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目次
#contents(page=サウザンドリボルバー事件)
*概要
サウザンドリボルバー事件とは、現環境のOdyssea大元帥、[[呻く運命(UNDER GROUND REVOLVER)>構成メンバー#呻く運命]]が引き起こした大量殺人事件である。
その内容は至って隠密に施行され、上記の梗概以外はあまり表世界に情報が流れることは無かった。
しかし、Odysseaでは長年タブーとされてきたこの事件を、昨年の条例改定によりようやく公開することが暗黙の了解として許可されている。
よって、当時この事件を追い続けた経験を持つOdyssea技術班主任末端の協力のもと、ネルヴァと共にその全貌が明らかにし、
世間一般に公開することを目的として、ここに事件の内容を記述していく。
**第一段階(ファースト・フェイズ) -生き地獄より謳いし鎮魂歌-
第一段階、呻く運命は静かに動き出す。
それは音が無く、全てが突如として現れ、命を奪われる。
そのような、非現実的で死神の如き行動を唯一とることが出来たのが呻く運命である。
その常人離れした動きは、嘗て地下格闘上で鍛え上げられた筋肉、及び魔力がそれを可能にしている。
呻く運命は無駄な筋肉を削ぎ落とし、一見華奢なその体は異常なまでの俊敏な動きをモノにした。
そして、豊富な経験により増大した魔力と知識。これにより、呻く運命による計画は遂行された。
その計画の序奏がこの第一段階。この段階では一部の噂で都市伝説と言うカテゴリ内に収まっており、
一人の魔界人がそれを実行したことには誰一人として気付いていない。
そう、彼の『殺し』はあまりにも静かすぎた。
この段階が調査上で最も困難な部分であり、本人以外は理解し難い怪奇事件が多く、様々な憶測が飛び交うことになった。
まず、第一段階で彼が起こした事件の内容を時系列で表記する。
***①デケム・ブックマンふじつぼ怪死事件
魔界第19番地区、とあるマンションの十階にてデケム・ブックマンが死亡しているのを発見。
遺体にはいくつもの点があり、針金のような物で貫通させた後がある。
その後、その異様な死体が魔界のネットワーク上で流出してしまい、通称「ふじつぼマン」として事件はその名を残した。
***②イブリース卿の陰部切断怪死事件
魔界第19番地区の中央都市バプテスマに住む資産家、悪魔族のイブリース卿が陰部を切断して死んでいるのを浴室で発見。
死体は死後10日ほど経っており、浴槽の中でトマトスープのようになっていたのを隣人が発見した。
その時の浴室は耐えられないほどの異臭が立ち込め、吐き気を催し、一生鼻につくほどのトラウマ物。
そして何より衝撃的だったのが、その遺体の額に遺体から切断された陰部が突き刺さっていたのである。
流石に報道はされなかったが、全魔界の男性を震え上がらせた怪奇事件である。
***③人肉缶詰事件
魔界第19番地区郊外の物流センターのリーファー・コンテナ群にて発見された人肉缶詰。
作業員が偶然にもコンテナに数センチの穴が開いているのを発見、すぐさま中身を取り出すとそこには何の変哲もない缶詰。
かと思われたが、よく見るとその缶詰は血糊が大量に付着し、異臭を放っていた。
中身を空けると生肉が確認され、さらには人の眼球のようなものが詰め込まれていた。
そして、コンテナの内側には血で「DEAD HUMAN COLLECTION!!(人の死体集!!)」と書かれていたことで周囲は騒然となった。
その死体の身元は人間であることが明らかになった。(魔界では人間に対する検死が行われていない為、誰であるかは一切不明)
***④血染めの教会事件
魔界第1番地区の大教会にて、純血の魔族が3人、十字の上に重なり合わさるように死んでいるのを発見。
魔族の死体は原型が留まっていないほど切り刻まれており、十字とその周囲は紅く染色されていた。
元々第一番地区は一般人は立ち入ることの出来ない地区なので、魔界の住民はこの事件について一切認識していない。
そのため、今回の事件で最も情報収集が困難だったと言える。
この大教会は、嘗て魔界に初めて降臨した魔王が足を着いた場所として、特別神聖な扱いを受けており、
一部の魔族がこの事件の概要を知ったとなれば大暴動が起きかねない事を考慮して、現魔王は完全なる隠蔽工作をしていた。
その情報はスーパーハカー末端の手によって暴かれることになるが、一人の魔界人として恒久和平を望むため、表世界のここにだけ記述している。
**第二段階(セカンド・フェイズ) -アングラ演劇の狂言回し-
第二段階、この怪奇事件に一連の共通点を見つけ、隠されし暗号を見出した男が居た。
その名は末端。当時クラッキングが趣味だった彼は、全魔界情報安全保障監督局から独自に入手した国家機密情報を元に、
未解決事件の概要について独学の理論を並べ情勢分析を行う。
そして、驚くべきことに、当時から噂されていた3つの事件及びそれと4つ目の事件にはある「遊び」があることに着眼した。
それは、あまりにも非情で、あまりにも稚拙な行動心理からなる一つのワード。
まず、第一のデケム・ブックマンふじつぼ怪死事件。これは、表世界では最もオーソドックスな言語、英語。
それと、ラテン語。更にそれを意味として考える日本語。その3つの言語からある一つのワードが浮かび上がる。
被害者のデケムという名前は、ラテン語で10を表す。マンションの十階、それも10。そして、遺体を穿ついくつもの「点」、
それは10個の点という集合体が幾つも連なって構成されている。ここまで10にこだわるのは、恐らく何か理由があると仮定した。
10、即ちテン。ここまでの情報で10を連想した物が思い浮かぶ。次に、遺体には無数の点が10の集合体として散りばめられている。
点の読みはテン。ここで、重要なのは数字以外の表現でテンが表されていること。そして、決め手は被害者の種族。
デケムは元々アザゼル一家の一人息子だったが、不慮の事故の為に親族を亡くし、魔界という僻地にて天涯孤独になっている経歴がある。
ここで注目すべきはアザゼル一家は元天使、及び堕天使であったと言う事項。ここでもテンという単語に帰着した。
そこで、テンという響きの漢字一文字を当てはめておく。
「天」。この時点で何を意味するのかは不明。
第二のイブリース卿の陰部切断怪死事件。これは恐らく被害者の種族、即ち悪魔族。そして、男根。
陰茎の隠語はマラ。そして、魔は、サンスクリット語のマーラの音訳魔羅(まら)の省略語である。
すなわち、表すべき字は「魔」。犯人は単純に怪死事件にするだけではなく、予備知識を元に殺人を遂行する鬼畜な人物像が浮かび上がる。
第三の人肉缶詰事件。これは、魔界でも数少ない人間を対象としている。
人間という種について、魔界ではあまり信じるものはいないが、人は全ての種の根源(ルーツ)である。
話は脱線するが、数百年前、魔界ではそれを拒絶するポスターなどでのプロパガンダが至る所で張り出されている時代が存在する。
ポスターには、人間がドラム缶に詰め込む魔族が描かれている相当過激なものであった。そして、当時の人間はほとんど家畜として魔族に飼われていた。
つまり、完全なる保守主義者は人間を家畜、又は奴隷としか見ていないのである。そして、犯人もまた、それを知る保守派であることは間違いない。
閑話休題、第三に当てはめる文字は「人」。ここでの人は種族という意味合いである。
ここで、3つの事件の文字を整列させると「天魔人」という言葉が生成される。
天魔人とは、唯一無二神と対峙する伝説の種族として語り継がれてきたが、1000年前に絶滅したとしている為詳細は不明。
そして、情報収集に困難を極めた第四の血染めの教会事件。これは純血の魔族が標的になっていることに注目する。
一説によると、天魔人は魔族による特別区域外への迫害、及び大量虐殺によって滅んだとされている。
ここから推測できるのは、犯人は天魔人であり、この事件は自民族の為の復讐であるということ。
そして、その事件が起きた場所。そこは魔王が初めて降臨した地、大教会である。
これにより、この怪奇事件の全貌は、「天魔人が復讐の為に降臨した」という結論で収束した。
そして、これはただの下拵えでしかない。
これを解読してしまった末端は言うまでもなく魔界から表世界へ亡命する。
結果、間接的に多くの魔界人を殺すだろうという予測は出来た。しかし、魔界人には常々追悼の意を表し罪の意識を背負うことになるのは、この時知らない。
そして、次の段階で起こる事件は、未曾有の魔界史に残る最も残酷な大量殺戮事件へと変貌を遂げる事もこの時知らなかった。
**第三段階(サード・フェイズ) -犇犇狂った快楽殺人犯-
第三段階、呻く運命が天と地を創造した神を殺し、魔界にその存在を轟かせた事件である。
関連した人物がカイザーケイスケの姉を除き鏖殺されたため詳細不明。
以来、呻く運命の回転式拳銃の名から「UNDER GROUND REVOLVER」と名告っている。
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