御見たてとよばつて毛ぬき袖へ入
誹風柳多留十六篇・34
ここで「お見立てーっ!」と呼ばわるのは、吉原の妓夫。ぶらぶらと歩く素見の客が自分のところの遊女に目を留めたと見るや否や、こう呼ばって客を捕まえて中へ連れて行くのですね。今でいう、繁華街で聞こえてくる「一名様ごあんなーい!」って感じでしょうか。
妓夫台の上で妓夫はちょっと退屈そうにしているらしく、毛抜きで髭を抜いているというのが川柳の世界のお約束のようです。
参考
天の岩戸の伝説の天手力男神を、妓夫の仕草と掛けた句。
最終更新:2011年01月01日 18:55