五番目は同じ作でも江戸産まれ
-にぎやかな事にぎやかな事
誹風柳多留初篇の頭を飾る一句。
一見『五番目』とはなんぞや?となりますが、当時(明和)人気だった六阿彌陀参りにちなんだもののようです。
行基作と伝えられる同木の6体の阿弥陀仏のうち、5体は江戸郊外の寺にあるが、5番目だけは上野の常楽院に安置されており、このことを『江戸産まれ』と表現したもの。前句は『にぎやかな事にぎやかな事』で、当時の六阿彌陀参りの賑わいが偲ばれます。
ただそれだけと言えばそれだけの句ですが、当時の江戸の町民には常識として通じたと思うと興味深いものがありますね。
最終更新:2010年12月23日 23:43