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GS美神世界の、三流GSのスレ3

1 : カフェ@牧街代理    2010/05/25(火) 18:25:39   [sage]
えー…皆さんこんにちは
このスレは椎名高志先生の漫画、「ゴーストスイーパー美神極楽大作戦」の世界が舞台のTRPGスレです
えぇ

で、ゴーストスイーパー美神の世界観は

現実社会においては信憑性を疑問視される声も多い占術や呪術や霊能力、神や悪魔や妖精、幽霊や妖怪、それらを鎮めたり除霊したりする霊能者の存在が世界で広く認知されている。
また一部の妖怪等は人間と共存し社会の中で受け容れられている。一方で、社会の基盤はあくまで科学であり、科学を基に幽霊や妖怪等の定義付けを行う事が難しい面もあり、その信憑性を問う声も存在している。
国際機関や各国家は上記の存在を認めており、国家によっては政治に大きな影響を及ぼしている。
また除霊を行う霊能者はゴーストスイーパーと呼ばれ、国家資格制度を設けて管理している。
人間が暮らす人間界のほかに、神族などが住む天界(神界)や魔族などが住む魔界が存在しており、天界と魔界を合わせて冥界と呼んでいる。

神族と魔族の上層部はハルマゲドンを回避するためデタント状態にあり最高神と魔王も親睦が深い様子。 しかし、世界を維持するために魔族は基本的に悪として神族や人間に負け続けなければならい役割を強制されているため

と、ウィキペギアに書かれておりますが

「アンデットモンスターがときおり現れ、それをやっつける職業の人達がいる世界」

と簡素に憶えておくのもありです、多分
えぇ


2 : カフェ@牧街代理    2010/05/25(火) 18:26:45   [sage]
ルールは以下の通りです

GM:(あり/依頼を提出した方がGMをやってください)
決定リール:(あり、後手キャンセルあり)
○日ルール:(あり/3日、ただし事前に報告があれば延長も可)
版権・越境:(キャラの直接の登場はなし、台詞の中(*1参照)や、どう見てもそれにしか見えないよーな物が出るのはあり。後者はほどほどに)
      (対艦超強力破邪札や見鬼君などのGS美神世界のオリジナル除霊具は直接の登場可。獣の槍や間流結界術等の他世界の版権除霊具や術は全て不可)
名無し参加:(あり・悪霊投下など)
敵役参加:(あり)
避難所の有無:(今の所なし)

キャラテンプレ
【名前】
漫画ちっくな名前全然OK 科学最 高(かがくさい こう)とか
【年齢】
最低でも中学生以上である事
【体格】
完璧な肉体を求めすぎない事
【容姿(霊衣)】
戦闘時等にしてる格好を書いてください
ちなみに特攻服だの化学特捜隊の制服だの除霊からかけ離れたものでも全然OK
世の中にはボディコンやセーラー服で除霊を行う人もいます
【属性】
仏教系、キリスト教系、精霊魔術系、魔法、等々
【霊圧】
GS試験の第一試験がこれの測定なので、あんまり低すぎても駄目、高すぎるのは勿論駄目
単純な力のぶつかり合いをした時に発揮されるパワーであり、技量や身体能力には一切関係なし

0〜10・一般人 (原作で野球選手がここに属していました)
11〜30・才能のある素人 (原作でごく普通の歌手がここに属していました、どうも若い女性は霊圧が高いようです)
31〜70・訓練された霊能者 (原作で幼少の頃から霊能力者になるために鍛えられていた少女がここに属していました)
71〜90・一流どころの霊能者
91〜99・超一流の霊能者 (一流の霊能力者でも死ぬ様な修行を切り抜けた美神さんがここにいました)
100・人間の限界  
【特殊能力】
煩悩を霊力に変えられる、時間移動能力、念動発火、などなど
【装備】
GS美神世界の詳しい道具の説明や解説はウィキペギアを読んでくださいまし
【趣味】
ここは何書いてもいいです。ソックスハンター上等
【備考】
キャラクターのバックボーンなど。
こういうのをやると必ず複数種族の混血いいとこ取りをする人がいるのであらかじめ注意。
強くて格好いいキャラではなく、欠点がいい所を消してる位のキャラを書きましょう!


3 : カフェ@牧街代理    2010/05/25(火) 18:27:48   [sage]
細かい原作知識、+このスレの知識

・GS資格習得試験は
1、最寄のGS事務所の中で研修先を見つけ、そこで研修を積み、そこから毎年行われている試験を受験させてもらう(個人で勝手に強くなって資格試験を受ける輩もいるかも知れないけれど一般的には)
2、霊圧をはかり、高いものが上から順に結構な数残される
3、全体で何人いたかわからないが、生き残った受験者同士でトーナメントを行い、2勝すれば資格習得、ただし、3回戦からギブアップができなくなる

と言う感じで、入手できます


・撤退、退却、敗走について

このスレは「悪霊を倒し、3流GS達が勝つまで物語が続く」分けではありません
「除霊に参加したGS全員が除霊を諦める」もしくは「参加者が全員戦闘不能になる」
等の理由で「悪霊に3流GS達が敗北」しても、物語は終了しますが、スレは続行し、新たな物語に続きます

「別に3流GS達が負けたからと言って、世界が滅びるわけではありません」

ので、「もう危ないと思い警察に後を任せて帰った」だとか「依頼主に仕事続行を断った」等の方法で、物語を終わらせる事もできます
ただそう言った「悪霊に負けたり、悪霊から逃げたり」する終わり方をした場合
後の展開に、「3流GS達の評価が下がっているため、ショボイ依頼しかこない」だとか「護衛を依頼した依頼主が無残な殺され方をした」
と言った影響を及ぼす…かも知れません

一応私がGMを今やらせていただいてますが、まだ経験未熟ゆえ、力加減がイマイチわかっておりません
ですから「これは変なパワーアップとかしなければ無理だろ」と思った時は、無理に倒そうとせず、戦闘放棄した方が、話が上手くまとまる可能性もあります
更に戦闘を放棄しても、必ずしも後の展開に悪い影響があるかと言うと、一概にそうとも言えないので
とりあえず

「勝てそうに無い敵が出てきたら、パワーアップより敗走を!」

と憶えておいてください


4 : カフェ@牧街代理    2010/05/25(火) 18:34:03   [sage]
関連サイト

TRPG系まとめサイト「千夜万夜」(過去ログが保存されています)
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm

千夜万夜掲示板(上記のサイトの掲示板。代理投稿スレなどがあります)
http://yy44.kakiko.com/figtree/#4

≪前回までのあらすじ≫
牧街の元に、とある依頼が舞い込んだ。
ゾンビ村という心霊スポットでいなくなった友人を探し出してほしいというものだ。
カフェに相談に行ったところ、カフェの師匠がオーパーツを求めてゾンビ村に先に行っていた事が発覚。
同行することになった。
突然現れた謎の青年百村に振り回されながらもゾンビ村に到着。
百村が失踪するのと入れ替わりに、他の依頼で同じ場所に来たGSの桜井美月も合流し、ゾンビ村の探索が始まる。
無事に師匠と合流して安堵したのも束の間、ピエロの姿をした怪人が一行の前に立ちはだかる……!


5 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/05/25(火) 21:16:43   [sage]
【カフェさんお疲れ様でーす】
【自分も規制解除されましたがいつまで無事なのやら…】
【避難所のレスは把握しましたので牧街さんの投下をお待ちしてます】


6 : 名無しになりきれ    2010/05/26(水) 18:55:14   [sage]
にじSSで勘違いしがちですが原作はギャグです

7 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/05/29(土) 04:46:18   [sage]
【遅くなって申し訳無いっす】

「デモン…サーカス……」
牧街が口にしたデモン・サーカスと言う名前に、ありみちゃんを除く全員が聞き覚えがあったかも知れない
いや、知っていたなら、牧街に名前を言われずともその姿を見たらすぐにその名が頭に浮かぶだろう

デモン・サーカス、それは、ゴーストスイーパー協会で全世界に指名手配されている、凶悪な殺人鬼の悪霊の名前である
生前の本名は、ティム・キーン
幼児から中学生位までの少年少女ばかりを殺し
警官に射殺された後も悪霊となって世界中に出没して次々に子供を襲い
生前に10人近く、死後は撃退にあたって返り討ちにされたゴーストスイーパーの数も含めれば50人近くが犠牲になっていて
その手口は生前、死後も変わらず、元ストリートファイターの怪力で様々な刃物を使いこなして襲い掛かり
殺した後は死体を捕食するという完全に常軌を逸した残虐非道なものである

彼が殺しを行う理由は子供を自分の腹の中と言う「楽しいテント」に連れて行くためとあり
その案内人であるために自らはピエロに扮しているらしいが、流石狂人、色々わけがわからない、常軌を逸している
そんな狂った考え方をする輩にはまず間違いなく言葉は通じないだろうし、でかい鋼鉄製のナタをプラスチックの玩具をふりまわす様にビュンビュン振りかざしている奴に真っ向勝負で勝てるとも思えない
となればとるべき手段はただ一つ

「ゴッドマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン」

カフェを小脇に抱え、桜井の手を握り締め、正義のヒーローに大声で助けを求めながら、牧街は全力ダッシュで逃走する
デモンサーカスから放たれる殺気はすさまじく
貧弱な精神力しか持たない牧街にはカフェの師匠なら勝てるのでは無いかとか、こちらの方が数がいるのだから何とか戦えるのではないかとか
そんな「戦う」という選択肢を連想させる考えが浮かぶ余裕は全く無く、一も二も無く逃げ出すしかなかった

しかしそれでも恐怖で動けなくなったりせず、自分一人で逃げようとしない当たりは、流石はゴーストスイーパーと言った所だろうか
いや…どうだろう…うーーーん…

『ダーメダメダメにーがさないよ〜〜〜うふふふ〜〜〜』
そう言って、デモンサーカスは高速で一輪車のペダルをこぎ、牧街を追おうとするが、その前に何とシャドウ達が立ち塞がり、デモンサーカスの行く手を塞いだ
『邪魔!ジャマ!じゃま!』
まとわりつくシャドウ等を苛立たしげに切り捨てていくデモンサーカスだったが、その間に牧街は必死で逃げていく!!


8 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/05/29(土) 05:17:33   [sage]
「無理!無理無理無理!あんなの無理〜〜〜〜〜!!」
泣き言怯え、恐怖100%の悲鳴を上げながら全力疾走で出口へ向かう牧街だったが、後ろから早くも
『おいしい楽しいお嬢ちゃ〜ん』と甘ったるく、しかしかすんだ不気味な声がこちらに急速に近づきながら聞こえてきたため
とても出口まで逃げ切れないと判断してどこかに身を隠そうと慌てて周囲を見回すと

「こちらです!こっちへ!早く!!」

突如美しい女性の声がして、そちらを向くと、ありみちゃんとは別の正式なゾンビ村の係員の制服を着た霊体が、必死に牧街を手招きしていた

追い詰められた牧街には、誰が味方で誰が敵か、どちらにつくと痛い目に合わないかを即座に判断する能力が覚醒する
牧街はカフェを抱え、抗議する桜井の手を握りつぶさんばかりに握り締めながら霊体の方…風水の完璧な家へと突進し、その中へと強行着陸した
それと同時に霊体がすぐにドアを閉め、入口に鍵をかける

『お嬢ちゃ〜〜〜ん、ピエロさんだよ〜〜〜』
それとほぼ同時に外でデモンサーカスの声がする
恐怖に縮こまり、思わずカフェに抱きつく牧街の後ろで、声は徐々に遠ざかって行った
「ここは悪霊や悪い気が近づけないように設計されているんです、ここにいる限り、悪霊や悪い霊に見つかる事はありませんよ」
ほっと一安心した牧街に、先程の霊体が笑顔で説明する
へーそうなんだと思った牧街は、ふとあなたはだあれと尋ねようとして
「あああああああああああ!園長!亡くなられたんですか!?」
ありみちゃんに先をこされた

「いえ、私は園長ではありません、あなた方と話しやすいよう園長の姿を借りた、この遊園地…ゾンビ村そのものの霊です」
しかし、園長の姿をした霊体はその言葉を否定し、自らをゾンビ村そのものだと名乗る
物も人の思いが強いと魂が宿り、物霊となるのだ
過去にGS美神本編でも、新幹線の霊が登場している
「怖がらずに聞いてください…、私はこの遊園地を物凄く楽しんでくださった一人の強い霊能力者の方のおかげで魂を得る事ができ、ここで安らかに眠っておりました
私自身、お客様に心行くまで楽しんでいただけたので、もう悔いなく壊れる事ができます
ですが…ですが先日魔族が現れ、私のどこかに不気味な施設を作ったのです」
「ちょ!待った!!」
ゾンビ村の霊に、牧街は待ったをかける
「施設ってまさかゾンビ作る施設じゃないでしょうね?そんなのあったらマジでバイオハ」

どこからかタライガ落下し、余計な事をほざこうとした牧街を黙らせた

突然の出来事にゾンビ村の霊は多少呆気にとられていたが、すぐ我に返り、説明を続ける
「えーと…それで、その不気味な施設が間違いなくこの世に災いをもたらす何かだと察した私は何とか妨害しようとしたのですが…
私の力では全く及ばず…
しかも、最近になって肝試しに来たらしい学生さんが数人、そこに連れて行かれて…
その後ここに来たそこの男の子は偶然私の原子風水盤の上に乗ってくれたので原子風水盤を回転させる事で霊波を発生させて魔族に気づかれないようにできたのですが…
…魔族は行方不明者を助けるためにここにゴーストスイーパーが来る事を見越して、あのピエロの様な悪霊を何体か放ち、ここの守りを固めています
このままでは連れ去られた学生さん達がどうなるかわかりません!全力で私があなた達を逃すのでどうかここから出たら、警察でも自衛隊でも呼んで、学生さん達を助けてあげてください!」

どうやら牧街等がGSだと気づいていないらしいゾンビ村の霊は深々と頭を下げ、脱出した後に救援部隊を呼ぶことを頼んできた
どこかに存在する正体不明の魔族の施設
捕らわれた学生
そしてそれを守る強力な悪霊軍団
またしても3流GS等の長い一日が始まろうとしていた


9 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/05/30(日) 01:41:29   [sage]
「はぁ〜…なんか頭痛くなってきたわ」
まさに脱兎の勢いの牧街に引きずられ逃げ込んだ安全地帯。
結構な力で握られた手を撫でさすりながら深々とため息をつく。
くっきりと赤いあとがついているが改めて状況を聞くにつけ、あの場合の彼は最も妥当な判断を、最速で実行したといえるだろうからそのことについての文句は言わないが。

「あのロリペドピエロだけでもおそらくやるなら総力戦かけなきゃならないわよね…それと同じクラスの悪霊がまだ何体かいて、しかも魔族絡みって…あぁぁ〜…悪夢…」
「…え?あ、あの…みなさんは?」
「四人ともゴーストスイーパーよ。本業のね。あ、あんまり言いたかないけどあんなの手に余るから期待しないでね」
美月の発言に疑問を持ったゾンビ村の霊に自分たちの素性を簡単に説明する。
猫耳少年もカフェの口ぶりからまず間違いなく彼女の師匠筋の人間だろうと判断した。
となればそれ相応の戦力のはずだがそれを計算に入れてもあまり旗色がいいとはいえないと先ほどのデモンサーカスとの邂逅で感じていた。
美月自身あれほどの凶悪な霊と遭遇したのは初めてで普段の強気っぷりが少々萎れかけている。
なまじ好戦的でトラブルを呼びやすい性格だけに戦うということへの勘も少しは働く。その勘が告げていた。
“あれはパス”

「あぁー…うぅ〜…むぅぅ……うん。こうしてても仕方ないわよね。とりあえずこれからどうするか決めなきゃ」
ぱたむ、ぱたむと忙しなく扇を閉じたり開いたりしてなにやら考え込んでいたが、一応はまとまったらしく口を開く。
「まず正面突破。あのロリペドピエロもその他の悪霊も片っ端からぶちのめしてその元凶らしい施設とやらをぶち壊す。
ま、現実味が薄いわよねぇ…はぁ…」
これが美神令子クラスの実力なら不可能でもないだろうが悲しいかな、美月は同業でも月とすっぽんくらいの差のある三流。
正直デモンサーカスのような強力な悪霊の退治などは彼女の事務所には決して回ってこない危険な仕事なのだ。

「――次。全力で逃げてあとはオカルトGメンにでも任せる。安全といえば安全よね。
ただ…いやな想像だけどあいつの趣味からいって見つかれば真っ先に狙われるのは……そこのロリータ服の、カフェっていったわよね?貴女だと思うわ。これも何かの縁だし追撃されたらできる限りカバーはするけど……」
重い沈黙。先ほどデモンサーカスが真っ先に攻撃したのがカフェだったのもおそらくやつの生前からの歪んだ殺人衝動のせいだろう。
実際はカフェの実年齢は不健全なロリータ趣味のかたがたの対象外に達してそうなわけだが。

「…はぁぁ〜…でもでもぉ…オーパーツ…オォパァツウゥ〜…うっ、うぅ…っ」
そう。美月を逃走にいまいち踏み切らせない重大な理由。魅惑のアイテム。オーパーツ。
この期に及んでまだ欲しくて欲しくてたまらないのだ。恐るべし、我が身の栄華への執着。
ここから逃げ切って助けを呼べばどこかの一流なりオカルトGメンなりが解決してくれるだろうが、オーパーツはもれなくその戦利品として回収されるに違いないのだ。
オーパーツのある現場に居合わせるなんてそうあるものではない。是が非でも入手したい。
未練たっぷりに泣き崩れるとどんどんと床を握りこぶしで叩く。
こんな醜い大人はあまり食べたくないと狂人なりにデモンサーカスも思ったのだろうか…。

「…う、ひっく…ぐしゅ…あ、あとは…なんかある?」
この女、化粧がはげかけて目の周りがぼろぼろである。


10 : 名無しになりきれ    2010/05/30(日) 17:14:43  
保守

11 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/05/31(月) 22:57:45   [sage]
>7
「ひぃいああああああああああ!!」
普段ならロリータ趣味の者には絶大な効果を発揮する魅了の術だが
この場合は魅了の術は全く通用しないどころか逆効果になる可能性さえある。

>8
「シャドウを出して助けてくれたのはお主なのか!? かたじけない。
事態は思っていた以上に大事のようじゃのう。
確かに妾達だけでは手に負えるかどうか分らぬ……」

>9
>「――次。全力で逃げてあとはオカルトGメンにでも任せる。安全といえば安全よね。
ただ…いやな想像だけどあいつの趣味からいって見つかれば真っ先に狙われるのは……そこのロリータ服の、カフェっていったわよね?貴女だと思うわ。これも何かの縁だし追撃されたらできる限りカバーはするけど……」
「うーむ、どうするかのう」
「見た目基準みたいだにゃー」
一昔前の魔法少女もののように変身して大人の姿になるなんて新設定があれば便利なのだが
ロリじゃなくなるともはやロリババアキャラではなく単なる婆口調のキャラになってしまう。

>「…う、ひっく…ぐしゅ…あ、あとは…なんかある?」
「大変にゃ! 顔が崩れてるにゃー!」
師匠が毛づくろいのように桜井の顔をごしごしする。
余計崩れるのではないのかと思いきや、綺麗に元に戻った。むしろ元より微妙に美化されたかもしれない。
「これでよしにゃ」
化け猫だけあって顔の表面だけなら一時的に化けさせる事が出来るようである。

それを見て名案(迷案?)を思いつく。
「それじゃ!」

「あのピエロは特に霊的な感覚ではなく普通に見た目で人を判断しておるようじゃ。
守備範囲外はもとより追撃に来たGSにも見えそうにないショボい年寄りの顔に化けていけばあるいは……」
ピエロによる攻撃を受けずにすむかもしれない!


12 : 名無しになりきれ    2010/06/03(木) 03:26:58  
お茶はいかが?

13 : 名無しになりきれ    2010/06/04(金) 19:05:29  
何ここ、名無し無視?

14 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/05(土) 02:20:37   [sage]
風水の完璧な家に箱詰めの状態で、打開策を見つけると言うより、状況整理的な意味合いで桜井が切り出した今後の方針についての話し合いは
全員逃げる事を心の中で既に選択していた事と
その逃げる方法を模索しなければならない事を理解している事がわかり
しかしその様な皆の意見が普通にまとまってていいんじゃないかって状況において
桜井が未だにオーパーツに執着していて逃げるの躊躇っているという人間の欲望の奥深さと生命の危機すらも凌駕する意思の力の強さがわかっただけだった

(やっぱ…教えたげた方がいいよなぁ…)
泣きじゃくってカフェの師匠にメイク直してもらっている桜井に、牧街が「オーパーツってのは子供の書いた妙な自由帳に書いてあった価値があるかないか怪しい代物の事ですよ」
と教えようとした、その時
>「それじゃ!」
名案を思いついたカフェの発言によって、消し飛ばされてしまった

>「あのピエロは特に霊的な感覚ではなく普通に見た目で人を判断しておるようじゃ。
「なるほど…今の所、我々の前に現れている敵はピエロだけだし……あいつをごまかし切れればあるいは……」
カフェの発案に活路を見出した牧街…だったが、ここで例のマイナス思考が働きだす
(いや……でも…アレだ、敵ってピエロだけじゃないわけだし…それよりここに篭ってた方が…)

「お茶はいかが?」

「!!!???」
篭城して助けが来るまで待ちましょう作戦を提案しかけた牧街の後ろから突然不気味な声と共に腕が伸び、牧街の首を締め上げてきた
「が!?な…」
「私の結界が弱っていたようです!強力な悪霊にはまだ気づかれたり侵入したりはされませんが…もう小物が浸透できる位弱まってたなんて」
突如として現れたウェイター風の霊に首を絞められながら困惑する牧街に、ゾンビ村の霊が切迫した声で説明しつつ、悪霊に掴みかかって牧街を助けようとする


「何ここ、名無し無視?」
「!?」
既に浸透してチャンスをうかがっていたのだろう別の霊が現れ、刃物を振りかざして桜井に襲い掛かってきた
(そうか…大物だけじゃない、名無しの悪霊もたくさん兵隊っぽくいやがるんだ……冗談じゃねえ!こりゃ脱出も篭城も尋常じゃねえぞ!わーーーーーゴッドマーーーン)
ウェイターの霊の腕を押さえつけながら、牧街は心の中で嘆く


15 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/06/06(日) 13:21:26   [sage]
>「これでよしにゃ」
「あら、素敵…ねぇ、ネコ耳くん。私のメイク係として働かない?日給は……」
「危ないにゃっ!!」
「うぉあ!?」
化け猫パワーメイクアップの効果に感動して、コンパクトを覗きながらうっとりと美化された自分に酔い秋葉師範をメイクさんに勧誘しようとした瞬間にドンッと突き飛ばされて床を転がる。
ザクッと小気味いい音を立てて悪霊の持った刃物が美月のいた空間を裂いて床をぶっさしたのはその直後だった。

「い、つつ…って、ちょっと…くっ!この!」
『ひゃーはははぁwwwコロ、コロ、ここおここッココロ助なリィいいいやぁァァ!!!』
少々ワケのわからないハイテンションでめったやたらと手にした刃物を振り回し美月に襲い来る悪霊。
その勢いに気圧され気味ながらも繰り出す攻撃を神通扇でさばくが、その立ち回りの最中にテーブルの上にあった花瓶を叩き落として
床に砕け散る寸前でゾンビ村の霊がパシッとキャッチする。
『あ…あ゛ーーー!!!だ、ダメですよ!気をつけてください!この家の中の家具を壊したりしたら…』
「はぁ!?あのね、そんなこと言ってる場合じゃ…ないって、このっ!」
『違います!ここの結界はこの完璧な風水をもとにして作り出してるんです。だから家具を壊したら…』
「…あ。そっか」
そう。家屋に施す風水とは玄関や窓の配置といった間取りから始まって屋内のどこにどんな色の家具を配置するかまで細かく計算するのだ。
つまり花瓶一個でも割ればそれだけ結界の力が弱まってゆくことにつながる。

『こーろーずぉぶおあぅ?!!』
「ったく、こんなところで家具を壊さないようにお淑やかに悪霊を撃退とかやってられないわね。やっぱ長く居座るべきじゃないか…」
よく見れば隙だらけの大ぶり全開の悪霊の攻撃をかいくぐり扇で頭を思い切りひっぱたいて撃退する。
まだそれほど強力な悪霊は侵入してこないのが救いだが、それほど長く持ちそうには思えなかった。
もちろん牧街が考えたような、助けが来るか相手の戦力が途切れるまで篭城という選択肢もひとつの手だが
そういう類の作戦はとんと思い浮かばないのはやはり生来の気性のなせる技だろう。
ちらりと横目で見た牧街はまだウエイター風の悪霊に首を締められてじたばたもがきながら声にならぬ声で助けを呼んでいたが、特に助けるでもなくため息をついて流す。
まだこの程度の悪霊なら仮にもライセンスをもつGSが遅れをとるとも思えない。見捨てたというよりは一種の安心である。

「仕方ないわ…あまり気は進まないけどさっきの案に私は乗るわよ。ここにいても事態が好転するとは思えないしね。てワケでメイクよろしくー」
「了解にゃー」
秋葉師範の手により再びメイクが施される。最も今度は美化どころか老化なわけだが。
「うむ、出来上がりにゃー」
「…ウッ、あんまり鮮明な映像では見たくないわね…」
窓に映ったのはシワシワでカサカサのどう見てもババァ。しかも化粧の派手な。
追撃を躱すためといえ乙女盛りのハートにはこれは地味に堪える。

「じゃ、私は一足先に離脱するから…全員で固まらない方がいいかもしれないしね」
玄関の扉をあけてそっと左右を確認する…近くにデモンサーカスはいないように見えるが…。
名もない悪霊の類は一歩踏み出せばすぐにでも姿を表すかもしれない。
「オーパーツ…私はまだ諦めたわけじゃないわよ!アイシャルリターンっっ!!」
意を決しそれでも戻ってくると高らかに宣言すると勢い良く扉を開け放ち駆け出す!
走れ美月!明日の栄光めがけて煩悩の限り!!


16 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/06/06(日) 13:23:09   [sage]
『あはははぁー、ほーら。つかまえちゃうぞぉー』
「ィイイイヤアアァァァァ!!!!」
…見事なまでにデモンサーカスに貼っつかれた。
無人の遊園地を全力疾走するけばいババァなんてちょっとしたオカルト都市伝説だが当人は死に物狂いである。
『まぁて、まてぇーい。遊ぼうよー。たのしいサーカスだよー?』
「お断りだっていうのよ!しつこどぅえあぁ!?」
道端の小石にでも蹴躓いたか派手にズザーとすっ転ぶと地面に倒れこむ。

『うふふふ〜〜、つーかまえたぁ。さぁ、たぁのしいサーカスに行こうよぉ』
「うぅ、つぅ…!」
地面に俯せに突っ伏す美月。こけたときに乱れた髪と結構ギリギリにはだけたスカートの裾。見ようによっては色っぽいといえなくもない。
『さぁ、おいでぇー。おいしいお嬢ちゃ…げっ』
※た だ し バ バ ァ 

『………』
「………」
『………』
「………」

沈黙。そして絡まる視線。

『………』
「…な、なによ?」
『……チッ』
「んなっ!?な、なによそれ!!ぶち殺すわよ!!!この《ピーーーー》野郎!!」
後ろから追っかけていたせいかろくに顔を確認してなかったらしいデモンサーカスの落胆は分からないではない。
カフェのような可憐なロリ少女を期待して捕まえてみれば露出の高いババァ。そりゃ舌打ちの一つも出るだろう。
ともあれ美月さんの乙女心は絶大なダメージを負ったわけで、お聞き苦しい言葉を吐き散らしながら怒りに任せて牙を剥く!

数分後

「きゅうぅ…」
『あーあ、余計な荷物を抱えちゃった。可愛いお嬢ちゃんはどこかなー』
怒りによってスーパーなんちゃらには目覚めることができなかった美月はあっさり敗北を喫してズルズルと何処かへ引きずられていこうとしていた…。


17 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/06/08(火) 23:58:20   [sage]
>12-14
悪霊「ヲタク戦隊、萌えルンジャー!」
悪霊「フンドシ筋肉隊さんじょーう! ふんっほいさっどっこいさ!!」
次々と現れ始めるバラエティ豊かな悪霊達。
「なぜに強い悪霊は防げて雑魚は防げんのじゃ!?」
「そういう仕様です!」

>15
美月に続いて、師範に老化メイクを施してもらう。
文字通りロリータ服のババアが出来上がり、略すとこれが本当のロリババアである。
>「オーパーツ…私はまだ諦めたわけじゃないわよ!アイシャルリターンっっ!!」
「待てい! 一人で飛びだすでない!」
「待ってください、ここから出ては……」
制止の声をかけるカフェとゾンビ村の霊だったが時すでに遅く、美月は彼女にとっては見えているであろうオーパーツに向かって一直線。

恐る恐る窓から様子を見ると、いきなりはりつかれていた。
>『あはははぁー、ほーら。つかまえちゃうぞぉー』
>「ィイイイヤアアァァァァ!!!!」
「ババア顔なのになぜに!?」
「後ろ姿しか見てないのかもしれにゃい……」
あたふたと飛びだそうとするカフェを師範が止める。
「出て行っても被害が増えるだけにゃ!
それにババア顔に気づけば食べる事はにゃいはず」

>「きゅうぅ…」
>『あーあ、余計な荷物を抱えちゃった。可愛いお嬢ちゃんはどこかなー』
師範の予想通り、デモンサーカスは伸びた美月をひきずってどこかに向かって歩き始めた。
「後をつければ何か掴めるやも!」
「バレないように尾行するにゃ」
外に出て行こうとする一行を、ゾンビ村の霊が呼び止める。
「待って下さい。私に任せてください」

「ハッ!」
ゾンビ村の霊が気合を入れると、家は電車が動き出す時のように少々強く揺れる。
そして窓の外の景色がゆっくりと流れ始めた。
「なぬ!?」
家が動いている!
「その季節ごとに風水において最良の位置に動かせるように車輪が付いていて動かせるようになっているんです。
本当は固定資産税逃れのためとかいう噂もありますけど……」
「そんな便利な事が出来るなら早くいわんか」
「全力であなた達を逃がすって最初に言ったじゃないですか。
先ほどの彼女は止める間もなく飛び出して行ってしまいましたし」
「……確かに」
まさか思いもしなかったが、全力で逃がすを文字通り受け取れば確かにこんな事になる。
かくして、移動式の家が、美月を引きずったデモンサーカスを追跡し始めた。


18 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/06/09(水) 16:35:26   [sage]
【名前】
月夜田 ミコト (つきよた みこと)
【年齢】
17
【体格】
ふつう
【容姿(霊衣)】
セーラー服を中心にありとあらゆる制服を着こなしたりこなさなかったり。
【属性】
無所属
【霊圧】
17 
【特殊能力】
果てしない愚痴
【装備】
血塗られた生理用品
【趣味】
餌づけ
【備考】
体調によって刻々と変化するアクティヴな心を持っている。
(単なる情緒不安定)

【今日の夜か明日くらいから参加させてください。よろしくお願いします】


19 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/06/09(水) 19:48:13   [sage]
月夜田みことは毎週この日にゾンビ村で楽しく遊んでいた。ここの遊園地のゾンビは本物そっくりだったし
時々本物そっくりの殺人鬼にも追いかけられるから、スリル満点で遊園地とは死ぬほど楽しいものだと思っていた。
今日は珍しく自分以外のお客様が来園しているけど、やっぱり「きゃあきゃあ」と悲鳴をあげながらご満悦しているみたいだった。

「ガキども五月蝿い!こういうものは一人でゆっくりと楽しむものなの!!」
ジェットコースターのような乗り物に一人で乗りながら月夜田は長い黒髪を風でなびかせつつオデコ丸出しで金切り声をあげている。
遊園地の遊具は大抵一人で楽しむものではないのだが、友達のいない月夜田はいつも一人で乗り物に乗っていたのだ。

眼下で騒いでいる人たちのことが気になった月夜田はとうとう遊ぶことに集中できなくなり
ジェットコースターから降りると移動している家を間近に見ることになる。

「…なあにこれ?私けっこう通っているんですけど、こんなアトラクション初めてみたんですけど」
家には牧街とカフェが乗っていた。いや住んでいると言ったほうがよいのかなんだか良くはわからない。
窓から二人を見た月夜田は赤の他人に嫉妬する。

「かっぷるね?かっぷる!ゾンビ村の新参のくせしてカップルでそんなよいものに乗ってこの恥知らず!!」
家がそんなに良いものなのか家で移動することが恥知らずなのかよくわからないけど
嫉妬だけは確実に絶好調まで飛んでいっている月夜田は家の前に置き石をしてしまう。
置き石といってもマク○ナルドの人形みたいな赤い髪の気持ち悪いのを車輪のところに挟めてやったのだ。

「はあはあはあ…ざまあみなさい」
月夜田は家を止めるとまわりに浮いてるのを押しわけてドアをノックして「あけてください」と頼んで家の中に入った。
悪霊たちは悪魔みたいな性格の月夜田を仲間か何かと勘違いして放ってくれて
牧街とカフェは月夜田の事をか弱く善良な少女だと勘違いして家の中に入れてくれたようだ。

「あれ?お家止まってしまいましたね。お気の毒さま♪」
性格の悪い月夜田は牧街とカフェの顔を拝みに来たのだった。
家の真ん中にストンと座るといきなり叫びだす。
「この家ではお客様にお茶もださないのー!?」
叫びと同時にドゴンっ!車輪に挟まっていた置き石代わりの人形が砕け散って家は再び動き出し月夜田が前のめりになると
「お茶はいかが?」
と再び低級霊がお茶を出してきて月夜田の尻にお茶をこぼす。
「あっちー!!あっちー!!私のお尻は猫舌なのよ!!」
月夜田は大騒ぎしながら濡れたスカートの生地をパタパタさせるとおもむろに牧街に平手打ちを放った。
「ちょっとどこみてるのよー!!」
見ていなかったのかも知れないけどこういう時は男キャラは叩かれる運命なのだ。

【話の流れとしては、まだ騒いでいるだけのキャラになるかも知れませんがよろしくお願いします】


20 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/12(土) 18:51:09   [sage]
「んげらべっお!」
よくわからん掛け声と共に、牧街がウェイターの霊にボディブローを見舞い、怯んだところで腕の拘束を振りほどいた
すると悪霊は戦意喪失したらしく、ふらふらと家のどこかへ歩み去って行った
残りの悪霊も大して害のある連中ではないっぽい事を確認し、牧街はため息を一つつき、ふと横を見ると、カフェも桜井も既に婆メイクを完了していた

それじゃ早速逃げますかと牧街が気合を入れた矢先、桜井が一人、走り出る
「…気の早い人ですね、じゃ、俺達も」
逃げましょうかといおうとしたら、外から桜井の悲鳴が聞こえてきた…

捕らえられ、デモンサーカスに連れて行かれる桜井に、牧街は絶望的な表情になる
あのレベルの悪霊に捕らえられたのだ
最早助かる見込みはない、助けようにも実力の違いは歴然であり、屍の数を増やすだけである
(行きましょう、彼女の犠牲を無駄にしてはいけない)
そう言おうとする前に、カフェとその師匠が追撃を決定し、ゾンビ村の霊が家を動かしだす

>「そんな便利な事が出来るなら早くいわんか」
>「全力であなた達を逃がすって最初に言ったじゃないですか。

「いや、確かにこれなら安全に移動できますけどこれできるなら老婆メイク作戦いらなかったんじゃ…」
無粋な事を言おうした牧街を押さえるように、家がガコりと止まってしまう
「!?何事ですか」
「…ごめんなさい、これは整備された道があって始めてスムーズに移動できるんです、ですから入口までの間で確実に止まってしまう事は確実でした。ですから途中から歩いてもらうつもりで…」
「あ、だから作戦立てた時点では黙ってたんですね」
アテにできない能力を計算に入れて作戦を立てると、必要以上に希望的観測が強まってしまう
ゾンビ村の霊は中々知略に長けているようだ、かなり頼りになる
「あ、私、車輪に引っかかった物を取ってきます!皆さんが外に出ると危ないので」
と、ここでこれまで忘れ去られていたありみちゃんが家の扉をすーっと抜け、車輪に挟まった障害物を取り除きに行ってくれた
ちなみにこの時点で牧街は桜井を見捨てて逃げる作戦を場に流されて忘れている

と、突然ドアがノックされ、開けてくださいと少女の声が聞こえてきた
びくっとして思わずゾンビ村の霊を見ると、「人間です…一応…」と何故かいたづらっ子に苦しめられる公園の管理人の様な表情をする
その表情が気になり、あけるのを待ってくれと言う前に、カフェの師匠が鍵を開けた
>「あれ?お家止まってしまいましたね。お気の毒さま♪」
唐突に現れた少女は入ってくるなり第一声でいやな事を言ってくる
「あの…まさか…」
「多分彼女でしょうね、この家とめたの」
頭を抱えるゾンビ村の霊
>「この家ではお客様にお茶もださないのー!?」
そんな二人を他所に、その例の彼女はでかい態度で家の中央で踏ん反りかえる
「…何なんですか?彼女」
「彼女は…」
ひそひそと二人が話しだしたその時、家が動き出し、例のウェイターがお茶をこぼし、月夜田が大騒ぎして牧街に平手打ちを叩き込む、何もしてないどころかなにも見ていないのに

「あの…車輪に人形が挟まっててとろうとしたんですけど抜けなくて…でも勝手に潰れたのでこれで動け……何かあったんですか?」
床にほっぺたを赤くして倒れ付す牧街を見て、戻ってきたありみちゃんが目を丸くし、ゾンビ村の霊は頭を抱え、深いため息をついてしまった

【いらっしゃいまし、どうぞよろしくお願いします】


21 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/12(土) 19:02:17   [sage]
「あ!見てください!デモンサーカスがノスフェラトウの館に入っていきます!」
ふと外を見たありみちゃんが、大声を上げ、一同は窓へと集まっていく
見ると、デモンサーカスが桜井を引っ張り、ノスフェラトウの館へと入っていく所だった
館からは異様な雰囲気が漂い、近づく者に恐怖を感じさせる

「………よし、それじゃ逃げましょうか」
その光景を見ていた牧街は、うんと頷き、さわやかに撤退を提案する
何をここまで来てという雰囲気を醸し出す一同に、牧街はきっと表情を変え、叫ぶ
「だって俺達行ったって何ができるんですか!ムザムザ死ぬより協会に連絡しないといけないじゃないはずです!桜井さんは……その…彼女もGSです、自己責任ですよ!」
ここに至るまで色々あってごまかされていた恐怖心が決壊したらしい牧街は、半泣きになってカフェと師匠に叫んだ
「正義の味方ごっこはやめてください!俺達は正義のヒーローになれないんです!現実を見てください!」


22 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/06/14(月) 06:09:16   [sage]
風水ハウスの中で一行が月夜田という奇妙な訪問者を迎えたり、牧街が己の命を賭した魂の叫びを上げている頃
拉致られた美月はノスフェラトゥの館の一室にしっかり監禁されていた。

(う…あー…ここ…そうだ、たしかあのピエロと戦って私…まだ…生きてる?)
徐々に覚醒する意識。体の感覚も戻ってくる。痛みはあるが致命的なケガは負ってはいないようだ。あえて致命傷を避けて捕らえた?
となると拘束されているか?
四肢に力を入れる…問題ない。指を軽く開閉、足首をパタパタ…いける。

「っっざっけんじゃないわごぶぐぅ!?」
怒声一発。寝起きからのサプライズアタックを敢行しようとしたがなにか固いものに思い切り顔面をぶち当てた。
「…ぅう…つつ、なにこれ…蓋?てか狭いわね…箱?……ちょっと、やだ…これ棺桶じゃないのよ!?」
美月ひとりが仰向けになるのがやっとのスペース。両脇には仕切りのような板、体の上には固いフタといった箱状の空間に背中の下には布団かクッションらしいものが敷かれている。
どう見ても棺桶です。本当にありがとうございます。
ご丁寧に蓋に釘が打ち込まれているらしく、叩いても蹴ってもびくともしない。

「…まさか埋葬されたとか言わないでしょうね…やれやれ……」
力づくで開けるのを諦めると目を瞑り意識を集中すると体から白い靄のようなものが分離する。
幽体離脱。GSならほぼ誰でも頭ひっぱたけばこれぐらいはできるわけだがこと自分は昔から人一倍、離脱しやすい体質だった。
いや、それのみならずしばらくすると憑依までできるようになった。
「うん、土の中に埋められたりはしてないわね…にしても暗い…この棺の数、霊安室かしら?」
すぅっと幽体が棺の蓋をすり抜けるとあたりを確認する。そこは薄暗い地下室…壁には弱々しい光を放つ燭台がかけられ、がらんと無機質に広い空間に不気味な陰影を落としている。
目立つのはいくつもおかれた黒塗りの頑丈そうな棺。

「あんまり気は進まないけど…やっぱ入ってるか…生きてる?体温が低い…仮死状態かしら?それよりこの感覚…霊魂を殆ど感じない。まるで抜け殻ね」
棺に首を突っ込んでいくつか中を確認する。予想通りどれも中には人間が入っていた。
幽体の腕がするりとひとりの肉体に滑り込む。
やや低いが体温と鼓動を感じるので肉体的にはまだ死んではいないようだ。
しかし問題なのは彼らの体から感じる霊的に空虚な感覚のほうだ。普通はどんな人間でも霊力はある。
それが自分より高かったりしたら霊的な抵抗となってうまく憑依できなかったりするのだが、その抵抗をまるっきり感じないのだ。
「……なんらかの理由で霊魂を抜かれたかどうかしてるわね」

「とりあえず、ここから脱出しないと…アイツらは……アテに出来ないか。でもこのまま出てもまたピエロに見つかったら厄介だし…おっ!いいものみーつけた」
基本的に牧街たちとはただ行きがかり上で居合わせただけだ。
そしてとても手におえないような悪霊が出てきた。しかも一人攫われた。妥当に考えれば一時撤退して応援を呼ぶ。
奇しくも館の外で半泣きで己の心情を吐露している牧街と同じ結論に達した。自分は見捨てられた、と。
別に恨みはない。いや、目の前にいたら全員一列に並ばせて端からひっぱたくだろうけど。
今日初対面の他人が命をかけて自分を救出に来るのをアテにしておとなしく待つなんて性に合わないのだ。
まずは自分の力を頼った方がいい。

「ふん、ふふーん♪おっとぉ……よし、完璧ね」
ガチャコ、ガチャコと金属音をさせて館の暗い廊下を歩く西洋鎧。中身はがらんどうだがそれには美月の幽体が憑依していた。
別にこのまま自分の体が収められた棺桶を破壊しても良かったが、またデモンサーカスに出くわしたら元の木阿弥だ。
まずは退路を確認するためにも状況偵察。珍しく慎重かつベターな手段に出た。
たまに見かける雑魚っぽい悪霊を壁に張り付いてただの鎧の置物のふりをしてやり過ごす。
別にそんなことしなくてもこれはこれで悪霊の一種として仲間のふりでもしてごまかせそうだが。
本物の悪霊の巣窟と化したノスフェラトゥの館。その廊下を鼻歌交じりにゆく鎧。
なかなか馴染んだ光景ではある。

【月夜田さん、はじめまして。よろしくお願いしまーす】


23 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/06/14(月) 23:48:01   [sage]
>18
【いらっしゃい! 楽しくやろうぞ!】

>19
突如乱入する謎の少女。
>「ちょっとどこみてるのよー!!」
「妾は現在この通り婆顔じゃ。ラブコメは二人でやってくれ」
と、厄介事をさりげなく牧街一人に押しつける。

>20
>「あの…車輪に人形が挟まっててとろうとしたんですけど抜けなくて…でも勝手に潰れたのでこれで動け……何かあったんですか?」
暫し頭を抱えていたゾンビ村の霊が口を開く。
「彼女、なぜかここ最近毎週一人で遊びに来ていた人です」
そしてみことに向かって言う。
「全く、また来たんですかー。
毎回私が遊具を動かして悪霊の目を誤魔化していたから生き延びたものの……そうじゃなければとっくに捕まってますよ!」
ゾンビ村の霊の加護があって尚彼女は何回か悪霊に追いかけられており、生き延びたのは奇跡というべきだろう。
ふと遠い昔を懐かしむような顔をするゾンビ村の霊。
「でも……いつももう来るなと思う一方でまた来てほしいと心のどこかで願ったものです。
あなたは本当にこの遊園地で楽しんでくれて……私に魂をくれた人の事を思い出します。
私は……皆が楽しむためのこの場所で死人が出るのはもう嫌です!」
「ゾンビ村さん……」
しんみりしたムードが辺りを支配する。

>21
が、ムードに流されずに冷静に決断を下す牧街であった。
>「………よし、それじゃ逃げましょうか」
「流れ的にここは突入ではないか!?」

>「正義の味方ごっこはやめてください!俺達は正義のヒーローになれないんです!現実を見てください!」
「……うむ。確かにそうかも……、いや、絶対そうじゃ。
勝ち目ない勝ち目ないほわああああああ!!」
「ほにゃあああああああ!!」
ようやく冷静になって、少年漫画的流れから現実に戻ってきた途端、今度は恐怖で冷静じゃなくなる秋葉系師弟。
が、ありみちゃんが言いにくそうに衝撃的な事実を告げた。
「あのう……見つかってしまったようです」

「みぃーつーけた♪」
デモンサーカスが乱入してきた! そう、デモンサーカスは一体ではない。
雑魚悪霊との乱闘の末、極めつけのみことの大暴れによって風水は崩れに崩れ、ついに悪霊の目を誤魔化せなくなってしまったのだ!
「ひぃあああああああああ!!」
「お嬢ちゃーん、今日こそは楽しいサーカスへ招待するよー」
カフェは現在婆顔のため、みことにターゲットを定めて突進する。
が、デモンサーカスはひっくり返った椅子の足に躓いて転んだ。
「……」
「……お主、実はあんまり強く無かったり?」
そこでゾンビ村の霊がある事に気付き、活路を見出した。
「彼女が生き延びた理由が分かりました! 追いかけられるのを死ぬほど楽しんでいたからです!
皆さん、生き延びたいなら出来る限り状況を楽しんでください!
楽しんでくれるほど私の力が強くなって村内にいる悪霊を弱体化させる事ができる!」


24 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/06/15(火) 18:05:13   [sage]
>「あの…車輪に人形が挟まっててとろうとしたんですけど抜けなくて…でも勝手に潰れたのでこれで動け……何かあったんですか?」

「人形が挟まっていたなんて気持ち悪いです。とっても怖いです」
容疑者月夜田は受付のありみちゃんの顔は覚えていたのだけど覚えていないふりをして言う。人見知りだから。正確には死人見知り。

するとゾンビ村の霊が月夜田に話しかけてきて、しんみりとしたムードが辺りを支配する。
みんな目を真っ暗にして顔の影には斜線がひかれているような感じになっていた。
来園する人に、もう来るなと思わなけらばならないゾンビ村の気持ち。
まともじゃないのを自覚しているから人を寄せ付けないようにと思わなければならないのはあまりにも悲しい。

>「………よし、それじゃ逃げましょうか」
>「流れ的にここは突入ではないか!?」
>「……うむ。確かにそうかも……、いや、絶対そうじゃ。勝ち目ない勝ち目ないほわああああああ!!」
>「ほにゃあああああああ!!」
ムードに流されない牧街とカフェおばあさんの日本昔話はデモンサーカスの乱入でめでたしをむかえる。

>「お嬢ちゃーん、今日こそは楽しいサーカスへ招待するよー」

「あ、あなたたち私をはめたわね!!」
月夜田は牧街とカフェに向かって御門違いなことを言った。
カフェは現在婆顔のためデモンサーカスは、みことにターゲットを定めて突進してくる。
でもあっさり椅子の足に躓いて転んでしまう。

「くす…」
月夜田は転ぶ姿を見て陽光に溶けこんでしまいそうな笑顔をみせた。

>「彼女が生き延びた理由が分かりました! 追いかけられるのを死ぬほど楽しんでいたからです!
>皆さん、生き延びたいなら出来る限り状況を楽しんでください!
>楽しんでくれるほど私の力が強くなって村内にいる悪霊を弱体化させる事ができる!」

「よくわかんないんだけど、いつもみたいに楽しめばいいのね?」

どごごーん!言葉尻でものすごい音がした。
風水ハウスがノスフェラトゥの館に、めこめこと潰れながらもめりこんでいっているのだった。

「ふにゃああああ!!」
月夜田は叫び声をあげる。ゾンビ村の霊は話に夢中になっていたし、なまじ力をあげてたのでハウスはちっとばかし暴走していたのだ。
そのまま館をつっきると建物に穴を空けて裏側から埃と共に出てくるハウス。

「きゃあ!館の中には桜井さんがいるんですよ!死人が増えちゃいますよー!」
ありみは絶叫する。状況を楽しむにはあまりにも不謹慎…。しかし悪霊たちは苦しみもだえていた。

「あれ。もしかして…風水上のいわゆる龍の通り道ができたのでしょうか?
どこか外国のホテルでも建物の真ん中に穴を開けたら繁盛するようになったってお話を聞いたことがあります。
それは今まで繁盛しなかったのは龍の通り道をホテルで塞いでいたからだそうです」
と、ありみは言う。
「ふーん」
月夜田は生返事をすると外に出た。それは単なる好奇心。
意気揚々と穴からノスフェラトゥの館に侵入すると地下室へ通じる階段を見つけた。

「月夜田は階段を見つけた!」と月夜田。
地下室はめちゃくちゃ広そうだった。建物のつくりでなんとなくわかる。家の漬物とかいれてる地下室とは桁がちがった。

「お先にー!」
月夜田はアトラクションと現実の区別がついていないのか普通に地下に入っていってしまった。
地下には今だ禍々しい霊気が残っていることを月夜田は知らない。

【よろしくおねがいします♪】


25 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/17(木) 20:07:01   [sage]
金曜の夜に書き込みますね

26 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/18(金) 23:20:11   [sage]
>「……うむ。確かにそうかも……、いや、絶対そうじゃ。
勝ち目ない勝ち目ないほわああああああ!!」
>「ほにゃあああああああ!!」

牧街の魂の叫びに、秋葉原師弟はあっさり絶望に飲み込まれる
「………」
その姿に、何かしろ格好いい事の一つなり返して結局一同突入という展開になるのではないかと思っていた牧街は、唖然としてしまう
(ま……まさかこいつら……
今までずーーーーーっとノリで動いていたのか?)
そして、牧街は一つの恐ろしい結論にたどり着いた
これまで牧街はこの秋葉原師弟が、確固たる揺ぎ無い愛と正義の信念と、平和を願う熱い心で戦っているのではないかと思っていたが
この反応を見るとどうもそうではないっぽい…

試しに記憶を辿ってみる…

廃校編
明らかにノリ
秋葉原編
途中退場したためよくわからないけど…確か仕事の真っ最中に秋葉原によるって言っただけでアニメショップに直行したよーな…
双神山編
これは依頼らしいので除外……だけどそーいや不用意に婆鍋食ったりしてたよね…
ロボ娘編
テロ魔族の言葉を聞きつけ参戦、…ノリっぽい、ヒーローショー事件を考えると間違いなくその場のノリだ…

「己等人生舐めとんのかああああああああああああああああああ!!」

馬鹿だった!
こんな連中を思いっきり信じていた自分が馬鹿だった
悲しさと悔しさと金返せ(払ってない)と言う思いが入り混じった叫びを牧街が放ったその時

>「みぃーつーけた♪」
桜井を置いてきたのだろうデモンサーカスが戻ってきた(クローン人間じゃないんだからデモンサーカス自体は一人であり、デモンサーカスに匹敵するレベルの複数名の別の悪霊がいるのです、デモンサーカスが複数名いるわけではありません、書き方がわかりにくくて申し訳無い)

>「あ、あなたたち私をはめたわね!!」
「終わった…」
月夜田の怒声の中牧街が滝の涙を流し、走馬灯が始まった、その時
何とデモンサーカスがすっこけてしまう

「…えーと…」
>「……お主、実はあんまり強く無かったり?」
「いや、んなわけないでしょ、そんな貧弱な奴に協会が懸賞金なんかかけませんって」
突然ギャグ補正がかかるデモンサーカスに、牧街がたらーんとあの大粒の汗をたらし何故かデモンサーカスを弁護していると
ゾンビ村の霊がギャグ補正発生の理由を説明してくれる
「つまり…月夜田さんが近くに来たからゾンビ村の霊さんのパワーが高まって、デモンサーカスの霊力を抑えることに成功しているという事ですか」
月夜田はずっと楽しんでいたっぽいので、多分こんなところではあるまいか

更に追い討ちをかけるように家が屋敷に突っ込んで龍穴が開き、苦しみだすデモンサーカス


27 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/18(金) 23:21:32   [sage]
何か格好良く凶悪な悪霊として出した奴がこうギャグ補正によって弱っていくのは椎名漫画で普通にある事なので(現にドシリアスなあの話の真っ最中にあんな事がへーきであるんだし…)スレ的にまったく正しく問題ないのだが
やはり何だか複雑な思いがしてしまうもんであ「天龍落地砕〜〜〜〜!!」

作者の心の言葉をそんな理由でこれ以上おっかない思いさせられてたまるか俺の身にもなってみろこんちくしょおおおおと叩き潰すように牧街が必殺の頭突きをここぞとばかりにデモンサーカスに叩き込む
「ぐおわぎゃああああああああああああああああ」
必殺頭突きを受けてしかし、デモンサーカスは苦しんだものの耐え抜き
怪力の鉄拳を食らわして牧街を吹き飛ばして、一同を物凄い目でぎろりとにらみつける
「よくもやってくれやがったな虫けら共!!もう爺もばばあも男も女もねぇ!皆殺しにしてやる!!」
しゅうしゅうと体から煙を上げながらも、ナタを構えてカフェとカフェ師匠と月夜田に…
>「月夜田は階段を見つけた!」
>「お先にー!」
……もとい、カフェとカフェ師匠に襲い掛かるデモンサーカス
弱ってダメージ受けてなお、そのナタの破壊力は脅威である

「いらっしゃ〜い…マドモアゼ〜」
階段を降りた月夜田に、前方のT字路から声がかかってきた
同時に、血染めの白衣を来た長髪の男が現れる
男の両手には、血で赤黒く塗りつぶされた鋏が二つ…

この男は通行人の髪の毛を切り裂き、丸坊主にした挙句殺してきた凶悪殺人鬼の悪霊、先述の「デモンサーカスに匹敵する悪霊」の一人「紅バサミ」だ!
「おいしそうな髪の臭いがするねぇ〜〜」
紅バサミはバチンバチンとハサミを鳴らしながら、月夜田へと迫り来る…


28 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/19(土) 00:09:22   [sage]
一方、ノスフェラトゥの館地下を歩いている桜井鎧
その横を、クギバットと右腕が繋がった悪霊がすれ違っていく
この霊はバットを体の一部の様に感じ、人を殴る感触を楽しみながら通行人を次々撲殺し、死後肉体の一部の様に思っていたバットと霊体が結合したアメリカの殺人鬼の霊「Mrスパイクバット」で
やはりデモンサーカスや紅バサミに匹敵する凶悪、強力な悪霊なのだが
彼は桜井鎧を味方と認識しているのだろう
話しかけるでもなくぶつぶつと殴りたいなー殺りたいなーと呟きながら、無視して廊下をのそのそと歩み去って行った

その後、桜井はMrスパイクバット程ではないにしろ、数体の悪霊とすれ違うが、どれも桜井を攻撃目標と認識せずに、無視して通過していく

桜井の緊張もほどけてきた時
コレまでとは違う雰囲気の霊体が、通路の向こうから歩いてきた
コレまでの悪霊が殺気立っている半分獣の様な奴等ばかりだったのに対し、その霊体は何だか生きている陽気な人間の様な雰囲気を出し
紅バサミやMrスパイクバットの様な獲物も持たず、体も中肉中背でデモンサーカスのように筋肉隆々でもない

しかし、底知れない不気味さと、冷たさを感じるそいつ
『笑顔の仮面をつけたタキシード姿の男』
は、桜井鎧の前でぴたりと止まると、不意に手を伸ばしてきて…

ぽんっと桜井鎧の肩を叩いた

「お仕事ご苦労様」

そう言って、そのまま笑顔の仮面は横をすり抜けて歩み去っていく
桜井が再び歩みだそうとした、その時

「ああ、そうだ」
いつの間にかすぐ背後に接近していた笑顔の仮面が、廊下の角を指差しながら、再度桜井に話しかけてくる
「この先にある物は一見の価値があると思うから、是非見ておくといいと思うよ。それじゃ」
そう言って、今度こそ笑顔の仮面は歩み去る

ちなみに、ここの悪霊共は別に雇われているわけではない…

笑顔の仮面が言った角の向こうには、間違いなく後からつけたのだろう、超合金製の分厚い扉があった
防音設備が完璧なのだろう、中からは何も聞こえない

扉を開けますか
>YES
NO
ARIEN
BETUNIDOYDEMOIII


29 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/06/21(月) 07:01:51   [sage]
なにやら頭上で相当な質量を持ったものが衝突したような轟音が響き地下であるこのフロアまで振動がビリビリと伝わってくる。
「…救助かしら?にしては派手というかまるで爆薬かなんかで建物ぶち壊したような勢いよねぇ…」
パラパラと天井から細かい建材の破片が落ちて鎧の肩を打つ。
こんな勢いで救助にこられても迷惑千万だ。何をやってるのかしらないが、巻き込まれたら間違いなく死んでしまう。
…まあ、今なら所詮は無機物の鎧についてるだけだから頭かち割られようと建造物同士の衝突に挟まれようと問題はない。
ただついている幽体にまでダメージの及ぶような攻撃を受けたらその限りではないわけだが。
たとえば

『あー、殺したいなー。殴りたいなー…』
「……ど、どうもー、アハハ…」
こんな悪霊の攻撃とか。
右腕が釘バットと一体化した見るからに禍々しいミスタースパイクバットとすれ違う。
いやにぎらついた目をしていたが、美月を仲間と思ったのかそれとも金属製の物体を殴るのに快感を感じないのか、動く鎧には目もくれずそのまま歩き去る。
その後も何体かの悪霊と出くわすが特に戦闘になるでもなくやり過ごすことに成功した。
さっきのあのただごとではない轟音を聞いても一斉にそちらに駆けつけるでもないようだ…個体差はあるだろうが知性が鈍ってるのかもしれない。

(…なんにしろ憑依して偵察して正解だったようね。でもこれだけやばいのがウヨウヨいるんじゃどうやって脱出しようかしらね)
ハァーと深い溜息をついてがっくりと肩を落とす。
そう、このまま引き返して自分の肉体に戻ったところで無事に脱出はできないのは明白だ。
「あ、ちゃーす」
『うぃー…』
とりあえず襲われないとわかればビビることもない。すれ違う悪霊とおざなりな挨拶をかわしながら廊下を進む。
今の内に何とかして脱出する手立てを講じないとならないが…。

(――っ!?な、なに、これ…あいつから…?)
ひたひたと廊下の向こうから歩いてくる仮面をつけたタキシードの男。
一見すると今までのどの悪霊たちよりも人間的な出で立ちだが、そのどれよりも嫌な気配を発している。
底の見えない冷たい空気。あのデモンサーカスと互角か、あるいはそれ以上か…?
一歩一歩こちらに近づいてくるタキシード仮面。緩んでいた緊張の糸が一気に限界ギリギリまで張り詰める。
>『お仕事ご苦労様』
そういって美月の肩を何気なく叩いて脇を通り抜けるまで、身動きひとつできなかった。
触れられただけで鎧を通して美月の幽体にまでおぞましいものが駆け巡る。
…そのあまりの気味の悪さに気を取られ見落としていた。
お仕事ご苦労様。この言葉の持つ意味の不自然さに。

>「ああ、そうだ」
>いつの間にかすぐ背後に接近していた笑顔の仮面が、廊下の角を指差しながら、再度桜井に話しかけてくる
>「この先にある物は一見の価値があると思うから、是非見ておくといいと思うよ。それじゃ」
>そう言って、今度こそ笑顔の仮面は歩み去る

「…プハーッ、あぁー、心臓に悪い…!ったく、言いたいことは一回で済ませなさいよね」
今度こそ完全に立ち去ったのを確認してから大きく息を吐き出し悪態をつく。
「で…?いいものって……はっ!?まさか、オーパーツっっ!!」
さっきまでの緊張もどこへやら、鎧についてないはずの目をキラキラと輝かせてガションガションとダッシュすると廊下の角を曲がる。
果たしてそこにそびえるのはいかつい超合金の扉だった。
>扉を開けますか
>YE「イエス!YES!!いえーっす!!!」
美月にはそれがまるでお宝を保管している金庫の扉にでも見えたのだろう。
ドッカン、ゴガギーン!!と乱暴に開け放つと室内に踊り込む。
な、何とそこにあったのは!
この後衝撃の展開が美月を襲う!!(予定)


30 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/06/24(木) 17:37:56   [sage]
>26
「なるほど、デモンサーカスは一人だったのか」
「確かにあんな変態が何人もいたら困るにゃ」
と、メタな会話をしている秋葉原師弟。
>「己等人生舐めとんのかああああああああああああああああああ!!」
「……お、やる気になったにゃ?」
予想通りとでもいう風に頷く秋葉原師範。
全てが計算づくなのかそれとも全てがノリなのだろうか、さっぱり分からない。

>27
>「天龍落地砕〜〜〜〜!!」
>「ぐおわぎゃああああああああああああああああ」
何はともあれ牧街がスーパーモード(仮称)に入り、デモンサーカスに大ダメージを与える。

>24
>「よくもやってくれやがったな虫けら共!!もう爺もばばあも男も女もねぇ!皆殺しにしてやる!!」
>「お先にー!」
「こりゃ! 置いていくでない!」

「ひぃいいいいいい!!」
「お、おおおおお落ち着くにゃ!
キレて総攻撃を始めた敵は必ずやられると相場が決まっているにゃ!」
叫びながら逃げ回る秋葉原師弟。
家から飛び出し、逃げる道中にあった乗り物に慌てて飛び乗る。
ゾンビ村の霊の念力により、乗り物はすぐに動き始めた。
「往生際の悪い奴らめ!!」
デモンサーカスも続いて後ろの乗り物に飛び乗る。
一定の距離を保ったまま同じスピードで同じ所をぐるぐる回る一同。
というのも乗り物はジェットコースター系ではなく、空中ブランコのようなものだったのである。
あまりにも慌てていた+ギャグ補正がかかっていたのでつい乗ってしまったのだが
同じ空中ブランコに乗って回る敵同士というのはかなりシュールな光景ではある。
「貴様ら待たんか!」
「待てといわれて待つ奴はいにゃい!」
「結構楽しいのう」
しかもこの空中ブランコ、塔をイメージしたもので、回りながらどんどん高度が上がっていく。
最高地点に到達したところでデモンサーカスの空中ブランコだけ鎖が千切れて物凄い勢いで飛んでいく!
サーカスだけに空中ブランコの罠にはめられたのだった。
これでやられはしないにしても時間稼ぎぐらいにはなるだろう。


31 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/06/25(金) 15:15:12   [sage]
>26>30
牧街と秋葉原師弟によって繰り広げられる漫才のような会話。
>「己等人生舐めとんのかああああああああああああああああああ!!」
ゾンビ村の空に牧街の声が響き渡る。
>「……お、やる気になったにゃ?」
予想通りとでもいう風に頷く秋葉原師範。師範、艶物!否!つわもの!
>27
>「よくもやってくれやがったな虫けら共!!もう爺もばばあも男も女もねぇ!皆殺しにしてやる!!」
地下の階段を下りようとした月夜田にデモンサーカスの怒った声が聞こえた。
(ぷっ…なにあの役者。セリフ棒読み)
「お先にー!」階段をおりる月夜田。
>「こりゃ! 置いていくでない!」
「ぉぃ…ぃぇぉ〜」階段を降りていく声は微かで師匠たちにはよく聞こえなかった。
>「いらっしゃ〜い…マドモアゼ〜」
前方のT字路から声がかかってきた。同時に、血染めの白衣を来た長髪の男が現れる。
男の両手には、血で赤黒く塗りつぶされた鋏が二つ…
>「おいしそうな髪の臭いがするねぇ〜〜」
紅バサミはバチンバチンとハサミを鳴らしながら、月夜田へと迫り来る。
「おいしそう?いやいや照れます♪照りすぎて照り焼き月見バーガーになってしまいます」
嬉しそうにかぶりをふる月夜田。ふればふるほどいい匂いが辺りに充満したんだけど、ぜんっぜん意味はない行動。
「へーあなたも鬼ごっこするの?でもここは狭すぎるし外にでよー?」
月夜田が階段を戻って外に出ると紅バサミも追いかけて来る。
龍脈を走って逃げると龍脈の流れで紅バサミは台風中継のレポーターみたいに
ぐねぐねと見えない流れに押されていて上手く走れていない。
そこに運が良いのか悪いのか、デモンサーカスの乗った空中ブランコが物凄い勢いで飛んできて紅バサミに激突した。
「くっくっくっくっく…」
転げながら吹き飛ぶ悪霊たちに、目を半分に細め笑う月夜田。
大勝利の余韻にふけり、ふと空を見上げると
「あーーーーー!!またあの人たち仲良く乗り物にのって!私をのけものにして!」
月夜田の思考はめちゃくちゃ。牧街と秋葉原師弟たちが楽しそうに遊んでいるのに嫉妬しながら
パンダのカートみたいな乗り物に乗り込みフェンスを突き破って空中ブランコの柱に激突する。
ゴーン!周囲には金属の音が響き渡り、ひしゃげたパンダの運転席で月夜田は泣いていた。
「…あなたたちって…もっと遊園地を純粋に楽しめないの?不純をまきちらしてそんなに楽しい?
なんで…なんで…。もっと乗り物を愛してよ。ひとつの乗り物をみんなでよってたかって乗り回して恥を知ればいいと思う…」
月夜田は泣きながら潰れたパンダの頭を撫で撫でしている。
「遊びで背中に乗られた乗り物たちの気持ちなんて考えたことがありますか!?」
「みんな遊びで乗ってるのよ!!」
怒った声が聞こえた。怒ったありみちゃんの声。
「え?」
「遊具たちは、みんなを楽しませるためだったら足で踏みつけられたって、
不潔なお尻の下敷きになったて…喜んで…喜んで…喜んでいるのよ!!」
ありみちゃんはそう言うと月夜田の髪を掴み無理やり顔をあげさせるとパチンと頬にビンタをした。
みるみるうちに膨れあがる頬。強く叩きすぎていた。
「ごめんね…お客さまに…」ありみは深々とお辞儀をしている。
「うっ…う…ごめんなさい…ありみちゃん…あーんあーん」号泣する月夜田。
「泣かないで月夜田さん。楽しみましょう!」
「はい!わかったわ、ありみちゃん!私みんなと一緒に楽しみます!
あのー!牧街さん!カフェさん。あと支障さん!私、楽しみます!一緒に楽しませてください!」


32 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/26(土) 21:50:40   [sage]
>「……お、やる気になったにゃ?」
予想外の師匠の言葉に、面食らう牧街
その言葉の意味を考える前に、デモンサーカスがやってきてあーなってこーなって…

で、牧街は今家のデモンサーカスに殴られて残骸の壁に頭突っ込んでぴくぴくしております
意識を失うと存在感が無くなるのはこの男の隠れた特技であり、カフェ等と空中ブランコに乗ったように見えて実はまだ下にいたのであった
だがそこは並の特殊部隊をはるかに凌駕した特訓を乗り越えてきた頑丈だけがとりえの男
すぐに復活して周囲を見回してみれば、激突した状態で沈黙するデモンサーカスと紅バサミ、そしてその横で勝利の笑みを浮かべる月夜田…

(…へ?何?あの娘が一人でやっつけたの?)

一瞬そんな風に考えたものの、やっとそこで牧街に気づいて慌てて駆けつけてくれたゾンビ村の霊に説明してもらって無駄な誤解は生まずに済んだ

(まぁ…何にしてももう早く帰ろう、悪霊が弱ってる今が大チャンスなわけだし…)
何はともあれと言った感じで普通に桜井や学生を再度見捨てて帰宅モードに入ろうとした矢先、月夜田ちゃんがメカパンダでカフェ師匠等の搭乗する空中ブランコに突撃を開始した
然る後牧街には理解できない理屈でカフェ師匠等をしかりつけ、何かありみちゃんに少なくとも「悪霊がわんさか暴れてる現状でんな事言ってる場合じゃ無いでしょうが!さっさと逃げなさい」と言う内容ではない内容で怒られて…

>「はい!わかったわ、ありみちゃん!私みんなと一緒に楽しみます!
>あのー!牧街さん!カフェさん。あと支障さん!私、楽しみます!一緒に楽しませてください!」

(遊びでやってるんじゃ無いんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
一瞬牧街の顔がカミーユ・ビタンになる様な結論を元気一杯に弾きだしてくれた

一般常識+生存本能強化型マイナス思考回路しか持たない牧街が、彼等がマジでゾンビ村の霊の言う「この遊園地で楽しんでゾンビ村の霊をパワーアップさせて悪霊を殲滅する」をやらかそうとしているんだと理解するまで、しばらくかかった
んで理解した牧街は…
(いやいやいやいやいや無理だろ!じょーしきとかそーいうレベルで…
ってか一体でふつーホラー映画一本作れそうな悪霊がわんさかいる遊園地で楽しむよーな事ができるわけが…

……いやできる、ふつーにやれるわ……

…え?って事は俺だけ?まともにビビッて怖がって諦めてるの俺だけ?
うん、俺、戦力外だ、すげー戦力外もいいとこだ
っつかむしろ足引っ張ってるよね、あれだよね、学校行事を楽しんでる人達の中に一人ぽつんといるひねくれもの状態だよね
帰っていいっすよね、えぇ……いや帰れねんだって悪霊わんさかいて…
……ってかもしかして勝てるんじゃ無いのか?このペースで楽しめば…
いや……無理だろ
魔族だぜ魔族
でも一人だけ空気読まないで逃げよう帰ろう言ってると何かほっぽりだされてとっ捕まえられて桜井さんの様に手足ばらばらの内臓丸出しのグロい死に方(牧街の脳内では桜井はもう死んでます)しそーだし…っつか見捨てられて一人はもう間違いなく死ぬしかないし…
あーーーーどーーーーしよう
進んでも地獄…引いても地獄…
おんのれ秋葉流め……ノリで俺を地獄に行軍させよーとしやがって…
…でもさっきのあの言葉は考えがあるって事か?そーなのか?
………いや、とりあえず怒られるの嫌だから適当な事言ったに違いにゃい…いや違いない
どーする?どーーーーする?どーーーーーする!?)
悩んだ
すっげ〜〜〜〜〜〜悩んだ
悩んだ末
「カフェさーん、師匠さーーん、とりあえず乗り物系をコンプリートするほーこーでいきませうよー、あはははは〜〜〜」
ヤケクソで諦めて狂ったのだった
背景にお花畑が出て目が少女マンガみたいになっている…
人間が追い詰められた時に発揮する適応力とは恐ろしい

一方、激突してやられたはずの紅バサミとデモンサーカスの姿はいつの間にか消えていた
かといって消滅したというわけではない
恐らくこう、すぅーっと薄くなってどこかへ逃げたのだろう
危なくなったら逃げるあたり、狂っても殺戮の大ベテランだ
…まぁ…大悪霊マジでやっつけて名前が上がってしまったらそれはもう3流GSとは言わないわけだし、撃破を目的としたミッションならこうなったら失敗なわけだけど相手が本気で逃げるに至るまで追い詰めたのだから大金星だろう
うん(何に大して頷いてんだろう)


33 : ◇GwyfLokZWa7/    2010/06/26(土) 22:31:32   [sage]
超合金の扉の向こう
そこは……この世の地獄だった
『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』
『出してぇえええええええ!ここから出してぇえええええええええええ!』
『熱いよォ!熱いよォおオオオオオオオオ!』
『痛い!痛い!イタイーーーーーーーーー!!』
研究室の様な扉の向こう、その中央に並ぶ電話ボックスくらいの大きさの透明な筒の中で、例の学生達だろう霊体が5つ、複数の妖怪のパーツが合わさったような怪物に、吸収されていたのだ!
いや、吸収されていっているのではない、その妖怪のパーツの寄せ集めと、『融合』していっているのだ!
彼等の筒の周囲には白衣姿の死霊が楽しげに筒に繋がっている端末を操作し、筒の中に稲妻や炎を起こして、なにやらやっている

「君ィ〜、困るよォ…ここは一般霊立ち入り禁止だよォ〜」
不意に横から声がかかった
見ると、体中に血染めの包帯を巻いた手術着の巨漢の霊が立っている
「あぁ〜そうか、この手術に興味があって来たんだね!いいだろう、生前は秘密の実験で誰にも公表できなかったからずーーーっと自慢できなかったのが心残りだったんだけど
死んじゃったからもう自慢しても誰にも怒られないんだよね
よし!説明したげよう!一から十まで説明しよう!この研究の凄さを!!」
包帯の巨漢はすっごく嬉しそうに一方的にそう言うと、桜井鎧の手をとって筒の前まで連れて行く
その腕力は物凄く、握られている鎧の腕部分に腕方の跡がつくほどである

「コレはね、妖怪の霊体の破片と人間の霊魂を合成する、人工妖怪兵器を作る実験でねぇ
戦時中にアメ公やっつけるために始まったんだけど、改造人間作る実験の方が実用的だってんでそっちに予算をもってかれすぎて全然進まなくてさぁ〜
もうマジ腹たってね
絶対こっちの方が強いのに…だって改造人間なんかどんなに強くても戦車や戦闘機には適わないけど、妖怪兵器は通常兵器どんなに喰らっても死なないから単機で敵陣を蹂躙できるんだよ
どっちが本当に必要か考えればあんな馬鹿な命令下さなかったろうにねぇ〜

あ、僕その時こっちから改造人間部門に検体とか言って送られちゃってさぁ、ヤバイ改造されたんだよねぇ〜ほら」

そう言って、包帯を取って見せた男の素顔は、まん丸い目が四つある真っ赤な皮膚を持つ、あちこちに銃跡をつけた怪物だった
「あんまり腹が立ったんで暴れまわってやったんだけど…やっぱりダメダメ、改造人間なんかすぐ射殺されるんだこれが、対戦車ライフルの10発位喰らったら簡単に死んじゃったよ、全くやわでいけない」
愚痴る怪物は一瞬目にすさまじい殺意を浮かべたが、すぐ元に戻って、今度は少し離れた筒を指差した
「それでね、地獄に落ちた僕等に救いの手が加わって、こうしてまた研究を再開できて、あそこでもうすぐ地獄で思いついた新技術を使った最強の妖怪兵器が生み出されるってわけ
勘を取り戻すために5体ばかしゴミで練習したから多分間違いなく、成功するよ!うん
最強の妖怪兵器…隊乱闘(たいらんと)が……
優れた地獄妖獣のパーツと、ゴーストスイーパーの魂で作られた御仏を守る四天王とも戦える最強の妖獣が!
擬似霊魂を用いて行ったこの辺の村の神とのテストファイトでは大圧勝し
ゴーストスイーパーの魂と融合し完成した暁には、東京を襲撃して大虐殺を行ってパワーアップした後天界に攻め入って仏を倒して新たな伝説を築き上げてくれるだろう
…そしてその完成に必要なゴーストスイーパーの魂とは……」
全ての死霊達の視線が、一斉に桜井に注がれた

「お前じゃあああああああああああああああああああああああああああああ」

そう言って、一斉に襲いかか………ろうとして、止まる死霊達
「何つって!びびった?ねぇ、びびった?んな分けないだろうに、欲しいのはGSの魂、君は単なる悪霊だろう
本当はさっき連れてこられた間抜けな女GSの魂を使うんだよ
ふふふふふふ
あ、話しもう終わったから言っていいよ、聞いてくれてありがとねぇ〜」
桜井をびびらせた死霊達は、学生の霊達の断末魔の中でえへらへらとしながらそう言うと、早く魂来ないかな〜と遠足を楽しみに待つ子供の様に端末いじって学生の霊魂をいじって悲鳴を上げさせる作業を再開した
この残虐な行為は、どうやら単なる暇つぶしらしい…


34 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/06/30(水) 21:56:23   [sage]
>>33
(………う……あ、あぁ……)
やってもうた。その扉の向こうは天国だと思っていたのに開けてみればまさに地獄絵図。
この時の美月の心情に一番近いのは、あれだ。
何か素敵なものがあるだろうと思って踏んだリンクの先がグロ画像だったというあれ。
一応はGSの端くれなので多少のグロ耐性はあるとはいえ、期待を裏切られたがっかり感と相まってガッツリ精神力が削られてゆく。
(あー……私、もうダメかもしんない…)
急速に夢とか希望とか物欲とかが萎んで文字どおり魂が抜けそうになったまさにその時、不意に脇から腕をつかまれて世にもおぞましい計画の一部始終を聞かされる。

(タイラント?そんなロケランぶち込まれそうな化物つくってんじゃないわよ……)
あまりにも巨体なので一目でそれとは気づけなかったが部屋の一角を占める禍々しい物体。
あれがおそらくそうなのだろう。ロケランの一発ぐらいでは死にそうには見えない。
巨体故にその全容まではここからは伺いしれないが、東京を壊滅させて天上まで攻めこむ切り込み役というのもあながち誇張ではなさそうだ。
地獄から蘇ったイカれたマッドサイエンティストの嬉々とした様子と対照的にどんどんげんなりとしてくる。
自分はただちゃちゃっと悪霊を倒して今月のムダに高い事務所の家賃を稼ぎに来ただけなのだ。
なんでこんな壮大でやばい計画の真っ只中に巻き込まれているのか全くもって納得がいかない。

>…そしてその完成に必要なゴーストスイーパーの魂とは……」
>全ての死霊達の視線が、一斉に桜井に注がれた

>「お前じゃあああああああああああああああああああああああああああああ」

「びぃえああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!???」
思いっきり担がれた。化け狸の断末魔のような悲鳴を上げて後ろに飛びずさる。
これで実体があったら色々と漏らしてドン引きされるところだった。

>「何つって!びびった?ねぇ、びびった?んな分けないだろうに、欲しいのはGSの魂、君は単なる悪霊だろう
>本当はさっき連れてこられた間抜けな女GSの魂を使うんだよ
>ふふふふふふ
…仏を倒して新たな支配者にさせてくれるというのもなかなか好待遇ではあるが、それ以前にあんな化け物にされたあとでは自分の意識どころか魂まで失ってしまうこと間違いない。
化物の動力源としてだけ使われ、仮に死んでも天国にも地獄にもいけやしないだろう。
悪のラスボスに世界の半分をやるとか言われたら思わずはいと答えそうな性格をしている野心あふれる美月でもさすがにそこまでしたくはない

>あ、話しもう終わったから言っていいよ、聞いてくれてありがとねぇ〜」
「……あんたね、まあ、いいけど。それじゃ…」
すべてを見なかったことにしてさっさとトンズラしよう。さすがにこんなやばいことにクビ突っ込んでたら生命がいくつあっても足りやしない。
自分が逃げればしばらくは隊乱闘は完成しないだろうし仮に完成してもこんな大規模なテロ計画ならどこかの一流スイーパーやことによっては神族が出張ってくれるはずだ。
クルッときびすを返すとさっさと部屋を出ようとした……

『うあああああああああああああああ!!!たずげでええええええ!!!!』
(うっさいわね…私にはどうにもできないわよ)
『ぎゃあああああああああああああ!!!あづいあづいあづいいいいいいいいいい!!!』
(はいはい。無事にここ出たら助け呼ぶからそれまで頑張ってちょうだい)
『ママーーーーーー!!!ママーーーーーー!!!!』
(アンタらのママは助け寄越してくれたわよ……あんまりアテにならないけど…)
『いやああああああ!!!!きゃぁああああああああああ!!!』
(大体あんたら助けたって一文の得にも…)
哀れなボンボン共の悲鳴がどうにも後ろ髪を引いて仕方ない。いつの間にかすたこら逃げようとしていたその足が止まっていた。


35 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/06/30(水) 21:58:37   [sage]
(はっ、助ける?こんな世界ひっくり返そうなんて連中のアジトの真っ只中で何しようってのよ?私は……わたしは……)
私は……なんだ?頭の中を一瞬のうちに過去の記憶がめぐったのはあるいは走馬灯の一種だったのかもしれない。
再び向きを変えるとツカツカと機械を操作している端末の方に向かう。
『ん?君もやるかい?デヘヘへ、それじゃ操作方法を教えるねー』
「……」
端末を操作していた白衣の死霊があれこれと説明の始める。
……美月を突き動かしたのは、それは他人から見ればすっごく浅い薄っぺらいものだった。
それを一言で言うならば『見栄』
往々にして見栄っ張りの人間というのは自分はかくあるべしという理想の姿を持っていてたとえ実態が伴わなくてもそうあろうとしたがる。
美月は自分こそ選ばれた人間だと信じていた。美しく強く華麗で優雅でお金持ちでセレブでゴージャスで恋人はイケメンでry
もちろん自分より強いGSがいるのも知っている。自分の手に負えない悪霊や魔族がいるのも知っている。
それでもいつかはそこに届くはずだと頑なに信じて疑わない。夢や希望といえば聞こえはいいが、ドロドロとした物欲と名誉欲に支えられてここまで来た。
その見栄とエゴの塊で作られた彼女の中の『理想の美月さん』が囁いたのだ…!
『こんなヤバイ奴らに一泡吹かせる私って、ちょークールじゃないかしら?』と…!!
アメリカンヤンキーに海に飛び込ませるには『今飛び込めばヒーローになれますよ』といえばいいという、あれだ。

「ポチッとな」
おもむろに端末の可動スイッチをオフにする。プシュー…と音がしてボンボン共を苦しめていた機器の作動が止まる。
『え?』
「え?」
『な、なにしてn』
「あっははははは!!!!GSなめんじゃないわよーっ!!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアアアアアア!!!!」
バイオの次はジョジョになった。鎧の腕がぶち壊れる勢いで端末に文字通りの鉄拳の雨を降らせてベコベコにへこませる。実体があればこうはいかない。
『なっ、こいつ!?っっざけんな!!!ごるあああああああああああああああああああ!!!』
我に帰ったマッドサイエンティスト含む悪霊たちがこんどこそ一斉に跳びかかりあっという間に桜井鎧がアルミの空き缶のようにぺちゃんこに潰される。
しかしそれより一瞬早く鎧の足元から地中を潜って幽体離脱した霊体はわずかの隙をついてに奴らの目を掠めると
ボンボンの霊と融合しかけた妖獣の素体向けて飛んで、すれ違いざまにそれに腕を突っ込んでむりやりに融合を引っ剥がして次々に回収する。

憑依を得意とする美月の能力の応用。
融合を促す端末の停止。
未完成でまだ自我を保ってられるぐらいにしか融合が進んでいなかったこと。
妖獣の素体もそもそもが触媒だけに外部からの干渉を受けやすかったこと。
さまざまな要因が重なってこの荒業を成し遂げさせた。

「おーほほほほほほほっ!!残念だったわねぇ?悪霊ども!アンタらみんなまとめてこのGS桜井が……」
宙空にふよふよと漂い、悪霊どもを見下ろす。その背後には無力で哀れで私に縋るしかないモブどもの子犬のような視線。
「極楽へ、逝かせてあげるわっっっ!!!!」
決まった!まさに正統派女GSの決めゼリフだ。
き、きもちいい……嗚呼、今私は輝いている……っ!!


36 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/01(木) 23:17:50   [sage]
>31-32
飛んで行ったデモンサーカスはハサミを持った妖怪とぶつかった。
「あ」
「結果オーライにゃ」

>「はい!わかったわ、ありみちゃん!私みんなと一緒に楽しみます!
あのー!牧街さん!カフェさん。あと支障さん!私、楽しみます!一緒に楽しませてください!
>「カフェさーん、師匠さーーん、とりあえず乗り物系をコンプリートするほーこーでいきませうよー、あはははは〜〜〜」
サクッと並べて引用してしまったが、暫しのうちに行われた牧街の長い長い逡巡は他人には知る由も無い。
「うむ、皆で楽しもうぞ!」
そう言ってひしゃげたパンダの仲間らしきクマの乗り物に飛び乗った。
通常ならこの手の乗り物は牛のような速度で歩く所だが、ゾンビ村の霊の気合によって猛スピードで走りだす。
向かう先はノスフェラトゥの館では無く、なぜかシャドウバトラーだった。
ありみちゃんが解説する。
「あなた達が入れば心強い助っ人を作れます! シャドウをたくさん作ってください!」
「なるほど、これなら楽しむだけでなく助っ人も作れて一石二鳥というわけか!」
シャドウバトラーの中に入って、シャドウを作り始めるカフェ。
なぜか出てくるシャドウは美少年型ばかり。
「801などと言っておるのは誰じゃ!?
まあよい、我が可愛いしもべたちよ、ノスフェラトゥの館に突入し美月殿を救出するのじゃ!」
妖しげな雰囲気の美少年シャドウ軍団が、ノスフェラトゥの館になだれ込んでいく!


37 : 名無しになりきれ    2010/07/01(木) 23:38:16  
セイントセイヤっぽい美少年軍団・・・だと

38 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/07/02(金) 16:09:17   [sage]
>「カフェさーん、師匠さーーん、とりあえず乗り物系をコンプリートするほーこーでいきませうよー、あはははは〜〜〜」
>「うむ、皆で楽しもうぞ!」

みんなでシャドウバトラーを楽しむことになった。

>「あなた達が入れば心強い助っ人を作れます! シャドウをたくさん作ってください!」
ありみちゃんが解説している。

「まかせてありみちゃん!」
月夜田はせくせくとシャドウを作リ始める。

そしてその人型たちは増殖を繰り返しながら乗り物に乗ったりして楽しく遊び始めた。
シャドウを使っているからなんとなく自演みたいだけど本当のお客さんが
来れるようになるためには今はこれでいいのかもしれない。

>「なるほど、これなら楽しむだけでなく助っ人も作れて一石二鳥というわけか!」
シャドウバトラーの中に入って、シャドウを作り始めるカフェ。なぜか出てくるシャドウは美少年型ばかり。
>「801などと言っておるのは誰じゃ!?まあよい、我が可愛いしもべたちよ、ノスフェラトゥの館に突入し美月殿を救出するのじゃ!」

妖しげな雰囲気の美少年シャドウ軍団が、ノスフェラトゥの館になだれ込んでいく。

>セイントセイヤっぽい美少年軍団・・・

突然聞こえてきた謎の声。

「誰!?」
月夜田は辺りを見まわした。


39 : 牧街 ◇GwyfLokZWa7/    2010/07/03(土) 23:24:27   [sage]
シャドウは自分の霊体を擬人化した物何だから一体しか作れないが、ここのシャドウは本来のシャドウをゾンビ村の機器が観測し、自らの霊力を用いて独自に量産したいわば量産型シャドウなので、大量にいるのである

ノスフェラトゥの屋敷に突入していく絵が他の人のに変わっている美少年軍団
歓声上げて楽しみだす月見田の分身達
悪霊わんさかいるキルゾーンの中で、その光景はなんとも楽しげである

「…私、思っても見ませんでした…閉園になった後に、こんなに…こんなにも心行くまで楽しんでもらえるなんて………私、幸せです!!」

まばゆく光り輝くゾンビ村
そして…

「天馬!流星拳!!」
「コザンしょーーーりゅーーは!!」

パワーアップする美少年シャドウ共
「な…なんじゃあ!?うぎゃあ」
「ほげぇ」
ノスフェラトゥの館を守っていた雑魚悪霊に襲い掛かり、思いもよらないにも程がある連中の襲撃に混乱する悪霊を蹴散らし、進撃する美少年軍団
ゾンビ村の霊がパワーアップした事で、彼等の能力も底上げされているらしく、雑魚を蹴散らし屋敷の地下へ直行していく

「ひゃははははははははははえ〜〜〜〜〜ものじゃあああああああああああああ」
先頭の一団がクギバットの一撃を受けて顔面ひしゃげさせて吹っ飛んだ
同時に、カフェの顔面に凄まじい激痛が走る
シャドウは本体とダメージを共有しているのである
「いっぱいいっぱい殴れるぞ〜〜〜」
館の地下にいたミスタースパイクバットがバットをふるって次々とシャドウを吹っ飛ばしていく
館の地下はあとから作られた物であるため、ここでは悪霊は100%の実力を発揮できてしまうのだ!!
美少年軍団に再度スパイクバットがバットを振るわんとした、その時
何か警察の制服に多少手を加えた感じの制服姿のシャドウの一団が現れ、一斉射撃でスパイクバットを怯ませた
銃と言っても大した威力は無いらしく、最初は怯んだスパイクバットだったが、すぐに体制を建て直し、一斉射撃をもろともせずに前進し、平成ライダーの怪人よろしく一般隊員…もといシャドウ達を次々蹴散らしていく
「ほげら!!」
シャドウを倒され、苦しむシャドウの本体牧街
しかしさすが牧街のシャドウ、多少耐久力があるらしく、やられながらもスパイクバットを何とか押さえつけている
その隙に、カフェのシャドウは屋敷の中を進んで行き、遂に例の超合金の扉の前に到達した!!


40 : ◇GwyfLokZWa7/    2010/07/03(土) 23:36:46   [sage]
「何でもいいからさっさと助けてくれ!!」
「そーーよ御託言ってる場合じゃ無いでしょ!」
格好良く決まった桜井の台詞は、しかしボンボン達の身勝手な言葉で竜頭蛇尾になってしまう
「早く何とかしてくれ!」
「金貰ってんだろ?どうにかしろよ!!」
「あんたGSだろ?仕事しろ仕事!」
とことん身勝手なボンボン達に桜井がイラつく前に、会話を聞いていた研究員の霊が、一歩前に進み出て、ボンボン達に声をかけた
「君達、その女では私には勝てない…しかし…」
にやりと笑う研究員の霊
「そいつを押さえつけて隊乱闘に融合させるのを手伝ってくれたら君達は解放してあげよう」
その悪魔のささやきに、ボンボン達は…
「おらぁ!てめぇ大人しくしろやぁ!!」
「許せ!許せ!」
「俺は死にたくねぇえええええええ!」
あっさりのってしまった
桜井の霊をボンボンの霊達が押さえつけ、そこに研究者の霊が一気に近づき、桜井の頭をわしづかみにする!
「ふふふふふふふふ…隊乱闘完成の時が来たぞ…」
研究者が快心の笑みを浮かべたその時!
「天馬彗星拳!!」
超合金の扉の向こうから科学では説明のつかない連中がなだれ込んできた!!

「え〜〜いこれ以上ジャマされてなるかい!!」
「やっちまえ!!」
たちまち研究員の悪霊達と乱闘になる美少年軍団
流石地獄の悪霊、美少年軍団を次々蹴散らしていく


41 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/07/06(火) 22:28:08   [sage]
>>40
(こ……こいつら…いっぺん死なせてやろうかしら…)
せっかくいい気持ちでヒロイン気分に浸っていたのを台無しにされて美月のこめかみにピクピクと青筋がうかぶ。
早くも助けなけりゃよかったとの後悔が怒りへと変わり、いつものように怒鳴り散らしながらビンタの一発でも入れて改めて感謝の声を挙げさせてやろうかとした矢先に研究者の霊に入れ知恵をされたボンボンどもがあっさり裏切る。

>「おらぁ!てめぇ大人しくしろやぁ!!」
>「許せ!許せ!」
>「俺は死にたくねぇえええええええ!」
「ちょっ、この…あんたらどこまで恩知らずで馬鹿なのよ!?放しなさいって…ああ、もうっ、こら、洒落なってな…って、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
あまりの変り身の速さに逃れる隙もなく抑えこまれ、頭から隊乱闘に突っ込まれようとしたまさにその時だった!

>「天馬彗星拳!!」
>超合金の扉の向こうから科学では説明のつかない連中がなだれ込んできた!!
ちょっとコスモを感じさせる一団と悪霊たちとの大乱闘。あたりはあっという間に混乱をきたす。
そのどさくさにとりあえず隊乱闘との融合の危機から逃れた美月は

「こんのクソガキどもぉぉぉ!!そのふざけ根性たたき殺してやるわよっっっっ!!!」
『ひぃぃぃ!!?ちょ、まっ、話せばわがぶふぅ!?』
ボンボンどもの霊とこれまた大乱闘を繰り広げていた。女の子の霊をつかまえるとマウントポジションから小気味良くパンチを叩き込む。
ちなみに少年漫画では女の子はグーで殴ってはいけないことになっているので良い子は真似しないように。
ひとしきりぶん殴りボロ雑巾のようになった哀れな女の子を投げ捨てると怒りに輝く眼で残りのボンボン共を睨む。

『ひぃぃいぃぃぃい!!!悪魔だーーーーっっ!!』
『ママーーーーーー!!!!』
「逃がすか、このボンクラがぁぁぁ!!」
乱闘する一団の上を飛び越えて扉の外に出たどら息子の霊の襟首を引っつかむと力いっぱい逆方向に投げ飛ばす!
“ひゅぅぅぅぅぅぅ…………すぽっ♪”
「……あ゛」
ど真ん中ストライク。見事に隊乱闘に直撃してそのまま吸い込まれた。
(だ、大丈夫よね?霊能力者の魂じゃないと使えないって言ってたし……そんな、ねぇ?)
“……プシュー……ドックン……ドックン……”
美月の希望的観測もむなしく隊乱闘は元気に鼓動を打ち始めた。
一般人の魂では完成はしないにしてもそれなりには反応するのだろうか?
とりあえずこのまま覚醒されれば決していいことはなさそうだ。特に今現在の隊乱闘の中の人をボコった美月には。


42 : 名無しになりきれ    2010/07/06(火) 22:33:28   [sage]
椎名先生車田先生の真似巧すぎ

43 : 名無しになりきれ    2010/07/09(金) 00:00:52   [sage]
>39
>「ひゃははははははははははえ〜〜〜〜〜ものじゃあああああああああああああ」
「ぎゃあああああああ!!」
「がんばれにゃ〜」
絶叫しながらのたうちまわるカフェと他人事のように激励する師範。
なんで師範はシャドウを作らないかというと痛いのが嫌だから……もとい
機械が化け猫には対応してないとかそんなところだろう。

>41
不慮の事故によってボンボンが隊乱闘に吸い込まれた。
マッドサイエンティストの霊が頭を抱えながら絶叫する。
「なにしてくれるんじゃあああああ!! ボンボン融合させてどーする!?」
実験失敗で絶望するマッドサイエンティストを余所に
じゃじゃーん! と効果音が鳴り響かんばかりに、鯛の半魚人みたいな謎の物体が爆誕した!
「何これ!? 前見えないんですけど!? ぎええええええええ!」
一方、半漁人は半狂乱で暴れ始めた! 隊乱闘ならぬ鯛乱闘だ!

>42
さて、こちらはたくさんいる量産型シャドウの中に一体ある本体シャドウ。
そのシャドウが謎の声を聞いた。>38の声と同じものだ。
>椎名先生車田先生の真似巧すぎ
「……?」
謎の声に導かれるかのようにふらふらとそっちへ行く。
そこには瓶のような形をしたオブジェがあった。
――私の名は霊衣黒酢《クロズ》……喫茶店の娘のシャドウよ、あなたを私の使い手と認めます!
そりゃあの喫茶店のことだからメニューに黒酢を取り入れているかもしれないけどそんなの関係ないだろ。
というツッコミをする者も無く、オブジェが変形して本体シャドウを覆っていく。
次の瞬間、本体シャドウは黒を基調とした“ぼくの考えた最強の鎧”のような霊衣を装着していた!
まさかこれが本章開始時に師範が探しに行っていたという噂のオーパーツなのか!?

「食らえ! 濃縮サンバイズ!」
鯛の化け物が暴れている所に本体シャドウが意味不明な技名を叫びながら乱入し、事態は混迷を極める!


44 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/09(金) 00:02:11   [sage]
師範「名札つけ忘れにゃ〜」

45 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/07/09(金) 20:56:30   [sage]
「セイントセイヤっぽい美少年軍団・・・だと」
月夜田は見回したけど気のせいみたいだった。

>「…私、思っても見ませんでした…閉園になった後に、こんなに…こんなにも心行くまで楽しんでもらえるなんて………私、幸せです!!」
まばゆく光り輝くゾンビ村。
「私も幸せよありみちゃん」にっこり微笑む月夜田。
でも次の瞬間になって月夜田はびっくりした。
ゾンビ村の名誉会長「車田先生」の巨大石像(全長50メートル)が突然動き出したから。
よーするにゾンビ村の元気が出過ぎたのだ。
「もぎゃー!!」ずーん!ずーん!
「わしのしまであばれとるもんはどこのどいつじゃああい!!」見事な男弁。
車田はノスフェラトゥ館を「ふー」ってして吹き飛ばすと穴を掘って中にいる人たちを見つけた。

>『ひぃぃいぃぃぃい!!!悪魔だーーーーっっ!!』
>『ママーーーーーー!!!!』
巨大車田はギョロギョロと地下の中を覗いている。

>椎名先生車田先生の真似巧すぎ。とまた不思議な声がした。
それは当然。だって車田先生の石像なのだから。

月夜田はショッキングな出来事に呆けてシャボン玉の歌を歌っている。彼女はこんなときどんな顔をしたらよいのかわからなかった。
>「食らえ! 濃縮サンバイズ!」
暴れる鯛の化け物にかけられる濃縮三杯酢。鯛乱闘は満遍なく酸っぱくなった。

混迷を極める戦況にありみちゃんが叫ぶ。
「やってー!そこにいるのは私たちを苦しめた悪霊たちなの!やっつけてー!!」
「…う…が…ご…」ギロ!!悪霊たちを睨みつける巨大車田。
「へへ…そうよ…だってあの人は半分車田なのよ…」
「ウガーーーーー!!いっただきまーす!!」ぱくりと鯛乱闘を摘んで食べる巨大車田。
「ぶえ!!腐ってやがる!!」すぐ吐き出した。腐っても鯛乱闘とはいかないみたいだった。


46 : ペイン ◇G3XR0B2..w    2010/07/09(金) 23:31:55   [sage]
神羅天征!
(まわりのものを破壊し始める。)


47 : 牧街の代理投稿    2010/07/10(土) 22:14:41   [sage]
ズガーン
ドズーン
チュドーン

「は!?俺は一体」


気がつくと、牧街は廃墟で瓦礫の中に寝転がっていた


周囲を見回してみると、かつてゾンビ村だったアトラクション類は完全に廃墟と化しており、空を見れば無数の魂が天へと昇っている真っ最中…

(えーと…何があったんだっけ?)
頭をぼんぼん叩きながら記憶を辿ってみる
ノスフェラトゥの館の地下を攻撃して地下室を露出させる巨大石造
何か食われる怪物
恐らく動力炉らしい物がそこで持ちこたえられず大爆発開始
地盤がやられたらしく崩れるゾンビ村に更に地下から全くよくわからん変な物が出現して追い討ちをかけ……

(こーなってしまった、と)
ギャグ漫画のラストは爆発オチを体現したような状況に、牧街は頭をぽりぽりとかき…

「皆〜〜〜〜〜〜大丈夫かああああああああああああああああああ」

慌てふためいて瓦礫の中に埋もれてしまったろう他の面子の救助を開始する
どかせる瓦礫をどかし、砂をかきわけ地面を探す牧街
「牧街さん!ご無事だったんですね!」
「あ!…良かった…本当に…」
「ありみさんにゾンビ村の霊さん!」
そこに元々霊なので肉体である遊園地本体が壊れても平気なゾンビ村の霊と、ありみちゃんが合流し、救助作業を手伝ってくれる
「ごめんなさい…私が…私が頑張りすぎちゃったばっかりに…」
「いや…名無しさんの呟きや唐突に出てきた何かを旨くさばききれなかったばかりかこのスレとこのキャスティングでシリアスっぽいバトルをやろうなどと考えた俺にも問題があるよ…」
「は?…あの…牧街さん?」
どうやら牧街はまだショックが抜けていないらしい…


【ごめんなさい、爆発オチにしました。 ごめんなさい、もうシナリオ考えようなんて思いません許してください】


48 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/07/12(月) 23:16:24   [sage]
>>47
「だあぁぁぁぁ!!?もう!ちょっとぉ、いったい何がどうなっているのよ!?」
ぶち壊される地下室の天井。そこからまるで大魔神のような巨大な車田像が現れて鯛が三杯酢で美味しくいただかれる。
もはや誰に殴りかかるべきかもわからない。
地下に封印でもされていたのかなんだか訳の解らんものまで現れて、破壊活動を始める始末。
さすがの美月も頭を抱え込んでしまう。
そしてついに轟音と共に辺り一帯が爆発に巻き込まれ吹っ飛んだ!

―――
――

(あぁ、光が見える……あそこに行けばいいのね……よかった、私、天国にいげべぅ!?)
その他の霊たちと共につい一緒に成仏しかけるがなにか見えざるものの巨大な手により顔を張り倒されて再び地上に落下させられる。

>「皆〜〜〜〜〜〜大丈夫かああああああああああああああああああ」
そこでは牧街やありみちゃん、それにゾンビ村の霊が必死の救出作業に励んでいた。
「はいはい、ここにいるわよ。ったく、とんだ骨折り損よね。あー、私もう帰るから……って、あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁーーー!?わ、私の体!まだ埋まりっぱなしじゃないのよ!」
そう、まだ美月は幽体離脱したままで肉体は地下の霊安室の棺の中である。このままでは、綺麗に埋葬されてしまうのだ。
「掘りなさい!全力で!このままじゃ私が美神さんポジションからおキヌちゃんポジションになっちゃうじゃないのよ!!」
もちろんいうまでもないが彼女はもとから美神さんポジションでないし、おキヌちゃんポジションになるには清楚さとか控えめさ、可憐さや良識その他が著しく欠如している。
女の浮遊霊なら誰でもなれると思ったら大間違いだぞ!

『あぁ……綺麗…』
『よかった…みんな楽しんでくれたのね…ここが閉鎖してからこんなに楽しい日が来るなんて…』
「こらソコ!!なに黄昏てんのよ!!チャッチャと手を動かすっ!!」
茜色の夕映えを背景にいくつもの霊魂が空へと帰ってゆく。その光景はどこか幻想的で…瞳を潤ませて感慨にふけるありみちゃんたちとその傍らで必死に自分(の肉体)探しを続ける強欲スイーパー。
全てを飲み込んでゾンビ村の一日は穏やかに暮れる…。

【いえいえ。ナチュラルボーンウケミンの自分は牧街さんのリードに乗っかりっぱなしでしたしね】
【爆発オチも含めて私は全然アリですよw】


49 : ペイン ◇wHhnxkGp5E    2010/07/13(火) 21:11:14   [sage]
俺は長t・・いや、ペインだ。
ここには尾獣はいないようだな・・・
さあて、次はどこにいこうか・・・
ゾンビ村に住んでいるゾンビって、バイオハザードみたいにウィルスによって
ゾンビになっちゃったものの集まりなのか?


50 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/13(火) 23:41:21   [sage]
>45
しゅぽっ!
吐き出された拍子にボンボンが鯛から抜けた! 着ぐるみのように埋まっていたようである。
確か初期のスレルールに”人死にはなし”と書いてあったので、それのおかげかもしれない。
スレルールとはあらゆる事象の根底にある世界法則のことである。

>46-47
ほっとする間もなく、謎の人物が現れ周囲を破壊しはじめる。
そして大爆発が巻き起こった!
「なんじゃああああ!? まあかお主が妾のシャドウか!?」
爆発地点から出て来たシャドウが問答無言で本体に戻る。

「……。クエン酸元気百倍!」
すぐさま良く分らない技名を叫んで凄い勢いで救出活動を始めるカフェであった。

>『よかった…みんな楽しんでくれたのね…ここが閉鎖してからこんなに楽しい日が来るなんて…』
師範が天に昇っていく魂を見上げながら適当にそれらしい解説をする。
「良かったにゃ〜、みんなが心から楽しんだから
ここに縛られていた霊達は成仏できたんだにゃ〜。
マッドサイエンティストの悪しき計画も爆発と一緒に吹っ飛んだにゃー!
オーパーツらしき物も見つかったにゃ」
無理やりまとめた感前回である。

>「こらソコ!!なに黄昏てんのよ!!チャッチャと手を動かすっ!!」
「分かっておるぞ! うをおおおおお!!」

>49
破壊活動をした謎の人物が謎の言葉を口走っている。
「ウィルス!? 何をいっておるのじゃ? 責任とって救出手伝えい!」
こうして、ボンボン達や美月の体もきっと救出された事だろう。
一体この人物の正体は何なのか!?
壮大な謎を次回に残しつつめでたしめでたし!?


51 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/13(火) 23:54:40   [sage]
>>47
【今回も楽しませてもらった! これからもどんどんシナリオを考えてくれ!
どうせ予定通りに行く事はない故何も気にせずともよい!】
【バカ弟子が! 脱線するのは誰のせいにゃ!】
【皆さん今回もありがとう&乙でしたー!】


52 : ペイン ◇wHhnxkGp5E    2010/07/14(水) 14:18:13   [sage]
俺は暁という組織のリーダーだ。この組織は自分でいうのもなんだが、S級犯罪者の集まりだ。
救出を手伝え?しょうがない・・・

万象天引!(瓦礫にうもれた人々や、魂が抜けている体を全部ひきよせる)
ほら、医療に携わっているもの、もってけ。魂は元の体に入るんだな・・・
暑い・・・。アイスでも買いにいくか・・・


53 : 名無しになりきれ    2010/07/14(水) 14:40:39   [sage]
ここはサンデーの領域だジャンプは帰れ

54 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/07/14(水) 15:28:22   [sage]
大爆発。魂の昇天。真っ赤な夕焼け。

夕陽をあびて月夜田みことはシャボン玉の替え歌をうたっている。

「魂〜とんだぁ〜天までとんだぁ〜♪牧街の心もぉ〜壊れて消えたぁ〜♪」

ちょっと音痴だった。

>『よかった…みんな楽しんでくれたのね…ここが閉鎖してからこんなに楽しい日が来るなんて…』
>「良かったにゃ〜、みんなが心から楽しんだからここに縛られていた霊達は成仏できたんだにゃ〜。
>マッドサイエンティストの悪しき計画も爆発と一緒に吹っ飛んだにゃー!オーパーツらしき物も見つかったにゃ」
>俺は長t・・(中略)ゾンビになっちゃったものの集まりなのか?

「ふえ?じゃあ私は今まで閉鎖したおばけ遊園地で遊んでいたってことー?
こ、こわい!それって宿屋に泊まってて翌朝目が覚めたら、お墓でしたみたいなことじゃない!」

月夜田は終わってみてやっとわかってきたみたいだった。

血のような真っ赤な夕焼けの下。
大爆発で首だけになって転がっている名誉会長車田先生の白い生首石像も
みんなを見つめながらニヤニヤと笑っているように見えた。

背後には夕陽を受けて妖しく光る真っ赤な満月が浮かんできている。

もう、すぐそこまで夜は来ていた。

【皆さんおつかれさまでした!】


55 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/07/17(土) 21:53:00   [sage]
【皆さん、弱音はいて申し訳ありませんでした。爆発オチが何とか受け入れてもらえたようで幸いです
これからもこんな自分ですがどうかよろしくお願いいたします】

どうにか埋まっていたボンボンを救出し、牧街はふーっとため息をつく
ボンボン達は体に戻ったもののまだ気絶しており、恐らく目が覚めれば全て忘れているだろう
桜井の体は見つからなかったが、まぁ、もう遅いので後日重機で掘り返す事に……

…い、いや、待て、大丈夫大丈夫、掘り返す、掘り返しますからカメラの方を鋭い目つきでにらむのは勘弁してください

桜井の体を捜し、途中牧街が串刺しに成った女のマネキンと桜井の体を間違えたりしつつ
よく考えて見リャシルバーコード(霊体と体を繋ぐ糸)をたぐりゃあすぐ見つかるときづいて何とか桜井の体を発見し
すっかり冷たくなった桜井が復活する


「皆さん、本当にありがとうございました。もう思い残す事はありません…本当にありがとうございます」
全員の無事を確認したゾンビ村の霊は、心底幸せそうな柔らかい笑みを浮かべて、悪霊達の魂と共に天界へと昇っていく
「ありがとうございました〜ゾンビ村さ〜ん」
心からのお礼を述べ、牧街は手を振って彼女を見送った

昇天する魂たちを見送り、さて帰ろうとなったとき、牧街は大変な事に気がついた
「車が定員オーバーで全員乗っけてく事ができませんね…えぇ」
牧街の車はせいぜい5人乗り
桜井に輸送を手伝ってもらっても、全員運ぶ事はできない
「あ、じゃあ僕が要救助者の皆をふもとの病院へ連れて行くニャ」
と、そこでカフェの師匠が気絶した要救助者の輸送を名乗り出てくれた
「けどどーやって?」
「携帯はこんな山の中じゃ使えニャいから猫タクシーはつかえニャいけど」
ぼんっと煙に包まれる師匠
「僕が猫マイクロバスに変身すれば万事解決ニャ!」
小型バスに変身した師匠に、要救助者を詰め込み、7人全員を入れて、満席にする
「他のみんニャとカフェは車で帰ってくれニャ!それじゃ僕は先に戻るニャ」
「はい、ありがとうございました。お疲れ様です、えぇ」
そう言って、カフェの師匠は凄まじい跳躍力で麓へとすっ飛んでいった


56 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/07/17(土) 21:53:43   [sage]
「そんじゃ、俺等も帰りましょう」
そう言って、カフェ等を伴い、牧街がゾンビ村から出て、自分の車に乗り込んだ
その時

『お仕事ご苦労様、ゴーストスイーパーの皆さん』

車のカーラジオから、あの笑顔の仮面の声が聞こえてきた
「こ…これって…」
嫌な予感しかしない牧街が全身から汗をだらだら流す中、声は言葉を続ける
『つまらない物だったとはいえ、僕の計画を見事叩き潰した君達に、僕から贈り物があるんだ』
「いやいやいやいや!いりません!いりませんです!えぇ!!」
『そういわずに、彼等も受け取ってもらいたがっている』

その言葉と共に、ゾンビ村の瓦礫が吹き飛び、一輪車に乗り、鋏とクギバットで武装した四つ目の白衣姿の化け物が現れた!!

『ブチ殺しでやる!!ゴーストスイバアアアアアアアア』
得体の知れない化け物はバットを振りかざし、ハサミを鳴らしながら、深い憎悪に満ちた声でそう雄叫びを上げた!!
「きゃあああああああああああああああああああ」
そのおぞましい姿に、悲鳴を上げるありみ…ちゃん?
「はへ?どうかしました?」
「……いや今それどころじゃねぇ!!逃げろオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおお」
牧街は素早くエンジンをかけ、どうやら全員牧街か桜井のどちらかの車に乗り込んだらしい事を気配で察し(確かめている暇は無い)
アクセル全開でゾンビ村から出発する!!

逃げる牧街等を追って、怪物は一輪車をすさまじい速度でこぎだし、進路上にあったゾンビ村の柵を大ジャンプで飛び越え、走る二両の車を猛スピードで追撃し始めた!
「後ろの誰か!霊体ボーガンがあるんでそれを使ってください!」
「は!はい!」
必死に運転しながら、叫んだ牧街の声に、同乗していたありみちゃんがすぐに答え、霊体ボーガン(矢に霊力が篭っているためGSでなくとも使える)を用いて、追撃してくる怪物を狙い打つ

『ゲゲゲゲゲゲゲゲーーー!グギャアアアアアアアアアアアアグッゲゲゲーーーーー!!』
怪物は左手の鋏で飛んでくる霊体ボーガンの矢を切り落としてしまった!
更に怪物は速度を上げ、車両に徐々に近づいてくる
「あ…あわわわ…わ!?」
怪物にビビル牧街は、急カーブにハンドルを取られそうになるが、何とか曲がりきった
だが、まだまだまだ麓まで道は遠く、山道ゆえカーブが多く、更に日は沈み、視界も悪い
応援を呼ぶこともできるが、来るまでにかなり時間がかかるだろう

ゾンビ村事件、最後のデスレースが幕を開けた!!

【つーわけでもー少しおつきあいくださいw】


57 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/07/17(土) 22:08:50   [sage]
【モンスターデータ】
劣化隊乱闘
知能 科学者の霊が合体しているが怒りで完全に我を忘れている
特徴 デモンサーカス、Mrスパイクバット、紅バサミの霊体の破片と、科学者達の霊が隊乱闘の残骸とテロ魔族の力で融合した姿
右手にコンクリートも粉砕するスパイクバット、左手に鉄も切り裂く血染めの鋏を持ち、足の一輪車で高速走行できる
耐久力も高く、一千万円以上の破邪札でなければダメージを与える事はできない

もともとの隊乱闘は実は天界の主神と単独で戦える程の代物では無く
東京での虐殺による破壊と混乱のみがテロ魔族の真の目的であり、そのため本当に人間がどうしようもないほど強い妖獣では決して無いのだが
それでも並みいるGS達を蹴散らせる実力は持っていた
しかしゾンビ村のラストの大騒動で大分ダメージを受け、元になる霊体がボロボロになってしまっていた、が、デモンサーカス等が逃げた際に残った霊体片をテロ魔族が回収し、生き残っていた科学者の霊達と一緒にくっつけエネルギーを送ることで、一応再生した
戦闘能力は勿論完成した隊乱闘に比べれば当然見劣りするが、それでもかなり強力な妖怪である


58 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/19(月) 23:01:57   [sage]
>54-57
要救助者をなんとか救出し、背景にはエンドロールが流れ始めていることだろう。
「気を抜いてはいかん。家に帰るまでが依頼じゃ」
小学生の遠足のような事を言っていると、それが現実になってしまった。

>『お仕事ご苦労様、ゴーストスイーパーの皆さん』
そう、映画でお約束の最後の10分のもう一騒動である!
「何!? そうきたか!」
意外且つ王道の燃え展開に感心している場合ではない。

>『ブチ殺しでやる!!ゴーストスイバアアアアアアアア』
>「きゃあああああああああああああああああああ」
「むむ? なぜにありみちゃんだけ成仏してない?
まあいいかぎゃああああああああああああああああ!!」
いろいろ混ざったようなのが襲ってきた!

「霊衣ブラックビネガー、イークイップ!」
適当な掛け声と共に、“僕の考えた最強の鎧”をまとったような姿になったカフェ。
ただし掛け声を微妙にカタカナ化して一見まともっぽく誤魔化している。
「なるほど、黒酢を自由に操る能力を持つ霊衣か!」
と一人で解説している。
ある意味すごいといえばすごいが……こんな時になんたる役に立たないオーパーツであろうか。
というかこんなしょうもないオーパーツがあるのだろうか。
が、一つだけ希望が持てる要素があるとすれば……酢は古来より魔除けに使われていたという!
そう思ってみればシャドウが完全ギャグで技を放った時も微妙に効いていたように見えない事もないし(?)
いつぞやのお茶の時と同じネタだが、殺菌作用のあるものは大抵魔除けに使われていたと思っていいようである。
「アシッドショット!」
突き出した掌から、黒酢の高圧水流が隊乱闘に放たれた!


59 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/07/19(月) 23:13:12   [sage]
カフェさん、その前にどっちの車に乗り込んだか書いてくださいな
それによって描写が変わってきますんで
月夜田さんもお願いしますね


60 : 名無しになりきれ    2010/07/20(火) 20:27:01   [sage]
保守

61 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/21(水) 22:49:00   [sage]
>>59
すいません、失念してました!
なんとなく牧街さんの車のつまりだったんですがこれだとどっちでもとれますね。
折角なのでこの書き込み秒数の下1けたが奇数だったら牧街さん、偶数だったら桜井さんで!


62 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/21(水) 22:50:41   [sage]
【というわけで桜井さんの車で!】

63 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/07/22(木) 14:54:30   [sage]
>「そんじゃ、俺等も帰りましょう」
と言って牧街が粗大ゴミの中に入って行く。月夜田にはそう見えた。目をごしごしする。

「車?それ車!?」

びっくりしながらも月夜田は牧街の車に乗る。

「私あっちのピカピカの車に乗りたかった…ぴかぴかのくるま…」

月夜田の頬に涙がつたる。涙でお空のお月様がぼよぼよに見える。

悲しみと一緒に車は走り出した。ぶぅーん。

途中色々あって、気がつけば追いかけてくる劣化隊乱闘に黒酢の高圧水流が放たれている。

ああ…世の中、黒酢なのだ。黒酢さえかけていればなんとかなるものなのだ。
月夜田はそう自分に言い聞かせると窓を開けて白いハンカチをふる。

「さようなら…ゾンビ村…さようなら…」

するり…月夜田の手からはなれたハンカチが宙に舞う。

ハンカチはふわふわと漂うと黒酢攻撃を受けている劣化隊乱闘の顔面にペタリとかぶさりその視界を奪う。


64 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/07/23(金) 07:46:50   [sage]
「あぁぁぁぁっっっ!!!ホンットにしつっこいわね!なんだってのよ!?おとなしく成仏すればいいじゃないの!!」
カフェを乗せた美月のオープンカーがギョインギョインとタイヤをきしませながら必死で劣化隊乱闘の追撃を振り切ろうとするがさすがにそう簡単にはいかないようだ。
唸りを上げるハサミが、釘バットが車体をかすめアスファルトを抉り取る。明らかに危険なスピードだが、かと言ってこんな大層なのと車を止めてやりあうなんてゴメン被りたい。

>「霊衣ブラックビネガー、イークイップ!」
>「アシッドショット!」
>突き出した掌から、黒酢の高圧水流が隊乱闘に放たれた!
「…なんだか、カッコいいのかなんなのかわからない能力ね。とりあえずあんまりお酢で車汚すんじゃないわよ?」
漆黒の霊衣を纏う美しき女聖闘士が浄化の聖水を放つ。猛き奔流がおぞましき怨念と憎悪に燃える醜悪な怪物を常世の果てまで押し流さんと襲いかかる!その様はさながら地獄から呼び出された黒龍の顎が贄を求めるごとくっ!!!111
とか中二っぽく書けばカッコよさげだが実際は黒酢をぶちまけているだけ。それでもそこそこの効果はあるのかもしれない。。
ちなみにまだ美月はカフェの纏う微妙な外見と性能のこれがオーパーツだと気づいちゃいない。知らぬが仏である。。

『まだまだぁぁー!!!貴様ら全いフゴっ!!?』
>「さようなら…ゾンビ村…さようなら…」
>するり…月夜田の手からはなれたハンカチが宙に舞う。
>ハンカチはふわふわと漂うと黒酢攻撃を受けている劣化隊乱闘の顔面にペタリとかぶさりその視界を奪う。
『もごぉ!?ぶふっ、ちょ、取れねぐはぁぉうっ!!』
黒酢を吸って顔にベッタリと張り付いたハンカチは隊乱闘の目に地味に酸を染みこませさらにダメージを与える。気の毒なことに両手がハサミと釘バットでは取ることもできない。
そのままカーブに差し掛かるが当然見えてないので減速すらせずに一行を追い越して思いっきりガードレールにぶち当たった。

「この間合もらった!カフェ、しっかり掴まってなさいよ!マリカーの記録ホルダーの腕前見せてやるわっっ!!」
マリカー。正式名称・真理子カート。鬱憤の溜まった主婦の真理子さんがカートにのって行く手を遮るありとあらゆる者を撥ね飛ばし、火だるまにし、蜂の巣にしながら街中を疾走するというヒャッハー系バイオレンスカーアクションゲーム。
一部に根強い人気を持つが内容があまりにアレなので最近年齢制限がついたらしい。そんなものを記録出すまでやり込むなんてよほど仕事のない三流にしかできないことである。

『お゛ぉぉぉ…ぐぅ、キサマらぁぁー…んなっ!?』
「くらいなさい!!トルネードドリフト当て逃げクラーーーッシュ!!!」
“ギョリリリリリィィィィイ!!どごっしゃぁぁぁん!!"

すさまじい速さで回転する車体が正確に劣化隊乱闘を撥ねてカーブを曲がり切る。
しょっぱなでありみちゃんを撥ねたのとはワケが違う。明確な殺意を持ったアタックは隊乱闘をガードレールの向こうの崖下にまでふっ飛ばした!

「……ま、これぐらいじゃまだ死にやしないでしょうね…ちょっと牧街!?あんたら札いくら持ってきてる?こっちの手持ちは二千万ぐらいだけど…あのボンボンども助けたの私なんだからココはそっちが多めに出すべきよねぇー?」
バックミラーで劣化隊乱闘の落ちていった崖をチラッと確認すると疾走する牧街の車に寄せ、なびく髪を抑えながら大声で呼びかける。
もともと悪霊退治が目的で来ていただけにそれなりに多く持っては来ていたので、助手席に積んだカバンの中に入れた数十枚を全部ひっくるめたら大体それだけの金額分になる計算だ。
比較的些細な霊力で爆発して霊体にダメージを与える定番アイテムの札は、その金額が高いほど威力も高いという分かりやすさ。
美月のような三流スイーパーは一撃に一千万円なんてコストを掛けてられないし、そんなものが必要なほど危険な相手と戦うこともない。
カバンの中は安いものでは数十円単位、高くてせいぜい百万円程度のをぎっしりの質より量を地で行く品揃えとなっている。
命の駆け引きの最中に仕事のコストまで計算しなければならない世知辛さが何とも言えず物悲しさを感じる商売である


65 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/07/24(土) 02:15:11   [sage]
(こ…こいつ…どーゆう教育の仕方されてきたんだ…そんなに向こうが良けりゃ向こう行きゃよかっただろーが!この糞娘が!!)
人様の車に乗せてもらって逃げている分際で好き勝手ほざく月夜田に、逃げながら密かに怒りを燃やす牧街
と、そこで牧街は根本的な事にようやく気がついた
(この娘……何で一人であんなヤバイとこにいて今まで無事でなおかつ閉園していた事すら理解できん程に楽しめていたんだ?)
頭の中に一瞬浮かんだ疑問は、しかし山道ハイスピード運転と後方から迫る隊乱闘の恐怖にすぐにどうでもよくなる
(この娘〜…頭〜…頭…あーーー)
>「さようなら…ゾンビ村…さようなら…」
(これだけ緊迫した場でなんでこーゆー事考えられるんだ!?………そうか!頭の中に、爆弾が!!)
月夜田の余りにぶっ飛んだ神経に、牧街は何かチャージマンな結論にたどり着く
焦りと恐怖とその他もろもろで思考回路が既にいかれているようだ

そんなチャージマン・モリオが誕生した脇で、隊乱闘は谷底へと落下していく
>「……ま、これぐらいじゃまだ死にやしないでしょうね…ちょっと牧街!?あんたら札いくら持ってきてる?こっちの手持ちは二千万ぐらいだけど…あのボンボンども助けたの私なんだからココはそっちが多めに出すべきよねぇー?」
「へ!?あ、ボルガ博士、お許しください!」
「ちょ!牧街さん!」
桜井の言葉に、突発的に月夜田を排出しようとした牧街を、ありみちゃんが慌てて止めにかかり、そこで再び牧街は我に返る
「は!?俺は一体」
「しっかりしてください!」
「そうだそうだ、札、札札、あの化け物がまだ生きてっから応戦を…」
そう言って持ってきたリュックサックをあさった牧街は、取って置きの武器を発見した
「対戦車超強力…これだ!4枚、これ全部叩き込めば!」
免許更新試験の際に融合悪霊に対して叩き込んだ、対戦車超強力の破邪札である
牧街も破邪札にかける金にかけてはどっこいどっこいだったが、この切り札の破邪札は恐山師範が独自に開発し、売り出そうとして失敗したとかで在庫を格安で牧街等配下のGS達にばら撒いた物であり
当然牧街も無理矢理、しかも他のGSらより多く買わされたMSでいうギャンとかヅダみたいなものなのだが
ギャンやヅダが使い勝手悪いが高性能なように、この破邪札も威力は抜群に良く、破壊力は二千万円級の破邪札にも匹敵する
「…ダメだ!俺は両手ふさがってるし他に使えそうなメンバーいない」
だが、この対戦車超強力破邪札には大きな欠点がある
それは、通常の破邪札が霊力微弱な人間でも起爆可能なのに対し
この対戦車破邪札は至近距離で強力な霊力の一撃を放ってようやく起爆する
即ち、悪霊に肉薄しなければ使えない、まさしく霊的格闘術家、それも頑丈にできているような奴にしか使えないような代物なのだ
桜井は運転しなければならず、見るからに華奢なカフェには使えそうにないし、民間人の月夜田では霊力が足りない…いやそれ以前に民間人を危険にさらしてはならない、原則
「えーと他には……あーーーえーーっと………ダメだ!戦う何てやっぱむ……そうだ!!戦うのは無理だ!!」
必死に道具を探していた牧街は、やがて何か吹っ切れたように大声で叫んだ
何事か、遂に黄色い救急車の世話にならなきゃならんのかと周りが彼を見たとき、彼はそこでコロンブスの卵的解決方法を叫ぶ

                  「この道逆走すりゃいいんすよ!!!」


66 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/07/24(土) 02:34:26   [sage]
牧街が唱えた作戦
それは隊乱闘がどうせこの先で待ち構えているなら
引き離している現状で逃げるルートを変更し、差がついた状態で逃げ切ろうという何かチャチな作戦だった



一方山のふもと付近、GS達の車が降りてくるルートにある道路の真ん中
やはり無事だった劣化隊乱闘は、そこから再びGS等を襲うべく走り出していく
下山する先から隊乱闘が襲ってくる以上、最早GS達に戦う以外に道は無い

『さぁ…絶望の中でミンチになるがいい!!』

そう言って隊乱闘は進路上でこちらに向かって走っているはずのGS達目掛け走り出す


67 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/07/28(水) 21:58:54   [sage]
>64
>「くらいなさい!!トルネードドリフト当て逃げクラーーーッシュ!!!」
「やった……か!?」
“やったか!?”と言った時はやれていないと相場が決まっている。
その例に漏れず隊乱闘は一行の行く先にて殺る気満々で待ち構えるのだった!
一同の運命やいかに!?

>65
>「この道逆走すりゃいいんすよ!!!」
追い詰められた時に発揮される牧街の機転が発動した!
「なるほどお! 美月殿、マリカーの記録ホルダーの腕前でUターンじゃあ!」
そして自らは隊乱闘の足止めをするべく技を放つ!
「アシッドレイン!」
隊乱闘が追ってくるであろうルート上に酸の雨が降り注ぐ! というと格好いいがやっぱり黒酢。
効果があるのか無いのか相変わらず分からないが、ハンカチが張り付いたようにただの水と同じ効果はある!
少なくとも足場が悪くなるのは間違いない。


68 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/07/29(木) 16:23:52   [sage]
>(こ…こいつ…どーゆう教育の仕方されてきたんだ…そんなに向こうが良けりゃ向こう行きゃよかっただろーが!この糞娘が!!)

「あれー…牧街さん。むらむらしてます?こわいかおー…」
むらむらではなくてメラメラ。

「牧街さんって情緒不安定みたいなので、ありみちゃんと二人っきりにすると
死淫とかしそうなんでこっちに乗ってあげたんですよー」

それを聞いたありみちゃんは時間のたったお餅みたいな感触のホッペをまっかにさせている。

二台の車を追いかけてくる隊乱闘。

>「くらいなさい!!トルネードドリフト当て逃げクラーーーッシュ!!!」
>“ギョリリリリリィィィィイ!!どごっしゃぁぁぁん!!"

桜井の華麗なひき逃げで崖下にまでふっとぶ隊乱闘。

走る車の窓から見てたら隊乱闘が落ちたガードレールには無数の花束が献花されてあった。
ここはよく事故の起きる魔のカーブと呼ばれているところみたいだった。
空中で白い手が月夜田を手招きしていたが今はそれどころではない。

「しっしっ!」
来い来いと言っている白い手を月夜田はしっしっとはらっている。

月夜田は牧街の殺意にも気がついていない。

そして追い詰められた時に発揮される牧街の機転がついに発動する。

>「この道逆走すりゃいいんすよ!!!」
>「なるほどお! 美月殿、マリカーの記録ホルダーの腕前でUターンじゃあ!」

「へ〜。卵が先かコロンブスが先かって発想ね」と月夜田。

>「アシッドレイン!」
カフェは隊乱闘の足止めをするべく技を放つ!

走り出す車。

横から失礼な感じの白い手も憑いてきていて車内で月夜田の髪をぐいぐいとひっぱっている。
髪に触られて、いらいらしてきた月夜田は白い手を捕まえるとガブリと噛んで大人しくさせた。
子犬とかも鼻っ面を噛むと大人しくなる、それと同じみたいだった。

無邪気な月夜田の姿をみて、ありみちゃんは静かに微笑んでいる。


69 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/07/31(土) 18:55:29   [sage]
>「この道逆走すりゃいいんすよ!!!」
>「なるほどお! 美月殿、マリカーの記録ホルダーの腕前でUターンじゃあ!」
「はぁ!?ちょっと牧街、アンタ何か武器見つけたんじゃなかったの?…ま、私としてもソッチの方が楽でいいけどね。そんじゃいくわよっ!!」
月夜田を車外に放り出そうとしたかと思えば何か見慣れない札を見つけて目を輝かせ、いよいよやるのかと思えばいきなり逆走を提案する。
『情緒不安定な人』
美月の牧街へのイメージはひとまずこれで定着してしまった。
それはさておいてこんな大物退治しても報酬が上乗せされるとは限らない。それならば逆走して携帯のつながる麓からGメンでも呼んだほうがいい。
ことは魔族絡み。すっ飛んできてくれるはずだ。
大きくハンドルを切るとこれまた派手な音を立てて狭い山道をUターンする。いちいち大げさなカーアクションをしたがるのは美月の数ある悪癖の一つらしく常にタイヤはツルッツルである。

>「アシッドレイン!」
「なんか、や○やにとってかわれそうな黒酢の生産量ね…いっそそっちを商売にしたほうが儲かるんじゃない?」
降り注ぐ黒酢の雨。こげ茶色ですっぱい匂いのする液体があっという間に後方の山道をずぶ濡れにする。
少しは足止めの効果があればいいが…なんせ向こうはこっちと違って事故っても死ぬ心配の全くない身。
そんなのと追いかけっこをやるのだからアドバンテージはいくらでも欲しいところだ。

「電波は……まだ無理ね。ちょっとそこのアンタたち!手があいて……え゛?」
片手に携帯を持って画面を確認していた美月。月夜田とありみちゃんに何事かを頼もうと牧街の車に寄せ…ちょっと信じがたいものを見る。
(か…噛んだ?いま、霊を噛んだわよね…信じらんないことするわね)
『アハハハ……』
顔を見合わせたありみちゃんも引きつった表情で笑いながら静かに首を左右に振っている。
除霊を生業にしてる身とはいえ、いやだからこそかそこらで事故って未練と怨念でドロドロな地縛霊なんぞ齧りたくはない。第一、体に悪そうだ。霊障的な意味でも。

「……あ、えーとなんだったかしら?ハッ、そうだ!アンタたちこれお願いね。電波が届いたらすぐにアドレスからオカルトGメンにかけて助けを呼んでちょうだい!」
ポイっと月夜田とありみちゃんに自分の携帯を投げ渡す。
なにせ結構な速度だ。牧街にしろ美月にしろ運転しながら電話するのもちょっと危なっかしい。
あまり考えたくはないがこれで劣化隊乱闘と距離が縮めばますますハンドルさばきが際どくなること必至。
いまは足止め役のカフェもそうなれば迎撃要員となるだろう。
と、くれば目下手ぶらなこの二人に応援要請役を頼むのが一番いいわけで。
「……いーい?ぜっったいに変なことするんじゃないわよ!?」
変なことって何と聞かれても困るが、とにかくどこか抜けた感じのありみちゃんと更にその上を行く掴み所のない月夜田。
こんな二人に自分たちの命綱とも言える救援を呼ぶ役を任せて良いのだろうかと一抹の不安がよぎった。


70 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/01(日) 12:30:50   [sage]
(……この娘、変だ、ずぇったい変だ)
白い手にかじりつく月夜田に、牧街もまた表情を引きつらせる
普通、幽霊見たら民間人は恐怖で固まったりしそうなもんだが、こいつには全くソレがない

と言うかプロのGSであるカフェや桜井が(牧街はビビリなので除外)恐れを抱くレベルの悪霊の傍で一人ふつーに楽しんでいるあたり
頭のネジが抜けているのかそれとも特殊な感覚の持ち主なのか…

>「……あ、えーとなんだったかしら?ハッ、そうだ!アンタたちこれお願いね。電波が届いたらすぐにアドレスからオカルトGメンにかけて助けを呼んでちょうだい!」
と、同じ様な事考えていたのだろう桜井も我に返り、ありみちゃん等に携帯を差し出してきた
確かに、カフェは足止めに転じねばならないため、この中で警察に連絡できそうなのは、この二人しかいない



>「……いーい?ぜっったいに変なことするんじゃないわよ!?」
やっぱし当然彼女も不安らしい
無論、牧街も不安だ
ありみちゃんはともかく、月夜田何ぞやっぱ来なくていいですとか平然といいそうである

なら、この二人にかけるしかない

………もとい
ありみちゃんにかけるしかない!!

「頼むぞ!ありみちゃん!!」
「は、はい!」
桜井から携帯を受け取ったありみちゃんは気合の入った返事を返し
「それで、携帯ってどう使うんですか?」

……は?

「……あの、ありみさん?」
「私、実は昭和の霊なので最近の携帯電話の使い方って…」
そういえば…
ありみちゃんがいつ亡くなったか、まだ聞いていなかった
どうやら携帯電話が普及する以前の霊だったらしい

『逃げても無駄じゃ!ゴーーーーストスイーーーーパーーーーーーーーーーー!!』

そして、早速劣化隊乱闘が背後から追いついてくる

「ほぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ」
二つの脅威に、牧街は力いっぱい大きな悲鳴を上げた

『こんな物でこの俺が!』
道に撒かれた黒酢を物ともせずに前進する劣化隊乱闘は、クギバットを振りかぶり
『たじろぐと思うかああああああああぁアアあああ』
大きく、フルスイングし、くっついていた釘の群れをショットガンのごとくGSらの車両目掛け発射してきた!

釘は桜井の車と牧街の車に高速で襲い掛かり、車体や後部窓ガラスに突き刺さり、あるいは貫通する!
そして、窓ガラスを打ち抜いて飛来した釘の一本が月夜田の腕に深々と突き刺さった


71 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/08/05(木) 22:11:22   [sage]
>68
「ひぃいいい! 何かおる!」
こっちにおいでと手招きする無数の白い手! あろうことか月夜田がそれを噛んだ!
〈噛んだな……オヤジにも噛まれた事がないのに!〉
「言わんこっちゃない!」
が、事態は意外な方向に展開した。
〈霊になった私にそこまで深い愛情表現をしてくれた人は初めてだ! 姉御と呼ばせてくだせえ!〉
〈地の果てまでついていきまするー!〉
「愛情表現って……動物じゃあるまいし!」
幸か不幸か月夜田は地縛霊を従える事に成功してしまったようだ!

>69-70
>「私、実は昭和の霊なので最近の携帯電話の使い方って…」
「まずは開けて……いや、スライド式か!?」
>『逃げても無駄じゃ!ゴーーーーストスイーーーーパーーーーーーーーーーー!!』
携帯電話の使い方を解説している暇もなく、隊乱闘が追いついてきた!
>『こんな物でこの俺が!』
>『たじろぐと思うかああああああああぁアアあああ』
「おっとおお!」
ロリータ傘を開いて防御する。
「皆無事……じゃない! 痛たたたたた!」
見れば月夜田に刺さっているではないか! 傍から見ても痛い!
そしてこれによって怒り心頭に達した者達がいた!
〈よくも姉御を……!〉
〈引きずり落としてやるわあああああ!〉
地縛霊軍団が隊乱闘を取り囲む!


72 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/08/06(金) 16:10:21   [sage]
手だけの幽霊を噛んだら…。
>〈霊になった私にそこまで深い愛情表現をしてくれた人は初めてだ! 姉御と呼ばせてくだせえ!〉
>〈地の果てまでついていきまするー!〉
手の幽霊たちがいっぱい集まってきた。これはよくある話で心霊スポットから帰って来て、
車の窓ガラスに無数の手形がついてたから外から拭いてみたけど消えないと不思議に思ってたら内側からついていたって話に似ている。

「よしよし☆いーこいーこぉ♪」
月夜田はすりすりしてくる沢山の幽霊の手をなでなでしてあげた。
手を手で撫でているのでどれが自分の手か途中からわからなくなったけど。
すると飛んでくる桜井の携帯電話。桜井はオカルトGメンに連絡をしてもらいたいらしい。
月夜田は思った。(岡本ラーメンに出前?ラーメンそんなに好きなんだ…)と。

>「……いーい?ぜっったいに変なことするんじゃないわよ!?」
「私、変なことなんかしません!」
と月夜田はきっぱり言ったけど、ありみちゃんに携帯が渡された。でも…

>「私、実は昭和の霊なので最近の携帯電話の使い方って…」
なんと、ありみちゃんは携帯電話が普及する以前の霊だった。

>『逃げても無駄じゃ!ゴーーーーストスイーーーーパーーーーーーーーーーー!!』背後から迫る劣化隊乱闘。

「かしてありみちゃん!」
月夜田がありみちゃんから携帯を受け取ってすぐに携帯が鳴る。
奇妙なことに携帯の受信状態をしめす棒は一本も立っていないのに。
「発信者…隊乱闘…って誰?」
月夜田が見てみると携帯の画面に劣化隊乱闘がぐったりしている画面が現れた。
これが世に聞く呪いの着信。未来から送られてくる呪いの死の動画。
車内ではありとあらゆる霊現象が起きているみたいだ。

「ぎぁっ!!」
手に釘が刺さった。さっきは桜井に、ぜっったいに変なことするんじゃないと釘を刺されたけど
今はほんとに釘が刺さっている。でもよく見たら自分の手じゃなくて幽霊の手だった。

>〈よくも姉御を……!〉
>〈引きずり落としてやるわあああああ!〉
地縛霊軍団が隊乱闘を取り囲む!

「やめて〜私のためにあらそわないで〜」
と痛いふりをしながらヤレヤレモットヤレと思っている月夜田。

黒酢にまみれ何十体もの霊に背負われどんどんスピードを落し車から離れて小さく見える隊乱闘。
やった!まくことができたぁ!と皆が思った矢先に牧街の車はどんどんスピードを落していく。
隊乱闘の釘でパンク?それとも故障?調べて修理するか皆が桜井の車に乗りうつる必要があるかも知れない。
重くなってスピードが落ちるかも知れないけど、ぎゅうぎゅうづめにしたら乗れるかも。

心配して隣で止まってくれている桜井の車。

「はやく乗って牧街さん!」月夜田は桜井の車のトランクを開けた。
「牧街さん!今だけ荷物になってください!あ、ごめんなさい!人を荷物扱いするなんて…。
そうです。牧街さんは、ただの荷物なんかじゃありません!お荷物です!お荷物になってください!!」

月夜田が変な発言をしている間にありみちゃんは牧街の車から対戦車超強力の御札を取り出していた。

「…これは霊力で爆発するんですよね…至近距離での強力な霊力の一撃…」
自分の霊力を全部使ったら爆発させることができるかも知れないとありみちゃんは考えていた。

「にゃあおおぉ…」空耳か山のむこうから変な声が聞こえたような気がした。


73 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/08/09(月) 18:53:59   [sage]
>「はやく乗って牧街さん!」月夜田は桜井の車のトランクを開けた。 
>「牧街さん!今だけ荷物になってください!あ、ごめんなさい!人を荷物扱いするなんて…。 
>そうです。牧街さんは、ただの荷物なんかじゃありません!お荷物です!お荷物になってください!!」 
「……ま、お荷物になられるのは困るけど確かにそれがベストかもね。さ、牧街」 
クイクイと開けたトランクを親指でさしてさっさと入れと促す。もともとそんなに座席の広くないタイプのオープンカー。さすがに五人は乗れない。 
かといって真っ先に攻撃を食らいそうな車体後方のトランクに一般人や無力なゾンビのありみちゃんを積むのは酷というものだ。 
その点牧街なら少々攻撃をくらっても生きてそうな気がする。ゴキブリだって一発くらいじゃ死にやしないわけだし。 

「あ…言っておくけど私、アンタらが振り落とされないように気をつけて運転なんかしないから死ぬ気で掴まってるのよ?」 
これだけ人数が増えれば当然重くなる。その上で安全運転で逃げ切れるような相手とは思えない。 
今はかなり後方で姿も見えないが直に追いついてくるはずだ。車自体もまだ動いちゃいるが釘ショットでところどころ穴だらけ。 
よくある心霊スポットの地縛霊なんかよほどのことが無ければ美月でもお手頃価格のお札で吹っ飛ばせる雑魚。 
いつまでもあの隊乱闘の足止めが務まるとはとうてい思えない。 

>月夜田が変な発言をしている間にありみちゃんは牧街の車から対戦車超強力の御札を取り出していた。 
>「…これは霊力で爆発するんですよね…至近距離での強力な霊力の一撃…」 
>自分の霊力を全部使ったら爆発させることができるかも知れないとありみちゃんは考えていた。 
「…む?ちょっと。なによソレ?」 
“ごきゅっ!” 
『ひぎぃ!?』 
お札を手に悲壮な覚悟を固めつつあったありみちゃんの頭部がいきなり180度回転して真後ろを向く。美月が背後から頭を掴んで捻ったのだ。 
『ひぃぃぃんっ、いきなり首捻らないでくださいよ〜〜。あうぅ…上手くはまらないぃ…』 
この章序盤に不幸な事故により首がプランプランにされたありみちゃんはその後遺症か若干首の骨が外れやすいようだ。 
ちょっと古くなったプラモデルやリカちゃんの関節部みたいな感じだろう。オタオタしながら首関節を戻そうとしている。 
「対戦車超強力?……見慣れないけどなんだかおあつらえ向きな感じじゃないのよ。牧街、アンタなんでこんなもの今まで黙って隠してたわけ!?」 


74 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/08/09(月) 18:54:48   [sage]
――― 
―― 
― 
「ふぅ……ん。威力があるけど至近距離じゃないと効果がないと。なぁるほどねぇ」 
説明を受けた美月は手に持ったお札を渋い顔で見る。確かにそんな使い勝手が悪いのではお蔵入りになるはずだと納得した。 
今にしたってあの劣化隊乱闘に肉弾戦を挑まなきゃ使えないだろうし。 
『……そ、それで、わたしならって。ほら、私もう死んでるから少しぐらい殴られても平気ですし』 
「…ありみちゃん……」 
『あ、でもやっぱり相手も悪霊ですから痛いのかな。 
で、でもお札の爆発に巻き込まれちゃっても成仏できるかもしれませんし案外ラッキーですよね。あはは…』 

カラ元気なのだろう。乾いた笑い声。話しながらもかぼそい肩が震えている。あんなとびきりの化物と対峙するなんて怖くないわけがないのだ。 

『……私、もう十分に長生きしました。最後にあんな楽しい思い出まで作っていただいて…皆さん大好きです』 
「あんた……」 
『だ、だからみなさんにご恩返ししなくちゃ…って、あ、あれ、おかしいな…目にゴミが…いやだな、ち、違うんですよ?別に怖くなんか…』 
「…………」 
『さ、さあ!皆さんはいってください。もうじき来ちゃいますよ… 
…みなさんほんとにありが「…チョーシ乗るんじゃないわよぉぉぉ!この脇役娘ぇぇぇ!!」 

“ぱこぉぉぉぉぉんんっっ!!” 

『はぁぅぅうっっ!!?』 
なんかちょっと切なくもいい雰囲気の別れの挨拶をしかけたありみちゃんの頭を美月がおもむろに脱いだヒールで力一杯ひっぱたいた! 
『な、なにするんですかぁ〜…?』 
「うるさい!アンタね、自分が犠牲になって強敵と刺し違えようなんてそんな美味しいシーンをあんたみたいな脇役が持って行っていいと思ってるわけ!?ああん?」 
『え、ええええぇぇぇ!?』 
「い〜い?そういうのは主役とかヒロインがやるのよ!こうちょっと泣けるエピソードとか挟んだりしながらね。 
そんで刺し違えてエンドロール間近でみんなが犠牲になった人の事を思い出してしんみりしてる時にヒョッコリ帰ってくるの。 
英雄の奇跡の帰還を出迎えて取り囲む仲間たちの涙と笑顔!それに主役が小粋なアメリカンジョークで応じて恋人の熱い口づけっ! 
そしてエンドロールっっっ!!これが一番美しいのよ!そんなオイシイとこをアンタみたいな生腐りの脇役ゾンビがやって許されると思ってんの?ええ?」 
『しょ、しょんなぁ〜、わらひはみなふぁんのためにぃぃ〜〜……』 
「うるっさい!却下よ、却下!!わたしの目の黒いうちはアンタなんかに目立たせやしないんだからね!フンッ!」 
『ひぃぃぃ〜〜んっ…酷いですぅぅぅ〜〜…』 
ありみちゃんの頬をグニグニと引っ張りながら本気で怒る美月。 
どうやら最大の見せ場をモブに毛が生えたようなありみちゃんに奪われるのが腹に据えかねたようだ。 

>「にゃあおおぉ…」 
「ん?猫…?もしかして間に合ったのかしら…っ」 
猫バスとなって安全なところまでボンボン共を送り届けにいったカフェの師匠だろうか? 
期待を込めて声のした方を見上げた。 


75 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/12(木) 02:03:32   [sage]
「もっぴりゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」

助手席のガラスに続いて、後部座席のガラスも大破し、更に民間人が傷を負って責任問題に発展しそうな牧街の悲鳴が山道に木霊する
涙で前が見えなくなりそうになった牧街は、次の瞬間、我が耳を疑った

>〈よくも姉御を……!〉
>〈引きずり落としてやるわあああああ!〉

「えぇ!?」
何か自縛霊達が月夜田のために劣化隊乱闘に立ち向かいだしたのだ
つくづくGS美神の世界は変な所でも常識が通用しないもんである
常識に塗れた驚きの声をあげずにいい加減慣れろ、牧街

そして自縛霊が隊乱闘に向かって行くのをほぼ呆然と見ていた牧街は


次の瞬間、アクセルから足を離し、そしてゆっくりとブレーキを踏んでいた


(アレ?俺は一体何を)
自分でも何やってんだかわからんような事をした牧街が運転席でぼーぜんとする中、心配して桜井の車が横に停車する
これで最早「何となく止まりましたー」とか言ってまた走りだしたらぶっ殺される状態になった
(え?え?えぇ!?何で俺止まっちゃったの?何で?何でどうして?えぇーっと)
焦りまくる牧街の車から月夜田が降りてトランク開けて牧街に乗れとかほざきだし、桜井も早く乗れと牧街をせかす
二人とも車が停車した理由などどうでもいいのだろう、そう、とにかく今は一刻も早く逃げねばならない状態なのだ
一番逃げる逃げる言ってた奴が最も望む展開になっているのだ!!

「そ、そうだ!トランク…トランク!ってんなとこ乗ったら俺死」
自分で招いた事態に牧街が突っ込み抗議せんとした、その時

>「…これは霊力で爆発するんですよね…
ありみちゃんが恐らくさっきの牧街の呟きを聞いていたのだろう
対戦車破邪札を手に決意に満ちた表情を浮かべていた

「……ありみちゃん」
思わず牧街が彼女の名を呟いたと同時に
桜井が対戦車破邪札に反応し、牧街に説明を求めてきた


76 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/12(木) 02:26:37   [sage]
ありみちゃんが己の決意を口にする

死んでいるから
自分ならいいから
肩を震わせ、か細い声を出し
精一杯の勇気で…


彼女の訴えを聞いた牧街の脳裏に、修行時代に師が大真面目な顔で言っていた言葉が浮かんでくる
幽霊は死んでそこで終わりなのではない
幽霊になった後、霊体を破壊されれば
その先に


……永遠の苦しみが待っている(*1)



ダメだ


ダメだダメだ!
ダメだ!!
昨日今日あっただけの人間に、己の存在を賭けてくれるような心優しすぎる少女を
そんな永遠の苦しみなんぞに向かわせてはいけない!!
そんなのは絶対にダメだ!!
他人のために傷つく事ができる存在が永遠の苦しみを味わう何て絶対に……


……この時牧街は、何故自分がブレーキを踏んだのか、ようやっと気づいた


「マジすんません桜井さん!先行っててください!!」
猫の鳴き声に反応してよそ見していたありみちゃんの手から対戦車破邪札を掠め取り、牧街は自分の車に再び乗り込むと、今来た道を高速で引き返しだす!!


身の程知らずに永遠の苦しみに一直線に向かっていった自縛霊達を救うために…




こう書くとカフェや桜井が冷たい人間に見えるかも知れないが
実は彼女達はGSとして大変優秀な判断を下しているのだ
…恐らく牧街はこの時ありみちゃんの感動的な決意を聞いて、持ち前の生存本能がかげってしまったのだろう


77 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/12(木) 02:45:49   [sage]
牧街の車の前に、劣化隊乱闘が姿を現した
車を止め、神通杖を手に堂々と立ち向かってきた牧街に、劣化隊乱闘はすぐに殺しにかからず、身の程知らずめと嘲笑の視線を向ける

その周囲に既にあの自縛霊達の姿は無い

『ほぉう、一人で勇ましく向かってくるとはいい度胸だな』
「…自縛霊達を……よくも!!」
怒りに震える牧街に、隊乱闘はふんっと鼻を鳴らす
『何を怒っている、貴様等GSの仕事を手伝ってやったようなもんなんだぞ』
「ふざけるな!!ゴーストスイーパーは悪霊を消滅させているように見えるが、しっかり成仏させている!!滅するような真似…」
『いやだから成仏させたんだって』


……固まる牧街


「は?」
『あいつ等敵わんと見るや速攻で自分達から成仏してったぞ。俺は一人も滅してなんぞいない』


ひゅーっと木枯らしが吹く


『脱出装置が如く滅せられそうになったら霊は自分から成仏できる事を貴様GSの癖に知らんのか?』


…牧街(バカ)、犬死決定、死因、その場の雰囲気で無駄に特攻


「…え?え?……アレ?俺、何やって…………え?夢?これ夢?」
『んじゃまぁ、遠慮なく貴様はぶっ殺させてもらうぞ、何、心配無い、貴様は成仏なんぞする前にぶっ殺してやろう』
「あー…えー…おー…」
格好いい主人公ムード完全消滅、顔が青ざめるの通り越して土気色になって腰が抜けていく

『死ねやゴラあああああああああああああああああああああああああああ』
「どぅえあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

襲い掛かる隊乱闘に牧街は凄まじい悲鳴をあげ
が、しかし次の瞬間真顔で隊乱闘の後ろを指差す
「あ!アレはあああああああああああ」
『何?』
牧街の急な変貌に劣化隊乱闘は思わず後ろを振り返り…

……当然後ろには何にも無く、牧街は颯爽と車に飛びのり、アクセル全開ですっ飛んで逃げた
『ぁあ”!待ぅてぇええええええええええええええええええええええ』
迫真の演技に騙された隊乱闘だったが、すぐに車輪に力を篭めて追撃を再開する!


78 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/12(木) 03:10:13   [sage]
「俺のアホぉおおおおおおおおおおおおおシリアスのアホぉおおおおおおおおおおおおおおおおお
二度と男らしく戦おう何て思わねぇぞおりゃああああああああああああああああああああああ」
涙だらだらアクセル全開ですぐ後ろに迫る隊乱闘から逃げる牧街
もう恥も外聞もGSらしさも無く心の叫びを叫びながら爆走する
『ハハハハハハハハハハーーーーーーーバカめ!死ねぇええええええええええ!!』
「師匠!カフェさああああああんタローさん神どーーーさん成瀬にアナスタシヤさんに猫の師範!桜井さんに惣介さん!そいや李なんとかなんて人もいたな…あ、いや、んな…もうこの際月夜田でも百村でもいいや
たぁすけてぇえええええええええええええええええええええええええええええ」
様々な人物にあたり構わず見苦しく助けを求めながら逃げる牧街
隊乱闘のバットあ屋根に炸裂してガラスが全滅して屋根がベッコリと変形する
「わ〜〜〜〜!わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
ボストンバックから破邪札を何枚も取り出して取り合えず後ろに投げつけ、爆破して何とか牽制するが、隊乱闘はすぐに体制を建て直し、投げつけられる破邪札を鋏で叩ききって追ってくる
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいもういやだああああああああああああああああ…あ」
必死に破邪札を探っていた手が、やがて一枚の紙切れに触った
一枚の…ケント紙に

『まず!!』

「!!」

隊乱闘が運転席の窓の外に顔をあらわした

『一人!!』
「げぎぃ!!!!!」


図太い鋏の一撃が牧街の首に突き刺さり
次の一撃が首と胴体を切断する

『ふははははははははは死んだ!やったぞぉ!!』

首の無い胴体を乗せた車はそのまま森の中に突っ込んだが、隊乱闘はそれ以上追い討ちをかけず、スピードを出して桜井等を追っていく
首にも胴体にも魂は既に無く、恐らくやられたと同時に即効で成仏したのだと判断したのだろう
隊乱闘は無駄に死体に追い討ちなどせず、今度は成仏する間も無く魂をとっ捕まえてやるとばかりに桜井らの車へ牧街の頭を鋏に突き刺したまま追撃していく


人の死とは、かくもあっけないものである……


79 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/12(木) 03:17:57   [sage]
(*1 本編4巻、美神さんの台詞参照)
長文失礼しました


80 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/08/15(日) 16:58:21   [sage]
お札を使って自爆して隊乱闘をやっつけようとしたありみちゃんを桜井が怒った。
それは桜井の優しさなのだろう。

シリアスシーンに月夜田も普段は90%のアホ顔を今は120%の美少女顔に変えている。

でも幽霊は死んだらどうなるんだろう。

「…わかんない…」首をぷるんと振ると元のアホ顔に戻る月夜田。

そうこうして…

>「マジすんません桜井さん!先行っててください!!」

牧街はそういい残して見事に首だけになって帰ってきた。
意気揚々と追いかけてくる隊乱闘。牧街の首は隊乱闘の鋏に突き刺さっている。

「牧街さん!!しっかりして!!目を開いてーっ!!」
月夜田の叫びが虚しく空にこだまする。

隊乱闘と一緒に車は走って走って気がついたら道路が通行止めになっていた。
でも止まったら首ちょんぱされるので桜井のオープンカーは通行止めを突き破って走り続ける。
なんだか嫌な予感。案の定、道路の先はこの間の地震で大きく陥没していた。

「ふぎゃ〜〜もうおしまいよぉ〜!!」
月夜田はぜったい死ぬと思った。

(話が書けませーん…。どーしよー)


81 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/08/15(日) 20:17:41   [sage]
>72-74
>「…これは霊力で爆発するんですよね…至近距離での強力な霊力の一撃…」
「ありみ殿、お主まさか……」
が、すかさず美月がありみちゃんの感動的自爆計画を阻止する。

>「にゃあおおぉ…」
>「ん?猫…?もしかして間に合ったのかしら…っ」
「師匠じゃ! 本物の猫バスに仲間をたくさん乗せて連れて来てくれたに違いない!」
最大限の希望的観測のもとに声のした方を見上げるが、まだ姿は見えない。
猫バスは山一つ分なんてひとっ飛びのはずなのだが。
「……おかしいのう。とにかくもう少しの辛抱じゃ!助けが来るまで逃げ切るぞ!」

>76
そう言った矢先。
>「マジすんません桜井さん!先行っててください!!」
牧街が隊乱闘に突撃していくではないか!
「たわけ! 何しておるのじゃあああ!」

>78
>「牧街さん!!しっかりして!!目を開いてーっ!!」
「牧街、死ぬなあああああああああああああああ!」
首と胴体が離れているのに今更死ぬなは無茶な話である。
>77の経緯は少し距離があったので知る由も無く、勇敢に戦ってやられたようにしか見えなかったのであった。

>80
と、尊い犠牲を出しつつ逃走を続けるも、万事休すか!?
>「ふぎゃ〜〜もうおしまいよぉ〜!!」
>(話が書けませーん…。どーしよー)
「諦めたらそこで試合終了じゃあ! 師匠なら、師匠ならきっとなんとかしてくれる!」

とその時! 目の前に猫バスが現れた!
都合が良すぎる展開だと思われるかもしれないがちゃんと前に伏線があったのでそんなことはない!
タイミングが良すぎると言われればそうかもしれない。
「お待たせにゃー、乗るにゃー!」
猫バスに車が入れるぐらいの入口を開いて、車ごと収容する。
「飛ばすにゃ!」
「はーい、とばすよー!」
ギリギリまで追い詰められていたが、再び距離をとる。
「師匠! 牧街殿を見捨てるわけにはいかぬ!」
「あの首にも胴体にも魂は入ってにゃい。つまり牧街君はあそこにはいにゃい!」
カフェが訴えるも、師匠の答えは非情だった! あるいは何か知っているのだろうか?

『おのれ、逃がすかああああああああああああああ!! しまっ……』
一方、激昂した隊乱闘は勢い余って陥没した部分にはまり、盛大に転倒する!
「今にゃ!」
あからさまなチャンスっぽい状況に、師匠は誰にともなく号令をかけた!


82 : 李珠 ◇rdfEGE/BGM    2010/08/15(日) 20:37:22   [sage]
>78
>李なんとかなんて人もいたな

「むむ、呼ばれた気が?」

声を発したのは、たまたまこの近くでテント生活をしていた李珠である。
迂闊に名前を呼んだりするから、必要無い場面で必要無い人物が現れるのだ。
呼ばねば、そのまま消えていたものを!

ギャグキャラは甘え。
そんな声が聞こえた気がしたが、李珠は無視した。
だいたいシリアス系キャラだったら、現れるための必然を長々と説明しなくちゃいけない。
そんなものは、単発ネタ用キャラには無用である。
テントを出ると、目の前には首と胴が分かたれた死体があった!
それは無惨な牧街の姿ではあったが、首なし死体の為に誰であるかの見分けなどつこうはずも無い。

「はっ……これは首無し死体!?」

ふむ、これは傀儡や式神の類ではありませんね。
絶対に違います。ガイシャは100%人間の死体です!
李珠は、そう言おうとしたが止めた。
うっかりそんな発言をしたら、取り返しのつかない事態になる気がしたからである。
代わりに手鏡を取りだして死体に翳す。
特に何も起こらなかったら、テントで寝直そうと思いつつ叫ぶ。

「真実を映せ……ラアの鏡!」

百均ショップで買った手鏡が太陽の光を受けて煌めく!


83 : 名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中    2010/08/15(日) 20:47:09   [sage]
>>82
懐かしいwww単発と言わず帰っておいでよwwwww


84 : 名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中    2010/08/15(日) 22:57:25   [sage]
大丈夫GS美神はギャグマンガだよ

85 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/08/16(月) 19:46:33   [sage]
【こんばんは。いつもお世話になってます】
【えーと、中の人の諸事情により数日ほどネットに繋げません】
【クライマックスに来て流れを止めるのも心苦しいので自分は無視してサクッと進めてくださいませ。では連絡までノシ】


86 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/19(木) 10:21:45   [sage]
>>82【まさかマジで現れるとはwww 自分も帰ってきて欲しいですwいつでも戻ってきてくださいね】

>>85【あちゃー…残念。早く復帰できる事を願ってます】

【すいません、つづきは金曜日の夜まで待ってください
ちょいリアル立て込んでて…】


87 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/08/19(木) 18:33:15   [sage]
>『おのれ、逃がすかああああああああああああああ!! しまっ……』
>一方、激昂した隊乱闘は勢い余って陥没した部分にはまり、盛大に転倒する!
>「今にゃ!」

「今よーっ!!」

し〜ん…

つられて月夜田が叫んだけど別に誰が何をするってこともなかった。気がつくと桜井がピクリとも動かない。
どうやら桜井は猫バスに入ったときにオープンカーだから天井に頭をこすって、ハンドルを握ったまま気絶しているみたいだ。

ひゅるるるー…。

「あ!牧街!!」月夜田が指をさす。

転んだ隊乱闘の鋏から取れて飛んでくる牧街の生首をありみちゃんが窓から受け止める。

『牧街さーん!主人公(?)なのに死んじゃったんですか!?』
ありみちゃんは生首をぎゅっと抱きしめて泣いた。

「人口呼吸とか心臓マッサージとかしてみようっ!」
月夜田は牧街という生き物を良く知らなかったから言ってみたんだけど、
ありみちゃんは泣きながら師匠にさっき言っていた
>「あの首にも胴体にも魂は入ってにゃい。つまり牧街君はあそこにはいにゃい!」
って言う言葉の意味を聞いてみている。

伏線とかあるのもわかるけど作中の月夜田には意味不明だった。
それよか自分の体がやけに軽いことに気がついた月夜田はいつのまにか自分が幽体離脱していることに気がついた。
肉体の頭からはコブが生えている。猫バスに入る時に桜井と一緒に天井に頭をぶつけて気絶していたらしい。

月夜田は面白かったので魂のない牧街の生首に入って「けけけ…」と空に飛んでいった。まるで平将門様みたいに。
呆然と見つめるカフェたち。

そして飛んでいたら牧街の車があったので見てみたらやっぱり体があった。

>「真実を映せ……ラアの鏡!」
人が何かをやっていた。首なし死体に何やってるんだろう…。世の中には色々な人がいるから怖いなーと思う月夜田。

月夜田は牧街の首を操り、ダメもとで首を体にくっつけてみた。

>>85おまちしております】


88 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/20(金) 23:43:32   [sage]
>「今にゃ!」
>「今よーっ!!」

月夜田と猫師匠の叫びに応えるものは何も無い…

「アレ?どしたにゃ?」
ここで格好良く現れるはずの人物が出てこないのでぽりぽり頭をかく猫師匠
んな事してる間に飛んできた牧街の頭が宙に浮いてケケケとか笑い出す
「こんな非常時に遊んじゃダメにゃ」
シルバーコードが月夜田から延びているからすぐに生首に誰が入っているのか見抜いた猫師匠が月夜田を注意するが、すぐに生首は飛んで行ってしまう

「って言うかどしたにゃ?何故反応しないのにゃ?お〜い」
とりあえず飛び出していった月夜田は置いておいて、自分と猫バスに同乗していたはずの人物に呼びかけてみる猫師匠
そこで一泊置いて、もぞもぞと何者かが桜井の車の下から這い出してくる
「あたたた……スマン、狙い撃とうとするのに必死で車をよけれなかった」
「せっかくのチャンスだったのに…」
それは、ロケットランチャーを携えた恐山断弦その人だった
猫師匠はカフェ等の異常を察知すると、すぐさま猫バスに恐山師範を連れてくるように連絡したのだ
恐山師範が装備を整える時間とか猫師匠が何か遅いなと事態のおかしさに気づく時間があって、猫バス到着は遅れたのである
「まだチャンス続いてるよ〜、決めちゃって〜」
少し間ができてしまったが、隊乱闘はまだ穴から這い上がれていない、攻撃のチャンスは継続中である

「任せろ」
猫バスの言葉に頷いた恐山師範はバスの後ろの窓から銃身をだし
穴から這い出てくる隊乱闘に狙いを定めると、ロケットランチャーをぶっ放した!!
低い風きり音と共に発射された弾頭は、一直線に隊乱闘に命中し、青い炎の大爆発を発生させる
隊乱闘は炎に包まれ…

次の瞬間、炎の中から四つ目の黒い巨大な人影、そう、あの研究員の悪霊が飛び出してきた

「ちっ!」
やっぱ一発じゃ死ななかったかと恐山師範が破邪札を投げつけるが、研究員の悪霊は空中で姿勢を変更してかわし、口から真っ白い霧を噴射した!
「ぐっ!」
すぐに両腕でそれを防ぐ恐山師範
同時に猫バスに飛び乗ってくる研究員の悪霊
恐山師範はロケットランチャーを抱えてカフェ等の方まで後ろステップで後退し
「とどめを頼む、目をやられた!」
ロケットランチャーをカフェ達の方に手渡してきた

「よぐもよぐもよぐもよぐもおおおおおおおおおおおおおおおおお!殺す殺す殺すごろずううううううう!!ごろじでやるううううううううううううううううううううううううううう」
凄まじい雄叫びと共に、大柄な四つ目の研究員の悪霊はカフェ等目掛けて飛び掛ってくる!


89 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/21(土) 00:08:29   [sage]
所かわってこちら牧街の死体

>「真実を映せ……ラアの鏡!」

妙なノリで首なし死体に手鏡をかざすほんとに現れた赤城幸子
とりあえず胴体とドッキングをはかる合体ロボと化した月夜田in牧街ヘッド

「おわぁ、何だ!?何がどーなってどーいう状況何すかこれ!」

そしてその世にも奇妙な光景に数歩後ずさって心底驚く牧街モリオ……

説明せねばなるまい
あの時牧街が触れたケント紙
あれは六道女学院にてGS訓練生のために用いられる「式神ケント紙」と呼ばれる簡易式神製造紙であり
牧街はとっさにその式神ケント紙で自分のダミーを作り、隊乱闘をやりすごしたのである

本来倒されればすぐ消えるはずの式神ケント紙製ダミーがしぶとくまだ形が残っているのは牧街が電池代わりに破邪札をくくりつけたからであり
とっさにそこまで作りあげる牧街は流石生への執念ならば横島忠雄に勝るとも劣らない逸材である(逃げる限定で)

危ない所だった…危ない所だったよ、赤城幸子さん

で、状況は最初の一文に戻る
「何?何で式神の頭がここに…ってか何故ここに李珠さんが!?」
腰を抜かして李珠等の方を指差して震える牧街には、無論現状など理解できていない
何だろう、この話の腰を圧し折った挙句最終決戦をさぼるヘタレ主人公は…


90 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/21(土) 01:24:39   [sage]
ちなみに式神ケント紙は本編に登場してたりしてなかったり…

91 : 名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中    2010/08/21(土) 02:19:05  
六道学園か

92 : 李珠 ◇rdfEGE/BGM    2010/08/21(土) 03:03:44   [sage]
李珠が鏡を翳した瞬間。
月夜田みことが憑依した牧街の首が「けけけ…」と不気味に笑いながら飛んできた。

「あれは飛頭蛮!?」

李珠は驚きの声を上げた。
飛頭蛮とは首だけで飛び回る中国妖怪である。
そして、李珠は謎の中国妖怪を退治するべく即座に矛を投げた。

「死ねぇ!」

銃刀法違反の矛が、大気を裂いて投擲される。
李珠には飛び回る首の顔に見覚えは無い。
なぜなら、牧街の事は完全に忘れていたから。
一度会っただけ、しかも殆ど入れ違いだったために、
牧街の記憶はうっかり忘却の彼方に流してしまっていたのだ。

「フフッ……命中ですね」

牧街の顔をした式神の眉間にザクリと突き刺さる矛。
式神の表情は魂が無いはずなのに、そこはかとなく脅えているかのようにも見えた。
その時、車の方から――。

>牧街「何?何で式神の頭がここに…ってか何故ここに李珠さんが!?」

――という声。
どうやら牧街モリオの本体は、車内に隠れていたようであった。

「はて、どなたでしたっけ? 見覚えがある様な無いような……微妙に印象に残りにくい顔ですね。
 私の名は知っているようですが……はっ!?私の真名を知るという事はまさか追手!」

どうやら、何かから追われるような生活をしているようである。
それは兎も角、李珠は駆け足でテントの中に戻り、中から壺を持って外に出てきた。
これは壺の中に毒を持つ生き物を何匹も入れて共食いさせ、最後に残った一匹を呪いに使う"蠱毒の壺"である。

「私を捕らえようと言うならば……この不浄の地で育てた魔虫を披露しましょう!」

李珠が壺の封を解くと、中からは蝮とも蛙とも蠍とも形容し難い、
それら全てを合わせたような不気味な魔物が這い出てきた。
ちなみに制御は出来ない。

【では少しだけお邪魔させて頂きますね。私も事件解決の一助と為れれば良いのですが…】


93 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/08/21(土) 14:48:18   [sage]
【>85 いつでも復帰どうぞー!】
【>90 やっぱり!もしやと思って”GS美神””ケント紙”でググったら出てきましたw】
【>92 お久しぶりです! 規制されない事を願ってます!】

>87
「首ちょんぱされたら盛大に血が噴き出すはずにゃのに出てにゃい。つまりダミー!」
と、猫師匠がありみちゃんに解説していると、生首が飛んでいく。

>「けけけ…」
「……。遠くに行くでない! 戻れなくなっても知らぬぞー!」

>88
牧街の師匠がロケットランチャーをぶっ放す!
「……やったか!?」
そんな事を言うからやれてない事になってしまうのである。
しぶとく研究員の霊が襲いかかってきた。マッドサイエンティストの恐るべき執念!
「うっ……」
それを見たありみちゃんが頭を抱える。
「どうしたのじゃ?」
「何かを思い出せそうな気が……」
ありみちゃんは昭和の霊で、他の霊達が成仏してもありみちゃんだけ成仏しなかった。
ここにヒントがあるかもしれない。
「恐山師匠殿、頑張るのじゃー!」
「頑張れにゃー!」
>「とどめを頼む、目をやられた!」
応援要員と化しかけていたところ、いきなりロケットランチャーを渡される。
「へ?」

>「よぐもよぐもよぐもよぐもおおおおおおおおおおおおおおおおお!殺す殺す殺すごろずううううううう!!ごろじでやるううううううううううううううううううううううううううう」
最後っ屁のブチ切れモードの悪霊が襲いかかってくる!
白い霧と黒酢の黒い霧がぶつかり合い、激闘の雰囲気を無駄に醸し出す!
「のわああああああああああああああああ!!」
そもそも先程までのような実体のあるっぽい妖怪ならともかく
実体のなさそうな悪霊にロケットランチャーなんていう現代的武器は効くのか!?
訳も分からずロケットランチャーをぶっ放した! がっ!
「ヒラリッ!!」
「なぬう!?」
なんと! 研究員の霊はアクロバット的動作でロケットランチャーを避けた!
冷静に考えるといかにもしなやかそうな悪霊の形態なので避けるのは簡単なのかもしれない。
「終わりだあ!!」
「ぬわ―――――――――――ッ!!」
カフェは断末魔の叫びをあげながら目を閉じる。
が、数秒たってもとり殺される気配はない。恐る恐る目を開けると……
ありみちゃんが悪霊の前に立ちはだかっていた!

「全て……思い出しました。だからあなたも思い出して……! 
あなたは虫の研究にいそしむ真面目な青年だったじゃない……。
究極の毒虫を誕生させるんだーって目を輝かせていたじゃない!」
「な、なんじゃとー!?」
ありみちゃんの言う事が本当なら、昔は今ほど危険人物では無かったようである。
いや、元から十分マッドサイエンティストの素質はあったのかもしれないが。
「ありみちゃん……下がれ! こうなってしまっては生前の記憶など……」
と、言いかけたが悪霊は頭を抱えて葛藤しているように見える。
「ぐあ……黙れ! 究極の虫など最初から不可能だったのだ!!」
「効いてる――ッ!?」
果たしてありみちゃんの説得は功を奏すのか!?


94 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/08/21(土) 17:13:07   [sage]
>「おわぁ、何だ!?何がどーなってどーいう状況何すかこれ!」
牧街はいた。車内から出てきた。

>「あれは飛頭蛮!?」
月夜田入りの牧街の生首(式神)は妖怪と勘違いされているみたいで大李珠の矛が大気を裂いて投擲されてる。

「!!」
矛は眉間に突き刺さりそうだったけど月夜田はキッと睨みつけて眉間に小さく縦のシワを入れると、それで矛の刃を白刃どりする。
「うにににぃ…」
でもそんなに耐えれなかった。矛によって牧街の生首は突き破られ、パアアンっと紙に変わると紙吹雪が舞い散った。

「きゃああああああああああ!!」
月夜田は右手で額を押さえこむ、同時に幽体離脱の活動限界を超えてしまったみたいで、
しゅるしゅると掃除機のコードみたいに凄い勢いで自分の肉体に帰っていく。

しゅるしゅるとシルバーコードに引きずられて月夜田が猫バスに強制送還されつつあったら四つ目のオバケが見えた。

>「よぐもよぐもよぐもよぐもお(中略)お!殺す殺す殺すごろずううううううう!!ごろじでやるう(中略)う」

「ぎゃ〜!!こわい!!あんなとこに帰りたくない!!」
月夜田は木にしがみついて踏ん張ったんだけどシルバーコードはぎゅんぎゅんと幽体を肉体にひっぱっている。

「…あれ…でも肉体が壊されたら帰るところがなくなるからダメだよね。怖いけど戻るしかないのかな…」
月夜田は木からパッと幽体の手を離すとゴムぱっちんのように肉体に戻る。

その戻る道には研究員の霊がいてありみちゃんと何やら話していたけど
ゴム化した月夜田の膝小僧と頭を抱えて葛藤している研究員の後頭部がぶつかって研究員はもんどりをうってうずくまる。

「ぷあっ!戻って来たっ!」
肉体に帰って来たのはいいけど月夜田は普通の人間に戻っただけだった。

「今だ!」
目が回復した恐山師範はうずくまっている研究員の霊にロケットランチャーを使う。

『待ってー!!』と叫ぶありみちゃん。

ずどーん!

研究員の霊は頭を抱えたまま体をCの字に曲げて華麗に宙に舞ってまた避けた。

「ありみちゃんが待ってっていってるでしょ!!」
月夜田はロケットランチャーの入り口に体を被せて師範が撃てないようにした。

「…ありみちゃん…」月夜田は心配な顔でありみを見ていた。


95 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/26(木) 19:56:40   [sage]
【やばい、俺の番だったのに気づかんかったっす、すいません】

「ば!暴発したらどーする!」
むちゃくちゃ危険な行為をする月夜田に、頬を引きつらせて月夜田をぶん殴ってどかそうとした恐山師範だったが、すぐに状況を確認し、手を止める
「……なるほど、彼女の正体は……」
どうやら師範は何かに気づいたようだ

「あなたは毒虫の研究に一生を捧げたかった、けれどあなたは軍部の命令で仕方なく悪霊兵器を作ろうとした…」
「違う!!んな設定は無い!!」
「嘘よ!!」
「う……そういえば…そうだった気が……」
「そうなの、そうなのったらそーなの!おーけー?」
「そうだ……だが究極の蟲何ざ普通に考えて無…」
「それでもあなたは作ろうと頑張った!青春の汗を流したの!」
「うう…そうだ…俺は毒虫を作るために…」
何だか記憶を思い出させるというより洗脳しているような雰囲気のありみちゃんと研究員の会話…
「催眠術(ヒュプノ)と言う奴だ、しかも相当強力な力の持ち主だぞ、彼女」
うずくまる研究員の霊に語りかけるありみちゃんを見つめながら、解説を加える恐山師範
「違う!俺は悪霊の強さを知ってそれで研究を…」
「いいえ違うわ!自分をごまかしてはダメ!」
「う…そうだ…軍部にそういう風に考えさせられていて…」
悪霊が反論するたびに、ありみちゃんが強い口調でそれを否定し、悪霊は徐々にありみちゃんの言うとおりの思考に変わっていく
「あなたは本当はちょっと陰気何だけど蟲の命を大切にする優しさがあったわ、だからそれを思い出して、成仏して悔い改めて…」
「そうだ…俺は蟲の命も大切にする…究極の蟲を又生まれ変わって…」
(よし!いいぞ!もう少しで成仏だ!!)
全員が期待を膨らませた

その時

「たぁアアアアアアアアアアアアアアすぅうううううけええええええええええてえええええええくりゃああああああああああああああああああああ」

はるか後方から李珠を咥えた荒れ狂う毒蟲を引き連れ、我等が牧街モリオが乱入してきた

「何しとるんじゃお前はああああああああああああああああ」
慌てて逃げ込んできた牧街に、空気読めとばかりに必殺拳を叩き込む恐山師範
「何故師範…ほげらっ!!」
状況を一切理解できぬままKOされる牧街
そして事態はどんどん悪化する

「毒虫!毒虫が俺を迎えに来た!毒蟲ィいいいいいいひひひひひひひひ」
催眠術の最中で偶然的にもそれにその内容にあった存在が乱入してきたため、研究員の悪霊が毒蟲に取り付いてしまった
「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!俺はもう現世で究極の毒虫を作ってやるぅううううううううううう」
もう何だかわけのわからない事を叫びながら毒虫研究員が暴れ…

「目さえ見えれば貴様なぞ敵ではないわぁああああああああああああああああああ」
「にゃああああああああああああ何故僕を鷲づかみに…」
「必殺!不愛成亜龍苦雷怒・鬼鬼鬼鬼歯〜〜〜〜〜」
「二『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』」

る前に恐山師範と巨大な弓矢状武器に変形させられた秋葉師範によって殲滅された


96 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/26(木) 20:17:07   [sage]
『私はかつて、帝国陸軍超常能力部隊の隊員でした』
全てが終わり
ありみちゃんが皆に自分の事を語る
『戦時中、私はこの能力を平和のためと割り切って戦争に使っていました
けれど…この能力は最後まで平和の役になんか立たず、私も……』
俯くありみちゃんに、恐山師範が近寄る
「それで、普通の霊が実態が無いのに対し、君は霊能力を持つ故霊体の濃度が濃く、ボロボロながら肉体を持っているんだな」
『はい…』
「…なるほど」
顎に手を乗せ、考える姿勢をとる恐山師範に、ありみちゃんはすがりつく
『あの…私!死んでしまいましたけれど…平和の……平和のために役に立ちたいんです!お願いします!まだ現世にとどまらせていただけませんか?』
恐山師範はありみちゃんの瞳をじっと見つめていたが
やがてポケットから破邪札を取り出す
「……ダメだ、霊体が現世にとどまる事を認めると、全ての霊に事情酌量の余地が現れてしまう
全ての霊は等しく成仏させなければならない」
『………そうですか……そうですよね……』
ありみちゃんは一際悲しげな表情になった
「来世で…会おう」
そう言って、恐山師範は破邪札に念を篭める


97 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    ???   [sage]
【ようやく帰ってきたらPCどころか携帯まで規制されているだとぅ!?】
【とりあえずただいまでーっすノシ】

「……はーい。そこまで。ゾンビっ子、いい子だからこっちいらっしゃいな?」
車の中でぐったりしていた美月がいつの間にか目を覚ましていた。
片手には未使用のロケランを構えてこの世との惜別の時を迎えようとしているありみちゃんと恐山師範にピタリと狙いを定めて動きを牽制している。

『…さ、桜井さん?』
『む…どういうつもりだ?』
「ハッ!どーもこーも無いわよ?私の依頼主はゾンビ村を再開発したい土建屋だったの。
霊だけ追っ払えばいいのにメッチャクチャな瓦礫の山にしちゃったもんだからそれの撤去費用に巨額の追加経費が余分にかかって報酬なんか払えるかー!ってね…オーパーツも見つからないし…このままじゃまるっきりタダ働きもいいとこじゃない」

どうやら美月が目が覚めて最初にしたことは依頼主への報酬の支払いの確認だったようだ。
そして見事に支払い拒否されたらしい。まあ、あの一面瓦礫の山と化した惨状を見てなお金を払おうなんてお人よしもいないだろう。

『それで…?』
「……いーいモノ見ーつけた。これわたしのもーん♪」
ぐいんとありみちゃんの腕を引っ張ると満面の笑顔を浮かべる。
そう。つまり…“戦利品:ありみちゃん”

『え?え?ええぇぇぇ?』
「んっふっふっふーん♪なかなか素敵じゃないの?強力な催眠術に不死身の体。このわたしの助手に相応しいわ。
アンタの力はこのGS桜井美月の野望…じゃなくて…そう、世のため人のために使ってあげるわよ。ね?」
『――…あ、あの…でも私、成仏しなくちゃいけないんじゃ…って…あの…でも…』
「あー、もう。ブチブチとうっさいわね。アンタはどーしたいのよ?」
『え……あっ…………。』

ヒシッと美月の服の裾を掴むありみちゃん。それを満足そうに見ると大威張りに胸を反らす。

「はい。決ーまり。ありみちゃんは今から私のもん。
職務中に発見した浮遊霊は桜井GS事務所所長の責任の元、監視下に置かれることになりましたーってとこね。
暴れる心配もないし気がすんだらそのうち成仏するでしょ。札で払うよりは成仏を待つほうが穏便な処置じゃないかしら?ま、アンタらには迷惑かけないわよ」

と、まあ、なんかもっともらしいことをペラペラと述べているがその瞳には意地汚い欲望の光がキラキラと輝いている。
決してタダで帰ってなるものか!!
…と。GS桜井美月。欲深さにかけては一流なのである。


98 : 李珠 ◇rdfEGE/BGM    2010/08/27(金) 18:52:09   [sage]
「ふぅ、まったく酷い目に会ったものです……」

毒虫の顎から解放され、ドサッと地面に落ちる李珠。
巫蠱の毒虫は、恐山師範の一撃によって悪霊研究員ごと昇天したようだ。
そして、ゾンビのありみちゃんは桜井美月の助手になるようである。

>『私はかつて、帝国陸軍超常能力部隊の隊員でした』

先程のありみちゃんの言葉にハッとする李珠。

「帝国陸軍超常能力部隊!? そういえば、今所属している組織で戦時中にそんなものがあったと聞いた事がありますね。
 普通人(ノーマル)を滅ぼし、その支配からエスパーを解放してエスパーだけの世界を作るという理念の団体で……。
 UNICEFだかPANDRAだか正確な名前は忘れましたが、協力すればGS再アニメ化あるよと言っていましたから慈善団体なのでしょう」

おそらく絶チルでたんまり儲けてもGS再アニメ化は無い。死んだ子は蘇らないのだ。
しかし、果たして死とは全ての終わりだろうか。
虫は幼虫から成虫になる際にサナギの中で90%近くの細胞が死ぬが、その死んだ細胞は新たな体の再構築に利用される。
そう……死が有るからこそ新たな命が生まれるのだ。
人の魂もまた同じように現世と幽世を流転し、その循環こそが――。

「むむ、天の声が出しゃばってますね……破っ!」

李珠が幾枚かの符を天に向かって放つと、天の声による良い流れが止まった。
どうやら悪い流れを呼び寄せてしまいそうだ。

「待て、そうはゆくまい。桜井さんとやら。
 一般人には見えぬ霊体ならばともかく、街中をゾンビが歩き回るなどGS協会が許すはずもなかろう」

恐山師範が桜井美月とありみちゃんの前に立ちはだかって、もっともな事を言う。
再度、破魔の札を手にして念を籠める恐山師範。

『い、いやですー! 私、桜井さんの助手になって"GS桜井 極楽大作戦!!"のヒロインになるんですー!』

師範の手から今しも破邪札が放たれる瞬間、ありみちゃんが叫んだ。
そして強い意思を持って恐山師範の瞳を見つめ返し、念を込めた言葉を口にする。

『あ、貴方は私を成仏させました! すでに成仏させたんです!』
「何ぃっ……この恐山断弦に幻術を掛けるつもりか!?」

ありみちゃんの言霊が恐山師範の脳髄に響き、反響を繰り返して偽りの記憶を植え付ける!
そうはさせじと、強固なる意思で催眠を阻む断弦!
意思と意思との戦い!
その結末は……。


99 : 李珠 ◇rdfEGE/BGM    2010/08/27(金) 18:53:37   [sage]
「無事成仏したか……あの娘なら、きっと生まれ変わっても良き魂のままであろう……」
『や、やりました』

ありみちゃんが勝ったようだ。
恐山師範が厳めしい顔のまま猫バスへ歩き出す。
ありみちゃんは、師範の視界に入っているものの認識はされていない。
どうやら戦争に使われていただけあって、割と強い催眠能力のようである。
というわけで、この場は収まったようだ。とりあえず。

「はっ……思い出しました。貴方は以前秋葉原でお会いした方では?
 月夜田さんと桜井さんは思い出せませんから、今初めて会った方ですね。
 いえ、何となくそんな名前をしている顔でしたので、そう呼んでみただけですが」

李珠はカフェを見て、ようやく牧街を思い出したようだ。
月夜田と桜井は思い出せなかった。

「とすると、追手では無かったようですね……申し訳ありません。しかし何が何やら」

それは相手が言いたかろう。
そんな中、皆が帰り支度に入っていると足首に紙を巻き付けた鳩が李珠の元に舞い降りた。
今どき伝書鳩とは風情がある。
李珠は鳩から手紙を奪って開くと顔色を変えた。
いや、あまり変わらなかった。

「慌ただしいですが、私も用事が出来ましたので……これにて。
 何やら、新聞に載るような仕事をしなければならないようですね……フフ」

そういってテントへと戻る。
出発の前に二度寝をするつもりだった。


【むむむ、ご迷惑をおかけしただけでしたね。次章参加の方は無理そうです…】


100 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/08/28(土) 16:06:53   [sage]
>パニクった研究員の取り付いた毒虫は恐山師範と巨大な弓矢状武器に変形させられた秋葉師範によって殲滅された。

「……」
月夜田にも、ありみちゃんがずっとこの世に残ってた理由がなんとなくわかってきた。

「ありみちゃんはきっと研究員さんのことが好きだったのね…」
なんでそうなるのかよくわからなかった。月夜田は勝手に目をうっとりさせている。

そしてゾンビのありみちゃんは桜井美月の助手になるみたいだ。

>「慌ただしいですが、私も用事が出来ましたので……これにて。
>何やら、新聞に載るような仕事をしなければならないようですね……フフ」

テントへと戻る李珠。

月夜田を見ているありみちゃん。横目でありみちゃんを見る月夜田。

『ゾンビ村…なくなっちゃってごめんね』

「…べつに…。私、もう子供じゃないし。パンダに乗るのも飽き飽きしてたころだから
ゾンビ村を卒業するにはちょうどよかったよ。
ええそうよ。あなたなんてその美人さんに死ぬまでこき使われてればいいのよ」

月夜田は別れるさみしさを隠しているみたいだった。

「月夜田?さんっだったかにゃ?お家まで送ってあげるにゃ」
師匠が猫バスで月夜田をお家まで送ってくれるらしい。

「ほんと!?うれしい!!スタジオジブリみたい!メルヘンチックね!」

「乗ってる奴がメルヘンじゃねーけどな…」
ロケットランチャーを持っている恐山師範が呟く。

「さようならー!」
月夜田はぶんぶんと猫バスの窓から手を振りながらみんなと分かれた。


101 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/08/30(月) 23:20:42   [sage]
>94
>「ありみちゃんが待ってっていってるでしょ!!」
「ありみ殿、その男を愛しておった、否、今でも愛しておるのじゃな……!
恐山師範よ、彼女を信じてやってくれ!」

>95
>「……なるほど、彼女の正体は……」
「そう、二人は愛し合っていた。されど運命は残酷だった。
二人は戦争によって容赦なく引き裂かれる……! 
『この戦争が終わったら結婚しよう』そう堅い約束を交わして……」

>「催眠術(ヒュプノ)と言う奴だ、しかも相当強力な力の持ち主だぞ、彼女」
「なんじゃと!?」
驚くカフェ。
「二人は恋人同士ではなかったのか! 熱く語ったというのにどうしてくれるのじゃ!?」
ただし驚くポイントがズレていた。

>「たぁアアアアアアアアアアアアアアすぅうううううけええええええええええてえええええええくりゃああああああああああああああああああああ」
「こりゃ! ムードをぶち壊すでない!」

>「必殺!不愛成亜龍苦雷怒・鬼鬼鬼鬼歯〜〜〜〜〜」
>「二『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』」
「……」
ムードもへったくれもなかった。

>96
>『私はかつて、帝国陸軍超常能力部隊の隊員でした』

>96-99
>『あ、貴方は私を成仏させました! すでに成仏させたんです!』
「おじいちゃん安心して、ありみちゃんは最後に笑って成仏していったわ!」
ありみちゃんに良く分らない加勢をするカフェ。
>「無事成仏したか……あの娘なら、きっと生まれ変わっても良き魂のままであろう……」
>『や、やりました』
こうして、ありみちゃんは美月の助手として新たな一歩を踏み出した!

>「慌ただしいですが、私も用事が出来ましたので……これにて。
 何やら、新聞に載るような仕事をしなければならないようですね……フフ」
「そうか、帰るなら一緒に猫バスに乗って行かぬか? ……ありゃ?」

>100
>「さようならー!」
「さようならー……ってちょっと待てい! 師匠は何を考えておるのじゃ!」
ナチュラルに猫バスに乗ってさようならしてしまった。
美月の車は猫バスの中だったし牧街の車は大破している……気がする。
「……。李珠殿―、瞬間移動の術なんて使えぬか!?」

この後どうやって帰ったかはまた別の話と言う事でめでたしめでたし!?


102 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/31(火) 02:12:36   [sage]
>何やら、新聞に載るような仕事をしなければならないようですね……フフ」
「うん…あー…誰だか知らんが頑張れよ」
「えーっと……その前に突然攻撃をされた俺に一言あってもよろしいのではないかと…」
恐山師弟の言葉が届いてか届かずか、李珠は再びテントの中に戻ってしまった
惜しい!もしこの時恐山特殊部隊…即ちあの時東京タワーで李珠の顔を見たメンバーがいたならば
李珠のテントにロケットランチャーを叩き込み、悪の野望を阻止できたかも知れない!
だがしかし断弦も牧街も李珠の正体に気づかず、ふつーに李珠を見送ってしまった
…まぁ、スレ的には勿論この方が全然いい

「…カフェさん、疲れて寝てしまったみたいですね」
月夜田を自宅(マサルさんみたいな素敵な家に住んでるんじゃなかろうかと牧街は大いに期待していたが、残念ながら家は見えず)に送って分かれた後の猫バスの中
牧街の横の席で、カフェは師匠〜これでは帰れぬではないか〜とか言いながら深い眠りについている
そりゃそうだ、今回、走る事も多かったし、何よりシャドーバトラー使って分身を痛めつけられ、更には全く正体不明の妙な鎧身にまとって戦ったのだ
牧街や恐山師範や妖怪の猫師範ならともかく、普通の女の子では体は持つまい
(黙ってぼーっとしてりゃかわいいのになぁ…)
ロリ婆言葉を喋り、牧街にとって宇宙人の様な思考回路を持ち、無駄に死を恐れぬ度胸を持つ美少女の割と普通の可愛い寝顔に、思わず見とれている牧街の背を、師範がぽんっと叩く

少しほんわかしてたのが、一気に背筋が凍りつく
「毒虫と戦う特訓と言う物を思いついた」
「………はい」
牧街モリオに恐山師範が関わったその時
彼に安息の2文字は無い

「えぇっと…ところで何でありみさんは成仏しなかったんですか?」
恐山師範による地獄の対毒虫特訓の説明が終わった後、まだ残っていたありみちゃんに聞いてみる牧街
「やっぱあの研究員の霊が…」
「いえ、初対面でした」
割とあっさり否定される研究員の恋人で未練云々説
そらそうだ、研究員の霊は一度地獄に落ちてそれをテロ魔族が連れてきたのだ
もし研究員の霊とありみちゃんが恋人で、ありみちゃんが研究員が笑って人間の魂を痛めつけて楽しんでいるのを見てそれでも愛し続けていられる逸材ならば
研究員が地獄へ行った際に確実について行っていただろう、例え自分が天界へ行くことが決まっていても…(凄まじくありみちゃんは不幸だが…)
「やっぱり若かったのでもっと色々やりたかったですし…何より、もう一度食べたい物があるんです」
「食べたい物?」
「はい、山猫の肉です」
そう言って、満面の笑みを浮かべるありみちゃん
「山猫…珍しいですね」
「ですよね。私も一度しか食べた事ないんです
アレはXX島の山中で敵に周囲を包囲されて食料が尽きてお腹が減った時でした
仲間は次々死んで、私ももうダメかなって思った時、仲間の一人が山猫の肉だって言って大きな肉塊を持ってきたんです
アレはおいしかったなぁ……でも何か珍しい種だったらしくてそれから一度も同じ物を食べれなくて…」
「へえぇー、いつか食べれるといいですね、そのお肉」
「はい!」
ちなみに、もし万一再度ありみちゃんがその山猫のお肉を食べたなら、大変なことになる
特別天然記念物だとか絶滅危惧種だとか動物愛護とかそういう意味ではなくて…
そうとは知らない牧街は、死んでいるとはいえ可愛い女の子との楽しい世間話に華を咲かせて幸せな気分に浸っている
……まぁ、ありみちゃんだから大丈夫だろう、きっと、うん

かくして、装備全滅、自動車大破、大赤字、対毒虫特訓と牧街モリオに大打撃を与えたゾンビ村事件は幕を下ろした
しかしあの性懲りも無いテロ魔族の事だ、今にまた恐ろしい作戦を考えてくる事だろう
負けるな!GS!戦え!GS!地球を守れ!EDF!


103 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/08/31(火) 02:13:31   [sage]
【皆様のおかげで完結致しました、はい!ありがとうございます、そして、申し訳ありません
最後の最後のありみちゃんの所、カフェさんの意図はわかってましたがありみちゃんが変態科学者とくっついていたと設定するのが余りにもありみちゃんかわいそうだったのと
普通の思考回路で突っ込みを入れてくれるキャラクターがいなかったので彼女に残ってもらいたくてああいう風にさせていただきました
ゾンビ村たちと一緒に成仏しなかったのは上記のつっこみ担当NPCキャラが欲しくて後で何かしろ理由をつけてレギュラー化を狙ってやった事であり
昭和の霊にしたのもあの場で携帯を使えない理由を作るのと、何か帝国華撃団の隊員だった〜みたいな設定をつけようかな〜見たいな事を考えていたためで
あそこであーくるとは全く想像だにしておりませぬでした
おかげ様でかなり自然にありみちゃんが残った理由ができ、カフェさんには感謝と謝罪の言葉がつきません(元々カフェさんのキャラだったの勝手に俺が強奪したわけで…)
李珠さんの復活延期が残念でならない!リアル頑張ってください
桜井さん月夜田さん、参戦ありがとうございました、次回もどうかよろしく
百村さんも気が向いたらまた参加なさってくださいね
では〜】


104 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/01(水) 12:22:00   [sage]
【綺麗にまとまってるから私のエピローグは省くとして、まずはみんなお疲れさまでしたーっ】
【自分も牧街さんと同じ理由でありみちゃんを退場させるのが惜しいから続投フラグ立ててみました】
【名目は一応は自分の助手ですが今まで通りにみんなが使いやすいNPCって感じで】
【李珠さんもお疲れさまです。時間に余裕できたら本編で絡めることを期待してますよー】

【こんなんでよけりゃ自分は引き続き次章も参加しますんでーノシ】


105 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/08/31(火) 23:21:44   [sage]
【>103 いえいえ、感謝してくれるのは嬉しいですが謝罪は不要ですよー!
今回もお疲れさまでした!】
【>104 いいお絹ちゃんポジションが出来ましたね!
最初は名無し投下のモブだったのにまさかレギュラー化の大出世をするとはw
次もよろしく!】
【>99 少しだけだけど久しぶりに共演できて楽しかったよー、また気が向いたら来てね!】
【月夜田さんは一般人だけど次からも充分そのままいけそうなキャラですねw
百村さんの正体が気になるw】


106 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/09/01(水) 17:43:59   [sage]
【>99李珠さん。お疲れ様でした】
【>103牧街さん。最初に、さじ加減がわからなくて変なことをしてしまってごめんなさい。お疲れ様でした】
【>104桜井さん。文が綺麗でまとまっててすごいなって思いました。お疲れ様でした】
【>105カフェさん。月夜田の天然ボケが迷惑をかけてしまってごめんなさいでした。お疲れ様ですた】


107 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/04(土) 02:41:34   [sage]
ではそろそろ次の話しとしゃれ込みましょう
次どなたが話を作りますか?


108 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/09/04(土) 17:52:31   [sage]
話は作れないのでみなさんにお任せします。

109 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/05(日) 15:27:12   [sage]
自分はGMスキルは全くないので今回も丸乗っかりさせていただきマスー

110 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/06(月) 12:24:30   [sage]
こんなのどうでしょうwww
謎の異常気象に見舞われ熱中症の被害が続出する日本!
秋になっても気温は一向に下がる気配を見せない!
大規模な霊障の疑いもあるとして調査に駆り出されるGS達。
三流GS達が派遣されたのは、149歳を筆頭に120歳以上の高齢者が228人生存しているという不思議な街だった!


111 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/06(月) 20:18:12   [sage]
こんばんはー。ゾンビ村の次はご長寿村ですかw
自分は喜んでついていきますよー。


112 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/07(火) 04:07:35   [sage]
例の国民年金詐称の話しっすか!?
す…すげぇ…なまなましい内容っすね…
まぁ、でも本編にも多分に時事ネタあったし、問題ないと思います
それでいきましょう


113 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/07(火) 22:01:46   [sage]
いいんかいwww例によって導入部分だけの思いつきでノープランです。
走り出してしまえばどうにかなると思うのでご協力を宜しくお願いしますw
アニメの殿堂に続く時事ネタだよー。
120歳越えがうじゃうじゃいる村って文字通り聞くと超常現象の香り全開でワクワクしません!?
本当に長寿なのかはたまた幽霊が年金もらってるのか……!?
では……


114 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/07(火) 22:04:05   [sage]
灼熱列島日本!
「ああっ、アイスクリームが溶けてる!」
「ぶっかけうどんが普通のかけうどんになってるー!?」
「かといってクーラー無しじゃおでんも売れませーん!」
カフェ一家にクーラーをつけるほどの余裕は無かった! これでは喫茶店の経営も成り立たない!
秋になったというのに猛暑は収まる気配を見せず、熱中症で運ばれる人が後をたたない。
この事態にGS協会も動き出し、異常気象の原因を探るべく全国のGS達が各地に派遣されているのであった。
だが三流GSのところにはそんな重要な依頼は回ってくるはずも無く……
ガチャッ
「ちわーっ! 異常気象の調査以来が来たにゃ」
否、三流には三流なりの依頼が回ってくる!
「でも原因ってラニーニャ現……」
「にゃーーーーーーーーーー!! それは禁句にゃ!」
言いかけた台詞は師匠の大声によってかき消された!

「ここにゃ」
行き先の情報を受け取る。
「東逢坂村……149歳を筆頭に120歳以上の高齢者が200人以上も生存している不思議な村。
……異常気象と関係なさそうではあらぬか?」
「よく考えるにゃ。149歳なんてまるで漫画みたいにゃ。普通にはありえにゃい。
不老長寿の秘密を知っているとしか思えないにゃ。ということは……」
「と、言う事は……その秘密を手に入れれば100年後にはリアルロリババアも夢じゃない……!?」
「そういうことにゃ!」
カフェはがぜんやる気になった。
「こんないい依頼を妾だけで独占してはバチがあたろう。皆も誘ってあげようぞ!」
一人でやる気になっておけばいいものを、有難迷惑が炸裂する!
知り合いのGS(具体的には牧街や桜井)に電話をかけて誘い始めた!
月夜田は一般人だからまさかお誘いはかからないだろうが、もしかしたらまかり間違えて猫師匠あたりからかかるかもしれない。


115 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/09(木) 04:47:40   [sage]
地球防衛軍極東本部
今日もここでは4000名もの隊員が汗を流している
無論、それは恐山断弦隊長率いる精鋭、悪霊特捜隊も例外ではない
あらゆる事態に備え、常に地上のあちこちに監視の目を行き届かせているのだ
その日、そんな忙しい悪霊特捜隊のエリート隊員、牧街モリオに、断弦隊長が直々に呼び出しがかかっていた
何事かと作戦室に入ってきた牧街隊員に、断弦隊長は一通の辞令を手渡す
「おめでとう、牧街隊員、君の夢がかなったよ。本来なら勤務終了後に渡さねばならないのだが、一刻も早く君にこの喜びを伝えたくてな」
そう言って渡された辞令には、地球防衛軍最高責任者、美神令子長官の名前が記された「牧街モリオ、宇宙ステーション勤務を命ず」の文字があった
「…これは…」
「テロマーゾック星人を殲滅した君の功績が上層部で高く評価されたんだ。おめでとう、牧街隊員
宇宙飛行士は君の子供の頃の夢だったじゃないか」
そう言って、感動の余り声も出ない牧街の肩を、恐山隊長がぽんっと叩いた
「おめでとうございます、牧街隊員」
「流石ね、牧街君!」
オペレーター席のヨーロッパ支部から転属してきたアナスタシヤ隊員と、成瀬副隊長からも祝福の声が送られる
「自分は…自分はもう言葉もありません!隊長!皆さん!ありがとうございます!この功績も、他ならぬ皆さんのおかげです!」
そう言って、深く頭を下げる牧街を、皆が拍手で祝福した、その時だった!!
基地内に非常サイレンが鳴り響き、アナスタシヤと成瀬がコンソールに瞬時に意識を戻す
「東京B地区に怪獣が出現しました!前回の戦いで逃げ延びたデモンサーカスと思われます!」
成瀬の声に、牧街は表情を引き締めると、断弦隊長に敬礼する
「出撃します!」
「頼む!お前だけが頼りだ」
隊長の言葉に送られ、牧街は格納庫のGSアローへと駆け出した


116 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/09(木) 05:14:34   [sage]
東京B地区では既に先に到着していた隊員達が身長50mのピエロみたいな怪獣デモンサーカスに猛攻撃を加えていたが、怪獣は物ともせずに暴れ狂っている
「ダメだ!ミサイルもレーザーもまるで歯が立たない」
「ぇえい何故だ!何故俺様の攻撃が通じない!」
「い…一度撤退しましょうよ!」
複座型戦闘機、GSコブラにてデモンサーカスを攻撃する悪霊攻撃隊のタロー、シンドー、両隊員がその余りの頑丈さに思わず悪態をつき、地上から攻撃する惣介準隊員は既に泣きそうだ

「フフフフフフフ、愚かな地球人共、せいぜい無意味に抗いなさい、あなた達がどのような抵抗をしても、所詮私の手のひらの中で踊るだけなのです」
その光景を透明化した中でリシュー星人、アーカギがほくそ笑みながら見つめている
アーカギはテロマーゾック星人の怪獣デモンサーカスを回収し、独自に改良、強化したのだ

「あーれーたーすーけーてー」
「あ!あんな所に人がぁ!!」
デモンサーカスが吐いた炎が燃え盛る遊園地の中に取り残された少女を、上空を飛ぶGSコブラの中からシンドー隊員が目ざとく発見する
「キャーーー」
やがて何故かでかでかと月夜田と書かれた名札をつけた少女はデモンサーカスに捕らえられ、腕の中で人質にされてしまった
「くっそぉ!これじゃ攻撃できねぇ!!」

「ふふふふふ、これぞ我々リーシュ星人必勝の策、人質戦法!」
円盤の中のアーカギの立てた作戦は、作者が違うからやっぱり何だかいまひとつキレが悪い
しかし、アーカギの目論見どおり、正義の味方の悪霊特捜隊は人質を守るため攻撃できなくなってしまった
邪魔者がいなくなり、嬉々として火を吹いて暴れまわるデモンサーカス

そこに、牧街の乗ったGSアローが駆けつけた!!

「あ!牧街さんだ!!牧街さんが来てくれたぜ!」
「牧街さんが来てくれれば俺様も安心だといわざるおえない!」
「良かった、もう安心だ!」
口々に彼の登場を喜ぶ隊員たち
「人類の平和と繁栄を乱す悪霊怪獣!この俺が成敗してくれる!!」
勇敢に格好良く飛来したGSアローは、デモンサーカスの目に的確にミサイルを命中させた
思わず少女を取り落とすデモンサーカス
「あーれー」
「おっと危ない、大丈夫ですかマドモアゼル」
「まぁ、ありがとうございます」
しかし、牧街のGSアローが素早く飛来し、ハッチを開けて牧街が素手で落ちてくる月夜田をキャッチしてみせる
「ふ、お嬢さんをこんな窮屈な戦闘機に乗せておくわけにはいかない、着陸だ」
そう言って、牧街は余裕綽々でアローを着陸させ、月夜田を降ろすと自身は拳をぽきぽき鳴らしながらデモンサーカスへと近づいていく
「男は拳でかたらないとな必殺!ウルトラスーパーギャラクテカスペシャル天竜落地砕!!」
「ギャオオオオオオオ」
牧街の素手の一発を受けては、流石のミサイルを寄せ付けない巨大怪獣も成すすべなく、爆発四散するしかなかった


117 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/09(木) 05:43:56   [sage]
戦いが終わり、尊敬と羨望の眼差しで隊員達が牧街の元へ集まってくる
「あんた最高だぜ!牧街さん!」
「ふっ、俺様も負けたよ」
「かっこよすぎます!牧街さん!」
「ありがとうございます!私、牧街さん見てるとドキドキで頭がふっとーしそーです!」
各員の最高の褒め言葉に、牧街は穏やかな笑みでありがとうと返し、引き上げ等としたその時
空にアーカギの乗る円盤が姿を現した

「ふふふふふ、牧街モリオ、やはりデモンサーカスを倒しましたね」
「リーシュ星人!無駄な抵抗はやめろ!命まではとらん!」
勇ましく格好いい牧街の言葉に、リーシュは怯むがそれでも何とか言葉を続ける
「こ…今回はもう一体怪獣がいるのです!行きなさいアキバ怪獣クイーンカフェラ!!」
ブニャーーーと猫の様なかわいい雄叫びを上げ、アカーギの円盤から小柄な幼女…もとい、怪獣、クイーンカフェラが姿を現した
「どんな怪獣もこの俺の相手になると思っているのか?そんな怪獣、10秒でぶっ潰して…」
「お兄ちゃん、私を攻撃するの?」
「!!??」
クイーンカフェラのロリータボイスの、無敵のはずの牧街の表情が始めて固まった
「ど…どうしたんだ?牧街さん」
駆け寄るタローに、牧街はブルブル震えてうずくまってしまう
「あ…あわわ、牧街さんがあっけなくやられてしまった」
「牧街さん…いや…牧街、てめーロリコンだったのか!」
「牧街さんは変態じゃありません!ド変態です!」
行動不能に陥った情けない牧街を口々に罵るほかのメンバー
等の牧街は河豚の毒にあたった人みたいにブルブル震えるだけで何もできない
もう地球はお仕舞いなのか?
しかし、その時!天の彼方から赤と銀の衣装着た亜麻色の髪のナイスバディの姉ちゃんが舞い降りる
「あ!ウルトラゴッデスミツキだ!」
「牧街の100倍頼りになるウルトラゴッデスミツキだ!」
「もうこりゃ牧街いらないな」
ウルトラゴッデスの登場に、牧街は一気に脇役如何に変わり、皆は牧街のことを無視して戦いに集中する
「違う…違うんだ…俺はロリコンとかじゃなくて……これは…怪獣が俺の能力を分析して作った音波攻撃を……違う!!」
牧街の意識が遠のいていった…

その時、彼の耳元で電話が鳴り響いた

「…いい導入部が思いつかんからって3レスも使って下らん妄想すんなよ、作者」
もそもそと布団から起き上がった牧街は、天に向かって悪態をつくと、横の電話の受話器を上げる
「はいもしもし…あ、カフェさん、おはようござ…え?もう昼?」
窓の外を見れば、確かにお天道様は結構上に上っている
この数日間、牧街GSオフィスは除霊道具が全滅したため営業できず
そういう場合牧街の余った時間を鍛え上げてくれる恐山師範もこの所海外に飛んでいるため
明日から働こうとか言って牧街は毎日ずっと家でごろごろ寝てすごしていた
故に、めちゃくちゃ暇である
「へ?…いやそれは単なる自然現象でしょ?……第一それマジで悪霊の仕業だったら人間の力じゃどうしょもできませんって…
……え?不老長寿?」
正直、牧街は不老長寿なんぞ興味ない
妹が元に戻った上で安楽死できるなら、即効でくたばって来世へレッツゴーでもあながち文句無い位だ

(カフェさんには色々世話になっているし命も何度か助けてもらってるからなぁ…。生活も助けてもらってるし…)
そう、牧街は結構頻繁に押しかけてくるカフェの両親に身の回りの世話をしてもらう事が多々あり、正直かなり助かっていたりするのである
それにいつぞやの鬼モドキや蟻魔の時もカフェがいなければ牧街は死んでいた
たまにはこっちが助けるのが人の道と言うものである
幸い、今回は物騒な悪霊が出てくる心配は無さそうだ(本編でもそういう話し一杯あるし)
「んじゃ行きますよーえぇー」
そう言って応じると、牧街は財布だけもってカフェの元へと出発する

…役立たずフラグ立ちっぱなしだ


118 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/09(木) 20:51:18   [sage]
ところかわってこちらウルトラゴッデスもとい桜井GS事務所。
むやみやたらとだだっ広い、美月の収入のほぼ全てを費やした見栄の塊のようなオフィスの所長デスクには美月とその傍らに先日無事に助手となったありみちゃんがやることもなくお茶していた。
「あ〜…涼しいわねぇ…いくら外が記録的な猛暑でもクーラー効いてれば関係ないものね」
『…………』
「優雅に午後のテレビタイムと行こうかしら…あらあら、こんなクソ熱い中で汗だくになって真面目に働いちゃって、庶民って大変よねー」
『……あのぅ、桜井さん?』
「…ん?なによ?」
『……そのぉ…大変言いづらいんですけど……しょぉーーじきちょっと寒くないですかこれぇ!?』
「…ば、バカ!寒いっていうんじゃないわよ!余計に寒くなるでしょうが!!」

凄まじい寒風吹きすさぶ事務所内。室温は余裕で零下。クーラーが轟音を上げて白い死神のような吐息を吐き出している。
天井からは氷柱が下がり湯のみに淹れたあっついお茶は見る間に冷めて緑色の個体になってゆく。どう見ても冷房の範疇を突き抜けた冷えっぷりだ。
有り体に言えばぶっ壊れている。

『でもでもぉ、そんな気のもちようでなんとかなるようなレベルのものじゃないですよー!もうクーラー切りましょうよー!!』
「ダメよ!クーラーも効いてないオフィスなんて依頼者が来たときに貧乏事務所だとなめられるでしょうが!!」
『そんなこと言ったってこのままじゃお客さん来る前に凍死しますよぉ!それにこのクーラー、電気代がものスゴイことになってるんじゃぁ…』
「ハッ!上等じゃないの。こうなれば依頼が来るのが先か凍死するのが先かとことんまでやってやるわ!電気代は…ほら、集金の人が払ってくれたと思い込んでくれたらいいんじゃないかしら、ね?」
『そんな事のために命掛けないでくださいってばぁ!それに私の力は電気代ごまかすために使ったりしませんからねっ』

真っ白に凍てついた室内。二人身を寄せ合ってギャーギャーと喚いていたがこのままではありみちゃんはともかくとして美月の方が本気で凍死しそうな勢いである。
血の気の失せた唇、お肌はゾンビのありみちゃんよりも青白い。いまならかの美白女王そのこ相手でもいい勝負しそうだ。

「……ああ、氷柱を見ると思い出すわ…私の故郷ではもっと大きい、人がすっぽり入りそうな氷柱が見られるのよ…懐かしいなぁ…ふふ…」
『ちょ、ちょっと桜井さん!?あぁぁん、目がとんじゃってる〜!!ほら、気を確かに持って!寝たら死にますよー!!』
虚ろな瞳で遠い故郷を幻視する美月の頬をありみちゃんがバシバシと引っ叩く。外は灼熱の真夏なのにここだけ八甲田山もかくやの修羅場。何やってんだこの二人。
美月の見栄と生命をかけた「お客が来るまでクーラーは切らないぞ☆チキンレース」は彼女の勇敢なる戦死を持って幕を閉じようとしていた、まさにその時!!

“トゥルルルルルル…"

電話がなった。
『は、はい!こちら桜井GS事務所…あっ!カフェさん!?はい、はい、先日は…いえ、いっ、依頼ですか!あ、でも桜井さんはちょっといま凍死しかけて…』
「オーホホホ!やっぱり天は私に味方するのよ!このボロクーラーがっ、死んで詫びなさい!このっ、このぉっ!」
電話に出たありみちゃんがちらっと美月の様子を確認すると壁からクーラーを引っ剥がしてありったけの憎しみを込めて足蹴にしていた。なにげにHPの高い生き物である。
『いえ…なんでもありません。直ぐに用意してそちらの事務所で合流しますね…はい。失礼します』
―――
――

「……あ゛……あ゛づい゛ぃぃ……しぬ……あ゛ぁ〜…」
そしてカフェの事務所。桜井オフィスとの気温差はゆうに50度以上、その凄まじい外気との落差に耐えきれず美月はソファでグデングデンに伸びきっていた。
サハラ砂漠の昼と夜なみの気温の変化を短時間で体感すれば無理もないが。
それでも帰る気配がないあたり例の不老長寿に心惹かれまくっているようだ。


119 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/09/10(金) 16:30:23   [sage]
ねえ、最近気になっているの。あの子少し変じゃない?

月夜田の母が月夜田の父にこんなこと言うようになったのはつい最近の出来事でもなくて、
月夜田みことが幼稚園の頃からずっとだった。
隣の子とあの子はちがう、それが月夜田「母」の心配事。
隣の子は英語なんてもう小学一年生コースまでやっているのにとか、
隣の子は友達がたくさんいるのにミコトが公園に行っても誰も遊んでくれないとか…その他もろもろの心配事。

ねえ、最近気になっているの。あの子少し変じゃない?

と言う言葉は月夜田母が月夜田父と会話するときの枕コトバのようになっていたし
ここ最近、月夜田母は半ば月夜田みことの奇行に失望しているというか呆れ返っていて、
みこと本人とは会話などまったくと言っていいほどしてくれなかった。


○月×日、はれ。正午の気温、○×.○℃(前日比+2℃)

銀行らしき建物の壁に掲げられた電光掲示板を見上げて月夜田みことは地面に転げそうになる。

「あっつ〜…死むぅ〜」
今となっては暇な日にゾンビ村で過ごすことは月夜田には出来なかったし、家族と…特に母親とぴりぴりした家の中で過ごすことはみことには苦痛。
逆に父親が休日の日など父親とこそこそと話しているのを見ると「はっきり言えばー!?」とか叫びたくなる。

「私、心も体も渇いてるんだ…」

アイスクリームを売っているワゴン車で買ったアイスを食べながら月夜田はカフェの所へと向かっていた。
理由は猫師匠からお知らせがあったから。

ゾンビ村での騒動をみた月夜田は牧街やカフェや桜井など首の皮一枚でその日を生きているような生き方に共感ができたし好感が持てたし
将来的には自立して一人で生きてみたいという気持ちもあった。
自分の母親のように大学を出たあと花嫁修業をして社会を経験することもなく結婚して内に篭ったような生き方などまっぴらごめんだ。

「ここ?カフェさんのいる所って?」

カフェのいる建物のドアを開けてそっと月夜田が覗き込むと外気にも負けず劣らない熱風が室内から押し寄せる。

「あっつ!!そ、外より暑くない!?」
手に持っていたアイスクリームがドロリと溶けた。まるでドラゴンから火を吐かれた騎士の剣のように。

「こ、こんにちは。私、月夜田みことです。私、猫師匠からお知らせをいただいてお伺いしました。
今回はGSのお仕事がどういったものか御指導御鞭撻させていただきべく皆様に御同行させていただきたく参った所存でございます」

丁寧過ぎてこんな日本語ある?っていうような月夜田のあらたまった挨拶だった。


120 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/13(月) 21:49:38   [sage]
>117-118
間もなくカフェの事務所に牧街と桜井が訪れた。
>「……あ゛……あ゛づい゛ぃぃ……しぬ……あ゛ぁ〜…」
うだるような暑さの中、猫師匠が以来の説明を始める。
「よく来てくれたにゃ。今回はご長寿の村ツアーにゃ」
その時、ほんの少し涼しくなったような気がした。
「ん? 予想通り来たかにゃ?」
「誰がじゃ?」

>119
ネカフェだかメイドカフェだか良く分らない喫茶店に月夜田が入ってくる。
「いらっしゃ〜い」
>「こ、こんにちは。私、月夜田みことです。私、猫師匠からお知らせをいただいてお伺いしました。
今回はGSのお仕事がどういったものか御指導御鞭撻させていただきべく皆様に御同行させていただきたく参った所存でございます」
「あら、待ってたわよ〜!まさかあの子が弟子を取るようになるとはねえ。
今日から事務所でバイトすることになったみことちゃんが来たわよー!」

一階からカフェママの声が聞こえて来た。
「どういうことじゃ!?」
「そのまんまの意味にゃ。あの子には素質があるからきっといい妹分になるにゃ。
カフェママとカフェパパにはぼくちんから伝えておいたにゃ」
が、カフェの事務所にはバイトを雇う余裕などないはずである。
「それは困るぞ!」
「ふっふっふ、住みこみで三食付きにすることで賃金を最小限に抑えれば大丈夫!」
「なるほど……!」
師匠の妙案というか迷案に納得してしまうカフェであった。

「いいところに来たにゃ。今日も最高にツイてるにゃー!」
猫師匠は謎めいた台詞でみことを歓迎している!
“憑いてる”のことなのか!?と思ったがあえて聞かないでおくカフェ。

「今回行ってもらうのは東逢坂村。
149歳を筆頭に120歳以上の高齢者が200人以上も生存しているらしい村にゃ。
あまり危険そうじゃにゃいからみことちゃんがついていっても安心にゃ」
「しかしどうしてそのような優良物件がうちに回ってきたのじゃ?」
「山奥すぎて誰も行きたがらないからにゃ。
しかーし! 我らにはどんな山奥だろうと関係にゃい! 猫バスをチャーターするにゃ」

到着した猫バスには“みことちゃんようこそカフェGS事務所へ”という垂れ幕がかかっている。
「おやつは500円まで、ただしバナナはおやつに入れにゃいこと! それでは出発進行―!」
こうして猫バスご長寿村ツアー、もとい日本を灼熱地獄から救うための東逢坂村の調査が始まった!


121 : 名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中    2010/09/13(月) 22:18:21   [sage]
カフェパパ「娘よ、試しにちょっとした粗品を作ってみたんだがどうかな?
 なかなかの出来だろう?
 牧街君や他の仲間にでも、おすそ分けしてあげなさい」

つ【土下座ストラップ×5】


122 : 名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中    2010/09/14(火) 00:43:31   [sage]
人魚の肉でも

123 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/15(水) 21:41:51   [sage]
「………桜井さん、何でここにいるんすか?何かこういう無報酬確定な協会の適当な調査依頼に参加する人にゃ見えませんが」
「えぇ…まぁ…暇…だったって言うか…」
がめつくてこういうボランティア的な事しそうなイメージではない桜井がカフェの事務所にやってきたのに意外気に思った牧街がありみちゃんに小声で尋ねるが、ありみちゃんは苦笑いを浮かべるしかない
冷房から逃げるために依頼を受けましたなんてどう説明すれば良いのだろうか
「もしかして初仕事ですか?ありみさん」
「えぇ、足を引っ張らないように、頑張ります」
「そんな、俺の方が装備無いから足引っ張りそうで…えぇ」
「そんな事ありませんよ、一緒に頑張りましょう!」
「あ、はい、ありがとうございます、えぇ」
灼熱地獄の中、しかし「口から火を吐く魔物と戦う訓練」と称して炎の海でもがき苦しむ特訓をしたり、「異世界に閉じ込められた時の訓練」と称してサハラ砂漠でもがき苦しんだ経験がある牧街と
丈夫な体で炎ならともかく熱帯なんぞではそこまで応えないありみちゃんは普通に会話している
相変わらず変な所で牧街は超人だ

そんな恋愛要素のあるロボットアニメとか見たいな会話を牧街がありみちゃんとしていると、何となく周囲の温度が下がってきた
「…雲でもでたんすかね?」
「雨、降るといいですね」
二人が何となく疑問に思ったその時
>「こ、こんにちは。私、月夜田みことです。私、猫師匠からお知らせをいただいてお伺いしました。
>今回はGSのお仕事がどういったものか御指導御鞭撻させていただきべく皆様に御同行させていただきたく参った所存でございます」
「ダァニィ!?」
前回散々酷い目に合わされて愛車馬鹿にされて荷物扱いされて牧街を苛めた少女がカフェ事務所へと襲来してきた
しかも何かカフェの弟子になるとか言う話しが進んでいく
(この3人、頭の波長がちかそーだからなぁ……)
黒い三連星やヤザン隊並みの凄まじいトリオの誕生に、牧街は数歩後ずさり、ある覚悟を決めた
(これから凶悪な仕事を師匠に依頼されても自力で頑張ろう)

カフェと猫師匠だけでも死地にノリで突っ込んでいく牧街にとっての死神だったのだ
そこにこの何をしでかすか検討がつかない少女が加われば、どんな化学反応を起こすかわかった物ではない
多分、一人でやった方がまだ安全だろう…いや…でもやっぱ…アレだし…いやしかし…
>「今回行ってもらうのは東逢坂村〜あまり危険そうじゃにゃいからみことちゃんがついていっても安心にゃ」
牧街が将来の事考えてる間に、師匠が説明を開始した
なるほど、人が入れんような山奥で、カフェ等はやる気満々である事が判明する
お年寄りが一杯いるのは…あ、そうか、不老不死何じゃないかってカフェ等が騒いでる由来はそれかと牧街納得
人魚の肉じゃあるまいし不老不死なんぞそうそうありえない
健康に気を使ってる老人達がいるっつーだけで、養命酒でも貰って終わりだろう
っつーかそんな一杯の年寄りの面倒を何人の若い人が見てるんだろうなぁ、少子高齢化だからなぁなどとどうでもいい事を考えている間に
いつもの猫がやってきて、カフェパパにこれ書いてる作者も持ってる土下座ストラップ貰っていざ出発となった

バスに揺られながら、牧街はとりあえずこれからの事を考えてみる
カフェ等は「日本が灼熱地獄化してる原因」を探りに長寿の村へ赴くのだ
無論、んなもんあるわけが無い、あったとしても人間の力でどうこうできるモンではない
そんなのはカフェ等も重々承知してるだろうので、恐らく「不老長寿」の方がほんとの目的だろう
だが、多分その応えは養命酒か、健康法かの二択に違いない
多分カフェ等は納得しないだろうが、まぁ現実なんかそんなもんだ
そこで問題なのは、自分来た意味が全然無いんじゃないかって事である
まぁ、車もないから事務所いけないし仕事も無いから家にいてもしょうがないから全然OKなのだが…


124 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/15(水) 21:56:13   [sage]
だがせっかく来たのだ、しっかりカフェを手伝う必要がある、例えやる事が無くても
東峰坂村に着くと、牧街はヒモを通した5円玉と出発前にカフェの持ってたのをコピーさせてもらった地図を用い「フーチ」と言う探索方法で周囲を探索し始める
「フーチ」とは、霊能力を用いた自分にとって有益な場所を探すための方法で、詳しくは地獄先生○〜べ〜を読んでもらいたい
「特に強い反応は無いっすね…」
地図上で紐から垂らした回転する5円玉動かしながら、牧街は予想通りと言った感じに呟いた
5円玉の回転は特に大きな物は無く、何ら有益な情報は見つからない
「あ、俺、ここで探してるんで、皆さんかまわんでいいっすよ」
そう言って、牧街は近くのバス停のベンチに腰掛、フーチを続行する


125 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/16(木) 19:30:17   [sage]
「あぁ〜……あぅ…う゛ぁ…」

なにやら牧街とありみちゃんがこのくそ暑い中で平然といい感じに歓談しているが美月はとてもそれどころではない。
牧街の如何にもな詮索にも応える余裕もなく言葉を発するのもかったるいとばかりに唸り声だけを発してはソファでゴロゴロともんどり打つ。
さながら真夏の動物園の白熊。

「あん?…あぁ…確かこの前の妙ちくりんな女の子じゃない…そ、なんかわからないけど頑張ってね…」

それでも月夜田の助手見習い見学みたいな申し出には一応反応してヒラヒラと手を振ってみせた。
なんだか奇妙な涼気が美月の気力ゲージを一瞬だけ回復したのかもしれない。
しまいにはありみちゃんに背負われて猫バスまで担ぎ込まれる始末。
一度だらけ出すと際限なくだらける女、桜井美月。
普段ならちょっとお断りしたいカフェパパのくれた土下座ストラップも知らぬ間にありみちゃんにつけられていた。

『…もう、桜井さん。いつまでグデグデしてるんですか?そんな事じゃ困りますよ、ほら、シャンとしてください』
「そんなこど…いっだてねぇ…私はゾンビと違って繊細なのよ…も、だめ…」
『も〜、仕方ないですね…これじゃお仕事になりませんし……
ほら、桜井さん…ちょっと外の気温が下がってきたんじゃないですか?そんなに暑くありませんよー、涼しいですよー…』
「は?何言っちゃてるのよ。こんな馬鹿みたいに暑いのに…あら?
……ほんとだわ…街中より自然の中の方が涼しいって言うけど本当だったのね」

ありみちゃんの催眠術発動!美月は強制的に暑さを忘れたっ!

「ふふふ…暑ささえなくなればこっちのもんよ。さぁ、張り切って不老長寿のネタを探すわよー!」

窓の外を流れていく山の緑を見ながら目をキラキラ輝かせてご機嫌の美月。
ちょっと離れて申し訳なさそうな苦笑を浮かべるありみちゃん。
…暑さを忘れたからと言ってそれはあくまで感覚の話だ。
気温により体力が低下しているのは避けられない事実。
例えば麻酔を打って痛くないからと言って、ナイフで刺しても健康に影響がないかっていうのと同じ話なのである。

(ゴメンなさいっ、桜井さん…っ!)

この仕事のあと間違いなく強烈な夏バテに襲われるであろう雇い主に小さく手を合わせた。


「いよっし!到着っ。さー、まずは…あら?アンタはいかないの?
ま、私としては競争相手が少ないほうがいいけどね。それ、レッツゴーーーーっ!!」

バス停を我先にと降りるとフーチで探索を始める牧街を一瞥して山道を駆け上がってゆく。
免許持ちのGSがフーチで探しているのだからそれなりにその結果には信憑性があるのだがこの女ときたらそんなことは知ったこっちゃないようだ。

そして五分後……

「こっこ、これ、これ…人魚の肉?ねえ、これ本物?」
『んだよぉ…東逢坂村名物の人魚の肉だ。お嬢さんもひとつ買っていくがええね』
「あ、あれよね!?不老長寿の秘訣の!この村のご長寿の秘密のっ!」
『あ〜、んだんだ。これさ食っておけばいつまでも長生きだよ〜
…干物にホルモンに切り身に串焼きとあるけどどれがいいね?』

村の入口あたりにあった《名物:人魚の肉》の看板の出た土産物屋に引っかかっていた。
美月が鼻息荒くして食いついているそれはどう見ても名前だけの何か別の肉という
村人にしては精一杯の洒落を効かせたネーミングを施しただけの土産物。
しかし欲の皮が突っ張っている人間はタイミングさえ合えばどんな嘘にでも引っかかるものだ。
大体なぜ山奥で人魚の肉なのか。せめて港町だろう。

(…言えない…わたしには…それただのお土産物じゃないですかなんて…)

両手いっぱいに人魚の肉を抱えてホクホクの幸せそうな笑顔の美月に突っ込むこともできず
ただ瞳を潤ませて首を振るありみちゃんだった。


126 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/09/18(土) 17:15:29   [sage]
月夜田がカフェ事務所に訪れると牧街と桜井がいて、ぐでぐでになっている。
ありみちゃんもいて牧街と歓談中。

>「あん?…あぁ…確かこの前の妙ちくりんな女の子じゃない…そ、なんかわからないけど頑張ってね…」
ヒラヒラと手を振ってみせる桜井。月夜田は軽く会釈をして、
みんなの顔をみて少しほっとするようなほっとしないような気持ちになる。
すると挨拶もそこそこにカフェママが話しかけてきた。

>「あら、待ってたわよ〜!まさかあの子が弟子を取るようになるとはねえ。
>今日から事務所でバイトすることになったみことちゃんが来たわよー!」

二階かどこかへむかって大声で呼びかけているカフェママ。
声の向こう側の世界にカフェと猫師匠がいるんだろうけど…。

>「どういうことじゃ!?」
「どういうことなの!?」
離れた空間で同時にカフェと月夜田の声がハモる。

(え〜!?あのときに猫師匠と話したことって普通に見学したいってことだったんだけど?)

月夜田の心中とは裏腹に娘の新しい弟子をみてニコニコしているカフェママにストラップをプレゼントしてくれるカフェパパ。

(でも私の言い方も悪かったんだ…。まー見学でも弟子でも結局はおなじだからいいよね…)
土下座ストラップの紐を指でぐりぐり弄りながら月夜田は今年一番の苦笑い。

>「いいところに来たにゃ。今日も最高にツイてるにゃー!」

「…ふぇ?」
意味深な言葉に月夜田は目をぱちくりさせていると猫バスが来た。行き先は東逢坂村。おやつは500円まで。

――そーして東逢坂村についた。遠くの畦道にN○Kのロケバスが駐車してある。百歳万歳も来ているっぽい。

猫バスのソファはふかふかで気持ちよかったんだけど何故か少し体がだるかった。
猫バスからおりると月夜田は肘を上にあげて猫のように伸びをする。

「ぅ〜〜〜〜〜んっ…はぁ!」
月夜田の「はぁ!」に背中を向けていた猫師匠がビクッ肩をすくめる。
「どうしたにゃー!?」
「え?あ、あのー…伸びをして声を出しただけなんですけど…」
「…びっくりしたにゃ」

そんな会話をしていると牧街は、
>「あ、俺、ここで探してるんで、皆さんかまわんでいいっすよ」と言ってバス停のベンチでフーチを始める。
桜井はというと山道を駆け登って行ってしまった。
月夜田は黙って中腰でフーチを見ていたけどポタリとこめかみから自分の汗が落ちてなんだか、それがイヤだった。

「…うー。私、冷たい麦茶とか飲みたいぃ…」

「麦茶じゃないけど、この水、とっても冷たくて美味しいにゃよ」
あぐあぐと湧き水を飲んでいる猫師匠。野性的。月夜田もハンカチに湧き水を染み込ませておでこにおしつけてみる。

「ほんと!冷たくって気持ちがいい!カフェさんもやってみて!」
調査のことを忘れて月夜田は山に遠足に来ただけみたいになっていた。


127 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/21(火) 21:36:29   [sage]
>121
「おお、素晴らしい出来じゃ! かたじけない!」
土下座ストラップ を 手に入れた!
これが後々に重要な伏線になる……かもしれない。
「なってたまるかー!」
虚空に向かって突っ込みを入れるありみちゃんであった。

>124
>「あ、俺、ここで探してるんで、皆さんかまわんでいいっすよ」
「うむ。試しに五円玉の代わりに土下座ストラップでやってみてはどうじゃ?」
そんなことをしても無理なものは無理である。

>125-126
>「いよっし!到着っ。さー、まずは…あら?アンタはいかないの?
ま、私としては競争相手が少ないほうがいいけどね。それ、レッツゴーーーーっ!!」
猛烈な勢いで突入する桜井とそれについていくありみちゃん。
「よーし、妾らも負けてはおれん! いくぞ、師匠とみこと殿! ……ってあれ?」
>「麦茶じゃないけど、この水、とっても冷たくて美味しいにゃよ」
>「ほんと!冷たくって気持ちがいい!カフェさんもやってみて!」
「どれどれ? む!?」
HPが少し回復した……ような気がした!
「気付いたにゃ? この水は何らかの霊力を帯びているようにゃ」

一方桜井がいるあたりでは……
「美味しい水ー、東逢坂の美味しい水だよー!」
ただで汲める水を土産物として売っていた。なんてセコいんだ。


128 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/09/24(金) 12:59:14   [sage]
【名前】
藤原 あゆむ
【年齢】
17歳
【体格】
出るところはで、しまっているところは締まっている
【容姿(霊衣)】
赤のモンペに白のブラウス。サスペンダーは赤
【属性】
魔法
【霊圧】
60
【特殊能力】
炎系統の魔法とお札少々
【装備】
50〜5万円程度の破魔札
【趣味】
食べ歩き
【備考】
渡りのゴーストハンター。全国各地を転々としている

【はじめまして。よろしくおねがいします】


129 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/09/24(金) 14:40:48   [sage]
「ここが長寿がごろごろいることで有名な村か…」
地図を片手にモンペ姿の女がバスから降りた
バス停の看板には10、30の文字が二つ
バスはよくて1時間に二本、ない時は一本もない、辺鄙な村である
「何か高く売れるものでも手に入るといいんだけどな…」
境界からの依頼だ
報酬はないに等しい
不老不死の原因を突き止め、それを全国に広めない限りは大した金にはならないのだ
「にしてもあちいな…」
ボタンをいくつか外し、張り付いた衣服に風を送る
普段はモンペだが、こう暑くては着ていられない
ブラウスにモンペというこだわりはあつさにまけてしまったのか、下は赤のフレアスカートというごくごく一般的な装いである

しばらく歩くと山道に入った
樹木はうっそうと生い茂り、葉っぱは火の光を浴び、淡い緑色の輝いている
樹木の下は当然ながら影
「ここいらで休憩するか」
カバンからタオルを取出し、湧水に着けた
「あ〜涼しい…」
タオルを絞り、首に当てる
冷感に目をつむり、手近にあった岩に腰掛ける
そのすぐ隣では中学生ぐらいの年齢の子供がにゃと妙な声を上げている
観光客とも思ったが、何やら妙な気配がする
「もしかして、お前たちもこの調査に来たのかい?」
同業者の可能性が高そうなので声をかけてみることにした


130 : 名無しになりきれ    2010/09/24(金) 15:21:05  
またコクハか
とっとと失せろ
ライトにこもってろ池沼が


131 : 名無しになりきれ    2010/09/24(金) 15:30:35   [sage]
東方のあいつだろコレ?
版権、越境でキャラの直接の登場はなしだからアウトだろ
下の名前変えただけだしな
だいたい原作つきのスレに別の版権キャラ引っ張ってくるとか嫌がらせか?
一番疎まれる行為だな
世界観台無しだわカス


132 : 名無しになりきれ    2010/09/24(金) 15:59:06   [sage]
>>128
スレのルールくらい守れよキチガイ


133 : 名無しになりきれ    2010/09/24(金) 19:12:53   [sage]
>>131
版権・越境:(キャラの直接の登場はなし、台詞の中(*1参照)や、どう見てもそれにしか見えないよーな物が出るのはあり。後者はほどほどに)

後者に該当するからアウトではない


134 : 名無しになりきれ    2010/09/24(金) 19:21:31   [sage]
どう見てもそれにしか見えないようなものをメインキャラで使うのはほどほどの範疇じゃねーよ。
東方スレにでもいってろ。


135 : 名無しになりきれ    2010/09/24(金) 20:18:19   [sage]
>>133
コクハである時点でアウトなんだよ
今まで自分が何してきたかわかってないのか
この板から出ていけ真性キチガイ


136 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/25(土) 03:35:53   [sage]
しばらくフーチを続行していた牧街だったが、どうしても振り子の動きは平均的で、コレだというポイントは見つからなかった
念のため土下座ストラップでも試してみたが、やはり変化は無い
仕方なくフーチを諦め、ベンチから立った
ここでボケーっとフーチに集中していても仕方が無いので、外を散策しようかと思ったが、ここから離れると、カフェ等が戻って来た時に携帯の無い牧街を探して無駄な手間を取らせてしまうか、最悪置いていかれてしまう
周囲を見回したが、公衆電話は無い
良く考えてみればこれでは有用な情報を発見してもカフェ等に伝える事はできないではないか…
(アホだ、俺)
己の思慮の無さに牧街は軽く頭を抱えると、仕方なく照りつける日差しの中再度フーチの作業に戻る



(あー、流石に日差しに長く当りすぎた…)

さしもの牧街の頑丈な体にも遂に猛暑の影響が出てきた
仕方なく、財布からふせんメモにジャケットから出したボールペンで「村の方に行ってみます。18:00には戻ってきます。牧街」と書いてベンチに貼り、桜井等の行った山道を進む
(村役場にでも行って見るか…。なんかわかるかもしんないし)
適当に目的地を考えながら、牧街は村へと歩いていく


137 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/09/25(土) 03:59:31   [sage]
>>128
【はい、よろしくお願いします】


138 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/25(土) 14:03:55   [sage]
【携帯からこんにちはー】
【中の人が体調不良によりタダでさえあれなロールが全くまとまらないので復帰まで適当に私の順番は飛ばしておいてくださーい】
【いつも通りキャラも適当にあしらってくだされば】
【では取り急ぎご報告までノシ】


139 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/26(日) 21:56:22   [sage]
【挨拶代りにとりあえず短文を……】

>129
>「もしかして、お前たちもこの調査に来たのかい?」
「うむ、その通りじゃ。お主もか? このような山奥にどうやって来た?」
普通にバスで来たとのこと。
「ん? バスは通ってたっけにゃ? まあいいにゃ」
というわけでよろしくお願いします!

>138
【スレ内とは違っていきなり寒くなってしまいましたからね。お大事に!】


140 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/09/27(月) 15:14:18   [sage]
120歳以上の高齢者が200人以上も生存している不思議な村と異常気象との因果関係。
それらを調査すべく私たちは猫バスに乗って山奥にある東逢坂村までやって来た。

>「気付いたにゃ? この水は何らかの霊力を帯びているようにゃ」

「何らかの…霊力?」
ポツリと呟いて月夜田はただただ神妙な顔。
すると岩に腰をかけていた少女が猫師匠に話しかけてきた。

>「もしかして、お前たちもこの調査に来たのかい?」
>「うむ、その通りじゃ。お主もか? このような山奥にどうやって来た?」

(略)

そして会話は終わる。

>128
【はーい、よろしくお願いします】
>138
【お大事にー】


141 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/09/27(月) 15:37:52   [sage]
【手抜きと思われてしまうのが心配なので補足しちゃいますとー…
じつはー…。睡魔に襲われてて思考能力0なのでしたー。ごめんなさい】


142 : ◇nRM.aIx7rY    2010/09/27(月) 16:30:54   [sage]
突然の書き込み失礼します
事情により管理ができなくなったそうなので、まとめサイトの管理を引き継ぐことになりました

http://nanatrps.wiki.fc2.com/
アンサイクロペディアなな板出張版(仮)


143 : 藤原 あゆみ    2010/09/28(火) 22:00:02   [sage]
>>136
男が山道を歩いてきた
しかし、藤原はその存在に気付くことはなかった
水をくむのと会話に夢中になっていたからだ

>>138
【了解しました。お大事にー】

>>139
「バスなら一応あるぞ。はるか遠くの方だけどな」
嘘はついていない
山道の入り口から1時間も歩けば、バス停は確かにあるのだから
もっとも、田舎のローカル路線ゆえに本数も少なく、都市部ほど頻繁には運航していないが

>>140
「渡りのGSの藤村あゆむだ。よろしく」
最後に自己紹介をし、立ち上がった


144 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/28(火) 22:13:20   [sage]
>138 >141 >143
「どうした? まだ真昼間なのに眠いのかえ?」
展開が思いつかない、もとい突然の体調不良や睡魔に襲われるなどで思考能力が低下する者が続出している。
「こりゃ! 別のスレに投下するでないぞ!」
カフェだけは症状に見舞われていない、と思いきや頭に症状が出てしまったらしく、訳の分からない事を口走っている。
こいつはまずい! 早くなんとかしないと大変なことになる!

―――――――――――――――――
まだ場所が特定されないどこかにて……。怪しげな人々が蠢いていた。
現時点ではまだ名探偵コ○ンに出てくる犯人役のような黒い人影で表現されているため詳細は不明だ!
???「忌々しいGSどもめ! 良いか? 絶対に我が村の秘密を感付かれてはいかん!」
???「フハハ! きゃっつらなら妨害霊波によりヘロヘロになっておる! 心配はいらん!」
???「だがフーチをやられた時は引っかからないかとかなーりヒヤヒヤしたぞ!」
???「うむ、土下座ストラップでやられたら危なかったかもしれんな」


145 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/28(火) 22:21:58   [sage]
【いつも代理投稿でお世話になっていたまとめサイトが閉鎖するらしいので
今度からここを使ってはどうかと提案】

TRPG板
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/

こんなスレもあるそうです
なな板TRP系スレ総合避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1283554316/

【それと長期シリーズで過去ログが読めなくなったら不便な気がするので
もし牧街さんがよければログ置き場用にまとめWIKIを作ろうと思うんですがどうでしょうか】


146 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/28(火) 22:22:45   [sage]
【TRPG板じゃなくてなな板避難所ですたね、スマソw】

147 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/09/29(水) 19:29:16   [sage]
【まとめサイトを引き継ぐ人がいるかもしれないみたいなのでもう少し様子を見てみましょうか】

148 : 桜井美月 ◇cVXjqnpUAQ    2010/09/30(木) 12:31:34   [sage]
【再び携帯からこんにちはー】
【えー、少々体が治り切らないので病院いきましたらまさかの入院宣告受けましてw】
【人生初入院なのでどれだけかかるのかも不明なのですが、ちょっと今後の見通しが立たないので桜井は一時離脱いたします】

【桜井のキャラの方はお土産持ってご機嫌でバスで帰宅。ありみちゃんはそんなわけにいかないだろうとそのまま現場に居残って調査続行で】
【ありみちゃんはなかなか使い勝手いいNPCなので、このシリーズ後も正義感強い彼女は仕事のあまりない桜井事務所を抜け出してボランティアで牧街さんやカフェさんのところにお手伝いに行ってるとか適当に動きやすくしてくれればいいかなーと】
【今日までお付き合い頂いた皆さん本当にめっちゃくちゃ楽しかったですよ。いい同僚に恵まれて幸せです】
【また帰ってこれる日を願いつつ。名残は尽きませんがこれにて失礼します】
【ありがとうございましたーっ】


149 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/09/30(木) 20:07:50   [sage]
>>148
【了解しました】
【俺も一度入院したことがあるんですが、月をまたいだので、高額療養費が使えず、えらい目にあいましたw】


150 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/01(金) 23:09:45   [sage]
>カフェさん
色々とご配慮ありがとうございます
ではまとめサイトの様子を見てwikiは考えるとして
避難所はとりあえず現段階ではTRPG総合避難所の方を使わせてもらう事にしましょう

>>148
そういってもらえると、こんなに嬉しい事はありません
できればまた、戻ってきてください
例えその時このスレが無くっなっても、退院したら雑談所か何かに無事を知らせてください
どうかお体を大事に
早く良くなってくださいね


151 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/02(土) 00:27:10   [sage]
何かの役に立つかもと郷土資料を求めて村役場を探していた牧街
と、その前を桜井と一緒にいるはずのありみちゃんが通りかかった
「あ、牧街さん」
「あれ?ありみちゃん、桜井さんは?」
「それが…」

「なるほど、みやげ物で満足して帰っていったと」
「一応温暖化の方も探そうって言ったんですけど…」
「まぁ、絶対そんなもん無いって断言できるからね…」
「でも、調べて何も無ければそれに越した事は無いじゃないですか、だから私だけでも調べようと思って」
清く正しいありみちゃんの言葉に、牧街は目元が熱くなった
もし彼女が生きていたならば、必ず素晴らしいGSになっていた事だろう
こんな優しい心をもった人間が武器を持って殺しあって死なねばならない戦争など、やはりどうしてもあってはならないのだ
「わかった、じゃあ、俺も…」
「…?」
俺も手伝うよ
そう言おうとして、牧街は何だか恋愛シミュレーションゲームの主人公の様な展開に、頬を染めてしまう
こんな照れる台詞はあまり言いたくない
が、ゾンビのありみちゃんは誰かがついていないともしもの時いろいろややこしくなってしまうだろう
下心は無いんだと自分に言い聞かせて、牧街はもう一度ありみちゃんの方を見る
「そんじゃ俺と一緒に調べよう、一人だと色々不便だろうし」
瞬間、ありみちゃんの顔がぱっと明るくなった
「ありがとうございます牧街さん」
思わず、照れて頭をかく牧街

しかし、村役場でも大して有用な情報など得られず、仕方なくもう一回その辺ぶらぶらと散策して何も無かったら帰ろうという事で相成った
(カフェさん燃えてたからなぁ〜納得すっかなぁ〜)
まぁでも俺が悪いわけでは無いし、言われたとおり土下座ストラップ使ってフーチやっても何も見つからんかった(>136参照)しと自分を納得させ
ふと視線を近くの店に向けると…

「あ!!」
「どしました?」
「これ、このアーケードゲーム!俺の子供の頃の奴だ」

小さなスーパーの入口のアーケードゲームに反応してうわぁと近づいていった
何か子供っぽいその姿に、ありみちゃんはきょとんとしている


152 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/02(土) 01:49:16   [sage]
「あのぉ…」
「あ…すいません、仕事中に」
「いえ、別にいいですけど、これ、てれびげぇむって奴ですよね」
「あ、はい、これ、俺の子供の頃に流行った奴で…」

オカルトヒーロー対戦!アザトースの野望!
牧街がGSを志す前に牧街の育った小学校の近辺で大いに流行りまくった格闘ゲームだ
現在は一気に数が減り、家庭用も発売されたが牧街には縁が無かったため
ここにきて十数年ぶりの再開を果たしたのである

「…一回だけプレイしてみてもいいですかね?一回だけ」
「別に構いませんけど…見てていいですか?」
「あ、はい、えぇ、どうぞ、えぇ」
物凄く懐かしい物との再開に、思わず貴重な金を使う牧街
ありみちゃんはなんだかなぁと言う表情だ

『俺の教え子に、手出しはさせん!』
やがて牧街は自分の使用キャラをかつて使っていた右手に黒いグローブをした鬼の拳を持つ教師「りゅうべ〜」に決定し、プレイを開始した
最初の対戦相手のCPUはアナザーワールドの案内人、ウェーブ髪をしたとがった耳の美女「ミサ・リー」
『おしおきが必要なようね…』
髪の毛を刃に変形させて攻撃してくるが牧街は見事なスティック捌きで攻撃をかわし、ミサ・リーに鬼の拳を炸裂させて沈める
『あたしゃ魔法使いだ、嘘もごまかしも通用しない』
続いて現れたのは白衣でナイスバディの同じく霊能力教師「拾弾トキコ」
催眠術や電撃を経文で作った結界で防ぎ、数珠で首を締め上げ撃破する

「凄く上手いですね牧街さん、まだ一回も相手の攻撃を浴びてませんよ」
「いや…子供の頃凄い本気でやってたから…」
言いながら、牧街は今度は髪の毛やちゃんちゃんこを武器に妖怪と戦う少年を沈めて見せた
普段の何だか駄目駄目な彼からは想像もできない意外な特技に、ありみちゃんも何だか感心してしまう
ちなみにありみちゃんは桜井の暇つぶしにこういった格闘ゲームをやった事があるため、基本的な事は一応わかるのだ

そして牧街が恐怖現象やお化け、妖怪にカイザーナックルを叩き込む不良少年を撃破した時
『ソレ』はやってきた


153 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/02(土) 01:50:19   [sage]
「え!?」
「何ですかこれ、壊れた?」
「違います、これは……」

≪挑戦者が現れました≫

牧街の画面には、そう表示されている…が、対戦相手がいるはずもう一台の台は周囲には見当たらない
無論、このゲームは大昔のアーケードゲーム、ネット対戦などする事はできない
ありみちゃん以外周囲に人の姿も霊の姿も無い

「そんな心霊現象!?霊なんか見えなかったのに」
「と…とにかく、相手してみますね…」
超常現象の出現に背中をガタガタ震わせながら、しかしゲームを続行する牧街
対戦相手は獣の矛を持つ白と黒の虎柄の妖怪を引き連れた少年を選んできた

『喰らえ!鬼の拳!!』
開始早々牧街は仕掛けるが、軽くかわされて矛の一撃を見舞われた
しかし振り向き様に経文を縛りつけダメージを与える
『シラ!援護しろ!』
『ウマオ!オラに命令するな!』
が、敵も只者ではない、即座に相棒の妖怪の電撃で牧街を攻撃してきた

「くそ!……」
かつてない集中をしながらスティックを操る牧街と、真剣な表情で画面を見つめるありみちゃん
勝負は一進一退、地獄教師も獣の矛も一歩も譲らない

【何かスーパーの前でいい大人の癖に怪現象に対抗しゲームに熱中】
【ゲームキャラの元ネタ全部言えた人は偉い!是非当ててみてくださいw】


154 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/02(土) 22:21:50   [sage]
>148
うを!? それは大変。くれぐれもお大事に。
そんな別れの挨拶みたいな事を言っちゃダメですよー!
早く元気になって是非是非帰ってきてください。


155 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/02(土) 23:00:34   [sage]
>152
「うーむ、地獄先生ぬー○ーと鬼○郎しか分からんぞ」
「うわごとを言ってるにゃ。やはりこの村には何かあるにゃ……!」

巻貝がゲームに熱中しているその頃、村の中をうろついていたカフェも古いアーケードゲームに遭遇した。
「古いアーケードゲームがあるのは不自然にゃ……」
「うむ、やってみる必要があろうぞ!」
が、その直後。
カフェが操るブレザー美少女戦士ブレザームーンはフレッシュプリクラにあっさり負けた!
「気のせいだったようじゃな、次行くか」
「次行くにゃ」

???「やはり彼女は引っかからないようだな」
???「うーん、ロリータキャラはある意味素で永遠の子供ですからねー」

>153
歩いて行くと、ゲームに熱中している牧街を発見する。
「お、牧街殿じゃ」
「様子がおかしいにゃ。すごい霊波にゃ……!」
師匠の髪の毛が一筋ぴーんと立っている。

一方。勝負の行く末は……。
「ウボァ」
激しい攻防の末についに倒される相手キャラ。
そしてなんと、ゲーム機から謎の声が聞こえてきた。
「お見事! 君はスペシャルステージに進む権利を得た!」
ゴゴゴ……と音を立てて横の壁が変形し、怪しい下り階段が現れた!
「こ、これは謎に迫るチャンスじゃ……!」
「オートロックのマンションに侵入する要領で後ろにくっついていくにゃ!」
カフェと師匠はコバンザメよろしく牧街の後ろにスタンバイした!


156 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/02(土) 23:52:06   [sage]
>>143
>「渡りのGSの藤村あゆむだ。よろしく」

「月夜田みことです。よろしくお願いします」


>>144
>「どうした? まだ真昼間なのに眠いのかえ?」

「スイマーが…スイマーが襲ってきました…。うぷぅ!!み…みず…みず〜水〜」
月夜田は妨害霊波で波長がおかしくなってますますおかしくなってしまったみたいで
足を魚みたいにぴちぴちさせている。

でも妨害霊波は収まったみたいで普通になる。

「GSの道って前途多難かも…」

月夜田はみんなについていった。

【まとめサイトのことお疲れ様でした。避難所のこと、了解いたしました】
>>148お元気になられたらまた戻ってきてくださいね】
【地獄教師は○ーべーですよね?】


157 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/10/02(土) 23:53:31   [sage]
村につくと古びたアーケードゲームがいくつか並んでいた
「お、これは怒首領蜂か」
コインを入れ、レバーを動かしてみる
だが、1面のボスで撃墜され、あっという間にゲームオーバーになってしまった
「ち、負けちまったか」
シガレットケースから煙草を取出し、火をつける
煙が立ち上り、天井のあたりでとぐろを巻いた
「久々の煙草はうまいな」
煙草を口にくわえながらゲームセンターをうろついていると、牧街がいた
だが、隣にいるはずの対戦相手はなぜか存在せず、席に座っているのは牧街だけだった

妙な感じを覚えつつその様子を見てみると、○○WINと表示された
「お見事! 君はスペシャルステージに進む権利を得た!」
壁が二つに割れ、階段が現れる
煙草を筐体横の灰皿に押し付け、牧街の後ろでカフェたち同様スタンバイすることにした


158 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/03(日) 01:38:39   [sage]
【クイズの答え:地○先生ぬ〜べ〜 ゲゲゲの○太郎は正解です
残り ミサ・リー=「○ウターゾーンのミザリ○」 拾弾トキコ=「学○階段の九段○鬼子」
不良少年=「○ろでろの日○耳雄」 ウマオとシマ=「うしおと○らの蒼月うし○ととら」
残念、俺の描写不足かそれとも作品のマイナーさか…、前者の方、俺それ知ってる!って方いたら元気に名乗りを上げてくださいw
はい、そうです、スレに乗せて自分の好きな漫画を宣伝してました、スンマセン】


159 : 名無しになりきれ    2010/10/03(日) 01:55:42   [sage]
「トキコと不良少年以外は分かった」
そんな声が、階段の下から聞こえてきた


160 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/03(日) 02:40:14   [sage]
「えぇ…まだ何かあるんすか!?」
負けたら命取られるんじゃないかと必死になって勝利した牧街は、しかしまだなんかやばそうな物がありそうな雰囲気にうぇっと嫌そうな顔をする
(権利ってのは義務じゃないから破棄してもいいんだよねぇ…)
えらい事しちまったなと頭ぽりぽりかいた後周囲を見回してみると
「うぇあ!?」
いつの間にか周りに他の面子が集結しているではないか
人が横に立ってたのに気づかない程集中してた自分に思わず驚いてしまう牧街

「古いアーケードゲームがあるのは不自然だと思って調べてみたら牧街君がいたのにゃ」
「地方のゲームセンターやゲームコーナーには結構残ってるらしいです。ちなみにスーパーの前の屋根の下にゲーム機ってのも地方では割と無いわけじゃないらしいですよ」
「へー、そんじゃそこはあんましおかしくないのかニャ」
「えぇ、もっと古いゲームもこういうところの置いてるところは置いてるらしいですし、インベーダーゲームとか」
「詳しいニャ」
「いや…この前そういう番組が偶然やっててカフェさんのお父さんと…あ、すんません」
どうでもいい解説に時間が割かれそうなのでそろそろ切り上げた
要するにスーパーの前に古いアーケードゲームはこれ書いてる作者的にはおかしな所では無いのである、すんません、アレは全国共通だと思ってました

「で、この方どなた?」
「流れのGSの藤原さんにゃ、例の異常気象の調査でこの村に来たのにゃ」
「へー…で、何か御用でしょうか?」
集まってきたんだから何か用があるんじゃなかろーかととりあえず聞いてみる

「おーい、スペシャルステージチャレンジしてかないのか〜い」
と、壁の中の入口から太い額縁のメガネをかけた中年が顔を出してきた
「へ?あの…これは一体…」
「ん?あぁ!しまった看板この前しまったんだったな、いかんいかん」
きょとんとした牧街に、中年男性はぽりぽりと頭をかきながら話し始める
「私は当スーパーの店長をやってる高端という者です
えー当スーパーは以前ゲームセンターをやっておりましたが、この村の少子高齢化に伴いスーパーになり…」



「つまり、昔結構流行ったゲーセンだった頃の名残でゲーム名人だった高端さんがこれらのゲームの対戦相手としてNPCステージをクリアしたお客さんと戦うスペシャルステージが残ってたというわけですね」
「そうそう、私、開発した会社の社員だった事もあったので若干改造してあるんですよ。さっきのは地下から私の息子が操っておりました」
「でも退職金と一緒にアーケード媒体くれるなんて豪気な会社だにゃ〜」
「はい、夢を受け継いだというわけです。最も、私がふるさとのこの村で始めたゲームセンターも、いまやスーパーで生計を立てながらオマケ程度においているだけになり、風前の灯以下になってしまったわけですがね…」
言って、高端氏は多少遠い目をした後、牧街の手を取った
「牧街君、君のプレイには正直魂を揺さぶられたよ。一回、私と戦ってくれないかい?」
そう言われて、牧街は特に断る理由は無い
と言うか霊現象じゃないと判明した上、相手は自分の好きなゲームの開発に関わった人間で、しかも大名人らしい人だ
そんな人と戦える機会は二度とない
「わかりました!やらせてください!」
「ありがとう!あ、どうぞ、皆さんもご一緒に」
こうして、水も高齢者もぶっちぎって唐突に高端さんと牧街のゲームバトルが勃発したのだった…


161 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/03(日) 03:34:37   [sage]
>「トキコと不良少年以外はわかった」
「その二つが一番マイナーっすからねぇ」
「順的に 少年>リュウべ〜>ウマオ>ミザ・リー>新しさから言って不良少年>トキコかな、知名度は」
階段の下から上がってきた高端Jrを交えてゲーム原作の話をしつつ階段を降りていく牧街と高端、そしてJr
久しくゲームの話をしていない牧街は、高端との会話に沸いており、高端もまた、久しぶりらしい若い者との会話に喜びの表情を浮かべている

やがてたどりついた地下の一室、大画面が用意された部屋で、遂にゲームバトルが始まった
『この俺がいる限り、教え子達には指一本触れさせん!!』
画面の中、牧街操るりゅうべ〜が黒いネクタイなびかせて颯爽と登場する
対する高端大名人の使用キャラは…
対戦フィールドに真っ赤なスポーツカーが現れ急停止する
乱暴にドアが開け放たれ、姿を現したのは…

『極楽へ、行かせてあげるわ!!』

我等がゴーストスイーパー、美神令子その人である!!

「えぇ!!??こ、こんなキャラいませんよ!大体原作のキャラの直接の登場禁止ってスレのルールが」
「このスペシャルキャラクターは私が彼女の大活躍に感動して後からプログラミングしたんだ
動きの資料も彼女は自分が登場するアトラクションを東京デジャヴーランドに出すくらいだから豊富にあったし
それに、これは悪魔でゲームキャラ、直接の登場ではないから大丈夫さ!」
「んじゃあり…すかね?」
「折角のスペシャルステージだ、君もスペシャルな相手と戦いたいだろう?」
「…はい!!」
「いい返事だ!!」

鳴り響くゴング、美神は神通棍を出し、りゅうべ〜は鬼の拳を出現させる
先手を切って霊縛の経文を放つりゅうべ〜、が、美神は美神は神通棍でそれを撃墜し、更にすばやくりゅうべ〜の懐へ飛び込んでいく
負けじと鬼の拳で神通棍を受け止め、数珠を巻いた拳を放つが、美神はそれを破邪札で爆砕し、更に距離をとって200万円級の破邪札を乱れうちした
鬼の拳で防ぎつつ突っ込み、数珠で首を狙うりゅうべ〜
しかしそこで美神の精霊石が光を放った!
『ぐあぁ!!』
怯むりゅうべ〜
すかさず畳み掛けんとする美神だが、りゅうべ〜は鬼の拳を前に向け、叫んだ
『鬼の拳30%解放!!』
必殺技ゲージを使って刀に変わった鬼の拳が美神の腹を傷つける
逆に体制を崩す美神
すかさずりゅうべ〜の右手の数珠を巻いた拳が美神に炸裂した
(イケル!!)
畳み掛けんと牧街が霊縛経文で美神の動きを封じ、一気にしとめようと考えた、その時
突如牧街のりゅうべ〜の動きが止まってしまったではないか!
「え!?」
バグか!?それとも高端氏の反則か!?
「りゅうべ〜の足元に吸魔護符があるにゃ!!」
はっとなってりゅうべ〜の足元を見ると、そこにはいつの間にか仕掛けられた吸魔護符が…


162 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/03(日) 03:50:34   [sage]
『現世利益、最優先!!』
地下室に、勝利に沸く美神令子の声が響き渡る
「ありがとうございました、いい思い出になりましたよ」
「いやいや、私も久しぶりにいい仕事をした」
しかし、牧街に悔いは無い
久しぶりにとても楽しくゲームができたのだ、それだけで彼には十分なのである
二人は固く握手を交わす

その後も、二人は和気藹々と色々語り合い始めたが、正直周りにとってはどうでもいい事だ
「牧街君、そろそろ…」
やがて、猫師匠が二人の会話を終わらせんとした、その時だった
「それにしてもよくこんな立派な地下施設作れましたね」
「あぁ、それは国民年………まぁね」
一瞬ぽろっと何か言いかけ、高端ははっとして慌てて口を塞いだ
突然の変貌に、目を丸くする牧街
「ん、まぁ、もう話す事は無いかな。また、いつか遊ぼう、牧街君。じゃ私は店があるから…」
やがて、高端はそう言うと、そそくさと子供を連れて、店へ戻ってしまった

残った牧街は、じっと天井を見上げ、あっと声を上げた
「やっぱり…水が垂れたんだ…」
牧街の言葉通り、天井に水がついていた染みがあり、牧街は先ほど高端の頭にそこから水が垂れるのを見たのだ

問題は、その天井に、ヒビや割れ目は見当たらず、また、滑らかなコンクリートでできているためそこから突然水が垂れてくる要素が見つからない事である

「…何で水が……」
不気味な天井を見上げながら、牧街は思わず呟いた


163 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/03(日) 23:25:02   [sage]
>156-157
後続の二人に声をかける。
「この手の隠しダンジョンの入口は選ばれし者以外入れないのがお約束じゃ。
くれぐれも入り損ねるでないぞ」

>160
>「えぇ…まだ何かあるんすか!?」
「行かなければ謎が解けぬではないか。早く入らぬと閉まるぞ」
>「うぇあ!?」

その後結構長々と話しこんでいても閉まる様子は無い。
>「おーい、スペシャルステージチャレンジしてかないのか〜い」
閉まる様子はないどころか普通におっさんまで出て来た。
>「ありがとう!あ、どうぞ、皆さんもご一緒に」
「うむ、かたじけない!」
おおっと、これは村の謎とは特に関係無い流れか!?
「油断禁物にゃ」

>161
名人と盛り上がる牧街。
「牧街殿はゲームが好きだったのか」
「きっと俗に言う隠れオタという人種にゃ」

>162
>「あぁ、それは国民年………まぁね」

高端が去ってから師匠が言う。
「聞いたにゃ!? ただの国民年金詐称にゃ!」
「それでは不老不死も真っ赤な嘘で異常気象は無関係。
……当然と言えば当然の結果だがこれでは話にならんではないか!」
全くもってそのとおりであるが、そんなことを登場人物が気にする必要はない。
気にするからいらん事が起こってしまうのである。
>「…何で水が……」
「嫌な予感がするにゃ、早く帰るにゃ」
一行が階段を上に上がろうとしたその時、目の前でシャッターがガシャーンと閉まった!
「何じゃ!?」
それだけではなく、天上からものすごい勢いで水が染み出してくるではないか!
「しまった、水攻めにゃ!?」
ゲーム機から高端Jrの声が聞こえてきた。
「気付かなかっただろうけど僕は本来ならこの世にいない人間。
ずっと前の夏休み最後の日に死んだんだ。君達の事は気に入った、早くこっちにおいで。
怖がる事は無いよ、お化けには病気も何にもない。僕達と一緒に永遠の夏休みを過ごそう!」
ふとゲームの画面を見ると、ぼ○の夏休みっぽい画面が映し出されている。
その中の絵日記には8月32日と……そう、恐怖のバグだ!
「のわあああああああああ!!」


164 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/10/04(月) 00:10:32   [sage]
中にはいると一台のゲーム機があった
ゲーム機の前に立っているのは一見するただの人間のようにも見えた

牧街は鬼の手を持った人間を選択し、ゲーム機の前に立っていた人間はボディコンの女を選択した
ReadyGo
戦いのゴングが鳴り響き、たがいに動き始める

それから数十分後、戦いは決着がつき、ボディコンの女が勝った
>「ん、まぁ、もう話す事は無いかな。また、いつか遊ぼう、牧街君。じゃ私は店があるから…」
相手の男は部屋を後にした

ポタリポタリ

冷たいものがかたについた
「なぜ、天井から水が…」
天井が灰色に染まっている
格子上に広がった隙間からは水が勢いよく染み出し、歩くたびに水音が聞こえてくる
「水攻めにする気か!」
あわてて逃げ出そうとするが、時すでに遅し
地上へと続く階段は防火シャッターで閉ざされ、外にできることはもはやできない
>「気付かなかっただろうけど僕は本来ならこの世にいない人間。
>ずっと前の夏休み最後の日に死んだんだ。君達の事は気に入った、早くこっちにおいで。
>怖がる事は無いよ、お化けには病気も何にもない。僕達と一緒に永遠の夏休みを過ごそう!」
「こんなところで死んでたまるものですか!私には不老不死の薬を売りつけるという夢があるのよ!」
指で魔方陣を描く
「わが手に集いしは煉獄の炎 一本の線となり 万物を焼き払え」
魔方陣からシャッターに向かって赤い光が降り注ぐ
降り注いだ光は炎となり、シャッターの一部分が赤く発光し始めた


165 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/04(月) 16:30:46   [sage]
>「この手の隠しダンジョンの入口は選ばれし者以外入れないのがお約束じゃ。
>くれぐれも入り損ねるでないぞ」

「はーい(私が選ばれないわけがないじゃない)あ。このお人形さん可愛い!」
背伸びをしたい年頃の月夜田はカフェの忠告も聞き流して店の外にあるUFOキャッチャーで遊び始めてしまう。


>「…何で水が……」
ゲームを楽しんでいた牧街は天井を見上げながら呟いていて…
>「嫌な予感がするにゃ、早く帰るにゃ」
>「何じゃ!?」
猫師匠とカフェが叫ぶと高端のニヤニヤした顔が一瞬見えてシャッターがガシャーンと閉まる。
天井から染み出してきた水は輪郭をなして人の顔を浮かびあがらせると目から涙を大量に流し続けている。

閉じ込められた牧街たちへゲーム機から高橋Jrの声。

>「気付かなかっただろうけど僕は本来ならこの世にいない人間。
>ずっと前の夏休み最後の日に死んだんだ。君達の事は気に入った、早くこっちにおいで。
>怖がる事は無いよ、お化けには病気も何にもない。僕達と一緒に永遠の夏休みを過ごそう!」

「へー。永遠の夏休みって響き、私は好き」
月夜田はマイクにむかって喋っている高橋Jrにはなしかけた。高端Jrはどきりとした。

「ねえ、ぼく。お姉さんは選ばれし者なの。だから中に入れて」
そう月夜田が言うと高端が困惑したようにシャッターの隣の小さいドアを開けて月夜田も閉じ込めてくれた。

「はーのろまった。はいり損ねるとこでしたー」
月夜田も閉じ込められると藤原が
>「わが手に集いしは煉獄の炎 一本の線となり 万物を焼き払え」
と呪文を唱えてシャッターに炎を放って一部が赤く発光し始める。

でも天井のオバケ顔がふーふーして赤い発光部分を冷やして消してしまった。
月夜田は現状がよくわからなかったんだけどゲームの画面を見ると、ぼ○の夏休みっぽい画面が映し出されている。

>「のわあああああああああ!!」
カフェの叫びのあとに高端Jrが続けて言った。

「あ、いいこと思いついた。ただの溺死もつまらないからゲームしない?
そのゲーム画面に触るとボクの過去の記憶の中の夏休みに逝けるんだ。
その世界でボクを助けてくれたらクリアだよ」

「…めんどくさい」
口を尖らせていた月夜田は呟くとイスを振り下ろして
「こんなのぶちこわして強制終了よ!!」
ゲーム機の画面を粉々にした。

あたりは水と煙みたいので真っ白になった。


166 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/04(月) 16:38:27   [sage]
高端Jrが外からテレビ電話みたいのをしている感じで書いてしまいました。
幽霊だからゲーム機の中に入っていたんですよね。粉々とか悪魔みたいなことをしたかも。


167 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/04(月) 21:38:05   [sage]
>166
【何でもアリだと思いますよー。テレビ電話よろしく霊力(?)で遠隔操作かもしれないし。
更に言うと“この世にいない人間”とか”お化け”としか言ってないので幽霊とは限らない!?
ゾンビかもしれないしもっと他の何かかもしれません】


168 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/06(水) 09:33:50   [sage]
「豆知識、何も無い空間から手のひら一杯の砂を作りだすのに原子爆弾並のエネルギーが必要らしいですよ」
「へぇー、そうなんですか」
ジャブジャブ
「つまり、こんだけの水を無から作れるっつー事は火力だけで世界を吹っ飛ばす力をもってないといけないわけです」
「なるほどにゃー」
ざぶざぶ
「すなわち、こんな大量の水が俺達を襲う事はありえんというわけです」
「ところで牧街君」
「何でしょう」
「そろそろ現実に戻ってきてニャさい、理屈はどーあれ水はほんとにあるにゃ」
「…………うわぁああああああああああああああああああああああああああああ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死んじまうぅううううううううううううううううううう
嫌じゃあああああああああああ死にたくない〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
頭抱えて振り注ぐ水の中絶望に打ちひしがれる牧街
「今回は!今回は霊が全く関係しとらん話で村ぐるみの国民年金詐称をあばいてカフェさんがっかり現実はこんなもんでおしまいじゃないんですか!?」
「わ…私に言われても困りますよ」
涙だくだく流してありみちゃんに泣きつき、彼女を困らせてしまう
見上げてみると、天井の顔も顔引きつらせて呆れていた

しかしその時同行していた藤原が魔方陣作って炎を放ち、シャッターを融解させんとしはじめる
(お!魔法だ!本物の魔法だ!始めてみた)
藤原の能力に感心する牧街
こういう魔法は普通に珍しいもんであり、彼が感心するのも頷ける

(でもあれじゃ駄目だな、あのシャッターの下の方に防火ってかいてあったし…)
視力のいい牧街はシャッターの下のとこに書かれていた「防火」の文字を目ざとく見つけていた
普通の防火シャッターなら、火炎放射器程度では焼け落ちる前に水攻めが完了してしまうだろう
案の定魔法の火炎は歯が立たず、上に浮かんだ不気味な顔から妙な息が吹きかけられて炎はかき消されてしまった

(終わりや…俺の人生終わりや…)
牧街が絶望に打ちひしがれ、妙な笑いを浮かべて走馬灯を見始めようとした、その時
>「あ、いいこと〜
「ま…マジっすか!!」
思わぬ救いの手に、牧街が歓喜し、具体的な方法を聞こうとしていると
>「めんどくさい」
「へ?あ、ちょいま」
>「こんなもの〜
月夜田が椅子を振り下ろし、ゲーム機の画面を破壊してしまった
ガラスが飛び散り、煙がもくもくとゲーム機から上がり、密室なので室内に充満し始める
「…馬鹿だね、最後のチャンスを自分から棒に振るなんて」
本体は高端と一緒にさっき外に出ていたため何らビクともしていないJrの言葉の中

牧街は月夜田を奥歯が吹き飛ばんばかりの力を篭めて思いっきりグーでぶん殴った


169 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/06(水) 10:06:46   [sage]
向かいの壁まで吹き飛んだ月夜田に一気に詰め寄り、牧街は彼女の胸倉を掴み上げる
その視線に、もう普段のヘタレさは感じられない

「妖怪や悪霊との戦いが本当に死の危険を伴うっつー事を理解できてないようだからすぐに頭に叩き込んで置け!!
大体何で自分も閉じ込められようなんて思った!!
何ですぐにその場を離れて警察に連絡するなり村から出ようとするなりしようとしなかった!
そんな現実の危機から目をそらしてスリルを楽しむような行動とられたら、最終的にこっぴどく怖い目にあった上に無限の暗闇の中永遠に苦しみ続ける事になるかもしれないんだぞ!!
脅しじゃない、人間の魂が砕け散ったら本当にそうなるんだ!
それだけじゃない!お前の勝手な常識外れの行動のせいで、カフェさんや猫師匠だってこれから迷惑する事になるかもしらないんだぞ!!
あんなに心よく受け入れてくれた人たちに尻拭いさせたり危ない目に合わせる事になったりしても、お前は心が痛まないのか?
確かに俺みたいに怖がってるだけじゃ駄目かもしんない
けど
人間にとって本当に怖い物や、恐ろしい物を怖くない物や恐ろしく無い物だって思い込んだりすんのは絶対駄目だ!危ない!
結果論だけ見れば最後助かったって繰り返してたらいつか絶対に、絶っ対に酷い目にあう!手遅れになるかもしれない!
ゴーストスイーパー目指す気があるならその辺をしっかりしろ!!」

一気にそこまで怒鳴ると、牧街はため息をつく
(……俺、人様に説教垂れられるほど偉くないのに、何やってんだろ…なぁ…)
しかし、月夜田に説教したために心はすっきりし、かえって頭が働くようになり
あんだけでかい事を言ったんだから、せめてこの場から脱出して見せる位するのが、ゴーストスイーパーの礼儀だと思った
そして
「…猫師匠、ちょっとお願いが」
いきなり人に頼りだした…

「モニターは壊れたからもう中は見れないけど、もうこれであいつら助からない、3日もこのままにしとけば、皆確実に死ぬだろうね」
「……そうだな」
勝利を確信した高端Jrと、どこかもの悲しげな高端が、シャッターの向こうに待機している
と、ドアの向こうから風きり音が聞こえたかと思うと凄まじい爆音と共にシャッターが吹き飛んだではないか!!
突然の事に仰天する高端親子の前で、煙の中から対戦車バズーカに変身した猫師匠を抱えた牧街が躍り出てくる
「ナイスっす猫師匠!惣介さんが大砲に変身できたらいけるんじゃないかと思ったんだ」
「砲弾は霊力で作るから一発でほんとはふらふらになるんにゃけど皆の霊力を集めて撃ったからまだいけるニャ!」
「こ…小癪な真似…を?」
「にゃ?」
戦闘態勢を整えんとする高端Jrの脇をバズーカ猫師匠を抱えた牧街は高速ですり抜けひたすら突っ走っていく
「まさか牧街君…」
「どうせ、この村ろくな村じゃ無いっすよ、即効で警察呼んだ方がいい」
鍛えられたニンジャの如き脚力であっという間に村の出口を潜り抜けながら、牧街はさわやかな笑みで呆れる猫師匠に言う
牧街は逃げ出した


170 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/06(水) 23:48:32   [sage]
>165
「みこと殿―! 助けてくれー!」
シャッターをガンガン叩く。

>「はーのろまった。はいり損ねるとこでしたー」
「なんと! 助けに来てくれたのか!」

>164
>「わが手に集いしは煉獄の炎 一本の線となり 万物を焼き払え」
「おおーっ!」
が、火は胡散臭い顔にふーふーされて消された。
「…………」

>「こんなのぶちこわして強制終了よ!!」
「ちょ、おま! 助けにきたのではなかったのか!?」

>168
>「…馬鹿だね、最後のチャンスを自分から棒に振るなんて」
「うむ、馬鹿じゃのう」

>169
いつも恐山師匠とかに説教される側の牧街が珍しく説教をしているがそれどころではない。
「あっぷあっぷ、説教している場合ではないぞー!」
敵は長台詞の間空気を読んで待ってくれたりもするが、水は長台詞の間にも着々と溜まるのだ!

「おおーっ、凄いぞ二人とも!」
ぶち破ったシャッターから脱出して高端Jrに対峙する……と思いきや。
「あれ? どこに行くのじゃ? ……まさか!」
すたこらさっさと逃げる牧街。牧街ならこうすると予想しておくべきだったのだ。
カフェも続いて逃げようとするが……しかし 回り込まれた! 勢い余って高端Jrにぶつかる。
「……ですよねー。……ってえー!? お主、幽霊ではないのか!?」
「ゾンビでもないようです」
と、ありみちゃん。
「気付いたようだね、精巧なフィギュアに乗り移っているのさ!
パパが某地区のフィギュア職人に特注したら作ってもらえたんだ!」
GSの目も騙すとはフィギュア職人恐るべし!
「こんな事もできるんだよ!」
Jrの腕がびよーんと伸びていきなりロケットパンチを撃ってきた!
カフェはわざと派手に吹っ飛ばされてみせる。
「高端Jrくん、もうやめて……お姉ちゃん哀しい!」
今回の魅了の術は相手が子供なので姉キャラである。
「お姉ちゃん……心配してくれてありがとう」
あっさり効いた。だがしかし。
「でも寂しくなんて無いよ。友達がたくさんいるもん。まあみんなお爺ちゃんお婆ちゃんだけどね」
「そりゃ子供は滅多に死なぬものな」
「納得してる場合ですか! 牧街さんが危ない!」

案の定、村の至る所から老人が湧いてきて牧街に迫る!
「逃がさん、逃がさんぞお!」
「村の秘密を知った者は我らの仲間になるのみ!」
「ワシの国民年金が無くなったら家族が路頭に迷うんじゃあ!」
見た目は老人でも特性フィギュアの関節部分は完璧なので老人らしからぬ猛スピードで追いかけてくる!


171 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/10/07(木) 00:55:08   [sage]
炎は消され、ゲーム機は粉々になり、このまま溺れ死ぬかとおもった
>「ナイスっす猫師匠!惣介さんが大砲に変身できたらいけるんじゃないかと思ったんだ」
だが、その時、思いもしなかった人間(猫?)が現れ、シャッターを壊してくれた
「サンキュー。助かったぜ」
牧街に続いて逃げ出そうとするが…
回り込まれてしまった
>「気付いたようだね、精巧なフィギュアに乗り移っているのさ!
>パパが某地区のフィギュア職人に特注したら作ってもらえたんだ!」
「な、なんだと!」
立ちふさがった人間はどこからどう見てもプラスチックでできたフィギュアには見えない
カフェはぶっ飛ばされた
が、同時に魅了の術が発動し、声音が変わる
>「でも寂しくなんて無いよ。友達がたくさんいるもん。まあみんなお爺ちゃんお婆ちゃんだけどね」
>「そりゃ子供は滅多に死なぬものな」
>「納得してる場合ですか! 牧街さんが危ない!」
だが、牧街の姿はない
(啖呵を切っておきながら一人だけ逃げ出すのか…孤独は死につながるぞ)
ため息をつき、牧村が走り去っていた方向を見つめた


172 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/07(木) 16:32:41   [sage]
なんとも恐ろしき牧街の所業。ねらいは月夜田の奥歯なのだろう。
狙いすましたかのように頬に迫る狂気を秘めたにぎり拳固。

「ぎょえーっ!!痛ッ…そう…」

殴られて壁に吹き飛ぶ女性の姿をした等身大のフィギアを月夜田は隣で見ていた。
これも高端が某地区の職人に作ってもらったものなのだろう。
恐ろしいことに高端は店内に飾ったフィギアに毎日語りかけながら仕事をしていたのだ。

怒りと煙とかで牧街は我を忘れ若い女性のフィギアと月夜田を見間違えているらしい。

>「妖怪や悪霊との戦いが本当に死の危険を伴う(中略)しっかりしろ!!」

「……」
月夜田はまるで自分が殴られたかのように心がちくりと痛む。

「牧街さん…。ごめんなさい…カフェさん。師匠。ありみちゃん」
月夜田の声はちっちゃすぎて誰にも聞こえない。目からは涙がぽろぽろと流れている。
泣いている月夜田の頭をありみちゃんがなでなでしてくれた。
天井から流れてくる水をあびて、まるで月夜田は滝にうたれる修行僧。

「ごめんなさい。私…」
月夜田は牧街に話しかけようとしたら牧街はシャッターをバズーカで壊して踊りながら外に出て行く。

で、どうなるのって思っていたら牧街は逃げた。それを見つめる藤原あゆみ。
>(啖呵を切っておきながら一人だけ逃げ出すのか…孤独は死につながるぞ)
「……」
藤原は不思議な人だと月夜田はおもった。

そしてカフェが魅了の術で高端Jrを手懐けてもう安心かなっと思っていた矢先に

「うくっ!やっめて…!」
安堵している月夜田は高端に捕まってしまう。でも高端の口から出た言葉は意味不明のものだった。

「お、おまえも魂が宿ったのか?え?そうなのか!?」
高端の言葉を月夜田が理解できないでいると…

「ん!?ちがう!!おまえはちがう!!」
突然月夜田を突き飛ばし高端は店内に目をむけて何かを見つけたかと思うと、
先ほど牧街が月夜田と間違えて殴ったびしょ濡れの若い女性のフィギアを抱きしめた。

「おまえこそが愛しの…あれっ!!!??首にヒビが!!誰だ!こんなことをしでかしたやつは!!?」

「それはさっき逃げていった男の人がやりましたっ!」
月夜田は正直に教えてあげた。

「ぴーーーー」
高端が口笛を吹くと馬に乗った女武者のフィギアが現われた。
「馬上から失礼いたします高端さま!ご命令を!」

「逃げた!若いおとこ!ころせ!」高端は片言で命令した。

すごいスピードで老人たちが牧街を追いかけているのを後ろから馬に乗った女武者がさらに追いかけていく。まるで戦国時代。
「狼藉者よ!成敗いたす!」
女武者は薙刀で牧街のお尻をつつく。

>167
【ありがとうございます。肩の力がぬけました】


173 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/11(月) 03:04:54   [sage]
*すげぇ遅くなって申し訳ありません

老婆、謎の女武者に襲われ、牧街は村の中を路地から路地へ猫師匠を小脇に拉致したまま逃げ回り
どっかの八百屋の裏手のみかんのダンボールの中に霊波を消して隠れ潜んでいた
「何なんですかね、あの妙な人形達」
「僕に言われても困るニャ…」
「勘弁してくださいよこう毎回毎回悪の組織と関わり合いになるのは」
「いや…僕も好きで関わってるわけじゃないのニャよ、一応」
勘弁してくださいな牧街と、なんだかナーな師匠のひそひそ話の横を、耳の遠い年寄り達は気づかず通り過ぎていく

「大体国民年金がどうしたんでしょうかね」
「牧街君、新聞読まないのかニャ?今ちまたでは死んでる老人を生きているって事にして不正に年金を貰ってる人が大勢いるにゃ」
「あの連中もそれだと」
「多分ニャ」
「……でもそれこの村から若者たちが旅立てば何ら問題ないですよね、それ」
「旅立ちたくないんにゃろ、故郷だし」
「年金欲しさに人殺しする連中がそんな理由で故郷にとどまるなんて…ねぇ…」
「田舎の人は排他的だし……そういえばここに来る最中湧き水を見つけたんニャけど、微量に霊力を感じたニャ」
「…そういえばあの時俺達を襲った水、唐突に何も無い空間から湧き出てきましたよね」
「あの水からも同じ霊力を感じたのニャ…多分湧き水の源からワープしてあの部屋に贈られてきたのニャ」
「………もしかして、何かが湧き水の源にいて、そいつが村人を脅してるんじゃないんですか?」
「…どーやってそこまで思考がワープするのにゃ」
「水を操る何かが村人達を脅かしてこの村に留めておいて、自分に奉仕させて、年金やら何やらでうはうはと至福をこやしてるとか…」
「ソレニャ!それなら全てが合点がいくのニャ!!」
「ちょ!駄目、大声出したら」

殺気を感じ、ダンボールを吹っ飛ばして脱出すると同時に、地面に薙刀の一撃が突き刺さった
間一髪で避けるも、しかし安堵する間も無く老婆と老人がすっ飛んできて牧街を殺しにかかってくる

「ところでどーしましょこの状況!」
「とりあえずカフェ達と合流するニャ!」
「多数の敵に追われてる俺が合流するとかえって危ないと思うっす!っつかネコバスは?」
逃げるとならば牧街はプロフェッショナルだ
借金取りから逃げる綾崎ハーマイオニーが如く路地から路地へ、藪から藪へ、プロの逃げ力を見せつけて老人達の追撃をかわす
そりゃそうだ、このスレで描写されていないが彼は過去何度と無く霊的危険地帯から無数の悪霊に追撃されて逃げ回ってきたのだ
こんな実戦経験もないジジ婆や女武者にそう簡単に捕まりはしない
……逃げるだけで何ができるわけでもないのだけれども


174 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/12(火) 22:05:26   [sage]
>171-172
>「逃げた!若いおとこ!ころせ!」
「申し訳ない、仲間にとんだ不届きものが混じっていたとは。行って成敗してこようぞ!
皆も行くぞ」
こう言ってそそくさと外に出る。もちろん脱出するための嘘である。
「やれやれ、魅了の術が効いてくれてよかった。
さて、牧街達がおらぬ以上このまま逃げるわけにもいかぬ。
二人を探しつつ事件の手掛かりをさぐるとしよう」

「美味しい水ー、東逢坂の美味しい水だよー!」
空気を読まずにやってきました、土産物の押し売り!
「すまぬ、忙しいのじゃ」
無視して行こうとするカフェ。
「飲んでも美味しいよー! ご飯を炊いてもいいよー!」
しつこく食い下がる押し売り。
「ええい! どうせ村の入り口にタダで湧いておるものを汲んだだけであろう!」
「ドキッ!」
図星だった。どさくさに紛れて村の昔話を始める押し売り。
「なんでも昔この村には綺麗な泉があってちょっとした観光スポットとして賑わっていたらしいよ。
それが子供が落ちて死んだのがきっかけで塞いだそうな。
あの湧き水は塞いだ泉の水が地下で流れていってるものらしいけどね」
「ふむ、そうか……泉を塞いだ!? よっしゃ、一本買った!」
「ありがとさん」

「結局買ってあげたんですね」
「何、いい情報をくれたお礼じゃ。古来より井戸や池や沼を塞ぐと高確率で祟られるからのう。
よし、昔泉だったという場所を探すぞ!」
土下座ストラップを東逢坂の美味しい水にひたし、持ってプラプラさせながら歩き始める。
「水が共鳴して反応するかもしれん!」
果たしてこんなんで反応するのか!?

>173
>「多数の敵に追われてる俺が合流するとかえって危ないと思うっす!っつかネコバスは?」
「ネコバスはなぜか現在地が感知できにゃい。やはり何らかの妨害霊波が働いているかもにゃ!」

そこに土下座ストラップをプラプラさせたカフェ一行が現れる。

かくかくしかじか

>水の源に何かいる!?
「奇遇じゃのう。こっちもそう思っておったところじゃ」

>多数の敵に追われてるので合流すると危ない
「それなら心配いらぬ。あやつは”若い”男を追えと命令した。
師匠に爺メイクをしてもらえば誤魔化せるであろう」
「にゃるほど!」
師匠はやる気満々だ!


175 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/10/13(水) 01:55:01   [sage]
フィギュアはたいていの場合プラスチックでできている
「ほお、それはいいことを聞いた」
手のひらの上で炎が躍る
が、よく見ると濡れている女性の首にはひびが入っていた
(ち、プラスチックではなく、別の素材か)
ひびが入るということは陶器などの固いものでできていると相場が決まっている
これでは熱で溶かすということが出来ない

>「申し訳ない、仲間にとんだ不届きものが混じっていたとは。行って成敗してこようぞ!
皆も行くぞ」
「だが、今回はお前より不届き物の仲間を始末するのが先だ。命拾いをしたな」
炎をしまい、カフェたちとともに店を出て行った

店を出てからしばらくすると水売りが現れた
>「何、いい情報をくれたお礼じゃ。古来より井戸や池や沼を塞ぐと高確率で祟られるからのう。
>よし、昔泉だったという場所を探すぞ!」
情報と引き換えに水を買う
(たたりで不老不死…?)
たたりなら、突然死ぬか貧乏になる…などわざわいが起きるの普通だ
不老不死になるということはどう見ても考えずらい


176 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/13(水) 23:53:00   [sage]
【最初にお詫びです。フィギュアはプラスチック製とか知らなかったのでごめんなさい】

このお話はギャグ漫画全開っぽいんだけど、綾崎と言ったら世界名作劇場好き。
名作劇場のトラブりかたといったらネチネチしていて濡れ衣を着せられたりとか悲惨。
まあ、水攻めされて濡れてる服を着ているとこはどっちの話も共通なんだけど。


牧街を薙刀で突いた女武者は、前を走っている老人にぶつかって転ぶと動かなくなった。
地面はビショビショに濡れている。別に誰かがオシッコを漏らしたわけじゃなくって女武者は河童の原理みたいので
体内に霊水を含んで動いていたから水がもれると動きが悪くなるみたいだった。
口からポコポコこぼれた水は地面を不自然に生き物のようにどこかへ流れていく。


>「水が共鳴して反応するかも知れん」

「さすが私の師匠!」
月夜田はカフェの頭をなでぐりまわした。ついでに顔面もペロンと撫でる。ありみちゃんもカフェの頭をなでなでした。まわりにいたジジババもみんなでなでなでしてあげた。

カフェたちは霊水を購入して、牧街と合流する。やっぱりこの事件には水が関係しているらしい。
霊水を浸したストラップがフーチの代わりになるみたいだった。

フィギュアのジジババたちも勝手に井戸端会議を初めている。命令以外は聞かないと言うか
若い男がいなくなった時点で普通のジジババ状態に戻ったみたいだ。

「ちょっと牧街さん!逃げちゃダメでしょ!私はいいんだけど未来のお嫁さんのカフェさんを置いて逃げるなんて絶対ダメよ!!」
プンスカしている月夜田。


一方、ゲームセンターでは高端と高端Jr.が女性のフィギュアに抱き着いて泣いている。

「ママも早く現世に帰っておいでよ。僕が溺れて死んじゃったのはママのせいじゃないんだよ…」

Jr.の呼びかけにも女性型のフィギュアは答えない。魂が宿ることのないただのフィギュアのままだった。
昔、高端の嫁、つまり高端Jr.の母は、子供をなくしたショックで山奥の滝壺に身を投げて行方不明になっていた。
それを嘆き悲しんでいた高端はあるものたちに協力する代わりに家族をフィギュアで復元出来るという条件を得たのだ。


177 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/13(水) 23:53:55   [sage]
「あれ?ストラップが反応してるみたい」

薄暗い空き地に反応があって月夜田が近づくと靴がグチュッと湿っぽい土を踏む。空き地の真ん中には小さなお社が立っているけどボロボロだ。

「これってもしかして…埋めた泉を供養しているお社?」

お社の中を覗くと真っ暗で不気味だった。どこか異空へと通じているような錯覚もおぼえる。
月夜田はお社を拝んでみた。ここが埋められた泉なのかは定かではなかったけど。


178 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/14(木) 00:03:54   [sage]
×子供をなくしたショックで山奥の滝壺に身を投げて行方不明になっていた。

○子供をなくしたショックで後を追うように泉に身を投げて行方不明になっていた。

【すみません。推敲したつもりなんですけど推敲前をはってしまいました】


179 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/15(金) 22:00:38   [sage]
やる気満々で牧街にメイクを施そうとする猫師匠に、牧街は駄目駄目と手を振った
「村から脱出しようとしてる輩を老婆の方が狙ってます、メイク意味ないですよ
むしろ汗かいて目に化粧が入ったりして嫌です」
「にゃ…」
残念気にする師匠

女武者は自滅し、ジジ婆は牧街を見失っている
簡単に言うと、『イケる』
>「ちょっと牧街さん!逃げちゃダメでしょ!私はいいんだけど未来のお嫁さんのカフェさんを置いて逃げるなんて絶対ダメよ!!」
再度逃げようとする牧街を、月夜田がぷんぷんしながら怒ってきた
ぽりぽりと牧街は後ろ頭をかくと、にっこり笑ってみせる

「水源の何かと戦うのはもう俺の仕事じゃないですから、逃げるんじゃなくて仕事を終えて帰るんですよ
だから問題ないんです」

『将来のお嫁さん』のあたりは軽く流す
牧街はカフェの本名すら知らないのだ
そんな女性と結婚なぞ、冗談にしか聞こえない

「大体、今回の事件はほっぽといた方がいい事件ですし、勝っても何にもいい事ありませんよ
不老不死は嘘っぽいし、カフェさんのアイテムだって安いわけじゃないだろうし
これはさっさと逃げてオカルトGメン呼ぶべきだと思いますが…」
聞くわけ無いだろうなと8割方諦めながら、一応説得を試みてみる牧街
が、時既に遅く、歩きながら話してたら既に目的地についていた

「………今まではそれなりに残る理由もありましたが今回は俺が残る理由は何にもありません
逃げさせていただきます!何故か毎回毎回悪霊と戦いたがってる秋葉原流の皆さんだけでやってください
俺は帰ります!さようなら!!」

若干キレ気味にそういうと、牧街は足早にその場から逃げ出した
前回、カフェ等が何の策も無く(少なくとも牧街にはそう見えた)ノスフェラトゥの屋敷に突っ込んで行った事から、牧街の中で既にカフェ等の信用は著しく低下している
「かえってついて行った方が危ないんじゃないか」とすら思えているほどだ
所詮、コイツは何故カフェがそんな行動をとるのかや、彼女の身を案じてやめさせようとするだとか
そんな事を積極的にやるようなたまではないのである


180 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/17(日) 00:44:41   [sage]
>177-179
牧街が制止するも、まるで何かに操られているかのように歩みを進めるカフェ達。
>「あれ?ストラップが反応してるみたい」
「本当じゃ!」

>「………今まではそれなりに残る理由もありましたが今回は俺が残る理由は何にもありません
逃げさせていただきます!何故か毎回毎回悪霊と戦いたがってる秋葉原流の皆さんだけでやってください
俺は帰ります!さようなら!!」
―― 悪霊なんて聞き捨てならないわね。
一点の曇りも無いぞっとするほど透き通った声が響く。
ぬかるんだ足元から水が染み出し、集まって形を為して少女の姿を取る。
―― これでも水神。ウンディーネと皆は呼ぶわ。
ふふふ、こいつらはアタシの水を飲んだ。無意識のうちに操られてここまで来たのよ……!
今度こそ私と共に永遠の夏休みを生きましょう!

水でできた少女は巨大な水球へと姿を変えて一同を飲み込んだ!

水妖”ウンディーネ”
潰された泉の精霊というか妖怪というか小神というか。
その体は水であり、自由自在に水を操る。
泉が潰されたのがこうなった直接の原因のようだが……!?


181 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/10/17(日) 11:09:28   [sage]
>>179
>>180
なぜか知らないが、水源の方に向かって体が勝手に動いている
ストラップが反応しているといっていることからすると、いるのは悪霊の類か?
>「………今まではそれなりに残る理由もありましたが今回は俺が残る理由は何にもありません
>逃げさせていただきます!何故か毎回毎回悪霊と戦いたがってる秋葉原流の皆さんだけでやってください
>俺は帰ります!さようなら!!」
「そうか。達者でなといいたいところだが…」
「敵さんはどうやらそのつもりではないようだぞ」
>―― 悪霊なんて聞き捨てならないわね。
目の前にいるは水色の少女
少女の体自体水でできているせいか、遠くの景色が透けてみえる
>―― これでも水神。ウンディーネと皆は呼ぶわ。
>ふふふ、こいつらはアタシの水を飲んだ。無意識のうちに操られてここまで来たのよ……!
>今度こそ私と共に永遠の夏休みを生きましょう!
透明な膜につつまれ、水が唇に触れる

地獄に存在せし煉獄よ 希望の道となり われらを導かん フレイムルーラ!

肺の中が水で満たされ、気泡が天に上る
あと10分もすれば確実に死ぬだろうと思われたその時、
炎がカフェたちを包み込み、水の中からカフェたちの姿が消えた

【転移魔法発動。カフェたちは水の中から脱出した】


182 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/10/18(月) 19:04:00   [sage]
月夜田の唇が可憐な曲線を描き発した言葉に、
牧街は燻る炎を思わせる曖昧な笑いと迎合した言葉を投げ返した。
余りにも露骨な誤魔化しに彼女自身、呆れ果て些かの自己嫌悪に至る。

「確かに一理あります…」

とは言え、詮無い事だ。
何せ月夜田は昔から馬鹿で、今でも多少の改善は
得られたものの根っこの部分に変わりは無いのだから。

彼女たちのしようとしている事はそうでもなければ為し得ない。
それどころか考えもしない事だ。

濡れたスカートの裾を翻した月夜田が、逃亡を図った牧街に求めるように尋ねる仕種は、すでに残骸化し記憶から風化している。
月夜の砂漠の白骨の様相が脳裏に焼き付くが如しである。


埋め立てられた泉の辺で藤原を示すモンペが、吹き抜ける風に揺られる。
淀んだ水と出来損ないの苔が裾を汚す事を顧みず、月夜田がその場で膝を突きお社に祈りを捧げると
薄汚れたどす黒い水溜りから、お似合いの黒ずんだ水分が天に滝の如く逆流し
潤みをおびた少女の声が皆の鼓膜を震わした。


>これでも水神。ウンディーネと皆は呼ぶわ。
>ふふふ、こいつらはアタシの水を飲んだ。無意識のうちに操られてここまで来たのよ……!
>今度こそ私と共に永遠の夏休みを生きましょう!

「え…永遠の夏休み?たしかあの子もそんなこと言ってたわね…うっぷ!!」

虚をつかれた一同は水球へと変化したウンディーネに包みこまれた。まさに甘い死への回帰の如し。

がぼ…がば…(あー…死ぬのね…さよならー)

>地獄に存在せし煉獄よ 希望の道となり われらを導かん フレイムルーラ!

藤原が魔法を唱えると煉獄の力を擁した無形の力が、一同を瞬間的にウンディーネの体外へ排出する。
刮目すべきは死神の鎌を一瞬で打ち払う煉獄の力。

「けほっけほ…ありがとう藤原さん!」

ウンディーネの体は火炎の力で水分を搾取され縮小が伺えたが、それほど弱体化した様相も感じえない。
月夜田は携帯でオカルトGメンに救援を要請したが、案の定山奥では電波は届かなかった。
それ以前に精神を侵食するほどの霊波が村一帯に飛び交っているのだ。

「ここは、GSの先輩方にお任せします!!」

月夜田は元気よく、ゆっくりと後退りをして集団から乖離していく。そう。ゆっくりと…。亀の如し。


183 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/19(火) 09:53:54   [sage]
コクハさん、あんまりにも藤原の能力が3流にしては万能すぎやしませんでしょうか

本編で転移魔法なんかそれを必要とされる場面にあって世界各国が結集した話しですら一回も登場していませんよ
せいぜい、六道冥子の式神に短距離のテレポート能力がある程度です

火炎放射に、テレポート、これといった弱点の描写なし
余りにも藤原の能力は3流にしては高すぎます
火炎放射だけで、しかも大した事無いのだろうと思って参加を認めていましたが
あなたの行動から根本的にこのスレの趣旨がわかってない節が見受けられるので、これ以上のあなたの参加はスレの進行に支障をきたす恐れがあると、私は判断させていただきました

大変申しあげにくいのですがご退場願えないでしょうか


184 : 藤原 あゆみ ◇02D8gj2FXE    2010/10/19(火) 10:22:45   [sage]
>>183
ウィンディーネの体に穴が開き、カフェたちは外へと排出される
だが、その穴はすぐに塞がってしまい、衰弱した様子は見られない
もっとも、小さくなったことはなったのだが
>「ここは、GSの先輩方にお任せします!!」
(くそ、魔法を使いすぎたか…)
藤村の膝が沼地についた
アシュタロスクラスの悪魔ならこの程度ではへたったりはしないのだが、所詮は人間だ
限界がある
そのまま、顔と沼地がキスをし、意識を失ってしまった
【了解しました。こちらとしては続けていきたいのですが、そうも言ってられないようなので、退場します。スレッドの趣旨を無視して申し訳ありませんでした】


185 : ◇02D8gj2FXE    2010/10/19(火) 15:27:03   [sage]
>>183
退場処分を食らった人間が言うのもあれですが、なぜ、コクハだと断定するのでしょうか?
雑談所での発言が根拠だとすれば、あまりに浅はか過ぎます
今後会う機会があったら、コクハだと決めつけるようなことはやめていただきたいです
非常に不愉快です!!!


186 : 名無しになりきれ    2010/10/19(火) 15:30:17   [sage]
巻貝、キチガイの発作だから無視でいいよ

187 : 名無しになりきれ    2010/10/19(火) 15:32:12   [sage]
>>183
どうせ鬼の首を取ったように追い出したいだけなんだろうな
三流にして能力が高いというのは見苦しい言い分けだろ
始のほうで師匠の万能チート能力とかもスルーしていたくせに


188 : 名無しになりきれ    2010/10/19(火) 15:37:55   [sage]
>>187
コクハさん、丸分かりだか
雑談所にかえろ


189 : 名無しになりきれ    2010/10/19(火) 15:44:03   [sage]
>>188
コクハだと差別する意味がおかしいが?


190 : 名無しになりきれ    2010/10/19(火) 15:45:41   [sage]
>>189
よしよし、まあいいから雑談所でな
ここじゃ迷惑だからな


191 : 名無しになりきれ    2010/10/19(火) 15:49:33   [sage]
>>186
コテハンに指図すんな
名無しは雑談所でな
ここじゃ迷惑だからな


192 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/20(水) 10:18:53   [sage]
>>184
申し訳ありません、ありがとうございます
いつか誰かが、必ず似たようなミスをしたはずです
それは、このスレの力加減が難しいからであり、たまたま最初が運悪くあなただったのです
あなたのミスのおかげで、今後このスレに参加する方は、どの程度の力加減に設定すればよいかの参考を得る事ができたはずです
ありがとうございました、すみません、どうかお体に気をつけて
>>185
すいません、浅はかでした
以後この様な事の無い様気をつけます


193 : ◇GKweL1J8Pc    2010/10/20(水) 13:14:36   [sage]
>>192
なぜ、一度のミスで追い出すんだ?
雑談所では藤村=コクハ=フェン=ニュクス=ドーラ=グレイスということになっていて、それぞれのキャラクターはトラブルを引き起こしているんだが、それが関係しているのか?


194 : 名無しになりきれ    2010/10/20(水) 13:47:21   [sage]
>>193
理由はすでに明示されているだろ
スレ進行の障害になるからだ
障害になるなら一度のミスでも切られるし、門前払いも当たり前だ
現に障害になってるしな、現在進行形で
何権利主張しているんだ?おまえ


195 : ◇GKweL1J8Pc    2010/10/20(水) 14:11:24   [sage]
一度のミスがなぜ、進行の障害につながるのだ?
前にコクハが参加していたスレッドでは名無しによる書き込みが行われ、進行がストップしたが、今回は牧街自身の行為によって進行がストップしている
藤村自身の行為によって進行が止まることはないのだから、藤村がミスをした=進行が妨害されるとはならないだろ
少なくとも建前上は別人なんだからな


196 : 名無しになりきれ    2010/10/20(水) 14:16:43   [sage]
>>195
で、君はどうしてほしいの?


197 : ◇GKweL1J8Pc    2010/10/20(水) 17:57:54   [sage]
>>194
なぜ、藤村がいることによって進行の障害になるのだ?
コクハは確かに文盲で、数々のトラブルを起こしてきた
雑談所の連中はコクハ=藤村と考えていて、藤村がいることによって進行の妨げになると考えるのも無理はないが、
それ以外の場所ではコクハとエスパーしようが別人として扱うことになっている
コクハ=藤村と決めつけ、退場させただけで暗黙のルールに違反することになるんだが、そこのところはどう考えるんだ?


198 : 名無しになりきれ    2010/10/20(水) 18:21:16   [sage]
>>197
少なくとも藤村が存在したことで、◆GKweL1J8Pcに粘着されて進行の妨げになってるな
それとこのスレのルールは、テンプレに書いてあることとスレ主の判断による
以後はここで
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1287311764/


199 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/20(水) 19:16:03   [sage]
とりあえず皆落ち着いて餅付け

>牧街さん
もう二人の間で話がついているようなので今回の件については何もいいません。
でも自分もいつもかなりフリーダムな事をやってしまってるので他人事じゃない感がw
取り返しのつかないミスなんて無いんだからもっと気楽にやろう。
とりあえずこれで力加減のアウトになる線は分かったので
今後強すぎる技等が出てきたら何らかの形で後手キャンかけるとかフォローはいくらでもしますよ。

>藤原さん
残念ですがまたどこかでご一緒しましょう。
もしかっこいいバトルではなくあえてヘタレプレイをしたい!と思ったらまたここでご一緒しましょう。
大丈夫、キャラを変えれば別人なんだからヘタレキャラで来れば断られる理由なんてありません。


200 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/23(土) 00:54:31   [sage]
「ほら見ろ!言わないこっちゃない!どーすんですか!あんた等のせ…い!?」
早速泉から現れたウンディーネに、牧街は血走った目でカフェ等に怒鳴りつけ

ウンディーネの言葉にぎょっとし、動きが止まった

(え!?…カフェさん達の意思じゃ…無かった?…)

今回のカフェ達は敵が裏で糸を引いていた…即ち、自業自得でピンチになったわけではない
見捨てて逃げる事は…できない!!
できない……けれど……

「がぼっ…ぐぶっ…ぐ」

ウンディーネの水に捕らわれ、牧街は成すすべなく苦しむしかない
生身の人間が突然水中に捕らわれてしまっては、混乱してしまって5分と持たないだろう!

カフェ達を助けなければならない
そのためにウンディーネを何とかしなければならない

だが、丸腰の牧街に…そんな力は無い

(嫌だ…糞っ…嫌だ嫌だ死にたくない!助け……師匠…ゴッドマン!!ゴッドマン助け…)

絶望に飲まれ、苦しむ牧街

一瞬の浮遊感の後、全員はウンディーネの外にいた!!
テレポーテーション
人の身で行うには余りにも大きすぎるような大技が使われたのだ!!

(誰が…何故?どうして?)

混乱する牧街の前で、藤原が倒れていく
彼女だ
始めてあった人間のために、彼女は寿命を縮めるような大技を使ってくれたのだ!!
自分だけがテレポートで脱出すれば、意識を失う事も無かったかも知れない
カフェや牧街達がウンディーネにやられている隙に逃げ切る事もできなかもしれない

しかし、彼女はそれをしなかった

(ゴーストスイーパーだから……)

彼女の余りの勇敢な行為に、牧街は震えた
自分の身を削っても、他者を救う者の…
ゴーストスイーパーの…いや…『牧街がなりたかったゴーストスイーパー』の姿に

牧街だって、本当は逃げたくは無い
牧街だって、本当は自分だけ助かっていいわけじゃない
牧街だって、本当はヘタレな台詞で周囲のテンションを下げたくは無い

だが、それは適わない、何故なら彼は弱いから……
だから、彼には自分と同等の実力しかないのに、悪霊に真正面から立ち向かえるカフェ達が羨ましかった、眩しかった
彼等を自分と同じ弱くて格好悪いだけの存在にしてやろうと彼は心の奥底の黒い部分で思っていた

けれど
命をかけて自分達にチャンスを作ってくれた藤村の姿は、牧街に大事な事を思いださせてくれた
「弱い事は戦わなくていい理由にはならない」事を


201 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/23(土) 01:02:50   [sage]
深呼吸一つ、ゆっくり立ち上がった牧街は
じりじり逃げようとする月夜田に気づくと、彼女に向かって凛とした表情で叫ぶ
「ありみちゃんと一緒に民家に駆け込んで、有線の電話でオカルトGメンに連絡してくれ!俺達の力だけじゃ、足止めできても精霊には勝てない!」
次に、カフェの方へ振り返り、力強く頷く
彼女と、彼女の師匠には、この後聞いておかねばならない事ができた
『あなた達の勇気はどこからわいてくるんですか?』
『俺が、その勇気を手にするにはどうすればいいですか?』
死ぬわけにはいかない!
死なせるわけにはいかない!!
だから自分にできる事をやる!!
カフェの目を見つめ、牧街は真剣な表情で、力強く言う!

「見ないでください!!俺の、変態!!」

叫びと共に牧街はベルトに手をかけ……



                       下半身裸に変態した



「な…な…何を考えておるんじゃお前はああああああ!?」
思わず叫ぶウンディーネに、牧街は不敵な笑みを浮かべながら近づいていく
「知っているか?ウンディーネは… 人 間 と の 間 に 子 供 が で き る ん だ ぜ !!」
「ぎゃああああああああああああ来るなあああああああああああああああ」
「うおおおおおおおおおおおおおおお喰らえぇええええええええええええええええええええ」
それなりに立派なアレを振るいながら、牧街はウンディーネに突っ込んでいく
かなりヤケクソでやっているのだろう、目とか血走ってもう尋常じゃ無い雰囲気だ


202 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/23(土) 01:04:58   [sage]
>>199
スンマセン
ありがとうございます
カフェさんがそう言ってくれると、頼もしい限りっすよ!
これからも、どうかよろしくお願いします


203 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/24(日) 07:47:04   [sage]
どこからともなく声が聞こえてくる。

みなさんに…悲しいお知らせがあります☆
藤原さんはお空のお星さまになりました(ニパー)


顔面を土に埋めて気絶している藤原。

「いっ…いやーーっ!!不謹慎!!」

>「ありみちゃんと一緒に民家に駆け込んで、有線の電話でオカルトGメンに連絡してくれ!
>俺達の力だけじゃ、足止めできても精霊には勝てない!」

「はい!わかりました!」

=付近の民家=

ほの暗い民家にドアの蝶番が軋む音が響く。

「ごめんくださあい。おじゃましまあす」
玄関にぽんぽんと脱ぎ捨てられる靴。そして白い靴下が四つ、木造の廊下を早々と駆け抜ける。
薄暗い廊下の奥には古めかしいダイヤル式の黒電話が鎮座していた。
月夜田は咄嗟に、しかし静謐を破らぬままに電話の受話器へ手を伸ばす。

「………」

握った受話器はそのままに沈黙が流れる。月夜田はオカルトGメンの電話番号を覚えていなかった。

「○×−△○□△…」
ありみちゃんの唇が柔らかくゆっくりと動きオカルトGメンの番号を月夜田に伝える。

「すごーい!電話番号を暗記してるのー?私なんて携帯しか使わないから覚えてないのに、あったまいー!」

「全部語呂合わせで覚えたら簡単に覚えられますよ。
例えば近所の酒屋さんの電話番号は、さにみくなろしごって覚えれば簡単です」

「…言葉になってなくない?」

月夜田はオカルトGメンに連絡を終えると空気が抜けた風船のようにヘナヘナと腰が抜け、その場に座り込む。

「月夜田さん、大丈夫!?」

「大丈夫…疲れちゃっただけ…。もう…生きていくことって何なんだろうね…」

「私みたいに死んでないってことでしょうか?」

「……」


204 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/10/24(日) 07:48:48   [sage]
高端親子はウンディーネの悲鳴を聞いて駆け付けた。

高端「すごい!!下ネタだ!!」

高端Jr.「不潔なやつ!いでよ!ジジババマネキンたち!よそ者をやっつけろ!!」

「おひょっひょひょ」

Jr.の呼び声に全裸のジジババマネキンの群れが牧街たちに押し寄せてくる。

もう出番はないと思って全員が露天風呂に入っていたのだった。

高端「祭だー裸祭りだーっ!!」

【牧街さんカフェさんお疲れ様です。起点と中間点と終点なら自分は中間点が良いかなと思ってレスしました。いいですよねー?】


205 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/24(日) 15:59:42   [sage]
>182 >184
「ごぼごぼごぼ」(ビバ、永遠の夏休みー)
永遠の夏休みと言えば聞こえはいいがそれって要するにN☆E☆E☆Tなのでは!?
否、定年退職という可能性もある。なるほど、異常気象と年金詐称がここで繋がってる訳か!
などと考えながら意識を失いかけたその時!

>地獄に存在せし煉獄よ 希望の道となり われらを導かん フレイムルーラ!
唐突に水に穴があいて外に出され、藤原が力を使いはたして倒れる。
「……藤原殿!? そうか、お主が助けてくれたのだな」

>「ありみちゃんと一緒に民家に駆け込んで、有線の電話でオカルトGメンに連絡してくれ!俺達の力だけじゃ、足止めできても精霊には勝てない!」
「頼むにゃー!」
>「ここは、GSの先輩方にお任せします!!」
「うむ、ここは任せろ!」

何を思ったかベルトに手をかける牧街。もしや変身ベルトか!? 特撮物みたいにパワードスーツを装着するのか!?
>「見ないでください!!俺の、変態!!」
「えええええええええええええええ!?」
逆だ! 装着するどころか脱いだ! なんという発想のコペルニクス転回!

>「ぎゃああああああああああああ来るなあああああああああああああああ」
>「うおおおおおおおおおおおおおおお喰らえぇええええええええええええええええええええ」
「そういうことか……!」
生き残るためなら何だってやる恐るべき生存への執念! カフェは唖然としながらもある種の感動を覚えた。
牧街はヘタレ。確かにそうだが例えるならバトルや冒険活劇ものの登場人物として見た時の評価である。
サバイバル物なら天下無敵だ!


206 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/10/24(日) 16:00:46   [sage]
>204
「ぼーっとしてる場合じゃないにゃ! 敵に援軍が来たにゃ!」
>.「不潔なやつ!いでよ!ジジババマネキンたち!よそ者をやっつけろ!!」
「待てい! お主はこいつにたぶらかされておるのじゃ!
泉に落ちて死んだ子どもとはそなたであろう! ならばお主を殺したのはこやつじゃぞ!」
「違う……それは違うよ。僕が彼女の元に行ったのは僕自身が望んだ事」
どこか哀しそうな表情をする高端Jr。彼が死んだのは確か、夏休みの最後の日。
「……! お主まさか、自ら……」
その言葉の続きは高端の号令にかき消された。
>「祭だー裸祭りだーっ!!」
裸のジジババマネキン達が押し寄せ、辺りはある意味阿鼻叫喚の地獄絵図と化した!
「爺さん達、ワシらは男の方の相手をするぞな」
「よしきた、じゃあこっちは娘の方じゃ」

たちまちにウンディーネを取り囲み円陣を組む裸婆さんズ!
「こんな水の塊を相手にしてもつまらなかろう。ワシらが相手じゃ!」
なんの相手だって? もちろん戦いの相手です。

「うひょひょー! お嬢ちゃんこっちにおいでー!」
カフェには爺さん達がわぁいをプラプラさせながら迫ってくる!
「うああああああああああああああ! もうダメじゃああああああ!」
「牧街君が変態してまで頑張ってるのにそんな事でどうするにゃ!」

カフェは勇気を振り絞って裸爺さんに魅了の術をかけはじめた。
「おじいちゃん! そんな女に騙されないで!」

「おお、我が孫やー」
「よし、可愛い孫の頼みとあれば聞かない訳にはなりますまい」
「ウンディーネを倒すぞー」
「それにはたちまち婆さんの円陣を突破せんとのう」
「突撃―!」
孫娘には弱い爺さん達だったため、あっさりかかった。

「ええい! 役立たず共め!」
水流を飛ばして爺さんの群れを押し戻そうとするウンディーネ。
それを見た師匠が、前回手に入れた黒酢の瓶の形をしたオブジェをさっと差し出す。
「カフェも変態するにゃ!」
「変態!」
ぼくの考えた最強の鎧のような漆黒の霊衣をまとう!
着てなきゃいけないものを脱いで変態した牧街と着なくていい変な物を装着して変態したカフェ。
入り乱れて乱闘する裸の爺さんと婆さん。襲い来る水の水流を迎え撃つ黒酢の水流!
この裸祭り、もとい戦いは果たして収拾がつくのか!?


207 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/28(木) 10:25:11   [sage]
「い…いやじゃあああああ助けてぇえええ」
「えぇい大人しくこっちへ来い!!」
裸特攻を行った牧街は、あっけなく婆様の群れにとっつかまり大ピンチに陥っていた
このままではカメラの見えない路地裏に連れて行かれてしまう!

…何をされるかって?
そりゃ君、このスレはほら、18禁じゃないから…ね
グロテスクなのは駄目なんだよ、うん
……内蔵とか、さ(ネタが二番煎じだなこれ)

が、間一髪、爺さん達の群れが婆様たちを押し戻した!
色々な意味で救われた牧街は、カフェの水流を一気に押し返し圧倒している(そりゃそうだ、水の精だもん強いに決まってる)ウンディーネの後ろに回りこむと、ルパンダイブでウンディーネに飛び込んだ
「ウンディーネ!極楽に行かせてやるぜぇ〜〜〜〜!!」
「し!しまった!来るな!スレが通報されるぞおい!ギャアアアアアアアアアアアアアア」
悲痛な断末魔を上げるウンディーネ

横合いから飛んできた正義のロケット鉄拳が牧街の股間に直撃し、彼女を救った!!
「大丈夫!?」
「…ありがとう」
牧街を撃墜した高端Jrに、喜びと感謝の表情を向けるウンディーネ
高端Jrはそれに力強く頷くと、股間を押さえて転げまわる牧街目掛け、大きく飛び上がった
高端も同時に飛び上がり、牧街目掛け二人でキックを放つ!!
「ダーーーブル制裁キーーーーーーーっク!!」
「ふげらっ」
とどめのダブルキックに、牧街は胃液を吹いて白目むいて昏倒する

「よし!私も続こう!」
高端親子の雄姿に、ウンディーネも腕にエネルギーをため、強力な水球を作り上げる
「水・龍・撃!!」
ウンディーネの腕から水でできた龍が勢いよく飛び出し、黒酢を吹き飛ばして一気にカフェとカフェ師匠を飲み込んで二人を近くの民家の塀に勢いよくたたきつけた!
牧街なら平然としているレベルのダメージだろうが、無茶な特訓をしていない民間人にはきついレベルの一撃である

「正義は勝つ、変態共め、思い知ったか」
変態GSを一掃し、ウンディーネは安堵のため息をつき、カフェの魅了の術が解けた爺さん達も、婆さん達と和解する
こうして、村の平和は守られた
だが、いつ新たなゴーストスイーパーが現れるかわからない
戦え!高端!負けるな!ウンディーネ!
己の私益と幸福のために!!

【GS美神世界の三流GSのスレは今回で終わりです、今までありがとうございました
次レスからウンディーネと高端親子が仲良く生きていくスレが始まります
ごきたいください】


208 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/10/28(木) 10:29:28   [sage]
「ま…まだじゃぁ!まだ終わってないぞぉ!!」

【あ、失礼しました!まだかろうじて牧街息がありました!スレ続行!スレ続行です!】

よろよろと立ち上がった牧街はウンディーネ等に対し、例の必殺の構えをとる
「行くぞ」
む、何をするんだと身構えるウンディーネらの前で、牧街は膝をつき、手を地面に置くと
「天竜落地!申し訳ありませんでした!!命だけは助けてください!ほんっと勘弁してください!最初に吹っかけてきたのはそっちだから俺たち何にも悪い事してないはずっすよ!助けて!ヘルプ!」
土下座して命乞いをおっぱじめた!
いかん、このままではほんとにスレが終わってしまう!


209 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/10/28(木) 21:16:37   [sage]
外が祭みたいに騒がしいから月夜田たちは民家の窓から牧街やカフェを心配してみたら
目の前に広がる光景は信じられないようなものだった。

「いやあ!!。何をどうやったらこうなるのっ!?」

大量の全裸のジジババに着なきゃいけないものを脱いでる牧街と逆に着ているカフェに唖然とする月夜田。
そして牧街に高端親子の必殺技が決まる。

「やった!やっつけた!」

月夜田のリアクション間違いでもなくない。
だって客観視したら今の牧街はどこにだしても恥ずかしくない立派な変態。

「あ!でもやばい!カフェさん頑張ってー!もっと黒酢出してぇ!」
月夜田の戦いの応援とも思えない台詞。料理対決漫画でも「もっと黒酢出してぇ!」はないかもしれない。
でも、二人は哀しくもハカナゲに水龍に当たって月夜田たちのいる民家の塀に飛んできた。

ベッチャアッ!!

そしてフラフラの牧街はウンディーネに土下座する。

「必死じゃん牧街…」と、もう尊敬も出来なくなって呼び捨てしまう月夜田。

「天にペッしたらペッは自分にかえっていくの。だから神に逆らっちゃだめなの。わかった?」
ウンディーネは土下座している牧街の後頭部を踏み付けて地面にキスをさせている。

「神様。たすけてください。牧街さんを捧げるので助けて下さい」
月夜田が祈ると小さい御社の中で変な形の棒が金色に光って出てきた。
それは男性のシンボルを崇拝した形のもので砕け散るように空中で四散すると月夜田に装着される。

「なにこれ?カフェさんの着ているのと似てる!」
月夜田は喜んだけど頭に被った兜は放送出来る形のものでは決してない。
男性のシンボルの形がモロだった。鏡で自分の今の姿を見たら月夜田は発狂することだろう。
祈っていた御社に裸祭りが力を与えて変なことになったのだ。
「黒酢みたいのが出るの?」と構える月夜田を
「みことちゃんそれだけはダメーッ!!」
と、ありみちゃんが吹っ飛ばした。

「もう戦わなくても大丈夫です。裸祭りがウンディーネさんの怒りを鎮めてくれたみたいですから…たぶんですけれど」

「じゃあ…私の、このくだり…いらないじゃん」
月夜田は転げてるままつぶやいた。

はたして裸祭りでウンディーネの怒りは鎮まったのだろうか?
ウンディーネと高端Jr.の秘密とは!?
疾風怒涛の次回を待てぇ☆


210 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/11/01(月) 18:40:24   [sage]
>207
>「ふげらっ」
「牧街殿!」
まきがいは たおれた!

>「水・龍・撃!!」
「ばたんきゅー」
カフェと師匠は たおれた!

ざんねん! まきがいたちは ぜんめつした!

>208-209
しかし! まきがいは いきていた!
>「天竜落地!申し訳ありませんでした!!命だけは助けてください!ほんっと勘弁してください!最初に吹っかけてきたのはそっちだから俺たち何にも悪い事してないはずっすよ!助けて!ヘルプ!」
>「天にペッしたらペッは自分にかえっていくの。だから神に逆らっちゃだめなの。わかった?」
まるでいじめっ子といじめられっ子のような光景が繰り広げられる。
それを見た高端Jr.が意外な行動にでた。牧街をかばうように間に割ってはいる。
「やめてあげて! もう十分じゃないか!」
信じられないといった感じのウンディーネ。
「私に逆らうというのか!?」
「最初はこっちにきて欲しいと思った。毎日一緒にゲームができたらどんなに楽しいだろうって。
でも命惜しさのあまり裸で走り回るような人はこっちに来たらダメだ!
僕のぶんまで…いや、いじめを苦に自ら命を絶った全国のヘタレたちのぶんまで生きるんだ!
彼はヘタレの希望の星なんだああああああ!!」
裸祭りで乱心気味なのか、力一杯力説するJr.。
「なるほど、こやつの心の弱みにつけこみ甘美な死に誘ったか……!」
倒れながらも台詞だけは確保するカフェ。
「違うよ。彼女は助けようとした。でも僕自身がそれを望んでいたから助けられなかったんだ。
ママが後を追って飛び込んでから思った。なんてバカなことをしたんだろうって。
ママの魂はそれっきり行方不明だ。そして泉が埋められて彼女は変わってしまった……」

「それ以上言うなああああああああ!」
「口答えするんじゃありません!」
「泉を埋めるとはおろかな人間どもめ……」
「死んだ後ぐらいせめてもうあなたに寂しい思いをさせるわけにはいかないの」
「金欲しい(ボソッ)」

ウンディーネは こんらん している!

そしてカフェは驚くべきものを目撃した。
「……なんと!」
ウンディーネに重なって、うっすらと女性の霊が見える。
「Jrの母親か!?今まで精霊の方が強すぎて見えなかったのが混乱したせいで見えるようになったのか……!
融合して訳が分からなくなっているゆえまずは二人を引き離さねば!
皆、母親の霊に語りかけるのじゃ!」
皆に協力を呼びかけるカフェ。
(もちろん放送禁止の兜を被ったみこと含む。動揺させるという点で意外と効果を発揮するかもしれない!)


211 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/03(水) 00:36:44   [sage]
「うう…でもアレっすよ、自分から正体見せておいてみたから死ねってのはどうかと…」
踏みつけられながら、必死に弁明を試みる牧街
心なしか物凄い弁明の仕方が様になっている
そうだ、牧街は命乞いの達人でもあるのだ!!
(俺の巧みな命乞いの技術で皆を救ってみせる!!なーにどうせ警察来るんだ、時間稼げばこっちの…)
>「神様。たすけてください。牧街さんを捧げるので助けて下さい」
「ってちょっと待てぇえええええええええ!!」
降伏と見せかけて実は時間稼ぎと言う腹黒い戦法は、しかし背後の月夜田の一言で一気に牧街をいらぬ大ピンチへと導いてしまう!
>「最初はこっちにきて欲しいと思った。毎日一緒にゲームができたらどんなに楽しいだろうって。
>でも命惜しさのあまり裸で走り回るような人はこっちに来たらダメだ!
>僕のぶんまで…いや、いじめを苦に自ら命を絶った全国のヘタレたちのぶんまで生きるんだ!
>彼はヘタレの希望の星なんだああああああ!!」

「あの祠の神様は何なのですか?ねぇ!アレ何の神様?あの卑猥な鎧は何?ねぇおばあちゃんん!俺死ぬの?ねぇ!」
Jrの熱弁を裏付ける、後ろで必死で助かろうと老人から情報収集を図る牧街
「落ち着けぃお若いの、アレは神様をまつっとる祠ではない」
「何?何?じゃあ何?」
「かつてこの村で子宝に恵まれる事を願って開かれとった裸祭りで巫女がつけていた鎧を収めとる祠じゃ
泉の埋め立てにともなって裸祭りもできなくなってしまっての、ずっと放置されとったのじゃ」
「話から察するに、俺は死ななくていいんですね?」
「まぁ、見た感じ祈った行為に反応して鎧が反射的に出てきたみたいじゃからなぁ…」
「そ…そら簡単に神様が力かしてくれればGS何ぞいりませんからねぇ〜…、あぁ…いかった…
っと、本編本編」
無事牧街の生還が確定した所で、牧街も本編に意識を戻す
ちなみに今回は良かったが、化け物や妖怪等分けのわからない物をとりあえず神様として祭っている場合は多々ある
神様は皆人間に優しいわけでは絶対に無いのだ
電気が通っていると思いませんでしたで人を感電しさせたりまさかアレほどよろめくとは思いませんでしたで電車を停めたりするレベルの重大事故が起こりかけたわけであるが
これが普通のGSなら、一生根に持って、下手すればどす黒い仕返しをするのだろうが
そこは牧街
命が助かった喜びと本編に取り残されてはいかんという思いから、もう月夜田への怒りを完全に失念している
その内マジで月夜田に牧街が殺されるんじゃないだろーか…これ

「ウンディーネと高端さんの妻を分離するには……」
それはそうと本編、混乱するウンディーネを見ながら、牧街も必死に無い頭を回して分離の方法を考える
高端Jrは確かに牧街の命を狙ってきた
だが、家族が苦しい思いをして悲しむ気持ちは牧街には痛い程よくわかる
この男は勇気は無いが人情が無いわけではない
助けて平和的に解決できればそれでいいと思った
「そうだ!裸祭りの儀式をもう一回やって、それでウンディーネを満足させれば自分から分離するんじゃないですか?」
「しかし…裸祭りの儀式には泉がどーしてもいるんじゃ」
「何で?」
「裸祭りのラストではあの男根型の鎧を纏った娘が全裸になって泉に映った己の恥部に飛び込む事で…
まぁ山奥の村じゃからな、村人が欲求不満にならんように年に一回それですっきりしようと言うわけだったのじゃ」
「スレが通報されそうだからあんま詳しく言うのやめましょう…ってかウンディーネが単に欲求不満なんじゃないんですか?」
「牧街君、その方向で直接的な解決方法考えた方がスレ終わりそうな発想だにゃ。それでいくとどーしてもその…にゃ、わかるでしょ?」
「自重します。で、どうします?」
「祭りの儀式の意味を考えるニャ、スレが18禁じゃにゃいからあんまり声に出しちゃいけにゃいけど、泉に映った娘をウンディーネに見立てていたとするにゃら…」
「……月夜田さん、ウンディーネにその鎧着たまま頭突きで突進して行ってください、それで多分解決です」
「精霊も三大欲求もっとるんじゃのぉ…」
「それがたまれば苛立っとったのか…」
「睡眠欲ですね、そうですね、はいそういう事でレッツGOで」
ギリギリアウトな感じがしないでもないが
良く考えてみれば水の塊に金属の棒が突っ込んでいくだけだ!
OKOK!本編なんか乳首が出てる!


212 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/03(水) 00:41:03   [sage]
「それがたまれば苛立っとったのか…」 ×
「それがたまっとったから苛立っとったのか」○

すいません、間違いました


213 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/11/06(土) 02:38:24   [sage]
>「Jrの母親か!?今まで精霊の方が強すぎて見えなかったのが混乱したせいで見えるようになったのか……!
>融合して訳が分からなくなっているゆえまずは二人を引き離さねば!皆、母親の霊に語りかけるのじゃ!」

人智をこえた理解出来ないようなことでも人は実感することができる。高端Jrの傍らにいた高端父の口から嗚咽が溢れ出す。
「おっおっおおお〜!!おまえは、そんなところにいたのか!?嫁よ〜帰って来てくれ〜!!」
ウンディーネに縋りつこうとする高端父。
「あ!夫婦の愛の力ならJr君のお母さんを助けることができるかも知れません!!」
顔に喜色を覗かせながら叫ぶありみちゃん。
「うぼわっ!!」と高端父の悲鳴に一同は目を疑う。
無残にも、水球の衝撃が高端父の胸郭を押し上げ近くの塀に吹き飛ばす。水龍撃が繰り出されたのだ。
「え!?」
一瞬の出来事に月夜田も目をごしごしする。攻撃時に一瞬見えた高端母がニンマリと笑っているように窺えたから。
「夫婦仲は悪かったみたいですね…」
「……そ、そうみたい」

「人間なんて大きらい!人間なんて最低!お金がなくって稼ぎの悪い人間なんてホントに最低!!」
人間最低のキャッチフレーズが分離しかけた魂を一つの意志に再び統一してしまった。高端父は余計なことをしてしまったようだ。

太古の昔から人は乞う。雨乞い。物乞い。命乞い。
牧街の綺麗な土下座をもってしてもウンディーネの怒りを鎮めることはできない。

「よし!ここは私の交渉術でウンディーネさんを説得してみせる!!」
師匠であるカフェに頼まれごとをされた月夜田は上機嫌になっていた。すると牧街が…

>「……月夜田さん、ウンディーネにその鎧着たまま頭突きで突進して行ってください、それで多分解決です」

「えー!?野蛮的だからいや!!」
きちんと話を聞いていなかった月夜田は反発して、牧街にちろっと舌を見せると交渉するためにウンディーネにツカツカと歩き出した。
「きゃーなに、このこ!気持ち悪い!!」
ウンディーネは水龍撃を放つものの鎧が濡れていくだけ。もともとは相性がよいアイテムなのかダメージは軽減されているようだ。
「あのウンディーネさん!私、月夜田みことって言います。GS見習いです。あなたを極楽にいかせてみせます!
よろしくおねがいしますっ!!説得されてください!!」
元気よく深々とお辞儀をすると長い兜の重みで、月夜田はよろけてウンディーネの体に、ざぶんと入り込んだ。
「あん…」とせつなそうな声がしてウンディーネと高端母は分離しかけたが、まだ二人の片手は離れない。

よく見れば掴んで離さないのは高端母のほうだった。

「そう…永遠の夏休み…。都会の学校でJrがいじめられていたから…
私たちは、この村に引っ越してきたの。今も私の心にあるのは、ほんのりとした悔しさと憎しみ。
泉を人間に埋められたウンディーネも私も人間を憎んでいる気持ちはおなじ…だから…憎むの…」

「完全に分離できてないにゃー!!言いにくいけど突きかたが甘かったにゃ!!
それとウンディーネさえ鎮めることが出来ればいいと思っていたけど母親にも問題ありにゃ!!?」

「…ぶく…ぶく…んが〜…がぼがぼ…」
月夜田はウンディーネの体内に包まれて溺れかけている。


214 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/11/11(木) 01:01:01   [sage]
【遅くなってすいません】

>211-213
18禁ギリギリ? いや、特に問題はない! 祭りは文化だ!
>「…ぶく…ぶく…んが〜…がぼがぼ…」
Jr.は急いで駆け寄って月夜田……ではなく母親のもう片方の手を掴む。
「ママ、彼女の手を離して!」
「嫌! 離したら私は何の力も……」
親子が言い争っている隙に、カフェが裸老人たちを術にかける。
「おじいちゃんおばあちゃん、ウンディーネを開放してあげて!
埋めた泉を元にもどしてあげて!」

「そうするかね、夏休みはもう十分もらったぞな」
「おう、正直そろそろ成仏したいと思っとったところじゃ」
「ほいさ」
「ほいやっさー」
地面を彫り始める裸老人たち。
とはいえ人力でちょっと掘ったぐらいで泉が復活するはずはない。
と思いきや……

「あったぞー!」
突如水流が吹き上がる。見る見るうちに周囲に水が溜まっていく。
「温泉の後の水風呂じゃー」
「それはええのう」
老人たちがくつろぎはじめる中、ウンディーネが驚きの声をあげる。
「なぜ……!? そんなに簡単に……」
その疑問にカフェが答える。
「本来泉が簡単に埋められるわけがない。
人の手によって埋められたのはきっかけに過ぎなかったのじゃ。
泉をふさぎ続けていたのはそなた自身、いや、そなたと融合したJr.の母だったのじゃ!」
「そうだった……のね……」
ウンディーネは、湧き出した水に溶け込むように高端母から離れた。
「人間への憎しみはどうしたの!? 私を裏切るの!?
私はJr.に永遠の夏休みを過ごさせてあげたいのよ! 嫌あああああああ!」 
残るは半狂乱の高端母だ!


215 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/14(日) 02:21:30   [sage]
「ちぇっ、俺の言った事だと思って…。まぁ、本気で聞かれても問題か、えぇ」
舌出して牧街の言う事を聞かない月夜田に俺舐められてるなぁと頭ポリポリかきながら思う牧街
まぁ、牧街が舐められないようだったらこの世に舐められる先輩などという属性は生まれないわけで…

が、偶然にも月夜田は牧街の指示通りに行動してくれた

「駄目だ!入れるだけじゃ!こう、アレだもっとえーっと」
>「…ぶく…ぶく…んが〜…がぼがぼ…」
「おっとと…ピンチになる事もあんだね、しっかり」
溺れる月夜田を引っ張って救出しながら、デモンサーカスや紅バサミすら傷一つつけられず、間違いなく拳を命中させたはずなのに何故か人形に代わっていたためこう何か幸運系の隠し能力が絶対についていると思われた少女の意外なピンチに
ちょっとレアだなぁなどとノンキに考えながら近づき、腰に手を回して引っ張り出してあげる牧街
こうして、牧街のこれからピンチになったら月夜田を盾にして攻撃を防げばまず当らなくて済むだろう計画は水泡に帰したのだった

そうしてる間に泉が湧き出し、ウンディーネも落ち着きを取り戻した
が、高端母はまだ半狂乱で狂っている
彼女の叫びを聞いていた牧街は、永遠の夏休みのフレーズにカチンときた
「こらぁ!!あなたの様な親ばかが現代社会を腐らせるニート共を作り上げている事が何故わからないんだ!!
それじゃ息子は一時的に幸せかもしれないけれど、自分の力で困難に立ち向かう力や、嫌な事と向き合う力を持たなければ歳をとった後に大きく後悔するんだぞ!!
永遠の夏休み何か駄目だ!!
いや、学校に行かないだけならいい!俺だって小学校も中学校も高校もほとんどいかなかった!
けど!!俺は代わりに自分が将来をかけてやるべき事を見つけて、それに向かって突き進んできたつもりでいる!
人に誇れる物だって持っている!!」
「五月蝿い黙れ黙れ!!そうやって現代社会が私のかわいい息子を苦しめるから、私は現代社会と対峙しなくていい永遠のセカイにJrを連れて行くんだ!!」
「ふざけるな!!そこでJrを待っているのは永遠の快楽じゃない!!自分の力で何も成し遂げられずに母ちゃんの手の中で腐り続ける、永遠のむなしさだ!!それはJr自身も感じている事だぞ!!」
「だって…でも…Jrは…」
「そもそもなんでJrは苛められたのか知ってるのかあんた!」
「それは……」
一泊おいて、ちらっと高端を見る高端妻
「この人が怪しげな新作ゲームをJrの友達にばら撒いたのがそもそもの原因で…」
うろたえまくる高端
「え!?いや、それは、その……私もいいゲームを作ろうと」
「嫌がるJrの友達にバイオハザードよりもグロくて怖いゲームをテストプレイさせて…」
「あ、アレは私の最高傑作と言っていい!アレの製作に関係できたんだ、むしろあの子達が感謝すべきだったんだ」
「お父さんがゲームゲーム言うから…友達皆に相手にされなくなって…近づいてもくれなくなって…僕の友達はゲームだけに…」
「でも楽しかっただろ?お前も楽しいって言ってたじゃないか?な?
それに、今牧街君も言ってたじゃないか、人生をかけてやるべき事を見つけろとだな…」
「それは当然、自分以外の人に迷惑をかけないでやる事が大前提です
迷惑をかけたなら、その責任をとるのが社会人であり、ひいては大人じゃないですか!」
「そ…その責任が面白いゲームなんだよ!」
「お父さんのゲーム、レビュー雑誌で独りよがりのつまらないゲームって…」
「う…五月蝿い!子供は黙っていろ!!」
段々正体があらわになっていく今回の黒幕


216 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/14(日) 02:22:18   [sage]
「そう言えば、副業で始めたスーパーも何だか子供任せじゃったなぁ…」
「スーパーは息子さんがお父さんのために食いぶちを作ろうと始めたんじゃなかったかな」
「というかわし等の年金は確か高端さんが代表して預かってたはずじゃ」
「年金?ウンディーネも私も、あんた達に何か請求した覚えはないわよ。むしろGSが来るまで大人しくしてたわ。じゃなきゃもうこんな村水没してたはずですもん」
「いや、高端さんがウンディーネには色々必要だからってわし等を生きてる事にして…」
「そういやあの地下施設いくらしたのかニャ…」

「わかりました!皆さん!!」

そこで、高端は腰に手を当てて大声で怒鳴った
全員がジト目で見る中、高端は大マジな顔で叫ぶ
「私が牧街君とゲームで勝負し、私が勝ったら全て無かった事にしましょう!それでいいでしょう!」

「どーやったらそういう考えにいたるの!」
「このキピーー」
「アホタレ!」
「社会人の恥さらし!!」

凄まじい罵詈雑言飛び交う中、しかし高端はうろたえない
「さあ!牧街君、勝負だ!!」

あんまりにもいい顔して目を輝かせながら言う高端に、牧街は心底呆れ帰って頭を抱えると
やがて大きく拳を振りかぶった

「極楽へいかせてあげまっさああああああああああああああああああああああ」
「あげろごっぶ!!」

月夜田へ放った物より強烈な渾身の右ストレートを叩き込まれ、奥歯をボロボロこぼしながら吹き飛ぶ高端
小学校も中学校も高校もまともに行かずに、牧街は日々、恐山流除霊道場で鍛えていたのだ
本気を出せば肉弾戦だけならプロの格闘家とだってやりあえる(ただし肝心の悪霊相手には霊力や除霊術が関わってくるためいつものザマである)

「さ〜あ〜あなたの罪を数えてもらいませうか〜」
ボキボキ拳鳴らして近づいてくる牧街からあとづさって逃げながら、高端は今度はカフェ達に慌てて月夜田にターゲットを変更する
「き、君、そう君だ、君は見所があるな、うん、君、私とゲームで戦おう、この何もわかってないバカの代わりに、ね、いいだろ?楽しいぞ!うん」
高端は必死だ
だが、その必死さは先ほどの牧街の必死の命乞いにも満たない
惨めでバカバカしくて腐っている命乞いである


217 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/14(日) 02:24:35   [sage]
カフェ達に慌てて×
慌てて月夜田に○

誤字申し訳無い


218 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/11/14(日) 16:03:39   [sage]
「ごぱぁ…ぐぽぺ…」(たすけてパパ…ママ…)
薄れていく月夜田の意識とは別に、掘り起こした泉に浸り寛ぐ老人たち。
「母親の愛は海よりも深いものじゃ。のう?婆さんや」
「そうですねぇ。おじいさん」
ウンディーネはというと月夜田を胎内に孕んだまま湧き出した泉に溶け込もうとしている。

>「おっとと…ピンチになる事もあんだね、しっかり」
「ぷっはあっ!!けぽっ!!」
もうやばいと思った瞬間、牧街が月夜田の腰に手をまわしてウンディーネの胎内からひっぱりあげてくれた。
「やだ。牧街ってば、私の腰がそんなに好き?安産型の私の腰…。きもちわるい」
月夜田が、びしょ濡れのまま恥かしそうにぺたりと座り込むと装着されていた、わぁいの聖衣が
ひとりでに弾け飛び、空中で元の形を取り戻して、オーラを放ちながら泉のほとりにドスンと鎮座する。

そして『永遠の夏休み』このフレーズにキレて何やらグダグダとトグロを巻き始めた牧街は
高端たちから今回の事件の確信に迫る話を釣り上げると、たたみかけるように高端に詰め寄る。

>「さ〜あ〜あなたの罪を数えてもらいませうか〜」

「お父さんをイジメるなー!!」
拳を鳴らしながら父親を追い詰める牧街の顔面にJrのロケットパンチが放たれた。
(牧街さんに当たったかどうかは不明)
なんとJrに、困難に立ち向かう力や嫌な事と向き合う力が芽生え始めていたのだ。

>「き、君、そう君だ、君は見所があるな、うん、君、私とゲームで戦おう、
>この何もわかってないバカの代わりに、ね、いいだろ?楽しいぞ!うん」

「お父さん見て!Jrが…Jrが、あなたを守ったのよ!!」高端母の喜びの声に
カフェや月夜田にターゲットを変えようとしていた高端父は目をみはる。

「Jrああああ!!」父は息子に抱きついて耳元で囁く。
「ロケットパンチで、今度はあの娘(カフェ)をねらえ…。催眠術か何かを使う厄介な娘だ。
あとは父さんに任せろ。命乞いでもなんでもして、また老人たちを誑かして今度は母さんと三人で年金暮らしをしよう…」
抱きしめられたJrの瞳から涙が溢れる。
「パパのばか」
小さい声のあと爆音が響きJrは大爆発した。自爆したのである。
ロケットパンチを使えるのだから何か火薬的なエネルギーが内部から爆発したのだろう。
爆風で黒こげになった高端父はカフェの近くに転がった。リアルな話ではないから当然まだ息はあった。
仰向けになって空を見上げる高端の目には仲良く二人で天に昇って逝く母と子の姿がうつる。
「待ってくれ!!」叫びも虚しく、小さくなりつつある母子の姿。

「ぢっくしょおおおおおおおおおおお!!!!!!」
高端の黒こげの姿に油断していたカフェは後ろから羽交い絞めにあってしまう。
左腕はカフェの首を締め上げ、右手には先の尖った木の破片。
「おまえたちが来たから全部滅茶苦茶になったー!!資本主義の甘い汁がーこぼれ落ちていくー!!」
母子に捨てられた高端は自暴自棄になりわけの分からないことを叫んでいる。


219 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/11/14(日) 16:11:39   [sage]
おきたこと
@牧街さんにJrのロケットパンチ炸裂
A父をかばう逞しいJrの姿に母、喜ぶ
B成仏しつつある母子に高端が自暴自棄。カフェさんを人質にとる
(くわしい行動の理由は不明。単なるパニックか?)


220 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/11/15(月) 22:16:39   [sage]
>215-216
「……まずいにゃ!」
「やめるのじゃ牧街殿!」
何がまずいかって? このスレのコンセプトは除霊バトルであ。
事件の黒幕とはいえ人間、しかも正当防衛も成立しなさそうな見るからにショボいおっさんをフルボッコにしては法治国家的にまずい。
増してや殺したらシャレにならない!
「逮捕エンドもそれはそれで斬新かもしれぬが……」
「二番煎じだからダメにゃ!」

>218
>「おまえたちが来たから全部滅茶苦茶になったー!!資本主義の甘い汁がーこぼれ落ちていくー!!」
人質にとられたカフェ。しかしカフェと師匠は現在戦闘不能状態なので行動不能だ!
それにしては台詞が多いと思った君は某FFにおけるHPが0の状態を想定しよう。
さあどうする!?

「なんのっ、可愛い孫娘には手をださせん! あの世に道連れじゃあ!」
唐突に、まだ術の効果が切れていなかった裸老人が高端の後ろから飛びついて自爆した!
「ぎゃあああああああ!!」
二発目をくらった高端はぱったりと倒れて動かなくなった。
その上体からほわほわと幽体が出てきた。今にも成仏しそうだ。
「これで……良かったんだ。jr.おまえ……私もそっちへ……」
「ダメーーーーーー!! このスレは人死には禁止です!」
ありみちゃんが必死で幽体を抑えて阻止する。
「貴方は……こんな私を……」
「勘違いしないでください! このまま死ぬなんて卑怯です!
真人間になって人生やりなおしましょう!」
ありみちゃんは超能力を発動しているようだ。こうかはばつぐんだ!
「そうだな……、そうしたいのは山々だがこの重傷では……」

その時、ウンディーネの声が響いた。
「GS達よ、これは私からのお礼よ……!」
高端は重傷から一瞬にして回復した! カフェと師匠も戦闘不能から復活した!
水につかっている皆が回復した!
高端の幽体が体に戻ってむくりと起き上がる。
「なんだろう、一瞬死にかけたような……」
ウンディーネが語りかける。
「そう、あなたは一度死んで生まれ変わったの。あなたが前世で犯した罪の罰を与えるわ。
この泉の健康効果を全国の人に知ってもらってたくさんの人に長寿になってもらって。
そしてその観光効果でこの村を再興させるのよ!」

「よし、早速宣伝ゲームを使ってネット上でタダで配布するぞ!
美しき水の精……悪霊に勇敢に立ち向かうゴーストバスター……!
うおおおおお! 夢と希望に満ちたゲームのアイディアがほとばしってきた」
一回死んだことでゲームの趣向も180度変わったようだ。

裸老人たちが成仏していく空を、爽やかな秋風が吹き抜けていく。
「いきなり涼しくなったにゃー」
「なんと、永遠の夏休みを願う集合思念が終わらない夏の原因だったのか」
「そういうことにしておくにゃ」


221 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/20(土) 00:48:59   [sage]
【遅くなって申し訳ありません】

ウンディーネは満足した

高端Jrは母と共に、困難に立ち向かう道を選び、成仏した

高端も改心し、「永遠の夏休み」は遂に終わりを迎えた

皆が達成感に打ちひしがれていると
「ご協力、ありがとうございました!」
カフェ師匠の横に警察官が立ち、何故か敬礼してきた
何だろうと皆が警察官の後ろを見ると…

「公然わいせつ罪の現行犯で、逮捕する!」
「はひー……」

月夜田の通報によって今頃駆けつけたオカルトGメンに、ちんちん丸出しでロケットパンチに倒された牧街が逮捕されている所だった
Jrのパンチで吹っ飛ばされてウンディーネの視界に入っていなかったため一人だけ傷が治っていないかわいそうな牧街は
知らない人が見ると、GS達が協力して変質者牧街をやっつけた光景にしか見えない
意識がもうろうとしてる牧街は警官に連れられ、ふらふらパトカーに乗せられ、カフェ師匠等が止める間もなく連れて行かれてしまう

まぁ、脱ぐのは悪い事だし…ね
いざとなったら恐山師範が何とかしてくれるだろう、きっと

霊力を大幅に消耗していた藤原もウンディーネの回復術と、戦闘で負傷者が出ていることを前提としてオカルトGメンが連れてきたのだろう救急車に乗せられて行ったため、GSとしてこれからやっていく分にも問題無さそうである

これで全てはめでたしめでたし!

【シナリオクリアーでよろしいでせうか?】


222 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/11/20(土) 15:15:16   [sage]
裸老人たちの白い影が青空に溶け心地よい風が吹きわたる。

>「いきなり涼しくなったにゃー」
>「なんと、永遠の夏休みを願う集合思念が終わらない夏の原因だったのか」
>「そういうことにしておくにゃ」

「すずしいー。あっと言う間に秋ですねー。夏休みも終わりです。
今回の事件もみなさんの協力で見事に解決できたわけなんですけれど
私ってぜんぜんお役に立ててませんでした。そこが心残りというか、かなしいです」

感慨にふける月夜田だったが、ふと見ると泉をスイマーの霊が泳いでいる。
導入時から月夜田に個別にとり憑いていて、時々睡魔に襲わせていた張本人。
彼はこの村の綺麗な泉で泳ぐのが夢だったらしい。

「ありがとう…ここまでつれて来てくれて。ここの水さらさらで超きもぢいい!!」
満足したスイマーの霊は老人たちの霊を追いかけるように空を泳いで逝く。
「冒頭で猫師匠が憑いてるにゃっていってたのってあの人?ここまで憑いて来たってことでOK?」
「そういうことにしておくにゃ」
「…私としては、今日一番の知らんがな、ょ…」

>「公然わいせつ罪の現行犯で、逮捕する!」
>「はひー……」

「わ!牧街さんが捕まった!宇宙人みたいに!
でも、あーいう人って自律神経失調症とかですぐ無罪になれるんでしょ?いい世の中だー」

なんとも無責任なことを言っている月夜田だったが、夏休みの終わりとともに彼女には恐怖が待っている。
終わらない宿題地獄という恐怖が…。

【めでたしめでたしでした。ありがとうございましたー。とっても楽しかったです!!】


223 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/11/21(日) 15:36:57   [sage]
>221
「早い対応感謝する。事件は全て解決したゆえ……なぬ!? なぜに逮捕!?」
「しまったにゃー! 傷害罪が回避できて油断していたにゃ。
フ○チン姿が場に馴染んでしまって忘れていたけど下半身露出も立派な犯罪にゃ!」
気付いたときにはすでに遅く、牧街は手際よく連行されてしまった。
「まさか次のミッションは牧街くん救出シナリオか!?」
「ま、まあ猥褻物陳列罪ぐらいにゃらすぐ許してもらえる……はず」

>222
「いやいやいや、真夏のような暑さがおさまらなかっただけで夏休みはとっくに終わっておるぞ!
まさか宿題をまだ出しておらぬではあるまいな」
スイマーの霊が幸せそうに成仏していく。
「願いがかなってよかったにゃー」
そこに都合よく猫バスがやってきた。
「さあ帰るにゃ。家に帰るまでがご長寿村ツアーにゃ」

爽やかな秋の風の中を猫バスが駆けていく。
約1名の尊い犠牲者(逮捕者)を出し、過酷なツアーは幕を閉じた!
【シナリオクリアー】

【時事ネタをノリでつなぎあわせただけの見切り発車でどうなることかと思いましたが
皆さんのおかげで無事にシナリオクリアーとなりました。ありがとうございました!
あの二つのネタを結びつけるには永遠の夏休みというキーワードを使うしかないなと思ってこうなりました。

>牧街さん
まさかの逮捕エンドwww 逮捕回避するにはズボンをはかせる必要がありましたねwww

>月夜田さん
憑いてる設定をどっかで使おうと思いながらうまく使えませんでしたがちゃんとオチで使ってくれてありがとう。
いっそ毎回このパターンで何か憑けていっても面白いかもw】


224 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/23(火) 02:25:40   [sage]
シナリオごくろうさまでしたー
皆さんあらためてアリガトウございます!

>月夜田さん
お疲れさまでしたー
楽しんでいただけてなによりっす
ってか今回は俺前回の隊乱闘の時に気づくべきとこに気づかず同じミスしてましたね
申し訳ありません
その辺の設定が(あれば)いつか開花するのをできればその時盛り立てられたらなと思いつつ、楽しみに待っています
そういうわけでこれからもどうかよろしくお願いしますね

>カフェさん
今回も又、色々学ばせていただきました
カフェさんのTRPGの進め方は大変勉強になり、今後も参考にしていきたい所望です
これからもよろしくお願いします

次回、どうします?
……できればゾンビ村のリベンジして今度こそ…っと思ってるんですが駄目っすか?


225 : 名無しになりきれ    2010/11/23(火) 02:27:40   [sage]
テロリストに占拠された学校に攻め入るのはどうだろう

226 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/23(火) 02:31:00   [sage]
あーつまり、また俺が書きたいって事です
はい
申し訳ありません
小学生じゃないんだからそれなら「もう二度とストーリーは作らん」などと守れん事ほざくなと言われたらその通りなのですが
書きたくて書きたくてしようが無くなりました
ごめんなさい申しません書かせてくださいお願いします


227 : 名無しになりきれ    2010/11/23(火) 02:42:35   [sage]
wwww

228 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/23(火) 03:04:38   [sage]
申しません×
もうしません○


229 : 名無しになりきれ    2010/11/23(火) 14:39:22   [sage]
参加希望。
まとめサイトのログと原作は読んどいた方がいい?


230 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/11/24(水) 00:17:13   [sage]
>224
そんなそんな! 身に余るお言葉です!
こちらこそ牧街さんのキャラ造形は凄いと思ってます。
史上最強のヘタレ牧街とか究極のツンデレ恐山師匠とか。

リベンジは必要ないですよ。失敗してないんだから。
だがしかし是非次のシナリオをお願いします!

>225
「すまぬが“ゴースト”スイーパーだからテロリストは管轄外じゃ。
悪霊や妖怪に占拠されたというなら話は別じゃが。学校の怪談みたいになりそうじゃのう」

>229
わーい、いらっしゃい!
一話ごとに独立した話になってますが背景としては
デタントが白いほうに傾いててそれを一気に元に戻そうとするテロ魔族が裏でごそごそやってるという設定があります。
牧街とカフェはそれぞれ事務所を持ってます。月夜田はカフェの見習い(?)みたいなポジションです。

レギュラーNPC
ありみちゃん……ゾンビだけど常識人。洗脳の超能力使い。
師匠……秋葉原流の師範でカフェの師匠。猫耳の美少年。正体は化け猫。
恐山断弦……牧街の師匠。

かくいう自分も原作はそんなに詳しくありませんw
読まないよりは読んだ方が楽しめるけど読まないと参加できないという事はないと思います。


231 : ◇tdRFpd9hXw    2010/11/24(水) 18:36:07   [sage]
次シナリオ参加希望です。

【名前】
ザーボ・ン・サント・ド・ドリー・アサン
【年齢】
18
【体格】
もやし体型
【容姿(霊衣)】
紫紙の貞子カット、黒ジャージ
【属性】
オタ系
【霊圧】
53
【特殊能力】
タルパ使い
【装備】
財布、タルパの元ネタの待ち受けの携帯電話
【趣味】
妄想
【備考】
幼い頃に見たアニメのキャラに心底から惚れ、そのキャラのことを考えて生きてきた女の子。
中学から引きこもり始め、とある掲示板で惚れたキャラでなりきりやTRPGをやっている。
そして、掲示板でタルパというものを知った時、あるものを生んだ。

【名前】
ヘソーザ様
【年齢】

【体格】
小柄
【容姿(霊衣)】
紫色の頭頂部に白い肌に尻尾持ち、素っ裸
【属性】
タルパ
【霊圧】
53
【特殊能力】
無し
【装備】
無し
【趣味】
散歩
【備考】
上のドリーが狂おしい愛故に生んだもの。
タルパとはチベット密教の秘奥義で、修行を極めた者のみに伝えられる秘奥義。
日本語訳で「人工未知霊体」つまり、人間が「無」から霊体を作り出してしまう方法です。
【テンプレ終わり】

問題点1
一人で2キャラは良いのか?
問題点2
霊体を生み出すなんて一流どころの技では?
問題点3
このタルパキャラは版権的に限りなく黒に近い。
これらの問題点に引っかかるようなら変えさせてもらいます。
ちなみにタルパについてはオカ板でスレがあるし、まとめサイトもあります。
詳しく調べたい方はそちらを参照。


232 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/26(金) 10:24:50   [sage]
>>225
「こういうのこそ警察の仕事です!まさに警察の仕事です!
たとえ相手が幽霊でも警察の仕事です!」
「公的施設を普通に民間人が救うと国家の面子がたたんしなぁ
一番湯のカナタの世界ならともかく」
>>229
いらっしゃいっす
ちなみに恐山師範が妙な子飼いの部隊を持っていますが
前その部隊を前に出しすぎてGMやってくださってた方に迷惑をかけてしまったので、以後本編になるべく関わらないようにさせるつもりでいるのでご安心(?)ください

カフェさんのおっしゃったとおり、パワーバランスさえしっかり守っていただければ後はよほどの事が無い限りダイジョウブです
だって
 椎 名 高 志 の 世 界 だ か ら で 大 抵 の 事 は 片 づ き ま す も ん 
警察がF15を配備してる世界です
何かあったら言うので安心してご相談ください
>>231
質問1
全く問題ありません
質問2
才能があっても使い方が下手なら問題ありません
見たところ明らかに使い方の下手なキャラである事は間違いないので問題ありません
質問3
それが雄一気がかりですが、まぁ、大丈夫でしょ、うん

OKです
でもパワーバランスだけはほんとに気をつけてくださいね

話しは明日にでも投下します


233 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/27(土) 12:15:45   [sage]
前触れ無く、『ソレ』は発生した

急ブレーキの音、凄まじい衝突音と共に、男女の絶叫が周囲に響き渡る
(…事故かぁ?朝っぱら…ぁ、いや今昼か…)
そんな緊急事態の騒音も、起きたばかりのまどろみの中にある牧街モリオには特に気にするような物ではない
何もする事が無く寝ていても腹はすく、カフェもカフェの家族も皆今真面目に働いているっつーのにこの男はまた家でNEETしていたのだ
そろそろマジで事務所が危ない
そんなバカ者が昼食をとろうと台所へ行こうとした、その時

「キケケケーーーーー!!」
突如、目を金色に輝かせた30cm程の大きさの小鬼が窓ガラスを叩き割り、牧街の部屋に乱入してきたではないか!!
「おわぁ!?おわわぁ!!」
突然の奇襲に、無論、この男が何かできようハズは無い
慌てふためいて逃げようとする牧街に、小鬼は素早く飛びかかり、その首筋に噛み付いてきた
「ぎゃぁ…が…」
小鬼の牙は簡単に牧街の肉を引き裂き、喉を食いちぎらんとする
激痛によろめいた牧街だったが、しかし素早く装備を入れてある押入れに飛びつき、衾を開けて中から破邪札を手に取り、首にかじりつく小鬼に叩きつけた
「ギャアアアアアアアアア」
10万円の破邪札を受けて、小鬼はあっけなく爆発四散する

「キャアアアアアアアア」
「助けてくれぇええええ」
ほっとする間も無く外から悲鳴が聞こえ、割られた窓から覗いて見れば、外でも3〜4体の小鬼が電柱に激突した軽自動車に群がり、中の男女を襲おうとしている真っ最中だった
「待ってろ!車からでるな!!」
おわぁどうしようと牧街が慌てている中、周囲をパトロールしていたらしい警察官が格好良く軽自動車に駆けつけ、小鬼に特殊警棒を振りかざした

「何!?」
なんと、警棒はするりと小鬼の体をすり抜けてしまう
「キキーーーー」
「ひっ!」
標的を変えた小鬼達は次々と警官に飛びつき、一斉に警官にかじりついてきた
「ギャアアアアアアアアア」
小鬼にかじりつかれ、警官が絶叫を上げて苦悶する
その牙が警官に致命傷を与えんとした、その時
「吸引!!」
吸引札が発動し、小鬼四体はきゅぽんっと音を立てて札に吸い込まれた
「大丈夫ですか?」
そう言って警官のピンチに駆けつけ…遅れた牧街の前で、ありみちゃんが噛み付きまくられた警官を介抱する

「ありみちゃん!」
「あ、牧街さん、無事ですか?」
もうろくな物が残っていない装備を整え、アパートから駆け出してきた牧街に気づき、ありみちゃんが嬉しげに微笑んだ
その笑顔に、牧街が一瞬赤くなるが、とりあえずそれどころではないのですぐ本題を切り出す
「どうしてここに?っつか一体何が起こってるんですか?」
「私にも何が起こっているのかは…
桜井さんが…その…前回の事件で熱中症で体を壊して入院しているので…私ゾンビなので病院入れないから牧街さんの所でお手伝いしてようかなとこっちに来る途中に…」
ありみちゃんと牧街が困惑していた、その時

「…!!」
「警報…ですね」
非常事態を告げる低いサイレンが、関東地方一帯に響き渡った


234 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/27(土) 12:35:42   [sage]
『現在、関東地方全域に、特別非常事態宣言が発動されました、市民の皆様は、速やかに指定の避難場所に避難してください、繰り返します、市民の皆様は…』
鳴り響く警報と共に、上空に飛んでいたヘリコプターから避難を呼びかける声が聞こえてきた

「…」
「……あのぉ」
「へ?」
「やっぱこういう時って…私達逃げる側…ですよね?」
「当然ね……よし!逃げませ」
「ゴーストスイーパーの方ですね!」
お国が許すのだから今回は逃げていいんだ!バンザーイさぁ避難所へレッツゴー
と浮かれていた牧街を、無線で本部とやりとりしていた先ほどの警官がさえぎった
「そうですが…何か?」
「GS資格取得者は、直ちに市街地に展開、市民の避難を警察とオカルトGメンの指示に従って助けるように、との事です。ご協力ください」

「え!?だってオカルトG…」
「Gメンだけでは手が足りません、お願いします!」
「牧街さん!やりましょう!」
突然の展開に、うろたえる牧街を畳み掛けるように頼んでくる純粋な二つの瞳
国家権力と女の子
その二つに頼まれて、断れる程牧街は悪い奴では無い
「わ…わかりました、やらせていただき…」
「わぁあああああああ助けてくれええええええ」
「さ!早速でましたよ!」
「さささ!GSの先生、やっつけに行って下さい!」
「だあああああああああ畜生!どーなってんだこりゃああああああああああ」

牧街の雄叫びと共に始まった今回の物語
果たして敵の正体は何か!
そして関東の運命は!


235 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/11/27(土) 13:30:44   [sage]
【モンスターデータ】
小鬼
知能:低い
特徴:30cm程度の牧街に簡単に倒される程度の悪霊
鋭い牙と爪を持ち、人間の体を簡単に傷つける事ができる
霊体であるため通常兵器は効かない
とにかく凶暴で、冗談が通じない
関東各地に突然わらわらと大量に出現した
原因はまだ不明


236 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/11/27(土) 17:06:22   [sage]
「○○高校前」と書かれたバス停から坂道へと曲がったところで、「若林春日」は足を止めた。
かろうじてバス通りが見通せる視界の隅に、車道へ散らばる小鬼の姿が映ったのである。

「なんでいありゃ?街中に小鬼なんて珍しいねぇー」
男は長髪に時代遅れの学ラン姿。瞠目すべきは背中に背負った銀色の巨大な鉄槍。
昭和の世界からタイムスリップをして来たような、なんとも風変わりな男である。
「雑魚はすっこんでなさい」
若林が小鬼たちの群れへとゆっくりと闊歩し、右腕を振り上げると肩から二の腕までが
異様に膨れ上がり学ランが裂け、内側から露出したのはこれも鋼のような筋肉の瘤。
鋼の筋肉に鋼の槍は小枝の如く天に振り翳されると、瞬きをする間も与えず銀光が孤を描く。

キィンッ!!
硬い音が響き、弾き飛ばされた車のタイヤが風を切って飛んだ。
急ブレーキの音、凄まじい衝突音と共に、男女の絶叫が周囲に響き渡る。
「む…」
タイヤを失い電柱に激突した軽自動車に3〜4体の小鬼が群がり襲い掛かろうとしていた。
「やばいね。これはやばいよ」
男は的を大きく外し子鬼でななくタイヤを斬断してしまったようだたったが
それでも胸郭を張り、ゆっくりと軽自動車の男女を救出に向かう。

そして救出にかけつけた警官も小鬼に襲われた。

そうこうして自分で自分が面倒くさくなった若林が救出を諦め踵を返そうとしたその次の瞬間。
ありみちゃんが小鬼たちから皆を救う。

>「ありみちゃん!」
>「あ、牧街さん、無事ですか?」

着の身着のままアパートから駆け出してきた牧街と、ありみちゃんの親しげな会話。

「!!(可愛い!!)」
若林の2m近くある巨体が滑らかに、風ひと筋生むこともなく電信柱の陰に隠れた。
「なにあの子…すごく可愛い」
紅潮し電信柱から覗く若林のその顔は赤鬼にようでかなり気持ち悪い。
「可愛いでございますな。あの殿方は…」
若林のハートの形の両眼が牧街を凝視していた。


237 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/11/27(土) 17:09:59   [sage]
『えーーーーーー!!?』午前の終わりに教室内に響き渡る生徒たちの悲鳴。
午後から抜き打ちテストが行われるということを教壇の教師が伝え、無意味にメガネに閃光を煌かせた。
昼休みも含めて執行猶予があるということは厳密には抜き打ちじゃないのかも知れないが酷な話である。

月夜田が机の上にお弁当と教科書を散らかしながら悲鳴をあげていると

>『現在、関東地方全域に、特別非常事態宣言が発動されました、市民の皆様は、速やかに指定の避難場所に避難してください、繰り返します、市民の皆様は…』
鳴り響く警報と共に、上空に飛んでいたヘリコプターから避難を呼びかける声が聞こえてきた。

「らっき〜!!」

ドンガラガッシャーンッ!!
ガラスの破片の雨と一緒に無数の小鬼たちが教室に乱入して来る。

【今回は助走というか、あんまり気にしないでくださいw
うざかったらそのまま話を進めて下さい】


238 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/11/27(土) 17:19:58   [sage]
>>234
>『現在、関東地方全域に、特別非常事態宣言が発動されました、市民の皆様は、速やかに指定の避難場所に避難してください、繰り返します、市民の皆様は…』

『ドリーさん。今のを聞きましたか?』
「はい、ヘソーザ様。確かに聞きました」
カーテンを閉め切った、パソコンの光だけが部屋を照らす。
一人は椅子に座り、もう一人?は相対するように空に浮いている。

『では、さっさと行きましょうか』
「嫌です。まだ今日のヘソーザ様のなりきりレスが終わってません。
それが終わるまでは死んでも動きませんっ!」
空に浮いていた一人?であるヘソーザ様は溜め息をつくと、座っているドリーと重なるように座る。
ドリーは抵抗もせずに霊体であるヘソーザ様を体内に受け入れ、ヘソーザ様はドリーに入り込んで、肉体の支配権を奪った。

「あぁ、ヘソーザ様が体に入ってくるか・ん・か・く!
これこそが真の幸福よぉ」
『黙りなさい!いつも私ばかりに頼らないで、たまには自分から私の元ネタ関連以外のことにも、積極的に動きなさい!』
ドリーの肉体に入ったヘソーザ様は椅子から立ち上がり、カーテンを開ける。
日光が入り込んで露わになった部屋の様子は、きっちりと整理整頓がされていた。
ドリーは自分から片付けることはしないので、ヘソーザ様が生まれるまでは、非常に汚い部屋であった。
しかし、ヘソーザ様は几帳面な上にきれい好きな為、生まれて一月も経たない内に、憑依と掃除を覚えたのだ。
パソコンの電源を落とし、部屋から出て、玄関に向かう。
家に家族はいない。
引きこもりのドリーをヘソーザ様に任せ、旅行に出ている。

『おっと、靴を履くんでしたね』
ヘソーザ様は霊体である為に、靴を履くという習慣は持っていない。
ドリーの体で裸足のまま外に行こうとし、扉を開けた時に気付いて、その場にあったサンダルを履く。

『確か、避難場所は近くの学校でしたね』
「私は知りませんわ。ヘソーザ様」
『今度から確認しておきなさい』
ドリー達は避難場所であると思われる、近所の学校に向かった。
少し歩いていると、目の前には小鬼が倒れた人に群がっていた。

>「わぁあああああああ助けてくれええええええ」
『ちょっと、どうするんですか!』
「戦ってくださいませ、ヘソーザ様」
『そんなことはしたことありませんよ!』
ドリー達は襲われてる人を前にして、立ち往生するしかなかった。


239 : 名無しになりきれ    2010/11/27(土) 21:51:30  
んで〜〜?

240 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/11/30(火) 01:34:10   [sage]
>237
カフェはその時丁度、その高校にトイレに出る霊の除霊に来ていた。
なんのことはないありがちな学校の怪談である。
警察に頼むほどでもないが放置するには生徒が騒ぎすぎる……という訳で暇そうな三流GSの出番と相成ったわけである。

>『現在、関東地方全域に、特別非常事態宣言が発動されました、市民の皆様は、速やかに指定の避難場所に避難してください、繰り返します、市民の皆様は…』

「なぬう!? 指定の避難場所……避難場所といえば大抵学校ゆえ丁度良いか」
と呑気なことを言っていられたのも一瞬。
「た、助けてください!!」
涙と鼻水を垂れ流した必死の形相のメガネ教師に泣きつかれ、引っ張っていかれる。
「なんじゃ!?」
「えーい!」
どんっ。
「うを!?」
テロリスト……じゃなくて子鬼に占拠された教室に攻め入……もとい押し込まれた!

「ぬわーーーーーー!?」
飛びかかってきた子鬼に慌ててトレカ型破邪札を叩きつける。
眼前に広がる地獄絵図。その中に見つけたのは弟子(?)の顔ではないか!
「喜べ! ヒーローになるまたとない好機じゃぞ!」
まるで漫画のような無茶を言うカフェ。
経験的に月夜田はテンションが上がると最強になるような気がしたからである。

>238
通りすがりの猫耳美少年が二人に声をかけた。
「むむむ、君"達”、さては只者ではにゃいな。
ぼくちんの霊圧スカウターによると霊圧53万と見たにゃ!」
もちろん適当です。


241 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/02(木) 10:59:13   [sage]
「ひっ…」
突然、牧街の背に凄まじい悪寒が走った
それは物陰から彼の方を見つめる妙な人物によるものなのだが
それを知る術は牧街には無論無い
とりあえず悲鳴が聞こえた方へ急行してみれば、そこには小鬼に囲まれた倒れた人の姿が…

「ありみちゃん!」
「はい!」
牧街は素早く神通杖を構えて突っ込み、ありみちゃんは牧街から渡された破邪札を投げつける
「ギ…」
「ゲ!?」
破邪札の炸裂に2〜3匹の小鬼が爆発し、怯んだ残りの小鬼に牧街は神通杖を叩き込む
「ギャ」
動きはそんなに大した事は無いこの小鬼相手なら、牧街…いやGS資格者なら5対1位でも余裕だ
相手が雑魚だっただけに牧街とありみちゃんは特に危険無く障害を排除する事に成功する
「大丈夫ですか?」
「うう…どうなってんだこりゃ一体…」
牧街等が小鬼を殲滅した横で、警官が倒れていた人を助け起こす
幸い、大した怪我は無さそうだ
それを見て安心した牧街は、ふと、横にいた人影二つに気がつく
「猫師匠じゃ無いですか」
「にゃ、やぁ牧街君、とんでもない事になってるにゃぁ」
「この方は?」
「いや今あったばっかの人にゃ」
挨拶かわす二人の横で、警官がドリーに話しかける
「君、君も我々と一緒に近くの高校に避難しなさい。この方はGS資格者だから、彼についていけば安全だ」
警官の不用意な台詞に、思わずびくっとする牧街
牧街が過大評価が苦手なのは双神山編を参照してほしい…

さて牧街とドリー等が出会っていたその頃、カフェ等がいる高校に、オカルトGメン所属の結界構築車両が到着し、すぐさま高校全体を結界ですっぽりと包み込んだ
更に車両から2人程Gメンの隊員が降り、手際よく校内の小鬼を殲滅していく


242 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/02(木) 13:33:58   [sage]
>>240-241
>「むむむ、君"達”、さては只者ではにゃいな。
>ぼくちんの霊圧スカウターによると霊圧53万と見たにゃ!」

「ふふふふふ、その通り。
わたしの戦闘力は530000です」
『ドリーさん!私達は戦闘力も霊圧も計ったことなどないでしょうが!
あなたも適当なことを言わないでください!
って、私のことが分かるのですかっ!?』
通りすがりの猫耳少年とドリーに、ヘソーザ様は突っ込みを入れる。
端から見ていると、ドリーが二人分の台詞を喋っているように見えるので、非常に不気味だ。

>「猫師匠じゃ無いですか」
>「にゃ、やぁ牧街君、とんでもない事になってるにゃぁ」
>「この方は?」
>「いや今あったばっかの人にゃ」
猫耳少年とのやり取りをしている間に、小鬼に囲まれた人は助けられた。
小鬼を倒したと思われる人がドリー達の方にやって来て、猫耳少年に話しかける。
知り合いのようだ。

>「君、君も我々と一緒に近くの高校に避難しなさい。この方はGS資格者だから、彼についていけば安全だ」
猫耳少年の知り合いと一緒にやってきた警察官がドリーに話しかける。

『それなら安心ですね』
ヘソーザ様はドリーの体から抜け出して、牧街に近寄る。

『私の名前はヘソーザ様と申します。
あちらの少女は私の主人であるドリーです。
短い間のお付き合いになると思いますが、どうかよろしくお願いします。
ほら、ドリーさんも来なさい』
「ん、よろしく」
ヘソーザ様に呼ばれたドリーは、牧街に握手の手を出した。


243 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/02(木) 17:06:32   [sage]
風が唸った。空を切った。巨体が動いた。バレリーナのように。
クルクルクルクル!!(待つでございますよ!!マイ☆ダーリン!!)
少女漫画に出てきそうな黒瞳に凄まじい光を湛えながら若林霞牙は
電信柱の影から影へ、風のように舞う。

日焼けしたその造作は体格に相応しく眼も鼻も野放図に大きいが、
人懐っこい笑みが荒っぽい印象を救っていた。
なによりも口元の白いきらめき。歯であった。
嬉しそうな微笑みを崩さず牧街を尾行する若林霞牙。
そう。お気付きの方もおられるかも知れないが、実は彼は、軸足を中心に
独楽のように回転しながら移動することによって己の鈍足を補っている状態なのである。
兎にも角にも面倒くさい男。それが若林霞牙。

【牧街さんを尾行中(あんまり意味はありません)スルー推奨】

一方○○高校。
教室内に閉じ込められたカフェは驚愕することになる。
何故なら己を教室に押し込めたメガネ教師と同じ形をした者が教室内に存在していたからだ。
「みなしゃーん!!防災頭巾を被ってくだしゃーい!!」
教室内に響き渡るメガネ教師の言葉に呼応するかのように、同じ声が廊下から叫び返す。
「おにいしゃーん!!GSのおねいしゃん入りまししゃー!!」
二人は血をわけた双子の兄弟。兄は教師。弟は学校職員という別々の道を歩んで生きてきた。
まさしく神様とピッコロ大魔王みたいなものだった。

>「喜べ! ヒーローになるまたとない好機じゃぞ!」

「あ!!カフェさん!!もうちょっと様子を見てて!!小鬼が学校を滅茶苦茶にして、
しばらく授業が出来なくなるまで退治しないでぇ!!」

月夜田の願いもむなしく、校内では2人程のGメンの隊員が小鬼を手際よく殲滅していっているようだ。


244 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/02(木) 23:39:24   [sage]
「んでぇーッ!んでぇーッ!」
教室で小鬼達が奇妙な声をあげながら暴れ狂う。メガネ教師には、それが信じられなかった。
小鬼の蹴りが尻にヒットし哀れに床に倒れ込む己の身体。
剥ぎ取られた防災頭巾とカツラが、小鬼達に踏み付けられそれはそれは惨めなこと。

「惨めでしゅ〜とっても惨めでしゅ…教師生活30年。これほど惨めなことはなかったでしゅ〜」
惨めさに反比例して美しく輝いているつるぴか頭。それを目を細めながら小鬼達が見つめていると

ンデデェェーッ!!と廊下の奥から凄まじい小鬼の絶叫が聞こえてきた。

凍り付く小鬼たちの表情に月夜田は嫌な予感。教室内の小鬼たちに駆け寄って内緒話を始める。

「オカルトGメンが来ちゃったみたいね。あんたたち…とりあえず先生を人質にとりなさい」

「んでぇ!?」

「人質をとって立て篭もらないと、あんたたち皆殺しになるわよ」

「ひでーっ!!」

小鬼たちはあわてふためきながらメガネ教師の手足を縄跳びで縛り上げ
光る頭が眩しかったので防災頭巾を被せると、その上に更にカツラを被せる。
被せる順番が逆ではあるが気にしてはならない。

(騒ぎがおさまったらテストをしなきゃダメになるから、もうしばらくは小鬼たちに非日常を演出してもらうわ。
とりあえず立て篭もり事件を一つ作ったことでテスト問題は相殺できたし。めでたしめでたしよ)

「あのカフェさん。さっきは変な事を言ってごめんなさい。あれを見て下さい。先生が凶悪な小鬼達に人質にとられてしまいました。ここは安全圏にいったん避難して体制を整えませんか?」

月夜田は教室の外に出てカフェを手招きしている。向かう予定の安全圏には多分牧街やドリーがいるはずだ。
小鬼立て篭もり問題はほったらかし。世の中の問題は解決されることもなく繰り返されることがほとんどなのでそのほうがリアルなのかも知れない。


245 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/03(金) 00:04:31   [sage]
>241 >243
>「みなしゃーん!!防災頭巾を被ってくだしゃーい!!」
「ドッペルゲンガー!?」

>「おにいしゃーん!!GSのおねいしゃん入りまししゃー!!」
「双子かい!」

みよんみよん。学校は結界で包まれた。
「これでもう外からは入ってこれぬな。事態が収まるまでここに立てこもるぞ!」

>「あ!!カフェさん!!もうちょっと様子を見てて!!小鬼が学校を滅茶苦茶にして、
しばらく授業が出来なくなるまで退治しないでぇ!!」
「そんなことを言っておると子鬼に襲われてああなるぞ!」
ああなるとはこうなることである。
>「惨めでしゅ〜とっても惨めでしゅ…教師生活30年。これほど惨めなことはなかったでしゅ〜」
すると、恐怖のあまり混乱したのか月夜田は子鬼に駆け寄っていく。
「何をしておる、危なかろう!」
子鬼は不思議な動きをとり、教師が面白いことになった。
「ぷっ、なんてこった、先生が人質に! くくく」
>「あのカフェさん。さっきは変な事を言ってごめんなさい。あれを見て下さい。先生が凶悪な小鬼達に人質にとられてしまいました。ここは安全圏にいったん避難して体制を整えませんか?」
「いくらなんでもそんな訳にはいかぬ。ええい! 吸魔札”水洗便所”!」
教室内の子鬼たちはトイレに流されるような演出で吸魔札に吸い込まれていった。
目には目を、トイレのお化けにはトイレをという事で用意していたものなので仕方がない。

「しかし相変わらずついておるのう」
例によって月夜田は無傷だった。
「あ、よく気付きましたね」
答えたのは、月与太の後ろから出てきた人……じゃなくて霊。
目が隠れるほどの長い前髪という見るからに怖そうな外見をしている。
「ついているってそういう意味で言ったのではないぞ!」
「私SADAKOって言います。普段はトイレに住んでますが出てきてみました。
この事件を予知したので頑張って皆さんに伝えようとしてみたんですがGSの人が来てくれたという事はちゃんと伝わったんですね!」
「うむ、そうか」

一見落着と和もうとしたところを、顔を真っ赤にした教師が掃除用箒を振り回しながら絶叫する。
「今すぐその月夜田を連れ出してくだしゃーい! 他の生徒を危険にさらす可能性がありまーしゅ!」
「みこと殿のせいではないのに何をあんなに怒っておるのかのう。
そうだな、安全圏に避難して体制を整えるとするか」
安全圏に避難するという名目でなぜか危険地帯に繰り出すカフェたちであった。


246 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/04(土) 17:14:08   [sage]
「え!?」
二人の会話を聞いた牧街は、一瞬、数歩後ずさった
そして、ぽりぽり頭をかきながらドリーに握手を返す
「あ、すんませんよろしく」
(まーたカフェさんみたいに本名不明の輩が現れたな…。流行ってんのかな?)
どうやら牧街はどうみても日本人orアジア系なのに英語名のドリーの名前に驚いているらしく
特にへソーザ様に変な顔する様子は無い

この所カフェと一緒にいた性か彼の感覚も多少おかしくなっているようだ

「あ、ちなみに俺は牧街モリオ、こっちは村野ありみさんです」
「よろしくお願いしますね」
名乗るのを忘れていて慌てて挨拶する牧街と、丁寧にお辞儀するありみちゃん

そのまま、特に説明する事も無く割と近くにあった高校へとたどり着いた

高校内は到着したGメンによって既に学校を囲むように破邪札が貼られた杭が打ち込まれて結界が展開され、周辺の住民が次々と避難し始めている
GS美神の世界では結界は人間が構築するのに結界師とかならともかく、簡単で強力な物なら精霊石数個(最低5億)、普通の物でも専用の装備や、道具が必要であり
あのみょんみょんはGメンが結界構築作業を行っているのを省略した効果音と想像できる

「GS資格者の方ですね?GS資格を拝見します」
正門に近づくと、寝巻きに神通杖持った牧街を見た制服姿のGメンが近づいてきた
「あ、どうも、ご苦労様です」
寝巻き姿で何だかみっともないなと思いつつ資格者証を見せる牧街
ちなみに国家資格は日本の法律で定められた方法以外で習得する事はできず、それはGS資格も例外ではない
その習得方法は、上記の通りである事は、今更言う必要は無いだろう
Gメンはそれを確認すると、牧街に敬礼し、ついで、ありみちゃんとドリー等に視線を移した
「失礼しました。そちらの3人は?」
「あ、こちらは別の事務所が雇用している霊体です」
「なるほど」
恐山師範程、過敏にありみちゃんの事を言わないGメン
オキヌちゃんという前例もあるし、意外と霊体を雇用している事務所は多いのかも知れない
では何故恐山師範はあのような厳しい態度をとったのかというと、それは又別に理由があるの分けで…
「後の二人は民間人です、ここに来る途中に会いました」
「なる程、失礼ですが本名と住所をお願いします」
ドリー等に対しても、Gメンは霊能力がある人間の把握程度しか対応をしない
オカルトで悪い事をすれば凶悪犯罪者だが、しなけりゃ特に問題は無い

Gメンが事情聴取する横で、校門から学校の方を眺めていた牧街は、不穏な連中が接近してくるのが見えた
「ゲ!!」
カフェと月夜田である
この2体と一緒に行動したのではどうせまた危ない目にあって痛い目にあって散財になる事は目に見えている
牧街は素早く猫師匠の口を押さえて拉致して、校門から離れると、近くの路地に身を隠した
「モゴモゴ…ニャにをするにゃ牧街君」
「いいですか、猫師匠、今回の任務は市街に取り残された民間人の救出です」
「それとカフェ達から逃げる事とにゃんの関係が?」
「2手に分かれた方が効率がいい」
「にゃる程」
こうして猫師匠を懐柔した牧街は、路地に身を隠し、カフェと月夜田がどこかへ過ぎ去るのを待った


247 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/04(土) 18:14:20   [sage]
>>246
ドリー達が高校にたどり着くと、Gメン達が結界を構築していた。

『私は結界の中なんて初めて入りますよ。
 入れなかったらどうしましょうか?』
「そしたら私も残りますわ、ヘソーザ様」

>「GS資格者の方ですね?GS資格を拝見します」
Gメンが資格の確認を行い、資格証を牧街が見せる。

>「失礼しました。そちらの3人は?」
>「あ、こちらは別の事務所が雇用している霊体です」
>「なるほど」

『私を見てもみなさんはさほど驚かないんですね』
「ネットなんかで出回ってるからですわ、ヘソーザ様。
私が簡単にあなた様を生み出せることですし、世の中には多くのタルパがいるはずですわ」

>「後の二人は民間人です、ここに来る途中に会いました」
>「なる程、失礼ですが本名と住所をお願いします」
ドリーは前に出て、道中で助けられた人と共にGメンに本名と住所を述べる。
ヘソーザ様はというと、牧街が猫師匠と共に校門から出ていくのが見えた。
ヘソーザ様は牧街が仕事に行くんだと思い、大きな声で叫びながら校門へと急いだ。

『牧街さーん!!!私も行った方が良いのですかー!!!』
ヘソーザ様も別の事務所で雇用されてるとされたからである。


248 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/05(日) 17:55:56   [sage]
>「私SADAKOって言います。普段はトイレに住んでますが出てきてみました。
>この事件を予知したので頑張って皆さんに伝えようとしてみたんですがGSの人が来てくれたという事はちゃんと伝わったんですね!」
>「うむ、そうか」
「え?今、事件を予知って言った?その力ってテストの答えとかも予知できる!?」
「はい!出来ると思います」
「何が予知でしゅかー!幽霊の力を借りてはダメでーしゅ!!」
「え…先生にもSADAKOさんが見えているの!?」
「そこは幽霊側のさじ加減しだいでしゅー!!」(予知能力なんて危険しゅぎましゅ!)

>「今すぐその月夜田を連れ出してくだしゃーい! 他の生徒を危険にさらす可能性がありまーしゅ!」
>「みこと殿のせいではないのに何をあんなに怒っておるのかのう。
>そうだな、安全圏に避難して体制を整えるとするか」

「むーん…」
教師の言葉とクラスメートの白い目にテンションが下がり気味の月夜田は校舎から出てカフェと一緒に校門にむかって歩いていく。
「あの…カフェさん。護身用の御札とかいただけませんか?
私、素手ですよ…。ダメって言うなら学校の裏山の神社にまつられている妖刀マサオでも持って来ますよ…」
ようするに言っていることは、お金をくれないと核装備するぞ。みたいなこと。
二人はてくてく歩く。

「あ!!牧街!?」
>「ゲ!!」
>『牧街さーん!!!私も行った方が良いのですかー!!!』
逃げる牧街たちにドリー&へソーザ様が大声で叫ぶ。

「やっぱ牧街だ!!あいつ人の顔見て逃げたよ!!」
二人は校舎に避難する者たちを逆流して校門に到着。しかし牧街の姿を月夜田はすでに見失っていた。
すると校門で避難者たちを誘導しているオカルトGメンがカフェに話しかけてくる。

「御苦労様です。お見受けした所、あなたもGS資格取得者ですね?
直ちに市街地に散開し、警察と我々の指示に従って市民を助けるようご協力ください」

遠くの空には警察のヘリコプターが飛んでいる。普通ではない街の風景に月夜田は何か嫌な予感がした。
すぐ近くには、先ほど牧街の名を大声で叫んでいた月夜田と同学年くらいの少女がいる。

「あなた、さっき牧街の名前を叫んでなかった?下着でも盗まれた?それともお友達?
もしお友達だとしたら、あなたは宇宙人ね?牧街に地球人のお友達なんて出来ないだろうし…。
私は太陽系第三惑星の月夜田みこと。ヨ・ロ・シ・ク・ネ・ー☆」
月夜田は失礼なことを言った。ごめんなさい。

――牧街と猫師匠が隠れている路地。
牧街の頭上、男が大股を開いて左右の壁にそれぞれ左足と右足の押し付け、筋力でその巨体を固定させていた。
若林霞牙は牧街に一目惚れしてしまっていたわけで、その恋心ゆえに彼は、
牧街に存在を知られた時点で彼に抱きつき絞め殺してしまうことだろう。それは見つかってしまえば壊れてしまう哀しい恋だった。
(ずっとガマンのこなのでありやす!!)
若林が疲労で崩れた体勢を整えるために両足に力をこめると鋼の筋肉が盛り上がりズボンの股が避け、わあいがぽろんと飛び出す。
もしも牧街たちが上を見たら股をひろげた大男の、わあいがぶら下がっているのが見えるはず。
ズルッ!(ひあっ!!)
ぶおん!足を滑らせ落ちかけた若林のわあいが猫師匠の後頭部をかする。
「何にゃ?」
奇妙に思い振り返った猫師匠の顔面を突如大きな掌が鷲づかみにし牧街の頭も鷲づかみにすると
ぽいぽいと二人は路地から通学路に強い力で放り出された。
猫師匠がくるりと着地して路地を見れば若林が壁を壊して逃走したあと。

「今のはなんだったにゃ?というかどうでもいいにゃ!今は一人でも多くの市民を救出するにゃ!」
「きゃひゃあぁあぁあぅー!!!!!」「ギャアアアアアアアアア」
街のあちこちから市民たちの悲鳴が聞こえてくる。


249 : 名無しになりきれ    2010/12/06(月) 22:47:08   [sage]
↓ここから入れるTRPGまとめwikiが稼動したようです
http://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1248188426/203
貴スレの項目もある程度編集したんで良かったら使ってください
テンプレの見直しとかに


250 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/07(火) 22:06:54   [sage]
>248
>「あの…カフェさん。護身用の御札とかいただけませんか?
私、素手ですよ…。ダメって言うなら学校の裏山の神社にまつられている妖刀マサオでも持って来ますよ…」
「うむ。なればこのどちらかのデッキを選べ。
ボケットモンスターカードの”職歴ホワイト”と”企業ブラック”じゃ」

>「やっぱ牧街だ!!あいつ人の顔見て逃げたよ!!」
「なに、おそらく気づかなかったのであろう」

>「御苦労様です。お見受けした所、あなたもGS資格取得者ですね?
直ちに市街地に散開し、警察と我々の指示に従って市民を助けるようご協力ください」
「うむ、承知した。みこと殿はどうする?といっても学校にはほとぼりが冷めるまで戻れぬしのう。仕方ない、一緒に……」
みことはすでに知らない人に話しかけていた。
>「あなた、さっき牧街の名前を叫んでなかった?下着でも盗まれた?それともお友達?
もしお友達だとしたら、あなたは宇宙人ね?牧街に地球人のお友達なんて出来ないだろうし…。
私は太陽系第三惑星の月夜田みこと。ヨ・ロ・シ・ク・ネ・ー☆」
「失礼な! 妾のカンが告げている、彼女は生粋の秋葉系じゃ!」
>「きゃひゃあぁあぁあぅー!!!!!」「ギャアアアアアアアアア」
にわかに普通とはちょっと異質な悲鳴が聞こえてきた。
なんというか変質者を目撃した時のような……。

「あなたがたは………牧街の君のご友人でありやすか!」
わぁいをプランプランさせた大男が突進してきた。火事場泥棒ならぬ火事場露出狂だ。
「変態じゃあああああああああああああああ!」
勢い余って破邪札を一枚股間に貼り付ける。これでなんとか放送禁止ではなくなった。
「ああ、貴重な破邪札をこんなことに……」
構わずに話し始める変態。
「皆様にお願いが御座います。牧街の君とお話しさせて欲しいでありやす!!」
「はあ!?」


251 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/08(水) 00:22:27   [sage]
>>248>>250
>「あなた、さっき牧街の名前を叫んでなかった?下着でも盗まれた?それともお友達?
>もしお友達だとしたら、あなたは宇宙人ね?牧街に地球人のお友達なんて出来ないだろうし…。
>私は太陽系第三惑星の月夜田みこと。ヨ・ロ・シ・ク・ネ・ー☆」
牧街の知り合いらしき人物にドリーは話し掛けられる。

「よくぞわたしの正体を見破ったな。
私は惑星〇〇ーザNo.774からやってきた」
『違うでしょうがっ!』

>「失礼な! 妾のカンが告げている、彼女は生粋の秋葉系じゃ!」
『そうです!私達は生粋の地球っ子。
私の名はヘソーザ様。
あなた達は牧街さんの知り合いのGSでいいんですよね?』
「私はドリーだよ、あんたの名は?」
先程からドリーの体から抜け出しているヘソーザ様はみことに、ドリーはカフェに聞いた。

町中から多くの悲鳴が聞こえる。
小鬼達の被害によるものかと、ヘソーザ様は心を痛めた。
しかし、悲鳴の原因は違うようだ。

>「あなたがたは………牧街の君のご友人でありやすか!」

『うわぁぁあぁぁあ!!!!』
ぷらんぷらんとあれを揺らした筋肉質の大男がこちらにやって来たのだ。
生後約一年のヘソーザ様には刺激が強すぎた。
カフェが慌ててあれを隠すが、逆にそれがさらに変態的な異様さを醸し出す。

「ふむ、ヘソーザ様はぷらんぷらんとしたあれは欲しい?」
『いりませんっ!!』

>「皆様にお願いが御座います。牧街の君とお話しさせて欲しいでありやす!!」
>「はあ!?」

『私には言っている意味がよくわかりませんが?
話をしたいのならば、牧街さんに直接話をしに行けばいいでしょ?』
ヘソーザ様は大男の方に目線を向けずに言った。


252 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/08(水) 10:37:51   [sage]
何者かに林から追い出され、ぽりぽりと頭をかく牧街
しかしまぁ猫師匠の言うとおり、追い出す手つきに害が無さそうだったし振り向いても何もいないようだから、特に気にせず歩いていこうとした、その時
「阿波日さん!何してるんですか!こんな所でそんなもん丸出しで!えぇ」
「いや…あの人携帯電話もってないから見つけたらここに来るようにって…あ!牧街の君!いた!探したよ!」
知り合いの大男が股間に破邪札ありつけてカフェ等と話しているではないか
カフェや月夜田に見つかるが、阿波日は牧街が大変世話になった人物だ
無視するわけにはいかない

「いや実はここに来る途中小鬼にズボンやられてさ…、で、牧街の君、俺ここまで急いで逃げて来たんで家でやってた薬の調合をそのままにしてきちゃってさぁ…」
「えぇぇ…やばいじゃないっすか」
「防火扉の中だったから多分まだ大丈夫だけど爆発物使ってるし…君ちょっと行って何とか」
「わかりました、じゃ、カフェさん月夜田さん、猫師匠、俺はこれで」
「あ、私もつれてってください」
「あ、ドリーさん、お話したい事があるんで、一緒に来て下さい」
牧街は月夜田とカフェの前から、ドリーを連れ、猫師匠を残し、忘れられていたありみちゃんと共に、物陰へと消えた
その間、阿波日氏は高校の中に避難していく

やがて、カフェ等から十分に離れた所に来た牧街は、ドリーに真剣な表情で語りだした
「事務所の件はわかりました、一緒に行きましょう。それから、あの二人に関わったらいけません、命がいくつあっても足りませんから、ね、ありみちゃん」
「……否定はしません」
汗を額に浮かべながら、頷くありみちゃん
牧街はカフェと月夜田コンビの死亡率がよっぽど高いと確信しているらしい
証拠に、彼女等がピンチになってもいいように猫師匠をその場に残している
自分の命を危険にさらされるのは困るが、牧街にとって彼女達も死んで欲しくない存在なのだ

「キーーーー」
「キキーーー」
一方、残してきたカフェ等の方
牧街等と違う方向へ出発した彼女等の前方に、数体に小鬼が立ち塞がり、どこかから奪ってきたのだろう、手にした鋏や包丁、千枚通しで三人に切りかかってきた


253 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/08(水) 17:00:12   [sage]
>「うむ。なればこのどちらかのデッキを選べ。
>ボケットモンスターカードの”職歴ホワイト”と”企業ブラック”じゃ」

「わーいありがと。お言葉に甘えて職歴ホワイトをいただきます。
…すごい。霊力がこめられているカードタイプの御札なんて初めて見ました!
私も霊力のこめられていないただの吐血レッドと黄疸イエローなら持っているんですけど」

そういって月夜田は血を吐いているトカゲと全身が黄色の黄疸ネズミの描いてあるカード
(市販されているただの玩具のカード)をカバンから取り出してカフェたちに見せる。

>「よくぞわたしの正体を見破ったな。
>私は惑星〇〇ーザNo.774からやってきた」
>『違うでしょうがっ!』
「のりつっこみの精!?」
>『そうです!私達は生粋の地球っ子。
「地球っ子!」
>私の名はヘソーザ様。
>あなた達は牧街さんの知り合いのGSでいいんですよね?』

「ええ。私は牧街とは知り合いね。それにまだGS見習い」

―そうこうして。わぁいに破邪札を貼り付けた大男との会話も終わり
>「わかりました、じゃ、カフェさん月夜田さん、猫師匠、俺はこれで」
と言葉を残し牧街たちは物陰へと消えた。
>「キーーーー」
>「キキーーー」
カフェたちの行く手には小鬼が立ちふさがる。

「ねー!行く手を塞がないでよ!私たちはこれから行くのよ!!」
職歴ホワイトをかざすと小鬼たちの心は漠然とした不安に打ちのめされていき
どこからか奪ってきた携帯片手に○チャンネルで荒し行為をはじめる。
修行するぞ修行するぞ修行するぞ…と無限に書き込まれていくレスに見事にドリーのスレは埋め尽くされた。

「キーーーー」
「キキーーー」
職歴ホワイトで一部の小鬼を無力化したのも束の間、新手の小鬼が数体、再びカフェたちの前にたちふさがり
そのうちの一匹が学校の裏山の神社から盗んできた妖刀マサオで暴れ狂いながら斬りかかってくる。


254 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/10(金) 00:24:50   [sage]
>251
>「私はドリーだよ、あんたの名は?」
「カフェで通っておる。ちなみに実家が喫茶店じゃ」

>『私には言っている意味がよくわかりませんが?
話をしたいのならば、牧街さんに直接話をしに行けばいいでしょ?』
「実も蓋もないことを言うでない! 見てみい、これはまさしく恋する乙女の瞳……!
話しかけたい、でも話しかける勇気がない! さあどうする!」
生後1年のヘソーザ様に人間の心の機微(?)を講釈するカフェ。
そこに都合よく現れる牧街の君。
「さあ勇気を出して行くのじゃ!」
変態の背中をどーんと押す。

>252
>「いや実はここに来る途中小鬼にズボンやられてさ…、で、牧街の君、俺ここまで急いで逃げて来たんで家でやってた薬の調合をそのままにしてきちゃってさぁ…」
>「えぇぇ…やばいじゃないっすか」
至って普通に会話を始める二人。
「すまぬ、恋する乙女は気のせいだったようじゃ」

>「キーーーー」
>「キキーーー」
妖刀マサオを持った小鬼はセクシーポーズで襲い掛かってきた。
「妖刀マサオとはセクシーコマン道の開祖魔娑尾の怨念が宿った刀!
セクシーコマン道とはセクシーな行為をして相手を油断させた隙に攻撃するという幻の格闘技にゃ!」
と、猫師匠が解説する。
「そうか……とするとさっきの変態はセクシーコマン道の継承者だったのか!?
くらえ、企業ブラック!」
カフェは、小鬼がセクシーポーズをしている隙に企業ブラックを掲げた!
下手すると自分がセクシーポーズをしている隙に攻撃されるというまさに諸刃の刃だ。
ちなみに職歴ホワイト→企業ブラックは黄金コンボと言われている。激しい疲労が小鬼達を襲う。
「ストーッ!」
「ストラーイキキーッ!」
ついに小鬼達は一致団結してその場に寝っころがり、ストライキを始めた。
「無償労働は辛かろう。お主らの悪逆非道な雇い主は誰じゃ?」
小鬼達から親玉について聞き出そうとするカフェ。


255 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/10(金) 01:05:22   [sage]
>>252-254
わぁいの人は牧街さんと見た目とは裏腹にまともな話をする。
ドリーもBLアンテナが発動したため、カフェと似たようなことを思ってた。

>「あ、ドリーさん、お話したい事があるんで、一緒に来て下さい」
ドリーはヘソーザ様と一緒に牧街についていく。
ヘソーザ様と二手に分かれた方がいいのだろうが、ドリーとヘソーザ様は二人で一人分。
ドリーが一人でいてもただのもやしっ子で、何の役にも立たないから仕方がない。

> 「事務所の件はわかりました、一緒に行きましょう。それから、あの二人に関わったらいけません、命がいくつあっても足りませんから、ね、ありみちゃん」
> 「……否定はしません」

「ふっふっふ、安心するのはまだ早いのでは?
私の足手まとい力は53万です。
ヘソーザ様がいなくては日常生活も満足にできません」
『馬鹿なことを自慢気に言わないでください!
でも、牧街さんにありみさん。私達は素人ですから、本当に何の役に立てるか分かりません。
お二人には多大な負担を掛けてしまうでしょうが、よろしくお願いします。
あっ!そういえば私みたいな人工霊もGS関係なら就職できるんですか?』
ドリーは決して働かないだろう。
そのために、ヘソーザ様はドリーの為に働こうというのである。
実に主人思いな子である。


256 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/10(金) 04:03:43   [sage]
【若林登場はまだ早いんじゃないかなぁと思って勝手に後手キャンセルしたんすけど考えてみたら俺が手を出す事じゃなかったっすよね
すいません】

「キキ〜〜」
「ストライ〜〜」
だらけるばかりでカフェのいう事を完全無視する小鬼達
と、そこで横合いから強い光が小鬼達に命中し、小鬼達を消滅させた
見ると、そこには牧師の様な格好をした男が立っている
「失礼、GS協会の者です、活動中のGSに協会本部からの指令を通達して回ってます」
言って、男はカフェ等にGS資格者証と、名刺を渡した
「只野 士郎」と言う書かれたその名刺の人物は、一つ咳払いをすると、本部からの指令を語り始める
「現在、美…っと固有名詞は言ってはいけないな、優秀なGSによって既に小鬼発生原因は発見され、現在撤去作業が行われています
今が13:00ですから大体3時間後位には既に小鬼発生の元凶は断たれる物と思われます
ただし、元凶を消しても既に現れた小鬼が消える事はありません
全GSは総力を上げて、小鬼を「消滅」させてください
捕獲や降伏させて魔界に帰す、等、倒した後に消滅させない行為は後々様々な問題を生むので、禁止し、発見した場合GS資格剥奪の上、法的処分の対象になります
危険回避のため、倒した後、小鬼は確実に消滅させてください
本部からの指令は以上です」

即ち
今回のシナリオの目的は、小鬼発生の元凶を突き止めて叩くことではない
小鬼が暴れる街で、小鬼を倒しつつ、大勢の人を守るために走り回りながら事件が終結するのを待つ事が、目的なのである!
何だそんな地味な、とバカにしてはいけない
こんな凶暴で危険な小鬼が一匹でも都内に生き残ってしまい、平時に登下校の最中の小学生やお年寄りが襲われたら洒落にならないのである

只野は指令を伝え終わると、また他のGSに連絡すべく走り去っていった
ちなみに、非常事態の真っ最中のため、携帯電話や電話は混雑していて使えたり使えなかったりなので直接伝えて回っているようである
「誰かぁ!誰か来てください!誰かぁ!!」
只野が去った後、少しして、女性の必死のSOSが響き
駆けつけてみると、妊婦が壁際にまるまり、その前に旦那と思しき男性が立ち塞がって、周囲を取り囲む小鬼の蹴りや爪から血を流して必死に妊婦を守っている
「キーーー」
「キーーーキーーーキーーー」
妊婦を攻撃する小鬼たちは大変嬉しげで楽しそうだ
どうやら幼い命ほど本能的に奪いがいがあるようである


で、その頃牧街
(しまった、バカやった、この娘も奴等と同じ属性っぽい)
ドリーの足手まとい53万発言に、早くも牧街の頭に冷や汗が流れていた
しかし、人工霊体なのに真面目で真摯な態度を取るヘソーザ様に、牧街は逆に恐縮する
「いや、めっそうもないって言うか…
…就職、ですか?」
しかし、ヘソーザ様の言葉に、牧街はうーんと考え込む
その辺、今ままで関わってきていない事だけにあんまり牧街も詳しくは無いのである
「あの……へそーざさんはどっちかっていうと式神に近い存在なので…
この場合、形だけどりーさんが就職して、労働はへそーざさんが行うっていう事ならできるんじゃないですか?」
「あ、なるほど、手を使って仕事するか、超能力で仕事するかって事だもんね」
そんな感じでまとまる意見

っと、その時
近くの家の屋根の上から身の丈2mはあろうかと言うガリガリの細身の緑色の怪物が飛び出してきて
反応できなかった牧街を腕の一振りで近くのブロック塀に叩きつけた
更に怪物は応戦しようとするありみちゃんを蹴っとばし、ギロリとドリー達の方を向き、鋭い爪を構え、切りつけようとする


257 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/10(金) 04:05:23   [sage]
↑只野さんがGS資格者証を渡したみたいな風にかかれてますが、間違いで、単に資格者証を見せて身分を明かし、名刺だけ渡しています

258 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/11(土) 01:47:57   [sage]
>>256
>「あの……へそーざさんはどっちかっていうと式神に近い存在なので…
>この場合、形だけどりーさんが就職して、労働はへそーざさんが行うっていう事ならできるんじゃないですか?」
>「あ、なるほど、手を使って仕事するか、超能力で仕事するかって事だもんね」

『ドリーさん!私達でも就職ができそうですよっ!』
「ヘソーザ様だけ頑張ってくださいまし」
『あなたも働かせますよ』
中卒ニートで引きこもりのドリーでも、やっと就職の希望が見えてきたのだ。
ヘソーザ様はドリーにも働かせようと考えている。

不意に飛び出てきた何かに牧街が吹き飛ばされた。
それに対して動こうとしたありみさんも蹴り飛ばされる。
ドリーやヘソーザ様は動くことができなかった。
牧街達を吹き飛ばした緑色の怪物は、今度はドリー達を狙おうとする。
そのことにいち早く気づいたヘソーザ様は、襲いかかってきた緑色の怪物に体当たりする。
緑色の怪物に受け止められて、押し倒されるヘソーザ様。
立ちすくむドリー。

『ド、ドリーさん!早くお逃げなさい!』
「緑色×ヘソーザ様萌え」
『!』
ヘソーザ様はドリーの思考が腐っているのを再認識し、必死に怪物を押し退けようと足掻いた。


259 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/11(土) 14:01:28   [sage]
というわけで小鬼に男性と妊婦が襲われている。
多勢に無勢。流石のカフェでも戦いながら市民を救出するのは困難だろう。
そう思った月夜田は咄嗟に足元に落ちている妖刀を拾いあげ空に向かって叫ぶ。

「あ!!見て!!しみつきパンツが飛んでる!!」
「キー!!」
それは妖刀のセクシーコマンドーの力で、騙そうとして月夜田は嘘をついたわけだったが
意に反して小鬼たちは喜んでいた。何故なら本当にそれらしきものが飛んでいたから。

「しみつきじゃないです!」
トイレのサダコが着物の裾をひらひらさせながら空を飛んでいる。
成仏して天界にいく前に街を名残惜しんで浮遊していたのだ。
「すきあり〜!!」
すでに小鬼たちと刀身が届く位置まで間隔を詰めていた月夜田が踊りかかると白い光が孤を描き小鬼たちを薙ぐ。

ぞぼーん。小鬼たちはFFのような演出で消滅した。
すると音もなく空から飛び下りて来た猫バスが怪我人と妊婦の前に着地する。

「こうなると思って呼んでたにゃ」
バスの中からGSらしき人たちが沢山出てきて右往左往しながら街に散らばっていく。
猫バスは首都近郊に住んでいるGSたちを運んできたらしい。

「あとは怪我人と妊婦さんを乗せて病院に直行にゃ。それぞれ主要施設には結界が張ってあるから安心するにゃ」

「あのートイレから出てみてわかったんですけど街が大変なことになっているみたいですね。
もしよろしかったら私にも手助けさせていただけませんか?」と心配して空から降りて来たサダコ。


260 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/11(土) 14:03:38   [sage]
「あ!猫バスが危ないです!!」と突然サダコが叫ぶ。
「え?どういうこと?」びっくりする月夜田。
目の前にある猫バスは別に変わりなく、不思議に思っていると
袋小路に幼稚園バスが入ってくる。猫の形をした本物の小型バスだ。
なんとサダコは猫型の幼稚園バスの危険を予知していたのである。
「きゃあ」「わぁい」
悲鳴を孕んだ幼稚園バスのまわりには疲弊しきったGSたちが並走していて、よってくる小鬼たちからなんとかバスを護衛している状況。
運転席の窓が開いて運転手がカフェたちに質問してくる。
「○○高校はどこでしゅかー!?」
幼稚園バスは遠出した先で小鬼の群れと遭遇して近くの避難所である月夜田の高校に避難しようとしていたのであったが
渋滞や事故でふさがれている道路もあり迷ってしまってこんなところまで入ってきたのだった。
ちなみに運転手の顔は月夜田の担任にそっくり。たぶん親類かなにかの類だろう。

「はう!!」
力尽きた護衛のGSじいさんがばったりと道端に倒れこむ。その隙をついてハンマーを持っている小鬼がバスの窓を割った。
「あ!やばい!!」
わちゃわちゃしてきた。


261 : 名無しになりきれ    2010/12/12(日) 02:48:05   [sage]
「へゲッゲッゲ!」
幼稚園バスに注意を向けていたカフェ達の後ろのマンホールの蓋が吹き飛び、中からひょろ長い赤い悪魔が現れ、カフェの師匠を片手で軽く掴み上げてマンホールの中に引きづりこんだ

赤いヒョロ長悪魔はカフェの師匠が抵抗して手を離れ、下水道内に着地すると、自らも下水道内に降りて長く鋭い爪を光らせ、鋭い動きで猫師匠に切りかかっていく
「キーーー!!」
「キーキーー!!」
更に下水道内には数体の小鬼の姿もあり、下水道内に落ちてきた猫師匠に目をぎらつかせて狙いを定めている!


262 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/12(日) 15:12:01   [sage]
>256
>今回のシナリオの目的は、小鬼発生の元凶を突き止めて叩くことではない
>小鬼が暴れる街で、小鬼を倒しつつ、大勢の人を守るために走り回りながら事件が終結するのを待つ事が、目的なのである!
「あ、新しい……!」
「何がにゃ? さっさと行くにゃ」

>259
>ぞぼーん。
「すごいぞ、みこと殿!」
>「こうなると思って呼んでたにゃ」
猫バスから降りてきた人たちは、手に何かが入った袋を持っている。
「あれはなんぞ?」
猫バスの運転手が袋を差し出してきた。
「鬼退治用の特性煎り豆だよー! はい、キミたちの分」

>「あのートイレから出てみてわかったんですけど街が大変なことになっているみたいですね。
もしよろしかったら私にも手助けさせていただけませんか?」
「かたじけない! お主はいい奴じゃのう」
最初彼女を除霊に来ていたことなどすっかり忘れているカフェであった。

>260
>「○○高校はどこでしゅかー!?」
「またお主か! ああ行ってああ行って……ええい、そっくりな兄弟達に魂の交信で呼んでもらうがいい!」
>「はう!!」
>「あ!やばい!!」
「助けてでしゅー!」
幼稚園バスに乗り込むカフェ。園児達に襲い掛かる小鬼達。
「妾が相手じゃー。それとも何か? そんなに若い者がいいのか!?」
小鬼達はこくこく頷いたように見えた。
「うをおおおおお! 去ねい!!」
物凄い勢いで豆を投げつけながら小鬼を追い掛け回す。

>261
「ぎにゃあああああ」
「師匠ッ!」
「なんのっ! トイレは下水道に直通している。つまり下水道は私の庭のようなもの!」
そう言ってマンホールに飛び込むSADAKO。
そして長い髪を振り乱して無駄に迫力のあるほふく前進を始めた。
「キキー!?」
「ガクガクブルブル……」
小鬼達は言いようのない恐怖に襲われているようだ!


263 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/13(月) 21:30:48   [sage]
「ヘソーザさん!!」
ヘソーザ様のピンチに、彼が時間を稼いでいる間に攻撃から体制を立て直した牧街が駆けつける
「牧街Dクラッシュゥ!!」
隙だらけの緑色の背中に神通杖を叩き込む牧街
が、撃破には至らず、緑はわずかに姿勢を崩すにとどまった
反撃しようと標的を牧街に移す緑下級悪魔
しかしその背後にもう一つの影が素早く立つ
「ええいっ!!」
「ゲガッ!?」
ありみちゃんが至近距離から放った5万円の破邪札が背中に命中し、緑下級悪魔は大きくのけぞる
「とどめ…だ!!」
そこに、牧街が天竜落地砕を放った
モロに喰らった緑悪魔は吹き飛ばされるが、素早く体制を建て直し…
直後横合いから放たれた強烈な光を受けて、悲鳴を上げて消滅した
光を放ったのは、カフェ等の下にも現れたあの只野氏
「協会の者です…」

只野氏から協会本部からの指令を聞いた牧街は、彼が去った後、ふぅっと一つため息をついて、くるりとドリーとありみちゃんの方を向く
「危ないところでした、お二人とも、マジでありがとうございます
ありみちゃん、ナイスフォローでした!
ヘソーザさんも、あなたが時間を稼いでくれなきゃ危なかった」
「本当に、へそーざさん、ありがとうございます」
ありみちゃんと一緒に、深く頭を下げる牧街
そして…
(…53万、正直でよろしい)
ドリーの台詞が嘘でない事を確信した

さて、一通り会話して、再び歩みだした牧街一行
やがて牧街は路地に入り、どこかのビルの裏で脚を止めた
「こっから、関係者以外立ち入り禁止何で、俺だけで行きます。ありみちゃん、二人を」
「はい、……そのまま逃げちゃ駄目ですよ?」
「………さ…流石にそんな事しませんよ」
真面目で清楚なありみちゃんに言われ、流石にぐさっときながら、ビルの中に牧街は消えていく

と…
「キーーーーーーーー!!」
ビルの天井から小鬼が数匹、ドリー達目掛けてダイブしてきた!
更に、路地の奥からも何匹か二人に接近してくる


264 : ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/13(月) 21:53:54   [sage]
「ナイシュ!ありがとでしゅ!テレパシーとか言った時は変な奴だと思ったでしゅけどありがとでしゅ!」
「お姉ちゃんありがとー!」
「ガンバレー!」
「おばちゃんナイスー!」
小鬼から解放され、高校へ向かって順調に逃げていくバスから園児と運転手が口々にお礼を言った
追いすがる小鬼は、先ほどネコバスから降りたGSの一部が豆を放って追い散らしす

「キキーー(汗」
「キーーーキーーー(汗」
カフェにいり豆をぶつけられながら必死に逃げる小鬼達
が、消滅する気配は無い

豆は「追い払う」力はあっても「倒す」力は無いのだ
では使いようが無いのかと言えばそうではない
例えば先ほどの様に、破邪札を使えば周りに被害が出るような場所で使えば小鬼をそこから引き離せるし
打撃や破邪札では一匹づつしか相手にできないが、これなら広範囲の小鬼を追い払う事ができる
そして、高額な武器に比べ、元手がタダだ

怒りに任せて追いすがるカフェ
彼女がどっかの家の塀の横にさしかかった時
塀を飛び越えて現れた今度は桃色の細身悪魔が勢いよくカフェに飛びついて地面に仰向けに転倒させ、両手を強い力で押さえて上に圧し掛かってきた!
「ニヘヘ…二へ♪」
いやらし〜〜〜〜い不気味で醜い笑みを浮かべる桃色細身悪魔
その口の端から流れた唾液がカフェの横のコンクリートに触れると、そこがジュジュ〜っと煙を上げて溶けていく
「ん〜〜〜〜〜」
そして、なんと目をつぶって口をタコチューにしてカフェの唇目掛けてゆっくり自分の唇を近づけてきた!
どうも色欲だけ異様に強い下級悪魔らしい
無論、カフェに惚れたとかではなく、女性と見れば見境なくこういう事やるまさに女性の敵なのだろう

「キキーーキ!」
「キーー!」
そして、月夜田の前には豆で追い散らしきれなかった小鬼が立ち塞がり、月夜田に襲い掛かってくる
カフェ絶体絶命!!
果たしてその唇はヴァージンか?それとももう誰かに奪われた後か?
どっちにしてもヤバイがヴァージンでファーストがこれでは本気でヤヴァイぞ!

SADAKOの匍匐前進攻撃に、小鬼は成すすべがない

「キャ!」
赤い細身下級悪魔が横からSADAKOに鋭いキックを放って彼女を下水の壁までぶっ飛ばした!
「キキーー!」
「キーーー!!!」
ダメージで体から煙を出して苦しむ彼女に、容赦無く小鬼達が群がり、噛み付き、爪で切りつける
「あああぁぁぁぁぁ!!!」
徐々に消滅しながら苦しむSADAKO
「ゲゲゲへヘッ…」
助けに入ろうとする猫師匠の前に、赤い細身悪魔が挑発的に立ち塞がり、猫師匠を鋭い爪で攻撃してくる
戦闘能力は牧街達を襲った奴より3倍はありそうだ!
よくみれば角まである


265 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/13(月) 22:23:37   [sage]
>>263
ヘソーザ様の危機に牧街とありみが復帰し、ヘソーザ様はこの難を逃れた。
緑色の怪物の下から這い出たヘソーザ様は、ドリーを守るように立ち、事態の収束を見届けた。

>「危ないところでした、お二人とも、マジでありがとうございます
>ありみちゃん、ナイスフォローでした!
>ヘソーザさんも、あなたが時間を稼いでくれなきゃ危なかった」
>「本当に、へそーざさん、ありがとうございます」

『いえ、そんなにお礼を言われる程の大したことなんて、私にはできませんでしたよ。
ドリーさんを守るために必死になっていただけです。
ありがとうございますと言うのは、私の台詞ですよ』
ヘソーザ様は照れながら、牧街とありみに返す一方で、ドリーはヘソーザ様を見てにやけていた。

>「こっから、関係者以外立ち入り禁止何で、俺だけで行きます。ありみちゃん、二人を」
>「はい、……そのまま逃げちゃ駄目ですよ?」
>「………さ…流石にそんな事しませんよ」
牧街がビルの中に入るのを見送って、三人は待つことになったのだが。

「ん、何か来た」
路地の奥からドリーは数匹の小鬼が出てくるのが見えた。
そして、上からやって来た小鬼達をひょいと避ける。
『ふぅ、危なかったですね』
辺りを見渡せばヘソーザ様の姿がいなくなっている。
ドリーの中に入って操ったからだ。

『ありみさん、どう戦えばいいのですか?』
ヘソーザ様はドリーの口を借りてありみに聞く一方で、ドリーは明日は筋肉痛だろうなと考えていた。


266 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/12/14(火) 13:30:09   [sage]
月夜田はスキップをしながらスカートをひらつかせつつ、サクサクと流れ作業のように小鬼を退治していく。
でも手があがらなくなってきた。疲れてきて刀が水子の霊のように重い。
「たすけてー!!カフェさーん!!」
助けを呼んでもカフェは今まさに桃色細身悪魔と結ばれようとしているところ。
握力を失い地に落ちる刀。

>「あああぁぁぁぁぁ!!!」
下水道ではSADAKOが今にも消えそう。
前に牧街さんに教わったことなんだけど、たしか魂は消えたらおしまい。ヤバイ。

「呪呪呪輪〜…」(じゅじゅじゅわ〜)冷たく臭い立つ下水道の中。SADAOはウンチに、のの字を書きながら消滅を覚悟する。

その時歴史は動いた。
道端で干からびるように倒れていたおじいさんのGSが息を吹き返したのである。

「まだまだ死ねんのぢゃ!!」
カフェのところに駆けつけ桃色悪魔の頭を両の手で掴むと自分が悪魔に接吻した。むちゅ〜
「口が溶けちゃう!!」
月夜田の心配なんてへの河童。
悪魔の唾液と触れる前におじいさんはセラミックの入れ歯で悪魔の唇を挟みこんでいたのだ。
「ふんはぐっふゃお(ぶんなぐっちゃお)!!」
バコーン!!樫の木のような拳で悪魔を吹き飛ばすおじいさん。
「おいおい。こいつふぁかえふぃてもふぁうぞ」
倒れている悪魔の顔におしっこをかけて、入れ歯をきれいに洗うと再び入れ歯を装着しフルボッ子する。
「こいつはあのお嬢さんのぶん!(カフェ)こいつはクソソソのぶん!(クリリン)こいつは隣のペドロのぶん!!(農業研修生)」
「ニギギギー!!」
桃色悪魔がたまらず唾液をとばすと残像を残し宙に舞うおじいさん。
「こっちじゃ!うすのろ!!」
「おじいさん上!!」
「なに!!」
ゴン!!おじいさんは電信柱の上にあるバケツみたいのに激突した。
「くお…」思いのほか斜め上に飛んでしまったのだ。
落下するところには桃色悪魔と小鬼たちがにやにやしながら待っている。
「ど、どうしよう…あ!」
月夜田は気がつく。ホームレスの人が落ちている豆を拾って袋に集めていたことに。
「これよー!!」
疲労で動かなくなった両手をぷらぷらさせつつホームレスの人に走って豆の袋を蹴り飛ばすと豆は小鬼や桃色悪魔に散弾のようにとぶ。
「ギャヒッ!!」「キー!!」逃げる小鬼たち。
おじいさんは地面に尻餅をつく。
「おじいさん!だいじょうぶですか!?」尋ねるとおじいさんは一点を見つめたまま動かない。
それはおじいさんの残像だった。
「こっちじゃ!」バチーン!本体は逃げる桃色悪魔の背中に破邪札を貼り付け消滅させていた。
「すごい…残像ですね…」
「そうじゃろう。わしのあまりのスピードに幽体がついて来れずに幽体の薄皮部分が剥離しておるのじゃ」
それは残像というか剥離した幽体が答えた。
「あ!猫師匠とSADAKOさんのこと忘れてました!マンホールの中から叫び声が聞こえてたんです!!」
マンホールを一度覗いて月夜田はカフェの顔を見つめる。
「下水道の暗がりでSADAKOさんを見るのって怖いかも…。それに私、手が痙攣して動かせません」
「よし。それならばわしがいくぞ。わしはNPCじゃからすぐ消されるかもしれん。そのときはみなたのんだぞ」
おじいさんの股間のまわりはおしっこでびしょびしょだった。
「ムリしないで下さい!!猫師匠が猫師匠なら何とかしてくれます!!そうですよね?カフェさん!!?」
皆の瞳は潤んでいる。


267 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/15(水) 01:12:56   [sage]
>264 >266
「おばちゃん言うな!!」

と怒ってしまったのが運のつき! 望み通り(?)襲われた!
>「ニヘヘ…二へ♪」
「お、おばちゃんでよろしくってよ☆」
今更態度を変えてももう遅い!
>「ん〜〜〜〜〜」
「嫌じゃ嫌じゃ! 無礼者!」
その時ヒーローが颯爽と現れた!
そう、定年過ぎてもまだまだ現役、輝く入れ歯のヒーローだ!
>「まだまだ死ねんのぢゃ!!」
暫しスーパーおじいさんの独壇場が繰り広げられる。
「感謝する爺よ! ある意味かっこいいぞ!」
(中略)
>「あ!猫師匠とSADAKOさんのこと忘れてました!マンホールの中から叫び声が聞こえてたんです!!」
>「よし。それならばわしがいくぞ。わしはNPCじゃからすぐ消されるかもしれん。そのときはみなたのんだぞ」
>「ムリしないで下さい!!猫師匠が猫師匠なら何とかしてくれます!!そうですよね?カフェさん!!?」
「そうじゃ、猫師匠なら、猫師匠ならなんとかしてくれる! ……ん?」
なぜかそう言っているカフェは幽体だった。
先程変態悪魔に迫られた際、あまりのショックから逃れるために無意識のうちに幽体離脱していたようだ。
「これは利用せぬ手はない……そうじゃ!」
カフェは爺さんGSの入れ歯に乗り移った。
「コンセプトは意思を持ち宙を舞う魔入れ歯! みことどの、少しの間妾の本体を見ていてくれ」
「おお、ではわしは魔剣ならぬ魔入れ歯と契約を交わしたマスターというわけじゃな! とーう!」
爺さんはノリノリでマンホールの中へ入っていった!

SADAKOがもはやこれまでかと思われたその時!
「入れ歯マスター見参!」
現れた爺さんの口から入れ歯が飛び出し、華麗に宙を舞って噛みつきまくる。
「まめほうげきをふらへー」(豆攻撃を喰らえー!)
その間、爺さんは口から豆弾丸を発射して援護する。


268 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/18(土) 02:53:04   [sage]
「じ…実はもう桜井さんに用意していただいた破邪札は切れてしまっていて…」
じりじりと小鬼から後ずさりつつ悔しげに言うありみちゃん
今回の事件、近隣GSへ協力要請が来る事を察した桜井は、自分が参戦してなくても事務所の評判が落ちないようありみちゃんに道具を渡して代わりに戦ってもらっていたのだが
そこはケチでビンボな彼女である、そんな大した量は渡されていなかったのだ
更にありみちゃんお得意の催眠術は精神構造が異なる悪魔や魔物には全く効果を発揮しないのである

こうなってはありみちゃんでも小鬼に対抗する術は無い
(牧街さん…ごめんなさい…けど、きっとあなたもこうすると思いますから…)
ありみちゃんはドアの向こうの牧街に向かって思いをはせ、きっと決意をする
そして
「逃げましょう!」
ドリーとヘソーザ様の手をとって、その場から走って逃げ出した
牧街がカフェの影響で感覚がおかしくなっていったように
彼女の感覚もまた、牧街によって毒されていたようである
最も、彼女も牧街と同じく「見捨てて大丈夫そうな人しか見捨てない」

ひんやり冷たく、ちょっとすっぱい臭いのするありみちゃんの手に引かれて、町を逃げるヘソーザ様INドリー
しかし、彼女達の眼前に、今度は灰色の細身の悪魔が立ち塞がった
「へへへーーー!!」
「…!!」
まずい、と思ったありみちゃんは、すかさず灰色悪魔に体当たりして押さえつけ、合体ドリーに叫ぶ
「私が食い止めます!早く逃げて!」
そう言っている間に、灰色悪魔は素早くありみちゃんの両腕を簡単にぼろりと引きちぎった!!
ゾンビだから後で再生するとはいえ、かなりグロい攻撃である
「早く!」
しかし、ありみちゃんはかじりついて灰色悪魔を足止めする


269 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/18(土) 04:06:52   [sage]
「キキーーーキキーーキキキ!?(汗」
「キキキキャーーーキーーキ」
入れ歯を飛ばして、口から豆を吐いてくるという最早どっちが妖怪だかわからないGS爺さんの攻撃に、思いっきりびびって戦意喪失し、尻尾を巻いて退散する小鬼達
実際どっかの爺さんが同じ事をやる光景を想像してみて欲しい
アニメでも十分異様でおっかない光景だw

「あ…ありがとうございます…でも…」
しゅうしゅう煙をあげながら、力なくお礼を言うSADAKO
「もう…霊体を維持できません…最後まで力に慣れなくてすいませんでし…」
霊体を維持できなくなったSADAKOは、悔しそうにカフェ等に謝りながら、ゆっくりと天に昇っていった
悲しいが、今は悲しんでいる暇は無い

猫師匠と戦っていた赤悪魔は、小鬼が全滅して形成不利と見るや、素早くマンホールから脱出して、大空に向かって両手を広げ、不気味な声で雄叫びを上げた
「ゲーーーーゲッゲ!」
その雄叫びに呼応し、ぞろぞろとその辺から小鬼が沸いてきて、赤い悪魔に合体していく
「ゲゲゲ…グワオォーーーー!!」
数十体の小鬼と融合した赤悪魔は、3mはあろうかという筋肉隆々の姿へと変貌する
「グォゥーーーーーーー!!」
変身赤悪魔は口から火炎放射器の様に高熱火炎を吐きだし、近くの民家に火をつけた


270 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/18(土) 05:50:52   [sage]
>>268
>「じ…実はもう桜井さんに用意していただいた破邪札は切れてしまっていて…」

『じゃあ、打つ手が無いと言うことですか……』
ヘソーザ様もドリーの体で後退りする。
本職でもないドリー達が何も持たずに戦えるはずが無い。

>「逃げましょう!」
牧街を置いて逃げて行くのは、彼を信頼しているからだろうか。
ドリーの手を引いてありみは走る。
ヘソーザ様は何も言わない。
自分達が牧街を置いて逃げて良いのかとか、諦めずに戦わなくて良いのかと言う資格が無いのが分かっているからだ。

>「へへへーーー!!」
>「…!!」
町を逃げ続けていると、立ちふさがってきたのは小鬼ではなく、灰色の魔物。

>「私が食い止めます!早く逃げて!」
ありみが体当たりして灰色の魔物を止めようとしたが、簡単に両腕を引きちぎられた。
ヘソーザ様にはどうすることもできない。
ただ、無謀にも立ち向かうのか、見捨てて逃げるのかの判断の間で迷うだけだ。

>「早く!」
天秤は逃げる方に傾いた。
ヘソーザ様はドリーの体で走って行くのだが。
少し走った先で立ち止まった。

「つまんね」
『え?』
ヘソーザ様にはドリーの言いたいことが分からなかった。

「私が望むシチュエーションは、ヘソーザ様の獅子奮迅の大活躍ですわ。
惨めったらしい敗走ではございませんの。」
『しかし、私達では何の役にも立てませんよ!
行っても無駄死にするだけです!』
「黙りなさい、ヘソーザ様。
あのお方の姿を使わせてもらっているのです。
あのお方の名を汚すようなことをするくらいならば、死んだ方が遥かにマシですわ。
命令ですよ、ヘソーザ様。戦いに行け」
『はいはい!分かりましたよ!』
この間、傍目から見れば全部ドリーの独り言である。

ヘソーザ様はドリーの体から抜け出すと、急いでありみのもとに戻り、灰色の魔物相手に飛び蹴りを食らわした。


271 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/12/19(日) 01:38:51   [sage]
>「コンセプトは意思を持ち宙を舞う魔入れ歯! みことどの、少しの間妾の本体を見ていてくれ」
>「おお、ではわしは魔剣ならぬ魔入れ歯と契約を交わしたマスターというわけじゃな! とーう!」

「はい。わかりました!」
月夜田が返事をするとマンホールにGSのおじいさんが飛び込んで、月夜田の隣にはカフェの死体のようなものがポツンと残る。
幽体が一時的に抜けているだけで心配する必要もないのだが、白い顔をしていて、ずっと見ていると怖い。
この人ってこんな顔してたっけって月夜田がゲシュタルト崩壊を起こしているとSADAKOが天に昇って逝く。

「さようなら…SADAKOさん…」

>「ゲーーーーゲッゲ!」
かなしい気持ちを破る下卑た声。そして現われた赤悪魔の口から吐かれた火炎で焼かれる民家。

「あの家、炎も熱もシャットアウトしていないのっ!?」
「そうにゃ!タイガーボードじゃないにゃ!!」
ポップコーンのように猫師匠がマンホールから跳ね出て来た。続いてGSおじいさんも。
「このくたばりぞこないが!!地獄へ還れ!!」
くたばりぞこないは明らかにGSおじいさんのほうに見えたが、
彼は年金で買ったとっておきの破邪札を懐から取り出すと赤悪魔に使用。
「わしには見える!お主ののりしろがのう!!解魔札!!一家離散!!」
暗い時代のせいか企業ブラックとかそんなアイテムが流行っているようだ。
「グワーーーッ!!」
赤悪魔の体が足元からバラバラに離散していく。正確には小鬼に戻っていく。
下半身から崩れていく赤悪魔は焦燥にかられながらもおじいさんをギロリと睨みつけ
まだ融合している上半身でパンチをし、その老体を学校まで吹き飛ばした。
おじいさんはこの攻撃で本当に力尽き口からこぼれた入れ歯はカフェの胸元にポトリと落ちる。

おじいさんの戦線離脱後も続いていた破邪札の効果で赤悪魔は本来の姿と小鬼の集団に戻ったわけだったが再び赤悪魔は叫ぶ。
もう一度、小鬼を肉として纏うつもりらしい。
「あ!!そうだ!!あれを使えば!!」月夜田は倒れているカフェの懐から札を取り出しかざす。
「吸魔札”水洗便所”」ドッシャー!小鬼たちは札に吸い込まれていく。
「ゲーゲーゲー!!」赤悪魔は負けじと呼ぶ。それを吸い込む札。さらに小鬼を呼ぶ赤悪魔。
そして許容量を越え身がつまってしまったトイレのように水みたいなものを溢れださせた吸魔札で火事はおさまった。

なんのこっちゃよくわからないがとりあえずは火事はおさまった。


272 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/12/19(日) 01:39:33   [sage]
「赤悪魔を退治は出来なかったけど火事はおさまったから万々歳ね」
と月夜田は胸を撫で下ろしたが赤悪魔は小鬼たちを呼ぶのを止めない。まるで狂ったノリスケ。
わらわらと集まってくる小鬼に集団はレッツゴー300匹。
「ゲッゲー!!」
3メートル6メートル…。12メートル。小鬼を吸収してどんどん膨張していく赤悪魔。
口からはしゅうしゅうと煙。

「これって火を吐いたら火事どころじゃ済まないかも…。ガスタンク爆発よ…。メガフレアの勢いよ…
カフェさん…入れ歯から戻ってきた?もう逃げましょ?このままだと生きたまま火葬されちゃうよ…」

ピンチだ。


273 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/21(火) 01:49:22   [sage]
>269
>「もう…霊体を維持できません…最後まで力に慣れなくてすいませんでし…」
(お主はよくやった! 生まれ変わって幸せになれ!)
入れ歯の思念は届いただろうか。

>271
お爺さんが力尽きて飛んでいき、入れ歯から本体に戻る。
「かたじけない翁よ、後は妾達が……」

>272
>「これって火を吐いたら火事どころじゃ済まないかも…。ガスタンク爆発よ…。メガフレアの勢いよ…
カフェさん…入れ歯から戻ってきた?もう逃げましょ?このままだと生きたまま火葬されちゃうよ…」
「……」
そびえたつ巨大な赤悪魔。このままでは辺り一帯は焼け野原だ。
数々の苦難を共にしてきた牧街の勇士が脳裏に浮かぶ。そして結論は出た。
「36計逃げるにしかず!」
カフェも牧街の影響を受けていたようである。
「よく言ったにゃ。退くもまた勇気!」

辺りの人を乗せて退散する猫バス。
「学校まで逃げて中から砲撃を喰らわせればよい! これだけ大きければ多少離れても当たろう!」
その道中、みことにダメ元で聞いてみた。
「お主の学校はトイレに霊がいたり裏山に妖刀があったりすごいな……
何かもっとすごいものが封印されていたりするのではないか!?」


274 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/12/24(金) 16:43:23   [sage]
>「お主の学校はトイレに霊がいたり裏山に妖刀があったりすごいな……
>何かもっとすごいものが封印されていたりするのではないか!?」

「…中庭の大岩に「おにぎり姫」が封印されています。でもなんなのかはよくわからないです。
伝説では虚空から地球に襲来した赤鬼ぺルリの円盤をハドウホウで撃ち落したメンヘラキチガイと言われています」

そう月夜田が言い、皆が学校の中庭に行くと大岩がゴトゴト動いている。

「ええい!首を持ってまいれ!若人の首を!体はいらぬぞ!!」

中庭の中央。大岩の岩の下からは女の金切り声。なんというか決して良いものではなさそうだった。

「この妖刀マサオで岩に巻きついている注連縄を斬れば封印はとけます」
「にゃう…。どうせこのままじゃみんな焼かれて死ぬにゃ。ここは封印をといてみるにゃ!」
猫師匠が妖刀を構える。すると猫師匠はヒップダンスをしながらくねくね踊りだした。

猫師匠の背後にはセクシーコマンドーの始祖、マサオの霊。それを窓から覗く沢山の生徒たち。
ぱちぱちぱちぱち!生徒たちの拍手が鳴り止まない!

「おにに!ぎりり!姫万歳!!」
「斬るにゃあああああ!!!!」
すぱーん!!ドッカーン!!大岩のしたからチリのフェニックス号みたいな筒が飛び出した。

「誰じゃ?わらわを呼び出したものは?」
パカ。もわもわ。もわもわでおにぎり姫の姿はよくみえない。
「ここはどこじゃ?気分がすぐれぬ…。…これそこの小娘。わらわに首を献上せい」
おにぎり姫はカフェを指差した。


275 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/25(土) 04:27:32   [sage]
「へゲラ!?」
ヘソーザ様のキックを喰らってもんどりうってぶっ倒れる灰色悪魔
「ど…どりーさん…駄目ですよ!勝てる相手じゃありません!お願いですから逃げてください!」
しかし、灰色悪魔の実力を肌で感じ取っているありみちゃんは、ドリー達に勝ち目が無い事を知っている
必死にドリー達に逃げるよう懇願するが、既に灰色悪魔は攻撃態勢を整えていた
「へへリャアアアア!!」
鋭く重い灰色悪魔の回し蹴りがヘソーザ様の体に突き刺さり、転倒した彼に更に灰色悪魔はマウントポジションをとって鋭い爪を向けて来る!
「えいっ!!」
だが、済んでの所でありみちゃんが灰色悪魔に胴体だけでタックルを喰らわせ、何とかヘソーザ様を救出する

(どりーさんは普通に頼んでも効果無いわ、こうなったら…)
ありみちゃんはどりーの目を見つめ、催眠術の体制に入る
(えっと…どういう風に催眠をかければいいんだろ…
灰色悪魔はもう倒されました…じゃ危なくなる可能性があるし
逃げたくてたまりません…ううん、もし私が灰色悪魔に消滅させられたら彼女はずっと何かから逃げ続けたくなってしまう
えぇっと…あ、そうだ!!)
何かを思いついたありみちゃんはドリー目掛けて催眠術を発動する
「あなたのへそーざ様は牧街さんです!ここにいるへそーざ様が牧街さん何です!!」
もう牧街しか頼れる者はいない
恐らく牧街は今頃ビルから出た頃だろう
今彼女が牧街の元へ行けば、少なくとも安心であるし、牧街が来るまでなら、何とか持ちこたえる自信もある
「へそーざ…牧街さん!彼女をへそーざ様の所へつれてってあげてください!早く!」
灰色魔族を体で押さえつけながら、ありみちゃんはヘソーザ様に叫んだ


276 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/25(土) 04:45:03   [sage]
>>274
【GS美神は少年誌に掲載された作品です
放送禁止用語は伏字使ってください】

「おい、月夜田が変なのの封印をといたぞ!」
「いいのかよ、アレ、封印されてた位だからヤバイ奴なんだろ、アレ」
「ヤバイだろ…あーぁ…ろくな事しねぇなアイツ…」
「キモ…」
「…ねぇ逃げた方がよくない?」
「先生!避難した方が…」
おにぎり姫の復活に混乱する生徒達
しかし教師達もその時既に混乱していた
「どどどどうするでしゅか!外の化け物だけなら結界の中で立て篭もれたけれど、中にまで化け物出てきたらお仕舞いでしゅ!」
「月夜田みことは退学にすべきです!あの娘がこの混乱に乗じて面白半分に封印をといたに違いない!我々は封印をとく許可をした憶えも無いぞ!GS達にも賠償を請求…」
「そんな事は後回しだ!早く逃げないと!」
「逃げるったって外は炎を吐く化け物、中にはあの得体の知れない化け物が…」
「オカルトGメンは?Gメンの二人はどうしたんだ?GS達は?」
「Gメン二人は今あの巨大な怪物に戦いを挑んでおりまして…中庭の怪物には他のGS達に向かってもらって…」
混乱して恐怖して暴れる悪魔ではなくカフェや月夜田や猫師匠に怒りを向ける教師達
しかし、大丈夫
結果を出せば黙る、もう後には引けない

巨大赤悪魔に立ち向かったオカルトGメン二人は大いに苦戦していた
「おわぁああああアチアチアチアチチ!ァチャア…」
「こんなガンダムみたいにでかい化け物どーしろってんだよ!!」
破邪札は炎で焼かれて届かず、霊体ボウガンを撃っても撃たれた部分の小鬼を切り離して無力化し、凶悪な威力の火炎攻撃で近づく事もままならない
これでは如何に1流GSでも苦戦必死である
しかしそれでも口からの炎を何とかかわし、周囲の被害を抑えながら戦えているのは流石だ


277 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/25(土) 06:04:06   [sage]
>>275
>「ど…どりーさん…駄目ですよ!勝てる相手じゃありません!お願いですから逃げてください!」

「だが断る。私の好きなものは〇〇ーザ様である。
その姿を模して生まれたヘソーザ様にも、あのお方の格を落とすようなことはさせられませんわ」
こう言っている間にも、ヘソーザ様に蹴られた灰色の悪魔は体勢を立て直して、ヘソーザ様に襲いかかる。
ヘソーザ様も勇気を振り絞って灰色の悪魔と戦おうとしたのだが、やはり相手になるはずがなかった。
簡単に回し蹴りを食らわされて、マウントポジションを取られ、トドメの一撃を貰うだけの状況に陥ってしまった。
しかし、ありみの間一髪の行動で、ヘソーザ様の命は助かり、再び立ち上がることができた。

>「あなたのへそーざ様は牧街さんです!ここにいるへそーざ様が牧街さん何です!!」
ヘソーザ様は何を言っているのかが分からなかった。
だが、ドリーの目がトロンとしたことにより、催眠術だと理解した。

「はっ、私は何てことをしてたのか。
こんな弱いしょぼ男を生み、挙げ句の果てには〇〇ーザ様によく似たあの方を放置するとは」
ヘソーザ様の顔が悲しみに歪む。
必死になってドリーの命令に従って戦ったのに、催眠術をかけられたとは言え、この扱いは酷い。

『あなたは私の元ネタの幻想しか見ていないんですね。
私自身のことは、やはり見てくれていなかったのですね』

>「へそーざ…牧街さん!彼女をへそーざ様の所へつれてってあげてください!早く!」

『えぇ、分かりました』
「ほら、牧街さん。私の体の中にさっさと入りなさい。
早くあのお方の下にまで行きますわよ」
ヘソーザ様はドリーの体の中に入る。

『ありみさん!どうか持ちこたえてください!』
ヘソーザ様はドリーの体を使って、全速力で牧街の居た場所まで戻る。
そうして、牧街を見つけた。

『大変ですよ、牧街さん!ありみさんが、ふぉっ!』
「あぁ、ヘソーザ様。
何故に私はあなたを置いて行ったのでしょうか。
愛しのドリーが参りましたわぁ」
なんとヘソーザ様はドリーの愛の力によって弾き出され、ドリーは牧街の胸に飛び込んだのだ。


278 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/26(日) 00:59:20   [sage]
>274 >276
>「おにに!ぎりり!姫万歳!!」
>「斬るにゃあああああ!!!!」
おにぎり姫の封印は解かれてしまった。
そこに意外な人物が現れる。
「あら、カフェじゃない。おにぎり食べる?」
カフェママとカフェパパだ。彼らもこの学校に避難していたらしい。
新メニューの宣伝かは知らないが、おにぎりを作っては皆に配っている。
「そのおにぎりじゃなくて鬼を切るで鬼切りだと思うぞ!」
>「ここはどこじゃ?気分がすぐれぬ…。…これそこの小娘。わらわに首を献上せい」
「なぬう!?」

>「月夜田みことは退学にすべきです!あの娘がこの混乱に乗じて面白半分に封印をといたに違いない!我々は封印をとく許可をした憶えも無いぞ!GS達にも賠償を請求…」
「ええい、要はおにぎり姫をあっちの悪魔にぶつければいいのだろう、どうすれば……!」
煙が晴れて徐々におにぎり姫の姿が見えてくる。
「これは……!? そのおにぎりで合ってたのか!」
おにぎり姫は首から上がおにぎりだった。ぶっちゃけア○パンマンのおにぎりバージョンである。
「そういう事なら話は早い! ノリで作ったものの誰も食べてくれなかった巨大おにぎりですぞー!」
「ほいさー!」
カフェママとカフェパパは巨大おにぎりをぶん投げた。
ナイスピッチングでおにぎり姫の顔に当たり、しゅぽーんと音がして古い首が飛んでいき、巨大おにぎりが新しい首になった。
「おお、これぞ新しい首! 古い首が腐っておって嫌だったのじゃ、感謝するぞ!
例として願いを一つ聞いてやろう」
「あの赤い悪魔を倒してくれぬか?」
「引き受けた!」
次回、巨大赤悪魔VSおにぎり姫! 乞うご期待!?


279 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/12/26(日) 17:07:50   [sage]
カフェの願いを聞き入れたおにぎり姫は、猫バスの下あごをこちょこちょしてニッコリ笑っている。

「おかかおにぎりを作ってたも。山ほどの…」と姫。
「ほいさー!」
古来より市民は、やんごとなきかたには弱いもので、威勢の良い掛け声をあげながら
まるでおにぎりマシーンのようにカフェママが米を握りカフェパパは鰹節をシャンシャンと削り始めている。

「おにぎり姫って、伝説では大きくて黒い霊獣を従えていたはずなんだけどいないのね」
月夜田が首をかしげていると姫はてくてくと結界の外に出て行った。

「とにかく頑張って!おにぎり姫!私の未来がかかっているんだから!!」

一方。赤悪魔と苦戦を強いられているGSたち。
虐げられてきた小鬼の執念が赤悪魔を核となし怨念の血肉と化しているのだろう。

赤悪魔は阿波日の家の近くで鼻をクンクンし、二パーと笑う。

「おい!!あれは阿波日さん家じゃないのか?この匂いは爆発物の匂いだ!!まずいぞ!誘爆して二次災害が起きるかも知れない!!」

GSたちが騒いでいると、そこに現われたのはおにぎり姫。近くの銭湯の煙突の天辺に立って両手を天にかざしている。

「京本よ。ピーターよ。そして生きているすべての中高年よ!!わらわにおかかおにぎりを少しずつ分けてたも!」

日本中から無数のおかかおにぎりが空を飛び姫の両手に集まってくる。もこもこと集合していく玉はまるで元○玉。
赤悪魔が怨みのかたまりならこのおにぎりは愛のかたまり。カフェのご両親の愛情もたっぷりつまっているはず。
「ギャウ!!」巨大愛情おにぎりで何かをされてはまずいと、先手必勝、赤悪魔はおにぎりに火を吹いた。
「キャアアアアアア!!」おかかおにぎりは無残に焼かれ、焼きおかかおにぎりになる。
だが何かがおかしいことに赤悪魔は気がつくだろう。辺りには美味しそうな焼きおにぎりの匂いが漂っていたのだ。
「ニャアアアアアア!!」どこからともなく猫の声。猫バスのようで猫バスでない。猫バスの三倍はあろうかという巨躯の黒猫。
その巨大な黒猫は口から波動エネルギーを発射して赤悪魔を吹き飛ばし、
ご褒美なのか、姫が作った巨大なおかかおにぎりをムシャムシャと食べ始めた。
この巨大猫又の名前は「黒ぬこヤマト」。おにぎり姫のペットだった。
(巨大おかかおにぎりの愛のエネルギーで異界から召喚されました)

そしておにぎり姫は、黒ぬこヤマトと一緒におにぎりを求める旅にでた。現在の彼女は幸せであった。
昔、姫が封印された理由は飢饉も何もお構いなしにやたらおにぎりを作っては腐らせたことが原因だったからだ。


280 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2010/12/26(日) 17:10:05   [sage]
赤悪魔は黒ぬこヤマトに敗れ去った…と思われたがまわりにひっついていた小鬼が吹き飛ばされただけで生きていた。
ふらふらになりながらも偶然に牧街とドリーたちを発見した赤悪魔は…。
「ゲーーーーゲッゲ!」 と叫び
その雄叫びに呼応し、ぞろぞろとその辺から小鬼が沸いてきて、赤い悪魔に合体していく
「ゲゲゲ…グワオォーーーー!!」
数十体の小鬼と融合した赤悪魔は、3mはあろうかという筋肉隆々の姿へと再び変貌する。
「グォゥーーーーーーー!!」
変身赤悪魔は口から高熱火炎を牧街とドリーたちに吐きかける。

―○○高校。
赤悪魔は退治されたように見えたので月夜田は鼻高々だった。
後頭部が背中にくっつくくらいにふんぞり返っている。

「私の判断は正しかったー!私は神よー!」
そういって担任の頭をぐりぐりと撫でまわしている。

猫師匠がカフェを連れ、また街に小鬼退治と市民の救出に向かおうとしていると

「待ちなさいカフェ!!もう行っちゃダメ!あなたはGSだけど女の子なのよ!!
今まではママも目を瞑っていたけど今回だけはガマンできないの!
もう危険なことはやめなさい!もう危ないことはしないって誓いなさい!さあ!」

カフェママは指についた米粒を舐めながら強い口調でカフェに言った。


281 : 名無しになりきれ    2010/12/26(日) 17:31:25   [sage]
ドリーと抱き合う牧街の前に避難する市民が通りがかった。
ごてごてした衣装は占い師を思わせる。
その老婆は牧街の顔を見て、ひどく驚いたそぶりを見せた。
「んっ、アンタの顔……フリーダムな友人に酷い目に合わされる相が出てるね?
これは100年に一度の凶相だよ!このままじゃ、アンタ間違い無く地獄に落ちる!
この災いを避けるには、ラッキーアイテムを持つしかないね!」

占い師は続けざまに喋り散らした。
「ラッキーアイテムは爆発物!それしか無いよ!花火とか火薬とかダイナマイトね。
一つ向こうの交差点にアタシの知り合いがやってる花火師の店があるから、そこで買うと良いわよ!」

そう言うと、占わない師はすたこらさっさと避難所の学校へ急いだ。


282 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/29(水) 01:32:44   [sage]
>279
「やったぞ皆の衆!」
みこととハイタッチして勝利を喜び合う。

>280
>「待ちなさいカフェ!!もう行っちゃダメ!あなたはGSだけど女の子なのよ!!
今まではママも目を瞑っていたけど今回だけはガマンできないの!
もう危険なことはやめなさい!もう危ないことはしないって誓いなさい!さあ!」
「な……っ、母上!?」
カフェは驚愕した。
「真面目な事を言うキャラではなかったのにいきなりどうしたのじゃ!?」
「ツッコむところそこにゃ!?」
カフェパパが言いにくそうに口を開く。
「すまん、多分私の仕業だ……。つい張り切って愛を込めすぎてしまったのだ。
多分指についたご飯をたくさん食べたから……」
説明しよう! カフェは父方はちょっとしたGSの家系なのだ!
よって父親もGSの素質が少しはあったりなかったりするのかもしれない。
「そんな事があるものか、どれ、試しに食べてみようぞ」
カフェはおにぎりを食べた。その瞬間、表情がガラリと変わる。
「母上! 申し訳ありませぬ! カフェはいかねばなりませぬ! 
誰かがいかねばならないのじゃ!!」
おにぎりパワーによって人類愛が発動してしまった!
「ダメよ! 行かせない!」
ぶつかり合う人類愛VS親の愛!
「あわわ…あわわ…」
カフェパパがおろおろしていると、生徒達のうちの一人から声があがった。
「行かせてあげてください! カフェさんは僕達が守ります!」
「私たちと同じ一般人の月夜田さんが勇敢に戦っているのにじっとしているわけにはいかないわ!」
それを呼び水に、生徒たちが次々と立ち上がっていく。
「私も!」
「僕も!」
おにぎりを食べた生徒達にも愛の力が発動したようである!
この感動的な光景を前に、カフェママが折れる。
「そこまで言うなら……必ず無事に帰ってくるのよ……!」
「うむ、約束する!」

猫師匠はいつの間にか猫バスを召喚していた。乗り込む一同。
「出陣にゃーー!!」
運転手が生徒達に鬼退治用の豆を渡す。
「キミたちは猫バスの中から遠隔攻撃を頼むにゃ!! 運転手さん、生徒達に危険が及ばないように頼んだにゃ!」
「ラジャ! 大丈夫、猫バスは気配を消すのはお手の物ですよ!」

出発してすぐ、只事ではない気配に気づく師匠。
「む!? あっちの方にすごい気配が……!!」
そこでは、なんと倒したはずの赤悪魔が牧街とドリーに襲い掛かっていた!


283 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/29(水) 02:09:08   [sage]
「アレ?何で誰もいないんだろ……まさか…」
阿波日氏の家の中で用事を済ませた牧街は、待っててくれるはずの3人の消失に、一気に青ざめる
責任問題とかそういうのもあるが、それ以前に現在進行形でヤバイ状態に3人があるのなら、とにかく何かしなければならない
「とりあえず探しに…」
行こうとした矢先、ドリーとヘソーザ様がやってきて、よくわからないがドリーが牧街に抱きついてきた
ついでに変な占い師が何か言ってくるが
それ所ではない!
「ヘソーザ様!ありみちゃんが大変だって?どういう事です?」
ドリーを横に押しのけ、ヘソーザ様に真剣な表情で尋ねる牧街
灰色悪魔の事をヘソーザ様が告げ、牧街が駆け出そうとした矢先
赤い悪魔が出現し、牧街達目掛けて高熱火炎を吹きかけてきた
「なわわ…」
どうにかドリー等と共に回避する牧街だったが、赤悪魔は牧街等を行かせてくれそうに無い
「ドリーさんにヘソーザ様(先程から牧街がヘソーザ様っと言っているのはドリーには牧街さんに聞こえています)!これをもってありみちゃんのとこへ!破邪札をありったけぶつければ何とかなるはずです!」
そう言って、持っていたボディバックをヘソーザ様に投げ渡す牧街
勇躍、赤悪魔に神通杖で立ち向かっていく
逃げれば赤悪魔は力の弱いドリー等を追っかけていくだろう
それが悪魔だ

ドリー等がありみちゃんの所へ行って彼女を助ければ催眠を解除でき、後は彼女が援軍を連れてくるなり何なりしてくれるだろう
少しの辛抱だ
そう自分に言い聞かせ、ドリー等が去ったかも確認せず、恐怖を堪えて赤悪魔に立ち向かう牧街



「!?早っ…げがっ」
神通杖を構えて即座に、赤悪魔の放った神速の突きが牧街の腹部に炸裂し、腹部に爪がドスリと突き刺さる
引き抜き、牧街が傷みに震えながら距離をとろうとした所に巨体から来るパワーで蹴りを叩き込んで吹き飛ばしてビルの壁に勢いよく叩きつけ
そこに飛び掛った赤悪魔は、何とかそれでもよろよろ立ち上がった牧街を爪で袈裟切りに、横切りに、縦切りに、切って切って切りまくる

「が……はが…」
アッと言う間に血塗れになった牧街は、ぼとりとその場にボロ雑巾の様に崩れ落ちた
ここまで、わずかに1分弱
恐るべきは地獄から現れた悪魔の力である
更に赤悪魔は、血塗れの牧街の背を、力の限り執拗に蹴りつける
頭がおにぎりのふざけた奴に完敗した事がよほど悔しかったのだろう
その恨みを、憎しみを、一発一発蹴りに篭め、牧街に叩き込む
その一撃一撃が牧街に命中するたび、牧街の体から鈍い音が響き、傷口から血が噴出す
しかし牧街が例え原型を留めない程変形し蹴る感触が無くなったとて、赤悪魔の怒りや憎しみは消えず、そして新たな獲物を見つけ出して同じ様にしていくだろう

それが悪魔だ、GSの敵だ

っと、ようやく、赤悪魔等の気配を察知した猫バスが現場へと到着してきた
(あっちの方にすごい気配が……からすぐにこっちまで来なかったと言う事でお願いします)


284 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/29(水) 08:14:30   [sage]
>>280>>281>>283
>「ヘソーザ様!ありみちゃんが大変だって?どういう事です?」
ヘソーザ様は牧街にここまでの経緯を説明した。
ドリーは目を輝かせながら、牧街にすり寄っている。
説明もし終わり、三人でありみを助けに行こうとした時、赤い悪魔が現れた。
赤い悪魔は火炎を放射してきたが、牧街はドリーを抱えて避け、ヘソーザ様は火炎に当たる位置に最初からいなかった。

>「ドリーさんにヘソーザ様(先程から牧街がヘソーザ様っと言っているのはドリーには牧街さんに聞こえています)!これをもってありみちゃんのとこへ!破邪札をありったけぶつければ何とかなるはずです!」
ヘソーザ様はどうせドリーが断ると思ったので、さっさとドリーの中に入って体を操る。
牧街からバッグを受け取って、一目散に走っていった。

『牧街さんも、どうかご無事で!!』
「おい、さっさと引き返しなさい、しょぼ男」

ヘソーザ様達がありみの所に戻ると、まだ辛うじて持ちこたえていた。
ヘソーザ様は急いでバッグから札を取り出して、灰色の悪魔相手に札を投げつけた。


285 : 月夜田 ◇U9eiwn/wgU    2010/12/29(水) 18:03:18   [sage]
>「出陣にゃー!!」
愛の戦士になった生徒たちが猫バスに乗って出陣して、それを見送る避難民たちが勝利を願い大合唱。
その大合唱をカフェたちはあとにし、すごい気配のもとへ辿り着くとそこには血塗れの牧街がいた。
>「が……はが…」
「牧街さん!!だいじょうぶですか!しっかりして下さい!!」
月夜田は右手でおにぎりを頬張りながら、左手で猫バスの窓から豆を投げつける。

「みんなも、あの赤いのに豆を投げつけてー!!」
「はーい!!」
血で赤く染まった牧街にむけ、生徒たちによる豆まき大会が始まる
(○○高校の生徒たちは偏差値が恐ろしいほど低いので血だるまで真っ赤な牧街さんを赤悪魔と見間違いました)
思わぬ生徒たちの攻撃に赤悪魔は暫時、呆けていたが
「俺が赤悪魔だ俺を無視するな」といった風に胸に手をあてオーバーアクション。

「赤いのって赤悪魔のことじゃねーの?でも悪魔に豆とか効くのかよ?
そもそも月夜田が言ってた赤いのって何だよ?」

血で赤く染まった牧街を赤悪魔は兎のぬいぐるみのように髪の毛を掴んで持ち上げる。
赤いのを持ち上げる赤いのは二つの目に強い憎しみを宿し口から火をボウボウ吐いている。
辺りの民家は火の海になり滴る牧街の血で地面は血の海になっている。

赤悪魔は目を細め笑うと牧街を片手で振り回す。ミシミシと髪の毛が悲鳴をあげる。
赤悪魔は燃える民家に牧街を放り込むつもりなのだろう。

「牧街さんが振り回されてる〜!!誰か助けて〜!!」

愛情おにぎりを食べながら月夜田は天に祈る。


286 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2010/12/31(金) 01:27:16   [sage]
>283 >285
>「牧街さん!!だいじょうぶですか!しっかりして下さい!!」
「まひがいどのー!」
愛のおにぎりを口に押し込みながら叫ぶ。
一方、電話で各地に救援を要請する猫師匠。
「オカルトGメンをすぐに派遣してほしいにゃー、できるだけたくさん!」
「もしもし、すごい火事にゃ。避難民みんなで雨乞い踊りを踊ってほしいにゃ!」
二つ目の電話の相手はカフェママかカフェパパだろうか。

>「みんなも、あの赤いのに豆を投げつけてー!!」
>「はーい!!」
勢いよく豆を投げつけ始める生徒達。……牧街に向かって。
ズッコケそうになりつつ突っ込むカフェ。
「何しとんじゃあ! そっちじゃないわああああああ!」

「変身にゃ!」
もはやルーチンワークのように自然な流れで黒酢のオブジェをさっと差し出す猫師匠。
「とう!」
厨臭い漆黒の鎧をまとい、猫バスから飛び降りる。
「飛び降りたにゃ!?」
いつにも増して無謀だが、今はおにぎりの効果で愛の戦士になっているから仕方がない。
ロリータ傘を開き、ふわふわと落下していく。厨臭い鎧とはコーディネートがおかしいがそれもこの際仕方がない!
が、丁度その時牧街が放り投げられ、都合よくぶち当たった。
「ぐへ!」
当たったおかげで民家に突っ込むことは回避され、二人は少し離れた場所に落ちた。

>283
赤悪魔が迫ってくる。すぐ後ろではドリーとありみちゃんが灰色悪魔と戦っている。
まるではさみうちみたいな構図になってしまった!
「古来より酢には退魔の力がああああああああ!」
とりあえず赤悪魔に黒酢の高圧水流を発射する!


287 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2010/12/31(金) 21:02:33   [sage]
「ギャーーーーーー」
ヘソーザ様の放った破邪札を喰らい、吹き飛ぶ灰色悪魔
だがまだ息(?)があった灰色悪魔は、わさわさと張ってその場から退散する
「うう……ごめんなさい、お二人共……あれ?牧街さんは?」
二人に助けてもらったありみちゃんは、周囲を見回して、自分を助けに来てくれたはずの牧街がいない事に悲しげな表情になった
「逃げたんですね……牧街さん。お二人に私を助けるのを押し付けて……」
しかし、ヘソーザ様に説明を受け、一気にその表情は悲しみから驚愕に変わる
「牧街さん(相変わらずドリーには以下略)が一人で悪魔に!?大変!」
そう言って、催眠をとかずに慌てて両手をくっつけ、牧街を助けに向かうありみちゃん

「……危ない!!」
黒酢の高圧水流を物ともせずにカフェ目掛けて一気に迫ってきた高熱火炎から、牧街がカフェを抱きしめ、転がって回避する
ぶつかった時+抱きしめた事により、カフェの体と鎧にべっとりと牧街の血がくっつく
「…大丈夫ですか?……ありみちゃん?」
高熱火炎をカフェとともに回避した牧街は、恋愛漫画でよくある男子が女子を誤って押し倒してしまった体制でカフェに尋ねた
どうやら、出血多量で視界が暗くなり、目が見えていないらしい、ありみとカフェを間違っている
そこに、ネコバスから豆が追い討ちの様にバラバラとぶつけられてきた!

「あんな血塗れの人間が動けるわけない!」
「ゾンビだ!悪霊がとりついてゾンビ化したんだ!」
猫バスの中の学生たちは本格的に牧街を悪霊認定したようである
「これでも喰らえ!ゾンビ!」
生物災害対策愛好会(活動内容、生物災害が起こった時に備えて装備を整えたり生物災害を題材にした映画を見たりゲームをしたりする)の部員が魔改造したモデルガンを引き抜いて、牧街目掛けて撃ってきた

「げっぱら…」
バスンバスンと次々命中するBB弾と、野球部主将の投げる剛速球の豆に再び沈黙させられる牧街
ばったりとカフェに覆いかぶさるように倒れ付し、はっきり言って動けなくて邪魔だ

「牧街さん!!それに、カフェさん達も!」
そこに、ありみちゃんが到着した
ありみちゃんは巨大な赤悪魔と、倒れ付す牧街と押し倒されているカフェに息(してないけど)を呑む

(どうすれば…そうだ!)
「ヘソーザさん!牧街さんに乗り移ってください!」
唐突に、わけのわからない事を言うありみちゃん
困惑するヘソーザ様に、ありみちゃんは言葉を続ける
「牧街さんの体と魂には今まで様々な悪霊と戦ってきた記憶と、悪霊達の動きが入っています
その牧街さんの体に刻まれた記憶と、牧街さんの霊力を、半分死んでいる今ならヘソーザ様は吸収する事ができるかもしれません!
そうすればヘソーザ様はドリーさんと牧街さんの二十のパワーを一時的に得て、なおかつ牧街さんが戦ってきた妖怪や悪霊の動きをトレースする事が…
あー…要するに、ヘソーザ様は牧街さんに一回乗り移って出てくる事で一時的に凄まじいパワーアップする事ができるんです!この場の誰よりも強い位に!」
説明している間に赤悪魔が牧街達に迫る
オカルトGメンも雨乞い踊りも間に合いそうにない

「お願い!ヘソーザ様!戦ってぇ!!」

ありみちゃんは催眠術を無意識に発動するほどの心からの言葉を、ヘソーザ様に投げかけた
ヘソーザ様には催眠術は効かないだろう
だが、後ろのドリーの心には、響くかもしれない


288 : ドリー&ヘソーザ様 ◇tdRFpd9hXw    2010/12/31(金) 23:39:27   [sage]
>>286>>287
ドリーの体に入ったヘソーザ様の投げた札が灰色の悪魔に当たり、灰色の悪魔は退却する。
ヘソーザ様は牧街がこの場にいない理由をありみに話した。
ありみはドリーにかけた催眠を解かずに、牧街を助けに行く。
ヘソーザ様達もついて行った。

>「牧街さん!!それに、カフェさん達も!」
現場についた時には、カフェと死にかけの牧街がいた。

>「ヘソーザさん!牧街さんに乗り移ってください!」
>「お願い!ヘソーザ様!戦ってぇ!!」
実際に都合の良いパワーアップが起こるのかは分からない。
だが、ヘソーザ様は戦う気でいた。
このまま知り合った人を見捨てる気にはなれないし、なによりもドリーにしょぼ男と思われたままでは終われない。

「おい」
『分かってますよ、牧街さんの体を少し借りさせてもらいます!』
「いえ、お前ごときがあのお方に近しい姿の方の肉体を使わないでくださらない」
ヘソーザ様は泣きながら牧街の体に入り、すぐに出てきた。
一見して変わってないように見えるが……

『ごめんなさい、私には無理でした』
やっぱりヘソーザ様はしょぼ男であった。
ドリーも鼻で笑っている。


289 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2011/01/02(日) 21:53:28   [sage]
>287-288
>「……危ない!!」
「牧街殿!?」
牧街はとりあえずまだ生きていたようだ!
>「…大丈夫ですか?……ありみちゃん?」
そうか、牧街はありみちゃんの事を憎からず思っておるのか……!
愛の戦士と化しているカフェはそう思った。
「安心せい、ありみちゃんは無事じゃ! 必ずや皆で生還するぞお!!」
ありみちゃんはゾンビなので生還というのもおかしいが気にしてはいけない。

>「あんな血塗れの人間が動けるわけない!」
>「ゾンビだ!悪霊がとりついてゾンビ化したんだ!」
猫バスの中の学生たちは本格的に牧街を悪霊認定したようである
>「これでも喰らえ!ゾンビ!」
牧街が体を張って生徒達の猛攻を阻止し、ついに力尽きた。なんという悲しき自己犠牲!

>「お願い!ヘソーザ様!戦ってぇ!!」
「ヘソーザおにいちゃん! お願い戦って!」
カフェもありみちゃんと一緒に必死に叫んだ。無意識に魅了の術を発動するぐらいに。
もはや頼みの綱は戦闘力53万(?)の彼しかいない!

>288
>『ごめんなさい、私には無理でした』
「無理じゃと!?」
ドリーとヘソーザ様が問答している間にカフェはなんとか牧街の下から這い出した。
ヘソーザ様はドリーがやる気を出さないと力を発揮できないのかもしれない。
やる気をださせるには格好のアイテムがあったはずだ。
カフェは猫バスに乗っているみことに向かって叫んだ。
「みこと殿ー! 愛のおにぎりを落としてくれ!」

キャッチしたおにぎりを、魅了の術をかけながらドリーに渡す。
「ドリーお姉ちゃん! これを食べて!」
さて、魅了の術は基本的に妹萌え、例外的に姉萌え属性を持つ相手、つまり男性に対しての技だ。
しかし。見たところドリーは大ざっぱに分ければカフェと同じ人種、つまりヲタク。
ヲタクというものはどんな萌えポイントを持っているか分からないものである。


290 : カフェ ◇YNbEhcUF/I    2011/01/02(日) 21:55:40   [sage]
例えばロリータファッション萌え、例えば鎧萌え。
メリハリのないカフェならまかり間違えて男の娘萌えにも引っかかるかもしれない。

【二行貼り忘れたので追加w あけおめ。今年もよろしくお願いします】


291 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2011/01/03(月) 21:31:14   [sage]
蒸発した黒酢でむせ返るような酢の匂いが立ち込める街の一角で
熾烈な戦いが繰り広げられていた。

猫バスから生徒たちの大声援が聞こえてくる。

「ドドド!リリリ!ドリ万歳!!」
「へへへ!ソソソ!ザ万歳!!」

「がんばってーみんなー!」
猫バスの窓から豆粒みたいに月夜田の顔がのぞく。

【あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします】


292 : 牧街 ◇FFJ0hVL3il8R    2011/01/05(水) 14:30:48   [sage]
ヘソーザ様の失敗に、ありみちゃんも沈痛な表情になる
(そうだ…
今まで月夜田さんやカフェさんが平然と奇跡を起こしてたから…忘れてた
一発逆転の奇跡なんて早々起こるはず無い)
素人のヘソーザ様にいきなり大技を頼んでも、失敗するのは当然であり
ありみちゃん的にもう赤悪魔を倒す術は思いつかない
幸い、オカルトGメンも向かっているらしいので、無理に自分達が赤悪魔と戦う必要は無いのだ

「グワォーーーーー!!」
生徒達の大声援に、赤悪魔は猫バスの存在に遂に気づき、腹立ち紛れに高熱火炎を吹きかけてきた!
「ぶにゃ〜〜〜!?」
突然の攻撃に、猫バスは慌てて回避するが、尻尾に火がついてしまう
「にゃーーーー!!にゃーーーーーー!!」
びっくりして火を消そうとする猫バスに、赤悪魔はふわりと飛び上がると、強烈なドロップキックを叩き込んだ
「げぶっ」
「わーーーー」
「きゃーーーーー」
どっかの家の塀に叩きつけられ、昏倒する猫バスから、慌てて生徒達が脱出する
「え!?俺達何で外にいるんだ?」
「キャーーーーいやーーーー助けてーーーー」
自分達が危機に瀕した事で愛の戦士パワーは死の恐怖に飲み込まれて消滅し
慌てふためいて蜘蛛の子を散らすように逃げていく生徒達

(私が間違ってた
勝つ事なんて追求する必要は無かったんだ
ここは逃げ…)
「ふふふふふ…はーーーははははははは」
「へ?」
ありみちゃんがやむなく逃走の道を選ぼうとした
その時
血みどろでぶっ倒れていた牧街がむっくりと再び起き上がり、高らかに笑い出したではないか

「今までのは痛かった…痛かったぞーーーーーーーーーーーー!!」

「大変!牧街さんの方が催眠に!」
「絶対許さんぞムシケラ共!じわじわなぶり殺しにしてくれる!!」
「駄目!牧街さん!あなた絶対安静…」
「ひでぶ!」
何をどう間違ったか
牧街がヘソーザ様と化し、勝ち目の無い戦いを赤悪魔に挑みだして更にボコボコにされ始めてしまった
思いもよらない事態に、ただおろおろするしかないありみちゃん


293 : ドリー&ヘソーザ様◇tdRFpd9hXw    2011/01/05(水) 20:46:41   [sage]
>>289-292
>「ドリーお姉ちゃん! これを食べて!」
カフェから渡されたおにぎりをじっと、ドリーは見つめる。
まん丸おにぎりに海苔が一枚。
海苔を上にすればフ〇ーザ様の頭である。
ドリーは歓喜の涙を流しながら、フ〇ーザ様の頭(に見えるおにぎり)を食べた。
フ〇ーザ様の愛情はヘソーザ様に伝わり、彼の力となる。

>「ドドド!リリリ!ドリ万歳!!」
>「へへへ!ソソソ!ザ万歳!!」
>「がんばってーみんなー!」
応援はヘソーザ様の心に響き、ヘソーザ様の目は前を向く。
みんなの期待に応えたい。
ヘソーザ様の闘志はまだ火がついている。
しかし、ヘソーザ様達への応援は赤い悪魔にも聞こえている。
故に、状況はさらに悪くなってしまった。

『この野郎!』
ヘソーザ様が生徒を襲おうとする赤い悪魔に立ち向かいに行く前に、牧街が再び立ち上がる。

>「今までのは痛かった…痛かったぞーーーーーーーーーーーー!!」
>「絶対許さんぞムシケラ共!じわじわなぶり殺しにしてくれる!!」

「フォオオォォッ!!!!!」
まだ牧街がヘソーザ様に見えるドリーは大興奮。
ヘソーザ様が普段はやらないようなフ〇ーザ様の真似をしたのだ。
興奮のあまりにドリーは鼻血を噴出する程だ。
そして、ヘソーザ様もあることに気づいた。

『私の体が力に満ちている……?』
ドリーのフ〇ーザ様に対する愛情で生まれたヘソーザ様は、ドリーがフ〇ーザ様に激しく萌えれば萌える程、ヘソーザ様は力を増すのだ。

『これならば、私も力になれます!
今、助けに行きますよ!牧街さん!』
ヘソーザ様は赤い悪魔にやられている牧街を助けに行こうとするが。

「あぁ、やられている姿も可愛らしいわ」
物事には何事にも限度がある。
過剰に伝わった愛情という名の力は尻から出る。

『うわぁぁぁぁ!』
ヘソーザ様は尻から愛情という名の力を噴出し、まるでロケットのように勢いよく飛んで、牧街を襲う赤い悪魔の胴体に激突したのであった。

【ちょっと遅いですが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね】


294 : 月夜田みこと ◇U9eiwn/wgU    2011/01/07(金) 16:49:48   [sage]
家屋の火炎で揺らぐ陽炎の中、邂逅した二つの影。
風を切る唸りと肉のぶつかり合う音が同時に鳴り赤悪魔の巨体から夥しい量の体液が噴出する。

「ゲ…ゲ…」

なんと赤悪魔の尻にヘソーザ様が突き刺さっていた。結合部から垂れ流れているのは粘性の高い謎の液体。
ようするにへソーザ様の攻撃を避けようと跳躍した赤悪魔の尻にヘソーザ様が突き刺さったのである。

穴から両足だけを突き出しているへソーザ様の様相は馬の出産シーン、もしくはロケット鉛筆を彷彿させ
愛のヘソーザ様を挿入された赤悪魔は身を捩じらせて悶絶し叫びあがるように口から炎を吐き出していた。

「なんてこと…」
倒れた猫バスから月夜田がヨロヨロと這い出して力なく言葉をもらす。
悶絶し暴れ狂う赤悪魔の足下でボロ雑巾のように踏みつけられている牧街。
それをオロオロしながら見ているありみちゃん。

>【二行貼り忘れたので追加w あけおめ。今年もよろしくお願いします】

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」
月夜田は新年の挨拶も忘れないでカフェたちにご挨拶。
猫師匠とぺこぺこしやっこしているうちにへソーザ様は赤悪魔の体内に完全に飲み込まれてしまっていた。
しかしその間もヘソーザ様の尻から愛情という名の力は噴出し続けられていて
赤悪魔の下腹部は焼いたお餅のように膨れ上がってきている。否、下腹部どころか全身がぷくぷくと膨れ上がってきている。
「正月太り!?」
それは違った。赤悪魔の首筋や背中から無数の幸せそうな小鬼の顔が浮き出しては小鬼の頭からさらに小鬼の顔が浮き出し
笑った顔が怒ったかと思うとパンと割れて消える。その繰り返し。
牧街とヘソーザ様の融合が相乗的な力を発揮するというのなら赤悪魔も例外ではないのだろう。
憎悪と愛を内包した体は小宇宙と化し膨れては壊れを繰り返しながら爆発的に膨張していく。

「たすけてーカフェさーん!」
ありみちゃんが牧街を引きずってこちらに逃げて来ている。月夜田も急いでそばに行くと牧街の手をもって引きずった。

「牧街さんの手、べたべたする!血でべたべた!がんばったね牧街さん!」
二人に捕まった宇宙人のように引きずられながら戦闘から離脱する牧街。

今や全長30メートル。巨大な赤い肉塊となった赤悪魔のそばからみんなは逃げた。
内部のへソーザ様は大丈夫なのだろうか。否、逆に内部にいるへソーザ様にすべては委ねられたのかも知れない。

「もう、プロのGSさんたちにお任せするしかないですね…カフェさん…」
月夜田は哀しそうだけど無表情にも近いなんとも言えない顔でカフェに問う。
カフェもGSのプロなのだけど。

一方。赤悪魔の体内。魂レベルで融合しつつあるヘソーザ様の心に届く不思議な声たち。
(今年は冬厨も沸かず平和だったちな。人も来なかったけど)
(もう2chは終わコンだからTRPには沸かなかったようだちね)
(普通のなりきりはかなり沸いてたちね)
(メイデンメイデンウィンスペクタッーアッアッアッーアッアッアッーアッー!)
これは小鬼たちの心。悲しみと怒りに満ち満ちた小鬼たちの真の心。
赤悪魔の心象世界でもある闘技場で餅の早食い競争が繰り広げられる中、玉座に座った赤い男がへソーザ様に語りかけてくる。

「ひきこもりのヘソーザ様よ。この夢の世界で私と一緒に永遠にいきましょう。
ここはすばらしい世界でございます。これ小姓。いたちぞ!いたちの丸焼きを持ってまいれ!」

「へソーザ様の自由の世界!!ここはヘソーザ様の自由の世界でございます!!」
ウサギの御輿に担がれた丸焼きイタチが歌いながらやってきました。


295 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/01/10(月) 16:31:33   [sage]
>292-293
絶対安静状態の牧街が某宇宙の帝王のような台詞を吐きながら暴れまわる。
いくら某宇宙の帝王のようなセリフを吐いたところで三流のヘタレはヘタレだ!
「無茶するでない!」

>『うわぁぁぁぁ!』
あろうことか赤悪魔の尻に突き刺さり、飲み込まれていくヘソーザ様。
ある意味阿鼻叫喚の地獄絵図だ!

>「たすけてーカフェさーん!」
「もういい、お主はよくやった!」
牧街を戦闘から離脱させ、逃げる一同。

悪魔は30メートルにまで巨大化し、辺り一面焼け野原。
これは本気でスレ終了のお知らせか!?
>「もう、プロのGSさんたちにお任せするしかないですね…カフェさん…」
しんみりと呟く月夜田に、しかしカフェは力強く答えた。
「……否! 我々にも出来る事はあるぞ。ヘソーザ様は今あの中で凄まじき精神戦を繰り広げておる!
精神戦においては心が全て! 我々が応援してやれば声が届くかもしれぬ!」
「メガホンにゃ」
カフェは師匠からメガホンを受け取り、大声で応援を始めた。
「お兄ちゃん! そんな奴に騙されないで!」
お兄ちゃんと言っているが、今回のコンセプトは妹ではなく弟。確かヘソーザ様の元ネタには弟がいたはずだ。

さて、視点を赤悪魔の中の心象世界の闘技場に切り替えてみよう。
「お兄ちゃん! そんな奴らに騙されないで!」
ヘソーザ様の前に、彼の元ネタの弟っぽい何かが現れた!
「お兄ちゃんを必要としてる人がいる……一緒に帰ろう!」
ヘソーザ様の手を取る、弟っぽい何か。
「お兄ちゃんは幸せだよ、あんなに愛してくれる人がいて。
僕がその人だったらいいのにな。そしたらずっと一緒にいられるのに……!」
どさくさに紛れて弟っぽい何かがヘソーザ様に抱きつく。
応援するはずが、カフェが途中でうっかり調子に乗ってしまったようだ。これは酷い!


296 : ヘソーザ様 ◆ tdRFpd9hXw    2011/01/13(木) 23:40:57   [sage]
>>294->>295
「何なんですか、この混沌とした有様は」
ジェット噴射のような勢いで赤い悪魔に突っ込んだヘソーザ様は、気がついたら見知らぬ場所に立っていた。
闘技場の真ん中でポツンと一人で、心の中に響く謎の声と、目の前で繰り広げられる早食い競争に困惑しながら、立っていた。

>「ひきこもりのヘソーザ様よ。この夢の世界で私と一緒に永遠にいきましょう。
>ここはすばらしい世界でございます。これ小姓。いたちぞ!いたちの丸焼きを持ってまいれ!」
>「へソーザ様の自由の世界!!ここはヘソーザ様の自由の世界でございます!!」
闘技場の観客席に設置された玉座に座る赤い男が、ヘソーザ様を夢の世界に誘う。
丸焼きにされたいたちが自由の世界だと強調する。

「まぁ、こんなヘンテコな状況は夢としか思えませんよね。
私は夢なんて見たことがありませんけど」
ヘソーザ様は夢の世界になんて居座るつもりは最初から無い。
どんなに貶されようとも、ヘソーザ様の居場所はドリーの隣だけである。

>「お兄ちゃん! そんな奴らに騙されないで!」
ヘソーザ様が可愛らしい声に振り返ると、彼の元ネタの兄がいた。
幸いなことにメタル化はしていない、可愛らしいク〇ラだ。
姿は筋骨隆々な最終形態。
非常に不気味である。

>「お兄ちゃんを必要としてる人がいる……一緒に帰ろう!」
〇ウラは物凄い力でヘソーザ様の手を引っ張る。

>「お兄ちゃんは幸せだよ、あんなに愛してくれる人がいて。
>僕がその人だったらいいのにな。そしたらずっと一緒にいられるのに……!」
そして、クウ〇はその物凄い力でヘソーザ様の細い体を抱き締めたのだ。

「うぎぎぎぎ……死ぬ……ドリー……たす……けて……」


297 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/01/15(土) 04:30:44   [sage]
【ごめんなさい、寝坊しました】

「こいつめ!邪魔をするな!」
ヘソーザ様に抱きつくク○ラに、赤い奴が光の弾を背中に叩き込んだ
「…死にたいようですね」
「ふふふ、相手になってやるぞ」

ヘソーザ様をかけて、絶対GS美神の世界の動きじゃないスピードでバシバシ格闘戦を行いだす2体

「喰らえい!!」
「何だそんな物!ハァーーー!」

爆音轟き、二体の放つ光線で精神世界はぶっ壊れていく
当然、脱出の術なんか無いヘソーザ様はそれに巻き込まれて死ぬしかない


一方現実世界
固唾を呑んで戦いを見守る一同の後ろに、黒いフードを被った大鎌持った骸骨が立った
……とうとう牧街にお迎えの方が来てしまったのだ
「…牧街モリオよ、天は汝の魂を迎えよう、さあ、私と一緒に行こう」
そう言って、牧街の魂をすぅっと体から抜き出す死神
牧街の魂は呆然と彼に連れて行かれる
「だ…駄目です!牧街さんを死なせないで!このスレは人死禁…」
「そんなルールは無い、アレは元々そんなバシバシ人死にが出る原作じゃないからその事をわかってもらうために入れた文だ
原作でも死者は出ている
第一ここまでやられては、私が迎えに来ずとも、逝ってしまうだろう」
止めに入るありみちゃんにそう言い切り、作業を続行する死神
「確かに…死神は神の定めた運命どおり生きた人間を天界に導くだけの単なる天への導き手で、人の生き死には運命に関係なく人の行いによって決まる
そして…死神が連れて行った人間は死後の安息は保障されるって聞きましたけど…
それじゃ牧街さんは運命どおり…」
「いや、それは違う、私は別所で天寿を全うした者を連れ帰る帰り、偶然立ち寄ったのだ
しかし、この者はもう助からない、この男は勇敢に戦った、このまま魂を彷徨わせるには余りにも哀れである
ここで、安らかに眠らせてやりたい」
確かに、牧街の傷はこれまでで一番酷い
如何に牧街でも、これだけ酷ければ流石に…

「……待ってください、死神さん」
と、死神に手繰り寄せられた牧街の魂が、死神に語りかけ始めた
「俺を連れて行く手間を、ヘソーザ様を救うために使って下さい!」
「!?何を言うんだ、そうすれば君は魂の安息を失い、苦しみ彷徨うことになるんだぞ!」
驚愕する死神に、牧街は凛とした表情で言葉を続ける
「俺は…俺は死にません!死なないように頑張ります!それに、ヘソーザ様が死んでしまったら、ヘソーザ様を愛している一人の女性が苦しんで、自殺してしまうかもしれない」
「…」
牧街の言葉を聞いて、死神は少し考える
「お願いします!…彷徨う事になっても、俺には………いや、そんな事より!お願いします!」
「…………」

死神はおもむろに鎌を振り上げ…

「承知した」
カフェ達を襲おうと迫っていた灰色悪魔を一刀両断に切り伏せ、消滅させ
返し刃で赤悪魔だった物を叩き切った
「……これでいい」
そう言うと、死神はすぅっとその場から消滅した

「良かった……ヘソーザ様…」
そう言って、牧街の魂も体へと戻る
と言うかそろそろ医者に連れて行かないとマジで死にそうである


298 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/01/15(土) 20:21:55   [sage]
死神の鎌によって斬断された巨大な赤い肉塊。
切断面からは血飛沫があがり濃灰色のアスファルトを一瞬で血に染める。

「ヘソーザ様は?たすかったの?それと牧街さんは大丈夫?
死神は牧街さんが彷徨い苦しむって言ってたけど…それって生前の牧街さんの人生と変わりないじゃん!
でもたとえ虫けらでも生きてたほうが少しはましよね?止血して早く病院に運ばなきゃ!」

と月夜田みこと。交通機関は依然麻痺しているし街は怪我人で溢れかえっている。
赤悪魔に蹴られた猫バスもまだ気絶している。事態は八方塞。

それでも諦めないありみちゃんはスカートの裾を引き裂いて止血のための紐をつくる。
そのぶんスカートは短くなって扇情的な姿になるありみちゃんだったけどお構いなしに
太ももがザクロのように割れている牧街の太ももの付け根をぎゅっと縛って止血する。

「あ!鼻からも血が!首を縛って止血しなきゃ!」
月夜田はいきなり鼻血を出した牧街を見て、ありみちゃんからもう一本紐をもらうと牧街の首を縛る。
牧街はとうとう口から泡を吹き出した。鼻血は止まったけど息も止まったのだ。

それを牛乳瓶の蓋のようなメガネをかけた白衣のおじいさんが見ている。

「うひょー。このなかにお医者さまはいませんかー?はーい。お医者さまはぼくちゃんだぞ。ぼくの名前は毒田一(どくだはじめ)
それはそうとここらへんに死神ちゃんいなかった?天国逝きツアーに逝きそびれちゃったんだぞ!ぼくちゃん!」

「お医者さま!?それならこの人を助けてください」とありみちゃん。

「残念だけど今のボクちゃんには肉体がないんだぞ。すぐ近くにボクの病院もあるけど開業医だから医者はボク一人。でも誰か肉体を貸してくれたら手術できるんだぞ」

そして牧街は毒田一の病院に運ばれた。手術室は妖しい装置だらけで機械仕掛けの小鳥やネズミが飼育箱でチュンチュンちゅーちゅー騒いでいる。
部屋の中央には巨大なコントローラー。牧街は部屋の中央の液体で満たされた筒の中に全裸で漬けられた。

「ではボクちゃんはこれからその女子に乗り移るんだぞ」毒田はカフェを指差す。
「安心するんだぞ、手先の器用さなんて関係ないんだぞ。あの巨大コントローラーの上に飛びのって上上下下左右左右ABってボタンを踏んで、赤牧街青牧街メカ牧街って叫ぶだけなんだぞ」

毒田はカフェに憑依しようと飛びかかった。だが光に包まれ消えた。死神がお迎えに来て連れていったのだ。

「お医者さんの霊、消えちゃった。ねーカフェさん。やっぱり普通の病院に行こ。
これって絶対妖しい…錬金術っぽいし牧街さんがメタル牧街になったらヘタレじゃなくなっちゃう!」

いっぽうそのころ赤悪魔の汚れた魂の欠片はヘソーザさまのお尻の割れ目に挟まり反撃の時をうかがっていた。

【先の展開はほとんど考えていないので軽く流していただいてもいいですよー】


299 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/01/18(火) 00:39:57   [sage]
>296
おもむろに猫師匠が重大な事実を指摘する。
「ところでク○ラはフ○ーザの弟じゃなくて兄にゃ」
「なぬう!? 勘違いしておった!」
実はド○ゴンボールネタにあまり詳しくないカフェであった。

>「うぎぎぎぎ……死ぬ……ドリー……たす……けて……」
そのせいか、ヘソーザ様は苦戦しているような気がするのであった。
「すまぬ、妾が間違えたばかりに……!」

>297
>「喰らえい!!」
>「何だそんな物!ハァーーー!」
苦戦どころかもっとひどいことになっている気がする。

>「…牧街モリオよ、天は汝の魂を迎えよう、さあ、私と一緒に行こう」
「えらく古典的な死神がきよった! 初めてみたわ!」
「ツッコミどころ違うにゃ!」

この世界の死神は結構話が通じるらしかった。
>「良かった……ヘソーザ様…」
「死神グッジョブ!」

>298
>「ヘソーザ様は?たすかったの?それと牧街さんは大丈夫?
死神は牧街さんが彷徨い苦しむって言ってたけど…それって生前の牧街さんの人生と変わりないじゃん!
でもたとえ虫けらでも生きてたほうが少しはましよね?止血して早く病院に運ばなきゃ!」
「そうじゃ! 牧街どのは毎日退屈しなくてそれなりに結構楽しく生きておるぞ!」
本人がほぼ意識不明なのをいいことに言いたい放題であった。

>「あ!鼻からも血が!首を縛って止血しなきゃ!」
「ぎゃああああああ! 死ぬ死ぬ!」
そこに現れた救世主。都合よく現れた自称医者の霊である。

>「ではボクちゃんはこれからその女子に乗り移るんだぞ」
>「安心するんだぞ、手先の器用さなんて関係ないんだぞ。あの巨大コントローラーの上に飛びのって上上下下左右左右ABってボタンを踏んで、赤牧街青牧街メカ牧街って叫ぶだけなんだぞ」
「なるほど、それはいい考えじゃ! よし、乗り移れ!」
ノリノリで憑代になろうとするカフェ。だがしかし、医者の霊は死神に連れて行かれてしまった。

>「お医者さんの霊、消えちゃった。ねーカフェさん。やっぱり普通の病院に行こ。
これって絶対妖しい…錬金術っぽいし牧街さんがメタル牧街になったらヘタレじゃなくなっちゃう!」
「うーむ、ヘタレじゃない牧街殿などもはや牧街殿ではないのう。どうしたものか……」

途方に暮れていると、窓の外から熱い視線を感じた。
そう、後手キャンされてから存在を忘れられていた若林春日だ。
「牧街の君、こんなところにいたでやすかー、迎えにきやした!」
窓をぶち割って突入してきた。
「ぎゃあああああああ! 火事場露出狂じゃああああ!」
そんな叫びにかまわず、若林春日は牧街を抱え上げて再び窓から飛び出す。
「こんなにボロボロになって……。さあ、愛の逃避行をはじめやしょう!」
それを見てカフェは言った。
「どうやらあの者が病院に連れて行ってくれるようじゃ」


300 : ドリー&ヘソーザ様 ◆ tdRFpd9hXw    2011/01/18(火) 01:36:00   [sage]
>>297->>299
色々と何かがあって、ヘソーザ様も助けられ、ドリーも妄想から戻ってきた。
今は怪しい病院にたどり着き、牧街の治療を行うことになってたのだが、治療を行う医者の霊が消えてしまい、普通の病院に行くことになった。

>「こんなにボロボロになって……。さあ、愛の逃避行をはじめやしょう!」
ムキムキの変態が乱入して、牧街がさらわれて、催眠の解けてないドリーがその姿に興奮して、またもやヘソーザ様がジェット噴射を行います。
直に受けた赤い悪魔は吹き飛んでどっかに行きました。

『助けてぇえ!!!』
「黙って追え」
ドリーはその機敏さがどこから出たのか、ヘソーザ様に飛び乗って、牧街を追いかけるのだった。


301 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/01/22(土) 16:32:08   [sage]
【申し訳ありません、遅れました】

そんな積極的に恋人に接していくキャラじゃ無いはずの若林春日が突如度の過ぎる積極性を示して牧街を掻っ攫ってしまった!
モチロン、彼が行く先は病院などではない
「むふふふふ、はぁはぁ…牧街の君、我が家にてしっかり手当てして…」

バシン、と牧街の腕が力一杯若林の股間に叩き込まれた

「ふごっ!?」
突然の衝撃に白目を剥く若林に、牧街は不気味ににやりと微笑んでみせる
「ははははははは!私の勝ちだああああああああああああああああああああ」
どうやら、まだ赤悪魔と戦っている気でいるらしい
「ふ…ふふい…痛い、おいたが過ぎますぞ、牧街のき…」
「地獄へ帰れ!!!!!」
股間に叩き込んだ拳から、霊力が叩き込まれ、股間に命中していた対戦車超強力破邪札を起爆させる

「ひ…ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ」


若林の叫びと共に、強力な爆発が二人を包み込み
それと同時に、非常事態警報解除のサイレンが街に鳴り響いた


全てが終わり
爆発のあった箇所にカフェ達が追いつくと、偶然近くを通っていた巡回中のパトカーに、黒こげの若林が保護される所だった
しかし、そこに牧街の姿は無い
と、そこに来て唐突にドリーの催眠を解いていない事を思い出したありみちゃんは、とりあえずドリーの催眠を解除しておく「
「…ごめんなさいね、つらい思いをさせて」
牧街の消失で気落ちした表情をしているありみちゃんだったが、しっかりヘソーザ様に謝ると、すぐに牧街を捜索し始める
「牧街さーーーん!出てきてくださーーーい!」
「皆も手分けして探すニャ!おーい牧街殿〜〜〜!」

必死の捜索むなしく、牧街は見つからない

あの怪我で凄まじい威力の破邪札を使ったのだ、最早跡形も残っていないのだろう……

しかし、そんな雑草の様なGSの消失など誰も知らず、気にとめず、やがて警報解除を喜びながら、街の人達がぞろぞろと戻ってきて、皆で復興作業を開始した

「牧街さーーーん!」
「牧街ーーー!」
途中から連絡を受けた恐山流除霊道場の牧街の同僚、後輩たちや、道場から連絡を受けた牧街の友人達、警察も加わって牧街の捜索が夜中まで行われたが
とうとう、牧街が発見される事は……無かった


【はい、っつーわけで魔族襲撃編はおしまいっす!皆さん参加ありがとうございました!次も頑張りやしょうぜ!】


302 : ドリー&ヘソーザ様 ◆ tdRFpd9hXw    2011/01/22(土) 23:36:08   [sage]
>>301
『何なんですか、あの爆発は!』
「うるさい、役立たずが」
途中まではヘソーザ様のジェットで飛んでいたのだが、次第に供給される愛情が途切れ、地面に墜落してしまった。
さらわれた牧街も見失ってしまい、暴走しているドリーを宥めながら、進んでいた方向に歩いていた。
しばらく歩いていた後、前方からとんでもない爆発が見えたのだ。
ヘソーザ様達は爆発の現場まで急いでたどり着くと、そこには黒こげになった牧街をさらった男がいたのだ。
しかし、肝心の牧街が見当たらない。

『牧街さーん、どこですかー?』
「何、新しいボケ?」
ヘソーザ様は消えた牧街を見つけるため、周囲を探してみたが、見当たらない。
しばらくして現場に戻って見ると、みんながいた。

>「…ごめんなさいね、つらい思いをさせて」
今になって、ドリーの催眠が解けた。
正気に戻ったドリーは顔を真っ青にして、ヘソーザ様の方を見た。

『私の元ネタ抜きでのあなたからの評価が、実によく分かりましたよ』
「!」
ヘソーザ様は実にいい笑顔でドリーに言うと、体をビクッとさせて、この場から逃げ去ってしまった。

『ドリー!待ってくださいよぉ!』
ヘソーザ様は逃げるドリーを追いかけて行く。
ドリーとヘソーザ様の鬼ごっこは三日三晩続くのであった。

【楽しかったです、皆様ありがとうございました。
私は次は別のオカルトネタキャラで挑ませてもらいます。
この次もよろしくお願いします】


303 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/01/27(木) 01:27:21   [sage]
【みなさまお疲れさまでした。次のお話も楽しみにしています】

304 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/01/27(木) 01:27:38   [sage]
【みなさまお疲れさまでした。次のお話も楽しみにしています】

305 : 名無しさん。もっと、熱くなりきれよ!    2011/01/27(木) 10:38:55   [sage]
大事なことだから二回言ったの?

306 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/01/27(木) 23:53:25   [sage]
>31
カフェは、黒焦げで運び出された変態をがくがくゆすりながら詰め寄った。
「こりゃ変態! 牧街殿はどこじゃ!?」
当然、警察とかに引き離される。
「やめてください! 重傷なんですよ!」

必死の捜索も空しく、牧街は見つからず、静まり返った街にカフェの叫び声が響いたそうな。
「牧街殿おおおおおおおおおおおお!」

【皆の衆GJじゃ! この度も楽しかったぞ!
こっ、これは連載漫画で使われる惹きってやつではないか! 牧街殿の命運が激しく気になるぞー!】


307 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/01/28(金) 20:15:40   [sage]
次の話を始める前に、参加者の皆さんに、一つ


申し訳ありませんでした!!!


今回、俺、自分の思い通りに行かないところが多々あって、それで感情に任せて酷い内容のレスをし、月夜田さんやカフェさんに不快な想いをさせてしまったと思います
申しわけありません
TRPGは、大勢の人々が協力して作る物であり、協調性の無い、一般の感覚を持たない俺が、自分のシナリオばかりを前に出して、他の方が楽しめるわけがありませんでした
俺のシナリオスゲーーーあたらしいいいいいと悦に浸り、参加者の顔ぶれを考え、そこからベストなシナリオを考え、各々が考えたNPCに合わせてシナリオ展開を行う
そんな「TRPGをスムーズに進ませ、面白くする」と言う基本的な理念が欠如してました
次は、こんな事が無いように、頑張ります
どうかこれからも、おつきあいしてやってください


308 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/01/28(金) 20:34:58   [sage]
【で、俺は気づいた分です
シリアスな展開がしたいなら、「初っ端からシリアスな展開」で行くのではなく「見るからに馬鹿馬鹿しいものによって物凄い命の危機にさらされる」事の方がこのスレ向きであり、又、GS美神的である、と
そんな分で新シナリオ、行きます!!】


「はぁ?お化けが墓場で運動会の準備してる?」
オカルトGメンのオフィス
真夜中にかかってきた一本の電話の余りの内容に、担当の職員は思わず怪訝な表情になった
「…はいはい、えぇ、わかりました、えぇ……見間違いって言葉ご存知ですよね?
は?いやいや、あなたがそれを見た事は信じてますよ、しかしね、そんな…
もう一回確認して見て下さい、それじゃ、えぇ」
そう言って、受話器を置いた職員は、何事だと聞いてきた隣に座る上司に、一言
「春に多い人からでした」
とだけ応えた

「何ぃ?お化けが墓場で?冷やかしか?ん?冷やかしなのか?あ?」
恐山流除霊道場アジア本部
同じ内容の電話に、電話番の訓練生が帰ったため応じた恐山師範は相手に対して怒りをあらわにすると、力一杯切ってしまった
「荒れてるな、師範」
「まだ何日も経ってないからな…牧街の死から」
その様子を見ていた夜勤の恐山流GSが、その様子から師匠の心中を察し、沈痛な表情になる
道場内において、「免許所持のGS」は辛い訓練を共有した親しい仲間であり
それは牧街だって例外ではない
そして恐山流のGS達は知っている、恐山断弦がどれだけ配下のGSを大切に思っているかを…


「お化けがXX県XX市のXX墓地で運動会しようとしている」
そんな信じがたい、又運動会しようとしているからどうなんだと言う内容の電話が、その夜、各地のGS達とオカルトGメンの元に次々とかけられていた
その多くはシカトされたが、中にはその信じがたい電話を信じ、墓地に急行するGSもいるだろう

そう、例えばほら、あの流派の人達とか…


309 : 名無しさん。もっと、熱くなりきれよ!    2011/01/30(日) 02:26:05   [sage]
もうなな板の方にスレは立てないの?

310 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/01/30(日) 13:46:02   [sage]
>307
「な、なんだってー!? 謝る事なんてないよ! それよりこっちこそ引っ掻き回してごめんね!
避難所を作ってこまめに打ち合わせしながらやる方法もあるよーと提案しておきます」
牧街死亡(?)のショックからか、意味不明な事を口走っているカフェであった。
「気をしっかりもってください!」
と、今回はカフェの事務所に入り浸っているありみちゃん。
「そうにゃ! 牧街君はきっとどこかで生きている気がするにゃ!」

>308
「ん? 師匠ではないか。いつからそこにおった?」
「気を取り直して依頼にゃ! お化けと一緒! 墓場で大運動会にゃ〜!」
かくかくしかじか。
「なんと!それは妾の先祖が眠っておる墓場ではないか!
墓場で運動会などされたらご先祖様も騒がしくて眠っておれんわ!」
「今回は見るからにギャグシナリオだし早速みことちゃんも誘っていくにゃ」


311 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/01/31(月) 13:35:49   [sage]
牧街モリオの喪失に、心にぽっかり穴のあいた月夜田みことはXX県XX市に傷心旅行に来ていた。
そう××県××市。偶然にもおばけの大運動会が間もなく開かれるという怪情報が流された場所。
「へあっ、ふぁふぅ〜」
身体に染み入る熱気にうめき声をあげながら月夜田は湯船に体を沈ませる。白い湯気が頬にかかる。
ここは旅館の露天風呂。

「牧街さんが死んじゃったなんて信じられない。死体も見つからなかったしさ…。きっと生きてる…
プラナリア以上クマムシ以上の生命力をもってるんだからあの人…」

目を閉じると思い出の中の牧街が走馬灯のように浮かんでは消える。
ふご!ひぎゃ!ぐぎゃああああああ!!逃げる牧街…。ふるぼっこにされる牧街。
そんな姿しか思い浮かばなかった。

「えッ!?」
突然、熱い湯船の中で悪寒が走る。背中に気配を感じる。
(何かいる!!こっちを見てる!!)
珍しく月夜田の霊感が働き、くるりと振り返ると露天風呂の壁の淵にずらりと並ぶ白い顔。
明らかにこの世のものではなかった。
「きゃああああああああ!!」
湯船から飛び出した月夜田は脱衣所で慌てながら浴衣を羽織ると携帯電話を片手に本館までの長い長い道を走る。
(おばけでた!!)
ピロピロピロピロリン♪
握り締めた携帯電話から着信音。状況が状況なだけに着信音にもギョッとした月夜田だったが通話ボタンを押せば猫師匠の声。
内容は>>308-310に書いてあることだった。

「ちょっと猫師匠!私その○○県○○市にいるんですけど!露天風呂でおばけが出たんですけど!」
パニックになった月夜田は旅館の本館へ帰る道を間違えて露天風呂の裏に出てしまう。
「…ひええっ!!」
冷やりとした風が頬をなで、足下から伝わる霊気に立ちすくむ月夜田。
なんとそこは見渡す限りの墓場だった!

【>牧街さんへ。自分のレスもみなさんに甘えすぎて自由過ぎちゃったと思います。
反省しています。ほんとうにごめんなさい。>カフェさん、誘われるまえに墓場に行っちゃった〜】


312 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/02/03(木) 02:31:34  
ごめんなさい、今週は休ませてください
来週から、始めたいと思います


313 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/02/05(土) 22:33:28   [sage]
>311
>「ちょっと猫師匠!私その○○県○○市にいるんですけど!露天風呂でおばけが出たんですけど!」
「にゃに!? 先に一人で行ったのかにゃ!?」
プツンッ、ツーツー
みことがパニックになった事により、通話が切れる。
「今すぐ行くにゃ! みことちゃんが危にゃい!」
××県××市に向かって、猫バスが飛ぶ!

>312
了解でーす、急ぐ必要もないので気にしないでくださーい。


314 : 名無しさん。もっと、熱くなりきれよ!    2011/02/10(木) 18:59:28   [sage]
へい、3日ルールはどうしたい?

315 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/02/11(金) 03:45:29   [sage]
【おまたせいたしました】

依頼者との待ち合わせ場所にたどり着いたカフェ達
そこにいたのは、やる気の無い目つきの男だった
「ゴーストスイーパーの方ですネ、来てくれてありがとうございます、助かります」
棒読みでお礼を言うやる気の無い目の男
「私はこの墓場の隣の工場の者です、運動会やられると帰り道の治安が悪くなってたまりません、何とかしてください」
「…あの…、運動会と帰り道の治安の関係は…」
「運動会で集まる霊に悪霊がいたら墓場の近くに帰り道がある私は大迷惑です、お願いします
終わったら依頼料は振り込んでおくので、頑張ってくださいね、それじゃ」
投げやりにそういうと、男は帰っていってしまった

感じの悪い男の言っていた墓場の中に入ってみると、確かに何だか騒がしい
奥に行くと、何だかやっぱりやる気の無い陰気な霊達が運動会の真似事みたいな事を恐ろしく低いテンションでだらだらとやっていた
霊達は皆結構若い

「何すかー、GSっすかー?」
と、カフェ等に気づいた霊の一人がだらだらとこちらに近づいてきた
それに伴い、他の霊も続々よってくる
かなりの数がいる上、「オタ?キモい!」とか言いそうな現代っ子達だ、魅了の術は効かないだろう
更にありみちゃんの催眠術は一対一でしか効果がない
割とヤバイ状況かも知れない

「俺ら何も悪い事してないっすよ」
「っつか悪い事しないために運動会してるんだっし!」
攻撃されると思ったのか、霊達は各々運動会モドキをしている理由を述べ始めた
「俺らー、まぁ、色々あって死んだんすけど、未練あるんすよね、未練」
「でも悪霊ってやっぱアレじゃないっすか、凶悪?」
「でー、何か達成感っつーの?そーゆー喜び死んだ後でも選べりゃいいかなって思って〜」
他にも例のあの歌の通りやってみたとか、もしかしたらあのお父さんがお目目のの方に会えるかも知れないとか思ったとか
そういった意見が出てきたが、おおむね「死んだ後でも喜びを感じれれば成仏できると思ってやっていた」と言うのが理由らしい

「で、女の子の裸見たら成仏できるかもしれねとか言って女湯のぞきに行った連中が成仏したわけなんすよ」
うっすら、霊達に悪意の様な物が浮かび始め、次第に濃くなっていく
「もしかしたら姉さんたちのすっぽんぽん見れりゃ俺たち成仏できるかも知れないっすよね」
「ひんそだけど我慢しますよ」
「GSっすからその位仕事の内っすよね?」
「脱げー!ぬーげー」
不意に、カフェの背後から霊の一匹が覆いかぶさり、カフェの服を脱がしにかかってきたのを皮切りに、霊達が一斉にカフェや月夜田達に掴みかかってきた!
絵が無いから全裸でも大丈夫なはずだとか、脱いだ後の描写飛ばせば大丈夫とか、このスレはGS美神なのにオイロケが足りないとか
口々に好きな事を霊達はほざいている
悪霊一歩手前だ!


316 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/02/13(日) 00:54:52   [sage]
カフェや月夜田達に掴みかかってくる霊たち。

>「脱げー!ぬーげー」

「ちょっとぉ!やめてょっ!!あなたたちさっきなんて言ったの!?」

「ひんそだけど我慢しますよ、っすか?」

「ちがう!そのまえ!女湯のぞきに行った連中が成仏したわけなんすよって言ってたわよね!?
あんたたちみたいな下衆な色情霊たちにとっては女湯は人生のゴールみたいなもの!
だから!そのゴールにたどり着いて女の裸を覗いたからこそ彼らは達成感で成仏できたのよ!!
オリンピックに参加もしてないのに金メダルだけ貰ったって何の達成感もないでしょ!?それと同じよ!!
いきなり裸なんて見たって成仏なんか出来ないつーの!レースよレース!女湯までレースをしなさい!」

なんだかわけのわからない月夜田理論が炸裂して…

「じゃあ今いるここがスタートラインで女湯がゴールね。ゴールで私とカフェさんは全裸で待っているから、よろしくー。
一位の人には超サービスするからね(カフェさんが)ちなみにレースは障害物競走。猫師匠が罠…じゃなくって障害物を作ってくれるからみんなはそこを越えてくるのよ」

スタートラインに多くの霊たちがたちならぶ。スタートの合図は猫師匠。

「よーい…どん!って言ったらスタートにゃ!」

ずでーん!猫師匠のお約束に派手に転ぶ霊たち。そしてドカーン!!
転んだ地面に埋め込まれていた破邪札が炸裂して数十体の霊が宙に四散する。

「ふゃ〜はじまったわね」
月夜田はにやにやしながらゴール地点の女湯から眺めている。

「カフェさん。これでいいの?」
カフェのほうを振り返った月夜田は今にも泣きそうな顔。

「カフェさん。私こわい。自分がこわいの…う、うう〜ぷくく…にぱー」

多分派手に騒げば騒ぐほどカフェのご先祖さまが起きるかもしれないから、これでいいかも。


317 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/02/13(日) 00:57:09  
>牧街さん
急ぐことないですよ。ゆっくりでいいですよ。


318 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/02/14(月) 23:30:28   [sage]
>315
「テンション低ッ!!」
お化けが運動会と言ったら無駄にハイテンションな集団を想像していただけに意外である。

>「脱げー!ぬーげー」
「ばっかもーん!」
当然だが、怒るカフェ。
「何がすっぽんぽんじゃ、すっぽんぽんはもう古い!
見えそうで見えないチラリズムこそが至高のエロスじゃ!」

続いて月夜田も自らの持論を炸裂させる。

>「じゃあ今いるここがスタートラインで女湯がゴールね。ゴールで私とカフェさんは全裸で待っているから、よろしくー。
一位の人には超サービスするからね(カフェさんが)ちなみにレースは障害物競走。猫師匠が罠…じゃなくって障害物を作ってくれるからみんなはそこを越えてくるのよ」
「なぬ!? 結局すっぽんぽん!?」

「おおっ!」
みことの作戦が功を奏し、十把一絡げに吹っ飛ぶ霊達。

>「カフェさん。これでいいの?」
「うむ、そなたはすごい策士じゃ」

>「カフェさん。私こわい。自分がこわいの…う、うう〜ぷくく…にぱー」
「全くじゃ、末恐ろしい才能じゃのう」
にんまりしながらゴール地点で待っている師弟(?)であった。


319 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/02/19(土) 04:55:24   [sage]
勝利を確信し、にんまりしている秋葉師弟
だが、彼等は知らない

エロスの秘めたるパワーを!!!

次々起こる爆発に、襲い来る霊体ボーガンに、しかし霊達は数を減らしながらも確実に前進を続ける
その動きは徐々に鋭さをまし、俊敏になっていく
厳しい競争の中で、彼等の心にある物はただ一つ

「 女 の 子 の 裸 が 見 た い !! 」

熾烈な攻撃の中で、霊達の中で、徐々に何かが芽生え、そして…恐ろしい速度で成長しつつあった…

【待たせたくせに短くてすいません
せっかくの温泉だしのんびりとカフェと月夜田のお互いの身の上話か何かしてまったり次を待っててください
実はもっと長い文作ったんすけど間違って消えてしまって…
うう…なんでエラーとか出るかなぁ…】


320 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/02/20(日) 00:10:29   [sage]
【>319
それはそれは……なんというか誠にご愁傷様じゃ。
焦らなくてよいぞ】


321 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/02/21(月) 17:11:29   [sage]
【>319自分も消えたことあります。そーなると倒れちゃいますよね…】

>「全くじゃ、末恐ろしい才能じゃのう」

「えへへへへ…」不気味な笑顔で振り返る月夜田みこと。

>「 女 の 子 の 裸 が 見 た い !! 」

「ぎゃあ!気持ち悪い!誰の声!?」
遠くの霊たちの声は霊泉の効果で月夜田の霊力が増えたから聞こえたのだろう。

少し経って不思議と身の上話とかしたくなった月夜田は湯船に浸かってカフェの隣に座る。
しかもお互いの肩がくっつきそうな距離。

(あれ?なんでこんなに近いの?それに…)
水滴に濡れたカフェは女の月夜田も見とれるほどの色香が漂っている。
(きれい…でも、きれい過ぎない?温泉の効果かな?汚いカフェさんじゃなくって、きれいなカフェさんだー…)
奇妙に思いながらも月夜田はカフェが牧街のことをどう思っていたのかととても気になった。
すると湯煙のむこうに人影が浮かぶ。なんとそれは牧街。

「ま!牧街さん!!生きてたの!?よかっ…」
月夜田は喜色を浮かべると牧街に思わず抱きつこうとしたが慌てて逃げる。
「あ、あっちいけ変態牧街!ここは女湯なの!消えろ!」
すると本当に消える牧街。

「あれ!?消えちゃったー!!」月夜田の目は驚きでまん丸だった。

「それはそれは……なんというか誠にご愁傷様じゃ」ときれいなカフェがほくそえむ。

本物のカフェは濃霧のような湯煙のなかで月夜田ときれいなカフェの会話を聞いていることだろう。
湯煙が生き物のように本物のカフェを包みこむとカフェの目の前に人影が浮かんだ。

【カフェさんを包んだ湯煙は思ったことを実体化する何かです】


322 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/02/26(土) 00:32:22   [sage]
エロス、それは未知への探究心
エロス、それは人類の未来を繋ぐ心
エロス、そしてそれは、最強の人間の心!!!
幾度と無くこの世界を救い、また、魔の存在を打ち破ってきたその力を持った若者たちの霊が、今、その心を解放し、熾烈な戦いを繰り広げていた!!

「うおおおおおおおおおおおおおはああああああああああああああだああああああああああああかああああああああああああああああ」
体に無数の霊体ボーガンを受けた霊が、しかし消滅せずに目から血涙流しながら女湯目指して前進する
その後ろからも、吸引札の吸収を踏ん張って防ぎながら、式神にガジガジ噛まれながら、霊達はそれでもまるでゾンビの群れの様に女湯目指して進撃していく

「お…恐るべきパワーニャ、…そういえば聞いたことがあるニャ!最強のGSの一人、横島忠雄は、煩悩を霊力に変える力を持っていて、それで比類なき強さを振るっていたと」
罠に苦しめられながらも必死に前進を続ける霊達の恐るべきパワーに、猫師匠も流石にたじたじである
多分今の彼等に小細工など全く通用しないだろう
現に、立ち塞がって催眠術を使おうとしたありみちゃんは暴れ牛の群れの前に立ち塞がった人間が如くバラバラに踏み散らされてしまっている

女の子の裸
それは、多くの女の子と手を繋ぐ事も適わずくたばった者にとって、まさしく、生涯をかけて目指すべき目標なのだ
一つの目標に向かって突き進む若者達
その前をさえぎれる物など、存在しない!
そう

エロスはパワーなのだ!!

ついに、先頭の霊達が女湯の真下の崖へと到達し、崖を上り始めた!
これでもし万一女湯にカフェ達がいなかったりでもしたら…

エロパワーは暴走し、半径50キロは火の海になるだろう


323 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/02/26(土) 00:57:45   [sage]
>321
謎の湯けむりがカフェに幻を見せる。
「久しぶりだね、×××」
カフェの本名を呼んだその人物は小学校時代に同じクラスにいた苛められっ子だった。
「お主は……!」

「そう、苛められて不登校になった○○○だ」
「妾は……妾はやってない!」
「その通り。君は何もやってない。僕が苛められているのを何もせずに見ているだけだった」

カフェはあまりに変人すぎてクラスで浮きはするが苛めの対象にはならないポジションだった。
なので気が付いたら苛められっこの唯一の話相手になっていたのだった。
かといって声を大にして苛めっこ達にやめろという勇気もなく悶々と過ごしているうちに
苛められっこは不登校になってそれっきり学校に来なくなってしまったのだ。

「そうか、そういえばあれがきっかけで弱い者を守るヒーローになりたいと思うようになったのじゃ……
……あやつの名前は何じゃったかのう、思い出せぬ」

気が付くと、苛められっ子のいた場所に牧街がいた。
「牧街殿!?」
「うらめしやー、お前達が変な事件に巻き込んだせいだー。この疫病神師弟め!」
「ぐわああああああ! 妾はまたしてもヘタレを犠牲にしてしまったのじゃ!」
己の罪にもだえ苦しみながら転げまわっているうちに、いつの間にか牧街は消えていた。

ふとみことの方を見ると、案の定幻と会話している!
「みこと殿、気を確かに持つのじゃ! この温泉は危険ぞ!」
みことの肩をつかんでゆする。

>322
>「うおおおおおおおおおおおおおはああああああああああああああだああああああああああああかああああああああああああああああ」
凄まじい霊圧が迫ってきた。嫌な予感しかしない。


324 : 童貞の霊になりきれ    2011/02/26(土) 01:27:49   [sage]
『うぉー!女はいねがー!全裸はいねがー!』

血と汗と涙を流しながら霊の第一斑が到着する。
生剥げっぽい台詞なのは秋田出身だからだろうか。
彼が崖に手を掛けた瞬間、トラップが発動した。
破邪札の爆風が!

『村山ー!』
『ぐあーっ! うぐっ……へっ……これくらい大丈夫さ。頭と腕さえ残ってりゃな』

村山と呼ばれた霊が下半身を吹き飛ばされながらも起き上がり、両腕の力だけで崖を上り始める。
下級霊とは思えぬほどの、信じがたい執念であった。

『俺たちにサンデー編集部なんて関係ねぇ!』
『そうだ!そうだ!』
『湯けむりや、不自然な光など掻き消してやるぜ!』
『おおーっ!』

煩悩に取り付かれた彼らは、ついに崖を登りきった。
そして鼻息を荒くしながら、一路温泉へとなだれ込む。

( ゚∀゚)o彡゚『 おっぱい!おっぱい!』


325 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/02/27(日) 23:27:26   [sage]
>「みこと殿、気を確かに持つのじゃ! この温泉は危険ぞ!」
本物のカフェに肩をゆすられて月夜田みことの体の一部がゆれる。
ゆれているのはもちろん髪。
「ふがーっ!?」
月夜田が我に帰れば綺麗なカフェの幻影は消えていた。
美しいカフェは月夜田の憧れなのか。それとも思春期の乙女の危ない幻想だったのか。

>「うおおおおおおおおおおおおおはああああああああああああああだああああああああああああかああああああああああああああああ」
ケモノのような叫び声にカフェと月夜田はすぐそばまで危険が訪れていることを知る。
慌てて温泉から逃げようとする二人。しかしまた湯煙のむこうから子供の声が聞こえた。

「…僕を見捨てるつもり?僕のことは見捨ててその女はたすけるの?」
カフェの前に再び現われたのはやはり○○○。記憶の底に沈み忘れ去られし哀しき小学生。

「不登校になってから、僕はずっと独りぼっちだった。それはそれはつらい日々だったよ。
×××にはそんな僕の気持ちがわかるかい?
友達に見捨てられてこの世界に絶望して、部屋から一歩も外に出られなくなった僕の気持ち…」

幻覚らしき小学生はカフェに寂しそうに語りかけてくる。

いっぽう霊達の恐るべきパワーに猫師匠はたじたじ。ありみちゃんはバラバラ。
ついに霊たちの温泉への侵入を許してしまう。ざぶざぶと湯船をかきわけカフェたちに迫る霊たち。
だが霊たちの前に立ちはだかったものそれは酒池肉林の幻覚。
この温泉は不思議な霊泉でもあり何かしらの理由で幻覚をみせるのだ!
きっと村山たちはすごくエッチぃものをみて成仏することだろう。


326 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/02(水) 00:34:12   [sage]
>325
>「不登校になってから、僕はずっと独りぼっちだった。それはそれはつらい日々だったよ。
×××にはそんな僕の気持ちがわかるかい?
友達に見捨てられてこの世界に絶望して、部屋から一歩も外に出られなくなった僕の気持ち…」
「妾は……妾はどうすればよいのじゃ!」
幻覚と分かっていてもカフェは平常心を失った。
「妾に出来るのはこれぐらいじゃ! すまなんだ、どうかこれで極楽に行ってくれえええええい!」
あろうことか小学生の幻覚に飛びかかって抱きついた! 全裸で!


327 : 童貞の霊になりきれ    2011/03/02(水) 19:06:25   [sage]
『女体はどこだ』
『村山隊長、発見したであります!』

崖を登った霊たちが見たのは無数の美女が湯煙の中で微笑む姿。
そう……ついに彼らは到達したのだ。
ユートピア、いや!女湯へと!

『こ、ここが桃源郷か!』
『酒池肉林バンザーイ!』
『うぬぬ……だが肝心の場所が見えーん!』

ここの不思議な効能を持つ霊泉は、迷える霊たちにも幻覚を見せた。
しかし……彼らは女体の実物を見た事が無いので、肝心の場所を想像することができなかった!
従って霊たちの脳(?)内に作られたのは不完全な幻覚に過ぎない。

『なんだ!あのモザイクは規制なのか!許せん!』
『何が単純所持も禁じるだ!規制ばっかりの世の中に絶望した!』
『こんな事なら、10年くらい前に古本屋に売ってた"北欧の美少女たち"を買っておけばよかった!
 中身が分からない上に8000円もしたから買わなかったが、今は猛烈に後悔している!
 今では絶対手に入らない物だったかもしれんというのにィィッ!』

霊たちの怒りのボルテージはマックスになりかかっていた。
が、その時……。

>「妾に出来るのはこれぐらいじゃ! すまなんだ、どうかこれで極楽に行ってくれえええええい!」

霊の集団に突っ込んでくる者があった。
全裸の偽ロリが!
幻覚の小学生に飛びかかるカフェは、霊たちの只中に入っていったのだ。
モザイク無しで!
そのあまりの衝撃に数十体の霊が瞬時に成仏し、湯煙の中にエクトプラズムの残滓を残して溶けてゆく。
だがロリに興味を持たない何体かの霊は、この程度では成仏しないようだ。


328 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/04(金) 12:03:03   [sage]
「裸や、お…おんにゃのこの裸」
「ああ…時が見える…」
「ようじょも…いいもんだな…」
興奮と喜びから、しゅうしゅうと消滅していく霊達

だが、まだまだ成仏しない根性のある(?
個体も確かに存在した
「よっしゃああああああああ見えるようになった!見えるよーになったぞォおおおお!」
「やっほい何か皆おなじよーなアレに見えるけどとにかく見える!やった!俺はやったんだ!」
…が残った何体かも、カフェのアレを見てアレを想像できるようになり、温泉の効果で現れたねーちゃんのラを見て過半数が消滅する

しかし、それでも、まだそれでも成仏しない壮絶愚か者がまだ一匹だけいた
享年45歳、独身、無職、当然童貞のオヤジの霊である
篭りに篭ったエロパワーが発散しきれず、まるでホラー映画のラスボスがダメージ受けてボロボロになりながらも、まだしっかりと大地に脚をつけていた
その戦闘妖精はなにやらぶつぶつ呟きながら、カフェに接近していく
「お…俺は…俺はまだ逝かない……俺は…俺は…」
やがて、カフェ(本物)に接近した霊は、ぐわばっっと手を彼女の前に伸ばす!!
「俺は…揉む!!おっぱいを…おっぱいを揉むぅぅぅぅぅ!!」
その時、不思議な事が起こった
戦闘妖精の放ったエロパワーが周囲に凄まじいエネルギーを発散し
周囲に結界に似た球状のバリアーを展開したのだ!
猛烈な威力のバリアーは月夜田は愚か、周囲の温泉のお湯、効力すら寄せ付けず、完全に戦闘妖精とカフェの二人だけの世界を作り出している!
その中で、戦闘妖精の両手のシャイニングフィンガーが、カフェの両胸の縮退路へと接近していく!
夜空には散っていった他の霊達の顔が浮かび、戦闘妖精の脳内には走馬灯が駆け巡る

「母ちゃん、俺、揉むよ!」

如何なる魔力も力も奇跡も届かない神聖なる世界で、大勢の男の夢を乗せた指が、一つの神秘へと今、…触れた!

揉めエエエエエぇエエエエエええええええええええええええええええええええええええええええ


329 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/03/04(金) 20:51:35   [sage]
幻覚を見ながらカフェは、霊たちの只中に入っていった。
「……!!!!」言葉を失う月夜田みこと。
そのあまりの衝撃に数十体の霊が瞬時に成仏し、湯煙の中にエクトプラズムの残滓を残して溶けてゆく
>「妾に出来るのはこれぐらいじゃ! すまなんだ、どうかこれで極楽に行ってくれえええええい!」
カフェの罪悪感が生み出した幻覚の少年はどさくさに紛れてうやむやになって消える。
というか抱きつくことによって少年が成仏するとカフェが思っているのなら少年の幻覚はその通りに消えるのだ。

そして享年45歳、独身、無職、当然童貞のオヤジの霊が変な結界を張ってカフェを襲う。

「カフェさーん!!逃げてー!!」
脱衣所で、そそくさと浴衣を身に着けながら叫ぶ月夜田。


330 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/08(火) 00:47:26  
>327-328
45歳無職童貞の霊と二人きりの世界に放り込まれたカフェは頭がおかしくなった。
迫ってくるおっさんに向かって口走る。
「無敵バリアという能力ですが、TRPGにおいては非常に扱いの難しい能力です
理由は他の人が助けにこれないからで、ぼっち飯するときに人を寄せ付けないためなら問題なく扱えると思いますがどうでしょう〜?」
「心配するな、俺はこの能力を生かし切って見せる!」
おっさんの霊は根拠の無い自信が満々だった。説得作戦失敗。

次の作戦に移る。
「ドカーン! バリアだけを破壊する爆弾が振ってきた!」
しかし なにも 起こらなかった! 超展開力押し作戦失敗。

「いいぜ・・・お前が不崩の壁を作るというのならッ!乗り越えてでもお前に拳を届かせるッ!」
あれ? 最初から中にいるんだからむしろ乗り越えて逃げなきゃいけないのに逆である。

そんな事を言っている間についに45歳童貞の霊がカフェに手を伸ばす!

揉んだアアアアアぁアアアアアあああああああああああああああああ!!

「ご無体なああああああああああああああああああああッ!」
思わず目を閉じたカフェが、恐る恐る目を開けると、45歳童貞の霊は一心不乱に揉みしだいていた。
……ムキムキ大胸筋を。首から下がムキムキマッチョになっていた。
何者かの幽体が重なってそう見えるだけだが、コラボ画像みたいで非常に不気味である。

「バリアは当然45歳童貞の霊すらも閉じ込めるので逃げられない。
私は瞬間移動して45歳童貞の前に立ちはだかった!」
と、種明かししながらカフェのいた位置から分離するように登場したのは、全裸に赤ずきんという前衛的ファッションのマッチョオヤジだった。
「私の名前は赤ずきん茶々」
「茶々ってまさかとは思うが……」
「何を隠そう、その昔に悪霊を壺に封印した君の先祖だ! 
ここの墓場で眠っていたがにぎやかなのでどんな楽しい事があるのかと起きてみたら子孫がピンチだったので思わず登場してしまった。
君の芸名は私にあやかったのものなのだろう?」
「うむ、そういうことにしておこうぞ」

「ついでに素早く後ろに回り込み尻を撫でた!」
素早く45歳童貞の霊の後ろに回り込んで尻を撫でる茶々さん。
「ぎょえええええええええええええええええ!!」
これは物凄いダメージだ!


331 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/11(金) 18:02:43   [sage]
「うげぇああああああああああああ」
雑談所読んでで無敵バリアー何て使うコテはよほどのアフォ以外いないだろと思ってたらまさに自分で苦しむ作者
もとい、おっさんに尻をもまれて苦しむおっさん

「なんでじゃああああああ俺は乳を…乳をもみもみしたかっただけなのにいいいい」
「小ざかしい!おっぱいを揉むなんてルール違反だ!」
「俺は45年もそーゆーもんに縁が無かったんだ!邪魔するなあああああああああ」
エロパワーは邪悪なエネルギーへと変わり、45歳童貞オヤジは不気味な悪霊へと姿を変える
自分のやりたい事だけやって女の子にもてなくて、自業自得で童貞で死んでそれでも女の子に迷惑かけようという男だ
悪霊の素質は十分だったのである
「いかん、凄まじいエネルギーだ…」
エロパワーバリアは消失し、悪霊化したオヤジは拳をふるって温泉を破壊し始める
ちなみに、修理費用は秋葉流が出さねばならない(だってほら、除霊に使わせてもらってるわけだから)
「ェローーーー女〜〜〜〜にょ〜〜た〜〜〜い〜〜〜〜〜」
「うぬ…皆!こうなったら力を合わせようぞ!」
暴れる悪霊から距離を取った茶々さんは、自分の墓へ手をやると、そこから必殺の武器を取り出す
「そこの娘と子孫!力を貸してくれ!」
茶々にだけ使える伝説の法具を身につけると、月夜田とカフェにも何かそういった形の例のアレを投げ渡した
「哀よ!!」
茶々の言葉と共に、茶々の法具から月夜田の法具へ妙な光が発射された


332 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/12(土) 17:34:25  
普段どおりレスしてしまいましたが、皆さん無事ですか?
カフェさんは雑談所見た所無事らしいですが、月夜田さんが心配です
お返事お待ちしています


333 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/03/12(土) 20:34:29   [sage]
だいじょうぶですよ

334 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/12(土) 22:52:21   [sage]
>>333
あ、無事で何よりです

んじゃこのまま通常運行…でいいですかね?


335 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/03/13(日) 01:48:26   [sage]
>>334いいよー】

45歳童貞オヤジは不気味な悪霊へと姿を変える!
吊り上がった目に大きな三角耳。口は大きく裂けズラリと並んだ鋭い牙。
羊の皮を被ったオオカミよろしく、情けないオヤジは獣のような悪霊に変貌したのであった。

悪霊の怨念漲る拳が唸りを上げ温泉を破壊する。月夜田は茶々に投げ渡された法具を手にとった。
すると茶々の法具から放出された光は月夜田が手に持つ法具にむけ放出される。

>「哀よ!!」
「あいよ!!」
一応復唱したが意味はわからないし元ネタもわからない。
冷や汗タラタラで迷っていると、悪霊オヤジが勢いあまって湯船にこける。
「がぼごぼぼふぉ…」
湯船に沈む悪霊オヤジから時の感覚が消えた。そして
母親の子宮でぬくぬくと誕生を待っていたかのような安息が感じられた。
「……ごぼがぼ(母ちゃん)」
悪霊オヤジの口から寝言のような呟きが洩れる。母親の顔を思い出しているのだろうか。

「何が母さんよ!甘ったれた声を出すんじゃないの!」
オヤジはパッチリと目を開ける。目の前に細い足があった。
見上げるとそこには見覚えのある顔がある。幼き日に見た姉の顔だった。
「ね、姉ちゃん!」
「もう!こんなに汚して!お姉ちゃんが洗ったげる!」
湯船から立ち上がりオヤジは思い出す。幼き日に姉といっしょにお風呂に入って女のすべてを見たことを。
お風呂上りに石鹸でこけて記憶を失ったことを。そう、オヤジはあの日、女のすべてを見ていたのだ!

失われた記憶から霊泉の効力によって再び甦る過去の姉の姿。
じわじわと記憶の奥からにじみ出てくるように見える姉トキコのトキコそのもの。
オヤジは迷わずトキコの胸に手を伸ばす。あともう少し。それはあともう少しだった。

湯煙のなかで悪霊オヤジは姉の幻覚を見ているが、
カフェたちにはただ、こけた悪霊オヤジが湯船から立ち上がってボーとしているだけに見える。

「カフェさん。ごめんなさい!この光ってなんなの?
力をかしたいのはやまやまなんだけど、これからどうしたらいいのかわかんないよー!」

月夜田がスッと法具を動かしたら光がカフェの持つ法具にキラりと放出された!


336 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/13(日) 23:57:17   [sage]
【遅くなって済まぬ、牧街殿の見立ては当たりじゃ。
申し訳ないほど何事もなく無事ぞ! とりあえず報告まで】


337 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/17(木) 00:32:50   [sage]
>331 >335
おっさんの霊は悪霊へと姿を変えた! いや、最初から悪霊みたいなもんだったけど!
>「そこの娘と子孫!力を貸してくれ!」
「もちろんじゃ!!」
妾はノリノリで法具を構えた。全裸で。

>「哀よ!!」
>「あいよ!!」

おっさんの霊は ぼーっとしている!

>「カフェさん。ごめんなさい!この光ってなんなの?
力をかしたいのはやまやまなんだけど、これからどうしたらいいのかわかんないよー!」
「うむ、分からなくて当然じゃ。これは我が血筋に代々伝わる伝説の呪文!
妾が言うのを復唱すればよい!」

「幽鬼よ!」
文字で見ると実は物騒な呪文! 共鳴しあう法具!
「鬼謀よ!」

「マジカルキング・ホーリィアップ!!」
眩い光に包まれ、茶々さんが奇跡の変身を遂げる!
あれ? マジカルキングって直訳すると魔王じゃないっけ。まあいっか。


338 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/17(木) 23:04:38   [sage]
はっとなる親父の悪霊
「あんな過去のは無効じゃあアアアアアアアアア」
どうやら脳内法廷で時効が適用されたようだ
再び暴れだす親父の悪霊
しかし!その前にすらりとスマートな8頭身の美青年に変わった茶々さんが立ち塞がる

「オカルト戦士マジカルキング!開国前なのに横文字だとか気にする輩は許さん!」

誰もそんな事気にしていない
「南無八幡台菩薩!!煩悩邪心の塊よ!今こそ我が正義の怒りを受けてみよ!」
パロディの塊のふざけたキャラの癖にまともな事を述べる茶々
同調してオヤジの霊の闘争心にも火がつく
「うるせええええええええええええええこの世にハーレムをつくってやるううううう」
もう何か目的が凄まじく巨大な物になっている
手のつけようがない
オカルト戦士マジカルキングは精神を統一し……


「ドーマンソーマンドーマンソーマン」
「うげええええええええええ」
「歩余歩余するなああああああああああ」
「ぐぎゃああああざあああああ」


素手で悪霊オヤジをぶちのめし始めた
流石にもうこれ以上パロし続けるとまんまそれになってしまい最悪茶々さんがレギュラー化しかねない
そうなるともう何のTRPGなのかわからなくなってしまう!(メタメタだしパロディばっかでもう完全に原型をとどめていない気もするが、それはこれから頑張って治していけばいい)

そうこう言ってる内にオカルト戦士マジカルキングはマウントポジションで悪霊をぶちのめし、ジャーマンスープレックスを炸裂させ、パイルドライバーの一撃で悪霊を完全に沈黙させた
「よし!皆の衆!トドメだ!南蛮より渡来した神秘の力でこの者を浄化する!」
勇ましく言い放った茶々さんは、月夜田等の方を振り返ると、大きな声で言い放った

「皆で  ス  ト  レ  ッ  チ  だ  」

……俺、何書いているのだろうか…
次のシナリオがあったら、今度は真面目に努めてGS美神らしくしよう、うん


339 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/03/19(土) 16:35:47   [sage]
>「うむ、分からなくて当然じゃ。これは我が血筋に代々伝わる伝説の呪文!
>妾が言うのを復唱すればよい!」

>「哀よ!」
>「幽鬼よ!」
>「鬼謀よ!」
>「マジカルキング・ホーリィアップ!!」

>「オカルト戦士マジカルキング!開国前なのに横文字だとか気にする輩は許さん!」

「きゃあああ!!変身したわー!!おそるべし!タカラのチカラ!!
この法具。売れる!きっと子供たちに売れるわぁ〜!」

茶々の攻撃で沈黙する悪霊おやじだったが
それを破壊された壁の隙間、隣の男風呂から見つめる人影があった。
人影の正体は阿波日氏。

ざざ〜。カフェをガン見しながらも、如何わしい粉を男風呂に入れている。

それは阿波日氏が旅館の経営者に頼まれてつくった特製の入浴剤。勿論そんなものは入れてはいけない。
もともとこの界隈は霊泉で有名だったのだが、最近の不況で客足が遠のいてしまった。
そのため再びお客を呼ぶために新しい温泉を掘り当てたという設定でつくられたのが今カフェたちのいる「極楽の湯」

「にぱー☆」笑う月夜田。

この偽装行為をネタに旅館側を揺すれば温泉の修復代は踏み倒せる。
うまくいけば口止め料もでるだろう。

>「皆で  ス  ト  レ  ッ  チ  だ  」

そう叫び、茶々は足を開いて骨盤体操みたいのを始めた。

「まさかストレッチパワーをためるってこと!?」

ぐいん。ぱっかー。ぷるん。ぐねぐね。くぱぁ。ぽろん。
全裸の美青年茶々のストレッチをする姿に
月夜田の赤面メーターは上昇し、ついには鼻血ロケット。下は大洪水(ウソ)

「もう、だ・め〜」
鼻血が垂れて髭のようになっている鼻血髭の月夜田は、
なんと茶々に飛びかかる。肉食系女子月夜田みことの誕生だ!

「おにいさま〜〜!いただきま〜〜す!!」
空中でさっき着たばかりの浴衣をまた脱いで裸に変身していく月夜田。

でも茶々はこういうときは都合よく霊体になって、スカッと通り抜けた変態女は壁を突き破って崖に落ちていく。
「あ〜れ〜〜…ぁ〜…」

もたもたしているうちに悪霊おやじは息を吹き返す。

「ハーレムをつくってやるううううう。この世にハーレムをつくってやるううううう!」

「……」
目の前の惨劇に阿波日は言葉を失っていた。


340 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/21(月) 23:54:07   [sage]
>338-339
>「きゃあああ!!変身したわー!!おそるべし!タカラのチカラ!!
この法具。売れる!きっと子供たちに売れるわぁ〜!」
「頑張れご先祖様よ! 行けえええええええ!!」
代々語り継がれてきたご先祖様の大活躍に、カフェは大興奮である。

その時、とんでもないものを目撃した。
「む。あやつなぜに温泉に温泉の素を入れておるのじゃ」
>「にぱー☆」
「ふむふむ、後でこれをネタに旅館をゆすれと。さすが妾の弟子じゃ」

一先ずそれは置いといて。
>「皆で  ス  ト  レ  ッ  チ  だ  」
>「まさかストレッチパワーをためるってこと!?」
「そうじゃ、皆のストレッチパワーを終結させ打ち出すことで大ダメージを与える超必殺技じゃ!」

>「おにいさま〜〜!いただきま〜〜す!!」
「いっかああああああん! ストレッチの統率を崩しては必殺技が発動せぬ!」
>「あ〜れ〜〜…ぁ〜…」

>「ハーレムをつくってやるううううう。この世にハーレムをつくってやるううううう!」
>「……」
「……ぎゃああああああああああ!!」
とりあえず対変態悪霊戦で全裸でいては普通にピンチだ!

「カフェさん、これを!」
かけつけたありみちゃんが、黒酢のオブジェを投げ渡す。
「変身!」
漆黒の鎧姿に変身するカフェ。何はともあれ全裸ではなくなった。
すっかりレギュラー化してしまった変身だが、もはや元ネタからかけ離れすぎてパロディですらないので多分問題ない!
いつもはゴスロリの上から装着するのでそれに合った形になるが
今回は裸エプロンならぬ裸アーマーなので、ビキニアーマー型だ!
「これはただのビキニアーマーではない……オーパーツたる霊衣じゃ。
どんなエロオヤジの手も阻む鉄のカーテンじゃ!」

「魅了の術と催眠術の合体技で……」
「「W催眠術!!」」
カフェとありみちゃんはRPGっぽく合体技を放った!
「周りを見てください! あなたはもうハーレムにいるじゃないですか!」
「お兄ちゃんのエッチ! そんなところ触っちゃらめえ!」
もちろん実際に触らせているのは強制的に引っ張ってこられた阿波日の腹の肉である。
崖から落ちていた月夜田は猫師匠あたりがどうにかしてくれるだろう。多分。


341 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/22(火) 04:38:18   [sage]
「う〜あ〜は〜れ〜む〜は〜れ〜む〜」
カフェ等の援護で動きが止まる悪霊、その間に茶々は最後の仕上げに入る
「壱!弐!参!死!伍!!」
必殺技の気合を入れて印を切り、悪霊目掛けて「力」を放射する
「素闘烈血!!カアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

裂ぱくの気合が、オヤジ悪霊に命中し、その体を滅していく

(あぁ……何だかんだあったけど…気持ちよかったな…ゲヘッ……)

妙に暖かい何かと充足感に包まれながら、オヤジ悪霊は気持ちの悪い笑みを浮かべて消滅した
…それは、秋葉流が勝利した瞬間である

「…人は皆、誰も、自分の欲望に飲まれ、周囲が見えなくなり、人との結びつきを軽んじてしまう事がある
しかし、自分が楽しい時こそ、周囲に気を配り、それを分かち合おうとする心
それを持たなければ、女の子にはモテ無い、友達もできない!
誰しも皆、あの悪霊の様になる可能性を秘めている
道を誤った者よ、次の世では、幸福たらんことを…」
天へ召されたオヤジ悪霊に、黙祷を捧げる茶々氏
そう、男は誰しもあの悪霊になる可能性を秘めているのだ
女の子とキャッキャウフフできずに死ぬ、それは決してありえない事ではないのである
ぼーっとしてたらいつかは、などと考えていると…最後に待つのは、今回の霊達の様な末路かも知れない

「で、君等は何をしてたんだ?温泉壊して、良くないぞ」
何も知らない阿波日氏は、ポリポリ頭かきながらカフェ等を注意する
「温泉の素を温泉に入れて掘り起こされたっていいはるのも良くないと思いますが…」
しかし、そこは真面目なありみちゃんが珍しく強い態度で反論した
だが何のこっちゃと平然としている阿波日氏
「ん?そうなのか?」
とぼけた態度でぽりぽり頭をかく阿波日氏に、思わずずっこけるありみちゃん
「って…知らなかったんですか?」
「うん、どーりで内密にしてくれとしつこく言う分だ、なる程なー…
よしわかった、ここぶっ壊した事については、この私に任せなさい」
そう言って、じゃあねと帰っていく阿波日氏
後に、阿波日氏はこの温泉旅館相手に裁判を起こし、何をどうやったのか多額の賠償金を奪い取り、自分の罪は帳消しと言うとんでもない事をやってのけている
この人、天然だが決して敵に回していい人ではないのだ…

全てが終わり、朝の八時、依頼者がカフェに約束の報酬を手渡す
「ありがとうございました、何だか悶々と嫌な気分がしてましたが、幽霊たちがいなくなったおかげで、すっかり、気分爽快です!」
そういう依頼者の顔は確かに、最初あった時のやる気無さが嘘の様なさわやかな格好いい顔になっている
あのチェリーゴースト達の負のオーラが、周囲のさわやかな青年達にまで影響を及ぼしていたのである
「おかげさまで、明日から、仕事頑張れそうです!それじゃ僕はこれで!」
手を振って、笑顔で依頼者は去って行った

損害全く無しの大勝利
秋葉流が気持ちよく家路につこうとした、その時

「そいつ」は確かにそこにいた

ガリガリにやせ細った体
妙に灰色の体皮
所々ついた大きな傷
ボロボロのGSジャケットを着た線目の男…
変わり果てた姿になった彼は、カフェ等に気がつくと、ビクリと全身を震わせ、電光石火の勢いで路地裏の闇へと消えていく…

「い…今の…」
「牧街…君だったよにゃ?」
思わず呟く猫師匠とありみちゃん
そう、確かに、逃げたそいつは牧街モリオだった
彼の身に、一体何が!
そして何故逃げたのか!
それは…次回!!

【っつー分でシナリオクリアっす、お疲れさマンさっす】


342 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/03/24(木) 20:55:32   [sage]
シナリオクリアー!

「かいけつ!おめでとー!」
パチパチパチ。月夜田みことは元気に手を叩いている。
崖に落ちるのを猫師匠がたすけてくれたから、
今はこうしてアホな顔していられる。いのちってすばらしい!ありがとうさぎ!

ふぁーい。

―そして―

秋葉流が気持ちよく家路につこうとしら牧街がいた。

>「い…今の…」
>「牧街…君だったよにゃ?」

「ふーん、生きてたんだ。姿形は変わってもあれは絶対可燃牧街ね。
あんなゴミみたいなオーラを発するやつなんて、この宇宙に牧街しかいないもの
ハッピーエンドに何不吉顔だしてんのよ!」

月夜田は牧街が生きていて嬉しいという気持ちもあったけど
電光石火の勢いで路地裏へ消えた牧街に対しては鼻白んだ表情をみせる。

「相変わらず失礼なやつだわ。そんなにカフェさんが怖いのー?
まあ、あんな目に合わされたんだからしょうがないのかなぁ?
でも仕事仲間なら挨拶くらいしていっても罰は当たらないと思うんだけど」

月夜田がため息をつくと
ワンワンワン!と路地裏から野良犬たちの鳴き声。
犬は逃げる者を追う習性がある。
哀れ牧街モリオは復活早々、きっと悲惨な目に合うに違いない。

「…牧街さんってさ。いつも逃げるから、災いに追いかけられるんだょ!
もう!あんな態度のモリオをカフェさんはどう思いますか?
ちね!モリオー!逃げるんだったら来るなー!ちねー!!」

ちね!とは言っているけどなんとなく元気になった月夜田みことだった。

【シナリオクリアお疲れ様でしたー。】


343 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/27(日) 23:24:31   [sage]
>341
茶々さんがかっこよく締めた。
変身が解けて、元の赤ずきんをかぶったおっさんに戻る。

かくかくしかじか。
>「うん、どーりで内密にしてくれとしつこく言う分だ、なる程なー…
よしわかった、ここぶっ壊した事については、この私に任せなさい」
なんか要するに丸く収まった。
「かたじけない。これにて一件落着じゃの」

みことは猫師匠が助けてくれていた。
>「かいけつ!おめでとー!」

「やれやれ、久しぶりに暴れて疲れたなあ。私はまた眠りにつくとするか。おやすみ」
いそいそと墓に戻っていく茶々さん。
「もう帰ってしまうのか? 寂しいのう」
「これでいいのにゃ。このままレギュラー化したら色々と困るにゃ」
といっても隙あらば出てこようとするかもしれないから油断はできないが。

一夜明けて……。
>「ありがとうございました、何だか悶々と嫌な気分がしてましたが、幽霊たちがいなくなったおかげで、すっかり、気分爽快です!」
>「おかげさまで、明日から、仕事頑張れそうです!それじゃ僕はこれで!」

「……あまりにも絵にかいたような立派な終わり方じゃ。こんな時にはまだ最後に何かあるぞ!」
それは案の定あった。
身をやつした牧街らしき人物が一瞬姿を見せて逃げて行った。
「牧街殿! 待つのじゃ!」


>「…牧街さんってさ。いつも逃げるから、災いに追いかけられるんだょ!
もう!あんな態度のモリオをカフェさんはどう思いますか?
ちね!モリオー!逃げるんだったら来るなー!ちねー!!」
「うむ、確かにヘタレキャラの周囲には災いが集結してくると相場が決まっておるからな。
しかしあれはワケアリの感じがするぞ! 
もしかしたら変な薬の実験台になったり改造人間になったりして
洗脳直前に逃げ出して組織に追われているのかもしれぬ!」

謎を残しつつお化けの運動会編完!

【お疲れ様&ありがとうございました!
牧街殿が出てくると思ってたらやっぱり出てきたw】


344 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/28(月) 01:37:58   [sage]
【ではこのまま次の話しに入りたいと思います】
牧街らしい姿が目撃された翌日
猫師匠から報告を受けた恐山流除霊道場では、早速それに対する行動が起こされていた

「あー…皆聞いてくれ」
恐山流除霊道場
修行中だった門下生達を、彼等を指導している牧街の兄弟子が集め、各々にビラを配った
「既に知ってると思うが、諸君等の先輩、先日行方不明になっていた牧街だが
昨日、生きてるのが目撃された」
おおっと喜びの声を上げる門下生
尊敬はされていなかったが、道場2階に事務所を持つ牧街は門下生達に親しまれていたのである
故に、その生存は門下生達にも嬉しい事なのだ
「ただ…」
言葉を続けようとして、兄弟子は多少躊躇ったが、やがて一気に言葉を吐き出す
「妖怪化していたらしい」
その一言に、喜びから一転、門下生達はどよめいた
「奴は色々嫌な目にあってきたからな、悲しみや苦しみから妖怪化していても何もおかしくない
どの程度妖怪化したのか、人間に戻せるのか、害はあるのか、その辺はわからん
しかし我々の道場の人間が妖怪化した以上、放っておくわけにはいかない
早急に、対処しようと思うそこで」
兄弟弟子はそう言うと、分厚いポスターの束を取り出した
「奴の捕獲に懸賞金をかける事になった、お前等は町のあちこちに許可をとってこのポスターを貼ってもらえ
インターネットを使える物は懸賞金サイトに……」

(牧街さん、ほんっとに幸薄い人やなぁ…)

悲しみから妖怪化したらしい男に、容赦なく懸賞金をかけて捕獲しようとする妖怪化の原因の一端だろう厳しい上司達の態度に、門下生達は心の中で牧街を哀れむ
結構な報奨金の額がかけられているので、牧街捕獲に望むGS達は皆結構手荒な真似をするはずである
しかもしっかり「無傷で無くてOK」何て捕獲成功条件欄に書いてあるのだ
もう彼がモンスターハンターやリアル鬼ごっこよろしく追い回されるのは時間の問題である

そして、ネットのGS関係のサイトにその旨伝える書き込みが記され、町には続々と牧街捕獲、身柄引き渡し時の報奨金が書かれたポスターが貼られ
ビラが配られ…

当然その「牧街捕獲作戦」を配る門下生は、カフェのいる冥土喫茶にもやってきた
「すいませーん、ポスター貼らせてもらってもよろしいでしょうか?妖怪の捕獲にご協力ください」
冥土喫茶のカフェの母ちゃんに、若い門下生が元気一杯お願いする


345 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/03/28(月) 16:18:13   [sage]
「でも信じられますか?そんな話。人が妖怪になっちゃうなんて。
最近学校でも噂なんですよー。私はくわしいことはわかんないんだけどね」

クリームソーダのなかからチェリーをつまみ出しながら月夜田みことはそう言った。
チェリーをぱくりとくわえるとカウンターで頬杖をついて口をもごもごさせる。

「ほら見て。結んじゃった」
べぇと舌を出す。カフェパパに結んだチェリーの柄をわざわざ見せていた。
カフェママもカフェパパも月夜田の無邪気な行動を見てニコニコ笑顔。
普通に接しているぶんには彼女の下劣な品性は表に出ることはないし
なんにせよ彼女はカフェの妹ぶん。文字通りにカフェのご両親は月夜田を妹のように可愛がってくれている。

カランコロン。

突然店内に鈴の音が響く。微風とともに入ってきたのは恐山流の若い門下生。

>「すいませーん、ポスター貼らせてもらってもよろしいでしょうか?妖怪の捕獲にご協力ください」

「え!妖怪の捕獲?もしかして今ちまたで噂になっているやつ?見せて見せて!」
月夜田は門下生からポスターを受け取ると開いてみる。

「……あがっ!!」
あいた口が塞がらない。ポスターには牧街モリオ。
月夜田は手を震わせながらカフェパパにポスターを手渡した。

「うわさの妖怪って牧街さんだったなんてっ!!まさか身内からお尋ね者が!!
あ。でも報奨金が出るのね。いくらくらいなのかしら?あ!そうだわ!カフェさんに知らせないと!」
そわそわきょろきょろする月夜田。

「そうね。みことちゃん。カフェを起こして来てくれない?お願いするわ」

「任せて!カフェママ!」

喫茶店の奥の扉を勢いよく開けると月夜田は部屋にずかずかと入っていった。

「カフェさーーーん!起きてー!!てかどこにいるのー!?」
カフェが寝ているか何をしているのかもわからなかったが月夜田はとりあえず叫んだ。


346 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/03/30(水) 23:11:03   [sage]
―― ……すけて!
暗闇の中、誰かの声が聞こえる。
「牧街殿……?」
差し伸べた手は、届かない。
―― ……助けて!
「改造されて悪の組織に追われているのであろう!? 安心せい、かくまってやるわあ!
喫茶店の冷蔵庫の中にでも隠れておけば絶対見つからぬ!」
必死に追いかけるも、その距離は一向に縮まらない。
それもそのはず、相手が逃げているからである。
―― 助けてええええええ!! 疫病神が追っかけてくる――!
「敵は妾かああああああああああッ!!」

がばっと起き上がって部屋から出ようとする。
その時、扉がばーんと開いた。
>「カフェさーーーん!起きてー!!てかどこにいるのー!?」
「ここじゃあ!」
妾は扉と部屋の壁の裏にはさまりながら存在をアピールした。
「今起きたぞ。夢のお告げが降りてこぬかと思って寝てみたが無理だったようじゃ。
牧街の奴、妾を疫病神呼ばわりして逃げおった!」

「む!? そのポスターは何ぞ!?」
牧街殿に報奨金がついてお尋ね者になっている。
ニコニコしながらみこと殿に言う。
「賞金付きになるとは大物になったものじゃ! これで某麦藁の海賊と肩を並べても遜色ない立派な少年漫画の主人公じゃのう。
妾達のお蔭ぞ。少年漫画には主人公を冒険へ導く不思議系の少女が必須なのじゃ」
そこではたと気づく。
「むっ、妾達のお蔭で立派な少年漫画の主人公になれたからして福の神扱いも然るべきだというのに疫病神扱いとはけしからん!
とっつかまえてやろうぞ!」


347 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/03/31(木) 01:55:41   [sage]
牧街捕獲に息巻く秋葉流の二人
「キャーーーーーーー」
と、その時、下の店からカフェママの叫び声が響き渡った
何事かと下へ降りてみると、何と店の入口が炎に包まれている!
更に炎の向こうには…ポリタンクとライターを持った牧街の姿があった!
「焼け死ね!」
それだけ言うと、牧街はすぐさまその場から逃げ去っていく!


348 : 名無しさん。もっと、熱くなりきれよ!    2011/04/02(土) 06:32:47   [sage]
>「ここじゃあ!」
「やだ!挟まってる!」
>「今起きたぞ。夢のお告げが降りてこぬかと思って寝てみたが無理だったようじゃ。
>牧街の奴、妾を疫病神呼ばわりして逃げおった!」
「それ正夢です!きっと!」
>「む!? そのポスターは何ぞ!?」
「いっぱい貰っちゃっいました。牧街さんの指名手配のポスターです」
>「賞金付きになるとは大物になったものじゃ! これで某麦藁の海賊と肩を並べても遜色ない立派な少年漫画の主人公じゃのう。
妾達のお蔭ぞ。少年漫画には主人公を冒険へ導く不思議系の少女が必須なのじゃ」
「導いた導いたー私たちが導いたー」
>「むっ、妾達のお蔭で立派な少年漫画の主人公になれたからして福の神扱いも然るべきだというのに疫病神扱いとはけしからん!
>とっつかまえてやろうぞ!」
「はーい!!」
>「キャーーーーーーー」と下の店からカフェママの悲鳴。
「どうしたの!?カフェママ!!」
なんと店の入口が炎に包まれている。炎の向こうには牧街モリオ。
>「焼け死ね!」
「きゃあ!!」火柱を怖がる月夜田
「みんな!あぶないから下がって!」とカフェパパが消火器を構える。
ぼしゅううううう!消化剤で消える炎。
「ちょっと牧街さん!待ちなさいっ!どうしてこんなことっ!?」
焼け焦げ煙る入り口を飛び越えながら月夜田は問うたが牧街は逃げ去っていく。

「…カフェさん、どうしよ!?走って追いかける?逃げ足じゃ牧街さんには到底かなわないわ!
それと焼け死ねっていうことは、牧街さんはここにいる誰かの命をねらっているってことですよね?
わざわざ追いかけなくっても、また命を狙ってくる可能性も十分あるかもしれない!
あ、でもやっぱり追いかけたほうが話が盛り上がるのかなー?」

月夜田はもたもたしている。


349 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/02(土) 06:35:03   [sage]
>>348は自分です

350 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/04/04(月) 23:22:40   [sage]
>347-348
>「キャーーーーーーー」
「いかん、いかんぞ! 店が丸焼けになっては借金まみれになってしまう!」
>「焼け死ね!」
「いかん、変身じゃ!」
黒酢で消火作戦を決行することにする。
>「みんな!あぶないから下がって!」
が、父上の適切な判断により初期消火された。

>「…カフェさん、どうしよ!?走って追いかける?逃げ足じゃ牧街さんには到底かなわないわ!
(中略)あ、でもやっぱり追いかけたほうが話が盛り上がるのかなー?」
「うーむ……」
もっと熱くなりきれよ! そんな声が脳内に響いた。
「決まっておろう、追いかけるぞ!
ここの安全は猫師匠に連絡して見といてもらおうぞ。
確かに走っては牧街殿にかなうわけはない。そこで文明の利器じゃ!」
カフェは店の横に止まっている二台の自転車を指さした。
別に盗んだ自転車で走りだそうという訳ではない。普通にカフェ家の自転車である。


351 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/09(土) 02:24:39   [sage]
自転車で走る牧街を追う二人
牧街の脚は自転車より早く、徐々に距離を離していく
しかし、おかしな事に牧街は自転車相手に人ごみに逃げたり、自転車が入ってきにくい路地裏に逃げたりはしない
どことなく「二人がギリギリついてこられる感じに」逃げているようなのだ
しばらく走って、全力でペダルをこいでいる二人が疲れてきた頃、牧街が道の角を曲がり、二人がそれを追って角を曲がると
何と、姿が見えなくなった一瞬の内に牧街が二人に分身し、一人は山道の方へ、もう一人は川原の方へそれぞれ走って逃げている
どちらも全く同じ姿をしており、どちらが本物か判断する基準が無い


352 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/09(土) 07:54:46   [sage]
>「決まっておろう、追いかけるぞ!
>ここの安全は猫師匠に連絡して見といてもらおうぞ。
>確かに走っては牧街殿にかなうわけはない。そこで文明の利器じゃ!」

「文明の利器?」
振り返った月夜田の目に飛び込んだもの。それは2台のチャリンコ。
輝くステンレスのハンドルに、後部に張り付けてある反射ステッカー。
所々、塗装が剥がれたフレームからは哀愁が漂っていた。

「じゃ私はこっちの自転車で牧街さんを追いかけます!」
月夜田はカフェママの買い物用チャリ、通称ママチャリに跨るとペダルを踏みしめながら前進する。

からっとした空の下。
街に吹き荒ぶあたたかい風が自転車をこぐカフェと月夜田の髪を梳かす。

胸にいっぱい吸い込んだ空気を推進力に変えて月夜田は何千回とペダルをこいだ。
流れる街の風景に少しずつ荒くなる呼吸。汗で額にはりつく前髪。でもそれでも牧街の後姿は近くならない。

「はあ。はぁ。あいつ…。なんなのよぉー…」
真っ赤な顔で月夜田が嘆いていると牧街は一瞬角で見えなくなり二つに別れた。
「……アメーバーかっ!」
間髪入れずツッコミをいれる月夜田だったが分裂した牧街はつっこみなど背中でスルーし逃走。

分身した牧街はそれぞれ山道と川原へ逃げている。

「カフェさん。私、川原へ行くね!山道はカフェさんね!」
つらい山道を師匠であるカフェに押し付け月夜田は川原に逃げる牧街を追いかけた。
牧街はギリギリついてこられる感じに逃げているようだが月夜田はまだそれに気がついていない。
追い詰めていると勝手に思い込み追いかけ続けている。

「あと少し。あと少し!」
堤防の上を走る牧街モリオに自転車から手を伸ばす月夜田。
服に指がかかった瞬間、牧街は堤防を駆け下りて川原に走っていく。
「ああ!!」
バランスを崩した月夜田は自転車ごと堤防を駆け落ち川原で派手に転んでしまった。
空にタイヤを向けカラカラと虚しい音をたてる自転車のわきで彼女は擦り傷だらけでうつ伏せになっていた。
突っ伏し川原の石をおぼろに見つめる月夜田の視界の外には牧街の足らしきものが二本見える。
牧街が月夜田のことを心配しているのか殺そうとしているのかはわからなかったが
ギリギリついてこられる感じをまだ保っているのだろうか?

「…牧街さん、本物の妖怪になっちゃったの?どうして?」
月夜田の問いに牧街はなんて答えるのだろう。
不気味な静けさが支配する川原で月夜田は懐に隠していた神通棍を握り締める。
それはこのまえの事件の報酬で買った代物だった。


353 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/09(土) 07:57:54   [sage]
×視界の外。○視界の端。です

354 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/04/13(水) 22:43:10   [sage]
【すいません、遅くなりましたっ!】

>351-352
>「じゃ私はこっちの自転車で牧街さんを追いかけます!」
「では妾はこっちじゃ」
自分の自転車に乗る。それでもやっぱり通称はママチャリ。

>「……アメーバーかっ!」
「牧街め、分身の術を習得しおったか……」

>「カフェさん。私、川原へ行くね!山道はカフェさんね!」
「うむ、……って何気に急傾斜ではないか!?」
安物の自転車には変速機などと言う便利なものはついていない。
程なくして動悸息切れに見舞われる。
「はーひーふー」

なのになぜか牧街との距離は広がらない。
「はて、何かおかしいぞ」
はたとペダルをこぐのをやめる。

そして弾かれたようにUターンして坂道を駆け下りる。
断じてこれ以上昇るのがしんどくなったのが原因ではない。
「これはおそらく二人を分断する罠……! みこと殿が危ない!」

みことの名を呼びながら河原を走る。
「みこと殿―!? 無事かー!?」


355 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/14(木) 02:17:39   [sage]
山道を登っていた方の牧街は後ろを振り向き、カフェが追いかけていないことに気づき、凄まじい憎悪の表情を見せた
「……ちっ!!」
大きく舌打ちして、山を登っていた方の牧街は、急遽山を下り、なんと今度は逆にカフェを追いかけ始めた!!
しかし、両者の距離が広かった事と、斜面を自転車が下るスピードが速かった事もあり、ふもとについた時には既にカフェの姿は無い
「甘く見ていたが腐ってもGSか……まぁいい、だったらもう遊びは無しだ」
そう言って、月夜田達が向かった川原へ歩き出す牧街の前に、袴姿の4人組が立ち塞がる
懸賞金目当てにやって来た別のGS達だ

「ィヤッホー!賞金首見っけ!」
「悪いが大人しく捕まってもらうぜ!」
そう言って対魔用の大きな虫取り網を構えるGS達に、しかし牧街は全く怯まない
「五月蝿ぇなぁ…」
小さな声で苛立たしげにそう言って、牧街はおもむろに自分のGSジャケットのジッパーに手をかけ、ゆっくりとジャケットを脱ぎ始める…

「!?」
「…な…何でお前が……」
「ひ…助けて…誰かぁああああああああああああああ」
「ギャアアアアアアアアアアアアアア」
「ひィイ!!」


突然の響き渡った断末魔に、慌てて外に出た近隣住民は、思わず息を呑んだ
自分達が今まで見た中で最もグロテスクな惨殺体
そんな物が4っつ、おびただしい血痕と共に道端に倒れ付していたからだ
「…つまらないねぇ……やっぱり子供…子供を切りたいなぁ…」
その中央にいた「そいつ」は、そう言うと、ギロリと住民たちの方を向く
「ひ…」
その余りに恐ろしい形相と、全身から溢れる邪悪な雰囲気に住民達は凍りつき、動けなくなってしまう
逃げなければ…
そうわかっていても、彼等の足は恐怖で凍りつき、助けを求めねばならない喉もまた、余りの恐怖にひくついて、発声機能を失っていた
「あのお嬢ちゃんを捕まえる前に、ちょっと準備運動しちゃおうっと♪騒ぎを大きくするなって言われてるけど…ついやっちゃうんだから、仕方ないよねぇ…」
陽気な口調にも関わらず、全身からは憎悪と悪意のオーラを出しつつ、そいつは…デモンサーカスは住民達の方へ近づいていく…


356 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/14(木) 03:01:19   [sage]
殺意を月夜「あはははははははは…マドモアゼル、私は牧街ではアリマセンヨ」
上から降ってきた声に、月夜田みことが顔を上げると、そこには牧街では無く、黒いウェーブかかった赤いコートの男が立っていた

ゾンビ村で月夜田みことが散々おちょくりまくった「殺人鬼の霊」
紅バサミである

ゾンビ村にいた凶悪な犯罪者の悪霊達
彼等は当然、カフェ達を激しく憎んでいた
憎んで、憎んで憎んで
そして、遂に
復讐に舞い戻ってきたのである
だが、解せない
凄まじい殺戮衝動のみが突出し、そこまで頭の回らないはずの彼等が、何故、牧街に化けるなどと言う回りくどい手を考えたのか…
そもそも何故大ダメージを負ったはずの彼等がこんなに早く復活できたのか

ゾンビ村の霊をはじめとした「都合よくいつも現れる助け」が存在しない現状で、月夜田みことにそれを考えている余地は無さそうである

「おや?マドモアゼル逃げないのですか?ほらほら逃げないのですか?ねぇ前みたいに…」
未だに突っ伏している月夜田に、紅ばさみは楽しげにそう言った
散々体力を奪った何の能力も無い学生が自分に恐れを抱いているのだと思って油断する…

…そんなマヌケを、散々月夜田をゾンビ村で「追いかけまわさせられた」紅バサミはしない
紅バサミは月夜田が自分を微塵も恐れたりしない事は知っている
彼はこの少女がどういうわけか自分達を怖がったり、死の恐怖を感じたりしない事は知っていた
そして

「まさか、懐の武器で私と遣り合おうと言うのですかな?マドモアゼル」
百戦錬磨の殺人鬼には、月夜田の行動はお見通しだった
ここで月夜田の懐にあった武器が仮に銀の弾丸を装填したマグナム銃か、例の洗脳効果のある破邪札だったとしても
紅バサミは余裕で攻撃をかわし、次の瞬間には月夜田の腕を切断する事ができるだろう

冷たい、表情に冷たく、恐ろしい殺気を全身から放ちながら、紅バサミは月夜田へと素早く歩み寄り、顔の横にハサミを近づけてきた
逃げようにも、相手は自転車で必死に追いかけても余裕で逃げる脚力の持ち主…
戦おうにも、相手はまともなGSが束になってかかっても適わない凶悪悪霊…
カフェは山道へ行ったし、周囲に人気は無い

絶望…
それは牧街が本気で、真剣に恐れていた感情
そして月夜田が恐れていなかっただろう感情…

…牧街のように「恐れ」があったのなら
相手が分裂しようが何しようが、能力が無い月夜田がカフェの元を離れるべきでは無かったのだ

「どうせ何とかなるだろう」
そんな思いをぶち壊すのに十分な程の絶望的な状況…

もう間違っても自ら進んで閉じ込められようと思ったりしなくなるような
殺人鬼のたむろする遊園地に一人で遊びに以降などと思わなくなるような
………GSなど、目指したくなくなるような
そんな絶望

今、彼女は「恐怖」をしてこなかった大きなツケを支払っていた

もっとも、それでもなお月夜田みことは絶望も恐怖もしないかもしれないのだけれども…


357 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/16(土) 03:35:54   [sage]

意識が朦朧とする中書いたので文章がいつもより酷い事になっていてすいません
わかりづらいと思うので要点だけかいつまんで書くと

【デモンサーカス⇒カフェに逃げられ、腹立ち紛れに通り魔活動開始
紅バサミ⇒迂闊にも一人で牧街を追ってきた月夜田を人気の無い川原で追い詰め、鋏を突きつけている、「月夜田に対しては」油断していない】
と言う感じです

俺は「文章」を最近書いていなかった大きなツケを支払っていた


358 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/16(土) 06:34:52   [sage]
青い夢のような空に溶ける桜吹雪の下
やわらかい日ざしを浴びた川面は龍の背のような銀鱗を見せている。

堤防から自転車で転げ落ち、川原でうつ伏せになっている月夜田みことの後頭部に降りかかってきた謎の声、
それは少女が予期せぬ意外なものだった。
振り仰げば、堤防の桜並木を背景に赤いコートの男が一人。

>「おや?マドモアゼル逃げないのですか?ほらほら逃げないのですか?ねぇ前みたいに…」
声の主は紅バサミであった。
>「まさか、懐の武器で私と遣り合おうと言うのですかな?マドモアゼル」

「かんちがいしないで!私はただ、したちちがかゆいだけ!」
嘘をつく月夜田の横顔に容赦なく近づけられる大きなハサミ。
こんなので肉を挟まれてしまったら、きっと自分は苺大福のように切断されてしまうことだろう。

月夜田はうつ伏せの姿勢から、ゆっくりもそもそと猫が飛び掛る前のような姿勢になると
意を決し紅バサミめがけ神通棍を横に薙ぐ。
桜吹雪を巻き込みながら唸る神通棍。しかし目の前に紅バサミはいない。
避けられた。いや、それ以前に月夜田の霊力によって発生した刀身は柄よりも短かったのだ。
刃渡り1cm。ようするにただの棒。

「…っぁ!!」
息をのむ月夜田。この時になって少女の心に初めて恐怖がわきだした。
生暖かい風と共にマントが空から降って来る。決して春の夜の夢ではない、なんともならない残酷な現実。
月夜田の腕に狙いを定めた大バサミがパチンと閉じると、ぽとりと地に落ちる一本の腕。

肩と背中に走る激痛を体に巻きつかせ地面を転げる月夜田。
だが両腕も両足も体についている。落ちているのは銀色の腕。
そして刃毀れしている紅バサミのハサミ。


359 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/16(土) 06:36:03   [sage]
実は何を隠そう月夜田みことの腕がハサミによって斬断されようとした刹那、
少女を突き飛ばしハサミをその身に受けたものがいたのだ。
その正体はなんと九十九神となったママチャリ。
カフェママの愛情安全運転によって百年待たずに妖怪化していたのである。
愛情おにぎり然りカフェ一族は何かと不思議な力を持つ一族のようだ。

九十九神、茶輪子チェルノは紅バサミに残った片手で指をさす。

「あたいのご主人さまの知り合いに、大怪我させようってんなら
この胸の安全運転ステッカーが黙っちゃいないんだから!」

いい終えたチェルノは残った腕を紅バサミにむけ弾丸のように放ち
今度は月夜田に向かって叫ぶ。

「乗って!カフェちゃんのところに行くから!」
「うん!」
こくりと頷いて月夜田がチェルノにおぶさるとチェルノは足をタイヤに変化させ堤防にそって来た道を逆走し始めた。

>「みこと殿―!? 無事かー!?」
ちょうどよくカフェもこちらに走ってくる。

「カフェさん!紅バサミ!あいつは牧街さんじゃなかったの!紅バサミだったの!!紅バサミよ紅バサミ!!」

合流するカフェと月夜田。腐っても醗酵してもカフェはGS。
逸早く罠と気付いたのだろう。

「あ、それと私が乗っているこの人はカフェママの自転車だったひと。自転車の九十九神さん」

「あたいチェルノ。この姿で会うのは初めてだね。よろしくねカフェちゃん」


360 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/16(土) 06:37:37   [sage]
時間は少しもどって。

若林霞牙は今日も変態である。
背中に背負った巨大な鉄槍の重さによって得た亀のような鈍足。
アナログテレビを2台ぶち込んだようなアホみたいな胸筋に、
ヘルメットのように黒光りする七三わけ。
特筆すべきは、時折、はにかみ見せる白い歯。
それはすべての日本国民に平等に不快感を与えるのだ。

「…はああ…牧街さん…」
深くため息をつきながら道行く男たちの尻を物色している若林。
やはり牧街の尻に並ぶ尻をもっている男はこの街にはいないようだ。

ふと遠くに目を移せば見覚えのある尻が走っている。
これは桜の精霊が男に見せた幻か。

「牧街さんどぅわ!!」
若林は独楽のように回転しながら電信柱から電信柱へと風のように尾行する。

しばらく若林が尾行していると牧街の尻はパカリと二つにわかれた。
否、尻はもともと二つに別れているのだから四つに分かれたことになる。

「おしりがいっぱいでございますな!」
若林は迷わず山に走る尻を追いかけた。坂道を力強く登る尻。
躍動し締まりあがる尻の筋肉が彼にはたまらないのだろう。

>「これはおそらく二人を分断する罠……! みこと殿が危ない!」

突然カフェが坂道を駆け降りていく。

「なんだあの女は!牧街様の尻から何ゆえ興味を失った?
かしわもちのような醜い顔をしくさってぇ!」

※若林が見たカフェはあくまでもイメージで彼にはほとんどの女性がモチに見えている。

>「……ちっ!!」
牧街に化けているデモンサーカスが舌打ちをして振り返りカフェを追いかける。

若林は牧街が好きなあまり、目が合ってしまえば自慢の筋力で抱きしめて殺してしまうことを怖れ木陰に隠れた。
勿論、にせものなのでそんな心配はいらないのだが。


361 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/16(土) 06:38:39   [sage]
偽牧街を追いかけようとした若林だったが回り過ぎて吐いて倒れている。
少し休み歩いて行くとデモンサーカスの姿を見つける若林。
全身からは憎悪と悪意のオーラを出しつつデモンサーカスは住民達の方へ近づいていく。

「待ちたまえ君」
若林も負けじと尻を出しつつ後ろ歩きで住民たちの方へ近づいていく。
前門のデモンサーカス。肛門の若林。住人たちにとってはいい迷惑だろう。

若林の行動にデモンサーカスは両眼に憎悪を宿し呟く。

「…つまらないねぇ…。その正義感。切りたいのは子供なんだよ。邪魔するなよ変態くん」

「へっ!」
突然笑う若林。白い歯が光り一回転した巨体が沈んだかと思うと
腕に持ち返られた鉄槍が遠心力と重力とで加速度を増幅させデモンサーカスに振り落とされる。
一見大振りにも見える若林の動きだったが、最大の動きで最速を生む、それは古剣術の動きだった。

地震かと思えるほどの衝撃と土煙。巨大な鉄槍は地に大穴を生み出していた。

「油断大敵でございますよ。悪霊殿」
若林は鉄槍を背負い直すと振り返りその場をあとにする。
その時だった。地面の穴から飛び出したデモンサーカスが若林の尻をズタズタに切り裂いたのは。

「ギャアアアアアアアア!!!!」
空に響く悲鳴。若林はツケをケツで支払うことになった。


362 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/04/19(火) 00:21:37   [sage]
>359
>「カフェさん!紅バサミ!あいつは牧街さんじゃなかったの!紅バサミだったの!!紅バサミよ紅バサミ!!」
「な、なんじゃってー!? というかそれは何じゃ!?」
みことは足が車輪と化した良く分からん生物(?)に乗っている。
>「あ、それと私が乗っているこの人はカフェママの自転車だったひと。自転車の九十九神さん」
>「あたいチェルノ。この姿で会うのは初めてだね。よろしくねカフェちゃん」
「なんと! 確かに母上の自転車は年期は入っておるが99年はたっておらぬぞ。
とにかく宜しく頼むぞ。妾はそなたのご主人の娘、カフェじゃ。
……そういえば母上は昔から物に向かって話しかけている事がよくあるのう」

両親が特殊な血筋同士という事は……
「もしや妾は天空のなんちゃらか!?」
が、黒酢の鎧は持っていても天空の鎧は持っていない。惜しい!

「とにかく一度戻って作戦を立て直すぞ!」
道中で、何やら住民の人だかりが出来ていた。

>361
地面に転がる惨死体。
>「ギャアアアアアアアア!!!!」
そして……ツケをケツで払った変態を目撃してしまった。敵は……デモンサーカス!?
1つだけでも手におえない悪霊がダブル襲来とは! これはまずい!
「みこと殿、戦略的撤退じゃ……!」
妾は小さい声で囁いた。が。
「みんなー! 変態さんの犠牲を無駄にしちゃダメ! 今のうちに逃げるのよー!」
大声で避難勧告するチェルノ殿! こっちを睨み付けるデモンサーカス!!
「ぎあぁああああああああああああああ!?」


363 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/23(土) 00:58:17   [sage]
「あ〜〜〜〜〜〜!僕の…僕のラ・マンがぁ〜〜〜〜〜〜〜!!」
チェルノのせいで刃こぼれしたハサミに激しく動揺する紅バサミ
そこにすかさず炸裂する鉄の拳
「がっ」
不意打ちと精神的ショックで紅バサミが動けない間に、チェルノはみことを連れて逃げ去ってしまった
後に残された紅バサミは、立ちすくみ、ブルブルと震えるばかりである

「許さない…絶対に許さない…殺す…コロス…コロス…」

――――――

カフェを見つけたデモンサーカスは、彼女を飛び上がって喜んだ
「いやっはああああああああああみいいいいいいっつけたよ!お嬢ちゃああああああん!」
しかし、顔も口調も笑っているが、目は笑っていない
激しい憎悪と怒りが黒い太陽の様に邪悪に光り輝いている
「僕はあれからずぅううううううううううううううっと待ってたんだよぉ〜」
「カフェちゃんには指いゲフッ!?」
「君をこんな風にぶち殺せるのをさぁ〜」
間に立ち塞がったチェルノを拳の一撃で壁に叩きつけて沈黙させ、邪悪なオーラと共にカフェに近づいていくデモンサーカス
逃げようと後ろを向く二人
しかし、そこには既に紅バサミが立っていた
「コロス…コロス…コロス…マルハゲニシテリョウテアシキッテコロス…コロス」
こちらもまた凄まじい憎悪と邪悪なオーラを出しながら、カフェ等に迫ってくる
もう今度こそ二人を妨げる物は何も無い


紅バサミのハサミが月夜田の両足を切り裂き
デモンサーカスの拳がカフェの両肩を砕いた


様に見えたが、拳も、ハサミも彼女等の目の前で制止している
「ギギギ…」
「…マテ、デスネ?ゾウブツシュサマ…」
全身に血管を浮かばせ、カフェ等を切り刻むのを寸前で我慢する2匹
「そうだよ、我慢我慢」
上から降ってきた声にカフェ達が顔を上げると、そこにはあの「笑顔の仮面」が電信柱の上に座っていた…


364 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/23(土) 01:10:34   [sage]
「直接会うのは初めてだったよね?始めまして、僕が君達と双神山やゾンビ村で遊んだテロ魔族だ、短い間だけどよろしくね」
陽気に眼下の二人に向かってそう言う笑顔の仮面
デモンサーカスと紅バサミはそんな仮面に、必死に視線で「殺らせてくれ」と訴えているが、笑顔の仮面は全く意に介していない
「今回君達にこんないたずらをしたのは他ならぬ僕何だよね、理由?殺すためだよ、勿論」
嬉々としてそう言って、二人に歩み寄る笑顔の仮面
そこにサイレンを鳴り響かせ、数台のパトカーが駆けつけてきた
先ほどカフェ等のおかげで逃げる事ができた市民達が、オカルトGメンに通報したのである
パトカーからは警官隊が駆け下り、デモンサーカス等にライフルやマグナムを向けてくる
「化け物共め!撃てう…」
「邪魔だね」
しかし、彼等の銃器が火を吹くより先に、笑顔の仮面の手から強力な妖力波が連射されて、パトカーを次々爆破、あっという間に警官隊を全滅させてしまった…
これが、魔族の力である
人間が最強レベルでも霊圧が100に満たないのに対し、魔族は雑魚でも平気で1000に到達するのだ
妖怪や人間は力押しでは絶対に及ばない存在であり、それは例え人類最高のGS、美神令子でもそうだろう
「ここじゃ話ができないね…場所を変えようか」
事も無げに1流GS達を片付けたテロ魔族は、相変わらずの調子でカフェ等に言うと、突然背中からマントを出現させ、それでカフェ等を包み込んだ!
マントに包まれた二人の意識は、闇に包まれ、あっという間に気絶してしまう……


365 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/23(土) 01:42:47   [sage]
二人が気がつくと、どこかの暗い室内で、木で出来た十字架にロープで貼り付けにされていた
目の前にはデモンサーカスと紅バサミが立ち、今にも襲って来そうな状況である
更に「もう一人」ボロボロの布を被せられた人影が、デモンサーカスと紅バサミの間に立っていた
デモンサーカスが二人の意識が戻ったのを確認すると、おもむろに手に持っていたテープレコーダーのスイッチをつける
『やぁ二人共、直接お話できなくて申し訳無いね、ちょっと派手に動きすぎて神族にキャッチされてね、僕は遊べなくなっちゃったんだ
けど、安心してくれ、そこにいる3人…特に今布被ってる子が君達を存分に苦しみ抜かせてくれるよ』
テープレコーダーからの嬉々とした声に反応して、布を被っている人影が一歩前に出る
それと同時にデモンサーカスと紅バサミは一歩後ろに引いた
『レディー&ガール!今回お二人を惨殺するのは、テロ魔族が作った新しい殺人鬼!元ゴーストスイーパー!しかし同僚や職場のイライラが元で殺人鬼の道へ転職した不死身の男!!』
バサリと紅バサミに布を取られる人影
その中から現れたのは…

『牧街〜〜〜モリ〜〜〜オ〜〜〜』

包丁を持ち、ボロボロの「パジャマ」を着た牧街モリオだ
そう、あの時牧街は最後まで寝巻きのまま行動していたのである
この牧街が本物である事は間違いない
牧街は俯いていて、その表情は読み取れ長いが、しきりに何事かぶつぶつと呟いているようだ
更にテープレコーダーは言葉を続ける
『この僕は今までそこにいるデモンサーカスと紅バサミ、他にも大勢の人達を殺人鬼の道へと導いてあげました
彼等はそう、社会に適応できず、道徳のせいで社会への怒りを発散する事ができず、自殺への道を歩もうとしていたのです
私はそんな彼等を助けるため、彼等からモラルをそっと取り除いて上げました
するとどうでしょう、彼等は人生に喜びを取り戻し、死ぬ瞬間まで殺人快楽の中で生き抜き、更に死んだ後も楽しみ続けています
今回私がそうして導いた男も、そんな人間の一人
生きる目標は勝ち目の無い敵への復讐
そして勝っても大事な妹は目覚めない
上司は何もわかってくれずに、日々意味の無い地獄の訓練を強い
思い人には気にしてもらえず
妙な女は自分を振り回し
わけのわからない女子に馬鹿にされる
地獄!まさに地獄!
しかし人のいい彼は自分の実力が無いのだと自分に言って、一人で苦しんでいました
そ こ で!
私は彼を助けて、優しく手を差し伸べて彼にこう言ったのです…
君は何も悪くない、悪いのは社会だよ…社会を壊す事で、君は救われる…君は快楽を得れるんだ…と
彼は大きく頷き、私が指定した最初の復讐相手…両者の意見が合致するターゲットへの復讐を引き受けてくれたのです』
牧街は包丁を構えると、ゆっくり二人へと近づいていく
相変わらず表情は見えないが、彼等からは不気味な程真剣な…殺意とは違う、しかしぴりぴりとした雰囲気が伝わってくる
その光景を、デモンサーカスと紅バサミはにやにやしながら見守っている

この場所に、助けが来る事は絶対に無い

そして、始めて人殺しをする牧街は、彼女達を殺すのに手間取るだろう
だから牧街が手間取っているのを手伝うのなら、自分達を快楽の道へ導いてくれた「ゾウブツシュ様」も納得してくれるだろうと、二匹は思っていた
牧街に刺され、紅バサミに刻まれ、デモンサーカスに魂まで喰われる
もう彼女達に残されている道はソレしかないのだろうか…

『さあ殺れ!牧街君!!僕の計画を邪魔してくれた生意気な小娘を…君の憎む二人を肉塊に変えて、素晴らしい殺人鬼へ変わるんだ!!はははははははは!』

邪悪な笑いを残して、テープレコーダーは止まる
同時に、牧街はカフェのすぐ前で立ち止まった
相変わらず表情は見えない
やがて、その唇がゆっくり開く
「何か…言う事は…無いですか?」
ボソリ、ボソリと、牧街は二人に向かってそう言った


366 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/04/26(火) 13:40:20   [sage]
襲い来る悪魔。パトカーの赤灯。不気味な笑顔の仮面。
混濁した意識の表層で、月夜田みことは耳障りな雑音に耳を傾けていた。

>『やぁ二人共、直接お話できなくて申し訳無いね、ちょっと派手に動きすぎて神族にキャッチされてね、僕は遊べなくなっちゃったんだ
>けど、安心してくれ、そこにいる3人…特に今布被ってる子が君達を存分に苦しみ抜かせてくれるよ』

布の中から現われたのは牧街モリオ。
そして仮面の声でテープレコーダーから吐露されたもの、それは牧街の積年の恨みや妬み。

「…本物の…牧街さん?」
呟くとカラカラに渇いた喉に掠れた声が張り付いた。
四肢に力を入れても身動き一つとれない。十字架に手足が括りつけられているからだ。

>「何か…言う事は…無いですか?」牧街は小さな声で問いかけてくる。

「たすけて。牧街さん。殺人鬼になんかならないで。
牧街さんは、誰にも勝てないへタレだからって自分からも逃げちゃうの?
克服できないことがあったって絶対に勝てない敵がいたってそれが人生ってものでしょ?
勝てなくっても、絶対に負けない気持ち…、逃げて後ろ指さされたって…
強く正しく生きようって気持ちがあったらそれでいいじゃないの」


367 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/04/28(木) 00:16:17   [sage]
>365-366
>「何か…言う事は…無いですか?」
十字架にかけられ、動けない以上、出来る事は牧街殿に語りかける事しかない。
妾はあの時、自分を慕ってくれる者を見捨てないと決めたのだ。
>「みこと殿だけでもどうか……」
助けてやってくれ、そう言おうとしたとき。
>「たすけて。牧街さん。殺人鬼になんかならないで」
「みこと殿……」
そうだ、妾は何を考えてたんだろう。牧街殿を殺人鬼にしてはならない。
自分も死んではならない。皆で生きて帰るんだ!!

妖怪化した牧街殿に届くかどうかはわからないが、必死に説得する。
>「牧街殿……今まで散々酷い目にあわせてすまなかった。それは謝るぞ。
確かに貧乏くじばかりの人生かもしれぬ。だが本当に不幸だけだったか?
たまにはそれなりに少しは感謝されたりもしたでしょ!? 
モラルを取り除かれたら救われるなんて嘘っぱちだ!
皆に恐怖と憎悪を向けられ、殺しても殺しても満たされることはない、永遠の地獄が待っているだけなんだよ!」

途中から婆口調にするのも忘れて叫んだ。
「それでもどうしてもやるというのなら……」
そこで一端言葉を切って思わせぶりに間を開ける。

「殺人鬼デビューにふさわしい衣装を買いにいこうぞ!
そのままではパジャマ怪人とかいう二つ名がついて永遠にバカにされる羽目になるぞ!!」


368 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/30(土) 03:38:04   [sage]
アレはまだ小学校の頃
その日俺は、チハルと一緒にテレビで夏休みの特番のウルTマンを見ていた
もうすぐ大人になろうというのに、未だに子供番組が好きな俺に、親はあまり言い顔をしていなかったが
俺は親に構わず、空想科学の世界に夢中になっていた

「兄ちゃんウルTマン好きだね」
「いや俺はウルTマンも好きだけどさ、ウルTマンに出てくる防衛隊が好きなんだよ」
「あぁ、魔学特備隊の事?」
「違うよ、防衛隊だって、このほら!戦闘機とか戦車とか」
「防衛隊ってあの、いっつもやられてるあの防衛隊?」

そして俺ははるかな宇宙からやってきた正義のヒーローや、最新技術の粋をこらして作られた特別チームも好きだったけれど、何より地球防衛組織の人達が好きだった
確かに彼等は強力な怪獣や侵略者の前に、いつも後手に回ったり、何の有効打も与えられずに叩き落されたりして、宇宙のヒーローや特別チームに助けてもらっている
その姿が、大勢の人には単に弱い奴等って映っていることを、俺はちゃーんと知っていた
それでも俺は、「防衛隊」が好きだった

「何で?変だよそれ〜」
「いや上手く言えないけど好きなんだって。何かこうやられ役〜って感じが何か…」
「兄ちゃんやられ役が好きなの?」
「おう!超好き!」
「やっぱ変わってるね〜」

でも当事の俺は、何で防衛隊が好きなのかを自分でもよくわかっていなかったし、まして好きな理由を詳しく人に説明する事何て不可能だった
多分、何となく感じてたんだろう


あの人達は、俺と同じ何だって


けれど、よく言う「同属嫌悪」って奴がその時働かなかったのは、今でも不思議だ
俺は確かに「やられ役」って自覚があって、「やられ役」はいつも不様で、弱くて、誰にも気にされなくて、下手に強いとTRPGのストーリー全体に支障をきたして
それでやらかして雑談所で……
……とにかくまぁ、「やられ役」ってのは散々なもんだってのは知っていたのに、だ


369 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/30(土) 03:56:17   [sage]
今、カフェさんと月夜田は、真っ赤な血で染まっていた


彼女等の服は所々無残に裂け
背中や腹にはべっとりと血がつき

抱えている俺の両の手には、温かい感触が伝わってきている

対し、俺の手は今凄く冷たい


肩に鋏が刺さり、背とわき腹を切られたために、大量出血していて正直めまいで倒れそうだからだ!

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

だが、俺は叫ぶ事も、二人を抱えて逃げる事もやめない
俺は「やられ役」だからだ
やられるまでがやられ役の仕事だからだ
やられ役はやられるその瞬間まで、如何に不様でみっともなくて見ている方が呆れるような有様でも
最後の最後の最後まで全力で生にしがみついて戦い続けるからだ

知っている中で、防衛隊の戦車が、戦闘機が、敵に背を向けて逃げ出したシーンを俺は知らない
みっともなく「助けてくれ」と言ったシーンは知っている
「うわあああああああ」とか、情けない悲鳴が上がったシーンも知っている

けれど、子供にわかりやすい形で、彼等は逃げていない
「戦わなければならな物」からは逃げていない

俺はきっと、「戦わなければならない物」から逃げない彼等を当事「同属」と感じる事ができなかったんだろう
だから、当事は同属嫌悪が無く好きだったんだと思う
今でも、同属嫌悪は働かない
俺はあの人達みたいに…戦場から逃げない事はできないからだ

…ただ、戦う対象からは逃げずにいて、隙を見て戻って反撃に転じる事は出来る
その辺りは、年月を経てできるようになっている
あの野郎のいった「意味の無い特訓」とやらで、できるようになってやったのだ!


正義のやられ役は、「倒さなければいけない相手」から、最後まで逃げずに戦うのだ
だから、後からやってくるヒーローが、何倍にも何十倍にも格好良く見えて
やられ役が守りたい物が概ね救われるのだ
俺は、正義のやられ役だ!!


370 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/04/30(土) 04:12:50   [sage]
俺はカフェさんと月夜田の言葉を聞いて、すぐに彼女達の拘束を包丁で切って解放し、抱きかかえて真っ暗いテントの中から脱出し、山中をひたすらに走っていた
後ろから追ってくるデモンサーカスと紅バサミの猛攻撃を背に、腹に受け、激しく血を流すが、絶対に止まるわけにはいかない
カフェさんや月夜田の脚では、奴等に追いつかれてしまうからだ

憎たらしくて、この業界の事わかってなくて、綺麗事が大好きで、どうしようもない連中
そんな二人だけれども
この二人は、俺を…俺を思いやってくれたんだ!!
あんな状況下で、俺を心から、思いやってくれたんだ!!

こんな人達のために命かけて戦えるなら、やられたって悔いは無いさ!
この二人を殺す?
笑わせるなテロ魔族!
他人で、血の繋がりも無い第三者で、俺にないがしろにされて、嫌がられて煙たがられて
それでも俺を思いやってくれる人達だぜ!

誰が殺せるかよ!!
俺、そんなに心弱くねぇよ!!


「裏”切り者があ”あ”あ”あ”あああああああああああああああああ死ね!ぢねぢねぢねぢねええええええええええええええ」
ひたすら走る俺の背後から、悪の心に負けて快楽に逃げて溺れている連中が必死に包丁を、鋏を投げてくる
走りながら必死にかわす俺の背にわき腹に、肩に、避け切れなかったそれが又命中し、血が噴出す
痛い!けど止まれない!だから止まれない!
この二人をそんな目に合わせるわけにはいかない!
この二人のために俺が貧乏くじ引くのなら、喜んで引いてやろうじゃないか!盾になってやろうじゃあないか!
「あああああああああああああああああああああああ」
俺は叫び、必死に走る
血が噴出し、めまいがしてきたが、まだまだ走る!



だけれども、人里はまだ見えない
幸い、真っ暗いテントを出るとき、無造作に置かれていたカフェさんが持っていた装備を取り返すことに成功している
反撃はできなくても、助けを呼ぶか、足止めをしてくれるかできるかもしれない


371 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/04/30(土) 13:37:22   [sage]
【名前】高山准
【年齢】16
【体格】華奢
【容姿(霊衣)】なんか女っぽい
【属性】霊的格闘術と治癒
【霊圧】29
【特殊能力】ホイミ以下の治癒能力
【装備】神通靴(霊力を流して蹴りを強化したり)
【趣味】登山
【備考】
GSを夢見る男。研修先の事務所は探し中である
某海賊漫画のコックもしくは速さを追及する文化的二枚目あるいはバッタヒーローと同じでキックが得意
かなりの機械オンチであり方向オンチでもあるのでよく遭難する。
更に騙され上手である。ただし本人に自覚はない


「あれ?あれ?ここはどこ?僕は誰?いや、それは知ってる」

高山准は遭難した。そうなんです、遭難したんです。
ことは三時間前に遡る────

「なあ高山、知ってるか?」
「なに?なんなの?裏山にミステリーサークルならもう信じないからな!」
「いや、それは違うんだ。ただ───こういう噂があるんだ
 あの…あれだ、ずーっといったところに山道があるだろ。あそこには……ジオンの亡霊が出るらしい」
「マジで!?」

────つまりはそういうことである。
いわゆるオーガニック的な何か(嘘)に引き寄せられ彼はここへ来たのだ!!

「なんだよ…結局ジオンの亡霊なんていないじゃないか………」

GSを夢見る彼は好奇心からジオンの亡霊を除霊しようと思いやって来たのだがデタラメな嘘だったようだ。
高山はがっくりとうなだれ、小島よ○おのような体勢になる。
残念ながら“あの”音楽に合わせて(*0w0)ウェーイとはしないが………

「ていうかここどこだろう……携帯のGPSは使い方がわからないし……」

哀れ高山。携帯のメールさえまともに使えない彼がGPSなど使えるはずがない。
そんな彼にも光明はあった!なんと向こう側に人がいるではないか。

「ヤッターー!!現地の人かな!?そうなんです!遭難したんです!助けてえーー!!」

高山はガキのよーにはしゃいだ。寒いギャグを言いながら。アホである。
しかし高山は気付く。なんか、血だらけじゃないか、と。必死の形相で、叫び、女性を抱え、走っている。
不意にひゅん、と高山の頬を包丁が掠めた。
不幸にも三流以下の彼が発見したのは最悪の現場だったらしい。
だが高山の眼力は凄まじく、血だらけのお兄さんがGSであることを頭ではなく心で理解した!

「なんかよくわかんないけど血だらけのお兄さん!!もしや……プロのGSですかっ!?
 スゲーー!兄貴って呼ばせてくださいっつーかもう呼びますよ!!」

高山は致命的なまでに空気を読んでいなかった──しかもあまりの興奮で遭難中であることを失念していた──


【こんなスゴクイイ場面で参加していいのかな?まあとにかくよろしくお願いします!】


372 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/03(火) 23:26:22   [sage]
>370
牧街殿が包丁を持って迫ってくる。
「牧街殿、信じておるぞ……」

そして……縄が切り落とされた。そして我々を抱きかかえて走り始めた。
みこと殿に語りかける。
「牧街殿はあいつらに拉致監禁されていただけじゃ。妖怪になどなっていなかったのじゃ……!」

喜びに浸っている場合ではない。デモンサーカスとカニバサミが迫ってくる!
>「裏”切り者があ”あ”あ”あ”あああああああああああああああああ死ね!ぢねぢねぢねぢねええええええええええええええ」
包丁や鋏が牧街殿に容赦なく襲い掛かる!
「牧街殿……!」 

「みこと殿、猫師匠に助けを呼んでくれ!」
みこと殿に携帯電話を渡し、トレカ型破邪札を手にする。
「喰らえ、タケノコの里!」
破邪札を投げると、某神話よろしく地面からタケノコが生えて急激に成長。
足止めになってくれればいいのだが。

>871
なんということでしょう、行く方向に遭難者がいた。
>「なんかよくわかんないけど血だらけのお兄さん!!もしや……プロのGSですかっ!?
 スゲーー!兄貴って呼ばせてくださいっつーかもう呼びますよ!!」
兄貴なんて呼んだらもう妾達の仲間と認識されてしまったに違いない。
「ぬわ――ッ! こんな所で何をやっておるのじゃ! 殺されるぞ!」
並大抵の脚力ではすぐに追いつかれるし、どうしたものか。

「カフェちゃん、みことちゃーん! 無事!?」
困っているところに、心配して迎えにきたらしいチェルノ殿が走ってきた。これは好都合!
「いい所に来た、こやつを乗せてやってくれ!」
そして遭難者に指示する。
「命が惜しければとにかくこれに乗るのじゃ!」

【大歓迎じゃ! 宜しくお願いするぞ!】


373 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/04(水) 15:09:31   [sage]
大地を蹴る牧街。抱きかかえられ揺れる二つのにょたい。
「ぁ…あ…んっ…」
弾む牧街の上で吐息が漏れる。冷たい体の奥底から伝わってくる牧街のぬくもりは
まるで寒さに凍える雛鳥のようで月夜田の胸はきゅんと、ときめいた。
「牧街さん、死んじゃだめ…」
少女は胸の高鳴りを抑え、しっぽりと血塗れの体に抱きつくと瞳を閉じ桜色のくちびるを牧街の頬に寄せる。

その時だった。

>「裏”切り者があ”あ”あ”あ”あああああああああああああああああ死ね!ぢねぢねぢねぢねええええええええええええええ」
デモンサーカスの包丁が牧街の肉を切り刻む。ついでに月夜田の髪もハラリと切り落とす。

「ぎゃああ!女の命が〜!牧街もっと速く走れーっ!!」

>>371>>372
>「牧街殿はあいつらに拉致監禁されていただけじゃ。妖怪になどなっていなかったのじゃ……!」
「まぢぃ!?」
>「みこと殿、猫師匠に助けを呼んでくれ!」
「いえすさー!」
カフェから携帯を借りて猫師匠に助けを呼ぶ。
山中でも不思議と電波状態が良かったしGPS機能を使ったりしたから、たぶん場所も伝わっただろう。
さらに言うと真上に謎の発光体が飛んでいるから良い目印にもなりそうだった。

そして……
遭難者があらわれた。

>「なんかよくわかんないけど血だらけのお兄さん!!もしや……プロのGSですかっ!?
 スゲーー!兄貴って呼ばせてくださいっつーかもう呼びますよ!!」
>「ぬわ――ッ! こんな所で何をやっておるのじゃ! 殺されるぞ!」

「逃げてー!登場してすぐピンチとか洒落にならないよーっ!」

牧街はもう満員。興奮している女っぽい姿の少年を乗せることはムリだろう。
みなが困っていると、とても良いタイミングでチェルノがやってきた。
チェルノはカフェママの自転車の九十九神。
少女の形をしているが元がママチャリの妖怪で、妖怪とアンドロイドを混ぜいっぱいいっぱいにしたような感じだ。
両肩を見やれば紅バサミとの戦いで失った腕が、にょっきりと生えている。
一度、家に帰って、修理してきて貰ったに違いない。

>「いい所に来た、こやつを乗せてやってくれ!」
「あたいにまかせとけー!うんしょ…」
チェルノはしゃがむと高山に背をむけた。

月夜田はいきなり山中に現われた高山という少年に好奇の眼差しを贈ったが、ふと何かに気がつき足下に視線を落とした。
「…あの靴。神通棍を買ったお店で同じのが売ってたかも…」
少年の履いている靴に見覚えがあった。それは明らかに霊具であった。
【遅れてしまいました、ごめんなさい。高山さんもよろしくお願いします!】


374 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/05(木) 02:21:49   [sage]
「!?えぇいぢょございなああああああああああああ」
カフェの出したたけのこによって、一瞬、デモンサーカスと紅バサミは手間取り、その間に牧街は加速して距離を取ることに成功した
(いける!逃げ切れる!いよおおおおおおおおおお…し!?)
「ぶわぁああああああああああああああああああああ」
逃げ切れるかと思った矢先、突然出現した高山に牧街は絶望の雄叫びを上げる
彼は何か言っているが、超必死の牧街に外からの言葉は届かない
駄目だ!
彼は駄目だ!
死んだ!
相手は1流のGSが装備を整え、罠に誘き寄せてようやく倒せるレベルの最強レベルの悪霊
現れた彼に逃げる術も戦うすべも無い!
(許せ!南無!!)
見知らぬ青年に、牧街が心の中で謝罪した、その時
何かサイボーグみたいな娘が現れて、青年を救って牧街と同じ速度で山道を走り出した
謎のサイボーグみたいな娘はどうやらカフェの知り合いか何からしい
(よし!よしよしよし!よし!)
青年が助かりかる!
そう思い

牧街は油断した

「!?しまっ…」
うっそうと茂った森、そこにできた小さな地割れ
それは普通に歩いていれば気づいていたが、全力で前へ前へとひたすら薄暗い視界で走っていた牧街は、それに気づく事ができなかった
ずるりと脚を滑らせ、牧街は深い地割れへと落下していく
「…何のぉ!!…ぐ…おぉりゃああああ!!」
しかし、それでも牧街は何とか踏ん張り、片方…小柄で軽いカフェの方を何とかチェルノに向かって放り投げる事ができた
だが月夜田は投げられず、そのまま彼女と共に地下へと落下していく…


375 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/05(木) 02:36:21   [sage]
「ゲフ…づぎよだざん…だいじょふれふか?」
薄暗い洞窟の中
とっさに自分の体を下にして月夜田を守った牧街は、もう完全に限界だった
口からは大量に血があふれ、全身血塗れで常人ならとっくに死んでいるだろう
だが、それでも今は休んでいる暇は無い
しかし
「…すんません…もう…はすれない…」
先の通り、牧街はもう限界だった
息は上がり、大量に血を失い、動いているのが不思議なのだ
「……あそこだ!あそこへ…」
しかしそれでも何とかよろよろと牧街は立ち上がり、洞窟の中にあった小さな隙間に月夜田と共にもぐりこむ
その中は高さ1m、幅3m程の空間になっていて
牧街はそこに結界シートを敷き、空間の壁と天井、床ににありったけの破邪札を張り巡らせて、即席の避難所を作り出した
「こ…これで…少しは…」
「もたせませんよ〜〜〜〜」
突然そばで聞こえた声に牧街がビクッとしてそちらを見ると、隙間の入口に紅バサミの姿があった
「追い詰めた…おおおおおいつめましたよおおおおマドモアゼェェェェル&裏切りものおおおお
さああああ楽しいミンチターーイムだあああ、こんな結界すぐぶっ壊しますよオオオ」
そう言って、隙間の中に入ってこようとする紅バサミ
しかし結界がバリアを発生させて、中に入ってくる事ができない
だが紅バサミは結界のバリアに、その鋭い鋏を叩きつけてきた
すると、空間に貼られていた破邪札の一枚が、ビリっと小さく千切れてしまう
更にもう一撃、一撃と喰らうと、破邪札は完全にちぎれ、床に落ちて灰になってしまった
「ふふふふふ、後破邪札26枚、それとそのシートですね…どしどしぶっ壊していきますよおおぉぉぉ」
そう言って、紅バサミは結界をバシバシ叩いてくる

「つ…月夜田さん…破邪札…破邪札に霊力を注ぎ込むんだ…そうすれば…結界が多少強化される…助けが来るのを信じて頑張るんだ!」
そう言って、血塗れの体で破邪札に手を置き、必死に霊力を注ぎ込んで結界を守ろうとする牧街
だが、無情にもまた破邪札が破られる
「後25ま〜い」
洞窟内に嬉しげな紅バサミの声が響き渡った


376 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/05(木) 02:39:55   [sage]
「むぅあたんかいこのやろおおおおおおおおおおお」
一方、カフェとチェルノ、高山の方は、デモンサーカスが追撃していた
デモンサーカスはナタを振るい、包丁やナイフを投げつけ、チェルノより微妙に早い速度で彼女達を追跡してくる
「お前等全員皆殺しじゃあアアアアアアアアア」
恐るべきデモンサーカスは大きく跳躍し、逃げるチェルノに追いついて、その上に乗る高山の頭目掛けてナタを振り下ろしてきた


377 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/05(木) 15:15:26   [sage]
>「ぬわ――ッ! こんな所で何をやっておるのじゃ! 殺されるぞ!」
>「逃げてー!登場してすぐピンチとか洒落にならないよーっ!」
「ふぇ?……ピンチ……あっ!!あぁぁぁぁあそうだああああ遭難してたんだぁぁぁぁぁぁああああ」

そういう意味ではないと思うが高山にとって思いつくピンチはそれくらいしかない。

>「カフェちゃん、みことちゃーん! 無事!?」

高山の前に颯爽と現れる自転車みたいな謎の生命体!
これが噂のジオンの亡霊なのかとイマイチ状況を掴めずにいる高山はおろおろしている。
余談だが実際のジオンの亡霊回でジオンの幽霊は登場してない。

>「命が惜しければとにかくこれに乗るのじゃ!」
「は、はーい」

切羽詰った状況であるのは理解できたため迅速にチェルノこと自転車に跨る。
一同は厄介な遭難者を拾ってしまったようだ。
仮に自転車とは言え二人の人間を抱えてあの速度を出せる牧街を素直に尊敬してしまう高山。
明らかにそういう状況ではないのだが状況を飲み込めずにいる為だろう。

>「!?しまっ…」
>「…何のぉ!!…ぐ…おぉりゃああああ!!」

薄暗い山中で必死に逃走を続ける牧街が地割れに嵌りそこに落下していく。
間一髪小柄なカフェをチェルノに投げつけることには成功したらしいが牧街と月夜田は深い底へ落ちていった。
ようするに分断されてしまったのである。

「カフェちゃん大丈夫?」

チェルノは両腕でしっかりとカフェを抱え、高山は無言で呆然とするだけである。
落下した心の兄貴(勝手に認定)牧街を見て『これは助けなきゃならないよなあ』という漠然とした使命感に駆られごそごそカバンを漁る。
高山のカバンには様々な道具が入っている。登山用の道具に始まり折りたたみ傘や、絆創膏まで。
備えあれば憂いなしというヤツだ。これらのしょーもない道具を人は『庶民の七つ道具』と呼ぶ。

「これ、登山の時に使う登攀用ロープです。これで下に行けますよね?
 あ、僕、高山准って言います。どうかひとつよろしくお願いします。そうそう、ちなみにGS志望です」

律儀に名前を教えぺこりとお辞儀をする。
ただし状況が状況なのでカフェの方はマイペースすぎる高山にイライラしているかも知れない。
しかしそこであっ、と閃いたようにカフェに一つの提案をしてみた。

「………警察とかオカルトGメンとか呼んだ方がいいですよね?」

高山は少し天然で間の悪いところもあるが基本、常識的な少年である。
携帯を取り出し、110番通報を試みるが……

「もしもしー。え?ははは、何でそんなところにいるんですか?もうしょうがないなぁー。はい、はい、じゃあかけ直しますねー、はーい。
 ………何か、警察は『電波の届かないところ』に居るらしくてここには来れないらしいですよ」

そうだこいつは機械オンチだった。警察を文明の利器で呼ぶなど彼では到底不可能だ。


378 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/05(木) 15:21:01   [sage]
>「むぅあたんかいこのやろおおおおおおおおおおお」
「ふぇ?」

背後から声。呑気な高山が振り向くとそこには狂気を孕んだ怒りの形相を見せるデモンサーカスが
決して常人では出せないスピードでこっちへ向かってくる。

「ふわあああああああああ悪霊おおおお!!!?逃げろぉぉおおおおっおおおぉぉぉおおーーっっ!!」

所詮一般人に過ぎない高山は情けない叫びをあげてチェルノに跨り必死に逃げる。
勿論チェルノの両腕にはカフェが抱えられているので決して見捨てた訳ではない。
まあ地割れの中に落っこちた牧街達を助けるという発想は頭からぶっとんでしまったが。

>「お前等全員皆殺しじゃあアアアアアアアアア」
「死っ、死っ、死っ、死ぬのはいやあああああああああああ!!」

ナイフ、包丁、様々な刃物がプロ野球選手の投げるボールの如き速さで飛び交う中、これでもかというほど恐怖の声を上げる。
加えてデモンサーカスはチェルノより微妙に速いのか徐々に距離を詰めてくる。

「ごっ…ごめん。相手の方が速いみたい…追いつかれちゃう!」
「あーーーあーーーー聞きたくない聞きたくない。バッドニュースは聞きたくない」

始末の悪いことに高山は現実逃避まで始めた。まあ彼はGSになりたいだけの一般人。
だというのに悪霊の中でも最凶最悪の狂った殺人鬼にぶち当たってしまったのだから運が悪かった。
チェルノに追いついたデモンサーカスは大きく跳躍し、何故か本来外野であるはずの高山にナタが振り下ろされる。

「うわっ!こないで!こないで!!ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」

半ばやけくそ気味に左手でサドルを土台に、右腕でハンドルをしっかり握って態勢を保持しながら両足の神通靴でデモンサーカスの一撃を見事いなす。
神通靴も込められた29マイトぽっちの霊圧に反応し燦然としている。
ただし威力の方はカタログスペックすら引き出せていないが修行なんぞしたことないからしょうがない。
しかしその身体能力の高さ──体の柔軟さやバランス感覚、反射神経はそれなりにスゴイ。
それは毎日のように道に迷い山を迷い海を迷い時に冥界を迷う内に培われたものである。…多分
加えて外見のひょろさなどや霊圧の低さから素人だと判断するデモンサーカスは高山を舐め、油断したことにも助けられた。

「うわあああああああああああ!!もうなんなんだよおおおおおおおおお!!」

後はもうただ避ける事に必死である。時にスウェーバック、時にスリッピング。
アクション映画顔負けの俊敏さで躱すことに必死だった。この間約10秒。
高山は小柄で華奢で女のようでジ○リドから「准?……なんだ男か」と言われるような男だが無駄にすばしっこかった。

そこに巨木の幹の、生い茂る葉と長い枝が彼の目に飛び込んできた。それを高山が見逃すはずもない。
チェルノの自転車についてるカゴにつっこんでおいた『庶民の七つ道具』から登攀用ロープを取り出し長い枝にひっかけて全力で引っ張る。
すると長い枝はこちらに引き寄せられ、デモンサーカスが枝と葉の塊につっこんだ!

「うわっ!!邪魔くせえななんじゃこりゃあああ!」
「い、今だ!!はやく逃げてください!!なんなら攻撃とかもしてぇー!!ラ・ン・ナ・ウ・ェ・イ!」

引き寄せられた木の枝に突っ込み、怯んだほんの一瞬の隙にチェルノはどんどん距離を離していく。
精神の限界が訪れた一般人高山は女のよーな顔で泣きじゃくりながらもう遭難もくそもない状態だ。


379 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/07(土) 07:02:57   [sage]
>373
>「…あの靴。神通棍を買ったお店で同じのが売ってたかも…」
「何!? ではこやつはGSかその見習いか何かか!?

>374
>「!?しまっ…」
「!?」
地割れにはまった! なんという孔明の罠!
ああ、某横スクロールのアクションゲームよろしく奈落に落ちてゲームオーバーになる運命なのか!?
が、信じられない事が起こった。
>「…何のぉ!!…ぐ…おぉりゃああああ!!」
牧街殿が渾身の力で妾を投げたのだ。なんたる火事場の馬鹿力!
しかし妾だけ助かっても何の解決にもならない。
「牧街殿おおおおお! みこと殿おおおおおおおおお!!」
>「カフェちゃん大丈夫?」
宙をダイブし、チェルノ殿の腕にキャッチされる。

>377
>「これ、登山の時に使う登攀用ロープです。これで下に行けますよね?
 あ、僕、高山准って言います。どうかひとつよろしくお願いします。そうそう、ちなみにGS志望です」
「なんじゃ? サバイバルが趣味のGS志望か!?
是非牧街殿に師事すると良いぞ! サバイバルにおいては彼の右に出る者はおらぬ!」
牧街殿、弟子志望者がおるぞ。生きて帰って色々教えてやってくれ。
いや、牧街殿はサバイバルにかけては宇宙で最強なのだ! こんな所で死ぬわけはない!

>「もしもしー。え?ははは、何でそんなところにいるんですか?もうしょうがないなぁー。はい、はい、じゃあかけ直しますねー、はーい。
 ………何か、警察は『電波の届かないところ』に居るらしくてここには来れないらしいですよ」
「おかしいのう。さっき猫師匠には通じたんじゃが。まあ良い、師匠が連絡してくれるであろう」

>「むぅあたんかいこのやろおおおおおおおおおおお」
>「ふわあああああああああ悪霊おおおお!!!?逃げろぉぉおおおおっおおおぉぉぉおおーーっっ!!」
「っぎゃああああああああああああああ!! お助けえええええええええ!!」

ついに迫るデモンサーカスの魔の手!
>「うわっ!こないで!こないで!!ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
「高山殿!?」
万事休すかと思われた、その時。蹴り技で予想外の大健闘を見せる高山殿。
>「うわあああああああああああ!!もうなんなんだよおおおおおおおおお!!」
さらに、デモンサーカスの足止めに成功。
>「い、今だ!!はやく逃げてください!!なんなら攻撃とかもしてぇー!!ラ・ン・ナ・ウ・ェ・イ!」
眼下に道が見える。この先でヘアピンカーブで道が折れ曲がっているのだろう。
それを見てレースゲーム的な発想を思い浮かべた。デモンサーカスが木に突っ込んで視界がふさがっている今なら!
「チェルノ殿、跳べるか?」
チェルノ殿は妾の意図を汲んだ。
「よーし、二人ともしっかり捕まって!」
跳んだあああああああああああああああああああ! 下の道に向かって決死のジャンプ!
「ほげえええええええええええああああああああッ!!」


380 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/07(土) 17:06:14   [sage]
突然、ふわり。体が重さを失う。体内の臓物が浮く。
足下には地面が無かった。三人は地割れに飲み込まれたのだ。
>「…何のぉ!!…ぐ…おぉりゃああああ!!」
牧街は人間離れした腕力で、カフェをチェルノに投げ渡しドヤ顔。
「………………あの、私は?」
月夜田は小首をかしげ微笑。でも目は笑っていない。
(こいつ!軽いほうを投げたんだ!!)
「むぎーーーーーッ!!」
抱っこを嫌がる赤ちゃんのように、ピンと背筋を伸ばし牧街を拒絶する。

>「牧街殿おおおおお! みこと殿おおおおおおおおお!!」
カフェの悲痛な叫びをよそに二人は崖下へと落ちていってしまった。

―――「痛いっ、あいたたたた」

落ちた先は薄暗い洞窟。脚をさすり、けががないのを確かめると股下から声。
>「ゲフ…づぎよだざん…だいじょふれふか?」
「ひえっ!!」
股下から覗く血塗れの牧街は、まるで月夜田から生まれているように見える。
>「…すんません…もう…はすれない…」
「……そ、そう。はすれないのなら隠れるしかないわね。立て!」
>「……あそこだ!あそこへ…」
二人は洞窟内の小さな穴に避難した。破邪札で中に結界を張る。
>「こ…これで…少しは…」
と牧街が言いかけたその時――
>「もたせませんよ〜〜〜〜」紅バサミがあらわれた。
>「追い詰めた…おおおおおいつめましたよおおおおマドモアゼェェェェル&裏切りものおおおお
>さああああ楽しいミンチターーイムだあああ、こんな結界すぐぶっ壊しますよオオオ」
破邪札は灰になっていく。
>「ふふふふふ、後破邪札26枚、それとそのシートですね…どしどしぶっ壊していきますよおおぉぉぉ」
「きぃーッ!!」
月夜田は歯噛みして紅バサミをねめつける。
わけのわからない狂気じみた遊びで殺されるなんてまっぴらごめんだ。


381 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/07(土) 17:08:35   [sage]
>「つ…月夜田さん…破邪札…破邪札に霊力を注ぎ込むんだ…そうすれば…結界が多少強化される…助けが来るのを信じて頑張るんだ!」
「うん!わかったわ!」
胸に深く息を吸い込み破邪札に手をかざす。牧街が言った通り結界は強化され、時間を稼ぐことは出来そうだった。

―――結界を張ってから何時間経ったのだろう。いや、まだ数分ほどしか経っていないのだろうか。
わからない。恐怖の時間は一秒が何分にも感じられた。

「あと一ま〜い」
喜悦の色を浮かべ顔面を近づけてくる紅バサミ。結界ごしに額の汗の滴がはっきりみえる。
体温まで感じられそうで、月夜田の手は震える。

「牧街さん…」
沈黙が落ちた。少女はにっこりと微笑んだ。最後の破邪札が灰になった。


382 : 高山准 ◇fE/1/wo2ds    2011/05/08(日) 12:27:21   [sage]
>「チェルノ殿、跳べるか?」
>「よーし、二人ともしっかり捕まって!」

二人は以心伝心、何がしたいのか心で理解できているらしいがかなしいかな高山にそんな余裕はない。
ナタをもった悪霊ピエロの顔がまだ脳裏に焼きついていて泣いていたからだ。

「あのー……一体なんの話を………」

瞬間嫌な予感がしたが、その予感は直後に的中した。何をトチ狂ったのか(高山視点)チェルノは下の道に向かってジャンプしたのだ!
レースゲームをウルテクでこなす花京院○明じゃあるまいし、無茶苦茶である。
確かに視界が塞がっている今ならデモンサーカスはカフェ達を見失う可能性だってある。
しかしもし着地に失敗したら……

>「ほげえええええええええええああああああああッ!!」
「ふぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」

大粒の涙が中を舞い、薄暗い森に二人の大絶叫が響く!これでは敵に位置を教えているようなもんである!
地面が近づくにつれ心臓が爆発しそうになる高山。どうしてこうなった!?

「着地!着地!!ラーーンディーーング!!!」

タイヤと地面が触れ、チェルノは上手い具合に方向転換しながら着地に成功はした。
ただしあまりの恐怖に高山の意識は朦朧としている。

「そんな恐がらなくても失敗したりしないわよー」

どこかむすっとするチェルノに高山はふざけないでと怒鳴りたくなったがそんな気力もないのでやめた。
しばらく走り続けたが後方からデモンサーカスが追ってくる気配はない。
このスピードを持続すれば最早追いつかれることもないだろう。高山はほっと一息つき、安堵するが……

「えー、穴に落ちた血だらけの…名前は…ええと、そうだ、牧街ニーサンは!?」

心の兄貴(勝手に認定)牧街達の存在をはたと思い出す。
しかしあの場所に戻って救助するというのもリスキーな行為である。ロープももうない。
ここは人里に戻って警察を呼ぶしかないという至って一般的な結論に着地すると
爽やかな笑顔で「後は警察にでも任せて帰りましょう」と牧街的台詞を述べようとするが…

「あ!あれって洞窟なのでは!?」

高山の指摘通り確かに洞窟のようなものが見える。
周囲は薄暗く見つけ辛いはずなのだが何の因果か目ざとく見つけてしまった。

「………もしかしたら牧街さんの落ちた地割れと繋がってるんじゃないですか?」

疑問形であるにも関わらず当の本人は行く気まんまんであった。
まあ尊敬するニーサンがいるかも知れないんだからしょーがない。腹パンされるかもしれないけど。


383 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/08(日) 13:26:58   [sage]
紅バサミの攻撃が、破邪札を次々と灰にし、遂に結界シートへと到達する
このシートもかなり強力な結界を展開できるはずだが、紅バサミ相手には長くは持ちそうに無い
「ほぉら!」
ガキンと音がして、紅バサミの鋏が結界に炸裂し、シートの墨がビリっと少し裂けた
「ほぉらほぉらほぉおおおおらぁ!」
ビリリ…ビリリと徐々に破れるシート
もう後が無い
月夜田は諦めたのか微笑を浮かべ
牧街は…

「おわぁあああああああああああああああああああああああどぅあれか助けてぇええええええええええええ」
「!?」

滝の涙を目から流し、頭を抱えて悶絶をおっぱじめた
ここに来て絶体絶命のピンチになり、今までの格好良さが完全に崩壊する
一生懸命やって駄目だったら、もう悶絶絶叫してのた打ち回るしかない
諦めてしおらしくなる何て牧街ではないのだ

「ぎゃああああああ死ぬ死ぬ死ぬぅううううううゴッドまあアアアアアアアアアアアアアアンたすけてぇえええええええええ」
「み…みっともねぇ…」

そのあんまりにもあんまりにもな姿に、思わず手が止まってひきつり笑いを浮かべる紅バサミ
しかしすぐさま作業は再開される

「ふぉんどるぅああああああああああああバロムワアアアアアアアアアアアアアアンきておくれぇえええええええええ」
「んなもん来るわけ無いでしょうがぁあああああ!」

シートの破れはドンドン酷くなっていく

「ドラぇもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」

牧街はみっともない


384 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/11(水) 00:05:07   [sage]
>382
>「着地!着地!!ラーーンディーーング!!!」
「見事じゃチェルノ殿!」
母上は何十年もチェルノ自転車に乗っていて事故ったことは一回もないという。
チェルノ殿なら大丈夫という妾の見立ては当たった。

>「えー、穴に落ちた血だらけの…名前は…ええと、そうだ、牧街ニーサンは!?」
「牧街殿なら大丈夫じゃ、今まで何があっても生き残ってきたゆえ。だからあとは無事を信じて……」
警察に任せよう、と言おうとしたその時!

>「あ!あれって洞窟なのでは!?」
「うむ、洞窟じゃのう」

>「………もしかしたら牧街さんの落ちた地割れと繋がってるんじゃないですか?」
「漫画じゃあるまいしそんなご都合主義な事はあるまい」
その時。

>「おわぁあああああああああああああああああああああああどぅあれか助けてぇええええええええええええ」

洞窟の奥から絶叫が聞こえてきた気がした。
「何じゃ!?」
「あたいならすぐに見てこれるわよー」
洞窟に入っていくチェルノ殿。もちろん妾と高山殿を乗せたまま。
「え、ちょ、ま……」

>「ぎゃああああああ死ぬ死ぬ死ぬぅううううううゴッドまあたすけてぇえええええええええ」
洞窟に入ると、悲鳴は次第にはっきりとしてきた。
やがてチェルノ殿がぴたっと止まって行った。
「この裏から聞こえてくるわ!」

>「ドラぇもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」
薄い壁の向こうに牧街殿達がいるらしい。
「壁を壊すぞ!」
妾はゴスロリ傘を手に取った。


385 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/11(水) 19:12:43   [sage]
ちょっと前。恐山師範たちと猫師匠はデモンサーカスが悪事を働いた村にいた。
村人からの目撃情報。そして救急車で運ばれる若林のお尻の傷を見て、この事件にはテロ魔族が関与していると予想する。

「これは大変なことになるにゃ!」

強力なテロ魔族を倒すために、猫師匠と恐山師範たちは協力して村のあちこちに罠を張る。

「でも出来れば決戦場所はここじゃなく聖なる場所がいいにゃ。パワースポットはこの近くにあるかにゃ?」
猫師匠が村長に問うと、近くの山の中腹に偉いお坊様が修行を積んだ洞窟があると言う。

「そこにゃ。その洞窟に罠を張って、おびき寄せてやっつけるにゃ!」
「しかし、お気をつけ下さいまし…」
「にゃ!?」
「洞窟の内部は迷路のようになっておりますゆえ一度入れば生きて出ることは困難。
生きて戻ることが出来れば生まれ変われるとの言い伝えもありますが…。
別名、胎内道と呼ばれる所以は生死をかけ現世に生まれ戻ることにあることをお忘れなく…」

魔族と戦う前から余計な心配ごとがあって困ったが、背に腹も変えられないので
猫師匠は恐山の高弟たちと協力し、なんとか洞窟に罠を張った。
―――その後。月夜田から電話があったが罠のことも洞窟のことも話す間もなく切れてしまう。

猫師匠は、テロ魔族たちが山腹を根城にしているとあたりをつけると猫バスで周囲の捜索をしていた―――

>「着地!着地!!ラーーンディーーング!!!」
>「見事じゃチェルノ殿!」
チェルノの背に乗ったカフェと高山が遠くを飛んでいる。
「見つけたにゃ!!」
猫バスで追いかけると、奇しくも例の洞窟に入っていくカフェたち。
猫師匠は村に陣取っている恐山師範たちに連絡すると猫バスを降り洞窟に進入する。


386 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/11(水) 19:14:08   [sage]
パッと見、洞窟の内部には罠らしいものは見受けられないが、
カフェが薄い岩だと思っているのは張りぼての岩壁。
オバケ屋敷の暗幕のように、裏に仕掛け人が隠れて作業をするようになっている。
よく見れば巧妙に罠は仕掛けられているのだ。

でも予定外のテロ魔族の侵入に恐山師範の弟子である仕掛け人たちは浮き足だっていた。
テロ魔族は規定のコースではなく舞台裏に侵入してしまっているのだ。
「あいつ牧街じゃね?」
「つか、あいつらどっから入って来た!?」
「おい!!まだあれの用意は出来てねーぞ!!」

恐山の兄弟子たちはバタバタしていた。

* * * * * * * * *

>「おわぁあああああああああああああああああああああああどぅあれか助けてぇええええええええええええ」

「はあ…。とうとう化けの皮がむけちゃった。
私みたく笑顔でいられないの?言っておくけど私の笑顔は営業用のつくり笑顔じゃないから。
気高い希望の笑顔なのよ。カフェさんは困っている人を見捨てたりなんてしないもの。
もしかしたら助っ人を連れてすぐそこまで来ているかもよ」

鼻白んだ顔の月夜田は駄々っ子のように泣き叫んでいる牧街に一言。
それでも牧街は怨念テープレコーダーのように禍言を吐き出し続けている。

>「ドラぇもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」

「この期に及んで青ダルマの名前なんて叫んじゃうなんて末期症状ね!
つーか五月蝿い!だまれ牧街!!なんか聞こえる!!」

月夜田は、牧街の口に握りこぶしほどの石を詰めて大人しくさせると壁に耳をついた。
やっぱり壁のむこうに人の気配がする。


387 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/11(水) 19:15:24   [sage]
>「壁を壊すぞ!」

「ほらね!!カフェさんよ!!カフェさんがキタッ!!
カフェさーん!!たすけてー。私たちはここよー!!」

月夜田は自分たちの位置を知らせるために神通棍で力いっぱい岩壁の張りぼてを叩く。
神通棍は張りぼてを突き破り高山の脳天を目がけて振り下ろされた。


388 : 高山准◇ fE/1/wo2ds    2011/05/12(木) 21:47:51   [sage]
>「何じゃ!?」
>「あたいならすぐに見てこれるわよー」
「うぇっ!?いや、行くなら僕を降ろしてから………ふぎゃああああああああああああああ!!!」

高山の制止の声など聞こえないのか、無視しているのかずんずん洞窟の奥へ進んでいく。
お忘れのようだが上に乗っている女男は一般人なのだ。奥から聞こえる絶叫に負けず劣らずの悲鳴が洞窟内に響く。
オマケに結局洞窟の先は行き止まりだった。高山の予想は外れのようである。残念!
しかし、壁が薄いのか声は向こうからはっきり聞こえてくる。これは誰かがいる証明に他ならない。
ただし不幸なことに壁は薄そうだが三流以下の彼の実力ではどうしようもない。

>「壁を壊すぞ!」

瞬間。岩壁からどこから湧いたのか神通棍が飛び出し、高山の脳天に直撃した。
突拍子もない出来事だったので神業的回避力も発揮されなかった。

「う"ぇ"っ!!!いっだあああああああ!!
 ………気をつけろォォォォーーーッ!!新手の悪霊が既に潜んでいるぞォォオオーーッ!!」

あまりの痛みにトチ狂ったのか絵柄が突然劇画チックな荒木飛呂彦へと変わり意味不明な内容を叫んでいる。
余談だが荒木氏の絵柄は3部後半〜4部前半くらいのカクカクな感じが一番ベネ(良い)。
しかしこれ以上ジ○ジョネタをかますと大宇宙の意思で……うん?誰だろうこんな時間n…ああ窓に!窓に!!

「よ……よく見たらこれハリボテじゃないですかっ!!暗がりだから気が付かなかった……!!」

カフェのゴスロリ傘がハリボテ岩壁に命中し、呆気なく開通した。
そこにはみっともなく口に石を詰められそれでも叫ぼうと足掻くmakigai213と月夜田の姿。
───そして、そんな状況を飲み込めず引き攣った顔で結界シートを壊す紅バサミの姿が。
ふぇ?と高山はそこまで理解してしばし思考停止。

「うわああ!!この血まみれの白衣の悪霊………動くぞ!?………結界を踏み台にしたあ!?
 ハサミなんて飾りです!偉いテロ魔族にはそれがわからんのですよ!たかがハサミ1つニュー牧街さんが押し返してくれる!」

そして次の瞬間、訪れるパニック状態。ある意味『悪霊が潜んでいる』の台詞は正しかった。
高山からしてみれば瓢箪から駒だったが。

「う、う、う、うおりゃあああああああ!!天魔覆滅!!その命、神に返しなさい!!!」

あまりにパニクりすぎた結果、『アレ?どうせ死ぬなら一泡吹かせて死んだ方が良くね?』という
なんともまあ投げやりな結論に達して紅バサミにライ……げふん、高山キックを見舞う。
威力はほぼゼロに等しいがそのまま隙間から飛び出して紅バサミともつれこむことには成功した。

「余計なことを………あなたから死んでもらいましょうかマドモ……しょうねええええええん!」
「今間違えたやろーーっ!?誰がカミ○ユの顔面版じゃボケーーッ!!って助けて助けてヘルプ!ヘルプ!」

しかしこの中で紅バサミから高山を救うだけの戦力はない。特攻までは格好良かったのだが…いかんせん後が続かない。
残念ながら彼は師匠ズの作戦の為の尊い犠牲になる道しか残されていないようだ!
だが安心して欲しい!彼がここで死んでも遭難者の不慮の事故死としてまた歴史の行間に葬られるだけだろう!
さらば高山!ありがとう高山!君の生命で他のGS候補と三流GS2名が救われたのだ!
君が死んだ後も物語は特に支障なく続いていくだろう!!勝ったッ!高山准 完!

「いや!まだ死んでないか…ら助けてーーー!助けてくれーーーッ!!」

今回は心なしかパロディに走りすぎた気がする。反省しなければ。
良い子の皆、高山准って奴はシリアスをぶち壊しておきながら助けを求める卑怯な奴なんだ。相手にしちゃダメだぞ!


389 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/13(金) 03:51:22   [sage]
「ふがほんひゃほのひゃろおおおおおお(何すんじゃこのやろおおおおおおお)」
口に石を詰められ、腹が立った牧街は月夜田に拳骨を見舞う
もう遠慮が無くなった
「ひほはひはへにへへりゃひょうひにひょりひゃはっへ〜〜〜(人が下手に出てりゃ調子に乗りやがって)」
更に頭に来た牧街は壁を壊してて隙だらけの月夜田の頭をボカスカ殴りつける
妖怪化はしなかった、が、確かに牧街の中には「月夜田、ウゼェ!ムカつく!」的な心が確かに増幅されており
それが、ヘタレだったから今まで後で訴えられたりするのが怖くてできなかった暴力行為を実行に移させていた
…本来なら家庭内暴力位洒落にならない威力を持つそれらの行為だったが、今牧街は重症だ、全然痛くもかゆくも無い

「げほっ、げほっ…あー歯がいてェ…」
カフェの傘でハリボテに穴が破れて穴が空き、そこから脱出する際落ちる岩
あーカフェさん助けに来たなーと咳き込みながらよろよろそこから這い出てカフェさんに片手を上げてどうもと挨拶する
が、後ろに誰もいない様子を見て、がっくりため息をつく
「…救援隊をつれてきたわけじゃあ無かったんですね」

こんな事なら、叫ばなければ良かったと牧街は思った
カフェが牧街等を見捨てると、牧街も思ってはいない
だから誰かが助けに来た時すぐわかるように、牧街は全力で叫んでいたのだ

だが、まさか紅バサミ相手に何の策も無く来るとは思わなかった
これでは来た意味が無い
と言うより…下手すればデモンサーカスまで合流してきて状況が悪化する
幸いにして壁がハリボテだったから良かったが、よく考えてみれば…

(そいや結果オーライ結果オーライでやってるんだなぁ、こいつ等は……)
月夜田による先ほどの反撃を軽くかわしながら、ふっとそんな事を思っていると

「何か忘れてませんか?」
「ぁ」
「あ、じゃないあ、じゃ」

感傷に浸っている間に、紅バサミが結界シートを破ってしまっていた
マズイ


>たかがハサミ1つニュー牧街さんが押し返してくれる!」
>う、う、う、うおりゃあああああああ!!天魔覆滅!!その命、神に返しなさい!!!」


しかし、絶体絶命のピンチに妙な影が現れ、紅バサミに戦いを挑んでいった
まさかの助っ人に、牧街はおおっと希望に目を輝かせる
(ニュー牧街!?そうか、カフェさんは式神術か何かで俺をベースに強力な味方を作ったんだな。あの人にこんな特技があったなんて…。頑張れ!ニュー牧街!!)
何か誤解して感心する牧街
しかし、新しくても牧街は牧街
あっという間に紅バサミにとっ捕まって髪の毛に鋏を入れられそうになってSOSを開始する
「…っ」
助けに行こうとする牧街だったが、大量出血と月夜田を落下のショックから守った時のダメージで、体は思うように動かない

「見つけた見つけた、お嬢ちゃ〜〜〜ん、こ〜〜〜んな所にいたんだね〜」
更に、最悪な事にデモンサーカスまでもが洞窟内に姿を現し、カフェ等の背後をとってしまった
前は紅バサミ、後ろはデモンサーカス
横道やハリボテはもう都合よくない

「…ゴッドマあああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアン」

洞窟内に牧街のSOSが再び響き渡り…


390 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/13(金) 04:29:37   [sage]
「ゴォンノヴァッアアアアアアアアアアアアアアクゥ」
突然、背後から何者かがデモンサーカスの後頭部をぶん殴り、紅バサミのいるところまで吹き飛ばして両者を激突させ、高山を救った
そして悠然と歩いてきた男は、もう、言うまでも無いだろう
「恐・山・流・除霊道場師はぁん!!恐山断弦、参・上!!」
全身から凄まじい気を放出しつつ、恐山師範が現れたのだ
「し…ししょ…」
「どぅあふぉおおおおおおおお!!」
重症の牧街相手に、容赦なく隕石の様な拳骨が炸裂する
「女の子を守れないばかりか、何も出来ずによろめいてるだけとは何事かぁあああ!!ヴォヶェ!!」
心配した、だとか、お前は何をしていたんだ、とか、何があった、とか
そんな事は一切無く
断弦はいきなり牧街は叱り付けた

「……すいません」

…師匠は何が起こっても、どんな時でも、変わらず俺を叱ってくれるんだな
殴られて叱られて情けなくて、断弦が凄まじいオーラを出しているのに
牧街は嬉しくなった
人間やめなくて良かったと思った
そして…
心から安心した
もう大丈夫だと
この人が来れば間違いないと

そうだ、きっとカフェさんが呼んでくれたんだ
「ありがとうカフェさん…。師匠を呼んでくれて」
彼の中で宇宙一頼もしい存在の登場に、安堵して思わずカフェにお礼を言う
師範がいればもう大丈夫…
そう思った矢先

「このレベルを2匹とか、無理!!逃げるぞ!!」

師匠はあっっさり風の様に退散した
「えぇえええええええええええええ」
「死にたくない奴は走れええええええええ」
そう叫んで、恐山断弦は牧街の数倍の速度で洞窟の奥へ消えていく
「ぢいいいいやああああそんな俺もう走れねんだっつー…」
「でめェらごろずううううううううううううううううう」
「ぐううううんもうヤケクソじゃああああああああああああ」
恐怖とヤケクソパワーで牧街は高山を抱え上げ、最後の猛ダッシュを開始する
月夜田とじっとしていた間に、体が休まって回復したようだ
撃墜されて急降下する戦闘機の様なスピードと有様で必死に恐山師範の行った方向へ牧街は突っ走る


391 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/16(月) 00:04:20   [sage]
>385-390
>「う"ぇ"っ!!!いっだあああああああ!!
 ………気をつけろォォォォーーーッ!!新手の悪霊が既に潜んでいるぞォォオオーーッ!!」
「あれ? 今の棒……」
あんなに棍部分が短い棒と言えば、月夜田殿の神通棍ではないか!?
>「よ……よく見たらこれハリボテじゃないですかっ!!暗がりだから気が付かなかった……!!」
「月夜田殿〜、牧街殿〜! 助けに来たぞー! ……はっ!」
蟹バサミと目が合った。

が、そこで高山殿が予想外の健闘を見せる。行けるか? もしかして行けるか?

>「いや!まだ死んでないか…ら助けてーーー!助けてくれーーーッ!!」
「やっぱダメじゃあああああああああああああああああああああ!」
>「見つけた見つけた、お嬢ちゃ〜〜〜ん、こ〜〜〜んな所にいたんだね〜」
デモンサーカスまで追いついてきて大ピンチだ!
残念、牧街達は ぜんめつした! となるかと思われたその時!

>「ゴォンノヴァッアアアアアアアアアアアアアアクゥ」
>「恐・山・流・除霊道場師はぁん!!恐山断弦、参・上!!」
「恐山師匠〜〜〜〜〜〜!!」
恐山師匠まじかっけー。

>「ありがとうカフェさん…。師匠を呼んでくれて」
「何、当然のことをしたまでじゃ」
そういえば妾が呼んだのは猫師匠のほうだったような気がするが猫師匠が恐山師匠に連絡を取ったと言う所だろう。

>「このレベルを2匹とか、無理!!逃げるぞ!!」
「さすが牧街殿の師匠! みこと殿、乗れい!」
高山殿は牧街殿が抱えていったので、チェルノ殿にみこと殿を乗せ、自分はチェルノ殿の腕に抱えられて逃げる。
「終りじゃああああああああ!」
「なんの! きのこの山!」
「今度こそおおおおおおおお!」
「タケノコの里!」
追いつかれそうになる度に姑息な足止めを繰り返す事数回。足止めの札も無くなった頃。

「みんにゃー、こっちにゃー!」
猫師匠が猫バスの前で手を振っているのが見えてきた!


392 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/16(月) 04:39:37   [sage]
>>388-390
壁に耳あり岩壁に高山あり。

>「う"ぇ"っ!!!いっだあああああああ!!
 ………気をつけろォォォォーーーッ!!新手の悪霊が既に潜んでいるぞォォオオーーッ!!」

月夜田みことは、おもいっきり高山の頭を叩いた。いい音がした。いい声で鳴いた。
「悪霊って誰のことーっ!?」
人様のことを悪霊と呼ぶなんて解せない。月夜田は高山にマイルドな呪いをかける。
(((朝起きたら、ほうれい線がくっきりになれ!!)))
これで高山は、朝からほうれい線を消すのに必死になって遅刻して皆勤賞を逃すことになるだろう。

>「ひほはひはへにへへりゃひょうひにひょりひゃはっへ〜〜〜(人が下手に出てりゃ調子に乗りやがって)」
「いたっいたたたた!!」
ぽかぽかと頭を叩いてきた牧街が憎たらしい。彼にもささやかな呪いをかけることにする。
(((子々孫々!水かきが発達せよ!!)))
きっと牧街一族は水かきが邪魔になってピアノが弾き難くなるだろう。蛙王の二つ名をもち水泳で金メダルを獲ることだろう。
華麗に反撃をかわしたつもりだろうけど、未来永劫、月夜田の呪いは続くのだ。世の中そんなに甘くない。

そうして、そうこうしているうちに恐山断弦が参上。
ゾンビ村の事件で助けに来てくれた人なので頼りにしていたらあっさりと逃げた。

>「死にたくない奴は走れええええええええ」
恐山師範は洞窟の奥深く、松崎しげる色の闇に消えていく。
牧街も高山と一緒に師範のあとを追い洞窟の奥へと消える。


393 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/16(月) 04:41:26   [sage]
>>388-390
洞窟の奥深くへと直走る恐山師弟と、それに便乗している高山は洞窟の奥の広場に出る。
そこはパワースポットだった。辺り一面にビーダマのようなものが無数に散らばっている。
よく見ればそれは文殊。漢字一文字を念じることによって様々な効果を起こすことが出来るという奇跡のアイテム。

恐山師範は一か八か「死」という念を込めてテロ魔族に投げつける。すると。
「タヒッ!」とテロ魔族が叫ぶ。
どうやら文殊は偽物。というより欠陥品。少ない霊力でも扱える代物らしいが何かおかしい。
本物を作れるのはやはり横島と菅原道真だけのようだ。
「こんなもの誰がつくった!?…ふざけやがって!」
洞窟の伝説やパワースポットは客寄せのための嘘だったらしい。恐山は高山を見つめ歯軋りすると牧街に拳骨をした。
「なぜ一般人を巻き込んだ!!」
バチン!こんどは平手打ち。その光景に紅バサミは目を細め笑っている。

「美しい。実に美しい仲間割れですねぇ」
じりじりと近づく紅バサミ。

「まず始めにその女顔の少年から逝かせましょうか?
GSたちには己の無力さを味わってから死んでもらうことにいたしましょう」

「させないよ!」
暗がりから牧街の兄弟子たちが飛び出し破魔札マシンガンで紅バサミを滅多打ち。
すると恐山師範は牧街に強烈な腹パンチをした。牧街は高山と一緒に洞窟の天井の裂け目に飛ばされる。
裂け目の奥を見ると明かりが見える。外に続いているらしい。
「逃げろー牧街!!その子を連れて逃げおおせてみせろぉおぉ!!」
「ぴぎーーーっ!!」
「ぬぎゃああああ!!」
ドガッバスッズガガガンッ!!恐山師範たちはこのままだと全滅してしまう。


394 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/16(月) 04:43:11   [sage]
>>391
>「さすが牧街殿の師匠! みこと殿、乗れい!」
「はぁーーーい」

チェルノに乗ってなんとか逃げていると猫師匠が猫バスの前で手を振っているのが見えた。
>「みんにゃー、こっちにゃー!」
「た、たすかったかも!やったねカフェさん!!」
三人は猫バスに飛び乗る。でも……

「あれ?カフェさん。牧街さんたちは!?」
読み間違えていなければ牧街たちは洞窟の奥へとむかっていた。
猫バスのあるここは多分、外。
「え…うそ…」
そうなんです!みんにゃは離れ離れになっちゃったんです!

竹の子を蹴散らしキノコの頭でつんのめりながらデモンサーカスは猫バスに迫ってくる。

「発車するにゃ!!」
猫バスはジャンプして走った。洞窟の中から聞こえる悲鳴は尋常ではなかった。
「逃げるの猫師匠!?カフェさん!!牧街さんたちが死んじゃう!!」
月夜田は窓から洞窟を心配そうに見つめた。

「心配なんか無用さ。あの世でいっしょになれるからさーッ!」
窓からデモンサーカスが乗り込んでくる。
ふわふわの猫バスの中で押し倒されるカフェ。
「あ、ごめんごめん。魂を食べちゃうからいっしょにはなれないね。
もうタケノコの里は食べ飽きた。粋のいい女の魂を喰らいたいな〜!」
カフェに振り下ろされるデモンサーカスの鉈。


395 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/16(月) 17:43:40   [sage]
「その時不思議なことが起こった!突如牧街が金色に輝き出し神通棍の一撃で紅バサミを……」
「倒せませんよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

うーん、て○を作戦失敗!現実はいつも非常である。
しかし不思議なことでも起こらない限り彼が助かる可能性はゼロに等しい!THE END!

>「ゴォンノヴァッアアアアアアアアアアアアアアクゥ」
>「恐・山・流・除霊道場師はぁん!!恐山断弦、参・上!!」

突然筋骨隆々のヤバそうな胴着のおっさんが現れ、紅バサミを“ぶん殴った”
その姿に『時が見えた』と高山は後に語っている。
つかつか牧街の下へ歩み寄り、感動の師弟の再会シーン。涙腺の脆い高山は死にかけたこともド忘れして泣きそうになった。
しかし血だらけの牧街に対してあろうことかりんごを粉々に出来そうな拳でぶん殴った!

>「女の子を守れないばかりか、何も出来ずによろめいてるだけとは何事かぁあああ!!ヴォヶェ!!」
「すんません!それはカフェさん達のことですよね!!」

んなわきゃあねーと思うが一応質問しておくッ!
……が大宇宙の意思によって師弟シーンにつきカットされてしまった!

>「ありがとうカフェさん…。師匠を呼んでくれて」

もう何も言うまい。何はともあれこの感動的な場面に水を差すべきではないのだ。
イカレポンチの悪霊も恐山師範によって見事退治されるだろう!牧街復活編堂々完!!

>「このレベルを2匹とか、無理!!逃げるぞ!!」
>「えぇえええええええええええええ」

あまりの出来事に腰を抜かした。しかも逃げ足はあの弟子にしてこの師範あり。
人間の限界速40ヤード4秒2も余裕でぶっちぎってその姿正に一陣の風。

>「ぐううううんもうヤケクソじゃああああああああああああ」
「やだー牧街さんカッコイイ!相手が女子なら絶対その娘惚れてますね!」

もう助かったも同然だろうと調子こいたのかやたら余裕ぶっている!


396 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/16(月) 17:51:22   [sage]
そして気が付けば辿り着いたのは洞窟の奥。ビーダマのようなものがたくさん転がっている。
知識の乏しい高山ではそれが文殊であることは理解できない。
しかもカフェ達がいつの間にかいない。

「あれ?カフェさん達は?」

疑問の声は恐山師範の怒声でかき消される。

>「こんなもの誰がつくった!?…ふざけやがって!」
>「なぜ一般人を巻き込んだ!!」
「えぇ!?もうやめてあげてください!牧街さん死んじゃう!!」

ビーダマのようなモノが師範の思っていたものと違った効果を発揮してしまうらしく
イライラしたのか怒りを牧街にぶつけたようにしか見えない。世間一般で言う八つ当たりである。
胸に七つの傷があってもおかしくない巨躯から放たれる平手打ちと拳骨はさぞ痛いだろうと顔を引き攣らせる。

>「美しい。実に美しい仲間割れですねぇ」
>「まず始めにその女顔の少年から逝かせましょうか?
>GSたちには己の無力さを味わってから死んでもらうことにいたしましょう」
「しつこいんだよアンタは!理髪店の店員にでもなったらどうなんだ!?」

もう高山も状況に慣れてきたのかそこからぶつぶつと講釈を垂れ出した。
誰も聞いてないが腹の虫が収まらないらしい。

>「させないよ!」

恐山道場総出の抵抗虚しく状況は芳しくない!
紅バサミは破魔札のマシンガンなどものともしていないらしく弟子達をゴミのように蹴散らしていく。

>「逃げろー牧街!!その子を連れて逃げおおせてみせろぉおぉ!!」

牧街に腹パン。いい台詞だ、感動的だな。だが普通に投げ飛ばせば良かったのではないか?
スペースシャトルよろしく洞窟内の上空へ飛び上がった牧街とそれにしがみつく高山は天井にあった裂け目を飛び出し、一応の脱出を果たした。
下からは相変わらず悲鳴が聞こえる。贔屓目に見ても、劣勢だ。恐山師範は逃げろと言っていたがこの状況で逃げるのは流石にできない。
しかし、例え高山が降りても足手まといもいいところだ。だが、せめて皆で逃げたい。そんな感情が高山に芽生えていた。

「………牧街さん。僕にはこんなことしか出来ませんが………見ててください!俺の、特技!!」

牧街の腹を渾身の力で殴った。それなりに痛いだろうが、気にしたら負けだ。
そして高山の掌が翡翠の輝きを放ったかと思うと牧街の傷がみるみる塞がっていく。

「治癒能力……ヒーリングってヤツです。これで…傷を治してなんとか皆で逃げる方法を…」

しかし、高山のヒーリングはGSでない故に不完全で牧街のような大怪我は治せない。
見れば不自然なほど汗をかいており、耳から血が垂れている。

「完璧には治せないけどなんとかさっきよりまともに動ける状態には……」

霊力を振り絞った治療。修行のしていない彼がそんなことをすれば、まずぶっ倒れる。ついでに血も吐く。

「あああああああ…お花畑が見える…ちょ〜〜っと本格的にやばいかも……
 そういえば……紅バサミは何で殺人鬼の悪霊なんかになったんですかね……そこを突けばなんとか逃げれるかも……」

精神崩壊を起こしそうな顔でうわ言を呟いている。ちょっとマジでヤバそうだ。
しかもここで迂闊に牧街が下へ向かえばミンチよりひでぇなことになるかも知れない。そこで選択肢は3つある。
@──突然味方の魔族の人がスーパー・ヒーローのように参上して助けてくれる
A──ハンサムの牧街は突如紅バサミを除霊するアイデアを閃く
B──このまま逃げる。現実は非情である(その場合恐山流除霊道場は潰れる可能性が……)


397 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/17(火) 02:52:35   [sage]
悪霊の猛攻に次々倒される恐山流除霊道場の面々


断弦は牧街を一人逃し、足止めか最後の悪あがきか、紅バサミに戦いを挑んでいく


そこで、高山は最後の力を振り絞り、牧街を回復させ、最後の抵抗を促してくる


長い歴史ある恐山流除霊道場



その最後の戦いが今…始まろうと「いや…逃げましょう、Bで、B」

牧街はあっさり撤退を決定した


398 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/17(火) 03:21:26   [sage]
「あのレベルの悪霊はですね、よっぽどの特殊能力者か、はたまた1流GSじゃなきゃ相手にならない、妖怪に近いレベルの奴何です
だから俺達が出て行っても完全に足手まといになりますよ」
必死にがんばる高山を、牧街はもういいよと手で制して、再び抱え上げて逃げ始める
その表情は…怯えまくっている
「それに…師匠は『逃げろ』って言ったんだ…って事は…」
牧街の声が、微妙に涙ぐんだ
それは師との別れを「周囲の霊体を無差別に破壊しま来る気でいるんだあの人は…」
牧街の口から語られる恐ろしい真実
そう、確かに恐山師範はこう言った

「このレベル2体は無理」と

つまり



「し…師匠がアレを使うぞ!!」
「けが人を退避させろ!急げぇ!!」
「足止め係!足止め係だけ残してみんな撤収だ!!」
洞窟内に響く悲鳴、怒声、慌てて引き上げだす恐山の弟子達
「不動!蔵王!三宝!摩利支天!!」
迫り来る紅バサミの前で、恐山師範は一個5億の精霊石を3個使い、それを空中に浮かべて気合の入った経文を唱えた
ただならぬ雰囲気に紅バサミが慌てて妨害せんとするが、盾を構え、もう切羽詰まった表情の恐山流除霊道場のGSが立ち塞がり、思うように進行できない

「隠形法!!!!」

凄まじい光と共に、師範は両手が6本の凄まじい気迫を放つ鬼神へと変わった
「こいつをワシがこれを使う前に倒せなかった奴等はどいつじゃああああああああ」
「ひいいいいいい師匠ごめんなさいいいいいいいい」
「散財せずに強力な悪霊の賞金首倒せるとほざいた奴は誰だアアアアアアアア」
「うわああああああ申しませんんんんんん!!」
その姿に、明らかに紅バサミに対してよりもビビリ、泣いて怯んで謝る足止め係達
「何か忘れてませんか?」
そこに凄まじい速度で断弦の背後に回った紅バサミが切りかかるが、断弦はそれを左の手6本で受け止め、弟子達に叫ぶ
「コイツが終わったら貴様等だあああああああああああああああ」
「おたすけえええええええええええええええええ」
叫んで逃げ出す弟子達の後ろで、炎を纏った断弦の必殺の拳が次々紅バサミの体に炸裂する
紅バサミも反撃するが、10:6位の割合で断弦が優勢だ
「貴様のせいで…」
断弦の六本の拳が紅バサミの両手の鋏を叩き砕いた
「貴様のせいでえええええええええええええええ」
断弦の拳の連打が紅バサミのコートを引き裂き、腹に、顔面に、次々炸裂する
がはっと大きなダメージを受け、体が霧散していく紅バサミ
「そんな…こんな…こんな終わり方…俺の…快楽…ちょ……コ…でもない奴に……馬鹿な…」
「 ワ シ は 散 財 じゃああああああああああああああああああああああああああああ 」


ゴーストスイーパーは何のために戦っているか
それは3割の愛と正義と、7割の報酬のためである
今回、断弦は馬鹿弟子達のせいで紅バサミの報奨金よりも紅バサミ退治の準備費や経費の方が勝ってしまっていた

彼はその怒りを、生き残った弟子達にそのままぶつけ始める

「おんのれ等あああああああああああああああああああああああ」
「おわあああああああああああああああああああああああああああ」
「誰か師匠を止めてくれえええええええええええええええええええええええ」

恐山流除霊道場の弟子達の絶叫が、洞窟内から響き渡ってくる
隠形法
それは天界の武神を体に宿し、半神半人になって圧倒的なパワーを手にする断弦の最終奥義である
しかし
これを使うと怒りのパワーが抑えられなくなり、周囲の物に当り散らしてしまって修理費やら何やらが馬鹿にならない挙句、使うと元に戻ってから一ヶ月位全身筋肉痛でエライことになる
まさしく最終奥義、切り札なのだ

え?じゃあ何でそんなのあるのに準備なぞしてたかって?
だから、金のためである
文殊は元手がタダだ
それで倒せれば報酬丸儲けである
しかし隠形法を使えば15億もかかり、挙句周囲を破壊して弟子達を長期入院させてしまう

悪霊倒せりゃいいというわけじゃないのだ!こちとら商売でやっているのである!
15億稼ぐのは断弦でも物凄く大変な事なのだ

…その15億を惜しげもなく使うほど、今回、断弦は紅バサミに怒っていたのである


そう、真の1流GSならば、金さえかければ1流の悪霊退治も難しくないのである
ただその金が勝利に吊りあわないのだ
現に、今回断弦はこの勝利で得た物が何も無い
…強いて言うなら牧街程度である

「うがあああああああああああああああああああああああああああああああ」

やり切れん断弦の雄叫びが、再び洞窟から響き渡った
当然、散財すれば勝てる、と言う理屈は
「もう一人の散々弟子を可愛がってもらった人」にも言える事である


399 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/20(金) 01:59:58   [sage]
>394
>「あ、ごめんごめん。魂を食べちゃうからいっしょにはなれないね。
もうタケノコの里は食べ飽きた。粋のいい女の魂を喰らいたいな〜!」
「しつこい男は嫌われるんじゃぞおおおおおおおおお!!」
よもやこれまでかと思われたその時!
ブォオオン!
電子音のようにも聞こえる不思議な音。頭上を横切る小さい影。吹っ飛ばされるデモンサーカス!
何か見た事あるようなデザインの神通棍を握った猫師匠が軽やかに着地する。一っ跳びにデモンサーカスを切り払ったのだ!
「いざ尋常に勝負にゃ!」

猫師匠とデモンサーカスが超人バトルを繰り広げ始めた。
猫師匠は実は強かったのだ!

「あれは・・…現代の最高の英知を結集した最新型神通棍、その名も”らいとせいバー”じゃ!!」
バーは棒の事だとして、”らいとせい”が全くもって謎なネーミングだ!

猫バスから外に転がり出る猫師匠とデモンサーカス。
「にゃおーん!」
猫師匠は仲間を呼んだ……らしい!

その途端、地響きが聞こえてきた。巨大な何かが姿を現す。
夜の闇の中に浮かび上がるそれは、挨拶が好きな動物達をモチーフにした機動兵器……のような何か。
ぶっちゃけグレ○トありがとウサギとキ○グさよなライオンとハ○パーおはよウナギが現れた!
なんじゃらほい、と思った君は○の中に入りそうな文字をあてはめてグーグル先生に聞いてみよう。

「これはいかん!師匠のやつ、本当に文字通り金に糸目をつけないつもりじゃ!」
秋葉原流が借金地獄→依頼を受けても報酬のほぼ全部を吸い上げられる→下手すりゃ借金取りがこっちに押し掛ける
妾は借金地獄の危機に直面した! というかもうあんなのが出動してしまってる以上手遅れかもしれない。


400 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/20(金) 16:12:51   [sage]
高山が耳から血を出すほどがんばったのも虚しく牧街は回復して
恐山師範が化け物みたくなって紅バサミは霧散した。
こりゃあキメ時だー!カフェにもそれは伝わった。

外。猫バスのなか。

>「しつこい男は嫌われるんじゃぞおおおおおおおおお!!」

「そうよー!カフェさんから離れなさい。このクソピエロ!!」

よもやこれまでかと思われたその時。
ブォオオン!
猫師匠とデモンサーカスの超人バトルが始まる。
ブオン。ブオン。ジュワ。ヒュン。ササッ!スッ…。クルクルクル。スタン!きらきらきら☆

>「あれは・・…現代の最高の英知を結集した最新型神通棍、その名も”らいとせいバー”じゃ!!」

「らいとせいバァー!?」
白めになって目を見開く月夜田。猫師匠。なんて恐ろしい子!

猫師匠と魔物はバスから転げ出る。
>「にゃおーん!」
呼び声で楽しい機動兵器が現われる。

>「これはいかん!師匠のやつ、本当に文字通り金に糸目をつけないつもりじゃ!」

「えー!!あんなの動かしてお金のほうはだいじょうぶなんですかー!?」
カフェの顔を見たら、だいじょうぶではないっぽい。
月夜田の脳裏に、借金まみれのカフェ一家のやさぐれた顔が浮かんだ。

その時だ。チェルノが叫んだ!

「借金まみれになったら家財は売り飛ばされちゃう!もちろん一家唯一の移動手段である私も。
私、そんなのいや!集まれ粗大ゴミ!!我に力をあたえたまえー!!」

チェルノが夜空に飛び出すと彼女を中心に
山に違法投棄されたモノたちが無数に浮かびあがる。
するとそれらはチェルノと合体し巨大な粗大ロボと化した。
月をバックに巨大な影。口からは煙。光る両眼。

ずうん!

合体完了した粗大ロボは重力に導かれ、土煙と共に大地に立つ。
下敷きにされたグレ○トらありがとウサギの頭が砕け散る。

「あがーっ!!」
借金地獄は決定か!?月夜田の開いた口が塞がらない。
一歩足を踏み出そうとした粗大ロボは竹の子の里に爪先が引っかかり
デモンサーカスにむかってこけた。
粗大ゴミの集合体でもあるが霊力の巨大な壁とも言えるロボは
デモンサーカスを下敷きにし凶悪な霊体を押し潰す。

「そんな…こんな…こんな終わり方…私の…快楽…ちょ……コ…でもない奴に……馬鹿な…ぐふっ」

勝った!!かいけつ!!多分解決!!

でも、月夜田が見つめるカフェの後ろ姿はどこかさみしそうだった。
機動兵器って一体いくらくらいするのだろう。。。


401 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/20(金) 16:14:45   [sage]
牧街と高山、恐山一門を猫バスに乗せ、猫バスは一旦麓の村に下りる。
村にはオカルトGメンがスタンバっていたが、彼らの役目ももうないだろう。
恐山は魔族を倒したということをオカルトGメンに報告。
救急隊員が高山や傷ついた恐山一門に駆け寄って傷の具合をみる。

村長が草葉の陰から何やら叫んでいる。

「見てごらんなさい。洞窟から生還したあの者たちの面構えを。
見違えておるわ。まっこと晴れ晴れしい。楽しい仲間がすっぽぽぽぽんじゃ!ぬはははは!!」

高笑いを残し村長は虚空に消えた。彼は結局なんだったのだろう。

今回の事件で怖い思いをした月夜田みことは、もっと強くならにゃ!と誓った。

「カフェさん。今度、神通棍の使い方教えてね。
私のこんな短いのじゃ使い物になんないよ」

それと。

「あの…牧街さん。たすけてくれてありがとね。ちょっと腑に落ちないとこもあるけど
いちおうありがとうって言っとくね」

「あたいもがんばったよー」

チェルノはカフェの上着の裾を引っ張っていたがこっくりこっくりと舟をこぎ始め
ボフンと煙を出すと元のママチャリにもどる。

「重体の人はこのまま猫バスで病院に運ぶにゃ!」
猫バスは走っていく。

―――林の暗がりがざわざわと動いている。
「ひ…はっ!!!!ぴゃしょばらげがっー!!」
理解不能な言葉を発し、現われたのはデモンサーカス。
ぺしゃんこに潰れ、残りHP3くらいのテロ魔族が高山の脳天めがけ平べったい手刀を振り下ろす!!


402 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/20(金) 23:08:00   [sage]
月夜田さん、デモンサーカスはテロ魔族が作った「悪霊」で「魔族」じゃないっす…
ちなみに「妖怪」と「魔族」も別物だったりします、はい
横槍失礼しました
(テロ魔族勢力って意味で書いてたのなら申し訳ありません)


403 : ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/20(金) 23:46:48   [sage]
ふぎゃ。ごめんなさい。テロ魔族って幽鬼みたいなのと思っていました。
と言うことはマントの男がテロ魔族で、紅バサミとデモンサーカスは悪霊なんですね?
それと妖怪は妖怪。霊力じゃなくって妖力と表現すれば良かった?そうですよね?
ごめんなさい〜。


404 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/21(土) 00:11:56   [sage]
すいません、何度か読み直しましたがどうしても納得できないんで書き込みます

まず、この世界は仮にも「現代」です
自律人型機動兵器が突然ぽんっと出てくるってどうでしょうか?
いや…特別金かけたとか特別技術を結集したとか霊的パワーがどうのとか言いたいのはわかります
ですがアナスタシアを作るのに一流の企業と魔族がめちゃくちゃ金と技術を傾けたのに、デモンサーカスに対抗できるだろう巨大ロボを秋葉原流が平気でぽぽぽーんと出すのは…

チェルノさんはもうどこから突っ込んでいいのかわかりません
いくら火事場の糞力でギャグっつても限度があるでしょう
猫師匠がロボを念動力で作ったってんならまだ百歩譲っていいでしょう
でもほんの数年かそこらでできたチェルノが巨大な霊力に満ちたロボットをあっという間にそこらにあった物で作り上げるって…これは…
…錬金術と念動力使ってますよね?
粗大ゴミも九十九神で…っとかも考えましたが、特異体質のカフェママが使ってて意思を持ったチェルノでもないのに無機物のゴミがいきなりこれは…
…まぁ確かにブルドーザーの精に訴えて戦ってもらった妖精が原作にも出てましたが、アレも「悪魔で運転手無しでブルドーザーが動いた」だけで、ブルドーザーが空飛んだりブルドーザーが変形したりした分けではないですし…
絶対可憐チルドレンのティムみたいな事やったってのもチェルノが何でそんな事できるの?って事になります

すいません、何らかの適切な補足をつけるか、レスをしなおしてください
真に申し訳ございません

月夜田さんが俺に合わせて下さったり、こちらの振りに頑張って応えてくださっているのはよくわかります
ですが、ここでこれを認めると、「メインキャラ以外」で強力なキャラを次々出してくる方が出てきて、結果的にチート合戦になってしまいます
元々俺が「恐山師範」を強力なキャラにしすぎた挙句、彼をたびたび前線に出しては大活躍させすぎたのが問題なので、俺ももうなるべく師範は出さないように様々な工夫をするつもりでいます
と言うかこっちが三流なのに相手が凄まじく強いテロ魔族何だからどうしろってんじゃい警察も歯が立たないしって話しですが
そこは…はい、私が悪いです、これから考えていきましょう
大体俺がテロ魔族と悪霊の中間の凶悪な殺人鬼の霊何て出したのがまず最初の間違いである事は間違いないと思ってます
申し訳ありませんでした
更にその中間の凶悪な殺人鬼の霊相手に俺の対応といったら、ひたすら恐山師範に頼るです
もう目も当てられません
皆様の不満もごもっともだと思います
そこで、これに関する新ルールや皆様の意見をいただきたく存じます
ご不便をかけますが、どうかよろしくおねがいします


405 : ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/21(土) 00:39:46   [sage]
ごめんなさい。
牧街さんがそんな風に思っていたのに気がつきませんでした…
自分のレスはなしでいいです

じつは迷惑をかけてしまっていたんですね
ごめんなさい。今までありがとうございました。


406 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/21(土) 01:10:55   [sage]
え!?
いややめてくださいって言ってるんじゃないですよ
そーじゃなくて、今回は流石にやりすぎだからもうちょっとソフトな終わり方にしておくれやす
って言ってるんです
毎回の痛快な終わり方は俺的に全然OKです
ただ、今回だけはやりすぎだと思ったので、直してほしいなぁと…


407 : ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/21(土) 01:52:28   [sage]
わかりましたー。書き直します(・∀・)
ずっとご迷惑をかけっぱなしだったのかな〜と思ってかなしくなっただけです。
ガンバリマスo(^-^)o


408 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/21(土) 04:09:00   [sage]
【修正版】

洞窟の外。猫バスのなか。

>「しつこい男は嫌われるんじゃぞおおおおおおおおお!!」
「そうよー!カフェさんから離れなさい。このクソピエロ!!」

よもやこれまでかと思われたその時。
ブォオオン!
猫師匠とデモンサーカスの超人バトルが始まる。
ブオン。ブオン。ジュワ。ヒュン。ササッ!スッ…。クルクルクル。スタン!きらきらきら☆

>「あれは・・…現代の最高の英知を結集した最新型神通棍、その名も”らいとせいバー”じゃ!!」
「らいとせいバァー!?」
白めになって目を見開く月夜田。猫師匠。なんて恐ろしい子!

猫師匠と魔物はバスから転げ出る。
>「にゃおーん!」
呼び声で楽しい『機動兵器のようなもの』が現われる。

>「これはいかん!師匠のやつ、本当に文字通り金に糸目をつけないつもりじゃ!」
「えー!!あんなの動かしてお金のほうはだいじょうぶなんですかー!?」
カフェの顔を見たら、だいじょうぶではないっぽい。
月夜田の脳裏に、借金まみれのカフェ一家のやさぐれた顔が浮かんだ。


409 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/21(土) 04:12:57   [sage]
【修正版そのA】

『闇に浮かぶ機動兵器のようなもの』を見上げ、デモンサーカスは焦燥の色を隠せない。
例え、あり○とうさぎたちがこけおどしのダミーだったとしても目の前には意外なまでの強さを見せる猫師匠がいる。
歯軋りしたあと放送禁止用語を秋葉原流に吐きかけデモンサーカスは逃走。
紅ばさみと連携して戦えば怖いものはない。最悪、裏切り者の牧街だけはブチ殺す。そう思案したのだ。

*  *  *  *  *

紅バサミと合流すべく洞窟に向かうデモンサーカスは偶然に山腹を駆け下りて来る牧街たちを発見する。
状況は飲み込めなかったが、鴨が葱を背負ってわざわざむこうからやって来たのだ。このチャンスを逃すわけにはいかない。

「こぉっちこんかいこのやろおおおおおおおおおおお」
正面から牧街たちに突撃するデモンサーカス。ナタを振るい包丁やナイフを投げつける!
「お前等皆殺しじゃあアアアアアアアアア」
デモンサーカスは鉈を横に構えつつ牧街たちへと猛進した。
このままでは牧街ごと背負われている高山も真っ二つに切り裂かれてしまうことだろう。


410 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/21(土) 09:01:33   [sage]
>409
デモンサーカスは 逃げ出した!
「みんなー、ご苦労だったにゃ」
師匠が声をかけると、機動兵器のようなものが掻き消える。

「任務完了であります!」
草むらの中から、大がかりな機材をかついだ映像オタク達が続々と出てきた。

「まだ安心は出来ない。猫さんの友達の方にターゲットを絞った可能性があるウサギ」
と、シュールなデザインのウサギ。
「誰じゃ!?」
「ぼくちんの友達の化けウサギと化けライオン風猫と化けウナギにゃ。
さっきぼくちんが戦っている時に動物友情パワーの念力を送ってもらっていたにゃ」
「で、そいつらをモチーフに妄想した機動兵器の映像をオタク達が投影していたというわけじゃな」
「そういう事でありますね」

「話し込んでいる場合じゃないにゃ!」
妾達はオタク達を放置して牧街達の元に急ぐ。

>404
謝らないでおくれ、誰も不満になんて思ってない故
ちょっとしたすれ違いが起こっただけなんだから誰が悪いとかいうのはこの際抜きで行こうぞ
こっちはつい気軽に羽目を外してしまう故牧街殿もこりゃないわと思ったら気軽に言って欲しいぞ
「ちょwwwリテイクお願いwww」「おkwww」みたいなノリでいいんですよ
実は最初から本当は機動兵器そのものではないつもりではおった。
しかしそれをレスの中に示してなかった以上牧街殿のいう事は最もじゃ、真に申し訳ない

根本的な問題は
連載が長くなれば自然とスケールはでかくなる
普通のバトル物級の強力な敵と戦いつつもインフレせずに三流を維持するにはどうすればいいかって事じゃな
まずはこの章をしめてから考えようぞ


411 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/21(土) 11:48:46   [sage]
答え───B

「現実は非情である」

どこか遠い目であった。
安堵と骨折り損のくたびれ儲けをまぜこぜにした複雑な表情をしながら。
どういう意味で非情なのかはお察しの通りだ。

>「うがあああああああああああああああああああああああああああああああ」

野犬のような、猛獣のような慟哭が周囲に響く。どう考えても北斗○拳伝承者のようなあの人の声だったが
それがどういう意味をもたらすかは高山には理解できなかった。

>「こぉっちこんかいこのやろおおおおおおおおおおお」
「ブハーーーーーーッ!?まだ生きてたんかいっっ!?!?!?」

鬼の形相で特攻を行うデモンサーカスに思わず吐血。
どう考えても内臓がヤバいのでマジにリアル病院行きである。
ひゅん、ひゅん、と軽快に空を裂いて飛来する刃物達。
踊る刃物に驚く牧街。どう考えても勝負にならないのでこりゃもう逃げるしかないだろう。

「いいぞベイベー!逃げる奴は三流だ!逃げない奴は命知らずの三流だ!
 本当、凡人と一般人には辛い業界だぜフゥハハァー!!」

体中ボドボドで余裕がないのか遂にどこかおかしくなったらしい。

>「お前等皆殺しじゃあアアアアアアアアア」
「うわあああああああああああああああ!!こ、これならどうだ!パンピー必殺!マキガード!!」

横薙ぎにナタを振るうデモンサーカスに牧街に背負われた高山は牧街を思い切り蹴飛ばした。
その反動で高山は後方に吹っ飛び、手痛い一撃を見舞いされた牧街は前方に顔面から転ぶ。
これはイタイ!が、お陰でデモンサーカスのナタは虚しく空を切っただけで誰にも命中しなかった。

「これが非力な人間の力だッ!一般人が悪霊如きに屈すると思うなよ!」

ビシリとカッコつけつつそそくさと後退する様は格好良いのか、悪いのか。
しかもマキガードにされた人は主に顔面にダメージを受けている。
必殺の威力を持つナタが牧街に振るわれようとした瞬間、デモンサーカスを貫く弾丸の群れ。背後からは声。

「撤退した思ったのにまだ一体いんのかよぉっ!?早く師範を呼べーーー!!」
「無理だ!!師範は今足止め係に制裁を施してる!しかも奥の手を使って散財な上に疲労困憊だ!」
「なら猫師匠だ!!猫師匠を呼べー!」
「あっ!牧街だ!オメー今まで何してたんだ!!ふざけんなよ!手伝えよコラァッ!!」

思わぬところで偶然居合わせてしまった恐山の弟子達と思わぬところから降って湧く牧街批判。
だが破邪札マシンガンを食らって尚デモンサーカスは舌なめずりをする余裕がある。
批判どころじゃあないぞ。

「いいかデモンサーカス。お前は確かに強いぜ!だがな、教えておいてやる!
 獲物を前に舌なめずりは─────『三流』のすることだッッ!!」

一番強そうな兄弟子が格好良い台詞を放つが直後に放たれたナタを前には後退するしかない。
敵の刃物の投擲はマシンガンによって相殺可能だがデモンサーカス自体は止められないようだ。
残された選択は猫師匠を待つか潔く逃げるの二つしかないだろう。

「おらおらおらあああああああああ邪魔するなあああああああああクソカスどもがああああああああ」
「状況は芳しくない、か───だがまだ慌てるような時間じゃない」

一方、兄弟子達が全滅を覚悟した戦闘を行う中で高山は安全な場所で他人任せだった。
だって頼まれた訳でもないのに無理して重症だし。しゃあない。


412 : ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/21(土) 12:04:58   [sage]
>404
三流って力加減難しいと思うししょうがないですよ
カフェさんの言うとおり終わった皆で後に話し合っていけばいいですし!
と、新参が言ってみますはい

>407
迷惑してる人なんていないですよ
すれ違いなんてよくあることですからそこらへんは軽く…ってのもカフェさんが言ってました
余談ですが月夜田さんみたいにガンガン話し進めていけるのは羨ましく思います
自分はウケミン・オブ・ウケミンなんで!


413 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/23(月) 00:54:28   [sage]
>「こぉっちこんかいこのやろおおおおおおおおおおお」
>「ブハーーーーーーッ!?まだ生きてたんかいっっ!?!?!?」
「どぅわぁ!そういやまだこいつが残ってたああああああああああああ」

仮師弟揃って悲鳴をあげ、再び大逃走劇が再開する
デモンサーカスの刃が唸りを上げ、高山はピンチの余り神経がどうにかなっておかしな叫びを上げる

そして必殺マキガード炸裂!
牧街はのべらとか言って不様に木に叩きつけられ、こいつも最後のHPを失った
「ゴ…ゴッドマ…」
「ォォォォォ終わりだあああああああああああああ!!」
精魂尽き果てまた神男に助けを求める牧街に容赦なく振らんとするデモンサーカスのナタ
だが、すんでの所で恐山の同胞達が駆けつけてきた!!

たちまち始まる激戦につぐ激戦
だが師範すら苦戦させるデモンサーカスに、優秀な恐山流GS達も歯が立たない
ある者は袈裟懸けにぶった切られ、ある者は拳を見舞われ
時代劇の切られ役みたいになっている
が、やられた奴がすぐ立ち直ってまたかかっていく辺りは牧街の仲間
強く無くていい!死なずに帰ってくれば対策を考える事ができるのだ!だから生き残る能力を最優先で彼等は鍛えられているのだ



「うおりゃあああああああああああああ」
「こんのぐぞがああああああああああああああああ」
倒しても倒しても向かってくる恐山の弟子達
その不屈の精神と、目に見えず、肌に感じてくる彼等の団結力に、デモンサーカスは押されていた
無論、目に見える戦いではデモンサーカスは彼等を圧倒している
しかし…

(えぇい倒しても倒しても……何なんだ?何だこいつ等は…何か…何か眼に見えない妙なもんがこいつ等から感じられる!ぐううむかつく!何かわからんがめちゃくちゃむかつくううううう)
「うがあああああああああああああああああああああああああ」
デモンサーカスのナタが大きく振るわれ、恐山の弟子の一人の首に迫る
「!!」
刹那に防御しようとする弟子だったが、コンマ数秒間に合わない
(取った!)
「のんびりゃああああああああああああああああああああああああ」
「!?」
が、そこに牧街が横から飛び込んできて、デモンサーカスの腕に天竜落地砕を叩き込んで軌道をそらし、彼を救った
「サンキュー!妖怪になったんじゃなかったのかよ!」
「あぁ?馬鹿休み休み言え!!」
冗談を素早くかわし、協力してデモンサーカスに立ち向かう弟子と牧街
その姿に、デモンサーカスの唇が歪む
(こいつ等…)
今度はデモンサーカスのナイフが牧街の腹目掛けて突きかかるが、投げつけられたフィギュアがまばゆい輝きを放ち、また軌道をそらして牧街を救う
「フィギュアは我等の信仰の対象、蓄えられた信仰の力を一気に放ったのでござる!あじゅにゃん!ありがとう!」
「恐山の皆様方!助太刀いたしますぞ!」
「秋葉流別働隊!かかれぇえええ!」
師範等と山を挟んで反対側に待機していた秋葉流のGS達だ、既にこちらに向かっていたようで、猫師範らより早く合流したようである

(こいつ等…キモチワリぃいいいいいいいいい)

デモンサーカス…ティム・キーンは生まれてこの方友達ができた事が無かった
両親に甘やかされ、自分勝手に行動し、約束事を平然と守り、自分が悪い事をしても反省せず、他人のミスを責めまくり…
とにかく自分の事だけ考えて、その癖に友人や仲間を欲しがった
彼にとって友人も、仲間も単なる僕に見えたからである
無論、彼は歳を重ねるにつれどんどん一人ぼっちになった
やがて苛められるようになった彼は、こう思いだしたのだ
「この社会は腐っている」と
何で俺ばかりがこんな目にあう
権利ばかりを主張し、義務をはたそうとしない彼の前に、やがて「奴」が現れこう言った

「君の訴えは正しい!君は間違っていない!だから…踏み出すんだ!」

「奴」の言葉は、ティムにも「間違っている」「悪い事だ」と感じれた
感じれたが、ティムの黒い欲望は、そんな良心を簡単に吹き飛ばすのに十分なものだった
ティムはデモンサーカスとなり、真っ暗な孤独の中、警官隊の猛銃撃を受けて死んだ
だが死んだ後も、デモンサーカスは「奴」の願うとおり、自分の望むとおり、他人を全く省みず、死と絶望をばら撒きにばら撒いた
丁度、平然と人間を殺し、不気味な妖怪へと変えていったあの血も涙も無い地獄の科学者達のように

そんな「自分だけの世界」にいるティムに、目の前の連中は…眩しすぎた

目に見えない「絆」それを確かにもち
言葉にならない「思い」を交わし
それを行動に現して、自分に立ち向かってくる彼等は…

「ゴーストスイーパーキーーーーーーっク!!」
「恐山流奥義!!霊殺石クラアアアアアアアッシュ!!」
「邪滅の毒牙あああああああああああああああ!」

デモンサーカスに炸裂する三つの必殺技
秋葉流と共に山の反対側に展開していた恐山特殊部隊の三人だ!
「もう一踏ん張りだ!頑張れ!」
「うおおおおおおおおおおおのおおおおおおおおおおおおおおおおお」
群がり、徹底攻撃し、互いを励ましあうGS達に、デモンサーカスは苦悶と憎しみの雄叫びを上げる

が…もう勝負は決まっている!
ここからはもう力押しではない……駄目押しのとどめだ!!


414 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/23(月) 00:57:08   [sage]
>>407
ありがとうございます!!
これからもどうかよろしく
>>410 412
力加減と今後の展開については、カフェさんの言うとおり、これ終わったら詳しく話し合いましょう
丁度次で仮面のテロ魔族編を終わらせるよて…っと口がすべった


415 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/05/24(火) 04:34:28   [sage]
秋葉原流たちは月の光を背に山林の合間を潜り抜けると牧街たちのもとへ辿り着く。

薄暗い闇に紛れ無数の影が飛び交っている。

デモンサーカスとGSたちが激しい戦いを繰り広げているのだ。
それを見て月夜田みことの目からは涙がこぼれた。
みんなが力を合わせて強敵と戦っている。なんて感動的な場面なんだろう。

>「うおおおおおおおおおおおのおおおおおおおおおおおおおおおおお」

ついに悪霊の絶叫が夜空に響く。
GS達の連撃により深手を負った悪霊は、よろけながらも喉が枯れんばかりの言葉を吐き続ける。

「なんでだよぉおおおお!なんで皆で俺を苛めるんだあああああ!?怨めしい!怨めしい!怨めしいいいいいい!
おまえもおまえもおまえも、一人とばして(高山)おまえもぉおおおおおお!!!!
さみしいよぉおおおおおおッッ!!!!パパアアアア!!ママアアアア!!
ティムのことを愛してくれる人は、もうこの世には誰もいないんだぁあああああああああああああ!!!!!!!」

ぼろぼろのデモンサーカスの口から出た意外な言葉に月夜田は驚きの色を隠せない。
冷酷な殺人マシーンと思っていた悪霊から出た幼子のようなセリフ。
暗黒に堕ちて行った人間の心。だがそれは誰の心にも眠っている心。勿論、月夜田の心にも。

「その気持ち……わかるけど…。それなら貴方のパパやママが愛してくれたみたいに
貴方も他の人も愛してあげたら良かったのよ…。心を裸にすることってとっても難しくって怖いことだけど」

月夜田の手に持つ神通棍は何時の間にか懐剣ほどの成長を見せていた。
牧街や恐山流、秋葉原流の行動に感化された魂が霊力の流れを澱みないものにしていたのだ。

「最後に。私は秋葉原流GS見習いとして、貴方があの世へ逝くのを手伝ってあげる。
可哀想な貴方に私が出来る事っていったらこれぐらいなんだもの。ちょっとは感謝しなさいよ!」

月夜田は神通棍を構えた。デモンサーカスは咆哮し猛る。

「こんな二流三流の寄せ集めに、俺が負けるかああああああ!!!!」
最後の力でGS達を薙ぎ払う。吹き飛ばされた何人かが木々にぶつかり気絶する。

(やっぱ動きを止めなきゃ!GSさんたちの大技が入りきらないのは、たとえ弱っててもこいつの動きが尋常じゃないから!)
月夜田は身を屈め、カエルのようにジャンプするとデモンサーカスの左足の甲に神通棍を突き刺した。

「痛テエエェエエエエエエ!!!!そんな画鋲踏んづけたような攻撃が効くかボケェッ!!
ムシケラが調子に乗るんじゃねええええええええぞおおおおおおおおッッ!!!!!」

デモンサーカスは残った右足で左足首にしがみついている月夜田の頭を踏み潰さんとする。

「カフェさん!!猫師匠!!今よーッ!!」

駄目押しの一撃を待つ月夜田。はたして勝敗は如何に!?

【みなさんありがとうございますwこれからもよろしくお願いします】


416 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/05/26(木) 22:45:58   [sage]
デモンサーカスの元々の姿は、寂しいボッチだったらしかった。
その心の隙間が魔族に付けこまれてこうなってしまったのだ。
牧街も一歩間違えればこうなっていたのだろうか。
逆にこいつも一人でも手を差し伸べてやる人がいればこうはならなかったのだろうか。
「テロ魔族め……なんて卑劣なんじゃ……!」

>「最後に。私は秋葉原流GS見習いとして、貴方があの世へ逝くのを手伝ってあげる。
可哀想な貴方に私が出来る事っていったらこれぐらいなんだもの。ちょっとは感謝しなさいよ!」
今や光の短剣となった神通棍を手に、みこと殿デモンサーカスと対峙する。
「みこと殿……成長したのう!」
みこと殿は決死の覚悟でデモンサーカスの動きを封じた。ならば妾もそれに応えよう!

>「カフェさん!!猫師匠!!今よーッ!!」
「「だにゃああああああああああああああああっ!!」」
妾と猫師匠は雄たけびをあげながらデモンサーカスに突進した。
飛びついた勢いのに押され尻もちをつくデモンサーカス。
妾はデモンサーカスを抱きしめた。
「な、なんのつもりだ……!?」
魅了の術を発動する。今回のキャラ付けは妹でも姉でもなく、母だ。
「ごめんなさい、ママが悪かったの……」
「にゃ〜〜」
師匠は普通の可愛い猫の姿に化けてデモンサーカスの足元にじゃれ付いて舐めている。
師匠が舐めると、なぜか癒されるという専らの噂である。
「そんな茶番に騙されないぞ…」
「今まで辛い思いをさせたわね。もう苦しまなくていいの。ゆっくりお休みなさい」
両手を背中の後ろに回し、改めて抱きしめる。
「ウソだ……ふざけるなあああああああああああああああああああ!!」
ナタを振り上げるデモンサーカス。が、それが振り下ろされるより早く。
デモンサーカスの後ろに回した妾の傘型神通棍が、デモンサーカスの背中に突き立てられた。
「哀れで愚かな幼子よ、永久に……眠れ!!」


417 : ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/27(金) 17:55:34   [sage]
秋葉流の別働隊と恐山特殊部隊の到着によって形勢は変化を見せた。
見事なチームワークにより徐々にデモンサーカスも疲労し、追い詰められていく。
その中に高山はGSの例え弱くても立ち向かっていく勇気を再確認し自然と心の中でエールを送っていた。

(がんばれ!がんばれがんばれ!!もう少しだ!!)

心の中で、決心を固めなおす。自分の夢はやっぱりGSだと。
今はただの遭難者Aだ。足手まといで何も出来ない。それだけの存在でしかない、けど。
これから……自分もこうなりたい。いや、なるんだ。

>「うおおおおおおおおおおおのおおおおおおおおおおおおおおおおお」

数の暴力と根性、信頼、勇気の四つで立ち向かうゴーストスイーパー達の猛攻を前に
デモンサーカスは遂に痛みに耐えかね、叫ぶ。

>「なんでだよぉおおおお!なんで皆で俺を苛めるんだあああああ!?怨めしい!怨めしい!怨めしいいいいいい!
>おまえもおまえもおまえも、一人とばして(高山)おまえもぉおおおおおお!!!!
>さみしいよぉおおおおおおッッ!!!!パパアアアア!!ママアアアア!!
>ティムのことを愛してくれる人は、もうこの世には誰もいないんだぁあああああああああああああ!!!!!!!」

「愛される人になりたいなら、まず自分から他人を愛しなよ!!
 生まれ変わったらそうしてあげて。そうしたらママもパパも皆も君を愛してくれるよ!」

一人飛ばされたことは華麗にスルーして良い台詞で無理矢理誤魔化した。
世の中誤魔化しが人を救うことだってある。
台風を前に散る木の葉の如く、デモンサーカス最後の悪あがきに吹き飛ばされるGS達。
木にぶつかって気絶しているがそれを高山はなけなしのヒーリングで手当てを施していく。

「カフェさん!!猫師匠!!今よーッ!!」
「アホかーーーーーーーーっ!?無茶しちゃいかんーーー!!」

大人しい自分と違って行動力ありありの月夜田を前に高山は思わず吐血と叫びを同時にやってのけた。
神通棍でデモンサーカスの動きを止めているようだが、無茶だ。

>「「だにゃああああああああああああああああっ!!」」

カフェと猫師匠の突進。思わず尻餅をつくデモンサーカスにナイスと言わんばかりにぱちんと指を鳴らす。

>「ウソだ……ふざけるなあああああああああああああああああああ!!」
>「哀れで愚かな幼子よ、永久に……眠れ!!」

カフェが何をしたか理解できず、納得のいかない高山。
それが魅了の術と呼ばれる技だと知ったのは後のことだが、まあそこは割愛。

「あ………あ……次は……皆を愛せる………か…な……」

カフェの胸の中でデモンサーカスはゆっくりと成仏していく。

決着はついた。

疾風迅雷完全無欠問答無用に、三流GS達の────勝利である!!!



一方。

「ぐふっ………どうやら一般人が調子に乗りすぎたようです……来世で会おう、グッバイ☆」

GS一同が歓喜する中で親指をびしりと突きたて口から魂のようなものが見えている少年約一名。
自身の治癒能力のお陰で死ぬことこそなかったがなんだかんだでこいつが一番“無駄に”重症である。


418 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/05/27(金) 18:01:59   [sage]
あっ、いかんいかん↑のなしです。これ添削する前の奴だ
リテイクリテイク。↓がモノホンです、ハイ

秋葉流の別働隊と恐山特殊部隊の到着によって形勢は変化を見せた。
見事なチームワークにより徐々にデモンサーカスも疲労し、追い詰められていく。
その中に高山はGSの例え弱くても立ち向かっていく勇気を再確認し自然と心の中でエールを送っていた。

(がんばれ!がんばれがんばれ!!もう少しだ!!)

心の中で、決心を固めなおす。自分の夢はやっぱりGSだと。
今はただの遭難者Aだ。足手まといで何も出来ない。それだけの存在でしかない、けど。
これから……自分もこうなりたい。いや、なるんだ。

>「うおおおおおおおおおおおのおおおおおおおおおおおおおおおおお」

数の暴力と根性、信頼、勇気の四つで立ち向かうゴーストスイーパー達の猛攻を前に
デモンサーカスは遂に痛みに耐えかね、叫ぶ。

>「なんでだよぉおおおお!なんで皆で俺を苛めるんだあああああ!?怨めしい!怨めしい!怨めしいいいいいい!
>おまえもおまえもおまえも、一人とばして(高山)おまえもぉおおおおおお!!!!
>さみしいよぉおおおおおおッッ!!!!パパアアアア!!ママアアアア!!
>ティムのことを愛してくれる人は、もうこの世には誰もいないんだぁあああああああああああああ!!!!!!!」

「愛される人になりたいなら、まず自分から他人を愛しなよ!!
 生まれ変わったらそうしてあげて。そうしたらママもパパも皆も君を愛してくれるよ!」

一人飛ばされたことは華麗にスルーして良い台詞で無理矢理誤魔化した。
世の中誤魔化しが人を救うことだってある。
台風を前に散る木の葉の如く、デモンサーカス最後の悪あがきに吹き飛ばされるGS達。
木にぶつかって気絶しているがそれを高山はなけなしのヒーリングで手当てを施していく。

「カフェさん!!猫師匠!!今よーッ!!」
「アホかーーーーーーーーっ!?無茶しちゃいかんーーー!!」

大人しい自分と違って行動力ありありの月夜田を前に高山は思わず吐血と叫びを同時にやってのけた。
神通棍でデモンサーカスの動きを止めているようだが、無茶だ。
ああほら右足が!右足が!と目を瞑ったその時。

>「「だにゃああああああああああああああああっ!!」」

カフェと猫師匠の突進。思わず尻餅をつくデモンサーカスにナイスと言わんばかりにぱちんと指を鳴らす。
ただし恐怖のせいで音は上手く鳴らなかった。

>「ウソだ……ふざけるなあああああああああああああああああああ!!」
>「哀れで愚かな幼子よ、永久に……眠れ!!」

カフェが何をしたか理解できず、納得のいかない高山。
それが魅了の術と呼ばれる技だと知ったのは後のことだが、まあそこは割愛。
どうやら決着は半ばついたと見ていいようである。



一方。



「ぐふっ………どうやら一般人が調子に乗りすぎたようです……来世で会おう、グッバイ☆」

親指をびしりと突きたて口から魂のようなものが見えている少年約一名。
自身の治癒能力のお陰で死ぬことこそなかったがなんだかんだでこいつが一番“無駄に”重症である。


419 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/05/28(土) 18:17:10   [sage]
カフェの胸の中でデモンサーカスはゆっくりと成仏していく。

決着はついた。

疾風迅雷完全無欠問答無用に、三流GS達の────勝利である!!!


「ぐうあああああああああああああああ消える!俺がぎえでいぐううううううううううう」

空へゆっくりと体が吸い込まれながら、デモンサーカスは絶望の叫びを上げる

「ふざげるな!ぶざげるなぶざげるがあああああああああああああ!ごんなのはおれががわいぞうずぎる!!があああああああああああ!」

最後まで自分勝手に
最後まで醜く
どうしようもないところまで汚くなってしまった人間は叫び散らす


だが、そこで奇跡が起きた


鋭い衝撃波が周囲に降り注ぎ、デモンサーカスの周囲を包囲していたGS達を吹き飛ばす
何事かと見上げた一同の上空に浮いているのは…仮面の魔族!!

「デモンサーカス!!」
楽しげにそう言った仮面の魔族に、デモンサーカスの顔がぱっと明るくなる
「ゾウブツシュサマ!助けて!やったぁこれで俺は…」
「駄目〜〜〜〜」
仮面の笑顔の口から、ぺロリと不気味な赤い舌が伸びた
「へ?何故?何故ですゾウブツシュ様!俺は…俺はあなたの言うとおり行動し、死と絶望を」
「馬鹿だな〜ボクは「絶望」を集めてるんだ…だから…君を助けない」
「……何を?」

「だって、君をここで見捨てれば、君はたっぷり絶望してくれるでしょ?ねぇ……今どんな気分?」

デモン・サーカス、ティム・キーンはその瞬間、例えようの無い絶望を全身から溢れさせ、声にならない声を上げ、そして消滅した
その姿を、デモン・サーカスとの戦いでボロボロになり、攻撃力を失ったGS達に囲まれながら、仮面の魔族は満足げに見下ろしてる
やがてGSの中から破邪札マシンガンと銀の弾丸が仮面の魔族目掛け発射され始めたが、仮面の魔族はそれを急上昇してたやすくかわし、楽しげな笑い声を残して空の彼方へと消えていった…



一方

「しっかりしろ!ν牧街!お前が死んだら!誰が…えーと…とにかく死んだらあかん!」
死にそうな高山を発見し、牧街は彼を抱えて必死にこの世に繋ぎとめようと本編そっちのけで励ましていた
「糞…待ってろ!今救急隊を呼んで…」
「うるせえ牧街!」
「黙ってろカス!!」
「…ごめんなさい」
無駄に騒いで、ホッパーとコブラが怒鳴られ、しゅんとなる牧街
その横にえっさほいさと担架がやってきて、高山を担いで去っていく
「あの…俺も重症」
「皆重症だろうが!」
「お前は牧街だから手当て何かいい!!!」
「俺…包丁とか鋏とか刺さったんすよ!死にそうなん……す…よ?」
特殊部隊員に怒鳴りつけ、改めて自分が凄まじい怪我を負っていることを思い出した牧街の意識はそのままブラックアウトし
その姿を見た特殊部隊員も流石に慌て、再び担架がやってきた


何はともあれ、こうして牧街消失事件とデモンサーカス達の逆襲は終わった
しかし、テロ魔族の攻撃がこれで終わるとは到底思えない
奴等は更に恐ろしい手段で、我々を震撼させてくるだろう
戦え!GS!負けるな!GS!平和を守れ!UGM!


【皆さんありがとうございましたーーーーー!大感謝!
とりあえず本編終わりであります!】


420 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/02(木) 19:26:11   [sage]
【レスが遅くなってごめんなさい!
お疲れ様でした!みなさんありがとうございました!
それと、つぎはどうしますか?】


421 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/03(金) 23:34:54   [sage]
>418-419
>「だって、君をここで見捨てれば、君はたっぷり絶望してくれるでしょ?ねぇ……今どんな気分?」
「お主……」
デモンサーカスは最後まで救われることのないまま消滅していったのだった。
否、消滅が彼にとっての唯一の救いだったのだ。

>「ぐふっ………どうやら一般人が調子に乗りすぎたようです……来世で会おう、グッバイ☆」
「そうじゃ、来世では今度こそ真人間になるんじゃぞ……」

>「しっかりしろ!ν牧街!お前が死んだら!誰が…えーと…とにかく死んだらあかん!」
重傷者が重傷者を介抱している。
「いやいや、お主も重傷じゃぞ!」

>「俺…包丁とか鋏とか刺さったんすよ!死にそうなん……す…よ?」
やっと重傷者らしくなった牧街殿は、例によって例のごとく担架に乗せられて運ばれて行った。
なんのことはない、いつものエンディング風景である。
とにかく牧街殿は妖怪になどならずに帰ってきたのである!
その上弟子まで出来て、牧街の前途は少しだけ明るい……かもしれない!

【ありがとうございました! ところでなな板に戻る予定とかはありますか?
ここは携帯だと書き込めなかったりするみたいです】


422 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/04(土) 00:03:33   [sage]
【牧街さん、月夜田さん、カフェさん皆様お疲れ様でしたーっ!そしてこれからもよろしくお願いします!】

そういえば2ちゃん全体で運営によって忍法帖がリセットされる事件があったみたいです
携帯は関係ないらしいのですがPCからだと忍法帖のレベルが低いと書き込みの容量が制限されるので
レベルが一定上がるまでしばらく様子見しといた方がいいのでは!

運営の気まぐれでまたリセットされる可能性もありますし……


423 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/04(土) 20:18:35   [sage]
えーと、まずなな板に戻る話しですが、ここを使い切った後、戻るという事でどうでしょうか

で、力加減の話しですが
俺の考えは以下の通りです

・悪霊、下級妖怪を確実に倒せるのは、300万円の吸引札(六道冥子が原作で使えていたので、誰でも簡単に使える?)
・牧街達に回ってくるような一般人からの仕事の報酬の相場は、50万〜300万位?(一般家庭が出せるのはそんな物?)
・企業等からの依頼ならば一千万程出ることもあるかもしれないが、そういうのは1流所へ
・神通棍や神通杖は使い減りしないだけにいい物(微量な霊力でも良く通し、破壊力が上がるもの)なら数億するが、量産化されている物(霊圧が高くないと反応せず、破壊力の補正が無い)は加工費と素材の額だけなので数百万かそこら?であり、安価な物では霊に触れられる棒程度の効果しかない
・銀の弾丸や霊体ボウガンの矢は銀を使っているだけにめちゃくちゃ高い。霊木を加工した物等もあるかもだが、数百万はするだろう
・以上の条件で悪霊を報酬額以内で倒さねばならないため、三流GS達は大変貧乏であり、GSになっても生活的に余裕が無くやめるものも多数いるか、副業を持っている(牧街は定期的に師匠から仕事を斡旋してもらっている)


424 : 名無しになりきれ    2011/06/05(日) 02:06:50   [sage]
3流GSに手に負えなさそうな敵が出てしまった場合はどうしましょう?
たとえばデモンサーカスのように強力な悪霊だったり魔族だったり。
そういうケースも過去に少なく無かったように感じましたので。

力押しで無いと倒せない、ではこちらの力に制限がありますから、かなりの知恵を絞らないといけません。
これといった解も無く、誰かがなんとかするだろうと思って安易に強敵を出すと、詰みに陥ってしまうこともあるでしょう。
そうなるとNPCの力を借りないと倒せず、PCを活躍させるというのは難しいかもしれません。

そこで、どうしても格上の敵を出す時は、日光を浴びると焼ける。鏡に映ると動きが止まる。
などと言ったように、予めざっくり攻略法や倒され方、みたいのも考えておく、と言うのはどうでしょうか?
ルールでは無く、あくまでも考え方の一つとして、ですが。

…と、冥土カフェの客が申してみます。


425 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/05(日) 05:47:03   [sage]
>>424
っと、そういや3流GS等の力加減だけ決めても仕方無かったですな

うーん
どうしても「倒さなければ」やっぱ話し的に駄目ですかね
いや、全力で逃げてとりあえず逃げ切って、エピローグの後日談で別の誰かが倒した話を聞く
ってのもありだと思うんですよね、現実的だし三流的だし
だから強い敵が出たときは、倒してENDではなく、色々やって駄目だから諦めて全力で逃げて生きて帰ってあー良かった怖かったENDでもいいと思うんです


426 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/05(日) 10:35:28   [sage]
なな板には使い切ってから戻るの了解しました
で、力加減ですが原作知識が一巻しかないので>>423の牧街さんの言う事に特に異論ありません

手に負えない敵が登場で無理だから逃げたよEND良いと思いますです
つーか高山は実質逃走と回避くらいしか出来ないし……三流以下の素人だし……

あーでも逃げてばっかだと強い敵が登場する意味があまりない気がします
特にテロ魔族編のようなシリアス主体の展開で逃げるやっちゃうとつまらなくなるかも……
テロ魔族編に関しては攻略法をあらかじめ決めておいた方が面白くなるかなー、と言ってみます

ギャグなら「ヤベエwww敵マジつええwwwあんな依頼もってくんなよ師匠www」
で師匠に半殺しにされる牧街さんENDも面白いだろうなァ〜〜と思うんですけども
ていうか個人的な願望なんですが一度依頼失敗で恐山師範にガチで殺されかける牧街さんを見てみたいという…w
そこから牧街さんの必死の逃走劇が始まって秋葉流と共同で牧街さん捕獲作戦の開始、ひと悶着も面白い気が…って話逸れちまいましたね


言ってみれば何かあるかも知れませんので言ってみただけですはい!ごめんなさい!!


427 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/06(月) 22:23:43   [sage]
>423
了解じゃ!

確かに強いNPCがポッと出てきて倒すのでは三流縛りの意味がなかろうな
ただ後日談で別の誰かが倒してもその場で別の誰かが出てきて倒しても
どっちにしろ最終的に強いNPCが倒してる点では一緒のような気がしないでもない

命からがら逃げる過程で何か攻略法の手がかりを掴んで帰るとか
一矢報いて三流ですら一撃入れられた!と後の誰かの希望になるとか
転んでもただでは起きない敗走をすれば
無理なパワーアップはしないのとPCが活躍するのを両立できるのではなかろうか

もしもその手がかりがものすごい決め手になるものだったら……
例えばテロ魔族編だったら
その後も各地で戦いが繰り広げられるのだが三流GS達が掴んだ手がかりによってテロ魔族は一気に劣勢となった。
収束するのも時間の問題だろう
なんてエンドもアリやもしれぬ


428 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/06(月) 23:35:20   [sage]
>423
牧街さん、了解しました

高山さんカフェさんの考えも了解しました


429 : ◆ Z.2X97eg1o    2011/06/07(火) 02:33:20   [sage]
>>426
師範の依頼を失敗したら、いろんな意味でギャグではすみません
ネタバレなので余り詳しくはいいませんが、牧街は師匠からの依頼の時は本気で背水の陣で戦っています
なので、失敗した時は、作者の私もどうなるか、想像がつきません
だからそのシナリオだけは、どうか勘弁してください

>>427
うーん…難しいですね…
じゃあ、「本気で惨敗して逃げ帰るENDを視野に入れつつ、できれば勝ってやろうと獅子奮迅し、後は展開に任せる」と言うのでいかかでしょうか?

……次のテロ魔族編、今脳内で見直したら新規参加者参戦は無理そうな上に、上記の俺の提案とかなり矛盾したENDを狙ってた事に気づきました
別のシナリオを考えたいので、参考までに(仮)テロ魔族最終決戦編のシナリオを公開してもよろしいでしょうか?


430 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/07(火) 02:34:13   [sage]
あ、公開って言うのは、簡単に筋書きだけです

431 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/07(火) 06:58:04   [sage]
よかよか

432 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/07(火) 14:44:54   [sage]
>>429
筋書き公開了解致しました

逃走劇はふっと思い浮かんだだけのジョークなんであまりお気になさらずw


433 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/07(火) 18:18:24   [sage]
>>429
了解でーす


434 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/08(水) 03:03:01   [sage]
んじゃ書きます、(仮)仮面テロ魔族編ラスト

1、幾度と無く秋葉流、恐山流に煮え湯を飲まされた仮面魔族は遂にキレ、秋葉原の全滅を企てる
2、しかし武力行使すれば神々が動くため、からめ手を使うしかない、そこで、テロ魔族はある作戦を立てた
3、ある日、漫画の世界に突然全く今までの筋書きと関係ない妙なキャラが次々と出現し、ストーリーを台無しにしていく事件が起こる。同時に、アニメ、ゲーム、ライトノベルにも編集の際書かれていなかったはずの妙なキャラが登場し、ストーリーをぶち壊しにしていく
4、その正体こそ、様々なプロ達が魂を篭めて作った2次元の世界へと魂を侵入させたテロ魔族だった。このままでは秋葉原は、いや、日本のオタク文化は死滅してしまう
5、2次元の世界に行く方法が、カフェ達には存在しない、そうこうしている内に、少年漫画やアニメが次々とストップしていく
6、そんな折、美神令子が一度だけ2次元の世界へと行った記録が過去に存在した。しかし、美神が行ったのは実写映画の世界、テロ魔族は架空のキャラクター達のみで構成された世界にいるため条件が全く異なる
7、そうだ、ならば、魂を篭めた作品を自分達で作りだせばいい…?
8、自分達で魂を篭めた作品を作りつつ、他の版権世界へもリンクできる世界…そうだ!2ちゃんねるのなりきりネタなんでもあり板!
9、その方法に気づいた三流GS達はパソコンに魂を宿し、「テロ魔族との決戦スレ」をなりきりネタ板に立てる
10、そこで始まるテロ魔族との激闘、なりきりネタ板の中の世界にいる牧街等の魂の激闘が、魂を通じて現実にいる牧街やカフェ等の体によってなりきりネタ板に書き込まれ、それはどんどんユーザーの注目を集めていく(文章の世界だが、実力はなな板の世界の中でも現実と変わらないため、テロ魔族は圧倒的に強い)
11、必死に戦う牧街達だが次々倒れていく。その姿に、オタク文化の愚かさや、人間の愚かさ、醜さをあざ笑い、恍惚とするテロ魔族
12、カフェ等は反論するが、圧倒的実力差から反撃の手段が無い
13、多分この編で誰かが既に反撃へのきっかけを掴んでいると思われるのでそれで反撃開始
14、勝利、終わり

…今読み返したら色々酷いっすね、すいません


435 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/09(木) 21:06:03   [sage]
面白いではないかwww

ちょっと余計な事を言わせてもらうと
そこまで細かく決めてしまうと途中で予定から逸れて焦る原因になるかも……!?
スタート地点とゴール地点を決めて二地点をつなぐ大体の道筋を思い浮かべるといいぞ
のびた君がジャイ子と結婚してもしずかちゃんと結婚しても
ちゃんとセワシ君が生まれるぐらいなんだから多少の事は大丈夫!

それを見て思いついたのだが
普通に戦うと圧倒的な実力差でも相手を充分に力を発揮できない土俵に追い込むことによって
互角な戦いに持ち込むというのも一つのやり方かもしれぬな


436 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/09(木) 23:24:15   [sage]
原作ネタを絡めつつ一目見て面白いと思える内容……やっぱり牧街さんは一流だなあ〜
そしてカフェさんの言う事はいつも勉強になりやす

オタク文化を嘲笑するテロ魔族に腹を立てたオタクユーザー達がF5キー連打
2chが鯖ダウンという展開を思い浮かべてしまった……w


437 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/10(金) 04:07:53   [sage]
>>435
ありです
確かに細かすぎましたなw
皆さんウケミンとちゃいますし

この有利なフィールド形式は、スレイヤーズで魔王になった仲間がリナと戦って、リナに倒してもらえるように作った空間が元になっています
他にも有力な敵への勝ち方としては、ぬ〜べ〜のぬ〜べ〜の修行時代の様に、とりついた悪霊を100日かけて弱らせて人間でも戦える状態にする〜等
霊能力系の戦いって掘り下げれば結構強大な敵に(元々死者は生者より怨念が強い分だから)勝つための方法や術があったりするんですよね

そーいうのを調べてきて、各々がシナリオの中で方法を出し合い、それらを試した上で敵側PCがその方法が自分の使う敵キャラに効果あるのかを判定し、全ての方法が効果なかったら撤退シナリオへ
ってのはどうでせうか?
「何故効果が無かったのか」を敵側が詳しく、わかりやすく解説できるかがポイントになりますが…
>>436
褒めすぎですw
バッドエンドすぎますね、それw


438 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/10(金) 04:35:28   [sage]
>>434
おもしろーいw
>>ALL
賛成でーす


439 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/12(日) 10:23:35   [sage]
>>437
自分的には全然オッケーです

懸念があるとすれば倒し方を考える事ぐらいですw
霊能力系、オカルトには詳しくないので頑張って調べて考えねばw
まあズブの素人キャラクターなんでそんなもん知らん!でもアリっちゃアリなんですけども


440 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/12(日) 23:26:06   [sage]
>437
スレイヤーズ懐かしすw
それでOKじゃ!

>439
難しいことを考えずに色々挑戦してみればよかよか


441 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/14(火) 03:28:50   [sage]
【じゃあ皆さんの同意もとれましたし、新しいシリーズやろうと思います
しかしアイデア浮かばないのでテロ魔族決戦編はもう少し先にしてとりあえずまた適当にギャグシナリオを…】


テロ魔族達との激闘から数日
恐山師範等主力を欠いている恐山流除霊道場は道場としての活動は一時休館状態になり
除霊活動は牧街等手の開いている「傘下のGS達(協力関係にあるGSでは無く、恐山流の独立しているGS達)」が道場に来た依頼から出来る物だけ選んでほそぼそとやっている状態だった

「ガスの元栓よし、戸締り…は取られるもん無いけどよし、忘れ物無しっと」
で、相変わらず牧街はあんだけズバドスありったけやられて生死の境を彷徨ったにも関わらず、医者に行ってわずか数日で綺麗さっぱり傷が癒え、再び除霊の仕事に汗を流していた
普段、道場の関係者がやっている結構簡単な依頼が片っ端から回ってくるため仕事には困らず、又、装備に関しても道場の物をレンタルで使えるため充実していて
道場に半分報酬を預け、更に道場の道具を使った分の料金を納めても、牧街の収入は結構な量になっていた


そのお金で牧街は中古の軽自動車を再び買い、更にこれまでの戦いで使いまくった破邪札を補充していた
(あーあ…今までもこーして俺のとこに仕事が来てればなぁ…。まぁ、回してもらってる身で文句は言えんけど)
事務所へ向かいながら、牧街はそんな事を考え、師匠もっと休んでくんないかな〜とか考える
先生が出張に行ってて自習だわっしょい見たいなノリだ

やがて事務所についた牧街が、道場から持ってきた依頼の書かれた書類に目を通し、今日の依頼を決めようとした
その時だった
電話のベルが鳴り響き、おっとと受話器を取った牧街の耳元に、美しい女性の声が聞こえてくる
『私、□□市で古本屋をやっている野田と言うんですが、ちょっと、妙な本を手に入れてしまいまして…』
野田さんの『本』に関する説明に、牧街ははい、はいと聞いていたが、やがてその顔は青ざめ、肩がブルブルと震えだす
やがて、野田との会話を終えた牧街は、受話器を置くと、颯爽と再び受話器を取り、あそこへと電話をかけ始めた
「あ、もしもしカフェさんですか?牧街です、実はまた困った依頼が家に飛び込んできて…」

恐山流道場に来た依頼の中にも、牧街が解決できそうにない依頼は結構あった
が、そー言うのには牧街は当然手をつけず、他の強い味方(特殊部隊とか)に回していたのだが
自分のとこに直接来た無理目な依頼は仲間に回す事はできない
となれば、いつもの報酬山分けでカフェに頼る戦法しか無くなるわけだ

牧街の元へ来た依頼、それは、一冊の本を何とかしてくれと言う物だった
その本は最初、世界観だけが書かれている童話の様な本だった
野田はそんな本を引き取った憶えは無く、いつの間にか本棚にあったらしい
事件はある日、突然起こった
店の周囲で女の子が行方不明になったらしく
野田も捜索を手伝ったのだが遂に発見は適わなかった
しかし、ふと店に帰った野田が、店の床にあの本が落ちているのを発見し、何気なく読んだ時だ
なんと行方不明の女の子が新たに登場人物として登場し、物語の中に書かれているのである
インクは数十年前に乾いた形跡があり、とても誰かがイタズラで書いたとは思えない
更に行方不明事件が何件か起こり、それに伴って本の登場人物も次々と増えていると言う
だが、警察に言って事を荒立て、ただでさえ低い店の売り上げに影響があるといけない
なので、個人的に牧街等に鑑定と除霊を頼みたいとの事だった

「…そ言うわけ何で手伝って頂けないでしょうか」
情けないなぁー自分ーと思いつつも、牧街は電話で以上の旨をカフェに伝えるのだった


442 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/14(火) 23:21:52   [sage]
>441
テロ魔族達との激闘から数日後。何事もなかったかのように電話が鳴った。

>「…そ言うわけ何で手伝って頂けないでしょうか」
「ふむふむ、なかなか興味深い事例じゃ。リアルネバーエンディングストーリーか。
2ちゃんねるのなな板TRPGにも似ておるな。
横から猫師匠がしゃしゃり出て受話器を奪い取った。
「中の世界に入れる本! 世界に散らばったオーパーツのうちの一つかもしれないにゃ!」
オーパーツ……そういえばそんなネタもあったのう。
「と、いうわけで是非手伝わせていただくにゃ」
猫師匠は勝手に依頼を受けた。

「にゃに、そんなに恐れる事はにゃい。
本に描かれているのは童話のような世界、行方不明になったのは子ども、何より野田さんはずっと本の側にいるのに行方不明にならにゃい。
つまり大人は大丈夫なのではにゃいだろうか」
「なるほど、今回も頼りにしておるぞ、師匠」
「なにを言ってるにゃ。ぼくちんはぼくちんで忙しいにゃ。師範たるものいろいろあるにゃ。
別に決して強すぎるNPCが活躍しては困るという大人の事情ではないにゃ」
「えっ、今まで散々暇そうにしゃしゃり出てきたくせに!」

「ならばみこと殿を連れて行くのはやめておくか。師匠無しではさすがに危険すぎる」
といっても神出鬼没にどこからともなく現れるのは分かり切っているので意味はないのだが。
今回からは牧街殿の押し掛け新弟子と二人セットで現れるかもしれない。


443 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/15(水) 00:43:07   [sage]
月夜田みことは知らない場所へ来ていた。小さい女の子に手をひかれて。

「くしゅっ!」
と、くしゃみをしたら、小さな女の子が心配そうに月夜田みことを振り仰ぐ。
ぎゅっと力をこめる小さな手。眉根をよせつぶらな瞳で月夜田を見つめる。

「だいじょうぶ。心配しないで。おねーちゃんのことを誰かが噂しているみたい。
それはきっと私が可愛すぎるから。私ね、高校じゃ美人四天王のみことって皆に崇められているの」

女の子は何も答えず無言のまま手を引いてゆく。
気がつけば辺りは夜。

東の空から現われた満月が星空をゆっくりと這っている。
空気は暖かくぼやけている。道の両側に並ぶ街灯が星空を支えているようにみえた。

月明かりに照らされた銀色の道をすすむと鉄製の大扉。二人はそれをくぐり抜け大きなお屋敷に辿りつく。
中庭には噴水池があり、片羽を広げた鳥の嘴からこくこくと涌水が流れ落ちていた。
水は糸を引いて鳥の水掻きを濡し水盤に溜る。さらに石造りの水槽へ零れ落ちてゆく。

見渡せば噴水池いっぱいに蛍のようなものが飛び交っている。

「きれい…」
そう思ったとき。月夜田みことの心から嫌な思い出が一つ消えたような気がした。


444 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/17(金) 21:59:34   [sage]
遭難から数日。
高山はリアルに入院した。常人なんだから当たり前である。
まあヒーリング能力のお陰で8割回復、というところまできてはいるが。

「あ……ありのまま起こった事を話すぜ!
 『遭難して悪霊に殺されかけたと思ったら病院にいた』…な…何を言ってるのかわからねーと思うが……」
「あーはいはい、もう大丈夫みたいなんで退院していいですよ。また何かあったらきてください」
「ええっ!?酷すぎないですかそれ!?」

こうしてはた迷惑な高山は強制的に退院させられ日常へ戻った。
また無味乾燥とした平穏無事な生活が始まった……が、そうはいかんざき。
世界広しと言えど割と人間関係の繋がりは狭かったりするのだ。

「わー、すげー。古本たくさんあるなあ。なんか掘り出し物の絶版した本とかあるかなーないよなー」

学校の帰り道、制服姿の高山は小1時間道に迷った末に一件の古本屋に辿り着いた。
方向音痴の四文字は伊達ではない。家に帰るのも一苦労である。
兎に角そうして足を棒にして疲れたところ、この古本屋で休憩を兼ねた次第だ。
電話をする美人の女性に一瞥くれて本を漁り始める。店員か店長かは判然としない。

「うーん、民明書房刊行『死にたい人におすすめの危険な恐山流除霊道場』………」

なんだか胡散臭そうな本だったので元の棚に戻した。

「なになに……民明書房刊行『ここに行けばあなたも一流GS!男塾除霊道場ガイド』………」

民明書房の本ばっかじゃないか、と呆れながら古本がこれでもかと詰まった本棚を漁りまくること数十分。
何気なくレジの方向へ首を動かすとそこには古めかしい本があった。
レジに置いてあるから恐らく売り物ではないのだろう。
それに高山には何というか、霊的に触れてはいけないような気がした。

「………悪霊がとりついてたりして。………なーんてね」

独り言を呟き他の本棚の本を触ろうとしたタイミングで
店員だか店長だかの女性が電話をし終えて戻ってきた。
高山はあ、どうも、ただの客なのでお気になさらずと手をひらひらと振って見せる。

ふと、先程の古めかしい本を思い出して何気なく質問をぶつけてみる。

「あ、そこに置いてある本って売り物なんですか?……もしかして悪霊が宿ってるとかしません?」

ワリと洒落にならない冗談交じりで。


445 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/18(土) 22:21:06   [sage]
冥土喫茶の入口の前に、牧街の中古軽自動車が停車する
「ありがとうございます。いやぁマジ助かりますよ…ってあれ?月夜田と猫師匠は?」
さりげなく月夜田さんからさんが抜けているのは、年月が牧街に月夜田への免疫をつけたからだろう
二人がいない旨を聞き、牧街は一瞬複雑そうな顔になる
(月夜田はいないほうがいいから助かったけど…猫師匠いないのはなぁ…何だかんだ言ってあの人がいたから安心して戦ってこれたわけだし…)
何だかんだ言って牧街も変人とはいえ猫師匠をそこそこ尊敬していたし、頼もしく思っていたために、やはりその消失は心細い
(んー……なーーーーーんか嫌な予感するなー…これは…やめたほーがいい気がするなぁ…)
牧街のヘタレエンジンが久々に始動した
彼の脳内で負の妄想が次々に連鎖していく

(実は猫師匠が俺達に見えないところで悪霊を何とかしてくれて助けてくれてたかも知れんわけだわな…
でも今回はおらんでこのノリつっこんでいく姉ちゃんただ一人…
アニメとかなら助かって成長する所何だろーけどここ現実だしなぁ…
死ぬなぁー…間違いなーく死ぬなぁー…
………やめとこーかなぁ、今回の依頼
いやでもなぁ…高端Jrにこんなんに立ち向かう云々言っちゃったしなぁ…
でもなぁ…命あっての物種だしなぁ)
うんうん腕組して依頼を受けよーか再度考え出す牧街
こいつがヘタレなせいで物語が始まりそうに無いが、残念ながらその背中を蹴って発進させる恐山師範も月夜田も現在はこの場にいない

あろう事か今回は始まる一歩手前でいきなり試練が立ちはだかった
即ち、「ほんとにこの依頼を受けて大丈夫なのか不安がる牧街の説得」作業である
しかし、気をつけろ!下手をこくと物語に関わる前からやっぱこの依頼やめたとか言って撤退ENDになってしまうぞ!!


……我がキャラながら大変めんどくさいヘタレっぷりである
いい加減成長して欲しいが成長した牧街など牧街ではない…


446 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/18(土) 22:39:10   [sage]
さて馬鹿牧街が出発すら出来ていないその頃…

「やぁ」
蛍を眺めていた月夜田の背中に、不意に男性の声がかかった
見ると、サラリーマン…「の様な」男性が一人、屋敷の壁にもたれかかって立っていた
「君で5人目だよ…、君はここがどこだかわかるかい?」
サラリーマンの様な男性は、月夜田に尋ね、彼女がわからない旨を伝えると、彼はやっぱりなとわかっていたように返事する
「皆ここがどこか何てわからない、どーやって来たかも憶えてない…でも、不思議と不安もわかないし、どうしようかとも思わないんだ。君もそうじゃないかい?」
言われて見れば、月夜田もそんな気がしたはずだ
そう、異常な状態に陥っている、と頭ではわかっているはずなのだが、ソレに対して感情がわかないのである
「今君は何とかで5本の指に入っているとか言ったけど、それをもう一回言えるかい?」
言われて繰り返そうとしても、できない
おかしな事に先ほど言えたはずの自分の学校での出来事が、いえなくなってしまっている
「不安がる事は無いさ、皆そうだ、どんどん「自分」や、「前いた場所」の記憶が言えなくなって行く。けれど全然不安にならない
…おかしな話だよな
どうも私達は「別の何か」にここでなろうとしているのかも知れないんだよ
古い自分、今までの自分を消して、「何か」に
異常な話しだよなぁ…。私も嫌悪感が沸いたんだが…
だが…何だか今までいた世界の事を思い出そうとする度に、戻ろうかなあと思う度に…前の世界の悪い所が浮かんでは消え、思い出せなくなり、浮かんでは消え、思い出せなくなりしていって、今じゃどうでもいい
……どうしたんだろうなぁ…、私は」
そう言って、リーマンらしき男は…いや、「何の職の服かわからない服を着ている男」は、ため息を吐いた
「でも、こーしていると嫌な事がどんどん消えていくから、悪い気は…全然しないなぁ…
君も、ぼーっとしているといい
嫌な事がどんどん洗われて行くから」
男は微笑み、少女もそれに準じてにこりと笑って頷いた


447 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/18(土) 22:53:11   [sage]
「あの本…ですか?あーまぁ…そう…いや…とりあえず売り物ではありませんね、はい」
肯定しようとして、野田さんは高山の言葉を否定し、とりあえずあいまいにごまかしそそくさとレジに戻る
そらそーだ
いきなりもしかして呪いの書かも知れません、などと言うたら、変な噂が立つかも知れない
野田さんは慌てて本をレジ下の引き出しの中に閉まってしまった

…いかん、確かにちょっとおかしな行動だが、これに突っ込んで捜査しようなどと思えるのはどこぞの世界を盛り上げる組織の団長位である

高山サイドのストーリーがストップしかけたその時、外から絹を裂くような少女の悲鳴が聞こえてきた
何事かと見に行けば、何かもやの様な不定形な物が、学校帰りらしい少女の顔にビニール袋を被せ、首をビニールの上からヒモで絞めて殺そうとしている
最近巷で話題になっている悪霊、「ビニール男」だ!
変質者の霊で、既に何人もの小学生を襲っている凶悪な悪霊である
幸いにもデモンサーカスや紅バサミなどよりははるかに弱い悪霊ではあり、雑霊より強い悪霊程度の霊なのだが、それでも民間人には成すすべがない
騒ぎを聞きつけて近所の人々も集まり始め、110番通報している用だが、警察が来る前に少女が窒息死してしまう


448 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/20(月) 06:47:40   [sage]
>「やぁ」
月明かりの中庭に男の声が響く
月夜田みことは、その男の声が聞こえなかったかのように硬直していたが、おそるおそるゆっくりと振り返って、
「誰ですか?」

>「君で5人目だよ…、君はここがどこだかわかるかい?」
瞳を凝らせば、お屋敷の漆喰の壁にはサラリーマンの様な男がもたれかかっていた
噴水池の鳥の石像の嘴からは、月明かりを浴びた檸檬水が降り続けている

>「皆ここがどこか何てわからない、どーやって来たかも憶えてない…でも、不思議と不安もわかないし、どうしようかとも思わないんだ。君もそうじゃないかい?」
「……そう、かも」
>「今君は何とかで5本の指に入っているとか言ったけど、それをもう一回言えるかい?」
「え…あれ……。私いま、なんて言ってたっけ?えっと……大切なところに5本も指がはいる?あれ?」
>「不安がる事は無いさ、皆そうだ、どんどん「自分」や、「前いた場所」の記憶が言えなくなって行く。けれど全然不安にならない
…おかしな話だよな
どうも私達は「別の何か」にここでなろうとしているのかも知れないんだよ
古い自分、今までの自分を消して、「何か」に
異常な話しだよなぁ…。私も嫌悪感が沸いたんだが…
だが…何だか今までいた世界の事を思い出そうとする度に、戻ろうかなあと思う度に…前の世界の悪い所が浮かんでは消え、思い出せなくなり、浮かんでは消え、思い出せなくなりしていって、今じゃどうでもいい
……どうしたんだろうなぁ…、私は」
「バカになったのかも」
>「でも、こーしていると嫌な事がどんどん消えていくから、悪い気は…全然しないなぁ…
君も、ぼーっとしているといい
嫌な事がどんどん洗われて行くから」

何の職の服かわからない服を着ている男は溜め息を漏らし微笑む。
「……」
月明かりを浴びた男の白い笑顔に月夜田は、何故か裏っかわのない化け物染みたものを感じた


449 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/20(月) 06:48:50   [sage]
月夜田たちは白い花をつけた不思議な木の下をくぐり、石畳の通路を真っ直ぐ進むと大きな二枚扉に突き当たった
白磁の把手が月の下で生みたての卵のように光っている。月夜田と少女とサラリーマンのような男は大きな扉を開けお屋敷に入る
見上げればそこは広いホール。乳白色のシャンデリアを吊るした天井を闇が覆い隠していた
そしてホールの奥だけが、ぽうっと明るくなっている。硝子窓で濾過された月明かりが階段に零れているからだろう

月夜田はまるで夢をみているようだった。サラリーマンのような男は「前の世界」と言っていたが
今やその言葉すら遠く実感を失っている。

少女に導かれ、月明かりに濡れた階段をのぼり、再び扉を開けるとそこは屋上のテラス
夜風が頬をなでる。夜空の星に紛れた蛍星たちが悲しそうに飛びまわっている。
テラス中央の小さなテーブルには食事が用意されており、
いつの間にやら天の正中に達していた月が冷たい光でテラス全体を浮き上がらせていた

「ほかのみんなはー?」
少女はサラリーマンの様な男に問いかけると心配そうに中庭を見下ろし最後にもう一度男と顔を合わせた

男は静かに口を開く

「食事の時間なのに、まだ来ていないみたいだね。もしかしたら、もう別の何かになってしまったのかな……」

沈黙が落ちる

銀の皿には美しい果物。硝子洋盃には翠緑色の曹達水。
少女は椅子に座ると無表情で洋盃を手にとる。硝子洋盃の中で氷のぶつかり合う音が聞こえてくる
月夜田が少女の方を見ると彼女は手元の洋盃を見つめていた
「何が見えるー?月だよ。自分のをみてみて」
言われるまま月夜田は自分の洋盃を覗き込む。炭酸水の湖底に沈んだ満月が眩しかった
月夜田と少女、サラリーマンの様な男はそれぞれの洋盃を軽くかち合わせると、溶けた月と一緒に曹達水を飲み干した
北西の空で稲妻が走る。星空だというのに遠雷が聞こえた

【牧街さんカフェさん高山さん。今回こんな感じでごめんなさい】


450 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/20(月) 22:52:11   [sage]
>445
あろうことか猫師匠がいない事を聞いた牧街殿は依頼を受ける事をためらいはじめた。
妾を誘うのは実は猫師匠目当てだったのか!? ここでまさかの最初のミッション発動!
始まる前に最初の関門ってどんな斬新な仕様だ。 
とにかくアドベンチャーゲームの要領で選択肢を羅列して一つずつ検証していこう。

・モリオ! しっかりしなさい! 

いかにも月夜田殿が言いそうな台詞じだがこれを言ってやる気を出すぐらいなら最初からやる気を出しておる。
やはり依頼を受ける事を上回る恐怖で脅すのが確実だろう。

・逃げ帰った事が恐山師匠にバレたら……

普段なら牧街を依頼に追いやる魔法の言葉である。
しかし恐山師匠は今は再起不能、妾がチクらない限りバレない。
さすがにそんな恐ろしい事はしないし、さすがに牧街殿も妾が友達を意図的に半死に追いやるような非情な人間だと思っていない。
とすればやはり金でせめるか。

・金欠で苦しかろう

いやいや、今は簡単な依頼がポンポン来るらしいので、これをやめても牧街殿は大して困らない。
と、なれば最後の手段、良心に訴えるしかないか!?
しかし普通に訴えてもヘタレマインドもとい命大事にの精神の方が上回ってしまうだろう。
決め手になる何かが必要だ。

ポクポクポクポクポクポクチーン

そういえば牧街は妹なる存在には特別な思い入れがあったのではないだろうか。
さも心配そうな表情でさりげなく言う。
「行方不明になったのは小さな女の子だそうではないか。早く連れ戻してやらねばな。
もしもの事があったらご両親やご兄弟が悲しむ事になる」

>449
【幻想的で不思議な感じでいいと思うぞ】


451 : 高山准 ◆ fE/1/wo2ds    2011/06/24(金) 18:45:45   [sage]
【すみません!事情あって今のシナリオに参加できなくなりました!
 真に申し訳ございませんが高山はビニール男を追ってどこかへ行ったことにして下さい。
 次シナリオには戻ってこれると思います、多分!いきなりで本当ごめんなさい!!】


452 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/25(土) 22:46:05   [sage]
「…よし!わかりました!カフェさん!!」
カフェの言葉に、牧街はぐっと決意を篭めた拳を握り、力強く頷いた

そして、カフェの手を取って、笑顔で言う

「やめましょう!今回の依頼!!」

周囲が力の限りずっこける中、牧街はキラキラと瞳を輝かせながら語りだす

「俺達の様な貧弱なやからがでしゃばって、小さな女の子が悪霊の手で殺される結果になってはいけない!
それよりも、依頼人には悪いけれども女の子の事を考えれば、警察に訴え出た方がいいはずだ!!」

うん、うんと頷く牧街
ちなみにTRPG云々抜きにすると正論だ
民間人でしかも3流のGS達が人間消失事件に首を突っ込むよりも、訓練された公務員が事件に当った方が捕まっている子供達の未来は安泰に決まっている

このままでは今回のTRPGが終わってしまう!
そう思った、その時!

「あ、でも」

ぽんっと牧街が手を叩いた

「別に俺等行方不明事件解決しに行くわけじゃないんでしたね」

…そう、である
今回の任務は、悪魔で「野田さんの所にある不気味な本の正体を突き止めること」であって、「行方不明の人達の救出」では無い

「ちゃちゃっと行って、本がやばげな物かだけ見てくりゃ良かったんですよ。俺とした事がうっかりしていた」

そう言って、牧街は普通に車に乗り込み、カフェにも乗車を促す

「んじゃ行きましょうぜ」

猫師匠不在と言う事態にのっけから無駄にびびった牧街だったが、ひらめきが幸いにもヘタレエンジンの暴走を食い止めてくれた
しかし、今回の牧街は恐らくいつもの5割り増しヘタレなはずである
果たして、最後まで逃げ帰らずいる事ができるのだろうか!


453 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/06/25(土) 23:07:11   [sage]
月夜田みこと…だった物が気がつくと、そこは「いつもの自分の部屋」だった

いつもの天幕付きのベットから身を起こし、窓の外を見れば、「いつもの様に」動かない月がはるか彼方に浮かんでいる
この世界が始まってからずっと、月はあそこを動いていない
いや、月とはそういう物なのだ
と言うよりも、月と星以外で、空に輝く物は無い
心の…記憶のどこかにさんさんと照りつける何かが浮かんだ気がしたが、それは恐らく気のせいだろう

そんな事を考えていると、不意にドアが開き、「長年共に暮してきたメイド」が室内に入ってきた
「おはようございます、お嬢様、お召し物を変えさせていただきますね」
そう言って、メイドはいつもの様に手馴れた手つきで…いや、メイドの手つきはぎこち無い
まるではじめてこんな事をしているように、動きがぎこちない
そう言えばなんだかいつも顔を合わせているはずのメイドなのに、何故か始めて見た人の様な気がした

モタモタとメイドに服を着替えさせられていると、ドアが勢いよく開いて、先ほど自分を館に導いた少女…いや、「妹」のドリスが部屋に飛び込んできて、懐にむしゃぶりついた
「おはよう!ドロシーお姉さま!」
ドロシーと言う名前に一瞬…みこと…いやドロシーは抵抗を感じたが、すぐにそれは消失する
今日は何だか記憶がおかしい
見たことも無い物や、名前が次々と頭に湧き出てくる
妙な気分になっているドロシーに構わず、ドリスは着替えも終わっていないドロシーをぐいぐいと食堂へ引っ張る

「お姉さま、早く来ないと、新鮮な血液が悪くなってしまいますわよ」

そう言って無邪気に誘うドリスに、ドロシーは記憶の中に浮かんできた物の事が本当にどうでもよくなった
永遠の夜の館の住民、吸血鬼ドロシーは…

>>449
【作ったはいいっすけど決定リール多過ぎですみません、もし嫌だったりわけわかんないと思ったら言って下さい、別の作るか、説明するか致します】

>>451
【リアル優先っすよ♪頑張ってくださいね(何だかわかりませんが)】


…そういや桜井さんは元気かなぁ
手術がどうなったのか…震災前だっただけに心配です


454 : ドロシー ◆ U9eiwn/wgU    2011/06/28(火) 03:33:40   [sage]
カチャ。扉を開ける音が食堂に響く。吸血鬼姉妹は席につく。
テーブルの上には空のグラス。
ドロシーが無表情でそれを見つめていると、メイドがそれに赤い液体を注ぐ。
「乾杯!」
ドリスは無邪気に笑って白い喉を見せながらグラスの液体を飲み干した。
「とっても素敵な味だわ。そう、甘美な味。さあさ、お姉さまもどうぞ…」
「え、ええ」
少し嫌な気持ちがした。例えたらご飯の白いつぶつぶに蛆虫を想起してしまう感じ。
赤い飲み物に普通ならありえない感覚を抱いてしまっていたドロシーだったが
そんなことを考えてしまう自分を一蹴し、赤い液体をくぴくぴと飲み干した。
(やっぱりおいしい…いつもの味ね…)
姉妹の唇は、より一層赤みを増している。
妹のドリスは唇に付着している赤い液体をいとおしそうに舌で舐めている。

食事も終わり姉妹はテラスへ向かう。いつの夜も満月は綺麗だったし月光が永遠を予感させてくれる。
ドリスは食後の散歩と言い、ひらりと手摺に飛び乗った。
「危ない!!」
姉が声を出すより早く、妹は前にスッと倒れたかと思うと
飛び込んだ水泳選手が水面に現われる時の様に頭から空へ浮上する。
「ほら!お姉さまもはやく!」
浮遊しているドリスはくるりと空でひっくり返り、ドロシーを持ち上げようと服を引っ張りあげる。
「いやぁあ!!」
脳裏に牧街と一緒に崖に落ちてゆく自分の姿が浮かんだ。
「いやぁあ!!ん…?」
足をバタつかせてみるものの、足下にすでに床はなくドロシーは宙に浮かんでいた。

――手をつなぎ二人の姉妹は永遠の夜空を飛んでいる。
眼下には灰色の海。波は銀色の光を放っている。
ドロシーは銀色の世界の静寂に、海の歌を聞いたような気がした。
それはやさしい子守唄。
遠い記憶のさざなみがうすれてゆく。とけるほどに深く。
幾重にも広がる月の環。流れてゆく時のことなど忘れよう。
夢のなかで彷徨いながら、私たちは微笑んでいればよいのだから。
「ねえ、ドロシー。あなたは愛や死について考えたことはあるのかしら?
もちろん私はありますわよ。考え始めたら永遠に眠れなくなってしまいそうですけれど。おほほほほ」
心身ともに吸血鬼になりつつある月夜田の笑い声が夜空に溶ける。

【ドロシーにはまだ少し月夜田が残っています。
永遠の世界で、死という概念をドリスがどう処理しているのかという問いだったりします】


455 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/06/30(木) 00:14:24   [sage]
>451
【了解じゃ! 次章でまたお会いしようぞ!】

>453
【そういえば桜井殿が休止してからもう半年以上になるのう。
しかし彼女がいたのは外部に移る前だったゆえなな板に戻ったらまた元気な姿を見せてくれることを信じようぞ!】

>452
>「やめましょう!今回の依頼!!」
すてーん! 力の限りずっこける周囲の例に漏れず、妾もずっこけた。

>「あ、でも」
>「別に俺等行方不明事件解決しに行くわけじゃないんでしたね」
「そ、そうじゃそうじゃ!」

>「ちゃちゃっと行って、本がやばげな物かだけ見てくりゃ良かったんですよ。俺とした事がうっかりしていた」
「うむ、もしかしたらちょっとした手品のような事かもしれぬし
本当にやばげだったらその時考えればよい!」

>「んじゃ行きましょうぜ」

牧街に聞こえないように呟いた。
「ふぅ、危うく始まる前に終わるところだった……」
牧街殿には物語的な綺麗さは一切通用しないのだった!
逆にヘタレ感知器に触れさえしなければどんなにズッコケるような事でも問題ないようだ。

こうして野田さんの店に向かった妾達。
店の前あたりから少女の悲鳴が聞こえてきた!

>447
変質者の霊が小学生に襲い掛かっている!
「こりゃ何しとんじゃ!」
ゴスロリ傘を振り回してもやを小学生から振り払う。
「今じゃ牧街殿! こやつからビニール袋を奪えい!」


456 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/01(金) 21:23:05   [sage]
「ようし任せろカフェさ

                省略

「どうにかなりましたね」
汗を拭いて、今度こそ店に向かうカフェと牧街

え?戦闘シーンはどうしたって?
いや実はビニール男は悪魔で時間稼ぎの悪霊で本編と全く関係なかったりするのだ
話が広がらんし下手に出すと高山はどこ行ったって話しになるのですっとばす

店に入ってきた牧街とカフェを、野田さんが迎え撃つ…じゃなくて普通に出迎える
「お電話いたしました、野田です」
「あ、えーと、牧街です、えぇ」
声の通り、野田さんは美人だった
ポケットの中の戦争のテストパイロットみたいな顔だ
当然、美人に免疫の無い牧街はちょっと頬を染めている
「で、その…本は」
「あ、えーと…」
カウンターの机を開けて、中から例の本を出す野田さん
早速、カフェと牧街はそれを覗き込む
ふうむと思案顔をして、真剣に見つめる牧街
「カフェさん」
やがてすっくと顔を上げた牧街は、真面目な顔で言った
「タイトルが英語で読めない」

どんがらがっしゃーん
牧街の中学の頃の英語の成績は5段階中の2だった

「こ…これはエターナルヴァンパイア…永遠の吸血鬼って書いてあります」
「永遠の吸血鬼、なるほど…、ありがとうございます」
苦笑しながら教えてくれた野田さんに、牧街は真っ赤になりながらお礼を言う
美人の前で無知な事やらかした自分が恥ずかしいらしい

「では中を失礼」
そう言って、牧街はページを開いて、本を読み始める


457 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/01(金) 21:38:34   [sage]
「ふぇ?お姉さま、死んでしまわれるの?そんなの嫌…」
ドロシーの問いかけに、ドリスは晴れ渡った空が暗雲に呑まれたように悲しみの表情を浮かべ、泣き出してしまう

死ぬ様な目にあった事無い大部分の人が『自分は絶対死ぬ事は無い』と妄想する様に、ドリスにとっても又、「死」は他人事でしかなかった
特に、彼女は不死身の存在であるヴァンパイア
自分が死ぬことなど、想像する事すらできないのだろう

となれば、姉の言葉は、妹には姉が姉自身が近々滅びてしまう事を言っているのだろうとしか取れない

「ドリスはお姉さまと永遠に過ごすの…死なないでお姉さま…」
しくしく泣きながら月夜田…ドロシーの胸にすがりつくドリス
そこに、新たな影が近づく

「いけないな、ドロシー、妹を泣かすなんて…」
サラリーマン…いや、ドロシー達の父、カロッゾだ
大きな漆黒の翼を広げ、カロッゾは悠然と二人の傍に浮いている
「お父様…お姉さま、死んじゃうの?」
目に涙を浮かべたまま、ドリスはカロッゾに尋ねた
それに、カロッゾは飛び切りの笑顔で応える
「大丈夫さ、ドリス、吸血鬼は死んだりしない。何故そう思うんだい?」
「だってお姉さまが…」
「ふぅん、ドロシー、ドリスに何か言ったのかい?」
叱りつける風ではなく、どこか興味深そうに、カロッゾはドロシーに質問する


458 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/01(金) 21:47:11   [sage]
「それに対してドロシーは…何だかなぁ…歯の浮くような内容ですねぇ…」
途中まで読んで、牧街は苦い顔をする

テレビの恋愛ドラマすらまともに見ていない牧街には、純真なファンタジーは清らか過ぎて駄目だったのだ

「まぁ、内容はおいといて…とりあえず出てきた行方不明者と思わしき名前をまとめましょう
えーと…最初の方の…館に来るシーンで名前があるのが…最初の行方不明者の女の子で、芽有椎子(めあり・しいこ)、次が近所の主婦、朝倉河善菜(あさくらかわ・いいな)さん
女子高生の「律屋さとな」(りいや・さとな)さん、サラリーマンの雪原まさし(ゆきはら・まさし)、で、後の方で出てくるえーと…「月夜田みこ…と!?」」
ん?と本の文章を注視する牧街
「あ、その辺、私が読んだ時にはまだ出てなかった所ですね」
「……カフェさん、ケータイでちょっと連絡とってみて下さい」
まさかなーという表情をしながら、牧街はカフェに頼んでみる


459 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/03(日) 00:23:09   [sage]
>456
>「どうにかなりましたね」
「ふぅ、依頼に入る前に人助けをしてしまった」

激闘の末にビニール男をやっつけ、いよいよ本題に入る。
>「タイトルが英語で読めない」
「なぬう!? この手の単語はオタクの基礎知識じゃぞ!」
といっても牧街殿は一応オタクではないので仕方がない。

>457-458
本の内容は、オタク界ではちょっとした一ジャンルを築き上げている吸血鬼達が織りなす耽美な物語だった。

>「それに対してドロシーは…何だかなぁ…歯の浮くような内容ですねぇ…」
「ドロシー……なんとなーく誰かに似てるような……」

>「まぁ、内容はおいといて…とりあえず出てきた行方不明者と思わしき名前をまとめま>「で、後の方で出てくるえーと…「月夜田みこ…と!?」」
どがしゃーん!
「みこと殿……事件の当事者になることにかけては全くもって天才的じゃ!」

「……カフェさん、ケータイでちょっと連絡とってみて下さい」
「了解じゃ」
ピッポッパッ トゥルルルル……
とりあえず呼び出し音は鳴り始めた。果たしてつながるだろうか!?


460 : ドロシー ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/03(日) 12:49:49   [sage]
父、カロッゾの巨影の下、コバンザメのように夜空を舞う吸血鬼姉妹。
>「ふぅん、ドロシー、ドリスに何か言ったのかい?」
「いいえ。なにも」目を伏せる。
思春期の少女が持つであろう父親に対する嫌悪からか、ドロシーはこの男を父とは認めたくなかった。
赤の他人以下の汚れた存在。通りすがりのサラリーマンのよりも冷たく接する。
「今宵も親子ごっこですか。お父様」
鼻からフンと息を出し、逃げるように滑空。ふわりとドロシーが中庭に降りればカロッゾとドリスもそれに続く。
噴水池の中央では片翼の石像が、いつものように清流を吐き出し続け蛍星が飛び交っている。
次に心地よい水の音に混じり、小さな音律がドロシーの鼓膜を震わせる。胸で携帯電話だったものが鳴っているのだ。
「これは…なにかしら……?」
貝殻のペンダントを無意識に耳にあて、「もしもし……

野田が次のページをめくれば、そこにはドロシーと会話を紡がんとする外界の女の姿、ようするにカフェの姿があった。
外界の者たちはドロシーたちの世界の根源であるエターナルヴァンパイアという魔法の本を調査しているらしい。

野田は驚く。新しいページに描かれている外界の者たちが、自分たちのことを描いているようにしか思えなかったから。
ペンダントを耳に当て戸惑っているドロシーに、カロッゾは微笑みながら近づくとペンダントを持つ右手ごと掴みそれに囁かんとする。
その時、パンッと野田は本を閉じた。
何故ならエターナルヴァンパイアを読む自分たちがエターナルヴァンパイアに登場し、
登場している自分たちがさらにエターナルヴァンパイアを読んでいる。
合わせ鏡のように繰り返される物語に気分が悪くなったからだ。

「あの…ここは現実でしょうか……?」
顔面蒼白の野田が呟けば、カフェの携帯からカロッゾの囁く声が聞こえた。


461 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/07(木) 23:57:19   [sage]
>460
>「あの…ここは現実でしょうか……?」
「げ、現実に決まっておろう!」

と、携帯電話からこの世の者とは思えない、神秘的な男性の声が聞こえてきた。
「娘のお友達かい? 名前は何て言うんだい?」
ここで名前を言おうもんならなぜかその名前は聞いたことの無いオサレな名前になっていて
本の中の世界に入ってしまうような気がした。
「娘……!? 悪い事は言わん、やめておけ! 
みこと殿の父親はそんじょそこらのヴァンパイアには勤まらん!
命がいくつあっても足りんぞ!」


462 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/08(金) 22:02:30   [sage]
「……確かに、一理ある」
カフェのカロッゾへの思いやりの言葉に、牧街はうんうんと頷いた
名前にバのつくあの人のお父さんでも無ければ月夜田を立派に育てれそうに無いと牧街も思う
けれど、とりあえずんな冗談まがいの事を言っている場合ではない

「あーもしもし、お電話代わりました、そちらにいらっしゃるのは月夜田みことさんで間違いありませんか?」
「誰だか知らないけれど、迷惑だ」

とりあえず会話を続行しようとする牧街に、カロッゾは一方的に告げる
…吸血鬼にとって、人間などゴミの様な物に過ぎない…と言うのがエターナルヴァンパイアの設定だ

「二度と耳障りな真似はしないでくれたまえ」

バキっという音と共に、携帯は一方的に通じなくなった

野田や牧街等はカロッゾの所業に一時期呆然としていたが
やがて、牧街は霊視ゴーグルを取り出し、本を見てみる
霊視ゴーグルとは使うものの霊視力を高め、普段見えない霊的な物を見やすくする物だ

じーっと本を見ていた牧街は、やがてぼそりと呟く
「この本…単なる受信機見たいです」
「受信機?」
「そうです、この本自体が悪霊じゃありません、この本は何かの影響を受けて、内容が浮き出てる…みたいですね
つまりは…えぇっと…アレですよ、テレビみたいな物…っていえばいいんですかね
番組を映すだけっていうか」
「そんな物が何故私の店に…」
「わかりません…ただ一つ、言える事は」
「言える事は?」
「この本は処分しても大丈夫って事ですね」
「ほんとですか?」
「えぇ、悪魔で単に文字が浮き出るだけの品見たいなんで」
「じゃぁ、行方不明事件とこの本の関係は…」
「それはわかりません…わかりませんが」
「わかりませんが?」

「俺の仕事は終わったみたいです」

「へ!?」
「本の正体は突き止めました!依頼達成です」
「あら…そう…なりますね!」
「なるでしょう?」
事件は解決していないが、自分達の身に危険が迫る事は無くなったと悟り、笑顔になる二人
「ありがとうございました、一時はどうなるかと…」
「いえいえ、なぁに、大した事はしてませんよ」
「あ、これ、約束の依頼料です」
「どうも、はい、カフェさん分け前」
「ついでにこの本も引き取っていただけないでしょうか?」
「はい、いいっすよ」
お金と本を受け取り、はいどうぞとカフェにも依頼をしっかり半額渡して、牧街は車へと戻る
「んじゃ本の方は責任を持ってこちらで処分いたしますので」
「ありがとうございました」
「いえいえ、それじゃ」
「お疲れ様でーす」
軽自動車発進!
こうして無事、依頼は達成された

と、何かカフェが不満げだ



「どしました?カフェさん、何か忘れ物ですか?」
野性の勘でそろそろ絶対何か俺を引き止める要員が現れるだろうと周囲をきょろきょろきょろきょろ足元も上も死角無く警戒しながら、牧街はカフェに尋ねる
少年誌で主人公が仲間見捨てて帰ろうとするとそうはいかなくなるのが世の常だ
しかし!
牧街は負けない!
このまま家に帰って月夜田をお星様にする気満々だぞ!
ちなみに本はこの後質屋に送るつもりだ!


463 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/10(日) 17:20:36   [sage]
もとは携帯電話だったもの。今は貝殻のペンダントからカフェの声が聞こえる
>「娘……!? 悪い事は言わん、やめておけ! 
>みこと殿の父親はそんじょそこらのヴァンパイアには勤まらん!
>命がいくつあっても足りんぞ!」
「この声…。どこかで聞いたことがありますわ。それにみこと…懐かしい響き……」
貝殻から聞こえる声にさざなみのような懐かしさを感じる。
続けて牧街がカフェと入れ替わり、カロッゾと何やら会話をしていたが
カロッゾは迷惑行為だと貝殻ペンダントこと携帯電話を握り潰してしまった。
「お父様、なんてことを!」
ドロシーは嘆き悲しむ。もしかしたら異界の人たちとはお友達になれたかも知れなかったのに。

* * *

数ヶ月前。エターナルヴァンパイアの作者、江田成愛子は事故死した。
電信柱への激突死。不可解なのはブレーキ痕がなかったこと。ファン達は自殺と騒ぐ。
何故なら生前の彼女は才能の枯渇に悩んでいたからである。一文字も書けない。キャラも動かない。
ツイッターでそれを嘆きファンと大喧嘩。
心を病み連載も打ち切りとなってしまった彼女だったが話だけはどうにか完結させたい。
そんな執念のようなものだけを残し彼女は白地のノートだけはいつも肌身離さず持っていた。
いつか書けるようになる日が来ることを祈って。

――――目が覚めた月夜田みことは江田成の書斎にいた。
物語は最高の結末を迎え、完結することが出来たらしい。
行方不明になった者たちも全員無事で書斎におり、得体の知れない満足感に胸が高揚していた。
「おねえちゃん。成仏した?」
ゆっくりと起き上がった芽有が問う。彼女は生前の江田成とは公園での遊び仲間だった。
彼女はドリスの正真正銘のモデル。江田成は執筆に行き詰った時に公園でいつも芽有と遊んでいたのだ。
「だいじょうぶでしょうねい。物語は完結出来たのですからねい」
カロッゾこと雪原まさし、江田成の担当編集者は安堵の顔。
「解決。でいいのかなー?」
「多分ね」
主婦と女子高生も目を合わせ頷いている。彼女達はエターナルヴァンパイアの大ファンでいつも江田成をメールで応援していた。
そして月夜田みことは江田成愛子の霊に頼まれて彼女の意識の中でドロシーを演じることになった。
江田成の意識の世界に月夜田たちは魂を突入させて所謂魂のTRPGを行いエターナルヴァンパイアを完結させたのである。
あとは誰かに読まれることによってエターナルヴァンパイアは真の完結を迎えることになるだろう。

「え?でも肝心の本はどこにあるの?」
月夜田はきょろきょろと探してみたが本らしきものはどこにも見当たらなかった。


464 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/14(木) 02:48:53   [sage]
「あのー…すみません…」
「はへ?どしました?俺今気分が…しまった」

「牧街殿!何故みこと殿を助けようとしない!」
「そりゃ警察の仕事でしょう!」
「だからと言って仲間を見捨ててよいのか!?」
「ご自分の実力を考えてからそーいう事は言ってください!どーしても文句あるなら自腹で依頼を続けてくださいよ!あなた一人で!」
「うぬ…牧街殿!おぬしは最低じゃ!」
ってな感じでカフェと喧嘩し、道端に車を停めてカフェを降ろし、無理矢理本を質屋に持ち込もうとしていた牧街は、途中で自分を呼び止めた何者かに振り向き、自らの失敗を悟った
彼に話しかけてきたのは正真正銘の霊…そう、江田成その人だったのだ

「お…おーよその予想はできますが…何か御用でしょうか…」
「その本を…返してください」

そう言って手を差し出してくる江田成に、牧街は無言で神通杖を構えて、ずりずり高速で後ずさって後退…しようとするが、何かが背にぶつかった
振り向くと、そこにあるのは…門…そう、ドロシー等がいた、あの屋敷の門だ

「まだ未完成何です…返して下さい…」
「本の進行が突然止まったのはあなたがこれを取り返しに来たから…っすね」
「返して…本をあのお店に返して…」

ぐぬっと牧街は歯噛みする
エターナルヴァンパイアはまだ完結していなかった
エターナルヴァンパイアを書いている江田成の霊
それが本を取り返すべく書斎を離れたために、一時的に役者が解放されたのに過ぎないのだ
無論、それを月夜田等が知る術は無い

そして、ここで牧街は物語をBADENDに向かって一直線にばかりしようとし、話しの難易度を(特にカフェさんに対し)上げまくった報いを受ける事になった
「役者の皆さんを皆解放してしまったので、あなたが全登場人物をお一人で演じていただきます」
「えええええええ!?何それどーやって!っつか俺嫌だ!」
「この世界では私がゾウブツシュです」
江田成の言葉と共に、牧街の体が幾人にも増えた
「ぎゃあああああああ何で俺が何人も!」
「うへぇえええアレが、俺のアレが無くなっとるぅ!!」
「でははりきって作りましょう、エターナルヴァンパイア…言っておきますが私が気に入った用に動いてくれない様なら何度でもリテイク入れますからね」
「ええええええええええええええええええ何じゃそらあああ」
「助けてえええええええカフェさあああああああん!」
「ゴッドマアアアアアアアアアアアアアアアアアアン」
「じゃあまず爆発の中をドロシーが駆け抜けるシーンから」
「待て!んなシーン無か…」
「折角いい役者が入ったので180度話を転換してアクション物にします、はいスタート!」
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ」

とりあえず何か情報を得ようと本を追って質屋の前まで来たカフェと、江田成の書斎から出てきた月夜田は、自分の都合ばかり考えていた馬鹿なヘタレが酷い目にあう内容の文章が書かれた本を拾う事になる

【…はい、またやらかしてしまいました、大変申し訳ございません
「依頼とは関係なく人の命を助けようとするカフェと、ひたすらそういう事を避けようとする牧街の対立」ができればいいかなとか思ってましたが、普通に考えたら依頼達成って書かれた時点で終わりだと思いますよね…
本当にすみませんでした、一言その旨を伝えるべきでした】


465 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/15(金) 00:11:26   [sage]
【あ〜れ〜、すまぬ、ボケておった。
なぜか牧街殿が金〜日にしか来られないと勘違いして>463をどう受けたものかと呑気に考えておった。
改めて見れば最近は週の真ん中に来ている時もあるのう】

>463-464
「みこと殿が質に入れられてしまう! なんとしてでも阻止するぞ!」
質屋の前まで直行して牧街殿が来るのを待ち構える。
そこに現れたのは牧街殿、ではなくなんと……
>「え?でも肝心の本はどこにあるの?」

「みこと殿!? 本の中に閉じ込められていたのではなかったのか!?
おりょ? そこに落ちている本はなんぞ?」
本を開いてみると、牧街殿がたくさん!

「みこと殿、お主の身に何があったのじゃ?
まさか、牧街殿が全ての被害者の身代わりに……!?」
犠牲になるのは自分ひとりでいいと逃げ帰る振りをして、わざと妾と喧嘩別れして、全てを背負って犠牲になったのか!?
このままでは牧街殿が英霊として讃えられてしまう!

「牧街殿、キャラでもない事をするでない……!
お主は英雄何てガラじゃなかろう! みこと殿、何としてでも牧街殿を救出するぞ!!」
ここで事件は急転直下、牧街救出劇に突入の予感!?


466 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/16(土) 16:01:49   [sage]
>「みこと殿!? 本の中に閉じ込められていたのではなかったのか!?
>おりょ? そこに落ちている本はなんぞ?」

「あ、カフェさん!それにこの本はエターナルヴァンパイア?」
本を開いてみるとどっきりするほど牧街だらけだったが、その内容はエターナルヴァンパイアそのもの。
月夜田はカフェと顔を見合わせる。

>「みこと殿、お主の身に何があったのじゃ?
>まさか、牧街殿が全ての被害者の身代わりに……!?」

「え?別に人助けっていうか霊助けをやっていただけかな。
牧街さんが身代わりとかは…意味わかんない…」
話を飲み込めない月夜田はとりあえず江田成愛子の霊と出会ったことやら色々なことをカフェに説明した。
ここでカフェは何かに気が付くかも知れない。
月夜田の話には事故死やらノートやらと如何わしい部分が多過ぎるのだ。

開いた部分のページの文字はぐにゃぐにゃと蛇のようにのたうちまわり
震えながら白紙に固定されると文章が浮かび上がってくる。

>「ゴッドマアアアアアアアアアアアアアアアアアアン」
牧街が助けを乞へば、現われたのはゴッドマン役の牧街。
ゴッドマンと叫んでいる様子からまだ完全に役に入り込んでいないことがうかがわれる。

>「牧街殿、キャラでもない事をするでない……!
>お主は英雄何てガラじゃなかろう! みこと殿、何としてでも牧街殿を救出するぞ!!」

「はーい」


467 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/16(土) 16:04:26   [sage]
チャリンコで移動するカフェと月夜田。
「ここね」
二人は黒泉社へ辿りつきエレベーターで三階へ。
アポなしだったが編集者の雪原まさしとはすんなりと会えた。

「これ探していた本です。江田成先生のエターナルヴァンパイア最新版です」

「お!ありがとうみことちゃん。あとは増刷して沢山の読者に読んで貰えれば江田成先生も喜んでくれるだろう。
あ!あとそれとね。内緒の話なんだけど…。エターナルヴァンパイがさ、アニメ化するから。
みことちゃん声優オーディション受けてみない?君ならドロシーの声にぴったりだと思うよ。
ちなみにアニメ化されるところは五巻の愛の姉妹編から最終巻の予定」

「えー!ほんとですか。どうしよう…カフェさん」
迷ったように見せてはいるが月夜田はやる気満々だ。
雪原は目を細めうなずき確かめるようにぱらぱらと本のページをめくる。
そして驚愕する。
>「ゴッドマアアアアアアアアアアアアアアアアアアン」
「へ!?ゴッドマン!?これなに!?」

@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @

不思議の世界。江田成愛子は声を荒げ牧街にリテイクの嵐。

「もっと熱くなりきってよ!あなたはドロシーなのよ!ほらもう一回!」
竜が火を吐けば火球が牧街を襲う。あまりの無茶なふりに一匹の牧街が焼け焦げ動かなくなった。
「下手糞め。しばらく死んでなさい」
江田成はそれを一瞥して次の牧街を呼び、もう一度竜に火を吐かせる。


468 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/17(日) 00:08:55   [sage]
>466
>「え?別に人助けっていうか霊助けをやっていただけかな。
牧街さんが身代わりとかは…意味わかんない…」
「何!? では牧街殿も霊を助けるためにボランティアで……!?
否、牧街殿に限ってそれはないはずじゃ」

みこと殿の話を聞いて、ある疑問を口にする。
「みこと殿、本の中でのことをよく思い出してみるのじゃ?
もしや打ち切り最終回みたいではなかったか?」

>467
手がかりを得るために編集者に会いに行く我々。
そこでなぜかみことが声優オーディションに勧誘される。

>「えー!ほんとですか。どうしよう…カフェさん」
「今はそんな場合では……」
>「ゴッドマアアアアアアアアアアアアアアアアアアン」
>「へ!?ゴッドマン!?これなに!?」

牧街殿の魂の叫びが伝わったのだろうか。
牧街殿が横スクロールアクションゲームの主人公のごとく使い捨てられている光景が浮かんだ!
「少しばかり考えさせてくれるかの」

さりげなくみこと殿を物陰に連れ込んで言う。
「みこと殿達が本の中に入っていた時は体は書斎に寝ていたのじゃったな?
牧街殿の体が見当たらないのはどういうことじゃ……?
アポなしで人気編集者とすんなり会えたというのもよく考えると怪しい。
その上声優の勧誘じゃぞ、これは何かある……!」


469 : ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/17(日) 14:28:25   [sage]
【飛ばされた…(汗】

「TDFの勇猛さを見せる時だ!」
「おおおおおおおおおおおおおおお!!」
「ドロシー1に続けぇえええ!」
無数の隊員達は一致団結し、町を守るべく火力を集中して怪物達に挑む
しかし怪物達は超強力なパワーを持って、立ち向かう隊員達を次々と焼き払い、潰し、引き裂いていく
「地球の皆さん!助けに来ました!」
「怪獣は我々に任せて!」
「おお!エクストラ兄弟だ!」
形成不利な人類を救うべく、天空から舞い降りる巨人達
怪物達と互角に戦い、戦況を拮抗まで押し戻します
「己愚かなる人類!己裏切り者のドロシー!己エクストラ兄弟!悪魔で我々吸血鬼に逆らうというのか!」
「オヤジ!てめぇは間違ってる!ガッター線を使って進化の方向性を捻じ曲げていいはずはねぇ!進化ってのは自然に起こるから進化何だ!」
「黙れ馬鹿娘!ガッターの力は神が我々に送ったイデアへの扉を開く鍵!使わぬ道など無い!」
「だったらてめぇを倒すまでだ!ハヤマ!ヴェンピー!ガッタードラグーンにチェンジだ!!」
「応!」
「わかったぜドロシー!」
「チェーーーーーーンジガッタードラグーーーーン!スイッチ・オン!!」
「さぁ来い愚か者度もめ!新たな神の力を見せてくれる!!」

――――――――――――

「……ぷっ」
カフェ等が去った後も本を読んでいた雪原は、本の中の牧街のありさまに、思わず噴出してしまう
「文字が浮き出るのはどういう原理か知らないけど…ちょっと斬新過ぎる本ね」
そう言って、続きを読む雪原
本の内容から、江田成がいかに精神を病んでいたかが、感じる事ができた
吸血鬼が永遠の命に疑問を持つ話が突然ガッター線を中心とした人工進化の話しになり
父カロッゾはガッター線を悪用して怪物達を作り、それに反旗を翻したドロシーは地球防衛軍やM88星雲の宇宙人らと協力し迎え撃つのだ
普通に考えればギャグにもならない
しかしそれでもそこには、江田成の執念、と言うか、何としても物語を完結させようと言う心が見て取れた

だが、こんなとんでもない作品を、よしとする分にもいかない

江田成が心を病んでいるのならば、自分が編集者として、彼女を現実に戻す一言を言ってやればいいのだ
「…ボツね!」
雪原の言葉に、エターナルヴァンパイアが一瞬輝き

次の瞬間、机の上に、呆けている牧街が出現した

「うわああああああああああああああああああ」
「きゃああ何?何あなた、本の精?」
「え?え?ここ、どこですか?私どうしてつれてこられたんですか?ふえぇえええ」
みくるんとなってうろたえる牧街と、ビビル雪原


470 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/18(月) 13:16:32   [sage]
エターナルヴァンパイアは輝きを放つと白紙本に戻っていた。
所持者の潜在意識に眠るアイデアを掘り起こし言葉へと変換する不思議のアイテム。
言い方を変えれば質の高い夢をテレビのように受信するアイテム。
たぶんカフェの言っていたオーパーツというものなのかも知れない。
使う者によっては預言書ともなる代物であろう。

「FOは許さないわよ!」
霊となった江田成愛子はリングの貞子のように本のなかを自由に出たり入ったり
生身の人間を引きずり込んだりと応用力を身に着けていっているようだ。
牧街の傍らに、髪を振り乱し事故直後の全身血塗れの姿で現われていた。
「うわあああああああああああああああ!!ごめんなさいいいいいい!!」
尻餅をつき慌てふためく雪原まさし。

一方カフェと月夜田は色々と話あった結果、江田成の書斎が怪しいと結論を出し
そこを調べるために黒泉社をあとにしようとしていた。
だが、ビルの玄関口に出た所で三階から聞こえる牧街たちの悲鳴を聞き編集室に駆け戻る。
「どうしましたか!?……あ!牧街さん!」
そこには、みくるんとなってうろたえる牧街とビビル雪原。
うろたえる雪原を見つめる江田成の双眸は氷のように冷たい。
「……一生懸命…やったのに…」
「せ、先生。一生懸命やったって駄目なものは駄目なんですよ。昨今の読者は飽きやすい。
その本だって大人しく私に渡してくれたら新しい作家の卵に与えてもっと面白い話を作れたんです。
それをいつまでも、あなたはしがみついたまま離れない。だから…」

座ったままの雪原に江田成愛子は馬乗りになり両手で首を締め付ける。
ぐぐぐとしめつける江田成に雪原は抵抗しなかった。
「…私の…私の……」
ぽたぽたと雪原の頬に江田成の涙が落ちる。
雪原まさしの締められた首が黒く変色しそこから呪詛のような文字が全身に広がれば
その全身は文字化けし砕け、本の中へと吸い込まれていった。

江田成はゆっくりと立ち上がり編集室にいる人間達を睨みまわす。
「…つぎは…あなたたちよ。傑作が出来るまでなんかいだって繰り返すんだから。
……ん…そこの子、いいわね。よく見たらファンタジー顔してる…
こっちへおいで……。私といっしょに永遠の夢を楽しみましょう……」
カフェにゆらゆらと近づいた江田成はゆっくりと血塗れの手を伸ばしその首に指をかけようとしていた。


471 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/19(火) 23:38:31   [sage]
>>469-470
【現時点で同じシーンにいなかったからあんまり順番気にしてなかっただけで
飛ばしてやろうとか思ったわけじゃないんだよ〜。ごめんね(汗】

>「え?え?ここ、どこですか?私どうしてつれてこられたんですか?ふえぇえええ」
>「どうしましたか!?……あ!牧街さん!」
「牧街殿、出てこられたのか!」

安心したのも束の間、編集者が本に吸い込まれていく!

>「…つぎは…あなたたちよ。傑作が出来るまでなんかいだって繰り返すんだから。
……ん…そこの子、いいわね。よく見たらファンタジー顔してる…
こっちへおいで……。私といっしょに永遠の夢を楽しみましょう……」
首にかけられた手を払いのけて言い放つ。
「何を言う!? 傑作ならもう出来ているではないか!
事実は小説より奇なり、そなたの最後の作品は迫真迫るノンフィクションじゃあ!
その名もエターナル・ヘタレ!」

妾はそのストーリーを語り始めた。
志半ばにして命を落とした”美しき”(←ここ重要)女性作家。
女性の怨念により、本の中に閉じ込められた美少女達。
ヘタレの青年は自らが犠牲となり被害者達を解放する事を決意し、単身霊の元へ赴く。
青年によって解放された美少女は、本の中に入ってしまった青年を見て涙を流す。
涙が一滴本に落ちた瞬間、視界は眩い光に包まれる。
少女の切なる想いに女性作家は感銘を受け、青年を解放したのだ!

もちろんこのままではなんのこっちゃだ。が!! 現在本の中には編集者が取り込まれている。
編集の力というのは凄まじい物である。
「頼んだぞ編集者! その編集技能でもってこれを最高の作品に仕立て上げるのじゃあ!」


472 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/19(火) 23:57:14   [sage]
いい終わった時、既にカフェは本の世界の中だった
目を閉じて熱く語っている間に、江田成に引き釣りこまれたらしい
「…えーと…じゃあ、頑張ってそういう話を作ろうか」
ぽんっとカフェの肩を叩いて、雪原がカフェに言う
そして、エターナル・ヘタレの幕が…開けるのか?


「…うおお…何が何だかわからんがどーなってるんでしょうこの状況、えぇ」
「頑張れ!GS!負けるな!」
「ファイトだー!頑張れーーー!」
「邪魔しないでえええええ私の創作の〜〜〜!」
その頃、本の外では牧街が江田成の霊から編集者を守って戦っていた
江田成は元々戦闘系の霊ではないため、牧街はギリギリ戦えている

「よくも俺をとんでもない目に合わせてくれたなの牧街Dクラーーーーーシュ!!」
「ギャアアアアアアアア」

必殺技炸裂!
江田成は頭を抱えて苦しみ悶える

「トドメだ!吸い…」
「待て!私を今消せば本の中の人間も死ぬよ!」
「え!?」

江田成の言葉に、怯む牧街
その隙に江田成は編集社の外へ逃げて行ってしまう

「逃したか…」
言いながら、荷物をまとめる牧街
そしてぽんと月夜田の肩を叩く

「じゃ、俺、帰るから、カフェさんの事頼むよ」

そう言って、何事も無かったかのように牧街は軽自動車止めてある質屋の近くのコンビニの駐車場へ歩き出した
そう、全てを忘れて帰るつもりなのである!!
こいつはこの期におよんでまだ事件に関わろうとしないのだ!
しかし、相手がカフェなら優しく止めてくれる所だろうが…


473 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/21(木) 00:22:12   [sage]
>>471
「エターナル・へタレ!?」
江田成愛子は目をぱちくりさせ驚いた。しかしまんざらでもない様子だ。

そのころカフェはというと本の中で雪原と一緒。
雪原は牧街が生み出したエクストラ兄弟や怪獣たちと何やらもめている。
ノンフィクションにとって彼等は丸ごと邪魔だからである。

「空気を読んでくれませんかねエクストラ兄弟さん!
今こっちでノン・フィクションのいい芝居やってるんですから」と雪原まさし。

現在、雪原が行っているのはページをさかのぼり、必要な部分を抽出し不必要な部分を削除する作業。
怪獣たちは空気を読んでどこかに隠れたが良かれと思ってアクションを繰り広げていたエクストラ兄弟は
著しく矜持を傷つけられらしく激怒し荒しとなり街の破壊を始めた。そう、まるで駄々っ子のように。

>>472
>「じゃ、俺、帰るから、カフェさんの事頼むよ」
「え!?」
驚く月夜田を尻目に牧街はコンビニの駐車場へ歩き出す。
月夜田は怒りを通り越して呆れてしまってエターナル・へタレを持ったまま牧街を追いかける。
たぶん江田成愛子の様子からしてエターナル・へタレが編集の力で完成すれば
カフェたちも本の中から解放されることだろう。
ただ気になることは牧街の態度で、月夜田はこれから白い目で牧街を見ることになるだろう。

「……………わかりました」
月夜田みことの目はどこか遠くを見つめている。


474 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/23(土) 17:18:29   [sage]
>472-473
いつの間にか妾は本の世界に入っていた。
編集さんが空気の読めない役者を叱っている。
>「空気を読んでくれませんかねエクストラ兄弟さん!
今こっちでノン・フィクションのいい芝居やってるんですから」
「ちょ!! 編集さん、そこはお手柔らかに……!」
時すでに遅く、エクストラ兄弟は荒らしと化して暴れまわり始めた!

妾は頭を抱えた。
「ああもうどうすればいいのじゃ! うおおおおおおおおお!」
妾も負けじと巨大化して一緒に暴れまわることにした。
本の中なので何でもアリである。

が、そこは編集さんも凄腕のプロ。速攻でシナリオを組み直して提案してきた。
「カフェさん! この筋書きでどうでしょう!
全国の、ある日突然美少女に囲まれる生活に突入する事を夢見る冴えない青年の共感を得ること間違いなしです!
美少女が来ないなら自分から美少女の所にいけばいいんです!」

志半ばにして命を落とした”美しき”女性作家。
女性の怨念により、本の中に閉じ込められた美少女達。
ヘタレの青年は本の中での美少女との永遠のハーレム生活を夢見て、単身霊のもとへ赴く。
しかし現実はそんなに甘くない。
見た目は可愛くとも性格は強暴で巨大化して暴れまわる美少女達に囲まれた、命がいくつあっても足りない生活が始まった!
誰かここから俺を救ってくれ!
エターナルヘタレ 完!

「なるほど、今までのシーンをそれっぽく組み合わせれば出来なくも無い気がするぞ……!
それにしてもすごい編集の腕じゃ!
しかし問題は……あとはラストシーンさえあれば完成しようが……」
ラストシーンの撮影には牧街が必要だ!

―――――――

「美少女に囲まれても思い通りにはならない……。冴えないヘタレは永遠にヘタレのまま!
その虚しい無常感がいかにもノンフィクションらしくて素晴らしい。それよ!」
あろうことかこの新しいシナリオを江田成愛子は気に入ったようだ。
>「……………わかりました」
「わかりましたじゃないわよーッ! 無理やりにでも本の中に連れ込んでラストシーンを完成させるのよ!」
江田成愛子は自ら牧街を再び本の中に引きずり込むべく襲いかかった!


475 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/24(日) 02:29:49   [sage]
月夜田が冷たい目で見つめる中、牧街はへーぜんと車に向かう
…だって今までだって十分月夜田には嫌な目で見られていた
今更輪をかけて嫌われた所で牧街的に痛くも痒くも無い

(まぁ、カフェさんいるし、何とでもなるだろう)
ふーっとため息一つ、車に乗り込もうとして…
>「わかりましたじゃないわよーッ! 無理やりにでも本の中に連れ込んでラストシーンを完成させるのよ!」
「やっぱ来たなオイ!!」
そう言って車の中からバッと飛び出す牧街、その手には車内に積んであったネットランチャーが握られている
「霊がGSに報復しに来る事ぐらい予想の範疇じゃああああくらええええええええええ」
ボシュンと放たれたネットは江田成を包んで呪縛し、その動きを完全に封印する
「ぐあああああああああああああ出せ!だせだせだせええええええええ」
「うるせえ!よくも俺を炎で焼いたり銃撃したり針で刺したり切り殺したりしてくれたな!思い知れこいつめ!こいつめ!」
身動きの取れない江田成目掛けて神通杖を叩き込みまくる牧街
日頃溜まりに溜まったやられ役の鬱憤をここぞとばかりに神通杖に篭めて江田成に叩きつける
「ぎゃああああ痛い痛い痛い〜〜〜〜〜」
「カフェさん達を解放しろ!」
「嫌だあああああ私は自分の作品を…作品を完成させるんだアアアア!」
「知るかんな事!自分の創作物に他人を巻き込むな!自分で作る物は自分の力だけで完成させろ!」
身動きの取れない江田成を見下ろしながら、びっと指差して牧街は言う
「大体何だ!役者だとかノンフィクションだとか!あんた作家だろうが!作家ってのは自分の想像力使う仕事だろーが!他人の想像力とか魂とか使うのって不正ってもんだろ?」
「うっ……」
その言葉に、江田成は怯む
そうだ、江田成の作りたかった物は、他人の演じる物でも、ノンフィクションでも、ましてヤケクソで作った特撮物でも無い
江田成自身の手で作ったエターナルヴァンパイア、その続きだ
それはそうと今回の牧街は相手の霊が弱いから何だか普段の無能っぷりがなりを潜めている
「人の魂を篭める前に自分の魂を篭めろっての!さぁ、わかったらカフェさん達解放しなさい、えぇ」
「…はい」
今まで自らの「完結させたい」と言う欲求だけで化け物見たいになっていた江田成はもとの美しい姿に戻り、自らの中に吸収していたカフェと雪原を吐き出した
牧街はそれを確認すると、ぽんっとカフェの肩を叩き、車へと向かう
「んじゃ、後頼みますよ」
そう言って、牧街は今度こそ帰って行った

ちなみに何故野田の家にエターナルヴァンパイアが置かれたかと言うと、江田成の書斎から野田の家は見える位置にあり
いつか私の完成した本を書店に置きたいという想いが、いつも見ていた野田の店にエターナルヴァンパイアを置いたのだろう


476 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/24(日) 14:50:45   [sage]
「………ぜんぜんかっこよくないんですけど。とんだ大根役者じゃん」
腕組みの月夜田は唾棄するように言葉を吐く。
へタレの牧街も嫌いだったが、かっこいい牧街はもっと嫌いなのだろう。

>「んじゃ、後頼みますよ」
解放されたカフェの肩をたたき、ぽんこつ車に乗って帰って行く牧街。
彼の言葉に目が覚めた江田成愛子はそれを見送りつぶやく。

「私…間違っていました……。これからは初心に帰って、
自分のエターナルヴァンパイアを書こうと思います……
こどものころに考えていた夢の世界のつづきです……」
その言葉に雪原は出会ったころの、デビューする前の初々しい江田成の姿をみる。

「江田成先生!これからも宜しくお願いします!二人で二人三脚でがんばっていきましょう!」

「え……それは…いやよ。私は、あなたも読者のことも気にしないで自由に書きたいの。
だから…もう…さようなら」
江田成は月夜田から本を受け取るとそのままどこかへ消えた。
その瞬間、ビルの谷間から吹き降ろす風が皆の頬を撫でる。
振り仰げば青い空。月夜田は少し大人になった気持ちがした。

【お疲れ様でしたー】


477 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/25(月) 22:48:01   [sage]
>475-476
突然、世界が眩い光に包まれる。

―― 私は間違っていた……、私は作家、劇監督でもノンフィクションライターでもない
自分の力だけで完成させるわ!――

江田成の声が頭の中に響く。
そして次の瞬間……編集さんと共に本の外に戻っていた。
目の前には牧街殿がいる。牧街殿が救い出してくれたのだろうか。あのヘタレの牧街が!
>「………ぜんぜんかっこよくないんですけど。とんだ大根役者じゃん」
みこと殿のこの言葉で確信した。
牧街殿はヘタレキャラらしからぬかっこいい英雄的活躍でもって妾を救いだしたのだ!

>「んじゃ、後頼みますよ」
ヒーローは名乗る程の者ではありませんと言って去っていくものだ。
「牧街殿、待っ……」
お礼を言う間もなく牧街殿はさっさと帰って行った。

>「江田成先生!これからも宜しくお願いします!二人で二人三脚でがんばっていきましょう!」
>「え……それは…いやよ。私は、あなたも読者のことも気にしないで自由に書きたいの。
だから…もう…さようなら」
出版社の方針やしがらみから自由になった江田成はこれから本当に自分の作りたい作品を作る事ができるだろう。
「一件落着か」

ついさっきの事だというのに、牧街殿のヘタレっぷりをののしったのがひどく昔の事のように思える。
「たまにはこんなのもいいとは思わんか? みこと殿」
そう声をかけ、みこと殿と一緒に空を仰ぐのであった。

【今回も無事完結じゃの! お疲れさまでした&ありがとうございました!】


478 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/26(火) 00:16:44   [sage]
皆さんありですた!
後、大変申し訳ございませんでした
途中で話が混乱したのはやっぱどー考えても「俺がGMなのに無理矢理話を終わらせようとする動きを牧街にさせまくった」ことが原因だと思います

っという分で俺が牧街が帰りたくなるような(要するに逃げる選択肢があるような)普通の事件を書くと今回みたいに話が混乱するので、残る仮面のテロ魔族の最終シナリオ以外俺がストーリーを作るのはちょっち控えようと思います
俺がストーリー作るとどーしても牧街に甘い展開になるし…

ってな分けで次回の話しはお二方のどちらかが作っていただけないでしょうか?
それとも次で仮面テロ魔族のラストやった方がいいでしょうか?


479 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/26(火) 20:19:23   [sage]
お二方おつかれさまでした
カフェさんのシナリオを挟むのもおもしろそう
自分はほとんどシナリオを書いたことがないのでムリw
お二人におまかせします


480 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/07/27(水) 01:36:16   [sage]
ごめんなさい!突然で申し訳無いのですが来週の金曜までちょっち書き込めなくなりました
すいません、俺抜きで、進めてください


481 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/28(木) 00:03:27   [sage]
>478
>480
あれまあ、了解じゃ。みこと殿と先に始めておくぞ
終始主人公がどうにかして帰ろうとするのも新感覚で面白いwww
でもそういう事なら一度首を突っ込むと帰れなくなりそうなものを考えてみるかの。
一度入ると帰れないと言えば……ダンジョンもの!?

>479
なぬう!? リクエスト入ったー!?
妾に任せても例によってとっかかりだけで後はいきあたりばったりじゃぞ。
というわけでダンジョンものじゃ。
いま思いついただけだけど夏だし安易に学校の怪談風なんてどうだろうw

みことの通う学校の敷地内にある旧校舎。
ある夜そこで肝試しをやった生徒達が校舎内に入ったまま行方不明に――!

とかのう!


482 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/28(木) 00:40:55   [sage]
>>481
怪談大好きなのでよろしくお願いします(*^▽^*)


483 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/28(木) 23:56:22   [sage]
夏休み真っただ中。なぜか鳴り響くチャイム。
みことの通う高校では、今や天然記念物となった登校日なる行事が行われていた。
夏休み中に一日だけ学校にいかなければならないというアレだ。
関係ないがこの登校日という制度、先生が8月の給料を貰いに来るついでに生徒も登校させていたものだったそうだ。
担任が皆に呼びかける。
「みなしゃん、元気でしゅかー? 休んでいる人は手をあげてくだしゃーい!」
休んでいる人が手を上げるわけはないが、明らかに空席が多い。
「はい、みんな元気でしゅ…」
見かねた生徒の一人が直訴した。
「先生! 田中一郎君と鈴木太郎君とその他数名がいません!」
「うわ!? ほんとだ!」
「どうしたんだ!?」
ざわ・・・ざわ・・・
教室内はにわかに騒がしくなった。
「あの〜……」
気弱な男子生徒がおずおずと口を開く。
「あいつら昨日の夜肝試しするって旧校舎に入って行ったんだ……。
僕は怖いからやめとこうって言ったのに! まさかあの後姿が最後になるなんて! うわーん!」
「希望を失わないでくだしゃい! 
警察……を呼ぶほどではないでしゅ。中で寝ているだけかもしれないでしゅ。
誰か探しにいってくれる人はいませんでしゅか?」
担任は、旧校舎に乗り込む勇気ある生徒を募り始めた。

【では学校の怪談編開始でしゅ。
カフェは次ターンあたりですぐ出てきましゅ】


484 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/07/30(土) 17:04:41   [sage]
というわけで、何人かの生徒が旧校舎の入り口に集まった。
取り壊されそうになるたびに事故が起きて中止になるとか色んな噂がある旧校舎。
雑草は伸び放題で、すぐわきには裏山があり、都会の真ん中とは思えないような雰囲気が漂っている。

「じゃあ入るよ」
まず始めに学級委員長の高橋が旧校舎に入っていく。
続いて数名の男子グループと女子グループ。

「田中も鈴木も家には帰ってないって。携帯にも出ないし、やっぱこりゃ事件か」
「いや、先生が言ってたみたいにただ寝てるだけかもよ。隠れてお酒とか飲んで酔いつぶれているだけかもしれん」
「うーん。それはそれで問題だがな」

真面目な男子たち。それとは正反対に遊び感覚の女子たちは
行方不明者のことなどおかまいなしに今夜の花火大会の話題で盛り上がっている。
「花火大会なに着てく〜?」
「浴衣!」
「私はラフな格好のほうがいいと思う。だって去年のこと覚えてる?
トイレは混んでるし座るところはないし、おもいっきり地獄だったじゃん」
「あ!虫除けスプレーも忘れちゃダメだし」

(はあ…どんなに可愛い浴衣を着たって中身がだめじゃね…)
月夜田みことは黙って話を聞いていた。すると突然男子の悲鳴。

「ひぎゃぁあああああああああ!!!」

「どうしたのー!?」
駆け寄れば男子生徒がブルブルと震えながら教室の扉を押さえつけている。

「声がするから覗いてみたら……
な、なかにいたんだ…。なんか…変な人たちが!
扉を開けたらジロって睨むから俺、怖くなって…」

「変な人?田中たちだよきっと」
委員長は怖がる生徒を退かして扉を開ける。嫌な予感がした月夜田が
「開けちゃだめー!!」と叫べば、その声に女子たちは大パニック。
入り口にむかって蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

―――今日は水神祭で大花火大会の日。夜空に咲く大輪の花が死者の慰霊と鎮魂を行う日。
しかしそんな日に、まさかあんなことが起ころうなんて…。

【自分も、いきあたりばったりでしゅ】


485 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/07/30(土) 22:28:19   [sage]
その教室内は、異様な雰囲気に包まれていた。
大きいお友達やキモヲタ達がノリノリで異常な会話を繰り広げている。
「ゲハハハハ! よく来たな冒険者達よ!」
「町内会長……貴様が町内会費を横領した元凶かっ!」
「私の仲間になれば町内の半分をお前にやろう……どうだ!?」

結論から言うと、秋葉原町内のTRPGサークルの定例会が行われていたのだった。
無料で便利ということで、とある高校の旧校舎の一室を無断でお借りしている。

「ふざけるでない! 全部くれるのであれば考えなくもないが!」
シナリオもいよいよクライマックスと言う時に、教室内の扉がそっと開かれる。
キモオタの一人が一瞥すると、扉を開けた主は悲鳴を上げた。
>「ひぎゃぁあああああああああ!!!」
「何じゃ? そこまで驚かなくてもよかろうに」

>「開けちゃだめー!!」
みこと殿の声が聞こえてきた。扉から顔を覗かせる。
「奇遇じゃのう。みこと殿も一緒にやるか?」

ふと出口の方を見ると、他の生徒達が一目散に出ていくのが見えた。
「何をそんなに怖がっておるのじゃ?」

次の瞬間。ギィイイイイ、バタンッと音を立てて入り口の扉がひとりでに閉まった。
「なあに、風が吹いただけじゃ」
同時に、元から薄暗い校舎内がさらに暗くなる。
「日がかげっただけじゃハハハ」
引きつった笑みを浮かべながら入り口の扉に手をかける。なぜか一行に動かない!
「たてつけが悪いぞ! 開かぬ!」

妾達はヲタク集団と共に旧校舎に閉じ込められた……のか!?


486 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/01(月) 01:13:20   [sage]
教室のなかにいたのは秋葉原町内のTRPGサークルの人たちだった。

>「奇遇じゃのう。みこと殿も一緒にやるか?」
「カフェさん…どうしてこんなところに……」

―――カフェが開けようとしていた入口の扉が、突然青白い炎に包まれる。
まるで怨念のような強い意志が外界への逃亡を遮断してしまっているかのように見える
どうやらカフェたちは閉じ込められてしまったようだ。

「誰だよ!こんなイタズラしてるのは!?田中たちか?いい加減にしてくれ!!」
真っ赤な顔で喚く委員長に月夜田が答える
「いいえ委員長。これはなにか超常的なちからが働いているのよ」
「どういうことだよ!?」
「それはわからないわ…。だけど私たちが閉じ込められたことには何か理由があるはず…」

静まり返る旧校舎。静寂を破るは一人のキモヲタ。

「カフェちゃん聞いて!ミルクちゃんがいないでござる!
ミルクちゃんはさっきトイレに行くって言って教室から出てったきりでござるよ!!」
ミルクちゃんは大きい女の人。
いつもファンタジー系のゲームキャラのコスプレをしていて、駅前を平日からフラフラしている夢みる32歳。
「なあ。ミル姐がトイレに行ったのって30分くらい前じゃなかったか?」
ヲタたちの言葉に、ハッと目を見開く月夜田。
「まさか…その人も行方不明に…。カフェさん!探しましょう!GSのカフェさんがいたら心強いわ!
私たちもここで行方不明になった生徒たちを探していたの!
みんなで協力すればきっと見つけられる!」

カフェは牧街と違うから喜んで協力してくれるはず。そう信じて廊下を進み、女子トイレにたどり着く。

「トイレのなかは真っ暗ね。ミルクさーん、いますかー?」
月夜田が呼んでも返事はなかった。するとカフェの背中にくっついているヲタクさんがおもむろにつぶやく

「旧校舎には裏七不思議というのがあって七体の○○さんがいるって噂があるでござる。
そのなかの一体、『ふきふきさん』はトイレに関係しているそうで…」

『…し…て』

声に重なって闇の奥から声が聞こえてきた。

「シッ!今、声が!?」

『さがし…て…』

闇から白い手が伸びてきた!


487 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/08/02(火) 22:14:11   [sage]
>「カフェさん…どうしてこんなところに……」
「そう言われてみればみこと殿こそどうしてこんなところに?」

入り口の扉が発火した。
>「いいえ委員長。これはなにか超常的なちからが働いているのよ」
「どういうことじゃ。今日は依頼で来たんじゃないんじゃぞ!」
※怪異の方はこっちの都合なんて知ったこっちゃない。

>「カフェちゃん聞いて!ミルクちゃんがいないでござる!
ミルクちゃんはさっきトイレに行くって言って教室から出てったきりでござるよ!!」
>「まさか…その人も行方不明に…。カフェさん!探しましょう!GSのカフェさんがいたら心強いわ!
私たちもここで行方不明になった生徒たちを探していたの!
みんなで協力すればきっと見つけられる!」
「行方不明!? もしや階段が腐れ落ちて怪我して身動き取れなくなっているのではないか!?」
これは学校の階段という陳腐なダジャレネタ。

>「旧校舎には裏七不思議というのがあって七体の○○さんがいるって噂があるでござる。
そのなかの一体、『ふきふきさん』はトイレに関係しているそうで…」
「トイレでふきふきさんって……」

>『さがし…て…』
闇から浮かび上がる白い手!
「何をさがすのでござるか!?」
「トイレのふきふきさんが探すのは当然トイレットペーパーであろう!」
「今日のセッションでミイラ男になりきるのに使ったぞ!」
ヲタの一人が都合よくトイレットペーパーを持っていた。
「それじゃ!」
恐る恐る白い手にトイレットペーパーを置いた。


488 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/03(水) 04:43:30   [sage]
「……くくく」
白い手の主は、トイレットペーパーを受け取ると奥の壁にもたれかかった。
その体は斑の赤い染みだらけ

「あの子の血…。拭いても拭いても、とれないよ……くひひ…」
男は返り血で濡れた眼鏡を神経質にいそいそと拭っている

バタン!

急に個室の扉が開き、気絶しているミルクが倒れ込んできた
「きゃあ!!」
ミルクは気絶はしているものの無傷のようだ。

「ミルクちゃんでござる!」
ヲタたちはミルクを引きずりトイレを脱出する。

「カフェさん、ふきふきさんをやっつけてー!」

ミルクを引きずりながら、廊下を後退する月夜田とヲタと学生たち。
男はカッターナイフの刃をチキチキと出しながら、ゆっくりとカフェに近付いてくる

「ありがとう…おかげさまで、可愛い君がよく見える…。
御礼に赤い半纏を着せてあげようか?」
眼鏡の奥で光る冷たい眼光。
カフェがYESと答えれば、男は
カッターナイフで切りかかってくるだろう
NOなら何もしない

「カフェさーん!逃げてー!」
月夜田が叫ぶ。学生たちはパニックになり逃げ惑い、あちこちで悲鳴をあげる
「みんなバラバラになっちゃダメよー!」
悲痛な叫びも虚しく響くだけだった


489 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/08/05(金) 00:46:46   [sage]
>「……くくく」
手の主はよく見ると男だった。
「あーっ、お主、なぜに男の癖に女子トイレに入っておるのじゃ!変態じゃ!」

>「あの子の血…。拭いても拭いても、とれないよ……くひひ…」
ふきふきさんの拭きは眼鏡拭きの事だったようだ。

>「ありがとう…おかげさまで、可愛い君がよく見える…。
御礼に赤い半纏を着せてあげようか?」
「い、いや、半纏とかダサいし結構じゃ!」
「あっそ」
ふきふきさんはあっさりと引き下がった。

「とりあえずあやつは放っておいて行方不明の生徒を探そうぞ。ミルクよ、無事か!?」
ミルク殿を揺り起こす。
「うーん……あたしは誰?ここはどこ?」
ミルク殿は記憶を失っているようだった。
「覚えておらんのか?
町内TRPGサークルの定例会をやっておったら怪異に巻き込まれたのじゃ」
「TRPG? ヲタク臭っ! ってあたしなんでコスプレしてんのー? マジありえなーい!」
「ミル姐!?」
ミルク殿の爆弾発言にどよめくヲタ達。妾は一つの仮説に思い当たった。
「これは憶測じゃが、この怪異の原因となっている何者かは心の欠片を集めているのではないか?
ミルク殿は奴らに夢見る心を奪われたのではないか……?
みこと殿、行方不明になった二人はどのような者じゃ?
肝試しをするぐらいじゃ。冒険心に溢れておるのではないか?」


490 : 月夜田みこと ◆ 8NBuQ4l6uQ    2011/08/05(金) 17:13:18   [sage]
ふきふきさんはあっさりと引き下がった。だがその表情は怨めしさで溢れていた。
霊的な習性と言うか、縛りがあり、己の意に反した引き方、と言ったほうがよいのだろうか。

「生前のふきふきさんは少女をトイレで殺した変質者でござる。
体に染み付いた赤い斑点はその返り血だとか…」

※ ※ ※

>「これは憶測じゃが、この怪異の原因となっている何者かは心の欠片を集めているのではないか?
>ミルク殿は奴らに夢見る心を奪われたのではないか……?
>みこと殿、行方不明になった二人はどのような者じゃ?
>肝試しをするぐらいじゃ。冒険心に溢れておるのではないか?」

「えっと…。田中くんと佐藤くんって…」小首を傾げる月夜田。
「佐藤じゃなくって鈴木な。田中一郎と鈴木太郎」すかさずつっこみを入れる委員長。

月夜田は口をとがらせ…
「もう、ややこしい。田中一郎と鈴木太郎ってあの二人組ね?
ゲイなんでしょ?あの二人って」
「それは噂だよ!!」
委員長は食い気味に答え、ぐいっと身を乗り出した。たじろぐ月夜田。
たしかにゲイなら冒険心に溢れている。性的な意味で。

「でもあの二人が、焼却炉の裏でキスしてたところを
ユキちゃんが見たって言ってた」

「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!黙れよ月夜田!!そんなの全部噂だっつーの!」
委員長の高橋は耳まで真っ赤にして激怒している。

「それに怪異の原因が心の欠片を集めてるなんて意味わかんねーよ!
君もGSなら憶測でものを言うな!原因を逸早く排除して俺たちの安全を守って見せろ!!」

「ちょっと…なに熱くなってんの?カフェさんはこう見えても年上だし。
ごめんなさいカフェさん。委員長、つかれてるみたい…」

―――震える女子たち。そして男子生徒たちは、いきり立っている。
かたや、いい年した大人のヲタたちはモジモジしている。

「つ、疲れている人は拙者たちが定例会をやってた教室にもどって休むといいでござる。
あそこにはお菓子や食べ物もあるでござるし。まーお腹が減ると苛々するでござるなぁ」

生徒達の一部はヲタの言葉に甘え、ぞろぞろと教室に歩いてゆく。
「いま何時?」
「三時ちょうど。おやつの時間」
「嘘だろ?お前の時計壊れてるんじゃねえの?なんでこんなに暗いんだよ?」
「今日は花火大会なのに〜。あたしはやく帰りたい!」


491 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/05(金) 17:14:37   [sage]
一方で行方不明者の探索を続けるカフェたち。
「おい!ここの扉、開くぞ!!」
大声をあげる委員長。扉を開け外にでる。正確には中庭だったが。
振り仰げば真っ赤な空に渦巻く黒雲。時計台の針は四時四十四分で止まっていた。
『しっしっしっしっしっし…』
中庭に響く不気味な笑い声。これは裏七不思議の一つに違いない。

「へむへむさん…でござる!!もとは学校に迷い込んだ病気の野良犬。
盆休み中にエサを貰えず、閉じ込められた中庭で四時四十四分に
苦しみながら死んだとの噂の怪異でござる!!」

へむへむさんは、舌を垂らし苦しそうに呼吸をしている。
その後ろ、中庭の噴水の石畳の上には、ぽつんと一足の靴が落ちている

「あ!旧校舎の中庭の噴水で、愛の告白をするとその恋人同士は永遠に結ばれるって噂があるの!
もしかしたら…ここに田中くんと鈴木くんが…!?」

靴のすぐ隣で、苦しそうに呼吸をしているへむへむさん。

「くーんくーん」何かを訴えているようだ……。


492 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/06(土) 01:33:36   [sage]
【ただいまです】

カフェや月夜田等が幽霊の出る旧校舎で生徒を探している頃
我等が牧街が何をしていたかと言うと…

「それ緑の7」
「あー…色変えるわ、次の色黄色ね」
「あっちゃ…無い!パス」

師匠のところに来ていた依頼は他の者が担当していて仕事が無く、暇なので道場の仲間数名とUNOやっていた

「おい牧街、おめそういえば女の子と最近仕事行ってるよな、あの娘何なんだ?」
「あぁ、あの人?カフェさんっつー物好きな人」
「ふーん…え?外人?」
「いや本名じゃないっぽい、…あい、赤にチェンジ」
「おかしな人だな…。ん、ドロー2」
「ギャ」

本編そっちのけでUNOを楽しむ牧街達
話題はカフェについてである

「どーやって知り合ったんだ?」
「いや…何か廃校に除霊に行った時突然乱入してきて…」
「何だよ乱入って」
「んで、何か好奇心旺盛で仕事もあんま無い見たいだから手伝ってもらってる」
「お前…酷いな」
「いやいやいや…依頼の話しすると飛びついてくるし…」
「バーカ、んなわけないだろ」
「へ?」

牧街の手が止まる

「その人は思いやりでそーゆー態度取ってんだ、お前が頼りやすくするようにな」
「あ…えぇ…」
「それをお前、その人をそんな事件に飛びつく変態みたいに…」
「向学心が旺盛なんだろ、お前と違ってよ」
「今に伸びるぜ、そういう人」
「ゥぐ…う…」

実際カフェがどういうつもりで牧街の手伝いをいつもしてくれているのかはわからないが、彼等の言葉は牧街に大いに効いた

「で、お前、その人に何かしたの?」
「う…い…一応俺の方からも手伝った事あるけど…」
「御仏だな、その人」
「ピュアだなぁ」
「今度あってみたいよ」


493 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/06(土) 02:40:29   [sage]
「うるせえな!でも俺だけ毎回死に掛けてるんだぜ!」
「そりゃお前が悪いだろ、じーこーせーきーにーん」
「どーっせお前のことだから俺らの時みたいにへーーーきでその人見捨てて逃げたりしてるだろ?ん?」
「うぐぅ…」

ド正論の嵐に、牧街は苦しみもがく
ちなみに牧街が仲間や門下生にいつも助けを求めないのは、上記の通り、こいつがへーぜんと仲間を見殺しにして逃げる奴だから誰も助けてくれないのである
それでもこうやって仲間の輪の中に入れてはくれるのは、牧街が逃げる時はいつも、他の連中が牧街無しでも別に何とかなる時に限って逃げている事を、彼等が薄々感じているからだ
そんなこんなやってる間に勝負がついた

「…んじゃ上、戻るわ、依頼来るかも出し」
「おー」
「どーっせ来ないっつの」
「っさい」

等と言って牧街が二階へ上がった矢先電話が鳴り出し…

*********

「すみませーん、ゴーストスイーパーですが」
「はいはいはいー何か御用でしょうか?」
「えーっとちょっと人探しの依頼がありまして、肝試し中の生徒が旧校舎から帰らないと保護者の方から捜索の依頼が来まして、立ち入り許可を頂きたいのですが」
数十分後には牧街の姿が月夜田の学校の用務員室にあった
ちなみに牧街はここが重症の自分にモデルガンで豆ぶつけてきた奴等がいたとんでもない学校だ等とは知らない
「はい、じゃ今担当の先生をお呼びしますんでここで少々お待ち下さい」
「はーい」
そうこうしている間に、学校に依頼者である田中と鈴木と他数名のその他数名の内の一人の母親と兄が到着する
「ゴーストスイーパーの牧街です」
「吉田の母です」
「兄です」
「牧街さん、息子は…息子は大丈夫なんでしょうか?」
「旧校舎を見た感じ、霊的要因が絡んでるように見えました、校舎内に居る場合、悪霊の危険に晒されている場合があります」
「あぁ三平…」
「俺達は旧校舎の近くを捜索するんで、牧街さんは旧校舎内を…」
「わかりました。全力を尽くします。皆さんは危険なので、旧校舎には近づかないで下さい。二次災害の可能性が…」
吉田三平を心配して涙ぐむ夜通しで三平を探していて目の下にクマを作った吉田母を励ましながら、捜索に関係する注意事項を述べる牧街

そうしてる間に、担当の先生がやってきた


494 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/08/08(月) 00:33:58   [sage]
>491-492
>「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!黙れよ月夜田!!そんなの全部噂だっつーの!」
>「それに怪異の原因が心の欠片を集めてるなんて意味わかんねーよ!
君もGSなら憶測でものを言うな!原因を逸早く排除して俺たちの安全を守って見せろ!!」
「だから今その原因を調べておるのじゃ」
委員長は田中と鈴木のどちらかが気になっている……のでは多分なくホモネタが嫌いらしかった。
生徒達の一部をヲタがお菓子部屋へ連れて行ってくれた。

「さて、探索を続けるとしよう」
訪れた場所は中庭。

>「あ!旧校舎の中庭の噴水で、愛の告白をするとその恋人同士は永遠に結ばれるって噂があるの!
もしかしたら…ここに田中くんと鈴木くんが…!?」
「まさか二人のどっちかの靴か!?」

>「くーんくーん」
「どうしたのじゃ?」
盆休み中にエサを貰えずに死んだということで、お菓子をお供えする。
すると、付いて来いとでもいう風に噴水の方に歩いていく。

ついていきますか?

はい
いいえ

―――――――――
>493
【お帰りです】

牧街の前に担任が現れて依頼する。
「これはこれは、GSの方でしゅか、来ていただいてありがとうございましゅ。
うちの学校で最近から代々伝える事にした魔除けのアイテムでしゅ。
気休め程度にしかならないでしょうが持って行ってくださいでしゅ」
担任は豆入りモデルガンを差し出した。


495 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/08(月) 19:44:10   [sage]
>493
【おかえりなしゃい】
>494
カフェの推理では何者かが心の欠片を集めているらしい。現にミルクは心の一部を失っている。

「あのわんちゃん。ついて来てって言ってるみたい」
月夜田が追うと、干上がった噴水池の底部で田中が仰向けに寝そべり、呆けていた

「よかった!無事だったのね田中君!他の皆は?鈴木君は?」
「知らねーよ…あんなやつ…。死ねばいいんだよ…あんなやつ…」
「た、田中くん?」
彼は人として、一番大切なものを失ってしまったらしい

「はらへこわん」
すると足元から声。なんとへむへむさんの顔が人になっている
「人面犬!?」
「よこへよこへ!へガレをよこへ!」
「え?」
「くぅーん」
一瞬、人面犬の顔が犬に戻り、犬は自分の頭を自ら壁に打ち付けた。
人面犬の頭は血で真っ赤。
「ヘガレをよこへー!」
喚き散らす人面犬の顔にへむへむさんの苦痛の顔が重なって見える
「えい!」
月夜田みことは神通こんで人面犬の頭をぽかん
「なーに?ヘガレって?心のカケラのこと?」
人面犬はもとのへむへむさんに戻り気絶している。月夜田は肩を落としため息

「鈴木君たちを探さないと…」
独りごち、田中を見遣れば小指に赤い糸。裏七不思議の一つ「あかいいと」だ
愛の告白をした二人は「赤い糸」によって結ばれているのだろうか
とするとこの糸を辿ればその先には、たぶん鈴木がいることになる

カフェたちは赤い糸を辿り舎内に戻る

「でも、ここにいたのがカフェさんでよかったー。牧街さんだったら、
ごっどまぁ〜んとか叫んで逃げ回ってたかも」
なんだか不思議な感じ。カフェと話をすることはあんまりなかった気がする月夜田
優しくてGSのよい先輩なのだろうけど、心の奥底はよくわからない人。なんか変な気持ちが沸く。
おもむろに月夜田はカフェの背中をつっついてみた。指に伝わるやわらかい肉の負荷。
神通こんで頭を叩いたら怒るかなー?とかよくない事も考えた

「あの、カフェさんは私のことをどう思いますか?私はカフェさんのことを、とってもやさしい人って思ってます」
薄ぐらい廊下で吐露された月夜田の気持ち
赤い糸はどこまでも続いていた


496 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/10(水) 04:23:22   [sage]
担任からの話を聞いた牧街のこめかみにぴくりと青筋ができる
「するってーと、何ですか?あなたはむざむざ危険地帯かもしれないとこに生徒を送り込みにじそーなんさせたと」
「ま…待ってくだしゃい!だってあの時はゆーれいが出る何て」
「そうでなくても、取り壊し間近の建物に子供だけ入れるなんて間違ってませんか?ん?」
「うう…お、おっしゃる通りでしゅ」
報酬があるとはいえ、余計な仕事が増えた事に腹を立てて担任教師の失態を牧街は責める

「で、行方不明になった生徒の名前は?」
「えーっとまず学級委員の高橋君と…」
「え?高端?死んでるんじゃなかったっけ?」
「字が違いましゅ、それに誰の事言ってるでしゅか」
「失礼、続けて」
「〜〜〜〜君と〜〜〜〜君と…女子は月夜田…」
「この仕事、降ります」
すっとソファーから立ち上がり、お金を返して出口へ向かいながら、牧街は言った

「え!?せ…先生どうしてです!」
「月夜田みことが関わってるなら俺の出る幕なんぞありません!悪霊の方が逃げ出します!」
「ん…んなバカな」
「いーえ!あの娘は殺人鬼の悪霊渦巻くゆーえんちでGSの我々よりへーぜんとしてて大活躍したり魔族に絡まれても生き残ったりともう天然の悪霊キラーな奴です。下手に手を出すと逆に我々が痛い目に合う」
「だからってこんな断り方は無いんじゃないですか?」
「そうでし!それにあの旧校舎にはとんでもない悪霊がいるともっぱらの噂!いかに月夜田と言えども勝てるかどうか!」

バカ担任の言葉に、一同の視線が集結する

「あんたそんな危ないとこに子供だけ行かせたのか!」
「ちょ!く…口が滑ったでしゅ!知らなかったでしゅ!単なる噂だと…」
「今度のPTA総会は覚悟なさってくださいね!」
「牧街さん、そーいう分けで本格的にヤバソウなんでマジで一つお願い、できないですか!」
「息子をどうか…牧街先生!」
「うう…」

月夜田でもヤバソウの言葉に、正直牧街はそんな良くて重症悪くて死亡なとこに行きたくなんぞないのだが、裕福な吉田家の長男救出の額がかなりの破格である事と、二人の熱意に、渋々嫌々首を縦に振った
ちなみに、担任の先生もいくらか出してくれるそうである

(まぁ…月夜田がいるとなると専門家も呼ばないと…)
先頃のUNOの最中の恐山流の仲間達の言葉が脳裏を横切ったが、人命もかかっているし止む終えんと自分の弱さを呪いつつ例のところに電話をかけるが…
「あ、カフェなら今日留守よ、何か町内の皆と旧校舎に行くとか」
…電話するまでも無く来ていることが判明した
牧街はため息一つ
運がいいんだか悪いんだかとため息をつき、果てしなく悪い予感しかしない今後の展開にしばらく頭を抱え、深呼吸を一つし、いつもより入念に装備を厳選して入れたナップサックを担いで、旧校舎の扉に手をかける



「…開かない」
霊達がGSの侵入を防ごうとしているのだろう
もしくは牧街には奪うような大層な心が無いからか…
「やった!これで入らなくてす…」
「牧街さん!」
「先生!どうか!どうか!」
しかし、帰ろうとした矢先背後から吉田親子が牧街に圧力をかけてきた

「いやしかしこのレベルの霊的防壁を突破するには相応の破邪札が必要になり今の料金では…」
「幾らです?」
「300ま…」
「はい小切手」
…吉田家すげえええええええええええええええええええええ

「活!!」
牧街の気合に扉に貼り付けた破邪札が炸裂し、旧校舎の入口の扉が音を立てて崩れ落ちた
「…では、行って参ります」
「お気をつけて」
「どうか息子をよろしく!」
ハンカチを振って牧街を見送る親子を背に、牧街は休校舎内に侵入した
(なぁに出入り口は今ぶっ壊したしいつでも脱出…)

牧街の背後で、扉が再生して再び閉じられた

振り返って牧街はそれを確認すると
「どーせんなこったろーと思ったよ」
はーとため息一つ、とぼとぼと旧校舎の探索を開始する


497 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/08/12(金) 01:43:04   [sage]
>495
>「知らねーよ…あんなやつ…。死ねばいいんだよ…あんなやつ…」
「こりゃ! 友達なのであろう!? なんて事を……そうか……」
ここで言っても意味はない事に気付く。
田中君もやはり心の一部をなくしていたのだった。
が、その小指からは赤い糸が繋がっている。
「安心せい、必ず見つけ出す」

>「でも、ここにいたのがカフェさんでよかったー。牧街さんだったら、
ごっどまぁ〜んとか叫んで逃げ回ってたかも」
それを効いて思わず噴き出す。
「ふふっ、牧街殿はヘタレ心を取ってもらうといいかもしれんのう」
みこと殿が背中をおもむろに背中を突っついてきた。

「む? どうした?」
>「あの、カフェさんは私のことをどう思いますか?私はカフェさんのことを、とってもやさしい人って思ってます」
「いきなりなんじゃ? もちろん楽しい後輩だと思っておるぞ。
それにものすごいラッキーガールじゃな! 一緒におるとこちらまで運気が上がりそうじゃ」

「それに……とってもやさしいなんて買いかぶりすぎじゃぞ」
ふと、少し昔の事を思い出す。
――ぼくちんと契約してGSになろうよ!
猫師匠との出会い。
虚構の世界のヒロインに憧れるだけの、何のとりえもない地味女オタニートに訪れた転機。
妾にとってGSとはまさに、人々を悪しき者達から守る実在の魔法少女だった。
ファンタジー調の偽名を名乗り、突飛なコスチュームに身を包み
婆口調でキャラを演出し、そして……人々の夢と希望を守る物語のヒロインになりきった。

シャキーンシャキーンと、徐々に近づいてくる金属音が束の間の白昼夢を破る。
ハサミを両手に持ってシャキーンシャキーンしている怪人が現れた!
「まさか……裏七不思議の一つチョキチョキさんとか言うのではあるまいな……!?」
ハサミの怪人は、あろう事か赤い糸を切ろうとしているではないか!
赤い糸は今や唯一の田中殿と鈴木殿の友情(?)の証なのだ!
「それは駄目じゃあああ!」
ロリータ傘を振り上げて殴りかかる!


498 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/13(土) 06:06:01   [sage]
>「それに……とってもやさしいなんて買いかぶりすぎじゃぞ」
カフェは遠くを見つめている。
その横顔を見つめる月夜田は、少しだけカフェの心に近づけたような気持ちがした。
だけど近づけたぶんだけ、さらに心の奥の深さを知ってしまったような気持ちも沸く。

(買いかぶりすぎって…。ほんとはそうじゃないってこと?
まあ、誰でも仮面は被ってるものだけど…)

――沈思する月夜田の思考を、突如金属音が打ち破る。

>「まさか……裏七不思議の一つチョキチョキさんとか言うのではあるまいな……!?」
「ふえ!?チョキチョキさん!?」

ハサミに狙われる赤い糸

>「それは駄目じゃあああ!」
「カフェさん!!」

ポカッ!!

ロリータ傘がチョキチョキさんの脳天に打ち落とされる、と同時にハサミが赤い糸をちょきり。
「切れちゃった!!」
赤い糸の端っこは、生きもののようにのたうちまわり委員長の高橋の足に絡みつく。
「ぎゃあぁあああああああ!!」
顔面蒼白の高橋は引きずられながら扉の奥に飲み込まれてしまった。扉の向こうは体育館。
そして、カフェたちをニヤニヤと見つめるチョキチョキさん。
「おっお〜匂う匂うケガレの匂い。新しいケガレが入ってきたな?
何者だろう?いいケガレを持っているな〜。奪うことが出来たらどんなにいいだろう。
フヒヒ…。うぐっ!!」
ちいさな呻き声のあとチョキチョキさんの表情が変わる。
「いい加減にしなさい!あなたの自由には絶対させない!」
同じ口から吐き出される自己否定の言葉
チョキチョキさんの一人二役に月夜田は頭がこんがらがり…
「どうでもいいけど、邪魔をしないで!今すぐみんなを返してよ!」
声を荒らげ神通棍を振り上げれば、背後から突進してくる小さな影。その正体は先程の人面犬。
「しっしっし…。へむへむはんはもうひない…。おら自由になったの…」
「へっ!?」
転げる月夜田。起き上がれば人面犬は目の前で舌なめずりをしており
その背後には血塗れの男の姿があった。

「赤い半纏着せましょか?
…ってバカか。身包み剥いで切り刻んでやるぜ」

ずばりと切り裂かれるヲタクの背中…のリュックサック。


499 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/13(土) 06:06:48   [sage]
>「それに……とってもやさしいなんて買いかぶりすぎじゃぞ」
カフェは遠くを見つめている。
その横顔を見つめる月夜田は、少しだけカフェの心に近づけたような気持ちがした。
だけど近づけたぶんだけ、さらに心の奥の深さを知ってしまったような気持ちも沸く。

(買いかぶりすぎって…。ほんとはそうじゃないってこと?
まあ、誰でも仮面は被ってるものだけど…)

――沈思する月夜田の思考を、突如金属音が打ち破る。

>「まさか……裏七不思議の一つチョキチョキさんとか言うのではあるまいな……!?」
「ふえ!?チョキチョキさん!?」

ハサミに狙われる赤い糸

>「それは駄目じゃあああ!」
「カフェさん!!」

ポカッ!!

ロリータ傘がチョキチョキさんの脳天に打ち落とされる、と同時にハサミが赤い糸をちょきり。
「切れちゃった!!」
赤い糸の端っこは、生きもののようにのたうちまわり委員長の高橋の足に絡みつく。
「ぎゃあぁあああああああ!!」
顔面蒼白の高橋は引きずられながら扉の奥に飲み込まれてしまった。扉の向こうは体育館。
そして、カフェたちをニヤニヤと見つめるチョキチョキさん。
「おっお〜匂う匂うケガレの匂い。新しいケガレが入ってきたな?
何者だろう?いいケガレを持っているな〜。奪うことが出来たらどんなにいいだろう。
フヒヒ…。うぐっ!!」
ちいさな呻き声のあとチョキチョキさんの表情が変わる。
「いい加減にしなさい!あなたの自由には絶対させない!」
同じ口から吐き出される自己否定の言葉
チョキチョキさんの一人二役に月夜田は頭がこんがらがり…
「どうでもいいけど、邪魔をしないで!今すぐみんなを返してよ!」
声を荒らげ神通棍を振り上げれば、背後から突進してくる小さな影。その正体は先程の人面犬。
「しっしっし…。へむへむはんはもうひない…。おら自由になったの…」
「へっ!?」
転げる月夜田。起き上がれば人面犬は目の前で舌なめずりをしており
その背後には血塗れの男の姿があった。

「赤い半纏着せましょか?
…ってバカか。身包み剥いで切り刻んでやるぜ」

ずばりと切り裂かれるヲタクの背中…のリュックサック。


500 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/13(土) 06:10:34   [sage]
「はぐあぁ!!カフェちゃん!」
ヲタクのリュックサックから零れ落ちるお菓子に玩具
逃げるヲタの首筋に振り下ろされようとするカッターナイフ。
その時だった。チョキチョキさんが大声をあげ、ふきふきさんに襲い掛かかった

「えいやー!もとのふきふきに戻りなさいっ!」

「くくく…俺たちがいつまでも温い子供の夢に封じ込められていると思うなよ?
これが俺たちの真の姿なのだ!きさまに俺たちを止めることは出来ない。大人しく降伏しろ!」

カチャカチャとハサミとカッターナイフの押し合いが続く

「仲間割れ!?」と月夜田

「似たようなものでござろう!今のうちに高橋君を追うでござるよ!」

ヲタクリーダーを先頭にカフェたちが体育館に突入すれば中央の床には大きな穴があり、壁には大きな姿見鏡。

「びっくりしちゃった。鏡じゃない。委員長はどこ?」
「あの穴の中じゃ、みことどの。わらわと一緒に飛び込むのじゃ!」
「え!?ちょっと!カフェさん!?」
カフェは、月夜田とカフェそっくりの者が穴に飛び込む姿を目撃したことだろう。カフェの背後からは聞き覚えのある声

「今、飛び込んだ私は偽者。だって本物の月夜田は私なんだもん」
月夜田は神通こんを構えている。それも長い。ヲタクはというともう一人のヲタクともみ合っている。

「カフェちゃん!これは裏七不思議の一つマネマネさんでござる!
ふきふき、へむへむ、赤い糸、チョキチョキ、マネマネ。これで五つめ。
七不思議は六つ集まると、七つめの不思議が起きてしま…」
「えい!五月蝿いヲタクでござる!」
偽ヲタクはヲタクの首を締め始めた。すると扉がバタンと開き裏七不思議たちが体育館に入って来る。ふきふきさんはポイっとチョキチョキさんを床に放り投げ…

「強情な奴め。記憶を封じ込められ、あいつに完全に洗脳されてしまっているらしい」
「ふきふきひゃま。ケガレの匂いがひゅるわん。とんでもないケガレた匂いが体育館に接近中わん」
「……あ、そいつ牧街って奴かも。私がコピーした娘の記憶のなかに、とんでもない卑怯な人間がいる
霊力の波動がそいつにそっくり」
「くっくっく…あいつより先に俺たちが手に入れてやるか…超強力なケガレを!」

すると突然天井から降って来た赤い糸がカフェの体に巻き付き縛り上げた


501 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/13(土) 06:15:42   [sage]
牧街の前に偽月夜田が現れた

「牧街さーん。たいへんですたいへんです。カフェさんが捕まっちゃいました。体育館にいるからはやく行って助けてあげて下さい」

偽月夜田の予想では牧街は慌ててカフェの救出に向かうことだろう
そこで牧街が背中を見せ、体育館に突入したところを手に持った神通こんでボカリ。
倒れ込んだところをヘムヘムに噛み付かせフキフキが抱き着きケガレを吸収する

そのあとは心のカケラを集めている存在を上手く出し抜くだけ…と予想していた。

【裏七不思議たちは心のカケラを集めている存在の元下僕みたいな感じです。裏七不思議の制約を破って裏切りました
勿論、裏設定だけの存在ですので本編では全然関係ない別個の存在として扱って頂いても結構です
なので、やっつけてもらってもどんな感じにしてもらってもOKです】


502 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/14(日) 00:41:03   [sage]
「おわ出たなショッカーの改造人げ……何ぃ!?カフェさんが捕まった!?」
突然出てきた月夜田にビビル牧街
そして次の言葉に、牧街の顔がさーっと青ざめる
「え!?何?ヤバイの?かなり?」
「はい!このままじゃカフェさん殺されちゃう!」
「OK!OKわかった!よし!」
言うが早いか、牧街は引き返し始めた
「え!?ちょ、牧街さんどこ行くの!」
それには応えず牧街は走る

(カフェさんが捕まるとかマジヤバイの来たよ!
うわああああああああああもう無理!依頼無理!散財しよう!そうしよう!
月夜田に捕まらんように逃げて出口吹っ飛ばしてオカルトGメン呼ぼう!
あいつに捕まると「囮位にはなれるでしょ!」とか言って強制的に戦わされかねん!
南無!カフェさん!情けない俺を許してくれ!
ってかまた自分から危ないほーへ危ないほーへ行ったんでしょどーせ!俺知ってるんだぜ!)

風の様に逃げる牧街、偽月夜田は簡単にまかれてしてまう

やがて出口に到達した牧街は扉を再び破邪札で破壊しようとして


…止まった


(…カフェさん、要救助者助けようとしたんだろうな)
ここで逃げる事に、牧街の心に罪悪感が湧き出してきたのだ
それは、今まで散々カフェに命を助けられ、仕事を助けられ、支えられてきた事から生じる罪悪感だ
これが捕まってたのが月夜田だったら牧街は迷わず逃げただろう
(オカルトGメンが来る間に、カフェさんが死ぬかも知れない…だけど今行けば…しかし俺が行ってどうなるよ…皆一片にやられるだけだろうし…時間稼ぎ位できたとしても…)
「ゴ…ゴーストスイーパーの方、ですか?」
と、そこで近くの教室からオタク達が姿を現した
後ろには月夜田と一緒に来た生徒達の姿もある
何やら入口の方で大きな音がしたので、状況を確かめようと入口付近へ移動して、戻るのが怖くなってそこの教室に隠れていたのだ

牧街は彼等の登場に…迷わず入口を破壊し、オカルトGメンへ通報するように言って彼等を脱出させ、きびすを返してカフェの助けに向かった!

「カフェさああああああああああああああああああん!大丈夫かぁああああああああああああ!」
扉を破壊し、体育館へ突入する牧街
目がヤケクソになって血走り、脚が恐怖にガタガタ震えている
が、それでも牧街は来た、やってきた
やって来て…

「…何だ捕まってねぇじゃねえか!それじゃ俺はこれで!!」

状況を周囲をキョロキョロ見回して確認し、単にカフェが戦ってるだけだとわかるや否や逃げ出した
牧街はやっぱり牧街だった


503 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/08/14(日) 22:44:45   [sage]
>499
赤い糸は切れるわ委員長は体育館に引き込まれるわふきふきさんは再登場するわふんだりけったり。
敵が仲間割れをしている間に体育館に突入すると、妾がみこと殿を連れて穴に飛び込んだ。

>「今、飛び込んだ私は偽者。だって本物の月夜田は私なんだもん」
そのみこと殿の神通棍はビームソードのごとく長かった。
「あーーーーっ! お主、偽物じゃな!」

そうしている間に集団で突入して来る裏七不思議たち。
>「くっくっく…あいつより先に俺たちが手に入れてやるか…超強力なケガレを!」
天井から降ってきた赤い糸に拘束される!
「こりゃあ! 放さんかあ!」
もがけばもがくほどがんじがらめになっていく。

>502
もはやこれまでかと思われた時、一筋の希望が見えた。
>「カフェさああああああああああああああああああん!大丈夫かぁああああああああああああ!」
「牧街殿、牧街殿か……!?」
そう言ったのを最後に、意識が遠のいていく。妾もまた赤い糸に心の一部を奪われるのだろうか。
妾が奪われるとしたら、カフェという虚構のキャラクターしかない。
「嫌じゃ……! やめてくれ……」

――――――――――

「思った通り来たわん、飛んで火に入る夏の虫わん」
「私が娘に化けて混乱させましょう」
まねまねがカフェに化け、裏七不思議たちと戦っているのを演出する。

>「…何だ捕まってねぇじゃねえか!それじゃ俺はこれで!!」
目にも留まらぬ速さでUターンして逃げ出す牧街。これには裏七不思議たちも驚いた。
「逃げた!?」
「なんて早い逃げ足わん……」
「追うぞ!!」
牧街を追って体育館から出ていく裏七不思議たち。

――――――――――

目覚めた場所は……薄暗い体育館のような場所だった。
「ここどこ〜? なんでウチこんなところにおるん?」
私の名は 秋葉 茶子(あきばちやこ)。何のとりえもないオタニートだ。
「早く帰ろう……」
出入り口に向かってふらふらと歩きだす。突然床の感覚が無くなり、落下する。
「あっ!!」
体育館の床に空いていた大きい穴に落ちたのであった。


504 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/16(火) 18:15:51   [sage]
月夜田みことは闇の中でうずくまっていた……。

「い、痛っ…、いたたたたた」
脚をさすり、怪我のないのを確かめていると遠くでゆれている提灯がひとつ…
ゆら…ゆら…
闇に揺れるそれはゆっくりと近づいて来る

「…誰っ!?」
体育館に開いた穴の底。天を仰ぎ見ても漆黒の闇。
上から牧街やカフェの声が降って来たかとも思ったが、今は不気味なほど静まり返っており
孤独。恐怖。諦念と言う魔物が月夜田の心に襲い掛かってくる

「…くっ!!」
下唇を噛み、揺れる提灯を凝視すれば提灯の下方、
照らされた地に白い素足が浮かび上がっている
そして提灯を持つ者の長い黒髪は闇に繋がるかと見紛うほど、ただ一色、…黒い。

「ワタシ…ウロウロ…」
「ひっ!!」
目の前に佇む者の正体。それは裏七不思議最後の一人「うろうろさん」だった。
月夜田は、くらりと目眩がした。よろめいた体は白い手に抱き抱えられる。吐息が耳朶に触れる。
……我に返り身を起こせばうろうろと視線が重なる。暮れてゆく空と同じ色の瞳は、どこまでもどこまでも黒かった。

「……うぇっ、…うぇっ」
突如、目尻から零れ落ちる涙。
(…私、泣いてる)
心を奪われたのか。涙が止まらない。

「…うぇっ…うぇっ…」
……その時だ。虚空から秋葉茶子が落ちてきた。
柔らかな感触が落ちる茶子を包みこむ。
同時に波紋のように広がる漆黒。闇なのか髪なのかは判然としなかったが…。

「……アタタカイ…ココロガ…ホシイノ…」
漆黒の底で紅い唇がうごめく
気がつけば秋葉茶子はうろうろさんの闇に抱かれていた。否、包まれていた。

「……化け物。カフェさんを…離しなさい!」
月夜田の白い歯がカチカチと震える…。
立ち上がり一歩二歩、後退れば踵に生暖かい感触。
目を凝らして見れば足元に行方不明になった生徒たちが何人か転がっている。

「…こ、こんなことをして、ただですむと思ってるの!?」
聞いていないのか聞こえないのか、見ていないのか見えないのか
うろうろの洞のような黒瞳はただ宙を見つめていた。

「……アノコガ……カエッテクル」
独語が宙に舞えば闇の胎奥から、おぎゃあと一つ産声があがった。
知覚された六つの裏七不思議が、ついに七つめの裏七不思議を出現させたのだ。


505 : 月夜田みこと ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/16(火) 18:23:06   [sage]
逃げる牧街を追う裏七不思議たち。
あまりの逃げ足の速さに人面犬でさえも追いつけない

ごうを煮やしたまねまねは、月夜田の声で…

「きゃあぁ!私たち全裸にされちゃったー!」
逃げる牧街の背に言葉を投げかける。そして…

「みことどの、諦めるのじゃ!」
カフェの声も真似た
「聞いておるか牧街どの!見捨てられたこの怨み、わらわたちは死んでも忘れぬぞ!もぎゃあぁー!」
「ひぁあぁー!!」
「にゃあ〜!!」
果たして牧街は引っ掛かるだろうか。

遠くに見える結界の脱出口は再び閉じかけてはいたが、まだ治りかけの傷口と言った感じで、
飛び込めば牧街の霊力でも破れるかも知れなし途中で腰が引っ掛かるかも知れない。

……次にまねまねは牧街に変身する。体育館の鏡に一度でも映ったた者に、いつでもまねまねは変身出来るのだ
偽牧街は歪んだ笑みを浮かばせると、背中の重いリュックサックを投げ捨て加速

「ごっどまあぁーん!!」
肺腑を貫く咆哮。全開最大脚力。
閉じかけた脱出口の負荷。曲がり角の鋭角ターン。
まねまねは少しのタイムロスも見逃さずに牧街に飛び掛かることだろう。

《まねまねに捕まった場合》
「捕まえたぞ。ごっどまぁーん!」
まねまねが牧街に馬乗りとなり押さえ込めば、追い付いた人面犬が牧街の足に噛み付かんと赤い口を開く。
後から来たふきふきは肩を震わせ俯いている
「くくくく…」
小刻みな声が廊下に響けば、それはすぐに哄笑に変わる。

「さあ、ケガレをいただこう!あははははは!」
声と一緒にまねまねの体が牧街の胸に倒れ込んだ。
白い頬に紅い唇。まねまねはカフェに変化していた
肌も唇も女の生の色。女が生まれながらに持っている沢色だ

偽カフェは牧街の首を両手で締め付ける。
爪が喉に食い込む。
…髪が匂う。
とろりと甘く、腐りかけた果実のような甘い匂い。
纏いつき、絡みつくほどに甘い。

「わらわが牧街殿のケガレを吸い取ってしんぜよう。
牧街殿は自分が嫌いになったことはないのかえ?
逃げてばかりでは強くなれぬ。
そなたの悪しきヘタレ根性。わらわにすべて渡すがよい」
まねまねはコピーした者たちの記憶を利用して牧街に甘く語りかけた

<<その他>>
【牧街さんにお任せ。勝手に捕まえてよいものかと少し迷いましたー】


506 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/18(木) 02:46:13   [sage]
逃げる牧街、逃げる逃げる、そりゃあもう逃げまくる
そんな彼に背後から投げかけられる仲間達の恨みの声
ソレを聞いた牧街はびくっとして、脳内でいつものこのまま見捨てた場合シュミレーションを開始する

(全裸?フンッ

そんな事よりカフェさん達死んだら化けて出るんだろおなぁ…
いやでも…アレだろ?死んだらここの霊に吸収されるから…
…駄目だ、霊圧の強いカフェさんがサイコゴーストになってここの霊を乗っ取りだすやもしれん!
そうなったら俺はめちゃくちゃ強い悪霊の集団に恨まれ続けることに…
って待て待てそうじゃないだろ
とうとうカフェさん達でもヤバイような状況になったっぽいんだぞ!
助けにいかんばだろ!こりゃ
…いや待て、あのカフェさんが諦めるなどと間違っても言うか?
それに大体俺が殺そうとしてる時ですら恨み言言わなかったあの人等が俺にあんなことを言うはずがない!
っと言う事は…

 カ フェ さ ん 達 も 悪 霊 と グ ル に な っ て 俺 を は め よ う と し て る ん だ !!)

恐ろしい結論に至る大馬鹿者
そして更に馬鹿の馬鹿理論はドンドン加速していく

(そうか!それなら今まであの2人が悪霊を全くちーっとも怖がらなかった事も説明がつく!
奴等は最初から人間ではなかったんだ!
きっとあの仮面のテロ魔族が作ったホムンクルスか何か…
じゃあその2人が何で俺なんかに接触を…

…奴等はヘガレとか言うのを欲しがってるんだよな?
きっとそれは人類の存亡とかを左右するレベルの物なんだ!!
で、それを俺は生まれつき持ってるか何かしていて、奴等は今まで様子見様子見しつつじっと狙っていたに違いない!
そして今ここに来て絶好の収穫の時を経て、収穫しようとしているんだ!!

そうは行くか!人類の未来は渡さない!チハルの…そして皆のために!!)

んな事考えてる隙にまねまねにとっ捕まる牧街
早速まねまねが牧街のヘガレを吸収しようとするが…

「カフェさん…いや、テロ魔族の手下め!!よくも今まで俺を騙してくれたな!」
「は?お主何を言って…」
「ヘガレは……人類の未来はお前等には渡さない!!絶対に!!」
「えーっと…話が飛躍して…」
「赤字覚悟の300万円破邪札クラアアアアアアアアアアアッシュ」
「ひぎゃあああああああああああああああああ」
人類の存亡とてんびんにかけた事で赤字を気にしなくなった牧街の破邪札が炸裂!
まねまねは苦しんで不定形なその本性を晒して牧街から離れ、立ち上がった牧街は人面犬の攻撃をかわす!!

「やはり…やはり妖怪だったんだ…カフェさん……」
「ぐぅ…ばれていたのか…」
「まねまねの変身を見破るとは!」
「こいつ、ヘタレだと思っていたのに、結構やるぞ!」
「そうさ…俺は…俺だって今までの戦いで、あなたと一緒に戦ってきた戦いで結構それなりに強くなってるんだ!」
「ぬ…」
何を言ってるのか意味がわからないで顔をしかめるまねまねと、カフェ=正体はまねまねだと思ってるので通じてると思って喋る牧街
外から見れば緊迫した空気も手伝ってまともなシーンに見える
「あなたに支えてもらって…俺は…信じてもらって…助けてもらって……感謝してたのに………こんな……こんな……うっ…うっ……」
「お前…もしかして、(この学校の)卒業生か?」
「(カフェさんを卒業したという意味なのか?)…………そうだ!!もう、もうあんたの力は……借りない!俺は華麗に舞ってやる!!」
「(ダンス部の奴だったのか…、あれ?ってか記憶見た限りこの学校の卒業生じゃないはずなんだが…おっかしいな…)り…立派になったんだな…」
「(さっきから全く俺の言葉に感情を見せない…心を持たない魔族だったのか、カフェさん…)金をかければお前等を倒せる位にはな!!」
どんどんシリアスモードになっていき、ついに目を見開く牧街と、どんどん困惑モードになっていく裏七不思議達
牧街は装備全て使えばこの三体相手なら相打ち位には持ち込めるだろう
しかし…装備全滅は牧街にとって次の仕事から丸腰を意味する
危うし!牧街
勘違いからGS生命を絶たれてしまう!


507 : カフェ ◆ YNbEhcUF/I    2011/08/20(土) 00:19:29   [sage]
>504
穴の下は、真っ暗だった。不思議と落下の衝撃は無い。
何かに包まれたような不思議な感覚。
>「……アタタカイ…ココロガ…ホシイノ…」
「そうなの。でもウチ、何も……持ってないよ?」

>「……化け物。カフェさんを…離しなさい!」
みことちゃんの声が聞こえてきた。
カフェ……、はて、誰だっけ。聞いたことがあるけど思い出せない。
足元に何人か人が転がっている。気持ちよさそうに寝ているなあ。
私も彼らみたいに寝てしまおうか。

>「……アノコガ……カエッテクル」
闇の奥からあがる産声。
「何なの……!?」
体を強張らせて身構える。”それ”は、ひたり、ひたりと迫ってきた……。
ついに、”それ”の一部が手に触れる。
「ぎゃあ!!」
目をぎゅっと瞑って、しばらくしてから恐る恐る目を開ける。
目をこらしてよく見ると……
「赤ちゃん……?」
そこにいたのは、普通に可愛らしい赤ん坊だった。
「オネエチャン、モウ、ココロ、アイツラニトラレテル……
ままノタメニ、ココロヲアツメナイト……」
赤ん坊はそう呟くと、みことちゃんの方にはっていく。

心を取られてるってどういう意味? ママって誰……いや、何の事だろう。


508 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/23(火) 06:46:34   [sage]
「え?赤ちゃん!?」
へなへなとなってる月夜田が四つん這いで逃げると
赤ちゃんもハイハイで追いかけて来る。

(こわい!たすけて!ごっどまん!)
振り返ったら赤ちゃんはむっくりと起き上がって、よろけながらも
とたとたと走ってきて

「オネエチャン…マダ、こころノコッテル…チョウダイ…」

と、しがみつかれる。

「……チョウダイ」

「どうして?」

「まま…カラッポナノ…」

「え?」

月夜田は闇に視線を移した。闇は濃度を増してゆく。
そして穴から液体のように溢れ出した闇は、秋葉茶子や生徒たちを体育館の床へ押し上げたあと、拡散し、空間へと消失する。

「…心ノカケラヲ…モット…モット…アツメナイト…」
うろうろの声が虚空で響いている。

「ワタシハ…トリモドシタイノ…。アノ日、奪ワレタ、タイセツナモノヲ…。ダカラ、モウ一度…モウ一度…」

闇に浮かび上がるうろうろの輪郭を見て月夜田は震える。

「だ、だからって人の心をとっちゃうなんてダメでしょ!」

「ベツニイイジャナイ…ドウセカワッテしまっタリ……無くなったり…失ったりするものでしょ?」
うろうろの輪郭ははっきりとミルクの姿になり、自嘲を含んだ笑みを浮かべ話を続ける

「夢はいつか奪われるもの。勇気も希望も…愛も……
この世に奪われないものなんてないのよ。
命だっていつかは奪われるの…だから私は…」

最後に口を閉じ視線を落としカフェの姿になるうろうろ。
秋葉茶子の表の姿。

「みことどの。わらわはわらわが好きじゃ。みんなを守るためにがんばるわらわを、わらわは大好きなのじゃ。
永遠にわらわはわらわでいたい。
しかしそこにいる秋葉茶子はいつかわらわを捨てるかもしれぬ。それほど人の心は移りやすいものなのじゃ」

カフェは悲しい顔。

「…さらばじゃ秋葉茶子。そして他の者も帰るがよい」

体育館の扉がガゴンと開き結界が道を開ける。
生徒やヲタクは意識を戻しふらふらと外へ歩いていく。


509 : 月夜田 ◆ U9eiwn/wgU    2011/08/23(火) 06:53:09   [sage]
牧街と対峙する三体の裏七不思議。

「(…こいつ…できる!)」
ふきふきはびびり、冷や汗をかきながらアイコンタクト。

「合体わん!」
「まねまねー!」
「ふきふきー!」

で阿修羅みたいな姿になる。
ベルトはへむへむで、ぐるんぐるんと顔は回っていて泣き顔はふきふきのおっさん。
怒り顔は月夜田みこと。笑い顔はカフェ。
こんな化け物になったのも、まねまねが混じっているからだ。
当然腕は六本ある。

「牧街さん!私はあなたのことが嫌いです!」
鬼の顔で上段から神通こんが振り下ろされ

「ケガレをよこせぇー!らわーん!」
真横からはカッターナイフ。

「ニパー!牧街どの。大人しくケガレを渡すのじゃ〜!」
下段からは、こちょこちょ攻撃。
そして最後にベルトの人面犬が股間に噛み付かんと襲いかかる。

【ごめんなさい。遅くなりましたー。びっくりするほど疲れてました】


510 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/24(水) 15:18:34   [sage]
襲い来る裏七不思議の猛攻!
その猛攻撃に牧街は……


「ぐふっ、やられた…」


あっさりやられた
横からのカッターと人面犬のチ○コへのかじりつき攻撃こそ回避できたものの
後は全部もろに喰らい、くすぐられて力が抜けてるところに神通棍喰らって目を回してしまう
「あ…あれだけ盛り上げといてここまで弱いとは…」
「ちっとは抵抗できんもんかね…いくらこっちが全力で攻撃したからと言って」
その余りの弱さに、呆れる裏七不思議
所詮牧街、相手が本気を出してくればこんな物なのだ
「うぅ…やだぁ……嫌だぁ…世界が滅ぶのは…」
「何かさっきから誤解しているがヘガレって別に世界が滅ぶようなレベルのもんじゃないしお前も死ぬわけじゃ無いぞ」
「え?マジ?」
「ついでに言うと私はこの2人に化けてただけでこの2人自体が悪霊と言うわけでもだな…」
「あ、そーだったのか」
何だかあんまりにも牧街が弱かったので可哀想になったまねまねが今までの経緯を説明してあげる
牧街は納得し…

「あ、じゃもうバンバンすっちゃってくれ、そのヘガレっての、うん」
「おま!ちょ…」
そして、まさかのヘガレ上げます宣言!
事実上の降伏だ!!
「何言うてんだこいつは!」
「だって痛いの嫌だし俺に吸われて損するような心は無いし…」
「長い事裏七不思議やってるがここまで自分の心に執着の無い奴は始めて見たぞ……」
まさかの態度に流石の裏七不思議たちも困惑の色を隠せない
「も…もういい、こんな奴に構いたくない、さっさとヘガレを吸ってしまおう!!」
「よし!」
「んじゃ吸うぞ!」
「はーい、痛くしないでね〜」
そんな分でじゅるじゅる吸われる牧街のヘガレ…


511 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/24(水) 15:35:54   [sage]
しばらくして…

意識を取り戻した牧街は周囲を見回し、自分の体と記憶を確かめる

「俺は…うん、牧街モリオ、ゴーストスイーパー…
恐山断弦師匠の弟子で…今この旧校舎に吉田君達を助けに来ている
…うん、いいはずだ
で、俺は悪霊に負けて心の一部を奪われた…
…何奪われたんだろう」

既に体育館に戻ったのか、周囲に裏七不思議がいないので、牧街は自分が何を奪われたのかわからない
しかし少なくともカフェの様に架空のキャラクターとしてGSをやっていたわけではない牧街はそこまで大きな記憶の混乱が無いのだろう

「カフェさんと月夜田が体育館にいるんだ…よな…」

仲間達の事も、牧街はしっかり覚えている

「あれ?ガチで何を取られたのかわからんぞ…」

そう言って、牧街は頭を抱え、暫く考えていたが、おもむろに立ち上がると、体育館へと向かった

(とりあえずカフェさん達が危ない、助けに行こう)

体育館へとたどりついた牧街は、周囲を警戒しつつ中へ入っていこうとして…
(!アレは捕まっていた人々か)
体育館から出てきていた捕まっていた人たちに鉢合わせする
(中から赤ん坊の声?悪霊は中か!)
そして勇躍、牧街は体育館内へ突入する
そう、要救助者助けられそうだから依頼達成で帰ってよさそうなのに、だ!


512 : 牧街 ◆ Zxxw73Pn/k    2011/08/24(水) 15:44:22   [sage]
体育館の底
月夜田と向き合う不定形な何か…
成すすべの無い月夜田に迫るそれに、頭上から神通杖の一撃が降ってきて炸裂する!!

「力の無いか弱いお嬢さんを苛めるとはいい度胸だな悪霊め!!」

怯む不定形な何か目掛け牧街は10万円の破邪札を投げつける

「だが、このゴーストスイーパー、牧街モリオが来たからには…」

そういいながら、牧街は月夜田と不定形の間に月夜田を守るように割ってはいる

「強制的に極楽へ行かせてあげるぜ!えぇ!」

更に10万の破邪札3枚を投げつける牧街
ちなみに既に赤字であるが、その表情は揺るがない

「怪我は無いか?月夜田、カフェさん」
不定形を牽制しつつ、2人に尋ねる牧街
さりげなく月夜田からさんが抜けているのは、決してつきあいが長くなったからではない
月夜田が怖くなくなったからだ

もうここまでくればわかるだろう
牧街は「恐怖」と言う物を根こそぎ全部吸われていた




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