1 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/01/20(水) 08:01:29 0
ムウ大陸から無事帰還した一行。
だが。

「もうちょっとだけ続くんじゃ。」 


【過去ログ】 
魔法少女達と冒険するスレ 21thシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1256892604/
魔法少女達と冒険するスレ 20thシーズン(前スレ)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1255942558/
魔法少女達と冒険するスレ 19thシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1249136922
魔法少女達と冒険するスレ 18thシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1244018360
魔法少女達と冒険するスレ 17thシーズン 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1238747071/
魔法少女達と冒険するスレ 16thシーズン 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1232961432/
魔法少女達と冒険するスレ 15thシーズン 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1228207214/
魔法少女達と冒険するスレ 14thシーズン 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1225004116/
魔法少女達と冒険するスレ 13thシーズン 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1220191150/
魔法少女達と冒険するスレ 12thシーズン 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1216128924/
魔法少女達と冒険するスレ 11thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1212635529/
魔法少女達と冒険するスレ 10thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1209637627/
魔法少女達と冒険するスレ 9thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1206966015/
魔法少女達と冒険するスレ 8thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205039545/
魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1203680942/
魔法少女達と冒険するスレ 6thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1198207423/
魔法少女達と冒険するスレ 5thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190890101/
魔法少女と冒険するスレ 4thシーズン 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1185104132/
魔法少女達と冒険するスレ 3rdシーズン 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1181023531/
魔法少女達と冒険するスレ 2ndシーズン 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1173987357/
魔法少女と冒険するスレ 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1167716362/

2 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 08:03:01 0
【みんなの憩いの場(質問、打ち合わせ等はこちらでどうぞ) 】 
魔法少女達と冒険するスレ 第7避難所
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1256892913/
魔法少女達と冒険するスレ第6避難所
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1241260518/
魔法少女達と冒険するスレ 第5避難所 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1221208714
魔法少女達と冒険するスレ 第4避難所 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1209995600
魔法少女達と冒険するスレ 第3避難所(前スレ) 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205030171
魔法少女達と冒険するスレ 第2避難所 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190274484
魔法少女と冒険するスレ避難所 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198
(旧避難所跡) 
ttp://yy32.kakiko.com/test/read.cgi/trpg/1119683611

(参考サイト) 
魔法少女シリーズの台詞集です。不定期更新。 
レスを書くときの時系列整理によろしければご活用ください。 
ttp://www32.atwiki.jp/mahousyoujo/pages/1.html

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ 
千夜万夜 
PC:ttp://verger.sakura.ne.jp/
携帯:ttp://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm

※千夜万夜さんにはアクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。 
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう) 
代理投稿スレ   
ttp://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1243456885/

3 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/20(水) 08:06:09 0


テンプレはこちらです。 

名前・ 
性別・ 
年齢・ 
髪型・ 
瞳色・ 
容姿・ 
備考・ 
(以下は任意解答欄) 
得意技・ 
好きな食べ物・ 
好きな偉人・ 
好きな生物・ 
嫌いな食べ物・ 
嫌いな金属・ 
今一番欲しい生物の毛・ 
保険に入りますか?・ 

【備考】 
全部埋める必要はありません。 
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。 
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。 
余り悩まず、気楽に行きましょう。 
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。 
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから) 
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。 

※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせください。 

4 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/01/20(水) 21:38:59 O
どうでもいいが22stじゃなくて22ndでは?
まあ頑張れ!

5 名前:ミルク ◆WZGYaFVSgg [sage 前スレ続き] 投稿日:2010/01/21(木) 04:16:27 0
>「と・・・まあ冗談はこれまでにしてホワイト博士の目的が死を克服する能力の破棄だというのなら
> 人間じゃない存在になって不死になったヴァンエレンさんやアナスタシア先生ってやばくありませんの?」
>「ヴァンエレンさんは元から死んでるからこれ以上死なないだけだよお母さん
> それを言うなら死霊科の存在自体がやばいじゃない」
「そもそも医者の本分は人の命を救うことのはずです。
 その医者が人の命を奪い、死を克服する能力を消し去ろうとするとは情けない話ではありませんか。
 おそらく人の生死に多く関わるうちに増長してしまったのでしょう。全く嘆かわしい」

>レ「そもそもホワイト博士の目的は本当に“魔法による不死”の廃絶なのかぁ? (中略)
>  魔法使いに不満をもつ輩は少なくねぇかもしれねぇしよぉ。」
「本音と建前は別というわけですか?
 確かに魔法使いを妬む者は多いでしょうが…そうなれば、ますます相手の出方がわからなくなります。
 3日の猶予があるわけですから、まずはケルビムの情報を集め、それから対策を考えてはいかがでしょう?」


ターロンが雑談に興じているうちに、ナナナは恐る恐るロックに近寄った。
>>「あの…私の名前は、ナナナといいます。
>> …その…お聞きしたいんですけど、ここってどこなんでしょうか…
>> それと、レベッカさんにムウ大陸の復興をお願いしたんですけど、なんだか忙しそうで…
>> ひょっとして、滅びたムウ大陸を再興するなんて無理なんでしょうか…」


6 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage リリアーナは後で。] 投稿日:2010/01/21(木) 07:38:46 0
>210 
「有難うございます学園長〜! 
 わたくしのフリージア女王様が、リリアーナの毒牙にかかっていませんか心配なのですわー。 
 ああ、我が愛しの女王様ー、どうか待っていてくださいましー!うふふふふふー!」 
ルズの声は、ドップラー効果を残して遠ざかっていった。 
彼女の言葉は、室内にいる者達の耳にもきっちり届いただろう。 


7 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ[sage 代理投稿gt;505] 投稿日:2010/01/21(木) 20:27:33 0
前スレ207 >6
>Yo「実は今仕事ですぐ近くまで来ていたんですよ。予想外に早く終わりましてね。
>  これからすぐに準備して行きますよ。ゲートを開けておいてください。」
>「…わかった、そうしてくれ。」
「お、なんだか話し中みたいだなー。邪魔して悪かったぞ♪」
ちっとも悪そうに思っていない口調でアナスタシアはそう言った。

>Yo「ところで…そちらの二人は初めて見る顔ですね。
>  私はヨハネカイン・ホワイト、医者です。どうぞよろしく。
>  よろしければ、お名前をお聞かせ願えますか?」
「おー、いいぞいいぞ♪知らずば言って聞かせてやろー。
 私はこの学園の教育実習生の、アナスタシア・ホーリーだ。
 お前には学園の生徒がお世話になるみたいだからー、特別にアナスタシア様って呼ばせてやるぞ♪」
ニヤニヤ笑って半目で炎の中のヨハネカインを見ながら、アナスタシアはそう言った。
基本的に相手を敬う気持ちが欠けているアナスタシアからすれば、いつも通りの接し方だ。

>「はて?みんなどこへ行ってしもうたのじゃろうかのう?」
「どうせ待ってる間暇だからって、学園祭の出店でも見物に行ったんだろー?
 まったく冷たい奴らだなー、お姉ちゃんぷんぷんだぞ。
 まー、しょうがないから、出店巡りしながら探しに行ってやるか」
ぷうと頬を膨らませるアナスタシアの態度は、やっぱり学園長を敬おうという気持ちのないもので。
今は言わないだけで場合によっては、レベッカのように学園長をじーさん呼ばわりもするだろう。

>学「ほれ。」
>「有難うございます学園長〜!
> わたくしのフリージア女王様が、リリアーナの毒牙にかかっていませんか心配なのですわー。
> ああ、我が愛しの女王様ー、どうか待っていてくださいましー!うふふふふふー!」
「まったく、しょーがない猫だなー。
 …おー、そーだヴァンエレン。お前、しばらく暇だろ?
 そーゆーわけでー、先生がサボってる連中探すのを手伝うように命じる!
 あの猫の面倒見ながら、キリキリがんばって探すよーに。以上♪」
アナスタシアは、手に持ったぬいぐるみの腕を振りながら、ヴァンエレンにそう言った。
ぬいぐるみのお腹には、ヴァンエレンだけに見えるように、
『見つけたら、今聞いたことをリリアーナ達に伝えろ』
という文字が浮かんでいる。

8 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/21(木) 22:27:26 0
雑談の中で、ヨハネカインに命を狙われてるという自覚を持った。
>「安心しなさいな!いざとなったら私がリリアーナさんを守りますわよターロンさんを盾にして」 
「ふ、フリージア〜!!ありがとう!!」
リリアーナはフリージアの言葉に感動した。
「でも、ターロンは盾にするには小さすぎるよー!!」
・・・・・・そういう問題ではない。

>「無茶はおよしなさいと言ったでしょう。(略) 
> 逆に考えなさい。危険とは同時に好機でもあるのです。 (略)
> 3日も猶予はあるのですから、対策も十二分に取れるでしょう」
「そ、そっかなー。うーん、そうだよね」
リリアーナは半信半疑ながらも、まだ3日も猶予があるのだしと一応納得した。
「ねえ、ロックはどう思う?やっぱり私、危険かな?」
リリアーナはロックの意見を聞こうと彼の方を見た。
ふと、今の話を耳にしたロックの反応が気になったのだ。
心配されすぎても困るが、不謹慎ながら少しは心配して欲しいなという不謹慎な思いがあることも否めない。
だが。

>「(略)俺は困ったメイドさんを助けることは大好きだ! (略)
 だからお前が何に困っているのか話してくれたら、俺がどうにかしてやるぜ!」
ナナ「ほ、本当ですか!?」 
ロックはリリアーナのことそっちのけで、ナナナと仲睦まじく話をしていた。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
リリアーナの表情が見る見る険しいものになっていく。
彼女の脳内では、二人のやり取りが3割増しで仲睦まじいものになっているだろう。


9 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/21(木) 22:28:44 0
>「ロックさん・・・・若くて綺麗なメイドさんなんて実在するわけないじゃありませんの 
> あなた幻覚を見ているんですわ!!」 
>「ひ、ヒドいです?!私、幻覚じゃありません!!」 
>「俺はバットで殴ったら怒るメイドさんしか知らないぜ?」 
「そうだよねー。でもその怒るメイドさんを追いかけて、ずーっと学園を留守にしてたんだけどねー(棒)」
69「この人が仮に幻覚でも俺は、 
 夢と希望と真実と勇気と自由と正義と愛と平和と“か弱き女性”を守る使者! 
 不条理だらけの世の中で!愛と勇気と希望を抱き!正義の拳で悪を討つ! 
 どんな逆境にも負けない愛の為に生きる男! 
 …だから助けないと我慢できないぜ!でも破廉恥なのは勘弁な!」 
「そうだよねー。
 だったら一生、か弱いメイドさんを守って愛のために生きればいいんじゃないー?」
リリアーナは不機嫌な顔でまぜっかえした。
(ロックのバカ!いいもん!
 どうせ、ロックなんか女の人にモテた事なんてないんだから・・・・・・・)

だが。ここでありえないことが起こった!
ナナ「か…か…か…かっこいいです……」 
「え―――――――――――― っ!!!!」
ナナナは目をウルウルさせながらロックを見つめている! 
(ら、ライバル出現――――!!!)
リリアーナは真っ白になって口をパクパクさせている。
あまりのショックに、その後の話は、半分ほどしか頭に入らなかったようだ。

>ターロンが雑談に興じているうちに、ナナナは恐る恐るロックに近寄った。 
>「あの…私の名前は、ナナナといいます。 
>  …その…お聞きしたいんですけど、ここってどこなんでしょうか… 
>  それと、レベッカさんにムウ大陸の復興をお願いしたんですけど、なんだか忙しそうで… 
>  ひょっとして、滅びたムウ大陸を再興するなんて無理なんでしょうか…」 
「ああ、そんなことなら私に聞いてよ!ロックより私の方が学園にはくわしいわよー!!」
いきなり放心状態からり復活したリリアーナは、ロックを突き飛ばしナナナの間に割り込んできた。
「解説するわー。ここはフィジル島にある魔法学園なの。後で地図見せてあげるね。
 レベッカさんは今訳あって槍だけど、3日もすれば元に戻れると思うわー。
 あ、ロックそろそろ通行許可証出して。ターロンは・・・・・・使い魔扱いでいいのかな?」

リリアーナは一同を自分の部屋に通した。
「ルームメイトはまだ帰ってないみたい。ま、本人も用事があるって言ってたけど。
 ムウ大陸ツアーより大事な用事って何なんだろうね?
 ああごめん、みんな適当に座って座って。
 でも一応警告しておくね。
 あの線より向こう側は、私のルームメイトのテリトリーなのね。
 万が一私物いじったりしたら、平穏な学園生活も、命の保証しかねるから。そのつもりでねー」

その後リリアーナは、カントリー調の本棚から大きくて薄い本を引っ張り出してきた。
「はい、ナナナ。ここが今の現在地。でもムウ大陸は、この地図には描かれてないのよね。
 んーと、何だったっけ?ムウ大陸はフィジルの裏側にあるーみたいな話らしいんだけど。
 あれは、誰が教えてくれたんだったかな?
 ああっ!!その絨毯の上に座ったらダメ!マジックアイテムなの、殴られるよ!!」
リリアーナは代わりにクッションを引っ張り出し、床に座ろうとした者に配った。


「ところでナナナ、復興復興って言うけど、具体的にどういうのが復興したことになるの?
 いくらお城を直しても、ムウ大陸に誰も今住んでないわけよね?
 あなたのマスターもこっちに居るわけだし。
 ナナナは、ムウ大陸をどうしたいのかな?」
身を乗り出したところで、ぐーっとリリアーナのおなかが鳴った。
彼女の顔が真っ赤に染まった。
「あ、ご、ごめん!そういえばまだお客さんにお茶すら出して無かった!」
リリアーナは備え付けの小さなキッチンに飛び込むと、お茶とお菓子を持って戻ってきた。
「こ、紅茶でいいかな?」

10 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/23(土) 07:27:57 0
>5>9
> ターロンが雑談に興じているうちに、ナナナは恐る恐るロックに近寄った。
> >>「あの…私の名前は、ナナナといいます。
> >> …その…お聞きしたいんですけど、ここってどこなんでしょうか…
> >> それと、レベッカさんにムウ大陸の復興をお願いしたんですけど、なんだか忙しそうで…
> >> ひょっとして、滅びたムウ大陸を再興するなんて無理なんでしょうか…」
「?何かしてほしいことがあるなら、そいつをはっきりと言え!
 俺はそこらへんの事情はよくわから…う、わ!?」
> 「ああ、そんなことなら私に聞いてよ!ロックより私の方が学園にはくわしいわよー!!」
> いきなり放心状態からり復活したリリアーナは、ロックを突き飛ばしナナナの間に割り込んできた。
「何ぃ!?」
> 「解説するわー。ここはフィジル島にある魔法学園なの。後で地図見せてあげるね。
>  レベッカさんは今訳あって槍だけど、3日もすれば元に戻れると思うわー。
>  あ、ロックそろそろ通行許可証出して。ターロンは・・・・・・使い魔扱いでいいのかな?」
「だーっ!」
ロックは全力で通行許可証を出した。
レ「ターロンはよぉ、ぶっちゃけどっか閉じ込めておかねーか?
  ヨハネカインにもしも俺が変なことをされた時によぉ、逃げられたらまずいからよぉ?」

> リリアーナは一同を自分の部屋に通した。
> 「ところでナナナ、復興復興って言うけど、具体的にどういうのが復興したことになるの?
>  いくらお城を直しても、ムウ大陸に誰も今住んでないわけよね?
>  あなたのマスターもこっちに居るわけだし。
>  ナナナは、ムウ大陸をどうしたいのかな?」
> 身を乗り出したところで、ぐーっとリリアーナのおなかが鳴った。
> 彼女の顔が真っ赤に染まった。
> 「あ、ご、ごめん!そういえばまだお客さんにお茶すら出して無かった!」
> リリアーナは備え付けの小さなキッチンに飛び込むと、お茶とお菓子を持って戻ってきた。
> 「こ、紅茶でいいかな?」
「いいぜ。それにレモンパイもある。皆で食べようぜ。」
ロックはそう言って、さっきもらったリリアーナとアナスタシアのレモンパイを出した。
「ナナナと言ったな?今無事に生きているお前がわざわざムウ大陸を復興させる必要があるのか?
 この学園は決して来る者を拒まない。ここに暮らせばいいだろ。」
レ「いや、そうはいかねぇよロック。ナナナにも愛国心ってのがあるだろう。
  そいつがあるかぎり、自分の国を復興してぇと思うのは当然だ。…だろう?
  だが、ムウ大陸にいつも行けるわけじゃあねぇんだよなぁ。」
ロックとレベッカがそれぞれ意見を言った。

一方そのころの学園長室。
ヨハネカインはアナスタシアとヴァンエレンを知り、満足した後、最後に学園長に言った。
「それでは、私にまかせてください。場所は知っています。案内は不要ですよ。」
ゴブレットの炎に映っていたヨハネカインの像が消え、
学園長はすぐに、彼が学園の敷地内に入ったことを悟った。
「(なるほど、あまりこちらに考える時間を与えたくないつもりなのじゃろう…)」
学園長は無言でキャビネットに向って歩いた。
案内は不要…それは彼がすぐに保健室へ向うことを意味している。
「(レオ先生は確か今不在だったはず…まずいのう…)」

Yo「ヨハネカイン・ホワイトだ。」
そう言って男が保健室に入ってきた。
筋肉質で長身、銀髪で彫りの深い顔をした彼こそが、
ヨハネカイン・ホワイト博士その人である。
Yo「…保険医は留守なのか?まあいい、患者さえいればそれでいい。」
ヨハネカインは椅子に座って眠っているミルクを見つけた。
Yo「これが患者か?…いや、違う。患者は女性のはずだ。だが、待てよ…」
ヨハネカインはミルクの手首を取り、それをよく確認した。そして悟った。彼は本来女性であると。
Yo「なるほど。私がここに来たことを感謝するといい。今すぐ、楽にしてやる。」
ヨハネカインは鞄から注射器を取り出した。
何もしなければ、ヨハネカインは男性化を解除する注射をミルクに打ち込むだろう。

11 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/01/23(土) 16:25:50 P
>5>9-10
レベッカいわく
本当に彼の目的が魔法による不死の廃絶かどうかが疑わしいということらしい

それを受けたターロンいわく
まだ3日あるのだからそれの対策を今のうちに立てたほうがいいのではないのか?
それのために情報を集めるべきではないのだろうか?と言うことだ

「具体的にはどう情報を集めろというのかしら?
 秘密結社の情報なんておいそれとは公開されてないだろうし
 たとえ公開されていてもそれは表向きの医療機関の情報に過ぎませんわ
 この学園内にケルビムの工作員がいてスパイ活動をしていたとしてもそれが誰だとはわかりませんのよ」
と結構危険な発言をするフリージアさん

「スパイなんているわけないじゃない漫画や小説じゃあるまいし
 それにそんなのいたら嘘感知の魔法や敵感知の魔法に引っかかるよ
 そんなことより図書館で文献を探したほうが早いんじゃない?」
そんなものいたらもうばればれだと意見を否定するギズモ

「図書館の本だっていつも最新の情報が載っているわけじゃありませんのよ
 紙に書かれた情報はどんどん劣化して古くなっていつかは役に立たなくなりますわ」
と図書館の本の情報は古くて役に立たないだろうとフリージアは返した
「せめてここに物見の水晶でもあればいいのですのに・・・・・」
物見の水晶・・・それは望みのものを見ることができるマジックアイテムである
購入者の大半が風呂を覗くなどの犯罪行為に走った為、製造中止になったが
こういう本当に必要な時には役に立つだろう
まあ見たら見たで”貴様・・・見ているな”される事間違い無しではあるが

ナナナは
ここどこですか?私、本当にムウを復興できるんですか?
と疑問を持っているようだ
リリアーナはここをフィジル島だといい
ロックはもうここに住んでしまえばいいのでは?と言う

「ムーの騎士団によるとまだまだ世界中にムーの末裔が生き残ってるらしいから探してみてはいかがかしら?
 まあその冊子によると私がムーの女王の生まれ変わりらしいからかなり怪しいものなんですけどね」
と明らかに詐欺目的な怪しい冊子に載っていた情報をナナナに伝える
たとえ怪しくとも無いよりはましな情報だからだ

「ナナナさんにはまだまだ時間がたっぷりあるんだからゆっくりやればいいんだよ
 だってナナナさんは永遠に活動できるんだから」
と人間よりも寿命が長いが定められた命の持ち主であるギズモは言う
永遠に生きることができればいくらでも望みをかなえるチャンスはあるだろう
ギズモはそう言いたいのだ




12 名前:ミルク ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/24(日) 18:26:42 0
>10
>Yo「ヨハネカイン・ホワイトだ。」
真っ暗闇の世界で、誰かの声が聞こえてくる。
>Yo「…保険医は留守なのか?まあいい、患者さえいればそれでいい。」
…レオ先生じゃないのか…じゃあ、もうちょっとだけこのままで…
>Yo「これが患者か?…いや、違う。患者は女性のはずだ。だが、待てよ…」
誰かは、あたしを起こそうとするように手首を取った。
わかった…わかりましたよ…今起きますって…
重いまぶたをこじ開けて薄目を開き、暗闇の世界に光を入れれば、知らない銀髪の男が見えた。
「ん……誰…?」

>Yo「なるほど。私がここに来たことを感謝するといい。今すぐ、楽にしてやる。」
そう言って男が手にした一本の棒には、ギラリと光る針が付いていて…針!?
「ちょ!ちょっと待って!ストップストップ!!」
本能的に身の危険を感じて、あたしは椅子から飛び起きた。
よく見ると、針がついた棒に見えたのは注射器で。
そんなものを持っているからか身にまとう雰囲気からか、男は医者のように見えた。
まあそれはいい。問題は、保健室にいる注射器持った男が、あたしの知らない人だって事だ。
なんで部外者がこんな所にいるんだよ…紹介されてないから、学園祭の招待客じゃないはずだろ…
医者みたいだけど、新しい保険医ってのもなんか違うような気がするし…あ。医者?
頭の中で『ヨハネカイン・ホワイトだ。』という言葉がもう一度再生される。
「…もしかして、ヨハネカイン・ホワイト博士…ですか?」

うっそー。博士の到着は3日後のはずだろ、なんでもう島に来てるんだよー。
もしかしてあたし、3日ほど寝ちゃった?…んなわけないよなー…
冷や汗がダラダラ背中を流れるのを感じながら、まだ半分寝てる脳細胞をフル回転させる。
考えるのはもちろん、博士の持ってる注射器の中身だ。

推測その1・中身は毒薬で、ケルビムの秘密を知ったあたしを消そうとしている。
うーん、ありそうだけど、ロクーに与えた能力から考えるとちょっと遠回りかな…

推測その2・中身は普通の薬で、博士はあたしを治療しようとしている。
…別に風邪引いた覚えもないし、治療されることなんかな……!
あった。あったよありましたよ。
そういや、あたし男になっちゃったのを治してもらいに来たんだった。すっかり忘れてた。
…でも学園長ならレオ先生に連絡しそうなもんだし、博士は男になったなんて知らないだろうし…
あ――――もう!!わけわかんなくなってきたぞ!

あ、でも、待てよ、腕の良い医者は、見ただけで患者の症状を把握するとか聞いたことあるぞ。
よし!女は度胸!ここはひとつ、博士の実力を確かめてやるか!

「あはは、ごめんなさい、ちょっと寝ぼけてたもので。
 いやー、有名なヨハネカイン博士に治療してもらえるなんて光栄だなー」
あたしはもう一度椅子に座り直すと、注射のために腕まくりした腕を差し出した。
…さて。こう改まると、毒じゃないだろうと思っていても注射はイヤだ。
なにがイヤって体に針が刺さるのがイヤだ。痛いし。
「えーっと、その、なんというか…その…痛くないようにお願いします…」
針が刺さる瞬間を見ないで良いように反対側を見ながら、あたしは博士にそう言った。


13 名前:ナナナ&ターロン ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/24(日) 18:27:32 0
>>8-11
>「?何かしてほしいことがあるなら、そいつをはっきりと言え!
> 俺はそこらへんの事情はよくわから…う、わ!?」
>「ああ、そんなことなら私に聞いてよ!ロックより私の方が学園にはくわしいわよー!!」
「はわわ!?」
急に話題に割り込んできたリリアーナに、ロックと一緒にナナナも驚いた。
>「解説するわー。ここはフィジル島にある魔法学園なの。後で地図見せてあげるね。 (中略)
> あ、ロックそろそろ通行許可証出して。ターロンは・・・・・・使い魔扱いでいいのかな?」
「フィジル島…聞いたことないです…」
聞いた島の名前を知っているか考えるナナナだが、心当たりはないようだ。

>レ「ターロンはよぉ、ぶっちゃけどっか閉じ込めておかねーか?
>  ヨハネカインにもしも俺が変なことをされた時によぉ、逃げられたらまずいからよぉ?」
>>「ははは、レベッカ様は冗談がお好きなようだ。
>> このターロン確かにレベッカ様たちとは敵対していましたが、それは過去の事。
>> 今は忠実なレベッカ様の臣下として、粉骨砕身する所存であります。
>> この身を盾にしてもレベッカ様をお守りするつもりでおりますのに、逃げるなどととんでもない。」
レベッカに全く信用されていないのを知って、ターロンは慌ててそう言った。
ギズモにもあっさり捕まるほど弱くなった今現在、レベッカからの信用度は死活問題になるからだ。
もちろんターロンは危なくなったら逃げるつもりでいるので、レベッカの予想は正しい。

>「ルームメイトはまだ帰ってないみたい。ま、本人も用事があるって言ってたけど。(中略)
> 万が一私物いじったりしたら、平穏な学園生活も、命の保証しかねるから。そのつもりでねー」
「そ、そんな危険な人がルームメイトなんですか〜!?」
学園とは、友達と仲良く暮らしながら勉学に励む場所である。
本から学んだ知識でそう思い込んでいたナナナはショックを受けた。
読んでいたのは猫耳男の持っていた萌え系の偏った本だったから、あまり現状とずれていないはずなのだが。
やはり『命の保証はしかねる』の一言の効果は抜群のようだ。

>「はい、ナナナ。ここが今の現在地。でもムウ大陸は、この地図には描かれてないのよね。
>  んーと、何だったっけ?ムウ大陸はフィジルの裏側にあるーみたいな話らしいんだけど
> あれは、誰が教えてくれたんだったかな?
「えーと、えーと…あっ!ここがムウ大陸のあった場所で…あれ…?」
ナナナは、地図上のムウ大陸のあった場所を指さした。
その場所がちょうど、リリアーナが現在地として示した場所とぴたりと重なったのだ。
「ここが現在地って事は、私たち、まだムウ大陸にいるんですか!?」
> ああっ!!その絨毯の上に座ったらダメ!マジックアイテムなの、殴られるよ!!」
「はわわわ!ごめんなさい!」
ナナナは慌てて地図から指をはなし、絨毯から距離を取った。


14 名前:ナナナ&ターロン ◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/24(日) 18:28:50 0
>「ところでナナナ、復興復興って言うけど、具体的にどういうのが復興したことになるの?(中略)
> ナナナは、ムウ大陸をどうしたいのかな?」
「それは…あの…」
>「あ、ご、ごめん!そういえばまだお客さんにお茶すら出して無かった!」
具体的にどうしたいのか、というリリアーナの言葉に、ナナナは考え込んでしまう。
慣れ親しんだ場所の荒廃を見て、なんとかしたいと思う考えが先に出て。
具体的にどうしたいかまでは考えていなかったからだ。

>「ナナナと言ったな?今無事に生きているお前がわざわざムウ大陸を復興させる必要があるのか?
> この学園は決して来る者を拒まない。ここに暮らせばいいだろ。」
>レ「いや、そうはいかねぇよロック。ナナナにも愛国心ってのがあるだろう。
>  そいつがあるかぎり、自分の国を復興してぇと思うのは当然だ。…だろう?
「そ…そうです!」
ナナナはレベッカにそう返事した。
自分の考えが愛国心と呼べるものかはわからなかったが、そう返事した。
>  だが、ムウ大陸にいつも行けるわけじゃあねぇんだよなぁ。」
「ニャンコ先生がいれば、移動用ゴーレムを動かしてもらえるんですけど…
 先生どこに行っちゃったんでしょうか…」
ナナナはキョロキョロと周りを見回したが、リリアーナの部屋にはニャンコ先生は居なかった。

>「ムーの騎士団によるとまだまだ世界中にムーの末裔が生き残ってるらしいから探してみてはいかがかしら?
> まあその冊子によると私がムーの女王の生まれ変わりらしいからかなり怪しいものなんですけどね」
「そうなんですか!?」
溺れる者は藁も掴むというが、ナナナはフリージアの言葉を簡単に信じてしまった。
「きっとフリージアさんは本当にムーの女王の生まれ変わりなんですよ!
 私が知ってる女王様もフリージアさんと同じ髪型をしていましたから、間違いないと思います!
 フリージアさんも一緒にムウ大陸の子孫の方を探しましょう!」
>「ナナナさんにはまだまだ時間がたっぷりあるんだからゆっくりやればいいんだよ
> だってナナナさんは永遠に活動できるんだから」
「す、すみません…嬉しかったのでつい…」
道が見えてきたように思えて1人で舞い上がっていたナナナは、ギズモに言われて恐縮した。
焦ってすぐに出来ることではないのだから、言われたとおりゆっくりとしていけばいい。
そう考えて、ナナナは気持ちを落ち着かせる。

バサッと音がして本棚から一冊の本が落ちてきた。
床に落ちた本の表紙には、次のような文字が浮かび上がる。
『ヨハネカイン博士はまもなく学園にやってくる。』


15 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/25(月) 19:52:12 0
>12
> 「ちょ!ちょっと待って!ストップストップ!!」
「!?」
不意をつかれたヨハネカイン。ミルクが椅子から飛び起きたのだ。
「………」
二人は少しの間無言で見つめあった後、ミルクが沈黙を破った。
> 「…もしかして、ヨハネカイン・ホワイト博士…ですか?」
「そう言う君は、レベッカ・ウォンではなさそうだな。」
ヨハネカインも少し打ち解けた様子になった。紳士的な言葉でミルクに語りかける。
「君はもともと女性だったが、呪いにより男性化してしまったようだね。
 この注射には、体に残っている呪いを水と炭酸ガスに分解する効果がある。
 二分もすれば、元通りの体に戻るだろう。後遺症もない。」
> 「あはは、ごめんなさい、ちょっと寝ぼけてたもので。
>  いやー、有名なヨハネカイン博士に治療してもらえるなんて光栄だなー」
「それほどでもない。それに、突然見ず知らずの男が注射しようとしたら、
 君のような態度をとらない方がおかしい。私こそ、さっきは失礼したよ。」
ミルクは腕まくりをして腕をヨハネカインに差し出した。
魔法医療が発達した今日、ヨハネカインのように、
アルコール消毒をして注射をする光景は滅多に見れるものではない。
ミルクが若干の不安を感じるのも無理からぬことだっただろう。
> 「えーっと、その、なんというか…その…痛くないようにお願いします…」
「ところで、君の名前は?」
ヨハネカインは何気なく聞いた。ミルクは本名を言うべきか悩んだかもしれないが、
今のヨハネカインにとっては、ミルクが注射以外のことを考えることだけが重要だった。
「終わった。魔法は使えないが、私はプロだ。患者には最善を尽くす。」

ミルクに注射し終わったヨハネカインはあるものを探した。
ミルクもヨハネカインが探しているものが何かすぐわかるだろう。レベッカだ。
「見つけた。…氷漬けになっているとは聞いていなかったがな。」
レベッカの肉体が死亡した後、フリージアが腐乱を防ぐためにそうしたのだ。
そんな状態でも、魔法医療の専門家レオは、すっかりレベッカの外傷を治してしまっていた。
「さて、なぜレベッカの魂が槍に宿ったのか。私はこれに良く似たケースと遭遇している。
 肉体と魂は、普段生きている状態では上手に波長がシンクロしている。
 しかし、肉体が死ぬとその波長が狂い、魂だけが外に抜けてしまうのだ。
 本来はそこで“死”となるのだが、稀に魂が自分の波長とシンクロするものを見つけて、
 そこに宿ってしまう場合がある。呪いの人形の話は知っているか?
 人形は人に近い形をしているため、波長が人に近い。だからこそ、魂がそこに宿りやすいのだ。」
ヨハネカインはレベッカの症状をミルクに説明した。
「そこで、私はこれから彼女の肉体を、本来生きていた状態と同じ波長に無理矢理戻す。
 (氷漬けでも、槍が近くになくても)
 関係ない、やる。………………………電気ショックだッッ!!」
ヨハネカインは鞄の中から2本の電極を取り出した。電極同士をこすり合わせると、火花が飛ぶ。
「WRYYYYYYYYYYYY!!」
ヨハネカインは豪快に叫びながら電気をレベッカの体に流した。
いろんな意味で、誰も彼を止めることができないだろう。
「まだまだまだまだまだまだまだまだ!」
しばらくすると、氷の中から「イ゙ェアアアア!!」という叫びが聞こえた。
ヨハネカイン博士がすごいのか、レベッカが単純すぎるのか、
とにかくレベッカの肉体にレベッカの魂が収まったのだ。
リリアーナの部屋にいるメンバーも、槍レベッカがうんともすんとも言わなくなったので、いずれ気づくだろう。

16 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/25(月) 19:55:27 0
レベッカの肉体が入った氷が砕けて、中身が(つまりレベッカが)出てきた。
ヨハネカインが電流を流したり、そのショックでレベッカが暴れたせいだ。
痴「あ…頭が痛い…めまいもだ…誰だこんなプレイを考えついたのは…」
レベッカはとても元気と言える状態ではなかった。当然か。
ヨハネカインは彼女にチョコレートを差し出した。レベッカも彼がヨハネカインだとすぐにわかったが、
とても策を弄するような状態ではなかったので素直に受け取った。
「これを食べておとなしくしてるといい。安静にしていれば回復する。」
痴「おん。」
レベッカは既に誰かが入っているはずの、
周囲にカーテンが引かれているベッドにもぐりこんだ。
どんな時でも、やっぱりレベッカだった。
ヨハネカインは特にそれを気に留めることはなかった。
とにかくこれで、自分がこの学園にいる理由は無くなったのだから。
後はこの島を出るのだ。なるべく早く。なぜなら、学園長は“知っていた”からだ。
ミルクは気づいただろうか。ヨハネカインの影が、既に消えているということを。

学園長は学園長室にいた。彼は保健室へとすぐに向うつもりだった。
しかし、できなかった。保健室へと続くキャビネットを彼が左手で開けようとした時、
左手が何か見えない手で掴まれたように空中で動かせなくなったのだ。
学園長はすぐに自分の影に視線を落とした。学園町の左手の影を、
キャビネットから伸びた別の手の影が掴んでいる。その手の影に、力が込められた。
学「ぬん!?」
学園長の左手が破壊された。老齢の魔法使いはすぐにキャビネットから距離をとる。
けたたましい笑い声と共に、学園長の手を破壊した犯人が現れた。
『ロートル(つまらないじじぃ)め!すぐに自分の影を確認したということッ!
 それは俺の存在を知っていることの証明ッ!
 ケルビムの秘密を知っていることの証明だッッ!!』
それは立体化した影。屈強な男性の姿をした影だった。
ヘブンスマイル。学園長は既にその存在をリリアーナの記憶から知っている。
ヘブンスマイルは、相手の影を攻撃することで、本人にも同等のダメージを与えられるのだ。
学園長はまだ使える右手ですぐに部屋のカーテンを閉めた。
そうしなければ、ヘブンスマイルの追撃を受けるからだ。
確かに部屋のカーテンが閉められた事により、学園長の影が小さくなる。
『それで俺の攻撃から身を守ったつもりかッッ!甘いなッ!まだッッ!!』
ヘブンスマイルは近くにあった椅子の影を掴むと、それを持ち上げた。
すると、現実の椅子も持ち上がる。椅子は非情にも、老齢の魔法使いに容赦なく投げつけられた。
学「ぐぬぅ!」
『ロートル!俺はこの島から脱出するぞッ!俺の正体を貴様が知っているのだからなあッ!
 理由を用意して俺をこの学園に誘い込んだことだけは褒めてやるが、まだまだだッッ!!』

17 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/25(月) 21:16:10 0
>10-16
部屋に集まった一同に、お茶とお菓子をふるまうリリアーナ。
>「いいぜ。それにレモンパイもある。皆で食べようぜ。」 
「うん!」
ロックはそう言って、さっきもらったリリアーナとアナスタシアのレモンパイを出した。 
リリアーナはうきうきとレモンパイを切り分けた。
1人だけリリアーナの分まで皿に盛られた者がいるが、気づいてもいちいち指摘するものはいないだろう。

「はい、ターロン。あなたもレモンパイをどうぞ」
皆がナナナの処遇について考えている間、
リリアーナは小ビンの中にレモンパイの欠片を入れ、ターロンを誘った。
一応「閉じ込めておけ」というレベッカのアドバイスに従った行動のようだが・・・・・
 あのターロンが、はいそうですかと小瓶に入るかは怪しいものである。

>「ムーの騎士団によるとまだまだ世界中にムーの末裔が生き残ってるらしいから探してみてはいかがかしら? 
> まあその冊子によると私がムーの女王の生まれ変わりらしいからかなり怪しいものなんですけどね」 
ナナ「そうなんですか!?」 
「ええっ?!そうだったの!!」
ナナナ同様、リリアーナもあっさりフリージアの言葉を信じた。
「前々から只者じゃないとは思ってたけど、前世が女王様だったなんて・・・・・・。
 レベッカさんもすごいけど、フリージアもすごいよねー。ロックもそう」
ロックもそう思うでしょう?と言いかけて、リリアーナははっと口を噤んだ。
「・・・・・・ごめん」
リリアーナは悄然とうな垂れた。
誰もが素晴らしい前世を送ったとは限らないことを、リリアーナは少し忘れていた。

>「きっとフリージアさんは本当にムーの女王の生まれ変わりなんですよ! 
> 私が知ってる女王様もフリージアさんと同じ髪型をしていましたから、間違いないと思います! 
> フリージアさんも一緒にムウ大陸の子孫の方を探しましょう!」 
意気込むナナナをギズモがたしなめている。
ギズモも、人間より遥かに長命な種族だった事を、ふとリリアーナは思い出していた。

「ねえ、さっき言い忘れてたこと、今言っても良いかな?」
前世話を断ち切ろうと、リリアーナが話の腰を折った。
「私がヨハネカインとマリアベルの関係を知ったのは、学園長からテレパシーで教えてもらったからよ。
 レベッカさんが言っていたように、もしかしたら、ヨハネカインの目的は、不死の根絶とは別にあるのかもしれない。
 だってホワイト家は魔法界では名門よ?
 どれほど医術に長けていても、魔法が全く使えない者が後継者だなんて考えられない」
永遠の絆についての話は黙っていた。ターロンもいるこの場で話すには、いささか不都合な話題だからだ。
「フリージアがさっき言ってたように、まずは一度、ケルビムについて調べてみた方がいいかもね。
 まあまだ3日もあるし、何とかなるわよねー」
リリアーナはすっかり楽観視しているようだ。
まさかたった今ヨハネカインが学園に来たのだ、などと分かるはずも無い。

「ナナナ、ニャンコ先生はきっとまだムウ大陸だよ。 
 大丈夫、連絡用の招き猫はあるんだし、心配しなくてもそのうち連絡くれるわよ。
 もしかしたら一年後になるかもしれないけど」
リリアーナは、学生達がムウ大陸に転移した時の儀式(?)を、ナナナにも話した。

18 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage 出遅れちゃった・・・ごめんね。] 投稿日:2010/01/25(月) 21:19:10 0
「あ、でもでも!学園長に頼めば何とかなるかもしれないし!げ、元気出して!!
 さっき怯えてたけど、私のルームメイトだって根は悪い人じゃないのよ!
 ちょっと危ないマジックアイテム持ってたり、ちょっぴり意地悪な時もあるけど!
 ほらほら、私、ちゃんと生きてるでしょ?」
リリアーナはフォローになっていない事を力説している。
「まあ・・・・・・・気の毒だとは思うけど、視点を変えれば、これってけっこうチャンスじゃない?
 実はこの学園って、魔法使いが世界中から集まってくるのね。
 世界をあても無く彷徨うより、ここで情報が集まるのを待つのも悪くないかもよ。
 それに、さっきナナナが地図で押さえてた場所は、このフィジルだよ。
 となれば、ムウの王族の末裔だって、この島にやってくる可能性だって高いとは思わない?」
ね?とリリアーナはナナナに頷いて見せた後、メイレンの前にもレモンパイを置いた。

「それに、レベッカさんだってこの学園に来たばかりなの。
 まだまだこの学園に心残りがあるはずだと思うのよ。ね?レベッカさん。
 ・・・・・・・レベッカさん?え、ちょっと、レベッカさん?ふざけてる?ねえねえ!!」
リリアーナは槍に向かって何度も呼びかけた。
だが反応が無い。
「どどど、どうしよう!レベッカさんがただの槍になっちゃった!!!・・・・・ん?」

>ヴァンエレン
リリアーナは間戸をバンバン叩いている影に気づいた。
「ヴァンエレン!どうしたの血相変えて!ああダメよ、この部屋の窓は結界はってあるから簡単には開かないのよ!
 ちょっと待って、今、窓を開けるから!」
リリアーナは手馴れた様子でお札を剥がし、ヴァンエレンを迎え入れた。
「どうしたの?・・・・・・あ、もしかして血液ゲットできたの?
 それより今こっちは大変なのよ!レベッカさんが突然うんともすんとも言わなくなって!」

背後で同室者所有のマジックアイテム「今日の予知日記帳」が落ちたようだが、リリアーナは気づいていない。

19 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2010/01/26(火) 16:31:53 0
>「見事な連携プレーですぐに目標達成しちゃったぞー!
>んあー?ミルクたちどこに行ったんだ?
>どこかへ遊びに行っちゃったのか?
>お姉ちゃん達が働いてるときに遊びに行くなんてひどい奴らだなー!」
さっきまで騒がしかった学園長室はがらんとしていて、そこには学園長しかいなかった。
「学園長…。
 誰もいないところへしゃべりかけるほどボケていましたか。
 ごゆるりと…」
なにも見なかったことにして学園長室から立ち去ろうとしたヴァンエレン。
>Yo「ところで…そちらの二人は初めて見る顔ですね。
> 私はヨハネカイン・ホワイト、医者です。どうぞよろしく。
> よろしければ、お名前をお聞かせ願えますか?」
「むむむ。
 ボケていたわけではなかったのか。
 私の名前はヴァンエレンと申します。
 どうぞよろしく」
ヴァンエレンが机の上をよくみると発生している炎の先に男がいた。
学園長がボケていないことにほっとし、ヨハネカインを名乗る男に挨拶を入れる。

ルズが猫のふりしてドアを開けて欲しそうにカリカリとひっかいている。
学園長があけてやると奇妙な笑い声をあげて一目散に出て行ってしまった。
>「まったく、しょーがない猫だなー。
>…おー、そーだヴァンエレン。お前、しばらく暇だろ?
>そーゆーわけでー、先生がサボってる連中探すのを手伝うように命じる!
>あの猫の面倒見ながら、キリキリがんばって探すよーに。以上♪」
「私は別に生徒じゃないから従う必要は…あー、わかった」
アナスタシアの命令を拒絶しようとするヴァンエレンだが、ぬいぐるみに書かれた文字を読んだ瞬間にまた厄介事かと思いながらも了承する。
>『見つけたら、今聞いたことをリリアーナ達に伝えろ』
ぬいぐるみにはこうあった。
学園長室を後にし、リリアーナを探すヴァンエレン。

ようやくリリアーナたちを発見した。
普通に入ろうとするがどんだけ力を入れようとビクともしない。
バシバシ叩いてやっと存在に気がついて、お札を剥がしてもらってやっと中に入ることができた。
>「どうしたの?・・・・・・あ、もしかして血液ゲットできたの?
>それより今こっちは大変なのよ!レベッカさんが突然うんともすんとも言わなくなって!」
「ん?ああ血液は入手できたよ。
 ってそうじゃなくてアナスタシアから伝言ヨハネカインがもう…来とる!?はやっ!?」
レベッカの魂が宿る槍が声をかけても一向に反応しないで混乱しているリリアーナ、そしてあまりの到着の速さに吃驚するヴァンエレン。
「ん?変態レベッカがうんともすんとも言わなくなった?叩いてみてもダメ?」
魂はもう肉体に戻ってますからダメです。

20 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/26(火) 22:03:43 0
>11>14>17>18>19
> 「ムーの騎士団によるとまだまだ世界中にムーの末裔が生き残ってるらしいから探してみてはいかがかしら?
>  まあその冊子によると私がムーの女王の生まれ変わりらしいからかなり怪しいものなんですけどね」
とフリージア。
> 「そうなんですか!?」
> 「ええっ?!そうだったの!!」
「何ぃ!?」
ナナナ、リリアーナ、ロックはその言葉を簡単に信じてしまった。
> 「前々から只者じゃないとは思ってたけど、前世が女王様だったなんて・・・・・・。
>  レベッカさんもすごいけど、フリージアもすごいよねー。ロックもそう」
> 「・・・・・・ごめん」
ロックは聞こえなかったふりをして黒いレモンパイを口に入れた。(ロックに33のダメージ)
『来世も一緒だ!』なんてセリフが頭をよぎったが、皆の前では恥ずかしくて言えない。
ともあれ、これでナナナも希望を持つことができるようになったわけだ。

> 「ねえ、さっき言い忘れてたこと、今言っても良いかな?」
とリリアーナが切り出した。
> 「私がヨハネカインとマリアベルの関係を知ったのは、学園長からテレパシーで教えてもらったからよ。
>  レベッカさんが言っていたように、もしかしたら、ヨハネカインの目的は、不死の根絶とは別にあるのかもしれない。
>  だってホワイト家は魔法界では名門よ?
>  どれほど医術に長けていても、魔法が全く使えない者が後継者だなんて考えられない」
「残念だが、俺にもさっぱりわからない。」
ロックはそう言った。事実、そうであった。
マリアベルとしても、ホワイト家の繁栄には興味が無かったのだ。

リリアーナはメイレンの前にもレモンパイを置いたが、
ロックにはそれがあまり意味のある行為だと思えなかった。
メイレンは、相変わらずロックの腕を噛んだまま離さない。
> 「それに、レベッカさんだってこの学園に来たばかりなの。
>  まだまだこの学園に心残りがあるはずだと思うのよ。ね?レベッカさん。
>  ・・・・・・・レベッカさん?え、ちょっと、レベッカさん?ふざけてる?ねえねえ!!」
「どうしたんだ、リリアーナ?」
> 「どどど、どうしよう!レベッカさんがただの槍になっちゃった!!!・・・・・ん?」
リリアーナが間戸をバンバン叩いている影に気をとられたその時、
> バサッと音がして本棚から一冊の本が落ちてきた。
床に落ちたその本に文字が浮かび上がる。ロックはそれを手にとって読んだ。
> 『ヨハネカイン博士はまもなく学園にやってくる。』
「何…だと…!?」
ロックは窓から入ってきたヴァンエレンにもその本を見せた。
> 「ん?ああ血液は入手できたよ。
>  ってそうじゃなくてアナスタシアから伝言ヨハネカインがもう…来とる!?はやっ!?」
「リリアーナ、きっとヨハネカインがレベッカを治療したから槍に反応が無くなったんだぜ!」
とロックは混乱しているリリアーナに言った。
> 「ん?変態レベッカがうんともすんとも言わなくなった?叩いてみてもダメ?」
「ヴァンエレン、叩いてもいいがそれは後からだ!
 まずは俺の手に噛み付いている変態をなんとかするんだぜ!
 皆からちょっとずつ集めた血液を、このミセス・スイションの口に流し込むんだ!」
ロックはなにげに始めてヴァンエレンの名前を呼んでそう言った。
メイレンが満足するまで血を飲ませたら、彼女は回復してロックの腕から離れるだろう。
「どうせ皆ヨハネカインを見に行くんだろ?
 窓の外からフリージアの氷に乗っていけばすぐに保健室に着くはずだぜ!
 先に行っててくれ!ミセス・スイションの頭が俺の腕から外れたらすぐに行くぜ!」

21 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/01/27(水) 01:38:07 P
>12-14>17-20
怪しげな冊子であるムーの騎士団の内容を鵜呑みにするナナナ
どうやらムーの女王もフリージアと同じ髪形をしていたらしい
そしてリリアーナもその事をすんなり信じた
「たとえ本当にそうでも前世は前世、今は今ですわ
 でもムウ大陸の子孫を探す手伝いぐらいはしてもよくてよ」
どうせ卒業後の進路も決まってないしそんな果てしない目的であっても
どっかの金持ち貴族と政略結婚するよりは100倍増しだと安請け合いをするフリージア
「ムー大陸に帰ろうツアーだねお母さんv」
とギズモ……はて?どっかで聞いたような?

突然反応がなくなったレベッカにあわてるリリアーナ
そして集めた血液を持ってくるヴァンエレン
その時本棚から一冊の本が転げ落ちる
>『ヨハネカイン博士はまもなく学園にやってくる。』
>「何…だと…!?」
> 「ん?ああ血液は入手できたよ。
>  ってそうじゃなくてアナスタシアから伝言ヨハネカインがもう…来とる!?はやっ!?」
まもなくどころかもう学園についていると語るヴァンエレン
はたしてホワイト博士はどんな姿をしているのだろうか?

>「どうせ皆ヨハネカインを見に行くんだろ?
 窓の外からフリージアの氷に乗っていけばすぐに保健室に着くはずだぜ!
 先に行っててくれ!ミセス・スイションの頭が俺の腕から外れたらすぐに行くぜ!」
とヨハネカインがどんな姿であるか見る為にフリージアの空飛ぶ雪の結晶を利用しようと提案するロック

「それはいいんだけど……このままの姿でホワイト博士に遭遇したらまずいのじゃありませんこと?
 もしかしたらクリムゾンヘッドが私たちの情報を洩らしてるかも知れませんのよ」
とこのままの姿でホワイト博士を見に行くことは危険ではないかと考えるフリージア
「とりあえず私が、私であるとはわからないように特徴を変えて行きましょう」
縦ロールを横にして真ん中に寄せるよう縮めスプレーで固めるフリージア
なんということでしょうフリージアの縦ロールがフリージアの縦ロールが
大きなバームクーヘンが二つに変わったではありませんか
「お、お母さんの頭にタイヤが二つ・・・」
あっと驚くギズモきゅん
それもそのはずであるフリージアといえば縦ロール縦ロールといえばフリージアとも言える
その大きな特徴をスプレー一本で変えてしまったのだから
「伸びるモップの柄と同じ原理で逆に縮めましたのよ……でもこれで終わりでなくてよ」
と次は呪文を唱え始めるフリージア
「芸術を司る色彩の精霊よ……私の髪の毛を桃色に変えなさいな」
氷の魔法使いであるフリージアが透明な氷に色をつける為に使う呪文
これを自分の髪の毛に引用したのだ
頭の両端にタイヤが付いたピンク髪の少女……フリージアの特徴である金髪縦ロールとは大きくかけ離れた髪型である
まさに髪型と色が変われば別のキャラという現象を見事に利用した変装といえよう
そして仕上げとしていつもとは違うピンク色の口紅をつけるフリージア
「そうですわねぇ……この姿の私のことはクーラとでも呼んでもらおうかしら?」
4段階目の変身をしそうな名前で呼んでくれとみんなに言うフリージア
「わかったよフリージアお母さん」
とお約束のボケをするギズモ
さあホワイト博士のところに出発だ!とばかりに外に出て空飛ぶ雪の結晶を製造するフリージア
はたしてヨハネカイン・ホワイトが学園から脱出するまでに間に合うのだろうか?
そして学園長は生きているのだろうか?
「さあ出発ですわよ!!」

22 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/28(木) 16:55:22 O
>15-21
>「ところで、君の名前は?」
「え。ミルク・パウダーシュガー…ですけど」
唐突に名前を呼ばれてとっさに返事を返して。
自分の迂闊さに気づいたのはその後だった。
しまった、要注意人物に自分の本当の名前を教えてどうするんだよ。
>「終わった。魔法は使えないが、私はプロだ。患者には最善を尽くす。」
「えっ…もう終わったんですか!?」
内心舌打ちしながらどうすべきか考えている間に、さらっと終了宣言されてあたしはびっくりした。
確かに注射器の中身は空っぽで、腕にはそれらしき傷も残ってるけど、全然痛くなかったぞ。
うそだろじゃあ前に『流行病の予防に』とか言われて、ブスッと刺された痛い注射はなんだったんだよ。
言ってない呪いの影響は見極めるし注射は痛くないし、これがプロの本気ってやつですかー!?
…いや、まだだ。問題は、魔法も使わずに呪いが解けるかどうかなわけで…

ぽふっと、確かめた手に柔らかい感触が。
ぽふぽふぽふ……呪い解けてるよ――――!!
ヨハネカイン博士ってば凄すぎるぞ!
「ありがとうございます博士!呪いが解けてます!」

さて、お礼は言ったものの、博士は何かを探し始める。
んー…探し物はレベッカか?
でも槍レベッカはリリアーナが持ってるし、体は…どこだったっけ?
>「見つけた。…氷漬けになっているとは聞いていなかったがな。」
…あったよ。ありましたよ。
そこには、太古の時代の生物みたいな感じの氷漬けレベッカの体が、ちゃんと保管してあった。
「腐敗防止にって事で、あたしの友達が冷凍保存しちゃったんです」
なんとなく、このまま体に戻さない方が平和でいいんじゃないかなー、と思わないでもないけど。
さすがにそうもいかないか。

>「さて、なぜレベッカの魂が槍に宿ったのか。私はこれに良く似たケースと遭遇している。(中略)
> 人形は人に近い形をしているため、波長が人に近い。だからこそ、魂がそこに宿りやすいのだ。」
「波長…」
呪いの人形っていうと、髪が伸びたり血の涙を流したり夜中に走り回ったりするあれか。
波長が近いから魂引き寄せてたなんて知らなかっ…まてよ。
すると、レベッカは槍に近い波長だったって事?どんな波長だよそれは!

>「そこで、私はこれから彼女の肉体を、本来生きていた状態と同じ波長に無理矢理戻す。
「あ、それじゃあ、今から槍レベッカと氷を溶かせる人に連絡を…」
>  (氷漬けでも、槍が近くになくても)
> 関係ない、やる。………………………電気ショックだッッ!!」
「えええええええぇっっ!?」
電気ショックってあれでしょ?要するに雷撃魔法を当てるって事でしょ?
そんなんで同じ波長になんて戻るの!?

ヨハネカイン博士は、カバンから二本の棒を取り出した。
棒同士が当たるとバチバチッと音がして火花が飛んで、もうそれだけで近づきたくない感じ。
>「WRYYYYYYYYYYYY!!」
博士は雄叫びを上げながら、レベッカの体に電気を流し始める。
えええええええぇ本当にやっちゃうの!?
> 「まだまだまだまだまだまだまだまだ!」
えええええええぇっっ!?
医療行為の邪魔をしないようにというより、博士の異様な迫力に気圧されて。
あたしはビリビリ感電シーン
を見守った。
心のどこかで、今のあたしは相当間抜けな顔してるだろうなと思いながら。

23 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/28(木) 16:56:37 O
>「イ゙ェアアアア!!」
「えええええええぇっっ!?」
永遠にも一瞬にも思える時間が流れた後、氷の中のレベッカが叫んだ。
まさか。まさかまさかまさか、本当の本当にレベッカが体に戻ってきた!?
「だ、大丈夫!?レベッカ!」
>痴「あ…頭が痛い…めまいもだ…誰だこんなプレイを考えついたのは…」
「……あんた以外誰もこれがプレイだなんて思わないから、安心しろ」
あれが治療だとも思わないだろうけど、とにかく良かった。レベッカ本人だ間違いない。

「…ありがとうございます、ヨハネカイン博士。
 おかげであたしも、レベッカも、無事に元に戻れました」
チョコレートを渡されたレベッカが、カーテンの向こうに消えるのを見届けて。
あたしは深々と博士にお辞儀する。
なんか…すごい漢だ。いろんな意味で。
それでも確実に名医に間違いない…よ…ね…?
お辞儀をして視線を下に落としたままの姿勢で、一瞬あたしは凍りついた。
影が、ない。ヨハネカイン博士の影がない。
えーっと、影が無い種族っていたっけ?
鏡に映らないとかなら知ってるけど、えーっとえーっと…

「そ、そうだ!今ちょうどあたしたちの学園で学園祭してるんですよ!
 良かったら呪いを解いてもらったお礼に、学園祭の案内をさせてもらえませんか!?
 そりゃもう、美味しい食べ物から奇想天外な出し物まで目白押しですよ!」
長い間固まってちゃ怪しまれる。
またあのヘブンスマイルの笑い声が聞こえてこないかとヒヤヒヤしながら、あたしは博士にそう言った。
とりあえず時間を稼げば、学園長なり事情を知ってる仲間なりが来てくれるはず。
ヨハネカイン博士が悪人かどうかわからない以上、先制攻撃なんてできないし…
と思ったものの、どうも博士は早く帰りたがっている様子で。
もー、みんなどこ行っちゃったんだよー!

すうっと、窓の外に氷の結晶が到着した。
やった!あんなもので空飛ぶなんてフリージア以外にいないはず!
これは待望の援軍到着だ!
「やー!ちょうど良いとこに来てくれたよ!フ…リー……」
喜び勇んで窓を開けて、あたしは氷の結晶に乗ってる見知らぬ人に絶句した。
長いピンクの髪を2つのタイヤ型にした、金髪縦ロールのフリージアとは似ても似つかぬ人だったからだ。
誰―――!?顔は似てるからフリージアの妹かお姉さん!?
フリージアの一族ってみんな変わったファッションなの!?

金魚みたいに口をぱくぱくさせながら次の言葉を探すあたしは、謎の少女の近くにいるギズモに気づいた。
じゃあやっぱりこれはフリージアなんだ。
でもなんでこんな格好してるんだ?
コスプレ?儀式?伝統芸能?……変装!
そうか、ヨハネカイン博士に顔を知られてちゃまずいから変装してきたのか!
…とすると、名前も呼ぶのまずいよな…あー、でもフリーまで言っちゃったよ、どうしよ…

「フリーダム!フリーダムじゃない!
 いやいや、実はこちらヨハネカイン博士っていう名医でね。
 あたしが受けた男になっちゃう呪いを見破って軽く解いた上になんと!
 槍に憑依してたレベッカまで元に戻しちゃったんだよ凄いでしょ!
 それでお礼に学園祭の案内をしたいんだけど、博士がすぐ帰っちゃいそうでさー。
 何かこう、博士が残ってでも見たくなりそうなイベントとかあったら教えてよ!ね!?ね!?」
変な名前つけてごめんと心の中で謝るけど、とにかく今はそれどころじゃないのだ。
あたしは必死の目配せで。
『博士の影が無くなっちゃってるんだよ!見つからないようにこっそり確認してー!!』
と頼み込む。
あ――テレパシーが使えるリリアーナになりたい――――っ!!!

24 名前:ミシェル ◆pP6eYSrQUy.9 [sage] 投稿日:2010/01/29(金) 03:51:17 O
>>16

時間は少し、ほんの少し巻き戻る。

まだ日の高い学園校舎。
長髪の若そうな男が壁と向かいあっている

何はともあれ一件落着。したのだろうか?いや、したのだろう。
ミシェルは寿命の来た講堂の蝋燭を取り替えながら満足気だ。
何せこれで趣味に精を思う存分出せるのだから。
本来一週間程費やす予定だった狩りをすぐに切り上げてしまった。
この作業をささっと終わらせて学長に一言断ってすぐに狩りの再開としけこみたいものだ。

そして今、ミシェルは学長室に急いで入ってきた所だ。
「殺るなら静かにおやりなさいな。ここはひとけも多いのだから」
はやり例の如く諭すような口調で登場しつつ、刺客を観察する。
あれだけ不穏な音がすれば何かあると思わない方が不自然だ。
そして即座に判別した。これは、アレだな。影だ、影。
「ピーターパンの影は本体に似て奔放ですが、影がないと困るピーターパンはどうしたかご存知ですか?」
というミシェルの言葉と同時に、ヘブンスマイルがどんどん萎んでいく。
なんて事はない。ピーターパンはただ妖精に影を自分に縫い付けさせただけだ。
今起こっている事も原理は同じ。不作法な影を無礼な本体に縫いつけさせただけである。
ムーでは妖精がいなさそうだったので使えなかったが、まさかそれがフィジルに居ないなどという事はない。
ヘブンスマイルに魔法、つまり人の魔法は効かないが、妖精はその限りではない。何故ならヘブンスマイルはそう出来てはいないから。
人の作るものとはそういうものだ。強固であればあるほどちょっとしたイレギュラーに呆気ないほどに脆い。
さて。と一息ついたと言わんばかりに学園長に喋りかける。
「老いましたな、学園長殿。
尤も、私は隆盛を誇ったアナタは知らないのですがね」
前半は大袈裟嘆いてみせる。
ミシェルからしたら、ちょっとした笑い話のつもりだ。
そしてこれが本題。
「仕事はまだ有りそうですね。これじゃとんだ興醒めだ
………いえ、興醒めなのは私のごく個人的な趣味が
という意味ですのでお気にならさず」
とはいえ気分は害されたので不作法な闖入者は鮫か竜の餌にでもなればいい。
そんな気持ちでミシェルは保健室へ向かう。

25 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 02:03:48 0
>「ん?ああ血液は入手できたよ。 
> ってそうじゃなくてアナスタシアから伝言ヨハネカインがもう…来とる!?はやっ!?」 
「・・・・・・・・え――――――― っ!!どどど、どうしよう」
あまりの衝撃に一瞬固まったリリアーナだったが、事の重大さを飲み込んだとたんあたふたし始めた。
だがよくよく考えてみれば、もう手遅れだ。
既に杖の封印は解けてしまったのだから。
運良くヨハネカインに気づかれずとも、来賓の魔法使いには気づかれたかもしれない。
こうなったら、腹をくくるしかないだろう。

69「リリアーナ、きっとヨハネカインがレベッカを治療したから槍に反応が無くなったんだぜ!」 
「えっ、レベッカさんの槍はここにあるのに?そんな事、ありえるの?!
 魂を移し変えるのってそんな簡単にできるものなの?」
ヨハネカインの話を聞いていないリリアーナは、他人が入れ違った時の事を想像してみた。
・・・・・・少しだけなら交換しても・・・・・・いやいや、やはり困る。

>「ん?変態レベッカがうんともすんとも言わなくなった?叩いてみてもダメ?」 
「うん、でもあんまり乱暴に扱って折れたら困るわ」
ロックは、今はレベッカよりも、メイレンに集めた血を飲ませるのが先決だと言った。
「じゃあ、お身体のパーツはここに置くね」
リリアーナは、メイレン用においたレモンパイの位置をずらすと、大きな皮袋をそこに置いた。
中身は、頭以外のメイレンの身体の欠片を集めたものである。

>「どうせ皆ヨハネカインを見に行くんだろ? 
> 窓の外からフリージアの氷に乗っていけばすぐに保健室に着くはずだぜ! 
> 先に行っててくれ!ミセス・スイションの頭が俺の腕から外れたらすぐに行くぜ!」 
「私は残るわよ!だって心配だもの!
 あ、いや、別にロックが心配ってわけじゃ・・・・・・その・・・そう!メイレン様よ、メイレン様。あとナナナもね。
 レベッカさんは心配だけど、保健室にはミルクもいるしね」
さすがにヨハネカインの居る場所に踏み込んで、虎の尾を踏むような真似はしたくないらしい。
そうやってリリアーナがぐだぐだの言い訳をしている間に、フリージアはさっさと変装を完了させていた。

>「そうですわねぇ……この姿の私のことはクーラとでも呼んでもらおうかしら?」 
>「わかったよフリージアお母さん」 
「え――――っ!!本当にフリージアなの?すごい、全然わからなかったよフリージア!」
リリアーナはしきりと感心している。
「ここまで大変身したら、きっとルズにも見分けつかないかもね!」

>「さあ出発ですわよ!!」
「あ、ちょっと待って!服変えなきゃ、服!私のを貸すから」
だが残念ながら、リリアーナの服を来たフリージアは相当苦しい目にあうだろう。主に胸が。

「あと、これも」
リリアーナは思ひ出の糸車の糸を引き出すと、レベッカの魂が宿っていた古い槍に結びつけた。
「悪いけど誰か、この糸がくっついた槍ごと保健室に運んでくれない?
 でね、保健室に到着したら、この糸を握って欲しいの。
 私、どうしてもレベッカさんが無事に復活したかを知りたいの。このとおり!お願い!」
リリアーナは両手を合わせ、窓から出発しようとする一行に頭を下げた。

出発した一行を心配げに見送った後、ロック達はメイレン復活のための手順を踏むことになった。
「思ったより血液集まったわね。もしかしてヴァンエレン、学園のみんなに結構愛されてる?」
アナスタシアの素晴らしい勧誘テクニックを知らないリリアーナは、ひたすら感心している。
「後は、メイレン様に血を飲ませれば良いんだったよね。
 ロック、メイレン様が復活なさっても、しばらくはハードニングを解いたらダメだからね」
目の前のメイレンの血色が、見る見るうちに良くなっていく。
この分なら、メイレンが目を覚ますのも時間の問題だろう。

26 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 02:08:15 0
「じょうおうさ、ま〜ん!あなたのルズが参りましたわーん!!
 今日のお召し物も、口紅も、髪の色まですっかりわたくし好みでしてよ、
 ああ、そんなにわたくしの事を思ってくださっていたなんて!ルズ、か・ん・げ・き〜ん!」

ミルクが必死で取り繕うとしているのに、登場すると同時に全てをぶち壊す女。
それがルズのルズたる所以だった。

27 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 08:42:34 0
>23>24>26
ここは保健室。ちょうどミルクがヨハネカインにお礼を言っていたところだ。
> 「そ、そうだ!今ちょうどあたしたちの学園で学園祭してるんですよ!
>  良かったら呪いを解いてもらったお礼に、学園祭の案内をさせてもらえませんか!?
>  そりゃもう、美味しい食べ物から奇想天外な出し物まで目白押しですよ!」
「ほう、そんなものがあるのか。」
ヨハネカインはミルクの話を聞きながら、心では別のことを考えていた。
「(思いがけない邪魔が入った。命拾いをしたな、悪運の強いロートルめ。
  だが、奴の両手は破壊できたのでよしとしよう。しかし、抜け目のないロートルのことだ。
  もしかすると私のヘブンスマイル、“トップ・オブ・ザ・ワールド”の秘密を勘付いたかもしれん。)」
ヨハネカインの足元に、彼の影が戻ってきた。

こちらは学園長室。ミシェルの登場により、ヘブンスマイルは退却を余儀なくされた。
> 「老いましたな、学園長殿。
> 尤も、私は隆盛を誇ったアナタは知らないのですがね」
学「老人は知識は多いが、買いかぶられ過ぎるのじゃよ。」
学園長はにやっと笑いながらミシェルにそう言った。
> 「仕事はまだ有りそうですね。これじゃとんだ興醒めだ
> ………いえ、興醒めなのは私のごく個人的な趣味が
> という意味ですのでお気にならさず」
学「待ちなさい。」
学園長は保健室へと向おうとしたミシェルを一旦引き止めた。
学「君が想像する通り、かのよく笑う影の正体はヨハネカインのヘブンスマイルであり、
  同じく君が想像する通り、彼はこの学園の保健室におる。
  しかし、用心せねばならん。わしにはさっき、
  君の魔法が発動するより早くヘブンスマイル自身が一旦引いたように見えた。
  ロクーのヘブンスマイル、イエスタデイ・ワンスモアが過去を司る能力を持っていたように、
  ヨハネカインのヘブンスマイルには未来を見る能力のようなものがあるのかもしれん。
  特に君はさきほどヘブンスマイルを介してヨハネカインに顔を覚えられたじゃろう。
  うかつに飛び込めば、今保健室にいる生徒達をも危険に晒しかねん。
  感覚を研ぎ澄まし、次に自分がとるべき行動を模索するのじゃ。では、Goodluck.」
学園長はミシェルに対して、保健室に行けとも行くなとも指図するつもりはなかった。
学園長は彼を信頼しているし、今となっては何が吉とでるか凶とでるかわからない。
しかし、幸いにも学園長自身は自分がやるべきことが何なのかはっきりわかっていた。
それはついついミシェルに長話をしてしまったことの反省と、ゲートの封鎖である。
学「(わしの右手もさっき投げつけられた椅子のせいで骨が折れてしまっておる。
   この両手のどちらかを治すのに何分かかるじゃろうか?
   杖を持てるようになったら、すぐにゲートを封鎖するのじゃ。
   ヨハネカインがこの学園から逃げられないように。)」

再び保健室。
> 「フリーダム!フリーダムじゃない!(中略)
>  それでお礼に学園祭の案内をしたいんだけど、博士がすぐ帰っちゃいそうでさー。
>  何かこう、博士が残ってでも見たくなりそうなイベントとかあったら教えてよ!ね!?ね!?」
「ミルク君。」
窓の外に浮かぶ友人に話しかけるミルクの肩にヨハネカインが手を置いた。
「申し訳ないが、私には私を必要とする患者のもとへすぐに行く必要がある。
 他に患者がいるならともかく、レベッカ君を治療した以上、
 私自身の娯楽のためにこの学園に留まるわけにはいかないな。
 君の気持ちには感謝したい。だが、失礼するよ。」
ヨハネカインは学園長の両腕を破壊していることで余裕があるのか、
あくまで紳士的な態度で学園を去ろうとした。
「一週間後には休日がとれるかもしれない。その時にまた友人として会おうじゃないか?
 (一週間もあれば、ケルビムの政治力でフィジル島の物資と情報を完全に封鎖できる。
 学園から出れば、私の勝ちだ。)」
> 「じょうおうさ、ま〜ん!あなたのルズが参りましたわーん!!(後略)」
「…この黒い猫。もしかして頭が病気なのか?
 (そういえばこの猫、たしか学園長室にいたはずだが…)」
ヨハネカインはルズを見てそう言った。

28 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 09:11:43 0
>21>25
美人「元気百倍!ファン・メイレン!」
メイレンの首が体にくっつき、彼女は復活した。
なんだか性格が若返りの薬を飲む前にもどっているようだが、
もしかしたら胴体が輪切りになったせいで外に流れ出たのかもしれない。
「なあ、リリアーナ!俺は妖怪のことはよくわからん!
 だが、こうもあっさりと復活していいものなのか!?
 なんだか生命を侮辱されたような気分だぜ!」
美人「あら〜、そんな硬いこと言わないでロックきゅ〜ん♪」
そう言われたロックは物理的にも硬い状態を維持していた。
リリアーナの忠告通り、彼はハードニングを継続しているのだ。

以下はここまでのダイジェストである。
> 「じゃあ、お身体のパーツはここに置くね」
> リリアーナは、メイレン用においたレモンパイの位置をずらすと、大きな皮袋をそこに置いた。
「どうせ皆ヨハネカインを見に行くんだろ?
 窓の外からフリージアの氷に乗っていけばすぐに保健室に着くはずだぜ!
 先に行っててくれ!ミセス・スイションの頭が俺の腕から外れたらすぐに行くぜ!」
> 「私は残るわよ!だって心配だもの!
>  あ、いや、別にロックが心配ってわけじゃ・・・・・・その・・・そう!メイレン様よ、メイレン様。あとナナナもね。
>  レベッカさんは心配だけど、保健室にはミルクもいるしね」
> そうやってリリアーナがぐだぐだの言い訳をしている間に、フリージアはさっさと変装を完了させていた。
> 「そうですわねぇ……この姿の私のことはクーラとでも呼んでもらおうかしら?」
> 「ここまで大変身したら、きっとルズにも見分けつかないかもね!」
「いや…きっと彼女ならわかると思うわ。」
なぜか女の子口調でロックが口を挟む。
>「さあ出発ですわよ!!」
> 「あ、ちょっと待って!服変えなきゃ、服!私のを貸すから」
リリアーナはさらに思ひ出の糸車の糸をつけたレベッカの槍をフリージアに託した。
「ついでにこれも持って行くか?」
ロックはフリージアに黒い方のレモンパイを差し出した。
持って行くかどうかはフリージアの自由である。
> 出発した一行を心配げに見送った後、ロック達はメイレン復活のための手順を踏むことになった。
> 「思ったより血液集まったわね。もしかしてヴァンエレン、学園のみんなに結構愛されてる?」
「きっと学園の男達は皆、夢と希望と真実と勇気と自由と正義と愛と平和とか弱き女性を守る使者だからだぜ!」
> 「後は、メイレン様に血を飲ませれば良いんだったよね。
>  ロック、メイレン様が復活なさっても、しばらくはハードニングを解いたらダメだからね」
「ああ、ガチガチのまま待機しとけばいいんだな!」
> 目の前のメイレンの血色が、見る見るうちに良くなっていく。
> この分なら、メイレンが目を覚ますのも時間の問題だろう。

そして現在。
「これがその結果だぜ!どうすればいいんだリリアーナ!
 俺にはどうするればいいかわからないぜー!」
そう言って頭を抱えるロックには、メイレンの扱い方などさっぱり検討がつかなかった。

29 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 13:58:15 P
>22-24>25-27

>「あ、ちょっと待って!服変えなきゃ、服!私のを貸すから」
>リリアーナはさらに思ひ出の糸車の糸をつけたレベッカの槍をフリージアに託す。
>「ついでにこれも持って行くか?」
それはレモンパイというにはあまりにも禍々しすぎた
到底天使が作ったとは思えないほどの威圧感をフリージアに与えるそんな物体であった
「そうですわ!これをホワイト博士に食べさせてあげましょう」
フリージアは恐ろしいことを考えたようだ
「色彩の精霊よ・・・・この禍々しい物体をおいしそうなレモンパイに見せたまえ」
魔法により見た目”だけ”はおいしそうに変わるレモンパイ(仮)
食べたら味覚が死ぬこと間違いなしである

>「フリーダム!フリーダムじゃない!(中略)
> それでお礼に学園祭の案内をしたいんだけど、博士がすぐ帰っちゃいそうでさー。
> 何かこう、博士が残ってでも見たくなりそうなイベントとかあったら教えてよ!ね!?ね!?」
何とかホワイト博士を引きとめようとするミルク
>「申し訳ないが、私には私を必要とする患者のもとへすぐに行く必要がある」
と頑なに帰ろうとするホワイト博士
「始めまして私の名前はクーラ・フリーダムですわ
 まあまあそんなに焦らないでもいいじゃありませんこと
 せめてこのレモンパイでも食べていかれたらいかがですの?」
とレモンパイをホワイト博士に食べさせようとするフリージア
胸の辺りからぴしぴしっと言う破滅の音がしはじめているがフリージアは気にしない
「ボタンが取れかけてやがる・・・・小さすぎたんだ」
リリアーナに貸してもらった服の胸元のボタンが取れそうな様子を
何故かジブリ風に言うギズモ

「この槍をレベッカさんの所へ持っていって頂戴」
ギズモに指示を出し槍を運ばせるフリージ・・・クーラさん
ギズモは小さな羽根をパタパタと羽ばたかせレベッカの元に行く
近いんだから歩けよと思わなくも無いがたぶん歩くほうが疲れるのであろう

「あ、レベッカお姉ちゃんだ!槍持ってきたよ」
とレベッカに槍と糸を渡すギズモ
はたしてリリアーナにレベッカの無事が伝わるのだろうか?

>「じょうおうさ、ま〜ん!あなたのルズが参りましたわーん!!(後略)」
>「…この黒い猫。もしかして頭が病気なのか?
 (そういえばこの猫、たしか学園長室にいたはずだが…)」
「その子は単なるガチレズだから気にしなくてもいいですわ
 同性が同性を好きになるとか私には理解できませんけれど
 それよりレモンパイはいかがですの?」
執拗にレモンパイを勧めるフリージアさん
はたしてホワイト博士はレモンパイを食べるのだろうか?
そして食べたとしたらどんな風になってしまうのだろうか?
非常に楽しみである

30 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 20:12:05 0
>>23>>26-27>>29
>「その子は単なるガチレズだから気にしなくてもいいですわ
> 同性が同性を好きになるとか私には理解できませんけれど
> それよりレモンパイはいかがですの?」
>執拗にレモンパイを勧めるフリージアさん
「おいおい、その魔法を解いてから薦めたらどうだ。
 俺だったらそんな魔法のかかった得体の知れないものなんて食いたいとは思わないな」
そこに、冷えた感じのする、ヨハネカインではない男性の声が聞こえた。
その声の方向には、いつの間にか制服を身に纏った青髪の男子生徒が腕を組んで壁にもたれ掛かっていた。
薄く開かれた目は切れ長で、青い瞳を覗かせている。

「よう、ミルク、フリージ……と、いやフリーダム?だったか?
 随分と久しぶりな気がするな」
いつの間にやらカプセルから出てきた人狼クォーター、グレイブである。
「気が付けば仄かにトカゲの臭いの染み付いた使い魔カプセルの中。周りを見れば既に学園。
 俺達は何時ムーの冒険からいつの間にか帰ってきたんだか」
はぁ、と見るからに残念そうな溜息を吐いた。

彼はムー大陸探索の道中、数ある罠の一つに足を取られ連鎖的に引っかかり、結果気絶。
同行していたのにさり気に回避していたルズの使い魔カプセルに保存されて忘れ去られ、貴重な宝物を見ることも無く帰ってきた。
そして今さっき漸く目が覚めた、所謂役立たずである。
ちなみにどんな罠に引っかかったかは……既にグレイは忘れている。

「こんにちは、でいいだろうか?Dr.ヨハネカイン」
視線を女性陣から部屋で唯一の男性へ向ける。
銀髪の長身、彫りの深い顔つき。
学園で見たことが無い人物だが、博士とつく人物が医務室にいるのだ。恐らく医師だと見当がつく。
そして部屋での会話は粗方グレイズが聞いていた。
どうしてか偽名を使いつつ二人がヨハネカインを引きとめようとしていることをグレイブは知っている。
まさか理由も無いわけでもあるまい。とくれば、知り合いに少し加担してみようと思うのもありえない話でもない。

「人より耳が良いんでね、失礼だがカプセルの中でも多少の話は聞いていた。
 何やら忙しそうなところ悪いが、右足の調子がおかしくてね、少し診てくれないか?
 動かす度に痛むんだよ。
 生憎レオ、ああ此処の保険医なんだが、どうやらいないらしいようだからな。
 ……ああ、これはまた失礼。俺の名はグレイブ。以後宜しく」
痛くも無い足をぶらつかせながら、グレイブは自己紹介をした。

31 名前:ナナナ&ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 21:59:51 O
>17-21 >25 >27
>「はい、ターロン。あなたもレモンパイをどうぞ」
「これはどうもご親切に」
リリアーナに言われるままに、ターロンは素直に瓶の中に入り込んだ。
ターロンからすれば特に逃げる必要もない現状、この程度の拘束を嫌がる必要はない。
むしろ逃げるつもりがないことをアピールする良い機会だと考えたのだ。
リリアーナのレモンパイをかじりながら、瓶の中のターロンは対岸の火事を見物するような気持ちで話の推移を見守る。

>「ナナナ、ニャンコ先生はきっとまだムウ大陸だよ。(後略)
「え―――――っ!?ニャンコ先生がそんな儀式をしないとムウ大陸に行けなかったんですか!?」
リリアーナの言葉にナナナはまた驚かされた。
ナナナの記憶の中のニャンコ先生は、招き猫型ゴーレムの中で一番偉い存在であり。
どんなに遠い場所にでも、すぐに送り届ける事が出来たはずだったのだ。
それが一年待つ必要があると言われたのだから、ムウ大陸に行くのは難しいのだとナナナにもすぐわかった。
「はうう…これから一年も待たないといけないなんて大変ですぅ…」
>「あ、でもでも!学園長に頼めば何とかなるかもしれないし!げ、元気出して!! (中略)
> ほらほら、私、ちゃんと生きてるでしょ?」
「はううう…」
リリアーナの言う『ちょっと』が正しく伝わらなかったため、ナナナはさらに落ち込んでしまった。
なにしろナナナは学園長の実力も知らないのだから、落ち込み方も半端ではない。

>「まあ・・・・・・・気の毒だとは思うけど、視点を変えれば、これってけっこうチャンスじゃない?(中略)
> となれば、ムウの王族の末裔だって、この島にやってくる可能性だって高いとは思わない?」
「はう…。…そうですね…落ち込んでいても仕方がないですよね…」

32 名前:ナナナ&ターロン ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/30(土) 22:01:19 O
>「それに、レベッカさんだってこの学園に来たばかりなの。
> まだまだこの学園に心残りがあるはずだと思うのよ。ね?レベッカさん。
> ・・・・・・・レベッカさん?え、ちょっと、レベッカさん?ふざけてる?ねえねえ!!」
「はわわわ!どうされたんですかレベッカ様〜!?」
落ち込んで立ち直りかけた所で、心の支えその1レベッカの返事が無くなった事にナナナは焦った。
>「リリアーナ、きっとヨハネカインがレベッカを治療したから槍に反応が無くなったんだぜ!」
>「ん?変態レベッカがうんともすんとも言わなくなった?叩いてみてもダメ?」
「た、叩いちゃダメです――――っ!」
ぶんぶん腕を振り回して槍を守ろうとするナナナだが、効果の方は疑わしい。

「…あ」
ぶんぶん腕を振り回していたナナナが、ぴたりとその動きを止めた。
彼女の御主人様、魔本になった猫耳男からのテレパシーが聞こえてきたからだ。

>「どうせ皆ヨハネカインを見に行くんだろ?
> 窓の外からフリージアの氷に乗っていけばすぐに保健室に着くはずだぜ!
> 先に行っててくれ!ミセス・スイションの頭が俺の腕から外れたらすぐに行くぜ!」
>「私は残るわよ!だって心配だもの!
> あ、いや、別にロックが心配ってわけじゃ・・・・・・その・・・そう!メイレン様よ、メイレン様。あとナナナもね。
> レベッカさんは心配だけど、保健室にはミルクもいるしね」
「あっ、あの!私、御主人様を図書館にお連れしてきます!
 皆さんまだお忙しそうですし、私はお役に立てそうもないですから…
 ヴァンエレンさん、今まで御主人様を預かって頂いてありがとうございました。
 レベッカ様のこと、よろしくお願いします!
 リリアーナさん、美味しいお茶をありがとうございました!失礼します!」
ヴァンエレンから魔本を受け取り、リリアーナたちに深々と頭を下げ、ナナナは部屋の外にでる。

「御主人様、急に図書館に連れていけだなんてどうしたんですか?
 また萌え画像集でも見つけ…はわわ!
 ち、違います!私は別にロックさんに惚れてなんかいません――!!」
独り言を言っているようにしか見えない会話を続けながら、ナナナと猫耳男は図書館へと歩いていった。

>美人「元気百倍!ファン・メイレン!」
>>「メイレン様の無事の御復活、ターロン心よりお祝い申し上げます」
一方、瓶の中に入ったままのターロンはまだリリアーナの部屋にいた。
メイレンの性格が昔の状態に戻っていても、力まで巻き戻ったかはまだわからない。
だから、ターロンは恭しい態度を崩そうとはしなかった。

>「これがその結果だぜ!どうすればいいんだリリアーナ!
> 俺にはどうするればいいかわからないぜー!」
>>「どうでしょう、ともかくそろそろ硬化魔法を解除して、一休みとされては。
>> 長い間魔法を使っていては消耗も激しく、よい考えも浮かばないでしょう」
ロックが仮に食べられても、ターロンからすれば困るどころか大助かりなのだ。

33 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/01/31(日) 02:10:31 0
>27-28 >30
「…この黒い猫。もしかして頭が病気なのか? 
 (そういえばこの猫、たしか学園長室にいたはずだが…)」
ルズはちっちっち、と右前足を左右に振った。
「まったく分かっていらっしゃいませんわねぇ。
 ええ、確かにわたくしは、医者にも治せない不治の病にかかっておりますわ〜!
 ですがそれは!頭ではなく!恋 の 病(はあと)!なのですわ〜ん!! 
 ああ、我が麗し女王様!どうか!どうか!わたくしの愛を受け取って〜ん!!」

>「その子は単なるガチレズだから気にしなくてもいいですわ 
> 同性が同性を好きになるとか私には理解できませんけれど 
> それよりレモンパイはいかがですの?」 
「あの女王様が!あんな男に何度も何度もレモンパイを薦めていらっしゃるなんて!
 どうして!どーしてルズにはお声をかけてくださいませんの!」
よよよと泣き伏したルズだったが、次の一言で思わず(´・ω・‘)ショボーンをあげた。
>「おいおい、その魔法を解いてから薦めたらどうだ。 
> 俺だったらそんな魔法のかかった得体の知れないものなんて食いたいとは思わないな」 
「あらん、グレイブとやら。女王様が差し出したものにケチをつけるつもりですの?
 てめーに食わせるレモンパイはねえ!って感じですわね〜。
 それ以上いうとピヨピヨ口の刑にしますからそのおつもりで。
 しかし、トカゲの臭いの染み付いた使い魔カプセル、はいただけませんわよねー。
 グレイブとやら〜マンダのファンに殺されますわよ〜」
マンダとは、以前ルズが養っていたサラマンダーだ
現在は、とある学園生徒の使い魔になって、ルズの元を離れても楽しく暮らしている。
ギズモ動揺外見が人型になったため、男子寮ではなかなか人気者でもある。

「ところで女王様、このルズにレモンパイはありませんの?!」
ルズはじとっとフリージアを見上げている!
もし無いといわれたら、ルズは是が非でも一切れ掠め取ろうとするだろう。

34 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage 最近誤字多くてごめんなさい。そして先生、グレイ、祝復活] 投稿日:2010/01/31(日) 09:02:53 0
>32
時間は、少し遡る。
ナナナは保健室ではなく、魔本の主を連れて行くため地下図書館へ向かうつもりのようだ。
「うん、分かった。でも、図書館の場所はわかる?
 寮の入り口に白百合騎士団の詰め所があるから、そこに寄って道を教えてもらうといいわ」
リリアーナはお菓子を包み、ナナナに持たせた。
「ムウ大陸に戻る手がかりがあったら、すぐ連絡するわ。だから、焦らないでね」
ヨハネカイン訪問の影響を受けて島が封鎖されるかもしれないなど、今のリリアーナが知る由も無かった。

>28 >32
そして現在。
美人「元気百倍!ファン・メイレン!」 
「ヴァンエレン見て!メイレン様の身体が元通りに!
 メイレン様、良かった、本当に良かった・・・・・ああっ、メイレン様何を!!」
目の前の光景に、リリアーナは激しくショックを受けている!

>「なあ、リリアーナ!俺は妖怪のことはよくわからん! 
> だが、こうもあっさりと復活していいものなのか!? 
> なんだか生命を侮辱されたような気分だぜ!」 
美人「あら〜、そんな硬いこと言わないでロックきゅ〜ん♪」 
「あ、あら。何でも人間の尺度で物事を考えたらダメよロック。
 メイレン様のご主人なんて、お身体が目玉しかなくても生きていらっしゃるのよ!
 ここは素直に喜ぶところ・・・喜ぶところ・・・なんだけど・・・・・・」
そう語るリリアーナの声は、わなわなと震えていた。
だが、ロックきゅーんとしなだれかかったところで、とうとう自制の許容範囲を超えてしまった!

>「これがその結果だぜ!どうすればいいんだリリアーナ! 
> 俺にはどうするればいいかわからないぜー!」 
「やだー!やだー!メイレン様、早くロックからお離れ下さいー!! 
 ロックもロックよ!何よ馬鹿!えっち!絶対、ぜーったい目を開けたらだめなんだからね!」
リリアーナは泣きそうな顔で、メイレンとロックを引き離そうとした。

まあ、ロックがメイレンの扱いに困るのも無理はない。
「メイレン様もお戯れが過ぎます!
 お願いですから早くお召し物をー!目のやり場に困りますー!!」
そう、彼女は全裸だったのだ。

>「どうでしょう、ともかくそろそろ硬化魔法を解除して、一休みとされては。 
> 長い間魔法を使っていては消耗も激しく、よい考えも浮かばないでしょう」 
「こんな時に解除できるわけ無いでしょー!あんまりふざけてると、本当に封印するわよ!」
リリアーナ自身は魔法が使えないが、この部屋にはそういった類の呪札があるのだ。
例えば、さっき窓を封印していたお札の予備、などだ。
「メイレン様、このトカゲあげますから、早くロックから離れて・・・・・・・あっ!」
リリアーナは不意に口を噤むと、それきり動きを止めた。
ちょうど今、ギズモが槍を持った状態で、レベッカを探し当てたのだ。
「よ、良かった!レベッカさん、良かった・・・・・・!!
 メイレン様、聞いてください!レベッカさんが無事復活なさいました。
 今は保健室でお休みに。この糸車に触れていただければ見えま・・・す?わ―――― っ!!」
リリアーナはいきなり大声を出すと、糸車を放り出してしまった。
顔はゆでだこのように真っ赤である。
「あ、いや、ななな何でもないよ、何でも。
 ととととにかく、レベッカさんは無事に復活を遂げたみたい。
 でも、保健室にはまだヨハネカインが居るのよね。・・・・・・どうしよう?」

35 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/31(日) 17:01:14 O
>24 >26-27 >29-30 >33
>「ミルク君。」
あたしに呼びかけながら、ポンと肩に軽く手を置くヨハネカイン博士。
しまった気づかれたか…
>「申し訳ないが、私には私を必要とする患者のもとへすぐに行く必要がある。(中略)
> 君の気持ちには感謝したい。だが、失礼するよ。」
>「一週間後には休日がとれるかもしれない。その時にまた友人として会おうじゃないか?
「そ、そうですよね。患者はレベッカだけじゃないですもんね。
 でも呪いを解いてもらったお礼が一週間後じゃ申し訳なくて…」
良かったー気づかれてないよ…
でもどうなんだろう。
このまま帰ってくれるんなら、ボロが出ないうちに帰ってもらった方がいいのかな。
恐縮している振りをして、こっそりもう一度影を確認……あれ。
博士ちゃんと影ついてるじゃん。おっかしいなぁ…見間違えたかな…

>「始めまして私の名前はクーラ・フリーダムですわ
> まあまあそんなに焦らないでもいいじゃありませんこと
> せめてこのレモンパイでも食べていかれたらいかがですの?」
フリージアはさらりとあたしが適当に呼んだ名前を取り入れて、レモンパイを博士に勧める。
おおっ!さすがフリージア
これなら自然な感じで博士の足止めが出来る!

>「じょうおうさ、ま〜ん!あなたのルズが参りましたわーん!! (中略)
> ああ、そんなにわたくしの事を思ってくださっていたなんて!ルズ、か・ん・げ・き〜ん!」
イレギュラーと言うべきかどうなのか。
いきなり出てきたルズの声が、あたしの心労に拍車をかける。
言うなよー絶対変な事言うなよールズー。
>「…この黒い猫。もしかして頭が病気なのか?
なにげにキツい事言ってる博士に、ルズは自分は恋の病だと強調するけど。
>「その子は単なるガチレズだから気にしなくてもいいですわ (中略)
> それよりレモンパイはいかがですの?」
やっぱりフリージアにそんな気はありませんでした。
ロリコンは病気らしいから、あたしもガチレズは病気だと思います。

36 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/01/31(日) 17:02:32 O
>「おいおい、その魔法を解いてから薦めたらどうだ。
> 俺だったらそんな魔法のかかった得体の知れないものなんて食いたいとは思わないな」
「えっ…!?あ、グレイブ!」
>「よう、ミルク、フリージ……と、いやフリーダム?だったか?
> 随分と久しぶりな気がするな」
博士に気を取られてるうちに入ってきたのか、いつの間にか保健室にグレイブがいた。
>「気が付けば仄かにトカゲの臭いの染み付いた使い魔カプセルの中。周りを見れば既に学園。
> 俺達は何時ムーの冒険からいつの間にか帰ってきたんだか」
「あ、あははは…」
嘆息するグレイブの言葉を聞きながら、あたしは冷や汗ダラダラだ。
いつ帰ってきたかわからないってことは、博士の危険性を知らないかもって事だから。
うわーうわーどうやって伝えよう…

>「こんにちは、でいいだろうか?Dr.ヨハネカイン」
>「人より耳が良いんでね、失礼だがカプセルの中でも多少の話は聞いていた。(中略)
> ……ああ、これはまた失礼。俺の名はグレイブ。以後宜しく」
「あそーだ!あたしちょっと学園長呼んでくるね!
 せっかく博士が来てくれてるんだから、学園長もお願いしたい事があるかもしれないし!」
いくつか不安はあったけど、取りあえずグレイブが出てきてたのは幸いだった。
グレイルだったらky発言で地雷を踏みかねないし。
そう思いながら、学園長室に繋がるキャビネットを開けて。
あたしは学園長室にいたミシェル先生とぶつかりそうになった。
「ミシェル先生!?学園長室にいたんですか?
 ヨハネカイン博士が学園に来られてるんですけど、学園長はおられますか?」

37 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage すみません、前回名前ミスしてました&おかえりグレイ] 投稿日:2010/02/01(月) 19:19:31 0
>29>30>33>36
> 「あ、レベッカお姉ちゃんだ!槍持ってきたよ」
痴「…おん?」
レベッカはカーテン越しに手を出してそれを掴んだ。

病気かと言われたルズがヨハネカインに答えた。
> 「まったく分かっていらっしゃいませんわねぇ。
>  ええ、確かにわたくしは、医者にも治せない不治の病にかかっておりますわ〜!
>  ですがそれは!頭ではなく!恋 の 病(はあと)!なのですわ〜ん!! 
>  ああ、我が麗し女王様!どうか!どうか!わたくしの愛を受け取って〜ん!!」
「では、この銀のスプーンをあげよう。」
ヨハネカインはそう言って彼女に銀のスプーンを渡した。
> 「(前略)それよりレモンパイはいかがですの?」
「では、一切れだけもらおうか?」
ヨハネカインは、それが致命的なことだとは思わずにそれを口にしようとした。
> 「あの女王様が!あんな男に何度も何度もレモンパイを薦めていらっしゃるなんて!
>  どうして!どーしてルズにはお声をかけてくださいませんの!」
「(…なんだか食べづらいなぁ。)」
> 「おいおい、その魔法を解いてから薦めたらどうだ。
>  俺だったらそんな魔法のかかった得体の知れないものなんて食いたいとは思わないな」
「何だって?」
> そこに、冷えた感じのする、ヨハネカインではない男性の声が聞こえた。
> 「よう、ミルク、フリージ……と、いやフリーダム?だったか?
>  随分と久しぶりな気がするな」
> いつの間にやらカプセルから出てきた人狼クォーター、グレイブである。
> 「あらん、グレイブとやら。女王様が差し出したものにケチをつけるつもりですの?(後略)」
「…媚薬でも入れたのか?ミス・フリーダム?いけないお嬢さんだ。」
> 「ところで女王様、このルズにレモンパイはありませんの?!」
> ルズはじとっとフリージアを見上げている!
「いいだろう、とって来るがいい!」
ヨハネカインはルズにそう言って、レモンパイを外に向ってフリスビーよろしく投げた。
ルズがそれをキャッチするかどうかはヨハネカインの興味を引くところではない。
> 「こんにちは、でいいだろうか?Dr.ヨハネカイン」
グレイブがヨハネカインに話しかけた。
「そういう君の名前をお聞かせ願えるかな?」
> 「人より耳が良いんでね、失礼だがカプセルの中でも多少の話は聞いていた。
>  何やら忙しそうなところ悪いが、右足の調子がおかしくてね、少し診てくれないか?
>  動かす度に痛むんだよ。
>  生憎レオ、ああ此処の保険医なんだが、どうやらいないらしいようだからな。
>  ……ああ、これはまた失礼。俺の名はグレイブ。以後宜しく」
「改めて名乗らせてもらうよ。私はヨハネカイン・ホワイト、医者だ。
 診察料は、レモンパイの件でチャラにしようじゃないか?」
> 「あそーだ!あたしちょっと学園長呼んでくるね!
>  せっかく博士が来てくれてるんだから、学園長もお願いしたい事があるかもしれないし!」
「(少しばかり遊びすぎたか…面倒な。)」
ミルクが学園長を呼びに行くことにヨハネカインが動揺しなかったわけではない。
しかし、ミルクが学園長を呼びに行くことも、グレイブが仮病を使った事も、
既にヨハネカインは知っていたことだった。そう、彼の能力トップ・オブ・ザ・ワールドによって。
ヨハネカインは、自分が最も自然にその場を去れる行動をとった。
「君は私をおちょくっているのか!!」
ヨハネカインがグレイブに激昂した。
「君の右足はなんともないではないか!私の邪魔をしてそんなに楽しいかね!?
 もう結構だ!私には次の患者が待っている!失礼させてもらおう!!」
ヨハネカインは早足で保健室から出て行った。そのまままっすぐゲートまで歩いていく。
「(グレイブには感謝しなくてはならんな。レモンパイを口にせずに済んだし、
 こうやって帰る口実まで用意してくれたのだからな。
 しかし、どうもやはり私を引きとめようとする意図はあったらしい。
 学園長がそうするようにテレパシーを送ったのか?ありえない話ではない。
 だとすると、私はやはりすぐに帰ったほうがいいな。時間さえあれば、
 ゲートを封鎖する手立てが、まだ残っているということなのだろうから。)」

38 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/01(月) 19:51:45 0
>32>34
> 「やだー!やだー!メイレン様、早くロックからお離れ下さいー!! 
>  ロックもロックよ!何よ馬鹿!えっち!絶対、ぜーったい目を開けたらだめなんだからね!」
「理不尽だぜ!」
> リリアーナは泣きそうな顔で、メイレンとロックを引き離そうとした。
そう、実は今までのロックのやりとりは全て目をつぶったままでのことなのである。
理由はごく単純なものであった。
> 「メイレン様もお戯れが過ぎます!
>  お願いですから早くお召し物をー!目のやり場に困りますー!!」
「そうだ!さっさとその凶器を隠せ!!」
> そう、彼女は全裸だったのだ。
美人「あら〜?それってどういう意味〜?」
「わかりきったことだ!大事な部分をちゃんと隠せって意味だ!リリアーナと同じように!」
美人「間に合ってま〜す♪」
ロックは未だに硬く(←変換間違いじゃないよ)目を閉じていたので、
メイレンがリリアーナとペアルックになってしまったことに気づかなかった。
大妖怪メイレンが持つ能力、“意味を操る程度の能力”は健在のようだ。

> >「どうでしょう、ともかくそろそろ硬化魔法を解除して、一休みとされては。
> > 長い間魔法を使っていては消耗も激しく、よい考えも浮かばないでしょう」
> 「こんな時に解除できるわけ無いでしょー!あんまりふざけてると、本当に封印するわよ!」
「ああ!俺にはミセス・スイションを攻撃できないからな!なぜなら俺は夢と希望と(ry」
美人「も〜、人を猛獣か何かのように言わないで〜!」
「(だめだ、この練乳の一気飲みのようなミセス・スイションの喋り方…長くは耐えられないぞ!)」
> 「メイレン様、このトカゲあげますから、早くロックから離れて・・・・・・・あっ!」
「どうしたリリアーナ!」
美人「しかし、トカゲはありがたくもらっておくわ♪」
> 「よ、良かった!レベッカさん、良かった・・・・・・!!
>  メイレン様、聞いてください!レベッカさんが無事復活なさいました。
>  今は保健室でお休みに。この糸車に触れていただければ見えま・・・す?わ―――― っ!!」
> リリアーナはいきなり大声を出すと、糸車を放り出してしまった。
> 顔はゆでだこのように真っ赤である。
> 「あ、いや、ななな何でもないよ、何でも。
>  ととととにかく、レベッカさんは無事に復活を遂げたみたい。
>  でも、保健室にはまだヨハネカインが居るのよね。・・・・・・どうしよう?」
「じゃあ聞くが、リリアーナはどうしたいんだ?
 お前はレベッカとミセス・スイションが回復すればそれで良かったんだろ?
 ケルビムをぶっつぶしたい、って思ってんなら協力は惜しまないがな!」
ロックは、リリアーナが放り出した糸車を触って「んま〜!」と叫んで赤くなっているメイレンを無視して答えた。
「ヨハネカインは自分に酔い過ぎている。
 自分が正しい事をしていると思いながら悪事を働く奴ほど手に負えないものはないぜ!
 悪を悪と知りながら自分のエゴのために生きたマリアベルの方がマシだと言うつもりもないがな!」

39 名前:グレイブ ◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/02/02(火) 01:01:19 0
>>33>>36-37
>「あらん、グレイブとやら。女王様が差し出したものにケチをつけるつもりですの?
> (中略)マンダのファンに殺されますわよ〜」
「ハッ、見て感じたままの感想を言ったまでだ。そんな下らないことで妙な刑やら殺害やらされてたまるか」
ルズの言葉を一蹴する。
グレイブはマンダのことを何度か見かけているが、元がサラマンダーなのだ。
トカゲにトカゲの臭いがすると言って悪いことなどあるものか。
そういう考えの下で動く彼は、いつか後ろからマンダのファンクラブに刺されるかもしれない。

>「改めて名乗らせてもらうよ。私はヨハネカイン・ホワイト、医者だ。
> 診察料は、レモンパイの件でチャラにしようじゃないか?」
「ん?やっぱり医者か。……そうだな、そうしてくれるとありがたい」
魔法が掛かっていた、とはいえその用途は外見を変えるだけのもの。
レモンパイが多少、いやかなり不恰好ならそうやって誤魔化す生徒も珍しくない。
だからといって折角の費用無料を断る気はないし、丁寧に教えてやる義理も無いが。
『んまーラッキーだなー!あひゃひゃひゃ!』
何もわかってなさそうなグレイルが腰のホルダーから適当に発言する。人形の中が存外に面白いらしい。

>「あそーだ!あたしちょっと学園長呼んでくるね!
> せっかく博士が来てくれてるんだから、学園長もお願いしたい事があるかもしれないし!」
と、ここで突然ミルクが声を上げた。
その表情からは心なしか、焦りが見える。
そして保健室に置かれているキャビネットに向かっていった。
【ふうん、学園長室の近くの何処かに繋がっているのかな?】
幽体でふよふよと浮遊していたグレイズが見当をつける。
グレイルとは違い、人形は狭苦しいらしい。
【それにしても、学園長まで出張ってくるなんて。ヨハネカイン博士って凄いね】

>「君は私をおちょくっているのか!!」
>ヨハネカインがグレイブに激昂した。
>「君の右足はなんともないではないか!私の邪魔をしてそんなに楽しいかね!?
> もう結構だ!私には次の患者が待っている!失礼させてもらおう!!」
その言葉に、グレイブは面食らう。
「ああ?おいおい、俺は現に……」
取り付く暇も無く、ヨハネカインは保健室を出て行った。
唖然としてそれを見送ってしまうグレイブ。
だが、すぐに頭を切り替えて思考する。
「……怪しいな。実に怪しい。こんな下らないことで怒り心頭とはな。
 随分とせっかちに出て行くものだ。まるで、何かに追われてるみたいだな」

その言葉を聞いたグレイズが異を唱えた。
【……いや、違うよ。追われるというよりは、『逃げていた』】
「!……つまりこうとでも言いたいのか?『また闇の魔法使いの襲撃だ』とでも?」
また、というのは夏季休暇前にマリアベルという魔法使いが襲撃を起こしたからだ。
グレイはそのときには大半の生徒同様、学園外に避難して取り残された生徒と教師の活躍を見ていた。
【え?いや、どうだろう?魔法使い特有の感じもしなかったし……】
「……やれやれ」
再び嘆息し、残っているフリージアに視線を向ける。
「仕方ない、とりあえずあの医者を追いかけてくる。自然にキレたようだが、なんとなく不自然だ。
 昔『アクロイド殺し』や『そして誰もいなくなった』を読んでから、どうにも細かいことが気になる性分になってな。
 まさかもうゲートをくぐってる、なんてこともないだろう。というわけで他の奴らに言っておいてくれ」
そう言い残すと、グレイブはヨハネカインの後を追って駆け出した。



40 名前:ミシェル ◇fxpoVIutNA [sage 代理投稿gt;560] 投稿日:2010/02/02(火) 06:46:12 0
>>36

いざ元凶へ。という所で学長が何やら言っていたが、老人らしい戒めであった。
「心配は無用でしょう。私よりあの子達の方がよっぽど闘い慣れていますから
それに、どの道招かざるお客様にはご退場願わなくては」
例えそれが如何な形であろうとも………
いつもの穏やかそうな顔で物騒な事を最後に呟く。
そして保健室へいざ行かんとしたら
>「ミシェル先生!?学園長室にいたんですか?
ヨハネカイン博士が学園に来られてるんですけど、学園長はおられますか?」
見知った顔と出会った。
「学長は非常に多忙の身ですので今お会いになるのはどうでしょうね」
とやんわり学園長と会わすまいとしているが理由は嘘だ。
………決して学園長が暇を持て余している。という訳はなく、事態の収集がつかなくなりそうな気がするのだ。
ミルクは恐らく負傷した学園長を見たら騒ぐだろう。そうなると面倒くさい。
騒いだ後がどうこうではなく、ただただ騒ぐと面倒くさそうという理由で追い返した。
そして散歩の如く軽い歩みで客人の元へ向かう。
「お客様がいらっしゃてるらしいですね」
何かイヤミの一つでも。と思ったが何も思いつかなかった。

41 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/02(火) 17:09:15 P
>30>33>35>37>39
>「おいおい、その魔法を解いてから薦めたらどうだ。
> 俺だったらそんな魔法のかかった得体の知れないものなんて食いたいとは思わないな」
>「何だって?」
> 「よう、ミルク、フリージ……と、いやフリーダム?だったか?
>  随分と久しぶりな気がするな」
「気のせいですわ」
とグレイブに返すフリ・・・・クーラ様
> 「あらん、グレイブとやら。女王様が差し出したものにケチをつけるつもりですの?(後略)」
>「…媚薬でも入れたのか?ミス・フリーダム?いけないお嬢さんだ」
「ちょっとあなたがいい男だから痺れ薬を入れてお持ち帰りしようと思っただけですわ」
とベアトさんみたいな事を言うクーラ様
どうやらクーラというキャラクターを演じきるつもりらしい
「まさかさっきからレオ先生を見ないわけって・・・・・」
レオ先生がいない理由を思いついて恐怖におびえるギズモちゃん
>「ところで女王様、このルズにレモンパイはありませんの?!」
>「いいだろう、とって来るがいい!」
フリスビーのように飛んでいくレモンパイ・・・・に似た何か禍々しいもの
その真の姿を見たものはSAN値が0になり即発狂するに違いない

>「何やら忙しそうなところ悪いが、右足の調子がおかしくてね、少し診てくれないか?」
とヨハネカイン博士を引きとめようとするグレイブ
>「君は私をおちょくっているのか!!」
>「君の右足はなんともないではないか!私の邪魔をしてそんなに楽しいかね!?
  もう結構だ!私には次の患者が待っている!失礼させてもらおう!!」
だがそれは逆効果となり逃げるように去っていくヨハネカインホワイト

>「……怪しいな。実に怪しい。こんな下らないことで怒り心頭とはな。
  随分とせっかちに出て行くものだ。まるで、何かに追われてるみたいだな」
「ちょっと!グレイブさん!逃げちゃったじゃありませんのどうしてくれますの!!」
ヨハネカインが去った後にぶちぎれるフリージアさん
ぶきぎれたとたんに服のボタンを留めていた紐もパーンとぶちぎれた
「しょうがないよクーラお姉ちゃん・・・・グレイさんは事情を知らないんだから」
とグレイブを擁護するギズモ
「だからって・・・・どうせだますんだったら事前に自分で足をばきっとやればよかったのですわ
 それかひとつの体に3つの魂がある今の状態を説明して相談に乗ってもらうとかほかに方法があったじゃありませんの!!
 私の変装して謎の物体Xを食べさせて下痢にしてトイレに引き止める作戦が全部パーじゃありませんの!!」
と無茶なことを言い出すフリージアさん
「とどめに男子トイレのトイレットペーパーをすべて隠すんだねお母さん」
まさに外道な作戦である
>「仕方ない、とりあえずあの医者を追いかけてくる。自然にキレたようだが、なんとなく不自然だ。
  昔『アクロイド殺し』や『そして誰もいなくなった』を読んでから、どうにも細かいことが気になる性分になってな。
  まさかもうゲートをくぐってる、なんてこともないだろう。というわけで他の奴らに言っておいてくれ」
「ちょっとグレイブさん!!」
そしてヨハネカインを追い掛けるグレイブ
「あ〜あ僕知らないよ。グレイブお兄ちゃんの死体が明日の新聞に乗っても」
まさに外道なギズモきゅん
「いいからあなたはリリアーナさんに事情を説明しに行きなさい!私はグレイさん達を追いかけますわ!!
ミルクさんはどうしますの?ルズさんは・・・・・戦力になるかわからないけど一応」
一人でも複数形・・・・それが彼・・・彼らの特徴である
「ルズお姉ちゃんそれ食べて・・・・・大丈夫なの?
 っていうかお母さんミルクさんを見てあいつ何の反応もしなかったし変装を解いていいんじゃ?」
とヨハネカインはフリージアの情報を知らないのではと言うギズモ
「髪の毛を元に戻すの面倒だしもう少しクーラ・フリーダムをやりますわ」
どうやらこの格好を気に入っているようである


42 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/02(火) 22:44:10 0
>37
>「いいだろう、とって来るがいい!」 
>ヨハネカインはルズにそう言って、レモンパイを外に向ってフリスビーよろしく投げた。 
「女王様の最高傑作に、何をしますの――――!!」
ルズは勢いよく窓から飛び出した。
そして暫くして・・・・・・窓の外から、まさに絹を裂くような断末魔の悲鳴が上がった。
その悲鳴が誰のものかは、いちいち解説する必要も無いだろう。

43 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/02(火) 22:45:32 0

>38
>「わかりきったことだ!大事な部分をちゃんと隠せって意味だ!リリアーナと同じように!」 
>「間に合ってま〜す♪」 
メイレンとおそろいとなったリリアーナは、哀れすっぽんぽん・・・・・・には、ならなかった。
代わりに、長身で巨乳な妙齢の美女による制服姿が実現してしまった。
「ロックにヴァンエレン、一応お召し返されたから、目を開けてもいいわよ」
全裸とは別の意味で刺激的かもしれないが、一応隠すところはちゃんと隠せたわけである。
これで、ロックが鼻血を出して倒れる心配はないだろう。

>「じゃあ聞くが、リリアーナはどうしたいんだ? 
> お前はレベッカとミセス・スイションが回復すればそれで良かったんだろ? 
> ケルビムをぶっつぶしたい、って思ってんなら協力は惜しまないがな!」 
「うん、レベッカさんもメイレン様も回復したし、ムウ大陸での目的は既に果たしたわ。
 ケルビムについては・・・・・・・ごめん、正直どうしていいか分からないの。
 ヨハネカインは医者としては成功した人らしいし、非魔法使いの人達にとっては尊敬の対象よ。
 私だって何も知らなかったら、弟子にして欲しいと思ったかもしれない。でも・・・・・・」
リリアーナは、ムウ大陸でのロクーやクリムゾンヘッドの事を思い出していた。
そして、ロクーの記憶の中にあった、ヨハネカインの行った殺戮も。
>「ヨハネカインは自分に酔い過ぎている。 
> 自分が正しい事をしていると思いながら悪事を働く奴ほど手に負えないものはないぜ! 
> 悪を悪と知りながら自分のエゴのために生きたマリアベルの方がマシだと言うつもりもないがな!」 
「あなたはロック・ウィルよ。マリアベルじゃない!
 ・・・・・・あーもう!考えても仕方ないわ!!
 とりあえずヨハネカインに会いに行く!あの後、ロクーが妹さんの元へ本当に戻ったのか気になるし。
 でも・・・・・・・」
リリアーナはたっぷり5秒はロックの顔を眺めた後、はーっとため息をついた。
「だめだわ。やっぱりロック、ロクーと似すぎてる。
 ・・・・・・ミルク達の話を聞いた印象だと、ヨハネカインはムウ大陸の事を知らないみたい。
 だから多分、私が直接彼に会っても何の問題も無いんだけど・・・・」」
リリアーナはうーっと唸りながら、髪の毛をくしゃくしゃとかき回した。
「ロックはだめよ。そのまま会わせるわけにはいかない。危険すぎるわ」

リリアーナはあわただしくクローゼットを開け、何かを探し始めた。
「ロック、落ち着いて聞いて。
 あのね、学園長の話では、ロクーは、少なくともクリムゾンヘッドとは永遠の絆を結んでいるそうよ。
 それがどういう意味を持つか、ロックにはわかるわよね?
 ロクーにそっくりなあなたを見れば、ヨハネカインがどんなに鈍くたって何かを察するに決まってる。
 そんなのダメ・・・・・・あ!あったあった!よかった〜!!」
リリアーナはクローゼットの奥にあった女物の服を引っ張り出してくると、あわただしくロックに手渡した。
「だからねロック、ここはひとつ変装しましょ」
リリアーナの中では、ロックがヨハネカインと接触するのは既に決定事項のようだ。
「メイレン様、ロックは着替えるので、離れてください。
 ささ、ロックも皆も急いで。メイレン様も、レベッカさんにお会いになりますよね?」

リリアーナが「やたら背の高い女子生徒達」と連れ立って歩いていると、ギズモが物凄い勢いで飛んできた。
「ど、どうしたのギズモ?そんなに慌てて。
 ――――え?ヨハネカインはもう保健室に居ない?!どういうこと?!」

リリアーナはどうする?と一同の顔を眺めた。
「メイレン様は、その・・・・・・レベッカさんに逢いにいかれるんですよね?
 あ、いやその・・・・・・ウマに蹴られるとか、そういうことが言いたいわけでは・・・・・・」
リリアーナはしどろもどろな上に、なぜかまた赤くなった。
「えっと・・・・・いや、なななんでもない、です。
 それより困ったな・・・・・・ヴァンエレン、悪いけど、ここからメイレン様を保健室まで案内してもらっていい?
 ギズモ、ヨハネカインはどこのゲートに向かって行ったか分かる?案内して!!」
リリアーナはあわただしくヨハネカインの後を追った。

44 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/03(水) 15:42:56 0
>37 >39-42
>「学長は非常に多忙の身ですので今お会いになるのはどうでしょうね」
「あ…そうなんですか…」
この状況で非常に多忙となると、考えられる理由はただ一つ。ヨハネカイン博士対策だ。
となると、ここは会って邪魔するより、博士の足止めに回った方がいいな。

>「……怪しいな。実に怪しい。こんな下らないことで怒り心頭とはな。
>  随分とせっかちに出て行くものだ。まるで、何かに追われてるみたいだな」
>「ちょっと!グレイブさん!逃げちゃったじゃありませんのどうしてくれますの!!」
>「しょうがないよクーラお姉ちゃん・・・・グレイさんは事情を知らないんだから」
保健室に注意を戻すと、ヨハネカイン博士はもういなかった。
…適当に理由をでっち上げて逃げたな。
つまりは、隠し事をしていて、残ってると不利だと知ってる可能性が跳ね上がったってわけだ。
島の外に逃げるとなると、ゲートに向かったか?

>「だからって・・・・どうせだますんだったら事前に自分で足をばきっとやればよかったのですわ (中略)
> 私の変装して謎の物体Xを食べさせて下痢にしてトイレに引き止める作戦が全部パーじゃありませんの!!」
>「とどめに男子トイレのトイレットペーパーをすべて隠すんだねお母さん」
「物体Xってなんだよ!?」
なんかムチャクチャ言ってるぞこの親子…親子じゃないけど。
足折れ発言も物体X作戦も危険すぎるだろ。やっぱ怖いよフリージアお嬢…
>「仕方ない、とりあえずあの医者を追いかけてくる。自然にキレたようだが、なんとなく不自然だ。(中略)
> まさかもうゲートをくぐってる、なんてこともないだろう。というわけで他の奴らに言っておいてくれ」
>「ちょっとグレイブさん!!」
「博士の影に気をつけて!自分の影を殴られたら死んじゃうかもしれないから!」
あの能力をどう説明したものなのか。とにかく考える暇もなく、走り去るグレイブの背中に忠告する。

>「あ?あ僕知らないよ。グレイブお兄ちゃんの死体が明日の新聞に乗っても」
>「いいからあなたはリリアーナさんに事情を説明しに行きなさい!私はグレイさん達を追いかけますわ!!
> ミルクさんはどうしますの?ルズさんは・・・・・戦力になるかわからないけど一応」
「もちろんあたしもグレイブ達を追いかける。
 ルズは…あれ、どこ行っちゃったの?」
>「ルズお姉ちゃんそれ食べて・・・・・大丈夫なの?
「まさか……物体Xを食べさせたんじゃないだろうな…」
なんという鬼畜な所行。
恋は盲目とはよく言ったものだけど、さすがにルズに同情するよ…
> っていうかお母さんミルクさんを見てあいつ何の反応もしなかったし変装を解いていいんじゃ?」
>「髪の毛を元に戻すの面倒だしもう少しクーラ・フリーダムをやりますわ」
「つまり、ムウ大陸での出来事は博士は知らないって事か。
 知らないフリをしてるだけかもしれないし、油断はしない方がいいだろうけどね。
 …よし。じゃあ、足止めなり博士の正体を暴くなりできそうな作戦を行こう。
 裏目にでたらいきなり襲いかかられるかもしれないから、警戒してて!
 ギズモは出来たらゲート方面の人払いもお願い!」
フリージアとギズモにそう言ってから、あたしもグレイブ達を追いかけて保健室から走り出た。

「待ってください!ヨハネカイン博士!」
なんとか先行しているグレイブ達に追いついて。
あたしは自分の影と、博士の影の位置に十分気をつけながら話しかける。
「あの。実は、博士にお聞きしたいことがあったのを忘れていました。
 ……秘密結社ケルビムをご存知ですか?
 あたしは、ケルビムの一員だと名乗る男から、ヨハネカイン博士から力を授かったと聞きました。
 博士は魔法使いに対抗できる力を与えることが出来るお方だと、そうも言っていました。
 これは本当なんでしょうか?」
グレイブはヨハネカインの影の危険性を知らない。
でもグレイブは頭がいいし、グレイズやグレイルもいる。
さっきの忠告とあたしの位置取りから、大体の事情はわかってくれるだろう。
>「お客様がいらっしゃてるらしいですね」
ゆっくりとした足取りで、ミシェル先生も来てくれた。
こちらの役者はそろいつつある。
後は、博士の行動でこの劇の続きが決まる。

45 名前:ターロン ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/03(水) 15:52:31 0
>34 >38 >43
>「こんな時に解除できるわけ無いでしょー!あんまりふざけてると、本当に封印するわよ!」
「おお怖い怖い」
リリアーナの脅しにターロンはおどけてそう言った。
>「メイレン様、このトカゲあげますから、早くロックから離れて・・・・・・・あっ!」
> 「どうしたリリアーナ!」
>美人「しかし、トカゲはありがたくもらっておくわ♪」
「メイレン様、私はとかげではありませんから食べても美味しくないでしょう。
 それより他の者を食べられた方が、メイレン様の妖力供給に良いと考えますが」
別に食べるとは言っていないのだが、ターロンは見に迫った危険を感じたようだ。

>「ヨハネカインは自分に酔い過ぎている。(中略)
> 悪を悪と知りながら自分のエゴのために生きたマリアベルの方がマシだと言うつもりもないがな!」
>「あなたはロック・ウィルよ。マリアベルじゃない!
(マリアベルじゃない?どういう事だ。
 この少年は、ロクーと名乗っていたクリムゾンヘッドによく似ている。
 …確かマリアベルとヨハネカインは、兄弟だと言っていなかったか?
 それに永遠の絆とはなんだ?
 この部屋は、なぜ不必要に思えるほど厳重に封印術式が施されている?
 …謎だらけだ。やはりこの学園には隠された裏の顔があるのだろうか)
そんな事を考えながら、ターロンは静かにリリアーナ達の会話に耳を傾ける。

>「えっと・・・・・いや、なななんでもない、です。
> それより困ったな・・・・・・ヴァンエレン、悪いけど、ここからメイレン様を保健室まで案内してもらっていい?
「いかがでしょうメイレン様。
 私は、この場は彼らに任せ、我々はレベッカ様の無事を確認するのが最善の策と考えますが。
 保健室の場所はすでに把握しています。
 吸血鬼殿がヨハネカインとの対決に備えるなら、私が保健室までご案内いたしましょう」
学園に入っていたマリオの目を通し、ターロンはある程度学園内の部屋配置を知っている。
ヨハネカインとケルビムとマリアベルの秘密に、興味が無いわけではない。
だが、ヨハネカインに包囲網を突破された時の巻き添え受難を警戒したのだ。

46 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2010/02/03(水) 16:24:07 0
 

47 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/03(水) 19:18:04 0
>40>44
> 「待ってください!ヨハネカイン博士!」
ミルクに呼びかけられ振り向くヨハネカイン。
> 「あの。実は、博士にお聞きしたいことがあったのを忘れていました。
>  ……秘密結社ケルビムをご存知ですか?
>  あたしは、ケルビムの一員だと名乗る男から、ヨハネカイン博士から力を授かったと聞きました。
>  博士は魔法使いに対抗できる力を与えることが出来るお方だと、そうも言っていました。
>  これは本当なんでしょうか?」
「私はただの医者だ。そして、それ以前にただの人間だ。
 誰からそんな突飛な話をきいたか知らんが、でたらめだよ。
 それとも、何か証拠でもあるのかね?このヨハネカインが魔法使いを超える力をもつことを。」

> 「お客様がいらっしゃてるらしいですね」
ゆっくりとした足取りで、ミシェルがやってきた。
ミシェルの顔はトップ・オブ・ザ・ワールドを介してすでに知っていたが、
ヨハネカインは始めて会ったかのように会釈した。
「あまり気にしないでくれ。もうすぐ帰るところだ。」
ヨハネカインはミシェルにそう言った。

>43>45
リリアーナとロックはとりあえずヨハネカインに会いに行くことにした。が…
> リリアーナはたっぷり5秒はロックの顔を眺めた後、はーっとため息をついた。
> 「だめだわ。やっぱりロック、ロクーと似すぎてる。
>  ・・・・・・ミルク達の話を聞いた印象だと、ヨハネカインはムウ大陸の事を知らないみたい。
>  だから多分、私が直接彼に会っても何の問題も無いんだけど・・・・」」
> リリアーナはうーっと唸りながら、髪の毛をくしゃくしゃとかき回した。
> 「ロックはだめよ。そのまま会わせるわけにはいかない。危険すぎるわ」
ロックはヨハネカインにとってあまりにロクーに似すぎていることをリリアーナが説明した。
岩男「確かに、なんだか皆の計画をぶちこわしそうな雰囲気がビンビンするぜ!」
そこでリリアーナはある作戦を考える。そして、それにホイホイ賛同してしまうロックなのであった。

> リリアーナが「やたら背の高い女子生徒達」と連れ立って歩いていると、ギズモが物凄い勢いで飛んできた。
> 「ど、どうしたのギズモ?そんなに慌てて。
>  ――――え?ヨハネカインはもう保健室に居ない?!どういうこと?!」
岩子「わ、わたしを見ないでギズモ!見ないで〜!…俺をそんな目で見るなバカヤロウ!」
ギズモはリリアーナと一緒に歩いていた、やけにごつい女子生徒(?)に殴りかかられた。理不尽である。
> 「メイレン様は、その・・・・・・レベッカさんに逢いにいかれるんですよね?
>  あ、いやその・・・・・・ウマに蹴られるとか、そういうことが言いたいわけでは・・・・・・」
美人「あら〜、私がそんな無粋なことすると思ってるの〜?」
> リリアーナはしどろもどろな上に、なぜかまた赤くなった。
美人「遠くからちょっと覗くだけでいいわ。母親ってそういうものでしょ?」
> 「えっと・・・・・いや、なななんでもない、です。
>  それより困ったな・・・・・・ヴァンエレン、悪いけど、ここからメイレン様を保健室まで案内してもらっていい?
>  ギズモ、ヨハネカインはどこのゲートに向かって行ったか分かる?案内して!!」
> リリアーナはあわただしくヨハネカインの後を追った。
岩子「いやん、待ってリリアーナ!この靴走りにくいのー!」
女子生徒のようなおぞましい何かも一緒に後を追った。

> 「いかがでしょうメイレン様。
>  私は、この場は彼らに任せ、我々はレベッカ様の無事を確認するのが最善の策と考えますが。
>  保健室の場所はすでに把握しています。
>  吸血鬼殿がヨハネカインとの対決に備えるなら、私が保健室までご案内いたしましょう」
とターロンがメイレンに言った。
美人「ええ、私達はテンちゃんをこっそり見に行きましょ♪
    でも…ヨハネカインとの対決に備えるってどういう意味かしら?」

48 名前:グレイブ ◇e2mxb8LNqk[sage] 投稿日:2010/02/04(木) 20:52:24 0
>40-41>44>47
>「博士の影に気をつけて!自分の影を殴られたら死んじゃうかもしれないから!」
【あっ、ありがとー!あ、これじゃ聞こえないか……『ありがとうミルクさん!気をつけるよ!』っと】
ヨハネカインを追跡するグレイブの代わりに、グレイズが人形に入って返事をする。

>「待ってください!ヨハネカイン博士!」
後ろから付いてきていたミルク達と合流し、ヨハネカインに追いつく。
ミルクの声で振り向いたヨハネカインに、更にミルクが問いかけた。
彼がケルビムという組織の一員に力を授けたこと、魔法使いに対抗できるほどの力を授けられるということを。
それに対してヨハネカインの言葉は、否定だった。
>「私はただの医者だ。そして、それ以前にただの人間だ。
> 誰からそんな突飛な話をきいたか知らんが、でたらめだよ。
> それとも、何か証拠でもあるのかね?このヨハネカインが魔法使いを超える力をもつことを。」

追いついてきたミシェルに会釈し、帰ろうとするヨハネカイン。
それを見て顔をしかめていたグレイブが再三溜息をつく。
今回は、下らないと呆れたように吐き出された。
「その通りだな。魔法使いに対抗できる力だ?
 無いとは言わない。……だが、この目の前の医者がそんな大それた力を与えられると思うか?」
あからさまに見下した態度でフン、と鼻を鳴らす。
さっきの話が嘘だと思っているらしい。
「答えはNOだ。もし魔法使いに危害を加えようとしても、彼が取れる手段といえば銃や毒程度のものだろう。
 ムーで何を聞いたかは知らんが、一般的に言えばそんなものはほぼありえない。違うか?
 そういうわけで……そうだ、思い出した。一つ聞き忘れたが、Dr.ヨハネカイン」

「――さっき、なんで『影』を見た?」
銀髪の医者を睨みつけて、今度はそちらに向けて語り始めた。
「ミルクが話の中でケルビムだとか力だとかいうフレーズが出たとき、アンタの視線は少し揺らいだ。
 そうだ、確かにこっちの影の方に向いていたな。俺以外は何処か他の方を見ていたから気付いてないかもしれないが。
 ただのお医者サマが、何故影なんぞを気にする必要があるんだ?
 こいつらの話を鵜呑みにはしないが、それだけは気になるな……」
挑発するように、グレイブはすっと前に出る。

【もし、本当に博士がそんな力持ってたら……大丈夫かな?】
ちなみに、ヨハネカインが影を見た、なんていうことはグレイブの嘘八百でしかない。


49 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/04(木) 23:56:55 P
>44>47>48
>「待ってください!ヨハネカイン博士!」
ケルビムの事についてストレートに尋ねるミルク

だが相手はその質問を予想していたかのように答える
>「私はただの医者だ。そして、それ以前にただの人間だ。
> 誰からそんな突飛な話をきいたか知らんが、でたらめだよ。
> それとも、何か証拠でもあるのかね?このヨハネカインが魔法使いを超える力をもつことを。」

「あら?お医者様ってみんな強いんじゃありませんの?
 私の知っているお医者様は格闘技だけで病魔を倒したり
 薬の材料を手に入れるためにモンスターと素手で戦ったりしてましたわよ
 体を直す方法を知っているのなら逆に壊す方法も知っているんじゃなくて?」
そんな物理的に非常識なことが出来るのはレオ先生だけです
たぶんあの人、魔法を使うより殴ったほうが強いのではないのだろうか?
とフリージアは思った

>「その通りだな。魔法使いに対抗できる力だ?
> 無いとは言わない。……だが、この目の前の医者がそんな大それた力を与えられると思うか?」
そんな能力が医者風情にあるわけがねぇとばかりに超上から目線でものを言うグレイブ

>「そういうわけで……そうだ、思い出した。一つ聞き忘れたが、Dr.ヨハネカイン
 ――さっき、なんで『影』を見た?」
ととても重要な一言を言い放つグレイズ
これで冥土の土産モードになってぺらぺらと目的を話してくれれば楽なのだが
相手はヨハネカインであるそんな簡単にボロを出すものなのだろうか?

「もしそんな能力が本当にあってそれを私たちに向けるというのなら
 私、全力を持って正当防衛をさせていただきますわよ」
とヨハネカインに忠告をするクーラお嬢様
あんまりフリージアさんの時と変わらない気がするがきっと気のせいだろう




>43>47
一方その頃ギズモきゅんは?
「こ、これは・・・・・・」
何か恐ろしいものを見たギズモきゅん
>「わ、わたしを見ないでギズモ!見ないで〜!…俺をそんな目で見るなバカヤロウ!」
「へぶるは!?」
ロック似の女性徒に殴られ車田落ちするギズモ

「ギズモ、ヨハネカインはどこのゲートに向かって行ったか分かる?案内して!!」
「こっち!こっちだよ!!」
とさっき殴られたのが嘘の様に復活しリリアーナとロックを案内するギズモ
はたして追いつくことは出来るのだろうか?




50 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/05(金) 00:15:38 0
>「わ、わたしを見ないでギズモ!見ないで〜!…俺をそんな目で見るなバカヤロウ!」 
>「へぶるは!?」 
ロック似の女性徒に殴られ車田落ちするギズモ 
「わー!ロックがギズモを襲ってるぅ―――― っ!!止めてロック、落ち着いて!」
リリアーナはロックを背後から羽交い絞めにした。
ちなみに、まだリリアーナの胸に関する呪い(?)は有効である。

メイレンは、レベッカの事を遠くからちょっと覗くだけにするという。
リリアーナは、ひとまず保健室への案内をヴァンエレンに任せた。
(だが、その後結局ターロンが案内する事になったようだ)

>リリアーナはあわただしくヨハネカインの後を追った。 
>「いやん、待ってリリアーナ!この靴走りにくいのー!」 
「ロック早く早く!早くきてー!!」
リリアーナは今頃になって、とても大事な事を確認し忘れているのに気づいた。
大声を出すわけにも行かないので、こっそりテレパシーを送ろうとして・・・・・・無理な事に気づく。
レベッカやメイレンは、テレパシーが苦手なのだ。
仕方なく大声で言っても差し支えない言葉を選び、メイレンに呼びかける
「メイレン様・・・・・私達、これでレベッカさんに償えたのでしょうか?」
メイレンは、レベッカが死亡した件に関わったもの全員に報復すると公言していた。
(実際は正当防衛に近いものだったのだが、報復は妖怪の本能で、メイレンの理性ではどうする事も出来ないらしい)
「お返事、あとで構いません!お聞かせください!」

「ロック、ムウ大陸での話はさっき部屋で話したと思うけど、何かわからない事ある?
 ・・・・・・そういえばロック、アンジェリーナの話全然してくれないね。どうだったの?
 後で落ち着いたら、ちゃんと聞かせてね」
メイレンと話している間に追いついてきたロックにそう伝えると、リリアーナは再び全力で走り出した。


「隠れて!」
リリアーナは近くの茂みに飛び込むと、仲間達とヨハネカインと呼ばれた男の話に聞き耳を立てた。
>「私はただの医者だ。そして、それ以前にただの人間だ。 
> 誰からそんな突飛な話をきいたか知らんが、でたらめだよ。 
> それとも、何か証拠でもあるのかね?このヨハネカインが魔法使いを超える力をもつことを。」 
皆が口々に挑発しているが、なかなか難航しているようだ。
「あんにゃろ〜〜〜!!今に見てなさい!!」

『よろしい。それでは我々の友情の証として、君にヘブンスマイルを授けよう。』
その場にいた者の脳裏に、何の前触れもなく少女の声が聞こえてきた。
『非魔法使いが、魔法使いに対抗しうる数少ない手段の一つだ。 
 君なら使いこなせる。私がそう見込んだように。 』
声の主は姿を隠しているようで、ヨハネカインには誰がどこから送ってきているのか分からないだろう。
もっとも学園関係者なら、これがリリアーナのテレパシーだとすぐにわかるだろうが。

『君は降りかかる火の粉を振り払うだけだ。 
 一体その行為を誰が許さないだろうか?さぁ、試してみてごらん。 
 ヘブンスマイルの能力を』

『・・・・・・普通のお医者さんが、ヘブンスマイルなんて物騒な守護霊、必要なんでしょうか?
 永遠の絆を部下が使えるようにするために、死を与えたりするものでしょうか?』

リリアーナは重々しい口調を真似つつ続ける。
『もしも本当に、ヨハネカイン先生がケルビムと無関係だとしたら、よかった。
 実はムウ大陸で、生徒の1人が不老不死になれる方法を調べてくれたんです。
 ケルビムなんかに知られたら、絶対に妨害されるに決まってますからね。
 さあ、お引止めしてごめんなさい。私の話はおしまいです。どうぞどうぞお帰りくださいませ』
リリアーナはそういうと、ヨハネカインの反応を待った。

51 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/05(金) 19:34:38 0
>48>49>50
> 「あら?お医者様ってみんな強いんじゃありませんの?(後略)」
「そんな医者が常識的に考えているわけがないではないか。」
ヨハネカインはある意味非常にもっともな意見を言った。
> 「その通りだな。魔法使いに対抗できる力だ?
>  無いとは言わない。……だが、この目の前の医者がそんな大それた力を与えられると思うか?」
「そう言うお前は、またしてもグレイブか。」
あからさまに見下した態度でフン、と鼻を鳴らすグレイブ。
> 「答えはNOだ。もし魔法使いに危害を加えようとしても、彼が取れる手段といえば銃や毒程度のものだろう。
>  (前略)そういうわけで……そうだ、思い出した。一つ聞き忘れたが、Dr.ヨハネカイン」
「次の発言は慎重に選ぶべきだぞグレイブ。私の堪忍袋の尾が緩まないように。」
> 「――さっき、なんで『影』を見た?」
「なんだと?」
> 「(前略)ただのお医者サマが、何故影なんぞを気にする必要があるんだ?
>  こいつらの話を鵜呑みにはしないが、それだけは気になるな……」
> 挑発するように、グレイブはすっと前に出る。
> 「もしそんな能力が本当にあってそれを私たちに向けるというのなら
>  私、全力を持って正当防衛をさせていただきますわよ」
> とヨハネカインに忠告をするクーラお嬢様
その時である。
> 『よろ(以下全略)』
> その場にいた者の脳裏に、何の前触れもなく少女の声が聞こえてきた。
それは、ヨハネカインがロクーにヘブンスマイルの力を与えた時の、ヨハネカインのセリフだ。
> 『(前略)さあ、お引止めしてごめんなさい。私の話はおしまいです。どうぞどうぞお帰りくださいませ』
> リリアーナはそう言うと、ヨハネカインの反応を待った。
そう、ヨハネカイン以外に説明の余地なく、これはリリアーナからのテレパシーだ。
ヨハネカインには、リリアーナが自分から姿を現す“未来”が無い限り彼女を見つけられない。

グレイブの問いかけに答えられないでいたヨハネカインの、顔がふっと緩んだ。
「なるほど。やはり、全てを知った上で私をこの島に誘いこんだというわけか。
 ならばこれを見せても、言葉は不要か…トップ・オブ・ザ・ワールド!」
ヨハネカインがそう叫ぶと、彼の影が膨らみ、彼に寄り添うように立ち上がった。けたたましい笑い声と共に。
「これがヘブンスマイル。非魔法使いが魔法使いに対抗しうる数少ない手段の一つだ。
 私はこいつに、トップ・オブ・ザ・ワールドと名前を付けている。トップ・オブ・ザ・ワールドの力は未来への力だ。」
ヨハネカインが両手を広げた。戦う意志を放棄しているかのように。
「君達はまだ若い。なにも関係の無い私とわざわざ争うようなことをする必要はないだろう?
 もしもその気があるのなら、我々の組織ケルビムに君達を迎え入れよう。
 ケルビムは、君達が考えているような危険な組織ではなく、生命に対する秩序ある未来をつくるために存在している。
 悪いようにはしない。ヘブンスマイルを君達にも授けようじゃないか。
 そうすれば、今まで以上の力を発揮できるだろう。君達自身の未来のためにも。」

52 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage 最近まとめできなくてすみません] 投稿日:2010/02/05(金) 19:35:31 0
当然ながら、誰もヨハネカインに賛同しなかった。
「そうか、それは残念だ。では、死ぬがいい。」
『まずは貴様から血祭りにあげてやるぞッ!グレイブッッ!!』
トップ・オブ・ザ・ワールドの右腕がグレイブの影に向けて振り下ろされた。
ミルクのおかげで影に気をつけているグレイブならそれをかわせるだろう。
しかし、それはトップ・オブ・ザ・ワールドにとって既に予想済みだった。
『かかったなッ!死ねいッッ!!」
影に振り下ろしつつあった右腕がぴたりと止まり、左腕がアッパーカットぎみに振り上げられる。
狙いはグレイズとグレイルの霊だ。そう、ヘブンスマイルは守護霊。
霊であるグレイズとグレイルなら直接殴れるのだ。当たれば大ダメージを受けるだろう。

「貴様らはこのヨハネカインが直々に相手をしてやる!」
ヨハネカインがグレイブ以外のメンバーにそう叫んだ。
「キラッ☆キラキラ吉良キラキラキラキラキラキラキラキラキラ!!」
ヨハネカインは他のメンバーに無数の銀のスプーンを投げつけた。(たしかにキラキラである。)
これは先ほどルズに渡したものと全く同じもので、殺傷力など無い。
しかし、他のメンバーがグレイ達を助けることぐらいは防ぐ効果があるかもしれない。

岩子「やばいぞリリアーナ!ヨハネカインが本性をあらわしやがった!
    俺に逆らう馬鹿者につける薬は無いとでも言いたいのかあいつは!
    全力でさじを投げまくってるぜ!」
リリアーナと一緒に近くの茂みに隠れているロックが小声で(しかし全力で)そう言った。
リリアーナのおっぱいについて激しく問い詰めたい衝動もあったが、今はそれどころではない。
岩子「もう我慢できない!皆を助けに行こうぜリリアーナ!(一応小声だぜ!)」
今にも飛び出しそうなロック。だが、当然そうすれば今隠れていた場所から見つかってしまうだろう。

53 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2010/02/05(金) 21:01:22 0
ナナナは死王より預かっていた本を受け取るとそのまま図書館へと向かっていった。
>美人「元気百倍!ファン・メイレン!」
頭部と胴体がくっついて元通りになったメイレン。
「あっさり治りすぎでしょうに・・・」
あんたも人のこと言えんがな。
> 「思ったより血液集まったわね。もしかしてヴァンエレン、学園のみんなに結構愛されてる?」
>「きっと学園の男達は皆、夢と希望と真実と勇気と自由と正義と愛と平和とか弱き女性を守る使者だからだぜ!」
基本的に学園の連中はお人よしばかりであるから、困ってる者を協力する人間はごまんといる。
それが女性や子供といった者ならば尚のこと。
実際のところはほとんど強引献血のおかげであるのだが、それは言ってはいけない。

>「ロックにヴァンエレン、一応お召し返されたから、目を開けてもいいわよ」
服を着たメイレンはいろいろと刺激的でした。
ヴァンエレンは手で赤くなった顔を隠しているが隙間からガン見してます。
ロックもなぜか女物の服に着替えて一同はヨハネカインがいる保健室へと向かう。
が、途中でギズモがやってきて保健室には既にいないことが判明した。
>「えっと・・・・・いや、なななんでもない、です。
>それより困ったな・・・・・・ヴァンエレン、悪いけど、ここからメイレン様を保健室まで案内してもらっていい?
>ギズモ、ヨハネカインはどこのゲートに向かって行ったか分かる?案内して!!」
「イエッサー!」
>「いかがでしょうメイレン様。
>私は、この場は彼らに任せ、我々はレベッカ様の無事を確認するのが最善の策と考えますが。
>保健室の場所はすでに把握しています。
>吸血鬼殿がヨハネカインとの対決に備えるなら、私が保健室までご案内いたしましょう」
「ん?私が戦うのか!?
 まじか!?無理だ!」
ヴァンエレンの中ではヨハネカインはすんげぇヤバい奴の上位リストにランクインしてしまっている。
そんなん相手にして無事じゃすまないと察したヴァンエレンさんはひどく騒ぎ立ててます。
結局のところターロンにうまいこと乗せられてメイレンの案内はターロンがすることになってしまう。

>「隠れて!」
各々は近くの茂みに身を潜める。
>『よろしい。それでは我々の友情の証として、君にヘブンスマイルを授けよう。』
「え・・・誰?
 ああ、リリアーナか」
>「貴様らはこのヨハネカインが直々に相手をしてやる!」
案外あっさり本性を現してくれました。
「ぎゃあぁぁー!超こえぇ!」
そんな大声あげているとバレますよ?

54 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 00:44:10 0
>47-53
>「私はただの医者だ。そして、それ以前にただの人間だ。(後略)
ヨハネカインはあたしの質問を予期していたように、さらりと証拠が無いことを指摘する。
ある意味その通りですって言ってるような答えだけど。
開き直られると攻める材料不足感は否めない。
これはこれで時間稼ぎの役目をはたしてるんだけどなー
>「あら?お医者様ってみんな強いんじゃありませんの?(後略)」
>「そんな医者が常識的に考えているわけがないではないか。」
フリージアの疑問も軽く一蹴されちゃうし(さすがに仕方ないような気もするけど)。

>「その通りだな。魔法使いに対抗できる力だ?
> 無いとは言わない。……だが、この目の前の医者がそんな大それた力を与えられると思うか?」
>「そう言うお前は、またしてもグレイブか。」
グレイブまで否定的な事言い出すし。
>「答えはNOだ。もし魔法使いに危害を加えようとしても、彼が取れる手段といえば銃や毒程度のものだろう。
> (中略)そういうわけで……そうだ、思い出した。一つ聞き忘れたが、Dr.ヨハネカイン」
>「次の発言は慎重に選ぶべきだぞグレイブ。私の堪忍袋の尾が緩まないように。」
もー。だから、ヨハネカイン博士は本当に危険人物なんだってばさー。
敵どころか味方にまで信用されないじゃ、シャレになんないよもう…
>「??さっき、なんで『影』を見た?」
>「なんだと?」
「え?」
話の流れの変化を感じて、あたしは博士の顔に視線を移す。
魔法使いを警戒する意図が、意識しないまま行動にでたんだろうか。
>「もしそんな能力が本当にあってそれを私たちに向けるというのなら
> 私、全力を持って正当防衛をさせていただきますわよ」
あくまで知らないふりを貫き通すつもりらしいフリージアの言葉にも。
博士は硬い表情のまま沈黙を保つ。
よし、大分追いつめてる。あともう一押しあれば…!

55 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 00:47:14 0
>『よろしい。それでは我々の友情の証として、君にヘブンスマイルを授けよう。』
「な。何この声…?」
急に聞こえてきた声に、あたしは思わずキョロキョロ周りを見回す。
声はすれども姿は見えず。
姿なき声は。いや、正確には声じゃなくてテレパシーは。
ムウ大陸で聞いたヨハネカイン博士の言葉を繰り返す。
…このテレパシー…リリアーナの?
>『・・・・・・普通のお医者さんが、ヘブンスマイルなんて物騒な守護霊、必要なんでしょうか?
> 永遠の絆を部下が使えるようにするために、死を与えたりするものでしょうか?』
リリアーナの言葉は続き、最後に『ムウ大陸で不老不死となる方法を調べた』で終わる。
…でっかい釣り針ではあるけど、餌の選択は万全だ。
これなら食いついてくれるはず…!

>「なるほど。やはり、全てを知った上で私をこの島に誘いこんだというわけか。
> ならばこれを見せても、言葉は不要か…トップ・オブ・ザ・ワールド!」
とうとう観念したのか、ヨハネカイン博士はヘブンスマイルを呼び出した。
ロクーの時と同じ耳障りな笑い声をあげながら、博士の影が盛り上がる。

> 「君達はまだ若い。なにも関係の無い私とわざわざ争うようなことをする必要はないだろう?
> (中略)そうすれば、今まで以上の力を発揮できるだろう。君達自身の未来のためにも。」
「お断りします。沈むのがわかってる船に乗り込むほど、バカじゃないつもりですから」
美味しいキノコに毒があり、美味しい話に裏がある。
ロクーを使い捨てたのを知ってる以上、あたしは博士に同意するつもりは無い。

> 「そうか、それは残念だ。では、死ぬがいい。」
>『まずは貴様から血祭りにあげてやるぞッ!グレイブッッ!!』
ヘブンスマイルがグレイブを攻撃してるうちに、あたしは博士から距離をとる。
こっちは肉弾戦はさっぱりダメだから、接近戦を挑まれちゃお終いだ。

>「貴様らはこのヨハネカインが直々に相手をしてやる!」
ヘブンスマイル以外に、魔法使いを攻撃できる方法に何があるだろう。
グレイブが言ってたように銃とか毒とか、あるいはレオ先生みたいに格闘か…
>「キラッ☆キラキラ吉良キラキラキラキラキラキラキラキラキラ!!」
「うわっ!?」
博士が銀色に光る何かを大量に投げつけてきたので、あたしは慌ててさらに距離を取る。
よく見るとそれは、ルズに渡したのによく似た銀のスプーンで…なぜスプーンなんだ。
実は毒が塗ってあって当たると大変なことに…なるわきゃないか。

「ヨハネカイン博士!その立ち位置を狙って攻撃します!メギド!」
あたしは警告した後、その警告通りの場所を核熱魔法で攻撃する。
避けてくれればグレイブへの攻撃の手がゆるむし、当たれば当たったでラッキーだ。
当たっても死にはしないだろうし。多分。

56 名前:ターロン ◆sto7CTKDkA [sage 最近遅れぎみでごめん] 投稿日:2010/02/07(日) 01:03:20 0
>47
>美人「ええ、私達はテンちゃんをこっそり見に行きましょ♪
>   でも…ヨハネカインとの対決に備えるってどういう意味かしら?」
「この学園には、ヨハネカインと名乗る危険思想を持つ人物が潜入しています。
 彼らの仲間が狙われている状況ですので、少しでも助けは多い方が良いかと思いまして」
自分は正しいと思いこんでいるターロンは、自分も危険思想の持ち主だとは思わない。
ヨハネカインとターロンは、目的は違っても根本的な物は同じなのだ。

リリアーナが走り去るときレベッカの事を質問して行ったが、ターロンはそれには触れなかった。
なにしろ生殺与奪権を握られているのだから、迂闊な事を尋ねて機嫌を損ねては大変だ。
「彼らはこれからヨハネカインと戦うことになるでしょう。
 興味がないわけではありませんが、あえて火中の栗を拾う必要もありますまい。
 我らにはまだまだ時間があるのです。
 この学園の者の持つ秘密は、この先に再び知る機会もある事でしょう。
 …それよりメイレン様、レベッカ様をこっそり見に行くとはどのようなお考えでしょうか?
 親子なのですから堂々とお会いになればよろしいのでは?」
保健室の様子を知らず、メイレンとレベッカの中も悪くないと考えているターロンは、そう言った。

57 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 01:38:56 0
>49-55
>「もしそんな能力が本当にあってそれを私たちに向けるというのなら
> 私、全力を持って正当防衛をさせていただきますわよ」
フリージアの言葉にグレイブは頷くが。
【あくまであったときの話だけどね……】
黙ったヨハネカインに、グレイズは更なる不安を募らせる。
そのとき、その場の全員に響いたテレパシー。
>『よろしい。それでは我々の友情の証として、君にヘブンスマイルを授けよう。』
【んあ!?貧乳リリアーナじゃねーか!?】
【ああ、本当だ!でもこれって……?】
そうやってSとRが話しているうちにも、リリアーナが送る誰かの台詞は続く。

やがて騙し果せられないことを悟った医者は、けたたましい笑い声をあげた自らの影を立ち上がらせる。
>「これがヘブンスマイル。非魔法使いが魔法使いに対抗しうる数少ない手段の一つだ。
> 私はこいつに、トップ・オブ・ザ・ワールドと名前を付けている。トップ・オブ・ザ・ワールドの力は未来への力だ。」
「ご丁寧に手の内をバラすものだな……大層な余裕だことで」
手を広げておべんちゃらを並べ立てているヨハネカインに、グレイブは敵意の篭る視線を投げかける。
ヨハネカインは更には自分の属するケルビムに勧誘さえし始める。
グレイ達にとってその様は、自身が絶対的優位に立っているとでも語っているように見えた。

しかしやはり賛同するものなど在りはしない。
グレイブは変わらない敵意の沈黙で拒否の意思を表す。
後ろではミルクを始めとした幾人の否定の声が上がっている。
>『まずは貴様から血祭りにあげてやるぞッ!グレイブッッ!!』
「やってみろッ!この俺に対してなぁッ!」
トップ・オブ・ザ・ワールドの腕が振り下ろされるのを見切って、思い切りバックステップ。
軽く回避、と感じたグレイブだが。
>『かかったなッ!死ねいッッ!!』
「は?……まさか!?」
右腕の攻撃をキャンセルし、突然左腕で力強いアッパーカットを繰り出す。
その目標は、まだ自身に追いついていない二人の分身。
幽体でしかない彼らに仕掛けられる攻撃の意味を、緩やかに感じる時の間にグレイブは悟る。
「クソッ!?グレイズ!グレイル!」

目の前の事態にグレイズは認識が遅れたが、赤髪のグレイルの方は考えないうちに黒髪の分身の前に立ちはだかる。
幽体でもその行動力と運動神経は遺憾無く発揮された。
【バカヤロッ、S!】【えっ!?】
背中でグレイズを押し退けつつ、腕をクロスさせて防御。後ろに下がりながら行うことによって、ダメージの軽減を図った。
果たして、トップ・オブ・ザ・ワールドの攻撃は丁度重ねられた部分にあたり、二人の霊をその体の元へ吹き飛ばす。
【うおおおおおおおおあああああああああああ!!】【わああああああっ!?】
そしてこの瞬間、グレイルが受けた部分と同じ位置にグレイブとグレイズは痛みを感じた。
見れば赤く赤く腫れ上がり、内側で出血を起こしているのがわかるだろう。
グレイルが直接に攻撃を受けた部分など、裂けてすらいる。
博士への攻撃で少しは緩んだ筈の攻撃を、軽減できるように防御してこうなのだ。
まともに当たればひとたまりもないことが一目瞭然である。

「――ってぇな……!“降り注げ幾多の氷槍よ、眼前の敵へ”ぇッ!」
苦し紛れに唱えた魔法で十数本の氷の槍がヨハネカインとトップ・オブ・ザ・ワールドに襲い掛かるが、その構成は余りにも甘い。
氷の密度は薄く、簡単に砕けそうなほど。更には照準までもが甘く、避けるのもたやすいだろう。


58 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/07(日) 14:56:04 P
>50-55>57
>「これがヘブンスマイル。非魔法使いが魔法使いに対抗しうる数少ない手段の一つだ。
> 私はこいつに、トップ・オブ・ザ・ワールドと名前を付けている。トップ・オブ・ザ・ワールドの力は未来への力だ。」
>「ご丁寧に手の内をバラすものだな……大層な余裕だことで」

「未来?そういえば昔聞いたことがありますわ 
 太陽の王子と未来を見ることの出来る魔女のお話を
 魔女が自分は未来を知ることが出来るから無敵だと王子を挑発し
 王子はならば自分の未来を見てみろとそれを返した
 魔女は自分の未来を見たとたんその場を逃げ出したという」
つまる所、自分が負けるという未来を見てしまったのである
「未来が見える能力者は自分では未来を変えられませんのよ!!」

>「君達はまだ若い。なにも関係の無い私とわざわざ争うようなことをする必要はないだろう?以下略」
そう言って懐柔策を取ろうとするヨハネカイン
「冗談じゃありませんわ!誰がケルビムなんかの仲間になりますか! 
  生命の秩序とか神様にでもなったつもりですの!!」
>「お断りします。沈むのがわかってる船に乗り込むほど、バカじゃないつもりですから」


>「そうか、それは残念だ。では、死ぬがいい。」
>「ぎゃあぁぁー!超こえぇ!」
「ヴァンエレンさん!あなたスペックだけなら私よりも上のはずなんだからがんばりなさいな!!」
スペック高けりゃ勝てるというものでもないが吸血鬼の身体能力は人間より上のはずである

>「キラッ☆キラキラ吉良キラキラキラキラキラキラキラキラキラ!!」
>「うわっ!?」
>「ヨハネカイン博士!その立ち位置を狙って攻撃します!メギド!」
>「――ってぇな……!“降り注げ幾多の氷槍よ、眼前の敵へ”ぇッ!」
攻撃を仕掛けるミルクとグレイブ
「せいっの!クリスタルウェイヴ!!」
ミルクの攻撃と打ち消し合わない様に場所をとり
下から上にアッパーのように腕を振り上げるフ・・クーラ様
まるで波のようにどんどん大きくなりつつヨハネカインめがけ地面を這う霜柱
動きが遅いのでジャンプすれば避けられるだろう
「ダブゥクリスタルウェイブ!!」
今度は二本連続で地面を這う霜柱
やはり動きが遅い地を這う飛び道具
クリスタル系の技はフリージアさんがの考えた格好いい以下略の
クーラというキャラクターの技であり本来のフリージアさんの技ではない
つまりかめは○はのまねをしてみたら本当に出来ちゃったレベルの技なのである
ゆえに当たっても全身の表面が凍りつく程度のダメージしか期待できないだろう
いいかげん変装を解いていつもの戦い方で戦えばいいのにとそれを見たギズモは思った
「さすがに当たりませんわねぇ・・・・・!?クリスタルストーム!!」
自分を中心にまるで牙のように尖った霜柱を立てるフリージアさん
本来は敵に突っ込んでぶちかます技であるが今回は防御に使った用である
「あ、危なかったですわ・・・・・」

「ねえねえリリアーナお姉ちゃん奴のいった言葉ちゃんと録音した?」
リリアーナに訊ねるギズモ
「この音声を世界中にばら撒けばヨハネカインを社会的に抹殺できるね」
どうやらギズモは恐ろしいことを考えているようである

59 名前:リリアーナ[sage 私も避難所顔出せない&遅れてごめん。女王様の新キャラ期待] 投稿日:2010/02/08(月) 08:29:15 0
〜以下、小声でお送りします〜

>「やばいぞリリアーナ!ヨハネカインが本性をあらわしやがった! 
> 俺に逆らう馬鹿者につける薬は無いとでも言いたいのかあいつは! 
> 全力でさじを投げまくってるぜ!」 
「ああ、やっぱり・・・やっぱりヨハネカインは悪い人だったんだ!」
ロクーがアレだけ慕っていたのだ、もしかしたらいい人かも、という幻想は潰えた。
しかも、自分の軽率な行動のせいで、仲間達が大ピンチである。

>「もう我慢できない!皆を助けに行こうぜリリアーナ!(一応小声だぜ!)」 
「だめよロック!あなたは出て行ったらダメ!
 そもそも、ヨハネカインがどうやってロクーを見出したと思ってるの。
 もしかしたらあなたとロクーが、「ヨハネカインの知るマリアベル」に瓜二つだった可能性だってあるのよ?!
 下手をするとロック、あなたにマリアベルの不始末の責任を押し付けられることだって」
だが、そんな制止もロックを長くとどめる事は出来ないだろう。
ロックは、仲間を助けるためなら、自分に降りかかる災難など苦にしないからだ。

「わかった。無理には止めない。
 それとロック、あなたの名前は今からロゼッタになったから!
 ロゼッタ、気づいてる?ヨハネカインは永遠の絆について故意に無視してるわ。
 多分、彼にとって永遠の絆は、あまり触れられたくないものに違いないわ!そこを上手く突けば・・・」

>「ねえねえリリアーナお姉ちゃん奴のいった言葉ちゃんと録音した?」 
「え?録音?」
>「この音声を世界中にばら撒けばヨハネカインを社会的に抹殺できるね」 
「そ  れ  だ  わ !ギズモったら冴えてる〜!!」
おおー!とリリアーナは感激したが、直後激しく落ち込んだ。
「・・・・・・・・ごめん、今日に限って幻灯機持ってないの・・・・・・あれ一応、ルームメイトの私物だし。
 ヴァンエレン、使い魔に頼んで私の部屋から幻灯機取ってきてくれない?」
だが当のヴァンエレンは、既にヨハネカインとエンカウント済だった。

「じゃあギズモ、私の部屋にルームメイトの幻灯機があるの、取って来て!責任は私が取るから!
 ばっちり証拠を残したら、ヨハネカインだって当分はおとなしくなるはず!・・・・・・ああ、だめだわ。
 だって彼女の作った幻灯機の映像は、記憶に残りにくい特徴があるんだもの!
 ミニアルったら、こういう時にはぜーんぜん使えないんだから〜っ!!」
キーっとリリアーナは髪をかきむしった。
「となると、他のマジックアイテム・・・・・・そうだ!
 ギズモ、アナスタシア先生よ!先生が使ってた機械ならだいじょうぶかもしれないわ!
 お願い!アナスタシア先生を探して!」
だが、幻灯機は魔法がらみのマジックアイテムだ。
となると、ヨハネカインは映像を取ったとしても難癖をつけるかもしれない。
「あーもうっ!!ケルビムが難癖つけられない程の大物が目撃者になってくれれば話は早いのにぃ!!
 とにかくギズモ、私達が何とか時間を稼ぐから、証拠をばっちり残すのよー!!」

60 名前:リリアーナ[sage] 投稿日:2010/02/08(月) 08:32:26 0

ミルク、クーラ様、グレイブが反撃したところで、ざざっと近くの茂みが揺れた。
「そこまでよ!ヨハネカイン!」
とうとうリリアーナが姿を現した・・・・・・のだが。
「・・・・・・フリージアのドリルがバームクーヘンに」
かなり衝撃を受けたようだが、もちろん、今はそれどころではない。

気を取り直したリリアーナは、びしっとヨハネカインを指差した。
「生徒達を問答無用で殺そうとするなんて、何て極悪非道な奴なの!
 そんなあなたが仕切ってる組織が、生命に対する秩序ある未来をつくるために存在している?
 馬鹿にしないで頂戴!
 そんなの、都合の悪い人間を消すための口実に使ってるだけじゃないの!
 詭弁だわ、独裁者の論理だわ。
 案外、生命の秩序なんかどうでも良くて、自分の野望のために魔法使いじゃない人を扇動してるだけじゃないの?!」
リリアーナはレベッカの推察を直球でぶつけてみた。

リリアーナは更に続けた。ここからはもう完全に妄想の世界である。
「残念だったわね、実の息子なのに、ギルハートから選ばれなくて。
 結局あなたは、魔法ではマリアベルに勝てないから、人を癒すことで人を集めて組織を作る事を選んだんだわ。
 父親が自分でなく、最後に自分以外の魔法使いと永遠に生きる事を望んだから。
 上手いことを言ってロクーを仲間に引き入れたのだって、どうせマリアベルへの復讐なんでしょう!
  ロクーが、魔法でなく自分の分け与えた力を使って、必死に働くさまを見るのはさぞ面白かったでしょうよ!」
リリアーナは次から次へと口からでまかせを言っている。
とにかくまともに戦ったら即死亡確定である。何とか会話で時間を稼ぎたい彼女は必死だ。
「何とか言いなさいよ、ヨハネカイン博士。
 命の禁忌を犯すなんて言ってたら、吸血鬼や妖怪やゾンビはどーなるのよ!!
 全部殺して回るつもり?ご高説を賜ろうじゃないの!」

彼女の目的はギズモが戻るまでの時間稼ぎだ。
ヨハネカインが釣られれば、会話をもっと引き伸ばそうとするだろう。

61 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/08(月) 20:04:44 0
>55>57>58>60
> 「ヨハネカイン博士!その立ち位置を狙って攻撃します!メギド!」
「単純、単純ッッ!」
ヨハネカインはひょいとメギドを避けた。
> 「――ってぇな……!“降り注げ幾多の氷槍よ、眼前の敵へ”ぇッ!」
「いいぞグレイブ!君はなぶり殺すつもりだったッ!そう簡単に死んでしまってはつまらん!
 (あれで殺せなかったのか。未来を見る力を使った事でヘブンスマイルの力が減っていたせいか?
  それを差し引いてもあのスピードとパワーは侮れんな。)」
ヨハネカインとトップ・オブ・ザ・ワールドに向ってグレイブの氷の槍が降り注ぐ。
> 氷の密度は薄く、簡単に砕けそうなほど。更には照準までもが甘く、避けるのもたやすいだろう。
「(おかしい、攻撃が甘すぎる。さてはこの攻撃で油断させ、何か策を仕掛けるつもりかッ?
  無論何かを仕掛けられる前に未来を見て回避できるはずだが、
  トップ・オブ・ザ・ワールドの攻撃を受け止められる
  あのパワーとスピードでトップ・オブ・ザ・ワールドを殴られれば、
  この俺本体が無事ではすまない。ここは一旦引かせるか…)」
ヨハネカインは一旦トップ・オブ・ザ・ワールドを自分の影に引っ込めた。
そのまま前進し、降り注ぐ氷の槍を避ける。前方に迫るのはフリージアだ。
> 「せいっの!クリスタルウェイヴ!!」
> 「ダブゥクリスタルウェイブ!!」
「無駄無駄無駄ッッ!!」
フリージアの魔法攻撃を避けながらさらに前に走るヨハネカイン。
言うまでも無いが、魔法を使えないヨハネカインにとって、どんな魔法攻撃も致命傷になる。
それでも魔法使いに対抗する力を彼が持つのは、この未来を見る目を使った回避能力をもつからだ。
> 「さすがに当たりませんわねぇ・・・・・!?クリスタルストーム!!」
「邪魔だッッ!トップ・オブ・ザ・ワールド!!」
けたたましい笑い声と共に再び実体化するトップ・オブ・ザ・ワールド。
彼の回し蹴りは、フリージアの影より一瞬早く立った霜柱の影を砕いた。
> 「あ、危なかったですわ・・・・・」

「教えてやろうッ!トップ・オブ・ザ・ワールドこそ!
 未来を予見し、未来を変えられる、唯一にして無上の存在であることをッ!
 そして、お前達の未来は死あるのみだッッ!!」
そう叫ぶと、トップ・オブ・ザ・ワールドが消えた。
ヨハネカインは前進をして攻撃を回避したので、今は皆に取り囲まれる立ち位置である。
故にその場にいる全員が確認できただろう。ヨハネカインの影が未だに消えたままであることを。
「これがどういうことかわかるか?
 つまり、影というものは自分を投影した姿であるということだ。鏡にうつる姿も含めてなぁッッ!!」
その答えは先ほどヨハネカインが投げつけ、あたり一面に散乱した銀のスプーンの中にあった。
ピカピカのスプーンには皆の姿が映っている。ただ一人を除いて。
それはヨハネカインの姿。その代わりに映っているのは、トップ・オブ・ザ・ワールドだ。
スプーンに映るトップ・オブ・ザ・ワールドが、ミルクの首を後ろから掴んだ。
現実世界のミルクの首に、トップ・オブ・ザ・ワールドの指の跡が浮かぶ。
トップ・オブ・ザ・ワールドの握力なら、すぐに首の骨を折る事が可能だろう。一人ずつ、確実に。
「この俺には魔法は通用しないッ!例え光の速さで攻撃しても、俺には当たらないッ!」

62 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/08(月) 20:06:17 0
> 「そこまでよ!ヨハネカイン!」
> とうとうリリアーナが姿を現した・・・・・・のだが。
> 「・・・・・・フリージアのドリルがバームクーヘンに」
「バームクーヘンだと?」
ヨハネカインは呆気にとられた。何のことだかわからないからだ。
> 気を取り直したリリアーナは、びしっとヨハネカインを指差した。
> 「生徒達を問答無用で殺そうとするなんて、何て極悪非道な奴なの!(中略)
>  案外、生命の秩序なんかどうでも良くて、自分の野望のために魔法使いじゃない人を扇動してるだけじゃないの?!」
「ほう、君からはそんな風に見えているのかこの私が。
 なるほど、なかなかいい線をついた意見のように聞こえる。
 だが、私は言ってみればミルクを人質にしているんだ。次の言葉を慎重に…」
慎重に選べとヨハネカインは言うつもりだった。リリアーナの登場でミルクの首はまだ繋がっているが、
力さえ入れたらその首は破壊されるのだ。だが、
> リリアーナは更に続けた。ここからはもう完全に妄想の世界である。
> 「残念だったわね、実の息子なのに、ギルハートから選ばれなくて。
>  結局あなたは、魔法ではマリアベルに勝てないから、人を癒すことで人を集めて組織を作る事を選んだんだわ。
>  父親が自分でなく、最後に自分以外の魔法使いと永遠に生きる事を望んだから。
>  上手いことを言ってロクーを仲間に引き入れたのだって、どうせマリアベルへの復讐なんでしょう!
>   ロクーが、魔法でなく自分の分け与えた力を使って、必死に働くさまを見るのはさぞ面白かったでしょうよ!」
「き…貴様……ッッ!!」
ヨハネカインはブルブルと震えた。トップ・オブ・ザ・ワールドも一緒に震えているのをミルクならわかるだろう。
> 「何とか言いなさいよ、ヨハネカイン博士。
>  命の禁忌を犯すなんて言ってたら、吸血鬼や妖怪やゾンビはどーなるのよ!!
>  全部殺して回るつもり?ご高説を賜ろうじゃないの!」
「お…おぉぉぉお…」
ロゼ「あれは…まさか!」
珍しく空気を読んだロック改めロゼッタ。隠れたままヨハネカインの様子を観察していた。
「おおおおおおおおおん!!おおおおおおおおおぉぉぉぉおおおん!!」
ロゼ「なんてことだ!ヨハネカインの奴、泣き始めたぞ!」
ヨハネカインは号泣しはじめた。そう、リリアーナは核心をついたのだ。
まるで子供時代に意識が逆行したように、悶え、呻き、喚きながら眼球から涙という水分を排出し続ける。
今の状態なら、ヨハネカインに攻撃が当たるかもしれない。

ところで、自分自身は戦力外だと思っているヴァンエレンだが、今はそうではないかもしれない。
なぜなら、彼は吸血鬼なので鏡には姿が映らないだろう。その性質をどう使うかは彼次第である。

63 名前:アナスタシア&ユリ ◇sto7CTKDkA [sage 代理投稿gt;585] 投稿日:2010/02/09(火) 18:08:03 0
>>59-60
「おー。なかなか美味いじゃないかー、このパフェ気に入ったぞ♪」
「そうでしょそうでしょ!あの屋台担当の生徒はちょっと味にうるさいんだよね!」
同時刻、アナスタシアはユリと一緒に屋台巡りと洒落込んでいた。
アナスタシアはクリームが山盛りのフルーツパフェを頬張り。
ユリは左手に鰻丼を持ち、右腕にざる蕎麦を乗せてそれぞれご満悦の様子だ。

その少し前のこと、アナスタシアは学園長室を出て、屋台の立ち並ぶ広場をうろうろしていた。
ヨハネカイン博士が学園に来たら、わかりやすいルート通って学園長室に行くだろう。
そう考えての行動だったが、当のヨハネカインはすでに学園入りしているのだから意味はない。
そうとは知らず見回りを続けていたアナスタシアだが、途中でユリと出会ったのだ。
ユリはムウ大陸から皆が帰るのを交代で見張っていたのだが、この出会いがいけなかった。
「怪しい奴が学園に進入するらしいから、他の奴には内緒で探すのを手伝え」
「本当に!?大事件じゃん!」
といったやりとりの結果が、ごらんの有様だ。
あの屋台は怪しそうだよ!客が並んでるな確かに怪しいぞ♪
そんな会話が何回か繰り返され、不審者の代わりに美味しい屋台が数件見つかった。
ギズモがアナスタシアを見つけたのは、ちょうどそんな時の事だ。

>>「あれー?そんなに急いでギズモどったの?」
「んー?なんだお前記録石が欲しいのか?」
アナスタシアは記録石を取り出すと、ギズモの目の前で振って見せた。
「別に貸してやっても良いけど、何を撮影するつもりなんだ?
 まさか盗撮でもして誰かを脅そうって考えてるんじゃないだろーなー?」
ニヤニヤ笑いながらそう聞くアナスタシアに事実を告げれば、当然ついて行くと言い出すだろう。
ユリという騒がしいおまけ付きで、だ。

64 名前:メイレン ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/09(火) 21:27:19 0
>50>56
> 「この学園には、ヨハネカインと名乗る危険思想を持つ人物が潜入しています。
>  彼らの仲間が狙われている状況ですので、少しでも助けは多い方が良いかと思いまして」
「なるほど、そういう意味なのね。」
メイレンがターロンにそう答えた。

> 「メイレン様・・・・・私達、これでレベッカさんに償えたのでしょうか?」
「………」
> 「お返事、あとで構いません!お聞かせください!」
「………?(何のことかしら?)」
> リリアーナが走り去るときレベッカの事を質問して行ったが、ターロンはそれには触れなかった。
だからメイレンには余計に何のことだったか思い出せなかった。何しろメイレンも相当なババ(ry
> 「彼らはこれからヨハネカインと戦うことになるでしょう。
>  興味がないわけではありませんが、あえて火中の栗を拾う必要もありますまい。
>  我らにはまだまだ時間があるのです。
>  この学園の者の持つ秘密は、この先に再び知る機会もある事でしょう。
>  …それよりメイレン様、レベッカ様をこっそり見に行くとはどのようなお考えでしょうか?
>  親子なのですから堂々とお会いになればよろしいのでは?」
「それがね、テンちゃんてば今意中の相手と保健室のベッドでイチャイチャしてるのよ。
 だから親として、ばれないようにこっそり見てあげようと思うの。心配でしょ〜?」
痴「うるせぇ(笑)!!」
「いやん!?」
いつの間にやら保健室から出てきたレベッカが、メイレンに灰皿を投げつけた。
痴「やっぱりおめぇも回復したのか。良かったな。
  その手に持ってるのはターロンだな?ちょっと借りるぞ。」
レベッカはやや無理矢理にメイレンからターロンをひったくった。
痴「俺は元の体に戻ったんだ。さっさと使い魔契約を終わらせちまうぞ。キスだ、キス。」
この場合、ターロンに拒否権は無い。ターロンの顔にレベッカの顔が迫り…
痴「もげもげ、ふぁふぁ、もあ〜(ちょっとリー達の様子を見てくるぜ。)」
「あら、そう。行ってらっしゃい。」
ターロンを頭から咥えたレベッカは、なにやら泣き声が聞こえる方向へ走った。
「…“助けは多く”なったわね。」

65 名前:響桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/02/09(火) 23:33:35 O
「うー…気持ち悪い……」
学園長室までは皆と一緒に居たが先のムー大陸での無理が祟ったのか、調子を崩し自室へ行っていた桜花
魔力回復薬を飲みしばらく大人しくしていたがメイレンのその後が気になり部屋から出てきた所である
(大分魔力も回復したが流石に体調までは回復しないか…)
「それにしても……うぷっ!!……気持ち悪い…」
こんな調子なのでリリアーナの部屋に到着するまでにかなり時間を要した。
リリアーナの部屋の前にたどり着きノックする
「リリアーナさん…居るか?」
何回やっても何回やっても、返事が帰ってこない。
(居ないのか?……!!)
「うっ!!!………これは不味いな…保健室に……行かなければ。」
流石に体調不良はいかんともし難く、先に保健室へ行くことを決める桜花

ふらふらと保健室へ歩を進めていた桜花だが途中で歩を止める
(なんだ…あれは。)
見れば見知った生徒達と見慣れない人物がいた。
見知らぬ人物はどうやら泣いている様子だ。
一番近くのリリアーナに近づき声をかける
「リリアーナさん…これはどうしたんだ?……それにメイレンさん…メイレンさんは……!うっ…
……すまない、で、メイレンさんはどうなったんだ?」

66 名前:ミシェル ◇qNkdVyM6PE[sage 代理投稿gt;594:] 投稿日:2010/02/10(水) 06:22:32 0
何だかんだで泣き崩れるオッサンを見ていると哀れになってくる。
ミシェルは子供とはエラく残酷なもんだ。という認識が改めて強くした。
(言葉の暴力か。醜悪だな)
そう、生徒の前では努めて丁寧語で話そうとする彼が素に近い口調で心中にて吐き捨てた。
いっそ純粋な力比べ(若しくはそれに準ずる殺し合い)の方が後腐れなくて良いのではなかろうか。
この現状を見ると、これだから女は無粋なのだ。という謗りはミシェルにとっては非常に真実味のある言葉だ。
(まだ高笑いしながら攻撃してくれた方がやりやすい………)
今このオッサンの首を切り落とす事自体には何の抵抗もないが、それを生徒の前でやってしまうのは倫理的に気が退ける。
一旦白けてしまうと今まで意識の片隅に追いやっていた眠気や倦怠感がドッと押し寄せてきた。
「疲れたので私は戻りますね。事の顛末はいずれ機会があれば誰か面白おかしく話してくださいな」
ミシェルはあっさり職務放棄して帰ってしまった。

67 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/10(水) 15:29:31 P
>63
>「あれー?そんなに急いでギズモどったの?」
「えっとね!えっとね何か記録するものを貸してほしいのよ」
と事情を説明するギズモ
>「んー?なんだお前記録石が欲しいのか?」
>「別に貸してやっても良いけど、何を撮影するつもりなんだ?
 まさか盗撮でもして誰かを脅そうって考えてるんじゃないだろーなー?」
と事情を赫々云々と説明するギズモ
>「こうすればヨハネカインは社会的に死ぬと思うんだv」
それはあまりにも外道な作戦であった
過去に人間に変身できる使い魔が散歩中
人前で変身したために裸首輪状態になり
その使い魔の主が社会的地位を失ったという逸話がある
それとは状況は異なるが得られる結果は同じだろう
ヨハネカインの本当の姿が世界に暴露されるのだ
「本当にメディアの力って恐ろしいよねv」
かわいこぶっても悪魔は悪魔
悪魔のプライドとして外道度で天使に負けるわけにはいけないのだ

当然ついてくると言い出すユリ
「ついてきても良いけど命の保障は僕はしないよv」
ついてくるのなら自分の命は自分で守れとゆりに言うギズモ
さすがに命は大事だろうあきらめてくれるだろうか?


>60-62
その頃フリー・・・クーラ様はピンチであった
>「この俺には魔法は通用しないッ!例え光の速さで攻撃しても、俺には当たらないッ!」
「ミルクさん!?」
色彩の魔法でスプーンすべてに光が反射しない色をつければ回避できるかもしれないが
それよりもミルクの首がポキリといくほうが早いだろう

そのピンチを救ったのはリリアーナであった
>「何とか言いなさいよ、ヨハネカイン博士(ry 」
>「なんてことだ!ヨハネカインの奴、泣き始めたぞ!」
リリアーナの言葉に涙を流すヨハネカイン
どうやらガラスのメンタルだったようである
「今のうちにミルクさんが映っているスプーンの色をマットブラックに・・・・
 色彩の精霊よ!あの銀に光るものの色を変えなさいな!!」
本当なら全部のスプーンの色を変えたいがそれをやるには時間が掛かりすぎる
何よりもスプーンの量が多すぎる
「私の色彩魔法は鎧を水玉模様にしたり氷に色をつけたりするだけではなくってよ
 今ですわヴァンエレンさん!!」
すごく懐かしい事を言うフリージ・・・・クーラ様
そろそろ言い直すのめんどくさいから元の姿に戻ってほしいものである

68 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/11(木) 00:36:47 0
Yo「おおおおおおおおおん!!おおおおおおおおおぉぉぉぉおおおん!!」 
ロゼ「なんてことだ!ヨハネカインの奴、泣き始めたぞ!」 
>まるで子供時代に意識が逆行したように、悶え、呻き、喚きながら眼球から涙という水分を排出し続ける。 
「エエェェェェェエエエエ!!」
まさか自分の妄想が的中したとは予想だにしていなかったリリアーナは、ひたすら驚いている。
ミシェルの冷たい視線が痛い。
>「疲れたので私は戻りますね。事の顛末はいずれ機会があれば誰か面白おかしく話してくださいな」 
「えーっ!!そんな、人質は?!待ってミシェル先生私達を置いて行かないでー!!」
リリアーナが半べそでミシェルを引きとめようとしたが、完全にスルーされてしまった。
そうして、後には号泣しているヨハネカインが残された。
・・・・・・・今はダメージを受けて泣いているだけだが、我に返ったときが怖すぎる。
ロクーの安否や、マリアベルのこと、ケルビムやヨハネカイン自身の野望など聞きたい事は目白押しなのだが、
恐らく素直に話す気は無いだろう。

>「今のうちにミルクさんが映っているスプーンの色をマットブラックに・・・・ 
> 色彩の精霊よ!あの銀に光るものの色を変えなさいな!!」
「フリージアったらすごい!こんな方法があったなんて!」
 これで銀のスプーンに映る像を使っての攻撃は出来なくなった。
「ミルク、首はだいじょうぶ?距離とって、距離」
もっとも、距離を取ってどうこうなる問題でないかもしれないが。

>「私の色彩魔法は鎧を水玉模様にしたり氷に色をつけたりするだけではなくってよ 」
「花柄も綺麗だったよねぇ」
こちらも懐かしい突っ込みを入れるリリアーナだったが、ふと、近寄ってきた影に声をかけられる。
>「リリアーナさん…これはどうしたんだ?……それにメイレンさん…メイレンさんは……!うっ… 
>……すまない、で、メイレンさんはどうなったんだ?」 
「メイレン様はもう復活なさったわ。
 この男性を泣かせたのは、実は、わたしなのよね」
ははは、と乾いた笑いを浮かべる。
「この男性は、ロクーの所属していたケルビムの長、ヨハネカインなの。
 レベッカさんの治療のために2,3日後になるはずだったのに、なぜか今日来られたのよ。
 そして私達はムウ大陸で、若返りの薬に関する知識を仕入れたってことで殺されかけてるところ」
リリアーナはあはは、と困ったように笑った。
「それとメイレン様は復活なさってるわ。身体も元通りだから心配要らないわ。
 ところで桜花さん、まだ龍の玉、もってるんだよね?
 直に触ってないとは思うけれど、だいじょうぶ?変な影響とかは出てない?」
そう言って、心配そうに桜花の顔を見上げている。

>「今ですわヴァンエレンさん!!」 
フリージアがヴァンエレンをけしかけている。、
「じゃあ、動機を止めるためにはこれしかないよね!うん!」
リリアーナはするすると思ひ出の糸車の糸先を召喚しようとして――――
「しまった、レベッカさんの槍にくくりつけておいたんだっけ!・・・・・・・あれ?」
リリアーナはくるくると糸車を巻き取っているが、その糸先が釣り糸のように何かを引っ張っている気がする。
そしてなぜかその先端が、リリアーナ達に向かって接近している事に気づく。

「レベッカさん!どうしてここに?!もう保健室で寝て無くていいの?
 あ、いや・・・・・・^、べ、別に変な意味じゃないよ?
リリアーナは意味もなく焦っている。あやしい事この上ない。

「・・・・・・・・・・・わー!レベッカさんが変な色したイモリの黒焼き食べてる――――!!」
ターロンはレベッカが使い魔契約のために口に咥えこんでいる。
そのため、しっぽのラインだけでイモリが「ターロンだ」などと見分けがつくはずも無かった。

「もう、この糸ほどいて良いよね?」
リリアーナは手早くレベッカの槍から思ひ出の糸の先端を外すと、号泣したままのヨハネカインに向けて飛ばし始めた。
糸崎が触れれば、回送中ヨハネカインは行動不能になる。
過去の知りたい情報も得られるわけで、リリアーナにとっては一石二鳥だろう。

69 名前:445 ◆92MvMM4svU [sage] 投稿日:2010/02/11(木) 18:47:46 0
>57-68
>「単純、単純ッッ!」
あたしのメギドを、ヨハネカインは迷いもためらいもなく避けてみせる。
ちっ!こっちの言葉が本当か嘘か、迷うくらいの事はすると思ったんだけどな!
その後も、ヨハネカインはグレイブの攻撃を避けながらフリージアを退けてみせ。
一対多数のハンデをものともせずに暴れまわる。

>「教えてやろうッ!トップ・オブ・ザ・ワールドこそ!
> 未来を予見し、未来を変えられる、唯一にして無上の存在であることをッ!
> そして、お前達の未来は死あるのみだッッ!!」未来が見える!?それであんなに簡単に魔法を避けられるのか!
となると、打つ手は一つ。
わかってても止められない攻撃でしとめてやる!

>「これがどういうことかわかるか?
> つまり、影というものは自分を投影した姿であるということだ。鏡にうつる姿も含めてなぁッッ!!」
「ご丁寧に囲まれる位置に自分から飛び込んできて何をうぐっ!?」
首が何かに絞め上げられる。
何!?何で攻撃されたの!?
首にかかる力を緩めようとしても、伸ばした指先は何にも触れず。
でも、首を絞める力だけは、確実に強さを増していく。
「あ…う……!」
必死に原因を探すあたしは、ヨハネカインがばらまいた銀のスプーンを見た。
そこに映るのは、後ろからトップ・オブ・ザ・ワールドに首を絞められる自分の姿。
まさか…鏡だけじゃなくてスプーンに写った姿にまで干渉するなんて…
>「この俺には魔法は通用しないッ!例え光の速さで攻撃しても、俺には当たらないッ!」
>「ミルクさん!?」
ヨハネカインとフリージアの声を聞きながら、視界が暗くなっていく。
あたし…ここで死んじゃうのかな……

>「生徒達を問答無用で殺そうとするなんて、何て極悪非道な奴なの!(中略)
> 案外、生命の秩序なんかどうでも良くて、自分の野望のために魔法使いじゃない人を扇動してるだけじゃないの?!」
ほんの少し首を絞める力が緩んで、酸素を少しでも多く肺に送ろうとあたしは喘いだ。
それは、リリアーナが隠れていた場所から出てきてヨハネカインを糾弾した結果であり。
引き換えにリリアーナが身の危険を増やした結果でもある。

70 名前:ミルク◇9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2010/02/11(木) 18:49:14 0
>「ほう、君からはそんな風に見えているのかこの私が。(中略)
> だが、私は言ってみればミルクを人質にしているんだ。次の言葉を慎重に…」
>「残念だったわね、実の息子なのに、ギルハートから選ばれなくて。(中略)
>  ロクーが、魔法でなく自分の分け与えた力を使って、必死に働くさまを見るのはさぞ面白かったでしょうよ!」
>「き…貴様……ッッ!!」
リリアーナとヨハネカインの会話は、あたしのよく知らない事だった。
マリアベルは前に学園に攻めてきた魔法使いだ。
その父親はギルハートって名前で、ヨハネカインはマリアベルの兄弟?
リリアーナとヨハネカイン(またはマリアベル一家)は知り合いなのか?
ブルブルと震えるヨハネカインと、あたしの首を絞めるトップ・オブ・ザ・ワールドの手。
それはヨハネカインの心の動揺を表すもので。
同時にリリアーナの言葉が事実である事を裏付けるもので。

>「何とか言いなさいよ、ヨハネカイン博士。(中略)
> 全部殺して回るつもり?ご高説を賜ろうじゃないの!」
>「お…おぉぉぉお…」
>「おおおおおおおおおん!!おおおおおおおおおぉぉぉぉおおおん!!」
>ロゼ「なんてことだ!ヨハネカインの奴、泣き始めたぞ!」
人目も。場所も。戦闘中だって事も忘れて、ヨハネカイン博士は泣き叫ぶ。
まるで子供の頃に戻ったように。
親から受け入れられなかった悲しみが、一度に溢れ出したように。
そんなに悲しかったの?
そんなに苦しかったの?
自分の人生を楽しむこともせず、命を助ける技術を得たことに満足もせず。
人の命を奪っても心を痛めないほどに?

>「今のうちにミルクさんが映っているスプーンの色をマットブラックに・・・・
> 色彩の精霊よ!あの銀に光るものの色を変えなさいな!!」
首を絞め付ける力から解放されて、あたしは咳き込んだ。
フリージアが、あたしが映っていたスプーンの色を変えてくれたのだ。
>「ミルク、首はだいじょうぶ?距離とって、距離」
「だ、大丈夫。フリージアとリリアーナのおかげでまだ生きてる。
 それより、今のうちに博士をなんとかしないと」
見た感じ茫然自失の博士だけど、いつまた気を取り直さないとも限らない。
スプーンに写る姿まで攻撃されるんだから、なにかこう…気絶?でもさせられりゃいいんだけど…

「そーだ!さっきヨハネカインの攻撃が当たってたけどグレイブ大丈夫!?
 具体的に体が爆発しそうとか、そんな感じはない!?」
ロクーの記憶で見た男達の最後を思い出してそう言ったけど、幸いそこまでヒドい怪我じゃなさそうだ。
「良かった…あーでも早く何とかしないと、またヨハネカインが暴れ出すよ。
 あいつが泣いてるうちに動きを封じたいんだけど、なにかいい方法ないかな?」

##>>69はトリップ失敗しました。当レスと同じく ミルク ◆sto7CTKDkA さんの代理投稿です。
スレ汚し失礼しました。


71 名前:ヨハネカインは旅をする ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/12(金) 19:07:36 0
ヨハネカインは道を歩いていた。理由はわからない。
「私は確か、魔法学園に来ていたはずだが…」
ヨハネカインのすぐ横を馬車が駆け抜けていく。
ヨハネカインは今歩いている道に見覚えがあった。
「当然だな、なぜならここは…」
ヨハネカインが見上げる先にあるもの、それは…
「私が幼少時代を過ごした館だ。」

館の前で一人の少年が犬と遊んでいた。
ヨハネカインはその銀髪の少年を知っていた。
なぜなら、彼もまた少年時代のヨハネカインだったからだ。
「だったら、ヨハネカインを見ている私は誰なんだ?…なんてな。」
ヨハネカインはいつの間にか、その少年そのものとなっていた。

屋敷の前で止まった馬車から、一人の少年が降りてきた。
「ん?誰だろう?」
ヨハネカイン少年は、降りてきた少年の目を見ると、すぐに事情を把握した。
「(あ!この子は確か、戦争で母親を無くして、僕のお父さんの養子になった子だ!)」
馬車から降りた少年も、ヨハネカインの存在に気づいた。
「君は、マリアベルだね?」
マ「そう言う君は、ヨハネカイン・ホワイト。」
「はじめまして!今日から僕達と一緒に暮らすんだよね!よろしくね!
 荷物、降ろすの手伝うよ!」
マ「いいや、下ろされるのはその手の方だね。」
マリアベルが杖を軽く振ると、ヨハネカインの腕が急に重くなり、持ち上げられなくなった。
「…ははは、さすがに才能があると聞いてたけど、凄いね君は!
 ごめんね。犬をさっきまで触ってたんだもの、そんな手で君の荷物に触れてほしくなかったよね?」
ヨハネカインは笑って、この突然の仕打ちを水に流そうとした。
これからずっと同じ屋根の下で暮らしていくのだ。できれば仲良くいきたかった。
マリアベルの性分を、この時はまだ知らなかったから。
マ「そのとおりだ。だが、違うね。」
「え?」
マ「お前のような魔法界の落ちこぼれには触れてほしくないんだ。俺自身も含めてな!」
「そんな!何てことを言うんだ!」
ヨハネカインはマリアベルの傍若無人な振る舞いに腹を立てた。
マ「いいか、よく聞け!俺はこれからお前の屋敷で世話になるが、俺に対して偉そうな素振りをするなよ!
  俺は将来、死を克服した唯一無上の魔法使いになる男なのだ!
  魔法をまともに使えないお前らスクイブ(非魔法使いに対する蔑称)とは違うのだ!」
「許さんぞ!貴様ッッ!」

ここで、ヨハネカインの思い出がぷっつりと切れた。

72 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2010/02/12(金) 19:56:41 0
>58
>「ヴァンエレンさん!あなたスペックだけなら私よりも上のはずなんだからがんばりなさいな!!」
「いやだあああああぁぁぁ。
 感情操作もなしで立ち向かうなんて臆病な私には無理だ!」
ふりーj・・・クーラ様がGOサインを送るがついには泣き出してしまって死にたくないと抵抗する吸血ニート。
男をみせろ!いまは男じゃないけど。

>61
トップ・オブ・ザ・ワールドがミルクの首を掴んだ。
このままでは首が折られてしまう。
「や、やめてくれよ!」
恐ろしい魔の手が友達の首を折ろうとしている。
それに対してヴァンエレンは震えながら見ていることしかできず過剰なまでに臆病になっている。

>67
>「私の色彩魔法は鎧を水玉模様にしたり氷に色をつけたりするだけではなくってよ
>今ですわヴァンエレンさん!!」
必殺の一撃、放つのはいまだ!
ゆけゆけ僕らのヴァンエレン。
「ああもうわかった!
 やぁってやるってぇ!」
勢いよく拳を振り上げて駆け出すヴァンエレン。
>「おおおおおおおおおん!!おおおおおおおおおぉぉぉぉおおおん!!」
のだがいきなり泣き出したヨハネカインをみて勢いが途中で止まる。
「え?え?
 これは攻撃しちゃって大丈夫なんでしょうか?」

>71
思い出から帰ってきたヨハネカイン。
「…あ、ども」
目と目が合う瞬間!
敵だというのになぜか挨拶をしてしまうヴァンエレン。
死亡フラグが立ちました。

73 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/02/12(金) 22:43:27 0
>58>60-62>65-72
>「あ、危なかったですわ・・・・・」
「一人相手に、随分と苦戦するものだ……!“放て、氷槍と氷の魔力”ッ!」
フリージアと次から次へ魔法を打ち出すが、如何せんグレイブは痛みに気を取られて中々集中できない。
結果、放たれる魔法は悠々とかわされてしまう。

>「教えてやろうッ!トップ・オブ・ザ・ワールドこそ!
> 未来を予見し、未来を変えられる、唯一にして無上の存在であることをッ!
> そして、お前達の未来は死あるのみだッッ!!」
「知ったことかッ!お前が決めた下らない未来なんて……」
そこでふと、ヨハネカインの影が無いことに気付く。
勿論トップ・オブ・ザ・ワールドもいない。
>「これがどういうことかわかるか?
> つまり、影というものは自分を投影した姿であるということだ。鏡にうつる姿も含めてなぁッッ!!」
「何……ッ、鏡!?」
そのとき、ミルクの首に指の跡が浮かんでいく。
足元の散らばったスプーンの中、つまり鏡の中からトップ・オブ・ザ・ワールドが攻撃しているのだ。
「下種め!」

> 「そこまでよ!ヨハネカイン!」
【真打とぉ―――じょぉ―――っ!?】
【ああうるさいよR!】
怪我をしていようと、グレイルはそのテンションを下げるということを知らない。
その腕は妙な方向に曲がっているが、どうやら幽体から肉体へのフィードバックは多少軽減されるらしい。
それはともかくとして。
>「(前略)全部殺して回るつもり?ご高説を賜ろうじゃないの!」
リリアーナの怒りと皮肉と侮蔑の入り混じった説教に、ヨハネカインが呻き声を上げて体を震わす。
>「お…おぉぉぉお…」
>「おおおおおおおおおん!!おおおおおおおおおぉぉぉぉおおおん!!」
【な……泣き出したぁ!?……ってて】
【なーんだそりゃあ!?】
あまりのカオスっぷりに、流石のグレイルさえ驚きを隠せない。

>「疲れたので私は戻りますね。事の顛末はいずれ機会があれば誰か面白おかしく話してくださいな」
そんな風にミシェルが言ったが、教師としてそれはどうなのだろう?
疑問を感じつつ、グレイブは状況確認にあたりを見渡す。
リリアーナは灰色の髪のポニーテール少女に説明中。
フリージアは『世界の頂点』の映るスプーンを黒く染めてミルクを救出。
吸血鬼は指示を受けて殴りかかろうとするが、何を思ったかあたふたしてる。

>「そーだ!さっきヨハネカインの攻撃が当たってたけどグレイブ大丈夫!?
> 具体的に体が爆発しそうとか、そんな感じはない!?」
続く魔法の連発に息の上がるグレイブに声が掛かる。
さっき『世界の頂点』の魔の手から助かったミルクだ。
「……爆発?いや、確かにかなり強い一撃だったが、そんな感じはしないな」
>「良かった…あーでも早く何とかしないと、またヨハネカインが暴れ出すよ。
> あいつが泣いてるうちに動きを封じたいんだけど、なにかいい方法ないかな?」
「それなら、氷漬けに……」

ちらりとリリアーナを見ると、糸をヨハネカインに飛ばしている。
「何がなんだかわからないが、アシストするぞ!“凍らせよ、眼前敵の脚を”!」
かつてリリアーナその他数名に向けてかけやがった、あまり良い思い出の無い魔法をヨハネカインに飛ばす。
果たしてその氷は、ピンポイントでヨハネカインの脚を地面に縫い付ける。

74 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/13(土) 16:53:27 0
>67
「なんだ。ヨハネカインの奴もう学園に来てたのか。
 せっかく私が探してやってたのになー。ひどい奴だ」
ギズモからヨハネカインが学園に来ていることを教えられて、アナスタシアはそう言った。
フルーツパフェを食べながら言う言葉ではないが、自己中天使だからしかたがない。
>「こうすればヨハネカインは社会的に死ぬと思うんだv」
「それは良い考えだな。
 ヨハネカインの奴がどんな慌て方するか、今から楽しみだぞーぷぷぷ♪」
ギズモに同意して笑うアナスアタシア。
相手が悪人とわかっている上に、何があってもそれはヨハネカインの自業自得なのだ。
悪魔と笑いあう天使というのもおかしな気がするが、アナスタシアの善悪判定基準は行動であり種族ではない。
良い事をしていれば悪魔でも気にしないし、悪事を働けば天使にも容赦しないだろう。
というと聞こえはいいが、実際には気に入るか気に入らないかなのだが。
>「本当にメディアの力って恐ろしいよねv」
>>「とーぜんだよ!ペンは拳よりも強し!」
ぐっ。と拳を握って答えるユリは、ギズモの皮肉には気づいていなかった。

「私もついて行く!その記録石は私のだからいーよね!?」
>「ついてきても良いけど命の保障は僕はしないよv」
>>「墓穴に入らずば墓地を得ず!
>> 死ぬのが怖くてジャーナリストは務まらないよ!」
「なんか違うような気はするけど、だいたいあってるから先生が許すぞ♪
 それじゃ、ヨハネカインの秘密隠し撮り大会に出発!」
ギズモの説得は通じず、アナスタシアとユリはギズモの案内でゲート近くまで移動することになった。

「おーい。聞いてた話と違うんだけど、なんだありゃ?」
>>「うーん…録画してるけど、これじゃリリアーナ達がおじさんを虐めてるようにしか見えないね…」
そして、ヨハネカインの居場所にたどり着いた2人が見たものは。
皆に囲まれ、リリアーナに糾弾されて泣き出すヨハネカインの姿だった。
ミルクが捕まっているのがもう少しはっきりしていれば、また違った感想を持っただろう。
しかし少し離れた場所に隠れてる上に、捕まっているのはスプーンに映る姿だ。
さすがのアナスタシアも、今の状況からミルクやリリアーナが危険な状況にいるとはわからなかった。
そしてアナスタシアにわからないものが、ユリにわかるはずがない。
>>「なんだか人も増えてきたけど、どうする?ちょっと距離が離れてるから、ちゃんと撮れないかも」
「しょーがないなー。それじゃ、子分2号に特殊任務を与える!
 お前なら怪しまれないで近づけるだろーから、こっそり近づいて録画してくるよーに!」
>>「さすがミルクのお姉ちゃん!チョー重要任務だから、頼んだよギズモ!」
ユリはギズモに記録石を渡すと、引き抜いてきた植え込みの陰に、アナスタシアと一緒に隠れた。
なにかあるまでは、ここで2人で観戦するつもりなのだ。



75 名前:ターロン ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/13(土) 16:55:16 0
>64-73
>「それがね、テンちゃんてば今意中の相手と保健室のベッドでイチャイチャしてるのよ。
> だから親として、ばれないようにこっそり見てあげようと思うの。心配でしょ??」
「それは親として心配するのは当然です。
 私も娘を持つ身、メイレン様の心中お察しいたします」
>痴「うるせぇ(笑)!!」
一方、ターロンはメイレンと共に保健室に向かう途中だったが、その前にレベッカに遭遇する。
「これはこれはレベッカ様。我らに構わずどうぞお楽しみを…お?」
メイレンの持つターロンの体を、レベッカが引ったくるように奪い取る。

>痴「俺は元の体に戻ったんだ。さっさと使い魔契約を終わらせちまうぞ。キスだ、キス。」
「レベッカ様お待ちください!キスで使い魔契約など聞いたことがアッー!」
ターロンの辞書に「キスで使い魔契約」の文字はなかった。
猫耳男がいたなら、『他にどんな方法で契約するんだ』と言っていただろうが。
結果、キスというより食べられたような形になったターロンは、体より心にダメージを受け。
リリアーナがターロンを見るまでは、ぐったりしていたのだった。

>「・・・・・・・・・・・わー!レベッカさんが変な色したイモリの黒焼き食べてる????!!」
「…私を両生類呼ばわりするのは止めていただきたい」
ぐったりはしていたが、リリアーナにイモリと言われて黙っているわけにもいかない。
爬虫類呼ばわりよりはましだが、龍族は基本的に誇り高い種族なのだ。
ターロンはもぞもぞと動くと、レベッカの口から外に這いだした。
使い魔契約は正しくなされたようで、ターロンにも魔力が戻っている。
「あれがヨハネカイン博士とやらですか。
 泣いてるように見えますが、私は危険人物相手に丸腰では少々不安です」
リリアーナが糸を伸ばしているのを見たターロンは、その間に魔法で白い御札を作り出す。
リリアーナの持つ糸の効果は、すでに体験して知っている。
そして、リリアーナの糸の力で、ヨハネカインの過去が明らかになった。

リリアーナの側にいたからか、ターロンもヨハネカインの過去を見ることが出来た。
そして、マリアベルに共感した。
「魔法も使えない身で魔法使いに刃向かうとは、何という不敬。
 もはやこれ以上の会話も不要でしょう。
 この男は、自分で自分の死刑執行令状にサインしたも同然です」
その言葉と共に、白い御札が飛んでヨハネカインの首筋にペタリと貼りつく。
「【呪符・大龍の命令】
 これでヨハネカインは、しばし我が操り人形となります。
 レベッカ様、あの男に、ロクーと同じように自らの首をはねるようお命じください。
 それでこの男も、馬鹿げた秘密組織とやらもお終いです。
 この学園は平和を取り戻す事でしょう」

76 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/13(土) 22:41:44 P
>72-76

「せぇの!フリージングタワー!!」
ヨハネカインの周りに一本ずつ漆黒の氷の柱を立てるフリージア
そうフリージアだ
偽るべき対象が正気を失ったのを見てこれ幸いと変装を解いたのだ
単にクーラのふりをするのがめんどくさくなったとも言う

「この氷柱でヨハネカインを覆ってしまえば彼に太陽の光は当たらなくなり
 ヨハネカインの影は生まれなくなるはずですわ
 仮に影が生まれたとしてもそれは遮蔽物である漆黒の氷の影
 影が生まれなくなればそれすなわちヘブンスマイルが生まれなくなるということ
 そうすればヨハネカインはただのお医者様ですわ」
すごく説明的な台詞を言うフリージアさん
グレイブがこれまた氷で足元を固めているので動いて体に日を当てることも難しいだろう
「完全に隙間無く埋めてしまわないと不安だけど・・・・・」

>「しょーがないなー。それじゃ、子分2号に特殊任務を与える!
  お前なら怪しまれないで近づけるだろーから、こっそり近づいて録画してくるよーに!」
>「さすがミルクのお姉ちゃん!チョー重要任務だから、頼んだよギズモ!」
「ヤー!」
なぜかドイツ式敬礼をするギズモ
半ズボンのドイツ軍服の男の子って萌えですよね
羽を広げ大空に飛び出し見つからないように空から撮影を開始するギズモ
「確か・・・ヘブンスマイルって影を操るんだっけ?」
ついでなので太陽からヨハネカインを遮る位置に移動して撮影を再開するギズモ
地面にはでっかい悪魔の姿が影となって映る
けっして蝙蝠の影では無い!なぜなら蝙蝠の影はヴァンエレンの専売特許だからだ

>「【呪符・大龍の命令】
  これでヨハネカインは、しばし我が操り人形となります。
  レベッカ様、あの男に、ロクーと同じように自らの首をはねるようお命じください。
  それでこの男も、馬鹿げた秘密組織とやらもお終いです。
  この学園は平和を取り戻す事でしょう」
しばしということは有効期間が限られているという事である
時間が立てば効果は切れ自由になるということか
「レベッカさん!それよりも今まで彼が行ってきた悪事をすべて白状させたほうがいいと思いますわ
 殺してしまって悪霊にでもなられたら対応手段がありませんもの」
むちゃくちゃな理由で殺すことを反対するフリージア
「でももしそうなったら・・・・・ヴァンエレンさんが引き取ってくださるから良いのかしら?」
アンデット化したらヴァンエレンに引き取らせる気満々のフリージアさん
「まあ冗談はこれぐらいにして本性はどうであれヨハネカインは優れたお医者様
 ここで殺してしまってはこれから救われる人間も救われなくなってしまいますわ」
とフリージアにしては珍しく難しいことを言う
「ここはひとつ人を傷つけたり殺したりした時、同じ痛みが自分にも帰ってくるような呪いでもあれば楽ですのに」
またの名をどMの人を殺人鬼にする呪いである
フリージアは呪術師ではないのでそんな魔法を知っているはずは無かった


77 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/14(日) 19:22:03 0
>75>76
> 「【呪符・大龍の命令】
>  これでヨハネカインは、しばし我が操り人形となります。
>  レベッカ様、あの男に、ロクーと同じように自らの首をはねるようお命じください。
>  それでこの男も、馬鹿げた秘密組織とやらもお終いです。
>  この学園は平和を取り戻す事でしょう」
とターロン。
「おん?俺の命令で動かせるのか?」
と聞き返すレベッカにフリージアが言った。
> 「レベッカさん!それよりも今まで彼が行ってきた悪事をすべて白状させたほうがいいと思いますわ
>  殺してしまって悪霊にでもなられたら対応手段がありませんもの」
> むちゃくちゃな理由で殺すことを反対するフリージア
しかし、殺すことに反対なのはレベッカも同じだった。
「俺はヨハネカインを殺したいだなんて思ってねーよ。
 仮にも命の恩人なんだぜ、俺の。奴に同情の余地はねぇかもしれねぇけどよぉ。
 殺すってのは後味が悪すぎるぜぇ〜。」
それに…とレベッカが続ける。
「“悪事を白状しろ”って命令しても意味がねぇかもしれねぇよ。
 ロクーの時を思い出してみろよ。自分が“悪い”と思わねぇかぎり、
 それは“悪事”として白状できねぇからなぁ。
 素直に“人を殺したことがあるか?”って聞いたら、間違いなく“YES”なんだろうけどよぉ。」
もしも人殺しが悪事なら、レベッカも悪人である。レベッカはそれを認めたくなかった。
> 「ここはひとつ人を傷つけたり殺したりした時、同じ痛みが自分にも帰ってくるような呪いでもあれば楽ですのに」
「楽かもなぁ。こいつが他人を使って殺しをしなけりゃよぉ。」
ちなみに、そんな呪いはレベッカの呪いのレパートリーに今のところ無かった。
「そんな呪いがありゃ、俺は真っ先にメイレンに使うぜ。“お食事”の時によぉ。」

「おい、フリージア!どうなってんだ!?」
レベッカが慌てた。というのも、ヘブンスマイルが発現する時のあのけたたましい笑い声が、
フリージアがヨハネカインの周りに立てた氷柱の向こうから聞こえてきたからだ。
「お前は確かにヨハネカインを氷柱で覆ったよなぁ!?
 そうするとヨハネカインに影ができねぇから、ヘブンスマイルが生まれなくなるんだよなぁ!?
 じゃあ、あの笑い声は何なんだぁ!?」
疑問は数秒後に解決した。
ヨハネカインの前にあった氷柱の一本が砕かれ、彼の姿が見えるようになったからだ。
Y「私はタバコは吸わない。体に悪いからな。
  だが、ライターはいつも持ち歩いている。こういう時に便利だからな。」
ヨハネカインは、ライターを点火しそれを片方の手にかざしていた。
Y「この程度の氷の柱なら、片手さえあれば十分破壊できる。」
そう、片手の影をライターの火でつくり、それで氷柱の影を殴ったのだ。
「野郎、まだやるってのか?俺達と?」

78 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/14(日) 19:24:13 0
「いや、勘違いしないでほしい。私が今、この氷の柱を砕いたのは、私の声を通りやすくするためだ。
 もう君達と戦う意志は持ってない。それを伝えたかったのだから。」
ライターの火を消しながら、そうヨハネカインが切り出した。
「私の負けだ。“観念”するよ。君達に危害を加えないし、この島からも出ようとしない。
 …ところで、君の名前は何て言うんだ?」
ヨハネカインがリリアーナに聞いた。
レ「こいつはピリアーナだ。」
レベッカは、本人や周りの友人達がリリアーナの本名を言う前に偽名を言った。
レベッカの父親は相手の名前を使って封じ込める道具を持っていたので、
そういう類の能力をヨハネカインが持っていないかと警戒したのだ。
「ピリアーナ、君が言ったことはだいたい真実だ。
 だが、私が泣くほど悲しんだのは、なにも私の少年時代を悲観したからではない。
 マリアベルと私は、稀代の闇の魔法使いとそれに対抗しうる非魔法使いとしてずっと対立してきた。
 だが、それはそれで何と言うか…良い青春時代だった。
 いつしか我々には奇妙な友情関係ができあがっていた。
 私がケルビムを創設したのは他でもない、我々のこの他愛の無い“兄弟喧嘩”のためにあったのだと…
 今にして考えれば、そう感じる。

 だが、いつしかマリアベルの足跡が途絶えてしまった。
 私はいまや一国の政治を動かせるほど巨大となった
 ケルビムの情報網を駆使して彼を探したが、行方がわからなかった。
 けれど、今やっと理解できた。彼は死んだのだな?
 でなければ、マリアベルの秘密を知っている君が生きているはずがないのだから。
 だから私は悲しんだのだ。生きるための一つの生きがいを永遠に失ったのだから。

 マリアベルが死んだ今となっては、ケルビムは私にとって何の価値も無いものになった。
 私はただの医者に戻る時が来たのだ。
 魔法使いに対抗しうる非魔法使いのヨハネカインではなく、ただのヨハネカインに…」
ヨハネカインはまた涙ぐんだ。レベッカは対応に困ってぽりぽり頭を掻いた。
レ「嘘ついてはなさそうだけどよぉ、そんなこと俺達に言われても困るっつーの。
  どうするよ、みんな?ひとまず学園長のじじぃに預けるかぁ?

  まあ、とりあえず一つだけ言えることがある。ケルビムはもうお終いだ。」

79 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/15(月) 18:17:10 0
>「何がなんだかわからないが、アシストするぞ!“凍らせよ、眼前敵の脚を”!」 
>かつてリリアーナその他数名に向けてかけやがった、あまり良い思い出の無い魔法をヨハネカインに飛ばす。 
「ぐ・・・GJ」
親指を立てたものの、リリアーナの口元は心なしか引きつっていた。

思ひ出の糸車は、触れたものの記憶の欠片を周囲のものに見せる効果がある。
かくしてリリアーナ達は、ヨハネカイン少年とマリアベルの在りし日の思い出を覗く事になる。

マリアベルが求め続けた死の克服。
その根底にあったものが、母への愛だったことを知るものは少ない。

そしてさすがのリリアーナも気づいた。
先程の発言が、ヨハネカインの過去の傷を正確にえぐった事も。
ギルハートがマリアベルと去った事を知ったときの絶望感も、想像するに余りあるものだった。
(でも、同情なんてしない)
リリアーナはぎゅっと拳を握り締めた。
ロクーの言葉、彼の記憶、そして、死に様が鮮やかに脳裏に蘇る。
(ヨハネカインだって、マリアベルと同じじゃない。
 自分の望みを叶えるために、他人に自分が受けた以上の苦しみを負わせてるもの!)

>「この氷柱でヨハネカインを覆ってしまえば彼に太陽の光は当たらなくなり 
> ヨハネカインの影は生まれなくなるはずですわ (略)
> そうすればヨハネカインはただのお医者様ですわ」 
リリアーナは我に返った。ヨハネカインの思い出の中から戻ってきたのだ。
フリージアの作戦に、ぱちぱち拍手をするリリアーナ。
>「完全に隙間無く埋めてしまわないと不安だけど・・・・・」 
ふっと日差しが遮られた。
「よかった、雲が出てきたみたい。いい感じで日陰になってるよ!」
それはギズモのおかげなのだが、鈍いリリアーナは全然気づいていないようだ。

>「魔法も使えない身で魔法使いに刃向かうとは、何という不敬。 
> もはやこれ以上の会話も不要でしょう。 
> この男は、自分で自分の死刑執行令状にサインしたも同然です」 
そういってターロンは白い呪札を作り出し、柱の隙間からヨハネカインの首に貼り付けた。
「そういう考え方自体がダメだって言ってるでしょー!!レベッカさんも何とか言ってやって!!」
リリアーナが怒ったが、ターロンは無視した。
レヘ「おん?俺の命令で動かせるのか?」 
「だめよそんなの!今ここでヨハネカインが死んだら、今度はケルビムと魔法界の全面戦争になっちゃう!」
フリージアは、悪事を白状させた方がいいと意見している。
「それ、それがいいわ!」
>「俺はヨハネカインを殺したいだなんて思ってねーよ。 
> 仮にも命の恩人なんだぜ、俺の。奴に同情の余地はねぇかもしれねぇけどよぉ。 
> 殺すってのは後味が悪すぎるぜぇ〜。」 
レベッカは、本人が悪事と思っていないことを白状させるのは難しいといった。
>「素直に“人を殺したことがあるか?”って聞いたら、間違いなく“YES”なんだろうけどよぉ。」 
「殺人は立派に悪い事だよ。そりゃ状況にもよるだろうけど、理想を盾に正当化してほしくない」
レベッカの気持ちも知らず、リリアーナはそう断じた。

みなそれぞれ意見を出し合っているが、どうもヨハネカインに対して効果的な呪いは思いつかないらしい。
「うーん、八方手詰まりかあ・・・・・・」

80 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/15(月) 18:19:47 0
>「おい、フリージア!どうなってんだ!?」 
>ヨハネカインの前にあった氷柱の一本が砕かれ、彼の姿が見えるようになったからだ。 
「大変!桜花さん危ないわ、下がって」
リリアーナは具合の悪そうな桜花の腕を引いた。
「何で?どうやってヘブンスマイルを?!」
ヴ「…あ、ども」 
>敵だというのになぜか挨拶をしてしまうヴァンエレン。 
>「ばかー!!何のんきに挨拶してるのよー!戦わないなら逃げるのよ!逃げるのー!!」

だが現れたヨハネカインは、争う気は無いと言った。
戸惑う一同に向かい、穏やかな声で話し掛けている。
>「私の負けだ。“観念”するよ。君達に危害を加えないし、この島からも出ようとしない。 
> …ところで、君の名前は何て言うんだ?」 
「え?あの、私はリr」
>「こいつはピリアーナだ。」 
「ピ、ピリアーナです」
偽名を使う事に何か理由がある、そう感じたリリアーナは、レベッカの嘘に乗った。
>「ピリアーナ、君が言ったことはだいたい真実だ。 (略)
> 私がケルビムを創設したのは他でもない、我々のこの他愛の無い“兄弟喧嘩”のためにあったのだと… 
> 今にして考えれば、そう感じる。」
作り笑顔を貼り付けたリリアーナの額に、ぴしっと青筋が浮いた。

>「だが、いつしかマリアベルの足跡が途絶えてしまった。 (略)
> でなければ、マリアベルの秘密を知っている君が生きているはずがないのだから。 
> だから私は悲しんだのだ。生きるための一つの生きがいを永遠に失ったのだから。 

リリアーナは俯いた。
だか彼女のまとう雰囲気がぴりぴりしたものに変わっていくのに、果たしてヨハネカインは気づいているだろうか?
>「マリアベルが死んだ今となっては、ケルビムは私にとって何の価値も無いものになった。 
> 私はただの医者に戻る時が来たのだ。 
> 魔法使いに対抗しうる非魔法使いのヨハネカインではなく、ただのヨハネカインに…」 
>ヨハネカインはまた涙ぐんだ。レベッカは対応に困ってぽりぽり頭を掻いた。 
「ふ・・・・・・・」
>「嘘ついてはなさそうだけどよぉ、そんなこと俺達に言われても困るっつーの。 
> どうするよ、みんな?ひとまず学園長のじじぃに預けるかぁ? 
> まあ、とりあえず一つだけ言えることがある。ケルビムはもうお終いだ。」 
「ふざけないでよこの大馬鹿ヤロ――――!!」
リリアーナはそう叫ぶと、ヨハネカインに向かって氷の欠片をぶつけ始めた。
恐ろしいヘブンスマイルがいようがお構い無しである。
「だからって、何が良い青春時代よ!何が奇妙な友情関係よ!!
 いい思い出だぁ?ただの兄弟喧嘩だったんなら、1対1で勝負でも何でもすればよかったのよ!
 どれだけの人を巻き込んで、どれだけの人を傷つけておいて!馬鹿も休み休み言いなさいよね!」
投げるものが無くなったリリアーナは、今度はぐっと拳を握った。
恐ろしいヘブンスマイルがいるのもお構い無しである。
止めなければ本当に殴りかかろうとするだろう。

「そうよ、確かにマリアベルは滅びた。あなたの父親も一緒にね。
 でも・・・・・・マリアベルが死んだら、もうケルビムにはもう価値が無いですって?
 じゃあ、死をも恐れずあなたの命令を守ろうとしたロクー達はどうなるの!無意味だって言うの?」
リリアーナは自分でも支離滅裂なことを言っていると思ったが、止まらなかった。
「魔法使いに不満を持つ不穏分子をさんざん煽っておいて、自分だけただの医者に戻る?
 人を殺して、傷つけて、扇動して!ただの医者に戻ったら、自分の罪が全部消えるとでも思ってるの?
 扇動した人達をそのままにして逃げるつもり?
 何もかも投げ出すのなら、あなたは死んだマリアベル以下だわ!
 いい大人なら、自分がしでかした事の責任きっちり取りなさいよ!」

81 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/15(月) 18:26:09 0
リリアーナはぜいぜいと肩で息をしていたが、ふと表情を緩めた。
「私はご覧のとおり「スクイブ」だけど、今、魔法使いとお付き合いしてるの。
 彼はね、将来立派なオーラー(闇払い)になるのが夢なんだって」
話の飛躍に周囲は戸惑ったようだが、リリアーナだけは大真面目だ。
「皆変わっていくわ。彼も、ロクーも、ケルビムも。
 ヨハネカイン博士、あなたの言うケルビムだってそれほど巨大な組織なら、もっと違う何かが出来るんじゃないの?」
リリアーナはちらっとグレイブ達を見た。
「謂れの無い差別に苦しんでるのは、何もスクイブだけじゃないでしょう」

82 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:14:26 0
>71-73 >75-81
>「何がなんだかわからないが、アシストするぞ!“凍らせよ、眼前敵の脚を”!」
「ナイスアシストグレイブ!」
見事にグレイブの魔法はヨハネカインの足を凍らせ、そこにリリアーナの糸が命中する。
ロクーの時と違って過去は見えなかったけど、ヨハネカインは動きを止めた。
>「せぇの!フリージングタワー!!」
さらにフリージアが漆黒の氷柱を周囲に立てて、ヨハネカイン封じ込めは完璧だ。
…てか、フリージアの頭がいつの間にか縦ロールに戻ってるぞ。
そんなすぐに髪型って変えられるか?あの髪って形状記憶機能でもあるの?

>「おん?俺の命令で動かせるのか?」
>>「今はレベッカ様の命令は、私の命令も同然でございます。
>> ささ、速くあの男に引導をお渡しください」
>「だめよそんなの!今ここでヨハネカインが死んだら、今度はケルビムと魔法界の全面戦争になっちゃう!」
いつの間に合流していたんだろうか、ターロンとレベッカが近くに来ていた。
随分回復してきたらしきレベッカに、ターロンはヨハネカインを早く始末しろと急かしている。
でも、封じ込めてる相手をいきなり殺すってのもどうだろ?
同族嫌悪って言うし、ターロンはヨハネカインが嫌いなのかも。

>「ここはひとつ人を傷つけたり殺したりした時、同じ痛みが自分にも帰ってくるような呪いでもあれば楽ですのに」
「それだ!」
あたしも殺すのは反対だから、フリージアのアイデアに飛びついたものの。
>「楽かもなぁ。こいつが他人を使って殺しをしなけりゃよぉ。」
「…ロクーの事があるから無理か…」
レベッカの一言で無理があることがわかりました。
>「うーん、八方手詰まりかあ・・・・・・」
「んー…やっぱ後は先生たちに任せるしかないか…」
もちろんアホ姉以外のまともな先生に。だけど。

突然、例の甲高い笑い声が氷の中から聞こえてきて、あたしはぎょっとした。
これってヘブンスマイルが出てきた時の声じゃないか!
なんで黒い氷の壁に囲まれた暗闇の中で、自分の影が呼べるんだ!
>「おい、フリージア!どうなってんだ!?」(中略)
> じゃあ、あの笑い声は何なんだぁ!?」
「ターロンがお札を入れた隙間から光が入ってたんじゃないの!?
 とにかく全員再警戒でよろしく!」
柱の一本が砕かれて、柱に囲まれて見えなかった、ヨハネカインの姿が見えるようになる。
ライターの火を片手にかざした、その姿が。

>Y「私はタバコは吸わない。体に悪いからな。
>  だが、ライターはいつも持ち歩いている。こういう時に便利だからな。」
…さすが悪人は用心深いな、次は氷漬け決定だ。
と、そう思ったけど、ヨハネカイン博士は戦う様子を見せなかった。
>「私の負けだ。“観念”するよ。君達に危害を加えないし、この島からも出ようとしない。
> …ところで、君の名前は何て言うんだ?」
>レ「こいつはピリアーナだ。」
観念?なんで急に?
怪しい…なにしろ長い間真っ当な医者のふりをしてた相手だもんな…
こっちも用心に用心を重ねて相手しないと…


83 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/17(水) 15:15:58 0
疑惑の眼差しを向けるあたしに構わず、ヨハネカインはリリアーナに話し始める。
自分が泣いた理由と、ケルビムを作った理由を。

> だが、それはそれで何と言うか…良い青春時代だった。
> いつしか我々には奇妙な友情関係ができあがっていた。
「は?」
最初っから疑う気全開だったあたしは、奇妙な単語を聞いて思わず耳を疑った。
良い青春時代?奇妙な友情関係?
> 私がケルビムを創設したのは他でもない、我々のこの他愛の無い“兄弟喧嘩”のためにあったのだと…
>  今にして考えれば、そう感じる。
他愛の無い?兄弟喧嘩!?

>レ「嘘ついてはなさそうだけどよぉ、そんなこと俺達に言われても困るっつーの。(中略)
>  まあ、とりあえず一つだけ言えることがある。ケルビムはもうお終いだ。」
ふっ…ふ、ふ…
>「ふざけないでよこの大馬鹿ヤロ????!!」
ふざけんな!と叫んでやろうとした所で、あたしより先にリリアーナが爆発した。
氷の破片をヨハネカインに向かって次々投げつけ、さらに直接殴りかかろうとする。
「ちょっと待ってリリアーナ!近寄るのは危ないって!」
慌ててあたしはリリアーナに抱きついて引き止める。
レベッカの嘘はないという見立てに間違いは無いだろうけど、不用意に近づくのはマズい。

>「そうよ、確かにマリアベルは滅びた。あなたの父親も一緒にね。(中略)
> いい大人なら、自分がしでかした事の責任きっちり取りなさいよ!」
体は止めても、リリアーナの口は止まらなかった。
そっちはあたしも止める気はない。
あたしも大体同じように感じてるんだから。

>「私はご覧のとおり「スクイブ」だけど、今、魔法使いとお付き合いしてるの。
> 彼はね、将来立派なオーラー(闇払い)になるのが夢なんだって」
急にリリアーナが、話題を大きく変えた。
人は変わる。ケルビムもヨハネカインも、変われるはずだ。と。
…あたしの考えは、リリアーナとは少し違う。
「違うよリリアーナ…ケルビムが変わる必要なんて無い。
 魔法使いに対抗する非魔法使いのヨハネカインが終わるなら。
 レベッカが言うように、秘密結社ケルビムも終わらせなきゃ。
 今日。今すぐ。この場所で」

ケルビムはすぐには終わらないだろう。
走っている物が大きければ大きいほど、すぐには止まれないものだから。
でも。頭を失った虫がいつかは死ぬように。頭を失った組織も長くは続かない。

「兄弟喧嘩が終わったら、後は喧嘩中にしでかした事の後始末をする時間だよ。
 ケルビムと自分がしてきた事を隠さず公表して、良い事と悪い事の清算を。
 ケルビムが暴走するようなら、きっちりと自分の手で幕引きを。
 それが出来ないなら、あんたも自分を差別した魔法使いたちと一緒だよ。
 …生きるための生きがいを失ったって泣いてたけど、泣く必要なんかちっとも無い。
 あたしの呪いを簡単に解いて、レベッカの魂を体に戻したように、博士には他の人を助ける技術があるんだから。
 自分にしか助けられない人を助けて、その人の終わるはずだった人生の続きを見て。
 それって最高の生きがいなんじゃないの?」

84 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/17(水) 19:39:06 0
>80>81>83
> 「ふざけないでよこの大馬鹿ヤロ――――!!」
> リリアーナはそう叫ぶと、ヨハネカインに向かって氷の欠片をぶつけ始めた。
> 「ちょっと待ってリリアーナ!近寄るのは危ないって!」
とミルク。
レ「どーどー。」
とレベッカ。二人がかりでリリアーナを止めにかかった。
ヨハネカインはヘブンスマイルも出さず、ノーガードでそれらを受け止めた。
ショックを受けたような顔をしているのは、氷が頭にぶつかったことだけが理由ではないはずだ。
彼は黙って、リリアーナの言葉に耳を傾けた。
> 「魔法使いに不満を持つ不穏分子をさんざん煽っておいて、自分だけただの医者に戻る?
>  人を殺して、傷つけて、扇動して!ただの医者に戻ったら、自分の罪が全部消えるとでも思ってるの?
>  扇動した人達をそのままにして逃げるつもり?
>  何もかも投げ出すのなら、あなたは死んだマリアベル以下だわ!
>  いい大人なら、自分がしでかした事の責任きっちり取りなさいよ!」
そしてリリアーナは続けた。人は変わる事ができる。
ケルビムにはより大きな善のために活動できる可能性があるのではないか、と。
「確かに、ロクーや他のメンバーにはずいぶんと助けられた。彼らの心を裏切るのは、私もつらい。」
ヨハネカインの頭から、たらりと血が流れた。おそらく、さっきリリアーナが投げた氷の破片だろう。
ヨハネカインもそれに気づき、つぶやいた。
「この痛み…この血は罰として甘んじて受け入れよう。
 ケルビムを投げ捨てようとした、弱い自分の心への戒めとして。」

> 「違うよリリアーナ…ケルビムが変わる必要なんて無い。
>  魔法使いに対抗する非魔法使いのヨハネカインが終わるなら。
>  レベッカが言うように、秘密結社ケルビムも終わらせなきゃ。
>  今日。今すぐ。この場所で」
ミルクはリリアーナとは少し違う意見を持っていた。
> 「兄弟喧嘩が終わったら、後は喧嘩中にしでかした事の後始末をする時間だよ。
>  ケルビムと自分がしてきた事を隠さず公表して、良い事と悪い事の清算を。
>  ケルビムが暴走するようなら、きっちりと自分の手で幕引きを。
>  それが出来ないなら、あんたも自分を差別した魔法使いたちと一緒だよ。
>  …生きるための生きがいを失ったって泣いてたけど、泣く必要なんかちっとも無い。
>  あたしの呪いを簡単に解いて、レベッカの魂を体に戻したように、博士には他の人を助ける技術があるんだから。
>  自分にしか助けられない人を助けて、その人の終わるはずだった人生の続きを見て。
>  それって最高の生きがいなんじゃないの?」
ヨハネカインが何か言おうとしたが、それをレベッカが遮った。
レ「おめーらの意見はよぉ、とりあえずヨハネカインにケルビムに戻れってとこだけは共通してるみてぇだがよぉ。」

85 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/17(水) 19:45:39 0
レ「俺は反対だね。悪いと思ったことはよぉ、さっさとやめるもんだぜ。
  だいたいだな、こいつがケルビムなんてでかい組織のトップなのがそもそも問題なんだ。
  今こそヨハネカインはいいように俺達の言葉に頷いてるが、
  ケルビムに帰ったらそんなことケロっと忘れるかもしんねぇぞ。
  だいたい、考えても見ろよ。ヨハネカインがケルビムの方向性を変えても、
  ケルビムの悪事をここで白状させても、きっと熱狂的な信者は俺達を攻撃してくるぜぇ?
  中つ国でも、皇帝がスズメを害鳥だと言っただけで、命令もしないのに各地でスズメ狩りが始まるんだ。
  こいつの場合だって、きっと同じさ。俺達のためにもよぉ、ケルビムに戻さねぇ方がいい。」
「昔の君とは違う。」
レ「………ああ?」
ヨハネカインにそう言われたレベッカの顔に青筋が浮いた。
「私は自分の責任を放棄しない。ケルビムには戻らなければならない。」
レ「てめぇが俺の過去の何を…」
知ってるんだ!?と言いかけて、レベッカの顔が青くなった。
レ「(そうだ。知らねぇはずが無かった。ケルビムの存在理由を考えれば…)」

「君のことは知っている。レベッカという名前を名乗っているが、その正体はファン・メイテン。
 140年前、中つ国の独裁魔法使い達をハニートラップで殺害した妖怪だ。
 私は君を非難しようとは思わない。過去の資料を調べるかぎり、殺されて当然の連中、歴史の必然だ。
 そして、君が皇帝の寵愛を受けるために行った“いかなる行為”も、
 より大きな善のために必要だったと思っている。
 君はすごく私に似ているんだ。
 だが、君が失敗したのは皇后の地位を投げ出したことだ。」
ヨハネカインはミルクに言った。
「ケルビムを終わらせるわけにはいかない。魔法しか学んでいないのならわかりかねるかもしれないが、
 ケルビムは世界に与えている影響が大きすぎる。ケルビムが今失われれば、政治も経済も混乱する。
 そうすれば、それこそ多くの無辜の民を苦しめることになるだろう。
 例え君達の価値観からしてケルビムが悪であろうとも、悪には悪の正義があるのだ。
 だが、その正義には私個人の感情からくる偏りがあった。それは修正することを約束しよう。」
レ「いいや、違うね。なぜならてめぇはここで死ぬからだ。」
レベッカがヨハネカインを指さした。
レ「ターロン、ヨハネカインにヘブンスマイルを出させろ。そしてこいつの首をはねちまえ。」
けたたましい笑い声とともに出現するトップ・オブ・ザ・ワールド。
しかし、それは今はヨハネカインの味方ではない。放っておけば、ヨハネカインは死ぬだろう。
「正気か君は!?何故だ!?私は君を治療したのに!?」
レ「うるせぇなぁ。てめぇの命だけは助けてやるつもりだったんだよ。俺の過去をほじくり返さなきゃよぉ!」
ターロンにもし使い魔としての繋がりが感じられるなら、レベッカがプッツンしていることがわかるだろう。
そして、おそらくは考えられないことだが、もしもリリアーナが今思ひ出の糸車をレベッカに使ったら、
少女の首を絞め殺す、妖怪らしい獰猛さをもったレベッカを見ることができるだろう。

86 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/17(水) 22:24:31 P
>78-85
ヨハネカインはマリアベルが居なくなったと知った事により敵意を失った
彼はマリアベルとの戦いを生甲斐にしていたのだ
それが無くなってしまえばもはや生きている意味さえも無いのだろう

>「謂れの無い差別に苦しんでるのは、何もスクイブだけじゃないでしょう」
「私たち魔法使いだって魔法が一般的じゃない地域じゃ化け物扱いですわ
 単なる技術だって説明しても納得してもらえないし・・・・
 魔導式活版印刷機でも蒸気式活版印刷機でも得られる結果が同じなら魔法でも科学でも大した違いは無いじゃありませんの
 それを魔力で動く機械なんてわけのわからないものは信用なら無いとか冗談じゃありませんわ」
と印刷機械の営業マンのようなことを言い出すフリージアさん
いったいフリージアさんに何があったのだろうか?
それは誰も知らない・・・私すらも知らない
っていうか活版印刷あったのかよ

>「自分にしか助けられない人を助けて、その人の終わるはずだった人生の続きを見て。
 それって最高の生きがいなんじゃないの?」

「悪の魔王を勇者が倒して世界が平和になりました。めでたし、めでたし
 で終わるほど世の中は簡単じゃありませんのよね、残念ながら」
何でもかんでも暴力で決着が着くのなら喜んでヨハネカインをぶちのめすであろうフリージアさん
だがそんなことをしてもケルビムという組織は消えないのである
「勇者が魔王を殺しても勇者の人生は続くわけだしねv」
とギズモきゅん
いったいヨハネカインはマリアベルを倒した後、どうやって生きていくつもりだったんだろうか?
必要が無くなったケルビムをどうするつもりだったのだろうか?

レベッカの過去について何か知っているようなそぶりを見せるヨハネカイン
だがそれはレベッカの逆鱗を触る結果となった
>「ターロン、ヨハネカインにヘブンスマイルを出させろ。そしてこいつの首をはねちまえ。」

「ちょっと!斬首なんてしたら返り血がついちゃうじゃありませんの!この服借り物なんですからね!!
 殺るなら血が出ない方法にしなさいな!!
 不味いですわ・・・・ギズモちゃん!ヨハネカインさんの影を奪っておしまいなさい!!
 確か悪魔との契約の第二段階で影を奪えるって言っていたでしょ!!」
とギズモに命令をするフリージア
「無理だよ!契約者でもない者の影を奪うなんて悪魔でも出来ないよ!
 契約者であるお母さんの影ならいつだって奪えるけどさ」
とさらりと恐ろしいことを言うギズモ

「まあでもヨハネカインさんが死んだ後、偽者のヨハネカインさんを送り込めばケルビム丸ごと自分の物に出来ますわね
 何か聞かれたら記憶喪失になったって誤魔化せばいいんだし
 ターロンさん変身魔法に自身はあって?」
止めるのが無理であるとあきらめて自暴自棄になるフリージアさん
「死んだヨハネカインはメイレンさんが食べちゃえば証拠隠滅にもなるしねv」
とこっちも完全にあきらめているギズモ
多分これを止められるとしたらメイレンぐらいではなかろうか?

87 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/18(木) 20:09:32 0
>82-86
Yo「確かに、ロクーや他のメンバーにはずいぶんと助けられた。彼らの心を裏切るのは、私もつらい。」 
フリージアは遠い目で、魔法が一般的でない地域では魔法使いも化け物扱いだと語ってくれた。
彼女の出身国は広大だ、もしかしたら武者修行(?)の途中何かあったのかもしれない。

>ヨハネカインの頭から、たらりと血が流れた。おそらく、さっきリリアーナが投げた氷の破片だろう。 
リリアーナがはっと息を呑んだ。ヨハネカインもそれに気づき、つぶやいた。 
>「この痛み…この血は罰として甘んじて受け入れよう。 
> ケルビムを投げ捨てようとした、弱い自分の心への戒めとして。」 
胸のうちで暴れていた激情が過ぎると、残ったのは憤りと、憐憫と、僅かな後悔だった。
頭の中がぐちゃぐちゃで、言葉が浮かばない。

>「違うよリリアーナ…ケルビムが変わる必要なんて無い。 
> 魔法使いに対抗する非魔法使いのヨハネカインが終わるなら。 
> レベッカが言うように、秘密結社ケルビムも終わらせなきゃ。 
> 今日。今すぐ。この場所で」 
ミルクの意見もフリージアのそれも、もっともな話だった。
いつのまにか現れたギズモが記録石を使っているが、気のきいた言葉すら出てこない。
何より、いま口を開いたら、泣いてしまいそうだった。

>「おめーらの意見はよぉ、とりあえずヨハネカインにケルビムに戻れってとこだけは共通してるみてぇだがよぉ。」 
>「俺は反対だね。悪いと思ったことはよぉ、さっさとやめるもんだぜ。 (略)
>  こいつの場合だって、きっと同じさ。俺達のためにもよぉ、ケルビムに戻さねぇ方がいい。」 
「永遠の命の価値は薄れても、ヨハネカインの教えだけは生き続ける、・・・・・・ってこと?」
>「昔の君とは違う。」 
ヨハネカインはレベッカに対し、自分はケルビムに対する責任を放棄しないと言い放った。
まるで彼の口ぶりでは、レベッカが何かの責任を放棄したと言わんばかりだった。
レベッカの顔色が変わる。彼女の手が離れ、リリアーナは自由になった。

Yo「ケルビムを終わらせるわけにはいかない。魔法しか学んでいないのならわかりかねるかもしれないが、 
 ケルビムは世界に与えている影響が大きすぎる。ケルビムが今失われれば、政治も経済も混乱する。 (略)
 だが、その正義には私個人の感情からくる偏りがあった。それは修正することを約束しよう。」 
「その言葉、もう一度学園長の前で誓ってもらうかr」
>「いいや、違うね。なぜならてめぇはここで死ぬからだ。」 
えっ、と驚くリリアーナをよそに、レベッカがヨハネカインを指さした。 
>「ターロン、ヨハネカインにヘブンスマイルを出させろ。そしてこいつの首をはねちまえ。」 
>けたたましい笑い声とともに出現するトップ・オブ・ザ・ワールド。 
「え。ちょ、ちょっとぉ?!」
Yo「正気か君は!?何故だ!?私は君を治療したのに!?」 
>「うるせぇなぁ。てめぇの命だけは助けてやるつもりだったんだよ。俺の過去をほじくり返さなきゃよぉ!」 
>「ちょっと!斬首なんてしたら返り血がついちゃうじゃありませんの!この服借り物なんですからね!! 
> 殺るなら血が出ない方法にしなさいな!! 
「えー!!返り血がどうのっていう以前の問題だよー!グレイブー!何とか止めてー!!」
>「不味いですわ・・・・ギズモちゃん!ヨハネカインさんの影を奪っておしまいなさい!! 
> 確か悪魔との契約の第二段階で影を奪えるって言っていたでしょ!!」 
>「無理だよ!契約者でもない者の影を奪うなんて悪魔でも出来ないよ! (略)」
「っていうかそういう問題じゃないし!っていうか、こんな状態でも撮影するのやーめーてー」
慌てふためくリリアーナに対し、ギズモはあくまでマイペースだ。
だがどうひいき目にこの映像をみても、リリアーナ達のほうが悪役としか思えない。

「オウカさん、例の不思議な魔法でターロンのお札をひっ剥がせない?・・・・・・って、やっぱり無理だよね」
体調最悪な桜花に、負担の大きな時空魔法を強いるのは酷な願いかもしれない。
「グレイブ、ううん、誰でもいい!誰か、何とかしてヨハネカインを気絶させて!
 術者のヨハネカインが意識を失えば、きっとヘブンスマイルは消滅するわ!多分だけど!!」

88 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/18(木) 20:12:43 0

フリージアが、ヨハネカインが死んだらターロンが身代わりになればいい、と自分の考えを述べた。
「若くない!ヨハネカインは若い男じゃないないから!!」
ギズモの「死体はメイレンが食べれば解決!」というジョーク(?)もあわせて、本気に聞こえてしまうから洒落にならない。
「っていうか、あのターロンが、非魔法使いの人間相手に手加減とか容赦とかするわけ無いでしょー!!
 今は従順そうに見えるけど、本質は魔法使い至上主義で危険な妖怪なんだから!
 こらヴァンエレン!ヨハネカインを気絶させられないなら、せめて使い魔蝙蝠飛ばして誰か呼んで来て!早く!!」
こんな騒ぎになっているのだが、ゲート付近には人影がなく人が駆けつけてくる様子も無い。
まるで、人払いの魔法でもかけてあるかのようだった。
「レベッカさん、落ち着いて、レベッカさんってば!
 今ここでヨハネカインを殺してしまうのはダメだってば!ちょっと、聞いてる?!」
リリアーナがレベッカの肩を揺さぶろうとしたが、手を払いのけられてしまった。
表面上こそ落ち着いて見えるが、どうやらヨハネカインの指摘はレベッカの逆鱗に触れたようだ。
「わーん!ミルクどうしよう!!レベッカさん暴走してるよー!!」
通常の場合、我を忘れた人間を正気に戻すには、頬を叩いたりしてショックを与えるのが一番だ。
だが、リリアーナがレベッカを叩こうとしても、多分彼女は簡単に回避するだろう。
かといって、思ひ出の糸車を使って、レベッカの過去を盗み見る気も無い。
リリアーナは糸車をポケットに押し込むなり、あさっての方向を指差し、叫んだ!
「あっ!あんなところに裸のブルースさんがっ!!」

リリアーナは一瞬の隙をつき、レベッカにタックルして押し倒した!
「レベッカさん落ち着い・・・・・〜〜〜〜〜!!」
単にショックを与えて正気に戻す作戦だったようだが、色々予定外のことが起こったようだ!

89 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/02/19(金) 00:16:30 0
>「この氷柱でヨハネカインを覆ってしまえば彼に太陽の光は当たらなくなり
> (中略)そうすればヨハネカインはただのお医者様ですわ」
>「完全に隙間無く埋めてしまわないと不安だけど・・・・・」
「……まあ、なるほどいいセンスだ」
氷漬けにしてもはや身動きすら出来ない状態の方が良いとグレイブは考えている。
が、なんにせよ攻撃手段を封じたのだ。幽体のSと共に安堵の息を吐いた。

そしてその氷柱のスキマから一枚の札が飛んでいく。
飛んできた方向はさっきまで食べられていたはずのトカゲ、もといターロン。
なにやら貼り付けた相手の行動を自由にできるのだとか。
便利だが恐ろしい。あとドイツ軍服少年には獣耳が必要だ。

ふと、けたたましい笑い声が何処かから聞こえる。
グレイブが再び振り返れば、氷柱を破壊してヨハネカインが顔を覗かせたところだった。
Y「私はタバコは吸わない。体に悪いからな。
  だが、ライターはいつも持ち歩いている。こういう時に便利だからな。」
「ほう、炎で影を作ったのか……」
そう言いつつ、グレイブは頭の中でまた魔法の構成を組み始めている。
いつでも反撃できる態勢だ……が。

>「私の負けだ。“観念”するよ。君達に危害を加えないし、この島からも出ようとしない。」
突然の敗者宣言。これにはその場の全員が多少なりとも面食らった。
そして続けるのは自身のこれまでと、学園に襲撃した闇の魔法使い・マリアベルとの関係。
>「(前略)魔法使いに対抗しうる非魔法使いのヨハネカインではなく、ただのヨハネカインに…」
「兄弟喧嘩だと……?」
そんな下らない、下らないことのために今戦っていたのかと教えられたグレイブの額には、ぴくぴくと動く青筋。
ふざけるなと叫ぼうとしたそのとき。
>「ふざけないでよこの大馬鹿ヤロ――――!!」
>リリアーナはそう叫ぶと、ヨハネカインに向かって氷の欠片をぶつけ始めた。
それだけでは飽き足らず、なんと殴りかかろうと近寄り始めた。
>「ちょっと待ってリリアーナ!近寄るのは危ないって!」
それをミルクが抱きついて止める。
勿論、グレイブは怒りをはけ口を見失った。
「……チッ!」
結果として、盛大な舌打ちだけをするに留める。

90 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/02/19(金) 00:17:11 0
>「皆変わっていくわ。彼も、ロクーも、ケルビムも。
 ヨハネカイン博士、あなたの言うケルビムだってそれほど巨大な組織なら、もっと違う何かが出来るんじゃないの?」
>リリアーナはちらっとグレイブ達を見た。
その視線の意味は3人にはわからなかったが、次の言葉で理解する。
>「謂れの無い差別に苦しんでるのは、何もスクイブだけじゃないでしょう」
【あ……そういうことかぁ】【俺らのこととか?なるほどなー】
「私たち魔法使いだって魔法が一般的じゃない地域じゃ化け物扱いですわ(後略)」
フリージアも魔法使いの差別について語る。
だが、ミルクは、ケルビムはなくなるべきだと主張。
>「(前略)レベッカが言うように、秘密結社ケルビムも終わらせなきゃ。
> 今日。今すぐ。この場所で」
その言葉を聴きつつ、グレイブもまたポツリ語り始める。
「……例えば、先天・後天、また呪い・種族、更には魔法社会・科学社会関わらず。
 人狼が差別の対象の場所なんて、探せばすぐ近くに見つかるほどに存在するな。
 それこそ中世の魔女狩り時代に匹敵するまで嫌悪している地域すらある。
 俺はリリアーナに賛成だ……そういう連中のために動く組織にするっていうのなら、俺は協力すら吝かじゃない」
【お?そんなら俺もいいと思うがなー!】【うーん……僕はまだ決められないけど、いいかもしれない】
グレイ+S・Rの二人も比較的賛成側である。

レベッカはまた違う意見を持っているらしい。
>「(前略)こいつの場合だって、きっと同じさ。俺達のためにもよぉ、ケルビムに戻さねぇ方がいい。」
>「昔の君とは違う。」
しかし、ヨハネカインが余計な一言を言い放ったせいで、一人の妖怪が怒り心頭となる。
>「ターロン、ヨハネカインにヘブンスマイルを出させろ。そしてこいつの首をはねちまえ。」
>けたたましい笑い声とともに出現するトップ・オブ・ザ・ワールド。
>「ちょっと!斬首なんてしたら返り血がついちゃうじゃありませんの!この服借り物なんですからね!!
> 殺るなら血が出ない方法にしなさいな!!
>「えー!!返り血がどうのっていう以前の問題だよー!グレイブー!何とか止めてー!!」
「無理だ」
冷静な判断こそグレイブの真骨頂だが、脳内物質の治まりと共に両腕の痛みは無視できるレベルではなくなってきた。
どうやって解決するというよりもまず痛みを和らげなければ話にならない。額に浮かぶ汗がそのことを物語る。

>「グレイブ、ううん、誰でもいい!誰か、何とかしてヨハネカインを気絶させて!
> 術者のヨハネカインが意識を失えば、きっとヘブンスマイルは消滅するわ!多分だけど!!」
その言葉を受けて痛みに耐えつつ左手を前に出す、が何を思ったかすっと降ろす。
「……まともな魔法が思いつかない。悪い、お前らの誰かがやってくれ」
グレイの魔法は割りと自由な部分もあるが、逆に制限される部分も持っている。
氷塊を作って飛ばすにしても、うまく当てられる自信が無いしそもそも当てても気絶に持っていけるかもわからない。
真上から落とそうにも、先程フリージアが作った氷柱が邪魔して当てられない。
氷槍などもってのほかである。飛ばして当てられても殺してしまっては本末転倒。
「Rが万全なら、あるいはそのヘブンスマイル自体を取り押さえられたんだろうがな……」
生憎Rの腕は妙な方向に曲がっている。
しかし幽霊に治療などどうすればいいのだろう。結果的に現在、グレイにできることはない。

91 名前:響桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/02/19(金) 00:34:11 O
>「メイレン様はもう復活なさったわ。
>  この男性を泣かせたのは、実は、わたしなのよね」
> 「この男性は、ロクーの所属していたケルビムの長、ヨハネカインなの。
> レベッカさんの治療のために2,3日後になるはずだったのに、なぜか今日来られたのよ。
> そして私達はムウ大陸で、若返りの薬に関する知識を仕入れたってことで殺されかけてるところ」

「大の男が泣き出すなんてただごとではないぞ…」
リリアーナさんから状況の説明を受ける桜花。
どうやら泣いている男はケルビムのトップでロクーの上司、ヨハネカイン博士のようだ

> 「それとメイレン様は復活なさってるわ。身体も元通りだから心配要らないわ。
>  ところで桜花さん、まだ龍の玉、もってるんだよね?
>  直に触ってないとは思うけれど、だいじょうぶ?変な影響とかは出てない?」

「そうか…メイレンさんは回復したか…それはよかった。」
メイレン復活の報を聞くと柔らかく微笑む
「あぁ…大切な物らしいからな。一応持ち歩いている。
体調不良は魔力の使いすぎのせいだとは思うが…」
大きめの巾着袋には三つの龍玉がいれられている

>「おい、フリージア!どうなってんだ!?」
>ヨハネカインの前にあった氷柱の一本が砕かれ、彼の姿が見えるようになったからだ。
>「大変!桜花さん危ないわ、下がって」
> リリアーナは具合の悪そうな桜花の腕を引いた。

フリージアたちが拘束したヨハネカイン博士が再び動き出したようだ。
リリアーナに腕を引かれ距離をとる桜花

>「私の負けだ。“観念”するよ。君達に危害を加えないし、この島からも出ようとしない。
> …ところで、君の名前は何て言うんだ?」
ヨハネカイン博士は自分に戦闘意志が無いことを伝え、自分の過去をポツリポツリと語り始めた。

>「ふざけないでよこの大馬鹿ヤロ――――!!」

ヨハネカイン博士の話を聞き終えたリリアーナはヨハネカインに対し怒り始めた。
「死人に鞭を打つような事は…うぷっ…よくない」
リリアーナを止めようと試みるが、あえなく断念し言葉で説得する

> 「正気か君は!?何故だ!?私は君を治療したのに!?」
> 「うるせぇなぁ。てめぇの命だけは助けてやるつもりだったんだよ。俺の過去をほじくり返さなきゃよぉ!」

リリアーナが落ち着いたと思ったら今度はレベッカがヨハネカインに怒りを露にした。
「貴女の過去に何があったかなんて事に興味は無いが、貴女が今やろうとしている事はよくない事だ…。
友人としてとめる義務がある。」
桜花の言葉に全く耳を貸すつもりはない様子のレベッカ。

>「オウカさん、例の不思議な魔法でターロンのお札をひっ剥がせない?・・・・・・って、やっぱり無理だよね」
「魔力は回復しているし、貴女の頼みなら…やる。
でも、時を止めるのは今日はこれで最後にさせて欲しい。」
快諾は出来ないが友人から頼まれてはやるしかない桜花
「時よ、…うぷっ…止まれ!」
時を止める桜花
ヨハネカインに近づき、その体に貼られた御札を剥がす。
「そして…時は動き出す。」
やりおえた桜花はそのまま立ち眩みをおこし、床に突っ伏してしまう。

92 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/20(土) 18:19:42 0
>>84-91
>「悪の魔王を勇者が倒して世界が平和になりました。めでたし、めでたし
> で終わるほど世の中は簡単じゃありませんのよね、残念ながら」
>「勇者が魔王を殺しても勇者の人生は続くわけだしねv」
「まあ、とりあえず冒険はめでたしなんだろうけどね…
 目標がなくなって、ついでに仕事もなくなって犯罪に走る勇者、とか嫌な事にならなきゃいいんだし」

>レ「俺は反対だね。悪いと思ったことはよぉ、さっさとやめるもんだぜ。 (中略)
>  こいつの場合だって、きっと同じさ。俺達のためにもよぉ、ケルビムに戻さねぇ方がいい。」
「んー、ま、そう言われればそんな気もするけど…
 放っておいたら、余計にケルビムが暴走するんじゃないの?」
>「昔の君とは違う。」
>レ「………ああ?」
ヨハネカイン博士をどうするかについて、あれこれ好き勝手な事言ってると。
話の主役、博士本人が何やらレベッカに語りかけた。

>「君のことは知っている。レベッカという名前を名乗っているが、その正体はファン・メイテン。 (中略)
> だが、君が失敗したのは皇后の地位を投げ出したことだ。」
どうも博士はレベッカの過去について、あたしたちの知らないことまで知っているらしい。
なんだか知らないけど、レベッカにもいろいろあったってわけね。
でもハニートラップってなによ?

>「ケルビムを終わらせるわけにはいかない。魔法しか学んでいないのならわかりかねるかもしれないが、
> ケルビムは世界に与えている影響が大きすぎる。ケルビムが今失われれば、政治も経済も混乱する。
> そうすれば、それこそ多くの無辜の民を苦しめることになるだろう。
> 例え君達の価値観からしてケルビムが悪であろうとも、悪には悪の正義があるのだ。
> だが、その正義には私個人の感情からくる偏りがあった。それは修正することを約束しよう。」
「…難しい話はともかく、とりあえず博士には学園長にあってもr」
>「その言葉、もう一度学園長の前で誓ってもらうかr」
>レ「いいや、違うね。なぜならてめぇはここで死ぬからだ。」
あたしとリリアーナの言葉は、途中でレベッカに遮られる。
おいおい。あんただろ返さない方がいいって言ったのは。

「こらレベッカ、今は冗談言ってる場合じゃ…」
>レ「ターロン、ヨハネカインにヘブンスマイルを出させろ。そしてこいつの首をはねちまえ。」
>>「仰せのままに」
ターロンの返事とともに、あの笑い声とともにトップ・オブ・ザ・ワールドが現れる。
ただ、今のトップ・オブ・ザ・ワールドはあたしたちの敵じゃない。
ヨハネカイン博士の驚きが、それを明確に物語っている。
>「正気か君は!?何故だ!?私は君を治療したのに!?」
>レ「うるせぇなぁ。てめぇの命だけは助けてやるつもりだったんだよ。俺の過去をほじくり返さなきゃよぉ!」
げげげ!なんかブチ切れちゃってるぞレベッカ!
黒歴史をばらされたのがそんなに嫌だったのか!?

93 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage 待たせてごめん…] 投稿日:2010/02/20(土) 18:22:37 0
>「ちょっと!斬首なんてしたら返り血がついちゃうじゃありませんの!この服借り物なんですからね!!
> 殺るなら血が出ない方法にしなさいな!!
> 不味いですわ・・・・ギズモちゃん!ヨハネカインさんの影を奪っておしまいなさい!!
> 確か悪魔との契約の第二段階で影を奪えるって言っていたでしょ!!」
>「無理だよ!契約者でもない者の影を奪うなんて悪魔でも出来ないよ!
> 契約者であるお母さんの影ならいつだって奪えるけどさ」
>「っていうかそういう問題じゃないし!っていうか、こんな状態でも撮影するのやーめーてー」
「そーゆー問題じゃないだろ!ギズモもさらっと怖いこと言うな!
 てか、その記録石アホ姉に渡してたやつじゃないかどこから持ってきた!?」
リリアーナと一緒にフリギズコンビに言いながら、大事なことに気付いたあたしは慌てて周りを見回した。
廊下の真ん中に植え込みがある以外、人影は見当たらない。
…よかった、話をややこしくしそうなアホ姉もユリもいないな。

>「グレイブ、ううん、誰でもいい!誰か、何とかしてヨハネカインを気絶させて!
> 術者のヨハネカインが意識を失えば、きっとヘブンスマイルは消滅するわ!多分だけど!!」
>「……まともな魔法が思いつかない。悪い、お前らの誰かがやってくれ」
リリアーナに答えるグレイブは、随分苦しそうに見えた。
やば…傷が悪化してきたのか?
「なんかすごい汗でてるよグレイブ…大丈夫なの?」
>「Rが万全なら、あるいはそのヘブンスマイル自体を取り押さえられたんだろうがな……」
あ。ヘブンスマイルは影に攻撃できるって事は、もしかして魂にダメージが通ってるのか?
だったら、グレイルかグレイズもケガしてるのかも!

>「まあでもヨハネカインさんが死んだ後、偽者のヨハネカインさんを送り込めばケルビム丸ごと自分の物に出来ますわね
> 何か聞かれたら記憶喪失になったって誤魔化せばいいんだし
> ターロンさん変身魔法に自身はあって?」
>「死んだヨハネカインはメイレンさんが食べちゃえば証拠隠滅にもなるしねv」
>>「自信があるとまでは言えませんが、学園の死霊使いの方に力を借りれば,身代わり程度は務まるでしょう」
「なんでいきなりあきらめてるんだよ!
 ターロンもバカ言ってるんじゃねー!!」
怖いよ!フリージアがどこまで本気かわからなくて怖いよ!
ターロンは本気なんだろうけどな!

>「レベッカさん、落ち着いて、レベッカさんってば!
> 今ここでヨハネカインを殺してしまうのはダメだってば!ちょっと、聞いてる?!」
リリアーナは八方手を尽くした上でレベッカを説得しようとしてるけど、その手は軽くあしらわれる。
>「わーん!ミルクどうしよう!!レベッカさん暴走してるよー!!」
「落ち着けリリアーナ!それは見ればわかるから!
 でもあたしも良い手は浮かばないよ!あればやってるし!」
リリアーナに言い返すあたしも、まともな事は言えてない気がする。
あああああ どうしてこうなったー!!!!

94 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage 長くなっちゃった] 投稿日:2010/02/20(土) 18:23:25 0
>「そして…時は動き出す。」
ばたりと音を立てて、急にヨハネカイン博士の側に桜花が倒れる。
その手に真っ白な御札を握ったままで。
>>「またあなたですか!」
博士に自決命令を出す直前に邪魔されたターロンが、忌々しげに舌打ちした。
>「あっ!あんなところに裸のブルースさんがっ!!」
>リリアーナは一瞬の隙をつき、レベッカにタックルして押し倒した!
>「レベッカさん落ち着い・・・・・?????!!」
あちらで桜花が御札を抑え、こちらではリリアーナがレベッカを抑えるのに成功している。
よっし!今だ!

「ヨハネカイン博士!そこで倒れてる桜花と、ケガしてるグレイブの治療をお願いします!
 フリージアはいざとなったら博士を氷で守ってあげて!将来はともかく、今ここで死なれちゃ困る!」
学園なんかで死なれた日にゃ、マジで国際問題ですよ国際問題。
恥ずかしい過去ばらされたレベッカの気持ちもわかるけど、乱心するなら場所考えろっての!

「レベッカ!あんたね!恥ずい過去ばらされたぐらいで何ブチ切れてるのよ!
 そんなんでブチ切れて許されるんなら、あたしなんか今までにもっと暴れまわってるっつーの!
 誰でも知られたくない過去ぐらいあるわ!
 ばらされた恨みに相手殺して過去消せるわけじゃあるまいし、甘えてんじゃねーっ!!」
思いっきりレベッカにまくし立てて、それからやっと、ようやく、あたしはリリアーナの起こしたハプニングに気付いた。
「…えーっと。ねえねえ今どんな気持ち?じゃなくて…少しは落ち着いた?」

95 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/20(土) 21:53:23 0
>88>91>94
「何が起こったかわからんが…助かったのか?私は?」
ヘブンスマイルを自由に使えない状態だったヨハネカインは、
時を止めたオウカが自分の体に張られた札を剥がした事など見えない。
「私は常に自分の未来を見て、いつも最善の状況を選択してきた。
 そして、未来が見えないことがこれほど恐ろしいとはな。
 君はこのヨハネカインに、ヘブンスマイルを発現して以来始めて恐怖を与えたぞ。
 いや、だからどうだというわけではないのだが。」
その恐怖の女レベッカは鼻を押さえてもんどりうっていた。
「鼻が〜!?俺の鼻が〜!?」
レベッカを止めるべくリリアーナがタックルした際、
彼女の頭がレベッカの顔にぶつかったのだ。
リリアーナの方はレベッカのおっぱいに今顔が埋もれている。

> 「ヨハネカイン博士!そこで倒れてる桜花と、ケガしてるグレイブの治療をお願いします!
>  フリージアはいざとなったら博士を氷で守ってあげて!将来はともかく、今ここで死なれちゃ困る!」
「いいだろう。」
ヨハネカインはトップ・オブ・ザ・ワールドを発現した。
それはヨハネカインの周りの氷を破壊する意味と、もう一つの意味がある。
「まずは君からだグレイブ。君の持つ霊に対して、トップ・オブ・ザ・ワールドを使って手術を行う。
 なぜなら、君の霊は君本体より深刻なダメージを受けただろうからな。
 私本体は…オウカと言ったのか?彼女の診断をする。」
ヨハネカインはオウカに近づいて手首を取った(キラヨシカゲ的な意味ではない)。
「魔力の枯渇と、時間酔い(?)のような状態だな。君はもしかして時を動かす魔法を使えるのか?
 いずれにせよ、このチョコレートを食べるといい。」
その後ろでしゃかしゃかとトップ・オブ・ザ・ワールドが動いている。
「心配は無用だ、グレイブ。トップ・オブ・ザ・ワールドの精密動作は私を上回る。すぐに楽にしてやる。」
セリフだけ聞けばグレイブを殺しにかかりそうな感じだが、そんなことはなかった。

96 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage お待たせしました。] 投稿日:2010/02/20(土) 21:55:32 0
> 「レベッカ!あんたね!恥ずい過去ばらされたぐらいで何ブチ切れてるのよ!
>  そんなんでブチ切れて許されるんなら、あたしなんか今までにもっと暴れまわってるっつーの!
>  誰でも知られたくない過去ぐらいあるわ!
>  ばらされた恨みに相手殺して過去消せるわけじゃあるまいし、甘えてんじゃねーっ!!」
レ「おん…」
レベッカは急激にテンションが落ちていた。躁鬱状態といったところか?
> 「…えーっと。ねえねえ今どんな気持ち?じゃなくて…少しは落ち着いた?」
レ「ちょっと落ち着いた。今は反省してる。」
レベッカも一緒に答えた。
レ「ぶっちゃけよぉ、ヨハネカインが言ったことが正しいと、
  心の奥の方で思っちまったからぶちきれたんだと思う。
  奴の言うとおり、似たもの同士なのさ俺達は。
  俺はヨハネカインと同じような考え方を持っている。
  より大きな善のために殺しもいとわない考え方をよぉ。
  でよぉ、もしもお前らがヨハネカインを許さないなら、俺も許されねぇよなぁ?
  俺がおめぇらに許されるなら、ヨハネカインも許すってことになるぜぇ?
  大変なジレンマだぜ、こいつはよぉ。友達だって理由で俺だけ許すのかぁ?
  でも、それじゃあ結局よぉ。利己的だよなぁ?正義じゃねぇよなぁ?どうなんだよぉ〜?」

学「ドクター・ヨハネカイン。」
学園長がこちらに歩いてきた。トップ・オブ・ザ・ワールドに破壊された両手も既に元に戻っている。
ゲートも既に封鎖された。ヨハネカインにもう逃げ道は無い。
それを全て承知の上で、ヨハネカインは学園長に言った。
「来たな。あなたが来る未来は既に見えていた。そしてあなたの次のセリフはこうだ。
 『君の身柄を拘束させてもらう。』」
学「パーシー・アイスクリームのチョコレートサンデーはいかがかね?甘いモノが嫌いでなければ?」
「何だと!?」
グレイ達の治療は既に終わっている。トップ・オブ・ザ・ワールドを自由に動かせる今、
未来は自分の手の中にある。ヨハネカインはそう思っていたのだ。驚いて当然である。
学「まあ、色々と言いたいことはあるじゃろうがの。
  一つだけ言えば、未来がわからないのも楽しいことじゃ、ということよ。では、改めて…
  君の身柄を拘束させてもらう。」
「…わかった。」
ヨハネカインは学園長に言った。
「チョコレートを食べるのは久しぶりだ。」
学園長とヨハネカインは、すぐに一緒に歩いて行くだろう。
「もう私に言うことは何も無いだろう?神聖な喜劇(ラ・ディビナ・コメディア)はもうお終いだ。」
ヨハネカインは、最後に皆に振り向いてそう言った。

97 名前:アナスタシア&ユリ ◆sto7CTKDkA [sage ミルクは明日] 投稿日:2010/02/22(月) 17:12:44 0
>75-96
「んー?なんか面倒くさい事になっちゃってるなー」
引き抜いてきた植木の影から頭を出して、ブチ切れるレベッカを眺めながら。
アナスタシアは、この先どうしたものかと考えていた。
首を突っ込んで派手に暴れる状況ではないし、他にも懸念材料があったからだ。
>>「どうしよう!助けに行った方がいいかな!?」
反対側から顔を出しているユリの言葉に、アナスタシアは首を傾げる。

「行っても良いけど、見つかったらミルクがうるさくないか?
 『何で隠れて覗いてた!』とかー、『居たなら早く助けに来やがれ!』とか。
 それに、なんだか仲間割れに近いみたいだしなー。仲裁とか苦手だし。
 ユリは友達同士のケンカとか、穏便に終わらせる自信あるか?」
>>「取りあえず喧嘩両成敗してから、お互いの言い分を聞く!」
「おまえ天才だな」
大真面目に危険な答えを出すユリに、アナスタシアはニヤニヤ笑いで答える。

「よーし。それじゃ、ケンカが長引きそうなら喧嘩両成敗作戦だぞ♪」
>>「ラジャー!!」
意見の一致を見て再び木の陰に隠れる2人。
しかし、レベッカが落ち着きを取り戻し、学園長が登場し。
結局危険な作戦が実行に移されることはなかった。

>学「ドクター・ヨハネカイン。」
>>「あっ!学園長が来たよミルクのお姉ちゃん!
>> これならもう、後は学園長にお任せで大丈夫だね!」
ユリの言葉は他力本願のようにも聞こえるが、裏を返せばそれは絶対の信頼の証でもある。

「本当にあんなじーさんに任せといて大丈夫なのかー?
 ここはやっぱり私が出て行って、喧嘩両成敗してやった方が良くないか?」
>>「絶対任せて安心確実だよ!
>> なんたって、現在サイキョーの魔法使いの1人なんだもん!」
「ふーん」
熱弁を振るうユリに気のない返事を返しながら、アナスタシアはもう一度現場を確認した。
ちょうど未来を見間違えたヨハネカインが、学園長の言葉に驚いている所だ。

「まー確かに、お姉ちゃんの出る幕はなさそーだなー。
 んじゃ、気を取り直して甘いものでも食べに行くか」
>>「あ!私も行く!
>> 『ムウ大陸探検隊生還おめでとうパーティー』まで、まだ時間あるもんね!」
「パーシー・アイスクリームのチョコレートサンデーだぞ?」
>>「パーシー・アイスクリームのチョコレートサンデーだよ!」

アナスタシアとユリは,また顔を見合わせて笑い合った。
廊下に置かれた植木は、来た時の倍の早さで後ずさりを始める。
動く木はすぐに角を曲がって、リリアーナたちの位置からは見えなくなってしまった。

98 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2010/02/23(火) 03:21:55 0
ほむ

99 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/02/23(火) 09:05:36 0
スレ立て荒しあり 念のため保守レスです。失礼しました。

100 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2010/02/23(火) 11:58:03 0
緊急保守

101 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2010/02/23(火) 12:01:01 0
補習授業が・・・・

102 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/23(火) 23:35:50 P
>91
時を止めてターロンのお札を引っぺがす桜花
だがフリージアには何も見えずにただ倒れた桜花がいつの間にかお札を持っていたようにしか見えなかった
「無茶しやがって・・・・」
とギズモきゅん

>94
倒れた桜花とグレイブの治療をヨハネカインに頼むミルク
>「フリージアはいざとなったら博士を氷で守ってあげて!将来はともかく、今ここで死なれちゃ困る!」
「仕方がありませんわねえ・・・いざとなったら絶対に解けない氷の棺桶を使ってでも守りますわ」
当然のことながら自分より上級の魔法使いの魔法の炎だと溶けます

>96
>「でも、それじゃあ結局よぉ。利己的だよなぁ?正義じゃねぇよなぁ?どうなんだよぉ〜?」
「あら?私は元から正義じゃありませんことよ」
と自分は正義の存在じゃないと言い切るフリージア
「別に利己的だっていいじゃありませんのレベッカさんだって人ですもの」
「この場合の人とは言葉を喋れる以上の知性を持った知的生命体を言います」
とギズモきゅん
「今回だって私は自分のしたいことを自分のしたいままにした
 その人が自分の大切な人だったから助けた・・・・それだけですわ」
と何処かの暗黒神及び自由神の信者のような事を言い出すフリージアさん
もしフリージアに大切な存在がいなかったとしたら立派な悪の魔法使いになっていたかもしれない
基本的にこの人外道だし

>「来たな。あなたが来る未来は既に見えていた。そしてあなたの次のセリフはこうだ。
>『君の身柄を拘束させてもらう。』」
「パーシー・アイスクリームのチョコレートサンデーはいかがかね?甘いモノが嫌いでなければ?」
>「何だと!?」
未来を見透せずに驚愕するヨハネカイン
「失敗したジョセフ?」
意味不明なことを口走るギズモ

「もう私に言うことは何も無いだろう?神聖な喜劇(ラ・ディビナ・コメディア)はもうお終いだ。」
今度こそ勘弁したのかヨハネカインはそう言って学園長と共に歩き去った
後の事は学園長に任せればいいだろう

「なにわともあれ一段落着きましたわ」
とようやく落ち付けるとほっとするフリージアさん
「次の問題はナナナさんをどうするかだよね」
とギズモきゅん
「私にいい考えがありますわよ!
 宅配便でこの本の発行元にナナナさんを送るのですわ」
と懐から月刊ムーを取り出すフリージアさん
確かにこの本を発行しているような所ならムーについても詳しいだろう
しかし本当に物とはいえ人格のある存在を宅配便で送ってしまっていいのだろうか?
「ラベルには魔道式家事用ゴーレムと書いて・・・・
 後はナナナさんを箱につめれば勝手に取りにくるはずですわ
 この本の発行元ならムーの子孫の情報も簡単に手に入るでしょうし
 ムーの遺産というのならそれこそ神様のように扱われるに決まってますわ」
だがそんな人間一人分を入れる箱を何処から調達するつもりだろう?
「氷の魔法さえ使えば簡単に箱のひとつや二つ作れますわ」
このままではナナナがクール宅急便にされてしまうだろう

「その次の問題は死王が学園長かターナー先生に渡せといってた本ですわね
 やっぱりターナー先生って・・・」
やはり彼はムーの子孫なのだろうか?


103 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage 出遅れた・・・ニアミスしたフリージア、皆、ごめん] 投稿日:2010/02/24(水) 00:25:45 0
期せずしてレベッカは、リリアーナの頭突きを食らってしまった。
だが、その張本人であるリリアーナも、今、大変苦しい(?!)立場に立たされていた。
>「鼻が〜!?俺の鼻が〜!?」 
「むがむがむが!!むー!!」
鼻を押さえているレベッカの腕が邪魔になり、おっぱいから顔をあげる事が出来ないのだ!
このまでは息が出来ず窒息死するだろう。

ギブギブギブ!と地面を叩いていたリリアーナの手が痙攣し、ぱたりと地面に落ちた。
ざんねん!リリアーナの ぼうけんは、ここで おわってし

>「…えーっと。ねえねえ今どんな気持ち?じゃなくて…少しは落ち着いた?」 
>「ちょっと落ち着いた。今は反省してる。」 
「し、死ぬかと思った・・・・・・。
うっかり胸上死ならぬ窒息死しかけたリリアーナだったが、今はレベッカの横で息を整えている。
「ちょっとギズモ、どーして助けてくれはかったのよー!ひどいじゃない!!」
とんだ八つ当たりである。
幸か不幸か、桜花とグレイ達の治療はとっくに終わっていた。
(もしも治療中動けていたら、絶対ヨハネカインの邪魔をしていただろう)

「え――――っ!!ヨハネカインが治療を?本当にっ?!」
事情を知ったリリアーナはたいそう驚いた。
『桜花さんにグレイ達、身体の方は本当にだいじょうぶ、なの?』
どうやらヨハネカインは、きちんと治療を施してくれたようだ。
―――― リリアーナのヨハネカインに向ける目が、ほんの少し変化した瞬間だった。

>レベッカは急激にテンションが落ちていた。躁鬱状態といったところか? 
>「ぶっちゃけよぉ、ヨハネカインが言ったことが正しいと、 
> 心の奥の方で思っちまったからぶちきれたんだと思う。 (略)
  でよぉ、もしもお前らがヨハネカインを許さないなら、俺も許されねぇよなぁ? 
  俺がおめぇらに許されるなら、ヨハネカインも許すってことになるぜぇ? (略)」 
>「あら?私は元から正義じゃありませんことよ」 
「えええ!!愛と正義が友達じゃなかったの?!」
どうやらリリアーナビジョンでは、フリージアはそういう風に見えているようだ。
>「別に利己的だっていいじゃありませんのレベッカさんだって人ですもの」 
>「この場合の人とは言葉を喋れる以上の知性を持った知的生命体を言います」 

リリアーナはうーん、となにやら考え込んでいたようだが、やがてお手上げだ、と言わんばかりに首を振った。
そしてレベッカの顔をじっと見つめた後、おもむろに彼女の身体に手を回し、揉みしだきはじめる!
どこかって?もちろんそれは――――
「ほら、やーっぱり肩に変な力入ってる」
リリアーナはレベッカの背後にぴったり寄り添うと、彼女のコリをほぐし始めた。
「思うにレベッカさんはさ、きっと、ヨハネカインの事を正しいだなんて思ってないんだよ。
 だってそうでしょ?正しいと感じてるのなら、なんで罪悪感を覚える?怒る必要があるの?
 むしろ、少ない犠牲で目的を果たせた事を誇るべきなんじゃない?」

104 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/02/24(水) 00:27:34 0
「私は難しい事わからないんだけどね、もっとさ、こう・・・・・・肩の力抜こうよ。
 私はヨハネカインに怒ったり、哀れんだりする事は出来るけど、彼を裁く事も、許す事も出来ない。
 だって私は当事者じゃないし、彼は自分の行動を全く恥じてない。悪だとすら感じてないから。
 本人がさ、心から悪かったと悔い改めないと、罪が許される事もありえないと思うのよね。
 ・・・・・・・あ、こういう物事の善悪って、時代と主に変化するからあてにならない・・・・・・んだったっけ?あはは」
リリアーナはぽりぽりと頬を人差し指で掻いた。
「レベッカさんの言うように、私は当事者じゃないし、事件のこと、殆ど何も知らないんだよね。
 だから本当の意味で、レベッカさんの罪自体を帳消しにする事も、許す事も出来ない。

 ・・・・・・だけどね、私、「俺がこの国の母になってやんよ。」 って言ったレベッカさんの事、好きだよ。
 自分も大変だったのに、それでも誰かのために何かしたいって思える・・・・・・そういう所、いとおしくて・・・・・・誇らしい。
 ――――ああ、ぜんっぜん上手くいえないや、ごめんねっ!!」
はい、終わり!とばかりにリリアーナは、レベッカの両肩を元気よく叩いた。
「それとね、もしまたレベッカさんが「正しくないと思ってる事」をしようとしたら、今度からは私が絶対止めに行くよ。力になるよ!
 私にはたいした力も持ってないけど・・・・・・1人じゃダメでも2人ならきっと出来ること、きっとあるもの。
 完璧でなくていいじゃない!だって、そういうの補い合うのが「友達」でしょ?」

ヴァンエレンが無事学園長を連れてもどってきた。
「やるじゃないヴァンエレンー!!ご褒美に、今度ロッ・・・ロゼッタと献血行くからね!!」
吸血鬼の首に手を回し、ぐりぐり頭を背中に押し付けるリリアーナ。
本人は女の子同士のじゃれ合いのつもり・・・・・らしいのだが、吸血鬼本来の性別を忘れいてる気がしてならない。

>「もう私に言うことは何も無いだろう?神聖な喜劇(ラ・ディビナ・コメディア)はもうお終いだ。」 
リリアーナは吸血鬼から手を離すと、この場に似つかわしくないほど緊張した面持ちになった。
「ヨハネカイン博士」
そして今度は、ロックが潜んでいる草陰に向かって
「ロゼッタ、怪我人を運ぶの手伝って」と呼びかけた。
(別の場所の茂みも不自然に揺れていた気もするが、リリアーナは気づかなかったようだ)

リリアーナはすうと息を吸い込むと、薄く笑みを浮かべた。
「私達は、あなたの事をずっと見ています。
 願わくば私も彼も、二度とあなたにあわずに済むよう・・・・・・心から、祈っています」
リリアーナはぎこちなくヨハネカインに手を振った。
「さようなら。よき旅路を」

>「なにがともあれ一段落着きましたわ」 
「うん!」
>「次の問題はナナナさんをどうするかだよね」 
「うーん。でもさ、とりあえず場所を変えない?
 桜花さんにグレイブ、どこかに座って休む?それとも保健室に行く?」
桜花達の返答次第で、行き先が変わるだろう。
「桜花さんごめんね、倒れるまで力使わせてたなんて・・・・・私、そういう魔法には疎くて。
 本当にごめんね。もう歩けるかな?」
リリアーナは桜花に肩を貸そうとした。

「ロゼッタとヴァンエレンも、グレイブの腕に負担かけないように手を貸してあげてね。
 あ、ロゼッタはもう変装解いて大丈夫じゃないかな?
 うーん、でも結構可愛いのになー。残念かも」
どうやらリリアーナの目は節穴のようだ。
「あ、グレイブ、もしかして、例の彼女に今の状態見られたら大変だと思ってる?
 大丈夫よ、大丈夫。たとえ誤解されても、ちゃーんと説明すればわかってもらえるよ!」
だって肩を貸してるだけなんだもん♪と歩く彼女の足取りは軽い。

そんな事を言っている間に、フリージアがナナナの身の振り方を考えている!
「・・・・・・・・・・・・」
リリアーナは口をパクパクさせている。
凍死するじゃないかといいたいようだが、あまりの事に言葉も出ないようだ! 
>このままではナナナがクール宅急便にされてしまうだろう。

105 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/24(水) 16:12:13 0
>95-96 >102-104
>レ「ちょっと落ち着いた。今は反省してる。」
>「し、死ぬかと思った・・・・・・。
「ん…よかった…」
かなり強引なリリアーナのショック療法が、無事に効果を発揮したみたいだ。
落ち着きさえすれば、頭のいいレベッカ のことだ。
これ以上博士をどうこうする気もなくなるだろう。

>「え――――っ!!ヨハネカインが治療を?本当にっ?!」
「まあ、これからは普通の医者に戻ります宣言もしてたしね。
 治療ぐらいはしてくれると思って頼んだんだけど、上手くやってくれたみたいでなによりだよ」
やけにリリアーナが驚いてるけど、博士にどんなイメージを持ってたのやら。
んー、でもさっきまで敵対してたわけだし、これが普通の反応なのかな。
あたしとしては、博士の改心が本心からのものだって思ってお願いしたんだけど…
これっておかしいのかね?

>レ「ぶっちゃけよぉ、ヨハネカインが言ったことが正しいと、
>  心の奥の方で思っちまったからぶちきれたんだと思う。 (中略)
>  でも、それじゃあ結局よぉ。利己的だよなぁ?正義じゃねぇよなぁ?どうなんだよぉ〜?」
>「あら?私は元から正義じゃありませんことよ」
>「えええ!!愛と正義が友達じゃなかったの?!」
「おいおい…いきなりぶっちゃけるなよ…」
フリージアが、自分はしたいようにしただけだ、と思いっきり本音で語り。

>「ほら、やーっぱり肩に変な力入ってる」
リリアーナは、レlベッカが「正しくないと思ってる事」をしようとしたら、絶対止めに行くと言い。
さて。あたしはなんと答えよう?

「結局さ。あたしが許せるのって、あたしが直接されたことだけなんだよね。
 で、あたしは特にあんたから何もされてないから、別に許すことなんかない。
 ヨハネカイン博士の方は…ほんとにもう博士が人様に迷惑をかけないってのなら、許せるけど。
 レベッカが、より大きな善のために殺しもいとわない、なんてまだ思ってるならそりゃ違うって言うけどさ。
 あんたが昔何したか知らないけど、結局大事なのは、今と将来なんだよ。
 今、自分が将来後悔しないような道を選んで。
 歩いてきた道が間違ってるってわかったら、すぐに訂正して。
 近道じゃないだろうけど、正しい道を歩いてるか迷いながら、考えながら生きていけばいいんじゃないの?
 許すも許さないも、許さなきゃどうするんだって言われたら終わるしね。
 ま、あんたも自分のした事が回りまわって、自分の首絞めないように気をつけなって事でひとつ」

>学「ドクター・ヨハネカイン。」
歩いてきた学園長が博士に声をかけ、ヨハネカイン博士はおとなしくそれに従った。
>「もう私に言うことは何も無いだろう?神聖な喜劇(ラ・ディビナ・コメディア)はもうお終いだ。」
>「ロゼッタ、怪我人を運ぶの手伝って」
誰だそりゃ…って、、な。何してんだーっ!?
リリアーナの呼びかけに答えて茂みから出てきた人物に、あたしは仰天した。
頭がカバの筋肉メイドを見た後じゃなかったら、それこそ叫びだしていただろう。
その人物は、恐ろしく似合っていない女装をした、ロックだったんだから!

>「私達は、あなたの事をずっと見ています。
> 願わくば私も彼も、二度とあなたにあわずに済むよう・・・・・・心から、祈っています」
リリアーナらしくない言葉と態度。
それには何か、あたしの知らない裏の事情があるんだろう。
レベッカに、他人に知られたくない秘密があったように。
それが何かなんて、知りたいとは思わない。
見えない未来と同じように、見えない過去もあるんだから。
そんなわけであたしの言葉は、「もう会いたくない」と言ったリリアーナとは、また違うものになる。
「ヨハネカイン博士。あたしたちの治療、ありがとうございました。
 あたしは、博士がケルビムの進む道を修正すると約束してくれたのを信じます。
 次に会う時に、今日の出来事を「あんなこともあったね」と笑いあえるのを、楽しみにしてますから。
 それまで、どうかお元気で」

106 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/02/24(水) 16:13:08 0
>「なにわともあれ一段落着きましたわ」
>「うん!」
「ほんといろいろあったけど、ようやくって感じだね」
学園長と博士が歩き去って、やっとあたしにも全部終わったんだって実感がこみ上げてきた。
それはもちろん、ここにいる全員の総意に違いない。

>「次の問題はナナナさんをどうするかだよね」
>「うーん。でもさ、とりあえず場所を変えない?
> 桜花さんにグレイブ、どこかに座って休む?それとも保健室に行く?」
「そうだね。桜花もグレイブもありがとう。
 あたし結局何もしてないね…」
これからはもうちょっと汎用性のある魔法を覚えよう。うん。
火力だけで渡って行くにはこの世界は厳しすぎる。
…あれ?そういや、なにか大事なことを忘れてるような…なんだっけ?

>「私にいい考えがありますわよ!
> 宅配便でこの本の発行元にナナナさんを送るのですわ」
「おい待てやめろなんだその怪しい本は」
考え事をしてるうちに、フリージアがなにやらいかがわしい本を取り出して何か言い出した。
どう見ても詐欺師ご用達だろその本、何考えだしやがるんだこのお嬢は!
>「ラベルには魔道式家事用ゴーレムと書いて・・・・
> 後はナナナさんを箱につめれば勝手に取りにくるはずですわ
> この本の発行元ならムーの子孫の情報も簡単に手に入るでしょうし
> ムーの遺産というのならそれこそ神様のように扱われるに決まってますわ」
「…んなでかい箱どうやって用意する気よ」
>「氷の魔法さえ使えば簡単に箱のひとつや二つ作れますわ」
「氷漬けになって大丈夫なのはあんたぐらいだろーがっ!!」
思わずフリージアを怒鳴りつけた瞬間。あたしは【忘れていた大事な事】を思い出した。

「そ、そうだメイレンさん、メイレンさんのことを忘れてた。
 ロックからは離れてるみたいだけど、回復はしたの?
 その…食べるとか、食べないとか、何か言ってなかった?
 早めに学園長に手助け頼んだ方が良くない?」
食べるの前に「あたしたちを」と付けるのに微妙な抵抗を感じて、思わず遠まわしに聞いてしまった。

107 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/24(水) 19:32:44 0
>102>103>104>105>106
> 「別に利己的だっていいじゃありませんのレベッカさんだって人ですもの」
と、フリージアはレベッカに言った。
> 「今回だって私は自分のしたいことを自分のしたいままにした
>  その人が自分の大切な人だったから助けた・・・・それだけですわ」
「俺だってそうだったんだ。」
と、レベッカが答えた。
> 「ほら、やーっぱり肩に変な力入ってる」
「おん?」
> リリアーナはレベッカの背後にぴったり寄り添うと、彼女のコリをほぐし始めた。
> 「思うにレベッカさんはさ、きっと、ヨハネカインの事を正しいだなんて思ってないんだよ。
>  だってそうでしょ?正しいと感じてるのなら、なんで罪悪感を覚える?怒る必要があるの?
>  むしろ、少ない犠牲で目的を果たせた事を誇るべきなんじゃない?」
「じょ、冗談じゃねぇぜ。俺は自分がやったことなんか誇れねぇよ。」
> 「私は難しい事わからないんだけどね、もっとさ、こう・・・・・・肩の力抜こうよ。
>  私はヨハネカインに怒ったり、哀れんだりする事は出来るけど、彼を裁く事も、許す事も出来ない。
>  だって私は当事者じゃないし、彼は自分の行動を全く恥じてない。悪だとすら感じてないから。
>  本人がさ、心から悪かったと悔い改めないと、罪が許される事もありえないと思うのよね。
>  ・・・・・・・あ、こういう物事の善悪って、時代と主に変化するからあてにならない・・・・・・んだったっけ?あはは」
「結局、俺に何が言いたいんだよリリアーナ?」
> リリアーナはぽりぽりと頬を人差し指で掻いた。
> 「レベッカさんの言うように、私は当事者じゃないし、事件のこと、殆ど何も知らないんだよね。
>  だから本当の意味で、レベッカさんの罪自体を帳消しにする事も、許す事も出来ない。
>
>  ・・・・・・だけどね、私、「俺がこの国の母になってやんよ。」 って言ったレベッカさんの事、好きだよ。
>  自分も大変だったのに、それでも誰かのために何かしたいって思える・・・・・・そういう所、いとおしくて・・・・・・誇らしい。
>  ――――ああ、ぜんっぜん上手くいえないや、ごめんねっ!!」
> はい、終わり!とばかりにリリアーナは、レベッカの両肩を元気よく叩いた。
> 「それとね、もしまたレベッカさんが「正しくないと思ってる事」をしようとしたら、今度からは私が絶対止めに行くよ。力になるよ!
>  私にはたいした力も持ってないけど・・・・・・1人じゃダメでも2人ならきっと出来ること、きっとあるもの。
>  完璧でなくていいじゃない!だって、そういうの補い合うのが「友達」でしょ?」
「………」
> 「結局さ。あたしが許せるのって、あたしが直接されたことだけなんだよね。
>  で、あたしは特にあんたから何もされてないから、別に許すことなんかない。
>  ヨハネカイン博士の方は…ほんとにもう博士が人様に迷惑をかけないってのなら、許せるけど。
>  レベッカが、より大きな善のために殺しもいとわない、なんてまだ思ってるならそりゃ違うって言うけどさ。
>  あんたが昔何したか知らないけど、結局大事なのは、今と将来なんだよ。
>  今、自分が将来後悔しないような道を選んで。
>  歩いてきた道が間違ってるってわかったら、すぐに訂正して。
>  近道じゃないだろうけど、正しい道を歩いてるか迷いながら、考えながら生きていけばいいんじゃないの?
>  許すも許さないも、許さなきゃどうするんだって言われたら終わるしね。
>  ま、あんたも自分のした事が回りまわって、自分の首絞めないように気をつけなって事でひとつ」
「おめぇらってよー。」
レベッカが目を開いた。その妖怪の瞳は琥珀色である。
「本っっっ当に馬鹿だよなぁ。でもよぉ、嫌いじゃあねぇぜ、おめぇらみてぇな馬鹿共は。
 なんたって、そいつらに励まされる俺は大馬鹿者だからよぉ。」
レベッカは元気を取り戻した。彼女はまた中つ国のために歩きだすだろう。
今度は道を踏み外さないように。

108 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/24(水) 19:37:17 0
> 「ヨハネカイン博士」
「何だ?」
> 「ロゼッタ、怪我人を運ぶの手伝って」
「?」
リリアーナに呼び止められて振り返るヨハネカイン。
しかし、リリアーナが別の誰かを呼んだことの意味がわからない。
ロ「はーい!」
茂みからロゼッタが飛び出した。…要は女装したロックである。
「………」
> 「私達は、あなたの事をずっと見ています。
>  願わくば私も彼も、二度とあなたにあわずに済むよう・・・・・・心から、祈っています」
> リリアーナはぎこちなくヨハネカインに手を振った。
> 「さようなら。よき旅路を」
「ああ、さようなら。」
ヨハネカインも手を振り返した。
> 「ヨハネカイン博士。あたしたちの治療、ありがとうございました。
>  あたしは、博士がケルビムの進む道を修正すると約束してくれたのを信じます。
>  次に会う時に、今日の出来事を「あんなこともあったね」と笑いあえるのを、楽しみにしてますから。
>  それまで、どうかお元気で」
「そういえば、君とは一週間後に友人として会う約束をしていたな。私も楽しみにしている。」
ヨハネカインはミルクにも手を振った。そして、彼は最後にロゼッタに言った。
「…気がすんだら、ちゃんと家に帰りなさい。」
ロ「………?」
どうやらヨハネカインには、ロゼッタは変装した自分の部下にしか見えなかったようだ。

そして、ヨハネカインが学園長と共に歩いて行った。
これから先どうなるのか。それは、トップ・オブ・ザ・ワールドでも見えない世界である。

109 名前:ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/24(水) 19:40:44 0
> 「なにわともあれ一段落着きましたわ」
> 「うん!」
> 「ほんといろいろあったけど、ようやくって感じだね」
> 「次の問題はナナナさんをどうするかだよね」
レ「結局最後に残るのはその問題だよなぁ。」
ヨハネカイン問題が終わった後は、ムー大陸問題である。
> 「うーん。でもさ、とりあえず場所を変えない?
>  桜花さんにグレイブ、どこかに座って休む?それとも保健室に行く?」
とリリアーナ。
レ「むしろ俺は保健室に帰っていいか?」
とレベッカ。
> 「そうだね。桜花もグレイブもありがとう。
>  あたし結局何もしてないね…」
とミルク。
「気にしないで、ミルク。あたいも結局何もせずに終わっちゃったんだから。」
とロッ…ロゼッタ。
レ「おい、ロック。お前いつまでそんな格好してんだ?」
「あたいはロゼッタだー!!」
レ「いや、でもよ…」
「ロゼッタなのだー!!」
レ「…ああ、はいはい。わかったよロゼッタ。」
レベッカはロゼッタに押し切られた。
> 「ロゼッタとヴァンエレンも、グレイブの腕に負担かけないように手を貸してあげてね。
>  あ、ロゼッタはもう変装解いて大丈夫じゃないかな?
>  うーん、でも結構可愛いのになー。残念かも」
「あたいは変装なんかしてないもん!」
レ「だよなぁ、普通に可愛い女の子だもんなぁ(笑)。」
レベッカもじょじょに“この状況”を楽しみだしたようだ。
ちなみに、ロック的には自分が女装しているという事実を自分で認めたくないので、
ロゼッタというキャラを押し通しているにすぎない。

> 「そ、そうだメイレンさん、メイレンさんのことを忘れてた。
>  ロックからは離れてるみたいだけど、回復はしたの?
>  その…食べるとか、食べないとか、何か言ってなかった?
>  早めに学園長に手助け頼んだ方が良くない?」
レ「保健室の近くで会ったぜ。その後は知らん。」
とレベッカが答えた。
レ「でもまぁ、あんな短時間であれだけ献血できるならよぉ。
  普通にこの学園に住み着くかもなぁ、あのババア。」

110 名前:響桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/02/25(木) 03:02:41 O
>「魔力の枯渇と、時間酔い(?)のような状態だな。君はもしかして時を動かす魔法を使えるのか?
>  いずれにせよ、このチョコレートを食べるといい。」

立ち上がれない程の気分の悪さ、それを緩和してくれたのはチョコレートだった。
ヨハネカイン博士に渡されたチョコレートを無心に食べる桜花の顔色は徐々に良いものへと変化していく。

『桜花さんにグレイ達、身体の方は本当にだいじょうぶ、なの?』

リリアーナからのテレパシーにチョコレートを口にくわえながらコクリと首を縦にふる

>「ぶっちゃけよぉ、ヨハネカインが言ったことが正しいと、
> 心の奥の方で思っちまったからぶちきれたんだと思う。 (略)
>   でよぉ、もしもお前らがヨハネカインを許さないなら、俺も許されねぇよなぁ?
>  俺がおめぇらに許されるなら、ヨハネカインも許すってことになるぜぇ? (略)」

「……………」
チョコレートを食べながらレベッカの話を聞いていた桜花。
口の中に残っていたチョコレートを飲み込むと座り込んだまま
「私は詳しい話を知らないし、難しい事を考える事も得意ではないし、口下手だからどう伝えて良いかわからない。
でも、私達からしたらレベッカさんは大切な友達だ。
 確かに友人だから許すと言うのも変な話だが、逆に友人だからこそ許せると言うのもあるんじゃないだろうか?
 私はそう思う。」
桜花はレベッカを見据え言う。

>「もう私に言うことは何も無いだろう?神聖な喜劇(ラ・ディビナ・コメディア)はもうお終いだ。」

「学園長、 待って頂いても構わないだろうか?
私はまだヨハネカイン博士に伝えるべき言葉がある。」
ヨハネカイン博士の方を向き
「ヨハネカイン博士、貴方のおかげで随分と気分が楽になった。
グラッツェ(ありがとう)ヨハネカイン博士。
貴方のその腕が世の中の人々を幸せにする事を心より願っている。」
治療に対するお礼を言い忘れていた桜花は改めてヨハネカイン博士に礼をする

> 「うーん。でもさ、とりあえず場所を変えない? >
 桜花さんにグレイブ、どこかに座って休む?それとも保健室に行く?」
桜花達の返答次第で、行き先が変わるだろう。

「あぁ、私は随分と良くなったから大丈夫だ……っとと」
急に起き上がろうとした桜花だが前に倒れそうになり、あえなくリリアーナの肩を借りる事にする。回復したには違いないが全快ではまだないようだ。
> 「桜花さんごめんね、倒れるまで力使わせてたなんて・・・・・私、そういう魔法には疎くて。
>  本当にごめんね。もう歩けるかな?」

「謝らないでくれ、リリアーナさん。
私は友人のために動いた結果、倒れただけだ。私自身が望んでやった事なんだから謝られる理由がない。」
リリアーナに向けて微笑む桜花

> 「・・・・・・・・・・・・」
> リリアーナは口をパクパクさせている。
> 凍死するじゃないかといいたいようだが、あまりの事に言葉も出ないようだ! 「………?どうした、リリアーナさん?」
桜花は不思議そうにリリアーナの顔を見ている。

111 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/02/27(土) 01:27:03 0
>91-96>102-110
>「そして…時は動き出す。」
唐突に、ヨハネカインのすぐそばで灰色の髪の女生徒が倒れ伏す。
その手にはターロンが貼り付けたお札が。
【いたッ!はやッ!すげッ!】
「いや、今のは瞬間移動や転移か?残像すら見えない速さをしかも助走なしで初速からなど不可能だ」
【二人とも違うよ。そんなチャチなものじゃあ断じてないよ……僕もわからないけど】
しかしグレイはやはりふざけた会話をしている。危機から脱せればこんなものなのだ。

>「ヨハネカイン博士!そこで倒れてる桜花と、ケガしてるグレイブの治療をお願いします!
> フリージアはいざとなったら博士を氷で守ってあげて!将来はともかく、今ここで死なれちゃ困る!」
「……ちょっと待て、こいつに治療をさせる気か?幾らなんでもそれは……」
と、グレイブはミルクの言葉に異を唱えようとするが。
>「いいだろう。」
【いいの!?さっきまで戦ってたのに!?】【うはー!】
あっさり指示を受け入れるヨハネカイン。
本体はそそくさと女生徒にチョコレートを与え、グレイにはヘブンスマイルが近づく。
>「心配は無用だ、グレイブ。トップ・オブ・ザ・ワールドの精密動作は私を上回る。すぐに楽にしてやる。」
「……不安にしかならん、その言い草は」
それでもしゃかしゃか治療を進めるヨハネカイン。
あっというまに手当ては進められていくが、どうやって治療しているのだろう?
動きが複雑すぎてグレイブには捕らえられない。

学「ドクター・ヨハネカイン。」
>学園長がこちらに歩いてきた。トップ・オブ・ザ・ワールドに破壊された両手も既に元に戻っている。
「……学園長」
【うわあ、学園長まで来たのかぁ。僕達、かなり危ない橋を渡ってたみたいだね……】
ヨハネカインは学園長と二言三言話すと、振り向いてこう言った。
>「もう私に言うことは何も無いだろう?神聖な喜劇(ラ・ディビナ・コメディア)はもうお終いだ。」
>「ヨハネカイン博士」
リリアーナがヨハネカインを呼び止めつつ、草陰の人に呼びかけると……。
ロ「はーい!」
>「………」
「…………」
【…………ぅげぇ……】
【なーんだこりゃあー?】
とてもとてもとっても見覚えのある、女装した男。その正体は言わずもがな……。

最後にリリアーナと、彼女が呼びかけた気持ちの悪い者。
そして女生徒といくつか言葉を交わして、学園長と共にヨハネカインは去っていった。

112 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/02/27(土) 01:28:48 0
最後にリリアーナと、彼女が呼びかけた気持ちの悪い者。
そして女生徒といくつか言葉を交わして、学園長と共にヨハネカインは去っていった。

>「うーん。でもさ、とりあえず場所を変えない?
> 桜花さんにグレイブ、どこかに座って休む?それとも保健室に行く?」
女生徒はオウカ、というらしい。随分とリリアーナと仲がいい。
>「あぁ、私は随分と良くなったから大丈夫だ……っとと」
「俺も……そうだな。手当ては終えているし、問題ない」

それはいいとして。
>「ロゼッタとヴァンエレンも、グレイブの腕に負担かけないように手を貸してあげてね。
> あ、ロゼッタはもう変装解いて大丈夫じゃないかな?
> うーん、でも結構可愛いのになー。残念かも」
>「あたいは変装なんかしてないもん!」
レ「だよなぁ、普通に可愛い女の子だもんなぁ(笑)。」
「肩を貸してくれるのはありがたいが、いらないな。
 ……自称・女生徒ロゼッタ。お前、その格好は吐き気を催す邪悪だとわかってるのか……?
 その姿を何時までも衆人の中に晒すな!女性の肌とは違った意味で見るに耐えん!」
男子生徒イニシャルRが押し通すキャラに、グレイブは先の痛みよりも重い頭痛に苛まれる。

>「あ、グレイブ、もしかして、例の彼女に今の状態見られたら大変だと思ってる?
> 大丈夫よ、大丈夫。たとえ誤解されても、ちゃーんと説明すればわかってもらえるよ!」
「その通りだ(主にロゼッタ的な意味で)。だが、説明すればわかってもらえるっていってもな……」
女装した生徒と肩を並べて歩きたくないというのが一番の本音だ。
栗色の髪の生徒会秘書がこの光景をどう思うかとかは二の次である。

113 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage 保守してくれた人、ありがとう!] 投稿日:2010/02/27(土) 02:56:31 0
「家に戻れって、どういう意味なのかな・・・・・・?」
まさかヨハネカインガ、ロゼッタを女装したロクーと見間違えた、などと夢にも思っていないようだ。
そのため変に深読みしたリリアーナは、(マリアベルでもない)ロックを行かせるべきなのか?と悩んでいる。
「ねえねえロゼッタ、あの人のお家にお呼ばれしたい?」
返答は聞くまでもないのだが、一応確認してしまうリリアーナだった。

桜「あぁ、私は随分と良くなったから大丈夫だ……っとと」 
急に起き上がろうとした桜花だが前に倒れそうになり、あえなくリリアーナの肩を借りる事にする。 
リリアーナは、自分でも役に立てる事があると嬉しそうだ。
フリージアが氷の結晶を出してけが人達を運ぼうとしないのも、おそらくリリアーナの気持ちを汲んでくれたためだろう。

体調が回復しつつある桜花とグレイブは、保健室に行くほどでもないと口をそろえた。
>「むしろ俺は保健室に帰っていいか?」 
その言葉を聞いて、なぜかリリアーナが目に見えて動揺した。
「うん、で、でも・・・・・そろそろ先生が戻ってくる頃じゃないかなー?」
なぜか保健室の状況を知っているようなそぶりだ。おまけに、微妙に会話がかみ合っていない。
だが、あたふたしている当人だけが気づいていないようだ。

自分のことを女子生徒だと言い張るロックあらためロゼッタ。
そして、視覚の暴力ともいえる彼女(?!)の美貌。
フリージアと桜花以外の反応は当然といえば当然なのだが、リリアーナはちょっぴり不満げだ。
「そこまで言わなくてもいいじゃない。ロゼッタかわいいよ」
まさに恋は盲目、である。

>「その通りだ(主にロゼッタ的な意味で)。だが、説明すればわかってもらえるっていってもな……」 
「じゃあいいじゃない。大丈夫、グレイブちょっと気にしすぎだよ。
 それにしても、ヘブンスマイルの攻撃で、プレゼントの人形壊れなくて良かったねぇ」
リリアーナはしみじみとそう言った。
「それとロゼッタ、後で私が部屋の荷物と着替え、取ってきてあげるよ。
 もちろん、フリージアの分もね。」
そう、実はフリージアの胸元もかなり危険な事になっていたのだった。

そして現在。
リリアーナ達は、中庭のテーブルで一休みしていた。
(ヨハネカインと学園長に出くわしたらどうしようと思っていたのだったが、杞憂だったようだ)
周りには屋台が並んでいて、そこここから食べ物のいい匂いが鼻腔をくすぐる。
だが部屋でお茶したばかりのリリアーナはお腹がいっぱいで、今何かを口にする気は無かった。

フリージアが、ナナナの身の振り方について提案をする。
いわく、ムウ大陸信者にナナナを引き渡せば幸せになれるのではないか、と。
> 「………?どうした、リリアーナさん?」 
「あ、いや。魔女の宅急便だなー、と思って。ははは」
切れ味鋭いミルクの突っ込みに内心で舌を巻きつつ、リリアーナはそうお茶を濁した。
「念のため、いろいろ調べた後で引き渡してもいいんじゃない?
 いくらゴー^レムでも、本人の意向は大事だよ。っていうか、結局のところ今後どうするかはナナナ次第なんだよね。
 本人の意見を聞くのが一番だよ」
ゴーレムが自分の意志で動けるかどうか分からないが、時間はたっぷりある。
焦る事も無いのだ。

>「その次の問題は死王が学園長かターナー先生に渡せといってた本ですわね 
> やっぱりターナー先生って・・・」 
「案外、子孫どころか当事者、だったりしてね〜。他人の空似にしては、あまりにそっくりだったもんね」
もしそうなら、ムウ大陸のメイドから図書室専属メイド(ドジッ娘オプション付)への転職も、そう悪くないかもしれない。

「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。
 夜には確かムウ大陸参加者関係のパーティがあったはずだし。
 皆、ひとまず今後は自由行動で、しばし旅の疲れを癒してね。
 寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」
特に何もなければ、リリアーナは寮へと戻るだろう。
「あ、ロゼッタ。あなたには荷物と着替え、返さなきゃね」

114 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/02/28(日) 12:47:45 P
>106>113
>「氷漬けになって大丈夫なのはあんたぐらいだろーがっ!!」
というミルクの突込みを華麗にスルーしたフリージアさん
フリージアさんの常識は世間の非常識である
まあ常識というものは社会によって異なるため仕方がないかもしれない
もう何年もフィジルで暮らしているのにジルベリアの常識で行動するフリージアさんもあれだが

>「案外、子孫どころか当事者、だったりしてね〜。他人の空似にしては、あまりにそっくりだったもんね」
「だとしたら ターナー先生の実年齢は・・・・・
 まあ本当はエルフかなんかで寿命が超長いって言われても納得しますけどね」
ターナー先生の正体については考えないことにしたフリージアさん
「そうだ!後でナナナさんに図書館に潜って貰いましょう
 そうすればすべてはっきりしますわ」
当人同士を出会わせれば簡単に結果が出るだろう
フリージアはそう判断したようである
「でもサマルトリア現象が起こったらどうするの?」
とギズモ
サマルトリア現象とはいわゆるすれ違い現象である
何の因果かは知らないが何故か出会えないという謎の現象だ
「そういう時は図書館で待っていればいいのですわ」
当人が動かずじっと待っていればターナー先生は必ず図書館の司書室に戻ってくる
故に大丈夫である・・・・とフリージアは説明する

>「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。
  夜には確かムウ大陸参加者関係のパーティがあったはずだし。
  皆、ひとまず今後は自由行動で、しばし旅の疲れを癒してね。
  寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」

色々あって元の服に着替え
リリアーナに服を返却したフリージア
取れたはずの胸元のボタンもいつの間にか縫い直されている
「お母さん、リリアーナお姉ちゃんの服のボタンつけ直し終わったよv」
本当にいつの間にかである
何時ボタンを探したのか?
何処から縫い針と糸を取り出したのか?
そもそも縫い物の技術とかギズモは何処で習ったの?とか
それは誰も知らない
私ですら知らない

「図書館ってすごいよねvどんな情報でも手に入るよv」
どうやら図書館にあった本で勉強したらしい
「じゃあ次はその魔道具を返していらっしゃいな」
どうやらまだ記録用の魔道具を返却してなかったようである
「うん。分かった」
と元もとの持ち主に借りたものを返すべく飛んでいくギズモ
すぐ近くなんだから歩けばいいのに・・・・

そして夜になりパーティが始まった
フリージアさんの服装は前回の間に合わせ衣装とは違い普通の青いナイトドレスである
「さあ!今回は間違ってお酒を飲まないようにしなくちゃ!!」
前のパーティじゃブドウジュースと間違ってワインを飲んだフリージアさん
前回のはジルベリアには葡萄が無くワインが作られないために起こった失敗である
故に今回は大丈夫だろう・・・・たぶん


115 名前:ミルク ◆gK.Bx9fuJw [sage] 投稿日:2010/02/28(日) 15:07:52 0
>>107-114
>レ「保健室の近くで会ったぜ。その後は知らん。」
あたしのメイレンさんどこ?って質問に、レベッカはそう答えた。
まさか首だけで置いてくるわけ無いだろうから、メイレンさん体も元に戻ったようだ。
「じゃあ回復はしてるのね。それは何より」
ついでにあたしたちの命の危険も再発してるけどな。
首だけなら食べる気もなかったろうけど、体が戻って食べる気になりました。なんて普通にありそうだし。
あー…ここはさらっと、復讐のことなんか忘れててくれないかな、メイレンさん…

>レ「でもまぁ、あんな短時間であれだけ献血できるならよぉ。
> 普通にこの学園に住み着くかもなぁ、あのババア。」
「ん?食べなくても血だけで大丈夫なもんなの?
 そりゃ良いや。ならヴァンエレンみたく、献血で血を集めてれば万事解決じゃない。
 …生徒じゃないのに、学園においてくれるかどうかは知らないけど」
さすがに伝説級に長生きの子持ち人妻が学生。ってのは無理があるしなー
そうするとどうだろ?教師?とかか?
とりあえずレベッカの言動を見るに、あまり切羽詰まった状況じゃなさそうなのは、なによりなにより。

>「念のため、いろいろ調べた後で引き渡してもいいんじゃない?(中略)
> 本人の意見を聞くのが一番だよ」
これで残る問題は、ムウ大陸の生き残り組だけになったわけで。
まずは本人の意見を聞くとのリリアーナの考えには、あたしも賛成だ。
>「その次の問題は死王が学園長かターナー先生に渡せといってた本ですわね
> やっぱりターナー先生って・・・」
>「案外、子孫どころか当事者、だったりしてね?。他人の空似にしては、あまりにそっくりだったもんね」
>「だとしたら ターナー先生の実年齢は・・・・・
> まあ本当はエルフかなんかで寿命が超長いって言われても納得しますけどね」
「当事者なら、あの変態全開の本の知り合いになるって事か。
 ちょっと興味あるけど、聞いてもいい話かどうかは微妙かな?」
人間誰でも聞かれたくない話があるから、過去話には首を突っ込むな。
ってのは、あたしが育った孤児院の暗黙の了解だった。
レベッカの一件で、その考えの正しさがあまり嬉しくない仕方で証明されてるし。
ま、必要ならそのうち教えてくれる…かな?

>「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。 (中略)
> 寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」
「それなら、あたしは今のうちにアホ姉探してこようかな。
 また変なことに首突っ込まれて騒動になって、あたしが頭下げて回るとか嫌すぎるし。
 桜花はどうする?リリアーナ達と一緒に行く?部屋で休む?」
桜花みたいに体の疲れがたまってる人もいるけど、あたしの場合アホ姉を放っておくわけにもいかない。
何かあっても、本人に謝るという考えが基本的に欠けてるから、小火が大火になりかねん。
孤児院時代からアホ姉が言うこと聞くのは院長だけだったし、今はその院長はいないときた。
とすると、大事なのは対処より予防だ。

>「あ、ロゼッタ。あなたには荷物と着替え、返さなきゃね」
「早く返してもらって着替えたほうがいいよロゼッタ。それも、できるだけ早く」
フリージアと同じ考えで変装したのかどうか知らないけど、今のロックの姿はひど過ぎる。
あれをかわいいと言えるのはリリアーナだけで、他のまっとうな人は全員グレイブと同じ反応をするだろう。
ユリやアルナワーズあたりの特殊な連中は、かわいいとか言うかも知れないけど。
「じゃ、あたしはそろそろ行くよ。
 そうそう、グレイブもネリー見つけたら、一緒にパーティいこうってちゃんと誘いなよ。
 ネリーは競争率高いから、うっかりしてたら誰かにとられちゃうよ?」
それじゃまた後でと手を振って、あたしはリリアーナ達と別れた。

116 名前:ミルク ◆gK.Bx9fuJw [sage] 投稿日:2010/02/28(日) 15:10:04 0
で、今。つまりはパーティ会場で。
あたしはちびちびお酒を飲みながらのんびりしている。
あの後、結局アホ姉を探し出すことはできず、あたしの努力は壮大な無駄に終わった。
広い学園内で子供一人を探そうなんて無理だと、もっと早く気づくべきだったのだ。
うろうろ歩いて探し回るものの、手がかりさえも見つからず。
そうこうしているうちにユリの声で放送が入って、ムウ大陸探検隊関係者は招き猫広場に集合!ときたもんだ。
酒でも飲まなきゃやってられるかっての。
でもこれ、なかなか美味しい酒だな。
古酒だったっけ?高くて珍しい酒はやっぱりいいね。

「お。フリージアも来てたんだ。
 いいドレス着てるね、似会ってるよ」
アホ姉のことだから、そのうち騒ぎを起こして居場所がわかるだろう。
なんて考えながら網を張ってると、着替えてきたらしいフリージアがやってきた。
こうしてナイトドレスなんか着ている所を見ると、ほんとにお嬢様に見えてくるから不思議なものだ。
いやほんとにお嬢様なんだけど。単に普段の言動がそう思わせてくれないだけで。
「もうすぐ誰かが音頭とって乾杯でもするだろうから、それまでは適当にやっとこう。
 フリージアもいろいろお疲れ様。まあこれでも飲んで疲れを取ってよ」
あたしは、近くにあったグラスに手持ちの瓶から琥珀色の液体を注ぎだし。
グラスをフリージアに手渡した。

117 名前:ターロン&ユリ&アナスタシア ◆gK.Bx9fuJw [sage] 投稿日:2010/02/28(日) 16:34:56 0
>107-114
>「むしろ俺は保健室に帰っていいか?」
>「うん、で、でも・・・・・そろそろ先生が戻ってくる頃じゃないかなー?」
「親子の感動の再開なら、先生が戻ってきていてもよいではありませんか。
 何しろ一度は死別した二人です。早い再開を願うのは当然ではありませんか」
もちろん事情をメイレンから聞いているターロンも、保健室何があったかは知っている。
知っているが、保健室近くにメイレンがいることも知っているので、そう言ったのだ。

>「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。
>  夜には確かムウ大陸参加者関係のパーティがあったはずだし。
>  皆、ひとまず今後は自由行動で、しばし旅の疲れを癒してね。
>  寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」
「ささ、レベッカ様。早く保健室にお戻りを。
 メイレン様も、首を長くしてレベッカ様のお戻りを保健室でお待ちでしょうぞ」
ターロンはレベッカの恋人に興味はないが、レベッカがメイレンをどう思っているかには興味があった。
今はレベッカの使い魔となっている身として、なんにしても主の意向を知っておく必要があるからだ。


「あ!ギズモだ!
 記録石返しに来てくれたの!?一人で偉いねー!」
その少し後の事だ。
記録石を返すために飛んでいたギズモは、やはり飛んでいたユリに出会った。
どこで別れたのか、アナスタシアは一緒ではなかった。
「うん!ばっちり記録できてるよ!ありがとギズモ!
 これをアルナワーズ機関に渡して編集してもらえば、パーティをばっちり盛り上げられるね!
 それじゃあまた後でね!フリージアたちによろしく!」
受け取った石の内容を少し確認した後、ユリは慌ただしくその場を飛び立つ。
ミルクがいれば、去り際に残した学園の問題児の名前がついた機関名に、不安を感じたことだろう。
しかし今ミルクはいないし、アルナワーズの能力には何の問題もないのだ。
性格については、各方面から物言いがつくかもしれないが。

さらにその後。
学園内にユリの声で大音量の放送が響き渡る事になる。
「ピンポンパンポーン! 業務連絡を申し上げます!
 ムウ大陸探索隊関係者の皆様は、至急招き猫広場にお集まりください!
 繰り返します!ムウ大陸探索隊関係者の皆様は、至急招き猫広場にお集まりください!」
>>「来なかった奴は死刑!以上♪」
最後にアナスタシアの物騒な言葉を拾って、放送は終わった。

118 名前:ロゼッタ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/02/28(日) 18:46:02 0
>113>115>116>117
> そして現在。
> リリアーナ達は、中庭のテーブルで一休みしていた。
> 「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。
>  夜には確かムウ大陸参加者関係のパーティがあったはずだし。
>  皆、ひとまず今後は自由行動で、しばし旅の疲れを癒してね。
>  寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」
とリリアーナ。
> 「ささ、レベッカ様。早く保健室にお戻りを。
>  メイレン様も、首を長くしてレベッカ様のお戻りを保健室でお待ちでしょうぞ」
レ「そうだな、ターロン。」
レベッカは地面にハンカチを一枚置き、ターロンをその上に乗せた。
レ「ここで無血八極のスペルカードをハンカチに付けるとだな…“ボン”だ。」
無血八極とは触れた物体(生物は駄目)を爆弾にするスペルカードである。
つまり、レベッカはターロンを爆弾で吹き飛ばしたのだ。
レ「これで、くつろいでいちゃいちゃできるな。」
どうやらレベッカは一人で保健室に行きたかったようだ。
爆弾の威力は抑えたので、ターロンは死にはしないだろう。たぶん。

> 「あ、ロゼッタ。あなたには荷物と着替え、返さなきゃね」
とリリアーナ。
> 「早く返してもらって着替えたほうがいいよロゼッタ。それも、できるだけ早く」
とミルク。
「あたいもそうしてもらった方が助かるのだ!」
とロゼッタ。
レ「えー、なんだよ。もうちょっとその格好でいりゃいいじゃねーかよー。」
とレベッカ。ロゼッタは短く「嫌だ!」と答えた。視覚的凶器のままずっと過ごしたくはない。
> 「じゃ、あたしはそろそろ行くよ。
>  そうそう、グレイブもネリー見つけたら、一緒にパーティいこうってちゃんと誘いなよ。
>  ネリーは競争率高いから、うっかりしてたら誰かにとられちゃうよ?」
とミルクはグレイブに言ってから皆と別れた。レベッカもグレイブに言った。
レ「言っとくが、俺にはもう先着がいるからな。
  ネリーって奴が誰かにとられてても、俺のところに来ても無駄だからな。」
レベッカも手を振ってリリアーナ達と別れた。
「レベッカの奴、こんな小さい動物を虐めるなんてとんでもない奴だ!」
ロゼッタはレベッカが爆破したターロンを回収した。

> で、今。つまりはパーティ会場で。
「もう駄目だ!お終いだ!」
ロゼッタの中の人が全力でorzとしていた。
「アンジェリーナとエイティ先生にロゼッタを見られてしまった!俺はもう駄目だ!」
ちなみに、アンジェリーナもエイティも学園の教師でロックと縁が深い二人である。

ア「女装をするような子はしまっちゃおうね〜。」(実際には言っていません。)

そんなアンジェリーナの声が聞こえてきそうな気がした。
「うわあああああああっ!!」
> さらにその後。
> 学園内にユリの声で大音量の放送が響き渡る事になる。
が、ロックはそれどころではなさそうな感じだ。

119 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/03/04(木) 15:24:04 0
レベッカとミルクは手を振って去っていった。
ロセ「レベッカの奴、こんな小さい動物を虐めるなんてとんでもない奴だ!」 
「一応これでも危険な妖怪で、魔法使いなんだよ」
爆破されたターロンを回収したロゼッタに、リリアーナはそう補足した。 
「あーあ、イモリの黒焼きみたいになってる。もう。人の恋路を邪魔するからだよ。
 はいターロン、ちょっと口あけて」
リリアーナはターロンの口を開けさせ、これでもかという量の薬草を押し込んだ。
「これで良し、と。じゃあロゼッタ、オウカさん、私達も行こう。
 オウカさん、私がお部屋まで送るよ。
 ロゼッタは女子寮の窓の下で待っててくれる?後で服と荷物を渡すから。
 じゃあ皆、パーティで会おうね!」
リリアーナは皆と別れて女子寮へと戻っていった。

そして夜の女子寮。
今、桜花の部屋の扉を何度もノックしている影があった。
「オウカ様〜ん、オウカさま〜ん?まだお休みでいらっしゃいますの〜ん?
 このルズが、パーティのお迎えに参りましたわ〜ん!
 転入生は白百合騎士団がエスコートする慣わしなんですのよ〜ん」
ちなみに、同じ立場のレベッカは不在だったため、エスコートをしないつもりのようだ。
(誰もターロンと同じ轍を踏みたくは無い)
ルズはドアをカリカリしたあと、ドアノブに前足をかけてみた。
「あらん、開いてますわね〜ん。でも・・・・・.お留守かしら〜ん?」

その頃のリリアーナは、というと。
>「もう駄目だ!お終いだ!」 
(うっわー。声かけにくい・・・・・・)
全力でorzしているロックの後ろで、声をかけるタイミングを計っていた。
>「アンジェリーナとエイティ先生にロゼッタを見られてしまった!俺はもう駄目だ!」 
「ロゼッタ・・・じゃなかったロック落ち着いて。ほら、豚肉の腸詰め取ってきたよ」

>「うわあああああああっ!!」 
> 学園内にユリの声で大音量の放送が響き渡る事になる。 
>が、ロックはそれどころではなさそうな感じだ。 

「ちょっとロック。随分久しぶりに戻ってきたっていうのにさー、
 私を見て何か言うこと無いわけ?」
リリアーナは腸詰の皿と飲み物を持ったまま、その場でくるりとターンした。
ドレスの裾がふわりと舞う。
呪いでスタイルが良くなった筈なのだが、果たして気づいているのだろうか。
「まあ、いいけどねー。そのかわり、一言言わせて貰うわ」
リリアーナはつんとそっぽを向いた。
もちろん、彼に気のきいた言葉などはなから期待していない。ちょっと困らせたかっただけだ。

リリアーナは精一杯難しそうな顔を作ると、こほんと咳払いした。もちろん目は笑っている。
「・・・・・・おかえりロック。なかなか戻ってこなかったから、心配したんだからね」


ユリとアナスタシアの放送を聞けば、皆もぼちぼち集まってくるだろう。
皆は自分達を見つけてくれるだろうか。
人波に目を向けながら、リリアーナはふと疑問を口にした。
「そういえばアンジェリーナ先生に見られたって言ってたよね?
 それはつまり、先生は学園に戻って来こられた・・・・・・って事よね?
 どうして突然いなくなってしまったの?ロック、何か理由聞いてる?」

120 名前:響桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/03/04(木) 15:31:22 0
>「あ、いや。魔女の宅急便だなー、と思って。ははは」
「・・・?・・・??・・・???」
余計わからなくなった桜花はさらに?マークを出す

>「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。
> 夜には確かムウ大陸参加者関係のパーティがあったはずだし。
> 皆、ひとまず今後は自由行動で、しばし旅の疲れを癒してね。
> 寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」

そんなパーティがあった事をまったく知らなかった桜花
「あぁ、じゃあ、そのパーティでまた・・・」

>「それなら、あたしは今のうちにアホ姉探してこようかな。
> また変なことに首突っ込まれて騒動になって、あたしが頭下げて回るとか嫌すぎるし。
> 桜花はどうする?リリアーナ達と一緒に行く?部屋で休む?」

「いや、私は部屋へ帰ってパーティまで休ませてもらう
 しばらく体のほうも酷使したからな、もう少し休息がほしい。」

リリアーナの肩から体を動かし、きた時よりはしっかりした足取りで寮へ向かっていく


時は経ち、現在パーティ会場
桜花は学生服やコート姿ではなく黒のスーツの礼装で
壁際で一人ぼーっとしていた
(パーティか・・・あまり縁のないものだから勝手がわからない)
別にいらいらしている訳ではないのだが、癖とでもいえばいいのだろうか
困った状況に居ると自然と眉間にしわが寄ってしまう。
声をかけようとした男子生徒も何人かいたが、桜花の眼力に圧倒され
声をかけられずにすごすごと退散してしまう始末だった。
(ここでこうしていても何もならないな・・・)
見知った顔が居ないかと壁際から離れ、パーティ会場を歩き出す

>「ピンポンパンポーン! 業務連絡を申し上げます!
> ムウ大陸探索隊関係者の皆様は、至急招き猫広場にお集まりください!
> 繰り返します!ムウ大陸探索隊関係者の皆様は、至急招き猫広場にお集まりください!」
>>「来なかった奴は死刑!以上♪」

しばらくパーティ会場を散策していると放送が入る
と、同時に

>「うわあああああああっ!!」
男子生徒の叫び声が響く
それは見知った顔の男子生徒であった
「なにを叫んでいるんだ・・えっと・・・確かロゼッタさん」
男子生徒に地雷を踏みつつ寄っていく桜花

121 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/03/04(木) 20:22:39 P
>116-118
>「お。フリージアも来てたんだ。
  いいドレス着てるね、似会ってるよ」
>「もうすぐ誰かが音頭とって乾杯でもするだろうから、それまでは適当にやっとこう。
  フリージアもいろいろお疲れ様。まあこれでも飲んで疲れを取ってよ」

「あら?珍しい色のジュースですわねぇ・・・・」
友人に渡されたものだったので油断して琥珀色の液体を飲むフリージアさん
「ってこれお酒じゃありませんの!!」
今回こそはお酒を飲んで酔っ払らわないようにと思っていたのにもう台無しである

「一杯飲むのも”いっぱい”飲むのももはや同じですわ!がんがんお酒を持ってらっしゃいな!!」
もはや自棄になってお酒を飲みまくろうとするフリージアさん
18歳未満の飲酒は法律により禁止されて・・・・いるのだろうかこの世界?
少なくとも銃刀法は無い、もしくは登録してある武器なら持込OKのはずだが
まあこれはモンスターという明確な脅威がある世界だからこそだろう
それに法律なんて国によってすら違うのに世界が違うのだから違うのは当たり前である
じゃあなぜフリージア・ノクターン(17歳)はお酒を飲むのを嫌がったのか?
それは・・・・・

「・・・でお父様ったら私に見も知らぬ男と結婚しろって言うのよ
 冗談じゃありませんわ!私、自分より弱い男となんて結婚したくありませんわ!!」
と酔っ払ってミルクに絡み始めるフリージアさん
実はフリージアさんすごく酒癖が悪いのである
ジルベリアの故郷のお酒ならまだいいが他所の国のお酒を飲んでしまうと・・・・

(中略)

「・・・・で私は颯爽と銀髪赤目の人間に無理やりゴスロリを着せる
 悪の秘密結社ゴスロリ団に戦いを挑みましたのよ!
 服装の自由と尊厳を守るために私は負けられませんでしたの・・・・」
とわけのわからない事を言い出すフリージアさん
どうやら完全に酔っ払っているようです
ちなみにアルコールは毒扱いなので毒消しの呪文で抜けるはずである

>「うわあああああああっ!!」
どこからともかく悲壮な叫び声が聞こえるが
フリージアさんは酔っ払っているので
まったく反応していない
>「ピンポンパンポーン! 業務連絡を申し上げます!
  ムウ大陸探索隊関係者の皆様は、至急招き猫広場にお集まりください!
>「来なかった奴は死刑!以上♪」
「だってさ♪」
とフリージアさんの首根っこあたりを持ってずるずると引きずっていくギズモ
いったいぜんたい招き猫広場で何があるというのだろうか?
っていうか何でこんだけ体力あるのにギズモの戦闘能力は皆無なのだろうか?
それは誰も知らない・・・・・私ですら知らない

122 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/03/04(木) 22:25:35 0
>「じゃあいいじゃない。大丈夫、グレイブちょっと気にしすぎだよ。
> それにしても、ヘブンスマイルの攻撃で、プレゼントの人形壊れなくて良かったねぇ」
「だけどな……ああもういい、もうどうでもいい」
落胆しつつ、何度目かわからない溜息をついた。
【どんなセンスなんだろうね。……今の僕達には理解の出来ない領域だ】
【そーいう趣味の奴もいるからなー】

それから、中庭のテーブルまでほいほいと付いていったグレイではあるが。
>「(前略)この本の発行元ならムーの子孫の情報も簡単に手に入るでしょうし
> ムーの遺産というのならそれこそ神様のように扱われるに決まってますわ」
>「…んなでかい箱どうやって用意する気よ」
>「氷の魔法さえ使えば簡単に箱のひとつや二つ作れますわ」
>「氷漬けになって大丈夫なのはあんたぐらいだろーがっ!!」
「…………」
話についていくの諦め放棄し、再びアイスコーヒーを胃に流し込んでいた。
ムーの話など冒険の前半の前半ぐらいまでしかわからないのだから当たり前である。
ゴーレムだとか本だとかと色々気になる単語が飛び交うけれども、何か思案するところまでで留めている。

>「そろそろ日も沈むね。ここで一旦解散して、部屋で一休みするといいよ。 (中略)
> 寝ないでちゃんと起きていられる人は、そのパーティで逢おうね」
「ん……ああ、そうかパーティか。忘れていたな」
そのときに生徒会の仕事があるかどうか思い出しつつ、グレイブはまたもや紙コップを投げ捨てた。
今度は寸分たがわず、屋台の横に置かれたゴミ箱へと入る。
>「じゃ、あたしはそろそろ行くよ。
> そうそう、グレイブもネリー見つけたら、一緒にパーティいこうってちゃんと誘いなよ。
> ネリーは競争率高いから、うっかりしてたら誰かにとられちゃうよ?」
「……あ?いや待て、俺とネリーがなんだって?」
がたがたと椅子を揺らしながら立つが、既にミルクは姉を探しに足を進めている。
レ「言っとくが、俺にはもう先着がいるからな。
  ネリーって奴が誰かにとられてても、俺のところに来ても無駄だからな。」
そしてレベッカのこのお言葉。
それには眉を顰めてこう返した。
「……大丈夫だ、俺の好みからは大分外れてる。間違っても誘うことは無いから安心しろ」


123 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/03/04(木) 22:28:25 0

そして場面はパーティ会場に移る。
グレイブは一人、目を移らせつつ人の間をすり抜けていく。
いつもいるはずのグレイズやグレイルは居らず、顔はほんの少しだけ赤みを帯びている。
格好はいつもの学ランではなく、胸に金色の狼の刺繍のついたタキシード。
そして手には赤ワイン入りのグラス。

>「・・・・で私は颯爽と銀髪赤目の人間に無理やりゴスロリを着せる
> 悪の秘密結社ゴスロリ団に戦いを挑みましたのよ!
> 服装の自由と尊厳を守るために私は負けられませんでしたの・・・・」
やがて、聞き覚えのある女性の話し声が聞こえた。
何処からか哀れな悲鳴も聞こえているが、グレイブの耳には届かない。

声の方向に進むと、ドレスで着飾られた女性二人。
「や、フリージアにミルク。パーティを楽しめてるかな……っと?」
声を掛けて丁度すぐに、連絡の放送が聞こえる。
>「ピンポンパンポーン! 業務連絡を申し上げます!
> ムウ大陸探索隊関係者の皆様は、至急招き猫広場にお集まりください!
>「来なかった奴は死刑!以上♪」
>「だってさ♪」
が、フリージアの方はずるずるとギズモに引きずられていくところだった。
「おやおや、はしゃぎすぎたのか?フリージアは」
そしてそれに対してのグレイブの反応は、爽やかに苦笑い。
彼を知る者ならば明らかにおかしいというべきものである。
しかし当の本人は構わずに、擬音にすればニコリとも言うべき笑顔を添えてミルクへと手を差し伸べる。
「俺がエスコートしても構わないかな?マドモアゼル」


一方その頃。
『あんにゃろ何処行きやがったー!?』
>「グレイブくーん!?何処なのー!?」
『あああああこんなことぐらい簡単に予想できたはずなのに!?あああああ!』
オレンジのドレスを着たネリーが会場内を駆け巡っていた。
肩にはグレイブとお揃いのタキシードを着た残りの人形入りグレイの黒。
赤い方はその運動能力でテーブルからテーブルへと飛び移っている。何気に骨付き肉を食べているのは本能か。
『僕がワインに、お酒に気をつけていればぁぁぁ!』
>「うわーん!ソウルドールが仇になったぁー!」

『ったー!知り合い発見!ひんぬーリリアーナだ!』
グレイルの声にいち早く反応したのはグレイズ。
『リリアーナさん!?それとオウカさんだっけ?あとロックも!おーい!』
高い声でグレイズが呼びかけるのに、遅れてネリーもずざざと派手にブレーキする。
>「すみません、グレイブ君見ませんでしたか!?あの、タキシード着てる青髪なんですけど!
> 酒癖悪いの知ってます?このままだと他の女の子達に被害が出ちゃう!」
せかせかとリリアーナ達に近寄りつつ、次々にまくし立てた。
酒癖の悪さでは前々から小さな噂が立っているのだが、果たして彼女らは知っているのだろうか。

124 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/03/05(金) 21:34:07 0
>119>120>123
> 「ちょっとロック。随分久しぶりに戻ってきたっていうのにさー、
>  私を見て何か言うこと無いわけ?」
> リリアーナは腸詰の皿と飲み物を持ったまま、その場でくるりとターンした。
> ドレスの裾がふわりと舞う。
「ん?ああ、ただいまリリアーナ。ずいぶん待たせたな。」
この返答はリリアーナの期待に応えれなかったようだ。
> 「まあ、いいけどねー。そのかわり、一言言わせて貰うわ」
> リリアーナは精一杯難しそうな顔を作ると、こほんと咳払いした。もちろん目は笑っている。
> 「・・・・・・おかえりロック。なかなか戻ってこなかったから、心配したんだからね」
ロックもにっこり笑い返した。
> 「なにを叫んでいるんだ・・えっと・・・確かロゼッタさん」
そう言いながら歩いてきたのはオウカだ。
ロックは全力でシャキーン!とすると、キリッ!と答えた。
「ロゼッタ・ウィルは既に死んだ!ここにいるのはランク1、ロック・ウィルだ!」
あくまでロゼッタとロックは別人です!そういう設定なのです!的な態度でロックが言った。

> 「そういえばアンジェリーナ先生に見られたって言ってたよね?
>  それはつまり、先生は学園に戻って来こられた・・・・・・って事よね?
>  どうして突然いなくなってしまったの?ロック、何か理由聞いてる?」
ロックはリリアーナが持ってきた豚肉の腸詰め(ロックも一つ食べた)をオウカにも勧めた。
フィンカイラ島の件は別にオウカに聞かれても問題ないが、
オウカにとってそれほどおもしろい話だと思えなかったので、ロックなりに気を使ったつもりだ。
「ああ、フインカイラ島からアンジェリーナと一緒に戻ってきたぜ。
 あの島ではネコ派とイヌ派の内紛が起こってたんだ。
 そこでアンジェリーナがハト派として仲裁に行く事になったんだが、
 結局タカ派になってネコ派陣営もイヌ派陣営も崩壊した。
 アンジェリーナは俺に置き手紙をして出て行ったと言ってるが、
 俺はヒンヌー教徒の連中が隠したんじゃないかと思っている。
 俺がフィンカイラ島に入った時、そいつらに襲われたからなぁ。」
ロックはフィンカイラ紛争をリリアーナに簡単に説明した。
「そう言えば、お前はイヌ派か?それともネコ派か?どちらかと言えばお前はイヌ科に見えるな。
 いや、そもそも俺はお前の名前も知らないぜ。名前は何て言うんだ?」
と、ロックはオウカに聞いた。

「そうだ、リリアーナ。お前に言いたいことがあったんだった。
 ヨハネカインの件で忘れるところだったぜ。」
ロックはテーブルに置かれたかぼちゃジュース(もちろん口をつけてないやつ)をオウカに勧めた。
これからロックが話すことは、ロックにとっては別にオウカに聞かれても問題ないが、
オウカにとってそれほどおもしろい話だと思えなかったので、ロックなりに気を使ったつもりだ。
「リリアーナ、お前はおっぱいが大きくなくても美しい。
 それに気づいてほしかったから胸に“何か”を入れたのか?その思惑は大成功だぜ。」

> 『リリアーナさん!?それとオウカさんだっけ?あとロックも!おーい!』
「なんだこのかわいい人形は?グレイズなのか?」
ロックはソウルドールをまじまじと見つめた。
> >「すみません、グレイブ君見ませんでしたか!?あの、タキシード着てる青髪なんですけど!
> > 酒癖悪いの知ってます?このままだと他の女の子達に被害が出ちゃう!」
とネリー。ロックは憤慨しながら答えた。
「女装を非難するくせに女の子に酔ってからむとはとんでもない奴だ!俺が見つけ次第懲らしめてやるぜ!」

125 名前:響桜花 ◆CBcqW9.llE [sage] 投稿日:2010/03/06(土) 15:41:48 0
どうやら、リリアーナも近くに居たようでロックに話かけていた

>「ロゼッタ・ウィルは既に死んだ!ここにいるのはランク1、ロック・ウィルだ!」
>あくまでロゼッタとロックは別人です!そういう設定なのです!的な態度でロックが言った。

「え、ああ、そうなのか・・・すまなかった、ロックさん」
桜花もロックの言いたいことを感じとったのか深くはつっこまなかった。

>ロックはリリアーナが持ってきた豚肉の腸詰め(ロックも一つ食べた)をオウカにも勧めた。

「あ、ありがとう、ロックさん。」
ロックに対してぎこちなく礼を述べる桜花
ロックが勧めた豚肉の腸詰めを食べながら二人の話を聞いていた
事情などをまったく知らない桜花には要領の得ない話ばかりであった

>「そう言えば、お前はイヌ派か?それともネコ派か?どちらかと言えばお前はイヌ科に見えるな。
> いや、そもそも俺はお前の名前も知らないぜ。名前は何て言うんだ?」

「・・・私がイヌ科かは判らないが、貴方もどちらかといえばイヌ科に見える。
 私は響桜花だ、自己紹介が遅れてすまない。
 それと、私はイヌ派だ。」
簡単に自己紹介を済まし再び豚肉の腸詰めを食べ始める桜花

>「そうだ、リリアーナ。お前に言いたいことがあったんだった。
> ヨハネカインの件で忘れるところだったぜ。」
>ロックはテーブルに置かれたかぼちゃジュース(もちろん口をつけてないやつ)をオウカに勧めた。

「ん、ああ、度々すまない、ロックさん」
ロックに勧められたかぼちゃジュースを飲みながら二人の話を聞いていた。

>「リリアーナ、お前はおっぱいが大きくなくても美しい。
> それに気づいてほしかったから胸に“何か”を入れたのか?その思惑は大成功だぜ。」

口に含んでいたかぼちゃジュースを盛大に噴出す桜花
別に可笑しかったわけではない。”胸に“何か”を入れた”という部分に過剰反応してしまっただけである
幸いかぼちゃジュースは誰にもかからなかったようだ

> 『リリアーナさん!?それとオウカさんだっけ?あとロックも!おーい!』

ハンカチで口元を拭いているとソウルドールに声をかけられる

>>「すみません、グレイブ君見ませんでしたか!?あの、タキシード着てる青髪なんですけど!
>> 酒癖悪いの知ってます?このままだと他の女の子達に被害が出ちゃう!」

続いて現れる女子がまくし立ててくる

>「女装を非難するくせに女の子に酔ってからむとはとんでもない奴だ!俺が見つけ次第懲らしめてやるぜ!」

「同感だな。そういう男を女の敵というんだ。」
桜花も殺る気(字が違うが)まんまんである。

126 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/03/07(日) 09:37:55 O
>118-125
>「あら?珍しい色のジュースですわねぇ・・・・」
>「ってこれお酒じゃありませんの!!」
「ん?フリージアお酒ダメなの?美味しいのに」
渡したお酒を一口飲んで、すぐにツッコミを入れて来るフリージア。
寒い地方の出身者は酒飲みが多いってイメージがあったけど、皆がそうでもないのかな。
ま。そりゃそうか。酒の飲める飲めないなんて個人差が…
>「一杯飲むのも”いっぱい”飲むのももはや同じですわ!がんがんお酒を持ってらっしゃいな!!」
「なんだ、やっぱり飲めるんだ。それじゃぐーっといこう!がんがんいこう!!」
豪快な事を言い出したフリージアに合わせて、どんどんお酒を継ぎ足して。
自分の致命的失敗に気付いたのは、そう遠くない未来の事だった。

>「・・・でお父様ったら私に見も知らぬ男と結婚しろって言うのよ
> 冗談じゃありませんわ!私、自分より弱い男となんて結婚したくありませんわ!!」
「はあ」
もう何度目かわからない気のない返事を、あたしはフリージアに返す。
…まさかフリージアが絡み上戸だったとは思わなかった。
こうなってくると、気づかれて回り込まれる恐れがあるため、適当に逃げることもできなくなった。
なにしろ相手はただの酔っ払いじゃなくて、フリージアである。
うっかりすると氷漬けにされた上に、さらに説教モードに入って話が長引く恐れがある。
しょうがない。酔いつぶれるぐらい飲ませて、意識が無くなったら逃げるか…
しかし、見合いがイヤなのはわかるけど、理由が自分より弱い男と結婚したくないってのもなあ。
強けりゃ知らない人でもいいのかよ。
というか、フリージアより強い男っているの?

>「・・・・で私は颯爽と銀髪赤目の人間に無理やりゴスロリを着せる
> 悪の秘密結社ゴスロリ団に戦いを挑みましたのよ!
> 服装の自由と尊厳を守るために私は負けられませんでしたの・・・・」
「……」
もはや返事をする気もなく、頭を押さえて黙り込むあたし。
そして、それにかまわずひたすら喋り続けるフリージア。
やばい…フリージアに酔いつぶれる気配もない…
このままじゃ、こっちが先に潰れるぞ…

127 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/03/07(日) 09:40:03 O
>「や、フリージアにミルク。パーティを楽しめてるかな……っと?」
「これが楽しんでるように見える…?」
内心頭を抱えながら、かけられた言葉に即答して振り向いて。
そこでやっとあたしは、話しかけてきたのが見知った友達である事に気がついた。
「グレイブじゃない。1人で来てたの?」

分かれた時に一緒にいた、人形たちの姿はなく。
誘うようにとわざわざ忠告してやったのに、ネリーも一緒ではない。
人の忠告を無視するとは無礼な奴だ。
でも、いつもの学ランじゃなく、タキシードにワイングラスを持つ姿はなかなかの男前。
なんか雰囲気違うなーと思ったら、酒が入ってるのね。
いつもの冷たくて近づきにくい感じが消えてるのは、そのためかも。

ピンポンパンポン自分で言いながらのユリの騒々しい放送が、招き猫広場への集合を促した。
>「だってさ♪」
ギズモはそれを聞いてフリージアの首根っこを掴み、ずるずる引きずりながら歩き始める。
助かった…あの行動は使い魔としてどうなのとか言いたいけど、とにかく助かった…
てか、出来るんなら主人が暴走してるの見たら早く助けに来てよギズモ…
今度から、フリージアに酒を飲まさないよう注意しよう。
リリアーナと同じくらいに。

>「おやおや、はしゃぎすぎたのか?フリージアは」
「あはは…まー、そんな所かな…」
…あれ。なんかキャラ違わないかグレイブ。
こんな状況で爽やかに笑うような奴だったっけ?
なんかこう、『これだから酔っ払いは』とかなんとか、皮肉の一つも言いそうな気もしたけど…
>「俺がエスコートしても構わないかな?マドモアゼル」
「…良いの?ネリーに見られても知らないよ?」
ニコリと笑って手を差し出すグレイブに、ちょっと心が動いた。
こんな笑い方も出来るんだな。
普段からこんな感じに笑ってれば、もっとモテるだろうに。

「それじゃお願いしようかな。
 しっかりエスコート頼むわよ、グレイブ」
あたしはグレイブに笑い返して、差し出された手を取った。

そんなわけで、人が続々と集まり始めた招き猫広場。
広場には所々にテーブルが置かれていて、その上に乾杯用のグラスが色々置かれている。
結構人が集まってる中で、招き猫の像が置いてあった場所だけが、不自然に暗くなっていた。
なんだありゃ、何かの演出か?

「あ、リリアーナたちだよ。
 おーい!こっちこっち!こっちだってば!」
人波の中、居並ぶ見知った顔を見つけて、あたしはぶんぶん手を振った。
さすがにちょっと飲み過ぎたかなと思いつつも、ほろ酔い気分が気持ちいい。
「どうしたの、みんなで集まって怖い顔して。何かあったの?
 あー、さてはリリアーナがまたお酒飲んで何かしたんでしょ。
 ダメだよリリアーナはアルコール弱いんだからー、気をつけないとー」

128 名前:ターロン&ユリ&アナスタシア ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/03/07(日) 09:44:16 O
>118-119
>レ「そうだな、ターロン。」
「おう。これは何のハンカチですかな?」
>レ「ここで無血八極のスペルカードをハンカチに付けるとだな…“ボン”だ。」
「ぐはあっ!?」
レベッカにされるがまま、素直にハンカチに乗っていたターロンは見事黒こげになった。
死にはしていないようだが、力が弱い分受けたダメージは大きい。

>「レベッカの奴、こんな小さい動物を虐めるなんてとんでもない奴だ!」
>「一応これでも危険な妖怪で、魔法使いなんだよ」
>「あーあ、イモリの黒焼きみたいになってる。もう。人の恋路を邪魔するからだよ。
> はいターロン、ちょっと口あけて」
ロックの手の中でぐったりしていたターロンは、黙って口を開けて薬草を押し込まれた。

それから時間はすぎて夜となり、放送を聞いて関係者から野次馬まで皆が集まりだした頃。
招き猫広場に鋭いホイッスルの音が響き渡った。
同時に、魔法で暗くしていた部分がスポットライトで照らされ。
ホイッスルを吹くユリの姿が闇の中に浮かび上がる。
「全員ちゅうも――――く!!」
そして、十分皆の注意を引いたのを確認してから、ユリはマイク片手に演説を始めた。
「お集まりの紳士淑女の皆様!
 今日この日に、我々のムウ大陸探索作戦が、大成功した事をお伝え出来るのは大きな喜びです!」
ユリの後ろでアナスタシアが、“成功”と大書された垂れ幕をばさりと広げる。
事情を知る関係スタッフの間に、感嘆の声と拍手が起こった。
事情を知らない野次馬の間にも、感嘆の声と拍手が起こった。

「それでは論より証拠!百聞は一見にしかず!聞くと見るとは大違い!
 ムウ大陸での探索隊の活躍を、幻術で皆様にも実際に体験していただきましょう!
 幻術特殊効果その他もろもろを準備してくれたのは、アルナワーズ機関の有志の皆様です!
 それでは映像スタート!!」
ユリが合図を送ると、招き猫広場は暗闇に包まれた。

次に見えた光景は、ムウ大陸へと向かう猫車の中だった。
すでにムウ大陸に行った者は、かつての記憶を思い返せるように。
行けなかった者は、起きた出来事をその場にいたように感じられるように。
強力な幻術の力で、その場にいた全員がムウ大陸での出来事を追体験できたのだ。
それは罠と危険に満ちた冒険であり、愛と友情に溢れた物語だった。
ドラゴンや大蜘蛛の襲撃があり、謎のメイドやカバ頭メイドとの出会いがあった。
狂ったメイドや、乗っ取られた神龍との死闘があった。
プライバシーに触れそうな事は“少しばかりの”誇張法で隠し。
幻術は見事にその場にいた全員に、ムウ大陸を疑似体験させたのだ。

「じゃーん!そしてこれが、ムウ大陸から持ち帰ったお宝の1つでーす!」
>>「しっかり見ろよ〜。重かったから、かっぱらってくるの大変なんだぞ〜」
幻術が終わると、ユリはアナスタシアと一緒に巨大なトロフィーを高々と掲げてみせた。
なぜ、何のためにトロフィーが宝物庫にあったのかは分からない。
だが、とにかくそれはムウ大陸探検の成功の象徴として相応しい、豪華さと大きさを兼ね備えていた。

「それでは皆様!お近くのグラスをお持ちください!
 ムウ大陸探索隊の無事の帰還と、探検の成功を祝って!かんぱ―――い!」
関係者も野次馬も、共に手に取ったグラスを掲げて大声で乾杯に唱和した。
大歓声があがり、集まった人たちは互いに感動と興奮をぶつけ合った。
「やったじゃねえかお前ら!全員無事に帰ってこれて良かったなあ!」
「すげえよ!あんな冒険を体験してきたなんてマジすげえ!!」
ある者は探索隊の努力を労い、ある者は無事を喜び、皆の感動と興奮はすぐには冷めそうもなかった。

やがて、フィジル島の空に1つの大きな花火が打ち上げられる。
それは、学園祭の終了が近いことを告げる合図であり。
長いようで短かった冒険の終わりを告げる合図でもあった。

129 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 02:03:50 0
「オウカさん、よかった、元気になったみたいね。その礼服、とっても似合ってるよ!
 あれ?もしかして1人だったの?変ね、今日は白百合騎士団のメンバーがエスコートするはずだったのに。
 まあいいわ、ご一緒しましょうよ」
リリアーナはオウカに椅子を勧めた。

さて、アンジェリーナは失踪したのではなく、きちんと置手紙を残して出かけたらしい。
「ヒンヌーキョウト?何それ。イヌ派やネコ派の刺客?」
まさか自分のコンプレックスが、一部の生徒に大人気などリリアーナが知る由も無い。
「どちらにしても、ロックもアンジェリーナも無事で良かったわ」
もしもあのアンジェリーナがフクロウ派、もとい、タカ派になって暴れたとしたら、想像を絶する事態になっただろう。
ちょっとだけイヌ派陣営とネコ派陣営に同情してしまう。
「でもよかった、学園が嫌で姿をくらまそうとしたわけじゃなかったのね。
 彼女、時々極端な行動に出るし・・・・・・ちょっとだけ心配しちゃったわ。」
アンジェリーナ先生のご帰還に、今頃きっと初等部の教え子達も大喜びしているだろう。
そんなアンジェリーナは、ロックにとっては数少ない縁者の1人でもある。
色々複雑な立場のロックには、心の支えが1人でも多いほうがいい、そうリリアーナは考えていた。
(まあ、本人がさほど悩んでなさそうなのが救いなんだけどね〜)
かいがいしく桜花の世話を焼くロックを、リリアーナは微笑ましく眺めていた。
(ちなみに、慣れない土地に来た桜花を気遣うのは当然なので、リリアーナが気を悪くするはずも無かった。
 もし彼がやらなかったら、リリアーナが世話を焼いただろう)

>「そう言えば、お前はイヌ派か?それともネコ派か?どちらかと言えばお前はイヌ科に見えるな。 
> いや、そもそも俺はお前の名前も知らないぜ。名前は何て言うんだ?」 
>「・・・私がイヌ科かは判らないが、貴方もどちらかといえばイヌ科に見える。 
> 私は響桜花だ、自己紹介が遅れてすまない。 
> それと、私はイヌ派だ。」 
「わあ!私もイヌ派だよ!気があうね!」
リリアーナは手を叩いて喜んだ。
「オウカさん、さっき話したとおり、彼はロック・ウィルだよ。
 ずっと課題で学園を留守にしてたんだけど、やっと帰ってきたの。
 彼、物体操作の魔法が得意でね、箒で空も飛べるのよ!物理とかもすっごく得意で・・・・・。あ。」
我に返った彼女は「と、とにかくそんな感じなのよ」とロックの紹介を締めくくった。

>「そうだ、リリアーナ。お前に言いたいことがあったんだった。 
> ヨハネカインの件で忘れるところだったぜ。」 
桜花にフォークを渡そうとしていたリリアーナが、何?と首をかしげた。
>「リリアーナ、お前はおっぱいが大きくなくても美しい。 
> それに気づいてほしかったから胸に“何か”を入れたのか?その思惑は大成功だぜ。」 
リリアーナの手からぽろりとフォークが落ちた。
>口に含んでいたかぼちゃジュースを盛大に噴出す桜花 
「・・・・・っ!オウカさん大丈夫?!服、汚れなかった?!」
一瞬の間の後我に返ったリリアーナは、あたふたと桜花にハンカチを渡そうとして・・・・・・。
「あ、あれ?!」
リリアーナは困惑した。涙がとめどなく溢れてくるのだ。
何も悲しくなんかないし、ロックはきっと、思ったことを口に出しただけだというのに。
ありのままの自分を受け入れてくれる人がいる。
それはなんて、幸せなことなのだろう。
「別に何も入れてないわよ。ちょこっとムウ大陸で呪われただけだもん。・・・・・・バカロック」

130 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/03/08(月) 02:08:53 0
R『ったー!知り合い発見!ひんぬーリリアーナだ!』 
「え?誰?どこ?」
リリアーナはごしごしと涙をぬぐうと、慌ててあたりを探した。
すると、ドレスアップした少女が、二体の人形を連れてこちらに走ってくるところだった。
「あれ、グレイ達じゃない。それとネリーさん、だったよね?そんなに慌ててどうしたの?」
69「なんだこのかわいい人形は?グレイズなのか?」 
「うん、魂の器なんだって。ちなみにもう一体のお人形には、今はグレイルが入ってるみたいね」
>「すみません、グレイブ君見ませんでしたか!?あの、タキシード着てる青髪なんですけど! 
>  酒癖悪いの知ってます?このままだと他の女の子達に被害が出ちゃう!」 
「ネリーはいいんだ・・・・・・」
>「女装を非難するくせに女の子に酔ってからむとはとんでもない奴だ!俺が見つけ次第懲らしめてやるぜ!」 
>「同感だな。そういう男を女の敵というんだ。」 
「まあ2人とも落ち着いて。そうだ!お人形から魂が抜けたら、身体のある場所に強制的に戻れるんじゃない?」
試してみよう!とリリアーナはグレイズの人形を手にとると、勢いよく上下に振った。
「えいえいえい!・・・・・・・どう?魂は抜けた?」
まあその程度で本体に戻れるのなら、ネリー達がとっくに実行しているだろうが。

「こうしていても仕方ないわ。ひとまず招き猫広場の方へ行ってみない?
 さっき放送入ってたし、グレイブならきっとそっちに向かったはずよ。
 もし何かやらかしてたら、きっと騒ぎになってるからすぐ見つかると思うし!」
とにかく急ごう!とリリアーナは皆を急かした。

「オウカさん、ドレスも似合いそうなのに。何で男装なの?いや、似合ってるけど・・・・・・。
 もしかして、ダンスとか嫌い?」
文化の違いで、もしかしたら、手を握ったり踊ったりする習慣がないのかもしれない。
「嫌いじゃないなら、私が教えるよ。
 もしも気恥ずかしいだけなら、最初は友達同士で踊って慣らそうよ!
 やっぱりこういうパーティは、楽しんだもの勝ちだもんね!」
リリアーナはぽんぽんと桜花の背を叩くと、「ちょっとだけごめんね」と言い置いて彼女から離れた。

「ロック、ありがとう」
招き猫広場へ移動中、リリアーナがロックに囁いた。
何に、とは言わなかったし、そんな必要も無い。
「でも、言った言葉には責任持ってよね。いざという時がっかりしたら、もう絶交なんだからね」

「い、意外と人が多いね。見つかるかな・・・・・・。グレイズ、自慢の鼻で見つけられない?」
>「あ、リリアーナたちだよ。 
> おーい!こっちこっち!こっちだってば!」 
「あ、ミルクの声だわ。ラッキー!一緒に探してもらいましょうよ・・・・・って、あれ?!」
ミルクの傍らには、彼女をエスコートするグレイブの姿が。
>「どうしたの、みんなで集まって怖い顔して。何かあったの? 
> あー、さてはリリアーナがまたお酒飲んで何かしたんでしょ。 (略)」 
どうやら顔が真っ赤だったのを、酒のせいだと勘違いされたようだ。
「わ、私は正気よだもん!
 そもそも自分から飲もうとした事なんか一度だって無いわ!全部事故だもん!」
ちなみにリリアーナの場合、コーヒーに垂らしたブランデー程度でも酔える程の弱さだ。
本人は全く覚えていないが、酒がらみでは数々の伝説を残している。
「そんなことより、ミルク、無事だった?
 グレイブに口説かれたり、えっちなことされたりとかしなかった?!」
他意はないとはいえ、失礼千万な言い草である。
「・・・・・・はっ!大変!フリージアが!」
リリアーナは地面に座り込んだフリージアに気づき、慌てて駆け寄った。
フリージアのチャイナドレスは(ギズモに引きずられたため)乱れている上に(酒のせいで)ぐったりしている。
「フリージアしっかりして!いったい誰がこんなひどい事をー!!
 グレイブ、まさかあなたなの?!ひどいわ!あんまりよ!」
リリアーナはフリージアを抱きしめると、わっと号泣した。
もっとも「単に酔っ払っているだけ」だと聞かされれば、すぐに毒消し処置を行うだろうが。

131 名前:グレイ&ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/03/09(火) 01:34:41 0
>「それじゃお願いしようかな。
> しっかりエスコート頼むわよ、グレイブ」
>あたしはグレイブに笑い返して、差し出された手を取った。
「勿論。さ、行こうか」
グレイブの爽やかにこやかな表情。
しかしその裏側では……
「(くくくく、ふふふふふ良し良し良し良し。ミルクゲット!
 あとは紳士的に真摯に熱烈に口説いて……ふふふふっはあっははははは!!)」
下卑た欲望塗れの思考が渦巻いている。無論その欠片たりともおくびにも出さない。
好青年の仮面を自然すぎるほど被ったまま、ミルクをエスコートしていく。
今宵、少なくともワイン2本分は既に空けているグレイブは好調である。


ところ変わってリリアーナ一行。
>「ネリーはいいんだ・・・・・・」
>「へ?あ、いや、その、そうじゃなくって!グレイブ君私口説かないし!」
どういう訳かネリーはグレイブに口説かれたことは無い。
理由は昔からの付き合いだからか、本当に好きだからかと推論はあれどその真意はわからない。
>「女装を非難するくせに女の子に酔ってからむとはとんでもない奴だ!俺が見つけ次第懲らしめてやるぜ!」
>「同感だな。そういう男を女の敵というんだ。」
『出来れば殴らねーでほしーんだけどな!俺らも痛ぇーしさー!』
>「まあ2人とも落ち着いて。そうだ!お人形から魂が抜けたら、身体のある場所に強制的に戻れるんじゃない?」
『え?いやそれだとってわあああ!?』
勢い良く振られる人形グレイズ。
「えいえいえい!・・・・・・・どう?魂は抜けた?」
>「わー!リリアーナだめー!それ、結構デリケートなのー!」
『うぅ……抜けないよ。て、いうか今抜けたら死ぬかもしれないんだけど……』
本体との因果関係はまだ確認されていないため、離れた場所で魂が抜けたらどうなるかわからないのだ。
リリアーナの推測どおりに行くかもしれないし、もしかしたらそのまま本当の幽霊になってしまうかもしれない。
だから大困りなのだが……グレイズはふらふらになった。グレイルも僅かによろけている。

グレイブを探すためにも、招き猫広場まで移動してきた一行。
>「い、意外と人が多いね。見つかるかな・・・・・・。グレイズ、自慢の鼻で見つけられない?」
「今やってみてるけど、厳しいなあ。ロックやオウカさんは見つけた?」
鼻をすんすん鳴らし、狼耳を立てて何とかグレイブを見つけ出せないものかと奮闘中。
グレイルはネリーの頭に陣取って寝ている。移動が面倒になったのだ。


132 名前:グレイ&ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/03/09(火) 01:37:20 0
>「あ、リリアーナたちだよ。
> おーい!こっちこっち!こっちだってば!」
>「あ、ミルクの声だわ。ラッキー!一緒に探してもらいましょうよ・・・・・って、あれ?!」
>「ん、友達?んー……みゃっ!?みゃあああ!!?」
「ち、ネリー……とくるとSとRもか?」
そこにいたグレイブの爽やかな表情に影が入り混じり、渋い表情が見え隠れする。
『ああっ!いた!よりによってミルクさんとフリージアに手を!?』
『にゃにっ!?インテリヤロー居やがったー!』
素早く起き上がってテーブルの上に軟着陸するグレイル。同じように横に降り立つグレイズ。
>「そんなことより、ミルク、無事だった?
> グレイブに口説かれたり、えっちなことされたりとかしなかった?!」
「はは、酷いこと言わないでくれリリアーナ。まだエスコートしかしていないというのに」
『まだ!?「まだ」って何だよ!?』
「ぎゃあすかぎゃあすかと喧しいなぁS。てめぇは黙ってやがれ犬野郎」
突如爽やかな仮面を剥ぎ取り、冷徹に見下ろす。普段の8割増しで真っ黒なグレイブ。
男となると自分の半身ですらこの対応である。

>「(前略)グレイブ、まさかあなたなの?!ひどいわ!あんまりよ!」
「ふっ、失敬な。俺はそんな野蛮で低俗な行為などしないさ。女性に手を出すのはベッドの上でだけだ」
『危ない発言ー!それ危ないってば!それより、ミルクさん口説いて何する気だよ!?』
「……それは勿論、最後までに決まってるだろうが。少し詳しく説明してやるならば、
 口説いてラヴ・スポットまで連れ込んで話して良い雰囲気にしてベッドに押し倒して
 唇奪って舌入れて口内…『ぎゃー!ストップ!』…くして…『だーまーれ!黙れえええっ!!』…るだけだが?」
まっピンクに染まっている脳内をグレイブは簡略に説明してくれたようだ。既にワイン3本以上空けているだけある脳内である。
ちなみにこれでも一割伝えたかどうか程度だ。最後なんて一言で纏めた程度。
本気になれば余すところ無く生々しく語ってくれるだろうが、公衆の面前なので多少自重したらしい。
『前なんかは押し倒すまで行ったけど糸が切れたかのように寝たからいいものの、今度はそーはいかない!
 大体今までその欲望のために何人口説いてきた!?B!!』
「10から先は覚えていねぇよ。そもそも人数という下らない統計に価値など無いだろうが。
 覚えておくべきは個人のこと!アリサ、エイミー、ユーコ、セリーヌ、ベラ、フラン、ジュリア、リリアン、マーガレット……」
『お酒抜けたら覚えていないのになんで今だけそう思い出せるんだよ!?
 ……あーごめん皆、グレイブはこの通り。もう一つ違う魂があるんじゃないか、って疑いたくなるぐらいに変貌するんだよ……』
白百合騎士団から狙われるのも当然の極みである。
そしてグレイズの胃へのダメージも計り知れない。

>「だ、け、ど!もうこれ以上被害は出させないよ!悲しいけれど、グレイブ君は私の手で連行させてもらうからね!」
『そーさ!暴れられちゃー俺もやだからなー!』
『大人しくお縄に「五月蝿しい」つくっ!?』
ふおんと無造作にグレイブが手を振ると、一瞬でグレイズが氷に包まれる。無詠唱の無駄使いである。
『Sー!くっそうこのヤローッ!食らえ、“包め炎よ、我が右手を”!俺の右手が真っ赤に燃えるぅー!』
「この脳内筋肉が!詠唱がノロいんだよ!俺の(女性への)愛を止められると思うなッ!」
今度は手に持っていたグラスを振るい、中のワインを氷柱に変えて打ち出す。
その氷柱は見事にグレイルの服の端々を捕らえ、テーブルの上に磔刑にした。だから無詠唱の無駄使いだってば。
そして近くにいるミルクを抱き寄せ、再び甘い表情の仮面を装着して耳元で甘く囁く。
「失礼、ミルク。さっき俺やSが言ってたことは本当だが……俺はただ、可愛いミルクのことをもっと知りたいだけだ。
 今までの誰よりも。それで、どうかな?一晩俺と過ごしてくれないものかな……一晩、その宝石みたいに美しい瞳で見つめて欲しい」
こんな状況でも口説こうとする超自重しないモードのグレイブ。
ネリーが何処からか大きなハンマーを取り出しているのには見て見ぬフリ。野次馬にも見て見ぬフリ。

133 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/03/09(火) 19:23:48 0
>127>130>131>132
> 「ロック、ありがとう」
> 招き猫広場へ移動中、リリアーナがロックに囁いた。
「何のことだ?」
とロック。
> 「でも、言った言葉には責任持ってよね。いざという時がっかりしたら、もう絶交なんだからね」
ロックは黙ってうなづいた。
> 「今やってみてるけど、厳しいなあ。ロックやオウカさんは見つけた?」
> 鼻をすんすん鳴らし、狼耳を立てて何とかグレイブを見つけ出せないものかと奮闘中。
ロックはそんなグレイズに首を横に振った。彼にもグレイブの姿は見つけられていない。
しかし、ミルクがこちらに声をかけてくれたおかげで、彼女の傍らにいるグレイブを発見することができた。
> 「そんなことより、ミルク、無事だった?
>  グレイブに口説かれたり、えっちなことされたりとかしなかった?!」
とリリアーナがミルクに聞いた。ロックはその間にポケットから何かを取り出し、それらを両手に握った。
指の隙間から、ゴリゴリという音が漏れる。
> 「はは、酷いこと言わないでくれリリアーナ。まだエスコートしかしていないというのに」
> 『まだ!?「まだ」って何だよ!?』
> 「ぎゃあすかぎゃあすかと喧しいなぁS。てめぇは黙ってやがれ犬野郎」
グレイブはグレイズを罵倒した。
> 「・・・・・・はっ!大変!フリージアが!」
> リリアーナは地面に座り込んだフリージアに気づき、慌てて駆け寄った。
> 「フリージアしっかりして!いったい誰がこんなひどい事をー!!
>  グレイブ、まさかあなたなの?!ひどいわ!あんまりよ!」
> リリアーナはフリージアを抱きしめると、わっと号泣した。
> 「ふっ、失敬な。俺はそんな野蛮で低俗な行為などしないさ。女性に手を出すのはベッドの上でだけだ」
> 『危ない発言ー!それ危ないってば!それより、ミルクさん口説いて何する気だよ!?』
どう聞いてもラストまでフィニッシュする気です。本当にありがとうございました。

> >「だ、け、ど!もうこれ以上被害は出させないよ!悲しいけれど、グレイブ君は私の手で連行させてもらうからね!」
> 『そーさ!暴れられちゃー俺もやだからなー!』
> 『大人しくお縄に「五月蝿しい」つくっ!?』
> ふおんと無造作にグレイブが手を振ると、一瞬でグレイズが氷に包まれる。無詠唱の無駄使いである。
> 『Sー!くっそうこのヤローッ!食らえ、“包め炎よ、我が右手を”!俺の右手が真っ赤に燃えるぅー!』
> 「この脳内筋肉が!詠唱がノロいんだよ!俺の(女性への)愛を止められると思うなッ!」
> 今度は手に持っていたグラスを振るい、中のワインを氷柱に変えて打ち出す。
> その氷柱は見事にグレイルの服の端々を捕らえ、テーブルの上に磔刑にした。だから無詠唱の無駄使いだってば。
> 「失礼、ミルク。さっき俺やSが言ってたことは本当だが……俺はただ、可愛いミルクのことをもっと知りたいだけだ。
>  今までの誰よりも。それで、どうかな?一晩俺と過ごしてくれないものかな……一晩、その宝石みたいに美しい瞳で見つめて欲しい」
「その通りだ!だが違うぜ!なぜならお前は俺と熱い夜を過ごすからだ!バトルという名の熱い夜をな!!」
ロックの握った手の中からゴリゴリという音が止まると、彼はグレイブを指差しながら叫んだ。
「リリアーナ!オウカ!俺から離れろ!ホット・ハードニングだ!お前の好きにはさせないぜ!グレイブ!!」
ロックの体がブオンという効果音と共に熱い蒸気に包まれた。周りの温度が一気に高くなるほどヒートしている。
「蒸気弾だ!!」
ロックは握っていた手の片方を開くと、そこからグレイブの顔の高さに向けて蒸気の塊を放った。
蒸気という性質を考えればそれを一気に凍らせることはできないだろうが、しかし氷で冷やせば殺傷力は無くなるだろう。
ロックにとってそれは予想の範囲内である。ロックには第二の蒸気弾を放つ準備がある。

134 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/03/10(水) 01:43:53 P
>130>132-133

>「・・・・・・はっ!大変!フリージアが!」
ずるずるとギズモにひきづられたため、服が乱れて足とか丸見えになっているフリージアさん
>「フリージアしっかりして!いったい誰がこんなひどい事をー!!
  グレイブ、まさかあなたなの?!ひどいわ!あんまりよ!」
「犯人はヤス」
ここぞとばかりに分かりにくいボケをかますギズモ

「ちょっと!何、人が気持ちよく寝てるのにギャースカギャースカやってますのよ!!」
あまりに騒がしいのでやっとこさ目を覚ましたフリージアさん
静かだなぁと思ったらどうやら寝ていたらしい
「やっぱり学生がお酒を飲むもんじゃないと思うんだ」
と至極真っ当な事を言うギズモ

フリージアさんの目の前ではグレイとロックがなんか対決してた
「ちょっと一体全体どうして二人が戦ってるわけ!!」
まだちょっと酔っ払っているからか?状況判断ができていないフリージアさん

「なんだか良く分からないけど喧嘩両成敗ですわぁ!!」
フリージングディストラクションの呪文を唱えつつキグナスダンスを舞い踊るフリージアさん
すいませんちょっとどころじゃなく酔っ払ってました
どこからともかく”いいぞぉ!ぬげぇ!!”とか声が聞こえて来る
どうやら騒ぎを野次馬しに来た男子生徒のようである
たぶん彼らも酔っ払っているのであろう
「やっぱり学生がお酒を飲むもんじゃないと思うんだ」
ともう一度繰り返して言うギズモ

「雪と氷の精霊よ・・・・わが姉妹たちよ・・・我の名はフリージア・ノクターン
 我との盟約において・・・・その秘めたる力を解放し・・・・わが目の前の標的を粉砕せよ!
 これぞ!森羅万象すべてを凍らせ!すべてを砕く!!
 フリージア・ノクターンが最大奥義!!フリージンg「させるかぁ!!」
フリージングディストラクションを体当たりで阻止するギズモ
「ふう・・・危ないところだった」
もし酔っ払ったフリージアさんの魔法が完成していたら
目標になった二人には当たらず校舎に命中し校舎が倒れる大惨事になっていたであろう

はたして素面の人間は酔っ払いの暴走を止めることは出来るのだろうか?
呪文を封じても動作で呪文を完成させられるのでがんばってフリージアを羽交い絞めにするギズモ
はたしてどうなってしまうのか?

135 名前:ミルク[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 17:36:03 0
>129-134
>「わ、私は正気よだもん!
> そもそも自分から飲もうとした事なんか一度だって無いわ!全部事故だもん!」
「あはは。冗談冗談。
 でもアルコールありの会場だから、飲み物食べ物には気を付けなきゃダメだよ〜?」
軽く笑って流そうとすると、リリアーナは真剣な様子で先を続ける。
>「そんなことより、ミルク、無事だった?
> グレイブに口説かれたり、えっちなことされたりとかしなかった?!」
「は?エッチな事って…いや、別に?」
??なんだ??
なんかやけに真剣な表情だけど、グレイブに限ってそんなことするはずが…

>「はは、酷いこと言わないでくれリリアーナ。まだエスコートしかしていないというのに」
>『まだ!?「まだ」って何だよ!?』
「まだ!?」
あれ!?なんか今聞き捨てならないこと言いましたよグレイブ!?
まだっって何!?じゃあ、将来的には何かするつもりだったの!?
「ぎゃあすかぎゃあすかと喧しいなぁS。てめぇは黙ってやがれ犬野郎」
急にガラッと態度を変えてすごむグレイブに、あたしはぽかーんですよ。
え?なに?どうしちゃったのグレイブ?
二重人格?それともリアル狼な性格?何かの拍子に、真の自分を解放しちゃったとか?

>「フリージアしっかりして!いったい誰がこんなひどい事をー!!
> グレイブ、まさかあなたなの?!ひどいわ!あんまりよ!」
「あ、いや、フリージアは起こさない方が…」
さっき絡まれてひどい目にあった身として、ごにょごにょフリージアを起こそうとするリリアーナを止めようとしたけど。
グレイブたちの方が、それどころじゃない事態に発展しつつあった。

>「ふっ、失敬な。俺はそんな野蛮で低俗な行為などしないさ。女性に手を出すのはベッドの上でだけだ」
>『危ない発言ー!それ危ないってば!それより、ミルクさん口説いて何する気だよ!?』
>「……それは勿論、最後までに決まってるだろうが。少し詳しく説明してやるならば、
> 口説いてラヴ・スポットまで連れ込んで話して良い雰囲気にしてベッドに押し倒して
> 唇奪って舌入れて口内…『ぎゃー!ストップ!』…くして…『だーまーれ!黙れえええっ!!』…るだけだが?」
なななななな……なんじゃそりゃー!!?
なんだってあたしが、そんな怪しい事することになってるんだ!?
あまりと言えばあまりの話の展開についていけず、あわあわと酸欠の魚みたいに口をパクパク開け閉めするあたし。
もちろん、そんないっぱいいっぱいのかわいそうなあたしを置いて。
話はどんどんどんどん危険な方に進展していく。

>『前なんかは押し倒すまで行ったけど糸が切れたかのように寝たからいいものの、今度はそーはいかない!
> 大体今までその欲望のために何人口説いてきた!?B!!』
>「10から先は覚えていねぇよ。そもそも人数という下らない統計に価値など無いだろうが。
> 覚えておくべきは個人のこと!アリサ、エイミー、ユーコ、セリーヌ、ベラ、フラン、ジュリア、リリアン、マーガレット……」
>『お酒抜けたら覚えていないのになんで今だけそう思い出せるんだよ!?
> ……あーごめん皆、グレイブはこの通り。もう一つ違う魂があるんじゃないか、って疑いたくなるぐらいに変貌するんだよ……』
「どー考えても別の魂だろうがーっ!!」
酒が抜けたら覚えてないって、そりゃ完全に酒に飲まれてるだろうが!
あああああ、なんであたしの周りはこんなに酒乱が多いの!?
んでもって、何も悪い事してないのになんでこんな騒動に巻き込まれるの!?
お願いだから神様も、サボってないであたしの普段の善行を見ていてお願いーっ!

136 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/03/12(金) 17:36:56 0
>>「だ、け、ど!もうこれ以上被害は出させないよ!悲しいけれど、グレイブ君は私の手で連行させてもらうからね!」
>『そーさ!暴れられちゃー俺もやだからなー!』
>『大人しくお縄に「五月蝿しい」つくっ!?』
グレイズ(in人形)がグレイブを止めようとするけど、逆に魔法で氷漬けにされる。
>『Sー!くっそうこのヤローッ!食らえ、“包め炎よ、我が右手を”!俺の右手が真っ赤に燃えるぅー!』
>「この脳内筋肉が!詠唱がノロいんだよ!俺の(女性への)愛を止められると思うなッ!」
同じように止めようとしたグレイルも、 ワインから飛び出した氷柱で磔になってしまった。
あああもう!長年一緒に暮らしてきた仲だろ、しっかりしろよ!

ぐいっと。体が誰かに引き寄せられる。
気が付けば、すぐ目の前に優しげに微笑むグレイブの顔。
グレイブに抱き寄せられたんだと頭が理解するのに、しばらく時間がかかった。
そして近くにいるミルクを抱き寄せ、再び甘い表情の仮面を装着して耳元で甘く囁く。
>「失礼、ミルク。さっき俺やSが言ってたことは本当だが……俺はただ、可愛いミルクのことをもっと知りたいだけだ。
> 今までの誰よりも。それで、どうかな?一晩俺と過ごしてくれないものかな……一晩、その宝石みたいに美しい瞳で見つめて欲しい」
「え。いや。あたしは。その。
 急にそんな事言われても。心の準備が…」
耳元で聞える囁きに、抵抗できない。
顔が火照ってるように感じるのは、お酒のせいか別の何かか。
いやいやいや状況に流されるなあたし!
目の前にいるのは女たらしの常習犯の犯罪者なんだぞ?
そんな奴はあたしの趣味じゃないはずだろ!
そんな考えが頭の中をぐるぐる回るけど、それは行動にはつながらず。
あたしにできたのは、グレイブの腕の中でもぞもぞ動くことだけだった。

>「蒸気弾だ!!」
「あちちちっ!?」
急に、近くで高温の蒸気を感じ、あたしは慌ててその場を離れて転がった。
倒れたままで見ると、グレイブと対峙するロックの姿が。
今のはロックの魔法?なんにしても助かった!

>「ちょっと一体全体どうして二人が戦ってるわけ!!」
おっ!フリージアも目が覚めてるじゃないか!
「いや実は、グレイブが酒に酔って別j…」
>「なんだか良く分からないけど喧嘩両成敗ですわぁ!!」
せっかく事情を説明しようとしたのに、話も聞かずにいきなり魔法を使おうとするフリージア。
「あんたまだ酔ってるのかよ!んな威力の高い魔法使うな!」
>どこからともかく”いいぞぉ!ぬげぇ!!”とか声が聞こえて来る
「煽るなバカ!先に止めろ!
 こんな人の集まってる場所で大魔法なんか使われたら、洒落にならんぞ!」
言ってはみたものの、どうも周りの連中も酔ってるらしく返事は無し。
>「やっぱり学生がお酒を飲むもんじゃないと思うんだ」
…あたしもギズモに賛成したくなってきたよ…

>「ふう・・・危ないところだった」
フリージアの魔法は、ギズモが体を張って食い止めた。
でも、フリージアやグレイブの酔いが収まったわけじゃない。
まだまだ危険な状態は続いてるはず!
「リリアーナ!フリージアとグレイブに使える酔い覚まし持ってない!?
 桜花はリリアーナの援護をしてあげて!酔ってるから暴れて抵抗されるかも!」
あたしは地面から上体を起こした姿勢で、2人に叫ぶ。
自分でも援護したいけど、なぜか体に力が入らないのだ。
あーもう!我ながら情けないっいたら!

137 名前:響桜花 ◇tjqZ9xkETA [sage] 投稿日:2010/03/13(土) 10:52:50 0
>「こうしていても仕方ないわ。ひとまず招き猫広場の方へ行ってみない?
> さっき放送入ってたし、グレイブならきっとそっちに向かったはずよ。
> もし何かやらかしてたら、きっと騒ぎになってるからすぐ見つかると思うし!」
「そうだな、時間ももったいないからな」
リリアーナの後ろについていく桜花
>「オウカさん、ドレスも似合いそうなのに。何で男装なの?いや、似合ってるけど・・・・・・。
> もしかして、ダンスとか嫌い?」
「いや、嫌いじゃないが・・・得意じゃないんだ。
 こういう雰囲気というか・・・場所というか・・・」
照れくさいのか頬を掻いてモゴモゴと小声で言う。
>「嫌いじゃないなら、私が教えるよ。
> もしも気恥ずかしいだけなら、最初は友達同士で踊って慣らそうよ!
> やっぱりこういうパーティは、楽しんだもの勝ちだもんね!」
桜花の周りの暗かった雰囲気がパーっと明るくなる(もちろん顔にはでないが)
「ほ、ほんと?ぜひ、お願いしたいんだが・・・」
ちょっとごめんね、と言って離れていくリリアーナにああ、言葉すくなく返す
今、桜花は非常にうきうきしている
もちろん顔には出てないがうきうきしている

>「あ、リリアーナたちだよ。
> おーい!こっちこっち!こっちだってば!」
>「あ、ミルクの声だわ。ラッキー!一緒に探してもらいましょうよ・・・・・って、あれ?!」
>「ん、友達?んー……みゃっ!?みゃあああ!!?」
>「ち、ネリー……とくるとSとRもか?」
>「そんなことより、ミルク、無事だった?
> グレイブに口説かれたり、えっちなことされたりとかしなかった?!」
>「はは、酷いこと言わないでくれリリアーナ。まだエスコートしかしていないというのに」
>『まだ!?「まだ」って何だよ!?』
>「ぎゃあすかぎゃあすかと喧しいなぁS。てめぇは黙ってやがれ犬野郎」
>「(前略)グレイブ、まさかあなたなの?!ひどいわ!あんまりよ!」
>「ふっ、失敬な。俺はそんな野蛮で低俗な行為などしないさ。女性に手を出すのはベッドの上でだけだ」
>『危ない発言ー!それ危ないってば!それより、ミルクさん口説いて何する気だよ!?』
>「……それは勿論、最後までに決まってるだろうが。少し詳しく説明してやるならば、
> 口説いてラヴ・スポットまで連れ込んで話して良い雰囲気にしてベッドに押し倒して
> 唇奪って舌入れて口内…『ぎゃー!ストップ!』…くして…『だーまーれ!黙れえええっ!!』…るだけだが?」
グレイブを見つけた桜花たち
そのグレイブはプレイボーイへと変化していた。
そのグレイブを見た桜花は顔を真っ赤にしていた。こういう事に耐性がないのかもしれない
>「だ、け、ど!もうこれ以上被害は出させないよ!悲しいけれど、グレイブ君は私の手で連行させてもらうからね!」
>『そーさ!暴れられちゃー俺もやだからなー!』
>『大人しくお縄に「五月蝿しい」つくっ!?』
>ふおんと無造作にグレイブが手を振ると、一瞬でグレイズが氷に包まれる。無詠唱の無駄使いである。
>『Sー!くっそうこのヤローッ!食らえ、“包め炎よ、我が右手を”!俺の右手が真っ赤に燃えるぅー!』
>「この脳内筋肉が!詠唱がノロいんだよ!俺の(女性への)愛を止められると思うなッ!」
> 「失礼、ミルク。さっき俺やSが言ってたことは本当だが……俺はただ、可愛いミルクのことをもっと知りたいだけだ。
>  今までの誰よりも。それで、どうかな?一晩俺と過ごしてくれないものかな……一晩、その宝石みたいに美しい瞳で見つめて欲しい」
>「その通りだ!だが違うぜ!なぜならお前は俺と熱い夜を過ごすからだ!バトルという名の熱い夜をな!!」
>「リリアーナ!オウカ!俺から離れろ!ホット・ハードニングだ!お前の好きにはさせないぜ!グレイブ!!」
リリアーナの手を取りロックから距離をとる桜花
「私もやってくる。貴女はここで待っているんだ。あれは見ても聞いても毒でしかない」
リリアーナに上着を預け、戦列に参加する。
「あんな事を聞かされた乙女の気持ちを考えろ、グレイブ!!」
不用意に魔力ナイフや普通のナイフを投げると外した場合まわりに迷惑がかかるので
近くにあった、銀食器(スプーン、フォークなど)をグレイブに投げる桜花

138 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage ごめん、今日はここまで。] 投稿日:2010/03/14(日) 03:33:46 0
ギズモの分かりにくいギャグと、なぜかフリージアのことには歯切れの悪いミルク。
そしてスーパー俺タイム発動中のグレイブ。
「ふっ、失敬な。俺はそんな野蛮で低俗な行為などしないさ。女性に手を出すのはベッドの上でだけだ」 
話から察するに、どうやらフリージアがぐったりしているのは、グレイブのせいではないようだ。
それにしても酔ったグレイブのプレイボーイっぷりは、噂以上だったようだが。
「わーっ!グレイブ待って、人形はすごいデリケートなんだってネリーが!!
 手荒なことして、人形が壊れたらどうするつもりなの!二人が死ぬ前に、元に戻しなさいったら!
 ――――って、無視しないでよー!!」
どうやらグレイブは、ミルクを口説くのに忙しいようだ。

「(略)それで、どうかな?一晩俺と過ごしてくれないものかな……一晩、その宝石みたいに美しい瞳で見つめて欲しい」 
グレイブはミルクを口説くのに忙しく、リリアーナには目もくれなかった。
>「その通りだ!だが違うぜ!なぜならお前は俺と熱い夜を過ごすからだ!バトルという名の熱い夜をな!!」 
リリアーナは前半の台詞にええっと驚いたが、続く言葉にああそうですかと肩を落とした。
「せっかく戻ってきたばかりだっていうのに、これだもんね・・・・・・」
>「リリアーナ!オウカ!俺から離れろ!ホット・ハードニングだ!お前の好きにはさせないぜ!グレイブ!!」 
ロックの体がブオンという効果音と共に熱い蒸気に包まれた。周りの温度が一気に高くなるほどヒートしている。 
「ちょ、ちょっと待ってよ!ミルクがまだ・・・・・・」
>「蒸気弾だ!!」 
「わ――――っ!!ロックのばか!ミルクに当たったらどうするつもりだったのよ!!」
幸い少し熱い思いをしたようだが、ミルクも無事蒸気弾の直撃は回避できたようだ。

フリ「ちょっと!何、人が気持ちよく寝てるのにギャースカギャースカやってますのよ!!」 
「良かったフリージア、目がさめた?!痛いところとか無い?・・・・・・・あれ?
 フリージア・・・・・・・なんか、お酒くさい?!」
>「やっぱり学生がお酒を飲むもんじゃないと思うんだ」 
「え?!じゃ、じゃあフリージアは、酔って寝てただけ?!」
>「ちょっと一体全体どうして二人が戦ってるわけ!!」 
>「いや実は、グレイブが酒に酔って別j…」 
>「なんだか良く分からないけど喧嘩両成敗ですわぁ!!」 
「ええええええええ!!!」
>フリージングディストラクションの呪文を唱えつつキグナスダンスを舞い踊るフリージアさん 
ミル「あんたまだ酔ってるのかよ!んな威力の高い魔法使うな!」 
>”いいぞぉ!ぬげぇ!!”
>「煽るなバカ!先に止めろ! 
> こんな人の集まってる場所で大魔法なんか使われたら、洒落にならんぞ!」 
「フリージアやめて落ち着いてよー!!」
>「やっぱり学生がお酒を飲むもんじゃないと思うんだ」 
まさに修羅場である。

139 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/03/14(日) 03:36:38 0

>「(略) フリージア・ノクターンが最大奥義!!フリージンg「させるかぁ!!」 
>フリージングディストラクションを体当たりで阻止するギズモ 
>「ふう・・・危ないところだった」 
>呪文を封じても動作で呪文を完成させられるのでがんばってフリージアを羽交い絞めにするギズモ 
>「リリアーナ!フリージアとグレイブに使える酔い覚まし持ってない!? 
> 桜花はリリアーナの援護をしてあげて!酔ってるから暴れて抵抗されるかも!」 
だが桜花はグレイブを止めるべく、既にロックの加勢に行ってしまっていた。
どうやらグレイブの態度が、友を思う桜花の逆鱗に触れてしまったようだ。
「いいわギズモ、そのままフリージア押さえてて!今毒消し草を飲ませるから」
ルス「ではその役目は、このルズが承りました、わ〜ん」
ルズはすばやい動きで、リリアーナの手から薬瓶を取り上げた。
そして半分ほど薬を口に含んだかと思うと、じりじりとフリージアに顔を近づけていく。
ルス「ささ、女王様〜ん。ここはあなたのルズが口移しで薬を飲ませて差し上げまぐへっ?!」
ルズは、フリージアの身体の上から勢いよく叩き落とされた。
「何を・・・・・・なさいますの」
「何をじゃ無いわよ!フリージアに何するつもりなのよ!!このド変態がっ!!」
鬼の形相でルズを叱りつけたリリアーナは、その後、フリージアをなだめすかして毒消しを飲ませる事に成功した。

「これで良し、と。すぐに効いて来るから心配要らないわ。
 でもフリージアがここまでお酒に弱いなんて知らなかったな。どれだけ飲んだの?」
なにせ、フリージアの国のお酒は、どれも押しなべて度数が高いのである。
まさか、それらよりずっと度数の低いワイン程度で酔うなど、夢にも思わなかったのだろう。
「それにしても危なかったわね。ギズモ、フリージアがお酒を飲まないよう気をつけてあげてね。
 ミルクも酔いが回っちゃった?毒消し草飲んどく?」

グレイブとロックはまだバトル中のようだ。
「ねえ皆、グレイブの事はロックに任せて、私達は私達でパーティを楽しみましょうよ。
 ああ、グレイブにはロックがついてるし大丈夫よ。
 今のグレイブなら手加減なんてしないでしょうし、相手としては申し分ないわね。
 見てよ、あのロックの嬉しそうな顔を。本気バトルが嬉しくて仕方ないのよ」
リリアーナはまた大きなため息をついた。
「これだけ激しく動き回っていたら、さすがのグレイブも酔いが回るか、酒が抜けてj元に戻るでしょ。
 ネリーだって毎回毎回グレイブの後追い掛け回して大変だったでしょう。
 今日はロックがついてるんだし、思う存分楽しい思いしてもばちは当たらないわよ。
 ねえ、ミルクに桜花さん?だってそう思うでしょ?」
リリアーナはフリージアに肩を貸しつつ立ち上がった。
「こらロック!バトルもいいけど、他の人の邪魔にならないところに移動してよね!」
リリアーナはちょっぴり不機嫌そうだ。
せっかく課題から帰ってきたというのに、当の本人はバトルに夢中なのだ。
少しくらい拗ねても仕方ないだろう。――――まあ、彼らしいといえばらしいのだが。
「あ、何か招き猫広場で始まるみたいだよ。行ってみよう!」

140 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/03/15(月) 02:55:16 0
>それから時間はすぎて夜となり、放送を聞いて関係者から野次馬まで皆が集まりだした頃。 
ステージの方で何かが始まったようだ。

現れたユリとアナスタシアは、招き猫広場に集まっていた全員に、ムウ大陸での疑似体験をさせる事にしたようだ。
他人に知られたらまずい秘密の部分の誤魔化し方は、さすがは機関の仕事というべきか。

幻覚を見終わった人間は、冒険に参加した者もそうでなかった者も皆同じ気持ちを共有していた。 
>「じゃーん!そしてこれが、ムウ大陸から持ち帰ったお宝の1つでーす!」 
>「しっかり見ろよ〜。重かったから、かっぱらってくるの大変なんだぞ〜」 
トロフィーを高々と掲げるユリとアナスタシア。
「アナスタシア先生ったら、いつの間にあんな大きなものを!」
その疑問はすぐに晴れた。天使先生の背後には、2人の少女が立っていたからだ。
1人は鼻高々な優男風で、もう1人は、チョーめんどくさいんですけどオーラを隠そうともしていない。
「マオマオ!アイシャさんも!」
リリアーナはステージに向かって手を振った。
優男風の人物は、リリアーナを見てふっと鼻で笑った。「どうだ、凄いだろう?」といわんばかりだ。
「2人ともすごーい!トロフィーかっこいいよー!!」

>「それでは皆様!お近くのグラスをお持ちください! 
> ムウ大陸探索隊の無事の帰還と、探検の成功を祝って!かんぱ―――い!」 
>関係者も野次馬も、共に手に取ったグラスを掲げて大声で乾杯に唱和した。 
「かんぱ――――い!!」
リリアーナも皆とグラスを合わせ、無事学園に戻れた喜びに浸った。

軽快な音楽が流れ、談笑の声が漣のようにあたりに満ちている。
リリアーナもムウ大陸について質問攻めにあったのだが、途中からなぜか話が脱線する。
>「・・・・・・ということはつまり、今のリリアーナは呪われてるわけだな?
> 呪いを解除したら、元の姿に戻れるってわけだ」
「ま、まあそうなんだけど、今のところ不都合は無いからこのままでもいいかなって・・・・・」
>「ダメだダメだ!そんなの俺達が許さないぞ!」
「いや、許さないって言われても・・・・・・」
>「でもまあ、よく分からない呪いなわけだし。
 『胸が大きくなったと思ったら、代わりに寿命が削られてました』
  何てオチだったら、泣くに泣けないんじゃないの?」
通りすがりの友人にやんわりと突っ込まれ、リリアーナはうっと言葉に詰まった。
駄目押しとばかりに、彼女の脳裏に先程のロックの言葉が蘇る。
「か、考えとく・・・・・・」

やっと質問攻めから解放されたリリアーナは、ふらふらと皆のところに戻ってきた。
「皆、楽しんでる?
 フリージア、ミルクも。あれから具合はどう?よかったら、お水でも貰ってこようか?」

「そうだ、忘れるところだった。皆、今週末の予定は空いてる?
 ほら、私たち、オウカさんといっしょに遊ぶ約束してたじゃない。
 せっかくだから、レベッカさんも誘って皆で行こうよ!オウカさん、何か見たいものはある?」
リリアーナはうきうきと桜花の返事を待った。
「そういえばレベッカさん、今頃うまくやってるかなぁ。ちゃんと彼氏と仲直りできてるといいんだけど・・・・・・」
リリアーナは口にくわえたストローを動かしながら、独り言のように呟いた。

141 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2010/03/15(月) 02:58:08 0

「まあ、あれこれ思い悩んでいても仕方が無いよね!
 オウカさん、オウカさん、心の準備はいい?OKなら約束どおり一緒に踊ろう!ほらほら、コッチだよ!」
リリアーナはそうやって桜花を促したが、彼女の足取りは心なしか重いようだ。
「やっぱり恥ずかしいのかな?それとも私、強引過ぎたかな?
 でも逃げないで欲しいな。私、オウカさんも友達いっぱい作って、学園を楽しんで欲しいんだー。
 こういうイベントは今後もあるわけだし、踊れるようになったらきっと楽しいよ!」
リリアーナはニコニコしながら、桜花に手を差し出した。

ムウ大陸から戻ったものの、問題は山積みである。
一週間後には、またヨハネカインが学園を訪問する。
また、大妖怪メイレが学園に残るとなると、妖怪一家と中つ国で騒動が巻き起こるに違いない。
だが、どんな事件に巻き込まれようが、リリアーナは『なるようにしかならない』と思っている。

たとえどんな困難でも、大切な人達と一緒ならきっと乗り越えていける。
今までもそうだったし、これからもきっと。
――――そう、なにせこの学園では、トラブルこそが日常なのだから!

142 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2010/03/16(火) 17:36:23 P

「何ですのこの苦いの?ぶっちゃけありえませんわぁ!?」
なんのかんのあって無事酔いが醒めてまともな状態に戻ったフリージア
良薬は口に苦しとは正にこの事である
>「あ、何か招き猫広場で始まるみたいだよ。行ってみよう!」

>「それでは皆様!お近くのグラスをお持ちください!」
「またお酒じゃありませんわよねぇ」
と心配をするフリージアさん
「二度も三度も同じネタで引っ張らないでしょ」
とメタな突っ込みを入れるギズモ
>「ムウ大陸探索隊の無事の帰還と、探検の成功を祝って!かんぱ―――い!」
>「かんぱ――――い!!」
「乾杯!!」
何とか今年も生き残ったことを祝い乾杯をするフリージアさん


>「皆、楽しんでる?
  フリージア、ミルクも。あれから具合はどう?よかったら、お水でも貰ってこようか?」
「本当、一時はどうなる事かと思いましたわ
 でもすっかり元通りですわよ!お〜っほっほっほっほ!!」
すっかり酔いが醒めたフリージアさん
どうやらほんの少しだけ自分がやったことを覚えているようだ
「あ、そうそう・・・私が酔っている間に言った事、あれ全部本当ですわよ
 鏡の中にあるもう一つの世界、そしてもう一人の私の存在もね」
それはいわゆる限りなく近く限りなく遠い世界の事である
まあ今はどうでもいい話であるが・・・・・
「お母さんが二人いたら高笑いがサラウンドでとんでもない事になるよ」
とフリージアに対して突っ込むギズモ

>「そうだ、忘れるところだった。皆、今週末の予定は空いてる?
  ほら、私たち、オウカさんといっしょに遊ぶ約束してたじゃない。
  せっかくだから、レベッカさんも誘って皆で行こうよ!オウカさん、何か見たいものはある?」
「私に予定は無くってよ!なななさんに強制連行されない限りはね」
ムーの子孫探しに強制連行されない限りフリージアさんには今後の予定は無く問題は無いようだ
「フィジル島の観光名所辞典なら図書館で借りてくるけど?」
とギズモも参加する気満々である


はたして今後フリージアさんは今後いったいどんな事件に巻き込まれるのだろうか?
そしてどんな事件にみんなを巻き込むのだろうか?
それは誰も知らない・・・・フリージアさん自身でさえ知ることができない
だからこそ人は未来に希望が見えるのである
だが私が書くことが出来るのはここまでである
これからも彼女の人生は続いていくからだ
人が生きているかぎりその人の物語は終わらない

143 名前:グレイ&ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/03/16(火) 22:45:45 0
>「え。いや。あたしは。その。
> 急にそんな事言われても。心の準備が…」
「大丈夫……体を預けてくれれば、あとは俺がリード」
しかし、その言葉は最後まで紡がれることは無かった。

>「その通りだ!だが違うぜ!なぜならお前は俺と熱い夜を過ごすからだ!バトルという名の熱い夜をな!!」
ロック。
物理学の成績、暑苦しさ、抱かれたくなさ。
そしてリリアーナに殴られ馬鹿と言われた回数全てにおいて一位を取った男。
そのロックがグレイブに勝負を仕掛けてきた!
>「リリアーナ!オウカ!俺から離れろ!ホット・ハードニングだ!お前の好きにはさせないぜ!グレイブ!!」
>「蒸気弾だ!!」
>「あちちちっ!?」
「ぐッ!?“生成せよ氷の盾を”!」
蒸気の弾はグレイブの手に出現した氷に直撃し侵食するが、破壊までは一歩及ばない。
しかしその隙にミルクがグレイブの腕から脱出を果たした。
>「あんな事を聞かされた乙女の気持ちを考えろ、グレイブ!!」
「それは失礼、だったな!」
オウカの放つ銀食器は融けかけた氷を振るって迎撃、払い損ねたものは肩や頬を掠めていくが大したダメージには至らず。

「……この熱血馬鹿めが。人が女生徒を誘っているところに横槍とは、随分無粋な真似を!」
全身に熱気を纏うロックとは逆に、両の手のひらへそれぞれ冷気と氷の魔力を集めて戦闘態勢を取る。
「それにオウカも敵対か?悪いが女性には手を上げるつもりは無い、引いてもらえると嬉しいんだが。
 ……さてロック・ウィル、氷漬けにされて海に流される覚悟はいいな?行くぞッ!!」
足元から氷の壁を出し、それを使って大ジャンプ。
空中から両手の魔法をロックへと解き放った。

一方ネリーは、大きなハンマーを両手に持ちながらももどかしそうに戦闘を見ている。
そこへ、リリアーナが話しかけてきた。
>「ねえ皆、グレイブの事はロックに任せて、私達は私達でパーティを楽しみましょうよ。
> ああ、グレイブにはロックがついてるし大丈夫よ。
> 今のグレイブなら手加減なんてしないでしょうし、相手としては申し分ないわね。
> 見てよ、あのロックの嬉しそうな顔を。本気バトルが嬉しくて仕方ないのよ」
「そうだけど……」
>「これだけ激しく動き回っていたら、さすがのグレイブも酔いが回るか、酒が抜けて元に戻るでしょ。
> ネリーだって毎回毎回グレイブの後追い掛け回して大変だったでしょう。
> 今日はロックがついてるんだし、思う存分楽しい思いしてもばちは当たらないわよ。」
リリアーナの言葉に、頷き笑みを浮かべるネリー。
視線は相変わらず戦闘の方だったが、しっかりお礼の言葉を言う。
「……そうだね、教えてくれてありがとうリリアーナ!これならきっと女の子に手を出すことも無いし!
 グレイブ君、私達はパーティを楽しんでくるね!そっちはバトルを楽しんでー!」
『俺らにゃないのー?』
「あ、ごめんグレイル!そっちもそっちで、ね!」

144 名前:グレイ&ネリー ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2010/03/16(火) 22:47:21 0

それから、乾杯の唱和があったわけだが割愛。
リリアーナがふらっと戻ってきて皆に楽しんでいるか聞く。
>「そうだ、忘れるところだった。皆、今週末の予定は空いてる?
> ほら、私たち、オウカさんといっしょに遊ぶ約束してたじゃない。
> せっかくだから、レベッカさんも誘って皆で行こうよ!オウカさん、何か見たいものはある?」
「あっ、いいなー!私も参加するー!」
『はいはい、僕らも付いていっていいかな?』
参加表明は元気のいいのがネリーで、些か疲れ気味が漸く氷から解放されたグレイズが何処からとも無く降ってくる。
そのままネリーの頭ぐらいの高さで浮遊を保つ。
風の精霊魔法の応用である。風の精霊に働きかけて……と、色々説明は出来るが、それは置いておき。

へたっている狼耳がお疲れの様子を表していたが、その表情は笑顔。
「あれ、グレイブ君とグレイルは?それにロック君も」
『Rも参入してまだバトってるよー。ほら、あっち』
氷と炎と衝撃波と、色々なものが飛び交っているのが見える。
戦うお互いの口元には、きっと隠し切れない笑みが浮かんでいることだろう。
『今のグレイブは大分お酒も抜けてるから呼び戻せるだろうけど、二人、いや三人とも楽しんでるからいっか。
 まあ、行くかどうか聞いたところで返ってくる返事はわかりきってるからいいけどね』
「わかりきってる?じゃあ、どんな風?」
似合わないにやり笑いを見せたあと、それぞれになりきって予想を口にするグレイズ。
『「行くに決まってんだろー!」、「まあいいだろう、付いていってやる」。……かな?』
「……ぷっ、そうだね!そうに違いない!」
『まあ、きっとまた何かあるんだろうけど……でも、楽しみだ!』


此処は魔法学園、皆は魔法使いの卵。
そしてこの話は一つの物語。
すればこれからも何かあるに違いは無いが、その何かはまた楽しげなものだろう。
それがいつもの彼らの姿なのだから。
それが、いつもの魔法少女達の冒険なのだから!

145 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/03/17(水) 19:06:02 0
ブルースへ

あなたが課題に出かけてもう1週間。
その間に色々なことがありました。本当にこの学園はハプニングに事欠きません。
ところで、ムー大陸から帰ったあの日の夜、
ロックが私に会いに来たのは使い魔を返すためであり、
やましいところは一つもありません。

レ「噂で聞いたが、グレイブとやったんだって?」
ロ「ああ!」
レ「その様子だと勝ったみてぇだな(怪我してねーしよぉ)。」
ロ「違うぜ!」
レ「負けたのか?」
ロ「俺が酔っ払いに負けるわけがないだろ!」
レ「おん?じゃあどうなったんだ?」
ロ「酔い覚ましの薬を混ぜた蒸気弾をぶつけたんだ!
  酒が入ってなければ、グレイブと戦う意味はないぜ!」

あなたも新聞で読んだかもしれませんが、中つ国で政権が交代しました。
前政権の共和党とケルビムの“裏取引”が、ケルビム側から公表されたからです。
ヨハネカインがこの学園から帰ったあの日以来、ケルビムの体質も徐々に変化しているようです。

メ「さびしいわ〜。」

共和党から民主党に政権が変わった煽りを受けて、メイレンは中つ国の象徴ではなくなってしまいました。
帰る場所がなくなったメイレンは、こともあろうに学園に住み着いています。

レ「おい、ババァ。リリアーナ達を食うとか言ってた件はどうすんだよ?」
メ「妖怪の本能のこと?ああ、あれなら三日で忘れるのよ。」

学園の男子生徒にそれなりに人気で(ムカツクけどよぉ)、最近では『ババァ、俺だ!吸ってくれ!』
とか言って献血に協力する男子が多数いるとかいないとか。
また、中つ国にいるメイファとメイリンもそれぞれ旅に出ました。

ファ「あたしは俺より強い奴に会いに行く!」

メイファはそんなことを言いながら、ロケットで宇宙へと旅立ちました。

父「ここにも妖怪がたくさんおるんじゃの〜!」

親父とメイリンは一緒に東方へ行きました。メイリンは妖怪学校の先生になるそうです。
ギズモ宛の手紙を預かったので勝手に読みました。
\あたい!!/とだけしか書いてませんでしたが…

探している人物は見つかりそうですか?早く帰ってきてください。待ってます。

あなたのレベッカより

146 名前:ブルース ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2010/03/17(水) 19:38:05 0
「ああ、やっと会えたね。君が来シーズンの学園入学希望者だね?
 それじゃあ、ちょっと場所を変えようか…

 悪いね、魔法学園のことは普通の人には秘密なんだ。
 ここなら大丈夫、本題に入ろう。この紙に書き込んでくれるかな?

 君がこれから入学するのはフィジル島にある魔法学園だ。
 フィジル島は「魔海域」と呼ばれる、法則を無視した魔の海域の中にある。
 一度入学したならば、卒業するまで島を出る事はできない。いいね?
 
 不安かい?だったら、その不安はゴブリンにでも食べさせるといい。
 確かに学園には危険なところもある。
 特に校舎の裏にある森にはめったに足を踏み入れない方がいい。
 だけど学園の寮は快適だし、食堂のご飯もとびきりおいしい。
 わからないことがあっても、きっとまわりの友達や先輩達が君を助けてくれるよ。
 素敵な恋を見つけることもできるかもしれないよ。僕のようにね。

 テンプレートの記入は終わった?荷物の準備はいい?
 ガリオン金貨よりももっと必要なものは、
 ちょっとした魔法のエッセンスとポケットに詰めた笑いだよ。
 OK、じゃあ改めて言わせてもらうよ。

 僕らの魔法学園へようこそ!君に素敵な冒険が待っていることを願うよ!」

ここに一つの物語が終わり、そして新しい物語が始まる。
魔法使いと魔女達の冒険はまだまだこれからだ。

147 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆5nedSYd6Nyj6 [sage] 投稿日:2010/03/17(水) 21:33:08 0
地下図書館下層。
既にレベル表示すらないその場所でクドリャフカは魔法陣を展開していた。
彼女はついに見つけたのだ。
己の身につけた呪いのアイテム【サクリファイスジャンクション】の解除法を。
そして今、儀式は終了しその手を覆っていた鉛のガントレットが砕けた!
「ようやっよ・・・ようやっと・・・これであの人を直接抱きしめる事が出来るんじゃあねえ・・・!」
感無量の言葉と共に出たクドリャフカの秘めたる想い。

しかしその背後には無数の異形が侵入者たるクドリャフカににじり寄っていた。
「ようやく願いがかなうんじゃぁ。学園まで一直線。それを邪魔するモンには手加減できんけえのおお!!!」
振り向いたクドリャフカの表情は不敵そのものだった。

##################################

学園裏の魔の森。
その奥にひっそりと鎮座するのは毒の園。
あまりに強き毒気はあらゆる生命を拒むようだった。
毒の園の現在の主ベアトリーチェはその下に広がるラボでひとつの実験をおこなっていた。
火にかけられ泡立つ試験管にそっと手を翳す。
指先から滴る赤い糸が試験管の中の液体に触れた瞬間、泡立ち、色を変えていく。

染みのように広がる液体は対毒試験管を飲み込み、空中に広がっていく。
「くくくく、ついに出来たわ!存在の概念そのものすら侵し壊死させる最強の毒が!」
既に試験管の姿はなく、空気も、重力も、空間も侵し壊死させていく【シミ】
それを掌で包み、飲み込んでゆく・・・

###################################

フィジル島を遥か天空から見たのならば、それはドーナッツのように見えただろう。
島を囲むように丸く展開する不自然な黒雲。
学園祭初日早朝から展開していたその雲は急速に一点に集まっていく。
集中点は女子寮上空。
ありえない密度で集まった雲は尾を垂れるかのように女子寮の一室へと流れ込んでいった。
最早雲という密度ではなく、黒い塊りの何かは徐々に人の形になっていった。
「ふ〜〜。私も成長したのねぇん。もう、封印はいらないわぁん。」
そこに現われたのはアルナワーズ・アル・アジフ!
身に宿したタイフーンアイとクラウドオブダウンバーストという二つの自然災害を己の制御下に収める事に成功したのだ。

###################################

地下図書館下層で恋に燃える乙女の前に立ちふさがってしまった哀れな異形たちの凄惨な運命。
それによって引き起こる異変とクドリャフカの想い人。
最凶最悪の毒を身につけた壷毒の寵姫ベアトリーチェの野望。
そして、二つの嵐を己の力とし、封印を捨て剥き出しになったアルナワーズが引き起こす事件。
三人の魔女が引き起こす災厄は複雑に絡み合い、フィジル島に激震を巻き起こす!
だがそれもまた、フィジル島の日常なの。

魔法少女達と魔法少年達の物語は紡がれ続けていく!

148 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/03/19(金) 15:20:47 0
>137-147
>「これで良し、と。すぐに効いて来るから心配要らないわ。
> でもフリージアがここまでお酒に弱いなんて知らなかったな。どれだけ飲んだの?」
「いや、それがその、本人がじゃんじゃん持って来いって言うもんだから、つい…」
あたしも結構飲んだけど、フリージアもかなり飲んでたぞ。
でも様子がおかしかったのがいつからか今考えると、最初飲んだ時の反応からおかしかったような。
もしや、フリージア自分が酒に弱いのは知ってたんじゃ…
>「何ですのこの苦いの?ぶっちゃけありえませんわぁ!?」
あ。目を覚ました。
さすがに良く効く薬を持ってるなー、リリアーナは。
>「それにしても危なかったわね。ギズモ、フリージアがお酒を飲まないよう気をつけてあげてね。
> ミルクも酔いが回っちゃった?毒消し草飲んどく?」
「あ。あたしは大丈夫!それはもう、ばっちりかっちり酔いは醒めたから!」
冗談じゃない。あたしはあんな酔っ払いじゃないんだ。
ありえないほど苦い薬なんざ、飲まされてたまるか。

>「ねえ皆、グレイブの事はロックに任せて、私達は私達でパーティを楽しみましょうよ。 (中略)
>  今日はロックがついてるんだし、思う存分楽しい思いしてもばちは当たらないわよ。
> ねえ、ミルクに桜花さん?だってそう思うでしょ?」
「ん?置いて行っちゃっていいの?」
リリアーナの提案に、あたしはちょっと驚いた。
久し振りに会ったんだから、一緒に居たいに違いないと思ってたんだけど。
なんだか楽しそうだから、邪魔しないように考えてるのかな。

>「……そうだね、教えてくれてありがとうリリアーナ!これならきっと女の子に手を出すことも無いし!
> グレイブ君、私達はパーティを楽しんでくるね!そっちはバトルを楽しんでー!」
>「こらロック!バトルもいいけど、他の人の邪魔にならないところに移動してよね!」
…なんだかんだ言って、やっぱり気にはしてるのね。
ロックもグレイブもねえ、せっかく付き合ってる相手がいるんだから、バトルなんかしてる場合じゃないだろうに。
女心のわからん奴らばっかりだなほんと。
>「あ、何か招き猫広場で始まるみたいだよ。行ってみよう!」
「さっきの放送からして、あたしは嫌な予感しかしないけどね…」
なにしろ、アホ姉とユリのコンビの企みなのだ。
まっとうな話のわけがない。

で、招き猫広場に行ったあたしが見たものは。
幸いと言ってもいいだろう、それはなかなかにまともな出し物だった。
というか、普通に面白かった。
これだけの幻術準備には時間もかかったろうから、なんとなく才能の無駄使いの気もするけど。
楽しませてもらったからいいか。
後は、アホ姉にむりやり協力を要請されたであろう、マオとアイシャも楽しんでくれてる事を願うばかりである。

149 名前:ミルク ◆sto7CTKDkA [sage] 投稿日:2010/03/19(金) 15:21:57 0
>「皆、楽しんでる?
> フリージア、ミルクも。あれから具合はどう?よかったら、お水でも貰ってこようか?」
>「本当、一時はどうなる事かと思いましたわ
> でもすっかり元通りですわよ!お〜っほっほっほっほ!!」
「ありがと。あたしも大丈夫だよ」
皆に囲まれていた輪から抜け出してきたリリアーナに、そう返す。
まー、よく気がまわるよねリリアーナは。
いいお嫁さんになれるよ、うん。あたしが保証する。
…そういや、リリアーナはまだ呪い解けてないんだったっけ。
長年の夢がかなったわけだけど、解呪するのかな、しないのかな。どうするんだろ。
呪いだけに副作用とかありそうだけど、ないならないでそのままでも、ねえ?

>「あ、そうそう・・・私が酔っている間に言った事、あれ全部本当ですわよ
> 鏡の中にあるもう一つの世界、そしてもう一人の私の存在もね」
「なぜ酔ってる間に言ったことを覚えているんだ…」
もう一つの世界?あたしが今いるここ以外の?
ばかばかしい。そんなの、ムウ大陸以上にありえないだろ常識的に考えて。
>「お母さんが二人いたら高笑いがサラウンドでとんでもない事になるよ」
「そんな怖い世界やだよあたしは。フリージアみたいなのが何人もいてたまるかっての」
そんな風に言ってみたものの、なんとなく引っかかるものが心の中に残る。
別の世界の。もう一つのフィジル島。

>「そうだ、忘れるところだった。皆、今週末の予定は空いてる?
> ほら、私たち、オウカさんといっしょに遊ぶ約束してたじゃない。
> せっかくだから、レベッカさんも誘って皆で行こうよ!オウカさん、何か見たいものはある?」
>「私に予定は無くってよ!なななさんに強制連行されない限りはね」
>「フィジル島の観光名所辞典なら図書館で借りてくるけど?」
>「あっ、いいなー!私も参加するー!」
>『はいはい、僕らも付いていっていいかな?』
「週末は特に予定もないから、いけると思うよ。
 ……アホ姉に振り回されなきゃの話だけど」
というか、目を離しても危ないよな、この際連れて行くか?
どう考えても騒動の元だけど…

>『まあ、きっとまた何かあるんだろうけど……でも、楽しみだ!』
「…そうだね、ま、騒動もみんなと一緒なら楽しめる…かな?」
仲間と一緒なら、どんなことがあってもそれを乗り越えられる。
こんな素敵な仲間に引き合わせてくれた神様に感謝しよう。
そして、もしフリージアが言うように別の世界があったとしても。
その世界のあたしも、こんな素敵な仲間に出会えていますように。

150 名前::響桜花 ◇tjqZ9xkETA [sage] 投稿日:2010/03/20(土) 04:29:40 0
>「それにオウカも敵対か?悪いが女性には手を上げるつもりは無い、引いてもらえると嬉しいんだが。
> ……さてロック・ウィル、氷漬けにされて海に流される覚悟はいいな?行くぞッ!!」
>「ねえ皆、グレイブの事はロックに任せて、私達は私達でパーティを楽しみましょうよ。
> ああ、グレイブにはロックがついてるし大丈夫よ。
> 今のグレイブなら手加減なんてしないでしょうし、相手としては申し分ないわね。
> 見てよ、あのロックの嬉しそうな顔を。本気バトルが嬉しくて仕方ないのよ」
>リリアーナはまた大きなため息をついた。
>「これだけ激しく動き回っていたら、さすがのグレイブも酔いが回るか、酒が抜けてj元に戻るでしょ。
> ネリーだって毎回毎回グレイブの後追い掛け回して大変だったでしょう。
> 今日はロックがついてるんだし、思う存分楽しい思いしてもばちは当たらないわよ。
> ねえ、ミルクに桜花さん?だってそう思うでしょ?」

「そうだな、うん。そうしよう」
グレイブは桜花の相手をする気がまったくなく、桜花も毒気を抜かれてしまった。
ロックにいたっては手助けが必要とも思えないないのでリリアーナの案に乗ることにした。

>「それでは皆様!お近くのグラスをお持ちください!
> ムウ大陸探索隊の無事の帰還と、探検の成功を祝って!かんぱ―――い!」
>関係者も野次馬も、共に手に取ったグラスを掲げて大声で乾杯に唱和した。
>「かんぱ――――い!!」

「乾杯」
桜花も皆に習い、唱和する

>「そうだ、忘れるところだった。皆、今週末の予定は空いてる?
> ほら、私たち、オウカさんといっしょに遊ぶ約束してたじゃない。
> せっかくだから、レベッカさんも誘って皆で行こうよ!オウカさん、何か見たいものはある?」

「えっ!?わ、私は・・・」

>「私に予定は無くってよ!なななさんに強制連行されない限りはね」
>ムーの子孫探しに強制連行されない限りフリージアさんには今後の予定は無く問題は無いようだ
>「フィジル島の観光名所辞典なら図書館で借りてくるけど?」

「その・・・」

>「あっ、いいなー!私も参加するー!」
>『はいはい、僕らも付いていっていいかな?』
>『まあ、きっとまた何かあるんだろうけど……でも、楽しみだ!』
>「…そうだね、ま、騒動もみんなと一緒なら楽しめる…かな?」

「みんなと行ければどこでもいい
 きっとどこだって楽しいはずだから・・・」
若干赤くなった顔で答える桜花


151 名前::響桜花 ◇tjqZ9xkETA [sage] 投稿日:2010/03/20(土) 04:31:06 0
>「まあ、あれこれ思い悩んでいても仕方が無いよね!
> オウカさん、オウカさん、心の準備はいい?OKなら約束どおり一緒に踊ろう!ほらほら、コッチだよ!」

「あ、あの、やっぱり・・・」

>「やっぱり恥ずかしいのかな?それとも私、強引過ぎたかな?
> でも逃げないで欲しいな。私、オウカさんも友達いっぱい作って、学園を楽しんで欲しいんだー。
> こういうイベントは今後もあるわけだし、踊れるようになったらきっと楽しいよ!」
>リリアーナはニコニコしながら、桜花に手を差し出した。

桜花はまぶしいものを見るような顔でリリアーナの顔を見る
いつか自分もこのような顔をして笑える日がくるのだろうか?
このように人に手を差し伸べる事ができるのだろうか?
それはまだわからない。
きっと誰にもわからない。

「・・・そうだな、こんな事くらいで臆するなんて私らしくなかった
 行こう、リリアーナさん。」

ただ今できるのは差し出された手を取り、精一杯の笑顔を返す事だ。
すべてが昨日とは違うこの学園生活を精一杯楽しむ事だ。

少女達はまだ見ぬ明日へ最初の一歩を踏み出したにすぎない。
これからも少女達は明日へ歩み続けて行く事だろう。

152 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2010/03/20(土) 15:55:33 0
はあ?

153 名前:ミルク&ユリ&アナスタシア ◆sto7CTKDkA [sage エピローグ] 投稿日:2010/03/21(日) 12:02:15 0
「え?マリオさん帰っちゃってたの?」
「うん。なんか緑色の弟さんから、ピンチ姫がさらわれたって連絡が入って。
 『私も姫を助けに行きマース!皆さんによろしくお伝えくだサーイ!』とかなんとか」
「名前がダメなんじゃないのか?その姫様は…」

ムウ大陸から帰ってきた夜。
いい加減騒ぎ疲れて、お開きになったお祭り騒ぎから帰ってきて、お風呂に入って。
んじゃそろそろお休みって時に、ユリからマリオさんの事を聞かされた。
なんでもムウ大陸の専門家っていうよりも、冒険家の方に近かったんだとか。
いろいろムウ大陸について調べてるうちにターロンと出会って、ころりとだまされたんだな。
やっぱ悪人じゃんターロンの奴。
しっかりレベッカにこき使ってもらって、罪滅ぼしでもしてろ。

「ん〜!でも今日もいい日だったー!
 念願のムウ大陸も見つかったし、明日もきっといい日だね!」
「あたしはまるまるいい日ってわけじゃなかったけどね…明かり消すよ」
布団に仰向けにダイブしてご機嫌のユリにそう言って、あたしは今日の出来事を思い返す。
男になったり死にそうになったり走り回ったり。
やっぱろくな目にあってないぞ。
悪い日でもなかったし、楽しくなかったってわけでもないけど。

部屋の明かりが消えると、ぼんやり机の上が光っているのが唯一の光になった。
騒ぎ疲れたアホ姉がぬいぐるみを枕に寝てる、その頭の輪が光ってるのだ。
んなとこで寝てたら落ちるぞ寝相悪いのに。
とは思うけど、下手に起こしたらものすごく機嫌が悪くなるので、そのままだ。
天使だから落ちても死なないしいいか。

「ねえミルク…もし、別の世界があって、私たちもそこにいたらさ。
 私とミルクって、やっぱり友達で、一緒にいるのかな…」
「…いきなりな質問だなおい…」
眠りにつくわずかな時間の間に、いつもはすぐに寝ちゃうユリが変なことを言い出した。
急に改まって何言い出すかと思えば…そういえばフリージアもそんなような事言ってたな。
あたしの知らないところで流行ってるのか?
自分が今いる世界の事も詳しく知らないのに、別世界の事なんざわかるわけないだろ。
…まあ、でも、答えられる事もある、かな。

「別の世界だろうがどこだろうが、絶対出会って友達になってるって。
 今のあたしたちみたいにさ。
 変な心配しても似合わないから、そんなこと気にせずいつも通りさっさと寝ろ」
「そーだよね!うんうん、やっぱりそーだよね!
 安心した!おやすみー!!」
いつも通り元気に答えを返したユリは、すぐにすやすや寝息を立て始めた。
なんて単純な奴だ。

「別の世界…か。もしそんなものがあるんなら」
あたしはどうしたいんだろう。
本当のお父さんやお母さんと一緒に暮らしたい?
捨てられて孤児院に拾われて、今と変わらない生活を送りたい?
ぼんやりした光に照らされた天井を見上げて、そんなことを考える。

「うにゅにゅ〜…おねーちゃんの言う事はちゃんと聞かなきゃダメだぞミルク…」
もぞもぞ動き出したアホ姉が、何の夢を見てるのかそんなことを言い出した。
落ちるから寝返りなんかうつなよ。
「まったく、人に心配と迷惑ばっかりかけてどっちがお姉ちゃんなんだか」
あたしがため息をつくのと同時に、子どもが床に落ちて転がったような音がして。
光源が机の下に隠れちゃった部屋は、幕が下りた舞台のように暗くなった。


154 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2010/03/30(火) 01:13:31 0
完走オメ!

魔法少女達と冒険するスレ 22stシーズン

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