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宮台真司には、かなり前から注目してきた。
いろいろな影響を受けてきたといってもいいのだが、実のところ彼が本当に言いたいことが何であるのか判然としていなかった。
この本を手に取ったのは、彼の本音をわかりやすくまとめたものであることを期待してのことだ。
じっくり読んでわかったのは、この本はある意味彼の人生の総懺悔のような、信条告白のような、本音にあふれたものであるということ。
あと、彼は話の進め方が必ずしもうまくなくて、高度な話題や印象的なトピックが出てくる度に本筋がわからなくなってしまうということだ。

1章【自分】と【他人】
幸せに生きるためには、「自由」が必要。
自由に振る舞うためには、「尊厳」が必要。
尊厳を持つためには、他者からの「承認」が必要。

2章【社会】と【ルール】
社会の「共通感覚」が崩れてきていて、そこは新しい「ルール」で補っていくのもやむを得ない。
みんなを幸せにする「ルール」を考えるのは、タフな「エリート」の仕事である。

3章【こころ】と【からだ】
リアルな「性愛」を忌避したり、深い「関係」に入れない若者が増えている。
性愛での「承認」が得られないと、「尊厳」に深い傷がつく。
恋愛においては、「期待水準」は下げても、「願望水準」は下げてはいけない。

4章【理想】と【現実】
「近代過渡期」から「近代成熟期」になって、労働の美徳は「勤勉さ」から「創意工夫」に変わった。
「仕事で自己実現」できるのは一部のエリートで、大多数は「消費で自己実現」するしかない。
仕事においては「願望水準」を下げていいから、入れ替え不可能な人間関係をホームベースにしていく。

5章【本物】と【ニセ物】
「知識」や「役割」でなくて、「人」の力が大切。
「スゴイ」人に「感染」するすることで、やることなすことが喜びになる。
いざというとき裏切られるのを怖れずに、どんどん「信頼」して関係を進めていく。

6章【生】と【死】
<社会>の中では、「承認」されながら死んでいくことが大切だ。
それだけでは未練が残るので、<世界>の中に直接たたずむような死に方も必要。
<死>を、「不安」から「生きるエネルギー」に変えていく。

7章【自由】への挑戦
人の「意思」が社会を作り、社会がまた人の「意思」を作る。
「自由な意思」も「感染」する。
<歴史>は変えられないが、<歴史>に棹さし勇気をもらうことはできる。

「自由」「死」「社会」「歴史」といったものも語られるけれど、より根底においているのは「承認」「感染」といった人のつながりであり、その点に関しては全くぶれていない。
移ろいやすい時代の表層と真剣に対峙してきた彼の、一つの思想的到達点と言えようか。
社会システム理論を専攻しソーシャル・デザイナーを自称する人物のコアが、印象において対極の方向にあるのは興味深い。
ここが出発点であったというより、外堀から順に埋めていって、遂にここにたどり着いたという感じだ。

全体の中で2章が少し浮いている感じだが、7章を参照すると印象が変わってくる。
「エリート」は「感染」により生まれ、そこに「社会」の「自由の意思」を託するしかないということだろう。




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