外見年齢:999/10
体格:150・350キロ・小柄
容姿:黒髪ロング、童顔
性格:健気
装備:メイド服
職業:メイド
キャラ解説
少女型の自動人形
主体性がなく誰かに尽くすことを喜びとしている
少し気弱だが戦闘となると人格が変わったように冷酷に、速やかにオーバーキル
各種センサー群、内装兵器など一軍に値する火力を誇るが、動力がゼンマイなので一度に使える力も限られている
塔上層階で見つかり、何らかの原因で外区に流出した戦闘人形という噂もあるが、本人は月桂館にくる以前の記憶を失っており真偽は定かではない

よろしくお願いします

32 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/26(月) 22:02:34 0
>30
ドゥメイが去ってから五分ほどした後。
眠兎の呻きながら身体を起こす。
頭を振りながらキョロキョロと辺りを見回し・・・
「ほったらかしかい!」
自分がまだ中庭で伸びている事に気付くと、既に姿のないドゥメイに向かって叫んだ。

人間魚雷よろしく頭突きをまともに喰らって空中の結界に激突。
そのまま中庭に落下し全身打ち身、骨折も数箇所あったはずだが、持ち前の再生能力のため既にダメージはなかった。
だが気絶したまま放置されたという事は負けた以上に眠兎に歯軋りをさせるものだった。
戦闘が日常のこの世界で、それも仲間内での戦いの勝った負けたに一々気落ちするような事はないのだ。

ともあれ戦闘は終了し、仕事も特になし。
後やることといえば、次回には得意満面に奢ってもらう気でいるであろうドゥメイのために銀行へお金を下ろしに行くことくらいだった。

戦いが常に起こる日常においてこの程度は平穏な部類に入るだろう。
だが眠兎は気付いていない。
虎視眈々と月桂館を狙うものがいる事に。
登録制ではあるが基本的に公共施設の戦闘拠点を私物化しようとする者たちもいるのだ。
そんな者達が近く襲撃をかけてくるのは数日後の事だった!

【>テスカさん
いらっしゃいませ!よろしくお願いします。
気持ちよく大暴れしていってください!

丁度キリが一つつきましたので、新展開に移行しようと思います。
つきましては月桂館メンバー及び襲撃者大募集!
襲撃者本人でなくとも、襲撃者に雇われた用心棒でもOKです。
理由や理屈など不要で戦いたい方大歓迎!
襲撃者をやっていただける方が現れたら月桂館襲撃編を開始しようと思います。
終末まで誰も現れなかったらコロシアムのように、餅つきバトルロワイヤルでもしようかなと思っています。】

33 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/27(火) 14:11:48 O
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
ある日のことだ。ドゥメイは自分の部屋の前で、ぶつぶつと何事かを喋っている。少し困っているような、そんな顔で。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
バーサーク状態の体への負担も1日で解消、すでにドゥメイはいつものドゥメイとして行動している。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
相変わらずの紳士服姿。『こいつは一着しか服持ってないんじゃねぇのか』疑惑が持ち上がっていることを本人は知らない。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
なお、先ほどからドゥメイが同じ言葉を繰り返し反復しているのは別に頭がイカレてしまった訳ではない。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
かといってイカレていないと言ってもそれはそれで疑問符が付いてしまうかもしれないが、それは別として。

「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
分かりやすくいうと、ドゥメイは部屋が汚れている。誰かに掃除してもらいたい、そういうことなのだ。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
喜ばしいことに、この月桂館にはこの声を聞いたならばきっと部屋の掃除をしてくれるであろう人物が存在する。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
『部屋の掃除をしてくれ』と面と向かって言うのはやはりドゥメイの思う紳士ではないらしい。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
だからこそ、ひたすらに同じ言葉を繰り返し、気づかれるのを待つ。この声を聞いてくれさえすれば、きっと。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」
客観的に見れば、そこにあるのはただの壊れたスピーカーだ。
「誰か私のかわりに部屋を掃除してくれないものですかね…」



【とりあえず週末(終末?)までは日常編なのかな?
襲撃者の方がいらっしゃらなければドゥメイ一旦退場で襲撃者やりましょうか、と一応宣言を】

34 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/27(火) 23:10:11 0
【>ドゥメイさん
感謝!その時はお願いします。
特に話しの筋は二の次で戦闘を楽しむスレですのでね。
仲間内戦闘をやりましたので次は部外者との戦闘がいいかな、というところですので。
取り急ぎ連絡のみで失礼します。】

35 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/28(水) 23:37:11 0
ここエロスレとして再利用しない?

36 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/29(木) 22:10:47 0
【では、明日あたりに月桂冠襲撃編の導入を投下しようと思います。
ドゥメイさん、襲撃者をお願いできますか?
襲撃者か襲撃者の用心棒かどちらにしましょうか?
用心棒の場合、NPCを用意しますので。】

37 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/30(金) 10:19:30 O
【じゃあ用心棒で。
テンプレつくってきます】

38 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/10/30(金) 22:59:56 0
朝、目覚めた時から何か予感があった。
野生の勘と女の勘を併せ持つ眠兎は、こういう日がたまにある。
しかし予言や予知とは違い、あくまで勘であるからはっきりとはわからない。
どうにもすっきりしない目覚めを味わってしまった眠兎は、住処であるチェーン荘の物置を漁ってから月桂館へと向かった。

「こんな時は・・・みんな!餅つくよっ!!」
月桂館に入って開口一番、言い放つ。
その言葉に釣られるように、ぞろぞろと館から出てくる有象無象たち。
眠兎のように住居を別に持つものもいれば、館に住み着いているものもいる。
未だ昨日の酒も抜けきっていないメンバーも多いようだが、構わず餅つき大会は開催される。

####################################

「能天気な連中だ。」
そんな餅つき大会の最中、月桂館の門の影から出てきた男が吐き捨てるような台詞と共に顕れた。
恰幅のいい初老の男。
スーツに葉巻を咥えながら後ろには黒ずくめの男を数人引き連れている。
イノシカ町を縄張りとするマフィア・カルロッツェファミリーの首領カルロッツェであった。

楽しい持ちつき大会に水を挿された眠兎があからさまに不機嫌そうな顔をし、杵を振り上げたまま睨みつける。
「またあんたたちなの?
戦闘拠点は公共施設だよ!」
カルロッツェが月桂館に来るのはこれが初めてではない。
何度もファミリーのアジトにしようとやってきているのだ。
一登録者として利用する分には誰も文句はないのだが、目的はあくまでアジトとすること。
ファミリー以外の登録者を追放しようとするので毎回撃退されている。

眠兎との暫くの平行線なやり取りの後、この星で一般的な解決法が取られる事となる。
「アジトにしたけりゃ力づくで奪ってみなさいよ!
みんな!腹ごなしにやっちゃいな!」
「おおっと!今日の俺達は一味違うぜえ?」
まともな戦闘ではカルロッツェファミリーに勝ち目はない。
だからカルロッツェは用心棒を雇っていたのだ。
「先生!出番ですぜい!」
カルロッツェが後ろに控える男に声をかける。
だが、その言葉で怯む月桂館のメンバーはいない。
既に戦闘は開始しているのだ!

【任意人数のNPCがカルロッツェファミリーと用心棒に襲い掛かります。
ワンターンキル決定リール可でやっちゃってください。】

39 名前:ジャスティ・S・ラムドール ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/31(土) 15:14:40 O
名前:ジャスティ・S・ラムドール
種族:?
種族特性:?
性別:男
実年齢/外見年齢:?/20代後半〜30代前半
体格:2m50cmを越える巨体
容姿:スキンヘッド、筋肉隆々、焦点の合っていない瞳
性格:機械的
装備:毒々しい外見の剣(正体不明)
職業:Ripper
キャラ解説
生物を切り刻むことに至上の快楽を得る(らしい)、危険人物。
「好きに切り刻んでいい」ということでカルロッツェに雇われた。
喋り方などに妙なところがある。

40 名前:ジャスティ・S・ラムドール ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/10/31(土) 15:15:37 O
「…」
カルロッツェの呼びかけに応え、ゆっくりと前に出てきた男がいる。
背中に剣を携えた、黙っていても目立つ大きな体。強面の顔ではあるが、その瞳は全く焦点があっておらず。
そこを見ているのに、どこも見ていない。

その男の異様な雰囲気に、いくら戦闘用拠点の人物とはいえ一瞬怯んでしまうが。
「…へへっ!でけぇのはノロマだって相場が決まってんだよっ!」
月桂館の面子のうち、その速さを自慢とする男が先陣を切って敵に挑まんと走り出し、他のメンバーもそれに追随する。

迎え撃つ男がその手に構えたのは巨体に見劣りのしない、非常に大きな巨大剣。
血のような赤い刀身に髑髏を思わせる毒々しい装飾。そのおどろおどろしい外見は見る者を戦慄させよう。
しかし速さ自慢は怯まない。あの大きさの大剣だ、素早く振り回せる筈がない。
剣を振るおうとする前に懐に潜り込み腱でも切って…などと考えているうちに。
先ほどまで自分から向かって左側にあった大剣が、向かって右側に移動していることに気付く。
右側に移動していることを脳が認識する前に、既に左側に剣は移動していて。
速さ自慢の彼の推進力は、そこで止まる。
動くことが困難なほどに体を切り刻まれていることに彼が気付くのは、大地に崩れ落ちてからだった。
彼を追うように男に襲いかからんとした皆がそれぞれ大地に蹲っていることに気づくのも、やがて。

あまりにもあっけなく数人が打ち倒されたのを受け、月桂館側も些か動揺する。
そんな空気の中でも何の迷いもなく男に挑めるのは、空気の読めない奴だろう。
たとえば。
「なるほどなるほど!その体に見合わぬその速度!敵ながら天晴れで御座いますね!
私の動体視力でやっとなんとか見えるレベルで御座いますから、普通の方では光の煌めきにしか見えないことでしょう!
それにしても悪趣味な剣ですね!はっきり言ってもっと細身の軽い剣にしてしまった方がいいと思いますよ!
とはいえあなたは力もありそうですし、やはり力を活かすには大きな剣でなくてはいけないのですかね!失敬失敬!
それにしてもあなたとの戦いは楽しそうだ!それではこの『百目』のドゥメイ、推して参りましょう!」
餅をのどに詰まらせて先程まで危うく人事不省になりかけていたドゥメイが声を上げる。
瞬く間に先頭に立ち、ポージングをとりながらのいつもの長口。
「ドゥメイ・アイッ!!」
手袋を外し、さらにサングラスまで外し、男に襲いかかるドゥメイ。
あいつなら実力は確かだ、ドゥメイなら大丈夫、そんな期待を受けて…いたかどうかは定かではないが。

程なくして。
その場には、見るも無惨に体中を切り刻まれたドゥメイが転がっていた。かろうじて、生きてはいるようだが。
「コノテイド、カ?」」
顔は笑っていない。しかし声は笑っている。
何も見ていない瞳が映しているのは、その光景に言葉を失う姿。

サァ、次ハ、ダレガデテクルンダ?

41 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/01(日) 22:48:10 0
>40
ゴッという風を裂く音と共に飛来するのは杵だった。
ドゥメイを切り刻んだ巨漢に向かって投げつけられた。
投げたのは勿論もちをついていた眠兎。
光を映していない巨漢の目をまっすぐ睨み、コメカミには血管が浮き出ている。

「どいつもこいつも情けないわねっ!
後で治してやるからそれまでは呻いて自分のふがいなさを反省しなっ!」
ジャスティを睨みながらも最初に出た言葉は倒された仲間への罵倒であった。
そして次にゆっくりと戦闘態勢に入る。
眠兎の強さは月桂館でいえば中の下。
それほど高い訳ではなく、この惨状を目の当たりにすれば逃げても当然の強さ。
にも拘らず逃げはしない。
それはこの星の全ての生命に刻み込まれた戦いの遺伝子のなせる業なのだから。

「好き放題やってくれたじゃないの!
私がキッチリ相手しやてやるから!きなっっ!!!」
両手に数本の封魂管を持ち、完全なる戦闘態勢でジャスティンに顎で戦闘開始の合図を送る眠兎。
その頭に乗るロシア帽子は蝿の頭部へと変化していた。

42 名前:ジャスティ・S・ラムドール ◆4u4/nz65gQ [sage バキ風] 投稿日:2009/11/02(月) 13:24:36 O
いの一番に男に挑み、そして最初に切り刻まれた彼は、のちにこう振り返っている。

「いやぁ、情けないっちゃありゃしませんよ。こっちは速さ自慢ですからね。
それなのに速さに負けたなんて…。まぁ、驕っていたとも言えるんでしょうけれど。
そりゃ眠兎さんも怒りますよね。しばらくは体の激痛に耐えながらその場の成り行きを見守るしかありませんでした。
ドゥメイさえ手も足も出ないとは思いませんでしたよ。どうも掴み所のない男ですけど、腕は確かですから。
…そりゃ、今となってはあいつが手も足も出なかった理由も分かっているんですけどね。

え?眠兎さんが奴に向かって投げた杵?
はい、奴に当たることはありませんでした。まぁ眠兎さんも当たるとは思っちゃいなかったと思いますけどね。
それにしても…いやぁ、速さだけじゃなく動体視力も鍛えなきゃなぁ、って思いましたよ、あれは。
見えませんでしたもん。剣筋が、全く。まるでピクリとも動いていないようにさえ見えるのに、
そこには原型を留めていないほどパズルのようにバラバラになった杵が転がっていましたからね。

その後?えぇ、戦闘態勢に入った眠兎さんに呼応するように奴はゆっくりと近づいていきましたね。
剣筋は速いのに挙動は随分ゆっくりなんだな、ってその時はそんな風に考えていました。歩き方変だな、とか。
そして、攻撃の射程範囲まで移動したところで…ものすごい勢いの剣閃乱舞、ですよ。
今回は集中していましたから何とか剣筋を追えましたけどね、でもほんと、追うのがやっとでしたよ。
当てることは二の次、って感じでしたね。端から見たら無闇矢鱈と振り回してるようにしか見えませんでしたから。
ただそれが、ものすごいスピードというだけでとても恐ろしいものに変わるものなんですよ。
迂闊に近づけませんし、奴は更に少しずつ近づいてくる。ほんと、『攻撃は最大の防御』って感じでしたね。

そしたら、眠兎さんは…」

43 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/03(火) 22:48:57 0
ゆっくりと近づいてきたジャスティはその挙動とは裏腹に、凄まじい剣閃乱舞を繰り出した。
正に目にも留まらぬ剣筋だが、眠兎はその初太刀を余裕を持って躱す。
本来ならば眠兎の身体能力では絶対躱せない速度の斬撃を!
躱されたとてジャスティの乱舞は止まりはしない。
じりじりと間合いを詰めながら振り回す剣を眠兎は自分に当たる軌道の太刀筋だけに反応し躱していく。
その姿はまるで舞いの様に優雅に。
「身体の動きと剣筋が一致していない奴だね!」
ジャスティに何か不自然さを感じるが、勘によるところが大きいので根拠ははっきりしない。
が、その疑念を口に出せる程に余裕があった。

眠兎の呼び出した蝿の霊。
蝿は凄まじい飛行旋回能力を有し、他の追随を許さない。
しかし、意外とその動体視力はずば抜けて優れているわけではない。
もし優れた動体視力を有していたとしても、その脳はあまりにも貧弱なので活用しきれない。
では、なぜ優れた飛行旋回能力を有していられるのか。
それは蝿の時間感覚が遅いからなのだ。
その速度は常人の約10倍。
常人が一秒と感じる時間を十秒として感じることが出来る。

即ち今、眠兎の時間間隔も10倍に跳ね上がっている。
速度自慢がイの一番に屠られたのを見てスピード強化ではなく、感覚の強化をしたのだった。
今の感覚を持ってすれば、デタラメに振り回されているだけの剣を躱す事だけなら難しくないのだから。

逆に言えば躱す事で精一杯とも言える。
懐に飛び込むまでには至らない。
が、それでも十分だった。
間合いさえ詰めていられれば。
一刀一足の間合いを保ちながら眠兎の目が凶暴に煌く!
「はっはっ!杵は斬れてもこいつはどう!?」
首を刈りに横薙ぎに振るわれた剣をしゃがみながら躱し、ジャスティの焦点の合っていない目を睨み叫んだ。
それと同時に眠兎の頭の上に乗る蝿の頭が酸のシャワーを吹きかけた!


44 名前:ジャスティ・S・ラムドール ◆4u4/nz65gQ [sage あと2、3ターンぐらいで決着] 投稿日:2009/11/04(水) 14:14:46 O
かなりの至近距離から酸が降り注ぐ。しかしそれにも、表情は変えず。
振り抜いた太刀筋の勢いを利用し、背を向けるような格好となり、背中にまともに濃酸を浴びる。
さながら、剣を庇うように。

ひとしきり浴びると、後頭部から背中〜足に至るまで体の背面部が溶け、爛れ、とても見られるものではない惨状。
だがそれでも、痛みなどまるで意に介していないかのように、ゆっくりと振り向き。
相変わらずの鈍重な動きで、剣を振りかぶる。身を呈した甲斐あって酸が掛かることはなく、その切れ味に何も影響はない。
しかしその体は普通ならとても動くことなど出来やしないほどの被害となっているのに…まるで何事もなかったかのようだ。
振り上げてからは相変わらずの煌めくような剣筋。しかし、同じことをするならば先ほどのように避けられてしまう。

その戦いを見ている者なら、振り切った剣筋の延長線上の大地に大きな切れ目が入ったことに気づくだろう。
まるで衝撃波でも起きたかのように、届くはずもない場所に、その斬撃がしっかりと残っているのだ。
言うなればそれは、見えない剣筋。比喩的ではなく、視覚的に物理的に。
その刀身は、どこまでも長く。

剣筋の上下左右に避けるのならばまだ可能ではあるが、奥への避け、即ちスウェーバックが出来なくなる。
それだけで、回避の選択肢が狭まる。それが狙いなのだろう。
さらには先ほどまでの無差別な剣筋ではなく、確実に狙っている。剣を振る最中にも、直角に向きを変えるなどして。
全ては、確実に屠るためにだ。

45 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/11/04(水) 19:32:14 0
こんなところで、Drマラーが堂々と乱入!
勢いよく宇佐美の体に白濁液をかけはじめた

46 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/11/04(水) 20:11:58 O
>>45
小学生がうれしそうにウンチーって連呼してるみたいで痛々しいよアンタ

47 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage了解です。] 投稿日:2009/11/05(木) 22:14:25 0
吹きかけた酸に対してジャスティは背を向けて実を庇う。
その瞬間眠兎は勝ちを確信した。
元々剣で切れる類の攻撃ではなく、無目的に振り回してても防げなかっただろう。
酸を浴びれば刃は鈍るが、あれほどのスピードで振り回されれば十分な脅威だった。
だがジャスティは剣をかばうように背を向けまともに浴びたのだ。
背筋が爛れてまともに剣など振れなくなる!と。

「ほらほら、さっさと洗い流さないとどんどん肉は爛れるわよ。
こっちも怪我人の治療もあるから逃げるなら追わないからいっちゃいな。」
勝ち誇っていう眠兎にジャスティはゆっくりと振り向き、剣を振り上げる。
まさか・・・
そう思ったときには剣は一閃していた。

慌てて飛び退きその範囲から逃れたはずだったが・・・
「・・・!!!」
声にならない叫びと共に地面には亀裂が入り、眠兎の左腕が肘から落ちる。
届くはずもない範囲への鋭い斬撃が腕を切り落としたのだ。
真空刃?衝撃波?
痛みと腕を切り落とされた衝撃に混乱する中、ジャスティの斬撃は更に繰り出される。
しかも先ほどとは違い、確実に眠兎を狙ってフェイントや軌道修正を交えながら!

背筋に走る悪寒を感じながら眠兎はその剣を躱し続ける、
血と脂汗を撒き散らしながら。
「あーそうかい!そういう事かい!」
焼け爛れた身体を物ともせずに、恐ろしい射程で剣を振るうジャスティと距離を取り、吐き捨てるように言い放つ!
「みんな!十分私の血を吸って動ける程度にはなったろ?
これからとっておき出すから巻き込まれたくなけりゃとっとと逃げなよ!」
眠兎の血には治療再生の効果がある。
意図したわけではないが、切り取られた腕から飛び散る血は周囲で転がり呻く仲間たちに十分に降りかかっている。
これから繰り出す技で巻き込まれないくらいは動けるだろう。

更に繰り出されたジャスティの剣を伏せて躱した眠兎の右手には四本の封魂管が握られていた。
「ゴリラ!ゴリラ!ゴリラ!白狼!
魂魄合成憑依!!顕れよ!イエティ!!」
封魂管から溢れ出た四つの白い靄・・・霊魂は交じり合い眠兎の毛皮に纏わりついていく。
毛皮はザワザワと蠢き眠兎を包み込み、その面積を増していく。

そして・・・ジャスティと比べても見劣りしない巨躯の白い長毛のゴリラが顕れた。
「ゴガアアアアアア!!!!」
咆哮と共に月桂館玄関前の温度が急速に下がっていく。
それはイエティがすむ雪山の如き温度で、既に吐く息は白く染まる。
「・・・凍てつけ!」
しゃがんだ体制のままイエティと化した眠兎が右手を地面につくと、そこから地面は凍ってゆく。
氷は凄まじい速さで広がり、ジャスティの足元に迫る。
このまま氷の領域に触れるとジャスティも凍り付いてしまうだろう。


48 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/11/06(金) 07:33:12 0
で、館 ◆NOA/MhDsUsって奴は何者なん?
まさかスレ主免除のため、じゃないよね?w

49 名前:ジャスティ・S・ラムドール ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/11/06(金) 13:31:06 O
鈍重な動きに避けるという行動は備わっていない。瞬く間に凍り付いてしまう。
凍ってしまったのなら、動けるはずもない。体にどんなダメージを受けても動けるとしても、
物理的に動くことが出来なくなってしまったのならそれで詰みだ。それ以上はない。
そう思うのが、普通だ。

凍りついたその状態のまま、剣筋が煌めいた。あくまでも切り刻まんと、大きくなって狙いやすくなった対象に、斬撃が飛ぶ。
体はどこも動いていないのに、体全体が動いて…先ほどと変わらぬ、斬撃を繰り返す。
それは…まるで年端もいかぬ子供が玩具の人形で遊んでいるかのようだ。
人形はポーズを固定されている。動くことは出来ない。だが人形は動くことができる。戦うことができる。
他からの干渉によって。

ここで少し時間を遡ろう。
ドゥメイがまるで歯が立たなかった理由…それは端的に言うならばドゥメイの慢心によるものだ。
ドゥメイは最初に、己の瞳から瞳術を仕掛けた。その瞳を見た者に、催眠をかける心づもりで。
それは何の滞りもなく終了した。視線が合うだけ、それだけでいいのだ。それだけで催眠は完了する。
しかし、まるで催眠はかかっておらず…驚きのまま切り刻まれたというわけなのだが。
しかしだ。たとえ抵抗力が高いとしても…まともに目が合ったのだ、多かれ少なかれ瞳術の影響を受けているはずだ。
ほんの少しでも、動きなどが鈍るはずなのだ。しかし、何の反応もなく、剣筋は光速を極めた。

ドゥメイは地に伏しながら、その場に仕掛けられた瞳を最動員して動きの解析にかかっていた。
闇雲に振り回している時はわからなかったが、剣が確実に狙っているのならばわかることがある。
対象が死角に入った場合と入っていない場合、狙う際にほんの少しのタイムラグがある。
小数点以下の小さなタイムラグでも、死角の位置から視点の位置を割り出すと…わかることがある。
なるほど、ドゥメイの催眠が効かなかった理由もわかる。
その何も映していないような焦点の合っていない瞳は…実際に何も映していなかったのだ。
視点は、手元から始まっていた。

喋り方や歩き方が、妙だったこと。少なくとも、自然ではなかった。
動きに比べ、剣筋が速かったこと。この違いは最早顕著と言うより、異常である。
その身よりも剣を庇ったこと。いくらなんでも、おかしいと思わないか。
そして…体がどんな状態であろうとも、剣筋に揺るぎはなく、切り払い続けていること。
つまり、だ。

だいたいの仲間は月桂館の中に逃げ込んでいるが、ドゥメイだけは何故か明後日の方向に逃げている。
何事かを、叫びながら。
「宇佐美氏!既に気付いているのでしょうが、体を狙っても意味はありません!
狙うべきは…」

50 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/11/06(金) 13:54:30 0
なんか違うんだよなあ


なんか足んねぇんだよなあ

51 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/11/06(金) 17:20:13 0
>>50
× なんか足んねぇんだよなあ
○ なんか足んねえよなあ

52 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/11/07(土) 07:48:22 0
新規こねえなあ

53 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [新規参加希望です sage] 投稿日:2009/11/07(土) 08:17:00 O
名前:エリック
種族:魔人
種族特性:・浮遊能力・身体能力、魔力が高い・光、聖なる物に弱い・日が出ている時間は全能力半減
性別:男
実年齢/外見年齢:685歳/19歳
体格:176cm60kg細マッチョ
容姿:赤髪ウルフヘア、ジーパンに革ジャン、サングラス着用
性格:ひねくれ、バカ、寂しがり(?)
装備:予備のサングラス
職業:現在無職
キャラ解説
自称、最強の男。
戦闘能力は高いのだが、頭の回転が非常に悪く、自分より格段に弱い相手に負ける事も珍しくない。
悪魔と人間の混血種であるため、日中は全ての能力が半減してしまう。
性格はひねくてれいるが、意外と寂しがり屋という噂も…。

54 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 22:35:08 0
>>53=潜伏荒らし

55 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/07(土) 22:47:47 0
>49
イエティと化した眠兎により周囲の温度は急速に下がっていく。
地面に手を当てればそこから凍てつき、地面を伝ってジャスティを凍りつかせる。
その巨体は霜に覆われ最早動く事もできず。
だが、解析をしていたドゥメイ同様、眠兎にも判っていた。
これで終わることなどありはしない事を。

だからこそ、繰り出される斬撃に慌てる事無く対処が出来た。
凍り固まったまま身体ごと振られた剣筋を見極められたのだ。

>「宇佐美氏!既に気付いているのでしょうが、体を狙っても意味はありません!
>狙うべきは…」
ドゥメイが叫び声を終える前に、ジャスティの剣はイエティの左肩を切り裂いた。
凍りついた鋼鉄の如き剛毛を容易く切り裂き、強力な筋肉を割いてゆく。
鮮血を散らしながら胸辺りで止まった剣を手のない左腕が剣の腹を押さえつける。
「ああ、わかっているよドゥメイ!
私が消耗の激しい魂魄合成憑依でイエティになった時からここまで全部予定通りさ!」
胸の辺りの毛が割れ、そこから顔を出しながら眠兎がにやりと笑う。
そう、全ては計算通りなのだ。
毛皮に覆われ巨大化しているが、中身である眠兎は中心にすっぽり覆われている。
頭を断ち割られていたら中身の眠兎の頭まで刃は到達していただろう。
だからこそ、あえて肩口を切らせたのだ。
しかも片手を切り取られ使い物にならない左側を。

「さあて!イエティの血の味はどうだい?
剣ってのはあらゆる耐性に優れるが、温度差って奴には弱いだろう?」
眠兎の言葉は剣を振るうジャスティではなく、その剣そのものに向けられていた。

勘違いしている人間が多いが、イエティは別に氷属性の生き物ではない。
ただ単に極寒の地に適応した生き物なのだ。
その適応方は熱の吸収。
周囲の熱を吸収し、体内に蓄え極寒の地での活動を可能としているのだ。
故にイエティの周囲の熱は奪われ温度は下がる。
逆にイエティの体内温度は灼熱のものとなる。

そして今、周辺温度に加え、ジャスティ自身が凍り付くほどの冷気に晒された剣が一気にマグマに付けられたようなもの。
この温度差による金属疲労を狙っていたのだ。
「刃は鋭いが、刀身の腹はどうなんだい!?」
食い込む肉と切り取られた左手に押さえつけられ灼熱に晒される中・・・
凍りついた攻城槌の如き太い極寒の右腕が剣を叩き折らんと横薙ぎに振り下ろされる!


【>エリックさん
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
いらっしゃいませ!
もう戦闘終了間際ですので、顔見せ程度になりますが書いちゃいますか?
書いちゃいますか?書いちゃってください!
勿論次のバトルからでもOKデスヨー。
大歓迎!】

56 名前:ジャスティ・S・ラムドール ◆4u4/nz65gQ [sage] 投稿日:2009/11/09(月) 10:53:06 O
金属音が響く。
叩き折られた刃が、その場に転がる。
それは、戦いの終わりを如実に表していた。

ジャスティがその場に崩れ落ちると同時、刃を折られた魔剣がその手から離れ、宙に浮く。
「ハ、ハハ、ハーッハッハッハァ!!」
笑い声が響く。
魔剣の装飾の髑髏が、カタカタと動きながら笑っていた。
「ざーんねんざんねん。負けちまったよ〜。
冷やしてきやがった時からヤな予感はしてたんだよなぁ」

くるくると空中で回りながら、髑髏はカタカタと顎骨を動かす。
「ま、バレちまった時点でほぼ負けは決まってたようなもんだけどな。
楽しませて貰ったぜ〜!無抵抗の獲物を切り刻むよりなんつーか、達成感?みたいなのあったしな!
でもま、やっぱり弱え奴を少しずつ切り刻む方が性に合ってるな、俺には。
また新しい宿主見つけて、適当な街とか襲いにいくとすっかな。
へへ、大丈夫だよ、俺は魔剣だからなぁ。核がやられてない限り、刀身はまた再生する。
そいじゃな!機会があったら!また会おうぜぇ〜♪」
軽口を叩くような口調。そこには負けたことへの悔恨も憎悪もなく。
身軽となった魔剣は、あの剣筋と変わらぬようなスピードで遥か彼方に飛んでいった。

風が吹く。
そこには、折れた刃と、骸が転がるのみ。
その魔剣を手にした時にはもう、ジャスティは死んでいたのだから。

57 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/09(月) 17:46:56 O
>>55-56
「終わったか…なかなか派手な闘いだったな。」
二人の闘いが終わると同時にエリックが宇佐美の目の前に姿を現す。
「月桂冠も落ちたもんだ…あの程度にこのザマか。」
皮肉を言いながらドゥメイや宇佐美を含む月桂冠メンバーを見る。
「俺様なら1分…いや、30秒だ…。」
自信満々にそう言い放つが、多分エリックではジャスティの仕掛に気付かなかっただろう。
そう、何故なら彼はいわゆる馬鹿なのだ。
高い戦闘能力を誇るが、頭が悪いために自分より数段格下の相手に負ける事も珍しくない。
「それにしてもドゥメイ、まさかお前まであんな少し速いだけのデカブツに負けるとはな。
 貴様には一目置いていたんだが…。」
ドゥメイはエリックが一目置く数少ない人物だった。
次にエリックは宇佐美に視線を定める。
「宇佐美、貴様は俺の【一目置いておくリスト】に追加しておいてやろう。
 ま…俺様にはまだまだ遠く及ばんがな…ハーハッハ!」
一人で楽しそうに高笑いをすると、宇佐美に背を向け歩き出す。
「さらばだ諸君、せいぜい弱者同士で傷の舐め合いでもしてるんだな。」





【>宇佐美さん、ドゥメイさん
お言葉に甘えて書かせて頂きました。不慣れですが、これからよろしくお願いします。】

58 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/09(月) 19:24:45 0
魔剣は叩き折られ戦闘は終わった。
眠兎の憑依状態はとけ、既にもとの姿に戻っている。
左腕を切り落とされ左肩にも切り傷が残るが既に血は止まり再生が始まっている。
「はっ!この世界で弱い奴と闘っているほうがいいなんて奴はいつ来ても負けやしないよっ!」
軽口を残して飛び去った魔剣に向かって中指を立てながら吠える眠兎だが、その声に憎しみは篭もっていない。
むしろ楽しげでまるで悪友と遊び終わりの挨拶のようでもあった。

>「終わったか…なかなか派手な闘いだったな。」
一通り終わったあと、声をかけたのはエリックだった。
先ほどまでそこにいたはずのカルロッツェファミリーは当然のように既にいない。
が、眠兎の顔を見ればそこにカルロッツェがいた方が良かったと思っていることは明らかだろう。
皮肉の篭もった声をかけられるが、こういう時に扱いに困るのだ。
確かにエリックの戦闘能力は高く、一分というのもあながち間違いではない。
だがそれはあくまで戦闘能力だけを比較した場合、である。
後は言わずもがな。
強いのは確かなのだがランキング的には決して上位ではない。
しかし性格的に皮肉返しにも気づき難いという扱いづらさがあるのだ。

「あーハイハイ。一目置くリストの何冊目かは知らないけどかいとけばー?」
げんなりしながら受け流すが、既にその時には背を向け歩き出していた。
その姿を見て・・・
「あぁ〜〜・・・戦闘より疲れるわ〜・・・」
げんなりとしながら月桂館へと入っていく眠兎であった。


【お疲れ様でした。戦闘終了。ありがとうございました。
エリックさん改めていらっしゃいませー。
こんな感じでワンバトル完結方式です。
次は【永遠の夜の都の引きこもり】を予定しておりますです。
次は複数バトルが出来そうで楽しみデスヨー。】


59 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/10(火) 22:31:11 0
月桂館掲示板。
ここは様々な仕事の依頼書が届く場所。
ある朝一枚の依頼書が掲示板に貼り付けられていた。

『ソドムシティ街区イノシカ町2丁目チェーン荘102号室ナラシンハ(ヴァンパイアロード)
上記の者バビロンタワー攻略戦力と召集するも召集を無視。
月桂館所属員はナラシンハを説得しバビロンタワーへ出頭させる事。』

「あーらら、ナラシンハさん強制招集されたかー。」
依頼書を前ににやけた顔の眠兎が立っていた。
チェーン荘は眠兎の住居でありナラシンハとは顔見知りである。
が、今の眠兎の顔はそれ以上の感情がこもっている事は明らかだ。
眠兎を知る者は口を揃えて言うだろう。
「・・・またか。」と。
眠兎は男運が悪いくせに妙に惚れっぽく、毎回悲惨な結末を迎えているのだが懲りる様子はない。
少なくともその行動を見る限りは。
だが、幻術や精神系の能力を持つ者は眠兎の瞳に何か違和感を持つかもしれない。

「みんな、久しぶりの【塔】からの仕事よ。
塔攻略招集者への説得だからそれなりに強い奴。
私のお隣さんだからあんまり荒事にはならないだろうけど、私といく奴いる?」
塔攻略招集がかかるという事は、この惑星に立つ八本の塔内で戦力になると認められたという事だ。
それは塔の外の人間とはレベルの違う強さを有することを意味する。
そしてこの惑星において【説得】とは、文字通り力づくという事なので、厳しい戦闘は避けられないだろう。
だがその分報酬は莫大で、支払いは確実なのだ。

眠兎は依頼書をピラピラと舞わせながら同行者を募るのであった。

60 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 07:56:40 O
「朝から何ニヤニヤしてやがる。」
見るからに不機嫌そうな顔をしたエリックが宇佐美の前に現れる。
「ったく…朝っぱらからテメェのニヤケ面を見る羽目になろうとは…。」
朝が苦手なエリックも、掲示板だけは毎朝見に来るのだ。
「【塔】からの依頼か…珍しいな。で、ナラシンハの野郎がバックレたから説得しろと…。よし、乗った。」
【塔】からの依頼=金になる
という方程式がエリックの頭の中では完全に確立している。
ろくに考えもせず依頼を受け、失敗した事は星の数…それでもなお、エリックは依頼を受けるのだった。
「この俺様が同行してやるんだ、光栄に思うが良い、宇佐美。」
宇佐美から発せられる冷たい視線を微塵も気にすることなく、エリックは今日も高笑いをするのであった。

61 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage今回は見送り] 投稿日:2009/11/11(水) 09:11:09 O
その頃、ドゥメイは。

「Zzz」

夢の中。

62 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/12(木) 11:59:08 0
名前:巨人カンタロス
種族:ナレッジワーム
種族特性:体長1〜2mほどの巨大ミミズのような生物で、これでも知性がある
       複数が集合して一個体となることにより、より知性を高めることができる
       乾燥に弱く、普段は地中や水中に居を構えている
性別:?
実年齢/外見年齢:?
体格:身長3.65m・体重4726kg
容姿:ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/3f/0b446ed5720295adceeb2c2f875deaae.jpg
    上記のような感じ
性格:感情がやや希薄だが、誇り高い
装備:燃料式ロッドガン(プラズマエネルギーを流体にして放水するように撃つ武器)
    アルティメチウム合金製の盾(地上で最も硬く、加工が難しい金属で出来た盾)
職業:傭兵
キャラ解説:
 ナレッジワームが人型生物との共存のために編み出した人型形態の内の戦闘形態「ヴァ・イラオ」
 専用のボディアーマーは巣も兼ねており、あらゆる乾燥や衝撃から本体を守る
 彼はヴァ・イラオの中でも特に強く自我が形成されており、コロニーとは独立した個性を持っている
 「カンタロス」という個人名を名乗り、傭兵をしながら気ままに暮らしている

63 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/12(木) 22:47:05 0
【>ドゥメイさん
了解です
>カンタロスさん
いらっしゃいませー!ようこそ!
群体生命体?どんな戦いになるか楽しみです。
早速導入書いちゃってくださいな。
戦闘導入レスは明日投下かしますデスヨー】

64 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/12(木) 23:21:53 0
「我も、行く」
巨大な体躯の「何か」が宇佐美とエリックの前に現れた
それは、片言のような言葉で一言だけ発した
ナレッジワームの取る姿の一つである戦闘形態ヴァ・イラオである
本来、個人的な行為に走るほどの自我や個性は持っていない
だが、この巨人カンタロスは全くの例外である

「我が名はカンタロス
 我はヴァ・イラオの戦士
 その話、混ぜてもらいたい」
次にこう言い、任務への同行を願い出る

65 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/12(木) 23:22:34 0
.>>63
【よろしくお願いします】

66 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/13(金) 22:09:39 0
旅を始めて、もう随分と月日が経過している
カンタロスがその自我に目覚め、独立した行動を取るようになったのは最近ではない
もう10年近く経っていると見ていいだろう
ナレッジワームは見た目こそミミズ型生物だが、これでも知性を持った存在である
集合・擬態することでそれらを高め、人型生物に劣らない知能を得る事もできる
しかし、彼らが人型生物と決定的に違うのは、感情を持たないことである
個性は無く、本能とナレッジワームズコロニーの共存マニュアルのみに従い行動する
カンタロスはその中で唯一、個性と感情、自我を持った者である

「噂には聞いていたが、こうまで同胞の気配が希薄とは…
 この町のコロニーはあってないようなものか…」
そんな彼がソドムシティに流れてきたのは、ここ数カ月のことである
種族の坩堝たるソドムシティにも、何故かナレッジワームだけは余り生息していない
一部の労働形態ヴァ・セグロが労働力として雇われているくらいである
それでも、見かけること自体が稀である

「………」
住民から向けられる好奇の目には、カンタロスも閉口気味である
ナレッジワームなど珍しい上、巨人の如き図体は圧巻の一言
注目しない者など、まず居ないだろう

「仕事を探さねば…」
あてもない旅を続けるには、とにかく金が必要である
旅先で詐欺に遭い、有り金を全部失って途方に暮れていたカンタロスには特に
そこで、人伝に外区の月桂館には、相手を選ばない仕事の話が転がっていると突き止める
そうしてたまたま、宇佐美たちの姿を見かけたというわけである

67 名前:宇佐美 眠兎 ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/13(金) 22:46:17 0
>60>64>65
ナラシンハ説得の仕事にまず飛びついたのはエリックだった。
相変わらずの口調に冷たい視線を送るが当然のように気付く様子はない。
そんな眠兎の背後から短く一言と共にもう一人が現れた。
振り返った眠兎は目の前に突然壁の出現に暫し絶句。
そろりと上を見上げて漸くカンタロスであることを認識した。
巨人の名に相応しく、至近距離で見るその体は正に壁そのものなのだ。
しかしその鎧の隙間から垣間見える触手がカンタロスがナレッジワームであることを顕していた。

カンタロスから二歩離れて漸く全体を無理なく視界に納められるようになり、エリックと交互に見比べる。
「ふ〜ん、いいわ。あんた達二人なら・・・ね。
カンタロスって言ったわよね。登録は仕事の後でいいわよね。
急いでいきましょ。」
二人をじっくりと見た後、依頼書を掲示板に投げつけると、自然と依頼者は張り付いた。
「私達行くから、後から来た奴に言っておいて。来るなら早めに来いって。」
残ったメンバーにそう投げかけるとエリックとカンタロスを伴って月桂館を出て行った。



月桂館から歩いて30分ほどのところにチェーン荘はあった。
地球の古今東西の建物が乱立する中、それは一際異彩を放っていた。
エリックとカンタロスの記憶が確かならばチェーン荘は木造二階建ての古びたアパートのはずだった。
場所も間違いがない。
だが、目の前にあるのは黒い風船、もしくは風呂敷包みの建物。
黒い布が建物ごと覆い球体状に膨らんでいるのだ。

この異質な状態にもそこの住人である眠兎は何の疑問も持たずに布に突っ込んでいく。
スリットが入っているらしく、抵抗もなく中に入って行ってしまった。
「ほら、早くしなよー。」
スリットから首だけ出して二人に入るように促す眠兎。
二人が布に触れると自然に裂け目が出来て抵抗もなく入れるだろう。

そしてチェーン荘敷地内に入った二人は更に驚くべき事を目の当たりにする。
崩れかけた塀に囲まれ中庭があり、木造二階建てのアパートがあるはずだったのだ。
だが、球体状の布の内部には陰鬱とした墓地が広がっている。
湿った土に捻じれて枯れた木。無数の墓石。
そして何よりも、まだ日も高かったはずなのだが内部は【夜】なのだ。
空からの冷たい月の光と所々に立つ街路灯が光を供給し、より夜を強調していた。

「ふはははは!ようこそ!永遠の夜の都へ!」
高らかな笑い声と共に蝙蝠の一群がどこからともなく集まり、人の形を形成する。
真っ黒に塗りつぶされた蝙蝠の塊は色彩を持ち一人の男の姿になった。
185センチ、身に纏う燕尾服の上からでもわかる引き締まった身体。
濃いヅカメイクで芝居がかった仕草で現れた男こそが今回のターゲット、ヴァンパイアロード・ナラシンハである。

「キャーーー!ナラシンハ様〜〜!」
月桂館のメンバーと話す時とは1オクターブほど高い声で悲鳴を上げながらナラシンハの胸に飛び込む眠兎。
それを優雅に受け止めながらナラシンハの視線はエリックとカンタロスに向けられていた。
「ナラシンハ様〜。月桂館でも魔力の高そうな二人を連れてきましたぁ〜。
あっちがエリックっていう馬鹿です。魔力と戦闘力は高いですよ〜。馬鹿だけど。
大きい方がカンタロスという今日来たばかりですけど、かなり強そうなので一緒に連れてきちゃいました〜。」
ナラシンハの胸の中、甘えた声と潤んだ上目遣いで囁く眠兎。
それが意味することは・・・
「うむ、よくやってくれた眠兎君。ではもう君は用無しだから退場してくれたまえ。」
囁かれたナラシンハはうんざりとした様子で眠兎の目の前で指を鳴らした。
それは見たままの催眠術。
瞳の光を失った眠兎は言われるままに夜の墓地へと消えていった。

68 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/13(金) 22:46:40 0
「ふぅ。漸く邪魔な女はいなくなったわね。」
眠兎が消えるのを確認すると、ナラシンハは突然オネエ言葉を発する。
だがこれがナラシンハの地の喋り方なのだ。
男装の麗人気取りのオカマであり男色家。
元々眠兎の再生効果のある血はヴァンパイアの口に合うものではなく、男色家のナラシンハならば尚更だった。
故に催眠術でナラシンハ好みの男を連れてこさせることにしたのだ。
丁度塔からの召集もかかっていたので、それを口実にすれば強い男を連れてこれる、というわけだ。

一通り説明した後、ナラシンハは二人に熱い視線を向ける。
「うふ。女なんて気持ち悪いだけだけど・・・こんなステキな殿方を連れてきてくれるなんて捨てたものじゃないわね。」
パチンとウインクするとそこから黒いハートが飛び出してエリックとカンタロスの前まで飛んでゆく。
「私は強い男を組み伏せて自分のものにするのが好きなの。
さあ、戦いましょう?
屈服させた後は・・・極上の快感をア・ゲ・ル(はーと)」
ニッと笑った瞬間、二人の前にふわふわと飛んできた黒いハートが大爆発を起こした。
それは戦いの始まりの合図。
そしてこの戦いに負けた場合、二人には貞操の危機という罰ゲームがあることを表している!

【フィールド:夜の墓地】


名前:ナラシンハ
種族:ヴァンパイアロード
種族特性:吸血能力・催眠・鏡に映らない・日中は能力激減
性別:男
実年齢/外見年齢:230/30
体格:185センチ・75キロ・引き締まっている
容姿:黒髪オールバック・ヅカメイク
性格:オカマ紳士
装備:燕尾服
職業:貴族
キャラ解説
全ての面において飛びぬけた力を誇るヴァンパイアロード。
様々な魔法を駆使し、肉体的にも頑強。
バビロンタワー攻略に招集がかかるほどの実力者。
男装の麗人を気取る男で男色家。

69 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/14(土) 00:43:34 O
>64>「我も、行く」
「我が名はカンタロス
 我はヴァ・イラオの戦士
 その話、混ぜてもらいたい」
エリックと宇佐美の前に現れたのは巨体な「何か」であった。
「見ねぇ顔だな…。ついてくんのは構わねぇが、足引っ張んじゃねぇぞ。」

>67宇佐美に連れられ月桂冠を出て約30分。
チェーン荘はエリックも何度も来たことのある場所だが、チェーン荘の外観はすっかり変わってしまっていた。
「改装か?それにしちゃあセンスねぇな。」
>「ほら、早くしなよー。」
入るのを若干ためらっていると、宇佐美が催促してくる。
「へいへい、今行くっつの。」
中に入ると、そこには墓地が広がっていた。
そして辺りは完全に夜になっていた。
「ここは良いなぁ…俺様に最適な場所だ。」
>「ふはははは!ようこそ!永遠の夜の都へ!」
一人で喜びに浸っていると高らかな笑い声と共にナラシンハが姿を現した。
>「キャーーー!ナラシンハ様〜〜!」
ナラシンハを見ると同時に、胸に飛び込む宇佐美。
「……キャラ違くねぇか?」
>「ナラシンハ様〜。月桂館でも魔力の高そうな二人を連れてきましたぁ〜。
あっちがエリックっていう馬鹿です。」
「誰が馬鹿だこのウサギっ!」
エリックは馬鹿にされる事が嫌いだ。
何故なら自分が馬鹿だと自覚していないから。
>「魔力と戦闘力は高いですよ〜。馬鹿だけど。」
「だから馬鹿言うなっつの!」
怒ったエリックは空間から真っ赤な剣を取り出し宇佐美に飛び掛かろうとするが…
>「うむ、よくやってくれた眠兎君。ではもう君は用無しだから退場してくれたまえ。」
ナラシンハにそう言われて宇佐美は言われるままに墓地へと消えて行った。
「っんだよ…どうしたんだアイツは?」
どうやら宇佐美が催眠術にかけられていた事に気付いていないらしい。

70 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/14(土) 00:45:27 O
>68>「ふぅ。漸く邪魔な女はいなくなったわね。」
「はぁ!?」
突然のオネエ言葉に驚きを隠せないエリック。

ナラシンハの説明を一通り黙って聞く。
>「うふ。女なんて気持ち悪いだけだけど・・・こんなステキな殿方を連れてきてくれるなんて捨てたものじゃないわね。」
ナラシンハがウインクすると黒いハートがエリックとカンタロスの前に飛んでくる。
>「私は強い男を組み伏せて自分のものにするのが好きなの。
さあ、戦いましょう?
屈服させた後は・・・極上の快感をア・ゲ・ル(はーと)」
ナラシンハが笑みを浮かべた瞬間黒いハートが大爆発を起こした。
エリックは爆発すると同時に横に飛びながら、剣をナラシンハに投げ付ける。
「どうするよ、カンタロス。アイツ、気色は悪いがなかなか強ぇみたいだ。
俺とお前、どっちが先に奴の相手をする?」
エリックは1対1または自分が1で相手が多数の勝負が好きなのだ。
というより、誰かと協力して闘うのが嫌いらしい。

71 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/14(土) 08:22:06 0
>>69
>「ほら、早くしなよー。」
「この有様、大家の趣向か?」
チェーン荘については、この町に来た際に住宅情報を下調べした時に把握している
だが、住宅情報誌に掲載されていた写真での外観とは全く違った
さすがのカンタロスも、これには驚きの感情を隠しきれなかった

「ヴァンパイアか…
 なるほど、如何にも血の気が無さそうな顔をしている
 これでは血を欲しがるのも道理か」
ターゲットと思しき相手が現れ、そう言いつつ右腕のロッドガンを構えて戦闘態勢を取る
背を低くしつつ、盾も胴体部分を守るように構える
これが、ヴァ・イラオ特有の戦闘時の構えである
がしかし、間髪を入れずに甲高い声を上げながら宇佐美がナラシンハへ向かって行った
カンタロスは無言でそれを見ていた

>「キャーーー!ナラシンハ様〜〜!」・・・(ry
「………
 我の記憶では、ヴォーパルバニーは気高く理知的な種族だった気がするのだが…
 これが都会女というものなのか?」
隣に立っていたエリックに問い質すが、彼は彼で馬鹿扱いされたことが癪に障ったらしい
聞いている様子はなく、ひたすら宇佐美の罵詈雑言を真っ向否定している
そうこうしている内に、宇佐美がいきなり何らかの催眠術にかけられたらしい
フラフラと歩きながら墓地の奥へと消えて行った

>「私は強い男を組み伏せて自分のものにするのが好きなの。(ry
「雌雄同体の我々には、貴様の趣向など全くを以て理解できん
 が、話し合いの余地が全くないということは理解した」
ナレッジワームにオスとメスのはっきりした区別はなく、両方の特性を持った雌雄同体である
その集合体であるカンタロスに無いのは、尚当然と言えば当然のことだ
それはともかくとして、戦いへと発展したのはカンタロスにとって好都合
任務の内容を聞いた時には、一時的に単なる説得かと思って辞退しようとしたほどだ
(もっとも、金不足のためどんな仕事でも結局は受けるつもりであった)

>「どうするよ、カンタロス。アイツ、気色は悪いがなかなか強ぇみたいだ。(ry
「………
 (心の声:ヴァンパイアは見ることすら初めての相手…
       不用意に仕掛けるよりは、相手の腹と出方を伺い探るのが先決か)
 1対1…、戦士の本質に立ち返るというわけか
 それも良かろう
 エリックとやら、先陣の栄誉、貴様に授けよう」
そう言うと、エリックより後方に下がり、あぐらをかいて座り込む
カンタロスが動くことは、その一連の行動だけで迫力がある
感情で動いたり計算高い一面も、ナレッジワームらしくないと言えるだろう

72 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/14(土) 22:47:23 0
>70>71
凄まじい反応速度で爆発から飛び退き、更に剣を投げつけるエリック。
その狙いは違わずナラシンハの顔面を捉えた。
剣は突き刺さり、ナラシンハは大きく状態をそらす事になる。
だが・・・それでも倒れはしなかった。
それどころか、嬉しげな声が響いてくる。
「ふぁらぁん。ひひひゃりひひりひゃったフォノをふひはへてふるはんて・・・ふれひいふぁあ。」
(あらぁん。いきなりいきり立ったモノを突立ててくるなんて・・・嬉しいわぁ。)
ググググと腹筋を使い状態を起こすナラシンハ。
その顔の剣は驚くべき事に噛んで直撃を防いでいたのだ。

ニタリと笑う口から長い舌が伸び、剣に十重二十重に巻きついていく。
「若いから焦っせちゃうのもわかるけど・・・ダメよぉ。
こういうのはまずは相手をトロトロにしてから、じゃないとお〜〜。」
剣に絡んだ舌がぎゅっと力を込めると、剣は一瞬で溶けてしまう。
そして台詞と共にふっと息を吹きかけられる。
ただそれだけだが、溶けた剣と大量の唾液は酸の雨となってエリックに降り注ぐのだ。

一方酸の雨を吹きかけたナラシンハは既にその場から姿を消していた。

「つれないこといっちゃいやぁん。」
声は胡坐をかき座り込んだカンタロスの真下から響く。
湿った月が盛り上がり、カンタロスを持ち上げてゆく。
盛り上がり土が崩れ落ちた時、そこには片手でカンタロスを持ち上げるナラシンハがいた。

「わからなくてもいいのよぉん。私が感じさせてあげるから。
折角一緒に来たのだからみんなでくんずほぐれつしましょおう!」
信じられないことに、自分の倍の巨躯、そして五トンに近いカンタロスをナラシンハは片手で投げたのだ!
投げつけた先にはエリック。
激突すればエリックの回避行動は阻止され、二人ともども酸の雨を浴びることになるだろう。




73 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 11:54:10 O
>71>「1対1…、戦士の本質に立ち返るというわけか
 それも良かろう
 エリックとやら、先陣の栄誉、貴様に授けよう」
エリックの問い掛けにそう答えると、後ろに下がり座り込んだ。
「先陣も何も、俺が最初に相手したらお前の出番はねぇぞ?なんてったって…」
>72>「ふぁらぁん。ひひひゃりひひりひゃったフォノをふひはへてふるはんて・・・ふれひいふぁあ。」
エリックが話している最中にナラシンハの声が響く。
「いいねぇ…やっぱ闘いってのは強い奴とやって初めて成立するもんだな。」
エリックの投げた剣をナラシンハは噛む事によって直撃を防いでいた。
>「若いから焦っせちゃうのもわかるけど・・・ダメよぉ。
こういうのはまずは相手をトロトロにしてから、じゃないとお〜〜。」
ナラシンハが剣に舌を絡めると、剣は簡単に溶けてしまった。
そしてナラシンハの唾液と溶けた剣が酸の雨として降り注ぐ。
「へっ…気色わりぃんだ…よっ!」
頭の上に手をかざすと、黒いバリアが展開し、酸の雨を防ぐ。
「ん?」
エリックは気付いた、ナラシンハ既に目の前から消えている。
「はっはー!もう逃げ出したかオカマ野郎め!
 まあ、最強のエリック様を目の前にして腰を抜かさなかっただけでも…」
>「わからなくてもいいのよぉん。私が感じさせてあげるから。
折角一緒に来たのだからみんなでくんずほぐれつしましょおう!」
またもや途中でナラシンハの台詞が入る。
振り向けばナラシンハに投げられたカンタロスがこちらに向かって来ている。
「訳わかんねぇ事…ほざいてんじゃねぇっ!」
エリックの後方の次元が歪み、巨大な魔神の拳がカンタロスをナラシンハへと突き返す。
これはカンタロスの防御力を信じて行なった回避行動……ではなく、向かってくる物は反射的に打ち返したくなるエリックの本能による行動だった。

74 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 16:50:48 0
>>72-73
>「ふぁらぁん。ひひひゃりひひりひゃったフォノをふひはへてふるはんて・・・ふれひいふぁあ。」
「表現、趣向、性癖…
 どれを取っても理解不能な男だな」
エリックの投げ付けた剣を口で止める反応速度が、既に常人離れした身体能力を物語る
しかしそれ以上に、カンタロス自身の知っているヴァンパイアとかけ離れていることに驚く
だが、そのセリフを言った時には既にナラシンハの姿は無かった
酸の雨はエリックに向かっていたため、気には止めていなかった

>「つれないこといっちゃいやぁん。」(ry
「何、ば、馬鹿なっ!?
 我を容易に持ち上げるだと!?
 うおっ…」
胡坐をかいたまま持ち上げられたことに、更に驚くカンタロス
そのまま放り投げられ、背中からエリックの頭上へ落下していく
完全に油断していた
しかし、今度は次元の歪みより出現した魔人の拳がカンタロスの巨体を殴り飛ばした
反射的に反応し、盾で直撃は防いだが、今度はナラシンハの方へと吹っ飛んで行く
凄まじい轟音を立てて落下し、辺りには舞い上がった砂埃や土煙が立ちこめた

「ぐうぅぅ…
 人を何だと思っている!」
特に大ダメージを受けた様子はないのだが、怒りに任せて避けようとしたナラシンハの足を捉えていた

「ナラシンハとやら、少し痛い目を見てもらうぞ!」
右腕でナラシンハの足を掴んだまま、勢いよく振り回すとエリック目掛けて放り投げた
そして、燃料式ロッドガンを構えると、そのまま発射した
緑色の流体プラズマエネルギーが、水流のようにナラシンハへと向かって行く
これは、旧人類の残したテクノロジーを一部応用して造られたハイテク兵器である
燃料式という名の通り、物体に触れると強力な爆発を起こす効果がある
範囲は小規模ではあるが、最大出力で重戦車すら容易に破壊可能な威力を発揮する

75 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 23:05:27 0
投げつけたカンタロスを迎え撃つは巨大な魔神の拳。
「あっっらぁん!かわいい顔して大きなモノ持っていブッ・・・!」
その様に思わず顔を赤らめ見とれてしまうナラシンハには台詞を言い切るだけの時間はなかった。
凄まじい速さで打ち返された巨大なカンタロスが直撃したからだ。

轟音と共に土煙が上がり、衝撃が地面を揺らす。
>「ナラシンハとやら、少し痛い目を見てもらうぞ!」
今度は反対にナラシンハがエリックに向かって投げ放たれたのだ。

投げられたナラシンハは途中無数の蝙蝠に分裂し、またも反射的に打ち返そうとするエリックをすり抜けていく。
エリックを通り過ぎ十メートルほど飛んだところで人型に戻り着地。
その直後、エリックの肩越しからカンタロスの放った流体プラズマエネルギーが迫る。

それに対し、ナラシンハは避ける事無く大きく口を開いてその緑色の液体を全て飲み込んだ!
直後、爆音が響く!
鼻と口から炎が漏れ出るが、大したダメージがあるようには見えない。
その証拠に爆発の直後だというのに五体満足で、そしてなお言葉を紡ぐのだから。
「あはぁ〜。お口に出されちゃったぁ。
濃ゆくて美味しかったわよぉん。」
二人は知るだろう。
これが塔攻略に召集を掛けられるものの耐久力だ、と。

口から多少の血を滴らせながら、煙を吐き出すとナラシンハの目つきが変る。
「わ・・・私の血が・・・。
うふふふふふ・・・!気に入ったわぁああ!」
そしてそれ以上に、そのかもし出す雰囲気が・・・凶暴なものになった事を肌で感じるだろう。
今までの攻防はナラシンハにとって戦いにすらなっていなかったのだ。
まるで猫が鼠を弄び楽しんでいるようなものだった。
だが、予想外に血を流させられた事により、ナラシンハは今、戦闘に入った。

「さあ!もっと激しく行きましょう!
落ちなさい!神鳴る力!」
その言葉に応えるかのように夜空が一瞬白く染まり、一筋の光がカンタロスに落ちる。
それは正に轟雷!
十メートルを越える太さの稲妻が轟音と共に夜空から降ってくる。

それと同時にナラシンハが地面を蹴る。
瞬間移動と見間違わんばかりの速度で間合いを詰め、エリックの懐で優雅にターンを決める。
「さあ、ダンスの時間よぉ〜!」
遠心力を加え繰り出される裏拳。
その拳には黒い雷が宿る。
振りぬかれたその拳は見た目以上の射程距離を持つ。
同時にエリックは気付くだろう。
墓土から這い出てきた無数の腐った腕がエリックの足に絡みつき動きを封じようとしている事に。

76 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/16(月) 18:00:42 O
>>74-75今度はカンタロスがナラシンハを投げてきた。
「もういっちょ……!」
先程カンタロスを打ち返した魔神の拳を召喚しようとするも、ナラシンハは無数の蝙蝠となり回避する。

エリックから10mほど離れたところで人型に戻るが、エリックの肩越しにカンタロスのプラズマエネルギーが迫る。
「決まった!避けられ……なにっ!」
驚く事に、ナラシンハはプラズマエネルギーを飲んでしまった。
>「あはぁ〜。お口に出されちゃったぁ。
濃ゆくて美味しかったわよぉん。」
「くっ…はははっ!コイツは上等だ!!気色は悪いが塔攻略に招集かけられるだけはあるぜ!」

エリックは驚きながらも嬉しそうだった。
>「わ・・・私の血が・・・。
うふふふふふ・・・!気に入ったわぁああ!」
>「さあ!もっと激しく行きましょう!
落ちなさい!神鳴る力!」
ナラシンハは自分の血を見ると本格的な戦闘モードに入った。
後方で雷の落ちる音が聞こえる、多分カンタロスを狙ったものだろう。
それと同時にナラシンハは地面を蹴り、エリックとの距離を詰める。
そのスピードは瞬間移動と言っても過言ではない。
>「さあ、ダンスの時間よぉ〜!」
優雅にターンを決めると、黒い雷を纏った裏拳を放つ。
「へっ!見え見えだz…っ!?」
バックステップでかわそうとするも、墓場から這い出た無数の腕がエリックの足にまとわりつく。
「ぐわあぁぁ!!!」
ダイレクトに裏拳がヒットした。
その瞬間エリックはドロっと溶けてしまう。
「ふぅ…危ねぇなぁ。」
ナラシンハの後方でエリックの声がする。
そう、さっきのはダミーだったのだ。
「このフィールドはお前のステージであると同時に、俺のステージでもあるんだよ?
 そう簡単には殺られねぇっつーのっ!!」
エリックが右手を下から上へ上げると、ナラシンハの足元から多数の鋭利な刃物が突き出す。

77 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/16(月) 22:47:50 0
>>75-76
>ナラシンハ
「高濃度のプラズマを食らって、口からの軽い出血だけとはな
 想像以上の化け物め…!」
平静を装ってはいるが、その焦りと動揺は隠し切れるものではない
ダメージはさほど大きいものとは感じられず、むしろ今から本気モードというらしい
自らの巨体を持ち上げ、投げ付けたあの怪力が「遊び」に過ぎないのだ

>「さあ!もっと激しく行きましょう!
  落ちなさい!神鳴る力!」
「マジック・パワーか!?
 しまった…ぐおおぉぉぉぉっ!」
轟音と共に落下してくる雷を巨大なシールドでガードする
雷は分散し、辺りに電撃となって散らばった
しかし、完全に防ぐことはできず、いくらか感電ダメージを被ってしまった
カンタロスの持つ盾は、地上で最も硬く加工が難しい「アルティメチウム合金」で出来ている
現在では全く産出せず、加工も実質ナレッジワームの工房でしか行うことができない
理論上壊すことは不可能と言われるほどの硬度を誇り、魔法すら防いでしまう
極めて貴重なこの盾を与えられることは、ヴァ・イラオにとって大変名誉なことであるのだ

「くっ…
 (心の声:これが塔召集者の実力というわけか…
       我と同じ盾を持つ同胞、魔神ヴァルヴァロもこれほどなのか)」
体勢を立て直しながら、自らと同じ名誉の盾を与えられたヴァ・イラオの名を思い出す
ヴァ・イラオの中でも圧倒的に高い戦闘力を誇り、塔召集者の一人に選ばれてコロニーを旅立ったのだ
姿すら見たことはないが、カンタロスは密かに彼を超えるべき存在として崇めていた
同じ塔召集者のナラシンハの戦闘力を垣間見て、今自らがどれほど無力なのかを思い知る

「だが、それでも我は!」
近くにあった墓石を掴むと、それらを次々に引っこ抜いてナラシンハ目掛けて投げ付けた
怪力なのはカンタロスも一緒で、それくらいの芸当は造作もない
巨大な複数の墓石が弧を描いてナラシンハへと襲い掛かる

78 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/17(火) 22:46:36 0
>76>77
轟く雷鳴と共に振り抜かれる裏拳がエリックの顔面を捉える。
落雷をシールドでガードしたとはいえ直撃したカンタロスにダメージを与える。
そして拳はエリックの顔面を水風船のように吹き飛ばした。
そう、水風船のように。
「!?」
あまりの手ごたえのなさに違和感を感じた瞬間、顔面だけで泣くエリックの体自体がドロッと溶けてしまう。
>「ふぅ…危ねぇなぁ。」
後ろからの声にダミーだと気付き、振り向くとそこにはエリックが右手を跳ね上げていた。

エリックの術が発動しナラシンハの足元から鋭利な刃物が多数突き出す。
「まぁ〜だ基本性能の差がわかっていないようねい。」
エリックの術を阻止するには間がなさ過ぎた。
しかしそれでもナラシンハは動ずることはない。
背中から蝙蝠の羽を生やすとふわりと浮き上がり突き出る刃物の上に浮く。

飛行能力を持つヴァンパイアには地面からの攻撃は無効。
不発に終わらせ嘲笑うナラシンハの後頭部に墓石が迫っていた。
>「だが、それでも我は!」
「ん?」
声が届いた時には既に墓石が後頭部にクリーンヒット!
何が起きたかわらかぬ内にナラシンハは叩き落され、剣山と貸した地面に打ちつけられる。
体中貫かれた上に更にカンタロスの追撃が降り注ぐ!

数秒後、無数の墓石が山となりナラシンハの右手が僅かにはみ出ているだけとなっていた。
それは正に巨大な墓標。
唯一はみ出た右手が震えながら人差し指を刺す。
「も・・・問題・・・。この攻撃で・・・わ・・たし・・・は・・・どれだけのダメージ・・・を、負ったで・・しょう・・・か?
1・再起不能・・・2・戦闘不能・・・3・重症・・・」
指を三本立て選択肢を示したところでパタリと手は倒れた。

数秒の後に答えは判明する。
エリックのすぐ隣で。
「うふ。答えは4・深爪程度よぉん(ハート)」
そこには全く無傷のナラシンハが立っていた。
そしてエリックが行動を起こす前にナラシンハは無数の蝙蝠に分裂した。
無数の蝙蝠はエリックを中心に渦巻くように回転し、視界を闇に染める。
「おほほほほほ!」
「確かにあなたのフィールドでもあるかもしれないけれど。」
「所詮は私のフィールドのお零れでしかないのよ〜。」
「この永遠の夜の都の中でわぁああ!」
「私は不滅!」
「私は無敵!」
「さあ、これのどれだけ耐えられるかしらぁ〜!」
渦巻く蝙蝠が口々に叫び声をあげる。
やがてその声はうねりとなり、全方向からの超音波攻撃となってエリックの体を振動させ蝕む!
無数の群れによる攻撃が炸裂した!

一方、周囲の墓石を粗方投げつくしたカンタロスの元にもナラシンハが現われていた。
服装はボロボロに破け、体には数本の刃がまだ突き刺さっている。
墓石に押し潰されたナラシンハが土を掘りカンタロスの足元から出てきたのだ。
「うふふふ。穴を掘って蚯蚓さんの気持ちを体験してみたわぁん。
さあ、そんな鎧は脱ぎ脱ぎして肌と肌の触れ合いをしましょう?」
巨大なカンタロスにへばりつき長い舌でカンタロスの全身を巻きつける。
その唾液が、その血が、強力な酸のようにカンタロスの鎧を溶かし始め、腐食した部分から鎧を引き剥がそうとする。

凄絶な戦いを永遠の夜の都の宙に佇む満月だけが冷たい光を注ぎながら見守っていた。

79 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/18(水) 18:45:45 O
>>78エリックの攻撃は空中に逃げる事で簡単に避けられた。
しかし、ナラシンハの背後からカンタロスが投げた墓石が見事にヒットし、刃物に串刺しになる。
だが、ナラシンハにダメージ与えられた様子はまるで無い。
>「おほほほほほ!」
>「確かにあなたのフィールドでもあるかもしれないけれど。」
>「所詮は私のフィールドのお零れでしかないのよ〜。」
>「この永遠の夜の都の中でわぁああ!」
>「私は不滅!」
>「私は無敵!」
>「さあ、これのどれだけ耐えられるかしらぁ〜!」
無数の蝙蝠になったナラシンハから超音波が発せられる。
全方向から浴びせられる蝙蝠の超音波は紛れも無い攻撃だった。
「ぐっ……うっせええぇぇぇ!!!」
怒ったエリックは自分を中心に黒い炎の渦を発生させる。
触れる物全てを無に帰す地獄の炎だ。
「だぁ〜れが無敵だってぇ?お前みたいなオカマに俺様が負ける訳ねぇんだよ!」
エリックも本格的に戦闘モードに入る。
その証拠に、炎が静まり露になったエリックの両目は黒から赤に変わっていた。

80 名前:巨人カンタロス ◆AOGu5v68Us [sage] 投稿日:2009/11/18(水) 20:39:25 0
>>79
>「も・・・問題・・・。この攻撃で・・・わ・・たし・・・は・・・どれだけのダメージ・・・を、負ったで・・しょう・・・か?
  1・再起不能・・・2・戦闘不能・・・3・重症・・・」
「貴様が塔召集者ならば、その程度でくたばるタマでもあるまい
 猿芝居は辞めてさっさと出てくるのだな」
山のように積まれた墓石から見えるナラシンハが手と死んだような声だけで語る
しかし、流体プラズマを食っても平気だったこの男がダメージを負っているなどとは思っていなかった
その予想通り、「深爪程度」と相変わらず平然とした様子でその場に現れたのだ
カンタロスは身構え、再び攻撃を加えようとする
しかし、意外な事態が発生してしまったのだ

>「うふふふ。穴を掘って蚯蚓さんの気持ちを体験してみたわぁん。
  さあ、そんな鎧は脱ぎ脱ぎして肌と肌の触れ合いをしましょう?」
「何…、ナラシンハが二人だと!?」
突如足元から、エリックの剣と破石を受けた方と思しきナラシンハが出て来た
カンタロスは、エリックに襲い掛かった方のナラシンハに気を取られていた

「ぐ…」
へばりついたナラシンハは舌から滴る唾液や体の傷からの血で鎧を溶かしている
強引に引き剥がそうとするが、カンタロスの怪力を以てしても引き剥がすことが出来ない
否、ビクともしないのだ
そうしている内にも、見る見る内に鎧が溶けて弱点の本体が露わになろうとしている
こうまで圧倒的な差になろうとは、ある程度の覚悟はあったが…

(単純な力で勝てるほど、超常の者どもは甘くはない)
「………!?
 (心の声:だ、誰だ!?)」
意識が虚ろとなり、周囲の時間が止まったように感じるカンタロス
何者かの声が頭の中に語り掛けるかの如く響き渡る

(おまえは世界を知らぬ
 所詮ヴァ・イラオは屈強なだけの戦士に過ぎない
 おまえはその男には決して勝てはしない)
「(心の声:そんなことができるというのか?
       我の体は魔法すらも跳ね返す
       それ以上超えるなど出来るというのか?)」
(おまえに我が力の一部を貸し与えよう
 塔という場所がどれほど過酷な地なのかということを思い知れ)
「………!」
そうして、カンタロスの意識が再び覚醒する

「悪いが、我は貴様とそのような余興に耽るつもりはない!
 ぬうううっ!」
全身から力が湧き上がり、それに任せて思い切り腕を押し広げた
すると、先ほどまではビクともしなかったナラシンハの舌を難なく振り解いてしまう
そして、同じく全く引き剥がすことができなかったナラシンハを強引に難なく引き剥がした

「このまま捻り潰してやろう!」
そのままナラシンハの頭部を掴むと、アイアンクローのような要領でどんどん締め上げて行く
突如力を得たカンタロスは、半ば調子に乗りつつナラシンハを連れ帰るという任務を忘れていた
その怪力は、先ほどのカンタロスとは比べようもないほどであった
彼はこのまま、徐々に力を強めてナラシンハの頭部を握り潰すつもりである

81 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 00:07:08 0
>79
エリックの周囲を荒れ狂うように回る蝙蝠の群れ。
一匹一匹は弱いが、だからこそ恐ろしい攻撃となるのだ。
全方向から繰り出される超音波は蝙蝠を10匹20匹落そうとも衰えはしない。
核等ない群体による攻撃。
超音波は徐々にエリックの体を痛めつけ、破壊していく。

>「ぐっ……うっせええぇぇぇ!!!」
蝙蝠の渦の中、エリックの叫び声が響き渡る。
そして巻き起こる黒い炎の渦。
エリックに近づきすぎていた蝙蝠がまとめて消滅するが、残りの大部分は一斉に距離を取り難を逃れた。
>「だぁ〜れが無敵だってぇ?お前みたいなオカマに俺様が負ける訳ねぇんだよ!」
炎が静まりあらわになったエリックの瞳が赤色に変った瞬間、蝙蝠の群れは一斉に動き出す。
とぐろを巻くように飛び、その背後に集まり人の姿になった。
再び現われたナラシンハはエリックと同じ黒い炎を薄く纏っている。
「うふっ。待っていたわぁん。
人は極限の闘いの中で最高のオドを生じさせる。
黒い炎なら私も使えるのよぉん。これで私とあなたを隔てるものはちゅ・う・わ。」
背後からがっしりとエリックの肩を掴み、大きく牙を剥く。
「あはぁん。いただきまぁ〜す」
エリックの首筋にナラシンハの牙が突立てられる!

>80
>「悪いが、我は貴様とそのような余興に耽るつもりはない!
> ぬうううっ!」
楽しみながらカンタロスの鎧を剥ぎ取ろうとしていたところ、突如としてナラシンハは引き剥がされる。
先ほどまでとは全く異質の力。
頭を掴まれぶら下げられたまま、その手の力は強まっていく。
そして・・・
***パキャ***
乾いた音と共にカンタロスの指の間からどす黒い血が飛び出た。
肉が潰れ骨が砕けた首は胴体の重さに耐えられず、ちぎれて落ちる。
カンタロスはナラシンハの頭を握り潰したのだった。
力なく地面に横たわる骸はゆっくりと墓土の中に飲み込まれていこうとしている。

だが・・・こんなものが戦いの集結なのではないことはすぐにわかるだろう。
あらゆるところから向けられる視線。
まるで全ての方向から見られているような。
そしてあらゆるところから感じるナラシンハの気配。

「蟲は意識レベルで他者との隔たりが薄く、個は全であり、全は個であるというけれど・・・
その力もその口なのかしらぁん。」
夜闇の中からにじみ出るように現われたナラシンハ。
そう、正にそれはナラシンハ。
カンタロスの足元にはまだ墓土に飲み込まれきっていない骸もあるというのに!
全く無傷で、それどころか愉悦の笑みを浮かべながら現われたのだ。

「聞こえていなかったのかしらぁ〜?
私はこの永遠の夜の都では不滅!無敵!
たとえ最強の者でもここでは私に勝てはしないのよ。」
芝居がかったポーズを取りながら牙をむき出して笑う。
「なんにしてもあなたも美味しそうに熟したことだし、そろそろ頂きましょうかしらぁん!」
不気味なポーズをとったまま宙に浮きカンタロスに近づいていく。


二人が戦っている中、チェーン荘周辺には人だかりが出来ていた。
チェーン荘を覆った球体の布がまるで高笑いするかのように震えている事に周辺の住人が何事かと集まってきていたのだ。

82 名前:エリック ◆o/lDvgXnk6 [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 21:21:02 O
>>81>「うふっ。待っていたわぁん。
人は極限の闘いの中で最高のオドを生じさせる。
黒い炎なら私も使えるのよぉん。これで私とあなたを隔てるものはちゅ・う・わ。」
黒い炎を使えるのは向こうも同じようだ。
>「あはぁん。いただきまぁ〜す」
ナラシンハは背後からエリックの肩をがっしりと掴むと、首筋に牙を突き立てようとする。
「おらぁっ!」
が、エリックはそれを背負い投げによって阻止する。
「オーラオラオラオラオラオラオラァ!!」
地面に倒れ込んだナラシンハの顔面に無慈悲なエリックの拳が超高速で叩き込まれる。
今のエリックのパンチは軽く数十tを超える。
それを連続で打ち込まれれば、普通なら2発も貰ったら絶命するだろう…。
だが、相手は塔攻略に招集をかけられたナラシンハだ。
「まだ終わらせねぇぞっ!」
散々拳を打ち込んだ挙げ句、ナラシンハを宙に放り投げると、高密度のエネルギー弾を1発投げ付けた。

83 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/22(日) 23:27:43 0
>82
超重量級のエリックのパンチを浴び続けるナラシンハ。
怒涛のラッシュの凄まじさに反撃は勿論、回避も防御もする間がない。
湿って柔らかい墓土は一撃拳が打ち込まれていく毎に大きくくぼみを作ってゆく。
撃ち終わった時には幅10メートル、深さ二メートルのクレーターをナラシンハの体という杭とエリックの拳というハンマーで作り上げていた。
それだけの攻撃を繰り出しておきながら尚も終わらなかった。
ナラシンハを宙に放り投げると高密度のエネルギー弾を投げつけたのだ。

ここでボロ雑巾のようになすがままに投げつけられていたナラシンハの目に光が戻る!
「あはぁ!お洋服が乱れちゃったじゃないの!」
不気味な笑みを浮かべ空中で静止するとエリックを睨めつける
その口から出た言葉はエリックの攻撃のことでも、己のダメージの事でもない。

そのまま空中で無数の蝙蝠に分かれ、エネルギー弾をやり過ごすと再び人の形へと戻る。
人の形に戻ったとき、ボロボロになっていた衣装は新品になっており、体にもダメージが見受けられない事に愕然とするだろう。
あれだけの攻撃をまともに浴びたにも拘らず、言葉通り衣装以外へのダメージがなかったのだから。
「「「「さあ、絶望の時間よ!!!」」」」
いくつのも重なったナラシンハの声がエリックに浴びせられる。
その言葉は十人を越えるナラシンハから発せられたのだから。

空中から睨みつけているナラシンハ。
クレーターの断面から、闇から、墓石から・・・・
様々なところから現われた10人を越えるナラシンハにエリックは囲まれていたのだ。
「うふふ・・・
私も貴方達も、生きていく上で何かを奪わなくてはならない、という天では同じなのよね。
違いがあるとすれば、私はほんの少しの血で満ちたり、代わりに極上の快感を与えるわ。
貴方達は根こそぎ奪わなくちゃ気がすまないのよね。
だけど・・・これじゃあ私達も干からびるまで貴方の体液啜っちゃうかも(はーと)」
じりじりと囲いを狭めるナラシンハたち。
最早その目は戦いの目ではなく、獲物を狩る・・・いや、別の意味で獲物を絡めとろうとする肉欲の目だった。
後一歩でエリックにその爪先が届くという時に、一条の光が差し込んだ。

「ぎ・・・ぎゃああああああ!!!!ひいいいいいい!!」
口々に悲鳴を上げ一斉に倒れていくナラシンハ。
先ほどまでの艶やかな変態の様相は既になく、皺くちゃな老人が転がっているだけだ。
その光は夜空に空いた穴から差し込む日の光だった。
先ほど空中に放り投げたナラシンハに向かって放ったエネルギー弾は躱され、そのまま上空へと飛んでいき夜空に穴を開けたのだ。
エネルギー弾が高出力で夜空があまりにも脆かった為に簡単に突き抜けてしまい、かえって穴は広がらなかった。
しかしそれでも永遠の夜の都の一角は夜を失ったのだ。
光の差すところは夜の領域が失われ、その部分だけには木造二階建ての本来のチェーン荘が見えている。
最早転がるナラシンハたちに何の威圧感も感じないだろう。

そして上空を見れば、宙に輝く満月が夜空に開いた穴に向かって移動していた。
満月から手が伸び、夜空に開いた穴をより合わせ縫い合わそうとしているのだ。
最早誰がみてもわかるだろう。
永遠の夜の都の正体とナラシンハ本体のいる位置が・・・。


84 名前:ナラシンハ ◆Usagi/aXnY [sage] 投稿日:2009/11/26(木) 22:15:35 0
術の正体さえわかればもはや決着はついたも同じ。
エリックとカンタロスは無作為に攻撃をすればいいだけなのだから。
無限の広さを持つと思われた夜の墓地は、広さからすればチェーン荘と変らぬ大きさ。
故に遠距離攻撃をすればすぐに外界と隔てる『壁』に当たり、壁は脆く簡単に敗れ去る。
今まで気付けなかったのは映像とナラシンハが気付かせぬように戦っていたからなのだ。

永遠の夜の都とは、ナラシンハがマントを広げチェーン荘全体を多い、内部空間を夜にしていたものだったのだ。
本体は満月に見えた場所に、逆さになってぶら下がっていた。
ナラシンハ本体は禿げ上がった小太りの男で、その頭が満月に見えたというわけだったのだ。

ナラシンハは夜に特化したヴァンパイア。
夜の間は無敵に近い力を振るえるが、反面昼の間は殆ど無力。
故に永遠の夜の都を作り、無敵状態でい続けた、という事だった。

エリックも日中は力が減るが、その比ではない。
マントを破られ日に晒されたナラシンハの運命は・・・・
塔攻略召集撤回することになったという結果で推し量るべし。

こうしてエリックとカンタロスはナラシンハを倒すことに成功したのだった。


【終了です。
お疲れ様でした。
やっぱ自分ひとりで〆るのはどうも・・・あれですね。
今回はこのような結果ですが、また新たなるシュチュエーションで戦いを楽しみましょう。】

85 名前:ドゥメイ ◆4u4/nz65gQ [sage Salut] 本日のレス 投稿日:2009/12/02(水) 17:48:51 O
朝。…だが、まだ夜といっても差し支えないだろう。未明、まだ鶏も鳴かない。
館の玄関をくぐり、外に出ようとする人物がいる。暗闇の中でも無駄にテンション高く、意気揚々とした歩み。
あのドゥメイである。いつもは荷物を持ちたがらないが、今回は、大きめのスーツケースを脇に抱えて。
表情はいつもと変わらぬ冴えない風体だが、雰囲気が違う。それは、『旅人』の空気。
感覚能力の高い人物なら気づくだろう。館にいくつもあった『見られている』感覚が、どこにもなくなっていることを。

館から出て、一度背伸びのような格好をとった後、振り向く。
「思えば、随分長い時間を過ごしてきた気がします…」
似合わぬ感慨深いセリフを呟くと、ドゥメイらしい、訳の分からないポーズを取り。

「私がこちら月桂館に流れ着いてもう幾月になるでしょうか?そんなに長くはないはずですが遠い過去のように感じます。
今思えば半殺しにされた記憶や半殺しにした記憶、集団で袋叩きにされた記憶や袋叩きにした記憶、全てが良い思い出です。
殆どが戦いに起因する思い出ではございますが、ここは戦闘拠点。ある意味ではここの思い出として、相応しいものであるでしょう。
まぁ今だから言ってしまいますが館に仕掛けた私の瞳はその数100は越えております。我ながら天晴れと言えるでしょう。
こんなに仕掛けたのも久方ぶりのことでして、それもこの館のことが逐一知りたいというためだけ。居心地が良かったという証左。
しかし私は流れ流れる風来坊、それは揺るぎない、揺るがない。根を張ることは許せない、許されない。それは私ではない。
少し、長く居すぎましたね。もう、潮時と相成るでしょう。ちょうど今日はいい月だ、旅立ちには相応しい。
朝日が昇る前に、私は消え失せようと思います。そうですね…南へ。皆様、またお会いすることあれば、その時まで」

いつも通りの長々の口上を語り終えた後、踵を返す。後ろ髪ひかれるような気持ちはない。
「それでは、アデュー♪」
振り向かずに去っていくドゥメイ。
これ以降、月桂館の面々が、あの騒々しい『百目』のドゥメイ姿を見ることはない。

「忘れ物しました!」
…わけでもない。

【八柱惑星】月桂館に集う人たち【TRPG】

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