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震災の街、神戸。
中でももっとも激甚な被害を被った町、新長田。

そこの駅前に、鉄人28号の巨大な像が、雄々しく立っている。(KOBE鉄人PROJECT


地元出身の横山光輝にちなむものだが、遅々としてしか進まぬ震災復興に対して、祈願と励ましを与えるためのものという。

この鉄人の造形は、実に見事だ。
シンプルなフォルムの中に、不退転の気魄があふれている。
(写真より実物がいい。)

日本のおたく文化の中に、アニメキャラクター等のミニフィギュアというジャンルがあるのだが、それに親しんだ目から見ても、これは最高水準に達している。

先日京都に行くことがあって、東寺や三十三間堂で国宝に指定された仏像数十点を鑑賞してきた。
その帰りに新長田で降りて、鉄人を見た。
鉄人の方が、ずっと胸を打つものがあった。

千年前の仏像にどのような祈りが込められていたのかは知らないが、今ここにある祈りの具現形としての鉄人。
そこに込められた想いは、あるいは国宝仏をしのいでも不思議ではない。

無骨で、力強さしか持たない『鉄人』というコンセプトが、廃墟から裸一貫で立ち向かわなくてはならない新長田の町には似つかわしくも思える。

千年後にまでこの鉄人が立ち続けて、その世で国宝指定されることを夢想する。

日本のおたく文化の水準は、人々に勇気と励ましの祈りを届けられるほどに、成熟していた。
これは、なかなかたいしたことだ。
不退転の気魄を表現する才が、現在のこの国にあることを、誇りに思う。

悲劇の運命に押し流されずに戦い、踏ん張り続ける勇姿。
大方の日本人には、まだまだ共感できないかも知れない。

でも、もしかしたら、日本人全体の運命を先取りしているように思う。
不況がこのまま続いたら、日本人の心的風景が荒廃し、廃墟のようになっていくのではないか。
誰もが、鉄人に勇気をもらわなければ立ち上がれない日が、来てしまうのではないか。

そう、いっそ先回りして、ここから始めた方がいいのかも知れない。
アナクロで、無骨すぎるような生き方。
それを教えてくれる鉄人は、2周遅れくらいで再臨した、近未来のヒーローなのかもしれない。




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