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遠坂さん家の聖杯戦争(予告編)」(2016/12/31 (土) 23:57:19) の最新版変更点

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 もしも、姉妹が離れ離れにならなかったら。  もしも、遠坂時臣が弟子の裏切りから生き永らえていたら。  もしも、言峰綺礼と対峙したのが一人ではなかったら。  もしも、赤毛の少年を育てた人物が衛宮切嗣ではなかったら。  そんな、いくつもの『もしも』が重なった、どこかの平行世界のお話。 ■ 遠坂さん家の聖杯戦争 ■ 「じゃあ、私から召喚するから。貴方達は、隅っこの方で待っていなさい」 「はいよ。うっかりを起こすなよ」 「兄さんに同じく」 「……黙りなさい、気が散るでしょう?」 「「了解です」」 「まったくもう……素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。 降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」 「……」 「……」 「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。 繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却する」 「……なぁ、桜」 「――――Anfang」 「どうしましたか、兄さん?」 「――――――告げる」 「いや、今って……ほら」 「……午前、一時? あれ、でも、家の時計は……」 「――――告げる。 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」 「私の腕時計も午前一時……」 「……なんだろう、ものすごく嫌な予感しかしないんだが」 「ど、同感です」 「誓いを此処に。 我は常世総ての善と成る者、 我は常世総ての悪を敷く者。 汝三大の言霊を纏う七天、 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――――!」 「っ!?」 「ふぇ!?」 ■ 「サーヴァントが三体。しかもラインが混在……」 「うっかりだな」 「うっかりですね」 「……で、誰がどのクラス?」 「スルーしたな」 「スルーしましたね」 「アンタたちは黙っていなさい!」 「短気は損気」 「姉さん、家訓」 「あああああああああああああああああああ!!!」  ワ、バカ、コンナトコロデ……  ネエサン、オチツイテ……  アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!  ドドドドドドドドドド!!! 「……」 「……」 「……猛烈に不安です」 「奇遇ですね。同じことを思いました」 「……」 ■ 「へぇ、サーヴァントが三体も固まって行動しているなんて、珍しいこともあるのね」 「そういうそっちはずいぶんと余裕そうね?一体で勝てるとでも」 「ふふっ、私のバーサーカーは最強だもの。そこらの有象無象程度に負けやしないわ」 「言ってくれるじゃない。……行きなさい、セイバー。がつんと懲らしめてあげて」 「いや、凛のサーヴァントはアーチャーだろ」 「そうですよ、アーチャーさんに失礼ですよ」 「うるさい!空気読みなさい!」  ぎゃーぎゃー、わーわー 「……帰りましょ、バーサーカー」 ■ 「なぁ、遠坂。僕と手を組まないか?」 「士郎と桜がいるから十分よ。じゃ」 「なぁ、遠坂。僕と手を組まないか?」 「いえ、私には兄さんと姉さんがいますから。それでは」 「……なぁ、遠坂。僕と手を組まないか?」 「いや、勝手に組むと凛と桜が怒るんだ。悪いな、慎二」 「……ちくしょおおおおおおおおお!!!」 ■ 「ルールブレイカー!」 「なっ、契約が……」 「ふふふ、この宝具の能力は見てのとおりよ。 さぁ、セイバー。私と契や「フィーッシュ!!!」っ!?」 「ナイス、アーチャー!ふふふ、これで……」 「いや、真名解放出来なきゃ無理じゃないか?」 「あ……」 「まぁ、それ以前に色々と言いたいことはあるが……」 「醜いですね。恥ずかしいです」  ……ぶちっ  アアアアアアアアアアアアアアア!!!  オ、オチツケ!  ネエサン、ギャクギレキンシデス!  ドドドドドドドドドドドドド!!! 「あ、あの、シロウ、契約を……」 ■ 「えへへ、お兄ちゃーん」 「っとと、料理中だから危ないぞ、イリヤ」 「んー?大丈夫、大丈夫」 「あー、士郎?色々と訊きたいことが……」 「兄さん?色々と訊きたいことがあるのですが、お時間よろしいでしょうか?」  ――――ゾクッ 「あ、ああ」 「シ、シロウ?すごい汗だよ!?」 「だ、大丈夫、きっと、大丈夫だから……」  がちゃっ、ばたん 「……ライダー、もう出てきても大丈夫ですよ」 「……お見苦しいところを見せました」  マ、マテ、サクラ! ソレハシャレニナラナ……ギャアアアアアアアアアアアアアア!!! ■  どこかの平行世界の、とある魔術一家の物語。  聖杯戦争中でも、遠坂家は平和です。まる。

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