1 名前:魔法少女 ◇jntvk4zYjI[sage] 投稿日:2009/10/30(金) 17:50:04 0
【過去ログ】
魔法少女達と冒険するスレ 20thシーズン(前スレ)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1255942558

(参考サイト)
魔法少女シリーズの台詞集です。不定期更新。
レスを書くときの時系列整理によろしければご活用ください。
http://www32.atwiki.jp/mahousyoujo/pages/1.html

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
千夜万夜
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm

※千夜万夜さんにはアクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう)
代理投稿スレ  
http://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1243456885/

テンプレはこちらです。

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・

【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。

※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせください。





2 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/10/30(金) 21:22:25 0
@@@@@@@
|c *..*|
\_∀/  <ストリングプレイスパイダーベイビーが2ゲットペロポネソス!!
 _|─|____
/        |=○┐       >>1 元カレにのろけられたなんて理由でスレ立ててんじゃねえよ
| |    | ̄ ̄    |       >>3 一緒にベイブレードで遊ぼうぜ!
| |    |       |       >>4 ミニ四駆で勝負だ!
\\ _|        |       >>5 GTO読んでみろよ。最高に面白いぜ
 |\(○っ      |        >>6 セラミックコンケイプはマジでおススメのパーツだ!
 |  ω \     |        >>7 俺のターン!モンスターカード「ワイト」召還!
 |  |\ \   |        >>8 ワイのワイルドワイバーンや!
 |   | //   |        >>9-1000 明日の世界大会に向けておまんらゆるさんぜよ
 |   |/ \   |       
(___)__)  ((◎))  


3 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/30(金) 22:10:02 O
乱立バカ、しかも21thは英語的にまちがってる、正しくは21st。まあ間違いが広まると正式になるのがメディアの困ったところだが。

4 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 新スレ乙!] 投稿日:2009/10/31(土) 01:28:18 O
前スレ34 36-40
>「わ、わかった!」
あたしの言葉を聞いたリリアーナは、さっそく糸車の糸を引っ張り始める。
>『誰か、タイミングを見てあいつの注意を引いて!』
>>「ほいほい。こっちでも注意を引いてみるぞっと」
アホ姉はひょいと天使の輪っかをかまえるけど、あたしの魔法じゃ注意を引くどころじゃありません。
動いて注意を引くのもあれだし、ここは様子見かな。
フリージアの髪型変化とかは、えらく注意を引きそうだけど…

>「なにのんきなこと言ってんだ、ミルク!そんな奴、さっさとメギドでぶっとばせ!」
>「ロクーは友達なの。そんなこと出来ないよ!!」
>「はっ!無能がッッ!さっきノビールアームが破壊された時は、
> たまたまアームが図書館から出ていたから良かったが、
> 俺に向けて炎の魔法を使ってみろ!この図書館の本に燃え移り、
> お前らもまとめて焼け死ぬのだッッ!そして…」
ですよねー。良かった、クリムゾンヘッドがロクーから変身してて。
この姿でいきなり襲ってきてたら、後先考えずメギドでぶっ飛ばしてたよ…

>「それこそが俺の望みだッッ!」
イヤなことにクリムゾンヘッドの言葉には続きがあった。
背中のリュックから筒みたいなのが出てきて、バンバン【なにか】を吐き出した。
狙いも付けてないのか【なにか】はあたしたちの方じゃなくて本棚や床やらに命中、爆発炎上し…
「ってなんつーことしてくれるんだあいつはーっ!?」
とーぜんながら、【なにか】が当たった場所はメラメラ燃えだすわけで。
それも一カ所二カ所じゃなくて、あっちこっちでボンボン火の手があがりだす!
「ちょっとナナナ!この図書館消火機能とかないの!?」
> 「そんなのありません〜!みなさんこそ魔法使いなんだから、消火の魔法とか使えないんですか〜!?」
「少なくともあたしは使えないんだよーっ!」

>>「ほいほいほいっと。フリージアもドリルで援護頼むぞっと」
あたしとナナナが本人同士は真剣な漫才やってる中で、アホ姉はリリアーナの援護のためか光の玉を放った。
夜中に使えば明かりになって便利な能力だけど、殺傷能力は0。
ただ、軌道がある程度変えられるから、アホ姉はその光の玉をクリムゾンヘッドの周りに飛ばしている。
これでクリムゾンヘッドが釣られてくれたら、糸も当たりやすくなるかも!
>「ロクー、戻ってきて!あなたはクリムゾンヘッドなんかじゃないはず・・・・・うっ・・・・・・」
必死にロクーに呼びかけるリリアーナがうめき、膝を突く。
「リリアーナ大丈夫!?…ってまた血が出てるよ!
 傷口が開いたんじゃないの!?」
慌てて近寄り支える手に、ぬるりとした感触。
そして、赤く染まるリリアーナの服とあたしの手。
>「誰か・・・・・・糸車を・・・・・」
「わかった!あたしも手伝うから!
 ちょっとこらロクー!聞こえてるんでしょ!
 あんたクリムゾンヘッドなんか知らないって言ってたでしょうが!
 なら知らない奴に変身してんじゃないわよってか、知っててもいいから根性見せろ!
 乗っ取られてるのか操られてるのか知らないけど、焼け死にたくなかったらさっさと目を覚ませーっ!!」

5 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage 今回はブレイクタイムで短い] 投稿日:2009/10/31(土) 02:39:30 O
ムムムは石像に戻った。
ミシェル先生が何か言っている。
しかし、今の桜花はある一点しか見えていなかった。

崩れ落ちるメイレン

これしか見えていなかった
「…メイ……レ…ン……」
(マズイ……初めての…世界………消耗が…)
そのままふらふらと倒れる桜花
近付いてきたミシェル先生が桜花の顔をみると彼女は大粒の涙を流しているのが見えるだろう
「ミシェル先生……このまま二分…ほど……気絶させてくだ…さい。
二分経ったら…また起きますから。辛い事も受け入れるから……。だから、二分だけ………」
ミシェル先生にそれだけ告げるとそのまま桜花は気絶する。

6 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 03:14:55 O
なんでこの板、ロリコンばっか流行ってるんだ?
例えば妹スレはコテも住人も腐るほどいるが、逆はコテもやる気なく超過疎
健全な成人男子としては、乳もケツもないションベンクセエ魔法少女より、
美乳・美尻のセクシー魔法美女のがずっと良い

7 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/10/31(土) 06:59:01 O
前スレ>36>40
>4
> 「僕は相手が機械であるなら無敵だ!必殺グレムリンウェーブ!
>  EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」
> アメコミ風の超音波を発するギズモ
ギズモの能力は機械の破壊である。それは、
ノビールアームも、ミサイル(便宜上の名前)も同じだった。
「小ざかしい真似をっ!死期があと数分伸びただけで、何も変わらんぞッッ!」
> >>「ほいほいほいっと。フリージアもドリルで援護頼むぞっと」
アナスタシアはリリアーナの援護のために光の玉を放つ。
最初は警戒したクリムゾンヘッドだったが、それが殺傷能力を持たないと見るや、
彼は左の爪でアナスタシアに向ってとっつきを行った。
「死ぬがいいっ!貴様らは知らなくてよいものを知ってしまった!」
攻撃はアナスタシアから外れたが、後ろにあった本棚を貫通した。
アナスタシアは成功したのだ。クリムゾンヘッドの気を、リリアーナから逸らす事を。

> (今だ!)
> リリアーナは糸車の糸の先を、ロクーに向けて投げた。
> か細い糸は、まるで意思があるかのようにまっすぐロクーへと飛んでいく。
「何をするつもりだッッ!!」
クリムゾンヘッドは、本棚をばきばきと裂きながら左手を薙ぎ、糸を切ろうとした。
> 刹那、糸の先が軌道を変えた。
思ひ出の糸車から出た糸がクリムゾンヘッドの腕に絡みつく。
> 「ロクー、戻ってきて!あなたはクリムゾンヘッドなんかじゃないはず・・・・・うっ・・・・・・」
> 小さくうめき、リリアーナは膝をついた。
> 「リリアーナ大丈夫!?…ってまた血が出てるよ!
>  傷口が開いたんじゃないの!?」
慌ててリリアーナに近づくミルク。リリアーナの、
> 糸車を持つ手ががくがく震えている。疲労と負傷の影響で、力が入らないようだ。
> 「誰か・・・・・・糸車を・・・・・」
> 「わかった!あたしも手伝うから!
>  ちょっとこらロクー!聞こえてるんでしょ!
>  あんたクリムゾンヘッドなんか知らないって言ってたでしょうが!
>  なら知らない奴に変身してんじゃないわよってか、知っててもいいから根性見せろ!
>  乗っ取られてるのか操られてるのか知らないけど、焼け死にたくなかったらさっさと目を覚ませーっ!!」
>「いや…聞こえているかどうか怪しいぜ。見ろ、ミルク。あいつは今放心状態になっている。
> 何か過去にあった大切な事でも思い出してるんじゃねぇか?」
レベッカがミルクにそう言った。クリムゾンヘッドは、
糸車の糸が腕に巻きついた後、急におとなしくなり、呆然としていた。
>「そもそもおめーらは、なんでロクーの方が本当の人格だと思ってるんだ?
> 俺達からすれば、ロクーとクルムゾンヘッドのどちらが本当の人格かなんてわかるはずがねぇ。
> もしかしたら、今俺達が見ているクルムゾンヘッドの方が本来の人格で、ロクーの方が異常なのかもしれねぇ。
> この世の中、常に善人が正しいとはかぎらねーんだ。」
レベッカが続ける。
>「悪い事は言わねぇ。今の内にクルムゾンヘッドを倒すんだ。
> お前は確かこう言ったぜ、リリアーナ。俺は役立たずじゃねぇ。知識でサポートできるってなぁ。
> その言葉が本心からならよぉ、俺の言う事を聞いてくれよ。
> 俺はどうしても不安なんだ。あいつ、クリムゾンヘッドは、
> 何か俺達の想像もつかねぇもんを隠し持ってるに違いねぇ。
> そいつを出す前に奴を倒すには、今しかねぇんだよぉ。」

クリムゾンヘッドの葉巻の長さは、残り14センチである。

8 名前:ベルジン ◆YmZ.sWYRgo [sage] 投稿日:2009/10/31(土) 12:03:22 O
>>5
>>ミシェル先生にそれだけ告げるとそのまま桜花は気絶する。

「シュスター先生…彼女はよく頑張ってくれた…」
ふと現れたベルジンはミシェルにそう呟くと
防虫剤の臭いが漂うコートを脱ぎ、横たわる桜花にそっと掛けた

「…私は何もできなかった…か………」


9 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/10/31(土) 21:15:40 O
うんこ




出そう…

10 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/10/31(土) 21:17:02 P
>38−40>4>7
>「ちょっとナナナ!この図書館消火機能とかないの!?」
>「そんなのありません〜!みなさんこそ魔法使いなんだから、消火の魔法とか使えないんですか〜!?」
>「少なくともあたしは使えないんだよーっ!」
>「ほいほいほいっと。フリージアもドリルで援護頼むぞっと」
「火を消すのだったら私の出番ですわ!
 雪と氷の精霊よ!私は命じますわ!雪を降らせてこの火を消しておしまいなさい!!」
フリージアは室内で雪を降らせて火を消し止めるつもりだ

>「小ざかしい真似をっ!死期があと数分伸びただけで、何も変わらんぞッッ!」
「それはどうかな?お母さんフリージングドールを僕に!!」
だがフリージアは火を消すのに忙しかった

レベッカが言うにはクリムゾンヘッドこそがあいつの本性であり
ロクーが後から生まれた人格なのだということだ

フリージアが雪を降らせて火を消している間
いそいそとフリージングドールを操るチェーンを手にはめるギズモ
「僕自身に戦う力は無いけれど・・・・フリージングドールならば!!」
チェーンを引っ張りフリージングドールを動かすギズモ
「フリージングドールアクション!!」
ギズモの目の前に文字が浮かび上がる
”我、氷の女王の名においてこれを製造する。汝らに罪無し”
これには特に意味はなくあえて言うのなら格好いいからである
「確か・・・・ドリルブリザァァァド!!」
フリージングドールのドリルブリザードを使おうとするギズモ
だがしかしドリルは回るがブリザードは起こらない
それは何故かと言うならばブリザード自身はフリージアの魔力を増幅させたものであり
フリージアで無いと起こせないからだ
「だったら・・・・・ブリザードソォォォォド!!」
フリージングドールのスカートの内側にずらっと並んでいる隠し剣
フリージア自身は剣の技能を持っていないため使えないが・・・・
ギズモもやっぱり使えなかった
「使えないなら投げれば良いやv」
フリージングドールのパワーで適当に剣を投げつけるギズモ
所詮シロート・・・当たる訳がない
「当たらないなら当たるまで投げるよ♪」

「これで消火は完了ですわ。次は・・・あら?何でギズモちゃんがフリージングドールを?
 まあいいですわ!誰かターンアンデッドをクリムゾンヘッドに!!
 ヴァンエレンさんは影響受けないように効果範囲外に逃げてくださいまし!!」
ターンアンデッド・・・それはアンデッドに大ダメージを与える神聖呪文である
神聖呪文であるからにはミシェルかアナスタシアもしくは両者ともに使えるはずである
そういえば何故ゆえに神聖呪文に悪魔対策の呪文が少ないのだろうか?
やはり属する派閥が違うだけで種族的にはほとんど同じだからなのだろうか?
神魔族の謎は多い

「ここはルズさんを投げて攻撃したほうが良いかしら?
 ルズさん確か炎の魔法得意でしたわよね」
外道な戦法を考えるフリージア
果たしてルズの運命は?

11 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 動けるうちに(ry] 投稿日:2009/10/31(土) 23:50:58 O
>7 >10
>>「いや…聞こえているかどうか怪しいぜ。見ろ、ミルク。あいつは今放心状態になっている。
>> 何か過去にあった大切な事でも思い出してるんじゃねぇか?」
>「…確かに」
不本意ながらも、レベッカの言葉にはうなずくしかない。
ロクーの記憶を引き出せてないのが確実なら、ほかになにか打つ手はある?
答えはノー。
あたしにはロクーの精神を前に出す手段は思いつかない。

>>「そもそもおめーらは、なんでロクーの方が本当の人格だと思ってるんだ? (中略)
>> そいつを出す前に奴を倒すには、今しかねぇんだよぉ。」
>「僕自身に戦う力は無いけれど・・・・フリージングドールならば!!」
>「フリージングドールアクション!!」
早速戦おうとするギズモだが戦闘能力のない身の悲しさ、フリージングドールは操れても攻撃は不発に終わる。
>「使えないなら投げれば良いやv」
>「当たらないなら当たるまで投げるよ♪」
>「これで消火は完了ですわ。次は・・・あら?何でギズモちゃんがフリージングドールを?
「いや…まあその…」
> まあいいですわ!誰かターンアンデッドをクリムゾンヘッドに!!
> ヴァンエレンさんは影響受けないように効果範囲外に逃げてくださいまし!!」

>>「ベルジンのおかげで力も回復してきたし、ターンアンデッドくらいなら撃てるぞ。
>> でもいーのかー?ターンアンデッドに成功しちゃったら、後戻りは出来ないのは知ってるよな?
>> 二度とロクーに会えなくなっちゃうぞー」
確認を取るようにアホ姉が言うのは、ターンアンデッドで滅びた不死者が完全に成仏しちゃうから。
魔法は、ときに死の壁を超えて死者を連れ戻す。
でも、与えられていた偽りの命から解き放たれた死者を呼び戻すのに成功した者は、記録上は存在しないらしい。

…レベッカは、あたしたちの安全を考えてクリムゾンヘッドを倒せと言っている。
レベッカは役立たずじゃなくて知識で役立つ、と言ったリリアーナの意見には、あたしも同意する。
なら、今はその信頼を行動で示す時じゃないのか?
それをお姉ちゃんに任せて丸投げにしてどうするあたし!
>「ここはルズさんを投げて攻撃したほうが良いかしら?
> ルズさん確か炎の魔法得意でしたわよね」 
「……わかった。レベッカを信じる。あたしが奴を倒す。
 動かない的が相手なら、範囲を最小まで絞れば周囲に火をつけずにメギドで攻撃できるはず。
 あたしが失敗した時は、フォローよろしく」

12 名前:ターロン&アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/10/31(土) 23:54:56 O
前スレ34-35 40 >5 >7-8 >10-11
クリムゾンヘッドの攻撃が火によるものであるのを見たターロンは、素早くリリアーナの後ろに回った。
今は御札が彼の体であり、火が移ったりしたら大変なことになるからだ。
その後は隠れていたターロンだが、ミルクがクリムゾンヘッドを攻撃しようとするとすぐに喋り出す。
「容易ならざる事態です。階上のメイレン様の妖力が変化しています。
 もしかすると、メイレン様の身によからぬ事があったのかもしれません。
 それに、はたしてあのロクーなる少年をこのまま見捨てて良いものでしょうか?
 本来なら進退窮まり、苦渋の決断を下さねばならぬ所でしょう。
 ところが、私は今の状況を打開できる人物に心当たりがあります。
 …それはあなたです。リリアーナさん。」

少し間をおいて、ターロンは言葉を続ける。
「失礼ながら少し調べさせてもらったところ、あなたは内に強い能力を秘めておられるようだ。
 なぜその力を今、必要な時に使われないのです?
 あなたが力を使えば、仲間やメイレン様を助けることも容易いでしょうに。
 もちろん、ゾンビ化し、変身して暴れているロクーという少年も助けることができるでしょう。
 あなたの同意と協力があれば、私が封印を解きましょう。
 もう時間がありません。一刻も早いご決断を」
リリアーナはカドゥケウスという名の、神器といえるほど強力な杖をその身に封印している。
ターロンは、その杖の力を使って現状を打開することをリリアーナに勧めているのだ。
リリアーナが同意すればターロンは即座に封印を解き、カドゥケウスの力を使えるようにするだろう。


>「…私は何もできなかった…か………」
「まだまだ活躍の場くらい、いくらでも残ってるぞー♪
 とりあえずー、桜花が起きたらこれ飲ませてやれ。
 回復薬だから飲めば少しはましになるだろ♪」
一方、階上の異変について聞いたアナスタシアは、図書館の事は放り出して墓場に戻ってきていた。
ベルジンに回復薬を渡した後、倒れた桜花の横にしゃがみ込んで頬をツンツンするアナスタシア。
それからやっと、バラバラになったメイレンと、石像になったムムムを交互に見比べる。
「下ではロクーがクリムゾンヘッドォ!とか叫びながら暴れ出したんだけど、上も大変だったみたいだなー。
 なにがあったのか簡単に説明してもらっていいか?」

13 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/01(日) 20:33:47 O
ブリテン地方の寒い冬の夕方。
ロクーはいつものように街頭で露店を開いていた。
「ノビールアームはいりませんかー!ノビールアームはいりませんかー!」
ロクーはエンジニアだった。自分で機械を作っては露天で売って日々の糧を稼いでいたのだ。
しかし、魔法技術の急速な発展により、そんなロクーの商品を誰も見向きもしなくなっていた。
ロクーの最高傑作、ノビールアームもまた、今日も一台も売れなかった。
「しょぼ〜ん!!」
ロクーは全力でがっかりした後、家に帰ることにした。
「困ったな〜、どうしよう。妹のエリザが病気だってのに、これじゃ薬が買えねぇぞ〜。

 せめて何かいいもんくわせてやらねぇとな…」
その時、ちょうどロクーは宝石店の前を通りがかっていた。

「かんべんしてくれよ〜!かんべんしてくれよ〜!」
数分後、ロクーは屈強な3人の男達に組み伏せられていた。
彼らは、宝石店に雇われている用心棒だ。
>「うるせぇ、どの口が言ってんだこのタコ!」
>>「俺達が見てる前で堂々と盗みを働こうとはなぁ!」
>「そのへんてこな機械を使えば気づかれないとでも思ったのか!?
> 正真正銘の馬鹿だぜー!」
そう、ロクーはノビールアームを使って万引きしようとしたのだ。
「妹が病気なんだよ〜!金がいるんだよ〜!
 ちょっとくらい貰ってもバチはあたんね〜だろ〜!?
 お前ら、貴族相手に目一杯儲けてるじゃね〜か〜!」
>「ばっきゃろー!それで盗みが許されるなら、
> 俺は自分のばあちゃんに毒を盛るぜー!」
>>「兄貴、こいつどうします?」
>「俺の生まれ故郷じゃ、盗人は指を切り落とされる。」
男の一人が、腰の山刀を抜いた。
残りの二人が笑い、ロクーが逃げられないようにがっちりと押さえつける。
「うわー!やめろー!やめてくれええええっ!!」
>「くそったれが!人の物を盗むなって聖書にも書いてあるだろうが!
> 俺がお前の指を切るんじゃねぇ!神様が俺にやらせるのさっ!
> 恨むんなら神様を恨みな、ボウズ!へへへっ!」
男の山刀が振り下ろされ、血しぶきと共に切断された指が宙を舞う。
ブリテンの夜に笑い声と悲鳴が響いた。
>「ぎにぃやあああああああっ!?」
悲鳴をあげたのは男の方だった。
>「兄貴!?大丈夫ですか兄貴ぃ!?」
「痛ぇよ〜!!超痛ぇよ〜!!」
>>「一体何が起こったっていうんだ!?このボウズの指は無事で、兄貴の指が切れた…!」
w「君らごときが神の代行を名乗るのは、随分おこがましいことじゃないのかなぁ?」

ロクーを含めた4人の視線が、一斉に、路地裏にたたずむ一人の男へと注がれた。
建物の影のせいで、男の顔ははっきりと見えない。
「なっ、何者だてめぇは〜!」
>>「…いやいや、ボウズ。それは俺達の台詞だろ。」

14 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/01(日) 20:36:07 O
>「なっ、何者だてめぇは〜!…ゲコッ!?」
改めてそう聞いた男の胸に突然大穴が開き、血と、もっとおぞましいものが噴出した。

今となっては、仲間の中で唯一無事な男が叫ぶ。
>>「きっ、貴様の仕業か!兄貴の指を切ったのも、こいつを殺したのも!」
そう言って指をさされた、胸に穴の開いた男は間もなく息を引き取った。
w「その質問に対して、もしも“はい、そうです”と答えたら、君は何をどうするつもりなのかね?」
>>「この用心棒、容赦せん!!」
用心棒の男は魔法の炎を拳に宿し、謎の男へ殴りかかって行った。
ロクーは今初めてわかったが、どうやら彼らは魔法使いだったようだ。
w「学習せん男だ。他の二人を見ても、貴様がかなう相手ではないと悟れなかったのか?
w ならば何度でも見せてやろう。ヘブンスマイルを!」
ブリテンの夜に笑い声と悲鳴が響いた。
ロクーは見た。謎の男の傍に、もう一人誰かが現れたのを。
そして、そのもう一人の誰かが男を…
謎の男に襲い掛かった用心棒の男は、体が縦に180度に折れ、口をパクパクさせた後、やがて絶命した。

最初に指を切り落とされた男は、ガタガタと震えながら謎の男を見ていた。
そして、それはロクーも全く同じだった。その謎の男が近づいてくる。ロクーにむかって!
「おっ、おら悔い改めるよ〜!もう二度と盗みなんかしねぇよ〜!
 だから神様〜!おらを殺さないで〜!」
w「神様?ちがう、ただの人間だよ。ロクー。」
「…えっ?」
ロクーは、謎の男が自分の名前を知っていたので驚いた。
w「挨拶が遅れてしまって申し訳ない。私の名はヨハネカイン・ホワイト。秘密結社ケルビムの代表だ。
w ロクー、我々は君の才能を高く評価している。私と友達になろう、ロクー。
w 君が我々に力を貸してくれるのなら、我々も君に力を貸そうじゃないか。
w 君の妹は重い病気であると聞いている。我々ケルビムの医療技術は世界一だ。
w どうだね?もしも君が我々の組織ケルビムに入るのなら、妹のエリザの病気も治してあげようじゃないか。」
ロクーには断る理由がなかった。もしも妹の件が無くても、、ロクーは断らなかっただろう。
ヨハネカイン・ホワイト。彼の言葉はとても耳に心地が良く、彼はとても素晴らしい人だと感じた。
その彼が自分を評価してくれている。ロクーはそれが嬉しかった。涙を流すほど嬉しかった。
彼がつい先ほど、二人の人間を惨殺したことなどすっかり忘れたように!
w「よろしい。それでは我々の友情の証として、君にヘブンスマイルを授けよう。
w 非魔法使いが、魔法使いに対抗しうる数少ない手段の一つだ。
w 君なら使いこなせる。私がそう見込んだように。」

>「かんべんしてくれよ〜!かんべんしてくれよ〜!」
数分後、ロクーは屈強な3人の男達を見下ろしていた。
彼らは、宝石店に雇われている用心棒だ。
一人は胸に大きな穴が開いて死んでいる。もう一人は体を縦に折られて死んでいる。
最後の一人の男、指を切られた男は、ロクーに命乞いをしていた。
「うるせぇ、どの口が言ってんだこのタコッッ!」
ロクーが残酷な笑みを浮かべて男に唾を吐いた。ホワイトがロクーの耳元に囁きかける。

w「そうだともロクー。そいつは生活に困って、やむなく盗みをした君の指を切り落とそうとしたんだ。
w そして、君は機械を作るエンジニアだ。その指は君の命と同じ価値がある。
w それを切り落とそうとした相手を許す理由なんか無い。君は降りかかる火の粉を振り払うだけだ。
w 一体その行為を誰が許さないだろうか?さぁ、ロクー。試してみてごらん。
w ヘブンスマイルの能力を。」
>「うわー!やめろー!やめてくれええええっ!!」
「ヘブンスマイルッッ!!」
ブリテンの夜に笑い声と悲鳴が響く。
ロクーは見た。自分の傍に、もう一人誰かが現れたのを。
そして、そのもう一人の誰かが男を…
>「にちゃっ!?」
男は顔が縦に割れ、やがて絶命した。


15 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage 長文すみません、これが最後です] 投稿日:2009/11/01(日) 20:38:08 O
>10>11
> フリージングドールのパワーで適当に剣を投げつけるギズモ
下手な鉄砲も数を撃てば当たる。投げられた剣の一本が、クリムゾンヘッドの左腕に直撃した。
切り落とされる左腕。それにより、クリムゾンヘッドの攻撃力は大きく削がれる。
しかし、それは左腕に巻きついていた思ひ出の糸車の糸の切断も意味していた。
「…ハッ!俺は…一体何が起こった!?」
過去の思い出から突然現在に戻ったので少々混乱していたクリムゾンヘッドだが、
口にくわえている葉巻を見て事態を把握した。
「葉巻の長さが12センチになっているッッ!俺は2分間も過去を思い出すのに時間を使ったのか!
 しかし、俺に過去を思い出させて何になるというのだッッ!馬鹿者共がッ!
 2分間の内に俺を殺さなかった事を後悔させてやるぞッッ!
 見せてやろう、これが俺のヘブンスマイルだッッ!!」
クリムゾンヘッドがそう叫ぶと、図書館内に大きな笑い声が響いた。
そして、クリムゾンヘッドの影が立体化し、彼の傍に立つ。
それこそが、かつて自分を捕まえた用心棒三人を次々と血祭りにあげた存在、ヘブンスマイルである。

ヘブンスマイル。発現する時に笑い声が聞こえることからそう名づけられたこのシステムは、
非魔法使いが魔法使いに対抗するための数少ない手段の一つである。
それは、非魔法使いである対象の影に、魔力を持った特別な霊を宿らせることで生まれる。
霊が宿った影は立体化し、宿り主を守る守護霊の働きを果たすのだ。
ヘブンスマイルは宿り主によって異なる能力を発動させることができる。
しかし、どんな宿り主のヘブンスマイルだろうと共通する能力がある。
それは、ヘブンスマイルが別の影を攻撃すると、その影の本体がダメージを受ける事である。

「貴様ッ!何か企んでいるなッッ!!」
ヘブンスマイルが狙いをつけたのはミルクだった。
ヘブンスマイルは腕を振り上げ、ミルクの影に殴りかかった。
もしもミルクが自分の影をヘブンスマイルの攻撃から避けようとしなければ、
ミルクはかつてヘブンスマイルに胸を貫かれた男と同じ死に方をするだろう。
ヘブンスマイルを攻撃して止めようなどと考えてはいけない。
それは影であり、霊なのだから、物理的接触は意味が無い。
この対処法を知らなければ、ミルク達は魔法使いといえども次々に倒されてしまうだろう。

葉巻の長さは、残り11センチである。


16 名前:リリアーナ ◇jntvk4zYjI[sage] 投稿日:2009/11/02(月) 12:51:48 O
図書館の火事は、フリージアが消火している。
ギズモとアナスタシアは、思ひ出の糸車を使わせるための援護に入ってくれた。
>思ひ出の糸車から出た糸がクリムゾンヘッドの腕に絡みつく。

ミルクはリリアーナと一緒に糸車を持ち、ロクーを呼び戻そうと叫んでいた。
>「いや…聞こえているかどうか怪しいぜ。見ろ、ミルク。あいつは今放心状態になっている。
>  何か過去にあった大切な事でも思い出してるんじゃねぇか?」
ミル「…確かに」
ミルクが頷いた。クリムゾンヘッドは、糸車の糸が腕に巻きついた後、急におとなしくなり、呆けていた。

レベッカは言った。ロクーが本来の人格であるとは限らないと。
>「悪い事は言わねぇ。今の内にクルムゾンヘッドを倒すんだ。
>  お前は確かこう言ったぜ、リリアーナ。俺は役立たずじゃねぇ。知識でサポートできるってなぁ。
>  その言葉が本心からならよぉ、俺の言う事を聞いてくれよ。
>  俺はどうしても不安なんだ。あいつ、クリムゾンヘッドは、
>  何か俺達の想像もつかねぇもんを隠し持ってるに違いねぇ。
>  そいつを出す前に奴を倒すには、今しかねぇんだよぉ。」
リリアーナの顔に苦渋の色が浮かんだ。
レベッカの信頼にこたえるためには、クリムゾンヘッドを倒さなければならない。
だが、クリムゾンヘッドはロクー自身なのだ。

フリージングドールのスカートの内側にずらっと並んでいる隠し剣を、
ギズモはフリージングドールのパワーで適当に剣を投げつけている。
>゙「当たらないなら当たるまで投げるよ♪」
火を消し止めたフリージアが、ターンアンデッドをクリムゾンヘッドにかけるよう頼んでいる。
>「ベルジンのおかげで力も回復してきたし、ターンアンデッドくらいなら撃てるぞ。
> でもいーのかー?ターンアンデッドに成功しちゃったら、後戻りは出来ないのは知ってるよな?
> 二度とロクーに会えなくなっちゃうぞー」
>「……わかった。レベッカを信じる。あたしが奴を倒す。
> 動かない的が相手なら、範囲を最小まで絞れば周囲に火をつけずにメギドで攻撃できるはず。
> あたしが失敗した時は、フォローよろしく」
ミルクの言葉を聞き、リリアーナの顔がくしゃりと歪んだ。
「本当に、・・・・・・本当にそれしか方法が無いのね?」
ならば、受け入れるしかない。
だがリリアーナは、頭ではちゃんと理解はしていても、納得はしていない顔だ。
「ごめん。こんなことじゃダメだよね。
 でも、元気になる豆をくれたり友達だと言ってくれたロクーの笑顔が、とても偽りのものとは思えないの」

ちなみに、その頃のルズとフリージアさんは。
>「ここはルズさんを投げて攻撃したほうが良いかしら?
> ルズさん確か炎の魔法得意でしたわよね」
「いやいやいや、炎系得意なのはわたくしではなくマンダで・・・・・き、聞いていらっしゃいます?
 あ、嫌ですわ女王様何を・・・・・・やめ・・・ちょ・・・フギャー!!」
空飛ぶ黒猫の受難は、まだまだ続くようだ。

17 名前:リリアーナ ◇jntvk4zYjI[sage] 投稿日:2009/11/02(月) 12:53:12 O
>「容易ならざる事態です。階上のメイレン様の妖力が変化しています。
> もしかすると、メイレン様の身によからぬ事があったのかもしれません。 」
「ターロン、いつの間に!」
ターロンは、リリアーナの心を見透かしたように続ける。
>「それに、はたしてあのロクーなる少年をこのまま見捨てて良いものでしょうか?
> 本来なら進退窮まり、苦渋の決断を下さねばならぬ所でしょう。
> ところが、私は今の状況を打開できる人物に心当たりがあります。
> …それはあなたです。リリアーナさん。」
「・・・・・・何が言いたいの?」
>「失礼ながら少し調べさせてもらったところ、あなたは内に強い能力を秘めておられるようだ。
> なぜその力を今、必要な時に使われないのです? (中略)
> あなたの同意と協力があれば、私が封印を解きましょう。
> もう時間がありません。一刻も早いご決断を」
リリアーナの口元がわなわなと震えた。
「やれるものなら、とっくにやってる」
リリアーナは静かに、感情を押し殺した声でそう囁いた。
「ヒーラーが!失われる命を救えない苦しみがどれほどのものか、あなたに分かる?!
 でもね、あれはダメなの。
 救うことが全てじゃないの。封印を解いてはだめ。使わない、そう決めたの!!」
ターロンがどれほど言葉を尽くそうが、彼女が正気なうちは、封印を解くための協力など決してしないだろう。

>投げられた剣の一本が、クリムゾンヘッドの左腕に直撃した。
>切り落とされる左腕。それにより、クリムゾンヘッドの攻撃力は大きく削がれる。
>しかし、それは左腕に巻きついていた思ひ出の糸車の糸の切断も意味していた。
「キャ――――!!」
頭を押さえたリリアーナは悲鳴をあげた。
そう、糸が突然切断されたため、ロクーの過去が糸車を持っていた者へと一気に逆流してきたのだ。
ダメージは殆ど術者のリリアーナが受けたようだが、ミルクやレベッカも記憶の一部を垣間見ただろう。
そして、リリアーナの悲鳴は墓地にいるミシェル達にも聞こえたはずだ。

糸を斬られた衝撃で苦しみながら、リリアーナは考えていた。
なぜこうもロクーという存在には、リリアーナの記憶と符合するものばかりが出てくるのだろう?と。
そう。名前は少し違うが、リリアーナの想い人には、エルザという名の分身のような存在がいたのだ。
外見までそっくりなロクーに、名前が一文字違いのエリザという妹。
偶然と呼ぶには、あまりにも出来すぎていた。

「ヴァンエレン、ヘブンスマイルって何なの?影が立体化して人を襲う魔法なんて聞いたこと無いよ!」
頭を押さえて悶絶していたリリアーナが、やっと発したのはこれだった。
レベッカを除けばこの中で一番年上(?)であるヴァンエレンなら、何か知っているかもしれないと思ったのだ。
実際は違うが、記憶を垣間見たリリアーナは、ヘブンスマイルを魔法の力だと勘違いしたようだ。

>「貴様ッ!何か企んでいるなッッ!!」
蹲っていたいたリリアーナが、はっと顔を上げた。
目の前ではヘブンスマイルは腕を振り上げ、ミルクの影に殴りかかろうと迫ってくる。
「あぶない、ミルク!」
リリアーナは、渾身の力でミルクを突き飛ばした。
結果ヘブンスマイルの腕、ミルクの影ではなく倒れ込んだリリアーナに振り下ろされる。

「ロクー、エリザはどうなったの?
 自分の病気のせいでお兄さんが変わってしまった事、彼女は喜んでくれたの?!」

18 名前:ミシェル ◆pP6eYSrQUy.9 [sage 新スレ乙です] 投稿日:2009/11/03(火) 08:02:19 O
>>8 >>12 >>15 >>17

「シュスター先生…彼女はよく頑張ってくれた…」
「ええ………」
崩れ落ちた桜花をぼんやり見ていたミシェルにいつの間にか来ていたアナスタシアが喋りかけてきた。
>「下ではロクーがクリムゾンヘッドォ!とか叫びながら暴れ出したんだけど、上も大変だったみたいだなー。
なにがあったのか簡単に説明してもらっていいか?」
「ごく簡単に言うとですね、鎌を持ったメイドを倒すために桜花君が唐突に覚醒し、メイレンさんが命懸けで策を講じた。と」
ミシェルは参った。と言わんばかりに首を振って話を続けた。
「この年代の娘が人体がバラバラになっていくのをまじまじと見たら、こうもなるでしょう
傷心の女の子のケアは同性に任せる事にします。私は下に行きますかね」
この優男はイマイチ女の心の機微というのが判らないらしい。
桜花がぶっ倒れたのも、魔法による疲労と目の前のショッキングな光景のせいだと思っている。
当たらずとも。といった所なのだろうが。
そしてミシェルは宣言通り地下へ歩いていく。まるで散歩にでも行くかの如く軽い足取りでだ。
その途中でイヤに耳障りな笑い声が聞こえる。魔法使いからしたら本当にイヤな声だ。
ヘブンズスマイル。主に影に対して効果がある。程度の認識だ。
魔法使いへの切り札のように使われるので対処法も考察はされているので必要以上には恐れなくともよい。
>「あぶない、ミルク!」
入り口にさしかかった所で、それっぽい怒鳴り声が聞こえたのでやはりミシェルもそれっぽく指を鳴らす。
が、不発。カスッと非常にカッコ悪い音しかしなかった。それでも魔法はキチンと発動したのだが。
何も難しい事はしていない。火を出しただけだ。
影が攻撃対象、言わば的なのでその場から的を動かした。という訳だ。飽くまでもその場しのぎにしかならないが有効ではある。
「悪足掻きせずにさっさと地獄に逝け」
そしてそうロクーにセリフを吐き捨てる。悪魔祓い上がりの職業病のようなものだ。人に害する異形は殲滅すべし。
今、彼にはロクーが駆除対象の蜂(或いは白アリか)程度にしか見えていない。
普段の、割と丁寧口調を心掛けているミシェルしか知らなければ、かなりガラが悪く見えるだろう。

19 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/03(火) 21:21:48 O
>11>12>16>17
> 「……わかった。レベッカを信じる。あたしが奴を倒す。
>  動かない的が相手なら、範囲を最小まで絞れば周囲に火をつけずにメギドで攻撃できるはず。
>  あたしが失敗した時は、フォローよろしく」
> ミルクの言葉を聞き、リリアーナの顔がくしゃりと歪んだ。
> 「本当に、・・・・・・本当にそれしか方法が無いのね?」
「頭では理解しているが、納得はしてねぇって顔をしてるぜ、リー。」
> 「ごめん。こんなことじゃダメだよね。
>  でも、元気になる豆をくれたり友達だと言ってくれたロクーの笑顔が、とても偽りのものとは思えないの」
「いい勉強したと考えた方がいいぜ。世の中には自分自身にさえ嘘をつける奴がいるとわかったってな。」
> 「容易ならざる事態です。階上のメイレン様の妖力が変化しています。
>  もしかすると、メイレン様の身によからぬ事があったのかもしれません。」
> 「ターロン、いつの間に!」
「馬鹿な。メイレンがあのメイドに苦戦しているとでも言うのか?」
> 「それに、はたしてあのロクーなる少年をこのまま見捨てて良いものでしょうか?
>  本来なら進退窮まり、苦渋の決断を下さねばならぬ所でしょう。
>  ところが、私は今の状況を打開できる人物に心当たりがあります。
>  …それはあなたです。リリアーナさん。」
> 「・・・・・・何が言いたいの?」

レベッカはターロンとリリアーナの会話を黙って聞いていた。
> ターロンがどれほど言葉を尽くそうが、彼女が正気なうちは、封印を解くための協力など決してしないだろう。
「リー、俺には事情はわからねーが、おめぇがそこまで駄目だって言うのなら、使うこたーねぇ。
 なにしろ俺が死んだ時も使わなかったんだ。よっぽどの事情があるんだろ。
 俺はおめぇを責めたりしねぇよ。ロクーが死んでも。メイレンが死んでも。俺が死んでも…」
レベッカがやっと口を開いた。
「人間てのは、だいたい50年。長く生きても80年でこの世から死んでいなくなる。
 短けぇよなぁ。妖怪と比べたら、本当に短けぇよなぁ、ターロン。
 けどよぉ、リー。だからこそ人間は、大切な人間が死んだ時でも、その哀しみを乗り越える力を持っている。
 妖怪の俺が言うのも変だが、人間の強さってのはそこにあるんだよ。
 死を受け入れることで、逆に死を克服している。
 こいつぁ、どんな強力な妖怪でも持っていない力なんだ。
 例え一人の人間が死んでも、別の人間がその魂を心に刻んで生きていく。
 そのまた人間が死んでも、また別の人間がその魂を心に刻んで生きていく。
 妖怪達はその力を恐れてこう呼んだ。“命につく名”とな。

 ちょいとばかし長く喋りすぎちまったが、要はおめぇの意見に賛成だってことだ、リー。
 救うことが全てじゃない…か。もしも俺たちがロクーを殺す事になっても、
 だが、もしかしたらおめぇはロクーを救うのかもしれないな。
 見せてもらうぜ。おめぇの可能性を。」

> 「キャ――――!!」
> 頭を押さえたリリアーナは悲鳴をあげた。
その理由は聞くまでもなかった。レベッカもミルクもそれを“見た”のだから。
> そう、糸が突然切断されたため、ロクーの過去が糸車を持っていた者へと一気に逆流してきたのだ。
「あいつ…とんでもねぇ野郎だ!笑いながら、人間を殺しやがって…だが、あの笑い声は何なんだ!?」
> 「ヴァンエレン、ヘブンスマイルって何なの?影が立体化して人を襲う魔法なんて聞いたこと無いよ!」

20 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/03(火) 21:23:10 O
>18
> 「あぶない、ミルク!」
> リリアーナは、渾身の力でミルクを突き飛ばした。
> 結果ヘブンスマイルの腕、ミルクの影ではなく倒れ込んだリリアーナに振り下ろされる。
ヘブンスマイルの腕が、リリアーナの胴体を貫いた!
「ちっ、悪運の強い奴めッ!それとも、このヘブンスマイルを知っているのかッ!?」
ヘブンスマイルの腕がリリアーナの胴体から引き抜かれたが、リリアーナには何のダメージも無かった。
ヘブンスマイルは影であり、霊である。物理的接触は全く意味が無いのだ。
>「肝を冷やしたぜ、リー。たまたま攻撃が当たらなかったから良かったものの…
> 気をつけろよ。この俺レベッカ・ウォンの集計結果では、負傷率ぶっちぎりNo.1はリーなんだからなぁ。」
レベッカはリリアーナほどロクーの過去の記憶を見ていなかったので、
リリアーナの行為が単なる自己犠牲の自殺行為にしか見えなかった。
おそらくそれはミルクも同じであろう。説明が必要かもしれない。ヘブンスマイルは影に攻撃することを。

クリムゾンヘッドは入り口にいるミシェルを見て言った。
「貴様ッ!ヘブンスマイルを知っているなッ!?」
> 「悪足掻きせずにさっさと地獄に逝け」
「これからそうなるのは貴様らの方だッ!依然、変わり無くッッ!!」
> 「ロクー、エリザはどうなったの?
>  自分の病気のせいでお兄さんが変わってしまった事、彼女は喜んでくれたの?!」
「何いッッ!!?」
リリアーナの言葉は、クリムゾンヘッドにとって意外すぎた。
しかし、少しするとクリムゾンヘッドは事情を悟った。
「俺の過去の記憶を…
 リリアーナ!きさま!見ているなッ!」
クリムゾンヘッドは、過去にオウカに言われた事を真似して言った。
案外お茶目な性格なのかもしれない。ただ一つ残念なのは、
それはオウカが時間を止めている間に言ったことなので、誰にもネタがわからない事である。
「そんな事を聞いて、俺が“妹はガンだったんだ”とか報告するとでも思っているのかッ!?
 馬鹿な奴め!俺の妹よりも自分の命を心配するべきだッッ!!」
そうリリアーナに指をさしたクリムゾンヘッドの右手に、何か黒い物がぶら下がっていた。
「ところで、さっき貴様らが投げたこの黒猫だが、一体何なのだ?」
それはさっき投げられたルズだった。
そして、どうもクリムゾンヘッドは、彼女に敵意を持っていなかった。動物だからだろうか?
秘密結社ケルビムのアイデンティティーは人類を知恵の実(生命の秘密)に
近づかせない事なので、実は動物は問題ないのである。魔法使いだとばれたら別だが。
「か…勘違いするなよっ!俺は貴様らが素直に質問に答えると期待したわけじゃないぞッッ!」

「ヘブンスマイルッッ!!」
ヘブンスマイルが、本棚の影に横薙ぎに蹴りを入れた。ヘブンスマイルの怪力ぶりは、
リリアーナ、レベッカ、ミルクがロクーの過去の記憶の中で見た通りである。
本棚の破片が散弾のように飛び散り、図書館にいるメンバーを無差別に襲う。
クリムゾンヘッドにも破片が刺さったが、あまり気にしていないようだ。

21 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/04(水) 00:27:29 P
>15>16>20
「ビンゴv」
普段は投げられる側であるギズモが投げた剣がクリムゾンヘッドの腕を切り落とした
当たったことに無邪気に喜ぶギズモ
「次はもう片方の腕をもらうよv」
やっぱりこの子、悪魔だよ

>「いやいやいや、炎系得意なのはわたくしではなくマンダで・・・・・き、聞いていらっしゃいます?
 あ、嫌ですわ女王様何を・・・・・・やめ・・・ちょ・・・フギャー!!」

>「ところで、さっき貴様らが投げたこの黒猫だが、一体何なのだ?」
ルズに攻撃するわけでもなくただ手にぶら下げるだけのロクー
「ちぃ・・・役に立たない舎弟ですわ」
まさに外道である

>「か…勘違いするなよっ!俺は貴様らが素直に質問に答えると期待したわけじゃないぞッッ!」
「お〜ほっほっほっほ!そんなの投擲武器として投げたに決まってるじゃありませんの!!」
悪びれもせずに無駄に偉そうなフリージアさん
フリージアさんにとっては友人と身内意外は割とどうでもいいのである

>「悪足掻きせずにさっさと地獄に逝け」
ゾンビ相手には容赦のないミシェル
>「ヘブンスマイルッッ!!」
能力を発動させるクリムゾンヘッド
「一体、何を!?」
ロクーの影が本棚の影に蹴りを入れると
本物の本棚が砕け散り散弾のように襲い掛かってくる
「散弾には散弾ですわ!」
氷の塊を目の前に生み出しそれを蹴り砕くフリージア
「氷結散弾脚!!」
氷結散弾脚、それはレオ先生の破岩散弾脚をぱく・・・・もとい参考に編み出したフリージアの必殺技である
破岩散弾脚との一番の違いは岩が無くてもどこでも使えるということだ
さらに破片を飛ばすのは純粋な脚力のため魔力の消費が少なくてすむ
そしてキックで破片を飛ばすだけなので魔法無効化能力に影響されないという便利な技である
とはいえ今までそんな相手とは戦ったことがないのだが・・・・

「お、お母さん!こんな狭いところで散弾系の技なんて使わないでよ!!」
あわててフリージングドールの影に隠れるギズモ
「あいつの能力は自分の影を使って他人の影に影響を与えるみたいだね」
何故ギズモがそのことに気がついたか?
それは彼が悪魔だからである
悪魔との契約の第一段階では只で力をくれる
しかし第二段階では悪魔との契約の印として姿が醜くなる、体の一部が不自由になる、影がなくなるの三つのうちから一つを選ばせる
それ故に影の能力に気づくことが出来たのである
ちなみに当然の事ながら最終段階には死後に魂を受け渡すのが条件だ

「だったらやっぱり神聖呪文で大きな光を生んで影を消すのが有効ですわね」
その方法だとやっぱりヴァンエレンは要退避である
ちなみにもう一つの有効な方法としては時を食べる柱時計を使い葉巻の残りの時間をすべて食ってもらう事なのだが
フリージアさんは葉巻とクリムゾンヘッドの因果関係にまだ気がついていないため使われる事は無いだろう

22 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/11/04(水) 22:44:01 0
>10
フリージアがアンデッドに効果がある神聖呪文を使用するので巻き添え食らわないように逃げろとのこと。
「おk!逃げるのは得意だ!」
いい終わる前にヴァンエレンは効果範囲外より逃げ切っていた。

>17>15
クリムゾンヘッドがスタ・・・ヘブンスマイルを発動させた。
>「ヴァンエレン、ヘブンスマイルって何なの?影が立体化して人を襲う魔法なんて聞いたこと無いよ!」
「ヘブンスマイル…。
 地下図書館の本で読んだ事がある…」
知っているのか?雷d…ヴァンエレン。
「魔法を使えない者でも魔法使いに対抗しうる術のひとつ。
 これは魔法ではなく、立体化した自分の影を使ってそれぞれの能力を行使できるのだとか」
 
学園の地下図書館の本で読んだ事があるのである程度は知っている模様。
>「貴様ッ!何か企んでいるなッッ!!」
どうやら近距離パワー型らしきそれはミルクに攻撃を仕掛ける。
危険を察知したリリアーナはミルクを突き飛ばして代わりに攻撃を受けていた。
だがリリアーナは無傷であった。
「ヘブンスマイルの特徴は対象の影を攻撃しないと傷ひとつつけることはできない。
 だったかな?だからリリアーナは無傷で済んだっぽいね」

>20
>「ヘブンスマイルッッ!!」
本棚の影を攻撃することによって本棚を破壊して、その破片を飛ばしてきた。
向かってくる破片を蹴りや拳で対処するヴァンエレン。

『さて…そろそろ探すか』
いままで人間模様と成り行きを見守っていた黒犬はずらりと並ぶ本棚のかなたへ消えていった。

23 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/05(木) 18:35:14 O
>13-22
>「本当に、・・・・・・本当にそれしか方法が無いのね?」
>「頭では理解しているが、納得はしてねぇって顔をしてるぜ、リー。」
「…あるかもしれないけど、今は思いつかない」
決断はした。それでも。リリアーナの表情を見ると心が揺れる。
>「ごめん。こんなことじゃダメだよね。
> でも、元気になる豆をくれたり友達だと言ってくれたロクーの笑顔が、とても偽りのものとは思えないの」
>「いい勉強したと考えた方がいいぜ。世の中には自分自身にさえ嘘をつける奴がいるとわかったってな。」
「ロクーの行動はダミーで、本命はクリムゾンヘッドだって事…?
 …あいつ、最初っからあたしたちを騙すつもりで近づいてきたのか…」
クリムゾンヘッドは最初からあたしたちを友達だなんて思ってなかった。
それなら、そう思えば、クリムゾンヘッドを倒すのに未練は無くなる。
よし。もう一度、魔法に集中し直して、今度こそメギドで…!

と、意気込んでたら、邪魔が入って集中がとぎれましたよ。
邪魔はターロンが入れたもので、リリアーナの力なら現状をなんとかできるとかなんとか言い出した。
>「ヒーラーが!失われる命を救えない苦しみがどれほどのものか、あなたに分かる?!
> でもね、あれはダメなの。
> 救うことが全てじゃないの。封印を解いてはだめ。使わない、そう決めたの!!」
言われたリリアーナの方は心当たりがあるのか、顔面蒼白のまま普段では想像もつかない激烈な反応を見せた。
ターロンはまだ説得しようとしてるけど、リリアーナの気持ちは変わりそうにない。
救うことが全てじゃない、とまで(しかもあのリリアーナがだ)言って使うのをイヤがる力。
そんなにイヤがるほどの力って一体なんだろう?
…興味はある。あるけど。

>「リー、俺には事情はわからねーが、おめぇがそこまで駄目だって言うのなら、使うこたーねぇ。
> なにしろ俺が死んだ時も使わなかったんだ。よっぽどの事情があるんだろ。
> 俺はおめぇを責めたりしねぇよ。ロクーが死んでも。メイレンが死んでも。俺が死んでも…」
レベッカが言うように、そこまでの事情を押してまで力を使う必要なんか無い。
今は苦しい選択でも、後でずっと悔やむ選択なんかいらない。
にしても、レベッカもマジモード入ると本当に真っ当なこと言い出すな…
ずっとこれなら相手するのも楽なのに…3分以上マジモードになれない呪いでもかかってるのかな…

「さて!それじゃいよいよ一発派手に…うわっ!?」
>「キャ――――!!」
今度こそと魔法の狙いをつけた集中は、リリアーナの悲鳴と一緒にまたまた消し飛んだ。
もちろん原因はリリアーナの悲鳴ではなく、急に脳裏に浮かんだイメージだ。
雪の町。押さえつけられた少年。謎の男。笑い声と悲鳴と鮮血に染まる純白。
これはクリムゾンヘッド……ロクーの記憶?
>「…ハッ!俺は…一体何が起こった!?」
悪いことは重なるものと昔から決まっているらしい。
さっきの衝撃でメギドは集中し直しの上、クリムゾンヘッドの奴が正気に戻りやがった。
>「葉巻の長さが12センチになっているッッ!俺は2分間も過去を思い出すのに時間を使ったのか!
> (中略)見せてやろう、これが俺のヘブンスマイルだッッ!!」
さっきのイメージと同じ笑い声が響き、ロクーの側で影が立体的に立ち上がる。

>「ヘブンスマイル…。
> 地下図書館の本で読んだ事がある…」
「ヴァンエレン知ってるの!?」
>「魔法を使えない者でも魔法使いに対抗しうる術のひとつ。
> これは魔法ではなく、立体化した自分の影を使ってそれぞれの能力を行使できるのだとか」
「それで対処法はどうするの!?まあいいか吹っ飛ばせば同じだしな!」
>「貴様ッ!何か企んでいるなッッ!!」
あたしがメギドでクリムゾンヘッドに狙いをつけると、あちらもその意図に気づいたらしい。
影が動く。脳裏によみがえるさっきの記憶。
避けなきゃ死ぬ。殺された男たちは、どんな方法で殺されてたっけ…?

24 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/05(木) 18:59:44 O
> 「あぶない、ミルク!」
どんと突き飛ばされ、あたしは尻餅をつく。
「ちょっ…!」
変わりに、突き飛ばしたリリアーナに影の腕が伸び、体を貫いて血が飛びち…ったりはしなかった。
>「ちっ、悪運の強い奴めッ!それとも、このヘブンスマイルを知っているのかッ!?」
>「ヘブンスマイルの特徴は対象の影を攻撃しないと傷ひとつつけることはできない。
> だったかな?だからリリアーナは無傷で済んだっぽいね」
「それを先に言えよ!リリアーナが死んだかと思って寿命がかなり縮んだだろ!」

>「貴様ッ!ヘブンスマイルを知っているなッ!?」
叫ぶクリムゾンヘッドに釣られて入り口に目をやれば、いつ来たのかミシェル先生の姿が。
> 「悪足掻きせずにさっさと地獄に逝け」
>「これからそうなるのは貴様らの方だッ!依然、変わり無くッッ!!」
…敵が増えたのに動じないのを見ると、まだ隠し玉があると考えた方ががいいかもしれない。
>「ロクー、エリザはどうなったの?
>  自分の病気のせいでお兄さんが変わってしまった事、彼女は喜んでくれたの?!」
>「何いッッ!!?」
リリアーナの質問に動揺するクリムゾンヘッド、やはりこうみえても妹は心配…
>「そんな事を聞いて、俺が“妹はガンだったんだ”とか報告するとでも思っているのかッ!?
> 馬鹿な奴め!俺の妹よりも自分の命を心配するべきだッッ!!」
「いやいやいや。報告してる報告してる」
…妹が気になるというより、ただ単に抜けてるだけかもしれん。

>「ところで、さっき貴様らが投げたこの黒猫だが、一体何なのだ?」
「あ」
ルズなげて攻撃するどころか、捕まってますよ人質ですよ!
ど、ど、どーするよこれ?
>「ちぃ・・・役に立たない舎弟ですわ」
「おいまて元凶。少しは迷うとかしろよ」
フリージアさんは外道だった。
>「か…勘違いするなよっ!俺は貴様らが素直に質問に答えると期待したわけじゃないぞッッ!」
>「お〜ほっほっほっほ!そんなの投擲武器として投げたに決まってるじゃありませんの!!」
…訂正しよう。フリージアさんはガチ鬼畜外道だった。
慕う相手から袖にされたルズ哀れ。

>「ヘブンスマイルッッ!!」本棚の影にクリムゾンヘッドの影が蹴りを入れると、本体の本棚が砕け散り、散弾のごとく破片が襲ってくる!
「うわわわっ…!あの野郎無茶するなっ!!メギド!」
全体無差別攻撃が物理的だったのは、あたしには幸いだった。
味方や本棚に当たらないよう注意して指定した前方範囲を爆発させ、当たりそうな破片を迎撃する。
>「散弾には散弾ですわ!」>「氷結散弾脚!!」
「ぎゃあーっ!?」
目の前にフリージアがまき散らした氷の破片が突き刺さり、慌ててフリージングドールの後ろに避難するあたし。
>「お、お母さん!こんな狭いところで散弾系の技なんて使わないでよ!!」
「そうだぞフリージア!次にやったら、名前を呼ぶときに【味方殺しのフリージア】って呼ぶからなーっ!」

>「あいつの能力は自分の影を使って他人の影に影響を与えるみたいだね」
「影なら生物無生物なんでもありか…節操のない能力だなホント」
>「だったらやっぱり神聖呪文で大きな光を生んで影を消すのが有効ですわね」
同じ場所に隠れたギズモとの会話を聞いて、フリージアが次の提案を出す。
「それならアホ姉が…。あ、あれ?アホ姉どこいった?」
肝心なときに、光属性の技や魔法が使えるアホ姉の姿が見あたらない。
「なんで大事な時に限っていないんだよーっ!
 ミシェル先生すみません!ターンアンデッドか光の呪文で影消しをお願いします!
 あたしもメギドで攻撃…って、あ…!」
しまったー!ルズを人質に取られてたの忘れてたよ!
メギドで攻撃なんかしたら、クリムゾンヘッドだけじゃなくルズまで丸焼きになるぞ!
「ごめんやっぱりあたし無理ーっ!
 フリージア!投げたルズは責任もってちゃんと回収してよーっ!!」

25 名前:アナスタシア&ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/06(金) 17:58:25 O
>5 >8 >17-22
「命がけ?それじゃあメイレンとメイドはどっちも倒せたのか。
 ナイスな展開だなーおい♪」
メイレンは、ミルク以下の生徒たちを食べる宣言を撤回していない。
そのためアナスタシアから見れば敵であり、その死を喜びこそしても悲しむ事はなかった。
> 「この年代の娘が人体がバラバラになっていくのをまじまじと見たら、こうもなるでしょう
> 傷心の女の子のケアは同性に任せる事にします。私は下に行きますかね」
「ほいきた。任された。そのかわり、下のフォローは頼んだぞ。
 起きろー起きろー早く起きろー♪」
アナスタシアは桜花の横にしゃがみ込み、ほっぺた突っつき攻撃を始めた。
攻撃はリリアーナの悲鳴が聞こえるまで続いた。
>「キャ――――!!」
「ん?なーんか切羽詰まった状況みたいだぞ♪
 よーし。総員図書館に突撃ー!」
悲鳴を聞いたアナスタシアは、桜花を引っ張って走り出す。
気絶しているか気がついたのかの確認もせずに、だ。

地下図書館にアナスタシアが到着したのは、クリムゾンヘッドとフリージアが散弾の応酬を始めた時だった。
「おー。みんな派手にやってるなー。
 あの片腕のない男が、ロクーの変身したクリムゾンヘッドだぞ♪
 ミシェルもベルジンも桜花も、頑張って裏切り者に天罰を与えるんだー!
 んー?大丈夫か桜花?意識ははっきりしてるか?
 ナナナー。桜花の治療ってできるかー?」
> 「はっ、はい!できます!」
本棚の影に隠れてはわはわ言っていたナナナが、薬瓶を手に駆けよってきた。
桜花が断らなければ、リリアーナと同じように手荒な看護(薬を口から流し込むなど)を受ける事になる。


>「ヒーラーが!失われる命を救えない苦しみがどれほどのものか、あなたに分かる?!
> でもね、あれはダメなの。
> 救うことが全てじゃないの。封印を解いてはだめ。使わない、そう決めたの!!」
「しかし、その力はいわば天が与えたものです。
 天の贈り物を受けておいて使わないというのは、はたしてどうでしょうか?」
一方、ターロンはリリアーナを説得しようと試みていたが、結果は徒労に終わる。

その後しばらくターロンは、何かを考えているかのように沈黙を守っていた。
が、リリアーナがミルクを突き飛ばした時には焦った声を上げた。
>>「なんという事を!」
>「肝を冷やしたぜ、リー。たまたま攻撃が当たらなかったから良かったものの…
> 気をつけろよ。この俺レベッカ・ウォンの集計結果では、負傷率ぶっちぎりNo.1はリーなんだからなぁ。」
>>「まったくです。自分の命を危険にさらしてまで、あなたはなぜ力を使わないのですか。
>> その力が危険だと感じるならば、あなたに何かがあった時に力が暴走する危険は考えないのですか」

クリムゾンヘッドが散弾のように本棚の破片をまき散らすと、リリアーナの目前に杖が飛んできて突き刺さった。
それは、ターロンが操る百匹の龍を封じた杖だ。
突き刺さった杖からは稲妻が飛び出し、飛び来る破片を撃ち落とす。
さらに稲妻がクリムゾンヘッドを攻撃するため杖から飛び出したが、目標が定まらないのか大きく外れた。
>>「…やはり、この姿では狙いがつけられませんか。
>> リリアーナさん。あなたが杖を手にしてあの男を攻撃しなさい。
>> 杖の制御は私が行いましょう。あなたは杖を手にして、念じるだけでかまいません」
ターロンは、クリムゾンヘッドを攻撃するようリリアーナに言った。
>>「力は使わない。ロクーなる少年は助けられない。
>> ならば少しでも仲間を助けるために、できるだけの事をした方がいいのではありませんか?
>> 攻撃するのは私です。躊躇う必要はありません。
>> あなたはただ、杖を手に狙いをつけるだけで良いのです」

天井をするりと抜けて、神龍の霊体が図書館に降りてきた。
神龍は杖を追いかけてきたように、リリアーナの頭上をぐるぐると回り始める。

26 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/06(金) 22:16:20 0
>18-25
時は、少し遡る。
>「しかし、その力はいわば天が与えたものです。
> 天の贈り物を受けておいて使わないというのは、はたしてどうでしょうか?」
リリアーナは黙って首を横に振った。

>「リー、俺には事情はわからねーが、おめぇがそこまで駄目だって言うのなら、使うこたーねぇ。
> なにしろ俺が死んだ時も使わなかったんだ。よっぽどの事情があるんだろ。
> 俺はおめぇを責めたりしねぇよ。ロクーが死んでも。メイレンが死んでも。俺が死んでも…」
レベッカは、命につく名のことをリリアーナに話してくれた。
レベッカはまるで、リリアーナの心などとうにお見通しのようだった。
「責めていいのよ、レベッカさん。あなたにはその権利がある。
 なぜ力を持ちながら、私を見殺しにしたんだって」
この罪悪感や葛藤は、リリアーナがカドゥケウスの所有者である限り永遠に消えることは無いだろう。

レベッカは、『命につく名前』のことを教えてくれた。
まるで永遠の命のようだ、とリリアーナは感じた。
>「ちょいとばかし長く喋りすぎちまったが、要はおめぇの意見に賛成だってことだ、リー。
> 救うことが全てじゃない…か。もしも俺たちがロクーを殺す事になっても、
> だが、もしかしたらおめぇはロクーを救うのかもしれないな。
> 見せてもらうぜ。おめぇの可能性を。」
リリアーナは両手で顔を覆ったまま、しばらく動かなかった。
レベッカにはきっと、リリアーナの心中などお見通しだったのだろう。
本当はずっと、誰かからこう言って欲しかったのかもしれない。
「一番つらいのはレベッカさんでしょう。ちょっと私のこと、甘やかしすぎだよ」
顔を上げたリリアーナの目に涙が光っていた。
「ごめんなさい。・・・・・・・ううん、ありがと、だね。
 私には何の力もない。けど、できること、精一杯やってみる」
ごしごしと顔をこすったリリアーナは、はにかんで笑った。

27 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/06(金) 22:18:16 0
ミルクを庇ったリリアーナの胴体を、ヘブンスマイルの腕が貫いた。
だがリリアーナには何のダメージも無かった。
ヴァンエレンは、リリアーナが無傷だった理由説明してくれた。
ヘブンスマイルは影を攻撃することで本体にダメージを与えるのだと。
そうしている間に、不自然な動きでヘブンスマイルが移動した。
現れたミシェルが火を使って、影の位置を強制的に移動させたからだ。
>「それを先に言えよ!リリアーナが死んだかと思って寿命がかなり縮んだだろ!」
>「肝を冷やしたぜ、リー。たまたま攻撃が当たらなかったから良かったものの…
>  気をつけろよ。この俺レベッカ・ウォンの集計結果では、負傷率ぶっちぎりNo.1はリーなんだからなぁ。」
「ごめんごめん、何となく大丈夫な気がしたから。ホント、ラッキーだったわ」
>>「まったくです。自分の命を危険にさらしてまで、あなたはなぜ力を使わないのですか。
>> その力が危険だと感じるならば、あなたに何かがあった時に力が暴走する危険は考えないのですか」
「それは無いわ。私が死ねばおしまい。そういう力なの」

>「俺の過去の記憶を…
> リリアーナ!きさま!見ているなッ!」
リリアーナは気まずそうな顔をした。
>「そんな事を聞いて、俺が“妹はガンだったんだ”とか報告するとでも思っているのかッ!?
> 馬鹿な奴め!俺の妹よりも自分の命を心配するべきだッッ!!」
「ガン?!・・・・・・・え?え?」
リリアーナは驚いた。
今の時代、ガンという病気はそれほど恐ろしい病気ではないからだ。
ロクーはよほど生活に困っていたのだろうか?それとも――――。

>「ところで、さっき貴様らが投げたこの黒猫だが、一体何なのだ?」
>「ちぃ・・・役に立たない舎弟ですわ」
>「おいまて元凶。少しは迷うとかしろよ」
ルス「にゃーん」
ミルクとフリージアの漫才のようなやり取りを聞いて、ルズは耳と尻尾がだらりと下がった。
>「か…勘違いするなよっ!俺は貴様らが素直に質問に答えると期待したわけじゃないぞッッ!」
「つ、つんでれ?」
>「お〜ほっほっほっほ!そんなの投擲武器として投げたに決まってるじゃありませんの!!」
「ああっ、ルズ!!人質・・・ネコ質を取るなんて何て卑怯なの!!」
ルス「うにゃ〜!人を人と思わぬその高慢さ!」
ふるふると震えていたルズが、感極まって一声ないた後、滝のような涙を流した。
ルス「そこにしびれるあこがれるぅ〜!!!!」
馬鹿につける薬は無い、まさに真理である。


28 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/06(金) 22:25:06 0
>ヘブンスマイルが、本棚の影に横薙ぎに蹴りを入れた。
>本棚の破片が散弾のように飛び散り、図書館にいるメンバーを無差別に襲う。
>「キャ――――!!キャ――――!!・・・・・え?」
>突然、リリアーナの目前に杖が飛んできて突き刺さった。
>突き刺さった杖からは稲妻が飛び出し、飛び来る破片を撃ち落とす。
>さらに稲妻がクリムゾンヘッドを攻撃するため杖から飛び出したが、目標が定まらないのか大きく外れた。
>「…やはり、この姿では狙いがつけられませんか。 」
「これ、神鳴りの杖じゃない!ターロン、あなたの仕業?
神鳴りの杖とは、内部に雷龍100匹を封じた杖だ。同時に、ターロンの眷属の杖でもある。
>「リリアーナさん。あなたが杖を手にしてあの男を攻撃しなさい。
> 杖の制御は私が行いましょう。あなたは杖を手にして、念じるだけでかまいません」
リリアーナは杖をじっと凝視した。
>「力は使わない。ロクーなる少年は助けられない。
> ならば少しでも仲間を助けるために、できるだけの事をした方がいいのではありませんか?
> 攻撃するのは私です。躊躇う必要はありません。
> あなたはただ、杖を手に狙いをつけるだけで良いのです」
リリアーナは杖に手を伸ばし、引き抜いた。
「それは違うわ。手を下すのは、私とあなた」
リリアーナはふっと笑った。
「・・・・・・ターロン、あなたって本当に変な妖怪ね。
 昨日のあなたは、魔法使い以外の人間には非情で、悪い妖怪だとしか思えなかったわ。
 でも今日のあなた、メイレン様達に対するあなたと、私達に対するあなた。
 どれもこれも、全部違う顔してる。なんだか変な感じ。
 なんていうのかな?うまく言えないけど・・・・・・んーと。・・・・・そう!
 まるで私達、あなたに何かを試されてるみたいだわ」
>天井をするりと抜けて、神龍の霊体が図書館に降りてきた。
>神龍は杖を追いかけてきたように、リリアーナの頭上をぐるぐると回り始める。
「・・・・・・・・・・・何あれ、神龍・・・・・・なんだよね?」
さっき地下墓地で見た時とは少し印象が違う気がして、リリアーナは目を眇めた。

「でもどうしよう?ルズがまだ捕まってるわ」
>「なんで大事な時に限っていないんだよーっ!
>ミシェル先生すみません!ターンアンデッドか光の呪文で影消しをお願いします!」
ルス「ああん、フリージア女王さまぁ。
 わたくしぃ〜頑張ったけど捕まっちゃいましたぁ〜ん。
 お願い、たぁすけて〜ん!」
ルズは空気も読まず、くねくね媚を売っている。

リリアーナはため息をつくと、よろよろと立ち上がった。
「――――あ。待って。少し気になることがあるの」
リリアーナは杖を構えたまま、ターロンにもロクーの過去を話した。
「つまりね、ヘブンスマイルを手に入れる前と後で、ロクーの性格が激変してるのよ。
 そしてね、殺された用心棒のうち、最初と最後の殺され方が全く同じだったのよ!そうだったわよね?」
リリアーナは、同じ映像をみた者に同意を求めた。
そして、「物凄くばかげた考えだけど」と前置きした上で
「ホワイトって人は、ヘブンスマイルの中にいるのかもしれない。
 そうでなかったら、ヘブンスマイルを通して、ロクーの心や身体に何らかの影響を及ぼしているのかも。
 もしそうなら、ロクーだけを倒しても意味ない気がする。
 でも、ヘブンスマイルには攻撃は効かないし・・・・・・・」
実にリリアーナらしい、突込みどころ満載の推論だ。
しかもロクーにも聞こえるように言ってしまうあたり、かなり残念な感じである。
「あれ?!そういえば私、ホワイトって名前に聞き覚えがあるような気が・・・・・。
 偶然かもしれないけど、とても大事なことだった気が・・・・・・・・」
一生懸命記憶を辿るが、後ちょっとのところで思い出せない。
そしてゆっくり考え事ができるほど、クリムゾンヘッドは甘くなかった。

「ひとまずルズが捕まってるし、ミシェル先生が攻撃してくれるまで足止めしよう」
リリアーナは神鳴りの杖を構えた。
クリムゾンヘッドを閉じ込めるように断続的に雷を落とし、足止めと同時に影の安定を妨げるつもりなのだ。


29 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/07(土) 08:33:26 0
>21>25>27>28
> 「お〜ほっほっほっほ!そんなの投擲武器として投げたに決まってるじゃありませんの!!」
> 「ああっ、ルズ!!人質・・・ネコ質を取るなんて何て卑怯なの!!」
>「ふざけるなッ!もとより貴様らが投げたものだろうがッッ!!」
怒るクリムゾンヘッド。レベッカもこればかりは同感のような気がした。

> クリムゾンヘッドが散弾のように本棚の破片をまき散らすと、リリアーナの目前に杖が飛んできて突き刺さった。
> それは、ターロンが操る百匹の龍を封じた杖だ。
> 突き刺さった杖からは稲妻が飛び出し、飛び来る破片を撃ち落とす。
> さらに稲妻がクリムゾンヘッドを攻撃するため杖から飛び出したが、目標が定まらないのか大きく外れた。
>「下手くそがッ!」
クリムゾンヘッドが野次を飛ばす。
彼の頭に氷の破片が刺さっているが(主にフリージア的な意味で)、あまり気にしていないようだ。
> >>「…やはり、この姿では狙いがつけられませんか。」
> 「これ、神鳴りの杖じゃない!ターロン、あなたの仕業?」
> 神鳴りの杖とは、内部に雷龍100匹を封じた杖だ。同時に、ターロンの眷属の杖でもある。
> ターロンは、クリムゾンヘッドを攻撃するようリリアーナに言った。
> リリアーナは杖に手を伸ばし、引き抜いた。
> 「それは違うわ。手を下すのは、私とあなた」
「そしてこの俺だ。ところで、俺の魔力をリーに流したりできるのかな?ふんもっふ!」
レベッカは力んでみたが、特にリリアーナに魔力を与えたりはできなかった。
> 「・・・・・・ターロン、あなたって本当に変な妖怪ね。
>  昨日のあなたは、魔法使い以外の人間には非情で、悪い妖怪だとしか思えなかったわ。
>  でも今日のあなた、メイレン様達に対するあなたと、私達に対するあなた。
>  どれもこれも、全部違う顔してる。なんだか変な感じ。
>  なんていうのかな?うまく言えないけど・・・・・・んーと。・・・・・そう!
>  まるで私達、あなたに何かを試されてるみたいだわ」
「まぁ、あれだ。妖怪なんて変な奴ばっかなんだよ。」
一応自分が下品で変だという自覚があるらしいレベッカが言った。
> 天井をするりと抜けて、神龍の霊体が図書館に降りてきた。
> 神龍は杖を追いかけてきたように、リリアーナの頭上をぐるぐると回り始める。
> 「・・・・・・・・・・・何あれ、神龍・・・・・・なんだよね?」
「……ターロン、説明しろ。」
レベッカは、もう何を聞いても驚かないつもりでターロンに聞いた。
> 「でもどうしよう?ルズがまだ捕まってるわ」
「あんなのほっとけ。」

30 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/07(土) 08:35:34 0
> リリアーナはため息をつくと、よろよろと立ち上がった。
> 「――――あ。待って。少し気になることがあるの」
> リリアーナは杖を構えたまま、ターロンにもロクーの過去を話した。
それにより、レベッカも直接見れなかった記憶が補完できた。ミルクも同様だろう。
> 「つまりね、ヘブンスマイルを手に入れる前と後で、ロクーの性格が激変してるのよ。
>  そしてね、殺された用心棒のうち、最初と最後の殺され方が全く同じだったのよ!そうだったわよね?」
「そうかぁ?」
レベッカは映像を全て見てないので断定しかねたが、レベッカ的には、
一人目の男は胸に穴が開き、二人目は体が縦に折れ、三人目は顔が縦に割れて死んだと思っていた。
ただ、それはあまり重要なことではないかもしれないが。
> 「ホワイトって人は、ヘブンスマイルの中にいるのかもしれない。
>  そうでなかったら、ヘブンスマイルを通して、ロクーの心や身体に何らかの影響を及ぼしているのかも。
>  もしそうなら、ロクーだけを倒しても意味ない気がする。
>  でも、ヘブンスマイルには攻撃は効かないし・・・・・・・」
「リー、今は戦闘中だ。古に曰く、『二兎追うものは一兎も得ず』だ。
 2匹のウサギを追いかけても、結局1匹のウサギも捕まえられない、という意味だ。
 戦闘中にあれこれ思案しても、うまく思案できるものじゃねぇ。
 今は俺達が生き残る事だけを考えるべきだ。」
> 「あれ?!そういえば私、ホワイトって名前に聞き覚えがあるような気が・・・・・。
>  偶然かもしれないけど、とても大事なことだった気が・・・・・・・・」
「そういやぁ、ロクーは上司の名前をホワイト博士って言ってたが、つまりそれがヨハネカイン・ホワイトか。
 ホワイト博士っていうことは、学者っぽいな。何を研究してるんだか。
 だが、今はひとまずそのことは置いておこうぜ。」

> 「ひとまずルズが捕まってるし、ミシェル先生が攻撃してくれるまで足止めしよう」
> リリアーナは神鳴りの杖を構えた。
> クリムゾンヘッドを閉じ込めるように断続的に雷を落とし、足止めと同時に影の安定を妨げるつもりなのだ。
「…あれ?さっきまで気づかなかったが、雷の光のせいかな?
 あの影、ヘブンスマイルは、良く見ると女の形をしてるみてぇだ。」

31 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage 復活の回やはり短い] 投稿日:2009/11/08(日) 03:40:00 O
>>25
次に桜花が目を覚ましたのは……

>「はっ、はい!できます!」

「ま、まて…やめ―――」
ナナナに回復薬を口に突っ込まれる寸前だった
てか、突っ込まれた
「ウゴゴガゴゴゴ〜〜〜〜〜!!!!」
順調に薬を飲まされる桜花

プッツーーーーン!

何かが切れた音がする
「なぁ、メイド?どちらがいい?」
気がついた時には桜花はナナナの後ろに回り込み、がっしりとナナナの頭を掴んでいる。
「ナイフで全身針ネズミの刑か?それとも歯を一本づつ右60度に捻ってやろうか?」
「…助けてくれるのはありがたい。ありがとう。
だがな!?助かって死ぬとはこの事だ!
貴女は怪我人の口には回復薬をぶちこめと教育されたのか!?」
(余計な所で時止めも使ってしまった…)
何はともあれ桜花、復活

32 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/11/08(日) 03:48:46 0
捕手

33 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 15:44:21 O
>26-30
>「ああん、フリージア女王さまぁ。(中略)
> お願い、たぁすけて〜ん!」
「がんばれがんばれフリージア!できるできる絶対できる!
 ドリルとかドリルとかドリルとか使えば一発だから!」
ルズのなんだかあれな助けを呼ぶ声を聞きながら、フリージアをひたすら応援する。
どうせあたしの魔法じゃルズを救出できないもんね。
それなら、応援でもしてフリージアを勇気づけた方が役立てるってものです。

>「――――あ。待って。少し気になることがあるの」
杖を構えたまま、ターロンにもロクーの過去を話すリリアーナ。
ターロンの操る杖をリリアーナが持っている所を見ると、ターロンの奴の協力精神は本物らしい。
体を薄っぺらい紙切れ一枚にして敵に張り付いてたら、少しは身の安全を考える気になったんだろう。
>「つまりね、ヘブンスマイルを手に入れる前と後で、ロクーの性格が激変してるのよ。
> そしてね、殺された用心棒のうち、最初と最後の殺され方が全く同じだったのよ!そうだったわよね?」
>「そうかぁ?」
「うーん…あたしも人死にのとこは途切れ途切れにしか見てないから…そうだった…かな?」
断片的に見えた記憶を頼りに、頼りない答えを返す。
>「ホワイトって人は、ヘブンスマイルの中にいるのかもしれない。 (中略)
> でも、ヘブンスマイルには攻撃は効かないし・・・・・・・」

>「リー、今は戦闘中だ。古に曰く、『二兎追うものは一兎も得ず』だ。 (中略)
> 今は俺達が生き残る事だけを考えるべきだ。」
レベッカの考えても仕方がない発言に、ターロンも同意する。
ただ、あたしはリリアーナの意見に同意できる点もあるわけで。
「でも、ヘブンスマイルを手に入れたロクーの性格がガラッと変わったのは間違いないよね?
 そうすると、クリムゾンヘッドはロクーの悪の人格か何かって可能性もない?
 ロクーを倒しても『バカめ!それは本体だッッ!』とか言われたら…本体ならいいのか」
ダメだ。やっぱり戦闘中に考え事なんかするもんじゃない。

>「あれ?!そういえば私、ホワイトって名前に聞き覚えがあるような気が・・・・・。
> 偶然かもしれないけど、とても大事なことだった気が・・・・・・・・」
>「そういやぁ、ロクーは上司の名前をホワイト博士って言ってたが、つまりそれがヨハネカイン・ホワイトか。
> ホワイト博士っていうことは、学者っぽいな。何を研究してるんだか。
> だが、今はひとまずそのことは置いておこうぜ。」
「戦闘中だもんね。ここはサクッと戦闘を終わらせて、後でゆっくり考えよう」
戦闘中の考え事にろくな発想が出てこないのは、もうさっき体験済みですからね。ええ。

>「ひとまずルズが捕まってるし、ミシェル先生が攻撃してくれるまで足止めしよう」
ドンドン音を立てて落ちる雷が、檻のようにクリムゾンヘッドの自由を奪い始める。
>「…あれ?さっきまで気づかなかったが、雷の光のせいかな?
> あの影、ヘブンスマイルは、良く見ると女の形をしてるみてぇだ。」
「へ?女?…ロクーの記憶の中に出てきたヘブンスマイル使いは、男だったよね…?」
それなら、ヘブンスマイル=ホワイト博士説は崩れることになる。
そうすると。別の恐ろしい二つの仮説が出てくるわけですが…正直どっちも怖い…
えぇい!聞くしかないか!聞いちゃえぇい!!

「ちょっとちょっと、ヘブンスマイルが女性の形ってどういう事よクリムゾンヘッド!
 ロクーでもどっちでもいいけど、男装が趣味の女だったの!?
 それとも…妹をヘブンスマイルに取り込んで、これでいつでも一緒。
 とか怖いことしちゃったんじゃないでしょうね!?」

34 名前:ミシェル ◆pP6eYSrQUy.9 [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 17:05:50 O
>>24 28

誰かが言った。強力な魔法で影を消せばと。
「そんな面倒な事をしなくとも本体を潰せばいいだけです」
そう言い放って、飛んでくる本棚の破片を百科全書から下級天使が使っていたとされる盾を呼んで防ぎきる。
次は反撃―――と言いたい所だが
>「ミシェル先生すみません!ターンアンデッドか光の呪文で影消しをお願いします!」
と可愛い(決して容姿的な意味だけではなく)生徒にお願いされてしまったのでここからが思案時だ。
「ヘブンスマイルの基本能力自体は珍しくはありません。なぜなら、影を使う魔法というのは古典的な物に分類されるからです
あまりに古典的過ぎ、まじないと同じく現代魔法使いには軽視或いは無視されるようなほぼ失いかけている技術なのですね」
限られた時間だがそれをフル活用して考えあぐねた挙げ句、授業と同じように影魔法について軽く触れておくミシェル。
「まじないに個人の持つ得意属性があまり関係しないよう、影魔法も同じ様に属性による得手不得手は考え難いのですが、この場での生兵法はご遠慮して下さい」
ちょっとした小講義。恐らくマジメに聞けている心理的余裕のある生徒はいないだろうが、ミシェルは大真面目だ。
「では、これはどうでしょうか?」
さっきと同じく指をパチンと鳴らす。今回は音も鳴ったし、効果もばっちり出た。
図書館内の光がズズズっと消えて一瞬暗くなった後、クリムゾンヘッド自体が薄ぼんやり明るくなった。
「持ち主に影が出来るからヘブンスマイルは発動する。ならば光源にしたらどうだろうか?
発想ややり方は実に簡単で、難易度としては箒で空を飛ぶ方が難しいかもしれません
もし相手が魔法を使えたなら、光らせる魔法はすぐに破られてしまうでしょう」
さて。ミシェルは生徒の方を向いてやはり講義の1コマのようにサラリと質問をする。
「影は消しましたよ?これからはどうするのですか?
っと、失礼。光源が動いてはやりにくいですよね」
影を消したからといってクリムゾンヘッドが無力化した訳ではない。野放しにしてダラダラ喋っていては要らぬ怪我をしてしまいそうだ。
ミシェルが指をヒョイヒョイっと軽快に動かすと、先刻飛んできた本棚の木片から茨がスルスルと伸びてくる。
もう一回指を動かし、そうしたら茨がクリムゾンヘッドにきつく巻き付いた。
「これもやはり魔法としては凄く簡単。この程度も出来ない人は一等過程なんてとてもとても。上がれませんね
いいですか、雷や氷や核熱だけが魔法ではありませんよ?」
該当する生徒をそれぞれ一瞥してから、もう一度仕切り直す。
「で、これからどうするのですか?」

35 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/11/08(日) 18:46:20 0
ねぇよ
なんつーウケミンw

36 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 18:51:47 O
>28-30 >34
>「それは違うわ。手を下すのは、私とあなた」
>「そしてこの俺だ。ところで、俺の魔力をリーに流したりできるのかな?ふんもっふ!」
「……レベッカ様は私の呪符を使ってみられてはいかがでしょう。
 レベッカ様に扱えるものがあればの話ですが」
ターロンがそう言うと、レベッカの近くにどさりと呪符の束が落ちてきた。
特殊な呪符の中に一般的な呪符も混じっているので、レベッカの望みの物もあるかもしれない。
ちなみにレベッカを様付けで呼んだのは、レベッカがメイレンの娘と知ったためだ。

>「・・・・・・ターロン、あなたって本当に変な妖怪ね。 (中略)
> まるで私達、あなたに何かを試されてるみたいだわ」
>「まぁ、あれだ。妖怪なんて変な奴ばっかなんだよ。」
「お褒めいただいて光栄ですと言いたいところですが、それは別に不思議なことではありません。
 あなたたちは魔法使いで、今の私たちは同じ敵を相手にしています。
 『唇滅びれば歯寒し』と古人が言うように、あなたたちに何かあれば私の計画も水泡に帰すのです。
 私に何か試されていると感じたとしたら、それはあなたが成長し学んでいる事の証でしょう」
ターロンは、もし表情が出せたなら苦笑いしていたに違いない。
「あなたは変わった人だ。リリアーナさん。
 ですが、さきほどレベッカ様が言われたように、もっと人を疑うことを覚えた方がいい。
 自分に良くしてくれる相手は必ず好意的だ、とは限らないのです」

「あれは…?」
天井をすり抜けて降りてきた神龍を見て、ターロンは思案した。
>「・・・・・・・・・・・何あれ、神龍・・・・・・なんだよね?」
>「……ターロン、説明しろ。」
「私も神龍ではないので説明しようがないのですが…あの動きは、神鳴りの杖を狙っているようです。
 そうすると…ふむ…。少々時間はかかりますが、私はあの神龍を操る準備に入りましょう。
 うまく行けば、神龍の力を使って一気に事態を打開できるかもしれません」
ターロンがレベッカ用に持ってきた御札の束から、一枚、また一枚と御札が抜け始めた。
抜けた御札はリリアーナの周囲を囲むように動き、リリアーナの動きに合わせて移動する。

>「でもどうしよう?ルズがまだ捕まってるわ」
>「あんなのほっとけ。」
「…とはいえお仲間に攻撃はためらわれるでしょう、いざとなれば、私の呪符で救出しましょう。
 その間にクリムゾンヘッドに攻撃を」
以降ルズを助けようとする動きがなければ、ターロンはお札を飛ばしてルズを引き寄せるだろう。

>「――――あ。待って。少し気になることがあるの」
リリアーナはロクーの過去についてターロンにも話した後、ホワイトとヘブンスマイルについて考え出した。
>「リー、今は戦闘中だ。古に曰く、『二兎追うものは一兎も得ず』だ。(中略)
> 今は俺達が生き残る事だけを考えるべきだ。」
「レベッカ様の言われる通りです。
 確かにヘブンスマイルを止める方法も考えなければなりませんが…ともかく、いましばらくお待ちください。
 神龍を操るにはもう少しかかりそうです」

ミシェルが魔法で図書館内を暗くし、クリムゾンヘッドを光源にして影を消そうとする。
さらに茨が延びていってクリムゾンヘッドに巻きつき、動きを封じた。
>「で、これからどうするのですか?」
「お見事です。ですが、相手は魔法使いへの対応策を良く知っているようです。
 くれぐれも油断なさらぬように」
リリアーナを取り巻く呪符は徐々に数を増していき、空中に魔法陣を描き出している。
それに合わせるように、神龍も天井付近を回る速度を上げていた。

37 名前:アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 18:53:51 O
>31 >34
桜花の抗議は届かなかったようで、ナナナは桜花の口からどんどん回復薬を流し込んでいる。
>「ウゴゴガゴゴゴ〜〜〜〜〜!!!!」
> 「どんどん飲んではやく元気になってください〜っ!
>  あ、あれ?」
>「なぁ、メイド?どちらがいい?」
>気がついた時には桜花はナナナの後ろに回り込み、がっしりとナナナの頭を掴んでいる。
>「ナイフで全身針ネズミの刑か?それとも歯を一本づつ右60度に捻ってやろうか?」
> 「どどど、どっちも絶対いやです〜!
>  それにそれに!いつのまに移動したんですか〜!?
>  せっかく助けてあげたのに、どうしてそんな意地悪言うんですか〜!?」

>「…助けてくれるのはありがたい。ありがとう。
>だがな!?助かって死ぬとはこの事だ!
>貴女は怪我人の口には回復薬をぶちこめと教育されたのか!?」
> 「はわわわ!お父様は『だがそれがいい』って言ってくださってたのに〜!」
桜花には知る由もないことだが、ナナナを造った男は天才だがドジっこメイド萌の変態だった。

「まーまー、イジメ、格好悪いぞ♪
 それより桜花、起きた所悪いけど、早速出番だ。ほれ」
アナスタシアは横から首を突っ込むと、桜花にも現状を説明した。
ロクーとクリムゾンヘッドの事や、リリアーナから聞いたヘブンスマイルの能力などなどだ。
ちょうど説明が終わった時に、ミシェルが魔法でヘブンスマイルの影を消そうと試みる。
「おっと。ここでミシェル先生の講義の時間だぞ。心して聞くように♪
 まー、ベルジンは聞かなくても大丈夫だろうけどなー」
>「で、これからどうするのですか?」
「後はルズを助けてからクリムゾンヘッドを倒して、それでとりあえずは終わりだぞ。
 紙切れになっちゃったターロンをどうするかは、その後で考えるかー。ぷぷぷ♪」
アナスタシアは偉そうに仁王立ちしてふんぞり返った。
その頭上では、暗くなった図書館の中、天使の輪っかが静かに光っている。

しばらくそうして指示を出していたアナスタシアは、墓場の出来事を伝えていなかった事を思い出した。
「おっと。肝心なことを言い忘れてた。
 おーい!墓場では桜花の活躍でムムムは像に戻ったし、メイレンもバラバラになったちゃったぞー!
 これで後の心配はなんにも無くなったから、さっさとクリムゾンヘッドを倒せー!」
アナスタシアは墓場の戦闘結果を簡潔に、大声で伝えた。

38 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 20:20:06 0
>33>34>36
「ちぃッ!面倒なッッ!」
リリアーナとターロンの雷により移動が制限されるクリムゾンヘッド。
困ったのは右手にルズを持っていることだ。左腕はすでに切断されているので、
事実上両手が使えない状態である。そういう意味ではルズ大活躍である。
> 「ちょっとちょっと、ヘブンスマイルが女性の形ってどういう事よクリムゾンヘッド!
>  ロクーでもどっちでもいいけど、男装が趣味の女だったの!?
>  それとも…妹をヘブンスマイルに取り込んで、これでいつでも一緒。
>  とか怖いことしちゃったんじゃないでしょうね!?」
「………。」
> 「ヘブンスマイルの基本能力自体は珍しくはありません。なぜなら、影を使う魔法というのは古典的な物に分類されるからです
> あまりに古典的過ぎ、まじないと同じく現代魔法使いには軽視或いは無視されるようなほぼ失いかけている技術なのですね」
> 限られた時間だがそれをフル活用して考えあぐねた挙げ句、授業と同じように影魔法について軽く触れておくミシェル。
> 「まじないに個人の持つ得意属性があまり関係しないよう、影魔法も同じ様に属性による得手不得手は考え難いのですが、この場での生兵法はご遠慮して下さい」
「ごちゃごちゃ言ってる暇があったら、少しは俺を攻撃してきたらどうだ!?」
クリムゾンヘッドがミシェルを挑発する。
> 「では、これはどうでしょうか?」
> さっきと同じく指をパチンと鳴らす。今回は音も鳴ったし、効果もばっちり出た。
> 図書館内の光がズズズっと消えて一瞬暗くなった後、クリムゾンヘッド自体が薄ぼんやり明るくなった。
「何だとッ!?これは…俺のヘブンスマイルがッッ!?」
> 「持ち主に影が出来るからヘブンスマイルは発動する。ならば光源にしたらどうだろうか?
> 発想ややり方は実に簡単で、難易度としては箒で空を飛ぶ方が難しいかもしれません
> もし相手が魔法を使えたなら、光らせる魔法はすぐに破られてしまうでしょう」
ヘブンスマイルは姿を消した。
> 「影は消しましたよ?これからはどうするのですか?
> っと、失礼。光源が動いてはやりにくいですよね」
「(そぉい!)貴様ッ!調子には乗らせんぞッッ!!……はっ!なんだこれはッ!?」
クリムゾンヘッドは右手に持ったルズを放り投げ、そのままミシェルに右手で殴りかかった。
しかし、ミシェルが本棚の木片から伸ばした茨が、クリムゾンヘッドに巻きつき、動きを封じたのだ。
> 「これもやはり魔法としては凄く簡単。この程度も出来ない人は一等過程なんてとてもとても。上がれませんね
> いいですか、雷や氷や核熱だけが魔法ではありませんよ?」
「馬鹿なッ…この俺が…完全に封じられたというのかッ!?これだけ貴様に近づいておきながらッ…!」
> 「で、これからどうするのですか?」
「ちッ…ちくしょーーッッ!!」

「なんちゃって。」
クリムゾンヘッドがそう言ったとたん、銀色の光を放つ何かが彼の傍に立った。
油断するなと言ったターロンもこれを予想することはできたのだろうか?
甲高い笑い声と共に現れたそれは紛れも無く…そう、ヘブンスマイルだ。
「甘いなミシェルーッ!ヘブンスマイルは影であると同時に守護霊でもあるのだッ!
 光源があろうがなかろうが、ヘブンスマイルは守護霊として存在するッッ!!
 そして良く見ろ、お前の後ろをッッ!!」
ミシェルの後ろに、長い影ができていた。それはミシェルの影。
光源となっているクリムゾンヘッドがミシェルに近づいたことで影ができているのだ。
「なまじ魔法の知識があるゆえに、見誤ったのだ貴様はッッ!!
 今見せてやるぞッッ!これが俺の答えだーッッ!!」
ヘブンスマイルの右手が勢いよく振り下ろされた!

葉巻の長さは残り9センチである。

39 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 20:24:10 0
首が切断され地面に転がり、ミシェルの服が噴出する血しぶきで赤くそまる。
クリムゾンヘッドが言った。
「いい気味だ…ミシェル…クリーニング代は…高くつくぞ…」
一体何が起こったのか?
ヘブンスマイルの右手は、ミシェルの影に振り下ろされはしなかった。
クリムゾンヘッドはヘブンスマイルに、ヘブンスマイル自身の首を手刀で切断させたのだ。
その結果どうなったのか?
クリムゾンヘッドの首もまた切断されたのだ。彼がヘブンスマイルで影を攻撃し、その本体を殺したように。
「首を切断したのだ…もうどんな魔法を使おうとも、助からない…ぞッッ……」
ごろごろと転がっていたクリムゾンヘッドの首が、図書館の壁にぶつかって止まった。
幸い後頭部側が壁に向っていたので、クリムゾンヘッドは、
光る自分の首から下の体に照らされたメンバーを見ることができた。
「ミシェル、どうせ俺があのまま貴様の影に殴りかかったとしても、対処はできたのだろう?
 Noとは言わせないぞッ、だからこそ俺は自分で自分に“けり”をつけたのだからなぁ…ッ。
 
 何故俺が、自らの死を選んだか…だと?お前らは俺を拘束した後、
 思ひ出の糸車でホワイト博士の謎を探るつもりだったのだろう?
 そうはいかんよッッ…!あの方の、少しでも不利になるような情報を教えるわけにはいかんッ…!」
クリムゾンヘッドはミルクに話しかけた。
「守護霊は、それを使う人によって姿と能力が変わる。
 俺のヘブンスマイルが女の形をしているのも、ただそれだけの理由だッ…
 もしも、あれが俺の妹なら…嬉しかったがなぁ…ッッ、ウホッ!」
ヘブンスマイルが口から血を吹く。
「リリアーナッ…貴様は俺の妹がガンだと知ったとき、意外そうな顔をしていたなッ…
 貴様の考えは読めるぞッ…たいした病気ではないと思ったのだろう。
 だが、それは魔法使いの傲慢さ故の錯覚に過ぎん。
 俺の妹…エリザは…普通の治療を受けるには遅すぎたッ…
 非魔法使いにとっては、ガンは命に関わる病気なのだ。貴様らは無自覚なのだ。
 自分達がいかに特権階級であるかという事実を…
 
 魔法魔術による医療技術が発達したことにより、いつしか魔法使い達は、それを独占するようになった。
 魔法使いというのは…事実上の天才だ。誰もがなれるわけではない。魔法が使えない者は、
 今や発展が望めない非魔法医療に頼るか、高い金を払って魔法使いに治療を頼むしかない。
 俺達、非魔法使いは、いつしか社会的な弱者となりつつあった。そんな時…あのお方が現れたのだ。
 あのお方…ホワイト博士だけが、非魔法使いであった俺を評価してくれた。
 非魔法使いでも、魔法使いと肩を並べられるという事実を見せてくれた。
 非魔法使いであった俺の妹に救いの手を差しのべてくれた……
 俺は、あの人のためなら、盗みもしたし、殺しもしたし、殺されることだって怖くなかった。
 でも、俺はあの人にだけは見捨てられたくないッ…それだけが怖い…
 貴様等に理解は求めん…ただ、非魔法使いには、非魔法使いの救世主が必要なのだッッ…!
 あのお方こそが…無節操に肥大化を続ける魔法医療をあるべき姿に戻し、
 魔法使いによる独占を打破できる…唯一の…希望……!秘密結社ケルビムはそのためにある…
 ムー大陸の、若返りの薬の存在を…許すわけには…いかな…い…」
そろそろ限界が近いクリムゾンヘッドはミシェルに話しかけた。
「お前に、俺のヘブンスマイルの名を教えてやろうッ…
 なぜなら、お前は俺に勝ったからだ…
 イェスタデイ・ワンスモア…それが…俺のヘブンスマイルの名前……だ……ッッ………」
クリムゾンヘッドは間もなく死ぬ。話せるとしたら、あとわずかな時間だろう。

葉巻の長さは残り8センチである。

40 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/08(日) 21:49:10 P
>24>34>39
>「ごめんやっぱりあたし無理ーっ!
 フリージア!投げたルズは責任もってちゃんと回収してよーっ!!」

「さて・・・・どうやってルズさんを取り返そうかしら?」
自分で投げておいて無責任なことを言うフリージアさん
「あれれぇ?剣が無くなっちゃったよぉ」
弾切れでクリムゾンヘッドを攻撃する手段が無くなったギズモ
「ちょっと貸してみなさいな」
フリージングドールの鎖をギズモから受け取り魔力を込めるフリージア
「雪と氷の精霊よ!私の描いた設計図通りにこの氷人形を直しなさい!!」
その声とともにフリージングドールのダメージ箇所が治りスカートの下の剣が再装填される
「うわっはぁv」
おもちゃが直って大喜びのギズモ

「さあギズモちゃんクリムゾンヘッドの残ったもう片方の腕を切り落としてしまいなさいな!!」
それをやると下手すればルズにも当たると思われるのだがそんなことはどうでもいいとばかりに命令するフリージア
相手にもはやルズが人質にならないと思わせる事が目的なのだろうか?
そもそもクリムゾンヘッドはルズを人質だと思っているのだろうか?

「そんなことしたらルズさんにも当たっちゃうよぉ!!」
捕まっているのが男なら問答無用に投げていたに違いない
だがガチレズでもあくまでルズは女の子である
男であるギズモはそんなことは出来ない

「だったら私がクリムゾンヘッドごと全身を凍らせるから後でルズさんだけ掘り出せばいいのですわ
 どうせクリムゾンヘッドはゾンビだし全身が凍ったぐらいじゃ死なないけどルズさんを助けるだけならそれで十分ですわ
 それにほらミシェル先生が何とかしてくれたみたいだし」
全身を茨に巻きつかれ動きを封じ込められているクリムゾンヘッド

>「で、これからどうするのですか?」
「クリムゾンヘッドがゾンビの怪力で茨を引きちぎる前にやつの手首をぶった切ってルズさんを取り戻しますわ」
だがしかしクリムゾンヘッドは自ら手を離しそして自らの首を・・・・・
>「お前に、俺のヘブンスマイルの名を教えてやろうッ…
 なぜなら、お前は俺に勝ったからだ…
 イェスタデイ・ワンスモア…それが…俺のヘブンスマイルの名前……だ……ッッ………」
俺のヘブンズスマイル・・・・その言葉はクリムゾンヘッド以外にもヘブンズスマイルを使える人間がいるということだ
アンデッドを完全に殺すには脳を破壊すれば良いと聞いたことがある
頭部から血が抜けきってしまえば脳が死んでしまいいくらゾンビでも本当の死を迎えるだろう
そしてアンデッドの死=成仏でありいくら死霊使いでも情報を聞き出すことは難しくなってしまう

「天国にいけずアケローンの渡し守をしているお母様・・・・・彼をエリシオンに連れて行くのはもう少しお待ちになってくださいな
 私のお母様もお婆様も病気で亡くなりましたのよ、それも魔法使いにしかかからない病気でね
 私は一生懸命看病したけどどうにもならなくて・・・・・・
 大切な身内を失うのは特別でも何でもありませし非魔法使いだからとか魔法使いだからとか関係ありませんわ
 あなたが殺してきた人間にもきっと同じように悲しむ人間がいたでしょうね」

「大昔に科学の発達してた時代・・・・とある病気の完全な治療薬があるにもかかわらず
 お金を儲けるためにその薬を闇に葬って治らないけど病状は楽になる薬を売り続けた悪人がいて
 その病気の原因を作ったのがその悪人だったって話があるよ
 悪党が優秀な人材を得るために健康な身内を病気にして弱みに付け込んだ話とかもね」
ギズモはあてずっぽうで話している

「そもそも人の命を助けるはずの医療機関が人を殺す術を授けること事態がおかしいですわ」
そんなフリージアの師であるレオ先生は医者の癖に人の肉体を破壊する格闘術のプロである
人体の治し方を知っていれば壊し方もわかるという理論なのだろうか?



41 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/10(火) 21:01:12 0
ミシェルはヘブンスマイルの能力を解説しながら、影を消しロクーを拘束した。
「すごい!」
>「これもやはり魔法としては凄く簡単。この程度も出来ない人は一等過程なんてとてもとても。上がれませんね
>いいですか、雷や氷や核熱だけが魔法ではありませんよ?」
リリアーナはうっと言葉につまった悄然と頭を垂れた。
「ダメダメですみません・・・・・・」

一方クリムゾンヘッドに捨てられたルズは、くるくる宙返りながら桜花達の近くで着地した。
まさに猫の本領発揮・・・・・
「ふにゅるるるるふぎゅるる」
・・・・・・・残念、着地したものの、勢い余ってごろごろ転がってしまった。
ルス「ふにゃ〜ん、ひどい目にあいましたわ。・・・・・・・ぶほっ?」
目を開けたルズは、超ローアングルからナナナや桜花を見上げる形になっていた。
ま さ に 絶 景 ! !
「桜花さま〜。無事で何よりでしたわ〜ん」
ルズは床の上で寝そべり、超ローアングルからの眺めを堪能している。

ひとまずクリムゾンヘッドとの戦闘が終わり、安堵したリリアーナは上を見た。
リリアーナのポケットからはお札が一枚、また一枚と飛び出し、空中に魔法陣を描き出している。
それに合わせるように、神龍も天井付近を回る速度を上げていた。
神龍相手に多少の雷耐性体質だけでは心もとないが、今はターロンを頼みにするしかないだろう。

>「おっと。肝心なことを言い忘れてた。
> おーい!墓場では桜花の活躍でムムムは像に戻ったし、メイレンもバラバラになったちゃったぞー!
> これで後の心配はなんにも無くなったから、さっさとクリムゾンヘッドを倒せー!」
「そんな・・・・・・・ ねえ、今の話本当なの桜花さん?」
「じゃあさっきターロンが、メイレン様の妖力が変化したって言ってたのはこのこと?
 で、でも、妖怪ってばらばらになっても大丈夫なんだよね?」
レベッカの父親は目玉だけしか肉体が残っていないが、ちゃんと生きている。
きっとメイレンも同じに違いない、リリアーナはそう思ったのだ。
「ここは皆に任せよう。先生方もいるし。
 レベッカさん、今すぐ上に連れて行ってあげるから!」

踵を返したリリアーナの足を止めたのは、ロクーの絶叫に近い叫びだった。
なんとも嫌な音と共に、あたりに水をぶちまけるような音がした。
ロク「首を切断したのだ…もうどんな魔法を使おうとも、助からない…ぞッッ……」
ごろごろと転がっていたクリムゾンヘッドの首が、図書館の壁にぶつかって止まった。
「何てことを!!
 ・・・・・・誰か!今のうちにヘブンスマイルを浄化して!!」
まあ、ヘブンスマイルの首も同様に切断されている。
どう転んでも、これ以上ロクーがヘブンスマイルで自傷する心配は無いだろう。

>「リリアーナッ…貴様は俺の妹がガンだと知ったとき、意外そうな顔をしていたなッ…
> 貴様の考えは読めるぞッ…たいした病気ではないと思ったのだろう。
> だが、それは魔法使いの傲慢さ故の錯覚に過ぎん。 」
「えっ」
ロクーは魔法使い達による医療技術独占と、いかにリリアーナ達が特権階級であるかを糾弾した。
そしてホワイト博士だけがロクーを救ってくれたと。
「そんな・・・・・・・」
鈍いリリアーナにもようやく理解できた。
彼は言ったではないか、クリムゾンヘッドは、リリアーナ達に少しも友情を感じていないのだと。
「ロクー、私にはわからないよ。あなたのしてきたことは、許されることじゃない」
>「貴様等に理解は求めん…ただ、非魔法使いには、非魔法使いの救世主が必要なのだッッ…!
> あのお方こそが…無節操に肥大化を続ける魔法医療をあるべき姿に戻し、
> 魔法使いによる独占を打破できる…唯一の…希望……!秘密結社ケルビムはそのためにある…
> ムー大陸の、若返りの薬の存在を…許すわけには…いかな…い…」

42 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/10(火) 21:04:30 0

>「お前に、俺のヘブンスマイルの名を教えてやろうッ… (略)
> イェスタデイ・ワンスモア…それが…俺のヘブンスマイルの名前……だ……ッッ………」
「ロクー!!」
リリアーナは金縛りが解けたようにロクーの首へと賭けよると、彼の頭上に跪いた。
だが、かける言葉が見つからない。
また、切断された首(しかもアンデット)相手では、回復薬も無意味だった。


>「私のお母様もお婆様も病気で亡くなりましたのよ、それも魔法使いにしかかからない病気でね
> 私は一生懸命看病したけどどうにもならなくて・・・・・・
> 大切な身内を失うのは特別でも何でもありませし非魔法使いだからとか魔法使いだからとか関係ありませんわ
> あなたが殺してきた人間にもきっと同じように悲しむ人間がいたでしょうね」
>゙「大昔に科学の発達してた時代・・・・とある病気の完全な治療薬があるにもかかわらず
> お金を儲けるためにその薬を闇に葬って治らないけど病状は楽になる薬を売り続けた悪人がいて
> その病気の原因を作ったのがその悪人だったって話があるよ
> 悪党が優秀な人材を得るために健康な身内を病気にして弱みに付け込んだ話とかもね」
>「そもそも人の命を助けるはずの医療機関が人を殺す術を授けること事態がおかしいですわ」
リリアーナも続けた。
「医療機関なら、命を救うのが仕事じゃないの?
 なのにどうして殺すの?ロクーの命はそんなにも軽いの?
 どうしてここまでしないといけなかったの?捨てられるって怯えなきゃいけなかったの?
 私は魔法もろくに使えないダメ生徒だけど、先生達は見捨てたりなんかしないのに!!」
ギズモの言ったことは、当たらずとも遠からずだろう。
少なくともホワイト博士は、ロクーが思っているような人物ではない。
あの雪の日、ホワイト博士には、用心棒を殺さなくても助ける手段はいくらでもあった。
ヘブンスマイルを使えば、たやすいことだったのだ。
だがそれを、死にゆくロクーに言っても仕方が無い。

「・・・・・・ごめんね、ロクー。
 ロクーは私を助けてくれたのに、私にはあなたを助けられない。
 エリザのことも、ごめんね、辛かったよね。
 でもね、世の中は、ロクー達の思ってるような魔法使いばかりじゃないんだよ。
 いい魔法使いだっていっぱいいる。
 もし誰もいないって言うなら、私がなるよ。回復魔法はだめでも、知識ならあるから。
 きっとロクーみたいな人達の力になるから。きっとなるから! 
 だからお願い。もうムウ大陸で、これ以上ひどいことしないで」
図書館の本は完全に燃え尽きたわけではない。
本当にロクーが若返りの薬の情報を消したいのなら、今彼がここで死んではならないはずだ。
なのに死を選んだという事は、ロクーには自分がそうなっても大丈夫な理由があるとリリアーナは考えていた。
「ムウの人たちはもう皆いないの。ムムムも封印したわ。
 残ったのは何も知らない、主人を失ったゴーレム達だけなんだよ」

43 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 14:01:10 O
>「はわわわ!お父様は『だがそれがいい』って言ってくださってたのに〜!」
「……一般的な常識を持っている人物なら“だがそれがいい”とはけして言わない…」
やれやれと言った様子で頭を振る

>「まーまー、イジメ、格好悪いぞ♪
>それより桜花、起きた所悪いけど、早速出番だ。ほれ」

「別に……いじめてた訳ではありません。」

それまでの経緯をアナスタシア先生から聞いた桜花
「とりあえずクリムゾンヘッドを止めればいいんですね?」
(ナナナの回復薬でだいぶ回復できたが…時間静止は二回が限度か)
「ちゃんとお礼をいってなかったな。
助けてくれてありがとう、ナナナ。」
話を聞き終わった桜花はナナナを向いて柔らかく微笑み
(本人はそう思っているが実際は慣れないため強ばった笑顔で)
ナナナの頭を撫でる
>「桜花さま〜。無事で何よりでしたわ〜ん」

「あぁ、猫君」
クリムゾンヘッドに捨てられ飛んできたルズをひょいと抱き上げる
「大丈夫か?派手に転がったが…」

>「おっと。肝心なことを言い忘れてた。
>おーい!墓場では桜花の活躍でムムムは像に戻ったし、メイレンもバラバラになったちゃったぞー!
>これで後の心配はなんにも無くなったから、さっさとクリムゾンヘッドを倒せー!」

アナスタシア先生が地上での出来事を話した瞬間桜花の元気が無くなる。

>「そんな・・・・・・・ ねえ、今の話本当なの桜花さん?」

「……ごめん」
リリアーナからの問いに小さく一言だけ返す桜花
フリージアからメイレンはレベッカの母だと言う事を聞いている


44 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 14:01:50 O
「彼女は…私に生き残る道を示してくれた。そしてそのために命を落とした。
彼女には私を見捨てて生き残る事も出来たと思う。それをせずに最後までムムムを倒す事に協力してくれた。
…ごめん。」
レベッカには言わなかったがメイレンの事は自分のせいだと思っている桜花は
レベッカに深々と頭を下げる

>「なまじ魔法の知識があるゆえに、見誤ったのだ貴様はッッ!!
>今見せてやるぞッッ!これが俺の答えだーッッ!!」

クリムゾンヘッドはミシェル先生に襲い掛かる。

>「首を切断したのだ…もうどんな魔法を使おうとも、助からない…ぞッッ……」

しかし上がったのはミシェル先生の血飛沫では無くクリムゾンヘッド自身の物だった
「…自害など……」
バカな事をと言おうとしたが止めた
彼には彼なりの信念があったのだろう。それをバカな事と一言で片付けるのは躊躇われた。

45 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 18:49:09 O
>38-44
>「ヘブンスマイルの基本能力自体は珍しくはありません。(後略)
「はあ」
急に講義を始めたミシェル先生についていけずに、間抜けな返事を返すあたし。
あの…できれば、講義より先にクリムゾンヘッドを何とかして欲しいんですが…
なーんて、言えるわけないしなー、どうしよ…
>「では、これはどうでしょうか?」
パチリと鳴らされるミシェル先生の指。
それはどうやら魔法発動の手順だったようで、最初に消えたのは図書館の明かり。
次に消えたのは、クリムゾンヘッドの切り札のはずのヘブンスマイル。
ミシェル先生は、クリムゾンヘッドの体を光らせ、光源にすることでその影を消したのだ…ってええぇっ!?
そんなあっさり消えるような技だったのかあれ!?
なんてこった。警戒してて損した。

>「(そぉい!)貴様ッ!調子には乗らせんぞッッ!!……はっ!なんだこれはッ!?」
怒ってルズを放り投げ、ミシェル先生に襲いかかるクリムゾンヘッドに、今度は茨が襲いかかる。
本棚の欠片から生まれたその茨は、生きてるロープのようにクリムゾンヘッドをからめ取り、動きを封じた。
>「馬鹿なッ…この俺が…完全に封じられたというのかッ!?これだけ貴様に近づいておきながらッ…!」
>(前略)いいですか、雷や氷や核熱だけが魔法ではありませんよ?」
「ですよねー」
一応他の魔法も使えるんだけど、燃費が悪すぎるんだよなー。あたし…
> 「で、これからどうするのですか?」
>「クリムゾンヘッドがゾンビの怪力で茨を引きちぎる前にやつの手首をぶった切ってルズさんを取り戻しますわ」
「手首をぶった切ってなんて言うなよ…。
 せめて、無理やり取り返すぐらいには遠まわしに言え…」
クロいよ…ってかグロいよフリージアお嬢様。

アホ姉が墓場での衝撃の戦闘結果を叫んだ。
「メイレンさんがムムムと相討ち…?」
>「そんな・・・・・・・ ねえ、今の話本当なの桜花さん?」
>「……ごめん」
力なく答える桜花の表情が、それが真実である事を物語る。
>「じゃあさっきターロンが、メイレン様の妖力が変化したって言ってたのはこのこと?
> で、でも、妖怪ってばらばらになっても大丈夫なんだよね?」
「…どうだろう。とにかく、まずはクリムゾンヘッドをなんとかしないと」
レベッカは完全にお別れじゃなかったけど、あっさり死んでしまった。
同じ妖怪のターロンにも意見を聞きたい所だけど、こちらは黙して何も語らない

図書館に、さっき聞いたばかりの笑い声が響いた。
それはさっき消えたはずのヘブンスマイルの声。
「ヘブンスマイル!?消えたはずじゃ…」
>「甘いなミシェルーッ!ヘブンスマイルは影であると同時に守護霊でもあるのだッ!(中略)
> 今見せてやるぞッッ!これが俺の答えだーッッ!!」
「危な……っ!!」
叫ぶ暇があればこそ。はねられた首が宙を飛ぶ。
>「首を切断したのだ…もうどんな魔法を使おうとも、助からない…ぞッッ……」
飛んだ光る首はゴロゴロ転がり、端の壁に当たってようやく止まった。
光る首。それは、襲いかかったはずのクリムゾンヘッドの首。
ミシェル先生がやったんじゃない。
クリムゾンヘッドが言うように、あいつは自分で自分の首を切り落としたんだ。

46 名前:ミルク&アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage ターロンは明日] 投稿日:2009/11/11(水) 18:54:46 O
「な、なんで…こんな事を…自害だなんて…」
> 何故俺が、自らの死を選んだか…だと?お前らは俺を拘束した後、
> 思ひ出の糸車でホワイト博士の謎を探るつもりだったのだろう?
> そうはいかんよッッ…!あの方の、少しでも不利になるような情報を教えるわけにはいかんッ…!」
それほどまでに、クリムゾンヘッドはホワイト博士に心酔していたのだ。
自分が死んでも、ホワイト博士に不利になる情報を与えたくないと思うほどに。

>「守護霊は、それを使う人によって姿と能力が変わる。
> 俺のヘブンスマイルが女の形をしているのも、ただそれだけの理由だッ…
> もしも、あれが俺の妹なら…嬉しかったがなぁ…ッッ、ウホッ!」
口から血を吐きながら続けるクリムゾンヘッドを、返す言葉もなく見守るあたし。
>「リリアーナッ…貴様は俺の妹がガンだと知ったとき、意外そうな顔をしていたなッ…(中略)
> ムー大陸の、若返りの薬の存在を…許すわけには…いかな…い…」
若返りの薬。じゃあ、それがクリムゾンヘッド…ロクーの、そして秘密結社ケルビムの目的だったんだ。

>「天国にいけずアケローンの渡し守をしているお母様・・・・・(中略)
> あなたが殺してきた人間にもきっと同じように悲しむ人間がいたでしょうね」
>「ムウの人たちはもう皆いないの。ムムムも封印したわ。
> 残ったのは何も知らない、主人を失ったゴーレム達だけなんだよ」
フリージアやリリアーナがロクーに声をかける中、あたしはまだかける言葉が見あたらず、ただ立っている。

>>「残念な事に、ホワイト博士とかいう奴は、お前の事なんかちっとも好きじゃなかったみたいだな。
>> 塵は肉に、肉は塵に。自分のバカさを悔やみながら塵に帰れ」
いつの間にか横に来ていたお姉ちゃんが、クリムゾンヘッドの首に辛辣な言葉を投げかけた。
「ちょ、アホ姉なにもそんな言い方しないでも…!」
>>「普通大事な人に人殺してこいとか、何か盗んでこいなんて頼まないだろ?
>> そんな事本気で頼むのは頭のイかれたバカだけだぞ。
>> そんな奴のために命を投げ捨てたりするから、バカって言っただけだ」
あたしに軽くそう言うと、お姉ちゃんはまたロクーに話しかける。
>>「ま、お前みたいなバカヤローでも、最後のお願いくらい聞いてやらない事もないぞ♪
>> 何かないか?妹にサヨナラと伝えてやろうか?」

47 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 21:44:20 O
>40>41>42>43>44>45>46
> 「そんな・・・・・・・ ねえ、今の話本当なの桜花さん?」
アナスタシアからメイレンがバラバラになったと聞かされ、うろたえるリリアーナ。
外見からはわからないだろうが、レベッカも動揺した。
> 「……ごめん」
> リリアーナからの問いに小さく一言だけ返す桜花
> 「彼女は…私に生き残る道を示してくれた。そしてそのために命を落とした。
> 彼女には私を見捨てて生き残る事も出来たと思う。それをせずに最後までムムムを倒す事に協力してくれた。
> …ごめん。」
「メイレンが…おめぇを助けただって?」
深く頭を下げるオウカにレベッカは困惑する。
> 「じゃあさっきターロンが、メイレン様の妖力が変化したって言ってたのはこのこと?
>  で、でも、妖怪ってばらばらになっても大丈夫なんだよね?」
「だったら何で俺は死んだんだ?バラバラどころか剣で肩を斬られただけでこのざまだ。
 メイファくらいなら首が飛んでも動けるが、今のメイレンは…」
> 「…どうだろう。とにかく、まずはクリムゾンヘッドをなんとかしないと」
> 「ここは皆に任せよう。先生方もいるし。
>  レベッカさん、今すぐ上に連れて行ってあげるから!」
「くそっ…もしも、もしもよぅ…メイレンが死んじまったら、俺はどうすりゃいいんだぁ?」

> 踵を返したリリアーナの足を止めたのは、ロクーの絶叫に近い叫びだった。
> なんとも嫌な音と共に、あたりに水をぶちまけるような音がした。
> 「何てことを!!
>  ・・・・・・誰か!今のうちにヘブンスマイルを浄化して!!」
> 「…自害など……」
「ばっ、馬鹿かあいつは!?」
オウカがためらった言葉を平気で言うのがレベッカクオリティである。
> 「ロクー!!」
> リリアーナは金縛りが解けたようにロクーの首へと賭けよると、彼の頭上に跪いた。
その後、レベッカも一緒にクリムゾンヘッドの言葉を聞いていた。

48 名前:クリムゾンヘッド ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 21:45:57 O
フリージアとリリアーナの言葉を聞くクリムゾンヘッド。
医療機関が命を奪うのはおかしいと言われ、彼が答える。
「俺が貴様らに理解を求めないように…俺に理解を求めるな…

 ところで、フリージア…魔法使いだけがかかる病気があるだとッ…?
 良い事を教えてもらった…これは記録に値するぞ…
 これは…記録に値するぞ…」
> 「・・・・・・ごめんね、ロクー。
>  ロクーは私を助けてくれたのに、私にはあなたを助けられない。
>  エリザのことも、ごめんね、辛かったよね。
>  でもね、世の中は、ロクー達の思ってるような魔法使いばかりじゃないんだよ。
>  いい魔法使いだっていっぱいいる。
>  もし誰もいないって言うなら、私がなるよ。回復魔法はだめでも、知識ならあるから。
>  きっとロクーみたいな人達の力になるから。きっとなるから! 
>  だからお願い。もうムウ大陸で、これ以上ひどいことしないで」
「笑わせる……ッ!」
> 「ムウの人たちはもう皆いないの。ムムムも封印したわ。
>  残ったのは何も知らない、主人を失ったゴーレム達だけなんだよ」
「何を言うかッ…!貴様らが、まさにいるではないか…ッッ!
 貴様らは若返りの薬のことを知っている…その情報は、流出してはならんのだ…
 予言しよう…例えここで俺が死んでも…第二…第三の俺が貴様らを殺す…
 その時まで………」
> >>「残念な事に、ホワイト博士とかいう奴は、お前の事なんかちっとも好きじゃなかったみたいだな。
> >> 塵は肉に、肉は塵に。自分のバカさを悔やみながら塵に帰れ」
> 「ちょ、アホ姉なにもそんな言い方しないでも…!」
「いや…言わせろ、ミルク…」
> >>「普通大事な人に人殺してこいとか、何か盗んでこいなんて頼まないだろ?
> >> そんな事本気で頼むのは頭のイかれたバカだけだぞ。
> >> そんな奴のために命を投げ捨てたりするから、バカって言っただけだ」
「はははッ……ホワイト博士を思慕することがバカというのなら……
 俺にとってそれは敬称だなぁ…バカヤローだとも…
 博士が俺を本当はどう思っていても……バカヤローだとも…」
> >>「ま、お前みたいなバカヤローでも、最後のお願いくらい聞いてやらない事もないぞ♪
> >> 何かないか?妹にサヨナラと伝えてやろうか?」
「いや…違うなッ……俺はこれから妹に“会う”んだよ…
 次に会う時までにレモンパイを用意しておけ……あれは……いいものだ………」
そして、クリムゾンヘッドは事切れた。
葉巻の長さは残り7センチである。

レベッカが言った。
>「俺達は自分達の命を守るために戦った。クリムゾンヘッドに同情するつもりは全くねぇ。
> …けどよぉ、こうも魔法使いを目の敵にする連中ばかり相手にすると、気が滅入るぜ。
> 俺達は、俺達が思っているよりも、世の中にとって悪い存在なのかぁ?」

49 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/12(木) 19:32:16 O
>48
>>「俺達は自分達の命を守るために戦った。クリムゾンヘッドに同情するつもりは全くねぇ。
>> …けどよぉ、こうも魔法使いを目の敵にする連中ばかり相手にすると、気が滅入るぜ。
>> 俺達は、俺達が思っているよりも、世の中にとって悪い存在なのかぁ?」
「それは違います。魔法使いが憎まれるのは、我々が特別な存在だからです。
 自分より優秀な、恵まれた者を妬み、憎むことは別に珍しい事ではありません。
 あのような者たちには、自分達がかなわない敵を相手にしている、ということを力で教えるしかないのです」
ターロンは、レベッカの質問に感情を殺そうとした声で答えた。
それでもその声からは、押さえきれない歓喜の響きが感じ取れる。

「ムムムは石となり、クリムゾンヘッドは死に、もはや我々の敵はいなくなりました。
 馴れ合いはここまでとさせていただきましょう。【逆符・登竜門鯉の滝登り】」
符術が発動し、リリアーナの周りに配置されたお札が一斉に燃え上がる。
ターロンが使ったのは、激流をさかのぼる鯉のように物事の力を逆転させる符術だ。
対象となったのはリリアーナの持つ封印の石。
ターロンは封印の力を逆転させて、神鳴りの杖に封じられた龍を解放するために使ったのだ。

急激な力の反転による負荷に耐えられず、封印の石は強い光を発しながら砂となる。
しかし、その一瞬でターロンの目的は達成され、神鳴りの杖からは続々と龍が飛び出した。
それに続き、リリアーナの体に貼られた御札から龍の絵がするりと抜けだし、同じく神龍の所に向かう。
飛び出した龍たちは、上に舞う神龍の元に吸い寄せられるように集まり、固まり、神龍の体となり始めた。
最初に実体を持ったのは神龍の頭部分で、額の所には小さい龍の絵がついていた。
御札から抜けだしたターロンはそこに移ったのだ。

神龍は目を開き、ターロンの声で話し始める。
「皆さんの協力に感謝しましょう。私はこのように神龍と同化することができたからです。
 力を手に入れた以上いろいろとすべき事はありますが、まずはクリムゾンヘッドの始末から行いましょう。
 リリアーナさん、あなたの力でクリムゾンヘッドを生き返らせてもらいましょうか」
ターロンはリリアーナに貼られたままの白い御札の力を使い、リリアーナを操ろうとした。
カドゥケウスを封じていた封印の石は、すでにその力をうしなっている。
「彼の死ぬ直前の言葉には、見過ごせない不審な点がいくつかありました。
 クリムゾンヘッドが生き返ったなら、彼の望み通り拘束し、思ひ出の糸車で情報を引き出すことにしましょう。
 ケルビムとはどんな組織なのか?
 ホワイト博士とはどんな人物か?
 妹と会うとはどんな意味だったのか?
 聞きたいことは他にも沢山あります」

ターロンは、リリアーナ以外の全員にも語りかける。
「秘密結社ケルビムとホワイト博士は魔法使いを敵視しています。
 このまま放置する事の危険性は極めて明白であり、皆さんにもおわかりいただけるはずです。
 どうかリリアーナさんの説得にご協力ください」
ターロンの意見に賛同する者が増えれば増えるほど、リリアーナを操る力は強くなるだろう。

50 名前:ベルジン ◆YmZ.sWYRgo [sage] 投稿日:2009/11/13(金) 01:04:49 O
>>49
>「それは違います。」

「同感だ…連中は私を…
いや魔法使いをまるで…人間として扱わなかった…」
歓喜を滲ませる声のターロンとは対象的にベルジンの声にはどこか悲痛さが混じっていた

>ターロンはリリアーナ以外の全員にも語りかける

「貴様の言いたい事は分かる…
だが…」
そう言うとベルジンは上着の懐に手をいれ杖を握った
「リリアーナ君…どうか…分かって欲しい…」


51 名前:ベルジン ◆YmZ.sWYRgo [sage] 投稿日:2009/11/14(土) 02:31:05 O
>>50
「私は君を傷つけたくはない…
頼む…ターロンの要求を飲んで貰えないか…」
ベルジンは握った杖を懐から取り出し リリアーナへと切っ先を向ける
彼女へ向けた声には苦渋の決断をした沈痛さが滲んでいた

「これは私達魔法使い全員に関係する…
もしこのまま手を拱いていては必ず事態は悪化するだろう…
狙われるのは我々なのだ…」

全員に聞こえるよう語りかけた後 ベルジンはもう一度リリアーナに視線を戻した
「全ては君に懸かっている…
どうか聞き入れて貰いたい…」

52 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/14(土) 22:19:32 P
>44>48-51
>「いや…違うなッ……俺はこれから妹に“会う”んだよ…
> 次に会う時までにレモンパイを用意しておけ……あれは……いいものだ………」
「ばかじゃねえの?お前みたいな悪いことをやったやつが天国に行けるわけが無いじゃん
 地獄には妹さんは居ないだろうしね」
悪魔が天国行けないといっても説得力無いと思う

>「俺達は自分達の命を守るために戦った。クリムゾンヘッドに同情するつもりは全くねぇ。
> …けどよぉ、こうも魔法使いを目の敵にする連中ばかり相手にすると、気が滅入るぜ。
> 俺達は、俺達が思っているよりも、世の中にとって悪い存在なのかぁ?」
>「それは違います。魔法使いが憎まれるのは、我々が特別な存在だからです。
> 自分より優秀な、恵まれた者を妬み、憎むことは別に珍しい事ではありません。
> あのような者たちには、自分達がかなわない敵を相手にしている、ということを力で教えるしかないのです」
「本当にそうかしら?魔法なんて世界に多くある異能のひとつに過ぎないと思うんだけど・・・・」
フリージアさんの知り合いには何の魔法強化もしてない包丁でファイヤーボールを叩き斬る魚屋さんとか
素手でアイアンゴーレムを粉砕する保険医とかがいるので魔法がそう特別だとは思えなかった
「そうだよね神聖魔法だって魔法って呼んでるけど実質は神の奇跡で正確には魔法じゃないもんねv」
そういうギズモは悪魔であり悪魔族特有の能力を持っている

リリアーナを操りクリムゾンヘッドを復活させようとたくらむターロン
「さっきから生き返らせるとか何とか言ってるけど
 クリムゾンヘッドは敵になったときにはすでにゾンビでしたのよ
 ゾンビって死んでるからゾンビなんじゃなくて?
 死んでるものが2回も死ぬなんて考えられないしどっちかというと活動停止という表現が正しいんじゃないかしら
 リリアーナさんの能力で死んだ人間は復活できても活動停止したゾンビは再活動させられるものなのかしら?」
とフリージアさんは疑問に思った
「そうだよねどっちかというとネクロマンサーの仕事だよね」
と同意をするギズモ
「それに頭だけの状態で生き返らせたら誰かの体を乗っ取ろうとするかもしれないじゃないの
 それより今の状態で頭だけ回収して脳味噌から情報を聞き出したほうが・・・」
そんなサイバーパンクじゃあるまいしそんなあれな技術は無い・・・・よね
「今のまま生き返ったらゾンビからデュラハンにレベルアップだねv」
生首を前にそんな気楽な会話が出来るギズモっていったい・・・・

>「私は君を傷つけたくはない…
> 頼む…ターロンの要求を飲んで貰えないか…」
「別に僕は魔法使いじゃないから関係ないけど・・・・
 こんなの生き返らせるぐらいならレベッカさんを先に生き返らせるべきだよ」
どうせ力を使うのならレベッカに使えと言うギズモ
はたしてリリアーナはターロンに抗えるのだろうか?

53 名前:ミシェル ◆pP6eYSrQUy.9 [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 15:04:21 O
>>39 >>51

影は消した。しかし―――
>「なまじ魔法の知識があるゆえに、見誤ったのだ貴様はッッ!!
今見せてやるぞッッ!これが俺の答えだーッッ!!」
その言葉にミシェルは薄く微笑む。さながら子供のイタズラを見守るように。
そして
血飛沫が舞う。
「いい気味だ…ミシェル…クリーニング代は…高くつくぞ…」
もはや首だけで最後の力を振り絞るように喋るそれに、ミシェルはバカな奴だとはやり薄く笑いながら溜め息をついた。
そこから長々とクリムゾンヘッドの話が始まる。長広舌ここに極めりといった所か。
いつもの様に長い話は無関心を決め込もうとしたミシェルだが、一言だけ引っ掛かった。
魔法が使えぬ者には同じ境遇の救世主が必要だと。
しかしミシェルの長年の経験から、世の中を魔法使い、非魔法使いで分別するのは無駄な事だと悟っている。
>「(略)
イェスタデイ・ワンスモア…それが…俺のヘブンスマイルの名前……だ……ッッ………」
「イェスタデイ・ワンスモア?
その美しかった在りし日を壊したのはお前自身だろう」
もはや喋る気力も、聴く気力もないかも知れない首だけになった化け物にも容赦なく言葉を放つ。
そしてやはり紆余曲折の後、今はベルジンがリリアーナに杖を向けている。
険しい顔でミシェルはベルジンに詰め寄る。
「スナウト、お前正気か?私にはとても教え導く者にはあるまじき姿に見えるがね
影を操るのが精一杯の奴を何故恐れる?
私はリリアーナ君がどういう力をどういう経緯で封じたか興味はない
だが持たない者が持たない故に渇望するように、持つ者は持つが故に苦悩するものだ
きみのそれは魔法使い全体を言い訳にした私情だよ。もう一度言おう
今のきみは正気か?」
こう言ったミシェルだが魔法使いが受ける迫害について実体験には薄い。
何せミシェルが人生の大半を過ごしてきた教会という組織は特殊な場所だ。
魔法使いを迫害するような輩も、聖書にある言葉を喋り十字を切ればミシェル、即ち魔法使いにも頭を下げる。
知識や記述で知ってはいても体験してないからこそ言える清々しいまでの正論であろう。
そしてリリアーナには優しい笑顔を向けるのである。
「私は甘い先生ですから、きみの決めたことを否定はしませんよ
命を絶ったのはアレの意識だ。きみが関わらないと決めたのなら、それは間違いではないさ」
とフォローになったのか、なってないのか微妙な言葉で締める。

54 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage ちょっと先だし。これ以前の事は回想で] 投稿日:2009/11/15(日) 15:32:15 O
>「これは私達魔法使い全員に関係する…
>もしこのまま手を拱いていては必ず事態は悪化するだろう…
>狙われるのは我々なのだ…」
「そこまでです、ベルジン先生」
ベルジン先生がリリアーナに杖を向けるのと同じように
桜花はベルジン先生に対してナイフを向ける。
「私には貴方の言う事が分からない。
自分の教え子が拒否しているのになぜ無理強いをする。
事態の悪化?私達魔法使い全ての問題?
そんなもの関係ない!
彼女が苦しんでいるんだ!
秘密結社ケルビム?ホワイト博士?
知ったことではない!
私が一番重要なのは友人である彼女だ。
リリアーナさんにちょっとでも打つ素振りを見せてみろ…!
例え相手が教師であろうと、私は貴方を刺す事を躊躇したりはしない………!」
桜花の目は本気である
「他の人がどう思おうと構わない。だが私は
望まない力を振るわせる事など断固させない…!
貴方は魔法使いの未来とやらの大義名分の旗を掲げているといい…!」

55 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage 大遅刻ごめん!] 投稿日:2009/11/15(日) 17:05:17 0
「あ〜ん、痛いですわ〜もうだめですわ〜。
 腕や手が当たってるだけで傷がうずくのですわー。
 この痛みは、胸の谷間に挟んでくださったならきっと和らぐと思うのですわ〜」
ルズは苦しんでいる間、ちらっちらっと桜花の顔色を伺っている!
「あーん痛いですわ〜、苦しいですわ〜。胸の谷間ならきっと楽になれますのに〜。
 ・・・・・・あらん吸血鬼、あなたさっきの黒犬使い魔はどうしましたの〜?」

一方のリリアーナ。
ロクー達の目的は、若返りの薬の情報流出を阻止することのようだ。
そういえば先程「魔法使いにしかかからない病気のことを、記録に値する」と言っていた気がする。
しかし、どうやって記録するのだろう?
今彼が死んでしまえば、その情報を生かすことなどできないというのに。
それとも、今の彼が見聞きしたことを、別の誰かが見聞きしているとでも言うのだろうか?
ロクーの最後を看取りながら、リリアーナは頭の隅でそんなことをぼんやりと考えていた。

結局ロクーとは、最後の最後まで分かり合える事は無かった。
レモンパイ、という単語にリリアーナは反応したようだが、今そんな事を気にとめる者はいないだろう。
>「俺達は自分達の命を守るために戦った。クリムゾンヘッドに同情するつもりは全くねぇ。  
>  …けどよぉ、こうも魔法使いを目の敵にする連中ばかり相手にすると、気が滅入るぜ。
>  俺達は、俺達が思っているよりも、世の中にとって悪い存在なのかぁ?」
それに対し、皆思い思いの意見を述べている。
「みんな臆病なだけなんだよ。人間も、妖怪も、魔法使いも。
 よくわからないものは、怖いから。
 だからレベッカさんみたいに、橋渡ししてくれる存在は貴重なんだと思う」
ロクーの顔に白い布をかけたリリアーナは、そう言って立ち上がった。
「こうしていても仕方ないし、とりあえず地下墓地に行こう。
 レベッカさん、落ち込むのはその目で確認してからでも遅くないよ。
 桜花さん、無神経なこと聞いてごめんね。でも、そんなに自分を責めないで。
 誰がその場にいても、あなた以上のことなんて出来なかったと思うの。ね?」

>「ムムムは石となり、クリムゾンヘッドは死に、もはや我々の敵はいなくなりました。
> 馴れ合いはここまでとさせていただきましょう。【逆符・登竜門鯉の滝登り】」
「キャ――――ッ!!」
リリアーナの周りに配置されたお札が一斉に燃え上がッたかと思うと、リリアーナの胸から強烈な光が迸った。
>急激な力の反転による負荷に耐えられず、封印の石は強い光を発しながら砂となる。
封印を解かれた龍達は神龍の身体となり始めた。
>最初に実体を持ったのは神龍の頭部分で、額の所には小さい龍の絵がついていた。
>「皆さんの協力に感謝しましょう。私はこのように神龍と同化することができたからです。
> 力を手に入れた以上いろいろとすべき事はありますが、まずはクリムゾンヘッドの始末から行いましょう。
> リリアーナさん、あなたの力でクリムゾンヘッドを生き返らせてもらいましょうか」

「やめ・・・・・・嫌ああぁぁあ!」
リリアーナは悲鳴をあげると、頭を抱えて蹲った。
世界がぐにゃりとゆがむ。
目の前で血まみれで倒れているロクーと、自分の想い人との認識が頭の中でごちゃ混ぜになる。
混乱するリリアーナの精神世界では、血まみれの彼が起き上がり、生き返らせてくれと懇願する。
本当は死にたくなかったと。力を持っているのなら、もう一度、と。
なぜ力を持っているのに、自分を救ってはくれないのかと。
非魔法使いだからダメなのかと。
自分を愛していないのかと。
「やめて!私の中に入ってこないで!」
ターロンは皆からもリリアーナを説得するよう促している。
そしてとうとうベルジンは、杖をリリアーナへと向け、杖――――カドゥケウスを召喚するよう説得を始めた 。

56 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 17:06:00 0

封印の石を使ってカドゥケウスを封じたのは、学園長だった。
杖を封じてしまえば、カドゥケウスの気配を捉えられることも無い。
だが今、封印の石は消えてしまった。
召喚が可能になったかわりに、こうしているだけでカドゥケウスの痕跡をこの場に残すことになる。
ケルビムにとっての若返りの薬と同様、リリアーナ達にとっても知られてはならない事だった。
だがこの状況、しかも結界の無い学園外で召喚すれば、力を持つ者なら必ず杖の復活に気づくだろう。
そんなことは、絶対にあってはならない。
『伝説の杖』は、伝説のままに。
それは、学園教師ならば全員共通した認識であるはずだった。
だからこそミシェルは、ベルジンの乱心を疑ったのだろう。

「絶対に、い・・・いや!」
ベルジンの懇願にも、リリアーナはきっぱりと拒絶した。
>「私は甘い先生ですから、きみの決めたことを否定はしませんよ
>命を絶ったのはアレの意識だ。きみが関わらないと決めたのなら、それは間違いではないさ」
>「他の人がどう思おうと構わない。だが私は
>望まない力を振るわせる事など断固させない…!
苦しみに歪んでいたリリアーナの口元が、ふっと緩んだ。
理解し、信じてくれる者がいるのはとても心強かった。
(ありがとう、皆)

リリアーナは知らなかった。
ターロンの意見に賛同するものが増えれば増える程、操られる力が強くなるはずだった。
だが不思議なことに、ベルジンが賛同しても、リリアーナはまだしつこく抵抗出来ていた。
これは何を意味するのだろうか?

リリアーナは杖を構えるベルジンの目を見た。
そして気づいた。ベルジンは嘘をついている。
ベルジンの言葉は本心ではないのだ、と。
(・・・・・・・そうか!分かったわ!!
 ベルジン先生は、ターロンの油断を誘って、その隙をついて御札を破壊してくれるつもりなんだわ!)
操作系の呪縛は解除が難しい。
下手に破壊すると、被害者の精神まで壊して俳人にしてしまう恐れがあるからだ。
だが、ベルジンは闇魔法防衛論の教師でもある。
魔法と呪札では系統は違うが、対処はきっと知っているはずだった。
ベルジンの本意はともかく、リリアーナはこの状況をそう判断した。
『ベルジン先生、構いません。ターロンの呪札を破壊してください。
 大丈夫。私、先生のこと信じてますから』

リリアーナはベルジンから注意をそらせるべく、ターロンと会話を試みた。
「死人を蘇らせるなんて・・・・・む、無理。
 ロクーから聞き出さなくても、第二、第三のロクーの出、現、待てばいい。
 恐らく彼らは、データを、共有してる。
 だから私を操るより・・・・・彼らを、と、捕らえて・・・・・っ・・・問い詰めた方、がっ、早い・・・・・・ぅ」
杖を召喚しようとする左腕を右手で押さえつけた。
ばちっと御札から火花が飛び散った。
リリアーナは苦しげに背を丸めた後、ターロンを見てせせら笑った。
「ずいぶん浮かれてるみたいだけど・・・・・メイレン様が、本当に亡くなっ・・・た、の?
 力得ても・・・心配、じゃないの?」

57 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 19:46:37 0
>49>50>51>52>53>54>55>56
> 「それは違います。魔法使いが憎まれるのは、我々が特別な存在だからです。
>  自分より優秀な、恵まれた者を妬み、憎むことは別に珍しい事ではありません。
>  あのような者たちには、自分達がかなわない敵を相手にしている、ということを力で教えるしかないのです」
「…てめぇ、声が笑ってるぜ?」
レベッカは、たぶんターロンとは今のこのやるせなさを共有することはできないと思った。
> 「同感だ…連中は私を…
> いや魔法使いをまるで…人間として扱わなかった…」
> 歓喜を滲ませる声のターロンとは対象的にベルジンの声にはどこか悲痛さが混じっていた
レベッカはそう言ったベルジンに何も言わなかった。
ベルジンの過去は知らないが、ベルジンの言う“連中”を“妖怪”に、
“人間として扱わなかった”を“妖怪として扱わなかった”と言い換えれば、
それはそのままレベッカの過去そのものであったからだ。レベッカが自分自身に何を言えるというのか?
> 「本当にそうかしら?魔法なんて世界に多くある異能のひとつに過ぎないと思うんだけど・・・・」
> 「そうだよね神聖魔法だって魔法って呼んでるけど実質は神の奇跡で正確には魔法じゃないもんねv」
フリージアとギズモが言う。
「なんか…俺はお前ら二人が友達で良かったと今つくづく思ったよ。」
二人のお気楽な会話を聞いていると、レベッカは幾分気が楽になる気がした。
> 「みんな臆病なだけなんだよ。人間も、妖怪も、魔法使いも。
>  よくわからないものは、怖いから。
>  だからレベッカさんみたいに、橋渡ししてくれる存在は貴重なんだと思う」
「慰めてくれるのか?ありがとな、リー。」
世にも貴重なレベッカがリリアーナにお礼を言う。
> 「こうしていても仕方ないし、とりあえず地下墓地に行こう。
>  レベッカさん、落ち込むのはその目で確認してからでも遅くないよ。
>  桜花さん、無神経なこと聞いてごめんね。でも、そんなに自分を責めないで。
>  誰がその場にいても、あなた以上のことなんて出来なかったと思うの。ね?」
「まぁ、案外普通に生きてるかもしれねぇしな。」
少し気が楽になったレベッカもオウカのフォローにまわった。

> 「ムムムは石となり、クリムゾンヘッドは死に、もはや我々の敵はいなくなりました。
>  馴れ合いはここまでとさせていただきましょう。【逆符・登竜門鯉の滝登り】」
> 「キャ――――ッ!!」
「て、てめぇ、何しやがる!」
なんやかんやで、神龍は目を開き、ターロンの声で話し始める。
> 「皆さんの協力に感謝しましょう。私はこのように神龍と同化することができたからです。
>  力を手に入れた以上いろいろとすべき事はありますが、まずはクリムゾンヘッドの始末から行いましょう。
>  リリアーナさん、あなたの力でクリムゾンヘッドを生き返らせてもらいましょうか」
> 「やめ・・・・・・嫌ああぁぁあ!」
> リリアーナは悲鳴をあげると、頭を抱えて蹲った。
> 「やめて!私の中に入ってこないで!」
「無理矢理だと!?馬鹿な!
 スペルカード発動!てめぇをぶっとばす!…あれ?」
レベッカが発動させた無数のスペルカードが、あらぬ方向に飛んで行き、図書館から出て行ってしまった。
そもそもこのスペルカードはターロンのものである。レベッカがうまく使えないとしても当然かも知れない。

ターロンは、どうしてもクリムゾンヘッドを拘束してケルビムの情報を聞き出したいらしい。
> 「秘密結社ケルビムとホワイト博士は魔法使いを敵視しています。
>  このまま放置する事の危険性は極めて明白であり、皆さんにもおわかりいただけるはずです。
>  どうかリリアーナさんの説得にご協力ください」
このころから、なぜかレベッカは沈黙を始めた。その理由は後に明らかになる。

58 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/15(日) 19:51:12 0
> 「貴様の言いたい事は分かる…
> だが…」
ベルジンは、少なくとも表面上は、ターロンの要求をのむようにリリアーナに迫った。
> ベルジンは握った杖を懐から取り出し リリアーナへと切っ先を向ける
> 「全ては君に懸かっている…
> どうか聞き入れて貰いたい…」
> 「絶対に、い・・・いや!」
> ベルジンの懇願にも、リリアーナはきっぱりと拒絶した。
> 「そこまでです、ベルジン先生」
> ベルジン先生がリリアーナに杖を向けるのと同じように
> 桜花はベルジン先生に対してナイフを向ける。
> 「スナウト、お前正気か?私にはとても教え導く者にはあるまじき姿に見えるがね
> 影を操るのが精一杯の奴を何故恐れる?
> 私はリリアーナ君がどういう力をどういう経緯で封じたか興味はない
> だが持たない者が持たない故に渇望するように、持つ者は持つが故に苦悩するものだ
> きみのそれは魔法使い全体を言い訳にした私情だよ。もう一度言おう
> 今のきみは正気か?」
とミシェルもベルジンを問い詰める。二人とも、ベルジンの意見には断固反対する構えだ。

リリアーナが口を開いた。第二、第三のロクーから秘密を聞けば良いと。
> リリアーナは苦しげに背を丸めた後、ターロンを見てせせら笑った。
> 「ずいぶん浮かれてるみたいだけど・・・・・メイレン様が、本当に亡くなっ・・・た、の?
>  力得ても・・・心配、じゃないの?」
「心配じゃねぇだろうさ、リー。あいつの目的は、最初から神龍と同化することだったのさ。
 俺達はうまいことあいつのシナリオ通り踊らされてたってわけだ。メイレンもなぁ。」
今まで沈黙を続けていたレベッカが、やっと口を開いた。
「俺はクリムゾンヘッドを生き返らせるのは賛成だぜ。」
レベッカが意外なことを言い出した。レベッカは真剣に言ったのだ。
そこにはベルジンのように、苦渋の決断であるかのような印象は全くない。
「俺もあいつの正体が気がかりだ。危険因子は早めに粛清するのが中つ国スタイルだからな。
 ターロンは何でもお見通し、ごもっともだ。……ところで、そのリリアーナの力とやらは、例えば
 死 体 が 無 く な っ て も 使 え る 能 力 な の か 〜 ? (笑)」
ターロンに目があり、なおかつ“第三の目”のような能力があれば、なおさら驚いただろう。
クリムゾンヘッドの死体はおろか、所持品、壊れたノビールアームの破片にいたるまで全て、
その場から消失してしまったのだから。“見えない”のではない、“ない”のである。
なぜかリリアーナがクリムゾンヘッドの顔にかけた白い布はその場に残ったが…
「おっかしいな〜?どこに行ったんだろうな〜?(笑)」
レベッカの口調からすれば、
クリムゾンヘッドの死体をこの場から消したのはレベッカだと判断するのは容易いだろう。
もしこの仮定が正しいなら、『レベッカがクリムゾンヘッドを生き返らせるのは賛成』と真剣に言ったのも、
嘘だったと判断せざるをえない。そしてターロンは改めて認識するだろう。
“息をするように嘘を吐く”こともまた中つ国スタイルであり、彼女がその道のプロであることを。
「まぁ、しかたねぇか。クリムゾンヘッドから情報を聞き出せないのは残念だが、
 ターロンの言いなりになるって〜のも、残念には違いねぇしな。」
もしもベルジンがリリアーナについた呪札を破壊するつもりなら、ターロンの動揺を誘える今がチャンスだろう。

59 名前:ベルジン ◆YmZ.sWYRgo [sage] 投稿日:2009/11/16(月) 15:01:10 O
>>52>>53>>54
>「別に僕は関係ないけど…」

「ならば口を挟むのはやめろ…
理解できぬ者はいつもそうだ…綺麗事を振りかざすしかできぬ…」
ギズモを睨みつけ一喝するベルジン
彼も心の中ではどちらが正しいのか否か葛藤を繰り返していた


>「スナウトお前正気か?(中略)きみのそれは魔法使い全体を言い訳にした私情だよ
もう一度言おう 今の君は正気か?」

「…確かに正気であれば生徒に杖を向けるような真似はすまい…
だがシェスター 君は魔法使いであるという理由で石を投げられた事があるのか…?
私情に駆られている部分は否定しない…
しかし このままでは罪の無い子供が私と同じような境遇におかれてしまうかもしれん…
君も教師ならば分かってもらえるはずだ…」
ミシェルの言った事は確かに『清々しいまでの正論』ではあった
教師として大きな間違いを犯したのも事実である
だが過去の境遇と比べては天秤はあるまじき方に傾いたなかもしれない


>「そこまでですベルジン先生」
桜花はベルジンに対し刃を向けた
「私には貴方の言う事がわからない(中略)
例え教師であろうと私は貴方を刺すことを躊躇しない」

「君のような素晴らしい友人がいたら私も変われたかな…」
ベルジンは桜花の目をじっと見つめ虚無的に笑う

>「他の人がどう思おうと構わない。(略)
貴方は魔法使いの未来とやらの大義名分の旗を掲げているといい…!」

「どうやら本気のようだな…
悪いが少し大人しくしていて貰う…」
そう言うとベルジンは杖の切っ先をリリアーナから桜花へと変えた

「…“武装解除”!」

永唱の後、桜花の握っていたナイフは手から弾き落とされた


60 名前:ベルジン ◆YmZ.sWYRgo [sage] 投稿日:2009/11/16(月) 17:17:37 O
>>56>>57>>58

>「絶対に、い…いや!」

>『ベルジン先生構いません。』

>「まあ、仕方ねえか(中略)残念に違いねぇしな」

「そうか……なら仕方ない…な…」
断固として拒否するリリアーナに対し、ベルジンは残念そうに再度杖を向ける

「君の信念は例え…拷問したとて変わるまい…
だが今は私情より優先すべき物がある…」
小さくため息をつくと 小さな声で呪文を永唱した

「……“・・・・・”!」

呪文を唱えた後 ベルジンは着ていたコートを空中へ放り投げると
コートは重力に従う事無く宙に浮き続け呪札の力を次々と吸収していく
力を吸い札を無効化し終えるとコートはばさりと地面へと落下した

「すまぬなターロン…やはり気が変わった…
悪いが協力はできん…」


61 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 遅れてごめん…] 投稿日:2009/11/17(火) 17:15:42 O
>47-60
>「いや…違うなッ……俺はこれから妹に“会う”んだよ…
> 次に会う時までにレモンパイを用意しておけ……あれは……いいものだ………」
その言葉を最後に、クリムゾンヘッドの首は沈黙する。
>「ばかじゃねえの?お前みたいな悪いことをやったやつが天国に行けるわけが無いじゃん
> 地獄には妹さんは居ないだろうしね」
>>「妹か…地獄じゃなきゃどこにいるんだろうな。
>> おい、はわわメイド。今すぐレモンパイ作れ」
しばらくクリムゾンヘッドの首を見下ろしていたアホ姉は、ギズモの言葉を聞いてナナナに無理難題を押しつけた。
「いやいやちょっと待て!なんでこの状況でレモンパイなんだよ!?」
>>「こんな状況だからだろ。すぐにクリムゾンヘッドと再会したら、レモンパイが無いと困るだろ」
「そんなすぐ会うと決まった訳じゃあるまいし…だいたい材料がないじゃん…」
と思ってたら、ナナナが言うにはターロンがお持ち帰りしたマジックアイテムで、レモンパイが作れるらしい。
マジックレンジなるアイテムの中から食材を出して、そのレンジで焼けるとかなんとかかんとか。
…すぐにレモンパイの現物を出せないあたり、便利だが不便だかわからないアイテムだ。

>「あーん痛いですわ〜、苦しいですわ〜。胸の谷間ならきっと楽になれますのに〜。(後略)
>>「うるさい猫だな〜。おいナナナ。
>> ちょっとあの猫治療して黙らせてこい。
>> レモンパイは私が作っとくから」
> 「はいっ!」
メイドは人助けが仕事と思ってるナナナは、早速ルズを抱え上げて回復薬を口に突っ込み始める。
「…いいのかあれ。てかアホ姉、レモンパイなんて作れたの?
 あたしでも作れないのに…」
>>「こんなもの材料を刻んで混ぜて焼けばいいだけだから簡単だぞ。
>> 食べ物で作ってるんだから、食べられる物が出来るに決まってるだろ♪」
「それはレモンパイとは言わないだろうがっ!!」

>「キャ――――ッ!!」
「リリアーナ!?」
材料を天使の輪っかでぶつ切りにするアホ姉にかまってる場合じゃなかった。
リリアーナの周りを一瞬火が取り囲んだかと思うと、手に持つ杖から龍が次々に飛び出していく。
飛び出した龍は神龍の体となり、霊体だった神龍は実体を手に入れた。
そして、神龍の声と、その話す内容。
ターロンは、神龍と同化してその力を手に入れたのだ。

一方的に同盟を破棄したターロンは、さらに、リリアーナにクリムゾンヘッドの復活を迫る。
>「やめ・・・・・・嫌ああぁぁあ!」
「ちょ…!リリアーナしっかりして!リリアーナってば!
 どうしちゃったのよ急に!?」
頭を抱えてしゃがみ込むリリアーナに駆けよって抱き寄せるけど、リリアーナは苦しそうにもがくばかり。
>「やめて!私の中に入ってこないで!」
>「無理矢理だと!?馬鹿な!
> スペルカード発動!てめぇをぶっとばす!…あれ?」
「無理矢理!?リリアーナ操られてるの!?
 …てかレベッカ!スペルカード変な所に飛んでっちゃったじゃないか、何してるんだよーっ!」
精神操作系の魔法は解除が難しい、というのはあたしでも知っている事。
最悪、術者が死んだら解除もできなくなる、なんてこともあるらしい。
だからここはターロンと同じ御札使いのレベッカに、と期待したのにこいつはぁぁ!!

62 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage ターロンはもう少し後で] 投稿日:2009/11/17(火) 17:17:50 O
ターロンはさらに、魔法使いの未来のためにもリリアーナを説得して欲しい、と提案をしかけてきた。
ベルジン先生は、その提案に同意して杖をリリアーナに向ける。
ミシェル先生や桜花はそれに反対。
当然あたしも断固拒否。
女の子を無理矢理好き勝手操ろう、なんて変態の考えなんかに同調する気は欠片もない。
ところが。
>「俺はクリムゾンヘッドを生き返らせるのは賛成だぜ。」
「あんたまでいきなり何言い出すんだよ!
 リリアーナがこんなにイヤがってるのに、それ見てまだそんな事言うのか!?
 あんた一体どっちの味方なんだよレベッカ!」
レベッカがマジ声でターロンに賛成しやがった。
こ、こ、こ…こいつは〜っ!この期に及んで何言い出しやがるんだ!!

>「俺もあいつの正体が気がかりだ。危険因子は早めに粛清するのが中つ国スタイルだからな。
> ターロンは何でもお見通し、ごもっともだ。……ところで、そのリリアーナの力とやらは、例えば
> 死 体 が 無 く な っ て も 使 え る 能 力 な の か 〜 ? (笑)」
「は?死体?」
言われて見れば、無い。クリムゾンヘッドの死体が無い。
死体があった場所には、リリアーナの持ち物らしき白い布が落ちているだけだ。
>「おっかしいな〜?どこに行ったんだろうな〜?(笑)」
「声笑ってるわよレベッカ…」
なるほど。レベッカの奴、どさくさに紛れて死体を隠したな。
これならターロンは、リリアーナを操るだけじゃなく死体探しまでする必要が出てくる。
うまいやり方だな…とは思うけど。
演技派すぎるんだよ敵を欺く前に味方を欺きすぎだろ…

>「まぁ、しかたねぇか。クリムゾンヘッドから情報を聞き出せないのは残念だが、
> ターロンの言いなりになるって〜のも、残念には違いねぇしな。」
>「そうか……なら仕方ない…な…」
桜花のナイフを消し去ったベルジン先生が杖をリリアーナに向けたので、あたしも思わず身構える。
>「君の信念は例え…拷問したとて変わるまい…
>だが今は私情より優先すべき物がある…」
でも、ベルジン先生の言葉は理性を取り戻した人の物だった。
内心相当な葛藤はあるのだろう。でも、もうその目は
聞き取れない声で発せられた呪文と共に、投げられたコートが宙に浮く。
やがて、コートは地面に落ち、リリアーナに貼り付いていた御札もまた、同じく地に落ちた。
さすがベルジン先生、リリアーナを操ろうとしていた御札の無力化に、あっさり成功したのだ。
>「すまぬなターロン…やはり気が変わった…
>悪いが協力はできん…」
「当てが外れて残念ねターロン!
 悪いけど、あんたに協力しようなんて考える奴は誰もいないわよ!」

63 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/17(火) 17:35:38 O
>47-62
>「これは私達魔法使い全員に関係する… (中略)
>狙われるのは我々なのだ…」
「そう、大義の前には小義を捨てねばならぬ時があり、今がその時である事を先生はよくおわかりのようだ。
 ミシェル先生、敵を影を操るのが精一杯だ、などと侮ってはいけません。
 今までにどれほど大勢の者が敵を侮ったために敗北したかを、お忘れ無きように。
 事は重大であり、一個人の意志で左右されて良いものではないのです」
ベルジンを止めようとするミシェルと桜花にも語りかけながら、ターロンはリリアーナに圧力をかけ続ける。

> 「死人を蘇らせるなんて・・・・・む、無理。(中略)
> だから私を操るより・・・・・彼らを、と、捕らえて・・・・・っ・・・問い詰めた方、がっ、早い・・・・・・ぅ」
「苦し紛れの嘘をつかれては困ります。
 もしあなたの力がアンデッドに効果が無いのなら、あなたが苦しみながら抵抗するはずがない。
 先んずればすなわち人を制し、遅れればすなわち人の制するところとなるのです。
 ケルビムの次の一手を待つ必要など、どこにもありません」
>「ずいぶん浮かれてるみたいだけど・・・・・メイレン様が、本当に亡くなっ・・・た、の?
> 力得ても・・・心配、じゃないの?」
>「心配じゃねぇだろうさ、リー。あいつの目的は、最初から神龍と同化することだったのさ。
> 俺達はうまいことあいつのシナリオ通り踊らされてたってわけだ。メイレンもなぁ。」
「レベッカ様は賢いお方だ」
ターロンはレベッカの言葉を肯定した。

>「俺はクリムゾンヘッドを生き返らせるのは賛成だぜ。」
>「俺もあいつの正体が気がかりだ。危険因子は早めに粛清するのが中つ国スタイルだからな。
> ターロンは何でもお見通し、ごもっともだ。……ところで、そのリリアーナの力とやらは、例えば
> 死 体 が 無 く な っ て も 使 え る 能 力 な の か 〜 ? (笑)」
「どういう意味です…?」

ターロンはクリムゾンヘッドが倒れていた場所を見て、死体が消えた事実にようやく気づいた。
すぐに能力を使って探そうとするが、死体どころかクリムゾンヘッドがいた痕跡さえ見つからない。
「な…馬鹿な!完全に活動は停止していたはずだ!」
>「おっかしいな〜?どこに行ったんだろうな〜?(笑)」
レベッカの言い方を聞いたターロンは、即座に自分が騙されていた事を理解した。

>「まぁ、しかたねぇか。クリムゾンヘッドから情報を聞き出せないのは残念だが、
> ターロンの言いなりになるって〜のも、残念には違いねぇしな。」
>「すまぬなターロン…やはり気が変わった…
>悪いが協力はできん…」
もうリリアーナを操る事はできなくなり、ターロンに賛同する者もいなくなった。
それでも、ターロンの余裕は崩れない。
「くくく…ははははは!!私にそこまで協力したくないとは…!
 どうやらまだみなさんは、ご自分たちの置かれた状況をご存知ないようだ!
 いいでしょう。みなさんが今どんなに危うい立場にいるかをお見せしましょう!」
神龍と化したターロンが吼えると、ムウ大陸の城の様子が天井に映し出された。
猛烈な雨が降り、視界が限られた中ではあったが。

「ご覧の用に、愚か者の手に力が渡るのを防ぐため、ムウ大陸は私が水に沈めます。
 この地下図書館が水没するのも、そう遠いことではないでしょう…さらに」
天井に開いた穴から、御札の貼られた招き猫の像が落ちてきた。
それは一同をムウ大陸に連れてきた、にゃんこ先生の像だ。
「そのゴーレムの空間を移動する力は私が封じました。
 例えレベッカ様といえど、全てが水没する前に封印を解くことは不可能です。
 つまり…メイレン様亡き今、あなた方に沈むムウ大陸から脱出する術はありません」

ターロンは嬉しそうに先を続ける。
「しかし、心配する必要はないのです。
 これからみなさんの魂が、遥かに遠く死出の旅路です…退路を心配する必要がありましょうか!」
ターロンは丸太のような尻尾を素早く動かし、リリアーナたちをなぎ払おうとした。
避けなければ、打ち壊されていく本棚と同じ運命をたどる事になる。

64 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/11/18(水) 17:16:10 0
>55
>「あーん痛いですわ〜、苦しいですわ〜。胸の谷間ならきっと楽になれますのに〜。
>・・・・・・あらん吸血鬼、あなたさっきの黒犬使い魔はどうしましたの〜?」
クリムゾンヘッドにつかまっていたが放り投げられて捨てられたルズ。
ふと気がついたらニヤニヤ笑っている黒犬がいなくなっていることに気がついたようだ。
「あらら…。
 こんな大変なときにどこへ行ったのやら?」
黒犬使い魔の場所を探ってみると、なんとかなり遠い場所まで行ってしまっているらしい。
まあ、あの犬がいなくなるのはいつものことだし、と納得するヴァンエレン。


一方、その黒犬はというと…。
様々な本を乱雑に漁っていた。
がむしゃらに本のタイトルを確認しては器用に放り投げ、なにかの本を探しているようである。
『あった』
このときの黒犬はそれはそれは嫌らしい笑顔だったのでございます。


クリムゾンヘッドは妹に会いに行くと言って死んでしまいましたとさ。
「マ、マ・○ベーーー!」
叫ぶヴァンエレン。
そのレモンパイとは良いものなのですか?それはきっと北宋です。
>「やめ・・・・・・嫌ああぁぁあ!」
リリアーナは死んでしまったロクーとロックの姿が重なり合ってしまったのだろう。
ターロンは杖でカドゥケウスを召喚し、クリムゾンヘッドを生き返らせようと企むターロン。
それをまっこうから拒絶したのは皆に支えられたリリアーナだ。

>「そのゴーレムの空間を移動する力は私が封じました。
>例えレベッカ様といえど、全てが水没する前に封印を解くことは不可能です。
>つまり…メイレン様亡き今、あなた方に沈むムウ大陸から脱出する術はありません」
「それは困ったなぁ」
学園に戻れないというのになんと暢気な吸血鬼であろうか。
そしてターロンが尻尾をふる攻撃。
言葉だけだとどことなく可愛く聞こえるかもしれないが、巨大な尻尾攻撃は本棚を壊していく。
「げぇっ、しまった!」
容赦なくなぎ払われる日和見主義者のヴァンエレン。
吹っ飛ばされるがさすがは吸血鬼の体。
死に至ることはありませんでした…が、しかし目を回して気絶してしまった。
吸血鬼 再起不能?

65 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/18(水) 21:06:55 0
ルス「あらん、かたじけないのd・・・・・ちょ・・・・やめ・・・・・・・・がががじず死ぐやべがぼごぼ」
ルズはナナナの手厚い看護を受けている。
頭の上から魂が抜けかけているのは、きっと気のせいだろう。

>呪文を唱えた後 ベルジンは着ていたコートを空中へ放り投げると
>コートは重力に従う事無く宙に浮き続け呪札の力を次々と吸収していく
>力を吸い札を無効化し終えるとコートはばさりと地面へと落下した
リリアーナを苛んでいた圧力が、ふっと途絶える。
リリアーナは、ターロンから解放された。

ベルジンの葛藤など知らないリリアーナは、ベルジンに向けてびっと親指を立て、次に他の皆に向けた。
どうやら、まだ喋れるだけの余裕がないようだ。
桜花はベルジンの武装解除の魔法を受けたようだが、大丈夫だろうか?
外見上は特に怪我を負った風でもないのだが。
「レベッカさん、ロクーの死体が消えちゃったわ。一体どうやったの?」

>「くくく…ははははは!!私にそこまで協力したくないとは…!
> どうやらまだみなさんは、ご自分たちの置かれた状況をご存知ないようだ!
> いいでしょう。みなさんが今どんなに危うい立場にいるかをお見せしましょう!」
>神龍と化したターロンが吼えると、ムウ大陸の城の様子が天井に映し出された。
>「ご覧のように、愚か者の手に力が渡るのを防ぐため、ムウ大陸は私が水に沈めます。
> この地下図書館が水没するのも、そう遠いことではないでしょう…さらに」
>天井に開いた穴から、御札の貼られた招き猫の像が落ちてきた。
「ああ、ニャンコ先生!!」
リリアーナはよろよろとニャンコ先生の元へと急いだ。
「ああ、つるふかの先生が〜!ニャンコ先生が招き猫の姿に〜!!」
リリアーナは張り付いた御札を剥がそうと奮闘するが、残念ながらびくともしなかった。
「レベッカさん、ベルジン先生、何とかならない?
 できることがあれば協力しますので!!」
>「そのゴーレムの空間を移動する力は私が封じました。
>例えレベッカ様といえど、全てが水没する前に封印を解くことは不可能です。
>つまり…メイレン様亡き今、あなた方に沈むムウ大陸から脱出する術はありません」
>「それは困ったなぁ」
「ちょっと吸血鬼、もっと困りなさいよ大変なことになったのよ!」
変わり果てたニャンコ先生の姿に愕然としていたリリアーナだったが、
ヴァンエレンののほほんとした声でようやく我に返った。
と同時に、ターロンはリリアーナが持っている杖の本質を知っているのではないかと感じた。
リリアーナの杖の特性は、生死を操る力。
そして、異なる空間でもつなぐほどの空間操作である。
「それ以前に、私達にかまけてていいの?
 若返りの秘密を知っているのはターロン、あなたもだってこと忘れてない?
 それに、メイレン様が本当に死んでなかったらどうするの?
 あの方も本気で、中つ国のために神龍の力を得ようとしていたのよ」


リリアーナはターロンの姿を凝視していたが、ふとあることに気づいたようだ。
リリアーナはレベッカ以外の味方にテレパシーを試みた。
『フリージアが使ったあの時間を食べる時計、もっと時間食べられないのかな?』
もしかしたらお腹がいっぱいなのだろうか?
ほんの数時間でいいのだが、とリリアーナは思った。
『その時計、もしかして生きてるのかな?それともアイテムなのかな?
 ちょこっと壊した後使い魔カプセルに突っ込んだら、時計は回復したりする?』
使い魔カプセルの中の時間の流れは特殊で、中にいるものにあわせて時間の流れが違う。
怪我をした使い魔が中に入れば速く、回復したものが入ればゆっくりと流れるのだ。

>ターロンは丸太のような尻尾を素早く動かし、リリアーナたちをなぎ払おうとした。
「キャ――――ッ!!」
招き猫と槍を抱え、必死で回避しようとするが間に合わない。
直撃こそしなかったが、尻尾の風圧で思いっきり吹き飛ばされてしまった。

66 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 13:45:27 P
>63ー65

いろいろあってターロンの呪縛から開放されたリリアーナ
>『フリージアが使ったあの時間を食べる時計、もっと時間食べられないのかな?』
>『その時計、もしかして生きてるのかな?それともアイテムなのかな?
  ちょこっと壊した後使い魔カプセルに突っ込んだら、時計は回復したりする?』
「嫌ですわねえリリアーナさん時計が生き物のはずがありませんわ」
とひとまず否定するフリージア
思いっきり会話していたような気もしないではないが・・・・
「でもあと一年は食べられるみたいですわよ」
明らかに時計と会話してますありがとうございました
「これ以上大きくなったらどうなるのかしら?
 え?夢はでっかく時計塔ですって?」
明らかに大きくなりすぎである
たぶん図書館の天井を軽々とぶち抜くであろう

「そうか!?巨大化した時計をターロンにぶつけるんだね!!」
頓珍漢な事を言い出すギズモ
いくらなんでも時計塔は投げられるわけがない

>ターロンは丸太のような尻尾を素早く動かし、リリアーナたちをなぎ払おうとした。
>「キャ――――ッ!!」
>「げぇっ、しまった!」
「一日に何度も吹き飛ばされてたまるものですか!!」
さっきノビールアームに吹っ飛ばされたフリージアさんは雪の結晶で編まれた鎖を本棚に巻きつけ
それを手繰って反動を利用する事により回避する
「ギズモちゃんは?」

「僕は無事だよ!!」
元から射程範囲外にいたギズモは影響を受けなかったようだ

「ギズモちゃん!氷の剣じゃダメージは期待できませんわ!!
 このおっきい図書館の本棚をぶつけてやりなさい!!
 大丈夫!フリージングドールのパワーはクドリャフカさんの1.5倍ですわ!!」
クドリャフカそれはフリージアが怪力の持ち主として認識している女性徒である
詳しくは過去ログ参照

「じゃあこの柱時計は横に置いて置いて・・・・と」
ギズモはフリージングドールの片腕で抱いていた柱時計を降ろすと
図書館の本棚を引っこ抜きターロン目掛けてぶん投げた
あくまでこれはフリージアさん主観の彼女の1.5倍であり
実際の人物の1.5倍とは関係ありません
「弾はいくらでもあるよ!ここ図書館だからね!!」

はたして本棚は当たるのだろうか?

67 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 18:03:43 0
>「俺もあいつの正体が気がかりだ。危険因子は早めに粛清するのが中つ国スタイルだからな。
 ターロンは何でもお見通し、ごもっともだ。……ところで、そのリリアーナの力とやらは、例えば
 死 体 が 無 く な っ て も 使 え る 能 力 な の か 〜 ? (笑)」
>「まぁ、しかたねぇか。クリムゾンヘッドから情報を聞き出せないのは残念だが、
 ターロンの言いなりになるって〜のも、残念には違いねぇしな。」

レッベカの策によりロクーの死体が消える。
(何をしたんだ・・・・?いや、しかしどうやったかは別になかなか駆け引き上手だな)
相変わらずベルジンにナイフの切っ先を向けながら感心する桜花

>「どうやら本気のようだな…
悪いが少し大人しくしていて貰う…」
そう言うとベルジンは杖の切っ先をリリアーナから桜花へと変えた
>「…“武装解除”!」

「・・・・・・!」
ナイフを飛ばされた桜花は素早く次のナイフをとろうとするが

>「……“・・・・・”!」

>呪文を唱えた後 ベルジンは着ていたコートを空中へ放り投げると
コートは重力に従う事無く宙に浮き続け呪札の力を次々と吸収していく
力を吸い札を無効化し終えるとコートはばさりと地面へと落下した

>「すまぬなターロン…やはり気が変わった…
悪いが協力はできん…」

「・・・ありがとう先生。」
ベルジン先生は思い直し、リリアーナさんを救ってくれた

>ベルジンの葛藤など知らないリリアーナは、ベルジンに向けてびっと親指を立て、次に他の皆に向けた。
>どうやら、まだ喋れるだけの余裕がないようだ。
>桜花はベルジンの武装解除の魔法を受けたようだが、大丈夫だろうか?
>外見上は特に怪我を負った風でもないのだが。

桜花もリリアーナに親指を立てる。
「ここでのしがらみは残す所あなただけだ、ターロン。」
体制は調った。桜花は真の敵である、ターロンへナイフを向ける
しかし、ターロンの余裕は崩れなかった。


68 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 18:05:46 0
>「くくく…ははははは!!私にそこまで協力したくないとは…!
 どうやらまだみなさんは、ご自分たちの置かれた状況をご存知ないようだ!
 いいでしょう。みなさんが今どんなに危うい立場にいるかをお見せしましょう!」
>神龍と化したターロンが吼えると、ムウ大陸の城の様子が天井に映し出された。
>猛烈な雨が降り、視界が限られた中ではあったが。

>「ご覧の用に、愚か者の手に力が渡るのを防ぐため、ムウ大陸は私が水に沈めます。
 この地下図書館が水没するのも、そう遠いことではないでしょう…さらに」
>天井に開いた穴から、御札の貼られた招き猫の像が落ちてきた。
>それは一同をムウ大陸に連れてきた、にゃんこ先生の像だ。
>「そのゴーレムの空間を移動する力は私が封じました。
 例えレベッカ様といえど、全てが水没する前に封印を解くことは不可能です。
 つまり…メイレン様亡き今、あなた方に沈むムウ大陸から脱出する術はありません」

「・・・・・・・・・なんて事を・・」
(なんて事だ・・これじゃ、早く問題を片付けてリリアーナさん達と遊びに行こう大作戦が・・・・
 いやいや、そんな事より下手をするとこのままみんなでここに永住!?そうゆうのも・・・・悪く・・ないかも・・・・
 いやいやいやいや、アホか私は!!!)
アホな考えを振り払う桜花

>「しかし、心配する必要はないのです。
 これからみなさんの魂が、遥かに遠く死出の旅路です…退路を心配する必要がありましょうか!」
>ターロンは丸太のような尻尾を素早く動かし、リリアーナたちをなぎ払おうとした。
>避けなければ、打ち壊されていく本棚と同じ運命をたどる事になる

「そんな旅路はごめんこうむる。私は問題を片付けた後、新しい友人たちと遊びに行きたいんだ。」
尻尾を避ける桜花

>「キャ――――ッ!!」

「時よ!止まれ!」
リリアーナさんが吹き飛ばされことに気づくと時を止める桜花
(残り魔力から考えて後二回と言ったところか・・)
「大丈夫か?リリアーナさん?」
みんなが気づいた時には桜花はリリアーナさんの手を握りとめていた。


69 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 19:27:41 0
>63>65>68
> 「レベッカさん、ロクーの死体が消えちゃったわ。一体どうやったの?」
「しらにゃい。」
レベッカは適当に答えた。今はまだ説明するべき時ではない。

> もうリリアーナを操る事はできなくなり、ターロンに賛同する者もいなくなった。
> それでも、ターロンの余裕は崩れない。
> 「くくく…ははははは!!私にそこまで協力したくないとは…!
>  どうやらまだみなさんは、ご自分たちの置かれた状況をご存知ないようだ!
>  いいでしょう。みなさんが今どんなに危うい立場にいるかをお見せしましょう!」
> 神龍と化したターロンが吼えると、ムウ大陸の城の様子が天井に映し出された。
> 猛烈な雨が降り、視界が限られた中ではあったが。
「あの野郎!神龍の力を使ってやがる。けしからんぜ!」
> 「ご覧の用に、愚か者の手に力が渡るのを防ぐため、ムウ大陸は私が水に沈めます。
>  この地下図書館が水没するのも、そう遠いことではないでしょう…さらに」
> 天井に開いた穴から、御札の貼られた招き猫の像が落ちてきた。
> それは一同をムウ大陸に連れてきた、にゃんこ先生の像だ。
> 「ああ、ニャンコ先生!!」
> リリアーナは張り付いた御札を剥がそうと奮闘するが、残念ながらびくともしなかった。
> 「レベッカさん、ベルジン先生、何とかならない?
>  できることがあれば協力しますので!!」
「…この呪符を解除するのは…無理だ、今の俺には。」
> 「そのゴーレムの空間を移動する力は私が封じました。
>  例えレベッカ様といえど、全てが水没する前に封印を解くことは不可能です。
>  つまり…メイレン様亡き今、あなた方に沈むムウ大陸から脱出する術はありません」
「いや、まだ別の道があるぜ。そいつは、ムウ大陸が沈む前におめぇを倒すことだターロン。
 みんな聞け。こいつは見ての通り大水を操る神龍の力を手に入れた。
 つまり、奴に逆らう奴は、みんな国ごと海の底に沈められちまうわけだ。

 だから…あいつだけは……絶対に、ここで倒さなきゃなんねぇ!!」
槍レベッカの周りに無数の呪符が展開される。
「スペルカード発動!ジェン・ファーフオ!…全てを焼き尽くすだけだ。」
レベッカは、呪符・珍発火を発動した。呪符に触れたものを発火させるスペルだ。
無数の呪符は怒涛の弾幕となり、ターロンに襲いかかる。
「ありゃー!?」
しかし、その呪符はコントロールがきかないかのように、ターロンをきれいに避けて飛んで行った。
言うまでも無く、ターロンへのダメージはゼロである。
> 「キャ――――ッ!!」
そしてターロンのしっぽをふる攻撃。
> 直撃こそしなかったが、尻尾の風圧で思いっきり吹き飛ばされてしまった。
> 「大丈夫か?リリアーナさん?」
オウカに助けられなければ、リリアーナもレベッカも危ないところだった。
「オウカさん!また助けてもらったわね!大好き(愛好)!」
レベッカはリリアーナの声真似をしてオウカにお礼を言った。
どうせ最後の“(愛好)!”ですぐにばれるのだが。

70 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/19(木) 21:59:26 0
「さてと…みんな避難できたようだな。“俺の攻撃”から。」
レベッカが周りを見渡してそう言った。そしてターロンに向って叫ぶ。
「ターロン!貴様は何度でも俺に騙されるぞ。
 このレベッカ・ウォンがスペルカードを使う時、それさえも貴様を欺くぜ。」

ところで、みんな覚えているだろうか?
神龍になったばかりのターロンがリリアーナを操ろうとした時、
レベッカがターロンに向けて放ったスペルカードが、
コントロールがきかないかのように図書館から出て行ってしまったことを。
「教えてやろう。俺が貴様に最初に放ったスペルカードは、
 鉄布硬功夫(ティエプ・インゴンフー)。
 スペルカードに触れたものを鉄に変える呪いだ。
 貴様がマリオに対して、そうしたようになぁ。
 そして、上を見ろ。ターロン!」
もしもターロンが図書館の上を見れば、天井が全て銀色、
すなわち鉄と化したことがわかるだろう。
そう、レベッカは呪符のコントロールがきかないふりをして、
図書館の外側から天井を鉄化させたのだ。
そして、その天井に無数に張り付いている呪符。
ターロンの真上付近に集中して張り付いているそれは、
ターロンを避けるように飛んでいった、さきほどの呪符・珍発火だ。
珍発火の貼られた部分が瞬く間に赤熱する。

「もう一度言う。全てを焼き尽くすだけだ。」
天井に貼られた珍発火が、自らの効果による熱に耐えられなくなり、燃え尽きる。
と同時に、今やマグマの様相を呈する鉄の天井から、
ポタポタと灼熱の雨が降り出した。
無論それだけでも殺傷力は十分あるが、
さらにそれはフリージングドールが投げつける本棚にも引火し、
ターロンに向って飛んでいく。

しかしレベッカは、これぐらいではターロンは死なないだろうと考えていた。
魔法少女達の戦いはまだまだこれからだ!

71 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/20(金) 14:57:05 O
>64-70
神龍になったターロンはにゃんこ先生を封印し、退路を断った事を自慢げに宣言しやがった。
どこまでイヤな性格なんだこいつは。
>「いや、まだ別の道があるぜ。そいつは、ムウ大陸が沈む前におめぇを倒すことだターロン。
> (中略)だから…あいつだけは……絶対に、ここで倒さなきゃなんねぇ!!」
>「スペルカード発動!ジェン・ファーフオ!…全てを焼き尽くすだけだ。」
マジモード継続中らしいレベッカは打開策を考え、早速実行に移し…たのは良かったんだけど。
>「ありゃー!?」
「レベッカのバカー!また全弾外れてるじゃないかーっ!!」
どうも他人の物は使いこなせないのか、またまたあさっての方向に飛んでいくスペルカードたち。
使えないなら無理して使って期待させるなよなーっ!

ターロンが、あたしたちをなぎ払おうと尻尾をふる。
本棚より柔らかいのに自信があるあたしに当たれば、当然致命傷である。
「総員退避ーっ!」
叫びながら、手近にある本棚によじ登る。
男に性別転換されて力がついたからか、案外楽に登れたのはいいけど、一息つく暇は無い。
ターロンの尻尾は、すぐにあたしの乗る本棚に近づいてくる。
>「げぇっ、しまった!」
>「キャ――――ッ!!」
>「一日に何度も吹き飛ばされてたまるものですか!!」
「ぎゃ―――っ!痛っ!!」
尻尾の直撃は免れたものの、砕けた本棚から落ちて体を打つ結果になりました。
「あつつ…痛いなぁもう…死んだらどうしてくれるんだよ…
 そだ、みんなは…ヴァンエレン!?生きてる!?」
近くに倒れた吸血鬼に駆け寄ると、どうやら目を回しているだけなようで。
よかったよかった…てか、吸血鬼なんだから死なないよな。滅びるだけだよな。
でも気絶する吸血鬼なんてヴァンエレンだけだよね、絶対…

尻尾直撃はしなかったけど吹っ飛んだリリアーナは、桜花がうまく助けたみたいだ。
他のみんなも尻尾攻撃を生き延びれたようで安心していると、レベッカの反撃が始まる。
>「ターロン!貴様は何度でも俺に騙されるぞ。(中略)
> そして、上を見ろ。ターロン!」
言われて律儀に上を見るターロンは、あたしと同じものを見ただろう。
鉄と化した天井を。そしてターロンの頭上の部分が、マグマのように熱せられているのを。
>「もう一度言う。全てを焼き尽くすだけだ。」
>「じゃあこの柱時計は横に置いて置いて・・・・と」
天井から降る溶けた鉄が、そして投げられた後引火し、燃えさかる本棚が、ターロンを打ち据える。

> 「この柱時計もいろいろ使えそうだな〜。
>  たとえばターロンの上まで持っていってだな、そこで時計塔に育てて落とすのはどうだ?
>  すっきりするぞ〜♪快感だぞ〜♪」
フリージアに怪しい入れ知恵をするアホ姉はとりあえず無視。
柱時計が時計塔に成長するまでなんて、そんなの待ってられるはずがない。
…あの時計も非常識な能力持ちだから、一瞬で成長する可能性もあるけど。

ひやりと、足下に冷たい感触を感じる。
踏み出せば、ぱしゃりと足下で鳴る水音。
いつの間にか、図書館の床に水が貯まり始めている。
水?まさか、もう上の洪水の水が下まで来た!?
慌てて天井を見上げても、水漏れの気配も見あたらない。
なんだこれ…とにかく、急いでターロンを倒すか!
「メギド!」
灼熱の雨と燃える本棚に加え、あたしはターロンを核熱魔法で追撃する。
手応えあり、ざまみろと思った瞬間、ターロンの周りが真っ白い蒸気で覆われた。
「な、なにあれ!?」

72 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/20(金) 15:20:38 O
>64-71
>「それ以前に、私達にかまけてていいの?
> 若返りの秘密を知っているのはターロン、あなたもだってこと忘れてない?
> それに、メイレン様が本当に死んでなかったらどうするの?
> あの方も本気で、中つ国のために神龍の力を得ようとしていたのよ」
「秘密結社ケルビムはいわば軽い皮膚病のようなものですが、あなたたちは重い内臓の病気です。
 まずは重い内臓の病を治療し、それから皮膚病の治療法を考えることにしましょう。
 メイレン様については、レベッカ様がなんでもお見通しです。
 神龍の力を手に入れた以上、すでにメイレン様の生死など問題ではないのですよ!」
リリアーナはさらにターロンを揺さぶろうとしたが、優位を確信したターロンは相手にしなかった。

>「ターロン!貴様は何度でも俺に騙されるぞ。
> このレベッカ・ウォンがスペルカードを使う時、それさえも貴様を欺くぜ。」
>「教えてやろう。俺が貴様に最初に放ったスペルカードは、
> 鉄布硬功夫(ティエプ・インゴンフー)。
> スペルカードに触れたものを鉄に変える呪いだ。
> 貴様がマリオに対して、そうしたようになぁ。
> そして、上を見ろ。ターロン!」
「なにいっ!?」
上を見上げたターロンは、ようやくレベッカの意図に気づいた。
すぐにその場を離れようとするが、間に合わない。

>「もう一度言う。全てを焼き尽くすだけだ。」
>「弾はいくらでもあるよ!ここ図書館だからね!!」
「ぐわああああああっっ!!」
溶け落ち鉄に焼かれて悲鳴を上げるターロンに、ギズモとミルクが波状攻撃をしかける。
ターロンが神龍として完全な状態なら、攻撃は効果がなかったかもしれない。
しかし、現状ターロンの体は百匹の下位龍の寄せ集めでしかない。
その鱗の強度も推して知るべしだ。

鱗の防御力に頼れないターロンは大量の水を召喚し、その水を防壁として攻撃を防ぐ。
ミルクが見た水蒸気は、この水が蒸発したものだったのだ。
水蒸気の向こう、神龍の口元で雷光がきらめく。
「三流以下の雑魚どもが小賢しい真似をぉぉ!!
 貴様らなど神龍の吐息でまとめて消し去ってくれるわぁ!!」
ターロンは水の防壁から頭だけを出し、大きく開けた口から雷を吐き出した。
この場合サンダーブレスの威力だけではなく、床に水が貯まり始めている点にも注意すべきだろう。
水は電気を通すため、うっかり足を水に浸けたままでいると感電するかもしれない。

73 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage 遅ればせながらヴァン様お帰り!待ってたよ!!] 投稿日:2009/11/21(土) 23:10:56 0
>「嫌ですわねえリリアーナさん時計が生き物のはずがありませんわ」
「そっか、やっぱりそうだよね・・・・・・・・」
>「でもあと一年は食べられるみたいですわよ」
「ごめん、私ったら・・・・・って!会話してるぅ?!」
フリ「これ以上大きくなったらどうなるのかしら?
 え?夢はでっかく時計塔ですって?」
ギ「そうか!?巨大化した時計をターロンにぶつけるんだね!!」
アナスタシアはアナスタシアで、時計塔でターロンを倒せなどと冗談ともつかない事を話している。
「え、えーと・・・・・・・あははは。
 いや、ターロンの時間を吸い取ったら、時間が戻って元のお札に戻るかな〜なんて・・・・・。
 あれ?ということは、怪我したり魔力使い切った後で時間を食べてもらえば、もしかしt」
ルス「女王様もアナスタシア様も酷いのですわ〜どうしてわたくしを助けないのです〜!」
くやしーと地面にガンガン頭を打ち付けるルズ。
「わわっ!ルズ何してるの?!」
ルズの乱心とターロンの尻尾攻撃のため、リリアーナの話は中断された。

> ターロンは丸太のような尻尾を素早く動かし、リリアーナたちをなぎ払おうとした。
リリアーナは直撃は避けたものの、風圧で吹き飛んだ――――はずだった。
>「大丈夫か?リリアーナさん?」
「だめだ走馬灯が見える・・・・・・・・はっ?!
 ・・・・・・・・・あ、あれ?私は尻尾攻撃で吹き飛んだはずじゃ・・・・・???」
何が起こったかわからないリリアーナは、不思議そうな顔で桜花の手と顔を何度も見比べている。
だがオウカに助けられなければ、リリアーナもレベッカも危ないところだったのだけは分かった。
「オウカさん!」
>「オウカさん!また助けてもらったわね!大好き(愛好)!」
「また助けて・・・・・え?あ、あれっ?」
リリアーナは焦って槍と桜花を何度も見比べていたが、結局恥ずかしそうに
「えっと・・・・・・ありがとう『愛好』。身体、大丈夫?『愛好』」
と微笑んだ。

一方で、ターロンへの啖呵を切っていたレベッカ。
>「さてと…みんな避難できたようだな。“俺の攻撃”から。」
「ええっ、俺の攻撃ってどういうこと?」
>「ターロン!貴様は何度でも俺に騙されるぞ。
> このレベッカ・ウォンがスペルカードを使う時、それさえも貴様を欺くぜ。」
「ああっ、天上が――――溶ける?!」
それは、先程ターロンを避けるように飛んでいった呪符の効果だった。
>溶け落ち鉄に焼かれて悲鳴を上げるターロンに、ギズモとミルクが波状攻撃をしかける。
>手応えあり、ざまみろと思った瞬間、ターロンの周りが真っ白い蒸気で覆われた。
ミル「な、なにあれ!?」
「霧――――じゃない、湯気?!なんで?
 フリージア、今は氷魔法だって使ってないのに!」

74 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/21(土) 23:15:11 0

>鱗の防御力に頼れないターロンは大量の水を召喚し、その水を防壁として攻撃を防ぐ。
「凄い量の水!レベッカさん、あれがさっき言ってた神龍の力って奴なのね!
 も〜!腹立つわね〜――――ん?」
リリアーナは悔しそうに唇をかんでいたが、ふと足元の地面がおかしい事に気づいた。
「なんか足元がやわらか――――わあっ、ヴァンエレンが!!」
そう。リリアーナは、気絶したヴァンエレンを思いっきり踏んづけていたのだった。
そして、慌てて身体の上から降りたことで、床が濡れていることにも遅ればせながら気づいた。
「な、なんで?いつの間にそんな場所にっ?!――――大変!溺れちゃう!
 何でこんなに床が濡れてるの?浸水してるの?!」
ヴァンエレンを仰向けにしながらリリアーナも天井を見上げた。
今のところ目立った変化は無かった。
だが、ターロンの脅しが真実なら、浸水するのも時間の問題だろう。

「ヴァンエレン、起きて!ヴァンエレンったら!」」
リリアーナは気絶したヴァンエレンを起こそうとしたが、状況は芳しくないようだ。
「・・・・・・・・・んもう!こうなったら最後の手段よ!」
リリアーナはこほんと咳払いをひとつすると、なぜか妙にきりっとした顔になった。
『――――ヴァンエレン、こら、起きろよヴ・ァ・ン・エ・レ・ン。
 使い魔がマスターより後に起きるなんてダ・メ・だ・ろ?僕は許さないぞっ!
 か、勘違いするなよ?
 別にお前が目を覚まさないから、僕が寂しいなんてことは無いんだからなっ!!』
そう、リリアーナはヴァンエレンの耳元で、彼(彼女?)の主であるマオの声真似をしたのであった。

「う〜ん、やっぱりこれじゃだめかな?じゃあマオマオお色気ヴァージョンを」
疲労しようとしていたリリアーナだったが、水蒸気の向こうに見える神龍の口を見て真っ青になった。
「皆、あれ見て!!」
>「三流以下の雑魚どもが小賢しい真似をぉぉ!!
> 貴様らなど神龍の吐息でまとめて消し去ってくれるわぁ!!」
「あ、あれ雷だよねっ?!まずいわ、早く水場から離れなくちゃ!オウカさん、手を貸して!!」
リリアーナはヴァンエレンを引き起こすと、雷から逃れようとする。

>ターロンは水の防壁から頭だけを出し、大きく開けた口から雷を吐き出した。
「キャ――――っ!!」
あたりが一瞬真っ白になるほどの、すさまじい雷光。
物凄い音がして、足元や壁がぐらぐらと揺れた。また貴重な文献が破壊されたようだ。
もしクリスがこの惨状を見たら、怒りのあまり憤死してしまうだろう。

「あ、あんなの何発も食らったら、この地下図書館の建物自体がばらばらになっちゃうよ!
 早くあいつを倒して、ここから逃げないと
 だって私達、皆で遊ぶ予定なんだもんね!」
あのドサクサの中、リリアーナは桜花の叫びをちゃんと聞いていたようだ。
ターロンは皮膚病扱いしていたが、リリアーナとしてはクリムゾンヘッドの遺言も気になった。
「ねえ、ナナナはあいつを・・・・・神龍を殺したんだよね?
 だったら今のターロンにこれ使ったら、そのときの様子とか――――弱点とか、分かるかな?」
リリアーナは、服のポケットから思ひ出の糸車を取り出した。
たとえ弱点まではわからなくても、クリムゾンヘッドに使った時のように、心に隙が出来ればいい。
あとは先生や戦えるものが何とかしてくれるだろう。

リリアーナは思ひ出の糸車から糸を引き出し、目立たぬようそっと風に乗せた。
糸は静かにターロンへと接近していく。

75 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/22(日) 16:39:34 P
>67−74
>「え、えーと・・・・・・・あははは。
> いや、ターロンの時間を吸い取ったら、時間が戻って元のお札に戻るかな〜なんて・・・・・。
> あれ?ということは、怪我したり魔力使い切った後で時間を食べてもらえば、もしかしt」

「時間を食べさせても時間を食べられた者の時間は進むだけですわ
 もしそんなことが出来るのなら若返りの薬は必要無いのですもの」
そんなことが出来るのならこの時計を使って若返ればいいのだから若返りの薬は必要ない
必要の無いものは作られ無い。だが現実に若返りの薬は存在する
ゆえに時計にそんな能力は無いと否定するフリージア

>「霧――――じゃない、湯気?!なんで?
> フリージア、今は氷魔法だって使ってないのに!」

>「三流以下の雑魚どもが小賢しい真似をぉぉ!!
> 貴様らなど神龍の吐息でまとめて消し去ってくれるわぁ!!」
そう言ってサンダーブレスを吐こうとするターロン

さてフリージアさんは氷属性である
氷属性とは水属性の延長線上にある属性である
実際には純粋な水は電気を通さないのだが
水には電気を通しやすいというイメージがある
魔法は現実よりもイメージに影響されやすい
ゆえに水属性の弱点は雷属性である
当然水属性の延長線上にある氷属性の弱点も雷属性である
つまりフリージアさんの弱点は雷属性である

「あんなものを食らったら気絶判定通り越して死亡判定のダイスロールが必要になりますわ!!」
必死に雷の有効範囲から逃れようとするフリージア

>「あ、あんなの何発も食らったら、この地下図書館の建物自体がばらばらになっちゃうよ!
> 早くあいつを倒して、ここから逃げないと
> だって私達、皆で遊ぶ予定なんだもんね!」

「そうですわね!その為なら私も手段を選びませんわ!
 時を食べる時計よ!私の呪文詠唱時間を食べることを許可しますわ!!」
フリージアは時を食べる時計に呪文詠唱時間を食べさせ
本来ならば3分掛かるフリージング・ディストラクション発射の準備を一瞬で終わらせようというのである
「これを一回やるごとに私の寿命は3分縮むけど・・・・あなたを倒す為なら躊躇しませんわ!
 氷結姫フリージア最大奥義!フリィィィィジングディストラクショョョョョン!!」
ちなみにタバコ一本ごとに減る寿命は5分30秒なのでそれに比べればかなり軽い代償である
フリージアの拳から放たれるフリージング・ディストラクションの白い光
粉砕できるかどうかは別としてこれが命中すればターロンの水の防護壁がたちまち凍りつき
出していた頭が外れないといった状態になるだろう
「実体の無い相手と人間サイズには当たった試しはほとんど無いけど、壁を凍らせるのなら簡単ですわ!!」
フリージングディストラクションの残り回数は後4回(ギズモの魔力含む)
時計に命じて24時間経たせればまた回数は復活するがそれこそ寿命が縮むのでフリージアは決してやろうとはしないだろう
カウンターで電撃を食らった場合はどうするかと考えてないあたりがフリージアさんである
フリージアの作戦は上手くいったのか?
リリアーナの思い出の糸はターロンの弱点を探り当てたのか?
それはまだわからない

76 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage バカすぎ&流れ乱してごめん] 投稿日:2009/11/23(月) 10:04:57 0
「そっか、時間さんは食べるだけで、がばっと吐き出すことは出来ないんだね!」
糸を操りながら、おもむろにリリアーナは叫んだ。
どうやら今頃になってようやく時計と時間の話を飲み込めたようだ。
恥ずかしい奴である。

フリージング・ディストラクションの威力は絶大だ。
あれだけ大きな的なら、外すことはまず無いだろう。
「うわわっ?!」
だが発射時の風に煽られ、せっせと操っていた思ひ出の糸先が流されてしまう。
「うう、集中集中・・・・・・」
レベッカや桜花、教師達と違って、今のリリアーナに出来るのはこのくらいである。
リリアーナは、再びターロンへ向かって糸を動かし始めた。

77 名前:ターロンと昔話 ◆9DoC6dU6XQ [sage 長くなっちゃった…] 投稿日:2009/11/23(月) 16:08:13 O
>73-76
>「これを一回やるごとに私の寿命は3分縮むけど・・・・あなたを倒す為なら躊躇しませんわ!
> 氷結姫フリージア最大奥義!フリィィィィジングディストラクショョョョョン!!」
サンダーブレスにカウンター気味に合わせられる、フリージングディストラクション。
3分踊っていればターロンは頭を水中に引っ込めていただろうが、詠唱時間短縮の成果でそうはいかなかった。
だが、ターロンは水の壁を動かし、フリージアの攻撃を防ぐ。
「そんな攻撃が水の壁を破れるとでも…むうっ!?」
頭を引っ込めようとしたターロンは、氷の壁に固められて動きが取れなくなった事に気付いた。
間抜けな話だが、今の状況で水の壁で冷気を守ればどうなるか。まで考えていなかったのだ。
>「実体の無い相手と人間サイズには当たった試しはほとんど無いけど、壁を凍らせるのなら簡単ですわ!!」
「壁など凍らせてどうしようというのですか!
 まさかこれで私の動きを封じたつもりではないでしょうね!?」
ターロンが力を込めて暴れると、氷の壁にはひびが入り、砕け散り、ターロンは自由になった。

>「うう、集中集中・・・・・・」
しかし、一時的に固定されていた頭には、すでにリリアーナの持つ思ひ出の糸車の糸が迫っている。
糸が神龍の頭に当たると、その場所から白い光があふれ出した。
それは神龍の記憶のあふれ出す様であり、その場の全員が、光の中で過去の幻を見ることになる。

晴れ渡る空の下、竜座について眠る神龍の体の上に、一人の浅黒い肌の少年がよじ登っている。
「王子ー!そのような所におのぼり遊ばすな!
 ええい!神龍の見張り番は何をしておった!
 衛兵!衛兵ー!早く王子が登るのをおとめせよ!!」
「ふははは!余はムウの次代を次ぐ後継者であるぞ!
 お前達などに止められるようなヤワな鍛え方はしておらんわ!」
慌てふためく臣下を後目に軽々と自分の体をよじ登る少年を、神龍は薄目を開けて眺めていた。
龍は寝たふりをして、自分のテリトリーに入った者の様子を観察することがある。
この時の神龍も、同じ事をしていたのだ。

「ふん!図体ばかり大きくても、こいつは人間の言うことを簡単に聞く腰抜けではないか!
 こんな木偶の坊を恐れる余ではないわ!
 ほれほれ!怒ってみよ!」
げしげし。ぴしぴし。ぽかぽか。ぴんぴん。どんどん。
神龍に少年が無体を働く度に下から悲鳴じみた声があがるが、神龍は意に介さない。
逆に神龍がわずかに動かした髭に当たった少年の方が、ころころ転がって神龍の頭から落ちてしまった。
また下から悲鳴が上がるが、少年がとぐろを巻く神龍の体に捕まったので、悲鳴は安堵のため息に変わる。

「おのれ〜!未来のムウの支配者になんと無礼な!
 許せぬ!目にもの見せてくれるわ!」
少年の理不尽な怒りの声と共に、神龍の耳に今までに倍する人々の悲鳴が届いた。
その悲鳴の中に【逆鱗】の単語を聴き取り、わずかに神龍の体が動く。
逆鱗とは、龍の顎の部分に一枚だけ逆さまに生えた鱗のことだ。
龍は逆鱗に触れられる事を忌み嫌い、誰かが逆鱗に触れたならその者は即座に激怒した龍に殺される。
しかし神龍は、自分の逆鱗に触れる者がいるなどとは考えもしなかった。
自身が神龍…神と呼ばれるほどの力を持っている事は、誰もが知っている事なのだ。
誰がその怒りを自分に向けたいと思うだろうか?
しかし、その時、顎の下、自分の逆鱗に触れた手の感触を、神龍ははっきりと感じ取ったのだ。

78 名前:続昔話 ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/23(月) 16:12:30 O
>>77
「わ〜っはっはっは!!どうだ!
 逆鱗とやらに触れたぞ!これなら木偶の坊といえど…ぬおおっ!?」
急に動き出した神龍の体に跳ね飛ばされ、少年の体は高々と宙に舞った。
怒りに燃える神龍の頭が少年を追って持ち上がり、その体を一飲みにしようとする。
しかし、少年の体は唐突に消え、巨大な顎は虚しく空を切った。
急を聞いてようやく到着した魔法使いの手によって、少年の体は別の場所へと転移されたのだ。

「なんということを…なんということを!!
 誰か!武器を持て!戦闘用のゴーレムを集めよ!
 神龍をくい止めよ!神龍の怒りを鎮めよ!」
下位龍ならば容易く怒りを鎮める御札は、何枚用いようと神龍の怒りを静めることは出来なかった。
魔法弾も、別の国を滅ぼした兵器も、神龍と同じほど大きなゴーレムも、神龍を殺す事は出来なかった。
神龍が身を震わせれば御札は落ちて意味をなさず。
神龍が尾を振るい吐息を吐けば、ムウの誇る兵器もゴーレムも壊され、崩れ落ちていく。
逆鱗に触れた王子を神龍に差し出せば、王子の命と引き換えに神龍の怒りも収まっただろう。
しかし、ムウの王も王子もその決断を下さず、結果神龍はますます怒り狂い、被害は増幅していった。

そんな中、怒る神龍を止めるための一つの案が飛び出した。
それは、残るゴーレムのうち最も戦闘力の高いものに他のゴーレムを融合し、強化する作戦だった。
融合したゴーレムには、神龍の龍玉から造られた3色の玉が与えられ、さらなる強化が図られることになる。
神龍の力で神龍を制するこの案は、大勢の同意を得た。
一部で強化対象となったゴーレム制作者の精神状態を理由に反対する意見も出たが、その声は小さかった。
高い知能と戦闘能力を併せ持つメイド型ゴーレムは、次々と最も戦闘能力の高い六百六拾六号と融合していく。
ただ、融合解除能力を持つ一号と、人間並みの能力しか持たない七百七拾七号だけが融合を免れた。

融合した六百六拾六号は期待通りの、いやそれ以上の戦闘能力を手に入れた。
神龍の攻撃は、その吐息も含めて全てが六百六拾六号を倒せない。
逆に、六百六拾六号が大鎌を一振りすれば、それだけで勝負が決まる。
神龍の体で最初に切れ目が入ったのは、顎の下、問題の始まりとなった逆鱗。
切れ目はすぐに逆鱗から全身に広がり、バラバラになった神龍の体は力を失って地に落ちた。
後には、自身の死によって怒りを鎮めた神龍の魂が、空を飛んでいるだけだ。

「よくやった六百六拾六号!これでムウ大陸の未来は安泰じゃ!」
「お褒めに与り恐悦至極でございますご主人様」
王家の者達がニャンコ先生と部下の手で逃走しているため、現状最も位の高い男に六百六拾六号は一礼する。
顔は伏せたままで、六百六拾六号と呼ばれたメイドゴーレム…ムムムは笑った。
「お休みなさいませ…お父様と同じように」
そして、ムムムに話しかけた男の首が落ちる音が、惨劇再開の合図となった。

ムムムが暴走した時のために、二重三重にメイドゴーレム無力化の策は用意されていた。
危険な兆候が見えたなら、すぐにゴーレム一号の能力で融合を解く準備もできていた。
しかし現実は無情なもので、それらの策が全て机上の空論であった事はすぐに証明される。
メイドの中には倒した相手の力を吸収する者がいて、ムムムはその力で神龍から力を吸収していたのだ。
ムムムを止めようとする試みはその全てが失敗に終わった。
時間が残されていない中の選択であったとはいえ、それはあまりに大きな失敗であり。
神龍から奪った力を操るムムムの攻撃を止められず、人々は次々に切り刻まれていく。

79 名前:続々昔話とターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage 長文ごめん] 投稿日:2009/11/23(月) 16:16:23 O
>>78
やがて、周りに動く者がいなくなったのを確認し、ムムムは城の中へと歩みを進めようとした。
城の中にまだ生き残りがいる事はわかっていたため、生ある者全てを眠らせようとしてだ。
しかし、城内にいる者達に反撃の意志が無かったわけではない。
城の入り口付近に、二人の男がムムムを待ちかまえていた。
ターロンは気付かなかったが、魔法学園の生徒なら気付くかもしれない。
男のうち片方の顔が、学園図書館の管理人オルビア・ターナーにそっくりなのだ。
もう一人の男は頭の上に猫耳を乗せて、別の意味で注意を引いていたが。

「ごきげんようご主人様。お休みなさいませ」
すぐにムムムは、神龍でさえ殺した『次元ごと切り裂く刃』で2人を切り刻もうとした。
しかし、不可視の刃は2人に届く前に阻まれる。
原因はすぐにムムムにもわかった。
城内に残った者達の組み上げた魔法陣が、次元への干渉を阻む結界を創り出しているのだ。
「無駄な抵抗だわ。大人しくしていれば苦しまずに眠れたのに」
ムムムはすぐに吸収した他のメイドの能力で魔法陣の位置を特定し、術者達はなますのように切り刻まれる。
しかしそれこそが、ムムムの能力を知る魔法使い達の仕掛けた命がけの罠だったのだ。

「どうやら始まったようです…準備はよろしいですか?」
「愚問だな!天才のぼくの辞書に、準備不足の文字など無い!
 萌えを理解しない愚か者の後始末をしなければならないのは不本意だが…
 ぼくの最高傑作のナナナを置いていくのも不本意だが……しかぁし!
 これで萌えを追求したぼくの知識全ては永遠に残る!
 忘れるなよ!ぼくの体は滅びても、萌えは永遠に滅びん!何度でも蘇るのさ!」
オルビア似の男は猫耳を頭に乗せた男の答えに苦笑し、持っていた白紙の本を開き、呪を唱えた。
たちまち猫耳男の体は字となり文となり、白紙の本に吸い込まれていく。
やがて白紙の本は、その中に猫耳男の知識全てを記した、一冊の本となる。

城内で儀式魔法を行っていた者達を虐殺し終えたムムムは、残された次元結界への攻撃を続けていた。
まもなく、結界の効果時間は終わる。
その前に、狂気の天才に造られた狂えるメイドを止めなければならない。
「…これで、この惨劇は終わりだ」
オルビア似の男の手の中で、本は勝手に必要なページを開く。
瞬間、男を中心に巨大な魔法陣が展開した。
死を覚悟して儀式を行っていた魔法使い達の命を、魔力に変えて集め。
猫耳男が頭の中で考え出した術式を、本の力を引き出して完全な形で発動したのだ。

魔法陣が消えた時、ムムムの体は石と化していた。
その足下では、胸元から転がり落ちた三色の玉が静かに明滅を繰り返している。

現実のように見えていた幻はそれで終わりだった。
あまりに現実的な幻だったためか、ターロンでさえ呆然としているようだ。
水を操って身を守ることさえも忘れた、無防備な姿のままで。
「お父様ぁ!お父様…お父様…お父様……うわぁぁぁぁぁ…!!」
幻の中に自分の制作者を見たナナナが、アナスタシアにしがみついて泣き崩れる。
いつの間にか、水が滝のように流れる音が聞こえていた。
ヴァンエレンが開けた天井の穴から、ついに水が流れ込み出したのだ。
今はまだ小さな流れだが、大量の水が流れ込んでくるのは、もはや時間の問題だ。

80 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/23(月) 19:21:30 0
>72>74>75>76>77-79
> ターロンは水の防壁から頭だけを出し、大きく開けた口から雷を吐き出した。
リリアーナがなんとか避けたおかげでレベッカも無事だった。
> リリアーナは思ひ出の糸車から糸を引き出し、目立たぬようそっと風に乗せた。
> たとえ弱点まではわからなくても、クリムゾンヘッドに使った時のように、心に隙が出来ればいい。
> 糸は静かにターロンへと接近していく。
レベッカはこの時、さきほどのリリアーナとフリージアの会話を反芻していた。
李『え、えーと・・・・・・・あははは。
  いや、ターロンの時間を吸い取ったら、時間が戻って元のお札に戻るかな〜なんて・・・・・。
  あれ?ということは、怪我したり魔力使い切った後で時間を食べてもらえば、もしかしt』
振『時間を食べさせても時間を食べられた者の時間は進むだけですわ
  もしそんなことが出来るのなら若返りの薬は必要無いのですもの』
李『そっか、時間さんは食べるだけで、がばっと吐き出すことは出来ないんだね!』
「(若返りの薬は必要ない…時間が戻る…怪我したり魔力使い切った後…
 消えたクリムゾンヘッド…イェスタディ・ワンスモア…吐き出す時間……はっ!)」
レベッカは今までわからなかった謎の答えがわかった。そして叫んだ。
「そうか!そういうことだったのか!クリムゾンヘッド!」

その直後のことだった。
> 糸が神龍の頭に当たると、その場所から白い光があふれ出した。
> それは神龍の記憶のあふれ出す様であり、その場の全員が、光の中で過去の幻を見ることになる。
神龍が怒り、その神龍がムムムに殺され、さらにそのムムムがムー大陸を滅ぼした過去。
> 「お父様ぁ!お父様…お父様…お父様……うわぁぁぁぁぁ…!!」
> 幻の中に自分の制作者を見たナナナが、アナスタシアにしがみついて泣き崩れる。
「やめだ!やめだ!」
レベッカがやけになったように呆然としているターロンに向けて言った。
「俺達の認識が甘かったんだ。さっきのを見てよくわかった。
 俺達じゃ逆立ちしたって神龍には勝てねぇ。
 聞こえてんだろ、ターロン!降参だって言ってんだよ!

 けどよ…頼む!俺はまだ死にたくねぇんだ!
 俺だけは生かしてくれよな!ターロン様ぁ!同じ中つ国の妖怪じゃありませんか!
 そして奇しくも、妖怪の身でありながら魔法を志す同志!何と私の愚かなことでしょう!
 先ほどの非礼はお詫びします!このレベッカ・ウォン!きっとあなた様の役に立ちますよ〜!」
何たる外道。レベッカはターロンに勝手に降参するどころか、自分だけは生かしてくれと命乞いをした。
それは裏を返せば、レベッカ以外のメンバーは死んでもかまわないという意味である。
「私が役に立つことを、さっそくターロン様に見ていただきたいと思います!
 あなた様がお見通しの通り!クリムゾンヘッドを隠したのは私でございます!
 あなた様のような偉大なお方にとっては、あのような者は道に転がる小石も同然、ですが!
 このレベッカ、やはりあの男には怪しいところがあると見え、油断はできません!
 憂いは今のうちに刈り取るのがよろしいでしょう!案内させてください!」
レベッカは他のメンバーに言った。
「あーん?なんだぁ、その反抗的な態度は?おめぇらも馬鹿だなぁ(笑)
 俺みたいにお利口ちゃんだったら、ターロン様の下僕として命が保障されるってのによぉ(笑)
 まぁ、いいさ。くたばっちまえよ。馬鹿なおめぇらの分まで、俺がライフをエンジョイしてやるからよぉ!(笑)」
レベッカはリリアーナに言った。
「へ、へへっ、悪いなリー。俺は友情は大切だと思うが、友情よりも俺の命の方が重いんだぜ。
 黙って地下墓地まで俺を持っていけ、リー。クリムゾンヘッドはそこに隠してある。
 俺を折ろうなんて馬鹿なことを考えるなよ?
 そんなそぶりをすれば、ターロン様がお前を殺すだけだからな。」
地下墓地。そこはメイレンとオウカ、ムムムが死闘を繰り広げた場所。
今はバラバラになったメイレンと、石像になったムムムと三つの玉が残っているだけだ。
レベッカが到着するまでは、誰もクリムゾンヘッドの居場所はわからない。

81 名前:ミシェル ◆pP6eYSrQUy.9 [sage] 投稿日:2009/11/24(火) 03:45:25 O
>>72-80

怪物が一段落したと思ったら今度は龍だ。まったく勘弁してくれと思う。
天井を溶かしたり水を出したり氷を撃ったり雷吐いたり。魔法使いらしい闘いともいえるが………
参ったと言いたそうにミシェルは周りを見渡す。
「皆さん、なんとか外へ出ませんか!?」
と言った時に眩い光が図書館を包んだ。一瞬困惑したミシェルもすぐにマジックアイテムが発動したのだと理解した。
長々と遥かな過去を見せられたすぐに後に、図書館の壁の一部が崩れ落ちた。
それだけならばまだしも水も漏れてきたのだからなお困る。
ミシェルお馴染み、指をヒョイヒョイっと動かして魔法を使う。
つまり、辺りに散乱する砕けた本棚の欠片で間に合わせの補強をしたがそれもいつまで保つだろうか?
こうなるとさっさと逃げた方がいいのだが………
暴れ回っているターロンを一瞥したミシェルは賭けに出ることにした。
どのみち、あまりここに留まれそうにないとの判断である。
ゆっくりと左掌をターロンの首にかざすと、そこに複雑な魔法陣が描かれる。
大量の魔力がグングン圧縮され、神聖系の力に変換されていく。
天使以外は使えないハズの最上級神聖系魔法。今ミシェルが発動しようとしているのは紛れもなく、それだ。
天使の百科全書は天使や天使の使用物をそっくり複製する。それは天使の使う術とて例外ではない。
ただ、人は天使ほど神聖系魔法を扱うのに適した体ではないため多用は難しいのだが。
「それ程の力を持ちながらお前は何故私たちを襲う?
力を持ちながら周りすべてに牙をむくお前は、力を持つのに相応しくない」
ミシェルは言いながら趣味の狩りそのままに狙いを定める。
その最中に槍がけっこうなブラフをかましているが気にしていられない。
「人じゃ通用しないが、神の御使いならどうかな!?」
と言うと同時に魔法陣から赤い槍の様な鋭い光がかなりの速さで飛ぶ。神聖と炎の2つの属性を持つ光の槍だ。
致命的とまでは望まないがこれが有効でないならミシェルはかなり苦しくなる。
せめて生徒は逃がしてやりたいが………

82 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/11/24(火) 14:37:28 0
 

83 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/25(水) 08:32:18 0
>77-79 >80-81
>レベッカは今までわからなかった謎の答えがわかった。そして叫んだ。
>「そうか!そういうことだったのか!クリムゾンヘッド!」
何がわかったのか知りたかったが、糸を操るリリアーナには喋れるだけの余裕が無かった。

「・・・・・・・やった!」
フリージアがターロンの動きを制してくれたおかげで、とうとう神龍に思ひ出の糸車の糸をつけることに成功した。
> 糸が神龍の頭に当たると、その場所から白い光があふれ出した。
> それは神龍の記憶のあふれ出す様であり、その場の全員が、光の中で過去の幻を見ることになる。
>神龍が怒り、その神龍がムムムに殺され、さらにそのムムムがムー大陸を滅ぼした過去。
「あ、あれっ?!あれってオルビア先生と・・・・・・・」
過去の中に知り合いそっくりの姿を見つけ、リリアーナも目を見張った。
> 「お父様ぁ!お父様…お父様…お父様……うわぁぁぁぁぁ…!!」
> 幻の中に自分の制作者を見たナナナが、アナスタシアにしがみついて泣き崩れる。
「皆、今よ!今のうちにターロンをやっつけ・・・・・」
>「やめだ!やめだ!」
>レベッカがやけになったように呆然としているターロンに向けて言った。
「えっ?レベッカさん?」
>「俺達の認識が甘かったんだ。さっきのを見てよくわかった。
> 俺達じゃ逆立ちしたって神龍には勝てねぇ。
> 聞こえてんだろ、ターロン!降参だって言ってんだよ!
「やめてよレベッカさん、せっかく作ったチャンスなのに!!
 そんなのやってみないと分からないってば!
 第一、どのみちターロンは私達全員を消すつもりなのよ!!」

レベッカは応えずなおも続けた。
>「けどよ…頼む!俺はまだ死にたくねぇんだ!
> 俺だけは生かしてくれよな!ターロン様ぁ!同じ中つ国の妖怪じゃありませんか! (中略)
> 先ほどの非礼はお詫びします!このレベッカ・ウォン!きっとあなた様の役に立ちますよ〜!」
その言葉を聞き、リリアーナは能面のような顔になった。
>「私が役に立つことを、さっそくターロン様に見ていただきたいと思います! (中略)
> 憂いは今のうちに刈り取るのがよろしいでしょう!案内させてください!」
レベッカの話が終わる頃には、リリアーナは顔を伏せていた。
長い髪が邪魔して表情は読めない。
こういう時、真っ先に怒るのが常の彼女なのだが、非情に珍しいことだった。

レベッカはリリアーナに言った。
>「へ、へへっ、悪いなリー。俺は友情は大切だと思うが、友情よりも俺の命の方が重いんだぜ。
> 黙って地下墓地まで俺を持っていけ、リー。クリムゾンヘッドはそこに隠してある。 」

行動を起こそうとした気配を感じ、リリアーナは傍らの桜花の手首を掴んだ。
僅かに顔を上げた一瞬だけ桜花と目が合う。
リリアーナは何もいわなかった。目は笑っていた。
掴んだ手はすぐに離れた。

84 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/25(水) 08:33:24 0

リリアーナはレベッカに答える。
「そして私に、あの杖を使えというのね。
 ・・・・・・・ひどいわレベッカさん。私、あなたの事信じてたのに。
 この裏切り者!やっぱり妖怪なんて信じなきゃ良かった。大嫌い!し・・・・・・しんじゃえ!」
リリアーナは、槍を両手で掴んで力を入れ始めた。
> 俺を折ろうなんて馬鹿なことを考えるなよ?
> そんなそぶりをすれば、ターロン様がお前を殺すだけだからな。」
「ひ、卑怯者!もう死んでるのにまだ命が惜しいの?!」

リリアーナはしばらく黙り込んでいたが、やがてだらりと腕を下ろした。
「・・・・・・み、みんなの命を助けてくれるなら、それなら・・・・・・・杖を使ってもいい。
 あっ、いえ!使わせていただきます!」
リリアーナはおどおどとターロンの顔色を伺った。

>「人じゃ通用しないが、神の御使いならどうかな!?」
>と言うと同時に魔法陣から赤い槍の様な鋭い光がかなりの速さで飛ぶ。神聖と炎の2つの属性を持つ光の槍だ。
まばゆい光があたりを染め、リリアーナの目をも焼いた。
槍はどうなったのだろうか?

85 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/25(水) 17:58:39 O
>72-84
どうもターロンは、水を操ってこっちの攻撃を防御してるようで。
あの水蒸気はあたしのメギドでその水が蒸発したものみたい。
>「三流以下の雑魚どもが小賢しい真似をぉぉ!!
> 貴様らなど神龍の吐息でまとめて消し去ってくれるわぁ!!」
「サンダーブレスかよ!?」
大口開けたターロンの口の中、雷の玉が解き放たれる瞬間を待って輝いている。
ごごごご冗談を!足下濡れてる中でそんなものぶっ放されたら感電死するぞ!
「ヤバい電気だ!水から上がれーっ!」
大慌てで乾いた本棚の上に逃げ出した瞬間、極大の雷撃がターロンの口から発射される。
あぶねーっ!間一髪セーフ!

>「これを一回やるごとに私の寿命は3分縮むけど・・・・あなたを倒す為なら躊躇しませんわ!
> 氷結姫フリージア最大奥義!フリィィィィジングディストラクショョョョョン!!」
フリージアの最大奥義は、ターロンの水の壁に防がれる。
それでも水を凍らせてターロンの動きを封じるあたり、氷結姫を名乗るのも伊達じゃない…自称だけど。
氷の壁はすぐに暴れ出したターロンに砕かれるけど、その時にはもう遅い。
リリアーナの糸車がバッチリ神龍の頭に届いている。
これでクリムゾンヘッドの時みたいに、過去を思い出したターロンに隙が出来るはず。
その機を逃さず集中攻撃で一気に撃破しちゃる!
と、いうあたしの考えは。見事に空振りに終わったのだった。
糸車が引っ張り出した、遠い遠い昔の神龍の記憶によって。

ムウ大陸から人が居なくなっていく様が、目の前で展開されていく。
それは幻と言うにはあまりに生々しく、現実と言うにはあまりに儚い物語。
「今のは…夢…?」
ターロンどころか、あたしたちまで隙ありまくりです。
それに気づけたのは、当時のムウ大陸を知る神龍以外の唯一の存在、ナナナの泣き声のおかげ。
> 「あー!泣きやめよもう!泣く子は苦手なんだぞー!」
すがりつかれて困惑顔のアホ姉はさておき、ターロンが唖然としてる今は攻撃のチャンス!
>「皆、今よ!今のうちにターロンをやっつけ・・・・・」
>「やめだ!やめだ!」
「え!?」
自暴自棄気味に叫ぶレベッカの声に、ターロンの意識がこちらに向く。
……。こ、攻撃の絶好のチャンスがぁぁぁぁぁ!?

86 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/25(水) 18:00:17 O
>「俺達の認識が甘かったんだ。さっきのを見てよくわかった。(中略)
> 聞こえてんだろ、ターロン!降参だって言ってんだよ!
>>「降参とは……」
ターロンはレベッカの方を値踏みするように眺めている。
もちろん、だからってレベッカに詰め寄らない訳じゃないけどな!
>「やめてよレベッカさん、せっかく作ったチャンスなのに!!
> そんなのやってみないと分からないってば!
> 第一、どのみちターロンは私達全員を消すつもりなのよ!!」
「だいたいお前だろうがターロンの言うことなんか聞けるかなんて言ってたのは!
 言ってることと行動が全然違うのは仕様か?仕様なのか!?」
リリアーナと声を合わせてレベッカを非難してると、アホ姉にちょいちょいと袖を引かれる。
「なにこの忙しい時に!」
振り向けば、アホ姉が手にしたぬいぐるみと目があった。
ぬいぐるみのお腹には、光でできた『適当にあわせとけ』の文字が。
あわせる?何を?誰と?………あ。もしかして、そうなのか?

しかしそうなると、また別の問題が生じてくる。
レベッカは嘘つくのが得意らしいけど、あたしは苦手…しかも大の苦手だ。
子供頃、嘘をついたら片っ端から院長先生に見破られて怒られて以来、ずっとそうなんだからしょうがない。
…できるだけ嘘つかないように適当に合わせるか。
>「そして私に、あの杖を使えというのね。 (中略)
> この裏切り者!やっぱり妖怪なんて信じなきゃ良かった。大嫌い!し・・・・・・しんじゃえ!」
「そうだぞレベッカ!この変態変態ド変態!!」
>「・・・・・・み、みんなの命を助けてくれるなら、それなら・・・・・・・杖を使ってもいい。
> あっ、いえ!使わせていただきます!」
ターロンは、リリアーナを何も言わずに見つめている。
ここは追加でそれっぽい言葉を……いやいやでもどう言えば…

でも幸い、迷う必要はあんまり無かった。
>「人じゃ通用しないが、神の御使いならどうかな!?」
ミシェル先生が、炎と光を混ぜ合わせたような槍をターロンに向かって放ったからだ。
ターロンはこの攻撃をやっぱり水の壁で防いだから、届いたかどうか!
水蒸気と一緒に、ターロンの呻きが聞こえ、神龍の血で水の壁が染まる。
でも、すぐに水の壁に穴が開き、お返しとばかりに今度はミシェル先生をサンダーブレスが襲った。
ちっ!水の壁で炎の威力が削がれたか!

ターロンは一声吼えると、ミシェル先生が補修した穴をぶち壊し、さらに広げながら上…墓場に逃げる。
> 「よしミルク、レモンパイもってターロン追いかけろ。
>  泣き虫メイドも置いていけないし、お姉ちゃんはもうちょっと図書館にいるからな」
アホ姉があたしの手の中に押しつけてくるマジックレンジの中には、レモンパイに似ても似つかぬ物体が。
違う…これは絶対レモンパイじゃない、もっと恐ろしい何かだ…
でもそう言ったら怒り出すだろうから言えない…
…とにかく、ターロンを追いかける必要があるのは間違いない。
「わかった。これは預かって先に行ってるから。
 よし、行こうみんな!!」
声をかけ、あたしはナナナが造り出した道を通って、墓場に戻った。

墓場に入って最初に見えたのは、バラバラになったメイレンさん。
やはりアホ姉が言ってた事は本当だったんだ…
でも、動揺してるであろうレベッカに声をかける余裕は、あたしにはなかった。
石像となったムムムの近くでとぐろを巻いたターロンが、こちらを威圧するようにじっと見ていたから。
クリムゾンヘッドの死体は、どこにも見あたらない。

87 名前:ターロン&アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/25(水) 18:03:45 O
>80-86
「さてレベッカ様、この通り墓場に戻ってきましたが、クリムゾンヘッドの死体はどこにあるのでしょう?
 不肖このターロン、奴の死体がどこにあるのかまるでわからないもので。
 リリアーナさんには死体を蘇らせた後、その力で先ほど私を攻撃した男を殺してもらいましょうか。
 そうすれば、他の者達が私に働いた無礼は全て水に流してあげましょう。
 他のお仲間全員の命を助けるための取引です。安い代償でしょう?」
とぐろを巻いたターロンは、警戒を解かないまま抑えた声でそう言った。
一度レベッカにだまされているので、ターロンは警戒を解きそうにない。

さらに、気づける者がいるだろうか。
ターロンの体の下には3つの玉があり、ターロンは時間を稼ぎながら玉の力を引き出そうとしているのだ。
元々龍の持ち物である龍玉の力を元に戻せれば、ターロンはより強くなるだろう。

一方地下では、アナスタシアがミシェルに話しかけている。
>>「惜しい攻撃だったなー、もうちょっと速かったらターロンが我に返る前に攻撃できたのに。
>> ま、しくじったものはしょうがない。
>> 今ミシェルが上に行っても、即攻撃されるだけだし。
>> 上はミルクたちがなんとかするだろうから、こっちは下で隙を探しながら待つか♪」
アナスタシアが天使の輪っかを広げると、中に墓場の様子が写しだされた。
墓場に行かないで残った者もそれを見れば、階上の様子を知ることができるだろう。

88 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/26(木) 14:28:45 P
>76−81>83−87
>「・・・・・やった!」
フリージアが動きを止めた隙にターロンに辿り着く思い出の糸
思い出の糸車はターロンではなく神竜の過去を映し出す
その過去を簡単に言ってしまうと怪物を封じる為にもっと強い怪物を作ってしまったため
そのせいで国が滅んだという内容であった

>「やめだ!やめだ!」
せっかくのチャンスだというのに降伏すると言い出すレベッカ

>「そして私に、あの杖を使えというのね。 (中略)
> この裏切り者!やっぱり妖怪なんて信じなきゃ良かった。大嫌い!し・・・・・・しんじゃえ!」
>「そうだぞレベッカ!この変態変態ド変態!!」
「うわ最低だ・・・・」
レベッカを軽蔑した目で見るギズモ
>「やめてよレベッカさん、せっかく作ったチャンスなのに!!
  そんなのやってみないと分からないってば!
  第一、どのみちターロンは私達全員を消すつもりなのよ!!」
「妖怪とか人間とか関係なく最低ですわ!!」
多分レベッカには何か作戦があるのだろうが折角なのでレベッカを罵倒しておくフリージア
だが結局リリアーナもターロンに降伏する
>「・・・・・・み、みんなの命を助けてくれるなら、それなら・・・・・・・杖を使ってもいい。
  あっ、いえ!使わせていただきます!」

ミシェルをサンダーブレスで攻撃してから墓場へ向かうターロン
>「わかった。これは預かって先に行ってるから。
  よし、行こうみんな!!」
ターロンを追いかけるミルク
時間を食べる柱時計は胸の谷間に収納しそれを追いかけるフリージア
フリージングドールを放棄しフリージアについて行くギズモ
そこで見たものはバラバラになっているメイレンの死骸であった
「・・・・・・これはミンチよりひどいですわ」
人の姿をしたものがバラバラになっているのを見てフリージアはそう呟いた
熊は平気で解体するのに人型だと駄目なのかとか
さっきまで首無し死体がすぐそばにあっただろうとか突っ込みどころが満載だが
あえて何も言わないギズモ
「バラバラになってるよ・・・・・」
もろにその死体を見てしまったためである
男はどうでも良いが女の死体は勘弁して欲しいギズモであった

もう一つ目の前にあるのは石で出来たメイド像
「ねえ・・・今のうちにあれ砕いといたほうがいいんじゃなくて?」
さっき見た映像によるとあのメイドは危険度200%である
ただでさえ厄介なターロンがいるのにさらに666が蘇りでもしたらとんでもない事態に陥るだろう
だからそうなる前に破壊しておいたほうが良いとフリージアは言うのだった

89 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/26(木) 21:48:54 0
>87>88
> 「さてレベッカ様、この通り墓場に戻ってきましたが、クリムゾンヘッドの死体はどこにあるのでしょう?
>  不肖このターロン、奴の死体がどこにあるのかまるでわからないもので。
>  リリアーナさんには死体を蘇らせた後、その力で先ほど私を攻撃した男を殺してもらいましょうか。
>  そうすれば、他の者達が私に働いた無礼は全て水に流してあげましょう。
>  他のお仲間全員の命を助けるための取引です。安い代償でしょう?」
「その前にターロン様。私が知り得た、
 イェスタデイ・ワンスモアの能力について解説させていただきたいと思います。
 そうしておかなければ、万一にもターロン様が奴の攻撃に傷つかぬとも限りませんので。」
レベッカは恭しくそう言った。イェスタデイ・ワンスモアとは、クリムゾンヘッドが死ぬ前に、
ミシェルに明かした彼のヘブンスマイル(守護霊)の名前だ。
「私はずっと不思議に思っていました。クリムゾンヘッドは自ら死を選びましたが、
 その理由は、彼の記憶の中にあるケルビムの秘密を守るためです。
 しかし、考えてもみてください。例え本人が死んでも、普通は遺留品が残ります。
 しかもクリムゾンヘッドは、リュックに触れられることを激しく拒否していました。
 今から思うに、きっと組織の秘密がそのリュックの中にあったのでしょう。
 だとしたらますます、彼があの場で自殺をすることは理に合わないのです。
 遺留品のリュックから、ケルビムの秘密が漏洩する可能性が高いのですから。」
これが疑問点である。
「そこで、私は考えました。クリムゾンヘッドは、
 何かしらの方法で遺留品をあの場に残さないつもりだったのではないか?と。
 その方法は、何なのか?ヒントになったのは、次の3点です。
 @クリムゾンヘッドは、時間を止めたオウカを見ていたような発言をしていました。
 ということは、おそらく彼自身も、
 何かしら時間を操る能力を持っていた可能性があるという事です。
 Aイェスタデイ・ワンスモアというヘブンスマイルの名前。
 私はブリテンの言葉はわかりませんが、
 ミシェルの言葉から察するに、これが過去を意味する事がわかります。
 Bリリアーナの言葉…」
レベッカの口調が変わる。
「もうわかってんだろ?クリムゾンヘッドを消したのは俺じゃねぇ。
 クリムゾンヘッド、あいつは、奴自身の能力であの場から消えたんだ。
 だからリリアーナの白い布だけは残ったのさ。奴の所持品ではないからなぁ。

 俺はリリアーナとフリージアの会話を聞いてピンときたぜ。
 リリアーナが勘違いしたフリージアの時計の能力こそが、
 イェスタデイ・ワンスモアの能力そのものだってなぁ!
 奴は、自分が死んだ時間をぶっとばしやがった。
 自分が死んでいない過去まで時間をさかのぼったんだ。
 だから、死体は消える!なぜなら過去にはそこにいなかったから!
 クリムゾンヘッドは生きている。奴が過去に生きていた場所で。
 …どこにいるかって?そんなの俺が知るわけねぇだろ。」

90 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/26(木) 21:49:50 0
「もう俺に嘘をつかれるのも慣れてきただろ?
 “俺が”クリムゾンヘッドを消したように見せかけたのは、こういう駆け引きに使うためだったのさ。
 それもお終いだ。…さて、交渉を始めようか、ターロン。“俺達”が生きるか、死ぬかの。」
レベッカが言った“俺達”には、レベッカや他のメンバー、さらにはターロンも含まれている。
「フリージア、ムムムの像は壊すな。
 俺がわざわざ駆け引きまでして地下墓地まで移動したのは、それが目的なんだからなぁ。
 よく聞けよ、ターロン。俺達はお前よりもずっとパワーは小さい。
 だが、本気をだせば、ムムムの像を守りながら、再び三つの玉をはめ込むことぐらいできるだろう。
 すると、どうなるか?さっき幻で見た通り、ムムムは倒した相手の能力を吸収することができる。
 つまり、ムムムはさっきまでの戦闘力に、メイレンの能力まで付加されているわけだ。
 とてもじゃないが、俺達ではムムムを止めることはできない。
 順番はどうあれ、ここで俺達全員が死ぬってことさ。
 だがな、おめぇをこのままムウ大陸の外に出すくらいなら、てめぇとここで心中するのも悪くねぇ。
 それくれぇの覚悟は、俺達はとっくにできてるんだぜ。
 騙して悪いが、お前はこの先生きのこれないぜ。このままじゃあなぁ。」
レベッカはここでわざと間をあけて話を続ける。
「それもつまらんだろう。ターロン、悪いことは言わねぇ。神龍の力はムウ大陸に捨てておけ。
 そして尻尾を巻いて帰るがいい。命があれば、また別のチャンスがあるだろう。」
レベッカは他のメンバーに話をする。
「聞いた通りだ、みんな。もしもターロンがムムムの像を壊そうとしたら、全力で阻止しろ。
 それはターロンが、暗に“俺が言った事”を真実だと認めた証拠でもある。
 ムムムの像に三つの玉をはめこんでくれ。それで最悪の結果だけは避けられるはずだぜ。」
レベッカは最後にリリアーナに言った。
「…でだ。もしもそうなったら、リリアーナ。俺をメイレンの傍に置いてくれねぇかな?
 どうせ死を避けることができねぇなら、俺はせめてメイレンの傍で死にてぇから。

 それと、おめぇにとって良いニュースがあるぞ。ロクーの妹のエリザは生きている。
 さっき話したとおり、ロクーは生き返るつもりで死んだんだ。
 “妹に会う”ってのは、文字通りの意味だったんだよ。
 これで安心できるよな…リリアーナ。」
レベッカは初めてリリアーナを“リリアーナ”と呼んだ。
もしかしたら、これが最初で最後なのかもしれない。

91 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 14:42:33 0
>「オウカさん!また助けてもらったわね!大好き(愛好)!」

「へっ!?あっ!?・・・」
真っ赤になった桜花だったが言ったのがレッベカだと気づくと無言でナイフを取り出す。
「あまり、人をからかわない方がいi――」

>「また助けて・・・・・え?あ、あれっ?」
>リリアーナは焦って槍と桜花を何度も見比べていたが、結局恥ずかしそうに
>「えっと・・・・・・ありがとう『愛好』。身体、大丈夫?『愛好』」
>と微笑んだ。

「へへぇ!?あの・・その・・・」
リリアーナに言われた桜花は今度こそ真っ赤になって黙った。
桜花は東方の国の生まれであり、中つ国の言葉についても多少知識がある
(レッベカさん・・・グラッツェ・・・)
もちろん、[愛好]の意味は知るところである。
「いや、あの・・ありがとう。」

>「ターロン!貴様は何度でも俺に騙されるぞ。
> このレベッカ・ウォンがスペルカードを使う時、それさえも貴様を欺くぜ。」
>「ああっ、天上が――――溶ける?!」
>それは、先程ターロンを避けるように飛んでいった呪符の効果だった。
>溶け落ち鉄に焼かれて悲鳴を上げるターロンに、ギズモとミルクが波状攻撃をしかける。
>手応えあり、ざまみろと思った瞬間、ターロンの周りが真っ白い蒸気で覆われた。
>鱗の防御力に頼れないターロンは大量の水を召喚し、その水を防壁として攻撃を防ぐ。

レベッカの策、本棚、ミルクの魔法によりターロンはダメージを追うが
水の壁により難を逃れたようだ。

>「三流以下の雑魚どもが小賢しい真似をぉぉ!!
> 貴様らなど神龍の吐息でまとめて消し去ってくれるわぁ!!」
>「あ、あれ雷だよねっ?!まずいわ、早く水場から離れなくちゃ!オウカさん、手を貸して!!」

「ああ、わかった」
まだ[愛好]のダメージが残っている桜花は真っ赤な顔のままリリアーナに答える。
「しっかりしろ、吸血鬼。男の子だろ」
リリアーナと共にヴァンエレンを起こしサンダーブレスの範囲から逃れる
「ちっ!!さすがの威力だな。腐っても神龍の力か」
ターロンのサンダーブレスを回避した桜花たちだがあまりの威力に驚く

>「あ、あんなの何発も食らったら、この地下図書館の建物自体がばらばらになっちゃうよ!
>早くあいつを倒して、ここから逃げないと
>だって私達、皆で遊ぶ予定なんだもんね!」
>「そうですわね!その為なら私も手段を選びませんわ!
>時を食べる時計よ!私の呪文詠唱時間を食べることを許可しますわ!!」

「ふ、二人とも・・聞いてたのか・・・」
自分の恥ずかしい宣言を聞かれていたことに落ち込む桜花

>「ねえ、ナナナはあいつを・・・・・神龍を殺したんだよね?
> だったら今のターロンにこれ使ったら、そのときの様子とか――――弱点とか、分かるかな?」

「わからないが、やってみる価値はあると思う」


92 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 14:43:27 0
>糸が神龍の頭に当たると、その場所から白い光があふれ出した。
>それは神龍の記憶のあふれ出す様であり、その場の全員が、光の中で過去の幻を見ることになる

リリアーナの思い出の糸車はターロン神龍に触れ、神龍の過去を呼び起こす。
神龍を倒したのは本人が言っていた通り、ムムムだった。
あまりの凄惨な光景に桜花も呆然としていた


>「やめだ!やめだ!」

レッベカの一言で現実に引き戻される。
>「俺達の認識が甘かったんだ。さっきのを見てよくわかった。
>俺達じゃ逆立ちしたって神龍には勝てねぇ。
>聞こえてんだろ、ターロン!降参だって言ってんだよ!

「なにを言って・・る?」
>「あーん?なんだぁ、その反抗的な態度は?おめぇらも馬鹿だなぁ(笑)
> 俺みたいにお利口ちゃんだったら、ターロン様の下僕として命が保障されるってのによぉ(笑)
> まぁ、いいさ。くたばっちまえよ。馬鹿なおめぇらの分まで、俺がライフをエンジョイしてやるからよぉ!(笑)」

「貴様・・・!」
ナイフを取り出そうとする桜花の手を誰かが制した。

>行動を起こそうとした気配を感じ、リリアーナは傍らの桜花の手首を掴んだ。
>僅かに顔を上げた一瞬だけ桜花と目が合う。
>リリアーナは何もいわなかった。目は笑っていた。

リリアーナだった。
(信じろというのか・・?彼女を・・)
やれやれと手を下ろし溜息を吐く。

>「さてレベッカ様、この通り墓場に戻ってきましたが、クリムゾンヘッドの死体はどこにあるのでしょう?
> 不肖このターロン、奴の死体がどこにあるのかまるでわからないもので。
> リリアーナさんには死体を蘇らせた後、その力で先ほど私を攻撃した男を殺してもらいましょうか。
> そうすれば、他の者達が私に働いた無礼は全て水に流してあげましょう。
> 他のお仲間全員の命を助けるための取引です。安い代償でしょう?」

墓地に着いたターロンは早速無茶苦茶な命令をしてきた。

>「その前にターロン様。私が知り得た、
> イェスタデイ・ワンスモアの能力について解説させていただきたいと思います。
> そうしておかなければ、万一にもターロン様が奴の攻撃に傷つかぬとも限りませんので。」

レッベカはロクーの能力について説明を始める。
桜花は静かにその説明を聞いている。

>「もう俺に嘘をつかれるのも慣れてきただろ?
> “俺が”クリムゾンヘッドを消したように見せかけたのは、こういう駆け引きに使うためだったのさ。
> それもお終いだ。…さて、交渉を始めようか、ターロン。“俺達”が生きるか、死ぬかの。

レッベカの話はやがて交渉に変わった。

93 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 14:44:40 0
やはりレッベカは大嘘吐きだ、と桜花は思った。
「貴女の問題点はなにも相談してくれないところだ、レッベカさん。
 ちゃんと説明をいれてくれれば刺そうとなどしないのに」
こっそり隠し持っていたナイフをしまう桜花

>「聞いた通りだ、みんな。もしもターロンがムムムの像を壊そうとしたら、全力で阻止しろ。
> それはターロンが、暗に“俺が言った事”を真実だと認めた証拠でもある。
> ムムムの像に三つの玉をはめこんでくれ。それで最悪の結果だけは避けられるはずだぜ。」

「ああ、わかった。がしかし私は帰る事をあきらめるつもりは無い。
 ムムムにももう別れを告げてしまったからな、再び会うのは忍びない。」
多少冗談めかしてレッベカに告げた後、ターロンを見る。
「しかし、それも貴方があきらめてくれなければ叶わない願いだな。
 もしこのまま貴方があきらめてくれないなら再びムムムを起こさなければならない。」
桜花の周りには無数の魔力ナイフが現れる
「私はここで貴方と共に散ることも持さない。
・・・・・・桜の花は・・・」

―――桜の花は散るからこそ美しいと人は言うが―――
  ―――貴方も共に散り花を咲かせてみるか?ターロン―――

桜花がしゃべり終えると無数のナイフが一斉にターロンの方に向く

94 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 19:09:56 0
>74
リリアーナが起こすが気絶したヴァンエレンは起きる気配がない。
ならばと次の作戦は…マオの声真似をしたのだが、ヴァンエレン動かず。
結局、この堕吸血鬼は目を覚ますことはなく皆の足をひっぱるのだった。

>86
結論からいうと。
レベッカが降参しました。
神龍となったターロンには成すすべもなく、どうやっても勝てないので自分の命は助けてくれとのこと。
そのことに皆から非難の声が出されたが、リリアーナとフリージアはレベッカの真意に気がついているようだ。
そんでもって今意識が戻ってきたヴァンエレン。
>「わかった。これは預かって先に行ってるから。
>よし、行こうみんな!!」
「む?了解であります」
ミルクの号令でとりあえずみんなについていけばわかるだろうと判断して、みなにぞろぞろとついていく。
一同は墓場に戻る。

そこでみたのはメイレンバラバラ殺人事件。
「接着剤でくっつけたら復活しないかな?」
そのとき宇宙の法則が乱れる。

>88>90
ムムムの石像を壊したほうがいいのではないか?というフリージアだがそれを止めたのはレベッカだった。
曰く、神龍に対抗できるのはムムムだけらしいので復活させてしまって倒してもらおう。
ということらしいが、やはりその後については皆殺しでしょうね。
なのでここは本気で狙っているわけではなく、あくまで交渉の材料として持ち出したわけだ。

>93
>「私はここで貴方と共に散ることも持さない。
>・・・・・・桜の花は・・・」
勇敢にもターロンに攻撃を仕掛ける桜花。
『お、やってるやってる』
はずんだ声を響かせて、影より登場したのはいなくなったはずの黒犬である。
「あぁ…。もうどこへ行っていたんだい?
 こっちは大変なことになっちゃってるっていうのに!」
そんなヴァンエレンの怒りも気にせずに神龍を見てため息をはく黒犬。
『ああ、そうだ。
 この姿も飽きたんで元に戻るね』
どろりと黒犬が泥のように溶けていって、残ったのはいつぞやの不気味な黒猫。
『いやぁ〜。
 あつかったぜ
 ぐげげげげ』
はい、死王のご登場です。

95 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 20:06:20 0
>85-94
ターロンはリリアーナとレベッカの言葉に半信半疑だったが、
ミシェルの、炎と光を混ぜ合わせたような槍攻撃によって事態は大きく動いた。
>水蒸気と一緒に、ターロンの呻きが聞こえ、神龍の血で水の壁が染まる。
<でも、すぐに水の壁に穴が開き、お返しとばかりに今度はミシェル先生をサンダーブレスが襲った。
「ミシェル先生!!」
爆風と粉塵のせいで、ミシェルの安否は分からない。

>ターロンは一声吼えると、ミシェル先生が補修した穴をぶち壊し、さらに広げながら上…墓場に逃げる。
> 「よしミルク、レモンパイもってターロン追いかけろ。
>  泣き虫メイドも置いていけないし、お姉ちゃんはもうちょっと図書館にいるからな」
まあリリアーナでも無事なのだ。あのベルジンがどうにかなるということは考えにくいだろう。
「アナスタシア先生、ミシェル先生のこと、よろしくお願いします!
 ベルジン先生、ベルジン先生はどちらに?」
リリアーナはベルジンの姿を探した。
>「わかった。これは預かって先に行ってるから。
> よし、行こうみんな!!」
「アナスタシア先生、ベルジン先生にニャンコ先生の封印解除、お願いしてみてください。
 難しいとは思いますが、先生ならきっと・・・・・・・!」
リリアーナはそう言って、お札を貼られた招き猫姿になったニャンコ先生を言付け、ミルク達に続いた。

>墓場に入って最初に見えたのは、バラバラになったメイレンさん。
フリ「・・・・・・これはミンチよりひどいですわ」
ギ「バラバラになってるよ・・・・・」
「ひどい・・・・・・・」
リリアーナはレベッカに声をかけたかったが、出来なかった。
ただ歯を食いしばり、「彼女」をぎゅっと握り締めるだけだ。
先程の言葉が演技でないと思わせるためにも、今はレベッカと険悪でなくてはならなかったからだ。
>「接着剤でくっつけたら復活しないかな?」
カッとなったリリアーナは、ヴァンエレンをぽかぽか叩いた。

>石像となったムムムの近くでとぐろを巻いたターロンが、こちらを威圧するようにじっと見ている。
>クリムゾンヘッドの死体は、どこにも見あたらない。

フリ「ねえ・・・今のうちにあれ砕いといたほうがいいんじゃなくて?」
『ちょっと待ってみよう。レベッカさんに何か考えがあるみたいだし』
リリアーナはテレパシーで返した。

クリムゾンヘッドの死体はどこにあるのかとレベッカに問うたターロンは、
次に、リリアーナに無理難題を持ちかけてきた。
リリアーナが何か言う前に、レベッカが自分の考えを話し始める。

レヘ「(略)クリムゾンヘッドは生きている。奴が過去に生きていた場所で。
 …どこにいるかって?そんなの俺が知るわけねぇだろ。」
レベッカの口調ががらりと変わる。
その言葉を受け、ずっと険しかったリリアーナの口元が綻んだ。
レヘ「もう俺に嘘をつかれるのも慣れてきただろ?
 “俺が”クリムゾンヘッドを消したように見せかけたのは、こういう駆け引きに使うためだったのさ。
 それもお終いだ。…さて、交渉を始めようか、ターロン。“俺達”が生きるか、死ぬかの。」

レベッカが言った“俺達”には、レベッカや他のメンバー、さらにはターロンも含まれている。
レッベカの話はやがて交渉に変わった。
レヘ「順番はどうあれ、ここで俺達全員が死ぬってことさ。
 だがな、おめぇをこのままムウ大陸の外に出すくらいなら、てめぇとここで心中するのも悪くねぇ。
 それくれぇの覚悟は、俺達はとっくにできてるんだぜ。
 騙して悪いが、お前はこの先生きのこれないぜ。このままじゃあなぁ。」
レベッカはターロンに、だから神龍をあきらめるようにと説得した。
桜「貴女の問題点はなにも相談してくれないところだ、レッベカさん。
 ちゃんと説明をいれてくれれば刺そうとなどしないのに」
「敵を騙すには・・・・・って奴だよ。怒らないであげて」

96 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage 遅刻・・・・ぐは] 投稿日:2009/11/28(土) 20:13:02 0
レヘ「聞いた通りだ、みんな。もしもターロンがムムムの像を壊そうとしたら、全力で阻止しろ。
 それはターロンが、暗に“俺が言った事”を真実だと認めた証拠でもある。
 ムムムの像に三つの玉をはめこんでくれ。それで最悪の結果だけは避けられるはずだぜ。」
桜「ああ、わかった。がしかし私は帰る事をあきらめるつもりは無い。
 ムムムにももう別れを告げてしまったからな、再び会うのは忍びない。」

レベッカは最後にリリアーナに言った。
レヘ「…でだ。もしもそうなったら、リリアーナ。俺をメイレンの傍に置いてくれねぇかな?
 どうせ死を避けることができねぇなら、俺はせめてメイレンの傍で死にてぇから。 」
「何か考えがあるなら、今すぐにでもメイレン様の置いてあげる。
 それが本心だとしたら、今すぐ修正してあげるわ。
 あなたは言ったわよ?!中つ国だけじゃなく、この国の母になってやるって!!
 私は良く知らないけど、母親ってのは、そんなにあっさり子供を見捨てていいわけ?!
 今はあなたが生きて、皆助かる。そんな方法を探すのが先でしょう!!」

「しっかりしてよ、レベッカさん。まだ全ての可能性が潰えたわけじゃない。
 ムウ大陸は、あの事件が起こるまで神龍と共にあった。
 そしてムムムは神龍の力を手に入れたけど、神龍の魂までは吸い取っていない。
 ・・・・・・神龍の魂とターロン、どちらに神龍の力が従うと思う?
 それに、ナナナのマスターの記憶に封じた本、あれさえ見つければ・・・・・・・!!」
リリアーナはある重大なことに気づき、顔色を変えた。
「『・・・・・・大変!皆、聞いて!少なくとも銀玉は今、ターロンのお腹の下にある!!』」
一度玉に魅入られたリリアーナには、玉の在り処がわかるのだ。
リリアーナはレベッカには小声で、彼女以外の全員にはテレパシーでそう伝えた。
3つの玉は元々神龍のものである。このまま放置すれば大変なことになるだろう。

>「それと、おめぇにとって良いニュースがあるぞ。ロクーの妹のエリザは生きている。 (中略)
> これで安心できるよな…リリアーナ。」
虚をつかれたリリアーナは、思わず
「そっか!そうなの・・・・・・・ロクー、良かったぁ」とつい嬉しそうな顔で本心を吐露してしまった。
だがそれは一瞬で、すぐに我にかえって咳払いでごまかそうとする。
「それはそうと、初めて本当の名前呼んでくれたね。嬉しい。
 さっきは演技とはいえ、ひどいことを言ってごめんね」
リリアーナはメイレンの方を見て、痛ましそうな表情を浮かべた。
「それと、・・・・・・・本当にごめん。最低だ・・・私って」

桜花はターロンにあきらめるよう説得した。の周りには無数の魔力ナイフが現れる
桜「私はここで貴方と共に散ることも持さない。
・・・・・・桜の花は・・・」

―――桜の花は散るからこそ美しいと人は言うが―――
  ―――貴方も共に散り花を咲かせてみるか?ターロン―――

(かっこいい・・・・・・)
そう啖呵を切った桜花は頼もしく、凛々しく、輝いて見えた。
桜花がしゃべり終えると無数のナイフが一斉にターロンの方に向く
「あ、見とれてる場合じゃない!!『来たれ、ロックb・・・」
リリアーナがマジックアイテムを召喚し援護しようとした、まさにその時!

97 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 20:16:16 0

>『お、やってるやってる』
>はずんだ声を響かせて、影より登場したのはいなくなったはずの黒犬である。
ヴァンエレンの怒りをものともせずに、黒犬は不気味な黒猫に姿を変えた。
「あ――――っ!!塩・・・・・・じゃなかった死王!!どうやってここに!!
 ってかその本!!ナナナのご主人の魔本じゃないの――――!!」
リリアーナは絶叫した。
「見てのとおり今大ピンチなのよ!!四の五の言わずその本ちょっと貸してよ!ね、ね!!
 っていうかしてくださいお願いします。
 その魔本だって、怖い猫より女の子が好きに決まってるわ――――っ!!」
リリアーナは無茶苦茶な理屈をこねた挙句、本に飛び掛った!
――――が、相手は学園の地下図書館に巣食う魑魅魍魎を束ねる存在、死王様である。
魔法使い以下であるリリアーナが、まともに叶う相手ではなかった。

「じゃ・・・じゃあ、せめてあの神龍・・・・ターロンごと・・・封印してくらはい・・・・・・」
床の上に伸びたリリアーナは、情けない声で死王に哀願した。

98 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/11/30(月) 11:30:52 O
>88-97
>「ねえ・・・今のうちにあれ砕いといたほうがいいんじゃなくて?」
「確かに放置も危ないけど…壊せるのかなあれ…」
封印での石化だから、核熱魔法でもぶっ壊せるかわからないけど。
フリージアが言うようにあの過去を見たからには、はっきり言ってムムムを放置する気にはなれない。
出来るなら壊しておいたほうが世のため人のためってもんだ。
>『ちょっと待ってみよう。レベッカさんに何か考えがあるみたいだし』
でも、メギドラオンを一発ぶちかまそうとした所にリリアーナの仲裁が入る。
確かにレベッカの考えがわからないうちに攻撃して、像と一緒に段取りまでぶち壊しはまずいか。
あたしはムムムの像に注意を集中しながら、リリアーナに手で了解のサインを送る。

>「もうわかってんだろ?クリムゾンヘッドを消したのは俺じゃねぇ。
> クリムゾンヘッド、あいつは、奴自身の能力であの場から消えたんだ。(中略)
> クリムゾンヘッドは生きている。奴が過去に生きていた場所で。
> …どこにいるかって?そんなの俺が知るわけねぇだろ。」
>>「馬鹿な!嘘だ!魔法使いでもない奴に時間操作などできるはずがない!!」
レベッカの種明かしは、ターロンがすぐには信じられないほどの衝撃の真実で。
でも、言われてみればそうだ。
遺留品が無くても死霊術師がいれば、死人に口無しとはいかないのはクリムゾンヘッドも知ってるはず。
自殺してまで秘密を守ろうとするはずがない。
ところがどっこい、死んだ時に時間が巻き戻せるなら話は別だ。
秘密は守れる逃げられない場所から逃げられる。
ついでに相手の油断も誘えて一石二鳥どころか一石三鳥だ。
問題は、その力をクリムゾンヘッドに渡したのが、ホワイト博士とケルビムなる組織だって事。
なんだか厄介な組織に目をつけられちゃったなーもう……

>「もう俺に嘘をつかれるのも慣れてきただろ?
>“俺が”クリムゾンヘッドを消したように見せかけたのは、こういう駆け引きに使うためだったのさ。
> それもお終いだ。…さて、交渉を始めようか、ターロン。“俺達”が生きるか、死ぬかの。」
>>「……何か、交渉に使う材料があるとでも言いたいのですか」
押し殺したような声で問うターロンに、レベッカは答える。

全てはターロンをムムムの像の近くに誘い込むための嘘であり、演技であったと。
そしてその気になれば、ムムムの像を守り、再び玉を戻してムムムの封印を解けると。
>「順番はどうあれ、ここで俺達全員が死ぬってことさ。(中略)
> 騙して悪いが、お前はこの先生きのこれないぜ。このままじゃあなぁ。」
神龍の力を得たターロンに対抗するために、神龍を殺したムムムの力を借りるってわけだ。
あたしたちからすれば、神龍に殺されるかターロンに殺されるかの違いにすぎないかもしれない。
でも、ターロンには、自分が死ぬかもしれないとのリスクが生まれた事になる。
>「それもつまらんだろう。ターロン、悪いことは言わねぇ。神龍の力はムウ大陸に捨てておけ。
> そして尻尾を巻いて帰るがいい。命があれば、また別のチャンスがあるだろう。」
レベッカの説得に、ターロンは不気味に沈黙を守る。
頭の中で損得勘定に忙しいのかそれとも……

99 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 遅れちゃった…] 投稿日:2009/11/30(月) 11:32:53 O
>「聞いた通りだ、みんな。もしもターロンがムムムの像を壊そうとしたら、全力で阻止しろ。
> それはターロンが、暗に“俺が言った事”を真実だと認めた証拠でもある。
> ムムムの像に三つの玉をはめこんでくれ。それで最悪の結果だけは避けられるはずだぜ。」
>「ああ、わかった。がしかし私は帰る事をあきらめるつもりは無い。
> ムムムにももう別れを告げてしまったからな、再び会うのは忍びない。」
「オッケー。いざとなったら任せなさいって。
 死なばもろとも、ターロンも道ずれにしてやろうじゃないの」
桜花と一緒にレベッカに景気よく返事を返して、そうなると気になるのは3つの玉の行方。
どこに行った?作戦の要なんだからさっさと見つけておかないと…

>「しっかりしてよ、レベッカさん。まだ全ての可能性が潰えたわけじゃない。(中略)
> それに、ナナナのマスターの記憶に封じた本、あれさえ見つければ・・・・・・・!!」
>「『・・・・・・大変!皆、聞いて!少なくとも銀玉は今、ターロンのお腹の下にある!!』」
「えっ……」
レベッカに全員が助かる道を考えるようにと言っていたリリアーナから、また驚きの新事実が伝えられる。
見れば、確かにターロンがとぐろを巻いているのは、ムムムの像のすぐそばなわけで。
どーするんだよこれじゃ玉はめるどころじゃないぞ!!

>「私はここで貴方と共に散ることも持さない。
>・・・・・・桜の花は・・・」
>―――桜の花は散るからこそ美しいと人は言うが―――
>  ―――貴方も共に散り花を咲かせてみるか?ターロン―――
「おーしこうなったらもう自棄だ。あたしも暴れられるだけ暴れてやろうじゃないの。
 桜花。これ、3分ほど時間を止めるアイテム。
 魔力全部込めないと発動しないけど、桜花なら上手く使えるでしょ。
 貸しとくだけだから、学園に戻ったらちゃんと返してよ」
あたしはポケットから砂時計を取り出して、桜花に渡す。
砂の代わりに、凶悪アンデッド死王の塩いりのこのアイテムは、3分間だけ時間を止められる。らしい。
らしいというのは、前にワクワクしながら使ったら一瞬で砂が落ちきって終わりになったからだ。
なんでも時間を止めてる間動けないと意味がないらしく、魔力が無駄使いになってガッカリしたもんだ。
でも桜花なら。止まった時間を有効活用して、あたしにはできない事をやってくれるはず!

>『お、やってるやってる』
緊張の場面で空気読まずに登場したのは、無駄に態度のでかいヴァンエレンの使い魔黒犬。
そいつは軽くヴァンエレンを無視して、どろりと黒猫の姿になり…っておいぃーっ!?
>「あ――――っ!!塩・・・・・・じゃなかった死王!!どうやってここに!!
> ってかその本!!ナナナのご主人の魔本じゃないの――――!!」
「こらヴァンエレン!思いっきり死王じゃないかあの犬!
 なにが『違うと思う』だーっ!!」
あたしが八つ当たり気味にヴァンエレンに叫んでるうちに、リリアーナは死王に飛びかかった。
もちろん軽くあしらわれちゃったけど。
>「じゃ・・・じゃあ、せめてあの神龍・・・・ターロンごと・・・封印してくらはい・・・・・・」
そうだ、敵に回せば恐ろしい死王でも、リリアーナが言うようにこの状況で味方になるなら頼もしいぞ!
なにか説得に使う材料材料…
「あー、えーっと…その…そうだ!死王だって場所は違っても図書館の主でしょ!
 だったら貴重な書物の重要性は知ってるはずじゃない!
 速くあの神龍を封印しないと、この図書館が水没しちゃうんだよ!
 神龍とターロンの分離でもいいからなんとかしてーっ!
 上手く行ったら飴…はないけど…かわりにレモンパイあげるから!
 天使のお手製だよー激レアアイテムだよー」

100 名前:ターロン&アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage お待たせして申し訳ない] 投稿日:2009/11/30(月) 11:35:13 O
>88-99
>「私はここで貴方と共に散ることも持さない。
>・・・・・・桜の花は・・・」
>―――桜の花は散るからこそ美しいと人は言うが―――
>  ―――貴方も共に散り花を咲かせてみるか?ターロン―――
「どうやら、本気で私と差し違えるつもりのようですね…
 確かにあなたたちが死を覚悟して抵抗するなら、私もメイド像をすぐには破壊できないでしょう。
 お互い痛み分けというのも気に入りませんが、リスクの少なさが魅力的な提案です……
 しかしお断りします!」
ターロンはレベッカの提案を拒否した。
その理由はリリアーナの見破ったとおり、3つの玉を自分が持っているからだ。
ターロンはとぐろを巻いていた体を持ち上げて、3つの玉を見せつけた。
時間を止める桜花の能力は知っているが、同時に長時間止められない事も知っている。
桜花の立ち位置から、時間を止めても玉を取る事は出来ないと判断したのだ。
「言い忘れていましたが、ムムムの封印を解く玉は私が保管しています。
 この玉は元々神龍の持ち物でした。
 いまや神龍と1つになった私が所有権を持つのも、当然の道理でしょう。
 そしてこの玉を私が持っている限り、ムムムの復活など夢のまた夢というわけです」

ターロンはこの時正体を現した死王に気づいたが、とりあえず無視することにした。
黒犬が死王である事は知らなかったが、今までの言動から人間に友好的ではないと判断したのだ。
「しかしレベッカ様ほどの方なら、必ずや歴史に名を残す人物となられたでしょうに。
 有能なお仲間と共にこのような場所で命を落とすことを選ばれるとは…悲劇ですが、美しい選択です。
 【玉は砕くべし。その白さを惜しむべからず】
 古人の知恵に従い、美しい友情は美しいまま終わりにしてあげましょう!」
ターロンは再び雷の力を集め、サンダーブレスでムムムの像を破壊しようとした。
しかし、そこで神龍の首と思える部分から血がふきだし、ターロンの狙いが大きくぶれる。
完治していないミシェルの攻撃の傷口が、ブレスの圧力に耐えきれずに破れたのだ。
だがそれは一瞬の隙であり、ターロンはすぐにまたムムムの像を破壊しようとするだろう。

その少し前のこと。
地下図書館では天使の輪っかで様子を伺いながら、アナスタシアがニヤニヤしていた。
「どうだーベルジン?招き猫の封印は解けそうかー?
 ダメなら無理して解こうとしないで、ターロンをなんとかする方優先でもいいんだぞ?
 玉取り上げて奴の間抜け面を見るのとか楽しそうだぞ〜プププ♪」
盗み見に加えて盗み聞きまでしながら笑うアナスタシアは、その場にナナナがいない事に気づく。
「あ?そういや泣き虫メイドはどこいったんだ?」

「それはお父様の本なんです〜!返してくださ〜いっ!!」
その頃のナナナは、リリアーナの教訓から学ぶ気もなく、後先考えずに死王に飛びかかっていた。

101 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/11/30(月) 12:12:50 P
>89-100
レベッカ曰くイェスタデイ・ワンスモアの能力とは逆行
すなわち記憶を保ったまま過去の自分に戻ることらしい
「まさかそんなことが・・・・・・」
そんな能力があれば病気で死ぬはずの人を死ななかった事に
いや病気の原因をあらかじめ取り除く事さえ出来るだろう

「フリージア、ムムムの像は壊すな。
 俺がわざわざ駆け引きまでして地下墓地まで移動したのは、それが目的なんだからなぁ」
レベッカの作戦とは666を利用してターロンを脅す事である
ターロンを含めた全員が666に殺されるか
それともターロンを含めた全員が生き残るか
それはターロンの選択次第だというのだ
「そうですわね666の力は神龍より強い
 あなたを殺しても御釣りが出ますわ
 ・・・・・まあその御釣りが私達の命というのがあれですけど」
「え?僕も道連れなの?」
666に殺されるメンバーに自分も入っていることに今頃気がつくギズモ
メイレンが相手なら人間じゃない自分は無事だったのにとんだとばっちりである
「ギズモちゃん・・・・・私が死んだら魔界に帰りなさいな
 そうすればあなただけは助かりますわ」
本契約した使い魔であるギズモはフリージアが死ぬまで魔界には帰れない
だが主人が死ねば・・・・・・
「僕は・・・・嫌だ!一緒に学園に帰るんだ!!」

ターロンが666を破壊しようとしたときに備えナイフを浮かべる桜花
「時を食べる時計よ!私の呪文詠唱時間を食べることを許可しますわ!!」
二発目のフリージングディストラクションを用意するフリージア
命中すればターロンの動きを止められるだろう
命中すればだが・・・・・

>『お、やってるやってる』
>『ああ、そうだ。
 この姿も飽きたんで元に戻るね』
黒犬から黒猫へと正体を現す死王
「・・・・・・そんな事だろうと思いましたわ」
ある意味予想通りの展開である
「犬が猫になった!?」
あっと驚くためご・・・・・ギズモきゅん
死王の目的はどうやら一冊の魔本のようだ
「じゃ・・・じゃあ、せめてあの神龍・・・・ターロンごと・・・封印してくらはい・・・・・・」
そう頼み込むリリアーナ
はたして死王はその頼みを受け入れるのか?
どちらにせよやつの手に魔本がある限り死王が666に成仏させられることはないだろう

666の像を破壊しようとするターロンだったが首からの出血によって狙いは外れる
「あそこが弱点ですのね!フリージングディストラクションで狙い撃ちにして差し上げますわ!!」
傷口にわさび・・・もといすでに準備が終わったフリージングディストラクションをぶち込もうとするフリージア
はたして当たるのだろうか?

102 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/11/30(月) 17:32:22 0
「げぇーーー!死王!?
 私の使い魔に化けていた!…んですか?」
そうです。
朝からずっと成りすましていました。

>97>99
>「こらヴァンエレン!思いっきり死王じゃないかあの犬!
>なにが『違うと思う』だーっ!!」
「いやぁ。
 そーかそーか。
 私の使い魔が死王に化けてたのかぁ。
 ワタシキガツカナカッタナァ」
とても棒読みでございます。

>「あ――――っ!!塩・・・・・・じゃなかった死王!!どうやってここに!!
>ってかその本!!ナナナのご主人の魔本じゃないの――――!!」
ピンチだから本を貸せだの怖い猫より女の子が好きだのとリリアーナが言って、思わず黒猫に飛び掛かってしまう。
それを自身の前に移動ゲートを出現させてリリアーナが元いた場所に出口を作る。
死王の作ったゲートを避けきれずすっぽり中に入ってしまったリリアーナは着地がうまくできず、地面と熱いキスをかわすことになった。
>「じゃ・・・じゃあ、せめてあの神龍・・・・ターロンごと・・・封印してくらはい・・・・・・」
『ふざけるな。
 なんであんなくだらん存在の相手しなきゃならんのだ』
リリアーナのお願いを一蹴りする死王。
あれを封印できる実力があるのかはともかくとして、封印をして死王になんの得もないのが原因だろう。
>「あー、えーっと…その…そうだ!死王だって場所は違っても図書館の主でしょ!
>だったら貴重な書物の重要性は知ってるはずじゃない!
>速くあの神龍を封印しないと、この図書館が水没しちゃうんだよ!
>神龍とターロンの分離でもいいからなんとかしてーっ!
>上手く行ったら飴…はないけど…かわりにレモンパイあげるから!
>天使のお手製だよー激レアアイテムだよー」
『ひとつ、俺は図書館の主じゃない。
 地下のくそったれな死者共を束ねているにすぎん。
 実質的なトップはむかつくことにオルビアの変態だけだ。
 ふたつ、貴重な書物など興味はない。
 燃えてなくなろうが水に沈もうがこの一冊さえあればどうでもいい。
 みっつ、龍とチャラ坊の融合したできそこないなど知らん。
 そして最後にレモンパイだが…普通にいらん』

>100
>「それはお父様の本なんです〜!返してくださ〜いっ!!」
先ほどのリリアーナと同じように飛び掛ってくる輩がまた一人。
『返せといわれて返ってきたら泥棒はいらんよな?
 災難だとあきらめな』
ゲートを隣に出現させて中に手を突っこむと、死王は誰かの腕を掴んで強引に引っ張ってゲートから何者かを強制召喚する。
「え?え?えええぇぇぇええぇっぇ?!」
ゲートから出てきたのはいつの間にか隠れていたヴァンエレンであった。
盾にされたヴァンエレンはナナナと激突して、再び吹っ飛ばされてしまう。
「ひ、ひどい…」

血を噴出しながらも尚、攻撃してムムムの像を破壊しようとするターロン。
だが狙いはとんだ的外れの場所に当たってしまう。
『たった傷ひとつでなんだあのザマは…。
 あれは本当に神龍か?化け物か?
 まるで赤子のようじゃあないか』
期待していたのと大分違う様子にご立腹の死王。

103 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/30(月) 21:43:30 0
>93>94>96>97>99>100>101>102
> 「それと、・・・・・・・本当にごめん。最低だ・・・私って」
メイレンの方を見て、痛ましそうな表情を浮かべるリリアーナ。
「気にすんな。」
そう短く言ったレベッカは先ほどのリリアーナの言葉を思い返していた。
『今はあなたが生きて、皆助かる。そんな方法を探すのが先でしょう!!
 しっかりしてよ、レベッカさん。まだ全ての可能性が潰えたわけじゃない。』
「(…言えにゃい。メイレンの傍でただの槍のふりをして、
 一人だけ生き残るつもりだったなんて言えにゃい…)」

> 桜花の周りには無数の魔力ナイフが現れる
> 「私はここで貴方と共に散ることも持さない。
> ・・・・・・桜の花は・・・」

> ―――桜の花は散るからこそ美しいと人は言うが―――
>   ―――貴方も共に散り花を咲かせてみるか?ターロン―――

(かっこいい・・・・・・)
と思うリリアーナ。
「そこにしびれる あこがれるぅ」
とレベッカ。
> 「どうやら、本気で私と差し違えるつもりのようですね…
>  確かにあなたたちが死を覚悟して抵抗するなら、私もメイド像をすぐには破壊できないでしょう。
>  お互い痛み分けというのも気に入りませんが、リスクの少なさが魅力的な提案です……
>  しかしお断りします!」
> ターロンはレベッカの提案を拒否した。
> 「言い忘れていましたが、ムムムの封印を解く玉は私が保管しています。
>  この玉は元々神龍の持ち物でした。
>  いまや神龍と1つになった私が所有権を持つのも、当然の道理でしょう。
>  そしてこの玉を私が持っている限り、ムムムの復活など夢のまた夢というわけです」
「あれー?やっぱりそうなっちゃうのー?」
レベッカは困った。

104 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/11/30(月) 21:44:14 0
> 『お、やってるやってる』
> はい、死王のご登場です。
レベッカは一応死王とは既に面識があるはずだが、
元彼のブルースの件が強烈すぎたのか、ほとんど印象に残っていなかった。
つまり、誰だっけこいつ?である。
> 「見てのとおり今大ピンチなのよ!!四の五の言わずその本ちょっと貸してよ!ね、ね!!
>  っていうかしてくださいお願いします。
>  その魔本だって、怖い猫より女の子が好きに決まってるわ――――っ!!」
リリアーナがまともに敵う相手ではなかった…のか?レベッカにはよくわからない。
> 「じゃ・・・じゃあ、せめてあの神龍・・・・ターロンごと・・・封印してくらはい・・・・・・」
「おん?何を言うんだよリー。この猫…」
> 『ふざけるな。
>  なんであんなくだらん存在の相手しなきゃならんのだ』
> 「あー、えーっと…その…そうだ!死王だって場所は違っても図書館の主でしょ!
>  だったら貴重な書物の重要性は知ってるはずじゃない!
>  速くあの神龍を封印しないと、この図書館が水没しちゃうんだよ!
>  神龍とターロンの分離でもいいからなんとかしてーっ!
>  上手く行ったら飴…はないけど…かわりにレモンパイあげるから!
>  天使のお手製だよー激レアアイテムだよー」
「いや、ミルク。この猫…」
> 『ひとつ、俺は図書館の主じゃない。
>  地下のくそったれな死者共を束ねているにすぎん。
>  実質的なトップはむかつくことにオルビアの変態だけだ。
>  ふたつ、貴重な書物など興味はない。
>  燃えてなくなろうが水に沈もうがこの一冊さえあればどうでもいい。
>  みっつ、龍とチャラ坊の融合したできそこないなど知らん。
>  そして最後にレモンパイだが…普通にいらん』
「最後に激しく同意する。」
レベッカはリリアーナとミルクを交互に見ながら、こんな不可解なことは無いとばかりにつぶやく。
「二人してなに必死になってんだよ。こいつはただの猫だ。役にたちゃしねぇよ。」
レベッカにとって、死王は役に立つ存在には見えなかった。
言うなれば、ルズと同じような評価である。
ターロンが特に気にかけないのも、レベッカは頷ける。レベッカは死王の力を知らないのだ。
「それとも何か?この猫には隠されたすげぇパワーでもあるのか?俺にはとてもそうは見えないね。
 さっきから空間をいじくってるみてぇだがよ、そんなことできる魔法使いなんてそう珍しくもねぇだろ?
 よぅよぅ塩猫さんとやらよぅ。怪我しねぇうちにさっさと消えな。戦場に弱者は不要だぜ。」
レベッカはおそらく、リリアーナやミルクが考えられる上で最も死王を馬鹿にした人物だった。
その結果が吉と出るか凶と出るかは…知らにゃい。

105 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage プランD、いわゆる長文です。] 投稿日:2009/11/30(月) 21:44:54 0
> 「しかしレベッカ様ほどの方なら、必ずや歴史に名を残す人物となられたでしょうに。
>  有能なお仲間と共にこのような場所で命を落とすことを選ばれるとは…悲劇ですが、美しい選択です。
>  【玉は砕くべし。その白さを惜しむべからず】
>  古人の知恵に従い、美しい友情は美しいまま終わりにしてあげましょう!」
「ちょっ!まっ!…あっぶな!」
> 666の像を破壊しようとするターロンだったが首からの出血によって狙いは外れる
「う〜ん、今となっちゃあムムムが生きても死んでも関係ねぇかもな〜。どうしよう。」
> 「あそこが弱点ですのね!フリージングディストラクションで狙い撃ちにして差し上げますわ!!」
> 傷口にわさび・・・もといすでに準備が終わったフリージングディストラクションをぶち込もうとするフリージア
> はたして当たるのだろうか?
「撃ち負けはしなくてよ!!当たりさえすればですわ!!」
レベッカは特に意味もなくフリージアの真似をしながらそう言った。
今やフリージアは、言ってみればこのメンバーの主砲であった。

そのフリージアは、イェスタデイ・ワンスモアの能力とは、
記憶を保ったまま過去の自分に戻ることだと考えていた。
無論他人の頭の頭の中の事など知る由も無いが、
レベッカは、イェスタデイ・ワンスモアの能力を使うと記憶も逆行、
つまり無かった事になるのではないかと思っていた。
というのも、イェスタデイ・ワンスモアの能力は、まともに実行したらかなり強力である。
しかし、彼はその能力をほとんど使わなかった。
それはきっと、能力を使うことで何かしらのデメリットを負うからだろうと予想できる。
その考えられるデメリットの一つが、記憶の消去であった。

無論、以上はレベッカの推論である。もしかしたらそのデメリットとは、
使用する度に本来の寿命を縮めることだったりするのかもしれない。
再びクリムゾンヘッドと会うまでは、その能力はやはり未知である。

106 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/02(水) 01:26:30 0
>98-100>101>102>103-105
リリアーナの頼みをにべも無く断る死王。しかし、ミルクがなおも食い下がる。
そしてレベッカは、先程から何か言いたそうだ。
死『ひとつ、俺は図書館の主じゃない。 (中略)
 そして最後にレモンパイだが…普通にいらん』
レヘ「最後に激しく同意する。」

――――ナナナとヴァンエレンが、ぶつかってドッキリ体験!となっている頃。
リリアーナはリリアーナで、死王の言葉を彼女なりに分析していた。

1.死王は本に興味は無い。
2.死王<オルビアである
3.貴重な書物には興味は無いが、今持っている魔本だけは必要である。
4.神龍の記憶に、オルビアそっくりの魔法使いが出てきた

――――ということは、つまり・・・・・・・。
「そっか〜!死王は、オルビア先生にご先祖が使った本を取ってくるように命令されたのね!
 じゃあ、オルビア先生から魔本使うの禁止でもされてるんだ。
 それじゃあ魔本を使えなくてもしょうがないよね」
死王が魔本を手に入れたら、いろいろと面倒なことになりかねない。
魔本を扱うことに長けたオルビアなら、その程度のことを見越して、手は打ってあるだろう。
少なくともリリアーナは、素でそう思い込んでいるようだ。

レヘ「二人してなに必死になってんだよ。こいつはただの猫だ。役にたちゃしねぇよ。」
「え?!何言ってるのレベッカさん?!昨日死王にあったんじゃなかっt」
レヘ「それとも何か?この猫には隠されたすげぇパワーでもあるのか?俺にはとてもそうは見えないね。
 さっきから空間をいじくってるみてぇだがよ、そんなことできる魔法使いなんてそう珍しくもねぇだろ?
 よぅよぅ塩猫さんとやらよぅ。怪我しねぇうちにさっさと消えな。戦場に弱者は不要だぜ。」
「ヒ――――!!」
リリアーナはムンクの叫びのような形相ですくみあがっている。
「あ、いや、これはそのつまりですね・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさいごめんなさい!
 レベッカさんは学園のこと何にも知らないんです!だから許してあげてください!
リリアーナは土下座している!
「ちなみにお帰りはあちらです!」
・・・・・・・・・・・・・言うまでも無いことだが、リリアーナは粗忽者だった。

107 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/02(水) 01:27:53 0

>ターロンは再び雷の力を集め、サンダーブレスでムムムの像を破壊しようとした。
>しかし、そこで神龍の首と思える部分から血がふきだし、ターロンの狙いが大きくぶれる。
レヘ「う〜ん、今となっちゃあムムムが生きても死んでも関係ねぇかもな〜。どうしよう。」
「こういう時はTプランだよ、Tプラン」
などと上の空で言っているリリアーナの目は、死王の持っている本に釘付けだった。
ちなみにTは、ご多分に漏れず突撃のTである。
死『たった傷ひとつでなんだあのザマは…。
 あれは本当に神龍か?化け物か?
 まるで赤子のようじゃあないか』
「え、神龍の力ってこんなもんじゃないんですか?」
リリアーナは、記憶の中で見た神龍の戦いぶりを思い出してみた。
「そう言えば神龍には、どんなすごい攻撃でも、たいした傷をつけられなかったわね」

フリ「あそこが弱点ですのね!フリージングディストラクションで狙い撃ちにして差し上げますわ!!」
レヘ「撃ち負けはしなくてよ!!当たりさえすればですわ!!」
本来ならリリアーナも援護するところなのだが、今は無理だった。なぜなら――――。
(チャーンス!!)
リリアーナの目がきらりと光った。
やるなら、死王の気が反れたこの一瞬!!
リリアーナはささっと思ひ出の糸車の糸を引き出すと、死王が持つ魔本へと飛ばした。

思ひ出の糸車は、記憶を見ることができる。
だが、かつては人であった魔本も、今は物となっている。
死王の妨害をかいくぐれたとしても、「魔本」から有益な情報を引き出すことができるのだろうか?

「・・・・・・・ところでレベッカさん、さっきから何を考えてるの?」


108 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/12/03(木) 12:44:35 0
>「どうやら、本気で私と差し違えるつもりのようですね…
 確かにあなたたちが死を覚悟して抵抗するなら、私もメイド像をすぐには破壊できないでしょう。
> お互い痛み分けというのも気に入りませんが、リスクの少なさが魅力的な提案です……
> しかしお断りします!」
>「言い忘れていましたが、ムムムの封印を解く玉は私が保管しています。
> この玉は元々神龍の持ち物でした。
> いまや神龍と1つになった私が所有権を持つのも、当然の道理でしょう。
> そしてこの玉を私が持っている限り、ムムムの復活など夢のまた夢というわけです」

「そうか、残念でならない。
 なら、貴方からその玉を取り戻してムムムにはめるだけだ。」

>「おーしこうなったらもう自棄だ。あたしも暴れられるだけ暴れてやろうじゃないの。
 桜花。これ、3分ほど時間を止めるアイテム。
 魔力全部込めないと発動しないけど、桜花なら上手く使えるでしょ。
 貸しとくだけだから、学園に戻ったらちゃんと返してよ」

「三分・・・!?そんな素晴らしいものを借りてしまっていいのか?
・・・ありがとう、貴女の心遣い無駄にはしない。」
桜花はミルクから塩の砂時計を借りた。

>「しかしレベッカ様ほどの方なら、必ずや歴史に名を残す人物となられたでしょうに。
> 有能なお仲間と共にこのような場所で命を落とすことを選ばれるとは…悲劇ですが、美しい選択です。
> 【玉は砕くべし。その白さを惜しむべからず】
> 古人の知恵に従い、美しい友情は美しいまま終わりにしてあげましょう!」

「勝手に終わらせるな。私たちの友情はこれから始まるんだ。」

>ターロンは再び雷の力を集め、サンダーブレスでムムムの像を破壊しようとした。
>しかし、そこで神龍の首と思える部分から血がふきだし、ターロンの狙いが大きくぶれる。

ターロンの狙いが大きく逸れたのを見ると両手に持っていたナイフをターロンの
両眼目掛けて投げつける
「時よ、止まれ。」
(後一回・・・)
周りの全てが静止する
桜花の周りに浮いていた魔力ナイフをターロンの頭部目掛けて発射する
桜花はターロンの胴体付近に移動する。ナイフが刺さってターロンがよろけた際にそのまま玉を回収するつもりなのだ
「そして、時は動き出す」
設置された魔力ナイフ、両眼を狙ったナイフがターロン目掛けて殺到していく


109 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/03(木) 22:06:29 O
>101-108
>『ひとつ、俺は図書館の主じゃない。(中略)
> そして最後にレモンパイだが…普通にいらん』
>「最後に激しく同意する。」
「だよねー…」
さすがに自分でもちょっと無理があるかと思う説得は、やっぱり死王に却下されました。
律儀に答えてくれる辺り脈ありにも見えるけど、この線からの説得は無理っぽそうかなこれは……
あたしの落とした視線の先には、いらないという点では満場一致になるだろうレモンパイもどき。
これをターロンに食べさせたら毒殺できないかな…

>「そっか〜!死王は、オルビア先生にご先祖が使った本を取ってくるように命令されたのね! (中略)
> それじゃあ魔本を使えなくてもしょうがないよね」
「リリアーナ…多分それ違うと思う…」
オルビア先生の用事できたなら、最初から黒猫姿で来てただろう。
わざわざ自分をヴァンエレンの使い魔に偽装する意味がない。
だとしたら、あの本は自分で使うつもりと考えてまず間違いなし。
何に使うかはわかんないけどね…

>「二人してなに必死になってんだよ。こいつはただの猫だ。役にたちゃしねぇよ。」
>「え?!何言ってるのレベッカさん?!昨日死王にあったんじゃなかっt」
>「それとも何か?この猫には隠されたすげぇパワーでもあるのか?俺にはとてもそうは見えないね。
> さっきから空間をいじくってるみてぇだがよ、そんなことできる魔法使いなんてそう珍しくもねぇだろ?
> よぅよぅ塩猫さんとやらよぅ。怪我しねぇうちにさっさと消えな。戦場に弱者は不要だぜ。」
>「ヒ――――!!」
「ぎゃ――――っ!!何てこと言いだすんだ―――っ!」
よりによって死王様を挑発するなんざ正気の沙汰とはおもえません!
いくらレベッカでも黒猫が死王と知ってればここまで言わないだろうから、ああ無知ってすばらしい。
>「あ、いや、これはそのつまりですね・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさいごめんなさい!
> レベッカさんは学園のこと何にも知らないんです!だから許してあげてください! 」
>「ちなみにお帰りはあちらです!」
「いやいやいやそれもおかしいよね帰らせてどうする!」
もうこうなったら死王の心の広さ(?)に期待するしかないよね…

>「う〜ん、今となっちゃあムムムが生きても死んでも関係ねぇかもな〜。どうしよう。」
交渉をお断りしたターロンが暴れ出すのを見て、レベッカがしみじみ呟いた。
もちろん、のほほんとしての発言じゃなくて、良い案が浮かばなくてお手上げ的な言い方でだ。
>「こういう時はTプランだよ、Tプラン」
「それは無計画も計画のうちみたいなプランじゃないか…」

フリージアや桜花がターロンと戦い出すのを見ながら、あたしは援護する機会を伺っている。
うっかりしたら味方も巻き込んじゃうあたしの魔法のせいなんだけど…
あー!!見てるだけでなかなか割り込めないからストレスが溜まるーっ!

110 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/03(木) 22:09:09 O
と。ぽっと視界の隅に光がともった。
目をやればリリアーナの手元から伸びた糸車の糸と、それを光の盾で防御する黒猫が見えたわけで。
ってリリアーナってば死王様相手にいきなり何してるかなーっ!?
>>「甘い、甘いな!このぼくが、本になったぐらいで魔法が使えなくなると思っていたのか?
>> ぼくの至高の萌え情報は、そう簡単に見せるわけにはいかんな!」
「へ?この声…」
> 「そ、そんな…お父様!?」
聞き覚えのある声と、驚いてそれに答えるナナナ。
げげ!じゃあやっぱりこの声は、神龍の幻に出てきた本になった猫耳男の声!?
すると光の盾を出してるのは死王じゃなくて、持ってる本のほう!?

> 「お父様…!ご無事で…きゃんっ!?」
>>「馬鹿者!僕のことは『ご主人様』と呼べと言っていただろうが!
>> それに猫耳をいつも付けておくように言っていただろう!どうして付けていないんだ!」> 「す、すみませんすみませんご主人様!」
感動の再会…のはずが、急にすっころんで謝りながら猫耳を取り出して装備し出してますよ。
なにこの手遅れご主人様…
あーあー、ナナナもぽろぽろ猫耳をこぼしちゃって…何個持ち歩いてるんだよ…

ターロンの時とは違う意味でお手上げのあたしたちに、猫耳男の声が呼びかける。
「話はだいたい聞かせてもらった。
 どうやら神龍の力を悪用する者に困っているようだが、おまえ達に対処法が無いわけではない。
 対処方の一つは、中つ国娘が言うようにムムムを復活させること。
 それができないなら、まな板娘が言うように神龍の魂を分離させることだ。
 どちらにしても後の対処を考えて、女性は全員猫耳をつけるのを忘れるなよ!」
一方的に言い切る猫耳男の声に合わせて、ナナナが猫耳を配り始めたけど。
え、なに。これを本気で頭に着けろっていうの?冗談…だよね?

渡された猫耳を手に心の中で葛藤していると、ムウ大陸主従コンビの会話が聞こえてくる。
> 「ご主人様〜!そんな猫ちゃんと一緒にいないで、私の所に戻ってきてください〜!」
>>「だからお前はバカなのだ!ぼくがツンデレ犬耳美少女の所から離れると思っているのか!?」
「黒猫死王がツンデレ犬耳少女に見えるとは…この擬人化能力が萌えの最終形態なのね…
 だめだこいつ…速くなんとかしないと…
 変態に魔法技術を与えた結果がこれだよ…」

111 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/03(木) 22:15:46 O
>101-110
>『たった傷ひとつでなんだあのザマは…。
> あれは本当に神龍か?化け物か?
> まるで赤子のようじゃあないか』
死王が言うように、現在の神龍は体を再生したばかりの赤子に等しい状態だった。
その体は100匹の龍の集合体であり、強度だけ見れば神竜どころか古龍にも劣る。
さらに今は龍の力の源である龍玉から力を引き出すことも出来ない。

ターロンにとっては計算外の事態だらけだが、計算外の事は他にもあった。
神龍との融合が完全ではなかったのか、神龍の魂がターロンの意志に逆らうようになり始めたのだ。
時間がたてば、ターロンは完全に体と能力を制御できるようになるだろう。
しかし、戦闘中の今はその隙が致命傷にもなりうる。

>「あそこが弱点ですのね!フリージングディストラクションで狙い撃ちにして差し上げますわ!!」
>「撃ち負けはしなくてよ!!当たりさえすればですわ!!」
ターロンはフリージングディストラクションを避けようとしたが、神竜の意志が働いたのか体は動かない。
直撃したフリージングディストラクションはさらに傷口を広げ、体内の血まで凍らせていく。
「うおおおお……!!」
苦しむターロンは水ではなく雷を生み出し操り、反撃に転じる。
サンダーブレスではなく、床から数本の稲妻が飛び出してフリージアに襲いかかった。

>「そして、時は動き出す」
桜花の放ったナイフを、止まった時を感じる事が出来ないターロンは防げない。
目潰しを受けたターロンは大きくよろめき、桜花の狙い通り3つの玉を守れなくなった。
3つの玉は幽かに光を放ち、メイレンの次元を変える能力の枷から解かれようとしている。
ただし玉を取りに行くためには、痛みに苦しむターロンが振り回す尻尾に注意しなければならない。

112 名前:死王 ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/12/04(金) 17:05:01 0
>104
>「二人してなに必死になってんだよ。こいつはただの猫だ。役にたちゃしねぇよ。」
『あ?』
この猫をただの猫だと、使えない奴だと判断するレベッカ。
>「それとも何か?この猫には隠されたすげぇパワーでもあるのか?俺にはとてもそうは見えないね。
>さっきから空間をいじくってるみてぇだがよ、そんなことできる魔法使いなんてそう珍しくもねぇだろ?
>よぅよぅ塩猫さんとやらよぅ。怪我しねぇうちにさっさと消えな。戦場に弱者は不要だぜ。」
『怪我だぁ?弱者だぁ?ヘアースタイルがサザエさんみてぇだぁ?』
最後のは言ってません。
こめかみに血管を浮き出させて相当お怒りの様子の死王さん。
いつものニヤニヤ笑いはどこへいってしまったのやら。
『ぶち殺すぞお前』
>「いや、これはそのつまりですね・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさいごめんなさい!
>レベッカさんは学園のこと何にも知らないんです!だから許してあげてください!
横からリリアーナが慌てて割り込んできて土下座までしてしまっている。
その様子をみて興がそがれた死王は無表情になり、フンと鼻で一笑いする。
『闘争の空気じゃねぇな』
前足で顔を洗ってまた神龍を眺める死王はレベッカに興味を無くしてしまった。

>107>110
油断しているスキを狙ってリリアーナは思ひ出の糸車を魔本に向けて飛ばす。
>>「甘い、甘いな!このぼくが、本になったぐらいで魔法が使えなくなると思っていたのか?
>> ぼくの至高の萌え情報は、そう簡単に見せるわけにはいかんな!」
本の中からへんt…猫耳の男がでてきました。
どうやらこの男が光の盾を出現させて思ひ出の糸車を阻止したらしい。
『またよくわからんのがでてきたな』
この状況、このカオス。
まったくもってすばらしい。

>>「だからお前はバカなのだ!ぼくがツンデレ犬耳美少女の所から離れると思っているのか!?」
>「黒猫死王がツンデレ犬耳少女に見えるとは…この擬人化能力が萌えの最終形態なのね…
>だめだこいつ…速くなんとかしないと…
>変態に魔法技術を与えた結果がこれだよ…」
『待て。
 なぜわかった?
 いや、ツンデレのことじゃねぇよ』
真剣に冷静に死王は正体を見破った男に注目する。
この猫耳男には萌えセンサーでも備わっているのだろうか?
『あー なるほど。
 ただの変態か』
死王さんはなにかを悟ったようです。

113 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/04(金) 19:27:25 0
>107>108>110>111>112
> 「・・・・・・・ところでレベッカさん、さっきから何を考えてるの?」
「べっ、べつに一人だけ生き残る方法なんて考えてないんだからねっ!」
レベッカがびっくりしたように言った。
「いや、なに。クリムゾンヘッドが時間を逆行させた後、
 逆行させる前に起こった事を憶えているのか気になっただけさ。
 …悪いな。戦闘中に余計なことを考えるなと言ったのは俺だったはずだな。」

> 「話はだいたい聞かせてもらった。
>  どうやら神龍の力を悪用する者に困っているようだが、おまえ達に対処法が無いわけではない。
>  対処方の一つは、中つ国娘が言うようにムムムを復活させること。
>  それができないなら、まな板娘が言うように神龍の魂を分離させることだ。
>  どちらにしても後の対処を考えて、女性は全員猫耳をつけるのを忘れるなよ!」
と猫耳男である。彼こそはナナナとムムムの開発者、もとい父である。
リリアーナが思ひ出の糸車を死王の本に使おうとしたら、なんか覚醒しちゃったらしい。
> 一方的に言い切る猫耳男の声に合わせて、ナナナが猫耳を配り始めたけど。
え、なに。これを本気で頭に着けろっていうの?俺槍…だよね?

猫耳男を変態呼ばわりするミルクと死王。
しかし、レベッカには納得できなかった。
「俺はおめぇを変態だなんて認めねぇぞ。変態ってのは、乳と蜜溢れてこその変態だろうが!
 おめぇには圧倒的にそれが足りねぇ。この俺を差し置いて変態を名乗るなんざ百年早ぇぜ!」
萌えの最終形態VSエロスの最終形態。
似て非なる変態同士の戦いは…別にどうでもいいだろう。
「くっ、だが今の俺はただの槍、そしておめぇも本だ。
 お互い全力を出せるようになるまでこの勝負、預けるぜ。」

「おっ、フリージアとオウカの攻撃が効いてるぜ。」
> 桜花の放ったナイフを、止まった時を感じる事が出来ないターロンは防げない。
> 目潰しを受けたターロンは大きくよろめき、桜花の狙い通り3つの玉を守れなくなった。
> 3つの玉は幽かに光を放ち、メイレンの次元を変える能力の枷から解かれようとしている。
> ただし玉を取りに行くためには、痛みに苦しむターロンが振り回す尻尾に注意しなければならない。
「玉を取りに行くのはオウカか?時間を止めて移動するオウカに、
 スペルカードの弾幕による支援はかえって邪魔だ。
 歯がゆいが、次の攻撃の準備に留めておくぜ。」
レベッカはそう言い、自分の周りに何枚か呪符を浮かべた。

114 名前:猫耳男&ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/05(土) 13:25:02 O
>112-113
>『待て。
> なぜわかった?
> いや、ツンデレのことじゃねぇよ』
「ツンデレのことじゃないわかった事って……まさか」
いやいやそんなわけないよね。
ヴァンエレンも怖がる死王様の正体が犬耳美少女だなんて。
どうせすぐに否定が入るに決まって…
>『あー なるほど。
> ただの変態か』
「さらに待て!犬耳美少女の否定は無しかい!
 そこは『俺の正体はイケメン男の骸骨だキモい想像するな』って全否定する所でしょ!?
 そうか!空気よんで合わせてくれてるんだそうに違いないそうだよね!?
 もー死王様ったらお茶目なんだからー。あーはーはーはー…はぁ……」

> 「俺はおめぇを変態だなんて認めねぇぞ。変態ってのは、乳と蜜溢れてこその変態だろうが!
> おめぇには圧倒的にそれが足りねぇ。この俺を差し置いて変態を名乗るなんざ百年早ぇぜ!」
「誰がカナンの話をしろと言った!」
死王様の衝撃告白に驚いたまま、レベッカに適当なツッコミを入れちゃうあたし。
ちなみにカナンとは、乳と蜜が流れてるとかなんとか言われてる地名ね。
分かってます。分かってますよ、レベッカが下ネタを言ってるって事は。
「レベッカあんたね…仮にも一応女の端っこに引っかかってるんだから。
 そういうお下品極まりない冗談は控えた方が…」
>>「はっ!少しは変態に覚えがあるようだが、相手が悪かったな!
>> このぼぉくには、生半可な変態では太刀打ちできない事を身を持って知るがいい!」
猫耳男もスルーしろよ!!

>「くっ、だが今の俺はただの槍、そしておめぇも本だ。
> お互い全力を出せるようになるまでこの勝負、預けるぜ。」
>>「ふぅん…いいだろう。いつかお前にも変態の神を見せてやる!
>> その時まで首を洗って待っているがいい!ふはははは!ははははは!!」
ダメだもうつきあいきれん…
好きなだけ2人で変態度を競い合っていてくれ…ただしあたしに見えない聞こえない場所でな。

>「おっ、フリージアとオウカの攻撃が効いてるぜ。」
「あ?」
また変態発言かと思いきや、今度のレベッカの言葉はまともなものだった。
フリージアの奥義と桜花のナイフは的確にターロンの弱点をえぐり、苦しめている。
無防備な玉を取りに行くなら今がチャンスか!
> 「玉を取りに行くのはオウカか?時間を止めて移動するオウカに、
> スペルカードの弾幕による支援はかえって邪魔だ。
> 歯がゆいが、次の攻撃の準備に留めておくぜ。」
「あたしの爆発魔法も邪魔になりそうだからここは待ちかな。
 そうだ、神龍とターロンの魂の分け方って誰か分かる!?
 難しそうなら、桜花にムムムの封印を解除してもらっちゃおう!
 ムムムに玉をはめ込んだら桜花はすぐに離れて!」

待ちの間にレベッカの頭(槍の穂先の部分ね)に手持ちの猫耳を巻きつけるてると、ふと気になることが。
「ねえレベッカ。妖怪って魂とかそれに似たものってないの?
 ターロンが死んでから神龍の体を操れたなら、メイレンさんも操り返せるんじゃない?
 こう、レベッカの呼びかけかあの3つの玉の力も使ってさ」

115 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/05(土) 14:20:26 P
>108>110-112
見事ターロンに命中するフリージングディストラクション
追い討ちのように目に突き刺さる桜花のナイフ

ターロンの反撃によって床から生み出された無数の雷
普通の避け方では避けられないに違いない
当たったら気絶もしくは死亡である
「普通の避け方が出来ないなら普通じゃない避け方をするまでですわ!!」
フリージアは空中に空飛ぶ雪の結晶を作り出すとそれに掴まって地面から逃れる
なんでもありなのか雪の結晶

「あそこにいたらお母さんが殺れちゃう!」
背中の翼を広げフリージアを迎えに行くギズモ
ピシャーーーン
案の定、雷が直撃するギズモ
当然髪の毛はアフロだ!
ぼてっと地面に落下するギズモ
コンテニュー?
10、9、8、6、5、4、3、2、1
昇竜拳!!
「ぼ、僕は不死身だぁ!」
気合と根性で復活するギズモ
「今度こそ!」
アフロのかつらを脱ぎ捨てもう一度フリージアを助けに飛び立つギズモ
だがいつの間にかそこに居たはずのフリージアは消えている

>「話はだいたい聞かせてもらった。
  どうやら神龍の力を悪用する者に困っているようだが、おまえ達に対処法が無いわけではない。
  対処方の一つは、中つ国娘が言うようにムムムを復活させること。
  それができないなら、まな板娘が言うように神龍の魂を分離させることだ。
  どちらにしても後の対処を考えて、女性は全員猫耳をつけるのを忘れるなよ!」
「私、猫耳より本物の猫ちゃんのほうが良いですわ」
いつの間にか会話に加わっているフリージア
いったい何時移動したんだ?
まるで特撮で戦う場所がいつの間にか河川敷になっている現象だ
まあ簡単に説明すると時を食べる柱時計に移動時間を食べさせただけである

「ギズモちゃんはしばらくターロンを抑えてなさい」
無茶振りをするフリージア
いつの間にか頭に猫耳が乗っている
「で・・・これは何かのマジックアイテムですの?」
死王様の正体が犬耳美少女という衝撃の事実をスルーして猫耳男に尋ねる猫耳フリージア
略してフリージニャン
ギズモの正体がグレムリンだということに比べれば
ルズの正体が女の子(ガチレズ)であることに比べれば
マンダの正体がヒトカゲだということに比べれば
フリージアさんの正体が・・・・・フリージアさんはフリージアさんという生物です。それ以上でもそれ以下でもありません
死王様の正体なんてどうでもいい事であった

「ギズモちゃんそろそろ交代しますわ」
ギズモを下がらせ戦場に舞い戻るフリージア
そんなこと出来るんだったら玉を回収する時間を食わせてしまえば早いのにとギズモは思った
だがフリージアさんは頭が武器の魔法使いとしては致命的に馬鹿なのでそれを思いつくことはなかった

116 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/05(土) 16:22:12 0
>108-115
思ひ出の糸車の糸先は、出現した光の盾で防御されてしまった。
(ば、ばれた――――っ?!)
本「甘い、甘いな!このぼくが、本になったぐらいで魔法が使えなくなると思っていたのか?
  ぼくの至高の萌え情報は、そう簡単に見せるわけにはいかんな!」
「ごめんなさいごめんなさい・・・・・あれ?」
ナナ 「そ、そんな…お父様!?」
「じゃあこの声、魔本になったあの猫耳の人のものなの?」
死『またよくわからんのがでてきたな』

父と娘・・・・・・もとい、主とご主人様のやりとりを呆然と見ているリリアーナ。
この感動の再会のドサクサに紛れ、もう一度糸車をと機会をうかがっていたが・・・・・・。
残念ながら、同じ手は二度と通用しなかった。
----
リリ「・・・・・・・ところでレベッカさん、さっきから何を考えてるの?」
レヘ「べっ、べつに一人だけ生き残る方法なんて考えてないんだからねっ!」
「・・・・・?うん、知ってるよ?」
リリアーナはレベッカの反応にきょとんとした。
レヘ「いや、なに。クリムゾンヘッドが時間を逆行させた後、
 逆行させる前に起こった事を憶えているのか気になっただけさ。
 …悪いな。戦闘中に余計なことを考えるなと言ったのは俺だったはずだな。」
「いいのよ。レベッカさんの知識に期待してるのは私の方だもん」

本「話はだいたい聞かせてもらった。
 どうやら神龍の力を悪用する者に困っているようだが、おまえ達に対処法が無いわけではない。
 それができないなら、まな板娘が言うように神龍の魂を分離させることだ。」
「だーれが紙より薄い脅威の二次元まな板娘ですって――――!!」
本「どちらにしても後の対処を考えて、女性は全員猫耳をつけるのを忘れるなよ!」
今だ怒り覚めやらぬリリアーナの手に、ナナナが猫耳を持たせた。
「んもう、腹立つな〜!」
リリアーナはぷんすか怒っているが、渡された猫耳は何の抵抗もなく装着している。
よく似たマジックアイテムを使い慣れているため、ミルク達ほど抵抗感は無いようだ。
「そういえば、学園の招き猫ゴーレムは、猫耳つけて踊ると動いたんだよね。
 あれも確かムウ大陸製でしょ?これつけるとどんないいことがあるの?」
長槍の先に猫耳をつけようとして四苦八苦しながら、リリアーナは魔本に質問をした。
・・・・・が、
魔本は死王が犬耳美少女だと主張している真っ最中だった。
「へえ、そうだったんだ」
ミル「さらに待て!犬耳美少女の否定は無しかい!
 そこは『俺の正体はイケメン男の骸骨だキモい想像するな』って全否定する所でしょ!?
 そうか!空気よんで合わせてくれてるんだそうに違いないそうだよね!?
 もー死王様ったらお茶目なんだからー。あーはーはーはー…はぁ……」
「そんな細かいこと気にしなくていいよミルク。学園長だってしょっちゅう姿変えるんだし。
 ところでこの槍を見てよ こいつをどう思う?」
リリアーナはぽんと肩を叩くと、猫耳を引っ掛けた槍をミルクに見せた。
どうやらうまく装着できなかったようだ。

レヘ「俺はおめぇを変態だなんて認めねぇぞ。変態ってのは、乳と蜜溢れてこその変態だろうが!
 おめぇには圧倒的にそれが足りねぇ。この俺を差し置いて変態を名乗るなんざ百年早ぇぜ!」
ミル「誰がカナンの話をしろと言った!」
はははと乾いた笑いを浮かべるリリアーナ。
「あの〜。フリージアと桜花さんが今必死で戦ってるんだけどー。もしもーし?んもう。
 ・・・・・『来たれ!ロックバスター!!』」
話についていけないリリアーナは、とりあえず唯一使える召喚銃を呼ぶことにした。

レヘ「おっ、フリージアとオウカの攻撃が効いてるぜ。」
桜「そして、時は動き出す」
>設置された魔力ナイフ、両眼を狙ったナイフがターロン目掛けて殺到していく
「やった!」
>目潰しを受けたターロンは大きくよろめき、桜花の狙い通り3つの玉を守れなくなった。

117 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/05(土) 16:23:46 0

フリ「私、猫耳より本物の猫ちゃんのほうが良いですわ」
「うわっ。!フリージア、あなたいつからそこにっ?!」
リリアーナは飛び上がるほど驚いた。
それもそうだろう。先程ターロンに大技を打ち込んだはずの彼女が、いきなり背後に現れたのだから。
レベッカは、ターロンの次の攻撃に備えている。
「ギズモちゃんはしばらくターロンを抑えてなさい」
「ええええ?!でででで、できるのっ?!
 でもいくら目が見えないからって、龍なら視覚以外の感覚もあるよね?!
 ・・・・・・いけない!こうしちゃいられないわ!!
 ミルク、悪いけどレベッカさんをお願い。
 2人とも、玉を奪った後が勝負よ!だから、後の事はよろしくね!!」
リリアーナはレベッカをミルクに預けると、神龍に向かって突っ込んでいった。
無謀かつ足手まといの一言に尽きるが、リリアーナはもともとこんな奴である。

「ギズモ、桜花さん、援護するわ!桜花さん、これをつけて!!」
リリアーナは猫耳を桜花に投げ渡した。
『ギズモ、だいじょうぶ?私の声が聞こえてる?
 私達の足音と声で、神龍の注意を桜花さんから逸らせるのよ!
 玉を拾いに行く桜花さんが一番危険なんだからね!!
 攻撃するなら桜花さんを巻き添えにしないよう、顔や頭なんかを狙って!』
雷に打たれたギズモだが、時間稼ぎをするだけの余力はあるのだろうか?

「こっちよ神龍!私の秘めた杖の力、見せてあげるわ!!」
リリアーナはそう叫ぶと、走りながらロックバスターでターロンの頭部を撃った。、
ちなみに、リリアーナが召喚し左手に装着した『ロックバスター』は召喚銃の一種であり、
カドゥケウスとは一切関係が無い。
だが、ターロンはリリアーナが封じていた力のことを知っている。
ゆえに、はったりだと気づいていたとしても、ある程度警戒せざるをえないだろう。

「あ!あれだわ!」
ターロンの下にあった3つの玉が見えた。
玉はかすかに光を取り戻している。
リリアーナはハッと息を呑み、慌てて桜花の姿を探した。
『桜花さん、玉に直接触れてはダメ!呪われて、玉に魅入られてしまうの!!』
果たしてリリアーナの忠告は間に合うのだろうか。

>「ギズモちゃんそろそろ交代しますわ」
「あっフリージア!!良かった〜来てくれて!!」
リリアーナはムムムの像を指差した。
「ムムムの像も回収したいと思ってるんだけど、重くて1人では運べそうに無くて困ってたの。
 フリージア、どうすればいい?」

いずれにせよ、ムムムの像だけあっても役に立たない。
どんな作戦を実行するにせよ、玉を回収しないことには始まらないだろう。

118 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/06(日) 18:48:29 0
>114>117
> 「ミルク、悪いけどレベッカさんをお願い。
>  2人とも、玉を奪った後が勝負よ!だから、後の事はよろしくね!!」
> リリアーナはレベッカをミルクに預けると、神龍に向かって突っ込んでいった。
「おん?ちょ、待っ、リー!」
> 無謀かつ足手まといの一言に尽きるが、リリアーナはもともとこんな奴である。
「あの野郎、たいした力も無いくせに先走りやがって。
 本当はあいつも俺みたいにドMなんじゃねぇか?」

ミルクに預けられたレベッカは、頭(槍の穂先の部分)に猫耳を巻きつけられた。
「にゃ〜ん↓」
レベッカのテンションが下がった。まさに借りてきた猫か。
「こんなの誰が得するんだよ。辱められた気分だぜ俺は…」
> 「ねえレベッカ。妖怪って魂とかそれに似たものってないの?
>  ターロンが死んでから神龍の体を操れたなら、メイレンさんも操り返せるんじゃない?
>  こう、レベッカの呼びかけかあの3つの玉の力も使ってさ」
「一度死んだ俺がこうして槍になってるってことはよ、あるんじゃねぇか?
 だが、まず第一にメイレンが死んでるかどうかわからねぇぜ。
 まずはそれを確認した方がいいだろ。…ちょっと試してみるか。」

「メーーイ!レーーーーーン!!」
レベッカが巨大人型兵器でも呼び出すようなテンションで叫んだが、メイレンは動かない。
「俺が呼びかけてもこのざまか。やっぱり近づいて直接見てみたほうがよさそうだぜ、ミルク。」


「うわ…なんか今までメイレンが食べたモノがいろいろ飛び出てるぜ…
 やっぱり近寄るんじゃなかったかもなぁ…」
ばらばらになったメイレンに近づいたレベッカが言う。
「ミルク、メイレンの首を持ち上げてくれよ。首だけで生きてるかもしれねぇぞ。 
 …俺は槍の身だからな。おめぇがやらなきゃならねぇんだ。」
もしもミルクがメイレン(の生首)を持ち上げても、やっぱり死体にしか見えないだろう。
もっとも、リリアーナが言った通り、目だけの状態で生きているレベッカの父の例もある。
ミルクが色々試してみたとしても、レベッカは止めないだろう。
「(むしろ完全に止めを刺すのもありかもな、なんて言ったらリーに怒られるんだろうなぁ…)」

119 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/12/07(月) 13:15:20 0
>目潰しを受けたターロンは大きくよろめき、桜花の狙い通り3つの玉を守れなくなった。
>3つの玉は幽かに光を放ち、メイレンの次元を変える能力の枷から解かれようとしている。
>ただし玉を取りに行くためには、痛みに苦しむターロンが振り回す尻尾に注意しなければならない。

「よし!ならば・・・」

>「あたしの爆発魔法も邪魔になりそうだからここは待ちかな。
> そうだ、神龍とターロンの魂の分け方って誰か分かる!?
> 難しそうなら、桜花にムムムの封印を解除してもらっちゃおう!
> ムムムに玉をはめ込んだら桜花はすぐに離れて!」

「ああ、しかしまだだ、玉は回収するがムムムにはめるのは最終手段だ」
ムムムの復活に成功したとしても自分たちの生存確率はぐっと低くなる。
全員で学園に帰って、全員で遊びたいと思っている桜花には安易にムムムに玉をはめ込むのは
躊躇われた。

>「ギズモ、桜花さん、援護するわ!

そんなこんなしていたらリリアーナが援護にきた
「ああ、ありがt−−−」

>桜花さん、これをつけて!!」

とリリアーナに投げ渡されたのは猫耳だった
「・・・これをつけてどうしろと・・・」
やれやれと渡された猫耳を見ている桜花

>「こっちよ神龍!私の秘めた杖の力、見せてあげるわ!!」
>リリアーナはそう叫ぶと、走りながらロックバスターでターロンの頭部を撃った。

「・・・ああいう所が彼女の良い所なのかも知れないが、少しは自分の身をかえりみてほしいかな・・・」
戦列に戻ってきたフリージアにそういうと猫耳を装備して走り出す。

>「あ!あれだわ!」
>ターロンの下にあった3つの玉が見えた。

「ああ、わたしにも見えた!」
走る桜花に暴れ狂うターロンの尻尾が向かってくる
「これが最後だ、ターロン。最後の【響 桜花の世界】だ」
「時よ、止まれ!!」
目の前のスローな尻尾をかわした所で完全に時が止まる
ターロンの体を抜けて行き、玉にたどり着く
「そして時は動き出す・・・」

>『桜花さん、玉に直接触れてはダメ!呪われて、玉に魅入られてしまうの!!』

玉を拾おうとした桜花にリリアーナからのテレパシー通信が入る
リリアーナに向かって親指を立てる桜花
コートを脱ぎ、コート越しに玉を掴んでまとめる
リリアーナに注意が向いているターロンの体を抜けていくことはそう難しいことでもなかった
そのままムムムの像まで行き
「そこまでだ!!!ターロン!!」
ターロンが振り向けば、ムムムの像の前にいる猫耳桜花と足元に転がる三つの玉の気配に気づくだろう

120 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/08(火) 18:33:09 0
>100 地下図書館組
「メイドゴーレム、行っちゃいましたわね〜。
 治療を受けていたミシェル先生、怪我の具合はいかが〜?自力で動けそうですの〜?」
ルズは頭にこぶを作りながら、ミシェルにけだるい口調で話し掛けた。
ちなみ頭のにこぶは、自分でやったものである。

ルズは、ベルジンの手元を覗き込んだ。
「ベルジン先生、封印は解けまして〜?
 聞けば、先程大掛かりな解呪をなさったそうじゃありませんの〜。大丈夫ですの〜?」

最後にルズは、アナスタシアの肩に飛び乗ると、手元の天使のわっかを覗き込んだ。
「ああん、フリージア女王様が戦っていらっしゃいますわ〜!
 待っていてくださいまし〜あなたのルズがお助けに参りますわ〜!!」
ルズはそう叫ぶと、水たまりに足を取られながらも地下墓地へと走る。

「ふぎゃ――――っ!!こ、これは一体どういう事ですの〜!!」
地下墓地にたどり着いたルズは、つい大声を出してしまった。
「ヴァンエレン、目を覚ますのですわ〜!そこのメイドも何してますの〜!!
 さっさとフリージア女王様を助けるのですわ〜!!・・・・・・・んん?」
ルズは魔本を持った黒猫に気づいたようだ。
「なんですの〜?その、ぶっさいくな猫は?!」

・・・・・・・・今更言う事でもないが、ルズは、女の子以外には全く脳味噌を使わない猫だった。

121 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/08(火) 18:34:40 0
>リリアーナに向かって親指を立てる桜花
聞こえてた!そう思ったリリアーナの顔がぱっと輝いた。
>桜花はコートを脱ぎ、コート越しに玉を掴んでまとめる
>「そこまでだ!!!ターロン!!」
ターロンが振り向けば、ムムムの像の前にいる猫耳桜花と足元に転がる三つの玉の気配に気づくだろう
「私達は今、ムムムと玉を手に入れたわ!終わりよ、ターロン。
 今すぐ雨を止めて、神龍との同化とニャンコ先生の封印を解きなさい!」

手に布を巻きつけ、玉に触る準備を済ませたリリアーナは、びしっとターロンを指差した。
勇ましい言葉とは裏腹に、引き結んだ口元も、ぴんと伸ばした指先も震えているのはご愛嬌だ。
「――――別に、3つの玉とムムムの像を手に入れたからじゃないわよ? 
 本気であなた達と刺し違える覚悟があれば、私には出来ないことは何も無いの。
 それに――――私達がこうしてあなたと戦っている間、ここにいない先生達は何をしていると思う?
 ただ、手をこまねいて見物していただけ。・・・・・・・そう、本気で思ってるの?」

122 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/09(水) 17:53:56 P
>116-121
>「ムムムの像も回収したいと思ってるんだけど、重くて1人では運べそうに無くて困ってたの。
 フリージア、どうすればいい?」
「人間の力じゃ無理だったら人間じゃないものの力を借りるだけですわ
 ヴァンエレンさん!吸血鬼・・・血を吸う鬼の怪力で何とかしてちょうだいな」
鬼と付くからには人間よりもパワーがあるだろうと期待してヴァンエレンに声を掛けるフリージア
それが駄目でも新しいフリージングドールを作ってそのパワーで運べば問題は解決である

>「・・・ああいう所が彼女の良い所なのかも知れないが、少しは自分の身をかえりみてほしいかな・・・」
「そこをカバーするのもお友達と言うものですわ」
とリリアーナの行動ををフォローするというフリージア


>「そこまでだ!!!ターロン!!」
「いつの間に!?」
いつの間にか3つの玉を手にし666の像を確保している桜花
彼女が味方で良かったと本気で思うフリージアであった

>「私達は今、ムムムと玉を手に入れたわ!終わりよ、ターロン。
 今すぐ雨を止めて、神龍との同化とニャンコ先生の封印を解きなさい!」

>「――――別に、3つの玉とムムムの像を手に入れたからじゃないわよ? 
 本気であなた達と刺し違える覚悟があれば、私には出来ないことは何も無いの。
 それに――――私達がこうしてあなたと戦っている間、ここにいない先生達は何をしていると思う?
 ただ、手をこまねいて見物していただけ。・・・・・・・そう、本気で思ってるの?」
「私にだってまだ切り札の一つや二つ残ってますのよ・・・・まあ使うと私自身が死ぬからやりたくは無いのだけれど
 ここであなた含めて全員が死ぬよりは少しはマシじゃないかしら?」
身長57m体重550tのアイアンゴーレムも自分ごと塵にしてしまえる
いわゆるメガンテ系最終攻撃である
「絶対に駄目だよ!みんなで帰ってみんなで遊ぶんだから!!」
必死にフリージアを引き止めるギズモ
学園に帰ったら帰ったで101匹フリージアさん状態なのだがそれはそれとしてである
「だからってもうひとつの切り札は絶対に嫌ですわよ!!」
もうひとつの切り札・・・・それは使い魔と合体してパワーアップする能力
ソウル・ユニオンである
だがそれはあまりにも恥ずかしい格好になるためフリージアは必死でそれを拒否するのであった
そんなにモリガンのコスプレが嫌なのか?今の猫耳と大差ないと思うが・・・
「とにかく今ならまだ間に合いますわよ!早く降伏しておしまいなさい!!
 私はあんな恥ずかしい格好になるのは嫌ですのよ!!」


123 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage お待たせしました] 投稿日:2009/12/09(水) 17:55:26 O
>112-121
>「こっちよ神龍!私の秘めた杖の力、見せてあげるわ!!」
「杖の力を見せるだと!?」
リリアーナの頭への攻撃は有効打にはならなかったが、その言葉はターロンの注意を引いた。
秘めているのが杖の力だと知った上に、その力を使うと聞いて無視はできない。
使わないはずだと確信していても、慎重な性格ゆえに無視ができない。
龍玉を支配しているターロンは、ムムムと同じように受けた傷を回復させ始めている。
まだ龍玉がメイレンの能力の影響下にあるため一瞬で回復はしないが、視力を回復させるには十分だ。
ターロンの視線は龍玉を狙う桜花ではなく、状況を一変させる力を持つリリアーナを追いかける。

>「ギズモちゃんそろそろ交代しますわ」
>「あっフリージア!!良かった〜来てくれて!!」
「あの雷から逃れていたか!
 どんな手を使ったかは知らんが、このブレスからは逃げられんぞ!」
ターロンは視力を奪われていたため、フリージアが氷の結晶で雷から逃れたのを知らない。
知らないが、自分の力が龍玉の回復とともに増加しているのは知っている。
それで雷の力を練り上げ、再びサンダーブレスでリリアーナもろともフリージアを攻撃しようとした。

>「そこまでだ!!!ターロン!!」
しかし、サンダーブレスが放たれることは無かった。
猫耳桜花が3つの玉と一緒に、ムムムの像の前に立っているのを見てしまったのだから。
>「私達は今、ムムムと玉を手に入れたわ!終わりよ、ターロン。
> 今すぐ雨を止めて、神龍との同化とニャンコ先生の封印を解きなさい!」
「馬鹿な…そんな馬鹿な!いつの間に龍玉を…!!」
驚きの声と共に、ターロンは一度集めた雷の気を散じる。
言うまでもなく驚いたのは3つの玉を持ち出した事であり、決して猫耳姿に驚いたのではない。

>「――――別に、3つの玉とムムムの像を手に入れたからじゃないわよ?(中略)
> ただ、手をこまねいて見物していただけ。・・・・・・・そう、本気で思ってるの?」
リリアーナの言葉を聞いたターロンは目を閉じ頭を伏せ、戦意を失ったように静かにとぐろを巻いた。
「……なんということだ……
 このままあなたたちがムムムの封印を解けば、双方の死のみならず世界にも危機が訪れます。
 こうなっては仕方がありません、認めましょう。私の完全な敗北です。
 私は神龍の体を解放し、中つ国に帰りましょう。
 雨も止め、猫型ゴーレムの封印も解きます。
 皆さんは来た時と同じルートを通り、フィジル島にお戻りください。
 …しかしそのためにも、龍玉のうち、ただ1つだけをお渡しください。
 龍玉は鍵なのです…その力を使わずに、私と神龍との同化を解くことは出来ないでしょう」
ターロンは再び交渉を申し出る。
瞳を閉じたその姿からは、言葉の真偽は伺いしれない。

124 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 待たせてごめん…] 投稿日:2009/12/09(水) 18:48:58 O
>115-123
>「一度死んだ俺がこうして槍になってるってことはよ、あるんじゃねぇか?
> だが、まず第一にメイレンが死んでるかどうかわからねぇぜ。
> まずはそれを確認した方がいいだろ。…ちょっと試してみるか。」
「試すってどうやって…ひゃぁぁっ!?」
>「メーーイ!レーーーーーン!!」
急にレベッカが大声で叫んだので、驚いてもうちょっとでレベッカを取り落としそうになる。
大声出すなら出すって先に言えよ!
「いきなり耳元で叫ぶな!!鼓膜が潰れたらどうする気だ!?」
お返しに穂先に向かって叫び返してやったけど、槍だから意味ないよなくっそー…
いっそ槍を落としてやった方が良かったか…

>「俺が呼びかけてもこのざまか。やっぱり近づいて直接見てみたほうがよさそうだぜ、ミルク。」
「……やっぱ、近づかないとダメ?」
遠目に見てもメイレンさんの遺体は損傷が激しい…ようするにスプラッタな感じだ。
でもって、あたしってばあまりそっち系に耐性はない。
…じゃあ何にあるんだって聞かれても困るけど。
出来るだけ直視はしないように気をつけてたんだけどな…行くしかないか…

「う…ひど……」
近寄ったメイレンさんの体は、やっぱり思わず目をそらしたくなるような惨状で。
あたしはレベッカを持っていない方の手で口を押さえる。
>「うわ…なんか今までメイレンが食べたモノがいろいろ飛び出てるぜ…
> やっぱり近寄るんじゃなかったかもなぁ…」
冷静に分析しているようなレベッカでもこう言うくらいだ。
見れば見るほど、メイレンさんが生きているとは思えないよ…

>「ミルク、メイレンの首を持ち上げてくれよ。首だけで生きてるかもしれねぇぞ。 
「え!?それあたしがやるの!?」
行きなりのレベッカの提案に驚く。
首だけで…そりゃ可能性はあるけど…レベッカが言うんだからそうなんだろうけど…
> …俺は槍の身だからな。おめぇがやらなきゃならねぇんだ。」
「…う…。わかった…」
戦闘中に迷ってる暇はないと覚悟を決めるのに、言ってからも時間がかかった。
むせかえるような血の匂いの中、深呼吸して気持ちを落ち着ける。
落ち着けあたし。大丈夫。別にメイレンさんの首は空飛んで襲いかかってきたりはしないんだから。
ぱしゃりと、一歩踏み出した足下で血溜まりが鳴る。
うろ覚えの死者への鎮魂歌を心の中で歌いながら、あたしはメイレンさんの首目指して足を進める。

125 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage ニアミス分はこっちで] 投稿日:2009/12/09(水) 18:51:16 O
「メイレンさん…生きてるんですか…?」
槍レベッカは脇に挟んで、恐る恐る震える両手でメイレンさんの生首を持ち上げて。
その表情が満足した顔に見えて、あたしは少しほっとした。
ただ、やっぱりメイレンさんの首からも、生きているという感触は伝わらない。
ダメだったか…それとも、何か手は尽くすべきだろうか?

あたしは服の上から、首に下げてる聖印に触れる。
学園に来るとき院長先生がくれた、一度だけ奇跡が起きるという聖印。
これを使えばもしかしたら…いやダメだ。
妖怪は問題ないとして、さすがに人喰いのメイレンさんに奇跡が起きるとは思えない。
失敗したから、じゃあ別の奇跡を…なんて甘いことはできないんだ。
他に方法は…

>「そこまでだ!!!ターロン!!」
>「私達は今、ムムムと玉を手に入れたわ!終わりよ、ターロン。
> 今すぐ雨を止めて、神龍との同化とニャンコ先生の封印を解きなさい!」
聞こえてきたのは桜花とリリアーナにフリージアの声。
>「絶対に駄目だよ!みんなで帰ってみんなで遊ぶんだから!!」
>「だからってもうひとつの切り札は絶対に嫌ですわよ!!」
なんかギズモとフリージアは揉めてるみたいだけど…死ぬよりイヤな切り札って何?
>「とにかく今ならまだ間に合いますわよ!早く降伏しておしまいなさい!!
> 私はあんな恥ずかしい格好になるのは嫌ですのよ!!」
格好なんだ…死ぬよりイヤな格好ってどんなだよ想像できんぞおい…
…ま、まあ、どうやら無事に切り札の3つの玉は手に入れたみたいだし。
これでいざとなればムムムの封印を解いて…ムムム?
「そうだもしかしたら!」
別の方法を思いついたあたしは、槍レベッカとメイレンさんの生首を持ったまま急いで桜花たちの所に向かった。

「ねえ!ムウ大陸の幻で、ムムムが神龍から受けた傷ってすぐに回復してたよね!?
 あれはこの3つの玉の力みたいだったけど、あの力を引き出せないかな!?
 そしたらメイレンさんも生き返るんじゃないの!?」
メイレンさんの生首を玉に近づけたり乗っけたりしながら、あたしはそう言った。
メイレンさんとムムム、どっちが安全か選ぶなら、間違いなくメイレンさんだ。
ムムムの封印を解いちゃったらこっちもほぼ死亡確定だもんね。
だったら、少しでも別の可能性にかけたくなるのが人情ってもんでしょ!

126 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/12/10(木) 17:13:25 0
>120
>「ヴァンエレン、目を覚ますのですわ〜!そこのメイドも何してますの〜!!
>さっさとフリージア女王様を助けるのですわ〜!!・・・・・・・んん?」
「うーん、もう食べられません」
寝ているやつを起こすときのテンプレですね。
「はっ!私は一体なにを?」
おはようございます。
きょろきょろとまわりを見回すと、ヴァンエレンを起こしたルズとメイドがいた。
「夢を見ていたよ。
 強そうな神龍とかいう奴が敵になって攻撃してくる夢を…」
ところがどっこい夢じゃないんです。

>「なんですの〜?その、ぶっさいくな猫は?!」
ピクンと耳を反応させて言った本人であるルズを睨みつける。
『お前生きて帰れると思うなよ』
「わー!
 怒りをお沈めくだされ!」
すごいいい笑顔でルズに向かって歩いていく。
それを察知したヴァンエレンは弱腰だが進行を妨げるように前に立って止める。
『そいつは俺のことをぶさいくな猫と呼んだ。
 ならばこちらも闘争をもって返すのが礼儀だろ?
 わかったならどけ』
「ひぃっ!」
猫と吸血鬼では体格差はかなりのものになるが、小さな猫の睨みを前にして悲鳴をあげるヴァンエレン。
この押収がしばらく続きます。

>122
>「人間の力じゃ無理だったら人間じゃないものの力を借りるだけですわ
>ヴァンエレンさん!吸血鬼・・・血を吸う鬼の怪力で何とかしてちょうだいな」
「ら、らじゃー!」
とうとう死王の重圧から耐えかねたヴァンエレン。
フリージアからの助け舟?にすぐさま応えてルズを見捨ててムムムの像の回収にあたる。
重そうな像も吸血鬼の怪力の前ではなんのそので余裕で持ち運んでいる。
『さて、邪魔が入ったが。
 覚悟はいいか?ルズとやら…』
指先に魔力が集まっていき断罪すべく解放させる。
『被告クソ猫、裁判官は俺!
 判決は言うまでもなく死刑ィィ!』
問答無用で前に見せた黒い稲妻を放ち、ルズを殺そうとする死王。
だが、間一髪のところでルズはそれを避けて、そして避けた先にいたのは…ターロンであった。
『あら…。
 あらあらあらあらあらあら。
 そっちいっちゃった。
 ごめーん』
当然謝る気はゼロに近い。

127 名前:アホ姉と主従コンビ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/10(木) 18:24:46 O
>115-126
>「ああん、フリージア女王様が戦っていらっしゃいますわ〜!
> 待っていてくださいまし〜あなたのルズがお助けに参りますわ〜!!」
「なんだお前も上いくのか?怪我しないように気をつけて行けよ〜♪」
アナスタシアは笑ってルズを見送ると、再び天使の輪に移る墓場の様子に見入る。
「うーん…ムムムの封印が解けても面倒だし、メイレンが生き返るのも面倒だなー
 なにか良い手はないかなー?」
ベルジンやミシェルはともかく、アナスタシアには特に対策を考えている様子は見られない。


「あいつらは何をしてるんだ。ムムムの封印も解かずに神龍に勝つ気なのか?」
その頃墓場では、猫耳男の変じた魔本が死王の側で様子を伺っていた。
ナナナは魔本に近づきたがっているが、死王が怖いのか近寄ったり離れたりを繰り返している。
「ご主人様〜。さっきリリアーナさんも聞いてましたけど、この猫耳って魔法の道具なんですか?
 ずっと持ってましたけど、ちっとも気づかなかったです〜」
「リリアーナとはあのステータスで希少価値の貧乳か?
 教えてやろう!周りに獣耳娘が多いと、ぼぉくのテンションと魔法の威力が上がるのだ!
 猫耳にそれ以外の効果などなぁい!!」
「えええぇ〜っ!?」
威張って答える主人の言葉に驚くナナナ。
他の誰が聞いても驚くか怒るかするに違いない。

「そんな事はどうでもいい!それよりする事がないなら『猫じゃ猫じゃ』でも踊っていろ!」
「は、はい!えぇ〜っと…『♪猫じゃ猫じゃと おしゃますが…』」
「馬鹿者!そんな古い歌で今の時代を生きていけるか!
 もう一つ新しく教えた方の歌を歌うのだ!」
「あ、あ、新しい方ですか〜!?えとえと…『♪ニャンニャン ニャンニャン ニイハオニャン♪』」
言われた通り両手で猫招きをしながら歌い、右を向いたり左を向いたりして踊るナナナ。
とても戦いの場の出来事とは思えないが、魔本もナナナも大まじめだ。

「聞こえるか。こちらはムムムが復活しても良いように対策を始めた。
 他にどんな方法で神龍に対抗する気か知らんが、もしムムムを復活させるなら後始末は任せろ。
 ただし、その時は猫耳をつけた者全員ナナナと同じように『猫じゃ猫じゃ』を踊れ!
 踊らないとムムム対策をする気はないし、ぼぉくだけただの本の振りをして生き残るからな!」
その場にいたターロン以外の全員に、魔法を使って魔本が言葉を伝える。
「ご主人様ひどいです〜!」と踊りながら言っているナナナの声も聞こえただろうが。

黒猫ルズに不細工呼ばわりされて怒る死王の指先に、黒い魔力が集まっていく。
「言葉責めとは上級者だな…いいぞもっとやれ」
「はわわわ!ルズさんを殺しちゃダメですー!!」
少なくとも、ムウ大陸主従コンビは死王の怒りを静められなかった。
放たれた黒き稲妻はルズに飛んでいき…当たらずに外れてターロンに向かう。
>『あら…。
> あらあらあらあらあらあら。
> そっちいっちゃった。
> ごめーん』
「避けられたなら仕方ないな!ツンデレドジっ娘最高!!」

128 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/10(木) 21:10:10 0
>123>125>127
> 「メイレンさん…生きてるんですか…?」
「…死んでるみてぇだ。…嘘だろ。
 細切れになっても生きてると思ってた。
 この世が終わるまで俺のそばにいるのが当たり前だと感じてた。
 こんなにあっけねぇのか、母親ってやつは…」
メイレンの生首を持ったまま急いでオウカ達のもとへ向うミルク。
彼女は、三つの玉の力を引き出してメイレンを復活させる事を提案した。
「おぉぉお、心の友よ〜!」
レベッカも謎の感動をした。なんだかんだで母親には生きていてほしいらしい。

> 「……なんということだ……
>  このままあなたたちがムムムの封印を解けば、双方の死のみならず世界にも危機が訪れます。
>  こうなっては仕方がありません、認めましょう。私の完全な敗北です。
>  私は神龍の体を解放し、中つ国に帰りましょう。
>  雨も止め、猫型ゴーレムの封印も解きます。
>  皆さんは来た時と同じルートを通り、フィジル島にお戻りください。
>  …しかしそのためにも、龍玉のうち、ただ1つだけをお渡しください。
>  龍玉は鍵なのです…その力を使わずに、私と神龍との同化を解くことは出来ないでしょう」
> ターロンは再び交渉を申し出る。
> 瞳を閉じたその姿からは、言葉の真偽は伺いしれない。
「おぅ、リーとオウカ達がやってくれたみてぇだな。
 これでムムムにタマタマをズッコン☆バッコン☆ハメハメせずに済むんなら、
 なんとかターロンとの心中は避けられそうだぜ。」
しかし、とレベッカはつぶやいた。
「だがこりゃよく考えねぇといけねぇな。
 ターロンからすりゃ、ムムムの復活はなんとしてでも避けてぇはずだ。
 俺達が玉を一つでも奴に渡せば、その目的は達成される。
 場合によっちゃあ、ターロンはそのまま俺達を殺しにかかるかもしれねぇ。
 
 だが、もしも俺達が奴に玉を渡さなかったとして、奴の言ってることが本当だったら、
 結局この状態から進展しなくなっちまう。
 このまま時間だけがたてば、やはり俺達が不利になってくるぜ。
 ターロンが神龍の体になじんでくるだろうし、傷も回復するだろうからなぁ。」

129 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/10(木) 21:13:25 0
そこで、とばかりにレベッカが提案する。
「もしもターロンに玉を一つ渡すつもりなら、その前に俺のスペルカードを奴の体に貼らせろ。
 ターロンが俺達を裏切ったら、そいつを発動させる。
 貼り付けるスペルカードの効果は、俺の意のままに対象を操ることだ。
 
 もしもあいつが本当に神龍の体を開放すれば、スペルカードはターロンに対して効果を失う。
 スペルカードが貼られるのは、あくまで神龍の体だからな。
 ターロンが本気で言ってるなら、断る理由はねぇはずだ。そうだろ!?」
もしもターロンや他の皆が同意すれば、レベッカの周りに浮いているスペルカードが、
一斉にターロン(神龍の体)に張り付くだろう。
レベッカが説明した通り、スペルカードが張り付いたからといって、
すぐにターロンがレベッカの意のままになるわけではない。
そもそもそんなことをすればターロンが神龍と分離できなくなってしまう。その点はターロンも承知だろう。
スペルカードの効果が発動するのは、ターロンが裏切った時だけである。

ところで、とばかりにレベッカが言った。
無視したいと思っても、どうしてもナナナと猫耳男(+死王?)の会話が耳に入ってしまう。
「…なぁ、リー。おめぇの彼氏のロックもあんな感じなのかぁ?」

ロック『貧乳はステータスだぜ!!希少価値だぜ!!』
ロック『猫耳の力はパワーだぜ!!』
ロック『ニャン!!ニャン!!ニャン!!ニャン!!ニー!!ハオ!!ニャン!!…( ゚д゚ )?』

↑こんなロックがリリアーナの頭に浮かんだかどうかはレベッカにはわからない。
「悪ぃ、んなわけねーよな。」
リリアーナの顔を見たレベッカはそう判断した。
レベッカは、ムムムが復活した後の対処法があるという猫耳男の言葉など、信用していなかった。

130 名前:ミシェル ◆3MF6iUEMUWBs [sage] 投稿日:2009/12/11(金) 04:24:40 O
>>127

上で生徒達が必死扱いてる時、ミシェルは猫に張り付けられまくった札を見ていた。
「うん…………」
一見しただけでは詳細までは解らない。が、術を解けないことも無さそうだ。
それでも恐ろしく面倒臭そうではあるが。
「さて………」
どう解除しようか。などとゆっくり、優雅に思案に暮れてみる。
最早上に、龍や生徒に大した関心は払わないつもりであるらしい。
逃げないのならそれは彼女らの選択であるし、結果死んでもそれとて己の招いたモノに相違ない。
師は弟子の答えたるべきではない。今のミシェルはそう考える。
それに逃げろと行ったところで、言うことなぞ聞き入れはしないだろうという確信すらある。
ただ、ここへ逃げてきた時には生き延びさせてやりたい。故に猫を何とかしようとしている訳だ。
あの手この手で札を引っ剥がそうとしながらミシェルは訥々と呟き始めた。
「あの子達は逆鱗を突き、眼も攻撃した。しかしそれも致命傷にはならなかった。
もし私があの時にアドバイスしていたなら状況は好転していたんでしょうね。
自惚れと言われたら反論は出来ませんけれど…………
眼を突くならもっと深く、脳まで攻撃する。逆鱗を突くなら気道や頸の血管にも穴を開ける。
どれも竜を狩る者なら知っている知識です。」
この告白、或いは独白に意味はあるのだろうか?いや、恐らくはないだろう。
強いて言うならばミシェル流の懺悔なのかも知れない。
>「うーん…ムムムの封印が解けても面倒だし、メイレンが生き返るのも面倒だなー
なにか良い手はないかなー?」
「考える気もないのにそういうポーズだけするのは止めておきなさいな
…………仕舞いには殴るぞ」
どうにもやる気と適性のない自称教師にミシェル我慢しきれずに毒は吐いた。
今まで我慢していたようには思わなかったが、そんな事を言ってはいけない。

「どうあれ、今の生徒達は手詰まりでしょう?
状況を変えるには、劇薬の投入もやむなしと考えるべきでしょうね
勿論劇薬が鎌持ちや妖怪である必要はありませんよ。私やアナタでもいっこうに問題ありません」
しかし。とまた猫の像に向かいながらサラリと言葉を継ぐ。
「アナタは劇薬にはなろうとしないし、私もなる気はない
尤も私が動いた場合、結局鎌持ちか妖怪が復活しそうでなりませんから
どうも今日の私はツいてないらしいです」
札を触ってみたりつついてみたり、色々やりながらミシェルは漏れ出る苦笑を噛み殺す。
「むしろここまで長引くと『前フリ』のような気がしてなりません
ここまでやりあったのにまだ駆け引きでどうにかしようなど、滑稽を通り越して失笑モノだ」
色々なモノに対してこの人は辛辣だ。

131 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/11(金) 18:45:59 O
>126 >128-129
> 「おぅ、リーとオウカ達がやってくれたみてぇだな。
> これでムムムにタマタマをズッコン☆バッコン☆ハメハメせずに済むんなら、
> なんとかターロンとの心中は避けられそうだぜ。」
「だから下品な言葉を使うなと言っただろうが!」
もう何回ツッコんだかわからないツッコミを入れるけど、効果なさそうだねこりゃ…
それでもツッコまなきゃ気が済まないあたしもあたしだけど。

レベッカは、しかしと今度は少し真面目に言葉を続けた。
>「だがこりゃよく考えねぇといけねぇな。
> ターロンからすりゃ、ムムムの復活はなんとしてでも避けてぇはずだ。(中略)
> このまま時間だけがたてば、やはり俺達が不利になってくるぜ。
> ターロンが神龍の体になじんでくるだろうし、傷も回復するだろうからなぁ。」
「うーん…渡すのはまずいけど、渡さなくてもターロンに有利になるだけか…
 どうしたもんだか…何か良い手はある?」
こんな時はレベッカの知恵に頼るに限る…というのも、ちょっと悲しいなぁ。
でも交渉の時にも分かるように、変態発言を除けばレベッカはこんな時本当に頼りになる。
だから今回も、何か考えがあるに違いない。

>「もしもターロンに玉を一つ渡すつもりなら、その前に俺のスペルカードを奴の体に貼らせろ。(中略)
> ターロンが本気で言ってるなら、断る理由はねぇはずだ。そうだろ!?」
「それならターロンに裏切られる心配もないし、良い考えじゃない!
 その作戦、あたしは賛成しちゃうね!
 てか、そんな便利な御札が使えるならもっと早く言ってよもー。
 心配させるんだからー」
レベッカの考えに、もちろんあたしに異論があるはずがない。
これで騙される心配は無くなるし、ムムムは復活しないしで一挙両得だ。
あんたってば天才だよレベッカ!

>「…なぁ、リー。おめぇの彼氏のロックもあんな感じなのかぁ?」
「あんな?…あぁ…あんな、ね…」
イヤでも聞こえてくるナナナと猫耳ご主人様の萌え講座。
イヤでも目に入るナナナの変な踊りと皆の頭の猫耳…って、いつの間にかヴァンエレンまで着けてるし!
こ、こ、こ……これはあたしも着けないとダメ…かな?ダメだよね?
なんで皆こんな物を抵抗無く着けられるかなー!?
恐る恐る頭に乗っけてみると、猫耳は専用装備みたいにぴったり装着できた。
だけど…だけど…なんだか嬉しくな――い!!

132 名前:アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/11(金) 18:53:02 O
>130
>「考える気もないのにそういうポーズだけするのは止めておきなさいな
> …………仕舞いには殴るぞ」
「んー?じゃあミシェル先生には何か良い考えあるのかー?」
ニヤニヤ笑いで返すアナスタシアからは、殴ると言われて怒る様子も、怯える様子も見られない。

>「どうあれ、今の生徒達は手詰まりでしょう?
> 状況を変えるには、劇薬の投入もやむなしと考えるべきでしょうね
> 勿論劇薬が鎌持ちや妖怪である必要はありませんよ。私やアナタでもいっこうに問題ありません」
「劇薬なあ…まあ、なんとかする方法は必要かもな」
アナスタシアは軽くため息をついた。
ドンパチ好きのアナスタシアにとっては、交渉で問題解決という方法はあまり歓迎できないのだ。
ターロンがとても信用できないのも加わって、なおさらその思いは強くなっている。

>「アナタは劇薬にはなろうとしないし、私もなる気はない
> 尤も私が動いた場合、結局鎌持ちか妖怪が復活しそうでなりませんから
> どうも今日の私はツいてないらしいです」
「鎌か人喰い復活ってお前どんな事するつもりなんだ?」
半目でそう言ったアナスタシアは、肩をすくめて言葉を続けた。
「それからなー、勘違いするな。
 私は劇薬になろうとしないんじゃなくて、『なれない』んだよ。
 シスター・ハマルティア…これ私の上司の名前な…に『余り干渉しすぎるな』って言われてるんだ。
 でなきゃ、とっくにターロンのとこに飛んでいって八つ裂きにしてやってるさ。
 見てるだけで暴れるの禁止なんて、いくら勉強の為だからって面倒くさい話だよなー
 …もしかして、ミシェルも上司から何か言われてるのか?
 違うんなら助けに行ってやっても良いんじゃないか?
 別に鎌持ちや妖怪が復活しても私は気にしないぞ。てか復活させろ♪」
交渉に興味のないアナスタシアとしては、ムムムやメイレンの復活はむしろ歓迎だった。
危険な状態になれば、適当に理由をつけて暴れる口実ができるからだ。

>「むしろここまで長引くと『前フリ』のような気がしてなりません
> ここまでやりあったのにまだ駆け引きでどうにかしようなど、滑稽を通り越して失笑モノだ」
「本当だよなー。あんな奴ちゃっちゃと片付けりゃいいのに…
 お。見ろ見ろミシェル。お待ちかねの劇薬タイムだぞ♪」
天使の輪の中には、死王の放った黒き稲妻がターロンの体を吹き飛ばす様子が映し出されていた。

133 名前:ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/11(金) 19:44:01 O
>126 >128-129
「……良いでしょう。その条件を受け入れましょう」
アナスタシアがそう言う少し前、ターロンは長い沈黙の後レベッカの提案を受け入れていた。
レベッカが指摘したように、ターロンはムムムの復活だけはなんとか避けたいと思っている。
神龍との融合を解くという口実で、実際には必要でもない玉を要求したのもそのためだ。
ムムムの復活を止める保険にもなるし、状況によれば約束を破るつもりだったのだ。
しかし、レベッカの考えでターロンの思惑は根底から覆ることになる。
意のままに操る呪符を貼られては、ムムムの復活を阻止するためには神龍との融合を解くしかない。
長い沈黙は、その決断を下すためのものだった。
神龍の体に無数の御札が貼りつき、ターロンは神龍との融合を解こうとする。
死王の黒い稲妻が飛来したのはその時だった。

「ぐおおおおあああああ!!!」
死王の呪文の威力は凄まじいもので、雷龍の集合体のはずの神龍の体の後ろ半分が吹き飛ぶ。
しかし、それでとどめになったわけではない。
苦しむ神龍の体がバラバラになり、後には5匹の雷龍とトカゲ程の大きさの黒龍が残された。
ターロンの分離と共に、神龍の体を構成していた龍もまた融合を解かれたのだ。
ターロンの支配を離れた雷龍たちは、体に御札を貼り付けたまま受けた痛みの記憶に暴れ回り始めた。

あちこちに雷のブレスが吐き出される中、一匹の雷龍が死王に向かって突進する。
受けた痛みの怒りから、そのまま大口を開けて黒猫姿の死王を一呑みにしようとしているのだ。
他の龍たちも無差別に手近な人間に襲いかかり、あるいは噛みつき、あるいは雷の吐息で焼き尽くそうとする。
その一方で、分離したターロンも行動を起こしていた。
レベッカの御札の呪縛から逃れたと思っているターロンは、すぐにその場を離れて逃げ出そうとしたのだ。

134 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/12(土) 07:07:20 0
>133
「あの黒猫…なかなかどうしてやるものだな。少しだけ見直してやるか。
 (やっべw俺あんなの挑発してたのかwwぐはwwやばかったwww)」
> 死王の呪文の威力は凄まじいもので、雷龍の集合体のはずの神龍の体の後ろ半分が吹き飛ぶ。
その様子を見ていたレベッカが呟いた。

「ところでミルク、ちょっといいか?」
レベッカは小声でミルクに話しかけた。
さっき大声を出した時の反応から察するに、これくらいでちょうど良いだろう。
声がミルクにしか聞こえないかもしれないが。
「さっき俺はターロンに、“俺の意のままに操るスペルカードを貼る”と言ったな。
 ありゃ嘘だ。そんなのが使えたら最初から使ってるっつーの。」
そう、実はあれは完全なハッタリだったのだ。
しかし、だったら今ターロンに貼り付けられている呪符は何なんだ?ということになる。
「俺がターロンに貼り付けたのはウーシエ・バーチー(無血八極)、
 “血の流れないモノ”が触れると爆発するスペルカードだ。
 俺は、ターロンがもしも俺達を裏切るとしたら、
 必ず体に張り付いたスペルカードを雷のブレスで焼くと予想した。
 そんときゃ、雷に当たったスペルカードが爆発する。
 それで少しでもターロンにダメージを与えられると考えてたわけだが…」
> 苦しむ神龍の体がバラバラになり、後には5匹の雷龍とトカゲ程の大きさの黒龍が残された。
> ターロンの分離と共に、神龍の体を構成していた龍もまた融合を解かれたのだ。
> ターロンの支配を離れた雷龍たちは、体に御札を貼り付けたまま受けた痛みの記憶に暴れ回り始めた。
「つまり何が言いたいかというとだな、ミルク。
 俺にはターロンどころか、あの分離した龍達さえ思い通りに動かせないというわけだ。
 助けてちょ♪」
> あちこちに雷のブレスが吐き出される中、一匹の雷龍が死王に向かって突進する。
> 他の龍たちも無差別に手近な人間に襲いかかり、あるいは噛みつき、あるいは雷の吐息で焼き尽くそうとする。

135 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/12(土) 20:56:27 O
>133-134
>「ところでミルク、ちょっといいか?」
「うわぉ…すご…。
 え、あ。ごめんごめん。なに?」
死王の放った雷撃で神龍の体がごっそり削られるのに見入ってたせいで、ちょっと反応が遅れた。
前に怒ったのを気にしたのか、レベッカが小声で話しかけてくれたおかげってのもあるんだけど。
すぐにお願いを聞いてくれる辺り、レベッカもなかなか友達思いの良い奴だ。

>「さっき俺はターロンに、“俺の意のままに操るスペルカードを貼る”と言ったな。
> ありゃ嘘だ。そんなのが使えたら最初から使ってるっつーの。」
「え……嘘って…でもターロンは操る御札使ってたし…そんな。
 じ、じゃあ、あの龍の体にべたべた貼り付いてる御札…あれなに?」
死王の攻撃のおかげか、はたまたターロンが中途半端に融合を解除したせいか。
残された神龍の体は5匹の雷龍と、神龍の額についていた黒龍(多分ターロン本体)に分かれている。
そのうち雷龍の方にはレベッカの御札が一杯くっついてるから、あれで操ればすぐ問題解決一件落着のはず。

>「俺がターロンに貼り付けたのはウーシエ・バーチー(無血八極)、
> “血の流れないモノ”が触れると爆発するスペルカードだ。
> それで少しでもターロンにダメージを与えられると考えてたわけだが…」
「…つまり、どういう事よ」
あれで。操れば。問題解決一件落着。のはず。
>「つまり何が言いたいかというとだな、ミルク。
> 俺にはターロンどころか、あの分離した龍達さえ思い通りに動かせないというわけだ。
> 助けてちょ♪」
「はったりだったのかよダメだろ!?
 ターロンが見破ってたらどうする気だったんだおい!!」

と、とっさに言ったものの、でもよく考えるとこれは超結果オーライ。
神龍は消えたし、残った龍は攻撃に反応して爆発する御札を貼られている。
いくら龍が手強い敵でも神龍よりよっぽどマシだし、こっちの攻撃の威力も上がるから勝ち目あり!
これだけお膳立てしてもらえたら十分、いや十二分だよな!
「ま、上手く行ったんだからいいか!後始末は任された!
 レベッカは大船に乗ったつもりで見物してなさいよっての!」

メイレンさんの首と槍レベッカを抱えたまま、あたしは魔法を使うために精神を集中する。
狙いは、こっちに向かって突っ込んでくる雷龍!
「メギドラ!!」
核熱の爆発が雷龍の体を吹き飛ばすけど、爆発はさらに連鎖的に続いた。
狙い通りレベッカの御札が爆発して雷龍に追撃を加えたのだ。
結果、魔法が予想以上の破壊力を発揮して、あたしは見事雷龍の撃破に成功する。
よっし!まずは一匹!
死王が一匹釣ってくれてるから残りは3匹!
「みんな!攻撃する時は、龍の体に貼り付いたレベッカの御札を上手く使って!
 触れたものに反応して爆発するから、攻撃の威力をぐっと上げられるから!」

ふと、視界の隅を横切る黒い何かに目が止まる。
あれは…確か…
「げげっ!ターロンが逃げる!!
 ちょっとこら逃げるな!返せ!戻せーっ!!」

136 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/12(土) 22:07:32 0
>121-126 >129-129 >131-135
フリ「私にだってまだ切り札の一つや二つ残ってますのよ・・・・まあ使うと私自身が死ぬからやりたくは無いのだけれど
 ここであなた含めて全員が死ぬよりは少しはマシじゃないかしら?」
ギ「絶対に駄目だよ!みんなで帰ってみんなで遊ぶんだから!!」
「そうよそうよ!」
自分は良くても人は駄目、見事なダブルスタンダードぶりである。
もっとも、フリージアにはもうひとつの切り札があるようだが。

「わあっ、ミルク!!何してるの、その手にもってるのは、メイレン様の生首じゃない!!」
ミル「ねえ!ムウ大陸の幻で、ムムムが神龍から受けた傷ってすぐに回復してたよね!?
 あれはこの3つの玉の力みたいだったけど、あの力を引き出せないかな!?
 そしたらメイレンさんも生き返るんじゃないの!?」
「えっ、メイレン様まだ息があるの?!」
レヘ「おぉぉお、心の友よ〜!」
「妖怪なら可能なのかな・・・・・・。
 あ、でももしこの状態から復活できたら、きっとレベッカさんにも応用できるはずだよ!!」
リリアーナはちょっと悩んだ後、自分の髪の毛をひと房切り取り、メイレンの口に入れた。
「いや、妖怪が人を食べて力を得るのなら、身体の一部でも効果があるかも、なんて思っちゃって。
 やっぱりだめね、素人考えなんかでは」

>ターロンは目を閉じ頭を伏せ、戦意を失ったように静かにとぐろを巻いた。
曰く、神龍の体を解放し、中つ国に帰ること。
雨も止め、猫型ゴーレムの封印も解くのも受け入れるが、条件としては龍玉のひとつだった。
本人は、それがないと龍との同化を解けないといっているのだ。
「ど、どうする?」
リリアーナは桜花と顔を見合わせた後、みなの意見を聞いた。
ターロンの姿からは、約束に嘘があるかどうかは伺いしれないからだ。
レヘ「おぅ、リーとオウカ達がやってくれたみてぇだな。
 これでムムムにタマタマをズッコン☆バッコン☆ハメハメせずに済むんなら、
 なんとかターロンとの心中は避けられそうだぜ。」
「え?あの・・・・・・ハメハメって・・・・・・」
リリアーナはレベッカの発言におろおろしている。
ミル「だから下品な言葉を使うなと言っただろうが!」

レベッカは仮説を話し始めた。いわゆる相談タイムである。
皆色々な意見を出しているが、現状のままでは膠着状態に陥るという事で見解は一致しているようだ。
レヘ「もしもターロンに玉を一つ渡すつもりなら、その前に俺のスペルカードを奴の体に貼らせろ。 (中略)
 ターロンが本気で言ってるなら、断る理由はねぇはずだ。そうだろ!?」
ミル「それならターロンに裏切られる心配もないし、良い考えじゃない! (略)」
「え?でもこれって、あのターロンがわけてくれた御札なんだよね?」
リリアーナは戸惑った顔をしていたが、とりあえず深く追求はしなかった。
呪札に関しては素人なため、そういう事もあるのかと勝手に納得したようだ。

>その場にいたターロン以外の全員に、魔法を使って魔本が言葉を伝える。
本「聞こえるか。こちらはムムムが復活しても良いように対策を始めた。
 他にどんな方法で神龍に対抗する気か知らんが、もしムムムを復活させるなら後始末は任せろ。
 ただし、その時は猫耳をつけた者全員ナナナと同じように『猫じゃ猫じゃ』を踊れ!
 踊らないとムムム対策をする気はないし、ぼぉくだけただの本の振りをして生き残るからな!」
ナナ「ご主人様ひどいです〜!」と踊りながら言っているナナナの声も聞こえただろうが。

「まあ、ムムムに対抗できるくらいなら神龍にも対抗できるよね。・・・・・・・でも踊らなきゃ魔力アップしないのか・・・・・・。
 えーと、何だっけ?【・・・・・・ニャン!!ニャン!!ニャン!!ニャン!!】
 ほら、皆も一緒に踊るわよ!せーの!【ニー!!ハオ!!ニャン!!】」
リリアーナは何の疑いも無く、魔本から指定された振り付けで踊り始めた。

137 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/12(土) 22:08:56 0
レヘ「…なぁ、リー。おめぇの彼氏のロックもあんな感じなのかぁ?」
ミル「あんな?…あぁ…あんな、ね…」
「う・・・・・・・」
イヤでも聞こえてくるナナナと猫耳ご主人様の萌え講座に、リリアーナの踊りが止まってしまった。

>ロック『貧乳はステータスだぜ!!希少価値だぜ!!』
>ロック『猫耳の力はパワーだぜ!!』
>ロック『ニャン!!ニャン!!ニャン!!ニャン!!ニー!!ハオ!!ニャン!!…( ゚д゚ )?』
「こっち見んな!じゃなくて!!!うわーん!違う違う!」
リリアーナは脳内に浮かんだ映像を慌てて振り払った。
「そそそそそんなわけ無いでしょ―― っ!何言い出すのよー!!!1!!!!!」
炎を吐きそうな勢いで、真っ赤な顔をしたリリアーナはレベッカに詰め寄った。
レヘ「悪ぃ、んなわけねーよな。」
「う・・・・・・・」
リリアーナは言葉に詰まった。
「そ、そりゃ必要とあれば、率先して踊ってくれると思うわよ?熱血馬鹿だし、修行大好きだし。
 頭に猫耳生えたことだってあるし。
 で、でもね、それは元々名より実を取るってことで・・・・・・・人の外見とか上辺にあんまり拘らない人なのよ。
  だって私、彼の理想からは程遠いし・・・・・・・」
リリアーナは胸をぱふぱふたたきながら、ぼそぼそ気まずそうな顔で話している。
「そ、そりゃ・・・・・・ステータスとか希少価値とか思っててくれてたらいいなーって思わなくも無いけど
 ・・・・・・・・って!聞いてないし〜!!」
まあ、今はターロンと一種即発の状況である。当然と言えば当然だろう。


「ん?ミルク猫耳つけたんだ!かわいー!
 でも、あの魔本はミルクが猫耳つけてても平気なのかな?
 ほら、ミルク今は男じゃない?女は良くても、男の猫耳は死ぬほど嫌いっていう人も世の中にはいるしね」

>ターロンは長い沈黙の後レベッカの提案を受け入れていた。
リリアーナは内心でほっと胸を撫で下ろした。穏便な方法で自体が収拾するのなら、それに越した事は無いのだ。
だが彼女の預かり知らないところで、事態は大きく動いていた。

死『さて、邪魔が入ったが。
 覚悟はいいか?ルズとやら…』
ヴァンエレンがいなくなり、死王はルズへと向き直った。
「えー?何を言って・・・・・・・ます・・・・・・」
指先に魔力が集まっていき断罪すべく解放させる。
黒猫ルズに不細工呼ばわりされて怒る死王の指先に、黒い魔力が集まっていく。
本「言葉責めとは上級者だな…いいぞもっとやれ」
ナナ「はわわわ!ルズさんを殺しちゃダメですー!!」
「ちょ、ちょっと!何ですのこの無駄に大きな魔力は!・・・・・・はっ!もしやブタ猫じゃなくてタヌキ?!」
死『被告クソ猫、裁判官は俺!
 判決は言うまでもなく死刑ィィ!』
「ドジこいたーーッ!」
だが幸いにも、ルズはありえない反応速度で間一髪死王の攻撃をかわした。
>そして避けた先にいたのは…ターロンであった。

死王の呪文の威力は凄まじいもので、雷龍の集合体のはずの神龍の体の後ろ半分が吹き飛ぶ。
「ジョジョジョ、ジョーダンじゃありませんわ〜!!フリージア女王様ぁん、あの黒猫が酷いんですぅ〜!」
ルズはわき目も振らず、ぴゅーっとフリージアの方へ逃げようとする。

138 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/12(土) 22:11:55 0
死王の攻撃を受け苦しんでいた神龍の体がバラバラになり、
後には5匹の雷龍とトカゲ程の大きさの黒龍が残された。
「わ――――!!龍がばらばらに!!こ、これって何がどうなったの?!」
>ターロンの分離と共に、神龍の体を構成していた龍もまた融合を解かれたのだ。
>ターロンの支配を離れた雷龍たちは、体に御札を貼り付けたまま受けた痛みの記憶に暴れ回り始めた。
「桜花さんにヴァンエレン、こっちこっち!!ヴァンエレン、ムムムの身体、忘れないでね」
寄らば大樹の陰、とばかりに、リリアーナはフリージアの背中に隠れようとする。
「桜花さん、顔色悪いわ。あんなにがんばったのに、楽させてあげられなくてごめん」
>あちこちに雷のブレスが吐き出される中、一匹の雷龍が死王に向かって突進する。
>受けた痛みの怒りから、そのまま大口を開けて黒猫姿の死王を一呑みにしようとしているのだ。
「わ――――!!ナナナさん危ない!!」
ルス「あぶなーいドジっ娘ゴーレム!とうっ!!」
ルズは魔本の傍ら、つまり、死王の傍で踊っていたナナナに、弾丸のような体当たりを食らわせた!!

他の龍たちも無差別に手近な人間に襲いかかり、あるいは噛みつき、あるいは雷の吐息で焼き尽くそうとする。
「うわっ、何が一体どうなって・・・・・・これ、全部ターロンなの?それとも・・・・・・」
「メギドラ!!」
>核熱の爆発が雷龍の体を吹き飛ばすが、爆発はそれだけではなかった。
さらに連鎖的に爆発が続き、雷龍のうち一匹が退治された。
>「みんな!攻撃する時は、龍の体に貼り付いたレベッカの御札を上手く使って!
> 触れたものに反応して爆発するから、攻撃の威力をぐっと上げられるから!」
「わ、わかった!やってみる!皆もやるよ!!」
リリアーナは、雷龍の御札をロックバスターで狙い撃ち始めた。

その一方で、分離したターロンも行動を起こしていた。
レベッカの御札の呪縛から逃れたと思っているターロンは、すぐにその場を離れて逃げ出そうとしたのだ
>「げげっ!ターロンが逃げる!!
> ちょっとこら逃げるな!返せ!戻せーっ!!」
「ヴァンエレン!使い魔蝙蝠使って追いかけて!!
 ああそうだわ、ねえ桜花さん結局玉はどうなったの?ターロンにひとつ渡しちゃったんだっけ?!」
リリアーナは桜花に玉の行方をたずねた。

「ねえ皆、神龍の身体はばらばらになったみたいだけど、神龍の力はどうなったの!?
 もしかして、まだターロンが握ったままなの?!
 まずいよ、雨が止んだかなんてここじゃ分からないし、ニャンコ先生の封印解除出来たのかも分かんないし!
 ああ、そうだ、その前にメイレン様を置いていけないわ。ご遺体をどうにかしないと!!」
リリアーナはあたふた1人で焦りまくった挙句、皮袋を片手にメイレンの死体を集めにいこうとする。

「ああ・・・・・・・・・・・そういえば・・・・・・・・」
ナナナを押し倒したルズが、消え入りそうな小声でぼそぼそ話し始めた。
「そう言えば・・・・・・図書室の・・・・・・・カバメイド長。
 ターロンに洗脳されたか、そんな感じでしたわね・・・・・・。
 今はアイシャ様がお相手している・・・・・・はず・・・・・・ぐふっ」
ルズは倒れた。だがそれは死んだのではなく、単に鼻血を出しすぎたためだ。
「メイドさぁいこ〜なのですわ〜」
ナナナを押し倒した後何をしていたのかと、一時間問いt(ry

139 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/13(日) 00:19:54 P
>123-138
>「ジョジョジョ、ジョーダンじゃありませんわ〜!!フリージア女王様ぁん、あの黒猫が酷いんですぅ〜!」
「お〜ほっほっほっほ!失礼なことを言うあなたがお馬鹿さんですのよルズさん」
> 苦しむ神龍の体がバラバラになり、後には5匹の雷龍とトカゲ程の大きさの黒龍が残された。
>「あぶなーいドジっ娘ゴーレム!とうっ!!」
ナナナのカバーに入るルズ

「敵が弱くなったと喜ぶべきか・・・それとも敵が増えたと悲しむべきか
 それが問題ですわ」
「そんなこと言ってる暇はないよ、来るよ!!」
と忠告を促すギズモ
フリージアに襲い掛かる雷龍
「ターロンという頭脳があった頃ならともかくこれぐらいの単純な動き楽勝ですわv」
ひょいっと避けるフリージアさん
「ジルベリアンホワイトベアーの方がまだいい動きをしますわね
 さあ反撃のお時間ですわよ!!」
フリージアは氷結根を生み出した
「神龍ならともかくあなた程度ならこれで十分ですわ!氷結百裂根!!」
厚さ60cmの石の壁も粉砕するフリージアの根が雷龍を襲う
「せい!せい!せい!せい!せい!せやぁ!!」
お札とお札の隙間を器用に縫い繰り出される氷結百裂根
なぜ直接根をお札に当てないか?
それはこの距離で爆発するとフリージアさんがアフロになるためである

根が当たる度に剥がれる雷龍の鱗
必死にそれをかき集めるギズモ
さては後で薬学部にでも売るつもりだな?

>「みんな!攻撃する時は、龍の体に貼り付いたレベッカの御札を上手く使って!
  触れたものに反応して爆発するから、攻撃の威力をぐっと上げられるから!」
「これで止めですわ!取っておきなさいな!!」
棒高飛びの要領で雷龍から距離を取ると相手を切り刻む高速回転する雪の結晶をお札に当たるように投げる
「ギャオオオオン!?」
次々と爆発が起こり苦しみ悶えそして動かなくなる雷龍
「雷龍のお肉はスタッフが後でおいしくいただきましたv」
敵が減って余裕が出来たのか惚けるギズモ
「食べませんわよ!!」
突っ込むフリージアさん
「これで後は2匹とターロンですわ!」
>「げげっ!ターロンが逃げる!!
  ちょっとこら逃げるな!返せ!戻せーっ!!」
>「ヴァンエレン!使い魔蝙蝠使って追いかけて!!
  ああそうだわ、ねえ桜花さん結局玉はどうなったの?ターロンにひとつ渡しちゃったんだっけ?!」
「ギズモちゃん!追いかけなさいな!!」
空が飛べるギズモに命令するフリージア
「わかったギズモウィィィング!!」
ターロンを追いかけるべく羽ばたくギズモ
だがしかし追いついても戦闘力がないギズモがどうしようというのだろう?


140 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/12/14(月) 01:27:31 0
>「……なんということだ……
> このままあなたたちがムムムの封印を解けば、双方の死のみならず世界にも危機が訪れます。
> こうなっては仕方がありません、認めましょう。私の完全な敗北です。
> 私は神龍の体を解放し、中つ国に帰りましょう。
> 雨も止め、猫型ゴーレムの封印も解きます。
> 皆さんは来た時と同じルートを通り、フィジル島にお戻りください。
> …しかしそのためにも、龍玉のうち、ただ1つだけをお渡しください。
> 龍玉は鍵なのです…その力を使わずに、私と神龍との同化を解くことは出来ないでしょう」

正直な話、これでターロンがあきらめてくれた事に安心する桜花
最後の時止めと言ったのは比喩ではなく実際に魔力が一回分しかなかったのだ
キリッとした目でターロンを見てはいるができれば座り込んでしまいたかった。
「その話・・・偽りはないのだな?」
もはや、周りの話を聞く余裕すらない桜花は玉をターロンの方へ転がそうとする

>『被告クソ猫、裁判官は俺!
> 判決は言うまでもなく死刑ィィ!』
>問答無用で前に見せた黒い稲妻を放ち、ルズを殺そうとする死王。
>だが、間一髪のところでルズはそれを避けて、そして避けた先にいたのは…ターロンであった。
>『あら…。
> あらあらあらあらあらあら。
> そっちいっちゃった。
> ごめーん』

その時、事件は起こった

>「ぐおおおおあああああ!!!」
>死王の呪文の威力は凄まじいもので、雷龍の集合体のはずの神龍の体の後ろ半分が吹き飛ぶ。

怒り心頭の黒猫が放った雷がターロンを襲ったのだ。
「な・・なんだ・・・」


141 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/12/14(月) 01:28:50 0
呆然とする桜花。さらに事態は進展していく

>ターロンの分離と共に、神龍の体を構成していた龍もまた融合を解かれたのだ。
>ターロンの支配を離れた雷龍たちは、体に御札を貼り付けたまま受けた痛みの記憶に暴れ回り始めた。

>「桜花さんにヴァンエレン、こっちこっち!!ヴァンエレン、ムムムの身体、忘れないでね」

「あ・・・ああぁ・・・わかった。」
リリアーナに言われるがまま、移動する。

>「桜花さん、顔色悪いわ。あんなにがんばったのに、楽させてあげられなくてごめん」

「いや・・・それはいいんだ。しかし、状況が飲み込めない。
 全く、いくら魔力が空っぽに近いからといって敵が居る前でボーッとしてしまうとは私もやきが回ったな」
気を引き締めるべく、自分の頬を軽く張る桜花

>他の龍たちも無差別に手近な人間に襲いかかり、あるいは噛みつき、あるいは雷の吐息で焼き尽くそうとする。
>「うわっ、何が一体どうなって・・・・・・これ、全部ターロンなの?それとも・・・・・・」

「いや、もしターロンが動かしているならあまりに御粗末な動かし方だ
 何らかの理由で神龍との融合が解除された、と考えていいだろう。」
状況を確認すると冷静に考え始める桜花

>「メギドラ!!」
>核熱の爆発が雷龍の体を吹き飛ばすが、爆発はそれだけではなかった。
>さらに連鎖的に爆発が続き、雷龍のうち一匹が退治された。
>「みんな!攻撃する時は、龍の体に貼り付いたレベッカの御札を上手く使って!
> 触れたものに反応して爆発するから、攻撃の威力をぐっと上げられるから!」
>「わ、わかった!やってみる!皆もやるよ!!」
>リリアーナは、雷龍の御札をロックバスターで狙い撃ち始めた。

「わかった。とりあえず、レベッカさんの御札を狙えばいいんだな」
ナイフを一本構える桜花。しかし
(駄目だな・・・魔力も集中力も欠いた今の状態では一本で的確に御札に命中させる事はできない
 だが・・・一本で無理なら・・・)
単発が駄目なら物量。複数のナイフを取り出す桜花
「時を止めるだけが私の取り柄ではない!この程度の龍、いくら出てこようと私たちの友情の前には・・・」
龍に張り付いたお札を一睨みすると

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁ!!」

素早いナイフ捌きで両手にあったナイフを瞬く間に投げつくす
ちなみにこの間に投げたナイフの本数は無駄一回に付き一本である

>「ヴァンエレン!使い魔蝙蝠使って追いかけて!!
> ああそうだわ、ねえ桜花さん結局玉はどうなったの?ターロンにひとつ渡しちゃったんだっけ?!」

「もはや、お前は将棋やチェスで言う詰み(チェックメイト)にはまったのだ!
 無駄無駄無駄無駄無駄むd・・・えっ?」
駄目押しとばかりに再びナイフを取り出し投げていた桜花だったがリリアーナの言葉にぴたりと止まる
コホンとひとつ咳払いをしてから
「すまない、少々元気を出しすぎた。玉はターロンに渡そうとしたがその前に事が起こってしまったからな
 今も私が持っている」
丸めたコートの中には確かに三つの玉が入っていた

142 名前:ヴァンエレンと死王 ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/12/14(月) 16:39:20 0
>133
>「ぐおおおおあああああ!!!」
『あっは、ぎゃ、ぎゃははははははは!!』
ターロンへの予想以上のダメージにルズへの怒りも忘れて大爆笑していらっしゃる。
集合体だったものはバラバラになり五匹の雷龍とちいちゃいトカゲが一匹に分離した。
そして暴れまわる五匹の雷龍、その一匹が死王めがけて突撃してきたのだ。
迫りくる凶器を気がつきそれを目にしても尚、爆笑をやめずにあろうことかさらにヒートアップする黒猫。
『あッはっはっは、ははッ』
雷龍の身体に縦に亀裂が入って、死王を避けるようにして左右に分かれて通り過ぎる。
いつの間にやら現れた影絵から切り取ったかのような黒い人物。
その者が斧を振り降ろして雷龍を真っ二つにしたのだ。
仕事が終わった影絵の人物は徐々にその存在が薄くなって最後には完全に消えてしまった。
『ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ!
 あー、笑った笑った。
 これぐらい楽しいことがなければ来た意味もねぇ。
 これだから未知なる場所はおもしれぇんだよな』

>139
そのころヴァンエレンさん。
リリアーナに言われてムムムだ像をえいしゃおらと攻撃を避けつつ逃げている。
>「ヴァンエレン!使い魔蝙蝠使って追いかけて!!
>ああそうだわ、ねえ桜花さん結局玉はどうなったの?ターロンにひとつ渡しちゃったんだっけ?!」
「うー…。
 あまり行かせたくはないのだが。
 仕方あるまい」
どひゃーとマントの中から出てくる蝙蝠の群れ。
一斉にターロンの追跡を開始し、距離を縮めていく。
>「わかったギズモウィィィング!!」
ギズモも一緒に飛行して万全での追跡体制である。
男のカーナビギズモここにあり。

143 名前:アホ姉と主従コンビ[sage] 投稿日:2009/12/14(月) 17:58:49 O
>136-142
地下図書館では、墓場の様子を伺っていたアナスタシアは唸りだしていた。
劇薬―死王の黒き稲妻―が予想以上に効果を発揮し、一気に事態が動き出したからだ。
>>「マズいなー。このままだと生徒だけでさらっと片づけられて、こっちの出番が無くなっちゃうぞ。
>> よし!今のうちに上にあがって、目立…活躍のチャンスを探すぞー!」
アナスタシアはそう言うと、ニャンコ先生を持つミシェルの背中を押しながら墓場に向かいだす。

その頃墓場では、怒る雷龍の攻撃でナナナが死王の巻き添えになろうとしていた。
>「わ――――!!ナナナさん危ない!!」
「え?え?え―――!?はわわわご主人様龍が来ちゃいました!」
限りなく人間に近いゴーレムを目的として作られたナナナは、龍の突進を見ても逃げなかった。
正確に言えば、制作者の意図的な設定が効果を発揮して体が動かなかったのだ。
>「あぶなーいドジっ娘ゴーレム!とうっ!!」
「きゃあぁっ!?…むきゅう……」
ルズの体当たりダイブを受けてひっくり返ったナナナは、後頭部を強く打ったようで気絶してしまった。
ルズのお触りタイムを止められなくなってしまうが、猫なので仕方がない。

>『ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ!(中略)
> これだから未知なる場所はおもしれぇんだよな』
「可愛い犬耳少女が強いとか超萌ゆる!
 ヤンデレな所がまたたまりませんなぁ!」
一方ナナナのご主人の猫耳男は、死王の強さがさらに気に入ったような発言を繰り返している。
ヤンデレとは本来愛の為に病んでしまった女性に用いる言葉だが、猫耳男はそんな事を気にしなかった。
今なら死王の頼みなら出来るだけの事をして叶えようとするにちがいない。

>「ああ・・・・・・・・・・・そういえば・・・・・・・・」
「うぅ…頭痛いです……。何が、あったんですか…?」
再び視点をナナナに向けると、ようやく気絶から目を覚まし、周りを見回している所だった。
ただ、同時に自分を押し倒したルズにも気づき、はわわわと慌て始める。
>「そう言えば・・・・・・図書室の・・・・・・・カバメイド長。
> ターロンに洗脳されたか、そんな感じでしたわね・・・・・・。
> 今はアイシャ様がお相手している・・・・・・はず・・・・・・ぐふっ」
「ふええっ!?メイド長操られてたんですか!?
 そそそそれにっ!気絶してる間に私の体に何かしませんでしたか〜!?」
>「メイドさぁいこ〜なのですわ〜」
「ふええぇぇん!!もうお嫁に行けないです〜!!」

ルズに何をされたか大体理解したナナナはショックを受けたようだが、今はそれどころではない。
ナナナはメイド長にテレパシーを送り、地上の様子を確認する。
「メイド長!ご無事なんですか〜!?
 あっはい。こちらはみなさんのおかげで今は無事ですけど…
 そうですか!良かった〜!!
 はい!はい!わかりました!メイド長よくご存知ですね〜!
 それでは皆さんにそう伝えます〜」
メイドゴーレムのテレパシーは周囲からは聞き取れないため、内容は説明してもらわないとわからない。

「え〜っと、地上では雨が止まって水が引き始めてるそうです!
 それからお仲間の人の為にも、外とのゲートが開いたら他のゲートを同調させてくれるみたいですね!
 ゲートはニャンコ先生にお願いすればどこにでも繋いでくれますから、もう安心ですよ〜!
 それから、みなさんに騙して悪かったと謝って欲しいそうです…
 でもでも!メイド長は操られてたんですよね!?
 だからその…できればメイド長の事を許して上げてください……お願いします!」
深々と頭を下げたナナナは、そこで残った問題に気づいた。
「あ…でもニャンコ先生、封印されてたんですよね…封印は解けてるんでしょうか…」

144 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/15(火) 19:17:27 0
レベッカが本気でルズを自分の弟子にしようかと考えている今日このごろ。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
ここムー大陸にいるフィジル魔法学園御一行は、
なんやかんやで放たれた雷龍を次々に倒している次第でございます。
「さすが、と言うべきか。それとも、当然と考えるべきか。
 ところで、ギズモとヴァンエレンの使い魔が、
 ターロンを追いかけていったみてーだな。
 …どうするんだ?奴を殺す気か?」
レベッカがそう皆に話しかけた。
「別に悪いとは思わねぇよ、俺は。
 おめぇらは、俺も含めて、奴に殺されかけてるんだ。
 復讐したいと思っても、別に不思議じゃねぇよ。

 だが、俺達があいつと戦ったのは、
 あいつが神龍の力を悪用する可能性があったからだ。
 神龍と分離した今、奴にはもうたいした力もねぇ。
 元の体もムムムに叩き斬られちまったしなぁ。
 だからターロンをわざわざ殺す必要もねぇんじゃねぇかと、
 そう思っちまっただけさ。

 もっとも、俺がそんなこと決める義理もねぇか。
 殺りたきゃ、好きにしな。」
レベッカは別にターロンに情けをかけるつもりなどなかった。
ただ、敵を徹底して追い詰めるのは愚策だと言う兵法に倣っているにすぎない。

「ところで、リー。いつまでメイレンにてめぇの髪の毛咥えさせておく気だ?
 おめぇらは山羊を食うとき、髭も一緒に食うわけじゃねぇだろが。
 いい加減取っておけよ。……悪ぃ、もう取ってたのか。
 そりゃそうだよな。いくらなんでも、髪の毛食ったりしねぇもんな。」
リリアーナがメイレンの口に入れた彼女の髪の毛が消えているのを見て、レベッカがそう言った。
ミルクが拾い上げた当初は満足そうな顔をしていたメイレンの顔が、
“何これ?まずい”的な顔になっているが、きっと気のせいだ。

145 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/15(火) 23:05:41 O
>136-144
>「ヴァンエレン!使い魔蝙蝠使って追いかけて!!
>「うー…。
> あまり行かせたくはないのだが。
> 仕方あるまい」
>「ギズモちゃん!追いかけなさいな!!」
>「わかったギズモウィィィング!!」
号令を受けて素早くターロンを追い、飛んでいく使い魔コウモリたちとギズモ。
ターロンが暴れなきゃすぐに捕まえられるだろう。
逃げてる以上ほとんど戦う力は残ってないんだろうけど、諦め悪そうだからなぁ…ターロン…
> …どうするんだ?奴を殺す気か?」
「それなんだよねぇ…どうしたもんかな…」
レベッカに言われて考えてるうちに飛行部隊は逃げるターロンにあっさり追いついて…あ。捕まえた。
ギズモの手の中で、碌に抵抗もせずにコウモリだらけになって捕まったターロンが、うごうご蠢いている。

> もっとも、俺がそんなこと決める義理もねぇか。
> 殺りたきゃ、好きにしな。」
「んー…。アホ姉とかはサクッと殺っちゃえって言いそうだけど、あたしはレベッカに賛成。
 だって力もほとんど残ってないみたいだし、死人に鞭打ちみたいなのはちょっと…ねえ?
 瓶詰め保存して持ち帰って、薬学科の実験に付き合わせるくらいで良いんじゃないかな」

> ああそうだわ、ねえ桜花さん結局玉はどうなったの?ターロンにひとつ渡しちゃったんだっけ?!」
>「もはや、お前は将棋やチェスで言う詰み(チェックメイト)にはまったのだ!
> 無駄無駄無駄無駄無駄むd・・・えっ?」
「なんか…性格変わってないかあんた…」
怒濤の勢いで雷龍にラッシュをしかけててる桜花の姿は、ほんと驚きものでしたよええ。
なんかこう、桜花ってもうちょっと大人しいというか、冷静沈着なイメージだったんだけどなー。
戦う時は本人の性格が出るって言うけど、元はこんな性格なのか?
>「すまない、少々元気を出しすぎた。玉はターロンに渡そうとしたがその前に事が起こってしまったからな
> 今も私が持っている」
あたしがいろいろ考えているうちに、桜花はコートに包まれた3色の玉を見せてくれた。

「ようするに、ターロンは神龍と分かれるのに、別に玉はいらなかったってわけか。
 はいそうですかと渡してたら、今頃どうなってた事やら…
 ま、そのターロンも捕まえたし雷龍もだいたい倒しちゃったし、もう安心かな?」

146 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/15(火) 23:06:53 O
>145
>「ねえ皆、神龍の身体はばらばらになったみたいだけど、神龍の力はどうなったの!?
> もしかして、まだターロンが握ったままなの?!
> まずいよ、雨が止んだかなんてここじゃ分からないし、ニャンコ先生の封印解除出来たのかも分かんないし!
「へ?あ、あぁ…えっと」
そうだった、まだ問題が残ってたんだっけ…
あたしはリリアーナの剣幕に押されながら、残された問題を考える。
「ターロンがあっさり捕まった所を見ると、もう神龍の力は持ってないと思う。
 力がどうなったかは分かんないけど……雨もニャンコ先生の封印も分からないけど…」

> ああ、そうだ、その前にメイレン様を置いていけないわ。ご遺体をどうにかしないと!!」
>「ところで、リー。いつまでメイレンにてめぇの髪の毛咥えさせておく気だ? (中略)
> そりゃそうだよな。いくらなんでも、髪の毛食ったりしねぇもんな。」
「え?おかしいな…リリアーナ髪の毛なんか取りに来てないはずだけど…」
不思議に思ってメイレンさんの首をのぞき込むと。
……髪の毛が無くなってる…しかも表情が変わってる……
「ね、ねえ。リリアーナ?
 髪の毛は素早く取ったんだよね?
 メイレンさんの表情が変わってる気がするけど、気のせいだよね…?
 もしかして……さっき龍玉の上に乗せたから再生効果が出ちゃった…のかな…」

>「え〜っと、地上では雨が止まって水が引き始めてるそうです!
いつの間にやらナナナがメイド長と話を付けて、外で雨が降り止んだのは確認したみたい。
メイド長を許してとかも言ってるけど、許したいような許したくないような…
いや、許さないからどうこうするってわけじゃないけど…

>>「なんだーほとんど終わってるじゃないかー。
>> ゆーしゅーな生徒を持って嬉しいけど、先生は暴れ足りなくて悲しいぞ♪」
男にされた怒りをどこにぶつけてくれようかと悩んでる所に、我らのアホ姉がミシェル先生と登場した。
ミシェル先生は、手に招き猫の姿に戻ったニャンコ先生を持っている。
「ミシェル先生、ニャンコ先生の封印を見てくれてたんですね、ありがとうございます。
 かなり面倒な封印だってターロンは言ってたけど…解けそうですか?」

ミシェル先生とニャンコ先生の封印について話してると、アホ姉は一直線にギズモの所へ。
>>「図書館から見てたけど、うまくターロンを倒せたなー先生も信じてたかいがあったぞ♪
>> で、この黒トカゲみたいなのがターロンなんだろ?こいつは死刑!
>> ギズモはしっかり尻尾を握ってろよ〜私がこいつの頭を持ってぐるぐる回転するからな〜。
>> 何回転まで耐えられるか楽しみだぞ〜ぷぷぷ♪」
> 「やめろ!死にたくない!死にたくな――い!!」

147 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/17(木) 01:28:04 0
ターロンを追いかけるべく羽ばたくギズモと蝙蝠の群れ。
トカゲサイズになったターロンを一路追いかけていく。

ルズの話によると、カバメイド長はターロンに操られていたようだ。
その話を聞いたナナナは、メイド長とテレパシーのようなもので連絡を取っている。

レヘ「ところで、ギズモとヴァンエレンの使い魔が、 ターロンを追いかけていったみてーだな。
 …どうするんだ?奴を殺す気か?」
ミル「それなんだよねぇ…どうしたもんかな…」
レベッカは、自分がターロンと戦ったのは、彼が神龍の力を悪用する可能性があったからだと話した。
レヘ「神龍と分離した今、奴にはもうたいした力もねぇ。
 元の体もムムムに叩き斬られちまったしなぁ。
 だからターロンをわざわざ殺す必要もねぇんじゃねぇかと、
 そう思っちまっただけさ。」
「えっ、神龍の力って、もうターロンと分離してるの?!」
レヘ「もっとも、俺がそんなこと決める義理もねぇか。
 殺りたきゃ、好きにしな。」
ミル「んー…。アホ姉とかはサクッと殺っちゃえって言いそうだけど、あたしはレベッカに賛成。 (略)
 瓶詰め保存して持ち帰って、薬学科の実験に付き合わせるくらいで良いんじゃないかな」
「ん〜〜〜。異論は無いんだけど・・・・・・。
 ねえ、確かターロンって、呪い解いたりお札でボディとか作れるんだよね?」
リリアーナはまた何やらあれこれ考えあぐねているようだ。

リリ「ああそうだわ、ねえ桜花さん結局玉はどうなったの?ターロンにひとつ渡しちゃったんだっけ?!」
桜「もはや、お前は将棋やチェスで言う詰み(チェックメイト)にはまったのだ!
 無駄無駄無駄無駄無駄むd・・・えっ?」
駄目押しとばかりに再びナイフを取り出し投げていた桜花だったがリリアーナの言葉にぴたりと止まる
一方のリリアーナは、大口を開けて桜花を指差したまま、完全に固まっていた。
ミル「なんか…性格変わってないかあんた…」
コホンとひとつ咳払いをしている桜花に、リリアーナはこくこく首を振っている。
桜「すまない、少々元気を出しすぎた。玉はターロンに渡そうとしたがその前に事が起こってしまったからな
 今も私が持っている」
丸めたコートの中には確かに三つの玉が入っていた。
「やったー!玉は無事だったのね!さっすが桜花さん!!」
ミル「ようするに、ターロンは神龍と分かれるのに、別に玉はいらなかったってわけか。
 ま、そのターロンも捕まえたし雷龍もだいたい倒しちゃったし、もう安心かな?」

レヘ「ところで、リー。いつまでメイレンにてめぇの髪の毛咥えさせておく気だ? 」
「え・・・・・・だって目とか指とかはあげられないんだもん。
 髪の毛って霊力が篭るっていうし、何かの役に立つんじゃないかって思って・・・・・・」
>「おめぇらは山羊を食うとき、髭も一緒に食うわけじゃねぇだろが。
 いい加減取っておけよ。……悪ぃ、もう取ってたのか。
 そりゃそうだよな。いくらなんでも、髪の毛食ったりしねぇもんな。」
メイレンのパーツを拾い集めているリリアーナが、いぶかしげな顔をした。
ミル「ね、ねえ。リリアーナ?
 髪の毛は素早く取ったんだよね?
 メイレンさんの表情が変わってる気がするけど、気のせいだよね…?」
「え?何の話?私、何もしてないよ?
 ねえ・・・・・・そう言えばメイレン様、心なしか嫌そうな顔なさって無い?」
>「もしかして……さっき龍玉の上に乗せたから再生効果が出ちゃった…のかな…」
「それすごいよ!だったらもうしばらく、メイレン様の首を玉に乗せておこう!!桜花さん、構わないかな?
 ねえギズモ、ギズモ、良かったら、その持ってる鱗、少し分けてくれない?弱ってるメイレン様に食べさせたいの。
 それとミルク、両手ふさがってると大変でしょう?メイレン様かレベッカさん、どちらか私が引き受けるよ」
そう言ってリリアーナは、「はい」とミルクに手を差し出した。

148 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/17(木) 01:31:02 0
ナナナがメイド長から受けた伝言によると、雨もやみ、帰り道も何とか確保できたようだ。
メイド長の洗脳(?)も無事解けているらしい。
「メイド長が操られてたのは別に気にしてないけど。だって、おいしいもの食べさせてもらったわけだし。
 ・・・・・・・そっか、じゃあメイド長のあの顔は、ターロンの趣味だったんだね」
リリアーナは明後日の方向で変に納得している。
「あ、でもメイド長がミルクにかけた男性化の呪いの方はどうにかならないのかなぁ。
 このままじゃミルクは、本当にユリさんと結婚する羽目になっちゃうよ」

アナ「なんだーほとんど終わってるじゃないかー。
  ゆーしゅーな生徒を持って嬉しいけど、先生は暴れ足りなくて悲しいぞ♪」
>男にされた怒りをどこにぶつけてくれようかと悩んでる所に、我らのアホ姉がミシェル先生と登場した。
「あっ!ミシェル先生にアナスタシア先生!ご無事でしたか!!」
メイレンのパーツを回収し終えたリリアーナは、死王に向けられたミシェルの視線に気づいたようだ。
「さっきまで本当に大変だったんですからねー」
などと言いながら、死王とミシェルが目を合わせないよう小細工をしている。
ミル「ミシェル先生、ニャンコ先生の封印を見てくれてたんですね、ありがとうございます。
 かなり面倒な封印だってターロンは言ってたけど…解けそうですか?」
「解除できない筈無いじゃない。天下の殿下先生だよ?」
リリアーナは信頼の片鱗とも無神経とも取れる発言をした。

>ミシェル先生とニャンコ先生の封印について話してると、アホ姉は一直線にギズモの所へ。
アナ「図書館から見てたけど、うまくターロンを倒せたなー先生も信じてたかいがあったぞ♪
  で、この黒トカゲみたいなのがターロンなんだろ?こいつは死刑!
  ギズモはしっかり尻尾を握ってろよ〜私がこいつの頭を持ってぐるぐる回転するからな〜。
  何回転まで耐えられるか楽しみだぞ〜ぷぷぷ♪」
ター 「やめろ!死にたくない!死にたくな――い!!」
「昨日あなたに鉄の像にされたマリオさんも、きっと同じように感じてたでしょうよ」
ターロンの命乞いを、リリアーナは冷たく突き放した。
「トカゲって確か尻尾切れても生えてくるんだよね。
 妖怪でトカゲなら、首がねじ切れても生えてくるのかな?皆、どう思う?」

リリアーナはちょっと間を空けると、ふう、とため息をついて表情を改めた。
「アナスタシア先生、どうかその辺で。ギズモもよ。いくら妖怪でも、本当に死んじゃうから
 ターロン、少しは虐げられる人の気持ちがわかった?」
リリアーナはアナスタシアの手を制すと、ターロンの目を覗き込んだ。
「ターロン、死にたくないでしょ?だったら・・・・・・私達と取引しない?
 ねえ・・・・・・主従契約って知ってる?そう、私達魔法使いが、主に使い魔達と結んでいるアレよ」
リリアーナはすごくいい顔で微笑んだ。
「そう、冊子が良くて助かるわ。そのまさかよ。ターロン、
 契約しましょ。―――― え?誰とって?もちろん、こちらのレベッカさんとよ!!」

周りの反応を見たリリアーナは、うーん、と髪をかき回した。
「そんなに悪い考えじゃないと思うけどなあ。
 人間びいきのレベッカさんが主になったら、ターロンが魔法使い以外の人間に悪さする事ももう無いだろうし。
 お札でレベッカさんの仮の体とか作れそうだし、2人とも中つ国の妖怪で魔法使いなら、きっと話もあうだろうし。
 ついでにミルクの呪いも解除してもらえるかもしれないし・・・・・・・。
 あ、これはミシェル先生にお願いすればいいだろうけど。うーん、でもでも」

リリアーナがあれこれ言っている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく。
果たしてクリムゾンヘッドは、本当に元の場所に戻れたのだろうか?
そして先程から断続的に聞こえている地鳴りのような音は、何が原因によるものなのだろうか。

149 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/17(木) 11:42:51 P
>140-148
「捕ったどぉぉぉ!!」
あっさりとターロンを捕まえるギズモ
なぜか抵抗しないターロン
>「ねえギズモ、ギズモ、良かったら、その持ってる鱗、少し分けてくれない?弱ってるメイレン様に食べさせたいの」
「別にいいけどおなか壊しても知らないよ」
だがそもそも壊すお腹が無い・・・・物理的意味で

>「図書館から見てたけど、うまくターロンを倒せたなー先生も信じてたかいがあったぞ♪
> で、この黒トカゲみたいなのがターロンなんだろ?こいつは死刑!
> ギズモはしっかり尻尾を握ってろよ〜私がこいつの頭を持ってぐるぐる回転するからな〜。
> 何回転まで耐えられるか楽しみだぞ〜ぷぷぷ♪」
> 「やめろ!死にたくない!死にたくな――い!!」
>「昨日あなたに鉄の像にされたマリオさんも、きっと同じように感じてたでしょうよ」
>「トカゲって確か尻尾切れても生えてくるんだよね。
  妖怪でトカゲなら、首がねじ切れても生えてくるのかな?皆、どう思う?」

「止めてよ!かわいそうだよ!!せめてパロスペシャルからキャメルクラッチぐらいで勘弁してあげてよ」
ターロンにそう言うと一瞬手を離し
「くらえパロスペシャル!!」
ターロンの両手(?)を掴んで背中あわせになるように跨り
自分の両足でターロンの両足を固めて同時に両腕をねじり上げるギズモ

>「アナスタシア先生、どうかその辺で。ギズモもよ。いくら妖怪でも、本当に死んじゃうから
  ターロン、少しは虐げられる人の気持ちがわかった?」
リリアーナに言われパロスペシャルを緩めるギズモ
「いつの間にあんな技を・・・・・・」
教えても無いのにプロレス技を使うギズモに驚愕するフリージアさん
まさに門前の小僧習わぬ経を読むである

>「ターロン、死にたくないでしょ?だったら・・・・・・私達と取引しない?
 ねえ・・・・・・主従契約って知ってる?そう、私達魔法使いが、主に使い魔達と結んでいるアレよ」
>「そう、察しが良くて助かるわ。そのまさかよ。ターロン、
 契約しましょ。―――― え?誰とって?もちろん、こちらのレベッカさんとよ!!」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
あっと驚くフリージア
「ちょっとお待ちにゃさいにゃ!レベッカさんは槍ですにょどうやって契約しますにょよ!!
 槍にキスして契約が成立しますにゃ?」
「お、お母さんが驚きすぎてベタな猫耳キャラみたいな語尾になってる!?」
あっと驚くギズモ君、当然パロスペシャルの姿勢のままだ

>「そんなに悪い考えじゃないと思うけどなあ。
  人間びいきのレベッカさんが主になったら、ターロンが魔法使い以外の人間に悪さする事ももう無いだろうし。
  お札でレベッカさんの仮の体とか作れそうだし、2人とも中つ国の妖怪で魔法使いなら、きっと話もあうだろうし。
  ついでにミルクの呪いも解除してもらえるかもしれないし・・・・・・・。
  あ、これはミシェル先生にお願いすればいいだろうけど。うーん、でもでも」

「ちょっとお待ちなさいな・・・・・この地響きは何かしら?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
「もしかして・・・・この大陸沈むんじゃ」
すごく不吉なことを言うギズモ、当然パロスペシャルの姿勢のままだ
「そろそろ普通の捕まえ方にしてあげなさいな」
とりあえずギズモに突っ込みを入れるフリージアであった


150 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/17(木) 19:15:38 0
>146>147>148>149
> ナナナがメイド長から受けた伝言によると、雨もやみ、帰り道も何とか確保できたようだ。
> メイド長の洗脳(?)も無事解けているらしい。
「なるほど、見てみろよ。さっき俺達が若返りの薬を見つけた宝物庫から、
 地下墓地へ繋ぐ空間の裂け目も復活してるみてぇだぜ。良かったな。」
ちなみに、レベッカは特にメイド長に恨みはない。
むしろよくやったと褒めてやりたいところだぁ。

さて、その後の展開を一言で言うなら、無抵抗なターロンを皆で囲って陵辱である。
> >>「何回転まで耐えられるか楽しみだぞ〜ぷぷぷ♪」
> > 「やめろ!死にたくない!死にたくな――い!!」
何故かレベッカもついつい、ターロンが「死にたくない!死に…たわば!?」
とか言うのを期待してしまう。
> 「トカゲって確か尻尾切れても生えてくるんだよね。
>  妖怪でトカゲなら、首がねじ切れても生えてくるのかな?皆、どう思う?」
「お…お前本当にリリアーナか?KI☆TI☆KUだぜ。みんな揃って実にKI☆TI☆KUだぜ。」
> 「止めてよ!かわいそうだよ!!せめてパロスペシャルからキャメルクラッチぐらいで勘弁してあげてよ」
「お ま え は (笑) !」
> リリアーナはちょっと間を空けると、ふう、とため息をついて表情を改めた。
リリアーナは、命が惜しければ使い魔の主従契約をしろとターロンを脅した。でも、誰と?
> リリアーナはすごくいい顔で微笑んだ。
> 「そう、察しが良くて助かるわ。そのまさかよ。ターロン、
>  契約しましょ。―――― え?誰とって?もちろん、こちらのレベッカさんとよ!!」
> 「えぇぇぇぇぇぇ!?」
> あっと驚くフリージア
「ぇぇぇぇぇぇえ?!」
言われたレベッカもフリージアの声を逆再生するようにびっくりする。
> 「そんなに悪い考えじゃないと思うけどなあ。
>  人間びいきのレベッカさんが主になったら、ターロンが魔法使い以外の人間に悪さする事ももう無いだろうし。
>  お札でレベッカさんの仮の体とか作れそうだし、2人とも中つ国の妖怪で魔法使いなら、きっと話もあうだろうし。
>  ついでにミルクの呪いも解除してもらえるかもしれないし・・・・・・・。
>  あ、これはミシェル先生にお願いすればいいだろうけど。うーん、でもでも」
「奴の尻穴に俺を突き刺せ!それで契約成立だ!」
レベッカは興奮した様子で言った。リリアーナの意見に、どちらかと言えば大賛成らしい。

> 「ちょっとお待ちなさいな・・・・・この地響きは何かしら?」
とフリージアさん。
> ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
レベッカの呪符がオウカのおでこにむかって飛んでいった。
「あ、悪いオウカ。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・っていえばお前かと思って、つい。」
別にその呪符がオウカに当たったかどうかはたいした問題ではない。
レベッカはそれに呪いを入れていないのだから、デコピン程度の威力しかないのである。

151 名前:ミシェル ◆pP6eYSrQUy.9 [sage] 投稿日:2009/12/18(金) 02:09:06 O
>>143 >>148

悪戦苦闘。だと少し大袈裟になるだろうか。
しかし涼しげな見た目はともかくミシェルは札を引っ剥がせないでいる。
札と格闘しつつアナスタシアの話に耳を傾けてやる。ながら動作は作業の効率を落とすらしいのだが
「それからなー、勘違いするな。
(中略)
別に鎌持ちや妖怪が復活しても私は気にしないぞ。てか復活させろ♪」
ふう。と溜め息一つついつみるミシェル。ただ、別に札が嫌になった訳ではない。
天使まで浮き世のしがらみに絡められているのがやるせないだけだ。
特別信心深い訳ではなく、若き日の野心だけで成り上がったミシェルに言えた事とではないが、教会は腐ってるとしか思えない。
「本当だよなー。あんな奴ちゃっちゃと片付けりゃいいのに…
お。見ろ見ろミシェル。お待ちかねの劇薬タイムだぞ♪」
「場が動いたなら、こっちにもう興味はありません」
とただ一言。
どの道猫を動かせる状態にしておかないと帰るに帰れないのだから
正しいといえば正しいが何かコミュニケーションに問題がありそうなやり取りである。
が、そんな事を解しもせずにアナスタシアはミシェルをグイグイ引っ張っていく。
曰わく自分も見せ場が欲しいそうだ。今までいくらか有りそうだった物を。
「ちょ、ちょっと待って。もう少しで………」
ベリ。
抵抗してもう少し札に挑もうとして、意外にアッサリ札が剥がれた。
いや、ミシェルの術式からしたら決してアッサリと一言で片づけられる物ではないが。
「よっしゃ剥がれた!!」
らしくなく素の喋りになったところからすると嬉しいらしい。

上に行くとすでにカタはついていたようで、何となく雰囲気は緩んでいる。
そこへ二人のかしましい娘がやって来た。随分久しく感じるのは何故だろうか?
「ミシェル先生、ニャンコ先生の封印を見てくれてたんですね、ありがとうございます。
かなり面倒な封印だってターロンは言ってたけど…解けそうですか?」
「解除できない筈無いじゃない。天下の殿下先生だよ?」
ニッと大きく笑ってほんのついさっき剥がれた札をヒラヒラさせる。
「今回あまり役に立ちませんでしたが、これくらいはね」
まさにかませ犬と言われんばかりの活躍を披露したミシェルの、ささやかな名誉挽回。といったところであろうか。
そうして生徒達の喧騒から少し離れる。そうあるのが正しいように思われた。
とにかく今回の自分はツいてない。何かに干渉したら面倒事をかましそうな気がするのだ。

152 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/18(金) 21:55:28 O
>147-151
>「解除できない筈無いじゃない。天下の殿下先生だよ?」
さっき槍レベッカを預けたリリアーナがそう言うと、ミシェル先生は手にしたお札をヒラヒラ振ってみせた。
>「今回あまり役に立ちませんでしたが、これくらいはね」
「おお!さすが殿下先生!!」
なんとなく嬉しそうなとこを見ると、結構苦労したんだろうなーと思う。
そこを謙遜するあたりがさすが。先生の鏡ですよ。
アホ姉もこんな教師の姿を少しは見習ってくださいよ本当に。

そのアホ姉は、ターロンに死刑宣告して命乞いされるとか、天使にあるまじき行為に及んでいる。
止めに行った方がいいかな…まあでも、リリアーナもいるから大丈夫か…
>「昨日あなたに鉄の像にされたマリオさんも、きっと同じように感じてたでしょうよ」
「えっ…!?」
予想外の言葉に、龍玉に乗っけたまま持ってるメイレンさんの首を落としそうになった。
>「トカゲって確か尻尾切れても生えてくるんだよね。
> 妖怪でトカゲなら、首がねじ切れても生えてくるのかな?皆、どう思う?」
え?なに?あたしの頭か耳がどうかしちゃったの?
それともリリアーナ怒ってる?スーパー鬼畜タイム発動?
>「お…お前本当にリリアーナか?KI☆TI☆KUだぜ。みんな揃って実にKI☆TI☆KUだぜ。」
>「止めてよ!かわいそうだよ!!せめてパロスペシャルからキャメルクラッチぐらいで勘弁してあげてよ」
「パロスペシャルってなんだ…てか喜んでないでレベッカも止めろよ…」

多分ギズモの妙な固め技がパロスペシャルなんだろうけど、このままだと本当にターロン殺しちゃうぞ。
なんて薄情な奴らだこうなったらあたしが…と、一歩を踏み出した所で。
リリアーナはため息一つついてから、アホ姉とギズモを止めた。
アホ姉はちょっと不服そうだけど良かった、いつものリリアーナだったか…
>「ターロン、死にたくないでしょ?だったら・・・・・・私達と取引しない?
ホッと内心胸をなで下ろしていると、リリアーナはターロンに取引を申し出る。
命が惜しけりゃ使い魔になれ。と。
>>「まさか、私に誰かと契約せよ。と?
>> …命を助けていただいた以上、私には嫌も応も御座いません。
>> 何なりと臣ターロンにお申し付け下さい」
…取引と言うより脅迫に近い気がしないでもないけど、ターロンも良いって言ってるんだから良いか。
しかしリリアーナも物好きな…何もあんな裏切りそうな奴を使い魔にしなくてもいいのに…
あたしだったら、子パンダかなんかのもっと可愛いのを使い魔に…

> 契約しましょ。―――― え?誰とって?もちろん、こちらのレベッカさんとよ!!」
>「えぇぇぇぇぇぇ!?」
>「ぇぇぇぇぇぇえ?!」
「ええええぇぇ…」
>「ちょっとお待ちにゃさいにゃ!レベッカさんは槍ですにょどうやって契約しますにょよ!!
> 槍にキスして契約が成立しますにゃ?」
「なぜキスで契約しようとする…」
自分じゃなくて、レベッカと契約させる気だったのか…
まずいよ変態×悪役とか何しでかすか分かんないよ…
そりゃフリージアも変な語尾キャラになるほど驚くはずだ…
と。でも。よく考えたらそんなに悪くない考えか。
レベッカは何度もターロンを騙してるし、そうそう裏をかかれる事もないだろう。
ターロンには能力がある。
レベッカなら、利用されることなくターロンを利用できるはずだ。
あたしの呪いは……レベッカ1人でも解けるって言ってたから問題ないよな。

「そうだね、結構良い考えだと思う。
 ターロンを使い魔にするのはいろいろ不安要素があるけど、レベッカなら大丈夫でしょ」
>「奴の尻穴に俺を突き刺せ!それで契約成立だ!」
>>「ははは、レベッカ様ご冗談を……ご冗談…ですよね…?」
引きつったターロンの声を聞きながら、あたしはレベッカの優位を確信した。

153 名前:ミルク&アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/18(金) 21:56:45 O
>「ちょっとお待ちなさいな・・・・・この地響きは何かしら?」
「地響き?……本当だ…上の方から?」
上を見上げると、開いた大穴から流れ落ちてくる水と、揺れる天井が見える。
でも揺れてるのは天井だけじゃないから、ギズモが大陸沈むとか不吉な事を言い出すのも無理もない。
>「あ、悪いオウカ。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・っていえばお前かと思って、つい。」
「んなバカな…でもこの揺れ、まさか本当に大陸沈むんじゃないだろうな…」

> 「バカだなーミルクは。これは降ってきた雨が流れる音に決まってるだろ」
「雨って…もう雨は止んだってメイド長が言ってたのに?」
あたしの質問に、アホ姉は『わかってないなー』と言いたげに答える。
> 「雨は止んでも降った水が消えるわけじゃないだろー。
>  ムウ大陸に来て最初の地下道に、蜘蛛が一杯いた縦穴があったろ?
>  この墓場はあの縦穴の下にあるんだよ。
>  でだなー、上で降った水が全部地下道に一気に流れ込んできて、あんな音がしてるんだ。
>  もうすぐここにも流れ込んで来ると思うぞ♪」
「もうすぐここにもって…そんな大事な事もっと早く言えよ!
 マズい大水が来る!空間の裂け目から宝物庫に逃げよう!」
あたしがそう言い終わったのが先か、それとも水が来たのが先だったか。
とにかく次の瞬間、天井の大穴から大量の水が墓場になだれ込んできた!

154 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/20(日) 18:52:38 0
>153
> 「もうすぐここにもって…そんな大事な事もっと早く言えよ!
>  マズい大水が来る!空間の裂け目から宝物庫に逃げよう!」
> とにかく次の瞬間、天井の大穴から大量の水が墓場になだれ込んできた!
なるほど確かに、若返りの薬を見つけた宝物庫から、
地下墓地へ繋ぐ空間の裂け目も復活してる。
「聞こえるか!?こちらへ逃げ込め!」
レベッカは大声でそう言った。
リリアーナと違って、レベッカにはテレパシー等は使えないのだ。

その空間の裂け目の先、宝物庫に待っていた男が一人…
「貴様…ロクー!」
ロクー。我々はその男を知っている。
ロクー。長い茶の髪の毛を首の後ろで束ねている眼鏡の少年。
ロクー。緑色のジャージに大きなリュックを背負った青い瞳のエンジニア。
彼はターロンを攻撃しようとし、メイレンに命を奪われ、
そして死王にアンデッドとして蘇らされた。
その正体は、秘密結社ケルビムの手先、クリムゾンヘッドッッ!
>>「待たせたな!」

我々はロクーを知っている。しかし、我々が知るロクーはゾンビだった。
だが、今目の前にいる男は違う。
メイレンに殺される前のように、見た目だけは普通の少年だ。
まるで、時間が巻戻ったかのようにッッ!
「(当然か…ゾンビになる前、いやもっと正確に言えば、
 メイレンに殺されるより前まで時間を遡ったな。
 俺としたことがうかつだったぜ。こうやって時間の巻戻った奴と、
 再会する可能性を考慮してなかったとはなぁ!)」

>>「リリアーナ、一体何があったんだ?ミルクも変だぞ、まるで男じゃないか!」
その言葉を聞いた時、レベッカはハッとした。
もしかしたら、自分が考えていた通り、
時間を逆行させる前の出来事を覚えていないのではないか!?
「(まずいぜ…今のロクーの言葉を聞く限り、カバメイドに会う以前の記憶しか無いらしいが、
 もしも俺達が“クリムゾンヘッド”とか“ケルビム”とか“ヘブンスマイル”に関連する事を言ったら、
 奴は自分がクリムゾンヘッドとして俺達と戦った事を察して、再び攻撃してくるかもしれねぇ。)」
レベッカは全力で皆に『奴にケルビムの事は言うなよ!!絶対に言うなよ!!』と念じた。
が、レベッカはテレパシーが使えるわけではない。
実際に声を出して言えば、当然ロクーにも聞かれてしまい意味が無い。
レベッカはこの時ほどリリアーナのテレパシーをうらやましいと感じた事はなかった。
彼女は仕方なく、賭けに出ることにした。
「いやー、本当に待ってたんだよーロクー(愛好)
 急に君がはぐれちゃってたからさー、レベッカとっても心配しちゃったよー(愛好)」
>>「はぐれてた?一体何のことだ?」
「(やっべー、何か奴の記憶と食い違いがあったのかぁ?
 でも、これでみんな事情をわかってくれただろ?
 わかってくれたらさぁ、フォローよろしく頼むぜぇ。)」
果たして、皆はレベッカの意図を察してくれるだろうか?

155 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/21(月) 21:52:46 0
>149-154
リリアーナの提案に、皆はたいそう驚いたようだ。
フリ「ちょっとお待ちにゃさいにゃ!レベッカさんは槍ですにょどうやって契約しますにょよ!!
 槍にキスして契約が成立しますにゃ?」
「フリージア動揺しすぎだよ。
 そっかー。ギズモとの契約方法はキスだったのか。
 困ったなあ、レベッカさんの唇って、槍でいうとどの辺りなのかな?」
ギズモからもらった雷龍の鱗を押し込みながら、リリアーナは一人悩んでいる。

ミル「そうだね、結構良い考えだと思う。
 ターロンを使い魔にするのはいろいろ不安要素があるけど、レベッカなら大丈夫でしょ」
「本当に?!よかった〜!」
レヘ「奴の尻穴に俺を突き刺せ!それで契約成立だ!」
「い、いくらトカゲ相手だからって・・・・・・そんな恥ずかしいこと出来ないよ!」
リリアーナは赤くなりながらあたふたしている。
最初からトカゲなら意識もしないのだろうが、元々人間の姿だったのは
ター「ははは、レベッカ様ご冗談を……ご冗談…ですよね…?」
引きつったターロンの声を聞きながら、あたしはレベッカの優位を確信した。
「いきなりお尻に突っ込むのはアレだから、口でまず試してみようよ。
 だめならお尻を試せば良いんだから。
 あ、その時はヴァンエレン、私の代わりによろしくね」
リリアーナはヴァンエレンの表情を見て、
「えー、だって、元は男同士なんだから、まだ恥ずかしくないでしょ?
 まあいいや、じゃあターロン、あーんして。下手に動くと怪我しちゃうからね〜」
リリアーナはふと思いついたように呟いた。
「あれ?そういえば親子だと、こういう契約できないものなのかなぁ?」

フリ「ちょっとお待ちなさいな・・・・・この地響きは何かしら?」
>ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
>レベッカの呪符がオウカのおでこにむかって飛んでいった。
>「あ、悪いオウカ。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・っていえばお前かと思って、つい。」
「何かお札に書いてあるよ?なになに?お前の命は後7秒・・・・・・やだな桜花さん、ほんの冗談だってば。
 第一、私に御札の字が読めるわけ無いでしょ」
どうやら冗談で雰囲気を和らげようとする試みは、あえなく失敗したようだ。
ギ「もしかして・・・・この大陸沈むんじゃ」
フリ「そろそろ普通の捕まえ方にしてあげなさいな」
「し、沈むぅ?!どどどどうしよう!!」
リリアーナは苦しそうな体勢のターロンに気を配る余裕も無いようだ。
 はっ、ミシェル先生にベルジン先生、何を隅っこで達観なさっているんですか!
 この大陸沈むかもしれないんですってば!!ははは早く逃げないと!!
 いやその前に、ニャンコ先生と連絡取らないと!!ミシェル先生、連絡連絡!」
アナスタシアが地響きの解説をしている間も、リリアーナはひたすら焦っている!!

156 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage ごめん、PC瀕死。もし避難所書けなかったら明日には必ず] 投稿日:2009/12/21(月) 21:53:44 0
>「聞こえるか!?こちらへ逃げ込め!」
「へっ!!――――わ、分かった!!皆急いで!!」
リリアーナは何の躊躇いも無く、怪しげな黒い空間の裂け目に飛び込んだ

>その空間の裂け目の先、宝物庫に待っていた男が一人…
レヘ「貴様…ロクー!」
「ロクー・・・・・・・・」
ロク「待たせたな!」
>メイレンに殺される前のように、見た目だけは普通の少年だ。
>まるで、時間が巻戻ったかのようにッッ!

ロク「リリアーナ、一体何があったんだ?ミルクも変だぞ、まるで男じゃないか!」
リリアーナは不覚にも涙が零れそうになった。
彼女は無言でロクーに駆け寄ると、無言のままあちこち身体を無遠慮に触り始める。
相手の迷惑顔などお構い無しのようだ。
そして最後に左手にじっと顔を近づけ凝視した。間違いなく腐ってなどいなかった。
「よかったぁ・・・・・・・・・・・・・あ!ごごご、ごめん!!」
ようやく自分の奇行に気づいたリリアーナは、ぱっとロクーから離れた。

「・・・・・・・ああ〜、これじゃ私ただの変態さんだよ〜。
 でも・・・・・・・ロクー、レベッカさんの言ってたとおりだったね。
 本当に、時間と記憶をぶっ飛ばしちゃったんだ」
かなり落ち込みながらも、レベッカに囁きかける。

ロク「リリアーナ、一体何があったんだ?ミルクも変だぞ、まるで男じゃないか!」
「え?何があったって・・・・・・・・」
リリアーナは困った。これはロクーの演技なのだろうか。それとも、本当に記憶が無いのだろうか。
『ロクーの言葉が正しければ、メイド長に会う前のロクーだよね。どうしよう?
 ケルビムの事とか、あの影のこととか聞いた方がいいのかな?』
リリアーナはテレパシーで、レベッカ以外の者に問い掛けてみた。
『一番良いのはリュックを取り上げて調べる事なんだろうけど・・・・・・私には無理かな』

レヘ「いやー、本当に待ってたんだよーロクー(愛好)
 急に君がはぐれちゃってたからさー、レベッカとっても心配しちゃったよー(愛好)」
ロク「はぐれてた?一体何のことだ?」
リリアーナは何か言おうとして息を吸い込んだが、空間の裂け目からどんどん水が流れ込んでくるのに気づいて焦った。
「そ、そんな事より大変なのよ!
 大雨が降って地上が大洪水で、ああ、雨はもう止んだんだけど、大量の雨水が地下へと流れ込んでるんだってば!!
 ナナナ!何とか水を止めないと私達溺死しちゃうわ!空間の裂け目をひとまず止めないと!!」
水位はどんどん上がってきている。
「ロクー、あなた本当に連れはいないの?
 もしも誰か同行者がいるのなら、一刻も早く知らせて助けてあげないと!」
どうやらリリアーナは、以前のクリムゾンヘッドが語った『妹に会う』という言葉を真に受けているようだ。

157 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/22(火) 13:06:45 P
>153-156
アナスタシアの言うとおりに大量に流れ込んでくる水
>「聞こえるか!?こちらへ逃げ込め!」
>「へっ!!――――わ、分かった!!皆急いで!!」
怪しげな黒い空間の裂け目に飛び込んむリリアーナ
それを追い掛けるフリージア
そこに待っていたのは自害したはずのロクーであった
>「貴様…ロクー!」
>「ロクー・・・・・・・・」
>「待たせたな!」
「あなたはロクー!?」
一テンポ遅れてあっと驚くフリージア
ゾンビからデュラハンにランクアップしたのかと思い首筋を見てみるが
傷ひとつ無いようだ・・・どうやら人間として蘇ったらしい

>「リリアーナ、一体何があったんだ?ミルクも変だぞ、まるで男じゃないか!」
まるで一部の記憶が抜けているかのような発言をするロクー

>『一番良いのはリュックを取り上げて調べる事なんだろうけど・・・・・・私には無理かな』
フリージアは考えた
本当に過去に戻っていたのならあのリュックの中身は大量の誘導追尾爆弾とノビールハンド
そして何かしらかのケルビムの手がかりである
いざという時はギズモにミサイルを破壊させるとして
影対策はどうすれば良いだろうか?
あらかじめロクーに光ってもらうのが一番だと思うが・・・・
ミシェル先生に目配せをするフリージア
いざとなったらお願いということである

>「いやー、本当に待ってたんだよーロクー(愛好)
 急に君がはぐれちゃってたからさー、レベッカとっても心配しちゃったよー(愛好)」
>「はぐれてた?一体何のことだ?」
>「そ、そんな事より大変なのよ!
 大雨が降って地上が大洪水で、ああ、雨はもう止んだんだけど、大量の雨水が地下へと流れ込んでるんだってば!!
  ナナナ!何とか水を止めないと私達溺死しちゃうわ!空間の裂け目をひとまず止めないと!!」
>「ロクー、あなた本当に連れはいないの?
 もしも誰か同行者がいるのなら、一刻も早く知らせて助けてあげないと!」

「そういえばそのおっきいリュック何が入ってるの?
 まだ入る余地があるなら宝物庫のお宝を詰め込めるだけ詰め込むべきだと思うんだ」
空気を読まずに発言するギズモ
「そんなことより今は生き残ることを考えますわよ!
 ロクーさんは発明家でしょ!
 空気ボンベか何か水の中でも死なないですむ発明品はありませんの?
 魔法も科学も人のために存在するはずですわよねぇ!!」
「この場合の人とは言語を喋る程度以上の知性を持った生命体の事を言います」
と自分も入っていることを強調するギズモ
フリージアさんはどうやらてんぱっていて上に逃げるという選択肢を忘れているようです
「これだけ水があれば上に上る階段とか作り放題じゃないの?」
氷を作る材料はいっぱいあるのだからと突っ込みを入れるギズモ
「分厚い天井をぶち抜けるほどのパワーがあるのならとっくの昔にやってますわ 
 それに天井をぶち抜いたら抜いたで天井の破片に潰されるのがオチですわ」
いくら上に昇った所で天井まで水が達したら終わりと反論するフリージアさん
一応上に逃げる事は考えていたようです
「何か天井を吹き飛ばしてなおかつ落ちてくる破片を浴びないですむ方法は無いのかしら?」
使えるものは敵でも使えとばかりに周りを見渡すフリージアさん
「手っ取り早く空間の穴をふさいだら?」
と何でも無いように言うギズモ
フリージアさんにはそんな能力は無いので無理です

158 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/23(水) 08:51:30 0
>156>157
> 「そ、そんな事より大変なのよ!
>  大雨が降って地上が大洪水で、ああ、雨はもう止んだんだけど、大量の雨水が地下へと流れ込んでるんだってば!!
>  ナナナ!何とか水を止めないと私達溺死しちゃうわ!空間の裂け目をひとまず止めないと!!」
> 水位はどんどん上がってきている。
>>「それは確かに大変だ!」
「(良かった、リーのおかげでロクーも水の問題に集中してくれそうだぜ。)」
> 「ロクー、あなた本当に連れはいないの?
>  もしも誰か同行者がいるのなら、一刻も早く知らせて助けてあげないと!」
>>「??俺に“連れ”?俺の守るべき仲間はお前らだぜ!」
「(殊勝なこった。だが、お前は後1時間もしない内に俺達を裏切ったんだ。
 貴様が忘れようとも、俺達はその事をずっと覚えているぞ。)」

> 「そういえばそのおっきいリュック何が入ってるの?
>  まだ入る余地があるなら宝物庫のお宝を詰め込めるだけ詰め込むべきだと思うんだ」
>>「何を考えているんだ!それは泥棒ではないか!」
「(やっぱり、リュックにふれると怒るのか?)」
> 「そんなことより今は生き残ることを考えますわよ!
>  ロクーさんは発明家でしょ!
>  空気ボンベか何か水の中でも死なないですむ発明品はありませんの?
>  魔法も科学も人のために存在するはずですわよねぇ!!」
>>「(フリージア、俺に敬称はいらないと何度言えばわかるんだ?
>> それに発明家って何の事だ?…まぁ、細かい事は気にしないんだぜ。)
>> フリージア、お前は自分が魔女だと忘れたのか!?
>> だったら、魔法でなんとかする方法を考えるんだ!」
「いやいや、フリージアに頭脳労働を期待すんじゃねぇよ(笑)」
>>「ところで、そういうお前は誰だ?」
「おん?名乗ったはずだぞ。俺はレベッカだが。」
>>「そうか、だが俺のほうがレベッカだ!!」
「意味わかんねーよ(笑)」

> 「これだけ水があれば上に上る階段とか作り放題じゃないの?」
>>「それだ!」
> 「分厚い天井をぶち抜けるほどのパワーがあるのならとっくの昔にやってますわ 
>  それに天井をぶち抜いたら抜いたで天井の破片に潰されるのがオチですわ」
「無血八極(ウーシエ・バーチー)のスペルカードで天井を破壊するのも考えたが、
 やっぱりそうなるだろうなぁ。」
> 「何か天井を吹き飛ばしてなおかつ落ちてくる破片を浴びないですむ方法は無いのかしら?」
>>「心配するなフリージア!俺がついている!俺の能力は知っているだろう、フリージア!?」
「(…何言ってんだ、ロクー?フリージアがお前の能力を知っていたら、
 フリージアはお前と敵対していたことになるんだぞ?
 それともノビール・アームの事を言ってんのか?でも、あれが何の役に立つってんだよ?
 …待てよ、そもそもノビール・アームが見えないぞ?前はリュックの外にまではみ出てたんだが…)」
> 「手っ取り早く空間の穴をふさいだら?」
「俺も同感だ。そもそもこの空間の裂け目を作ったのはターロンじゃなかったか?
 ターロンに塞がせろ。できなけりゃ、尻穴に俺をつっこんでやれ。」

レベッカはリリアーナとミルクに小声で呼びかけた。
「ロクーのノビール・アームがなぜか無くなってるぜ。
 あそこを見てみろ、リュックの口にさっきまで無かった隙間があるだろ?
 そこによ、ロクーに気づかれねぇように、俺の頭を近づけてみてくれよ。
 リュックの中身が確認できるかもしれねぇ。狭い隙間に挿入するのは俺の十八番だからな。」

159 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/23(水) 17:07:25 O
>154-158
必死で水から逃げて駆け込んだ宝物庫の中には、先客がいた。
長い茶髪を後ろで束ね、ジャージにリュックのその姿は…
>「貴様…ロクー!」
>「ロクー・・・・・・・・」
「げ…このタイミングで…」
こんなに早く再会するとは思ってなかった人物との思わぬ再会に、心の中にたちまち暗雲が立ち込める。
どう考えても待ち伏せ…だよねこれは…。
>>>「待たせたな!」
待ってない待ってない。
>「あなたはロクー!?」
「フリージア…反応遅れてるよ…ってリリアーナどこ行くの!?」
リリアーナはいきなりロクーの側に走り寄ると、の体を触って無事を確認し始めた。
不用心だろクリムゾンヘッドが出てきたらどうする…!ってあれ?
出てこない?なんか普通の反応?

>「よかったぁ・・・・・・・・・・・・・あ!ごごご、ごめん!!」
>>>「リリアーナ、一体何があったんだ?ミルクも変だぞ、まるで男じゃないか!」
「頼むからその事は言わないで…」
本当によかったよ…ロクーじゃなくてリリアーナが無事で…、なんて考えてる間に。
ロクーが妙なことを言い出した。
これは……例の時間巻き戻しの影響、か?
>『ロクーの言葉が正しければ、メイド長に会う前のロクーだよね。どうしよう?
> ケルビムの事とか、あの影のこととか聞いた方がいいのかな?』
聞かない方がいいよなー、鬼か蛇が出てきそうだし。
と思っても、伝えられないこの身の悲しさ。
口に出したらバレるから念を送っとくか。
聞くなよー絶対聞くなよー。

>「いやー、本当に待ってたんだよーロクー(愛好)
> 急に君がはぐれちゃってたからさー、レベッカとっても心配しちゃったよー(愛好)」
>>>「はぐれてた?一体何のことだ?」
>「そ、そんな事より大変なのよ!
> 大雨が降って地上が大洪水で、ああ、雨はもう止んだんだけど、大量の雨水が地下へと流れ込んでるんだってば!!
> ナナナ!何とか水を止めないと私達溺死しちゃうわ!空間の裂け目をひとまず止めないと!!」
>>>「それは確かに大変だ!」
> 「は、はわわわ!え〜と。え〜と…裂け目の塞ぎ方は…はわわわ〜」
幸い、リリアーナの機転で当面の話題は裂け目の止め方に移る。
確かにまあ、これは大事だ。
早く水止めないと、せっかく逃げてきた宝物庫で水死なんて事になりかねないし。
でもナナナは役に立ちそうにないしどうしたものかな…あれ?今、水の中で何か光ったような……?

あたしが恐る恐る裂け目に近づくと、水の中からから光の羽を羽ばたかせ、“何か”が飛び出してきた!
>>「お前なー!お姉ちゃんの手作りレモンパイを置いて逃げるって、どんな頭してるんだ!?」
「アホ姉!?なんで水の中に…って、まさかそれを取りに行ってたの!?」

160 名前:ミルク&アナスタシア ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/23(水) 17:09:45 O
驚いたことに、水から飛び出してきたのはびしょ濡れのアホ姉だった。
手には、レモンパイもどき入りのマジックレンジがしっかりと握られている。
>>「当たり前だろー!?早速ロクーにレモンパイ渡してやらないとダメなんだからな!」
どうもレモンパイもどき入りのマジックレンジを置き去りにしたのが、お気に召さなかったらしい。
だからって何も取りに戻らなくても…天使じゃなかったら死んでるぞ。
「それ渡すのは良いけど、ロクーにクリムゾンヘッドとかケルビムの話はしないでよ。
 せっかく今は落ち着いてるんだし、どうせならこのままでいて欲しいんだから」
>>「えー?面倒だなー。
>> お姉ちゃんはちょっとくらい刺激が欲しかったのに」
あたしはもうこれ以上いらないっつーの。

>「手っ取り早く空間の穴をふさいだら?」
>「俺も同感だ。そもそもこの空間の裂け目を作ったのはターロンじゃなかったか?
> ターロンに塞がせろ。できなけりゃ、尻穴に俺をつっこんでやれ。」
> 「開き方は聞いていましたが、閉め方までは聞いていませんでしたね。
>  ナナナさんがメイド長に連絡を取り、裂け目の閉じ方を聞くのはいかがですか?」
いいかげん水が溢れてきた裂け目から離れて戻ると、そこは裂け目閉じ方議論の真っ最中。
逃げ腰ターロンは槍レベッカに巻き付いて身を守ってるし。
ナナナはナナナで、はわはわ言いながら連絡を取ってるからまだ時間かかりそうだし。
とりあえず時間稼ぎを考えた方が良さそうだなこれは。
「ねえフリージア、溢れてきた水を凍らせて、とりあえず裂け目に蓋するとか出来ないかな。
 このままじゃ宝物庫で水死になるし、時間稼ぎになるんじゃないかと思ったんだけど…」

>「ロクーのノビール・アームがなぜか無くなってるぜ。
> あそこを見てみろ、リュックの口にさっきまで無かった隙間があるだろ?
「え?どこどこ…あ。あれか…」
レベッカに言われてみれば、確かにリュックの口に隙間が見えた。
でも狭い穴だな…あの大きさじゃ中が見えないんじゃないのか?
> そこによ、ロクーに気づかれねぇように、俺の頭を近づけてみてくれよ。
> リュックの中身が確認できるかもしれねぇ。狭い隙間に挿入するのは俺の十八番だからな。」
「頭って穂先の方?気づかれないようにするのは難しそうだけど…
 いくらなんでも槍持った人間が近くに来たら、警戒されるんじゃない?」
イヤな十八番だなおいと思いながらロクーの方を見ると。
マジックレンジ持ったアホ姉が、トコトコとロクーの方に近づいていくじゃないか。
良くやったお姉ちゃん!!これはチャンス!
「良し!あたしが行ってくる!
 ごめんリリアーナ、代わりにメイレンさんを預かってて!」
リリアーナから槍レベッカを受け取ると、あたしは急いでロクーに近づいた。

>>「ほれロクー。約束のレモンパイを用意してやったぞー。
>> あの後妹には会えたか?ん?」
ニヤニヤしながらマジックレンジを突き出すアホ姉。
言ってる言葉でクリムゾンヘッドが目覚めないかとヒヤヒヤものだけど、あのレモンパイは目を引くはず!
「あー、ほら、このレモンパイってば、あたしのお姉ちゃんの手作りなんだよ!
 ロクーの為に心を込めて作ったんだから、良かったら食べてやって!ね!?ね!?」
自分じゃ絶対食べたくないレモンパイに似た何かを、少しの罪悪感と共にロクーの手に押しつける。
……あれ。なんだか、ロクーの様子が…前よりロックに似てるような…
ええい!まあいいや行っちゃえーっ!
「あ!あんな所に猫耳を頭に着けた男が!」
ロクーとユリぐらいにしか通じないだろうことを言いながら、ビシッと魔本を指さして注意を引いて。
その隙にあたしは槍レベッカを、巻きついたターロンごとリュックの隙間に突き刺した!

161 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/25(金) 00:11:37 0
>「??俺に“連れ”?俺の守るべき仲間はお前らだぜ!」
「・・・?」
>「そういえばそのおっきいリュック何が入ってるの?
> まだ入る余地があるなら宝物庫のお宝を詰め込めるだけ詰め込むべきだと思うんだ」
>「何を考えているんだ!それは泥棒ではないか!」
「・・・・・・・・??」
(あれ?さっき会った時と言ってること全然違ってない?)

>「そんなことより今は生き残ることを考えますわよ!」
ロクーとの会話は微妙にかみ合わないものだったが、隙間から流れ込む大量の水に意識を集中せざるをえなくなる。
>「ロクーさんは発明家でしょ!
> 空気ボンベか何か水の中でも死なないですむ発明品はありませんの?(略)」
ロクーはいぶかしげな顔をした。この表情は見覚えがあったからだ。
リリアーナはあれ?何か変じゃない?といった顔をする。
>「フリージア、お前は自分が魔女だと忘れたのか!?
>  だったら、魔法でなんとかする方法を考えるんだ!」
「・・・・・・・え???」

上にあがる事を提案するギズモ。
だが天井を壊せば破片にうもれてしまうため、レベッカとフリージアは躊躇していた。
「大丈夫だよフリージア、レベッカさんと組めばあなたなら絶対出来るってば!」
>「心配するなフリージア!俺がついている!俺の能力は知っているだろう、フリージア!?」
「・・・・・・・・?!」
リリアーナの頬にぱっと赤味がさした。
彼女がよく知る、ロクーにそっくりな魔法学園生徒。
彼は、物体操作系の魔法が一番得意だったからだ。
リリアーナは期待と不安が入り混じったような顔で、目の前の青年をじっと凝視している。
足元の水嵩がどんどん増している様も、今はすっかり眼中に無いようだ。
「あの・・・・・・・ねえ、もしかしてあなた、ロッk」
だがリリアーナが言いかけた言葉を、水の中から飛び出した“何か”が遮ってしまった。
「キャ――――ッ?!」

現れたのはびしょ濡れのアナスタシアだった。
どうやら水中に置き忘れたレモンパイ入りのマジックレンジを、わざわざ潜って取ってきたようだ。
ミルクはアナスタシアと小声で何か話しているが、今は少し距離があるため内容までは聞き取れない。
「せ、先生透けてる!白衣!白衣が濡れて透けてますってば!!」
リリアーナはうろたえながらも、全く意に介していないアナスタシアに必死で訴えた。

>「手っ取り早く空間の穴をふさいだら?」
>「俺も同感だ。(略)ターロンに塞がせろ。できなけりゃ、尻穴に俺をつっこんでやれ。」
「分かった。じゃあターロン、初仕事だよ」
>「開き方は聞いていましたが、閉め方までは聞いていませんでしたね。
>   ナナナさんがメイド長に連絡を取り、裂け目の閉じ方を聞くのはいかがですか?」
「つまり、出来ない、と?
 ・・・・・・・・・ちょっとちょっと、何レベッカさんにしがみ付いてるのよ!!
 離れなさいよ、そして空間の穴をふさいでってば〜!!」
リリアーナはターロンをレベッカから引き剥がそうとするが、彼女の力ではどうにもならない。
ナナナがはわはわ言いながら空間の隙間を埋めようと焦っているが、
あの慌て具合ではとても間に合いそうもない。
>「ねえフリージア、溢れてきた水を凍らせて、とりあえず裂け目に蓋するとか出来ないかな。
> このままじゃ宝物庫で水死になるし、時間稼ぎになるんじゃないかと思ったんだけど…」
「それだわ!フリージアの氷で無理なら使い魔蝙蝠さん達に穴を塞ぐ手伝いをしてもらえばいいわよね!!」
どうもリリアーナは、使い魔の使いどころを勘違いしているようだ。
「そう言えばさっきからえらく静かだけど、死王と魔本はどこ行ったのかな?
 それとミシェル先生にベルジン先生、ニャンコ先生と連絡は取れました?
 私達全員が乗ってきた猫車は、もう動けるようになってればいいんだけど
 ・・・・・雨水に流されてなんかない・・・・・・よね?」

162 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/25(金) 00:22:47 0

>レベッカはリリアーナとミルクに小声で呼びかけた。
>「ロクーのノビール・アームがなぜか無くなってるぜ。
> あそこを見てみろ、リュックの口にさっきまで無かった隙間があるだろ? 」
(そういえば、ロックもあんなリュックを背負って、ジャージすがたで課題に出かけたのよね)
だから最初にロクーを見たとき、リリアーナは思いきりロックと勘違いしたのだった。
>レベッカに言われてみれば、確かにリュックの口に隙間が見えた。
>「そこによ、ロクーに気づかれねぇように、俺の頭を近づけてみてくれよ。
> リュックの中身が確認できるかもしれねぇ。狭い隙間に挿入するのは俺の十八番だからな。」
>「頭って穂先の方?気づかれないようにするのは難しそうだけど…
 いくらなんでも槍持った人間が近くに来たら、警戒されるんじゃない?」
「いや、その話なんだけどね、私が思うに、多分彼はロクーじゃなくてロ」
>「良し!あたしが行ってくる!
 ごめんリリアーナ、代わりにメイレンさんを預かってて!」
「え?あのミルク、ちょ、待っ・・・・・・・!話はまだうわああああ?!」
レベッカの代わりにメイレンを頼まれたリリアーナは、うっかり生首を落としかけた。
「もう、話まだ終わってないのに・・・・・・ごめんオウカさん、もう少しこうしててもいい?」
リリアーナはそわそわとジャージ姿の青年に視線を向けつつも、
引き続き、オウカが持っている玉の上にメイレンの首を乗せようとする。だが
「あれ?メイレン様の口に入れた雷龍の鱗は?」
リリアーナは不思議そうにメイレンの口元を覗き込んだ。

>「ほれロクー。約束のレモンパイを用意してやったぞー。
>  あの後妹には会えたか?ん?」
ニヤニヤしながらマジックレンジを突き出すアホ姉。
レンジの中を見たリリアーナは、なぜか大変なショックを受けていた。
>「あー、ほら、このレモンパイってば、あたしのお姉ちゃんの手作りなんだよ!
 ロクーの為に心を込めて作ったんだから、良かったら食べてやって!ね!?ね!?」
「レ、レモンパイなら私だって持ってるもん!
 そりゃ練習中の試作品だから、学園のおばちゃんみたいにうまく焼けてないけど・・・・・・。
 でもでも、私のは魔法使ってないもん!本当の意味で手作りだもん!!」
リリアーナはなぜかやたらとムキになっている。
「だから、食べるなら私のを食べてよ、ロック!」
>「あ!あんな所に猫耳を頭に着けた男が!」
>ビシッと魔本を指さして注意を引いて。
>その隙にあたしは槍レベッカを、巻きついたターロンごとリュックの隙間に突き刺した!

その頃のルズはというと。
「はい、ちょっとそこのおっぱい詰めて詰めて〜ん」
といいながら、ナナナのエプロンとメイド服の隙間に入り込んできた。
「猫は水が嫌いなのですわ〜。ああ、何だか寒気が〜。めまいが〜。
 わたくしったら冷たい雨水のせいで、凍え死んでしまうかもですわ〜」
そこでルズはあてつけがましく、ごほごほと咳き込んだ。
――――だが実は、ルズは(愛の力で)寒さを既に克服済である。
残念ながらナナナは知る由も無いのだが。

「キャーフリージア女王様〜ん、あなたのルズがついておりますわ〜。
 ラブパワーで頑張って〜ん!」
黄色い声で声援を送っていたルズだったが、ふと何か考えが浮かんだようだ。
「わたくし、ちょっと気になっておりますのよ〜。
 ああ、あなたのバスとサイズは把握済みですわ。
 そうではなくて、リリアーナの髪と雷龍の鱗の行方ですわ〜。
 あれは一体、どうなってしまったのかしら〜ん?」
どこかに落としたのだろうか?それとも・・・・・・。

仮に生首メイレンが食べたと仮定すると、ひとつ問題が発生する。
それは、メイレンが人肉を食べることであり、中でも若い男が大好物だということだ。

163 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/26(土) 09:01:22 0
>160>162
> 「頭って穂先の方?気づかれないようにするのは難しそうだけど…
>  いくらなんでも槍持った人間が近くに来たら、警戒されるんじゃない?」
「たしかに…だが、安心しな。おめぇの姉貴が警戒される役を引き受けたらしいぜ。」
> 「いや、その話なんだけどね、私が思うに、多分彼はロクーじゃなくてロ」
> 「良し!あたしが行ってくる!
>  ごめんリリアーナ、代わりにメイレンさんを預かってて!」
「久しぶりの挿入だ。緊張するぜ。」
> 「え?あのミルク、ちょ、待っ・・・・・・・!話はまだうわああああ?!」
レベッカとミルクはリリアーナの言葉が耳に入らなかったようだ。
リリアーナに預けられたメイレンの顔が、
何これ?辛い…的な顔であったことも気づかなかったのである。

> >>「ほれロクー。約束のレモンパイを用意してやったぞー。
> >> あの後妹には会えたか?ん?」
>>「誰だあんたは!?それにその格好は、扇情的すぎるぜ!
 (鼻血は出ないぜ!俺はロリコンじゃないからな!)」
> 「あー、ほら、このレモンパイってば、あたしのお姉ちゃんの手作りなんだよ!
>  ロクーの為に心を込めて作ったんだから、良かったら食べてやって!ね!?ね!?」
>>「これがレモンパイだと!?じゃあ、俺は何なんだ!?」
「(レモンパイが異形なのはわかるが何故そこで自分のアイデンティティがぐらつくんだよw)」
> 「レ、レモンパイなら私だって持ってるもん!
>  そりゃ練習中の試作品だから、学園のおばちゃんみたいにうまく焼けてないけど・・・・・・。
>  でもでも、私のは魔法使ってないもん!本当の意味で手作りだもん!!」
>>「落ち着けリリアーナ!俺は人前でいちゃいちゃするのは嫌いだと知ってるだろ!」
「(リーの奴、なんであんなにムキになってんだ?)」
> 「だから、食べるなら私のを食べてよ、ロック!」
「(よく言ったリーwお許しがでたんだwレモンパイごとリーを食っちまえロックw
 上げ膳すえぬは男の恥だぜぇいwww……あれ?今、リー、何て言った?)」

> 「あ!あんな所に猫耳を頭に着けた男が!」
>>「何!猫耳のおっさんのことかー!!」
「(まさか本当に釣られるとは…)」
ミルクはその隙に槍レベッカを、巻きついたターロンごとリュックの隙間に突き刺した!
「………」
リュックから出てきたレベッカは、ミルクの耳元で囁いた。
「あ…ありのままに今見てきた事を話すぜ。
 俺はさっきロクーのリュックの中に入ったと思ったら長い髭の爺さんが紅茶を飲んでいる部屋にいた。
 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何が起こったのかわからなかった。
 頭がどうかなりそうだぜ。だが、ただ一つ、はっきりとわかることがある。
 俺にいたずらっぽくウィンクしたあの爺さんに…俺達は誰一人として勝てねぇってことだ。 
 あの爺さんが紅茶をかき回すスプーンの動きを見ただけで、なぜかどうしようもなくそう感じちまったんだ。」

164 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/26(土) 11:26:11 P
>158−163
>「俺も同感だ。そもそもこの空間の裂け目を作ったのはターロンじゃなかったか?
  ターロンに塞がせろ。できなけりゃ、尻穴に俺をつっこんでやれ。」
「蛙のお尻にストローを突っ込んで息を吹き入れるんだね・・・・わかるよ」
なぜ魔界出身のギズモがそんな知識を持っている?
>「分かった。じゃあターロン、初仕事だよ」
ターロンいわく空間の閉じ方なんて知らないという事である
「駄目じゃん」
とギズモ
>「ねえフリージア、溢れてきた水を凍らせて、とりあえず裂け目に蓋するとか出来ないかな。
  このままじゃ宝物庫で水死になるし、時間稼ぎになるんじゃないかと思ったんだけど…」
>「それだわ!フリージアの氷で無理なら使い魔蝙蝠さん達に穴を塞ぐ手伝いをしてもらえばいいわよね!!」
「出来るかどうかいまいち不安だけれどやってみますわ」
と空間の隙間から溢れ出す水を凍らせるフリージア
はたして蓋は出来るのだろうか?
それとも水の重さに負けてしまうのか?

レモンパイについてアナスタシアと揉めるリリアーナ
>「だから、食べるなら私のを食べてよ、ロック!」
「ロック?」

>「あ!あんな所に猫耳を頭に着けた男が!」
>「何!猫耳のおっさんのことかー!!」
「猫耳のおじ様を知っている・・・・って事はやっぱりロック
 本物のロックですのね!!」
だがやはり確定の域まで達していない
「本物のロックなら片目は義眼のはずですわよね
 リリアーナさん確かめて頂戴」

確認中

「・・・・・・って何でロックがムー大陸にいますのよ!
 さっきあなたのバッタモノと戦ったからてっきり勘違いしたじゃありませんの!!」
「な、なんだってロックお兄ちゃんなの!?」
あっと驚くギズモちゃん
だがどこがどう違うのかギズモには皆目検討がつかなかった

>「あ…ありのままに今見てきた事を話すぜ。
  俺はさっきロクーのリュックの中に入ったと思ったら長い髭の爺さんが紅茶を飲んでいる部屋にいた。
  な…何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何が起こったのかわからなかった。
  頭がどうかなりそうだぜ。だが、ただ一つ、はっきりとわかることがある。
  俺にいたずらっぽくウィンクしたあの爺さんに…俺達は誰一人として勝てねぇってことだ。 
  あの爺さんが紅茶をかき回すスプーンの動きを見ただけで、なぜかどうしようもなくそう感じちまったんだ。」
「いたずらっぽくウィンクしたあの爺さん・・・・学園長だそれぇ!?」
ついうっかり突っ込んでしまったギズモ
「ちょっとそれもしかしてリュックの中はゲートになってて学園長室につながってるって事ですの!?」
だとしたらリュックの中に飛び込めば全員学園に戻れるはずである
はたしてどうするべきなのだろうか?
「とりあえずルズさんならサイズ的にリュックに入れるはずだから本当に学園長先生かどうか確かめなさいな」

165 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:43:01 0
使い魔の蝙蝠たちによりターロンはあっけなく捕まってしまった。
「うわぁ…あっけない」
そんなによわっちくなっていたとは思わなくて、ヴァンエレンは呆然としてしまう。
たいした力もなくなって、地上の雨は消えて水は引いていったようだ。

ミシェルが死王をみている。
視線に気がつき両者の目が合わさる。
『あ?』
目と目が合う〜
瞬間んんん!!
>「あっ!ミシェル先生にアナスタシア先生!ご無事でしたか!!」
強引にリリアーナが間に入って、なんとかこれ以上の騒動を起こされないようにがんばっている。
『くけけけ…苦労性だな。
 そんなんじゃハゲるぞ?』

結局、ターロンは殺すことなくレベッカの使い魔になることになりました。
『甘いねぇ。
 あめぇよ…』
泣き叫ぶ処刑のサマをみたかった死王は至極残念そうである。
>「いきなりお尻に突っ込むのはアレだから、口でまず試してみようよ。
>だめならお尻を試せば良いんだから。
>あ、その時はヴァンエレン、私の代わりによろしくね」
「え?
 ファッツ?
 えーーーーーーーー!?」
これはリリアーナの罠じゃ。

>「聞こえるか!?こちらへ逃げ込め!」
たまった水がいよいよ地下にやってきたようだ。
レベッカが急いで誘導をしている。
「了解!
 逃げるのは得意だ!」
空間の裂け目に逃げ込んで、宝物庫へ移動する。

そこで待っていた者…ロクーがじゃーん!じゃーん!と現れた。
>>「待たせたな!」
「げぇ!?ロクー!!」
どうやら時間の巻き戻しは記憶も過去の状態に戻ってしまうらしい。
使えるがかなりデメリットも大きい諸刃の剣のようである。
しかし今はロクーにかまっている暇はない。
水をはやく止めねば皆溺れ死んでしまってバッドエンド「仕方ないね、じゃあみんなゾンビになろうよ」エンドになってしまう。
吸血鬼としても流水だけはなんとか避けたいところですね。
>「それだわ!フリージアの氷で無理なら使い魔蝙蝠さん達に穴を塞ぐ手伝いをしてもらえばいいわよね!!
「いや、無茶言わないでください」
さすがにそれはないと呆れながらリリアーナにその提案を拒否するヴァンエレン。

現れたロクーは実はロックだったんだよ!!
「な、なんだってー!!どういうことだ死王?!」
『ため口聞くんじゃねぇよ』
「すいませんでした!
 …んで、しおーさん。
 あなた何しているのですか?」
ヴァンエレンに本を持たせて空間にゲートを発生させる。
そしていそいそとくぐってあきらかに移動しようとしている死王。
『なにって?
 帰るに決まっておろう。
 その本、ちゃんと校長かターナーのバカに渡しておけよ』
さらばしおーフォーエバー。
唯我独尊、自分勝手、死王はそうヴァンエレンに命令するとゲートの中へ入って学園へと帰っていった。
「か、帰んな!コラァ!」

166 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/12/28(月) 02:06:23 O
>「もう、話まだ終わってないのに・・・・・・ごめんオウカさん、もう少しこうしててもいい?」
「あぁ、構わないが…」
そういう桜花の目はロックに釘付けであった
(ロック?ロクーではないのか?なんだ知り合いなのか?そしてなんだリリアーナさんのデレデレっぷりは?)
ロックの事を知らない桜花は当然リリアーナのデレデレっぷりの理由も分からない。
(解せぬ…)
自然と眉間のシワが深くなる
そのままふとメイレンに視線を落とす。
>「あれ?メイレン様の口に入れた雷龍の鱗は?」
>リリアーナに預けられたメイレンの顔が、
>何これ?辛い…的な顔であったことも気づかなかったのである。
「…………!?」
明らかにメイレンの表情が変わっている。
「メイレンさん…?メイレンさん…?」
何度か呼び掛けてみる桜花、果たして効果はあるのだろうか?


167 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 遅れてごめん…] 投稿日:2009/12/28(月) 18:11:29 O
>161-165
>>>「何!猫耳のおっさんのことかー!!」
おっさんとか言ったらあの猫耳男怒り出しそうな…ん?猫耳のおっさん?
>「猫耳のおじ様を知っている・・・・って事はやっぱりロック
> 本物のロックですのね!!」
「えええっ!?本物のロックって…ロックは今フィジルにいないのに!?偽物じゃないの!?」
>「本物のロックなら片目は義眼のはずですわよね
> リリアーナさん確かめて頂戴」
…フリージアは案外冷静だった。

>「・・・・・・って何でロックがムー大陸にいますのよ!
> さっきあなたのバッタモノと戦ったからてっきり勘違いしたじゃありませんの!!」
>「な、なんだってロックお兄ちゃんなの!?」
「じゃあ本当に本物のロックなの!?
 それならそうと早く言ってよ…ってかリリアーナももっと早く気づいてよ!」
リリアーナによる首実検の結果、ロクーだと思ってたのは本当にロックだった。
フィジルにもいないはずのロックがムウ大陸にいるだなんて、まるっきりあたしの理解の範疇を超えてる。
とはいっても、当分会えないって思ってた友達に会えるのは、やっぱり純粋に嬉しい。

「ごめんロック、フリージアが言ってる偽物が姿形から服装までロックにそっくりでさ。
 ついうっかり警戒してリュックに槍を突き入れちゃったんだよねー。あはは…
 と、とにかくすぐ抜くから!」

168 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2009/12/28(月) 18:15:13 O
>「………」
>>「………」
慌てて引き抜くと、槍レベッカもターロンも沈黙を守ったまましゃべり出さない。
一体中で何見たんだ……いや、やっぱ何でもいいや。
どうせロックのリュックの中身なんか警戒する必要ないんだし。
「あ、ごめんレベッカ。実はこちら、ロクーじゃなくて元学園生徒のロック…」
>「あ…ありのままに今見てきた事を話すぜ。(ry
なんか様子がおかしいなと思ってるうちに、レベッカは信じられない物を見たと言いたげに話し出す。
> あの爺さんが紅茶をかき回すスプーンの動きを見ただけで、なぜかどうしようもなくそう感じちまったんだ。」
「…は?リュックの中に部屋があって爺さんが紅茶飲んでるってどんな状況よ?」
さすがにそれは頭がどうかしてるんじゃないか、と言おうとした所で。
ギズモが叫んだ。
> 「いたずらっぽくウィンクしたあの爺さん・・・・学園長だそれぇ!?」
>「ちょっとそれもしかしてリュックの中はゲートになってて学園長室につながってるって事ですの!?」
「ちょ…!どういう事よロック!
 本当にそのリュックの中は学園長室に繋がってるの!?
 てかロックはどうやって何が目的でムウ大陸に来たの!?
 若返りの秘薬がとか妹が病気でとかじゃないよね!?」

>「か、帰んな!コラァ!」
ヴァンエレンの声のした方を見ると、死王様黒猫がゲート開いてスタスタどこかに移動中だった。
「ちょっと待て、帰ってもいいけどあたしたちも……あぁぁ逃げられたぁ!!」
見た感じ学園につながってたゲートは、死王が移動し終わるとさっさと消えてしまった。
「…あのゲートに入れれば一緒に学園に帰れたのに…そうだヴァンエレン!
 今からでもさっきのゲートをもう一回呼び出せない!?
 ヴァンエレンも一応アンデッド仲間でしょ!?
 がんばって呼びかけたら、もう一回ゲートが開いてくれるかも!」

169 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/12/28(月) 21:13:33 0
 

170 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 09:25:36 0
>164>166>167>168
> 「メイレンさん…?メイレンさん…?」
> 何度か呼び掛けてみる桜花、果たして効果はあるのだろうか?
>「にゃ〜ん↓」
非常にテンションが低いが、メイレンが返事をした。
なんと彼女は生きていたのだ。だが、しかし、虫の息であるのもまた事実。
栄養を補給しなければ彼女はこの先生きのこれないだろう。
>「男…若い男を食べたい…」
メイレンが上目づかいでオウカをじっと見つめた。
オウカが今知っている若い男はただ一人である。

> 「猫耳のおじ様を知っている・・・・って事はやっぱりロック
>  本物のロックですのね!!」
とフリージア。
> 「えええっ!?本物のロックって…ロックは今フィジルにいないのに!?偽物じゃないの!?」
とミルク。
「俺はロクーはかわいらしい愛称で呼ばれてるかと思ったが、そんなことは無かったぜ!」
ロックもついに自分が誰か別人と勘違いされていた事を悟ったようだ。
> 「本物のロックなら片目は義眼のはずですわよね
>  リリアーナさん確かめて頂戴」

確認中(抱きしめたくても今は我慢だぜ! byロック)

「俺を知らない奴もいるみたいだから自己紹介するぜ!
 夢と希望と真実と勇気と自由と正義と愛と平和と“か弱き女性”を守る使者!
 不条理だらけの世の中で!愛と勇気と希望を抱き!正義の拳で悪を討つ!
 どんな逆境にも負けない愛の為に生きる男!
 ロック・ウィルとはこの俺のことだ!!」
> 「・・・・・・って何でロックがムー大陸にいますのよ!
>  さっきあなたのバッタモノと戦ったからてっきり勘違いしたじゃありませんの!!」
> 「な、なんだってロックお兄ちゃんなの!?」
> 「じゃあ本当に本物のロックなの!?
>  それならそうと早く言ってよ…ってかリリアーナももっと早く気づいてよ!」
でも、そもそもの原因はレベッカが『ロクー!』と叫んだことでもある。
きっとレベッカのまとめは“ミスリード役”とか書かれるに違いない。
「俺は細かい事は気にしないんだぜ!」

171 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 09:27:48 0
> 「ごめんロック、フリージアが言ってる偽物が姿形から服装までロックにそっくりでさ。
>  ついうっかり警戒してリュックに槍を突き入れちゃったんだよねー。あはは…
>  と、とにかくすぐ抜くから!」
ここで件のレベッカの謎の発言に繋がる。
> 「いたずらっぽくウィンクしたあの爺さん・・・・学園長だそれぇ!?」
とギズモ。
>>「おぉ、そうだ。たしかに学園長はあんな感じの爺さんだった気がするぜぇ。」
とレベッカ。
> 「ちょっとそれもしかしてリュックの中はゲートになってて学園長室につながってるって事ですの!?」
とフリージア。
> 「ちょ…!どういう事よロック!
>  本当にそのリュックの中は学園長室に繋がってるの!?
>  てかロックはどうやって何が目的でムウ大陸に来たの!?
>  若返りの秘薬がとか妹が病気でとかじゃないよね!?」
とミルク。
「俺のリュックの中が学園長室に繋がってるわけがないだろ!
 俺はフィンカイラ島から帰る途中に中つ国にいた学園長に会って、
 “姿くらましの術”で一緒に学園に帰ろうとしたら、何故か俺だけこの場所に飛ばされたんだぜ!
 そういえば学園長は、『みんなにはもっと笑いが必要なのじゃ』って言ってたが、
 俺が傍にいて笑うのはリリアーナくらいしか思いつかないんだぜ!」
ロックはさりげなくのろけた。

> 「とりあえずルズさんならサイズ的にリュックに入れるはずだから本当に学園長先生かどうか確かめなさいな」
「たぶんそれは無理だぜ?」
とロックは言いながら、背負っていたリュックを下に置いた。
ポ「OH,NO!またお尻が濡れてしまいました!」
リュックの口から、女性の顔がにゅっと飛び出した。彼女を知らない人には説明が必要である。
ギリシア式のスフィンクス、名前をポンデという。なぞなぞが好きな彼女にとって、ロックは良い相手である。
彼女がリュックに入っていたのだから、リュックの中にルズが入ることも、
リュックの中が学園長室に通じている事も、ロックにとってはありえないことだった。
ポ「私が道を歩いている時、反対の方向から、赤い洗面器を頭の上に乗せた男が歩いてくるのが見えました。
  洗面器には水がなみなみと張られ、男はそれを一滴もこぼさないように、そろ〜り、そろりと歩きます。
  私は男に、何故そんなことをしているのかと尋ねました。さて、男は何て答えたでしょうか?」
ポンデはいきなり皆になぞなぞを出した。これに正解したらどうなるのだろうか?
「吸血鬼のおっさんがセクシーになってるぜ!どうなってんだ、ミルク!」
ロックに無視されたポンデはすごく、すごく怖い顔をした。

172 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 16:55:56 O
>「にゃ〜ん↓」
非常にテンションが低いが、メイレンが返事をした。
「……メイ…レンさん」
メイレンは生きていた。
この事実は桜花にとって喜ばしい事であった。
「本当に……良かった………本当に…」
ポロポロと涙を流しながら喜ぶ桜花
メイレンがどう思っているかはわからないがムムムとの戦いの時、桜花はメイレンのおかげで生き延びている。
命の恩人が生きていたのだ
「……すみません…お見苦しい所を見せました。」
涙を拭き、このグッドニュースを皆に伝えようと顔を上げようとするが

>「男…若い男を食べたい…」
メイレンが上目づかいでオウカをじっと見つめた。

メイレンの言葉に苦い顔する桜花
若い男は確かにいる。
だが、人を食べさせる訳にはいかない。
「申し訳ない、メイレンさん…人を食べさせる訳にはいきません。ですが…」
周りの人に見えないように何かの準備を始める桜花
「この命は貴女から貰ったもの。差し出すのは流石に躊躇いがありますが。
腕の一本くらい…ならば」右肩に自分のナイフをあてる。
「私は若い男ではないですがね」
誰かが気付き止めないと桜花の右腕は切り落とされメイレンのお腹行きになるであろう

173 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 20:37:39 0
>157-172
>「えええっ!?本物のロックって…ロックは今フィジルにいないのに!?偽物じゃないの!?」
>「俺はロクーはかわいらしい愛称で呼ばれてるかと思ったが、そんなことは無かったぜ!」
ロックもついに自分が誰か別人と勘違いされていた事を悟ったようだ。
>「本物のロックなら片目は義眼のはずですわよね リリアーナさん確かめて頂戴」
「知らないわよ、こんな朴念仁!」
ロックにいちゃいちゃするのは嫌いといわれて臍を曲げていたリリアーナだったが、
フリージアの言葉には裏腹に素直に動いた。
ロックが、目の事に触れられるのがあまり好きではないからだ)

リリアーナは怒った顔でずんずんロックに近寄ると、
「はい」
と、ロックの鼻先に手を突き出した。
「・・・・・・メガネ。外して。ついでに拭いてあげる。汚れてるし」
リリアーナはロックからメガネを受け取ると、汚れをきれいに拭き取った。
もっとも長い前髪に遮られ、ロックの片目が紺色でないことまでは見えないだろうが。
「かなり過酷な旅だったみたいだね。し、心配なんか!全然してなかったけどね!
 で、課題は・・・・・・アンジェリーナ先生にはちゃんと逢えたの?
 私に話せる分だけでもいいから、後でちゃんと聞かせなさいよね。
 えっと・・・・・・その・・・・・ぉ、お帰り。―――― はい!終わり終わり!!」
リリアーナはロックの長い前髪を引っ張ると、ちょっと乱暴な手つきでメガネを戻した。
「今度こそ本人で間違いないみたい」

「じゃあ本当に本物のロックなの!?
 それならそうと早く言ってよ…ってかリリアーナももっと早く気づいてよ!」
「・・・・・・・・・・ごめん」
リリアーナはしょんぼりとうな垂れた。
初見で見抜けなかったのが、本人にとってもかなり堪えたようだ。
>「俺は細かい事は気にしないんだぜ!」
リリアーナの顔がぱっと明るくなった。分かりやすい奴である。

>「俺を知らない奴もいるみたいだから自己紹介するぜ! (中略)
 ロック・ウィルとはこの俺のことだ!!」
ルス「他にも物理の成績ランキング第1位とか〜暑苦しい男ランキング第1位とか〜
   抱かれたくない男ランキングとか第1位とか〜リリアーナに殴られた回数ランk」
「わー!ルズ、しーっ!し―― っ!!」
リリアーナは大慌ててルズの台詞を遮った。

なぜ課題に行っていたロックがムウ大陸にいるのか?
そして、彼のリュックの中に学園長がいたというレベッカの目撃証言に、一同騒然となる。
だが当のロックはそんなはずが無いと断言した。
>「俺のリュックの中が学園長室に繋がってるわけがないだろ!
> 俺はフィンカイラ島から帰る途中に中つ国にいた学園長に会って、
> “姿くらましの術”で一緒に学園に帰ろうとしたら、何故か俺だけこの場所に飛ばされたんだぜ! 」
「学園長と2人だけ?他には?」
> そういえば学園長は、『みんなにはもっと笑いが必要なのじゃ』って言ってたが、
> 俺が傍にいて笑うのはリリアーナくらいしか思いつかないんだぜ!」
「・・・・・・・・・・!・・・・・・・・・!!」
リリアーナはしばし言葉を失った後、無言でロックの背中をぽかぽか叩いた。

174 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 20:38:48 0
>「とりあえずルズさんならサイズ的にリュックに入れるはずだから
> 本当に学園長先生かどうか確かめなさいな」
ルス「え〜?まあ、フリージア女王様がどうしてもとおっしゃるなら・・・・・・・」
>「たぶんそれは無理だぜ?」
ルス「わたくしに命令すんな、ですわ〜ん。
  フリージア女王様は絶対なのですわ〜ん!フェード!イーン!!」
ルズは無意味な掛け声とともに、ロックが下ろしたリュックに飛び込もうとする。だがしかし。
ポ「OH,NO!またお尻が濡れてしまいました!」
ルス「ぎゃふんっ?!」
リュックの口から、女性の顔がにゅっと飛び出した。ルズはスフィンクスの顔にぶち当たった。
ルス「ほ、星が綺麗ですわ・・・・・・・がぼげぼがぼ」
ルズはそのままぶくぶくと水の中に落ちた。
ルス「た〜すけて〜ん、誰か助けて〜ん、溺れる〜ん」

>「か、帰んな!コラァ!」
>ヴァンエレンの声のした方を見ると、死王様黒猫がゲート開いてスタスタどこかに移動中だった。
>「ちょっと待て、帰ってもいいけどあたしたちも……あぁぁ逃げられたぁ!!」
「え――――!!帰っちゃった?!どうやって?!死王ってば凄い!!」
手順を踏まないとムウ大陸に来れなかったリリアーナは、素直に死王の能力に感心している。
>「…あのゲートに入れれば一緒に学園に帰れたのに…そうだヴァンエレン!
> 今からでもさっきのゲートをもう一回呼び出せない!?」
「確か魔本残してったよね?それがあれば、死王召喚呪文くらい簡単にできるんじゃないの?
 何だっけ?犬耳の萌え少女だっけ?」
地下図書館での力関係をしらないリリアーナは、好き勝手な事を言った。
「そういえば、ニャンコ先生は大丈夫なのかな〜。水に流されたりしてないかな。
 ミシェル先生、ちょっといいですか?
 ニャンコ先生〜?!聞こえますかニャンコ先生〜!!大水が来てますが、そっちは大丈夫ですか〜!!」
リリアーナはミシェルの手に持っていた招き猫に向かって、大声で呼びかけてみた。

「う〜ん、やっぱり学園長入ってないね」
リリアーナはポンデの隙間からリュックの中を覗いたが、やはり中はよく見えない。
>「私が道を歩いている時、反対の方向から、赤い洗面器を頭の上に乗せた男が歩いてくるのが見えました。 (略)
> 私は男に、何故そんなことをしているのかと尋ねました。さて、男は何て答えたでしょうか?」
>「吸血鬼のおっさんがセクシーになってるぜ!どうなってんだ、ミルク!」
「は・・・・・・はいはいはーいっ!!ポンデ、そのなぞなぞに私が答えてもいいのかなっ?!」
ポンデの顔を見たリリアーナが、焦りまくって手を挙げた。
「えっとね、なぞなぞの答えだけど、多分その男は――――・・・ん?!」
視界の端にキラッと光る何かを見たような気がして、リリアーナはふと顔を上げた。
>「この命は貴女から貰ったもの。差し出すのは流石に躊躇いがありますが。
>腕の一本くらい…ならば」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってオウカさん、何するつもりなの!!」
右肩に自分のナイフをあてる。
>「私は若い男ではないですがね」
「何かよく分からないけど、とにかく短気はダメ―――― っ!!」
リリアーナは慌ててオウカの左腕に縋りついた。

「若い男といえば、ターロンとやらはどこ行ったのかしらね〜ん?
 あれも男の端くれですわよね〜?あいつの尻尾を毟って食べるのではだめなのかしら〜ん?」
びしょ濡れのルズはきょろきょろとターロンを探した。

175 名前:ナナナと魔本とターロンと先生 ◇9DoC6dU6XQ の代理投稿[sage] 投稿日:2009/12/30(水) 23:42:17 0
>170-174
>「はい、ちょっとそこのおっぱい詰めて詰めて〜ん」
「ひゃあっ!?どどど、どこに入ってくるんですか〜!?」
ナナナは慌てて服の間に入ってきたルズを追い出そうとするが、ルズの言葉を聞いてその手を止める。
>「猫は水が嫌いなのですわ〜。ああ、何だか寒気が〜。めまいが〜。
> わたくしったら冷たい雨水のせいで、凍え死んでしまうかもですわ〜」
「そ、そうだったんですか〜!?それでは速く暖まらないと駄目ですよ〜!」
咳まで入れる演技にころりと騙されたナナナは、ギュッと強くルズを抱きしめた。

>「わたくし、ちょっと気になっておりますのよ〜。
「え?なにがですか?」
> ああ、あなたのバスとサイズは把握済みですわ。
> そうではなくて、リリアーナの髪と雷龍の鱗の行方ですわ〜。
> あれは一体、どうなってしまったのかしら〜ん?」
「ななななな!ど、ど、ど、どうしてそんな事知ってるんですか〜!?
 言っちゃダメですよ!?絶対他の人に言っちゃダメですよ!?
 あ…でも、確かに髪も鱗も誰も取っていないはずですし…どこかに落ちたんでしょうか?」
メイレンが人食いとは知らないナナナは、キョロキョロと床を見回す。
だが髪はともかく、鱗は落ちてはいない。

>「確か魔本残してったよね?それがあれば、死王召喚呪文くらい簡単にできるんじゃないの?
> 何だっけ?犬耳の萌え少女だっけ?」
>>「バカモノ!呼んですぐ会える関係に萌えがあると思っているのか!?
>> 会いたくても会えないからこそ、会った時のときめき度が上がるのではないか!」
死王も気軽に呼べると言われて、魔本となった猫耳男はリリアーナに怒った。
呼べる呼べないはともかく、魔本の意志を変えない限り本に書かれた魔法は使えない。

>「そういえば、ニャンコ先生は大丈夫なのかな〜。水に流されたりしてないかな。(中略)
>> ミシェル先生、ちょっといいですか?
>> ニャンコ先生〜?!聞こえますかニャンコ先生〜!!大水が来てますが、そっちは大丈夫ですか〜!!」
> 「聞こえておるからそんなに大声を出すな」
ミシェルの持った招き猫からニャンコ先生の声がした。
だがその声は、うっかりすると聞き逃しそうなほど小さい、消え入りそうな声だ。
> 「そちらの状況は知っているが、魔力が足りぬ為にすぐにはゲートを開けん。
> しばらく待てば回復するからもう少し後で声をかけよ」
ニャンコ先生はそう言うと、また黙ってしまった。
しかし魔力の流れがわかる人は、ニャンコ先生が魔力を周囲から集めている事に気づけるだろう。

>「若い男といえば、ターロンとやらはどこ行ったのかしらね〜ん?
> あれも男の端くれですわよね〜?あいつの尻尾を毟って食べるのではだめなのかしら〜ん?」
「メイレン様のためならこの尻尾を差し出してもよろしいが、私は妖怪であり人間ではありません。
 私の体でメイレン様が満足されるかどうかは、甚だ疑問です。
 それよりも、龍玉の力をメイレン様にもっと送られてはいかがでしょいか?
 空腹はすなわち体内の気の枯渇の予報です。
 体内に龍気を満たし、力充実するならば自ずと空腹であっても満ち足りましょう」
ターロンが手の平を返したように協力しているのは、次の野望達成の時まで待つのが有利と判断したからだ。
長い時を生きるターロンには、目先のプライドを守るよりも長い目で見た保身が必要になる。
ターロンからすれば、この変わり身の早さは当然なのだ。


176 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2009/12/31(木) 02:09:26 P
>165-175
>「OH,NO!またお尻が濡れてしまいました!」
>「た〜すけて〜ん、誰か助けて〜ん、溺れる〜ん」
フリージアの指示に従うもリュックからポンデが出て来たことで失敗して水に溺れるルズ
「何やってますのよまったく・・・・」
あきれた顔でルズを回収するフリージア
残念ながらリュックに掛けてあったのは幻術の類だったらしい
「これで帰る方法は振り出しに戻りましたわね」
死王が勝手に帰ったため学園までのゲートを開ける人間・・・・いや人間じゃないけどさ
学園までのゲートを開ける人はいなくなった

>「私が道を歩いている時、反対の方向から、赤い洗面器を頭の上に乗せた男が歩いてくるのが見えました。
  洗面器には水がなみなみと張られ、男はそれを一滴もこぼさないように、そろ〜り、そろりと歩きます。
  私は男に、何故そんなことをしているのかと尋ねました。さて、男は何て答えたでしょうか?」
「私はその答えを知っているけど教えられませんわ」
なぜか正解を言おうとしないフリージア
なおかつほぼ答えを言っているフリージア
>「は・・・・・・はいはいはーいっ!!ポンデ、そのなぞなぞに私が答えてもいいのかなっ?!」
>「えっとね、なぞなぞの答えだけど、多分その男は――――・・・ん?!」
>「この命は貴女から貰ったもの。差し出すのは流石に躊躇いがありますが。
>腕の一本くらい…ならば」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってオウカさん、何するつもりなの!!」
なぜかいきなり自傷しようとしている桜花
それを必死で止めるリリアーナ
「なんだかよくわからないけれどなぞなぞどころじゃ無いみたいですわね」

>「若い男といえば、ターロンとやらはどこ行ったのかしらね〜ん?
 あれも男の端くれですわよね〜?あいつの尻尾を毟って食べるのではだめなのかしら〜ん?」
>「メイレン様のためならこの尻尾を差し出してもよろしいが、私は妖怪であり人間ではありません。
  私の体でメイレン様が満足されるかどうかは、甚だ疑問です。
  それよりも、龍玉の力をメイレン様にもっと送られてはいかがでしょいか?
  空腹はすなわち体内の気の枯渇の予報です。
  体内に龍気を満たし、力充実するならば自ずと空腹であっても満ち足りましょう」
「そうかなあ?栄養として一番適切なのは同族の体の肉だって聞いたことがあるけど
 ちなみに僕は悪魔だから問題外だよねv」
と自分の保身を図るギズモ
ちなみに同族食いは脳みそがスポンジ状になる病気の元です
師匠の知識を手に入れるため師匠を殺して食べるとか
魔女だからといって決してやらないでください

「気というのはなんだかよく分からないけれど魔力だったら・・・・」
とおもむろに自分の縦ロールを掴むフリージア
「私の髪の毛は魔力でこの形を保ってますの
 いわばこの髪の毛自体が魔力タンクみたいなものですわ
 だからこの霊毛縦ロールを食べさせれば・・・・・・」
フリージアの能力は一時的に著しく低下するだろうが
友人の腕が無くなる事に比べれば軽いものである
「でも腕って教会でリフレッシュの呪文でも掛けてもらえばまた生えてくるんじゃ・・・・」
なんでもないように言うギズモ
「また生えてくるとかそういう問題じゃなくてよ!腕を切り落とすのがどれだけ痛いか分かってますの?
 その痛みや出血で十分死ぬ可能性がありますのよ!!」
ここは何としても桜花を止めなくてはとフリージアは思った

177 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ の代理投稿[sage] 投稿日:2010/01/01(金) 19:33:42 P
>170-176
>「たぶんそれは無理だぜ?」
「なんで無理なのよ…ってうわっ!?なんか出た!?」
>ポ「OH,NO!またお尻が濡れてしまいました!」
いきなり、ロックのリュックからスフィンクスが顔を出したもんだから、あたしもびっくりですよ。
えーっと、確かこのスフィンクスは、ロックと一緒にフィンカイラ島に出発した名前は…ポンデ?だったっけ?
なんでリュックに入ってたんだよ重いだろこれは。
てかさっき槍刺した時によく当たらなかったな、刺さってたら大変な事になる所だったぞ…

>ポ「私が道を歩いている時、反対の方向から、赤い洗面器を頭の上に乗せた男が歩いてくるのが見えました。(中略)
>  私は男に、何故そんなことをしているのかと尋ねました。さて、男は何て答えたでしょうか?」
>「私はその答えを知っているけど教えられませんわ」
>「吸血鬼のおっさんがセクシーになってるぜ!どうなってんだ、ミルク!」
委細かまわずクイズを出題するスフィンクスと、なぜか答えないフリージアにロック。
「ヴァンエレンはね…ロックが島を出た後いろいろあってね…話せば長くなるんだけど…
 ねえ、それよりポンデ?だったよね。あのなぞなぞに答えなくてもいいの?
 なんかすごい顔でこっち見てるんだけど…」
>「は・・・・・・はいはいはーいっ!!ポンデ、そのなぞなぞに私が答えてもいいのかなっ?!」
ロックの素朴だけど当然っちゃ当然の疑問にどう答えようか迷ってると。
リリアーナがなぞなぞの回答者に名乗り出てくれたので、スフィンクスの方はこれで安心だ。
間違って殺されるとか食べられるとかあたしはイヤだけど、リリアーナは答えに自信があるのかな?

>「えっとね、なぞなぞの答えだけど、多分その男は――――・・・ん?!」
「ん?」
> 「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってオウカさん、何するつもりなの!!」
リリアーナが顔を上げた先では、オウカが。肩に。ナイフを当てて。腕を切り落とそうと…!
>>「私は若い男ではないですがね」
「うわ何してるのオウカ待って待って落ち着いて!話せばわかるからーっ!!」
>「何かよく分からないけど、とにかく短気はダメ―――― っ!!」
>「なんだかよくわからないけれどなぞなぞどころじゃ無いみたいですわね」
「よくわからないけどなぞなぞどころじゃないけど!
 とりあえずフリージアはなぞなぞの答え言っちゃっても良いんじゃないの!?
 それからなんだってオウカは腕切ろうとしてるの!?セップク!?
 何でもいいからとにかくそれは止めろーっ!!」

178 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ の代理投稿[sage] 投稿日:2010/01/01(金) 19:34:42 P
リリアーナと逆の左腕に取り付いて説得することしばらく。
どうも原因は、腹ペコ死にかけメイレンさんに食べ物をあげようとしたって事らしいとわかった。
ターロンは龍気がどうこう言ってるけど、そんなものでお腹が膨れるものなのか?
> 「私の髪の毛は魔力でこの形を保ってますの
> いわばこの髪の毛自体が魔力タンクみたいなものですわ
> だからこの霊毛縦ロールを食べさせれば・・・・・・」
魔力セットだったのかあの髪型。
きっと何時間もかけて形状記憶セットとかしてるんだろうなぁ…
そういや、ユリも長い髪をポニテにしたら頭が痛くなるとか言って、重力軽減リボン使ってたっけ。
そこまでして髪型にこだわらなくても良いようなって思ってたけど。
…もしかして、あたしが無頓着すぎるだけ?

>「でも腕って教会でリフレッシュの呪文でも掛けてもらえばまた生えてくるんじゃ・・・・」
>「また生えてくるとかそういう問題じゃなくてよ!腕を切り落とすのがどれだけ痛いか分かってますの?
> その痛みや出血で十分死ぬ可能性がありますのよ!!」
「…ここは折衷案で行こう。
 今のメイレンさんは体がないんだし、まずは龍気を使って回復するか確かめる。
 で、ダメならフリージアの縦ロールを食べてもらう。
 それでダメなら…学園に戻るまでは我慢してもらおう。
 死霊科ならフレッシュゴーレムくらいあるかもしれないし」
ちなみに、フレッシュゴーレムってのは素材に肉を使ったゴーレムの事ね。
…まあ、さすがに人肉ゴーレムなんか無いと思うけど。思いたいけど。

>>「ふーん、このリュックの中が学園長室につながってたのか、怪しーなー。
>> もう一回確認してみたら、また学園長のとこにつながってるかもしれないぞ♪
>> ほれほれどうだ?何か見えるかー?」
いつ槍レベッカを持っていったのか。
なんとアホ姉、ターロンの巻き付いたままの槍レベッカを、ロックのリュックの中に突っ込んでるじゃないか!
それも濡れてスケスケワイシャツのままで!
「ちょっと待て何してるんだアホ姉!
 中は学園長室にはつながってないって言われてただろ!?
 それに服が濡れて思いっきり透けてるだろ!
 着替えるか乾かすかくらいしろよ!」
>>「うるさいなー、お姉ちゃんがどんな格好をしててもお姉ちゃんの勝手だろ。
>> それに、つながってないならレベッカとターロンが嘘ついたことになるじゃないか。
>> 嘘なら2人は死刑!以上♪」
「だーかーらー!嘘じゃないけど今はつながってないって可能性もあるだろ!?
 誰かアホ姉に説明してあげてよーっ!!」

179 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/01/05(火) 14:00:04 0
syu

180 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/05(火) 18:08:47 0
>175-179
魔本の萌えは理解できなくても、魔本が死王をもう一度呼び戻すことも、ゲートを開かせる気が無いのだけは分かった。
ニャンコ先生の方はもう少しすれば行動可能らしい。
「まあ、大水さえやり過ごせば大丈夫だよね〜」
天井や壁や氷でふさいだ亀裂から、何やら不吉な音が断続的に聞こえているが、
リリアーナはあえて考えないようにしていた。
今は何より、桜花が腕を切り落とさないよう説得する方が重要だった。

ミルクと2人がかりで取り付き説得することしばらく。
>どうも桜花が暴挙に出た原因は、腹ペコ死にかけメイレンに食べ物をあげようとした事が原因らしい。
(オウカさんかっこいい・・・・・・)
リリアーナは尊敬の眼差しで桜花を見つめている。
「わが身を犠牲にして誰かを助けようとするなんて、なかなか出来ることじゃないわ。
 でも私達だって、オウカさんの腕がなくなるなんて嫌に決まってるでしょ!!
 ―――― ロック、あなたもよ!
 今の話聞いて「じゃあ俺が!」なんて名乗り出たら絶交だからね!!」
リリアーナはこの場で一番若い男に釘をさした。

猫にまたたび、ルズにフリージア女王様。
ターロンとの会話は、言葉だけ聞いていればもっともらしい事を喋っていたルズだったが、
実際のところ、愛しのフリージアが救出してくれたという余韻でデレデレだった。
>「メイレン様のためならこの尻尾を差し出してもよろしいが、私は妖怪であり人間ではありません。
>私の体でメイレン様が満足されるかどうかは、甚だ疑問です。
>それよりも、龍玉の力をメイレン様にもっと送られてはいかがでしょうか?(略)」
しかし、ターロンから聞かされた返答はルズのお気に召さなかったようだ。
>「そうかなあ?栄養として一番適切なのは同族の体の肉だって聞いたことがあるけど
> ちなみに僕は悪魔だから問題外だよねv」
「そうですわよね〜。
 まあ、論より証拠、試してみればよろしいのではなくて〜ん?――――もらったー!!」
ルズは目にもとまらぬ速さでターロンに飛びつくと、彼の尻尾にぶら下がった。
「ほげほげほげげげげほげげげげ、ほげほげほげ」
口にモノをくわえて喋っているため聞き取りにくいが、
「敬愛してるのならメイレン様に尻尾の一本や二本くらい食べさせろ、話はそれからだ」
ということを言っているようだ。

>「…ここは折衷案で行こう。
> 今のメイレンさんは体がないんだし、まずは龍気を使って回復するか確かめる。
> で、ダメならフリージアの縦ロールを食べてもらう。(略)」
「ダメならターロンの尻尾もあるしね。
 それに生きていらっしゃるのなら、使い魔カプセルに入れて回復を待つという事だって出来るしね」
リリアーナはターロンとルズのじゃれ合い(?!)を見ながら、1人うんうんと頷いた。

181 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/05(火) 18:09:52 0
「そうだ!首ばかりに機を取られてたけど、お身体にも龍気を当てないとダメだよね!
 あ、その前に体と首をくっつけないといけないのかな!!
 オウカさん、腕切り落とす前にやることいっぱいあるわよ。
 まずはこの中にメイレン様の首も入れてから、龍玉の上にかざしてみようよ!!」
リリアーナは皮袋を取り出した。なにやら水っぽい音がした。
そう、この中には、リリアーナがかき集めたメイレンの体が入っているのだった。

アナスタシアは、レベッカにしがみ付いたターロンごとリュックに突き刺した。
「アナスタシア先生、何するんですか!!レベッカさんは便利な覗き見道具じゃないですってば!
 それに、中にポンデ以外にも生き物が入ってたらどうするんですか!!」
>「ちょっと待て何してるんだアホ姉!
> 中は学園長室にはつながってないって言われてただろ!?
> それに服が濡れて思いっきり透けてるだろ!
> 着替えるか乾かすかくらいしろよ!」
「・・・・・・そう言えばロック、鼻血出ないね。いつの間に女の人の裸、平気になったの?・・・・・・はっ?!
 ももももしかして、誰かと特訓したとかっ?!」
(あのアンジェリーナ先生がっ?!・・・・・・いやいやまさかそんなはずは!!でも・・・・・・)
リリアーナは1人で百面相している!

リリアーナがぐるぐる考えている間にも、事態はどんどん転がっていく。
>「うるさいなー、お姉ちゃんがどんな格好をしててもお姉ちゃんの勝手だろ。
>  それに、つながってないならレベッカとターロンが嘘ついたことになるじゃないか。
>  嘘なら2人は死刑!以上♪」
>「だーかーらー!嘘じゃないけど今はつながってないって可能性もあるだろ!?
> 誰かアホ姉に説明してあげてよーっ!!」
「レベッカさんは学園の生徒です!死刑って・・・・・・いくら冗談でも言っていい事と悪い事があります!!」
リリアーナは過剰反応した。
彼女が妖怪である事と、体が今無いということが原因だろう。
「とにかく、めったな事言わないでください!!
 これ以上の暴言は、いくらアナスタシア先生でも許しませんから! 
 先生方、お疲れかもしれませんがお2人からもなんとか言ってください!!」
教育実習生なら彼らの管轄のはずだ、そうリリアーナの目が訴えかけていた。

182 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/05(火) 18:41:19 0
>174>176>177>178>180>181
> 「ヴァンエレンはね…ロックが島を出た後いろいろあってね…話せば長くなるんだけど…
>  ねえ、それよりポンデ?だったよね。あのなぞなぞに答えなくてもいいの?
>  なんかすごい顔でこっち見てるんだけど…」
「あ、やばいかもしれないぜ。」
ミルクに言われてやっとポンデの顔に気付くロック。
「だがロック、てめーはだめだ!ってまた言われそうだぜ。」
> 「私はその答えを知っているけど教えられませんわ」
とフリージア。
> 「は・・・・・・はいはいはーいっ!!ポンデ、そのなぞなぞに私が答えてもいいのかなっ?!」
> ポンデの顔を見たリリアーナが、焦りまくって手を挙げた。
> 「えっとね、なぞなぞの答えだけど、多分その男は――――・・・ん?!」
> 「ん?」
「だぜ?」
> 「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってオウカさん、何するつもりなの!!」
行ってしまったリリアーナ達。しかし、ポンデは実はフリージアのおかげで一応満足している。

さて、一行が慌てたのは他でもない、
オウカがメイレンに食べさせるために自分の腕を切り落とそうとしたからだ。
「どうも話を聞く限り、オウカはお前らの仲間みたいだな!
 お前らの仲間だったら、俺にとっても仲間だぜ!
 仲間のお前が傷つくことは、このロックこと俺が許さないぜ!」
> 「わが身を犠牲にして誰かを助けようとするなんて、なかなか出来ることじゃないわ。
>  でも私達だって、オウカさんの腕がなくなるなんて嫌に決まってるでしょ!!
>  ―――― ロック、あなたもよ!
>  今の話聞いて「じゃあ俺が!」なんて名乗り出たら絶交だからね!!」
「じゃあ俺がかわりに…ハッ!?そんな事はしないんだぜ!」
ロックは危うくリリアーナに絶交されるところだった。

>「あー!クソババァ生きてやがったのか!(良かった、生きてたんだ。)」
アナスタシアと一緒だったレベッカも、やっと事情を把握した。
レベッカは再びロックのリュックの中を確認中だったのだ。
残念ながら、何故か今回は学園長の姿を見ることはできなかった。
リリアーナのおかげで、アナスタシアの処刑リストから除名されるとよいのだが。

183 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/05(火) 18:43:48 0
> 「・・・・・・そう言えばロック、鼻血出ないね。いつの間に女の人の裸、平気になったの?・・・・・・はっ?!
>  ももももしかして、誰かと特訓したとかっ?!」
「リリアーナ、俺だって鼻血を出す相手を選ぶ権利ぐらいあるんだぜ?
 ポンデを見てみろよ。あいつだって、言ってみれば全裸じゃないか!」
その時、ある意味こちらも全裸のメイレンの耳がピクリと動いた。
>>「若い男の声…にゃ〜ん!↑」
「う、わ!?」
メイレンが、メイレンが、首だけでロックに襲い掛かった。
「化け物め!離せ!」
>>「〜〜〜!」
ロックは腕に齧りついた首だけのメイレンを離そうと振り回すが、離れない。
「こうなったらとっておきだぜ!ヘクトプレ…」
ロックはメイレンを圧力波で吹き飛ばそうとした。
しかし、ロックは今気づかない方が良いことに不幸にも気がついてしまった。
「お…俺は女の人には攻撃できないぜ!」

> 「だーかーらー!嘘じゃないけど今はつながってないって可能性もあるだろ!?
>  誰かアホ姉に説明してあげてよーっ!!」
そう叫ぶミルクの後ろから、ポンデがちょんちょんと突いた。
ポ「ところで…私の問題への回答の方はもうよろしいでしょうか?」
ポンデである。無論全員がそれどころではないのであるが、ポンデは構わず続けた。
ポ「それでは全員、ボッシュートです♪」
ポンデがそう言った直後、全員の足元に大きな穴が開き、
空を飛んでいるアナスタシアまでもその穴に吸い込まれて消えた。
ポ「デデッ♪デデン♪デーン♪」
それにしてもこのスフィンクス、ノリノリである。

>「あ…ありのままに起こった事を話すぜ。
> 俺はさっき足元に開いた穴に落ちたと思ったら長い髭の爺さんが紅茶を飲んでいる部屋にいる。
> な…何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何が起こったのかわからなかった。
> 頭がどうかなりそうだぜ。だが、ただ一つ、はっきりとわかることがある。 」
「学園長室だぜ…俺達は学園長室まで“姿くらまし”で飛んだみたいだぜ。」
ここに初めて来る者(例えば、ナナナ)は事情を把握できないかもしれない。
だが、ここに何度か訪れたことがある者はすぐに事情を把握するだろう。
飴色になるまで磨かれたマホガニーに座る老人が一人、飲んでいた紅茶を置いて立ち上がった。
学「あぁ、待ちかねておったよ。君らが最後のグループじゃ。」

184 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/01/06(水) 12:19:03 P
>177-183
>「…ここは折衷案で行こう。
> 今のメイレンさんは体がないんだし、まずは龍気を使って回復するか確かめる。
> で、ダメならフリージアの縦ロールを食べてもらう。(略)」
>「ダメならターロンの尻尾もあるしね。
  それに生きていらっしゃるのなら、使い魔カプセルに入れて回復を待つという事だって出来るしね」
「でも縦ロールが無くなったら誰か分からなくなっちゃうんじゃ?」
フリージアの本体が縦ロールで有るかのごとく言うギズモ

その後首だけになったメイレンがロックに噛み付いたり色々あったが・・・・・
>「それでは全員、ボッシュートです♪」
>「デデッ♪デデン♪デーン♪」
結局のところ足元にあいた大きな穴に全員落とされた
「ちょ、お待ちなさいなぁ!?」
スカートがめくれないよう抑えながら落下するフリージア
「僕には羽が・・・・・あれ?」
一生懸命羽ばたくも結局落ちるギズモ

>「学園長室だぜ…俺達は学園長室まで“姿くらまし”で飛んだみたいだぜ。」
>「あぁ、待ちかねておったよ。君らが最後のグループじゃ。」
「学園長先生ごきげんよう・・・・ってそれどころじゃありませんわ!?
 私たちが最後のグループってどういう事ですの?・・・・あ、これお土産の時を食べる柱時計ですわ」
そういえば途中で何人かの生徒を見なくなったがいつの間にか学園に帰っていたのだろうか?
そう考えながら学園長室の開いている場所に勝手に時計を設置するフリージア

チラッと窓の外を見るとフリージアが1、2、3いっぱいうじゃうじゃしていた
学園祭の出し物として氷竜ブリューナクの像の製作作業をしていたユキダルマン達である
「そういえば雪の精霊ユキダルマンにフリージングドールを着せて作業させてたのを忘れてましたわ
 ・・・・・でも何でこんなに増えてますの?そもそも氷竜ブリューナクの像は完成してますの?」
フリージアはまずカキ氷のシロップを媒体に雪の精霊ユキダルマンを召喚した
さらにフリージングドールを作り実体を持たない雪の精霊ユキダルマンの仮の体とした
そして仮の体を得た雪の精霊ユキダルマンにフリージングドールを作らせ別のユキダルマンに入らせた
これを繰り返すことによりユキダルマンの数だけ労働力を得る予定だった
だがフリージアはユキダルマンの数をもっと少ないものだと思っていたわけで・・・・

「それがこの結果だよね☆」
おどけるように言い放つギズモ
校庭には白く美しい氷で出来た氷竜ブリューナクの像が完成しており
仕事がなくなったユキダルマン(フリージア姿)がやることもなくただ大量にたたずんでいた

「・・・・・とりあえず呪文を解除してしまいましょう」
溶けて消えていく大量の偽フリージア・・・・地面に残る大量の水溜り
あ、誰か水溜りを踏んで服がびちょ濡れになった・・・・ま、いっかv
そしてただひとつ残っているのは保健室のレベッカの体が入ったフリージングドールだけである
「もう何ヶ月も前のことだと思っていたけれど・・・まだ学園祭から一日も経ってませんのよね」
しみじみと言うフリージア
何はともあれ学園に帰ってきたのだ
これでやっと命の危険がない平穏な日々を送れるとホッとするのだった

185 名前::ミルク&アホ姉 ◇9DoC6dU6XQ [sage 代理投稿gt;gt;451] 投稿日:2010/01/08(金) 00:52:13 0
>180-184
>「レベッカさんは学園の生徒です!死刑って・・・・・・いくら冗談でも言っていい事と悪い事があります!!」
えっ!?なになに、どうしたの?何かあったの?
なんかリリアーナがやけに強硬発言してるんだけどなんでなんで?
「あ、いや、そういう説明はちょっとマズ…」
>>「ほほー…そんな事言っちゃってもいいのかー?
>> そんなつもりはなかったけど、先生嘘は嫌いだから本当の本当に死刑にしちゃうぞー?」
リリアーナの言葉を聞いて、獲物を見つけた猫みたいにギラリと目を輝かせるアホ姉。
やっば…もめ事好きに火がつきかけてるぞ…

>「とにかく、めったな事言わないでください!!
> これ以上の暴言は、いくらアナスタシア先生でも許しませんから! 
> 先生方、お疲れかもしれませんがお2人からもなんとか言ってください!!」
>>「許さなければどうだって言うんだ?
>> 嘘つきは死刑って言って何が悪いんだ?
>> ミシェルもベルジンも、教育者なんだからまさか嘘つきを許したりしないよな?」
まーた喧嘩を売るようなことばっかり言いやがって!
間に立たされて寿命を削られる、かわいそうな妹のことも少しは考えろよ!
あたしは怒りにまかせて、偉そうに腕組みしてそう言い放ったアホ姉を、後ろから思い切り引っ張った。
幸い体重は軽いアホ姉をあっさり引き寄せられたので、そのまま口を手で押さえて口封じに移行する。

「まぁまぁ落ち着いてリリアーナ。
 死刑って言ってるのはアホ姉の口癖みたいなものだから、ホントに死刑にはしないから大丈夫だって。
 ミシェル先生もベルジン先生も、そーゆう事なので、うん。
 後でよーく叱ってもらうから、ここはあたしに免じてこれでお流れってことで…」
アホ姉はジタバタ暴れながらむーむー言ってるけど、なんて言ってるのかわからない。
わからないから知ーらないっと。

ちょんちょんと誰かに肩を叩かれて、振り向けばそこにはポンデがいた。
なんだこの忙しい時に。
> ポ「ところで…私の問題への回答の方はもうよろしいでしょうか?」
「あー、あたしは今ちょっとそれどころじゃないからまた後で…」
>ポ「それでは全員、ボッシュートです♪」
「は?」
その時、足下の感覚が消えた。
正確には、あたしたちが立ってた床が消えた。
「はい――――っ!?」
落ちる落ちる落ちる。
どこまでも暗くどこまでも深く、とにかくどこまでも落ちていく!
>「ちょ、お待ちなさいなぁ!?」
>「僕には羽が・・・・・あれ?」
「なんかなんか前に次元の狭間に落ち込んだ時によく似てるんだけど!?
 落ちきった後で大人になったり子供になったりしないよね!?
 ただの穴で墜落死はイヤだけど変な副作用ももうイヤだーっ!!」
>>「落ちてるというと何か違うなー。どこに続いてるんだ?この穴」
空飛べるからか妙に冷静なアホ姉がそう分析したときだった。
黒一色の世界に、色と光が戻ってきたのは。

186 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ [sage 代理投稿gt;gt;452] 投稿日:2010/01/08(金) 00:52:58 0
>>「あ…ありのままに起こった事を話すぜ。(中略)
>> 頭がどうかなりそうだぜ。だが、ただ一つ、はっきりとわかることがある。 」
>「学園長室だぜ…俺達は学園長室まで“姿くらまし”で飛んだみたいだぜ。」
足下にはきちんと床があって、もう落ちているような感覚も消えていた。
見えるのは、見知った部屋と見知った机、そして静かに紅茶を飲んでいる見知った顔の老人。

> 「は…はわわわわわ!どこですかどこですかここどこですかー!?
>  私たち穴に落ちてたのになんでこんな部屋にいるんですかー!?」
慌てるナナナにアホ姉が説明を入れる。
>>「ここは私たちがムウ大陸に出発した、フィジル島にある魔法学園の学園長の部屋だ。
>> で、紅茶を飲んでるじーさんがその学園長な。
>> 私も顔見るの初めてだけど聞いたとおりの顔だな」
そっか、アホ姉は学園長が出かけてるうちに学園に来たんだっけ。
てか学園長に向かってじーさんいうな。
学園長を尊敬してるユリが聞いたら怒り出すぞ。

>学「あぁ、待ちかねておったよ。君らが最後のグループじゃ。」
>「ちょ、お待ちなさいなぁ!?」
>「学園長先生ごきげんよう・・・・ってそれどころじゃありませんわ!?
> 私たちが最後のグループってどういう事ですの?・・・・あ、これお土産の時を食べる柱時計ですわ」
「土産見せてる場合じゃないだろ…」
慌ててるのか落ち着いてるのか、とにかくフリージアらしい行動をするフリージアにそう言うと。
フリージアが窓の外を見ながら動きを止めた。

「なに。何か変なものでも見え…なんだあれはっ!?」
窓の外には、見事な作りの氷細工の竜と、そして…そして101人フリージアさん大行進が!

>「そういえば雪の精霊ユキダルマンにフリージングドールを着せて作業させてたのを忘れてましたわ
> ・・・・・でも何でこんなに増えてますの?そもそも氷竜ブリューナクの像は完成してますの?」
なんでも、雪の精霊に自分型の像を作らせ、さらにさらに自分型の像を増やし。
止めなかったねずみ算の結果がごらんの有様らしい。
>「それがこの結果だよね☆」
>「・・・・・とりあえず呪文を解除してしまいましょう」
フリージアがそう言うと、偽フリージアたちは次々に溶けて消えてしまった。
>「もう何ヶ月も前のことだと思っていたけれど・・・まだ学園祭から一日も経ってませんのよね」
「おかげ様でその事がものすごーくよくわかったよ…」
ターロンと戦ったり、男になったり男になったり男になったりしたけど。
あたしたち、やっと魔法学園に帰ってこれたんだ。
でも、これで終わりと一息入れるにはまだ早い。

「ただいまムウ大陸より戻りました学園長。
 ただ、ターロンを確保するにはしましたが、メイレンさんが大怪我を負ってしまって…
 レベッカも不幸な事故で魂が抜けて槍に宿ってしまったし…
 なんとか2人を助けてあげられないでしょうか?
 それから、言える範囲内で構わないので、今回の出来事の裏を、いろいろ教えていただけませんか?」
中つ国での事、ロックにそっくりのロクーの事、ホワイト博士とケルビムの事。
知りたいこと聞きたいことは山ほどある。
もし学園長が話してくれないなら、それはきっとあたしたちが知らない方が良い事に違いない。


187 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/01/08(金) 11:45:35 O
> 「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってオウカさん、何するつもりなの!!」
リリアーナが顔を上げた先では、オウカが。肩に。ナイフを当てて。腕を切り落とそうと…!
>「うわ何してるのオウカ待って待って落ち着いて!話せばわかるからーっ!!」
>「何かよく分からないけど、とにかく短気はダメ―――― っ!!」
>「なんだかよくわからないけれどなぞなぞどころじゃ無いみたいですわね」

「皆…すまない、離してくれ。これはメイレンさんへの恩返しとしての意味があるんだ」
そこからしばらく離せ、離さないの押し問答を繰り広げ、根負けした桜花がやっとナイフをしまう

「このままではメイレンさんの命に関わる。やはり私は…」

> 「私の髪の毛は魔力でこの形を保ってますの
> いわばこの髪の毛自体が魔力タンクみたいなものですわ
> だからこの霊毛縦ロールを食べさせれば・・・・・・」
>「…ここは折衷案で行こう。
> 今のメイレンさんは体がないんだし、まずは龍気を使って回復するか確かめる。
> で、ダメならフリージアの縦ロールを食べてもらう。
> それでダメなら…学園に戻るまでは我慢してもらおう。
> 死霊科ならフレッシュゴーレムくらいあるかもしれないし」
>「わが身を犠牲にして誰かを助けようとするなんて、なかなか出来ることじゃないわ。
> でも私達だって、オウカさんの腕がなくなるなんて嫌に決まってるでしょ!!

「そんな…いや、すまない。出会って間もない私の心配をしてくれて
フリージアさん、リリアーナさん、ミルクさん、本当にすまない。」
桜花の身を心配し、共に問題について考えてくれる友人達に桜花は心底感激した。
信じていなかった訳ではないが、リリアーナから友達発言を受けてもピンときていなかった桜花だが
改めて自分の得た友人達の素晴らしさに人前でなければ泣いていただろと思う桜花であった


188 名前:桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/01/08(金) 11:47:52 O
>「どうも話を聞く限り、オウカはお前らの仲間みたいだな!
> お前らの仲間だったら、俺にとっても仲間だぜ!
> 仲間のお前が傷つくことは、このロックこと俺が許さないぜ!」

「待て、ロックとやら。そのさきは―――」

>  ―――― ロック、あなたもよ!
>  今の話聞いて「じゃあ俺が!」なんて名乗り出たら絶交だからね!!」
>「じゃあ俺がかわりに…ハッ!?そんな事はしないんだぜ!」

「どうやら言われてしまったみたいだ。だが、お心遣い、痛み入る。」
リリアーナに言おうとしていた事を言われてしまった桜花はロックに頭を下げる。

>「そうだ!首ばかりに機を取られてたけど、お身体にも龍気を当てないとダメだよね!
> あ、その前に体と首をくっつけないといけないのかな!!
> オウカさん、腕切り落とす前にやることいっぱいあるわよ。
> まずはこの中にメイレン様の首も入れてから、龍玉の上にかざしてみようよ!!」

「そうだな、うん、そうだ。腕を切ろうとしている場合ではなかった。」
リリアーナに言われ、残りのメイレンさんのパーツをとろうと

>「ところで…私の問題への回答の方はもうよろしいでしょうか?」

「え?」
メイレンの問題でポンデの存在にまったく気付かなかった桜花は困惑する。
「ちょ―――」

>「それでは全員、ボッシュートです♪」

「きゃああああー!!」
突然、地面が消え落とされた桜花は普段は出さない乙女っぽい悲鳴をあげてしまった
だって…女の子だもん

>「学園長室だぜ…俺達は学園長室まで“姿くらまし”で飛んだみたいだぜ。」

穴の先は学園の学園長室だった。
学園の生徒だったら誰でも知っている部屋に生徒だったら誰でも知っている人物が居た。

学「あぁ、待ちかねておったよ。君らが最後のグループじゃ。」

「あ、た、ただいま戻りました。」
緊張した桜花はピシッと立った

>「ただいまムウ大陸より戻りました学園長。
> ただ、ターロンを確保するにはしましたが、メイレンさんが大怪我を負ってしまって…
> レベッカも不幸な事故で魂が抜けて槍に宿ってしまったし…
> なんとか2人を助けてあげられないでしょうか?
> それから、言える範囲内で構わないので、今回の出来事の裏を、いろいろ教えていただけませんか?」

ミルクの話を聞くと我に返ったように学園長を見つめ
「私からもお願いします、学園長。
レベッカさんは私の大切な友人であり、メイレンさんはレベッカさんの母親でもあり、私の命の恩人です。
メイレンさんが世間でどのように言われているかは知っているつもりです。ですが、このまま見殺しにする事は私にはできません。
お願いします、どうか知恵を御貸しください。お願いします。」
必死に頭を下げる桜花
この願いは学園長に聞き届けられるのだろうか?

189 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2010/01/08(金) 21:33:39 0
>「確か魔本残してったよね?それがあれば、死王召喚呪文くらい簡単にできるんじゃないの?
>何だっけ?犬耳の萌え少女だっけ?」
「死王が届けろっていったこれだよね…。
 召喚できたとしてもそんなことしたらまたネチネチと言葉攻めに合うに決まっている。
 そんなこと絶対にやりたくないぞ!」
その正体は犬耳萌えで変態なる魔本。
妖しいこの本を使えばもしかしたらできるかもしれない…のだが本の中の人が簡単に会えるのはダメだとあまり協力的ではない。

>「吸血鬼のおっさんがセクシーになってるぜ!どうなってんだ、ミルク!」
「うるさいやい!好きでなってるわけじゃない!」
そんなことよりもいまはこの状況をなんとかするのが先である。
さっきからなぞなぞを出しているポンデだがオウカが腕を一本メイレンに差し出そうとしている。
「え、ちょ、なにやってんスか?!」
>「何かよく分からないけど、とにかく短気はダメ―――― っ!!」
リリアーナの説得により血をみることなくなんとか事なきを得た。
メイレンには悪いがここは食事を我慢してもらう。

>「ところで…私の問題への回答の方はもうよろしいでしょうか?」
制限時間内に答える人がいなかったため全員不正解となります。
>「それでは全員、ボッシュートです♪」
てれってれ しゅわわわわ〜ん
「なんじゃこりゃ?」
各々の足元にポンデが発生させたと思われる大きな穴が出現し全員を穴の中へ吸い込もうとする。
最後まで羽を忙しなく動かして抵抗をしていたヴァンエレンもついには穴へぶっこまれてしまった。
「ガリガリはこれぎりごめん。
 こうむるよ」
死ぬ覚悟を決めたヴァンエレンでした。

いきついた先は学園長室でした。
>「あぁ、待ちかねておったよ。君らが最後のグループじゃ。」
「私はまるで夢でも見ていたかのようだ…。
 とりあえず帰ってくることができたってことでオーケー?」
おk。
「あははははははっははは!
 生きているってすばらしい!」
パタパタと羽を動かして校長室を飛び回るヴァンエレン。
真剣な話をしているミルクに怒られるぞ?

190 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/08(金) 21:56:07 0
>184>186>188>189
> 「学園長先生ごきげんよう・・・・ってそれどころじゃありませんわ!?
>  私たちが最後のグループってどういう事ですの?・・・・あ、これお土産の時を食べる柱時計ですわ」
「ムウ大陸に飛んだ他の生徒達も全員無事帰ってきておるという意味じゃよ。
 一人の死者も出なかったのは全くもって何よりの幸いじゃ。
 おぉ、また珍しい時計を持って帰ったようじゃな、フリージア。」
> そう考えながら学園長室の開いている場所に勝手に時計を設置するフリージア
これが半世紀後、おそろしく巨大な柱時計へと進化し、
フィジル塔3大名物の1つになろうとは、この時誰も予想できなかった。

> 「ただいまムウ大陸より戻りました学園長。
>  ただ、ターロンを確保するにはしましたが、メイレンさんが大怪我を負ってしまって…
>  レベッカも不幸な事故で魂が抜けて槍に宿ってしまったし…
>  なんとか2人を助けてあげられないでしょうか?
>  それから、言える範囲内で構わないので、今回の出来事の裏を、いろいろ教えていただけませんか?」
そうミルクに聞かれる学園長。
「今回の事件の裏?」
学園長は“はて?”と考えてから答えた。
「わしはメイファを中つ国に帰すために出かけておったわけで、
 君達がムウ大陸へと冒険に出かけたことを知ったのはついさっきのことじゃ。
 中つ国では随分と丁重にもてなされたよ。
 これがレベッカかね?また随分と槍になっておるのう。」
>>「あー、あんまり中つ国政府に気を使う必要はねーぜ?」
レベッカは、中つ国で学園長が“丁重にもてなされた”のは、
中つ国政府が何かしら企みをもって行ったことだと容易に想像できたので、そう言った。
> 「私からもお願いします、学園長。
> レベッカさんは私の大切な友人であり、メイレンさんはレベッカさんの母親でもあり、私の命の恩人です。
> メイレンさんが世間でどのように言われているかは知っているつもりです。ですが、このまま見殺しにする事は私にはできません。
> お願いします、どうか知恵を御貸しください。お願いします。」
学園長はオウカをじっと見た後、うんうんと頷き、手招きをした。
しかし、オウカではなく、部屋の中を飛び回るある人物に対して、だ。

「ヴァンエレン、何を驚いておる。お主に用があるのじゃ。
 近くに寄りなさい。わしとお主の仲じゃ、遠慮はいるまい。」
学園長はヴァンエレンを側まで寄せた後、
親しい友達のように彼女(と今は言うしかない)の肩に手を置き、窓の外を指差した。
「見なさい、あれはフリージアが今期の学園祭のために作った芸術品じゃ。
 氷竜ブリューナク、そうじゃろう?フリージア?
 ずいぶんと人だかりができておるのう。さて、ヴァンエレン。
 そこで献血の募集をあの人だかりの中に入って行ってほしいのじゃが、
 わしとお主の仲故、嫌とは言うまい。
 公序良俗の範疇を超えない範囲で若い紳士諸君の協力を仰いでくれ。」
学園長はオウカとロックに言った。
「そういうわけで、ヴァンエレンが若い男性の血を集めてくれれば、
 ミセス・スイションの健康問題は解決するじゃろう。
 申し訳ないがそれまでロックには我慢をしてもらわなければなるまい。
 幸い、痛くもかゆくもないんじゃろう?」
>「はい、先生!でも、好きではない女の人に噛みつかれるのはあんまり良い気分はしません!」
ロックはそう答えた。

「さて、問題はレベッカじゃ。魂を扱うのは、とかくデリケート故、
 レオ先生一人に任せるのも大変じゃろう。
 わしの知り合いに多層人格について研究している医者がおる。
 彼に連絡をとってこの学園に来てもらうとしよう。すまんが、それまで我慢してくれ。」
学園長はレベッカにそう言った。

191 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/09(土) 20:53:36 0
ロックの鼻血が出なかった説明を聞き、何か釈然としないものを感じつつも納得するリリアーナ。
その後彼女は、アナスタシアとのやり取りに気を取られていたため、ロックの女難には気づけなかった。

ミル「まぁまぁ落ち着いてリリアーナ。
 死刑って言ってるのはアホ姉の口癖みたいなものだから、ホントに死刑にはしないから大丈夫だって。 (略)」
アホ姉はジタバタ暴れながらむーむー言ってるけど、なんて言ってるのかわからない。
「う、うん・・・・・・」
(アナスタシア先生って喧嘩好きなんだ・・・・・気をつけよう。
 でも、天使なのに死刑が口癖ってどういう人なんだろ・・・・・・)

ポ「ところで…私の問題への回答の方はもうよろしいでしょうか?」
「あ、そうか、まだ答えてなかったね。その質問の答えは」
ポ「それでは全員、ボッシュートです♪」
「えええっ、時間切れっ?!わーん、ポンデの馬鹿ああぁぁぁ――――!!」
飛んでいる人もいない人も皆、突如開いた足元の穴に吸い込まれてしまった。

>「なんかなんか前に次元の狭間に落ち込んだ時によく似てるんだけど!? (略)
> ただの穴で墜落死はイヤだけど変な副作用ももうイヤだーっ!!」
「どうしよー!ミルクやレベッカさんの治療薬だってまだゲットしてないのに――――っ!!」

姿くらましで学園長室まで転移した一行。
皆が驚いている様を、リリアーナは下から見上げることになった。
なぜなら、彼女は床の上で大の字に転がっていたからだ。
「ううう・・・・・・着地失敗した・・・・・・あれ?でも痛くな――――うわっ?!」
リリアーナは恐る恐る自分の下でクッションになっているものに視線を下ろし、文字通り飛び上がった。
「ご、ごめんなさいごめんなさい!わざとじゃなかったの!!頭打ってないかな?大丈夫ですか?!」
リリアーナは自分が下敷きにした者を起こすと、怪我の有無を確認するためあちこちべたべた触り始めた。

学「あぁ、待ちかねておったよ。君らが最後のグループじゃ。」
「ん?あれ・・・・・・・あ!学園長室!!じゃあ私達、元の世界に帰ってきたんだ!!」
向こうでは転移に巻き込まれたナナナが混乱し、アナスタシアが状況を説明していた。

ヴ「私はまるで夢でも見ていたかのようだ…。
 とりあえず帰ってくることができたってことでオーケー?」
リリアーナはぎゅーっとヴァンエレンの頬っぺたをつねり上げた後
「うん、夢じゃないみたいだよ」 と答えた。
大喜びでパタパタと羽を動かし、校長室を飛び回るヴァンエレン。

>「学園長先生ごきげんよう・・・・ってそれどころじゃありませんわ!?
 私たちが最後のグループってどういう事ですの?・・・・あ、これお土産の時を食べる柱時計ですわ」
>「土産見せてる場合じゃないだろ…」
学「ムウ大陸に飛んだ他の生徒達も全員無事帰ってきておるという意味じゃよ。
 一人の死者も出なかったのは全くもって何よりの幸いじゃ。 」
「え?!じゃあ途中で逸れたグレイ達やアイシャさん達もみんな先に戻ってたんですか!!よかった〜」
リリアーナは心底安堵したが、フリージアが窓の外を見ながら動きを止めたのに気づき視線を追う。

「な、何あれ、綺麗・・・・・・・って!何でフリージアがあんなにたくさんっ?!」
ルス「こ、これは夢っ?!フリージア女王様ですわー!!女王様ハーレムなのですわ〜ん!!」
ルズは狂喜乱舞すると、二階の窓から飛び降り転げるように101人フリージアさん(ユキダルマン達)に突進していった。
ルス「ああん、女王様がいっぱいですわ〜ん!お部屋に連れて帰るのですわ〜ん!!
   ああ、生きてて良かったですわ〜ん!」
ユキダルマンに飛びついたり踏まれたりしながらも、ルズ大はしゃぎである。だが。
>「・・・・・とりあえず呪文を解除してしまいましょう」
>溶けて消えていく大量の偽フリージア・・・・地面に残る大量の水溜り
「ぎゃ――――っ!!わたくしのフリージア女王様ハーレムが!
 わたくしの長年の夢が――――!!」
ルズは水たまりの中でわんわん泣きながら暴れていた。
運悪く通りかかった生徒が転び、びしょ濡れになっている。
「うわぁ・・・・・・・なんかとんでもない事に・・・・・・」

192 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/09(土) 20:55:11 0
リリアーナは外の騒動から目をそらし、あらためて学園長に向き直った。
学園長室の隅には、フリージアのお土産こと時を食べる時計が鎮座している。
(フリージア、あの時計お土産にしたんだ・・・・・・・いつも思うけど、本当に欲が無いよねー)
ミルクがそれについて文句をいわないのにも驚いたが、それだけ余裕がないということだろう。
いきなり姿くらましで帰ったんだもん、それも当然だよねとリリアーナは1人納得する。

ミル「ただいまムウ大陸より戻りました学園長。 (中略)
 なんとか2人を助けてあげられないでしょうか?
 それから、言える範囲内で構わないので、今回の出来事の裏を、いろいろ教えていただけませんか?」
学「今回の事件の裏?」
学園長は“はて?”と考えてから答えた。
学「わしはメイファを中つ国に帰すために出かけておったわけで、
 君達がムウ大陸へと冒険に出かけたことを知ったのはついさっきのことじゃ。 (略)」
レヘ「あー、あんまり中つ国政府に気を使う必要はねーぜ?」
そういえば、ロックは学園長と帰路であったと聞いた。
もしかして中つ国に行ったのかな?とリリアーナはロックを見て、腕にくっついているものに気づいた。
「メイレン様ダメです、ロックの腕を齧らないで!!」
リリアーナはメイレンの生首を外そうと引っ張るが、びくともしない。
だがロックの腕も、肉はおろか血も出ていなかった。そう、彼は身体を硬化させる魔法が使えるのだ。
「・・・・・・・って納得してる場合じゃない!!メイレン様!お離れ下さいー。
 あなた様のお身体はこちらですってばー!!」
リリアーナは情けない声で、メイレンの身体が入った皮袋を近づけ何とか注意を引こうとしている。

学園長はヴァンエレンを手招きすると、氷龍ブリューナクの前で献血を募るよう提案した。
学「そういうわけで、ヴァンエレンが若い男性の血を集めてくれれば、
 ミセス・スイションの健康問題は解決するじゃろう。
 申し訳ないがそれまでロックには我慢をしてもらわなければなるまい。 (略)」
おおー!!とリリアーナは顔を輝かせてぱちぱち拍手をしていたリリアーナだったが、
最後の言葉を聞いてがっかりする。
だがそれも、次のロックの台詞を聞くまでの事だった。
ロク「はい、先生!でも、好きではない女の人に噛みつかれるのはあんまり良い気分はしません!」
「・・・・・・しょうがないよ、メイレン様が他の人に噛み付きでもしたら大惨事になるものね」
些細な事で舞い上がったり落ち込んだりと、忙しない事この上ない。
ちなみに、ヴァンエレンがもし献血メンバーを募りに行ったなら、泥まみれで不機嫌なルズと鉢合わせるだろう。

>「さて、問題はレベッカじゃ。魂を扱うのは、とかくデリケート故、
> レオ先生一人に任せるのも大変じゃろう。
> わしの知り合いに多層人格について研究している医者がおる。
> 彼に連絡をとってこの学園に来てもらうとしよう。すまんが、それまで我慢してくれ。」
「レベッカさんの身体も治るんですかっ?!・・・・・・あれ?でも何で多層人格?」
槍が折れた時の変化は気分の問題だと思っているリリアーナは、不思議そうな顔をした。
「あっ!学園長学園長、変な呪いを受けてミルクの性別が変わってしまったんです。
 こちらも何とか元通りになりませんか?・・・・・・あ、いや、私の方の呪いはこのままで結構ですけれど!!」
リリアーナは慌てて注文をつけた。

「それと学園長、私もお伺いしたい事があったんです。
 ミルクが言っていたことと関係しているのですが、その・・・・・・・」
リリアーナはちらっとロックのほうを見た。
ムウ大陸で出会ったロクーの事を、ロックの前で詳しく話すのは躊躇われた。
彼のことは、むやみにロックの耳には入れない方がいい、そんな気がしたのだ。
リリアーナは僅かな逡巡の後、学園長に近づき頭を垂れた。
どうやら、自分が見聞きした記憶を見せたいようだ。

リリアーナはテレパシーで学園長だけに話しかけた。
かつて学園で起こった事件に深く関わりのある出来事で、あまりおおっぴらに言える内容でもなかったからだ。
『その・・・・・・・ロクーという青年は、今の時代の人間ではない気がしました。
 あまりにロックに似すぎていて、初見では別人とわからなかったくらいで・・・・・・。
 それと、彼のであったホワイト博士・・・・・・・私、どこかであんな感じの人に出会った気がするんです』
リリアーナにしては珍しく逡巡した後、ようやく意を決し続けた。
『ホワイト博士とは、もしかして、あのマリアベルに縁のある人物ではありませんか?』

193 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/09(土) 23:27:14 0
リリアーナは続けた。
『クリムゾンヘッドとロクーが入れ替わった時、私は・・・・・・その・・・・・・。
 以前、ロックがマリアベルと入れ替わった時と同じような違和感を感じました』

リリアーナは学園長との会話をテレパシーで行っている。
それはリリアーナなりのロックへの配慮だ。
彼女は過去に起きたマリアベル事件の当事者であり、真相もある程度知っているからだ。
だがはたから見れば、リリアーナの配慮など気づけるはずも無かった
なぜならリリアーナは、はたから見れば、ただひたすら黙りこくっているだけなのだから。

194 名前:ミルク&アナスタシア ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/11(月) 22:48:58 0
>187-193
>「今回の事件の裏?」
あたしの言葉を聞いて、学園長は不思議そうな顔をした。
…あれ?絶対ムウ大陸の中で起きたことも知ってると思ってたけど、知らないのかな?
>「わしはメイファを中つ国に帰すために出かけておったわけで、
> 君達がムウ大陸へと冒険に出かけたことを知ったのはついさっきのことじゃ。
「そ、そうだったんですか…それは失礼しました…」
そっかー、そうだよなー。中つ国に行ってたんだから知ってるはずないよなー。
学園長って知らないことなんか無いようなイメージがあったから、ズレた質問しちゃったよ…

> 中つ国では随分と丁重にもてなされたよ。
> これがレベッカかね?また随分と槍になっておるのう。」
>>>「あー、あんまり中つ国政府に気を使う必要はねーぜ?」
とりあえずレベッカとのやりとりから、中つ国の方では良い待遇を受けたとわかったのでそれは一安心。
丁寧なおもてなしといってもいろいろあるからね。
襲撃とか闇討ちとか不意打ちとか。

>「私からもお願いします、学園長。(中略)
>お願いします、どうか知恵を御貸しください。お願いします。」
>「見なさい、あれはフリージアが今期の学園祭のために作った芸術品じゃ。(中略)
> 公序良俗の範疇を超えない範囲で若い紳士諸君の協力を仰いでくれ。」
あたしと一緒に頼み込んでた桜花の答えに、ヴァンエレンを呼んだ学園長。
どうする気なんだろうと思ってたら、どうやら若い男の血を集めてなんとかするつもりらしい。
でもこうなってくると、妖怪のメイレンさんも吸血鬼と変わんないなぁ。
今もロックの腕にかじりついて離れないし。

>>「そんな楽しそうな事なら私も協力してやるぞ♪
>> 先に行ってるから後からついてこいよー!」
退屈そうにしていたアホ姉が、面白そうだとばかりにひょいと窓を乗り越えて飛び出していく。
>>「よーし!教育実習生のアナスタシア・ホーリー先生の登場だぞ!
>> ここでブリューナクの像を見てた奴は全員整列し、見学代としてヴァンエレンに献血していくこと!
>> 逃げた奴は後で重加算税も含めて採血に行くから覚悟するように!以上♪」
「…あー、えっと。やる気だけはあるみたいだから、ヴァンちゃんしばらく子守をお願い…
 多分すぐに必要量は入りそうだけど…必要以上に入りそうだけど…」
思いっきり強制採血の準備に入ってるアホ姉に、あたしもヴァンエレンにそう言うしかなかった。



195 名前:ミルク◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/11(月) 22:49:37 0
>「さて、問題はレベッカじゃ。魂を扱うのは、とかくデリケート故、
> レオ先生一人に任せるのも大変じゃろう。
> わしの知り合いに多層人格について研究している医者がおる。
> 彼に連絡をとってこの学園に来てもらうとしよう。すまんが、それまで我慢してくれ。」
>「レベッカさんの身体も治るんですかっ?!・・・・・・あれ?でも何で多層人格?」
「多層人格について研究してる医者?」
リリアーナは多層人格に引っかかりを感じたみたいだけど、あたしは医者の方が気になった。
なんとなく、ケルビムのホワイト博士に医者っぽい印象を受けてたので。
>「あっ!学園長学園長、変な呪いを受けてミルクの性別が変わってしまったんです。
> こちらも何とか元通りになりませんか?・・・・・・あ、いや、私の方の呪いはこのままで結構ですけれど!!」
「うっ…お願いが多くてすみません学園長…、できればそれもお願いします…」
……いろいろありすぎて大事な事忘れてた……
まあ、どのみちイヤでもすぐ思い出してただろうけど、学園長にお願いが一番近道だよね。
早く元の体にもどらないと、ユリに変なスクープ記事を書かれそうだし…

>「それと学園長、私もお伺いしたい事があったんです。
> ミルクが言っていたことと関係しているのですが、その・・・・・・・」
リリアーナはちらりとロックを見て、少しだけ迷うような仕草を見せる。
…なんだ?ロックが関係してるんだから…ケルビム系の話?
リリアーナは学園長に近づいてなにやらテレパシーで話しかけてるけど、そんなに警戒しなきゃダメかな?
学園長もいるんだし、他の先生たちもいるし、多分大丈夫だよね。うん。
「学園長、実はムウ大陸で、秘密結社ケルビムの一員と名乗った男に襲われたんです。
 ホワイト博士なる人物の部下で、イエスタディ・ワンスモアという時間を巻き戻す能力を使っていました。
 ケルビムは魔法使いを憎んでいるようだったのですが…その。
 この学園に襲ってきたりする可能性とかはあるんでしょうか?」


196 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/12(火) 07:15:13 0
>192>193>195
> 「あっ!学園長学園長、変な呪いを受けてミルクの性別が変わってしまったんです。
>  こちらも何とか元通りになりませんか?・・・・・・あ、いや、私の方の呪いはこのままで結構ですけれど!!」
69「それに吸血鬼のおっさんもだぜ。」
ロックはそう付け足した。そのため、リリアーナの呪い云々の話しは聞きそびれたようだ。
「そこのキャビネットの中を開くと良い、保健室までつながっておる。
 必要無いなら、それでもかまわんがね?」
レオ先生なら、性転換の呪いくらい簡単に解除できるだろう。
> 「それと学園長、私もお伺いしたい事があったんです。
>  ミルクが言っていたことと関係しているのですが、その・・・・・・・」
> リリアーナはちらっとロックのほうを見た。
ロックがちょっと赤くなった。
> リリアーナは僅かな逡巡の後、学園長に近づき頭を垂れた。
> どうやら、自分が見聞きした記憶を見せたいようだ。
学園長は、リリアーナが持つ思ひ出の糸車に自分の杖を近づけた。
光る糸が3本、杖にくっついた。学園長はそれを飲みかけの紅茶が入ったカップに入れる。
小さなカップの中身は、学園長だけしか見えないだろう。そこに映るのは、糸車に紡がれた思い出だ。
学園長が最初に見ているのは、ブリテンでロクーがヨハネカイン・ホワイトと出会った、あの思い出。
そして、次に見ているのは、ロクーと出会ったリリアーナの思い出である。

> リリアーナはテレパシーで学園長だけに話しかけた。
学園長はカップから目を離さずにそれを聞いた。
> 『その・・・・・・・ロクーという青年は、今の時代の人間ではない気がしました。
>  あまりにロックに似すぎていて、初見では別人とわからなかったくらいで・・・・・・。
>  それと、彼のであったホワイト博士・・・・・・・私、どこかであんな感じの人に出会った気がするんです』
> リリアーナにしては珍しく逡巡した後、ようやく意を決し続けた。
> 『ホワイト博士とは、もしかして、あのマリアベルに縁のある人物ではありませんか?』
> リリアーナは続けた。
> 『クリムゾンヘッドとロクーが入れ替わった時、私は・・・・・・その・・・・・・。
>  以前、ロックがマリアベルと入れ替わった時と同じような違和感を感じました』
ミルクも同時に学園長に話しかけていた。
> 「学園長、実はムウ大陸で、秘密結社ケルビムの一員と名乗った男に襲われたんです。
>  ホワイト博士なる人物の部下で、イエスタディ・ワンスモアという時間を巻き戻す能力を使っていました。
>  ケルビムは魔法使いを憎んでいるようだったのですが…その。
>  この学園に襲ってきたりする可能性とかはあるんでしょうか?」
「その可能性はあるかもしれんのう。ただし、それは魔法使いが憎いからではなく、
 ケルビムの秘密を知った人間を消すためじゃろう。魔法使いが憎いだけなら、
 今までにも、十分過ぎるほどチャンスがあったのじゃからな。」

その時、突然リリアーナは後ろからパチンと頭を叩かれた。
69「お前は隠し事が下手すぎるぜ、リリアーナ。」
叩いたのはロックである。
69「お前は俺にそっくりのロクーのことを聞きたかったんだろ?
  だが、余計な心配はいらないぜリリアーナ。ただの他人の空似にきまってるじゃないか!」
「さよう。」
学園長はそう短く言って、カップから視線を上げた。しかし、同時にリリアーナにテレパシーを送っていた。
『ヨハネカイン・ホワイトは、マリアベルが養子に入ったホワイト家の正式な後継者。
 ギルハートの息子であり、つまりマリアベルから見れば義理の兄じゃ。』
「君達は思いがけず親友と同じ顔を持つ者を相手に戦うことになってしまったが、所詮は他人の空似じゃ。
 気にする事はない。もしもロクーが水晶の瞳を持っていたなら、わしも動揺したじゃろうがのう。」
『じゃが、ロクーが使ったのは紛れも無く“永遠の絆”、多層人格によるクリムゾンヘッドへの交代じゃ。
 これについては、どういうことか聞く必要があるのう。誰に聞くじゃと?決まっておろう。それは…』
>「ところで、じいさん。俺を治してくれるっていうその多層人格専門の医者は何ていう名前だ?」
レベッカが学園長にそう尋ねた。
学園長を、かの有名な大魔法使いを“じいさん”呼ばわりしたことで周りの空気は凍りついた。
しかし、次の学園長の一言が、その場の空気をさらに凍りつかせることになる。
「ヨハネカイン・ホワイト博士じゃ。」

197 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/01/12(火) 14:33:46 P
>185-196
学園長いわく今まで中つ国に行っていたため何も知らなかったそうである
>「そ、そうだったんですか…それは失礼しました…」
ミルクもやはり色々あったせいで時の感覚がおかしくなっている様だ
「そうですわねあの事件があってから二日も経ってませんのよね」

学園長には何か良い考えがあるようである
>「見なさい、あれはフリージアが今期の学園祭のために作った芸術品じゃ 
  氷竜ブリューナク、そうじゃろう?フリージア?」
「ええ・・・ジルベリアの伝説、氷竜ブリューナク
 膨大な力と知性そしてあれな性格を併せ持つ生きた伝説ですわ」
あれな性格のフリージアさんにあれな性格と呼ばれるなんて本当にあれな竜に違いない
「いったいどんな性格なんだろう?」
疑問に思うギズモ
だがその答えは永遠に秘密である

学園長いわくあの像を利用して献血を行い若い男の血を集めてメイレンに飲ませる
そうすればメイレンは復活するらしい
「なるほどその手がありましたわね」
たとえ血液であっても人間の一部には違いない
ならば人を食う妖怪の栄養にはぴったりではないか
現に吸血鬼であるヴァンエレンの主な栄養素はそれである
>「はい、先生!でも、好きではない女の人に噛みつかれるのはあんまり良い気分はしません!」
>「・・・・・・しょうがないよ、メイレン様が他の人に噛み付きでもしたら大惨事になるものね」
確かに皮膚を名前通り岩のように硬くすることが出来るロック以外の人間が噛み付かれたら
今頃は血みどろスプラッタ劇場になっている事だろう
・・・・まあ今でも十分生首スプラッタ劇場ではあるのだが
「早くメイレンさんの体を縫合しないと腐っちゃうよ」
とギズモは早くバラバラの肉体を何とかするべきだと訴える
まあ男性であるレオ先生がやるのは危険だろうから自動的にアストーラさんの役目となるだろう
「バラバラ死体とか見ても何も感じない私はもう乙女として駄目なのかしら?」
目の前にある首だけで生きているメイレンを見て普通に接している自分をもう駄目なのかと思うフリージア
氷竜ブリューナクの像の前で何やら吸血鬼と黒猫が揉めているがそんなことはどうでも良かった

学園長いわくレベッカを元の体に戻すには多層人格について研究している医者が必要らしい
なぜ多層人格なのだろうか?フリージアは疑問に思った
多層人格とはほかの人間の魂が勝手に自分の体を操る現象なのだろうか?
>「レベッカさんの身体も治るんですかっ?!・・・・・・あれ?でも何で多層人格?」
リリアーナも同じ疑問を持ったらしく学園長にたずねる
だが結局何故かは分からなかった
そんなことよりも重要なのはその多重人格の専門医が・・・・・
>「ところで、じいさん。俺を治してくれるっていうその多層人格専門の医者は何ていう名前だ?」
>「ヨハネカイン・ホワイト博士じゃ。」
「なん・・・・ですって」
学園長の話が本当ならケルビムのケの字でも出せばやばいことになるに違いない
「皆さん!少なくてもレベッカさんが元の体に戻るまではケルビムの事を知っている素振りをしてはいけませんわよ!!」
もしロクーが記憶を持ったまま過去に戻っていたならば無駄ではあるが
そうで無いのならばこれで穏便に収まるはずである
はたして無事にレベッカは生身に戻ることが出来るのだろうか?
失敗してレベッカの人格が槍と肉体で二つになるなんてわけが分からない失敗とかしないだろうか?
戻ったはいいけど槍だったときの記憶が無いとかそんな失敗をしないだろうか?
フリージアはかなり心配だった
「で・・・そのホワイト博士はいったい何時到着しますの?」


198 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/14(木) 04:34:34 0
時間は、少し遡る。
 
若い男性の血液を集めることで、メイレンを復活させようと考えた学園長。
その妙案にいち早く乗ったのは、ヴァンエレンではなくアナスタシアだった。
台風のように窓から飛び出していったアナスタシアを、ただ見送った一同。
 
「オウカさん、疲れてるんでしょう?大丈夫?」
リリアーナはオウカに声をかけた。
「いろいろあったけど、メイレン様、復活できそうだね。本当に良かったよね」
リリアーナは嬉しそうにオウカの腕に目線を落とした。
「そういえば、龍玉3つとも持ってきちゃったね。このまま学園に持ってきちゃってもいいのかな?
 それとナナナも、どうするつもりなんだろ」
彼女のマスターである魔本は、ヴァンエレンが持っている。
あとで彼の手によって、地下図書館の司書であるオルビアの元に運ばれるだろう。
「ムウ大陸への出入りは、今日一日なら大丈夫だった筈なんだけど・・・・・・。
 今日を逃すと、ここからムウ大陸に渡るには、また一年待たないとダメらしいんだよね。
 上手く逝けばニャンコ先生が迎えに来てくれるかもしれないんだけど・・・・・・うーん」
ナナナはおどおどした様子で、所在なさげに立っている。
「うーん。・・・・・・・こういう時、何て話を切り出したらいいのかな」
リリアーナは何かを期待した目で、じーっと桜花を見つめている!
 
そして現在。
学園長は思ひ出の糸車に杖を近づけ、リリアーナの記憶の一部を取り出した。
(あー!こんないいマジックアイテムがあったのに!!私のバカバカバカ!!)
学園長にテレパシーを送り終えたリリアーナは、心の中でぐるぐる反省した。
そしてミルクのほうは、リリアーナと違ってちゃんと筋道立てて事件を説明しようとしてた。
ミルクの危惧に対し、ケルビムがこの学園を襲撃する可能性はあると学園長は答えた。
だがそれは、秘密を知ったものを消すためらしい。
「それは一体・・・・・・・あうっ!!」
69「お前は隠し事が下手すぎるぜ、リリアーナ。」 
リリアーナは目をぱちくりさせながらロックを見上げた。
「な、何も隠してなんか・・・・・・ないもん」
69「お前は俺にそっくりのロクーのことを聞きたかったんだろ? 
  だが、余計な心配はいらないぜリリアーナ。ただの他人の空似にきまってるじゃないか!」 
学「さよう。」 
学園長はただの他人の空似だと結論付けた。
確かに、ロクーの目は紺色で、本物のロックとちがって水晶のような瞳の輝きは無かった。
だから学園長の話は筋が通っている。
「そうね。他人の空似に決まってるわよね!やだな、私ったらバカみたい!」
リリアーナはそう言っておどけたが、見る見るうちに顔から血の気が引いていく。
まるで、恐ろしい亡霊か何かに遭遇したかのようだった。
それほど、学園長のテレパシーは衝撃的なものだったのだ。
『ギルハートの息子!!どういうことです?しかも学園長のお知りあいだなんて。
 それにホワイト博士は、闇の魔法使いの才は無かったのですか?』
リリアーナ
『確か、マリアベルは、不死の克服を目指していました。
 ロクーから聞いたケルビムの方針とはまるで違います。これは一体・・・・・・。
 そもそも永遠の絆とは、いったい何なのですか?』
リリアーナは矢継ぎ早に質問した。
>「ところで、じいさん。俺を治してくれるっていうその多層人格専門の医者は何ていう名前だ?」
学「ヨハネカイン・ホワイト博士じゃ。」 
「そんな!ここに彼が来るって事ですか?!どうして!!別の医者ではだめなのですか?!」
リリアーナにしては珍しく先入観で過剰反応している。
>「皆さん!少なくてもレベッカさんが元の体に戻るまではケルビムの事を知っている素振りをしてはいけませんわよ!!」 
リリアーナはフリージアの言葉に少し冷静さを取り戻したようだ。
わかった、というように軽く頷く。
>「で・・・そのホワイト博士はいったい何時到着しますの?」 
「ロック、あなた長旅で疲れてるんでしょう?早くお部屋に戻って休ませてもらったら?」
リリアーナはロックにそう勧めたが、メイレンがいる限り無理な話だろう。

199 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/14(木) 19:33:22 0
>197>198
> 「そんな!ここに彼が来るって事ですか?!どうして!!別の医者ではだめなのですか?!」
リリアーナに学園長が答える。
「この手の症状を治療するなら、彼の協力は不可欠じゃろう。
 逆に言えば、彼は我々の要請を拒否することはできぬ。
 なぜなら、治療ができる医者が他にはいないのじゃからのう。
 これがどういう意味かわかるかのう?
 我々は我々が最も得意とするフィールドで彼に会い、
 彼はアウェーの地で我々と会うという意味じゃ。」
>「地の利って奴か?」
とレベッカ。
「あまり事を荒立てる気もないが、そういうことじゃ。
 もしもケルビムの実体がこのようなものであれば、
 我々は可及的速やかな対応に迫られる事になる。 
 ケルビムの代表である彼をこの島に呼べるまたとない機会じゃ。」
> 「皆さん!少なくてもレベッカさんが元の体に戻るまではケルビムの事を知っている素振りをしてはいけませんわよ!!」
とフリージア。
「それが懸命じゃろう。さらに言えば、君達はヨハネカイン博士と顔を会わせぬ方が良かろう。
 色々と気になる気持ちもわからぬではないが、今回の件はわしに任せなさい。」
> 「で・・・そのホワイト博士はいったい何時到着しますの?」
「これから連絡をとってみよう。早ければ3日後にはこの島に来ることができるはずじゃ。」
> 「ロック、あなた長旅で疲れてるんでしょう?早くお部屋に戻って休ませてもらったら?」
69「いや、それはまずいぜ。」
リリアーナの問いにロックが答える。
69「俺が部屋に入ると俺の体が部屋に入るぜ?俺の体にはこの女の人が付いてるぜ?
  だから、俺が部屋に入るとこの女の人が付いてきてしまうじゃないか!それはまずいぜ!」
>「口さえ残ってれば色々楽しめるもんなぁ。」
レベッカがそう言って口を挟む。
「ミセス・スイションを男子生徒が部屋に連れ込むというのは、確かにあまり健全ではなかろうのう。
 リリアーナもそれは望んではおらんじゃろう?女子寮で待つと良い。」
69「女子寮!?」
ロックはびっくりした。当然である。理由を説明するのも馬鹿馬鹿しい。
「ロックには申し訳ないが、ミセス・スイションが若い男を狙っている以上、
 男子生徒が顔を出す場所には行ってほしくないのじゃ。
 通行許可証を出すから、ミセス・スイションが見えないように布を被せて女子寮で待機するのじゃ。
 少しだけの我慢じゃ、ヴァンエレンとアナスタシア先生ならすぐに必要な量の血を集められるじゃろう。」
ロックは仕方ないやら恥ずかしいやらで複雑な顔をした。
友人のジミーあたりが毎回妄想しているが、
ロックは決して女子寮に勝手に忍び込んだりしたことはないのだ。今度はどんな噂を広げられるやら。
「では、すまんが席を外してくれ。ヨハネカイン博士と連絡をとるのでな。
 ムー大陸とそこから来た友人達の今後の事は、また後日改めて連絡することにしよう。」
学園長はそういって皆に退室を促した。彼は最後にリリアーナにテレパシーを送った。
『マリアベルが闇の中を歩いた者であるとすれば、ヨハネカインは光の中を歩いた者じゃ。
 ヨハネカインに闇の魔法使いの素質があったのかどうかは、わしもわからず終いじゃ。
 ただ事実だけを言えば、彼が表の世界で魔法を使ったことは無く、
 それでいてホワイト家の正式な後継者であり、数々の命を救ってきた名医であり、
 さらに死を克服しようとしていたマリアベルと激しく対立しておったということじゃ。
 
 ヨハネカインが熱心に多層人格を研究したのも、マリアベルが使う“永遠の絆”を断ち切るためじゃ。
 なぜなら、これもまた死を克服する能力。他人を殺すことで、それを自分の別人格として取り込み、
 自分が生きている間ずっと生かし続ける能力じゃからのう。
 
 クリムゾンヘッドは、間違いなく殺したのじゃろう。
 ヨハネカイン・ホワイト、そしてクリムゾンヘッドを知る前の過去の自分自身をのう。』

学園長室を出た後、ロックはリリアーナに尋ねた。
69「大丈夫かリリアーナ?顔色が良くないぜ?」

200 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2010/01/16(土) 08:40:55 0
>192
うかれるヴァンエレンを呼ぶ学園長。
喜びの表情のままぴこぴこと羽を動かしてよってくる。
>「見なさい、あれはフリージアが今期の学園祭のために作った芸術品じゃ。
>氷竜ブリューナク、そうじゃろう?フリージア?
>ずいぶんと人だかりができておるのう。さて、ヴァンエレン。
>そこで献血の募集をあの人だかりの中に入って行ってほしいのじゃが、
>わしとお主の仲故、嫌とは言うまい。
>公序良俗の範疇を超えない範囲で若い紳士諸君の協力を仰いでくれ。」
「あいさー。
 行って参る!」
敬礼をし、即座に現場に向かっていた。

>194
「血が足りません!誰か助けてくだされ!」
すぐさま受付カウンターと献血一式を用意して血の収集にあたる。
と、そこで汚れた猫と出会う。
「わはー。
 これは奇怪な者をみたぞ・・・。
 不機嫌そうだし、見なかったことにしよう」
もちろん相手にばっちり聞こえています。
>>「よーし!教育実習生のアナスタシア・ホーリー先生の登場だぞ!
>> ここでブリューナクの像を見てた奴は全員整列し、見学代としてヴァンエレンに献血していくこと!
>> 逃げた奴は後で重加算税も含めて採血に行くから覚悟するように!以上♪」
「おー!援軍感謝いたします。
 ではこっちに並んで…って採血しようとしたらダメー!」
強引に人を連れ込んであきらかに素人の手際で行おうとしているアナスタシアを止める。
「あなたは何もしなくて結構ですから、このイスに座ってくだしあー」
ミルクの言うとおりこのまま子守をするハメになりそうだ。
時折アナスタシアの善意?という妨害があったものの、皆の協力もあって大量の血液を確保することに成功した。
「目標達成!ただいま戻りました!」
ブツを蝙蝠に運ばせてじゃじゃーん!と勢いよく窓から参上した。

201 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/16(土) 20:16:24 0
>196-199
>「そこのキャビネットの中を開くと良い、保健室までつながっておる。
> 必要無いなら、それでもかまわんがね?」
「いやものすごく必要ですから!話が終わったら可及的かつ速やかに行ってきます!」
レオ先生にお願いできるなら、槍になってて大変なレベッカに負担をかけずにすむってもんだ。

>「その可能性はあるかもしれんのう。ただし、それは魔法使いが憎いからではなく、
> ケルビムの秘密を知った人間を消すためじゃろう。魔法使いが憎いだけなら、
> 今までにも、十分過ぎるほどチャンスがあったのじゃからな。」
「うっ…それじゃあたしたちが標的にドストライクって事なんですね…」
ケルビム襲撃の可能性についての質問への答えは、最悪の予想だけは免れた…けど。
周りに迷惑かけずにすんだと喜ぶべきか、それとも命をねらわれる危険が出てきたと悲しむべきか。
…両方だなこれは…

>「君達は思いがけず親友と同じ顔を持つ者を相手に戦うことになってしまったが、所詮は他人の空似じゃ。
> 気にする事はない。もしもロクーが水晶の瞳を持っていたなら、わしも動揺したじゃろうがのう。」
>「そうね。他人の空似に決まってるわよね!やだな、私ったらバカみたい!」
学園長はロクーとロックは他人の空似だと言い、リリアーナもそれに同調する。
でも本当に?
無関係の人間が、あそこまでそっくり同じになるなんてあるのか?
ユリじゃなくても、実はロックには生き別れの双子の兄弟が…なんて妄想が浮かんでくるぞ。
ま、でも、そんなのあたしが詮索するような事じゃない、か。

>「ところで、じいさん。俺を治してくれるっていうその多層人格専門の医者は何ていう名前だ?」
レベッカの質問に、学園長はさらりと答える。
>「ヨハネカイン・ホワイト博士じゃ。」
>「なん・・・・ですって」
「げげげげ……冗談…じゃなくて本当なんですか…」
よりによって。ここで一番聞きたくなかった名前がでたよでましたよ…
>「そんな!ここに彼が来るって事ですか?!どうして!!別の医者ではだめなのですか?!」
リリアーナが激しく反対したけど、学園長の考えは変わらない。
確かに地の利はある。
相手の手の内がわかってる以上、油断する必要もない。
それでも近くにんな危険人物が来るとなると良い気はしないぞ…

202 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/16(土) 20:17:40 0
>「皆さん!少なくてもレベッカさんが元の体に戻るまではケルビムの事を知っている素振りをしてはいけませんわよ!!」
>「それが懸命じゃろう。さらに言えば、君達はヨハネカイン博士と顔を会わせぬ方が良かろう。
> 色々と気になる気持ちもわからぬではないが、今回の件はわしに任せなさい。」
「それはもう。学園長に頼りっぱなしで申し訳ないですけど、ここはよろしくお願いします」
口に出さなくても面が割れてるからして、出会っただけでもう危ないですよええ。
博士は3日後には来るみたいだから、来てる間はなるたけ部屋に引きこもり確定だな。

>「ロック、あなた長旅で疲れてるんでしょう?早くお部屋に戻って休ませてもらったら?」
>69「俺が部屋に入ると俺の体が部屋に入るぜ?俺の体にはこの女の人が付いてるぜ?
>  だから、俺が部屋に入るとこの女の人が付いてきてしまうじゃないか!それはまずいぜ!」
休んできたらどうかと言うリリアーナに、メイレンさんつきじゃまずいと答えるロック。
なるほどね。ロックもいろいろ考えてるじゃん。
>「口さえ残ってれば色々楽しめるもんなぁ。」
「あんたは余計な事は考えるな!」
下ネタに走るレベッカをげしっと蹴っ飛ばしてると、学園長が女子寮で待機案を提案した。
学園長のお墨付きなら、リリアーナもいる事だし白百合の連中もおとなしくしてるだろう。
それが万全…かな。

>「では、すまんが席を外してくれ。ヨハネカイン博士と連絡をとるのでな。
> ムー大陸とそこから来た友人達の今後の事は、また後日改めて連絡することにしよう。」
「あ。それじゃあたしは保健室に行って呪いを解いてきます。 みんな、レベッカやナナナの事をよろしくね」
そう言ってあたしは、当面の優先事項の性別転換の呪いを解くために、キャビネットから保健室に向かった。

「えーっと…レオ先生、いますか…?」
保健室に入ってそう呼びかけたけど、返事は帰らない。
まだ学園祭の途中だから、どこかで催し物でも見に行ってるのかな。
男になっちゃったのはあまり知られたくないからベッドで寝ながら隠れてるか…と思ったら。
どうも先客がいるようで、ベッドの周囲にはカーテンが引かれている。
しょうがない。おとなしく椅子に座って待ってるか…

椅子に座って壁に背中を預け、天井を見上げながら遠くから聞こえる喧噪に耳を傾けていると。
ようやく帰ってきたという実感が戻ったからか、安心して疲れがどっと出たからか。
急激に眠気が襲ってきた。
聞こえる騒ぎはどんどんと遠ざかり、瞼はばんばん重さを増していく。
あ。ヤバい。これは寝ちゃうかも。
でも今日はいろいろあったし、今はレオ先生待ちだし。
ちょっとくらいならいいかな?いいよ…ね?


203 名前:ターロンとナナナとアナスタシア ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/16(土) 20:18:39 0
>196-200
>69「大丈夫かリリアーナ?顔色が良くないぜ?」
>>「ヨハネカイン博士のことならば心配には及びません。
>> 屈指の実力を持つ魔法使いの居城に、準備も無しに乗り込んで悪事を働く者はそういないでしょう。
>> 以前のマリアベル事件は私も知っていますが、あれは不運な偶然が重なった結果にすぎません」
ターロンは、レベッカに巻き付いたままでリリアーナにそう言った。
>>「仮にヨハネカイン博士に企みがあったとしても、こちらにはメイレン様もおられます。
>> 無論、微力ながらこのターロンも、レベッカ様のご学友のために尽力する所存です。
>> ケルビムにどのような策があろうとも、容易く乗せられは致しませんよ」
学園長室では借りてきた猫のように静かだったターロンも、部屋を出れば雄弁だった。
レベッカたちの発言が自分の今後の扱いに大きく関係する事を思えば、それも当然かもしれない。
以前レベッカが言ったように、ターロンも生きてさえいればこの先はどうにでもなると思っている。
学園長による封印などの結末を避けるためには、ターロンとしても協力的な姿勢を見せるしかないのだ。

> 「はわわわ…」
一方でナナナは、落ち着かない様子でキョロキョロと周囲を見回しながら、リリアーナたちの後をついてくる。
メイド長にテレパシーを送っても、いつもは返る返事が返らない。
猫耳男からは返答があったが、しばらく考え事をするから話しかけるなと言われてしまった。
その上見知らぬ場所に飛ばされてしまったままなのだから、挙動不審になるのも無理はない。
今の彼女の支えは、ムウ大陸を再興すると言ってくれたレベッカだけなのだ。
しかし、邪魔にならない時に話しかけようとしてもタイミングがわからない。
結果ナナナは、はわはわ言いながらレベッカの後をずっとついて行くだけになっている。

>「おー!援軍感謝いたします。
> ではこっちに並んで…って採血しようとしたらダメー!」
「んー?なんでダメなんだ?採血を手伝ってやってるだけだぞ?」
そう言うアナスタシアの手にはいつの間にか巨大な注射器が握られていて、見る者をドン引きさせていた。
効率を考えての選択で、悪意があるわけではないのが余計に始末が悪い。
>「あなたは何もしなくて結構ですから、このイスに座ってくだしあー」
これ以上邪魔されては大変とばかりに椅子に座らされて、アナスタシアの不機嫌ゲージが増大した。
「ぶーぶー!これじゃ暇でしょうがないぞー!」
子供のように足をばたつかせながら頬を膨らませるアナスタシア。
実年齢からは合っていないが、成長が止まった見た目にはよく似合っている。
そんなアナスタシアが、獲物を見つけて目を輝かせた。
獲物はすなわち、びしょ濡れ黒猫のルズだ。

「おー心の友よ♪暇そうだから先生が一緒に遊んでやるぞ♪
 じゃあ、まずは空を自由に飛びたいなごっこからな。そーれー!」
ルズをひょいと持ち上げたアナスタシアは、そのまま背中に羽を出して高速で空を飛び回った。
ただ飛ぶだけではなく、ルズを落としてから急降下して捕まえてまた飛び上がったり、やりたい放題だ。
ルズに命綱無しの飛び降りなどの趣味が無ければ、楽しいのはアナスタシアだけだろう。
「楽しかっただろー?楽しかったよなー。また一緒に遊んでやるから楽しみにしてろよ♪」
さんざん飛び回った後、アナスタシアはようやく飽きたらしくルズを解放する。
しかし、今度はまた巨大注射器を持ち出して献血を手伝おうとし始めた。
あるいは、アナスタシアが手伝わなかった方が素早く献血が終わったかもしれない。

>「目標達成!ただいま戻りました!」
「見事な連携プレーですぐに目標達成しちゃったぞー!
 んあー?ミルクたちどこに行ったんだ?
 どこかへ遊びに行っちゃったのか?
 お姉ちゃん達が働いてるときに遊びに行くなんてひどい奴らだなー!」
ヴァンエレンと一緒に学園長室に戻ったアナスタシアは、ミルクたちがいない事に腹を立てた。

204 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/17(日) 04:39:40 0
>「俺が部屋に入ると俺の体が部屋に入るぜ?俺の体にはこの女の人が付いてるぜ? 
  だから、俺が部屋に入るとこの女の人が付いてきてしまうじゃないか!それはまずいぜ!」 
「ああ、そうだった・・・・・・!!」
リリアーナは頭を抱えた。そう、ロックだから、腕を食いちぎられなくて済んでいるのだ。
もしもメイレンが男子寮に入って、その辺の生徒を片っ端から食いついたとしたら・・・・・・。
>「口さえ残ってれば色々楽しめるもんなぁ。」 
「言わないでよ、そんな怖いこと」
>「あんたは余計な事は考えるな!」 
>「ミセス・スイションを男子生徒が部屋に連れ込むというのは、確かにあまり健全ではなかろうのう。 
> リリアーナもそれは望んではおらんじゃろう?女子寮で待つと良い。」 
69「女子寮!?」 
ロックはびっくりしている横で、リリアーナは「いえ私は・・・・・・」と一人ごにょごにょ言い訳をした。
学「ロックには申し訳ないが、ミセス・スイションが若い男を狙っている以上、 
 男子生徒が顔を出す場所には行ってほしくないのじゃ。 」
「あ、そっちの方ですか」
リリアーナはははは、と乾いた笑いを浮かべた後、
自分の動揺を誤魔化すように、ロックの通行許可証をさも珍しそうにながめた。
>「では、すまんが席を外してくれ。ヨハネカイン博士と連絡をとるのでな。 
> ムー大陸とそこから来た友人達の今後の事は、また後日改めて連絡することにしよう。」 

リリアーナは部屋から出る際、ナナナに声をかけようとした。
今後の身のふり方をどうするのかを確認しようとしたのだ。
だが、そんな気配りが出来るだけの余裕は、学園長からの最後のテレパシーで吹き飛んでしまった。

>『(略) ヨハネカインに闇の魔法使いの素質があったのかどうかは、わしもわからず終いじゃ。 
> ただ事実だけを言えば、彼が表の世界で魔法を使ったことは無く、 
> それでいてホワイト家の正式な後継者であり、数々の命を救ってきた名医であり、 
> さらに死を克服しようとしていたマリアベルと激しく対立しておったということじゃ。 
学園長室から最後に退出しかけたリリアーナは、思わず歩を止めた。
学園長の言葉は、リリアーナにとってはとても重要な情報だった。
だが内容が、リリアーナのイメージとあまりにかけ離れていて、どうにも頭がついてこなかったのだ。
ただ、ロクーとクリムゾンヘッドがあれほど慕った相手なのだ、ひとかどの人物であるのだろう。
そうでないと彼らが浮かばれない。

>『ヨハネカインが熱心に多層人格を研究したのも、マリアベルが使う“永遠の絆”を断ち切るためじゃ。 
> なぜなら、これもまた死を克服する能力。他人を殺すことで、それを自分の別人格として取り込み、 
> 自分が生きている間ずっと生かし続ける能力じゃからのう。 
> クリムゾンヘッドは、間違いなく殺したのじゃろう。 
> ヨハネカイン・ホワイト、そしてクリムゾンヘッドを知る前の過去の自分自身をのう。』 
『それは・・・・・・・ロクーも、マリアベルの転生体候補だったという意味ですか?
 彼の目が水晶の瞳で無かったら、選ばれなかったと?
 それとも、それとも・・・・・・まさか、永遠の絆を研究するヨハネカインの手で・・・・・・』
生前、クリムゾンヘッドはこうも語っていた。
「俺は、あの人のためなら、盗みもしたし、殺しもしたし、殺されることだって怖くなかった」と。


205 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage ルズは夜に。最近避難所顔出せなくてゴメン。] 投稿日:2010/01/17(日) 04:43:49 0
――――ただ、ここで一つ指摘したい点がある。
それは、リリアーナは学園長の話をどこまで正しく理解できているか否か、だ。
情報を正しく理解しなければ、どれだけ足りない頭で考えても、正しい答えをみつけることなど出来はしない。
『・・・・・・あ、連絡を取るのでしたよね。すみません、何だかいろいろ考えてしまって。
 学園長、ありがとうございました。ひとまず失礼します』
リリアーナはぺこりと頭を下げると、慌ててロック達の後を追った。

69「大丈夫かリリアーナ?顔色が良くないぜ?」 
「えっ、そんなこと無いよ。すごく元気元気」
リリアーナは腕を振り回して空元気を出したが、いくら鈍いところのあるロックでも誤魔化されないだろう。
それに、ヨハネカインは3日後にここに来る。
となると、遅かれ早かれ彼の素性は、ロックの耳に入ることになるかもしれない。

リリアーナは意を決したように顔を上げると、何でもないよというように首を左右に振った。
「本当にたいしたことじゃないの。ちょっとした偶然に驚いただけ。
 んっと、桜花さんは知ってるかな?かつてこの学園にやって来た、マリアベルという名の魔法使いのこと。
 彼とヨハネカインは、なんと義理の兄弟だったのよ。もー、ホントーにすっごい偶然!びっくりしちゃった。あはは」

リリアーナは笑い飛ばした後、ロックからの質問を遮るように早口で続ける。
「そんな事より、皆、私の部屋に来て来て。
 ロック一人では、メイレン様がもしも乱心なさった時対処できないもの。皆がいてくれた方が絶対いい!
 あ!でも私の部屋には結界があって、攻撃魔法とか一切効果がなくなるのよね。
 妖怪のメイレン様には効果なくて、魔法使いだけに有効だったら困るかな。
 それ以前にレベッカさん、槍の身体で決壊の中に入って大丈夫なのかな?
 やっぱり他のお部屋に集まった方がいいのかも?
 フリージアの部屋は・・・・・・寒いから無理よね。寒くてこごえちゃう。 
 レベッカさんの部屋はまだ荷解き終わってないんでしょう?
 ずっと長く一緒だった気がするけど、昨日転入したばかりだもんね。となると・・・・・・」
リリアーナはちらっと桜花の方を見たが、さすがにいきなり部屋に大勢押しかけるのもどうかと思ったようだ。
「あ、いや。やっぱり私の部屋にしようか」
かなり落ち着きが無いというか、一言で言うと、挙動不審である。

>「ヨハネカイン博士のことならば心配には及びません。 
>  屈指の実力を持つ魔法使いの居城に、準備も無しに乗り込んで悪事を働く者はそういないでしょう。 
>  以前のマリアベル事件は私も知っていますが、あれは不運な偶然が重なった結果にすぎません」 
「べ、別にロックに何かされるんじゃないかー、なんて心配なんかしてないわよっ!全然!!
 ・・・・・・・・・あっ!そういえばターロン、何で妖怪のあんたがマリアベルのこと知ってるのよ――――!!」
リリアーナは、ターロンに巻きつかれているレベッカごとぶんぶん揺さぶった。
(もっとも、ターロンは妖怪でありながら魔法使いだ。
 魔法使いならば、襲撃事件の情報を多少なりとも持っていようが、なんら不自然ではない)
>「仮にヨハネカイン博士に企みがあったとしても、こちらにはメイレン様もおられます。 
>  無論、微力ながらこのターロンも、レベッカ様のご学友のために尽力する所存です。 
>  ケルビムにどのような策があろうとも、容易く乗せられは致しませんよ」 
「ふーん。レベッカさんだけじゃなくて、私達のためにも尽力してくれるんだー。
 ムウ大陸で力を解放しろって責められる前に、その言葉、聞きたかったなー。
 って・・・・・・・・・・・・・あーっ!!
リリアーナはやっと重要なことを思い出した。

206 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage ルズは夜に。最近避難所顔出せなくてゴメン。] 投稿日:2010/01/17(日) 04:44:31 0

「ターロン、そういえばあなた、よくもムウ大陸で私の封印解いたわねっ!!
 ヨハネカインの目的は死を克服する能力の破棄でしょ!どーしてくれるの!!
3日後にヨハネカインが学園に乗り込んで来る。
その時、リリアーナの中に封じた力を知られたら最後だ。
「今すぐ封印を元に戻しなさいよ!
 このままじゃ私、間違いなくヨハネカインに消されるじゃないのよ!
 どーしてくれるのよこのおバカぁ―――― っ!!」
リリアーナは先程の3倍増しで、レベッカごと槍にへばりついたターロンをぶんぶんぶんぶんぶんぶん揺さぶった。

・・・・・・さすがに今のリリアーナに、ナナナの気持ちを慮るだけの余裕は無いようだ。

207 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/17(日) 19:48:41 0
>200>203
> 「目標達成!ただいま戻りました!」
> 「見事な連携プレーですぐに目標達成しちゃったぞー!
>  んあー?ミルクたちどこに行ったんだ?
>  どこかへ遊びに行っちゃったのか?
>  お姉ちゃん達が働いてるときに遊びに行くなんてひどい奴らだなー!」
> ヴァンエレンと一緒に学園長室に戻ったアナスタシア。
学園長は、机の上に置いてある何かと話をしていた。
Yo「実は今仕事ですぐ近くまで来ていたんですよ。予想外に早く終わりましてね。
  これからすぐに準備して行きますよ。ゲートを開けておいてください。」
学園長の机の上に置かれたゴブレットにエメラルド色の炎が燃えている。
その炎の向こうに見える男こそがヨハネカインである。
ヴァンエレンとアナスタシアは、
ちょうど学園長がヨハネカインと話している時に帰ってきてしまったのだ。
彼女達がこれほど早く帰ってくることは、学園長の想定外だった。
ヨハネカイン・ホワイトがこれほどまで早く来るのと同じように。
「…わかった、そうしてくれ。」
学園長はそう言う他無かった。治療のためこちらに来るように頼んだのは学園長である。
仮にヨハネカインが、ヴァンエレンとアナスタシアの顔、
そしてミルクの名前を聞いて素早い来訪を決めたとしても、それを拒む材料は無い。

Yo「ところで…そちらの二人は初めて見る顔ですね。
  私はヨハネカイン・ホワイト、医者です。どうぞよろしく。
  よろしければ、お名前をお聞かせ願えますか?」
ヨハネカインの言葉は、人を安心させる医者らしい響きがあった。
「(ヨハネカインは本当にムー大陸での出来事を知らぬのじゃろうか?
 ミルクはキャビネットの中に入ったゆえ、今は保健室じゃろう。
 アナスタシアに今それを言えば、ヨハネカインはすぐに保健室へと行くやもしれん。
 じゃが、かわりにミセス・スイションのところへ行けと言うても、あまり良くない。
 ヨハネカインに是非彼女を紹介してほしいと言われると厄介じゃ。
 おそらくロックとリリアーナとレベッカが一緒じゃからのう。)」
学園長はそう考えて、ヴァンエレンとアナスタシアに振り返りながら言った。
「はて?みんなどこへ行ってしもうたのじゃろうかのう?」

208 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/17(日) 19:52:12 0
>205>206
> 「えっ、そんなこと無いよ。すごく元気元気」
「そんなことをしたところで、俺をごまかせないぞ!」
とロックはリリアーナに言った。ロックは有言実行の男である。
人前でいちゃいちゃするのは嫌いだと言った以上、
リリアーナの顔を舐めて“これは嘘をついている味だ”とかは言わない。
> 「本当にたいしたことじゃないの。ちょっとした偶然に驚いただけ。
>  んっと、桜花さんは知ってるかな?かつてこの学園にやって来た、マリアベルという名の魔法使いのこと。
>  彼とヨハネカインは、なんと義理の兄弟だったのよ。もー、ホントーにすっごい偶然!びっくりしちゃった。あはは」
「本当かリリアーナ!でも、一体どうしてそんなことを知って…」
> リリアーナは笑い飛ばした後、ロックからの質問を遮るように早口で続ける。
おかげでロックは発言できなかった。ロックはふくれてしまった。
レ「結界は普通に大丈夫だろ。リーの部屋でいいぜ、俺は。」
レベッカはリリアーナのミーティング場所の提案にそう答えた。
ロックとリリアーナが“ジャキーン!!”するのを期待しているのは秘密である。

> >>「ヨハネカイン博士のことならば心配には及びません。
> >> 屈指の実力を持つ魔法使いの居城に、準備も無しに乗り込んで悪事を働く者はそういないでしょう。
> >> 以前のマリアベル事件は私も知っていますが、あれは不運な偶然が重なった結果にすぎません」
> ターロンは、レベッカに巻き付いたままでリリアーナにそう言った。
> 「べ、別にロックに何かされるんじゃないかー、なんて心配なんかしてないわよっ!全然!!
>  ・・・・・・・・・あっ!そういえばターロン、何で妖怪のあんたがマリアベルのこと知ってるのよ――――!!」
> リリアーナは、ターロンに巻きつかれているレベッカごとぶんぶん揺さぶった。
レ「ちょっ、待っ…アッー!」
レベッカからすればいい迷惑である。
レ「(それにしてもさっきのリーの発言、まるでロックがマリアベルと何か関係のありそうな感じだな。
  俺はマリアベルが何者なのかまるでわからんが、
  ヨハネカインと義理の兄弟関係があるなら、知っておくべきだろうな。)」
その後、ターロンが解いた封印のせいでさらにリリアーナに文字通り揺さぶられるターロン。
レ「アッー!アッーー!!アッーーーッ!!!」
無論レベッカも一緒である。

> > 「はわわわ…」
> 一方でナナナは、落ち着かない様子でキョロキョロと周囲を見回しながら、リリアーナたちの後をついてくる。
すっかり発言権を喪失したロックは、同じく発言するタイミングを見出せないナナナに話しかけた。
「俺はロックだ!お前が誰であろうと俺の知ったことではない!
 だが、俺は困ったメイドさんを助けることは大好きだ!
 勘違いするなよ!メイドさんが好きなんじゃない!困ったメイドさんを助けるのが好きなんだ!
 だからお前が何に困っているのか話してくれたら、俺がどうにかしてやるぜ!」

209 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/01/18(月) 13:16:43 P
>198−206>208
>「本当にたいしたことじゃないの。ちょっとした偶然に驚いただけ。
  んっと、桜花さんは知ってるかな?かつてこの学園にやって来た、マリアベルという名の魔法使いのこと。
  彼とヨハネカインは、なんと義理の兄弟だったのよ。もー、ホントーにすっごい偶然!びっくりしちゃった。あはは」
初耳である
「なん・・・だと」
あっと驚くギズモきゅん
彼がフリージアと出会ったきっかけはマリアベルとの一連の事件であり
それが無ければ今の立場が無かっただろうし
念願の人間の姿を手に入れることも出来なかっただろう
>「そんな事より、皆、私の部屋に来て来て(ry」
というわけで一同全員リリアーナの部屋に行くことになった
「さすがにこう大人数だと狭いよね」
文句を言うギズモ
「文句を言わないの!」
それをたしなめるフリージア

何故かマリアベルの事を詳しく知っているターロン
>「無論、微力ながらこのターロンも、レベッカ様のご学友のために尽力する所存です。
  ケルビムにどのような策があろうとも、容易く乗せられは致しませんよ」
話の内容が本当ならば手を貸してくれるようだ
「どうせまた自分がやばくなったらホワイト博士に鞍替えするんでしょ」
とまったくターロンを信頼していないギズモ
「その時はその時ですわ」
ターロンが裏切ったら一緒に氷漬けにする気満々である

>「ターロン、そういえばあなた、よくもムウ大陸で私の封印解いたわねっ!!
  ヨハネカインの目的は死を克服する能力の破棄でしょ!どーしてくれるの!!」
そう・・・このままでは間違くリリアーナが命を狙われるのである
「安心しなさいな!いざとなったら私がリリアーナさんを守りますわよターロンさんを盾にして」
まさに外道である

>「俺はロックだ!お前が誰であろうと俺の知ったことではない!
  だが、俺は困ったメイドさんを助けることは大好きだ!
  勘違いするなよ!メイドさんが好きなんじゃない!困ったメイドさんを助けるのが好きなんだ!
  だからお前が何に困っているのか話してくれたら、俺がどうにかしてやるぜ!」
「ロックさん・・・・若くて綺麗なメイドさんなんて実在するわけないじゃありませんの
 あなた幻覚を見ているんですわ!!」
いきなりボケをかますフリージア
「じゃあお母さんの存在も幻覚だね・・・今時、縦ロールのお嬢様が実在するわけ無いもの
 ナナナお姉ちゃんは見た目は若いけど実年齢は(ry
 下手すると学園長やメイレンさんより(ry」
とギズモ
「と・・・まあ冗談はこれまでにしてホワイト博士の目的が死を克服する能力の破棄だというのなら
 人間じゃない存在になって不死になったヴァンエレンさんやアナスタシア先生ってやばくありませんの?」
と人間じゃなくなって不死になった人達を心配するフリージア
「ヴァンエレンさんは元から死んでるからこれ以上死なないだけだよお母さん
 それを言うなら死霊科の存在自体がやばいじゃない」
それは大丈夫だろうという希望的憶測を述べるギズモ
はたしてそれはどうなのだろうか?

210 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/18(月) 21:25:08 0
>200 >203
泥水になってしまった101人フリージアさん達。
水溜りの中で泣き喚く猫一匹。
>「わはー。 
> これは奇怪な者をみたぞ・・・。 
> 不機嫌そうだし、見なかったことにしよう」 
>もちろん相手にばっちり聞こえています。 
ルズは般若のような顔になった!
「だーれーがー奇怪なものですってー!シャ――――!!」
ルズはヴァンエレンの足に噛みついた!
ミス!ヴァンエレンはひらりと身をかわした!
ルズは水たまりに おちた!

「くう〜、まさか避けられるとはっ!ヴァンエレンのくせに生意気です・・・げふっ?!」
ルズは何者かによってふき飛ばされた。
彼女はくるくると空を舞い、そのまま水たまりに落下した。

ルズがダウンしている間に、アナスタシアとヴァンエレンは着々と献血の準備を着々とすすめる。
>「あなたは何もしなくて結構ですから、このイスに座ってくだしあー」 
>「ぶーぶー!これじゃ暇でしょうがないぞー!」 
「ま、負けませんわ〜。許すまじ吸血鬼ー!!」
水溜りから這い出し、身体を振って泥水を飛ばしたルズ。
ヴァンエレンのマントに突撃し、仕返しとばかりに湿った身体を押し付けて乾かそうとする。

そんなルズを、誰かがひょいと持ち上げた。
>「おー心の友よ♪暇そうだから先生が一緒に遊んでやるぞ♪ 」
「えっ!そ、そんなぁ。では、お医者さんごっこなど
> じゃあ、まずは空を自由に飛びたいなごっこからな。そーれー!」
 「いかがでしょ・・・・・・ふぎゃ――――!!」
ぎゅんっと加速し浮遊する体!
>ルズをひょいと持ち上げたアナスタシアは、そのまま背中に羽を出して高速で空を飛び回った。 
「ちょ・・・・・・まっ・・・・・・・・フギャアアアアア!!!!」
空中に放り投げるわ急降下させて地面に激突する寸前捕まえるわ、やりたい放題である。
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬー!!」

>「楽しかっただろー?楽しかったよなー。また一緒に遊んでやるから楽しみにしてろよ♪」 
妙にすっきりした顔のアナスタシアとは対照的に、ルズの口からはふよふよ魂が抜け出ていた。
「お・・・・・・恐るべし天使っ娘・・・・・・ぐふっ!」
残念!ルズの冒険は ここで 終わってしまった!

>207 
次にルズが目を覚ましたのは、ヴァンエレンとアナスタシアが学園長室に戻った時だった。
Yo「ところで…そちらの二人は初めて見る顔ですね。 
  私はヨハネカイン・ホワイト、医者です。どうぞよろしく。 
  よろしければ、お名前をお聞かせ願えますか?」 
どうやらルズは猫だと思われているようだ。
自己紹介をするのも面倒なので、ルズは誤解を解かず猫のふりをすることにした。
(女相手なら礼を尽くすが、残念ながらヨハネカインは違ったからだ)

「にゃんにゃーんにゃーん」
ルズは、とことこ学園長室の中を歩き回り匂いをかぎ始めた。
(ふむふむ、フリージア女王様達は部屋から出て行かれましたのね〜ん。
 わたくしに追いかけて欲しいだなんて、女王様ったら〜ん。うふふふふ。
 待っててくださいまし〜ん。恋の狩人、ルズの出番なのですわ〜!!)
いつもならここでギズモが「誰も待っていないよ」と突っ込むところだが、残念ながら今はいなかった。

「にゃーん!にゃーん!!にゃおにゃおーん(ハアト)」
ルズはドアをかりかり引っかく真似をして、開けて欲しいというサインを送った。
どうやらフリージアを追跡したいようだ。

211 名前:◇jWBUJ7IJ6Y [sage 代理投稿gt;500] 投稿日:2010/01/20(水) 20:15:03 0
>209
> 「ロックさん・・・・若くて綺麗なメイドさんなんて実在するわけないじゃありませんの
>  あなた幻覚を見ているんですわ!!」
> いきなりボケをかますフリージア
「俺はバットで殴ったら怒るメイドさんしか知らないぜ?」
とボケで返すロック。
このまま行くとボケ同士の連鎖反応が続いてしまうが、ギズモのおかげでそれは無い。
「この人が仮に幻覚でも俺は、
 夢と希望と真実と勇気と自由と正義と愛と平和と“か弱き女性”を守る使者!
 不条理だらけの世の中で!愛と勇気と希望を抱き!正義の拳で悪を討つ!
 どんな逆境にも負けない愛の為に生きる男!
 …だから助けないと我慢できないぜ!でも破廉恥なのは勘弁な!」

> 「と・・・まあ冗談はこれまでにしてホワイト博士の目的が死を克服する能力の破棄だというのなら
>  人間じゃない存在になって不死になったヴァンエレンさんやアナスタシア先生ってやばくありませんの?」
> と人間じゃなくなって不死になった人達を心配するフリージア
> 「ヴァンエレンさんは元から死んでるからこれ以上死なないだけだよお母さん
>  それを言うなら死霊科の存在自体がやばいじゃない」
> それは大丈夫だろうという希望的憶測を述べるギズモ
レ「そもそもホワイト博士の目的は本当に“魔法による不死”の廃絶なのかぁ?
  案外そんなものはロクーや他の構成員を集めるための口実かもしれねぇぞ?
  今やどこもかしこも魔法使いで溢れかえってるんだ。
  魔法使いに不満をもつ輩は少なくねぇかもしれねぇしよぉ。」
とレベッカが意見を言った。


>210
> 「にゃーん!にゃーん!!にゃおにゃおーん(ハアト)」
> ルズはドアをかりかり引っかく真似をして、開けて欲しいというサインを送った。
学「ほれ。」
学園長はドアを開けた。


212 名前:ミルク ◆WZGYaFVSgg [sage] 本日のレス 投稿日:2010/01/21(木) 04:12:25 0
>204-206 >208-209
> 「べ、別にロックに何かされるんじゃないかー、なんて心配なんかしてないわよっ!全然!!
>  ・・・・・・・・・あっ!そういえばターロン、何で妖怪のあんたがマリアベルのこと知ってるのよ????!!」
>「ちょっ、待っ…アッー!」
「おおおぉ…!?」
ぶんぶん振り回されてターロンは目を回した。
「無茶はおよしなさい。蛇の道は蛇と申しまして、裏には裏の情報網があるのです。
 私がマリアベルについて知っていた所で、なんの不思議もありません」
リリアーナが振り回すのを止めた所でそう言うターロンだが、実は彼が知っているのは
【マリアベルという名の悪魔使いが学園を襲撃したが惜しい所で失敗した】
という点だけなのだ。
しかし、そこまで正直に言うつもりはターロンにはなかった。
その話を聞いた時にはマリアベルの準備不足を冷笑した手前、自分も失敗した以上なおさら言えるわけがない。

>「ふーん。レベッカさんだけじゃなくて、私達のためにも尽力してくれるんだー。(中略)
そう言ったリリアーナは、重要な事を思い出して大声を上げた。
>「ターロン、そういえばあなた、よくもムウ大陸で私の封印解いたわねっ!!
>  ヨハネカインの目的は死を克服する能力の破棄でしょ!どーしてくれるの!!」
>「アッー!アッーー!!アッーーーッ!!!」
>「安心しなさいな!いざとなったら私がリリアーナさんを守りますわよターロンさんを盾にして」
ターロンは振り回されながら、本気で中つ国に逃げ帰ることも検討し始める。
しかし帰った所でレベッカやメイレンに見つかれば、やはり危険な目に遭うことに変わりはない。
今できるのは、天に昇る時を沼に潜んで待つ龍のごとき心境でひたすら耐えることだけなのだ。
「無茶はおよしなさいと言ったでしょう。
 逆に考えなさい。危険とは同時に好機でもあるのです。
 ヨハネカイン博士が危険人物ならば、あなたの能力を知れば必ずや本性を現すことでしょう。
 人を人とも思わぬ輩をあぶり出す、またとない機会ではありませんか。
 それでは困ると言うならば、学園長殿にもう一度杖を封印してもらう手もあります。
 3日も猶予はあるのですから、対策も十二分に取れるでしょう」
自分がマリオを鉄像にした事は棚に上げてターロンはそう言った。

>「俺はロックだ!お前が誰であろうと俺の知ったことではない!(中略)
> だからお前が何に困っているのか話してくれたら、俺がどうにかしてやるぜ!」
>>「ほ、本当ですか!?」
ナナナは見知らぬツンデレの少年の提案に飛びついた。
誰しも見知らぬ土地で困っている時に親切に話しかけられたら、嬉しく思うからだ。
>「ロックさん・・・・若くて綺麗なメイドさんなんて実在するわけないじゃありませんの
> あなた幻覚を見ているんですわ!!」
>>「ひ、ヒドいです?!私、幻覚じゃありません!!」
>「じゃあお母さんの存在も幻覚だね・・・今時、縦ロールのお嬢様が実在するわけ無いもの
> ナナナお姉ちゃんは見た目は若いけど実年齢は(ry
> 下手すると学園長やメイレンさんより(ry」
>>「はううう?」
結局続くフリージアとギズモの言葉に、そんな気持ちも急転直下させられるのだが。

>「この人が仮に幻覚でも俺は、
> 夢と希望と真実と勇気と自由と正義と愛と平和と“か弱き女性”を守る使者! (中略)
> …だから助けないと我慢できないぜ!でも破廉恥なのは勘弁な!」
「か…か…か…かっこいいです……」
しかしそれでも自説を曲げないロックを、ナナナは目をウルウルさせながら見つめる。
今ナナナの脳内を誰かが見ることが出来たなら、ロックが3割り増しでかっこよく見えるだろう。


魔法少女達と冒険するスレ 21thシーズン

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